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女「…あたしが勇者?」 魔王「うん」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 00:45:33.20 ID:TU/kicuM0

女「いやいや」

魔王「いやいや」

女「証拠は?」

魔王「腰の剣」

女「これ? ひじきだよ?」

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猫饅頭 @ 2025/07/14(月) 19:14:21.34 ID:1knELuPaO
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(安価&コンマ)コードギアス・・・ @ 2025/07/13(日) 22:27:49.60 ID:9f2ER2kw0
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KU-RU-KU-RU Cruller!Neo @ 2025/07/13(日) 21:55:45.76 ID:YIcI6tEGo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1752411332/

ひたむきに! @ 2025/07/13(日) 20:04:58.82 ID:YMv4024Yo
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今日の疑問手 @ 2025/07/13(日) 19:07:12.02 ID:ZqmtXqZ3o
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旅にでんちう @ 2025/07/13(日) 13:03:56.58 ID:cdEpW45FO
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2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 00:51:15.73 ID:TU/kicuM0

女「じゃ帰る」

魔王「まって」ギュ

女「なに?帰ってプリキュア見なきゃ」

魔王「…」





魔王のおしろの外


女「つか何であたしここにいるの?」

女「家でフォーゼ見てたのに」

女「どうやって帰ろう…」


ガサガサ


モンスター「がおおお」

女「」

女(城の中へ… !?)

モンスター2「ぐるる」

女「…囲まれた?」クッ


???「待て!」
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 00:59:09.49 ID:TU/kicuM0

急におとなしくなるモンス


???「失礼しました、大切な客人だというのに…」

女「あんた誰?」

???「ワタクシ魔王様に仕える側近でございます」

女「イケメンだね」

側近「女様をここにワープさせたのはワタクシでございます」

女「なんでや」

側近「実はカクカクシカジカ…」



魔王のしんしつ


側近「失礼します」

魔王「…なに」ムス

側近「女様をお連れしました」

魔王「…!」パァァ

女「ども」ヒョイ

女「友達がほしかったのね」

魔王 コクコク

女「何してあそぼっか」

魔王「ゆーしゃごっこ」ニコニコ
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 01:02:14.82 ID:TU/kicuM0

魔王「わたしまおうやる!」

女「じゃあたしは勇者か」

女「で武器は腰についてた朝食のひじき」

魔王「わたしのこれ」ニコニコ

女「まってなにその鎌」

魔王「ですぶりんがー」ニコニコ

側近「魔王様、武器でしたらこちらの」ピコハン

魔王「わかった」

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 01:07:50.65 ID:TU/kicuM0

女・魔王「わーいわーい」



ドオオオオオン!!!


女「!?」

側近「…なんだ!?」

田所「た、大変です!勇者一行が城に到着しました!!」

側近「な、なんだって!?樹海で死んだのでは…!?」

メイド「それが…どうやら生き返ったらしくて」

側近「」



魔王「おんなー はやくー」

女「いや遊んでる場合じゃなくない?」



6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 01:14:41.65 ID:TU/kicuM0

勇者「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

僧侶「さぁ覚悟なさい!魔王よ!」

戦士「てめぇらよくも西の町を…!敵討ちだ!」

盗賊「…」オドオド


側近「もうここまで来たか…!」

田所「魔王様!女殿!裏口からお逃げください!」

メイド「ここは私たちg…ぐわ!!!!!!!!!」ブシャ

側近「」


戦士「戦いの最中に余所見だぁ、いい根性してるぜ!」ブンブン

田所「くっ…!!は、はやく!!!!」

女「わ、わかった…!」タタタ





魔王のおしろの外




女「ふぅ」

女「なんかえらいことになった」

女「これからどうしようか」

魔王「ここから東に町があるよ」

女「じゃそこに隠れよう」

魔王 コクコク
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 01:22:16.54 ID:TU/kicuM0

東のまち


女「子供2人で」



女「宿借りたけど、どうしようかな」

女「正直ノリでここまで来てる感」

女「魔王ちゃん、東京に帰りたいんだけど」

魔王「? どこそこ?」

女「マジでここどこの世界よ」


魔王「おんな、わたし疲れたよ」

女「じゃ寝る?」

魔王「うん」バフッ

女「…そっちあたしのベッドだよ」

魔王「だめ?///」

女「」



魔王「おんなせまい」

女「そりゃシングルベッドに2人は…」

魔王「おんなのおっぱいがでかいからいけないの」ムニ

女「ひぅ!///」ビクン

魔王「!?」

魔王「どうしたの?」

女「なな、なんでもないよ」

魔王「ふーん…?」ムニムニ

女「ぁ、あぅ!///」ビクビクン

魔王「……」


8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 01:36:22.20 ID:TU/kicuM0

魔王「おんなって、えっちぃよね?」ムニムニ

女「そ、そんなことな、い…ぁあ!///」ビクビクッ

魔王「おっぱいだけでこんなに…///」ムフフ

女「魔王ちゃん…」ハァハァ






どおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!!!!!



町人A「うわあああぁぁあああ!!!勇者だぁぁぁあ!!!!!!」

町人B「勇者が来たぞーーー!!!逃げろーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」


9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 01:37:14.40 ID:TU/kicuM0

魔王「…おんな、ゆうしゃだって…」

女「うん…逃げよう」ギュ

魔王「うん」ギュ




宿主「おいそこのロリちゃんとでっかいの!!!!」

魔王「ふぇ?」

宿主「ここは危ない!早くここから逃げろ!!!」裏口バタン

女「ありがとう!あなたもはやく…」

宿主「いんや、ここで宿を守るよ」

魔王「そんな、おじちゃんも逃げないと…」

宿主「…俺はこの宿を建てるのに、人生の半分を費やした
   この宿は俺の汗と血と涙の結晶、そしてライフといってもいい」

女「おじちゃん…」

宿主「…死ぬときはここで死ぬ、そう、建てたときから腹くくってんだ
   それが、この宿の”主”の生き様ってもんだろ?」ニカ

魔王「そんな…」ウルウル





どおおぉぉぉぉぉおおおおおおいおおおいいいいいいいんんん!!!!!!!!



宿主「ばか!早く逃げろ!!!!」武器ソウチャク

女「…!」ギュ ダッ

魔王「おじちゃん!!!!」


バタン






宿主「ふっ、行ったか」

宿主「さぁ見せてやろうぜ俺らの…
   真の宿魂をな…!!!!!」



ドガガァッァァアアアアアン!!!!


シュウウゥゥ





勇者 ザッザッザ


勇者「おいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
   wwwwww魔王はどこだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」シャキン
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/23(木) 01:38:07.98 ID:uCdJmwcA0
どっちが魔王だwwww
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 01:46:10.52 ID:TU/kicuM0

女「こ、ここまで来れば安心…かな…」ハァハァ

魔王「おんな、つ、つかれた…休もう?」ヘトヘト

女「そうだね…」ふぅ






さらに東の森



魔王「わぁ…こんなところに泉が」キラキラ

女「まるでファンタジーの世界だ」

魔王「ふぁんたじー?」キョトン

女「いや、何でもないよ」ニコ

女(深く考えていても仕方ない。とにかく今は魔王ちゃんをあの悪者から遠ざけないと…)


魔王「おーんーなー!」ウフフ キラキラ

女「つめた!」

女「やったなー?このぅ!」バシャ

魔王「つめたし!」キャッキャ







女「あーおなか減った」グルル

魔王「減ったねぇ」

女「いま何時か分かる?」

魔王「なんじ?」キョトン

女「いやだから時間…ん?」

女(この世界は少なくともあたしがいた世界とは違う…
  つまりあたしがいた現実世界にはあった時間という概念がここにはないのか…?)

女「なんでもないよ」アハハ

魔王「へんなおんなー」ニコニコ


魔王「…ねぇおんな」

女「?」

魔王「おなか減ったのなら、キスしよ?」

女「は?」


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 01:53:24.70 ID:TU/kicuM0

魔王「わたしはわたしの体内の生命エネルギーを、ほかのひとに分け与えることができるんだよ」

女「で、その手段がキス、と…」

魔王「うん!///」ニコニコ


女(…あたしにその気はないけど、しなきゃあたしが餓死する…)

女(仕方ない…してもらおう)



女「わ、わかった、じゃあ、…して?///」ドキドキ

女(何照れてんだあたし!あたしにその気はないし、あくまで手段しゅだn)


チュ




魔王「……」

女「……」











女「っぷはぁ!!?」ゲフォ

女「な、ながい…よ…」ハァハァ

魔王「ごめんね/// 初めてほかのひとに生命エネルギーあげたから、加減が分からなくて…///」

魔王「…や、だった?」ウルウル

女「!? んーんー!そんなことない!ちょうど良かったよ!!!///」

魔王「ほんと?///」ヤッタ

女(マイゴッド…サンクス)

13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2012/02/23(木) 01:54:29.31 ID:6UwuOX+Ro
どうやって腰にひじき付けるんだ?
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 01:58:57.97 ID:TU/kicuM0

妖精「」


女「」

魔王「」








女「あの…どちら様で?」

妖精「…あ、すまない、紹介が遅れた」アセアセ

妖精「俺は妖精だ。この泉に住んでいる」コホン

魔王「へーようせいさんかぁ」キラキラ

妖精「ところで貴様ら、なぜにここでレズプレイなんぞしていた?」

女「!?」

妖精「答えろ!返答しだいでは死人が出るぞ!!!」

女「な…?!」ナンダコイツイキナリ




魔王「おんなが好きだからだよ?」




妖精「」







15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 02:00:08.87 ID:TU/kicuM0
>>13 何かの拍子でついたということで



16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 02:13:16.69 ID:TU/kicuM0

東のさらに東の草原





魔王 グスングスン

女「おーよしよし」

女「びっくりしたね、妖精さんいきなり大量出血とはね」

魔王「こわかったよぉ…」グスン






どおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおあおおおおおおおおおおおおおおおん!!!!!!!!!!!




17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 02:13:44.03 ID:TU/kicuM0

女「!?」



勇者「よぉwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

戦士「見つけたぞ魔王!!」

僧侶「さぁ!今ならその大罪、償うことはできます!早く白旗を揚げなさい!!!」

盗賊「……」



女「き、きやがった…!」アセアセ

魔王「お、おんな…!」オドオド



戦士「さぁ!そこ一般人!離れるんだ!!!」シャキン

僧侶「待って、あの人はきっと人質よ!なんて極悪非道なのかしら…!」クッ

勇者「マジ人でなしwwwwwwwwwwwwwマジ人でなしwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

戦士「なん…だと…!?」クソ

僧侶「どうしたらいいの…!」ヒヤアセ




女「…なんか手出してこないね…」ヒソヒソ

魔王「うん」アセアセ

女(今なら逃げられるかもしれない)

女「魔王ちゃん、ワープ魔法使える?」

魔王「使えるけど、どこ飛ぶか分からないよ?」

女「ここで捕まるよりまし!早く使って!」

魔王「う、うん…」ロリ詠唱中…





戦士「!! マズイ!魔王のやつ何か詠唱してるぞ!構えろ!!」シャキン

勇者「先手必勝wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


ダダダダダダダダ!!!!!!!!!!!!!!!



女(勇者が来てる!?は、はやく!!!!)

魔王「い、いける!つかまって!」ブゥウウン

ガシ!



勇者の振り下ろした剣が、空しく空を斬る


勇者「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

戦士「くっ、逃げられたか…」

僧侶「焦ることはないわ、また盗賊にパシらせて居場所を特定すればいいわ」ガシ

盗賊「…」ビクビク
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 02:22:35.58 ID:TU/kicuM0

女「…ここは?」ウーン



魔王「そ、そんな…みんな…」オドオド



魔王の目の前には横たわる側近たちの死体



魔王「…ねぇ、起きてよ…そっきん…めいど…田所…」ウルウル

側近「」ユサユサ

魔王「やだよ…起きて…お願い…」

女「魔王ちゃん…」


魔王「ねぇ、またわたしのお世話してよ…ごはんもお残ししないから…そっきん…」グスグスン

魔王「めいど…もうおへや、汚さないから…」グス

魔王「田所… はとくにないか…」グスン


女「…」


魔王「や、やだ、おしろの半分も、壊れてる…」

女「…壊されてる、だね…」

魔王「どうして!?」ウルウル


魔王「わたしたちが人間に何をしたっていうのよ!!」

魔王「わたしたちは、人間が、おまえらがわたしたちを怖がるから、極力外出を避けてるのに…!」

魔王「わたしたちから接触を絶ってるのに、なんで”また”こんなことをしに来るの…」グスン



女「魔王ちゃん、今なんて…?」
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 02:32:06.06 ID:TU/kicuM0

魔王「わたしたち魔族の魔王は、代々平和主義者であることが常なの…
   だから、無駄な争いはしないし、する気もないの…」

魔王「でも、なんかよく分からない本に影響されたのか、人間たちが人間の中から”勇者”なる人物を選出し、
   今までの魔王たちは勇者たちにやられてきたの…」

魔王「わたしが魔王についたとき、勇者として選ばれたのは、さっきいた、あのバカみたいな勇者だったから
   もうやっつけに来ないだろうって思ってたのに…」

女「そんな過去が…」


女(…あたしと魔王ちゃんが会って、いっしょに遊んだときに
  勇者ごっこをした…。でも、勇者と魔王の関係じゃなかった…

  本当にただの仲のいい友達みたいな、おままごとみたいな”ごっこ”遊びだった)

女(魔王ちゃんの、真に望む勇者と魔王の関係だったんだ…)

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 02:46:25.09 ID:TU/kicuM0

女「…魔王ちゃん」

魔王「…?」グスングスン

女「あたしがこの世界に来たのは、その問題を解決するためだったんだね…」

女「まかせて、あたしがあいつらを説得する!」ドン

魔王「え?…お、んな…?」ウルウル

女「行ってくる!!!!」ダッ

魔王「ま、まって…!」







タッタッタッタ

???「待ちな、手をかすぜ」

女「!?」

???「いい加減ウンザリしてたんだ、人間共のくだらん遊びにな」フッ

???「貴女が立ち上がるというのなら、私たちも協力いたします」

女「あ、あなた方は…?」

ナイト「人間共が争いを好むのなら、その戦い受けて立つまでだ」

ヒーラー「貴女の味方です」ニコ

アサシン「助太刀しよう、魔族の救世主よ」

女「あ、ありがとう…!」

女「でも、戦う気はないよ、ボディガードしか頼めないけど、いいかな?」

ナ・ヒ・ア「もちろん!」



女(…魔王ちゃんがもう泣かなくていい世界を、作る…!)
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 03:03:19.90 ID:TU/kicuM0

勇者「wwwwwwwwwwwなんかあっちから来たwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」




女「あなたたちに言いたいことがあってきました」

戦士「ひ、人質の方!大丈夫ですか!?今助けm」

女「聞いてください!」ワァ!

戦士「!」ビク


女「魔王ちゃんから聞きました、あなた方は、魔王の誕生に合わせ、勇者を送り出し、倒していると」

女「でも、おかしくないですか?魔族の方たちは何もしていない!なのになぜ、戦おうとするのです!!」

女「お互い何もなく、平和だったらいいじゃないですか…!なのになんで…!」ポロポロ


戦士「…ったく、洗脳されちまってるな」はぁ


女「え?」ポロポロ


僧侶「それは罠です!貴女は騙されています!惑わされてはいけません!」

盗賊「…」

戦士「魔族は世界の悪だ、魔王は世界を恐怖させる巨悪だ!ほうっておくわけにはいかない!」シャキン

ナイト「ふん、どこぞの野郎が書いたか知らん創作を信じるとはな…哀れだな」

僧侶「魔族が平和的だなんて、絶対裏があります!友好的に近付いてきて、なにをしてくるかわかったもんじゃありません!!」

ヒーラー「…なんと愚かなのでしょうか、私たち魔族の代々の歴史を見ればそんな目論見など見当たらないでしょう?」

勇者「ぜwwwwったwwwwwwいwwwwwwwwwwwあwwwwwwwやwwwwwwwwwwwwしwwwwwwwwwwっうぃwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

アサシン「…だめだこいつら、殺っちまおうぜ」シャキン


僧侶「!」ビク

戦士「ほ、ほら見ろ!そいつ私らを殺そうとしてる!!」チャキ…



女「アサシンさん待って…」ス

アサシン「…」スチャ




女「…お願いです、どうか手をひいてください」

女「こんな世界、魔王ちゃんだって、私だって嫌です…」グス

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 03:12:56.64 ID:TU/kicuM0

女「…?」グス

女(何…?腰の辺りが光って…)



戦士「!? 気をつけて勇者!その人質、もしかしたら魔族かも…!」ジャキン

僧侶「あの光…なn…!! 目くらまし!?」ハゥ!!!!

勇者「先手必勝wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


ダン!!!!!!!!!!!


ナイト「クソがッ!!」ダ!!!


鋼と鋼が打ち付けられる音

金属音


女「うあ!!」ドサ!

戦士「覚悟!」タタタッタタタタ


アサシン「てめぇの相手は俺だ!」ドガ!!!!

戦士「ぐっ、上等だぶったおしてやる!」



僧侶「逃がしません!」

ヒーラー「私が逃げるとでも?」ス…



ナイト「ここは俺らが引き受ける!女ァ!てめぇは魔王様のところへ戻れ!!」ギギギギ…

女「で、でも…!」アセアセ

ナイト「あいつらの内の1人がいねぇ!!もしかしたら…!!!」

女「!!!?」(魔王ちゃん!?)


女「くっ!!!!」ダッ



23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 03:22:06.19 ID:TU/kicuM0

ナイト「ぐっ…いくらバカでも、勇者は勇者ってワケかい…!」ヘヘ

ナイト(つえぇ…)ゲホ

勇者「なぁwwwwwwwwwwwwwwwwwwwもう終わらしていい?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ナイト「ふざけんな!」ケリ

勇者「ぅおwwwwwwwww足払いとかwwwwwwwwwwwwwwwww」ズッコケ

ナイト(今だッッッ!!!)ブン

ザシュ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


勇者「ぁぐ……wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」ドサ

ナイト「はぁはぁ、最後まで芝生やしていきやがった…なんてクレイジーな野郎だ…」クソ

アサシン「伏せろナイト!!!」

ナイト「!?」




ズガガガガガガガガアアン!!!!!!!!!!!!



アサシン「ハッ!てめぇらの頭はやられたぜ?てめぇらもそろそろ…」カン キン カン

戦士「黙れ!私はやられん!」キン カン

戦士「っ!隙あり…!?」ブン

戦士(忍び刀!?しま…)

ガシュ!!!!!!!!!!!!


アサシン「はぁ…はぁ…ぜんっぜん……大したことねぇ…」ゼェゼェ

ナイト「息上がってるのにか?」

アサシン「うるさい、それよりヒーラーは…」

ナイト「あいつは問題ねぇよ」フ





24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 03:25:03.62 ID:TU/kicuM0

ガン


ガン


ガン




僧侶「」



ヒーラー「あら?もう終わり?残念ねぇ…」クスクス


ガン
 

ガン

 
ガン






ナイト「な」

アサシン「そ、そうだったな、ってか早く魔王様のところへ!」ダ

ナイト「ぁ、あぁ!!」ダ!
25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 03:35:42.18 ID:TU/kicuM0

タタタタタタタ


バン!



女「魔王ちゃん!」

女「」



そこには盗賊の男が1人佇んでいるだけだった



女「魔王ちゃんは…どこだ…!」フルフル

盗賊「……」

女「答えろ!!!」

盗賊「…ワープ魔法で逃げた」ボソ

女「…そ、そうなんだ…よかった……」ペタン


女「…よかったじゃない! お、お前!魔王ちゃんを…こ、殺すつもりできたんだろ…」

女「もうやめてよ!いい加減にs」


盗賊「助けてくれ!!!!!!!!!!!!!!!」


女「!?」



盗賊「も、もうコリゴリなんだ…勇者のもとで働くのは…」ガク

盗賊「世界中に今の”魔王は悪”っていう概念を刷り込ませたのは、他でもない、初代勇者だ…」

盗賊「うちの家系は代々勇者に仕えてきた… それは決まりごとらしくて、僕は嫌で嫌で、何度も断ろうとしたんだ…
   でもママは決まりごとだからって、聞いてくれなかった…」

盗賊「ママもママのパパたちも、勇者に仕えて、汚い仕事をやってきた…」


盗賊「僕はもう…どうしていいか…わからない……」


女「そんなことが…」



盗賊「お願い…助けて……」フルフル

盗賊「もう殺しなんて、嫌なんだ…」オェエ



女(きたねぇ…)


26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 03:38:43.05 ID:TU/kicuM0

女「だ、大丈夫だよ、私が何とかしてみせる」

盗賊「え?」グス…グス…

女「何とか!だから、大丈夫…ね?」サスサス

盗賊「…ありがとう」ウッウッ






勇者「なにしてんの盗賊」


盗賊「」


女「」

27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 03:49:31.26 ID:TU/kicuM0

盗賊「ぁ…ぁあ……」ガクガク


勇者「盗賊はバカだなーwwwwwwwwwww
   自分から情報漏らしちゃうとか、何考えてんのwwww」ゲラゲラ


女「…あんた、ナイトさんは…アサシンさんは…ヒーラーさんは…?」フルフル


勇者「んあ?あぁ、あいつらね、殺したよ」ニコ


女「」


勇者「仕方ないだろー?俺の仲間だって殺されたんだ、これでオアイコだ」ハハハ


勇者「お前、聞いたろ盗賊から。あいつらも盗賊と同じさ。俺ら勇者に仕える家のもんさ
   だから代えは幾らでもいるんだよ」ニコニコ


勇者「でもあいつらとの付き合いは長かったし、だから殺されたとき、かなりきたね」


勇者「絶対殺してやるって思った」シャキン


女「!」ビク


勇者「…お前も俺の仲間を殺した仲間だ、だから殺す」タ…タ…タ…


女「っ……」 ジリジリ…


女「い、意外…人として外れすぎてると、思ってたけど…

  

  泣ける…のね…」



勇者「!? ハ!? 俺が泣くわけないだろwwwwwwwwwwwwwwww
   あいつらとは付き合いが長かったwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
   ただそれだけ…wwwwwwwwwwwwww」ポロ…


女「…」
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 04:02:04.40 ID:TU/kicuM0

女「あなたが…今感じてるその思い… 魔王ちゃんが感じてる思いとソックリよ…」ブルブル


勇者「?」ポロポロ…


女「側近が、田所さんが、メイドさんがいなくなって、魔王ちゃんは泣いた
  悲しんだ、胸を引き裂かれる思いだった」


女「…今あなたが感じてる思い、そっくりそのままでしょ?」



勇者「ちがう…俺は…、あんなやつら、代えはいくらでも…!」ポロポロ


勇者「じ、祖父ちゃんが嬉しそうに言うんだ、お前には巨悪を倒すという使命があり、たくさんの仲間がいる
   だから、お前は死に行く者たちに、少しでも安心して逝ってもらえるよう、彼らが死ぬときは笑って送ってやれって…」


勇者「俺は勇者だ!!!!魔王という存在を絶ち、今まで戦いで命を落としていった者たちのために、
   この思いを、歴史を、繋いでいく使命があるんだ…!!!!!!!!!」


女「魔族は一度も人間に手は加えなかったそうだよ…」


女「どうやって命を落としたの…その、今まで魔王を討つべく立ち上がってきた人たちは…」


勇者「それは……」

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 04:14:44.74 ID:TU/kicuM0

女「…いい加減に気付いて…、あなたたちは踊らされてるんだよ…」


女「誰かの…悪い、悪いやつの手のひらの上で…」


勇者「お、俺は…」ウッウッ…グス


盗賊「…勇者…さま…」


勇者「…なんだよ…」グス


盗賊「これを…」ハンカチ


勇者「…こんな、お前の家族たちを…大切な…人たちをコケにしてきた俺を…俺たちを……」グスグスン


勇者「変な情けかけるな!!!」ブン


盗賊「わひぃ!」ビク


女「……勇者さん、わかって…いただけましたか…?」




勇者「…あぁ、俺が、俺たち勇者が悪かったんだ…」グス


勇者「ハハ、本当の魔王は、俺たちの方だったってワケかよ…笑えねぇよ…こんなの…」



徐に剣を引き抜く勇者



女「な、何を…?」


勇者「罪滅ぼしだ」チャキ…


女「そ、そんなこと意味ないよ!!!死んでいった人たちのぶんm」


勇者「俺のケジメだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


女「!」ビク



勇者「は…地獄行っても償いきれないよな…まぁ…いいか…」



勇者「…じゃあな、盗賊、それと、ほんとうの勇者サマ…」ニコ



(ごめんな…魔王……)




ブシュ
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 04:30:41.96 ID:TU/kicuM0

東のまち


魔王「…ここは…東のまち…?」キョロキョロ

魔王「こんなところまで飛んだんだ…逆戻り…かな…」

テクテク

魔王「! あれは…!」

魔王「おじちゃん!」タタタ

宿主「」

魔王「おじちゃん!しっかり!おじちゃん!!
   だ、だめだ反応がないただの屍のようだ!!!」

宿主「勝手に殺すなし…」ゴフ

魔王「!! ま、待ってて、今お水をもってくる…!」







魔王「おちついた?」

宿主「あぁ、ありがとう、それにしてもこの水唾液臭いな」クンクン

魔王「そ、そんなことないよぉ」アセアセ

魔王「ところで…酷い荒れようだね…」キョロキョロ

宿主「あぁ…勇者のやつ、好き勝手に荒らしていきやがった…あの野郎…魔王討伐のためなら、何をやってもいいのかってんだよ…クソ!」ダン

魔王「……」

宿主「だいたい、世界に魔王がいるのが悪い…」

魔王「!?」ビク

宿主「名前から既に危なっかしい野郎だよな… そんなやつがいるから、討伐しようだなんて派閥ができるんだ!
   実際魔王はむかしっから何もしてないらしいが、存在自体が危ういんだよクソが…!」ダンダン

宿主「クソ…毎年勇者派閥の勢いが強くなっていく一方だ… こんなんじゃ、宿が幾つあっても足りねぇよ…」ハァ…

魔王「……」フルフル

宿主「…! おっと悪いロリちゃん… リアルな話しすぎた…」オドオド

魔王「…いい、いいよ、おじちゃん、…確かに悪いのは…まおうだよ…」グス

宿主「な!そうだよな!ったく、とんでもねぇ野郎だぜ…」



魔王「…ねぇおじちゃん」

宿主「ぅん?」



魔王「おじちゃんは、魔王は…いない方が、いい……んだよね?」

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 04:32:22.56 ID:TU/kicuM0
寝るwwwwwwwwwwwwwwww
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2012/02/23(木) 04:36:25.93 ID:6UwuOX+Ro
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/23(木) 11:03:25.16 ID:S9XX95kDO
なかなか面白い
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 13:33:44.23 ID:TU/kicuM0

宿主「そらぁそうだろ?やつがいるせいで、勇者なんてものが生まれるんだ
   いない方がいいに決まってる」ドヤ

宿主の答えを聞いた瞬間泣き出す魔王

宿主「!? どどどどうした?」アセアセ

魔王「うぇええ、ヒック、だって…だって…」グスングスン

通行人C「あ、おっさん幼女泣かせてる!いけないんだー!」ユビサシ

宿主「」

通行人D「ほら、いこう?ロリちゃん」グイ

魔王「ぐすん、ぐすん…うん……」ギュ

宿主「まま、まってくれ、俺は何も…」

警察「言い訳なら署で聞こう」

宿主「」








とある城下町




???「なんてことだ…」ワナワナ

執事「どうなされた、ご主人様」

???「勇者の生命エネルギーが…消えた…」ワナワナ

執事「!? ま、まさか、魔王に…?」

???「かもしれぬ…こうなったら、新しい勇者を送り出すしか…」

執事「お待ちください、勇者様の生命エネルギーが消えたのはどの辺でしょう?」スタスタ

???「……! 魔王城だ… 間違いない、魔王にやられたのだ…」ワナワナプルプル

執事「もう彼の魂の残機はストックがありませんでしたし、本当に接線だったのでしょうね…」

???「間違いない、今度の魔王はかなりできる…」


バンバン


???「誰じゃこんなときに…」

執事2「客人です」スタスタ

男「盗聴してました!どうか今度の勇者は俺に!!!」ドゲザ!!

???「はぁ!?は、犯罪だろ!!盗聴器はどこだ!」アセアセ

???「ってか、男よ、今なんと…?」

男「今度の勇者は、俺に任せてください」ドン



男「必ず仇を討ちます」


35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 13:42:43.11 ID:TU/kicuM0

???「お主がやつに敵うとは思えん…去れ」プイ

男「えぇ!?何でダメなんだよ!!」

???「そこ!すぐ口答えするし叔父さんに向かってタメ語とか許さん!!」プイーン

男「なんだよー兄にはあんなに甘やかしたくせに!」

???「…やつには素質があった、しかしそんな兄でも、魔王には敵わなかったのだぞ…?」

???「そんな化け物を、相手にできるか?」



男「……できます」




???「…なら行け、…裏口に装備が一式ある」


男「!!」パァ!


執事「な、いいんですか!?彼はまだ10歳にも満たない…!」クッ


???「…勇者の目をしておる、もうこいつは止められんよ」フ


男「ありがとー!叔父ちゃん!!またな!!!」ダダ


執事「そんな…」


???「心配か?ならついて行くがよい、お前の腕なら、あいつを守ってやれる」


執事「……」ぐぬぬ




執事「失礼…します!!」タタ




36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 13:57:39.00 ID:TU/kicuM0

女「…」トボトボ

盗賊「…」トボトボ

女「…魔王ちゃんどこ行っちゃったんだろ…」ハァ

盗賊「…うん」トボトボ

女「盗賊はどうやって魔王ちゃんの居場所を探ってたの?」

盗賊「魔王の生命エネルギーが感じられる場所から気が感じられるんです
   それでだいたい、当ててましたネ」

女「ふーん」トボトボ





女「いやそれやろうよ」








盗賊「むーん」ピピピピ

女「それが気と交信するポーズ?」ヒキギミ

盗賊「う、うるさいですよ!///僕だって嫌でこんな格好選んだんじゃ…」ピピ!

盗賊「わかりました!東の町です!そこにいます!」

女「すげぇ!」




37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 13:59:21.44 ID:TU/kicuM0
>>36

盗賊「う、うるさいですよ!///僕だって好きでこんな格好選んだんじゃ…」ピピ!

です
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 14:00:30.16 ID:TU/kicuM0

東のまち


通行人D「ほら、ここで休んでな」ストン

魔王「ありがと、おいちゃん」ニコ

通行人D「気にすんな」ニコ

魔王「……おいちゃん」

通行人D「ん?」

魔王「おいちゃんは、魔王はいない方がいいって思う?」

通行人D「んー…どうだろうなぁ…」

通行人D「確かにいない方が…世界の雰囲気的に?空気的に平和って、そんなふうになるんだろうけど…」

通行人D「でも、あいつら全く手を出してこないし、本当に悪いやつじゃねぇって思うんだ」

魔王「!」パァ

通行人D「でも、西の町を破壊したのはいけねぇと思うがな…」フゥ

魔王「ち、ちがうよ!」クワ

通行人D「!?」ビク

魔王「そんなことしたりしない!魔族は…そんなこと…!」ウルウル

通行人D「!?? あ、あー、分かったから、泣くな泣くな!」アセアセ

魔王「う…グスン…おんなぁ……」ヒック

通行人D「悪かったよロリちゃん、だから泣き止んで……」ポン


警察「署まで来い」


通行人D「」

39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 14:08:24.74 ID:TU/kicuM0

女「…あ!いた!魔王ちゃーん!」タタタ

魔王「!! おんな…」ビク

女「さ、探したよ魔王ちゃん…東の町に戻ってたんだね…」

魔王「…」コク

女「さ、行こう」ギュ

魔王「!」フリハライ

女「!? 魔王ちゃん…?」

魔王「…人間から聞いた…魔王は、いなくなればいいって…」ウルウル

女「な、なにを…」オドオド





魔王「世界から魔王は消えればいいって!人間言ってた!!」

魔王「おんなも人間でしょ?そう思ってるんでしょ?あいつらの仲間なんでしょ!?」

女「違う…!魔王ちゃん!そんなことない…!」フルフル

魔王「うるさいうるさい!!信じてたのに…」

女「魔王ちゃんは…あたしの友達でしょ?何を言うの…あたしたち…もう…友達なのに…!」グス

魔王「い、いまさら友達面すんなぁーーー!!!!!!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

盗賊「魔法詠唱!?女さん、逃げて!!」バ

女「逃げない」

盗賊「な、何言ってるんですか!?」

女「…魔王ちゃんは…人を殺すような子じゃない…!」ググ
40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 14:14:59.57 ID:TU/kicuM0

ナ、ナンダアレハ!? マオウダ!
ニゲロー!! ヒーオタスケヲー!


盗賊「な、なに言ってるんですか!魔王は子供でも”魔王”なんですよ!?
   魔力は計り知れない!当たったら助かりはしません!!」

女「逃げない」

盗賊「だから!逃げないと死ぬって…!」グイ

女「死なない!!!!!!」ブン

盗賊「!」ビク



女「魔王ちゃんは…あたしを殺さない…
  あたしは…死なない…!」

盗賊「な、なにを根拠に…!」オドオド

女「…魔王が”魔王ちゃん”だからだよ」ニコ

盗賊(!? 笑った!? 死に直面しているのに…なぜ笑える…!?)

盗賊「……」

女「盗賊さん、危ないから、逃げて」

女「あたしは大丈夫だから」



盗賊「…幸運を…!」ダダ




女「…さぁ…、魔王ちゃん…!」ギリ…!

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 14:25:36.53 ID:TU/kicuM0

魔王「コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス……!!」ブツブツ

女「魔王ちゃん!聞いて!あたしは、魔王ちゃんを助けるために、この世界に来たんだよ!」

魔王「…」ゴゴゴゴゴゴ

女「…勇者と仲良くなりたい…けど、聞く耳を持たない人間と…勇者とどう仲良くなればいいのか…
  魔王ちゃんは分からなかった…!」

女「…別世界のあたしが、この世界に来たのは…そんな世界を、魔王ちゃんを、救うためなんだよ!!」

女「魔王ちゃんがもう、泣かなくていい世界を…
  そんな世界を創り上げるために、あたしはこの世界にきたんだ!!」ブルブル

女「魔王ちゃんを助けたいんだ!だから、だから…!!」



魔王「嘘だよ!!!そんなの、嘘だ!!!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

魔王「おじちゃんも、おいちゃんも言ってた…存在自体が危険なんだって…!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

魔王「…そうだ、よ…わたしたち、”魔族”なんだよ…?わたしは…”魔王”なんだよ…?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

魔王「人間から忌み嫌われて当然…拒絶されて当然……」ゴゴゴゴゴ

女「そんなの関係ない!」

魔王「あるよ!!!!おんな、わたし言ったでしょ!?関係あるから、今まで勇者に、わたしたち”魔王”はやられてきたんだよ!?」キィーン…

42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 14:30:05.98 ID:TU/kicuM0

魔王「…もうこんな世界、疲れたよ…」キィーン……

女「魔王ちゃん…!」

魔王「…だから、壊す!」




ぶぉおおおおおおおおおおおおおおおおん




女「!? か、風!?」


男「おぃっす大丈夫か?」ヒョイ


魔王「!!!」ビク


女「きみ…そ、その格好…もしかして”勇者”!?」


男「そだよ」ニカ!


魔王「ゆう…しゃ……!」ギギギギギ…

43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 14:38:27.54 ID:TU/kicuM0

男「あんらー、こりゃ、酷い有様だなぁ…東の町…」キョロキョロ

女「ゆ、勇者…?…し、死んだんじゃ…」キョトン

男「ん?俺は、次の勇者だよ」

魔王「…わたしを倒しにきたの?」キィィィン

男「うん」シャキン

女「まって!魔王ちゃんは悪くな…」ス

男「…兄を殺した」

女「!?」



魔王「そうだよ…わたしが勇者を殺したの…」ウフフ

女「魔王ちゃん!?」

男「なんで…お前なんかに…お前なんかに兄が…」フルフル

男「やられなければならなかったんだ!!!!」ダン!!!

魔王「…」キィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン

女「!! 危ない!!!!!」






ズドォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン



女「う…!」



爆風


しかし女の体は吹き飛ばされることはなく、魔法の結界に包まれていた




44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 14:47:26.84 ID:TU/kicuM0

女(これ…魔王ちゃんの…魔法……)


爆煙の中へ駆け出す女


女「魔王ちゃん!!!!」ダ!


タッタッタッタッタ


男「動くな!!!!」


女「!?」ビク


男と魔王との鍔迫り合い


魔王「ぐ…!!!」ギギギギ…


男「は…!そのデスブリンガー、錆ついてやがる…!今回の魔王は武器の手入れもできないのか…?」ハ… ギギギギギ


魔王「だま…れ…!おま…えに、この武器を笑う資格は…ない!」ブン


魔法弾が男の腹部にヒットする


鈍い音が辺りに響いた


男「が…はぁ…!!! うがぁああああ!!!!!!!!」ブン


魔法弾のヒットにより後方へ吹き飛ばされる刹那、男の放った風魔法が辺りを縦横無尽に駆け巡る


魔王「こんなもの…!効かない!!!!」パァアン!


女「ぅあ…!」






ドシュ!!!!!!!!!!!!!


45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 14:57:58.40 ID:TU/kicuM0

魔王「」



男「!? し、しま…!!」ドサァ…!






女「か…はぁ…あ…は、がは……」プルプル



魔王「お…おん…な……?」フルフル



女「……まお、う…ちゃん……」ハァハァ…



魔王「なん…で…こん…な……」



女「ごめん…ね…?あたしが…みん…なを、説得できなか、ったから、こん…な…つらい思いを…させ、て…」ガハ…



魔王「…!!」ポロポロ



女「…ごめんね……、あたし、もう、無理…か、も…」グス



女「…ぃ」ゲホ…



魔王「…!な、なに…?!おんな…!」ギュ



女「…ぃたい…、いたぃよぉ……まおう、ちゃん……!」グス… 



魔王「おんな…!」ポロポロ




男「ぐ…魔王め…!俺の魔法を弾いて一般人を巻き込むとは…!」ギリ…


男「どこまで外道なやつなんだ!!!!!」ダン!!!!!!





キィン!



男「な…結界だと…!?」カン カン…



魔王「黙ってろ」



46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 15:13:04.97 ID:TU/kicuM0

魔王「おんな…わたしこそ、ごめん…聞く耳なんか、持たなかった…!」ポロポロ


魔王「おんながこんなことになるなんて、ちっとも思ってなくて…」グスン


女「…なか、ないで…まおう…ちゃん…」グス


女「わらってる…まおうちゃん、の…方が…かわいい…よ……」ニコ


魔王「おんなぁ…!!」ウワァアアアアア





ガン! ガン! ガン!



男「くっ!はは!こんな結界!じっちゃんからもらったこの剣で…!はは!!」カン!キン!!


男「っしゃ亀裂入った!もうちょっとだ!ハhッハハアアアアアアアhhッハッハハハ!!!!!」キンカンキンガン!!!!


魔王「…!」キッ


男「おおおれは勇者だ魔王を倒してこその勇者なんだはhっはははあはあああああ」ガンキンカンガン!!!!!


男「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す魔王殺す!!!!!!!!!!!!!!!!!」ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン






魔王「…おんな…、ありがとう…」ポロポロ



女「……?」はぁ…が、はぁ…



魔王「おんなが、友達になってくれて、わたし、嬉しかった…」グスン



魔王「わたしの…はじめての…”友達”だったんだよ…?」ニコ



魔王「おんなと、ちょっとの間しかいれなかったけど、でも…」



魔王「嬉しかった」



魔王「楽しかった」



魔王「…愛してる……だから」






魔王「死なないで…」チュ…

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 15:22:19.01 ID:TU/kicuM0


ガシャーーーーーー……ーーン



男「ひゃは殺ははははh殺ぢsjぱfhうふぁ殺ぺいうwf!!!!!!」ズカズカ


男「さぁ結界は割れた!魔王よ覚悟し…ろ…?」キョトン


女「……?」キョトン


男「なぜ…魔王がいない…?」プルプル


男「どこだ魔王!!いるんだろう!!どこに隠れた!!!!出て来い!!!!!」キョロキョロ




女「ここだよ」






男「?!」





女「…グス……」ヒック


男「ど、どういうこと…だ、ここって…?」


女「…魔王ちゃん、かわいいなぁ…」グスン


女「生命エネルギーを全部あげちゃうだなんて、おっちょこちょいだよ…」ヒク…



男「ま、まさかお前の中に魔王が…!!」ジャキン



男「魔王よ卑怯だぞ!出て来い!出てきて俺の相手をしろ!!!」


女「…また加減が分からなかったんだね…魔王ちゃん…」フフ


女「ほんと…おっちょこちょいで可愛いんだから…」



男「き、きけよ!!魔王!出て来い!!!」アセ






女「あ”?」




48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 15:28:47.75 ID:TU/kicuM0

女「…分かるよ魔王ちゃん」


女「魔王ちゃんがあたしの中に来てくれたおかげで、魔王ちゃんの気持ちがわかる」


女「苦しかったね、悲しかったね、何より寂しかった」


女「分かり合えない世界だもの、そうだよね…」


女「壊したくなるよね」ス



男「!? 腰の光り輝くものは…!?」ジャキン


女「ただの”ひじき”だよ?」ニコ




男「ど、どう見たって剣…じゃないか…しかも、めちゃくちゃ黄金色の、かっこよすぎる剣…」オドオド


男「た、た、戦おうっていうのか!?いいだろう!今となっては、君はもう一般人ではない!」ジャキ


男「お前はもう”魔王”だ!!!!」ダン!!!!!!!



女「いくよ…魔王ちゃん…」ス



49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 15:35:22.12 ID:TU/kicuM0

それからの記憶はあまりない


ただ、覚えてるのは、目の前で滅多刺しにされる勇者と、心の中に感じる魔王ちゃんの温もり…


ただそれだけだった



それからあたしは世界の半分を滅ぼした


魔王ちゃんの力で、それはもう簡単に滅ぼすことができた


滅ぼした大半は、人間が住む領域だった


これでもう人間は勇者を送ってはこないだろう


これだけの”力”を見せられたんだ、もう反抗する気力も起きないだろう


世界はこうして平穏を手にすることができた








…魔王ちゃん、これでよかったんだよね…?

50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 15:38:59.47 ID:TU/kicuM0

魔王城の一室



執事「魔王さま、失礼します」


執事「御客人が正門にてお待ちです」






女「わかった、すぐ行くよ」






おわり




51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 15:41:07.59 ID:TU/kicuM0
なんか最後バタバタして終わってすまん
スレタイが勇者なのに最後は魔王になっちゃったっておはなし
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2012/02/23(木) 15:52:04.43 ID:6UwuOX+Ro
なんで女がフォーゼ見てたのに魔王のとこにきたか
なんで腰にひじきが付いてたか色々謎が残ったな
まぁ乙
53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 15:56:18.23 ID:TU/kicuM0
>>52 ひじきは朝食の食べカスとでも思ってくれると助かる
なんで魔王のとこに行ったのかは側近が別世界でテキトーに選んでたら、たまたま女を見つけたということで
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/23(木) 17:13:42.81 ID:S9XX95kDO
すぱっと終わってこれはこれでって感じだな
もうちょい色々説明ほしかったけど
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/02/23(木) 18:35:02.01 ID:fC9HAr5no
女の世界に行った勇者の話はまだか
56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 18:54:17.05 ID:TU/kicuM0
>>55 需要があるなら書くおwwww
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/23(木) 19:03:57.32 ID:HHmUwIWU0
何?この速さ?
SS深夜VIPあたりでやってもよかったんじゃないか?
ともあれ乙
58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/23(木) 19:20:39.93 ID:TU/kicuM0
>>57 なるほどありがとう
今度はそっちで書いてみるよ
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/02/24(金) 02:29:16.08 ID:QfOpZ6Yio
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/24(金) 18:24:27.46 ID:kMz+NB5b0
おい
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/02/26(日) 14:41:19.28 ID:mpYYD4iFo
>>58
>>55はこっちで書いてよ
62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/26(日) 20:19:16.95 ID:B9nYuT/B0
>>61 おkk
勇者が女の世界行く話か続きから、どっちがいいかな?

続きからだとかなり話でっかくなるけど
63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/26(日) 20:30:40.25 ID:B9nYuT/B0
>>61
すまん>>55かww
よし今から書いていきますwwww
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/26(日) 22:46:51.09 ID:s2ieUFBIO
     ...| ̄ ̄ | < 続きはまだかね?
   /:::|  ___|       ∧∧    ∧∧
  /::::_|___|_    ( 。_。).  ( 。_。)
  ||:::::::( ・∀・)     /<▽>  /<▽>
  ||::/ <ヽ∞/>\   |::::::;;;;::/  |::::::;;;;::/
  ||::|   <ヽ/>.- |  |:と),__」   |:と),__」
_..||::|   o  o ...|_ξ|:::::::::|    .|::::::::|
\  \__(久)__/_\::::::|    |:::::::|
.||.i\        、__ノフ \|    |:::::::|
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.|| ゙ヽ i    ハ i ハ i ハ i ハ |  し'_つ
.||   ゙|i〜^~^〜^~^〜^~^〜
65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/26(日) 23:07:05.81 ID:B9nYuT/B0

女が魔王となり世界を支配するようになって5年の年月が経った

勇者派閥はきれいさっぱり消滅し魔王側は「魔族」と名乗ることをやめた

「互いに手を取り合いすばらしい未来を切り拓いていこう」

この女の言葉は人間達に懐疑心を持たせることとなったが、5年の月日が流れた今、世界は女を支持するようになっていた

女が壊した世界の半分を壊した本人が修復する、そんな光景を見れば懐疑心など持つ方が愚かだというものだ

無論、女は心の底から世界の平穏と安泰を願っていた

世界は徐々に良い方向へと向かって行っている



____そんな世界の、人間たちが暮らす区域からわずかに離れたところ、へんぴな「お城」が建つ丘に続く道に____




小柄な少年が1人




額の汗を拭い、せっせと道を急ぐ_____


66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/26(日) 23:19:42.57 ID:B9nYuT/B0

勇者「ごめんくださーい!」ドンドン

執事「…どちら様でしょうか?」ギィ

勇者「勇者です!」ニコ

執事(派閥は消滅したはず…この少年からは力が感じられない……ただ名乗っているだけ、か…)フム

執事「どうぞ」

勇者「おじゃまします!」トコトコ






勇者「ここが”平和の城”かぁ!」キラキラ

執事「ご主人様はただいま北へと修復に出向いておられます。もうしばらくお待ちを」スタスタ

勇者「ここの本読んでていいかな?」

執事「どうぞ」





勇者「……ほぉう」ペラペラ

魔王「申し訳ない、ずいぶん待たせたようで…」ハァフゥ ギィ

勇者「あ、おじゃましてます!」スタ

魔王「客間もアレだから、日当たりの良い部屋に移りますか… メイド!紅茶とお菓子をお願い!」スタスタ

メイド「はいはーい!」

魔王「ハイは一回!」

メイド「はーい!」

勇者「厳しいなぁ」







魔王「ふぅ……で、どんなご用件でしょう」ズズ…

勇者「えっとですね、魔王さまのいた世界に興味がありまして…」

魔王「あぁ…そのことですか…」

勇者「ぼく以外にも聞きにきたんですか?」

魔王「えぇ、120人ほど」

勇者「ふむぅ…出遅れたか… できれば教えてほしいんですが!いいですかね…?」ムシャムシャ

魔王「…いいですけど」ポリポリ


67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/26(日) 23:31:05.18 ID:B9nYuT/B0

魔王「まぁこの世界とそんなに変わりませんかねぇ…」ズズ…

勇者「えぇー」

魔王「まぁこの世界でいう”コレ”があっちの世界では別の呼び方になってたり…」

勇者「魔王さまは”魔王さま”と呼ばないんですね」

魔王「総理大臣ですね」ムシャリン

勇者「!?」

魔王「2年前から導入した教育制度もあっちの世界と同じだし…というか、あっちの世界を真似ていろいろ決めてるので、   もう全く変わりませんね」アハハ

魔王「あ、でも、こっちの世界には”機械”がありません」バリバリモグモグ

勇者「機械?」バクバクムサリ

魔王「えぇ、ぜんぶやってくれる、優れものなんですよ」ニコニコ

勇者「へぇ…それはまた…」

勇者「で、でも、メイドさんと変わらないんじゃ…?ぜんぶやってくれるって言っても、機械さんも大変ですよ」ズズ

魔王「…えぇと」フム

魔王「例えるなら、”魔力を消費しないで全自動で部屋を片付けてくれる木の棒”みたいな感じかな」

勇者「…」ポロ

魔王「木の棒には意思はないでしょう?そういうことです」ウフフ

勇者「Oh...」
68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/26(日) 23:50:36.08 ID:B9nYuT/B0

勇者「魔王さん!ぼくその世界に行きたいです!!」ダ!

魔王「ぅお!? あ、あのですね、その世界へは…」

勇者「何ですか?何か必要なんですか?交通許可書とかドラゴンの爪とかですか!?今から取ってきますよ!?」wktk

魔王「……ぃ」ボソ

勇者「…? 魔王さん顔真っ赤ですよ?」キョトン

魔王「だ…だから、行き方が分からない…んです…」ズズズ…

勇者「………」

魔王「…あたしがこの世界に来たときも、ほら、前の全世界に向けての演説で話したとおり…突然この世界につれてこられたんです…だから戻り方が……」ボソボソ

勇者「…うぅむ……」

勇者「だったら魔王さんをこの世界に呼んだ人に聞けば…!」ハッ

魔王「その人は…今はいません」ショボン

勇者「あ…ごめんなさい…」ショボン








魔王「メイド!」

メイド「はいはーい!!」バタン

魔王「ハイは一回!」

メイド「はーい!!!」ケイレイ

魔王「16階の大厨房の戸棚に柿ピーあったでしょう、持ってきて」

メイド「はいはいはーい!!!」タタタ

魔王「ハイは一回って言っているでしょう!?」

魔王「…ったくもう…」フゥ

勇者「…まだ食べるんですか」






魔王「…ごめんなさいね、せっかく尋ねてきてもらったのに何も力になれなくて…」シュン

勇者「いえ、あっちの世界のことが少しでも分かっただけで満足ですよ」ニコ

魔王「これ今日のお菓子のあまり…おすそ分けね」ス

勇者(柿ピー…)

勇者「ありがとうございます」ペコ

魔王「そういえば名前を伺っておりませんでしたね…」ハッ

勇者「あ、こちらこそ申し訳ない、ぼくは”勇者”っていいます」ニコ

魔王「!」

勇者「…本名は別にあるんですけどね…」ヘヘ

勇者「この名前今だれも使ってないから、勿体無いかなぁと思って…」

勇者「あの人たちは間違ったことをしてきた…けれど、なかったことにはできないし、それが可能でもさせたくない…過ちを忘れないためにも、この名前は語り継いでいくべきだと思ったんです。だから」ニコ

魔王「…なるほど」ニコ

69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/27(月) 00:06:22.87 ID:uvSGaVxu0

勇者「それじゃ…さようなら!ありがとーございましたー!」タタタ

魔王「さようならー!お気をつけてー!」

魔王「……」フゥ

魔王(…世界がどんどん優しくなっていってる…)

魔王(本当に…嬉しいな)フフ

魔王「……残るはあたし…かぁ…」



_____どうやってもとの世界に戻るか_______________




魔王「いや別に戻りたいってわけじゃないけど、みんながもとの世界について聞いてくるから、気になっちゃうだけで…」ブンブン

魔王(…母さんや父さん、友達……今頃なにしてるのかな…)

魔王(…心配してるかな……)

執事「気になりますか」

魔王「うん………」



魔王「ぅおわ!?」ビクッ!!!!!

執事「最近体調がよろしくないようでしたので、失礼ながら聞き耳を…」

魔王「かかかk、勝手に聞くな!!」アセアセ

執事「しかし!お悩みのタネが分かった今、ワタクシ執事めが全力をもってその”もとの世界へ行く方法”を探してまいります!!!」ケイレイ!!

魔王「は、はぁ」

執事「安心してください、ご主人様!必ずやこの任務、完遂してみせますぞ!!」ムハムハ

魔王(…これから独り言は控えよう)







あさ



メイド「ままままままっまま、魔王さまーーーー!!!!!!!!!!!!」バタン

魔王「!!!!!?????」ビクビクビクーーーン!!!

魔王「のののの、のっくぐらいして!」マジデ!

メイド「すすすいません、そそそ、それよりこれを見てください!!」ピラ

魔王「ぅーまだ寝てたかったのに……ぅん?置手紙?」ドレドレ



70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/27(月) 00:21:25.67 ID:uvSGaVxu0

親愛なる我が御主人様


しばらくの間休みを頂戴して”もとの世界へ戻る方法”を探してきます

何か収穫があり次第、逐一報告しに帰還しますので、何卒よろしくお願い致します


               御主人様の忠実なる僕 執事より




メイド「…ね?」アセアセ

魔王「いや”ね?”と言われても…」










厨房長「いやー魔王さま、朝から元気ないですねー!今日も北へ修復作業でしょう?これ食って力つけないと、まともに詠唱できませんよ!」コトン

魔王「はむはむ…あ、ありがとう」

厨房長「今日の朝食メニューはヴァルハラ海で獲れた新鮮な魔海エビを使った、”君の瞳に乾杯、夜空に煌く真珠のようなYour Heartに恋のときめきを乗せて”ですのに!」

魔王(長っ)

厨房長「自信作です!ささ、冷めないうちに!」ニコニコ

魔王「どれどれ…」ハム…モキュモキュ…

厨房長「……」ドキドキ

魔王「う、うまっ…!」パァ

厨房長「ね、言ったでしょう!?自信作だって!!」ガッツポーズ

魔王「あ〜幸せ…こんなの朝からとか、最っ高の贅沢だよ…」ホクホク

厨房長「あはは!最っ高の褒め言葉です!おかわりもありますよ!!ニコニコ

魔王「おっしゃ!」ガツガツ








メイド「…魔王さまは〜お食事中っと…」

メイド「……よぅし」グフフ


71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/27(月) 00:39:07.33 ID:uvSGaVxu0

勇者宅


勇ママ「ぼっちゃん!また部屋をちらかして!何度言ったら分かるザマス!?」ガミガミ

勇者「うるさい!今いいところなんだから!」カキカキ

???「まぁまぁ奥さん、ここは落ち着いてk…」アセアセ

勇ママ「!! 使用人の分際で!!黙ってなさいザマス!!!!」バシン

???「あぅふ///」

勇者「!!!! ママ!何度言ったら分かるんだ!使用人さんを叩くなよ!可哀想だろ!!」スクッ

???「ぼ、ぼっちゃん!ぃ、いい…いいんだ!わしが悪かったんだよ…」アセアセ

勇ママ「何を言ってるザマス!」バシン

勇者「ぃで!」

???「ぼっちゃん!」

勇ママ「もう一度言うザマス!部屋を、片付けるザマス!!いいザマスね!?」プンプン スタスタ

勇者「く、くそぅ…」イテテ

???「ぼっちゃん…大丈夫ですかぃ?」アセアセ

勇者「大丈夫だよ、それより使用人さんこそ大丈夫?」ニコ

???「わしの心配なんか…!わしはいつも叩かれ慣れております…故に…」ニコ

勇者「そっか…」

勇者「くそ!ママめ…何度言ったら分かるんだよ…ったく…」カキカキ

???「…? それは?」

勇者「これかい?これは”魔方陣”だよ」ピラ

???「なんと!さすがぼっちゃん!新しい魔法の開発ですかい?」

勇者「そうだよ、昨日、魔王さまに会いに行ってきてさ…ちょっと色々試してみようと思って…」ニコ

???「…魔王…さまのところへ…?」

勇者「うん」カキカキ

???「そうですか…」







勇ママ「きぃぃぃ!!!腹立つザマス!あの老いぼれ!!!!使用人の分際で…!!!!」ムカムカ

勇パパ「落ち着きなさい、ママ」ポンポン

勇ママ「何言ってるザマス!あの半壊した町で倒れてたあの老いぼれを助けたのは、この私ザマスよ!?」

勇ママ「それなのに一丁前に主人にたてついて…!」

勇パパ「ママ!!」クワッ!!!

勇ママ「うるさいザマス!!」スタスタ バン!

勇パパ「…寝室に閉じこもってしまった」

勇パパ「……今日も朝食抜きで仕事か…」ショボン




72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/27(月) 01:00:57.65 ID:uvSGaVxu0

勇者「できた!」

???「さすがぼっちゃん!」オォー!

勇者「これは時空魔法だね」フフ

???「じくう?」キョトン

勇者「うん、空間を捻じ曲げて他の空間と繋ぐのさ」

???「それでは、ワープ魔法とそう大差ないと?」

勇者「そうだね、でも、ここからもう少し先へ行くんだ」ニコ

???「ほぅほぅ」

勇者「この時空魔法の魔方陣に、時間操作系の魔方陣の主軸を記すんだ、すると、どうなると思う?」カキカキ

???「むむ…」ハテナ

勇者「ふふ…見てて…!」カキカキ

勇者「…できた、これでよし、と…」フゥ

???「あ、ぼっちゃん、もしかして…」ハッ

勇者「うん?」

???「別世界の時空にリンクさせるおつもりですかぃ…?」

勇者「おぉ、正解だよ!」フフフ

勇者「でも、成功する保障はないし確立もほぼ皆無…」

勇者「そもそも、魔方陣を扱うこと…”魔法開発”は専門の人じゃなきゃさせてもらえないんだ」

???「…ぼっちゃんは魔法開発の特許はお持ち…でないですな…」

勇者「うん…だから皆には内緒ってことで!」ニカ

???「ぉお…!ぼっちゃんもなかなかの悪ですな!」ハハハ

勇者「いやぁ///」フフン

???「奥さんやダンナ様にはバレていないのですかぃ?」

勇者「…あいつらはいいよ、ママは成績と部屋の片付けさえ気にしときゃいいし、パパは仕事で手一杯だから、何も言ってこない」フン

???「ぼっちゃん…」

勇者「…よし、こいつを詠唱して試してみるのは後でいいか」フゥ

勇者「これから友達と約束あるから、行ってくるね!」ダダ

???「あ、はい、いってらっしゃいぼっちゃん!」



???「魔方陣…か…」

73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/27(月) 01:17:36.34 ID:uvSGaVxu0

平和の城



厨房長「ありがとうございやしたー!!昼の差し入れも力入れときますから、お楽しみに!!」ノシ


スタスタ


魔王「…ぅっぷ、た…食べ過ぎた…調子にのるんじゃなかったなぁ…」フゥフゥ

魔王「…自室までの距離が…」ウップ

魔王「もーどうしよう…修復作業にも支障がでるよー」ウワーン

魔王「げぷっ」

魔王「!!!!!!!!!!!!!」

魔王「い、息が臭い!?ど、どうしよう…」オロオロ

魔王「今まで嗅いだことのない臭いだよ…悪臭だよ……」ウウゥ…

盗賊「おはよーございあーっす!!!」ヒョイ

魔王「きゃっ!?」ゲプ!!!!!!!!!!!!!!

盗賊「」

魔王「あ」








魔王「お、重い……」ズルズル

魔王「食後に…人を担いで……階段を上るとか…」ハァフゥ ズルズル

魔王「まじで鬼畜でしょ…」オェップ

魔王「…魔法使って運んでもいいけど、詠唱中にきっと吐く…、いや絶対吐く……」アハハ ゲプ

魔王「…あー…今日の修復作業休もうかな…」ウェ









魔王「やっとついたー自室…!!」バタン

メイド「魔王さまぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!! あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!魔王さま魔王さま魔王さまぅううぁわぁああああ!!! あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!魔王さまのお布団いい匂いだなぁ…くんくん んはぁっ!魔王たんの黒の長い髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!! 」


魔王「」


74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/27(月) 01:34:46.03 ID:uvSGaVxu0

魔王「」

メイド「あぁぁああクンカクンカkn……ハッ!?」ビク

魔王「」

メイド「」

魔王「」

メイド「…あの、そ、その…」

メイド「…これは…」

魔王「」

メイド「…………」

メイド「!そ、そう!魔王さまのお布団に虫がついていたので退治してたんです!!あは、あはは!!」アセアセ カオマッカ

魔王「……全裸で?」

メイド「」







北の荒地




魔王「ほらさっさとしなさい!」

メイド「はぁ、ふぅ、はぁ…ま、待ってくださいよぉ…魔王さまぁ…」ニモツガカリ

魔王「あたしの部屋で変なことしてた罰だよ、ほら急いで」ギロ

メイド「はぅん///」キュン

魔王「」

盗賊「しっかし、こんな荒地をどう修復するんです?そんな魔法、開発したんですか?」キョロキョロ

魔王「うん、城の魔法開発班がね。かなりの魔力を消費しちゃうけど…」

盗賊「ほぅほぅ、消費した魔力はどれくらいで全快するんです?」

魔王「普通なら1週間はかかるけど、うちの厨房長が魔力の回復がはやいスタミナ料理を作ってくれるから、1日かな」ウフフ

盗賊「…城の人…万能すぎ…」アゼン

盗賊「っていうか、よだれ垂れてますよ」

魔王「……!///」ハッ

魔王「で、でも、まったく使えないのも城にはいるけどね…」チラ

メイド「!///」キュンキュン

盗賊「は、はは…」

魔王「!? キュ、キュンキュンするな!この、ダメイド!!!」モゥ!!

ダメイド「しゅ、しゅいましぇん!!」ハッ

盗賊「…メイドさん、よだれ…」

ダメイド「ダメイドです!!!///」ハァハァハァハァハァハァハァハァ

盗賊「……」


75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/27(月) 01:50:56.65 ID:uvSGaVxu0

そんなこんなで北の修復作業が始まった

実際修復に当たっているのは魔王のみ、盗賊とダメイドはその辺で見学




魔王「…なんで盗賊さんは来たのよ…」ジッ

盗賊「いや、頑張ってやってるかなーって、気になって来ただけなんで…」アセ

盗賊「手伝えって言われても、僕魔法は使えないですし」ドヤ!

魔王「ぐぬぬ」

盗賊「…そういや魔王さん」

魔王「ん?」詠唱チュウ……

盗賊「……太りました?」

魔王「!?」バスン

魔王「ちょ、詠唱中に何てこと言うのよ!!!!////」フハツ

魔王「っていうかレディに何言ってんのよ!!!!!!!」アセアセ

盗賊「え?い、いや、見ててそう感じたので……」ビク

魔王「」ガビーン

ダメイド「まぁ魔王さま毎食毎食、厨房長の料理おいっしそうに食べてますもんね」

ダメイド「この世の快楽を知り尽くしたような顔でほおばってますし」

魔王「ダメイド!!!!//////」クワッ

ダメイド「!!」キュン

魔王「だだ、だから!魔力回復のためなんだから、仕方ないでしょ!!食べなきゃ魔法詠唱できないんだし!!!」アセアセ

魔王「べべべつにおいしいから食べまくってるってわけじゃ……!!」

盗賊「…食べまくってるんだ…」

魔王「……うん」シュン

ダメイド「しょぼんする魔王さまかわいい///」キュン

魔王「おい」


76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/27(月) 02:19:31.93 ID:uvSGaVxu0

日没


ダメイド「お疲れ様です魔王さま!!」

魔王「ありがと」フー

盗賊「これで北は終わりましたね。後はどこです?」

魔王「あとは〜…東南のアリア城とその城下町かな」ゴクゴク

盗賊「ふむ、じゃあもうすぐですねぇ」

魔王「…うん、もうすぐで終わるよ…この修復活動」プハ

魔王「まぁあたしが壊したんだから面倒だとか言えないけど、でもやっぱりしんどかったなぁ…」フゥ

盗賊「でも魔王さんが世界の半分を壊さなきゃ、今も”勇者”なる者が戦いにきてますよ。魔王さんのところに」

魔王「うん…」

盗賊「決して間違ったことではなかったんですから…気を落とさないでください」ニコ

魔王「……でも…あのとき怒りに任せて暴れて…」

魔王「加減できなくて、そのせいでたくさんの人が……」

盗賊「”勇者”は荒れてました、あのまま無視してたら周りの村や町にも被害が及んでいましたよ。現に”東のまち”も勇者によって半壊状態になってしまったんですし…」

ダメイド「…魔王さまのご判断がこの今の平和な世界を築き上げたんですよ!…だから、魔王さまは間違っていなかった…!」

魔王「…盗賊さん…ダメイド……」

魔王「…」

魔王「ありがとう、ちょっと元気でたよ…」…ニコ

盗賊「それはよかった」ニコ

ダメイド「!! やっぱり笑ってる魔王さまの方がかわいいですよ!!」

魔王「!」ビク


盗賊「…?」

ダメイド「?」


魔王「…いや、何でも…ないよ」

ダメイド「??? …デジャヴというやつですか?」キョトン

魔王「何でもないって!…もう帰ろう。ワープ魔法使うよ」ス

ダメイド「…ふむぅ?」

盗賊「?」



77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/27(月) 02:36:14.65 ID:uvSGaVxu0
平和の城 大広間



下っ端A「おいおい聞いたか?」

下っ端B「何だよ?また女房の話か?」ハハハ

下っ端A「馬鹿。執事のことだよ」

下っ端C「聞いたよ、何でも、魔王さまがいた世界へ行く方法とやらを、探しに旅立っちまったって話だろ?」

下っ端B「なんだそりゃ。つか何でそんなことを…誰が知りたがってんだよそれ」

下っ端A「いやそれがな…?噂によると……」



下っ端B・C「「魔王さま本人が!!??」」



デビルA「るっせーぞ下っ端ども!黙って酒も飲めねーのか屑が!!!」ヒック

下っ端A「すす、すいませんでした!」アセ

デビルB「おい待てよ……今の話、何のことだ?」ズイ

下っ端B「え、えと、執事が旅立った件についてですけど…」

デビルC「…おいおい、まさかとは思うが…」

下っ端C「……えぇ」



デビルA・B・C「「「魔王様本人がもとの世界へ帰る方法を探してるだって!!???」」」



下っ端B「ちょ、声でかいっす…!」アセアセ



しーーーん




下っ端C「…みんなこっち見てる」ハァ

下っ端A「言わんこっちゃない」





「「「「「「「ええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!?????」」」」」」」」」」」」」」」」




ざわざわ...ざわざわ...




下っ端A「…どうすんだよ、この騒ぎ…」ボソボソ

下っ端C「知るかよ!俺は悪くねぇ!!」

下っ端B「みんな、”魔王様がもとの世界へ帰る方法を探してる=魔王をやめる”と思ってるよな」

下っ端A「そりゃそうだろうよ」

下っ端C「はぁ…ショックすぎんだろ…あんな強い魔王さま、他にいないぜ?」ガクリ



78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/27(月) 02:36:52.57 ID:uvSGaVxu0
寝ます
続きはまた明日に
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/02/27(月) 04:13:45.17 ID:M+bmLkxmo
頑張ってくれ!
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/27(月) 09:53:09.54 ID:6VjmvY1IO
81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/27(月) 21:18:02.54 ID:uvSGaVxu0

その頃 とある村では________



占い婆「むむむむ!!!」

青年「?」

占い婆「なんということだ…これは…!」

青年「どうしたんだい?お婆。いったい次はどんなことが…」


水晶玉に写る”未来”に驚愕する占い師

向かいに座る一人の青年は落ち着いた様子で尋ねる


占い婆「…勇者派閥の消滅、新たな魔王の誕生、平和な世界の訪れ…」

占い婆「…そして…」ワナワナ

村人「おーい青年!人手が足りねェ!手伝ってくれ!」バタン

青年「ん、あぁ、すぐ行くよ」スク

占い婆「あ」

青年「お婆、悪い、すぐ戻るから!」タタタ

占い婆「……」


水晶玉に手をかざし、目を閉じる

心眼で”その先”を_____占い師の手が急に止まる


占い婆「ぅぐ…!」ガク


呼吸が荒くなり額に汗粒が滲み出てくる

机を倒し水晶玉と身体ごと倒れるように地面に叩きつけられる占い師


占い婆「…は、ぐはっ…、ば、ばかな…!」ゲホ!ゲホ!

占い婆「き、気付かれた…だ、と…?」ハァ…ハァ…


水晶玉を通し見えた”その先”

占い師は”その先”に見えた「何か」に気付かれた




青年「ただいまー…!? お、お婆!!大丈夫か!?」ダダ

占い婆「」

青年「お婆!しっかり!! だ、誰か呼んで来るから、待ってて!!」バタン




不穏な気配が世界に満ち始めた

82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/27(月) 21:44:54.24 ID:YvDLt9ly0
いきなりシリアスはやめちょくれよ?
のほほんとオナシャス
83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/27(月) 22:00:36.41 ID:uvSGaVxu0
>>82 だいじょぶwww
まぁ見ててくだされ

即興だからどう転ぶか分からんけど
84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/27(月) 22:13:29.48 ID:uvSGaVxu0

占い婆「…ほぅ」

青年「大丈夫かいお婆…」アセアセ

占い婆「なんとか…助けを呼んでくれてありがとうよ…」ホクホク

医者「過度の魔力消費による疲れですね、しばらくは占いはしてはいけませんよ?」

占い婆「わかりましたじゃ」

青年「本当にありがとうございました…」ペコペコ

医者「では私はこれで…」ペコリ




青年「それにしても、いきなり倒れるなんて驚いたよ」

占い婆「…」

青年「? お婆?」

占い婆「わしは魔法の使いすぎで倒れたんじゃないぞ」

青年「…いやお医者さんが言ってたじゃないか…しばらくは安静にしとかないと…」

占い婆「わしはこの目で見た!!あの禍々しい邪気を放つ…”やつ”を…!!」

青年「…やつ?」

占い婆「”邪神”じゃ」

青年「…まじか…」

占い婆「…もっと驚くかと思ったんじゃが、案外ふつうにしとるの?」

青年「…まあ数年前なら驚いただろうね」

青年「でも今は”魔王さま”がいるから…大丈夫だって心の底から思える」

占い婆「…魔王の魔力はこの目で見たことは無いが…心配じゃ」

青年「…そんなに、その、邪神?ってのは、強そうだったのかい?」

占い婆「そうじゃ…あれは…もう…」

占い婆「あのまま水晶を見ていたら、今頃わしは…」ブルブル

青年「……お婆」ポン

占い婆「?」

青年「魔王さまを信じようよ、あの方なら、どんな輩が来ようと俺たちを守ってくれるよ」ニコ

占い婆「…」

青年「ごめん、村人にまた畑仕事を手伝えって言われてるんだ。行ってくる」タタ

占い婆「…きをつけてな」

85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/27(月) 22:31:28.70 ID:uvSGaVxu0

村人「おーいはやくはやくー!」ブンブン

青年「すまんすまん」タタタ

村人「ってか聞いたぞ、婆さん倒れたんだってな」

青年「占いのしすぎだよ、休めばすぐ回復するって」

村人「そうか…何か悪いな、こんなタイミングで…」

青年「気にスンナって!ほら、もう日も暮れてるし急ごうぜ」

村人「おぅ!」






青年「このトマト、食っていいか?」

村人「ダメダメダメ!出荷用だっつってんだろ!」プンプン

村人「油売ってねーで、さっさとそこの苗植えてくれ!」

青年「冗談だって…」ハハハ

青年「よいっしょっと…」

村人「落とすなよ」

青年「分かってるって…ん?」

村人「どした?」

青年「…そういや明日だよな、アリア城下町までの馬車が出るのは…」

村人「そうだけど?」

青年「…やべ、自分の家の出荷分の作物、まとめてない…」

村人「なんだよ、婆さんに…って、そうか今動けないか…」

青年「すまん!! 帰らないと!!!!」ダダ!!!

村人「ちょ、ま!苗どーすんだこら!!!!」

青年「また今度なー!!」タタタ…

村人「おいおい…」







86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/27(月) 22:38:13.67 ID:uvSGaVxu0

平和の城



魔王「み、みんな聞いて!あたしはどこにも行かないから!あ、安心してよ!!」アセアセ


ざわ...ざわ...


「嘘だー!現に執事もいないし、絶対もとの世界へ帰ろうとしてる!!」

「どうしても戻りたいんですよねー!?」

「ひどいです!私たちを置いて行くなんて!」

「おいら達は魔王様が魔王だったから今までついてきたのに!!」

「やめないでー!!!!やめないでー!!!!!!!」


わいわいざわざわ



魔王「静かにならん…こまった…」ゲンナリ

ダメイド「みんなすごい泣いたり喚いたりしてますね」ドンビキ

盗賊「見てくださいトロールが泣いてます…」

ダメイド「うわ鼻水がw」

盗賊「あんな顔して泣くのかぁ…初見です」フムフム

魔王「おいこら」

魔王「この状況をどうやって…ん?」ハッ

盗賊「どうしたんですか?…あ」

ダメイド「あ!執事が帰ってきた!!」ユビサシ




一斉に大広間の大門をふりむく手下たち




執事「…な、何ですか?」タジ…



魔王「ば、……ったく…このダメイド…」ハァ






「執事を魔王さまに近づけるなー!!!!!!」ドドドド

「魔王さまに情報を差し上げてはなるまい!!!!!!」ドドドドドドドド

「そいつを捕まえろぉおお!!!!」ドドドドドドドドド




執事「」


87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/27(月) 22:54:44.86 ID:uvSGaVxu0

魔王「はぁ……魔法使うしかないかぁ…」スゥ…



「!? 執事のやつ消えたぞ!?」ガビン

「何だと!?どこ行きやがった!?探せ探せ!!!」ゥォオオオオ

「魔王さまをお守りしろぉ!!!!」ウガアアアア

「「「「おぉぉぉぉおおおお!!!!」」」」ワァァァァァアアア


わいわい...ざわざわ...


ダメイド「それにしてもこいつらノリノリである」フンス

盗賊「ですね…」

盗賊「…って、魔王さんもいない」アレ







魔王のしんしつ


執事「!? ここは…?」ビク

魔王「あたしの部屋だよ、魔法でここまでつれてきたの」オツカレサマ

執事「なんと…それはかたじけない…」ドウモデス

執事「しかしなぜ私が追われる身となっているのか…」ムムム…

魔王「それはダメイドが…って、そんな話は後だよ! それより、収穫があったから戻ってきたんでしょ?」

執事「あ、はい!そうなんです!…この古文書をご覧ください」ス

魔王「…これは?」

執事「古くから伝わる、”ワールドトラベラー”についての文献です」

魔王「わ…?なんやて?」ハテナ

執事「ワールドトラベラー、世界旅行者です。世界干渉者ともいいます」

執事「つまり魔王さま、あなたのことをいうようです」

魔王「あたしか…まぁそうか。別世界から来たんだし…」ペラペラ

執事「で、肝心な世界間を渡る方法ですが…」

魔王「…方法とは?」ゴク

執事「……これです」ピラ

魔王「…紙きれ?」

執事「魔方陣です」

魔王「…なにこれ、見たことないな…」

執事「それもそのはず…違法とされる魔方陣開発をしたのですから」フフ

魔王「!!」



88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/27(月) 23:19:25.24 ID:uvSGaVxu0

魔王「おまわりさんこっちです!」

執事「ちょ、魔王さま!!!」ドキンチョ

魔王「じょーだんじょーだん」アハハ

魔王「……で、違法な魔方陣開発をして使用可能になる魔法でなければ”世界干渉”はできない、と?」

執事「そうです、さすが魔王さま」ニコ

魔王「ふむ…でもこんな簡単にできるんだったら、もうとっくの昔からワールドトラベラーはいるんじゃ…?」ハテ

執事「そこなんですよ問題は」ズビシ

魔王「む?」

執事「”世界干渉”を試みた者の中で無事生き長らえた者は1人もいないのです」

魔王「」

執事「文献によると、詠唱を開始して数秒で生命エネルギーが魔力とともに吸い取られ、死亡するそうです。例え成功したとしても魔法詠唱完了後、すぐに生命エネルギーを吸い取られるようで…」

魔王「ぇぇぇえ!?」ガクブル

執事「だから事実上”世界干渉”は不可能…とされているようです…道徳的にですが」

魔王「でで、でも!あたしは!?何でここに来て平気なの!?おかしくない!?」アセアセ

執事「…魔王さまは確か、あちらの世界で「ふぉーぜ」なるものを見ている最中にこちらの世界に来たのですよね?」

魔王「う、うん…」(…くぁあ……この歳でフォーゼとか…笑われるって…////)カオマッカ

執事「ですから詠唱したのは魔王さまではない…」

魔王「あ、そうか、じゃあたしが平気なのは当然なのか」アァ

執事「…魔王さまをこの世界へ誘ったのはどなたでしょうか?」

魔王「えっと…側近さん…だったかな…」

執事「その方は今は…?」

魔王「…死んじゃったよ」

執事「…そういうことです。”世界干渉”は自らの命と引き換えにしなければならない、ハイリスクノーリターンな魔法なのですよ」

魔王「…つまり、あたしがもとの世界へ戻れる希望は……」

執事「……他人の命と引き換えには?」

魔王「そんなの絶対だめ!!!!!!!!!!!!!!」

執事「では無理ですね…」

魔王「ふむぅ……」

執事「…お力になれず…申し訳ない…」クッ




魔王(…待てよ?なにか引っかかるものが…)



89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/27(月) 23:36:41.20 ID:iwhg1pd0o
勇者ヤバいじゃん!!w
90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/27(月) 23:37:50.74 ID:uvSGaVxu0

ダダダダダダダダダダダダダダ バタン!!!!!!!!!



ダメイド「執事ぃぃぃいいい!!!!逃げろぉおおおお!!!!!!!ぁぅち!!!」ズボ!!!!

魔王「!?」ビク

執事「!?」ビク

でーもん「魔王さまぁぁぁぁ!!ご無事ですかぁぁっぁ!!!」ゥォオオオ

ダメイド「けけけつはあかん……カンチョーはあかん……」ピクピク

こぐれ「ぅぉぉおおおお!執事覚悟ォォォォオオオオ!!!!」カンチョー

執事「うひゃ!////」

かっか「逃げるとは情けない!!!捕らえろォォオオ!!!!」ウォオオオオオ

魔王「こ、こら!あんたたち!おしりは可哀想よ!!!!」アセアセ

でーもん「えー」カンチョゥッラ!!!

執事「オアッー!?」ブスリ♂

魔王「こここ、こら!!!///」




盗賊「…この騒ぎどうするんだろう?」ウムム…







翌朝



ダメイド「……はっ」


ダメイド「…ここは…私の部屋…?」

マジメイド「あら、おはよう」

ダメイド「む、マジメイドじゃない… !! そういえば、昨日のどんちゃん騒ぎの後は…」ガバ

マジメイド「魔王さまがキレて鎮火したわ」

ダメイド「そうか…よかった… ぃで!?」ビクン

マジメイド「あぁ安静にしといた方がいいわよ」スタスタ

マジメイド「…おしり、ひどいことになってたわよ?」クスクス

ダメイド「な…!!??/////」カァァア

マジメイド「あはは!じゃあね」バタン

ダメイド「んあななななな///、なに言っちゃってんの!?こんの変態メイド!!!!////」ウガアアア

ダメイド「………」

ダメイド「…ぅぅう見られたし…お嫁いけないし……」グス

ダメイド「…鬱だ」ドヨヨン




91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/27(月) 23:54:47.93 ID:uvSGaVxu0

平和の城 大広間(兼食堂) 昼頃


下っ端A「がつがつがつがつ!」

下っ端B「むしゃむしゃむしゃむしゃ!」

下っ端C「もぐもぐもぐもぐ!!!!」

デビルA「るっせーお前ら黙って食えよ!!!!」バン

下っ端A「ご、ごめんしゃい!!」アセアセ

下っ端B「でも急いで食べないとダメなんです!今日僕らが魔王さまのお昼を運ばなきゃいけないんです!!」アセアセ

デビルA「いや黙って食えるだろ」

下っ端C「僕ら急ぐと擬音が口から出るんです」テヘ

デビルA「なにこいつら」ドンビキ

下っ端A「それより急ぐぞ!馬車のオッサン待ってるらしいから!」

下っ端B「まじかよ急ぐぞ!むしゃむしゃむしゃむしゃ!!!」

下っ端C「もぐもぐもぐもぐ!」

デビルA「食べないっていう選択肢を作ってくれ」






平和の城 門前



オッサン「ぅおおい馬鹿共!遅いぞ何してた!!」ォイイ!!!!

下っ端C「飯食ってましたアセアセ!!」アセアセ

下っ端B「申し訳ありませんアセアセ!!!」アセアセ

オッサン「なにこいつら」ドンビキ

下っ端A「そんなことより早く行きましょうオッサン!!」クワッ

オッサン「お、おう!てめぇらつかまってろ!!!」パシン

馬「ヒヒーン」


タッタカタッタカ...








アリア城下町



馬車の人「つきましたよ」

青年「ありがとう」ヨット

村人「どうもーっす」ヨイショ

馬車の人「帰りは夕方頃になりますので…では」パシン

村人「りょーかいっす〜!」ブンブン



92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/28(火) 00:15:50.41 ID:vK1mPTMG0

村人「いや〜しかし久しぶりに来たなぁアリア城下町!」キョロキョロ

青年「やっぱ村と違って活気があるな…」キョロキョロ

村人「もう人の数が違うもんな!…っし、さっさと野菜売って街中をふらつこうぜ」ニヤニヤ

青年「またナンパかよ?飽きないな…」ハハハ

村人「年頃の男だ!仕方ねぇだろ!!」ガハハ







魔王「…では城下町の修復作業はいいと?」

町長「えぇ、アリアお嬢様が申しておられました。城の兵士が復旧に当たっていますので…」

魔王「そうですか…なんか申し訳ない…」アセアセ

町長「あぁ、お嬢様がお呼びです、ささ!どうぞ!」

魔王「あ、どうも」(…そういえばお城の中も修復作業があったな…頑張らないと…!)





アリア城



魔王「…?」スタスタ

町長「どうなされました?」ムン?

魔王「あ、いえ…なにも」スタスタ

魔王(あれ?お城の中もう直ってるじゃん……じゃなんであたしお呼ばれされてるワケ?)ムム…

町長「…お嬢様が申しておられました」スタスタ

魔王「…ふぇ?」

町長「”魔王様の魔法を目の当たりにした時、世界が止まった…”と」スタスタ

魔王「……」(むむ…あたしがここに来て暴走してったときかぁ…、見られてたのか…)スタスタ

町長「それ以来、魔王さまの話をしない日などないほどに、毎日のように言っておられます…”魔王さまが…魔王さまが…”と」スタスタ

魔王「……」(そんなにトラウマになってるのかぁぁぁぁああ……こりゃ謝らないといけない…土下座するか…)ウゥン…

町長「…つきましたぞ」ピタ

魔王「…!」

町長「では…ごゆるりと…」スタスタ

魔王「え?ついて来てくれないんですか?」アセアセ

町長「え?」

魔王「え?」


町長「いや…それはちょっと…」ポッ

魔王(なぜ照れたし)ガビーン

町長「わ、わしは知らんですたい!」ピュー!

魔王「あ、まって!……行っちゃった…」アゥー

魔王「…まぁいいや入ろう…」ギィィ…


93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/28(火) 00:36:38.79 ID:vK1mPTMG0

城下町人A「これはいくら?」

村人「5ルピーです」

城下町人A「安ッ!!買った!!」

村人「まいどー!」ヘヘ!


青年「おまえ…その値段の付け方は危ういぞ…」ジト…

村人「数はあんだからいいんだよー!へっへ…”下手な鉄砲数撃ちゃ当たる”ってな!」ニシシ

青年「それは違うような…」ハァ…

城下町人B「あんさんこれちょうだい」

青年「12ルピーです」

城下町人B「…ん〜ちと高くない?まけてくれない?」

青年「ぇ?い、いやこれぐらいが相場ですし…」

城下町人B「あんた村から来てるんでしょ!?ここの相場なんか気にしてちゃOUTよ!!もっと安売りしてガッポガッポしなきゃ!!」プンスカリン

青年「ぐぬぬ…」タジタジ…

村人「にしし…」フフフン





青年「…結局まけてしまった…orz」ズーン

村人「な?あの人も言ってたろ?まけるが勝ち!数ありゃ勝ちなのさ!!」フッハッハ

青年「くそぉ…」

村人「”塵も積もれば山となる”だ!」ガッハッハ

青年「もう黙れお前…」フゥ…



下っ端A「あ”!! ミズミズにんじんだ!!一本くれ!!!」

村人「おお!?お客さん平和の城の方だね?さすがお目が高い!」ガハハ!

下っ端B「おいおい!俺らこんなところで道草くってる場合じゃねーんだぞ!」

村人「まぁまぁ見てってくださいよ!新鮮なもの揃えてますぜ?」ニヤニヤ

下っ端B「む…まぁ、ちょっとくらいなら…いいかな…」チラチラ

下っ端C「これくれ!」ウホ

青年「急いでるんじゃないのか…」





村人「…なんつーかよぉ、やっぱお前、愛想がねぇよな」

青年「うるせーな!」

村人「あら?俺のほうが売れてるから機嫌悪いのかナー?」アレレー?ウフフ

青年(こいつ…まじでうぜぇ…)プルプル

村人「ったく、笑顔つくれよ笑顔!」ニコ

村人「そんな顔してたら寄って来る客も寄ってこねーって」ニコニコ




94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/28(火) 00:54:02.21 ID:vK1mPTMG0

青年「え…笑顔ぐらいできらぁ!」ニゴォ…

村人「怖っ…!!」ヒィ

ょぅじょ「ぅわ…!ばけものぉ…!!」ゥワァァァアアアン

ママリン「ひぃ!な、なんて顔してるのよ!警察呼ぶわよ!!」

青年「」








アリア城 アリア姫のおへや



魔王「し、しつれいしまーす…」ギィ

魔王(うぉぉぉ…まさに女の子の部屋…!)ドキドキ

魔王(匂い甘っ、切なくなるほどに匂い甘っ)スーハースーハー

アリア姫「…まおう…さま…?」

魔王「!!!!」ビク!!!!!

アリア姫「!」

魔王「あ、あ…えと…!」(ど、土下座だぁああああたし土下座だよぉおおおお!!!)ス…ス…ス… ※エコー


アリア姫「まおうさまぁぁぁああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」ドヒュン

魔王「!?」ドゴン


ずさぁぁぁぁぁああああああ.....


アリア姫「え?嘘!え!?ほんとに!?ま、魔王さまだぁぁぁああああ!!!!!!!!!!!!」パァァアアア

魔王「」キョトン

アリア姫「ぅわぁぁぁああああ/////きれい////かわいい/////たまらん//////」キュンキュン

魔王「え?え?」アセアセ

アリア姫「あああああああああああああああ”たまりませんわぁ!!!!!!!!!!!!!!!」フォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ

魔王(どういうことなの…)






アリア姫「紹介が遅れましたわ。わたくし、アリア・マグリフォン・ダイナムアと申します」ペコリン

魔王「ま、魔王です…」ペコ

アリア姫「アリアでかまいません」ニコ

魔王「ま、魔王で、かまいません…」

アリア姫「じゃぁ……魔王////」ポッ

魔王「」



95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/28(火) 01:11:31.38 ID:vK1mPTMG0

アリア姫「ま、魔王…///あなた様をここに呼んだのは他でもありません…」テレテレ

魔王「は、はぁ…」(なんかダメイドと同じにおいがする…)タジ

アリア姫「わたくし、あなた様をひと目見たときから、あなた様に恋をしてしまいました」

アリア姫「好きです結婚してください」

魔王「ん?」



魔王「え、直球すぎて何がなんだk…」ドゴヌ


ずさぁあああああああああああああああああああ......


アリア姫「好きです結婚してください…」ムチュー

魔王「かかかかかk顔が近い!////」ググググ…

魔王「ってか何!?何なんですか!?いきなり会って勢いで結婚とか…!てか顔が近い…て!!!」ヒィィイ… ググググ

アリア姫「いきなり会ってではありません、勢いではありません。」ムチュゥウウウウウ

アリア姫「わたくしはあの時、城下町を燃やす深紅の炎に照らされるあなた様のお顔を見ました…」ンムジュウウウウウウ

アリア姫「その瞬間ティンと来たのです…」ンンンンンンン

アリア姫「…この人と結婚しようと」ドン!

魔王「ドン!じゃないですよ!何それ意味わかんないですって…!!!も、もう…!!!!」ググググ…

アリア姫「意味わかんなくないです!さぁ誓いのキスを!!!」ン"ン"ン"ン"ン"ン"…

魔王「ち、誓いのキスが近い…!////じゃない!!!やめ、や…め…!!!!!!」ググググググ…

魔王(ワープ魔法!!!!!)シュン!!!

アリア姫「きゃ!」ドサ

アリア姫「!? ま、まおう…?ど、どこ行ったのですか!?」アタフタ

アリア姫「……まおう…」グスン…




町長(…焦らしプレイとは……イイな)キュン





96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/28(火) 01:14:16.59 ID:vK1mPTMG0
勇者が女の世界へ行くこの話、最終的にシリアス方面になっちゃうんだけど
シリアスはやめたほうがいいのかな?
97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/28(火) 01:58:30.70 ID:vK1mPTMG0

魔王「_____________? ここは…?」



魔王「…泉だ。見たことある…」

魔王「東の森だ!…こんなところまで飛んじゃったのか…」タハハ

魔王「相変わらずムズカシイ魔法だよ…ワープ魔法は…」フゥ…


魔王(…アリア城下町とお城はもう直ってた。今日でやっと修復作業も終わりだ…)

魔王(長かったなぁ…)


湧き出る泉の水を汲んで喉を潤す


魔王「…ぷは、うまいなぁこの水!」


魔王「…皮袋に汲んで持ち帰ろう、平和の城でも飲みたいし…」ウフフ ジャバジャバ


魔王「…よし、帰るか!」ワープ魔法!



シューン.........






魔王「よっと…」スタ

執事「おや?思ったよりもお早いお帰りで…」

魔王「まぁね、なんか向こうの人達がもう直してたんだ」スタスタ

執事「ほうほう」

執事「…これで修復作業全終了ですね、お疲れ様でした」ニコ

魔王「ありがとー」フー

魔王「ダメイドー!?いるー!?」

ダメイド「はいはーい!!」ヒュン

魔王「ハイは一回!」

ダメイド「はーい!!!」

魔王「厨房長のお昼食べ損ねちゃったから、今から作ってもらえないか聞いてきてもらえる?」

ダメイド「はーい!!!いってきます!!!」バヒューン...

執事「お弁当は受け取らなかったのですか?」

魔王「うん…お城で大変な目にあったからね…」ア"-…

執事「ふむふむ…」

魔王「……アリア姫かぁ…」ボソ

執事「…? どうしました?」クルリ

魔王「な、なんでもない!///」アセアセ


魔王(まぁ…可愛かった…よなぁ…)///


魔王「って何考えてんだあたしは!!」ブンブン

執事「!?」ビク
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/02/28(火) 02:31:22.14 ID:h/hJo3Jjo
出来ればほのぼのの方がいいな
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/02/28(火) 04:53:58.62 ID:iv+uItFXo
アリアといちゃいちゃしてほしい!!!11
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/28(火) 06:19:27.17 ID:GJehEkJX0
シリアスになっても最終的にほのぼのになれば私は一向に構わん
101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/28(火) 12:30:41.91 ID:vK1mPTMG0
じゃ>>100みたいな感じでいきます
伏線回収するにはシリアスは避けられんっぽいのでww

ほのぼのしりあるで
102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/28(火) 12:50:08.30 ID:vK1mPTMG0

青年「…あー…やっと完売だ…」フゥ

村人「遅かったナァ」ハハハ

青年「お前が早すぎんだよ…」ハァ

村人「でも言ったろ?笑顔で接客!安売り万歳!数売りゃ儲かる!って」

青年「まぁ…お前の言うとおりだったわ…悔しいけど」グヌヌ

村人「さぁて!さっそくナンパしにいくぜぇえええ!!!!!!!!!」ィヤッホゥ!

青年「おいまてって!」

青年「…行っちまった…」ポカン





ポコテン



青年「ぃだ!…なにこれ?」サッカーボール?

戦士「あ!ごめんなさい!それ私たちのです…!」スタタタ

青年「ん?あぁ君らの…はい、気をつけなよ?」ハイ

戦士「ありがとうございます!」ニコ

勇者「せんしー早くしろよー!!」オーイ

戦士「うーん分かったぁー!…それじゃ失礼します!」ペコリンツォ

青年「うん、じゃあね」ニゴォ

戦士「ひっ!?」ビク

青年「」ガビーン





戦士「そうりょにパース!」トン

僧侶「はぁい」パスン

黒魔術士「オイラにもパスしてよ〜」アタフタ

戦士「黒魔術士はボールに悪戯するからやだ!」ベー

黒魔術士「そんなぁ…」

勇者「まぁまぁ!燃え盛るサッカーボールもたまにはいいんじゃない?」アハハハ

戦士「やだよそんなサッカー!?」

僧侶「いくよぉー」ソレ


下っ端A「ぁで!!」ポコテン

僧侶「ぁあー」ヤッチャッタ

下っ端A「おい誰だやりやがったのは!!」プンスカ

僧侶「はぁい」トコトコ

下っ端A「ロリちゃんか…これからは気をつけなさい」ハイ

僧侶「…ありがとぉ」ニコニコ

下っ端A「!!!!」ドキン

勇者「…僧侶のノーコンっぷりには毎度驚かされるよなぁ」シミジミ
103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/28(火) 13:13:31.68 ID:vK1mPTMG0

パース ぱーす


黒魔術士「そういえばどう?勇者?」トーン

勇者「なにが?」トーン

黒魔術士「なにって…別世界にいくって言ってたじゃん!そのことだよ」

勇者「あーそのことね…うぅん…」トーン

黒魔術士「失敗?やっぱり無理だったとか?」フム?

勇者「いあいあ大丈夫だよ…たぶん…ね」

勇者「とある魔法を詠唱すれば他世界とリンクできるはず…なんだけど…」

黒魔術士「…だけど?」

勇者「…ちっと怖いかな…」ブル

勇者「そもそも今回の魔法開発は、いろいろ初めてなところがあったし…成功する気がしないんだよなぁ…」

黒魔術士「珍しく弱気だね、オイラこんな弱気な勇者初めて見たかもしんないぜ」ホゥ

勇者「それだけ難しいってことだよ!!」プンプン




戦士「ゆーしゃー!くろまじゅつしー!!アイス買ってきたよぉー!!」タタタ

僧侶「はぁーい」タタタ


勇者「お…この話はまた今度!」

黒魔術士「むぅん」プクウ

黒魔術士「オイラだって研究してるのに…なんで勇者ばっかり成功しそうな感じになるんだろ…」








平和の城




魔王「……」ペラペラ

魔王(…この古文書、何かが引っかかる)

魔王(詠唱すれば成功不成功に関わらず命を落とす…しかも死因は生命エネルギーが吸い取られることによって…)

魔王(…そういえば)

魔王「側近さんがあたしをこの世界につれてきたのなら…側近さんが魔法詠唱したってことでしょ…?」

魔王「古文書通りなら側近さんはあたしに会うか会わないかのタイミングで…死んでるんじゃ?」

執事「…しかし側近という方は死んでしまったのでは?」

魔王「死んだけど…うぅん、死因が違う。生命エネルギーなんか吸い取られていない!」

魔王「人為的殺人により彼は命を落とした…その時の勇者たちの手によって…ね」パタン

執事「なんと…では、その古文書に記されたことは…偽り…と?」

魔王「…かもしれない」

執事「……”世界干渉”をしても、死なない……?」

魔王「…試してみる価値はありそうだね」
104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/28(火) 20:35:06.00 ID:vK1mPTMG0

平和の城 地下室


魔王「人気のないところでやったほうがいいね」スタスタ

執事「ですかね」ピラ

ダメイド「いったい何が始まるんです?」

執事「ダメイドか…これは禁則事項だから、悪いが帰ってもらえるか」

ダメイド「えー私は仲間外れかよー! 魔王さまー!私もいいですよねー!?」

魔王「だめだよ。ほらさっさと帰った帰った」

執事「というかなぜ地下室にいるのか…」

ダメイド「そ…それは…」ポロ...

執事「…スナック菓子の包みが…」

ダメイド「」ビク

魔王「……あんたマジでダメイドね」ハァ

ダメイド「てへ///」キュン




マジメイド「では失礼いたします」

魔王「ありがとうね、ついでにオシオキもお願いね」ウィンク

ダメイド「見逃してくれマジメイド…」グス

マジメイド「駄目に決まってるだろ!ほら行くぞ駄目メイド…」ズルズル

ダメイド「イヤー」ズルズル... バタン


執事「…ではやりますか」

魔王「うん」

執事「…ではその魔方陣を記した紙をこちらへ」

魔王「…いやあたしがやるよ」

執事「!?」

魔王「もしものことがあったら…って考えると、言いだしっぺのあたしがやるしかない」

執事「そんな…!魔王様に仕える身であるワタクシがやるべきでございます!さぁ紙を!」

魔王「あんたを危ない目に合わせるわけにはいかないって」

執事「それはこちらの台詞でもあります…!」

魔王「……」

執事「……」




...ドドドドドドドドドドドドドドドドド...........ンンンンンン..........




魔王「!?」グラグラ

執事「…じ、地震…!?」グラグラ




105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/28(火) 20:53:04.84 ID:vK1mPTMG0

でーもん「魔王さま!大変です!!」バタン

こぐれ「アリア城下町から、きょ、強大な魔力が溢れかえっております!!」

かっか「しかもいきなりです!いきなり、反応があったようです!」アセアセ

魔王「アリア城下町から…!?」

執事「行きましょう魔王さま!!!」

魔王「! わかった!みんな集まって!ワープするよッ!!!」ゴゴゴゴゴゴ....







キャー ワー
タスケテー ナンダコレハ



魔王「町中混乱状態だね…」スタ!

執事「えぇ…しかし何だこの魔力は…今までに感じたことのない…邪悪な…!!」

かっか「大通りを抜けた先の家からです!走りましょう!!」ダダ

魔王「えぇ!」ダ






兵士A「くっ…内側から強大な魔力を発している…!これ以上は近づけない…!」ジリ…

騎士団長「ひるむな!一時的に弱まる傾向がある!隙をついて殴りこむぞ!!」

兵士B「団長!家の内部に”子供”がいるそうです!!!!」ダダ

騎士団長「なんだと!?馬鹿な…どうやって中に…!」

勇ママ「お願いザマス!ぼっちゃんを…ぼっちゃんをお助けくださいザマス!!」グスンエグエグ

兵士C「くっ…ガキども何をやらかしたっていうんだ!!」

騎士団長「安心してください奥様、我らアリア騎士団が必ず、お子様を…!!」

魔道兵A「!? 強力な魔風がきます!伏せて!!!」



ブォオオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



騎士団長「むぐ!!?」ドォオオオオオオ....

勇ママ「ぼっちゃん!!!」タ...

兵士B「危ない!」ガシ

魔道兵B「結界から出ないでください!…またきます!伏せて!!!!」ブゥゥン....

騎士団長「むががっがが…これでは近づけない……!!!!」


タッタッタッタッタ


魔王「みなさん!大丈夫ですか!?」

騎士団長「魔王殿!?まさか異変を聞きつけて!?」

魔王「ここはあたしたちに任せてください!その方をつれて避難してください!」ゴゴゴゴゴゴゴ....

騎士団長「かたじけない…!アリア騎士団A隊!退くぞ!!!」
106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/28(火) 21:07:03.01 ID:vK1mPTMG0

執事「絶え間なく発される魔風…これでは近づけません…!」ググ

こぐれ「あの家ごとフッ飛ばせばいいんじゃないでしょうか!?」

魔王「待って!中に子供がいるそうよ!!それは危険すぎる!!」

でーもん「ぐ…!どうやって近付けば…!!?」

かっか「!? ま、魔王さま!向こうからアリア姫が…!」

魔王「!?」ドキン




アリア姫「何が起こっているのですか!?この騒ぎは…」タタタ

町長「お待ちください!これ以上は危険です!」マッテ!

魔王「危ない!!!!!!!!!!!」ダン!!!!!!!!!!

アリア姫「!!!」



ブォオオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!




魔王「…ふぅ、ま、間に合った…」ホッ

町長「…た、助かった…?」ビクビク

アリア姫「魔王さまぁ嗚呼ああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!」ギュウウウウウウウウ

魔王「ぅげ!くく苦しい…!」ギュウウウウウウ

アリア姫「わたくしを助けてくださったのですね!?嗚呼なんてお優しい方…!好きです!!!!!!」ムチュウウウウウウウ

魔王「こここんなことしてる場合じゃない!!/////早く逃げて!!ここは危険です!!」スルリ

町長「なにが起こっているのですこれは…!? あの家から放たれるこの魔力は…!?」アセアセ

魔王「中に入らなければわかりません… しかし中に入る手段が…!!」クッ

アリア姫「…この結界魔法を、体に纏わせればよいのでは…?」

魔王「そんな器用なことはできない…!」

アリア姫「…魔王さま、お任せあれ」スク

魔王「!?」ブゥゥウウン

アリア姫「わたくしにも魔法の知識はありまして…結界ぐらいなら張れますの…」ウフフ

アリア姫「…これで大丈夫です… どうか、お気をつけて…!」

魔王「…ありがとう!行ってくる!!!」ダ


執事「魔王さま!!!」



107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/28(火) 21:22:38.40 ID:vK1mPTMG0

勇者宅 内部



魔王「おぉーい!どこにいるのー!?」ブゥゥン...

魔王「無事なら返事をー!!!…おぉーい!!!」

魔王「……!」スタスタ... ピタ

魔王(…この部屋から発せられているのか…それにしても、すごい魔力……)ググ…

魔王(……開けるよ!)バン



黒魔術士「…ぅう……」

魔王「!! 君!!大丈夫!?」タタタ

黒魔術士「…? き、奇跡だ…助けが…くるなん、て……」ゥゥ…

魔王(生命エネルギーが弱まってる…どうしよう…このままじゃ死んじゃう…!)オロオロ


『思い出して_____あのとき____________』


魔王「!!」ハッ

魔王「…目を瞑って!」

黒魔術士「…? ……」ス...



チュ



黒魔術士「…! ……ぅう…?」パァア...

魔王(…これでよし…)

魔王「あなただけこの家の外にワープさせるよ…?あたしの仲間がいるところだから、安心して…」

黒魔術士「…て」ボソ

魔王「?」

黒魔術士「…たす、けて……ゆう…しゃが……」ゲホ

魔王(! 勇者君が…?)「わかった、大丈夫だから安心して…じゃ、送るよ…」シュゥゥウン

黒魔術士「…ぁり…がと、ぅ……」ニコ シュゥゥウウン....




魔王「……よし!」スク

クロネコ「驚いたな、魔王自ら出向くとは」

魔王「!?」


魔王「…だ、誰なの…」ス…!

クロネコ「そう身構えるな、怪しい者じゃあないさ」ククク

魔王「…勇者君は…。…勇者君をどこへやった!?」

クロネコ「……あぁ、あの小僧か」

クロネコ「…さぁな」ククク...

魔王(…こいつがこの強大な魔力の…大本…ではないようだけど…)

魔王(油断できない…!)ググ…
108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/28(火) 21:43:56.51 ID:vK1mPTMG0

クロネコ「まぁまぁそう血気立つなって…」

クロネコ「…お前も”世界干渉”が目的なクチなんだろ?」ククク

魔王「!?そ、そうだけど…何よ?それと関係があるっていうの!?」

クロネコ「…まぁそういうことになるな」

クロネコ「…今回俺様を呼び出したのはこのガキだった」ヒョイ ドサ

魔王「!!! 勇者君!?」

クロネコ「安心しろ、こいつは死んでねぇ」ククク

クロネコ「…普通なら俺様直々に出向くわけではねぇんだ、だけど今回ばかりはちと楽しそうだったんでな…」

クロネコ「…”勇者”って言ったなこいつ…、面白そうだったから出向いちまったよ」ククク

クロネコ「そしたら何だァ?…こいつ、弱いったらありゃしねぇぜ…ったく、ちっとは楽しめると思ったんだがなァ…」ククク

魔王「…お願い、ここは退いてくれるかしら、あたしは無駄な戦いはしたくないし、その勇者君を助けに来ただけだから…」

クロネコ「フン…虫の良過ぎる話だな…」クク…

クロネコ「こいつぁ殺さねぇよ」フン

クロネコ「…久しぶりに面白いやつに会えた。…ここは良心でこいつの願いを叶えてやるのが、この世界監視官の役目だろうと思ってな…」ククク

魔王「…何をするつもり!?」

クロネコ「安心しろ、俺様はこいつの願いを叶えてやるだけさ」ブゥゥウウウン...

魔王(空間にゲートが!? すごい魔風…!?そうか、あのゲートからこの強大な魔力が……!)

クロネコ「さァ勇者クン、”別世界”楽しんできなァ!!」ヒョイ

魔王「!!!! やめなさい!!!!!!!!!!!」ダ

クロネコ「ッラァ!!!!!!!!」ブン

勇者「」ブゥゥウウウウウウウン.....











騎士団長「……! 魔風が止んだぞ…?」

兵士A「今が好機です!乗り込みましょう!!!」チャキ

騎士団長「あぁ!行くぞアリア騎士団!!!!!!!!!」

「「「「「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」」」」

勇ママ「うぉおおおおおおおおおおお!!!」





109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/28(火) 22:00:32.16 ID:vK1mPTMG0

タタタタタタッタタ



執事「魔王さま!!!!」バタン

アリア姫「ま、魔王さま!! …!?」ハッ

魔王「……」

騎士団長「魔王殿!魔道士の子供は無事保護しましたぞ!ご無事ですか!? …な!?」ダダ

勇ママ「ぼっちゃん! …!!!!!」



クロネコ「……邪魔が入ったか」フン

兵士B「き、貴様何者だ!!」ダ!

クロネコ「あばよ」シュゥウウウン....

魔道兵C「ま、待て!!…くっ、逃げられた…」ダン...



騎士団長「な…何者だ…あやつは…」

アリア姫「魔王さま!大丈夫ですか!?お怪我は…」アタフタ

魔王「……」ヒック グスン

アリア姫「まお、う…さま…?」

魔王「…ごめん、なさい……救えなかった…ゆうしゃ…くん…」グスン

勇ママ「!!!!」ブワッ

騎士団長「魔王殿……」

勇ママ「……なにが”魔王”ザマス…」ボソ

騎士団長「?」

勇ママ「子供1人救えないで…なにが”魔王”ザマス!!!!」ダン

勇ママ「あの子は、あの子は私の…大切な…大切なッ…!!!!!!」ウゥ...グスン...

魔王「ごめん…なさい…ごめん、なさい…」ヒック

執事「魔王さま…」

騎士団長「…いったん退きましょう、またあの者が現れるやもしれません…」






アリア城


町長「禁断の書物を開いたとは思えませんな」

騎士団長「子供特有の遊び心で禁断の書物に記された”違法魔方陣”を完成させた、ということでは」

町長「まさか。幼い意欲が生死を問うとまでには至らないであろう…」

騎士団長「…しかし事が起こってしまった今、それをどう考えようとも無意味に近いはずです」

アリア姫「対策を練りましょう。問題は”どうあの子を救うか”」

町長「まさか本当に世界干渉が可能だったとは…思いもよらぬ事態であることは間違いありませんな」

騎士団長「…少し…困惑しております」

アリア姫「無理もないわ…事実上の不可能とされてきたこと…いえ、完全なる不可能とされてきたことですもの」

110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/28(火) 22:14:27.91 ID:vK1mPTMG0

町長「…魔王様、あの者は…何と申されておりましたか…」

魔王「……」

魔王「…世界監視官…と名乗っていました…。あたしが思うには…彼の…意思で、世界干渉ができると…」

騎士団長「何とも信じ難い現実…ですな」

アリア姫「…わかりましたわ」

町長「アリアお嬢様…?」

アリア姫「もう一度、世界干渉をするのです」

騎士団長「!? 馬鹿な…!姫殿、それは…!」

アリア姫「もう一度会うのです、あの者に。そして勇者君が送られた世界へのゲートを開かせ、救出する」

町長「…確かに今現在考え得る方法としては、それだけですが…」

執事「問題はあの者が応じるかどうか、ですね?」

町長「その通りです」

騎士団長「…私はあの者が素直に応じるとは思えません…」

執事「同じく…」

魔王「…あいつは言ってました、”面白そうだったから出向いた”と…そして普通なら出向かない、と…」

アリア姫「…ではあの者の興味を惹く何かがなければならない、と?」

魔王「たぶん…」

騎士団長「むむむ、あの者の趣向なぞ知る余地もない!」

町長「…困りましたね」







111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/28(火) 22:19:43.82 ID:vK1mPTMG0




???




勇者「……??」


勇者「ここ…どこだ…?」



?「……」


勇者「!」



勇者「な、なあ!ここどこだか、分かるか!?教えてくれないか?」



?「……」ククク



勇者「あ、あれ?おかしいな…自分が…誰なのかも…思い出せない……あれ?」アタフタ





?「お前は誰だ?」



勇者「お、おれ…」






勇者「お、俺は___________________」






















母「いつまで寝てるの!!!!」フトンガバ


勇者「!!!???」ビク



112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/28(火) 22:28:21.31 ID:vK1mPTMG0

勇者「あれ?え?…えぇ!?」


母「…なにしてるの」ジト


母「日曜日でも早起きしなきゃ!習慣を崩すのは許しませんからね」スタスタ バタン



勇者「……??? な、なんだ?」






女「…あーやっと起きたー」フフン


勇者「…あ、あぁ…」


女「ぷっwwなにそれ!「あぁ…」だって!!」アハハ!


女「まーた夜更かししてゲームしてたんでしょ!?」フフ


勇者「ち、ちげーし!俺は昨日は…!」(…なんだこの違和感…)


女「…? あんたいつから「俺」だなんて言うようになったのよ」


勇者?「へ?あ、あぁ…ぼく…僕だ!僕だったね…」アハハ...



女「ったーく何寝ぼけてんだか…弟くんはー」クスクス



弟?「ご、ごめん……」



母「あんたらご飯できたわよー」コト



女「はーい」



弟「は、はーい!」アタフタ




113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/28(火) 22:36:35.52 ID:vK1mPTMG0

母「あ、電話だ…」トコトコ


母「はぁいもしもし…、あっらぁ真田さん!おはようございますぅ〜…えぇ、えぇ… まぁ!」ウフフ


女「もぐもぐ…先週はキュアピースの回だったねぇ」


弟「うん?あ〜…そう、だった……っけ?」モグモグ


女「はぁあ!?」ガタン


弟「ひ!?」ビク


母「るっせー!黙って食べなさいよ!! ……あぁすいません、何でもないですぅ…はい、はい……」



女「ったく、ピースちゃんの回を忘れるだなんて、あんた頭どうかしてるわ!」モキュモキュ


弟「は、はぁ」


女「あぁ今日も見れるかなぁ///ピカピカピカリン♪じゃんけんポン♪////」ウフフフフフ


女「もぉおお可愛すぎるよぉおおお/////」ジタバタ


女「もちろん変身前も可愛いけど、変身後はもう別格だって思うね!」モムモム


弟「そうなんだ…」ムシャムシャ


女「あの子ぜったい同人誌かきそうだよね将来」ウフフ


女「絵も上手いし可愛いし売れっ子同人作家になるなぁきっと////////」ヨダレェェン


弟「ね、姉ちゃんよだれ!」アセアセ


女「あぁ、つい」

114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/28(火) 22:45:39.57 ID:vK1mPTMG0

女「今週はキュアマーチ回かぁ…あんまり楽しみじゃないなぁ」モグモグ


弟「そんなこと言ってやるなよ…可哀想じゃん」


女「あんた!まさかあのグリーンを応援する気!?」ガタ


母「シャラッッッッ!!!!!!!! …えぇ、何でもありませんのぉ!うふふ!」モシモシウフフ


弟「…差別はいくないと思うな」モグモグ


女「あんた先週一緒にテレビの前で棒立ちして見たじゃない!ピースちゃん回!」


女「あんた来週はグー出せば勝てるwwwwwwwwwwwとか言ってたじゃない!忘れたとは言わせないわよ!!」


弟「あ、あれは〜…」(あれ?思い出せない…)


女「…裏切り者は氏ね!」ポイ


弟「ぅわ!!?ひじきなんて投げるなよ!!」ヨケ


女「うるさい!裏切り者にはひじきよ!ってかあたしひじき無理!!視ね!!!」ポイポイ


弟「ちょま!」アタフタ


母「シャッッッッッッッラァッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」ガチャン



弟「お、応戦だ!」ポイポイ


女「弟のくせに生意気だ!!」ポイポイ


母「食べ物で遊ぶな!!」




115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/28(火) 23:52:35.91 ID:vK1mPTMG0

女「さて…」ガタ


弟「…」


弟「まだスマイルプリキュア!の時間じゃないよ?」


女「う、うっさい!/// …フォーゼ見るのよ…」タジタジ


弟「ふーん…」


女「いま馬鹿にしたでしょ」


弟「は、はぁ!?してないよ!?」


女「嘘だ鼻で笑ったよさっき!」


弟「ど、どんだけ被害妄想ハゲシイんだよ姉ちゃん!!」アセアセ


女「……まぁいいわ、喧嘩ばっかりしてたらせっかくの日曜日がつまらないわ」ツーン


弟「…こっちの台詞だよ」ボソ


女「おとうと!!」ギロ


弟「な、何も言ってないって!!!!」アセアセ


弟「って、てか、僕もフォーゼ好きだし!…僕も見ようっと!」ガタ


女「なーんか…変なの」









『スマイルスマイルスマイルスマイル♪プリキュア♪』


女「ハジマタ」wktk


弟「お、落ち着いてよ」


女「さ、立つわよ!」スク


弟「えぇ!?」


女「なによ、先週はあんたから立ったでしょ」


女「しかも来週も立って見るよ!って言ったじゃない」


弟「むぐぐ…先週の僕め…恨むぞ…」スク




116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/29(水) 00:06:35.54 ID:xw96/iti0

『ピカピカピカリン♪じゃんけんポン♪』


弟「……」


女「あれ?負けちゃった」


弟「むむ?先週はチョキだったのに…」


女「騙したわね」


弟「どう騙したって言うんだよ」アセアセ


女「まぁいいわぁ…ピースちゃんが可愛すぎるから許す///////」ハァハァ


弟「……」









平和の城 大広間



下っ端A「……」

下っ端B「……」

下っ端C「……」

デビルA「…お、おいおい、昼はあんなにうるさかったのに、夜はめちゃくちゃ静かじゃねぇか…」ドンビキ

デビルB「何があったよ?」ウィーヒック

下っ端A「…魔王さまにお昼、届け損ねました」

デビルC「あーやっちまったなぁw」ドンマイ

デビルA「それで?お前ら叱られたのか?もしかしてクビか?」

下っ端B「それはないんですけど…魔王さま、厨房長のお昼毎回楽しみにしてたので…」

下っ端C「あぁ…きっと落ち込んでらっしゃるだろうなぁ…本当に悪いことをした…」フゥ

デビルA「…まぁなんだ、その…次、頑張れよ!な?」

下っ端A「次はたぶんありませんよ…」ドヨーン

デビルC「……」

下っ端A・B・C「「「はぁ……」」」ドヨーン...

デビルA(…これはこれで面倒くせぇな…)


117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/29(水) 00:15:59.35 ID:xw96/iti0

平和の城 客間


町長「失礼します」

騎士団長「説明しよう!我々は勇者クンを救う手段をみんなで考えるため、魔王殿のお城に来ているのであーる!」

執事「誰に説明しているのですか」

騎士団長「あ…できれば流してほしかった…///」ポッ

町長「さて、再開しましょう… 魔王さまは?」

執事「…自室で休んでおられます」

町長「…そうですか、無理もありませんね…目の前で…ですから」ムム

騎士団長「では魔王殿を抜いた我々で思案するとしましょう」

町長「ですな」

執事「…あれ?アリア姫様までいない…?」キョロキョロ







魔王さまのおへや



魔王「……」はぁ

魔王「…………」

コンコン

魔王「…だれ?」

ダメイド「私です」ギィ

魔王「ダメイド……どうしたの?」

ダメイド「いえ…お城に帰られた魔王さまが、元気がない様子でしたので…心配になって…」

魔王「…そう、…ありがとうね」…ニコ

ダメイド「……」スタスタ

ダメイド「…となり、よろしいでしょうか?」

魔王「…いいよ」



118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/29(水) 00:28:33.30 ID:xw96/iti0

ダメイド「……」ボスン

魔王「……」

ダメイド「………」

魔王「………」

ダメイド「………」

魔王「………」

ダメイド「………」

魔王「………」

ダメイド「………」

魔王「………」

ダメイド「………」

魔王「………」

ダメイド「………」

魔王「………」



魔王「………」

ダメイド「…………………」




ダメイド(むぐぐぐうぐぐすっごい気まずい!…どうしよう何て言ったらんだろう!!?)アセアセ

魔王「……」

ダメイド(こんなに落ち込んでる魔王さま始めてみるよぉ…!…どうにかして元気づけないと…!)

魔王「……」

ダメイド(そそそうだ!いつもみたく私がお馬鹿なことして叱られるようにすればいいんだ!名案だぞ私!…よぅしッ!)

魔王「……」

ダメイド(…魔王さまのほっぺたプニプニしよう……)ソー...

魔王「……」プニプニ

ダメイド(ふぉおおおおおおおおおお!ふぉおぉぉおおおおお!!!)

ダメイド(何てことを!何てことを!さぁ!叱って!魔王さま私を叱って!!)ドキドキ

魔王「……」プニプニ

ダメイド(…無反応!?どれだけ落ち込んでるんですか魔王さま……)

ダメイド(…こうなったら…おなかを…!さぁ!どうです!?)ソソー...

魔王「……」フニフニ

ダメイド(ふぉぉおおぉぉおおぉぉぉおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)ドッキンドッキン

ダメイド(え?マジで!?マジなので!?えぇぇぇえ!?)ドッキンドッキンドッキン

ダメイド(まままま、魔王さまの、お、おな、おなか…触ってしまった…////)ハァハァ

ダメイド(やばし…でもここまできてまだ無反応だというのなら……)

超ダメイド(私にもプライドがある!!絶対叱られてやるというプライドが…!)ドン!!!!


119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/29(水) 00:44:46.63 ID:xw96/iti0

超ダメイド(…よし、む、むむむ、胸を……つついてみよう…)ハァハァ

魔王「……」プニンプニン

超ダメイド(ッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!)ハァハァハァハァハァハァ!!!!!!!!!!!!!

超ダメイド(あかん…理性が…吹き飛ぶ…やば…し…)ハナヂブー

超ダメイド(…魔王さま胸でかいもんなぁ……エロいなぁ……次は揉んでみようかなぁ………)ハァハァ…

超ダメイド(………いけるところまでイくッ!!!)ソロー...

魔王「……っ」モミ

超ダメイド(! 反応が…、叱るか!?叱るのか!?)ビクビクン

魔王「………」ボー...

超ダメイド「」


超ダメイド「………フフフ////」






平和の城 大広間


アリア姫「ちょっとあなたたち!」

デビルA「ひゃい!?な、何でしょう?」(ぅぉあー!?アリア姫じゃん…本物じゃん…!!!!)ドキドキ

アリア姫「魔王さまのお部屋は何階にあるのかしら?」

デビルB「さ、最上階です!大広間を抜けたさきの階段をご利用ください」ドキドキ

アリア姫「ありがとうですわ」ニコ

デビルC「」






アリア姫「…いま魔王さまは落ち込んでらっしゃる…」スタスタ

アリア姫「それはあの子供を…救えなかったから…ですわ…」スタスタ

アリア姫「そこで!わたくしが!魔王さまのお傷を癒すことによって…!」ムフフ///

アリア姫「魔王さまはわたくしの虜となって…それでわたくしと毎日、わたくしのお城で過ごすのです…///」ポッ

アリア姫「嗚呼…魔王さま…お美しいその美貌…落ち込みなさっていては、勿体ない…!」スタスタ

アリア姫「やはり魔王さまは…笑顔が一番似合うのです…!そして朝目覚めるたびに隣にその、お美しくそして可愛らしく可憐な笑顔が…わたくしの…わたくしのッ……!」スタスタ...スタ...

アリア姫「……」スタスタ...スタスタ...スタスタ...





アリア姫(…何階まであるんですの…)ゼェゼェ


120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/29(水) 00:53:23.27 ID:aytHjOhL0
ダメイドの髪が金色になったようです
121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/29(水) 00:54:30.94 ID:xw96/iti0

アリア姫「ひぃ…ひぃ…ひぃ…やっと、着きましたわ…」ゼェゼェ

アリア姫「魔王さま…いま…イきますわよ…」ギィィ



超スーパーダメイド「」

魔王「……」ボー


アリア姫「」



アリア姫「ななななな!!何者ですのあなた!!!!////」

超スーパーダメイド「あ、いやこれは…そのぅ…////」

アリア姫「その馬乗り状態!ままままままままま魔王さまに何てハレンチなことをッ!!!!////」ウガァ

アリア姫「!?」

魔王「……」ボー

アリア姫(魔王さまの服が…肌蹴てらっしゃ…る…?)



アリア姫「貴女!許しませんわよ!覚悟!!!」キッ

超スーパーダメイド「え、ちょ、待って!話せば分かりますから!!」ヒィ




ギャー








平和の城 客間


執事「? 何か悲鳴が…」

騎士団長「気のせいでしょう」

執事「…ですかね」



122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/29(水) 01:03:19.36 ID:xw96/iti0

アリア姫「…ふぅ」

ダメイド「…あぅぅ」グルグルマキ

アリア姫「さぁ説明してもらいましょうか!なぜあんなハレンチは真似を!?」

ダメイド「ぅう〜…だって…魔王さま元気なかったんですよぅ…だから元気づけようと思って…」

アリア姫「元気づける行為がセクハラですか!おまわりさんこっちです!!」

ダメイド「やめてよ!」ビクゥン

アリア姫「まったく…さ、魔王さま、もう安心ですよ…」

魔王「……」ボー

アリア姫「…魔王さま?」ズイ

魔王「……」

アリア姫「……魔王さま?」

魔王「……」

アリア姫「……えい!」プニン

魔王「……」

アリア姫「!?」(ほっぺた触っても無反応!?)ドキーン

ダメイド「ね?元気ないでしょう?」シュン

アリア姫「ま、まぁ…そうですわね」

アリア姫(…顔の前で手ひらひらしても無反応……これってもしかして)

アリア姫「…今ならキスできる?///」ムフ

超スーパーダメイド「だめぇええええ!!!!!!」ヒモブチーン



123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/29(水) 01:12:44.32 ID:xw96/iti0

魔王「……はっ」ビク

超スーパーダメイド「魔王さま!」パァ

アリア姫「!? くっ、遅かった…!」ギリ

魔王「あ、あれ?あたし…何してたっけ……」ン?

魔王「な!?何これ!?服が肌蹴てるじゃない…!///」ウワァ!

アリア姫「……///」じぃぃぃ...

魔王「み、見ないでー!///」タタタタタ バタン


ダメイド「…よかった、もとの魔王さまに戻ったみたいです」フゥ

アリア姫「むぅぅ…あなただけいい思いして……羨ましいですわ」プンスカ

ダメイド「えへへ///」テレテレ

アリア姫「むぅー…」プクー



魔王(何で肌蹴てるのよ?いつの間に…うわー恥ずかしい…///)イソイソ

魔王(…そうだ、たしか城にみんなで勇者君の救出法を思案しに集まってるんだった…)

魔王(…アリア姫がいるのも納得……というか)



魔王(アリア姫にやられたのかこれ…)ズーン



124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/29(水) 01:15:22.80 ID:xw96/iti0
腹減ったorz
125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/29(水) 01:28:51.72 ID:xw96/iti0

別世界



女「…あぁー!面白かったぁ…」フゥ


弟「だねー」


女「…さて、んじゃ遊びに行ってきますかー」


母「暗くなる前に帰ってくるのよー」


女「わかってるってー!んじゃ行ってきまーす」ガチャ バタン


弟「……」


母「あんたはどこか行かないの?」


弟「…ん?うーん…どうしよう…」


母「…いるのなら留守番頼みたいんだけど…いいかしら?」


弟「あー、いいよ。留守番してるよ」


母「そ、ありがとうね!冷蔵庫にケーキあるから食べてもいいわよ」


母「…女には内緒でね!」フフ バタン



弟「…う〜ん……」


126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/29(水) 01:42:51.15 ID:xw96/iti0
即興なのでどう転ぶか分かりません
何か要望があればそれに沿って書きたいと思います

要望があればどうぞ


今日はもう寝ますwwwwwwww
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/29(水) 02:14:27.37 ID:eRzI/ou7o
おつ
最後にはみんなでほのぼのしてれば満足かも
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/02/29(水) 04:39:34.10 ID:gJexUNtlo
おつ!
129 :743 [sage]:2012/02/29(水) 08:56:46.33 ID:31HjSG66o
130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/02/29(水) 11:57:04.21 ID:xw96/iti0
>>127 おkk
完走目指して頑張るよ
131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 00:38:10.33 ID:ozkVPih/0

弟「……あった、…チーズケーキか…」ガチャ


弟「いただきます」ハム…


弟「…」もぐもぐ


弟「……?向こうの空が暗いなぁ…」むぐむぐ


弟「…雨降りそうだな」もぐもぐ




デパ地下


女「でさー、そん時なんて言ったと思う!?」キャッキャ


女友「えー?なになにー!?」プクク


女「”お前に食わせる餃子はにぃ!”って言ったんだよ!?」


女「マジウケない!?ふざけてるよねぇ!」アハハハ


女友「ごめんそらないわ」


女「あ、そですか」




パート「すいませぇんこれどうぞ〜」ピラ


女「いらなぁい」プイ


女友「ふふ、女ったら意地悪な子!」アハハ


女「そんなことよりスタバ行こスタバ!!」キャッキャ


女友「いいよ〜!いこいこ!」

132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 00:49:42.18 ID:ozkVPih/0

スタバ

店員「いらっしゃいませぇ」

女「あたしキャラメルマキアート」

女友「私はカフェモカで〜」





女「よいしょっと…でさぁ、さっきの続きだけどぉ!」ウフフ ストン

女友「あぁゴローさんとシャーリーのカップリング?」フンフン

女「そうそう!もうピースちゃんもいいけどシャーリーちゃんも外せないのよねぇ!///」キュンキュン

女友「あぁあわかるぅ!ほんっと、わかるぅ!////」キャッキャ

大学生「……」カタカタ...

女「時代はメイドよ!中学生メイド!これ一択に尽きるわ!」

女友「でもメイド服ってだけでポイント高めだよ?」

女「あぁそうかぁ…確かにあたしらがメイド服きても案外いけそうな気もするしねぇ」

女友「そらないわ」

女「あ、そですか…」

女友「女!二次と三次をいっしょにしないでって言ってるじゃん常時!」プンスカリヌス

大学生「……………」イライラ カタカタ...

女「!!!あたしが間違ってたよ女友…!だよね…二次と三次…月とツッポンの差だもんね…」

女友「いやまず比較すること自体間違ってるんだよ!!!二次は神だよ!!!!」ダン

女「!!!!!ンンなるほどッ!!!!そですかぁ!!!!!」ゥォオオオ

大学生「……ッ」プッツン


133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 00:59:33.61 ID:ozkVPih/0

大学生「お前ら!!!!!」ダン

女「?」

女友「…何よキモ男」

大学生「!?…お、お前ら、さっきからうるさいんだよ…」プルプル

大学生「今やってる課題…レポート、明日までなんだよ!なのにお前らがうるさいから、全然進まない!」

女「…はぁ?お前が他んとこでやればいいじゃん」

大学生「俺がどこでやろうと、他人には関係ないだろ…!」

女友「じゃ私らもどこで話していよーが関係なーい」キャッキャ

大学生「だからその黄色い声がうるさいって言ってるんだ!!!」ダン

女「…キモ男」

大学生「…っぐ、どこまでも失礼なアマだな…親の顔が見てみたいよ…」ブツブツ

女友「あー!…もしかしてあんた、”スタバでノートパソコン開いて課題やってる俺カッコイイ”ってクチの痛い人?」クスクス

大学生「!?///」ビク

女友「きゃー!?図星!?いたぁい!マジできもぉい!!!」アハハハ

女「ねぇー!もうマジできもいよぉマジでキモ男だねぇ!!」キャッキャ

大学生「〜〜〜〜〜ッッッ!!!!!」

大学生「…もう帰る」

女「あぁそうしなそうしな!」フン

女友「他所のスタバに迷惑かけんなよー!」アハハ

大学生「……ちっ///」アセアセ スタスタ...


134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 01:12:04.37 ID:ozkVPih/0


どこか


大学生「…くそ、今日は何て日だ…」スタスタ

スタスタ... ドン!

サラリーマン「…った、気をつけろ!」スタスタ

大学生「!す、すいません…!」アセアセ

大学生「……」スタスタ

大学生(厄日だ…)




________________________________________________

______________________________________

______________________________



『まもなく電車が到着いたします、白線より内側でお待ちください』ピー


ガタン... ガタン...


大学生「……」パラパラ

大学生(…今週もワンピースごちゃごちゃしてるな…もうちょい分かりやすく書いてくれないかな……)ペラペラ


プシュー...!


大学生「……」スタスタ... ドン!

不良「いた!?」

大学生「あ、すいませ…ん?」ハッ

不良「…どこ見て歩いてんだ屑」ガシ

大学生「」





135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 01:13:00.82 ID:ozkVPih/0


路地裏


不良「おらぁ!!!」ドゴォ

大学生「ッ!!」ドサァ

不良後輩「兄貴にたてつくからでヤンス!この世間知らずめ!」ギャハハ

不良「あ〜あ…いってぇなぁ…さっきぶつかったところ、全治30年だぜ」ゴキン ゴキン

大学生「!?な、何を…ぅぐ!」ドゴ

不良後輩「慰謝料請求しないとじゃないでヤンスか兄貴!?」

不良「! そうだな、たっぷりと払ってもらわねーとな…」ニヘヘ

大学生「……」ゲホゲホ



??「待ちなさい!!」



不良「!?」

不良後輩「!?」


136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 01:21:29.43 ID:ozkVPih/0

??「プリキュア!スマイルチャージ!」


レディwwwwwwwwゴー!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

ゴーゴー!wwwwwwwwwwwwレッツゴーピースwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww


??「ピカピカピカリン♪じゃんけんポン♪」

??「キュアピース!!!」


デデンwwwwwデデデンwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww





不良「」

不良後輩「なな何でヤンスかお前ら!!!!」

大学生「…お前ら…スタバの…!」ゲホゲホ


女「このキュアピースが来たからにはもう安心よ!」

女友「ぅぅ…やっぱり恥ずかしいなぁ///」←こいつがゴーゴー言ってた


不良「なんだてめぇら邪魔すんならアマでも容赦しねぇぞ!!!!」ダン

不良後輩「うおー先輩しびれるでヤンス!!!!」



137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 01:32:48.77 ID:ozkVPih/0

不良「」ボコボコ

不良後輩「せせせせせんぱぁぁああああああい!!!!??」ガビーン

女「スマイルファクトに気合をためたからすごいパンチができた」フンス

女友「もう女の自前の腕力だよね」


不良後輩「くぅぅ!覚えてろでヤンス!!!」ピュー





大学生「……何で助けた」ハァハァ

女「…プリキュアなら助けただろうから」

大学生「…ハン、またアニメか…」

女「!? 今鼻で笑ったわね!?せっかく助けてやったのに!」

大学生「助けてと頼んだ覚えはねぇよ」スク...

女「むがが…!」プルプル

女友「もぅいいよ、いこ!女…こんなやつほうっておこう」グィ

女「……ふん」ムス

大学生「……ただ」

女「?」

大学生「元気でいつでもウルトラハッピーな星空みゆきちゃんのほうが可愛いけどな」

女「!?」

女友「!?」

大学生「……フッ」スタスタ

女「…ちょ!あんた!ピ、ピースちゃんのほうが可愛いんだから!」マテヨ!

大学生「言ってろジャンケン要員」ハハハ スタスタ

女「くぅぅううう!!!」ジタバタ

女友「……」クス




138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 01:40:28.87 ID:ozkVPih/0

女自宅


女「ただいまぁああ!!!」バタン

弟「おかえり」

女「むがぁああ今日はむかつく事があったわ!聞いてよ!!」プンプン

弟「断っても聞かされるんだろうから、いいよ…聞くよ」ハァ

女「今日ね、なんかね、不良に絡まれてるヤツがいたから助けたの!そしたらそいつ、何て言ったと思う!?」プンプン

弟「不良!?…姉ちゃんすげぇな…」アゼン

女「? いつものことじゃない?」キョトン

弟「…あ、あぁ、そうか…そうだったよね…」アハハ

女「でね!そいつ!ピースちゃんを!侮辱していったのよ!?信じられなくない!!?」プンスカリヌスン

弟「それはひどい」

女「でしょ!?あーもうご機嫌斜めだわーもうマジで無理だわー」ダンダン

弟「落ち着いてよ」アセアセ

女「風呂入ってくる!」プンプン

弟「いってらっしゃい…」

バタン...



弟(…結局雨ふらなかったな…)


母「ただいまー」ガチャ


弟「おかえり〜」


139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 01:55:49.46 ID:ozkVPih/0



平和の城 大広間


騎士団長「………」ズズ...

魔女A「ねぇ見てあそこのカウンターに座ってる方…///」ドキドキ

魔女B「めちゃくちゃ格好良くない?///」ドキドキ

魔女C「私のモロ好みなんですけど…///」ドキドキ

スタスタ...

でーもん「おいブス共!邪魔だ!どけどけ!」ズカズカ

魔女A「きゃん!?ちょっと!おしり蹴らないでよ!」マァ!

魔女B「でーもん!?あんたデリカシーってもんがないわよ!」プンプン

魔女C「そうよ!恥を知りなさい!!」オイオイ!

でーもん「恥?そりゃ美味いもんか?」キョトン

魔女A「…はぁ、信じられないわ」

魔女B「いきましょ、かまってられないわ」スタスタ

魔女C「そうね行きましょう」ハァ... スタスタ

でーもん「てめぇら何が言いてぇ!?こんのブス魔女共が!!」プンプン

騎士団長「…これは…でーもん殿か」

でーもん「はっ!騎士団長!町長殿がお呼びです!」ササ

騎士団長「うむ、わかった」ガタ






平和の城 客間


町長「…全員集まりましたね?」

魔王「…」

執事「…」

アリア姫「…」

騎士団長「…」

ダメイド「…」

盗賊「…」

でーもん「…」

こぐれ「…」






魔王「ってか前より多くない!?」ガビーン




140 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 02:18:05.48 ID:ozkVPih/0

魔王「まだ盗賊さんとダメイドは分かるけど、何故にでーもんとこぐれが!?」

魔王「つーか、かっかだけハブられてるの!?可哀想だから呼んであげてよ!」

でーもん「かっかは腹痛で倒れてます」

魔王「何で!?」ガビーン

こぐれ「飯のときにあいつのコップに下剤を入れまして…それで」

魔王「お前ら何やってんの!?」

でーもん「おれは止めろって言ったんですけどねぇ」チラッ

こぐれ「いやお前すげぇ乗り気だったじゃん!とぼけるなよ!」

魔王「お前ら仲良いな!」




町長「それでは始めたいと思います」

騎士団長「お題は”どうやって勇者クンを救出するか”」

魔王「お題!?なんか軽いよ!?」

アリア姫「つっこみに投じる魔王さまもステキ…///」キュンキュン

ダメイド「ですね…///」ハァハァ...

執事「現在出ている案は…アリア姫さまが以前に言われた、また違法魔法を唱え、あの者に会う…ですね?」

町長「そうです、そしてあの者に別世界へのゲートを開かせる…」

騎士団長「しかしあの者が素直に応じるはずがない…と」

町長「はい。なのでやつを上手く出し抜かなければなりません」

町長「今日はその方法を皆さんと協力して考えたい」

魔王「ふむ…」



盗賊「…確か…」

町長「何でしょう?」

盗賊「あの者は”勇者という名に興味を覚えたから出向いた”のですよね?」

魔王「そう言ってたけど…」

でーもん「! そうか!またあの者の興味を惹く称号をもって違法魔法に臨めば…!」

盗賊「えぇ、可能性として考え得るという域を出ません、確実法でもありませんが…もしかしたら…」

執事「…そのような称号はもうないのでは…?」

アリア姫「…たしかにそうですわ」

アリア姫「この世界で有名な称号といったら”勇者”と”魔王”ですもの…でも既にその二つの称号はあの者は知っている…」

盗賊「…ふむぅ…」

魔王「……」

騎士団長「……」

町長「……」

魔王「……!!!!」ハッ

ダメイド「…魔王さま?」



魔王「…称号がないなら創ったらいいじゃない!」ドン
141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 02:32:46.41 ID:ozkVPih/0

魔王「さ!みんな、考え付く称号すべて出して!その中からあたしが選ぶから!」ドン

町長「…わかりました、わずかな可能性でも賭けるに値します。皆さん考えましょう!」



_____________________________________________

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魔王「…みんなできた?」

アリア姫「…も、もうちょっとですわ…」カキカキ

騎士団長「私はもうできましたぞ」フンス

魔王「じゃ、騎士団長さんお願いします」

騎士団長「私はこれを推しますよぉ!」フフフ




『ギリギリエロス!ダイナマイツボデー炸裂!超スーパーウルトラ最強剣士』



魔王「…確かにあの者は男だけど…長い!却下です!」

騎士団長「シ、シビアですな」アセアセ

魔王「次は!?」ドウデスカー?

ダメイド「…できました!」




『激撮!泉ピ○子のプライベート密着!?』



魔王「称号じゃないし泉ピン子とか割とどうでもいい!!」

こぐれ「てか全力でどうでもいいですね」

魔王「次!!」

執事「…はい」ハイ



『A○B48生写真あります』



魔王「何の宣伝だよ!?称号考えろよぉおおお!!!!」ガシャーン

執事「最近ハマってて…」テヘ

騎士団長「あーわかるわかる」

でーもん「集めだしたら止まんないッスよねwwwwww」

魔王「次ッ!!」

アリア姫「も、もうちょっとなんですのぉ〜…」カキカキ

町長「ふむ…これは…流れ的にボケるべきですかね?」

魔王「できればボケないで」


142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 02:50:14.69 ID:ozkVPih/0

魔王「次つぎ!」ハイハイハイ!

盗賊「…できました!!」ハイィ!



『お前の過去を知っている』



魔王「脅迫文じゃねえか!!!!!」ガシャァアアアアン

盗賊「これにはあの者もビビって出てきますよ」ウフフ

魔王「出てこねぇよ!!!次!!!!」

こぐれ「…力作ッ!で、できました!」



『堕天使の血印をその右腕に刻みし悪魔』



魔王「見てるこっちが恥ずかしいわ!!次!!!!」

こぐれ「えぇ!?自信作なんですよ!?自分のコードネームこれにしようと思ったぐらいに…」

でーもん「マジで!?ちょ、止めて?傍にいるおれらが恥ずかしいよ」

魔王「次つぎつぎ!!!」オイオイォイ!

町長「…よし…」



『あなたをもっと知りたい』



魔王「だから称号ぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!」

魔王「何ちょっと告白っぽくなってんだよ!!!!!?????」オィィィイイイ

町長「これにはあの者も照れ隠しに出てきますよ」フフ

魔王「いや出てこないよ!?」

騎士団長「…よし、これなら!」



『過激なエロスこの冬上陸!?ホットな魅力の魅惑のフェロモンむんむん剣士』



魔王「何でお前は下系ばかりなんだよ!!!!????」

騎士団長「人肌恋しい季節が来ましたな...」

魔王「風俗いってろ!!!!!!!!!次!!!!!!!!!!!!」ハイハイハイハイ!

こぐれ「ぼくの行き着けの風俗店、紹介しましょうか?」

ダメイド「やだー男子ぃー///」モォー

騎士団長「頼む」キリッ

魔王「次ィィィイイイイイ!!!!」


アリア姫「…つっこみに命を賭ける魔王さま…いいわぁ////」キュンキュンギュン


143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 03:09:05.40 ID:ozkVPih/0

この後もいろいろな意見が出てが結局「これだ!」という称号は見つからなかった




町長「…ですので称号の案は却下ですね」

魔王「………」ゼェゼェゼェゼェ...

ダメイド「魔王さまお疲れ様です///」ササ

魔王「………」ゴクゴクゴクゴク

アリア姫「魔王さま素敵でしたわ///」ウットリ

騎士団長「ふむ、では次はどのような……っと、もうこんな時間か…」

騎士団長「町長殿、今日はこの辺にしておきませんか?」

町長「…!そうですね…もうこんな時間ですか…では、また明日ということにしましょう」

でーもん「はーい!」

こぐれ「はーい!」

盗賊「了解しました…明日も同時刻に?」

町長「えぇ、また皆さんのご意見をお聞かせ願いたい」

執事「わかりました」

町長「では…お疲れ様でした」







平和の城 魔王さまのおへや


魔王「あ”−疲れたぁ!」フトンダイブ

アリア姫「ですわー!///」フトンダイブ

魔王「!? アリア姫!?何でここに!?」ビク

アリア姫「だってぇ…執事さんがわたくしに宛てがってくださったお部屋…1人じゃ怖いんですもの…」グスン

魔王「! な、泣かないで…ど、どうしよう…ぅぅ〜…///」アタフタ

アリア姫(…もう一押しですわ…!)ニヤリ

アリア姫「…1人じゃ怖いのです…だから」ウルウル

アリア姫「……今晩いっしょに寝てください…///」ウルウル

魔王「!?///」

魔王「い、いや…まずいよ…その、ほら!あたしたち女の子なんだし…!」アタフタ

アリア姫「…わたくしの思い…受け取ってくださらないのですね…」ウッウッ...

魔王「いやそんなわけじゃ…!」アセアセ

アリア姫「だったらいっしょに寝てください」

魔王「」




144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 03:19:48.81 ID:ozkVPih/0

平和の城 大広間


マスターっぽいの「……」フキフキ

騎士団長「……」スタスタ... ガタン

騎士団長「…カクテル」

マスターっぽいの「…かしこまりました」



魔女A「きゃ!ちょっと見なさいよ!またあの方が戻ってきてらっしゃるわ!」キャ

魔女B「本当!渋くてほんっとうに、私好みだわぁ////」ウットリ...

魔女C「あの何か思い詰めたような横顔…たまらないわ…///」ドキドキ



マスターっぽいの「…お待たせしました」コト

騎士団長「…すまない」

騎士団長「………」カラン...



魔女A「はぁぁああ///// もう最っ高……/////」ハフゥ...

魔女B「話しかけてこようかしら……い、いや駄目だわ!あのたそがれる横顔をずっと見ていたいもの…////」キュンキュン

魔女C「あぁ……Satisfaction…/////」ウットリィヌ








騎士団長(…明日も下系で攻めるか……)カラン





145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 03:23:19.77 ID:ozkVPih/0
なんか脱線しまくってるけど着実にシナリオ通りにいってます
ご安心をw

今日はもう寝るwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/01(木) 09:52:20.83 ID:qf0N85Om0

執事「…はい」ハイ を二度見したのは俺だけでないはず
147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 11:57:14.79 ID:ozkVPih/0

勇者宅 跡地


勇パパ「……」

勇ママ「うぅ…グスン…ヒック」フルフル

???「奥様…」

勇ママ「ぼっちゃん…私の…たった一人の…息子ザマス…」グスン

勇ママ「なぜ…こんなことに…?」

勇パパ「…あの子の異変に気付いてやれなかった我々に責任がある…」ソ

勇パパ「隠し事をしているなんて、ちっとも疑わなかった…」

勇パパ「いや…疑うことすらしなかった……」ク

???「ダンナ様…わしにも責任があります」アセアセ

勇ママ「ッ!使用人には関係ないでしょう!?」

???「ありますとも!!」クワ

勇パパ「……」

???「ぼっちゃんはわしを家族同然のように扱ってくださった…それはもうお心の広いお方でした…」

???「…それなのにわしはそのお心に甘え…一番ぼっちゃんに近いところにいながら、ぼっちゃんを止めることができませんでした…」ウゥ...

勇パパ「…いい、もういい、使用人」

???「わしは…わしは……」グス

勇パパ「…魔王さまたちを信じよう、きっとあの子を救ってくれる」




148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 12:13:38.88 ID:ozkVPih/0

アリア城下町



黒魔術士「……」

戦士「…くろま」

黒魔術士「…! 戦士に…僧侶か」ビク

僧侶「…聞いたよぉ…勇者くんが……」

黒魔術士「………」

戦士「…何であたし達に教えてくれなかったの?」

黒魔術士「…それは…」

戦士「あたし達は仲間でしょ!?パーティなんでしょ!?何で教えてくれなかったの!!」ガシ

黒魔術士「…勇者が、言ったんだ…『戦士と僧侶を驚かせたい、だから黙っておこう』って…」

戦士「ッ…!馬鹿!危険なことだって分かってたんでしょ!?」

僧侶「そうだよぉ…黒魔術士くんが注意してあげなきゃだよ…」

黒魔術士「…おいらは…」

黒魔術士「………」

戦士「……もういい…僧侶、いこう」ドサ

黒魔術士「…っった…」ズサ

僧侶「…で、でも…!」

戦士「…そんなやつもう知らないから」スタスタ

僧侶「ま、待ってよぉ!」

黒魔術士「………」




そうだ…おいらは何をやってたんだろう…

親友の悪事を一緒になって勤しんで、自分より上手くいってる親友を…

そうだ、おいらは『あいつなんてどうにでもなっちゃえ』って、心のどこかで思ってたんだ

最悪の事態を切望したんだ


…おいらはあいつが妬ましかったんだな


最低だよな…おいらって……





149 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 12:15:06.94 ID:ozkVPih/0

青年「…どうした、しりもちなんかついて」

黒魔術士「…い、いえ、別に…」

青年「…そうか、ほら、立てよ」ス

黒魔術士「あ…ありが…とう…」ガシ スク

村人「おーい!青年はやくしろって!もう客並び始めてるぞぉ!」ブンブン

青年「あぁ!すぐ行く!」

青年「…ぼうず、ほら、これをやるよ」ス

黒魔術士「…?」

青年「ミズミズにんじんだ…水水しくて甘いぞ」ニゴォ

黒魔術士「…あ、ありがとうございます…」ウツムキ

青年「じゃあな」タタ

黒魔術士「………」



シャク...もぐもぐ...




黒魔術士「………甘」


150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 12:30:56.76 ID:ozkVPih/0

黒魔術士(…そうだ、やれることをしよう…)グ…

黒魔術士(おいらは、おいらがやれる範囲のことをしよう…)



それで勇者が戻ってこれるなら、それが本望じゃないか……







平和の城 食堂


騎士団長「もぐもぐ...」

執事「……」ムシャムシャ

騎士団長「…いつもと変わらん朝だな」パクパク

執事「えぇ…清々しい朝ですね」ムッサムッサ

騎士団長「…まるで勇者クンが消えたのが夢だったと思えるまでに…」ムッサリンコ

執事「えぇ…清々しい朝です…」パクパク

盗賊「すいません、お隣よろしいですか?」

執事「えぇどうぞ」

盗賊「ありがとうございます」ガタ

騎士団長「…もぐむぐ」

執事「……ふぅ」ゴチソウサマデシタ

執事「お先に失礼します」ガタ

盗賊「はい」パクパク

騎士団長「…うむ、食った食った…」ゴチソウサンット…

騎士団長「先に失礼いたす」ガタ

盗賊「はい」ムシャムシャ






アリア姫「あー!魔王さまったら!朝いないと思ったらもう食堂にぃ!ひどいですわぁ!!」プンプン

魔王「!?だ、だっふぇ、ありあひえまば、めふぇたし…!」アセアセ

アリア姫「あらぁ魔王さま/// お口についていますわよ////」ヒョイ パク

魔王「!!?/////」バフォォ!

アリア姫「もぉお魔王さまったらぁ!////」アラアラウフフ////





ダメイド「もぐもぐ」

ダメイド「…で、何で私があんた達と一緒に食べないといけないわけ?」

でーもん「いや満席だし…」

こぐれ「別にいいじゃねえか!」アセアセ

かっか「…お粥しか食えんて……」ハァハァ...

151 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 12:48:21.72 ID:ozkVPih/0

戦士の家


僧侶「おじゃましまぁす…」

戦士「入って入って〜」

スタスタ... ガチャ

僧侶「わぁ〜!戦士のお部屋ってけっこう女の子なんだねぇ」ウフフ

戦士「う、うっさい!///」アウアウ

戦士「…ほら、前に借りたいって言ってた漫画」

僧侶「!! わぁ!ありがとぉ!」ニコニコ

戦士「どういたしまして」ニコニコ




僧侶「〜♪」ペラペラ

戦士「……」ペラペラ

僧侶「…?戦士、何よんでるの?」ヒョコ

戦士「んー…アルバムだよ」ペラペラ

僧侶「わぁ…なつかしいねぇ…」キラキラ

戦士「…これ、剣豪青少年育成の会にみんなで参加したときの…」ホラ

僧侶「わぁあ!あったあったぁ!」キャッキャ

戦士「けっきょくこれに行ってためになったのは、あたしと勇者だけだったっけね」アハハ

僧侶「だねぇ…私と黒魔術士くんは『剣が重いからイヤ!』って言って魔道士になったもんねぇ」ウフフ

戦士「懐かしいなぁ…」ペラペラ

戦士「あ…これ、不定期で開催される魔法祭りじゃん!」

僧侶「わー!これも懐かしい!」

戦士「世界中から魔道士が集まってきたよねぇ…あの魔法はすごかったなあ…」ハハ

僧侶「そうそう!でね、勇者くんったら『ぼくにもできるよ!』って言って、目瞑って唸りだしてさぁ!」アハハハ

戦士「あったあった!ほんっと、馬鹿だよねー男の子って!」キャッキャッ

僧侶「魔法の予備知識の「よ」の字もないのにねぇ…でもあのチャレンジ精神はすごいよねぇ…」ムフゥ

戦士「…チャレンジ!といえば、あのときさぁ…!」フフフ

僧侶「……えぇ!?ほんとぉ!?あはは!!」キャッキャ

戦士「ほんとほんと!もぅまいっちゃうよね!」アハハハ





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152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 13:02:31.84 ID:ozkVPih/0

とある村



占い婆「………」ブゥゥン...

青年「ただいまーっと… …!?お婆!何してるんだ!!」ダダ

占い婆「…もう少し、もう少しで見えるんじゃ…!」ブウゥゥゥン...

青年「何を馬鹿なことを言ってる!早く占いをやめるんだ!!」アセアセ

占い婆「今度ばかりは邪魔はしないでおくれ!!」パァン!

青年「!? 結界なんか張って…!お婆、頼むやめてくれ!」ダンダン

青年「またお婆に何かあったら、俺は…!」

占い婆「…じゃ、大丈夫じゃ…、安心、しろ……!」ブゥゥウン...

青年「お婆!!!!!!!!!」ダン





ドクン





占い婆「き…きた…やつじゃ…ッ!!!」ハァ…ハァ…ゥグ…

青年「お婆!やめろ!!」ダンダン

占い婆「…その、姿…見せてみろ……!!」ブゥゥゥゥゥゥン

青年「お婆ッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



ガシャン....




青年「…!? 結界が…割れた…?」

青年「…お、お婆!?」タタ

占い婆「」

青年「お、おい!お婆!しっかりしろ!お婆!」ユサユサ

青年「…お、お婆……なん、で……」

占い婆「…せい、…ねん…よ…」ガフ

青年「!? お婆!大丈夫か!?今すぐ医者を…!」

占い婆「いい…いいんじゃ…それ、より……これを…」

青年「…水晶玉?」ス

占い婆「…邪神と…リン、ク…した……それで…やつの、ところへ…」ガク

青年「!!! お婆……」ジワ...

青年「…何が邪神だよ…!お婆が死んじゃったら…なんにも意味がないじゃないか……!」ポロポロ

青年「ちくしょう…ちくしょぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」






153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 13:07:10.32 ID:ozkVPih/0

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葬儀後





村人「…その、何だ……惜しい人を…亡くしちまった…」

青年「……」

村人「……」

青年「……」

村人「き、気を落とすな!悪いのはお前じゃねぇ!悪いのは、その、邪神ってやつなんだ!」アセアセ

村人「…お婆さんを止められなかった、とか…思うんじゃねぇぞ…」

青年「…あぁ」

青年「……すまん、今は1人にさせてくれないか…」スタスタ...

村人「……」




154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 15:26:01.49 ID:ozkVPih/0

青年宅




青年「………」

青年「………」

青年「………!」ハッ

青年「…この水晶玉…お婆が…」ス

青年「…この水晶玉がいけないんだ…」フルフル

青年「こんなのがあるからッ…!!」

青年「こんなのッ…割ってやる!!!!!」バ

村人「…おい青年ー…? こんな時になんだけど、畑の手伝いを… !?」ガチャ

村人「何やってんだ!?危ないだろ!!!」ガシ

青年「うるさい!はなしてくれ!!俺はこいつを割る!!!!」ジタバタ

村人「何言ってる!破片が飛び散ったら危険だ!!はなせ!!!」グググ

青年「うるさい黙れ!お前には分かんねぇよこの気持ちがッ…!!!」

村人「青年ッッッ!!!!!」バキ

青年「ぅがっ!」ドサァ


村人「はぁ…はぁ…ちったぁ落ち着いたらどうだ…」

青年「………」

村人「…二度とこんな危険な真似はするな…いいな」

青年「……す、すまない…」クッ...

青年「…どうかしてたよ…俺……」

村人「…この水晶玉は俺が預かっておく…畑の手伝いはいいよ、もう休め……」ガチャ... バタン

青年「………ッ」ダン!

青年「お婆……!」ポロポロ



155 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 15:40:45.20 ID:ozkVPih/0

とある村のバー


バーテンダー「いらっしゃい…青年君か…」

青年「…今日はもう酔いたい、とびっきり強いのをくれ」ガタ

バーテンダー「…かしこまりました」



バーテンダー「どうぞ……」コト

青年「……」ス

バーテンダー「…聞きましたよ、お婆さんのこと…」

青年「……」

バーテンダー「惜しい人を亡くした…本当に…」

青年「…お婆は一流の占い師であり一流の魔道士だった」

青年「…俺の自慢のお婆だった」

バーテンダー「…お若い頃はアリア騎士団の特別魔道部隊に所属してらしたんですよね」

青年「あぁ…」

バーテンダー「…そんなお方が…。やはりどのような偉大な方でも、老いというものには敵いませんね…」

青年「……お婆は寿命で死んだんじゃない」ギリ…

バーテンダー「…? 青年君…?」

青年「……」ゴクッ ゴクッ

バーテンダー「………」







村人「…ふぅ、これでよしっと…あとはこの野菜の苗を〜…」

村娘「おーっす村人!」ヒョイ

村人「…おぉ、村娘か、どうした?」

村娘「別にぃ…ちょっと暇になったから遊びに来ただけ」

村人「そうか…」

ネコ「にゃぁあああ!」

村人「うお!?ネコ!?」ビク

村娘「ついてきちゃったのよ…駄目って叱りつけたのに」ハァ…

村人「馬鹿野郎!こいつが畑に来るとロクなことがねぇ!野菜を食い散らかすだけだろ!!」アセアセ

村人「ほらさっさとそいつ連れてどっか行け!!」シッシ

ネコ「ぅにあぁああ」

村娘「ちょっと酷くない?少しくらいいいじゃん、ねー?ネコぉ!///」ウフフ

ネコ「ごろにゃあん」ペロペロ

村人「ったく…ちゃんと見張ってろよ!いいな!」スタスタ

村娘「はーい!」

ネコ「にゃーん」


156 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 15:51:47.21 ID:ozkVPih/0




青年「…バーテンダー…聞いてくれるか?」

バーテンダー「?」

青年「俺…酷いこと言っちゃったんだ…友達に」

バーテンダー「……」

青年「お婆がいなくなって落ち込んでる俺を……元気付けようと畑仕事に誘ってくれたんだろうけどさ…そいつ…」

青年「……馬鹿だよ、俺…『お前には分かんねぇよこの気持ちが』って怒鳴っちまった…」

バーテンダー「……」


青年「…そいつ、小さい頃に家族を亡くしてるんだ」

バーテンダー「!! ……」

青年「…誰かを失う気持ちはあいつの方が知ってる…痛みも苦しみも悲しみも…」

青年「それなのに俺は…あんなことを……」グス...

青年「はは…最低だよな…俺って……」ハハ…

バーテンダー「……」


コト


青年「…?これ…頼んでないけど……」

バーテンダー「…飲んでください…」

青年「…ありがとう」...ニコ




157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 16:01:47.79 ID:ozkVPih/0




村人「………」

村娘「……きれいだね、夕日」

村人「…そうだな」

村娘「………」

村娘「…青年君と同じ顔してる」ボソ

村人「! ……」

村人「……かもな…俺も、みんなを失ったとき、ああいう顔してたのかもな…」

村娘「葬儀のときの青年君…もう見るに堪えなかった…!ほんとに…私まで…泣いちゃって……」グス

村人「……」

村娘「…これからどうするんだろうね…?」

村人「…分からない。ただ、今は安静にしておいた方がいいさ…」

村人「……誰かを失って付く傷は、早々癒えるもんじゃないしな」

村娘「そうだね……」

ネコ「……」ゴロゴロ




158 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 16:14:54.31 ID:ozkVPih/0


平和の城 客間


騎士団長「……」

執事「……」パチ

騎士団長「……」フム

執事「……おぉ」


アリア姫「…将棋をやっていますの?」

ダメイド「おぉー渋いですねぇ」ホホォ

騎士団長「いや、はさみ将棋なるものを…」パチ

アリア姫「……」

ダメイド「……」




町長「…では、さっそく本日の思案会議をはじめましょう」

魔王「…ん?」

盗賊「…? どうしました魔王さん?」ハテ

魔王「…なんか、また…”あの魔力”を感じる…」

盗賊「…!」

アリア姫「奇遇ですわね魔王さま…わたくしも…今さっきから、感じていますの……」

でーもん「…ということは…もしかして”あの者”がこの世界に…!?」

騎士団長「まさか!?またあの違法魔法を唱えたものがいるとでも!?」ガタ

執事「その可能性はありますね…」

魔王「…魔力は…、またアリア城下町から…!?」ビク

こぐれ「前回と同じ場所…ですか、いきましょう皆さん!!!」

一同「おぅ!!!!」



騎士団長(…徹夜でネタ考えたんだけどなぁ…)ハァ



159 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 16:24:41.06 ID:ozkVPih/0


アリア城下町 



クロネコ「これはこれは…!”勇者の付き人”…勇敢なる小さな英雄……」ククク


黒魔術士「………」


クロネコ「お前もやつの後を追いたいのか?」ククク


黒魔術士「…勇者を返せ…ッ!!!」


クロネコ「ふふ…話す気はない、と……」


クロネコ「残念!俺様は勇者の付き人がお呼びだから、出向いたというのに……」


黒魔術士「……ッ」スチャ


クロネコ「…まぁ例え話した後でも命は頂戴するつもりだったから、変わらねぇか…」フフ スチャ


黒魔術士(……あのとき、勇者と一緒に違法魔法を唱えた)


黒魔術士(……そのときに勇者の記した魔方陣…瞬間キオク魔法で覚えておいてよかった)


黒魔術士(おかげでこいつを呼び出すことができた…あとは……)


黒魔術士(こいつを倒すだけ…!!!)



黒魔術士「必ず…助けだしてみせる…!!」ゴゴゴゴゴゴ...



160 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 16:39:21.39 ID:ozkVPih/0


クロネコ「死ねぇええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!」


ブォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!1


黒魔術士「結界魔法…!」パァアン


クロネコ「!? くっ…俺様としたことが…!」ドドドドドドドドドド



黒魔術士(……結界魔法か…懐かしいな…)


黒魔術士(…草原で遊んでたとき、いきなりモンスターが襲ってきて、みんなが死を覚悟したんだっけな……)パァァアアン...


黒魔術士(でも…おいら達は死ななかった…勇者の唱えた結界魔法のおかげで……)


クロネコ「最大火力だぁあああひゃっはぁああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!」ゴゴゴゴゴゴ



黒魔術士(…戦士も僧侶も、おいらが唱えたのかって興奮しちゃって……でも、おいら…そん時、結界魔法はまだ習得してなかったんだよな……)


黒魔術士(それなのに勇者は手柄をおいらに譲ってくれて……)グス


黒魔術士(本当は魔法は4人の中で1番にできるのに、ぼくには難しいよって言っちゃって…)



黒魔術士「…それからだよな、おいら達2人で戦士と僧侶には内緒で魔方陣開発するようになったのは……」ググググ...



クロネコ「あ”ぁ”!?何か言ったかぁ!!?」




ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!!!!!!!!!!!



クロネコ「いつまでもつかな!?ギャハハはハハははははははは!!!!!!!!!!!」ドドドドドドドドド...



黒魔術士(…戦士と僧侶は、勇者はおいらの魔法開発の手伝いをしてるだけだって認識だった…でも本当は違うんだ)



黒魔術士(……本当に、お前はすごいよ……敵いっこないんだもんなぁ……)グス




黒魔術士「!?」パキ...!


ガシャァァアアアン!!!!!!!!!!!!!!!!!!



黒魔術士「ぅぐ!!」ドサ



クロネコ「ハハハハハ!楽には殺さねぇ!!!!てめぇはおもしれぇ!!!!存分にいたぶってからだ!!!!!!!」ギャハハハ



161 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 16:51:16.90 ID:ozkVPih/0


黒魔術士「ぅ…は、はは……い、痛い……」グス


黒魔術士「…でも、まだだ…ッ!!!」スク


クロネコ「そうそうまだ立ってもらわなきゃな!!!簡単に死んでもらっちゃあ困るぜ!!!!!!!!!!!」ゴゴゴ


黒魔術士(……待っててくれ、勇者……ッ!!)







『_____おんなから受け取ったでしょ…?これを使って___________』







黒魔術士「……!!!!????」パァ...



クロネコ「!?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ



黒魔術士(まお…う…さま…?…)パァァァアアア....



黒魔術士「……魔王様ッ!お力、お借りします!!!!」ドォオン!!!!



クロネコ「!!?_________」ドンッ



クロネコ「ッッッッッッッぎゃあぁぁぁああああ!???ってぇえええ!!??」ズサァ... ゴロンゴロン





黒魔術士「はぁ…はぁ…すごい…、いつの間に魔王さまの…お力が……」


黒魔術士「…か、体の内側から生命エネルギーを感じる…これが魔王さまの……!」グググ...


黒魔術士(いけるッ!これならいける!!!!)



クロネコ「き…貴様…俺様をコケにしやがって……タダでは帰さん……ッ」ギロ




162 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 17:01:36.45 ID:ozkVPih/0

クロネコ「ゲート全開!!!邪神様ッ、お力をッ!!!!!!!!」ブゥゥン


黒魔術士「!?」


クロネコ「ひゃっは嗚呼嗚呼嗚呼ああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」


黒魔術士「…なんだよこれ…!」


クロネコ「怖いか?怖いだろ?はっはそうだ恐れろ恐れろ!!!!」ギャハハハハハ


クロネコ「だが…すぐには殺さん…言ったろう?」ゴゴゴゴゴゴゴ


クロネコ「ふっ、ふははははははは!!!」バシィ...バキバキ...ピシ...


黒魔術士(かわせかわせかわせ!!!でないと…死ぬッ!!!!)ドドドドドドド


クロネコ「逃げられんよ」ククク


黒魔術士(!? め、目を見ただけで…体が…!!?)ビクン


クロネコ「〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」ドォオン






城下町人C「な、何!?地震!?」

城下町人D「見ろ!また不穏な魔力が…!」

城下町人E「に、逃げろ!!避難だ!!!!!!!!!!!!」



またも混乱状態に陥る城下町


誰もが門外へと向かって走って逃げる中、二つの影が逃げまとう人々の間を縫うように走っていく



戦士「僧侶!急いで!くろまの家からだよ!!」ダダ


僧侶「戦士ちゃん待って!!」タタタ





163 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 17:13:54.77 ID:ozkVPih/0


クロネコ「…フフフ、ふははははは!すごい!これ程の力とは…さすがは邪神様だ……」ククク


黒魔術士「」


クロネコ「…死んじまったかァ??はは!脆い!脆過ぎるぞ!?もっと楽しましてくれよなァ!!!!」ドゴ!


黒魔術士「…ぐ」ゲホ


クロネコ「…ぁあ?まだ生きていやがったか…」


黒魔術士「……」ハァ...ハァ...


クロネコ「…もういいか、飽きたし…殺そ」ス…


黒魔術士(……ごめん勇者…助けられない…)


黒魔術士「…ほんとに…ごめん……」ポロポロ


クロネコ「…あ”?」


クロネコ「ギャハハハハハハハハ!今頃懺悔ってか!!?ギャハハハハハハハ助けねぇよバァァアカ!!!!」


クロネコ「いいか?お前は死ぬ!!!」ククク


クロネコ「友を助けようとその命を賭け、結局何も助け出せずにお前は死ぬんだ」


クロネコ「お前は 何一つ 救うことができず  死 ぬ ん だ 」


黒魔術士「………」ポロポロ


クロネコ「〜〜〜ッ!!いいねいいねぇ!!!その絶望に歪んだ泣き顔!!たまんねぇなァ!!!!!」ギャハハハハハ


クロネコ「だけどよォ…今更そんな”イジメテください”って顔されても、遅いんだよなァ……」ククク


黒魔術士「……」ポロ...ポロ...


クロネコ「悪りぃけど、もう飽きちまったんだよな…てめぇ……そんなに強くなかったし」フン


クロネコ「ま、つーわけだ! じゃあな、小さな英雄さんよ……」スチャ



黒魔術士(…戦士、僧侶……勇者…ごめん)


黒魔術士(…じゃあね)



164 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 17:22:25.17 ID:ozkVPih/0




戦士「…く、くろま!!!!」ダダ


僧侶「黒魔術士くん!!!」ダダ


クロネコ「…あ”?」


僧侶「!?」ビク


戦士「…あ、あんた誰よ!?」


クロネコ「…てめぇらはつまんねぇな」クル


戦士「ちょ、待ちなさいよ!!くろまはどこなの!?」


僧侶「戦士ちゃん!黒魔術士が…!」


戦士「!? く、くろま!!!」ダ


黒魔術士「」


僧侶「大丈夫!?ねぇ!黒魔術士くん!!」


戦士「くろま!!返事して!!くろま!!!!」


クロネコ「…フハ、そいつはもう死んだぜ?」ニヤニヤ




僧侶「嘘…嘘だよ…!」ブワ


戦士「…お前がくろまを…!よくも…!!」ブルブル


クロネコ「やめとけよ、てめぇらじゃ俺様は殺せねぇ」ククク


戦士「うるさい!よくも…よくも…!」ポロポロ


僧侶「戦士ちゃん!!!」



クロネコ「やるか?」ニヤニヤ





戦士「…返してよ……」ポロポロ


戦士「勇者を…くろまを…返してよ!!!」ブワッ


クロネコ「そいつはできねぇ相談だな」ニヤニヤ


165 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 17:32:30.28 ID:ozkVPih/0


クロネコ「…にしてもてめぇらも大変だな」


戦士「…!?」ポロポロ


クロネコ「人間…つーか魔族もそうか?」


クロネコ「いつもノーテンキに笑ってると思ったら、何かあるとすぐにへこんで涙を流す」


クロネコ「疲れねぇか?」


クロネコ「そんなコロコロ感情を変えてよぉ」


戦士「…あんたみたいな化け物には分からないよ…」ポロポロ


クロネコ「あ”ァ”?…まぁそうか…俺様は化け物級の強さだしな」ククク




戦士「…あんたみたいなのに…あたし達を理解されたくない…!」スチャ


僧侶「戦士ちゃん!お願いだからやめて!!」ポロポロ


クロネコ「…俺様とやろうってか!!?ギャハ!!おもしれぇなクソアマ!!!!」ニヤニヤ


戦士「…こいつは絶対殺す…ッッ!!絶対に許さない…!!!」ポロポロ



魔王「そう、こいつは生かしてはおけない」




166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 17:45:07.43 ID:ozkVPih/0


戦士「!?」ビク


僧侶「ま、魔王様!?」


魔王「…ごめんなさい、また…救えなかった」


クロネコ「魔王!はは!こりゃいい!!この世界のトップに俺様の力を、見せてやろうじゃねぇか…!」ククク


クロネコ「もう世界干渉をしようとすること自体愚かな自殺行為なのだということを、その身にタップリと刻み込んでやろう」ギャハハ!





魔王「…執事、その2人をお願い」


執事「はっ…」ス


騎士団長「ご武運を」ケイレイ


アリア姫「…わたくし、信じておりますわ」


ダメイド「魔王様なら大丈夫です!ファイトです!!」ガッツ!


盗賊「前にもありましたね… 幸運を…!」


でーもん「そんなやつやっちまってください!」ウオー!


こぐれ「魔王様なら一発ですよ!!!」ゥォオー!


町長「任せましたぞ…」




魔王「うん… もうここからはあたし1人で十分だよ」



クロネコ「はぁ?」



魔王「だから、”あたし1人で十分”って言ったの」



クロネコ「……殺すぞてめぇ…」ビキビキ




167 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 17:57:17.88 ID:ozkVPih/0


魔王「でもここじゃ全力で戦えない。だから、どこかいい場所を紹介してくれないかしら?」


クロネコ「…ハァ?何言ってやがる」


魔王「この世界は狭い、それに、脆く壊れやすい。だから、もっといい場所がないかって聞いてるの」


クロネコ「場所なんか関係ねぇ!!今すぐてめぇだけは殺す!!!」ギロ


魔王「…こんな狭っ苦しい世界でしか戦えないの?それとも広いところじゃ隙が生まれすぎて十分に戦えないとか?」フン


魔王「…しょせんその程度よね、”世界監視官”なんて」


クロネコ「…ついてこい」ビキビキ


ブゥゥウン...



魔王(…よし、ゲートを開かせた…このまま中へ入り勇者君がいった世界へ行く…!)




クロネコ「…こい」シュウウン...


魔王「……」スタスタ


戦士「…ぐ!あたしも行く!!!!」ダ


執事「!?しまっ、待ちなさい!!」


魔王「!?」


戦士「ぅぉおおおおおお!!!!!!!!!!!」ダン! シュウウゥゥン...


魔王「何してるの執事!?」


執事「ぐっ…!直ちに連れ戻しに…!」タタ


アリア姫「待って!迂闊に近付いては危ないですわよ!」タタ


町長「アリアお嬢様!」ビク


でーもん「ちょwwww押すなって!wwwwwwww」


こぐれ「中ちょっと覗くだけだってwwww」


こぐれ「ぃて!躓いた!!」ヨロリンコ


でーもん「ちょ、ま!!!うわぁあぁ!!!!!!!」ドン! シュゥゥウン....


こぐれ「でぇぇぇもぉぉぉぉおおおん!!??」ガビーン


魔王「おいいいいいいいい!!!?」

168 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 18:07:48.60 ID:ozkVPih/0

アリア姫「た、大変ですわ!早く助けに!!」アタフタ


騎士団長「お、落ち着いてくださいアリア姫殿!!」アタフタ


ダメイド「ぅおっとスカートのひらひらを踏んで躓いてしまったぁ!」ズッコケ


騎士団長「え!? うおわぁ!?」ドン! シュゥゥン...


ダメイド「きゃぁあああ!!」シュゥゥン...


アリア姫「み、みんな!今助けに参りますわ!!」タタタ! シュゥゥウン...


町長「アリアお嬢様ぁああ!!!!!危険ですお戻りください!!!!」タタタ シュゥゥウウン...


魔王「ちょ、みんなして行っちゃだめ!引き返して!!」


執事「たたた大変だどうすれば…!!」アタフタアタフタ


こぐれ「ででっでで、ででぇもん……」ガタガタ


こぐれ「でぇえええもぉぉおおおおおん!!!!!!!!!!」ダダダ


執事「こぐれ!?うわ!!」ドン! シュウウウウン....


盗賊「こぐれさん!?痛っ!!」ドン! シュウウゥゥン...


こぐれ「ぅぉおおおおお!!!」 シュウゥゥウウン...









僧侶「………」


魔王「…ど、どうしてこうなった……」



169 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 18:27:31.74 ID:ozkVPih/0

魔王「…な、なんて言ってる場合じゃない!行かなきゃ…!」タタ


僧侶「待って!」ギュ


魔王「…!?」


僧侶「…お願い…戦士ちゃんを…お願い…!」ポロポロ


魔王「…まかせて、必ず連れ帰ってくるから……戦士ちゃんも、勇者君も!」ギュ


僧侶「…ありがとぉ……魔王さまぁ…」ウゥゥ...


僧侶「……これ」ス


僧侶「…役に立つか分からないけど、…アルバム」グスン


僧侶「…私と、戦士ちゃんと、勇者くんと、…黒魔術士くんの…思い出のアルバム」ポロポロ


魔王「…ありがとう」ニコ


魔王「…じゃあ、いってくるね!」タタ! ブゥゥウウン...



僧侶「必ず!…必ず帰ってきてください!!」



170 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 18:55:28.81 ID:ozkVPih/0

次元の狭間



魔王「…うぇえ、何ここ……気持ち悪い……」オェ


魔王「なんか視界がグニャグニャするし…」スタスタ


魔王「…それにしても、みんな、どこに行っちゃったんだろう…」キョロキョロ




クロネコ「…遅かったな」


魔王「!!」ハッ


魔王「……みんなを何処へやった…?」


クロネコ「知らん」ククク


魔王「知らないとは言わせなっ… !?」フラッ


魔王「!?? 足場が…」オット…


クロネコ「気をつけろよ…油断してると何処かも知らねぇ”世界”に落っこっちまうぜ…?」ニヤニヤ


魔王「…ふん、そう…」(や…やられたわね…)


魔王(まさかこんな場所が戦いの舞台になるなんて…)ジリ...


魔王(…みんな、何処かの”世界へ落ちてしまった”のか…)チラリ


魔王(……いや、優先順位はあいつ!…あいつを倒してからよ…全ては…!!)ググ...





クロネコ「んじゃ…始めるとするかァ……」ククク


クロネコ「楽しませてくれよ?”魔王さま”よぉ」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...



171 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 19:11:44.62 ID:ozkVPih/0


開幕に魔法弾を放つ魔王


しかしアッサリと避けられ、一瞬で距離を詰められる


ゼロ距離からの波動魔法により吹っ飛ばされる魔王


魔王がいた世界とは訳が違う、そう、ここは世界間の”通り道”と言われる”次元の狭間”であるから


魔王の知る常識がここでは通用しない


足場も覚束無ず、いつもよりも魔力が弱まっている


環境が異なるだけでここまでも魔力は落ちてしまう


動きにも俊敏さは見られず、ただ一方的にやられるのみ





魔王(な…なんで!?何でこんなに戦い辛いの!!?)ゲホ!ゲホ!


クロネコ「オラオラオラァ!!!!さっきまでの威勢の良さは何処へ行ったァ!!???」ギャハハハハ!!


クロネコ「ほら足元がお留守だぜ!?」


魔王「しまっ…!!」


クロネコ「フェイクだバァァァァアアアカ!!!!!!!!!!!」ドゴッ


魔王「ッッッッッッッッ!!!!!」ズサァァァァアア!


クロネコ「ひゃはは!頭には効くだろォ!?脳天揺れるもんなァ!!!!」ゲラゲラ


魔王(お、起き上がらなきゃ…でないと落っこちちゃう…!)ハァ...ハァ...


クロネコ「おらおら遅せぇよノロマ!!!!!!」ズドン!


魔王(魔法弾!?)ハッ


魔王「きゃあ!!!!??」バシュン


172 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 19:30:32.32 ID:ozkVPih/0

クロネコ「ギャハ!待っててやる!立て!俺様を楽しませろ魔王!!!!」ゴゴゴゴ...


魔王「…、……、くっ…」スク...


魔王「はぁ…はぁ…ぐっ…!」ゴゴゴゴゴ...


クロネコ「そうだ!それでいい!やはり魔法同士がぶつかり合う瞬間に快感を覚える!!」ククク


クロネコ「全力でこい!!!!来なければ死ぬぞ!!!!!!」ギャハ


魔王「…言われなくても、そのつもり……だっての…!!」ゴゴゴゴゴゴ...


クロネコ「嘘だ」パッ


魔王「ッ!?」ゴゴゴゴゴゴ


クロネコ「馬鹿が騙されやがった!!!」ダン!


魔王(嘘!?詠唱中断からの間合い責め!?)ゴゴゴゴゴゴ...


クロネコ「アッパァァァァァアアア!!!!!!!!!!!!」ドカ!!


魔王「ッッッ」


魔王「」ドサァ!


クロネコ「ひゃははははどうだ俺様の天才的な戦術!最強すぎんだろ!!ギャハ!!!」ゲラゲラ


クロネコ「しかもアッパー!アッパーだぜ!!肉弾戦も魔法戦でもいける俺様!!神ッ!!!!!!!!」ギャハハハアh



魔王「ぐっ…卑怯者……!」フラ...


クロネコ「何とでも言うがいい!俺様は楽しめればそれでいいのだからな」ククク


クロネコ「さぁ…」


クロネコ「今度こそ切り札となる最強の魔法を…」ゴゴゴゴゴゴゴゴ....


魔王「!! ………」


クロネコ「貴様も詠唱しろ、次は本気だ」


魔王「だ、誰が信じるものか!!」タ!


魔王「!!?」ビターン!


魔王「いったぁ…! …結界!?」ペタペタ...


クロネコ「詠唱完了とともに結界を外す……」ククク


魔王(……本気でこいつ……)クッ

173 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 19:41:04.22 ID:ozkVPih/0

魔王(や、やば…早く詠唱しなきゃ… !?) ズキン


魔王「ぁぐ…あ、頭が…」ズキズキ


クロネコ「何だ詠唱しねぇのか?こりゃ降参と見ていいのか?」ククク ゴゴゴゴゴゴゴ...


魔王「………」ハァ...ハァ...


クロネコ「そうか、降参ね…まぁいいか。けっこう楽しめたしな…」ゴゴゴゴゴゴゴ...


クロネコ「だが…生きては帰さん」ニヤ ゴゴゴゴゴゴゴ...


魔王(…これは……もう…)ハァ...ハァ...


クロネコ「そういうことだ、じゃあな、魔王」ゴゴ... ブゥゥウウウン





ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!!!!!!







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女「…ちょっと、今オナラしたでしょ」


弟「は?し、してないよ!」


女「じゃさっきの音は何?」


弟「な、何だよ、さっきの音って…変な言いがかりつけんなよ!」


女「? 聞こえてないの?」キョトン


弟「え? ……うん、特になにも…聞こえてこなかったけど…?」


女「…?」




ドォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!!!



174 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 19:51:14.99 ID:ozkVPih/0

女「!? ほ、ほら!今した!!」ガタ


弟「な、何!?地震!?」グラグラ...


母「な…なんじゃありゃああああああああああああ!!!!!!」ヒィイ


女・弟「!?」






シュウウウウゥゥゥ..........................




ざわざわ... ざわざわ...


一般人A「な、何だこれは…」

一般人B「いきなり交差点の中央に…クレーターが…!」

一般人C「見ろ!中央に人が倒れてる!!」


「だ、誰か救急車を呼べ!!」「警察にも通報するんだ!!」




女「…ど、どういうことなの…?」アゼン


弟「わからない…」


母「私…見たのよ…空から…落ちてくる……ひ、光の玉を…!」ビクビク


女・弟「光の玉ァ!?」



救急隊員A「ほらそこどいて!邪魔邪魔!」タタタタ



「崩れやすくなってるから注意して降りろ!」「もうすぐでヘリが来る!それまでに保護するんだ!」




女「いったい何が…」


弟「ね…姉ちゃん…?」ゴク


女「へ?」


弟「違う…あ、あの、倒れてる人…」


女「……!?」


魔王「」


女「………あた…し…?」ドクン

175 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 20:00:56.89 ID:ozkVPih/0

女「〜〜ッ!!」ダダ


弟「ね、姉ちゃん!危ない!!」


女「大丈夫!!」ガタ..スタ..タタタ...


一般人A「おい!女の子が駆け下りて行ってるぞ!」ざわっ


救急隊員「はぁ!?」ビク


「き、君!今すぐ戻りなさい!!」「危ないぞ!!!」


女「……!」タッタッタッタ




ざわざわ...  ざわざわ...



女「だ、大丈夫!?」ユサユサ


魔王「……」


女「…ッ」ギリ...


女「救急隊員さん!早くして!!!!」


救急隊員「わ、わかってる!ちょっと、待ちなさい!すぐ行く…ぅわ!!」ズル!


ズサァァァァァアアアアア!


救急隊員「ひぇええ」ガクブルガクブル



「ご無事ですか!?」「もうすぐでヘリが到着します!」



救急隊員「ひぇえ、怖かった…。き、君、無茶をするんじゃない!」ダ...


女「…だって」ポロポロ


魔王「……」


救急隊員「!?」(驚く程そっくりだ……姉妹か何かか…?)


救急隊員「…気持ちは分かる、しかし君まで命を危険にさらしては…」アセアセ


女「ッ早くして!お願いだから!!」ブワッ


救急隊員「……」


「! きました!」「ヘリがきましたよ!!」



176 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 20:09:42.06 ID:ozkVPih/0

ヘリ操縦士「お待たせしました!早く怪我人を!」


ドクター「担架いそげ!!」


「はい!」「直ちに!」


弟「姉ちゃん!」タッタッタ


女「!? あんたまで降りてきたの!?」


弟「うん、だって…!」


女「……」


救急隊員「君達も乗りなさい!」


女「は、はい!」


女「弟も行くよ!!」ガシ


弟「う、うん!」タタ


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女「……」(手がすごく冷たい…まるで…死んでるみたい……)ギュ


女(でも脈はある……)


弟「………」


救急隊員「もう少し早くできんのかね!?」


ヘリ操縦士「無理言わないでください!これが最高速度です!」アセアセ


女「……ッ」ポロ...


女「…へんだな、何で…涙が……」ポロポロ...


弟「姉ちゃん……」






「何処まで逃げるつもりだァァァアアア魔王ォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!」



弟「!?」ビク

177 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 20:20:17.78 ID:ozkVPih/0

救急隊員「な、何だ!?…今の声は…」


ヘリ操縦士「!? う、後ろから何かが急接近してきます!!!」ヒィ!


弟「!!?」


女「きゃあぁあああああああああああ!!!!!!」





ガキィィイン...!!!     シュゥゥウウゥゥゥ.........




ヘリ操縦士「……。………!?」ハッ


救急隊員「…!? なんだ…?この…球体は…」


救急隊員「この…球体が…守ってくれたのか…?」アゼン


女「またくる!!!!!」





パァアアアアアン!!!




救急隊員「また…。…! 操縦士よ!この球体の内側に留まっていれば安心だぞ!」ゥォオオ


ヘリ操縦士「みたいですね…しかし何だってこんなものが…!?」ドキドキ...


女「で、でも!早く病院へ行かないと、この人が…!」グスン


救急隊員「!! そうだった…!しかし、ここから動いてしまったら…!」ムガガ...


ヘリ操縦士「どうすれば…!」ギリ...


弟「………」





女「…?弟?」


弟「…変だ」フルフル


女「どうしたの…弟…?」


弟「…変なんだ、さっきから…体中が…熱くて……」


救急隊員「こんな時に風邪かね…?」アセアセ


弟「違う…これ…は…」

178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 20:31:29.76 ID:ozkVPih/0

「魔王ォオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


「何処まで行こうとも俺様は貴様を地獄の果てまで追い続けるぞぉぉおおあああああああああ!!!!!!!!!」




ドシュン ドシュン!



バァン!! バァアアン!!!!!!!!!



女「きゃああああ!!!?」グラグラ


ヘリ操縦士「ぐっ、さっきよりも強いです!このままではどの道衝撃により墜落します!」ググ...


救急隊員「そんな馬鹿なッ!」


魔王「……」パチ...


女「!!! 起きた…!!!」パァァ


救急隊員「な、なんと!大丈夫なのかい!?」アセアセ


魔王「……あたし…」


女「…った…、よかったぁ……」ブワッ...


女「もう…起きないのかと…思った…」グスングスン


魔王「……帰ってこれたのね」


弟「…ね、姉ちゃん……」


魔王「!」





ドォオオオン!!!! ドォオオオオオオン!!!!




救急隊員「うわぁ!!」グラグラ


弟「姉ちゃん…ぼく…」


魔王「……あなたにって、預かってきてる物があるの」ス


弟「…? ……アルバム…?」


魔王「…そう」


魔王「思い出して…あなたは……」


179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/01(木) 20:35:26.00 ID:oHEj9V7i0
つづけたまえ
180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 20:45:21.00 ID:ozkVPih/0

                       「…何であたし達に教えてくれなかったの?」



「魔王さまは”魔王さま”と呼ばないんですね」



          「黒魔術士はボールに悪戯するからやだ!」



「…ちっと怖いかな…」



                 「ぼ、ぼっちゃん!ぃ、いい…いいんだ!わしが悪かったんだよ…」



「これかい?これは”魔方陣”だよ」



      「何言ってるザマス!あの半壊した町で倒れてたあの老いぼれを助けたのは、この私ザマスよ!?」



「…あの子の異変に気付いてやれなかった我々に責任がある…」



                「ッ…!馬鹿!危険なことだって分かってたんでしょ!?」



「けっきょくこれに行ってためになったのは、あたしと勇者だけだったっけね」



           「あたし達は仲間でしょ!?パーティなんでしょ!?何で教えてくれなかったの!!」



   「…なんだよこれ…!」






















                「勇者を…くろまを…返してよ!!!」










181 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 21:01:07.52 ID:ozkVPih/0

女「……弟…?」ポロポロ


弟「…ごめん、行かなきゃ」


女「行くって…何処へ…ここ、空だよ…逃げ場なんて…」グス


弟「…ありがとう、姉ちゃん」ギュ


女「え…?」


弟「…姉ちゃんが姉ちゃんで居てくれて…本当に、ありがとう」


女「な、何を言ってるの……?」


弟「ぼくは…戦わなきゃいけないんだ…」


弟「望んだ形で…この世界に来た訳じゃない」
  

弟「ぼくは…、ぼくの”大切なもの”を踏み躙ることでこの世界にきた…。そう思うんだ…」


弟「…そんなぼくを…弟として、家族として受け入れてくれた…」


弟「そんな姉ちゃんが…姉ちゃんでいてくれて、本当によかった」ポロポロ...


弟「ありがとう」ギュ


女「な、何を…言ってる…か、わからないけど…」グス


女「…伝わってくる……」


女「弟だけじゃない…、たくさんの思いのカケラが…ちゃんと、伝わってくる」ポロポロ


女「…ありがとう……生まれてきてくれて……」







ドオォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!...







「ぎゃはははははhっははあはあああ!!!!追い詰めたぞ魔王ォォオオオオオオオオ!!!!!!!!!!」


「観念して出てきなァ!!!!!!!!!!!!!!!!!」


弟「…魔王さま、消費した魔力を癒しておいてください」


弟「……時間を稼ぎます」ス...


魔王「!! 待って!あたしも行くわ!」スク...

182 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 21:17:00.39 ID:ozkVPih/0

弟「大丈夫…絶対、やられたりしませんから」ニコ


弟「それに魔王さま…フラフラですよ?」クス


魔王「うっ…///」フラッフラ...


弟「…それじゃ!行って来ます!」シュン!!


女「き、消えた!?」ビク


魔王「ワープ魔法だよ、あんたの弟、じつは結構すごいんだから!」ウィンク


ヘリ操縦士「」ポカン


救急隊員「」ポカン













クロネコ「…なんだァ?俺様は魔王を呼んだんだが……」



弟「お前なんか魔王さまが直々に出向くまでもないさ」



クロネコ「おうおう言ってくれるねぇ!ますますカンに触るガキだ…… ん?」ハテ


クロネコ「……! ……てめぇ、この前ワールドトラベラーにしてやったやつじゃねぇか」ニヤ


クロネコ「どうだ別世界はァ!?楽しいかァ??」ギャハ


弟「あぁ、最高だね。食べ物は美味いし交通機関も発達してる」


弟「なに不自由ないよ」


クロネコ「そうかぃそうかぃ!そいつは良かったなァ!」ククク


クロネコ「俺様ァてっきり何処かで野垂れ死んじまったんじゃねえかって思ってたわ」ギャハ!


弟「勇者はそう簡単には死なない」ニヤ


クロネコ「……一々カンに触ることを口走るな…てめぇのそういう所が気に食わねぇ」


弟「そう?ぼくは気に入ってるけど…だって主人公っぽいじゃん」ニヤリ


クロネコ「………」ビキビキ




183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/01(木) 21:31:00.39 ID:gdIQT3SIO
乙?
184 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 21:32:19.42 ID:ozkVPih/0

弟「うーん…ぼくが主人公だったら、そうだな…」


弟「お前は悪の大魔王だ」ビシ


弟「王道RPGだったら、お前は最後の敵、ラスボスだ。そう、お前を倒してぼくらはHAPPY ENDを迎えるんだ」ニコ


クロネコ「……そぅかい」


クロネコ「…てめぇが主人公か…、なら、主人公だったら正義感が強いんだよな?」


クロネコ「ふふ…例えば、俺様がこれから、この眼下に広がる町を壊すと言ったら…どうする?」


弟「”頼む!それだけはやめてくれ!”って言うかな?」


クロネコ「だろぅ!?そうだよなぁ!?…ふふ…じゃあ、俺様は、ここで交換条件を出すかな」ククク


弟「?」


クロネコ「町は壊さねぇ、だが、そのヘリは壊させていただく…」


弟「……」


クロネコ「二者択一だ!てめぇはどちらかしか救えねぇ!!さぁどうだ!?こういう時はどーすんだ主人公さんよォ!?」


弟「……う〜ん…」


クロネコ「ぎゃははは!所詮は無力な生物だ!てめぇら人間も魔族もちいせぇ生き物なんだよ!!!!」ギャハハ










弟「……いや、あのさ」






弟「ぼくの結界破れるの?」






クロネコ「」



魔王「」


女「」


185 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 21:33:29.67 ID:ozkVPih/0
>>183 もうちょい書くよ!

即興なので遅くてスマソ
186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 21:44:13.85 ID:ozkVPih/0

クロネコ「あー…もういい」


弟「ん?」


クロネコ「もういいわ、お前…マジでいいわ」


弟「そんなに褒めるなよ///」


クロネコ「あ”?」ギロ


弟「!」ビク


クロネコ「……俺様をここまでコケにしたのはお前が始めてだ」プルプル


クロネコ「…殺す」


クロネコ「マジで殺すわ」ブゥゥウン...







魔王「…!まさかまたゲートを開いて魔力を…!?」ハッ


女「どういうことなの!?」


魔王「えぇと!…とにかくさらに強くなるってことよ!!」


救急隊員「そんな!?今段階でかなりのものなのに…!」アセアセ


ヘリ操縦士「まだ上があるのかッ!?」






クロネコ「今更何を言おうと無駄だ!!!!!!」バシ...バチ...バチィ...


クロネコ「邪神様!!!更なるお力をォォオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!」バチバチバチバチ!!!!!


弟「…ッ!!」(まずい…あの魔力だと……結界が壊れる…!)タジ...


クロネコ「ひゃは嗚呼あああああああああああああああ!!!!!!!!!!!みなぎる!!!みなぎるぞぉぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」ギャハハハハハハハ!





騎士団長「ん?」ヒョコ



クロネコ「ゑ?」



187 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 21:55:53.66 ID:ozkVPih/0

クロネコ「何ィィィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!?????」ドキドキーン


魔王「騎士団長さん!!」パァ


クロネコ「き、貴様!何故ゲートから…!?」


騎士団長「ん?いや、なんか道に迷って彷徨ってたら…」ボリボリ...


ダメイド「なんかいきなりここが開いたんで、何かなって思って…」ヒョイ


魔王「ダメイドまで!!!」


アリア姫「その声!もしかして魔王さま!!??/////」キャーーー!!!!!!


執事「魔王様ァァァアア!!!ご無事ですかぁーーー!!??」ブンブン


でーもん「ちょwwwww押すなってwwwwwwwwwwwwwwwwww」ヒョコ


こぐれ「ちょっと下覗くだけだってwwwwwwwwww」ヒョコ グイグイ


町長「魔王さまァ!!こちらは皆無事ですぞぉおお!!!」オーイ


盗賊「どうもですー!!!」ブンブン



魔王「み、みんな…!」ジワァ...




クロネコ「お、おのれぇぇぇえええ貴様らマジで生きては帰さんぞ……!」バチバチバチバチ...!!!!


弟「!? 皆さん逃げて!!そいつは前よりパワーアップしています!!!」ハッ


騎士団長「なにィ!?」


でーもん「皆さんゲートの中に避難しましょう!」ダダダ オー!


クロネコ「ちょ、待て勝手に入っていくな!!!」アセアセ




弟「戦闘中に余所見とは、ずいぶんとお気楽なものだな」


クロネコ「!?」ハッ



弟(…黒魔術士ッ!お前の魔法、借りるぜ!!!)



弟「ッラァ!!!!!」バシュ!!!!!!!!!!!1




クロネコ「ぬおっ!?」


188 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 22:07:02.93 ID:ozkVPih/0

クロネコ「…!?」


弟(…やったか…!?)


クロネコ「…っ、ギャハハッははははははハは!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


クロネコ「いったい何がしてぇんだよガキがッ!!!!」バキィ!


弟「ぅぐ!」ドゴ


女「弟!!!」ダ


魔王「危ない!あんたは浮遊魔法は使えないでしょ!」ダキ


女「でも…!弟が…!」


魔王「心配ないよ…成功した…」


女「え…?」






クロネコ「ヒャハ!何をしたかと思えば、目眩ましか!?どこまでてめぇは頭が悪りぃんだか!!!」ギャハハ


弟「…黒魔術士のブンだ」ボソ


クロネコ「は?」


クロネコ「…な、なんだ!?」シュウゥゥウウウ.......


クロネコ「ま、魔力が…抜け落ちていく…?」シュウウウウウ....


弟「…”弱体魔法”っていうんだ、『ぼくら』が考えた」ニヤ


クロネコ「きさ、貴様ァァアアア!!!!…な、なんて、ま、魔法を……!」シュゥゥゥウウウウ....





女「…す、すごい!どんどん弱っていく!!」


救急隊員「えぇぞ!えぇぞ!」


ヘリ操縦士「えぇぞ!えぇぞ!」


魔王(…さすが、ダテに名乗ってるわけじゃないな…『勇者』を…!)グ






189 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 22:15:36.44 ID:ozkVPih/0

弟(…アルバムに込められた魔力が、すべてを教えてくれた)


弟(こいつが戦士を泣かせたこと…)


弟(こいつが僧侶を泣かせたこと……)


弟(こいつが黒魔術士を…殺したこと……ッ!)



弟「お前は恨んでも恨み切れるもんじゃない…!」


弟「だからッ!死んで詫びろ!!!!!」タン



クロネコ「ま、待ってくれ!俺様が悪かった!だから、やm、止めてっでwvm:d」「qcんヴぃおfbv」







    バ キ ッ ! ! ! ! !








クロネコ「」







クロネコ「」グラァ...







弟「…どうだ…ぼくの…拳は…!」ハァ...ハァ...









クロネコ「」ヒュー....






ズーーーーーーーーーーーーーーーーーーン.......







190 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 22:19:42.95 ID:ozkVPih/0

弟「………」ハァハァ


魔王「……」


女「……」


ヘリ操縦士「……」


救急隊員「……」


騎士団長「……」


アリア姫「……」


ダメイド「……」


執事「……」


盗賊「……」


でーもん「……」


こぐれ「……」


町長「…かっ、」










「「「「「「勝ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああ!!!!!!!!」」」」」」ゥォオオオ!





191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/01(木) 22:27:13.87 ID:oHEj9V7i0
ネコなんだよね?
192 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 22:31:44.49 ID:ozkVPih/0

でーもん「ぅぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」ガッ


こぐれ「っしゃぁぁぁぁあ嗚呼ああああああああああ!!!!!!!!!」ガッ


騎士団長「見たか我々の力を!!!!」ガーッハッハ!


魔王「いやあんたら何もしてないよ!?」ガビーン


ヘリ操縦士「ぃやった!ぃやったあ!!」ドンドン!


救急隊員「やるじゃねぇかあのボウズ!!」ウヒョゥ!


女「…えへへ///」


女「…自慢の”弟”ですから…!」ニコ





弟「ふぅ……うん?」シュゥゥン...


弟「……」ンンンン.....





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アリア姫「魔王さまぁー///早く早くー!///」フリフリ

騎士団長「魔王殿!はやく我々の世界へ帰りましょう!」

町長「いやぁ…ご無事でなりよりでしたよ」

弟「…みなさん本当にご迷惑をおかけしました……」ペコ

ダメイド「いいってことさぁ!」フンス

盗賊「何でダメイドさんが許してるんですかw」

でーもん「あははは!」




魔王「…じゃあ、あたし達はもう帰らなきゃ」


女「…うん」


魔王「…まだ信じられない?」クス


女「……かな」フフ


193 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 22:33:09.95 ID:ozkVPih/0
>>191 人型の黒猫かなんかを想像してもらえると有難い
194 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 22:42:38.40 ID:ozkVPih/0

女「…だって、あたし、そっちの世界じゃ”魔王”なんでしょ?」


女「しかも…弟は”勇者”だっていうじゃない……」アハハ


魔王「まぁ…最初は信じられないよねw」


女「うんw」


魔王「……」


女「……」


魔王「でも…これだけは覚えておいて」


魔王「あなたは…あなたの知らない所で、誰かのために…なってるんだって…」


女「……そんなに魔王さまは、人のために働いてるのかぃ?」ンン〜?


魔王「そりゃもちろん」フンス


女「ほんとかなぁ」アハハ


魔王「ほ、本当だよ!///」


女「そっか…なら安心したよ。…あたしも最近、人を助けてさ…」


女「…不良に絡まれてるやつだったけど……、助けたんだよ?」


魔王「ほぉ?」


女「すごくない?偉くない!?」フンス


魔王「ほんとかなぁ…」


女「ほ、本当だよ!///」


魔王「あはは!……」


女「…だから、そっちも覚えておいて!あんたの知らない所で、誰かのためになってるって!」ギュ


魔王「…わかった」ニコ





アリア姫「魔王さまぁ〜///はやく行きますわよぉ!!///」プリプリ




魔王「あ、分かってるって!すぐ行く!」


女「…モテモテだね」ニヤ


魔王「疲れるよ…ちょっとね」アハハ...
195 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 22:54:18.49 ID:ozkVPih/0

女「…にしても、あたしが魔王かぁ…ちょっと嫌だなぁ…」ムゥ...


女「どうせなら、あたし”勇者”が良かったなぁ…」


魔王「ふぅん?」


女「うん、だってそっちの方がカッコイイし!」ウフフ


魔王「……」ふぅ


魔王「確かに、あなたは…というか、あたしは魔王だけど…」


魔王「あなたはもう、勇者も同然だよ?」


女「……え?」


女「…あたしが勇者?」


魔王「うん」


魔王「だって、…ほら…人助けもするし…自分で言うのもアレだけど…その…美人…だし…///」



ダメイド「魔王さまぁあああ!はやくぅぅうう!!!!」ジタバタ



魔王「もう分かってるから!///」アセアセ


女「……そっか」クス


女「…ありがと!魔王さま!」ニコ


魔王「! …どういたしまして、勇者さん!」ニコ


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女「それじゃあね、弟」


弟「うん、ばいばい、姉ちゃん」ニコ


女「…勇者として恥のないよう生きなさいよ!」ワシワシ


弟「わ、わかってるよ!」


ダメイド「照れちゃってからぁ…勇者でもまだまだ子供だね!」アハハ


弟「う、うるさいですよ!///」

196 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 23:05:32.31 ID:ozkVPih/0

町長「さぁ行きましょう。ゲートがいつまで開いているとは限りませんから…」


騎士団長「ですな、それでは失礼いたす、魔王殿の姉上さま」ペコ


女「いや姉妹とかじゃないからね!?」ガビーン


執事「では行きましょう、魔王さま」


魔王「うん…じゃあね!」


弟「元気でね…!」ニコ


女「うん!しっかりやりなさい!」バイバイ


アリア姫「…やっぱりこちらの世界の魔王さまもお美しいわぁ…////」ウットリ...


魔王「おいこら」



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スタスタ...


騎士団長「いやぁしかし良かったですなぁ!勇者君も無事助けることができて!!」ニコニコ


盗賊「ですね!本当に良かった!」スタスタ


アリア姫「あちらの世界の魔王さまも見れて、ほんっとにもう満足ですわ///」


ダメイド「あちらの魔王さまのベッドもクンカクンカしたかったですよぉ…///」ハァハァ


こぐれ「しかし本当に良かった!戦士ちゃんがゲートに飛び込んだ時はどうしようかってパニックになりましたもんねぇ」ハハ












魔王「……戦士ちゃん?」






一同「「「「「あっ……」」」」」」」

197 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 23:06:52.31 ID:ozkVPih/0
今日はここまでです
もうちょっとだけ続くので、最後までお付き合い頂けると嬉しいです


ということでもう寝るwwwwwwwwwwwwwww
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/01(木) 23:43:18.42 ID:oHEj9V7i0
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/03/01(木) 23:46:05.76 ID:eFlUR3Ly0
魔王の元いた世界と今の女の世界は別の世界と考えていいんだよな
それから一つ気になるのが勇者の存在について
勇者が魔王達のいた世界から女の世界に移動した際に
何故その世界に馴染めたのかの説明が欲しい

まあ乙
200 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 23:49:03.26 ID:ozkVPih/0
補足
クロネコ→人型のネコ クロノクロスのヤマネコを想像してもらえると助かる

村娘のネコ→ただの猫

事前に書いとけば良かったね
201 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/01(木) 23:55:16.52 ID:ozkVPih/0
>>199 
うん、全くの別世界

そこらへんは曖昧だけど、魔王が次元の狭間で戦い辛かったみたいにはならなかった、って考えてる
つまり環境適応能力が長けていて、体が違う世界に適応させようと記憶まで操作してくれてた

だから勇者は次元の狭間でも普通に戦えるし魔法も普通に唱えられます!ということ

勇者は歴代の”勇者”の中でも1番それに相応しい人物だったって設定で
202 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/02(金) 01:01:58.78 ID:qfsLWU7X0
寝れないのでさらにさらに補足

今の魔王がいる世界と、今の女がいる世界は別物

では今の魔王はどこから来たのかというと、またさらに別世界ということになります
ただ、女がいること(自分がいること)と、普通に自分が以前住んでいた町(世界)と全く変わらない風景だったため、
「自分はこの世界から来たんだ」と思って「帰ってこれたのね」と呟いている

本当は自分が行方不明になってるのだからもとの世界に「女」(自分)がいるのはおかしい
けれど状況が状況なだけにそこまで頭が回らなかった、ということ


完全に後付け補足ですが>>1の頭の中ではこうなっています
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/03/02(金) 08:40:26.06 ID:waWSe0eW0
勇者が入れ替わる前の本来の弟はどうなったん
204 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/02(金) 08:57:47.99 ID:qfsLWU7X0
>>203 そこは考えてなかったなぁ
本来存在しないはずの弟っていうポジションだから、どうなんかな

勇者がその世界に行ったことで起こる過去改変によって弟っていう存在が確立されて、女がそれを世界改変後に認識した

だから魔王に助けられてもとの世界に弟が戻ると、女は「いずれ弟がいた」ということすら忘れてしまう、弟なんて存在しなかった。みたいな感じかな?


まぁ即興すぎて設定曖昧だから、脳内保管という形で解決してくれると助かるww
おふざけSSなのでwww
205 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/02(金) 09:11:46.23 ID:qfsLWU7X0

とある村



青年「……はぁ」


村人「おい、手が止まってるぞ、…今日は昼から城下町に行くんだろ?早く済ませようぜ」スタスタ


青年「…あぁ、わかってるよ」ザック ザック


村娘「ここに苗おいとくね」ストン


青年「あぁ、ありがとう…」ザックザック


村娘「……」


村娘「ちょっと…村人…!」ヒソヒソ


村人「なんだ?」ン?


村娘「あんた前は”安静にしておいた方がいい”って言ってたじゃん…なんで手伝わせてんのよ!」ヒソヒソ


村人「…いや最初はそうしようと思ってたよ…、でも家においといたら全く動かない上に弱音ばっか吐いてんだぜ…」ヒソ


村娘「それは別に…仕方なくない?」ヒソヒソ


村人「でもよぉ…それじゃ心にも体にも毒だぜ…」ヒソヒソ


村娘「…それで外に出して、何か作業をさせてるってわけね?」ヒソヒソ


村人「そういうことだ」ヒソヒソ


村娘「…なるほどね、まぁ…納得……」ヒソヒソ


青年「…なに2人してコソコソ話してんだ?」


村人「!? べ、別に!?」ビク


村娘「なな、何でもないわ!さ!仕事仕事ぉ〜!」アセアセ


青年「……?」



206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/02(金) 09:24:10.21 ID:qfsLWU7X0


トコトコ...



ネコ「にゃあ」


青年「…ネコ…村娘のとこのか……」


ネコ「にゃあ」ゴロゴロ


青年「……」サワサワ


ネコ「…」ゴロゴロ


青年「…可愛いな、おまえ」フフ


ネコ「にゃん」ゴロリン


青年「…はぁ…」


青年(…いつまでも落ち込んでいる訳にはいかない…)


青年(でも、このまま開き直って生きるのも……そういう訳にはいかないって思うんだ…)


青年(だって……こんな理不尽な、お婆の死に方……許せない…)ググ...


青年(……邪神に会いたい)


青年(会って……仇討ち、とは言わない、ただ…言ってやりたいんだ)


青年(…お前のせいでお婆は死んだんだって…、お婆が死んだことを相手は知らぬまま生きていく、なんてことだけは…絶対に嫌なんだ)


青年(ならせめて相手の記憶に刻みたい…お婆がいたこと、お婆が生きていたこと、そしてお婆を殺したのはお前だってことを……!)


青年「………」グスン...


ネコ「……にゃ?」


青年「…! 何でもないよ」ゴシゴシ


青年「…お前はいいよな、何も考えなくていいんだから…」フフ…


ネコ「にゃあ」ゴロゴロ


青年(…絶対に邪神に会ってやる…!)



207 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/02(金) 09:38:13.78 ID:qfsLWU7X0

青年(…思い出せ…お婆は何て言っていた…邪神について……)





占い婆「わしはこの目で見た!!あの禍々しい邪気を放つ…”やつ”を…!!」

青年「…やつ?」

占い婆「”邪神”じゃ」

青年「…まじか…」

占い婆「…もっと驚くかと思ったんじゃが、案外ふつうにしとるの?」

青年「…まあ数年前なら驚いただろうね」

青年「でも今は”魔王さま”がいるから…大丈夫だって心の底から思える」

占い婆「…魔王の魔力はこの目で見たことは無いが…心配じゃ」

青年「…そんなに、その、邪神?ってのは、強そうだったのかい?」

占い婆「そうじゃ…あれは…もう…」

占い婆「あのまま水晶を見ていたら、今頃わしは…」ブルブル





青年「……水晶だ」


青年「確かお婆は、最期に言ってた!あの水晶玉は”邪神とリンクした”って…」


青年「だったらあの水晶玉をどうにかすれば…邪神に会える…!?」フルフル


青年「…ッ!!!」ダ!




タッタッタッタッタ




村人「うわ!?せ、青年か?驚かせんなよ…」フゥ...


青年「む、村人!!」ハァハァ


村人「? どうしたんだよそんなに慌てて…」


青年「水晶玉……お前に預けただろ…」ハァハァ


村人「? あぁ、俺の部屋にあるけど? …なんでまた… !?」ハッ


青年「ありがとう!返してもらうぞ!」ダ!


村人「待て!!!」(あいつもしかしてまた割る気か!?危ないって言ったのに!!)ダ!




村人「と、とまれ!何をッ…する、気か…!言え!!!」タッタッタッタッタ


青年「……!」(…言ったら引き止められそうだな…!)ッタッタッタッタ!
208 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/02(金) 09:51:41.75 ID:qfsLWU7X0

村人「無視すんじゃねぇ!!お前のことを思って言ってやってんだぞ!?」タッタッタッタ


青年「…ッ!!!」(振り切るッ…!)ギュン!


村人(は、速っ!?)エェェエエエ!!?


村人「…!!! 村娘ェ!!!青年を止めろォ!!!!」タッタッタッタ


村娘「…え?」フリカエリ


青年「邪魔すんな!!!!」クワ!


村娘「きゃああ!?」ヨケ


村人「避けんなよ!!」ガビーン


村娘「ちょ…、何で追いかけっこしてんのよ!!?」


村人「あとで話す!野菜に水やっとけ!」ダダダダダ


ダダダダダダ....


村娘「……いつの間にあんなに元気になったの?」ポカン







村人はうす


青年「ぅおおおおおお!!!」バタン


青年「!!!!」(あった!あれだ!タンスの上に…!)ホッ


村人「タックル!」ドムン


青年「おはぁッ!?」ドガ


青年「」ズサァァァアア


村人「お、お前!いい加減にしろ!水晶玉は渡さねぇ!お前のためだ…!」ヒョイ ダダダダダ....


青年「す、水晶玉を…!ま、待ちやがれ!どうしてもそいつが必要なんだ!!」ヨロ... ダッシュ!


村人「うるせぇ!渡さねぇったら渡さねぇ!!」ダダダダダ


青年「ちょッ!ま、マジで必要なんだって!」タッタッタッタ


村人「必要とか言って割る気満々なんだろ!見え見えだ馬鹿うんこ!!」ダダダダ


青年(…ば、…馬鹿うんこ!?)ガビヌス



209 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/02(金) 10:22:05.56 ID:qfsLWU7X0

その頃 次元の狭間


こぐれ「どど、どうするんですか!?」アタフタ

盗賊「完全に戦士ちゃんを忘れてた…!!!」オロオロ

騎士団長「今からでも間に合う!探しに行きましょうぞ!」ダ

町長「待ちなさいッ!」

でーもん「何スか!?」アセアセ

執事「…この空間、さっきから変です…!」

アリア姫「変なのは元々ですわ!さっきからもう吐き気と目眩が……」オエップ

町長「違うんです、…最初に中に入ったときと比べて…」

魔王「…! 空気が違う…」ハッ

町長「その通りです…最初の頃と全く違う…異質の……」

ダメイド「そういえば…盗賊さん、生命エネルギーを探知できましたよね?魔王さまから聞きました」

盗賊「えぇ、まぁ…」

ダメイド「それで戦士ちゃんを探せばいいんじゃないですか!?」メイアン!

盗賊「そ、そうか!何で忘れてたんだろ僕…!」

盗賊「魔王さん!戦士ちゃんは任せてください!気を察知します!」グッ

魔王「わかった!頼んだよ!!」

騎士団長「我々はもとの世界への”穴”を探しておきます故、ご同行はできませぬ…!」

盗賊「大丈夫だよ、こっちはダメイドさんと…こぐれさん、この3人で捜索に向かいます」

こぐれ「指名されただと!? よ、喜んでお供させて頂きます!!」ウホ!

執事「我々は、町長さんと私、騎士団長殿と…弟くん、そしてでーもんとアリア姫さまの6人で”穴”を探します」

アリア姫「わたくしは嫌ですわ!!!」

執事「え!?」

アリア姫「もうこれ以上魔王さまのお傍を離れたくないのです!」プンプン

魔王「…アリア姫、あたしはこの異質な空気の正体を探りに行くの……ついてくるなんて危険すぎる…!」

アリア姫「危険も端から承知ですわ!!」プンスカ

魔王「…それでもついてくるって言うの…?」

町長「アリアお嬢様…!」アセアセ

アリア姫「えぇ、貴女さまとなら…何処へでも、何処までも」コクリ

魔王「…わかった」

町長「魔王さま!」

魔王「大丈夫、絶対守るから」

町長「……わかりました」アセアセ

執事「くれぐれもお気をつけて…!」

弟「…気をつけてね」

魔王「うん…!」



町長「それでは皆さん、また会いましょう…!ご健闘をッ!」


210 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/02(金) 20:37:23.29 ID:qfsLWU7X0

Aサイド


魔王「それじゃ行くよ!アリア姫!」ダ

アリア姫「はい!」タタ



Bサイド


町長「それでは我々も参りましょう」タタ

執事「なるべく早く発見できるよう最善を尽くしましょう!」タ

騎士団長「承知いたした!」



Cサイド


盗賊「じゃあさっそくサーチします!」ピピ

ダメイド「…何そのポーズwww」クスクス

盗賊(しまった交信中のポーズのこと忘れてた…!///)ビク




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____________________________




Aサイド


魔王「あっちからだ…」タタタタ

アリア姫「ま、魔王さま!少し速いですわ…!」ゼェゼェ

魔王「アリア姫!このまま直進して!ちょっとひとッ飛びして見てくる!」ビュン

アリア姫「ま、まってぇ!」ゼェゼェ



.......スタ



魔王「見つけた!」

魔王「……なに、この真っ黒いキューブ……」コンコン

「誰じゃ」

魔王「!?」ビク

魔王「…間違いない、このキューブからだわ…この不穏な…」

「…オレの気を読み取れるか、なかなかの手練と見た」ククク

魔王「…あんたがこの邪気の大本ね!」

魔王「ごめんなさい、特に恨みはないけど、あの猫の化け物と同じ類の気をしている以上ほうっておけないわ!」

「……クロネコが死んだのか」

魔王「あたしの仲間がやったわ、次はお前の番よ!」ゴゴゴゴゴゴゴゴ..
211 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/02(金) 20:53:13.30 ID:qfsLWU7X0

「いいじゃろう、相手になろう」ガシャン

プシュゥゥウウーーーー....

魔王(キューブが開く…!)ゴゴゴゴゴゴ...

魔王(出てきた瞬間を狙う…一発で決めてやる!)ゴゴゴゴ...キィィイイイン!




キューブが開き、中から黒の気が立ち昇る


「漆黒の邪気だ…恐ろしいじゃろう?」


魔王(…あの猫の化け物の比じゃない…けれど…)キィィン...

魔王(ここで負ける訳にはいかな…… !?)ビク



黒の気が晴れてくると、その中心にいた者の姿が露になった

思わず息を呑む 目を疑う





邪神「さぁ始めようか」




異形の者、”邪神”は不敵に笑って見せる



邪神「クロネコが苦戦しているようで、力を与えてやったわけじゃが…」

邪神「使い方が全くと言っていい程にまで成っていなかったな…」ククク



魔王「……」ジリ...




しばしの沈黙が流れ、不意に邪神が口を開く



邪神「貴様はこの場所では戦い難い身であろう… どうする?場所を変えるか?」


魔王「…余計なお世話、だッ!!!」バシュ!!!




溜めていた魔力を開放する 邪神に迫る魔法弾


しかし微動だにせずその光弾を睨む邪神



魔王(…!? 避けないつもり!?)





ドォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!

212 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/02(金) 21:02:18.45 ID:qfsLWU7X0

邪神「……ふむ」シュゥゥウウウ.....



魔王「…嘘!?直撃のはず!!?」




邪神「いい筋をしているが…まだまだじゃな」ククク


邪神「やはり場所を変えてやろうか?オレは本気の貴様と殺り合いたいわけじゃが…」クク...



魔王「ぐっ…!」ジリ



邪神「……彼の世界の支配者…か、まだ手は残っているか?」



魔王「あ、当たり前じゃない!なめるな!!」グッ...!



邪神「ではこうしよう、オレは貴様の攻撃…そうだな、3発分は何もせずに受けよう」


魔王「!?」



邪神「3発分は受ける…じゃが、それが終わったら貴様を全力で殺しにかかる」ニヤリ..



魔王「…いいわ、受けて立とうじゃん…!」ジリ...



魔王(まずい…どうする!?さっきの魔法弾があたしの…フルだってのに…!)




邪神「ククク…」




213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/02(金) 21:09:13.96 ID:yWHYLlLX0
俺「自爆すれば?」
214 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/02(金) 21:16:38.40 ID:qfsLWU7X0

Cサイド


盗賊「……」ピピー ピピー


ダメイド「…まだですかぁ、戦士ちゃん早く見つけてくださいよぉ!」ブー


盗賊「ま、待ってください…これ、この環境で使うとめっちゃ疲れるんですよ!」フゥフゥ ピピー...


こぐれ「嗚呼吐き気がやばい…」ウゥ...


盗賊「!!!!」ピピーン!


盗賊「見つけました!」


ダメイド「おぉ!どこです!!?」


盗賊「あっちの方からです!行きましょう!」ダダ


こぐれ「うぉおー!いっくぞー!!」ヒャッホゥ!



タタタタタ...




クロネコ「げふぉォ!ぐはァッ!……はぁ、はぁ……!」ビチャビチャ


ダメイド「」


盗賊「お、お前…!?弟くんが倒したんじゃ…!?」ビク


こぐれ「そ、そこをどけ!その先にオレ達は用があるんだ!!」


クロネコ「……お、俺様は、邪神様が…行き続ける限り、邪神様の無尽蔵の魔力から生み出される…!」ハァハァ... ククク


盗賊「…邪神…そうか、この不穏な気は…邪神の…」ジリ...


クロネコ「…ふ、ふはは、貴様ら、この先に用があるンだろ?」ゲホゲホ


クロネコ「…通りたければ俺様を殺してみろ」ククク...


盗賊「ぐっ…弱っているとはいえ…勝てる気がしない…」


こぐれ「どうするんスか盗賊さん…ダメイドさん…!」アセアセ


ダメイド「……私がいく」ス


盗賊「!?」





215 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/02(金) 21:26:53.41 ID:qfsLWU7X0

こぐれ「ダメイドさん!?」


ダメイド「…こいつは魔王さまを泣かせた」ギロ


クロネコ「…ぎゃはッ、ワールドトラベラーを、生み出した時…か…」フフ... ハァハァ


クロネコ「……てめぇらが魂揺さぶられて泣く様は…いつ、見ても…快感だ…」ギャハ


ダメイド「屑が」


クロネコ「……あ”?」




ダメイド「屑が脳ミソバッタ以下の大きさして何ほざいてやがる?お前は肥溜めの中で一生糞舐めて生涯終えろカス」



盗賊「…ダメ…イド…さん?」



クロネコ「…………」






クロネコ「ギャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



クロネコ「おもしれぇよお前1番おもしれぇ!!今まで見てきた屑の中で1番おもしれぇ!!!!」


クロネコ「こんなに殺してくれって自己主張の激しい屑は初めてだ!!!!」ギャハッギャハ!!!!



クロネコ「エアdgj@尾rgほいえbj@いえいごtwghを「t「@「!!えdlcp@pかw叔父0j(得ろj儀ウェ0bg費wレオ0bg費ウェ路b費wfろbhrうぃbgj「をg「おr−f「えq2りえ2ふぃ3wr0gふえrをg0える
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!pok@ode0いおjx@kで!!!!!!!!「」ダン!!!!!





ダメイド「メンタル弱いなこいつ」フン


こぐれ「ダメイドさん危ない!逃げてぇ!!!!!!」












バキィッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!








216 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/02(金) 21:38:32.23 ID:qfsLWU7X0


盗賊「……!!!??」





クロネコ「………!? いねぇ…だと?」シュゥゥウウウウ...









超スーパーダメイド「糞が」







クロネコ「」



こぐれ「ダメイドさん!!」ウォオオオ!!!



クロネコ「な、何だてめぇ…その姿…何しやがったッ!?」ガクブル



超スーパーダメイド「力んだ」



クロネコ「力んだらそうなるの!?」ェエエエエ!?



超スーパーダメイド「…もうお前と話したくないから死ね」



クロネコ「」





217 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/02(金) 21:39:43.07 ID:qfsLWU7X0

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盗賊「すごい…まさか…一撃で……」


こぐれ「しかも腹パンで…」


超スーパーダメイド「盗賊さんとこぐれは戦士ちゃんを早く…」ズズズズズ....


盗賊「え?一緒に来ないんですか?」


超スーパーダメイド「えぇ、こいつ言ってたじゃないですか…”邪神がいる限り生まれ続ける”って」ズズズズズ...


超スーパーダメイド「だから魔王さまが邪神をぶっ殺すまで、ここでこいつを殺り続けます」ニコ


こぐれ(こえぇ…マジでこえぇよこの人…)ガクブルガクブル...


盗賊「わ、わかりました、では…行きましょう!こぐれさん!」ダ


こぐれ「あ、はい!では…失礼します!」ダダ









超スーパーダメイド「…ふぅ」



クロネコ「…っぷはぁ!!」ボコボコ...


クロネコ「くそ!酷い目に合った…なんて化け物だ、あいつは… ん?」



超スーパーダメイド「やぁ」ニコ







クロネコ「\(^o^)/」





218 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/02(金) 21:51:30.86 ID:qfsLWU7X0

Aサイド



シュウゥゥウウ....


魔王「……こ、これも…ダメ…」ハァ...ハァ...


邪神「…期待外れじゃな」


魔王「ぐっ…黙れ!」(…も、もう……)


邪神「あと二発じゃ、どう出る?」ククク


魔王「……」(もう…無理…だ、これ以上強い技なんて…ない……)


邪神「…降参か?」クク


魔王「………」ガク...


邪神「…頽れたか、まぁ無理もないじゃろう」


邪神「…で、もういいのか?いいのならもう殺すが…?」スチャ


魔王「……」コク


魔王(…無理だ、勝てないよ……)


魔王(こいつをほうっておけば…またあの悲劇は繰り返される…この邪気が物語ってるもの……)


魔王(……でも…、…勝てない…)ポロ...


邪神「…ふむ、そう泣かれては同情してしまうな」


邪神「まぁ殺すがな」スチャ...




アリア姫「待ちなさい!!!!!!!!」



邪神「……?」


魔王「…ア、アリア…姫…?」


アリア姫「…やめなさい、魔王さまを…殺さないで…」ブルブル...


邪神「…仲間か…、しかし…震えているぞ?」


アリア姫「む、武者震いですわ!!!」ガクガク


アリア姫「ぐっ…震えないで…震えないで…!」ガタガタ


邪神「ふむ……」

219 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/02(金) 22:09:44.13 ID:qfsLWU7X0

邪神「オレは純粋に殺り合いが…駆け引きがしたいだけなのでな……」


邪神「…ではこうしよう、残りの2発分は…このお姫様がやる、と」ククク


邪神「どうじゃ?その方が楽しい」クク


アリア姫「な、何を言っていますの…」ブルブル


邪神「こいつとオレは今、”ゲーム”をしている」


邪神「こいつが3発以内にオレを殺せなければ、死ぬ…というやつだ」


アリア姫「…でその残りが…2発…ということ…?」


邪神「そうじゃ」ククク


アリア姫「…受けて立ちますわ」ガクガク


魔王「アリア姫!?」


邪神「ふむ、ではゲームは貴様からこのお姫様にプレイヤーが移った」


邪神「…オレを殺せなければ、お姫様が永遠の眠りに落ちる…」クク


魔王「ま、待って!アリア姫は関係ない!!」ポロポロ


アリア姫「大アリですわ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」クワッ


魔王「!? アリア姫…?」グス


アリア姫「…魔王さまは、わたくしの初恋のお方…大切な…大切なお方なのです……」


アリア姫「その方を守って死ねるのであれば、本望ですわ」ニコ


魔王「…や、やめて…よ…」ブワ...


魔王「も、もう…これ以上…失いたくないの!!わかってよ!!!!」ポロポロ...


アリア姫「わたくしは…貴女を失うことの方がもっと怖いですわ」


アリア姫「貴女のいない世界なんて……考えられない」


邪神(…震えが治まった……)


アリア姫「…見ていてください、わたくしの…思いの強さを」ニコ


魔王「アリア姫……」グスン


邪神「……いつでも、何処からでもいい、かかってこい」ククク


アリア姫「…いきますわよ」ジリ...


220 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/02(金) 22:23:47.79 ID:qfsLWU7X0

Bサイド


騎士団長「ありましたぞ!ここに!」ウォオ!


でーもん「本当ですか!!」オオオ!


町長「良くやりました騎士団長殿!」タタタ


執事「…本当だ、この穴…見慣れた”私たちの世界”が見えますね…」ヒョイ


弟「よかった…これで…帰れるんだ…」ホッ...


騎士団長「いんやまだだぞボウズ!魔王さま方と盗賊殿たちの帰りを待たないとな…!もちろん、戦士ちゃんの帰りも!」ワシワシ


弟「わ、わかってますよ!」ウワ


でーもん「…そ、それにしても高いなぁ…地上から何mあるんだろう…」ヒョイ...


執事「危ないですよ、でーもん」


でーもん「分かってますよぉwwwwちょっと覗くだけですwwwwwwwwwwwwwwww」ズル


でーもん「あ」










執事「言わんこっちゃない…」ハァ...


町長「でぇぇぇぇもんさぁああああああああああああああああん!!!!!!!!????」ガーン


弟「なな何で執事さんそんな落ち着いてるの!?」ガビーン


執事「お約束かなと思って」


町長「お、弟くん!浮遊魔法で追ってください!我々は使えません故…!」アセアセ


弟「わかりました!!」ダン!



ヒュォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!




弟「でーもんさん!今助けます!!!!」ビュォォオオオオ


でーもん「」ビュォオオオオオ


弟「気絶してる!」ガーン



221 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/02(金) 22:35:46.90 ID:qfsLWU7X0

弟(もっと…!もっとスピードを……!)ビュォォォオオオオオオオ!


弟(でーもんさん…何でこんなに落下速度が速いんだ…!)ビュォォオオオオオオオオ


でーもん「」


弟「追いつかない!!?」ガーン


弟「こうなったら…落下地点を予測してそこに魔法でクッションを…!」ポゥ...


弟「あそこだぁああ!!!!!!!」ポウン!




_________________________________________________


_________________________________________


________________________________





青年「お、追い詰めたぞ…!さぁ…早く水晶玉をよこせ!」ハァハァ...


村人「しつけぇよ!いい加減諦めろよ!」ゼェゼェ...


村娘(まだやってんの…あの2人…)はぁ


村人「……? 青年…?なんだ?その足元の光……」ン?


青年「はっ、相変わらず手口が古いぜ村人!そんな手には引っかからねぇ!」フンス


村人「いや、マジだって!足元見ろ!」アセアセ


青年「うるさい!俺が見た隙に逃げようって言うんだろ!?」ジリ...  ヒュゥゥゥウウウウウウウ.....


村人「!!!!! 青年!上!!うえッ!!!!!」ビク


青年「だから手口が古いって言ってんだろ!!」ダッシュ!








ズドォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!






青年「」…へ?


村人「…な?…言ったろ…?」アブネェ…


222 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/02(金) 22:46:41.11 ID:qfsLWU7X0

シュゥゥゥゥウウウウウウウウウウウウウウウウ...............



青年「………」ゴクリ


村人「………」ゴクリ



弟「…な、なんとか間に合った…」



青年「こ、子供!?」ビク


村人「何で空から!?」エェェエエエ!?


でーもん「」シーン


弟(…まだ気絶してる、起きないな…だったらわざわざ連れて帰る必要はないかも…)


弟「すいません、この方を…頼めませんか」


青年「あ、あぁ…別にかまわないけど…」(…この子どこかで会ったような……)


村人「魔族…か、……おっと、もう魔族とは名乗ってなかったな」


でーもん「」シーン


弟「目が覚めたら平和の城に戻るよう伝えてください、…では!」ビュン!


青年「!! 飛んだ!?」ウワ!


村人「浮遊魔法だ…あんな子供が使えるなんて……何者だよ…」アゼン


青年「……」


村人「……」


青年「今だッ!!!!!!!!!!!!!!!!」ガシ


村人「!?」(しまった!水晶玉が…!)




青年「よっしゃぁああああ奪ったぞぉおおお!!!!!!」ダッシュ!


村人「!! 足元気をつけろ!踏むぞ!!!」ビク


青年「だからその手口には引っかからないっての!!!!!」 ギュム


でーもん「ぎゃ嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼ああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


青年「うわぁ!!?」ビク


ポロ...
223 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/02(金) 22:57:35.51 ID:qfsLWU7X0


ガシャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!




青年「うわぁぁあああああ!!!!」


青年「そ、そんな…嘘…だろ…」


村人「青年!」ダダ!


村人「ッ馬鹿野郎!!!!」バキィ!


青年「ッ痛!!!」ドサァ...


青年「な…何しやがんだ!!!」




村人「怪我でもしたらどぉすんだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



青年「…え?」


村人「……グスン」


青年「…む、村人…?」オロオロ


村人「もう…こんな危ないことは止めてくれ……お前が怪我でもしたら…俺は、もう……」ウワァァアアアァァ...


青年「…村人…そんなに俺のことを心配して…」


村娘「当たり前じゃない!」ドン


青年「!?」


村娘「村人にとって…あんたは…、青年君は、たった一人の”家族”なのよ!」


青年「ッ!!」


村娘「…たった一人の家族なんだもん…、危ない目には合わせられない…そうでしょ?」ニコ


村人「あぁ……あぁ……!」ウワァァアアアアアアン....


青年「……村人…」


青年「……本当に、すまなかった……」グス... ウワァアアアン!


村娘「ったく……世話の焼ける男共ね」フゥ ...ニコ




でーもん(ここここ股間ががががが………)ピクピク



224 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/02(金) 23:10:55.24 ID:qfsLWU7X0

Aサイド



ミシ...ミシミシミシ......



邪神「!?」


邪神(な…何だ…この感覚……)ググ...


邪神(体の内部に亀裂が走るような…何だこの激痛はッ……!)ゥグ...


アリア姫「…見せてさしあげますわ、わたくしの…魔王さまに対する……」ゴゴゴゴゴ


アリア姫「思いの強さを!!!!」ゴゴゴゴゴゴゴ!!!


邪神(ば、馬鹿な…何が起きている…!?)


邪神(…心臓部ッ、心臓部が…め、めちゃくちゃ痛い……)ムガガガガ....


魔王「!?」(…邪神の様子が変だ…、まさか…アリア姫…!?)


邪神「がはっ…ま、まさか…な!」ゲホォ!!


アリア姫(効いてる!?え!?効いていますの!?このわたくしのLOVEパワーが…!?)ピク


アリア姫「あ、あなたに欠如するものがあるッ!それが今アダとなって自分自身を苦しめていますのよ!!!」ゴゴゴ


邪神「な、なんだ…と…?」ゼェゼェ...


アリア姫「それは…ッ!」ゴゴゴゴゴゴ



アリア姫「愛する心ですわッッ!!!!!」バシュン!!



邪神(あ、愛する…”心”じゃとォ!?なんじゃそりゃぁああああああ!!!!!!!!!)ドガァン!!


邪神「ぅぐ…あがあぁぁああッッッ!!!!痛いッ!!痛すぎる…ッ!!!!」ゲフォ…オゲェエエエエエエ!!!


アリア姫(マ、マジで効いてるぅぅうう!!?///)ドッキーン



魔王「す…すごい……」アゼン



225 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/02(金) 23:24:55.45 ID:qfsLWU7X0

アリア姫「……魔王さま」クル


魔王「ふぇ?あ、はい!…何でしょう!?」ビク


アリア姫「…この戦いが終わったら、貴女さまに結婚を申し込みますわ」キリっ


アリア姫(決まった…決まりましたわぁあ!!!!///////)ドキドキドキ


魔王「こ、こちらこそッ!よよしくお願いしますッ!////」キュン...




アリア姫「」






邪神「はぁ…はぁ…ど、どうなってる……魔力が…注がれない……!」ゼェゼェ


邪神「生命エネルギーが…足りない……!」ゲホォ!


邪神「っギ、ギさまァ……!」ギリギリ...



アリア姫「もう何も怖くない…!」ゴゴゴゴゴゴ


アリア姫「さぁ、ラスト1発……喰らいなさいッ!!」キィイイン!



アリア姫「わたくしと魔王さまの…愛の結晶弾ッ!!!!!!!!!!!!!!!!」バシュ!!!!!!!!!






ドォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!!!!!!!





邪神「ぅぎゃぁ嗚呼嗚呼嗚呼あああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」


ミシミシ...ピキピキ...パキ....パリン!







異形の者が爆発の中で見たもの……



それは何処かも分からないド田舎の畑の中心で抱き合う男たちの姿だった……(+それを傍観してる娘)






シュゥゥウウウウウ....

226 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/02(金) 23:40:09.44 ID:qfsLWU7X0

アリア姫「………」


魔王「……すっ、」


アリア姫「……やりました…わ…」ステン


魔王「すごいよアリア姫!!すごすぎるよ!!///」ピョンピョン


魔王「アリア姫がこんなにも強かったなんて!///」キラキラ


アリア姫(まままま、魔王さまのお顔がこんなにも近くにッ!?//////)ドドドドドッキンヌ


魔王「ほんっとにすごいよ!!……アリア姫がいなかったら、あたし…今頃死んでたよ……」ポロ...


アリア姫「! 魔王さま……」





そっと魔王を抱き寄せるアリア姫





魔王「ア、アリア姫…?///」


アリア姫「泣かないでください…魔王さまは…笑ってるお顔のほうが…お美しいですわ」ニコ


魔王「…アリアひめぇ……」ウルウル






魔王はアリア姫の貧しい胸で泣いた


これまでかというほどに、泣いた


”また誰かを失ってしまうかもしれない”という恐怖から開放され、糸が切れてしまったようだ


____そしてその切れた糸を、また、もとに繋ぎとめるかのように、アリア姫が魔王にキスをする





魔王「!! ……///」ポロポロ





最初こそ拒もうとした魔王の体は次第に落ち着いていき、アリア姫との接吻に自身のすべてを委ねるように目を瞑った




アリア姫「……愛していますわ…」ニコ



魔王「……あたしも…///」モジモジ

227 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/02(金) 23:48:10.27 ID:qfsLWU7X0

Cサイド


盗賊「…い、いました!あそこに!」ゼェゼェ


こぐれ「戦士ちゃん!!」ハァ...ハァ...


戦士「!」ビク


盗賊「もう…大丈夫だよ…!」ハァ...ハァ...


戦士「……うぅぅううう……」ウルウル


戦士「ぅわぁああああああああああん!!!」ダキ


盗賊「わぁ!?」ビク


戦士「怖かった…怖かったよぉ…!」グスン ヒック


こぐれ「戦士ちゃん…もう、安心だよ」ニコ


盗賊「そうだよ、あの悪い猫の化け物は、勇者君が倒してくれたよ」


戦士「…ふぇ?勇者が…?…勇者は…無事だったの!?」ギュ


盗賊「もちろん!ピンピンしてるよ!」ニコ


戦士「ぅう…」ポロポロ


戦士「う”わぁぁぁぁぁぁあああん…!よがったよぉぉおお…!!!!」ポロポロ


こぐれ「…ふふ、これで一安心ですね」ニコ...


盗賊「ですね…!」








228 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/03(土) 00:28:43.51 ID:FFA/3vbV0

ザッザッザッザ...


超スーパーダメイド3「盗賊さん!」ザッザッザ...


盗賊「! ダメイドさん… !?」ビク


こぐれ「誰!?」カミナガッ


戦士「だ、誰…?」ビクビク


超スーパーダメイド3「ダメイドですって!」アセアセ


超スーパーダメイド3「あ、戦士ちゃん見つかったんですね!よかった…って、そうだ!やりましたよ!」ガッツ


盗賊「へ?何がですか?」


超スーパーダメイド3「あの猫の化け物が復活しなくなったんです!つまり…!」ニコ


こぐれ「魔王さまが…」


盗賊「邪神を…倒した…と…?」


超スーパーダメイド3「はい!」




こぐれ「ぅぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!」シャァアア!!


盗賊「さすが魔王さん!!やりますね!!!!」ォオオオ!


超スーパーダメイド3「さぁ、町長さんのところと合流しましょう!きっと魔王さま方も戻っていますよ!!」


戦士「らじゃ!!!」ビシ!




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こぐれ「お〜い!」タタタ



騎士団長「! 来ましたぞ!盗賊殿たちだ!!」


盗賊「戦士ちゃんは無事です!」タタ


町長「ご無事でしたか!良かった!」ニコ


戦士「勇者…!」ダ...


弟「!」
229 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/03(土) 00:42:47.07 ID:FFA/3vbV0

戦士「…勇者だ…!ほんとに…勇者だ……!」ポロポロ


弟「…ごめん」


弟「…戦士と僧侶に黙って魔方陣開発だなんて、そんなことしちゃダメだって、分かってたのに…」


戦士「もういいよ…勇者が無事だったんだし……、もう、いいんだよ……」グスン


戦士「…謝らなきゃいけないのは…あたしの方だ…」


弟「?」


戦士「…あたし、くろまを助けられなかったの……」グスン...


戦士「…あたしがあんなこと言わなければ……くろまは違法魔法は唱えなかったんじゃないかって……」


戦士「だから、あたしのせいでくろまは死んじゃったの!!!!」ポロポロ...


騎士団長「……」


町長「……」


弟「…例え、あいつに何を言っても、言ってなかったとしても……」


弟「あいつはぼくを助けるために違法魔法を唱えたと思う」


戦士「なん、で…そう、言えるの”!!」グスン


弟「…あいつは…、黒魔術士はそういうやつなんだ…」


弟「優しくて、誰かの役に立ちたくて、一生懸命になって何でもやる。例え…引け目を感じることがあったり、ぼくらに良い思いを抱かなくても……心は素直だから…あいつ」


弟「…助けてくれたと、ぼくは思う…」ポロ...


戦士「…くろまぁ……」うわぁあん...


ダメイド「……」


こぐれ「………」グスン





騎士団長「お、おぉお!みんな見ろ!魔王さま方が帰ってきたぞ!!」ユビサシ


執事「魔王さま!?」


盗賊「魔王さんッ!!!!」








230 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/03(土) 00:53:21.37 ID:FFA/3vbV0

魔王「みんなー!」ブンブン


アリア姫「ただいま帰りましたわぁああ!!!」


町長「アリアお嬢様!魔王さま!お怪我は!?ご無事ですか!?」アセアセ


執事「不穏な気配の消滅…感じておりました!やはりさすが魔王さまですッ…!」


ダメイド「魔王さまぁああああああよかった生きてたぁあああああ」ぶわぁぁぁあ


魔王「ちょ、ダメイド泣きすぎよ!あたしを誰だと思ってるのよ!!」ニコ


騎士団長「さすが魔王殿…ピンピンしておられる」ハッハッハ!


盗賊「アリア姫さまも、大丈夫ですか?」


アリア姫「えぇ、この通り平気ですわ。魔王さまがわたくしを守ってくださったもの!////」ウフフ


魔王「…本当のこと言わなくていいの…?」ボソボソ


アリア姫「大丈夫ですの!魔王さまがいてくれたから勝てたようなものですもの…////」ボソボソ


魔王「…もう///」ウフフ


弟「…よかった、これで全てが終わったんだ…」ニコ


戦士「そうだね…」グスン エヘヘ...




こぐれ「よっしゃぁあ!皆さんそれじゃ帰りましょう!俺たちの世界へ!!!!」


一同 「「「「「「おぉおー!!!!」」」」」」」






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231 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/03(土) 01:10:43.26 ID:FFA/3vbV0

あの戦いから一年が過ぎた


傷付き痛みを共有した者たちは、一回り強くなり世界を歩く


それぞれがそれぞれの思うままに、しかし、誰もが望んだように成長し、世界を歩く



神の創りし世界は、生きとし生けるものたちは、神の想像以上の成長をした










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アリア城下町 墓地区域



勇者「また来たよ」スタスタ


勇者「…なんか、落ち着かないんだよな!ここに来ないと…なんかさ…」ヘヘ...


勇者「ほら、今日ももってきたよ。黒魔術士の大好きなバターミルク!」ス


コトコトコト... トン


勇者「ママが最近よく作ってくれるんだ、もう冷蔵庫に入りきらないぐらい作っちゃっててさ…」アハハ


勇者「”ぼっちゃん!何でも飲みたいもの言ってザマス!何でも作るザマス!”ってうるさいんだよぉ」ハハ...


勇者「…あ、それと先週、パパに不定期開催で有名な魔法祭りにつれてってもらったんだ!」エヘヘ


勇者「また有給とってくれたらしくて、それでもぼくと一緒に行きたいんだ!って、聞かないんだよ…」


勇者「…いろんな魔法を見たよ」


勇者「…でもさ、どれも敵わない。やっぱり『ぼくら』の考えた魔法には敵わないよ…」フフ..


勇者「また…いっしょに考えような…魔法……」


???「お〜い!ぼっちゃ〜ん!」タタタタ


勇者「…! 使用人さん!?」

232 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/03(土) 01:28:10.76 ID:FFA/3vbV0

???「探しましたぞぼっちゃん!勝手に出歩かれては困りますぞ!」アタフタ


勇者「あはは!…もうぼくはそんな子供じゃないさ、安心してよ」ニコ


???「しかし奥様とダンナ様が…」タジタジ


勇者「また騒いでるのかい?」


???「えぇ…何でも”新作のジュースを飲んでほしいザマス!”とか……」


勇者「飽きないなぁ…ほんとに」アハハ


???「…友人様のお墓参りですか……」


勇者「うん…」


???「……ぼっちゃん」


勇者「ん?」


???「人はいつか死にます…その時がいつなのかは、人それぞれです。…いつこの世界に別れを告げなければならないのか…想像もつきません故、わしは恐ろしいのです…」


???「わしの妻は若くして先に逝かれました……、なのにわしは難も無くここまで生き長らえてきて…」


???「…今、この世界を去るのが嫌で嫌でなりません……」


???「かといって永遠にこの世界に留まることも…」


勇者「…それがいいんじゃないかな」ニコ


???「…?」


勇者「限りある世界だから、限りある命だからこそ、いいんじゃないかって…ぼくは思うよ」


勇者「だからぼくらは一瞬一瞬を大切にできるし、輝けるんだと思う…」


???「ぼっちゃん……」


勇者「…って言ってるけど、ぼくも怖いと思ったりするよ…」アハハ...


勇者「……ぼくらはこんなにも小さいんだから…仕方ないよな」ニコ


???「あ、ありがとうございます…!少し、気が楽になりました……」


勇者「そう言ってもらえると嬉しいよ」


???「…ささ、では…御家の方へ……お二方が心待ちにしておられますぞ!」ニコ


勇者「ははは…これ以上飲めるかなぁ?」スタスタ





233 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/03(土) 01:39:49.92 ID:FFA/3vbV0

東のまち





カラン... カラン...


宿主「らっしゃ〜い!」


宿主「お客さん!宿泊か休憩どっちだい?どちらも10ルピーだ!」


青年「へぇ…新しい宿だね…木のいい匂いがする」クンクン


村人「いい木材を使用してるな!」カンシン カンシン


宿主「お?分かるかいお客さん!いい目をしてるねぇ!!」ガッハッハ!


宿主「特別に8ルピーにまけてやるよ!」


青年「マジで!?ありがとうございます!」ニコォ!


村人「うぉー今日はついてんなぁ!」


宿主「ほら、二部屋の鍵だ!」ス


青年「いや俺ら相部屋で」


宿主「え?…いや空き部屋はあるし、料金だって一部屋も二部屋も変わらないから…心配しなくてもいいんだぞ?」


村人「いや相部屋がいいんです」


宿主「ゑ?」


234 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/03(土) 01:53:41.87 ID:FFA/3vbV0


アリア城 アリアのおへや






魔王「/////」


アリア姫「/////」


魔王「あー…いま笑ったでしょぉ//// あたしの勝ちだぁ////」ウフフ


アリア姫「そんなことないですわ//// 魔王さまこそ笑ったんじゃなくて…?////」ウフフフフ


魔王「もー////」ツンツン


アリア姫「ゃ!//// くすぐったいですわ////」ヤーン


アリア姫「お返しですの!////」ガバ!


魔王「…きて……/////」キュンキュン


アリア姫「…あぁ…//// 魔王さま……愛していますわ…////」ス…


魔王「……っ!////」ビクン


魔王「やっ…そこは…らめぇ////」ビクンビクン


アリア姫「うふふ…お体は素直ですわよ?//// ほら、こんなに感じてらっしゃる……////」サワサワ


魔王「もぅ…//// アリア姫の…いけず//////」ハァハァ///








町長「………」


騎士団長「…町長殿、そんなに扉に張り付いてどうなされた?」スタスタ


町長「!? い、いえ何でもありませんぞ!!?」ビク


騎士団長「そうですか…」スタスタ


町長「…そ、そういえば、剣の弟子をとったらしいですね」アセアセ


騎士団長「えぇ、まぁ金にはなりませんが未来の有望な剣士を鍛えるためですからね。頑張りますぞ」グ!


町長「お金とか言うのはやめましょう……」


騎士団長「お、噂をすれば…!」フフ



235 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/03(土) 02:01:45.36 ID:FFA/3vbV0

戦士「師匠!師匠ー!」タタタ


でーもん「騎士団長師匠ー!」タタタ


こぐれ「師匠ぉお!!!!」タタタ


かっか「ししょー!!」タタタ


騎士団長「うむ!皆、元気があっていいな!しかしまだ剣の稽古の時間には早いぞ?」ウムウム


戦士「いえ!今から自主練をしようと思うので、道場を開けてほしいのです!」フンス


騎士団長「なんと!それは良い心掛けだ!!」ハッハッハ!


騎士団長「ほら、鍵だ!怪我には十分注意するのだぞ!!」ハッハッハ!


4人「ありがとうございます!!!!」ペコ


でーもん「よっしゃ俺1番乗りするしwwwwwwwwwwwwwww」


こぐれ「いや俺がwwwwwwwwwwwwww」


戦士「じゃぁあたしがwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


かっか「どうぞどうぞwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」



わーいわーい タタタタ...





町長「…元気があるのはいいことですね」ニコ


騎士団長「えぇ…我々もまだまだ負けてはいられませんな!」ウム




236 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/03(土) 02:15:14.88 ID:FFA/3vbV0

平和の城 



執事「……のどかだ」


執事「実に平和だ……」ズズ...


執事「…ダメイド、お菓子を頼んでよろしいですか?」


ダメイド「やだぁ!魔王さまの命令じゃなきゃ聞かなーい」ツーン


執事「…しかし魔王さまは今アリア姫さまと……」


ダメイド「あーあーきこえなーい!きこえなーい!」ワサワサ


執事「………」フフッ


盗賊「こんにちは〜」ガチャ


執事「これはこれは…盗賊さんではないですか」オォ


ダメイド「おーどうしたんですか?」


盗賊「…いやぁ、家にいても暇なので、来ちゃいました」テヘ


ダメイド「ここは遊びにくるたまり場じゃねーんだぞ!(#`Д´)」プンスカ


執事「ダメイド、ここは私の部屋ですよ?」


ダメイド「むぅ……なんでもないですぅ…」プクー


盗賊「それにしても暇ですねぇ……」


執事「ですね……」ズズ...


ダメイド「暇だぁねぇえ……」ウツラウツラ...


ダメイド「!」キュピーン


執事「? どうしたのです?」


ダメイド「魔王さま今いないのなら、ベッドをクンカクンカできるじゃないッ!」ガッツポーズ


ダメイド「行ってくるぅぅうえっへっへっへぁあああ”あ”あ”ッッッッ!!!!」ダッシュ....


執事「…変態ですね」ゴクゴク...


盗賊「変態ですねぇ…」ゴロゴロ





237 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/03(土) 02:25:44.22 ID:FFA/3vbV0



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アリア城下町






僧侶「……」ポケー...


勇者「どうした?僧侶」


僧侶「! うぅん、何でもないの!」アセアセ


戦士「ぼーっとしちゃって…せっかく久しぶりに集まったんだから、しゃきっとしな!」フンス


僧侶「ご、ごめんね!しゃきっとするね!」社旗


戦士「社旗じゃない!シャキっとだよ!」アララ


勇者「ははは……ん?」


勇者「…あれ、魔王さまじゃない?」


戦士「あ…本当だ!あの黒いマントは魔王さまの…!話しかけにいこ!」タタ


勇者「おぅ!」タ


僧侶「あぁ!まってよぉ!」アセアセ








勇者「墓地区域に入っていったね……」


戦士「お墓参りかな?」


僧侶「私たちもお墓参りしてこうよ、黒魔術士くんに会いたいし」ニコ


勇者「だな、行こうか」タタ




238 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/03(土) 02:36:02.37 ID:FFA/3vbV0


勇者「おーい!魔王さまー!」タタタ


魔王「…!」クル


勇者「…あ、あれ?魔王さま…?」ハテナ


戦士「…魔王さま…小さくなってる…!?」


僧侶「魔王さま、もしかして縮んじゃったんですかぁ!?」オロオロ


魔王「……人間だ」ニコ


戦士「へ?…に、人間ですよそりゃ……」


魔王「…すごいな…おんなは…私にはできないことをした……」ニコ


勇者「??? …何を言ってるんですか……」ムム


魔王「…これからもおんなを支えてあげて……」


魔王「1人じゃなにもできない子だから…」ニコ...



スゥゥ...



勇者「…き…消えた……」ポカン


戦士「ど、どういうこと???」


魔王「あらーみんな! みんなもお墓参り?」スタスタ


僧侶「!?」ビク




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魔王「あたしの生霊!?」ガーン


勇者「み、見たんですよ!さっきここにいて、魔王さまのマント着てて…!」アタフタ


僧侶「でもすごく小さくて、子供みたいな背の高さで…!」アセアセ


魔王「…!!!」ピク


239 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/03(土) 02:53:10.19 ID:FFA/3vbV0

魔王「魔王ちゃんだ……」


勇者「…?」





魔王「あたしはね…言ったかしらね、これ…。…実は、前の”魔王”を吸収してるの」


戦士「えぇ!?し、知らなかった…!」


魔王「あたしももとは別世界の人だし、人間だったし……だから、”魔王”を吸収することで得た力が、今のあたしの魔力ってわけ……」


魔王「…でも最近、どうにも変だなぁって思って……」


僧侶「変って…?」


魔王「…魔力がどんどん減ってきてるの」


勇者「な、何で…」


魔王「…みんながさっき、見た通りのことだと思う」


魔王「あたしには魔王ちゃんがいないと何もできなかった…けれど、今は違うじゃない?」


魔王「城に執事がいて、ダメイドやマジメイドがいて、あたしを慕ってくれる者たちがいて…、そして盗賊さんがいて、アリア城にはアリア姫や町長さん、騎士団長さんがいて……そして、あなたたち勇者君、戦士ちゃん、僧侶ちゃんがいてくれる」


魔王「あたしはもう1人じゃなくなった…」


魔王「…だから魔王ちゃんは…きっと安心してくれたんだね…きっと」


魔王「……感じるの」


戦士「……」


魔王「もう…魔王ちゃんの魔力が…、温もりが…、体の中で感じられないことが…」


勇者「!!! ……」


僧侶「そんな…じゃあ、その…前の魔王さまはもう…行っちゃったんですか…?」グスン


魔王「…そうだね……きっと…」


僧侶「…そ、そん…なぁ…」ポロポロ


戦士「そ、僧侶!?」


魔王「い、いくら何でも泣きすぎよ!あたしのことなんだから…!」アセアセ


僧侶「だってぇ…!…だ、だって……今まで一緒にいてくれたのに…急に、い、いなくなっちゃうんですよ? …そんなの、寂しすぎるじゃないですかぁ…!」グスン...





240 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/03(土) 02:54:42.56 ID:FFA/3vbV0
眠いのでここまでです
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/03(土) 08:10:02.97 ID:WPmW/32IO
勇者の使用人の名前の???はなんなんだ・・・?
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/03(土) 08:28:43.30 ID:nfZe/XaIO
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/03(土) 13:27:00.05 ID:0qZCynxN0
>>241伏線じゃないの?まぁ後々分かってくるだろ
邪神はダメイドが相手してれば楽勝だった気がwww
244 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/03(土) 15:24:20.92 ID:FFA/3vbV0

魔王「…そうだね、寂しい……」


魔王「けど、今のあたしにはみんながいる…」


魔王「…だから大丈夫だよ」ニコ


僧侶「うぅ……」グスン


戦士「僧侶には私がいる!」フンス


戦士「勇者だって、使用人さんだって!僧侶の母さんや父さん、親戚の人も、みんな…みんないるんだから!」


僧侶「ぅう…戦士ぃい……」グスン


勇者「……」ニコ...


勇者「…魔王さんも墓参りに来たんだですか?」


魔王「えぇ、黒魔術士くんのね」ニコ


勇者「そっか……あいつもきっと喜びますよ」


魔王「ふふ…」ニコ






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245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/03(土) 15:24:48.78 ID:Yx39AKBu0

一区切りついたって感じだね
246 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/03(土) 15:31:53.25 ID:FFA/3vbV0

勇者宅



勇ママ「ぼっちゃーん!夕飯のお時間ザマスー!」


勇者「いま行くよー!」


スタスタスタ...


勇パパ「ただいま、勇者」


勇者「パパ!今日も早かったんだね」


勇パパ「ふふ、パパ昇格しちゃってな…部下がたくさんできたんだ」ニコニコ


勇者「へぇ!さすがパパだ」アハハ


勇ママ「さ、冷めないうちに食べるザマス!」ガタ


勇者「…あれ?使用人さんは?」


勇ママ「? 誰ザマスそれは?」


勇者「へ?」


勇ママ「うちは使用人は雇ってないぞ?」


勇ママ「ぼっちゃんったら…寝ぼけているザマスの?」クスクス


勇者「…???」








平和の城 大広間




マスターっぽいの「お待たせしました、カクテルです」コト


騎士団長「うむ」




魔女A「あそこのカウンターに座ってるのは…!! あ、あのお方は!!」ドッキーン

魔女B「きゃあ!またあのお方のお姿を拝めるなんて…!」ハァハァ

魔女C「…いつ見ても凛々しくて素敵…///」ウットリ



騎士団長「……」カラン...




247 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/03(土) 15:36:29.68 ID:FFA/3vbV0
>>245 ですね
最後の伏線を回収して終わります

もうちょっとだけお付き合いお願いします
248 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/03(土) 15:46:14.70 ID:FFA/3vbV0

騎士団長「…うむ、美味かったぞ、マスター」コト


マスターっぽいの「ありがとうございます」フフ...


騎士団長「さて、執事殿のところへ行くか…」ガタ


魔女A「あ、あの!」


騎士団長「?」


魔女A「も、もしよろしければ、私と…お付き合いしてください!」


魔女B・C (こ、こいつ…抜け駆けしやがった…!!!)ガビーン


騎士団長「…こんな私で良ければ」ニコ


魔女A「!!!!」


魔女A「や…やったぁああああああ!!!!!!!!!!!!!」ハナヂブー!!!!!


騎士団長「うお!?」ビク


魔女B「な、何鼻血出してるの!?」タタ


魔女C「で、では失礼します!殿方!」アセアセ... グィ


魔女C「ほら行くよ!」グィ


魔女A「あふん////」ドクドク...


騎士団長 (…びっくりした)ドキドキ











執事のお部屋





騎士団長「失礼いたす」ガチャ


執事「おや、騎士団長殿…どうなされました?」


執事「魔王さまは外出中ですが…」


騎士団長「…いや、執事殿に用があってな」


執事「…ほう?」


249 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/03(土) 15:54:33.13 ID:FFA/3vbV0

騎士団長「…いや、魔王殿も…、いや平和の城に住む全ての者たちに用があってな」ニヤ


執事「ふむ?」


騎士団長「ぜひアリア城へ移り住んでもらいたいのです」


執事「…ほう…それはまた…」


騎士団長「魔王殿とアリア姫様はご結婚なされた、いずれ同棲するでしょう。平和の城の主とアリア城の主が同棲するのなら、むしろ城ごと合併してはどうかと思いましてな」


執事「ほうほう」


騎士団長「町長殿にも伝えてあります、賛同してくれましたぞ」ニコ


執事「ふむ…私も賛同しましょう。反対する理由が見当たりませんからね」ニコ


騎士団長「ふふ、では来月から移動を始めるとしましょうぞ」


執事「わかりました、城の者たちには私から伝えておきます」ニコ


騎士団長「感謝いたす」ペコ





250 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/03(土) 16:28:30.96 ID:FFA/3vbV0


次元の狭間





???「……邪神よ」スタスタ


???「惜しい者を亡くした…気の緩みが命を落とす敗因となる……」


???「…お主もまさか、我々の創造物に殺されるとは思ってもいなかったであろう」フフ...


ラファエル「!! 神様!いらしていたのですね!!」


???「…ラファエルよ、どうしたのだ?」


ラファエル「どうしたのだじゃないですよ!皆の者が心配しておりました!邪神様もお亡くなりになられるし、神様も帰ってこないし、もう本当に大変だったんですよ!?」アタフタ


???「…ずいぶん好き勝手にやっていたそうだな、邪神は」フフ


ラファエル「え、えぇ…世界干渉を禁じる手立てばかり思案しておりましたから…」


???「おや、私の記した書もずいぶんと書き換えられているではないか……」フゥ


???「…書き直すのに時間がかかりそうだな」


ラファエル「!! ということは、神様…!?」


???「あぁ、もとの座に戻るとしよう」フフ...


ラファエル「や…やったぁああ!!!!」バンザーイ!


???「皆の者に伝えろ、これから忙しくなるぞとな」


ラファエル「は…はい…!」タタタ...




251 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/03(土) 16:30:09.73 ID:FFA/3vbV0


???「さて…」


側近「…お帰りになっておりましたか」


???「…お前か」


???「ゲートが開く音がした…まさか邪神の裏を掻いたのがお前だったとはな…」フフフ


側近「あんなのワケありませんよ、手下の猫の化け物も弱かったですし」


側近「…それより、驚きましたよ…人間には」


???「あぁ……この短期間に驚異的なスピードで成長した」


???「最終的に避けられぬ恐怖すら、あるがままに受け入れようとしている」


側近「…私もこの世界に紛れ込み、人間や魔族の様子を窺ってきました」


側近「…とても言い表せるものではありませんが……温かいものですね、本当に…」ニコ


???「…そうだな……、時に、お前の選んだ人間がこのように成ると想定しての選択だったのか…?」


側近「彼女をですか?」


???「あぁ」


側近「そんな。何も考えずにですよ、ただ世界が近かっただけで選んだだけですから」ハハハ


???「…そうか。…お前も情に流されるようになったな」フフ


側近「演技ですよ、あそこで死んでおくべきだとも分かりましたし…」


???「…なるほどな」フフフ




252 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/03(土) 16:40:04.63 ID:FFA/3vbV0


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それぞれがそれぞれの世界を歩く


決して交わることはないと思われる世界ですら、どこかで繋がっている


誰かのために想う思いの強さに際限はない


誰かを想うことで、あたし達は強くなれるんだ


かつてあたしを想い死んでしまった、大切な友達から教えてもらったこと





____あたしも誰かを想う  想い続けるんだ





あなたが教えてくれたこと  しっかり伝わってるよ…



天国なんてところがあるかは分からないけど…



いつまでもあたしを見守っていて、魔王ちゃん





_____これからも、どこまでも 魔王ちゃんが望んだ世界を… あたしは創っていくよ















     お  わ  り










253 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/03(土) 16:42:15.47 ID:FFA/3vbV0
これで終わりです

なんか勇者が女の世界に行く話がメインじゃなくなってて本当にスマソ
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/03/03(土) 16:46:36.67 ID:uGUsO/byo
乙。

世界観が意外としっかりしてて面白かった
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/03/03(土) 18:12:47.70 ID:5f/DGpHio
乙!楽しく読ましてもらいました。ありがとう!
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/03(土) 18:13:28.03 ID:0qZCynxN0
乙!
257 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/03(土) 18:45:04.44 ID:FFA/3vbV0
最後まで読んでくれてありがとう

初めて書いたから不安だったけど完走できて良かったw
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2012/03/03(土) 20:17:37.52 ID:YDt/Wt4To
乙! 面白かったです。
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/03/03(土) 23:07:47.25 ID:RAixdITro

なんか切なかったなぁ
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/03/03(土) 23:25:27.27 ID:hB03VqmAO
完走乙
最後まで見れて良かったよ
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/05(月) 02:14:08.39 ID:LWm8zTQIO
>>241ですくだらない質問すいませんでした
最高の伏線回収をありがとう!!
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/05(月) 10:05:29.63 ID:EzL795sIO
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/05(月) 10:44:21.16 ID:BgbHy58D0

>>245だがタイミング悪くてすまんかった
264 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [saga]:2012/03/05(月) 11:48:04.85 ID:mMGzHK180
読んでくれてありがとう
コメくれただけで嬉しかったです



http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=25561879

いちおう魔王(女)のイメージはこんな感じでしたww

また書く機会があったら超ほのぼの系が書きたいなぁ
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/03/05(月) 18:55:18.21 ID:csiL6gTto
     ...| ̄ ̄ | < とても面白かった ありがとう
   /:::|  ___|       ∧∧    ∧∧
  /::::_|___|_    ( 。_。).  ( 。_。)
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.|| ゙ヽ i    ハ i ハ i ハ i ハ |  し'_つ
.||   ゙|i〜^~^〜^~^〜^~^〜
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(青森県) [sage]:2012/03/05(月) 20:28:33.35 ID:E5N+v/L1o
乙ナリ
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