小鳩｢あんちゃんは……誰にも渡さんもん｣ - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]：2012/02/27(月) 12:33:04.52 ID:yutgfgdAO

「よし、肉通報だ」

「分かったわ」

「部室に入ってくるなり俺を睨みながら物騒な事言うな！！」

今は放課後の隣人部部室。
俺は星奈や夜空達より早く部室に来ていた訳だが…俺が来た時には誰もいなかった訳だ。
幸村や理科も遅れている様だしマリアもシスターのお勤めがあるらしい。
しかし、我が隣人部にはもう一人部員がいる。
その部員様があろう事か……
「申し開きでもあるのか？このロリコン！実妹を…そんな膝に乗せている状態で」

そう、今そんな感じで俺の膝の上に座っている。

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いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 ＠ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
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こんな恋愛がしたい　　安部菜々編 ＠ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
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アテム「実践レベルのデッキ？」 ＠ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
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エルヴィン「ボーナスを支給する！」 ＠ 2024/04/14(日) 11:41:07.59 ID:o/ZidldvO
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2 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]：2012/02/27(月) 12:40:17.21 ID:yutgfgdAO

小鳩「…………」

小鳩も何故か夜空達を睨んでいる様なのだが、いい加減膝から降りてくんねーかな？

「小鷹…あんたシスコンでロリコンだとは思っていたけど、こんな人目も憚らずに事に及ぶ変態だとは思わなかったわ！！」

星奈が興奮した状態で近づいてくる。コイツ人の話聞くつもりねーんだろうな…

「誤解だっつーの！何だか知らねーけど、今日は小鳩がいつもより甘えてきてんだよ」

「ほーう、それでその状況に甘んじて実妹を毒牙に」

「かけてねーよ！！かけてねーから」

「ふん！どうだかな」

夜空は一瞥すると自分の所定席へと座った。

3 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]：2012/02/27(月) 12:46:41.53 ID:yutgfgdAO

「小鳩ちゃ〜ん、お膝の上に座りたいならお姉ちゃんがお膝、貸してあげようか？うぅん、小鳩ちゃんが望むならこの体全てを小鳩ちゃんに！！」

さっきの様子とは打って変わった猫撫で声で小鳩に話しかける。
「…………」
小鳩は無言でそっぽを向いてしまった。
あれ？こいつが無視って珍しいな。
いつも拒絶ではあるけど、返事はちゃんと返してんのに。
その事は星奈もおかしく思ったらしい。
「ねぇ小鷹、小鳩ちゃん本当にどうしちゃったの？」
「肉があまりにも残念すぎて、話をするのにも憚ったのだろう」
「ちょっと夜空！それどういう意味よ！」
「何だ、人語が理解出来ないのか？脳までその無駄肉による侵食が行き渡ったか？」
そんなやりとりの中、小鳩はずっと下を向いていた。

4 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]：2012/02/27(月) 12:55:42.36 ID:yutgfgdAO

「あにき、遅れまして申し訳ございません」

そんなやりとりの最中に幸村が入ってきた。
こいつが俺の後に来るってのもなんか新鮮だ。
「いや、俺もついさっき来たばかりだ」
ここで少し待っただの、時間経過を思わせる台詞を入ちまうとこいつは切腹しかねない…
「では、すぐに着替えを」

「って！！待てえぇぇっっ！！！」

幸村は俺の声に首を傾げながら、？みたいな目を向けやがる。
こいつ…本当に分かってないのかよ。
「あのな幸村、男の俺もいる中でそのまま着替えってのは」

「わたくしはあにきさえよければかまいませんが」

「いや、そこは構おうよ！！」

「そうだ！小鷹、貴様はさっさと外に出るんだ！」

「お、おぅ」

俺が部室から出ていく為に小鳩を膝から下ろすと、小鳩も部室から出ていくのについてきた。
「あぁん、小鳩ちゃんは別に出ていかなくてもいいのよ？」

「……ふんっ」

小鳩は踵を返すと、俺と共に部屋から出てきた。

5 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]：2012/02/27(月) 14:36:46.53 ID:MQhxiuCco

おお、面白そう！

6 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ：2012/02/27(月) 14:50:46.61 ID:PLSRQIRDO

期待

7 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) ：2012/02/27(月) 15:32:03.26 ID:e9lPgeDx0

支援

8 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]：2012/02/27(月) 15:39:07.21 ID:rvRWv59AO

小鳩ちゃんチュッチュッ

9 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]：2012/02/27(月) 16:39:24.42 ID:UDShUErZo

支援

10 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ：2012/02/27(月) 18:11:04.26 ID:xk++GwrMo

ふぅ・・・

11 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/02/27(月) 18:15:56.30 ID:xk++GwrMo

ごめん
あげちゃった

12 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/02/27(月) 20:07:47.76 ID:rCGcH3e00

小鳩ちゃんまじ天使。期待してる

13 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/02/27(月) 21:12:47.66 ID:mgvPz/bmo

はがないSS少なすぎて辛いです・・・

14 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]：2012/02/29(水) 09:28:47.31 ID:wvFqotDAO

やってミロ

15 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/03/01(木) 19:02:55.23 ID:poQ8Xd3Po

楽しみ

16 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ：2012/03/02(金) 01:37:42.68 ID:tgAl2Kqso

ﾏﾀﾞｧ?(・∀・ )っ/凵⌒☆ﾁﾝﾁﾝ

17 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) ：2012/03/02(金) 13:27:52.61 ID:8xRNlW6AO

続きはよ

18 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]：2012/03/02(金) 19:05:40.44 ID:euzIVO+oo

はよ

19 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/03/02(金) 23:05:43.60 ID:ni4BDSsPo

よ

20 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/03/07(水) 18:05:09.92 ID:BgBzWbXto

は
よ

21 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/03/12(月) 19:52:20.01 ID:6zr0J6lEo

２週間も来ないけど書く気あんの？

22 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/03/14(水) 02:04:11.97 ID:g74UP8C7o

はやくぅ…

23 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/03/28(水) 02:23:11.66 ID:0pbGixlyo

一ヶ月経ったな…

24 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/04/06(金) 16:58:46.91 ID:YLr6EM9W0

>>1がこないようなので勝手に続けてみる。

「…………」

今、ここ隣人部には、不穏な空気が漂っていた。

「…ﾁﾗ」

夜空は手元の本を読みながら、時折俺達の方に視線を向け、

「…ﾁﾗｯ」

星奈はゲーム（多分ギャルゲー）をやりながら、俺に殺意を込めた視線を、小鳩に媚びるような視線を向け、

「…ｷﾞｭｯ」

小鳩は目を閉じて俺に思いっきり甘えている。
唯一変わらないのは幸村くらいだ。いつものメイド服で入り口付近に突っ立っている。
幸村のメイド服も板についてきたな。いや、こいつは女なんだからそもそもおかしいところなんて何もないのだが…
どうでもいいけどなんでこんなにギスギスしてんだろう？
と、その時、

「おっはようございまーす！志熊理科ただ今参上いたしましたー！！」

部屋の空気を一撃でぶち壊し、我が隣人部の誇る一番のトラブルメーカーがやってきた。

「あれ〜？何か空気重くないですか〜？」
「お前もそう思うか？」
「あ、先輩。おはようございます。知ってますか。AVを撮る時のスタジオに入ったときのあいさつも『おはようございます』なんですよ？」
「知るか。ってかなんで高校生のお前がAV撮影の現場状況とか知ってんだよ！？」
「そこはほら、理科ですから」
「納得できるような出来ないような…」
「チィッ！さすがにまだ『東方不敗だからしかたない』とか『むいしきだからしかたない』とかのレベルまでには発展していませんか！」
「お前は一体何を言っているんだ？」
「え？先輩が理科とハ○ドリしたいってことですよね？」
「ブッ！？」
「さすがに初体験からのそれは勘弁してほしいですね。ああでもロスト○ージンの記念撮影にはなりますか？」
「うん、少し口を閉じようか。小鳩の教育によくないからな」
「まあまあ先輩。いつかは小鳩ちゃんも経験するんですし、見聞を広めるのはイイコトだと思いますよ？彼氏が出来た時のプレイの幅も広がりますし」
「お前ちょっと黙れ」

25 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/04/06(金) 16:59:16.64 ID:YLr6EM9W0

空気を一新してくれたのはいいが、こいつのマシンガントークに晒されたせいで、俺のライフはガリガリ削られていく。

「…………ｷｯ!」
「あれ？」

ふと気が付くと、小鳩がキツイ眼差しで理科を睨みつけていた。

「先輩、小鳩ちゃんどうしたんですか？」
「ああ、どうも今日は機嫌が悪いみたいでな、さっきからこの調子なんだ」
「へぇ〜…あの日ですかね？」
「「ブハッ！？」」

俺が吹くと同時に夜空も咽ていた。何気に聞いてたのかよ。

「おま…恥ずかしくないのか？」
「どうしてですか？」
「いや、普通女性はそういうことを恥ずかしがったり隠したがったりするもんだと聞いたんだが…」
「理科は別に恥ずかしくないですよ？文字通り生理現象ですし！」ﾄﾞﾔｯ!
「誰がうまいこと言えと」

26 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/04/06(金) 17:00:52.90 ID:YLr6EM9W0

とりあえず保守してみた

27 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/04/07(土) 20:38:44.07 ID:M+ooPIMqo

続けなさい

28 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/04/09(月) 00:06:47.12 ID:8YgqV8nio

とりあえず続けろ

29 ：26 [sage]：2012/04/09(月) 18:41:40.94 ID:y0TnbnwD0

>>27-28
じゃあお言葉に甘えて

「あ゛〜〜〜〜〜〜」

夜

風呂に浸かりながら、今日一日溜め込んだ疲労を一気に吐き出す。

今日は参った…
結局あの後、理科の（下ネタの）マシンガントークは尽きず、カップのサイズから生理の周期まで徹底的に教え込まれてしまった。
そう、『教え込まれた』なのだ。決して『好んで聞き出した』わけではない。ここ重要！！
というか、

「俺にそんなこと聞かせてどうする気だアイツは？」

これはアレか？『私の恥ずかしい秘密を聞いたのですから後で実験台になってください』とでも言う気なのか？

「あんちゃん、おるか？」
「こばと〜？」

磨りガラスの向こうに人影（というか肌色の物体）が見える。

「どした〜？」
「うちもいっしょに入ってええか？」
「ん〜？」

あ〜なんか思考がまとまらない。
理不尽に疲れるのはいつもの事だが、今日は殊更疲労感が強い。

「お、おじゃまするで…」
「お〜」

俺の瞳に、一糸纏わぬ生まれたままの姿の小鳩が映る。
いつもツインテールにしている髪を下ろし、カラコンも外している。
体つきはスレンダーだが、１４歳という未成熟の年齢がかもし出す危うい色香を放っていた。
っていうか、ストレートだと随分雰囲気変わるな。若干大人っぽく見える。

30 ：26 [sage]：2012/04/09(月) 18:42:31.75 ID:y0TnbnwD0

ちゃぷん…

「ん…」
「はぁ〜…」

そういや母さんが死んだ時は大変だった。一晩中泣きっぱなしだったこともある。
そんな時は、よく俺が添い寝してやったものだ。
親父はお袋を失った悲しみを仕事にぶつけ、家に一週間帰らないということもあった。

「♪〜」
「ふぅ〜…」

コイツも随分大きくなったよな。ちょっと前までランドセルを背負って、俺と一緒にヤンチャしまくってたのに…
最近じゃ厨ニ病も抜けて素直になっ…ってぇおい！！

「こ、小鳩！？」
「なんじゃ？あんちゃん」

『花が咲いたような笑顔』ってのはこういうのを言うんだろうか？思わず「うぉまぶしっ！」と言いそうになってしまった。

「なんじゃじゃない！何やってんだお前は！？」
「何って、あんちゃんと一緒に風呂に入っとる」
「そうじゃなくて、何で一緒に入ってるのか聞いてんだ！？」
「あんちゃんがええっちゅうたんじゃろが」
「は？」

あれ？俺そんなこと言ったっけ？小鳩もいつ入ってきたんだ？
っつか小鳩が入ってきたことにすら気付かなかったのかよ俺は。いくらなんでもぼ〜っとし過ぎだろう！

「そ、そうだったか？じゃあ俺はもう出「待ちや」
「な、何だよ？」
「あんちゃんまだ体洗っとらんじゃろ。うちが背中流しちゃる」
「は？」

混乱したままの頭で湯船から上がり、小鳩に背中を向けて座る。

31 ：26 [sage]：2012/04/09(月) 18:43:16.89 ID:y0TnbnwD0

「んしょ、んしょ。あんちゃん、どうじゃ？痛ないか？」
「いや、気持ちいいぞ？」

小鳩に背中を洗ってもらいながら、ふと子供の頃を思い出した。
三人で一緒に風呂に入り、互いの背中を流したりもした。
あの時の親父の背中は…

「ひろいのう…」
「小鳩？」

いつの間にか、小鳩は背中を擦るのを止め、抱きついていた。腕が俺の胸に回っている。

「あんちゃんの背中、ひろいのう…」
「そ、そうか？」

ま、男と女じゃな。

「なぁ、あんちゃん…」
「ん？」
「…いや、なんでもなか…」
「そ、そうか…」

心なしか、小鳩の腕に力が入ったような気がした。

32 ：26 [sage]：2012/04/09(月) 18:45:01.03 ID:y0TnbnwD0

終わり

関西の方言はよく解らん。『ここは違うぞ』というツッコミは大歓迎

33 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]：2012/04/10(火) 00:13:56.69 ID:NZjJnq0Ao

そもそも関西弁じゃないだろ

34 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/04/10(火) 01:50:07.96 ID:ehlIFtGPo

元からそこまでコテコテの博多弁って訳でもないしこれぐらいでいいよ

35 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/04/10(火) 02:53:39.74 ID:MkCujCZPo

博多弁じゃなくて、広島弁混ざってない？
「〜ちょるばぁ〜い！」
と、「なんたらばい」の間違った博多弁が原作では多いと思う。

36 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]：2012/04/10(火) 03:17:04.06 ID:M/dXeCrxo

>>35
しちょる って言葉は博多でも使ったりするから間違ってはないと思う

37 ：26 [sage]：2012/04/10(火) 18:40:14.43 ID:9HLuqyng0

>>33-36
皆さんご指摘ありがとうございます
そういえばあの兄妹は九州出身（？）だったっけ…マズイな。どんな方言使ってるのか想像も出来ない
『あんちゃん』以外は全部標準語にした方がいいのでしょうか？

そもそもここは>>1のスレなんだし、あまり好き勝手にやると怒られるかな？

38 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/04/10(火) 20:00:25.72 ID:ehlIFtGPo

どうせもう来ないだろうし
>>1であることを証明するコテも付けてないし気にすることはない
小鳩の話し方は原作からしてちゃんとした博多弁って訳じゃないしなんちゃって博多弁でも問題ない

39 ：26 [sage]：2012/04/13(金) 18:45:47.97 ID:wPoMsFqa0

エセ博多弁（エセにもなってないかも）注意

「では誓いのキスを」

今日は俺の、俺達の結婚式だ。

「小鷹、お幸せにね！」
「あにき、たとえあにきがけっこんしても、わたしはずっとあにきのしゃていです」
「先輩！奥さんを泣かせちゃダメですよ？」

隣人部の皆が祝福してくれている。

「しっかし笑っちゃうほどタキシードが似合わないわね？あんたって奴は。うぃ〜っく」
「お兄ちゃん！おめでとうなのだ！」

ケイトとマリアが笑って仲人をしてくれている。

「タカ…例えお前が結婚したとしても、私の…私達の友情は不滅だ」

ソラ…いや、夜空も、俺達の仲を祝ってくれている。

「ありがとう皆。俺達は幸せだよ。そして君も、これから一生幸せにしてみせる」

そして、俺は愛する人のベールを上げ…ってあれ？
そこで俺は初めて気が付く。俺は一体誰と結婚したんだっけ？というかそもそも俺は結婚できる年齢なんだったっけか？

「あれ？あれあれ？」

混乱している頭とは別に、体は勝手に動いていく。
そして、めくられたベールの下から出てきたのは…

「あんちゃん…あいしちょるよ…これでウチは、ずっとあんちゃんのお嫁さんじゃ…」

40 ：26 [sage]：2012/04/13(金) 18:46:18.54 ID:wPoMsFqa0

ピピピピピ・・・

「ん〜…」

枕元で鳴る電子音によって、心地よい眠りから強制的に浮上させられる。
その割りに心臓がバクバク言ってるのはきっと気のせいだ。
妹との結婚式（かなりリアル）の悪夢を見たからじゃない。絶対に。

「朝か…」

気だるい体を無理矢理動かし目覚ましを止める。
はて？俺はなぜこんなに疲れているのだろうか？いつもだったらもう少しシャキっと起きているはずなのだが。

「ん〜〜〜〜〜〜！！」

ベッドの中で伸びをする。毎朝のコレがその日一番の楽しみでもあるのだが、

「あれ？」

胸元に何かが乗っている。
布団にしては重すぎるが、取り立てて軽いというわけでもない。

「…oh」
「く〜…」

胸元に小鳩がしがみついていました。裸ではなく、ネグリジェでもなく、ごく普通の可愛いパジャマだったのはせめてもの救いだ。と思いたい。

41 ：26 [sage saga]：2012/04/13(金) 18:47:16.75 ID:wPoMsFqa0

「ってわけなんだけど皆どう思う？」
「とりあえず死ね。１００回死ね。そして生き返ってくるな」
「あんたって奴は！！あたしの小鳩ちゃんになんてことしくさるのよ！！」

とりあえず夜空、そのゴミや犯罪者を飛び越えて道端の小石を見るような目は止めてくれ。興味もなく嫌悪もなく、ただその場にあることを流されるような視線はかなり堪える。
あと星奈、誰がお前のだ。小鳩は少なくともお前のじゃないぞ。じゃあ誰のだと言われても返答に困るが。（あえていうなら我が羽瀬川家のか？）

「ﾊｧ…ﾊｧ…や、やりますね小鳩ちゃん。まさかこの理科がナマ近親相姦に萌える日が来ようとは」
「あにき…」

幸村、頼むからそんな複雑そうな顔しないでくれ。お前が何を苦悶してるのかわからないが、お前の悲しそうな顔は妙に良心に訴えるんだ。
え？理科？あいつは好きにしろ。

「なぁなぁお兄ちゃん、きんしんそーかんってなんだ？何かの計算式か？」
「お前は知らなくていいんだ」

今発言したのは、我が隣人部が誇るロリっ子にして顧問のマリア。そしてなぜか

「お兄ちゃんのイスなのだ〜♪」

俺の膝の上。またかよ。

「本当にお前は小さな子供にモテるな。このロリコンめ」
「あんた保父にでもなった方がいいんじゃない？…いや、それは逆にマズイわね。同じ学校から変態が逮捕されるなんて笑い話にもならないわ」
「星奈先輩。先輩は変態と変質者を同じに考えていませんか？」
「へ？違うの？」
「全っっっっっ全違います！！いいですか！？そもそも変態というのはですね！？」

なぜかヒートアップしている理科。己の存在意義に関わる問題だ。まあ理由は解らんでもない。

「あにき」
「ああ、どうした幸村？」
「いえ、マリアどのが」
「ん？」
「くか〜、くか〜」

俺の膝の上で思いっきり熟睡しているマリア。あぁ涎が、涎がぁっ！！

「もうしわけありませんあにき。さすがにあにきのいもうとぶんであるマリアどのをおこすのはしのびなく」
「いや、いいさ。服は洗えばいい」

42 ：26 [sage saga]：2012/04/13(金) 18:48:03.48 ID:wPoMsFqa0

しかもこうガッチリしがみつかれちゃぁなぁ…

「つまるところ肉、貴様のことだ」
「な　ん　で　す　っ　て！？」
「まあ星奈先輩も、小鳩ちゃんに対しては変質者っぽいですよね」
「へ、へんしつしゃ…このあたしが変質者…」
「お〜見事なorzですねー」
「ふん。そんなところに蹲るな肉。邪魔だ」
「えーん！夜空のアホ〜〜〜！！」

あっちはあっちでいつもの光景が繰り広げられていた。どうでもいいから扉を開けっ放しでいくな星奈。

「あんちゃん、おるか？」

そしてその開けっ放しの扉から入ってきたのは、最近奇行に走ることの多い我が妹、

「こっ　ばっ　とっ　ちゃ〜〜〜〜ん！！」
「…………」ひょい
「ぶひゃん！？」

星奈、お前出てったんじゃなかったのか？

「ん〜？あーっ！うんこ吸血鬼！！」
「…………」

お、マリアも起きたみたいだ。

「何の用なのだうんこ吸血鬼！」
「…………」
「へっへ〜ん♪いいだろ〜？お兄ちゃんのイスだぞ〜？」
「…………」

自慢げにふんぞり返るマリアと、一言も話すことなくマリアを睨みつける小鳩。
どうでもいいから、起きたなら降りろマリア。それと涎の跡がついたままふんぞり返っても笑えるだけだぞ。

「どうしたうんこ吸血鬼！何か言ってみろ！」
「…りろ…」
「は？」
「あんちゃんから降りろこのアホ！！」
「ちょっ、なにするのだ！」

マリアを俺の膝の上から引き摺り下ろそうとする小鳩。
それに抵抗して俺にしがみつくマリア。

「降りんかこのドアホ！！あんちゃんから離れろ！！」
「いやなのだ！お兄ちゃんは私のお兄ちゃんなのだ！」
「うっさい！あんちゃんはうちのあんちゃんじゃ！おまえのちゃうわ！」
「お兄ちゃんはお兄ちゃんだから私のお兄ちゃんなのだ！」

どうでもいいから俺の膝の上でケンカするなマリア。それと小鳩、何ムキになってんだよ。

43 ：26 [sage saga]：2012/04/13(金) 18:48:44.64 ID:wPoMsFqa0

「小鷹…悪いことは言わない。自首しよう。な？」
「小鷹…あんたとうとう道を踏み外しちゃったのね…」
「先輩流石です。この理科、先輩を手本として、真の変態道を極めてみせます！！」
「あにき。わたくしは、いつまでもあにきをおまちしています」

夜空、星奈、頼むからそんな優しい目をしないでくれ。幸村、その今生の別れみたいなセリフは何だ？あと理科。俺は変態なんかじゃない。ごく普通の、極ノーマルの男子高校生だ！

「ダウト」
「ダウトね」
「ダウトです」
「わたくしはあにきをしんじております」
「泣いていいかな？」

これが言葉の暴力…流石の俺でも泣きそうだ。
と、そんな俺達をよそに、マリアと小鳩のケンカは取っ組み合いにまで発展していた。
あ〜あ、女の子ともあろうものがそんなに…

「あんちゃんはうちのあんちゃんなんじゃー！！」

とりあえず怪我しないうちに止めとこうな？

44 ：26 [sage saga]：2012/04/13(金) 18:49:26.01 ID:wPoMsFqa0

以上おわり
はがないSSってむずかしい…

45 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/04/14(土) 02:28:11.59 ID:hR+1rNX4o

何人も動かすのは大変だからしょうがないね

46 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) ：2012/04/25(水) 13:53:01.18 ID:ZkYWmw8ko

また誰も居なくなってしまった