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第六位「……君だよ。『一方通行』」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆6KRC2KEuIY [sage !red_res]:2012/02/29(水) 23:53:59.23 ID:uCZ3vES20

■このSSを読むに当たっての注意事項□
・ぼくのかんがえたryな名前付きオリキャラ祭り
・メタ発言、デウスエクスマキナ
・キャラ崩壊
・オリジナル設定解釈
等が含まれています。

こういうネタが嫌いな方は、バックブラウザでお戻りください。

前スレ的なモノ
ttp://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1299/12992/1299259967.html
 
尚、この部分のセキュリティはレッドに設定されています ※



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1330527239(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)
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もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713353246/

木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1713351945/

いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713279251/

【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713277692/

こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713183168/

【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/

アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713089503/

エルヴィン「ボーナスを支給する!」 @ 2024/04/14(日) 11:41:07.59 ID:o/ZidldvO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713062467/

2 : ◆6KRC2KEuIY [sage]:2012/02/29(水) 23:56:33.79 ID:uCZ3vES20
ここにあるのは、只の幻想。ifですらない偽物の物語。
それでもいいと言うのなら、どうか付き合ってくださいませ。
これから語るは、三つのお話。
――それは、第六位と彼らの物語。
――それは、とある学園物的物語。
――それは、偽物を加えた彼らの日常の物語。

はじまり。はじまり。
3 : ◆6KRC2KEuIY [sage]:2012/02/29(水) 23:59:02.18 ID:uCZ3vES20
そのとき、視力はぼんやりとしか回復していなかった。
だから、自分の状況を変えてくれた人物の方をぼんやりとしか見ることが出来なかった。
だから。気付くが遅れた。

「ン」
「……?」

ぶっきらぼうに差し出された手。
それを確認したとき、辺りが明るくなった。まるで――。
「っ……。つ、捕まれよ」
痺れを切らしたその子に急かされ、拙い視力を元に、恐る恐る手に触れる。
思いの外強い力で引っ張り上げられた。
「ケガは……」
「へいき。そのうち能力で治る」
「そォか」
「うん」

確かにその先も変わらぬ闇だったかもしれない

でも、それでも。
例え、一時でもそれは光だった。
4 : ◆6KRC2KEuIY [sage]:2012/03/01(木) 00:02:40.54 ID:KUPqyi+t0
□□

『風紀委員』――それは、学園都市の治安維持機関のひとつ。
その本部は、警備員の本部と共に、学園都市のほぼ中心部にビルを構えている。
本部の人間は、学区を跨いで様々な学校から学校の代表として集められた精鋭達だ。
基本校内活動が主である彼らの、統括中枢。
舞台は、そこでは無く、風紀委員でも一部しか知らない部屋。
そしてその部屋にいるのは、風紀委員長自ら秘密裏に組織したメンバーである。
中には、風紀委員では無いものもまじっているので同じ場所にあっても本部とは言えないだろう。
とはいえ、風紀委員長を始めとして、幹部はそろっているので実質
本部員のさらなるまとめと言っても差支えは無いのだが。
5 : ◆6KRC2KEuIY [sage]:2012/03/01(木) 00:05:56.63 ID:KUPqyi+t0
そんな場所に海原光貴は、足を踏み入れる事になる。
どうして僕が。そんなことを思う。
しかし、よくわからない事に、『日常』に戻る為には必要らしい。
八月末に関わる事になった事件が関係しているらしかった。

風紀委員の場所にしては、珍しい大人の人に連れられ、その部屋に入った。
部屋には十数人の人間がいて一気に視線が集まる。
恥ずかしいと思う前にその中の一人が笑顔で声をかけてきた。

「やあ、海原光貴くん。こんにちは」
「こんにちは」
その人は、例の事で助けてもらった人物だった。周りを見ると、他にも何人かこの前見た事のある顔を見つける。
「うん。元気そうでなによりだね」
少年はにこりと微笑む。そして部屋を見渡すと、手でその場にいた人達に立つように示した。
「では、改めて自己紹介しようか。僕たちは、風紀委員の権限より少し深いところの問題解決の為に集められた風紀委員の特別組織。君は、今日からそのメンバーの一員だ」
「はい」
「では僕から――」
6 : ◆6KRC2KEuIY [sage]:2012/03/01(木) 00:09:17.30 ID:KUPqyi+t0
そう言って口を開いたのは、――水野遵(みずのじゅん)。
風紀委員長。周りの黒髪よりももっと真っ黒な髪。そして前髪が右目を隠している。
以前見たときは、全身黒服だったが、今は、長点上機の制服を着ていた。
驚いた事に、彼は、超能力者の第六位であるらしい。
彼の簡単な紹介が終わると隣にいる生徒が口を開いた。

「元気そうで何よりだ。大変だろうが歓迎するよ」
――佐円静(さえんしずか)
 副風紀委員長。髪にも制服にも遊びは無く眼鏡をかけたその姿は、よくある生徒会長という印象を受けた。光貴と同じく大能力者と言う事だった。
佐円の紹介が終わるとまた別の人間が口を開く。
「よろしくね。海原君」
――三崎美咲(みさきみさき)
 もう一人の副風紀委員長である少女。長めの髪を後ろで一つで縛っており、長点上機学園の制服の上に白衣を羽織っていた。驚いた事に、無能力者であると言う。
しかも能力開発を受けた上で、能力が検出できない無能力者中の無能力者。

7 : ◆6KRC2KEuIY [sage]:2012/03/01(木) 00:15:35.54 ID:KUPqyi+t0
そして次々紹介を受ける。目の前にいる人達の紹介は終わった。
そして、気が付いた。あのときは、もう2、3人居た気がする。
その人がいないような、別の所の人なのか。そう思っていた時に、袖を引っ張られる感覚があった。
その方向を見ると、いつの間にか一人の少女が立っていた。
(全然気が付きませんでした。)
歳は、どれくらいなのだろうか。少女は、気恥かしそうに笑う。
【青井忍(あおいしのぶ)。よろしく】
頭に直接声が響いてきた。なるほど、テレパス系の能力者だ。
少女が離れたところで、パンと手をたたく音がした。そちらを振り返ると水野が手をたたいた後の状態だった。
「よし。大体終わったかな?後まだ、2人いるんだけど、今はいないからまた別に紹介するね」
「はい」
ちなみに。水野を連れてきた大人は、顧問とか担当の先生とかまあそんな存在らしい。
実質風紀委員の監視の様なものだが、権限は、委員長と同程度との事だった。
8 : ◆6KRC2KEuIY [sage]:2012/03/01(木) 00:18:39.01 ID:KUPqyi+t0


「この間は、本当にありがとうございました。これからよろしくお願いします」

こうして、海原光貴は足を踏み入れた。日常への為に少しばかりの非日常へと。
9 : ◆6KRC2KEuIY [sage]:2012/03/01(木) 00:22:13.54 ID:KUPqyi+t0
間が途中なので、いったん終了。

以下小ネタを2レスほど
10 :原作ネタですの [sage]:2012/03/01(木) 00:25:09.08 ID:KUPqyi+t0

垣根「あー俺、本編で復活しねえかな」

白井「それは、つまり」

建宮「“こちら側”に来る覚悟はあるって事よな?」

神裂「……このド素人が」

垣根「えっ」
          ・・・
白井「いえ、ですから正式にこちら側に来てしまってもよろしいんですの?」

垣根「意味がよくわからないが」

キャリーサ「一度かっこよく出番をさらった者が二度目でどうなるかって事だし。恥ずかしいから言わせるな、この間抜け」

垣根「」

垣根「い、いやでも出番が無いよりある方がいいだろ」

イン「……」姫神「……」

垣根「お嬢さん方。視線が怖いのですが……」
11 :原作ネタですの [sage]:2012/03/01(木) 00:28:13.34 ID:KUPqyi+t0
――

心理「でも、あなたが復活するにしてもノーリスクと言うわけにはいかないんじゃない?」

垣根「つまり、木原那由他や黒夜海鳥みたいな感じと言う事か?」

心理「そう」

垣根「まあ、復活できるならそれでも、やぶさかではないぜ?」

心理「そうなった場合、あなたも含めて上位レベル5達は、御坂美琴の能力と相性が悪い事になるわね」

垣根「と言う事は、もしや超電磁砲は、ギャグ補正が働く場では最強……か?いやナンバーセブン?」

白井「いえ、それは寮監様だと思いますの」

全「…………」

全(デスヨネー)
12 : ◆6KRC2KEuIY [sage]:2012/03/01(木) 00:33:31.25 ID:KUPqyi+t0
こんな感じでごちゃごちゃやっていきます。
基本は、一番上のネタで、あと二つは適当に思いついたらです。

では、また。
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/01(木) 00:39:55.71 ID:pHwehBkIO
どっちかってーと小ネタの方がここ向けな気がする
オリキャラメインなら他に相応しいとこがある訳だしね
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/01(木) 01:32:10.85 ID:Qke5dYbWo
文体は悪くないと思う
嫌いじゃない
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/03/01(木) 01:37:14.05 ID:wQcvNCbAO
なろうでやった方がいいんじゃないか?

オリキャラ無双だと叩かれたりレスつかないかもね
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/03/01(木) 04:04:40.75 ID:tdu1Sy360
>>10にもオリキャラいるけどな
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/03/01(木) 07:48:48.34 ID:eErct9x1o
オリキャラの扱いは慎重になー
メアリー・スーにゃならないように
期待してます
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/03/01(木) 12:29:49.56 ID:7VkmaasAO
>>16

成る程wwwwww
19 : ◆6KRC2KEuIY :2012/03/03(土) 02:06:09.67 ID:8nNh1qRK0
こんばんは。
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/03/03(土) 02:10:04.59 ID:yni64SKAO
ってか何でわざわざ赤文字にしてんの?気取りすぎて気持ち悪い
バイバイ
21 : ◆6KRC2KEuIY :2012/03/03(土) 02:20:44.16 ID:8nNh1qRK0
こんばんは
只でさえキャラが多い禁書でキャラを増やしても回せないよねってね
なので紹介ぐらいでさほど広がりはしないはずです。

>>16 oh...
22 :あ、書き込まれてた :2012/03/03(土) 02:22:26.89 ID:8nNh1qRK0



風紀委員。河崎真也(かわさきしんや)は、困っていた。現在銀行強盗のさなかである。
今日は、定例会議で新人の紹介もあると言うのに。早く片付けたいがそうもいかない。
一人では、対応しきれるはずもない。風紀委員と言えどただの学生。
武器を持った相手と対峙するだけならともかく、守るべき一般人がいるのではうかつに動く事は出来ない。

(だけど、)

拳銃が客に向けられるのが見えた。

これ以上は、危険かもしれない。きっと、このままでは、被害者が出る。
(だったら、うかつな馬鹿でいい)
彼は、始末書覚悟で動く事にした。
23 : ◆6KRC2KEuIY [sage]:2012/03/03(土) 02:24:14.60 ID:8nNh1qRK0
―――――

絶対等速。半年ほど前、郵便局強盗で捕まった彼は、今釈放されていた。
こういった期間が何故か短いのは、学園都市の治安が悪い理由の一つに挙げられるかもしれない。
そうして、彼が今何をしているかと言うと、反省せずに銀行強盗だった。

仲間の一人が、客の一人に向かって引き金を引こうとしていた。
その時だった。

「!?」

仲間の手から拳銃が消えた。

次の瞬間、隅に集めた人質たちの中から、少年が駆けてきて驚きで硬直している仲間をひっくり返す。
そして、そのまま気絶させたようだった。

絶対等速には、見覚えのある光景。
24 : ◆6KRC2KEuIY [sage]:2012/03/03(土) 02:31:23.12 ID:8nNh1qRK0
――持っている銃が消えた。

出てきた少年と関係あるかは分からないが理解する。

「つくづく『空間移動』の能力者には縁があるなあァ!!!」

絶対等速は、自分の仲間を倒した少年に自分の能力を使い、パチンコ玉を投げつけた。

「!!」
少年は、驚きつつもそれをかわす。速度を保った玉は、壁を壊しつつ止まった。

「驚いたかぁ? 俺の能力は、『絶対等速』
 動きはニブイが、俺の投げた物体は前に何があろうと同じ速度で進み続ける
 俺が、能力を解除するか、投げたモノが壊れるまでな」

更に能力をかけパチンコ玉を投げつける。
25 : ◆6KRC2KEuIY [sage]:2012/03/03(土) 02:33:16.36 ID:8nNh1qRK0
次の瞬間目の前に自分の投げた球が存在した。

――自分の能力はかかったまま。

「!?」

寸でのところで能力を解除する。コロンとパチンコ玉は落ちる。
しかし、体勢は崩れ、意識はそれた。

そこを見逃してくれるほど、風紀委員が甘くない事ぐらい知っていた。
26 : ◆6KRC2KEuIY [sage]:2012/03/03(土) 02:36:20.58 ID:8nNh1qRK0

「なぜだ!なぜ、俺の玉が目の前に!!」

取り押さえられた絶対等速は、上に乗る少年に叫ぶ。
少年は、暴れる絶対等速をモノともせずに抑えながら答える。

「お兄さん……あなたの能力は、等速直線運動をしているとさっき自分で言ってたじゃないですか。
 だから次にどの位置にあるか予測が可能です。それなら、どうするか後はわかりますよね?
 まっ、能力の競合で、あなたの能力が解除されないままなのは、発見ですが……強いんですね」
「そんなこと」
簡単じゃない。能力者ならわかる。そういった演算がどれほど難しいか。

「……結局、僕にはそれしかないんだ」

聞かせるつもりが無いだろう呟きは、絶対等速には聞き取れなかった。
27 : ◆6KRC2KEuIY [sage]:2012/03/03(土) 02:37:16.95 ID:8nNh1qRK0
「ぐぎゃあ」

突然のうめき声に、絶対等速は、(取り押さえられたまま)視界を声の方に向ける。
視界の先で、最後の仲間が取り押さえられていた。

「まったく、無鉄砲な子って何処にもいるものね」

眼鏡をかけた巨乳の高校生。彼には、見覚えのある事の一つだった。
28 : ◆6KRC2KEuIY [sage]:2012/03/03(土) 02:42:43.14 ID:8nNh1qRK0
今回は、これで終了です。
固法先輩はゲストです。

では、また。
29 :つパラノイア [sage !nasu_res]:2012/03/03(土) 03:28:06.24 ID:H4qVwM+c0
>>20
ZAPZAPZAP
セキュリティ・クリアランス違反は反逆です市民。
次のクローンは、うまくやってくれるでしょう。

ときに確認しておきますが市民、あなたは幸福ですか?


>尚、この部分のセキュリティはレッドに設定されています ※
たぶんこれだろうけど知ってる人少ないだろこれww
30 : [sage !red_res]:2012/03/15(木) 07:56:12.83 ID:x2H3aLlG0
>>29
もちろんです。ヴァイオレット様

幸福は義務です!
31 : ◆6KRC2KEuIY [sage]:2012/03/15(木) 08:03:21.72 ID:x2H3aLlG0
ZAPZAPZAP

前任の私は、ネットスラングを使い間違る愚かな反逆者でしたが今度の私は完璧です。

――

新約も4巻ですが。構想段階がロシア編ぐらいなのでキャラは使ってもネタは使わないと思います
まだそこまでたどり着いていないし。
32 : [sage]:2012/03/15(木) 08:05:35.15 ID:x2H3aLlG0
■■

夏休み最終日が明日へと迫った日。佐円らは、水野に呼び出されて集合していた。

佐円「捜査依頼?」

水野「うん」

笑顔で頷く水野に、佐円は溜息をつく。水野が持ってくる案件はいつも唐突だった。
そして厄介事が多い。今回もそうだろうと思うと気が滅入った。

水野「知っているでしょ?常盤台中学。そこの理事長がいるんだけど、その息子さんから息子……ってか理事長の孫だね。彼の様子が最近おかしいから調べてほしいんだって」

三崎「それってこの子かな?」

三崎は、既にパソコンで検索を終えたらしい。画面には、海原光貴という生徒についてが出ていた。

水野「そうそう、その子」
33 : [sage]:2012/03/15(木) 08:07:37.01 ID:x2H3aLlG0

佐円「で、こいつがどうかしたのか?狙われているとか?」

所謂お金持ちの孫だ。誘拐されてもおかしくは無い。最も大能力者とあればそうそうその機会は訪れないだろうが。

水野「うんとね。なんか急に女の尻を追っかけ出しておかしい。
   御坂美琴嬢と仲良くしろとは言ったが、そこまでじゃないとかなんとか」

佐円「……、なんだそれは」

そんなのは最早本人に直接解決させればいい話ではないだろうか。
わざわざ、もうすぐ新学期というこの忙しい時期に持ってくる話ではない。
ちなみに佐円が思っているのは宿題の話では無く自身の学校の生徒会としての話だ。
34 : [sage]:2012/03/15(木) 08:10:05.97 ID:x2H3aLlG0
そんな佐円の心境を余所に水野は面白そうに笑う。

水野「でも、ここ一週間で急にらしいよ?それに、合宿にいった筈なのに、合宿にもに行った様子は無い。
   それなのに家に帰ってこない。そして、街では、目撃されている。おかしいとは思わない?」

一瞬細めた瞳は、水野が疑っている証しだった。佐円は、やっと真剣になる事にする。

佐円「……肉体変化か?」

水野「どうだろ?確認したけど違うみたい」

佐円「したのか」

三崎「……というか知っているんだね」

佐円「ま、ともかく確認だけでもしようよ」

三崎の疑問を爽やかに流し、水野はただ確定事項を告げた。

35 : [sage]:2012/03/15(木) 08:15:21.86 ID:x2H3aLlG0

――

翌日。外にある常盤台学生寮前。
彼らは、その場所付近で寮を見張っている。
“海原光貴”がつかめない以上、彼が追っている御坂美琴を見張っている方が、効率がいいと判断した結果だ。

そして、予想通り御坂美琴が寮から出てくると、直ぐに海原光貴が姿を現した。

佐円「どうだ?」

佐円は、隣にいる青井忍に語りかける。

青井「……、あの人。中身が…違う?かも」

佐円「違う?」

こくりと青井は、幽かにうなずく。

青井【私は、本人を知らないから確定できない】

佐円「ま、仕方ないな」


【それに、何か――】
36 : [sage]:2012/03/15(木) 08:16:53.36 ID:x2H3aLlG0



「そんなこんなでぇ〜私ぃ登場ぅ☆」



37 : [sage]:2012/03/15(木) 08:20:50.20 ID:x2H3aLlG0

青井の発言を遮るように2人の後ろから唐突に聞こえた声。

佐円は、その声に聞き覚えがあった。予感が的中してほしくないと思いつつも、後ろをギギギと振り返る。

――長い金髪に星を散らしたような瞳。そして常盤台中学の制服。

そこにいたのは、“超能力者の第五位”≪心理掌握≫食蜂操祈だった。
38 : [sage]:2012/03/15(木) 08:25:49.95 ID:x2H3aLlG0

 、、、、、、 
(でやがった)

佐円は、心底うんざりという顔をした。

食蜂「うんうん。静さんの声は、すっごく好きだよ?」

佐円「(嘘つけ)お前のその腐った性根どうにかならないのか?」

食蜂「ひっど〜い。水野さん。佐円さんがいじめるぅ〜」

佐円「……、」

呆れても早言葉も出ない。もっともでなくても食蜂には読まれているのだろうが。
39 : [sage]:2012/03/15(木) 08:30:36.31 ID:x2H3aLlG0

水野「やぁ。取り巻きはどうしたの?」

食蜂に気が付いたのだろう。
少し離れたところにいた水野と斎藤が佐円達の所に歩いて来る。

食蜂「うん☆私にとってぇ、抜け出す事くらい、か・ん・た・んだゾ☆」

水野「流石だね。まあ、それは置いとくとして。どうしたんだい?」

食蜂「私も〜、理事長さんに頼まれたんだぁ。確かにおかしぃよねぇ」

食蜂は手を合わせてウインクをした。事情はわかっていると言うことらしい。
むしろ彼女一人に任せてほしかった、と佐円は深く溜息をつく。
何故なら彼女なら一発でわかるのだろうから。

水野と食蜂のどちらか一人でも気がめいると言うのに二人も揃っていると胃薬が欲しくなる佐円だった。

青井【すみません】

この二人の前では、青井と河崎の二人も奴らの味方でしかない。

河崎「佐円先輩。気楽にいきましょう……」

(……慰められても困る)

こうなるのだったら自身も三崎のようにサポートに回るか、いっそ理由をつけてこなければよかったと佐円は思った。

40 : [sage]:2012/03/15(木) 08:34:36.91 ID:x2H3aLlG0

「あれあれ、御坂さん誰かといっちゃったよ〜う?」

その声に佐円は、我に返って常盤台寮前に視線を向ける。
そこに御坂はおらず、推定海原といつの間にか増えた金髪の男と青髪の男が立っているだけだった。
三人は、少し困惑したように話している。

遠く聞こえる喧噪を聴きながら左右に視線を動かすと、男の手を引っ張っていく御坂が遠くに見える。

(上条か?まさかな)
僅かに確認できた特徴ある頭に佐円は、先日久しぶりに出会った人物を思い浮かべたが被りを振って否定した。

水野「さて、どうしようか?」

水野は、皆に笑いかける。
もとより、問題は御坂美琴ではなく、海原光貴。
本当に偽物なら声をかけるにしてもどう動くべきか。

41 : [sage]:2012/03/15(木) 08:41:47.10 ID:x2H3aLlG0

食蜂「なんならぁ〜わたしが――」

食蜂は、片手をカバンに入れながら、なにか言いかけたが途中でその言葉が止まった。
疑問に思った佐円が声をかける。

佐円「どうした?」

食蜂は、それに答えずに固まっている。
“誰か”と話でもしているであろうことは、その場にいた者によって想像に安かった。

食蜂「あ〜!なんかぁ駄目だってぇ」

食蜂が言葉と共に、放した手により髪がバサリと落ちる。そんな芝居がかった動作に佐円は僅かに顔をしかめた。
一方、河崎は疑問を顔にだし、青井は唾をのんで困惑気味の表情を見せる。

そんな中、水野はちらりと向こう側の三人へと視線を向け再び食蜂に戻す。

         、、、、、、、、、
水野「へーぇ。中継して貰える?」

水野は、音だけ真面目に言葉を口にする。

――彼女は首を縦に振った。

「……」「……」

そして静寂がその場を制する。

42 : [sage]:2012/03/15(木) 08:48:58.57 ID:x2H3aLlG0
――――

クラスメイト等から青髪ピアスや青ピという渾名で認識されている少年は、隣にいる土御門という友の雰囲気が切り替わったのを感じた。
理由は、目の前の優しい雰囲気の男だろうかと青い髪の少年は考える。

今日は、土御門と偶然出会った上条(この人物もまた青髪の友。クラスでデルタフォースと呼ばれる一角)と夏休み最終日を(ナンパとかして)遊び倒そうという目的だったのだが。
上条は、青髪にとって羨ましい事に常盤台の女の子に連れ去られてしまった。
そして、常盤台の女子と話していた青髪達より年下に見える少年が困惑気味に話しかけてきたというのが彼らの現状だった。


「なんや、自分ふられてしもたんやな」

「ええ、そのようです」

「あの子もべっぴんさんやったけど気にする事ないでぇ?
 世の中にはええ子はぎょうさんいますわや」

「それにここは女子寮の前ににゃー、メイドさんはいないけどにゃー」

三人は、軽い言葉を交わしていく。
その中で、青髪は目の前の少年に初めて会う人物にも関わらず違和感を覚えた。
青髪の覚えがある特有の演技臭さ。
そして隣の土御門の気配の変化。
加えて、この前自身に掛かってきたとある確認の電話。
43 : [sage]:2012/03/15(木) 08:51:00.71 ID:x2H3aLlG0

それらの情報から、少年は推測する。


――こいつがそうか。と



44 : [sage]:2012/03/15(木) 08:56:07.92 ID:x2H3aLlG0

「おっと電話だにゃー、ちょっと失礼するぜい」

土御門が、マナーモードにしていたらしい携帯をとった。
そしてその場を離れ、青髪達には聞かれないように何かを話している。

「……では、自分はこれで。そちらの方にもよろしくお願いします」
「あぁ、わかったわ。気ぃつけーや」

礼儀正しく頭を下げ去っていく少年を見送る。
同時に土御門が戻ってきた。

「悪いな青ピ。ちょっと舞夏から呼ばれたんでいってくるぜい」

「別にええよ。カミやんもいのうなってもうたし、舞夏ちゃんの呼び出しなら仕方ないやん。遊ぶのはいつでもできるで」

「……、ああそうだな」

「ほな、頑張りやー。また明日会おうでー」

「おうよ」

軽く手を上げ土御門はその場から早足に去って行った。
振り返した手を下げ青髪の少年は思う。
45 : [sage]:2012/03/15(木) 09:00:47.36 ID:x2H3aLlG0

(つっちーも意外と嘘が下手やなぁ。舞夏ちゃんからの電話だったらもっと嬉しそうにしてるで)

もっとも、青髪はソレが無くても想像は付いていたのだが。


 土御門元春が、向こう側の人間なのはうすうす感じていた。
 しかも昔青髪自身がいた場所よりももっと深い場所。
 悪い奴じゃないのは、短い付き合いでも理解している。
 闇の広いこの街で、彼の妹やその周り、もしかしたら青髪たちの周りを守るため。
 
 きっと受動的にいた自分ではなく能動的にそこにいるのだろう。

 そして上条当麻も彼も彼でトラブルに巻き込まれては大変な日々を送っている。
 彼は、表も裏も関係なく他人を救っているのだろう。そこに自身は含まれていないのが厄介なところだ。

 そんな事を考えながら青髪ピアスは思うのだ。
 自分には、何が出来るだろうかと。
 土御門の用に裏側に回るという芸はできない。
 上条のように飛び越えて何かをなす事もできたりしない。
46 : [sage]:2012/03/15(木) 09:03:30.15 ID:x2H3aLlG0

そこで青髪は、一人の女性の姿を思い浮かべる。

自身をこの場所へと導いてくれた女性の姿を。

そしてクラスメイトと馬鹿をやっている日々も。

自分がやっと手に入れた楽しい“日常”

(そうやなぁ)

青髪は、目を開けてにやりと笑う。

――ならば、自分はこちら側で日常を守ればいい

――彼らが行き過ぎてしまわないように。戻ってきたいと思えるように

――彼らの為にも自身の為にも

青髪は、鼻歌交じりに朝の街へと歩き出すのだった。
47 : ◆6KRC2KEuIY [sage]:2012/03/15(木) 09:12:11.46 ID:x2H3aLlG0
今回の分の投下終了

土御門は能動的にならなければいけない受動的の様な気もしますが。

書いて気が付きましたが、みさきちと三崎、名前被ってましたね。
まあ、今さらなのでこのままにしてしまいますが。
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/03/16(金) 08:36:18.36 ID:ZbdQAl7e0


前のも少し見たがそっちから使ってるみたいだしね
青ピはこのあと活躍あったりする?
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/16(金) 08:37:39.53 ID:ZbdQAl7e0
ageてしまったすまん
50 : ◆6KRC2KEuIY [sage]:2012/04/15(日) 23:21:15.17 ID:I0ZLWzVS0
>>48
いいえ、これもサービス的なものです。予定は未定ですが……

最近ばたばたしていて書く時間がなかなかとれなくて悔しいです。
51 :原作ネタですの [sage saga]:2012/06/07(木) 20:38:13.77 ID:3KYR15ka0

食蜂「やったね!垣根さんフラグがったったよ☆」

垣根「おい、やめろ」

食蜂「あれあれ?不満なのかなぁ〜?」

垣根「いや、不満つーか。不安つーか……」

心理「どうかしたの?>>11で私が言った機械の補助がついてるような復活じゃなくて
   ちゃんとした復活ができそうなのよ?」

垣根「……そう言われてもなぁ」

食蜂「わかった!全身羽根だらけにならないか不安なんだね。メ・ル・ヘ・ン☆」

心理「イケメルヘンじゃなくて、羽根の塊のなにかということね」

垣根「」

垣根「……それもあるけどよぉ」

心理(あら、肯定するのね)「なにかしら」

垣根「俺の管理って木原一族がしているんだろう?」

心理「そうでしょうね。それが?」

垣根「『首輪付』状態だったりしないか?」

心理「はあ?」

食蜂「要するにぃ〜‘操られてる状態’って事?」

垣根「ああ」

心理(この子がそれを言うのかしらね。まあ、私の人のこと言えないけど)

垣根「つまり――」
52 :原作ネタですの [sage saga]:2012/06/07(木) 20:40:31.75 ID:3KYR15ka0
■垣根説明中■

―――

「……一方通行―――コロス」

その男にあるのは一方通行への殺意のみ、彼に残された唯一の意思。

「いい出来だろう?体があるというのはいい!自由に動かせるからな」

とある木原の研究を引き継いだまた別の木原は笑う。

「さあ、存分に暴れるがいい『未元物質』」

「――――――」

全身に未元物質をまとい、かつて垣根提督と呼ばれた男は咆哮する。
ただ破壊をもたらすために。

―――

53 :原作ネタですの [sage saga]:2012/06/07(木) 20:42:44.75 ID:3KYR15ka0
垣根「――的な」

心理「考えすぎじゃないかしら」

垣根「そうだよな」

心理「そうよ」

垣根「……だよな!よし、かっこいい出番に期待するぜ」

食蜂「ねぇねぇ、垣根さーん。‘提督’って」

垣根「」

心理「いつものことよ。気にしないの」

垣根「くそぉ。○撃と○○め、後で覚えてろよ」
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