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吹寄「上条。その……吸って、くれない?」 part2 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [sage saga]:2012/03/04(日) 01:11:16.73 ID:iJDfMYBB0
とある魔術の禁書目録の二次創作です。
タイトルからご推察できる通りのカップリングです。
part 1: ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1310749926/

こちらで最新話を投下後、話として纏まり次第加筆修正を施してArcadiaに投下しています。
Arcadia:ttp://www.mai-net.net/
リンク:ttp://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=etc&all=28899&n=0&count=1
どちらの規約にも反していないと私は判断していますが、何かありましたらコメントを下さい。

!----注意-----------------------------------------------------------!
本編はR-15程度のセクシュアルな表現を含んでいます
執筆予定の後日談はR-18指定のセクシュアルな描写を含む予定です。
この点をご了承いただいた上でお読みください
!-------------------------------------------------------------------!

――――どうして? なんで、こんなの。
誰もいない学校の保健室で、吹寄制理は完全に取り乱していた。
自分の体に、何が起こったのかわからない。こうなった原因も、一体なんなのか特定できなかった。
セーラー服の胸元の白いリボンをしゅるりと解き、鎖骨の近くにあるボタンを外す。
濡れた感じのするブラが気持ち悪い。セーラーの上着を脱いで、近くのベッドに無造作に置く。
畳んでおくような、そういう心の余裕が今は無かった。
大きすぎて邪魔で形も全然綺麗じゃない、色々と不満のある自分のバストを吹寄は掴んだ。
その感触に、唇がわなないた。だって、こんなの、おかしい。
背中に手を回して、ブラのホックを外す。正直に言って、それは怖かった。
不安を感じているその問題を、直視することになるから。
ブラは何の引っ掛かりもなくぷつりと外れ、肩紐が吹寄の肩を滑る。
吹寄が見つめる鏡の中では、年頃の女の子の平均を軽く凌駕するバストがそのボリュームを主張していた。
大きさだけなら、いつもどおりなのだが。

「なん、で……。どうしよう」

呆然と、吹寄は呟く。
オレンジの地にブルーのチェックが入った可愛らしいブラが、ぱさりと地面に落ちた。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1330791076(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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2 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/03/04(日) 01:12:44.07 ID:iJDfMYBBo

ガサガサと、遠慮のない音が部屋に響く。

「ダンボールだらけだな」
「死角は多いね」

バタン、と何かの荷物が押しのけられた音に、吹寄と二人で飛び上がりそうになる。
怖がるように、吹寄がしがみついてきた。
姿勢の関係で、上条の胸に飛び込むのではなくて、吹寄の半分くらいさらけ出された胸に上条が顔をうずめる形になった。
窒息しないように気をつけながら、上条はぎゅっと力を込める吹寄に抗わず、空いた手で吹寄を撫でた。
万が一の時のためにも吹寄のはだけた胸元は何とかしておくべきだと思うのだが、生憎それを言い出すタイミングを失っている。

「おーいカミやん! それと姫神さん!」
「っ!」

抱きしめられているせいでどんな顔をしているのかは分からなかったが、その言葉で、吹寄がビクリと震えたのが分かった。

「制理」
「……」

小さく呼びかけながらトントンと腕を叩いてみるが、反応はなかった。
ただ、それが返事かのように、上条を抱く腕の力が強まった。
離すまいと、必死にしがみついているような、どこかそんな必死さを上条は感じていた。

「隠れてても無駄やでー? 分かってるとは思うけど。今からそっちに行くから」

青髪の呼びかけは中々巧妙だった。まるでこちらを視認しているような、そんな言い振り。
だけどそんなはずはない。何度も、今自分たちがいる場所が死角であることは確認している。
ただ、隠れてても無駄というのは、正しいのかもしれない。
ほんの少し、あの大覇星祭の埃っぽい荷物を乗り越える労力を惜しまなければこちらを見つけることが出来るのだから。
チェックメイトを掛けられたことを上条が認め、なんとかこの場を最小限の被害で乗り切ることを考えた、その矢先だった。

「ねえ、青髪」
「何?」
「ホントにこの部屋に上条と姫神がいるの?」
「……100パーセント保証はないけど。本命のスポットなんは事実やね」
「そう。……ねえ、もう止めといたら?」
「へ?」

一緒にいたクラスの女子が、そんなとても素晴らしい提案を、物憂い顔で青髪に説いていた。
ナイス、と上条は心の中で叫ぶ。

「男子が馬鹿やってる分には、まあ勝手にやってればって思うけどさ、今回は姫神も絡んでるんでしょ?」
「え? そらそうやけど」
「ここに二人がいるとして、無理矢理踏み込んで、アンタ姫神に恥かかす気なの?」

耳を澄ましても、それに対する反論を青髪がするところは聞こえなかった。
3 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/03/04(日) 01:13:41.45 ID:iJDfMYBBo

「クラスメイトとして、カップルをからかっておもちゃにするのはアリだと思うけど、
 直接覗きに行って実力行使ってのは、ちょっとさ。アンタも頭冷やしなよ」
「……結構冷めてるんやね」
「男子が寒いことしてるからでしょ。ま、アンタらにしてみたら、後で噂であることないこと言いふらす女子のほうが嫌なやつなのかもしれないけど」

リーダーは青髪なのだろう。他の男子は口を挟むことなく言い争いを聞いているらしかった。

「別に決定的なところを覗きたいとかじゃなくて、カミやんと姫神さんが二人っきりなところさえ押さえれば充分なんやけどね」
「急がなきゃいいだけじゃん。別に隠す理由なんてないんだし、待ってればそのうち見られるでしょ、そんなシーンくらい」
「……まあ、そうは言っても」

学校中を、男子が探し回っていることだろう。
炊きつけた側の青髪が他の男子に先んじて説得されるわけにもいかない。
正論を突きつけられて無理に部屋中を捜索しようという意志も薄れてしまったけれど、だからといって止められない立場なのも事実だった。

「制理?」
「……」

やっぱり、返事はしてくれなかった。上条を抱きしめる腕の力は、少し弱まったらしかった。
さっきまでの浅く張り詰めた呼吸も、少し大きな吐息に変わっていた。
吹寄を少しでも落ち着かせてやれればと、上条は吹寄の背中をそっと撫でる。
そしてつい、すぐ目の前にあった吹寄の乳首を、軽く口に含んだ。

「――っ!?」

吹寄が驚いたのが分かった。無理もない。
さっきまでみたいに激しく吸い上げたりすれば、もしかしたら吹寄が声を漏らしてしまって、見つかるかもしれない。
上条にはそこまでするつもりはなかった。
ただ、もう一週間も吹寄に躾けられて、すっかり乳首を口に含むことに安心感を覚えているだけだった。
……健全な高校生の感覚を大きく逸脱したその幼児退行に、上条は気付かない振りをした。
快感を覚えたというよりは生理的な反射なのだろう、吹寄の乳首が堅くなって含みやすくなった。
ほとんど母乳も出ないのに、目を瞑って抱かれているだけで、やけに安心する。
不思議と、そうすることで吹寄のほうも落ち着きを取り戻しつつあるらしかった。
無闇に抱きしめるだけだった吹寄の手が、柔らかく上条の髪を撫でた。

「で、どうするのよ」
「どうするって言われても。まあ、確かに姫神さんに嫌な思いをさせるのは本意やないし」
「でしょ? だからさっさと撤収しなさいよ。何でそんな煮え切らない態度なのかがわかんない」

気の強い女子の言葉を受けて、青髪が対応に困っているらしかった。
そこに、教室の外からダッシュしてくる足音が聞こえた。

「おい青髪! 姫神さんが学食のほう歩いてるって!」
「何やって?! じゃあここハズレやん!」
「……アンタはやっぱそういう奴か」
「う。でも確率で言えばここが高かったのは確かやで!」
「あっそ」
「なあ、カミやんはみつかったん?」
「いや、そっちはまだだ。でも姫神さんが視聴覚教室のほうに向かってるぽいって」
「じゃあ本命はあっちか!」
「……結局追いかけるわけ?」
4 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/03/04(日) 01:14:15.69 ID:iJDfMYBBo

呆れた顔で、女子が青髪を見つめた。
青髪は困りきった顔を見せてから、自分と周囲の男子を納得させるように、宣言した。

「姫神さんに接触や! ランデブーを未然に阻止したらええだけなんやし!」

逢瀬の瞬間を暴き立てなければオッケー、という理屈だった。
まあこれなら姫神が恥をかくでもないし、走り出した男子連中を止める必要もない。

「よしみんな! 昼休みが終わるまで姫神さんの足止めや! 行くで!」
「お、おー!」

冷たい目で見る女子に気おされながら、上条のクラスメイト達はなし崩しに倉庫を後にした。
残された女子もため息を一つ残してから、カツカツと入り口の扉に手をかける。

「それじゃね、上条」

それは上条がここにいるのを気付いての発言だったか、それともあてずっぽうだったか。
どちらか分からない言葉を残して、クラスメイトの女子は扉に鍵をかけた。

「……」
「……」

10秒くらい、上条も吹寄も、身動きを取ることが出来なかった。
呼吸を抑えて耳を研ぎ澄ませ、廊下の音に注意を払う。

「ふいー。……やばかった」
「……そうね。まさかあの場面でこんなことされるなんて思ってなかったけど」

恨みがましい目で吹寄がこちらを睨んだ。指で上条の唾液をふき取るように、自らの乳首に触れる。

「う、つい。この一週間の条件反射でさ。制理も嫌がらなかっただろ」
「文句なんて口に出せる状況じゃなかったでしょうが」

それだけ言って、吹寄は上条から視線を逸らした。
まだ昼休みは時間があったが、もう上条に胸を吸わせる気はないらしい。
はずれかけのブラを引っ張って、再び止めようとしていた。

「……自分でできるわよ」

手伝おうとして、拒まれた。今までそんなことはなかったのだが。

「どうしたんだよ?」
「何が?」
「いや、なんつーか。怒ってる?」
「怒ってない」
5 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/03/04(日) 01:14:57.31 ID:iJDfMYBBo

心外な意見だった。だって上条に怒る理由なんてないことくらい、上条だって分かっているはずだ。
こんな態度を自分がとる理由を、どうして察してくれないのだろう。

「とりあえず、今は外の様子見てさっさと戻るか?」
「……」
「なあ、制理」
「そうね、それが一番いいんでしょうね」

納得していないのが分かる声で、吹寄がそう答えた。
上条はその態度にますます困惑してしまう。
態度と言葉がちぐはぐだと、どちらに従うべきかが分からないのだ。
吹寄に他の提案があるなら誠心誠意それを検討するつもりなのに、吹寄からそういう言葉はなかった。
ただ。

「さっさと帰って、姫神と仲良くしてればいいわよ」

不貞腐れた表情の中に劣等感を覗かせて、吹寄は上条に嫌味を言った。

「何度でも言うけど、俺が惚れてて、彼女でいて欲しい女の子は吹寄制理って言うんだ」
「……きっかけは、あんなのだったじゃない」
「関係ない。今好きなのは制理なんだ。嘘じゃない」
「まだ一週間やそこらの仲でしょうが」

ネガティブな要素を見つけていくと、切りがなかった。

「……なあ。もう、バラしちまいたいか?」
「えっ?」

その上条の提案に、吹寄は虚を突かれた。

「制理がいいのなら、そういう選択肢もあるにはあるんだ。
 俺と制理が最近付き合い始めたことを、クラスの連中の前ではっきり宣言すればさ、変な噂は立たなくなる。
 姫神との仲をあれこれ疑う奴もいなくなる」
「……」

吹寄は言葉を返すのを躊躇った。
止まりかけていた手を動かして、再びブラを整えに掛かる。
上条がいつもみたいに寄り添って、身だしなみを整えるのを手伝ってくれ始めた。
今度は、抗おうとは思わなかった。

「バラすって方法はいつでもやれるんだ。この後すぐにだって。
 だから、制理が今みたいな状態がどうしても嫌なら、宣言しちまおう。
 ……俺は、止めたいと思ってるけどさ」
「姫神にばれるのが嫌だから?」
「怒るぞ」

ひう、と自分の呼吸が乱れたのを吹寄は感じていた。
こんな風に怒りを向けられたのは、付き合い始めてから初めてだった。
ちょっと怖くて、だけど叱られて嬉しかった。
6 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/03/04(日) 01:16:03.10 ID:iJDfMYBBo

「ごめんなさい」
「別に姫神に言い寄ったこともないし、変に意識なんてしてない。
 それを制理に疑われちまったら、俺はどうやって晴らせばいい?」
「ごめん。本気で言ったんじゃない」
「そうか」

くいと、上条に頬を持ち上げられた。
唇が、上条の唇でふさがれる。

「ん――」
「制理。愛してる」
「うん、あたしも。大好きだよ、当麻」

頭を上条に預けながら、キャミソールをスカートの中にしまいこむ。
これで大体は元通りだった。
もう、いつでも教室に戻る準備は出来ている。

「制理。ちゃんと決めておかないとまずいから、聞くけどさ。
 ……どうしたい? 今までどおり、もうしばらくだけでも付き合ってるのを隠しておくってのには反対か?」
「当麻が、あたしのことを考えてそうしてくれてるのは、わかるから」
「ん。やっぱり、嫌なんだよ。俺が制理の胸に溺れちまったのは事実だけど、
 こういうことしてるってのがばれて、制理が軽い女だとか、性癖がどうのとか、そういう話をされるのはさ」
「うん……」

煮え切らない肯定しか、吹寄は返せなかった。
上条の理屈は、納得できる内容だ。自分のことを考えてくれた理屈だし、その気遣いは嬉しい。
だけど、これからも姫神と上条の距離をクラスメイトが勘違いするのは、嫌だった。
もっと嫌なのは、その間違いがきっかけになって、本当に姫神との距離を近づけてしまうこと。
それだけは、絶対に嫌だ。姫神はいい女の子だから、上条だって絶対に嫌いになんてならない。なれない。
自分は、上条と喧嘩だってしてしまう。小さな言い合いなら、この一週間という短い間に、もう経験してしまった。
そうやって自分が上条との距離を広げてしまったときに、もし、姫神が隙間に滑り込んできたら?
……それは考えるに値しないような不安なのかもしれない。だけど、笑って見過ごすことは、吹寄には出来なかった。

「教室に戻ろう。制理。俺が先に、出るからさ」

上条は、自分の真意を何処まで汲み取ってくれたのだろうか。
分からなかった。
ただ、姫神と上条の距離にだけは、この後も不安に思ってしまうような気がしていた。
7 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/03/04(日) 01:16:43.73 ID:iJDfMYBBo
クライマックス付近ですなー。
姫神がかわいそう。
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2012/03/04(日) 01:25:17.58 ID:n5Gr9OmCo
乙です
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2012/03/04(日) 02:15:11.19 ID:KKgFU8M/0
乙でさぁ。
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/03/04(日) 02:15:29.81 ID:qXEv4xy5o
乙です
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/03/04(日) 02:48:02.27 ID:X3xyIQzUo
乙!
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/03/04(日) 03:22:14.08 ID:/ZCxWyBAO
メ欄にsage入れてるのは何か事情があるの?
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/04(日) 07:25:07.57 ID:lj1e+QfSO
クラスメイトの女子はモブにしておくにはもったいないな
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) :2012/03/04(日) 14:55:38.81 ID:ebebEk6y0
クラスの女子カッコよすぎww
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [sage]:2012/03/04(日) 16:46:11.17 ID:+YO2KYXv0
>>12
スレが上がんないようにするんだよ
そうすると荒しとかが減ったりする
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/04(日) 16:52:36.49 ID:FK7tag1SO
>>12
あと、作者だけ上げる様にすれば更新されたらすぐわかる。

もっとも>>15が言ってる様に荒らし対策に上げない作者もいたりする。
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/03/04(日) 18:20:24.24 ID:ibmRtyyi0
最近荒らしも見かけないしちょっと過剰反応なきもするけどsageて悪いことはない
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/04(日) 21:59:14.17 ID:mmtoa+OIO
素晴らしすぎる
吹寄ちゃんと姫神ちゃんと青髪のせいで股間とケツとイライラがマッハ
19 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/03/05(月) 00:53:15.06 ID:Lt4OQ3a6o
色々あったので、基本的にsageることにしています。

……それにしてもクラスの女子モブがキャラ立っちゃったなあ。
20 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/03/05(月) 00:55:52.42 ID:Lt4OQ3a6o

困惑の中、姫神はいつもより早足で廊下を突き進む。
視界の片隅にちらほらとクラスメイトが入りこむことに、さすがに姫神も気付いていた。
おそらくは、自分と上条が密会する場を押さえようなどと、少々思慮の足りない考えに囚われているのだろう。

「別に私と上条君は。そんなんじゃないんだけど」

ただ歩く以外に、有効な打開策を見つけられない理由がそれだった。
いわゆる、悪魔の証明というやつなのだ。
上条と恋仲には「ない」というのを証明するのは難しい。
だって確かに自分は転校前から上条当麻と知り合いであり、
あたかも上条を慕ったかのように同じ学校の同じクラスへと転校してきて、
そして、なにより。
……姫神秋沙は、確かに上条のことが好きだから。
きっとそれは女子の間ではバレバレみたいなものなのだ。男子の間では、どうだろうか。
迷惑なといっては悪いが、あまり話したことのなかった男子から付き合ってくれと言われたことならあった。
上条のことを好きなのだというのが常識であるなら、ああいったことはなかったのではないかと思う。

「視聴覚教室だって!」「わかった! こっちが先回りする」「おう!」
「……」

こそこそと、喋っているつもりではあるのだろう。
丸聞こえなのが、姫神も恥ずかしかった。あれでばれていないと男子は本気で思っているのだろうか。

「苦労してるな、姫神」
「えっ……?」

知らない女生徒、たぶん先輩らしい黒髪の女性が、腕を組んでこちらを見つめていた。

「あの」
「雲川だ。何、謎の先輩キャラというヤツだよ」
「……それで。何か用ですか?」
「別に私に用があるというわけじゃないけど。私にはお前にしてやれるアドバイスは何もないしな」

姫神は、意味深に聞こえて、実は意味などないのではないかと疑われるようなその言葉に、首をかしげるほかなかった。
そりゃあ、完全に無関係の人がいきなりアドバイスなどできたら、それこそびっくりだ。

「お前はすでに詰んでいる……けど。まあ、これ以上こじれるのを見ている気にはならんからな」
「話がそれだけだったら。もう行きます」
「ああ。それだけだ。向かうなら上に行け」
「え?」
「上条に会うには、そのほうが早い。……会うのが良い事だとは、私には言えないがな」
「どういう。ことですか?」

雲川という名の女性とが、その不敵な笑みを深くした。
僅かに悲哀が混じっているような気もするが、ほぼ初対面のはずの相手の表情など、よく読み取れなかった。
吹寄に負けずとも劣らぬその豊かで柔らかそうな胸を組んだ腕でぎゅっと持ち上げながら、雲川は姫神に背を向けた。

「涙の味も、きっと青春の味だろうさ。私は、傍観者を気取っているうちにその味も舐め損ねた。
 それじゃあな、姫神。応援の言葉はかけるにふさわしくないだろうが、一応受け取ってくれ。頑張れ」
「……」

姫神の理解を一切待つことなく、雲川が姫神から離れて行った。ほどなくして、昼休みの学生達にまぎれた。

「どういう。意味だろう」

否定的なニュアンスがあったような気はする。だけど、知らない相手の良く分からない言葉には、流石に流されることはない。
姫神は傍にある階段を見上げた。
上に上がるか、下がるか。それとも階段を使うのはやめるか。

「……教室に。戻らないといけないし」

雲川が示した階上は、教室に戻るごく普通のルートだ。
あの言葉に流されたわけではない。もとより選ぼうと思ってた、当たり前のルートに足を運ぶだけ。
そう言い聞かせながら、姫神は階段を上るために、足を上げた。
21 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/03/05(月) 00:56:57.75 ID:Lt4OQ3a6o

上条は、のろのろとした足取りで教室へ向かっていた。
足取りが重いというよりは、時間調節のためだ。早くつきすぎると、また面倒な追及を受けることになる。

「……しかし、姫神にはいつ話したらいいものか」

誘われているのだ。一緒に男女ペア競技に出ないかと。
それを断らなければいけないが、下手に姫神を話すところを見られたら、それこそ逆の意味に取られかねない。
誤解は解けばいいだけだが、吹寄がまた嫌な思いをするだろうから、避けたかった。
自分だってきっと嫌だ。吹寄が年上の先輩と付き合っているという噂は、ガセとわかっていながら、愉快ではない。
一瞬でも吹寄を疑う気持ちが湧く自分も嫌だし、それを面白おかしく話すクラスメイトを見るのも嫌だ。
同じ気持ちを、吹寄に味あわせるのはいけないという思いがあるのだった。
二人っきりになるような場所やタイミングは良くない。やはり、教室に皆がいるときに断ることになるだろう。
そう考えながら、教室に向かう最後の曲がり角を、上条は曲がった。

「あ……」
「え? 姫神……」

驚きを顔に浮かべた姫神が、そこにいた。

「上条。君」
「お、おう」

こういうときに限って、周囲にはクラスメイトらしい気配が感じられなかった。
教室に上条と姫神が戻ってくればそれは何も起こらないことを意味するわけなので、誰もこの辺りを監視していないのだった。
そういう追う側の理屈になんて考えが及ばず、上条はこの状況に困惑し、姫神は当惑しつつも期待を感じずには、いられないのだった。

「いままで。何をしていたの?」
「え? いや……その」
「やっぱり上条君もみんなに追われていた?」
「あ、ああ」
「そっか」

困るよね、と呟いて、姫神が上条から視線を外す。
真実をつぶさに説明するわけにも行かず、確かに上条も困っていた。

「姫神も、追われてたのか?」
「うん。男子の皆が。あっちこっちで」
「あー。なんだ、男子を代表して謝る。おれが頭を下げるのも変な話だけど」
「上条君も巻き込まれたほうだから。たしかに謝られるのは変だね」

薄く姫神が笑った。すこしドキリとした自分を、上条は戒める。
なんだかいつになく柔らかくて弾んだ雰囲気の姫神が、確かに可愛かった。

「あの。上条君」
「え?」
「……その。今じゃないとちゃんと聞けない気がするから。教えて欲しい。
 今朝の私の提案。上条君の返事を聞かせて欲しい」
「ああ……」
22 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/03/05(月) 00:57:24.66 ID:Lt4OQ3a6o

その話は、上譲渡しても早く済ませたい。
誘ってくれたのを無碍にするのは、ちょっと心苦しいところはあったけれど。
でも、上条には、姫神よりも、優先して接してあげたい女の子が、他のいるのだ。

「私と一緒に。その……ペア競技に。出てくれないかな」

その仕草を、改めて可愛いと上条は思った。
制約がなければ、きっと頷いたことだろう。それも、心のどこかに期待を込めて。
あまり喜怒哀楽をはっきりと見せず、また目立った行動をあまり取らない姫神の、真摯なきたいが込められた視線。
もしかしたら姫神は自分のことを好きなんじゃないかと勘違いしたくなるような、そんな目線だった。
そんな妄想をした自分を戒めながら、上条は、気の進まない答えを口にする。

「その……姫神。悪いけど」
「え?」
「ちょっと、別のヤツを探してくれないか」
「あ……」

姫神が、すぐに答えを返さなかった。
頭の回転は速いほうの姫神だ。だからその間は、ちょっと意外だった。
断られた場合のことくらいは考えていても、よさそうなのに。

「何か。用事とか。あったかな」
「……そういうわけじゃあ、ないんだけどさ」

クラス対抗の、全員参加以外の競技には上条は参加する予定がないし。
だけど、そういうことではないのだった。
すこし、思案する。姫神は吹寄の友達だ。吹寄に相談することなしにバラすのは後で文句を言われるかもしれない。
だが姫神だって上条の友達だ。ちゃんと、誠実に説明はしておくべきだと思った。
姫神なら、面白おかしく誰かに噂をばら撒くことなんてしないだろうから。
上条は、姿勢を正して姫神を見つめた。不安に姫神の表情が翳った理由を、上条は理解できなかった。

「姫神」
「何?」
「姫神とペアやれない理由が、あるんだ」
「……」
「やっぱ、付き合ってる彼女に、悪いから」

ふらりと、覚束ない足取りで、姫神が一歩下がった。
その動きと対照に、表情は変わらない。
23 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/03/05(月) 00:58:58.57 ID:Lt4OQ3a6o

「嘘……」
「まあ、姫神が嘘って言う理由もよく分かる。けど、嘘で言ってる訳じゃないんだ」

姫神が、こちらを見つめていたはずの視線を、足元へと落とした。

「だからさ、誘ってくれたのを断っちまって本当に申し訳ないんだけど、別のヤツを探してくれないか」
「うん。私こそ。ごめん。全然気付かなかったから。全然……」
「バラすとクラスの連中がうるさいだろ? その、悪いんだけど姫神。この件、黙っといてくれるか?」
「……誰かに。話すことなんてないから」
「そっか。助かる」

上条は、ほっと一息ついた。これで重要な案件が、一つ解決した。
姫神には悪いが、まあ、ペアの男子なら探せばすぐ見つかるだろう。
青髪みたいな下心の塊みたいなのに引っかからないように、きちんとサポートだってするつもりだ。

「……上条君の」
「ん?」
「彼女さんって」
「ああ。……その、実はだ。吹寄なんだ」
「あ……」

パズルのピースがカチンとはまったように、姫神はその事実を納得した。
その、自分で覚えた納得感に、衝撃を覚える。だってそれは、敗北宣言みたいだ。
だけど、吹寄が見せていたここ最近の態度の変化が、上条と恋仲になったからだと思えば至極分かりやすいのだ。
心臓がキリキリと締め付けられるような感覚を覚える。
吹寄制理という女の子の立ち居地は、姫神の手に届かないようなものじゃない。
クラスメイトであるというその一点において、姫神もまた、吹寄と同程度の居場所にはいたはずなのだから。

「姫神、あいつと仲良いだろ? その、彼氏面でこういうこと言うのっていいのか悪いのか分からないんだけどさ、
 アイツも苦労してるヤツだから、これからも仲良くしてやってくれよ」
「……」
「ペアの相手、探すのに困ったら教えてくれ。俺も協力するしさ」
「……。うん……」
「さて、それじゃそろそろ教室に戻らないとな」

ほっとした表情で、快活に上条がそう相談した。
その朗らかさが、今は胸に突き刺さる。
これ以上、もう、上条と二人きりで話をするのは、耐えられなかった。
雑然とした教室に飛び込んで、早く第三者の中に溶けてしまいたかった。
上条の傍には、もう、いられなかった。
……だから、さっさと足を運んで、逃げてしまおうと思ったのに。

「――――いた!!!! おい! 上条と姫神さんが話してる!」

勢い勇んだ、思慮の足りないクラスメイトの男子が、廊下に響く声でそんなことを叫んでいた。
24 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/03/05(月) 01:02:17.10 ID:Lt4OQ3a6o

「あー……」

男子の一人のその反応を見て、上条が頭を抱えた。
同じ男子として、あまりの軽挙に頭痛を覚えたのだろう。

「姫神。とりあえず、俺が先に戻る。質問には俺が答えとくから、悪いけどちょっと時間つぶしてから来てくれ」
「うん……」

上条が、廊下の曲がり角の向こうに潜んでいるらしいクラスメイトに声をかけた。

「ったく、おい! とりあえずお前等の尋問に付き合ってやるから、教室に帰って来い。
 姫神にまで迷惑をかけるんじゃねーぞ」

ざわりと、クラスメイトが戸惑いを見せたのが分かった。
足音をわざと立てるようにして、上条は姫神に背を向けて歩き出した。

「あ……」

そこに、未練はなかった。当然だ。自分は、上条の後ろ髪を引かせるような女ではなかったのだから。
ただの友達と、軽いおしゃべりをしただけなのだから。

「待てよ上条!」
「逃げずに教室で待機する気はあるんだろうな!?」

そんなことを叫びながら、男子達が姫神を追い抜いた。
すり抜け際に僅かに向けられた興味本位の視線が、姫神を傷つける。
それを無表情に見送って、姫神はそれでもなお、そこに立ち尽くした。

「男子ってホント気遣いが出来ないよね。姫神」
「……」
「まあ、アンタと上条の仲がどうだとか、あんまり変な詮索はさせないようにするから」

クラスメイトの女子が、ポンと姫神の肩を叩いた。

「……違う」
「え?」
「上条君と。お付き合いしてるのは。私じゃないから」
「……それって」

ハッとなったクラスメイトの女子が、姫神の顔を覗き込んだ。

「もう。これ以上何も話したくない」
「……そうだね。私が謝っても仕方のないことだけど。ごめん、姫神」
「……」

そっと、女子が姫神の背中に手を触れた。抱きしめることはしなかった。
それは、あまりに慰撫しすぎだろうから。姫神のプライドを傷つける気はないのだ。

「保健室で、休憩でもしてきたら? どうせ次は死ぬほど眠たい国語だし」
「……」

僅かに姫神が頷いたのを確認して、ぽんとまた姫神の肩を叩く。
周囲に男子がいないことを警戒する。気遣うことの出来ない馬鹿な生き物に、今は姫神を近づけさせたりはしたくなかったから。

「アンタ体の調子も悪いんでしょ? ほら、連れてったげるから」

笑みを作って、そっと姫神を促した。
その後、教室で起こった出来事に、姫神秋沙は関わらなかった。
25 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/03/05(月) 01:03:43.41 ID:Lt4OQ3a6o
さあ、一つベキッとフラグを折って、後は最後の数レスを残すのみ。
姫神がかわいそうな人は『上条「もてた」』でも読んでくれると嬉しい。
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/03/05(月) 01:14:30.57 ID:P6Ewb6Xmo
あと数レスだと……あと数スレの間違いではry
そっか、もう終わりが近いのか
乙!
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/03/05(月) 02:26:23.59 ID:oAeOIGixo
乙!
もう終わっちゃうのか…
ずっと追いかけてきたから寂しいな…
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/05(月) 06:30:20.42 ID:TCLecCjqo
おつー
「もてた」→姫神は可愛いなあ。しかしビリビリェ
トンデモ→お嬢は可愛いなあ。しかしビr(ry
今回→ふっきーは可愛いなあ。しかし姫神ェ


みんながしあわせになれるほうほうってないのかな
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2012/03/05(月) 07:46:05.18 ID:kjHjBKLpo
無理だろ
これだけフラグ立ってる相手が多いとどうしても誰かは悲しい目に合う事になる
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/05(月) 08:26:00.76 ID:LUSxeIFAO
ここの>>1の上条さんはなんか違うな
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/05(月) 11:04:09.88 ID:VIq4bhdIO
世の中にはハーレムエンドというものがあってだな…
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/03/05(月) 13:22:00.77 ID:vjWGFkO1o
上条さんのハーレムエンドとか世界人口の何割をもっていくんだ
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2012/03/05(月) 22:47:05.54 ID:szMSBhdvo
>>世の中にはハーレムエンドというものがあってだな…
そんな物は無いよ。
もし、あればそれは歪みと言うんだと思う。
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/03/05(月) 22:58:22.56 ID:HDTNKtd00
少子化が進む進む
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/05(月) 23:44:17.31 ID:1Hb5+l6IO
終っちまうなんて寂しいな
邪な目で前スレを開いたのがついこの間の様だ
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山形県) [sage]:2012/03/06(火) 04:43:49.35 ID:pL+RR4rNo
>>35
まだ後日談があるさ...たぶん
37 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [sage saga]:2012/03/06(火) 15:05:25.56 ID:ttYRWUuC0
まあ後日談はそこそこ長いと思う。「もてた」みたいに本編より長いことはないけど。
純愛系のエロゲみたいにルート確定後のごほうびに一回だけやるようなのじゃなくて、もうちょっと回数増やしたいし。
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/03/06(火) 17:14:54.57 ID:T379K5tp0
その言葉が聞きたかった
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/06(火) 19:34:03.47 ID:UTFqYESIO
先生…
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/03/06(火) 21:38:34.26 ID:lU9q8VTD0
それが聞きたかった
41 :rindou [sage]:2012/03/06(火) 22:25:56.53 ID:+4MIwN9F0
ありがとう、そして、ありがとう!!
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/07(水) 00:06:28.36 ID:TKPj7j9IO
てめえはコテ外せ
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/07(水) 21:41:31.17 ID:OZBFI09IO
おつ

>>42
消し忘れとかたまにあるし
過剰反応じゃないか?
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/08(木) 03:48:53.58 ID:Sa0VACqIO
>>43
こいつは頻繁に消し忘れてる
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/03/10(土) 14:38:19.78 ID:3d/sryXC0
この上条はきっちりしてるな
まあ、これが本来あるべき姿なんだろうけど
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/11(日) 00:10:29.93 ID:8yrGCGx70
楽しみです
まだでしょうか
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/11(日) 00:12:57.16 ID:YzbDpyMfo
ステイ!
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/11(日) 00:44:38.10 ID:F8y/WZdIO
ステンバ-イ ステンバ-イ
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/03/13(火) 21:39:59.15 ID:aJvaLWEL0
マダー
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/03/15(木) 00:16:53.52 ID:0e/Wifgo0
今週末かな・・・?
51 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [sage saga]:2012/03/15(木) 02:00:04.50 ID:iLHIXR/Lo
週末にはならなかったね。
だいぶきっちりした上条さんになってしまった。まあ、物語の要請だなー。
52 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [sage saga]:2012/03/15(木) 02:00:38.92 ID:iLHIXR/Lo

上条の後を追って、吹寄も教室を目指す。
足取りは、決して軽いとは言えない。
教室に帰ればまた、自分の彼氏と姫神の交際疑惑で盛り上がっているのを眺めなければならないのだ。
もちろん姫神は友達だけれど、姫神がその噂を否定しながら嫌な顔は見せないのを、内心では面白くない思いで見つめていた。
一体いつまで、そんな不愉快な茶番劇に付き合わなければいけないのだろう。

「あ……」

クラスメイトの女子二人が、吹寄とは別方向から教室を離れようとしているのが見えた。
授業がもう始まるこの時間にそんな行動をとる相手を、普段の吹寄なら注意しただろう。
だけど片方の女子が姫神秋沙だったから、吹寄は声をかけられなかった。
姫神に落ち度が無くても、きっと平常心を保てない自分は不愉快な視線を向けてしまうから。
二人の後姿を見送っていると、姫神に連れそうクラスメイトが、こちらの姿に気付いた。
目を見開き、少し驚いた顔だった。そして僅かに笑って「ごめん」という形に口を動かした。

「……」

吹寄に出来たのは、少し頷くだけだった。
すぐに二人は廊下の角を曲がり姿を消した。幸いというべきか、姫神とは一度も視線が合わなかった。
その後姿が気落ちして見えたのはきっと、気のせいではないと思う。
同情はなかった。どうして姫神が付き添いを必要とするほど心折れているのか、薄々感づいてはいたけれど。
吹寄は視線を、もう一度来た道に戻す。
目の前には、もう、教室があった。中に上条はいるだろう。そして、クラスメイト達も帰ってきているだろう。
だから。

「さてカミやん! さすがに観念したん? お昼に充分姫神さんと過ごしたんやし?」
「姫神はお前らが追っかけてただろ。俺と会う時間なんてあったかよ」
「見失った時間は5分以上あったからね。充分やと思うけど?」
「5分で充分ってのはどういう感覚だよ」
「そのカミやんの感覚こそ、実体験に基づいた感覚なんかな?」

――やっぱり予想通り。クラスを巡るのは。これまでと同じ上条と姫神の交際説。

吹寄はいつもより乱暴に椅子を引き、どしんと腰掛けた。
普通の顔が不機嫌そう、なんて風に言われることもある吹寄だが、今の表情はそれを越えてはっきり不機嫌なのが伝わるだろう。

「はーい、野郎どもと子猫ちゃん達ー。小萌先生の楽しい授業があと3分で始まるですよー」

小萌先生が教室に現れたのを見ながら、吹寄は授業の道具を机に出していく。

「ほらカミやん! あと3分もあるんやで?」
「3分しかねーだろ」
「その感覚はどうかと思うね。ってか姫神さんどうしたん?」
「え?」
「……カミやん、まさか激しくやりすぎで」
「俺は関係ねえよ!」
「上条ちゃんがどうしたですかー?」

小萌先生が、見下ろす男子に囲まれて席に座っている上条に興味を持ったらしかった。
この構図を見てもいじめを疑わない辺りは、クラスの連中も信用されているということだろうか。
53 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga]:2012/03/15(木) 02:02:09.06 ID:iLHIXR/Lo

「カミやんが姫神さんに手を出してたんです」
「え、えっ? えええぇぇぇっっ? かかか上条ちゃん?! そ、そんなの」
「おい! ち、違いますよ先生! 誤解です!」

純粋な驚きを浮かべてすぐに、教え子に裏切られたような顔をしながら見つめる小萌先生に、上条は慌てて弁解する。
なにせ、この先生はほぼ付き合い始めの頃に、二人の、つまり上条と吹寄の仲を知っているのだ。
その上条が姫神に手を出したとなれば、それは確かに酷い出来事だろう。

「な、何かの間違いですよね?」
「コイツラの勘違いです!」
「だって上条ちゃんは今――」
「え? 先生?」
「! な、なんでもないです!」

何かを感じて聞き返した青髪に対し、小萌先生が慌てて態度を取り繕った。

「先生! やっぱりカミやんの事知ってるんですか?!」
「べべ、別にそういうわけでは」
「小萌先生って嘘が下手ですね」
「お、教え子に嘘をつく練習なんてしていませんから! ほら、そろそろ席に戻るです!」
「まだ休み時間やし、大丈夫ですよ先生」

困った目で、上条が吹寄を見た。それに気付いてまた吹寄は嫌な気持ちになった。
早く、授業が始まれば良いのに。

「なんか青髪ってやっぱりツメが甘いよねー」

後ろに座ったクラスメイトの女子が、半ば独り言のようにそう呟いた。

「……」
「結局姫神と付き合ってるって線はガセなのかねえ。ね、アンタはどう思う? 吹寄」
「あたしがああいうのに興味ないって知ってるでしょ」
「まあね。今のは話の枕ってヤツよ。本題は別」
「何?」

ゆっくりと、クラスメイトを振り返る。
顔を見るとニヤッと口の端を吊り上げていて、意地が悪い感じ見えた。

「アンタは誰とイチャイチャしてたわけ?」
「えっ――?」

思わず、動揺してしまった。そしてそれを悟ったクラスメイトが、さらに笑みを深くする。

「当たりか。で、やっぱ相手って噂になってる3年の先輩なわけ?
 私は好みってほどじゃないんだけど、カッコイイって評判はかなりあるよね。ぶっちゃけ、どうなの?」

さあっと、浮ついていた心が冷えていく。
噂になっている3年の先輩とやら自体に、吹寄は覚えがない。
そんな誰かとの間柄は話題になっても、一向に、一番惚れている相手の名前は出てこなかった。

「……あたしはそんな人、知らない」
「アンタもシラを切るの?」

はあっと、ため息をついた。そういう露骨な態度を取るのは、吹寄にとって珍しい。
54 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [sage saga]:2012/03/15(木) 02:04:06.15 ID:iLHIXR/Lo

「ごめん、怒ってる?」
「さあ」

チラリと、吹寄は上条のほうを見た。
それがいつも自分を苛立たせる上条の仕草と同じなのに、目線を合わせてから気付いた。
クラスの視線が自分達に向けられる中、その視線は、強固に絡み合って離れない。

「カミやん、そっちに姫神さんはおらへんよ。なんか保健室に行ったとか今聞こえてきたし」
「……」
「あの、上条ちゃん」

隣で小萌先生がこちらを不安げに眺めているのに対応せず、上条は吹寄のほうをジッと見つめた。

――これでも、まだ、秘密にするの?

吹寄の目が、そう言っているように聞こえた。
すっと視線が外されて、周囲の音を拒むかのように、吹寄がじっと机を見つめた。

「カミやん?」

吹寄を傷つけないために、上条は秘密にしようと提案したのだった。それがつい10分前に交わした約束だった。
改めて、この状況を見つめ直す。
もし立場が逆で、吹寄が他の男と交際しているという説が飛び交って、自分が蚊帳の外だったら?
真実は違うと自分は思っていても、きっと面白くない。どこかで吹寄を疑ってしまいそうな自分がいるのがわかる。
吹き寄せが今、苦しんでいるのはきっとそうなのだろうと思った。
このまま秘密を温め続けるのは、きっと吹寄を傷つけることになるのだろう。

「上条ちゃん、あの」
「先生。ちょっと、待ってもらえますか」

授業を、ではない。助け舟を出そうとしてくれるのを、上条は止めたかった。
この一見は、彼氏の自分が、解決しないといけないことだと思うから。
ガタリと、上条は立ち上がった。そして、ずっと俯く吹寄のそばに歩み寄った。

「上条?」

吹寄の後ろのクラスメイトが、怪訝そうに名前を呼んだ。
その声で気づいた吹寄が顔を上げ、上条を見つめた。

「制理」

クラスの皆が一瞬、戸惑いに口を閉じた。
上条が口にしたのが吹寄という女の子の下の名前だと理解するのに、少し時間が掛かったのだ。

「……何?」
「俺が言い出したことなのに、破って、ごめん」
「……貴方は、それでいいの?」

潤んだ目で、恨みがましく、吹寄は上条を見返した。ぎゅっと、後ろで組んだ手がスカートの裾を摘む。
その態度で、上条はむしろ決心を固めた。
安易にばらしてしまって吹寄を苦しめることになるとしたら、それは不本意だ。
……だけど現状がすでに、吹寄にとって居心地の悪い事になっている。
きっとこれからも、噂に翻弄されることはあると思う。
だけど、ちゃんと自分が想い、想われている相手は吹寄なのだと、はっきりさせることは、きっと悪いことではない。
55 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [sage saga]:2012/03/15(木) 02:06:14.43 ID:iLHIXR/Lo

「カミやん? 姫神さんとの件って――」

青髪が何を言おうとしたのか、上条は理解しなかった。
それより前に、またその名前に疎外感を覚えた、傷ついた吹寄の表情を見てしまったから。

「あっ……」

――それは、上条にとっても突発的な行為だった。心が、理性より先に上条の体を突き動かした。
上条が、吹寄の腕を引っ張って、胸元に引き寄せた。

「上条ちゃん。吹寄ちゃん」

正直、担任の教師の目の前というのは気恥ずかしい。
だけど、もう腹は括ってしまった。

「一回しか言わないからな、青髪。それとそこらでこっちを見ている連中。
 ――俺が好きなのは、付き合ってるのは、吹寄だ」

辺りに並ぶクラスメイトの顔が、一様にぽかんとなった。
そして小萌先生の顔が、にっこりと笑う。だって嬉しいのだ。可愛い教え子二人が、お互いを好き合っているなんて。

「嘘、やろ?」

搾り出すような、青髪の一言が教室に響いた。
それはそうだ。だって対上条属性の女とまで言われた、あの吹寄制理が、よりによって上条当麻の恋人になっているなんて。

「嘘じゃねえよ。嘘で女の子を傷つけるのは最低だ。俺は、吹寄制理に惚れてんだ。文句あるか!」

上条が付いた嘘は「一回しか言わない」のくだりだけだ。もうここまで来たら何度でも宣言してやる気だった。

「お前らの知らない制理の可愛いところも、たくさん見つけた。可愛い彼女ができてめちゃくちゃ充実してる。今俺は幸せだ。悪いけど、これ以上つまんねー噂を広めないでくれるか」

きゃー、という風に小萌先生が頬に手を当て体をくねらせる。自分が恋人だと言われたみたいに、顔が真っ赤だった。
そして真実についていけない青髪が、呆然とつぶやいた。

「吹寄さん。カミやんの言ったことって……」

吹寄も、よく見たら顔が真っ赤だった。かつてこんなにも可愛らしい表情をクラスメイトの前で見せたことはなかった。
あの吹寄制理が、女の子の顔をしていた。

「制理」
「……」

吹寄は、上条の呼びかけに応えられなかった。
だって今から自分は、絶対にありえないくらいの、恥ずかしいことをしようとしているから。
上条の、二の腕あたりをギュッとつかんだ。
そして。

「ふきよ、せ――」
「わぁぁ、わぁぁぁ!」

――――吹寄制理は、衆人環視のその中で、上条当麻にキスをした。

「――――当麻、大好き!」

もうだめだ、と吹寄は思った。これ以上はどうあがいても周りに視線をやることはできない。
だから上条の胸に飛び込んだ。誰からも顔を見られないように、懐の深くまで。

「お、俺も大好きだ。制理」

上条も、もうだめだというか、何か、「終わった」というような感覚を覚えた。
これで間違いなくバカップル認定される。自分でもアホの極みだと自覚できる。
だけど、嫌じゃなかった。きっと吹寄もそうなのだろう。
裁きを受ける被告のつもりで、上条は吹寄を抱きしめながら周囲を見回した。

「う、そ――。そんな」

青髪が、クラスメイトの男子が愕然とした表情でこちらを見る。事実をまだ、受け入れられていない。
土御門がニヤけながらため息をついたのが見えた。
クラスの女子が「あれ、これ、特大級の事件なんじゃ?」と今更ながらに事実を認識し始める。
小萌先生が、引き金を引くように、にっこりと笑って祝福してくれた。

「おめでとうです。上条ちゃん、吹寄ちゃん。末永く、幸せになってくださいね」

数秒後。
飽和する阿鼻叫喚の声で、教室が爆発した。
56 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [sage saga]:2012/03/15(木) 02:08:47.85 ID:iLHIXR/Lo
さて、あと1レスか2レスで本編終了っす。そこまで書く余力がなかったや。
まあおまけも本編なんですけどね。
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/15(木) 02:10:22.23 ID:3rUFcDkNo

上条さんかっこいい!これは学校の伝説になる。
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2012/03/15(木) 02:14:54.62 ID:ymaVS3DB0
エンダァァァァァァァァァァァァァ!!!
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/03/15(木) 02:21:44.61 ID:y3ShO1eKo
なんというバカップルww
そうかもう次で終わりか……
寂しいがもうひとつのもあるし仕方ないね
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/15(木) 02:23:43.09 ID:OCgEffrgo
乙ー!
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/03/15(木) 03:27:04.28 ID:z9n3olLZo
待ってたぜェェェッ!!
毎度ながらマジ乙ッす!! いつも楽しませてもらってます
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/03/15(木) 03:53:11.30 ID:STNFn1xAO
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/15(木) 04:21:59.14 ID:wrdSkZZIO


とある〜シリーズの事なんか「電気人間の女の子と超能力者たちの厨二バトル」
くらいの認識しかないんだけど、ものすごく楽しく読ませて貰ってる。
よく分からんのにスレ開いたのはタイトルのせいなのは内緒だ。

吹寄制理というキャラはオリジナルの小説、アニメではどんなポジションなの?
ストーリーのメイン張れるのか、名前があるだけのモブキャラなのか・・・
・・・アニメ見てみるかなあ、制理ちゃんが可愛くて生きてるのがツライ
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国) [sage]:2012/03/15(木) 04:50:17.18 ID:BbiJUkIAO
v(^□^)vオメデトオオオオオオオオオオオオオ
 ││
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/03/15(木) 10:01:38.95 ID:F8zRvQ/T0
糞が!上条なんて死んでしまえ!!
吹寄と子供と孫に囲まれて老衰死でもしてやがれ!
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/03/15(木) 10:22:24.35 ID:0e/Wifgo0
焦って読んだせいで教室がガチ爆発したのかと思ったwww
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/03/15(木) 21:19:13.57 ID:n6XKfQmAO
乙!です。
こんちくしょう、祝ってやる!
68 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [sage saga]:2012/03/15(木) 21:30:36.20 ID:iLHIXR/Lo
ベタに吹寄さんにデレて貰った話でした、と。こういうシーンはやっぱ勢いだよね。
69 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [sage saga]:2012/03/15(木) 21:32:41.67 ID:iLHIXR/Lo

――実を言うと、それからが大変だった。
だって少しでも落ち着いたら、自分のしでかしたことがどれだけ恥ずかしいか、さすがに分からないわけがないのだ。
後悔と羞恥で、吹寄は放課後まで顔を上げられなかった。
バカップルをこれまで冷ややかに見てきただったのに、
よりによって、クラスで一番のバカップルぶりを見せたのが自分だったなんて。
……よりによって一番困るのは、バカップルがなぜ衆人環視の中ああいう行為におよぶのか、なんとなく共感してしまえることだった。

「制理」

すぐ傍で、上条が名前を呼んだ。
周囲にはちらほらこちらを見る目がある。なにせ学校からの帰り道だ。
吹寄は初めて、公の場所でべったりと上条にくっついている。
これでもう自分たちが恋人同士であるのを疑うものはいまい。

「どうしたの?」
「いや、なんかさ。恥ずかしくないのかなって」
「……当麻は嫌なの?」
「そんなことねえよ」

照れくさそうに、上条がそっぽをむいた。
上条の答えは的を射ている。自分だって、恥ずかしいのは間違いないのだ。
だけど、それは嫌なことじゃない。
さすがに授業中に上条と離れて居る時はただただ恥ずかしかったのだけれど、
放課後になって上条と触れあえる時間になれば、簡単に心変わりしてしまった。
自分たちは恋人同士なんだと、そうはばかることなく主張しながら街を歩くのが、嬉しい。

「晩ご飯、どうするの?」
「なんにも決めてないな。家に食材はないし」
「……うちに来なさいよ」
「いいのか?」

いいのかと問う上条の声に、少し含みがあった。
もちろん、吹寄だってただ食事に誘っただけでは、なかった。

「大したものは作れないわよ」
「大丈夫だって。こないだ作ってくれた晩飯、美味かった」
「褒めても味は良くならないわよ。……それと」
「ん?」

分かっている顔で、上条がわからない風に聞き返す。
吹寄はつい、拗ねた顔を作ってしまった。自分でも、上条に甘えているのがわかる。

「もう。昼に、ゆっくりできなかったから」
「何をゆっくりできなかったって?」
「馬鹿」

今のは、露骨すぎてちょっとおじさんくさい返しだと思う。マイナスだ。
軽く体を、上条にぶつけて講義する。そのまま抱き寄せられてしまった。

「あっ……歩きにくいよ」
「いいだろ。こんなことするの、初めてなんだしさ。なあ制理」
「何?」
「帰ったら何をして欲しいのか、ちゃんと言ってくれよ」
「こんなところで、言えるわけないじゃない」
「家についてからでいいからさ」

普段は気の強い吹寄だけど、上条に強く言われると、やけに素直になる。
そういう顔を見るのが、上条は好きだった。

こうして、周囲に甘い雰囲気をまき散らし、さんざん怨嗟の視線を集めながら、上条と吹寄はゆっくりと帰った。
二人で見る風景はどれもこれも新鮮で、いつもの帰り道なのにやけに印象深かった。
スーパーに寄れば、新婚生活ってこんな風なのかな、なんて考えたりした。
公園を横切れば、いつもは興味すらわかないはずのはしゃぐ子供たちの姿が、なぜか微笑ましく見えた。
70 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [sage saga]:2012/03/15(木) 21:33:59.45 ID:iLHIXR/Lo

「……楽しいね」
「歩いてるだけだろ?」
「当麻は、つまらない?」
「そんなことねーよ。なんか、幸せだなって」
「あたしも、そういう感じ」
「ちゃんとデートもしないとな」
「うん。変な順番になっちゃったわね」
「だな」

悪いのは、変な薬をそのまま市場に放出した学園都市だ。
でも、自分たちをくっつけてくれたのもこの薬だ。
二度と飲む気はないが、本当に奇妙な縁があったものだと思う。

「さて、着いちまったな」
「うん」

見慣れた、自分たちの学生寮。
人目を注意深くしのんで、上条を女子寮へと誘う。
吹寄の部屋のドアを明けるまでのドキドキした時間を楽しんで、そっと、二人きりになれるその空間に、体を滑り込ませた。

「おかえり」
「ただいま。……貴方のへやじゃないわよ」
「だな」
「おかえりなさい、当麻」
「ただいま」

二人でおかしそうな顔をして、見つめ合う。
待ちきれないように上条が髪をなでると、吹寄がまぶしそうな顔をした。

「荷物、こっちにおいて」
「おう」

キッチンにスーパーのレジ袋を置いて、今日使うもの以外を、冷蔵庫にしまっていく。
コートを脱いで、吹寄に手洗いうがいを指示されて、ようやく、上条は一息ついた。

「お茶、飲む?」
「んー」

肯定とも否定ともとれない返事をしながら、上条はこちらを見つめる吹き寄せに手招きをした。
座っているのはいつもどおりベッドの上だったから、少し吹寄が恥ずかしそうな顔をするのが分かった。

「……何?」
「隣。座ってくれよ」

お茶よりも、吹寄とくっつきあうことで落ち着きたかった。
隣に座った吹き寄せが何も言わず、上条の肩に重みをあずけた。

「好きだよ。制理」
「あたしも。当麻が大好き」
「晴れて恋人同士だな。クラス公認の」
「すぐ別れるのだけは、絶対に嫌だからね」
「……長く付き合ってからならいいのか?」
「長い関係になったら、結婚するからいいの」

上条はドキリとした。吹寄の口から、結婚なんて言葉がでてきたから。
そして、その言葉に嬉しくなった。自分だって、同じことを考えていた。

「制理」
「ん……」

吹寄を抱き寄せて、深い口づけをした。
時間を開けてキスをすると、毎度吹寄ははにかんだ顔を見せる。
それがたまらなく可愛かった。

「制理。何をして欲しいんだ?」
「……キス」
「どこに?」
「どこって、口に決まってるでしょう」
71 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [sage saga]:2012/03/15(木) 21:35:19.47 ID:iLHIXR/Lo

上条はとりあえずリクエストに応えて、吹寄の唇を吸い上げる。
だけど、本題はそれじゃない。
吹寄もきっとそれを分かっていて、はぐらかしているのだ。

「さっきゆっくりできなかったこと、して欲しいんだろ?」
「今、もうしてるじゃない」
「それ以上の事」
「言わなきゃ駄目……?」

恨みがましい目線で見つめられた。だけど本気で怒ってはいないとわかる。
もう、一日二日のかりそめの仲ではないから。

「言わないと今日は帰らない」

極力、冗談めかして上条はそう告げた。
本気で言ってみたい欲求をどこまで抑えられたかはわからない。
たぶん、結構本音は漏れていたのだろう。吹寄が、息をのんだ。

「か、帰らなくても」
「えっ?」

何か、吹寄が意外なことを、言った気がする。
ぎゅっと上条の腕を抱き寄せ、視線を上条に合わせないようにしながら、ぽつりとこぼした。

「夜にお別れするのは、寂しいから」
「制理」
「当麻こそ、嫌じゃなかったら」
「いいのか……?」

深夜まで添い寝をした経験がありながら言うのもなんだが、「お泊り」というのは、それはそれは深遠な意味がありそうに聞こえる。
吹寄もそれは分かっているだろうに、拒むどころか、勧めるような言葉をほのめかしていた。

「怖いことは、しないでくれる?」
「約束する。制理を不安がらせたり、怖がらせたりはしない」

たとえ、今夜をはじめての夜にすることができないとしても、それでいい。
そう伝えるために笑ってキスをしたら、ふわりと吹寄が肩の力を抜いてくれた。

「あたしも。素直になりたいから」

そう言って、吹寄は逡巡するように視線をさまよわせてから、そっと上条を見上げた。

「恥ずかしいから、一回しか言わないわよ」
「え?」

上条が、そういうおねだりを期待しているのは、わかってはいるのだ。
だから、一回だけその要求に、応じてあげようと思った。二度はない。……たぶん。
吹寄は一層強く上条に寄り添い、頬を上条の胸に押し付けるようにしながら見上げて、一言、呟いた。

「当麻。その……吸って、くれない?」




(続きは省略されました。全てを読むにはワッフルワッフルと書き込んでくれなくても待ってればそのうち投下されます)
72 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [sage saga]:2012/03/15(木) 21:38:59.96 ID:iLHIXR/Lo
あっさりですけど、これで本編は終わりです。
長い間、お付き合いくださいましてありがとうございました。

ここまではインデックスさんは居候している余地があったんですが、
以降は、なんというかお泊りなので色々と無理が生じてきますね。
まあご都合主義と言うことでひとつ。
……吹寄は果たして貞操を守りきれるのか。
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/15(木) 22:23:04.66 ID:90+uOYYDO
わっふるわっふる

い、言いたかったから言っただけなんだからね!
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/15(木) 22:25:50.41 ID:wrdSkZZIO
わっふるわっふる

貞操守らせる気なんかないくせに〜
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2012/03/15(木) 23:08:54.47 ID:w9BC07T8o
ワッフルワッフル

ちくしょう末長く爆発しろ!
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/15(木) 23:18:11.32 ID:GeOPBMrIO
ワッフルワッフル

上条から当麻に変わってるのが感慨深いな
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage saga]:2012/03/16(金) 00:15:34.84 ID:HKwLEWYF0
ワッフルワッフル

この上条さんはあと80年くらいしてから嫁と子と孫に囲まれながら老衰で死ね!
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga sage]:2012/03/16(金) 00:34:29.79 ID:gRyBsZ3R0
ワッフルワッフル

さすがnubewoさんやでぇ
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/03/16(金) 00:35:44.07 ID:D3d2CKfwo
乙!!

わっふるわっふる〜

ついでに

nubeるnubeる〜
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/16(金) 01:03:43.32 ID:vI9rZHGDO
わっふるわっふる


最高すぎるうううううううううううう
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/16(金) 02:59:56.78 ID:hX449HFSO
タップンタップン

おっぱい揺れまくり!
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/16(金) 03:09:40.05 ID:GdyZ+FVyo
ワッフルワッフル
これでiPad待ちながらあったかくなれた
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/16(金) 08:27:40.21 ID:bpEJp6Vvo
わっふるわっふる
素晴らしかったよ!
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/03/16(金) 20:05:20.18 ID:CHR8wqNAO
わっふぉーわっふぉー

いやー乙ぱい。
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/03/16(金) 21:53:25.62 ID:vFqEhcf+o
┌─────┐┌─────┐
│わ っ ふ る.││わ っ ふ る.│
└∩───∩┘└∩───∩┘
  ヽ(`・ω・´)ノ  ヽ(`・ω・´)ノ

素晴らしいのな
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/17(土) 00:35:27.38 ID:ST8rYnxz0
ワッフルワッフル
素晴らしいSSありがとうございました
続きも楽しみに待たせていただきます
乙です
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/03/17(土) 04:09:04.31 ID:8LeiykOAO
ふっきーかわいかったよ乙
わっふるわっふる
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/17(土) 04:22:24.82 ID:fjiWkDVio
そーれ、わっふるわっふる
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/17(土) 22:58:33.73 ID:SHg6BNGDO
ワッフルワッフル

ワッフルとかなつかしすなぁ〜
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/18(日) 06:10:32.00 ID:60x/bWASO
なつかしすとかなつかしすなぁ
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(香川県) [sage]:2012/03/18(日) 21:35:18.73 ID:lGFZLki+o
遅れながらワッフルワッフル
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2012/03/21(水) 23:56:44.35 ID:+kvQC4IX0
もういいよ。
やってらんねー、
あーあほくせーww
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/22(木) 00:18:04.95 ID:4LqBKLago
>>92
うっー
ってお前早いな……
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/22(木) 07:45:03.58 ID:M4gKS2xSO
もやあ…だろ?
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(香川県) [sage]:2012/03/22(木) 10:53:26.50 ID:TBHAU0r/o
斜めで「もっあ」って可能性を提示
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県) [sage]:2012/03/22(木) 19:55:28.14 ID:2ZA8YJEFo
ワッフルワッフル
乙!素晴らしいです
後日談で青ピたちに冷やかされるシーンありますか?
97 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/03/23(金) 18:44:41.72 ID:z7P22JwJo
考えてみます。基本的には上吹のカップルしか出てこないけど。
18禁シーンがメインだし。
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/03/23(金) 22:55:19.59 ID:hu1V9uJx0
こっちが完結したら光子一本で行くんですか?
それとも並行して別のヒロイン攻略?
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/03/24(土) 00:27:04.80 ID:ag13JC/A0
吹寄にもそろそろ責めさせようぜ
100 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/03/24(土) 15:07:13.55 ID:Ohk9msjIo
ごめん投下はもうちょっと書けてから。

トンデモの冒頭部分の書き直しを並行してやろうと思ってるから、次はそっちかな。
他のSSは、少なくともしばらくはお休み。
101 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/03/27(火) 03:02:47.31 ID:Y0rItiJNo

浴室を湯気で満たしながら、吹寄制理は一人、丹念に体を洗う。
肌が傷ついたり赤くなったりしないようにといつもの倍ほど気を使いながら、丁寧に泡立てたスポンジを体の上で滑らせていく。
足の指先の間だとか、膝の裏だとか、いつもなら少し気を緩めてしまいそうなポイントまで気を抜かない。
膝の裏はともかく、足の指を上条に舐められるなんて展開があったら色々と困るけれど、そういうことがないとも言い切れないし。

時間はもう夜といっていい頃。夕食はすでに摂り終えて、これから本格的に夜の時間を迎えるところだ。
改めてこの一日を振り返り、吹寄はため息をついた。
最後は嬉しい出来事で締めくくれた一日だったけれど、自分を取り巻く状況は激変したといっていい。
だって自分の彼氏、上条当麻が自分のことをはっきりと恋人だと宣言してくれたのだ。
それもクラスメイトと、さらに担任の小萌先生までいる目の前で。
嬉しくないと言えば、嘘になる。夜になった今でもあのシーンを思い出すと恥ずかしさと嬉しさで、にやけながら身もだえしそうになる。
そんなのは、全く持って吹寄制理らしくないと自覚はしているのだが。

「んっ」

しまった、と一人で恥ずかしくなる。
馬鹿な話だ。乳首を掠めたスポンジに思わず感じてしまうなんて。
上条に愛されていることを反芻しながらだったから、体がいつもと違う反応を示してしまったのだろう。
早く上がらなきゃ、と吹寄は気持ちを切り替えた。

上条は今、自分の部屋に戻っている。
ついでにそちらでシャワーを浴びてくると言っていたので、それが済み次第、戻ってくるだろう。
上条が部屋に戻ったのは、お泊りセットを持ってくるためだ。
同棲を前提になんてこれっぽっちもしていないから、吹寄の家には上条が快適に暮らすのに必要なアイテムが色々と欠けている。
それを、上条は取りに戻っているのだった。

バスルームから上がり、手早く体に付いた水をふき取る。
柔らかいバスタオルが腕や背中からさっと水玉を吸い上げていくが、髪はそうも行かない。
女子の中ではやや長いほうになる髪は濡れたままだとよく纏まる。それをぎゅっとタオルで挟み、しっかり押し当てて水をタオルに移していく。
そうして髪を傷めないように水分を取りながら、自分の裸体を映す鏡に目をやった。
相変わらず理想よりふた周りは大きい乳房に少しため息をつく。乳房の下にかいた汗に気付いてそれをふき取った。

「ドライヤーは……後でいいか」

それよりはとりあえず服を着てしまうことと、あんまり上条に見せたくないアイテム、
例えば出しっぱなしの化粧水だとかクレンジングオイルだとか、
ナプキンだとかを目に付かないところに仕舞う作業を先にやらないといけない。
吹寄は洗濯機の上に置いたブラを手に取り、手早く身につける。
そしてパンツに足を通そうとして、手を止めた。

「……」

足を肩幅くらいに開いて、下半身の付け根にバスタオルを這わせ、押し付けた。
いつもやっている行為だ。というか普段はもっと露骨に股を開く。
別に上条に見られているわけでもないのに、吹寄は慎みある仕草で、地肌に比べ乾きにくい毛の繁ったところを丁寧に拭いた。
何をやってるんだか、とため息をつきながらパンツを履く。
デザインは高校生として普通くらいのものだと思う。薄いピンクの、無地のヤツだ。
刺繍が入っていて大人寄りのデザインではあるけれど、布の面積は普通くらいだし、装飾も華美ではない。
どういうのが上条の好みか分からないが、無難なデザインかつ、それなりに可愛くて気に入っている下着だった。
一応、今日のために用意したものではある。
102 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/03/27(火) 03:03:30.13 ID:Y0rItiJNo

「おかしくない……わよね」

鏡の向こうの自分に自問する。自信はないが、少しでも柔らかい表情をしようと思って、笑顔を作ってみる。
見つめても、やっぱり自信はもてなかった。
手際よく風呂上りのケアを済ませ、吹寄は洗面所を後にする。
少し体が火照ってはいるが、上条が来ないとも限らないので、さっさと寝間着に袖を通した。
パジャマも実は新調したヤツだ。一応何度か着たことはあるが、上条に見せたことはない。
寝間着で上条と過ごすのは恥ずかしいが、やはりこうした服でないとベッドに入ったときに落ち着かない。
辺りを見渡し、片づけを済ませる。最近は上条が入り浸っているせいでこまめに整理しているから、部屋に散らかったところはない。
あっという間に用事は済んでしまい、拍子抜けした感じと僅かな寂しさを覚えながら、吹寄はベッドに倒れこんだ。

「当麻と一緒に、寝ちゃうんだ……」

誘ったのは、上条のほうだと思う。自分も結構乗り気ではいたけれど。
今更ながらに、「お泊り」というイベントの重大性に思いをはせる。
高校生の自分達にとって、それはきっと、幼稚園のときのお泊まり会とは意味合いが違う。
キスや、いつもしていることで止まれば、不安がなくていい。けれど。
……漠然と心配を感じているのに、どこかで期待もしているような、不安定な感じ。
吹寄は横を向いて、掛け布団を丸めて抱きしめた。
布団に頬を寄せて、目を瞑る。皮膚に伝わる感触を上条からの愛撫に見立てて、空想する。

「当麻……」

かすれる声で呟いてみた。いけない、と思う。寂しさがさらに募ってしまった。
もうそろそろ、上条は来るだろうか。
パジャマの前の、ボタンを一つ上を留めた。茹だった体が少し冷めてきたからだ。
だけどその感触で全く逆の、上条にボタンを外されるときの感触を思い出してしまった。
まあ、それはいつものことだし、きっと胸を吸うところまではやるのだろうから、それはいい。
だけど最近はシンプルに吸うだけじゃなくて、吹寄を感じさせようとあれこれと策を練ってくるから、上条に乳房をさらしている時は全く油断ならないのだ。

「嫌じゃ、ないよ」

空想の中の上条が、やめて欲しいかと優しく聞くから、そう答えた。それもまた、本音だった。
今日の夜は、自分と上条はどこまで行くのだろう。


――――コンコンコンと、吹寄の部屋の扉が、ノックされた。


チャイムは鳴らない。近隣住人にばれると色々まずい相手を連れ込むのだし。
そして鍵も閉めていなかった。不用心だが、上条が室外で待機するほうがよっぽど不用心なので、今日はこれでいい。
吹寄が歓迎するより先に、上条が、さっと室内にもぐりこんできた。

「おかえり、当麻」
「ん。ただいま、制理」

そう言いあって、二人で照れる。だって新婚みたいだから。
吹寄は上条が手にした小さなリュックサックを受け取って、上条を部屋の中へと導いていく。
103 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/03/27(火) 03:04:32.82 ID:Y0rItiJNo

「あっ」
「制理」

途中で、後ろから抱きしめられた。

「悪い。けど……すげぇドキドキしてる」
「うん。あたしも、だよ」
「制理のいる場所に帰るって、いいな」
「待ってるのは少し、寂しかった」
「……」
「当麻?」
「そういう事を言う制理が、滅茶苦茶に可愛いよ」
「もう……」
「今日これから、怖いと思わせるようなことは、しないから」
「うん」

それはもう、二度ほど聞いた言葉だ。
自分に言い聞かせるように上条はその言葉を告げる。自制するために言葉にしているのかもしれない。
それを、吹寄は信じたいと思う。不安はあるけど、信じられないとまでは思わない。

「制理。愛してる」
「うん。あたしも」
「もう電気、消しちまうのか?」
「……ちょっと。早いわよ、まだ」

今電気を消すとなると、高校生にしては健全すぎる就寝時間だ。
まあ暗くなったところですぐに寝付くわけではないのだろうけれど。

「じゃあ今から、何する?」
「えっと、とりあえずは喉乾かないかなって」
「あー、まあ風呂に急いで入って、走ってこの部屋まで来たからな」

女子寮をゆっくり歩くような自殺行為は出来ない。
汗をかくような季節ではないが、確かに少し息があがっているらしかった。

「それじゃ、お茶いれるから」
「ん。サンキュ」
「何か食べたい?」
「え? いや、さっき制理の作ってくれた晩御飯、食べたし」
「うん。……おなか壊してない?」
「大丈夫だって」

上条が笑ってこちらを見た。まあそりゃそうだ。普段から自炊だってする吹寄の手際はそこそこまともだ。
食べて腹を壊すような料理は、狙ってもなかなか作れない。

「それじゃ、お茶を入れるから待っててね。って、あ……」

棚からお茶の葉を取り出し、水を汲もうとしたところでふと思い出した。
104 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/03/27(火) 03:05:19.87 ID:Y0rItiJNo

「どうした?」
「……賞味期限切れそうなプリンがあるの、思い出しちゃって」
「一人暮らししてるとよくある話だな」

上条が苦笑した。上条も良くやらかすのだ。賞味期限切れの食品を始末することなんて。

「食べようぜ。二人で」
「うん。ありがと」

ケトルを火にかけポットにティーバッグを放り込んで、お茶の準備を終わらせる。
そして引き出しから二つスプーンを取り出して、しばし思案する。

「制理?」
「……スプーンは一つで、いいわよね」
「だな」

恋人同士が小さなカップのプリンをシェアするのに、いくつもスプーンなんていらない。
吹寄はプリンとスプーンを持って、そっと上条の隣に腰掛けた。
今日の上条は、学校のジャージの上下と、下に少しくたびれたTシャツを着ている。きっとこれが上条の寝巻きなのだろう。

「制理のその服、可愛いな」
「そう?」
「ああ。私服見ることほとんどないし、パジャマは初だろ」

いつも、制服から着替えることなしに上条に裸にされてしまうので、なんだかんだで見せたことが無いのだった。

「お尻が特に」
「えっ?」

言って上条は後悔する。流石に今のは本音が駄々漏れでおじさんぽかったような気がする。
だが、柔らかなパジャマの生地は、しっかりと丸みを帯びた吹寄のヒップのラインがくっきりと浮き彫りにしていて、視線を引き寄せられるのだ。

「ちょ、ちょっと。普通のパジャマにそういう事言わないでよね」
「今のは自分でも反省した」
「もう」
「制理ってさ、パジャマのときもブラすんの?」
「……今は、してるけど」
「普段は?」
「つけるのは窮屈だから、ブラトップとかそういうの」
「ブラトップ?」
「下に着るシャツと組み合わさったようなヤツ。……もう、そういう事聞かないでよ」
「恥ずかしかったか?」
「結婚したらどうかは知らないけど、そういうところって付き合っている人でも見せるものじゃないと思うだけ」

ブラトップという商品は所帯じみている、と吹寄は思うのだ。
肩紐や背中のホックから解放されるし大きすぎる胸が寝ていても暴れないから愛用してはいるが、結局は家の中でしか使えない服だ。
不満をため息一つで伝えて、吹寄はベッドに腰掛けた上条の隣に座った。
スプーンを上条に渡して、プリンの蓋をぺりぺりとはがす。

「当麻から食べる?」
「とりあえず渡してくれ」

言われるままにカップを上条に渡す。
上条は小さくプリンを掬って、味見をするように口に含んだ。
105 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/03/27(火) 03:05:58.67 ID:Y0rItiJNo

「ん。上手い」
「普通のプリンだけどね」
「通販で買ったんじゃないのか?」
「これは違うわよ。通販でデザートを買うと、やけに高いし」

食べると脳が活性化されるとか、そういう謳い文句が好きなのだ。吹寄は。
おいしそうで写真の綺麗なスイーツというのには、実はあんまり惹かれない。
上条がもう一度プリンにスプーンを突き刺す。取ろうとしているサイズは、さっきより大きかった。

「制理」
「うん」

上条がとり分けてくれたプリンを、口をあけて待つ。
自分以外の人に口にスプーンを入れられると、ちょっと落ち着かない。
上条の口の中で温められたからだろうか、スプーンは思ったよりひんやりしていなかった。

「美味いか」
「んー、うん」

まあ、普通の味だ。増粘多糖類で固めた100円のプリンだし当然だろう。結構吹寄は好きだが。
舌の上で温めながら潰していると、上条が急にキスをした。

「んっ……」

唇を、蹂躙される。上条の唇に噛みつかれるような感じ。
二人の柔らかい肉が唾液を潤滑材にぐにぐにと変形する。
ほどなくして、吹寄の口をこじ開けて上条の舌が差し込まれた。

「ぁ、は」

上条の舌を傷つけないように、慌てて大きく口を開く。
悠々と上条の舌が忍び込んで、まだ飲み込む前のプリンに遭遇する。
もう吹寄の唾液とかなり混ざってしまったそれを、上条が吸い上げる。

「ふ、んん」

口をふさがれては、鼻で呼吸するしかない。
ゴクリと、上条が吹寄から吸い上げたプリンを嚥下する音が聞こえた。
狭い部屋に二人きりだから、その音は余計に響く。
なんてことはない、ただ上条がプリンを食べただけのはずなのに、
それが自分の口元から口移しで得たものだと思うと、不思議な気持ちになる。
汚い行為なのに、嬉しい。もっとして欲しい。自分もしたい。
もっと恋人に自分を受け入れて欲しい。相手を、上条を受け入れてあげたい。

「制理のプリン、美味いよ」
「そこのスーパーで買ったものだけど」
「制理の味がした」
「もう」
106 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/03/27(火) 03:07:01.57 ID:Y0rItiJNo

吹寄は、ベッドに深く腰掛けた。
壁際に置いてあるから、そうすれば壁にもたれかかれる。

「制理も、欲しいか?」
「……うん」
「エッチだな」
「当麻が悪いんだから」
「制理がいやらしいなのが悪い」
「そんなこと、ない……わよ」

拗ねた目で見つめる吹寄を無視して、上条はプリンを救い、自分の口に入れた。
そして、ニヤリと笑う目で、吹寄を見つめる。
何をして欲しいとか、自分がどうするべきなのかとか、吹寄は上条のその視線だけで理解してしまった。

「馬鹿」

自分の完敗だ。だけど文句だけは、忘れずに言ってやった。
開いた両手を上条の肩に掛けて、吹寄は上条に口付けた。
吹寄のほうからキスをするのは、何度やってもドキドキする。
キスはするよりされるほうが、穏やかな気持ちで堪能できるというのが吹寄の実感だった。

「ん……」

誘ったのは上条なのに、唇を触れ合わせてもプリンを渡してくれなかった。
精一杯の羞恥心に抗いながら、吹寄は上条の唇の間に、自分の舌を差し込む。
上条が口を開いてくれたのを感じ取り、目を瞑って上条の口の中を舌で探った。
プリンは少し形を崩しながら上条の舌の上に乗っていた。
それを、自分の舌で自分の口の中へと移していく。

「んん……んっ!」

上条がプリンの移動を舌で手伝ってくれる。そして同時に、手で吹寄の胸をまさぐった。
まだ堅くなっていなかった乳首を、きゅっと弱くつねるように、服の上から親指と人差し指で摘んだ。
背筋が海老反りになるように曲がったのを吹寄は自覚した。ピリッと体を駆け抜けた快感に、自然に反応してしまったのだ。
呼吸が乱れる。キスをしたままだから、苦しい。
プリンの甘さが溶け出した上条の唾液を、安定しない呼吸ですすり上げる。
甘いという感覚は、どうして性的な感覚と相性がいいのだろう。
ごくん、と。吹寄は自分の喉がなったのを体で感じ取った。上条を見上げる姿勢でとろとろになったプリンを飲み込んだからだろう。
その音がひどくはしたなく思えて、吹寄は興奮を募らせる。

「乳首、立ってきたな。ブラの上から触ってるのに、わかる」
「嘘……」
「嘘じゃねえよ。制理だって、触られてて分かるだろ?」
「知らない」
「知らないって、これでも?」

上条が親指を上から下へと滑らせる。
ギターの弦でも弾くようなその指使いは乳首のところで確かに引っかかり、ぴん、と吹寄の乳首を優しく引っかいた。
107 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/03/27(火) 03:07:30.93 ID:Y0rItiJNo

「はぁん!」

見つめあいながらそういうことをされると、快感が倍くらいになってしまう。
上条に、もうこういうときの自分の感じ方は把握されてしまったみたいで、
こちらを覗き込む目に、完全に見透かされているような気がしてしまうのだ。

「胸も良いけど、とりあえずプリン完食しないとな」

上条がまた、プリンを口に入れた。今度はすぐさまキス渡しされた。

「ん」
「少し潰したら、ちょっとだけ食べてまた返してくれ」

言われたとおりに吹寄は舌でプリンを潰し、上条に返す。
残ったプリンをまとめて、こくんと飲み込む。
それを見届けた上条が、すぐさまプリンを返してきた。
そうやって少しずつ食べながら、プリンの口渡しを繰り返す。
初めのうちは冷たかったプリンが、段々とぬるくなって、とろけていく。
上条の唾液と自分の唾液をどろどろに混ぜ合わせながら。
気がついたら、体の力が抜けて、上条に寄りかかっていた。
キスのたびに顔を近づけるのをやめて、ずっとキスしっぱなしになり、プリンと唾液だけが移動するようになった。
全部、上条のせいだ。キスだけでもぼうっとしてしまうのに、服の上からやわやわと胸を揉まれると、もっと何も考えられなくなる。

「これで最後だな。口、開けてくれ」
「うん」

成すがままに、吹寄はそれを受け入れた。
上条が机に置いたプリンのカップには、カラメルがそのまま残されていた。
勿体無いし、食べないわけはないと思うけれど。一体、どうやって食べる気なのだろう。

「潰さないで、口の中で温めて」
「ん」
「抱きしめたいから、こっち来てくれ」

プリンを口に溜めたまま、吹寄は上条に抱かれに行く。
壁にもたれかかって座った上条に、お姫様抱っこをされるような姿勢になった。

「可愛いよ、制理」
「……」

上を向いたその姿勢では、何も喋ることが出来ない。
視線を逸らすくらいしか意思表示できなかった。
もちろん、嫌って意味じゃない。素直に嬉しく思ってしまう自分が、恥ずかしいのだった。
108 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/03/27(火) 03:08:39.57 ID:Y0rItiJNo

「口、開けてくれ」
「ん」
「もっと」
「んー……?」

言われたとおりに開いたら、上条が頭を支えてくれているのとは反対の手の人差し指を、吹寄の口の中に差し込んだ。

「んっ!」

舌を絡めるのとは、違う触感だった。
舌みたいにぐにゃぐにゃとしていない。指紋のざらつきがこそばゆい。短いけれど、硬い爪の感触もする。
そして舌より細長くて、繊細な動きをする。

「ん、ん! ん!」

不思議な感覚だった。
上条の指が、吹寄の舌の上に乗ったプリンを潰そうと、何度も舌に押し付けられる。

「えほっ……」
「ごめん。入れすぎた」
「んん」

少しえずいてしまった吹寄に、上条が謝る。
それを許す意図を目で伝えて、吹寄は上条が押しつぶしやすいように、プリンを舌の真ん中に集めた。

「指、舐めてくれよ」
「ん……」

開いていた口を、上条の指を咥えたままピッタリ閉じる。
そしてその指に口の中の唾液とプリンを纏わせた。舌で、すこししょっぱい上条の指を撫で上げる。
小刻みに上条も指の間接を動かしているせいで、不規則な感触が吹寄を感じさせる。
指を舐めているだけなのに、体を走り抜けるような快感は感じていないのに、こんなに体が昂ぶってしまうのは何故だろう。

「半分、くれよ」
「んっ」

もう形がなくなってしまったプリンを、ずず、と音を立てながら上条が吸い上げた。
これで、最後の一口も仲良く分け合えたことになる。

「指も綺麗にしてくれ」
「うん」

上条に、抗う気が全く起きない。
言われたとおりに吹寄は上条の指を舐める。何度も唾液で口の中を洗い流し、プリンの甘みを飲み込んでいく。
そして綺麗になった唾液で上条の指を拭い、プリンの味を消していく。

「こんなもんかな」

お疲れ様と労うように、上条が軽いキスをしてくれた。
それが嬉しくて、つい吹寄は素直な笑みを浮かべてしまった。
109 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/03/27(火) 03:09:26.35 ID:Y0rItiJNo

「……プリンでこういうことするのも、悪くないな」
「当麻の思い付きって、変態だと思う」
「ノリノリだったのを棚に上げるなよ」
「あ、あたしは……」
「嫌だったか?」

そう言われて、制理は返す言葉を失った。

「もう、やりたくないか?」
「そんなことは、言ってないわよ」
「ほら。制理も変態だな」
「馬鹿」

見上げた自分の目に、全然怒りが篭もっていないことを吹寄も認めざるをえなかった。

「当麻」
「ん?」
「そのカラメル、どうするの?」

吹寄は、カップに残ったそれが気になって、つい問いただした。
その意味を、上条はどのように受け取ったのだろうか。ニッと、意味ありげに笑った。

「垂らして舐めようかと思って」
「垂らす……?」
「俺のしたいこと、わかるか?」

吹寄は思案する。垂らすといって、それは何処にだろうか。
机にではあるまい。手のひらにでも、別に面白みはないだろう。
そこまで考えて、上条が、自分を嬲る時の目をしていることに気付く。

「まさか、嘘」

吹寄は思わず、胸を隠すように腕を動かした。
それは正解だったのだろう。上条が笑みを深くした。

「制理も分かってるんだな」
「し、知らない」
「制理の胸に垂らして、舐めようかなと」
「っ……」

絶対に自分の彼氏は変態だと、吹寄は思った。
出づらくなったとはいえ、母乳の出る自分の胸に、まさかカラメルソースを垂らそうとするなんて。
だが吹寄はそれに引いてしまう自分を感じながらも、自分の心の半分以上が、それを受け入れている事を薄々感じていた。
さんざんプリンの口移しで遊んだからかもしれない。
そうやって食べ物と自分の胸を合わせて弄ばれることに、興奮を覚えている自分が、確かにいた。
110 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/03/27(火) 03:10:51.54 ID:Y0rItiJNo

「やめろって言われたら、やらない」
「……」
「して欲しいか?」
「そこまでは思ってない……」
「へえ」

揶揄するような上条の笑いに、吹寄は太ももをこすり合わせた。
本当に、して欲しいとまでは思ってはいなかったはずなのに。
なぜだか、それも嘘になっていくような感覚に囚われてしまいそうだった。

「ボタン、外すぞ」
「……」
「いいな?」
「……ぅん」

はっきりとは、肯定の意志を示せなかった。
だけど上条が満足げに胸元のボタンをプツプツと外すのを、吹寄は黙って見つめた。

「ブラも外さないとな」

フロントホックのそれを、慣れた手つきで上条が外す。
プルンと、支えを失った吹寄の乳房が震えた。
瑞々しい張りを保つその胸は、綺麗な流線型を描いたまま安定した。

「舐めてください、は?」
「……言えない、わよ」
「そんなことないだろ?」

上条は、首を振る吹寄に優しく微笑みかける。
そして唇を触れ合わせるキスをする。

「舐めてください、って」
「……」

もう一押し、という感じだった。
髪を撫で、黙って見つめる。次の行動権を強引に吹寄に渡す。
そして何も言わずにもう一度、キスをする。

「……」
「制理。言ってくれよ」

切なそうに、吹寄が上条を見上げる。
それは既に降参してしまったことを示すサインだと、上条は分かっていた。

「ほら」

もう一度キスをして、促す。

「……舐めて、下さい」
「何処を?」
「馬鹿。馬鹿ぁ……」
「何処を舐めて欲しい?」

もう、頭の中が滅茶苦茶だった。
全てを投げ出して、上条に全て服従してしまいたいような、そんな気持ちになる。
もう一度キスをしてきた上条の表情が優しすぎて、また、吹寄は理性を消し飛ばされてしまった。
恥ずかしい言葉を言わされるのは、どうしてこんなに、恥ずかしくて、気持ちいいんだろう。

「胸を……舐めて、ください」
「制理はエッチだな」
「ちが、う」
「違わないだろ」

念を押すようにさらに上条にキスをされた。
そして上条が、机の上のカップを手にした。
はだけられた吹寄の乳房の上にそのカップをかざし、僅かに傾ける。

「それじゃ、垂らすぞ」

とろりとしたカラメルがカップからゆっくり自分の胸へ落ちてくるのを、吹寄は息を呑んで見つめた。
111 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/03/27(火) 03:11:56.69 ID:Y0rItiJNo
ふう。
某アニメで見た不健全な歯磨きプレイにインスパイアされて書きました。
続きはまた。
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/03/27(火) 03:14:24.91 ID:FG6MoD980


相変わらず半端ないエロさだな
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/03/27(火) 03:14:33.71 ID:ScNEgDY8o
>>111
ちょっとーー!! ふう、じゃねーよっ!
靴下とネクタイじゃまだ寒いんだからーー!!
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/27(火) 07:05:17.24 ID:uTnZiEFIO


性的クズ条さんwww
いいぞもっとやれwww
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/27(火) 10:21:05.53 ID:xyxxBTKSO
貧乳に悩んでいたけどブラトップを着けるようになって大きくなりました!
と報告するサイトを、ブラトップをググっていて見つけました
吹寄さんはおっぱいを大きくする星の元に生まれたんだと思いました
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/27(火) 11:34:26.01 ID:bKhHbafnP

上条さん調子乗りすぎワロタwwww
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/27(火) 13:12:20.49 ID:hCzcwB1Vo

この上条さんは童貞出はない気がするのは俺だけか?
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/27(火) 13:28:55.87 ID:cneVaLKOo

経験を積んだ上条さんが初心な生娘を手玉に取っているようにしか見えないww
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/03/27(火) 18:04:19.99 ID:1/QipeZAO
あの歯磨きプレイのくだりは長すぎた
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/03/29(木) 21:04:46.17 ID:F9FO/PBA0
この上条やりよるわ
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/30(金) 07:35:38.99 ID:NChOUftwo
上条さんがなんかキモイ
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/30(金) 10:07:59.21 ID:4omGaocU0
うっ…ふぅ
乙です
プリンをこんなにエロく食べるなんてすごいですね
続きもお待ちしています
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/04/01(日) 16:06:52.86 ID:mrSc+72to
この上条さんは>>1の投影だろ
124 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/04/01(日) 16:48:22.26 ID:jFubi72eo
書きたい18禁を書くとなると、そら書き手の嗜好を投影せざるを得ないところはあると思う。
お口に合わなかったらごめんなさい。
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/01(日) 16:54:51.20 ID:kSeJMugPo
18禁作品はそういう物だと思ってる。
遺憾なく作者さんの( ゚∀゚)o彡°おっぱい!おっぱい!な気持ちを解き放って欲しい。
本編は終わって、後日談の18禁( ゚∀゚)o彡°だし
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/05(木) 08:36:32.00 ID:QWSyIj9DO
自己投影だろうがなんだろうが
エロけりゃいい、そうだろ?
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/07(土) 23:15:56.34 ID:3xmzG+yt0
投影万歳です 期待して待っています
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/04/10(火) 22:42:41.57 ID:Sp9obbAm0
マダー
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/14(土) 11:46:11.47 ID:C3tGGfuDO
まだまだ上吹成分が足りん・・・
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/04/16(月) 20:36:53.26 ID:BfHoP5IC0
そろそろ生存報告が欲しいな
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/16(月) 23:37:52.47 ID:gBXgABGSO
今は婚后さんにかかりきりだからね
いや、佐天さんにかな?

どっちにしろ浮気性っぽい作者ではある
132 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/04/17(火) 00:43:05.17 ID:jbr1Ap0Xo
たしかに浮気性だなぁ。あっちもだいぶ滞らせてたから、書けるタイミングで書こうと思って。
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/04/17(火) 01:07:28.06 ID:7zlAPYy7o
いつまでも待ってますよー
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/04/17(火) 01:17:41.20 ID:peU0GAmAO
どちらかの更新があれば満足です。リアルもあって忙しいでしょうし。
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/22(日) 07:11:35.11 ID:pUkS+7lSO
小難しい理屈コネたところで、何故男はおっぱいに惹かれるのか解明できまい
不完全な理論など不要なのだよ
136 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/04/22(日) 15:03:35.93 ID:YiExmZiPo
つう、と。とろりとしたカラメルが自分の乳首に伝う。

「んっ……」

冷たさのせいか、その感触に乳首が硬くなるような感じがした。
もう完全に、先端が尖ってしまっている。
この後すぐに上条にされることを想像したら、苦しいくらいにドキドキして、息もちゃんとつけないくらいだ。

「制理、興奮してる?」
「……そんなこと、ない」
「そうか」

上条が、掲げたプリンのカップを揺らす。それにつられて、途切れることなく伝う茶色のカラメルが吹寄の胸に8の字模様を描いた。
吹寄の人肌でカラメルは温められ、表面張力を弱めていく。それに連れて吹寄の乳首やその周りがカラメルで濡れていく。
上条がそれを満足げに見つめているのを、吹寄はたまらない気持ちで見守る。

「あんまり垂らすと、ベッド汚しちまうな」
「……」

半分くらいのカラメルを胸にかけたところで、上条はカップを机に戻した。
そしてゆっくりとした手つきで、カラメルの掛かった胸に触れた。

「んんっ!」

上条は人差し指で掬い上げるように胸に触れた。
乳首より少し下の辺りから、乳首を弾いて、垂れかけたカラメルを上に押し戻すように。
吹寄が腰を浮かせるようにして感じ、上条の胸の中で暴れた。

「ぬるぬるだな」
「っ! 馬鹿。当麻、ちょっとエッチすぎ」
「いいだろ? 制理になんだから」
「理由になって、ないわよっ……あ、あ」

上条は人差し指と親指で吹寄の左胸の乳首を摘む。
カラメルがローションみたいな役割を果たして、挟んだ指の間から乳首が逃げる。
そのおかげでいつもより強く捏ねられるから、つい、上条は弄ぶのに没頭した。

「はぁぁぁぁん! あっ、あっ、だめ。――ぁ!」

力づくで暴れる吹寄を押さえ込む。
そして快感に喘ぐその顔を、覗き込んでやる。
そうされていることに吹寄も気付いているらしい。
快感で視界が真っ白になってしまうけれど、その快感と快感の間に上条と目線を合わせ、恥らっていた。
見られているのは死ぬほど恥ずかしいのに、見ていてもらえることが、安心なのだ。
声が出てしまうのなんて、もうどうしていいか分からないくらいなのに、上条には、聞いてもらいたい。
どんなに気持ちいいのか、上条の胸の中ですがるように声を出すのは、なんだか嬉しい。

「まだ、出るよな?」
「あ……ぇ?」
137 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/04/22(日) 15:05:00.92 ID:YiExmZiPo

上条が、乳首を捏ねながら、もう一方の手で同じ左の乳房を大きく包み込み、搾るように少し強めに力を込めた。
痛がらせないようにと、吹寄の顔を見つめる。恨みがましい目で見られたけれど、嫌とは言われなかった。

「あっ」
「ごめん。痛かったか」
「……そうじゃなくて」

乳首から、薄白く、さらさらとした母乳が出ていた。
カラメルを少し溶かして混ざり、上条の指に絡み付いていた。
上条は見せつけるように吹寄の目の前に指を持っていき、母乳とカラメルの絡まったそれをにちゃりと弄んだ。
吹寄が顔を背けたところで、もう一度その指を吹寄の乳首に戻し、残った母乳ともしっかり絡め合わせるように乳首を撫でた。

「ぁん! ふぁ、ああ……。当麻、やだぁ」

じわじわと母乳が流れ出す感覚、カラメルのせいで滑るように乳首を撫でる上条の指の感覚。
そういったものが、吹寄を高ぶらせる。

「制理。見てみろよ」
「やだ、やだぁ……っ」

もう、見えていた。
カラメルがもとの澄んだ焦げ茶色から、母乳を含んで乳白色に変わっていくのが。
上条の親指と人差し指、中指の付け根くらいまで、そのカラメルと吹寄の母乳を混ぜたものが汚していた。
次に上条がすることが予想できて、もう、心臓がどうにかなってしまいそうだ。

「制理」
「……」
「返事してくれよ」
「なに……?」
「いただきます」
「――っ!」

吹寄の見ている目の前で、上条が自分の手に付いたそれを、舐めた。
長くは見つめられなくて、吹寄はぎゅっと目を瞑る。
その耳元に、上条が息を吹きかけた。

「んんんっ!」
「甘い、な」
「知らない……
「いつもの制理のも美味いけど、これはこれで」
「馬鹿。変態よ。こんなの」
「制理が悪い」
「流石にここまでされたら、あたしのせいじゃない。当麻が、変態なだけ」

口を尖らせる吹寄を見て、上条は笑う。
文句を言いながら、止めろとか嫌だとか、そういうことは言わないのをもう分かっているから。

「じゃ、胸吸うからな?」
「もう……話聞いてないんだから」
「聞いてるって。制理が可愛いから、こういうことしたくなるんだ」
「馬鹿。あっ、あぁ……」
138 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/04/22(日) 15:13:34.92 ID:YiExmZiPo

ちゅ、と上条が乳首に吸い付いた。
いつもどおりの、温かみと快感が広がっていく。
指で責められるのだって気持ちいいし、嫌いじゃないけれど、やっぱり吸われるのは別格だった。

「ん、ん」

夢中で、上条は乳首に吸い付く。
カラメルと交じり合った吹寄の母乳は、いつもと違って乳飲料のような味わいがある。
人肌に温められたそれを、乳首から飲むのは、それはそれで悪くなかった。
すぐになくなってしまうのが残念ではあったが。
そうして吹寄に覆いかぶさって乳首に夢中になっていると、優しく吹寄が後頭部を抱きしめてくれた。
そういう、優しい手つきが上条の心を落ち着かせる。
お礼にと吹寄の髪に手をやって撫で返してやると、吹寄の手がもっと優しくなった。

「制理、愛してる」
「うん。あたしも。……でも胸見ながら言うのやめてよね」
「制理」

冗談めかして言っただけだったのに、上条は胸を責めるのを止めて、ちゃんと吹寄のほうを見てくれた。

「愛してる。世界で一番、制理が好きだ」
「……うん。嬉しい」
「キスしていいか?」
「もう。いいわよ」

きっと自分の母乳とカラメルの味のするキスなのだろう。
忌避感がないとは言わないが、もう慣れた。
上条が少し意地の悪い顔をして唇を近づけてくるのを、諦めて受け入れた。

「んっ」

母乳と、カラメルと、上条の唾液の味がした。
上条の舌に、口の中を侵される。

「ふう、ごちそうさまでした」
「……馬鹿。あんまりこういうの、やらないでよね。おかしくなっちゃいそうだし」

あんまりアブノーマルな趣味はどうかと思う。やっぱり、普通がいい。
だというのに、上条は困った顔をしてこちらを見た。

「まだ余ってる。カラメル半分と、制理の、右のおっぱいがさ」
「っ!」

どうやら、まだ前半戦だったらしい。
諦め顔で、吹寄は顔を背けた。

「じゃあ、さっさとしなさいよ」

変態行為はいけないと思うけれど、彼氏の嗜好はそこそこ受け入れてあげられる吹寄なのだった。
139 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/04/22(日) 15:14:20.98 ID:YiExmZiPo
久々ですみませんな。とりあえず、カラメルさんの活躍はこんなもんで。
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/04/22(日) 16:23:25.86 ID:NcAJ0IcDo

カラメルさんもうちょっと頑張れない?
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/22(日) 23:38:42.63 ID:pUkS+7lSO
婚后さんのスレと間違えてレスしてたわ
まあどっちもナイスおっぱいだからいいか

それよりも、吹寄さんはもっと怒ってもいいと思うんだ
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/04/23(月) 00:39:38.28 ID:Cfb4ppIco
おっきした
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/04/23(月) 07:55:51.58 ID:bbK0GWCAO


ふぅ……
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国) [sage]:2012/04/23(月) 10:09:18.54 ID:O5Igy3sAO
参考になった
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/04/23(月) 16:47:36.39 ID:Zlx0MYVGo
>>144
使う機会は無いけどな
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/23(月) 22:17:54.16 ID:15OZdwBIO
>>144
おまえの彼女、モニターの中じゃん
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/23(月) 23:02:02.36 ID:eaf9hFcSO
違う違う
>>144は自分でSS書くときの参考にするって意味で言ったんだよ



な?
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/25(水) 20:31:05.54 ID:r/EBwypIO
この>>1の婚后さんスレ読みたくなったわ
スレタイなんてーの?
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/25(水) 21:07:32.79 ID:rSUx+B7DO
>>148
【禁書】ボーイ・ミーツ・トンデモ発射場ガール【本編再構成】
だったはず。スレ違いで、すまない。
150 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/04/26(木) 00:37:32.83 ID:k7xfnbbbo
書いといてくれてありがとう。通しで読みたかったら、理想郷行って下さい。
初めはあっちだけで連載してたから、冒頭はここの過去スレにもないです。
151 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/04/26(木) 21:47:36.11 ID:k7xfnbbbo

「ふぅ……」
「なんで当麻のほうが満足げなのよ」

恨みがましい目で吹寄に見つめられる。
カラメル遊びを心行くまで堪能したが故のため息なのだが、その上条の態度が、吹寄のお気に召さないらしい。
というか、起き上がる気力がないようで、ベッドの上にくたりとなったまま上条を見上げていた。
ぐい、と掛け布団を引き寄せて、素肌を隠す。
胸だけなら、確かに明るいところでさらした経験が何度もあるけれど、
やっぱり明かりのついた部屋の、ベッドの上でというのは格別な恥ずかしさがあるのだった。

「制理、可愛かった」
「知らない。覚えてない」
「……飛んじまうくらいだった?」
「べ、別にそういう意味で言ったんじゃないわよ」
「実際どうだったんだよ」
「馬鹿」

気持ちよくないわけがない。あんなふうに、大好きな人とあんなことをするのだから。
普段はただ食べるだけのはずのカラメルが、セクシュアルな行為に使うだけであんなにも自分をおかしくさせるなんて。
解放された今になって、ようやくそんなことを吹寄は考えていた。

「ま、聞かなくてもどれくらい制理が感じてたか、分かるけどさ」
「……なんでよ」
「どれくらい自分が乱れてたか、覚えてないくらいだったんだな」
「そんなこと、ない、わよ」
「嘘つくなよ」
「……うん。すごかった」

そう、上条は言わせたいのだ。それが分かったから吹寄は抗わなかった。だって、確かにそれは事実なのだし。
満足そうに上条が頷いて、濡れたタオルを渡してくれた。
残ったカラメルがベタつくと気持ち悪いから、それで拭けということだろう。
ようやく硬く尖っていたのが引き始めた乳首に、吹寄はタオルをあてがった。
その間に上条はベッドに腰掛け、吹寄の髪を撫でた。

「当麻?」
「なあ制理、上、もう脱がせてもいいか?」
「えっ……?」

それは、エッチなことはまだまだ終わらないという、そういうことだ。
確かにお泊りなのだから時間はたっぷりあるし、そもそも明日は休日だ。
そして自宅だから邪魔が入る可能性だってゼロだし、脱ぐといっても着乱れて半分くらいは脱げているのを、取り払うだけだ。
だけど、上条の目の真剣さが、吹寄をドキドキさせる。それは不安といくらかの期待が混ぜ合わさったドキドキだった。

「いいよ」
「……そっか。じゃあ、起き上がってくれ」
「うん……」
「制理」
「何?」
「愛してる。ちゃんと制理のこと、不安にさせないようにするから」
「うん」
152 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/04/26(木) 21:48:36.51 ID:k7xfnbbbo

ためらいを見せずにいいよと言った吹寄に、むしろ上条のほうが少し戸惑ったくらいだった。
でも嬉しかった。信じてくれているのだという実感が、吹寄を好きだという気持ちを強くする。
そして同時に、もっと深いところまで突き進みたいという欲望も。
何度も愛撫した吹寄の体のことだから、触らなくても、分かっているのだ。
きっと吹寄の下着がもう、じっとりと濡れるくらいになっているであろうことくらいは。
どんな風に、そこは熱を帯びているだろう。どんな手触りだろう。
そんなことを考えながら、緊張に乾いた口の中を唾液で潤す。

「制理、可愛いよ」
「本当?」
「本当だって」

にっこりと、吹寄は微笑む。そしてするすると上条が服を脱がせていくのをそっと見守った。
上条には言えないけれど、もっと、触って欲しいと思っていた。
優しい愛撫だけじゃなくて、気持ちいい愛撫も、して欲しい。
手のひらでしっかりと乳房を揉みしだかれたり、乳首を責められたり、そして、
まだ触らせたことのない下半身の付け根にも、触って欲しいと心のどこかで思っていた。
吹寄にだって、好奇心はある。
上条に触られたら、自分はどこまで行くのだろう? どんな気持ちよさを、感じられるのだろう?
大切な、大好きな上条になら、されてもいい。むしろして欲しい。
そんなことを考える自分が、心の片隅のどこかにいるのを、吹寄は薄々気付いていた。

「ねえ、当麻」
「ん?」
「眠くはないんだけど、嫌じゃなかったら、電気を消して欲しい」
「なんで?」
「明るいと落ち着かないし……見られると恥ずかしいのよ」
「俺はじっくり鑑賞したい」
「駄目」
「そっか。わかった」
「えっ?」

あっさりと折れた当麻に、思わず驚いた声を返してしまった。
上条としてはお返しのつもりで言ったのだが、吹寄には予想外だったらしい。

「暗くしたほうが、制理が安心してくれるんだろ?」
「うん……当麻、ありがと」
「なんで?」
「優しいな、って」
「……優しくないこと、すると思うけど」
「うん。でも、当麻はあたしに優しくしてくれるから」

そっと上条が立ち上がった。

「豆電球は、つけてていいか?」
「……それくらいなら、いいよ」

カチカチと、上条が明かりを消していく。
それで部屋の明るさより部屋の外の明るさのほうがわずかに勝った。
見下ろす吹寄の体のラインが、それでむしろ浮かび上がった。
目が慣れるにつれて美しさが見てとれるようになり、上条は吹寄の全てを自分のものにしてしまいたい気持ちに強く駆られた。

「見てないで、さっさとこっちに来なさいよ」
「悪い。寂しかったか?」
「……もう。あんまり素直なのはキャラじゃないんだから、言わせないでよね」

ベッドに座ろうと伸ばした上条の手に、そっと吹寄の手が添えられた。
夜は、これからだ。
二人のどちらもが、その夜に起こる出来事に、思いをはせていた。
153 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/04/26(木) 21:49:47.43 ID:k7xfnbbbo
吹寄さん段々覚悟を決めはじめましたね。続きはまた。
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/26(木) 22:13:34.35 ID:/4qAW/OIO
わっふるわっ・・・え?おあずけ?


なんかドキドキするね。いいね。
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/26(木) 22:42:14.97 ID:Bc3QcehSO
覚悟って何ぞ

最後までいたすことの覚悟なら、夜に当麻を呼び込んだ時点で決めてるはずだし
やっぱ変態プレイを受け入れる覚悟だよな…

初めてなのに可哀想に
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/04/26(木) 23:17:09.37 ID:cJdYRvcpo
幻想をぶち壊される覚悟
157 :rindou [sage]:2012/04/29(日) 01:04:15.54 ID:q9MFeXg+0
膜を破られる覚悟
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/05/02(水) 23:50:25.88 ID:3ZmoR308o
あーうー

上条さんマジホスト

イケメンというかホスト


この、恋愛に免疫ない吹寄さんになにをするだーゆるさん!


ええ、心の襞を一枚ずつめくる上条さんにきたいです!
159 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [sage saga]:2012/05/05(土) 12:51:33.21 ID:3zAMMc1ko

「なあ、制理」
「何?」
「俺も、上脱いだほうがいいか?」
「え、どうして?」

別に脱いでもらっても脱がないでもらっても、吹寄はどっちでもいいくらいに思っているのだが。
照れくさいというか、気はずかしいという感じで上条がそっぽをむいた。

「いや、俺も脱いだほうが、もっとダイレクトに肌の感触が感じられるかな、と」
「……」

その一言がなんだか恥ずかしくて、吹寄は何も返せなかった。
なんだか上条の恥ずかしさが移ったみたいだった。いつもは自分が恥ずかしがらせられるだけなのに。
でも、その提案は、悪くない。

「じゃあ、脱いで」
「お、おう。……分かった」

変な間がが挟まって、吹寄はそのまま上条が服を脱ぐのを見守った。
自分と違って男の上条は、別に上半身を晒すくらいどうってことはないだろう。
なのに気恥ずかしがるのが少し可愛らしかった。
でも。

「あ……」

カーテン越しに差す夜の光が、逆光になって上条の体のラインを浮き彫りにした。
自分とは違う、男の人の描く硬い感じの曲線。だけど別にどうというほどのことはないと思う。
上条の上半身は、雑誌で見るような肉体美というわけではない。
年頃の、どちらかというと痩せぎすな男子の体つきなのだろう。
だけど。

「あんまり見るなよ」

初めてなのだ。
ベッドの上で、恋人の体を見るのは。

「どうして?」
「恥ずかしいだろ」
「そんなの。いつもあたしの方が恥ずかしい思いしてるじゃない」
「制理は恥ずかしがる必要、ないだろ」
「え?」
「とんでもなく、綺麗だし」
「っ……! 馬鹿。別に、そんなことない」
「たぶん制理は、胸のサイズとか気になってるんだと思うけどさ、気に病む理由なんてねえよ。
 やばいぐらい、綺麗だしさ。そういう意味じゃ俺の方は鍛えてるわけじゃないし、ちょっとな」
「そんなことないよ」
「制理?」
「当麻の裸見て、あたしもドキドキしてる……。それに、ダメだとか、そんなことちっとも思わないわよ」
「そうかな」
「そうよ」

160 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [sage saga]:2012/05/05(土) 12:52:58.81 ID:3zAMMc1ko

十分に及第点だろう。別に筋肉質な彼氏を求めてるわけじゃないし。
そういうところよりは、自分を大切にしてくれるかどうか、一緒にいて幸せかどうかの方が、よっぽど大切だ。

「じゃあ、抱きしめていいか?」
「うん……」

そのお伺いに、ドキンと激しく、胸が脈打った。
今からその素肌で触られるのだと思うと、頭がどうにかなりそうだ。
ベッドに腰掛けた吹寄に、そっと上条がキスをした。そして、肩を優しく押して、吹寄を押し倒した。
そしてその隣に自分の体を倒れ込ませて、上条はぎゅっと、吹き寄せを抱きしめた。

「うわ……」
「はぁぁぁ……ぁぁぁ」

深い溜息を吹寄が付いた。
だって、びっくりするくらい気持ちが良かったから。
別に体の特別なところを触られたわけじゃない。いつも通りに、ただ抱きしめられただけなのに。

「すげ……。制理の体、めちゃくちゃ柔らかい」

触れるとどことなくひんやりとしていて、だけど密着させるとする暖かくなる。
服を着たまま抱きしめ合うのと、裸で抱きしめ合うのは、全く意味が違うのだ。
それをはっきりと、二人は実感していた。
互いに絡まり合い、沈み込み合うような、そんな感覚。
体だけじゃなくて心まで深くつながったような感覚に、没頭していく。
相手の体を触ることしか考えられなくなる。
もっと触れ合う面積を増やしたい。擦り、撫であげたい。

「当麻の体は、安心するよ」
「え?」
「落ち着く……」

不思議な感触だった。質感としては硬い感触がする。皮下脂肪の量の違いなのだろう。
だけどそういう所よりも、大きい、という感じがするのだ。
上条自身は大きいほうではないし、自分も小さい方ではないので差はそんなにないのだが、
大きな手のひらに包まれるように撫でられるのが、ひどく安心感を誘うのだった。

「胸とか触っても、落ち着くのか?」
「それは……でもそうかも」
「え?」

知らない誰かに胸を触られたって気持ちよくはならない。
つまりは、上条が与えてくれる大きな安心感が背景にあるから、気持ちいいのだ。
もちろんそんなことは口に出せなくて、かわりに吹寄は胸を押し付けるようにぎゅっと上条にしがみついた。

「もっと、いろいろしていいか?」
「いいよ。何でもしていいよ」
「なんでも、って」
「あたしが嫌なことはしないって言ってくれたから」
「制理」
161 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [sage saga]:2012/05/05(土) 12:54:21.73 ID:3zAMMc1ko

やばい、と上条は思った。
喜ばせようと思っていってくれたであろう吹寄の言葉が、可愛すぎた。
言葉通りに何でもしたくなる自分の中の欲求を沈めるのに、上条は必死だった。

「あんまりそういうこと言うと、本気で何でもしたくなる」
「嫌いに、なるわよ?」
「なれるのか?」
「馬鹿。そういうこと聞かないでよ。なれるわけないから」
「馬鹿は制理の方だろ。あんまり可愛いこと言うな」
「えっ? あっ……!」

上条はたまらなくなって、吹寄の乳房にむしゃぶりついた。

「はぁん! ちょ、っと急」
「制理が悪い」
「んっ、あ、あ、ぁん!」

もう充分攻めた後だったから、少し上条は歯を立てながら吸い上げる。

「ぃ、ぁぁぁああん!」

胸のいじめ方なら、もう心得たものだ。
初めて乳房を攻めるタイミングは敏感だから優しく責める。
だけど、こうやって気分が高まってくると淡い痛みを伴うくらいの方が、吹寄は悦ぶのだった。
体を触れ合わせ、髪を撫でながら乳首を噛むと、いい声で吹寄は鳴いた。
こちらにぎゅっとしがみついてくるその手の必死さが愛おしい。

「可愛いよ、制理」
「嬉しい」
「気持ちよさそうな顔してる」
「そ、んなのっ! 当麻が悪いの……っ! あっ!」

そのままの勢いで、上条は吹寄の首筋にキスをした。
はじめてのことだったから勝手が分からないが、のろのろと舌を滑らせるようにして舐め上げていく。

「あっ、あっ、ふぁぁ」

刺激が弱いせいだろうか、今度は吹寄の体が弛緩した。

「あは、っ、ちょっとくすぐったいよ……」
「気持ちよくないか?」
「そうじゃないけど、その、っっ」

拒否はしていないのだが、上条の束縛から逃れるように吹寄の体がくねる。
それが面白くて、もっと執拗に上条は攻める。
逃げる吹寄の手を払い、捕まえる。どこかそれは動物が獲物を屈服させる姿に似ていた。
だが絡め取られる側の吹寄も、嫌がっている封ではない。
責められているのを喜んでいるようなそんなところがあった。

「あ、はぁん、こんな格好……」
「どんな格好だ?」
「馬鹿、馬鹿ぁ……」

162 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [sage saga]:2012/05/05(土) 12:56:02.22 ID:3zAMMc1ko

いつの間にか上条は後ろから吹寄を攻めていた。
逃げるための腕が上条に拘束されているせいで、頬をベッドに押し付ける格好になっている。
そうやって逃げられない吹寄の首元から耳にかけてを執拗に吸い、舐め上げる。
そして気が付けば、吹寄のふっくらとしたお尻が、見せつけるようにきゅっとくびれていた。
それは、後ろから突き貫かれるその体位そのままの姿勢だった。

「お尻、可愛いな」
「あっ、触っちゃ」
「ダメか? 今まで、嫌がったことないだろ」
「だけど……っ」

だって今の姿勢は、ただ触られやすい位置に尻があるだけじゃない。
一番隠すべき、体の奥の奥が、見えやすくて、触りやすい姿勢なのだ。
だからたとえまだ下着と、パジャマの下を履いていても恥ずかしいのは間違いなかった。

「あんまり聞き分け悪いと、触っちまうぞ?」
「えっ? そ、そんなの、聞いてないよ」

いつも上条に触られている肉付きのいい部分から、上条の手がもっと下へと滑っていく
太ももと太ももの間にある、隙間の方へ。

「駄目……だよ」
「なんで?」
「なんで、って。だって」
「濡れてるから?」
「っ?! そ、そういうわけじゃない!」
「でも、結構やばいことになってるだろ」
「知らない」

図星だ。自分だって確かめたわけじゃないけれど、下半身がきゅっとなるような感覚はもう何度も感じた。
きっとまた、洗わないといけないくらいには汚してしまっているだろう。

「触って確かめたら、嫌か?」
「や、だよ。恥ずかしいもの」
「なんで恥ずかしいんだ? 普通のことだろ?」
「知らない……」
「知らないってなんだよ」
「知らないの……駄目、耳元で囁くの、っ!」

絶対に、分かってやっている。
声にたっぷりと息を含ませるようにして、耳のすぐそばで上条は囁くのだ。
時々舐めてくるし、ひどいときは甘噛みさえしてくる。
あまりに上条が近すぎて、吹寄はクラクラしてしまう。

「制理、可愛いよ」
「嬉しいけど、だめ」
「分かった、じゃあもうちょっとしてから、な?」
「え? 違う、そうじゃなくて……ぁ」

上条が、無理な体勢だった吹寄を抱き起こしてくれた。
そして二人でベッドに座り、後ろから上条に抱きしめられる形になった。
乱れた髪を、上条が梳いてくれる。
それが気持ちいいからと身を任せていたら、体の前面から髪が取り払われてしまった。

「あ」
163 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [sage saga]:2012/05/05(土) 12:57:51.14 ID:3zAMMc1ko

それで意図が分かってしまった。ぎゅっと、太ももを閉じるようにしてこすり合わせる。
いまから、あれをされてしまうのだ。もう二回くらいやったから、吹寄はこのあとの展開には予想がついていた。
後ろから抱きしめられ、髪を優しくどけられたために、今、吹寄の乳房は両方とも、薄明かりのもとにさらされている。

「当麻……」
「何されるか、わかったみたいだな」
「だ、だって。この姿勢って」
「別に後ろから抱きしめてるだけだろ?」
「だけど」
「まあ、当たりなんだけどさ。ほら、唾、貯めるぞ」

くいと首を上条の方に向けさせられ、吹寄は強引にくちづけられた。
そして舌と舌が絡んだかと思うと、上条の唾液が口に注がれる。
吹寄はそれを飲み込まなかった。自分の口の中でも湧き出した唾液と一緒に、口の中に貯めていく。
二三度それを繰り返すと、あっという間に口の中が二人の唾液で一杯になった。

「じゃ、指に塗ってくれよ」
「……」
「言いたいことがあるんなら、言ってくれ」
「んーっ!」

出来る訳がないのを承知でそういう当麻に恨みがましい目線を返す。
だけど、逆らったりはしなかった。

手のひらを開いてかざされた上条の右手の指の一本一本に、吹寄は口の中の唾液を舌で塗りたくっていった。
なんだかんだ言って、吹寄はこの行為が嫌いではなかった。
舐めながら、しょっぱい感じがするのすら愛おしい。
ほとんどは何かをしてもらう立場の吹き寄せができる、数少ないお返しのひとつだから。

「ん、ふ――」
「こんなもんか? じゃあ左手もな」

こくんと頷いて、上条のいいつけに従う。
右手が乾かないうちにと、少し急いだ。

「よし。なあ制理、期待してるか?」
「知らない」
「でもこれ、滅茶苦茶好きだろ?」
「馬鹿!」

上条の言ったことは、本当だ。
たまらないくらい気持ちよくて、そのせいでこれをされると一番声が出てしまうのだ。
だからもう、既に期待でおかしくなりそうだ。乳首が、触られてもいないのに少し固くなり始めている。

「してください、は?」
「言わない」
「言ってくれよ」
「言えないよ……恥ずかしくて、死にそう」
「じゃあ今回はいいか。な、制理」
「ん?」
「愛してる」
「あたしも、愛してる」
「だからさ」
「当麻?」

そこで言葉を区切った意味を図りかねて、吹寄は上条を呼んだ。
だがそれは吹寄に隙を作るためのフェイントでしかなかった。
上条の声に耳を澄ませた吹寄の乳房に、上条は不意打ちを食らわせた。
164 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [sage saga]:2012/05/05(土) 12:59:54.43 ID:3zAMMc1ko

「あっ、あ……! ふあぁぁぁぁぁん!!! ちょ、っぁん! はぁん!」

ギターの弦を弾くように、とでも言ったらいいだろうか。
両手の、そして五本の指を使って上条は吹寄の乳首を執拗に弾いていく。
払い終わった指は戻り際に乳首の周りを滑るように攻めながら戻る。
ローションがわりにたっぷりと唾液を塗ってあるから、力強いその行為が吹寄に痛みを与えることはない。

「だめぇ、ぁんっ! おかしくなるから、だめ、だめ」

あまりに攻めが濃いせいで、吹寄の理性が半分くらい吹き飛んでしまうのだ。
下半身がくねり、安定を求めて指がシーツを這う。
抱きとめた上条の体から離れようとする吹寄を押さえ込み、上条は塗った唾液が乾いてしまうまで、ずっと吹寄の乳首を攻め続ける。

「やだぁ……! もう、だめ! はぁぁん!」

苦しそうに吹寄が息をつく。それに合わせるように、上条も荒い息を吹き寄せの耳元で付く。
結構上条にとっても重労働なのだ。もちろん、それに見合うだけの見返りがあるから構わないのだが。

「とうま、とうまぁ……! ぁぁぁ! い、っ……!!!」

びくん! と吹寄の体が跳ねた。
穏やかなままに吹寄が受け取れる快感よりも強いものを与えたときには、決まってこうなるのだ。

「乱れてる制理を見るのって、なんか満たされるよな」
「……ぇ?」
「可愛いよ、制理」

暴れたせいで、もうパジャマのズボンも少し脱げかけだ。
身に付けている下着がちらりと覗いている。

「ごめんね」
「え?」
「あたしばっか、してもらってるよね」
「まあそうだけど、でもこういうのってそういうもんじゃないのか?」
「……当麻がそう言うなら、そうかもしれないけど」
「まあ、お返ししてもらう方法がないわけじゃないけど」
「え?」
「まだ制理には早いだろ。……なんのこと言ってるか、その、わかるか?」

女性が男性に尽くす、性的な方法。
もちろん体でつながるというのもその方法の一つだろう。
だけど、もっと女性の側が主体的な行為を、上条は示唆していた。
……そして別に、吹寄とて何も知らない初な少女ではない。
体験したことははじめての恋人に誓って一度もないけれど、だけど、知識としては知っている。
上条の体を、吹寄が舐め上げるのだ。それも、上条の、一番自分の体とは似ていない、その部分を。
165 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [sage saga]:2012/05/05(土) 13:01:06.95 ID:3zAMMc1ko

「……あたし」
「いや、別に気にしてくれなくていいんだ。段階をきちんと踏むべきだし、
 こういうので、変に負い目とか感じなくていいんだからな?」
「うん……」

吹寄だって、まだ自分の下着を脱いだことはないのだ。上条に、そこを見せたことはない。
そういうことに正しい順序なんてものがあるのかはわからないけれど、
確かに吹寄も、自分が裸を晒してから、全てを上条にあずけてから、
そのあとに、そういう行為はするものだと感じていた。

「当麻は、何かして欲しいこととか、ない?」
「え?」
「い、今言ったの以外で」
「と言われてもなあ」

別に、自分が吹寄にやっているような感じに責められたいとはあんまり思わない上条だった。

「あたしに何かされるのって、嫌?」
「別に嫌なことはないと思う。けど、あんまりして欲しいと思うことって思い浮かばなくてさ」
「そっか……」

お返しをしたいと健気に思っている吹寄を見て、そのいじらしさに上条は当てられてしまった。

「じゃあ、なんでもいいからやってみてくれよ」
「……なんでも、って」
「本当になんでもいいから。そうやって、尽くしてくれるってなんか男冥利に尽きるし」
「う、うん。わかった」

そういえば、自分の彼女は世話焼きなほうだった。だからなのだろうか。
色々と教えてやれば、してくれるのかもしれない。
例えばその胸で、とか。

「じゃ、じゃあ、横になって」
「おう」

いつも可愛がってもらっている自分みたいに、上条がベッドに仰向けになった。
どうしたらいいだろう? どんなふうにしたら当麻は喜んでくれるだろう?
それに、はっきりした答えを持っているわけではない。
だけど、喜んで欲しかった。だから、意を決する。
ちょっと強引だと思いながらも、吹寄はそっと上条に絡みつくように、肌を重ねた。

166 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [sage saga]:2012/05/05(土) 13:03:07.52 ID:3zAMMc1ko
今回はここまで。ふう。
GW皆さんいかがお過ごしでしょうか。
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2012/05/05(土) 13:20:50.89 ID:ynkPrPNZo
相変わらず仕事です。
休憩中にニハニハしながら読んでますww
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/05/05(土) 13:25:04.72 ID:9g+zz8g0o
>>166
投下乙です!
相変わらずいいところで寸止めしてくださりやがりますね
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/07(月) 16:11:15.94 ID:rr0dOqcSO
フッキーは何をするつもりだろうか…
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/05/23(水) 00:15:58.71 ID:6JhQ7JXAO
舞ってるよー
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/27(日) 03:07:03.89 ID:XgWw+fbIO
投下オナシャス!
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/28(月) 22:07:51.83 ID:RQgV+P7Vo
20日以上空いたのか
173 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/05/31(木) 01:12:26.82 ID:tM9hy8Azo
すまん。頑張って続き書きます。
生存報告だけでごめん。
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/09(土) 11:45:31.87 ID:+GPV5vySO
色々渇いてきました
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/06/10(日) 13:59:57.35 ID:IX3NVZUk0
待ってる
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/10(日) 21:55:34.60 ID:9SJq/n2Yo
一ヶ月空いたのかww待ち望みすぎだろ俺www
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/11(月) 17:32:47.06 ID:tnpGh+Oc0
わくわく!!わくわく!!

待ち望んでるっていう点では176さんのことを待ちすぎ、とはいえないなー、俺はwwww
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/14(木) 14:31:51.49 ID:4l021RB70
健気に待ち続けますよ
179 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/06/14(木) 23:21:56.60 ID:9d5KJ+dqo

吹寄に見下ろされながら、上条は手を出さず、吹寄の行動を待つ。
しかし、一体どういうことをしてくれるのだろうか。上条には想像できなかった。
別に何処を舐めてくれても触ってくれても困ることはないが、だからこそ、
吹寄がどういうことをしたいと思っているか想像が出来なかった。

「じゃあ……するね?」
「ん」

吹寄は意を決して、上条にそう告げた。
正直に言うと、吹寄にも何かプランがあったかというとそんなことはなかった。
ただ勢いで、何かしてあげたいと思ったというのが真相だ。
だから、上条にばれないように、心の奥で必死にアレコレ考えていた。
……どうしたら、当麻は喜んでくれるかな。
男の人の体のことなんて、吹寄には分からなかった。どんなところが気持ちいいか、なんて。
正直に言えば、おそらく悦んでもらえるであろう部位がどこかくらいは吹寄も心得ているが、
そこに手を出すのは、破廉恥な気がして、怖かった。
慣れているだとか、そんな風に思われるのは嫌だから。

「こういうの、気持ちいい、かな?」

だから結局出来たのは、自分が気持ち良いと思うことを、お返しすることだった。
そっと、吹寄は上条の上に覆いかぶさり、可能な限り肌を上条に密着させた。
そして手で、上条の髪にたっぷりと触れて、優しく撫でてみた。

「重くない……?」
「全然。ってか、無理に自分で支えなくていいから」
「べ、別にそんなことしてないわよ」

図星だった。だって、やっぱり体重がモロバレになるこの体勢で全てを恋人に預けるのはちょっとためらいがある。

「その、どう?」
「気持ちいい。特に制理の胸が」
「ば、馬鹿。胸だけ?」
「胸だけじゃないけど、やっぱ、制理の胸は格別だと思う」

上条の胸板の上で、吹寄の乳房が潰れていた。
密着面積が大きくて、そして肌の感覚で尖った乳首がどこにあるのかが、なんとなく分かる。

「それと、お尻が触りやすいのもアリだな」
「えっ?」

上条はこの体勢なら、自分を支えなくていい。
だから、思う存分両手で、吹寄のお尻を撫でられる。
その吹寄のお尻が、自分の下半身の真上にあるのだから、それは尚更触りたくなるものだった。
服を脱いでいれば、二人の体の大切なところが、そのままつながるような位置にあるから。

「ちょっ、と。当麻……」
180 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/06/14(木) 23:22:44.56 ID:9d5KJ+dqo

自分で選んだ体位だけれど、吹寄は戸惑いを隠せなかった。
だって、しっかりと突き出したお尻を、こんなにも上条に撫で回されるなんて考えていなかった。
それに、自分が主体的にしてあげたことよりも、単に突き出たお尻のほうが喜ばれるのは、なんだか嬉しくない。

「撫でてあげたりとかって、あんまり気持ちよくないのかな……?」
「え? んー……」
「ごめん。当麻にどうしたら喜んでもらえるか、あたし全然分かってない」
「せ、制理。別にそんなの気にしなくても」
「うん……」

でも、なんだかそれは申し訳ないのだ。
こんなにも上条は自分を安心させてくれる、幸せにしてくれる。そして気持ちよくしてくれる。
それに対して、同じような嬉しさを返してあげたいと、吹寄は思うのだった。
吹寄が思う以上に、吹寄が乱れるのを見つめるのが上条にとって満足感をもたらすものだということを、吹寄は分からなかった。
そして女性が感じるほどの快感を男性は覚えることが難しいということも、実感としては分かり難かった。

「何か、あたしにしてあげられること、ないかな……?」

そう尋ねるのが下策と分かっていながら、吹寄は聞かずにはいられなかった。
悔しそうな顔の吹寄を見上げて、上条も申し訳なくなった。喜んであげられないというのも、彼氏として悪い気がする。

「じゃあさ」
「え?」
「大好き、って言ってからキスしてくれよ」

なんだかんだでそういうのが一番嬉しい気がした故の提案だった。
それに、たぶん吹寄は恥ずかしがるだろうから、それを眺めるのは楽しそうだと思ったのも理由だった。
案の定、少し困った顔で、吹寄がこちらを見た。

「キ、キスでいいの?」
「ああ。だけど、適当なのじゃなくて、こう、気持ちたっぷりのっけて」
「……」
「それは嫌か?」
「そんなことない!」
「じゃあ、してくれよ」
「うん」

キスなんて、安い願いだと思う。吹寄としては、躊躇うことなくしてあげたいと思ってはいた。
ただちょっと、恥ずかしいだけだ。もう上半身には布一つ纏っていなくて、しかも下半身は、横たわった上条に馬乗りになっている。
そんな体勢から、自分でかがんで、上条に口付けに行くのが、たまらなくドキドキするだけだ。
恥ずかしいけれど、少なくとも嫌だなんて欠片ほどにも感じていない。

「と、当麻」
「ん」
「大好き……」

上条の頬に手を添える。もう片方の手で体を支えながら、少しずつ体を倒していく。
いくらか倒したところで、かがんだことで大きさが一回り豊かに見えるバストが上条の胸板に触れ、やわやわとその形を潰した。
そしてそのまま顔を上条の顔に近づける。唇と唇の距離は、もう10センチくらいだった。
181 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/06/14(木) 23:23:20.16 ID:9d5KJ+dqo

「当麻、するね」

そっと目を閉じて、上条の息遣いを探る。それを手繰りに吹寄は唇をそっと重ねに行った。
だけど。

「待った」
「えっ?」

恥ずかしさを我慢して頑張っている吹寄を、上条が素っ気無い言葉で静止した。
突然のことに混乱する。何か、駄目なことをしただろうか。嫌な思いをさせただろうか。

「制理さ」
「うん」
「目、瞑ってただろ? ちゃんとあけててくれないとさ」
「えっ? あ、ごめん」
「んじゃもっかいよろしく」

文句を言われた意味を理解して、吹寄は申し訳なくなった。
……良く考えれば。そんな風に感じる必要なんて露ほどもないのに。
そうやって、上条に躾られていることに吹寄は気付いていなかった。

「じゃあ、その。……当麻。大好きだよ

唇を近づけようとして、吹寄は至近距離でぶつかった上条の視線に、心臓を高鳴らせた。
別に初めてじゃない。唾液がこぼれるくらいディープキスをした後なんて、上条に瞳を覗き込まれるのがむしろ好きなくらいだ。
だけど、自分から上条の瞳を見つめに行くのは初めてだ。
ほんの少しの違いのはずなのに、その少しの不慣れさが、吹寄をドキドキさせる。

「ん……」

くちゅ、と唇同士が触れ合った。目を見れば、上条がそれで満足していないのが分かったから、自然とそのキスはすぐに深くなっていく。
初めに吹寄が出来たのは、少し唇がめくれるくらいのキスだけだった。
だけど、そうやって触れ合わせていると、上条の舌がノックをするように少しだけ吹寄の舌を舐めた。
それが催促だと言うことは、すぐに分かった。そういうキスのコミュニケーションは、これまでだって沢山してきたから。

「ん、ん」

舌を口の中から差し出すと、上条は口を開いて、吹寄を受け入れてくれた。
だけど、向こうから舌を出してくれることはない。
恥ずかしがる吹寄に、普段上条がしているように、きっと今は自分から舌でまさぐらないといけないのだろう。
おずおずと、舌で上条の口の中を探索する。
舌でこわごわと犬歯をなぞったり、できる限り舌を差し入れて、奥歯に近いところを撫でてみる。
頑張って探したら、ざらりとした舌の感触を見つけることが出来た。

「ん……」
182 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/06/14(木) 23:24:06.21 ID:9d5KJ+dqo

さわさわと頭を撫でられた。それが、やけに嬉しい。
合格、ということなのだろうか。
急に上条が休めていた手で、髪と、そして背中も撫で始めてくれた。
嬉しくて、キスに夢中になる。

「ほうま、らいすき……」

キスしているから、うまく喋れない。だけど言わずにはいられなかった。
だって上条のことが大好きだから。もっとキスしたいから、撫でて欲しいから。
上条は何も言わず、ただより大きく、吹寄の体を撫でてくれた。
そして。

「制理」
「あ……」

頃合を見計らって、上条がそっとキスを静止した。
吹寄はそれが名残惜しかった。一時間くらい、キスしていたかったのに。

「今の、すげー良かった」
「嬉しい。当麻が喜んでくれるのって、嬉しい」
「だけどさ」
「えっ?」
「いや、何だ。これじゃ物足りなくなってきた」

上条が不意に撫でていた髪を軽く押して、口付けを強引に促した。
そして吹寄を抱きしめたまま、ぐるりと反転する。
上下が逆転して、また上条が、吹寄を上から覗き込む姿勢になった。

「さっき、まだ早いかもって言ったけど、制理に、して欲しい」
「あ……」

それで、自分が何をせがまれたのかを悟った。
そして、何故上条が、マウントポジションを取ったのかを、心のどこかで理解した。
動物みたいだけれど、それは支配する側とされる側の立場を、体で心に分からせるやり方なのだ。
暴力は振るわない。だけど、この姿勢で上条に懇願されると、抗えないような気持ちにさせられる。

「でも……その」
「恥ずかしいってのは、わかる」
「うん……」
183 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/06/14(木) 23:25:31.47 ID:9d5KJ+dqo

躊躇う吹寄の顔を見ながら、上条は残り少ない理性で必死に「プロセスを経ること」に思考をめぐらせる。
ステップを踏まないと、こういうのはうまく行かないのだと思う。
欲望に負けて強引にすると、決まって吹寄は不服そうな顔をする。
とは言いながら、今日はいい感じだろう。してあげたいとは思っている、と言う感じがするから。
だから、上条は、こう提案する。

「先に、俺が制理の体を舐めるから」
「えっ?」
「胸だけじゃなくて、全部」
「え、えっ?」
「今まで見せてくれなかったところも全部、舐めるから」
「と、当麻?」
「だからお返し、してくれよ」

無茶苦茶な、提案だった。吹寄は混乱した頭で考える。
これの何処に、自分にとってのメリットとデメリットの取引があるのだろう。
全部、自分が恥ずかしいことを我慢するばっかりな気がする。
冷静なら、きっとそう言い返しただろう。
だけど今は、吹寄もどこか夜の空気に中てられていた。

「……ヘンなことは、しない?」
「変ってなんだよ」
「変なことは、変なことよ」
「んー、今言った以外のことはしない」
「……」
「ほら、いいかどうか、ちゃんと返事してくれよ」

くにゅりと上条が吹寄の乳房を揉んだ。柔らかい快感が脳裏に広がる。
それに被せるように、上条が目で催促してくる。

「嫌なことは、しないでよね」
「何度でも約束する。制理が本気で嫌なことは絶対にしない」

それなら。……当麻のことは信じているから、いい、かな。
それは半分、自分に言い聞かせる言葉ではあった。

「いいか?」
「……うん」
「制理」
「当麻」
「愛してる」
「うん、あたしもだよ」
「だから」

優しい上条の微笑みに、精一杯の愛を込めて微笑みを返す。
だというのに、それを見届けた上条の顔が、いたずらっぽい顔に変わって。

「可愛い声、聞かせてくれよ」

そう耳元で囁いて、首筋を舐め上げた。
184 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/06/14(木) 23:27:22.25 ID:9d5KJ+dqo
久々でごめんよー。次回あたりから18禁はじまりそう。
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/06/15(金) 01:08:30.99 ID:D997FbVQo
実に素晴らしい
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/15(金) 01:13:08.57 ID:DGMAyvmKo
きたか…!!

  ( ゚д゚) ガタッ
  /   ヾ
__L| / ̄ ̄ ̄/_
  \/   /
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/06/15(金) 01:41:38.58 ID:B0rDZ1C00
あれ?おかしいな
俺の体の吹寄と似てない部分がなんかムズムズするぞ
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/15(金) 10:13:24.34 ID:oy4CDUoAo
来たか……
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/06/17(日) 03:01:07.19 ID:jvivL5K7o
相変わらずの焦らしの上手さ
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/17(日) 19:14:30.94 ID:ASJr9FkG0
nubewoさん更新お疲れさまです。
上条さんは言うことやることエロすぎですね。
末恐ろしいことに、今回も終始上条ペースで事が運びましたね。吹寄も、もう少し頑張ってほしいところです。
まー恐ろしい交換条件を出しますね、上条さん。尽くすとなめるという点では同じですけれどw。
更新、大変かとは思いますが頑張ってください。
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/07/04(水) 02:25:08.05 ID:1rytE+kDO
最高すぎる
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 07:00:29.43 ID:npeqf8vd0
うんこ
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 10:43:25.09 ID:rfzDE/zDO
そういやまだ18禁ではなかったんだっけ
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 11:10:00.71 ID:CGJCbUCs0
そろそろ18禁かな
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/04(水) 17:21:56.90 ID:MNRvQW3o0
随分前の話になるが、やっぱりガチ条さんじゃないとだめな気がする
ミニだとないとは分かっていてもN(ry の香りが……
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 20:18:54.61 ID:YQJ0QJFdo
追いついた。乙
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/10(火) 19:35:18.48 ID:aH/C8lSX0
まだかな
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 14:01:23.64 ID:kmmahEuDO
そげぶさんがペロリストになってるな
199 :rindou [sage]:2012/07/11(水) 21:59:36.76 ID:iUkQ3HL20
hayoooooooooo
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/17(火) 00:26:33.74 ID:RZK8VJyM0
マダカナー
201 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/07/20(金) 02:06:58.80 ID:TsAdGg1Eo

「はんっ……あ、っ!」

思わず、吹寄は息を呑んだ。上条が太ももの内側を撫ぜたからだった。
場所で言えば、それははじめての経験じゃなかった。
しかもまだ、パジャマの上からだ。だから警戒するほどのことじゃないのに。

「とう、ま」

上条の手つきが、いつもとほんの少しだけ違っていた。
違いなんて、分かるようで分からない。もしかしたら吹寄自身の勘違いなのかもしれない。
だけどそう自分を納得させることが出来なかった。
これから、もっとすごいことをされるのだと、そう予感させるような力強いストロークだった。

「制理」
「……うん」

名前だけを呼んで、上条がキスをした。
絡み合った目線の外で、上条の指が、吹寄のおなかの辺りに這い寄っていた。

「とりあえずパジャマ、脱がせるから」
「うん。……ん」

もう一度キスされた。その間にも、上条の指は吹寄のおへその下、パジャマの淵の辺りへ潜り込もうとする。

「ん!」
「ごめん」

故意だろうか、上条が指を入れたのは、下着とパジャマの間じゃなくて、素肌と下着の間だった。
その二つは大違いだ。パジャマなら脱いでもまだ下着が残るけれど、下着ごと脱がされたら、吹寄は本当に裸になってしまう。
遠くないうちに上条はそうする気だろうけれど、まだ、不安だった。
上条の指に、力が込められる。
ずるずるとパジャマが脱げて行く感触が、素肌を伝った。

「制理。腰、上げてくれ」
「……」

どうしよう。
吹寄の頭の中は、上条に従順でありたい気持ちと、不安からそれに抗いたくなる気持ちの、二つだけになっていた。
上条に、下着を見られたことくらいはある。だけど今からはそんなレベルじゃない。
下着を、見せるのだ。隠すものが何もない状態で。さらに言えば、きっと、普通じゃない状態になっている。
もうさんざん、上条に胸を弄ばれた後なのだ。自分の下着がどうなってるかなんて、確かめなくても分かる。
それを、よりによって上条に確認されるなんて。

「っ……!」

吹寄は、のろのろと腰を上げた。
まるでごほうびをくれるように、上条がキスをしてくれる。
だけど長くは続かなかった。上条が、パジャマを足から引き抜くために、体を動かしたせいだった。

「脱げた」
「馬鹿、言わないでよ……」

上条は、むわりと、脱がせたパジャマの下から吹寄の帯びていた熱が立ちこめたのを感じた。
汗で湿ったその熱気は、吹寄の匂いを濃く纏っていた。
その色香の出所がどこかなんて、今更問うまでもない。
脱げたパジャマを無造作にベッドの横に落として、上条は夜明かりにさらされた吹寄の肢体を、目で犯す。
202 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/07/20(金) 02:08:11.08 ID:TsAdGg1Eo

「ちょ、っと。やだ」
「制理。めちゃくちゃ、綺麗だ……」
「嘘」
「嘘じゃねえよ」
「嘘よ。だって、そんなに綺麗じゃないことくらい、わかってるもの」
「つまんないこと言うなよ。ヤバイくらい、感動してるんだぞ、俺」
「えっ……?」
「太ももとか、真っ白で、綺麗な肌でさ」

そしてとんでもなく柔らかそうだ。触りたいような、あるいは食べてしまいたいような衝動にかられる、
そんな上条の様子で、言っているのがお世辞なんかじゃないということを、吹寄の心はじわじわと理解し始めていた。
嬉しい。こんなにも褒めてもらえるなんて、たまらなく嬉しい。だけど、同時に死にたいくらいに恥ずかしい。
そんな気持ちのせいで、顔にどんどんと火照りが集まっていく。恋人の顔を、直視できない。

「恥ずかしいよ」
「制理」
「え?」
「もっと見させてくれ」

断りを入れるつもりなのだろうか、上条が急に頬を撫でて、深いキスをしてきた。

「ん……!」

いつもより強引なキス。それは自分を黙らせるためのような気がした。
事実、キスをされると、つい、強引な手の動きを許してしまう。
上条が髪を撫でていた手をどんどん下にもっていき、容赦なくお尻と太ももを撫でた。

「んんんんっ」

上条に舌を噛まれた。甘噛みだから痛くないけれど、しゃべれなくなる。何も、抗議を出来なくなる。
その状態で、容赦なく上条は下半身をまさぐる。
恥ずかしくて閉じた太ももを強引にこじ開けられる。そして内側を撫で上げられる。
はしたなくて普段なら絶対にしないくらいに足を広げて、隠すべき其処を、晒す。まだ下着を付けていることが救いではあった。

「ん、はっ。当麻、だめ、だよ……」
「駄目なことなんてないだろ、制理。見せてもらうからな」
「えっ?」

警戒して咄嗟にまた閉じようとした太ももを、上条の手で遮られた。
そして体重をかけつつ強引に押し開いて、上条は吹寄の下半身にじっくりと目線を這わせる。

「やっ! 駄目、よ……だめ」
「聞こえないな、制理」
「ああ……」
203 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/07/20(金) 02:09:09.19 ID:TsAdGg1Eo

立ち上る吹寄の濃密な匂いを嗅ぎながら、上条は吹寄らしいポップな下着に目を這わせた。
じっとりとした湿り気でそれはもう随分と拠れていて、吹寄の女性器の輪郭をわずかになぞっていた。

「制理」

いやいやと、ただ吹寄は首を横に振った。上条が恥ずかしがらせるようなことを言おうとしているのをよく理解しているのだろう。
それが読まれているからといって、辞めるつもりはもちろんなかった。

「制理のここ、染みになってる」
「……っ! 言わないで、よぉ」
「ちょっとどころじゃない。かなりベタベタだろ、これ」
「……ぁ」

見られている。どうしようもなく、隠しようもない至近距離で。
太ももに上条の鼻息がかかるのがわかる。その刺激で、また体の奥から何かが溢れてしまった気がする。

「それだけ気持ちよかったってことだよな」
「……」
「俺にいろいろされて、嬉しかったってことだよな?」

確認を取るように、上条が自分の口元に耳を近づけた。
いちいち確認なんて取らなくたって、自分の体は何より雄弁だ。
こんなにはしたなく濡らしておいて、嬉しくなかったなんて嘘、通る訳がない。

「そう、よ」
「ん?」
「当麻の手が、優しいから」

降参だった。素直にこんなことなんて、言えるはずがないと思っていたのに。
言ってしまえば簡単だった。そして、もっとして欲しくなった。

「今日一日で、制理がどんどん可愛くなるな」
「そんなすぐに変わるわけないよ」
「そんなことねえよ。ココも、見せてくれるようになったし」
「っ……」

ぐいと、力を込めて上条が下着に指を触れさせた。
一番大事な、そこからはわずかに上の辺り。布一枚を隔てて、汗に蒸れた吹寄のアンダーヘアが微かに音を立てた。

「濡れてるのがさ、布の色でわかるんだ」
「知らない……」
「足を広げてもらってるから隠すことはできないし、丸分かりなんだよ。
 制理のあそこの辺りだけ、不自然なくらい、何かで濡れてる染みが広がってるんだ」
「馬鹿。言わないでいいわよ」
「自覚はあるのか?」
「知らない!」
204 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/07/20(金) 02:10:08.54 ID:TsAdGg1Eo

死にたいと思うくらい、吹寄は恥ずかしかった。
そして心の中で、諦め始めていた。もっと色々と、されてしまうだろう。そういう実感が湧いてくる。
――当麻にだから、いいかな。
そんな風に吹寄は心の中で、これから起こるかもしれない事に対し、ある程度の覚悟を決めた。

「制理」
「……当麻」
「めくっていいか?」
「え?」
「あ、いや。脱がせたほうがいいのか」
「あの。何をしようとしてるのか、分からないんだけど」

めくると言われても、上条のしようとしていることがさっぱり想像出来なかった。
スカートなんて履いてなかったからめくりようがない。下着をめくるというのは、どういうことだろう。

「少し下着を指でずらして、制理のここ、見ていいかって意味だったんだけど……」
「あ……」

それで、何をしたかったのかを大体悟った。
そして瞬時に、さあっと血が頭に上る。茹で上がっていく。
ついに来てしまったから。隠し立てをする布を一切取り払い、生まれたままを上条に見せる瞬間が。

「いいか? 制理」
「……聞かないで」
「え?」
「嫌だったら、嫌だって言う約束でしょう。それ以外のことは、何をしてもいい、から」

確認を取られて、そのたびに戸惑いと恥ずかしさを感じさせられるよりも、上条のリードに体をゆだねたかった。

「そっか。ごめんな、制理」
「謝らなくていいのに」
「俺も初めてだからさ、やっぱ緊張してて」
「うん……」
「精一杯、優しくするから。愛してる、制理」
「ん――」

起き上がった上条が、キスをしてくれた。
それくらいで不安を取り除ける訳ではないけれど、覚悟は、出来たと思う。
ひと呼吸つくと同時に、上条の指が、下着のクロッチ、膣に触れる布が二重になった部分にもぐりこんだ感触に、吹寄は気がついた。

「あっ……」
「制理」

いくぞ、とかけそうになった声を押しとどめて、上条はそっとそれをめくった。
空いた手で、同時に吹寄の太ももを押し上げる。
寝そべった吹寄の下半身は、ちょうど片膝が持ち上がった状態になっていて、体の奥の奥を、上条に見せつけようとしていた。

ニチ、と湿った音を立てて、吹寄の下着は蜜の溢れる其処からはがれた。
シールをはがすように下着をめくったその奥には、しっとりと女性器が熟れていた。
上条は生まれてはじめて直に見た。それは貝が殻を閉じ合わせたような、複雑な形をした器官だった。
205 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/07/20(金) 02:11:50.37 ID:TsAdGg1Eo

「あぁ……」

ひんやりと、濡れた肌が空気に触れた感触で、吹寄は上条にまじまじと自分の女陰を覗き込まれたことを理解した。
変じゃないだろうか。気持ち悪く思われていないだろうか。あるいは、汚いなんて思われてはいないだろうか。

「すげぇ」
「――ッ!!」

心からの、上条のその本音にきゅっと吹寄の心が縮み上がった。
恥ずかしい。たまらなく、見られているのが恥ずかしい。否定的なニュアンスは感じ取れなかったけれど、まだ不安は消えたりしない。

「これが、制理の」
「言わないで! ばかぁ」

湯気が出そうなくらい、そこは熱そうだった。
濃密な吹寄の匂いがあふれ出していた。ボディソープやシャンプーの匂いと混ざった匂いじゃなくて、吹寄そのものの匂い。
ややもすればそれは芳しい香りとは言いにくいかもしれない。当然だ。体の中から染み出た体液の匂いなのだから。
ただ不快なことはなくて、吹寄制理は女なのだと上条の脳に直接訴えかけるような、そんな匂いだった。

触っていいかと聞こうとして、止めた。聞かないでほしいというのが吹寄の望みだった。
それに、自分は今、手が空いていない。脱がせてから触ったっていいが、億劫だった。
だから上条はほとんど迷わず、空いている自分の口で、吹寄の其処に口付けをした。

ニチュ、と音がする。本能がそうさせたのか、形を見て悟ったのか、上条は閉じあわされた貝殻の下、
つまりはより体の後ろに近いほうから、特別に感じやすいとされる特別な突起があるほうまで、掬い上げるように舐め上げた。

「ひあ、ぁぁぁぁぁぁぁぁんんんんん!!!!」

二人揃って、その声にドキリとなった。
上条は勿論、その声の甘さと大きさと、隠し切れない甘美な歓喜に気付いて。
そして吹寄は、まるで他人みたいに悲鳴を上げた自分の体に驚いて。

「あ、あっ……うそ」
「やべ、可愛い」
「今、何したの……っ!!! ふあぁぁん! なに、なに?! っっ! んんん!」

上条がいきなり舐めたのだとは、どうも分かっていないらしかった。
なのに体は素直に反応して、快感を貪っている。
そんな吹寄の戸惑いがいとおしくて、上条はさらに唾液を絡めて奥まで舌を沈めてみた。

「はぁん、あ、あ。とう、まぁ」

体から力が抜けていくのを、吹寄は感じていた。
いや、正確には違うかもしれない。だって、自分の体は快感に反応して、ピクンと動くから。
だというのに、それを理性でコントロールすることが、どんどん不可能になっていく。
太ももに力を入れて内股を閉じれば、こんなわけの分からない快感に翻弄されたりなんてしないだろうに。
そんな簡単なことも出来なくなりながら、ようやく吹寄は、上条が自分の下半身、排泄器官にも程近い其処に口付けて舐めているらしいと気付き始めていた。

「汚いよ……」
「何が? 制理の体に汚いところなんてねえよ」
「ぁんっ! 馬鹿」

言葉を証明するように、広く女陰を舐め上げる。
コポリと愛液がさらに溢れる。それを舌の上に乗せるように舐め取りながら、さらに上条は吹寄の大切なところにキスを重ねた。
206 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/07/20(金) 02:12:43.99 ID:TsAdGg1Eo
ようやく18禁はいりましたー
しばらく舐めつ舐められです。
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/20(金) 02:27:33.64 ID:IYYpJ8+Do
ああこれはエロいね……エロいよ
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/20(金) 09:54:21.04 ID:hgxVK49Uo
うん、エロいね……
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/20(金) 11:17:48.07 ID:InqtJlVIO
(吐いてる砂糖に血の混じる音)
乙!
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/20(金) 15:38:04.14 ID:iUbDw8Hn0
よかばい
211 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/07/23(月) 11:04:57.51 ID:GBGlseoVo

「吹寄のここ、柔らかい」
「っっ!」

吹寄のヒダの柔らかさは、耳たぶだとかと近いだろうか。だけど吹寄の耳たぶを舐めたときとは、その口当たりはまるで違う。
体の奥深くにしまわれているからか、耳たぶみたいな丸みのある表面じゃなくて、もっと貝類みたいにビラビラとしている。
上条の唾液と、それ以上に分泌されている吹寄自身の体液で艶光りし、縮れた陰毛が張り付いていた。
そんな陰唇全体を口を平いて吸い込み、ピッタリと触れ合った自分の舌と唇で擦ってやる。

「ふあぁぁぁぁぁ」

力が抜けていくような悲鳴を吹寄が漏らす。実際、平衡感覚だとか、そういうものが壊れていくのを吹寄は感じていた。
腰に力が入らない。考えてもいないけれど、きっともう上条から離れて逃げ出すことは出来ない。
与えられた快感のせいで、きっと這いずって動くことすらままならないから。
ぼうっとした頭で上条を探すと、自分の股間に頭を埋めているのが目に入った。
それを、信じられないような気持ちで見つめる。
自分が、普段はおしっこをするために使っている場所を、大好きな恋人が舐めている。
いけないことのはずなのに、信じられないくらい、気持ちいい。

「当麻……」
「気持ちいいか?」
「うん……」
「どれくらい?」
「……おかしくなりそう」
「そりゃ良かった。な、脱がせるから腰、上げてくれ」
「え?」
「あんまりこのままだと下着が伸びそうだし、あと片手で押さえてないといけないから、脱がしたい」
「……わかった」

それは最後に残された一枚の防衛線だった。だがもう中身まで舐められてしまった今となっては、着ている意味もない。
姿勢を変えた上条の気配を察して、少しだけ緊張で体が固まった。
下半身のほうでは、上条が下着の一部をご開帳させていた指を外したところだった。

「う」
「制理?」
「冷た……」
「え?」
「なんでもない。早くして」
「早く、って」

おねだりというよりも、はっきりと現状が不快らしかった。
なんだろうと考えて、すぐに上条は思い当たった。

「ごめん。濡れてた下着が冷えちまってたか」
「っ!! 馬鹿、気付いても言わなくていいわよ」
「すぐ脱がす」

上条がそう言って、横たわる吹寄の上に覆いかぶさった。
その構図に、吹寄は不安と期待が交じり合った気持ちがこみ上げるのを感じた。
見上げた目線が上条の瞳とぶつかる。
すぐに上条は自分の視線に気付いてくれて、優しく笑って髪を撫でてくれた。
212 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/07/23(月) 11:05:39.57 ID:GBGlseoVo

「制理、愛してる」
「あたしも、だよ」

それで、ほっとした。下着を脱がせようとする上条の指を、静かに受け入れる。
自分でやるよりたどたどしい手つきで、腰からお尻にかけて、下着のゴムが滑っていく。
神妙な面持ちの上条を見て、吹寄は少し笑ってしまった。
上条は今更ながらに、吹寄のお尻の柔らかさを感じていただけなのだが。
やがて下着はお尻を抜けて、太ももまでずり下ろされた。
もう、自分の下半身を隠すものは何もない。
思わず吹寄は隣にある掛け布団を手繰り寄せようとして、止めた。
見せるのは恥ずかしいけれど、嫌なわけじゃない。
だけど隠そうとしたら、拒否しているように思われるかもしれない。
そんなことを考えていたら、上条が意地悪そうな顔をしていた。

「もう冷たいの、平気か?」
「っ! そりゃ、当麻が脱がしたんだから平気になったわよ」
「そっか。確かにこれ、すごいことになってるもんな」
「えっ……?」

確かめるように、上条が指で触っていた。
吹寄の体じゃなくて、今脱がせたばかりの下着を。
暗がりだからきっと上条には見えないだろうと信じたい。
透明よりは僅かに黄色がかった、自分の体液がベットリついたそこは。

「ちょ、ちょっと何してるのよ」
「何って。触って確かめてる。やっぱり下着、めちゃくちゃ濡れてたんだな」
「ば、馬鹿。馬鹿! 何処触ってるのよ!」
「何処に触ってもいいだろ? そもそも制理の体に直接触ってるんじゃないし」
「それより悪いわよ」
「なんで?」
「だって、こんなの……っ」

酷い辱めだ。自分が感じていた証拠を押さえて、勝ち誇るみたいに。
抗議のつもりで上条を見上げたら、まだ、意地悪な顔をしていた。

「制理」
「何よ」
「これ見てくれ」
「え?」

上条が人差し指と親指を、吹寄の前にかざした。
くっつけ合わされた二本の指を離すと、つうっと、何かが糸を引いた。
それが、自分の愛液であることを察するのに、さほど時間は要らなかった。

「ちょ、ちょっと! やだっ」
「すんげぇ糸引いてる。これ、汗とかじゃないよな?」
「何言ってるのよ!」
213 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/07/23(月) 11:06:27.85 ID:GBGlseoVo

吹寄はそれ以上見ていられなくて、上条の胸の中に飛び込んだ。
おでこを上条の体にこすりつけるようにして、視界を塞ぐ。
あんなの見たくない。だって、感じていたことくらい、あんなふうになっていたことくらい、自分は知っている。

「見えなくても音で分かるよな」
「やめ、……っ!」

上条の胸に逃げ込んだのは完全に失敗だった。
いつもどおり優しく頭と髪を抱きしめられた。
それだけならよかったのに、そこから、逃げることすら許されず、上条が耳元で、濡れた指を動かした。
耳を塞ぐことも出来ず、ニチニチと粘着質の体液が糸を引く音を聞かされる。

「聞こえてるだろ?」
「聞こえない、わよ。知らない……」
「これ何だ?」
「当麻はもう分かっているでしょうが!」
「さあ。教えてくれよ、制理」
「絶対にやだ」
「ふーん、まあ、制理のここからいくらでも取ってこれるから、まあいいか」

やっぱり分かってるんじゃない、と言い返そうとして、失敗した。
上条の指が、吹寄のそこに絡んだ。

「ひぁん! んっ、ん、ん」

快感が吹寄を縛る。すぐに息が自由に出来なくなって、鳴いてしまう。
胸の中で可愛い声を漏らす吹寄を見て、上条は充足感に満たされた。
結構しっかりと濡れているおかげで、指が三本くらい、すぐに吹寄の漏らしたその蕩みに塗れた。
きっと体の外側だけなら、少しくらい強く触っても大丈夫だろう。
上条は、吹寄の入り口から露を掻きだして、指にさらに塗った。
そして、女性器全体に擦り付けるように、指で強く刺激した。

「――――あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

ビクン! と吹寄の体が跳ねた。
指が落ち着く場所を探してベッドの上を這う。すぐに上条の体を見つけて絡まりに来る。
力強く抱きしめられた。それほどに、気持ちいいのだろう。
気を良くして、上条は指で輪郭をなぞる。
さっきは下着のせいで隠れていたけれど、そういえば、女の子のそこの上のほうには突起があるはずだ。
探していくと、二つに裂けていた割れ目の端、黒々とした毛が生い茂るその手前に確かに何かがあった。
興味本位で、それに触れる。

「いっ! あ!」
214 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/07/23(月) 11:07:12.38 ID:GBGlseoVo

吹寄のリアクションが、明らかにさっきと違っていた。

「痛かったか? ごめん」
「ち、ちがうの。だけど今すごくビリッて」
「ここ、クリトリスってトコだよな?」
「えっ? う、うん、たぶん……」

名称までは吹寄は自信がなかった。
自分で分かるのは、気持ちが高ぶっているときに優しく触ると、気持ちがいいことだけ。
不用意な感じのする上条のタッチは、気持ち良いというよりは刺激が強すぎて怖かった。

「もっと触って欲しいか?」
「き、聞かないでって約束じゃない」
「そりゃ、そうだけどさ」
「……ちょっとだけなら。あと、もっと優しく触ってくれたほうが、嬉しいよ」
「そのほうが気持ちいい?」
「うん。強くしなくても、充分気持ちいいよ。当麻が優しいのが、一番嬉しい」
「そっか。ごめんな、そういうの、わかってなくて」
「いいの」

だって上条も初めてなのだ。
無茶をされるのは怖いけど、きっと大丈夫。
肩の力を上条が抜いたのを確認して、自分も同じように緊張をほぐした。
気持ちよくても、いいんだ。当麻にされてるんだから、そんなことは当たり前なんだ。

「これくらいから気持ちいいか?」
「ふぁ、ん、ん、ん……」

上条がスピードを落として、じっくりとしたストロークで吹寄のそこを擦り始めた。

「はぁぁ……」

そのほうがずっと気持ちいい。もしかしたらリズムの問題で、もっと激しいほうが良いと思うこともあるかもしれない。
でも今はこのペースが良かった。
じわじわ、ゆるゆると自分の体からあふれ出ていくのが分かる。もっと上条の指にそれを絡めて、触って欲しい。
上条も、幸せそうな顔になった吹寄を見て充足感を覚える。そして指先でもう一度突起を探し、その形をよく探る。
包皮をめくるようにしながら、真核に指を当てる。

「あっ……!」
「少し擦ってみる」
「うん、……あっ! あぁぁっ!」

電流のように走り抜ける快感を覚えて、吹寄は背筋を弓なりにそらせる。
覗き込む上条の顔に、申し訳なさが広がった。

「ごめん。やっぱ、ゆっくりでもダメか」
「あ、ちがうの」
「え?」
「嫌なほどじゃないんだけど、ちょっと強くて」
「止めといたほうがいいか?」
「……時々、だけ」
「時々、ちょっとだけ触るのがいいってことか?」
「うん。ごめん、わがままで」
「何言ってんだよ」

空いた手で上条が抱きしめてくれた。
もう片方の手は、まだ吹寄の下半身に触れたままだ。
その指が緩やかに動くたびに、吹寄は脳が蕩けそうになるような快感に浸った。

「ん……あ、は」
「制理。めちゃくちゃ可愛いよ」
「あは」

これまでにも胸を吸わせてきたからだろうか。
初めてなのに、かなり自分がリラックスしていることに吹寄は気付いていた。
215 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/07/23(月) 11:07:48.51 ID:GBGlseoVo
そろそろ上条さんが我慢の限界なんで、次は吹寄さんが頑張る番かな。
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/23(月) 11:35:29.20 ID:biifPcVdo
俺も随分まえから我慢の限界なんだが
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/07/23(月) 18:53:28.00 ID:wbbPQceao
何というエロさ乙!!


今日からまた暑くなるみたいだし、全裸待機余裕だな
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/07/27(金) 01:43:58.87 ID:LiIDsamB0
http://www.dailymotion.com/video/xmm2po_breastmilk-giving-japan-beauty-with-big-nature-boobs_sexy
元はAVの動画なんだろうが、あまりにも淡々としているのでまるで教養動画みたいです
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国) [sage]:2012/07/29(日) 01:52:39.18 ID:H4WTy3SAO
エロすぎ
220 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/08/02(木) 21:49:44.62 ID:DHtpsRmeo

「制理の目、とろんとなってる」
「うん……」

恥じらいすら見せず素直に肯定する吹寄を見て、上条は満足感を覚えていた。
キスをしてやると、嬉しそうな顔をする。
下半身を他の人間に触られたのなんてきっとはじめてだろうに、全幅の信頼を置いてくれるのが嬉しい。

「もっとして欲しい?」
「うん。して欲しいよ……」

緩やかに、しかし絶え間なく体をくねらせながら吹寄がそう答える。
だが、ふと思い出したように蕩けた目に僅かに光を戻し、上条を見つめた。

「ごめん。当麻にも、してあげなきゃだよね」
「え?」
「だって、そういう約束だったし……」
「それはそうだけど、いいのか?」
「当麻はあたしに、して欲しくない?」
「んなわけない。その、嫌じゃないならさ」
「うん。恥ずかしいけど、嫌じゃないよ」

心理的な抵抗は、もうかなり取り払われていた。
振り返ってみると、上条の体に奉仕するより、自分の体を全てさらけ出すことのほうが吹寄にとっては恥ずかしいことだった。
もうそれを済ませた今となっては、嫌われたり、エッチな子だと思われないなら、してもいいかなと思い始めていた。

「っっあ、ん。当麻……指」
「ん?」
「されてたら、あたし動けない」

もう骨抜きにされてしまったから、指で擦られると力がすべて抜けてしまうのだ。
だから止めて欲しくないけど、止めてもらう必要があった。

「そっか、じゃあ一旦おしまいか」
「うん。それじゃ、って、やだ、あ、あ、あっ!」

止めてくれると思ったのに、逆だった。
いきなり上条が胸に吸い付いてきて、同時に指を急に掻き混ぜた。
呼吸が乱れて、苦しい。

「あ、はっ! はん! とう、ま」
「ちょっとだけ苛めたくなったんだ」
「いじめるって、やん、やだ、よ」

吹寄が腰を浮かせてぴくんと反応し、また濃い蜜が溢れた。
その急な刺激に吹寄の体が慣れるまで、上条は一通り体中を責め続けた。
そして吹寄の呼吸を見て、指で刺激を与えるのを少しずつ止めてやった。

「――――っ!! あ、は、はぁ……」

荒い息をつく吹寄を見て、おでこにキスをする。

「じゃあ、次、制理の番な」
「こんなことしてからなんて、酷いわよ」
「制理が可愛いのが悪い」
「当麻が全部悪いの」
221 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/08/02(木) 21:50:45.94 ID:DHtpsRmeo

拗ねた目で見つめる吹寄を、そっと撫でてやった。
怒っているわけじゃないことくらい、当然分かっている。撫でてやったらすぐに吹寄は微笑んだ。

「して、くれるか?」
「うん。あの、上手じゃないと思うし、当麻の嫌なことはしたくないから、ダメだったらすぐに言ってね」
「大丈夫だって。まあ、噛まれない限りは」
「しないわよ。当麻じゃないんだから」

何度乳首に噛みつかれたことか。まあ、甘い痛みだから文句はないけれど。

「あのさ、どうしたらいいの、かな……?」

吹寄の知識の中に、男性の局部に口付けするという前戯があるという知識はあるが、どのような手続きでそれに至るのか、
どんな姿勢でするのか、そういった情報はなかった。

「えっと……じゃあ俺が膝立ちになるから、その前に、こうさ」

説明しながら、上条がベッドの端に膝を付いて体を起こした。
そして、吹寄にキスをしてから、体を四つん這いにするように、手で促した。

「こ、こうかな?」
「いいと思う」

その、あまりにぼやかしようのない刺激的な体勢に、吹寄は戸惑った。
男物の下着を目の前数センチで見たのも初めてだし、しかも、今からこれを脱がして、さらにはもっと、先に行くのだ。

「してもらって、いいか?」

嫌なら無理は言わないぞ、という感じの上条の目を見て、吹寄は腹を括った。
もう、自分は下半身まで舐められたのだ。隅の隅まで見られた。
次は自分が上条に尽くす番だ。喜んで貰えるか分からないけれど、喜んでほしい。幸せを上条にも感じて欲しい。

「変な意味じゃ、ないからね」
「え?」
「当麻に、してあげたいの」

憩いが必要だった。
だから脱がすね、とは確認を取れなくて、上条の腰に手を掛け、すとんと最後の一枚を、ずり下ろした。

「あ……」

驚いたような顔の吹寄を見て、上条は恥ずかしさに悶えそうになった。
この年になって、こんなところをまじまじと見られたことはない。
男同士で風呂に入るのとは訳が違う。

「な、なんだよ」

どんなコメントであっても、自分のそこに対する評価は恥ずかしいものだ。
どんなことを、恋人である吹寄は感じたのだろうか。

「その、これって」
「……制理が可愛いのが悪い」

憮然と上条は答えた。今の答えは完全に正しい。
こんなに可愛い彼女が喘いでるのを見て、勃たないなんて犯罪だ。
軽い驚きをもって「上向き」のそれを見つめる吹寄から、上条は思わず目を逸らした。
222 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/08/02(木) 21:56:19.54 ID:DHtpsRmeo

「当麻も、恥ずかしいの?」
「変か?」
「だってあたしが恥ずかしがったら笑ってたくせに」
「笑ってないって」
「笑ってたわよ」
「んなことない。恥ずかしがる必要なんてないくらい綺麗なのに、自信がないみたいなこと言うから」
「だから、それは当麻も一緒なんでしょう?」

自信があるなら、堂々と見せられるはずだ。

「そうは言うけどさ、これを女の子が見てどう思うのか、予想が付かないんだって」
「あたしだって同じだったわよ。あたしの体見て、当麻がどう思うかなんてわかんなかったもの」
「……どうなんだよ」
「え?」
「俺の見て、どう思ってるんだ?」

そう問われて、吹寄は困った。
上条は自分の秘所を綺麗だと言ってくれたが、上条のそこを綺麗だよと褒めてあげるのはおかしい気がする。
見たこともない形だし、重力に逆らってそそり立っているのがなんだか少し怖いし、自分がどう感じているのかが、良く分からない。
ただ、今から自分がそれに口付けようと考えているのだと気付いて、見たままの感想を口にした。

「大きい、かな」

教科書に載っているギリシャ像のはもっとこじんまりしている。
あれと違って、当麻のは口に収まりそうになかった。

「そんなに大きいことはないとは思うけど、さ」

見れば上条のほうも困惑顔だった。ただ、不愉快そうには見えなかった。
無難な答えを選べたのだろう。

「じゃあ、制理」
「うん」
「ちょっと触ってみてくれよ」

コクリと、吹寄が頷いた。
傷つけないように、恐る恐る、上条のそれに触れた。

「う……」

すこしひんやりとした吹寄の指が、竿に絡まる。
反射的に腰の辺りからぶるりと快感が上に伝わって、上条は落ち着かない気分になった。

「こ、こう?」

さすさすと、指で充血したそこを吹寄が撫で上げる。
勿論気持ちいいけれど、それ以上に、焦らされているような感覚に上条は焦った。
223 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/08/02(木) 21:57:11.65 ID:DHtpsRmeo

「悪くない。つか、気持ちいい」
「本当?」
「ああ。女の子に触ってもらうって不思議な気持ちになるな」

むっとした顔で、吹寄が上条を睨んだ。

「女の子じゃなくて、あたし、でしょ?」
「ごめん。そうだな」

撫でて謝ると、すぐに吹寄は怒りを引っ込めた。

「下の方も、触ってくれるか」
「え? こ、これでいいの?」

上条は動きの鈍かった吹寄の左手を取って、竿の付け根のほうに誘導した。

「かなり丁重に扱ってくれ。ここ、男子の急所だ」
「う、うん。わかった」

握りつぶされたら余裕で失神するだろう。そういうところを、吹寄に預けるのだと今更ながらに理解した。
ふんわりと、その袋の部分に手のひらがあてがわれ、慎重に、柔らかく指で揉まれた。

「すげ……」
「気持ちいいの?」
「ああ。かなり」
「そうなんだ」

嬉しそうに吹寄が笑った。お世辞じゃないのを、表情で読み取られたからかもしれない。
流石に上条も、今感じていることを隠すのは難しかった。
女の子に尽くさせる充足感。そして隠すべきところを全て見せ付けてしまう、開放感に似た何か。
頭の中で欲求が際限なく膨らみ、もっと、吹寄にさせたくなる。

「制理」
「……うん」

上条の、今までとは違うような目に覗き込まれて、瞬時に吹寄はそれを受け入れることを決めた。
だって嬉しかったから。
隠し切れないくらいにストレートに、上条の目が、吹寄の口付けをせがんでいた。

「先っぽのへんさ、こうやって」

竿を握る右手に上条が手を添え、手を下げるように誘導した。
半分くらい覗かせていた頭みたいな部分が、それで全て現れた。
さっきよりも一割くらい、大きくなった気がする。

「嫌ならさ」
「嫌じゃないよ。当麻。あたしが、してあげたいの」

何度も前置きをしてくれる上条にお礼を言うように、吹寄が言葉を被せた。
上条が思わず、理性で抑えた行動を取るのを止めてしまおうかと思うくらい、それは特別な一言だった。

「じゃあ、制理。舐めてくれ」
「うん。駄目だったら言ってね」
「大丈夫だって」

こんなにも性的な行為に挑むのは、生まれて初めてだった。
上条のそそり立つそれに顔を寄せ、じっと見つめる。
きっと、興奮しているからこうなるのだろう。そして興奮しているのは、自分がこんなことをしているからだ。
もっと喜んで欲しいと、吹寄は思った。

「ん――」

ものを食べるときよりもいくらか口を開かないと、それは入りそうになかった。
喜んで欲しいと切に願いながら吹寄は、はむ、と上条のそれを、唇と口でしっかりと含み、咥え込んだ。
224 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/08/02(木) 21:58:10.81 ID:DHtpsRmeo
続きはまた。この切り方はさすがにあざといかwごめん
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/08/02(木) 22:40:10.28 ID:CKgHNGKm0
うん。あざといw


ふぅ
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/03(金) 03:37:41.20 ID:b91KCuki0
性欲を持て余す
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/08/03(金) 16:15:28.84 ID:PinZ6pYwo
あざとさ全開ですなww
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/08/05(日) 03:26:45.79 ID:p1IWAZEF0
ガンバ
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/05(日) 23:12:32.50 ID:p1IWAZEF0
相変わらずの焦らしですね
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/08/06(月) 02:54:24.10 ID:bTeS1f1to
続きはよ!!
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/08/06(月) 15:14:08.46 ID:bTeS1f1to
続きはよ
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/08/22(水) 17:52:26.80 ID:THQJhMS3o
そろそろ
233 :rindou [sage]:2012/08/22(水) 23:11:34.27 ID:uY9z0huG0
砂糖不足じゃぁぁぁーーー
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/08/24(金) 02:57:58.82 ID:ydV6Dk8Eo
まだですか…
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/08/26(日) 08:47:26.01 ID:6oqL+7Soo
あざとい、じつにアザトース
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/27(月) 01:35:23.59 ID:frOLdsog0
寒い、早よ
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/08/27(月) 17:45:24.47 ID:dOuIZ2tJo
逃げてしまったのか?
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/08/27(月) 23:38:13.95 ID:GkDD289Eo
今はトンデモに集中してるんだろ
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/29(水) 15:08:07.81 ID:pnB+1SBKo
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/22(土) 13:10:17.12 ID:9JHxNQhPo
一ヶ月近くレスすら無しか…
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/09/22(土) 13:27:53.24 ID:gXRcP82ko
一はまだなのか…
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/24(月) 03:17:33.76 ID:7jCkyXkGo
一月くらい待てよ
243 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/09/27(木) 00:04:40.44 ID:UeFqS2Hoo
生存していますが、ちょっと投下はまたで。ごめんよ。
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/09/27(木) 02:14:13.59 ID:6IbGTnDao
俺は待つ いくらでも待つ これが平常運転だからな
245 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/10/08(月) 14:22:55.61 ID:Z3aSYbS0o

自分の前に跪いた吹寄が、むき出しになった亀頭に口付けをする。
生暖かい吹寄の吐息が皮膚をくすぐり、そして、ぬるりとした感触が、その先端を覆った。

「う……」

その、あまりに生々しくて熱い感触に、思わず上条は声を漏らした。

「あ、ご、ごめん。駄目だった……?」

パッと吹寄が手と口を離して、上条を見上げた。今のリアクションを不快なものと勘違いしたんだろう。
止めて欲しくなかったし、勘違いさせて悪いとも思ったので、すぐに吹寄の髪を撫で、離した手に触れた。

「違うんだ。予想以上に気持ちよくて」
「え?」
「今のままで大丈夫だから。もっと、してくれよ」
「わかった。じゃあ」

さっきと同じように、上条のそれを右手でぎゅっと握り、左手を添えるようにあてがってから、吹寄は再び先端を咥え込んだ。
上条の脳裏に、また快感がこみ上げる。

「すげえ」
「ん……?」
「すげー気持ちいい」
「あは」

褒められて、吹寄は嬉しくなった。
上条の顔を見上げると、見たことがないくらい嬉しそうな顔だった。
自分と二人っきりの時には優しい顔をしてくれる上条だが、
今はそういう普段の顔とは違って本当に吹寄の奉仕に喜んでくれていて、しかもそれが顔に出るくらいなのだ。
それが、たまらなく嬉しい。してもらってばっかりだった自分が、ようやくお返しできるのだ。
雑誌か何かで拾った知識を総動員して、これからどうすればいいか考える。
たしか、歯は立ててはいけない。そして、咥えたまま、深く咥えたり、少し抜いたりするのだったと思う。
不慣れな行為で上条の体を傷つけないよう神経を尖らせながら、唇の間にねじ込まれた上条のそれを、深く口の中に収めていく。

「ん……ふ」

少し吹寄が咳き込みそうになった。それを見て上条としても少し申し訳ない気持ちにならないでもない。
でも、それ以上にもっとして欲しいという欲求が押さえがたく膨らんでいた。

「制理。可愛いすぎて、ヤバい」
「ん。これで、いい?」

咥えたまま喋るのは恥ずかしいのか、一旦引き抜いて吹寄が伺いを立てた。
だけど、喋るときも唇はまだ上条の触れたままだった。それがたまらなくいやらしくて、上条はもっとさせたくなった。

「気持ちいいよ。全然悪くないけど、もうちょっとお願い事してもいいか?」
「うん。何でも言って。出来るかはわからないけど、出来ることだったら、してあげたいの」
「えっと、じゃあもっと唾で濡らしてくれ。で、もっと口の中が俺のとぴったりくっつくようにしてくれると、だな」
246 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/10/08(月) 14:23:37.33 ID:Z3aSYbS0o

言ってから急に気恥ずかしくなった。口に出すというのは中々に恥ずかしい行為だと思う。
だがそんな上条の戸惑いに気付かないのか、従順に吹寄はこくんと頷いた。

「分かった。やってみる」

咥える前に少し時間を作って、口の中に唾液を溜める。
そしてたっぷりと唇にもまぶして、もう一度口の中に上条を受け入れる。
潤滑油のおかげで、さっきよりもスムーズに咥えることが出来た。
チラリとだけ上条を見上げると、さっきよりもっと嬉しそうな顔をしていた。
それを見て、吹寄も満足感を覚えた。きっと、自分を愛撫してくれたときに上条が嬉しそうだったのは、そういうことなのだ。

「ふふ……」

咥えたまま嬉しそうに笑う吹寄を見て、もう今すぐにでも口ではなくて体の中に押し入ってしまいたい衝動に駆られる。
もちろんそんないきなりは嫌がられるだろうから、上条は本能的な要求を理性で押さえつける。
咥えてくれている吹寄の頭や頬を、ゆっくりと手のひらで撫でてやる。

「制理」
「ん……」

上条の呼びかけの意図を察して、吹寄は上条の硬くなったそこを口に咥えたまま、上条を見上げた。
その構図には、はっきりと主従の関係がある。自分は今、上条に奉仕をしているのだ。
理不尽に虐げられるのとは意味が違う。大好きな人にだから、そうしたい。
上条に見下ろされるのが、吹寄は心地よかった。撫でられる手がたまらなく嬉しい。
もっとしてあげたい。もっと上条を喜ばせたい。その対価として、撫でて、褒めてもらいたい。
上条の言いつけを思い出しながら、吹寄は自分の唇を這わせる。
そんな健気な態度につい意地悪な心が湧いて、上条はしっかりと重さを主張する胸の先端を、軽く摘んで指の腹で転がした。

「ん! ふ、ぁ、ふ、んんん」

咥えたまま、吹寄が悶える。呼吸がさっき以上に苦しいのだろう、途端にストロークが乱れた。

「ちゃんとやってくれよ」
「ごめん。でも当麻が」
「ほら」
「あっ! だめ、あ……んっっ!」

崩れそうになる体を支えるために、吹寄が片手を上条のそこから離してベッドに着いた。
そして一定のリズムで繰り返されていた出し入れが、不規則になった。そのほうが、気持ちいい。

「もっと奥までって、きついか?」
「え?」
「無理だったら止めていいから、やってみてくれよ」
「ん――」

今までは亀頭の部分と、それより下はちょっとだけしか咥え込まれていなかった。
上条としては、もっと深くまで行って欲しかった。
髪を撫でていた手をそっと後頭部にあてがい、弱い力を加えながら吹寄が深く咥えるのを促す。
今までより二センチくらい、深くまで口の中に納まった。
そしてさっきと違って、吹寄の口腔内の温かみを竿全体で味わうような、そんな感覚を覚えた。
それはものすごく、充足感を覚える行為だった。
247 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/10/08(月) 14:24:32.41 ID:Z3aSYbS0o

「すごいよ、制理」
「――! えほっ」
「あ、ごめん。その、大丈夫か?」
「うん。でも今のが限界かも」
「そうか」
「これでも、大丈夫かな?」
「ああ。こんなにしてもらって、感動してる」
「感動って、もう。言い方が大げさよ」

だが吹寄もまんざらではないようだった。

「もうちょっと、これ続けたらいい? 他に出来ることがあったら言ってね」
「ありがとな、制理」
「ううん」

蕩みがかった色の瞳で上条を見つめ返し、吹寄は唾液でたっぷりと濡らしたそこにくちづけた。
咥えるのではなく、横からキスをするように、ちゅ、ちゅと唇をあてがっていく。
垂れた吹寄の髪がさらりと頬を撫で、前へと流れていった。そのうち数本が上条のそこに絡まる。
棹全体を濡らす唾液のせいで、その髪は上条のそこにそのまま張り付いた。
吹寄はそれを意に介さず、もう一度口を大きく開けて口で包み込む。
ざらりとした吹寄の舌がさざ波のような快感を上条にもたらす。
濡れた音を立てながら、暗い部屋で静かに吹寄は奉仕を続けた。
その行為の中で、自分も気持ちをだんだん高ぶらせていることに気づいた。

「制理。しんどくないか?」

その呼びかけに、吹寄は微笑みながら首を振って答え返す。
返事のために咥えるのをやめたりはしなかった。

「その、大丈夫ならしてもらいたいんだけどさ」
「ん」

恐る恐るの上条のお願いに、いいよ、と目で返す。

「えっと、玉の……制理が今左手で触ってるトコ、舐めて欲しい」
「うん。……ここ?」

唾液でテラテラと光る竿の付け根、陰嚢の辺に添えていた手を、吹寄がさわさわと動かす。
その感触ですでに、腰から背筋にかけて這い上がるものを上条は感じていた。

「ああ、その辺なんだけど」
「わかった」
248 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/10/08(月) 14:26:03.18 ID:Z3aSYbS0o

嫌ならしなくていい、と言いかけて上条はやめた。ここまで舐めさせといて今更嫌はないだろう。
事実、吹寄はこちらの要求に異を唱える素振りは見せなかった。
今まで咥えていたものよりも低い所にあるそれに舌を這わせるため、もぞもぞと体を動かした。
その姿勢は、たまらなくエロティックだった。
もとから四つん這いで伏せていた吹寄が、さらに頭を下げ、ベッドに頭をこすり付けるようにしながら上条を見上げた。
そのまま続けさせたいという欲望が脳裏でジリッと灼けるような音を立てたが、流石にこれは吹寄に負担をかけすぎだろう。

「ごめん。ちょっと体勢しんどいよな」
「え? う、うん。でも大丈夫よ」
「いいって。俺が立つから」

そう言って上条は立て膝の姿勢を止め、立ち上がった。
それに合わせて、吹寄も這いつくばるのを止めて、ぺたりとベッドの上に座った。
おかげで、今まで舌をむいていて見えなかった乳房と、そして僅かに陰毛が上条の視界に入った。
猫でもあやすように、吹寄の髪を両手で撫でる。まぶしそうな顔をする吹寄に満足して、上条は次の指示を与える。

「これでちょっと楽だろ。続き、頼む」
「うん」

吹寄が優しく微笑んで頷いた。自分の唾液で散々に濡らした上条の陰部がそそり立つすぐ隣で。
そして、見上げるような位置にきた陰嚢に、キスをした。

「う……」
「気持ちいい?」
「あ、ああ。なんかこれ、ヘンな気持ちになるな」
「変? 嫌じゃない?」
「大丈夫。もっとして欲しいから」
「ん」

吹寄がさらに続けるために上条の体に手を伸ばした。
太ももの辺りに両手を置いて、自分の体の支えにする。
吹寄が自分の下半身の下にもぐりこんだせいで良く見えなかったが、
たっぷりと口の外に伸ばした舌で上条の陰嚢を持ち上げ、ずるりと、舐め上げたらしかった。

「……ッ」

上条の体が揺らいだのを、吹寄は感じた。
理由はきっと、さっき自分がされたのとおんなじだ。
気持ちいいから、それに流されて平衡感覚がなくなってしまう。
少なくとも自分は、立ったまま上条に愛撫されたら倒れこんでしまうだろう。
それよりはマシなのかも知れないけれど、上条は今、自分のしていることに反応して、快感を感じてくれている。
そう思うと、吹寄はなんだか嬉しくなった。

「当麻、気持ちいい?」
「ああ」
「ね、咥えても、いい?」
「え?」
「こういうの」
249 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/10/08(月) 14:27:56.53 ID:Z3aSYbS0o

上条に、いつもの仕返しをする。
きちんと説明する前に、吹寄は行動を起こしてやった。
体のほかの何処とも似ていない不思議な柔らかさを持つ其処を、半分くらい、はむ、と口の中に受け入れた。
絶対に上条に嫌われないように、慎重に、優しく。そして喜んでもらえるように、たっぷりと唾液で濡らして。
驚くような声が聞こえて、上条の手が止まった。

「んーん?」
「やべ、これ、すげっ……」

なんともいえない浮遊感。それが上条の感覚が訴えるものだった。
勿論飛んでなんかいないし、誰かに持ち上げられてもいないのに。
ただ、吹寄の舌が袋越しに精巣を持ち上げる度に、上条は落ち着かず、足が地に付かない錯覚に陥るだけ。
どうしようもないほどの急所を、恋人に預ける感覚。それは決して嫌なものではなかった。
むしろ病み付きになるかもしれない。

「……ぷは。どう? 当麻」
「めちゃくちゃいいよ。これ」
「良かった。もっとして欲しい?」
「おう。でもこれだけじゃなくて、色々と、バリエーションつけてさ」
「うん。わかった」
「でもすげーよ、制理」
「え?」
「初めてで、こんな気持ちいいのさ」

単純に、上条は喜びを伝えたかった。だが言いかげた上条の言葉に、ちょっと吹寄が言いたいことのある顔をした。

「……ちがうからね」
「え?」
「こんなこと恥ずかしくて、絶対出来ないって思ったけど……。当麻が喜んでくれるのが嬉しいから、頑張ってるの」
「……ありがとな」
「うん」

性的なことを、気持ちがいいからしたいんじゃない。それもあるけど、上条と一緒に幸せになれるから、したいのだ。
フェラチオという行為は、吹寄に許されたほとんど唯一の、能動的な奉仕だ。
それを、はしたないとは思われたくなかった。

「制理、もっと、やって欲しい」
「うん。私も、当麻に悦んで欲しい」

上条は、吹寄を見下ろしてそう言った。吹寄は、上条に見下ろされながら、それを受け入れた。
そんな上下のある視点差が、今は嫌いじゃなかった。
もう一度、上条の其処に顔を近づけ、そして支えるための手を上条の体に伸ばした。

「あ……」
「手、繋ごう」

それは、優しい申し出のように聞こえた。事実、上条の声は優しかった。
だけど意図は、ちょっと違う。
吹寄の両手は上条の両手に束縛され、そして体ごと引き寄せられた。
250 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/10/08(月) 14:29:24.17 ID:Z3aSYbS0o

「ん」

吹寄は上条の意図に逆らわなかった。
上条の太ももに置いたときと違い、つながれた手はあまり安定感をもたらさない。
だから自然ともう一つの接触点、すなわち口元でさらに自分の安定感を確保する必要が出てくる。
今まで以上に、上条の其処に頬を寄せながら、吹寄はフェラチオを再開した。
そっと触れるという感じでは、もはや無かった。
唾液でドロドロにした其処に、自分の頬が触れる。その状態で舌を伸ばし、竿を舐め上げる。

「気持ちいいよ、制理」
「ん」

そう言って、上条が片手だけを解放してくれた。
だけど、だからといって、吹寄はもうさっきみたいに恐る恐るの姿勢には戻らなかった。
上条の腰に手を回して、さらに深く上条の体に迫る。そして、すぐ近傍で舐め上げる。咥えこむ。
吹寄と言う少女が、知恵を使って精一杯に上条に尽くした結果がそれだった。
その吹寄の努力に応えるように、上条は頭を撫でる。

「ん、ふ」

吹寄が嬉しそうな表情をした。だって仕方ない。努力を褒められたら、誰だって嬉しい。
さらに深く、吹寄は咥えこむ。もっと撫でてくれるのを期待して。
……だけど上条はやっぱり意地悪だ。

「んっ?! ん、ん、んー!」

上条の指が口からこぼれた吹寄の唾液を掬い取り、そのまま、吹寄の乳首に擦りつけた。
その反撃は、反則だ。だって今は自分が上条を気持ちよくする番のはずなのに。
意地悪で、乳首を責めるなんて。

「だ、めだよ。とうまぁ」
「ちゃんとしてくれよ」
「だめ、だめ、できない、よぉ。――んっ!」

酷く切ない顔で、吹寄が上条を見上げた。
咥えたままの口では呼吸がしづらいのだろう。荒い鼻息と泣き出しそうな鼻声が上条の肌をくすぐる。
口の隅からも、熱い吐息がこぼれる。
それを見て、上条も我慢が出来なくなりそうだった。
吹寄の口に奉仕してもらうのは、とても気持ちがいい。だけど、優しい愛撫ばかりだ。
だから快感と同時に欲求不満が吹き上がりそうだった。
もっと、突き出したい。強い刺激が欲しい。されるのではなく、したい。
上条はもう一方の手も解いて、両手で乳房を揉みしだいた。

「んっ! あ、あ、あっ」

咥えたまま、吹寄が悲鳴を上げる。
それでも歯を立てないように、上条に嫌な思いをさせないようにと気遣っているのが分かった。
そのいじらしさが、上条に火をつける。吹寄を、食べてしまいたいという気にさせる。

「当麻、もう、だめ……」

咥えるのをやめ、ガクリと吹寄が崩れ落ちた。
それはむしろ、いいきっかけだったのかもしれない。
この行為を止めるための。

「制理」
「ぁ、当麻……ごめんね」
「謝ることなんてないよ」
「でも、止めちゃったし」
「いいんだ。制理。でも、だから」
「あ……」
251 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/10/08(月) 14:32:03.75 ID:Z3aSYbS0o

決意の、篭もった瞳。それが吹寄を貫いた。
不安、恐怖、歓喜、安堵。
相反する両方の感情が吹寄の心に湧き上がる。
上条が今から何を言おうとしているのか、吹寄にももう分かる。

「制理が、欲しい。制理とひとつになりたい」
「――」

うん、と言おうとしたと思う。吹寄はそうしたつもりだった。
だけど、その言葉は簡単には出てこなかった。
たった一人の男の人にしか、捧げられないもの。
たった一度きりの、初めて。
それを経験してしまえば、もう、無かったことには出来ない。
自分が変わってしまう。自分と上条の関係も変わってしまう。
その事実に、怯んだ。

「……駄目、か?」
「違うの」

吹寄は、ためらいを見せてしまったことを後悔した。
拒否の意図を感じて上条が傷ついたような顔をしたから。
その気持ちだって、分からないはずが無い。
こんなにあれもこれも許して、最後の最後だけはノーなんて、言えない。
そんなのは、都合の良すぎる女だと思う。わがままだ。

「……不安、なの」
「そっか。ごめん、俺、焦ってるよな」
「そんなことないよ。当麻、優しかった」

悪いのは、自分のほうだと吹寄は思った。

「当麻。ぎゅって、して」
「ん」

上条が崩れ落ちた吹寄の隣に寝そべり、しっかりと抱き寄せてくれた。
もう、さっきまでの抱擁とはレベルが違う。
二人とも一子纏わぬ姿で、互いの性器を既に愛撫しあった仲で、二人の体はもう、繋がる準備を済ませている。
上条の手が、吹寄の体のあちこちを撫でる。

「当麻は……したい、よね」
「……制理の嫌がることは、したくない」
「うん。でも」
「本音を言うと、したい。制理を抱きたい」

吹寄は抱きしめられたまま、上条に撫でられ、頬を持ち上げられた。
視線が、ぶつかり合う。
意思確認とは、やはり目と目を見て、することだ。
吹寄は上条の瞳に吸い込まれそうになった。

「制理の全部が、欲しいんだ。制理が死ぬほど可愛いから。死ぬほど好きだから」
「とう、ま」
「制理の嫌なことはしたくないけど、もし受け入れてくれるんなら、したい。
 制理を独占したいんだ。世界で一番、好きだから」
「……恥ずかしいよ。当麻」
「じゃあ、どうすればいいんだよ」

クスリと笑った自分に、恥ずかしげに文句を返す上条。
ふと、吹寄は心に浮かんだ言葉を、反芻した。
この人なら、いいかな
自分のことを、きっと大切にしてくれる。そう信じられる。
自分の判断が正しいかどうか分からないけれど、こんなにも愛してくれる人に、捧げたい。

「優しく、してください」
「……いいのか?」

不安は正直に言って、まだある。きっと最後まで消えないだろう。
だけど優しく微笑んでくれた当麻の笑みが、それを紛らわせてくれた。

吹寄制理は、少し緊張を孕んだ微笑で、コクリと頷いた。

252 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/10/08(月) 14:33:13.24 ID:Z3aSYbS0o
どうもみなさん、お久しぶりです。
全裸待機してた方はお風邪を召してらっしゃらないといいのですが。。。。。。すみません。
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(高知県) [sage]:2012/10/08(月) 14:41:46.34 ID:lCFHsdOdo
三連休最後の日の昼間にこれを書いてるのを想像すると、なんとも言えないものがこみ上げてくるな
254 :nubewo ◆sQkYhVdKvM [saga sage]:2012/10/08(月) 14:48:32.96 ID:Z3aSYbS0o
おいやめろw
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/08(月) 14:57:43.19 ID:R+Sd4yfro
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/10/08(月) 15:49:44.37 ID:akBvcbnLo
実体験に勝る妄想の糧はないですよねーHAHAHA
投下乙っす
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/08(月) 18:11:34.51 ID:kq/ve/Rro
二人の69が見てみたいな…
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/08(月) 20:03:14.12 ID:mvXCEIP4o
ポリネシアンしながらの会話がいいです
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/09(火) 00:47:21.89 ID:eWnDXwiWo
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/11(木) 13:32:20.53 ID:Y80nxJUt0

うおおおお
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/03(土) 02:01:22.01 ID:HlZHHqcho
まだか…
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/03(土) 11:35:21.03 ID:QQvDM3F2o
期待
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/24(土) 22:52:11.20 ID:kdwLEHeHo
まだか…
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/08(土) 10:46:12.93 ID:K8mD7doDO
はよー
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/08(土) 10:49:10.92 ID:yFMx2fqc0
>>264

死ね
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