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とがめ「私から奇策をとったら何が残るというのだ!?」人識「子供っぽさ」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [saga]:2012/03/05(月) 13:52:49.38 ID:iweoR0fF0

・人間死リーズと刀語の登場人物が仲良く悪く学園生活を送っております。

・年齢?……見た目でこのキャラなら学生できるって判断なので、場合によっちゃ死ん長でも縮めてください

・都合上オリ設定あり

・ネタが思いついたときに投下するので更死んがでら遅い

・いーちゃんの出番が壊滅的です

以上注意事項で死た


      、   、
    /⌒@'⌒i⌒@⌒ヽ
      fi |/^゙^Yi|
      川 ゚ ー゚ノ八  <>>1の文才を
     ノノノヘY/\、ヽ
    (の{。d}爻ハ。dの)
      ノ__}}


    、   、
    /⌒@'⌒i⌒@⌒ヽ
      fi |/^゙^Yi|
      川. ゚ヮ゚ノ八 /゚。  <否定するわ!
     ノノノヘY/广})<。°
    (の{。d}爻ハ。ノの)
      .ノ__ノ





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二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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2 :一月の冬休みとは宿題の存在を忘れさせる [saga]:2012/03/05(月) 14:30:06.40 ID:iweoR0fF0

喫茶店とは大人から子供まで誰でも入れる場所であり、友達と一緒に紅茶やココアでも飲みながら和気藹々と
楽しく会話するもよし、買い物帰りに一息つくのも良し、あるいは勤務中のサラリーマンが外回りの
フリをしてサボるために来てもよし。どんな人たちでも受け入れる心温まる場所、それが喫茶店である


七花「はぁ、………面倒だなぁ……集中できないし」


だがここに、店内の流れるBGMが耳障りだから消してくれと言わんばかりに
スピーカーを睨むほど心がすさんでいる学生がいた。
彼の名は鑢七花 『東頭(あずまがしら)学園』高等部一年の生徒である。


人識「お前の集中力が足りないだけだろーが。一分ももってねぇじゃなぇか」

出夢「ぎゃっははは!むしろ七花が一分も集中したら頭がオーバーヒートするんじゃ
   ねーの?煙がでるぜきっと?」


そして、彼と同じ机に座り呆れた目をしている髪を染め顔面に大きな刺青がある学生の名は零崎人識
隣に座るげらげら笑い頭にサングラスをカチューシャ代わりに掛けた長髪の学生の名は匂宮出夢という


七花「そう思うなら手伝ってくれ。こんなの俺一人じゃ出来っこないって」

人識「嫌に決まってんだろ、何が悲しくてお前の一年分のレポート課題をやらなくちゃ
   ならねーんだよ」


俺は奢られにきたんだよと、手元にあるジュースを飲む人識
今、七花達の机の上には紙束がある。その分厚さは折り曲げれば広辞苑を超えるのでは
言うくらいに積み重なっているのだが、提出期限が後、数日しかないのだ

3 :一月の冬休みとは宿題の存在を忘れさせる [saga]:2012/03/05(月) 14:49:55.52 ID:iweoR0fF0

出夢「ぜろりんちょっとどいてくれ、ジュースのおかわり行ってくる」

七花「何だよ友達だろ!いいぜ、手伝わないってんなら割り勘にするぞ!」

人識「珍しく七花が奢るっていうから何かあるんじゃねぇかと思ったらやっぱりか!
   卑怯だろ!俺今月ピンチなんだぞ!」

出夢「なぁ、ぜろり〜んどいてくれって」

人識「お前は何で今の話聞いておかわりにいけんだよ!お前だって今日財布持ってきてねぇっていってただろ!」

出夢「心配すんなって、いざとなったら早蕨兄弟から」

人識「カツアゲはやめろ!この前薙真が俺に八つ当たりしてきたんだぞ」

七花「なぁ頼むから手伝ってくれって、このとうりだ」

人識「嫌だっつてるだろ!!」

店員「あの〜すいません」


ぎゃいぎゃい騒いでいるので店員に注意をされた。当然である
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [sage]:2012/03/05(月) 14:51:10.44 ID:YTzy8E+X0
これ書いてるのって、死吹なのか!?

支援させて頂きます。
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/05(月) 15:10:26.59 ID:x0+sr20m0
地の文なら書きためしたほうがいいんじゃないか?
まあ、悪くない。
6 :一月の冬休みとは宿題の存在を忘れさせる [saga]:2012/03/05(月) 15:17:12.78 ID:iweoR0fF0

さすがに哀れになってきたのか、はたまた一銭も払いたくないからなのか
しぶしぶ人識は手伝うことにした。ちなみに出夢も手伝っている


人識「つーか、何で課題がこんなにあるんだよ。普通こんな量出す前に市井先生から
   何か言われんだろ」

七花「え?…あぁ、たしか何度か『あの、七花君…やばいよ?』って言われてたんだけど何のことかさっぱりでさ」

出夢「ぎゃっははは!まさか単位が全然取れて無かったとかまじぱねぇよな!」

人識「いや、その前にお前にはとがめ先輩がいるだろ、あの先輩がお前の単位が取れてねぇ事
   に気づかない訳がねぇんじゃねぇの?」

七花「いや、ほら…去年は色々ありすぎてさ……とがめも気づかなかったみたいで…」

人識「ふ〜ん……ん?そうだ、先輩に手伝ってもらえばいいじゃん!」

出夢「あれ?しらねーのかよ人識、先輩なら今入院中だぞ?”ちぇりお事件”で」

人識「は?いやつーかちぇりお事件って何だよ?」

出夢「うわ〜ぜろりん遅れてる〜♪」

人識「だから何なんだよちぇりお事件って!」

7 :一月の冬休みとは宿題の存在を忘れさせる [saga]:2012/03/05(月) 15:36:49.53 ID:iweoR0fF0

ちぇりお事件とは、去年のクリスマスイブの日にとがめがクリスマス用に予約したケーキを取りに行くから
付き合えと言う名目で七花をデートに誘い(当の七花はただケーキを取りに行くだけだと思っていた)その帰り
一台の車が突っ込んできたのである。運転手は家鳴匡綱校長で、飲酒運転であった。

七花はとがめを庇うようによけようと思ったのだが、とがめはその時ケーキを持っており(七花に持たせると
乱暴に扱いかねないからと思ってのこと)とがめ自身の逃げる動作が少し遅れてしまい、轢かれてしまったのだ
幸いにも強く当たった訳ではなく肋骨を二本、右腕の骨を折った程度で救急車を呼べば何と言うことはなかったのだが、
持っていたケーキが悪かった。

とがめが予約までして購入したのは、イチゴとブルーベリーをふんだんに使用しスポンジが潰れかねない
ほど盛りに盛った”ベリーベリーベリーケーキ”というケーキだった。これが轢かれる際にとがめが抱き潰すような
形となりぺしゃんこに潰れてしまったのだ。そしてそのせいでイチゴとブルーベリーの果汁が奇跡的な
混ざり方をして、さらに既に日も暮れていたためにまるで血のような色をしてしまったのだ。それがとがめの
体にべったりついてしまい、さながら大量出血しているようになってしまったのだ。

とがめが血まみれに(見える)なっている姿を見た七花は動揺、普段なら匂いなどですぐに気づいただろうが
とがめが轢かれているところを見ていたがために冷静さを失っていたのだ。
轢かれた当のとがめといえば体中が痛いし、自分の体が血まみれになっているのをみて”あぁこれは死ぬな”と勘違い
(痛みのせいで)薄れてゆく意識のなか、ちぇりおを流行らせてくれとか、告白なんかもしてしまった

そして加害者であった家鳴校長といえば救急車に連絡…ではなくその場からの逃走、ひき逃げをしたのだ
これに激怒した七花はとがめをほったらかしにして家鳴校長の自宅に特攻、ボディーガード十一人(内三人は
バイト)を薙ぎ倒し、たまたま校長宅に否定姫の命令で(いたずらしようと)侵入していた右衛門左衛門先生を打破し
家鳴校長をぶっ飛ばしたのだ。

その日、付近で”ちぃええええええりおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!”という叫び声が響き渡った
ため、”ちぇりお事件”と名付けられたのだ。

ちなみにこの事件がきっかけで家鳴校長は”もういやじゃ!わしは校長辞める!”といって辞職した

8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/05(月) 15:54:26.74 ID:ypQ7RBQDO
りすか「このスレに決定的に足りてない成分がこの私なの」
9 :一月の冬休みとは宿題の存在を忘れさせる [saga]:2012/03/05(月) 15:58:30.62 ID:iweoR0fF0

人識「あの狸じじいが辞めたのってお前のせいだったのかよ…」

七花「あ、あはは……」

人識「ん?ちょっと待て、じゃあだれがとがめ先輩を病院に連れてったんだ?」

出夢「聞いて驚け、濡衣先生だ」

人識「はぁ!?あの見たことも無ければ聞いたこともない存在すら怪しい幻の先生がか?」


闇口濡衣

東頭学園の十三不思議内の一つで、いるにはいるらしい現役の教師らしいのだが授業はやらない
どころかテストを作っているわけでもない、どのあたりが教師なのかは全然分からない謎の教師である


七花「間違いないぜ。他に救急車呼んだ人なんていなかったし、とがめが意識を失うぎりぎりのところで
   男だか女だか分からない変声機の声で”何だかドラマチックな展開を台無しにしてあれですけど
   目の前で生徒が死にそうなのを見逃せるはずもありませんしね、だから、恨まないでくださいね”
   って聞こえたそうだし」

人識「まじか〜、性格とか全く知らないけどいい先生だったんだな」

出夢「授業は一回もやってないけどな」


〜〜〜

10 :一月の冬休みとは宿題の存在を忘れさせる [saga]:2012/03/05(月) 16:09:16.30 ID:iweoR0fF0

七花「ほい」ピラ

出夢「あい」パシッ ピラ

人識「……」カリカリ

七花「ほい」ピラ

出夢「あい」パシッ ピラ

人識「……」カリカリ

七花「ほい」ピラ

出夢「あい」パソッ ピラ

人識「……」カリカリ

七花「ほい」ピラ

出夢「あい」パシッ ピラ

人識「……」カリカリ

七花「あと10枚だな」

人識「おい待てよ何で全部俺に渡してくんだよ!てめーの課題だろ!」

人識「出夢も手伝ってたんじゃねーのかよ!」
11 :一月の冬休みとは宿題の存在を忘れさせる [saga]:2012/03/05(月) 16:22:19.37 ID:iweoR0fF0

出夢「はは、何をいってるんだい人識君?馬鹿が二人と賢者が一人だ」ahahaha

七花「レッドポイントラインを行き来してる俺達じゃやったところで効率が悪いじゃないか」ahahahaha

人識「七花はメンドくなっただけだよなぁ出夢は飽きただけだよなぁ!!」


シャーペンを叩きつけかねないほど怒鳴る人識
こめかみにある浮き出た血管はもうずたずたになる寸前である。

そこに


伊織「じゃじゃ〜ん!伊織ちゃん都合よく参上!」シュタ

七花「うわぁ……」

出夢「………」

人識「………」

伊織「ちょっとちょっとちょっと!何ですかその『やった天使が来た!これで勝つる!』って顔は!」

七花「いや、してないしてない」

人識「ニット帽被ったうぜー奴が邪魔しに来たって思ってんだよ」

伊織「酷〜い!帰ります!」ダッ

出夢「あぁ帰れ帰れ。人識、僕が悪かった。やっぱ手伝うわ」

七花「俺にも半分返してくれ。甘えは自分のためにならないし」

12 :一月の冬休みとは宿題の存在を忘れさせる [saga]:2012/03/05(月) 16:30:10.63 ID:iweoR0fF0

伊織「いやいやいやいやいやちょっと待ってください引き止めてくださいよ!」ダッ

七出人「「「ごめ〜ん悪かった〜もどってきてくれ〜かっこ棒」」」

伊織「わざわざ棒読みであることを言わなくってもいいですよ!」

人識「何しに来たんだよ(棒)」カリカリ

七花「俺達は忙しいんだよ(棒)」カリカリ

出夢「マジで帰れ」カリカリ

伊織「すいませんこの無桐伊織が皆様に何か不快なことをしでかしてしまったのでしたら教えて
   ください。身内まで嫌われていては泣きそうです」


喫茶店で恥もためらいも無く土下座を行うこの女子高生、伊織は零崎人識のいとこであり
三人とは別のクラスに在籍している


七花「まず、登場シーンがうざかった」カリカリ

人識「登場した時のテンションがうざかった」カリカリ

出夢「登場した時に若干揺れたニット帽の先端がうざかった」カリカリ

伊織「あぁうっ!初登場から失敗だらけでした!?」

13 :一月の冬休みとは宿題の存在を忘れさせる [saga]:2012/03/05(月) 16:37:22.25 ID:iweoR0fF0

伊織「おや、人識君じゃありませんか?そんなに大声を出してどうしたんですか?」

出夢「すげーこいつさっきのやり取りふまえてやり直し始めたぞ」

七花「ニット帽の先端も揺らいでないな」

〜〜〜

伊織「なぁ〜んだそんなことでしたらこの伊織ちゃんを呼んでくれればよかったじゃないですか」

七花「あれ?伊織って頭良かったっけ?」

出夢「あぁ〜確かランクは10位以内にいたりいなかったりしたな」

人識「そっか、じゃぁよろしく。行こうぜ」ポン


そういうと、課題全てを伊織に寄せて、席を立ち始める


伊織「え?」

出夢「ほいほい」ガタ

伊織「ちょ」

七花「はいこれ、代金+ジュース一杯分な」チャリン

伊織「あ、はい、ありがとうございます。…じゃなくって!」


<アリガトウゴザイマシター


伊織「………あれ?」

14 :一月の冬休みとは宿題の存在を忘れさせる [saga]:2012/03/05(月) 16:42:49.23 ID:iweoR0fF0

〜〜〜

人識「で、どーする?俺この後特に何もねーけど」


喫茶店から出た七花一行は現在近くの商店街を歩いている
放課後のこの時間は主婦達が行きかっており、その日一番の賑わいを見せていた


七花「寮に帰るでいいんじゃないか?俺も今日はゲーセンに行く余裕もないし」

出夢「そっか〜。じゃぁ僕はもう少しでさよならだな」

人識「あぁそうかいそりゃぁいい。やっとお前の顔を見なくてすむわけだ」

出夢「なんだよぜろりん泊まりたいなら早く言えよ〜、ツンデレだなぁ〜もぉ〜」

人識「いってねぇ」

出夢「そう言わずにさ〜今日は妹が友達連れてくんだよ〜。一人部屋の一人は寂しいんだよ〜」


言いつつ普通の人より長い腕を首に絡ませてくる出夢。毎度の事ながら人識はそれを振り払おうとする
が、全く解けない


人識「だぁ〜!は な せ!一人部屋は一人でいるから一人部屋なんだろーが!」

七花「んじゃお二人の邪魔をしないよう俺は退散するぜ」

出夢「おっと待った七花、おめーもだぜ」


と、出夢はもう片方の手でがっちりと七花のベルトを掴む

15 :一月の冬休みとは宿題の存在を忘れさせる [saga]:2012/03/05(月) 16:49:58.37 ID:iweoR0fF0


七花「え?」

出夢「あたり前田のクラシックだろ。僕と人識じゃイチャイチャは出来てもワイワイ騒げねぇ
   からな、お前も来るんだよ」

人識「イチャイチャしねーよ!」

七花「いやほら俺姉ちゃんが許すわけ無いしさ!」

出夢「無用な心配だぜ七花、そもそもお前は男子寮だから関係ないし、そうじゃなくてもあっさり
   オーケーもらったぜ」

七花「どんな手を使ったんだ!?」

出夢「よぅし!そうと決まったらポテチと炭酸かおーぜ!菓子パだ菓子パ!」ズルズル

人七「「い〜や〜!は〜な〜せ〜!!!!」」













出夢「まぁ本音を言うと僕、冬休みの宿題やってないからペネルティ(課題)くらっててよ、その手伝いをしてほしーんだよ」

人七「「おい!!!」」

16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [saga]:2012/03/05(月) 16:59:22.33 ID:iweoR0fF0

今日はここまで。また次回をお楽死みください。

>>4
どう死て貴方がその名をご存知で?

>>5
勢いが>>1の売りで死て……すいません

>>8
??校長「うちに小等部は無いんだね!ロリ要員も十分に登場予定だしね!」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/05(月) 17:15:53.14 ID:54Xh++fDO
>>1
刀語は好きなんだがこういったSSはなかったから楽しみだ
あと学園名が作者の反対なのにワロタwwwwwww
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [sage]:2012/03/05(月) 18:01:01.39 ID:NHssJx970
乙です。期待してるよんっ。

>>17
西尾と東頭か。気付かんかった…。
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県) [sage]:2012/03/05(月) 20:14:21.66 ID:N0W1k26no
どうして>>1は死吹訛りがあるんだ?
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/05(月) 20:43:25.93 ID:3SUQUA4e0
キターイ
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県) [sage]:2012/03/05(月) 20:59:58.04 ID:N0W1k26no
最近じわじわ西尾SSが増えてきていいな
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [saga]:2012/03/07(水) 13:50:42.21 ID:nunaYVw/0
>>17
なぜ分かった死

>>18>>20
ありがとうございます

>>19
バイト死てたら身についたスキルです。

>>21
もっと増えると>>1のモチベー死ョンがあがりますね


短いですが思い通いちゃったものは死方がない……投下死ます
23 :この人なら猫も助けられる [saga]:2012/03/07(水) 14:10:29.23 ID:nunaYVw/0


伊織「うぅ……解ける、簡単と言えば簡単ですけど…量が…」チラ


時間は少しさかのぼって、七花の課題を押し付けられホットココア一杯でこれに立ち向かう
伊織は、ただいま三枚目の課題に突入していた


伊織「これはもしかしたら間に合わないかも知れませんね……
   仕方ありません、念のため電話を入れますか…」


言うと、鞄から携帯を取り出し電話帳を開き友人の欄を開く


プルルルルルルルル

伊織「…あ!そういえば今出られる状況でしたかね?」

〜〜〜

アイタカッターアイタカッターアイタカッターyes!

理澄「あ!この着メロは伊織お姉ちゃん!」


匂宮理澄は現在下校途中である
担任の先生の頼まれごとが長引いてしまったので、兄である出夢より下校時刻が
遅れてしまい、夕暮れ時までかかってしまったのだ


理澄「ん、んん!」グイグイ

理澄「ん、あぇ?あえぇ?」


鳴り続ける携帯を理澄はすぐさまとることが出来無い。なぜなら


理澄「う〜ん…鞄の口が狭くって口が届かないんだね!どうしよう!?」


現在、匂宮理澄は拘束衣を着ているからである

24 :この人なら猫も助けられる [saga]:2012/03/07(水) 14:27:57.29 ID:nunaYVw/0


誤解の無いように言っておくと実は理澄が下校途中に誘拐されて監禁されたがすぐさま脱出したところ
だったというわけではない。まして何者かの趣味に付き合わされたからでもない

これは兄、匂宮出夢の差し金である。


理澄「……よし、もう一回!」


片足で立ち、ひざに鞄をのせて再度口を突っ込む
座って鞄をひっくり返した方が早いのだが、残念ながらそこまで頭が回らなかったようだ
しかし、バランスが崩れないようにとっていたためか、ぴょんぴょんと跳んでいるうちに


理澄「ん?わ!ととぉ!?」


ガードレールに腰をぶつけてしまい、道路側に放り出されてしまう形となる

そして


理澄「いたい!」ベチ


道路に寝そべってしまった理澄を一台のトラックが通り過ぎようとしていた


理澄「―――――――ぇ?」


大型トラックの前面側は死角が多い、下なんて到底見えないし左側ともなればなおさらである
故に運転手は理澄の存在には気づいていなかった、だからブレーキだって踏んではいない

そして理澄は今日、一人で下校していた、だからすぐさま道路から引っ張ってくれるような
人などいない、いやそうでなくとも既にトラックの死角に入ってしまうようなこの至近距離では、引っ張って
助けられるものはいないだろう


理澄「あに」


己の家族もまた、たすけられるわけもない


夕暮れの街中で大きな音が鳴り響いた
25 :この人なら猫も助けられる [saga]:2012/03/07(水) 14:58:14.80 ID:nunaYVw/0

だが


理澄「………………あれ?」


理澄はその短い生涯を終えることはなかった。トラックが待っていたからだ

なぜか?それは運転手がブレーキを踏んだわけではないし、まして何者かの力によって時が止まっているわけではない

トラックは止まる事が出来たのではなく、弾かれたからである


飛縁魔「おっと、俺としたことが少々加減を間違えてしまったようだ。運転手と積荷は無事だろうか?」


この理澄の前に立つ、一月のまだ寒い時期に学ランを羽織らず長袖のカッターシャツを着ている
痩せ細った男、直木飛縁魔によって

現在トラックは理澄や飛縁魔の立っている位置より丁度通り過ぎた位置にいる
飛縁魔がした事は、トラックの持つ”力”を上へと向けたのだ。トラックは下から突き上げられたように
飛び上がり、そのまま一回転して着地したのだ。


理澄「え、ぁ!あの!」

飛縁魔「聞いてみるか」


声を掛けようとした理澄の声が聞こえなかったのか、そのままトラックの方へと駆け寄り
二度窓をノックし中を覗いて見る


飛縁魔「無事か、運転手さん?」ヒョイ

トラックの運転手「」チーン

飛縁魔「ふむ、気絶か。まぁいいか」

26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県) [sage]:2012/03/07(水) 15:32:05.87 ID:/07/v2e9o
飛縁魔さん!!!!11
27 :この人なら猫も助けられる [saga]:2012/03/07(水) 15:37:29.51 ID:nunaYVw/0

運転手の安否を確認した飛縁魔は理澄の元まで戻り、理澄の鞄を拾い上げる


飛縁魔「怪我は無いか?」

理澄「あ、ありがとう!お兄さんすごいんだね!トラックがバーンって吹っ飛んだね!」

飛縁魔「大したことはしていないさ。それより、どうやら携帯が鳴っているようだが?」

理澄「おおホントだ!んしょっ」


差し出された鞄を先ほどと同じ要領で取り出そうとするが、やっぱり取り出せるわけも無く


理澄「ごめんお兄さん、取ってほしいんだね!」

飛縁魔「いいだろう、ほら。いや、やはりその状態では会話も出来無いだろう、持っててあげよう」

理澄「ありがとう!お兄さん大好き!」

飛縁魔「それはどうも」ピッ

伊織『あぁもしもし理澄ちゃんですか?』

理澄「うん!」

伊織『(今どんな姿勢してるんでしょうか…)すいません、実は謝らなくちゃいけないことがありまして―――』

28 :この人なら猫も助けられる [saga]:2012/03/07(水) 16:08:53.74 ID:nunaYVw/0

飛縁魔(それにしてもどうしてこの子は拘束衣など着てるんだ?いや、それよりもこの
    子と似たような子がいた気がするのだが………)

理澄「―――うん!分かった、じゃぁまた今度ね!ばいばーい。…ありがとうお兄さん、もういいよ!」

飛縁魔「……ん?そうか」


どうやら考え事をしている間に話は終わったらしい。携帯を閉じ、鞄にしまって理澄に返そうと
するが、ここでいまさらなことに気づく


飛縁魔「そういえば、君は一体どうやって鞄を持つつもりだい?見たところ両手は
    塞がっているように見えるのだが」

理澄「口で持つから大丈夫なんだね!」

飛縁魔「……いや、やはり気が変わった、俺が家まで君を送ろう。またさっきのようなことがあると
    いけないしね」

理澄「ホント!ありがとう、お兄さんは優しいんだね!人間の鑑だね!」

飛縁魔「それはどうもと言いたい所だがさすがに過大評価だ、俺はそこまで出来た人間ではない」


ちらりと先ほど自分が吹っ飛ばしたトラックの方を見てみる。今更ながらあれは本当にただの気絶で
良かったのだろうかと少々不安になる


飛縁魔「それと君はその”大好き”という言葉を控えた方がいい」


と視線を元に戻すと既にそこに理澄はいなくなっており


理澄「お〜いお兄〜さ〜ん!おいてっちゃうよ〜!」ピョンピョン

飛縁魔「……まずあの子には人の話をよく聞くところから教えた方がいいかな?」

29 :この人なら猫も助けられる [saga]:2012/03/07(水) 16:11:29.42 ID:nunaYVw/0

今日はここまでです
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [sage]:2012/03/08(木) 11:31:55.78 ID:PIKlYAU20
飛縁魔は人にモノを教えるのは上手だけど、何だかんだで甘いイメージ。
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県) [sage]:2012/03/08(木) 13:28:59.58 ID:fGtFsLHwo
一発キャラみたいな扱いだったけど格好いいから好きだわ
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [saga]:2012/04/05(木) 10:00:20.78 ID:JPUq8YEx0
>>26>>30>>31

>>1も気に入っているキャラですはい


お久死ぶりです。本日投下死ますゆえ死ば死お待ちを

33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県) [sage]:2012/04/05(木) 10:22:17.98 ID:SQDw/N5qo
・・・!?びっくりした・・・とっくの昔に死んだものかと・・・生きてたのか・・・!
34 :凸凹は記号でいいと思うんだ [saga]:2012/04/05(木) 21:01:56.35 ID:JPUq8YEx0

お待たせ死ま死た。
間もなくです

35 :凸凹は記号でいいと思うんだ [saga]:2012/04/05(木) 21:19:22.70 ID:JPUq8YEx0


これは、東頭学園生徒会室の放課後の時間の出来事である


七実「死ねばいいのに」


鑢七実は生徒会に所属している。入った理由は無い、無理やり入らされてここにいる

さて、そんな七実がたった五行前にしょっぱなからとんでもない事をいってくれた
呟いたわけでもなく、他人に聞き取れる声量で

故に向かい側の薙真はぎょっとして顔を上げ


薙真「……一応聞きますけど、それって」

七実「安心してください、貴方のことでありませんので。そもそも容易に死んでもらえる相手なら
   私も口に出す前に直接手を下しています」


会計の早蕨薙真は、紛らわしいんだよと心の中で思いながら手元の書類に目を戻す

鑢七実は今年で高等部の三年生となる。生徒会に所属し始めたのは二年になりたての頃、生徒会長に
勧誘されて以来書記として働いている


薙真「……そういえば今日は珍しく生徒会のメンバーが全員そろいそうなんですよね?
   もしかしてその中に」

七実「いますよ。えぇ、いますとも」

薙真(だよなぁチクショー!頼むからとばっちりは勘弁してくれよ!)


心の中で頭を抱え、もうすぐ起こるであろう災いに生き残れるよう祈る薙真であった

36 :凸凹は記号でいいと思うんだ [saga]:2012/04/05(木) 21:31:48.45 ID:JPUq8YEx0


コツコツ コツコツ


ふと、薙真が耳を澄ませると足音が聞こえる

七実もそれに気づいたようで生徒に配布されるプリントにある注意事項書くを腕がぴたっと止まる
薙真は早くも来てしまったかと思い、ペンをしまい、いつでも机の陰に隠れるように動けるよう鞄を下に置き両手を机の上に乗せる


コツコツ 

七実「………」

薙真「………」

ガチャ

薙真(今だ!)バッ!


薙真はドアノブが回転した瞬間、いや回転し始める前に突風のごとき速さで机の下に潜り込む!


皿場「遅れてすいま」

薙真「お前かーい!」

ガッシャアアアン!

皿場「えぇ!?」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

薙真「いやぁすいません」

皿場「いえいえ」


机を倒したことによって散乱した書類や筆記用具を片付け、再び仕事を始める


薙真「あ、これが今日の分です」ドサ

皿場「ありがとうございます」ペコ


薙真の隣にいる鉢巻を巻いたこの女生徒は今年で晴れて高等部の一員、一年になる皿場工舎
こちらもまた去年生徒会長によって勧誘されてここにいる。

ぶっちゃけ自分の意思で生徒会に入ろうと思ったのは薙真だけで、残りの三人は勧誘されて入っている

ちなみに皿場は庶務である

37 :凸凹は記号でいいと思うんだ [saga]:2012/04/05(木) 21:57:53.41 ID:JPUq8YEx0

七実「皿場さん、あなたあの鬱陶しい会長とそれ以上に鬱陶しい副会長知りませんか?今日は何があっても
   来いと言っておきながら、集合時間になってもかれこれ30分は過ぎてるのですけれど」

皿場「いえ、私は何も……」

七実「そうですか」


そういって、次の書類を手に取りカリカリとペンを動かす七実
薙真は皿場に顔を近づけ


薙真「本当に知らないんですか」ボソ

皿場「えぇ、嘘をつく理由もありませんし……というか」ボソ

薙真「?」

皿場「七実先輩ってどうして会長と副会長を嫌ってるんですか?会長はともかく副会長は
   悪い人でもありませんよ?」ボソボソ

薙真「あ〜それは僕にも分かんないんですよね……ほんとなんででしょうね」ボソボソ

皿場「聞いてみますか…って素直に答えてくれませんよね」ボソボソ


下手に聞いてこっちが重症を負ってしまう未来しか見えてこない二人……断っておくが
七実はどちらかと言えば誰にでも親切ではある。確かに嫌った相手には徹底して嫌っているため
学園内で七実が優しいイメージが思い浮かべることができる人物は少ないが……


薙真「えぇ、多分……聴いた瞬間スパッ!っとヤられかねません」ボソボソ

皿場「スパッ!っとですか。嫌ですね」ボソボソ

薙真「触らぬ神に何とやらですね」ボソボソ
38 :凸凹は記号でいいと思うんだ [saga]:2012/04/05(木) 22:14:51.37 ID:JPUq8YEx0

七実「人を気分しだいで殺す外道みたいに言わないでください」

薙真「」

皿場「」

七実「……はぁ、ですから…別に聞いても何もしませんよ。答えるつもりはありませんけど」

薙真「なぁんだ!びっくりしたじゃないですか〜!」

皿場「あぁ良かった…おじいちゃん、私はまだまだ長生きできそうです」ウルウル

七実「……貴方達は私を何だと思ってるんですか?ところで早蕨さん」

薙真「はい?」

七実「この接着剤って乾くのに時間は掛かりませんよね?」


すいっと手に瞬間接着剤をかざす


薙真「はぁ……瞬間接着剤ですし」

七実「そうですか」


ガタッと席を立ち、手に瞬間接着剤を持ってドアに近づく。キャップを開け、ドアノブに近づけ

39 :凸凹は記号でいいと思うんだ [saga]:2012/04/05(木) 22:34:48.50 ID:JPUq8YEx0


薙真「ちょおおおおお!何やってるんですか!?」ガタッ!

七実「どうやら会長と副会長は来るまで時間がありそうなので、ノブに流し込んで回らなくしようと」ヌリヌリ

薙真「アホですか!固まったら僕らが出られなくなるでしょうが!つーか仕事中に何つまんないこと考えて
   るんですか!」

七実「言い方が悪かったですか?接着剤を詰めるんですよ?」

薙真「全然うまくありませんからね。つまんないですからね」

七実「心配は要りませんよいいですか、考えてみてください。副会長は会長の奴隷です」ヌリヌリ

皿場「言い方が酷すぎです先輩」

七実「別にいいでしょう、独断と偏見に基づいて話しているだけです」ガチャン

薙真「いや、悪いでしょう。つーかなに作業完了してんですか」

七実「とにかくあの副会長のことです、開かないと知った途端力づくでくるのは目に見えてます。
   そうなれば、ドアの弁償代が発生するわけです」

薙真「……すいません」

七実「?」

薙真「先輩後輩の垣根を越えて言わせてください」

七実「どうぞ」

薙真「やることがちいせよアンタ」

七実「何とでも」

40 :凸凹は記号でいいと思うんだ [saga]:2012/04/05(木) 23:02:51.69 ID:JPUq8YEx0

接着剤を流し込んで一時間後――

三人は壁に掛かってる時計を見る。会長と副会長はいまだ来ず部屋では秒針の進む音だけが聞こえていた


薙真「来ませんね…」

皿場「もう仕事も残ってませんね…」

七実「既にノブは固まってるでしょうね」


はぁ、と三人でため息


薙真「まさかこのまま来ないとかそんなオチとか嫌ですよ僕」

皿場「それはないでしょうけど……」

七実「私はそれでもいいんですけどね、あの二人が死んで来られないというなら
   それはそれでありがたいですし」


そういってまた時計を見、暇つぶしにあの鬱陶しい会長が惨たらしく死ぬさまでも妄想しようかと
考えた矢先、複数の足音が聞こえる


コツコツ コツコツ

薙真「あ」

皿場「来た!」

七実「…ちぇ」

41 :やべぇ [saga]:2012/04/05(木) 23:17:19.18 ID:JPUq8YEx0

申死訳ありません。
ちょっと問題が発生死ま死た

大死た事じゃないと思うので続きは早くてあ死たか遅くても来死ゅうの土日以内に
更死ん死ます



まじですいませんお詫びにこの>>1の体中をナイフで刺死てていただいて構いませんので

 O
 大


42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/04/05(木) 23:24:44.69 ID:J1hZ8CWd0
乙彼

死吹の仕事か?

呪い名も大変だな
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/07(土) 23:30:14.39 ID:idBmLKkx0
>>1乙!
>>41じゃぁお言葉に甘えて
 ○
 ----スパッ
 大
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県) [sage]:2012/04/07(土) 23:44:43.75 ID:MKFhmNWEo
>>43
藁人形・・・
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/04/13(金) 00:32:13.10 ID:GsYaQuD6o
なんという俺得スレ
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [saga]:2012/04/20(金) 19:49:13.55 ID:IIpjPIJ20

なんていうか……すいませんで死た。

まさかのパソコンが死ゅう理にださなければならない事態に陥りました

ですが、無事こう死て戻ってきてくれま死たよ。いや〜寂死かったぞこの野郎!

そんなわけで、今日は予定を大幅におくれて死まいま死たが投下死体と思います

>>42
死事の内容は明かせませんが、別に鋏を持った長死んの男を殺せとかそんな内容じゃないことはた死かです
47 :凸凹は記号でいいと思うんだ・続 [saga]:2012/04/20(金) 20:33:59.16 ID:IIpjPIJ20


七実「やっと来ましたか。精々ドアを壊してもらいましょうか」


にやりと悪い笑いを浮かべながらドアノブを見る

足音が徐々に近づき、止まる。今まさに扉一枚向こう側には会長と副会長がいるのだろう
そしてドアノブに手を掛け容易に開かないと知り無理やり回す。そうなったが最後だ
最高級の素材を使っているとかなんとかいって莫大な弁償代を


飛縁魔「やれやれ、生徒会室が一階にあって良かったですね会長」カラリ

直「全く、何故高貴なる私が高貴なドアからではなく高貴な窓から入らねばならないのでしょうかね」ヒョイ

薙真「え」

皿場「あ」

七実「………」


〜〜〜〜〜〜〜


直「申し訳ありませんね皆様。高貴なる私は学生という立場でありながらも高貴なる多忙の日々を
  送っているが故に、どうしてもこちら側の仕事に高貴なるしわ寄せが来てしまうのですよ」


部屋の一番大きく派手派手しい机、そこに生徒会長:玖渚直は肘掛つきの椅子に腰掛け


飛縁魔「さて、俺の今日の仕事はどれかな、七実さん」


副会長の飛縁魔は七実の隣の机に腰掛ける

48 :凸凹は記号でいいと思うんだ・続 [saga]:2012/04/20(金) 20:48:18.57 ID:IIpjPIJ20


七実「これです」ドサ

飛縁魔「どうも」


差し出された分厚い書類の束に眉を動かすことも無く、飛縁魔は取り掛かる


薙真「あれ?飛縁魔先輩…その頬どうしたんですか?」


薙真が左の頬を指差す。たしかに、飛縁魔の左頬にガーゼが張られていた


飛縁魔「あぁ、これかな?昨日後輩と偶然会った時にやや過激なスキンシップ要求されてね、早く帰りたかったから
    一発だけですむなら良いよといったのさ」

薙真「(うわぁ…誰だか容易に想像つくな)…ご愁傷様です」


恐らく、というか確実に匂宮の兄貴の方だろうと薙真は思う。あの腕長凶悪シスコンは何故かは知らないが
飛縁魔を目の仇にしているという噂を耳にしたことがあるからだ


皿場「か、過激なスキンシップって…///」


一体ナニを想像しているのか、両手で頬を覆い顔を赤くする


薙真「…頬を殴るようなプレイなんてありませんよ」

皿場「え!?なななななな何をおっしゃてるんですか!?別にナニか変なことなんて考えていませんにょ!」

49 :凸凹は記号でいいと思うんだ・続 [saga]:2012/04/20(金) 21:37:49.19 ID:IIpjPIJ20

七実「では、窓から入ってきたのは何故ですか?副会長ともあろうお方が随分と行儀の悪い」

飛縁魔「いやなに、つい先ほどその後輩とうっかり廊下で会ってね、何故か急に殴りかかってきたものだから
    逃げていたんだよ。途中で会長とも会ってしまったから、流れでそのまま一緒に逃げていたのだ。まぁ
    何とかまけたようだけどね」


よほど理不尽な理由で喧嘩を売られたのだろうか、肩をすくめてやれやれといった仕草をする

皆が会話する中、高貴なる生徒会長、玖渚直は生徒会室に勝手に設置した食器棚からティーセットを取り出し
カップを5つ出す


直「皆さんお詫びといっては何ですが、紅茶はいかがですか?各種取り揃えていますよ」

薙真「各種っていつの間にそんなものを…生徒会室を私物化しないでください」

皿場「あ、でも私一度ダージリンとかアールグレイとか、そういうの飲んでみたかったんですよね
   なんかこう、高級感ある香りを味わってみたいというか」

直「では私が淹れましょう。玖渚家が厳選した紅茶です、きっと気に入るでしょう」


そういうと魔法瓶から茶葉を入れたティーポットにお湯を注ぎ、蓋をする

玖渚会長が紅茶に合う茶菓子を机の中から探している間、七実は先ほどこの生徒会室の前に訪れた
複数の足音について考える。

生徒会室は一階の廊下の突き当たりにある。故に、生徒会に何か用があって訪れたのだろうと推測するがいつの間にか
ドアの前には誰もいないようだった。まさか、自分がドアを固めてしまったがゆえに去ってしまったのだろうか…

一体何の用だったのだろう…、そう思って扉の方を見てみると

50 :凸凹は記号でいいと思うんだ・続 [saga]:2012/04/20(金) 22:00:42.04 ID:IIpjPIJ20


ヴォルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル


薙真「は?」

皿場「へ?」

飛縁魔「ん?」

七実「あら?」


ドアの外から、エンジンの吹かす音が鳴り響く

そしてヴォンッ!という音が鳴ったかと思うと


ヴィイイイイイイ!!!!!!!!


薙真「え!急になんだよおい!?」

七実「どうやらチェーンソーのようですね。この扉を切るつもりでしょう」

薙真「ジェイソンでも襲撃しに来たのかよオイ!」

皿場「ちぇ、チェーンソー!ひぃい!ひき肉にされますぅうう!!!」


徐々に、チェーンソーの刃が近づき、ついに扉を貫き
高速回転する刃は勢いを止めることなく、扉を斜めに切り裂いてゆく

二人が大騒ぎする中、飛縁魔は仕事を再開し、玖渚会長はまだ茶菓子を選んでいるようだ


七実「………」

薙真「なんで貴方達はそんな平気そうなんですか!?」

皿場「あぁ、おじいちゃん。…今そちらに行きます」

51 :凸凹は記号でいいと思うんだ・続 [saga]:2012/04/20(金) 22:09:24.69 ID:IIpjPIJ20


そして、扉が文字通り、一刀両断された


カランッ    バァン!


扉の半分は床に落ち、残ったもう片方は外から何者かが乱暴に蹴り飛ばす

そして、


一姫「そこまでです!武器を捨てて投稿しなさい!」

崩子「姫姉さま、確かに出版社にテロ行為をするのはよくありませんが、正しくは投降です」


現れたのは今年で中等部三年:紫木一姫
同じく二年になる:闇口崩子
であった


薙真「え?」

皿場「え?」

一姫「え?」

崩子「……やっぱり」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


崩子が言うには、少し前に生徒会室に用事があって扉の前まで来たのだが、一姫がドアノブが回らないことに気づき
突然、生徒会の皆が危ないと言い出してどこからかチェーンソーを持ち出したのだ

ドアノブが固められているのは、実は今テロリストが学園内に侵入し手始めに生徒会を占拠しているからであり
生徒会のメンバーが人質に取られているのだと思ったらしい


薙真「なんてゆーか…発想がすごいね…君」

一姫「そんなに褒めないでくださいよ〜デレちゃいますよ〜」

薙真「デレ無くていいし照れなくてもいいから(うわぁ変な子……)」

52 :凸凹は記号でいいと思うんだ・続 [saga]:2012/04/20(金) 22:30:37.28 ID:IIpjPIJ20


七実「で、生徒会にどんな御用があって来たのですか?」

一姫「おぉそうでした!実はですね―――」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


皿場「―――教室で飼っていた金魚がいなくなった?」

崩子「はい。猫なんかの獣が入った形跡もありませんし人為的なものかと思い、御相談を」


崩子のクラスは三階に存在する。当然動物が入るような高さではないし、窓も締め切られていたことから鳥類の類でも
ないのは明らかだった。となれば、やはり誰かが何らかの目的を持ってか、あるいはただのいたずらと考えるのが妥当
だろうか


飛縁魔「…なるほど…いいさ、こちらで調べてみよう、担任にも相談するといい。俺達ではどうにもならない事になるかも
    しれないしな」

崩子「ありがとうございます……あの」

飛縁魔「飛縁魔だ」

崩子「ありがとうございます。飛縁魔先輩」

一姫「あの〜…すいません」


一姫が手を上げる


七実「どうしました一姫さん」

一姫「その……ドアのことなんですけど修理費ってどのくらい…」


勘違いでドアを一刀両断したことに申し訳なく思っているのだろう。まぁ七実の策略ゆえという
元の原因を知らないからであろうが

七実としてもこのまま罪の無い(とんでもない勘違いでは合ったが)後輩に修理費を要求するつもりはないようで


七実「構いませんよ。修理費は生徒会で持ちましょう」

一姫「本当ですか!」

薙皿((……さりげなく自分のイタズラをなかったことの用にする気だ))


そんな事は無い。断じてない。無いってば


53 :凸凹は記号でいいと思うんだ・続 [saga]:2012/04/20(金) 23:25:48.94 ID:IIpjPIJ20

というわけでここで終わりです。

次回は時系列を遡って、放課後から朝へともどります

では、ノ死
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/04/21(土) 06:35:08.68 ID:Yumu48360
おっつ〜。

この生徒会役員共からは不安しか感じねぇ(笑)
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [saga]:2012/04/28(土) 10:44:55.81 ID:J1JGsqCW0

どうも皆さんお久死ぶりです。

近いうち投下死ますよ。(運がよければ今日にも)
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/04/28(土) 14:39:25.47 ID:cCmrZIyAO
ぜう貰てせさ援支、かぇねゃじぇ白面
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [saga]:2012/04/28(土) 20:55:24.55 ID:J1JGsqCW0
>>56

おりがとうございま…何やってんですか死ら鷺さん
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [saga]:2012/04/28(土) 20:55:50.91 ID:J1JGsqCW0

もうすぐ投下死ますよ〜

59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県) [sage]:2012/04/28(土) 20:58:06.58 ID:MuP5m0k2o
うひぃやったー
60 :>>1は1年に三回も [saga]:2012/04/28(土) 21:12:48.91 ID:J1JGsqCW0


突然だが東頭学園は普通じゃないことを教えておこう

具体的に言うなら、まず住所が明かされていないことだ。
というのも、東頭学園は普通じゃない者達によって作られた普通じゃない子供が普通の授業を受けるという目的で作られたのだ

そのため、学園は山の奥深くにあり生徒と教師など関係者しか知らされていない道を通って
来なければ、学園にはたどり着けない

そんなわけで大抵の生徒は通学の手間を省くため学園内にある寮に住むのだが、諸事情ゆえに寮生活は出来無い人は
学園から遠く離れた場所に住んでいるのだ


出夢「ふぁ、あ〜〜〜〜あぁ……ねむ…」


匂宮出夢、理澄もまた、そんな生徒の一人である


出夢「…うぇ〜頭いて〜」

七花「ZZZ」

人識「ZZZ」

出夢「…あぁそうか、昨日は二人とも泊まらせたんだっけ…んで確か…何があったけ?」


昨日、家に帰ると理澄が先に帰宅していた。そこまでならほぼいつもどおりなのだが、リビング、そこに座って
理澄と会話をしていたのは者がいたのだが、それが直木飛縁魔だったのだ。

そこでひと悶着あった後、理澄も含めて出夢の冬休み宿題の課題(ペナルティ)を皆で片付け、お菓子パーティー
を開いたのだった

確かその時炭酸を飲んだ時から記憶が……


出夢「あ〜…ん?」


ベットから床に足を下ろすと足先に何かがぶつかる。拾い上げてみるとコーラが入っていた容器だった


出夢「…あぁ!コレ飲んでから記憶が無いんだ!…え、もしかして僕コーラで酔っちゃったとか?」


そのまさかだったりする

61 :>>1は1年に三回も [saga]:2012/04/28(土) 21:30:01.08 ID:J1JGsqCW0


出夢「ぎゃはははっ!んなわけねーっつーのっ、お〜い二人とも起きやがれ」ユサユサ

人識「……ぅぅ」パチ

七花「……ぁぁ」パチ


床で寝ている二人を起こし隣の理澄の部屋に向かう


ガチャリ


出夢「お〜い起き…ろ?」


あれ?と出夢は首をかしげる。普段ならベットの上で掛け布団に包まっている妹の姿が見当たらないのだ
どうやら珍しく自分より早く起きたらしい

一階にいるのだろうかと思い下りてみたが


出夢「……いない…?」


リビングにも洗面所にも妹の姿は無かった。が再びリビングに戻ってくると机に目玉焼きをラップに包んだものと
置手紙を発見する


出夢「何々…
      『今日は兄貴より早く起きちゃったから朝ごはんを用意しておいたんだね!
       あと、今日は早めに学校に行くから遅刻しないように目覚まし時計を勝手にセットしておいたんだね!』
   
                                        …ふふ、あいつ」

自分にはもったいないくらいの出来た妹だと

思わず笑みがこぼれる

62 :>>1は1年に三回も [saga]:2012/04/28(土) 21:47:02.21 ID:J1JGsqCW0





  「「ぎゃああああああああああああああああああああ!!!!!」」

出夢「!?」


突然耳を貫く悲鳴にビクリと肩を震わせる
慌てて階段を駆け上がりへに戻ると、寝巻きから学生服に着替えている二人の姿が


出夢「なに慌ててんだ?」

人識「何ってお前時計みろ!」


人識が指を刺したのは目覚まし時計。ピンク色のファンシーな柄をしているのは妹の物なのだが
すぐに、あぁ置手紙にあったやつだなと気づく

そして


七花「なんでスイッチ切ってるんだよ!目覚ましの機能果たしてないじゃん!!」











出夢「…ぬぇええええええええええええええええええええ!!!!!?」


自慢の妹、まさかの凡ミスである

63 :>>1は1年に三回も [saga]:2012/04/28(土) 22:06:16.30 ID:J1JGsqCW0


出夢「早く言えよ!」ガバ

人識「ちょっ!服脱ぐなよ!」

出夢「パジャマで学校行けってか!?」

七花「もうすぐ俺ら着替え終わるから待ってくれって!」


仲良く(?)着替え終え三人は急いで階段を駆け下りる。そして机に合った目玉焼きを口の中に滑り込ませ
もぐもぐごっくんしながら靴を履き替え外へと飛び出す


出夢「おい!後何分で一時限目だ!?」

人識「あと20分…だめだ、走っても間に合わねぇ!くそ、どうすんだ!俺もう遅刻できねぇんだぞ!」

七花「いや、それはお前の都合だろ……って、かく言う俺も遅刻したら姉ちゃんになにされるか」ガクブル

出夢「なら途中でタクシーでも捕まえるか!?」

人識「ウチの学校の住所なんて教えるわけにはいかねぇだろ!玖渚機関が!」

出夢「〜〜〜畜生っ!どうすれば!」


頭をかきながら横に目をやると自転車が止めてあった。そういえば一家に一台は必要だね!とかいって妹が勧めるものだから
つい買ってしまったが、数年間全く使っていなかったのだ

だが、出夢はこれが希望へとつながると確信する

64 :>>1は1年に三回も [saga]:2012/04/28(土) 22:23:34.93 ID:J1JGsqCW0


出夢「そうだ!自転車で行けばギリで行けんじゃねぇのか!」

人識「はぁ!?お前何いって」

出夢「良し、七花お前漕げ!僕は後ろに乗る!」

人識「俺はどうなるんだよ!」

出夢「籠に入れば良いだろ!」

人識「入るか!入ったとしても腰しか入らねぇよ!」


二人が言い争っている中、七花が俯いていた。それは何かに諦めたようにも見え、どこか悲しそうだった


七花「……ごめん」

出夢「あ?」

七花「俺さ…っていうか、俺の家ってさ…代々剣術の才能がこれっぽちも無いじゃん」

人識「それがどうしたんだよ?」


虚刀流という流派は己の体を一本の刀とするために刀を必要としない。というのは開祖:鑢 一根が剣術の才能が
全く無かったために己の体を刀とする武術を編み出したが故なのだが


七花「で、どうやら俺の血筋ってさ










                  自転車に乗れないみたいなんだ」





出人「「は?」」



七花「俺は虚刀流という血統に…いや、血刀によって……自転車に乗れないことを」










           七花「強いられているんだ!(カッ!」←集中線





65 :>>1は1年に三回も [saga]:2012/04/28(土) 22:33:33.58 ID:J1JGsqCW0





出夢「うおおおおおおおりゃあああああああああ!!」


シャカシャカシャカシャカシャカ!!


七花「でえああああああああああああ!!!」


ダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!


人識「あだだだだだだだだだだだだだだだだだだ!!!」


がたがたがたがたがたがたがたがたがたがた!


現在の状況を説明しよう

自転車に乗れない七花は自転車の荷台を押し、出夢は全力でペダルを漕ぎ、人識は籠に腰をすっぽりと入っていた
自転車に三人乗りができるはずも無いので必然的にこうなったのだが、人識は背中や腰まで痛くてたまったものじゃない

遅刻したくは無い、それ故にスピードを落としてくれなどといえるわけも無く、人識はただ痛みに耐えるだけであった


出夢「おい人識!後何分だ!?」シャカシャカシャカ!

人識「あ…あと10分っ」イタイイタイ

出夢「(…もうすぐ半分超えるな、このペースなら行ける!)七花!ペース落とすなよ!」シャカシャカシャカ!

七花「落とすかよ!」ダダダダダダ!


漕ぐ者と押す者、その両方が圧倒的身体能力の持ち主であり、自転車の速度は最早競輪選手のそれを超えていた

河川敷をミサイルのごとく駆け抜ける自転車は何者にも止められない

これは時間という圧倒的存在との戦いだ

勝利する方法はただ一つ、目的地を見失うことなく、研鑽されてきた全てを己の足につぎ込み大地を蹴り続ける事

今はただ、それだけでいい!

66 :>>1は1年に三回も [saga]:2012/04/28(土) 22:51:55.50 ID:J1JGsqCW0


河川敷を駆け抜け山道へと入る

一月故にまだまだ朝の空気はとても冷たい。しかし朝から全力で自転車を漕いだり押したりしている二人には普段は
刺すようにいたい風も、汗をかいた体には心地いいものになっていた

ここまでくれば学園までの距離はそう長くは無い、上り坂下り坂を何度か繰り返すことにはなるが安心して良いだろう

だが、その坂道を越えてなおまだ出夢と七花はスピードを落とさず、人識も安心した表情は見せていなかった

それは


出夢「七花!そろそろだ、覚悟しとけよ!」

七花「あぁ!」


これまでの坂道とは比べ物にもならない、最後の関門が待ち受けていたからだ


人識「見えてきたぞ!”地獄の千段”だ!!」


地獄の千段


それは学園の校門へと辿り着く唯一の階段である。名前にもあるとおりこの階段は千段あり、非寮生活者の登校時の最も
邪魔な敵である

階段の多さもさることながらその傾斜も高く、500段目までは踊り場も無いというきつすぎる階段なのだ

車椅子、或いは自転車で登校する生徒のために真ん中にはスロープがついているが、コレを上る生徒は少なくとも
漕ぐものと押すもの、二人以上いなければ登ることが出来無いため”この階段いらねぇ!!”といわれ続けている

67 :>>1は1年に三回も [saga]:2012/04/28(土) 22:57:38.33 ID:J1JGsqCW0


出夢「いくぞぉおおおおお!!」

七花「ああああああああああ!!」


がくんっ!


これまでの上り坂とは別格の傾斜が三人を襲う


出夢「ぐっ!」

七花「…っ!」


今まで止まることも減速も無く突き進み続けてきた三人の自転車はここに来てスピードを落としてしまう

しかし、それでも陸上選手並のスピードを保ち続けているのは出夢と七花の身体能力が圧倒的だということが分かる


出夢「〜〜〜〜っ…なめんなぁああああああ!!!」


シャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカ!!


七花「止まって……たまるかあああああああああ!!!!」


ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!

68 :>>1は1年に三回も [saga]:2012/04/28(土) 23:13:07.93 ID:J1JGsqCW0


汽口慙愧の朝は早い


汽口「…」パチ

汽口「〜〜〜〜」ノビ〜

汽口「……」イソイソ


5:30 起床し道着に着替える


汽口「ふっ、ふっ、ふっ」タッタッタ


5:35 体力づくりのためにランニング(女子寮付近を走る)


汽口「いただきます」

                 シチグジン
6:30 女子寮一階にある飲食店【七具人】にて和風朝食セットを食べる


汽口「………」ヒュン! ヒュン! ヒュン!


6:50 自室にて素振り500回


ガラッ


汽口「おはようございます」


    「「「「おはようございますっ!」」」」


汽口「おはようございます。白兵さん」

白兵「おはようございます」

汽口「おはようございます。さっちゃん」

皿場「おはよう。きーちゃん」


7:30 道場にて男子剣道部、女子剣道部合同の朝練 

69 :>>1は1年に三回も [saga]:2012/04/28(土) 23:20:17.94 ID:J1JGsqCW0


8:20


汽口「(…そろそろですか)…すいません先生、私は」

みいこ「あぁ、風紀委員の仕事か…ん、行ってもいいぞ」

汽口「ありがとうございます」ペコリ


汽口慙愧は風紀委員である

風紀委員は毎朝校門前にて非寮生活者の服装チェックをする。といっても非寮生活者自体少ないし
始業時間までには教室に戻らなくてはならないが


汽口「…あと3分で一時間目ですね」ハシレバマニアウ


ちらっと腕時計を見てそろそろ自分も教室に向かわなくてはと校門に背を向ける


ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!


汽口「……?」


汽口が振り返ってみると


――――――

――――

――

70 :>>1は1年に三回も [saga]:2012/04/28(土) 23:25:49.74 ID:J1JGsqCW0


出夢「ウラウラウラウラウラウラウラウラウラ!!!」

七花「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!」

人識「アガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!」


ラストスパートを掛けた二人(被害が一人)に校門が視界に入る


出夢「うっしゃあ!間に合う!間に合うぞ!」

七花「マジか!」


ミシッ


人識「…おい、何かやばそうな音鳴ってね?」

出夢「は?何言って」


バキンッ!


出夢「なっ!?」ガクン!

七花「にぃ!?」グン!


匂宮家には一台の自転車がある

学園に入学する前、妹に勧められるままに買った一台が

しかし、その勧めた妹は外出のさいはほとんど拘束服を着ているため自転車なんぞにも乗れるわけが無い
そのため兄であるところの出夢しか乗る機会が無かった。が、出夢自身もどこへ行こうとその身体能力ゆえに走ってしまえば
あっという間に辿り着くのだ。故に出夢自身も自転車を使う機会は無かった

自転車は全く使われず常に放置され続けていたのだ

ペダルもチェーンもハンドルも、雨に打たれようと、風に吹かれようと、手入れも一切無く風化し続けてきた

そんな自転車がある日突然、しかも常人を遥かに超える力が加わったのだ


出夢「そんな…」


ペダルの一つや二つ、壊れない方がおかしかったのだ

71 :>>1は1年に三回も [saga]:2012/04/28(土) 23:37:54.95 ID:J1JGsqCW0


七花「ぐっ!ううぅ!!」


七花の腕にずっしりと負担が増える


出夢「くっ…畜生がっ!すまねぇ七花!」

人識「頑張れ!マジで頑張れ!」

七花「…っぁああああああ!!」


それでも七花が減速したのはほんの僅かだった

ここで止まれるわけが無いのだ、こんなところまで来てぎりぎりで遅刻?ありえない…あっていいはずが無い!


七花「あぁそうだ、ここまで来たんだ……こんなところで……終わってたまるかあああああああああああ!!!」


グォオンッ!!


出夢「うぉお!すげぇ!これが!」

人識「これが…七花の本気…!」

出人「「虚刀:鑢なのか!」」





ただの根性である

72 :>>1は1年に三回も [saga]:2012/04/28(土) 23:42:35.69 ID:J1JGsqCW0

――――――

――――

――


汽口「…あれは……自転車?」


校門の外に出て、坂道を登ってくる陰を確認する


汽口「人識さん!それに出夢さんや七花さんまで…なんて危険な乗り方を!!」


一人は籠に、もう一人は後ろから押していて、肝心の漕ぎ手は全く漕いでいない、三人乗りである


汽口「止まってください!いや今すぐ降りてください!先輩方といえど風紀委員として見逃せません!
   怪我をしたどうするんですか!」


近づいてくる三人に声を上げて静止の声を掛ける

〜〜〜

ドウスルンデスカー!


人識「げ!汽口いるじゃん!」

出夢「やべっ!七花ちょっとま」

七花「あああああああああああ!!」ドドドドドドドドドドドド

出夢「あれぇ!コイツ聞こえてねぇ!」


〜〜〜

73 :>>1は1年に三回も [saga]:2012/04/28(土) 23:43:30.88 ID:J1JGsqCW0

ドドドドドドドドドドド


汽口「え、ちょ」


全く止まる気配が無いことに困惑する汽口。そうしている間にも自転車は接近する


出夢「汽口そこどけぇ!轢いちまうぞ!」

汽口「う、うわぁ!!」


出夢の声に困惑が解け、慌てて横へと飛ぶ


ダンッ!


坂を上がりきった自転車はそのまま宙へと飛び出した。当然すぐに落下するが


出夢「くっ!」バッ

人識「だぁ!」バッ

七花「ん?うおぉお!?」バッ


空へと飛び出していた三人は空中で自転車を乗り捨て、地面に着地する


ガシャァアアン!!


そして、自転車は落下した

74 :>>1は1年に三回も [saga]:2012/04/28(土) 23:49:02.90 ID:J1JGsqCW0


出夢「ふぅ…って人識!あと何分だ!?」

人識「うっわやべぇあと2分だ!急げ!」

七花「走れ走れ!」

汽口「待ってください」


走り出そうとする三人の耳に後ろから声を掛けられる。ぴたっと止まり振り返ると、汽口がいた


汽口「どういうつもりですか!自転車であんな危険な乗り方をして!しかもあんなにスピードを出して!
   あなた方や他の方とぶつかってしまったらどうするのですか!自転車だって法律では立派な車両なんですよ!」


顔を真っ赤にして三人に怒り始める

さすがの出夢や人識ですら、汽口の正論に返す言葉も無かったが


出夢「え、いや、あの…悪ぃ!」ダッ

七花「ほ、ほら時間!時間がね!」ダッ

人識「悪い汽口!説教なら昼休みに行くから!」ダッ

汽口「待ってください!話はまだ終わっていません!」


逃げ出した三人を追いかけたが、足の速さには結局追いつくことは無かった


汽口「全く!信じられません!もうすぐ高等部の2年という自覚が無いんですか!」


この時の汽口は、全く予想だにしていなかった

本当に昼休みに三人が汽口の教室にやってきて、土下座を行うとは――――

75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [saga]:2012/04/28(土) 23:50:14.62 ID:J1JGsqCW0

これにて死ゅう了です

ちなみに今日パンク死ま死たよ……
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/04/29(日) 01:07:33.43 ID:4J0jl5G1o
看板娘ちゃんかわいすぎGJ
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/04/29(日) 11:43:58.17 ID:RSfxAN5AO
>>1
ときにこの3人は
出夢が引っ張り、七花が押し、
微力ながら人識がペダルを漕いで更にだめ押し。
なんて発想はなかったのか……
出夢くんの力で漕いだら手入れしたチャリでも持たないって。
(確か人識は効率のいい最速の動かし方をしてるだけで筋力的には常人だったはず)
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/04/29(日) 22:18:03.74 ID:stgFrFZWo
こんなところで同業死ゃと会うだなんて……
俺の名前は死吹死界です
よければそちらの名前をお死えていただけませんか?
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/04/29(日) 23:35:50.06 ID:Sm9KfBLP0
乙です。

自転車はちゃんと駐輪場に置かないとダメだからね。
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [saga]:2012/05/25(金) 23:26:47.86 ID:6Bg+ru/r0

念のため生存報告です。

近いうちに投下死ます

>>77
そんな事死たら自転死ゃ壊れないじゃないですかーやだー!
というのはさておき、まぁ焦っている人たちに冷静な判断は出来ませんって、たぶん

>>78
死にたいんですかあなたは?同じ死
吹だからといって
必ず
死も名乗る必要はないんですよ?どこ
で誰がこのスレを見ているかも分からないのに……TPOというものを弁えてほ死いで
すね。
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/05/26(土) 16:33:20.98 ID:k6GRJxIa0
>>66
もしかして>>1って仁岡好き?
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [saga]:2012/07/01(日) 18:16:51.43 ID:JFvDwA0X0
以前5/25<近いうち投下死ます

現在7/1

近いうちェ……

お待たせ死ま死た。本日投下死ます。

>>81
ガンガンを毎月買ってます故つい使ってしまいました
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [saga]:2012/07/01(日) 19:08:46.88 ID:JFvDwA0X0

そろそろ投下死ます。
84 :軽くホラーってむしろかわいい響きがする [saga]:2012/07/01(日) 19:18:02.18 ID:JFvDwA0X0


時はお昼休み、四時限目も終わり生徒は各々弁当を出して机をくっつけあったり、食堂にダッシュして行くものもいたり
あるいは屋上で誰かと一緒に食べに行く者達が出てきたとき、人識が三人で食堂へ向かう途中で言い出した


人識「なあ、ドラクエっておもしれーの?」

出夢「ふっ!!」
七花「んっっっっっっっっ!!!!!」


どぼぉっ


人識「うぼあ!!」


同時に両脇腹に拳が叩き込まれた
余りの痛さにその場に悶絶しながらも主犯の二人を見上げる


人識「て、てめぇら……何しやがる……」プルプル

出夢「いやさぁぜろりん……お前さ……」

七花「ドラクエが面白いか否かって……」


親友二人に重い一撃を与えた二人は心底残念そうに見ながら


出夢「面白いに決まってんじゃん、なぁ?」

七花「いや〜まさかそんな愚問を言うなんて人識らしくなさすぎて俺達もうなんて言ったらいいか……」

人識「言葉より先に暴力がでてんじゃねぇか!」プルプル

出夢「まぁドラクエがどんだけおもしれーかは後で教えてやっから、さっさと喰いに行こーぜ」

七花「だな」

人識「ちょ、待ておい……食う前に吐きそうなんだが」


〜〜〜
85 :軽くホラーってむしろかわいい響きがする [saga]:2012/07/01(日) 19:30:46.80 ID:JFvDwA0X0


七花「いやぁ食った食った」

出夢「ふぃ〜」

人識「……で、お前ら」


昼食も早々に終わり食器を片付けた三人は教室に帰る中、人識が思い出したように切り出した


人識「ドラクエのどこがおもしれーの?」

出夢「ふっ!」
七花「んっっっっっっっっっっっっっ!!!」


ひょい


左右から脇腹に向かって放たれた一……二撃を人識は後ろに下がって回避、止まらなかった二人の拳がぶつかる


ごん!


出夢「いっ!」
七花「てぇっっ!!」

人識「なんで同じ手口使ってんだよ馬鹿かお前ら」

出夢「あ〜いて。……まず人識、お前ドラクエの事どれくらい知ってる?」

人識「あ?……あぁ〜知識としては」

七花「未プレイってやつか」

人識「そうそう、蝶々のやろーがデータ吹っ飛んだって喚いてたからそっから色々聞いて
   興味沸いたから見せてもらったんだけどよ、何かイマイチって感じがしてさ」

出夢「ふっ!」
七花「んっっっっっっっっっっっっっっ!!」


ひょい ごん!


出夢「いっ!」
七花「てぇっっ!!」

人識「だからなんで同じ手口使ってんだよ!学習しろよお前ら!!」

86 :軽くホラーってむしろかわいい響きがする [saga]:2012/07/01(日) 19:37:47.41 ID:JFvDwA0X0


出夢「ドラクエを馬鹿にすんな!」

七花「歴史あるゲームなんだぞ!長くなるから説明はしないけどな!!」

出夢「……っと、話がそれたな。まぁ手っ取り早く済ませるならやっぱプレイしかないんだが」

出夢「今回は疑似体験ってことで、七花!」


急になにかを振られて何の事か分からなかった七花だが、すぐに理解して


七花「チャーーーーーー!チャチャチャッチャッチャーーーーーーー!!」

出夢「チャラララチャラララ!!」

人識「え、何だよいきなり」

七花「チャーーーーーーッ!チャチャチャーーー!チャチャチャッチャッチャーーーーーーー!!」

出夢「チャラララチャララランッ!!!」

七花「チャーチャチャーチャーチャーチャーチャッチャーーーチャ!チャチャチャッチャー!」

出夢「チャーチャチャーチャーチャーチャー、チャチャチャーーーチャーチャチャーチャーチャーチャー!」

七花「チャーーー!チャチャチャチャーチャッ!!チャーチャーーーーチャチャチャチャーーーチャッ!」

出夢「チャーチャーーーー!チャチャチャー!!チャチャチャチャーーーーッ!チャーーーー!チャーーーーーー!!!」

七花「チャーチャ〜ラ〜ラ〜ラ〜、ラ〜ラ〜ラ〜……………」

出夢「チャーチャチャーーーー!チャーーーーーーーー!チャーーーーーーーーーーーーーーーーー!」

七花「チャッチャッチャッ!チャッチャッチャッ!」

出夢「チャーーーーーーーーーー!」

七花「チャーーーーーーーーーー!」

出七「「チャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!」」

七花「…………」

出夢「…………」

人識「いや、なんでフル歌いきったし」

七花「チャーーーーーーー!!!」

人識「ループすんな!」

出夢「いや、だってお前がスタートボタン押さねぇから」

人識「あぁ!?俺コントローラー握ってるのかよ!!疑似体験って”ごっこ”かよ!」


87 :軽くホラーってむしろかわいい響きがする [saga]:2012/07/01(日) 19:44:21.19 ID:JFvDwA0X0


出夢「いいからいいから」

人識「なにがいいんだよ」


呆れたように二人を見るが、自分のためにやっているのだからむげには出来無い。人識はなんだかんだ言って甘いのだ


七花「ユウシャシチカノソウビヲエランデクダサイ」

人識「名前決まってんのかよ……あ〜あれだ”メタルキングの剣”で」

七花「ユウシャシチカノコウゲキリョクガ―200ニナッタ」

人識「なんでマイナスなんだよ!!」

出夢「いやほら虚刀流、虚刀流」

人識「それ設定の基本にすんのかよ!?じゃあもういいよ素手で!!」

七花「ユウシャノコウゲキリョクガ500ニナッタ」

人識「高っ!」

七花「シュウリョウシマスカ?」

人識「はいはい」

七花「ホントウニシュウリョウシマスカ?」

人識「はいはい」

七花「ホントウニシュウリョウシテイイデンスネ?」

人識「はいはい、ってしつけーな!!」

出夢「大体こんなもんだろ、最初のヤツって」

人識「マジかよ」

88 :軽くホラーってむしろかわいい響きがする [saga]:2012/07/01(日) 19:51:59.05 ID:JFvDwA0X0


出夢「ユウシャノボウケンガハジマッタ!」

出夢「ゲンザイチ、街」

七花「ユウシャハドウスル?」

人識「そりぁあれだ、街の人に話しかけるが妥当だろ」

七花「ケイビインガアラワレタ!」

出夢「そこのお前!裸で街中をうろつくとはいい度胸だな!逮捕だ!!」

七花「ユウシャハタイホサレテシマッタ!」

出夢「テーレーレーテーレーレーテレレ〜」

人識「服着とけや!!」

出夢「だって選択しなかったじゃねぇかよ」

人識「デフォで着とけって言ってんだよ!!何で最初が全裸で始まるんだよ馬鹿かお前ら!!」

七花「チャーーーーーーーーー!チャチャチャッチャ」

人識「スタートボタン!!!」


そろそろツッコむのもめんどくさくなってきた人識


七花「ユウシャノソウビヲエランデクダサイ」

人識「(そういや虚刀流は服とかは鞘みてーなもんなんだよな……だとすると下手に防御力高いのはまたマイナスだし……)」

人識「じゃぁあれだ、布の服」

七花「メンニシマスカ?シルクニシマスカ?」

人識「どーでもいいわ!」

89 :軽くホラーってむしろかわいい響きがする [saga]:2012/07/01(日) 20:08:41.00 ID:JFvDwA0X0


出夢「ユウシャノボウケンガハジマッタ!」

人識「もうさっさとしろよ……」

出夢「中ボスガアラワレタ!」

人識「展開はえーよ!」

出夢「ふはははは!!この世界は私ものだ!逆らうやつは容赦しない!」

人識「中ボスの癖になんでラスボス並のセリフ言ってんだよ」

七花「ユウシャノコウゲキ!」

七花「ザキ!」

人識「おい!」

出夢「ぐっはああああああああ!!」

出夢「中ボスを倒した!」

人識「うぉおい!!」

七花「ユウウシャノレベルガアガッタ」

出夢「テテテテッテッテ〜〜♪」

人識「おい、ボスが即死呪文で死んだぞ」

出夢「世の中はそんなもんさ……社会に出れば、当たり前が通じない……それが当たり前になっちまう……」


おもむろに窓の外を見る。外では数羽の鳥が群れを成して羽ばたいていた。いつか、自分達もあの


人識「おい待てなんで脈絡も無く黄昏てるシーンになってんだ」


〜〜〜

90 :軽くホラーってむしろかわいい響きがする [saga]:2012/07/01(日) 20:19:41.44 ID:JFvDwA0X0


七花「で、やってみてどうよ?」

人識「なんとなく分かったわ、お前らがドラクエを馬鹿にしてんのは」

出夢「あ?聞き捨てならねーな、だれが?何を馬鹿にしてるって?」

人識「何故キレたし」

出夢「よぉしいいだろう!だったらここはその筋の人に詳しい説明を受けてもらおうじゃねぇか!」

人識「え〜〜」

七花「え〜じゃない!ささっ、二年の教室へ直行だ!!」

人識「いやいやいや、もう昼休みも終わるし」

出夢「いいから行くぞオラ!」


手を掴みぐいぐい引っ張る二人に何故か人識は違和感を覚える

おかしい、何かがおかしい

考えてみればなんだかさっきからボケにキレがイマイチだったのだ。普段なら二人とももう少し上等なボケをしたり
しつこかったりするのになんだか今日は調子がよくない。というかなんだかテキトーだ


人識(なんだ?一体何が引っかかってんだ?)


〜〜〜〜


出夢「そんな訳で二年の教室に到着したわけだが……」

七花「人識、ちょっとゴメン」

人識「あ?」


がしっ がしっ

91 :軽くホラーってむしろかわいい響きがする [saga]:2012/07/01(日) 20:27:46.48 ID:JFvDwA0X0


二人は後ろに回ると人識の腕をがっちり掴む


人識「なにすんだよ!」

七花「いや〜悪い」

出夢「姉さ〜ん!生贄……もとい人識連れてきましたーー!!」

人識「」


がらっ


七実「あらタイミングがいいですね、もう来ないと思って私から窺おうと思ってたんですけど」


教室に入るとそこには七実が待ち受けていた


人識「あぁ!?ちょ、おいさっきの生贄ってどーゆーこった!!」

七実「何のことはありませんよ人識さん。今日の二時限目終わりに二人と中庭で偶然会ったのです―――」


〜〜〜


七花「でさ〜」

出夢「アハハ!」

七実「あらあら、七花に出夢さんではないですか」

七花「あ、姉ちゃん」

出夢「うぃーすっ」

92 :軽くホラーってむしろかわいい響きがする [saga]:2012/07/01(日) 20:32:44.17 ID:JFvDwA0X0


七実「そういえばお二人とも……いえ、正しくは三人ですか、今日は随分とぎりぎりの登校だったじゃないですか」

七花「……へ?」

出夢「な、なんのことでしょーか?」

七実「とぼけても無駄です。今朝、偶然廊下に出ていたときに外で汽口さんを無視して走り去る姿を見たのですから」

七実「久々に外泊を許可してみたらこの有様、姉として私はとても恥ずかしい思いをしているのよ七花」

七花「あ、あはは……」

七実「まぁいいわ、とりあえず七花そこに直りなさい。出夢さんもです」

七花「え〜っと姉ちゃん?一応俺らこの後まだ授業があるんだけど」

七実「大丈夫よ、たかがアキレス腱を切断するのにそう時間は取らせないわ」

七花「説教かと思ったら予想の斜め上どころか天空に行かれた!!」

出夢「それはもうたかがの領域を振り切ってるでしょ!!?」

七花「姉ちゃん落ち着いて考えよう。アキレス腱の切断は爪をはがすのとは訳が違うんだよ!!二度と歩けなくなるんだよ!!」

七実「遅刻しそうになる足なんてあなたもいらないでしょ?」

七花「いるよ!?虚刀流としても人間としてもいるよ!!」

出夢「ていうか先輩なんで僕まで」

七実「大丈夫ですよ。貴方の方は精々前歯の角度を少しばかり変える程度ですから」

出夢「痛い!!想像しただけで痛い!!」

93 :軽くホラーってむしろかわいい響きがする [saga]:2012/07/01(日) 20:37:48.73 ID:JFvDwA0X0


七花「姉ちゃん思いとどまって!大事な弟が二度と立てなくなるよ!!」

七実「知ってるかしら七花、なんでもアルプスとかいう山に行けば足が治るらしいわよ?」

七花「治らないよ!?仮に治るとしてもそれは金髪のフランクフルト出身の車椅子少女っていうごくわずかな人間だけだよ!!」

出夢「先輩お願いします見逃してください!」


必死の説得が通じてか、七実はいつの間にか構えていた手刀を下ろし


七実「まぁそれもそうですね。ここで今すぐ貴方達二人だけっていうのも何だかかわいそうですし」

七実「いいでしょう。昼休みに人識さんを連れてきたら二人とも今回の事は不問にしましょう」

七花「え!?」

出夢「マジっすか!?」

七実「えぇもちろんです。変わりに人識さんが貴方達の分まで苦しむことになりますけどそれでも良いと言うな」

七花「絶対連れてくる!いや強制連行する!!」

出夢「マジで頼みますよ!!絶対免除してくださいね!!」

七実「……」

〜〜〜

94 :軽くホラーってむしろかわいい響きがする [saga]:2012/07/01(日) 20:41:59.93 ID:JFvDwA0X0


七実「というわけです」

人識「ふっざけんな!!要はテメェら俺を売ったってことじゃねぇか!!」

七花「いやぁ悪いな人識」

出夢「お前なら俺達の絆の力で乗り越えられるって信じてるぜ」bグッ

人識「……よぉし分かった。たった今からお前らは親友でもなんでもねぇ今からお前らは俺の敵だ」


ひゅん


人識が指を何度か折り曲げると、突然七花と出夢の両手が上にあげる


七花「へ?」

出夢「……げっ」


七花は混乱し出夢は顔を青ざめる


人識「そうだったそうだった。確か七花はコレみんの初めてだったな……コイツはな曲弦糸っつーんだよ」

人識「まぁ簡単に言っちまえば糸を自在に操る技だ。縛る、張る、締める、斬る……結構応用の利く便利な技だ」

人識「んで、今現在テメェら二人はおててバンザイしながら棒立ちするしか出来無いわけだ、先輩」


くるりと人識は七実の方をむいて


人識「俺がこの二人の身代わりなるって事は、逆に俺の代わりにコイツらが俺の代わりなるってことも可能っすよね」

95 :軽くホラーってむしろかわいい響きがする [saga]:2012/07/01(日) 20:46:16.68 ID:JFvDwA0X0


七実「……そうですね、間違ってはいません」

人識「そうっすよねぇ、そんじゃぁお前ら後はヨロシク」


そう言うと人識は教室の外へ出ようと足を進める


七花「いやちょっと待って人識!いや人識大明神様!!」

出夢「そ、そうだ良いこと教えてやるよ!!実は俺達もドラクエやったことねーんだよ!ほら、俺達また共通点が見つかったぜ!」

七花「いや〜ここまで気があうとなんだか運命的なものが感じるな!!」

人識「そうだな。いざって時には親友を身代わりに差し出す薄情なところも似てるな」


きゅっ


人識が手を握ると二人の手がさらに挙がり二人は爪先立ちすることになる


七花「いたたた!ちょ、人識さぁあん!痛い!手首ちぎれる!ちぎれるって!」

出夢「っていうか血管が浮き出てる!血液が手首で止まっちゃってるよ!!」

人識「アデュ〜」


ひらひらと手を振り、二人の言葉を無視して人識は教室を去


人識「げはぁ!!」


れなかった


96 :軽くホラーってむしろかわいい響きがする [saga]:2012/07/01(日) 20:51:31.22 ID:JFvDwA0X0


七花「う、うぇ?」

出夢「は?」


扉に向かっていたはずの人識は突然引っ張られ反対の壁に激突した


七実「はぁ、全くもう。見てられないわ」


そして、人識を吹っ飛ばした張本人、七実がため息をつく


七花「……ね、姉ちゃん」

出夢「七実先輩……アンタって人は」


助かったと二人は安堵する。そうだ、人識は約束どうり連れてきたのだ、ならば人識が自分達の身代わりになるという
約束は果たされて当z


七実「何が親友よ、己の身かわいさにお互いを売りあうなんて人として醜いったらありゃしない」

七実「いいでしょう、気が変わりました。ここは年長者として三人とも教育して差し上げましょう」

七花「」

出夢「」


七実「さて、まずは七花から」

七花「いや待って姉ちゃんお願いだからまって後生の頼みです一生のお願いです慈悲をください御慈悲をください!!」

七実「だが断るわ」


七花、出夢、人識が中等部に直行し汽口慙愧へ土下座するまで、あと2分

97 :軽くホラーってむしろかわいい響きがする [saga]:2012/07/01(日) 20:54:34.28 ID:JFvDwA0X0

七実さんの拷問はギャグ補正が通用死ないと>>1は思います。

そんなわけで今回はここまでです

次はもっと早く更死ん死たいなぁ……
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2012/07/01(日) 21:09:51.00 ID:2xEYsx09o

次の更新待ってる
ただしその頃には、あんたは八つ裂きになっているだろうけどな
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/07/01(日) 22:46:28.47 ID:wSW7g/dAO
乙して
支援して
次の投下を期待して
他の戯言スレが無いか探して
このスレを1から読み直してやんよ
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/07/03(火) 00:35:58.77 ID:zIcVQzKI0

>>1にときめいているでござる
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) [sage]:2012/07/08(日) 20:49:27.50 ID:GjPFQ05k0
傑作だな
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [saga]:2012/09/06(木) 21:05:47.85 ID:8jMQGVrf0

doumoお久死ぶりです。夏休み、いかがお過ごしで死たか?

ちなみに>>1の夏休みの思い出は早朝から雷でたたき起こされたことです

死ん度4の地死んでも起きないほど寝つきがいいんですがね……

更死んはもう死ばらく死たら出来ますので、お待ちになってください
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/06(木) 21:39:31.07 ID:l+wOdAowo
なんだまだ生きてたのか
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2012/09/07(金) 17:38:05.00 ID:SeVwpnGc0
ここまで一気読み出来ました
あえていいます、十全です
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [saga]:2012/09/18(火) 19:53:49.44 ID:RvkEsHIS0

どうも、久死ぶりですね皆様

本日投下死ます。お楽死みに。ノ死
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [saga]:2012/09/18(火) 21:10:47.95 ID:RvkEsHIS0

さぁ、投下タイムだ!
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/18(火) 21:14:00.16 ID:QFZrK5kYo
わーい!
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/18(火) 21:16:52.01 ID:A8OvcsHWo
いちいちそんなこと宣言するヒマがあるならはよ
109 :全ての元凶 [saga]:2012/09/18(火) 21:20:32.86 ID:RvkEsHIS0


これは、人識、出夢、七花の三人が高等部に上がる少し前、中等部最後のテスト期間の頃の話である


出夢「……」カリカリ

人識「……」カチカチ ピコーン カチカチ

七花「……」ペラッ


場所は出夢の家。テスト期間最終日前日、9教科あったテストも残すところ後3教科という日

テスト1週間前なんて勉強する日じゃないと一辺も疑わない出夢は、テスト前日に範囲の勉強をするため、最終日の教科のテスト勉強をしている

同じ部屋にいる人識はテスト2週間前からテスト範囲をある程度予想して勉強し、1週間前は本格的にテスト勉強に取り組んできたのでテスト期間中は
ゲームなどして遊んでいる。人識は、テスト期間という学校が早く終わる時こそ存分に遊ぶのである

人識と同じくマンガを読んでいるのはご存知七花である。この三人の中で最も勉強が出来無いはずの七花がなぜテスト勉強をしていないのだろうか
しかし、部屋の主であるところの出夢はそんな疑問よりも、勉強している人間の近くで”遊ぶ”という悪魔の囁きの様な行為をしている事が最も
重要であり、他のことなど(勉強を除く)頭に無かった


七花「……なぁ人識、世界史の大問4なんだけどさ、あれの答えってヒトラーだよな」ペラッ

人識「あ?……あ〜……あぁ、あってるぜ」

七花「よっしゃあ!」

出夢「うるせぇんだよお前ら!!」


ガタン!


とうとう我慢できなくなった出夢は立ち上がって振り返り邪魔者二人を睨みつける

110 :全ての元凶 [saga]:2012/09/18(火) 21:27:38.90 ID:RvkEsHIS0


七花「いや、お前の方がうるさいぞ」

人識「だな、近所迷惑だ静かにしろよ」

出夢「ゲームの音とかテメェらの会話がうるせぇっつてんだよ!!こっちは勉強してんだよ帰れよ!なんで家に来んだよ!」

人識「だからでかい声出すなって、俺はテストに関しちゃいつもどうり余裕だから遊びに来てんだよ」

出夢「来んな帰れ!」

七花「なあ出夢、コレの3巻どこ?」

出夢「お前もだよ!!」

七花「えっ!?」

出夢「えっ!?じゃねぇよ!なんで自分は関係ないって思ってんだよ!こっちの方がえっ!?って言いてぇよ!
   そもそも七花!てめぇなんで勉強してねぇんだよ!!」


七花は頭が良くない

はっきり言ってこの三人の中で一番頭が悪い。物を覚えるのはまだしも理解力が足りないのだ。そのため、英単語のテストなど暗記が物を言うテスト
では比較的点は取れるのだが他の教科ではそうもいかない、ではなぜこれほど余裕があるのだろう

声を荒げる出夢に七花はまるでそよ風に涼むかのように爽やかな顔をしながら


七花「いやさぁ……今週の俺って、どうやら神様に愛されてるっぽいんだよね」フッ

出夢「あ”?」イラッ

七花「昨日も今日もこれまでの6教科全部山はってたんだけどさ……もうさ、予知能力でも覚醒したんじゃ無いかって位当たりまくりなんだよね」

人識「で、余裕ぶっこいてると……なんか残り3教科が失敗するオチがもう見えたぞ」

七花「ふっ、仮にそうだとしても3教科くらいじゃなんてことないな」

111 :全ての元凶 [saga]:2012/09/18(火) 21:34:19.36 ID:RvkEsHIS0


人識「んなこと言ってと後でとんでもない目にあうぞ」

七花「どんな目にあうのか想像もつかないね」フッ

人識「さいですか、ま、俺の心配が無駄になる事を祈るよ。そんじゃ帰るわ」

出夢「おう、帰れ帰れ」


しっしっ、と蚊でも追い払うように促すが、ふと人識がドアノブを掴もうとしてぴたりと止まる


出夢「?」

人識「なぁ、七花……俺さ、ふと思ったんだけど……」

人識「出夢のセーラー服って……どう思う?」

出夢「は?」

七花「……そりゃあもちろん有り得ないな。大体」

出夢「議論始めようとすんなよ!帰れよ!!」


まだ中学生だった頃の出夢は着ているのはセーラー服ではなくブレザーであった


人識「え〜……でもさぁ俺はずっと気になってたんだぜけどよ、何でお前男子の制服なわけ?」

出夢「ほっとけ!こっちの方がいいからだよ!」

七花「だとしても違和感がバリバリだぞ、体が女な訳だから、俺や人識がセーラー服着てるようなもんだ」

人識「俺だったら耐えられないな」

出夢「精神が男だからだよ!」

112 :全ての元凶 [saga]:2012/09/18(火) 22:04:39.20 ID:RvkEsHIS0


七花「よし、じゃあこうしよう、妹のセーラー服借りて本当に似合わないかどうか検証しよう」

人識「乗ったぜ」

出夢「乗らねぇし着ねぇよ!!」

人識「あっ、しまったこの部屋鏡無いな、手鏡じゃ見えにくいだろうし」

七花「そう言うと思って俺はさっき洗面所行った時にはめてあった鏡引っこ抜いてきたぜ!」


どん、と扉を開けて腰の高さくらいまである鏡を部屋に入れる


出夢「人の家の洗面所に何してんだよ!」

七花「よし、後はそうなるとセーラー服だけだな」

人識「そう言うと思って俺は少し前にトイレに行った帰りに拝借してきたぜ!」


ばさっ、と再び扉を開け廊下に置いてあったであろうセーラー服を部屋に入れる


出夢「てめぇぶっ殺すぞ!!!人の妹の部屋無断で入ってんじゃねぇ!!!」

人識「それだけじゃねぇぜ!!」


ばっ!とセーラー服を投げ、ぱんっと両手を合掌する。さながら錬金術師のようだ。広げた両手の中からは


人識「ついでに近くにあったパンツを拝借」

出夢「死ぃねぇぇぇええええええい!!!!」


顔面に目掛けた貫くような拳を人識はひらりとかわす

113 :全ての元凶 [saga]:2012/09/18(火) 22:18:10.56 ID:RvkEsHIS0


人識「というのは冗談で、予備の眼鏡だ」

出夢「なんだ」

七花「良し、全てはそろった……さぁ出夢、レッツ試着!」

出夢「着ねぇっつってんだろ」

人識「え〜、俺らぶっちゃけこのために来たんだけど」

出夢「手際良いなと思ったらやっぱりか!」

人識「この三人でつるむのももう定番じゃん?だからさ、長年の疑問に終止符を打とうぜってことでね?」

出夢「何度も言わせんな着ないったら着ない!てめぇが着てろ!!」

七花「……ぷっっ!!あっははははは!!やばい!想像したらすげぇ笑える!!なぁ人識、試しに着てみれば?」

人識「」プチ

人識「あぁ?てめぇ俺なんかに来て欲しいのか!この変態野郎!!」

七花「んだとてめぇ!!!」

人識「やんのかゴラァ!!!」


どしん  ばたん!


出夢「おいこらやめろ!!人の家で喧嘩すんじゃねぇ!」

七花「顔面刺青の伏線回収されなかったくせに!!」ガスッガス!

人識「アニメの九話で馬鹿みてぇな動きしてただろてめぇも!!」ドカバキ!

出夢「本家のネタ持ち込んでくんじゃねぇ!!!」

114 :全ての元凶 [saga]:2012/09/18(火) 22:33:03.44 ID:RvkEsHIS0


七花「じゃぁさっさと着てくれよ」

人識「そうだよ、お前が着ないから俺と七花の友情にヒビが入っちまってんだぞ」

出夢「は?なんでそうなる」

人識「いいからいいから。大丈夫、笑わねぇから」グイグイ

七花「いいじゃんYOU着ちゃいなYO!写メ撮ったりしないから」グイグイ

出夢「いや、ちょ」


ばたん


出夢「えぇ〜……」


謎の勢いで無理矢理部屋の外に追い出された出夢


出夢(……いやいやいや、着ないからね?期待したって無駄だかんね?)


しかし、ここでもし着なかったらどうなるか……しばらくして待たせた挙句「着ませんでした〜!着ると思った?馬鹿なの?死ぬの?」では
さすがにKY呼ばわりされても仕方が無い


出夢(……ちっ、一回きりだぞ)


115 :全ての元凶 [saga]:2012/09/18(火) 22:50:56.74 ID:RvkEsHIS0


コンコン


人識「お、着たみたいだな」

七花「どうよ、今のところの感想は?」

出夢『あぁ?……なんかスースーするし軽いって位だな……』

人識「よし、入って来い!」


がちゃ


出夢「……ど、どうだよ」


意を決して部屋に入った出夢を


人識 パシャ

七花 カシャ


入った瞬間、写メを撮り


人識「『速報!出夢、女装に目覚める』っと、一斉送信!!」ピ

七花「じゃぁ俺とがめに送ろ〜っと」

出夢「」


出夢は黙って椅子に近づき、むんずと掴んで


出夢「死にやがれこの腐れ外道共があああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」


ぶぉおん!!


薙ぎ払った


116 :全ての元凶 [saga]:2012/09/18(火) 23:16:00.53 ID:RvkEsHIS0


七花「杜若!」

人識「ぐへっ!」

出夢「こん畜生が!!人が恥ずかしの必死に我慢して着たってのに!!」

七花「落ち着けって、冗談だよ!ホラ、メールなんて送ってないし!」

人識「……ぉぉう」プルプル

出夢「写メは撮っただろうが!!」

七花「いやだって普通に似合ってたし」

人識「お、おう……予想以上だったぜ……」

出夢「出鱈目言うな!!」

七花「いやいやいやマジだって、ほら鏡見てみ?」


どうどうとなだめがら鏡を見せる

やはり肉体が女という事もあってか、鏡に映るその姿は


出夢「おぉ……」


出夢も感嘆の息を漏らすほどだった


七花「な、似合ってるだろ?」

出夢「おぉ、す、すげぇ……まるで自分じゃないみたいだ……」

人識「まぁお前、初めて見た奴らでも”黙ってれば普通に美人”に見えるらしいからな、似合ってて当たり前だ」

117 :全ての元凶 [saga]:2012/09/18(火) 23:29:06.49 ID:RvkEsHIS0


人識「というわけで七花、賭けは俺の勝ちだな」

七花「ちぇっ、……はい500円」

出夢「賭け、ってお前ら……」

人識「いやぁ、帰るときにお前がセーラー服似合うか似合わないかっつー話になってよ、七花と賭けてたんだよ」

七花「だってほら、男子の制服には確かに違和感あるけど、逆に女子の制服でもそのワイルドっぽい顔で似合わないんじゃないかとね?」

出夢「お前な……」

人識「けどこうしてみるとそのワイルドな顔もいい感じだぞ」

出夢「え?マジで?」

七花「イケてるイケてる!」

出夢「そ、そうか?いやぁ〜僕ってこういうの似合うかどうか不安でさぁ〜」

人識「良し、髪形もいじって見ようぜ!」

七花「いいね!賛成!ついでに眼鏡も掛けようぜ!」

出夢「え、ちょっと、やめろってやめ、や〜め〜ろ〜よ〜」


〜〜〜家の外〜〜〜


理澄「ささ、伊織お姉ちゃん上がって上がって!」

伊織「『東頭学園きっての笑顔印の理澄ちゃん、その不自由な姿の生活に新聞部美少女記者、無桐伊織が迫る!』
   さて、出だしはこんな感じでいいでしょう。いざ、乗り込め〜!」

理澄「わぁい!」

118 :全ての元凶 [saga]:2012/09/18(火) 23:38:13.13 ID:RvkEsHIS0


どたどたどたどたどたどたどたどたどたどたどたどたどたどたどたどた


ばぁん!


理澄「兄貴〜たっだいまぁあああああああ!!!」


家に入るやいなや、階段を駆け上がりドアを半ば蹴り開けて部屋に入る理澄


人識「あ」

七花「あ」

出夢「理澄!」


いきなり妹が部屋に入ってきたため一瞬驚くが、出夢はすぐに顔を青ざめる


伊織「『ただいま!その言葉と共に彼女は階段を駆け上がった。どうやら自分の兄に帰宅を知らせにいったようだ、彼女にとっては
   家に帰ってまず最初にすべき事は手洗いうがいなどではなく、兄へ会おうとすること。なんとも兄妹愛溢れる行動である。そう
   思いながら美人記者は階段を駆け上がる。部屋を覗くとそこには彼女の兄、匂宮出夢さんが』…………あ」

人識「……よう」

七花「……」

出夢「……」

伊織「……」スッ


伊織はゆっくりと手にした手帳にペンを走らせる


伊織「『速報!匂宮出夢、女装に目覚める!』決まった!明日の見出しはコレだ!!」

人識「バ、お前!!」


人識が止めようとした時には既に手遅れだった。出夢は再び椅子を手に取り


出夢「うぉおおおおありゃああああああああああああああああああああ!!!」

七花「ぐへ!」

人識「ぐはぁ!!」


近くにいた二人を殴打し気絶させ、伊織の肩を掴む

119 :全ての元凶 [saga]:2012/09/18(火) 23:43:40.96 ID:RvkEsHIS0


出夢「忘れろ!!」

伊織「はひぃ!?な、何を?」

出夢「今日起こった全てだ!!忘れなきゃ殺す!記事にしても殺す!誰かに言っても殺す!!」

伊織「ふっ、あ、ああああ甘いですよ出夢さん!新聞部の美少女敏腕記者たるこの私が暴力に屈するとでもアアアアアア痛い痛いイタイ!!すいません
   調子こきましたすいませんすいませんでした!!」

理澄「……兄貴」

出夢「なんだぁ!!」


伊織の腕を捻りながら妹の方を見る


理澄「ツインテじゃなくてポニテなら多分似合うよ?」

出夢「……ありがとよ」


その後は目が覚める前に気絶した二人を伊織にもって帰らせ、借りていた服は返した

ちなみに伊織は何か防衛反応でも働いたのか、本当に昨日起こったことを忘れており、友人との会話に苦労したという





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






出夢「…………なぁ、理澄」

理澄「何、兄貴?」

出夢「セーラー服ってさ、いくらすんのかな……」


そして、出夢のセーラー服が再び見るのは高等部初登校の日となった


120 :全ての元凶 [saga]:2012/09/18(火) 23:49:12.42 ID:RvkEsHIS0

あのアニメのあの死ーンを見てこのはな死が思い浮かび、そ死て
なんだかどんどん色んなネタが思い浮かんで今に至ります。

ちなみに>>1は事故で女死のスカートの中が見えて死まった事が一度あります。

中学生だったのですぐ謝りま死た。なのに死ばかれました。世の理不尽を死りま死た。
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/19(水) 15:23:41.69 ID:wbik5Ct8o
確か人間シリーズで着てたよなセーラー服
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山梨県) [sage]:2012/10/18(木) 17:03:19.87 ID:RfMXjJGi0
きてた
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/04(日) 02:01:47.39 ID:lrUuA9MDO
最高に傑作でした
出夢くんのセーラー服姿を諸兄らに伝えることができないのが心残りだ
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