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男は安価剣に呪われて、伝説を残すため旅をするようです。 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/03/22(木) 18:02:04.83 ID:FFA+bc7x0
魔王によって世界は滅びようとしている。

そんな事はただの村人である僕でも知っている。でも、僕には関係ない。少なくとも、この時の僕はそう思っていた。
だってそうだろう。魔王対策として、勇者なんて強い人間が世界を救うべく動いているし、大きな国々も軍隊を派遣して魔物と戦っている。ただの村人である僕がそのことについてどうこう思ったところで、何も変わらないんだから。
餅は餅屋と言うし、僕みたいな力を持たない人間は魔王討伐の報告をただ黙って待てばいいだけの話なんだから。

男「――そう、思っていたんだけどなぁ」

何の因果か僕はこうして大きな剣を背に旅をしている。
理解できないし、納得も出来ない。小市民の僕がこんなことをしても大元の結果は変わらないというのに。無駄、無意味、無駄足。それでも僕は旅をしなければいけない。

アンカー「どうした、相棒。足が止まってるぞ」

この喋る魔剣に呪われてしまったのだから。


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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
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渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
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二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/03/22(木) 18:04:39.70 ID:FFA+bc7x0
男「おい、安価剣。一つ問うぞ。なんで僕がこんな目に合わないといけないんだ」

アンカー「安価剣じゃない、アンカーだ。そんなの決まってるだろう、俺様の伝説を作るためだ」

この喋る魔剣が言うに、生前は後世にまで自分の名を、武勇を轟かせようとした男の成れの果てらしい。剣に生き、剣に死んだが結局求めるような成果は得られなかった。

そういう意味で志半ばで倒れてしまったコイツは、まだ自分の伝説が始まっていないという無念から魔剣に姿を変え、自分と波長の合う人間を求めて悠々の時を過ごしていたのだとか。

母屋で見つけたボロボロの剣が件の魔剣とは知らず、最近多いカラス対策の案山子代わりにこれを使おうとした間抜けな僕とたまたま波長が合い、僕はこの魔剣『安価剣』――本人いわくアンカーソード――に呪われた。

後世の人間に迷惑をかけるなんて止めてほしい。素直に成仏しておけよ、畜生。
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/03/22(木) 18:08:24.17 ID:FFA+bc7x0
男「特定の状況下における行動制限と主導権のはく奪する――なんて凶悪な呪いをかけるんだ」

アンカー「別に良いだろう。普段の主導権はお前にあるんだし」

男「じゃぁ、村に帰って畑を耕そうよ」

アンカー「却下。せっかく魔王なんておあつらえ向きの敵がいるんだし、俺様の名を伝説にするチャンスなんだぞ。俺様についてこれば、お前も伝説になるぜ?」

どうだ、悪くねえだろう? とこの魔剣は思っているかもしれないが僕にとっては最悪の一言に尽きる。
自分の身体が自分の意思に関係なく動くなんて、洗脳となにも変わらない。

だいたい、魔王を倒す前に死んでしまったらどうするんだ。僕は村で普通の人生を送りたかったのに。その事を告げれば、この魔剣は鼻で笑うだろうけれど。

ため息をついて、歩を進める。

行先は分からないし、知らない。知る必要も無い。知ってしまったら後戻りできないだろう? 無駄だとは分かってるけれど、せめてもの反抗だ。
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/03/22(木) 18:13:13.17 ID:FFA+bc7x0
アンカー「あ、そうだ。このままいくとファスト村とドンセ街のどっちかにつくが、どっちに行くか?」

僕の心も知らず、魔剣は能天気な声を出し意見を求めてきた。

男「僕の村に帰ろう」

アンカー「却下。よし、>>5に行こう! ここから俺様の伝説が始まるのだ!」

分かってはいたが、こちらの事を考えない魔剣に腹が立つ。いつかこの魔剣をへし折ろう、僕は強く決意した。

安価>>5 
二つの拠点から行きたい方を選んでください。また、その拠点での活動目標があれば書いてください。
例  ドンセ街で冒険者登録をする など 活動目標が無ければ村の名前だけでも可
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/22(木) 18:14:43.36 ID:+IDfH6sfo
ドンセ街で冒険者登録をする
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/03/22(木) 18:14:52.66 ID:nnNDmE5Wo
ファスト村
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/03/22(木) 18:15:31.97 ID:F2RryUdAO
ドンセ街で剣を売ってお金を稼ごう
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/03/22(木) 18:19:28.67 ID:Kcd3QQho0
とりあえず安価どおり体がうごくだったらゴッドフィンガーとかできるのだろうか?
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/22(木) 18:20:25.33 ID:W+WuRc9Mo
ひどく幼い文章を見た
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/03/22(木) 18:28:34.13 ID:FFA+bc7x0
僕は魔剣の言葉に従い、ドンセ街に足を踏み入れた。
僕の住む村では考えられないほどの人の往来に面食らうも、田舎者と思われるのも癪なので済ました顔で奥に進む。

男(冒険者になるには冒険者ギルドでの登録が必要らしいけど……)

キョロキョロと周りを見渡すが、どれがどの施設なのかさっぱり分からない。
初めて訪れる街なので地形がまったく分からないし、僕は文字が読めないのでもうお手上げだった。

アンカー「どうした? さっさと登録に行くぞ。時間は有限だからな」

アンカーの言う通り時間は有限であり、このまま右往左往していても仕方が無い。
だが、絶対にアンカーだけには頼りたくない。かと言ってコミュニケーション能力の低い僕は人に声をかける事も出来なかった。
とぼとぼと歩いていると、鎧を身にまとった男の人の姿が目に入った。

男(この人についていけば……)

安価↓2 着いて行きますか? YES NO その他(具体的な行動)
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/22(木) 18:29:21.08 ID:W+WuRc9Mo
yes
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/03/22(木) 18:29:51.73 ID:F2RryUdAO
這ってついていこう
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/03/22(木) 18:43:11.52 ID:FFA+bc7x0
アンカー「……街中で何やってんだお前」

男「追跡だよ。僕のおじいちゃんが、気付かれない様に進むにはこうやって這いつくばって移動するのが一番だって。ほふく前進っていうらしいよ」

アンカー「……」

心なしか魔剣に馬鹿にされたような気がするが、気のせいだろう。しかし、この歩行技術は気付かれない筈のものなのにどうして注目を集めているのだろうか。不思議だ。

それはともかく、僕の予想した通りあの鎧の男は冒険者であったようで、僕はようやく冒険者ギルドに入る事が出来た。
ギルドの中は大きな酒場、といった店構えでアルコールの匂いが鼻についた。真昼間からよく呑めるな……と感心しつつ僕はカウンターに向かう。

アンカー「おぉ! 何百年経っても店構えは変わらないな!」

男「あんた、何年前の人間だよ」

アンカー「そんなことは忘れた。さて、さっそく登録するぞ! 俺様のカードは流石にもう使えないだろうしな」

男「へいへい」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/03/22(木) 18:54:22.01 ID:FFA+bc7x0
受付嬢「いらっしゃいませ。なんの御用でしょうか」

男「えっと、冒険者登録を」

受付嬢「かしこまりました。それでは100マニーを頂きます」

男「え」

受付嬢「どうかなさいましたか?」

男「お金、とるんですか」

受付嬢「はい。登録料に100マニー。登録してからはランク毎に月初めにある程度の額を納めていただきます」

落ち着け、僕。ここで動揺するとダサいぞ。状況を把握しよう。
@僕は冒険者登録をしたい。
A冒険者登録には金がかかる。
B僕は金を持っていない。

男(つまり、冒険者にはなれないと?)


僕は心の中でほくそ笑んだ。魔剣に言われるがままに冒険者ギルドについてしまったが、登録できなければ話は別だ。
ククク、つまり僕は村に帰れるわけだな? よし、さっそくその旨を魔剣に伝えて。
と、その時後ろからどなり声が聞こえてきた。一体何事だ――振り返ると、ガタイの良いオッサンたちが掴みあいをしていた。
……僕には関係ないよな? 
うん、関係ないはず。ギルド職員の【こいつら止めてくれたら200マニー!】なんて悲痛な声は聞こえませーん。き、聞こえないから!

安価↓2 男のとる行動を書いてください。

15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/03/22(木) 18:56:07.08 ID:F2RryUdAO
オッサン達を無償で片付ける
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/22(木) 18:57:43.03 ID:+IDfH6sfo
町外れの古い井戸に入ってみよう
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/03/22(木) 18:58:14.86 ID:AHpzSEGzo
とりあえず仲裁
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/22(木) 18:58:45.93 ID:+IDfH6sfo
俺は馬鹿でした……
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/03/22(木) 18:59:26.42 ID:F2RryUdAO
>>18
嫌いじゃないぜ
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/03/22(木) 19:07:55.33 ID:nnNDmE5Wo
>>18
そんなことよりお前のID色々とすげぇな
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/03/22(木) 19:14:29.09 ID:FFA+bc7x0
男「今持ち合わせが無いので……」

受付嬢「分かりましたまたのご機会をお待ちしております」

アンカー「ってオイ! お前バカか!? 冒険者になんねえと伝説が遠のくだろうが!」

魔剣がなにやらわめいているが、どうせ僕にしか聞こえない声なので聞き流す。
仕方ないじゃないか、お金ないんだし。べ、別に冒険者になりたくなかった訳じゃないんだからね! 勘違いしないでよね!
……軽くツンデレったところで僕はギルドを後にした。幸い、呪いの効果で身体の主導権を奪われることもなかったのでよかった。

さて、と。村に帰って畑でも耕しますかねぇ。まだわめき続ける魔剣を黙らせる方法を考えんながら歩いていると、気がつけば人の気配が無い広場に出てしまっていた。

男「どこだ、ここ」

広場の中央にはぽつんと古い井戸があるだけで、ほかは何もない。薄気味悪いぜ……。何かとんでもないものが出てきそうな――。
ズズズ……ズズズズ……。

男「え、マジで? 今のフラグだった?」

古井戸の淵に青白い手がかけられた。人間の手のようだ。う、ウソだろ。どうするよ、オイ!
混乱する僕をよそに、井戸の中から生気のない女性が姿を現した。こ、KOEEEE! なんぞ、コレ! 僕オカルト大嫌いなんだけどー!!
助けて、魔剣!

アンカー「俺の伝説の為にはな心躍るアクションが必要なわけで、つまり魔物との戦いこれが重要だ。であるのに――」

駄目だ、なんか語り出してるぞ!? 使えねえな、ほんと!


安価↓2 男はどうする? 






22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/03/22(木) 19:16:03.72 ID:F2RryUdAO
口説く
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2012/03/22(木) 19:17:53.82 ID:aKQoazaAO
手の甲にキス
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/03/22(木) 19:28:35.92 ID:dPcGsrZZ0
まともに冒険できるのかな、これwwwwww
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/03/22(木) 20:06:12.05 ID:FFA+bc7x0
慌てながら必死に頭を働かせた僕は名案を思い付いた。
即ち――幽霊を口説く。
一見するとバカな行為かもしれない、しかし僕にはどうしてかこの方法は上手くいくだろうという半ば確信にも似た思いがあった。

恐怖に慄く心を奮い立たせ、僕は明日を生きるために切り出した。

男「あの、ぶっちゃけタイプです。ヤラせて下さい」

オィィィィィ! 僕の口ィ!? 最低だよ、口説くとしてもそれはやっちゃいけない悪手だよ!
でも仕方ないじゃないか。僕、女の人とまともに会話したこと無いし……あぁ、僕のバカ! ここで死ぬのか?

幽霊「……」

ん……襲いかかってこない? よくみれば、青白いほっぺたに少し赤みが……! 照れてるのか?
これは、命がつながったとみていいだろう……後は、たたみかけるっ!

アンカー「で、あるからして――って、オイ。なんか面白そうな状況になってんな」

男(っ!)

アンカーに意識を乗っ取られた。身体が、声が思い通りにならない。
ここまできて、ふざけんなよ畜生! せめてこの死亡フラグを乗り越えてくれぇぇぇ!
口元が勝手に歪む。そして――

安価↓2 男の台詞を書いてください。
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/22(木) 20:06:39.91 ID:+IDfH6sfo
やあ(マジキチスマイル)
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/03/22(木) 20:07:24.59 ID:1Ba/tGhAO
俺好みだ
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/03/22(木) 20:12:57.29 ID:dPcGsrZZ0
キスのはずがヤらせてくださいってwwwwww
1、GJすぎるwwwwww
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/03/22(木) 20:13:57.41 ID:AHpzSEGzo
ってか安価下2って書いてるのに下1を採用したんじゃ・・・
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/03/22(木) 20:20:29.46 ID:FFA+bc7x0
僕の手が幽霊の肩にかかり、グイッと引き寄せた。幽霊って触れるんだな……。
僕はそのまま幽霊の耳に口を近づけると、囁くほどの声で呟いた。

男「俺好みだ」

…………。イタタタタタ! なんか心臓らへんがギシギシ痛むぞ。過去に封印した恥ずかしいことを思い出す時と同じ痛みだ、コレ。
と、ともかく魔剣にしてはなかなか気の聞いた答えじゃないか。魔剣と女性の好みが同じだなんて最悪な事態が露呈したけど、些細なことだろう。
幽霊さんはプルプルと震えだした。お、成仏か? 成仏するのか? 来世ではお幸せにー。

幽霊「ば、バカじゃないの!」

ドンとかなりの勢いで突き飛ばされ、尻もちをつくと同時に身体が自由に動かせるようになった。魔剣の呪いはそんなに持続力は長くないのか? と、考察は後回しだ。今はなぜかいきり立ってるこの幽霊をどうにかするのが先決だろう。

男「あのーどうしたんですか」

幽霊「正座」

男「はい?」

幽霊「正座しなさいっ!」

男「い、イエス・マム」



31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/03/22(木) 20:29:43.64 ID:FFA+bc7x0
幽霊「あのね、あんた。いきなり女性に肉体関係を求めるってどういうことよ」

男「はぁ」

幽霊「あのね、女の子にとってそういうデリカシーの無い男は嫌われるの。分かってる?」

男「はぁ」

幽霊「まずは当たり障りのない会話から。そして、おしゃれなお店でランチもしくはディナーを楽しむ。これくらいは常識よ、常識!」

男「はぁ」

幽霊「それに、一回会うだけじゃ駄目だわ。何度も会話を重ねて、それからお互いの事を深く知り合ってからその、そういうことに及ぶでしょ、普通」

男「そういうことって。セッ――」

幽霊「それ以上言ってみなさい。呪い殺すわよ?」

幽霊の絶対零度を思わせる眼力に負けて僕は深く謝った。

幽霊「まったく――でも、少し嬉しかったかも。好みだって言ってくれて」ボソ

男「何か言いました?」

幽霊「ッ、何でもないわ!」

32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/03/22(木) 20:37:25.41 ID:FFA+bc7x0
幽霊「はぁ。ほんとはあなたを呪い殺すつもりだったのに、出鼻をくじかれたわ」

幽霊はそう言って深いため息をついた。これはラッキーだ、僕の命はつながったとみても良いだろう。

男「それじゃ、僕はこれで」

幽霊「待ちなさい。誰も呪い殺さないなんて言ってないわ」

男「ゑ」

幽霊は人の悪い笑みを浮かべて正座中の僕を見下ろしていた。女王様っぽいしぐさに魔剣は興奮しているようだが、あいにく僕にM気質は無い。
むしろ、余計なことを考えている暇はない。幽霊が僕を呪い殺す可能性がゼロではないからだ。

男「えっと、どういうことですか?」

幽霊「だから出鼻をくじかれただけ。今から呪い殺してあげても良いんだけど――」

男「……」

幽霊「私のお願いを聞いてくれたら、生かしてあげる」

男「お願い……?」

安価↓2 幽霊のお願いとは?

33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/03/22(木) 20:39:36.86 ID:B5ER8Iyro
お憑き合い
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/03/22(木) 20:40:34.71 ID:dPcGsrZZ0
自分を殺/した敵を倒して欲しい
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/03/22(木) 20:55:30.69 ID:FFA+bc7x0
幽霊「私を殺した、女を殺して」

男「っ」

幽霊「私はここから動けない。だから、私の代わりに」

鳥肌が立つほどの寒気と共に、幽霊の周りに濃密な黒い靄が渦巻く。
それは、今まで平和に暮らしてきた僕にとっては縁の無いもので、危うく意識を失いかけた。死の気配、僕は今それを目の当たりにしているのだ。幽霊は光の消えた目でまっすぐに僕を見据える。逃げられない、少なくとも答えを出さずには。

アンカー「すげー怨念だな、この女。相当そいつを憎んでるぜ? うわはははは!」

魔剣が楽しそうに笑った。なにがそんなにおかしいのか。

アンカー「すこーし予定が狂ったが、良い出だしじゃねえか。決めた。このアンカー様の華麗なるプロローグは、亡き女の無念を晴らすことにしよう! くぅ、格好いいね!」

どこがカッコいいんだ。僕は絶対にこんな依頼受けたくない! 人を殺すなんて、そんなの出来るわけないじゃないか。

アンカー「だが、受けないと殺されるのはお前だぜ?」

そうだ。もし、ここで僕が首を横に振れば僕の存在は恐らくこの世から消える。
僕の命か、他人の命か――。聖人君子ならば迷わず自分の命をささげるだろう。けれど僕はただの一般人だ。とてもじゃないが自分の命を対価に出来ない。


だから。

男「……分かった」

僕は頷いてしまったのだ。それしか、僕には選べなかった。




36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/03/22(木) 20:57:03.06 ID:FFA+bc7x0
※今日はここまでで。
明日か明後日に第一話「女幽霊の恨み」を投下します。
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/03/22(木) 20:58:46.60 ID:F2RryUdAO
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/03/22(木) 20:59:38.59 ID:AHpzSEGzo
(゚д゚ )乙 これは乙じゃなくてポニーテールなんたらかんたら

前途多難だなこの男
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/22(木) 20:59:46.68 ID:+IDfH6sfo
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/03/22(木) 21:04:24.91 ID:dPcGsrZZ0
乙 楽しみしてます
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/22(木) 21:12:21.83 ID:k8hbTVxw0
おっつ

楽しみがまた一つ増えた
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/03/28(水) 12:18:46.52 ID:NQqWJiWd0
むぅ・・・1来ないなぁ
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