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人識「夜更かしすんなよ」 伊織「分かってますよう」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2012/03/26(月) 20:02:25.96 ID:POlIRBQz0
純戯言SSです。(クロスじゃないよ)

零崎一賊が同じ家で暮らしたらどうなるかを妄想し、適当に書いていこうかと思います。よかったら読んでください。





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諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
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渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
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二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2012/03/26(月) 20:03:44.99 ID:POlIRBQz0
AM 6:00


ピピピッ――ピピピッ―――ピピピッ―――


伊織「う、うな〜〜……」ムクリッ

伊織「………」ボーッ

目覚まし「ピピピッ! ピピピッ!」

伊織「ああっ、起きてます起きてます!」ポチッ

目覚まし「ピピ―――」

伊織「ん〜。もう朝ですか……」ノビー

伊織「………」ボーッ

小鳥「チュン、チュン、チュン」

伊織「………」グーッ

伊織「お腹空きましたね」グーーッ

伊織「取りあえず、朝ご飯を食べに行きますか」スクッ

3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2012/03/26(月) 20:05:21.66 ID:POlIRBQz0
AM 6:15


キッチン

伊織「くあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ……」スタスタ

曲識「随分寝むそうだな」

伊織「あ、曲識お兄様。えっと………お帰りなさい、ですか?」

曲識「ああ。僕からしたらただいま、だな」

伊織「こんな時間まで働いてるなんて、本当に仕事熱心ですね。大変じゃないですか?」

曲識「そんなことはない。僕が好きでやってることだからな」

伊織「そうですか。あ、何か飲みますか?」

曲識「いや、気持ちだけ受け取っておく」

伊織「そうですか?」

曲識「ああ。それよりも、今は早く睡眠を取りたい」

伊織「それではおやすみなさい、ですね」

曲識「ああ。おやすみ」スタスタ

伊織「……いやぁ〜。それにしても、こんな朝方まで働いてるなんて本当に偉いですよね。人識くんにも見習ってもらいたいものです」

人識「その言葉、そっくりそのままお前に返してやんよ」


4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2012/03/26(月) 20:13:11.86 ID:POlIRBQz0
伊織「おわぁ! 人識くん、いつからそこに?」

人識「最初っからだよ」

伊織「えっと……、おはようございます?」

人識「何で疑問形なんだよ。おはよう」

伊織「人識くん早いですね。今日は何か用事でもあるんですか?」

人識「いや、俺はいつもこの時間には起きてるぞ」

伊織「あ、そうなんですか?」

人識「むしろ、お前がこんな時間に起きてくる方が珍しいだろ」

伊織「今日はちょっと出かける用事がありまして」

人識「はぁん」

伊織「それより、最初からいたのなら声の一つくらいかけて下さいよ」

人識「別に、声をかけるかけないは俺の自由だろうが」

伊織「そうですけど、普通は声をかけるもんじゃないですか。家族なんですし」

人識「俺は、お前らが家族だなんて思ってねぇよ」

伊織「そんな思春期真っ盛りの男の子の発言しても、カッコよくもなんともないですよ?」

人識「そんなんじゃねーっつーの」

伊織「まぁ、それは置いときまして……。今日の朝ご飯の当番は誰ですか?」

人識「いや、お前だろうが」

伊織「へ? いや、でも。わたし昨日やったじゃないですか」

人識「あれは以前サボった分を埋め合わせただけだろうが。月始めに決めた当番表では伊織ちゃんの番だ」


5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2012/03/26(月) 20:26:08.50 ID:POlIRBQz0
伊織「えー! 嘘ですよう!」

人識「嘘ついてどうすんだよ。ほれ、そこのカレンダー見てみろよ」

伊織「う〜〜。本当です……」

人識「ほれ、さっさと朝飯作れよ」

伊織「全然朝ご飯の準備していません……」

人識「あ?」

伊織「ですから、今日当番だってこと知らなくて、全く用意してないんですよ」

人識「はぁ……。しっかりしろよ」

伊織「す、すいません……」シュン…

人識「ったく。トーストでいいか?」スクッ

伊織「はい?」

人識「朝飯の用意してないんだから、何かあるもんで食うしかねぇだろ」

伊織「人識くんが用意してくれるんですか?」

人識「お前に任せてたら、朝飯食い損ねそうだからな」

伊織「ありがとうございます」

人識「んで、トーストでいいか?」

伊織「わたし、朝は和食派なんですよね〜」

人識「じゃあ、食わなくていいな」

伊織「嘘です嘘です。トースト大好きです!」

6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2012/03/26(月) 20:41:42.45 ID:POlIRBQz0
人識「」トントントントン

伊織「何作ってるんですか?」ヒョコッ

人識「サラダだよ。トーストだけじゃ足んないだろ」トントン

伊織「あ、それじゃあ目玉焼きも作ってください。あと2、3枚ほどピザトーストを作ってくれるとありがたいです」

人識「朝飯の用意を忘れたくせに注文が多いな……。てめぇで作れ」

伊織「そんな〜。いいじゃないですか〜。可愛い妹の頼みなんですよ?」

人識「誰が可愛い妹だよ」

伊織「ぶぅー。本当、人識くんは素直じゃないですよね〜」

人識「言ってろ」トントン

伊織「いいですよう。もう自分で作りますから」スタスタ

人識「そもそも、今日の朝飯を作るのはお前の役目だろうが」

伊織「ふぅんだ、聞こえませーん」ガチャ

伊織「………あれ?」

人識「どうした?」

伊織「あの、卵がないんですけど……」

7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2012/03/26(月) 20:58:07.58 ID:POlIRBQz0
人識「ああ。そういや、昨日の親子丼で全部使っちまったんだったな」

伊織「そんなぁ〜。それじゃあ、目玉焼きは一体どうなるんですか?」

人識「諦めろ」

伊織「嫌ですよ。朝ご飯にトーストと言ったら目玉焼きって相場が決まってるじゃないですか!」

人識「どこの相場だよ?」

伊織「人識くん、卵買ってきてください」

人識「ふざけんな」

伊織「目玉焼き〜〜〜!」バンバン!

人識「だぁー、うっせぇな! 冷蔵庫を叩くんじゃねーよ!」

伊織「目玉焼きが食べたいです!」

人識「そんなに目玉焼きが食いたいなら、てめぇで卵を買って来いよ。コンビニなら今の時間で売ってんだろ」

伊織「今からコンビニに行ったって、朝ご飯には間に合うはずがないじゃないですか。何言ってるんですか?」

人識「てめぇ、この野郎……」ピキピキ

伊織「冷蔵庫のどこかに残ってないですかね〜?」キョロキョロ

人識「あったとしても絶対使うんじゃねーぞ」

伊織「無いです……」ガクッ

人識「とりあえず今の所は諦めろ。昼ぐらいにスーパーで卵買ってきてやっから」

伊織「今じゃないと意味がないんですよ! トーストに目玉焼き。これをなくして一体何がトーストですか!」

人識「いや。目玉焼きがなくても、トーストはトーストだろ……」


8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2012/03/26(月) 21:18:30.50 ID:POlIRBQz0
伊織「目玉焼き! 目玉焼き! 目玉焼き!」バンバンバン!

人識(うっぜぇ……)

軋識「何だか、朝から騒がしいっちゃね」スタスタ

伊織「あ、軋識お兄様。おはようございます」

人識「うーっす」

軋識「今日の朝飯はトーストっちゃか。何だか久しぶりっちゃね」

伊織「軋識お兄様。トーストには目玉焼きは付き物ですよねっ?」

軋識「は? いや、俺は別になくても構わないっちゃよ?」

伊織「えーーーっ!?」

人識「かはは。これでいいだろ? いい加減大人しくしろ」

伊織「うな〜〜〜〜〜!」

軋識「一体何の話っちゃ?」

人識「こいつが、トーストには目玉焼きを付けろってうるせぇんだよ」

軋識「別に目玉焼きくらい作ってやればいいだろ」

人識「卵がねぇんだよ」

軋識「ああ。そういうや昨日親子丼で大量に使ったんだったちゃね」

伊織「軋識お兄様は卵料理が好きだから、てっきりわたしの味方だと思っていましたのに……。とんだ裏切りですよ」フンッ

軋識「いや、そんなことで勝手に味方意識を持たれても困るっちゃよ……」

9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2012/03/26(月) 21:55:34.14 ID:POlIRBQz0
トースター「チンッ!」デキタゼ

人識「出来たぞ」スタスタ

伊織「わーい! 朝ごはん! 朝ごはん! 朝ごはん!」

人識「うるせぇ」カタッ カタッ 

軋識「トーストにサラダ。飲み物は牛乳ちゃか。随分シンプルな朝飯っちゃね」

人識「文句があんなら食うな」

軋識「別に文句は言ってないっちゃよ」

伊織「早く食べましょう!」

人識「ちょっと待て。まだドレッシング用意してねーだろ」

軋識「俺は和風で頼むっちゃ」

伊織「私はフレンチで」

人識「てめぇで取れよ……」スッ

伊織「ありがとうございます!」スッ

軋識「サンキューっちゃ」スッ

人識「あ、大将。それ使い終わったら、俺にも貸してくれ」

軋識「あいよ」

伊織「あれ、人識くんもドレッシングは和風派なんですか?」

人識「ん? ああ、そうだけど、知らなかったのか?」

伊織「初耳です。てっきり人識くんは野菜本来の味を楽しむために、何もかけずに食べてるイメージがあったのですが……」

人識「そんな奴いんのかよ?」

軋識「いや、実際結構いるらしいっちゃよ。喫茶店なんかでも、ドレッシングに一切手を付けないでそのまま食べてる奴とかたまに見るっちゃ」

人識「マジか」

伊織「そんなことはどうでもいいですから、早く食べましょうよ!」

軋識「ああ。そうだっちゃね」

人識「てめぇが振った話題だろうが」

伊織「それでは皆さん、お手を合わせてっ!」パンッ


「「「いただきまーす!」」」



10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2012/03/27(火) 00:19:46.08 ID:W4E96L5ko
ふむ

期待
11 : ◆SIJX2KryAg [sage]:2012/03/27(火) 18:54:49.93 ID:JahzPDLZ0
酉付いてるかどうかテス
12 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/03/27(火) 18:56:35.93 ID:JahzPDLZ0
人識「」ヌリヌリ

伊織「あ、人識くん。わたしにもマーガリン貸して下さい」

人識「ほらよ」スッ

伊織「ありがとうございます」スッ

軋識「人識、ハムないっちゃか?」

人識「ハム?」

軋識「やっぱ、トーストにはハムをのせて食べたいちゃ」

伊織「あ、わたしもハム欲しいです」

人識「冷蔵庫にあるだろ」

伊織「取ってきてください」

人識「自分で取ってこい」

伊織「ケチー」

軋識「俺が取ってくるっちゃよ」スクッ

伊織「あ、わたしが取ってきますよ」

軋識「ん? そうか?」

伊織「はい。軋識お兄様は座っててください」スタスタ

軋識「それじゃあ、お言葉に甘えて」スッ

人識「何で他の兄貴には気を利かせられるんだよ、お前は」モグモグ


13 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/03/27(火) 19:24:37.39 ID:vyA6q59x0
伊織「あれ、人識くん。ハムってどこにあるんですか?」

人識「冷蔵庫だっつっただろうが」

伊織「冷蔵庫のどこですか? ないですよ?」キョロキョロ

人識「上から二段目の奥にねーか?」

伊織「えっと……。あ、ありましたありました」スッ

人識「ちゃんと、あった場所に戻せよ」

伊織「分かってますよう。軋識お兄様、ハム何枚ほどいりますか?」

軋識「あー、2枚ほどもらっていいっちゃか?」

伊織「2枚ですね」スッ

伊織「それじゃあ、わたしも2枚ほど頂きましょうかね。……人識くんはいりますか?」

人識「いや、俺はいいや」

伊織「そうですか」

軋識「お前、ハム嫌いっちゃか?」

人識「別にそんなんじゃねーけどよ。ただ、今日はそういう気分じゃねーんだよ」

軋識「はぁん。そうっちゃか」

伊織「とっとこ〜走るよハム太郎〜〜♪」♪〜

人識「何歌ってんだか……」

伊織「だ〜い好きなのは〜 伊東ハムのハム〜〜♪」スタスタ

人識「悪かったな、日本ハムのハムでよ」

軋識「俺はあまりメーカーとか気にしないちゃが、そんなに違うものなのか?」

人識「さぁ。俺にはさっぱり分かんね」

伊織「どうぞ」スッ

軋識「お、サンキューっちゃ」スッ

14 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/03/27(火) 19:43:21.35 ID:vyA6q59x0
「「「ごちそうさまでした」」」


軋識「おいしょっと……」スッ

伊織「あ、片づけはわたしかやりますよ」

人識「当たり前だ」

軋識「じゃあ、よろしく頼むっちゃ」

伊織「はい。任せて下さい」カチャカチャ

人識「歯磨いたら家の掃除でもすっかな」ノビー

軋識「今日の当番はお前だったっちゃか?」

人識「いや、今日は曲識のにーちゃんが当番なんだよ」

軋識「ああ、なるほどな」

伊織「曲識お兄様の時は、いつも人識くんが代わりにやってますもんね」

人識「他にやる奴がいねーからな」

軋識「まぁ、頑張るっちゃ。俺は今日出かける用事があるから、手伝えないっちゃよ」

伊織「あ、軋識お兄様も出かける用事があるんですか?」

軋識「ああ。ちょっと大阪の方に行ってくるっちゃ」

伊織「それじゃあ、今日は家にいるのは人識くんだけですね」

人識「変態兄貴のこと忘れてるんじゃねーよ」

伊織「いえ。双識お兄様は出張とかで、今日一日帰って来ないそうですよ?」

人識「あ、マジで?」

伊織「といいますか、昨晩そう言って出て行ったじゃないですか」

人識「あー。そういえば確かに、そんなことがあったような………」

伊織「全く、しっかりして下さいよ」

人識「お前にだけは言われたくねぇ」


15 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/03/27(火) 19:55:03.40 ID:vyA6q59x0
人識「大将、歯磨き粉取ってくれ」

軋識「ん」スッ

人識「サンキュー」スッ

軋識「」シャコシャコ マエバ

人識「」シャコシャコ マエバ

軋識「」シャコシャコ オクバ

人識「」シャコシャコ オクバ

軋識「」ガララララ ウガイ

人識「」ガララララ ウガイ

軋識「」ペッ

人識「」ペッ

軋識「真似すんなっちゃ」フキフキ

人識「それはこっちの台詞だ」フキフキ

16 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/03/27(火) 20:11:03.76 ID:vyA6q59x0
AM 9:30


軋識「それじゃあ、出かけてくるっちゃ」

伊織「行ってらっしゃいー」フリフリ

人識「行ってら」

ガチャ バタン

伊織「さて、わたしもそろそろ出掛ける準備をしますか」

人識「伊織ちゃんは今日どこに出掛けんだ?」

伊織「おや、気になるんですか?」

人識「ああ、まぁな」

伊織「やはり、人識くんはわたしがいないと寂しいんですね。分かりますよ」

人識「昼前に帰ってくるなら、庭の草むしりを頼もうかと思ってな」

伊織「………」

人識「んで、どうなんだよ?」

伊織「そうですねー。晩御飯までには帰ると思います」

人識「お前、草むしりが嫌だからって遅く帰ろうとしてんじゃねーだろうな?」

伊織「そ、そんなことありませんよう……」ダラダラ

人識「……まぁいいや。遅れる場合はちゃんと連絡しろよ」

伊織「はーい。了解いたしました」

17 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/03/27(火) 20:35:06.10 ID:vyA6q59x0
AM 10:00


伊織「それじゃあ、人識くん。そろそろ行ってきますね」

人識「忘れもんはねーか?」

伊織「大丈夫です」

人識「財布、携帯はちゃんとあるか?」

伊織「大丈夫です」スッ

人識「ハンカチはちゃんと持ったか? ティッシュは?」

伊織「ちゃんと持ってますって」

人識「つーか、襟が曲がってんだよ。しっかりしろ」スッ

伊織「ありがとうございます」

人識「ん。出来た」ペシッ

伊織「それじゃあ、行ってきますね」ガチャ

人識「人殺すなよ」

伊織「どんな見送り方ですか……」


18 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/03/27(火) 20:50:21.28 ID:vyA6q59x0
PM 12:00


掃除機「ブゥゥゥン―――」

人識「」ソウジチュウ

人識「」ブゥゥゥン

人識「……おし、完了っと」カチッ

掃除機「ブゥゥゥン………」OFF

人識「後は2階の廊下とトイレ掃除。庭の草むしりもやっときてーな……」

洗濯機「ピー! ピー! ピー!」デキタゼ

人識「ああ、はいはい。洗濯完了ね……って、もうこんな時間かよ! スーパーのお昼のセールが終わっちまうじゃねーか!」

洗濯機「ピー! ピー! ピー!」オーイ

人識「分かってるっつーの! ちと待て!」スタスタ

人識「えっと。洗濯物干し終わったら買い物行って……。んで買い物終わったら、残ってる掃除をやって……」ガチャ

人識「あー、そうだ。風呂掃除もまだだったんだな……」

人識「まずは洗濯物を干して………って、おい! 誰だよ、色モノと白い服をごっちゃに入れた奴! 色移っちまってんじゃねーか!」

人識「くそ、マジめんどくせぇ……」ガクッ

電話「プルル! プルル!」デンワダヨー

人識「だぁー、はいはい! 何だよ、こんな時に!」スタスタ

人識『はい、零崎です』ガチャ

伊織『あ、人識くんですか?』

人識『伊織ちゃん? どうかしたか?』

伊織『いえ、実は重要な事を思い出してしまいして……』

人識『重要な事?』

伊織『はい。わたしという存在を根本から揺るがしかねない重要な事です』

人識『……何だよ、一体何があったんだよ?』

伊織『正直、こんなことを人識くんにお願いするのもどうかと思うんですが………一つお願いをしていいですか』

人識『んだよ……?』

伊織『あの、ですね……』

人識『おー………』

伊織『………』

人識『………』ゴクッ

伊織『実は、昼ドラの録画予約をするのを忘れてしまったんです!』

人識『……は?』

伊織『ですから、人識くんに昼ドラの録画をお願いしたいんですよ』

人識『………』

伊織『あ、DVDはわたしの部屋の本棚に置いてありますんで。表にPart2って書いてある奴ですので間違えないで下さいね。あ。あと、勝手にわたしの部屋を物色するのも止めて下さいよー』アハハ

人識『………し……』

伊織『し?』

人識『知るかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!』



19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/28(水) 13:55:26.24 ID:cQbqT9SDO
期待
20 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/03/28(水) 19:12:04.44 ID:AagIs2U70
PM 12:30


結局録画しました(笑)


人識「ったく。あの馬鹿はなんとかなんねーもんか……」ブツブツ

人識「」パンッ

人識「」ホシホシ

人識「おし、洗濯物完了!」

人識「早く買い物行かねーとタイムセールが終わっちまう」バッ

人識「財布持った。金はあるな」スッ

人識「電気の消し忘れ、水の閉め忘れはねーな」スッ

人識「鍵もちゃんと閉めてある。うしっ、行くか」スッ クツ

人識「………」モタモタ

21 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/03/28(水) 19:32:27.09 ID:AagIs2U70
人識「」スタスタ

??「あれ、貴方は……」

人識「あん?」クルッ

薙真「これはお久しぶりですね」

人識「えっと……、誰だっけか?」

薙真「早蕨薙真ですよ、いい加減覚えて下さい」

人識「あ、あー。はいはい、早蕨のとこの次男坊な」

薙真「その呼び方もいい加減やめて欲しいんですがね……」

人識「それで、お前こんな所で何やってんだ?」

薙真「いえ、実は兄さんから晩御飯の材料を買ってくるように頼まれましてね」

人識「あ、お前も買い物か」

薙真「も、ということは貴方もですか?」

人識「ああ。卵が切れちまってたから、ちっとな」

薙真「お互い大変ですね」

人識「全くだ」

22 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/03/28(水) 19:44:54.85 ID:AagIs2U70
スーパー


人識「うおっ! すげぇ、卵が1パック30円だ!」

薙真「いや、そんなはずないじゃないですか。値札の貼り間違えか何かじゃないですか?」

人識「いや見てみろよ、これ」

薙真「うわっ! 本当だ!」スゲェ

人識「お一人様1パック限りか……。まぁ、それでも十分だけどな」スッ

薙真「僕も1パック買ってこうかな……って、あれ?」

人識「あ? どうしたよ?」

薙真「これ、千円以上の買い物をした人だけみたいですよ」

人識「え?」

薙真「ほら、ここに千円以上のお買上げしたお客様限定(酒・たばこを除く)って書いてあります」

人識「うわっ、マジだ」

薙真「どうします?」

人識「これ、千円以上の買い物をしなかったら、いくらなんだ?」

薙真「えっと、168円ですね。それでも十分安いですけど」

人識「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」

薙真「うわ、リアルで頭抱える人初めて見ましたよ」

人識「………」

薙真「別に無理に千円以上の買い物をする必要はないんじゃないですか?」

人識「……うし、決めた。千円ピッタリで買うわ!」

薙真「見事に店員の策略に嵌りましたね……」

23 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/03/28(水) 20:10:08.92 ID:AagIs2U70
人識「それで、お前は何を買ってくるように頼まれたんだ?」

薙真「えっと………確か、メモを落とさないように財布に入れてるんですよ……」ゴソゴソ

人識「小学生かよ……」

薙真「あったあった。これですね」スッ

人識「どれどれ……。男爵いも6個に玉ねぎ2個、人参1本に糸こんにゃく1袋。それに牛肉が200グラム程度って、分かりやすいくらいに肉じゃがの材料だな」

薙真「へー、今日は肉じゃがですか。今日は中華なんか食べたかったんですけどねー」

人識「てめぇは料理とか作んねーのか?」

薙真「僕は作らないですね。細かい作業が苦手でして」

人識「だったら文句言うなよ」

薙真「そういうものですか?」

人識「作る側だって、毎回何を作るかを考えてんだぞ」

薙真「そんなもん、適当に考えればいいじゃないですか」

人識「適当に考えたらグチグチ文句垂れるんだろうが」

薙真「まぁ、そうですね」

人識「んで、お前らの健康を考えて作っても文句言われんだから、こっちとしては堪ったもんじゃねーんだよ」

薙真「なるほど」

24 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/03/28(水) 20:37:39.02 ID:AagIs2U70
人識「んで、肉じゃがの材料だったな」

薙真「そうですね」

人識「まずは野菜からだな。入口にあるし」

薙真「そういえば、一つ聞いていいですか?」

人識「何だよ?」

薙真「いえ、どこのスーパーに行ってもそうなんですけど、必ずスーパーの入口に青果コーナーが置かれてるじゃないですか。あれって、何でなんですか?」

人識「スーパーに対する質問かよ……」

薙真「いっつも不思議に思うんですよね。入口にお菓子コーナーとかを置いとけば、もっとたくさんのお客さんが来ると思うんですけど」

人識「それはどうかと思うが……。確か、そういう配置って色々な戦略があって置かれてるらしいぞ」

薙真「戦略ですか?」

人識「ああ。例えば入口に青果を置くことで、春ならキャベツ、夏ならスイカ、秋ならナス、冬なら白菜みたいにその季節季節を表現しやすいとかがあるらしいぜ」

薙真「へー、そうなんですか」

人識「まぁ、他にも客を奥に巡回させやすくなるとか、本当に色々あるらしいけどな」

薙真「へー」

人識「そんなことはどうでもいいから、さっさと頼まれたもん買っちまえよ」

薙真「あー、そうでしたね」

人識「まずはじゃがいもからだな」

薙真「じゃがいもって、どういうのがいいんですかね?」

人識「さぁ、俺には分からん」

薙真「人識さんは、じゃがいもを選ぶ際は何を基準に選んでますか?」

人識「俺か? 俺は、そうだな……。出来るだけデコボコが少ない奴を選んでるな」

薙真「へー、何でです?」

人識「皮剥くとき楽だから」

薙真「なるほど……」

25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県) [sage]:2012/03/29(木) 01:20:44.42 ID:EK52jFyL0
楽しそうだなこいつら
26 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/03/29(木) 18:44:19.35 ID:k2Ct1zmm0
薙真「これなんてどうでしょう?」スッ

人識「いいんじゃね? 値段も安いし」

薙真「では、じゃがいもはこれにしましょう」ガサッ

人識「ほれ、人参はこれでいいだろ」スッ

薙真「何かあるんですか?」

人識「別に。ただ適当に選んだだけだ」

薙真「人の晩ご飯の材料なんですから、もう少しちゃんと考えて下さいよ……」

人識「つっても、どれも同じようなもんだろ」

薙真「これの方が新鮮だとか、栄養があるとか、色々あるでしょう?」

人識「んじゃあ、お前はその目利きができるのかよ?」

薙真「いえ、さっぱりです」

人識「だろ。目利きができなきゃ、どれも同じようなもんじゃねーか」

薙真「うーん。確かにそうなんですけど、もう少しこう、ね?」

人識「何が、ね? だよ。ほれ玉ねぎ」スッ

薙真「あ、ありがとうございます」スッ


27 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/03/29(木) 19:04:22.52 ID:k2Ct1zmm0
薙真「次はお肉ですね」

人識「んじゃあ、精肉コーナーだな」

薙真「牛肉はどれがいいですかね?」

人識「ちったぁ自分で考えろよ……」

薙真「と言われましても、僕は料理しませんからね。どれがいいのかとかさっぱり分からないんですよ」

人識「だったら、これを機にちったぁ勉強しろよ」

薙真「そうですね。それもいいかもしれません」

人識「本当にそう思ってるのか?」

薙真「本当に思ってますよー。それで、お肉はどれがいいですかね?」

人識「……はぁ。肉じゃがにするなら、細切れ肉の方がいいんじゃねーか? 火が通りやすいし」

薙真「なるほどー。それじゃあ、これですね」スッ


28 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/03/29(木) 19:17:57.72 ID:k2Ct1zmm0
薙真「さて、糸こんにゃくも買いましたし、あとはお菓子だけですね」

人識「お前、ちゃんと兄貴からの許可もらってるんだろうな?」

薙真「いえ、もらってません。けどまぁ、買物のお駄賃という事で」

人識「はぁ……。まぁいいか、俺には関係ねぇし」

薙真「そういえば、人識さん千円以上の買物をするんじゃないんですか? 何買うんです?」

人識「俺はこれだ」スッ

薙真「お米、ですか?」

人識「ああ。これは必需品だし、買って無駄になることはねーからな。簡単に千円以上になるし」

薙真「なるほど」

人識「んで、お前は結局お菓子を買ったのな」

薙真「東ハトのオールレーズンのクリームサンドです」

人識「ああ、それ上手いよな」

薙真「あげませんよ」サッ

人識「いらねーよ」


29 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/03/29(木) 19:21:39.22 ID:k2Ct1zmm0
PM 1:50


帰り道

薙真「それでは、僕はこっちなので」

人識「ああ」

薙真「また今度、どこかに遊びに行きましょう」

人識「暇があったらな」

薙真「それでは、また〜」フリフリ

人識「おー、またな」

人識「……うしっ、さっさと家帰って掃除の続きをしねーとな」スタスタ

人識「………」スタスタ

人識「……重い……」ズシッ


30 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/03/29(木) 19:34:37.93 ID:k2Ct1zmm0
PM 2:00


零崎邸

人識「ただいまー……」ガチャ

曲識「おかえり」

人識「曲識のにーちゃん? 起きたんか」

曲識「ああ。まだ少しだけ眠いが、いつまでも寝てるわけにもいかないからな」

人識「昼飯はどうした? 一応、適当におにぎりを何個か買ってきたけど」

曲識「それも悪くない。が、もうお昼は食べたから遠慮しとこう」

人識「あん? そうなのか?」

曲識「ああ。適当にうどんを作って食べさせてもらった」

人識「はぁん。そっか」

曲識「今回も家の掃除を代わりにやってくれたらしいな。礼を言う」

人識「別に。他に誰もする奴がいねーから、やってるだけだ」

曲識「なるほど、これがツンデレか」

人識「誰がツンデレだ!」


31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県) [sage]:2012/03/29(木) 19:35:32.99 ID:EK52jFyLo
仲いいなこいつら
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/29(木) 21:49:16.33 ID:z/1tpO7Qo
大好きな変態兄貴が出てない、訴訟

>>1
33 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/03/30(金) 20:00:18.57 ID:ia2aHyhS0
人識「つーか、礼はいいからよ。風呂掃除をやっといてくれねーか? まだ終わってねーんだよ」

曲識「風呂掃除ならもうやってあるぞ」

人識「あ? マジで?」

曲識「ああ。起きた後シャワーを浴びようとしたら、まだ掃除が終わってなかったからな。代わりやっといたというわけだ」

人識「そっか。サンキューな」

曲識「礼を言う必要はない。元々は今日の掃除当番は僕だからな」

人識「まぁ、そうなんだけどよ」

曲識「それよりも、人識はまだ昼ご飯を食べていないのだろ? 買ってきたものは預かっておくから、ちゃんと食べとけ」

人識「別に大丈夫だぜ?」

曲識「いいから食べろ。食事も取らずに家事をするのは健康に悪い」

人識「腹減ってねーんだけどな」

曲識「そもそも今日の掃除当番は僕だからな。後は全部やっとくから、お前はゆっくり昼ご飯を食べろ」

人識「そうか? それじゃあ、お言葉に甘えさせてもらうわ」

曲識「うむ。それも悪くない」

34 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/03/30(金) 20:11:35.78 ID:ia2aHyhS0
人識「スーパーで買ってきた、1個58円のおにぎり」スッ

おにぎり「×3」テーン

人識「朝作った、サラダの残り」スッ

サラダ「コーンを新たに追加」テテーン

人識「飲み物も用意完了」スッ

ウーロン茶「250ml」テテテーン

人識「いただきまーす!」パン

人識「さぁて、ど、れ、か、ら、食、お、う、か、な、っと―――梅か」スッ

人識「」ペリペリ

人識「………」モグモグ

人識「そういや伊織ちゃんがハマってる昼ドラって、そんなにおもしれぇーのかな?」モグモグ

人識「………」ゴクゴクッ

人識「ちと見てみるか」スッ


35 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/03/30(金) 20:36:41.34 ID:ia2aHyhS0
PM 2:30


カメ『はぁ、はぁ……やっと追い付いた……』

ウサギ『遅い! 私、ずっと……ずっと待ってたんだよ!』

人識「………」モグモグ

曲識「何を見てるんだ?」

人識「伊織ちゃんが見てるっていう昼ドラ」モグモグ

曲識「面白いのか?」

人識「ああ。意外と面白いぞ」モグモグ

曲識「そうか」

カメ『寂しい思いをさせて、ごめんな』

ウサギ『ううん………いいの。たど、その代わりに好きって………言って?』

曲識「ウーロン茶もらってもいいか?」

人識「ああ、別に構わないぜ」

曲識「」トクトクトクトク

人識「………」モグモグ

曲識「………」ゴクゴク

カメ『何度だって言ってやるさ、好きだ。結婚してくれ!』ダキッ!

ウサギ『……うん!///』ギュッ!

人識・曲識(気まず……)


36 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/03/30(金) 20:48:59.14 ID:ia2aHyhS0
PM 3:30


人識「おっと、そろそろ洗濯物畳み込まねーとな」スクッ

曲識「手伝うぞ」スクッ

人識「あー、じゃあ俺が取りこむから、曲識のにーちゃんは畳んどいてくれねーか?」

曲識「ああ。分かった」

人識「行くぞー」スッ

曲識「ん」スッ

人識「あ、そういえばよー」

曲識「どうした?」

人識「これ、洗濯籠に色モノの服と白い服を一緒に入れた奴誰だか分かるか?」

曲識「? いや、知らないな」

人識「そっか。ほらよ」スッ

曲識「どうかしたのか?」スッ

人識「いや、誰かが一緒の洗濯籠に入れたせいで、白い服に色が移っちまったんだよ」

曲識「それは大変だな。すぐに洗濯し直したか?」

人識「ああ。ただ完璧には落ちなかったから、今度クリーニング出すことにしたわ」

曲識「そうか。なら、そのクリーニング代は僕の方から出しといてやる」

人識「悪ぃな」

曲識「気にするな」

37 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/03/30(金) 21:02:16.29 ID:ia2aHyhS0
PM 4:40


伊織「ただいま帰りましたー」ガチャ

人識「おかえりー」

曲識「おかえり」

伊織「何見てるんですか?」

人識「相棒の再放送」

伊織「へー。水谷さん出てます?」

人識「当たり前だろうが」

曲識「寺脇さんもちゃんと出てるぞ」ボリボリ

伊織「あ、わたしもお煎餅もらっていいですか?」

人識「手洗ってからにしろ」

伊織「はーい。分かりました」スタスタ

右京『君は京子先生が乱暴されていたのを知っていたんですね』

少年『………』

薫『何で黙ってるです?』

人識「………」ジーッ

曲識「………」ジーッ

伊織「今どんな状況ですか?」スタスタ

人識「今まさにクライマックスだよ」

伊織「ふぅん。そうですか。あ、お煎餅いただきます」スッ


38 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/03/31(土) 19:42:30.61 ID:iMONcK5E0
PM 4:50


伊織「今日の晩御飯の当番は誰でしたっけ?」

人識「双識の兄貴だよ」

伊織「ああ。じゃあ今日も人識くんが当番ですか」

人識「何で俺がやるのが当たり前みたいになってんだよ」

伊織「それで、今日の晩御飯は何ですか?」

人識「……一応、鶏肉を使った料理を考えてる」

曲識「昨日の鶏肉の残りを使うのか」

人識「ああ。予想以上に残ってたからな」

伊織「お肉♪ お肉♪ お肉♪」♪〜

人識「そういや、今日は仕事あるのか?」

曲識「いや、今日は定休日だ」

人識「そっか。じゃあ晩飯は一緒でいいな」

伊織「曲識お兄様と一緒にご飯って久しぶりですね!」

曲識「ああ、久々にゆっくりさせてもらう」

人識「とりあえず、6合くらい炊いとくか」スタスタ


39 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/03/31(土) 19:59:56.12 ID:iMONcK5E0
PM 5:00


人識「」トントン

テレビ『Nスタ! 今日のラインナップは―――』

伊織「もうこんな時間ですかー」

曲識「今日もあと7時間だけだな」

人識「どんな感傷の浸り方だよ」トントン

テレビ『今日のお昼午後 京都の駅構内で殺人事件が発生しました。犯人は逃亡中で―――』

人識「……おい、お前じゃないだろうな?」

伊織「ち、違いますよう。今日伊織ちゃんは駅行ってないですよ」

人識「じゃあ、大将か?」

曲識「あまり家族を疑うのは感心しないぞ」

伊織「そうですよ。そもそも零崎だからといって、全ての殺人事件を私たちに当てはめようとするのはおかしいです」

人識「まぁ、確かにそうなんだけどよ」

伊織「そもそも、この事件の犯人がお兄様である確証があるんですか?」

人識「んー……」

テレビ『凶器には鋏を使われており、犯人は30代前半。身長は190センチ半ばの痩せ形。背広にネクタイを身に付けており、黒のオールバックに銀縁の眼鏡をかけた男性であるそうです』

人識「思いっきり変態兄貴じゃねーか!」

伊織「本当ですね」

曲識「いや、まだレンであると決まっていな―――」

テレビ『目撃者のIさんによると、まるで針金細工のような見た目で、その事件が起こる前には『私の妹にならないか』と女性にしつこく迫っていたそうです』

曲識「レンだな」

人識「何やってんだよ、あいつ……」


40 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/03/31(土) 20:10:08.50 ID:iMONcK5E0
PM 5:30


軋識「ただいまっちゃー」ガチャ

人識「おー」トントン

伊織「お帰りなさいです」

曲識「おかえり」

伊織「軋識お兄様、ニュース見ました?」

軋識「ニュース?」

曲識「レンの奴がやってしまったんだ」

軋識「ああ……。そういえば最近溜まってるみたいだったっちゃからね」

人識「ったく。ちったぁ俺や伊織ちゃんを見習ってもらいたいもんだぜ」

伊織「えっへん!」フンス

曲識「確かに、お前たちは全然人を殺していないな」

軋識「本当、大したもんだっちゃよ」

伊織「えへへ。もっと褒めて下さい」

軋識「え、俺っちゃか?」

伊織「さぁ、好きにどうぞ」スッ

軋識「えーーっと………。よ、よーし。偉いぞ伊織ちゃん。スゴーイ」ナデナデ

伊織「デヘッ。偉い? 私偉いですか?」♪〜

人識「おーい。調子に乗るから、あんま甘やかすな」スタスタ


41 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/03/31(土) 20:32:36.44 ID:iMONcK5E0
伊織「おやおや。焼きもちですか、人識くん?」

人識「そんなんじゃねーよ」

曲識「人識偉いぞ」ナデナデ

人識「そんなんじゃねーっつってんだろうが!」バッ

軋識「それで、今日の晩飯は何だっちゃ?」

人識「鶏肉とシメジの照り焼きペッパー炒めとシーザーサラダに、卵スープだ」スタスタ

伊織「出ました! 人識くんお得意の卵スープ!」

軋識「よく作るっちゃねー」

伊織「といいますか、人識くんがよく卵スープを作るから、朝、卵がないなんてことが起きたんじゃないですか?」

人識「別にいいだろうが」

曲識「手伝うぞ」

人識「じゃあ、曲識のにーちゃんはサラダを運んどいてくれ」

曲識「分かった」

伊織「わたしも手伝いますよう」

人識「んじゃあ、伊織ちゃんはご飯よそってくれ」

伊織「了解しました!」ビッ

軋識「俺も何か手伝うっちゃか?」

人識「大将はいいから、さっさと着替えてこい。いつまでスーツ姿でいるつもりだよ」

軋識「ああ。それもそうっちゃね」スタスタ


42 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/03/31(土) 20:42:06.97 ID:iMONcK5E0
PM 6:00


伊織「準備完了です!」

曲識「飲み物はいるか?」

伊織「あ、私行きますよ?」

曲識「いや、ついでだからいい」

伊織「そうですか。ではウーロン茶いただけますか?」

人識「俺は牛乳でいいや」

曲識「分かった」スタスタ

伊織「うー、いい匂いです」

人識「ほれ、箸」スッ

伊織「あ、どうもです」スッ

人識「えっと、これが曲識のにーちゃんのだっけか?」

伊織「違いますよう。それは軋識お兄様のです。青いのが曲識お兄様の箸です」

人識「そうか」スッ スッ

曲識「飲み物持ってきたぞ」スタスタ

伊織「ありがとうございます」

曲識「伊織がウーロン茶で人識が牛乳だったな」スッ スッ

伊織「そうですよう。ありがとうございます」スッ

人識「サンキュー」スッ

伊織「曲識お兄様は何を飲むんですか?」

曲識「僕はこれだ」スッ

人識「黒ウーロン茶?」

伊織「あの、にがーいやつですか?」

曲識「健康にいいぞ」

人識「まぁ、いいだろうけどよ。別に今日の料理はそんな脂っこくねーぞ?」

曲識「脂っこいこくない関係なく、こういうのは日ごろから続けるから意味があるんだ」

人識「そういうものか?」

伊織「それよりも、伊織ちゃんお腹がすきました。早く食べちゃいましょうよ!」

人識「まだ、大将が来てねーだろ」

曲識「晩御飯はみんな揃ってから食べないといけないな」

人識「普段晩飯時が違うくせによく言うわ」


43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県) [sage]:2012/03/31(土) 20:43:07.52 ID:VtVFokgPo
しかしおれにはシーザーという強い味方が最後までついていたのさ
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/31(土) 23:03:48.65 ID:7WPJo0+No
軋騎の状態だったのか、暴君に可愛がられたのかな

あと投下終了時には一言あるとありがたいです
45 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/04/01(日) 20:53:24.60 ID:Ymo+meAR0
>>44
了解しました。

投下開始します。
46 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/04/01(日) 20:54:10.78 ID:Ymo+meAR0
軋識「待たせたっちゃ」スタスタ

伊織「遅いですよう。伊織ちゃんお腹がすきすぎて、背中と踵がくっついちゃいましたよ」

軋識「どんな状況っちゃ!?」

人識「いいから、さっさと座れよ」

軋識「ああ」ガタッ

曲識「全員揃ったな」

人識「変態兄貴はいねーけどな」

軋識「細かいことは気にするなっちゃ」

伊織「お腹空きましたー!」

曲識「それでは、手を合わせて―――」


「「「「いただきまーす!」」」」


47 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/04/01(日) 21:10:52.48 ID:Ymo+meAR0
人識「そういや、今日スーパー行った時薙真に会ったぞ」モグモグ

伊織「な、薙真くんですかぁ……?」

人識「何ビビってんだよ?」

伊織「いえ、あの人とはあまりいい思い出がなくてですね……」

人識「ふぅん」モグモグ

曲識「薙真って、早蕨のとこのか?」

人識「そうそう。お使い頼まれてやがった」

軋識「ほう、それは偉いっちゃね」モグモグ

伊織「そうですかぁー?」モグモグ

人識「少なくとも朝飯の準備を忘れ、尚且つ家の掃除も一切手伝わなかったお前よりかは何倍も偉いわな」

伊織「ですから、それは違うんですよう!」

人識「何が違うんだよ」

伊織「朝ご飯の準備を忘れてたのは、出掛ける用事があって、それでそっちの方ばかり気にしすぎてたからででしてね。家の掃除も手伝えなかったのは出掛けてたからで……」

軋識「そういや、伊織は今日どこに出掛けてたっちゃ?」

伊織「私ですか? 私はちょっと買い物をしに街に行ってたんですよ」

曲識「いわゆるショッピングだな」

軋識「何故英訳したっちゃ?」

人識「んで、何買いに行ってたんだよ?」

伊織「ふふーん、見て驚いてくださいよう」ガサゴソ

人識「物による」

伊織「これを買いに行ってたんです!」スッ

人識「何だ、それ?」

伊織「将棋盤です!」

人識「んなくだらないもの買ってる暇があったら、家の掃除手伝えや!」


48 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/04/01(日) 21:21:39.52 ID:Ymo+meAR0
人識「こんなもん買って来てどうすんだよ?」

伊織「皆で指そうかと思いまして」

軋識「伊織は将棋指せるっちゃか?」モグモグ

伊織「一応ルールは把握してます」

人識「俺はさっぱりだ。大将は?」モグモグ

軋識「まぁ、少しくらいなら指せるっちゃ」

人識「ふぅん。曲識のにーちゃんはどうよ?」

曲識「昔、レンとよく指していたな」モグモグ

伊織「おお! ということは指せないのは人識くんだけという事ですね!」

人識「何で嬉しそうなんだよ?」

伊織「うふふ。ここは一つ、私が手取り足取り教えて差し上げましょう」

人識「いや、誰もやるとは言ってないだろうが」

伊織「えー、やりましょうよう」

人識「曲識のにーちゃん昔よくやってたんだろ? だったら、曲識のにーちゃんとやれよ」

曲識「僕は構わないが」モグモグ

伊織「折角なんですから、皆でやりましょうよ」

軋識「でも、将棋は2人用っちゃよ?」

人識「少なくとも皆ではやれねーな」

伊織「知らないんですか? 将棋には四人将棋というものがあるんですよ」

軋識「駒が足りないっちゃ」

人識「つーか食事中なんだか、いい加減それしまえ」

49 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/04/01(日) 21:31:42.57 ID:Ymo+meAR0
PM 7:00


「「「「ごちそうさまでした」」」」


人識「ういしょ」スクッ

軋識「ああ、片づけは俺がするっちゃ」

人識「じゃあ、よろしく頼むわ」スッ

曲識「僕も手伝おう」

人識「俺は部屋に戻って、ゆっくり―――」

伊織「将棋やりましょう」

人識「やらないって言ってんだろうが……」

伊織「いいじゃないですかー。積極的に家族と触れ合うことは大切な事ですよ?」

人識「めんどくせぇし、それにルール知らないっつってんだろうが」

伊織「ですから、私が教えて差しあげますって」

曲識「一回でいいから、やってみたらどうだ?」

人識「はぁー?」

曲識「将棋は奥が深くて、結構楽しめるぞ」

人識「いや、でもよー」

伊織「あー、分かりました。人識くん、私に将棋で負けるのが怖いんですね?」

人識「あぁあ!?」

伊織「ふふん。分かりますよ。将棋という今までやったことのない分野で、私に負かされるのが怖いんですよね」

人識「んなわけねーだろ!」

伊織「いえいえ、ムキにならなくても大丈夫ですよ。初めての分野で勝負するのが怖いのは『素人』では当然ですからね」プププ

人識「上等だ! やってやんよ、この野郎!」

軋識・曲識(ちょろすぎる……)ゴシゴシ


50 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/04/01(日) 21:41:27.17 ID:Ymo+meAR0
伊織「そして、これは『角行』です。前と後ろの斜めに何マスでも動かすことができます」

人識「銀の強化版みたいなものか」

伊織「そうですね。ただし、角は前に動かすことができないので気をつけて下さいね」

人識「なるほどな」

伊織「そして、この角は成ると『竜馬』になりまして『角行』の動きに、前横後ろに一マスだけ動かすことができるようになります」

人識「ふむふむ」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

軋識「何だかんだで人識の奴、真面目に将棋に打ち込んでるっちゃね」ジャー

曲識「ああ、そうだな」フキフキ

軋識「そういや、レンと将棋やったことがあるって言ってたっちゃが、あれって本当なのか?」

曲識「ああ、本当だ。レンがいきなり私の店に来てな、将棋やろうじゃないかと無理矢理やらされた」

軋識「それまた急っちゃね」

曲識「何でも、当時知り合った女子中学生が将棋をやっていたらしく、それで自分もやってみようと思い立ったらしい」

軋識「ははは。レンの奴らしいっちゃ」


51 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/04/01(日) 21:44:19.24 ID:Ymo+meAR0
投下終了です。

えー。実は、今日入社式を終えまして、晴れて社会人の仲間入りを果たすことができました。

んで。明日から研修期間に入るため、しばらく更新ができなくなりますので、そこのところご了承ください。

52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2012/04/02(月) 02:50:51.92 ID:z/SDUGLmo


伊織ちゃん恐ろしく強いってことなのか
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/08(日) 10:56:15.50 ID:nTRjYmgIO
人間試験しかよんでないけど、シリーズ中になんか伊織は特技みたいなものを習得するのか?
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県) [sage]:2012/04/08(日) 10:58:57.71 ID:5q0tkjMlo
何故か出夢の一喰いと全く同じ技を習得して人識を滅茶苦茶ビックリさせるよ
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/04/08(日) 22:05:30.32 ID:cl9oe2kAO
義手に火薬でも仕込めば疑似一喰いは再現出来そうだ
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県) [sage]:2012/04/09(月) 12:42:52.04 ID:1bBIzWU+o
因みに>>54は大嘘だよ

罪口製だからなんが凄い機能とかあるんじゃないかなーって思ってたけど別に無かったね
軽さ重視だったのかな
57 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/04/10(火) 21:21:00.94 ID:Xwpm7Cac0
本日付で研修終わったです。

更新再開しまっす!
58 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/04/10(火) 21:22:07.61 ID:Xwpm7Cac0
伊織「そして『二歩』と言いまして、成っていない歩兵を2枚同じ縦の列に置くことができません」

人識「結構めんどくせぇな……」

伊織「他にも、打ち歩詰めの禁止など色々あるんですが……まぁ、そこら辺は追々説明していきましょう」

人識「おう」

伊織「それでは、とりあえず一局打ってみましょうか」

人識「ああ、いいぜ。やったろうじゃねーか」

伊織「それでは、じゃ〜ん け〜ん―――」

伊織「ぽん!」グー

人識「」パー

伊織「うな〜……」グー…

人識「んじゃあ、俺先行な」

伊織「ふん。まぁ、ちょうどいいハンデですよ」

人識「お願いします」ペコッ

伊織「お願いしまーす!」ペコッ

59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県) [sage]:2012/04/10(火) 21:26:57.87 ID:y85HLiOto
じゃんけんで決めるんかい!
60 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/04/10(火) 21:41:44.38 ID:Xwpm7Cac0
PM 7:30


人識「王手」パチッ

伊織(……あ、あれ〜〜?)ダラダラ

軋識「お、どっちが勝ってるっちゃ?」スタスタ

人識「よく分かんねーけど、今、俺が王手をしたとこだ」

軋識「ほぉ、素人のくせにやるっちゃね」

曲識(というよりも、これは……)

人識「ん? おい、伊織ちゃんの番だぜ?」

伊織「わ、分かってますよう……」

軋識「そんな悩む所か? 結構逃げ場所あるっちゃよ?」

伊織「え、ええ。あまりに逃げ道が多いので、どこに逃がそうかで悩んでるんですよ……」ダラダラ

人識「くっそ。舐めやがって……」

伊織(マズイですマズイです……。逃げ道がたくさんあると言っても、逃げる場所はどこも囲いから遠ざかる場所ですし、かと言って無理に取りに行けば完璧に駒損……。どうすれば……)

双識「たっだいまーーーっ!」ガチャ

人識・軋識・曲識「?」クルッ

伊織「」キラーン

双識「やぁー、皆ただいまーっ!」ガチャ

曲識「レン? お前、今日は出張で帰って来ないんじゃなかったのか?」

双識「いやぁ〜、そうなんだけどね。皆と会いたくて、速攻で仕事を終わらせて早めに帰ってきたよ」アハハハ

人識「帰って来なくてよかったのに……」

双識「そんなこと言ってー。本当は私に会えなくて寂しかったんだろ?」

人識「んなわけあるか!」

双識「うふふ。そんな照れなくてもいいのに。まぁ、そんな所が可愛くもあるのだけどね」ウフフ

人識「だから、ちげぇっつってんだろうが!」


61 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/04/10(火) 21:57:11.23 ID:Xwpm7Cac0
伊織「」パチッ

人識「お、やっと打ったか」クルッ

双識「ん? 何をやってるんだい?」

人識「見りゃ分かんだろ。将棋だよ」

双識「将棋かー。これはまた懐かしいものをやってるね」

曲識「レン。何か飲むか?」

双識「ああ、それじゃあビールでも貰おうかな」

曲識「分かった」スタスタ

軋識「つーか、さっさと着替えてこいっちゃ」

双識「ああ、そうするよ」スタスタ

人識「ん〜………あれ? 伊織ちゃん。ここに駒置いてなかったっけか?」

伊織「ふぁい? ふぁひぃひっへふんへふか?」モゴモゴ

人識「………」

伊織「へんはほほひひはふへ、ひほひひふんふぁ」モゴモゴ

人識「……おい、口の中に入ってるのは何だ?」

伊織「ふぉえ!? ほ、ほへはへへふへ……」ダラダラ

人識「これは、何だよ?」

伊織「ふひはへふ……」ダラダラ

人識「嘘つけ! お前、虫歯なんかねーだろ!」

伊織「ふぁんへひっへふんへふはぁ〜っ!?」

人識「いいから口開けろ、この野郎!」ガーッ

伊織「ふぁ〜〜〜。ふぁへへふははい!」バタバタ

軋識「おい。夜中に、あんま騒ぐなっちゃ!」


62 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/04/10(火) 22:03:45.43 ID:Xwpm7Cac0
バタバタ―――


双識「何か騒がしいけど、どうしたんだい」スタスタ 

人識「こいつが口の中に駒を隠しやがったんだよ」バタバタ

伊織「う、うなぁ〜〜〜〜」モゴモゴ

双識「何!? そいつはいけない! 伊織ちゃん。今すぐその駒を口から出して、私に渡すんだ!」

人識「てめぇは引っ込んでろ!」

曲識「レン。ビール飲まないのか?」

双識「今はそれどこじゃない!」バタバタ

曲識「そうか……」

人識「おら、さっそと口に隠してるもん出せ!」ガーッ

双識「そうだよ。口に入れてたら危ないからね。今すぐ出して、私に渡すんだ!」ガーッ

伊織「う、うな〜〜〜〜〜〜っ!」バタバタ

軋識「だから、あんま騒ぐなっちゃ! またご近所さんに嫌み言われんだろ!」


63 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/04/10(火) 22:16:09.53 ID:Xwpm7Cac0
PM 8:00


伊織「ふぅ……。全く、人識くんのせいで酷い目に会いましたよ」

人識「自業自得だろうが」

双識「まぁまぁ、落ち着きなさい」モグモグ

人識「お前、何食べるんだ!?」

双識「何って、おつまみの枝豆だよ」スッ

人識「………」

伊織「人識く〜ん。一体何考えてたんですかぁ〜〜〜?」ニヤニヤ

人識「うっせぇよ」

双識「人識って、意外と変態だよね」

人識「お前にだけは絶対に言われたくねぇ!」

軋識「それよりも風呂が沸いたっちゃよ」

伊織「あ、では私が一番風呂頂きます」スクッ

双識「それじゃあ、私も……」スクッ

人識「お前は待て」ガシッ


64 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/04/10(火) 22:22:35.04 ID:Xwpm7Cac0
双識「ん? 人識も一緒に入るかい?」

人識「そうじゃねーよ!」

双識「しょうがない。それじゃあ3人で入ろう!」

人識「だから、入らねーっつってんだろうが!」

伊織「さすがに、わたしもそれは嫌です……」

双識「そ、そんなぁ〜〜」

人識「そんなぁ〜、じゃねーよ」

軋識「ここは任せて、さっさと入るっちゃ」

伊織「分かりましたー」スタスタ

双識「ちょっと待ってよ。一緒に入ろうよう」

曲識「レン、少しは自重しろ」


65 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/04/10(火) 22:30:34.46 ID:Xwpm7Cac0
人識「さて、そろそろ片づけるか……」スッ

双識「あれ? 片づけちゃうの?」

人識「出しっぱなしをしとくわけにはいかねーだろ」

双識「そうか、久々にやってみようかと思ったんだけど」

人識「ああ、そういや昔将棋をやったことがあるんだっけか?」

双識「うん。って、よく知ってるね………はっ! まさか!」

人識「何を考えてるか知らねーが、絶対に違う」

双識「そう?」

人識「つーか、将棋やってみるか?」

双識「え? いいの?」

人識「いいも何も、やりたかったんだろ?」

双識「うわ、うわぁーーーーーーっ! 人識から将棋を誘ってくれた! アス、トキ見てたよね。今人識の方から将棋をやろうって誘ってくれたよ!」

軋識「あー、見てた見てた」

曲識「よかったな」

双識「うふふふ。今日は新たな記念日に決定だよ! ちょっと待ってて、今すぐ今起きたことを日記に付けてくるよ! 日記なんか今まで付けたことないけど、今日から付けることにする! レン! 超特別豪華な日記帳ないかな?」

人識「やっぱ止めとくわ……」

 
66 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/04/10(火) 22:38:48.24 ID:Xwpm7Cac0
双識「まぁまぁ、そう言わないで、やろうじゃないか」

人識「だったら変な事口走ってんじゃねーよ」

双識「よし、じゃあ人識。さっさと駒を並べなさい」

人識「いや、てめぇも並べろよ」

双識「ん? いや、私はこれでいいんだよ」

人識「は?」

双識「通称『裸王』。ラオウとカタカナ発音をしちゃダメだよ。何だかラスボスっぽくなっちゃうからね」

人識「……てめぇ、まさか王将一枚で、俺とやろうって言うのか?」

双識「え? うん。さすがにこれ以上のハンデは思いつかないんだけど………目隠しでもしようか?」

人識「……上等。後で吠え面かいても知らねーからな」ニカッ

双識「うふふ。それじゃあ、零崎を始めようか」

人識「かはは。んじゃまあ、てめぇの王将を殺して解して並べて揃えて―――晒してやるか」


67 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/04/10(火) 22:39:46.82 ID:Xwpm7Cac0
今回はここまでです。

次回はまた気が向いた日に会いましょう。
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga sage]:2012/04/10(火) 23:21:38.43 ID:ljLURR6eo
裸でやるとか双識さん何者だよ
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/10(火) 23:57:15.92 ID:6vS3KZO2o
変態だよ
70 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/04/13(金) 23:38:35.26 ID:UTmEujlY0
PM 8:30


伊織「ふぅー、いい湯でした」ホカホカ

軋識「」ジーッ

曲識「」ジーッ

伊織「何見てるんですか?」

軋識「今、レンと人識が将棋をしてるっちゃよ」

伊織「へー、どっちが勝ってます?」スタスタ

曲識「まぁ、互角という所だな」

伊織「凄いじゃないですか、どれどれ」ヌッ

人識「………」ウーン…

伊織「おお、本当だ。結構接戦じゃないですか」

双識「うふふ。湯上りパジャマ姿の伊織ちゃん。眼福眼福♪」

伊織「あれ? 何か駒の数が少なくないですか?」

軋識「駒落ち戦でやってるちゃよ」

伊織「駒落ち? 何枚ですか?」

曲識「十九枚落ち。通称裸王というやつだな」

伊織「十九枚落ち!? どんだけハンデもらってるんですか!」

人識「うっせぇな! 考えてんだから、ちったぁ静かにしてろよ!」

双識「それで、どこ打つか決まったかい?」

人識「くっそ。おら、3四馬 王手だ」パチッ

双識「ふむ。それじゃあ、7八香車 逆王手」パチッ

人識「だぁーーーっ! うっぜぇ、マジで!」ガーッ


71 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/04/13(金) 23:40:49.08 ID:UTmEujlY0
伊織「あははは。人識くん、ダメダメですねー」

人識「俺に負けた奴が何か言ったか?」

双識「それで、どうするの?」

人識「ちょい待て。長考だ、長考」

双識「またかい? さっきもかなり長く考えてたじゃないか」

人識「………」ブツブツ

曲識「これは、また長くなりそうだな」

伊織「お風呂空いてますけど、誰か入ります?」

軋識「トキ、風呂入るっちゃか?」

曲識「いや、僕はまだいい。先は入っていいぞ」

軋識「そうか? それじゃあ、先もらうっちゃね」スタスタ

72 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/04/13(金) 23:47:48.90 ID:UTmEujlY0
PM 9:00


人識「負けた……」

双識「うふふ。それじゃあ、約束通り今晩は私と一緒にお風呂に入ろうか」

人識「んな約束してねーだろうが!」

双識「人識が断ると思って、こっそり胸の中で交わした約束だからね」

人識「んなもん約束とは言わねー!」

双識「まぁまぁ。そう言わずに、兄弟水入らず、たまにはいいだろ?」

人識「いくねーよ! 変態兄貴と一緒に風呂に入ったら、何されるか分かったもんじゃねー!」

伊織「え! い、一体何をされるんですかっ!?」

人識「食い付いてんじゃねーよ!」

双識「それはね―――」

人識「言わなくていい!」

曲識「人識うるさい。集中して本が読めないだろ」

人識「本よりも先に空気を読め!」

軋識「あがったっちゃよー」スタスタ

双識「よし。それじゃあ一緒に入ろうか」

人識「入らねーつってんだろ!」

軋識「何だ人識。結局レンと一緒に入るっちゃか? チャレンジャーっちゃね」

人識「入らねーよ!」

伊織「もう諦めたろどうですか?」

人識「他人事だと思って何言ってやがる!」

曲識「人識、本……」

人識「空気を読めぇぇぇぇぇっ!」


73 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/04/13(金) 23:52:16.05 ID:UTmEujlY0
PM 9:30


人識「ふぅー。いい湯だった」ホカホカ

伊織「結局一緒に入らなかったんですね」

人識「当たり前だ」

曲識「それじゃあ、最後は僕がもらうかな」スクッ

人識「あれ? そういえば変態兄貴と大将はどうした?」

伊織「お酒のおつまみを買いに行きましたよ」

人識「まだ飲むんかよ……」

伊織「まぁいいじゃないですか。双識お兄様、仕事を早く終わらせようと頑張ってたみたいですからね」

人識「そういうもんか?」

伊織「そういうもんですよ」

人識「ふぅん。まぁいいか」スタスタ

伊織「どこ行くんですか?」

人識「別に飲み物取りに行くだけだ」

伊織「あ、じゃあ、わたしの分もお願いします」

人識「何がいい?」

伊織「アイスコーヒーで」

人識「寝る前にコーヒー飲もうとしてんじゃねーよ」


74 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/04/13(金) 23:55:01.81 ID:UTmEujlY0
人識「ゴクゴクゴクッ………」ギュウニュウ

伊織「ゴクゴクゴクッ………」コーヒー

人識・伊織「ぷっはぁ〜〜〜〜」

人識「やっぱ風呂上がりはこれだな」

伊織「ですねぇ〜〜」

人識「お前は同意すんな」

伊織「時に、コーヒーとかお茶を飲むとトイレが近くなりますよね」

人識「それ分かってて、何で寝る前に飲んだんだよ?」

伊織「何でトイレが近くなるんでしょうね?」

人識「知らねーよ」

曲識「いい湯だった」ホカホカ

人識「出るのはえーな」

伊織「曲識お兄様は知ってますか?」

曲識「何がだ?」

伊織「コーヒー飲むとトイレが近くなるじゃないですか、あれって何でだか分かります?」

曲識「あれはコーヒーに利尿効果があるからだろ」

伊織「そうなんですかぁー」ゴクゴク……

人識「お前、大して興味ないなら聞いてんじゃねーよ」


75 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/04/13(金) 23:56:40.61 ID:UTmEujlY0
双識「たっだいまーーーっ!」バタンッ

軋識「レン。もう夜遅いんだから大声を出すなっちゃ」スタスタ

伊織「お帰りなさいです」

人識「うわっ。結構な量を買ってきたな」ドッサリ

双識「今日は朝まで飲むつもりだからね。覚悟しといてよ、アス、トキ」

曲識「僕も飲むのか……?」

双識「当たり前だろ? 折角久しぶりにトキがお休みなんだから。今日は思いっきり付き合ってもらうからね」

曲識「はぁ……。まぁ、それ悪くないか」

軋識「トキは何飲むっちゃ?」

曲識「それじゃあ、キリンでも貰おうか」

軋識「あいよ」スッ

双識「アス。私は金麦取ってくれ」

軋識「分かってるっちゃよ」スッ

人識「こりゃあ、巻き込まれる前に部屋に戻っといた方がいいな」

双識「ん? 何言ってんだい? 人識も一緒に飲むんだよ?」

人識「未成年だ、馬鹿野郎!」

軋識「別に、その歳にもなれば、平気で友人と一緒に飲んだりしてんだろ?」

人識「飲んでねーよ!」

伊織「あー、友達いないですもんねー」

人識「いるわ! そういう意味で言ってんじゃねーよ!」

曲識「まぁ、今日は無礼講ということでいいだろ」ピーヒョロロ

人識「こんなことで音使ってんじゃねーよ!」ピタッ


76 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/04/14(土) 00:02:17.80 ID:Zf6T/cFQ0
曲識「音ではない。超音波だ。この家に設置してある」

人識「俺、この家出てくわ!」

双識「まぁまぁ、落ち着きなって。それで何飲む?」

人識「落ち着きながら飲まそうとすんな!」

伊織「ふぁ〜〜〜。眠くなってきました」

人識「よくこの状況下で眠くなれるな!?」

伊織「わたし、今日はいつもより早く起床しましたからね。そのせいですよ」

人識「そうか。それならこれからも早く起きるようにしといた方がいいんじゃねーか?」

伊織「後ろ向きに善処しときます」

人識「前向きに捉えろ」

双識「夜更かしは美容の敵だからね。無理しないで眠ったらどうだい?」

伊織「うな〜。そうですね。今日はもう寝ることにします」

軋識「ああ、そうしろっちゃ」

人識「んじゃあ、俺も寝るかな。……だから、曲識のにーちゃん。これいい加減解いてくれねーか?」

曲識「だが断る」

双識「うふふふ。今日は寝かさないよ、人識」

人識「だぁー! てめぇは寄るな!」

軋識「だから、夜中なんだから、あまり騒ぐなっちゃ」


77 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/04/14(土) 00:05:00.83 ID:Zf6T/cFQ0
人識「はあー……。何とか解いてもらったぜ」コキコキ

曲識「ただし、約束通り飲みには参加してもらうぞ」

人識「わぁーったよ」

軋識「人識は何飲むっちゃ?」

人識「アルコール度数が一番低い奴で頼む」

軋識「それじゃあ、The End of Historyでいいちゃね」スッ

人識「それ低いのか?」

軋識「ああ。低いっちゃよ〜」

人識「んじゃあ、それで」

伊織「ふぁ〜〜〜。それでは、お先失礼しますね」アクビ

人識「おお。おやすみ」

双識「おやすみ。伊織ちゃん」ニカッ

軋識「おやすみっちゃ」

曲識「おやすみ」

伊織「お休みなさいです」




FIN

78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/14(土) 00:08:06.17 ID:dHtRSutho
スピリタスとかに比べれば低い 大丈夫
79 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2012/04/14(土) 00:18:37.46 ID:Zf6T/cFQ0
終わりです。正直気まぐれで立てた奴なので、割と適当気味です。

一応これは日常シリーズとは別もんのお話なので、前作の続きってわけではありません。日常シリーズの続きは子荻ちゃん編として必ず書きます。(ぶっちゃけ、社会人になってから書く余裕が全くないけど、必ず書きます)


題名の方は安価で決めてみようかと思います。

条件としては、
1.題名に必ず『日常』の文字を入れること。(入ってないのはノーカウント)
2.一人でいくらでも書いていいよ。
3.いいなって思った奴を採用する採用形式。

とまぁ、こんな感じ?

一応、このスレが落ちるまでがエントリー期間なので、案があったらビシバシ書いて下さいな。という訳で、また気が向いたときにお会いしましょう。

80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2012/04/14(土) 20:44:06.84 ID:ZveiiQqMo
おつ
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