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台本を数行書いたら誰かが地の文付きで描写してくれるスレ - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/03/28(水) 22:57:52.49 ID:D/Qnc542o
「こんなSSのこんな場面読みたい」人と「手軽に地の文の練習がしたい」人の両得を図るスレです
試験的に立てたスレなので、需要がなかったり問題があるようでしたらすぐに削除依頼出します

【仮ルール】
・やり方はスレタイ通り。誰かが 男「」 上条「」 のような文を2〜5行書く
・地の文書く人は、安価をつけて台本の台詞に準じた文章を1レスに収める
・原則的に表現方法は自由だが、大きなセリフ改変などは認めない(付け足しは少しくらいならあり)
・感想とか書いたら地の文書いた人はハッピーかもしれない

【例】
魔王「お前、女なのか?」
勇者「それがどうした! 勇者に男も女もあるもんか!」
魔王(か、かわいい!)



「お前、女なのか?」

 その少女の胸の膨らみをみとめた魔王は、先刻とはうってかわって素っ頓狂な声を上げた。
 少女はますます敵意をむき出しに、「それがどうした!」と剣を構えなおした。
 魔王は目を見張った。
 勇者にしてはいささか頼りないと思っていたが、思わぬ形で謎が解けてしまった。

「勇者に男も女もあるもんか!」

 よくよく聞けば、なるほど幼さの残るソプラノである。
 同時にそのいじらしい威勢に、魔王の胸はきゅうと締め付けられた。

(か、かわいい!)



↑適当ですがこんな感じでお願いします
↓ではまず誰かのお題台本から

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1332943072(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/03/28(水) 23:23:56.38 ID:De3k9eqIO
男「…これは……血っ!?」

女「」

男「女、おい、大丈夫か!」

男「おい…女、お前が居ないと俺は…」


女「その言葉が聞きたかった」スクッ

男「えっ」

女「ただのイチゴジャムだよ、これ」

男「」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/28(水) 23:26:53.13 ID:ervP4VvDO
連投の形になってすまん
こんな感じで良いのかな…?

女「ねえ」

男「なんだ」

女「僕、思ったんだけどさ」

男「おう」

女「……僕って一人称、やっぱり恥ずかしいよね」

男「自覚してたのか」

女「やっぱり恥ずかしい事だったんだ……」

男「リアルでやるには、痛々しいとは思うぞ」

女「うう……治した方が良いよね……」

男「……まあ、個性的っちゃあ個性的だからな。そこまで気にしなくとも良いんじゃないか?」

女「!……あ、……ありがとう」

男「……ふん」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [age saga]:2012/03/28(水) 23:41:16.66 ID:D/Qnc542o
ごめんなさい、大事なことを強調すべきでした

>・やり方はスレタイ通り。誰かが 男「」 上条「」 のような文を【2〜5行】書く


双方とも中身は全く問題ないというかむしろ歓迎なんだけど、行数が少し長いのです

地の文形式で書くとなると、どうしても文章量が多くなってしまいがちになるから
台本はもっと気軽に書ける配分が望ましいのです

従ってお題を提示する側は、台本にそこまで深いストーリー性は持たせられず、
限定された部分的なシチュだけに留まる形になります

地の文側も気軽に参加して欲しいスレなので、そこだけはご了承ください

でも>>2>>3せっかく出されたお題なので、かいつまんでもおkという形で今回はアリにします!
(有志がいなければ自分が書きます)

そんな感じでバンバンお願いします
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/28(水) 23:43:54.42 ID:ervP4VvDO
おお、すまない…
こっちはセリフかいつまんでもOKです
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/28(水) 23:46:06.82 ID:ervP4VvDO
何を勘違いしてたんだ自分はorz
>>5は無視してくだされ
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/28(水) 23:49:38.50 ID:De3k9eqIO
そうか、それはすまなかった

教えてくれてthx
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) :2012/03/29(木) 00:22:28.56 ID:u+Xt+Xpg0
俺☆降臨☆
文章力なさ過ぎワロエナイ
許せ。


床に倒れている女にもとに駆け寄ると、お腹の辺りに赤いものが溜まっている。それは周りにも飛び散って、いやな雰囲気があたりを埋め尽くしている。
……まさか。

男「…これは……血っ!?」

ぬるりとした感触。
反射的襲ってくる生理的嫌悪。

女「」

女は、動かない。

男「女、おい、大丈夫か!」

暗い室内でははっきりとその顔は見て取れない。
しかし、俺の脳裏には血の気をなくした女の顔が浮かび上がってくる。
頭が混乱してきた。
なぜ…こんな…。
狂ったように名前を女の呼び続けるが、その声はどこにも届かない。
声が枯れるより先に、嗚咽のせいでうまく声が出せなくなってしまう。

男「おい…女、お前が居ないと俺は…」

こんなときに俺は何を言っているのか。
無意識のうちに、妙なことを口走り始めていた。
頭の片隅で冷静な俺がそれを客観的に判断してくれる。
「俺は、女のことが――


女「その言葉が聞きたかった」スクッ

男「えっ」

血溜まりの中に倒れていた女が突然立ち上がったかと思うと、天才無免許医と化した。

…………ん?

いや、いやいやいや。どういうことだ?
なるほど、これは幻想か。俺はそこまで女のことを想っていたのかもしれない。
だが、その想いを伝えることはもはや、

女「ただのイチゴジャムだよ、これ」

そんな俺の混乱を知るよしもなく、爆弾的真相を述べてくれやがりました。
よくわからない頭の中でよくわからない思考を巡らせつつ、床をべっとりと染めている血と思わしきものを手で掬い取って舐める。

甘ぇ。

男「」

黙るしか、ない。
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) :2012/03/29(木) 00:23:30.77 ID:u+Xt+Xpg0
やべ、安価付け忘れた
>>8>>2
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/03/29(木) 00:24:19.19 ID:A8ImaedAO
男「イア!イア!」

女「ルルイエー!」

ドムドムドムドム

男2「イア!イア!」

DQN「ルルイエー!」




委員長「以上、3年5組の発表でした。ありがとうございました」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/29(木) 00:30:13.81 ID:4T7xq126o
>>2

 最初は「何かが床に落ちているな」という程度の認識だった。
 人間が倒れているのだと理解するのにたいした時間はかからなかったし、それが女であることも、髪型や服装、体格などからすぐに分かった。
 それらに気付くのとほぼ同時に、彼女の衣服が赤く汚れていることを発見し、俺の背筋は凍った。
 赤い汚れは腹部から広がり、液体となって床を濡らしている。真紅の水溜りの中で、銀色の刃物が溺れているのが見えた。

「おい、大丈夫か!」

 慌てて駆け寄ろうとするが、手足が思う通りに動かせず、なかば倒れ込むような形で彼女の身体に近寄る。
 俺は咄嗟にどうしていいか分からなかった。
 混乱しながら彼女の名を呼びかけ、頬を叩いてみると、苦しげな呻きではあるが反応があった。
 俺は直感的な安堵と同時に強烈な不安を覚えた。するべきことは他に山ほどあったはずなのに、何も思い浮かばない。
 頭が真っ白になって、どうすればいいのかまったくわからなかった。
 
 苦痛に喘ぐような息遣いが、弱々しく唇からこぼれている。彼女の命が血液とともに急速に失われつつあるような感覚があった。
 俺は泣き出しそうになった。恐怖や混乱が今にも氾濫してしまい、どうにかなってしまいそうだ。
 何も考えられないまま、言葉が勝手に口から溢れだしてくる。怖くて震えが止まらなかった。
 
「女、お前がいないと俺は……」

 呟いた瞬間、涙がこぼれる。俺が俯いている間も、彼女の苦しげな呼吸は絶えず続いている。甘い匂いが鼻についた。
 不意に、彼女の呼吸の音が途切れた。悪い予感に心臓が跳ねる。俺はおそるおそる顔を上げて、彼女のようすをうかがった。

「その言葉が聞きたかった」

 と、自分以外の誰かの声が聞こえて、俺は咄嗟になにがなんだかわからなかった。
 見れば、女の表情は平時と変わらぬ穏やかさを取り戻し、視線をこちらに向けている。
 唖然とする俺をよそに、女は立ち上がり、ぱんぱんと服をについた埃を払い落とした。

 彼女は腹部の汚れを人さし指で拭うと、俺に向けてそれを差し出した。
 鼻孔をくすぐった匂いに、もしやと思いそれを舐める。ためらう余裕はなかった。

「ただのイチゴジャムだよ、これ」

 しばらく、頭をうまく働かせられなかった。彼女はその間も頭を掻いたり襟元を正したり、無事な人間にしかできないことをやって見せる。
 ようやく状況を理解して、俺は安堵の溜め息をついた。自然に笑いがこみあげてくる。彼女も困ったように笑った。
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) :2012/03/29(木) 00:40:39.29 ID:u+Xt+Xpg0
>>10
俺への挑戦と受け取った。
……あれ、何書いてんだろ俺。


ブザーとともにカーテンが上がる。
同時にステージがスポットライトで照らされ、俺たちの姿が観衆の前に映し出される。
さあ、いよいよ本番だ。
クラス全員が、この日のために全力を注ぎ込んできた。
思えば、高校三年の夏休み。
受験勉強もさることながら、高校時代最後の夏という、青春ストーリーにおける重要な時期。
それを俺たちはすべて、文化祭に費やした。

――いくぞ!

男「イア!イア!」

まずは第一声。
俺が勢いよく雄叫びを上げる。
そのまま小躍りしつつステップを刻む。

女「ルルイエー!」

続いて女。
両腕で何かを振り回すような動作と共に反復横跳び。
素早い。
その速さは、剣道の達人も見切れるか否か、といったところだ。

ドムドムドムドム

やがてクライマックスへ。俺たちふたりだけのステージから、クラス全員のステージへ。
裏に控えていたクラスメイトみんなが太鼓のようなものを首から提げ、それを両手に持ったスティックで叩き、リズムを刻んでいく。

そしてクラスはひとつになった。

男2「イア!イア!」

俺の親友、男2が叫ぶ。
額からは汗の粒が舞う。さわやかだ。全力を出し切っている。ああ、これぞ青春!
俺たちは間違っていなかった。
俺たちは、最高の夏休みを過ごしたのだ!
受験勉強?否!そんなものをしてなんになる!
海で泳ぐ?否、否!まったくもって無意味!

俺たちの過ごした一ヶ月こそが、最高の「青春」だったのだ!

DQN「ルルイエー!」

最後の一声。
はじめ、クラスでは不良として浮いていたDQNだったが、今はこうしてクラスの一員だ。
大トリ、締めの役割だって自ら名乗り出てくれた。
まさに感無量。

そしてカーテンが下りていく。
俺たちはみな、逆立ちしたキメのポーズのまま、笑顔を浮かべてカーテンが地面に着くのを待った。




委員長「以上、3年5組の発表でした。ありがとうございました」


  Fラン高校学園祭
〜これが落ちこぼれの末路〜

これで、俺たちの青春は、終わった。
あとに待つのは、高卒資格なし、というレッテル。
だが俺たちは負けない。今日の思い出を胸に抱いて…
13 :2 [sage saga]:2012/03/29(木) 00:44:01.38 ID:Ri+dYUSIO
書き直してくれてthx
自分の書いた文が生まれ変わるのを見るとすごい嬉しくなるな

てかみんな文才あって羨まし過ぎる
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) :2012/03/29(木) 00:44:56.13 ID:u+Xt+Xpg0
>>11
すげえwwwwレベルの違いがうんぬんかんぬん
上手い人は上手いな…


ところで>>1よ!地の文ってこんな感じでいいの?ねえ!
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/03/29(木) 00:50:28.24 ID:ZMuBAZAe0
>>2で駄文ですが

「……これは……血っ!?」
 彼女の首元にべっとりとへばりついた、赤くどろどろとしたそれ。
 燃えるような赤、紅をしたそれは、俺がこの世界で最も愛した少女の服を染め上げていた。
「…………」
 彼女は、決して動かない。まるで動力を抜かれたロボットのようにその場に横たわって、冷たい地面に肌をつけていた。
「女、おい、大丈夫かっ!」
 なんとか喉から絞り出した声が静かな空間へと響きわたる。そして、その声が目の前の彼女に届くことは、きっと。
 どうしても認めたくなかった。傍にかけより持ち上げたその体には、どこにも力が込められてはいない。
 支えた背筋から伝わる重みが、いつもより何倍も多く感じられた。
「おい……女、お前が居ないと俺は……」
 無尽蔵に湧いて出る絶望が俺の全てを覆い尽くしていくようにも思えた。
 暗い、暗いその中で僅かばかりの光を放つものがある。
 楽しかった記憶。嬉しかった記憶。悲しかった記憶の数々。
 買い物に出掛けたは出掛けたのだが、目当てのものを手に入れることができず不貞腐れ口論となったあのとき。学校の帰り道の途中で店に立ち寄り、ケーキを頬張って満面の笑みを浮かべ、その可愛らしい顔を見せつけてきたとき。明かりを消した部屋の中で肌を寄せあって、お互いの温もりを感じあったとき。
 他にも数えきれない想い出がまるで走馬灯のように思い起こされ、俺の中の暗闇を照らし続けている。小さな輝きを保ち続けている。
 でも、それももうおしまいだ。
 彼女は、女はもうこの世界には存在しない。あの太陽のような笑顔も見ることはできないし、二人一緒にくだらない談笑を交わすこともできない。
 だって、彼女は。

 死んでいるのだから。

 記憶は色褪せる。彼女との想い出がはいずれその光を失い、飲み込まれてしまう。彼女との新しい想い出を手に入れることは、この先一生叶わない。
 ああ、絶望が、闇が俺の全てを飲み込んで……



「その言葉が聞きたかった」
「えっ」
 不意に抱き抱えた女の体がひとりでに動きだした。しかも喋りだしやがった。
 どういうことなのだろう。確かに彼女は死んでいたはずなのだ。決して動かず、大量の血液を流して……
 いや、待て。そう言えば彼女の体が妙に温かかった気がした。死んでいたはずなのにも関わらず、その温もりを保ち続けていたと言うのはどういうことなのだろうか。
 ……というか、先程から甘ったるい匂いがするのは何でだろう。しかもそれは、何故か女の首元から匂って……というかこれは血液と言うか、なんというか……。
「ただのイチゴジャムだよ、これ」
 そういって彼女はベッタリと付着したそれを指先で少しだけとり、俺の眼前へとつき出した。
 なるほど、確かにイチゴジャムである。何故こんなものを血液と間違えたのかわからなくなるぐらいイチゴジャムである。
「…………」
 呆然としたまま、時間が流れる。それをおかしく思ったのか、心配の声を彼女は俺にかけ続けているような気がした。
 女は、死んでいなかったのだ。
 その事に対する喜びと感動、そして騙されたことによる怒り等がごちゃ混ぜになって本当によくわからない感情が俺のなかで生まれつつある。

 どうしようもなくムシャクシャしてきた俺は、本気で心配し始めた女の胸にとりあえずダイブをかましてみることにした。多分このくらいは許されるだろう。
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) :2012/03/29(木) 00:55:39.45 ID:u+Xt+Xpg0
まだ燃料少ないか
じゃあ俺が


男「なあ」

女「うん?」

男「好きだよ」

女「あたしは愛してる」

男「そっか」

女「そうだよ」



いろんな人のいろんなこれが読みたい。
俺のwwwwww実力ではwwwwww無理wwwwwwなのでwwwwww
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/29(木) 01:04:01.27 ID:4T7xq126o
>>3

「僕、思ったんだけどさ」

 大真面目な顔をして彼女は口を開いた。俺は溜め息をついてから「なんだ」と問い返す。
 彼女は俺の態度の悪さに怯むことなく話を続けた。

「……僕って一人称、やっぱり恥ずかしいよね?」

「自覚してたのか」

 何をいまさら、という気分で応じる。恥ずかしいかどうかはともかく、珍しいことは確かだろう。
 少なくとも俺は、「僕」という一人称の女子を彼女以外にこの目で見たことがない。
 女は打ちひしがれたような様子でぼそりと呟いた。

「やっぱり恥ずかしいことだったんだ……」 

 俺は答えずに彼女の表情を眺めた。そもそも彼女には、容姿からして(良い意味で)人目を引くところがある。
 加えて独特の口調。否が応でも目立つし、人によっては痛々しくも見えるだろう。

 俺が何も言わなかったからか、女は不安そうな表情で取り繕うように言った。

「治した方、いいよね」

 俺は答えに窮する。女が突然「わたし」と言い始めても、あまり似合う気がしない。
 本当なら何も言わないつもりでいたが、彼女があまりに落ち込んだ表情をしていたからだろうか、俺は耐えきれずに口を開いた。ゆっくりと言葉を選ぶ。

「……まあ、個性的っちゃあ個性的だからな。そこまで気にしなくともいいんじゃないか」

 彼女は最初、俺の言葉を咀嚼しかねている様子だったが、少しして、嬉しいような、戸惑ったような素振りを見せ、照れ臭そうに、

「あ、……ありがとう」

 と言った。俺は気恥ずかしさに鼻を鳴らした。
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/03/29(木) 01:08:39.24 ID:ZMuBAZAe0
「なあ」
 一つ、誰にも負けないほどのプライドを胸に秘めること。
「うん?」
 二つ、負けじと自分もプライドを持つこと。
「好きだよ」
 三つ、己の道を信じ、進み続けて。
「あたしは愛してる」
 四つ、決して相手には屈しない。たとえそれがどんなことであろうとも。



 片方の男はきのこ、もう片方の女はたけのこ。お互いが手に持つ二つの菓子からは、並々ならぬ気配が感じとれる。
 一人の男は、自分のそれを好きだといった。
 女は、それに対抗して好きではなく、その上とも言える愛してると言い切った。
 そんな簡単なやり取りにも、戦いは存在しているのだ。
「そっか」
「そうだよ」
 男が不適な笑みを浮かべ、一気にその菓子の封を切った。対する女も封を切り、その中へと潜む歴戦の勇姿をこの世界へと現界させる。

 ……きのこの山、たけのこの里。
 無数の戦いを引き起こした両者の衝突。その中にあるほんのの一つが、今ここで繰り広げられようとしていた……。
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/03/29(木) 01:10:00.37 ID:Ri+dYUSIO
こういうのだったらどう解釈するのか気になる

男「ああ、もう朝か」

男「ん?紙が…」

『またね。 女』


男「……あいつ、もういっちゃったのか……」
20 :ところで「直す」じゃね [sage]:2012/03/29(木) 01:16:59.09 ID:AvD28Ayho
>>3
「ねえ」

 とりあえず目に付いたジャガイモ詰め放題を頑張っていると、彼女が小声で話しかけてきた。
 俺はジャガイモを選別しながら応える。

「なんだ」

「僕、思ったんだけどさ」

「おう」

 どうにも歪な形なのが多い。出来るだけ隙間無く詰め込みたいのだがなかなか難しい。
 というか、これはもう詰め放題には向かないような形のジャガイモばかりを選んで置いてあるのではなかろうか。
 ジャガイモ陰謀論。

「……僕って一人称、やっぱり恥ずかしいよね」

 俺はジャガイモを落とした。
 理解はすぐに追いつき、俺はイモを拾い上げて振り返る。

「自覚してたのか」

「やっぱり恥ずかしい事だったんだ……」

 赤面して俯く彼女。だが俺としては今更そんなこと言われても、という感がある。
 いつか止めるだろうと思ってたが、結局高校までやってるのだ。時既に遅し。

「リアルでやるには、痛々しいとは思うぞ」

「うう……治した方が良いよね……」

 溜め息を一つこぼす。
 だから今更そんなこと言われても、とか言ったら怒られるだろうか。
 正直俺としては恥ずかしさのピークはとっくに過ぎているし、私とか言われたら吹き出す自信がある。
 無難に答えよう、無難に。

「……まあ、個性的っちゃあ個性的だからな。そこまで気にしなくとも良いんじゃないか?」

「!……あ、……ありがとう」

「……ふん」

 ジャガイモ詰めを再開する。それにしても歪なものが多い、もっと協調性溢れるイモはいないのだろうか。
 わざとなのか天然なのか、とにかく自己主張の激しい奴らだ。
 まあ、俺個人の趣向としては少々変わった形でも構いはしないのだが。
 詰めるには不向きというだけで。
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) :2012/03/29(木) 01:22:11.19 ID:u+Xt+Xpg0
>>3
>>17見ちゃったら書くしかねえ
謎のライバル心を燃やす俺


女「ねえ」

 昼休み。
 屋上でふたり、弁当を食べ終え、並んで横になっていた。
 雲ひとつない空の下で、女がおずおずといった様子で口を開く。

男「なんだ」

 満腹の腹とゆるゆると降り注ぐ陽の光のせいで、ほどよい眠気に襲われていた俺は、少しぶっきらぼうな返事をしてしまう。
 本当は眠くてぼーっとしているだけなのだが。
 女はそんなこと気にも留めず、言おうか言うまいか、けど、ううん、とかそんな感じでもじもじしている。

 空が青い。

女「僕、思ったんだけどさ」

 やがて再び口を開く女。

男「おう」

 さっきより少し強まった眠気に流されそうになりながら、返事。

 空が青い。

女「……僕って一人称、やっぱり恥ずかしいよね」

 女の顔は、赤い。

男「自覚してたのか」

 体を横に向けて、ほんのりと頬を赤く染めた女を見る。

女「やっぱり恥ずかしい事だったんだ……」

 落ち込んだように少し縮こまる。
 小さい頃から一緒の幼馴染み。昔から活発で、そのくせ家庭的で、弁当が美味い。
 昔から、一人称は「僕」。
 恥ずかしいことではない、と言ってやれたらどんなに良いか知れないが、バカ正直な俺は、

男「リアルでやるには、痛々しいとは思うぞ」

 ドストレートをミットに放り込んでしまった。 

女「うう……治した方が良いよね……」

 いや、そこまでではないでしょうが。
 そもそも、「あたしさー」とか言ってくる女。
 
 怖い。
 
 ギャル(死語…?)っぽいのは苦手だ。
 活発とバカ騒ぎは違うのだぜ。女は、前者。俺の好み。
 だから、一人称なんか、俺にとっちゃあ些細な問題。

男「……まあ、個性的っちゃあ個性的だからな。そこまで気にしなくとも良いんじゃないか?」

 しかしバカ正直な俺は、こんな気休めのようなことしか言えなくて。

女「!……あ、……ありがとう」

 それでも、ぱあっと顔を輝かせてくれる女がそこにいて。

男「……ふん」

 なぜか拗ねたようにそう口走ってしまう俺を、にこにこと眺める女がそこにいて。
 俺の顔も、赤い。
 

 俺は再び空を見上げる。
 空は青い。

 一緒に過ごして十七年。付き合い始めて二年と少し。

 まだ空は、青い。
22 :こまけぇこたあ [sage]:2012/03/29(木) 01:23:48.35 ID:u+Xt+Xpg0
>>20が秀逸
>>18は誰かやるような気がするわけもなくワロタ
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/29(木) 01:27:17.25 ID:4T7xq126o
>>16

 隣を歩く女の様子を横目で眺める。マフラーで隠した口元から、白い息がこぼれていた。
 繋いだ手に力を込める。それは無意識に入った力だった。彼女は一瞬、意外そうにこちらを見て、クスクスと笑ってから、手を強く握り返してくる。
 いつものように、心地よい、暖かい感情がこみあげてきて、胸が苦しくなった。

「なあ」

「うん?」

「好きだよ」

 不思議な気持ちだった。こういうことを面と向かっていうのは、いつもはなんとなく嫌だった。
 あまり言葉で多くのことを言うのは、軽薄にみられそうで心配だったのだ。こんなに自然に気持ちを言葉にできたのは、初めてかもしれない。

 彼女の表情は一瞬、呆気にとられたようにこわばった。
 次にだらしなく崩れた微笑があらわれ、最後に拗ねたように唇を尖らせる。
 その様子を見ていると、言葉に出した通り、俺はこの子のことをたまらなく好きなのだと実感できた。

 彼女は照れくさそうに笑ってから、おどけた調子で口を開いた。

「あたしは愛してる」

 どう反応していいか分からず、にやけそうになったり、何かを言おうとして口がもごもご動いたりしたけれど、結局何も言えず、俺はもう一度手に力を込めてからそっけなく答えた。

「そっか」
 
「そうだよ」

 彼女は楽しそうな表情で頷いてから、遠慮がちに手を握り返してきた。
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/03/29(木) 01:31:57.47 ID:T6fifjh50
>>19

窓から差し込む光の眩しさに、ゆっくりと目が覚める。

男「ああ、もう朝か」

昨夜の情事の激しさのせいか、気だるい倦怠感を感じながら身体を起こし呟く。
寝ぼけた頭で周りを見渡すと、目に入るのは乱れたシーツと脱ぎ散らかされた自分の衣服。

しかし、隣に居るべき女の姿は既になく。

朝風呂にでも入っているのか? とベッドから抜け出し、乾いた喉を潤そうと備え付けの冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを取り出しそうとして気付く。

男「ん?紙が…」

机の上に置かれた一枚のメモ用紙。
そこに書かれた言葉もそっけないもので。

『またね。 女』

昨夜の乱れっぷりを思い出して、そのギャップに思わず苦笑が漏れる。
行きずりで出会った女ではあるが、一晩で意気投合し夜を共に過ごしてしまった。
最初は恥ずかしがっていたが、次第に没頭し最後には中で出してとせがむまでに燃え上がったのを思い出す。

男「……あいつ、もういっちゃったのか……」

もう少し二人の時間を過ごしたかったが、行ってしまったものはしょうがない。
連絡先は交換してあるしまた会えるだろうと考え、身支度を整えるべく洗面所へと向かう。

だが、そこで幸福だった男の時間は終わりを告げた。

男が見たもの。
それは、鏡一面に紅く、歪にゆがむ口紅で書かれた文字。
まるで血で書かれたかのように紅く、紅く。

 『エイズの世界へようこそ』


25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) :2012/03/29(木) 01:34:03.00 ID:u+Xt+Xpg0
>>19
根暗な俺にはこう見えましたサーセン
やっつけ気味なんじゃないよ!仕様だよ!



男「ああ、もう朝か」

男「ん?紙が…」

『またね。 女』


男「……あいつ、もういっちゃったのか……」


 その光景は、二ヶ月前と変わらない。
 異様に早く過ぎていく夜。
 朝、リビングのテーブルに置いてある紙切れ。
 襲ってくる虚しさ。
 何も、変わらない。

 四ヶ月前のあの日、彼女は余命を宣告された。
 三ヶ月前のあの日、彼女は助かるかもしれない、という手術を紹介された。
 二ヶ月前のあの日、彼女は病院へ行ってしまった。

 だから『昨日』、俺たちは愛し合った。

 その光景は、二ヶ月前と変わらない。
 異様に早く過ぎていく夜。
 朝、リビングのテーブルに置いてある紙切れ。
 襲ってくる虚しさ。
 何も、変わらない。
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2012/03/29(木) 01:36:12.94 ID:u+Xt+Xpg0
>>23
そう、こういうのを待ってた!
いいよーもっとやっちゃってー

>>24
ワロ…いや怖いわなんか
俺には無縁だがな…フヒヒ
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/29(木) 01:38:25.13 ID:Ri+dYUSIO
怖いものから感動ものまで揃ってて良いな

28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/29(木) 01:42:42.45 ID:4T7xq126o
>>19

「もう、朝か」

 翌日、俺が目をさますと、ベッドの脇に置かれた布団はもぬけの殻だった。
 部屋を見回しても女はいない。俺は立ち上がってダイニングに向かった。
 
 どこかに彼女はいるだろうと思って、牛乳を飲んでから家中を探してみたが、その姿はどこにも見つからなかった。
 他の部屋にも、浴室にもトイレにも、誰もいなかった。気配すらしなかった。

 不思議なほど落ち着いた気持ちでダイニングに戻ると、テーブルの上にメモの切れ端を見つけた。
 そこには、

「またね」

 とだけ記されていた。驚くほど綺麗な字だった。「またね」という文字のすぐ下に、彼女の名前が添えられている。
 俺はその三文字の書置きをしばらく眺めた。何度眺めたって字数が増えるわけでもないのに、何度も何度も読み直した。

 少しして、彼女が出て行ったのだという事実が奇妙なほど自然に理解できた。
 しばらくぼんやりと立ち尽くして部屋の中を見回してみたが、その書置き以外に彼女の痕跡と言えるものはなにひとつ残っていなかった。

 俺はその事実を口に出してみることにした。そうすることで自分自身を納得させられるような気がした。

「……あいつ、もういっちゃったのか」

 言葉にしてみると、すとんと腑に落ちるように、その事実は俺の胸に静かにしみこんだ。窓から柔らかな日差しが差し込んでいた。
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2012/03/29(木) 01:44:55.11 ID:u+Xt+Xpg0
俺はもう寝ます。
この寝かせてくれないスレの魔翌力を振り切って寝ます。
しかしこのスレの魔翌力は強大で、「俺に明日起きたらまた書かせる」呪いをかけてきました。
というわけなのでまた明日。
台本にしろ地の文にしろ、頑張って!
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) :2012/03/29(木) 01:49:16.48 ID:ZMuBAZAe0
男「……冗談でしょう?」

委員長「な……わ、私がなんで嘘なんてつかなきゃならないんですか」

男「まぁ、そうですけど……」

委員長「とにかく! その、貴方は……どうするんですか?」

男「…………」

男「そうですね。俺は……」



みたいな感じで。
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/03/29(木) 01:59:20.87 ID:Ri+dYUSIO
男「待て!お前、何する気だ!?」

女「……ごめんなさい」

女「でも、私はやらなきゃいけ「違うだろ」」

女「…!」

男「そんなのは現実逃避でしか無いだろ!」
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/29(木) 02:07:24.30 ID:4T7xq126o
>>30


「……冗談でしょう?」

 問い返すと、委員長は眉間に皺を寄せた。絶えず続く耳鳴りのような頭痛が、俺を襲っている。

「……わ、私がどうして嘘なんてつかなきゃならないんですか」
 
 答えを待つまでもなく、彼女がこんな悪趣味な嘘をつく人ではないことは分かっていた。
 ただ、聞かされた言葉を咄嗟に信じることができなかっただけだ。

「とにかく」と彼女は気を取り直すように言った。

「……その、貴方は、どうするんですか?」

 俺は言葉に詰まった。考えなければいけないことが多すぎた。どんなことが言えるだろう。
 考えをめぐらせてみても、すぐには何も思い浮かびそうにない。委員長から告げられた事実を、いまだに信じかねているということもあるだろう。
 彼女が嘘をつくわけはないけれど、すぐには信じたくないような言葉だった。

 一瞬、頭痛が激しくなった。俺は息を整えて、委員長の表情をうかがう。
 不安そうな、落ち着かないような顔をしていた。その姿を見て、なんとなく考えがまとまる。

「そうですね。俺は……」
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/29(木) 02:21:13.78 ID:4T7xq126o
>>31

 屋上の鉄扉を押し開くと、西側のフェンスの向こうに女の姿があった。
 俺は咄嗟に立ち尽くす。扉の音を聞いてか、彼女の全身が不自然にこわばり、振り向く。
 
 その表情は、今に泣き出しそうにも見えたし、泣きつくして流すべき涙を失ったようにも見えた。
 不自然なほどニュートラルなその顔を見て、俺はたまらなく悲しい気持ちにさせられる。
 西日の逆光に覆われ、影法師のように真っ黒になった彼女の姿をじっと睨む。何も言うことはできなかった。

 ぼんやりと、彼女の口が動くのが分かった。

「……ごめんなさい」

 今にも空にしみこんで消えてしまいそうな、頼りない声だった。
 俺はその声に心臓を鷲掴みにされたような衝撃を受けた。
 どうしてこんなことになったのだろう。考えてみても答えはまったく浮かばなかった。

「わたしにはやらなければならないことがあるの」

 彼女は言った。俺は叫びだしたい気持ちをかろうじてこらえ、できるだけ落ち着いた声音を心掛けて言った。
 抑え込んだ感情が、声を震わせていることにすぐに気が付いた。

「違うだろ」

 俺の声に、彼女の真っ黒な表情が少し揺れ動いたのを感じた。

「そんなのは現実逃避でしかないだろ!」

 言葉にしてから、俺は自分の中に強い憤りが存在していたことに気付いた。
 俺は心底怒っていたのだ。彼女に対して強い怒りを感じていたのだ。その身勝手さに。
 
 けれど、そんな怒りを言葉にして彼女に向けることも、きっと現実逃避でしかない。
 俺は無力感と後悔に苛まれた。どうしてもっと早く気付くことができなかったのだろう。もっとやりようがあったのではないか。
 何かの兆候を、俺は見逃してきたのではないか。俺は祈るような気持ちで彼女の姿を見る。
 その表情は真っ黒で、もう俺に何かを語りかけてくることはなかった。
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/29(木) 02:21:38.48 ID:4T7xq126o
寝る
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/03/29(木) 02:32:23.79 ID:T6fifjh50
>>31

男「待て!お前、何する気だ!?」

女が剃刀を手に迫る。
まだ高い日差しを反射し、その薄く鋭い刃がキラリと光を反射した。

女「……ごめんなさい」

苦渋を舐めるように、搾り出した声はかすれていた。
その眉間に浮かぶ皺は、女の苦悩がどれだけ深いかを示しているよう。

しばらく俯いたまま震えていた女が、キッと俺の方を向いて口を開こうとする。

女「でも、私はやらなきゃいけ「違うだろ」」

俺は女の言いたい事が分かっていたから、全てを口にされる前に否定する。
そう、女は絶対に間違ってる。
そんな事をしても、何の解決にもなりはしないんだ。

女「…!」

女がハッと息を呑む。
普段は温厚な俺が怒鳴りつけたのに、よほど驚いたんだろう。
だが、だからといってもう口を閉ざす事も出来ない。

男「そんなのは現実逃避でしか無いだろ!」

そう、戦わなきゃ、現実と。

いくら俺がハゲてきたからって、全部剃れば良いってモンじゃないことに気付け。
まだ、養毛剤とか、ツボ刺激とか、最悪アデランスって手があるんだからな!
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/29(木) 02:53:43.60 ID:Z2fgxif/o
「…最後に頼みがある」
「ダメだ」
「あいつに伝えてくれ」
「…言うな。それ以上」
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/29(木) 02:58:20.65 ID:aq2D0juSO
「俺の名を言ってみろ!!」
「ジードォ!!」
「ジャッカル!!」
「汚物は消毒せねばな…」
「貴様らに生き地獄を味あわせてやろう!!」ピキピキ
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/03/29(木) 05:02:10.84 ID:AvD28Ayho
>>36

 何が起きたのかはそこにいた誰にも分からなかった。
 ただ結果として、ビルは無残にも崩れ去った。死者も怪我人も多く出た。
 だが、ただそれだけの悲劇だ。世の中人死になど珍しいものでは無いし、怪我人など数えるのも馬鹿らしい。
 ただ、それだけの悲劇だった。

「……最後に、頼みがある」

 その声が場に綺麗に浸透するのを、彼は不思議に感じていた。
 声の主が別に通る声をしていた記憶はとくに無い。
 だというのに、これだけ人がいる場所で、何一つ邪魔を受けずに素直に染み渡った。
 そして、気付く。それだけ静かになってしまったのだと。

「駄目だ」

 そしてその静かな場所に馴染んでしまうのなら、その声もいずれは。
 だから彼は拒絶した。
 最後まで言わせてしまえば、何かが終わってしまう気がしたから。

「あいつに、伝えてくれ。――」

「……言うな、それ以上」

 直後に彼は、そのくだらない感傷を後悔することになる。
 避けられようの無い静寂に襲われて、それに向き合わなかったことを後悔する。
 傷が痛む度に、決して過去に届かない後悔を重ね続けることになる。
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/29(木) 05:42:35.18 ID:BZetFOxDO
男「お前…!何を…」

友「…」スッ

男「そいつはまさか…!」

友「…後はまかせた」



後はまかせた
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/03/29(木) 10:07:13.79 ID:kiMlOEey0
鉄が軋む音が、耳から離れない。
彼らがこの戦争の最前線に来て、もう一週間になろうとしていた。鳴り止まない銃声、爆音、戦車や移送車両のエンジン音、ジェット戦闘機の通過音。その全てが、しばらく前には誰よりも遠くに感じていたはずのもので、この一週間で鼓膜の奥の奥まで染込まされたものだった。
実際問題、まだこのバンカーの外では戦闘が続いているのかもしれない。この耳鳴りのような感覚は、幻聴などではなく事実なのではないか。男はそう思案して、日夜問わず継続可能な戦争を作り出した現代文明を呪った。

彼の不穏な予測は当たっていた。やがて交代時間となり、部屋に帰ってきた友人の姿は、潤滑油と炸薬の臭いに塗れ、汚れていた。気がつけば静かになっている聴覚は、もはや男にとって問題ではなかった。彼のその姿を見れば、戦争体験の想起に事足りないことなどないだろうからだ。

もはや声は掛けつくした。励ましあうことも、泣きあうことも、罵り合うことも、謝り合うことも、全て通過してしまった道だ。
一週間という時間は、戦争にとっては短すぎ、そして彼らにとっては長すぎたのだ。
終わらない戦争が人々に掛ける負担は、莫大なものになる。そんなことは想像に難くない。男は、友の疲れきった表情を見てそれを痛いほどに感じていた。 そして、この苦痛が永遠に二人へと圧し掛かるように思えて、酷くこの戦争の元凶を恨んだ。
たった14キロメートル―――そう、14キロメートルだ―――先の防衛線を破れれば、その奥の敵国司令官を潰せる。朝の演説で彼らにそう語る基地指令の自信に満ちた顔も、今となっては永遠に食べることの出来ない、眼前に吊り下げられたニンジンだったのではないか、そう思えて仕方がなった。

―――ごそごそ。男は、ふと鳴り出した心地いい音に意識を奪われた。布が擦れ合う音。今までだったら、戦争に耳が侵される前だったら、意にも介さなかったような音だった。だが、それが今は耳に染み入ってく。男はそれを愛おしく思った。ずっと鳴り止まないで欲しいと思った。

すっと音が止む。静まる室内。それを残念に思った男は、いつのまにか固く閉じていた瞼を開き、音の原因を探ろうとした。
音の主は、彼の友人だった。当然といえば当然である。この部屋には男以外に、友人しか人は居ない。おそらく今出ている夜警役以外は、今は休憩時間のはずだ。せめて、有り余っているはずの真新しい戦闘服に着替えたって罰は当たらないはずだ。
しかし、見れば彼の出で立ちは予想に反した奇妙なものだった。汚れてしまった迷彩柄の戦闘服を脱ぐことなく、その上に、幾つかの大きいポケットのついたジャケットを羽織っていた。そして彼は帽子をしっかりと被ったのだった。
休憩している兵にも出動を要請する際には、基地内には武装待機を指示する趣の放送がかかる筈であった。当然、男はそんなものを聞いてはいなかった。だというのに、休息の時間を迎えた男の友は、今準備をしている。まるで、今から戦場に向かおうとしているかのように。
そして。

「お前……、何を……?」

友はそれに答えずにッカーの前に立ち、そしてポケットから何かを取り出した。鍵だった。友はそれを鍵穴の付いた引き出しに差し込んだ。そこはここに初めて来たとき、何が入っているのかと友と男が怪しんだ場所だった。
ガチャン!! 単なる金属ロッカーにしては重すぎる音が鳴った。鍵が開いたようだ。男は友の様子を、体を強張らせながら見つめた。鍵が開いた瞬間、友の体は固まった。だが、やがて深い一呼吸をして、一気に引き出しを引いた。

「……」

友はそこから、黒い機械のようなものを取り出した。何色ものコードが乱雑に延び、むき出しの基盤が端から姿を出し、そして、その中心には。

「そいつは、まさか―――!!」

思わず大きな声が漏れた。しかし、友は男の方を向かない。ただその機械を、ジャケットの一番大きなポケットに仕舞い込んだ。
そして男の叫びを意に介さないかのように、友は焦点の定まらない目を、部屋の扉の奥へと向けた。
その様子は、男に恐怖を抱かせた。純粋な、恐怖。何かを永久に失ってしまう恐怖。取り返しが付かないことが起ころうとしている。
しかし男は、友の扉へと向かう足取りを止めることが出来なかった。

思えば、何故この部屋に入ってきたとき友に話しかけなかったのだろうか?それを思い返して男は愕然とした。しなかったのではない。出来なかったのだ。もう、初めから拒絶されていた。勝負は既に決していたのだ。

友は、その背中に何も見せないまま、戸の前に立った。そして、こう言った。

「……後は任せた」

それだけだった。それが、最後だった。

41 :40 [saga]:2012/03/29(木) 10:07:39.50 ID:kiMlOEey0
>>39です
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/29(木) 10:17:27.91 ID:gZeF9LKDO
後輩「……」

男「……」

後輩「先輩は、私のこと何回殺したいって思ったことがある?」

男「……」

後輩「……はっ、ふっ。はは…」


43 :1 [age saga]:2012/03/29(木) 11:25:52.80 ID:xJ8A0+sBo
おー思ったより伸びてる!
それもバランスよく台本と地の文が交換されてるし、今のところ理想系なのかもしれない


人が多くなったところでルールについての補足ですが

・エログロ描写に関してはアリとします
 ただし発注する側も受注する側も、その手の描写をする際は
 分かりやすい警告文つけるなりスペースを空けるなり、それらを好まない人への配慮をした方が無難でしょう

・感想での辛口評価はご遠慮ください
 「誰でも気軽に参加できる」ことが望ましく、不毛に荒れることは避けたく思います
 いわゆる批評スレ的な鍛錬の場ではないので、
 内容について何か物申したいときは基本的にスルーでお願いします

・ここは>>1のスレではありません
 ここまで偉そうに仕切っていますが、自分は土台だけ示したつもりです
 >>1 >>4のことを含め、以上のことはあくまで「仮ルール」です
 必要と思わばみんなで話し合っていくらでもルールを変えてください!

とはいっても経験上この手のスレはあまり長続きしないと思うので、
いつか過疎るその時までお付き合いください。では自分もこっそり参加者に混じるとします!

>>14
そんな感じでいいよっ!
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [sage]:2012/03/29(木) 11:53:54.69 ID:oy8kQela0
>>42
後輩「……」
男「……」
張り詰めた沈黙が二人の間に流れる。陽気な春の昼下りであるはずなのに、そこだけはまるで真冬のような鋭い空気が満ちている。
後輩「先輩は、私のこと何回殺したいって思ったことがある?」
唐突に、彼女が口を開く。張り詰めた空気にまるでそぐわない、今日の天気でも尋ねるかのような気軽な声だ。
男「……」
俺はそんな問いに対し沈黙を継続させる。正直、その問いに対する答を俺は持ち合わせていない。
憎くないと言えば嘘になる。しかし、殺したいかとまで聞かれればそれはノーだ。
後輩「……はっ、ふっ。はは…」
そんな俺の逡巡を読み取ったのか、彼女は息を吐く様な乾いた笑いを零した。
それは嘲笑なのか、憫笑なのか、はたまた安堵であったのか。

ダメだ、文才が無さすぎて死にたくなる。どうしたら読み応えのある長い文が書けるものやら…。
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/03/29(木) 12:57:53.83 ID:T6fifjh50
>>37
スルーされてて可哀想だったから書く

またいつもの病気が始まったようだ。
いつものことだが、周りは一歩引いて生暖かい目で俺達を見つめている。
全く、なんでこんな奴を好きになってしまったんだ、俺は……

「俺の名を言ってみろ!!」

はいはい、お前の名前は幼ちゃんですよ。
でも、こういう場合真名(ソウルネーム)とやらを言ってやらないと不貞腐れるから始末に終えない。

口に出すのも小恥ずかしいその名前を呼んでやると、満足したのか両手に持った霧吹きと如雨露を振りかざして構える。
どうやら、両手の園芸道具を銃に見立てているらしい。

事情を知らない奴から見るととにかく恥ずかしい格好だが、見慣れてる俺からすると今日のポーズはそれなりに決まっていて格好良く見えてしまった。
……好きな女だから補正がかかっているのか、それとも俺も毒され始めたのか……?

「ジードォ!!」

右手の霧吹きを俺に突きつけて叫ぶ。
……それは霧吹きの名前か?

「ジャッカル!!」

やたらカッコいい名前だが、どうみても如雨露だ。
どんなに振り回しても、チョロチョロと水が流れ出るだけだぞ?

「汚物は消毒せねばな…」

まぁ、鶏糞は汚物と言えなくもない。
しかし水をかけてやっても消毒にはならんだろうに。

「貴様らに生き地獄を味あわせてやろう!!」ピキピキ

むしろ植物にとっては天国だろう。
両手に構えたジードとジャッカルから冷たい水を浴びせられ、キラキラと葉に滴る水滴が光を反射する様は、まるで植物が喜んでいるようにしか見えない。

しかし、こいつは放っておくといつまでも自分の世界に浸り続ける。
俺は困らないが、このままだと他の園芸部員の手が止まったままになってしまう。
だから俺は、いつものようにこっちの世界へ引き戻してやることにした。

─お前には天国を味あわせてやるよ、今日の夜な?─

そっと耳元で囁いてやると、耳まで真っ赤にして俯いてしまった。
……こんな所が可愛いから好きなんだ。

46 :29 :2012/03/29(木) 17:07:00.52 ID:u+Xt+Xpg0
>>30
俺☆再臨☆
駄文メーカーが来ましたよ、と。


男「……冗談でしょう?」

 俺の前に立つ委員長の口から発せられた、予想もしなかった言葉に、俺は思わずそう聞き返していた。
 『放課後に校舎裏で待ってるから』などとやや喧嘩腰で言われ、はてさて決闘でも申し込まれたのかなどと考えながら来てみたらこの通りである。
 まあ、そうだよな。普通、女子からの呼び出しといえば、決闘ではなくこっちだよな。
 だが相手は委員長。
 よもや、だ。
 そんないきさつで間抜けな声を出して聞き返す俺に、

委員長「な……わ、私がなんで嘘なんてつかなきゃならないんですか」

 少し高飛車にそう言ってくる。
 道理は通っている。それはもう真っ直ぐに通っている。
 だが、なんだ。こういうときぐらい、もじもじとか、恥ずかしげにとか、そんな態度をとっても別に罰は当たらないんじゃなかろうか。

男「まぁ、そうですけど……」

 またしても間抜けな声。なんせ俺はイマイチ状況がつかめていないのだ。
 というか、理解が追いついていないというか。

委員長「とにかく! その、貴方は……どうするんですか?」
 
 ここで不安そうに、と来るか。
 なるほどこれがギャップ萌え…ではない。これはわざとか?わざとなのか?
 わざとやっているのだとしたら相当の策士、平成の孔明の称号を授けよう。
 …まあ、変なところで不器用な委員長のことだ、自然体なんだろう、これが。

男「…………」

 とか考えて黙り込んだのが悪かった。
 ついに委員長はうつむいてしまった。
 マジか。初めてだな、委員長がこんなしおらしくなっているのは。
 
 まあ、このまま不安がらせて百態を眺めるのもいいような気はしたが、それは後が怖い。
 少し考えてみる。俺はどうしたいのか。
 ……いや、考えるまでもないか。
 そんな結論に至る。

男「そうですね。俺は……」

 答えは、決まっている。
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/29(木) 17:14:35.60 ID:mdn4fOCi0
ネタ投下

少年「男にはなぁ、負けられない戦いてのがあるんだよ!」

少年2「え」

少年1「え」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) :2012/03/29(木) 17:16:13.50 ID:u+Xt+Xpg0
>>31
背景の設定が複雑そうに見えるけど、まったく考えてない即興なのだぜ。
あしからず。


 ――やっと見つけた。
 明かりの消えた表通り。
 いつもは夜中でもかなりの喧騒で眠れないくらいなのに、まったく静か。
 俺と、女と。それだけしかない。

男「待て!お前、何する気だ!?」

 死んだ街を歩く女の背中に、声を投げつける。
 びくん、と彼女の背中が震えた。
 ゆっくり、振り向く。

女「……ごめんなさい」

 そう言う女の顔には、振り続ける雨が流れ落ちていく。
 あるいは、涙か。

女「でも、私はやらなきゃいけ「違うだろ」」

 その声を遮るように口を挟む。
 ふざけるんじゃない。
 こんなこと、許していいものか。
 他の誰が許そうと、世界がそれを許そうと、俺は許さない。

女「…!」

 女の顔がまた歪む。泣くのを堪えようとしている。溢れる涙を、止めようと。
 そんな顔を見たら、なおさら俺は許せない。
 女がやろうとしていることが。
 女をそこまで追い詰めてしまった、俺が。
 俺のせいで女が命を落とす必要なんてない。
 俺のせいで女を殺したくない。

男「そんなのは現実逃避でしか無いだろ!」

 だから俺は叫んだ。
 タイムリミットが近い。
 俺は覚悟を決めていた。
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) :2012/03/29(木) 17:23:39.41 ID:u+Xt+Xpg0
>>36
なんかノリが>>48っぽいが…キニスンナ


「…最後に頼みがある」

 背を向けたまま、口を開く。
 俺にはできないことを、こいつに託す。
 それは俺が決めたこと。
 俺には、やらなければならないことがあるから。

「ダメだ」

 それなのに、こいつはそんなことを言う。
 薄情な奴め。
 お前だって、わかってるんだろ。
 次、俺が彼女にあったとき、俺はもう、語る口を持たないだろうから。
 だから、頼むよ。
 心の中で、そう訴える。
 「頼むよ」なんて、口にしたことはない。
 だが、俺の本性はそんなもの。
 ひどく弱い。
 ひどく脆い。
 かっこつけた外側よりも、ずっと、笑えるくらいにだらしがない。
 こんな方法でしか、守れない。
 お前はそんな俺を知ってるはずだろ?

「あいつに伝えてくれ」

 それなのに、こいつは拒みやがる。

「…言うな。それ以上」

 暫し、沈黙。


 ……わかったよ。
 俺の口から、言えばいいんだろ…
 それが叶うかどうかはわからないが、やってみよう。
 そう思った。
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) :2012/03/29(木) 17:31:59.67 ID:u+Xt+Xpg0
>>39
うん、なんか、ごめんね。
テンプレからの脱却を図ろうとしたらこんなことになった。



男「お前…!何を…」

 戦慄して、恐る恐る尋ねる。
 まさか。まさか、こいつ…!

友「…」スッ

 友が取り出したのは。
 大きな袋に。
 猫の写真。
 「栄養バランスを考えた」とかの謳い文句。

男「そいつはまさか…!」

 そう、キャットフード。

友「…後はまかせた」

 …………またかよ、おい。

 こいつがヤケになって自分探しの旅に出る度に、猫の世話を押し付けられる。
 今度は一体何があったのか、それはあえて聞くまい。
 聞いても、脱力するようなくだらない返事が返ってくるだけだ。
 何度目かはとうに数えていないが、二桁はくだらない。
 まあ、好きなだけ自分を探してきてくれ。
 毎度見つからず、好きなだけ観光名所を楽しんで帰ってくるのも定番だ。


 俺の足下で、猫が退屈そうに鳴いた。
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/29(木) 20:37:54.60 ID:0VubCmBXo
女「私、あなたの事が好きです!」

男「ソースは?」

女「えっ」

男「えっ」
52 :>>42 [sage]:2012/03/29(木) 20:40:33.72 ID:gZeF9LKDO
>>44

こちらが手前で想定していた状況をほぼ的確に現した地の文だった
死ぬな。ありがとな
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/29(木) 20:45:14.23 ID:jfMf6Wuuo
男A「ヒャッハー! 身ぐるみはがせー!」

女「キャーッ! 誰か助けてー!!」


男B「待てぃっ!!」


男B「……」

男B「ヒャッハー!!」

女「いやーん! 混ざって来たー!」



頼んだ!
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga sage]:2012/03/29(木) 21:33:33.29 ID:6lDt8hBA0
>>51
駄文過ぎて死にたいが投下


「目玉焼きできたよ。早く食べて!」

女に呼ばれ、台所へと走る。
真っ黒な目玉焼きとかを想像していた俺を待っていたのは、
ちゃんとした目玉焼きの香りと、綺麗な太陽だった。

「おお、なかなかうまそうだな」

そう言い、女が作った料理第一号を箸で口に入れる。
味もちゃんとしていて、正に目玉焼きと言った感じ…

「私、あなたの事が…」

…ん、待て、もしかしてこのしょっぱさは…醤油か!?
目玉焼きにはソースだろ、普通!

「これから毎日目玉焼きを作ってあげ「ソースは?」」

女は何か言っていた様だが、関係無い。
そんな事より今はソースが欲しかった。

「えっ」

女はソースを要求された事に驚いた様子。
まさか、ソースは無いのか?

これは由々しき事態である。
そう考えた。
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/03/29(木) 22:49:04.27 ID:j+zvsOqdo
>>51

 ソース。お好み焼きとかにかけるアレ。
 彼は首を横に振る。
 奏す。天皇などを相手にしか使われない敬語。
 彼は首を横に振る。
 south.英語で南の意。まあサウスだけど。
 彼は首を横に振る。

 私は人差し指を頭に当てる。何だこの状況は。
 熟考の後、そのまま人差し指を真っ直ぐ立てる。もう一回良い?の意。
 彼は首を縦に振る。
 私はコホンと咳払いをしてからいったん頭の中を空にして、ありのままの本心を曝け出す。

「私、あなたの事が好きです!」

 即座に彼は首をピクリとも動かさずに返す。

「ソースは?」

「…………。えっ」

「えっ?」

 この場合、なんと答えるのが正解なのだろう。
 「ソースは私」で良いのか。なんだそれ。
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/03/29(木) 23:58:21.25 ID:j+zvsOqdo
ところでこれって、それだけの話としてある程度起承転結させるべき?
それとも適当な脳内設定で作中の一節みたく描写する方が正しいのかな
なんとなく前者でやってたけど多分後者が正しいよね
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/30(金) 00:00:25.17 ID:G2JFQUbIO
両方とも正しいんじゃ?
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/30(金) 01:01:19.64 ID:98JZub0DO
男「…」

友「もういいか?」

男「…」スッ

友「…ッ」

男「…」
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/30(金) 01:48:39.46 ID:BIX4zN8Ro
男「なんでお前はそんなに傷だらけになってまで戦うんだ……」

女「……」

男「どうしてだよ……」

女「だって、私は……」

女「        」

男「        」

敵「今生の別れは済んだか?ならば我が剣の錆にしてくれようぞ!」
60 :練習 [sage]:2012/03/30(金) 01:55:39.81 ID:o9FLIX/DO
>>47
思えば、俺たちはいつも争っていた。
俺が勝つこともあれば、負けることもあった。
だが、この勝負にだけは絶対に負けられない。負けたくない。いや、勝ちたい!
「男にはなぁ、負けられない戦いてのがあるんだよ!」
俺は握り締めた拳を力一杯降り下ろした。
不適に笑っていた目の前の奴も、握り締めた拳を力一杯降り下ろしてきた。
一瞬の静寂。
「え」
奴の笑いが凍りついていた。
固まる奴の視線の先。そこには…。
「え」
勢いよく広げられた掌があった…。
こうして俺達三人の冷凍ミカン争奪戦は幕を閉じた…。
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/30(金) 01:58:23.59 ID:o9FLIX/DO
ところでこのスレはsage進行?
たまにageないと書き手もネタ振りも同じ面子ですることになりそうだけど…
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) :2012/03/30(金) 11:45:14.83 ID:nCZGBWOAO
男「」

女「」

老人「」

少年「」

少女「」

犬「」

蠅「」

神「」
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/03/30(金) 12:21:49.36 ID:Z0fZczUi0
男「カッコよくしてくれと願ったけど…。」
神「なんじゃい?」
男「なにもドラゴンにすることはないだろぉぉぉぉぉ!」

みたいな感じを誰かお願い。
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2012/03/30(金) 16:30:10.32 ID:PASErpT90
>>51
朝食。一日を始める為の大切な儀式だ。余談だが、朝食に脂肪をしっかり摂ると脂肪を分解しやすくなるらしい。朝食を抜くのはダイエットの大敵ということだ。
私の名前は女。この家の長女だ。そして花の女子高生。演劇部に所属し青春を謳歌している。
…そういえば、もうすぐ演劇部のステージだな。台詞の練習をしておくか。
「私、あなたのことが好きです!」
私は、意を決した少女のように、気持ちに決着をつけようとする乙女の如く、期待と恋慕と緊張を込めて、その台詞を口にした。
…………………しまった。やってしまった。目の前には私の弟…男がいる。これでは私がこいつに告白したみたいじゃないか。私にそんな趣味は無いというのに。
さて、どう言い訳したものか…。いや、実の姉に告白された(と思い込んでいるであろう)弟の反応を見るのも悪くないかもしれないな。さあ、どうくる…?
「ソースは?」
「えっ」
思わず素で反応してしまった。まさかそう来るとは。断るでもなく照れるでもなく笑うでもなく取り乱すでもなく…スルーするとは。こいつ、ただ者じゃあないな。
なるほど、目の前には目玉焼き。こいつ食事の事しか考えていないのか…まったく、将来大物になるな。二重の意味で。
だが、その返しには素直に感心するのだが、しかし、それ以外にも私には思うところがある。
何を言っているんだこいつは。ソース? 目玉焼きには塩だろう。抗議したい。小一時間抗議したい。だからしてみた。
「えっ」
何を言っているか分からないような顔をする弟。いや、そんな顔をしたいのは私の方なのだが。わけがわからない。何だか腹が立つ。しかし怒るのも大人気がなく、なにより姉の尊厳を傷つけることになるので、私はささやかな嫌がらせをすることにした。
そう、私はソースの代わりに醤油を手渡すことにしたのだ。
“ほら、ソイソースだ”。したり顔で言いながら。
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/31(土) 07:41:09.32 ID:zxWtM52DO
>>62
せめて台詞書いてよ……

あー良く寝た。
さて、顔洗わなくちゃ。
男「」 ボケー
……。
ありがとう、お父さん。
じゃあ、朝御飯にしましょ。
女「」シクシク
……。
ごちそうさま、お母さん。
えっ?まだ、挨拶してなかったっけ?
老人「」 ポロポロ
……。
久しぶり、お爺ちゃん。
さて、今日はなにしようかな?
少年「」 メソメソ
……。
あはは、それいいね、ケン君。
じゃあ、あの子も誘いましょ?
少女「」 ヒックヒック
……。
一緒に遊ぼうよ、マリちゃん。
いつもの公園に行きましょ。
犬「」 グルルル
……。
えへへ、くすぐったいよポチってばあ。
この道を渡れば公園ね。
蠅「」 ブーンブーン
……。
なんだろう?なんか蠅が寄ってくる気がする。やだなあ、もう。
まあ、いいや。この道を渡れば……。
神「」 ニッコリ
……。
おじさん誰?あれ?どこに行くの?楽しい所?
じゃあ、私も行く。
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [age]:2012/04/03(火) 15:34:26.91 ID:mlPWhz4Zo
age
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/04/03(火) 15:49:40.03 ID:rYabp3UN0
男「ばーん」

女「うわー」

友「ぐああああ!!」

男「本当に指から弾丸が!!」
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/03(火) 15:51:43.38 ID:P1hJK4iYo
男「暇を持て余した」

女「神々の」

「「遊び」」
69 :それはとってもフラグだなって [sage saga]:2012/04/06(金) 10:16:35.01 ID:QBYvW7Br0
>>59

彼女を止めようとした男は無残にも彼女によって地面に叩き伏せられた。
男でありながらこの華奢な女に負けたこと、女の意思は以前変わらぬ事、全てが男の心を乱して顔が歪んでいく。

「なんでお前はそんなに傷だらけになってまで戦うんだ……」

男は泣きそうな声で問いかける。
この女だけが戦う理由も、背負う理由も、傷つく理由も何処にも無い筈なのに。
せめて自分にも背負わせてくれればという願いさえ一蹴されてしまった。

「……」

男を静かに見下す女も泣きそうな顔をしていた。 男とは違い何処か困った様にも見える。
それでもその瞳の中には確固たる決意が見えた。
揺るがない、そして、譲れない想いが彼女の中に有るのだということをその綺麗な金色の瞳は物語っていた。

「どうしてだよ……」

その金色を見ていられなくなった男は俯いて、握った拳を地面に叩き付ける。
その行為には何の意味も無くただ自分の無力さを何かにぶつけなければ壊れてしまいそうな男の精一杯の行動だった。

女はしゃがみ込むと倒れている、否、捻じ伏せた男の頭に手を添える。
口付けも知らぬ女の愛情表現もこれが精一杯なのであった。

「だって、私は……」

女の平坦でありながら優しさを感じさせる声が男の耳を擽る

「        」

男はそれを聞くと諦めた様に溜息をついて少しだけ笑って答えた。

「        」


彼女は彼の答えを聞いて少しだけ目を見開いたがそれ以上の言葉は交わさなかった。
彼女は倒れている彼の前に庇うように立つとその身体には不釣合いに大きい銃の引き金に指をかける。

「今生の別れは済んだか?ならば我が剣の錆にしてくれようぞ!」

彼女は死ぬかもしれない戦いに挑むというのに気分が高揚していた。
今、彼のおかげで戦う事の意味では無く勝利しなければいけない理由まで手に入れられた。
とても、晴れやかな気分だった。

彼女は思う。
体が軽い……
こんな幸せな気持ちで戦うなんて初めて……もう何も恐くない!
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [age]:2012/04/06(金) 10:30:06.78 ID:QBYvW7Br0
age
これって地の文連投していいんでしょうか?
他のお題か作品を挟むべき?
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/06(金) 10:56:19.47 ID:FktMBWzYo
自由でいいんでね?
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/04/06(金) 13:56:49.05 ID:jcn2SLf10
男「へいへいへい!」

父「いういういう!」

兄「うおうおうお!」

妹「・・・なにしてんの?」

男父兄「「「リアル大乱闘しながらのしりとり」」」
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [age saga]:2012/04/07(土) 01:20:36.36 ID:VQM0KW3No
自分の力量不足を承知で、食指が動くような台本がない……
上手い人ならどんな台本でも面白く書けるんだろうけど
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [saga]:2012/04/07(土) 01:37:40.94 ID:rOr060qp0
「私は、殺しましたよ」

「そうか」

「誰の為かは分かりますか?」

「さあね」

「……貴方って人は、本当に」

「…………」

「一つ言おうか」

「自分を捨てることほど愚かなことなんて、他にはないんだよ」

「……っ」

「そして聞こう。君は、一体誰を殺したのかな?」
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/07(土) 01:59:55.31 ID:a5+L3Mrg0
勇者「あのさ」

魔王「うん」

勇者「馬鹿じゃないの!?」

魔王「ごめん…………」

勇者「……どうすんだコレ」
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/04/07(土) 07:44:16.06 ID:fG9IX8Mu0
>>75

   「世界の半分をお前にやろう!」

その瞬間、世界が揺れた。
激しい衝撃に魔王城の壁も崩れ、崩壊していく。

突如として訪れた浮遊感。
それが、オレの意識が失われる最後の瞬間に感じたものだった。

気がつくと、瓦礫の中で魔王に膝枕をされていた。
耳と尻尾が垂れ、申し訳なさそうな表情を浮かべる顔は涙と鼻水でグチャグチャになっている。

オレが目を覚ますと魔王がオレの胸に顔をうずめて泣きじゃくった。
鎧に鼻水がついて糸を引いている。 なんともシュールな。

勇者「あのさ」

なんとか落ち着かせて事情を聞きだすことにした。

どうやら、この世界は真っ二つになってしまったらしい。
この馬鹿が、馬鹿正直にはんぶんこにしようと考えたからだ。
……冗談交じりではい、と答えたのがまずかった。

地球のへそと呼ばれる洞窟のある辺り、地球の丁度半分のところで大地が裂け、その衝撃が世界を襲った。
そして、世界を最大最悪の災害が遅い、今に至る、と。

魔王「うん」

いや、そんなにあっさり頷かれても。
おそらく、世界中が今混乱の極みにあるだろう。
魔物とか人間とかそういう事を言っている場合じゃない。
ある意味、共存の道が開けたということになる。 良かった良かった。

って、良いわけねぇだろうが!
どこに本気で世界を滅亡させる魔王がいるんだよ!
世界を征服したいんじゃなかったのかよ!

勇者「馬鹿じゃないの!?」

世界を真っ二つ煮する程の力を持つこの少女に、誰も説教などしたことがなかったのだろう。
軽く叱っただけで哀れなほどシュンとなり、泣きそうな顔でこちらの様子を伺っている。
……上目遣いにそんな潤んだ目をされると、その、ちょっとドキッとする。

魔王「ごめん…………」

ちょっと可哀想に思い始めたが、目の前にいるのは世界を滅亡に追いやろうとしている犯人。
そしてこのオレはそうさせた元凶。
……あれ? これ、オレも共犯じゃね?

勇者「……どうすんだコレ」

世界中に阿鼻叫喚の悲鳴が轟く中。
少女と二人、世界を救う旅が始まる。

世界の半分のついでに、この少女の罪も半分貰ってやろうじゃないか。
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/07(土) 08:01:23.49 ID:fG9IX8Mu0

幼女「お兄ちゃん、だぁれ?」

男「オレか? オレはお前のパパだよ」

幼女「お母さん、どこ?」

男「お母さんはな……」
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/07(土) 08:38:25.33 ID:ill5ohpco
>>76
すげぇ面白い!
よくこんな構想が浮かぶもんだなあ
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/07(土) 10:03:29.47 ID:lZrkIugDO
>>76
スレ建て待ってます
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/04/07(土) 16:13:25.54 ID:my7oVw5Y0
>>77

「お兄ちゃん、だぁれ?」

とある施設の個室で、俺と幼女ちゃんは対面している中で、憔悴し、恐れるような声で俺にそう呟いた幼女ちゃん。
その姿は見ていて痛々しかった。まだ警察官として未熟だった2年前。久しぶりに会った俺の姉さんが娘として紹介し、顔を見せた程度であったが、その時初めて出会ったときに比べ、幼女ちゃんは変わり果てていた。

こんなにも、体が細かっただろうか。
強く抱いた瞬間、形が崩れてしまうと思ってしまうほど、彼女の体は痩せこけていた。

こんなにも、傷があっただろうか。
首にはまるで縄で絞められたような跡、腕には隠しきれないほどのあざが目立っている。
ところどころに、タバコを押し付けてできたと思われる火傷の跡があった。発見された時は、
髪の一部分は、何かがこびりついたせいでギトギトに固まっていたらしい。
幼女ちゃんが発見された部屋に残っていた栗の花のような匂い。男性に対し目を合わせず、恐れている姿から想像するに、
父親から性的暴力を受けていたことは自明の理だった。

こんなにも、彼女の目は濁っていただろうか。
希望すら失い、何もかも考えることを放棄したかのようなその目は、以前出会ったときに
比べ、その輝きを無くしていた。

そんな彼女の姿を見て、覚悟はしていたとは言え憤りを隠せなかった。
何故、彼女がこのような目に逢わなければならないのだ。
彼女は俺の姉さんの娘で、2年前に少し顔を見た程度の仲ではあったが、それでも新しい家族が出来た喜びがあったことは今でも忘れない。
しかし、それ以上に俺を憤らせたのは、警察官でありながら、姉さん、幼女ちゃんと、最も守らなければならない存在を救えなかった自分が憎かった。
姉さんは、夫のDVに耐え切れず、夫を殺してそのあと自殺した。娘が強姦されたのも1つの切っ掛けだろう。
姉さんが自殺し、夫を殺したのを知ったのは全てが終った後だった。そこに至るまでの経緯もそこで知り、幼女ちゃんの現状も知った。
俺には何も相談せず、俺は最後まで姉さんの悩みに気付けなかった。何故気付けなかった。大切ものすら守れず、俺は何をやっているんだ。
そう感じざる負えないまでに、俺は強い怒りと後悔が生れていた。
だけど、まだ幼女ちゃんは生きている。絶望しながらも、必死に生きているんだ。
涙が出そうになりながらも、それを思いとどまらせる。
俺は決意と覚悟を胸にここにいる。姉さんが残したこの子を守るために、俺は俺が出来ることをする。家族を今度こそ守ってみせる。


「オレか? オレはお前のパパだよ」

出来る限り優しく、そう幼女ちゃんに言った。俺が必死に考えた幼女ちゃんにできることを告げた。
幼女ちゃんは驚いたような表情をしていた。彼女にとって父とは、悪魔のような存在。また新しく悪魔が増えると思うと、彼女の震えは止まらなかった。

「お母さん、どこ?」

だからこそ、彼女は唯一の心の拠り所にある母を探した。助けてほしくて、衰弱した体を必死に動かし、その姿を探している。
だが、彼女の母である姉さんはもういないのだ。必死に探しても、もうどこにもいない。
俺は真実を伝えるべきか悩んだが、今ここで伝えることを辞めた。ただせさえ衰弱している幼女ちゃんに対し、
さらに負担をかけることは俺にはできなかった。
俺は嘘で塗り固める。この嘘はきっと俺を断罪するだろう。
だが、俺は幼女ちゃんを今度こそ守るときめた。こんなに幼女ちゃんは苦労したんだ。幸せにならなければ、俺は神を呪うだろう。


「お母さんはな……」

俺は告げる。彼女が真実に耐え切れるまで、俺は嘘をつき通す。嫌われても、俺は必ず彼女を守り、幸せにしてみせる。
それが、唯一の方法だと信じて……。
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/04/07(土) 16:15:39.23 ID:my7oVw5Y0
すげー長くなった上に駄文でごめん('A`)
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/07(土) 20:56:06.75 ID:CUKpv43G0
男「やばいやばい目が、目がー」

女「目が目が連呼するな、うるさい」

男「本当にやばいって、見えない見えない」

女「何言ってんの、私が目の前にいるの、分かってるんじゃないの?」

男「分からないよ、見えないんだからさ」

女「それなら何で、見えないはずの私に抱きつけるのよ」
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/04/08(日) 09:34:07.61 ID:F7MZOpG30
age
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/04/08(日) 09:34:09.50 ID:goJ0HQm80
age
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/04/08(日) 09:34:14.62 ID:HPgsc1Tt0
age
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/04/08(日) 15:51:34.95 ID:YX+zopdmo
長屋ウゼー
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/10(火) 07:03:12.29 ID:lf8y0/OK0
猫「絶対私ですー」
犬「ちがいますぅ。 僕ですー」
猫犬「「あ゛?」」
女「ご飯だよ」
猫犬「わぁーー!!」
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/11(水) 16:39:13.03 ID:W7SCj3eI0
>>63

「カッコよくしてくれと願ったけど…。」
俺、引きこもり歴2年。
好きな女の子にこっぴどくふられた事から引きこもりになる。
俺が告白した女の子は何故か泣き出してしまい、クラス中に俺が告白した事は知れ渡っており何故か俺が気持ち悪くしつこく女の子に迫った事になっていて担任からの呼び出しを食らう。
――常々思っていた。 俺がもっとイケメンだったら、背がもっと高かったらあんな悲劇は起こらなかったのではないかと。
あの今でも偶に夢に見てごろごろ床を転げまわるくらいの悪夢は見なくても良かったんじゃないかと。

「なんじゃい?」

パソコンとゴミしか無いこの部屋に似つかわしくない見た目の女の子が俺を見上げている。
なんかコイツは何でも一つだけ願いを叶えるみたいな話をしてパソコンから出てきた。
胡散臭い?
俺も信じられないが何よりコイツは俺のお嫁さん(デスクトップ在住)の姿をしてるし、いつも俺の事を見ていた……神、らしい。
しかも創作世界(2次元)を司る神らしい……。
本当は贔屓染みたことしてはいけないんだがコイツは俺を見てるうちに哀れになってしまって同情しているんだとか。 大きなお世話だ。
しかも

「なにもドラゴンにすることはないだろぉぉぉぉぉ!」

俺の説明不足だったかもしれないがこの仕打ちは無い。
筋肉質な腕(そういうレベルじゃない)には鱗がびっしりついている。
確かにカッコイイがこんな見た目で女の子にモテる訳がない俺はただイケメンになりたかっただけなのに……。
若干涙目で女の子を見下ろすと何故か笑顔で俺のパソコンを俺に向けている。
画面の中には赤い目や水色の髪、アホ毛なんかを生やした女の子が沢山いた。

もしかして俺に入れと言うのだろうか?
確かにコイツはパソコンから出てきたが俺はコイツと違って不思議な世界の住人じゃないから無理――あれ、俺って。

もしかして俺って、創作世界の生物になってしまったんだろうか。

俺がディスプレイにその太い爪を壊さないように丁寧に当てるとずぷずぷと爪が飲み込まれてゆく。
この巨体だとディスプレイが壊れるんじゃないかと考えていたが腕が入りきったあたりで俺の見える景色がぐにゃりと歪んだ。
創作(2次元)の世界へようこそという声が聞こえたような、聞こえなかったような。
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/20(金) 02:34:22.83 ID:Wo34tKSw0
>>82

商談が予定より早く片付き、次の取引先との約束まで少し間が空いてしまった。
時刻は正午近く。うだるような暑さ。8月の日中にスーツでは、本当に参ってしまう。
私は冷房のきいた喫茶店でもないかと思い、間もなく手ごろな避暑地を見つけた。

「――ご注文はお決まりですかー?」
「アイスティーをひとつ。シロップはいらないよ」

店内はほぼ満席で、私はカウンター席のすきまに身体をねじ込むようにして収まっていた。
皆、私と同じ考えで涼を求めてきたのだろうが、これでは外の方がマシではないか。
満席と言うこともあり、アイスティーはなかなか運ばれてこない。次の商談に遅刻することはないとは思うが……。

「やばいやばい目が、目がー」

ぼんやりと俯いていた私の耳に、一際大声で騒ぐ若者の声が届いてきた。
隣席の紳士の肩からの圧力で振り返ることは出来ないが、おそらくテーブル席を占拠している若者グループだろう。
店内は喧騒に満ちているが、彼だけは先ほどから同じことを繰り返し叫んでいるので印象に残ったのだ。

「目が目が連呼するな、うるさい」

彼が叫ぶたび、若い女性がぶっきらぼうにそう返している。
私は彼女の声を好ましく思った。どこか、優しくて包容力のある声色なのだ。
確かにぶっきらぼうではあるが、決して鼻であしらっているわけではない。
清楚で知的な女性の姿が、容易に想像できた。彼は彼女の連れだろうか。なぜ同じことを連呼しているのだろう?

「本当にやばいって、見えない見えない」

と、そのとき彼の叫びが不意に高くなった。叫びは次第に金切り声のようになっていく。
隣席の紳士が神経質そうにカウンターを指で叩いた。私もなにか様子がおかしいと気付く。
店内が少し静かになり、彼だけが壊れたスピーカーのような叫びを響かせていた。

私はふと、耳を塞いでしまいたい衝動に駆られた……しかし、思い直した。
ただ一人、若い女性の声だけが彼に答えていたのだ。あの優しい声で。

「何言ってんの、私が目の前にいるの、分かってるんじゃないの?」
「分からないよ、見えないんだからさ」

その瞬間、私は悟る。
ああ、彼は本当に見えないのだ! この日差しのもとで、彼は光を失っているのだ!
私は自分まで見えなくなったかのように錯覚した。胃の中に鉛の塊を落とされたかのような気分だった。

「……」

俯いた私は、そこで、ふと、たまたま、腕時計を見た。

「……ッ!?」

次の取引先との約束の時間が、あと1分にまで迫っていた。
ダメだ。間に合わない。終わった。

「こちら、アイスティーになりますー」

アイスティー? ああ、そんなものも頼んだか。
どうせ遅れるのだ、謝罪の言葉を述べる前に喉を潤しておくのがいいか……。

「分からないよ、見えないんだからさ」

彼はまた同じことを言っていた。
……元はと言えば彼のせいなのだ。彼に気を取られたせいで、自分は遅刻などと言う屈辱を……。

「それなら何で、見えないはずの私に抱きつけるのよ」

若い女性の声が、呆れたように言った。まったくその通りだ、見えないなら抱きつけるはずがないだろう……。

……何かおかしい。
先ほどまでの優しい声と少し違う。なんだ……この違和感は……。
その答えは、打てば響くように返ってきた。

「――それは君を、心の目でロックオンしてるからさっ!」

私は思わず大きく振りかえっていた。隣席の紳士に肩がぶつかるが気にしていなかった。
声の主を探す……彼はどこだ……! ……いた、やはりテーブル席に……む!?

そこにいたのは、軽薄で頭の悪そうな若いカップル……だけ?
何かの間違いかと思ったが、彼らが再び口を開くとまさしくあの声の主だった。
彼は自ら携帯をいじり、飲み物に手を伸ばして、肥満体形の彼女にべたべたとくっついている。

腕時計を見ると、約束の時間からすでに5分が経過していた。
ぬるくなったアイスティーがひどくまずく、私はストローを噛みつぶすしかなかった。
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