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ほむさやマミ杏「「「「わたしたちを… 誰だと思っていやがるっっっっ!!!! 」」」」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 13:05:37.46 ID:6bhkFuzj0
昨日VIPにて進めていた者です。
量があったのでこちらに移動しました。

・まどマギ×グレンラガンでやってみました。

・クロスオーバー作品がわかりにくかったので、タイトル変更しました。

・SS投下初につき、読みにくかったり釈然としない部分もあるかとは思いますが
ご了承下さい。

・最初からの投下になります。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1333166732(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)
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(´・ω・`) @ 2025/07/06(日) 13:23:30.88 ID:IvrgdLBdo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1751775810/

連邦の白い悪魔 @ 2025/07/05(土) 21:58:41.33 ID:r68sEH5L0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1751720320/

安価ダンガンロンパSSを復興させたい @ 2025/07/05(土) 12:27:48.99 ID:p5pl6xro0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1751686068/

「ただのクマです、通して下さい」デスガイド「よし通れ」 @ 2025/07/01(火) 01:46:57.85 ID:AZqAU1up0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1751302017/

速水奏「プロデューサーさんにスカウトされた話」 @ 2025/06/30(月) 23:35:01.77 ID:EyxvIr6M0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1751294101/

invest in reverberations dull fallout hoopla @ 2025/06/29(日) 12:49:23.56 ID:fSRAeK0bo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1751168963/

テスト @ 2025/06/29(日) 01:16:24.52 ID:VUhgeNEw0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1751127384/

おトイレ @ 2025/06/29(日) 01:03:06.12 ID:YzFWZ2ToO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1751126586/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 13:07:50.90 ID:6bhkFuzj0
???(ここは一体… 俺、なんでここにいるんだっけ)ポツン

???(あれから、テッペリンがカミナシティになって…)

???(カミナシティのまわりをパトロールしてたらコアドリルが光って…)

詢子「あん? こーらー! こぉんな遅い時間に子供が一人で出歩いてるんじゃなぁい!」ヒック!

???(おかしいな。俺、操縦席に座ってたはずなのに)

???(そもそもここってどこなんだろう? 空は暗いけどあちこち光ってて、見たことない建物がいっぱいだ)

タッタッタッタ… ガシッ!

詢子「くぉらぁ! 聞いてるのか少年!」

???「え、うわぁ!?」コノヒトオサケクサイ…

詢子「やぁっと気付いたか。少年、家はどこだぁ? 喜べ! この詢子さんが送ってってやろー」ウィー

???「いえ? 家はカミナシティってところで…」

詢子「あぁん、かみなしてぃ? どこらぁ? それは」

???「あ、そうだ! もともとはテッペリンって名前の場所で、獣人たちの本拠地で…」

詢子「てっぺりん? じゅーじんだぁ? んん… 少年はもしかして海外の子かぁ?」

???「カイガイ?」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 13:10:01.77 ID:6bhkFuzj0
詢子「みなまでゆーな。観光か留学れきたはいいけど、迷子になったんらろぉ?」ヘヘヘ

詢子「よぉしぃ、この詢子さんにまぁっかせときにゃさい! とりあえずぅ…」

詢子「しょうねぇーん♪ この麗しい詢子さんを、おうちまで送って欲しいのらぁ♪」

???「えー! なんでそうなるのー!?」

詢子「ほらほら、細かいこと言うにゃぁ! おっと、ところでキミの名前は?」

???「うぅ、お酒臭い上に酔っ払ってるから背負うのも大変なんだけど…」

???「俺? 俺はシモンっていうんだ。ジーハ村のシモン」

詢子「シモンかぁ♪」

詢子「んっふっふ。見滝原市へようこそシモンくん!」ウィー…ヒック

シモン「それよりもおばさんの家って…」

詢子「!?」

詢子「だーれがおばさんだああああ!?おねーさんと呼びなさい!もしくは詢子さんと!」グリグリグリ…

シモン「痛い! いだだだだだだ! わか、わかったってー! わかったから頭グリグリしないで!」

詢子「んっふっふー♪ わかればよろしい。ほーらキリキリあるけぇ、シモン〜!」

シモン「はぁ… 俺、本当どこに来ちゃったんだろう」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 13:13:37.03 ID:6bhkFuzj0
−−−−−−−−−−

ほむら(繰り返す。私は何度でも繰り返す)

ほむら(同じ時間を何度も巡り、たった一つの出口を探る。あなたを、絶望の運命から救い出す道を)

ほむら(まどか…たった一人の、私の友達…)

ほむら(あなたの…あなたの為なら、私は永遠の迷路に閉じ込められても、構わない)

−−−−−−−−−−

−翌朝・鹿目家−

まどか「ふあぁ… おはようパパ、と……………えーっと」ドチラサマ?

知久「おはようまどか」

シモン「お、おはよう」

知久「そうか、まどかは先に休んでたから知らなかったね

知久「昨日の夜遅く、酔っ払ったママをうちまで送ってくれたシモンくんだよ」

シモン「よろしく、きみがまどか? 詢子と知久から聞いてるよ」モグモグ

まどか「」

知久「こら、シモン君。パンを口に入れたまま喋るのはお行儀悪いぞ?」

シモン「ご、ごめんっ…!」ゴクン
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 13:20:37.89 ID:6bhkFuzj0
まどか「えっと、それでママは…?」

知久「タツヤが行ってる。手伝ってやって」

まどか「はぁい…」テクテク…


オキロコラーー!

ドウボッフォー!?

ママ、アノコドコノダレナノヨー!!

イヤー キノウヨッパラッチャッテサーwwww

ドタンバタン!!


知久「」

シモン「」

知久「ゴホン…ところでシモン君は、なんでこの見滝原にきたんだい?」

シモン「それが、なんでここにいるのか… 俺にもよくわからないんだ」ショボン

知久「わからないっていうと、迷子ってことかな?」

シモン「そういうことに…なるかなぁ」

シモン「せめてグレンラガンがあれば、みんなと連絡が…」

知久「グレンラガン? …お。やっと起きてきた。おはよう、詢子」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 13:27:22.06 ID:6bhkFuzj0
詢子「……だからほら、ホームステイだと思っておけばいいんだって」

詢子「どうせ部屋も空いてるんだしさ? っと、おはよ。」

まどか「ママったらもう! そういう問題じゃ…」

詢子「シモンはちゃんと眠れたかい?」

タツヤ「しもんー! おあよう!」

シモン「おはよう詢子、タツヤ。うん! 俺、あんなふかふかのベッド生まれて初めてだよ!」

詢子「そいつは良かった」パクッ モグモグ…

知久「ほらほら。ママもまどかもシモン君も、そろそろ急がないと」

詢子「いっけね。もうそんな時間か!」

まどか「シモン君も?」

シモン「俺も?」

詢子「何言ってるんだい。シモンも今日から見滝原中に通うんだよ」

まどか「」

シモン「ミタキハラチュー?」

詢子「安心しな。昨日ちゃーんと和子に連絡入れておいたから」ヨッパラッテタケドネー

まどか「」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 13:50:48.65 ID:6bhkFuzj0
−通学路−

まどか「おは…よう…」

さやか「」

仁美「」

さやか「ま。ま。まどかが同伴出勤してるううううう!?」

まどか「ええええ! さ、さやかちゃーん!?」ガーン

仁美「ま、まどかさん…そんな… 不潔ですわ…!!」

まどか「仁美ちゃんまで!?」オロオロ

まどか「違うの! 二人とも違うんだってばー!」ウワァーン!

カクカクシカジカ

さやか「なぁんだ。ホームステイかぁ、びっくりしたぁ」

さやか「てっきり、わたしの可愛いまどかに男ができたのかと思っちゃったよ!」テヘ

シモン「まどか、ホームステイって?」

まどか「(あのね、話しがややこしくなっちゃうから、そういうことにしておいて! お願い!)」ヒソヒソ

シモン「うん。そうそう、ホームステイ」

シモン(ホームステイって何だろう?)
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 14:00:21.91 ID:6bhkFuzj0
仁美「でも…一つ屋根の下で家族以外の殿方と一緒だなんて///」

まどか「だーかーらー仁美ちゃん、そうじゃないんだってぇ!///」

さやか「…っぷあはっは!」ヒー オナカイタイ

まどか「もう…!」

シモン(地上にもこんな平和な場所があったんだなぁ)


−見滝原中学校・教室−

和子「今日はみなさんに大事なお話があります。心して聞くように」

和子「目玉焼きとは、固焼きですか?それとも半熟ですか?」

和子「はい、中沢君!」

中沢「えっ、えっと…どっどっちでもいいんじゃないかと」

和子「その通り!どっちでもよろしい!」

和子「たかが卵の焼き加減なんかで、女の魅力が決まると思ったら大間違いです!」

和子「女子のみなさんは、くれぐれも半熟じゃなきゃ食べられないとか抜かす男とは交際しないように!」

さやか「ダメだったか…」

まどか「ダメだったんだね」

和子「そして、男子のみなさんは、絶対に卵の焼き加減にケチをつけるような大人にならないこと!」

和子「はい、あとそれから、今日はみなさんに転校生を紹介します」

さやか「そっちが後回しかよ!」

和子「じゃ。暁美さん、シモン君、いらっしゃい」

まどか「えっ。シモン君だけじゃなかったんだ」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 14:05:40.11 ID:6bhkFuzj0
ガララ

さやか「うお、あの黒髪の子すげー美人!」

まどか「え… 嘘…まさか」ユメノナカノ?

和子「はい、それじゃあ順番に…暁美さんから自己紹介いってみよう」

ほむら「暁美ほむらです。よろしくお願いします」マドカ…

和子「よし、次はシモン君」

シモン「えと、ジーハ村から来たシモンっていいます」

シモン「尊敬する人はアニキ。特技は穴を掘ることです。よろしく!」

ザワザワ…

アニキ!?アナヲホル!?///

和子「それじゃぁ二人とも席について」

和子(ジーハ村ってどこかしら)

さやか「…シモンの奴は、あのボロボロの服から制服に着替えたのか」

まどか「さすがにあの格好で授業はね」

仁美「とってもお似合いですわ」ウン



女子A「暁美さんって、前はどこの学校だったの?」

ほむら「東京の、ミッション系の学校よ」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 14:07:16.56 ID:6bhkFuzj0
女子B「前は、部活とかやってた?運動系?文化系?」

ほむら「やって無かったわ」

女子C「すっごいきれいな髪だよね。シャンプーは何使ってるの?」


さやか「ねえ、まどか。あの子知り合い?何かさっき思いっきりガン飛ばされてなかった?」

まどか「いや、えっと…」

仁美「不思議な雰囲気の人ですよね、暁美さん」

さやか「それにひきかえあっちは…」


男子A「へぇ…特技の穴掘りってそういうことかぁw」

男子B「今度さ、校庭にでっけー落とし穴作ろうぜ!」ワクワク

シモン「…それでさ、俺の友達のキタンって奴が…」ガヤガヤ

男子C「シモンって家どの辺? …ええ!? 鹿目んとこにホームステイ!?」

ほむら「!?」ホムッ!?

ほむら(グギギギギ… ギリギリギリギリギリギリ)

………

……

11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 14:14:22.04 ID:6bhkFuzj0
さやか「落とし穴にロボットだって。男子って本っ当に子供っぽいんだから」

まどか「あはは…」

まどか(言えない…

まどか(わたしのかんがえたまほうしょうじょ!な絵をときどきノートに描いてるなんて言えないよ)ハァ


−放課後−



……

………

まどか「あのね…昨夜ほむらちゃんと夢の中で会った…ような…」

さやか「あははは。すげー、まどかったらキャラが立ち始めたよ」

まどか「ひどいよぅ。私真面目に悩んでるのに」

テクテクテク

シモン「お待たせ、まどか!」

さやか「よっ。遅かったじゃん、穴掘り転校生!」

シモン「ごめん。服を返してもらったり、なんか色々紙を押し付けられちゃって」フゥ

仁美「シモンさん、いかがでした? 見滝原中での一日目は」

シモン「楽しかったよ! 勉強はわからないことばっかりだったけど…」タハハ
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 14:19:15.62 ID:6bhkFuzj0
シモン「でも、食事は美味しかったし、俺が初めて見るものばっかりで!」

仁美「ふふ。楽しんでいただけたようで、何よりですわ」

まどか(シモン君が学校に来るって聞いたときは驚いたけど、こんなに喜んでくれるんだったら良かったかな♪)

さやか「安心しろよ! 勉強はあたしもわからない!」ドヤッ!

まどか「さやかちゃん、それ威張って言うことじゃないよ…?」

仁美「全くですわ。…あら、もうこんな時間。ごめんなさい、私はお先に失礼しますわ」

さやか「今日はピアノ?日本舞踊?」

仁美「お茶のお稽古ですの。もうすぐ受験だっていうのに、いつまで続けさせられるのか」

さやか「うわぁ、小市民に生まれて良かったわ」

まどか「私達もいこっか」

さやか「あ、まどか、帰りにCD屋に寄ってもいい?」

シモン「しーでぃー屋?」

まどか「シモン君も一緒に行こっ。どんな場所かは…行ってみてのお楽しみ♪」

仁美「それでは皆さん、ごきげんよう」

さやか「ん。じゃあね」

まどか「ばいばーい」

シモン「うん、また明日」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 14:24:58.57 ID:6bhkFuzj0
−CD屋−

まどか「〜♪」

さやか「えーっと、あったあった」

シモン「すごいやこれ。こんな音楽や歌、聴いたことないよ…!」

さやか「どうだ穴掘り転校生! CD屋は凄いだろぉ!?」エッヘン

シモン「うん!…うん!」

まどか「シモンくん、いま流行りの歌だからこれも…」

QB「(助けて!)」

QB「(助けて!まどか!)」

まどか「え…?え?」

QB「(僕を、助けて)」

さやか「ん?」

さやか「あれ?…なぁ、お前のそのペンダント。何かさっきから光ってないか?」

シモン「コアドリルのこと? …本当だ」

まどか「(誰?誰なの!?)」

QB「(「助けて……)」

シモン「まどか、どうかした?」

タッタッタ…

さやか「あ、おい! そこ立ち入り禁止って書いて…!」

ガチャ…バタン!
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 14:35:11.66 ID:6bhkFuzj0
まどか「どこにいるの?あなた…誰?」

QB「助けて……」ヨロヨロ

まどか「あなたなの?」

QB「助けて……」パタン

コツコツコツ…

まどか「ほむらちゃん…!?」

ほむら「そいつから離れて」

まどか「だ、だって、この子、怪我してる!」

…カチャ

まどか「ダ、ダメだよ、ひどいことしないで!」

ほむら「貴女には関係無い」

まどか「だってこの子、私を呼んでた。聞こえたんだもん!助けてって」

ほむら「そう」スチャ

…ブシュウゥゥー!!

シモン「こっちだ、まどか!」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 14:37:11.77 ID:6bhkFuzj0
まどか「シモンくん! さやかちゃん!」

シモン(コアドリルの反応が強くなってる)

シモン(何だ、この…嫌な感じは!)


ほむら「こんな時に」

ほむら(魔女の反応…タイミングの悪い)


さやか「何よあいつ。今度はコスプレで通り魔かよ! つーか何それ、ぬいぐるみじゃないよね?生き物?」

まどか「わかんない。わかんないけど…この子、助けなきゃ」

さやか「あれ?非常口は?どこよここ」
 
シモン「おかしい、どんどん景色が歪んでいく」

さやか「あーもう、どうなってんのさ!」

まどか「やだっ。何かいる!」

キキキー

ヒヒヒヒヒ

さやか「冗談だよね? 私、悪い夢でも見てるんだよね? ねえ、まどか! シモン!」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 14:44:19.62 ID:6bhkFuzj0
少し投下遅くなります。
見てくださってる方いたらごめんなさい
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/03/31(土) 15:02:14.95 ID:rfKD/p+80
このシモンってどこまでのシモン?
時系列的にさ
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/31(土) 15:09:38.18 ID:56QeMmFDO
あれだろ

螺旋王倒してちょっとした後だろ
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 15:13:11.33 ID:6bhkFuzj0
戻りました

>>17
ロージェノム撃破後、数ヶ月〜1年くらいのつもりと考えていただければ。
出てくる技術のタイミングとか、原作とは違ってる部分もあります。
あまり詳細に決めて書かなかったので、混乱してしまったらすみません
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 15:14:35.81 ID:6bhkFuzj0
シモン「二人とも、俺の後ろに隠れて…!」

シモン(こいつらが一体なんなのかはわからない。けど!)

ドカーン!!

シモン「!?」

さやか「あ、あれ?」キョトン

まどか「これは?」

コツ…コツ…コツ…

マミ「危なかったわね。でももう大丈夫」

マミ「あら、あなたたちがキュゥべえを助けてくれたのね。ありがとう」

マミ「その子は私の大切な友達なの」

まどか「私、呼ばれたんです。頭の中に直接この子の声が」

マミ「ふぅん、なるほどね」

マミ「その制服、あなたたちも見滝原の生徒みたいね。2年生?」

さやか「あ、あなたは?」

マミ「そうそう、自己紹介しないとね。 …でもその前に」

マミ「ちょっと一仕事、片付けちゃっていいかしら」

シモン「えええ!!変身した!?」

マミ「はっ!!」

ズドドドドドド…!!

…スタッ

まどか「す…すごい」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 15:19:04.28 ID:6bhkFuzj0
さやか「景色が元に戻ってく…」

スタッ

シモン「ほむら?」

マミ「魔女は逃げたわ。仕留めたいならすぐに追いかけなさい」

マミ「今回はあなたに譲ってあげる」

ほむら「私が用があるのは……」

ほむら(まどか…)

ほむら(そして私のまどかと一つ屋根の下で過ごすなんて羨ま…けしからんことをしているイレギュラーの転校生。ギリギリギリギリ…)

マミ「飲み込みが悪いのね。見逃してあげるって言ってるの」

マミ「お互い、余計なトラブルとは無縁でいたいと思わない?」

スッ…

まどか「いっちゃった…」

さやか「ぷはぁ〜」

シモン(あれ、いつの間にかコアドリルの反応がなくなってる?)


QB「ありがとうマミ、助かったよ」

マミ「お礼はこの子たちに。私は通りかかっただけだから」

QB「どうもありがとう。僕の名前はキュゥべえ」

シモン「喋ったぁ!?」

QB(魔法少女でもないのに僕を認識できるとは、面倒なのがいるようだね)

まどか「えっと…あなたが、私を呼んだの?」

QB「そうだよ、鹿目まどか、それと美樹さやか。それと、えーっと…」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 15:23:55.02 ID:6bhkFuzj0
QB「えーっと…キュ、キュップイ!」(彼は誰なんだろう)

マミ(わからないのね)

まどか(あ。ごまかした)

さやか(ごまかしたな)

シモン「俺はシモン。穴掘りシモンだ」

QB「わかった。覚えておくよ、穴掘りシモン」

さやか「それで…何で、わたしたちの名前を?」

QB「僕、君たちにお願いがあって来たんだ」

まどか「お…おねがい?」

QB「僕と契約して、魔法少女になって欲しいんだ」

シモン「マホウショウジョ?」


QB「僕は、君たちの願い事をなんでも一つ叶えてあげる」

さやか「えっ本当?」

まどか「願い事って?」

QB「何だってかまわない。どんな奇跡だって起こしてあげられるよ」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 15:29:48.72 ID:6bhkFuzj0
−−−−−−−−−−

シモン(アニキ…俺は今、アニキやみんながいた世界とは違う、遠い場所にいるんだと思う)

シモン(何で俺がここにいるのかはわからない)

シモン(わからないけど。もしかしたら俺、ここでやんなきゃならないことがあるのかもしれない)

−−−−−−−−−−

−マミ宅−

マミ「独り暮らしだから遠慮しないで。ろくにおもてなしの準備もないんだけど」

まどか「マミさん。すっごく美味しいです」

さやか「んー、めっちゃうまっすよ」

シモン「俺、こんな飲み物や食べ物初めてだ」モグモグ ズズズ…

マミ「そう言ってもらえると嬉しいわ。3人ともどんどん召し上がれ♪」

マミ「キュウべぇに選ばれた二人に、魔女と魔法少女の存在を知った一人。あなたたちにとってはもう他人ごとじゃないものね」

マミ「ある程度の説明は必要かと思って」

QB「ボクとしては、キミはどうでもいいんだけどね。シモン」チョンチョン

マミ「こら、キュウべぇ。そんな言い方しないの」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 15:31:11.62 ID:6bhkFuzj0
QB「気安くボクを抱きかかえないでもらいたいな。ボクは…」ビクンッ

QB(何だい。このざわざわするような感じ)タタッ

シモン「あ、逃げられちゃった…」

マミ「この子はキュウべぇ。魔法少女のスカウトマンってところかしら」

QB「きゅっぷい。きみたちを魔法少女にして魔女と戦ってもらうかわりに」

QB「きみたちの願いを何でも一つ叶えてあげる。それがボクの役目さ」

さやか「え、ホント?」

まどか「願いごとって…」

QB「なんだってかまわない。どんな奇跡だって起こしてあげられるよ」

シモン「どんな奇跡も、かぁ」

QB「念のためにいっておくけど、きみはどんなに願ったって無理だからね」

マミ「またそうやって意地悪いわないの!」

マミ「それで…キュウべぇと魔法少女契約すると生み出されるのが、これ」スッ…

まどか「わわ。きれい」

マミ「これがソウルジェム。魔力の源であり、魔法少女であることの証でもあるの」

QB「そしてこの石を手にしたものは、魔女と戦う使命を課されるんだ」
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 15:33:07.97 ID:6bhkFuzj0
>>23と24の間に1行抜けてました。
以下の行が入ります


シモン「気になってたんだけど、この喋る動物はなに?」ヒョイ

26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 15:35:26.41 ID:6bhkFuzj0
まどか「魔女?」

さやか「魔女って何なの?魔法少女とは違うの?」

QB「願いから生まれるのが魔法少女だとすれば………

………

……



シモン「zzz…」

まどか(シモン君、難しい話ダメなんだね…)

さやか(そういやこいつ、授業中も眠たそうにしてたもんなぁ)

マミ「」

マミ「…つまり、人を嫌な気分にさせて危害を加える悪いやつが、魔女ってこと」

シモン「なるほど」ナットク

まどか「」

さやか「」

マミ「で、話を戻すわね」

マミ「そこで提案なんだけど、二人ともしばらく私の魔女退治に付き合ってみない?」

まどか「えぇ!?」

さやか「えっ?」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 15:38:38.08 ID:6bhkFuzj0
マミ「魔女との戦いがどういうものか、その目で確かめてみればいいわ」

マミ「そのうえで、危険を冒してまで叶えたい願いがあるのかどうか、じっくり考えてみるべきだと思うの」

まどか「シモン君は?」

マミ「悪いけど彼はダメよ。魔法少女になれるわけでもないし」

マミ「それに願いを叶えるというメリットがない以上、彼にとっては危険というデメリットしか存在しないの」

さやか「確かに。願いを叶えることができないんじゃ、わざわざ危ないことに首突っ込む必要もないよなぁ」

シモン「俺のことは気にしないでいいよ。でもそんな危険なことなら俺も一緒に…」

マミ「その点は安心して。鹿目さんと美樹さんのことは、私がしっかり守るから」

QB「マミは魔法少女の中でもかなりの使い手だからね。一緒にいれば危険なことなんかないさ」

−−−−−−−−−−

−翌日 放課後−

シモン(戦ってた時は一日ってあっという間で、気付いたら太陽が沈んでて〜って感じだったけど)

シモン(ずーっと勉強してると、こんなにも時間ってゆっくり流れるんだなぁ)

シモン(ほぼ寝てた気もするけど)

シモン「そっか。今日はまどかもさやかも、マミと一緒にパトロールって言ってたっけ」
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 15:43:07.13 ID:6bhkFuzj0
男子A「おーい! なぁシモン、お前この後って暇?」

シモン「え、うん。特になにもないけど」

男子B「だったら丁度良かった!」

男子C「俺たちこれから出るって噂の廃屋を探検するんだけどさ、シモンも一緒に行ってみないか?」

シモン「出る? 出るって何が?」

男子B「決まってるだろ?」

男子A「これだよ、こ・れ!」オバケ

男子C「なんでもさ、おっそろしい女の幽霊が出るらしいぜ?」ブルルッ

男子A「だからさ、俺らでそいつの写真を撮ってやろうって!」

シモン「幽霊って? 本当にいるのかなぁ…」

男子B「気になるんだったらさ、行くだけ行ってみようぜ」

シモン「うん、わかった」

男子C「学校からは少し離れてるから、家に自転車りに行ってから校門に集合な?」

男子A「シモンは俺らの後ろに乗せてやるよ!」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 15:47:31.69 ID:6bhkFuzj0
−隣町−

男子A「…この森を抜けた先なんだ。道が悪いから自転車はここまでだな」

シモン「まだ太陽が沈んだわけじゃないのに、森の中真っ暗だ」

男子B「よし、す、す、進もうぜ」テクテク…

バサバサバサバサ

カァー カァー

男子C「昔さ、まだ廃墟じゃなかった頃のその建物には家族が住んでたんだけど」

男子C「ある日大きな火事があったらしいんだ」

シモン「う、うん…」ゴクリ

男子C「火はあっという間に建物全体に燃え広がって、住んでた家族は全員…」

バサバサ…!

一同「!?」

男子B「なっ、なんだよ鳥じゃねーか!」

男子A「おい、あれ…」

シモン「あれって?」

男子A「あそこ、道の先に誰か立ってる…」

男子B「で、出たあああああああああ!!!!」ニゲロ

男子C「やばい!あれはやばい気がする!逃げようぜ!」ニゲロ

男子A「おいシモン、逃げるぞ! 急げ!」ニゲロ
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 15:50:07.72 ID:6bhkFuzj0
シモン「え、ちょ… え? え、えええええ!?」

ポツン

シモン「みんなあっという間に行っちゃった… うん…?」

シモン「あ…コアドリルがまた光ってる」

シモン「昨日みたいな嫌な感じの光りじゃない。これって前にも」

シモン(あれ? さっきの人影、もういなくなってる)

シモン(いってみよう)


シモン「開けた場所に出たけど、この建物は…」

???「おいお前、見掛けねぇ顔だけど何者だ。何の用があってここにきた」

シモン(さっきのやつか!? いつのまに後ろに)クルッ

???「返答によっちゃぁ、あたしのこの槍が黙っちゃいないぜ?」グイ

シモン「槍を持った女の子…」

シモン(この子が幽霊の正体なんじゃないかな)

シモン「お化けが出るから見に行こうって、友達に誘われてきたんだ」

シモン「きみの姿に驚いてみんなは逃げちゃったみたいだけど」

???「お化け? あっはっはっは! こりゃ参ったな…あたしが流した噂が逆効果になっちまいやがった」

シモン「どういうこと?」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 15:53:05.57 ID:6bhkFuzj0
???「きな。あんた悪いやつじゃなさそうだし、せっかくの客だ。もてなしてやるよ」シュピン

シモン(槍が消えた…!)

???「へへ。あたしは杏子。佐倉杏子ってんだ。あんたは?」

シモン「俺はシモンだよ」

杏子「珍しい名前。日本人じゃないよな? 外国人か?」

シモン「うん。クラスでも言われた」

杏子「入れよ。お世辞にも綺麗とは言えねぇけどさ。あたしの住処だ」ガチャ


−朽ちた教会−

杏子「ほら、食えよ」ポーン

シモン「うん。ありがと」ガブッ シャクシャク…

杏子「しかし誰も寄せ付けない為に流した噂で、人がきちまうとはなぁ」

シモン「モグモグ… ってことは幽霊が出るって噂、杏子が広めたの?」

杏子「発端はあたし。そこいらのガキンチョに話してやったら、あとは勝手に広まったみたいだぜ」ケタケタ

シモン「なぁんだ。それじゃぁここで昔火事があったって話も、杏子の出任せなんだ?」

杏子「…………」

杏子「あー……なんつーか、それは本当なんだ」
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 15:56:05.12 ID:6bhkFuzj0
杏子「昔、この教会には幸せな家族が住んでいたんだ。その家族の父親は神父でね」

杏子「正直過ぎて、優し過ぎる人だった。毎朝新聞を読んでは酷いニュースに涙を浮かべて、真剣に悩んでるような人でさ」

シモン「うん…」

杏子「新しい時代を救うには新しい信仰が必要だって、それがその父親の言い分だった」

杏子「だからある時、その父親は、神父は、教えにないことまで信者に説教するようになった」

杏子「…もちろん、信者の足はパッタリ途絶えたよ。本部からも見放された。誰もそいつの話を聞こうとしなかった」

杏子「当然だよね。傍から見れば胡散臭い新興宗教さ。どんなに正しいこと、当たり前のことを話そうとしても」

杏子「そんなの世間じゃただの鼻つまみ者さ」

シモン「…………」

杏子「住んでいた家族は一家揃って、食う物にも事欠く有様だった」

杏子「その父親の言っていたことは、決して間違っていたわけじゃぁなかったのさ」

杏子「少しでいい、ちゃんと耳を傾ければ、正しいこと言ってるって誰にでもわかったはずなんだ」

杏子「その家族には2人の女の子がいてさ、そんな時だった。姉の前にそいつが現れたのは」

シモン「そいつ?」
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 15:58:00.95 ID:6bhkFuzj0
杏子「神様の使い……いや、ひょっとしたら神様そのものなのかもしんねぇな」

杏子「そいつは姉に向けてこう言ったんだよ」

杏子「『お前の願い事を一つ叶えてやろう。その代わり、お前はこの世界に潜む悪と戦え』ってな」

シモン(それってもしかして…)

杏子「日に日に追い詰められる家族を見ていた姉には、選択肢なんてなかった」

杏子「だから、その子は神様に頼んだんだよ。みんなが父親の話を真面目に聞いてくれますように、って」

シモン(神様への願い事か…)

杏子「翌朝には、この教会は押しかける人でごった返していた」

杏子「毎日おっかなくなるほどの勢いで、父親を信奉する人たちは増えていった」

杏子「かたやその裏で、姉は戦いの日々さ」

杏子「父親の説法がいくら正しくったって、それで神様の言う『悪』ってやつを退治できるわけじゃない」

杏子「だからそこは、自分が頑張らないとって。その子はたいそう意気込んでたらしいぜ?」

杏子「私とお父さんで、表と裏からこの世界を救うんだって」

シモン「うん」
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 16:03:27.08 ID:6bhkFuzj0
杏子「でもね、ある時カラクリが父親にバレた」

杏子「大勢の信者が、ただ信仰のためじゃなく、神様とやらの不思議な力で集まってきたんだと知った時」

杏子「父親がブチ切れたのさ」

杏子「実の娘を、人の心を惑わす悪魔だって。魔女だって罵った」ジワ…

杏子「笑っちゃうよね。その子は毎晩、本物の『悪』と…………と、戦い続けてたってのに」ポロポロ…

杏子「それで神父は……一家の父親は壊れちまった」

杏子「最後は惨めなもんさ。酒に溺れて、頭がイカれて」

杏子「とうとう家族を道連れに、この教会に火をつけて無理心中」

杏子「家族のためにと人知れず戦った姉を……実の娘一人を、置き去りにしてね」

杏子「良かれと思ってやったそいつの祈りが、家族を壊しちまったんだ」グスッ

杏子「他人の都合を知りもせず、勝手な願いごとをしたせいで、結局誰もが不幸になった」

杏子「……」

杏子「初対面のお前にこんな話しして、こんなツラ見せて…… あたし、みっともねぇよな」グスン…
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 16:06:01.74 ID:6bhkFuzj0
シモン「みっともなくなんてないよ」

シモン「杏子……もしかしてその女の子ってのは」

杏子「グスッ。お前もしかして、今の話素直に信じたのかよ? 何でも願いを叶える神様だぜ?」

杏子「まさか本当にいると思ってるわけじゃ…」グスッ

シモン「信じるよ」

シモン「杏子の話、俺は信じる」

杏子「」

シモン「魔法少女、だろ?」

杏子「!」

杏子「あんた…一体どこでそれを!」

シモン「昨日俺も初めて教えてもらったんだけどね」

杏子「な、なぁ。その話、一体誰から聞いたんだ?」

シモン「えっと。髪がこう、くるくるっとしたマミって子。それから白いネコっぽいの」

杏子「そっか…」(マミとキュウべぇか…)

杏子「お前の想像通りだよ。さっきの話はあたしの家族の話。生き残った女の子ってのはあたしのことさ」
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 16:10:00.88 ID:6bhkFuzj0
杏子「わりぃな、シモン。くだらねぇ話聞かせちまって」

シモン「あのさ、杏子。杏子が家族の幸せを願ったことで起きたことは確かにとても悲しいことだと思う」

シモン「でも、それでも。自分じゃない、他の誰かの幸せを願える心をもってるっていうのは、胸を張っていいと思うんだ」

シモン「とことん落ち込んで、とことん後ろ向きになったっていいんだ」

シモン「ゆっくりでも、少しずつでも、また立ち上がれば」

杏子「グスン… へっ! 言うじゃねぇか」ゴシゴシ

シモン「俺、頭悪いから上手く言えないけど… 俺も、前にすっごく落ち込んだことがあったんだ」ニコ

杏子「なんかさ。お前に話したら、少し気が楽になったような感じがするよ」

杏子「今までこんなこと、誰にも話さなかったからかな」

シモン「えっと、なぁ杏子。もし今まで一人で抱え込んでばかりだったならさ」

シモン「これからは俺のことも頼ってくれよ。なぁ!ダチ公!」ビシッ

杏子「あはは、なんだよそれ? 格好つけてるつもりなんだろうが、全然サマになってねーぞ」アハハ

シモン「う"…アニキの真似してみたんだけど、ダメだったか」ズーン

杏子「へぇ、お前も兄弟がいるんだ? じゃぁ今度は…」

杏子「っと。そうだ、ところでさっきから気になってたんだけど」

杏子「お前のそのペンダント、だんだん光が強くなってねぇか?」
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 16:14:14.21 ID:6bhkFuzj0
ちょっと熱出てきたので病院いってきます。
戻りはわかりませんが、遅くても9時くらいには再開出来ると思います
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/31(土) 16:53:01.64 ID:MxxesNIDO
熱い話を書こうとしているから熱が出たんですね分かります。
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/31(土) 16:56:07.51 ID:GDwthRzSo
期待
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/03/31(土) 17:09:55.04 ID:nNRzQfUZo
どっちの作品も好きだから期待してる
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/03/31(土) 17:47:02.82 ID:LViI8EGu0
この前VIPに居た奴かC
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 19:51:09.72 ID:6bhkFuzj0
遅くなってすみません。ただいま戻りました。
インフルB型\(^o^)/
まだB型がしつこく残ってるようですので、皆様もご注意下さい。

支援ありがとうございます。それでは再開します。
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 19:52:29.55 ID:6bhkFuzj0
−教会・裏庭−

杏子「あたしって片付けとか苦手だからさぁ」

杏子「早い話が教会の裏庭とか、もう放ったらかしなんだよな」タハハ

シモン「草が伸び放題だね」(前にこんな場所で、アニキとヨーコと狩りしたっけ)

シモン「コアドリルが一番強く光るのはここか…」ペタペタ

シモン「よし…っ!」ザクッザクッ

杏子「なぁ、なにやってんだ?」

シモン「穴を掘ってるんだよ」

杏子「下に何か埋まってんのか? それとも…トンネルでも掘ろうってのか?」

シモン「わからない。でも、俺のコアドリルが反応してるってことは

ザクッザクッ

シモン「ここに何かがあるんだと思うんだ」

杏子「ふーん。もし大穴掘ってなーんにも出てこなかったら、そんときゃあたしがゴミ捨て場として活用してやるよ」アハハ

ザクザクザクザク…

杏子「それにしても上手いもんだな」

シモン「小さい頃から穴掘りは得意だったから」
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 19:55:45.60 ID:6bhkFuzj0
シモン「だから村では、穴掘りシモンって呼ばれてたんだ」ザクッザクッ

杏子「1メートルくらいか? 結構掘ったけど何も出てこねぇ」

杏子「もうすっかり暗いしさ、その辺にしとけよ」

杏子「お前。帰らねぇと家の奴だって心配するだろ?」

シモン「あ… そうだね。それじゃぁ今日はこのくらいにして、また掘りに来るよ」

杏子「えぇ?まだ掘る気かよ…」

シモン「それじゃぁ俺、そろそろ戻らなきゃ。杏子も今度、街の方に遊びにおいでよ」

杏子「そうだな、気が向いたらそうさせてもらう」(魔女退治とか食料調達でちょこちょこ行ってはいるんだけどな)

シモン「それじゃ、また。リンゴ美味しかったよ、ありがとう!」

杏子「いいって。またな!」

−−−−−−−−−−

−鹿目家−

詢子「……で。今の今までダチんトコで、制服泥だらけにして穴掘ってたと」

シモン「うん…」
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 19:58:49.84 ID:6bhkFuzj0
詢子「門限とかうるさいことは言わない。でもね、シモン」

詢子「アンタを心配してる人間がいるんだ。せめて晩メシまでには連絡入れな」

知久「僕も小さい頃そうだったから、暗くなるまで遊びたいってのはよくわかるけどね」

知久「でも、連絡ひとつあるだけでも安心するからさ」ニコ

シモン「ご、ごめん…詢子、知久」

まどか「でもママ、連絡ってどうやって?」

詢子「そう思って」ガサゴソ

詢子「ほれ、これ使いな」ポイッ

シモン「うわっとと。これは…?」

詢子「何だあんた、携帯電話も知らないの?」

QB「やれやれ、キミの知性のほどが知れてるね」

まどか「(こらっ…!)」

詢子「それがあれば離れた場所とでも簡単に話しができるんだ。便利だろ? 使い方はまどかに教えてもらいな」

シモン「ありがとう、詢子!」

まどか「じゃぁ晩ごはん食べ終わったら使いかた教えてあげるね!」
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 20:00:48.61 ID:6bhkFuzj0
シモン「うん!」

まどか「忘れないうちに、私とお母さんの番号とアドレス登録だけ先にやっちゃお♪」カチカチカチ…


−−−−−−−−−−

ほむら「なぜかわからないけど、突然羨ましいというか悔しいというか」

ほむら「クラスメイトの穴掘るしか能のない男子を無性に踏みつけたい気分だわ」ギリギリギリギリ

−−−−−−−−−−


シモン「」ブルブルブル

まどか「どしたの?」

シモン「急に寒気が」

まどか「風邪かもしれないから、後で熱測っておいたほうがいいよー」

QB「おや、この星だとバカは風邪を引かないんじゃないのかい?」

シモン(コイツ丸焼きにしたら食べれるのかなぁ)
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 20:03:29.73 ID:6bhkFuzj0
−翌日−

男子A「シモン、昨日大丈夫だったか!?」

男子B「俺たち先に逃げちゃって、本当にすまん!」

シモン「いいって、全然気にしてないから大丈夫」アハハ

シモン「それよりもさ、あの場所。めちゃくちゃ怖い人が住んでるから、近付かないほうが良さそうだ」

男子C「ええ、そうなのか!?」

シモン「うん。頭がハゲてて上半身素っ裸でヒゲと渦巻き胸毛もっさもさのおじさんが」

シモン「『この猿どもめぇー!』って叫びながら追っかけてくる」

男子ABC「」ブルブル…

シモン(これで、あの場所には近付かなくなるかな)
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 20:04:45.15 ID:6bhkFuzj0
−放課後−

さやか「ふい〜、やぁっとおわったぁ」

まどか「シモン君、授業終わったよ? 起きて起きて」ユサユサ

シモン「んぁ…?」ボサー

さやか「にひひ。まさかわたし以上に居眠りするやつがいるとはなぁ」

シモン「センセーたちの話し聞いてると、自然と眠くなっちゃって」フワァァ

シモン「二人は今日もマミと一緒にパトロール?」

まどか「うん。まだどうするか決められなくって…」

さやか「わたしも。願い事あるにはあるんだけど、なかなか踏み切れなくってね〜」

シモン「そっか。気をつけて行っておいでよ」

さやか「さんきゅ♪」

ツカツカツカ

ほむら「ちょっといいかしら?」

さやか「お、珍しいな。根暗転校生が自分から声を掛けるだなんて」

まどか「さやかちゃんったら!」
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 20:09:39.80 ID:6bhkFuzj0
シモン「えっと… ほむら、だよね?」

ほむら「ええ、そうよ。暁美ほむら」

ほむら「少し付き合ってほしいの」

さやか「お。なんだなんだ、もしかして愛の告白ってやつか?」

まどか「ええ?///」

タタタタッ

仁美「だ、大胆ですわ…!」

さやか「仁美ちゃん、わざわざ走って言いに来なくても…」

ほむら「違うわ」

ほむら「さ。行きましょう」

シモン「あ、うん。それじゃみんな、また明日!」

仁美「ごきげんよう」

さやか「転校生、あんまりシモン苛めんなよー?」

男子A「リア充爆発しろ!」バイバーイ

男子B「爆発しろ!」ジャァナー

男子C「しろ!」マター

仁美「それではわたくしも、お稽古がありますのでそろそろ」

さやか「マミさん待たせちゃ悪いし、わたしたちもいこっか」

まどか「そうだね!」
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 20:11:41.87 ID:6bhkFuzj0
−喫茶店−

イラッシャイマセー

ほむら「付き合わせて悪いわね。…どうしたの?キョロキョロして、喫茶店がそんなに珍しいの?」

シモン「俺がいたところには、こんなお店なかったから」

ほむら「ふーん」ホム…

店員「ご注文はお決まりですか?」

ほむら「ホットコーヒーを。…あなたは?」

シモン「じゃぁ俺、この緑色のきれいなのを!」

店員「ホットコーヒーにクリームソーダですね。かしこまりました」ペコリ



ほむら「…………」ズズ…

シモン「…………」ゴクゴク

シモン「面白い飲み物だね、これ。口の中がシュワシュワする」

ほむら(炭酸飲料を知らないのかしら)

ほむら「単刀直入に聞くわ。あなた、一体なんなの?」

ほむら(これまで私が幾度となく繰り返した中で、彼は一度も登場しなかった)

ほむら(それにまどかの家で暮らすなんて……もしかしてインキュベーダーが何か細工している可能性もある)
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 20:14:03.97 ID:6bhkFuzj0
シモン「一体なんなのって聞かれても。俺は俺、穴掘りシモンだけど」キョトン

ほむら「」

ほむら「そうじゃない」

ほむら「私と同じタイミングで転校してきて、し か も 鹿目まどかの家で暮らしてるあなた」

ほむら「偶然とは思えない」

テーブル「ヒギィ」ミシミシミシ…

シモン「タイミング? 偶然?」ズチュー…ゴクゴク

シモン(どういうことだろう、ひょっとしてほむらは俺がここに来た原因とか知ってるのかな)

シモン(信じてもらえないかもしれないけど、全部話してみようか)

ほむら(シラを切ってるのかしら。でも、そういう風にも見えない)

ほむら(いっそ全て話してしまうべきかしら。…いえ。彼の素性がわからない以上、それは危険ね)

ほむら(それに、話したところでどうせ信じてなんてもらえない)

ほむら「…………」ゴクゴク

シモン「…………」ゴクゴク
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 20:18:02.70 ID:6bhkFuzj0
シモン「あのさ、ほむら」

ボワァ…

シモン「あれ?」(コアドリルがまた光って… しかもこの反応は)

シモン(この前のマミと会った時と同じ、嫌な感じの反応だ!)

ほむら(…!! これは、魔女の気配!? こんな時にタイミング悪いわね)

ほむら(もしかしてしかして彼のペンダントが光ったのは魔女に関係が?)

ほむら(…考えるのはあとね。今は魔女に対応しなければ)

ほむら「付き合わせておいて悪いけど、ちょっと失礼するわ。会計は済ませておくからゆっくりしていってちょうだい」

シモン「え? え?」

タッタッタッタ… 

アリガトウゴザイマシター マタオコシクダサイマセー

シモン(なんだろう、この前と同じだ。胸騒ぎがする)

prrrrrrrr!!

シモン「わ!?昨日貰ったケータイが」アタフタ

シモン「どうやって話すんだっけ… こうだったかな」ピッ
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 20:22:29.76 ID:6bhkFuzj0
まどか『もしもし、シモン君!?』

シモン「まどか? 慌ててるみたいだけど、どうしたの?」

まどか『どうしよう! 街中で魔女が出て、さやかちゃんとキュウべぇが見張ってて…!』

シモン「うん、うん…! わかった、俺もマミを探しながらさやかたちのところに行ってみるよ!」

オキャクサマ,テンナイデノオオゴエハ…

シモン「大丈夫。場所は多分わかるから…!」

ガタッ! タッタッタッタ…

アリガトウゴザイマシター マタオコシクダサイマセー


タッタッタッタ……

シモン「マミ! いたら返事してくれ!」

ザワザワ… マイゴカシラ?

シモン(こっちか? コアドリルの反応がどんどん強くなってる)

シモン(まどかがマミと合流できてるといいんだけど)

シュタッ

杏子「よう、シモン!」

シモン「杏子!?」

杏子「お前が呼んでるマミって、巴マミのことか?」
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 20:26:58.21 ID:6bhkFuzj0
シモン「巴…うん。そうだよ!」

杏子「テレパシーで呼びかけてみるから、ちょっと待ってな」

シモン「テレパシー?」

杏子「まぁ、いいから」

杏子「…………」

杏子「…………」

杏子「…………」

杏子「安心しな。マミのやつはもうお前の友達と合流したってさ」

シモン「よかった」ソレ,ベンリダネ

杏子「あと、危ねぇからお前は首を突っ込むなってさ」

シモン「わかった!」

タッタッタ

杏子「わかったって…お前、そっちは!おい、待てよ!」

シモン「嫌な感じがするんだ。胸騒ぎが…あの時と、アニキの時と同じで…!」

杏子「お前一体何言って……」ハッ

杏子「もしかしてお前のアニキって…」

シモン「杏子、その話は後だ!」
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 20:31:28.45 ID:6bhkFuzj0
タッタッタ…

シモン「そういえば杏子は何でここに?」

杏子「お前に言われて街にぶらぶらしに来たら、魔女の反応があったからな」

杏子「辿ってきてみたら、お前の声が聞こえたってわけさ」

杏子「っと、あそこだ…!」

シモン「この中に…マミもまどかもさやかも?」

杏子「ああ。マミとお前のダチと、突入したみてぇだぜ」

杏子「…あんたは魔法少女でもないのに、自分から危険に首を突っ込むんだ」

杏子「死んでも文句言うんじゃねぇぞ?」

シモン「あぁ」コクン

杏子「へッ!いい覚悟だ。いくぜ!」



−魔女の結界−

シモン(…景色が歪んでいく。やっぱりこの前と同じだ)

杏子「雑魚が全くいねぇ。マミのやつが倒して進んだのか…?」

シモン「杏子! あそこに誰かいる…!」
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 20:34:43.92 ID:6bhkFuzj0
杏子「あん? …ありゃぁ、暁美ほむらじゃねぇか」

シモン「何でここにほむらが!?って、杏子、ほむらのこと知ってるの?」

杏子「なんだ、聞いてないのか? あいつも魔法少女だよ。マミやあたしと同じ」

シモン「そうだったのか」

杏子「それにしてもアイツ、なんで縛られてるんだ?」

コツコツコツ…

ほむら「佐倉杏子。それに…魔法少女でもない貴方がどうしてここに」

シモン「俺の友達がこの先にいるんだ」

ほむら「友達? それは鹿目まどかのこと?」

シモン「まどかだけじゃない、さやかもマミも」

ほむら「…………」

ほむら「シモン君あなた、友達を助けたい?」

シモン「当たり前だ!」

ほむ杏「」ビクッ

杏子「びっくりしたぁ。急に大声出すなよ」
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 20:40:44.79 ID:6bhkFuzj0
ほむら「…………」

ほむら「…なら、急いでこれを解いて頂戴」

シモン「任せろ!」

杏子「さがってなシモン。理由はわからねぇが、そいつを縛ってるのはマミの…」

杏子「魔法少女のリボンだ。あたしが一気に解いてやるよ!」

ヒュンッ!! ズバァッ

パラパラ…

ほむら「随分と手荒な解き方ね。でも感謝するわ」

杏子「大体なんでお前がマミに縛られてるんだよ」

ほむら「巴さんは、私のことを快く思ってないみたいだから」

ほむら「そんなことよりこっちよ。急ぎましょう」

ほむら(…こんなに早く佐倉杏子が現れるなんて。しかも、今の場所でのタイムロスが少ない)

ほむら(この調子なら巴マミを助けられるかもしれない)
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 20:45:01.04 ID:6bhkFuzj0
シモン「いた! あそこだ!」

バシュン!ズダン!ズダン!

マミ「体が軽い。こんな幸せな気持ちで戦うなんて初めて」

杏子「どうやら戦い始めてるみてぇだな」

マミ「もう何も怖くない」

マミ「私、一人ぼっちじゃないもの」

ほむら「くっ!」

ほむら「巴マミ! 早くそこから離れなさい…!!」

マミ「ちょっと、あなたどうやって…!?」

さやか「マミさん、上!! 上!!」

マミ「え?」

シャルロッテ「イタダキマース」

シモン「マ…ミイイィィィィ!!」ダダッ!

杏子「!? おいシモン!どうする気だ!お前まで巻き添えに…っ!」

ほむら(…私の時間停止m

シャルロッテ「アングリ…… パクッ♪」

まどか「マミさん…? シモン君…?」

さやか「うそ、うそ… う、うわああああああ!!」

シャルロッテ「ゴクン♪」

ほむら(巴マミと…シモンが丸呑みにされた…)ソンナ…
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 20:49:18.80 ID:6bhkFuzj0
………

……



マミ「ここは…そっか。私、あの魔女に食べられちゃったのね」

マミ「あの時、暁美さんの忠告を聞いてれば…」

マミ「きっと暁美さんに酷いことしたバチが当たったのね」

ザシュッ…ザシュッ

マミ「パパ、ママ。私、このままここで死んじゃうのかな」グスン

ザシュッ…ザシュッ

マミ「………?」

シモン「諦めるな、マミ!」

マミ「あ、あなたは…」

マミ「ごめんなさい。私が迂闊だったばかりに、助けようとしてくれたあなたまで巻き添えにして」ポロポロ

マミ「諦めるななんて言われたって、もう無理よ」

マミ「魔女の中に呑み込まれたんですもの」

マミ「出口なんてない。きっと私たちこのまま闇に溶けるみたいに消えてなくなっちゃうのよ…」
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/31(土) 20:49:44.32 ID:MxxesNIDO
飲まれただけなら…!
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 20:53:46.01 ID:6bhkFuzj0
シモン「…ごちゃごちゃうるせぇんだよ!!」

マミ「」ビクッ!!

シモン「丸呑みにされた?出口がない?そんなものは関係ねぇ!」

シモン「壁があったら殴って壊す!出口がなければこの手で創る!」

シモン「…俺を、誰だと思っていやがる!!」カチッ!!

ギュゥゥゥゥン!



……

………

杏子「チキショウ! てめぇ…マミを!シモンを!よくも!!」

シャルロッテ「〜♪」ガチン!ガチン!

ほむら「今度は私たちを食べるつもりらしいわ」

さやか「グスッ… グスッ… マミさぁん…」ポロポロ

まどか「嘘だよね…ほむらちゃん。二人が食べられたなんて嘘だよね!?」

QB「本当さ、まどか。あの二人はもう食べられていなくなっちゃったんだ」

まどか「!!」

ほむら(インキュベーダー…まどかを煽って契約させようとするなんて)
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 20:56:53.21 ID:6bhkFuzj0
QB「あの魔女は強い。暁美ほむらと佐倉杏子だけでは勝てないかもしれないな。きみも早く僕と契約しt

ほむら「ダメよ。鹿目まどか」

ほむら(まどかに契約させないためにも、コイツは私が消滅させる!)

杏子「お、おい…あれ…」

シャルロッテ「〜………!! @*#%!&"$#!%&$#'%!!」

ほむら「…魔女が苦しんでいるように見えるけど。どういうことかしら」

ピキッ…

ピシッ…ボロボロ…

杏子「んなもん、あたしにわかるわけないだろ…」

杏子「おい、魔女の表面が割れたぞ!?」

パリーン!!

シモン「やった、穴が…空いた!!」

さやか「…シモ…ン?」

まどか「見て、さやかちゃん! マミさんも一緒だよ…!」パァッ

マミ「うそ…私たち、魔女の中から外に出れたの?」

シモン「だから言ったろ? 俺はシモンだ。大グレン団の穴掘りシモンだ!」

シモン「魔女が何なのかは知らないけど… コイツらが壁となって俺の前に立ち塞がるなら、いつだって風穴開けて突き破る!」

シモン「それが俺の、ドリルだ!!」ズバン!
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 20:59:25.26 ID:6bhkFuzj0
シャルロッテ「@*#%!##&"$#!%&$#'%!!」

ほむら「二人とも、魔女が苦しんでるうちに離れなさい!」ハヤク!

シモン「マミ、こっちだ!」ダキッ

マミ「あっ…///」

ほむら「佐倉杏子!」

杏子「言われなくてもわぁーってるって!!」マッテマシタ!

杏子「一気に片付けてやろうぜ!」

バシュッ! ズキュン! ズババッ!

シャルロッテ「」



QB(わけがわからないよ)

QB(いったいなんなのさ、あの力は)

QB(魔女に飲み込まれなんてしたら、普通の人間ならたちまち絶望に包まれて取り込まれてしまうのに)

QB(もしかして彼は…鹿目まどかに勝るとも劣らないほどの可能性を持ち合わせているとでもいうのかい)

QB(以前彼が僕に触れた時のざらつきのようなものも、それに関係しているんだろうか)
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 21:02:41.58 ID:6bhkFuzj0
さやか「良かった…マミさん、本当に無事で…!」グスッ ヒック

まどか「シモン君も、私本当に心配したんだから!」

マミ「今回は結果的に良かったけど…魔法少女でもないあなたが、あんな無茶をするのは感心しないわ」

杏子「ちょっとマミ、あんた助けてもらったのにそんな…」

マミ「とはいえ、シモン君。私のこと助けてくれて本当にありがとう」フカブカ

マミ「それと、みんなには心配掛けて本当にごめんなさい」

マミ「暁美さん。あなたの言葉を聞き入れず、酷いことしてごめんなさい…」シュン

ほむら「いいのよ、別に気にしてないから。それよりも全員無事で何よりね」

マミ「鹿目さん、美樹さん、魔法少女になって戦うというのはこういうことなの」

マミ「私はたまたま運が良かったけど、ひょっとしたら命を落としていたかもしれない」

マミ「だから。あなたたち自身の命と引き換えにしてでも、叶える必要のある願いがなければ…」

マミ「あなたたちは魔法少女にならない方がいいと思うの」

ほむら(巴マミ、あなた…)
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 21:09:15.03 ID:6bhkFuzj0
QB(厄介だね。これまでは二人を魔法少女にすることに肯定的だった巴マミが、ここに来て意見を変えて来るなんて)

QB(穴掘りシモン。どうやらきみは、ボクが思っている以上に邪魔な存在なのかもしれない)キュプ

杏子「それにしてもシモン。さっきのアレ、格好良かったじゃねーか!」ニヒヒ

さやか「そういえば大グレン団って?」

シモン「それは…」

マミ「まぁまぁ、みんな。魔女の結界も消滅し始めてることだし… 良かったら私のうちに来て話すのはどうかしら?」

さやか「さんせーい!」

まどか「ほ、ほむらちゃんも来るよね?」

ほむら「そうね。断る理由もないわ」

ほむら(美樹さやかが魔法少女になっていないとはいえ、ベテランである巴マミが生き残ったのは大きい)

ほむら(美樹さやかと佐倉杏子が早い段階で出会ったことで険悪になっていないのも、良い方向に影響しそうね)

ほむら(そして穴掘りシモン。彼は本当に一体…)
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 21:12:51.28 ID:6bhkFuzj0
杏子「なぁ、マミ。お前の手作りお菓子ってあったりする? あれ、うっめぇんだよなぁ!」

さやか「そうそう! マミさんの手作りお菓子、美味しいんだよねー」ホワァン

杏子「お。なんだお前、話しがわかるヤツだな! 遅くなっちまったけど、あたし佐倉杏子ってんだ」

杏子「今更言う必要ねーかもしんないけど、魔法少女やってる」

さやか「わたしは美樹さやか。で、こっちが鹿目まどか」

まどか「は、はじめまして!」ペコリ

さやか「マミさんは3年生だけど、それ以外はみんな2年生の同じクラスなんだ」

杏子「ま。二人とも改めてよろしくな!」

さやか「おう! よろしくぅ!」

まどか「よろしくね、杏子ちゃん!」
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 21:18:41.45 ID:6bhkFuzj0
−マミの部屋−

マミ「へぇ…それじゃぁ、そのアニキさんが立ち上げたのが、『大グレン団』なのね?」

シモン「うん」モグモグ

杏子「んで、その大グレン団ってのは何やってた集まりなんだ?」モグモグ

シモン「敵のガンメンぶんどって、人間を地下に押しこめてた螺旋王の獣人軍団と戦ってたんだ」パクパク

さやか「ガンメン? ラセンオー? ジュージン?」

シモン「あ…」(しまった、つい本当のこと言っちゃったけど…)

さやか「シモン…! お前もしかして…」ジリ…

シモン「え、えっと…それはその」アセアセ

さやか「そういう漫画とかゲームとか、すっげぇ好きだったりするのか!?」

シモン「へ?」

さやか「わーかってるって。別に隠さなくてもいいんだよ?」

シモン(そっか、やっぱりそうだよなぁ。この世界にはガンメンもないみたいだし、何より平和だもんなぁ。信じられるわけもないか)

マミ「恥ずかしがることないのよ、シモンくん」

マミ「私たちくらいの男の子だったら、そういう空想物語って大好きだと思うの」
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 21:25:42.01 ID:6bhkFuzj0
杏子「男じゃなくても、必殺技に名前付けたがるよーなヤツもいるしな?」チラッ

マミ「あ、あれは私が気に入ってるからいいの!」

杏子「コイツさ、あたしの必殺技にまで名前つけたんだぜ?」モグモグ

マミ「いいじゃない! 佐倉さんだって、いいんじゃねぇか〜なんて言ってたくせに!」

杏子「その場の空気ってのがあるだろ? あたしはそれを読める女なんだよ!」エヘン

さやか「そういえばまどかも、魔法少女のコスチューム描いてたよね?」ニマニマ

ほむら「!?」ホム!?

まどか「も、もし自分がなったらどんな服がいいかなぁって…///」

ほむら(実に興味深いわね… …じゃなくて、まどかを魔法少女にさせるわけにはいけないのよ!)

ほむら(それよりも…)

………

……

69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 21:29:13.27 ID:6bhkFuzj0
マミ「あら、もうこんな時間。そろそろお開きにしましょうか?」

まどか「いけない! シモン君、ママに連絡入れないと二人してまた怒られちゃうよ!」

シモン「忘れてた…!」ピポパ

シモン「もしもし詢子? 今、まどかと一緒にマミの家にいるんだけど……」

マミ「あら。シモンくん携帯電話持ってるなら、番号交換しておきましょうか」

さやか「いいね。杏子もほら、交換しようよ?」

杏子「わりぃ、あたし携帯電話もってないんだ」イヤー,ハハハ

さやか「じゃさ、杏子が持つことになったら交換ね? 約束!」

杏子「ちっ… しゃーねーなぁ/// わかったよ、約束だ」

ほむら(ふふ。子供ね…番号交換くらいではしゃいじゃって)

まどか「せっかくだから私もほむらちゃんやマミさんと番号交換したいな?」

ほむら「ええ、のぞむところよ!」キラーン!

カチカチ…

杏子「っと、そうだ… 忘れてたよ、さっきのグリーフシード」

杏子「マミ、ほむら、ソウルジェム出せよ。3人で浄化に使おうぜ?」
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 21:30:49.29 ID:6bhkFuzj0
ほむら「そうね。ありがたくそうさせてもらうわ」スッ…

マミ「ありがとう佐倉さん。助かるわ。…あら?」

杏子「あれ、マミのソウルジェム… これ、全く濁ってないんじゃねーのか?」

QB「どれどれ…これは不思議だね。あれだけ戦っていたのに、微塵も穢れていないなんて」

QB(魔女に呑まれたことで、巴マミは相当絶望したはずだ)

QB(なのに…おかしい。ひょっとしてこれも彼が関係しているのかな)

杏子「濁ってないならそれに越したことないし、これはあたしとほむらで使わせてもらうよ」

マミ「ええ。そうしてちょうだい」
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 21:35:25.70 ID:6bhkFuzj0
−帰り道−

テクテク

さやか「いやー 今日は楽しかったなぁ♪」

まどか「さやかちゃんったらもう。あんなに怖い思いしたの忘れちゃったの?」

さやか「そういえばそうだった」テヘヘ

さやか「あれ、シモンは? まどかの家に住んでるんだし、帰り道一緒じゃなかったっけ?」

まどか「んっと、少し寄り道して帰るって言ってたよ?」
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 21:39:51.83 ID:6bhkFuzj0
−朽ちた教会・裏庭−

杏子「おいおい、本当にまた掘ってるよ」

ザクッ ザクッ ザクッ

シモン「暗くなるまでにまだ少しありそうだし。それに、気になっちゃって」

ザクッ ザクッ ザクッ

シモン「また反応が強くなった… もう少し、もう少しで…!」カキンッ

杏子「何だ、今の音?」

シモン「…………これは!!」

シモン「ラガン!!」

杏子「なんだなんだ、何か掘り当てたのか?」

杏子「って…な、な、なんだよシモン、それ…!そのでっけぇ顔!!」アワワ

シモン「コイツはラガン。俺の大事な相棒だよ」

杏子「ラガンんん!?」

コツ…コツ…コツ…

ほむら「あなたの話に出たガンメンというのはそれのことかしら」

シモン(ほむら…)
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 21:47:33.56 ID:6bhkFuzj0
杏子「ほむら、なんでここに!」

シモン「…コイツはガンメンの中でも小型らしいんだけどね」カチャカチャ

杏子「小型っつったって、軽自動車…とまではいかなくても、コイツ結構な大きさはあるだろ?」

杏子「しかも。これで小型っつーことはだ。更にでっけーのがいるってことなのか」

ほむら「話しがあるの。穴掘りシモン、佐倉杏子」

ほむら「巴マミにも連絡を入れておいたから、直にここに来ると思うわ」

シモン「わかった」

シモン「でも良かったね、ほむら。交換した番号が早速役に立ってさ」

ほむら「そうね。さすがに離れ過ぎていてはテレパシーも届かないわ」


杏子「なぁシモン。そいつって動かせるのか?」

シモン「ちょっと待ってて。試してみるから」

シモン(でも何でラガンがこんな場所に?)

シモン(操縦席の中は…間違いない。これ、俺が乗ってたラガンだ!)

カチャ…
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 21:50:34.29 ID:6bhkFuzj0
シモン(よし、起動はする。パワーはそこまで上がらないみたいだけど…)

ガボッ ガションガション…

杏子「おお! 動いたあ!」キラキラ

シモン「うん。普通に移動させたりするくらいなら大丈夫みたいだ」

ほむら「一体どういう原理で動いてるのかしら」

シモン「実は俺も、そこまで詳しいわけじゃないんだ。リーロンって人がそういうのに詳しいんだけど」

シモン「……そうだ、リーロンに連絡!」

シモン「通信機は…よし、動く!」

ザザー ザ… ザザー…

シモン「こちらシモン!カミナシティ、応答してくれ!」

ザザ… ザー… シモ… イマ、ドコニ…ザー……

ザー………

ほむら「ダメみたいね」

シモン「いや。そうでもないさ」

シモン「多分だけど俺の声は届いてる。だったら…繋がる可能性はある!」

杏子「なんつーか、お前ってとことん前向きだよなぁ」アハハ

ほむら「そうね。あなたを見てると、私もそうありたいってときどき思うわ」

ほむら「色々と話すことも聞きたいこともあるけど。まずは巴マミを待ちましょう」
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 22:00:15.33 ID:6bhkFuzj0
〜その頃のマミさん〜

マミ「佐倉さん、何でこんな薄気味悪い森の奥に住んでるのよ…」ガクガク

カァー カァー

マミ「暁美さんも…集まるならもっとほかに場所があるじゃない…」ブルブル

ギャギャギャギャ!!

マミ「いつも思うのだけど、森でよく聞こえる変な鳴き声。なんなのかしら…」トボトボ

−−−−−−−−−−
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 22:02:38.23 ID:6bhkFuzj0
マミ「待たせちゃってごめんなさい」

ほむら「疲れてるのに呼び出して悪いわね」

杏子「うーん、やっぱりシモンが動かしてる時よりも、あたしだと元気がないっつーか」

ガション…ガション…

シモン「俺用に調整とかされてるから、他の人だとあんまり動かないのかも」

マミ「で、あれは一体何なのかしら。そして何をしてるのかしら」ジー…

ガッションガッション

オイ,コイツトマラナインダケドオオオオオオ

キョウコー ソッチハカベガー!

ドゴーン!

アタシノイエガアァァァァ!!

マミ「えーっと。止めた方がいい?」

ほむら「お願いするわ」

マミ「ティロ・フィナーレ!」ドカーン!!

杏子「うをわあぁぁ!? いきなり何すんだよ、マミ!」

シモン「び、びっくりしたぁ!!」ドキドキバクバク
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 22:06:47.52 ID:6bhkFuzj0
ほむら「改めて確認するけど…キュウべぇは一緒じゃないのね?」

マミ「ええ。恐らくだけど、今は鹿目さんのところで営業活動でもしてるんじゃないかしら」

ほむら(とは言え、あれは神出鬼没。これからの会話も、聞かれるものと思っておいた方が良さそうね)

ほむら「わかったわ。私からも、魔法少女である二人に話しがあるのだけど」

ほむら「その前にシモン。あなた、話すことがあるわよね?」

シモン「うん」

シモン「ごめん、みんなには黙ってたんだけど… 俺、実は別の世界の人間なんだ。きっと」

杏子「また随分突拍子もないことを直球で言うヤツだな」

マミ「別の世界!? それじゃぁ昼間話してたのは…」

杏子「漫画でもゲームでもねぇ。本当のことってわけか」

シモン「うん」

シモン「…俺たちの世界では、人間は長い間地面の下で暮らしてた。地上は恐ろしい獣人たちが支配していたから」

シモン「でも俺とアニキは地上へ飛び出したんだ」
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 22:14:50.05 ID:6bhkFuzj0
シモン「敵が使ってたガンメンを奪って、仲間を増やして戦い続けた」

マミ「そんな世界があるなんて、にわかには信じられないわよね…」

シモン「うん。それは俺も同じだったよ」

シモン「この街を見て回って、最初はこんな平和な場所があるだなんて、夢なのかなって思ったくらいだから」

ほむら「裏で魔女なんてものが存在しているのが、平和と言えるのかは疑問よね」

ほむら「悪いわね、続けて」

シモン「…そして俺たちは、獣人たちのリーダーである螺旋王を倒した」

シモン「今は敵の本拠地だったテッペリンってとこを、新しい街カミナシティとして作り替えてるところなんだ」

杏子「なぁ、シモン。お前のそのアニキってのは…」

シモン「アニキは死んだよ。戦いの中で」

杏子「そっか、やっぱりそうなのか。わりぃ、嫌なこと聞いちまったな」シュン

シモン「いいんだ杏子。アニキは確かに死んじゃったけど…俺のここで一つになって生き続けてるから」トンッ

マミ「シモン君…」
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 22:19:19.59 ID:6bhkFuzj0
シモン「俺さ、昔はアニキがいないと何もできない…一人じゃ何もできないって思ってた」

シモン「でも今は違う。俺は憧れ続けた、追い掛け続けたあの背中に笑われない男になって、いつかはアニキだって越えてみせるよ」ニコッ

マミ「グスン。シ"モ"ン"く"ん"… 私、応援してるから!」ダキッ

シモン「わぷっ!? く、苦しいよ、マミ!///」

杏子「別世界、かぁ」

杏子「そんな話、信じられねぇけど。ラガンっつったっけ? そんなの見せられちゃ、信じるしかねぇよな」

シモン「ありがとう杏子。俺の話はこんなところだ」

シモン「ほむらも何か話したいことがあるんだよね?」

ほむら「ええ」

ほむら「本当は、今の今まで話すべきか迷っていたのだけど」

ほむら「穴掘りシモン。あなたのことを見ていて、あなたの話を聞いて決心がついたわ」

シモン「俺の?」

マミ「暁美さん、ちょっと待って」

ほむら「なにかしら?」ホム

マミ「その話って…難しい話?」

ほむら「そうね。それなりには」

マミ「……シモンくん。今 度 は 寝 な い よ う に ね?」ニコ

シモン「う"…」キヲツケマス
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 22:25:58.10 ID:6bhkFuzj0
ほむら「巴マミ、佐倉杏子、あなたたちにとってはショックなことも話すけど… 決して取り乱したりしないで欲しいの」

ほむら「お願い」

杏子「わかったよ」

マミ「ええ。約束するわ」

………

……



マミ「時間遡行者…」

杏子「同じ一ヶ月を何百、何千回も繰り返すって…あたしなら耐えられそうにないな」

杏子「それにほむらの話しが本当なら、キュウべぇ…アイツ、とんでもないヤツだ」

マミ「このソウルジェムが私たちの魂… これが濁りきったとき、魔法少女は魔女に…」ガタガタ

シモン「落ち着いて、マミ」ポンポン

マミ「それにワルプルギスの夜。あんなとんでもない魔女が、この街に現れるだなんて」ギュ…

ほむら「でも、決して希望がないわけじゃない」

ほむら「今のあなたたちは、私が繰り返してきた時間軸の中ではかなり良い状態なの」

杏子「なぁ、ほむら。お前が知る中でのベストの状態ってのはどうだったんだ?」
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 22:31:06.08 ID:6bhkFuzj0
ほむら「魔法少女は鹿目…まどかを除く4人。お互いの人間関係も良好な状態で立ち向かうことができたわ」

杏子「でも。お前が今、この瞬間あたしたちの前にいるってことは…」

ほむら「…………」

杏子「正直に話せ。お前、今の状態で勝てると思ってるのか?」

杏子「さやかが魔法少女になっていない、今の状態で」

ほむら「そ、それは……!!」

トコトコトコ

QB「まず無理だろうね」キュップイ

ほむら「キュウべぇ!…いえ、インキュベーダー!」

QB「陰から話は聞かせてもらったよ。まさか時間遡行者に異世界人とはね」

QB「暁ほむら、穴掘りシモン、キミたちのことは薄々おかしいとは感じていたんだ」

QB「ボクとの契約もなしに、魔法少女として降り立った暁美ほむら」

QB「穴掘りシモンに至っては、ひょっとするとこの世界の常識すら通用しないのかもしれない」キュプ

シモン「…………」
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 22:34:32.57 ID:6bhkFuzj0
QB「ほむら、キミは彼女たちを無駄死にさせたいのかい?」

ほむら「そんな…!」

QB「わかるよ、キミにとってはきっとこの時間軸さえも通過点の一つに過ぎない」

QB「キミにとってのほかの魔法少女たちは、所詮捨て駒ってところなんじゃないのかな?」

杏子「…………」

マミ「…………」

QB「キミたちだって、むざむざ捨て駒にされて死にたくはないだろう?」

QB「だからボクは、鹿目まどか、美樹さやか両名の魔法少女化を提案するよ」キュップイ

ほむら「インキュベーダァァァァッッ!!」ズダン!!

QB「」

トコトコトコ

QB「無駄な事だって知ってるくせに。懲りないんだなあ、君も」

QB「代わりはいくらでもあるけど、無意味に身体のストックを潰されるのは困るんだよね」
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 22:37:38.42 ID:6bhkFuzj0
QB「そうだ、穴掘りシモン。キミは元の世界に戻りたくないのかい?」

QB「キミにだっているだろう? キミの帰りを待っている人たちが」

シモン(俺の帰りを待っている人たち… ヨーコ、キタン、ロシウ、ダヤッカ……ニア!!)

シモン「あぁ…」

QB「だったら話は簡単だ。キミが少し協力してくれればいい」

QB「キミはさっきの話をまどかにもするんだ」

QB「そしてこう言えばいい。魔法少女の願いで、ボクを元の世界に戻して欲しい。ってね」キュップイ

QB「彼女の秘めている力ならば、次元の壁を越えるくらい容易いことだろうからね」

ほむら「やめて…お願い、やめて…!」

QB「何より彼女は心優しい少女だ。きっと、人の為に願いを使うことさえ厭わない」

QB「佐倉杏子、かつてきみがそうだったように」

杏子「テメェ… インキュベーダー!!」グッ

QB「やめときなよ。ボクを殺してもどうにもならないことは、たった今実証済みだろ?」
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 22:44:09.23 ID:6bhkFuzj0
QB「そうだ、穴掘りシモン。キミは元の世界に戻りたくないのかい?」

QB「キミにだっているだろう? キミの帰りを待っている人たちが」

シモン(俺の帰りを待っている人たち… ヨーコ、キタン、ロシウ、ダヤッカ……ニア!!)

シモン「あぁ…」

QB「だったら話は簡単だ。キミが少し協力してくれればいい」

QB「キミは…さっきの話をまどかにもするんだ」

QB「そしてこう言えばいい。魔法少女の願いで、ボクを元の世界に戻して欲しい。ってね」キュップイ

QB「彼女の秘めている力ならば、次元の壁を越えるくらい容易いことだろうからね」

ほむら「やめて…お願い、やめて…!」

QB「何より彼女は心優しい少女だ。きっと、人の為に願いを使うことさえ厭わない」

QB「佐倉杏子、かつてきみがそうだったように」

杏子「テメェ… インキュベーダー!!」グッ

QB「やめときなよ。ボクを殺してもどうにもならないことは、たった今実証済みだろ?」
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 22:45:47.93 ID:6bhkFuzj0
間違えて同じ部分投下しちゃいました。すみませんorz
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 22:46:55.44 ID:6bhkFuzj0
シモン「やめろ、杏子!」

杏子「何で止めるんだ!シモン…テメェまさか…」

マミ「シモン君…!?」

ほむら「お願い、だめ…シモン、お願いだから…!!」

シモン「キュウべぇ、お前の言う通りだ。俺にもいるよ。俺の帰りを待ってる大切な人たちが」

QB「だったら話は決まったね」

QB「さぁ、キミの意思が変わらないうちにまどかのところへ行こう」キュプキュプ

ほむら「………エグッ…ヒック…ヒクッ…」

QB「いつまでそこに突っ立ってるんだい?ほら。早く行こう」

シモン「…………ナメんじゃねぇ!!」

ほむマミ杏「」ビクッ!

QB「どういうことだい」

シモン「あぁ、確かにいるよ。俺にだって…守りたい。大切だって思う人たちがな!」

シモン「だがな、ここで…この世界でのダチを見捨てて、俺だけのこのこ帰るなんてできやしねぇ!!」
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 22:49:42.17 ID:6bhkFuzj0
シモン「そんなことをして戻ったところで、俺の、俺が信じる大グレン団のみんなは」

シモン「俺を信じてくれる大グレン団のみんなは、誰一人として喜びやしねぇ!!」

シモン「それに…俺が憧れ続けたあの背中に、追い掛け続けたあの背中に笑われちまうんだよ!!」

ほむら「うぅっ…ヒグッ、シモン…」ポロポロ

QB「せっかくのチャンスを無駄にするなんて。どうかしてるとしか思えないよ」

シモン「うるせぇ!! 知らねぇんだったら教えてやる。知ってるんだったら何度だって言ってやる!」

シモン「それが俺たち大グレン団なんだよ…! それがこの俺、穴掘りシモンなんだよ!!」

マミ「シモンくん…///」

杏子「ヘヘ、お前、大馬鹿野郎だぜ!」ニカッ

シモン「ほむら!」

ほむら「」ビクッ

シモン「知ってる? ドリルってのは、一回転すればほんの少しだけ前に進むんだ」

シモン「お前はこれまで、投げ出しもせず…諦めもせず、何度も何度もドリルを回し続けてきたんだろ?」
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 22:51:25.13 ID:6bhkFuzj0
シモン「だったら…この一回転で、お前を押さえ付ける天井をぶち壊してやれ!」

ほむら「エグ…エグッ…うん… うん…!」ポロポロ

シモン「キュウべぇ」ガシッ

QB「い、言っただろう? ボクに気安くさわ、触らないでほし、ほしいね…」

QB(おかしい、おかしいおかしい。この手に掴まれて、嫌なはずなのにこの湧き上がるようなものは…)

QB(…嫌? 嫌ってなんだろう)

シモン「今のが俺の出した答えだ。俺は…俺の、大グレン団のやり方でこの世界の天井を突き破る!」

QB「まさかキミがここまで愚かな人間だったとはね。…好きにするといいよ」ヨロヨロ…

シモン「あぁ。そうさせてもらう!」

−−−−−−−−−−
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 22:54:07.54 ID:6bhkFuzj0
ほむら「悪かったわね、取り乱して///」ホム

マミ「暁美さんにもあんな一面があっただなんてね♪」

杏子「ま。いいんじゃねーの? ツンツンしてるよか、そっちの方が親近感も沸くってもんだぜ」ニカッ

ほむら「そ、そうかしら///」

マミ「でも驚いたわ。私たちがお互いを傷付けあったりしていた世界もあっただなんて」ブルブル

杏子「で、これから具体的にどうするよ?」

ほむら「ワルプルギスの夜が来るまで、たっぷりとは言えないけれど、幸いまだ時間はある」

ほむら「みんなには、鹿目まどかと美樹さやかが魔法少女にならないようにしてもらいたいの」

マミ「そうね。魔法少女の真実が本当にあれなら…」

杏子「これ以上増やすわけにもいかねーしな」

シモン「俺は…」

ザザ…ガピー…

???『シモン! 聞こえる!? 聞こえていたら返事して頂戴!』

杏子「おい、今のって…!」

シモン「ラガンからだ!」ダダッ
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 22:56:38.64 ID:6bhkFuzj0
シモン「聞こえてるよ! よかった、やっと繋がった…!」

???『あら、成功ね♪ ちょっとアナタ今一体何処にいるの?』

シモン「その声はリーロンか!?」

リーロン「はぁぃ、大正解♪ あ な た の、リーロンよぉ?」

杏子(オカマだ)

ほむら(オカマね)

マミ(あなたの!?)

リーロン『あなたがパトロールしてる最中に、いっきなりグレンラガンの信号がロストしちゃうんだもの。もうみんな大慌て』

シモン「ごめん。俺、実は今、別の世界に来てるみたいなんだ」

リーロン『その点は心配しなくても大丈夫よ。違う世界だろうと、こっちではラガンの信号辛うじて拾えてるからぁ』

リーロン『それにロージェノムが遺していたシステムの解析が進めば、直に帰り方もわかると思うわ』

シモン「助かるよ。でもそのことなんだけど…」

リーロン『あぁん、もう。みなまで言わなくてもわかってるわよ』

リーロン『どうせあなたのことだから、そっちの世界ですぐに帰れない事情でもできたんでしょ?』

シモン「さすがリーロン。適わないや」アハハ

シモン「ところでさっき、ラガンの信号拾ってるって言ってたけど…グレンは分離してそっちにあるの?」

リーロン『そのことなんだけど………』
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 23:01:54.53 ID:6bhkFuzj0


……

………

ほむら「それじゃ、整理するわ」

ほむら「最初に鹿目まどか、美樹さやかが魔法少女になるのを阻止する」

ほむら「次に、シモンが元の世界に帰るために必要な…グレンとやらを探す」

ほむら「最後に、これまで同様の魔女退治」

杏子「魔女退治は、あたし、マミ、ほむらが組めばそうそう危なくなることもないだろうな」

マミ「とはいっても、油断は禁物よ?佐倉さん」

杏子「うぐ…マミに言われると説得力があり過ぎるぜ」

杏子「グレンも、ラガンの時みたいにお前のそのペンダントが反応するのか?」

シモン「わからない」

ほむら「何か手がかりになりそうなものはないのかしら?」

シモン「手がかりかぁ。ラガンよりもずっと大きくて、見た目は赤い鬼みたいなんだ」

シモン「だから。もし目立つところにあるなら、多分騒ぎになるとは思う」

マミ「それなら、私と暁美さんでテレビもチェックしておきましょうか」

ほむら「そうね。ただ、ニュースで取り上げられたりしてしまうと回収が大変そうだわ」
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 23:04:09.32 ID:6bhkFuzj0
シモン「場所さえ分かれば、あとは俺がどうにか操縦して移動させるよ」

ほむら「ええ。お願い」

杏子「一番難しいのは、まどかとさやかのことか…」

ほむら「これに関しては恐らく、インキュベーダーも手を出してくるでしょうからね」

マミ「いっそ、全て話してしまうのはどうかしら?」

ほむら「場合によってはそれも仕方ないわね。でも、美樹さやかに話す時はくれぐれも気をつけて欲しいの」

ほむら「私がこれまで経験した時間軸では、彼女はこの中で一番魔女になる可能性が高いから」

マミ「……ええ。気をつけておくわね」

杏子「わかった」

シモン「…………」

ほむら「どうしたの、難しい顔して」

シモン「なんかさ」

ほむら「?」

シモン「お腹すかない?」グキュゥ-

ほむマミ杏「」
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 23:07:55.57 ID:6bhkFuzj0
ここで折り返し地点くらいですので、少し休憩入れてきます。
だいぶ長くなってしまって反省orz
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/31(土) 23:28:31.56 ID:56QeMmFDO
面白いよー
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/03/31(土) 23:38:21.73 ID:nNRzQfUZo
頑張ってくれC

96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/31(土) 23:46:13.93 ID:GDwthRzSo
シモンはやっぱかっこいいな
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 23:47:22.94 ID:6bhkFuzj0
戻りました。
皆様お付き合いいただいてありがとうございます。

それでは再開します

98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/03/31(土) 23:48:35.47 ID:6bhkFuzj0
−−−−−−−−−−

−ラーメン屋−

ほむら「で。何でラーメンなのよ」ズルルルル

シモン「歩いてる時にこの建物からすっごいいい匂いがしてたから、一度入ってみたいな〜って思ってたんだ」タハハ

杏子「あたしは好きだぜ? ラーメン!」ズルルルルー ズルルルッ

マミ「たまには悪くないわよね♪」ハフハフ

杏子「しっかしすげぇよな。魔法少女三人に異世界人が、同じテーブルでラーメン食ってるってのもさ」

シモン「今度はさ。まどかとさやかも連れてこようよ」ズルルッ ズルズル…

ほむら「悪くないわね」

杏子「ところでさ、あたし金もってねーんだけど」ズルズル

ほむら「……いいわよ。今日は私があなたたちの分、ご馳走してあげる」

シモン「ありがとう、ほむら!」

杏子「お!マジで!? やっりぃ! おじさーん、餃子と炒飯も追加で!大盛りな!」

シモン「あ、俺もそれ食べてみたい!」コッチモ
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 23:50:47.01 ID:6bhkFuzj0
ほむら「あなたたちねぇ…少しは遠慮ってものをしなさいよ」

マミ「ふふ。私も半分出すわね」

ほむら「いいのよ、巴マミ。気にしないで頂戴」

マミ「暁美さん、最初に会った時に比べるとだいぶ変わったんじゃないかしら」

ほむら「…………」

ほむら「そうかも知れない。でも、不思議と嫌な気分はしない」

ア! ワタシノチャーシューカエシテヨ!!

エエ! マミ,ノコシテルカラタベナイノカト

サイゴニタベヨウトオモッテタノー!!

モウウバウシカナイジャナイ!!

コノチャーシューハワタサナイワヨ

−−−−−−−−−−
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 23:54:37.55 ID:6bhkFuzj0
−翌日−

さやか「おっはよー♪ まどか、仁美、シモ………どうしたのさ、その顔」

シモン「おはよう、さやか…」ヒリヒリ

まどか「昨日あの後、おそー…くまで帰ってこなくって。で、ママにどやされた上に…」

仁美「きつぅーいお仕置き、だそうですわよ?」

さやか「あーらら…」

まどか「でも、それだけママもシモンくんのこと心配してるってことだよ?」

シモン「うん。わかってる。わかってるんだけど…あのビンタは効いたなぁ」ヒリヒリ

仁美「学校についたら、鹿目さんと一緒に保健室で湿布をもらってはいかがでしょう?」

まどか「そうだね、ちょっと痛々しいもんね」ウンウン

グラグラグラ…

シモン「地震…!?」

仁美「………おさまったみたい、ですわね?」

まどか「怖いなぁ」
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/03/31(土) 23:59:51.10 ID:6bhkFuzj0
−放課後−

シモン「あれ? 今日はさやか先に帰っちゃったの?」

まどか「うん。今日はね…」

シモン「?」

まどか「マミさんも魔法少女体験はもう終わりって言ってたし… シモンくん、良かったら帰りにどっか寄ってみる?」

シモン「うん。そうしようかな」

シモン(あれから…まどかのそばにキュウべえの姿は見えないけど、諦めたとは思えない)

テクテク

まどか「それじゃぁどこに寄り道しよっか?」

シモン「ねぇ、まどか。この辺で…どこか見晴らしのいい場所ってないかな?」

まどか「見晴らしのいい場所?」

シモン「うん。見滝原って街の全体を一度見てみたいんだ」

シモン(これでグレンの場所がわかればいいんだけど)

シモン(あ、コアドリルの反応…もしかして近くにグレンが!?)
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 00:07:28.79 ID:MrMvrdZ20
シモン(いや、違う!この反応は…!)

まどか「うーん…それってどこがいいかなぁ…… あれ? 仁美ちゃん?」

まどか「仁美ちゃ〜ん。今日はお稽古事…ぁ」

まどか「シモンくん、今の印…!」

シモン「印?」

まどか「どうしよう、あれ…あの印、魔女に目を付けられた印だって、マミさんが…」

シモン「やっぱり、近くに魔女がいるのか…!」

まどか「私、仁美ちゃんを止めてくる! シモンくんはマミさん達に連絡お願い!」

シモン「まどか! …俺もみんなを呼びながら追い掛けないと」

prrrrrrrrr…

マミ『あら、シモンくん。グレンは見つかった?』

シモン「もしもし、マミ! 魔女が出た…!」

シモン「場所は…えっと…」(しまった、俺、この場所なんて伝えればいいのかわからない!)

マミ『落ち着いて。何か目印になるようなものはないかしら?』

シモン「目印、目印… あった! 池みたいな場所で、水が流れる柱が何本もあって…」

マミ『ありがとう、それだけわかれば十分よ!』

マミ『そうだわ、もしかしたらキュウべぇが鹿目さんに契約を持ちかけるかも知れないから、鹿目さんの傍にいてあげて!』

シモン「わかった!」
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/04/01(日) 00:12:13.14 ID:MrMvrdZ20
タッタッタ…

まどか「仁美ちゃん! お願い…少し、少しの間だけでいいから止まって!」

仁美「あら、鹿目さん、御機嫌よう」

まどか「こ、こんばんは… ねぇ仁美ちゃん、私と少しお話しようよ? ね?」

仁美「うふふ。お誘いは嬉しいのですけれども… 私、行かなければなりませんの」

まどか「行くって…どこ、に…?」

仁美「どこって、それは…ここよりもずっといい場所、ですわ」

まどか「仁美ちゃん…」

仁美「ああ、そうだ。鹿目さんもぜひご一緒に」

仁美「ええそうですわ、それが素晴らしいですわ」

シモン「止まれ! 仁美!」

まどか「シモンくん!」

シモン「まどか! そっちの腕、引っ張って!」

まどか「う、うん…!」

ズル… ズル…

シモン「なんて…馬鹿力だ!」

まどか「そんな、私たち二人を引っ張るなんて…!」
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/04/01(日) 00:14:53.74 ID:MrMvrdZ20
ズル… ズル…

シモン「こんのおおぉぉぉぉ!!」ググググッ

まどか「仁美、ちゃ…んんんんっ!!」グググッ

仁美「うふふふ……」

ズルッ… ズルッ…

仁美「うふふふふ… うふふ、ふ… うふ…?」

仁美「…………」パタン

まどか「仁美ちゃん…?」

prrrrrrr…

まどか「ほむらちゃんからだ!」

ほむら『お待たせ。今、魔女は消滅させたわ』

ほむら『鹿目まどか、そっちにキュウべぇはいるかしら?』

まどか「えっと…近くにはいないよ? そういえば昨日の夜から見てないなぁ…」

ほむら『そう、それなら…………美樹さやか!? あなた、どうして…!!』

まどか「あれ? さやかちゃんそっちにいるの? え、あれ…どうして…?」
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 00:15:52.56 ID:MrMvrdZ20
ほむら『そこにシモンはいるかしら?』

まどか「うん… うん… シモン君、ほむらちゃんから。代わってって」ハイ

シモン「ありがと。…ほむら?」

ほむら『迂闊だったわ。キュウべぇはまどかを優先して魔法少女にするとばかり思ってた…』

シモン「まさか…」

ほむら『美樹さやかが魔法少女になったのよ』

シモン「そんな…さやかが!?」



QB「無駄だよ暁美ほむら。シモン。キミたちがどう足掻こうと、ボクまどかを魔法少女にしてみせる」キュププ
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/04/01(日) 00:22:44.30 ID:MrMvrdZ20
−朽ちた教会−

マミ「やられたわね…」

杏子「インキュベーダーの野郎…!!」ガンッ!

ほむら「やめなさい、佐倉… 杏子」

ほむら「…魔法少女になってないのがまどか一人になった分、守りやすくなったという考えもできるわ」

マミ「こういう言い方は良くないのだけど。美樹さんを戦力として期待できるってことでもあるわね」

杏子「クソッ!!」

シモン「なぁ、ほむら。前に魔法少女のことを話してくれたとき、キュウべぇには感情がないって言ってたよね?」

ほむら「ええ」

シモン「俺の思い過ごしかもしれないんだけど… キュウべぇは、俺たちが苛立つようなことを仕掛けてきてる気がするんだ」

シモン「初めて会った時から、俺に対しては嫌味ばっかり言うし… 昨日の夜だって、今日のさやかのことだって」

ほむら「もしインキュベーダーに感情が生まれたのだとしたら、そういった行動をとるのも頷ける」

ほむら「嘘をついたり、口八丁に相手を誘導したり。或いは相手の神経を逆撫でしたり」
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/04/01(日) 00:25:04.80 ID:MrMvrdZ20
ほむら(まどかが心配だわ…)

杏子「そうだ。その話とは全く関係ないんだけどさ…」スッ

マミ「あ、私も」スッ

ほむら「これのことね」スッ

シモン「これって、ソウルジェムだっけ?」

シモン「キラキラしててとっても綺麗だ」

杏子「今日の魔女退治、三人ともそれなりに力を使ったはずなんだけど」

杏子「この前のマミのときと同じように、今回は三人ともジェムの濁りがほとんどないんだよな」

ピピッ

リーロン『それについてはワタシが説明してあげちゃ〜う♪』

杏子「おわぁ!? こ、この前のオカマか!?」

シモン「リーロン!…ラガンの通信、つけっ放しだったっけ」

マミ「ご、ごめんなさい…さっき私が…」タラー

シモン「いや、いいんだ。怒ってるわけじゃないから」

リーロン『アタシなりに色々調べたんだけどね、こちら側の世界には螺旋力ってエネルギーがあるのよ〜』

シモン「螺旋力?」
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/04/01(日) 00:28:01.45 ID:MrMvrdZ20
リーロン『そ。どうやらロージェノムは何らかの理由でそれを研究して…螺旋力を持たない獣人を創り出してたみたい』

シモン「どういうこと?」

リーロン『ざぁんねん、理由はまだわからないわ。でもね… 彼の言葉を借りれば、こちら側の世界でいう人間は螺旋族って呼ばれていたらしいの』

ほむら「ひょっとして…あなたたちの世界の人間が持つ特有のエネルギーが、螺旋力…?」

リーロン『あら、誰だか知らないけどご明察ぅ♪』

リーロン『もっとも、この世界の人間特有なのか…そっちの世界の人間にも多かれ少なかれあるのかは、分からないのよねぇ』

リーロン『話を戻すわね。その螺旋力っていうのは、どうやら人の心に影響を受けるみたいなのよ』

杏子「人の…心?」

リーロン『そうよ。例えば…すっごく楽しい気分の人って、周りの人までハッピーな気持ちにさせたりするじゃなぁい?』

リーロン『それと同じってワケね。さっきそっちの誰かが教えてくれたんだけどぉ… あなたたちの持ってるソウルジェムってものは、言わば…』

リーロン『人の気持ちとか、タマシイとか…そういったものの集合体。シモンがとてつもない螺旋力を秘めているんだとしたら』

リーロン『ひょっとしたらそれに影響されたのかもしれないわね♪』
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/04/01(日) 00:32:24.62 ID:MrMvrdZ20
マミ「シモン君の傍にいたことで、私たちのソウルジェムに良い影響があったということかしら」

シモン「俺が?いま一つ実感わかないや」

リーロン『あくまで可能性の一つとしての話よ?』

リーロン『つまりぃ。シモンの勇気とか前向きな気持ちに影響されちゃうと、ソウルジェムに溜まってるもやもやも吹き飛んじゃう〜ってこと♪』

ほむら(彼の心の昂ぶりが、私たちのソウルジェムの穢れを…)

マミ「文字通り、心が躍るってことなのね」

リーロン『もしかするとソウルジェムの表面に、汚れに強い抗菌加工でもオマケされてるかもしれないわねぇ』

ほむら「そんなエネルギーが… 凄い…」

リーロン『だーかぁーらぁー…あくまで可能性よ? 可能性ぃ』

リーロン『それから、そのインキュベーダーって生き物の感情についても同じことが言えるわね』

リーロン『もともと無感情だったのが、シモンの螺旋力に影響されて』

シモン「何らかの変化を起こした…?」

リーロン『そゆことぉん♪』

リーロン『ついでに言うと、螺旋エネルギーはラガンの動作にも関係してるみたいだからぁ…』

リーロン『今なら、前よりもラガンの出力が上がってるはずよぉ?』
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/04/01(日) 00:36:25.55 ID:MrMvrdZ20
シモン「そうか、わかったよリーロン。ありがとう!」

リーロン『ふふ。頑張りなさいよシモン♪ そ〜れじゃ、また何か分かったら連絡いれるわぁん』

リーロン『以上、あなたたちのリーロンで・し・た♪』

杏子「あなたたち…になってやがる」



シモン「そっか…俺にそんな力があるかもしれないのか」

杏子「あたしは、前々からシモンはタダもんじゃないって思ってたぜ?」ヘヘッ

マミ「もう、調子いいんだから」クス

ほむら「このことが、少しでも勝機に繋がるといいんだけど」

ガサッ…

ほむら「インキュベーダー!?」

???「違うよ」

???「キュウべぇだと思った?残念、さやかちゃんでした!」フラァ

ほむら「あなた…一体どうしてここに!」

さやか「実はさぁ。わたし…聞いちゃったんだ。今さっき。キュウべぇから」アハ

杏子「アイツ何のつもりだ!」
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 00:41:41.91 ID:MrMvrdZ20
さやか「魔法少女のこと。魔女のこと。全部、全部、全部、ぜーんぶね」アハハハハ

ほむら「そう」

さやか「酷いよねぇ。わたし、もう人間じゃないんだよ?」シュン

さやか「なんでだよ…」ギロッ

ほむら「…………」

さやか「知ってたんだったら、なんでわたしに教えてくれなかったんだよ、暁美ほむらあぁぁぁ!!」ガシッ

ほむら「離しなさい、美樹さやか」

さやか「こんな身体になっちゃって…わたし、どんな顔して恭介に会えばいいのよ!!」

さやか「あんたの…あんたのせいだ。あんたのせいだ」ブツブツ

さやか「まぁいいや。今日はそれを言いに来ただけなんだ」フッ

さやか「便利だよねぇ、この身体。無理すれば、痛みも感じないだなんてさ」

さやか「安心してください、先輩方」

さやか「これからは見滝原市の平和はこの魔法少女さやかちゃんが、ガンガン守りまくっちゃいますからね」アハハ

さやか「それじゃぁ、さようなら」タッタッタ…
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 00:44:14.39 ID:MrMvrdZ20
ほむら(まずいわ…美樹さやかの心が大きく崩れている)

杏子「さやか、アイツ…なんで!なんでだよ!!」

ほむら「美樹さやかには、上条恭介という幼馴染がいるの」

ほむら「クラスも同じなのだけど…彼は事故に遭って以来、ずっと入院しているわ」

ほむら「上条恭介の夢はバイオリニスト。でも、彼の左腕はもう動かない」

ほむら「動かない…はずだった」

マミ「願い、ね?」

ほむら「ええ」

ほむら「美樹さやかは、上条恭介の左腕と引き換えに魔法少女になった」

杏子「誰かの為の願い… あたしと同じじゃねーか。なのに」

シモン「なあ、ほむら。さやかのあの状態だと、魔女化ってのはすぐに始まるのか?」

ほむら「彼女のソウルジェムを目の当たりにしたわけではないから、なんとも言えないわね」

シモン「そうか…」
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 00:46:24.60 ID:MrMvrdZ20
マミ「美樹さんは私が話をしてみる」

マミ「暁美さん、あなたは鹿目さんにこれまでの真実を全て話した方が良いと思うの」

ほむら「巴マミ…」

杏子「そういうことならマミ。あたしもあの馬鹿のところに一緒に行くよ」

マミ「ありがとう。でも佐倉さんは優しいし、心配してすぐムキになっちゃうから…気をつけないとダメよ?」

杏子「う、うるせぇ!///」

ほむら「二人とも…ありがとう」ペコ

シモン「ほむら、一人で大丈夫かい?」

ほむら「ええ。まどかの方は大丈夫。私が…絶対に魔法少女にはさせないから」グッ

シモン「わかった。なら俺もさやかのところに一緒に行くよ」

ほむら「ならあなたたちに、美樹さやか、上条恭介、志筑仁美のことについて話しておくわ」

シモン「仁美も?」

ほむら「ええ。志筑仁美も、美樹さやかが魔女化する要因の一つ」

………

……

114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/01(日) 00:46:34.51 ID:Vz9qsjuDO
笑えるぐらいさやかちゃんが末期にwwwwww

さやかちゃん……
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 00:50:02.59 ID:MrMvrdZ20
杏子「親友と同じ人を好きになって、しかもその好きになった相手が幼馴染、か」

シモン(俺も…あの時、ヨーコとアニキのことを…)

ほむら「これまでの彼女はその優しさゆえに、自身の中で葛藤し、徐々に心を蝕まれていったの」

ほむら「杏子、ひょっとしたらあなたのところに美樹さやかがくるかも知れないけど…決して戦ってはダメよ」

杏子「わかってるよ。何よりあたし自身、アイツとは戦いたくない」

杏子「あの大馬鹿野郎を絶対魔女なんかにさせたりしねぇ!」

シモン「そうだ、詢子に連絡しておかないと。遅くなったらまた心配かけちゃう」

マミ「いえ、今日はここまでにしておきましょう」

マミ「美樹さんがすぐにまた接触してくるとも考えにくいし、私たちも心と体をしっかり休めておかないと」

ほむら「賛成よ」

杏子「そうだな。心に余裕を持つのが大人のオンナってやつだしな!」

マミ「もう、佐倉さんったら」クス

マミ「そうだ、佐倉さん。もし良かったらしばらく私のうちに来ない?」

杏子「え。いいのかよ!?」
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/04/01(日) 00:53:23.31 ID:MrMvrdZ20
マミ「当たり前よ。私たちもう…ダチ公、でしょ?」ビシッ

杏子「」

シモン「」

ほむら(巴マミ。あなたもまた変わりつつあるのね…)

杏子「ぶはははは! 何だよそれ、シモンの真似のつもりかぁ?」ケラケラ

マミ「そうよ?アレ、違ったかしら?」ウーン

シモン「え、ええ…俺、そんな風に見えるのかなぁ」オロオロ

ほむら「ところでシモン、あなたのラガンはどうするつもり?」

シモン「俺、まどかとまどかの家族に話してみようと思う」

ほむら「それは、あなたの境遇も含めてってこと?」

シモン「うん」
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/04/01(日) 00:54:52.39 ID:MrMvrdZ20
ほむら「鹿目家の人たち…ね。でも、果たして信じてもらえるのかしら」

シモン「わからない。けど、そろそろ俺の口からちゃんと話しておきたいんだ」

シモン「もしダメだったら、その時はまた考えるよ」ニコ

杏子「なあ、そしたらその時はお前もマミん家に来いよ!」

マミ「え…///」

杏子「なんだ、マミ。嫌なのか?」

マミ「そ、それは…シモンくんは男の子だし、ね、ほら」アタフタ

ほむら「…顔が真っ赤よ?」

マミ「〜〜〜………!!」

マミ「もう…ティロ・フィナーレ!!」ズドーン!

シモン「何で俺なのおぉぉ!?」ドカーン!
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 01:01:27.08 ID:MrMvrdZ20
−鹿目家前−

ガション ガション ガション…

シモン「ありがとう、ほむら。助かったよ」

ほむら「お安い御用よ。それにあなたの知ってる表通りでは、そんなもの動かしていたら目立ってしまうでしょうから」

シモン「ほむらは…まどかに会っていかないの?」

ほむら「ええ。私の話は明日にしておこうと思っているの」

ほむら「言い忘れたけど、もしもインキュベーダーが現れたら、その時は思いっきり掴んでやるといいわ」

ほむら「あのオカ…彼、いえ…彼女……どっちでもいいわ。リーロンという人の話しから推察するなら」

ほむら「あなたの力の影響を受けさせることで、怯ませるくらいはできるはず」

シモン「わかった。それじゃぁ…明日また学校で!」バイバイ

ほむら「あなたの話しが上手くいくことを願っているわ」フリフリ

ほむら「またね、シモン」スタスタ

シモン(よし、とりあえずラガンは庭の端っこにでも移動しておいて…と)

ガション ガション

シモン(杏子のくれた雨避けシートを掛けておけば、少しは目立たないかな)バサッ

シモン(穴だらけだった…)
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 01:04:27.76 ID:MrMvrdZ20
ガチャ…バタン

シモン「ただいまー!」

知久「おかえり、シモン君」

タツヤ「おあえりー しもん!」

シモン「ただいま、知久、達也」

知久「悪いけどシモンくん。もうすぐ夕食だからそれまでの間、達也の面倒見てやってくれないかな?」

シモン「うん。わかったよ」

シモン「おいで達也。手を洗ってくるから、俺と一緒に遊ぼうか」

シモン「そうだ、まどかは?」

知久「部屋で勉強してると思うよ」ジュージュー

シモン「そっか、ありがとう」

ワー キャッキャッ

ガオー! カイジュウダゾー

ビーム! ビーム!

ヤーラーレータァー

ドタンバタン
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/04/01(日) 01:06:12.89 ID:MrMvrdZ20
知久「二人とも、そろそろ晩ごはんだから食器並べるの手伝ってくれるかい?」

タツヤ「あーい」カチャカチャ

シモン「うん」カチャカチャ

知久「まどかー 晩ごはんできたからおいでー!」

タツヤ「まろかー」キャッキャッ

………

シモン「こないね」

知久「食器並べ終わったら、呼んできてくれるかな?」

シモン「食器はこれでよし…と。達也、一緒にお姉ちゃん呼びにいこっか?」

タツヤ「あい!」テテテ

知久(達也はすっかりシモンくんに懐いてるみたいだ)

知久(もしまどかが男の子だったら、あんな感じだったのかな)ウンウン


コンコン

シモン「まどかー 知久が、晩ごはんできたって」

…………

シモン「寝てるのかな?」

タツヤ「まろかー」ガチャ

シモン「あ。こら達也、お姉ちゃんの部屋勝手に開けちゃ…」

QB「やあ」
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/04/01(日) 01:10:20.86 ID:MrMvrdZ20
まどか「…………」

シモン(コイツ…!)

シモン「達也、俺の傍から離れるなよ!?」

タツヤ「?」キョトン

QB「おっと、安心していいよ。その子には何もしないから」

QB「ボクの興味はまどかだけだからね」キュププ

QB「それに、今日は他愛ない話をしにきただけなんだ」

シモン「お前…まさか!」

QB「どうだった、まどか? ボクの話した異世界人と時間遡行者、それに…魔法少女の真実の話は」キュップイ

タツヤ「まろかー なかないれー」ナデナデ

QB「そろそろ食事なんだろう? 邪魔者はこれで退散するとしよう」スタスタ

シモン「待て、キュウべぇ!」

QB「おっと、キミに掴まれるわけにはいかないな」ヒラリ

QB「あはははは。それじゃぁね、シモン。まどかを魔法少女にしないように、せいぜい頑張ってみるといいさ」スタスタ
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/04/01(日) 01:13:32.45 ID:MrMvrdZ20
シモン「まどか…!」

まどか「…………」

まどか「…………わたし、どうしたらいいの」

タツヤ「まろかー」


知久「まどか、なんだって?」

シモン「今はあんまり食欲がないみたい。後で食べるって」

知久「そうか、それじゃぁ僕達で先に食べてようか」

シモン「その前に俺、ちょっと電話してきます」

シモン(ほむらに伝えないと…)

prrrrrrrrr…

ほむら『もしもし。どうしたのかしら?』

シモン「キュウべぇが…まどかに全てを話した」

ほむら『…………そう。まどかの様子は?』

シモン「今は多分混乱してる…と思う。いや、落ち込んでもいるかな」

ほむら『おおかた、私たちの間を引っ掻き回してそこに付け入るつもりでしょうね』
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/04/01(日) 01:20:20.95 ID:MrMvrdZ20
ほむら『でも、想定内よ』

シモン「わかった。ほむらが冷静で安心したよ」(声が震えてる。無理してるんだろうな)

ほむら『私もあなたに影響されたのかしら。こんな時でも前向きに考えようとするようになってしまったの』

シモン「ほむら…」

ほむら『必ず救いましょう。美樹さやかも、まどかも』

シモン「当然だ!」


シモン「ごちそう様、美味しかったよ!」

タツヤ「ごいようやぁま!」ペコッ

知久「好評で嬉しいよ。おそまつさまでした」

シモン「ねぇ、知久。詢子が帰って来たらさ、みんなに話しがあるんだ」

知久「…大事な話のようだね。わかった。温かいお茶でも飲みながら、まどかも呼んでみんなで聞こう」

タツヤ「たっくんもぉ!」

シモン「達也も一緒に聞いてくれるのか? ありがとう」ナデナデ

−−−−−−−−−−
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/04/01(日) 01:22:57.30 ID:MrMvrdZ20
…コンコン

詢子「まどか出ておいで。シモンからみんなに大事な話しがあるそうだ」

まどか「わたし…聞きたくないよ」

詢子「あんたに何があったかは知らない」

詢子「でもね。そうやっていつまでも耳を塞いで、何か変わるのかい?」

まどか「…………」

まどか「…………」

ガチャ

詢子「さ、おいで。アイツの大事な話、あたしたちでしっかり聞いてやろうじゃないか」ポフ

まどか「ママ…」

コツコツコツ…

詢子「待たせたね、シモン」

知久「さぁ、ママもまどかも。お茶が入ったから召し上がれ」

タツヤ「zzz…」

知久「達也、さっきまでシモンくんの話を聞くんだって、がんばって起きてたんだけどね」

シモン「いいんだ」

まどか「…………」

シモン「…実は俺、この世界の人間じゃないんだ」
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/04/01(日) 01:27:46.64 ID:MrMvrdZ20


……

………

詢子「驚いた。そんな話されても、はいそうですか。とは信じ難いな」

まどか「…………」

知久「僕達の暮らしているこの世界以外にも別の世界があって、そこにも人が暮らしているってことか」

詢子「獣人。ガンメン。兄弟の死。それに敵の親玉との対決。あんたの話しが本当なら、その歳で随分苦労してきたんだね」

まどか「わたし…わたしも信じられないよ。シモンくんが他の世界の人だなんて…」ボソ…

シモン「まどか…」

シモン「みんな、見て欲しいものがあるんだ。こっちに来て」

ガララッ

ザアァァァ…

詢子「…降り出しちまったか」

シモン「濡れちゃうからみんなはそこにいて」

詢子「ん? 庭の隅の…なんだい、あれ」

バサァッ…

知久「でっかい…顔、かな?」
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/04/01(日) 01:31:23.22 ID:MrMvrdZ20
まどか「…それが、ガンメン?」

カチッ

ガション ガション ガション

詢子「へぇ…動くのかい。たいしたもんだね」

シモン「ごめん、勝手に庭に持ち込んで」

詢子「本当なんだな」

知久「こんなの見せられたら、そう信じるしかなさそうだね」

まどか「じゃぁ、キュウべえの言ってたことも…ほむらちゃんのことも…」ボソ…

シモン「あぁ」コクリ

詢子「事情はわかった。んで…シモンはこれをあたしたちに伝えて、どうしたいんだい?」

シモン「あ、俺…これをちゃんと自分の口から伝えたかっただけで」

シモン「その先までは考えてなかった…///」

知久「ぷっ、はははは。そういうところはシモン君らしいね?」

詢子「そうか。なら、どうもすることなんてないさ。何も変わりゃぁしない」

シモン「?」

詢子「例え異世界人だろうが地底人だろうが、あんたはもうあたしらの家族も同然なんだよ」

詢子「そういうわけだから、あんまり親に心配掛けんじゃねーぞ? ガキんちょ」クシャクシャ
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/04/01(日) 01:34:24.02 ID:MrMvrdZ20
知久「すっかり濡れてしまったね。シモンくん、たまには僕と一緒にお風呂でも入ろうか」

知久「キミの世界のこと。仲間のこと。兄弟のこと。是非聞かせて欲しいな?」

シモン「詢子… 知久…」

まどか「…………」

詢子「浮かない顔だね、まどか」

詢子「あんたはシモンのことが嫌いかい?」

まどか「そんなこと…ない…」

詢子「だったら顔を上げな。どこの世界の人間だろうが…いや、宇宙人だろうが何だろうが、シモンはシモンさ」

詢子「ひたすら前向きで、元気が良くて、あたしに引っ叩かれて涙目になって」

知久「どっか抜けてて、服を泥だらけにして帰って来て… それでいて小さい子の面倒見が良い」ウンウン

詢子「あたしたちの大事な家族だよ」

まどか「ママ… わたし、わたし…!」ジワッ

詢子「ったく、なーんであんたが泣くんだい。そこはシモンが泣くところだろ!?」ズビシッ

シモン「あはは、俺、嬉しいよ」

シモン「こういうの、あんまり知らないから…なんだかとっても!」
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 01:36:29.19 ID:MrMvrdZ20
−−−−−−−−−−

ほむら『そう、そっちはうまくいったのね』

シモン「うん。ほむらのことについては、まどかはまだ悩んでるみたいだけど」

ほむら『なら、次は私の番』

シモン「ほむらならきっと大丈夫だよ」

ほむら『不思議ね。あなたにそう言われると、自分でもそんな気がしてくる』

−−−−−−−−−−
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 01:40:23.37 ID:MrMvrdZ20
区切りが良いので、今夜はここまでにしておきます。

遅くまで見ていただいた方、ありがとうございました。
明日は午前中からぽつぽつ投下してると思います。
最後まで突っ走れると良いのですがw

それではおやすみなさいませ
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/04/01(日) 01:42:23.56 ID:r6HmcHaLo
乙カレー
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/01(日) 01:50:49.93 ID:vKmKcdZDO
お疲れ様!
って言うかインフルなんだよな!?マジで洒落にならないから!休んだ方が良いんじゃないか!?
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/01(日) 07:48:52.68 ID:9ubXkrSHo
やべえ激乙
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 10:19:51.66 ID:MrMvrdZ20
おはようございます。ぐっすり休んで熱も平熱に!
ご心配お掛けしました。

それでは投下再開します。
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 10:21:34.91 ID:MrMvrdZ20
−翌日・放課後−

prrrrrrrr



……

………

ほむら『…まどかから言われたわ。どんなに時間を繰り返していようと、お互い違う時間を生きていようと』

ほむら『私にとってのほむらちゃんは、今、目の前にいるほむらちゃんなんだよ。って』

シモン「その様子だと」テクテク

ほむら『心配掛けたわね。私の方ももう大丈夫よ』

シモン「よかった」テクテク

シモン「キュウべぇは?」

ほむら『今のところこちらでは見かけてないわ』

ほむら『このままずっと大人しくしてくれると良いのだけど』
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 10:26:26.44 ID:MrMvrdZ20
シモン「でもそれは」

ほむら『わかってる。私がまどかの信頼を得た今、きっとアイツが次に仕掛けてくるとしたらそれは』

シモン「決戦当日、か」

ほむら『ええ』

ほむら『ところであなたの探し物は見つかったのかしら?』

シモン「リーロンの話だと、ラガンの近くに転移してる可能性が高いって言ってたから…近いうちに、またあの教会の近くを探してみるよ」

ほむら『そう。手が空いてれば手伝うから、その時は連絡を頂戴』

シモン「ありがと。手伝ってくれると助かr

シモン「……コアドリルが。この反応は魔女だ!」

ほむら『場所は? すぐ向かう』

シモン「ほむらは、今日はまどかと一緒にいてあげて。魔女は俺たちで何とかするから…!」

ほむら『危険よ!』
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 10:28:52.86 ID:MrMvrdZ20
シュタッ

シモン「あ…」

杏子「携帯貸せよ、シモン」

杏子「よう、ほむら。それはあたしたちじゃ頼りないってことかい?」ニヒヒ

ほむら『佐倉杏子?』

マミ「暁美さん、私もいるわよ?」

ほむら『巴マミ…』

杏子「魔女が出た以上、グリーフシード欲しさにさやかも来るかもしんねーしな」

杏子「この前みてぇに…あたしら全員が片方に行ってる間に、インキュベーダーに裏掻かれるのも癪だしさ」

杏子「お前にはまどかを頼みたいんだ」

ほむら『佐倉杏子、あなた…』

杏子「って、マミが言ってた」

ほむら『はぁ…わかったわ。でも、くれぐれも無理はしないで』

杏子「まかせとけって!」
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 10:30:36.96 ID:MrMvrdZ20
ほむら『はぁ…わかったわ。でも、くれぐれも無理はしないで』

杏子「まかせとけって!」

ほむら『あ…ちょっと待って』

杏子「あん?」

まどか『もしもし!私、ほむらちゃんから全部聞いたよ!魔法少女のことも、魔女のことも』

まどか『だからお願い。さやかちゃんを…さやかちゃんを助けて…!!』ポロポロ…

マミ「鹿目さんを泣かせたりして。美樹さんには、後でたっぷりお説教しないといけないわね」

杏子「おう、あたしたちを誰だと思っていやがる!ってな?」

シモン「行こう。マミ、杏子!」
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 10:35:24.54 ID:MrMvrdZ20
−魔女の結界内−

マミ「何よこれ、ズタズタじゃない」

杏子「さやかのヤツがやったんだ…」

マミ「こんな滅茶苦茶な戦い方をするなんて」

シモン「もしかして、もう魔女も倒されてるってことは?」

マミ「多分それはなさそう。魔女が消えれば結界も消えるし、シモン君のペンダントもまだ反応してるでしょ?」

シモン「うん」

杏子「そうと決まれば急ごうぜ」

タッタッタ…


杏子「いた、あそこだ!」

さやか「あははは! ホントだ。キュウべぇの言ってた通りだ!」

さやか「その気になれば痛みなんて…あはは。完全に消しちゃえるんだ!」

ズバシュッ! ズバッ…ザシュッ!

マミ「なんて戦い方を…」

杏子「あのバカ野郎、見てるこっちの方が辛くなるじゃねぇか!」
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 10:40:05.25 ID:MrMvrdZ20
さやか「やり方さえ分かっちゃえば簡単なもんだね。これなら負ける気がしないわ」ズバンッ!!

魔女「」

さやか「ふう、一丁上がり」

カランコロン…

さやか「なぁんだ。今頃きたんだ?」

さやか「遅かったじゃないですか、先輩方」ヒョイ

さやか「これ、あげますよ。私にはもう必要のないものだから」ポイッ

杏子「さやか、お前…!」

マミ「美樹さんのソウルジェム、あんなに濁って…!」

マミ「いい加減にしなさい! 美樹さん、あなた…このままじゃ魔女になっちゃうのよ!?」

さやか「アハハ、そうですね」

さやか「でも、それもいいかもしんないなぁ」

さやか「せっかく…せっかく恭介の腕を治せたと思ったら、今度は私自身が人間じゃなくなっちゃって」

さやか「笑っちゃうよね。これじゃあまるで…わたし、ゾンビみたいなもんじゃないですか」ウルッ

さやか「聞きましたよ、この身体。心臓が破れても、ありったけの血を抜かれても」

さやか「魔力で修理さえすれば、すぐまた動くようになるんでしょ?」
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 10:43:43.32 ID:MrMvrdZ20
マミ「………」

杏子「………」

シモン「さやか…」

さやか「なんなのよ、これぇ!! マミさんも…杏子も、わたしも…これじゃぁただの化け物じゃない!!」

さやか「わたしね、恭介のこと好きだったんです」アハ…

さやか「でも、もうアイツのことを好きでいられる資格なんてない」

さやか「だってわたし、もう死んでるもん。ゾンビだもん」

さやか「こんな身体で抱き締めてなんて言えない。キスしてなんて言えないよ…」ザシュッ!!

杏子「やめろ、さやか!!」

マミ(美樹さん…自分で自分の身体を刺すなんて…!)

さやか「ほらね、痛みもないんです」アハハハハハハ

さやか「こんな、こんな身体で一体どんな顔してアイツに会えばいいって言うんですか!?」ポロポロポロ

さやか「だったら。だったらいっそ魔女になって… こんな世界ぜんぶ、何もかも壊してやる」
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 10:50:16.78 ID:MrMvrdZ20
シモン「さやか」

さやか「何だよ異世界人」

さやか「あんたはいいよね? わたし達と違って、ちゃぁんと血の通った身体があるんだからさ」

さやか「あんたなんかさっさと元の世界に帰っちゃえばいいんだ」

さやか「キュウべぇが言ってたよ。あんたさえいなければ、この世界はうまく回ってたかもしんないって」ギロ

杏子「おい…お前!」

さやか「そうだよ。あんたさえ…あんたさえいなければ!!」

ザシュッ!!

シモン「…………う、ぐぁっ…!!」

さやか「痛い?ねぇ、痛い?腕を貫かれて…痛いでしょ?」

さやか「良かったよねぇ。それはあんたがまっとうな人間だって証なんだからさ!」

さやか「あは、あはははははは! 何でそんな顔してるのさ!? もっと喜ぶべきなんじゃないかなぁ!」

さやか「右腕だけじゃなくてさ、ついでに左腕も刺してあげよっか?」

マミ「美樹さやか! あなたって人は…!!」チャキッ
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 10:54:41.74 ID:MrMvrdZ20
シモン「やめろ、マミ!!」

杏子「シモン、お前… 早く血を止めねぇと!!」

シモン「さやか。言いたいことはそれだけか」

さやか「な、何よ…」

シモン「言いたいことはそれだけかって聞いてるんだよ!!」

さやか「え?」

シモン「……歯ぁ食いしばれ!さやかあああァァァァッ!!」

ガスッ!!

さやか「………あ、ぐぅっ!?」バタッ

マミ「シモン君!? 怪我した腕でそんなこと…!」

シモン「ダチに散々心配掛けて… テメェで決めてやったことの結果を人のせいにして」

シモン「挙句、全部壊してやる? お前はそれで気が済むのか!!」ポタポタポタ…

さやか「なにいってんの?あんたバカじゃないの!?」タジッ

さやか「だって、だって!わたし、もう人間じゃないんだよ!? 生きてるのか死んでるのかだってわかr

シモン「……関係ねぇんだよ!!」
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 10:57:41.41 ID:MrMvrdZ20
シモン「そうなっちまったもんは仕方ねぇ。でも」

シモン「生きてるのか死んでるのか? 人間なのかそうでないのか? …そんなの知ったことじゃねぇ!!」

シモン「お前はお前だ。どんな姿になろうとお前は!俺やまどかのダチ、美樹さやかだろうが!!」

シモン「もしも。今のお前をさやかじゃないなんて言うヤツがいるなら…」ググッ

シモン「そんときゃこの俺が、思いっきりブン殴ってやる!!」ボタボタ…

さやか「」

杏子「ったくコイツは、血ィ流しながら熱くなり過ぎだっての。でもな」

杏子「シモンだけじゃねぇ。あたしだって同じ気持ちさ。その…上条恭介だっけ?」

杏子「あんたはそいつの為に命張ったんだからさ、もっと胸を張っていいんだよ」

杏子「好きなら好きって言って来い」

杏子「なんだったら、魔法少女のことだって全部話しちまったって構わねぇ。ほむらが何て言おうが、あたしが許す!!」ズビシッ

杏子「でさ。そいつが…もしもあんたのことをさやかじゃない、なんて言いやがったら。

杏子「シモンとあたし、二人で思いっきりぶっ飛ばしに行ってやるぜ!」ニマ
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 11:02:01.77 ID:MrMvrdZ20
マミ「あら、シモン君や佐倉さんだけじゃないわ」

マミ「私だって同じ気持ちよ?」

杏子「んじゃ…マミも入れて三人で、その野郎をぶっ飛ばしにいかねぇとだな?」

さやか「ま、待ってよ。そんなことされたら恭介が…!」オロオロ

シモン「…さやか、目ぇ醒めた?」ニコ

さやか「あ…シモン…わたし、わたし…ごめん、ごめ"ん"な"さ"い"…ヒグッ…」ポロポロポロ

さやか「わたし…シモンに殴られて、すっごく痛かったんだ。おかしいよね、散々戦ってた時は痛みなんて感じなかったのに。グスッ…グスッ」

シモン「良かった、さや…か…」ヨロッ…パタン

マミ「シモン君!?」

杏子「おい、シモン!?戻るぞ!さやか、マミ、手伝え!」

さやか「グスン…う、うん…!」(あれ…わたしのソウルジェム、あんなに濁ってたのにいつのまにこんな…)

−−−−−−−−−−
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 11:08:00.38 ID:MrMvrdZ20
−見滝原総合病院・病室−

シモン「zzz…」

杏子「どうだって?」

マミ「大丈夫。もう安定して命に別状はないみたい。でも、血を流し過ぎて一時は危なかったそうよ」

さやか「わたしのせいだ…」グスッ

さやか「わたしがシモンに酷いことしちゃったから…」

さやか「わたしが、わたしがシモンをあんな風に…」

まどか「さやかちゃん…」ギュッ

さやか「わたしのせいだ…」

マミ「……」

マミ「ごちゃごちゃ言ってんじゃねぇ!」ビシッ

まどほむさや杏「」

マミ「なーんて、きっと彼ならそう言うと思うの」クス

ほむら「病院では静かになさい」

マミ「シモン君ってそういう人だから…」

マミ「この前ね、向こうの世界のリーロンって人が言ってた」
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 11:10:47.56 ID:MrMvrdZ20
マミ「『余計なことに首突っ込んで、自分が傷ついても突き進んで。アイツはそういう男よ』って」

杏子「大グレン団、かぁ」

シモン「…うーん、アニキぃ、それ…俺のチャーシュー…zzz…」

まどほむさやマミ杏「」

ほむら「これだけの怪我しておいてラーメンの夢? 呆れて言葉も出ないわ」

杏子「どんだけ食い意地張ってんだよコイツは」

マミ「佐倉さんは人のこと言えないでしょう?」

さやか「あー…その、さ。シモンが元気になったらみんなでラーメン食べに行こっか?」

さやか「その…酷いことしちゃったお詫びに、私が奢るからさ」

マミ「美樹さん、あなたが変な負い目を感じる必要はないのよ?」

杏子「でも、ラーメン食いに行くってのは賛成だな!」

まどか「うん。私もみんなと一緒に行きたいな♪」

ほむら「美樹さやか。一つだけあなたに忠告しておいてあげる」

さやか「な、なによ…」

ほむら「……そこで寝てる彼と杏子、物っっ凄く食べるわよ」トオイメ
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 11:15:13.75 ID:MrMvrdZ20
シモン「…アニキ、俺……違う世界に…友達ができたんだ…zzz…」

まどか「シモン君…」

マミ「お兄さんの夢を見てるのね」

杏子「チクショウ、泣かせるじゃねーか…」


さやか「わたし…みんなに謝らないと」

さやか「みんな、酷いこと言ったりしたりして、本当にごめんなさい」シュン

さやか「こんなわたしだけど… ワルプルギスの夜との戦い、手伝わせてほしいんだ」

杏子「お前。あたしたちに気を遣ったり、無理したりして言ってるんじゃないよな?」

さやか「ううん、そんなことない!」

さやか「わたしさ、みんなの気持ちも知らずに勝手なことして魔法少女になって…」

さやか「だからせめて、この力をみんなの為に使いたいんだ」
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 11:17:57.40 ID:MrMvrdZ20
さやか「でも別に罪の意識とか、そういうのじゃないんだよ?」

ほむら「そういうことなら。私からも是非お願いするわ、美樹さやか」ペコリ

さやか「ほ、ほむら…ちょっとやめてよ、そんな畏まらなくっても」

ほむら「…………」

ほむら(揃った。4人の魔法少女が…こんなにも早く)

まどか「ほむらちゃん… 泣いてるの?」

ほむら「泣いてない… まだ、泣くわけにはいかない」グスッ

マミ「暁美さん…」

杏子「さやか。お前が魔法少女になっちまったのは素直に喜べねぇけどさ」

杏子「こうなった以上は、お前の力にも期待させてもらうぜ?」

さやか「任せてよ! それに応えられるように、わたしもがんばるからさ!」
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 11:21:06.08 ID:MrMvrdZ20
マミ「でもみんな、それぞれ変わったわよね」

杏子「そうだな。以前のあたしは、もう二度と人の為になんて戦うもんかって思ってた。でも今は違う」

杏子「ムカつく野郎から与えられた力だけどさ、この力でお前らと一緒に戦いたいって思ってる」

まどか「杏子ちゃん…」

さやか「わたしも。魔法少女の真実を知って、なにもかもどうでもよくなって…自分のことさえどうでもよくなってたけど」

さやか「シモンにぶっ飛ばされて、なんていうんだろう… そういうの、全部どっかいっちゃったみたいだ」

さやか「どんなになっても、わたしはわたし。美樹さやかだって胸を張って言えそうだよ」

ほむら「…私は、自分でもよくわからない」

まどか「変わったよ、ほむらちゃん」

まどか「転校してきたばかりのほむらちゃんだったら、きっとこんな話しても何も言ってくれなかったもん」クス

ほむら「そ、そんなことないわよ?」アセッ

さやか「そうだよね。わたしほむらのこと、きっとすごく誤解してたと思う。ごめん」

ほむら「謝らなくていいのよ、美樹さ…… さやか///」

さやか「にひ。わかったよ、ほむら」
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 11:25:51.32 ID:MrMvrdZ20
杏子「マミも随分変わったよな?」

マミ「へ? 私?」

さやか「うんうん。さっきマミさんが『ごちゃごちゃ言ってんじゃねえ!』って叫んだ時はびっくりしちゃった」アハハ

マミ「あ、あれはシモン君ならきっとそういうかな〜って。ね?」アセッ

ほむら「確かに…縦ロールで紅茶が好きで、お菓子作りの上手な人の台詞じゃないわね」

マミ「あ、暁美さんまで…」

まどか「でも、みんなシモン君に出会って変わったんだね。こんな短い間に」

杏子「本当変なヤツだよな」ツンツン

シモン「………うぅ、う〜ん、う〜ん…zzz」

マミ「…もちろん、お兄さんの影響も大きかったのでしょうけど」

マミ「そんなシモン君だから、大グレン団の人たちも集まったのかも知れないわね」

杏子「大グレン団かぁ」

さやか「そうだ!」

まどか「どうしたの?さやかちゃん」
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 11:29:23.65 ID:MrMvrdZ20
さやか「わたしたちもグレン団結成ってどうかな?」

マミ「それならさしずめ、見滝原グレン団ってところかしら?」

さやか「マミさん乗り気ですなぁ♪」

杏子「んならさ、シモンが起きる前に決め台詞とか作っておくか。なぁ?マミ」ニヤニヤ

マミ「なんでそこで私に振るのかしら」

ほむら「全くあなたたちは…」

さやか「ほむらはこういうの嫌い?」

ほむら「べ、別に… 嫌いではない、けど…」アセッ

まどか「じゃぁ決まりだね♪」

まどか「ほむらちゃん、その…ワルプルギスの夜が来るまでに、まだ時間ってあるんだよね?」

ほむら「ええ。今回は今までで最短で魔法少女が揃ったから、まだ余裕はあるわ」

まどか「そっか、わかった♪」

杏子「んじゃ、見滝原グレン団の最初の任務は…」

ほむら「動けない彼の代わりに、グレンを探すことね」

−−−−−−−−−−
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 11:34:30.57 ID:MrMvrdZ20
−翌日・放課後
     朽ちた教会近くの森−

ほむら「以前彼が話してたけど、グレンとやらもこの辺りにある可能性が高いらしいわ」

杏子「おーい、グレン出てこーい」ガサガサ

ほむら「猫や犬を探すんじゃないんだから。呼んで出てくるとは思えない」

さやか「せめてどんなものなのか、形だけでもわかればなぁ」

杏子「んじゃここか?」ゴロン

まどか「杏子ちゃん、虫じゃないんだから石ひっくり返しても…」ア、アハハ…

マミ「確か…ラガンと合体するのよね? それならロボットでしょうし、もし見つけたらわかるんじゃないかしら?」

さやか「しまった。シモンに絵でも描いてもらえばよかった」

ほむら「それよりもさやか、あなた…上条恭介のことはいいの?」

さやか「いいって、なにが?」キョトン
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 11:36:59.46 ID:MrMvrdZ20
ほむら「彼、今日から登校してたけど…あなたが着いていなくても大丈夫なのかしら」

さやか「なぁんだ、そんなことか」

さやか「それなら大丈夫だよ。アイツのことは、仁美がちゃんと見てくれてるからさ」

ほむら「さやか、あなた」

さやか「おっと。そんな顔で見ないでよ? これは、わたしがやりたくてやってることなんだから」

さやか「あんなわたしをダチって言ってくれた。今はシモンの力になりたいんだ」

さやか「あ、でも!恋愛感情とかじゃないですから! 安心してくださいね、マミさん?」

まどか「マミさん、シモンくんのこと好きなんですか!?」

マミ「か、鹿目さん!?///」

杏子「へ〜ぇ?」ニマニマ

杏子「シモンのヤツ、あんなナリしてモテそうだからなぁ。ライバル多いかもしんねぇぜ?」

マミ「ちょっと、佐倉さん…!///」

杏子「うはははははは…………は!?」グラグラグラ
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 11:40:15.06 ID:MrMvrdZ20
さやか「地震!?」

まどか「大きい…!」

ほむら(これもワルプルギスの夜が近付いてるせい…?)

杏子「おい、マミ!ちょっとからかったからって地震起こすなんて!!」グラグラ

マミ「私のわけないじゃない!」

グラグラ…ガラガラガラッ

杏子「は…ぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁ……!!」

まどか「大変! 崩れたとこに杏子ちゃんが!」

ほむら「地面が陥没した!?」

さやか「杏子おぉぉぉぉ!返事してえぇー!」

…………

杏子「心配すんな〜! こっちは大丈夫だ!」

杏子「しっかしだいぶ深く落ち………」

グレン「……」ズーン

杏子「っぎゃあああああああああ!鬼いいぃぃぃぃ!!」ピィ
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 11:44:01.10 ID:MrMvrdZ20
シュタッ

ほむら「鬼? 魔女ではなくて?」

杏子「あ、あ、あ、あれ。あれ」

ほむら「これは……サングラスを掛けた、鬼…?」


シモン『手がかりかぁ。ラガンよりもずっと大きくて、見た目は赤い鬼みたいなんだ』


ほむら「もしかして…これがグレン?」
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 11:51:40.76 ID:MrMvrdZ20
−見滝原総合病院・病室−

まどか「えっとね、こんな感じだったと思う」キュキュッ

ほむら「まどかは絵がうまいのね」ホム

シモン「そうだよ、これがグレンだ!」ガバッ

シモン「いってええええぇぇぇぇ!!」ズキズキ

さやか「そんな急に起き上がるから」

マミ「まだ当分は大人しくしててもらわないとね?」

シモン「こんなところでいつまでも寝てられないよ」

シモン「俺のことなら大丈夫だから、その場所に連れてってくれないか」

マミ「うーん…」

さやか「無理しちゃダメだよ?シモン」

シモン「で、でも。もし本当にグレンだったら、動くかどうかも確かめたいし」

マミ「わかったわ。ただし…具合が悪くなったりしたら、すぐに言うこと」

シモン「ありがとう、マミ!」

まどか「マミさん、シモン君の保護者みたいですよ」アハハ

ほむら「途中で倒れたりしたら、杏子にでも運ばせましょう」
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 11:57:47.64 ID:MrMvrdZ20
−落盤現場−

杏子「お。やっと戻って来たか…って、シモン!?お前大丈夫なのか!?」

シモン「うん。今は痛かったりもしてないから」

ほむら「鎮痛剤が効いてるだけよ。ところで…間違いないかしら?」

シモン「確かにコイツはグレンだ」

杏子「改めて見ると…でっけえな」

まどか「すっごい不敵な顔とゆーか…」

マミ「シモン君、どうかしらー?」

シモン「やっぱり。操縦席は俺がこっちに来る前のままだ」

シモン「大丈夫、動かせそうだよ」

シモン「みんな、一度穴の外に出て!グレンを地上に上げるから!」

ほむら「…待って。そのことなのだけど、グレンはしばらくそのままの方がいいと思う」

シモン「うん?なんで?」
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 12:00:28.69 ID:MrMvrdZ20
ほむら「それだけの大きさよ。森の中とはいえ、穴の外に出せば人目についてしまうんじゃないかしら」

杏子「確かに、この森も全く人が来ねぇってわけでもねーからなぁ」

まどか「そっか、知らない人に見つけられちゃったら大騒ぎだものね」

シモン「それもそうか。わかった」

杏子「安心しな。グレンはあたしが時々様子見ておいてやるよ」

さやか「ぃよーし。それじゃぁ見滝原グレン団の初任務は、無事成功ってとこだね♪」

シモン「見滝原グレン団?」

さやか「そ。見滝原市のグレン団! わたしたちで結成したんだ」

シモン「そいつはいいや。アニキが聞いたら喜びそうだ」アハハ

グレン「……」

ほむら(4人の魔法少女にシモン、それにグレンとラガン)

ほむら(いいわよね。私も少しくらい希望を抱いたって…)

−−−−−−−−−−
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 12:07:45.47 ID:MrMvrdZ20
−鹿目家・リビング−

詢子「あっきれた! それで結局、傷も治ってないのにそのまま退院したってわけかい?」

シモン「ほ、ほら。このくらいの傷、どうってことないからさ、ずっと寝てるのも退屈だったし…!」アセアセ

スパコーン!

シモン「」

まどか「ママ… 何もスリッパでぶたなくても」エー

詢子「いーんだよ、言ったろ? コイツはもううちの家族同然だって」

詢子「家族だから…バカなことした時にゃぁ、遠慮せずぶっ叩く!」

パカーン!

シモン「」

シモン(前々から思ってたけど、詢子って大グレン団のみんなと気が合いそうだ…)ヒリヒリ

タツヤ「しもん〜 らいじょぉぶ?」ナデナデ

知久「まぁ、それだけ心配してるってことだよ」

知久「僕も詢子も、シモン君が病院に担ぎ込まれたって聞いたときは顔面蒼白だったからね」

シモン「心配掛けてばっかりでごめん…」

知久「男の子は多少元気過ぎるくらいがいいとは言うけど、子供を危険な目に遭わせたくないってのが親だから」

知久「そこは知っておいてほしいな」

シモン「うん…」
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 12:13:21.78 ID:MrMvrdZ20
−シモンの部屋−

コンコン

シモン「開いてるよー」

ガチャ

まどか「シモンくん、ちょっといいかな?」

シモン「まどか。どうしたの?」

まどか「その、大した用事じゃないんだけど、なんだかお話ししたくって」

まどか「腕と…さっきスリッパで叩かれたとこ、大丈夫?」

シモン「腕はまだ痛むけど、このくらいなら大丈夫」

シモン「腕よりも、詢子にスリッパで叩かれた方が痛かったかも?」アハハ

まどか「ごめん! ママが叩いちゃってごめんね?」オロオロ

シモン「冗談! 冗談だからそんな謝らないでも!」オロオロ

シモン「…まどかの父さんと母さんってさ、本当にいい人たちだよね」

まどか「うん。私の自慢のパパとママだよ♪」

シモン「ほむらの話だと、数日後に来るワルプルギスの夜を倒さないとこの街も、街の人たちも」

シモン「いずれこの世界の全てまでも滅茶苦茶にされてしまう」

まどか「うん…」

シモン「だから俺、戦うよ」

シモン「詢子や知久、達也を守る為に、俺は俺に出来ることをやりたいんだ」
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 12:19:43.26 ID:MrMvrdZ20
まどか「シモンくんは強いね」

シモン「まどか…?」

まどか「私、みんなに守られてばっかりで何もできないよ…」

シモン「まどか」

シモン「ほむらがさ。これまで諦めずに時間を繰り返してきたのって、まどかがいたからだろ?」

シモン「土を掘る時にさ、すっごく頑丈で大きな岩にぶち当たることがあるんだ」

シモン「その岩は、ちょっとやそっとじゃ崩せないけど…」

シモン「やっと崩してやると、そいつが支えてたまわりの小さな岩や土が全部崩れ落るんだ」

まどか「うん…」

シモン「まどかはさ、頑丈で大きな岩なんじゃないかな」

シモン「ほむらやさやか、マミに杏子、それに俺も。戦うみんなの背中を支えてくれる、大きな岩なんだと思う」

シモン「だからまどかだって、ちゃんとみんなの力になってるんだよ?」

まどか「…ありがとう、シモンくん」

まどか「そろそろ部屋に戻るね。お休みなさい、また明日」ニコ

シモン「お休み、まどか」

−−−−−−−−−−
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 12:27:12.95 ID:MrMvrdZ20
−数日後…決戦前日−
     早朝・朽ちた教会

シモン「空、だいぶ荒れてきてるな」

ほむら「この前の地震もそう。恐らく、ワルプルギスの夜の影響よ」

さやか「今日明日は市内の学校、全部休校だってさ」

マミ「その方が被害も少なくて助かるわね」

杏子「シモン、グレンラガンはいけそうか?」

シモン「あぁ。このラガンとグレンで、本当は操縦者が二人必要なんだけど…」

シモン「グレンをオートにして、合体後ラガンの方で動かしちゃえば大丈夫」

杏子「なんかよくわからんけど、お前が大丈夫って言うなら心強いな」ヨッシャ

ピピッ

リーロン『やっほ♪ みんなのリーロンから嬉しい お・知・ら・せ♪』

ほむら「朝っぱらから唐突ね」

リーロン『シモンの帰還方法がわかったのだけど…』
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 12:31:30.03 ID:MrMvrdZ20
シモン「本当に!? さっすがリーロン!」

リーロン『グレンラガンには、螺旋界認識転移システムってものが搭載されていて』

ほむら「あなた自身に関わることなのだから、寝てはダメよ?」

シモン「」

リーロン『超加速しながら螺旋力を持った人間がシステムを起動すると、ある程度任意の場所に空間転移…つまりワープできるみたい』

リーロン『でもね。このシステムについてはまだ未解析の部分も多いから、今は使えても一度だけ』

リーロン『しかも、一度使うと当分使えなくなりそうなの』

シモン「一度っきりのチャンスってことか…」

リーロン『肝心のシステム起動についてはね…』

………

……



リーロン『つまり… 強い想いがあれば、距離も次元も飛び越えられちゃう!ってこと♪』

シモン「そういうことか、ありがとう!」

リーロン『明日、決戦なんでしょ?』

リーロン『みんな心配してるんだから。無事に帰ってきなさいよ? 待ってるわ♪リーダー』ピッ
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 12:35:01.96 ID:MrMvrdZ20
マミ「想えば飛べる、かぁ。なんだかロマンチック…」キラキラ

シモン「でも、その話は後だ。今は魔女の親玉を倒す為にやれることをやっておこう」

杏子「あぁ、そうだな」

杏子「ほむら。お前が調達してきた爆薬のセット位置教えてくれないか?」

マミ「私と佐倉さんで、手分けして仕掛けてきてあげる」

ほむら「二人ともありがとう。位置はこの地図に印をつけておいたから、お願い」

ほむら「一応人が近付かないような場所を選んだつもりだけど、もし誰かいたらその場所は外して頂戴」

マミ「わかったわ。それじゃ、ちょっと行って来るわね」
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 12:44:53.85 ID:MrMvrdZ20
さやか「なぁほむら。わたしはやれること何かないかな?」

ほむら「あなたは…そうね。シモンを手伝ってあげて」

ほむら「引き上げたグレンにカムフラージュのシートを被せるのは、彼一人だと大変でしょうから」

さやか「お安い御用だ!」マカセテ

シモン「助かるよ、さやか」

さやか「シモン…もしかして腕、まだ痛むの…?」

シモン「少しだけね。でも、このくらいなら大丈夫だ」

さやか「本当…あの時はごめん」シュン

シモン「いいって。それよりも、終ったらみんなでラーメン食べに行くんだろ?」

シモン「俺、ぜったいおかわりするから…覚悟しておいてよ?」

さやか「うへぇ…お、お手柔らかに…」タラタラ
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 12:49:42.43 ID:MrMvrdZ20
ほむら(あれからインキュベーダーは一度も私たちの前に現れていない)

ほむら(諦めてこの街から引き上げた… なんて考えは甘いわよね)

prrrrrrr…

まどか『もしもし、ほむらちゃん?』

ほむら「まどか?」

まどか『明日の準備、進んでる?』

ほむら「ええ。みんなのお蔭でとても捗っているわ」

ほむら「この様子なら、まだ明るいうちに準備は終りそうよ」

まどか『それならちょうどよかった!』

ほむら「?」

まどか『あのね。今夜私の家で、みんなでパーティしない?』
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 12:54:05.56 ID:MrMvrdZ20
−鹿目家−

詢子「いらっしゃい、みんなまどかとシモンのダチなんだって?」

詢子「一気に年頃の娘が増えたみたいで、嬉しいねぇ」

知久「外はこんな天気だし…食事も飲み物もたっぷり用意してあるから」

知久「みんな、ゆっくり楽しんでってね」

ほむさやマミ杏子「「「「お邪魔しまーす」」」」


杏子「ぶあっはっはっは! ほむらの、ほむらの鼻メガネ…!」ヒー オナカイタイ

ほむら「な、なによ! そんなに笑うならあなただってつけてみるといいわ!」ポイッ

杏子「いいぜ? よぉーっく見てろよ…?」チョーン

ほむら「ブフゥーッ!!」

マミ「よそのお宅でジュース噴きかけるなんて、暁美さんったらお行儀悪いわよ…?」ジトー

さやか「そうだぞ、ほむら。マミさんの言う通りだ」チョーン

マミほむ「「ブフゥーッ!!」」

マミ「な、な、なんで美樹さんまで鼻メガネなのよ…」プルプル

ほむら「」ヒクヒク

まどか「もう、マミさんもほむらちゃんも笑い過ぎだよ!」チョーン

マミほむ「「」」ビクンビクン
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 12:58:13.57 ID:MrMvrdZ20
詢子「あっはっは! 本当、みんな賑やかでいい子たちじゃないか」ケタケタ

シモン「うん。俺、偶然とは言えこっちの世界に来れてよかったよ」アハハ

知久「ほぉら、新しい料理ができたよ。みんな、いっぱい食べてくれ」

杏子「おぉっしぃ! 出番だぜ!」

シモン「あ、俺もそれ食べたい!」

杏子「なんだぁ、シモン。あたしと大食い勝負するってかぁ?」

杏子「だったら見滝原グレン団鉄の胃袋、杏子様の力を見せてやるよ!」キラーン

ほむら「ちょっと二人とも、私たちの分も残しておいてほしいわね」

杏シモ「「もごご!もっふぉふぇるふあぁぁぁ!」」

マミ「聞いてなさそうよ…?」

まどか「もう、いっぱいあるからそんな慌てなくてもいいのに…」ヤレヤレ

さやか「お、たっくん久し振りでちゅねー?」

タツヤ「さぁかぁ!」キャッキャッ

さやか「よしよしおいで〜 おねーちゃんが抱っこしてあげまちゅよー♪」ダキッ

マミ「あら、そうしてると美樹さんお母さんみたいね?」

まどか「本当だ。たっくん、おねーちゃんに抱っこしてもらったの? よかったねー♪」

さやか「えぇー!? わたし、まだ華の中学生なのにい」ブーブー

ほむら「ちょっと…シモンが喉詰まらせてひっくり返ってるわよ」

シモン「」ピクンピクン

杏子「へへ!この杏子様に勝とうなんざ百年早いってんだ!!」ゲプ
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 13:00:56.11 ID:MrMvrdZ20
−まどかの部屋−

杏子「ぶっはー…食った食った!」

マミ「ごちそうさま。鹿目さんのお父さんの料理、とっても美味しかったわ♪」

さやか「ご飯も食べたし! 後は明日に備えて寝るだけってね!」

まどか「そうそう、そのことなんだけど。ママが今日はみんな泊まっていきなさいって」

シモン「天気も荒れてるから、その方が良さそうだね」

ほむら「!?」

ほむら(ま…………ま、ま、まままままままままどかとお泊りですって!?)

ほむら(それはつまりあんなことやこんなことがあったりなかったり)

ほむら(ほむらちゃんわたしもうがまんできないのなてんかいがあったり)

ほむら(いっしょにおふろにはいってあらいっこしたりだとでもいうの!?)

ほむら「のぞむところよ!!」

杏子「いや、何がだよ」ビシッ
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 13:06:39.53 ID:MrMvrdZ20
まどか「それとね、これ…私からみんなへのプレゼント」ハイ

マミ「あら、なにかしら?」ガサガサ

さやか「これって…シモンが最初に着てた服の…」

シモン「グレン団のマークじゃないか!」

杏子「へぇ…バンダナかぁ。いいじゃねーか♪」

マミ「あら、ちゃんとMitakiharaって入れてあるのね?」

まどか「わたしね、みんなが危険な目に遭って戦ってるのに、何にもできないから…」

まどか「だから、せめて御守りだけでもと思って作ってみたの」

まどか「シモンくんがやってたみたいに、腕に巻くといいかなーって」

ほむら「ありがとうまどか。あなたの作ってくれた御守り、これほど心強いものはないわ」

マミ「明日は…絶対勝ちましょう」

さやか「そして、みんなで生き残るんだ!」

杏子「勝って…今度はまどかもさやかも一緒に、ラーメン食いに行こうぜ!」

シモン「見滝原グレン団!勝つぞ、この戦い。絶…対…に……zzz…」

シモン「」
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 13:12:44.12 ID:MrMvrdZ20
さやか「ふう。ベッドに寝かせてきたよ」

ほむら「…ごめんなさい、シモン」

ほむら「みんな、本当に後悔しないのね?」

マミ「ええ。本来これは私たち魔法少女と魔女の戦いよ」

杏子「だったら、あたしたちだけでケリをつけるのが、道理ってもんだしな。それに…」

杏子「もしあたしたちが全滅しても、アイツだったらまどかを守ってくれそうだしさ」

さやか「全滅なんて言わないでさ、勝ってみんなでシモンに怒られようよ?バッカヤローってさ」エヘ

ほむら「そうね」クス

ほむら「まどか、決着がつく頃には目を醒ますと思うから…それまで彼のことお願い」

まどか「うん… ほむらちゃん、みんな… 私、私…」

杏子「おいおい、泣くなって」

さやか「そうだよまどか。別にわたしたち、死にに行くわけじゃないんだしさ?」

マミ「そうよ、鹿目さん。泣くのは勝ってからにしましょう?」

ほむら「少しだけ休んだら、夜が明ける前に私たちは行くわ」

ほむら「まどか。あなたのご家族にも、ありがとうって伝えて頂戴」

まどか「……うん……うん……ヒグッ…」ポロポロ

−−−−−−−−−−
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 13:27:15.92 ID:MrMvrdZ20
−決戦当日・早朝
     見滝原市内−

ビュオオォォォ…

さやか「うっひゃ〜! 荒れに荒れてるこの空模様」

杏子「絶好の魔女退治日和じゃねーか」

マミ「今日は市内全域に避難指示が出てるみたいよ」

杏子「ってことは、今頃まどかたちは総合体育館にでも行ってるんだろーな」

ほむら(それにしても…なんなの。まだ現出していないというのにこの威圧感)

ほむら(怖い…これまでに戦ったどのワルプルギスの夜よりも強いというの?)

トコトコトコ

QB「やぁ、魔法少女のみんな。お揃いだね」キュップイ

杏子「テメェ!インキュベーダー!! どのツラ下げてきやがった!」

QB「まぁそう邪険にしないでおくれよ。僕はキミ達に、とぉ〜っても有益な情報をもってきたんだからね」

ほむら「聞くわ」

QB「そうこなくっちゃ、暁美ほむら」キュププ
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 13:32:35.45 ID:MrMvrdZ20
QB「キミたちがこれから戦おうとしているワルプルギスの夜のことだけど」

QB「きっと。これまでに暁美ほむらが戦ったどのワルプルギスの夜よりも強く、強大だろうね」

さやか「だからなにさ?」

QB「相変わらず頭が悪いね、美樹さやか」

QB「わからないかな?キミ達に、万に一つも勝ち目はないってことさ」

マミ「そんなこと…やってみなければ!」

QB「でもどうやら、彼女はそうは思ってないみたいだよ? ね。暁美ほむら」

QB「何体ものワルプルギスの夜を見てきた彼女なら、もう気付いたはずさ」

QB「これまで目にしたワルプルギスの夜なんて、比べ物にもならない魔力係数を」

ほむら「……そ、そんな…」ガクガク

杏子「どういうことだ!」

QB「時間遡行者、暁美ほむら」

QB「君の存在が、一つの疑問に答えを出してくれた」

QB「『何故、鹿目まどかが魔法少女として、あれほど破格の素質を備えていたのか』…今なら納得いく仮説が立てられる」
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 13:36:10.70 ID:MrMvrdZ20
QB「魔法少女としての潜在力はね、背負い込んだ因果の量で決まってくる」

QB「一国の女王や救世主なら兎も角、ごく平凡な人生だけを与えられてきたまどかに」

QB「どうしてあれほど膨大な因果の糸が集中してしまったのか不可解だった」

QB「だが……ねえ、ほむら」

QB「ひょっとしてまどかは、君が同じ時間を繰り返す毎に、強力な魔法少女になっていったんじゃないのかい」

ほむら「それは…」

マミ「そうなの? 暁美さん」

QB「図星みたいだね。…原因は君にあったんだ」

QB「正しくは、君の魔法の副作用……と言うべきかな」

ほむら「……」

QB「君が時間を巻き戻してきた理由はただ一つ。鹿目まどかの安否だ」

QB「同じ理由と目的で何度も時間を遡るうちに、君は幾つもの並行世界を螺旋状に束ねてしまったんだろう」

QB「…鹿目まどかの存在を中心軸にしてね」

QB「その結果、決して絡まるはずのなかった平行世界の因果線が、全て今の時間軸のまどかに連結されてしまったとしたら」

QB「彼女の、あの途方もない魔力係数にも納得がいく」
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 13:41:56.34 ID:MrMvrdZ20
QB「君が繰り返してきた時間。…その中で循環した因果の全てが、巡り巡って鹿目まどかに繋がってしまったんだ」

QB「あらゆる出来事の元凶としてね」

QB「そしてそれは、同時に魔女に対しても同じことが言える」

ほむら「シモンの…存在…」

QB「その通り。鹿目まどかを強力にするのがキミという存在なのだとしたら」

QB「あのシモンという少年の…たった一度の出現がもたらした因果は、ワルプルギスの夜に莫大な力を与えた」

QB「お手柄だよ、ほむら」

QB「ボク達にしてみれば、今回のことはプログラム上のバグのようなものではあるけど」

QB「君が世界を繰り返してくれたお蔭で、鹿目まどかが最強の魔法少女に育ってくれたと同時に…」

QB「それを遥かに凌駕する、ワルプルギスの夜という絶望が生み出されるんだ」

QB「楽しみだね。最強の魔法少女の誕生はもとより…」

QB「彼女が絶望に堕ちるときに生み出される感情エネルギーが、一体どれほどのものなのか」

ほむら「……インキュ…ベーダー!!」ポロポロ

QB「さて。それじゃぁボクはこれから、鹿目まどかへの最後の営業に出るとするよ」キュプププ
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 13:44:28.03 ID:MrMvrdZ20
QB「おっと、忘れていた。もう一つ、キミ達にいい情報をあげる」

さやか「まだ、何か用かよ」ギリッ

QB「これから来るワルプルギスの夜は、『隠れない』」

QB「ただしそれは、結界を張る必要がないって意味じゃぁない」

QB「ご覧よ。こんな大荒れの天気だっていうのに、人間の報道陣というものは仕事熱心だね」

QB「まどかの避難している場所にも、恐らくテレビはあるだろう」

杏子「こ…の…クソ野郎!!」

ほむら「そんな…そんなのって…!」

QB「ワクワクするね。最凶の絶望に抗えず、ズタボロになってゆくキミたちを見た時。まどかがどういう反応を見せるのか」
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 13:47:49.02 ID:MrMvrdZ20
マミ「インキュベーダー」

QB「なんだい、巴マミ? 何か質問でもあるなら手短に頼むよ。何せボクはこう見えて多忙でね、これからまd

マミ「さっきから聞いてれば…」

マミ「くだらねぇことをゴチャゴチャ言ってるんじゃねぇ!」

QB「」

ほむら「マミ…?」グスッ…グスッ

QB「キミは頭の良い子だとおm

マミ「因果が何よ!最強が何よ! ほむらの…いえ、私たち見滝原グレン団のドリルは、そんなものだって突き破ってみせる!!」ビシィッ!


さやか「マミさん…そうこなくっちゃ!」ヘヘッ

さやか「だったら!見滝原に、可憐に舞い咲くグレン団!!」エヘン

杏子「おいおい。ったく…しゃーねぇなぁ」ニヤニヤ

杏子「ゴホン… 乙女の魂背中に背負い、塞がる壁をこの手で砕く!!」ズビシ!

ほむら「バカ…あなたたち、みんな大バカだわ!」グスン

マミ「ええ。大バカよ?」クス

さやか「だから…ほむら!」

ほむら「わ、わかってるわよ///」

ほむら「…因果も輪廻も突破して!」

ほむら「掴んでみせる!明日への道を!!///」


ほむさやマミ杏「「「「わたしたちを… 誰だと思っていやがるっっっっ!!!! 」」」」
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 13:53:07.25 ID:MrMvrdZ20
QB「なんだ…なんだ、なんなんだ! この不快な気持ちは…」

QB「わけがわからないよ!!」

QB「ふん、好きにするといいさ。どうせキミ達に勝ち目はないんだから」スタスタスタ


杏子「……なぁ、見たか? あのインキュベーダーの顔!」ププッ

さやか「見た見た! あれ、絶対眉間に血管浮き出てたよね?」ネー

マミ「ボク達には感情がないんだ。なーんて最初は言ってたのにね」ヤダワァ

ほむら「ふふ。あの悔しがる顔が見れただけでも、あなたたちと一緒に戦えて良かったと思えるわ」クス

さやか「違うだろ、ほむら」

マミ「そうよ暁美さん。あんな白なますの悔し顔で満足なんてできるわけないじゃない」クス

杏子「ぶっ倒してやろうぜ! あたしらで…最強とやらをさ!!」

ほむら「そうね、見せてやらなければね。魔法少女の…いえ、見滝原グレン団の力を!!」

ワルプルギス「キャハハハハ…!!」

杏子「さぁて。どうやら…お出ましのようだぜ?」

マミ「いきましょう、みんな!」

さやか「おーし、いっちょやりますか!」
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 13:56:54.93 ID:MrMvrdZ20
−見滝原総合体育館−

タツヤ「きょうはおとまりぃ〜?きゃんぷなの〜?」

知久「ああ、そうだよ。今日はみんなで一緒にキャンプだぁ〜」

タツヤ「やったぁ、きゃんぷ〜おにくやくの〜?」

知久「はっはっは、お肉はどうだろうねぇ?」

詢子「しっかし避難指示とは参ったな」

シモン「zzz…」

詢子「こんな大変な時に、全く呑気なんだか大物なんだか」ヤレヤレ

まどか「ほむらちゃん…」

オイ、ナンダアレ…

バケモノダ!!

マチノウエニデッカイバケモノガ!

まどか「え、もしかして…」

まどか(なんで、テレビで魔女が映ってるなんて…魔女だけじゃない、みんなまで!?)

まどか「パパ、ママ! 二人ともあれ、あの大きなの見える…!?」

詢子「な、なんだいありゃ…ガンメン、じゃないよな?」

知久「僕は夢でも見ているのか…?」ゴシゴシ
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 13:59:32.42 ID:MrMvrdZ20
まどか(やっぱり、普通の人にも見えるんだ…!)

QB「その通りだよ、まどか」

まどか「(キュウべぇ!?)」

QB「今回のワルプルギスの夜。あれはその魔力の強大さが故に、ごく普通の人間の目にも映る」

QB「さらにあれは、ほむらがこれまで戦った中でも規格外の強さ。最強最悪の存在だ」

QB「キミにも見えるだろ? あの大きさ。従えている使い魔のとてつもない数。そして近付くことさえ許さない猛攻」

QB「予想外に、ほむら達もしぶとく生き残っているけど…時間の問題だろうね」キュップイ

まどか「(私に…私に魔法少女の契約をさせにきたのね)」

QB「察しが良くて助かるよ。さぁ……ボクと契約して魔法少女になってよ!」

まどか「(私が… 私が契約すれば、あの魔女に勝てるの?)」

QB「あぁ、勝てるとも!」

QB(なんてね。…まどか。キミが魔法少女になったところで、あれを消滅させるのは難しいだろう)

シモン「zzz…」


シモン『俺は俺に出来ることをやりたいんだ』


まどか「………」

まどか「シモンくん、ごめんね…!」
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 14:02:12.86 ID:MrMvrdZ20
詢子「……どこ行こうってんだ?オイ」グイッ

まどか「ママ…」

まどか「私、友達を助けに行かないと」

詢子「自衛隊か警察に任せろ。素人が動くな」

まどか「いやだ…いやだよ。みんながあそこで戦ってるのに」

まどか「私だけ安全な場所で震えてるのは、もう嫌なの!!」

詢子「テメェ一人のための命じゃねぇんだ!あのなぁ、そういう勝手やらかして、まわりがどれだけ…ッ」

まどか「わかってる。私にもよくわかる」

まどか「私だってママのことパパのこと、大好きだから。どんなに大切にしてもらってるか知ってるから。自分を粗末にしちゃいけないの、わかる」

まどか「だから違うの。みんな大事で、絶対に守らなきゃいけないから」

まどか「そのためにも、私今すぐ行かなきゃいけないところがあるの!」

詢子「理由は説明できねぇってか」

詢子「なら、アタシも連れていけ」

まどか「ダメ。ママはパパやたっくん、シモン君の傍にいて、みんなを安心させてあげて」

まどか「ママはさ、私がいい子に育ったって、言ってくれたよね。嘘もつかない、悪いこともしないって」

まどか「今でもそう信じてくれる?私を正しいと思ってくれる?」
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 14:02:56.95 ID:MrMvrdZ20
詢子「当たり前だろ」

詢子「…絶対に下手打ったりしないな?誰かの嘘に踊らされてねぇな?」パッ

まどか「うん」

まどか「ありがとう、ママ」

タッタッタッタ…

QB「愚かだね、鹿目まどか」スタスタスタ
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 14:06:21.76 ID:MrMvrdZ20
−見滝原市空中−

杏子「食らいやがれ!ロッソ・ファンタズマァッ!!」ズバババッ!!

杏子「…ダメだ、分身で叩いたくらいじゃ使い魔の数が減りゃしねぇ!!」

ほむら「起爆装置、15、22、27番作動」ズドドド…!

さやか「なんだ、杏子ってばもう息切れ? そんなんじゃぁ、主役の座はこのさやかちゃんがいただきだね!」ヒュッ…ザシュッ!!ザシュッ!!

マミ「ティロ・フィナーレ!!」カッ…!!

マミ「もう。二人とも、口よりも手を動かしましょう?」

さやか「ひゃぁ…マミさん、相変わらず凄い破壊力ですね」スゲェ

ほむら(確かにマミの大技なら、使い魔の数を一時的に大きく減らすことができる)

ほむら(でも、その後に魔女の本体まで辿り着けるかどうか)

ほむら(仮に辿り着けたとしても、あの大きさではさやかの剣でも杏子の槍でも、火力不足なのは否めない…)

マミ「ほらほら諦めないで、暁美さん」バシュン…バシュン!

ほむら「あら。人聞きの悪いこと言わないで頂戴」

ほむら「あなたたちとこうして戦ってる現実を、ちょっと噛み締めてただけよ」ファサッ

ほむら「私の後ろには、まどかたちが避難している体育館がある」

ほむら「例えこの手足が千切れたって、あの魔女をこれ以上進ませるわけにはいかない!」
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 14:08:12.31 ID:MrMvrdZ20
−見滝原市総合体育館−

男子A「こっからじゃ小さくてよくわかんないけど」

男子B「あのでっかいのと誰か戦ってるよな」

男子C「誰かわからないけど、がんばってくれー!!」


シモン「zzz…」

詢子「こんな時に…!!」

詢子「おい、シモン! いつまで寝てるんだ!」ペシペシ

詢子「起きろ!起きてくれ…!! 頼む、頼むから…」

詢子「まどかが… まどかが行っちまったんだよ!!」ポロポロ
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 14:14:44.08 ID:MrMvrdZ20
−−−−−−−−−−

???『起きろ、シモン』

シモン「ううん…まだ眠いよぉ」

???『ったく…いつまで呑気に寝てやがるんだ?』

シモン「え…あ、うん…?」ゴシゴシ

???『…やぁっと起きたか』ニカッ

???『よぉ。元気にしてたか? 久し振りだな』

シモン「」

シモン「」

シモン「あ、あ、あ、あ」

???『なんだ、俺の顔見忘れたかぁ?』

シモン「アニキイィィィ!!」

カミナ『おう!! ジーハ村に悪名轟くグレン団! 漢の魂背中に背負い… 不撓不屈の!あ!鬼リーダー!! カミナ様だ!』

シモン「会いたかったよ、アニキ!!」ダキッ

カミナ「いっぱい…いっぱい、話したいこともあるんだ!」

シモン「アニキ! 俺、みんなと力を合わせて螺旋王を倒したんだ!」

シモン「今ではさ、あのテッペリンに新しい街ができてて…」

シモン「それにさ、俺、今違う世界に来てて…そこで友達もできたんだ!」
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 14:20:57.64 ID:MrMvrdZ20
カミナ『そうか、螺旋王を、あのでっけぇ天井をブチ破ったのか。良くやったな、シモン』

カミナ『さすが俺の見込んだ男だ』

カミナ『でもな、シモン』

シモン「なに? アニキ」グス

カミナ『一度しか言わねぇ。耳かっぽじってよぉく聞けよ?』

シモン「う、うん…」

カミナ『テメェ…そのダチを放っておいて、こ ん な と こ ろ で 何 し て や が る!!!!』

シモン「!!」

カミナ『忘れたのか、シモン』

カミナ『お前がいまやるべきことは何だ』

カミナ『こんなところで俺に思い出話を聞かせることか?』

カミナ『お前のドリルは!! こ ん な と こ ろ で 燻 っ て る タ マ じ ゃ ね え だ ろ!!!!』

シモン「俺、俺は…」

カミナ『行って来いよ。ダチ公!』ニヤッ

シモン「アニキ…」

シモン「ありがとう、アニキ」

シモン「俺、行って来るよ!!」グッ

カミナ『ああ!!』グッ

…………

カミナ『頼もしい背中になったじゃねぇか、シモン』

カミナ『さてと…』

−−−−−−−−−−
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 14:23:46.91 ID:MrMvrdZ20
シモン「ん…うぅ。ん」パチッ

詢子「シモン…起きたのか!?」

シモン「ごめん、詢子!寝坊した!」ガバッ

詢子「まどかが…まどかが…! アイツ、友達を助けに行くって外に!!」

シモン「まどか…」


まどか『私、何もできないよ…』

まどか『何度も何度もほむらちゃんを悲しませて、みんなに助けられてばっかりで…』

まどか『みんなは魔法少女になって戦うのに、私だけ何もできない』


詢子「引き止められなかったんだ。あたし、アイツの親なのに…」

詢子「シモン…あたしの娘のことで、アンタにこんなこというのは」ポロポロ

詢子「すごく勝手だってことは、よくわかってる」

詢子「それでも、頼む、シモン。まどかを…アイツの友達を助けてやってくれ…!! 頼む…!」

シモン「なにいってるんだよ、詢子」

シモン「家族だろ? 当たり前だ!」ニコ
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 14:25:04.12 ID:MrMvrdZ20
詢子「シモン…」グスッ

詢子「そ、そうだ。これ、あんたがこっちに来たとき着てた服」ガサゴソ

シモン「とっておいてくれたんだ!? …ありがとう!」バサッ

詢子「やっぱり…あんたは学校の制服よりも、そっちの方が似合ってるよ」

シモン「詢子、俺、まどかもみんなも助けて、あの天井ブチ破るから」

詢子「天…井? まさかと思うけど、あの空に浮いてるデカブツのことかい!?」

シモン「ああ!」

シモン「行って来るよ、詢子!」

タッタッタ…

詢子「おい、ちょっと待て!天井をブチ破るって…」

詢子「あぁもう!シモン!絶対にみんなで帰ってこないと、承知しねぇからなぁ!!」
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 14:32:12.91 ID:MrMvrdZ20
−見滝原市内−

タッタッタッタ…

スタスタスタ…

QB「ねぇ。まどか? キミはいったい何処に行こうっていうんだい?」

QB「こっちはみんなが戦ってるのとは全然違う方向だよ?」

まどか「…………」

QB「まさかと思うけど、家族もみんなも見捨てて逃げるっていうのかい?」

QB「キミはボクと契約して魔法少女になって、そしてワルプルギスの夜を倒すために飛び出してきたんだろう?」

QB「だったらキミは今すぐ戻るべきだよ。聞いてるのかい、まどか」

まどか「ならないよ」

QB「え?」

まどか「キュウべぇ。私、魔法少女にはならないよ」

QB「キミが何を言ってるのか、わけがわからないよ」

QB「でも、それならなおさら…キミはいったい何処を目指してるんだい?」

タッタッタッタ…

スタスタスタ…
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 14:34:24.92 ID:MrMvrdZ20
まどか「はぁっ、はぁっ…はぁっ… あれ、ラガンが消えて…穴?」

まどか「ううん。いまはそれよりも…!」バサァッ

グレン「……」

QB「」

QB「まどか。まさかキミは」

まどか「私は、魔法少女にはならない」

まどか「でも…私だけ、見ているだけなのはもうイヤなの!」ヨジヨジ

まどか「私だって… 私だってみんなの力になりたい。みんなと一緒に戦いたい!!」バンッ

グレン「……」

QB「どうやらロックが掛かってるみたいだね。叩いたくらいで開くはずないだろう?」

まどか「お願い!グレンさん! 私に力を貸して…!!」バンバン

QB「こんな金属の塊に頼るより、魔法少女になった方が確実だよ?」

QB「ましてこれは未知のテクノロジーだ。キミなんかに動かせるわけが」

ウィーン…

まどか「大きい顔の口が開いた…!」

スタッ

QB「」
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 14:37:44.61 ID:MrMvrdZ20
QB「待ってよ、まどか!」タタッ

ウィーン…ガシャン

QB「閉じ込められたようだね」

まどか「キュウべぇ、ちょっと黙ってて」

QB「」キュップイ

まどか「これかな…ううん、やっぱりこっち?」カチャカチャ

まどか「………」

まどか(ど、どうしよう…やっぱり動かし方、わからないよ…)オロオロ

まどか(私に…本当にできるのかな… キュウべぇの言うとおり、私には無理なのかな)シュン


???『どうした? んなシケたツラしてんじゃねぇよ』


まどか「………?」キョロキョロ

QB「ボクと契約する気になったかい?」

まどか「今、誰か喋らなかった?」

QB「さぁ? 少なくともボクには何も聞こえていないね」
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 14:40:09.73 ID:MrMvrdZ20
???『どうだ、グレンの乗り心地は?最高だろう!』

まどか(え、嘘… 勝手に明かりがついた!?)

まどか(だ、誰? 誰なの…!?)

???『俺がどこの誰だとか、細けぇこたぁいいんだよ! それより嬢ちゃん、シモンのダチなんだろ?』

まどか(うん…)

???『よぉし!んだったらお前は俺のダチだ』

まどか(え、え? ええええええ!?)

???『お前、名前は?』

まどか(まどか…鹿目まどか、です)

???『なぁ、まどか。オメェは何しにここに来た。何でここに座った』

まどか(勝手に座っちゃってごめんなさい!だ、誰かいるとは思ってなくて…)アタフタ

???『俺が言いたいのはそういうことじゃねぇ!!』

???『お前は!今!何をしてぇんだ!ってことなんだよ!』
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 14:42:04.35 ID:MrMvrdZ20
まどか(私が、今、何をしたいか…)

まどか(私は…私は)

まどか(ほむらちゃんを助けたい!! ほむらちゃんだけじゃない、さやかちゃんも杏子ちゃんもマミさんも…みんなの力になりたい!!)

???『なら、できるかどうかじゃねぇ! そいつはオメェがやるんだよ!!』

???『アタマでわかろうとするな。理屈じゃねぇんだ!お前が思うままに、感じるままにやってみろ』

???『きっと、グレンはそいつに応えてくれる』

まどか(うん…)

???『なぁ、まどか』

???『お前を信じろ。誰かにいわれる言葉じゃねぇ。誰かに言葉を求めるんじゃねぇ』

???『大事なダチを助けたい。その一心でここまで駆けて来たお前自身を、お前が信じてやれ』

まどか(…もしかして、もしかしてだけど。あなたがカミナさん、なの…?)

???『カミナさんだぁ!? なんだなんだ、そのデコ助みてぇな気の抜けた呼び方は!』

???『俺のことを呼ぶなら、アニキ!と呼べ!』フンス

まどか(ありがとう、アニキさん。私、やってみる…!)

カミナ『あぁ、その意気だ!』
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 14:44:32.74 ID:MrMvrdZ20
まどか(思うがまま、感じるままに…!)ギュ…カチッ

まどか「動いた!!」

カミナ『な? やりゃぁできるじゃねぇか』ニヤッ

QB(信じられないよ。ボクにさえわからないテクノロジーを、まどかが動かしただなんて)

ズンッ…

ガションガションガション…

カミナ『いいぜ、その調子だ… 走れ、走れ!まどか!!』

まどか「うん…!」

ガンッ

まどか「きゃぁっ!! お店の看板壊しちゃった…!」

カミナ『んなもんぶっ壊れたってイチイチ構うな!今は、ダチんとこ行くのが先だろうが!』

まどか「うん…! ほむらちゃん、みんな、待ってて…!」

QB(まどか。キミは一体誰と話しているんだい?)
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 14:48:34.60 ID:MrMvrdZ20
−見滝原市空中−

さやか「数が…使い魔の数が多過ぎる!」ズバァッ

マミ「美樹さん、弱音を吐くなんてあなたらしくないわよ?」

マミ「でも…確かにこれはキリがないわね」


ワルプルギス「キャハハハハハハハハハ!!」


杏子「あの野郎…自分は高みの見物ってわけかよ!」ジャララッ…ザシュザシュッ!!

ほむら「全く。高みの見物なら、レーザーなんて放出せずに大人しくしていてくれないかしら」ダダダ゙ダッ…

ほむら(私の弾もいつまでもつか)

さやか「でも、最初に比べたらだいぶ使い魔の数は減ったかな?」ボロッ…

マミ(あんなに綺麗だったソウルジェムが、もうこんなになるなんて。きっとみんなのも…)

マミ「さすがに力を使い続けたら、そうなっちゃうか…」ポツリ

杏子「マミ?」

マミ「このまま使い魔を減らし続けていても、先に息切れするのは私たちの方よ」
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 14:53:45.93 ID:MrMvrdZ20
ほむら「マミ…?」

マミ「私が魔女本体への道を開いてあげる。そしたら…」

杏子「そういうことか。しゃーねーな、あたしが付き合ってやるよ」

さやか「マミさん?杏子? だ、ダメだよそんなの!」

さやか「ねぇ、ほむらからも言ってよ!!」

ほむら「…………」

杏子「んじゃ。ちょっくら行って来るわ。シモンとまどかによろしく言っといてくれよな?」ニヒヒ

ほむら「さや…か…」ギリッ

ほむら「二人が作る道、絶対に…絶対に無駄にしちゃダメよ…!!」ポロポロ

さやか「ほむら…」


杏子「結局、シモンには伝えそびれちまったなぁ?」ニマニマ

マミ「な、何をよ!?」

杏子「べぇーつにぃー?」

杏子「なぁ、マミ。後悔してねぇのか?」

マミ「当たり前じゃない。後悔なんてあるはずない!」

杏子「よっしゃ! …ぶつけてやろうぜ、あのいけすかねぇヤツによ!」ハン

マミ「ええ! 私たちに残った全ての力。…受けてみなs


「だめえええええええええええ!!!!」
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 14:56:46.81 ID:MrMvrdZ20
マミ杏「「!?」」

ブゥンッ!!

杏子「な、なんだ!? あのでっけぇブーメラン…!」

ワルプルギス「キャハハハハハハハハハ…アハハハハハハハ?」

マミ「すごい…使い魔がどんどん消滅していく…」

シュタッ

さやか「マミさん! 杏子!!」

さやか「今の、なんなの!?」

シュタッ

ほむら「あれは…!」

マミ「見て! あそこのビルの上…!!」

杏子「ありゃぁグレンじゃねーか!! …でも、一体誰が動かしてるんだ!?」

「ごめん、みんな! やっぱり…やっぱり私だけ守られてばっかりはもうイヤなの!!」

ほむら「あの声…まどかなの!?」

まどか「助けにきたよ、ほむらちゃん!」

マミ「鹿目…さん?」キョトン

杏子「おいおいおいおい、マジかよ!?」ウヒャー!
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 15:01:40.22 ID:MrMvrdZ20
さやか「なんできちゃうかな…まどかって本当バカ!」ニマッ

ほむら「ええ、本当ね…」

まどか「ほむらちゃんもさやかちゃんも、酷い!!」プピー!

さやか「あはははは! グレンがプンスカ怒ってら」ゲラゲラ

まどか「……みんなはさがって少し休んでて」

まどか「私が、あの魔女への道を作るから!!」


カミナ『いいダチじゃねぇか』

まどか「えへへ」

まどか「私の…自慢の友達だもん」

カミナ『そうかよ。だったら何が何でも守ってやらねぇとなぁ?』

まどか「当然!」グッ

まどか「必殺…!」ドキドキ

まどか「…よくもみんなをキイィ―――ック!!」

ドガガガガガガ…!!

カミナ『いよぉし!』
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 15:03:54.65 ID:MrMvrdZ20
まどか「私がみんなを守るんだブウゥ―――メランッ!!」

バシュゥンッ!!…ズババババッ!

カミナ『上出来じゃねぇか!まどか!』

まどか「で、でも…本当にこんな掛け声でいいのかな…?」タラー

カミナ『細けぇこと気にしてんじゃねぇ!!』

カミナ『テメェの魂、技にのっけて大絶叫! それが漢ってもんだろうが!!』

まどか「私、女の子なんだけど///」アノー

カミナ『ボサボサすんな! アイツらのために道を開いてやるんだろうが!!』

まどか「うん…!!」

ドガーン!! ズガガガガガ…
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 15:09:52.17 ID:MrMvrdZ20
杏子「すげぇ…スゲェ、スゲェ、すっげええぇ!!」パァッ

ほむら「まどかが…まどかが道を切り開いてくれてる!!」

さやか「…道は無駄にしない。だったよね?」

さやか「だったら…わたしたちも、いつまでも休んでなんていられない!」ググッ

マミ「当たり前じゃない。いきましょう、みんな!」


まどか「みんな! 今なら魔女に攻撃が届くはずだよ!!」

マミ「…食らいなさい! ティロ・フィナーレッ!!」

杏子「貫けえええええええ!!」

さやか「とぉっ…っりゃああぁぁぁっ!!」

ほむら「一斉射…!」

ワルプルギス「キャハ」

………キィィィンッ!!
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 15:11:11.35 ID:MrMvrdZ20
さやか「弾かれた!?」

マミ「あんな至近距離からの攻撃だったのに…!」

ほむら「結界を張る力を、バリヤに回したとでもいうの!?」

ワルプルギス「キャハ!!アハハハハハハハ!!」

杏子「やべぇ!攻撃が来るぞ!!」

ほむら「あぁぁぁっ!!」

杏子「ぐぁっ!?」

マミ「ダメ…弾き、飛ばされる…っ!!」

さやか「マミさんっ!? …きゃあぁぁっ!」
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 15:14:49.34 ID:MrMvrdZ20
まどか「みんな!!」

QB「どうやら、キミ達の力ではあの魔女に届かないらしいね」キュププ

QB「わかったろ?まどか。もう方法は一つしかない。キミが契約して魔法少jプギュ

カミナ『ごちゃごちゃうるせぇ!この白なます野郎!!』ムギュ

QB「な、なんだか思いっきり踏み付けられてる気がすrギュゥ

カミナ『うろたえるんじゃねぇ!!』

まどか「でも、でも…アニキさん、あんなのどうやって倒せば…!?」

カミナ『いいか、まどか。漢なら…どんな時でもドーンと構えているもんだ!!』ドーン

まどか「あの…だから私女の子なんだけどなぁ…///」

カミナ『…………』

まどか「…………」

まどか「………あの…」

カミナ『…どうやら来たみてぇだぜ? 最高の相棒がなぁ!!』
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 15:16:52.54 ID:MrMvrdZ20
マミ(…このままじゃ地面に叩き付けられちゃう!!)

マミ(はや、く…体勢を…)

ガションガションガションガション

「マ…ミイイイィィィィィィィ!!!!」

ダンッ…!

マミ(だ…れ?)

シモン「間に合った!! …痛ッ!」キャッチ

マミ「シモン君!? それにラガンも…!」

杏子「シモン!!」

さやか「なんでここに!?」

ほむら「そんな、あなたに飲ませた薬の効果はまだ!」

シモン「ったりめぇだ!! …ダチのピンチにいつまでも寝てるわけにはいかねぇんだよ!!」

まどか「シモン君…!?」

シモン「グレンを動かしてるのは、まどか!?」
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 15:19:08.12 ID:MrMvrdZ20
シモン「マミ、しっかり掴まってて。シャッターを閉めてグレンと合体する!!」

ピピッ

シモン『聞こえる?まどか!これからラガンをグレンと合体させる!!』

まどか「うん、わかった…!」

まどか「でも、合体ってどうやれば…」

カミナ『安心しな。俺が下から支えてやるよ』

カミナ『ダチを救うってお前の決意。アイツが上から引っ張り上げて、この俺が下から押し上げてやる!!』

カミナ『だから…』

ピピッ

まどか『だから… シモンくん! 私、やってみる!!』

シモン「よし…まどか、合体だ!!」

ギュウゥゥゥン…!!

…バチンッ!!

シモン「ぐぁっ!!」

マミ「きゃぁっ!」

杏子「ラガンの体勢が崩れた!?」
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 15:21:33.09 ID:MrMvrdZ20
まどか『シモンくん! どうしたの…!?』

シモン「なんでもない…っ!! まどか、もう一度行くぞ!!」ボタボタ…

さやか「……!! アイツ、もしかして腕の傷が開いたんじゃ…!」

さやか「わたしの、わたしのせいだ…」ジワ…

まどか『さやかちゃん…』

シモン「さやか!ぐだg

マミ「ぐだぐだ言ってんじゃねぇ!!」

シモン「」

マミ「心配ないわ、美樹さん!」

マミ「シモン君の腕が使えないなら… 私が、私がシモンの腕になる!!」ガシッ

シモン「マミ!?」

マミ「グレンと合体するんでしょ? タイミングを教えて、シモン!!」

シモン「わかった!!」

シモン「今だ、マミ!まどか! 今度こそ合体だ!!」

ギュウゥゥゥン…!!

まどか『うん…!!』

ギュウゥゥゥン…!!

…ガシィンッ!! ギュンッ!!
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 15:26:43.94 ID:MrMvrdZ20
報道A「おい、何だあれ… ズームして映せ映せ!!」

報道B「でっかい…ロボットか!?」


杏子「おい、あれ…」

さやか「やった! 上手くいったみたい!」

ほむら「まどかぁっ!!」ダッ

カパッ

まどか「ほむらちゃん!」ダキッ

まどか「私は… ほむらちゃんが大好き!!」

まどか「ほむらちゃんだけじゃない… さやかちゃんも、マミさんも、杏子ちゃんも」

まどか「ママも、パパも、たっくんも、シモン君も!!」

ほむら「まどかぁ…」ウルッ

まどか「だから…だから…」

まどか「見滝原中学校、2年…組、出席番号…番、鹿目まどか!!」

まどか「大好きな人たちがいるこの街を、滅茶苦茶になんて…絶対にさせない!」

杏子「まどかのやつ…カッコイイじゃねぇか!!」

さやか「まどか…」ヘヘッ
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 15:28:39.87 ID:MrMvrdZ20
シモン「…無茶で無謀と笑われようと!意地が支えの喧嘩道!!」

マミ「壁があったら殴って壊す!道がなければこの手で創る!!」

シモマミ「「心のマグマが炎と燃える! 超 絶 合 体 ! グ レ ン ラ ガ ン !! 」」

シモン「何度だって叫んでやるさ!!」

シモン「俺を!!」

まどほむさやマミ杏「「「「「私たちを!!」」」」」

「「「「「「誰だと思っていやがる!!!!!!」」」」」」



詢子「」

知久「」

タツヤ「まろかー!しもんー!」キャッキャッ

詢子「まったく…何やってんだい、うちの大バカ野郎どもは」ヤレヤレ

知久「あはは、本当に。…がんばれ、まどか!シモン君!」
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 15:32:22.62 ID:MrMvrdZ20
仁美「まどかさんにさやかさん!? え、ええ…?暁美さんにシモン君も!?」

恭介「さやか、本当にキミなのかい…!?」

和子「」

男子A「おい、あれシモンだ!!」

男子B「鹿目に美樹に暁美もいるぞ!」

男子C「おおおおい!! がんばれー!」


カミナ『大した啖呵じゃねぇか?見直したぜ、まどか!』

まどか「えへへ///」

カミナ『ま、俺様の啖呵に比べりゃぁ、まだまだヒヨっ子だけどな!』

まどか「もう、アニキさんったら」アハハ

カミナ『ミタキハラグレン団、だったな』

まどか「うん…」

カミナ『へっ…オメェら最高だぜ!』グッ
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 15:34:04.78 ID:MrMvrdZ20
カミナ『まどか。もう、お前は大丈夫だ』ポフッ

カミナ『アイツにもよろしく言っといてくれ』

まどか「アニキさん…」

カミナ『それじゃ…俺ぁそろそろ行くぜ。達者でな、ダチ公!!』

まどか「ありがとう…アニキさん」

ピピッ

シモン『まどか…?』

ほむら「まどか、どうしたの?」

まどか「なんでもない。なんでもないよ、ほむらちゃん、シモン君!」

まどか「それよりも…」

マミ『ええ。突き破りましょう、あの天井を…グレンラガンで!!』

ほむら「あの分厚い壁が勝つか…私たちのドリルが勝つか、真っ向勝負よ!」

シモン『そのためにも』

シモン『邪魔だ!雑魚は…すっこんでろ!!』

ギュウゥゥゥン…!!

杏子「ぜ、全身からドリルが…!」スゲェ!
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 15:37:32.21 ID:MrMvrdZ20
さやか「凄い…!あんなにいた使い魔、今のでほとんどやっつけちゃったんじゃない!?」

ワルプルギス「キャハハハハハ!!アハッ!!アハハハハハ!!」

まどか「…そうやって笑ってられるのもいまのうちだよ!」

ヒュンッ…ヒュンッ… ジャキンッ!!

ワルプルギス「キャハハハハ!?アハ?ア…!?」

シモン『行くぞ!!』

シモマミ『『ギィィガァァ…!!』』

まどほむ「「ドリルゥゥゥ…!!」」

シモマミまどほむ「「「「………ブレェェェイクウゥゥゥゥッッ!!!!」」」」

杏子「いっっっっっけえええええええええ!!!!」

さやか「今度こそ…貫けえええええええ!!!!」

グググッ…ギュゥゥゥンッ!!

シモン「俺の!」

まどか「私たちのドリルは!」

シモまど「「天と明日を創るドリルだあああああああああ!!」」

ワルプルギス「キャハ?キャハハハハハハハハハハ!?………キャ…ハ………アアアアアアアアアアアァァァ!!!!」

ワルプルギス「」

ズド………ン!!

…………
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 15:41:02.68 ID:MrMvrdZ20
ほむら「ワルプルギスの夜が…消えていく…」ポロポロポロ…

まどか「勝った…勝ったんだよ、ほむらちゃん!!」ダキッ

マミ『私たち…やったのね…』ジワ…

シモン『あぁ。ほむら、もう…繰り返さなくていいんだ』

まどか「そうだ、シモンくん」

まどか「アニキさんが…シモンによろしくって♪」

シモン『もしかしてまどかは…』

シモン(…そっか。ありがとう、アニキ)ヘヘッ

さやか「やった、やったよ杏子!!」ウワァーン!ダキッ

杏子「あぁ…やった!あたしら、あの魔女に勝ったんだ!!」ダキッ
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 15:42:48.34 ID:MrMvrdZ20
ピピッ

リーロン『お疲れ様、シモン』

リーロン『グレンラガンのものっすごいエネルギー、こっちにまでビンビン伝わってきたわ♪』

シモン「ふう。全部終わったよ」

リーロン『そう、心配事は無事に片付いたってことね?』

リーロン『なら…そのエネルギーが残っている間に、ちゃぁんと戻ってきなさい』

シモン「…わかった。その、残ってる時間ってもう全然ないのかな?」

リーロン『今すぐとは言わないけど…そっちの時間で、目いっぱい引き伸ばして明後日の朝までってところね』

マミ「………」

リーロン『一日ゆっくり休んで…お別れ済ませて戻ってらっしゃい、シモン』

ピッ
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 15:45:20.31 ID:MrMvrdZ20
シュゥゥン…

スタッ

杏子「やったな、ほむら!!」ダキッ

ほむら「きょ、杏子…くるしいっ」

さやか「わたしたち、ちゃんと生きてる♪」

まどか「でも、これからが大変かも?」

さやか「多分テレビとか…映っちゃってるもんねぇ」タハハ

詢子「まどかあああああ!!」ダキッ

まどか「わぷっ…ま、ママ!?」

詢子「良かった…無事で、本当に良かった…!!」グスン…

知久「まどかもシモン君も… それにみんなも、お疲れ様」

タツヤ「まろかー!」

知久「君たちがあの怪物をやっつけてくれたんだね」

まどか「パパ、ママ、なんでここに…///」

詢子「バカ野郎!! テレビであんたらを見て…」

詢子「でっけぇ化け物も消えて外の嵐がおさまったから、一目散に来たんじゃないか!」

シモン「詢子、知久、達也、ただいま!」ニコ
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 15:47:20.07 ID:MrMvrdZ20
詢子「二人とも…バカ野郎!大バカ野郎が!! 無茶を…無茶をしやがって…!!」

シモン「無茶を通して!」ビシッ

まどか「道理を蹴っ飛ばす!」ビシッ

ゴツン!!×2

シモン「」

まどか「」

詢子「調子に乗るんじゃないよ!!」ポロポロ

ほむら「さすがのグレン団も、母親の前では形無しね」クス

杏子「そーみてぇだな」アハハ

マミ「さぁ、帰りましょう?」

さやか「ラーメンがわたしたちを待っている!!」

ほむら「さやかったら…もっと勝利の余韻を噛み締めなさいよ…」ヤレヤレ

シモン「あはは、さやからしいや」
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 15:49:12.61 ID:MrMvrdZ20
まどか「そうだ。みんなで写真撮ろうよ?」

杏子「写真かぁ。いいな!」

さやか「さんせーい!」

マミ「ほらリーダー、あなたは真ん中」ホラホラ

シモン「え、お、俺?」

杏子「当たり前だろ。お前、自分を誰だと思ってやがる!」ニカッ

ほむら「あなたは大グレン団のリーダーにして、見滝原グレン団のリーダー」

さやか「穴掘りシモン、でしょ?」ツンツン

詢子「ほらほら、ガキんちょども。この詢子さんが撮ってやるからさっさと並びな!」

まどか「はーい!」

マミ「ポーズはもちろんアレよね?」

さやか「だね?」

杏子「決まってんだろ?」

ほむら「人差し指を天高く掲げて…」ピッ

詢子「撮るぞー? よし、笑え!!」

………パシャ!

−−−−−−−−−−
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 15:51:00.40 ID:MrMvrdZ20
−翌日・昼過ぎ−

杏子「うんめぇ!やっぱり人の奢りで食うメシは最高だな!」ズゾゾゾゾー

シモン「おじさーん、俺、ギョウザもう一皿おかわり!!」

杏子「んだとぉ?ならこっちはラーメンとチャーハン追加だ!」

ほむら「命拾いしたわね、さやか」ズルズル

さやか「」

店主「おう、お前らはこの街のヒーローだからな! 金はいいからたーんと食ってくれ!!」

まどか「お金出してたら、さやかちゃんのお小遣いすっからかんになってたかもね」ハフハフ

マミ「見てるこっちのお腹が膨れちゃいそう…」ズズッ


シモン「ふう。ご馳走様でした!」

杏子「美味かったぜ、おっちゃん!」

店主「いいってことよ! ご馳走してやるから、また来いよ!」

アリアトヤッシター!

ガラララッ
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 15:53:59.87 ID:MrMvrdZ20
まどか「結局、あんまり普段の生活と変わらないかも?」

さやか「あーあー、もっと取材とかスカウトとか、どっば〜!って来ると思ってたのになぁ」

マミ「ふふ。きたのは地元新聞が何社かくらいだったわね」

ほむら「でも、いいじゃない。こうやって…みんなで美味しいラーメンを食べられたのだから」

QB「キュップー」チョコチョコ

杏子「コイツもすっかり喋らなくなっちまったなぁ?」

ほむら「あの戦いで…グレンの中で、私がずっと踏ん付けてたなんて」

ほむら「本当に気付いてなかったのよ?」

QB「ガクガクブルブル」

さやか「すっかり、人畜無害の愛玩動物になっちゃってるよね」

トコトコトコ

QB「!!」

QB2「まさかこんな結末になるなんてね。ボクたちも思ってもみなかったよ」
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 15:56:38.59 ID:MrMvrdZ20
QB2「その個体はおそらく未知のエネルギーに曝され続け、それが影響して感情というものを手に入れたんだろう」

QB「キュゥ…」

QB2「でも。それと引きかえに、知性や言葉というものを失ってしまった」

QB2「果たしてそれは進化といえるのか、それとも退化というべきなのか」

QB2「ボク達にも全くわからないよ」

ほむら「用件は何かしら」

QB2「今回のことで、ボク達は新たなエネルギーの可能性を見つけ出した」

QB2「人が絶望に堕ちるその時を遥かに凌駕する、明日を創るためのもの」

QB2「残念だけど、ボク達は人間に対する認識を一度改める必要があるらしい」

シモン「…………」

QB2「そういうわけで、魔法少女計画は当面凍結だよ」

ほむら「それじゃ…」

QB2「鹿目まどかを魔法少女にする必要ももうないし、魔女についても今残っている分が消滅すれば」

QB2「もう新たに生み出されることもない」
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 15:57:56.86 ID:MrMvrdZ20
さやか「へぇ… んじゃ、もう一頑張りってところだね」

QB2「現存の魔法少女についても、キミたちが不利にならないような」

QB2「何かしらの措置をするつもりだよ」

マミ「随分と気前がいいのね?」

QB2「感情を持ったばかりの頃の、その個体がどうだったかは知らないけど」

QB2「インキュベーダーは、別にキミたち人間に対して憎しみを抱いているわけでもないからね」

QB2「話はそれだけさ。ボクはそこの個体からこの街を引き継いだから、ソウルジェムが穢れた時にはいつでも呼んでくれ」キュプ

QB2「もっとも…キミたちのソウルジェムは、穢れとはもう無縁になってしまったのかも知れないけれど」スタスタスタ

杏子「いっちまった…」

ほむら「悪い話ではなかったわね」ヨカッタ
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 16:00:55.41 ID:MrMvrdZ20
−見滝原ショッピングセンター−

さやか「やっぱお土産ったら饅頭が定番っしょー!」ホレホレ

さやか「見滝原饅頭! 中にこしあんが入ってて美味しいよ?」

ほむら「あら、お饅頭よりも私はこっちのお煎餅を勧めるわ」ハイ

シモン「え、ええっと…どっちにしようかな??」

まどか「大丈夫だよシモンくん。ママが、『帰る前に欲しいものしっかり買ってこい!』って、お小遣いいっぱいくれたから♪」ホクホク

杏子「え!んじゃあたしもこれとこれを…」

まどか「もう…杏子ちゃんは帰らないでしょー?」ペシッ

杏子「てへ」
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 16:03:11.26 ID:MrMvrdZ20
シモン「結局…こんなに買ってもらっちゃった」ドッサリ

ほむら「いいんじゃないかしら? みんながこうして無事でいられるのは、あなたのお蔭なんだし」

マミ「そういえば、グレンラガンはどこに移動したのかしら?」

シモン「今は学校の校庭に置かせてもらってるんだ」

さやか「男子連中が目をキラッキラさせながら写真撮ってたよ?」アハハ

杏子「明日の朝…だっけ?」

シモン「うん。陽が登る前に発つことにしたよ」

さやか「帰っちゃうんだな…シモン」

杏子「あーあ、なんかさ。お前に会ってから今日まで、あっという間だったよ」ハハ

ほむら「明日の朝、みんなで見送りにいくわ」

マミ「ええ…」ポロポロポロポロ

さやか「マミさん…まだ、泣くの早いよ…」グスッ
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 16:08:34.67 ID:MrMvrdZ20
−鹿目家−

詢子「もう、あと数時間ってところか」

シモン「うん」

シモン「みんな、色々…本当にありがとう」

知久「シモン君、これ…お弁当作っておいたから、向こうで食べるといいよ」

まどか「もう、パパったら。電車に乗るんじゃないんだから」

シモン「ありがとう、知久! 知久の料理、とっても美味しかった!」

タツヤ「しもん〜 ばいばい」

シモン「達也、大きくなったら… 父さんと母さん、それにお姉ちゃんを守ってあげるんだよ?」ナデナデ

まどか「シモン君… わたし、シモン君がうちに来てくれて本当に良かった…」ポロポロ

詢子「バカ!泣くんじゃないよ、この子は…」グスッ

詢子「シモン。また…いつでもうちにおいで。あんたは…あんたは立派な、あたしたちの家族なんだから」ギュッ…

シモン「うん…!」
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 16:12:14.08 ID:MrMvrdZ20
−翌日・早朝
   見滝原中学校校庭−

さやか「これ、わたしからの餞別。このCD聴いてさ、たまには見滝原のこと思い出してよね」

まどか「私からはこれ。この前の写真、プリントして額に入れたんだよ」

シモン「ありがとう。さやか、まどか!」

まどか「もう時間なのに。マミさんと杏子ちゃんこないのかな」

ほむら「あの二人、こういうお別れは弱いんじゃないかしら」

さやか「マミさんなんか、昨日もボロボロ泣いてたもんね」

まどか「えー? さやかちゃんだって一緒に泣いてたじゃない」

ほむら「………」ホム
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 16:15:02.85 ID:MrMvrdZ20
−−−−−−−−−−

−昨夜・見滝原中学校−

ほむら「なにかしら?二人して話しって」

マミ「暁美さん、お願いがあるの」

杏子「」

マミ「明日の、シモン君の見送りのことなんだけど…」

………

……



ほむら「あなたたち本気なの?」

杏子「あぁ」

マミ「ええ」

ほむら「全く。インキュベーダーではないけれど、わけがわからないわ」

ほむら「………」

ほむら「いいわ。でもその代わり…」

ほむら「………」ポロポロ

杏子「わーってるって。絶対に、な?」ギュ

マミ「約束するわ、暁美さん」ギュ

−−−−−−−−−−
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 16:19:51.22 ID:MrMvrdZ20
>>224上から5行目の杏子の台詞入れ忘れました。
以下のが入ります

杏子「いや、ちょっとしたことなんだけどさー」
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 16:21:17.06 ID:MrMvrdZ20
リーロン『そろそろ時間よ?』

シモン「あ、うん…」

シモン「…………」

シモン「俺、みんなのこと…この街のこと、絶対、絶対忘れないよ!」

まどか「私も! 私も、シモン君のこと絶対忘れない!」

さやか「あの時さ、わたしのことぶっ飛ばしてくれてありがとね。シモン!」ウルッ

さやか「またラーメン食べに来おいでよね!絶対に!」

ほむら「…あなたは私を救ってくれた。まどかを救ってくれた。ありがとう、シモン…!!」

シモン「みんな、マミと杏子にも、ありがとうって…言っておいてよ!」

ほむら「嫌よ。これっきりもう会えないなんて決まったわけじゃないのだから」

ほむら「また会った時に、あなたが自分の口から言いなさい」

まどか「ほ、ほむらちゃん手厳しい…」アハハ

シモン「それもそうだね」アハハ
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 16:22:26.48 ID:MrMvrdZ20
シモン「…………」

まどか「…………」

さやか「…………」

ほむら「…………」

シモン「それじゃ、俺、そろそろ行くよ」

まどか「うん…きをつけてね…!」

さやか「元気でな、シモン!!」

ガシャン

「あばよ、なんて台詞は言わねぇ!! また会おうぜ!見滝原グレン団!!」ビシッ

ゴオッ…!!

…………

さやか「…あっという間に空高く、かぁ」グスッ

まどか「うん… 絶対また会おうね、シモン君!」

ほむら「……ありがとう、シモン」

ほむら(三人とも。絶対に…また会いましょう)
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 16:24:57.36 ID:MrMvrdZ20
−−−−−−−−−−

−見滝原市上空−

シモン(街が…どんどん小さくなっていく)

リーロン『螺旋界認識転移システム始動、スタンバイOKよ♪』

リーロン『転移先の座標軸安定。そのまま最高加速までもっていけば、問題なく…』

ピピッ

???『きゃあああぁぁぁぁぁ!?』

???『揺れるうぅぅぅぅぅぅ…!!』

???『キュプギュ!?キュイィィ!!』

シモン「!?」

リーロン『あら、グレンのコクピットに… シモン。あなたも隅に置けないのね?』

シモン「ええっ!?…グレンの操縦席から通信!?」

???『えへ…ついて来ちゃった』テヘ

???『よ、よぉ!またよろしく頼むぜ?』

???『キュプー…』

シモン『ま…マミに杏子!?それにキュウべえも! なんでグレンに!!』
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 16:27:00.49 ID:MrMvrdZ20
杏子『まぁ、なんだ。お前のいた世界ってとこも面白そうだしさ』

マミ『私ね、シモン君に何度も助けられて… 今度は、シモン君の支えに…うぷ、吐いちゃいそう…』

杏子『ちょ、ちょっと待てマミ!!吐くな!吐くなよ!?』

シモン「ほむらのヤツ…自分で言えってそういうことかああああああ!!」

シモン「無茶だよおおおおおおお!!」オロオロ

リーロン『言っておくけど…今さらもう後戻りはできないわよ♪』アラアラ

マミ『無茶で無謀と笑われようと!意地が支えの…………………ウエェ』

QB『キュプー!キュプー!!』

杏子『だから吐くなあぁぁ!!』

シモン「」

シモン「ど、どどどどどどうすればいいのお!?」

リーロン『決まってるでしょ、我らが大グレン団のリーダーなら』

マミ『そうよ?リーダー!』スッキリ

杏子『頼りにしてるぜ?』ニッ

シモン「どうしようどうしよう!? …もう、どうにでもなれだ!」

シモン「連れてけばいいんでしょおおぉぉぉぉ!!」

マミ『当たり前よ! 私を誰だと思って…思って………………ウエェ…』

杏子『お前、またかよ!!』

シモン「」

シモン「…覚悟を決めろ、マミ!杏子!」

マミ『そうこなくっちゃ!』

杏子『おう!!』



−廻る銀河のその果ての 青く輝く小さな星で 重なり合った二つの世界
                        語り尽くせば日がまた昇る−

シモン「………行くぜ!ダチ公!!」

−−−−−−−−−−


END
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 16:28:50.63 ID:MrMvrdZ20


以上で投下終了となります。
誤字脱字、読みにくい箇所や突っ込みどころも多々あったとは思いますが
最後までお付き合いいただき本当にありがとうございます。
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/01(日) 16:46:38.38 ID:Vz9qsjuDO
なるほど、身内いない組が螺旋の仲間入りか

しかし元の世界にはニアという本妻が
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/04/01(日) 16:50:21.88 ID:BpjMAI94o
乙〜
めちゃんこ面白かった!
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(西日本) :2012/04/01(日) 16:54:42.26 ID:tUBh/rzH0

面白かったで!
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/04/01(日) 17:17:44.07 ID:r6HmcHaLo
乙!面白かったぜ

良かったら、ニアとマミさんの修羅場を希望
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/04/01(日) 17:38:20.56 ID:MrMvrdZ20
SS初投下で終始ビクビクしながらだったのですが、楽しんでいただけたのでしたら良かったです!

知人からのリクエストで、最初はマミさんのみのENDだったのですが、杏子ちゃんそのままにすると
ごはんがなくて干乾びそうだったので、急遽放り込んでみました。

いつになるかわかりませんが、構想まとまったらグレンラガンの大人編が中心の続編やってみたいな〜と思ってます。
その時には、ニアとマミさんの絡みもがんばります(・ω・)

それでは皆様、ありがとうございました!
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/01(日) 17:53:17.66 ID:OsQzNO5d0
マミさん達の向こうでの話とか書いてみてよ
見滝原ンにまた行ったりとかしてみてよ
マジであんたのファンになっちまったぜ・・・
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/01(日) 17:58:25.55 ID:9ubXkrSHo
激乙!
激熱だったぜ!
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/01(日) 18:15:44.94 ID:xNRfGCLV0
乙!
脳内BGM流して読んでたら電車でマジ泣きした
ずっと熱くなりっぱなしだったぜ
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/04/01(日) 19:04:15.28 ID:t8VJ2a5Wo
乙!
つい、泣いてしまったぜ
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/01(日) 19:45:54.07 ID:vKmKcdZDO
嵐の後の空を見ているような…そんな、すがすがしい気持ちだ…。
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/01(日) 19:46:37.99 ID:ov3gD/pho
熱かった!!
乙!
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/04/01(日) 21:17:28.11 ID:/vkgTazP0
今読み終わった!

乙!!アンタサイコーだぜ!!

続編楽しみにしてます
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/04/02(月) 01:16:27.80 ID:1RecPlcgo

なんと言われようとグレンは突き抜けてていい
続編期待!アンスパさんとQBっ微妙に近い存在だよね
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/02(月) 04:06:43.54 ID:+IcMRwaDO
こんな時間にイッキ読みしちまった

最高に熱かったぜ!
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/02(月) 18:24:40.97 ID:o5G1DglCo
アニキの登場で泣いてしまった
乙!!
246 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/04/02(月) 22:39:20.86 ID:tN/CEFzz0
コンバンハ。書いた人です。
いっぱいレスついててビックリしてます。
最後まで読んでくださって本当にありがとうございました!
皆さんからのお言葉を励みに、また自分なりに書いてみます。

今更なのですがインキューベー「ダー」ではなく、インキュベー「ター」だったようです。スミマセンorz

1レス分だけなのですが、作り途中のもの置いてみます(・ω・)
マミさんじゃなくてゴメンナサイ
247 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/04/02(月) 22:42:13.46 ID:tN/CEFzz0
−カミナシティ郊外−

杏子「どうだ?ギミー、ダリー!グラパールの操縦、ちったぁ慣れてきたか?」ゴォォ…

ダリー「はい!私はなんとか…」ゴォォ…

ギミー「た、隊長ぉ!速過ぎですよー!」ヨタヨタ

ダリー「ギミーったらまた遅れてる…」

杏子「焦んなギミー!マシンの操縦ってのは、要は…えーっと、何だったかな」ハテ

杏子「まぁいいや。も少し慣らしたら着陸するから、準備しとけよ?」

ギミー「りょ、了解!」

ダリー「了解!」

ピピッ

『こちら管制塔。サクラ隊の行動区域内にて反政府組織の活動を確認』

『至急、現在応戦中の部隊の援護に向かって下さい』

杏子「へいへい。反政府組織ねぇ…まーたアイツか」ヤレヤレ

杏子「ギミー、ダリー!あたしは急行するけど…お前らは無理すんなよ!?」

ダリー「わかってます!」

ギミー「はい!」

−−−−−−−−−−


もともと遅筆なのと時期的に仕事場が多忙なので、投下開始がかなり遅くなると思います。
気長にお待ちいただければ幸いです。
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/04/02(月) 23:33:54.62 ID:r1KZ3KDto
続きに期待
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/04/03(火) 01:19:01.40 ID:3HmnurTNo
乙乙!
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/03(火) 08:23:15.60 ID:QhYiTJaHo
ここは当分落ちないから気長に待てるわー
251 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/04/13(金) 23:27:54.60 ID:DoZR3wWp0
生存報告です(・ω・)

下書きの半分弱くらいまで進みました。
とりあえず思いつくまま作ってるのですが、出てくる人が多かったり
話の視点のせいでなんだか影が薄い人が…
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/04/14(土) 09:57:56.47 ID:WYv6kVtno
頑張ってくれ
253 :t :2012/04/14(土) 21:36:43.23 ID:x+E4yT/z0
待ってる
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/14(土) 22:18:06.60 ID:8KjkhU/DO
続ききてたー
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/15(日) 00:14:04.30 ID:ggCTH1NSO
ここまで一気に読んだ

続きも待ってるよ!
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/04/18(水) 15:30:44.52 ID:Qej0hW41o
さっき一気に読み終わった
続き待ってるよ!
257 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/04/24(火) 00:07:43.06 ID:kdBxJFdm0
生存報告です。

4月中に下書き終らせるつもりで進めております。
早ければ連休中に。遅くとも5月中には投下開始できると思いますので、今しばらくお待ち下さい。
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/24(火) 06:19:39.55 ID:2h3UJiPxo
待ってる
259 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/01(火) 22:39:39.04 ID:OzXvBX220
お待たせしてすみません。

内容がえらく長いものになってしまいました。


・前に投下したものの続きになります

・両原作にないような機体とか敵が出てきます。ご了承下さい


こんなんでいいのかなーと思いつつも、ひっそりと続きを投下開始です(・ω・)
260 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/01(火) 22:41:27.52 ID:OzXvBX220
−見滝原市上空−

シモン「ええっ!?…グレンの操縦席から通信!?」

シモン「ま…マミに杏子!?それにキュウべえも! なんでグレンに!!」

シモン「ど、どどどどどどうすればいいのお!?」

リーロン『決まってるでしょ、我らが大グレン団のリーダーなら』

マミ『そうよ?リーダー!』

杏子『頼りにしてるぜ?』ニッ

シモン「どうしようどうしよう!? …もう、どうにでもなれだ!」

シモン「連れてけばいいんでしょおおぉぉぉぉ!!」

シモン「…覚悟を決めろ、マミ!杏子!」

マミ『そうこなくっちゃ!』

杏子『おう!!』

シモン「………行くぜ!ダチ公!!」


シモン「螺旋界認識転移システム始動!」

シモン「カミナシティへ・・・!!」

ゴォォォ…
        …シュピンッ

−−−−−−−−−−
261 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/01(火) 22:43:55.74 ID:OzXvBX220
−カミナシティ・広場−

キラン…
      ゴオォォォ…


「シモンだ!シモンが帰ってきたぞ!!」

………

シュゴオォォ… ガシャン。

ウィィン…

スタッ

シモン「ただいま。みんな!」フゥ

キタン「シ、モォォォン!てんめぇ心配掛けやがってぇ!」ゲシッ! グリグリ

シモン「のわぁ!? と、イテテ!痛いよキタン!」

ブータ「ブイッブイッ!ブキュウゥ――!」タタタッ…ダキッ

ペロペロ

シモン「あははは、ただいま。ブータ。心配掛けたな」ナデナデ

リーロン「ちゃぁんと戻ってきてくれてなによりよ。リーダー♪」

ロシウ「お帰りなさい、シモンさん!」

ヨーコ「お帰り、シモン。どうだった?向こうの世界は」

シモン「魔女がいて大変だったけど… すっごく楽しかったよ!」

シモン「あ。これみんなにお土産」ハイ

ナンダナンダ

クイモンダー!

オマンジュウト、オセンベイト…

ガサゴソガサゴソ

スゲエェェ!イッパイアルゾー!
262 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/01(火) 22:49:31.05 ID:OzXvBX220
シモン「そうだ。俺、向こうで友だちも出来たんだ!」

ダヤッカ「友だち?」


ウィィン…

スタッ… スタッ…


マミ「あ、あの…」ドキドキ

杏子「お…おぉー!! ここがカミナシティってとこかぁ!」キラキラ

QB「キュプッ…キュィッ…」ポト

リーロン「あぁら? アナタたちが…」イラッシャイ

オンナノコダ…!

カワイイー! アッチノコ、オッパイデケー!!

コレダカラオトコドモハ! ゲシゲシッ

グエェェ…

シモン「みんな、紹介するよ」

シモン「俺が向こうで友だちになった、マミと杏子だ」ニコ

マミ「巴マミです。よ、よろしくお願いします」ドキドキ

杏子「あたしは佐倉杏子。マミもあたしも魔法少女なんだぜ」ニカッ

杏子「んで。このちっこいのがキュウべぇだ」

QB「キュプッ」

ロシウ「魔法…少女ですか?」

ブータ「ブッキュ?」ツンツン

ナンダナンダ

マホーショージョ?

クエルノカー!?

クエルワケネーダロ!
263 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/01(火) 22:53:19.29 ID:OzXvBX220
「シモ〜ン!」パタパタ…


シモン「あ…」

タッタッタ…

シモン「ニア!」パァッ

ニア「お帰りなさい。シモン」

シモン「ただいま、ニア」ニコ

ニア「あら?こちらの方々はどなたでしょう?」キョトン

シモン「ニア。紹介するよ」

シモン「マミと杏子だ」

ニア「まぁ!」パァッ

ニア「マミさんと杏子さんですね?」

ニア「はじめまして。ごきげんよう」ニコ

ニア「カミナシティへようこそ。ゆっくりしていって下さいね」

ニア「あ…でもゆっくりっていっても」

ニア「こうやっておそ〜く動いたりしなくていいんですよ?」ノロー…

ニア「私はゆっくりお喋りしたり、お食事したりするのが大好きです♪」ハイ

杏子「え?」

マミ「え?」

ニア「えぇ」ニコ

ヨーコ「あはは。慣れないと、ニアと話すのは大変かもね?」
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(西日本) :2012/05/01(火) 22:56:14.24 ID:RRWrw+m00
きてたー!
265 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/01(火) 22:57:13.50 ID:OzXvBX220
キタン「とぉーにかく、だ! シモンのダチってこたぁ、俺らのダチってワケだ」ヘヘッ

ダヤッカ「そうだな、歓迎するよ。マミさん、杏子さん。カミナシティへようこそ」

キタン「ぃよっしゃぁ!野郎ども!今夜は新しいダチの歓迎と、シモンの無事を祝っての宴会だぜ!!」

ヤッター!

ウオオオオオ!

リーロン「ちょっと賑やか過ぎて驚かせちゃったかしら?」ウフ

マミ「い、いえ。大丈夫です」ドキドキ

マミ「あ…もしかして、あなたがリーロンさん?」

リーロン「正解♪ そういうアナタは、通信で色々教えてくれた子ね?」

杏子「しっかし、あたしらの世界と違って」

杏子「やっぱり建物なんかも独特なんだなぁ」

シモン「俺たちにとってはあれが当たり前なんだけどね」ハハ

リーロン「この街はまだ産声を上げたばかりなのよ」

リーロン「今は人と獣人が協力して、新しい街を作ってる と・こ・ろ♪」

マミ「素敵な街になるといいですね」ニコ

リーロン「そうねぇ。何しろ地上で初めての、ちゃぁんとした街でしょうから」

杏子「そっか。こっちじゃ人間は今まで地下で暮らしてたんだもんな…」

リーロン「もちろん。こっちで暮らす以上、アナタたちにも協力してもらわないとね♪」

ニア「みんなでカミナシティを素敵な場所にしたいです♪」

シモン「そうだな。…これからなんだ。何もかも!」

ブータ「ブゥッ ブゥブゥッ♪」

QB「キュィッ キュプキュプ♪」

ヨーコ「あら。ブータはすっかりキュウべぇと仲良くなったみたい」アラマ
266 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/01(火) 23:00:55.24 ID:OzXvBX220
−−−−−−−−−−



……

………

六年後…

−正午過ぎ・カミナシティ市街地
            マミの店−

ウェイトレス「店長〜!」

マミ「もうすぐ出来るから、ちょっと待ってて〜」

ジュゥゥゥ… トントントントン…

マミ「はい、ランチが二つね?」

ウェイトレス「運んできまーす」パタパタ…

………

……



マミ「小さいお店だから、お昼時は余計に混むわね」フゥ

ウェイトレス「ようやくひと段落ですよ」

マミ「はい。キュウべぇもお昼ご飯召し上がれ♪」コトン

QB「キュップー!」モグモグパクパク…

マミ「六年、かぁ…」カパッ

ウェイトレス「店長ってそのケータイ、いっつも持ち歩いてますよね?」

マミ「これはもう電池も切れちゃってるんだけどね」クス

ウェイトレス「普段使ってるのもあるのに。あ…もしかして、何か大事なケータイだったりしちゃったりして!?」

マミ「うん。私の御守りみたいなものかなぁ」


ガチャ…カランコロン


マミ「いらっしゃいま… あら?杏子じゃない」
267 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/01(火) 23:02:52.92 ID:OzXvBX220
杏子「よっ」ピッ

マミ「…あなたねぇ。まーた仕事中にサボり?」

杏子「へへっ。まぁそう硬ぇこと言うなって。あたしとマミの仲じゃねーか」ニッ

マミ「あのねぇ…杏子がそんなんだと、ほら。ギミー君もダリーちゃんも困ってるじゃない」チラッ

杏子「んなことねぇって! な?ギミー、ダリー」ケラケラ

ダリー「いいんですか?隊長。またロシウさんに怒られちゃいますよ?」

杏子「いーんだよ。あんのデコ助、最近なんっか付き合いも悪ぃしなぁ」

杏子「おい、お前ら。好きなモン頼めよ」

ギミー「ぃやったぁ!んじゃ、俺このスパゲッティ!」キラキラ

杏子「お前は?」

ダリー「もう。本当にいいんですか…? マミさんからも隊長に何か言って下さい」プクー

マミ「はぁ…怒られるのは杏子だし、本人がいいならいいんじゃない?」クス

杏子「そーゆーこった。いいか?ダリー。人間食える時に食っておかねぇとなぁ」

杏子「あたしらのような軍人は特にそうさ。…ってことで、あたしはこれ。ランチ!大盛りでな!」

マミ「はいはい。大盛り肉多め、でしょ?」ヤレヤレ

マミ「ダリーちゃんはどうする?」

ダリー「それじゃぁ…私もランチで。えっと、量はちょっと少なめで」

ギミー「あ!俺も大盛りがいい!」

マミ「ギミー君も大盛りね? わかったわ。それじゃ…ちょっと待ってて頂戴」ツカツカ…
268 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/01(火) 23:06:03.46 ID:OzXvBX220
………

モグモグムシャムシャ…

杏子「んーでさぁ。ロシウの野郎、最近なんっつーか」モグモグ

杏子「あたしだけならまだしも、シモンや大グレン団の奴らにまで素っ気無い態度とってるっつーかさぁ…」

マミ「私たちがこっちに来た時に比べると、ここ数年で街が一気に大きくなったから」

マミ「補佐官として、ロシウ君も色々大変なんじゃないかしら」

ギミー「…でも六年前、グレンラガンから隊長とマミさんが出てきた時は」クルクル

ギミー「俺、本当驚いたんっすよ?」チュルルルー

ダリー「まだ私たちが小さかったから…というのもあるけれど」

ダリー「お二人が別の世界の人だって聞いた時は信じられませんでした」

マミ「そういえばシモン君が私たちの世界に来た時も」

マミ「ラガンがなければみんな信じてなかったかもしれないわね?」フフ

杏子「なっつかしいよなぁ。アイツのラガンを先に見てたから、それですんなり納得したんだよな」モゴモゴ…ゴクンッ

マミ「シモン君も、今じゃ総司令…かぁ」ハァ

ダリー「(隊長。マミさんって、今もシモンさんのことを…?)」ヒソヒソ

杏子「(…アイツにとっちゃ命の恩人だし、ヒーローだからなぁ)」ヒソヒソ

ギミー「やっぱりマミさんの店の料理うんめぇ!」チュルチュルモグモグ

杏子「シモンも…たまに会うとさ、毎日大変そうだよなぁ」

マミ「街のこと。そこで暮らしてる人たちのこと、全部背負ってるもの」

マミ「…彼がいなかったら。きっと私、毎日がこんなに充実してなかったと思う」

杏子「アイツのお蔭で、あたしら…みんな変わったんだよな」
269 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/01(火) 23:08:12.47 ID:OzXvBX220
杏子「あたしもマミも。さやかもほむらも。それに、まどかも」

ギミー「その人たちって、隊長がよく話してくれる友だち…でしたっけ?」

杏子「ああ。みんないい奴ばっかりだよ。今頃どうしてっかなぁ」シミジミ

マミ「ほぉんと。暁美さんと美樹さん、喧嘩してないかしら?」クス

杏子「あいつらが喧嘩しても、きっとまどかが止めてるよ」アハハ

マミ「また、会えるかな?」

杏子「なんだ?もう忘れたのかよ。約束したじゃねーか。ほむらとさ」

マミ「ふふ。そうだったわね」ウン


杏子「…っと、いけね。そろそろいかねーと。美味かったよ、マミ」チャリン

マミ「仕事中にサボるのは感心しないけど。それ以外だったら、またいつでもいらっしゃい」

マミ「ギミー君もダリーちゃんも、お仕事頑張ってね?」ニコ

ダリー「ありがとうございます!ほら。行くよ、ギミー!」

ギミー「ま、待ってくれよダリー! ご馳走様っしたぁ!!」バタバタ


マミ「あれから六年かぁ」


−−−−−−−−−−
270 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/01(火) 23:11:16.21 ID:OzXvBX220


……

………

ニア「私、ニアと申します」ペコリ

マミ「私は巴マミ。マミでいいわよ?」ヨロシクネ

ニア「私たちが暮らしてる世界の他にも」

ニア「違う世界があるのですか?」キラキラ

ニア「マミさん、杏子さん。ぜひ私に、お二人がいた場所のお話を聞かせて下さい」ワクワク

マミ「そうねぇ。私たちの住んでいた街、見滝原は……」

……

マミ「それに魔法少女がいて…」

ニア「魔法少女って一体なんですか?」キョトン

マミ「魔法少女はね…」

……

ニア「マミさん。お願いがあります」

マミ「お願い?」

ニア「私も魔法少女やってみたいです」ニコ

マミ「」ソレハチョット

………

……

271 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/01(火) 23:13:00.88 ID:OzXvBX220
ニア「マミさん。あなたはなぜ泣いてるのですか?」

マミ「グスッ… ちょっと、お友だちのことを思い出しちゃって」グスン

ニア「シモンが言ってました。泣きたい時はいっぱい泣くといいって」ウン

ニア「だからいいんです。マミさんはいっぱい泣いても」ニコッ

マミ「ニアさん…うぅっ、グスン…グスンッ…」

ニア「よしよし、いい子いい子」ナデナデ

ニア「お友だちのことを思い出して泣くのは、きっとあなたが優しいからです」

マミ「ヒグッ… ウワアァァン… 鹿目さん、美樹さん…暁美さん…会いたいよぉ」ポロポロ

ニア「マミさんに思い出して泣いてもらえるお友だちも。きっと素敵な方なのですね」ニコ

ニア「……クスン、クスン」ポロポロ

マミ「ちょっと、ヒック…なんであなたまで泣くのよ?」グスン

ニア「だって、だって。大好きなマミさんが泣いてるの見てると悲しくなっちゃうんです」ポロポロ

マミ「もう。本当変なお姫様なんだから」グスン…クスッ

………

……

272 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/01(火) 23:14:59.41 ID:OzXvBX220
マミ「私は、シモン君が好きよ!」

ニア「はい。私もシモンのことがだーい好きです♪」

マミ「いいわ、ニアさん!だったら…今日からあなたは恋のライバルってことね!」ビシッ

ニア「恋の、ライバルですか?」キョトン

マミ「ええ!」

ニア「マミさん…」グッ

ニア「恋のライバルって…何でしょう?」ニコッ

マミ「」ガクッ

マミ「同じ人を好きになって…だから、えーっと」アタフタ

ニア「はい」

マミ「うーん…お互い、悔いのないようにその人を好きになって」

マミ「どちらが勝っても恨みっこなし。ってこと…かなぁ」ウーン

ニア「マミさん」

ニア「人を好きになるのに、勝つとか恨むとかはいりません」ニコ

マミ「そう言われちゃうと…」ソレモソウネ

ニア「人が人を好きになるのって、とっても素敵なことですから」

ニア「あ!」

マミ「でも私もシモンも杏子さんも。みんなマミさんのこと大好きです♪」

マミ「え///」

ニア「わかりました。シモンも杏子さんもマミさんも、恋のライバルですね!」ドーン!

マミ「もう、せっかくキメたつもりなのに。なんか私、バカみたいじゃない」クス

………

……

273 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/01(火) 23:18:01.48 ID:OzXvBX220
ニア「できました!」

デローン

マミ「」エーット

マミ「お料理では私が圧勝みたいね」フフフ

ホカホカ

ニア「マミさんのお料理、いつもすっごく美味しそうです」パァッ

マミ「小さい頃からお菓子を作ったりしてたのよ♪」フフーン

マミ「……」

デローン

ニア「……」ジー

マミ「……」

マミ「しょ、しょうがないわね。ニアさん。私がお料理教えてあげる」ヤレヤレ

ニア「お料理いただいてもいいんですか?」

マミ「え?」

ニア「ええ」ニコ

マミ「そうじゃなくって… えっと、もちろん食べてもいいんだけど」

ニア「はい。マミさんと一緒にがんばります」キラキラ

マミ「」

………

……

274 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/01(火) 23:21:32.13 ID:OzXvBX220
ニア「とっても素敵なお店です♪」

マミ「大グレン団のみんなが、忙しいのに作ってくれたお蔭ね」

ニア「マミさん。おめでとうございます」

ニア「あなたが嬉しいと私も嬉しい」ニコ

マミ「ありがとう、ニアさん」クス

マミ「杏子はパイロットとして。私は美味しいお料理を作って」

マミ「カミナシティがもっと良い街になるように、がんばるつもりよ」

ニア「はい。こんどみんなでお食事にきます」

マミ「ええ、待ってるわ」ニコ

マミ「そうだ。ちゃぁんと、シモン君も連れてきてね?」

ニア「もちろんです」ニコ

………

……

275 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/01(火) 23:23:43.72 ID:OzXvBX220
−−−−−−−−−−


マミ「…なーんか。あの子のペースに振り回されっぱなしだったなぁ」クス

ガチャ。…カランコローン

マミ「あ。すいません、今準備中で…」クルッ

ニア「マミさん。ごきげんよう」ニコ

マミ「あら?いらっしゃい。少し前まで杏子たちが来てたのよ?」ハイ、オチャ

ニア「はい。先ほど向こうの通りでお会いしました」イタダキマス

マミ「そっか、会ってたのね」

マミ「はいメニュー。準備中だけど、お腹空いてるなら何か作りましょうか?」

ニア「いえ」フルフル

ニア「今日はマミさんに大事なお話しがあってきました」ハイ

マミ「大事な話?」

………

マミ「シモン君からプロポーズ…された…?」キョトン

ニア「ええ」ニコ

マミ「………………っ」

マミ「…そっ…か」

マミ「シモン君、やっと重い腰を上げたと思ったら…ニアさんを選んだのね」

マミ「おめでとう、ニアさん」ニコ

ニア「だから、相談したくて」
276 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/01(火) 23:26:41.77 ID:OzXvBX220
マミ「相談って。相談なんてするまでもないんじゃないかしら?」

ニア「いえ。マミさんには聞いてほしいんです。恋のライバルですから」ビシッ

マミ「う゛…だいぶ前に言ったこと、まだ覚えてたのね///」ハズカシイ

ニア「はい」キラキラ

マミ「まったくもう。このお姫様は本当いい度胸してるんだから」クス

ニア「はいっ」ニコニコ

マミ「で…なんてプロポーズされたの?」

ニア「それは…」

………

マミ「えーっと… ごめん。ニアさん。もう一度言って?」

ニア「だから…やだっていいました」ニコ

マミ「こ、断ったの!?」ナンデー!

ニア「ええ」

マミ「理由、教えてもらえるかしら?」アノネェ

ニア「二人が同じ人間には、なれないかなー…って」ニコ

マミ「」

マミ「……ぷっ。あはははは!」アハハ

ニア「?」

マミ「あなた本当に面白いお姫様なんだから」ニコ

マミ「確かに…二人が同じ人間になるのは無理よね」

ニア「はい」

マミ「でもね、ニアさん」
277 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/01(火) 23:28:59.11 ID:OzXvBX220
マミ「シモン君があなたに言った…二人で同じものを見て、同じ音を聞いて、同じように笑う」

マミ「それってとても素敵なことなのよ?」

マミ「あなたはあなた。シモン君はシモン君。それでいいじゃない」

マミ「嬉しい時は二人で喜んで、悲しいときは二人で泣いて」

ニア「……」

マミ「もう、答えは出てるわよね?」ニコ

マミ「もう一度、彼のところに行ってらっしゃい」ホラホラ

ニア「マミさん。ありがとうございます」ペコ

カランコロン…バタン

パタパタパタ…

マミ「そっかぁ。呆気ないなぁ」

マミ「でも…後悔なんてあるはずない」ウン

マミ「あるはず…ない」ジワッ

マミ「…………」ポロポロ

QB「キュプゥ…」スリスリ

マミ「ありがとう、キュウべぇ。大丈夫よ」グスン

マミ「杏子ぉ… 私、フラれちゃった…」ヒグッ…グスン

−−−−−−−−−−
278 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/01(火) 23:31:42.23 ID:OzXvBX220
−カミナシティ郊外−

杏子「どうだ?ギミー、ダリー!グラパールの操縦、ちったぁ慣れてきたか?」ゴォォ…

ダリー『はい!私はなんとか…』ゴォォ…

ギミー『た、隊長ぉ!待って下さいよー!』アタフタ

ダリー『ギミーったらまた遅れてる…』

杏子「焦んなギミー!マシンの操縦ってのは喧嘩と同じで、要は気合と冷静さだ!」

杏子「とは言え、お前らの上達速度は大したもんだよ」

杏子「その調子ならすぐに使いこなせるようになるから心配すんな!」

ギミー『隊長!俺、頑張ります!』フンス

杏子「おう! さてと。も少し飛んだら着陸するから、準備しとけよ?」

ギミー『りょ、了解!』

ダリー『了解!』

ピピッ


『こちら管制塔。そちらのパトロール区域近辺にて反政府組織の活動を確認』

『至急、現在応戦中の部隊の援護に向かって下さい』


杏子「へいへい。反政府組織ねぇ…まーたアイツか」ヤレヤレ

杏子「ギミー、ダリー!あたしは先行くけど、お前らは無理するんじゃねーぞ?」

ダリー『わかってます!』

ギミー『はい!』
279 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/01(火) 23:34:42.05 ID:OzXvBX220
−戦闘区域−

ズダダダッ… ドゴーン!

???『貴様ら如きグレンラガンもどきでは相手にならん!シモンはどうしたぁッ!?』

杏子「シモンなら、議事堂のお部屋で書類と睨めっこだと思うぜ?」

???『なんだと!?』

杏子「よぉ、ヴィラル。まーた派手に暴れてんじゃねーか!」

ヴィラル『そのカスタム機は…また貴様か!!』

杏子「ぼちぼちお前の顔も見飽きたしな。ここらでケリつけようぜ!!」ジャキンッ

ヴィラル『それはこっちの台詞だ!異界の女ぁ!!』

ガキンッ!ギリッ…ガンッ!

ヴィラル『クッ!! シールドが…もたない!?』

杏子(あの野郎のガンメン、もうボロボロじゃねぇか…)

ザシュッ!ズガンッ!

杏子(手負いの奴を仕留めるのは気が引けるけど…)

杏子「悪く思うなよ、ヴィラル!」

ザンッ!

ヴィラル『ぐぅッ!!…っく…』

ヴィラル『ここまで、か。エンキドゥドゥ…俺の我侭に良く付き合ってくれた…』

ヴィラル『悪かったな…』プシュゥ

ガガッ…プスン…

杏子「……」
280 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/01(火) 23:38:45.32 ID:OzXvBX220
ギミー「隊長!無事ですか!?」タタッ

杏子「おう、二人とも。あたしゃピンピンしてるよ」ニヒヒ

杏子「っと…ほれ。お前がご指名の総司令様からだ」

ピッ

シモン『……』

ヴィラル「なんだ、その眼は」

シモン『ヴィラル。お前もしつこい男だな』

シモン『何故そこまでして俺たちに逆らう?もう戦いは終ったんだ』

ヴィラル「テッペリンの玉座に収まっている男に言われたくはない」フン

シモン『どういう意味だ』

ヴィラル「あれを見ろ。俺は彼らを守ろうとした」

ゾロゾロ…

杏子(あれは…地上に出たくねぇ連中ってとこか)

ヴィラル『彼らは地下に住んでいたいと願っていた。人間の中にもそういう奴らがいるんだよ』

ヴィラル『地下こそが自分らの故郷だ。そう思う奴がな。…だから俺は彼らに加勢した』

ヴィラル『地上か地下かの違いだけだ。やってることは螺旋王と同じなんじゃないか?ええ。シモン』

ズイッ

ロシウ『能書きは結構。反政府行動はj』

杏子(ちっ…)

ピッ。パタン…
281 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/01(火) 23:40:46.16 ID:OzXvBX220
杏子「うっさいのが出て来ちまった」

杏子「ま。こっちもこれでメシ食わせて貰ってる身だからさ。悪ぃけど連行させてもらうぜ?」

ヴィラル「ふん… 好きにしろ」

ダリー「杏子さん、後でまたロシウさんに怒られますよ…?」

杏子「いーんだよ。あんなデコッパチ」フン

杏子「……」

杏子「なぁ、ヴィラル」

ヴィラル「なんだ。女」

杏子「お前がもし自由になれたらさ。そんときゃちゃんとした機体使って、サシでやろうぜ?」

ヴィラル「…フン。面白い人間だ」

ヴィラル「いいだろう。その言葉、忘れるんじゃないぞ?」

杏子「ったりめーだ」ニッ

−−−−−−−−−−
282 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/01(火) 23:44:14.06 ID:OzXvBX220
−マミの店−

ウェイトレス「大丈夫ですか?店長、夕方からなんだか元気なかったみたいですけど…」

マミ「あ。うん。何でもないから大丈夫」ニコ

ウェイトレス「お疲れ様でした。早く元気になってくださいね?」ペコッ

タッタッタ…

マミ「お疲れ様。もう、余計なお世話よ?」フリフリ

マミ「はぁ…昼間にいっぱい泣いたから、目が腫れてたかしら」

クルッ…パタン 【-CLOSED-】

マミ「んっ…今日も一日よくがんばった」

マミ「気持ち、切り替えないとね…」ウン

QB「キュプー…」

マミ「帰ろっか、キュウべぇ」ニコ

テクテクテク…


prrrrrrrr…

【着信・ニアさん】

ピッ

マミ「あら。どうしたのかしら。さっそくノロケでも聞かされるの?」クス

マミ「え、キヨウさんが!? ええ。ええ…わかった、私もすぐ向かうわね」

マミ「ところで…シモン君にはあの後ちゃんと返事した?」

マミ「…そう。うん、そっか… 幸せになりなさいよ?」

マミ「それじゃ、彼にも伝えてあげて? ええ。病院で会いましょう」ピッ

タッタッタ…
283 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/01(火) 23:48:50.94 ID:OzXvBX220
シュバッ……ズガァァン!!

マミ「きゃぁっ!?」バタッ

QB「キュップイ!?」

マミ「けほっ…な、なに今の!?」

カジダー!

ビルガクズレル! ニゲロ!

マミ「そんな…街が、燃えてる!?」

マミ「一体なにが…」ヨロヨロ

オイ! アンタハヤクニゲロ!

キャァァ!アブナイ!!

ガレキガ!

マミ「え…?」

ガラガラガラ…


『伏せてろ、マミ!』ドガーン!


マミ「あのグラパールは…杏子!?」

杏子『おう!』

マミ「私はいいから、街の方を!」

杏子『あぁ。悪いけどそうさせてもらう!』

杏子『ダリー!マミのこと頼んだ! ギミーはあたしについて来い!』

ギミダリ『『了解!!』』
284 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/01(火) 23:50:56.80 ID:OzXvBX220
ダダダダッ!!

ギミー『攻撃を吸収した!?』

杏子「見たことねぇツラだな。テメェ!ここに何しにきやがった!!」

ムガン『……』

杏子「反応なしか」

ギミー『無人ってことですか?』

杏子「さぁな」

ギミー『銃がダメなら… グラパールブレード!!』ザンッ

…キィンッ

ギミー『チキショウ!弾かれる!』

杏子(おいおい、まさかこっちの世界の魔女だったりか?)

杏子(だとしても魔女の気配を感じねぇ)

杏子「さて。どうすっかな…」


「ティロ・フィナーレッ!!」ズドンッ!


ムガン『……』グラッ

杏子『んなぁっ!?』

マミ「グラつかせるだけが精一杯!?」

杏子『おい、マミ…!このバカ!お前そんなとこで生身で何やってんだ!!』

マミ「ちゃんと変身してるでしょ!」

マミ「それに私だって!!発散したい時くらいあるのよ!!」ズダンッ!ズダンッ!!
285 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/01(火) 23:54:48.25 ID:OzXvBX220
ダリー『マミさん!危ないですから早く避難を!!』

マミ「杏子!ダリーちゃん!喋ってる暇があったら…!」ズダンッ!

杏子『あぁ、もう!わーってるよ!手を動かしなさい、だろ!!』ガパッ

ダリー『隊長!コクピットから出るなんて危険です!』

杏子「どうやら…魔法少女の力は効くらしいな!」ヘンシン!

杏子「だったらこうだ!」ジャラッ…

ザシュッ!ズババッ!

杏子「チッキショー…大きさが違い過ぎる!」

杏子「こんな時ほむらがいれば、いい方法でも考えてくれそうなんだけどなぁ」

マミ「いない人を頼っても仕方ないじゃない!私たちで…何とかするのよ!」バシュン!

杏子「ギミー!ダリー!あたしらがコイツの相手してる間に、お前らで街の連中避難させろ!!」

ダリー『で、でも…』

ギリー『俺たちの武器じゃ歯が立たないんだ!隊長を信じるしかないだろ!』

ギリー『行くぞ、ダリー!』ゴォォ…

ダリー『隊長! 絶対に無理はダメですからね!?』ゴォォ…

杏子「ヘッ! 無理を通して…」

マミ「道理を蹴っ飛ばす!」

ピシュン!ピシュンッ!…

マミ「とは言ったものの…無差別レーザーで近付かせてくれない上に」バシュン!

マミ「こっちの攻撃は決定打にならないとなると、さすがに厄介ね!」ヒュッ…ヒラリ

杏子「いーんだよ!あの野郎がこっち向いてくれてりゃぁ!」ジャララッ
286 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/01(火) 23:59:54.76 ID:OzXvBX220
タタタ…ザシュッ!!

ムガン『……』

杏子「…と、やべぇ!近付き過ぎた」タラー…

マミ「杏子!!」

ムガン『……』キュゥゥン…

杏子「おいおいおいおい、直撃したら洒落にならねぇぞ!!」


『杏子!走れ!』バチィンッ!!


マミ「あれは…!」

杏子「グレンラガン!シモンか!!」

シモン『散々ビービー垂れ流しやがって!』

シモン『テメェのクソッタレビーム…そっくりそのまま返してやる!!』ガリガリッ…

ガキイィィン!!

マミ「やった!砕いたわ!」

杏子「さっすがシモン!やるじゃねぇ… うをわ!?」ドカーン!

シモン『倒した敵の破片が!?』

マミ「そんな、街が…」

杏子「破片が…爆発してるってのか…」クッ

マミ「ちょっと、あれ…空の上…」アワワ


『地球人類ニ告ゲル』


シモン『あれは…ニア!?』

黒ニア『我々、反螺旋族アンチスパイラルハ。地球人類ガ螺旋力危険レベル第ニ段階ニ達シタト判断』

黒ニア『コレヨリ。人類殲滅システムヲ発動シマス』

−−−−−−−−−−
287 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/02(水) 00:04:17.04 ID:Txez3GYR0
−翌日・マミの店−

ウェイトレス「お店も店長も、無事で本当に良かったです」

マミ「はぁー…」

ウェイトレス「…でも、三週間後に月が落ちてくるだなんて」

ウェイトレス「それに昨日の暴動」

ウェイトレス「オマケに今朝のニュースはどこも、シモン総司令逮捕のことばっかり」

マミ「はぁー…」

ウェイトレス「店長ー?聞いてますかー?」プニプニ

マミ「はぁー…」

ウェイトレス「今日はもう…お客さん来ないかもしれませんね」

マミ「あ。うん。聞いてるわよ?」

マミ「…ごめん。今日はお店…お休みにしよっか」


マミ「……」ピッ

prrrrrrrrr…

留守ニア『ごきげんよう、ニアです。ただいま電話に出られません……』ガチャ

マミ「……」ハァ

マミ「……」ピッ

prrrrrrrrr…

留守ニア『ごきげんよう、ニアです。ただいま電話に……』ガチャ

マミ(昨日街の空に映ったのは、あれは間違いなくニアさん…)
288 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/02(水) 00:07:44.66 ID:Txez3GYR0
マミ(それにシモン君は逮捕されちゃうし…)

マミ(どうなってんのよ)

マミ(そうだ。軍にいる杏子なら、何がどうなってるのか知らないかしら?)

prrrrrrrr…  prrrrrrrr…

マミ「出ない…」


−議事堂・総司令室−

杏子「で。話しって何だよデコッパチ」

杏子「一介の兵士をこんな場所に呼び出して。…お茶に誘ってくれるって雰囲気でもねーしなぁ?」ジリ…

ロシウ「単刀直入に申し上げる。貴女の持っているソウルジェムを僕に渡していただきたい」

杏子「」

杏子「はぁ!?お前何言ってんだよ!」

杏子「あたしらにとってソウルジェムが何なのかは…シモンやリーロンからも聞いてるだろ!?」

ロシウ「ええ。ソウルジェムとは言わば魔法少女の魂。魔法少女そのもの」

杏子「だったら…!」

ロシウ「昨日の戦い。僕も見せてもらいました」

ロシウ「量産型とは言え、グレンラガンに匹敵する性能を持つグラパールが全く歯が立たない相手に」コツコツ…

ロシウ「貴女と。貴女のご友人は、微力であったとは言え対抗していた」

杏子「そういうことか」

ロシウ「察しが良くて助かります」

杏子「断るに決まってんだろ」

杏子「何に使うのかは知んねーがな」

杏子「コイツを弄繰り回されるってのは、あたしたちにとっちゃ心を弄繰り回されるのと同じなんだよ」
289 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/02(水) 00:12:20.67 ID:Txez3GYR0
杏子「信頼出来るヤツならともかく…今のあんたは信頼できないね」

ロシウ「そうですか。それでは仕方ない」

ロシウ「何もソウルジェムは貴女のものでなくてもいい」

杏子「…テメェ!マミに何かしやがったら…!!」ギリッ

ロシウ「我々も、手段を選んでいる場合ではないのです」

ロシウ「…渡す気になってくれましたか?」

杏子「……」チッ

杏子「……」コトン

ロシウ「助かりますよ。では時間も惜しいので、これは早速科学庁に回します」

ロシウ「安心して下さい。ソウルジェムを我々が解析しているその間、貴女の身体は別室にて管理させましょう」

杏子「おい。待てよデコ助」

ロシウ「まだ何か?早くこれを調べなk

ガスッ!!

ロシウ「……ぐぁっ!? な、何をする…!」

杏子「あたしの魂、少しでも穢してみろ」

杏子「そんときゃ死んでもテメェをもう一発ぶっ飛ばしてやるからな」ギリッ…

−−−−−−−−−−
290 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/02(水) 00:15:25.84 ID:Txez3GYR0
−翌々日・マミの店−

ガチャ…カランコロン…

???「ヨォ。まーだ店開けてたのかよ」

マミ「あら、キタンさん。いらっしゃい」

QB「キュップイ」チョコチョコ

キタン「おう、白チビ。元気にしてっか?」ナデナデ

QB「キュゥキュゥ」

キタン「よっ…と。とりあえず何か腹に溜まるもの頼むわ」ドッコイセ

マミ「ええ。ちょっと待っててね」

キタン「あのウェイトレスはどうした?」

マミ「しばらくお休みにさせたわ」チャッチャッ、ジュー…

マミ「…どうしたのかしら? 浮かない顔しちゃって」ハイ、ドウゾ

キタン「ん、おぉ。悪ぃな」

キタン「いや、なに。ちょっと妹と…キノンと喧嘩っつーかなんっつーか…気まずくってよ」モグモグ

キタン「キノンの奴は、ロシウの言うこと信じておきゃぁ間違いねぇっつってたけど」

キタン「俺ぁ今のあいつが言ってること、どうもわっかんねぇんだよな」

マミ「そうね。ロシウ君とシモン君って、ずっと昔からの仲間なんでしょ?」

マミ「なのにシモン君を死刑にするだなんて…」

キタン「お前はシモンのこと、心配じゃねぇのかよ」モグモグ

マミ「心配に決まってるじゃない」ブルブル
291 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/02(水) 00:18:16.02 ID:Txez3GYR0
キタン「お前はシモンのこと、心配じゃねぇのかよ」モグモグ

マミ「心配に決まってるじゃない」ブルブル

マミ「心配で…何もできないのが悔しくて… こうしてお店でも開けてないと」

マミ「どうにかなっちゃいそうなのよ…」グスッ

QB「キュプゥ…」

キタン「そっか。そうだよな…」ワリィ

ガチャ。カランコロン…

???「お、開いてた開いてた」

キタン「なんだ、レイテじゃねーか。お前もこんな時にメシ食いに来たのかよ」モゴモゴ

レイテ「まぁね。街ん中はどこもかしこも、みぃんな議事堂前での集会か避難の準備で」

レイテ「開いてる店なんてこれっぽっちもありゃしない」フゥ

マミ「いらっしゃい、レイテさん」

レイテ「未だに店開けてるのは、ここいらじゃあんたのトコとウチくらいだよ?」

マミ「何かしてないと、気が参っちゃいそうで」

レイテ「マミ。あんた、あんまり無理すんじゃないよ?」

キタン「シモンとニアの件もあるしな」モグモグ

ポカッ

キタン「いてぇっ!何しやがる!?」

レイテ「ったく、デリカシーのない男だね」

キタン「んだよそりゃぁ」
292 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/02(水) 00:19:41.81 ID:Txez3GYR0
マミ「ほらほら、その辺にして」クス

マミ「で。レイテさんは何にする?」

マミ「…とは言っても。材料の仕入先も閉まっちゃってるから、あり合せになっちゃうけど」

レイテ「いいっていいって。コイツが食ってるヤツより美味そうなの頼む」ニシシ

キタン「おい、テメェ!何だそれ!ズッりぃじゃねーか!」ガタン!

レイテ「うっさいねぇ。男がいちいちガタガタ抜かすんじゃないよ」ヤレヤレ

ジュー…ジャッジャッ カチャカチャ

レイテ「そうそう。あんたと杏子に伝えることがあるんだ」

マミ「私たちに?」ハイ、オマタセ

レイテ「お。美味そうじゃないか」ハフハフ

レイテ「今度見せたいモンがあるからさ、もう二、三日したら杏子連れてウチにきな」ウン、ウマイ

マミ「…見せたいもの?」

レイテ「ま。そん時になってのお楽しみさ」モグモグ

−−−−−−−−−−
293 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/02(水) 00:22:14.85 ID:Txez3GYR0


……

………

ほむら「なにかしら?二人して話しって」

マミ「暁美さん、お願いがあるの」

杏子「いや、ちょっとしたことなんだけどさー」

マミ「明日の、シモン君の見送りのことなんだけど…」

マミ「私たちも彼と一緒に行こうと思うの」

杏子「アイツのいた世界ってのもさ、どんなところなのか興味あるんだよな」

ほむら「……二度とこちらに戻って来れないかもしれないのよ?」

マミ「そうね。わかってるわ」

ほむら「あなたたち本気なの?」

杏子「あぁ」

マミ「ええ」

ほむら「全く。インキュベーターではないけれど、わけがわからないわ」

ほむら「………」

ほむら「いいわ。でもその代わり…」

ほむら「約束しなさい。何があっても、必ずもう一度見滝原に戻ってくるって」

ほむら「何があっても、必ずみんなでまた会うって」

ほむら「わかった?約束なんだから…」ポロポロ

杏子「わーってるって。絶対に、な?」ギュ

マミ「約束するわ、暁美さん」ギュ

………

……



−−−−−−−−−−
294 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/02(水) 00:26:14.78 ID:Txez3GYR0
−議事堂地下・研究エリア−

杏子「…zzz」

杏子「…う、ん…?」

杏子「ふあぁ…えらい昔の夢、見ちまったなぁ」ウーン

杏子「お。身体が動く」

リーロン「はぁぃ、お目覚め?」

杏子「なんだリーロンか。…あたしがこうして動けるってことは、ソウルジェムはもういいのか?」

リーロン「ええ。ついさっき色々終わったところ」

リーロン「だから、真っ先にこうしてアナタに返しにきたのよ」ハイ

杏子「サンキュ」

杏子「あれからどのくらい経過したんだ?」

リーロン「四日ってところね。大丈夫、月はまだ落ちてきていないから」

杏子「そっか。んで…ソウルジェム調べて、何かいいことでもあったか?」

リーロン「お蔭さまでね」ウフ

杏子「そいつは何より」ヨット

リーロン「あら。収穫が何なのか聞かないのね」

杏子「あれだろ?どーせあのデコ助が喜びそうなことで」

杏子「あたしらみたいなパイロットには、あんまり関係ねーことだろ?」ケッ

リーロン「ほぉら、もう。不貞腐れないの♪」

リーロン「あなたに関係大アリのことなんだから」

杏子「あたしに?」

リーロン「そ。正確には、あなたたちに」パチン
295 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/02(水) 00:30:23.44 ID:Txez3GYR0
………

杏子「」

リーロン「やぁねぇ。トビダヌキが豆鉄砲食らったみたいな顔しちゃって」

杏子「だって、だって…!」パクパク

リーロン「ここだけの話。データはもうレイテに送ってあるから」

リーロン「直に最終調整まで終えて、もう数日中には出来上がると思うわ」

杏子「これを、あのデコ助が…?」

リーロン「ソウルジェムでそんなことができる、なんて判明したのは偶然なんだけどね」

リーロン「でもね。今回のアイディアと、それの運用について積極的に推したのは彼よ?」

杏子「あの野郎」

リーロン「シモンとはまた違ったカタチで、あの子も不器用なところがあるからねぇ…」フゥ

リーロン「あの子なりにアナタたちを助けたいんじゃないかしら?」

リーロン「元は別世界の住人であるアナタたちをね」

杏子「ロシウ…」

リーロン「あ。そーうそう、彼からの伝言なんだけど」

リーロン「そんなわけだから、アナタは今日で ク・ビ ですって♪」

リーロン「すぐに身支度整えて、何処へなりと行っていいって言ってたわよ?」ウフ

杏子「なんだよ、それ…」グッ

−−−−−−−−−−
296 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/02(水) 00:36:22.36 ID:Txez3GYR0
−マミの店−

ガチャ…カランコロン

杏子「…よぉ、邪魔するぜ」

マミ「……」

杏子「悪かったね、連絡取れずに。月の話もシモンのことも聞いてるよ」

マミ「杏子。私たち、もうこのまま月が落ちてくるのを待つしかないのかな」

マミ「もう見滝原のみんなにも。鹿目さん、暁美さん、美樹さんにも二度と会えないのかな」ハァ

QB「キュプゥ…」

杏子「そのことなんだけど、さ」ヨッコラセ

杏子「あたしら、見滝原に帰れるかもしんねーって」

マミ「そう…見滝原に…」

マミ「……」ヘ?

マミ「……!?ちょっと杏子、どういうことなの!?」ガシッ

杏子「落ち着け!落ち着けよ!!」アワワ

QB「キュイ!キュプー!」オロオロ

マミ「あ…ごめんなさい」パッ

杏子「いや、いいって」

杏子「あたしも言われた時は耳を疑ったからね。気持ちはわかるさ」

杏子「で、だ。あたしは理屈とかシステムだとかの説明は苦手だから、簡潔に言う」

杏子「見滝原に帰れる装置ってのが、近々完成するんだとよ」
297 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/02(水) 00:38:13.09 ID:Txez3GYR0
マミ「あの街に?」

マミ「暁美さんたちのいるあの世界に?」

杏子「こんな時に…いや、こんな時だからこそ。か」

杏子「ロシウのヤツ、あたしらにそれで元の世界に帰れってさ」

杏子「せっかく見つけた仕事もクビにされちまったよ」アハハ

マミ「…クス。そういえばあの仕事、杏子ったら天職だって大喜びしてたわね?」

杏子「あぁ。大空飛び回って、たまに荒くれガンメンどもと喧嘩して」

杏子「結構気に入ってたんだけどなぁ」シンミリ

マミ「……」

マミ「前にもこんなことあったわよね」

杏子「懐かしいな」

杏子「あん時はコイツがシモンを」

杏子「まどかの願いを使って元の世界に戻そうとしたんだっけ」ヒョイ

QB「キュプ?」

マミ「そうそう。あの時は憎たらしいったらなかったわね」ツンツン

QB「キュプッ!?キュィキュィ!」アセアセ

マミ「杏子。あの時の彼の言葉、覚えてる?」

杏子「ったりめーだろ?」ニヤ
298 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/02(水) 00:40:43.36 ID:Txez3GYR0
マミ杏「「この世界でのダチを見捨てて、俺だけのこのこ帰るなんてできやしねぇ!!」」ビシッ


杏子「……」フゥ

マミ「……」クス

杏子「決まってるじゃねーか。あたしらの答えなんて最初っからさ」

マミ「そうね。悩んでた私がバカみたい」ハァ

杏子「あの時まどかは。魔法少女にならなくても、アイツができる精一杯のことをやってのけた」

マミ「いつか…また会った時に、鹿目さんに笑われないようにしなくちゃね?」

杏子「だな」

杏子「あたしらはあたしらに、今できることをやろうぜ?」フンス

マミ「リンカーネ刑務所、だったかしら」

杏子「グラパールが使えりゃひとっ飛びなんだけど、起動キーも返しちまったしなぁ」シマッタ

マミ「店の裏に買出し用の小型ガンメンがあるから、それに乗せてあげるわよ」

杏子「お前いつのまに免許とってたんだよ!?」キイテナイ

マミ「お店持ってすぐよ?あると買出しに便利だったから♪」

−−−−−−−−−−
299 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/02(水) 00:45:01.10 ID:Txez3GYR0
今夜はここまでになります。

加筆や見直しでいっぱいいっぱいで、投下中はなかなかレスできずすみませんorz

明日も夜からの投下になりますので、よろしくお願いいたします。

それではみなさま、お休みなさいませ
300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/05/02(水) 00:45:59.00 ID:FPZlbqXXo
おつ
301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/05/02(水) 00:46:37.69 ID:zRAdnYLyo

302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/02(水) 01:07:45.93 ID:hrUYMaoro
乙!
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/05/02(水) 16:36:23.73 ID:cWybp3SAO
今更で、どうでもいいことなんだが、シモンってゲテモノ好きじゃなかったっけ
っていうか味覚が違う感じ
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/02(水) 16:37:46.84 ID:NZfTUvloo
おおお来てたのか
続きが楽しみだ
305 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/02(水) 22:12:06.13 ID:Txez3GYR0
こんばんは。外はえっらい雨でした

シモンは好き嫌いなく何でも食べそうですね。ニアのあの料理を平らげてたところを見ると
確かに味覚は違うのかもしれませんw

それでは投下再開します。

まだまだ先は長いですが、よろしければお付き合い下さい。

306 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/02(水) 22:15:34.45 ID:Txez3GYR0
ガシャコン ガシャコンッ

ズガガーン!

ムガン『……』

杏子「右!右!!右に避けろってえええええ!」

マミ「なんでコイツら急にぞろぞろ沸いて出てくるのよ!?」

ムガン『……』

キュィィン…ビ―ッ!

杏子「あたしが知るかよ!」

マミ「酷い。街の中心は滅茶苦茶じゃないの…!」

杏子「いいから!早く!もっと早く走れってえ!!」

ズ…ドォン! ガラガラ…

杏子「ををををい!建物が崩れてきやがった!」

杏子「もっとスピード出ねぇのかよ!?」ユサユサ

マミ「これが精一杯…!」クッ

杏子「ヤベェ!ヤベェ!ヤベェ…!」

ザシュッ!!

マミ「破片が…真っ二つに?」

???『援護…!』

杏子「おい、ありゃぁモーショーグン…マッケンだ!」

マミ「マッケンさんが!?」

???『マッケンだけじゃねぇぞ!』

???『そういうこった!』

杏子「キングキタンにソゾロッカシイ!」

ゾーシィ『ソーゾーシンだ!お前わざとやってねぇか!?』ゴラァ
307 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/02(水) 22:18:26.05 ID:Txez3GYR0
マミ「ゾーシィさんにキタンさんも!」

キタン『おうよ!黒の兄弟、キタン様が来てやったぜぇ!!』

ゾーシィ『キタンよぉ、たまにゃ妹以外の女を守るってのも…悪かねぇだろ!?』ブィィン…

キタン『ケッ!言ってろ、この不良中年が!!』ズバシュッ…ガィン!


ピッ

マッケン「レイテ。どうやらあの子らに今必要なのは…」

レイテ『そうかい。余計なおせっかいだって、薄々そんな気はしてたんだけどね』

レイテ『ま。コイツの最終仕上げは他の連中と同じようにしてやるか』

レイテ『もうひと踏ん張り頼んだよ!あんた!』

マッケン「任せておけ」ニヤッ


ガシャコン ガシャコンッ

杏子「刑務所が見えてきた!」

マミ「ここを真っ直ぐ突っ切れば早そうね!」

ムガン『……』

ムガン『……』

ムガン『……』

杏子「出た!また出やがった!!」

マミ「次から次へと… 杏子、掴まってて!ちょっと運転荒くするわよ!」

杏子「おう!」

ガションガションガション…!
308 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/02(水) 22:24:01.66 ID:Txez3GYR0
???『そこのお嬢さんたち。エスコートは必要かい?』フッ

杏子「アインザー! アイラックか!…ってことは」

???『おう!俺のキッドナックルもいるぜぇ!』バシュンバシュン

キッド『旧式なんざ言わせねぇ!ガンメンの力、見せてやらぁ!』

アイラック『露払いは引き受けた。キミらはそのまま進むんだ』

ガゴンッ!!…メキメキメキ

ムガン『』ドゴォン…!

???『俺達もぉ!!』

???『忘れんなぁ!!』

マミ「ジョーガンさんに、バリンボーさん!」

杏子「ツインボークンか!ムガンを一撃かよ…すっげぇパワーだな」スゲェ

ジョーガン『マミ!杏子!シモンを頼む!』

バリンボー『おう!頼む!』

マミ「うん!みんな、ありがとう!!」

ガションガションガション…

キッド『さぁて。掛かって来いよ、顔ナシ野郎ども!』ハン!
309 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/02(水) 22:26:50.29 ID:Txez3GYR0
杏子「お。おい、あれ…議事堂の方…」

マミ「あれ、テレビでやってた…ロシウ君の言ってた脱出艦?」

杏子「離陸してくみてーだな」

マミ「まだあちこちに人が残ってるのに…」

杏子「…放っておこうぜ。アイツにはアイツの意地があるんだろうさ」フン

ガションガション…


キィィィン…

「ちょっと、そこの二人!急いでるなら乗ってかない?」クイッ


杏子「あ―――!!」

マミ「ヨーコさん!?」

杏子「お前、先生になるって街を出てったんじゃ…!?」

ヨーコ「ニュース見て慌ててすっ飛んできたのよ」

ヨーコ「どうせあなたたちの行く先も、あそこなんでしょ?」ビシッ

杏子「へへ、まぁな」ニヒヒ

ヨーコ「だったらさっさと乗んなさい!これだったら刑務所までひとっ飛びだから」ホラホラ

マミ「助かります!」

−−−−−−−−−−
310 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/02(水) 22:36:19.58 ID:Txez3GYR0
−リンカーネ刑務所
    最深部・超弩級戦犯収容層−

ヴィラル「どうやら取り残されたようだな」

シモン「あぁ。そうだな」

…ゴゴゴゴゴ…

シモン(今の振動は…そうか、アークグレンが飛び立ったのか)

シモン「…やったな、ロシウ」

ヴィラル「つまらんな…」

ヴィラル「こんな形でお前の最期を見るとは」

シモン「俺ならいい。他の連中が生き残れるなら、それで」

ザザッ…

黒ニア『ソレハドウデショウ』

シモン「…! おまえ…」

黒ニア『ロシウハ人間ヲ見捨テマシタ』

黒ニア『月ガ激突スレバ地下ノシェルターゴト地殻ノ崩壊ニ飲ミ込マレ、全滅シテシマイマス』

黒ニア『例エ、宇宙ニ出タトシテモ。彼ラヲ待ッテイルノハ絶望デス』

ヴィラル「ご丁寧に二段構えということか」

シモン「なんだと!?」

黒ニア『アンチスパイラルガ求メテイルノハ絶対的絶望。ソノタメノ手段ハ、全テ講ジテアリマス』

シモン「ニア…お前は、お前はそこまで…!」

黒ニア『……』

ヴィラル「貴様ぁ!」
311 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/02(水) 22:39:23.78 ID:Txez3GYR0
ズダンッ!!…ガチッ   …カラカラン


マミ「…シモン君が選んだのが、そんなつまらない人だなんて思いたくないんだけど?」カチッ

ヨーコ「しばらく見ないうちに、随分と可愛げのない女になったじゃない。ニア」

黒ニア『……』

シュン

杏子「おい、テメェ待ちやがれ!まだ話は…!」

杏子「……逃げやがった」チッ

ヨーコ「…で。こんなところで大人しく老いぼれるつもり?」

マミ「シモン君。ちょっと…じっとしててね?」

ズダン…! ガキンッ …バララ

シモン「杏子、マミ! それにヨーコ、今まで何処に…」

ヨーコ「そんな話はあとあと。さっきのニアの話しが本当なら、かなりヤバイ状況よ」

マミ「月が落ちてきて、地上も地下も全滅。何処へ逃げても同じ」ハァ

シモン「宇宙に出たら待ち伏せらしいしな。八方塞りだ」フウ

ヨーコ「でも、こういう絶対的ピンチを何とかするのが…グレン団でしょ?」

シモン「ああ。その通りだ」

ヴィラル「相変わらず威勢がいいな」

ヨーコ「ヴィラル!?」

ヴィラル「それにそっちは異界の女か」

杏子「よーぉ。こんなトコで会うたぁ奇遇だな」ニシシ

杏子「マミ。ついでにコイツの枷も外してやってくれ」
312 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/02(水) 22:50:17.83 ID:Txez3GYR0
マミ「私はいいけど…」チラッ

シモン「……」コク

ヨーコ「ま、いいんじゃないかしら?」

マミ「それじゃ、じっとしてて下さいね?」

ズダン! ズダン!…バララ

ヴィラル「何のつもりだ」

杏子「言ったろ?今度はちゃんとした機体でサシでやろうぜってさ」

杏子「んな邪魔っくせぇもんつけてたら、いつまで経っても自由になれねーだろうが」ケラケラ

ヴィラル「…バカか貴様」フン

シモン「相変わらず、杏子らしいな」アハハ

杏子「どっかの誰かが机で判子突いてる間、あたしはコイツと何度も戦ってきたからね」

シモン「それを言われると耳に痛いよ」ウ…

杏子「わかるんだ。あんたはこんなトコで終るようなヤツじゃねぇってさ」

シモン「ヴィラル。俺たちグレン団はこの地上に生きるもののすべてを救う」

ヴィラル「ほお。どうやってだ」

シモン「決まっているさ。月をとめる」

ヴィラル「本気か?」

シモン「俺がいつでも本気なのは、良く知ってるだろう?」

シモン「俺を誰だと思っている」ニッ

ヴィラル「良く知ってるよ。グレン団の大バカ野郎だ」フン

杏子「来いよ、ヴィラル。あたしらと一緒に行こうぜ?」スッ…

ヴィラル「フン。シモンに貴様と、散々刃を交えた相手と共に行くとはな」

ヴィラル「…いいだろう。退屈せずに済みそうだ」ガシッ

杏子「貴様じゃねぇ、あたしは杏子だ。佐倉杏子。んで、こっちはマミな」

マミ「かつての敵同士が手を組むというのも、なかなか燃えるものよ?」フフ

−−−−−−−−−−
313 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/02(水) 22:57:05.92 ID:Txez3GYR0
−リンカーネ刑務所・正門前−

ギィィィィ…

ヒュッ!!

シモン「…!」パシッ

シモン「これは…コアドリル?」

キタン「よぉ、お勤めごくろぉさん!」ニヤッ

シモン「……みんな!」

マミ「よかった!無事だったのね」

ゾーシィ「おいおい、嬢ちゃん。俺らがんな簡単にやられるワケねーだろ?」スパー…

キッド「そういうこった!」

杏子「さぁっすが天下の大グレン団だな!」ウン

ヴィラル「フン。懐かしい顔が揃い踏みか」

ジョーガン「あ!お前は!」

バリンボー「何でコイツが!」

シモン「いいガンメン乗りは一人でも欲しい時だ」ダロ?

キタン「やるんだな?」

シモン「ああ」

シモン「アイツを。あの月を止めないと。この地球に明日はない」
314 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/02(水) 22:59:05.53 ID:Txez3GYR0
キタン「知ってたのか。なら話ははえぇ!」

キタン「野郎ども!今からあのでっけぇ天井ぶっとばすぜ!!」


「「「「おおおおおお―――っ!!」」」」


マミ「ねぇ、杏子。なんでだろう…こんな時に不謹慎かもしれないけど」

マミ「私、今とってもワクワクしてるの」ドキドキ

杏子「へへっ。実はさ…あたしもなんだ」ドキドキ

ブータ「ブ――ッ!!」ダキッ

シモン「ブータ!生きていたか!」

QB「キュップイ!」テケテケテケ

マミ「あら、そういえばキュウべぇはブータに会うの久し振りね?」

ブータ「ブーッ!ブィブィ、ブゥッ!」キラン

QB「キュィッ!キュプ…キュプ」キラン

ブータ「ブーッ!」ダキッ

ヨーコ「」ポヨンポヨン

QB「キュプーッ!」ダキッ

マミ「」ポヨンポヨン
315 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/02(水) 23:04:57.77 ID:Txez3GYR0
−レイテの修理工場−

レイテ「リーロンからのプレゼントさ。出力もアップしてる」

レイテ「他の連中は、あのロケットガンメンで打ち上げてやるよ」

グレンラガン「……」ズーン

ヴィラル「全くしぶといヤツだな。お前も、コイツも」

シモン「乗ってみるか? ヴィラル」

シモン「人類の運命を見続けるって言ってたな。だったら特等席だぞ?グレンのコクピットは」

ヴィラル「グレンラガンか…あれだけ煮え湯を飲まされたというのに」

ヴィラル「身体は正直だな」ググッ

ヴィラル「…やらせてもらおう」

シモン「覚悟しとけよ?ハンパじゃないぞ、コイツは」

ヴィラル「それは俺が一番良く知っている…!」


スッゲェ…ガンメンセイゾロイダ

カナメサンタチニモミセテアゲタイワネー


ヨーコ「ねぇ、レイテ。ところであの見慣れない…蒼い、グレンラガンそっくりのガンメンは?」

レイテ「あぁ。あれはね…」

レイテ「ほらそこの二人!ちょっとこっち来な!」チョイチョイ

マミ「え?」

杏子「あたしら?」

タッタッタ…

レイテ「コイツはリーロンとロシウ。それにあたしからのプレゼントってとこさね」
316 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/02(水) 23:12:54.48 ID:Txez3GYR0
レイテ「この機体はさ。普通に動かす分には、ちょい性能アップしたグラパール…って感じなんだけど」

レイテ「ある条件を満たした時、コイツはグレンラガンに匹敵する力を発揮する」スパー…

マミ「ある条件?」

レイテ「それは」

杏子「それは?」

レイテ「……」ガシッ!!

レイテ「あんたら魔法少女だよ…!ほーら、行っておいで!」ポイポポーイ

マミ「え、わ。きゃ、きゃあぁ!?」

QB「キュプー!?」

杏子「おい、レイテ!何すんだよ!?」

レイテ「そいつはグレンラガン二号機。機体コードは“マギカ”」

レイテ「本当はあんたらを元の世界に戻すつもりで、あたしらでコッソリ作ったんだけどね」ニヒヒ


ピッ

杏子『装置が出来るって…これのことだったのか!?』

マミ『レイテさん!』

杏子『レイテ、お前…』

レイテ「こちとら最終調整で、ソウルジェムと連動した次元転移システム乗っけるつもりが…」

レイテ「どうやら。あんたらにはまだ必要なさそうだったからさ」

レイテ「代わりに宇宙でも戦えるように調整しといたよ」

マミ『これで宇宙に…』

レイテ「バカな子らだよ。この世界を放って元の世界に帰ることだってできたのに」マッタク
317 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/02(水) 23:19:44.17 ID:Txez3GYR0
杏子『そりゃぁそうなんだけどさ』タハハ

レイテ「ま。あたしもあんたらのそんなとこが好きなんだけどね」フゥー

レイテ「…さぁ、行っといで!あんたらも立派な…大グレン団の一員だ!!」ビシッ


ピッ

杏子「グレンラガン二号機・マギカ…かぁ」ヘヘ

マミ「名前、長いわよね?」ウーン

杏子「確かに長いよな」ウン

マミ「だったら…グレンマギカ!」ハイ!

杏子「蒼いグレンラガン、グレンマギカか。いいじゃねぇか!」サンセイ

レイテ『頭部はラガンじゃなくて、グラパールのを少し弄くっただけのイミテーションだからね』

レイテ『本家みたいな合体・分離はナシだ』

レイテ『ただ。頭部には機体やソウルジェムの制御システム積んでるから、ぶっ壊すんじゃないよ?』

杏子「そっか、それで胴体で複座になってるんだな」

レイテ『それから。そいつの一番の特徴だけど』

レイテ『魔法少女の武器やら技ってーか…魔法、か?それをそのまま使うことができる』

マミ「ええ!?」

杏子「魔法少女の!?」マジデ

レイテ『次元転移は無理でも、ソウルジェムと連動するシステムは積んでっからね』

レイテ『やり方は… そうだねぇ…』ウーン

レイテ『あたしが口であれこれ言うよりも、“いつも通り”やってみな!』ケタケタ

杏子「なんっつー雑な説明…」エー
318 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/02(水) 23:22:04.62 ID:Txez3GYR0
マミ「でも、なんとなくわかった気がするわ」コク

マミ「行きましょう、杏子。みんなであの天井を」

杏子「そうだな。ブチ破る!!」


レイテ『よぉし、お前ら覚悟は出来たかい!?』

オイ、レイテ! コンナノデホントウニダイj

レイテ『カウントダウンなんてまどろっこしいのは抜きだ!行って来い!!』カチッ

エ?チョ、マ…

シュゴオォォォォ…!!

ジョーガン『お、おおおおおお!?』

バリンボー『おおおおおおお!!』

マッケン『心頭滅却…』

ヨーコ(行って来るね、みんな…!)


ヴィラル『ウィング展開!』ジャキン

シモン『グレンラガン出るぞ!』ゴォッ

杏子「おぉっし。こっちもエンジン快調!いけるぜ、マミ!」カチッ…ジャキン

マミ「グレンマギカ、続いて発進します!」

マミ「ありがとう、レイテさん! …行って来ます!」ゴォッ


レイテ「…頼んだよ。おとうちゃん…あんたたち!!」グッ

−−−−−−−−−−
319 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/02(水) 23:25:42.01 ID:Txez3GYR0
−カミナシティ・上空−

マミ「加速と…Gが凄い…!」

杏子「……なんか忘れてるような」

杏子「……」ハッ

杏子「マミ!今回は吐くんじゃねぇぞ!頼むから!!」コノトオリ

マミ「機体の制御に手一杯で…それどころじゃ…!」ググッ

QB「キュップププププ…」


ピッ

レイテ「打ち上げは成功だね。…なぁに、心配ないって」

レイテ「大丈夫。ダンガンメン形態は、本来大気圏突入用だったらしいよ?」

ジョーガン『タイ・キケンってなんだ!?』

バリンボー『食えるか!?』

マミ『食べれないわよ…!』ムリ

レイテ「いいから。ガンメンは宇宙でも戦えるってこと」

ジョーガン『おおっしゃぁ!』

バリンボー『やったらぁ!!』

レイテ「グレンマギカは調子どうだい?」

杏子『あたしはグラパールで慣れてるから大丈夫だ』

杏子『マミがちょっと心配だけど』

マミ『私、も、大丈夫!どうにか、飛ばせてます…!』ググッ

レイテ「オッケ。もう少ししたら大気圏一気に突破して宇宙に出るからね」

レイテ「そしたら身体への負担もだいぶマシになる。それまでの辛抱だよ」

マミ『はい…!』ゴオォォォ…

−−−−−−−−−−
320 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/02(水) 23:33:15.64 ID:Txez3GYR0
−地球・衛星軌道上
      アークグレン−

バチ…バチバチッ…

ロシウ「どうした!?」

ロージェノム「螺旋エネルギー減少。螺旋生命反応が急速に弱まっている」

キノン「不安なんだわ、きっと。この船に乗っている人たちが、攻撃されて不安がってるんじゃ…」

ロシウ「そんな、マシンが人間の心に左右されるなんて…」

ロシウ(いや、わかっていた筈じゃないか、僕は。ソウルジェムと連動したアレを提唱した時から…)

ロシウ(マシンが人間の心に左右される…か)ガクッ

ロシウ「ならば僕が…僕がやってきたことは…」

ロシウ「これが、僕の限界なのか……!」ダンッ


『諦めるな!ロシウ!!』

ギュイィィィンッ!!バガァン!


ロシウ「まさか……!シモンさん!?」

ロシウ「それにあの蒼いグレンラガン!何故あれがここにいる!!」

ロシウ(何故だ!何故…キミ達は帰らなかったんだ!)

シモン『…諦めたらそこで終わりだ!!』

リーロン「来たわね?その目指す天の向こうに何があるのか…見せて頂戴!」
321 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/02(水) 23:37:20.88 ID:Txez3GYR0
シモン「忘れたのか?このドリルが…天を突くドリルだってことを!」キラン

シモン「ヴィラル、マミ、杏子! アレをやるぞ!」

ヴィラル「アレ? …それも一興!」ニヤッ

マミ『やっぱりシモン君はそうでないと』ニコ

杏子『待ってました!』ニカッ


シモン「…人と獣の二つの道が!捻じって交わる螺旋道!!」

ヴィラル「昨日の敵で運命を砕く!明日の道をこの手で創る!!」

シモヴィラ「「宿命合体!グレンラガン!!」」


杏子『…強く輝く女の魂!重ね合わせて炎と燃やす!!』

マミ『友への想いで因果を砕く!二つの世界の希望を繋ぐ!!』

マミ杏『『魔法合体!グレンマギカ!!』』


シモヴィラ「「俺を!!」」

マミ杏『『私達を!!』』

シモヴィラマミ杏「「『『誰だと思っていやがる!!』』」」
322 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/02(水) 23:41:13.33 ID:Txez3GYR0
ダリー『あの蒼いグレンラガン…!』

ギミー『隊長ぉ!』パァッ

マミ「あら、あれってギミー君たちかしら?」

杏子「残念でした。もうクビにされちまったからな」

杏子「お前らの隊長でもなんでもねーよ」ニヒヒ

マミ「こーら、意地悪言わないの」モウ

ロシウ『何故だ!? 何故キミらは元の世界に帰らずここにいる!』

ロシウ『その機体はキミらを帰すために…!』

杏子「…うるっせぇんだよ!!」ビシッ

杏子「なぁ、ロシウ。お前にはお前の…新総司令としての意地があるんだろうさ」

杏子「でもな。そいつはあたしらだって同じなんだ」

マミ「私たちには私たちの。シモン君の…いえ、大グレン団の意地があるの」

マミ「何としても月をとめて、みんなを助けるって意地がね」

ロシウ『杏子さん、マミさん、あなた方は…』

杏子「ここで…この世界でのダチを見捨てて、あたしらだけのこのこ帰るなんてできやしねぇ!!ってな?」

ロシウ『杏子さん…』

マミ「いつか遠い世界に…見滝原に帰った時に」

マミ「私たちを待ってる友だちに、胸を張って“ただいま”って言いたいから」クス

ロシウ『僕は…僕は…』
323 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/02(水) 23:45:56.40 ID:Txez3GYR0
シモン『見滝原か。いつかニアも大グレン団のみんなも一緒に、また行ってみたいな』ハハ

杏子「おぉし!んじゃ大グレン団と、見滝原グレン団全員でラーメン食いに行こうぜ!」

マミ「あなたいい加減ラーメンから離れなさい。それにそんな大人数、お店から溢れちゃうわよ?」

ヴィラル『ラーメン?なんだそれは…』

シモン『食ってみりゃわかるさ』ウン

杏子「うんまいんだぜぇ?」ジュルリ

シモン『だが。その前に…』

マミ「そうね。まずは目の前の問題を片付けましょう!」グッ

ヨーコ『敵さんさっきから待ちくたびれちゃってるみたいだからね』

キタン『よぉっし!そうと決まりゃぁ…』

キタン『行くぜぇ!野郎ども!!』

『『『『おお―――!!』』』』

杏子「やれそうか?マミ」

マミ「…大丈夫。昔の鹿目さんにだってできたんだから、私にだって!」

杏子「よっしゃ。なら、ぶちかましてやろうぜ!」ガチッ…
324 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/02(水) 23:48:57.73 ID:Txez3GYR0
ドガガガガ!

ズガァン…

キタン『オラオラ!次々掛かってきやがれ!!』ゲシッ!ガキィン

ゾーシィ『張り切ってんな、キタン!』ブィィン…ピシュン!

キタン『ったりめーだ!ひっさびさに大グレン団のガンメンが揃ったんだからよ!!』ガシッ!ズバシュ!

マミ「私たちも負けてらんない…!」

杏子「敵の数がとにかく多い!けどなぁ」

杏子「こっちには分身って手もあるんだよ!」シュピピピンッ

ジョーガン『おおおおい!増えた!』

バリンボー『増えたぞ!!』

杏子「なんかこの機体…とんでもねぇんじゃ!?」ドキドキ

ズババッ!ザシュッ

マミ「魔法少女の力、見せてやりましょう!」ググッ

キッド『やるねぇ!お二人さん!』ズダダダ!

アイラック『頼りにしてるぜ?二人とも』ガシュン!

マミ「杏子。分身で隊列って組める?」

杏子「任せときな!」

マミ「だったら!私の銃と杏子の分身で…!」

マミ「ティロ・ドッピエッタ!」

ズダン!
    ズダダン!!
         ズダン!ズダン!

ヨーコ『一機でフォーメーションってワケ!?やるじゃない!』ガチッ…ズギュン!

マッケン『威力絶大』ザンッ!
325 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/02(水) 23:56:39.64 ID:Txez3GYR0
ピピッ

シベラ『巨大ムガンの後方…月面上に強いエネルギー反応!』

ブオッ…!

杏子「な…!?」

シモン『なに!?』

ヴィラル『シモン!シールドだ!!』

………バシュゥゥン!!

マミ「助かったわ!ありがとうシモン君」ホッ

シベラ『月表面に巨大ビーム発射台を確認!』

キタン『シモン!マミ!アークグレンは俺たちに任せて…お前らは月を!』

マミシモ「『わかった!』」ヒュゴォォ

ギミー『残存グラパール隊集結!先輩達に負けるな!』

杏子「ギミー、ダリー!そっちの守りは頼んだ!」


シモン「ヴィラル!二発目が来る前にビーム砲を潰すぞ!」

ヴィラル「いきなり命令か?」

シモン「命令じゃない。…提案だ!」

ヴィラル「だったら乗ったぁ!!」

ガキィンン!!

シモヴィラ「ダブルブーメラン!スパイラルッッ!!」ブンッ! …ブンッ!

ズガガガガッ… ズド…ン…!
326 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/02(水) 23:59:09.06 ID:Txez3GYR0
シモン「やった!」

ヴィラル「いや、まだだ!!」

ギラッ

マミ『レーザー砲がまだあんなに!?』タジッ

ヴィラル「怯むな、女ぁ!」

シモン「この程度の攻撃…俺のドリルで!」ギュウゥゥゥン!

杏子『嘘だろ…レーザーをドリルで束ねちまいやがった』ポカーン

シモン「好き放題撃ちやがって… これは、返してやるぞ!」ブンッ

ズ…ン… ドガガガガガ…!

マミ『もうなんでもありね…』ヒエェ…

杏子『あたしらも人のこといえねーけどな』タハハ

シベラ『二体の巨大ムガンから…膨大なエネルギー反応!』

キタン『シモン!ヤベェ!アークグレンがでっけぇのに捕まっちまった!』

シモン「なんだって!?」

マミ『こっちの一体は任せて!シモン君はみんなのところに!』

シモン「すまない、マミ!杏子!」ゴォッ


杏子「…つってもこの体格差、どーすんだよ!?」

マミ「ねぇ、杏子。この機体ってグレンラガンよね?」
327 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 00:02:21.54 ID:418CWyR60
杏子「……あぁ、レイテのヤツが言ってたろ。グレンラガンの二号機だって」

マミ「それなら。これがグレンラガンだっていうなら!!」カチッ!…ギュィィイン!!

マミ「出た!!」

ズバババシュッ!

杏子「前にシモンがやった全方位のドリルか!」

杏子「よっしゃ!あのでっけぇの、今のでだいぶ削れたんじゃねーか?」

マミ「まだ…!もう一度やるわよ!」

杏子「お、あ…ちょ、ちょっと待て!なんだアレ!? あのバカみてぇにでっけーガンメンは!」

マミ「え?」クルッ


シモン「…因果も運命も突破して!」

ヴィラル「命の叫びが銀河に響く!」

ガシィィン!!

シモヴィラ「「怒涛合体!アークグレン…ラガァァァンッッ!!!!」」

マミ『』ナニアレ

杏子『』デカスギ

キタン『グレンラガンがアークグレンと合体したんだよ!』

キタン『お前らそこにいると危ねぇぞ!早く離れろ!』

杏子『わ、わかった!』

マミ(凄い!あれがシモン君の力…)
328 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 00:05:31.81 ID:418CWyR60
杏子『あのでっけームガン…あたしらよりもあっちに狙いつけたみたいだな』

マミ『杏子!一旦離れましょう!』

杏子『賛成だ!あんなデカブツ同士の喧嘩に巻き込まれちゃ堪らねぇ!』ゴオォッ

………

シモン「良く気が付いたな。さすがはリーロンだ」

リーロン『ただの褒め言葉じゃイ・ヤ♪あなたの熱いハートが欲しいの♪』

ヴィラル「…殺していいか」

シモン「やめておけ。今はコイツからだ」ハハ

ヴィラル「こちらの衝撃波でバラバラになったかと思ったが…集まって合体とはな」

シモン「なるほど。そっちも合体ってワケか。……来い!」

合体ムガン『……』キュィィン

シモン「アークグレンラガン!フルパワー!!」ガシィィン!

シモン「行くぜ、ヴィラル!!」

ヴィラル「上等だ!!」

シモン「食らえ!時空烈弾…!」

ヴィラル「バーストスピニング…!」

シモヴィラ「「パァァァァンチ!!」」

ギュイィィィンン!!…パリーン

……………カッ!!
329 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 00:08:45.12 ID:418CWyR60
杏子『スッゲェ…なんか、宇宙がパリーンってなって、どかーん!って…』ポカーン…

ギミー『あれが…シモンさんの力、か…』スゲェ…

ヨーコ『そう。土壇場では信じられない力を出すのがシモンよ』

マミ『私も…その力に助けられたのよね』

シモン「さぁ、あとは。アイツを押し戻すだけだ…!」


ガシッ… ゴォォォ…

キタン『…熱くなってきたぜ』

杏子「なぁ…マミ、信じられっか?」

杏子「あたしら今、宇宙に出て月を押し戻そうとしてるんだぜ?」ニヒヒ

マミ「ほんの数年前までは中学生だったのにね」

杏子「……それにしても、あぢぃ」ダラダラ

マミ「きっと摩擦で機体が熱くなって…」

杏子「…脱いじまうか」

『『『『『!?』』』』』

マミ「やめなさい。みっともないわよ」コラコラ

『『『『『』』』』』シュン…

リーロン『あなたたち、そろそろキケンだからこっちに戻って来て頂戴』

キタン『しかし…!』

シモン『あとはアークグレンラガンに任せろ!』

グオ…ゴゴゴゴ…
330 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 00:12:53.04 ID:418CWyR60
シベラ『大変です!月に…月に巨大な顔が!!』


ロシウ「月も…巨大な機械だったのか…!?」

シモン『どっちにしろ食い止めるだけだ!』

ロージェノム「………おぉ。あれこそ我が旗艦」

ロシウ「気付いたか、ロージェノム」

シモヴィラ『『ロージェノム!?』』

杏子『ロージェノム!? …って。何だっけ、それ』ハテ?

マミ『確か獣人の王様で、見滝原に来る前にシモン君たちが倒したはずよ』

杏子『へぇー』ナルホド

リーロン「心配ないわ。彼の細胞から再生した生体コンピューターよ」

リーロン「彼がまるごと蘇ったわけじゃないわ」

ヴィラル『エグいことを…』

ロシウ「必要だったんだ!」

ロージェノム「その声はヴィラルか」

ロージェノム「まぁそう言うな。これもなかなか面白い体験だ」

ヴィラル『変わられましたな。螺旋王』

ロージェノム「そうか。そうかもな。肉体の衡(クビキ)から解放されたせいかも知れんな」


シベラ『月、大気圏突入まであと5分です!』


ピピッ

ロージェノム『ここに螺旋力の源を差し込め。月が制御可能になる』

シモン「月も巨大なガンメンだったってことか…」
331 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 00:15:07.60 ID:418CWyR60
シモン「ギミー!ダリー! コイツの操縦は任せた!」

マミ『シモン君!私たちも一緒に行くわ』

杏子『月ん中に敵がいねーとも限らねぇしな』

シモン「わかった。だが、ヤバそうだったら引き返してくれ」シュゴォォ…

杏子『了解っと』ゴォォォ…


シベラ『大気圏突入まであと3分!』


マミ「ここが…月の中枢?」

杏子「なーんもねぇ、ガランとした場所なんだなぁ」キョロキョロ

ヴィラル『油断するなよ?異界の女』

杏子「お。もしかして心配してくれちゃったりなんかして?」コノコノー

ヴィラル『フン。言ってろ』

マミ「ちょっと、じゃれてる場合じゃないでしょ」

ヴィラル『誰がじゃれるか!!』ガー!


シモン『見えたぞ!あれが中心か!』

ヴィラル『もう時間がないぞ!行けぇ!!』

ウオォォォォォ…!!     ……ピタッ

杏子「どうしたシモン!?」

マミ「……!」

マミ「そんな…あんなところに、ニアさん…!」

杏子「マジかよ!?」
332 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 00:19:40.84 ID:418CWyR60
シモン『ニア!…そこをどけ、ニア!』

黒ニア『ソレハデキマセン。私ハアンチスパイラルノメッセンジャー』

黒ニア『螺旋族デアルアナタガタヲ滅亡サセルノガ私ノ使命』

シモン「…御託はいい。どけ!」

黒ニア『ダッタラ。私ヲ砕イテソノドリルヲ差シ込メバイイ』

ヴィラル『そうさせてもらう!』


ロージェノム『待て、ヴィラル』

ロージェノム『彼女の肉体はムガンと同じエネルギー体で構成されている』

ロージェノム『彼女を砕いてしまうと、爆発が起こりコントロールシステムが破壊されてしまう』


ヴィラル『なに…!?ここまできて…』ギリッ

黒ニア『ソレガ絶対的絶望デス』

黒ニア『アナタガタ螺旋族ノ生存本能ハトテツモナク強イ』

黒ニア『ダカラ一ツズツ、希望ノ芽ヲ潰シテユクノデス』

黒ニア『希望ガアルヨウニ見エナガラ、ソレガダメダト分カッタトキ』

黒ニア『アナタガタハ深ク絶望スル』フフ

黒ニア『ソウ。恐怖ト絶望コソ、上昇スル螺旋力ヘノ最大ノ抑止力ナノデス』

…ズダンッ!!

黒ニア『……?』

シモヴィラ杏『『「!?」』』

杏子「お、おい、マミ! いきなり何ぶっ放してるんだよ!?」

マミ「……」
333 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 00:22:29.38 ID:418CWyR60
マミ「ごちゃごちゃと能書きはいらない!」

マミ「一つだけ聞かせて頂戴。ニアさん」

マミ「何故あなたは、まだその指輪をしているのかしら?」

黒ニア『ソレハ…』クッ…

黒ニア『……』

マミ「答えられないなら私が答えてあげる」

マミ「それがあなたの意思よ。過去を捨て去らないという…あなたの意思よ」

黒ニア『……っ』

シモン『そうか。今やっとわかった…』

シモン『何故お前が肝心なところで、俺の前に現れたのか』

黒ニア『絶対的絶望ノタメ。サッキソウイッタハズデス』

シモン『違う。自分でも気付いていないかも知れないが』

シモン『お前は俺の前に現れたとき、助けを求めていたんだ』

黒ニア『違う…私は…』

シモン『ロージェノムを倒した時、お前は明日へ向かうと言った』

シモン『俺とお前と、地上に出た人間たちでその明日を創ってきたんだ』

シモン『自分の手でそれを破壊するのか!?』

シモン『お前の明日は、俺のこの手で掴んでやる!』

シモン『だから…そこをどいてくれ!頼む!!』ググッ…

ガシィィィン!!

杏子「シモン!!」

マミ「……」グッ…
334 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 00:24:08.10 ID:418CWyR60
………

ギュイィィィィィン!

杏子「こいつは…やったぞシモン!上手くいったみたいだ!」

マミ「アークグレンからの映像… 見て、杏子!月が変形してる…」

杏子「すっげぇ…戦艦ってヤツか?」オォ…

ロージェノム『おぉ。あれこそはカテドラル・テラ』

リーロン『制御に成功したってことね!』

杏子「ってことは…」

マミ「私たち、月の落下を食い止めたのよ」フウ


ウィィン…ガパッ

シモン「ありがとう、ニア」

黒ニア『でも、運命は変わりません』

黒ニア『地球人類殲滅システムが無効化されたことで』

黒ニア『アンチスパイラルは全面戦闘状態に入りました』

黒ニア『彼らが本気になれば…いくらあなたでも敵わない』

黒ニア『アンチスパイラルの本隊は、覚醒した螺旋族を滅ぼすため』

黒ニア『この銀河に到着するでしょう』

ヴィラル『まだ…戦いは続くのか』

シモン「もし、俺たちが勝ったら。お前は元に戻るのか?」

黒ニア『私は。あなた方のデータ解析のため、アンチスパイラル本星に召還されます』

黒ニア『元に戻る可能性は、果てしなくゼロに近い』
335 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 00:24:59.15 ID:418CWyR60
シモン「でもゼロじゃないんだな?」

シモン「だったら…俺にとっては100パーセントと同じことだ!」

黒ニア「迎えに来てくれるのですか!?」

シモン「あぁ。俺を誰だと思っている」

ウィィン…ガパッ

マミ「迎えに行くに決まってるでしょ」

マミ「あなたとはまだまだお話ししたいこともあるもの。すぐに行くから待ってなさい」ニコ

黒ニア「シモン…!マミさん…!」

杏子「おい、まてニア!まだ…」

サアァァ…

杏子「……行っちまった」

シモン「待ってろ、ニア…!」

−−−−−−−−−−
336 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 00:31:29.16 ID:418CWyR60
少し休憩挟んで、また1時頃から再開します。

オリジナル部分は好みが分かれそうなので、ビクビクしながら投下してます。ブルブル
337 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 00:58:23.45 ID:418CWyR60
戻りましたので再開します。
338 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 01:00:33.96 ID:418CWyR60
−月落下阻止翌日
      マミの店−

ウェイトレス「テレビ見ましたよ、店長!」

ウェイトレス「地球をバックに次々襲い掛かる敵をバッタバタ薙ぎ倒し…」

ウェイトレス「オマケに、あのグレンラガンと一緒に月を押し返すだなんて!」

マミ「もう、大袈裟よ?」

ウェイトレス「またまた。ご謙遜を〜」

マミ「ほらほら、さっさと手を動かす」ピッ

ウェイトレス「でも、なにも戻って来てすぐお店開けなくても…」ブー

マミ「はい、ランチ二つに特製カレーできたわよ?」コトッ

ウェイトレス「はーい。はこんできまーす」パタパタ

マミ「…次はいつ開けられるかわからないからね」ポツリ


………

ウェイトレス「お疲れ様っしたぁー♪」ツカレター

マミ「お疲れ様。はい、これ。今日までの分のお給料よ」ハイ

ウェイトレス「店長」

ウェイトレス「…行っちゃうんですか?」

マミ「そうね。大切なお友達が待ってるから」

ウェイトレス「ちゃーんと戻って来て下さいね?」

ウェイトレス「私、うちの店長が宇宙を救うって…もう友達に自慢しちゃいましたから!」テヘ

マミ「へ?」

ウェイトレス「んじゃ!おやすみなさーい!」ガチャ、バタン

タッタッタ…
339 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 01:02:37.61 ID:418CWyR60
マミ「あ。ちょっと、こら!」

マミ「もう…」

ガチャ…カランコロン

マミ「どうしたの?忘れ物?」

杏子「残念でした。あたしだよ」ニヒヒ

杏子「いい酒が手に入ってさぁ。せっかくだからお前と飲もうと思って」ジャーン

マミ「それはいいんだけど…」

ヴィラル「……フン」

杏子「あぁ、コイツ?グレンのメインパイロットになったんだってさ」

杏子「退屈そうに空なんて眺めてやがったから、掻っ攫ってきたんだよ」

ヴィラル「こんな店があったとはな。邪魔するぞ。女」ガタン

杏子「シモンのヤツは後から来るって」ヨッコラセ

マミ「わかったわ。ちょっと待ってて」

マミ「ささっと何か作るから」テキパキ

杏子「んじゃ、こっちはちびちびやってるとすっか」キュポンッ

トプトプトプ…

杏子「ほら、お前も。注いでやるからグラス出せよ」ホレ

ヴィラル「あぁ」スッ…

トプトプトプ…

クイッ…

ヴィラル「……」

グビグビ…
340 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 01:05:09.89 ID:418CWyR60
杏子「っぷはぁー!」ニヘラ

杏子「よぉーしヴィラル。もっと飲め飲め」トプトプ…

ヴィラル「……」クイッ

ヴィラル「……ふん。悪くはない酒だ」

………

マミ「はい、お待たせ…って、ちょっと杏子!もうそんなに飲んで!」

杏子「だいじょーぶだいじょーぶだって♪まだいっぱいあるんだからさぁ」ヒック

杏子「おい!ヴィラルぅ。何か面白いこと言え!」

ヴィラル「弱い上に絡み酒か。貴様らの世界の女はロクなもんじゃなさそうだな?」

マミ「みんながみんな、こんなんじゃないんだけどなぁ…」

杏子「うるせぇい!」

杏子「せっかく地球が救われたんだぁ。飲まずにいられるか〜」ウィー

マミ「良かったらどうぞ?」コト

ヴィラル「……」パクッ

モグモグモグ…

ヴィラル「ほぉ。珍しい味だが…これは酒が進みそうだな」

マミ「気に入ってくれた?嬉しいわ」


ヴィラル「そうか… ヤツはガキの頃に異世界に紛れ込んだわけか」グビッ

杏子「そうそう。たっのしかったんだぜぇ?魔女倒したり、みんなでメシ食ったりさぁ」ケラケラ

マミ「そういえばあの時は鹿目さんの家で、決戦前夜にパーティしたのよね」ゴクゴク
341 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 01:07:42.72 ID:418CWyR60
マミ「さすがにみんな子供だったし、お酒じゃなくてジュースだったけどね」クス

杏子「なーにが儀式らぁ。硬いこといってんじゃなぁい」ベシッ

ヴィラル「ブホッ!?…何をする女ぁ!」

杏子「なんらぁ!?今ここで決着つけるかぁ!?」ウィー

ヴィラル「いい度胸だ。貴様のその鼻っ柱、今ここで叩き折ってやろう!」

マミ「ちょっと。店の中滅茶苦茶にしたら、宇宙救う前に二人とも滅ぶわよ?」ギロ

ヴィラ杏「「……」」

杏子「スイマセンデシタ」

ヴィラル「スイマセンデシタ」

マミ「わかればよろひい♪」ヒック

ガチャ…カランコロン

シモン「悪い、遅くなって。お待たせ……って酒くさっ!?」コノミセニオウヨー
ヴィラル「遅いぞシモン!貴様!それでもこの俺のライバルか!?」ゴラァ

杏子「そうらぞシモンー!お前それでも泣く子も黙る大グレン団のリーダーか!?」ヒック

マミ「スピー…zzz」ムニャムニャ

シモン「」

杏子「おい、ヴィラルぅ!…あそこに素面がいるぞぉ」ジトー

ヴィラル「あぁ。誇り高き獣人の名に賭けて酔わせてくれるわ!!」ウィー

シモン「」
342 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 01:09:37.87 ID:418CWyR60
サァノメ!スグノメ!モットノメ!

ワ、ワカッタ!ワカッタカラソンナニ…アッー

イイノミップリジャネーカ!イヒヒヒ

………

……



QB「キュップー♪」

ブータ「ブイッ、ブブブーブー♪」

杏子「zzz…」

マミ「zzz…」

ヴィラル「全く。だらしのない女どもだ」フン

シモン「まぁそういうな。不安な気持ちを吹き飛ばしたかったり…誰にでもあることだ」

ヴィラル「わからんでもないがな」

ヴィラル「反螺旋族。アンチスパイラルか…」

ヴィラル「螺旋王の下で戦っていた時には、そんな奴らがいるなどと」グビ

ヴィラル「夢にも思わなかったものだ」コトン

シモン「俺だってそうだ」ゴクッ

シモン「あの頃は、あの背中に笑われないようにって、ひたすらに突き進んで…」

ヴィラル「カミナ…か」

シモン「あぁ」
343 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 01:11:24.53 ID:418CWyR60
ヴィラル「面白い男だったよ。人間にしておくには勿体無いほどのな」フン

ヴィラル「……」

ヴィラル「すまんな。シモン」

シモン「いや、いいんだ」

シモン「悔やんでないと言えば嘘になる。恨んでないと言えば嘘になる。でも」グビ

シモン「俺もアニキも、がむしゃらに…精一杯戦ってのことだ」

ヴィラル「そうか…」

シモン「確かに俺たちはかつての敵だった」

ヴィラル「だが今では、人間と獣人は互いに種族の垣根を越えて共に生きている」

シモン「ああ。ヴィラル。お前ももう…俺にとっては大切な仲間の一人なんだ」

ヴィラル「よくもまぁそんな臭い台詞を吐くもんだな」フン

杏子「ウヘヘ…ヴィラルぅ…もっと飲めぇ。zzz…」

ヴィラル「…不思議なものだ。獣人と人間。そして異世界の人間が、こうして肩を並べて戦うなどと」

シモン「穴倉の中に居たときは思ってもみなかったよ」グビ

シモン「…穴倉から抜け出せば、そこには世界が広がっていた」

シモン「広がっていた世界のその先には、さらに…もっと広い世界が続いている」

ヴィラル「俺たちは、まだまだ先に進めるということか」
344 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 01:13:11.44 ID:418CWyR60
ムクッ

マミ「ええ。私たちはまだ…もっと先へと進めるわ」フラフラ

シモン「起きたのか、マミ」

マミ「……」ニコ

シモン「?」

ヴィラル「……」ハッ

ヴィラル「……気をつけろ、シモン!その女は…!」

シモン「マミがどうしたんだ?」

マミ「………………ウエェ」

シモン「」

ヴィラル「手遅れだったか…」クソッ

ブータ「ブッキュゥゥ…」

QB「キュップイ…」

−−−−−−−−−−
345 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 01:16:23.07 ID:418CWyR60
−議事堂・作戦会議室−



……

………

リーロン「以上が、今回の作戦の概要よ?」

ヴィラル「スパイラルネメシスか…」

ヨーコ「アンチスパイラルが、元は螺旋族ってのも驚きよね」

マミ「それにワープ… 私たちがシモン君とこっちに来た時の、あれを使うのね」

シモン「だが。だったら敵も、ワープが使えると考えた方がいい」

リーロン「そうねぇ」ウーン

シモン「だとしたら、ここでグレンラガンが地球を離れていいのか?」


ロシウ「行って下さい。シモンさん」

シモン「ロシウ…」

ロシウ「あなたたちが居ない間は、僕がなんとかします」

ロシウ「だから…行って下さい」コク

キタン「その通りだぜ?シモン!」

キタン「ここで行かなきゃ、男が廃るってモンだ!」フンス
346 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 01:17:21.57 ID:418CWyR60
ヨーコ「敵の根城がわかったんなら、そこを潰す。私たちはいつもそうやって戦ってきた」

ヨーコ「そうじゃない?」ニコ

シモン「みんな…」

キタン「お前のためじゃねぇ」

キタン「俺たちが終らせてぇんだよ。これ以上…地上がガタガタすんのをよぉ」ヘヘッ

杏子「なんかさ、上手く言えねぇけど。いいよな、こういうの」ヘヘ

マミ「魔法少女として魔女退治してた時は、一人のことが多かったものね」

キタン「昔がどうだったか、なーんて関係ねぇ。お前らも今は、大グレン団の一員なんだからよ!」

マミ「宇宙を巻き込んでの大喧嘩。かぁ」

ヴィラル「どうした。怖気づいたか」

マミ「そういうのじゃないわよ」

マミ「とんでもないスケールだなぁ…って」

−−−−−−−−−−
347 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 01:20:46.47 ID:418CWyR60
−議事堂前広場−

シモン「すまないな。大変な仕事だが」

ロシウ「任せて下さい。例えあなたたちが戻らなくても、必ず人間たちを生き延びさせます」

ロシウ「足掻いて足掻いてね」

シモン「ああ!」

マミ「ロシウ君…さりげなーく不吉なこと言わないで」シュン

ロシウ「す、すいませんマミさん!別にそういうつもりじゃぁ…」アタフタ

杏子「デコ助。あたしらはあたしらの意地を通す。あんたはあんたの意地をしっかり通しなよ?」ポン

マミ「ふふ。冗談よ? 地球のこと、お願いするわね」ニコ

ロシウ「杏子さん、マミさん…」

ヴィラル「…ん?」

ココ爺「……」

シモン「ココ爺!」

ロシウ「何故ここに?」

シモン「一体どうした? …っ!それは!」


バサァッ…


シモン『ありがとう、ココ爺』

シモン『ニアは…必ず連れて帰るからな』

ギンブレー「大グレン団の旗だ…!」ドキドキ
348 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 01:22:24.52 ID:418CWyR60
ロシウ「ああ。しかもこれはテッペリン攻略の時のものだ」

ギンブレー「これが…あの!?」

マミ『いい旗じゃない』

杏子『一世一代の大喧嘩にゃぁもってこいだな!』

ヴィラル『時間だ』

シモン『行くぞ、マミ!杏子!』ゴォォッ…!

マミ『ええ。行きましょう!』

杏子『じゃぁな、デコ助!行って来るぜ!!』ゴォォッ…!


マミ「カミナシティ、もう見えなくなっちゃった」

杏子「心配すんなって。戻って来たら、また見れるんだからさ」

マミ「本当お気楽なんだから。でも…それもそうね」ウン


ヴィラル「どうした、シモン」

シモン(あの場所は…)

シモン「いや、何でもないんだ」グッ

シモン(行って来るよ。アニキ…!)

−−−−−−−−−
349 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 01:25:28.99 ID:418CWyR60
−衛星軌道上
   カテドラル・テラ 艦橋−

コツ…コツ…コツ…

シモン「待たせたな、みんな!」

シモン「超銀河ダイグレン…発進だ!!」

「「「「「超銀河ダイグレン!?」」」」」

シモン「そう。超銀河ダイグレンだ!」

ヴィラル「なるほどな。カテドラル・テラより…ずっとお前達らしい」

シモン「あぁ。そうとも!」

シモン「キタン、リーロン、ダヤッカ、ゾーシィ、キッド、アイラック」

シモン「ジョーガン、バリンボー、マッケン、テツカン、ガバル、アーテンボロー」

シモン「ギミー、ダリー、シベラ、レイテ、ヨーコ」

シモン「ヴィラル、ロージェノム、マミ、杏子。そして、ブータにキュウべぇ」

シモン「俺たち大グレン団の結束があれば、恐れるものなど何もない!」

シモン「エンジン全開!螺旋界認識転移システム作動!!」

シモン「行くぞ。最後の、戦いだ!!」

−−−−−−−−−−
350 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 01:29:05.50 ID:418CWyR60
−スペースガンメン格納庫−

杏子「すっげぇ…なんだよこのガンメンたち」

杏子「どれも全部、普通のガンメンの何十倍もの大きさじゃねーか…」ポカーン

レイテ「スペースガンメンってヤツだよ」スパー

レイテ「この超銀河大グレンの生産能力は大したもんでね」

レイテ「スペースガンメンクラスのマシンなら、さほど時間掛けずに作り出せるのさ」

杏子「とんでもねぇな…」

レイテ「おまけに、量産型のラゼンガンまでたっぷり搭載されてるときたもんだ」

杏子「ラゼンガンってーと…あのオッサンコンピュータが、シモンと戦った時に乗り回してたってメカか」

レイテ「まぁね。そのオッサンコンピュータが言うには、ガンマールって名前らしい」

レイテ「あんたらのグレンマギカには、そのガンマールに乗り込んでもらおうかと思ったんだけど」

杏子「だけど?」

レイテ「どうも機体同士の相性っつーか…悪いみたいでね」

レイテ「しゃーないから作ってやったよ」ホレ

杏子「」デケェ

レイテ「スペースグレンマギカだ」ニヤリ

レイテ「コイツ自体はでっかい鎧みたいなもんだと思いな。スペースガンメンがドンパチやってる中で」

レイテ「通常サイズのガンメンでうろちょろ戦うのは危なっかしいからね」

杏子「だよなぁ…」
351 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 01:31:14.17 ID:418CWyR60
レイテ「んで。ついでに、だ。グレンマギカ本体の方に… 螺旋エンジン積んどいた」ニカ

レイテ「もともと搭載してたソウルエンジンと合体させて、螺旋ソウルエンジンってところか」

杏子「ぶっちゃけ…その辺の話はわかんねーな」タハハ

レイテ「カンタンに言えば、出力大幅アップってところさ」スパスパ

レイテ「あんたらのソウルジェムが持つエネルギーを、螺旋エンジンで増幅させて…」フゥー…

レイテ「っと、また難しい話になるとこだった」

杏子「…ありがとな。レイテ」

レイテ「いーってことよ」ニッ

レイテ「そんかわし…負けんじゃないよ?」

杏子「任せとけって!」グッ


ゾーシィ「よぉ!すっげぇな…このデカさは」デケェ

レイテ「なんだいあんた。こんなところに酒なんか持ってきて」

レイテ「酒盛りでもおっぱじめようってんじゃないだろうね?」

アイラック「マミから聞いたんだよ。どこの世界でも、デカい喧嘩の前に酒を酌み交わすのは常らしい」

マミ「なんかちょっと意味合い違ってるかも」エー

ゾーシィ「こまけーこと気にすんなっての」イヒヒ

レイテ「ったく、大喧嘩の前だってのにあんたらは」ヤレヤレ

ギミー「隊長!俺たちもがんばりますから。見てて下さいね!」

ダリー「私たちも皆さんと一緒に戦います!」

杏子「だからもう隊長じゃないっつーに」
352 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 01:33:24.88 ID:418CWyR60
杏子「…お前ら張り切るのはいいけどさ。張り切り過ぎてケガしねーようにな?」クシャクシャ

ギミー「ちょっ…子ども扱いはやめて下さいよ!?///」

マミ「そうよ?でも張り切り過ぎてケガしそうなのは杏子じゃないの」

杏子「うぐ…否定できねぇ」タラー


レイテ「っと、どうやら…リーダーから艦内放送みたいだよ?」

シモン『みんな、聞いてくれ!』

シモン『俺たちはこれから、敵…アンチスパイラルの本拠地へ飛ぶ』

シモン『どんなヤツが待ち構えているかわからないが』

シモン『どんなことがあっても、負けるわけにはいかない』

シモン『絶対に勝って、俺たちの地球を守るんだ!』


ゾーシィ「たまんねぇなぁ。何処まで行くんだ?俺たち」

キッド「決まってんだろ?」

アイラック「何処までもさ」

マミ「小学生の頃は、普通に学校に行って卒業したら仕事して、将来結婚して〜って思ってんだけどなぁ」ハァ

杏子「それが魔法少女になって魔女と戦って」

杏子「今じゃ、お姫様助けにロボット乗り回して宇宙の果てへ!だもんな?」アハハ

キッド「いいじゃねぇか。刺激の少ねぇ人生よりはさ?」

マミ「ま。悪くはないわよね」マァネ
353 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 01:35:33.44 ID:418CWyR60
シュピィン…

ヴィラル「戦いの前だというのに随分余裕だな?」フン

ジョーガン「なんだぁ!?」

バリンボー「ヴィラルが化けて出たぁ!!」

キッド「ショートワープだよ。この船ん中は、そいつで移動するんだ」

杏子「で、どうしたんだよ。ヴィラル?」

ヴィラル「……」

ヴィラル「今更、過去を水に流してもらおうとは思っていない」

ヴィラル「それに。クローンで作られた獣人に螺旋遺伝子はない」

ヴィラル「だが。地球は俺たちの母星だ。守りたいと思うのは、人間だけではないということをわかってくれ」

ゾーシィ「なぁに、そんなかしこまるこたぁねぇよ」ガハハ

アイラック「あぁ。シモンが選んだ男だからな。俺たちと同じということさ」

杏子「まさかと思うけどさ…お前そんなことをわざわざ言いに来たのかよ」ヤレヤレ

杏子「あたしはてっきり、戦いの前に愛の告白でもしに来たのかと思ったんだけどなぁ?」クネクネ

ヴィラル「バカか貴様は。決戦前だというのに緊張感のないヤツだ」フン

杏子「別にいーだろ!お前がそんなムスーッとした顔してっから、緊張解してやろうと思ったんだよ!」

ヴィラル「誰が緊張などするか」

マミ「ちょっと、二人とも…」オロオロ

杏子「おめーだよ、おめー!カッコつけて腕なんか組んで、フン…とか言っちゃって!」ププー

ヴィラル「言わせておけば…アンチスパイラルを倒す前に、ここで先に貴様と決着をつけてやろうか」ギロッ

杏子「おおーし。やってやんよ!泣いてゴメンナサイしても許してやんねーからな?」フンス
354 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 01:37:03.75 ID:418CWyR60
キッド「おいおい、こんな時に痴話喧嘩か?」ニヤニヤ

ゾーシィ「全く、そういうのは全部終ってからにしろってんだ」スパー

レイテ「なんだい。ちょっと知らない間に…あんたら随分仲良くなったみたいじゃないか?」

杏子「」

ヴィラル「」

杏ヴィラ「「だ、誰がコイツなんかと!!」」

杏子「真似すんじゃねぇよ!!」

ヴィラル「それは貴様の方だ!」

ズダンッ!!

マミ「二人ともいい加減にしないと撃つわよ?」ニコ

杏子「」ブルブル

ヴィラル「」モウウッテル


コツコツコツ…

キタン「おう、オメーら。ぼちぼち出れるようにしとけってよ!」

ヨーコ「…で。何でマミは銃構えてるのよ」

ヨーコ「そっちの二人は何で固まってるのよ」ヘンナノ

−−−−−−−−−−
355 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 01:42:15.08 ID:418CWyR60
−隔絶宇宙空間−

シベラ「超銀河ダイグレン、予定座標軸にワープアウトします!」

シベラ「同時に、何者かが本艦前方にワープアウトしてきます!」

シモン「ここが…敵の本拠地!ニアの囚われている場所…!」

ヴィラル「気持ちは解るがそう焦るな。まずは…アレをどうにかするのが先だろう」

キタン『なんだありゃ… で、でっけぇ…』ボーゼン

ヨーコ『超銀河ダイグレンよりも大きな顔の塊!?』

テツカン「あれって敵戦艦か!? 二隻出てるぞ!」 


AS(アンチスパイラル)『見るがいい』

AS『そして。知れ』

AS『あれがお前達の絶対的絶望だ』


ダヤッカ「なんだ、今の声は!?」

ロージェノム「アンチスパイラル。あれが我々に絶対的絶望をもたらす者の声だ」

シモン「なるほどな。だが!俺たちは…絶望などしない!」

シモン「アーテンボロー!」

アーテン「ガッテンだ!!」ポチポチッ!

バシュゥンッ!バシュンッ!

ヨーコ「攻撃が…吸収されてる!?」

リーロン「エネルギー障壁。ムガンと同じか…それ以上ね」

シモン「ならこっちの手も決まっている」

シモン「アークグレンラガン、出るぞ!」

ヴィラル「おう!」
356 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 01:45:15.01 ID:418CWyR60
マミ「絶対的絶望がなんだっていうのよ」

杏子「あの野郎が絶望なら…あたしら魔法少女は希望だ!」

マミ「待っててニアさん。どんな絶望だって打ち破って、助けにいくから!」

杏子「よっしゃぁ!こっちも…グレンマギカ、出るぜ!!」


シベラ『敵艦に動きあり! 敵、艦載機を放出』

シベラ『物凄い量です… その数…無量大数…!』


ゾーシィ『おいおい、あたり一面敵だらけだぜ?』

杏子「きっもちワリィ!なんだよコイツら…ロボットなのか!?」

マミ「アンチスパイラルの趣味ってわけかしら。ちょっといただけないわね」ヤダヤダ

ヨーコ『シモン!こっちで突破口を開くから…あとよろしく!!』

シモン『わかった!』

キタン『ぃよぉっし!最後の一暴れだ。野郎ども!出し惜しみなんかするんじゃねぇぞ!?』

ヨーコ『あったりまえよ!待ってる子供たちの為にも、精一杯出来ることをするわ!』

マミ「えええええええ!?///」

キタン『子供たちぃ!?…い、いつのまに…』

ヨーコ『イイ女には秘密がつきものでしょ?』フフ

キタン『秘密って……』ボーゼン

ヨーコ『あと十秒で敵編隊と接触!』

キタン『お、おう!』
357 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 01:48:23.24 ID:418CWyR60
ドガガガガガガガ…!!

ゾーシィ『コイツら、数が多いだけで全然大したことねぇぜ!』

ヨーコ『このまま切り崩すわよ!敵の攻撃に集中して!』

『『『『『おう!』』』』』

キタン『今だ!シモン!!』

ヴィラル「やるぞ、シモン!あのデカブツを貫いてやれ!!」

シモン「うおおおおおお!!」ギュイィィィィィン!

バチバチバチバチッ

シモン「…っ!!うおおおおおおお…!!」

ヴィラル「…!? マズイぞ!もう機体がもたない!」

シモン「耐えろ…!もう、一息だ!」


マミ「シモン君…!どいてえええええええ!!」

シモン『グレンマギカ!?』

杏子「どっ…りゃああぁぁぁぁ…!!」ギュイィィィィィン!

ガリガリガリガリ…!!

ヴィラル『いいぞ!ヤツのバリアが削れている!!』

マミ「魔法少女の力…!ソウルジェムの力が通用するのは、ムガンで実践済み!」

杏子「とはいっても…! チッキショ…バリアが厚過ぎ…る!」ヒー

杏子「ダメだ、マミ!一旦離れろ!」

マミ「……もう少しなのに!」
358 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 01:53:36.91 ID:418CWyR60
リーロン『グレンマギカのドリルなら、バリヤを削れるみたいだけど。削ったそばから再生してるわね』

杏子「おい、リーロン!何か手はないのかよ!?」ダンッ

リーロン『そうねぇ。もっと強烈なアタックが必要になるかしら』ウーン

シモン『もっと…もっと大きなドリルがあれば…!』

レイテ『なくはないよ!』

シモン『そうか!超銀河大グレンの…!』

レイテ『そういうことさ。コイツを人型に変形させれば、このドリルが使えるわ』

キタン『だったら… シモン!ここは俺たちに任せて、さっさと超銀河大グレンを変形させてきな!』

シモン『しかし!アークグレンラガンなしでは…!』

マミ「あら。シモン君、何か忘れてないかしら?」

マミ「私たちを誰だと思っていやがる!…ってね」クス

杏子「そうだぜ、シモン!」

杏子「お前ら二人抜けたくらいでガタつくような面子かよ?」

キタン『マミと杏子の言う通りだ!わかったら…さっさと行きやがれぇ!!』ゲシッ

ヴィラル『…行くぞ、シモン!』

シモン『……すまない、みんな。でっかいドリル引っさげて、必ず戻って来るからな!!』ゴァッ…!!

ゾーシィ『おぉっし、テメェら気合入れろ!!こっからが俺らの…大グレン団の見せ場だぜ!』

マミ「みんな、ついて来て!…アークグレンラガンが抜けた穴は、グレンマギカで埋めてみせる!!」
359 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 01:57:30.97 ID:418CWyR60
ズラララララッ!

マミ「食らいなさい!杏子の分身と…私の一斉射撃!!」

キッド『おぉっし!グレンマギカに続けぇ!!』ピシュン!!

ジョーガン『喧嘩だ喧嘩だ!!』ウォー!

バリンボー『大喧嘩だ!!』ウォー!

ズドドドド…!!

ギミー『隊長もみんなもスゲェ…』

ダリー『ぼさっとしないのギミー!私たちもがんばらないと!』バシュンッ!!

杏子「思い出すよな。六年前もこうやって…」ガシィッ…ガチャッ

杏子「戦ったっけ!」

マミ「あの時の相手は魔女だったわよね…!」

ヨーコ『マミ!敵の中央に向けてぶっ放すわよ!』

マミ「はい!…タイミング、任せます!」

ヨーコ『食らいなさい…! ティロ・フィナーレ!』ガチッ

マミ『…アン・デュエト!!』ズダダンッ!!

杏子「うっひょー…マミとヨーコのコンビネーションか。だったらあたしも…!」

杏子「マミ!あたしに攻撃代われぇっ!!」ジャキンッ
360 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 02:00:25.46 ID:418CWyR60
杏子「キタン!マッケン!」

マッケン『承知…!』チャキッ

キタン『てんめェ!エラっそーにしやがってよぉ!』ニヤッ

杏子「いくぜぇ…刀と槍のスペシャルアタック!!」

ズバシュッ!…ザシュッ!ザシュッ!

マッ杏『『成敗!』』チャキン! グルルッ…ジャキン!

杏子「ヘヘッ ざーっとこんなもんだ!」

ズガンッ!ドガガガッ…


………


キタン『クソッ…倒しても倒しても沸いてきやがる!』

杏子「キタン!弱音吐くなんて、らしくねーじゃねーか?」ヘヘ

キタン『うるっせぃ!今のは弱音じゃねぇ! なんだー…そのー…寝言だ!バッキャロー!』

ヨーコ『寝言でそれじゃぁ余計に性質悪いわよ?』ヤレヤレ

キッド『おい、キタン!ゾーシィのヤツがヤバイらしい!』

アイラック『俺らで援護に回るから、ここは任せたぜ?』

キタン『なんだと!だったら俺も…!』

マミ「私たちが行きます!」

マミ「キタンさんはここに残って、ガンマール隊の援護と超銀河ダイグレンの守りを!」

キタン『んなこと言ったって…しかしよぉ!?』
361 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 02:07:44.24 ID:418CWyR60
杏子「キタン!マッケン!」

マッケン『承知…!』チャキッ

キタン『てんめェ!エラっそーにしやがってよぉ!』ニヤッ

杏子「いくぜぇ…刀と槍のスペシャルアタック!!」

ズバシュッ!…ザシュッ!ザシュッ!

マッ杏『『成敗!』』チャキン! グルルッ…ジャキン!

杏子「ヘヘッ ざーっとこんなもんだ!」

ズガンッ!ドガガガッ…


………


キタン『クソッ…倒しても倒しても沸いてきやがる!』

杏子「キタン!弱音吐くなんてらしくねーじゃねーか?」ヘヘ

キタン『うるっせぃ!今のは弱音じゃねぇ! なんだー…そのー…寝言だ!バッキャロー!』

ヨーコ『寝言でそれじゃぁ余計に性質悪いわよ?』ヤレヤレ

キッド『おい、キタン!ゾーシィのヤツがヤバイらしい!』

アイラック『俺らで援護に回るから、ここは任せたぜ?』

キタン『なんだと!だったら俺も…!』

マミ「私たちが行きます!」

マミ「キタンさんはここに残って、ガンマール隊の援護と超銀河ダイグレンの守りを!」

キタン『んなこと言ったって…しかしよぉ!?』
362 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 02:09:35.28 ID:418CWyR60
杏子「いいからいいから。キタンはあたしらの家をしっかり守っててくれよな?」ニヒヒ

キタン『…っ!!おい、テメェら!ちゃんと戻ってこねぇと承知しねぇからなぁ!!』クッ


………


ゾーシィ「チッキショー…! コイツら急にうろちょろと…」キュィン!

ケタケタケタケタ ヒョイヒョイ

ガスッ!

ゾーシィ「っく…野郎ぉ!!」ガシィンッ!!

ビキ…バキ、ベキ…

キッド『おい、ゾーシィ!!』

ゾーシィ「よぉ…キッドか。俺としたことが、ヘマ踏んじまったぜ」スパー

アイラック『待ってろ…今すぐに…!』

バキボキ…

ゾーシィ「なぁ、俺…何処まで行けた?」

グシャ…ベキベキ…

アイラック『!! ゾーs

杏子『諦めんじゃねぇ!この不良中年がぁっ!!』ギュゥゥゥン!!

ドガガガガッ!!

ゾーシィ「な!?」

ゾーシィ「バカかおめぇら!?こんな敵ばっかのところに突っ込んでくんじゃねぇよ!!」
363 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 02:11:48.52 ID:418CWyR60
マミ『キッドさん、アイラックさん!私たちが援護しますから。ゾーシィさんをお願いします!』

キッド『すまねぇ!』

アイラック『恩に着るよ』

杏子『なぁに言ってんだ。同じグレン団のダチじゃねーか!』ニマッ

杏子『マミ!この気色ワリィ連中に、あたしらのドリル見せてやろうぜ!』

マミ『のぞむところよ!!』ギュィィィン…

アイラック『よし、後退するぞ。キッド、ゾーシィ』

ゾーシィ「すまねぇ、お前ら…!」

マミ『ゾーシィさんもうちのお得意様ですからね? また、ランチ食べに来てもらわないと』クス

マミ『あ。でも…ちゃんと店内禁煙は守って下さいね』ピッ

ゴォォッ…ズガガッ!! ズバンッ!

ゾーシィ「…敵わねぇなぁ。わっかいのによぉ」スパー…

ゾーシィ「しゃーねぇ。ちったぁ煙草控えっかなぁ」ゴシゴシ

−−−−−−−−−−
364 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 02:16:47.53 ID:418CWyR60
−超銀河ダイグレン
     超螺旋エンジン内−

ヴィラル「…今なら俺にもわかる。貴様の桁外れな螺旋力。全く大したヤツだ」

シモン「レイテ!後どのくらいだ!?」

レイテ『こっちの準備はほぼ終ってる。あとは螺旋ゲージのチャージまで、もう十分ってところさ!』

シモン(早く…早くフルパワーにしないと…!)

ヴィラル「気持ちはわかる。だが、焦るなシモン」

ヴィラル「戦っている仲間を信じて待ってやることも、リーダーの務めではないのか?」

シモン「わかってる…!わかっているが…!」クソッ

ブータ「ブキュー…」


キタン『ゾーシィ!無事だったか!』

ゾーシィ『あぁ、お蔭さまでな』フラフラ

ヨーコ『再会を喜ぶのは後!キタン、次のミサイルが来るわ!』

ゴゴゴゴ…

杏子「ミサイルって…おいおいおいおい。あのデッケェのか!?」

キタン『おい、テメェら!ミサイルにあんま近付き過ぎんなよ!?』

キタン『俺とヨーコ、ギミーにダリーはこっち側だ!』

キタン『残りは逆側と死角のカバーを頼むぜ!』
365 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 02:17:59.78 ID:418CWyR60
ジョーガン『おう!任せとけ!』

バリンボー『迎撃だ!迎撃だ!』

杏子「マミ、あたしらも迎撃に回ろうぜ!」

マミ「そうね。こんなところで超銀河ダイグレンをやらせはしない!」

マッケン『フ。頼もしい限りだ…』


シベラ「スペースガンメン隊、敵艦からのミサイルを確実に迎撃してます!」

リーロン「キタンのリーダーシップ発揮ってところかしら♪」

リーロン「それに作っておいてなんだけど…グレンマギカのあのトンデモ性能も、我ながら惚れ惚れしちゃう」ウットリ

ダヤッカ「アーテンボロー!こっちからも砲撃して、少しでもスペースガンメン隊の負担を減らしてくれ!」

アーテン「ガッテンだー!」ポチッポチッポチッ

ズドドドドド…

ピピッ

レイテ『待たせたね!超螺旋ゲージ…フルチャージだ!!』

リーロン「やっときたわね!シベラ!スペースガンメン隊に戻るように伝えて!」

リーロン「シモン、ヴィラル!」

リーロン「変形よ!!」
366 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 02:19:42.39 ID:418CWyR60
ヴィラル「超螺旋ゲージ臨界点突破…!言われなくとも!」

シモン「わかっている!いくぞ!!」

シモン「超銀河ダイグレン…変k

ガタタタッ…!!

シモン「…ぐぁっ…!!な、何が起こった!?」


ゴゴゴゴゴゴゴ…


テツカン「左舷九時方向より…重力が発生!!」

リーロン「なんなの…この、壁…」タラ…

シベラ「レーダーには何も映っていません!!」

ザパアァァァァン…

ダヤッカ「宇宙に海だと!?」

リーロン「どういうこと…!?」

シモン『え…エネルギーが…!!』キュゥゥ…ン…

ヴィラル『シモン!マズいぞ!!』

シモン『脱出だ!ダヤッカ、急げ!』

ダヤッカ「だ…ダメだ!出力が、上がらん…!!」

ザパァァ…

リーロン「螺旋ゲージがどんどん下ってるわ!」

ロージェノム「罠だ。まんまと誘い込まれてしまったか」

ザブ……ン… ゴボゴボゴボ…


AS『宇宙の海は螺旋の墓場。旧き同胞の無念と共に、そこで永遠の眠りにつくがいい…』
367 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 02:25:53.70 ID:418CWyR60
すごい雨なので、ちょっと田んぼの様子を見てきます(・ω・)


…じゃなくて、朝から出かける用事が出来てしまったので、今夜はここまでになります。

途中同じ箇所二回投下してしまってスミマセンでしたorz

今夜もお付き合いいただき、ありがとうございます。それではお休みなさいませ。
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/05/03(木) 02:27:25.38 ID:UC8Dfvfao
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/03(木) 06:06:06.69 ID:CQGYeVvIO
くそ
いいところできりやがる

乙乙
370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/03(木) 11:15:54.76 ID:ADhssfgRo

オリジナル部分こそ楽しみ
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/05/03(木) 11:47:23.75 ID:1C1ewSVjo

良い感じにTV本編と螺巌篇が混ざってるな
372 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2012/05/03(木) 12:50:44.55 ID:LypKX5OC0
乙。
全てを突破した時、何が待ち構えているのか楽しみだ。
373 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 14:03:43.64 ID:418CWyR60
ただいま戻りました。

楽しみにしていただいて、ありがとうございます!

今、ようやく全体の1/3くらいまできました。

それでは投下再開しますので、よろしければお付き合い下さいませ
374 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 14:04:56.41 ID:418CWyR60
テツカン「超銀河ダイグレン、沈没するぞ!」

ダヤッカ「沈没って…ここは宇宙だぞ!?」

ゴボ… ゴボボボ…

ダヤッカ「何で宇宙に海が!?」

リーロン「空間が超高密度に圧縮されているの。それで海みたいに見えるのよ…」

ダヤッカ「浮上しろ、ガバル!」

ガバル「ダメだ!出力が上がらねぇ…!!」グググッ


−スペースガンメン格納庫−

ゴン… ゴゴゴゴゴ…

杏子「……外、一体どうなってんだ?」

マミ「わからない。わからないけど…あんまりいい状況じゃなさそうね」

キタン「クソッ…俺たちにはどうすることもできねぇのかよ!」

ヨーコ「落ち着きなさいよキタン」

ヨーコ「私たちには私たちの役割ってものがあるでしょ?」

キタン「そりゃぁわかってる。だがよぉ!!」

マミ「……」ウーン

マミ「あ…そうだ」パッ
375 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 14:07:14.23 ID:418CWyR60
キタン「なんだよマミ!何か思いついたのか!?」

マミ「はい、どうぞ♪」カチャ…

キタン「どうぞって…な、なんだこりゃぁ。コイツがとんでもねぇ秘密兵器だったりするのか!?」ジトー

マミ「はい。ヨーコさんも、皆さんも」メシアガレ

ヨーコ「そんなわけないでしょ。紅茶よ、紅茶。…あら、ありがとね」ズズー

キタン「おいいいいいい!!ぶわぁかかテメェは!!」

キタン「大グレンがヤバイって時に、なぁに呑気に茶ァなんて飲んでやがる!!」

杏子「なんだよ。紅茶だけじゃ足んねーのか?」

杏子「しょーがねぇなぁ。あたしの秘蔵のポッキーやるよ」ホレ

キタン「」

キタン「そういう問題じゃねえええええええ!」バリボリ

杏子「って言いながら食ってるし」ゲラゲラ

アイラック「キタン、お前の負けだな」ハハ

ジョーガン「負けだ負けだ!」ゲラゲラ

バリンボー「キタンの負けだ!」ゲラゲラ

キタン「」

マミ「この船が今、危ないのはわかります。でもきっと…」

マミ「シモン君やリーロンさん、それにみんなが頑張って何とかする方法を考えてくれてると思うの」

杏子「だからさ。あたしらはあたしらで…必要な時にすぐ動けるように、休める時に休んでおこうぜ?」ダラーン

ヨーコ「そういうことよ。わかった?」ズズー

ヨーコ「焦ってカッカしてると、肝心な時にいい動きできないわよ」ビシッ
376 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 14:08:50.61 ID:418CWyR60
マミ「それに、紅茶には心も身体もリラックスさせる効果もあるんですよ?」ニコ

マミ「だから…はい。キタンさんも♪」ドウゾ

キタン「」

キタン「――――っ」

キタン「あぁ、あぁ、クソ!わーったよ。俺ももらうよ。…ったくよぉ」ズズー…

ヨーコ「それにしても、アンタたちの魔法って便利よねぇ」

キッド「全くだ。戦うだけじゃなくって、茶まで出せるなんてなぁ」

杏子「紅茶出せるのはマミだけなんだけどな」ニシシ

マミ「紅茶の他にも…」パッ

ヨーコ「あら。美味しそうなお菓子じゃない」パクッ

マッケン「ひとつもらおうか」パクッ

ギミー「やっりぃ!マミさんのお菓子だ!」ヒョイパクッ

ダリー「こら、ギミー!お行儀悪い!」ハム…

ゾーシィ「酒のツマミにゃぁ、ちぃと物足りねぇがな」バリボリ

ジョーガン「だったら食うな!」ボリボリ

バリンボー「俺らによこせ!」バリバリ

ゾーシィ「うるへぇ!これはこれで美味いからいーんだよ!」モゴモゴ

マミ「ふふ。たくさんあるから、皆さんどうぞ召し上がってね♪」

ゴゴッ…グラグラ…

ヨーコ「…きゃぁ!?」ヨロッ
377 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 14:10:42.63 ID:418CWyR60
キタン「おっと。大丈夫か?」ダキッ

ヨーコ「サンキュ♪」

キタン「この程度でバランス崩すとは…鈍ったんじゃねぇかぁ?」オイオイ

ヨーコ「ご心配なく。ブランクは人生経験で埋めるから」ニコ

キタン「けっ…経験だぁ!?」

ヨーコ「なによ?」

キタン「な…なんでもねぇよ!!」フン!

ゾーシィ「…あちぃ!!色んな意味であちぃ!!」ケッ

杏子「そりゃお前…さっきの揺れで紅茶かかってるもんなぁ」

マミ「杏子…そうじゃないと思う」アノネ

グラグラッ…

キタン「やっべぇな…何が起こってやがる…」


−超銀河ダイグレン・艦橋−

シベラ「敵艦隊、海上に集結…!」

テツカン「ダメだ…こちらの主砲ビーム、消滅!」

リーロン「螺旋エネルギーが…吸収された!?」

ダヤッカ「そんなバカな!」

ロージェノム「どうやらここは…デススパイラルフィールドのようだな」

リーロン「デススパイラル?」
378 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 14:12:52.50 ID:418CWyR60
ロージェノム「螺旋力が吸収され質量に変換される。螺旋力を使えば使うほど、この空間は密度を高めてゆく」

ロージェノム「最深部に引きずり込まれれば、いくらこの超銀河ダイグレンだとて耐えられはすまい」

リーロン「水圧…いえ。宇宙の宙圧でペッチャンコ、ってワケね?」

ダヤッカ「冗談じゃないぞ…」タラ…


シモン『任せろ、ダヤッカ!』


シモン『要は…吸収されるよりも早くエンジン吹かせばいいんだろうが!』

シモン『俺たちのパワーは無限だ!折れない心がある限り…!!』カチッ!…ギュゥゥゥン!

ヴィラル『無茶を言う男だ。…だが、その無茶に乗らせてもらおう!』ニヤ

ヴィラル『機体の調整は任せろ!』


リーロン「出力上がってるわ!」

ダヤッカ「艦首上げろ!浮上だ!!」

シベラ「……!」

シベラ「敵機、海中に侵入!こちらに向かってきます!」

リーロン「超銀河ダイグレンを、力ずくで沈めるつもりね」

ダヤッカ「迎え撃て!!」

リーロン「アーテンボロー!実弾に切り替えて!」

アーテン「ガッテンだ!!」ポチポチポチッ
379 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 14:14:59.44 ID:418CWyR60
−スペースガンメン格納庫−



……

………

キタン「なるほどな。外の状況はそういうことかよ…!」

杏子「宇宙の海?どういうこっちゃ?」ワカラン

マミ「ピンチなのは間違いないわね」

キタン「……」フウ

キタン「どうやら、来たみたいだぜ?“必要な時”ってのがよ」

ヨーコ「ええ」

マミ「それじゃ…休憩はここまで。もうひと頑張りしましょうか♪」

杏子「だな。満腹…とまではいかねぇが、食うもん食ったし食後の運動だ」ヨッシャ

ギミー「……」

杏子「お?どうした、ギミー」

ギミー「……怖く、ないんですか!?」

キタン「あん?」

ギミー「みなさん…死ぬのが怖くないんですか!?」

ギミー「あれだけの敵に…超高密度での戦い。ボロボロになってる機体だってあるのに…」

ギミー「何処まで戦えます!? …それでも、どうして行けるんですか!」

杏子「……」

キタン「ギミー、お前…」

ギミー「ズルいですよ…そうやって自分たちだけ傷ついても突き進んで。僕だって戦いたい!」

ギミー「でも…いざとなると身体がどうにも動かないんです…!」ブルブル

ダリー「ギミー…」ギュ…
380 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 14:20:01.63 ID:418CWyR60
キタン「……」

杏子「……」

キタン「ぶわぁっかか、オメーは!」

キタン「何処に死ぬのが怖くない人間がいる!?」

キタン「でもなぁ!仕方ねぇんだ」

キタン「これしか能がねぇんだ!」

キタン「俺たちゃ好きでやってんだよ」

キタン「こえぇから尚のこと…前に進むしかねぇんだよ!」

杏子「…なぁ、ギミー。お前一つ勘違いしてるぜ?」

杏子「あたしらはさ、何も死にに行くわけじゃねぇ」ウン

杏子「シモンのヤツが、大グレン団のダチがピンチだ。だから」

杏子「ちょいとばかし大暴れして、カッコイイとこ見せてやろう…ってな?」ニヒヒ

マミ「それにね、ギミー君」

マミ「私たち約束してるのよ」

マミ「あの日…見滝原を飛び出した日の前の晩。大事なお友達と」

マミ「絶対にまた会おうねって」ニコ

マミ「約束したそのお友達にしかお別れ言えなかったから」

杏子「あぁ。また会って…まどかとさやかに、怒られねぇとな?」アハハ

ギミー「マミさん、杏子さん…」

マミ「だから、死ぬつもりなんてこれっぽっちもない」
381 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 14:21:45.54 ID:418CWyR60
キタン「へへ。いいコト言うじゃねぇか、マミ!杏子!」ビシッ

杏子「ギミー。怖かったら立ち止まったっていいんだ」

杏子「とことん後ろ向きになったっていいんだ」

杏子「ゆっくりでも…少しずつでも、また歩き出せばさ」

杏子「…ま。シモンの受け売りなんだけどな」イヒヒ

マミ「杏子ったら…もう」クス

杏子「そんなわけだからさ。ちょーいと行って…この船に群がってる虫ども追っ払ってくるぜ」ビシッ

マッケン「俺も、可愛い子供たちと嫁さん置いて死ぬわけにはいかんからな」フ…

ジョーガン「世界中の美味いもん食い尽くすまでは死なん!」

バリンボー「そうだ!杏子に聞いたラーメン食いてえ!」


ウィィン…ガシュン

キタン「…こんな時、アイツならどうやって励ますんだろうな」

ヨーコ『アイツ…』

ヨーコ『……』

キタン「アイツの言葉は…こう、ドカっと胸に入り込んできた」

キタン「悔しいぜ… ったくよぉ」

キタン「この歳になって改めて思う。カミナってのは…大した男だったよ」
382 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 14:23:42.36 ID:418CWyR60
ヨーコ『ふふ』

ヨーコ『でもね。キタン。アンタがいたから大グレン団はここまで来れた』

ヨーコ『シモンが上から引っ張って、アンタが下から押し上げて。そうやってここまで来れた』

ヨーコ『あたしはそう思うよ』

キタン「……」

ヨーコ『それも立派な男の仕事じゃない』

キタン「…………時間、食っちまった。行くぞ!」ガション… ゴォッ!


マミ(カミナさん… シモン君のお兄さん、かぁ)

マミ(一度会って話してみたかったなぁ…)

杏子「おっし。いつでも出れるぜ!」

マミ(……はぁ…)

キッド『ボサッとしてると先に出ちまうぜ?お二人さん』ゴオッ

アイラック『獲物は残しておいてやるから、早く来いよ?』ガシャン…ヒュゴッ

マミ「あ…」

杏子「なんだ、シモンのこと考えるなら後にしろ!ったくよぉ」ニマニマ

マミ「ばっ…!べ、別にそんなんじゃないわよ!?」アセッ

杏子「へいへい。どーなんだか?」ウシシ

マミ「もう!グレンマギカ発進するわよ!」ガシャン… ゴォォッ!
383 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 14:28:55.68 ID:418CWyR60
…………

ズダンッ!…ズドン!

ドガァァ… 

ズダダダダッ!!

バシュンッ…ズバァッ!

ダヤッカ「あれは…キタンたちか! スペースガンメン隊は動けるのか!?」

レイテ『螺旋エンジンだけが動力じゃないよ。地上で動いてる時は、電力だったでしょ』

ダヤッカ「そうか…!スペースガンメンにも予備動力があったか!」


杏子『螺旋力を吸い取る海だかなんだかしんねーけどな』

マミ『ソウルジェムの輝きまで吸い取れるなら…吸い取ってみなさいよ!!』

杏子『いくぜぇ!マギカ…』

マミ『ブゥゥッメラァン!!』

ズガガガガッ!!

ドォン… ドゴォン…!

杏子『あたしらの艦からさっさと離れやがれ!』

マミ『トッカ・スピラーレ!!』シュルルッ…

クルンッ…ギリギリギリ… ドガァン!!

ヨーコ『わぁお。リボンで攻撃って…可愛らしいけど凄いわね』
384 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 14:31:39.27 ID:418CWyR60
ダヤッカ「凄いな、あの二人は」

レイテ『螺旋エネルギーにとっては天敵みたいな場所も、どうやら魔法少女には関係なかったみたいだね』ニヒヒ


キタン「危ねぇ!!」

ヨーコ『!?』

キタン「この…野郎、ナメんなぁぁ!!」キュィィン!ズダンッ!

ドォォォン…!!

ヨーコ『大丈夫!?』

キタン「腕一本やられただけだ。大したこたぁねぇ」ヘヘッ

ヨーコ『初歩的なミスね。ごめん…!』クッ

キタン「構うこたぁねぇ!ブランクは人生経験でカバーすんだろ?」

キッド『次から次へと…団体様ご到着ってかぁ?』

キタン「全くだ。ウジャウジャ沸いてきやがる…」

杏子『オラァ!ブキミメカども!テメェらの相手はこっちだ!』

杏子『かかってきやがれ!』

マミ『挑発かぁ…だったら私も』

マミ『ええっと。へ、ヘイヘイピッチャーびびってるー!』ドキドキ

杏子『…………』

杏子『それ、なんか違うぞ』

マミ『……うぅ///』

マミ『だって咄嗟に思い出したのこれだったんだもん…』プクー
385 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 14:33:11.11 ID:418CWyR60
ヨーコ『戦闘中なのに…あの子たちったら何やってるんだか』アハハ

キタン「なぁ、ヨーコ。地球に戻ったら…お前の子供たちに会わせてくれっか?」

ヨーコ『えぇ!?』

キタン「俺ぁよぉ。こう見えても…子供好きなんだよ!」ヘヘ

キタン「コイツらブチ倒して… アンチスパイラルやっつけて地球に戻ったら」

キタン「そんときゃぁ…!」

…ビシュゥゥン!ビシュゥゥン!

ドゴゴゴゴ…

キタン「…チッ。最後まで言わせろぃ!!」

ズドン!!…ドゴォッ!

ダリー『キタンさん、ヨーコさん!』

ギミー『大丈夫ですか!』

キタン「おめぇら…!? 無理すんじゃねぇ!」

ギミー『あれ…?無理を通して道理を蹴っ飛ばす!』

ギミー『それが俺たちグレン団でしょ!?』

キタン「でもよぉ!!」

ダリー『私たちだって好きでやってるんです!』

ダリー『一緒に戦わせて下さい!』
386 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 14:36:21.97 ID:418CWyR60
杏子『そうこなくっちゃなぁ!』

マミ『援護は任せて頂戴!』

キタン「おめぇら…」

キタン「ったくよぉ。ガキと女にゃぁ、敵わねぇなぁ!!」ガハハ

キタン「よぉっし、オメーらぁ!! あの化け物たちを一体残らず引っぺがすぞ!」

『『『『『了解!!』』』』』ゴォォォッ…!!


…………


マミ「あらかた片付いたわね…」

杏子「新手も追っかけて来ねぇみてーだな」ヤレヤレ

リーロン『宙圧がだいぶ高くなってるから、敵の機体だと耐えられないか』

リーロン『もしくは、もう放っておいても潰れると思われたかでしょうね』

ギミー『あ、あれは…!』

マミ「なに、あれ…ラガンの残骸だらけ…?」ブルッ

ロージェノム『あれは。かつてアンチスパイラルに戦いを挑んだ螺旋の戦士たちだ』

キタン『じゃぁ…俺たちの他にも、ここまで来た奴らがいるってのか…!』


AS『そのとおりだ』
387 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 14:39:41.36 ID:418CWyR60
AS『愚かな螺旋の民よ。お前達だけが特別な存在だと思うな』

AS『螺旋族と我々との悠久の時を越えた戦いの中では、お前達などほんのちっぽけな存在に過ぎない』

AS『そこは銀河螺旋海溝。螺旋の墓場だ』


リーロン「宇宙の海は…螺旋族の涙が辿り着く場所ってわけね…」

マミ『リーロンさんって時々ロマンチストですよね?』

キタン『小洒落たこと言ってんじゃねぇよ!なんとかしねぇと!!』

ダヤッカ「アンチスパイラルめ…!」

杏子『このままじゃ、船ごとペシャンコ…だったっけか?』


シモン『諦めるな!!』


シモン『アンチスパイラルの思い通りにはさせない!』

シモン『これまで倒れた仲間たち。あえなく散った螺旋族。全ての無念を受けとめる!』

シモン『受けとめて、力に換えてみせる!』

シモン『こんなところで…終ってたまるかああぁぁぁ!!』ギュイィィィン!!

シモン『ガバル、反転だ!艦首を最深部に向けろ!』

ダヤッカ「どうするつもりだ!?」
388 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 14:41:29.15 ID:418CWyR60
シモン『決まってる。このまま突撃して…デススパイラルマシンを撃破する!』

シモン『それが俺たち…』

マミ『大グレン団のやり方、でしょ?』

シモン『あぁ。その通りだ!』

杏子『やろうぜ、リーロン!ダヤッ艦長!』

ダヤッカ「なんだよその呼び方…」オイオイ

リーロン「……そうね。ワタシたちはずっと、シモンのドリルに賭けて来た」

ダヤッカ「…あぁ。これまでも。そしてこれからも。だな」

ダヤッカ「ガバル!全速反転!」

ガバル「任せとけぇ!!」グルッ ズゴゴゴ…

ゴボボボボ…

ロージェノム「デススパイラルマシーンの周囲は、超高密度空間になっている」

ロージェノム「この超銀河大グレンでも、耐えられるのは三百秒がいいところだ」

ロージェノム「マシンの周囲には、螺旋変換フィールドが展開されている」

ロージェノム「このフィールドが質量を螺旋力に変換することで、マシンを守っているのだ」

………

……

389 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 14:43:39.70 ID:418CWyR60
杏子「な、なぁ…あのオッサンの言ってること、わかったか?」タラタラ

マミ「……マシンを守るフィールドに、強力な螺旋エネルギーを与えることで処理が乱れて」ウーン

マミ「局部的に、螺旋変換フィールドが消滅するの」

杏子「……」

マミ「で、そこにありったけの螺旋ミサイルを叩き込めば、問題のマシンは破壊できる…ってことみたい」

杏子「…………もう一回」タノンマス

マミ「つまり。強い力でバリアに穴を空ける。空いた穴にミサイル撃ち込んで、中のマシーンをどかーん!」

杏子「おお!」

キタン「なるほどな!」

マッケン「そういうことか…」

キタン「意外と脆そうじゃねぇか!」

ヨーコ「こんな超高圧空間に突っ込んでくるバカがいるとは」

アイラック「さしものアンチスパイラルも想定していなかった。というところかな」

ダリー「超螺旋弾の準備は?」

レイテ『シモンも相当消耗してるからね。到達時刻までに二発がやっとってところさ』

アーテン『二発ありゃ十分だぁ!』


ゴゴゴ… ザッバァ…


テツカン「これは…本艦内部に次々と浸水が!」
390 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 14:46:12.82 ID:418CWyR60
リーロン「超高密度の宇宙が侵入してきてる…浸水じゃなくて、侵宙ってところだわ」

ダヤッカ「隔壁下ろせ!宇宙をこれ以上艦内に入れるな!」

ロージェノム「作戦成功の確率は…」

杏子『ちょっと待ったオッサン!』

杏子『ここに来てんなもん言うなんて無粋ってもんだぜ?』

リーロン「そうね。無茶は承知よ」

リーロン「目標が射程内に入ってからの作戦時間は五分ってところね…」ギリッ

杏子『まさに崖っぷちってヤツだな。燃えるじゃねぇか!』

シベラ「射程距離まで、あと一分で到た…」ガタンッ

リーロン「ちょっと、どうしたの!?」

ガバル「エンジンの出力が上がらねぇ!!」

リーロン「マズイわ!これ以上出力が落ちると射程距離に辿り着くまでにこっちが…!」

ダヤッカ「どうにかならんのか!?」

テツカン「超銀河ダイグレンの出力、どんどん低下していきます!!」ヤバイ!
391 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 14:48:15.09 ID:418CWyR60
−超螺旋エンジン内部−

キュルキュルキュルキュル…バキンッ!!

シモン「ぐあぁぁぁぁッ!?」

ヴィラル「シモン!?」

シモン「俺なら大丈夫だ…!時間がない!」

レイテ『シモンのヤツがヤバイ!無茶し過ぎてるよ!』

レイテ『あんた…ドリル交換の間だけでも少し休みな!!』

シモン「ダメだ…ここで俺が休めば、超銀河ダイグレンの出力が更に落ちて…」

シモン「そんなことになったら、モタモタしてる間に圧し潰されちまう!!」ググッ

ヴィラル「すまない、シモン…!この俺に螺旋力があれば…!!」ギリッ

レイテ『だからって…あんt

ピッ

マミ『…レイテさん!大急ぎで頼みたいことがあるの!』

レイテ『後にしな!超螺旋弾を用意して、シモンを休ませて、超銀河ダイグレンの出力も上げないとなんだ!』

レイテ『悪いけどあんたらの用事は…』

マミ『グレンマギカを、超螺旋エンジンに繋いで!』

シモン「な…に…?」

ヴィラル「どういうことだ」
392 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 14:50:44.94 ID:418CWyR60
マミ『時間がないんでしょ!? 説明は後でするから…!』

杏子『頼む、レイテ。あたしにゃどういう理屈かわかんねぇんだけどさ。マミが何か思いついたらしいんだ』

レイテ『グレンマギカを…?』

リーロン『そうか!そういうことね!? レイテ、その作業最優先でやって頂戴!!』


ガチッ…ウィィン…ガションッ

レイテ『終わったよ。これでいいのかい?』フウ

マミ「ありがとう、レイテさん!」

マミ「さぁ杏子!私たちの出番よ…!!」ガチッ

杏子「シモンが頑張ってるんだ…あたしらも全力でいかねぇとなぁ!!」ググッ…

ギュィィィィィ…ン!!

シベラ『これは…』

テツカン『エンジンの出力が…回復していきます!!』

ダヤッカ『どういうことだ!?』

リーロン『そうね。恋する乙女の力…ってところかしら?』

ダヤッカ『はぁ? なんだそりゃ…』ポカーン
393 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 14:52:11.98 ID:418CWyR60
マミ「うあああああああああああああ!!」グググッ!

杏子「グレンマギカ!超銀河ダイグレン! 根性、見せやがれええええええええ!!」グググッ!

ロージェノム『成る程。考えたものだ』

ロージェノム『この空間の干渉を受けない魔法少女の力。ソウルジェムの力を、螺旋エネルギーに掛け合わせたということか』

レイテ『……ハッ グレンマギカに積んだ、螺旋エンジンか!』

リーロン『そういうこと。以前…シモンの持つ螺旋力が、あの子たちのソウルジェムに干渉したことがあるんだけど』

リーロン『今回はその逆ね。あの子たちの持つ力が、螺旋エンジンを介してシモンの螺旋力に干渉して』

リーロン『吸収されて消え入りそうだったエネルギーを、何倍にも底上げしてるの』

シモン『マミ…杏子…!』

マミ「シモン君の螺旋の力…!私と杏子で押し上げる…っ!!」グッ…

杏子「だから…今のうちに、オメェがやんなきゃなんねぇことやっちまえ!シモン!!」グッ…!

ヴィラル『凄いぞこの二人…お前の螺旋力にも引けをとらないエネルギーだ!』

杏子「ったりめーだ!魔法少女は…希望の象徴、なんだよ!!」

マミ「そうよ!私たちを…」

マミ杏「「誰だと思っていやがる…!!!!」」ギュイィィィィィィン!!
394 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 14:54:35.10 ID:418CWyR60
ブータ『ブイッ!!ブー!ブー!!』

ヴィラル「……どうした、チビブタモグラ」

ブータ『ブィー!ブー!』

ヴィラル「中に入れろというのか?」

ウィィン…

ブータ「ブッブキュー!」

ブータ「ブゥゥゥゥゥゥ!!」キュイィン…

ヴィラル「…な、に!?お前、まさか…!!」

ブータ「ブッヒュー!」キラン!

ブータ「ブゥッ!!ブッキュウゥゥゥゥゥ!!」ギュゥゥゥンッ!!

レイテ『どうした!?』

ヴィラル「このチビブタモグラ…螺旋力の塊だ!!」

ヴィラル「グレンとラガン…それにマギカ!トリプルでいけるぞ!!」ググッ!!

シモン「ブータ!がんばれ…!お前も立派な、大グレン団のメンバーだ!!」

ブータ「ブッキュー!!…ブウゥゥゥゥゥ…!!」

シモン「うおおおおおおおお!!」

マミ『うああああああああ!!』

杏子『まだだ!もっと、もっと奮えろ!!あたしらの…魂!!』
395 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 14:56:29.61 ID:418CWyR60
シベラ『艦内への侵宙…激しくなっています!』

シベラ『各ゲート…次々と破損!!』

ダヤッカ『ガバル、急げ…!』

ガゴォン!!

キタン「なんだ…こりゃぁ」

テツカン「グレンラガンのドリルだよ」

キタン「折れたのか…」

テツカン「あぁ。こんなのは初めてだ」

テツカン「シモンも… いや、アイツだけじゃない。マミも杏子も身体張ってやがる」

キタン「そうか…」


シベラ「デススパイラルマシン接近!間もなく…射程距離です!」

アーテン「待ってたぜぇ!!」イエーイ

ダヤッカ「超螺旋弾の準備は!?」

レイテ『できてるよ!』ビシッ

シベラ「敵機体、射程距離に入りました!!」

アーテン「発射アァ!!」ポチポチポチポチッ


ズダァンッ!!………………ベキ、バキッ…グシャァッ…………


シモン『届かなかっただと!?』
396 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 14:58:52.89 ID:418CWyR60
リーロン『強度計算はしたのに…!!』ソンナ…

ダヤッカ『こっちの計算以上に圧力が高かったということなのか!?』

シベラ『侵宙…進んでいます!残り時間、あと四分十秒…!』

リーロン『レイテ!超螺旋弾の外装をky

レイテ「言われなくても、もうやってるよ!」ガガガ…チュイィィン


ヨーコ「……」

ヨーコ「…レイテ。あたしのスペースガンメンに…超螺旋弾を積み込んで」

キタン「待ぁて、ヨーコ」ニヤ

キタン「そいつぁ俺の仕事だ」

ヨーコ「な…!?」

ゾーシィ「だったら」

アイラック「俺たちが!」

バリンボー「そうだそうだ!」

キッド「俺にやらせろ!」

マッケン「俺が行こう」

ジョーガン「俺たちがやるぜ!」

キタン「…………」

キタン「……そうはいかねぇんだよ!」ハン
397 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 15:04:24.54 ID:418CWyR60
キタン「レイテ。こん中で一番圧力につえぇのは?」

レイテ「……スペースキングキタンの。ダンガンメンモードだよ」

キタン「…と、いうわけだ」ワカッタカ?

キタン「マミと杏子が支えて、シモンが死ぬ思いでこさえた最後の超螺旋弾」

キタン「無駄にするわけにはいかねぇだろうが?」

一同「…………」

キタン「レイテ。超螺旋弾を、スペースキングキタンに積み込め」

キタン「時間がねぇ。ダンガンメンモードで運んでやりゃぁ、超螺旋弾の装甲強化より早くて確実だ」

レイテ「…………」

ギミー「特攻ですか…!?」

ギミー「そんな、そんなことして…!」

ダリー「ギミー…」

キタン「なぁ、ギミー」

キタン「さっきも言ったがよぉ…死ぬのが怖くねぇヤツなんざいねぇ」ヘヘ

キタン「俺だってそうさ。だがなぁ」

キタン「もし俺がここで尻尾巻いて何もしなけりゃぁ…」

キタン「それこそ全部。超銀河ダイグレンだけじゃねぇ。地球も、そこで待ってる奴らもオワリだ」
398 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 15:06:17.68 ID:418CWyR60
キタン「…………でもな。俺の一手が、後に繋がる道を創るかもしんねぇ」

キタン「ガンメン乗り回してよ。叫んで暴れ回るしか能のねぇ男の手で」ポリポリ

キタン「地球を…可愛い姪っ子や、妹たちの明日を救ってやれるかも知んねぇんだ」

キタン「ヘヘ… スゲェことじゃねぇかよ!」ニヤッ

ギミー「キタンさん…」グスッ

キタン「……」

キタン「これだけは言っとくぞ」

キタン「お前らがいるから…無茶ができるんだよ」

キタン「後ろにお前らがいるから、前に進めるんだよ」

キタン「シモンが上から引っ張って…俺が下から押し上げてるとすりゃぁ」

キタン「それは…俺の背中をお前らが押してくれたからだ」

キタン「お前らが何処までいけるか…楽しみにしてるぜ?」ヘヘッ

ギミー「……」

ダリー「……」

キタン「ヨーコ」

ヨーコ「へ?」

キタン「…………」ギュ…

ヨーコ「……!? …………」スッ…

キタン「すまねぇ。これも俺の…我侭だ」
399 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 15:08:17.56 ID:418CWyR60
ヨーコ「……バカね。こういう時、謝らないで…」グスッ

キタン「……ありがとうよ」フッ

キタン「聞こえてっか。マミ、杏子」

マミ『……はい…』ポロポロ

杏子『……聞こえてるよ』グスン…

キタン「悔いが残らねぇ…なんてのは嘘になっちまうがよ」

キタン「俺は俺の人生に恥じねぇように。胸ぇ張って生きてきた!」

キタン「おめーらの人生だ。俺がとやかく言うことじゃねぇが」

キタン「二人とも。自分の気持ちに嘘つくような生き方はするんじゃねぇぞ?」ニカッ


杏子『チキショウ…テメェ…!!』グスンッ…

マミ『…ヒグッ…ヒック… はい…!』ポロポロ


ゴオォォッ!!

キタン「あばよダチ公!なぁんてキザな台詞は言わねぇ!…行ってくるぜ、野郎ども!!」

ダヤッカ『……頼む…!』
400 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 15:12:32.13 ID:418CWyR60
ガションッ…ズガシィン!

キタン「コイツか…!!」

キタン「今だぁ!!ミサイル発射ぁ!!」

ビーッビーッ…

ミシミシッ…ベキッ…

キタン「!? クソッ!!肝心なところで…!!」

バキ…ギシギシギシ…グシャッ!!

キタン「ぐっ…!!あ…ぐ、うあぁぁッ!?」ドゴォォォン…


シベラ「螺旋変換フィールドで爆発を確認!」

ダヤッカ「やったか!?」

シベラ「いえ… …デススパイラルマシンは…健在です…」

リーロン「キタ…ン…」

アーテン「犬死にかよ…バッカ野郎!!」ダンッ…!チクショウ!!

杏子『クッ…!』ギリッ

ヨーコ「待って!あのエネルギー反応は…!」

シベラ「このサイズ…スペースガンメンの中の、ガンメンです!」
401 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 15:14:02.93 ID:418CWyR60
シュゴォォォォォォ…!!

キタン「まぁだキングキタンが残ってるぜええええええええええええ!!!!」

キタン「御守り代わりに拝借してきたグレンラガンのドリル!」

キタン「使わせて…もらうぜえええええええ!!」

シモン『キタァァン!!』

マミ『キタンさん!!』

キタン「コイツはシモンの!…大グレン団の!!…人間の!!」

キタン「いや…!この俺様の魂だあぁぁぁ!!」

ジャキィィィン!!

キタン「テメェごときにぃ…!喰い尽くせるかあああぁぁぁ!?」

ガキンッ!… ギュイィィィィ…ン!

キタン「キィィィングキタアァァァァン!」

キタン「ギィガァドリルゥ…ブゥレェェェェイクゥゥゥ――――ッッ!!!!」

…………

カッ…! ズド……ォォン………

キタン「…これが螺旋の力かよ」

キタン「大したもんじゃねぇか…… ヘヘッ…」ボロ…

…ゴァッ…!

…………

……

402 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 15:16:25.87 ID:418CWyR60
ヨーコ「……ぁ…ぁ」ポロポロ

ダヤッカ「………」

マミ『……ヒック、グスッ…』

ギミー「あ……」

ダリー「……グスン」

杏子『……チキ、ショ…』ダンッ

ロージェノム「この作戦の成功率は0パーセントだった」

ロージェノム「だが。お前達には机上の計算は無駄なようだな」

シベラ「…膨大な…とてつもなく膨大な、螺旋エネルギー反応です!」

ロージェノム「デススパイラルマシンが破壊されたことで」

ロージェノム「この暗黒の海は、全て螺旋エネルギーに再変換される。当然のことだ」

リーロン「超螺旋ゲージが上がっている…!」

リーロン「…………シモン!いけるわよ!!」パァッ


シモン「キタン… お前の遺志は、受け取った!」

シモン「……ヴィラル、ブータ、マミ、杏子!」

シモン「一気に行くぞ…」

シモン「変 形 だ !!」
403 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 15:19:49.56 ID:418CWyR60
ヴィラル「その言葉……待っていたぁ!!」

杏子『シモン!思いっきりぶちかましてやれ!!』グスッ

マミ『シモン君!私たちの力も…全部使って!!』ポロポロ…

ゴォォォォッ…ガキン! ガキィン!!

ガシンッ!…ガキン、ガキンッ!!

ヒュゴッ…!

シモン「……友の想いをこの身に刻み、無限の闇を光に変える!」

ザバアァァァ…

シモン「天 上 天 下 ! 一 騎 当 神 !!」

シモン「超 銀 河 ! グ レ ン ラ ガ ン …!!」

シモン「人間の力……見せて、やるぜ!!」クワッ!!

−−−−−−−−−−
404 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 15:22:06.29 ID:418CWyR60
グオッ…!ガシッ!!

…バキィン!


マミ「これが…超銀河グレンラガン!」

杏子「スゲェ…すげぇ、すげぇ、すっげええええ!!」

杏子「あのバカデッケェ戦艦…殴り飛ばしやがった!」ヤリィ!

リーロン『油断しちゃダメよ。相手はまだ沈んでないわ!』

マミ「くっ…!ビームに…嘘!? あの戦艦、惑星を投げてるの!?」シンジランナイ

ヴィラル「だが。こっちのダメージはゼロだ!」

ダヤッカ『どうなってる!?』

シベラ『強力な螺旋フィールドが…敵の攻撃を全て無効化しています!』

シモン「当然だ!そんなものが…効いて、たまるかぁ!!」


バチバチバチバチィッ!!


シモン「グレンブゥーッメラン!!」

ヴィラル「超銀河ァッ!!」

シモヴィラ「「大!切!断ッッ!!」」

ブゥンッ…!

ズガガガガガァッ!!

杏子「うおおおおおお!?あのデッケェのが真っ二つだ!!」マジデ
405 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 15:24:10.54 ID:418CWyR60
ダリー『これが、シモンさんの力…』

ギミー『凄いな…』

マミ「次!敵艦から複数のミサイルがくるわ!」

シモン「言ったろうが。そんなものが……ぐわぁッ!?」

ドガン!ドガガガッ…!

ダヤッカ『どうした!?』

シベラ『わかりません!螺旋フィールドは健在!モニター上は完全に攻撃を防いでいます!!』

ロージェノム『確率変動弾だ。敵は我々が防御する確率を無効化している』

マミ「確率の支配…神様の領域までをも司るっていうの?」クッ…

カッ…!

杏子「うあ、なんだよこの光… 目が眩む!」


AS『仲間を犠牲にしてなおも前に進むか』

AS『それこそが螺旋の民の宿業だ』

AS『その業故に、お前達は滅びなければならない』


シモン「フザけるな!…そんなワケのわからない理由で…滅ぼされてたまるか!!」
406 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 15:26:08.03 ID:418CWyR60
AS『ならば見るがいい。この宇宙の行く末を』

AS『進化することしか考えぬ螺旋の力が。この宇宙を滅ぼすという結末を』

シモン「…………!!」

ドクンッ

AS『螺旋力とは宇宙と生命を繋ぐ力。銀河の成長は生命の成長と比例する』

AS『生命はより螺旋の力を得るためのカタチを求めて発達した。それが…進化だ』

AS『だがその果ては。螺旋力を制御しきれなくなり…生命の全てが銀河となる』

AS『過剰銀河は互いに食い潰し、ブラックホールとなる』

AS『この宇宙は無に還る。それが…スパイラルネメシスだ』

シモン「…………まさか……そんな……!」

ヴィラル「どうしたシモン!…今のはヤツのハッタリだ!何を鵜呑みにしている!?」

ロージェノム『残念ながらそれは真実だ、ヴィラル』

ロージェノム『螺旋の力。それを使う者が一番よく知っている』

シモン「…………」

ロージェノム『シモンは直感的に悟ったのだ。アンチスパイラルの言葉が真実だ。と』
407 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 15:28:13.07 ID:418CWyR60
ロージェノム『しかし真実はもう一つある』

ロージェノム『それは…ニアがお前を待っているということだ』

ロージェノム『地球が。螺旋族が滅ぼされぬよう、耐えているということだ』

杏子「いーこと言うじゃねぇか。オッサン!」

シモン「あぁ。そうだ… その通りだとも!!」

マミ「やりましょう、シモン君! 姿も見せずに言いたいことだけ言う人なんて、怖くないんだから!」ビシッ!


AS『愚かな。一時の感情の為に宇宙を滅ぼすつもりか』


シモン「それは違う!どっちも守る!」

シモン「女も!宇宙も!どっちもな!!」

シモン「まだ見ぬ明日に怯えて…今を後悔したくねぇ!」

シモン「それが俺たち…大グレン団だ!!」

ロージェノム『うむ…!』

ヴィラル「そうと決まれば…やるぞ、シモン!!」

ギュィィィィン…!!
408 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 15:30:22.42 ID:418CWyR60
シベラ「待って下さい!敵影、消えました!!」

ロージェノム「気をつけろ。敵は、ランダムシュレイディンガーワープで接近してくる」

杏子『ら、らんだむ…なんだって!?』アセアセ

杏子『マミ!』

マミ『ご、ごめん杏子。今のは私もわからない…』タハハ

ロージェノム「多次元確率変動を制御して、時間軸の中を揺れながら襲ってくるぞ」

杏子『ぐぬぬぬ…』

マミ『ごめん、お手上げ…』シュン

ダヤッカ「頼むからわかるようにいってくれ…」トホホ

アーテン「何でもイイからぶっぱなせー!」ヒャッホウ!

ロージェノム「了解した」

ロージェノム「可能時空軸一斉掃射準備。こちらも敵をトレースする」

リーロン「タイムレンジが広げられるっていうの!?」

ロージェノム「敵機存在確率時空軸。近過去マイナス十。近未来プラス八」

ヴィラル『敵影捉えたぞ!その数、無量大数!!』

シモン『主砲、いけるか!?』

ヨーコ「任せて!確率だか何だか知らないけど…大グレン団のしぶとさ。思い知らせてやろうじゃないの!」
409 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 15:32:30.66 ID:418CWyR60
ギミー「そういうこと!メールシュトローム砲、準備よし!」

ダリー「メガボルテックスキャノン。スタンバイ!」

テツカン「ゲージに…ブランク時間指数とか、出てますけど…」ナニコレ

リーロン「構わないからロックオンしちゃいなさい!」

リーロン「確変決めて…大当たりってことよ!」パチンッ

シモン『よし…!いけぇっ!過去も未来も、一気にブチ抜く!!』

ビシュンッ!

…………

ズドドドドドド…!!

リーロン「驚いた…エンジンの中で銀河が生まれそうな勢いよ!?」

シモン『これで…逃げも隠れも出来ねぇだろう!』

キッド「よっしゃぁ!あのでっけぇ顔野郎沈んだぜ!」

マッケン「まだだ。更にもう一隻いる」

ジョーガン「オラオラァ!!」ポチポチポチッ

バリンボー「撃て撃て撃てえぇぇ!!」ポチポチポチッ

アーテン「にゃろー!負けるかぁー!!」ポチポチポチッ
410 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 15:34:23.65 ID:418CWyR60
レイテ『シモン!あれだけ辛抱してたんだ。こっちは気にせず好きなだけやりな!』

杏子『グレンマギカのエンジンも、イイ音立てて回ってやがる!』

マミ『シモン君!一気に決めましょう!』

シモン『そうさせてもらう!!』

シモン『超銀河!ギガ…ドリル!ブレイクゥゥゥッ!!』


ズガガガガガガッ!!

シュピンッ


シモン「……ふう」

ヴィラル「やったな、シモン」

マミ「あれは…ニアさん!」

シモン「ニア…!!」

ニア『………』

パアァァァァ…

ロージェノム『フェイクの干渉が消えた。これで本当のニアの元へ飛べよう』

シモン「よぉし…!」

シモン「…………ニアの居場所、見えt

ドクンッ…!

シモン「…………!?」
411 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 15:35:37.92 ID:418CWyR60
AS『あくまで足掻くか。螺旋の民よ』

AS『最後まで足掻くことを美しいと感じる。螺旋の力に魅入られた者の本能だな』

AS『だがそれも。何度も繰り返された行為だ』

AS『お前達にはかつての螺旋戦士と同じ運命を辿ってもらう』

AS『…多元宇宙迷宮。無限の可能性の地獄の中で』

AS『閉ざされた人生を永遠に送るがいい』

シモン「なん…だ…!?」

杏子「……頭の中に…何か…」

マミ「だ、め…意識…薄れて……………」

………

……

412 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 15:40:25.43 ID:418CWyR60
ちょっと離れてしまいますので、一旦投下ストップします

再開は夕食後を予定しております。今しばらくお待ち下さい
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/03(木) 16:06:03.59 ID:SPLyOYewo
次は多元宇宙か
ヴィラルがどうなってるか、出番がなかったQBが何してるのか
414 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 21:29:50.06 ID:418CWyR60
戻りました。すみません、思いっきり寝てしまってました…

多元宇宙は見る人によって色んな解釈がありそうですよね。

QBはマミさんにくっついてきてます。べ、別に忘れてたワケデハアリマセンヨ

それでは投下再開します。
415 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 21:31:44.61 ID:418CWyR60
………

………

………

さやか「おはよ。シモン、まどか!」タッタッタ

シモン「あ、おはよう。さやか、仁美」ニコ

まどか「おはよ。、さやかちゃん、仁美ちゃん♪」

仁美「お二人ともおはようございます」ペコリ

さやか「嫌んなるよなぁ。今日のテストさぁ〜」プクー

まどか「あはは。仕方ないよ、学生は勉強することがお仕事だもん」ウン

シモン「俺は勉強、ちょっと苦手だけどね」タハハ

さやか「ちょっとぉ?シモンはあたしと同じで、大の苦手だろ?」ホレホレ

仁美「ふふ。双子のご兄妹でも、勉強に関してはお二人とも正反対ですものね」フフ

さやか「でも二人の家はいいよなぁ〜」

さやか「上にはかっこいいお兄さんいるしさ、下には可愛い弟もいるんだし」イイナァ

仁美「毎日賑やかそうで羨ましいですわ」ウン

まどか「お兄ちゃんは、ちょっと賑やか過ぎるくらいだけどね」ウーン

シモン「そうだね。アニキはもうちょっと静かでもいいと思う」タハハ…
416 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 21:34:37.59 ID:418CWyR60
キーンコーンカーンコーン…

和子「よぉーし。それじゃぁ、始め」

和子「途中質問があれば、静かに手を上げるようにね」

カリカリカリカリ…

カリカリ…ゴシゴシ

シモン(毎日毎日学校に通って)

シモン(友達と楽しく喋って遊んだり、ちょっと嫌だけど勉強もしたり)

シモン(今日がいつで、明日がどこか…なんてことも関係ない)

シモン(繰り返される毎日。ずっと、ずっと続いていく毎日)

………

……



シモン「ただいまぁー」ガチャッ

詢子「お帰り、シモン」

詢子「今日のテストちゃんとできたんでしょうね?」

シモン「う、うん…」タジッ

詢子「そう。ならいいけど」

詢子「勉強。今のうちからちゃんとしておきなさい」
417 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 21:36:20.45 ID:418CWyR60
詢子「中学校のうちから勉強疎かにしてるとね、カミナみたいなフラフラした」

詢子「しょうもない人間になっちゃうから」

シモン「うん…」

シモン「えっと、母さん。アニキは?」

詢子「さぁ? あんな人知らないわよ。何処をほっつき歩いてるのかしらね」

タツヤ「しもん〜 おかえり!」

シモン「ただいま、達也」ナデナデ

シモン「お兄ちゃんと一緒に遊ぼっか?」ニコ

詢子「あぁ、ダメダメ。達也はこれから幼児塾なんだから」

シモン「そっか…」

詢子「私は達也送ってくるから、父さんが帰って来たらまどかと三人で適当に食べなさい」

シモン「うん。わかった」

………

……



知久「ただいま」ガチャ

シモン「お帰り、父さん」

知久「ふう…取引先とトラブルがあってね。参ったよ」
418 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 21:40:54.48 ID:418CWyR60
知久「そうか。あいつは?」

シモまど「「……」」

知久「帰ってないのか。それならそれでいいんだがな」

………

……



カミナ「今帰ったぜ」ガチャ…

シモン「お帰り、アニキ」

カミナ「へへ。今日は大勝したからな。これでしばらく遊んで暮らせらぁ」

まどか「もう!お兄ちゃんまたギャンブルでしょ!?」プンスカ

カミナ「そうとやかく言うなって。こうやってちゃぁーんと稼いでるんだからよ」

カミナ「ほら。お前らにも土産やるよ」ポポイッ

まどか「え?わ…!やったー!」ワーイ

まどか「って…そうじゃなくって!」モウ!

カミナ「ったくうるっせぇなぁ。人間、楽して稼げりゃぁそれが一番なんだよ」ダリィ

………

……

419 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 21:42:39.98 ID:418CWyR60
………

………

………

ガチャ…カランコローン

マミ「あ。いらっしゃい♪」

さやか「こんにちは、マミさん!」

まどか「お邪魔しまーす♪」エヘ

ほむら「お店開いたんですって?遊びに来てあげたわよ」ファサッ

マミ「嬉しいわ。さ、座って座って」

さやか「えっと…メニューメニューっと。うっわ、どれにしようか迷うなぁ」キラキラ

ほむら「凄いじゃない。こんなに種類があるなんて」ホムゥ

まどか「いっぱいありますね。迷っちゃいます♪」ウーン

ほむら「お勧めとかあるのかしら?」

マミ「そうねぇ… どれも腕によりを掛けて作ってるから全部お勧めかも?」フフ

さやか「ほむらぁ〜 わたしこれ、全部食べたいいぃ…」ニヘラ

ほむら「さやかったら…お腹壊しても知らないわよ?」クス

まどか「そうだよさやかちゃん。この前食べ過ぎたって言ってたばかりなのに」モウ

マミ「三人とも、学生の頃と全然変わってなくて嬉しいわ」ニコ
420 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 21:47:03.58 ID:418CWyR60
マミ「はい、特製の紅茶♪ 今日はゆっくりくつろいでいってね?」コト

さやか「はい!もちろんそのつもりですよー!」ワーイ

ほむら「そうね。そうさせていただこうかしら」ホムホム


ガチャ…カランコロン


マミ「いらっしゃいま…… パパ!ママ!」パァッ

マミパパ「久し振りだな。マミ」

マミママ「マミ。今までごめんね?これからは…パパもママも」

マミママ「家族三人で暮らせるから」ニコ

マミ「だって、二人とも… あ、あれ…えっと…」

マミパパ「何を言ってるんだ。パパもママもこうしてお前の目の前にいるじゃないか」ニコ

マミ「本当?本当に…?」ポロポロ…

マミママ「ごめんね、マミ。今まで寂しい思いをさせて」ギュ…

さやか「良かったですね、マミさん♪」

ほむら「おめでとう、巴マミ」クス

まどか「マミさん、もう寂しくないですね」ニコ

………

……

421 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 21:49:21.04 ID:418CWyR60
−−−−−−−−−



……

………

ロージェノム「……」

ロージェノム「何だ…?」

ロージェノム「一体何が起こっている」

ブータ「ブゥゥゥッ!!」

QB「キュプゥゥゥ!!」

ロージェノム「まさか…!」


AS『そうだよ』

AS『キミの思った通りだよ。ロージェノム』

コツコツコツ…

AS『彼らは全て多元宇宙に囚われている』

AS『認識した瞬間に誕生する、宇宙の連鎖に閉じ込められているんだ』

AS『知性がある限り、もう抜け出すことなど出来はしない』

ロージェノム「貴様…アンチスパイラルか」

AS『あぁ。そうだとも』
422 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 21:51:08.75 ID:418CWyR60
AS『かつて銀河系の螺旋の戦士として名を馳せた男が生体コンピュータとは』

AS『キミの仲間も、目的の為には手段を選ばないようだな』

ロージェノム「しかし、私は貴様に敗れた。銀河系すら守れずにな」

ロージェノム「彼らがいなければ、こうして貴様と直接相まみえることも叶わなかった」

AS『トドメを刺されるために。わざわざこの十次元と十一次元の狭間まで来た。…と言うわけだ?』スッ…

ロージェノム「しかし随分ご丁寧なことだ。…むしろ丁寧過ぎではないか」

AS『……?』

ロージェノム「何故ここまで回りくどいやり方をする」

ロージェノム「お前達が本気で掛かれば、我々螺旋の民を消滅させることなど造作もないだろう」

AS『正体不明の螺旋力、そして…この私と同質の力を感じてね』

AS『解析に穴があっては台無しだ』

ピョインッ

ブータ「…ブゥッ!!ブィィィィ!」

キュィィィン…

ロージェノム「む…!!うおおおおお!!」クワッ

AS『何?…貴様が不思議な螺旋力の正体か』

ブータ「ブウゥゥゥゥゥ…う…く…!」

AS『…人間型になるとは』
423 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 21:52:50.47 ID:418CWyR60
ロージェノム「そうか。固体成長エネルギーを種の進化エネルギーに変換したのか」

ロージェノム「しかし、単体でこれほどまでの急激な変換は不可能なはず」

ブータ「あなたの螺旋力のお蔭ですよ。ロージェノム」

ロージェノム「私の?力なのか?」

AS『…ふふふ。ふっふっふ… ははははは…!』

ブータ「さがれ!アンチスパイラル!」

ブータ「シモンに手は出させない!!」ズバッ!!

AS『』

ブータ「へへっ」ヤッタ!

AS『なかなか面白いものを見せてくれる』

ブータ「そんな!?」

AS『だが、その程度で私を倒せるとは思わないで欲しいものだ』コツコツコツ…

???「…まぁまぁ。そう焦って話を進めないで欲しいものだね」

ロージェノム「?」

ブータ「誰だ!?」

AS『……』

???「ここだよ。ここ」キュップイ

ブータ「まさか…キュウべぇ!?」

QB「ふう。久々に言葉を口にすると新鮮なものだね」
424 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 21:55:38.42 ID:418CWyR60
QB「まったく。異なる世界を知った時は驚いたけど、更にその世界にボクらに似た存在がいたとは」

AS『私と同質の力…貴様がそうか』

QB「初めまして、アンチスパイラル。ボクはインキュベーター」

QB「奇遇だね。ボクたちもキミらと同じく宇宙の行く末を憂いていたのさ」スタスタ

AS『ほぉ。異世界における宇宙の監視者とは、興味深い』

ブータ「キュウべぇ…喋れるようになっただなんて」

QB「勘違いしないで欲しいな。元々ボクらインキュベーターは言葉という概念を持っているんだよ」ヤレヤレ

QB「こっちの世界に来る前…ボクは強力な螺旋エネルギーの影響を受けてね」

QB「感情を得るのと引き換えに。言葉と、そして知性を失ってしまった」

QB「そして今、ロージェノムの発した螺旋エネルギーを受けて」

QB「こうして再び言葉と知性を取り戻したというわけさ」

QB「感情はそのままにね」キュプゥ

ロージェノム「成る程。道理で私のデータバンクにも存在しない訳だ」

ロージェノム「異世界の、それも地球外生物だったとはな。単なる小動物ではなかったということか」

QB「ふふ。そういうこと」キュプッ

AS『ならばお前には解るだろう』

AS『この世界における、螺旋の民の愚かさを』

AS『この者達が進化の道を辿ることで引き起こされる、スパイラルネメシスの恐ろしさが』

QB「そうだね。よくわかるよ。キミの言う通りだ」テクテク…
425 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 21:59:41.67 ID:418CWyR60
ロージェノム「……」

ブータ「キュウべぇ!そいつの言うことなんか…!」

QB「ボクはこの六年間、ずっと彼らを見続けてきた」

QB「言葉も知性も失い…一匹の動物としてだったけどね」

AS『お前が見続けてきた螺旋の民は、進化を繰り返す』

AS『そして放置すれば彼らはやがて地球を離れ』

QB「…そう。外宇宙にまで繰り出すことだろう」

QB「ボクらの世界で。ボクらインキュベーターは、そうなった時のことを危惧して」

QB「遥か太古の時代から、地球に魔法少女と魔女いうシステムを組み込んだのさ」キュプ

QB「人類の外宇宙進出によるエントロピーの増大と、その弊害である宇宙の熱力学的な死を防ぐ為にね」

AS『方法こそ違えども、やはり。我々は同質ということだな』

QB「まさか同じ志を持つ種に、こんなところで出会えるなんてね」キュププ

チョコチョコ…

ブータ「キュウべぇ…」

QB「でもね」フフ

AS『……?』

QB「ずっと彼らを見続けていたからこそ、わかったこともある!」キュプゥッ!!

バシンッ!
426 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 22:04:08.30 ID:418CWyR60
QB「彼らは…シモンは、杏子は。そしてマミは。いつだって前を向いて諦めなかった」

キュッ…ビシッ!ビシッ!!

AS『…非力なものだ。そのようなちっぽけな身体で私に立ち向かうなどと』

QB「不思議なものだね。かつては感情を持たなかったボクが、そんな彼らの影響を受けていただなんて!」

ブータ「キュウべぇ、お前…!」パァッ

QB「今だ、ブータ!!」

ブータ「うおおおおおおっ!!」

ブンッ!!

AS『無駄だと言って…』

QB「どうかな? ボクが溜めてきたグリーフシードの穢れ。その因果を解放すれば、キミにだって…!」

ブワッ!

AS『グリーフシード?穢れだと?』

QB「…キュップィ! これで、どうだ!」

AS『……』

AS『残念だよ、インキュベーター。我らは共に歩めると思っていたのだが』

QB「」

ブータ「そんな!?」
427 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 22:05:25.15 ID:418CWyR60
ロージェノム「そうか。ここはアンチスパイラルの創り出した多元宇宙」

ロージェノム「我々は…この空間、では…」ゴトン

AS『進化や知性を取り戻したのは失敗だったな』

AS『多元宇宙は認識された時に実在する』

AS『特に。人型になると言うことは、自ら多元宇宙の迷宮に嵌るということなのだよ?』

ブータ「そんな…シモ、ン…!…………」ヨロッ…

QB「参ったね、ボクも囚われてしまうの…か…………」グッタリ…

ロージェノム「…………」

AS『これで全ての穴は埋まった。二度と再び螺旋力の発動することはない』

AS『お前達は。終わりだ』スゥゥ…

………

……



−−−−−−−−−−
428 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 22:19:48.22 ID:418CWyR60


……

………

キーンコーンカーンコーン…

ほむら「大変よ、まどか!シモン!」ガララッ

シモン「あれ、ほむら?そんなに慌てなくてもまだ休み時間だよ?」

ほむら「違うのよ!…あなたたちのお兄さんが!」

まどか「カミナお兄ちゃんが…?」


タッタッタッタッ…

警察「困るんだよねぇ。こんなことされちゃぁ」

詢子「全く!あなたなんてことしてくれたのよ!!」ボカッ!

カミナ「いてぇ!!」

タッタッタ…

シモン「アニキ!」

まどか「お兄ちゃん!」

警察「きみたちは彼のご家族かい? 彼、ちょっと事件を起こしちゃってね」

詢子「あなたがそんなことすると…うちの世間体が悪くなる一方じゃない!」

詢子「それにね。シモンやまどか、達也の将来にまで響くのよ!」バシィンッ!!

まどか「」ビクッ
429 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 22:21:25.46 ID:418CWyR60
シモン「か、母さん!?何もそんな…!」

カミナ「いでぇ!」ヒィッ

詢子「わかったらさっさと謝りなさい!」

カミナ「わ、わかったよ。なぁ…すまねぇ!すまなかったよ、許してくれ!」ドゲザッ

カミナ「もうこんなこと二度としねぇからさ?な?な?」

カミナ「簡便してくれ、許してくれ!」ペコペコ

詢子「本人もこう言ってることだし。ほら、ね?どうかこれで許してやってくれませんか?」ペコペコ

詢子「うちにはまだ中学生が二人いるんですよ?それに小学校にも上がってない息子だって」

詢子「この子たちの人生を、こんなどうしようもないバカのせいでダメにしたくないんです」

カミナ「すまねぇ、すまねぇ!この通りだ!簡便してくれ、許してくれ!」ペコペコ

カミナ「俺ぁまだ警察の世話になんてなりたくねぇんだよ。もう街の人には迷惑掛けねぇからさぁ?」

カミナ「な?な?」ヘコヘコ

カミナ「俺が悪かったって!何でも言うこと聞くからさぁ。頭下げろってんならいくらでも下げる」

カミナ「だから、な?な?許してくれってぇ!」ナ?

カミナ「助けてくれよ、おふくろぉ!」ポロポロ

詢子「なによ!こんな時だけ泣きついてきて!大体あなたが…!」

カミナ「すまねぇすまねぇすまねぇ!だから!警察だけは…警察だけは簡便してくれよぉ!」

詢子「ちょっと、掴まないでよ!」ゲシッ
430 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 22:23:02.76 ID:418CWyR60
シモン「……」

シモン「……」

シモン(なんだろう…)

シモン(俺、何かが…)


「どうした? シモン」


シモン「…!?」クルッ

カミナ「なくしたのか、ドリル」

シモン「あ、アニキがもう一人…?」ナンデ?

スッ…

カミナ「馬ぁ鹿野郎ぉっ!!」クワッ!

カミナ「ジーハ村に悪名轟くグレン団!」

カミナ「漢の魂背中に背負い…不撓不屈の!あ!鬼リーダー!!」

カミナ「カミナ様が…そう何人もいてたまるかよぉ!!」ニカッ


シモン「あ…いや。でも、二人いるし!?」アッチ?コッチ?

スマネェスマネェユルシテクレェ

カミナ「その通り!!」ドドン!

カミナ「好きな方選べ!」

シモン「そんなぁ!?無茶苦茶な!!…あ」
431 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 22:24:28.43 ID:418CWyR60
カミナ「忘れたのか!?」ズイッ

カミナ「俺の無茶に中身をくれたのはお前なんだ!」

カミナ「俺の進めに中身をくれたのはお前なんだよ!!」

カミナ「お前のドリルは…その辺の石っころとは違うはずだ!!」クイッ

スマネェスマネェ!カンベンシテクレユルシテクレ!

カミナ「お前のドリルはここだ!」トンッ…

カミナ「いつまでもこんなトコでウダウダしてんじゃねぇ」

カミナ「お前のドリルは何の為にある!?」

シモン「アニキ…なのか…?」


「やれやれ。一体いつまで迷ってんだい?」


コツ…コツ…

詢子「心外だねぇ。確かにアタシはあんたのこと家族だって言ったけど」フン

詢子「あんたの中で…アタシはあんなつまらない母親だったのか?」ニヤ


シモン「詢子!?」
432 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 22:27:03.82 ID:418CWyR60
ガシッ!

カミナ?「おい!オメェも頭下げんだよ!」

詢子?「そうよ。あなたも一緒に謝りなさい」

シモン「……」

カミナ?「頭下げて頭下げて…見ないフリして謝るフリしてこの場を乗り切れ!」

詢子?「この場を乗り切りさえすれば、後はどうにかなるわ」

詢子?「シモン。要領のいい人間になりなさい?ね?」

カミナ?「な?おふくろもこう言ってるし、とりあえず下向いて謝っとけって!」


シモン「……」

シモン「俺の…」

シモン「俺の……っ」

シモン「ドリルは…!」

カミナ「……」

詢子「……」

シモン「俺の、ドリルは…!!」グッ!

カミナ?「…ひぃっ!?」

シモン「天を突くドリルだあああぁぁぁぁっ!!」

ブンッ…!! ガスッ!

カミナ?「ド、ドワアァァァァ!?」

バキィッ!!

カミナ?「ドゥオォォォ!?」ドサッ…

詢子?「ひっ!」

カミナ?「」
433 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 22:29:02.42 ID:418CWyR60
カミナ「……ヘヘッ」ニカッ

スタッ…

詢子「ちゃんと自分で」フフ

カミナ「あぁ。見つけたみたいだな」

シモン「…ドリルは、俺の魂だ!」カチャ

カチッ…! …プシュゥゥゥ…


パアァァァッ


シモン「…………」

カミナ「行け。シモン」

カミナ「“もし”とか“たら”とか“れば”とか。そんな思いに惑わされんな」

カミナ「自分が選んだ一つのことが。お前の宇宙の真実だ」

シモン「あぁ。…そうだな」ニッ

シモン「その通りだ」

カミナ「忘れんな? 俺の宇宙もそこにある宇宙だ」

シモン「アニキ…!」

???「おいおい、カミナだけじゃねぇ…俺も忘れてもらっちゃぁ困るぜ?」

シモン「キタン…!」
434 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 22:30:32.20 ID:418CWyR60
キタン「言ったろ?お前らが何処まで行けるか、楽しみにしてるってよ」ヘヘ

シモン「…あぁ!」

詢子「なぁ、シモン」

詢子「穏やかで何もない平坦な道。アタシはそれも悪かないと思うけどさ」

詢子「そんな道じゃぁ、あんたのドリルが泣いちまうよ」

シモン「詢子…」

詢子「分厚い壁を突き破って進むくらいの道が、あんたには丁度いい。違うかい?」

シモン「…あぁ!」

詢子「しっかりやりな、シモン!」バシッ!

詢子「例え世界が違っても。あんたは立派な、あたしらの家族だ!!」

シモン「…ありがとう、詢子」

カミナ「シモン。いいおふくろさんじゃねぇか?」ニヤ

シモン「俺の自慢の家族だよ、アニキ!」ヘヘ

シモン「……」

カミナ「……」

カミナ「いつの間にか、背ぇ抜かれちまったな?」

シモン「…ホントだ」ハハ
435 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 22:31:30.39 ID:418CWyR60
シモン「……」

カミナ「……」ニカッ

シモン「…………行くよ。アニキ」

カミナ「ああ」コク

カミナ「今度こそ…本当にあばよ。だ」

カミナ「行けよ!兄弟!」

シモン「あばよじゃねぇ。…一緒、だろ?」トンッ

カミナ「ああ!」

キタン「おう!」

詢子「しっかり無茶してきな!」

パシッ!…ググッ…

キュイィィィィィィン…!!

シモン「行くぜ!…ダチ公!!」

…ゴォォォォッ!!

………

……

436 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 22:33:56.29 ID:418CWyR60
まどか「マミさん。マミさんはずっとここでお店やるんですか?」ニコ

マミ「え…」

マミ「あ、うん。そうね…」

ほむら「どうしたの、巴マミ?」

マミ「ううん。何でもないの」

マミ(素敵なお店… 大好きなパパとママ…)

マミ(大切な友だち…)

さやか「マミさん。マミさんは本当に、ずっとここにいるんですか?」

マミ「え…美樹さん、何を言って…」

ほむら「……約束したはずよ?マミ」

マミ「約…束…」

マミ「約束…!」ハッ

さやか「ねぇ。マミさん。わたしたち、ずっとマミさんに憧れてたんです」

まどか「魔法少女としても、先輩としても」

さやか「わたしたちが憧れてたマミさんがこんなところにいるのって、おかしくありませんか?」ネ?

ほむら「思い出しなさい」トン…

ほむら「今、自分の成すべきことを」

まどか「マミさん。待ってます。あの人も、私たちも」ホラ?
437 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 22:35:15.75 ID:418CWyR60
キラン…

マミ「え…空? あれは…あの、光は…」

マミ「…そっか」

マミ「そうよね。そうだよね」クス

ほむら「……行きなさい。巴マミ」

マミ「暁美さん…」ギュッ…

マミ「パパ、ママ」

マミパパ「なぁ、マミ。私たちはもう、お前を抱き締めてやることは出来ない」

マミパパ「一緒に暮らしてやることも出来ない」

マミママ「でも。あなたにはこんなに素敵な友だちがいる」

マミママ「忘れないで、マミ」

マミママ「あなたはもう、一人ぼっちじゃない」

マミ「うん…」ポロ…


ブワァッ…!!


マミ「鹿目さん、美樹さん、暁美さん。ありがとう」

マミ「私、行かなくちゃ」
438 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 22:36:52.17 ID:418CWyR60
さやか「…それでこそマミさんです」ニコ

ほむら「……ええ」

まどか「マミさん…」

マミ「約束。ちゃんと覚えてる」

マミ「だから。私、行ってくるね」ニコ

マミ「大切な友だちを助けるために」

マミ「大切な友だちにまた会うために…!」ググッ

マミ「もう…何も怖くない!!」パァッ

………

……

439 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 22:38:12.11 ID:418CWyR60
QB「キュプー♪」

ブータ「ブィッ ブーブー♪」

QB「キュィキュィッ」

ブータ「ブー…」

キラキラ…

QB「キュプ?」

ブータ「……」

QB(…そっか)

QB(ボクにもこんな可能性があったんだね)

QB(マミ、杏子、シモン。今ならボクにも解る気がする)

QB(行かなくちゃ…!)

QB「行こう、ブータ」

ブータ「ブィブィッ!!」

QB「ボクたちの…大切な仲間が待っている!」

ブータ「ブッキュー!」

………

……

440 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 22:40:57.03 ID:418CWyR60
???「パパー、ほら!お花のかんむり。パパに作ったの♪」キャッキャ

ヴィラル「ははは。ありがとう、メム。ほぉら、パパからもお花のプレゼントだ」

メム「わぁぃ♪」

メム「あのね、パパ? 私とパパとママ。三人でいつまでも一緒だよね?」

ヴィラル「あぁ。もちろんじゃないか。ずっと一緒だとも」ニコ

???「二人とも〜!ご飯出来たから戻っておいで〜!」

メム「あ、ママだぁ」ワーイ

ヴィラル「あぁ、今戻るよ。杏子」

メム「見て見て、ママ! これ…パパがお花くれたのー」エヘヘ

杏子「お。良かったねぇ♪ おうちの花瓶に飾ろっか?」

メム「うん!」

ヴィラル「さぁ、ママの美味しいご飯が待ってる。おうちに帰ろう」

杏子「今夜は二人の好きなカレーだよ?」ニコ

メム「ママのカレー、とっても美味しいから大好き♪」

メム「あ。流れ星…!」

キラン…

杏子「う…ん…?」

ヴィラル「…あれは…」
441 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 22:44:25.92 ID:418CWyR60
杏ヴィラ「「…………」」

メム「…………」

メム「パパ、ママ」

メム「わたしね。一人でも大丈夫だよ?」ニコ

杏子「メム…」ギュゥッ…

ヴィラル「……」ナデナデ…

メム「だから。心配しないで?」

メム「行ってらっしゃい、パパ、ママ!」

杏子「なんだって…こんな夢、見ちまってるんだかな」グスン

ヴィラル「……」スクッ

杏子「わかってるさ。ここはあたしの…いや。あたしらのいるべき場所じゃないって」


ブワァッ…!!


ヴィラル「ふん… そうか。俺も随分と甘い夢を見たものだな」ニヤッ

杏子「行こうぜ。ヴィラル」

杏子「アイツが…みんなが待ってる!」グッ

ヴィラル「あぁ。行くぞ、杏子!!」

………

……

442 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 22:45:51.72 ID:418CWyR60
−???−

AS『不可思議な行為だな、イレギュラー』

AS『何故そこまで我々に抗う』

ニア「あの人は来ます。…必ず!」

AS『お前は螺旋族の遺伝子の中に組み込んだ仮想生命』

AS『螺旋族の残党が反旗を翻す時に覚醒し、我々のメッセンジャーとなる』

AS『それだけの存在だ』

AS『螺旋の戦士の子として生まれ、螺旋の戦士に愛されたのもただの偶然』

AS『お前だけが特別なわけではない』

AS『螺旋の力に侵されて、おかしな自意識を持ってしまったとはいえ』

AS『メッセンジャーがここまで抵抗するのはおかしな事例なのでな』

ガシッ

ニア「きゃ…うあぁっ!!」

AS『お前が抗うその理由こそが、奴らのしぶとさの理由』

AS『それがわかれば。螺旋生命を一気に消滅できるはずだ』

ニア「…ッく… どんなに私の身体を調べても…!あなたにはわかりはしない!!」

AS『わかる必要はない。ただ知ればいい』

ニア「それではあなたは、彼らには勝てないでしょう」

ニア「何度でも言います。あの人は来ます…必ず…必ず!!」
443 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 22:47:41.86 ID:418CWyR60
ブ…ゥン


ニア「指輪が…!?」

ギュゥゥゥンッ!!…パキィン!

ニア「きゃぁっ!?」

バサァッ…!

シモン「待たせたな。来たぞ、ニア…!」ダキッ

シモン「約束通りにな!」

ニア「…………うん!」ホロリ

マミ「お待たせ、ニアさん」クス

マミ「全部終ったら…美味しい紅茶をご馳走するから。たっぷりお話ししましょうね?」ニコ

ニア「マミさん…!はいっ!」グスン


AS『バカな…!知的生命体が多元宇宙迷宮を脱出出来るわけがない!』タジッ


シモン「ナ メ ん じゃ ね ぇ !!」

シモン「時間だろうが、空間だろうが、多元宇宙だろうが… そんなこと知ったことじゃねぇ!」

シモン「テメェの決めた道を、テメェのやり方で貫き通す!」

シモン「それが俺たち… 大グレン団だ!!」


…シュゴォォォォォッ!!

ガキィンッ…ガシンッ、ガシンッ!!

ズゴゴゴゴ…
444 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 22:51:12.35 ID:418CWyR60
ニア『因果の輪廻に囚われようと!』

ヨーコ『遺した想いが扉を開く!』

リーロン『無限の宇宙が阻もうと!』

ヴィラル『この血の滾りが運命を決める!!』

シモン『天も次元も突破して!』

マミ杏『『掴んでみせるぜ!己の道をっ!!』』

シモン『天 元 突 破 ! グ レ ン ラ ガ ン !!』


『『『『『俺たちを…誰だと思っていやがる!!!!』』』』』
445 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 22:52:52.12 ID:418CWyR60
マミ「これが…グレンラガン?」スゴイ…

杏子「よくわかんねぇけどさ。なんつーか…こう、スケールがこれまでとは桁外れに違うってのは」

杏子「上手く言えないけど、あたしにもわかるよ」

リーロン「わかりやすく言えば、銀河すらをも越える大きさみたいね」

マミ「銀河を!?」

ジョーガン「銀河ってなんだ!?」

バリンボー「銀シャリとは違うのか!?」

杏子「銀河を越える大きさか」ゴクリ

リーロン「少なくとも人間が測れる大きさではないわ」ヤレヤレ


AS『驚いたよ。ここまで来た螺旋族は初めてだ』

AS『その螺旋の力に侵されれば、メッセンジャーがイレギュラーになるのも頷ける』

AS『いいだろう。貴様らが拠り所とするその姿と、同じ地平で戦ってやろう』


シモン「…どういうことだ」

ロージェノム「それがヤツの手だ」

ロージェノム「同等の姿で戦い、勝利することで我々に絶対的絶望を与えようとしている」

シモン「ロージェノム、そのからd

杏子「のわああああああぁぁ!?オッサンいつの間に身体生えたんだよ!?」
446 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 22:54:55.76 ID:418CWyR60
ロージェノム「…生えたわけではない」ウォッホン

ロージェノム「ここは認識が実態する、超螺旋宇宙」

マミ「それって…思ったことが実現するってことかしら」

杏子「ってぇことはだ。胸が大きくなれって思ったら…!?」ドキドキ

マミ「やめなさい、もう!」コラッ

ゾーシィ「おいおい、おめーらもちっと緊張感ってもんをだなぁ」ヤレヤレ…

リーロン「つまり、スーパーボディーを手に入れちゃうことだって出来ちゃうのよね♪」ウフフ

マミ「リーロンさんまで…!」

ロージェノム「そう悲観するな、魔法少女よ」

ロージェノム「この戦いの前でさえ何も変わらぬのが、お前達の持つ強さなのかも知れぬ」

ロージェノム「そして螺旋の戦士達よ。仮初めの身体だが、今は私も共に戦わせてくれ」

シモン「ああ!心強いよ」

ロージェノム「ニア。今更父親面出来るとは思わぬが。…よく頑張った」

マミ(良かったわね、ニアさん…)ホロリ

ニア「ありがとう、お父様…」

ロージェノム「うむ」

ヴィラル「千年の倦怠から目が醒めましたか。螺旋王」

ロージェノム「王ではない。今はただの戦士だ。ヴィラル。お前と同じな」

ヴィラル「はッ!!」
447 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 22:57:59.09 ID:418CWyR60
杏子「さーて、ほんじゃぼちぼちおっぱじめようぜ」

杏子「なぁ?シモン!!」

シモン「おう!行くぞ…これでケリをつける!!」

ズシ…ン ズシ…ン ズシン…

ドス…ン ドス…ン ドスン…

ダッ…!!

ガシャン ガシャン ガシャン…!

ガション ガション ガション…!

ガゴッ!!

マミ「相打ち!?」

杏子「クロスカウンターだって!?」

キッド「っの野郎…!!」

ドガ…シャァンッ!!

シモン「まだ…まだだぁっ!!」ガシィンッ!!

ヒュッ…ズドン!!

シモン「ぐ、あぁぁっ!?」

ヨーコ「キックが返された!」

ズシャァッ!!

ドガッ…!ドガッ…!ドガッ…!

AS『そんなものかぁ!』

ドガァッ…! ドガン!ドガン!ドガン!………

AS『螺旋族ゥ――――ッ!!』
448 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 22:59:41.13 ID:418CWyR60
AS『……ハァッハッハッハッハッハ!!』

ドガン…!ズガァ、ゴァッ!!

シモン「っく…!!」

ヨーコ「任せて!」

キュィン… ガヒュンッ!ガヒュンッ!!

AS『ハッハッハッハ…!無駄なことだ!』

杏子「ヨーコのヤツ、すげぇ!一瞬でライフル出したぜ!」

マミ「さっき、ロージェノムさんが言ってたでしょ!」

マミ「認識が実態になるって…思ったことが現出する空間だって!」

ダリー「だったら、あたしだって!」

ギミー「俺も!!」

アーテン「俺ぇ!」

ズガガガガ…!

AS『この宇宙は完全に我々が支配している』

AS『ここでお前達が勝つ可能性は…』

AS『ゼ ロ だ !!』

ヨーコ「あれは!?……食らいなさい!」

ガヒュンッ!!………バキィンッ!

ヨーコ「何なの!! アイツの頭部に…惑星!?」

リーロン「あれは…」

ニア「あれは、アンチスパイラルの母星です」
449 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 23:01:40.14 ID:418CWyR60
AS『その通りだ。我々アンチスパイラルも元は螺旋族』

AS『だが。螺旋力の進化の果てが宇宙の崩壊に繋がることに気付いた我々は』

ガシッ…ガシッ

AS『螺旋の力を持つ者を滅ぼし。残った僅かな生命も、宇宙の片隅に押し込めた』

ヒュンッ…! ヒュンッ!

マミ「嘘でしょ!?銀河を掴んで投げてくるなんて…!」

アイラック「避けろ!シモン!あれは当たるとヤバそうだ!!」

シモン「わかってる!!」

ヴィラル「銀河で銀河を切り裂くなど…何て威力だ!」

AS『そして我々は進化を止め…この隔絶宇宙に!我が身を閉じ込めたのだ』

AS『母星に。肉体と進化の可能性を封印した、この醜き姿こそ!我々の決意の印…!!』

杏子「だから…どうしたってんだぁ!!」ジャララッ

杏子「思ったことが実現するってならなぁ!ロッソ・ファンタズマ!!」

AS『分身だと!?』

AS『だが。そのようなまやかし、我々の決意の前では無力!!』

ガシィッ!…ザシュッ!…ズガッ!

AS『甘いわ!!』

シモン「なんだと…!?」

マミ「分身が全部蹴散らされた!?」
450 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 23:03:44.92 ID:418CWyR60
ヴィラル「チィィッ!!」シュバッ!

杏子「二刀流か!」

AS『螺旋の力に溺れる愚か者達よ…!』

ヴィラル「とぉぉ…りゃぁッ!!」

ガキィィンッ!

AS『貴様らにそれだけの覚悟があるか!?』

AS『元は同族だったものを倒し!』

AS『我が身の進化を封じ込め!』

キィィンッ!

AS『この宇宙を守ろうとする我々の覚悟に敵う道理が!あるかぁ!』

ガキィンッ…キィンッ、ガキンッ!キンッ、キィンッ!……

AS『否!』

AS『否、否、否、否、否、否…否否否否否否否否!!』

AS『断じて……否ァァァァッ!!』

ズバシュッ!!

マッケン「スピードもパワーも、桁違いか!!」

ガゴンッ!ダンッ…ドガン!

AS『決意もなく!』

AS『覚悟もなく!』

ガシィッ

AS『道理もなく!』
451 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 23:06:33.11 ID:418CWyR60
ギュ――…ン…

バギンッ、バギンッ!ベギン!……

ドッガアァァァァ…!!

AS『己の欲望のままに螺旋の力を使い!その力に溺れる!!』

AS『それが螺旋族の限界!』

グォォォ…

AS『だからこそ!滅びなければならないのだ!!』

シモン「あ…が…グハッ」

ヴィラル「クソ…螺旋ゲージが…!」

マミ「なんて強大な覚悟なの…」グッ…

杏子「なんだよこれ…ちっきしょ…!」ボロ…

ダヤッカ「どうなってる…まるで歯が立たん!」ギリッ

テツカン「これじゃぁ、地球を守れないぞ…!」チクショウ

ヨーコ「そうよ!地球に帰るまでは!」クッ

ア-テン「あ――っ!!地球だぁ!」ドッヒャァー

ダリー「えぇ!?」

ギミー「本当に…地球!?」
452 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 23:09:01.56 ID:418CWyR60
シベラ「まさか、時空の歪みが!?」

リーロン「多分ね。天元突破グレンラガンと、アンチスパイラルの戦いが」

リーロン「螺旋界認識システムに干渉して…!」

ロージェノム「時空転移バイパスを作ったか」

シモン「あ、あれは…」

ニア「そんな、地球が…」

ガギン!

AS『ほほぉ?面白い。あれがお前達の母星か』

−−−−−−−−−−

−カミナシティ−

キヤル「…あ…ぁ…」ボーゼン

キノン「キヤルー?今日は風が強いから、洗濯物………なに?あれ…」

キヤル「ねーちゃん、あれ…あれ…」ブルブル


ロシウ「こ、これは…!」

キヨウ「認識転移システムに反応あり!」

キヨウ「とてつもなく巨大です!」

ロシウ「アンチスパイラルか…!」
453 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 23:10:25.32 ID:418CWyR60
オイ!ソラミテミロ!

ナンダヨアレ…

ヤバイゾ、グレンラガンガヤラレテル!

ウェイトレス「店長…!」ギュ…


ダヤッカ『超次元アンカー!!』

ヒュンッ… グルッ…グルングルン

AS『!!』

ダヤッカ『地球に手は…出させるものかぁ!!』

ダヤッカ『気張れよ!ガバル!』

ガバル『おう!!任せとけぇ!!』

ガバル『どぉぉぉっりゃあぁぁッ!!』

ダヤッカ『そいつはお前の!』

ガバル『星じゃぁねぇ!!』

ダヤッカ『俺の嫁は宇宙一!スイィンンングゥ!!』ブンッ…ブンッ…

ドガッシャアァァァ!!


ウオォォォォ!!

イイゾー!グレンラガン!

ヤッター!

キノン「もう…///」テレッ…

キヤル「にはは!」

−−−−−−−−−−
454 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 23:13:06.02 ID:418CWyR60
−超螺旋宇宙−

マミ「ダヤッカさんったら…///」

杏子「アイツ、宇宙規模で惚気やがった!」イヒヒ

ヴィラル「フン。だが…これもまた、お前達らしいじゃないか」ニヤ

アーテン「おぉっしゃぁ!今だぁぁぁ!!」ポチッ

アーテン「食らえ食らえ食らえ食らえ食らえぇぇ!!」ポチポチポチポチポチッ

AS『無駄だ!!』

ズドドドドドド…

AS『なにぃ!?』

レイテ「確率変動弾か!」ヒュー

リーロン「やぁるじゃない♪」

アーテン「おう!ピンボケ時間差ならお手の物だぜ!」ドヤッ

AS『これだけ言ってもまだ足掻くか!』

ガシィンッ!

シモン「当たり前だ!」

シモン「俺たちが掴もうとしている明日は!」グググッ…

シモン「テメェが決める明日じゃねぇ!!」ギュイィィィィン!

シモン「俺たちが、俺たち自身が無限の宇宙から選び出した」

シモン「俺たちの明日だ!!」
455 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 23:15:02.03 ID:418CWyR60
シモン「俺たちは戦い抜く!…戦い抜いて、この宇宙を守る!!」

シモン「スパイラルネメシスも止めてみせる!!」

AS『そんなこと…出来るはずがない!』グオッ

杏子「バッキャロー!!んなもん…やってみねぇとわかんねぇだろうが!!」

シモン「その通りだ! やって、みせる!!」

AS『我々に捻じ伏せられるだけの哀れな存在が、何を言う!』

マミ「捻じ伏せられるだけの存在で…あって、たまるもんですか!!」ギリッ

AS『異世界の戦士が…減らず口を!!』

ガシ…ガシィッ

ヴィラル「また銀河を使ったあの攻撃か!」

AS『その思い上がり…後悔させてやろう!』

マミ「違うわ!今度のは…」

杏子「どうなってやがる!?」

マミ「銀河を混ぜ合わせて、エネルギーの塊に…!」アワワ…

テツカン「物凄いエネルギーです!」

リーロン「宇宙誕生並みのエネルギーよ…!?」タジッ

シベラ「まるで…ビッグバン…」

ヴィラル「そいつをぶつけようってのか」ゴクリ

杏子「ヤベェぞ、おい!ヴィラル!どうにかなんねぇのか!?」

ヴィラル「万事…休すか!!」ギリッ
456 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 23:16:49.49 ID:418CWyR60
AS『フ…ハ。フハハハハハハハ!!』

AS『インフィニティ!ビッグバンストォォォ―――ム!!』ギュンッ!

ブワアァァァッ!!

AS『永劫に続く宇宙創世の業火に焼かれ!DNAの一片まで!完全消滅するがいい!!』グワッ!!

ダリー「きゃぁっ!!」

ギミー「踏ん張れ、よ…ダリー!!」

ダリー「ギミーこそ…!」ググ…

シモン「うぁ…!!クッソぉ…!」

マミ「負けない… 絶対に、負けない!!」

テツカン「ぐ…螺旋、ゲージが…!」キュゥン…

レイテ「ヤバイね!流石にこのままじゃ…もたないよ!」

杏子「ぐ、く…!ん!?お、おい、オッサン!何するつもりだ…!!」

ロージェノム「……」

−−−−−−−−−−

ビュオォォォ…

キヤル「シモン…みんな…」

キノン「あなた…」


グレンラガンー!

マケルンジャネーゾ!!

ガンバレー!


ロシウ「だが!」

ロシウ「彼らがこれで終るはずがない!!」

−−−−−−−−−−
457 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 23:18:24.46 ID:418CWyR60
シモン「まだだ!まだ、やれる!」

ロージェノム「シモン!!」

ロージェノム「ここは任せてもらおうか!」

グァッ! ググググ…

ギュィィィィン!

ロージェノム「ラゼンガン!オーバロォォーッドォ!!」ビュオッ!

ドガガガ!

杏子「オッサン!!」

ニア「お父様!」

ロージェノム「嘆くな。娘よ!」

ロージェノム「一度は絶望と倦怠の海に沈んだ魂がここまで来れた」グッ

ロージェノム「仮初めの身体が。螺旋の生命の明日を創るならば本望だ」ググッ…

ニア「ええ。確かにその通り…」ボワン…

シモン「ニア…?…お前」

マミ「ニアさん?」

ニア「……」ニコ

シモン「……!」
458 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 23:21:24.50 ID:418CWyR60
ニア「シモン。あなたはあなたの成すべきことをする為にここまで来た」

ニア「そうでしょ?」ニコ

シモン「……わかった」クッ

シモン「勝つぞこの戦い。…必ずな!」

ヴィラル「当然だ!」

杏子「俺たちを誰だと思っていやがる!…ってな」ニカッ

マミ「…もう、その台詞私が言おうと思ってたのに」クス

AS『だが!所詮は犬死だ! 消えろ…!!』ブオォォッ!!

シベラ「ラゼンガン、量子分解します…!」ソンナ…

ロージェノム「それを…待っていたああああああああ!!」ニヤッ!


ギュオォォォォォォン!!


杏子「なんだ、あのバカでっけぇドリルは!!」

ヴィラル「螺旋王ォッ!!」

マミ「あのドリル、ロージェノムさんの…!」

ロージェノム『シモオオォォォォン!!受ぅけ取れええええぃ!!』

ギュウゥゥゥゥゥン…!!

マミ(この力…とても強くて、頼もしくて…)ジン…

杏子(ヘヘ… ダメかと思ってたのによ。力が…どんどん沸いてきやがる!)ホロリ…

シモン(これは…この力は、ロージェノムの力!)

ヴィラル(そうだ、これこそが誇り高き螺旋の戦士の!俺たち獣人を創り上げた漢の力!!)

シモン「ロージェノム!一緒に往くぞ…!!」
459 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 23:24:01.66 ID:418CWyR60
AS『バカな…!』

AS『自ら量子分解して、エネルギーと同化したのか!?』

ダンッ!!

キッド「詰めが甘かったな!」

マッケン「俺たちのドリルは」

アイラック「まだまだ尽きはしないぜ?」

ジャコンッ!!

AS『させるかあああああ!!』ダッ!

ガゴオォォン!

マミ「ドリルが砕けた!?」

レイテ「一度砕けたくらいでなんだい!」

ジョーガン「次だ次だぁ!!」

バリンボー「次のドリルだぁ!!」ギュイィィィン!!

ガゴォォン!!

ゾーシィ「オラァ!!どうしたアンスパ野郎ォッ!」グッ…!

ギミー「そんなもんじゃ!」

ダリー「私たちの心は折れやしないわ!!」ギュイィィィン!!

バギィィンッ!!
460 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 23:25:05.87 ID:418CWyR60
マミ「キタンさんが!ロージェノムさんが!」

マミ「そしてシモンが教えてくれた!諦めないこと…!挫けないこと!!」ググッ…

杏子「そうだ!また…アイツらに会う為にも!負けるわけにはいかねぇんだよおおお!!」ギュウゥゥゥンッ!!

ガギィィィンッ!!

AS『何故だ…!お前たちの何処にこんな力が!!』

シモン「俺たちは!一分前の俺たちよりも進化する!」

シモン「一回転すれば…ほんの少しだが前に進む!」

シモン「それがドリルなんだよ!!」

ギュルルルルルル…!!

AS『それこそが滅びへの道!螺旋族の限界に…何故気付かぬ!!』

バギィンッ!!

シモン「それは貴様の限界だ!!」

シモン「この閉ざされた宇宙で!殿様気分で他の生命を封じ込めた、貴様自身の限界に過ぎない!!」

ガギィィン!

ヨーコ「そうよ!人間にだって…もっと、もっと大きなヤツがいたわ!」

ヨーコ「その人のためにも!私たちは前に進む!」

ニア「人の心は無限!」

ニア「その大きさに私も賭けた!!」

バゴォン!!
461 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 23:26:55.30 ID:418CWyR60
シモン「覚えておけ。このドリルは…この宇宙に風穴を空ける!」

シモン「その穴は…後から続く者の道となる!」

シモン「倒れていった者の願いと!後から続く者の希望!」

シモン「二つの想いを!二重螺旋に織り込んで…明日へと続く道を掘る!!」

シモン「それが天元突破!!」

シモン「それがグレンラガン!!」


シモン「俺の!」グッ…!

マミ杏「「私たちのドリルは!!」」ググッ!!

シモマミ杏「「「天を創るドリルだああああああああ!!!!」」」


ダダッ!!

AS『笑止!!貴様等のその想いとやらを』

AS『今!ここで!絶望の底へと沈めてやろう!!』

ガシ! ガシィン!

マミ「相打ち!?」

リーロン「まだよ!!」

シベラ「シモンさん!超銀河グレンラガンで!!」

ゴォッ!!
462 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 23:28:58.41 ID:418CWyR60
AS『まだ!抗うか!!』ブオッ

ザシュ…ザシュザシュッ!!

ヨーコ「シモン!アークグレンラガンで行って!!」

ゴォッ!!

AS『いい加減に諦めるがいい!!』ヒュンッ

ズドッ!ズドッ!

テツカン「チキショウ!アークグレンラガンまで!?」ボロッ…

マミ「誰が…諦めるもんですか!!」

杏子「当たり前だ!抗うに決まってんだろぉが!!」

マミ「シモン!」

杏子「ヴィラル!」

杏子「マギカで送ってやる!コイツに乗ってけぇ!!」グッ…

マミ「超特大の行くわよ!」ガシャコッ!

マミ「ティロ…フィナァァ――レェッ!!」ズダンッ!!

ヴィラル「…高速射出の弾丸に乗れとは!無茶を言う!」ヒュンッ

シモン「だが!乗らせてもらう!!」ガシィン!

ガリ…ガリガリガリッ!

AS『お、の、れえええええええ!!』

ギュウゥゥゥ…ン…!

ヴィラル「シモォォン!!」ガシッ

ヴィラル「いぃっけええええええええ!!」ブンッ!!

AS『無駄な…足掻きだああああ!!』

シモン「ラガン!インパクトオオオォォッッ!!」
463 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 23:31:09.72 ID:418CWyR60


………バリィン…!



AS『……』

AS『…ならば。この宇宙』

AS『必ず、守れよ?』

シモン「当然だ」

シモン「人間はそこまで愚かじゃない!」

………

……



――――カッ……!

    ズドォォォォ……ン…

−−−−−−−−−−
464 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 23:37:24.80 ID:418CWyR60
−宇宙空間−



……

………

マミ『ここ…は…?』

リーロン『次元の狭間に創った宇宙を、支えるだけの力をなくしたのね』

杏子『あたしたち、勝ったんだよ…な?』

シモン「あぁ。この喧嘩、俺たちの…大グレン団の勝利だ!」

マミ『アンチスパイラル…倒したのね』

シモン「これでもう、地球は大丈夫だ」フウ…

ニア「ありがとう、シモン」ニコ

シモン「ニア…」

ニア「ねぇ、シモン? 私はあなたから幸せを、嬉しいをいっぱいもらった」

ニア「だから。今度はあなたを支えてくれる人に」

ニア「幸せを、嬉しいをいっぱいわけてあげて」ギュ…

シモン「ニア。お前…」

ニア「あなたを想う人の気持ちにも応えてあげて?ね。シモン」ニコ

ヴィラル『どうやら…地球が見えてきたようだ』

杏子『地球、か。こうやって見ると、やっぱり綺麗だよなぁ』

マミ『帰りましょう…!』

マミ『…みんなで守った地球に!』ビシッ

『『『『『おおおお―――っ!!!!』』』』』

−−−−−−−−−−
465 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 23:44:14.52 ID:418CWyR60
−カミナシティ
    議事堂・大ホール−

ココ爺「お帰りなさい。お嬢様…」ス…

ニア「これは…? …ありがとう、ココ爺」ニコ

ニア「見て、シモン!ほら!」サッ

シモン「そのドレスは… …綺麗だよ、ニア」ニコ

ニア「ありがとう」パァッ

マミ「悔しいけど。本当、似合ってるわよ?ニアさん」ウン

杏子「あぁ。結婚式、楽しみにしてるからよ」ヘヘッ

ニア「マミさん、杏子さん、本当にありがとう…」グスッ


−ダヤッカ・キヨウの家−

キヨウ「そっか…お兄ちゃん、帰って来ないんだ」ポロ…

マミ「キタンさんのお蔭で、私たちみんな助かったの」

ダヤッカ「すまん。俺が不甲斐ないばかりに…」

ヨーコ「ごめん… キヨウ、キノン、キヤル…」

キヨウ「ううん。ヨーコ、顔を上げて?」

キヨウ「お兄ちゃんのことだから。きっと、満足してたんだと思う」

キヨウ「アンネ。キタン叔父ちゃんね。私たちの明日を守ってくれたんだって」ポロポロ

アンネ「バブー」キャッキャ

キヨウ「あなたの叔父ちゃんは。私たち黒の兄弟の誇りよ?」ナデナデ

キヤル「………兄ちゃん、兄ちゃん… …うわあああぁぁぁぁぁん!!」ポロポロ

キノン「お兄ちゃん…うぅ、ヒック…ヒグッ…」ガクッ…

杏子「死ぬ間際まで笑ってさ、アイツ…本当スゲェ男だったよ」
466 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 23:48:14.73 ID:418CWyR60
−議事堂・地下研究施設−

リーロン「やっと終わったわね」

マミ「はい…」コク

杏子「ま。あたしらに掛かれば楽勝だったけどな!」ブイッ

マミ「もう。すぐ調子に乗るんだから」

杏子「んで、リーロン。話しってのは例の装置のことだろ?」

リーロン「そういうこと♪超銀河ダイグレンの設備も本格的に使えるようになったから」

リーロン「やっと安定して動かせるようになったわよ?」

リーロン「先に結論から言うわ。グレンラガン、グレンマギカの二機は」

リーロン「それぞれ認識転移システムを使うことで、アナタたちの世界にもワープすることが出来るの」

マミ「前みたいな回数とかエネルギーの制限はないんですか?」

リーロン「そうね。転移に必要なエネルギーのチャージに、少し時間が必要なくらいかしら」

杏子「え…!? ってことは、もしかして!」

マミ「向こうの世界とこっちの世界が自由に行き来できるように…!?」

リーロン「…と言いたいところだけど」

リーロン「無闇やたらに行き来するのはダメね。きっと、向こうの世界の人たちが混乱しちゃうでしょうから」


コツ…コツ…コツ…

「それについては…今すぐにでは無理でも」
467 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 23:50:14.59 ID:418CWyR60
ロシウ「近い将来、二つの世界の間で交流をもつのも良いかも知れません」

杏子「よ。デコっぱち」ヨッ

キノン「ちょっと!杏子さん!」

ロシウ「ま、まぁまぁ。キノン」アセッ

リーロン「でもひとまずは、あなたたちだけでも向こうの世界に送ってあげられるってことよ♪」

マミ「見滝原…変わっちゃってるのかしらね」

杏子「気にはなるところだよなぁ」

杏子「あのさ」

杏子「大勢で、どーん!と行ったりはできないのか?」

リーロン「それはまだ無理ね」

杏子「そっか。せっかくだから地球を救った記念にさ」

杏子「大グレン団みんなで遊びに行くってのもいいかと思ったんだけど」ザンネン

リーロン「実現できたらいいんだけどね♪ アナタたちが暮らしてた世界って、興味津々だわぁ」キラーン

リーロン「まぁこのことについては、今すぐ結論出さなくてもいいわよ? ゆっくり考えて頂戴♪」

杏子「あぁ、そういうことならわかったよ。ありがとな」サンキュ

マミ「そうね。そうさせてもらおうかしら」ウン
468 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 23:52:04.68 ID:418CWyR60
−マミの店−

ガチャ…カランコローン

ウェイトレス「あ!お帰りなさい、店長!」

マミ「ただいまぁ。お店留守にしちゃってごめんなさいね?」

ウェイトレス「いーんですよ、そんなこと!」

ウェイトレス「皆さんが無事で、なによりです!」

ウェイトレス「それに私は友達に店長のことが自慢できて、鼻高々なんですから!」エヘン

マミ「でも、ちょっと留守にしてただけなのに」

マミ「なんだか何年も空けてたみたい」

ウェイトレス「そういうもんですって。遠くへ旅に出て帰って来た時なんかは特にそうですよ?」

マミ「そっか。そうよね…」

マミ(遠くへ旅に出て、帰って来た時…かぁ)
469 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 23:53:39.23 ID:418CWyR60
−グラパール隊格納庫−

ギミー「え!隊長、また隊に戻って来てくれるんですか!?」

杏子「あぁ。まぁな」

杏子「あー…ほら。あれだ。可愛い後輩たちが心配で心配でさぁ」

ヴィラル「貴様の場合は単に食いっぱぐれることがないから、というだけだろうが」フン

ダリー「ヴィラルさん!?」

杏子「う、うるっせぇ! いーだろ別に!稼がないと食っていけねぇんだからさぁ!」プンプン

ヴィラル「俺もこっちで厄介になることになった。よろしく頼むぞ」フン

杏子「あー!テメェ!無視かよ!!」

ヴィラル「ところで貴様。約束は覚えているんだろうな」

杏子「お前との勝負のことだろ?当たり前じゃねーか」ハン

杏子「今すぐに…とでも言いたいとこだけどさ、明日以降にしとこうぜ?」

ヴィラル「そういえば明日か。…そうだな」

−−−−−−−−−−
470 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 23:55:34.64 ID:418CWyR60
−翌日・結婚式場
      花嫁控え室−

コポコポコポ…

マミ「はい、どうぞ?」カチャ

ニア「ありがとうございます♪」

フー、フー、ズズー…

ニア「マミさんの淹れてくれる紅茶、久し振りでとっても美味しいです」ニコッ

マミ「そう言ってくれると嬉しいわ」クス

マミ「それで。結婚式当日に用事ってなにかしら?」

ニア「これをマミさんに渡したくって」スッ…

マミ「これって…ニアさんの日記?」

ニア「はい。マミさんが持っててくれるのが、一番嬉しい」ポワァ…

マミ「!?」ガタッ

マミ「え…ニアさん!腕…腕が…」

ニア「……っ」

ニア「もう少し、もう少しだけ…ね?」ギュッ…

マミ「あなたはアンチスパイラルが創った仮想生命…」

マミ「私たちがアンチスパイラルを倒したから、あなたも消えてしまうというの!?」シュン
471 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 23:57:39.52 ID:418CWyR60
ニア「残念ですけど、そうみたいです」クス

マミ「なんで」ブルブル…

マミ「なんでそんな風に笑っていられるのよ!!」ガタン!

マミ「ニアさん、消えちゃうのよ!怖くないの!? シモン君とも会えなくなっちゃうのに!」ジワッ

ニア「はい。でも…だいじょうぶです」ニコ

ニア「大好きなシモンと一緒に過ごすことができたから。大好きなみなさんと一緒に過ごすことができたから」

ニア「私、全然怖くありません」

ニア「それに…昔、シモンが教えてくれました」

ニア「大好きな人は、いなくなっても… ここで、一つになって生き続けるって」ギュ…


シモン『アニキは確かに死んじゃったけど…俺のここで一つになって生き続けてるから』


マミ「…そういえば。見滝原でもそんなこと言ってたっけ」

マミ「でも。やっぱりこれは受け取れない」

マミ「これは私が持つべきじゃない。彼が…シモン君が持っているべきじゃないかしら」

ニア「いいんです。あの人には、私の気持ちは全部伝わってますから」ニコ

マミ「……」
472 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/03(木) 23:58:56.67 ID:418CWyR60
マミ「そっか… わかった。そういうことなら。これ、私が預かっておくね」コク

ニア「それと、もう二つお願いがあるんです」

マミ「あら。随分と欲張りなお姫様ね?」クス

マミ「いいわ。大切なお友だちの願いだもの。聞いてあげる」ウン

ニア「ありがとう」パァッ

ニア「お花の種をたくさん植えてほしいんです」

マミ「花?」

ニア「はい。私の夢は、この地上をお花で覆い尽くすこと」

ニア「荒れ果てた大地に、水を引いて種を蒔いて花を咲かせるの」

ニア「この地上を、花と緑と生き物で溢れる世界にしたい」ニコ

マミ「…ニアさんらしいわね?」クス

マミ「わかった。希望の象徴である魔法少女の名に賭けて、あなたの夢、叶えてあげる」ニコ

ニア「ありがとうございます」ペコ

マミ「さてお姫様。もう一つのお願いは何かしら?」

ニア「大好きなお友だちへ。私からの大切なお願いです」


ニア「あの人のこと。…シモンのこと。ずっと、ずっと支えてあげて下さい」ニコ
473 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 00:01:16.20 ID:B7kJjKAH0
パァァァ…

マミ「二…ア、さん?」

ニア「もう少しがんばれるかなぁって思ったけれど」

ニア「そろそろお別れしなくちゃダメみたいです」エヘ

マミ「」ハッ…

マミ「シモン君!!シモン君…!?」

マミ「待って!ニア!まだ… 今、シモン君すぐ来るから!!」

スッ…

ニア「マミさん。お料理教えてくれて、ありがとうございました」

ニア「魔法少女のお話、とぉっても素敵でした」

ニア「もし… もし生まれ変わったら、今度はあなたたちの世界に行ってみたいです」

マミ「うん…うん…!」ポロポロ

ニア「知らないものを見て、知らない場所に行って」

ニア「色んな人たちとお話ししてみたい」

ニア「…もしもまた。どこかで出逢うことがあったら」

ニア「その時も、仲良くしてくださいね?」ニコ

マミ「当たり前じゃない!!だから…待って、まだ…!」

ニア「マミさん」

ニア「ごきげんよう」ニコッ… ギュ…

パァァ…

キラ…キラキラ…………
474 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 00:02:47.61 ID:B7kJjKAH0
マミ「――――っ!!」

ガチャッ!

シモン「どうした、マミ!ニア!」

杏子「大丈夫か!?」

マミ「うぅ…ヒック、ヒグッ…グスン…」

マミ「シモン君…ニアが、ニアさんが…」

シモン「……」

杏子「そんな…」

タッタッタッタ… ガチャ

ヨーコ「どうしたの!?」

ヴィラル「今の悲鳴、何があった?」

杏子「ニアが…」

ヴィラル「ニア姫…」

ヨーコ「ニア…」

杏子「グスッ…ヒグッ…なんで、なんでだよ…」ポロポロ

コツ…コツ…

リーロン「ニア…結婚式まで、もたなかったのね…」

マミ「シモン…君… ヒグッ…グスン」ポロポロ…

シモン「…いいんだ。わかってたことだから。俺も、ニアも」

シモン「アンチスパイラルを倒すってのは、こうなるってことだったんだ」グッ…

ヴィラル「…そうか、ニアもアンチスパイラルが創った仮想生命」

ヴィラル「むしろ今日まで良くもったということか…」

リーロン「あの子、とっても頑張り屋さんだったものね」

−−−−−−−−−−
475 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 00:09:21.50 ID:B7kJjKAH0
少し文章の手直ししますので、今夜はこれにて投下ストップします。

明日の夜には完走できるといいなぁと思いつつ…

本日も長い時間、お付き合いいただきありがとうございました。

それでは皆様、お休みなさいませ
476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/05/04(金) 00:10:11.63 ID:MwqMqNmBo
477 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 13:58:58.29 ID:B7kJjKAH0
こんにちは。

手直し終わったところまで、投下してしまいます。
478 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 14:01:07.62 ID:B7kJjKAH0
−同日夜・マミの店−

【本日貸切】

レイテ「そっか、ニアのヤツが…」グィッ

QB「悲しいものだね。見知った顔がいなくなるというのは」キュプ…

マミ「うん…」

レイテ「大丈夫なのか?シモン」プハー

シモン「俺なら大丈夫だ」

レイテ「アンタ、リーダーだからっていつも気丈に振舞ってないで」

レイテ「思いっきり泣いたって喚いたって構わないんだからね?」バシッ

シモン「ありがとう、レイテ」アハハ

シモン「でも。泣くのはもう済ませた」

シモン「それに俺がいつまでもそんなだったら…」

シモン「アニキやキタン。ニアにまで笑われちゃうよ」ハハ…

レイテ(マシンならうちで修理してやれるんだけどね…)

レイテ(人の心ばっかりはどうにもならないのがもどかしいよ)グビッ…

レイテ「ま。アンタがそういうなら信じるけど、無理はするんじゃないよ?」コト

ガチャ…カランコロン…

マミ「あら、いらっしゃい」

リーロン「はーい♪オ・マ・タ・セ」
479 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 14:08:36.13 ID:B7kJjKAH0
杏子「わりぃな。コイツ拾ってて遅くなった」

ヴィラル「フン。拾ってくれと頼んだ覚えはない」

杏子「あーあ。素直じゃねーの」ケッ

マミ「ほらほら、杏子もヴィラルさんも。そんな膨れっ面しないの」

マミ「今夜は笑顔で…ニアさんを見送ってあげましょう?」

ヴィラル「シモン。貴様大丈夫なのか」

シモン「ああ。大グレン団のリーダー穴掘りシモンが…」

シモン「いつまでもクヨクヨなんてしていられないだろ?」ビシッ

ヴィラル「そうか。ならば何も言わん」

杏子「とか何とか言って、コイツ実はお前のこと心配してるんだぜ?」ニヒヒ

ヴィラル「貴様余計なことを…」

マミ「はい。ヴィラルさんにはこれ。この前食べて気に入ってたでしょ?」コト…

ヴィラル「む。むぅ…」

QB「ねぇ。マミ。ボクとブータが食べれそうなものはあるかい?」

マミ「ええ。あなたたちの食事も、ちゃんと用意してあるわよ」コトン

ブータ「ブイッキュー♪パクパクパク…」

QB「キュップイ♪さすがマミだね!モグモグ…」
480 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 14:10:27.12 ID:B7kJjKAH0
………

リーロン「で。シモン」

リーロン「アナタ、これからどうするつもり?」チョイチョイ

シモン「…そのことなんだけど」

シモン「カミナシティを離れて、この世界を廻るつもりだ」

レイテ「そうかい、寂しくなるねぇ…」

マミ「やっぱりこの街に。ニアさんの思い出がある街にいるのは…」

シモン「そういうわけじゃない」

シモン「世界には、まだまだ俺の知らない場所がある」

シモン「自分の足で歩いて、俺自身の目でそれを見てみたいんだ」

杏子「ま。お前らしいよな」

シモン「それに、ニアの夢も叶えてやりたいしな」ニコ

ヴィラル「花いっぱいの世界。か…」

マミ「そのことだけど。わたs


…ブゥゥン…


シモン「……!?」

シモン「コアドリル…?」
481 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 14:15:27.86 ID:B7kJjKAH0
リーロン「あら。何に反応してるのかしら」ドレドレ

杏子「ラガンの時みたいに、この店の下に何か埋まってたりしてな」アハハ

マミ「掘ってみるなら、そこの床板外すけど…」

シモン「いや…違う」ゾゾ…

シモン「これは…この反応は、魔女の時と同じ感じだ…!」

マミ「ちょっと、シモン君?…冗談、よね?」ガタン

杏子「落ち着けって」

杏子「待ってろ。魔女の気配がないか探ってみるから…」

リーロン「あら。そもそもこっちに魔女っているの?」ウーン

QB「それはないと思うよ」

QB「あれはインキュベーターが地球に組み込んだシステムのようなものだからね」

QB「アンチスパイラルによって閉ざされていたこの世界では」

QB「組み込まれている可能性は低いんじゃないかな」キュップイ

シモン「どうだ、杏子。近くに魔女が潜んでそうなのか?」

杏子「いや。少なくとも、ここら一帯には魔女の魔力はこれっぽっちも感じられないね」

シモン「なら。一体この感じは…」


prrrrrrrr…
482 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 14:18:00.39 ID:B7kJjKAH0
マミ「」ビクッ

ヴィラル「シモン。お前のケータイか?」

シモン「誰からだろう」カパッ

シモン「おかしいな。誰からも掛かってきてない…」


prrrrrrrr…


レイテ「んなこといったって、まだ鳴ってるじゃないか」

ヴィラル「そういえば貴様。もう一つ機械を持ち歩いていただろ」

シモン「ん… あぁ。でもこれは前に詢子からもらったケータイで」

シモン「もう繋がらないはず…」スッ…


prrrrrrrr…


シモン「」

リーロン「鳴ってるわねぇ」アラマ

レイテ「誰からなのさ?」

シモン「えっと…」


−着信・まどか−
483 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 14:21:03.14 ID:B7kJjKAH0
シモン「まど…か?」ウソダロ

杏子「」

マミ「」

ヴィラル「ボサッと眺めてないで出たらどうだ」

シモン「あ、あぁ… そうだな」ピッ

シモン「…もしもし。まどか、なのか?」

ザザッ… ザー…

『……シ……君、……魔女が… 見…原に……』ザザ…

ブツッ… ツーッ…ツーッ…ツーッ…

シモン「どうした、まどか?まどか!」

マミ「魔女って……言ってなかった?」サァー…

杏子「どういうことだよ!」ズイッ

シモン「わからない…」

QB「今になって魔女とは。穏やかじゃないね」

杏子「まどかのヤツどうしたんだ!おい、シモン!」ユサユサ

リーロン「落ち着きなさい。杏子」ポン

QB「繋がるはずのない携帯が鳴って、オマケに魔女とは」

マミ「魔女って…そもそも魔法少女計画は凍結になったんでしょ!?」
484 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 14:23:48.35 ID:B7kJjKAH0
QB「ボクに聞かれても困る。感情を持った時から、母星とも他の個体ともリンクは切れてるし」

QB「第一。こちらにいる以上情報なんて入ってこないよ」キュプゥ…

ヴィラル「大体、貴様らの言う魔女とは何だ」

マミ「それは…」

………

……



ヴィラル「にわかには信じられん話だな」

杏子「んなこと言ったって!」

ヴィラル「まぁそう声を荒げるな。信じられんが…貴様ら魔法少女を見た後では、信じるしかあるまい」

リーロン「マミ。アナタのケータイから、向こうの誰かに繋がらないかしら?」

マミ「こっちはダメみたいです…」カチカチ

シモン「俺の方も、繋がるどころかもう電源すら入らないよ」


ピポパ… prrrrrr…


レイテ「あぁ、おとうちゃんかい?」

レイテ「ちょいと急ぎの仕事が入りそうだ。うん。そう」

レイテ「それじゃ、準備頼んだよ?」…ガチャッ

マミ「…レイテさん?」
485 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 14:28:10.72 ID:B7kJjKAH0
レイテ「さて。と」

レイテ「悪いけど、あたしは先に帰らせてもらうよ」フウ

レイテ「あんたらがいつでも出れるように」

レイテ「機体も、転移システムもバッチリ整備しといてやんないとね」ニカッ

杏子「レイテ…」

シモン「気が利くな。助かるよ」

レイテ「何年の付き合いだと思ってんだい?ったく…」フリフリ

カランコロン…バタン

マミ「杏子」

杏子「決まりだ。行こうぜ?見滝原にさ」

ヴィラル「絶望の象徴、魔女か。面白い」クイ…グビッ

ヴィラル「行くのだろう?どうせ貴様も」コトン

シモン「当然だ」スクッ…

ヴィラル「ならすぐにでも…」ガタッ

リーロン「ちょっとちょっと!アナタたち。行くのはいいけど、二日…いえ。一日だけ待ちなさい」

シモン「どういうことだ?」

リーロン「乙女も機体も同じ。色々準備が必要ってことよ」オワカリ?
486 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 14:30:21.49 ID:B7kJjKAH0
リーロン「…最低限、認識転移システムの座標設定と。機体の調整だけは終らせないとね」

シモン「だが、もし向こうで何かが起こっているなら」

シモン「そうしてる間にもまどか達が…」クッ

リーロン「慌てないの」ピッ

リーロン「いつかカミナも言ってたでしょ? 『喧嘩に勝つには、熱いハートとクールな頭脳だ』って」ネ?

ヴィラル「あの男らしい」フ…

QB「それに。ワープの仕組みがどうなってるのか、ボクには良くわからないけど」

QB「調整を怠ったがために辿り着けなかった。なんて事態にはしたくないだろう?」

QB「さやかやほむらだって、まだ魔法少女を続けているかもしれない」

QB「シモン。焦る気持ちもわかるけど、今は彼女達の無事を信じようよ?」

シモン「キュウべぇ…」

QB「リーロン。ボクにも何か手伝えることはないかな? ボクも彼等の力になりたいんだ」キュップイ

リーロン「あら。それは助かるわ♪」

………

ソレジャァサッソクギジドウニ

ヨシキタ!

杏子「人間、変われば変わるもんなんだなぁ」ホエー

マミ「人間…ねぇ?」

杏子「キュウべぇ、変われば変わるもんなんだなぁ」ホエー

マミ「別に言い直さなくていいわよ」

−−−−−−−−−−
487 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 14:33:04.65 ID:B7kJjKAH0
−翌朝
   議事堂・総司令室−

ロシウ「成る程。それであちら側の世界…ミタキハラに行きたいと」

ロシウ「正直言うと。異なる世界への必要以上の干渉は、出来るだけ避けるべきだと思います」

杏子「テメェ…!」

ロシウ「話は最後まで聞いて下さい」

杏子「…なんだよ。結局あたしらに行くなって言いたいんだろ?」

ロシウ「避けるべきだとは思う。思うが…キミらの友人が。同じグレン団の仲間が助けを求めているんだろ?」

ロシウ「だったら。答えはもう出ている」

リーロン「あら。ちょぉっと見ない間に、話しのわかるイイ男になったじゃなぁい♪」スリスリ

ロシウ「…リ、リーロンさん…」ゾゾゾ

シモン「なら決まりだ」

シモン「理屈なんざ必要ない。理由なんて一つありゃそれで十分だ」

シモン「大事なダチが困ってる。仲間が助けを求めてる」

シモン「それ以上の理由なんざいらねぇ」スクッ

マミ「ええ」

リーロン「ラストステージをクリアしたら、隠しステージが出てきた〜って感じね♪」ウフフ
488 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 14:36:26.32 ID:B7kJjKAH0
ヴィラル「宇宙の次は異世界か。腕が鳴るな」ニヤ

杏子「ありがとな。ヴィラル」

ヴィラル「勘違いするな、杏子」フン

ヴィラル「俺はただ、貴様らと暴れるのが好きなだけだ」ニヤッ

リーロン「でも一つだけ問題があるのよねぇ」ハァ

シモン「問題?」

リーロン「そう。現状、認識転移システムで飛べるのが」

ロシウ「…グレンラガンとグレンマギカの二機だけということです」

杏子「超銀河ダイグレンで、全員運んだりってできねーの?」

リーロン「アレには元々螺旋界認識転移システムも搭載されてるから、その線も考えたのだけど」

リーロン「あのサイズを別の地球圏に転移させたとして、その影響が心配なのよ」

マミ「突然、月が地球の傍にまるまる現れるようなものよね…」

ロシウ「はい。そうなった時に、向こう側の地球にどのような影響が出るのか」

ロシウ「それを考慮すると、超銀河ダイグレンを飛ばすのはリスクが大き過ぎる」

杏子「んじゃ、アークグレンは?」

リーロン「あれは起動キーとしてロージェノムの生体コンピュータが必要なのよ」

リーロン「キーなしでも起動出来るかも知れないけど、それこそ準備に時間が掛かりそうだわ」
489 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 14:39:50.57 ID:B7kJjKAH0
シモン「心配するな、杏子」

シモン「向こうに飛べるのが二機でも構わないさ」

シモン「例え相手が何であろうと、どれだけ分厚い壁があろうと」

シモン「いつだって、風穴空けてブチ破る!」

杏子「そっか。そうだよな…!それが大グレン団だもんな!」ニヒヒ

ヴィラル「そういうことだ」

ヴィラル「アンチスパイラルにも勝利した俺たちだ」

ヴィラル「今更恐れるものでもあるまい」

ロシウ「それでは。我々はあなた方が出発する為の準備に取り掛かります」

リーロン「アナタたちは、やることやったらしっかり休養しておきなさい♪」

リーロン「こっちの準備だけど。夕方には終ると思うから、グラパール隊の格納庫まで来て頂戴」

−−−−−−−−−−
490 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 14:43:02.79 ID:B7kJjKAH0
−議事堂・ロビー−

杏子「…ってことで、あたしはちょっくら出かけてくる!見滝原にな!」ニカ

ギミー「隊長が行くなら俺たちだって!!」

ダリー「そんなこと言ったってギミー」

ダリー「私たちのグラパールじゃ単体転移できないじゃない」

ギミー「う… そりゃぁ、そうだけどさぁ」

杏子「ま。お前らはここで、あたしらの帰りでも待っててくれよ」

杏子「ちゃーんと土産買って来てやるから。訓練とパトロール、サボるんじゃねーぞ?」グリグリ

ギミー「わ、わかってますって!」イテテテ…

ダリー「気をつけて行って来て下さいね?隊長」

ヴィラル「コイツらだけでは危なっかしいからな」

ヴィラル「この俺とシモンも一緒だ。安心しろ」

杏子「アンチスパイラル倒して、やっとひと段落だってのにさ」

杏子「本当、悪いな。ヴィラル」

ヴィラル「貴様ともあろう女が、どういう風の吹き回しだ。随分としおらしいな」

杏子「いや、その…なんつーか、さ?」

ダリー「……」

ギミー「?」
491 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 14:44:50.33 ID:B7kJjKAH0
ダリー「ほらギミー、そろそろパトロールの時間でしょ!」

ダリー「行くわよ!」グイッ

ギミー「え、あれ?そうだったっけ? あ、ちょ…おい!引っ張るなって!!」ズルズル…

杏子「……」

杏子「あのさ。ヴィラル」

ヴィラル「何だ。怖気づいたのか」

杏子「あたし、その…さ。お前と一緒に戦って…何ていうか、さ」イヤー ソノー

ヴィラル「……」

ヴィラル「やめておけ、女」

ヴィラル「貴様は人間で俺は獣人だ」

ヴィラル「生まれも。身体の創りも。考え方も違う」

杏子「そ、そりゃそうだけど…」シュン

ヴィラル「多元迷宮のあれはくだらん幻だ」

ヴィラル「そんな世迷言を吐く暇があるのなら、しっかり休息をとっておけ」フン

杏子「……っ!!」

杏子「わ、わーったよ!!この、大バカ野郎!!」ダッ

タッタッタ…

ヴィラル「……」

ヴィラル「…人間、か。すまんな…」
492 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 14:46:31.61 ID:B7kJjKAH0
−カミナの墓前−

ビュオォォォォ… バサ…バサバサッ

シモン「アニキ、キタン。ニア。俺、また行って来るよ」

シモン「今度は宇宙じゃなくて、遠い世界に」

シモン「俺を待ってるダチがいるんだ」

コツ…コツ…

マミ「シモン君」

シモン「マミ?」

マミ「ここがお兄さんの…」

シモン「ああ」

マミ「ごめんなさい。せっかく戦いが終ったのに…」シュン

マミ「ニアさんがいなくなって…辛い時なのに…」グスン

マミ「私たちの世界のことで、また戦いに巻き込んで…」

マミ「本当にごめn

シモン「ぐだぐだ言ってんじゃねぇ!」ニッ

マミ「」ビクッ
493 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 14:47:44.15 ID:B7kJjKAH0
シモン「あの時…ワルプルギスの夜と戦った時、マミが叫んでたっけ」ニコ

マミ「あ、あれは…///」

シモン「別に巻き込まれた、なんて思ってないさ」

シモン「俺が好きで行くんだ。それに」

シモン「向こうの世界には、俺の家族もいる」

シモン「詢子や知久。まどかに達也。俺のことを家族だって言ってくれた人たちが」

マミ「シモン君…昔と、全然変わってない」クス

シモン「…そう、か…な?」

マミ「うん…」ニコ

マミ「ありがとう、シモン君」

−−−−−−−−−−
494 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 14:52:14.60 ID:B7kJjKAH0
−グラパール隊・格納庫−

リーロン「さぁーて準備はいいかしら?」

シモン『グレンラガン、スタンバイOKだ』

ブータ『ブキューッ!!』

マミ『グレンマギカも大丈夫です』

QB『久し振りの見滝原市だ。ボクもドキドキするよ』

マミ『ところで杏子』

マミ『あなたの持ち込んだ、この大きな荷物はなんなのよ』ツンツン

杏子『いいからいいから♪』

リーロン「一応、転移先はある程度上空にしておいたけど…」

リーロン「万が一建物にぶつかりそうになったりしたら、ごめんなさぁい♪」クネクネ

ヴィラル『貴様…』ピキピキ

リーロン「機体の通信機、一応こちらと繋がるハズだから」

リーロン「向こうに着いたら状況教えてくれると助かるわ」ウフ

ロシウ「我々も可能な限りこちらから支援するつもりです」

杏子『すまねぇな、デコ助』ニヤ

キノン「杏子さん!!」コラ!

ロシウ「まぁまぁ。キノン」ハハ…ハ…

リーロン「幸運を祈ってるわ♪」

シモン『ああ』
495 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 14:55:49.98 ID:B7kJjKAH0
シモン『よし… みんな、行くぞ!見滝原へ!!』ガチッ…

ゴォッ!!

マミ(待っててね。鹿目さん。暁美さん…!)ガチッ…

ゴォッ…!


キノン「グレンラガン、グレンマギカともに上昇」

…キランッ

キノン「…両機の認識転移システム正常作動確認!」

リーロン「どうやら無事に跳んだみたいね?」

ロシウ「リーロンさん」

リーロン「ええ。こっちも総出で取り掛かるわよ」グッ

ピッ

リーロン「レイテ、そっちの方はどう?」

レイテ『バッチリさ。コイツの生産能力なら、さほど時間掛けずに出来上がるよ』グッ

………

……



−−−−−−−−−−
496 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 14:59:51.60 ID:B7kJjKAH0
−数日前・見滝原市
      ファストフード店−

イラッシャイマセー

ガヤガヤ…


『国内での事故や事件の件数は、ここ数ヶ月で右肩上がりで…』

『また、自殺者の人数も急激に増加しており、政府は早急に対策をと…』

『それではお天気のコーナーです』パーラッパー

『太平洋上で発生した低気圧ですが、当初予想されていた針路を大きくずれ』

『ゆっくりと日本列島に向けて北上しています』

『現在の進行速度からすると、遅くとも一週間後には本州に上陸する可能性があり…』


さやか「いたいた。二人ともおっまたせー♪」ヨッ

ほむら「遅かったわね。仕事、忙しいのかしら?」

さやか「この不景気だってのに、お蔭さまで。全くないよりはあった方がいいんだろうけどさー」

さやか「それでも、半日とは言え土曜出勤はねぇ」ヤレヤレ

まどか「さやかちゃん、お疲れ様♪」ニコ

さやか「おぉ〜!慰めてくれるかまどかぁ!愛いヤツ愛いヤツ」スリスリ

まどか「ちょ、ちょっと…お店の中でやめてよぉ〜」アセッ
497 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 15:02:47.84 ID:B7kJjKAH0
ほむら「やめなさい」ペシッ ペシッ

さやか「わ、悪かったって!ちょっとふざけただけじゃん」エーン

まどか「もぉー…さやかちゃんが悪いよ!」プンプン

さやか「えへへ。ところで二人は大学どうよ?」ズチュー…

ほむら「そうね、特に可もなく不可もなく…といったところかしら」モグモグホムホム

まどか「私は楽しいよ。友達もいっぱいできたし、勉強はちょっと難しいけど…」パクパク

まどか「わからないところはほむらちゃんが見てくれるから」エヘヘ

さやか「そっかぁ…わたしも大学にいっとけばよかったかなぁ」

ほむら「その代わり毎日勉強とレポートよ?」

さやか「」

さやか「前言撤回します」

まどか「あはは…」

ゾワゾワ…

ほむら「……」

ほむら「さやか」

さやか「わかってる。また出たね」

まどか「もしかして…」

ほむら「少しだけ。行って来るわね」

さやか「まどかはここで待ってて? すぐ終るからさ」

タッタッタ…
498 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 15:07:01.50 ID:B7kJjKAH0
−三十分後−

さやか「ただいまっと」フウ

ほむら「待たせたわね」

まどか「二人ともお帰りなさい。ケガしてない?」

ほむら「ありがとう、大丈夫よ」ニコ

まどか「最近良くないニュースが多いみたいだけど、もしかして」

ほむら「…恐らく。関係しているのでしょうね」

さやか「今のヤツも使い魔だったけどさ」

さやか「キュウべぇのヤツ、魔法少女計画は凍結だ。なんて言っておいて…」

QB「その通りだよ。美樹さやか」キュプ

まどか「キュウべぇ!?」

QB「あの日。ワルプルギスの夜が消滅してから、ボクらは一人として魔法少女契約はしていない」

QB「それに、当時から残っている魔法少女についても。魔女化したという報告は上がっていない」

まどか「じゃぁ、なんで…?」

QB「…ワルプルギスの夜を遥かに越える魔力を持つ魔女。それが、この街に近付いている」

ほむら「どういうこと!?」ガタン

さやか「それって…マズいんじゃ」サァー…
499 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 15:11:14.47 ID:B7kJjKAH0
QB「新たな魔女は生み出されていないものの」

QB「以前から残っていた魔女は、まだいるということさ」

ほむら「…おかしいわ」

ほむら「ワルプルギス以上の強大な魔女なら、何故これまで認識されていなかったの?」

QB「魔女の性質も様々だ。自ら表舞台に上がる者もいれば」

QB「そうでないものもいる」

QB「長い年月、魔法少女の目にも。人間の目にも触れず。ひっそりと、静かに隠れ潜んでいた魔女が」

QB「それが、今になって目覚めたというのがボクらの辿り着いた結論だ」

まどか「そんな…どうして今になって?何が原因で?」

QB「そこまでは分からないね」

QB「思い当たるものがあるとすれば…ワルプルギスの夜の持っていた強大な魔力に触発されたか」

QB「あの少年が現れたことで生じた因果の乱れ。それによって目覚めたのかも知れない」

ほむら「どちらも六年も前のことよ。それが何故今になって」

QB「もしその魔女が時間の流れから取り残されていたのだとしたら」

QB「魔女にとっては六年も十年も同じようなものさ」

QB「人間で例えるなら、目覚めてすぐに起きるのと」

QB「ベッドの中で軽くまどろんでから起きるのと、その程度の違いなんだろうね」
500 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 15:12:46.74 ID:B7kJjKAH0
さやか「ね、ねぇ…ほむら」

さやか「そんなヤツがこの街に現れたら、わたしたち二人で勝てるのかな…」ブルルッ

ほむら「やるしかないわ…」クッ

まどか「こんな時、シモン君がいてくれたら…」

QB「あの異世界の少年。確かに彼がいれば心強いだろう」

さやか「マミさんも杏子も、シモンと同じ世界にいるんだよね?」

さやか「今頃どうしてるんだろう…」

QB「でも。いない人間を当てにするのは、現実的ではないね」

さやか「そ、そんなことわかってるよ」シュン

まどか「さやかちゃん…」

ほむら「しっかりなさい。美樹さやか」

ほむら「この街の平和は、私たちで守るって決めたでしょ?」

さやか「うん…」

−−−−−−−−−−
501 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 15:14:00.27 ID:B7kJjKAH0
−翌々日・鹿目家−

ドタバタドタバタ…

達也「おねーちゃん、おはよー」モグモグ

まどか「もー!なんで起こしてくれなかったのー!?」

まどか「今日は一限目から講義あるのにぃ!」ドタバタ

詢子「起こしたさ」

詢子「起こしたけど。起きなかっただけの話しだよ」ヤレヤレ

達也「そーだよ。おねーちゃん全然起きないんだもん」ゴチソウサマ

達也「それじゃ、小学校行って来るね!」イッテキマース

知久「天気が崩れるみたいだから、傘ちゃんと持って行くんだよ?」イッテラッシャイ

まどか「空、すごくどんよりしてる…」

知久「今度の週末にかけて、大きく荒れるみたいだからね」

まどか「こんな空だと、月曜日から憂鬱だなぁ」ハァ…

まどか「いけない。急がないと!」イッテキマース
502 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 15:15:16.09 ID:B7kJjKAH0
詢子「最近物騒だから、気を付けて行きな」

知久「あぁ。行ってらっしゃい、まどか」フリフリ

詢子「さてと。ご馳走様」カチャカチャ

詢子「そうだ… 夢でさ、シモンに会ったよ?」

知久「彼は元気にしてたかい?」

詢子「なーんか悩んでるみたいだった」ハハ

詢子「でも、最後には吹っ切れたみたいでさ。行っちまったよ」フフ

知久「そっか。きっと…大きく成長しているんだろうなぁ」

詢子「そのうちひょっこり顔出したりしてね?」

詢子「っと。それじゃ、あたしもそろそろ行って来るよ」ガタッ
503 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 15:18:20.12 ID:B7kJjKAH0
−大学構内・教室−

ほむら「今朝は遅かったのね」

友人A「鹿目さんが遅刻ギリギリって珍しいね?」

友人B「寝坊でもしちゃった?」

まどか「あはは…うん///」

まどか「そのとおりです…」エヘヘ


ゴロゴロ… ゴロゴロ…


まどか「遠くで雷が鳴ってるね」

ほむら「ええ」

友人A「帰りには降り出してるかも。今日バイトあるのに、嫌だなぁ」

友人B「暁美さんと鹿目さんはバイトしてないんだっけ?」

ほむら「講義以外で忙しいことが多いから、私はしてないわ」

まどか「私は何かやってみたいんだけど…今は学校のことで手一杯かなぁ」

友人B「鹿目さんはそういうところ、ちゃんとしてるものねぇ」アハハ

まどか「ふにゅー…」

ガチャ…バタン

講師「皆さん、おはようございます」

講師「それでは出席を確認してから講義を始めるので、お静かに願いますね」
504 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 15:19:50.24 ID:B7kJjKAH0


……

………

ザアァァァァァ…

友人A「やっぱり降ってきちゃったね」

まどか「まだ四時過ぎなのに、真っ暗…」

ほむら「…そうね」

友人B「それじゃ、あたしらこの後バイトだから。今日はこれで!」バイバーイ

友人A「二人とも帰り気をつけてねー」マタネー

タッタッタ…

ほむら「嫌な天気ね。私たちも早く帰りましょう」

まどか「うん…」

コツ…コツ…コツ…
505 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 15:22:06.49 ID:B7kJjKAH0
−翌日昼・学生食堂−

ザアァァァァ…


『急増する国内での自殺者に対し、政府は緊急対策室を設置すると同時に』

『各市町村での呼び掛けを積極的に…』


ほむら「……」モグモグ

まどか「……」パクパク


『次は明日の天気です。急速に発達した低気圧の影響で…』

『厚い雨雲が日本列島を覆い始めており…』

『ここ数日は雨が続くでしょう。ところにより激しい風や落雷に注意が必要で…』


ザワザワ…

キャアァァァァ!!

まどか「……?」

ほむら「何かあったのかしら」

トコトコトコ…

QB「どうやら大学の敷地内で自殺を図った人間がいるようだよ」

まどか「え……」カラン…

QB「魔女の及ぼす影響が、かなり広範囲で確認されているね」
506 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 15:24:29.02 ID:B7kJjKAH0
QB「この国に残ってる他の魔法少女たちも、それぞれの地域で対応に追われてる」

ほむら「何かわかったのね」

QB「察しがいいね。良い話しと悪い話しがあるんだけど。どちらから話そうか」

ほむら「…悪い話から」ホム

QB「わかった。一連の事象の引き鉄になっている魔女と、その目的が分かったよ」

まどか「目…的…?」

QB「引き鉄になったのは深淵の魔女」

QB「深い、陽の光も届かない海溝の底に、数千年前から隠れ潜んでいた魔女だ」

まどか「海溝って…海の中の?」キョトン

QB「それ以外に何があるんだい?」

ほむら「数千年…」

QB「何も不思議なことではないよ。インキュベーターとキミら人間の関わり」

QB「その始まりは、紀元前よりもさらに遡るのだから」

ほむら「教えて。インキュベーター」

ほむら「その魔女の目的というのは…」

QB「それはね」

QB「鹿目まどか。キミと、この見滝原市さ」キュップイ

まどか「え…」

ほむら「なんですって!?」ガタン!
507 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 15:28:07.20 ID:B7kJjKAH0
QB「鹿目まどかの有する因果と、見滝原という土地そのものに蓄積された因果が」

QB「目覚めた魔女を呼び寄せているのだろうね」

QB「ここ最近見られる使い魔の増加。それは恐らく、その魔女の尖兵ってところじゃないかな?」


『今入りましたニュースです。太平洋上で発生した低気圧は、非常に強い大型の台風へと変わり…』

『本州に向けてスピードを上げて移動中で…』

『なおこの台風は雨風ともに非常に強く、接近に伴い、数多くの区・市町村で避難指示が出されると…』

『警戒区域にお住まいの方は、指示が発令された場合速やかに…』


QB「あの台風が魔女なのはもう疑いようがない」キュプ

QB「今の速度から考えると、週末にはこの街に到達といったところだね」

まどか「私のせい…? 私がいるから…」

まどか「私のせいで他の大勢の人たちが不幸な目に遭ってるの…?」シュン

ほむら「まどか!まどかのせいじゃない… 悪いのは魔女よ」ギュッ

まどか「……でも」

QB「時間遡行者、暁美ほむら。キミは何度も繰り返した時間の中で」

QB「魔女となった鹿目まどかを見たこともあるんだろう?」

ほむら「ええ…」
508 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 15:31:49.94 ID:B7kJjKAH0
QB「深淵の魔女の最終的な狙いは、強大な因果律を取り込むことだ」

QB「ただ純粋に、強い因果を求め。その在処を目指して彷徨う」

まどか「もし… もしも私が取り込まれたら… どう、なっちゃうの…」

QB「……」

QB「強大な力を得た魔女は、間違いなく進化する。かつて暁美ほむらが目にしたであろう」

QB「人間どころか。魔法少女の力なんて足元にも及ばない、恐ろしい存在に」

ほむら(救済の魔女…クリームヒルト・グレートヒェン… あれが現出するというの?)

ほむら(もしそんなことになったら……)ギリッ

QB「仮に最悪の状況になったとしたら。一月ともたず、地球は壊滅するだろうね」

まどか「地球…? 地球、が… 私のせいで滅ぶの…?」ガクガク

ほむら「魔女をあなたに近付けさせたりなんてしない」

まどか「どうしよう…ほむらちゃん、私…私…」

ほむら「しっかりして、まどか!」

まどか「どう…しよう。どうしたら…」ペタン

ほむら「あなたのせいなんかじゃない! それに…そんなことには絶対にさせない!!」

QB「とは言っても暁美ほむら。ボクの見立てでは、とてもじゃないけど」

QB「キミと美樹さやかの力では、深淵の魔女に勝てるとはとても思えない」

ほむら「……っ!」
509 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 15:35:00.75 ID:B7kJjKAH0
QB「仮にまどかが魔法少女になったとしても、勝てるかどうか怪しいものだけどね」

まどか「……」

QB「だから良い話を伝えよう」

まどか「良い…話し…?」

QB「実に簡単、かつシンプルな地球を救う方法があるんだ」

ほむら「……」ハッ

ほむら「やめて。インキュベーター」

QB「それはね。鹿目まどか。キミの命を終らせること」

ほむら「やめなさいって言ってるでしょ!」ダンッ

まどか「……」

QB「キミの命が潰えれば、吸収される因果はこの土地のものだけで済む」

QB「魔女が強大になることに変わりはないけれど」

QB「地球の壊滅くらいは防げるだろうね。…とは言っても」

QB「この地上のほとんどは、無事では済まないだろうけど」

まどか「それでも…」

まどか「地球が滅びなくても済むんだよね?」フラァ

まどか「だったら…私…」
510 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 15:36:42.92 ID:B7kJjKAH0
パシィン!!

まどか「」

ほむら「しっかりしなさい。鹿目まどか!」

まどか「ほむら、ちゃん?」キョトン

ほむら「約束したのよ。マミと!杏子と!」

ほむら「もう一度…絶対にまた、みんなで会おうって」

ほむら「だから…だから私は、あなたを守ってみせる。地球の崩壊もさせない!」

まどか「…グスッ、ヒック…ほむら、ちゃ…ん…」ポロポロ

QB(さすがだよ。暁美ほむら)

QB(ワルプルギスの夜を退けただけのことはある)

QB(ボクらはまた見れるのかな。キミたち人間の可能性というものを)

−−−−−−−−−−
511 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 15:40:11.72 ID:B7kJjKAH0
−鹿目家−

ガチャ…バタン

まどか「ただいま…」

達也「お帰り、ねーちゃん」

知久「お帰り。…?まどか、具合でも悪いのかい?」

まどか「ううん。少し疲れてるだけだから…」

知久「そっか。この台風で達也の小学校はしばらく休校らしい」

知久「まどかの大学は…」

まどか「ごめん、パパ。私、少し休むね…」トボトボ

達也「ねーちゃんどうしたんだろう…?」


ガチャ…バタン

詢子「ふぅ…えっらい雨だよ。ただいま」

達也「お帰り、お母さん」

知久「台風がどんどん近付いてるからね。多分明日明後日には」

知久「この辺にも避難指示が出るんじゃないかな?」

詢子「こんな大荒れの空見てると、あの時を思い出すね…」

達也「あの時?」

知久「達也はまだ小さかったから覚えてないだろうなぁ」

詢子「まどかは?」

達也「ねーちゃんなら、疲れてるから休むって」

詢子「そうかい。ちょっと様子見てくるかな」
512 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 15:41:43.48 ID:B7kJjKAH0
コンコン

詢子「まどか。起きてる?」

まどか「……」

詢子「入るよ?」ガチャ…

まどか「…ママ」

詢子「なんだい、起きてるなら返事くらいしなって」

まどか「ごめんなさい…」

まどか「ねぇ。ママ。もしも…もしもだよ?」

詢子「あん?」

まどか「自分のせいで、世界が滅ぼされちゃうって言われたら…どうする?」

詢子「」

詢子「どうしたんだ。また随分と突拍子もないことを言って。この子は」ハハ

詢子「……」

まどか「……」

まどか「…そうだよね。突拍子もない、よね。こんな話し、バカみt

詢子「あたしなら足掻くね」ビシッ

詢子「あんたらの母親はさ。悪いけど…そんなに諦めが良くないんだ」
513 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 15:43:47.85 ID:B7kJjKAH0
まどか「……ママ…」

詢子「そりゃぁ、あたしが原因だってんなら… あたし一人消えちまえば済む話かもしんない」

詢子「でもね。あたしには山ほどやりたいこともある。見たいもんだってある」

詢子「…まどかと。それに達也の結婚式は絶対に見たいね。あと孫の顔」

詢子「そうそう、大きくなったシモンと酒も飲まねーとな」ニシシ

まどか「……」

詢子「やり残したことがあるうちは、あたしは往生際が悪いよ?」

詢子「滅んじまう世界には悪いけどさ。あたしは最後の最後まで諦めてなんてやらないね」

詢子「他のヤツらにどう言われようが。足掻いて足掻いて、足掻きまくる」ウン

まどか「そっか…」グッ…

詢子「……なぁ、まどか」

詢子「もしかしてまた、何か厄介なことに巻き込まれてるのか?」

詢子「もしそうなら。今度こそあたしも一緒に…」

まどか「ううん。違う。違うの、ママ」アセッ
514 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 15:45:28.42 ID:B7kJjKAH0
詢子「……」

詢子「わかった」

詢子「まどか。あんたももう立派な大人だ。何があったかは深く聞かない」

詢子「あたしも…娘がやることに、いちいち口を出したりはしない」

まどか「うん…」

詢子「あたしはあんたを信じてる」

詢子「だから。自分自身の人生、何よりも。誰よりも自分に誇れるように…胸を張れるように生きな」

詢子「それが、あたしの。あんたを産んだ母親の願いだよ」ポフッ

まどか「うん… ありがとう、ママ」ニコ

まどか「私、ママの子供で良かった」グスッ

−−−−−−−−−−
515 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 15:47:29.33 ID:B7kJjKAH0
−翌日・さやかの勤務先−

ザアァァァァ…

さやか「お待たせ。まどか」

まどか「あ。さやかちゃん。一日お疲れ様」フリフリ

さやか「ほむらから話は聞いたよ。魔女のこともその目的も」

さやか「それに…まどかのことも」

まどか「うん」

さやか「参っちゃうよね。とんでもないのが来るってのに、今日も普通に仕事あるんだもん」アハハ

さやか「……」

さやか「大丈夫だよ、まどか」ギュ…

さやか「まどかはわたしとほむらが絶対に守る」

さやか「だからほら。元気出してよ?」ニコ

まどか「ありがとう、さやかちゃん。私なら大丈夫だよ」ホラッ

さやか「あのさ、まどか」

まどか「……」

まどか「ごめん。ごめんね」

まどか「………本当はね、とっても怖いの」ブルブル

まどか「でも。私、頑張るから」
516 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 15:49:44.84 ID:B7kJjKAH0
まどか「何も出来ないかも知れない。また守ってもらうだけかもしれない」

まどか「でも、それでも。私もさやかちゃんやほむらちゃんの力になれるように頑張るから」ギュ…

さやか「…なんっていうのかな」

さやか「まどかが居てくれればさ、まどかが諦めなければさ」

さやか「わたしもほむらも、それだけで戦えるから。ね?」ナデナデ

まどか「うぅ…さやかちゃぁん…」ジワッ

さやか「はぁー…それにしても。こんな状況でも働くなんて」

さやか「本当、我が国の人々は勤労ですなぁ」ヤレヤレ

まどか「…あはは。何それ」グスッ

さやか「そんなことだから、帰宅難民だのなんだので…」

まどか「でも、今回の魔女も…普通の人からすれば、大きな台風にしか見えないものね」

さやか「まぁ、そうだよね」ウン

さやか「ところでほむらは?」

まどか「準備があるって」

まどか「昨日の騒ぎとこの天気で大学も休講だから」

さやか「そっか」

キキキー テッテケテー

フラフラ ヒョコヒョコ ケタケタケタ

まどか「」

さやか「」
517 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 15:51:48.30 ID:B7kJjKAH0
まどか「さ、さやかちゃん… 今のって」

さやか「嘘、使い魔…!? でも、結界もないのになんで!」

ワサワサ…

ヒョコヒョコ…

ウロチョロ…

まどか「ねぇ…なんか、増えてる…!」

キャー!ナニコイツラ!?

ウワッ、アッチイケ!

さやか「嘘!?」

さやか「普通の人にも見えてる…!ワルプルギスの夜のときと同じだ」

まどか「どうしよう、さやかちゃん…」タジッ

さやか「どうするって言っても…」

さやか「そうだ。これだけ使い魔がわらわらいるんだから、きっと近くに魔女の結界が」

さやか「魔女の本体を叩けば、使い魔も消えるかもしれない!」

まどか「結界、探せそう?」

さやか「やってみる」

さやか「…………」

さやか「…………」

さやか「ダメ。街の中には魔女っぽい魔力、全然感じないよ」オロオロ
518 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 15:54:11.37 ID:B7kJjKAH0
ガシャーン!! ドーン!

ワー!?

ププー!…ドガシャン!

キャー!!

まどか「車が…あちこちで事故が…!」

さやか「やばいよこれ。本当にどうしたら」

ケタケタケタ

ウフフフフ イヒヒヒ…

シュタッ

ほむら「どうもしなくていいわ」

さやか「ほむら!?」

まどか「ほむらちゃん!?」

スタッ

QB「こいつらは使い魔の中でも特に下級のヤツだからね。いちいち相手にしていたらキリがないよ」

さやか「でも!それじゃぁ街の人たちが…!」
519 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 15:55:45.93 ID:B7kJjKAH0
ほむら「わかってる。でもさやか。今にこんなのとは比べ物にならない災厄が訪れるのよ」

さやか「それは!そうだけど…!!」

QB「それにこの使い魔。倒したところで際限なく沸き続けるだろうね」

さやか「そんな…」

ほむら「…街の中心は特に多いみたいね。一度何処かに避難しましょう」

QB「それがいいよ。キミたちはこんなところで力を使うべきじゃない」

さやか「これを…見捨てろって言うの!?」

ほむら「話したはずよ」

まどか「…行こう。さやかちゃん」ギリッ…

ほむら「お願い。さやか」ギュッ…

さやか「ちくしょう…!」コク…

タタッ… パシャパシャパシャ…

ザアアァァァァ…

−−−−−−−−−−
520 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 15:58:03.61 ID:B7kJjKAH0
−ほむらの家−

まどか「家の方は大丈夫だって。この辺一帯に避難指示が出されたから、体育館に行くみたい」

さやか「うちも大丈夫。恭介と仁美も、とりあえずは無事みたい」ヨカッタ

まどか「ごめんね、ほむらちゃん。私、もう大丈夫だから」

ほむら「そう。それなら良かった…」

ほむら「でもまどか。本当ならあなたも家族と一緒に…」

まどか「ううん。私は…私の意志でここに残る。二人を信じてるから」ニコ

さやか「えへ。そう言われると嬉しいよ♪ ね、ほむら?」

ほむら「……そ、そうね///」

さやか「でもそういうことなら」

さやか「泥舟に乗ったつもりで、この…社会人魔法少女さやかちゃんに任せておきなさーい!」

QB「やれやれ。泥舟じゃなくて大舟だろう?」キュプキュプ

さやか「うぅ…」ショボン

QB「それよりも。暁美ほむら。何か勝機はあるのかい?」

ほむら「正直言って厳しいわね」

さやか「エエ!?」ガーン…
521 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 16:00:07.82 ID:B7kJjKAH0
ほむら「まだ魔女本体が街から離れているのに、多大な影響が出ている以上」

ほむら「最接近時にはどうなるのか、想像もつかない」

まどか「うん…」

ほむら「だから、さやか。あなたの信念には反してしまうかも知れないけど…」

ほむら「街への被害は目を瞑って、魔女が私たちの射程に入ると同時に」

さやか「…一点集中ってことだね?」

ほむら「ええ。以前の…螺旋力の効果が残ってるとは言え、使い魔をいちいち相手にしていては」

ほむら「さすがにソウルジェムも濁るでしょうからね」

さやか「……」

さやか「わかったよ。ほむら」

さやか「街が滅茶苦茶にされるかもってのは悔しいけど」

さやか「まどかも守って地球を救うとなると…魔女本体を倒すしかないんだもの」

まどか「ありがとう。二人とも…」

QB「とはいえ、今回の魔女は相当厄介だ」

QB「ワルプルギスの夜同様、その強大な魔力故に隠れることもせず」

QB「魔女クラスの強力な使い魔を多数使役している」
522 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 16:02:21.21 ID:B7kJjKAH0
さやか「あれ?でも…さっきの使い魔、そんなに強い魔力感じなかったけど」

さやか「あれで強力って言うなら。これってもしかして、魔女本体も実は大したことないんじゃ?」

ほむら「だったらとても嬉しいのだけど」

ほむら「今の段階で現出しているのは、言ってしまえば軽い余波のようなものよ」

QB「魔女本体が近付くにつれ、この程度では済まなくなるだろうね」

まどか「え…それって…」

QB「まどか。キミも以前見たことがあるだろう?何体かの魔女を」

QB「そういうヤツらが大挙して押し寄せてくるのさ」

QB「しかもそれらは前座に過ぎない」

まどか「ねぇ、ほむらちゃん。さやかちゃん」

まどか「私にも何か手伝えること…出来ることってないかな?」

ほむら「そうね。なら…あなたは生き延びることだけを考えなさい」

さやか「そういうことなら…」ガサゴソ

さやか「はい、これ。さやかちゃん特製の、魔法金属バット!」テッテレー

さやか「わたしとほむらが魔女本体に攻撃仕掛ける間、まどかが無防備になっちゃうからね」
523 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 16:05:54.51 ID:B7kJjKAH0
さやか「そのバットなら、今日見たような使い魔くらいならやっつけれるはず」

まどか「うん… ありがとう!」

QB「微力ながら。ボクもまどかの傍についているよ」

ほむら「……」

QB「安心していいよ。この期に及んで契約を迫ったりなんてしないさ」

QB「それにまどかはもう思春期を過ぎてしまっている。ボクらにとっても」

QB「以前ほど(魔法少女としての)魅力もないわけdプギュ

ほむら「黙らっしゃい」グゴゴゴ…

QB「悪かったよほむら。足をどけてくれないかな…」プギュゥ

まどか「それはそれで…なんだか傷ついちゃうような」タハハ…

ビュオオォォォ…ガタタッ ガタガタ…

さやか「すっごい荒れてきてる」

ほむら「私とさやかは、少し外の様子を見てくるわ」

さやか「えー…なんかそれって死亡ふらg

ほむら「行くわよ」ズールズル…

まどか「二人とも気をつけてね…?」ギュ…
524 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 16:09:57.65 ID:B7kJjKAH0
ガチャ…バタン

QB「怖いのかい。まどか」

まどか「怖いよ… 私のせいで地球が滅んじゃうかもしれないんだから」グッ…

まどか「家族も、大事な友だちも消えちゃうかもしれないんだもの」

QB「だったら、キミの手でキミ自身を終らせればいい」

まどか「そんなことはしないよ」

まどか「怖いよ。怖くて怖くて仕方ない」

まどか「だけど。私は足掻いてみせる。最後の最後まで」

まどか「きっと、それが私に出来る数少ないことだから」

QB「不思議なものだね。キミ達は怖いのに、苦難に立ち向かう」

QB「もっと合理的に解決できる手段があるにも関わらず、だ」

QB「ひょっとすると」

QB「感情を手に入れたあの個体なら、キミ達のそういう心情も理解できるのかもしれないね」

まどか(シモン君…)ギュッ…

まどか「……」ピポパ
525 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 16:11:22.29 ID:B7kJjKAH0
prrrrrrrr… 

prrrrrrrr… prrrrrrrr… ガチャ


まどか「あ、あのね、シモン君。魔女がまた見滝原に…」


『お掛けになった電話は、電波の通じないところにいるか電源が入っていないため…』


まどか「……」ピッ

QB「不思議なことをするね、キミは。もう繋がるはずのない相手に電話するなんて」

まどか「そう、だよね」

まどか「私、なんでこんなことしたんだろう」クス

まどか「もしかしたらシモン君が来てくれるかもしれない」

まどか「前みたいにみんなを助けてくれるかもしれない」

まどか「もしかしたら繋がるかもって。…ちょっとは期待してたんだけどなぁ」ザンネン

QB「それはないよ。ボクの知る限りでは、その機械はこの世界だけでしか使えないものだからね」

まどか「うん。わかってる。わかってるけど、キュウべぇ」

QB「わかってるのに無駄なことをする。ボクにはわけがわからないよ」キュップイ

まどか「それが人間って生き物なんだよ?」
526 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 16:13:31.68 ID:B7kJjKAH0
−見滝原市街地−

キキキキ…

ケタケタケタケタ…

ほむら「下級使い魔の数が増えてる」

さやか「ねぇ。あれ…本当に放っておいて大丈夫なの?」

ほむら「問題ないとは言い切れないわ」

ほむら「街の人たちが速やかに避難してくれることを願うだけね」

さやか「……」グッ

ほむら「押さえなさい。さやか」

ほむら「私たちが消耗しては、何もかもがダメになるのだから」

さやか「わかってるよ…」ギリリッ

さやか「ねぇ、ほむら。二人だけで…この街、本当に守れるのかな?」

ほむら「やるしかないでしょ?」

ほむら「その為に武器も用意した。トラップも仕掛けた」

さやか「そっか、そうだよね…」

−−−−−−−−−−
527 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 16:19:34.24 ID:B7kJjKAH0
−翌日・見滝原市街地
       商社ビル屋上−

ビュオォォオォ…

ザアアァァァァ… カッ!!ゴロゴロゴロ…

ほむら「横殴りの豪雨に暴風、雷鳴。最悪ね」

さやか「まるで世界の終わりが近付いてるみたいだ」

ほむら「あながち間違ってはいないわ」クス

さやか「なぁに?こんな時に。余裕あるなぁ」ジトー

さやか「ってか。ほむらの魔法ってさ。時を遡ることもできるんだよね?」

ほむら「ええ」

さやか「だったら…自分だけ逃げちゃうってことだって出来るのに」ホラ

ほむら「あなたは私をバカにしてるのかしら」ヤレヤレ

さやか「いや、ほら。いざとなったらほむらだけでも〜って思ってさ」アハハ

ほむら「逃げるわけないでしょ?」

ほむら「せっかくみんなと仲良くなってここまでこれた」
528 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 16:21:05.66 ID:B7kJjKAH0
ほむら「この時間軸でのダチを見捨てて、私だけのこのこ逃げるなんてできないわよ」ファサッ

ほむら「それに。そんなことしたら、彼に笑われてしまうわ。…なんてね?」クス

さやか「なーんか。どーっかで聞いた台詞だよなぁ?」ニヤニヤ

ほむら「私たちにとって…一緒に過ごした時間は短かったけど」

ほむら「彼はあまりにも大きな存在だった」

さやか「元気に…やってるといいな」

ほむら「ええ」


ビュオオォォォ…

さやか「魔女の到着、もう一日先のはずだったのにね」

ほむら「…きっと気紛れなのよ」

さやか「どうせだったら、もう何十年か先にしてくれたら良かったのに」フウ

ほむら「それは大遅刻どころではないわね」フフ

ほむら「…強い魔力。近い」

さやか「……来た!」

ほむら「…違う。あれは!」

さやか「え!?」
529 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 16:22:52.44 ID:B7kJjKAH0
…ビュオッ!! ビュオッ!!

さやか「二体いる!?」

ほむら「あれは魔女じゃない…その使い魔よ!」

さやか「どういうこと!?」

ほむら「私としたことが…使い魔と本命の魔力を読み違えるだなんて」クッ…

さやか「信じらんない!あれが…使い魔の魔力!?」ダッ

ほむら「退がるわよ。ここで力を使うのは…!」

さやか「そうはいっても…! ヤバイよ、狙われてる!」

ほむら「なら、さっさと倒してまどかのところに戻りましょう」

ほむら「さやか、手を!私が時を止めるから、その間にあなたを接近させる!」ガシッ!

ほむら「時間停止…!」カチッ

………

ほむら「今よ、さやか!」

カチッ

さやか「…それえぇっ!!」ズバッ…ザシュッ!!

さやか「一丁上がり!」
530 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 16:26:38.54 ID:B7kJjKAH0
さやか「ほむら!向こうのビルの陰! 三体見える!」

ほむら(新手!?)

ほむら「消耗は避けたいところだけど」

ほむら「食らいなさい…!」ズドンッ!!

さやか「ロケットランチャー!?」スゴイ

ヒュルルルルル………ゴアァァッ!!

ほむら「仕留めた!?…一匹だけだなんて!」

さやか「また来た!!」

さやか「さっきのヤツも倒し終わってないのに…!!」タッ

ヒュンッ… ズバッ!!

さやか「次から次へと…本当にキリがないじゃん!」

ザシュザシュッ… ズシャァッ!

ほむら「だから…言ったのよ!」

ビュオオォォォォ…!

ザアアアァァァァ…

ほむら「使い魔もそうだけど、この天候も厄介ね」ギリッ

さやか「この強さ…コイツら本当に使い魔!?」
531 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 16:29:22.25 ID:B7kJjKAH0
−ほむらの部屋−

QB「どうやら始まったみたいだよ」

QB「……なんてことだ」

まどか「どうしたの?」

QB「魔女本体はまだ洋上。凄まじい嵐を纏って姿も現していないらしい」

まどか「え、でも。ほむらちゃんたち、魔女がもう接近してるからって…」

QB「…強大な魔力が入り乱れてる。ほむらがそれを読み違えるのも仕方ないさ」

まどか「ほむらちゃん… さやかちゃん…」ギュッ…


『今入った情報です』

『見滝原市内において、正体不明の物体が飛び回っているとの情報が入り…』ザザッ

『避難指示の発令されてる区域にお住まいの方…ザザッ…、速やかに指定された避難施設に…』ザッ…

『なお、これに…ザザザッ………警察が対応に…ザザー……、状況は…… …善しておらず…』

ザッ…ザザッ… ザー……


QB「放送設備がやられたようだね」

まどか「キュウべぇ。私…!」

QB「やめておきなよ。魔法少女でもないキミが飛び出したところで」

QB「あの二人にとっての足手まといにしかならないことくらい」

QB「キミにだって分かるだろう?」

まどか「それは…そう、だけど…」
532 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 16:31:51.58 ID:B7kJjKAH0
−見滝原市・市街地−

ほむら「ソウルジェムの濁りは大丈夫?」

さやか「シモンのお蔭で、全っ然問題ないよ!」

ビュンッ…!ズババッ!

ほむら「言っておくけれど」

ほむら「これはあくまで使い魔との戦闘よ」

ほむら「濁りが溜まり始めるようなことがあったら、すぐに退きなさい」

さやか「悔しいけど…その時はそうさせてもらう」

さやか「大ボス倒さないと、地球もまどかもわたしたちもやられちゃうんだものね!」

ほむら「ええ」

ズダンッ!!…ダダダダダダッ

さやか「それにしても…なによ、このエクストラモード!!」

さやか「下級使い魔ほどじゃないにしても、次から次へと…!」

ザシュッ…ザンッ!

ほむら「魔女本体が到着したらこんなものじゃ済まないわよ!?」

ズダダダッ!! …ダダダッ!!

さやか「うっひゃぁ。相変わらずの歩く火薬庫!」
533 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 16:34:13.09 ID:B7kJjKAH0
ほむら(余力を残しながら…何とかして退路を…!)

カッ…!!ピシャアァ!!

さやか「落雷!?」

ほむら「っ!? 目が…!」

さやか「ほむら!後ろ、危ない!ビルが崩れて…!!」ニゲテ!

ガラガラガラ…ドドドド…

ほむら「え…」


さやか「ほむらあああぁぁぁ!!」

さやか「嘘…!嘘でしょ!?ほむらぁ!!」

ヒヒヒヒ…! ケタケタケタケタ キャキャキャキャキャ…!!

さやか「囲まれた!?…邪魔!どいてよ!!」ザシュッ!

ズバッ!!


………

さやか「ほむら!後ろ、危ない!ビルが崩れて…!!」

ほむら「え…」

ほむら(さっきの閃光で目が…状況が…!ここから動かないと…!)

ゴゴ…ガラガラガラ…

ほむら(時間停止…ダメ、間に合わない!)
534 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 16:36:31.95 ID:B7kJjKAH0
バチッ…バチバチッ…

    ギュイイィィィィィン!!…ドパアァァァン!


ほむら「な、何の音…!?」

ゴシゴシ…

ほむら「けほっ…凄い土煙…」

ホムラァ!ヘンジシテー!

ほむら(視力が…戻っていく… 一体何が…)

ボンヤリ…

ほむら「え…」

ほむら「嘘…」

タッタッタ…

さやか「ほむら!大丈……って、えええええええええええ!?」

さやか「これって、これって…これって!蒼い…グレンラガン!?」


『こっちは大丈夫よ!』

『間違いねぇ。ここは見滝原だ!!だってよぉ… へへ。懐かしい顔がいるんだからさ!』グスン


『了解だ!やるぞ!ヴィラル!!』

『これが魔女とやらか?面白い。まとめて蹴散らしてやる!!』ギュウゥゥゥゥン!!
535 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 16:38:56.29 ID:B7kJjKAH0
ほむら「」

ゴォッ…! ゴォッ…!!

さやか「ねぇ、ほむら。今…のって!?」

ほむら「」ペタン

さやか「しかも。しかもあの声って…!」ジワ…


マミ「再会を喜ぶのは後よ?」ニコ

杏子「わぁーってるって!」ニヒヒ

シモン『聞こえるか、リーロン。天気は最悪、状況は不明』

シモン『だが…到着早々懐かしい顔に出会えた!』

シモン『ダチと…ついでに魔女にな!!』ニッ

ズバァッ!!

ヴィラル『ちょこまかとよく動くものだ。それで撹乱でもしてるつもりか?』

シモン『だったら…残念だったな!!』

ガキィンッ!

シモヴィラ『『グレン…!ブウゥゥメランッッ!!』』ヒュゴッ…!

ズババババババッ!!

杏子「よっしゃ!こっちも負けてらんねぇ!!」

マミ「ドリル、使うわよ?」キラン

杏子「任せろ!」

ギュイィィィィィン!!…ズドンッ!ズドンッ!ズドンッ!!
536 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 16:40:46.86 ID:B7kJjKAH0
ほむら「魔女クラスの敵を次々と…」ポカーン…

ほむら「なんなのよ、本当に。もう…」グスン

さやか「…ね、ねぇ。ほむら」

さやか「なんかさ…上手く言えないんだけど!」

ほむら「さやか。多分私も同じ気持ちよ」スクッ


ほむさや「「身体の底から…力が湧いて来る!!」」パァッ


ほむら「行きましょう。彼等にばっかり良い格好はさせられない」タタッ

さやか「オッケー、ほむら! わたしたちも…まだまだ戦える!」タンッ

−−−−−−−−−−
537 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 16:44:40.47 ID:B7kJjKAH0


……

………

シモン「今のところ目に付くのは…あらかた倒したみたいだな」フウ

ヴィラル「これが魔女なのだとしたら、とんだ期待外れだ」チッ

シモン「まぁそう言うな。心配が杞憂で終るならそれに越したことはないさ」ハハ

ほむら『シモン!シモンなんでしょ!?』

ヴィラル「知り合いか?」

シモン「あぁ。以前一緒に戦った魔法少女だ」コク

ヴィラル「周囲に人影は見当たらないな。降りるぞ」シュゴオォォォ…

杏子『こっちも着陸するよ』


スタッ

スタッ


ヴィラル「この足元をうろちょろしているものは何だ」ゲシッ

ピキイィィィ! アタフタ

マミ「そいつは使い魔よ。心の強い人間なら、放っておいても大した害はないから大丈夫」

杏子「でも、なんだってコイツら結界の外に」

シモン「それは聞いてみればわかることだ」
538 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 16:45:58.92 ID:B7kJjKAH0
さやか「あ…う。う、ウワアアアアァァァァン!!」ダッ

さやか「マミさん!杏子ぉ!シモンんん!!」ダキッ

マミ「あら、大きくなったわね。美樹さん」ニコ… ナデナデ

さやか「バカバカ!!二人とも黙っていなくなっちゃうんだもん!」

さやか「寂しかったんだよ!?悲しかったんだからね!?」ポカポカ

マミ「うん。うん… ごめんね、美樹さん」

杏子「あん時はあたしらも、若かったからな」

杏子「説明より先に行動しちまった…つーかさ」タハハ

マミ「杏子ったら… それだと私たちが年寄りみたいじゃない」

さやか「なんだよそれ…グシッ」

さやか「会いたかったよ、杏子ぉ…グスン、グスン」

杏子「あたしもだよ。さやか」エヘ


ほむら「こんな…こんなことって…」グス

シモン「久し振りだな。ほむら」

ほむら「本当に、本当にシモンなの…?」

シモン「当たり前だ。穴掘りシモンが、そう何人もいてたまるか」ニコッ

ほむら「なんでこんないいタイミングで戻ってくるのよ…」ポロポロ
539 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 16:47:44.66 ID:B7kJjKAH0
シモン「ダチのピンチに駆け付けるのは当然だろ」ビシッ

シモン「そうだ。まどかはどうしてる?」

シモン「アイツの声を聞いて、俺たちはここまで来たんだ」

ほむら「まどかの…?」グスッ

スタッ

キュウベェ「久し振りだね。暁美ほむら」ニコ

ほむら「インキュベーター…あなた、言葉を取り戻したのね」クッ

キュウベェ「そう露骨に身構えられるとショックなんだけど…」シュン

シモン「安心しろ、ほむら」

ヴィラル「そいつは俺たちと共に、銀河の果てまで大喧嘩に行った仲間だ」

ブータ「ブキュー!ペロペロ」

キュウベェ「あはは。くすぐったいじゃないか、ブータ」

ブータ「ブィー!!ブゥブゥ♪」

ほむら「銀河の果て?大喧嘩…?」キョトン
540 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 16:49:20.89 ID:B7kJjKAH0
さやか「シモン…会いたかったよ!」

シモン「元気そうだな、さやか」ニコ

さやか「へへ。元気がとりえのさやかちゃんですからね」エヘ

シモン「はは。昔と変わってないな」

さやか「ちょっとー!それどういう意味だよぉー」ブー

杏子「成長してねぇ。ってことじゃねーの?」ニヒヒヒ

さやか「ひっどぉーい!あたしだって成長してるよ!?」ホレホレ

さやか「……」ジー…

さやか「シモンはすっごく背が伸びたんだね?」

シモン(そういえば多元宇宙でアニキにも言われたっけ…)ハハ

ほむら「積もる話もあるでしょうけど」

ほむら「ひとまず私の家に来て頂戴」
541 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 16:50:30.80 ID:B7kJjKAH0
マミ「そうね。ここだと…雨も風も吹き付けてずぶ濡れになっちゃう。…ふぇ」クシュンッ

シモン「あぁ。そうだな」

ヴィラル「グレンラガンとグレンマギカはどうする」

さやか「あの蒼いグレンラガン、グレンマギカって名前なんだね」ヘエェ…

ほむら「うちのアパートの隣が空き地になっているから、そこに置くといいわ」

ほむら「本当なら人目につくのは良くないのでしょうけど」

さやか「大丈夫だよ、ほむら。多分この辺の人たち、もう総合体育館の方に避難してると思うから」

ほむら「そうね。なら…戻りましょう。まどかも待ってるから」
542 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 16:51:38.76 ID:B7kJjKAH0
−ほむらの家−

ビュオオォォォ…

ガタッ…ガタガタガタッ

まどか「凄い風。厚い窓がこんなに震えるなんて」

QB「どうやら外の戦闘は終わったみたいだ」

QB「小さい使い魔はまだまだ残っているみたいだけど」

QB「魔女クラスのものは消滅したんじゃないかな」

まどか「よかったぁ。ほむらちゃんたち無事なんだ!」

QB「だといいんだけどね」


シュゴオォォォォ…ガシャン


………

まどか「? 今、外で何か聞こえなかった?」

QB「そういえばジェットエンジンのような音が聞こえたね」キュプ

まどか「何が起こったんだろう…ちょっと見てm

ガチャ…バタン!

シモン「戻ってきたぞ、まどか!」
543 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 16:52:45.68 ID:B7kJjKAH0
マミ「鹿目さん、元気にしてたかしら?」

杏子「よっ。久し振りだな」ニッ

まどか「」

まどか「」

まどか「え」

まどか「あ…う」プルプル

さやか「おーい… ダメだ。固まってるよ」

ほむら「だから驚かすのはやめなさいって言ったのよ」ファサ

キュウベェ「やぁ、久し振りだね。インキュベーター」エヘヘ

QB「」

QB「どうなってるんだい」

まどか「……シモン君!マミさん!杏子ちゃぁぁん!!」ダキッ

さやか「あ。わたしと同じ反応だ」アハ

………

……

544 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 16:55:52.89 ID:B7kJjKAH0
ほむら「アンチスパイラルに天元突破グレンラガン… それにグレンマギカ…」エーット

マミ「暁美さん、大丈夫?」ハイ、オチャ

ほむら「ええ。ありがとう、大丈夫よ」フゥ

ほむら「話のとんでもない大きさに、少し戸惑っていただけだから」ズズ…

さやか「うーあー!マミさんも杏子も、わたしが会社で書類と戦ってる時に」

さやか「そんな凄いことしてただなんてー!羨ましい!わたしも一緒に行きたかった!!」イイナー

杏子「おいおい。そうは言っても大変だったんだぜ?」

マミ「私たちも大切な仲間を失ってしまったものね…」

さやか「あ…… ごめん… なんか、聞いててはしゃいじゃって」

マミ「いいのよ。その方が美樹さんらしいじゃない」クス

まどか「シモン君たち、そんな大変な相手と戦ってたんだね」

まどか「それに。シモン君の大切な人が…」シュン

QB「驚いたよ。感情と引きかえに知性と言葉を失った個体が」

QB「感情をそのままに知性と言葉を取り戻すなんて」
545 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 16:57:06.14 ID:B7kJjKAH0
キュウベェ「実はボクが一番驚いているよ」

キュウベェ「感情を持つということは、こんなにも世界が広がるんだってね」ハハ

シモン「…俺たちの世界の出来事は、大体そんなところだ」

シモン「それと紹介が遅れたが、コイツはヴィラル」

シモン「大グレン団の頼りになる仲間だ」

マミ「見た目はちょっと怖いけど、優しい方なのよ?」ニコ

ヴィラル「フン。その紹介は気に入らんが… よろしく頼む」

ほむら「ええ。こちらこそよろしくね」

シモン「ほむら。今度はこっちの世界が。見滝原が」

シモン「今、どうなってるのかを教えてくれないか?」

シモン「俺たちはまどかの声を聞いて、ここに来たんだ」

まどか「私の…声?」

シモン「あぁ。前に詢子に貰ったケータイから、途切れ途切れだけどな」

まどか(もしかしてあの時の… 届いてた… あの時の言葉、届いてたんだ…!)

ほむら「…こちらの状況は好ましくないわ」

ほむら「以前あなたと一緒に倒したワルプルギスの夜。あんなものとは比べ物にならないほど」

ほむら「とてつもなく強大な災厄が。魔女が接近しているの」

………

……

546 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 17:00:14.80 ID:B7kJjKAH0
ヴィラル「ほぉ。するとさっきの連中は、魔女ではなく」

シモン「この後に来る大本命の、使いパシリってことか」

ヴィラル「安心したぞ。あれが魔女だというのなら、落胆するところだったからな」

ほむら「頼もしいわね」

QB「魔女がこの街に到達するのは、最初の予想通り。明日の昼過ぎから夕方に掛けてだと思うよ」

マミ「テレビもラジオもダメみたいだから、その情報は助かるわね」

まどか「それも、魔女の影響なの…?」

キュウベェ「多分そうだろうね」

マミ「その魔女って、まだ離れた場所にいるのよね?」

QB「それだけ強大な力を持っているってことさ」

杏子「なんとしてもまどかを守らねーとな」

まどか「ありがとう、杏子ちゃん」

さやか「ねぇ、シモン。ほむら。わたしたち…本当に勝てるのかな…」ギュ…

ほむら「それは…」

シモン「勝てるかな、じゃねぇ。勝つんだよ」ニコ
547 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 17:01:17.69 ID:B7kJjKAH0
シモン「ほむら、まどか、さやか、マミに杏子。ブータとキュウべぇ。それにヴィラル」

シモン「忘れたのか?さやか。見滝原グレン団のドリルを」グッ

杏子「忘れるわけねーだろ?」ニヤッ

マミ「ええ。天を創り…希望を繋げるドリルですものね」ニコ

さやか「マミさん、杏子…」ウルッ


マミ「そうだ。暁美さん、キッチン借りていいかしら?」

ほむら「構わないけど…食材なんてほとんど置いてないわよ?」

マミ「え…」

マミ「明日に備えて、みんなに食事でもって思ったのだけど…」

さやか「ええええええ! マミさんの料理、食べたかったあ」ヨダレ

杏子「それなら心配ねーぜ」

杏子「こんなこともあろーかと、操縦席ん中に食材詰め込んできた」ビシッ
548 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 17:02:32.13 ID:B7kJjKAH0
マミ「あの大荷物…食材だったのね」ハァ

シモン「あはは。準備がいいな、杏子は」

まどか「と、ところでヴィラルさん」

まどか「そんな大きな鉈持って何処か出かけるんですか?」オソルオソル

ヴィラル「ん?…あぁ。食材がないなら、あの使い魔とやらを狩って食えないかと思ってたところだが」

ヴィラル「無用な心配だったようだな」

ほむら「用意周到な杏子に感謝しないといけないわね」ブルブル

まどか「あんなん食べたら絶対お腹壊しちゃうよ…」ブルブル

マミ「そもそも口に入れたくないわよ」ビシッ
549 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 17:04:17.30 ID:B7kJjKAH0
ジュージュー…

カチャカチャカチャ…ジャッジャッ

コトコト…グツグツ…


マミ「はい、お待たせ♪」

さやか「うわぉ!!」

マミ「向こうの食材を、こちらの調味料で味付けして作ってみたのだけど…お口に合うかしら?」

さやか「よくよく考えると凄い料理だよね。二つの世界のコラボレーションって」ヒョイパク

ほむら「貴重な体験ね」ホムホムモグモグ

まどか「…美味しい!マミさん、これ美味しいよ!」パクパク

ヴィラル「相変わらず料理の上手い女だ」ガツガツ

シモン「あぁ。腹いっぱい食って明日に備えよう」ムシャムシャ

杏子「ん」ホレ

ヴィラル「なんのつもりだ」

杏子「ほら、これも食え」

ヴィラル「なんだこれは」

杏子「マミを手伝って、あたしも作ったんだよ。ほら。食え」グイ

ヴィラル「……フン」モグモグ

杏子「……」ドキドキ
550 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 17:06:32.52 ID:B7kJjKAH0
ヴィラル「悪くない味だ」

杏子「そ、そうか? よかったぁ…」ホッ

さやか「……」

ほむら「……」

まどか「……」

シモン「……」

キュウベェ「……」

マミ「……」

杏子「な!?みんなして何だよ!?」

ヴィラル「貴様等何を見ている」

さやか「へぇー?ほぉーう?ふぅーん?」ニヤニヤ

マミ「あらあら。杏子ったら」ニコニコ

キュウベェ「そうか。杏子はそういう趣味だったんだねぇ…」ウンウン

ほむら「あなたがそんな表情するなんて、意外ね」

まどか「杏子ちゃん…そっかぁ。そうなんだぁ///」

シモン「ヴィラル。お前も隅に置けないってワケか」アハハ

杏子「え、いや!これは、だなぁ!!」アセッ
551 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 17:07:26.52 ID:B7kJjKAH0
ヴィラル「…勘違いするな。貴様ら」

ヴィラル「コイツは人間で俺は獣人だ。しかも…俺はかつての螺旋王より」

ヴィラル「死ぬこともなく…老いることもない身体を授かっている」

さやか「それって…不老不死ってこと!?」

QB「本当かい?さすがのボクも、不老不死の生き物なんて初めて見るよ」

杏子「……」

ヴィラル「そんな俺が、人間の女と相容れるわけがなかろう」フン

まどか「そんなの!そんなのって…」

杏子「いいんだよ、まどか」ポン

杏子「あたしだってコイツに言われてわかってるんだからさ」ニコ

まどか「でも…でも…!」

杏子「それよりも。今は魔女を倒すのが先だろ?」ニカッ

ヴィラル「そういうことだ。その為にも今はしっかりと食っておけ」モグモグ

シモン「ヴィラル…」

−−−−−−−−−−
552 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 17:08:46.67 ID:B7kJjKAH0
ザアァァァ…

ビュオオォォォ…ガタガタッ…


ほむら「みんなは休んだけれど」

ほむら「あなたは寝ないのかしら」

ヴィラル「俺は寝る必要がない身体なのでな」

ヴィラル「窓の外は…嵐の吹き荒れる暗闇か」

ヴィラル「女二人に聞いていたのとは随分と違う。暗く静かな街だ」

ほむら「住民が避難してる上に、発電所もやられたのでしょうね」

ヴィラル「成る程な」フン

ヴィラル「…シモンから聞いた。貴様は同じ時を何度も繰り返したのだと」

ほむら「ええ。友だちを…まどかを救うために、私は何度も繰り返した」

ほむら「でも、今はこの時間軸を精一杯生きるつもりよ」

ほむら「みんなと…シモンやあなた、異世界の人たちとも出会えたこの時間を」

ヴィラル「そうか」
553 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 17:10:06.55 ID:B7kJjKAH0
ほむら「…前にね。まどかに言われたの」

ほむら「魔法少女だろうが、どれだけ時間を繰り返していようが、違う時を生きていようが」

ほむら「私は私だって」

ヴィラル「……」

ほむら「だからあなたも…」

ヴィラル「さっさと寝ろ。明日に響くぞ」

ほむら「…そうね」

ほむら「宇宙の果てまで大喧嘩に行って、見事勝利したあなたたちの力」

ほむら「頼りにさせてもらうわ」

ヴィラル「フン…」

ほむら「お休みなさい」ファサッ

スタスタスタ…

−−−−−−−−−−
554 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 17:13:12.47 ID:B7kJjKAH0
ここまでで投下一旦ストップします。

残りは手直ししながら、今夜中に最後まで一気に投下できればと思ってます。

それでは一度失礼します。
555 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/05/04(金) 17:18:01.56 ID:MwqMqNmBo
556 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/04(金) 19:11:53.89 ID:d8vY/gaDO
↑やったじゃんφ'sだぜ!
557 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 21:09:09.01 ID:B7kJjKAH0
長かった話も、ようやく先が見えてきました。

やりたい放題に拍車がかかりますが、今しばらくお付き合いいただければと思います。

それでは、最後に向けて投下再開します。
558 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 21:13:32.43 ID:B7kJjKAH0
−魔女到達予定日当日
       見滝原市郊外−

ビュオオオォォォ…

ゴロゴロゴロ…

さやか「うひゃぁ…なんとゆーか世紀末っぽいですなぁ」

マミ『美樹さん、暁美さん。あなたたちは鹿目さんの傍で待っていた方が…』

ほむら「いえ。戦力は少しでも多い方が確実だから」

さやか「そうそう。それに… わたし、久し振りにマミさんたちと一緒に」

さやか「大切な友だちの為に戦うことができて、すっごく嬉しいんですよ?」

さやか「きっと、ほむらだってそう」ネ?

ほむら「……ええ」コク

マミ『二人とも…』

ほむら「天候の荒れ方も昨日までの比ではないわ。そろそろ本命が姿を現すはずよ」

杏子『でもよ。こっちのキュウべぇが一緒とは言え… まどかのヤツ、一人で本当に大丈夫なのか?』

ほむら「まどかは私たちを信じてくれてる」

ほむら「だから、信じてるのよ。私もまどかのことを」

杏子『そっか。ほむらがそう言うなら…わかったよ』

ザアァァァァ…
559 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 21:17:40.75 ID:B7kJjKAH0
さやか「作戦は…一点集中突破して」

ヴィラル「さっさと頭を叩いてケリをつける。だったな」

ほむら「ガンメン二機は、魔女本体を直接攻撃」

ほむら「私とさやかは可能な限りそのサポートに回るわ」

シモン『頼んだぞ、ほむら。さやか』

さやか「まっかせといてよ♪」


ゾゾゾゾ…

ザワザワザワザワ…


マミ『どうやら…お出ましのようね?』ガチッ


『ウフフフフ…♪』


ほむら「まどかのところには行かせない」

ほむら「ここから先へは一歩たりとも進めると思わないことね」ギロッ

シモン『大きさ自体は…こちらと同じくらいか』

シモン『先手必勝!仕掛けるぞ、ヴィラル!マミ!杏子!!』

ヴィラル『言われなくとも!接近して一気に終らせる!』ゴォッ!!
560 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 21:24:28.27 ID:B7kJjKAH0
杏子『マミ!こっちも遅れんな!』

マミ『ええ!登場早々悪いけど…消えてもらうわ!』ヒュゴッ!!


『ウフフ。ウフ♪』キイィィィ…


…ィィイイン

ヴィラル『うぐッ…!!なん、だ…この、不快な音は!?』

シモン『…………ッッ!頭が、割れそう…だ…!!』

杏子『う、あ…ぁぁぁ…!!』

マミ『何…この…引っ張り出されるよう、な…感覚…!』

さやか「ね、ねぇ。何かシモン達の様子がおかしいよ?」

さやか「っ!? ……や、だ… なによ…これ。頭が…っ!!」ガクッ

ほむら「この耳鳴り…精神攻撃…!?」クッ

…ビュンッ…ビュオッ!!

さやか「…また使い魔!? え…ちょっと、あれって…!」


ワルプルギス『キャハハハ!』

ワルプルギス『アハハハ!』
561 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 21:30:09.07 ID:B7kJjKAH0
さやか「まさか。そんな… 嘘、でしょ…」ボーゼン

ほむら「どうして…!六年前に倒したはずよ!?」

キュウベェ『あれは魔女がキミたちの記憶を覗いて作り出したニセモノだ!』

さやか「キュウべぇ!?」

マミ『…さっきの耳鳴りね?』

キュウベェ『でも気を付けて。ニセモノとは言っても、あれは相当高い魔力を秘めてる』

杏子『何だよこれ…ワルプルギスの夜がどんどん増えてるじゃねーか!!』

ほむら「私たち魔法少女の心に刻まれていた恐怖を、再生しているとでもいうの…」タジッ


ムガン『……』

AS機『……』


マミ『あれは…ムガンに、アンチスパイラルの…!』

杏子『ったく…見滝原に来てまで、あのブキミメカとご対面かよ!』チッ

ヒュンッ ヒラリ ヒラッ

ヴィラル『気をつけろ! コイツら…オリジナルよりも素早いぞ!』
562 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 21:35:06.58 ID:B7kJjKAH0
魔女『ウフフフフフ♪』


ほむら「そんな… ワルプルギスの夜まで…」ガクッ…

さやか「しっかりして、ほむら!」

さやか「数は多いけど…戦うしかないよ!」

さやか「それに、キュウべぇも言ってたでしょ!あれはニセモノだって!」

ほむら「……」

さやか「まどかが。まどかがわたし達のこと、信じて待ってるんでしょ!?」

ほむら「……ええ。そうね。その通りよ」

ほむら「…私としたことが。あなたに励まされるなんて」グッ…

さやか「行こう、ほむら!」タッ…!


ヴィラル「本体を狙おうにも…コイツらが邪魔を!!」

シモン「だったら…使い魔もろとも、本体をぶっ叩けばいい!!」ギュウゥゥゥン…!!

ヴィラル「そうか。その通りだなぁ!!」

シモン「食らえ!これがグレンラガンの…」

ヴィラル「フルドリライズ形態だ!!」ズバァッ!!
563 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 21:39:37.80 ID:B7kJjKAH0
ザシュッ…ズンッ!! ズドッ!


ワルプルギス『キャハハハ』ヒラリ

ムガン『……』ヒラリ


シモン「避けられた!?」

杏子『シモン!取りこぼしはこっちで拾ってやる!!』

マミ『これでも食らいなさい! トッカ・スピラーレ!』シュルルッ…ヒュンッ

ギュッ…ググググ…

ヴィラル「リボンで動きを…やるな!女ァ!!」

シモン「感心してる場合か!今のうちに本体を…!」


ワルプルギス『アハハハハ!』ピタッ

AS機『ケタケタ』ピトッ

ムガン『……』ピタッ


杏子『まだ残ってやがった!』

マミ『杏子!グレンラガンが張り付かれてる!』
564 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 21:44:44.51 ID:B7kJjKAH0
シモン「…ダメだ!振り解けねぇ!!」クソッ!

ヴィラル「マズイぞシモン!コイツら自爆する気だ…!」

シモン「離れ…やがれええええええええ!!」ギュウゥゥゥ…


ズガァァァン!ドゴォン!ドガアアァァン…!!


マミ『…シモン君!?』

杏子『おい…嘘だろ!?』


ワルプルギス『アハ!アハハ!』ピトッ


杏子『な!? ヤバ…!!』

……ボガァン!!


魔女『……♪』スイー…
565 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 21:50:33.25 ID:B7kJjKAH0
ほむら「まずい…魔女が!」ハッ

ほむら「離れて、さやか!爆薬を起爆させる!」ピッ

…ズドン!! ドン! ドガァン!!

さやか「ダメだ、ほむら!涼しい顔してる!」

ほむら「重火器の一斉射で…!」

ヒュン…ヒュン! ダダッ!!ズガガガガガ!!


ムガン『……』サッ


ほむら「邪魔よ!どきなさい!!」

さやか「使い魔が盾に!?」

さやか「だったら直接斬り付ける!」タタッ

さやか「ここは通さないって、言ってるでしょぉ!」ズバシュッ!!


ムガン『』

…パラ…パラ …ドン!!ドガン!


さやか「……っ! なんなのあれ!破片が爆発してる!!」クッ
566 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 21:53:37.85 ID:B7kJjKAH0
ほむら「魔女に届かない…届かない、届かない!!」

ズダダッ!…ダダダダッ!!

さやか「落ち着いてよ、ほむらぁ!」


魔女『ウフ。ウフフフ♪』キュインッ


……ゴアァァッ!!

さやか「うああぁぁっ!?」

ほむら「きゃぁっ!!」


………

杏子『大丈夫か、マミ!』キュウゥゥン…

杏子『ちっきしょ… こっちも腕やられちまったのか…』ガチッ、ガチッ…

マミ『そんな… シモン君が!シモン君が…!!』ポロポロ

杏子『マミ!しっかりしろ!!』

杏子『なっ…マギカのパワーゲージが落ちて… おい、どうした!!動け!!』
567 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 21:57:22.90 ID:B7kJjKAH0
−ほむらの家−

QB「……」

QB「まずいね」キュプ

まどか「…ど、どうしたの?」

QB「来るよ。魔女がこの場所に」

まどか「え…でも、そんな!ほむらちゃんやシモン君たちは!?」

QB「……」

まどか「嘘、そんなの嘘だよ!」

QB「逃げた方がいい」

まどか「でも、逃げるって何処に!?」

QB「考えるよりも、早くここを離れるべきだと思うね」

まどか「……っ!!」グスッ

ガチャ…バタン!

タッタッタ…


ワルプルギス『キャハハハハハハ!!』ビュオォッ

ムガン『……』ビュゥッ

魔女『フフ♪ウフ♪ウフフ♪』
568 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 22:00:00.00 ID:B7kJjKAH0
タッタッタッ…

まどか「そんな…なんでワルプルギスの夜が!? それもあんなにたくさん…!」

QB「きっとあの魔女の能力だ」

まどか「はぁっ、はぁっ、はぁっ…」タッタッタッタッ…


魔女『ウフフフ♪』ヒュンッ


QB「急ごう。どうやら見つかったみたいだ」


魔女『ウフ♪ウフ♪ウフフ♪』ヒュンッ…ヒュンッ


まどか「ひっ!?」

QB「あの腕でキミを捕食しようと狙ってる」

QB「どこか物陰に隠れ…」ズドンッ

QB「」パタリ…

まどか「キュウべぇ!?」


魔女『ウフ♪』シュルルルルッ

ズル…ズル… トプン


まどか「逃げないと…逃げ、ないと…」ガタガタガタガタ
569 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 22:02:04.97 ID:B7kJjKAH0
………

マミ「シモン君…!嘘よ!!返事して!ねぇ…お願い、お願いだから!!」

杏子「チクショウ!!何で動かねぇんだよ!頼む!頼むから動いてくれ!!」

杏子「ダチが…あたしのダチが危ないんだよ!!」ダンッ!ダンッ!

ググッ… ギギギギ…

マミ「!?」

杏子「…っ!!」

マミ杏「「グレンラガン!!」」

シモン『しっかりしろ!マミ!』ボロッ…

マミ「シモン…シモン君!?」ポロポロ

杏子「お、おい…大丈夫、なのか?」

ヴィラル『心配するな。たかが…機体の両脚と片腕をやられただけだ…』

ほむら「シモン…! 魔女、が… まどかのとこ、に…」ヨロロ…

シモン『俺たちに、任せろ…』

シモン『ヴィラル!』ガチッ

さやか「ラガンが…分離?」ヘ?

ヴィラル『しっかり掴まってろ』ガシッ
570 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 22:06:00.02 ID:B7kJjKAH0
ヴィラル『行…けええええぇぇぇ!!』ブンッ…!!

ビュオオオォォォォッ!!

シモン『うおおおおおおおおお!!』

ブータ『ブッキュウウウゥゥゥゥ!!』


魔女『ウフ♪ウフフフフフ♪』

シュルシュル…サワサワ


まどか「ひっ…嫌、いやだ、よ… 来ないでぇ!」ブンッ!

シュルルッ…トプン…

まどか「バットが…飲まれた…」ブルブル


シモン「ま、ど………かあああぁぁぁっっ!!」

ズダンッ!!


魔女『』


まどか「シモン君!?」パァッ

ドガッシャァァ!!ガラガラ…
571 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 22:11:01.58 ID:B7kJjKAH0
まどか「けほ…こほっ…」

シモン「大丈夫か、まどか…!」ポタ…ポタ…

まどか「うん…」グスン

まどか「! …シモン君、血が…」

シモン「安心しろ。ちょっと擦り剥いただけだ」


魔女『ウフ…』

ズルッ…ズルル…


まどか「あんな穴が空いてるのに… ま、まだ動くの…」

シモン「お前がまどかを取り込もうってんなら…」クルッ

シモン「まずは俺が!大グレン団の穴掘りシモンが相手になってやる!!」ググッ


魔女『ウゥゥ…ウゥ…ウゥ』

シュルルルッ… ヒュンッ ヒュンッ


シモン「な… なんだ、これ!…ぐぁッ!」

ググググ…ギチ、ギチギチ…

まどか「く、ぁ……が… 苦しい、よ…」

シモン「身体の力が、抜けて… どうなってやがる…力が、力が入んねぇ…!!」グタァ…

ブータ「ブーッ!!ブーッ!! ブキュッ!…ブッ!?ブイィィィ……」クタァ
572 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 22:13:12.78 ID:B7kJjKAH0
タッタッタッタッ…

杏子「まどかとシモン…何処だ!?」

マミ「いた…あそこ!」

キュウベェ「まずいよ!二人とも魔女に取り込まれかかってる!」

ズダンッ!!ズダンッ!!…キィンッ!!

マミ「そんな!攻撃が効かない!?」

シモン「う…ぐ、ぁ…」

まどか「ぁ…ぁ、あ…」

ヨロ…ヨロ…

ほむら「まどかあああぁぁぁ!!」

さやか「まどか!シモン!」

さやか「わたしの身体…もっと、もっと早く回復してよ!!」

杏子「チキショウ! …シモオオオォォォン!!」

キュウベェ「……」

キュウベェ「きゅっぷい」

ヒョコヒョコヒョコ

キュウベェ「どうやら。あの腕は穢れそのものだね」
573 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 22:16:44.95 ID:B7kJjKAH0
キュウベェ「あれに捕らわれれば。ジワジワと…生命力や因果を吸い上げられる」

キュウベェ「こうなってしまった以上、残念だけど」

キュウベェ「もう…どうしようもないよ」グッ…

マミ「だからって、見捨てられるわけないじゃない!!」

キュウベェ「キミならそう言うと思ってた」ニコ

マミ「キュウべぇ?」

テクテクテク…

キュウベェ「知ってるよね。ボクらはグリーフシードの穢れを吸収することが出来るって」キュプ

キュウベェ「でもそれは、何もグリーフシードじゃなくても構わないんだ」

ピタッ

キュウベェ「グリーフシードに封じ込められている形態が、一番吸収しやすいってだけでさ」

杏子「おい、お前何を…」

キュウベェ「これから二人を包んでる穢れを、ボクが全て吸収する」
574 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 22:20:57.26 ID:B7kJjKAH0
キュウベェ「みんなはその間に、二人を助け出してくれるかな」

ほむら「キュウべぇ!!」

キュウベェ「いくよ…」

キュウベェ「数千年溜め込まれたキミの穢れと。友だちを助けたいボクの気持ちと」

キュウベェ「どちらが強いか。根競べといこうじゃないか」キッ

スー… ズォォォォォォ…!!

キュウベェ「キュプ…キュ…キュップウゥゥゥ!!」

マミ「キュウべぇ!あなたそんなことしたら…!」

杏子「バカ野郎!キュウべぇの決意を無駄にすんじゃねぇ!!」

杏子「二人を引っ張り出すぞ!手ぇ貸せ!!」ググググッ

マミ「――――っ!!」グググッ…!!

キュウベェ「まだ…まだだ…ボクは、まだ…やれるぞ…!」

キュウベェ「キュ…プ… キュイイィィィッ!!」ズオォォォォ…

キュウベェ「さぁ、さやか!キミの剣でこの黒い腕を断ち切るんだ!」

さやか「…! うあああああああ!!」ザシュッ!

ズ、ボォッ…!

杏子「やった!引っ張り出せた!!」
575 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 22:23:51.42 ID:B7kJjKAH0
シモン「かはっ…けほっ… はぁっ、はぁっ… ありがとう、助かった…!」

まどか「げほっ…ごほっ、ごほっ… あれ、私… 生きてる…?」

ほむら「まどかぁ!シモン!二人とも…良かった!」ポロポロ

さやか「キュウべぇが…二人のこと命懸けで…」

マミ「もういい!二人とも助けたから!キュウべぇ!もう大丈夫なのよ!!」

キュウベェ「……」キュプ…

キュウベェ「ごめん…みんな。二人は助け出せた…けど」

キュウベェ「まどかの中の因果は…キュプッ…ほとんど取り込まれた、みたいだ…」

シモン「キュウべぇ、お前、身体が真っ黒に…!?」

ブータ「ブキュ――ッ!!ブゥッ!!ブィィィ!!」ポロポロ

キュウベェ「いいんだ、ブータ。これはボクがやりたくてやったことだから」ニコ

ブータ「ブキュ……」シュン…

キュウベェ「シモン、杏子。そしてマミ。キミたちと一緒に過ごして、ボクは色んなことを教えてもらった」

キュウベェ「人の強さ。弱さ。優しさ。喜び。悲しみ。怒り。そして誰かを愛するということ」

マミ「いやよ…キュウべぇ…」ポロポロ
576 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 22:25:32.85 ID:B7kJjKAH0
マミ「あなたは…」

マミ「一人ぼっちだった私の傍にずっといてくれた」

マミ「それは…私たちに酷いことしたこともあったけど」グス

マミ「でも。でもあなたは、言葉を失ってからもずっと私の傍にいてくれたじゃない!」

マミ「これからもずっと…私の傍にいてくれるんでしょ?ねぇ?」ポロポロ

杏子「マミ…」

キュウベェ「ごめんよ…マミ」

キュウベェ「感情を持ってしまったボクでは」

キュウベェ「今の。この瞬間の、この気持ちを。他の個体と情報共有することができないのが、本当に残念だよ」アハ…

キュウベェ「でも、だからこそ。これはボクだけのもの」

キュウベェ「ボクだけが見つけた宝物なのかもしれないね」

キュウベェ「ねぇ。シモン」

キュウベェ「ボクは…ちゃんと大グレン団の仲間になれたのかな?」

シモン「当然だ… お前は俺たちの!大グレン団の仲間、キュウべぇだろうが!!」

ブータ「ブーッ!!ブィブィ!!」
577 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 22:27:25.67 ID:B7kJjKAH0
キュウベェ「それを聞いて安心したよ」キュップイ

キュウベェ「さぁ。そろそろお別れだ。この穢れはボクが持って逝く」

キュウベェ「ありがとう。マミ、杏子、シモン。そして…ブータ。ボクの最高の友だち」

マミ「私、あなたのこと忘れないから。絶対…絶対忘れないから」グスッ

キュウベェ「嬉しいなぁ。こういうとき、キミたち人間は… いや、大グレン団では何て言うんだったかな」

キュウベェ「……」

キュウベェ「そうだ…思い出したよ」キュプ

キュウベェ「あばよ、ダチ公…」ニコ

パタッ……ボロ、ボロボロ…

………

……

578 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 22:31:17.94 ID:B7kJjKAH0
−−−−−−−−−−

魔女『……ウゥゥ…オォ、オォォォォォ…』


シモン「なんだ…どう、した…?」ヨロッ

ほむら「因果を吸収して…魔女が…変わる…」

マミ「…グスン…離れましょう。グレンに残ってるヴィラルさんも心配だし」

シモン「みんな、ラガンに掴まれ…!戻るぞ…!」カチッ

ガション、ガション、ガション…


杏子「ヴィラル!」

ヴィラル「喚くな…」ヨタッ

杏子「良かった、このバカ野郎が…!」グスッ

ヴィラル「バカは貴様だ。獣人の生命力を甘く見てもらっては困る」

シモン「大丈夫か、ヴィラル」

ヴィラル「こんなのは傷のうちに入らん」

ヴィラル「それよりも。どうなった」
579 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 22:43:48.16 ID:B7kJjKAH0
シモン「まどかは無事だ。だが…彼女の因果とやらが魔女に取り込まれた」

ヴィラル「因果?」

ほむら「人が人として。動物が動物として生きる限り、多かれ少なかれ抱えているものよ」

ほむら「生き物だけではないわ。万物に宿る…」

ヴィラル「単刀直入に言え。それが魔女に取り込まれるとどうなる」ギロッ

ほむら「…魔女は。更に強大に変化する」ガクッ…

さやか「嘘… なによ、あれ…」ガクガクガク…


魔女『オ…ォォォ…』

魔女『アアア…オア…アアアァァァ♪』


まどか「あ…あぁ…空が…魔女に覆われてく…」ガタガタ…

ほむら「救済の魔女… クリームヒルト・グレートヒェン…」

ほむら「あれが現出してしまっては…」ギリッ

ほむら「もう、どうすることもできない。私たちは…消滅するのをただ待つだけ…」ガクッ

マミ(ソウルジェムに濁りが…)

マミ「しっかりして、暁美さん!」ユサユサ
580 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 22:51:05.32 ID:B7kJjKAH0
ガラッ… ゴゴゴゴ…

グラグラグラグラ…


杏子「な、なななななんだ、これ?」

杏子「瓦礫や地面が引っぺがされて空に…」

ほむら「……あの魔女の仕業よ」

ほむら「まどかの次は、この見滝原という地に蓄積された因果を取り込むつもり」

ほむら「それだけじゃない。あれはこの星の生命そのものを吸い上げるわ…」ストン…

シモン「街の全てを覆う、ドーム状の魔女ってわけか」

まどか「あれが…私の、私の中にあった力が形作った魔女…なの…?」ペタン…

さやか「無理だよ… あんなの、わたしたちでどうにかできるわけないよ…」ガクッ

杏子「おい、さやか!? ソウルジェムが… まだ諦めんじゃねぇ!」


クリームヒルト『オォォォ…オォォオオ…』


マミ「……」フウ

マミ「ヨーコさんが言ってたわよね」

マミ「こういう絶対的ピンチをなんとかするのが、グレン団でしょ?って」ニコ
581 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 22:52:11.89 ID:B7kJjKAH0
シモン「その通りだ。それに…月に比べたら、まだ小さい方だろうしな」ニッ

ヴィラル「面白い。やはり貴様ら…グレン団の大バカ野郎と一緒にいると飽きないな」フン

杏子「…やるならさっさとやっちまおーぜ。二人のソウルジェムが真っ黒になる前にさ」

さやか「なに…言ってるの?マミさんも杏子もシモンも…」

さやか「空いっぱいに広がってるんだよ!? 街ごと吸い上げるような魔女なんだよ!?」ガクガク

シモン「あぁ。そうだな」

ほむら「あなたたち…本気なの?」シンジランナイ

ほむら「勝てるわけなんてないじゃない…」

さやか「第一、どうやって戦うってのさ!?」

さやか「腕一本しか残ってないグレンに、ボロボロのラガン… それに動かないグレンマギカで!」

さやか「……どうやって戦うってのさ…」グスッ

さやか「そんなの…絶対に無理だよ!!」ポロポロ

ほむら「ごめんね。まどか… 私、あなたを守れなかった…」クスン…

まどか「ほむらちゃん…」

マミ「美樹さん。暁美さん。大丈夫よ」ポフッ

杏子「そうそう。なんとかなるって」

シモン「二人とも。忘れたならもう一度思い出させてやる」

シモン「無理を通して道理を蹴っ飛ばす!それが…俺たちグレン団のやり方だ!」
582 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 22:55:07.36 ID:B7kJjKAH0
スタッ

シモン「よし、ラガン。まだ行けるな?」ガチッ…

ギュイィィィン…!!

シモン「ほむら。あの魔女に弱点はないのか?」

ほむら「……」

ほむら「……そんなの聞いてどうするつもり?」

シモン「決まってるだろ。この街を覆うあの天井をブチ破る」ニコ

ほむら「……」

ほむら「弱点になるかわからない。けど…ドーム状に延びた脚の付け根」

ほむら「そこが本体のはずよ…」

シモン「わかった」

ヴィラル「グレンマギカは動きそうか?」

杏子「ダメだ。さっきの爆発で腕と…頭を少しやられちまってる」

杏子「とてもじゃないけど、あそこまで高く飛べそうにない」クソッ

マミ「ヴィラルさんと杏子はここで待ってて」

マミ「私がシモン君と一緒に行くわ」
583 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 22:57:25.59 ID:B7kJjKAH0
まどか「マミ…さん…?」

さやか「ダメだよ、そんな…!」

マミ「私ならリボンと銃で遠近どちらの間合いにも対応できる」

シモン「……」

シモン「…わかった。行こう、マミ」

マミ「この街にあんな天井は要らないわ。突き破ってやりましょう?」クス

ヨイショット…

マミ「さすがに…大人になってのラガン二人乗りは、少し窮屈ね…///」

ギュゥギュゥムニムニ

シモン「あ、あぁ…///」

ヴィラル「準備はいいか、シモン」

ヴィラル「グレンの最後のパワーで…アイツに向けて、ラガンを思い切り投げ飛ばす!」ガシィッ!

シモン「こっちはいつでも大丈夫だ!」

ヴィラル「よし!……行ってこい!シモォォォォォン!!」ググッ………ブゥンッ!!


…ビュオォォォッ!!


ガシャ…ボロッ ゴトン…

まどか「残ってたグレンの腕が…」
584 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 23:02:37.53 ID:B7kJjKAH0
ほむら「バカ…二人とも大バカよ…」グスン

さやか「マミさん…シモン… なんで。なんでそこまでするんだよ…!!」


ビュ…オオォォォォッ!!

シモン「マ…ミ!しっかり、掴まってろ!!」

マミ「このままじゃ…届かない…!」

シモン「任せろ!ドリルを伸ばして…空中の瓦礫に!」

ギュンッ…ガスッ!!

マミ「シモン君!あの岩の上にラガンを乗せて!」

ガションッ!!…スタッ

マミ「ティロ…フィナァーレッ!!」ガシャコ…ダンッ!!

シモン「そうか、反動で…!!」ギュウゥゥゥン!!


ガ゙シャコ…ズダンッ!!

      ズドンッ!!ズドンッ!!


シモン「もう…少し、だ…届けえぇぇぇぇぇ!!」

マミ「あと…少し!もう少し!!」


クリームヒルト『オォ… オオォォォ…?』


シモン「今だ!突っ込むぞ!!」ガチッ!

ギュイイィィンッ!!

シモマミ「「ラガン…インパクトオォォォッ!!!!」」
585 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 23:07:37.52 ID:B7kJjKAH0
クリームヒルト『……オ、オ、オオオ…』


ガキィィンッ!!

シモン「チキショウ!ドリルが…弾かれた!!」ギリッ

マミ「ドリルでダメなら!食らいなさい!」

マミ「ティロ…フィn

ワルプルギス『キャハハハ!』ズイッ

シモン「使い魔だと!?」」

マミ(そんな!今撃っても魔女には届かない…!)

AS機『ケタケタケタ』ガシッ!!

シモン「ラガンが掴まれた…!」

AS機『……』ビュンッ!

マミ「私たちを…叩き付けようっていうの…!?」

シモン「マズイぞ…このままじゃペシャンコだ…!!」


さやか「シモン!マミさん…!!」

ヴィラル「おい!二人がヤバイぞ!まだ動かせないのか!?」ダンッ!

杏子「こっちだってやってるよ!!」カチッ カチッカチッ…

杏子「頼む…頼むから動けよ!!」アセッ

ほむら「シモン…マミ… そんな…」フラァ…
586 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 23:15:13.69 ID:B7kJjKAH0
バチ…
    バチバチッ


まどか「今の…何の音?」


『諦めないで!シモンさん!!』


バチッ…

バチバチバチバチッ!!

ヴィラル「あの声は…」

杏子「な、なぁ…これ。一体何の音だ?」

さやか「あ…あ、ああああああアワワワワワワ」アレ、アレ…

さやか「そ、そらに…空に船が出てきた!!」ミテ!

まどか「」

ヴィラル「あれは…ダイガンザン! いや、違うな。今は…」

ほむら「」


シモン「あれは…!ダイグレンじゃないか!!」


ガキィンッ!!

AS機『』ドガァン…!

ヒュゴオオォォォ…… …パシッ!


『大丈夫ですか、お二人とも!』キャッチ


マミ「た、助かったぁ…」ドキドキ

シモン「白いグレンラガン!?」
587 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 23:17:30.53 ID:B7kJjKAH0
『はぁぃ♪超銀河ダイグレンとアークグレンはダメでも…』

『ダイグレンで、間に合わせてきたわ♪』


マミ「あの声って…!」パァッ

リーロン『お・ま・た・せ♪ みんなのリーロンよぉ♪』

さやか「」

ほむら「」

ヴィラル「あの連中…ダイグレンを改修して転移させてきたということか!」


リーロン『あ〜ら。転移してきたのがダイグレンだけ。な〜んて思って?』ウフフ
588 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 23:20:20.52 ID:B7kJjKAH0
−見滝原市上空
    ダイグレン艦橋−

リーロン「…さぁてと。お外の状況は… シベラ?」ピッ…ピピッ

シベラ「敵本体、中型機を大量放出!!」

テツカン「未確認の機体に…アンチスパイラルの機体も確認!…凄い量だぞ、これ!」

アーテン「構うこたぁねぇ!!主砲発射アァ!!」ポチポチポチポチッ

ズドンッ!! ズダァンッ!!

ダヤッカ「よし!ガンメン隊の各ガンメンは、主砲発射後に全機出撃だ!!」ダンッ

ダヤッカ「ガバル!ダイグレンを盾にして、グレンとマギカを守れ!」

ガバル「ヨーソロー!任せとけ!!」グルルルルッ

グオォォォォォ…


ゾーシィ『さぁて。ぼちぼち行くぜぇ?』

ゾーシィ『敵はわっけわかんねぇ連中だ。…だがな。何も恐れるこたぁねぇ!』

ダレガコワガッテルッテ?

アンナヤツラ、ヘデモネェ!

ゾーシィ『テメェら!俺とソーゾーシンに続きやがれ!!』ゴォォッ!!
589 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 23:23:11.14 ID:B7kJjKAH0
キッド『おう!超銀河旋風ブラザーズの名を』

アイラック『こっちの世界にも轟かせないとな!』

キッド『キッドナックル!』

アイラック『アインザー』

キッドアイラック『『出撃!!』』ガシュンッ…ゴォォッ!!


レイテ「頼んだよ?お父ちゃん。あたしがあいつら直してる間、背中は任せたからね!」ニカ

マッケン『任せろ、レイテ。みんな、お父ちゃんもう一つ世界を守ってくるからな』

マッケン『モーショーグン…出陣!!』ガシャンッ…ガゴンッ!!


ジョーガン『魔女が何だ!』

バリンボー『俺たちの母ちゃんの方がもっと怖かったぞ!!』

ジョーガン『うはははははははは!!』

バリンボー『俺たちのツインボークンで全部喰らい尽くしてやる!!』ゴッ…ゴゴゴゴォッ
590 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 23:24:51.47 ID:B7kJjKAH0
リーロン「待たせたわね、続いて出ちゃいなさい!」

ダヤッカ「あれは!黒いキングキタン!?…誰が乗ってるんだ!」

キヤル『聞こえっか、シモン!今回はあたしも留守番じゃねーぞぉ!』

キヤル『兄ちゃんの分まで…大暴れしてやっからなぁ!』エヘヘ

キヤル『黒の兄弟三女。キヤル!キングキタンブラック!行くぜぇ!!』…ダダッ!!

ダヤッカ「あいつ、いつのまに…」ポカーン


ヨーコ『へぇ… マミ、杏子。ここがあんたたちの世界?』

ヨーコ『あの邪魔な天井がなければ、とっても良さそうなところね』ニコ

ヨーコ『後方支援は任せて!…ヨーコMタンク…行くわよ!!』ヒュゴッ


ギミー『隊長!俺たちも来ちゃいました!!』ニヒ

ダリー『水臭いですよ、隊長!シモンさん!』

ギミー『行くぞ、ダリー!グラパールのカッコイイとこ…この世界の人たちにも見てもらおうぜ!』ビュオッ

ダリー『ちょっと!待ちなさいダリーったら!!』ビュンッ
591 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 23:26:40.00 ID:B7kJjKAH0
リーロン「本当にいいのね?」

リーロン「ロシウ総司令」

ロシウ『もちろんです!』

ロシウ『アンチスパイラルとの戦いの時…僕はただ、待っているだけだった』

ロシウ『でも!今度こそ僕も。彼と、シモンさんと一緒に戦いたい!』

キノン『ロシウさん…』

ロシウ『やれるか?キノン』

キノン『当たり前です!!』

リーロン「なら任せるわよ!」

リーロン「各機!グレンラガン三号機を中心にフォーメーション組んじゃってぇ!」

『『『『『うおおおおおおお!!』』』』』

ダヤッカ「よぉし!大グレン団の旗を掲げろ!!」ビシッ!

ダヤッカ「魔女とやらに…俺たちの戦いを見せてやれ!!」

バサァッ!…バタバタバタバタ…
592 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 23:30:23.69 ID:B7kJjKAH0
ズダンッ!!ズドォォン!!ドォォン…

      ダダダダダッ…!ザシュッ…

           バシバシッ!ズギュンッ…!!


さやか「なんなの、これ…」ポカーン…

ほむら「何もかもが常識ハズレだわ…」

ほむら「使い魔とは言え…あれだけの大群を蹴散らすなんて…」

杏子「すっげぇだろ? これが大グレン団」ヘhッ

杏子「これが…シモンのドリルを信じて集まった連中ってわけさ」ニヒ

まどか「すごい…すごいよ、杏子ちゃん!!」パァッ

ヴィラル「大したものだ。あの男も、あの連中も」

杏子「……」

杏子「お前も。まだ戦えるよな?グレンマギカ!」カチッ…


グレンマギカ「……」ギュゥゥン!!


杏子「いい返事だ」

スタッ

杏子「さぁて。それじゃ…ちょっくら行って来るぜ!」

ヴィラル「待て。一人で動かせるのか?」

杏子「っても、マミはシモンのとこだしなぁ…」ウーン…
593 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 23:31:43.41 ID:B7kJjKAH0
スタッ

杏子「な、お前…」

ヴィラル「さっさとしろ。この俺が手を貸してやる」

杏子「ヘヘ…行くぜ、ヴィラル!」

杏子「グレンマギカ…発進だ!!」ジャキン!…ゴォォッ!


さやか「行っちゃった…」

ほむら「反則よ…」グスッ…ヒグッ…

ほむら「あんなの、見せられたら…」

ほむら「信じたくなっちゃうじゃない…」ポロポロ

ほむら「まだ…奇跡は起きるって。信じたくなっちゃうじゃない…!」ヒグッ…ヒグッ

まどか「ほむらちゃん…」ギュッ

まどか「ね。ほむらちゃん?」

まどか「きっと。あるんだよ」

ほむら「まど、か…?」

まどか「奇跡も、魔法もあるんだよ」ニコ

ほむら「――――っ!!」ポロポロ

さやか「奇跡も魔法もあるんだよ…かぁ」フウ

さやか「不思議だよね。あれ見てると、本当にそう思えてきちゃう」

さやか「昔も…そうだったっけ」エヘ
594 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 23:33:18.76 ID:B7kJjKAH0
シュタッ

ガションッ

レイテ「っと、こっぴどくやられたもんだね」アラマァ

ガションッ

シモン「直りそうか?レイテ」

まどか「マミさん!シモン君!」

レイテ「任せな。超銀河ダイグレンに搭載されてた修理ユニット持ってきてるからね」

レイテ「スペースガンメンってわけじゃないんだ」

レイテ「グレンとラガンなら、二十分…いや。十分でやってやるよ」ニヤリ

マミ「よかった…」ホッ

シモン「そうか、助かる!」

レイテ「お前ら気合入れて取り掛かりな!」

修理班「「「「おおおおおおおおお!!」」」」

レイテ「その間、あんたたちは傷の手当だ」ホラホラ

レイテ「そこの嬢ちゃんたち。手伝ってやってくれるかい?」

まどか「はい!」
595 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 23:34:46.65 ID:B7kJjKAH0
………

ロシウ『僕だって…大グレン団の一員だ!』

ロシウ『世界の一つや二つ、守ってみせる!!』ズババッ!!

杏子「気合入ってるじゃねーか、デコ助ぇ!!」ヘヘ

キノン『もう!杏子さん!!』プクー

杏子「怒るな怒るな」アハハ

ヴィラル「楽しそうだな、杏子」

杏子「あぁ。楽しいよ」

杏子「こうやって…みんなでバカみたいに騒げるのがさ!!」ガチッ… ギュイィィィィン!!

ジョーガン『祭りだ祭りだ!』ブチブチィッ

バリンボー『騒ぐぞ騒ぐぞ!!』ドガァン!!

杏子「あたしさ。わかったんだ」

ヴィラル「わかっただと?…何がだ」ドガガッ…ゲシッ!

杏子「お前がどう言おうと。お前がどう思おうとさ」

杏子「やっぱりあたしはあんたのことが好きだ」

ヴィラル「!?」ガガゴン!!

キヤル『お〜い、大丈夫かぁ〜?』

ヨーコ『なーに空中でズッこけてるのよ』
596 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 23:36:46.12 ID:B7kJjKAH0
杏子「種族が違う?身体が違う?考え方も違う?」

杏子「それがどうした!あたしにとっちゃ、そんなの関係ねーぜ!!」ヘヘン

ヴィラル「……」

杏子「ヴィラル!あたしは…あんたが大好きだ!!」ビシィッ!!

杏子「獣人だろうが人間だろうが関係ねー!不老不死がなんだ!」

杏子「何度でも言ってやる。あたしは!ヴィラル!お前が大好きだ!!」


ゾーシィ『おいおいおいおい…こんな時に愛の告白ってかぁ?若いねぇ!』ニヤニヤ

杏子「え」カァァッ

アイラック『へぇ?やるじゃないか、杏子』

キッド『こうも真っ直ぐだと…応援したくなるよなぁ!』

リーロン『お約束よね? 全機通信回線、大絶賛開放中よ♪』

マッケン『恋愛成就…』

ジョーガン『告白だー!』

バリンボー『結婚だー!』

キヤル『うっひゃああぁぁぁ///』

ヨーコ『ちょっと、それはさすがにいきなりすg

杏子「あぁ、もう!あたしは!自分の気持ちに嘘はつかない!」
597 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 23:38:46.35 ID:B7kJjKAH0
杏子「だから…ずっと、ずっとあたしと一緒にいてくれ!!」ビシッ!!

ギュゥゥゥゥゥンッ!!

ダリー『これって…プロポーズですか!?///』

ヨーコ『』

ヴィラル「」


リーロン「あらあら、まぁまぁ♪」

ダヤッカ「若いっていいなぁ…」シミジミ

ガバル「だなぁ…」シミジミ

アーテン「おぉっしゃぁ!祝福の花火だあぁぁぁ!!」ポチポチポチポチッ

ズダァァン!!ズッドォォォン!!

テツカン「おい、アーテン!まだ早い!返事を聞いてから…じゃなくて敵を狙えよ!!」コラー!

シベラ「で、でも…敵の動き、鈍ってます!!」

リーロン「マミと杏子が言ってたわ。魔法少女は希望の象徴。魔女は絶望の象徴だって」

リーロン「ひょっとしたら…今の杏子の気持ちが、絶望パワーをぐんぐん押し返してるのかもね?」

ダヤッカ「つまり?」

リーロン「愛は勝つ♪ってことよ」ハート

ダヤッカ「やっぱりそれかよ…」タラー
598 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 23:40:12.22 ID:B7kJjKAH0
ヴィラル「全く。貴様は戦闘中に何を考えている」

杏子「何って…そりゃぁ、お前のことだよ///」テレテレ

ヴィラル「馬鹿か!!」フン

ヴィラル「…救いようのない馬鹿に一つ言っておいてやる」ガチッ…!

ヴィラル「さっきの言葉。後悔しても…遅いからなぁッッ!!」

ギュィィィィン!!

杏子「ヴィラル…」グスン

杏子「後悔なんてするかよ。お前、あたしを誰だと思ってやがる?」ヘヘッ

ヴィラル「知ってるよ。大グレン団の…見滝原グレン団の、どうしようもない大馬鹿女だ!!」ズガガガガッ!!

アーテン『うっひゃああああああ!!』ヒャッホゥィ!

アーテン『こいつぁめでてえええええええ!!』ポチポチポチポチッ

ズドドドドーン!! ドカァァンッ!!

テツカン『』
599 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 23:46:27.53 ID:B7kJjKAH0
レイテ「なんだい、空の上は随分賑やかじゃないかい」チュイィィン… バチバチッ

さやか「杏子ったら…あんな大声で///」

マミ「杏子…」クス

ほむら「彼女らしいわね」

シモン「呆気にとられたヴィラルの顔が想像できるな」ハハ

レイテ「よぉし。こっちももう少しで修理が」

ゴゴゴゴゴゴ…

レイテ「な、なんだい…この揺れ!?」


クリームヒルト『オオ…オオオォォォォ…!!』


ヴィラル「何だ?…ヤツめ、何をする気だ」

ヨーコ『見て!あの使い魔ってのが集まってる…!』

ゾゾゾゾゾ…

グニャリ…

ググッ…ギギギギ…

リーロン『あれは…!』

ヴィラル『ラゼンガンだと!?』

シベラ『そんな…グランゼボーマまで!』
600 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 23:50:15.59 ID:B7kJjKAH0
シモン「……」

ほむら「…あれが何か知っているの?」

シモン「あぁ。ラゼンガンにグランゼボーマ。どちらも、俺達が戦った相手だ」

ほむら「そう。魔女が…桁外れの魔力を身に付けたことで」

ほむら「あなたたちの記憶から、一層強力な使い魔を生み出したのでしょうね」

レイテ「片方はダイガン級の大きさか」

レイテ「一筋縄で行きそうな相手じゃないねぇ」ヤレヤレ


キヤル『な…な、なんだよ、コイツ!!』

ヴィラル「ラゼンガンはこっちで引き受けた!」

ヴィラル「貴様らはあのデカブツを叩け!!」

キッド『わ、わかった!頼んだぜ、ヴィラル!』

ラゼンガン『……』シュンッ

杏子「速い!?」

ヴィラル「あれは…かつて螺旋王が駆っていた機体だ。油断するなよ、杏子!」

杏子「螺旋王…あのオッサンのガンメンってワケか」ググッ
601 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 23:53:27.31 ID:B7kJjKAH0
ガシィンッ!! ガキンッ!…ガシィィンッ!!

杏子「あたしの槍で一気に決めてやる…!」


ラゼンガン『……!』ギュウゥゥン!

ズドドドドドド…!!


杏子「ぐあぁぁっ! 全方位のドリル…アイツも使えるのかよ!!」

ヴィラル「あれは螺旋族の決戦兵器だ!グレンラガンを相手にしていると思え!」ググッ…ガチッ

ズババッ!…ガシィンッ

杏子「同じ技使ってくるってワケか!!」


グランゼボーマ『……』

キュンッ…ドガガガガガ…!!


キヤル『ちっきしょー…図体でっけークセに隙がねーじゃん!』プンスカ

ゾーシィ『おいおいキヤル。黒の三兄弟がこんぐれぇで音を上げるんじゃねぇ!』

アイラック『ああ。俺らが戦った本物のは、こんなもんじゃなかったからな』

ギミー『そう思えば、これくらいの大きさなら楽勝だぜ!』ヘヘーン

ダリー『こら!そうやって油断しない!』ビシッ
602 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 23:55:03.30 ID:B7kJjKAH0
グランゼボーマ『……』

ビシュンッ…!ズバババッ!!


ヨーコ『アイツ…ダイグレンを狙ってる!?』


ズドン!…ドガァン… ガゴン…ズダァン!

まどか「大丈夫だよ。ほむらちゃん…」ギュッ

ほむら「まどか…」

まどか「みんなが、ついてる」ニコ

さやか「……」

さやか「わたしって本当バカ。マミさんも杏子も。シモンもみんな戦ってるんだもん」

さやか「見滝原の平和を守るって決めたわたしが」

さやか「こんなところで何もしないわけにいかないじゃない」ダッ…

カツンカツンカツン…

ほむら「さやか!?」

シモン「さやか!」

マミ「美樹さん!ちょっと…!」

レイテ「ちょっとアンタ!!ダイグレンは戦闘中だ!勝手に上がったら危ないよ!!」
603 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 23:55:50.43 ID:B7kJjKAH0
レイテ「チッ…聞いちゃいないね」ピピッ

レイテ「ロン!一人跳ねっ返りの魔法少女がダイグレンに上がってった!」

レイテ「青い子だ。そっちで面倒見てやって!」ピッ

まどか「お、お手数お掛けします…」ペコ

レイテ「いーってことよ。あの子もシモンのダチなんだろ?」

レイテ「だったらあたしらのダチさ」ニカッ

まどか「は、はい!」

まどか(そういえば… シモン君のアニキさんも、同じこと言ってたっけ)クス
604 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/04(金) 23:59:24.99 ID:B7kJjKAH0
ヴィラル「ぐ…攻撃、防御、スピード…どれも向こうが上か!!」

ガギィンッ!!ガンッ、ゴガン!!

杏子「ちっきしょ…だったらこいつはどうだ!鉄砕鞭!!」ジャラッ…

ビュンッ…!!

杏子「…っ!! 片腕だと狙いが…!」


ラゼンガン『……』ヒラリ


ヴィラル「しまった…懐に入られるぞ!!」ギリッ

杏子「な…やべっ…!!」

ガシィンッ!!メキメキメキメキ… ……グシャァッ!!


ヨーコ『ちょっと!グレンマギカが…!!』

ダヤッカ「おい!あの潰された頭部…コクピットじゃないのか…!?」サァー…

リーロン「大丈夫よ。グレンマギカのコクピットは胴体だから」

リーロン「でも…マズイわね。頭部には生命線が搭載されてるのよ…」ハラハラ

リーロン「ラゼンガン相手にあの状態じゃぁ…」
605 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 00:02:15.37 ID:uoY45hyF0
バタンッ!!

ダヤッカ「なんだ、誰だ!?」

さやか「…っ、はぁっ…はぁっ…お願い!わたしにもガンメン貸して下さい!!」

リーロン「あら。レイテの言ってた跳ねっ返りってあなたかしら?」

さやか「美樹さやか!この街の魔法少女です!」ゼーハー

テツカン「貸すったってガンメンは全機出撃してるし、そもそも操縦できるのか?」

リーロン「……」ピコーン!

リーロン「ダヤッカ!シベラ!ここはお願い」パチンッ

リーロン「さやか、一緒に来て頂戴。テツカン、悪いけどちょーっと手伝ってくれるかしら?」

テツカン「いいけど?」

ダヤッカ「あ、おい!どうする気だ…!?」

ドゴォォン…ズガガガッ!!

シベラ「ダヤッカさん!敵の攻撃が本艦に集中してます…!!」

ダヤッカ「耐えろ!グレンラガンの修理が終るまで、なんとしても守り抜け!」
606 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 00:04:04.45 ID:uoY45hyF0
コツ…コツ…コツ…

バタンッ!

テツカン「これは、ラガンじゃないですか…!」

リーロン「アンチスパイラルとの戦いで、ラガンタイプが何機か確保できたじゃなぁい?」

リーロン「スペアパーツのつもりで、一体積んでおいたんだけど…」

テツカン「そういうことか!」

リーロン「メカを直接弄くるのは久し振りねぇ。ウフフ」ワキワキ

さやか「ラガン…?で、でも…こんな小さいのじゃあの魔女には…!」

リーロン「安心なさい、さやか♪」

リーロン「あなたの気持ち、ちゃぁんと届けて あ・げ・る から」ニコッ
607 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 00:06:58.85 ID:uoY45hyF0
レイテ「よぉし!グレンとラガンの修理完了だよ!」バンッ

シモン「ありがとう、レイテ!」

シモン「ヴィラルと杏子がヤバイ。早く行かないと…!」

レイテ「ちょい待ち。グレンは誰が動かすんだい」

シモン「」

マミ「そっか。ヴィラルさんがグレンマギカの操縦に回ってるから…」

まどか「……」

まどか「シモン君」

まどか「私、またグレンに乗っていいかな?」

シモン「まどか…?」

まどか「私から出た魔女のせいで、みんなが酷い目に遭うなんて嫌なの」

まどか「私の大好きな街が。大好きなみんなが苦しむの、黙って見てるなんてできないよ!」

シモン「…だったら。答えはもう、決まってるだろ?」ニコ

シモン「乗っていいかな。じゃなくて」

シモン「まどか。そいつはお前がやるんだよ!」ビシッ!

まどか「…うん!」
608 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 00:09:27.33 ID:uoY45hyF0
スタッ

まどか「ほむらちゃん!」スッ…

ほむら「まどか?」

まどか「一緒に、行こう?」ニコ

ほむら「……私。いつも貴女に助けられてばかりね」シュン…

まどか「そんなことない。ほむらちゃんは、いつも私を守ってくれてるよ」

ほむら「美樹さんのこと笑えない」

ほむら「バカね、私も。諦めるのが早かったみたい」

ほむら「行きましょう。まどか」ガシッ

まどか「えへへ。前のときと同じだね」

まどか「グレン!お願い…また、私たちに力を貸して!!」グッ…ガチッ!!

グレン「……」ギュゥゥゥンッ!!

ガション…ガション…

マミ「前と同じ、かぁ」

マミ「それなら…」ストンッ

マミ「私はやっぱりこっちに乗らないとね?」

シモン「マミ。今度の操縦は少し荒くなるぞ?」

マミ「大丈夫よ。私ももう大グレン団のガンメン乗りなんだから」クス
609 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 00:15:23.70 ID:uoY45hyF0
杏子「はぁっ…はぁっ…!!」

ヴィラル「お前たち魔法少女の力と連動するシステムが破壊されて」

ヴィラル「こうして、ヤツとまだ対峙できているだけでも大したものだ」ギリッ…

杏子「あのオッサン…こんな強かったのかよ」

ヴィラル「元はアンチスパイラルに戦いを挑んだ螺旋の戦士だからな。当然だ」

ヴィラル「……」

ヴィラル「…フ。フハハハハ! そうだ。…俺は何を恐れていた」ニヤッ

杏子「どうしたんだ?」

ヴィラル「良く聞け、杏子」

ヴィラル「目の前のあのラゼンガンは、螺旋王では…ロージェノムではない」

ヴィラル「あれは所詮魔女が俺たちの記憶から創り出したものだ」

杏子「んなこと言ったって!パワーもスピードもあっちの方が…」

ヴィラル「よく考えろ。ヤツよりも俺たちが勝っているものがある」
610 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 00:17:17.63 ID:uoY45hyF0
杏子「え…?」

ヴィラル「それは。……気合だぁッ!!」ガチッ…グググ…

ガキィンッ!!ガシッ…ズバァッ!!

杏子「何を言うかと思ったら…」

杏子「でも。気合、か。いいね!それ。あんたらしいよ!」ニカッ

ヴィラル「どうした、ニセモノ!! 螺旋王の…ロージェノムの気迫は、覚悟はこんなものではなかったぞ!!」


ラゼンガン『……!』


杏子「頭潰したくらいでいい気になってるんじゃねーよ!」

杏子「腕一本と頭。あたしらにとっちゃ、丁度いいくらいのハンデってやつさ!」

バキィッ!!ズドンッ…!!


シベラ『グレンマギカ…損傷した状態でラゼンガンと渡り合ってます!』

ダヤッカ『グレンの修理が完了した! ダイグレン!微速前進、高度を上げるぞ!!』

リーロン「あら。せーっかく仕上げたのに、無駄だったかしら?」

テツカン「何言ってんですか!この後にまだ親玉が控えてるんですよ」

テツカン「無駄になるわけないじゃないですか!」

さやか「」ドキドキドキドキ
611 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 00:19:47.82 ID:uoY45hyF0
リーロン「やり方は分かったわね?」

リーロン「難しいことは考えず、要は気合よ♪」

さやか「ありがとう。リーロンさん、テツカンさん」

さやか「わたし。やってみるよ」

さやか「誰かを助けたくて。平和を守りたくて魔法少女になったって気持ち」

さやか「こんなところで無くすわけにはいかないものね」ヘヘッ

リーロン「行ってらっしゃい、さやか」

テツカン「頑張ってこいよ!」グッ

リーロン「幸運を祈ってるわ」チャオ

さやか「はい!」

ガションガションガション… ダダッ!!

イヤアアァァァァ!!タカイヨオオォォォォ…!

テツカン「だ、大丈夫かなぁ…」

リーロン「大丈夫よ。女の子はいざとなったら強いんだから♪」パチン
612 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 00:23:44.39 ID:uoY45hyF0
ガゴォン!! バキィッ!!

ヴィラル「クソ!決定打が足りん!!」

ヴィラル「杏子!何か隠し球はないのか!?」

杏子「無茶言うなよ!魔法少女の力も使えないんじゃ、格闘で手一杯だ!」


『お待たせ!杏子ちゃん、ヴィラルさん!』

『グレン…ブウゥゥゥメランッ!!』ブゥンッ!

…ドガシャァッ!!


ラゼンガン『……』ギギ…


ヴィラル「グレン!それにラガンも!直ったのか!!」

シモン『待たせたな、ヴィラル!』

ガションガション…

まどか『シモン君!合体してグレンラガンで!』ズサァッ

シモン『……いや。どうやらここは俺たちの出る幕じゃなさそうだ』ホラ

ほむら『空の上から、何か来る』

マミ『あれって…蒼いラガン!?』

リーロン『杏子!ヴィラル! とびっきりのプレゼントを用意したわ!』

ヴィラル「プレゼントだと?」
613 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 00:27:18.65 ID:uoY45hyF0
ッキャアアアァァァァァ……

『……あああああああぁぁぁぁぁぁ!!』ヒュゴォォォ…!!


さやか『グレンマギカアァァァ!!』ゴオォォォ…

さやか『新しい顔だよ!受け取ってえぇぇぇ!!』ナンチャッテ

杏子「さやか!?」

さやか『杏子おぉぉぉ!!いくよ!合体だ――――!!』

ヴィラル「杏子!機体を起こせ!」

グッ…グググッ…

…ガキイィィィン!!

杏子「さやか!そのラガン…お前が動かしてるのか!?」マジデ?

ギュ…イイィィィィンッ!

ヴィラル「ソウルゲージ…フルチャージ!いけるぞ、杏子!!」

さやか「やったぁ!合体成功!! さっすがさやかちゃん!」エヘン

杏子「大丈夫なのか、お前…」

さやか「心配掛けてごめん。でも、もう平気だから」ウン
614 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 00:30:53.54 ID:uoY45hyF0
ヴィラル「そうか。ならば」

杏子「アレしかねぇな!!」ヨッシャ!


ヴィラル「…人と獣と魔法の道が!絡んで紡ぐ三重螺旋!!」

さやか「二つの世界を希望で繋ぎ!友の想いをこの手で守る!!」

杏子「魔 法 合 体 ! グ レ ン マ ギ カ !!」ガシィンンッ!!


テツカン『上手くいったみたいですよ!』ヤッタ!

リーロン『当然よ。せっかくラガンにソウルエンジン積んだんですもの』

リーロン『上手くいってもらわないと困っちゃう♪』フフ


マミ『向こうはもう大丈夫みたいね?』

シモン『あぁ、負けてらんねぇ!! まどか!ほむら!こっちも…合体だ!!』

ガションガション… ダダッ!!

まどか『うん…!!』ガチッ…

ジャコンッ!
615 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 00:37:45.08 ID:uoY45hyF0
ガキィィンッ!!

シモン「無茶で無謀と笑われようと!意地が支えの喧嘩道!!」

マミ「壁があったら殴って壊す!道がなければこの手で創る!!」

ほむら「心のマグマが炎と燃える!」

まどか「超 絶 合 体 ! グ レ ン ラ ガ ン !! 」ガシィンンッ!!


シモヴィラ「『俺を!!』」

マドホムサヤマミ杏「「「『『私たちを!!』』」」」

「「「「『『『誰だと思っていやがる!!!!!!』』』」」」」


ヨーコ『シモン!』

ロシウ『シモンさん!』

ギミー『おっそいですよ、シモンさん!!』

シモン「待たせたな、みんな!」

シモン「行くぞ…大グレン団!そして見滝原グレン団!」

シモン「正真正銘!!これが最後の…戦いだ!!」
616 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 00:40:45.15 ID:uoY45hyF0
ラゼンガン『……』

グランゼボーマ『……』


シモン「螺旋王もアンチスパイラルも、やり方は間違っていたかも知れない…」

シモン「だがな!あいつらには地球を…宇宙を守るという、決意が!覚悟が!信念があった!!」

ヴィラル『その通りだシモン! 魔女の創り出した、形だけの人形など恐れるに足りん!』

シモン「…中身のねぇハリボテで、俺たちを止められると思うな!!」


さやか「ここは私に任せて!!」グッ…

ギュンッ!

杏子「腕が再生した!? そうか!さやかの回復能力か!」

さやか「魔法少女と同じ戦い方が出来るんだよね?」

さやか「だったら、これだぁ!!」ジャキィン!

ヴィラル「剣か!さやかとか言ったな。いい選択だ!!」

さやか「少しくらいのダメージなら、わたしが回復させる!だから!」

杏子「おう!頼んだぜ、さやか!」

ヴィラル「思いっきりやらせてもらう!!」
617 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 00:43:43.33 ID:uoY45hyF0
ギャリィンッ!…キンッ!!

     …ザシュッ、ズバァッ!!

ラゼンガン『……!!』ピシッ…

ラゼンガン『…ギガドリル…ブレイク…』ギュィィンン!

ヴィラル「言っただろう。見せ掛けのドリルなど…!」

さやか「ヴィラル!剣、でっかくするよ!」

さやか「…超!マギカブレイド!!」ズァッ!

ヴィラル「恐れるに…足りんとなぁ!」ググッ… ブゥンッ!!

杏子「ぶったぎれええええええええッッ!!」


ガギィン!!ガリッ!ガリガリガリ……ズバンッ!!


ラゼンガン『』

ピシッ…ボロ…ボロ…

     …ドガアァァァン!!


さやか「やったぁ!一刀両断!」

杏子「よっしゃぁ!残ってるのは…!」
618 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 00:46:38.76 ID:uoY45hyF0
グランゼボーマ『……』


ほむら「なんて大きさなの…」

まどか「でも、ほむらちゃんと…みんなと一緒なら怖くない!」ググッ

シベラ『敵、ダイガン級からミサイル多数射出されました!』

ダヤッカ『奴の狙いはダイグレンだ!もっと上昇させて街への被害を少しでも減らせ!!』

ドガ…ドガガガガガ……

キヤル『魔女のやつ…自分は空の上で余裕の見物かよ!』キー!

アイラック『それにしても何て手数だ…!』

シモン「怯むな、みんな!」

マミ「当たり前よ!これだけの仲間がいるんですもの」

まどか「何も恐れる必要なんてない!」ググッ

ヨーコ『その通りよ!』

ロシウ『シモンさん!』ゴオォォ…

キノン『戦いが長引けば街も住民も危険です! 一気に決めましょう!!』

ヴィラル『待たせたな、シモン!』

杏子『こっちは片付いたぜ!』
619 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 00:49:42.12 ID:uoY45hyF0
ダヤッカ「ガバル!艦首を上げろ!」

ガバル「どうするつもりだ!」

ダヤッカ「あのデカい壁をブチ破れば…後は親玉だけなんだろ!」

ガバル「よしきた!コイツで突っ込むってこったな!」グルグルルッ

ゴゴゴゴゴ…

シモン『ダイグレン!どうするつもりだ!?』

ダヤッカ「ガンメン隊は露払いを頼む!」

ダヤッカ「グレンラガンとマギカはダイグレンに飛び乗れ!」

杏子『なんかわかんねーけど。わかった!』シュタッ

ヴィラル『デカいのにはデカいのをぶつけるってわけか。気に入ったぁ!!』

ほむら『まどか。私たちも!』

まどか『うん!行こう、シモン君!』シュタッ


ロシウ『シモンさんたちの!』

キノン『邪魔はさせない!!』バシィッ!!

ヨーコ『ダリー!キッド!アイラック!ミサイル、全部撃ち落すわよ!!』
620 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 00:52:02.51 ID:uoY45hyF0
ゴゴゴゴォォォ…!

ダヤッカ『突っ込むぞおおぉぉぉぉ!!』

ガバル『包丁アンカアァァァッッ!!』バシュンッ!!

ズド…ン!


グランゼボーマ『……ウゴォォォ!!』


ズズズズズ……

ダヤッカ『アーテンボロー!』

アーテン『ガッテンだ!全砲発射ぁぁぁ!!』ポチポチポチポチッ!!


ズダン!ズドン!ズドン!!

      ズドン!!ズダンッ!!

           ドンッ!ドガン!!…ドゴォォォン…!


グランゼボーマ『』


ギミー『やった!!』

シベラ『敵ダイガン級沈黙!エネルギー体になって霧散していきます!』

ドガァッ!!…ドガン!! ズドドドドド…
 

クリームヒルテ「オォォォ…オォ、オォォォォォ!!」


マミ『魔女への道が開いた!!』
621 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 00:54:14.48 ID:uoY45hyF0
ダヤッカ「シベラ!ガバル!カタパルトアームでグレンラガンとマギカを掴め!!」

シベラ「りょ、了解!」

ガバル「よっしゃぁ!!」

ウィィン… ガシッ!ガシン!

まどか『もう、終らせなくちゃ!』

さやか『わたしの友だちを…この街を、お前の好きになんてさせない!』

シモン『行くぞ!ヴィラル!』

ヴィラル『おおおおおお!!』

ダヤッカ「カタパルトアーム!投擲いいいぃぃぃッッ!!」

ブンッ……!! 
        ブンッ……!!

ほむら『食らいなさい…!』ブンッ!

ジャキジャキィン!

ほむら『あなたに救われなくても!』

マミ『私たちは!自分の足で歩いていける!!』


クリームヒルト「ア…アアァァァァ!!ァァァ!?」グッ…グググッ…!!


杏子「これで決めるぜ!!」
622 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 00:57:08.44 ID:uoY45hyF0
まどほむさや「「『ギィィガァァ……!ドリルゥゥゥ…!!』」」

シモマミ「「………ブレェェェイクウゥゥゥゥッッ!!」」

ヴィラ杏『『ツイン!スパイラァァルッッ!!』』


ヨーコ『あれは…紅と蒼のギガドリルブレイク!?』

リーロン『今よ!』


まどほむ「因果も!!」

さや杏『呪いも!!』

ヴィラル『全部まとめて…』

シモマミ「「貫けえええええぇぇぇぇぇっっ!!」」

ギュイイィィィンッ!!…ガリッ! ギュルルルルル…!

シモン「これが!大グレン団の!!」

まどか「見滝原グレン団の!!」

シモまど「「天と明日を創るドリルだあああぁぁぁっっ!!」」


クリームヒルト『アァ!?アキャ…キャ、キャ…ヒイイィィィィ!!』


ズッ………ダンッ!!

       ズド…ン、ドガアァァン…!!

…………

シュピィン!!…ジャキンッ
623 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 01:01:53.75 ID:uoY45hyF0
ほむら「やった…やったわ、まどか!」

まどか「うん…うん…!!」ポロポロ…

さやか「さぁっすがさやかちゃん!さぁっすがグレン団!」エッヘン

杏子「ヘヘッ… あたしらの、勝ちだ。ざまぁ見やがれ…!」

ほむら「まどか… まどかぁ!」ダキッ

まどか「ヒグッ…ウエェン… ウワアァァァン…」ギュゥゥ…

さやか「見て!あんなに荒れてた空が晴れてく!」

マミ「終ったのね…これで、全部」フゥ…

シモン「あぁ」コク

ヴィラル「そうだな…」

−−−−−−−−−−
624 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 01:08:01.27 ID:uoY45hyF0
オーライ!オーライ!

ソノママオリテー!

シュゴオォォォォ……… ズ…ガシュゥン

ガバル「ふう。ダイグレン、着陸成功だ」

リーロン「ドンパチやってる時より、こっちの方が気を遣うわね」フゥ

シベラ「向こうと違って…ダイグレンが降りれそうな広い場所、なかなかありませんものね」クス

ダヤッカ「しかし、終わったんだな。やっと」ヤレヤレ

リーロン「だいぶ消耗しちゃったけど。この調子なら一週間もすれば」

リーロン「カミナシティに帰るだけのエネルギーがチャージできそうよ?」

ロシウ「そうですか。それなら安心です」ヨカッタ

ロシウ「シモンさん、リーロンさん。この場はお二人に任せて大丈夫ですか?」

シモン「俺はいいけど。何か用事でもあるのか?」

ロシウ「ええ。一度お会いしておきたい方が」

ロシウ「キノン、一緒に来てくれるか?」

キノン「はい!」タッタッタ…

リーロン「あら。彼ったらこっちに知り合いでもいるの?」

シモン「いや…そんなはずないと思うんだけど」

リーロン「あの子が会いたがりそうな人、ねぇ…」
625 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 01:09:57.65 ID:uoY45hyF0
リーロン「…ねぇ。シモン」

リーロン「ひょっとしたら…彼」

リーロン「とんでもなくステキな奇跡を起こしてくれるかも知れないわよ?」

シモン「……?」


ヨーコ「良かった。みんな無事で」

ジョーガン「おう!俺たちにかかれば!」

バリンボー「あんなヤツらなんでもないぜ!」

レイテ「おとうちゃんも、お疲れ様」ニッ

マッケン「あぁ」ニッ

ギミー「街、だいぶ壊れちゃったな」

さやか「大丈夫だよ。壊れたらまた、作り直せばいいんだからさ」エヘ

ほむら「そうね。それよりも…」

ほむら「大グレン団のみなさん」

ほむら「私たちを、私たちの大切な友だちを助けてくれて…本当に」

ヨーコ「待った。頭なんて下げないでよ」ホラホラ
626 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 01:11:45.33 ID:uoY45hyF0
ヨーコ「ここに居る連中、どうせみんな暇でお祭り騒ぎが好きなだけなんだから」クス

ゾーシィ「うるへぇ!」ガー

キヤル「でもさ。ヨーコの言う通りだぜ。それにお前らも、グレン団なんだろ?」ナッ?

キッド「だったら、世界は違っても。俺らは仲間ってワケだ!」

アイラック「仲間を助けるのは当然だからな。そんな他人行儀な礼などいらないよ」フッ

まどか「みなさん…」ジワッ


オーイ、マドカァ!

ブロロロロロ… キキッ!

バタンッ!


詢子「まどか!」タッタッタ…

知久「まどか!」

達也「ねーちゃん!」

まどか「ママ!?それにパパもたっくんも!?」

詢子「よかった、無事だったんだね?」ダキッ

まどか「ママ。私、諦めなかったよ。ママが言ってた通り…足掻いて良かった」エヘ

詢子「それでこそあたしの娘だよ」ニッ
627 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 01:13:14.61 ID:uoY45hyF0
詢子「ところで…」

詢子「…やっぱりあんただったんだね。シモン」

シモン「詢子!」パァッ

知久「見たこともない船が空なんて飛んでるから、もしかしてと思って来てみたんだ」

シモン「知久! 久し振りだ…本当に!」

詢子「あんなに小さかったガキンチョが、すっかり大きくなっちまって…」グスン

詢子「お帰り。シモン」ギュッ…

知久「お帰り、シモン君」

シモン「ただいま。詢子、知久、達也」ニコ

詢子「帰って来たと思ったら、またみんなのこと助けてさ。本当。大した男だよ、あんた」ニカッ

達也「この人が、おねーちゃんがいつも話してたシモンにーちゃん?」キラキラ

まどか「そうだよ? シモンにーちゃんはね、とっても強くてカッコイイの」ニコ

シモン「達也も、随分大きくなったな」ハハ

達也「僕も大きくなったら、シモンにーちゃんみたいになれるかな?」

シモン「俺みたいに?」

まどか「うん。諦めなければ、きっとなれるよ」ニコ

−−−−−−−−−−
628 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 01:15:53.67 ID:uoY45hyF0
−ラーメン屋跡地−

店主「それにしても…坊ちゃん嬢ちゃんたちに、またこの街が救われるとはなぁ」オドロイタ

店主「店は壊れちまったが、材料と器具はどーにか掻き集めた!」

店主「さぁ!思う存分食ってくれ!!」ガハハ

「「「「「いっただっきまーす!!!!」」」」」

ズルルルー…ハフハフ

チュルルッ! ウンメェ!!

ヴィラル「ほぉ。これがラーメンというものか」ズルルルル…

ジョーガン「うめぇ!!」

バリンボー「おかわりだ!!」

リーロン「ちょっと。やだこれ、クセになっちゃいそう」チュルルン

ヨーコ「へぇ?美味しいじゃない♪」チュルルッ

まどか「でしょ?みんなで食べてるから、一段と美味しいのかも♪」

杏子「ハフハフハフ! ズルルルルー…おかわり!」ハイ

シモン「ズルルルッ…ゴク…ゴク…俺も!」ハイ

マミ「シモン君も杏子も、そんな慌てなくてもいいのに…」ハフハフ

さやか「ねぇ、ほむら」チュルチュル

ほむら「何かしら?」ハフハフホムホム

さやか「みんな、約束守ってくれたね」ニコ


さやか『またラーメン食べに来おいでよね!絶対に!』

シモン『あばよ、なんて台詞は言わねぇ!! また会おうぜ!見滝原グレン団!!』

まどか『うん… 絶対また会おうね、シモン君!』


ほむら「……そうね」フフ

ほむら「こんな大所帯で食べに来ることになるとは、思ってもなかったけど」クス…

−−−−−−−−−−
629 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 01:21:56.52 ID:uoY45hyF0
−修理中の教会−

トンテンカン… トンカントンカン…

マッケン「だいぶ綺麗に片付いたな」

杏子「みんなのお蔭だよ」

ヴィラル「あんなに荒れ放題だったものが…見違えたな」

キッド「なんたって、焼けたり壊れてたりしたとこ、ぜーんぶ修理したからな!」

ギミー「ペンキも塗り直したしね!」ヘヘン

ガバル「大工仕事なら任せておけ」ドウダ!

ダヤッカ「穴倉暮らしの頃から鍛えてきたからな」

知久「シモン君、この箱動かすからそっち持ってくれるかい?」

シモン「わかった。持ち上げるぞ知久。せー…のっ」ヨット…

達也「パパ、シモン兄ちゃん。僕も手伝うよ」ヨイショ

ロシウ「その荷物は、君には少し重そうだ。僕も手伝うよ」ヨイショ

杏子「ちょ、ちょっとロシウ!あんたまで何やってんのさ!?」アタフタ

ロシウ「いいんですよ、杏子さん。こうして皆さんと一緒に。一つになって力を合わせる…」

ロシウ「僕が忘れかけていたことを、みんなが思い出させてくれたのですから」

アイラック「そうそう。総司令だろうがリーダーだろうが、手が空いてたら使えってな?」

ダヤッカ「ま。それが俺たちのやり方だしな」ハハハ

詢子「ほら、野郎ども!飯が出来たよ!!」

レイテ「詢子とあたしで作った飯だ。残したら承知しないよ?」

ヤッホォゥイ!

マッテマシター!!

−−−−−−−−−−
630 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 01:23:23.80 ID:uoY45hyF0
−翌日・教会−



……

………

さやか「杏子、すっごく綺麗」

まどか「杏子ちゃん、とっても素敵だよ♪」

キヤル「似合ってるぜ!杏子!」グッ

ほむら「馬子にもなんとやらね」フフ

杏子「あ、ありがとな///」

マミ「ほら、そろそろ時間よ?」

杏子「う、うん…」スッ…ヨタヨタ

ヨーコ「気をつけなさい? 慣れない靴でもしっかり歩かないと。途中で転ばないようにね」クス

ダリー「とってもお似合いです。隊長」エヘ

杏子「こんな時まで隊長はよしてくれよ…」タハハ

マミ「幸せになってね。杏子」ニコ


リンゴーン ガラーン ゴーン


オ、デテキタデテキタ

ヒューヒュー!!

フタリトモシアワセニナー!

ステキー!
631 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 01:24:39.39 ID:uoY45hyF0
ロシウ「汝、病める時も健やかなる時も…」

………

杏子「はい。誓います」

ヴィラル「あぁ。誓おう」


ロシウ「それでは。神の御前にて誓いの口付けを…」

ヴィラル「……」スッ…

杏子「……」

ピーッ!ピーッ!

ワアァァァ!!キャー!オニアイヨー!

メデテエェ!シアワセニナレヨー!!

ヒューヒュー!!

パチパチパチパチ…


ダヤッカ「さぁみんな。今日はめでたい日だ!」

ダヤッカ「存分に飲んで食って…二人の門出を祝おうじゃないか!」

オオー!

クウゾクウゾ-!

サケモッテコーイ!!

………

……

632 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 01:26:56.50 ID:uoY45hyF0
コツ…コツ…コツ…

シモン「……」

リーロン「あら、もう行っちゃうのね」

ロシウ「シモンさん…」

シモン「二人の幸せそうな姿を見れたんだ。安心したよ」

リーロン「そう。寂しくなるわ」フフ

シモン「世話になったな。ロシウ、リーロン」

ロシウ「シモンさん!あなたさえ良ければ、もう一度カミナシティの…!」ズイッ

シモン「……」

シモン「…俺は、穴掘りシモンだから。掘った穴を通るのは、もっと相応しいヤツがいる」

シモン「ロシウ。これをギミーに渡してやってくれないか」スッ…

ロシウ「コアドリル… わかりました。確かに僕の手から渡します」コク

コツ…コツ…コツ…

マミ「それじゃ、行きましょう?シモン君」

シモン「マミ!? 何でお前がここに…」

マミ「シモン君の考えそうなことくらいお見通しよ?」
633 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 01:28:19.39 ID:uoY45hyF0
シモン「マミ!? 何でお前がここに…」

マミ「シモン君の考えそうなことくらいお見通しよ?」

マミ「それに。こっちの世界のこととか、わからないことばかりでしょ」

マミ「だから私も一緒について行くわ」

シモン「気持ちは嬉しいけど… 俺は」

マミ「ストップ。その先は言わなくても分かってるから」

マミ「でも、私はそれでも構わないの」

マミ「それに。私もニアさんと約束したんだから」グッ

マミ「ずっと…シモンを支えてあげるって」

シモン「ニアと…? そうか…」

リーロン「アナタの負けよ。シモン」

リーロン「女はね。一度こうと決めたら男よりもずっと頑固なんだから♪」ウフフ

マミ「さっすがリーロンさん♪」ソユコト

シモン「覚悟を決めろ…ってこと、か」フゥ

シモン「敵わないな」ハハ

シモン「わかったよ。行こう、マミ」ス…

マミ「ええ。ニアさんの憧れていたこの世界から。ニアさんの夢を叶える為に」ギュ…

シモン「後は頼んだぞ。ロシウ」

ロシウ「…任せて下さい」

マミ「元気でね、ロシウ君。無理して身体壊さないように」

ロシウ「ありがとうございます。マミさんも、どうかお元気で…」コク


リーロン「楽しかったわよ。二人とも」ニコ

………

……

634 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 01:30:25.10 ID:uoY45hyF0
杏子「そっか。行っちゃったのか…アイツら」グスン

ロシウ「はい…」

ヴィラル「全く。ヤツらしいな」

まどか「私、まだちゃんとお礼も言ってないのに…」ポロポロ

詢子「泣くんじゃないよ。アイツの…アンタらの大事なダチの旅立ちなんだ」

詢子「笑顔で送ってやろうじゃないか」ポフ

まどか「うん…」グス

ほむら(シモン。あなたには何度も助けられた)

ほむら(…また。いつか会える日が来るといいわね)

ほむら(そしたらその時は、ちゃんとお礼を言わせてもらうから)

さやか「シモン、マミさん… また会えるよね?」ジワ…

杏子「ったりめーだろ」ポロポロ

さやか「ありがとう、シモン」

さやか「きっとまた。見滝原に帰ってきてよ」ニコ

ヨーコ「ほーんと。じっとしてるのが苦手なんだから」フゥ

詢子「あの子はそういう子さ」ハハ

ギミー「シモンさん…」

ダリー「ギミー。これから私たち、もっともっと頑張らないとね」

詢子「しっかりやりなよ?あんたたち。いつかまたシモンに会った時に」

詢子「アイツが驚くような、でっかい大人になりな」クシャクシャ

ギミー「詢子さん… …はい!」

達也「僕もがんばる!」

ギミー「あぁ。達也。お互い頑張ろうな」ヘヘッ
635 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 01:31:38.48 ID:uoY45hyF0

まどか(シモン君。きっとシモン君はもう、とっくにアニキさんの背中に追いついてるよ)

まどか(でも。もっともっと。さらにその先までシモン君は歩いていくんだね)

まどか(私も、いつかまた会えた時に… 胸を張って誇れるように。この時間を精一杯生きていくから)

ほむら「まどか…?」

まどか「私たちは…あなたの創ってくれた大きな… とっても大きな穴を徹って、明日へと向かいます」

まどか「また。また会おうね。穴掘りシモン」ポロポロ…

………

……



−−−−−−−−−−
636 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 01:32:48.16 ID:uoY45hyF0


……

………

−コレハナ島−

ヨーコ「この学校には慣れたかしら?」

ほむら「おかげさまで順調ですよ。ヨマコ校長先生」

ヨーコ「そう。それならよかったわ」ニコ

ヨーコ「でも驚いたわ。向こうで先生やってたあなたがこの学校に来た時は」

ほむら「みんな、それぞれの道を歩いているんです」

ほむら「私の大切な友だちも」

ほむら「だから私も。彼女に誇れるように…」

キーンコーンカーンコーン…

ほむら「いけない。次も授業なので、行ってきますね」ニコ

ヨーコ「ええ。この世界のことも。もう一つの世界のことも」

ヨーコ「子供たちに、たくさん教えてあげてね?」

ほむら「はい。任せておいて下さい!」ペコ

コツ…コツ…

−−−−−−−−−−
637 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 01:34:10.66 ID:uoY45hyF0
−見滝原市内・交番−

老人「あのー…すいません、駅へはどうやっていったら…」

さやか「あぁ。駅ですか? ここの通りを真っ直ぐ進んで……」

老人「ご丁寧に、ありがとうございます」ペコ

女の子「婦警さーん!」タッタッタ…

さやか「お。小学校の帰りかい?」ナデナデ

女の子「うん!」

女の子「ねぇねぇ。また魔法少女とドリルの兄ちゃんのお話ししてよ?」

さやか「うーん、どうしよっかなぁ?」チラッ

女の子「友だちもみんな聞きたいって!」ドキドキ

キキターイ!

ネー

さやか「それじゃぁ、ちゃぁんと宿題を終らせたらね?」ピッ

女の子「はぁーい♪約束だよ?」バイバーイ

さやか「気をつけて帰るんだよ〜」フリフリ

さやか(マミさん。シモン)

さやか(魔女はもうすっかりいなくなったけど)

さやか(わたしはわたしなりに見滝原の平和を守ってるよ)

さやか(二人は今頃、何処にいるのかな…)

さやか(たまにはこの街にも帰っておいでよね)フフ

−−−−−−−−−−
638 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 01:35:49.84 ID:uoY45hyF0

『まずは最初のニュースです。二つの世界と数多の銀河系を繋ぐ』

『超次元螺旋会議が遂に開催となりました』

『構想からはや二十年。これもひとえに、ロシウ大統領を初めとするカミナシティの方々』

『そして二つの世界を繋いだ多くの人々の努力が実った結果と言えるでしょう』

『また、会議に向けて搭載されるスペースグラパール隊には』

『日本人初のガンメンパイロットである…』


−カミナシティ
   グラパール隊・格納庫−

グレンラガン「……」

ダリー「いよいよだね。ギミー」

ギミー「あぁ」

ナキム「隊長。グラパール隊、全機出発準備完了です」

ギミー「わかった」

ナキム「それと…」

???「本日付けでこちらに配属となりました、鹿目達也です!」ピシッ

ギミー「そうか!日本からのって… とうとう、夢を叶えたんだな」

ダリー「歓迎するわ。鹿目君」ニコ

達也(父さん、母さん。まどか姉さん)

達也(それにアニキ。 …俺、行ってくるよ)

達也(みんなが守った二つの世界で、スパイラルネメシスなんて絶対に起こさせはしない)グッ…
639 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 01:37:57.31 ID:uoY45hyF0
−衛星軌道上
    超銀河ダイグレン・艦橋−

シベラ「艦長。間もなくグラパール隊が地上を出ます」

ヴィラル「よし。超螺旋エンジン起動!」

ヴィラル「グラパール隊が乗艦次第、ディープスペースに超転移する!」

シベラ「了解!」

ヴィラル「こちらの地球を代表して行くんだ。気合を…

杏子「気合を入れろおおおおお!!」ビシィッ!!

ヴィラル「き、貴様ァ!!人の台詞を…!」

杏子「まぁまぁ。硬いこと言いっこなしだって」ニヒヒ

シベラ「もう…副艦長。そのうち艦長が拗ねちゃいますよ?」クス

ヴィラル「誰が拗ねるか!」

………

杏子「さぁて。行こうぜ。ヴィラル!」

ヴィラル「あぁ。超銀河ダイグレン…発進だ!!」
640 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 01:40:04.58 ID:uoY45hyF0
−−−−−−−−−−

−見滝原市
   とある民家のリビング−

少女「あ〜!もう。ママ早く来ないから」

少女「せっかく叔父さんがニュース出てたのに、終っちゃったよ?」

スタスタスタ…

母親「あら、残念だわ。せっかく久し振りに顔が見れると思ってたのに」フフ


『では続いてのニュースです。こちらも二十年前から始まった…』


少女「みてみて、ママ! 凄いよ。二つの地球にお花の道だって!!」


『名も知れぬ人たちが始めた、二つの世界に花を咲かせる運動が実を結び…』


母親「……」ポロポロ…

少女「ママ…?どうしたの?」

母親「ううん。なんでもないの。ただ…嬉しくって、ちょっと、ね?」グスン

母親(シモン君、マミさん…とうとう、二人の。ううん。きっと三人の夢、叶ったんだね)

少女「誰が始めたんだろう? こんな素敵なこと…」

母親「教えてあげる。それはね……」ニコ

−−−−−−−−−−
641 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 01:42:13.75 ID:uoY45hyF0
−花の咲く丘−

『ニアさんへ。届いてますか?この景色が』

『見えてますか?二つの星の上に掛けられた、とっても素敵な花の帯が』

『あなたから託された日記。その続きを書き始めて、もう二十年が経ちます』

ビュゥッ…パラパラパラ…


「…とうとう繋がったね」クス


「あぁ。そうだな」ニコ


「届いてるかな?ニアさんにも。この景色が」


「大丈夫。きっと届いてるさ」

「…それよりも。後悔、していないのか?」


「後悔?」キョトン


「この二十年、俺なんかの我侭に付き合って」
642 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 01:44:40.34 ID:uoY45hyF0
「バカね。後悔なんてあるはずないわ」ニコ

「私が好きでやってきたんですもの」

「それにね。あなたと一緒なら…もう、何も怖くない」ギュ…


「ブッキューィ♪」ヒョコ


「どうした。うん?空、か…」


「星空がとっても綺麗ね」


「いつかまた。彼らにも逢いに行こう」


「ええ。星を繋いで次元を越えて…」


「「天の光は全て星。螺旋の友が待つ星々へ」」

…………


…廻る銀河のその果ての

    青く輝く小さな星の

       螺旋の男と魔法の少女


それはさだめか偶然か

    異なる世界が紡いだ話


ドリルと魔法の二重螺旋

    語りつくせば、陽がまた昇る
          
−−−−−−−−−−
643 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 01:45:56.91 ID:uoY45hyF0
………

……



ヴィラル「いい天気だな」

杏子「ええ。…本当に」

杏子「……」

ヴィラル「無理に身体を起こすな。大人しく横になっていろ」フン

杏子「あなたと、連れ添って…もう、80年近くになるわね?」

杏子「あなたは、全然、変わらない」ニコ

ヴィラル「螺旋王から尽きることのない命を授かった、俺の運命だ」

杏子「そういう、ところも…変わらない」モウ

ヴィラル「フン…」

ヴィラル「お前は…老いたな」

杏子「その、口の悪さも、昔の、まんまだね」フフ

杏子「昔のあたしは、捻くれてて。…人の為に、何かするのなんて、まっぴらで」

杏子「世界の、全てが、つまらなかった」

杏子「でも」

杏子「シモンや、あなたと、出会ってからは。毎日、本当に。楽しかったよ」

ヴィラル「…感謝してるよ、杏子」

ヴィラル「お前は。獣人の俺に色々なことを教えてくれた」

杏子「あたしも、感謝… してる」ニコ

ヴィラル「……」

杏子「ねぇ。ヴィラル。これを…あなた、に」スッ…

ヴィラル「これは…ソウルジェムか」

杏子「あたし、さ。ずっと決めてたの」

杏子「最期は、大好きな、あなたの手の中でって」
644 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 01:46:58.09 ID:uoY45hyF0
ヴィラル「…そうか」

杏子「…あばよ。は、言わない」フフ

杏子「もし、生まれ変わったら。また、何処かで。あなたに、会えるといいな」

ヴィラル「あぁ。何百年、何千年掛かっても待っていてやる」

ヴィラル「だから」

ヴィラル「絶対に会いに来い」ニッ

杏子「あたり、まえ、よ。あたしを… 誰だと思って、いるのかしら……」クス

ヴィラル「あぁ。知っているよ。大グレン団の。見滝原グレン団の大バカ野郎だ」

杏子「ごめんね。ヴィラル……」

杏子「少しだけ、眠らせて?」

杏子「……」

杏子「……」

ヴィラル「ソウルジェムの輝きが…」

ヴィラル「…そう、か」

ヴィラル「俺も楽しかったよ。杏子」

ヴィラル「ありがとう」

ヴイラル「いつかまた。この果てしない銀河の何処かで廻り逢おう」ギュ…

………

……



−終−
645 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/05(土) 01:51:16.26 ID:RMtx6UZDO
乙!

切ないけど…良い終わりだ…
646 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 01:52:37.60 ID:uoY45hyF0
以上で投下終了となります。

長い文章に最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました!

思いつきで始めたSSが、ここまで突っ走るとは思ってませんでしたw


最後の方、当初は まどほむさや をチラっと出して終わりのはずが…

やりたい放題になってしまって本当スミマセン。


読みにくい箇所や、辻褄の合わない部分などもあったかもしれませんが

楽しんでいただけましたら幸いです。
647 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/05(土) 01:54:59.10 ID:RMtx6UZDO
やっべぇ…寝たと思ってフライングしてしまった…


とりあえず、もう一回乙!面白かった…
648 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/05/05(土) 01:56:31.38 ID:eY988LzWo

面白かったぜ
649 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/05(土) 02:55:16.20 ID:If5aAH8IO
乙!
グレンラガンばりに勢いあって良かったよ
650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/05/05(土) 09:36:49.05 ID:eMHINgF6o

熱かった
651 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/05(土) 12:24:41.31 ID:RPcK3p770
待ってて良かった。タっくんがアニキって表現するとこでやられた
まどかがあの呼び方教えたのかなって想像しちゃう
652 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(西日本) :2012/05/05(土) 16:10:37.69 ID:W2O3fGxg0
乙、面白かった
きゅうべえまでもが熱いとか素晴らしいじゃないか!
653 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/05/05(土) 16:43:42.99 ID:+3GljyNdo
乙乙
いい終わり方だったぜ
654 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/05(土) 21:51:23.84 ID:uoY45hyF0
皆様、レス本当にありがとうございます。

続編を作ったものの、蛇足になってしまうかもとずっと心配してたのですが、喜んでいただけて良かったです!

グレンラガン自体のストーリーが熱いので、それに便乗させてもらった部分も多々ありますがw

最初の6年間とか、最後の20年間、更にそれ以降に何があったのか…なども出せればとは思ったのですが、
そこはあれこれ想像していただければと思います。

QBは当初小動物扱いで終わりだったのですが、いつの間にかあんなことに(・ω・)

最期はちょっと寂しい感じでしたが、長年連れ添ったということで、きっと幸せだったのかなと。

キタンとニアの扱いについて物凄く悩んだのですが、こういう形で話を作らせていただきました。
見滝原組のように生存展開期待されていた方には本当に申し訳ありません。この場を借りてゴメンナサイorz


今回初SSやってみて、話を作ることと投下の大変さが身に染みました。
いつも楽しいSS投下して下さってる書き手さん方には、本当に感謝しております。
それでは。機会がありましたら、またお目に掛かれればと思います。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
655 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/05/05(土) 21:56:35.68 ID:CL9eZUvS0


久々にクロスもので良作だった
656 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/05/05(土) 22:09:48.87 ID:9hyP26YZ0
すんげぇ良かった!多元宇宙迷路の下りは涙が出ちまったよ;;
ちょっともう一回グレンラガン借りて見直してくるわ
657 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/06(日) 19:10:05.05 ID:dGUMkZJIO
こういうのが読みたかった!!!お疲れ様です!!!
658 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/07(月) 11:18:30.16 ID:bZy96KuI0
乙! 読んでてすっごい元気もらった!
659 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/05/07(月) 21:36:18.22 ID:21wtfUYs0
are naegamienai
660 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/08(火) 22:17:51.63 ID:fFIse0VFo
熱過ぎる!
乙した!
661 : ◆yIRCbEj1nY [sage saga]:2012/05/09(水) 22:19:56.58 ID:T0KI8NjW0
改めて読み直していたら、ポロポロと間違いがありました。
機会がありましたら〜とか言って引っ込んだものの、どうしても気になってしまったので
訂正だけさせて下さい。


−台詞主の訂正−

>>272 下から7行目の台詞主 誤・マミ 正・ニア


>>452 下から6行目の台詞主 誤・キノン 正・キヨウ

下から2、3行目の台詞主 誤・キヨウ 正・キノン

>>453 下から3行目の台詞主 誤・キノン 正・キヨウ

>>456 下から7行目の台詞主 誤・キノン 正・キヨウ

完全にこの辺、キヨウとキノンの名前勘違いして入れ替わってました。


−誤字の訂正−

多元迷宮内のカミナ?の台詞内 誤・簡便 正・勘弁


まだ他にもありそうですが、この場は以上になります。
大変失礼いたしましたorz
662 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2012/05/12(土) 02:32:52.98 ID:gE5g47S/0
乙!
こんなに面白いグレンラガンのSSを読んだのは初めてだった!
最高でした!!
663 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/14(月) 00:04:11.20 ID:F4TRGX9O0
乙でした!
最初から通しで読んで最後泣かされたよ;;
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