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「ミサカの声、聞いてください」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : [saga]:2012/04/01(日) 17:44:35.28 ID:IIJqLxwu0
ミサカの価値はたったの単価18万円

それ以上でもそれ以下でもありません

ミサカはそれを知っていたし、他のミサカも同じはずでした








・・・・・・・・・・・・・あの少年が現れるまでは









あの少年が現れて、ミサカたちを実験から助け出したことで、ミサカネットワーク内での他のミサカたちの存在意義の考え方は随分大きく変わりました

それは一種の革命のようなもので、その波はだんだん大きくなっていきました

どの個体も、個性というものを持つようになり、性格の違いも目に見えて変り始めているといいます


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木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
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いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
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2 : [saga]:2012/04/01(日) 17:45:59.21 ID:IIJqLxwu0
でも、ミサカにはまだわかりません

自分の存在意義が

もう実験が無いのならば、ミサカは何のために作られたのでしょうか

何のために今生き続けているのでしょうか・・・・

なぜ、生きなくてはならないのでしょうか・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・こんなにも悪夢の続きに苦しめられながら







医者にこのことを話してみました

彼は何も答えませんでした

ただ、悲しそうな顔をして、こうつぶやいただけでした







「3341号さん、彼の言葉を聞いていない君にも、いつかきっと分かる日がくると思うんだけどね?」






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どういう意味なのでしょうか?




3 : [saga]:2012/04/01(日) 17:47:20.14 ID:IIJqLxwu0




ミサカが存在していること



他の個体にこのことを知られることは絶対にありません

ありえません

なぜなら、ミサカはもはやネットワークで他の個体と繋がっていないためです

ミサカネットワーク内でのことも、上条という少年のことも、全てかえる顔の医者から聞きました


ミサカは一日をこの白い部屋で過ごします

テレビや漫画を見て一日中過ごします

飽きる?そんなことはありません

うずたかく積まれた本と漫画

これが無くならない限りミサカは何も思い出しません

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何も








4 : [saga]:2012/04/01(日) 17:48:58.39 ID:IIJqLxwu0



「あらぁ?御坂さん?」

突然お姉さまの名前を呼ばれ、ミサカが振り向いた先には、金髪の女がいました

「ごめんなさぁい。お人形さんのほうだったのねぇ」

振り向いたミサカを見て、女は乳を揺らしてくすくす笑っています

正直いらいらしました・・・・・・・・・・・・・・・・・・いろいろな意味で



「こんな所にもまだいたのねぇ。それとも調整ってやつかしらぁ?」


ミサカは調整ではありません

ミサカはただここに住んでいるだけです

そう答えると、女は肩から下げているかばんに手を突っ込んでなにやらゴソゴソし始めました・・・・・・・・・・リモコン?

それよりもミサカは、なぜこの女が調節のことを知っているのか、まずそれが気になります

元実験関係者でしょうか・・・・・・それとも・・・・・・・・・・・・・・


「貴女のお姉様、御坂さんのお友達よぉ☆」



5 : [saga]:2012/04/01(日) 17:49:58.91 ID:IIJqLxwu0



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?



今ミサカは何も話していないはず・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

なのになぜ・・・・・・・・・・・



「ごめんなさぁい。貴女の考えてること、ちょっと見せてもらっちゃったのぉ☆」

いったいどういう・・・・・・・・・・・・・・?

「それよりもぉ、私とお友達にならない?きっとぉ、貴女にもイイコトがあると思うんだけどなぁ」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「食蜂操祈。よろしくねぇ。3341号さぁん☆」


こうしてミサカは不思議な巨乳女と知り合ったのです



6 : [saga]:2012/04/01(日) 17:50:51.13 ID:IIJqLxwu0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「女王?何か良いことでもあったのですか?」

「そう見えるかしらぁ?」

「ええとても楽しそうです。」

「ちょっとねぇ、おもしろい玩具をみつけちゃったのぉ」

「玩具・・・ですか?いったいどのような・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「貴女にはきっと想像もつかないわよ」





そうよ、すっごく面白そうな玩具

とってもステキなお人形さん

出来損ないのお人形さん

爆弾入りのお人形さん

貴女はきっと知らないわぁ

ソレが存在することすらも

苦しみ続けるそのことも



ちゃぁんと届けてあげるわねぇ

平和にのんきに暮らしてる

貴女のそばにきっちりと

ねぇ本当に分かってるぅ?

貴女のことよ

御坂さぁん



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それにしてもぉ、おかしなコトもあったもんよねぇ


あのお人形さん、まさか自分が発電能力者のクセに・・・・・・・・・・




7 : [saga]:2012/04/01(日) 17:51:40.71 ID:IIJqLxwu0
ここは・・・・・・・・・・いったい何処なのでしょう

ミサカは確か・・・・・・・・・・

「ノコノコ自分から殺されにやってくるなンざ、オマエらほんっと律儀だよなァ」

・・・・・・・・・・そうでした

これは実験で

ミサカはこれから自分の役割を果たさなければなりません

「まず初めに、アナタが実験関係者であることを確かめるため、パスの確認を取ります。」

そう口にしたとたん、目の前の相手の顔がぐんにゃりと歪んで・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





「それでは、実験を開始します。」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



8 : [saga]:2012/04/01(日) 17:52:27.45 ID:IIJqLxwu0





「大丈夫かい?」

気がつくと目の前にはゲコ太・・・・・・もとい、かえる顔の医者がいました

白い部屋

周りに佇む看護士たち

病院の診察室のベッド

この様子から考えるに、ミサカはまたうなされてしまったようです・・・・・・・・・・

「もう落ち着いたかい?」

医者が話しかけてきます

ミサカは頷いてベッドから降り、部屋の出口へと向かいました

ただの夢です

悪夢です

何の問題もありません




9 : [saga]:2012/04/01(日) 17:53:28.89 ID:IIJqLxwu0



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・と、その瞬間



ビビッ・・・・バチバチッ・・・・・・・

突如、部屋に置かれている電機スタンドがまたたき、音を立てました

その瞬間、部屋に待機していた看護士たちが、いっせいにお互い視線を交わしあい、一人がスタンドを持ってミサカの脇をすりぬけ、部屋から出て行きました





・・・・・・・・・・・・・・・・・・光?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・電気・・・・・・・・・・・・・・・・あの時と同じ・・・・・・・・・・・・・・・・・



10 : [saga]:2012/04/01(日) 17:54:20.60 ID:IIJqLxwu0




・・・・・・部屋、が、揺れている?

いい、え、部屋は揺れていません

揺れ、ているの、は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ミサカ、自身、です

体、が、震え、ます

ひざ、が、崩れ、ます

目、の前、にフラッシュ、バック、す、るの、は

廃、ky




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
11 : [saga]:2012/04/01(日) 17:55:20.89 ID:IIJqLxwu0



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ギャハッつまンねェなァ!!!もうちっと俺を楽しませてみろよ」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・白い、・・・・・・・・・・・・・・・・・白い・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・闇・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・プツン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ネットワークが・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ミ、サカは 


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・こ・・・・・・こで・・・・・・・・・・・・・・・・・・・s


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「面白ェコトしてやろォかァ?」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?


「もしコレ食らって生き延びれたらよォ、オマエのことココでは見逃してやンよ」


なに・・・・・・・・を、言って、いるのです・・・・・・・か


「だからなンども言わせんじゃねェよ。オマエのこと見逃してやる、つってンだよ」


・・・・・・・・・・・・・・・・ミサ、カの存在意義は、実験に・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「オマエが生き延びれたらっつゥ条件だけどなァ」



・・・・・・・・・・・・・あ・・・・・・・ああ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・光が・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

12 : [saga]:2012/04/01(日) 17:56:17.51 ID:IIJqLxwu0
_____________________________________________________________________________________________________


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「申し訳ありません。電気スタンドのことは盲点で・・・・・・・・・・・・・・・」



白い部屋

本や漫画であふれかえる部屋

・・・・・・・電気製品が一切ない部屋

光源は、学園都市に最近出回り始めたという、身元物質製の白い壁のみ

その部屋にミサカはいました

部屋のそばのドアから声がきこえます


「次からはよく確認しておくんだよ?」


さっき見た映像がミサカの頭の中で再生されます

13 : [saga]:2012/04/01(日) 17:56:56.05 ID:IIJqLxwu0

とっさに両手で体を抱きしめました

毛布を頭の上までかぶります

なぜそのようなことをしたのか

ミサカには分かりません

一種の防衛本能というやつでしょうか


怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い


・・・・・・・・・・・・・・・・赤い目・・・・・・・・・・・・


怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・白い影


怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い



そして・・・・・・・・・・・なによりも・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・怖いのは・・・・






14 : [saga]:2012/04/01(日) 17:57:40.28 ID:IIJqLxwu0






「女王、そろそろあちらへ向かわないと・・・・・・・・・・」

「そうねぇ」

適当に答え、席を立つ

そしてふと、目を留めた

昨日病院で見た少女と、一箇所を除いて全く同じ顔を持つ少女に

「それにしてもぉ、おかしなこともあったものよねぇ」

「女王・・・・・・・・?」

「あのお人形さん、自分が発電能力者のクセに・・・・・・」

「女王?いったい何のお話を・・・・・・・・・・?」





「電気がトラウマなんてねぇ☆」





15 : [saga]:2012/04/01(日) 17:58:38.68 ID:IIJqLxwu0





「ギャハハハッ無様だなァ!自爆なンてよォ」



そう、ミサカが怖いのは・・・・何よりも怖いのは・・・



「残念だったなァ。でも約束は約束だァ」



ミサカが外に出ないのは・・・・・・・・・・・・・・・



「そこでもがき苦しンでろ」



出られないのは・・・・・・・・・・・・



「死ぬまでなァ」










・・・・・・・・・・・・電気が・・・・・・・・・・・・・・・怖いからです











16 : [saga]:2012/04/01(日) 18:00:27.53 ID:IIJqLxwu0
電気が怖いクローンの話

失礼しました
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) :2012/04/01(日) 18:11:36.10 ID:kLy3z9sj0
乙です
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/01(日) 18:16:38.33 ID:hG2rTP8Q0
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2012/04/01(日) 18:22:41.73 ID:WLgoV2UAO

後生存してるので9000人以上いるがシリーズ化はあるのか?
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(熊本県) [sage]:2012/04/01(日) 19:06:19.45 ID:2y45vk4W0
乙です。
このミサカは一方さんから電撃を浴びせられてトラウマになったのか?
ミサカの電撃そのものを受けさせられたのか、それともベクトル操作で生成した電気を浴びせられたのか
21 : [saga]:2012/04/01(日) 21:09:57.13 ID:IIJqLxwu0
書き忘れ

この話実は続きます
時系列は残骸編前くらい
トラウマについては後ほどじっくり

いろんなミサカの短編も書いてみたかったのですが

投下は今日か明日

それでは


22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/01(日) 22:34:54.84 ID:JYd1uamm0
これはカプ物……なのですかね?

とりあえず続きが早く読みたい……
23 : [saga]:2012/04/02(月) 16:58:52.07 ID:lhGs26Ux0






そして今日もミサカは全ての電気製品から隔離された病院内の個室で本を読んでいました

記憶喪失の話です

少しだけ

ほんの少しだけ

羨ましいと思いました

でも、それと同時に思いました

もしも、記憶喪失になってしまったら、

ミサカは一体どうすればいいのでしょうか

ミサカは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「3341号さん、お客さんです。」

突然ドアが開かれ、ミサカはわれに返りました



そこにいたのは



「また会っちゃったわねぇ、お人形さん☆」


いつかの巨乳女でした

24 : [saga]:2012/04/02(月) 17:00:00.35 ID:lhGs26Ux0




「ねえ、3341号さん?」

なんでしょう

できるだけ目をあわさないように、

できるだけそっけなく、そう答えました

この女はどこか危険な空気を持っています

できるだけ関わりたくありません

そんなミサカの気持ちに反して、食蜂と名乗ったこの女は

ミサカにはよく分からないこと

つまり、映画やテレビやケータイなどについてべらべらと話し始めました

・・・・・・・・電気が怖いミサカにはそういう機器は一切関わることができません

最近何かで見た言葉を使ってみます・・・・・・・・・・・・・・・ウラヤマ


「ちゃんと聞いてるぅ?」

ちゃんと聞いています、と適当に答えておきます

・・・・・・・・・・・まあミサカには関われない未知の世界の話ですが


「しっかり聞いててくれなきゃ、怒っちゃうんだゾ☆あ、そういえばぁ・・・・・・・・・・・・・・・・」


次の瞬間、ミサカは耳を疑いました

25 : [saga]:2012/04/02(月) 17:00:44.22 ID:lhGs26Ux0







「貴女って電気が怖いんだっけ?アハ、ごめんねぇ。忘れてたぁ」








クスクスと笑い続ける女を前に、ミサカは何も言えませんでした

そして・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







「ひとつだけ、貴女を助ける方法知ってるんだけどぉ、知りたい?」




26 : [saga]:2012/04/02(月) 17:01:55.69 ID:lhGs26Ux0





・・・・・・・・・・・・何を、言っているんでしょう

頭が、今、この女が言ったことをうまく認識できません

聞き間違いでしょうか


「聞き間違いなんかじゃないわぁ」


またです

またこの女、ミサカの心を読んで・・・・・・・・・・



「貴女が信じてくれるならぁ、教えてあげても良いんだけどなぁ」



・・・・・・・・・・・・・・・・信じます・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ミサカには、そう呟くことしかできませんでした



「そっかぁ、じゃあ教えてあげるわぁ」



そしてミサカは今日2回も、自分の耳を疑うことになります・・・・・・・・・・・・・









「その記憶を、消しちゃえばいいんだゾ☆」








27 : [saga]:2012/04/02(月) 17:03:26.41 ID:lhGs26Ux0

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「じゃあ、ホントにいいのねぇ?」




はい。と、できるだけ手短に答えます






「じゃあ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」







「カウントスタート!!」







28 : [saga]:2012/04/02(月) 17:04:17.19 ID:lhGs26Ux0






結局ミサカはこの女の提案に乗ることにしました

まさか・・・・本で読んだとおりになるとは・・・・・まあ、少し違いますが

この女が言うには、自分は学園都市最強の精神操作系の能力者で、お姉様と同じレベル5で、人の感情、記憶なんて思いのままだということです

その力で、ミサカの奥に巣食うトラウマだけを取り除いてくれる、ということでした



「さーん」



29 : [saga]:2012/04/02(月) 17:05:12.44 ID:lhGs26Ux0




もちろん、完全に信じきったわけではありません

たった今、ミサカ自身が操られている可能性だってありえます

でも、ミサカはこの女を信じてみようと思いました

ミサカだって他の妹達と同じように街を自由に歩いたり、映画館とやらに行ってみたりしたいのです

いくら本で見たからといっても、実際に体験してみなければ分からないことだってあるでしょう



「にー」




30 : [saga]:2012/04/02(月) 17:05:55.40 ID:lhGs26Ux0




・・・・・・・・・・・・・それからもうひとつ

ミサカにはずっと前から憧れていたことがありました



それは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ともだち・・・・・・・です




「いーち」






31 : [saga]:2012/04/02(月) 17:07:20.90 ID:lhGs26Ux0





本では何度も読みました

何度も何度も考えました

無理だと分かっていてもやめられませんでした

ミサカはいままで研究者や科学者、そしてかえる顔の医者と看護婦以外の人間と触れ合ったことがありません

しかし、もしも本当にトラウマがなくなって

好きな所へ行き

好きなものを食べ

自由に人と話すことができれば・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そうすれば



・・・・・・・・・・・・・・もしか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・したら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




32 : [saga]:2012/04/02(月) 17:08:05.48 ID:lhGs26Ux0





「ゼロ」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ミサカ・・・・・・・・・・にも・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・












33 : [saga]:2012/04/02(月) 17:08:57.99 ID:lhGs26Ux0













「あー!!!ごめんなさぁい☆」









34 : [saga]:2012/04/02(月) 17:10:32.76 ID:lhGs26Ux0









「間違えて他の記憶も消しちゃったぁ」

「しかもコレ、時間制限つきだったのぉ」

「だからぁ、徐々に記憶戻っちゃうのよねぇ」

「それからぁ、言い忘れてたんだけどねぇ」









35 : [saga]:2012/04/02(月) 17:11:22.58 ID:lhGs26Ux0









「体に障害でちゃうかもぉ」

















「それじゃあ、第二の人生楽しんでねぇ☆」























36 : [saga]:2012/04/02(月) 17:12:53.74 ID:lhGs26Ux0
では失礼します
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/02(月) 21:36:27.37 ID:oaBmzCfFo
ふむ
38 : [saga]:2012/04/06(金) 22:35:00.56 ID:hSGhnaGt0
_______________________________________________________________________________________________________________________________________________



___________________________________________________________________________________________________________



_______________________________________



・・・・・・・・・あれ?

ここは何処なのでしょう


白い部屋?


壁が不気味に光っています


外は昼ごろでしょうか


逃げなくては

なぜかそう思いました




「3341号さん、昼食の時間ですよ」


ドアの外から、声が聞こえます

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3341号?ミサカのことでしょうか

何かとても大切なことを忘れてしまっているような気がします


「3341号さん?どうかしましたか?」


とにかくここから離れなければ


「どうかした・・・・・・っきゃっ」


とりあえず、看護士を押しのけて、部屋から脱出しました

どこかへ

どこか遠い所へ・・・・・・・・・・

隠れられる所へ・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・








39 : [saga]:2012/04/06(金) 22:36:04.28 ID:hSGhnaGt0








「作戦どーおりっ☆」







「さすが女王、お強いですわね」

「私たちなど、足元にも及びませんわ」

「そうかしらぁ?」

「ええ、女王のチェスの強さは学園都市一に決まってますわ」


次々に投げかけられる賞賛を無視して窓の外をぼんやりとながめる

そういえば、あのお人形さんはどうなったのかしらぁ

これからすごく見ものよねぇ

なんていったって、エピソード記憶を丸ごと抜いてあげたんだから



40 : [saga]:2012/04/06(金) 22:37:00.04 ID:hSGhnaGt0





「女王、どうかなされましたか?」

「次は何をなされるのですか?」

「私、これから少し用事がありまして・・・」

「女王、もう一度チェスを・・・・・」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ほんっとにうるさいわねぇ貴女たち

小鳥みたいにピーチクパーチク

ちょっとは静かにしてなさぁい


リモコンを手にとって押すだけ

それだけで誰もが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




「ちょっとアンタ!!!!」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・誰もが?









「アンタ喫茶店丸ごと占領してなにしてんのよ!!!」









・・・・・・・・・・・お久しぶりねぇ・・・御坂さん☆


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


41 : [saga]:2012/04/06(金) 22:37:58.95 ID:hSGhnaGt0



ミサカは走って建物の出口へと向かいます

ここが何処かも知りません

自分が何者かも知りません

やるべきことさえ分かりません

・・・・・・・・・・・・・・・・たったひとつを除いては

それは・・・・・・・・

「セブンスミストのぉ、九階にいきなさい☆」



頭の中に響くのは何者のかもわからない声

それでも今のミサカにはそれを頼るしかありません

行く所なんてありません


ミサカは・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ミサカは一体・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ミサカは一体何者なのでしょうか・・・・・・・・・・・・?



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





42 : [saga]:2012/04/06(金) 22:38:58.78 ID:hSGhnaGt0




「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・こんなところで何してんのよ」

何してるのって言われてもねぇ

紅茶とケーキ食べてるの。貴女もいかが御坂さん?

「ふざけないで。学園の園の中でもないのに好き勝手に振舞われても困るのよ」

ふぅん

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そーうだ☆

そういえば御坂さんって『アクセサリー』集めてたのよねぇ?


「・・・・・・・・・・なんでアンタがそんなこと知ってんのよ」

ビンゴみたいね

もう見つかったのかしらぁ?


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どういう意味よ」


なんでもなぁい

ただちょっと気になっちゃっただけよ。このままだと、御坂さん相手に負けちゃうわぁ


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・話、聞かせなさい」



アハ☆乗ってきたみたい

ほんっとおばかさんねぇ

私が教えるとでも思ってるのかしらぁ


「さっさと言わないと、頭吹き飛ばすわよ」

うーん・・・・・・御坂さんがもうちょっと冷静力上げたらぁ、教えてあげてもいいかもぉ



・・・・・・・・・・・・バチッ・・・・・・・・・バチチッ・・・・・・・・


何か頭から漏れてるわよぉ

「・・・・・・・・・いいからさっさと言いなさいって言ってんのよ!!!」


バチバチッ・・・・・・・・・・チチッ・・・・・・・・・・・



・・・・・・・・・・・・・これ以上の挑発しても面倒なだけね・・・・・


43 : [saga]:2012/04/06(金) 22:39:57.97 ID:hSGhnaGt0


御坂さぁん

ひとつ教えてあげるわぁ

今夜の夕方六時から九時にセブンスミストの九階に

もし貴女が行ったなら、なにかイイコトあるかもねぇ



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ」


走って出て行く御坂美琴を笑いをこらえながら見送る

・・・・・・・・・お人よしねぇ

結標淡希との戦いなんて、もし私がそれを知っていたとしても絶対に教えないわぁ

負ける貴女も見てみたかったり、ね





そんな状況の中で

壊れていくお人形さんを見たとき、貴女は何を思うのかしら?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


44 : [saga]:2012/04/06(金) 22:40:40.23 ID:hSGhnaGt0



とりあえず、そのセブンスミストの九階にたどり着きました

なぜたどり着くことができたのか、ミサカ自身不思議でなりません

行ったこともないはずなのに、なぜか情報だけが頭の中に入っていたんです



・・・・・・・・・・・もしかしてミサカ天才だったりするんでしょうか?


とにかくのどが渇きました

たしか九階にはカフェがあるとか何とか

というわけで出発です!!

なにか大事なことを忘れているような気もしますが、もうミサカは気にしません

ウジウジ考えるのにはもうあきました

・・・・・・・って・・・・・ミサカ今まで何を悩んでいたのでしょう?


あ、カフェ発見!!


45 : [saga]:2012/04/06(金) 22:42:20.46 ID:hSGhnaGt0

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




ったくあの女いったい何を考えてんのよ・・・

全然考えが読めないんだけど

大体セブンスミストの九階に何があるっていうのよ

そこに例の残骸とやらがあるわけ?

本当に意味が分からないんだけど・・・





・・・・・・・と言いながらも素直に来ちゃってるし・・・・・

「9階に到着いたしました」

エレベーターの無機質な声を聞きながら、私は九階に足を踏み出した



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


46 : [saga]:2012/04/06(金) 22:43:26.09 ID:hSGhnaGt0



・・・・・・・・・・・・・・・ショックです

まさかこんな大事なことを忘れていたとは・・・


「お嬢ちゃん?」


冷や汗とはこういうことをいうんですかね

「お嬢ちゃん・・・もしかして忘れた?」


はい。忘れました。すっかり忘れていました。

まあ知っていてもどうにもならなかったのですが




・・・・・・・・・・・・・そう、お金です!!!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どうにかなりませんか?


「う〜ん・・・でもサンドイッチ5人前とオレンジジュース・・・・合わせて4700円だからね・・・・・・」


・・・・・・・・ががーん、という漫画でよく使われる効果音はこういうときにつかえますね

・・・・・・なぜミサカが知っているのかは謎ですが

にしても困りました・・・・・どうすればいいのでしょう・・・








「アンタ、地面に手をついてなにしてるわけ?」

そんな時、救世主が現れました





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ミサカと同じ顔?


47 : [saga]:2012/04/06(金) 22:46:18.90 ID:hSGhnaGt0
今回はここまで

次回の投下は数日以内を目標にしたいです

48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/07(土) 05:49:51.06 ID:VK4pxd+BP
食いすぎだろwwwwww
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/07(土) 08:21:05.00 ID:JHcm188DO
インなんとかさんだと0が一つ二つ多くなるがな
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