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女神まどかVS忘却の魔女 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/04/04(水) 20:49:32.31 ID:Lb5U+hvDo

 嘘のような輝きと共に、光の雨粒と見紛うような流星が宇宙を瞬きながら駆け巡る。
 それらは物理法則の壁を越え、時間の存在を超え、世界の狭間すらも超越(こえ)た存在。
 絶望によって彩られた災厄を齎し、憎悪と怨嗟によって編まれた牙を振るう存在を消し去る概念。

ぜつぼう       きぼう                      シフト
 魔女を消し去る存在足りえる、奇跡の如し領域に到達した魔法少女。


 彼女の名は、円環の理――あるいは人間時代の言葉で、鹿目まどか。

 いかなる魔女も消し去る彼女が放つ光の矢は、己そのものである。
 無数の己を放ち、無限の世界の無限の時間に存在する魔女を、

 生まれる前に消し去ることを運命付けられた彼女は。


『そんな……こんなのって……!』


 ――広大な銀河の腕を通りがかった辺りで、あっという間に消滅してしまった。


『どうして……こんなこと、これまで一度も無かったのに……!?』

 人間を捨ててから、主観時間で4億1463万3276年。
 人間を超えてから、客観時間で刹那にも満たないわずかな瞬きの間。
 他者に干渉されない概念と化して初めて、彼女は恐れと呼ばれる感情を抱いた。

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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/04/04(水) 20:50:04.74 ID:Lb5U+hvDo

 その懐かしさに戸惑いと喜びを覚えたのもまた嘘偽りではなかった。

 だが、事の深刻さである大事と比べれば小事にすらならない。
 彼女の消滅はイコール、その存在の綻びへと通じることになる。
 つまり再構成された宇宙の物理法則を書き換えることを意味しているのだ。

 だからこそ、彼女は疑問の言葉を投げかける。
 ただの子供のように、ただただ静かに……『なぜ?』……と。

『おかしい、こんなのありえないよ……!』

 魔女を消す概念を消し去った物、あるいは者と対峙するために、まどかは意識を集中させた。
 それはこの宇宙に在って宇宙に無い領域に小さな少女として形づくられてゆく。
 物理法則の裏側すら凌駕した方法を以て、彼女は新たな身体を手に入れた。

『……だれ?』

 全知たるその能力に磨きを掛けるために、その黄金の双眸を細く、鋭く凝らす。
 距離にして3450光年。人が未だ到達できぬ距離を、彼女は主観時間でコンマ一秒のタイムラグ抜きで観察する。
 宇宙を巡るエーテルを無視し、空間の歪みを無視し、やがて――黄金の泉に、一つの波紋が生じ始めた。

 波紋はゆっくりとその波を広め――一つの形を模った。

 それは、人間で言うところの大脳の形をした存在。
 それが振りまくエネルギーの性質は、彼女がこれまで何度も何度も消し去ってきた物と同じ波長を持っていた。
 その事実が意味するところを察してまどかは動揺の色を持った響きを漏らした。
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/04/04(水) 20:50:30.70 ID:Lb5U+hvDo

『じゃあ、やっぱりあなたは……魔女、なの?』

 ――つまりは、そういうことだ。

 全ての魔女を消すために全ての宇宙に存在し、全ての時間に存在できる彼女が、こうまで怯える理由。
 それは彼女が持ちうる最大のアドバンテージにして、希望にして、呪い。

 彼女に課せられた使命が揺らぎ、崩れていくことを意味している。

 魔女が、彼女の干渉を払いのけることなど出来るはずがない。
 ありえてはならない現象が、彼女の思考をかき乱していく。

 そんな彼女の戸惑いと恐れを前に、その大脳が激しく蠢いた。

 まるで脈動するように。

 まるで歓迎するように。

 大脳がぶるりとその身を震わした。

『――っ!?』

 それによって生じる、言語化不能の形容し難き現象と共に、“真空”の宇宙に“衝撃波”が生まれる。
 衝撃波。実際にはそうでないかもしれないし、そうであるかもしれない。
 不確立かつ未確定の破壊が、溜め込んだ水によって崩落するダムのように殺到し、

 /?/空間を歪ませて/?/時間を縮めて/?/世界を壊して/?/

 森羅万象を理解した彼女の常識ならざる常識を打ち破り、光速を遥かに超越した速度で少女の下に迫った。
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/04/04(水) 20:50:57.14 ID:Lb5U+hvDo

『効かないよ!!』

 白銀のスカートを靡かせて、宇宙にいて宇宙にいないまどかがその攻撃をなぎ払った。
 なぎ払われたエネルギーの塊は、空間と時間と世界と物理法則の何もかもを滅茶苦茶にしながら流れ――

 銀河の腕の、その一割を巻き込んだ巨大な炎の花びらを芽生えさせて消滅した。

『そんな……!』

 万が一、あの銀河の腕の中に知性を持った星が存在していたら――?

 とっさにその被害状況を調べようとして、その行動の無意味さにまどかは打ちひしがれた。
 魔女に対する干渉以外、彼女には何も出来ない。
 今のように、魔女の攻撃をなぎ払った力を救いへ当てることは叶わないのだ。

 彼女が4億年ぶりに後悔したその瞬間。

 千兆分の一秒が経過しようとしたその一瞬。

 砂時計の砂粒が流れることもないほどにわずかな刹那。

 その間に、大脳の姿をした魔女は次の行動に移っていた。
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/04/04(水) 20:51:23.33 ID:Lb5U+hvDo

『えっ?』

 まどかが疑問の言葉を漏らした。
 先ほどまでまどかの視界に確かに存在していた魔女が突如として消失したからだ。
 ぽっかりと穴が穿たれたように、存在などしていなかったように。
 “世界から忘れ去られてしまったかのように”。

 次の瞬間、まどかの身体は銀河の腕を離れていた。
 離れ、なお加速して銀河の海を突っ切る。
 それはまどかの意思とは別の何かが齎した物だった。

 何千という恒星を“吹き飛ばし”ながら、まどかは4億年ぶりに感じる痛みに顔を顰める。
 顰めながら、幾億の星の瞬きに勝るとも劣らない光輝(ひかり)の翼を生やして姿勢制御。
 同時に意識を集中させる。

 恒星を遥かに上回る熱量をその魔法の身体に宿して発現し、彼女は周囲に散らばる塵を昇華させた。
 その頃になってようやく、まどかは自分があの大脳の魔女に体当たりされたのだと思い知った。
 巨大な――一つの恒星クラスの大きさを誇る惑星に降り立ち――正確には座標を固定させて――周囲を睥睨する。

『どこ――!?』

 過去と未来と、今のあらゆる宇宙へ意識を散らばせてあの魔女の存在を探査(サーチ)。
 探査(サーチ)は、ほどなく終了した。

『っ――え、これって、つまり……?』

 そして探し当てた大脳の魔女の位置に、彼女は視線を地に落とした。

 それは別に、落胆したわけでもなければ諦めたわけでもなく。


 探し当てた対象をその眼で見るために彼女は視線を落としたのだ。
 ¨ ¨ ¨ ¨ ¨ ¨ ¨ ¨ ¨ ¨ ¨ ¨ ¨ ¨ ¨ ¨ ¨ ¨ ¨ ¨ ¨ ¨ ¨ ¨
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/04/04(水) 20:54:05.08 ID:Lb5U+hvDo

 つまり、魔女の位置は――彼女の真下。
 彼女が降り立った、その巨大な惑星。
 彼女の十億倍以上の大きさの星。

 それは、大脳の姿をした魔女の頭頂部でしかなかった。

『――――――!?』

 ありとあらゆる理論を突き破った異質の魔女に、思考が麻痺しかける。
 だがそれでも身体は反射的に、己に課せられた使命を遂げようと動いていた。

 光輝(ひかり)の翼をはためかせて光速に等しい速度で魔女から離れる。
 だが魔女は見逃さない。まるで何か、複雑な理由でもあるかのように。あるいは単純な本能の命ずるままに。
 その身体から暗黒色の魔翌力の塊を放ち、まどかに向けて照射した。

――速い! 追いつかれちゃう……!

 防御のために右手を振りかざす。
 そして超新星爆発のエネルギーすら押さえ込める結界を張り巡らすが――

『ッ――きゃあああああああああッ!!!』

 ――その結界は、まるで己の役割を“忘れてしまった”かのように、あっさりと攻撃を通した。

 銀河の腕が一つ丸々消えうせる破壊がまどかの身体に降り注ぐ。
 いくつもの星が砕け、彼女を押し潰し、振り乱し、割り断ち、砕き割り――
 やがて、あらゆる次元のあらゆる物質が存在することの出来ない特異点(グラウンド・ゼロ)が完成する。
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/04/04(水) 20:54:31.23 ID:Lb5U+hvDo

 無論、彼女はこの程度では敗れない。
 勿論、概念はこの程度では倒れない。

 故に、戸惑う。自分が相対している魔女の性質と、その異常な攻撃翌力に。
 悩み、考え、迷い、思考し、熟考し――彼女は一つの結論に思い至る。

 理由がどうであれ。

 それが魔女として立ち塞がるのであれば。

 それを消し去るのが、己の役目だ――と。

『――――はあああぁぁぁぁっっ!!』

 全ての次元を超越した叫び声と共に、特異点が引き裂かれる。
 全てを焼き尽くす異常な熱量があらゆる物質を昇華させ、そのガスと水蒸気を撒き散らす。
 そうして生じた塵の霧から、“ぬっ”と巨大な何かが現れた。

 その瞳は黄金で、その翼は白よりも白い光輝。
 その白銀の神聖な衣装をエーテルに靡かせ、春を連想させる桃色の髪を泳がせて。

 右手に剣と槍と、古めかしい銃の混じった異様な得物を携えて。
 左手にありとあらゆる言葉を用いても表すことの出来ない輝きを放つ弓と盾を構えて。

 ――一つの銀河の腕に匹敵する姿を作り出した、魔女を消す概念。

 数万光年を悠に超える身体のまどかが、宇宙に顕現した。

 唯一つ、たった一つの使命を遂げるために。
 魔女を消す、そのためだけに。

 彼女は、全ての平行世界に存在する知恵を持つ者の想像を遥かに凌駕した姿で、魔女と対峙する。
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/04/04(水) 20:57:17.31 ID:Lb5U+hvDo
いじょー、こんかいはここまでです。つぎのとーかはいつになるかわかりません。Htmlかくらうまえにはとーかしたいです



軍神デモベって、面白いよね?
じゃあ似たようなまどかに軍神デモベのラストバトルを真似させたら、同じくらい面白いはずだよね?

とにかく派手なドンパチがやりたくてやった。反省も後悔もしている。
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/04/04(水) 20:58:27.74 ID:Lb5U+hvDo
saga忘れてーら。失礼しました。
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/04/04(水) 21:11:07.31 ID:3h/Dk4CR0
これは期待
イツトリさんってこんなにヤバい魔女だったのかよ…
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/04(水) 23:05:03.29 ID:TOqhYGBDO
本当に“忘却”を司ってるなら強いと思うよ。

攻撃しようとした事を忘れてしまえば、攻撃出来ないし、防御もまた然り。
もっと言えば使命を忘れたり、自分と言う存在を忘れてしまえば、存在自体が危うくなるし……
中途半端に意思を持っちゃった概念まどかには天敵かもね。


取り敢えず>>1は頑張れマジ頑張れ
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/04/05(木) 01:13:07.37 ID:l9DJDG/so
>>10
え、あ、ああ、うん!
強いよ、イツトリさん!ゲームでもまど神の地球規模の攻撃余裕で耐えてたから!
さやかちゃんのアレグロとほむらの時間停止にさやかちゃんのスパークエッジで瞬殺したけど!

>>11
そ、そうだね!
何も考えずただひたすら鬱憤ぶつけてるだけとかないよ、ちゃんと考えてるよ、ウン、はい
そう、忘れちゃうのね。そういう描写してたかな……してましたね、はい

ネタが沸いたので数レス投下。
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/04/05(木) 01:13:33.75 ID:l9DJDG/so
『あなたがどれだけ強くても、私はあなたを倒す』

『だって私は――魔女を消すことを願った魔法少女だから!』

告げると同時、まどかは光輝の翼をはためかせて、恒星の発する太陽風を受けながら飛んだ。
銀河の腕ほどもある巨体が、その見た目とは裏腹に恐ろしいほど素早く塵の海を飛翔する。

『――ハードエッジぃっ!』

塵を吹き飛ばしながら、右手に携える異物の形態を剣へと特化させる。
そしてまどかからすればひどく小さな――それでも恒星ほどの大きさはある――大脳の魔女に切りかかる。
一撃。二撃。三撃。
まどかの腕が時間を無視して振るわれて、“タイムラグ無し”で三度の連続攻撃が放たれた。
銀河の腕の半分ほどある剣で切りかかれば、たかだか恒星一つなど塵すら残るはずが無い。
魔女がいた空間にはぽっかりと、ただ剣が振るわれたことで生じた何も無い空間だけが――

『……そんな!?』

――違った。

まどかの剣戟は魔女を切り刻み、それどころか叩き潰し、最後には異常なエネルギーの塊となって昇華した。
だが、そんなことなどまるで“無かった”かのように、魔女は存在していた。
まるで刻まれたことを“忘れてしまった”かのように、ふよふよと血管の様な触手をただよわせて。

だが、驚愕すべきはそこではない。

真に驚愕すべきは、まどかの視界に広がる光景。
まどかの双眸が見据える先を、どこかグロテスクな何かが。
例えるなら、圧倒的なまでに大きい、巨大な――そう、超巨大な壁が、埋め尽くしていたことだった。
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/04/05(木) 01:14:17.28 ID:l9DJDG/so

『こんなの……!』

考えるまでも無く、その壁は魔女の身体の一部だ。
昇華された直後、魔女はそれを否定した上で“巨大化”したのだ。

その大きさたるや、銀河の腕に等しい大きさを誇るまどかの5000倍。
銀河一つが子供の玩具にすらなりえない、圧倒的な巨体。
全知であり全ての時間軸の全ての動きを把握しているまどかですら見抜けない早業。

まどかはその異常さに恐怖した。
全ての領域を超越した魔女を消すだけの概念が恐怖した。
そして悟る。
このままでは――負けてしまう、と。

『ッ――だったら!!』

叫び、吼えて、まどかは右手の剣を古めかしい銃へと変容させる。
変容させてなお、さらにその銃を自身の周囲に複製させる。

銀河の腕の、半分ほどの銃を。
およそ5000丁。

『お願い、私に力を貸して――パロット・ラ・マギカ・エドゥー・インフィニータぁっ!!』

5000丁の銃から超新星爆発に等しいエネルギーを誇る魔弾が5000発放たれた。
魔弾は眼前で佇む魔女に向かって突き進み――爆発。
爆発、爆発、爆発爆発爆発―――!!
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/04/05(木) 01:14:43.25 ID:l9DJDG/so

水蒸気すら消えうせる特異点がふたたび――しかも今度は銀河など比べ物にならない広さで展開される。

だが、それでもまどかは攻撃の手を休めなかった。
目の前で何かが動く気配を感じると、彼女は右手の銃を巨大な槍へと変質させた。
その一撃は、魔女を断罪する鉄槌。
魔女の鉄槌を、まどかは左手の弓へと“つがえた”。

『お願い、これで終わって……スターライトアロー!!』

光速を超越し、超光速の領域を突き破りながら鉄槌が放たれる。
宇宙そのものに多大な影響を及ぼしながら槍はぐんぐんと突き進む。
やがて、すぐ前方に存在しているであろう魔女へと突き刺さり――


『はぁあああああああっ!!』


まどかの送り込んだ魔力を受けて、槍が爆ぜた。
爆発は周囲の銀河系を飲み込みその余波を連鎖的に増やしていく。
やがて宇宙に留まりきらなくなったエネルギーが世界の壁からあふれ出し――


その宇宙は、崩壊した。

熱的平衡など待たずに――宇宙は死んだ。
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/04/05(木) 01:15:09.91 ID:l9DJDG/so

一つの宇宙の崩壊を、宇宙の外側から見届けながらまどかは安堵する。
いかにイレギュラーである魔女と言えど、宇宙が無ければ存在は出来ない。
あとは過去に干渉して――もっとも自動的に干渉してしまうのだが――あの魔女を救済し、宇宙を戻して終わりだ。

『良かった……』

概念になって初めて、心の底から安堵したまどか。

そうして彼女はこれまでどおり、魔女を消す流れに戻ろうとして――

『――そ、そんな!? どうして!?』

自分の背後でゆらゆらと浮かぶ、海月のような大脳の魔女に戦慄した。

『こんなの……こんなの絶対おかしいよ!』

怯える彼女を前にして、その魔女は暗黒色の光を頭上――天に向けて放った。
天に辿り着いた光ははじけて混ざり、黒い太陽のように禍々しく揺らめいている。

『こんな……こんなことって……!』

まどかの慟哭とともに、黒い太陽が爆発する。
暗黒色の雨が降り注ぎ、全ての宇宙に存在するまどかを蝕み――その精神を、犯していく。

『あ……あぁ……!!』
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/04/05(木) 01:15:37.03 ID:l9DJDG/so

最も原始的な恐怖。
理不尽な暴力。

『あああぁぁ……!!』

理解出来ない痛み。
酷く単純な恨み。

『い、いやだ……!!』

あるいは復讐。

復讐。
復讐。復讐。
復讐。復讐。
復讐。
復讐。復讐。復讐――

『や、いやぁ……!』

それらを叩き込まれたまどかの精神は――

『い――いやあああああああぁぁぁぁぁぁぁあっ!!!』

――絶望に染まりかける。

だが彼女は絶望しない。
絶望できない。

苦しみ、足掻き続けることしか出来ない――
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/04/05(木) 01:19:01.05 ID:l9DJDG/so
いじょー、きょーはここまで。

宇宙崩壊ネタやってしまったしネタが無い。
次の投下は攻撃の余波で宇宙を複数個破壊するようなのにしよう、そうしよう。

インフレの極限を極めてやるわ!
……というかこうやって文章にしないと他の構想段階のSSでインフレバトルをしたくなる欲求がね、はい
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/04/05(木) 01:38:50.15 ID:NlFzAmEZo
乙つ
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/05(木) 05:06:39.23 ID:V8/+/4vDO
乙!
あれあれ?
俺が変な事言ったばかりにまど神がピンチだ!?(ニヤニヤ
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/04/05(木) 16:06:21.06 ID:iT9zfHiH0
乙だぜ!
イツトリさんって異星人っていうから日本語カタコトの外国人みたいなイメージだったのに
ここだとマジでラスボスの風格があるマザーブレインになっちゃってるな…

元々どういう魔法少女で、一体どんな願いをしたんだろうね?
気になるなー(チラッ
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/05(木) 16:40:35.79 ID:VlojR1VIO
魔法少女システムに対する復讐が性質みたいだから、魔法少女計画の成功でも祈ったのかね
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/04/06(金) 02:45:43.05 ID:AQok5SZCo
電波が――頭の中に降り注ぐ!

このスレにはプロットがございません
風呂の中で思いついたことを24時間以内に文章にして投下しているだけです。
ですから整合性については見逃してくだしあ

投下
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/04/06(金) 02:46:25.36 ID:AQok5SZCo

それは体中を這い蹲う、認められざる蛭子にして害虫たる嫌悪感の塊だった。

ぬちゃぬちゃと半端に濡れた何かがうごめいては皮膚をくすぐり、嫌らしい生暖かさを残していく。
生物が腐り果てた末に醸し出される腐敗の象徴にも等しきすえた悪臭が吐き気を催させていく。

醜い、醜い、醜い、気持ちが悪い。

身体を這いずっては爪や口、目、股、耳、鼻からじゅくじゅくと進入していくそれは、おぞましいの一言に尽きる。
それは神経を蝕み、嫌悪感を貪り、抵抗力を食んでは刈り取り犯していく。
ぐちゃぐちゃにかき回し、がたがたと酷く揺さぶり、ごろごろと何度も捻りを加えていく。

ずぶずぶと、かちこちと、ぐちぐちと。

時計の秒針の音と同じような規則正しさを持ちながら、規則正しく身体を狂わせていく。
正しきは狂いであり、狂っていることこそが正しくなる。
身体は正常ではない。それつまり正常であると。

からだ? 違う、そんな物は存在しない。

概念に身体はない。だがある。辛い、苦しい。だがそんなこと、どうだっていい。

絶望などないのだから――本当に? それは違う。ある、あ、ああ、ある。

あある、と。では、なぜ。絶望を否定した己になぜ、絶望が、ある、の?
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/04/06(金) 02:46:51.88 ID:AQok5SZCo

『違う、こんなの間違ってる』

狂気に染め上げられた心の中で、それでもまどかは冷静だった。
絶対零度よりも冷たい凍てつく精神でもって全てを理解し、観察し、分析する。
だが――見つからない。解が、見つからない!

《だったら諦めてしまいなよ》

狂気が正気たる彼女の心に声が生まれた。

それは幼い少年のような、あるいは純粋無垢の少女のような声だ。
穢れを知らぬ天使の調べ、妙ある響きだった。

《きみはもう、4億1463万3276年も休まずに動き続けた。きみはよく働いたよ》

それは甘い誘惑の声であり、同時に心の底から同情し、哀れむような響きだ。

《あの魔女は強い。倒せないかもしれない。だから、今は諦めて、休めば良いじゃないか》

『……出来るわけない。私にはそれしか残されてないのに。――それに、あなたは誰?』

《あれ? ぼくのこと、知らないのかい? 君は全ての世界の全ての事情を把握しているんだよね?》

……ああ、そうだ、とまどかは頷いた。
自分は全てを知っているのだ。だというのに、何故疑問に思ったのだろうか。
この声の正体、それは、

『……キュゥべえ!?』

――狂気の向こうで、白い獣の顔をしたそれが愛くるしい仕草と共に頷いた。
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/04/06(金) 02:47:17.78 ID:AQok5SZCo

『どうしてあなたが私と……あなたは知らないはずじゃ……』

《驚く前に、意識を向ければ良いじゃないか。必要な知識を引き出せば、全体像はすぐに見えてくるはずだよ》

言われて、まどかは必要な知識を取り出した。
その一連の動作は広大な図書館の中にある膨大な本の中から必要な情報を探し出すのに良く似ている。
ただ三つだけ違うとすれば。
その図書館の広さは無限大で、本の数も無限大で、必要な情報を抜き出す事に時間を要さないこと。

そしてまどかは知った。
目の前にいる存在が、無限の平行世界の可能性の一つであると。

《ぼくらは無量大数に等しい世界の中に存在する、とある知的生命体さ。
 ぼくらはある事実を長い年月を掛けて調べていた。そしてやっと接触できた。そう――鹿目まどか。君にね》

『……私と接触して、どうなるの?』

《どうもならないよ。ぼくらの行いはあくまで調査の一環に過ぎないからね。
 ところで……結局君は、休まないのかい? またあの魔女と戦う道を選ぶのかい?》

『私は……』

休まない。休めない。魔女を狩る、そのために私は存在するのだから。

《誰かに頼まれたわけでもないのにかい?》

『そうだよ。頼まれなくても、喜ばれなくても。……私は、みんなの希望でなきゃいけないの』

《ふぅん……変だね》
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/04/06(金) 02:47:43.84 ID:AQok5SZCo

《そのために全ての世界に干渉したのかい。全ての世界に住む人々の意思を無視して?》

『それは……』

《まぁ、ぼくは君の判断が間違っているとは思わないよ。だけどね。
 君が選んだ道は、君にとってはあまりにも重過ぎる。荷が勝ちすぎているよ》

『……でも、選んだから』

《だから、休もうよ》

『休めないよ……』

《休めるさ。だって君は今、苦しんでいるじゃないか》

『え?』

《苦しみ、挫けかけているじゃないか。苦しまない、絶望しない、そんな君の性質を君は“忘れかけている”じゃないか》

『わす、れ……?』

《そう、だから君なら出来る。全てを忘れてしまえば良い。君を縛る運命も、のろいも、君の過ちも》

『全て……忘れる?』

《そう、目を閉じて、ただ忘れるんだ。そうすれば君は自由になれる。永い眠りにつける》

『……』
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/04/06(金) 02:48:09.36 ID:AQok5SZCo

意識が薄らいでいく。
視界はかすみ、三次元は二次元に変わり、点と点とが別離していく。
ばらばらになる。
分離して、繋がりを絶たれて、なにもかも一つになっていく。
やがてそれらは分散して、何もかも薄っぺらい存在になり――

『……?』

陽炎のように揺らぐ黄金の瞳に映し出されるシルエット。
それは確かに彼女の見知った物だった。――顔だけは。
そう。それは顔から下が、まるで黒い布を被った人のような――あるいはいびつな針のような形をしていた。

その異質さに、もうろうとする意識の中でまどかは疑問を覚えて言葉を口にする。

『あなたは……キュゥべえじゃない……』

――だが、もう、致命的に遅い。
疑問は崩れ、砕け、塵になって流されていく。
宇宙へ。全ての世界へ。全ての時間へ。

……仕方が無いのだ。だって、こんなにも眠いのだから。

辛いし、痛いし、気持ち悪いのだ。

だから、休もう。少しだけ、少しだけ忘れよう。何もかも、何もかも――
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/04/06(金) 02:49:01.68 ID:AQok5SZCo

――その日。あるいはその時間。別の世界で。それは起きた。


「どぉいうことだおい……さやか、おいさやか!?」

「落ち着いて佐倉さん、今はあの新しい魔獣に専念するのよ!」

動揺する二人の声を聞きながら、
鹿目まどかを知る例外中の例外である魔法少女。ほむらは膝をがくりと落とした。
口元をわなわなと震わせて、その瞳を絶望の色に染め上げて、それを見上げるのだ。

「なぜ……あなたがいるの……!?」

見上げながら思うのだ。

『なぜ?』

と。

「どうしてあなたが……『魔女』がこの世界にいるの……!?」

ほむらが見上げる先にいる存在。

それは、魔女が存在しない世界に現れた、存在しえぬもの。

――美樹さやかの成れの果てである、人魚の魔女。オクタヴィア・ヴォン・ゼッケンドルフ。

その魔女の誕生は、ある事実を意味している。
そう、つまりは――
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/04/06(金) 02:49:38.71 ID:AQok5SZCo

《おやすみ、鹿目まどか》

役割を放棄した概念を見ながら、インキュベーターの顔を模ったそれは呟いた。

《……これで、全ての宇宙は救われたね》

べりっ! と。
何の脈絡も無く、何の前触れも無く、剥ぎ落とされた。
白い愛くるしい顔が、内側から伸びる視るもおぞましい何かによって。
何かはまるで這い出るようにその崩れた顔面に爪を突き立て、忙しなく動かし、解体していく。
そうして露になったその姿は――

ああ、ああ。なんと恐ろしい。胎児の見る悪夢のような、恐ろしい、恐ろしい恐ろしい。

それは言葉で表すならば≪異物≫であり≪異形≫であり≪ナニカ≫であり。
そしてなによりも――≪魔女≫であった。ある、あり、ああああ、あある。

《まどか、君の言うとおりだ。ぼくらはインキュベーターじゃない。
 ぼくらはかつての姿を捨てた、異常な存在。この宇宙を愛してやまない、魔女さ》

《君が全ての世界にその手を伸ばした時、ぼくらは悟ったよ。
 このままでは、宇宙の法則が書き換えられてしまう。宇宙はやがて滅びてしまう。
 それじゃあ駄目なんだ。それじゃあ救われないんだ。ぼくらは宇宙のために何かしようと、手を取り合った》

にや、と。

≪魔女≫の顔に亀裂が生じて、喜悦が生じた。
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/04/06(金) 02:49:55.29 ID:AQok5SZCo

《まどか。君は君の力を活かしきれていなかった。
 だから気付かなかったんだ。どうしてこの魔女が、結界を必要としていないのか、その点にね》

呟きながら、全ての宇宙で生じ始めた改変に心を躍らせる。
≪魔女≫は魔女でありながら、人のような感情を持ち合わせているのだ。
そして全ての宇宙を救ったという達成感から、喜びの舞を舞うのだ。
醜い、醜い。


《……まぁ気付けなくてもおか♭δ∇Vいかな。だってこの魔女は、最初から結界の中にいたんだからね》


狂気の声と共に、≪魔女≫の姿が崩れ始める。


《だっ#als魔女の結kaVVV!!は、全ての宇宙そのもGHSAAA!!だからね》


言葉が言葉でなくなっていく。


《AbrAAa!! 君と同じSSSA この、忘却の魔女はA‡Gb‡bvv きみとおnn‰n》


呪いのような旋律と共に、魔女は消え去った。
後に残るのは、大脳のような形の魔女、忘却の魔女。
そして全てを放り投げた、概念であった少女の二人だけだった。
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/04/06(金) 02:50:22.68 ID:AQok5SZCo

もしもの話だ。

もしも、魔女が生まれる前。

インキュベーターが魔法少女システムを発案するよりも前。

宇宙が宇宙として誕生するよりも前。

無が無であるよりも前に。

宇宙があったとしたら。

その世界では人の負の感情を吸い上げ呪いとする魔獣と呼ばれる存在がいるとしたら。

そんな悪逆非道の魔獣と戦う、正義の魔法少女がいるとしたら。

もちろん、これはありえない話だ。

魔獣はまどかの願いによって誕生した世界の矛盾を埋めるために作られた存在である。

つまり、まどかの奇跡の賜物なのだ。

……だが、もしも。

もしも、魔女が生まれる世界よりも前に世界があったとして。

その世界には魔獣がいたとして。

そちらの世界の方が、因果律の観点からすると本来正しい世界だとすれば?
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/04/06(金) 02:51:03.85 ID:AQok5SZCo

とある宇宙の、とある星に、一人の女の子がいました。
彼女はひょんなことから願いを叶え、魔法少女として戦う使命を背負いました。

みんなを守るために汗を流し、血を流し、涙を流して魔法少女は戦いました。

魔法少女はある日、一人の女の子を救いました。
魔法少女はある日、戦いの最中で命を落としてしまいました。
魔法少女によって救われた女の子は、願いました。


自分を助けてくれた魔法少女との出会いを、やり直したい――と。


そうして女の子は魔法少女となりました。
時間と、世界の壁を乗り越えて。
たった一人の女の子を救うために。

もちろんそれは簡単なことではありませんでした。
何度も何度も何度も何度も繰り返しては、失敗するのです。
やがて魔法少女は、傷付き、倒れてしまいます。

そんな魔法少女に向かって、最初の女の子は言うのです。


もういい、もういいんだよ――と。


そして、女の子は願うのです。
人々の負の感情を吸い上げる、悪逆非道の魔獣がいない世界を。
人々の業に等しい魔獣を倒す、過酷な試練を背負った魔法少女を解放してあげるために。
人々の自分勝手な欲望が生み出した災厄に、さようならをするために。



『私は……全ての魔獣を、生まれる前に忘れ去らせたい。
 全ての宇宙、全ての過去と未来の、全ての魔獣を、この手で』
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/04/06(金) 02:51:24.31 ID:AQok5SZCo

その願いは、叶いました。

人々の呪いを吸い寄せる悪夢のような魔獣は、きれいさっぱり忘れ去られて消え去ったのです。

ですがその代償に、その魔法少女は過酷な試練と使命を課せられました。
全ての宇宙の中心に点在し、全ての魔獣を生まれる前に忘れ去らせることを運命付けられてしまったのです。
それでも少女は一生懸命に頑張りました。世界中から魔獣を忘れ去るために頑張りました。

……ところが、世界は困りました。

確かに魔獣は存在していたのに、その事実はぽっかりと忘れ去られてしまった。
それゆえに生まれた矛盾の穴を、どうにかして埋めなければなりませんでした。

そして世界は選択しました。

可能な限り矛盾を小さくし、同時に世界に利益がもたらされるように。

それはとある銀河のとある星に生まれた知的生命体の文明に、とある技術として芽生えました。
魔法少女の感情の相転移によって発生するエネルギーの副産物として、魔獣の代わりに呪いを振りまくのです。

彼らはそれを、魔法少女がやがて成長して変化する者――魔女と名付けました。

そして――ああもう、なんとおかしい、気の狂うようなお話です。

その世界をおかしいと望んだ魔法少女がいたのです!

その魔法少女は全ての魔女を消し去り、魔獣を呼び戻したのです!

宇宙はまたも書き換えられて、元通り。

世界は滅びの危機がある状態に戻ってしまいました。
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/04/06(金) 02:53:43.59 ID:AQok5SZCo

それを危惧する、変わった魔女がいました。そう、針のような姿をした、異質な魔女です。

彼女は全ての世界に存在する自分達から得られる情報を下に、概念を倒しうる存在を探しました。

世界は無限に存在します。無量大数に等しい自分を救済(ぎゃくさつ)されながら、探し出しました。

概念に勝る、概念を。

魔女の世界を誕生させた魔法少女の成れの果て――原始の魔女である忘却の魔女を。

そして針の魔女は訴えかけるのです。こんな暴虐が、許されて良いのかと。

宇宙――すなわち結界を発動し続ける忘却の魔女は、動き出しました。

魔女の願いは、世界に対する復讐だったのですが。

そんなことはもはや、魔女の記憶には残ってなどいませんでした。

自分の箱庭に現れたイレギュラーを忘れ去るために。

自分の世界を守るために。

この全宇宙(けっかい)から全ての魔法少女(かなめまどか)を忘れ去るために今、姿を表したのです。



そして、魔法少女(かなめまどか)は、忘れ去られた。

後に残るのは、作り変えられた世界のみ。

魔獣のいない、魔女が悪意を振りまく元通りの――あるいは歪まされた――世界のみ。
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/04/06(金) 02:56:07.24 ID:AQok5SZCo
こんな世界おかしい!復讐してやるわ!→とりあえず魔獣なくすわ、改変な。世界ざまぁwww
忘却→忘れ去る→魔法少女を……うーん、じゃあとりあえずまどかってことに脳内補正しよう、そうしよう。

何が言いたいかって言うと、こういう擬似ループ(あるいはループ)物って良いよね、と。
はい。
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/04/06(金) 02:58:21.11 ID:AQok5SZCo
あ、いじょー、きょーのとーかはここまで、です。

追記しておきますと、針の魔女の正体は深く考えていません。
次回の投下はネタが沸いたら、多分。いつか。
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(香川県) [sage]:2012/04/06(金) 19:27:48.40 ID:9U4meKNL0
忘却の魔女がアザトースに思えてならん
こういうパワーインフレの話嫌いじゃないぜ
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/07(土) 12:26:58.60 ID:m4KHt8Mm0
忘却の魔女がいるなら

ヨグ・ソトース「ふ、ふーんだ!そんなの初めっからお見通しだったんだからねっっ!!///」

な魔女もいたんだろうか??
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/04/07(土) 12:32:22.91 ID:bUr20WMBo
ヨグって(^q^)な子じゃなかったっけ
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(香川県) [sage]:2012/04/07(土) 13:38:28.14 ID:BpNfqLPc0
ヨグ様disってんじゃねえよ全知全能だよあの人
それともお前らの知るヨグと俺の知るヨグは違うのか?
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/04/07(土) 13:47:56.56 ID:DTRUSnKno
アザトースでした><
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(香川県) [sage]:2012/04/08(日) 12:47:03.93 ID:1J6qHEFn0
けどこの忘却の魔女ほんと万能そうな力持ってんな
こいつイマジンブレイカーとかエヴァのロンギヌスの槍とかも効かなそう。
また最強スレの除外枠が1つ増えたな・・・
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/04/08(日) 13:27:07.75 ID:QubBqdoTo
二次創作設定のキャラになにいってんだか…
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(香川県) [sage]:2012/04/08(日) 14:06:32.55 ID:1J6qHEFn0
素で反論できません
ちょっと頭冷やしてこよう・・・
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/05/12(土) 05:42:51.29 ID:kpc/Z/sH0
最強スレって……
あの知的障害者や精神障害者が語り合ってるあのスレか?
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