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フィアンマ「さて、世界中とやらを確かめてくるか」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :matu :2012/04/06(金) 00:45:14.24 ID:0x/xzeV20
※フィアンマ主体でのんびりほのぼの行く予定。
※フィアンマがオッレルスに回収されてから少し後という設定です。新約の内容も出てくると思います。
※キャラの崩壊の危険性&設定が少しだけ改変されるかもしれないです。
※基本台本形式です。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1333640714(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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【安価】少女だらけのゾンビパニック @ 2024/04/20(土) 20:42:14.43 ID:wSnpVNpyo
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ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
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2 :matu :2012/04/06(金) 00:53:34.12 ID:0x/xzeV20
オッレルス「やぁ、調子はどうだい?」

フィアンマ「程々、といったところか。右腕がないので歩きにくかったがもう慣れた」

オッレルス「それは良かった。魔術の方は?」

フィアンマ「『第三の腕』は殆ど使えんな。使えたとしても一瞬、しかも出力は保障できん。禁書目録の知識の欠片で多少の通常魔術は試行できそうだ」

オッレルス「成程。まぁ君程の魔術師なら『第三の腕』が無くともその辺の魔術師程度に負けることはないだろう。……それで、本当に行くのかい?」

フィアンマ「ああ、俺様の知る限りのことはもう伝えきった。俺様がここに残る意味は無い」

オッレルス「協力してくれればありがたいのだけれどね。戦力として」

フィアンマ「すまんが、俺様にはやりたい事……いや、やらねばならないことがある」





(……良いのか……?)

(何が)

(俺様は『世界中』なんていうのが、どれだけ広い場所なのかもわからん人間だぞ)

(そうか)



(なら、これからたくさん確かめてみろよ)





フィアンマ「俺様は『世界中』とやらを見て回る。争いや憎しみ合いはもう見飽きた。のんびりと、表側の世界を見て回る」
3 :matu :2012/04/06(金) 01:10:10.75 ID:0x/xzeV20
オッレルス「そうか、なら私は止めないよ。止めても無駄そうだからな」

フィアンマ「そうしてもらえると助かる」

オッレルス「じゃあこれ、少ないが多少の旅費は用意した。後旅に最低限必要な物程度しかないが……選別だ」ドサッ

フィアンマ「用意してくれとは言っていないが」

オッレルス「用意するなとも言われなかったからな」

フィアンマ「……おせっかいにも程があるな」

オッレルス「よく言われる」

フィアンマ「昨日もまたどこからか子供達を連れてきてシルビアに向かいの公園の鉄棒で股を割られていたな」

オッレルス「……それは忘れてくれ、私は忘れられそうにないが、思い出しただけで股が痛む」サスサス

フィアンマ「股間をさするな」

オッレルス「しかしだな、湿布を張るわけにもいかんし、黙っていれば痛むしでこれが大変なんだ。フィアンマだって前にシルビアに尻を叩かれただろう?」

フィアンマ「……思い出させるな」ヒリヒリスルキガスル

オッレルス「まぁそんな事はどうでもいいさ。車は……運転できないよな」

フィアンマ「歩いていく。駅まで歩いて一時間程度だろう。旅の予行練習だと思うさ」

オッレルス「……わかった。フィアンマ、これだけは言っておく。私も、当然シルビアもお前の味方だ。何かあればすぐに連絡をくれ。助けになるかはわからんが、私はお前の助けになりたいと思うよ」

フィアンマ「……俺様よりもわけのわからない力を持っておいて何がわからん、だ。まぁいい、いざという時は遠慮なく頼らせてもらおう。携帯の使い方も最近慣れた」

オッレルス「ちゃんと充電するんだぞ。使わなくても減るからな」

フィアンマ「わかっている、あまり俺様を阿呆扱いするな。ローマ法王のような老人ではない」









フィアンマ「では、さらばだ。世話になった」
4 :matu :2012/04/06(金) 01:23:29.49 ID:0x/xzeV20
オッレルス「行ったか……」

シルビア「うぉーっす、ただいまー」ガラッ

オッレルス「ああ、おかえり。フィアンマとはすれ違ったかい?」

シルビア「あぁ? いや、会ってないけど。何、あいつどっか行ったの?」

オッレルス「ああ、世界を見て回るそうだ。幻想殺しの言葉は彼に相当響いたようだ」

シルビア「ふーん、まぁ別に私はどうでもいいけど。雑用が減ったのと食費が一人分浮いたのはどっちが大きいか……やっぱり雑用が減った方が大きいかな」

オッレルス「元とはいえ、『神の右席』のリーダーを顎でこき使い掃除や洗濯をやらせるのはある意味ですごい光景だった」

シルビア「あいつ全然使えないしな。洗濯をやろうとすれば洗剤ひと箱突っ込むし、掃除をやらせれば四角い部屋を丸く掃くし、挙句の果てに雑巾で食器拭くとか」

オッレルス「そのたびに彼の尻を叩いていたな。小さい子供や犬でもあそこまで叩かれないだろう」

シルビア「子供より物事わかってないんだもん、仕方ないさ。もともと第三次世界大戦までひきこもりぎみだったし、常識ってもんが通用しないんだ。全然褒め言葉じゃないけどね」

オッレルス「『俺様に常識は通用せんよ』とか言っていたな、そういえば」

シルビア「今どこかで誰かがくしゃみした気がする」

オッレルス「は?」

シルビア「いや、なんでもない」

オッレルス「……まぁ、何とかなるんじゃないか? 旅をしていれば必然的に常識は身につくだろう」

シルビア「どうかね、私は嫌な予感しかしないが」

オッレルス「仮にも世界を救おうと考えた男だ、その辺は期待しようじゃないか」プルルルルルルル

シルビア「あんたに電話なんて珍しいね」

オッレルス「いったい誰かr……フィアンマからだ」

シルビア「……」



 ピッ



オッレルス「……私だが、まさかもう敵が出たのか?」


フィアンマ『いや、面倒なんで『第三の腕』使って駅まで行こうとしたら全然違う方向に飛んでしまってな、迷子になった』


オッレルス「……」


フィアンマ『そういうわけだ、俺様は今どこにいるのかわからん。『第三の腕』は分散してしまってしばらくは使えん。そこで、俺様を見つけ出して駅まで案な――ピッ




シルビア「何で今切ったの?」

オッレルス「シルビア、やっぱり君の言うことはいつも正しいのかもしれん」
5 :matu :2012/04/06(金) 01:42:29.07 ID:0x/xzeV20
フィアンマ「なんだあいつ、急に切りおって」

フィアンマ「しかももう一度電話をかけようとしたら、つながらん。まさかこれがうわさに聞く着信拒否というやつなのか」

フィアンマ「……」ドウシヨウ

フィアンマ「……いいだろう、俺様は元『神の右席』のリーダー。この程度の苦難は鼻歌を歌いながら越えなければならん」

フィアンマ「まずは状況を整理しよう。ここがどこかわからん。あそこに見えるのは買い物に行っていた街とは違う街のようだ、どれくらいかはわからんが、力加減を忘れていたせいでかなり遠くまで飛んでしまったしな」

フィアンマ「とりあえずあの町へ行くとしよう。腹も減ったし、もし知っている街なら何処かへ行くのもわかりやすいからな」テクテク












 イギリス、ロンドン



フィアンマ「どうやらここはロンドンのようだ。勢い余って海まで越えてしまったか」

フィアンマ「イギリスといえば禁書目録が所属している『必要悪の教会』があるではないか。確実に俺様の顔は知れ渡っているだろう。禁書目録にいろいろとやらかしたしな」

フィアンマ「しかもここにはあのじゃじゃ馬第二王女がいるではないか。顔を合わせたらカーテナで確実に切りかかってくる」

フィアンマ「……ここはおとなしく腹ごしらえだけ済ませて別の街へ移動するのが無難か。海を越えてしまえば何とかなるしな」

フィアンマ「とりあえず、腹が減った。パスタが食いたい、どこかにいい店は無いか」グー



30分後



フィアンマ「……イギリスの飯は不味いと聞いていたが、まさかあれほどとは」グッタリ

フィアンマ「中途半端なものを食ってしまったからなんとなく満腹感がない。デザートでも食べたいところだが、先ほどのようなことになるのは嫌だ」

フィアンマ「確実に上手いと思えるものはないものか、俺様の肥えた舌を満足させるような逸品は」

フィアンマ「……そういえば、戦時中にロシアで食ったボルシチとピロシキも旨かったな。後シルビアの料理も見た目質素だったが旨かったな。侍女として修行していたことはある」

フィアンマ「……知り合いの手料理など食ったことがないな。そもそも俺様に友達はおらんし、ヴェントは料理が全然できない、テッラはパンだかは詳しかったがあんなエリマキトカゲがこねくり回したパンなど食いたくない。アックアはそれなりに料理ができるらしいが、主に戦場で食える簡単な物だ」

フィアンマ「ちなみに俺様はできんよ。右腕があれば可能だがな。料理に本来必要な道具、材料、下ごしらえ、調理、盛り付けを右腕をふるうわけで可能とする。いや、材料を出すのはさすがに無理だ」


6 :matu :2012/04/06(金) 01:53:42.53 ID:0x/xzeV20
フィアンマ「俺様の料理などどうでもいい、今はとにかく何か旨いものを見つけるのだ」

フィアンマ「しかしもう看板はアテにならん。そして確実に旨いと思えるものでなくては納得がいかん」

フィアンマ「どこかに旨いものが転がってはおらんか……ん?」





?「」






フィアンマ「……シスターが公園のベンチでうつぶせに寝ている」

フィアンマ「そしてちびっ子の視線を集めまくっている」

フィアンマ「なんか助けてやった方がいいような気がしてきた。しかし相手はシスター、もし俺様の事を知っていたとなれば面倒なことになる」

フィアンマ「……」ウーン

フィアンマ「仕方ない、俺様は平和的な世界を見て回ると決めたのだ。人助けもまんざらではないようにならねばなるまいよ」テクテク





フィアンマ「おいちびっ子達、すまんが散ってもらえんか」

チビッ子1「なんだこの人、赤ぇ!」

チビッ子2「すげー! 真っ赤だー!」

チビッ子3「福神漬けより赤い!」

フィアンマ「だれが福神漬けだ。というかなぜ知っている、お前イギリス人じゃないのか」シッシッ、チレチビ




?「」スースー


フィアンマ「おい起きろシスター、子供たちの天下たる公園で堂々と寝るんじゃない。というかシスターなら昼間から寝るな」

?「」スースー

フィアンマ「起きる気配がないな。仕方あるまい、ここは『神よ、何故私を見捨てたのですか』あたりで叩き起こし――

?「ふぁ〜……ねむねむですが起きたのでございますよー」

フィアンマ「タイミングいいな貴様」


7 :matu :2012/04/06(金) 02:06:50.72 ID:0x/xzeV20
?「私はオルソラと言う者なのですが、こんなにもお日様がポカポカとしていたのでついつい寝てしまったのでございますよ」

フィアンマ「聞いてもおらんのに説明してくれるのはありがたいがやはりシスターとしては失格だろう貴様」

オルソラ「シスター失格でございますか。それはどういたしましょう、私にも出来そうな仕事を何かお知りになりませんでしょうか?」オキタケド

フィアンマ「出会ってすぐに女性に仕事を進められる男は確実に大っぴらに商売が出来ない仕事についている男だな。俺様は一応聖職者だ」

オルソラ「まぁまぁ、同業者でございましたか。それはそれは、こんなところで立ち話もなんですし、私の住んでいる女子寮へいらっしゃいませんか?」ヤッパリネムイ

フィアンマ「立ち話というか立っているのは俺様だけで貴様は座って、というか寝転がるなまぶたを閉じるな俺様の話を聞け」

オルソラ「ふぁぁ、ええと、そうそう、私はオルソラ・アクィナスと言う者で――

フィアンマ「話が初期段階まで舞い戻ったな。しかも今度は丁寧にフルネームで答えた。いやそれはどうでもいい、とりあえず俺様は行かんぞ、そもそも女子寮というのは基本的に男子禁制ではないのか?」

オルソラ「大丈夫でございますよ、以前男性もいらっしゃいましたし、そこに所属するシスターの多くはその男性に何らかの形で救われているのでございますよ」

フィアンマ「なんかその男性とやらに若干イラッと来たのは気のせいだろう。とにかく男が大丈夫だからと言って俺様は行かんぞ。貴様、俺様が誰なのか知らんのか?」

オルソラ「はぁ、ええと、真っ赤ですから――





オルソラ「サンタさんでございますね!」ピカーン!





フィアンマ「……は?」

オルソラ「これはこれは、こんな季節外れにようこそおいでいたしましたのですよ。見たところまだお若いですのに頑張っておられるのですね」

フィアンマ「いや、その」

オルソラ「やはり女子寮においでください。サンタさん相手には足りませんかもしれませんが、精いっぱいおもてなしするのですよ」ガシッ

フィアンマ「おい貴様とんでもない間違いをしているぞ後何で俺様の腕をつかんで引っ張っておい離せ何でそんな力強いんだやめろマジで頼むから」ズルズル
8 :matu :2012/04/06(金) 02:09:32.90 ID:0x/xzeV20
今日はここまでで。

次回は近いうち、というか明日あたりに来るかもしれません。書き溜めはしていないので考えながら書いています。


次回来るまでに基本的に誰も見ていないに100000000000000000000000ぺリカ
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/04/06(金) 06:57:54.77 ID:jcn2SLf10
見てるでごわそうろう
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/06(金) 07:10:59.40 ID:ZbvCyEvfP
早くペリカよこせ
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/06(金) 15:54:26.43 ID:jfMIrmtv0
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2012/04/06(金) 18:47:51.81 ID:emmlple3o
割といるんだぜ
さあよこしな
13 :matu :2012/04/06(金) 22:11:41.08 ID:0x/xzeV20
こんばんわ、投下に参りました。

というか、まさか見ていただいてもらえているとは……ちょっと骨と血でサイコロ作って地下に稼ぎに行ってきます。



それでは始めます。
14 :matu :2012/04/06(金) 22:13:07.83 ID:0x/xzeV20
『必要悪の教会』女子寮



フィアンマ「……」



神裂「……」

アニェーゼ「……」

ルチア「……」

アンジェレネ「……」

シェリー「パンうめぇ」モグモグ


オルソラ「サンタさん、お茶が入りましたのでございますよー」

フィアンマ「あ、ああ」ズズッ

神裂「……いやいやいや、ちょっと待ってください、いろいろと待ってください」

ルチア「シ、シスター・オルソラ! この人は――

オルソラ「ええ、サンタさんなのでございますよー」ニコッ

アニェーゼ「サンタ?」

オルソラ「こんなにも真っ赤なお召し物をしてらっしゃるのですから、サンタさんに間違いありませんのですよ」エッヘン

アニェーゼ「そんなに有り余る乳を強調しながら胸をはらんでください揉みしだくぞこのホルスタインシスターが」

アンジェレネ「あ、あわわわわわわわ……」

フィアンマ(やはり俺様の事を全員知っているか。まぁ当然だな、俺様が魔術サイドに追われない理由などないし、このオルソラだかいうシスターの頭のねじが吹き飛んでいるだけだ。それにあのジーンズの露出狂、たしか聖人だったか)

ルチア「シスター・オルソラ、よく聞いてください。この方はサンタさんなどではありません。彼は第三次世界大戦の引き金となった凶悪な男、『神の右席』のフィアンマですよ」

オルソラ「違いますよ、きっとこの方はサンタさんなのでございますよ。そうでございますよね?」

フィアンマ「……」ドウシヨウ

オルソラ「……」キラキラ

フィアンマ「……」
15 :matu :2012/04/06(金) 22:14:52.79 ID:0x/xzeV20



フィアンマ「…………そう、だ。俺様はサンタさんだ」





神裂(乗ったー!?)ガビーン!

アニェーゼ(自分でサンタさん名乗ってる)ウワァ

アンジェレネ(痛い……)ウワァ

シェリー「コーヒーうめぇ」グビグビ

ルチア「あ、あなたいったい何を――

オルソラ「やはりそうなのでございますね。今日は何用でイギリスに参られたのでございますか?」

フィアンマ「アレだ、ほら、チビッ子にプレゼントをやるにはいろいろと調査が必要なのだ。アンケートとか、そういうのが」

オルソラ「成程、なのでございますよー。ではせっかくですし、私たちも希望のものをおっしゃってもよいのでございますか?」

フィアンマ「あ、ああ。構わん、サンタは断るなどとそんなみみっちいことはせんのだ。遠慮なくほしいものを言うといい」

オルソラ「では私は、新しい下着がほしいのでございますよ。最近また大きくなったのか、少々きつくなってきてしまいまして……」

アニェーゼ「隙あらば乳自慢かコンチクショウ」

フィアンマ「フム、ならば一つ提案なのだが……逆の発想で、下着をつけなければいいのではないか?」

ルチア「なっ!?」カァァ///

オルソラ「成程、なのでございますよー」

ルチア「シスター・オルソラも納得しないでください! あ、あなたもそんな卑猥な!」

フィアンマ「何を言う、そこの聖人だって下着を露出しているのとほとんど変わらないような恰好ではないか」

神裂「これは術式の関係でしかたなくというかお前なら衣服の術式ぐらい見抜けるだろこのド素人が」チャキッ

フィアンマ「刀を抜くな聖人、冗談だ。……そうだな、お前には俺様が直々に好きな衣服にお前の使う術式を組み込める霊装を作ってやろう」

神裂「え、本当ですか!?」

フィアンマ「ああ、さすがに黒小人のような精巧なものは作れんが、俺様の『第三の腕』と俺様の知識が合わされば不可能などありはせんよ」

神裂「こ、これで夢にまで見た季節に対応したお洒落ができる……っ!」ワナワナ

アニェーゼ「神裂さんが嬉しさのあまり震えてやがります。ていうかアナタどんだけ万能なんですか」

フィアンマ「サンタさんだからな」フンッ

アニェーゼ「えばらないでください、気に入ったんですかサンタさん。……まぁ、私も一つお願いさせてもらいますかね」

ルチア「シスター・アニェーゼ! あなたまで!」

フィアンマ「構わんよ。好きな願いを言うといい」

アニェーゼ「私の願いはただ一つ!」
16 :matu :2012/04/06(金) 22:16:09.05 ID:0x/xzeV20



アニェーゼ「私の乳を誰もが羨むくらいデカくしやがれです」








フィアンマ「……」ウワァ

アンジェレネ「ず、ずるいですよシスター・アニェーゼ! わ、私も大きくしてもらいたいです!」

ルチア「二人ともいい加減になさい。胸など本来修道女には必要ないもので――

アニェーゼ「無駄に乳を持ってるシスター・ルチアは黙りやがれです。シスター・オルソラに神裂さん、この乳集団の中に放り込まれた私たちがどれほどの劣等感を味わってきたのかわからないでしょう!」

アンジェレネ「そ、そうですよ! 毎日牛乳飲んでも全然変化しないんですよ!」

ルチア「だからって……」

アニェーゼ「で、フィサンタさん、この願いは叶えられるんですかい?」ズイッ

フィアンマ「顔を寄せるな、後誰がフィサンタだ。……そうだな、不可能ではないかもしれん」

アンジェレネ「ほ、本当ですか!?」キラキラ

17 :matu :2012/04/06(金) 22:17:44.06 ID:0x/xzeV20
フィアンマ「ああ、噂によると女の胸というものは揉まれると大きくなるらしい。そこで俺様の『第三の腕』でお前らの胸を揉めばその救いようのない胸もどうにかなるかもぐおっ!?」ガンッ!

ルチア「ああああああなたは何を言っているんですか///! 色欲は七つの大罪の一つです! 去るべし、去るべし!」ガンッ! ガンッ!

フィアンマ「おいやめろ椅子で殴るな割と痛いんだからちょっとマジでやめろやめてやめてくださいやめないと怒るぞおい痛い痛い痛い痛い痛いって言っているだろうがぁぁぁぁぁぁああああああああああ!!!!」ボンッ!

ルチア「なっ!? なんか出てきた!?」

アニェーゼ「あれが噂の『第三の腕』ってやつですかねぇ」

フィアンマ「……しまった、勢い余って出してしまった。また次出すまでしばらくかかるな……仕方あるまい、崩れる前にできるだけやっておくか」モミモミ

アンジェレネ「ひゃっ!?」///

アニェーゼ「シスター・アンジェレネの絶壁がフィサンタの肩から出てきたなんかきもい腕に揉まれていやがります! 揉むほどないけど!」

アンジェレネ「よっ、余計なお世話でふぁぁっ」///

フィアンマ「説明ご苦労、でもきもい言うな。……さて、こんなもんか」

アンジェレネ「ふぇ……?」ハァハァ

フィアンマ「お前の胸はおそらくすぐには変化しないが、成長をかなり促させてもらった。そうだな……近いうちにそれなりのサイズになるだろう」

アンジェレネ「ほ、本当ですか!? やったー!」ピョンピョン

アニェーゼ「つ、次は私です! お願いします!」



サァァァ



アニェーゼ「あ」
18 :matu :2012/04/06(金) 22:19:57.99 ID:0x/xzeV20
アニェーゼ「あ」

フィアンマ「『第三の腕』が崩れてしまったな、しばらくは無理だ」

アニェーゼ「畜生ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」ダダダダッ!

ルチア「シスター・アニェーゼ! お待ちなさい!」

神裂「す、スカートなんてものもいけるかもしれません! 冬物だって平気になる!」

オルソラ「うーん、なんだかスースーするのでございますねー」

アンジェレネ「えへへへへ……」///

シェリー「リンゴうめぇ」シャクシャク

ルチア「あなたたちはもぉおおおおおおおおおお! あとシェリーさんは絡んできてくださいよ!」

シェリー「んだよ、ルチア。あんたはただでさえ影が薄いんだからツッコミで目立たせてやろうという私の優しさがわからないのか?」

ルチア「そんな歪んだ優しさわかりませんよ!」
19 :matu :2012/04/06(金) 22:22:19.76 ID:0x/xzeV20
シェリー「つーか思ったけど、いきなりこんな子供の胸揉むって普通に犯罪だよな」

アンジェレネ「子供じゃないですよ!」

フィアンマ「会話に入ってきたと思ったらなんだボロボロゴスロリ、お前の一言のせいで全員が俺を嫌な目で見ているぞ。そんな目で俺様を見るな」

ルチア「確かに、刑罰は免れませんよね」

神裂「言い逃れは難しいですね、目撃者がたくさんいますし」

フィアンマ「ちょっと待て、俺様はこいつの願いを叶えるためにやったのだ。俺様がやりたくてやったんじゃない」

ルチア「犯罪者の証言ほど信用できないものもありませんよね」

フィアンマ「誰が犯罪者だ」

ルチア「犯罪者でしょう?」

フィアンマ「……」←第三次世界大戦の引き金

オルソラ「まぁまぁ、フィサンタさんも善意でやってくださったのですから」

フィアンマ「お前も俺様をフィサンタって呼ぶのか」
20 :matu :2012/04/06(金) 22:24:09.77 ID:0x/xzeV20
神裂「まぁあの名前で呼ぶよりはいいかもしれませんね。誰が聞いているかわかりませんし」

フィアンマ「お前らがそれを心配するのはおかしくないか? 俺様はてっきりお前らはすぐにでも俺様を縛り上げて最大主教の前に突き出すと思っていたのだが」

神裂「ええ、確かに貴方は魔術サイドにおいて指名手配状態です。捜索は今も続けられていますし、見つけ次第捕縛、不可能なら殺害の許可も出ています」

フィアンマ「当然だな」

神裂「……しかし、今の貴方からは何かを企んでいるような雰囲気は感じられません。捕縛と殺害の必要はないと私は判断します」

フィアンマ「いいのか? 俺様を見逃すというのは相当な重犯になると思うのだが」

神裂「誰も口外しなければ何の問題もありません。ですよね?」

シェリー「まぁ、連絡するのも面倒だしな」

アンジェレネ「わ、私は言いません!」

ルチア「……ハァ、仕方がありません」アキラメ

オルソラ「フィサンタさんを様な方を通報するはずがないのでございますよー」

アニェーゼ「絶対近いうちに私の乳も巨大化させてもらいますからね」

フィアンマ「いつの間に戻ってきていたんだお前は。自然に流れに入り込んでいて一瞬気づかなかったぞ」

アニェーゼ「細かいことを気にしちゃ負けですぜ」キリッ

フィアンマ「そこで決め顔の意味がわからんのだが」
21 :matu :2012/04/06(金) 22:25:41.03 ID:0x/xzeV20
フィアンマ「……まぁいい。ここは素直に礼を言っておこうか」

神裂「例には及びません。……それより、一つ訪ねてもよろしいですか?」

フィアンマ「なんだ」

神裂「どうしてここへ? 魔術サイドから追われる身であるあなたがイギリスにいること自体不思議ですが……」

フィアンマ「もともとイギリスに来るつもりはなかったんだがな。街を歩いているときに公園のベンチで昼寝をしているオルソラ・アクィナスを見つけて声をかけたらここまで引っ張ってこられた」

神裂「……オルソラ、また昼寝をしていたんですか」

オルソラ「気持ちよかったのでございますよー」ニコニコ

アニェーゼ「まぁシスター・オルソラの事ですからねぇ、珍しいことじゃねぇです」

フィアンマ「やはりシスターとしてどうかしていると思うぞお前」

オルソラ「たまたまイギリスに来るなんて、まるで運命のようでございますね」

フィアンマ「今なんか時間が乱れなかったか? 会話が巻き戻った気がするんだが」

ルチア「シスター・オルソラなので珍しいことではありません」

フィアンマ「便利だなその言葉」

神裂「これからフィア……フィサンタさんはどうなさるのですか?」プルプル

フィアンマ「わざわざ言い直さんでいい、笑いをこらえているのがバレバレだぞ」

神裂「失礼しました」

フィアンマ「まぁいい。……俺様は様々な世界を見て回る必要がある。欲を言えばイギリスも色々と見て回りたいのだが」

ルチア「『必要悪の教会』に見つけられると少し面倒なのでは?」

神裂「特にステイルあたりはインデックスの件であなたをかなり敵視している節があります」

フィアンマ「禁書目録……フム、よし決めた。聖人、お前も確か『必要悪の教会』のメンバーだったな?」

神裂「え? はい、そうですが」




フィアンマ「禁書目録に謝罪しに行く。案内してくれ」




神裂「」

ルチア「」

アニェーゼ「」

アンジェレネ「」

シェリー「クッキーうめぇ」モグモグ

オルソラ「本当でございますねー」モグモグ
22 :matu :2012/04/06(金) 22:27:47.58 ID:0x/xzeV20
今日はここまで。

一回の投下量、少ないですかね……その分なるべく毎日投下できるように心がけていますが。

次回は明日を予定しています。まったり進めていきますのですよ。
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/06(金) 22:29:14.36 ID:gOZhLhcDO
乙なのでございますよ
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/06(金) 22:34:25.33 ID:vi2Y8F2P0
面白そうなの発見、期待してます
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/07(土) 00:40:10.51 ID:GyPGLtN70
26 :matu :2012/04/08(日) 00:12:28.88 ID:r8mPmCFY0
面白そうという期待をしてくださることが嬉しくてつい不整脈に。

そんなわけで、今日もゆるりと参りましょうか
27 :matu :2012/04/08(日) 00:14:00.86 ID:r8mPmCFY0
神裂「む、無理ですよ! そもそも部外者を連れて行くことができませんし、連れて行ったとしても即つかまりますよ!」

フィアンマ「じゃあ禁書目録をここに呼んでこい」

神裂「何で偉そうなんですか。そもそもあの子は今イギリスにいませんよ」あ

フィアンマ「なんだと?」

神裂「あの子は今、学園都市で上条当麻という少年と一緒に住んでいます。ご存知ですよね?」

フィアンマ「幻想殺しか、まぁ禁書目録を助けるために単身で俺様に挑んでくる男だ、それなりに縁深いとは思っていたがまさか同棲しているとはな。しかしシスターというのは処女でなければいけないのではないのか?」
28 :matu :2012/04/08(日) 00:15:03.05 ID:r8mPmCFY0
神裂「あ、あの子はそんなことしていませんよ! もししていたら上条当麻を叩き斬っています!///」

フィアンマ「同棲なんてしておるのだから、していてもおかしくないと思うのだが。しかし聖人、この程度で顔を赤らめるとはお前もずいぶん純情なものだな、その年齢で」

神裂「」ピクッ

アニェーゼ「やべぇ」

フィアンマ「まさかその年で生娘という事はなかろう? それに術式のためとはいえ、その恰好はさすがに痛すぎる。少しだけ待て、なるべく早く俺様がお前のための霊装を――

神裂「……だ」

フィアンマ「ん?」






神裂「私は18歳だぁぁぁあああああああああああああああああああああ!!!」スパーン!

フィアンマ「何……だと……ってちょっとまて腕を振りかぶってこっちへ寄ってくぐぉおおおおおおおおおおお!? 尻がぁぁぁああああああああああああああああああああ!」






ルチア「神裂さんの全力の平手打ちがフィアn……フィサンタのお尻に叩き込まれました」

アンジェレネ「フィアンm……フィサンタさんの体が吹き飛んで天井に頭をぶつけ、落ちてきたら気絶していました」

シェリー「ま、鉄板の地雷ネタだしな」

オルソラ「フィサンタさん、高い高ーいなのでございますよー」ニコニコ

29 :matu :2012/04/08(日) 00:16:01.83 ID:r8mPmCFY0
フィアンマ「……ひどい目にあった」

神裂「す、すいません。つい我を忘れて……」

フィアンマ(シルビアの仕置きで尻を叩かれて慣れていたおかげで絶命は免れたが……)

神裂「わ、私も何らかの手段でガードすると思っていたもので……」

フィアンマ「今の俺様はかなり弱体化している。『第三の腕』もほとんど行使できんし、通常魔術もある程度は扱えるが出力は昔と比べれば格段に低い。咄嗟に聖人の腕力を防ぎきるほどの魔術は行使できんよ」

神裂「そうなんですか?」

フィアンマ「まぁ、その辺の魔術師程度なら軽くあしらえるだろうがな。……それより、今何時だ? 俺様がここに来たときは昼だったぞ」

神裂「午後六時過ぎですね。だいぶ長い時間気絶していましたので」

フィアンマ「……ヴェントあたりに聞かれるとかなり馬鹿にされそうな話だ」

30 :matu :2012/04/08(日) 00:17:01.17 ID:r8mPmCFY0
神裂「ヴェント……『前方のヴェント』ですか?」

フィアンマ「ああ、最後に見たのは確かロシアだったな。そういえばアックアがテッラの死体をお前たちの所に送ったと聞いているのだが」

神裂「ええ、果たし状とともに」

フィアンマ「アックアともロシアで会ったな。ヴェントもアックアも俺様の邪魔をしてくれたよ。よほど上条当麻の影響力は大きいと見える」

神裂「ええ、彼の力はとても凄いですよ。戦闘力ではなく、誰かを導くという力に救われたものは世界中にいます。私も、その一人ですし」

フィアンマ「……俺様も、似たようなものだ」

神裂「……そうですか」ニコッ

フィアンマ「ふん。腹立たしいだけだ」

神裂「まぁそう言わずに。そうそう、これから女子寮の夕食の時間なのですが、よかったらフィサンタさんも一緒にどうでぶふっ」

フィアンマ「笑うな、確かに阿呆のような名前だがな。……食事か、今の所イギリスの食事にいい印象はないぞ」

神裂「大丈夫です、今日の食事当番はオルソラですから」

フィアンマ「不安要素しかないぞ。あれがまともな料理を作れるとは思えん」

神裂「まぁ、それは食べて確かめてみてくださいよ。きっと驚きますよ」ニコッ

フィアンマ「ふん、どうだかな」
31 :matu :2012/04/08(日) 00:17:45.16 ID:r8mPmCFY0
食堂

 ワイワイガヤガヤ ワタシチョコレート
イケマセンアンジェレネ タクサンヨウイシテイルノデスヨー
エリスゥゥゥゥゥゥゥ! ウワ、モウヨッテル




フィアンマ「……!」ビックリ

神裂「どうですか? オルソラの料理は」

フィアンマ「素直に驚いたな。俺様が普段口にしていた物を作っていた料理人よりも旨い」モグモグ

神裂「本人に言ってあげるときっと喜びますよ」モグモグ

フィアンマ「しかも、みな食ってるものがそれぞれ違うようだな。まさか一人ひとり別のものを作っているのか?」パスタウマイナ

神裂「これもオルソラのなせる業です。個別の注文に対応できるうえに腕も抜群ですから彼女が調理をする日は普段閑散としている食堂も満員になります」ワショクウマー

フィアンマ「人気者だな」
32 :matu :2012/04/08(日) 00:18:29.83 ID:r8mPmCFY0
神裂「シスターとしても、彼女は優秀ですよ。マイペースすぎるきらいはありますが、それでも彼女は様々な功績を残してきましたし」

フィアンマ「人徳、というやつか。俺様には理解できんな」

神裂「そうですか?」

フィアンマ「俺様が関わった人間関係は力による支配か利害の一致、もしくは騙して利用するかくらいだ。マタイ・リースのジジイのような慕われる性質ではなかったしな」

神裂「……」

フィアンマ「『神の右席』にしてもそうだ。お互い信頼などおいておらんよ。アックアはイギリスの騎士団長やら第三王女を相当信頼しているようだったが」

神裂「……そうでしたか」

フィアンマ「すまんな、つまらん話をした。俺様は先ほど寝かされていた部屋に居る。明日の朝にでも出ていくから、今晩だけは部屋を貸せ」ヘヤニモドル

神裂「……」
33 :matu :2012/04/08(日) 00:19:18.06 ID:r8mPmCFY0
フィアンマ「……」ジーッ

フィアンマ「『第三の腕』に頼りすぎていたせいか、俺様の体はどうにも貧相だな。アックアのようなゴリラまでは行かずとも、もう少し見てくれのいい体になりたいものだ」

フィアンマ「便利すぎる能力というのも痛いな。自らを鍛える必要がなかったから実際の身体能力がかなり低い、もう少し素手でも戦えたらあの場でも上条当麻に負けなかったかもしれん」

フィアンマ「そういえば学園都市の超能力者の頂点に立つ奴も貧弱だと聞いたことがあるな、いずれお目にかかりたいものだ」



 プルルルルルル




フィアンマ「ん? 電話か。俺様の番号を知っているのはオッレルスくらいのものだが」


 デンワニデルノハドノボタンダッタカ……アア、コレダッタナ。 ピッ
34 :matu :2012/04/08(日) 00:20:47.34 ID:r8mPmCFY0
オッレルス『やぁフィアンマ、どうだい調子は?』

フィアンマ「予想を裏切らんなお前は、つまらん奴だ」

オッレルス『よくわからないが理不尽な怒りをぶつけられた気がするよ』

フィアンマ「気にするな、それより貴様、俺様がかけた電話をいきなり切って着信拒否にしただろう」

オッレルス『面倒だったからな』

フィアンマ「今俺様の中の貴様に対する信頼のような感情が霧散したぞ、俺様の右腕のようにな」

オッレルス『自虐ネタはやめてくれ。それより今はどこにいるんだ?』

フィアンマ「イギリスだ。『必要悪の教会』の女子寮だな」

オッレルス『必要悪の教会だって? 捕まったのか?』

フィアンマ「いいや、歓迎された。どうやらここの女達は俺様を通報する気は無いらしい」

オッレルス『そうか、よかったじゃないか。ところで一つ言い忘れていたことがあるんだ』

フィアンマ「なんだ? 俺様がお前の所を離れた事を知ってどこかから追手でも放たれたか?」

オッレルス『違う違う、そんな物騒な話じゃない。単なるアドバイスだよ』

フィアンマ「アドバイス?」

オッレルス『ああ、君は世界を見て回るんだろう? 今まで君が見てきたものとは違う世界を』

フィアンマ「……そうだが、それがどうかしたのか?」

オッレルス『フィアンマ、ただ観光するだけじゃ『世界』を見て回っただなんて言えないぞ』

フィアンマ「ならどうすればいい? 旅行記でも書けばいいのか?」

オッレルス『何、単純なことだよ』
35 :matu :2012/04/08(日) 00:21:25.77 ID:r8mPmCFY0











オッレルス『大切な人を作ることさ。友達でも、恋人でもいい。君がこの世界を守りたいと思えるような相手を作るんだ』















フィアンマ「……」

オッレルス『まぁ正直言って、君が友達を作るのは相当難しいと思う。ましてや恋人など無理難題に近いな。一緒に生活していて思ったが、君はどうもコミュ障的なところがあるしな』

フィアンマ「いいセリフを言った直後に人を貶すな。俺様だって一応傷つくのだが」
36 :matu :2012/04/08(日) 00:22:26.81 ID:r8mPmCFY0
オッレルス『悪い悪い、まぁそういうことだよ。幻想殺しは禁書目録を守るために世界を滅ぼすことができる程の力を持った君に挑んだ。君を敵に回してでも救いたいと思う人がいたから、彼は君に勝った』

フィアンマ「……」

オッレルス『ちなみに友達は適当に作っても意味がないぞ。お互いに心を許せる関係でなくては友達と言えん。恋人もそうだ、相手に自分の生涯をささげるくらいの気持ちでなくてはな』

フィアンマ「俺様の人生は俺様のものだよ。他人に渡すことなど考えられん」

オッレルス『恋人ができればその考え方も変わるかもな。ハァ、シルビアももう少しお淑やかになれば良いんだけれどあれシルビアさん何で蝋燭と鞭を持って笑顔で近づいてくるんですかな?』

フィアンマ「オッレルス、貴様はそれなりにいい奴だったよ。おそらく俺様はお前を忘れないだろう」

オッレルス『そんな戦場に行く友人を見送る感じのセリフは言わないでくれ! あ、ちょ、待ってシルビア頼むからギャァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!』プツッ ツーツーツー……


フィアンマ「……魔神になり損ねたほどの男といえども、最後は儚いものだな」ホロリ
37 :matu :2012/04/08(日) 00:23:50.84 ID:r8mPmCFY0
コンコン


フィアンマ「鍵はかかっておらんよ、入ってこい」

神裂「し、失礼します」ガチャッ

フィアンマ「なんだ聖人か、何か用か?」

神裂「あー、えーっと……その、食堂で色々とお話していたじゃないですか」

フィアンマ「俺様に信頼できる相手がいないと言う事か? 貴様が気にする必要などありはせんよ。俺様は別に同情を誘いたいわけではない、実際、困ることもなかったしな」

神裂「そうではなくて、その、馬鹿にするつもりは一切ないと知ってもらったうえで聞いてほしいのですが……」

フィアンマ「なんだ、さっさと言え」










神裂「少しの間、女子寮で暮らしてみませんか?」
38 :matu :2012/04/08(日) 00:24:29.46 ID:r8mPmCFY0
フィアンマ「」

神裂「固まらないでください! いや、私もオルソラとかと話してみたんですが……」

フィアンマ「……確かに俺様は貧相な体だ、だがこれでもれっきとした男なのだが……」ズーン

神裂「それはわかっていますよ! 別に男女の区別が付かなかったわけではありませんから!」

フィアンマ「なら、何だというのだ? 俺様を見逃すつもりまではまだかろうじて理解できるが、俺を住まわすなど正気の沙汰とは思えんが」

神裂「正気ですよ。確かにルチアなど、何人かは反対しましたが……」

フィアンマ「それが正常だよ。わかっているとは思うが、俺様は第三次世界大戦を引き起こした張本人だ。戦火という憎しみの連鎖の原点、そんな俺様を招き入れるなど、殺人鬼と一緒の独房に入るようなものだぞ」
39 :matu :2012/04/08(日) 00:25:12.58 ID:r8mPmCFY0
神裂「私も、はじめは貴方を招き入れるなど考えていませんでした。戦時中は特に、あなたがあの子……インデックスにした事は決して許せることではありません」

フィアンマ「……」

神裂「ですが、今の貴方は戦争を引き起こした『神の右席』のフィアンマではありません。上条当麻に救われ、自ら変わろうとする一人の魔術師、フィサンタさんでぶふっ」

フィアンマ「そこで吹き出すのか貴様、色々と台無しだよ」

神裂「し、失礼……まぁ、そういうわけです。私はあなたを救われない存在だと思っていました。救うために滅ぼすなんて破滅的な考えを持っていた右方のフィアンマは倒さねばならない怨敵だと。ですがあなたは変わろうとしている。ならば私は手を差し伸べたいと思います。『救われぬものに救いの手を』、それが私が魔術師である理由ですから」ニコッ

フィアンマ「……決まりのいいセリフを言ったと思ったら台無しにして、その次にはまた格好をつけるのか。滑稽だよ聖人、その上世界を救おうとした俺様が救われぬ者とは、俺様も墜ちたものだ」

神裂「どうなされますか? ちなみに私があなたの話をした時に、最初に受け入れることを提案したのはオルソラですよ」

フィアンマ「またあのシスターか」

神裂「彼女はこう言っていました。どんな人であれ、迷える子羊を導くのが私たちシスターの役目なのですよ、と。彼女はあなたが誰であるか当然知っていました。知っていたからこそ、あなたをここへ連れてきたのだと思いますよ」

フィアンマ「……やれやれ、どうも上条当麻に敗れて以来、俺様はおせっかいに出会うことが多いようだ。ついさっきも俺様がしる限りこの世で二番目におせっかいな男が電話でアドバイスをしてきた所だしな」








フィアンマ「しばらく、世話になるが構わんな?」

神裂「ええ、歓迎いたしますよ」ニコッ
40 :matu :2012/04/08(日) 00:27:48.93 ID:r8mPmCFY0
今日はここまでです。

やっぱり短いですかね……毎日更新で短めなのと、多少日を置いてある程度の長さの更新のどちらがいいのでしょうか?

とりあえずフィサンタは爆発すればいいと思います、主に尻が。

では次回も明日を予定しております。また明日お会いするのでございますよー。
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/08(日) 01:04:05.13 ID:NpTYj8BDO


それは自分で決めてくれ。ただどちらを選んでも完結もしくはそれに近いものにしてほしい
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) :2012/04/08(日) 05:22:08.99 ID:p4Uhtury0

もし一方通行と会う時が楽しみだなぁww
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/08(日) 07:06:52.57 ID:Xzg2PhFDO


面白いな!
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/08(日) 10:04:49.47 ID:LgDbtUn70
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/04/08(日) 14:03:23.78 ID:wjnaMyHAO


これはブクマせざるを得ない
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/08(日) 20:44:31.23 ID:j9yIk0Oso
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/04/08(日) 22:51:37.17 ID:o0+43guro
乙‼面白いよ
個人的には毎日の方がいいけど>>1のしたいようにすればいいよ
48 :matu :2012/04/09(月) 00:18:38.54 ID:XIOIGNyV0
思わずニヤケるような言葉が色々書き込まれていて、はたから見るとすごく気持ち悪い笑みを浮かべています。もう何も怖くないキリッ

長くなるにしろ短くなるにしろ、とにかくゴールまでは必ず持っていきますのでその時までどうかお付き合いください。

投下も、できる限り毎日やらせていただきます。

それでは今日もレッツラゴー! なのでございますよー
49 :matu :2012/04/09(月) 00:20:17.82 ID:XIOIGNyV0
フィアンマ「と、いうわけで世話になることになった」

オルソラ「よろしくなのでございますよ、フィサンタ様」

アニェーゼ「よろしくですぜフィサンタ」プークスクス

アンジェレネ「フィ、フィサンタさん……よ、よろし……くくっ……お願いしま……ふふっ」ピクピク

ルチア「……ふん」ツーン

シェリー「あーよろしくな赤いの」

フィアンマ「恐ろしいまでに好意的な挨拶がないな。というか俺様の呼び方はフィサンタ確定なのか」

神裂「外で呼ぶときにあの名前をほかの魔術師に聞かれると厄介なことになりますから」

アニェーゼ「似合ってますぜフィサンタさププッ」

フィアンマ「貴様一番腹立つ。『神よ、何故私を見捨てたのですか』食らわせてやろうか」ビキビキッ
50 :matu :2012/04/09(月) 00:22:02.86 ID:XIOIGNyV0
オルソラ「まぁまぁ、フィサンタ様も落ち着いてください。フィサンタ様のお部屋は先ほどまで使っていたお部屋でよろしいですか?」

フィアンマ「構わんよ」

オルソラ「では、明日になったらフィサンタさんの生活用品のお買い物に行くのでございますよ。何か必要なものはございますか?」

フィアンマ「多少の資金はある。まだ出発する前にもらったカバンの中身を確認していないからな、足りないものはまだわからん。明日自分で買いに行くとする」

オルソラ「わかりましたのでございますよ。フィサンタ様もここに住まわれるのですから、ローテーションで寮内のお仕事をしていただくのですよー」

フィアンマ「……仕事?」

アンジェレネ「お、主に洗濯とか料理とか掃除とかですよ」

フィアンマ「…………」

神裂「ちなみに、料理の経験は?」

フィアンマ「あるが料理と呼べるものは出来なかったな」

神裂「掃除は」

フィアンマ「やるたびに元同居人に怒られていた」

神裂「……洗濯は?」

フィアンマ「一度やったが洗濯機が泡で埋もれた。ちゃんと一箱全部入れたのだがな」

アニェーゼ「役立たずゴミ虫じゃねぇですか」

フィアンマ「誰がゴミ虫だマジでキレるぞ」

シェリー(言われても仕方ねぇと思うけどな)
51 :matu :2012/04/09(月) 00:24:00.93 ID:XIOIGNyV0
神裂「ま、まぁ……それはこれから覚えていけばいいんですよ。いくらフィサンタさんでも買い物くらいはできるでしょうし」

フィアンマ「フォローしようという気持ちはありがたいが実はあまりフォローになっていないと言う事に気づいてほしい」

ルチア「どうせ人殺しとか犯罪とか暴力とかしかできないんでしょうこのヘモグロビンが」

フィアンマ「誰がヘモグロビンだ。というかこいつら本当にシスターなのか? 明らかに人を苛立たせるエキスパート共なんだが」

アニェーゼ「まぁシスター・ルチアは潔癖症的な雰囲気がありますからねぇ、あの強固な精神の牙城を崩すのは簡単なことじゃありませんぜ」

フィアンマ「そうか、しかし俺様にも目的はある。そのためには今まで考えしなかった『努力』と言うものをせねばならん」

神裂「そういえば、フィサンタさんの目的って何なのですか?」

ルチア「どうせイギリス中の人間を虐殺してイギリスを真っ赤に染めるとかそういうこと考えているんですよこの赤い彗星は」

フィアンマ「俺様は変な仮面もつけておらんし赤いロボットにも乗っていない。そもそもそんな物騒なことは考えておらんよ」

アニェーゼ「じゃあ何を考えているんですかい?」

フィアンマ「俺様の目的は単純だよ。上条当麻が言ったように、俺様は世界中を見て回らねばならん。そして俺様を救ったもう一人のおせっかいのアドバイスでな……」
52 :matu :2012/04/09(月) 00:24:50.97 ID:XIOIGNyV0







フィアンマ「俺様は友達と恋人を作るのだ」







神裂「」

アニェーゼ「」

アンジェレネ「」

ルチア「」

オルソラ「あらあら、まぁまぁ」///

シェリー「何言ってんだコイツ」

フィアンマ「……? どうした、何故固まる」

神裂「い、いえ……あまりにも予想外すぎて」

アニェーゼ「友達と恋人って言葉があんたの口から出るとは思ってもいませんでした」

アンジェレネ「思ったより可愛らしい目的だったので……」

ルチア「現実を見ろハバネロ」

フィアンマ「泣くぞ貴様ら」
53 :matu :2012/04/09(月) 00:26:58.13 ID:XIOIGNyV0
神裂「別におかしい目的では……まぁ、確かにこの上なく似合いませんが」

アニェーゼ「似合わないなんてもんじゃないですね。失笑物です」

フィアンマ「どれだけお前ら俺様の心を傷つける気だ」

ルチア「傷つくような繊細な心なんて持ってないんでしょうこのム○クが」

フィアンマ「貴様赤いものなら何でも俺様を表していると思っているのか?」イラッ

オルソラ「良い事ではございませんか。お友達も想い人も、いるだけで幸せになるのでございますよー」ニコニコ

フィアンマ「この中で良心はお前だけだなオルソラ・アクィナス」

神裂「しかし、友達ですか……(私も友達と呼べるのはインデックスくらいかもしれません、ステイルも友達に入るのでしょうか)」

フィアンマ「なんだ、貴様も友達がおらんのか」

神裂「なっ!? そそそそそそそそんなわけないじゃないですか! あなたの様なコミュ障と一緒にしないでください! このド素人が!」

フィアンマ「……すまん」

アニェーゼ「神裂さん、さすがに言い過ぎじゃあありませんかね」

神裂「はっ! す、すいませんフィサンタさん!」

フィアンマ「気にするな、俺様が悪いのだ。俺様などどうせ子供にプレゼントを配っているのをヴェントあたりに目撃されて笑われていればいいのだ、友達居なくてすいません」

アンジェレネ「めちゃくちゃネガティブになりやがりましたね……」
54 :matu :2012/04/09(月) 00:27:44.83 ID:XIOIGNyV0
神裂「そ、そうだ! フィサンタさん! メアド交換しましょう、ね? 友達ならメアドの交換をするものですよ」

フィアンマ「……そうなのか?」

神裂「ええ、そうですよ。ね? オルソラ」

オルソラ「私も携帯は持っているのでございますよー」シャキーン!

フィアンマ「友達とはメアドを交換するものなのか……」

フィアンマ(俺様の携帯にはオッレルスの番号しか入っておらんからな)

神裂「そうですよ、ほら、携帯を出してください」

フィアンマ「せかすな。……ええと、確かここを……」ピッピッ

アニェーゼ「露出狂とサンタの夢の競演ですね」

アンジェレネ「しゅ、シュールな光景です」

神裂「露出狂じゃないっつってんだろこのド素人が」

フィアンマ「俺様のサンタ呼ばわりは咎めてくれんのだな」ピッピッ

神裂「……よし、交換できました。携帯には本名で入れておきますね」

フィアンマ「助かる。……神裂火織、それがお前の名だったのか」

神裂「ええ、そういえば私たちは名乗っていませんでしたね。私は神裂火織、天草式の女教皇です」ペコリ
55 :matu :2012/04/09(月) 00:28:47.74 ID:XIOIGNyV0
アニェーゼ「私はアニェーゼ・サンクティスです。まぁよろしく頼みます」

アンジェレネ「わ、私はアンジェレネです! よろしくお願いします!」

ルチア「……ルチアです」

シェリー「シェリー・クロムウェル。まぁ好きに呼びな」

フィアンマ「……フム、覚えた。まぁよろしく頼むぞ火織、オルソラ、アニェーゼ、アンジェレネ、ルチア、シェリー」

神裂「きゅ、急に名前呼びに!? さっきまで聖人呼ばわりだったのに!」

フィアンマ「噂によると友達というのは名前で呼ぶと聞いたことがある。あだ名でもよいらしいな。名前が不服なら俺様が直々にあだ名をつけてやろう。……そうだな、『妖怪アシメ露出おんn

神裂「叩っ斬りますよ」チャキ

フィアンマ「すいませんでした」

オルソラ「まぁまぁ、これでお友達でございますねー」ニコニコ

ルチア「誰があんなのと友達に……」

アンジェレネ「し、シスター・ルチア。そろそろ気を許してあげても……」

フィアンマ「構わん、俺様が気に入らんというのならそれでいい、別に無理に親しく接しろなどというつもりはないのでな」

ルチア「……」

神裂(名前で呼ばれるだなんて、あの子以外で初めてです……///)
56 :matu :2012/04/09(月) 00:29:17.76 ID:XIOIGNyV0
フィアンマ「さて、後携帯を持っているのはオルソラ以外いるか?」

アニェーゼ「私は持ってますんで交換しちまいましょう」

アンジェレネ「私たちは持ってませんもんね……欲しいなぁ」

ルチア「あんなもの必要ありません。修道女らしくつつましやかに生きていれば十分です。無理に科学の発展に身をゆだねる必要などないのです」

シェリー「私はゴーレムあるしな」

フィアンマ「交換完了だ。……俺様は今日はもう休ませてもらう。いろいろとあって少し疲れたのでな」

神裂「あ、はい、了解です」

オルソラ「お休みなのでございますよー」

アニェーゼ「良い夢見やがれです」

フィアンマ「なんかケンカ売られているように聞こえるのは気のせいか?」

アンジェレネ「お、おやすみなさい!」

フィアンマ「お前とオルソラだけだな俺様が何も心配せずに話せるのは」

ルチア「永眠してください、祈りだけはささげてあげますから」

フィアンマ「こいつは安定の罵倒だしな。マジで肉片にしてやろうか」
57 :matu :2012/04/09(月) 00:31:45.83 ID:XIOIGNyV0
 その夜





フィアンマ「……何だ、この疲れは」グッタリ

フィアンマ「上条当麻と戦った時ですら、こんな疲労感はなかったぞ。頭も働かんし、何だというのだ」

フィアンマ「……」

フィアンマ「……メールアドレス、か」

フィアンマ「今まで友人など存在しなかった俺様には、友人の定義がわからん。厚意に甘えた、普通の会話をした、メールアドレスも交換した、名前で呼ぶようになった」

フィアンマ「これで友達なのか? 俺様はあいつらを理由に『世界を守りたい』などと思えるのか?」

フィアンマ「………………」

フィアンマ「……もしや、俺様は……」

フィアンマ「……いや、考えないことにした方がいい。この程度でこんな事を考えていては、先が持たん」

フィアンマ「……寝るか」
58 :matu :2012/04/09(月) 00:33:14.68 ID:XIOIGNyV0
 翌日





オルソラ「朝なのでございますよー、起きてくださいー」

フィアンマ「……」ネムイ

オルソラ「寝ぼすけさんなのでございますねー……! 良い事を思いついたのでございますよ」ピコーン!

タッタッタッタッタ←部屋を出ていく音


フィアンマ「zzz」

タッタッタッタッタッタ……カパッ、エエト、コレヲ……エイッ、ナノデゴザイマスヨー



オルソラ「そぉい!」ズボッ!



フィアンマ「んん……ん!? ごほっごほっ!?」ガバッ!

オルソラ「おはようございます、フィサンタ様」ニコニコ
59 :matu :2012/04/09(月) 00:35:00.84 ID:XIOIGNyV0
フィアンマ「……俺様が寝ているときに口に放り込んだものはなんだ?」

オルソラ「神裂様が天草式の皆様から貰った辛子明太子という物なのでございますよー」デロン

フィアンマ「……その真っ赤で何やら妙にやわらかい奴を一本まんま俺様の喉に突っ込んだというわけか」

オルソラ「フィサンタ様は真っ赤でございますから、同じく真っ赤の辛子明太子はお好きだと思ったのですが……」

フィアンマ「たとえ俺様がそれを好物だとしても寝ている間にのどに丸ごと突っ込まれたら嫌いになる自信があるな」

オルソラ「お気に召しませんでしたか……申し訳ないのでございます」ショボーン

フィアンマ「……いい、気にするな。すぐに目を覚まさなかった俺様が悪い。着替えて顔を洗ったら下に降りるから先に行っていろ」

オルソラ「はい、わかりましたのでございますよ、フィサンタ様。ありがとうございます」ペコッ トタトタトタ


フィアンマ「……」

フィアンマ「……普通に食えば味は悪くないな、少し辛いが」モグモグ
60 :matu :2012/04/09(月) 00:36:01.69 ID:XIOIGNyV0
 食堂





神裂「あ、おはようございます」

フィアンマ「ああ。ほかの奴らは?」

神裂「アニェーゼ達は朝早くから任務で別の場所に、シェリーもそうです。私とオルソラしか残っていませんよ」

フィアンマ「そうか、朝からルチアの暴言を吐かれるのは不快だから別に構わんがな。……火織、今お前が食べているものはなんだ?」

神裂「あ、これは梅干しですよ」

フィアンマ「ウメボシ……聞いたことがあるな。日本の主食であるライスの定番で酸味が強いと」

神裂「これはそんなに酸っぱいものではありませんよ、それに少し塩気があってご飯との相性が抜群です。食べますか?」

フィアンマ「……そうだな、ためしに一個いただくとする。あと辛子明太子と言うものがまだ残っていればほしいのだが」

神裂「辛子明太子ですか? ありますけど、ウメボシを知らなかったのによく知ってましたね」

フィアンマ「まぁな。さて、朝からライスを食うことはあまりなかったが……物は試しだ。火織、これはどうやって食うのだ?」ウメボシヲスプーンデスクウ

神裂「ご飯に載せて食べてもいいですし、そのまま食べてもいけますよ」

フィアンマ「そうか、ならいただくとする」パクッ
61 :matu :2012/04/09(月) 00:37:37.93 ID:XIOIGNyV0
神裂「……」

フィアンマ「……」

神裂「……ど、どうですか?」ドキドキ





フィアンマ「……酸っぱい、苦手だ」





神裂「そうですか」ガッカリ

フィアンマ「すまんな、今まで日本食自体殆ど食ったことがなくてな、慣れていないというのもある」

神裂「いえ、お気になさらず。アンジェレネも前に食べて椅子から転げ落ちたことがありますから。辛子明太子、とってきますね」

フィアンマ「ああ、わかった」


フィアンマ「……顔も洗った、酸味の強いものも食べた。目は覚めたのだが……どうも頭がすっきりせんな、疲れも残っているし」

フィアンマ「……やれやれ、面倒だな、俺様も」
62 :matu :2012/04/09(月) 00:39:45.45 ID:XIOIGNyV0
オルソラ「フィサンタ様、朝のスープはいかがでございますかー?」テクテク

フィアンマ「……オルソラか。スープとは火織の所にある奴の事か? あれはなんというスープなのだ?」

オルソラ「お味噌汁、と言うのでございますよ。何でも日本ではお味噌汁を上手に作れないとお嫁さんにいけないだとか」

フィアンマ「何だと? そんな儀式的に重要な意味合いを持つスープを火織は朝から飲んでいるのか?」

オルソラ「さらに、お味噌汁というものは料理でありながら一人ひとり味が違うそうなのですよ。その家庭にのみ伝わる秘伝の技術で磨き上げられてきたお味噌汁は母より娘に受け継がれる一族の秘密だそうで」

フィアンマ「……以前寿命を持つ人間がアルス・マグナを完成させるための手段として親から子へ、子から孫へと作業を引き継がせるという方法を考えたと何処かで聞いたことがあるな。それは結局不可能だったようだが、このジャパニーズスープ、『オミソシル』はそれを続けているのか……すさまじいな」ゴクリ

神裂「戻りました……ってフィサンタ? 私の顔に何かついていますか?」

フィアンマ「……いや、なんでもない」

神裂「? あ、フィサンタも味噌汁飲みますか?」

フィアンマ「いや、良い。俺様が飲むにはあまりにも高尚なスープだ」

神裂「え?」

フィアンマ「火織、俺様は貴様をどうやら甘く見ていたようだ。こんな大呪文クラスの伝統によって支えられている『オミソシル』を朝から飲むお前はかなりレベルの高い存在であると今更ながらに理解した」

神裂「何言ってるんですか!? べ、別に味噌汁なんていつ誰が飲んでいてもおかしくないもので……」

フィアンマ「良いのだ。俺様が『オミソシル』を口にするときはおそらくありえないだろうが結婚とやらをした時だな。今は普通のスープをもらおう、あるか?」

オルソラ「ええ、ございますよ。少々お待ちくださいなのですよ−」テクテク

神裂「私が席を外した短い時間でいったい何が……?」
63 :matu :2012/04/09(月) 00:41:41.28 ID:XIOIGNyV0
今日はここまでなのでございますよ。

味噌汁美味しいですよね。ちなみに私はあさりが一番好きです。ねぎをたっぷり入れます。こんな時間にお腹がすいてきました……

それでは次回も明日を予定しています。これくらいのペースでまったりゆっくり行きまっしょい。それではー
64 :matu :2012/04/09(月) 00:48:42.28 ID:XIOIGNyV0
そしてまさかの書き加え、やってみたかった『次回予告』というのを入れ忘れたのでそれではと言ったのに書かせていただきます。申し訳ない……




「そういう趣味だったんですか……アニェーゼとアンジェレネには注意するよう言っておきましょう。……はっ! まさかインデックスにかかわってきた本当の目的は!?」
――『必要悪の教会』聖人 神裂火織



「尻がぁぁぁああああああああああああああああああああああ!?」
――『神の右席』元リーダー 右方のフィアンマ



建宮「そういうわけで着るのよな! その隠れ巨乳を武器にあの少年にアタックをさぁさぁさぁさぁさぁ!」
――『天草式十字凄教』教皇代理 建宮斎字




 それでは今度こそ、また次回お会いしましょう。それではー
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/09(月) 00:58:54.13 ID:TLZ4b8xQ0

あらすじひでぇwww
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/04/09(月) 17:05:47.42 ID:4hDgVLZK0
フィアンマの台詞に吹いた

乙!
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/09(月) 18:43:05.11 ID:/9TvddWm0
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/09(月) 19:20:44.32 ID:W/Al+jyDO
おつー

>>63
>ねぎをたっぷり入れます。
握手(AAry
69 :matu :2012/04/10(火) 00:31:36.63 ID:4Nz3iK2s0
いと眠し。

>>68
ねぎは美味しいですよね。納豆にも卵かけごはんにも入れます。 腹が減っては執筆ができぬのでございますよー。


それではゆるりと投下と行きましょう
70 :matu :2012/04/10(火) 00:32:21.60 ID:4Nz3iK2s0
神裂「そういえば、昨日必要なものがないか確認すると言っていましたがしたのですか?」ズズッ

フィアンマ「……忘れていた」モグモグ

オルソラ「ではお食事が終わったらみんなでするのでございますよー」モキュモキュ

神裂「今日は私も仕事はありませんし、買い物に行くのならばお付き合いしますよ」パクパク

フィアンマ「助かる、どこに何があるのか把握していないのでな、道案内がいると心強い」ゴクゴク

フィアンマ(そもそも迷子で偶然イギリスに来たのだしな)

オルソラ「みんなでお買い物なんて楽しみなのでございますよー」ワクワク

フィアンマ「たかが買い物で何が楽しみなのだ?」

オルソラ「お友達とお買い物、というだけでドキドキワクワクなのでございますよ」

フィアンマ「……よくわからんが、そういうものなのか?」

神裂「え? ま、まぁ確かに(インデックスと買い物に行った時はとても楽しかったですね。ステイルは別にいりませんでしたが、私とインデックスの二人で十分でしたが)」
71 :matu :2012/04/10(火) 00:33:04.36 ID:4Nz3iK2s0
フィアンマ「……まぁいい、取り合えず買い物に付き合ってもらえるというのならば頼むだけだ」

神裂「私も少し見て回りますかね」

神裂(フィアンマが例の霊装を作ってくれた時の事を考えて、服を見たいです)

オルソラ「そうでございますねー、私もやっぱり新しい下着をいくつか買うのでございますよ。ご馳走様でした」テヲアワセペコリ

神裂「ご馳走様でした」テヲアワセペコリ

フィアンマ「……」

オルソラ「どうかなさったのでございますか?」

フィアンマ「今まで『ご馳走様』など言った事が無いのでな」

オルソラ「それはいけないのでございますよ。私たちは皆主が与えてくださる大地の恵みと命をいただいて生きているのでございますから、感謝の言葉を忘れてはプンプンなのでございますよ」プンプン

フィアンマ「オルソラが怒っても恐ろしいほどに恐ろしくないな」
72 :matu :2012/04/10(火) 00:33:37.02 ID:4Nz3iK2s0
神裂「ご馳走様、にはオルソラが言ったように命への感謝、そして作ってくれた人への感謝の二つの意味があるんですよ。フィアン……フィサンタが飲んだスープはオルソラが作ってくれたんですよ」

フィアンマ「言い間違えそうになるならもう素直にフィアンマって呼んでくれ。……ご馳走様でした。……これでいいのか?」

オルソラ「はい、よくできましたのでございますよー」ナデナデ

フィアンマ「撫でるな、俺様は赤子ではないのだぞ」

オルソラ「ちゃんとできた人を褒めるのは当たり前なのでございますよー」ヨシヨシ

フィアンマ「……」

神裂「まるで母親のようですね、オルソラ」クスッ

フィアンマ「見た目の年齢的には火織の方が母親っぽい貫録を持ってr

神裂「このド素人がっ!」スパァァァァァァァァァァン!

フィアンマ「尻がぁぁぁああああああああああああああああああああああ!?」
73 :matu :2012/04/10(火) 00:34:36.97 ID:4Nz3iK2s0
フィアンマ「火織、俺様の尻に恨みがあるのか」ヒリヒリ

火織「あれはフィアンマがいけないんです」

フィアンマ「まぁ俺様も失言だったことは認めよう。後フィアンマと呼ばれたのがずいぶん久しぶりな気がして感動している」

オルソラ「フィサンタというお名前も可愛らしくて素敵ですのに……」

フィアンマ「俺にはお前の感性がよくわからん」

神裂「そうですよね、確かに可愛らしい名前……ぷふっ」

フィアンマ「思い出し笑いのような笑い方をするな。よし決めた、次フィサンタって呼んだら『ぺクスジャルヴァの深紅石』食らわせてやる」

神裂「そんな高等な魔術を使うほどですか」

オルソラ「わかりましたのでございますよ、フィアンマ様。でもたまには呼ぶことを許してほしいのでございますよ。あだ名で呼ぶなんて、初めてのことでございましたので」
74 :matu :2012/04/10(火) 00:35:07.31 ID:4Nz3iK2s0
フィアンマ「……たまになら、な。だが基本はフィアンマだ、そこは譲らん」

オルソラ「了解なのでございますよー」ニコニコ

フィアンマ(オルソラの笑顔は色々と反則な気がする)

神裂「さて、そろそろ始めますか?」

フィアンマ「ああ、そうだな。さて、オッレルスの奴は旅に最低限必要な物しか用意できなかったと言っていたが、何が入っているのやら」

神裂「オッレルス……? どこかで聞いたことあるような……」

フィアンマ「開けるぞ。とりあえず触れたものを取り出すことにする」ゴソゴソ



・ゲコ太の目覚まし時計



フィアンマ「」

神裂「……ま、まぁ、目覚まし時計は便利、です、か、ら、ね」プルプル
75 :matu :2012/04/10(火) 00:36:00.13 ID:4Nz3iK2s0
フィアンマ「体震えるほどに笑いを堪えるならもういっその事笑え。余計悲しくなる」

オルソラ「可愛らしい時計なのでございますよー」ホノボノ

フィアンマ「……次だ」ゴソゴソ



・ゲコ太の歯ブラシセット



フィアンマ「……またカエルか」

神裂「〜」ドンドン!

フィアンマ「必死に口を押えながら床を叩くな。涙目になるほど堪えるなら笑ってくれ、頼むから」

オルソラ「ですが、どれも実用的な物ばかりなのでございますよ」
76 :matu :2012/04/10(火) 00:37:10.39 ID:4Nz3iK2s0
フィアンマ「俺様がこんな子供臭いものを使っていたら、マタイ・リースのジジイなら腰を抜かすぞ。いや、神の右席の全員がひっくり返るな」

オルソラ「カエルだけに、でございますか?」

フィアンマ「そんなつもりで言ったんじゃない本当だ、信じてくれ」カァァァ

オルソラ「まぁ、お顔まで真っ赤になっているのでございますよー」

フィアンマ「何だこれ拷問か、くそっ、オッレルスの奴、次会った時に絶対に第三の腕で股を裂いてやる。……もう次のを出すのが嫌だが、ここでやめるわけにもいかん」ゴソゴソ



・ジ○ジ○の奇妙な冒険(一巻)



フィアンマ「流れを考えろ」

神裂「日本の有名な漫画ですね」

オルソラ「なんだか独特な絵柄なのでございますよー」パラパラ
77 :matu :2012/04/10(火) 00:38:39.53 ID:4Nz3iK2s0
フィアンマ「列車の中で読むとかそういう用途だろうか……というか、最低限必要なものに何故漫画が含まれているのかがわからん」

神裂「中にはいるんじゃないですか? どこに行くのにもゲームや漫画が手放せないっていう人」

フィアンマ「俺様には理解できんな。……まぁとりあえずこの本には後で目を通すとしよう。次だ」ゴソゴソ



・ゲコ太のパジャマ



フィアンマ「カエルシリーズは終わったと思ったのにまたか!」

神裂「ず、ずいぶんファンシーな寝巻ですね……っ!」プルプルプルプル

フィアンマ「火織は一度笑うべきだな、もう堪えるのが辛そうで見てられん」

オルソラ「可愛らしいパジャマでございますよー。フィアンマ様、もしよければこのパジャマ、譲ってもらえないでしょうか」

フィアンマ「構わん、むしろこの時計と歯ブラシもくれてやる」

オルソラ「まぁ、ありがとうございますなのですよー」ホクホク
78 :matu :2012/04/10(火) 00:39:49.81 ID:4Nz3iK2s0
フィアンマ「……というか、なんでアイツはこんなにもカエルグッズを持っていたのだ、まさかシルビアの趣味じゃあるまいし、もしあの凶暴性が皮をかぶって歩いているような女がこんなものを使っていたとしたら――っ!」

神裂「どうかしましたか?」

フィアンマ「……はるか遠くから俺様の尻に向かって殺気を向けられた気がする。あの怪物、千里眼でももっているのか」ガタガタ

神裂「よくわかりませんが、次に行きましょう。もうそろそろ全部ではないのですか?」

フィアンマ「そうだな、どうやら次のものが最後のようだ。最後位まともに役に立つものが入っていてほしいものだが……」ガサガサ



・学園都市製18禁本『20001人目の幼女、いいねェいいねェ最っ高だねェ!』



フィアンマ「」

神裂「」

オルソラ「あらあら///」
79 :matu :2012/04/10(火) 00:41:19.27 ID:4Nz3iK2s0
フィアンマ「ちょっと待ておい何だこれはふざけるなオッレルスの奴何のつもりだそして俺は何もしていないし何も知らん、俺様に罪はない」

神裂「……」ウワァ

フィアンマ「そんな目で見ないでくれ頼むから。割と本気で今俺様は泣きそうだぞ」

神裂「そういう趣味だったんですか……アニェーゼとアンジェレネには注意するよう言っておきましょう。……はっ! まさかインデックスにかかわってきた本当の目的は!?」

フィアンマ「ち、違うぞ。俺様は純粋に禁書目録の知識を利用するために霊装を奪って禁書目録の頭を覗いたわけでそこに今火織が想像しているような事は一切無い」

神裂「この……ド外道のド素人がっ! 『Salvere000』!」シャィィィィン!

フィアンマ「完全に聞く気ゼロが貴様! くそっ、仕方あるまい! 出てこい第三の腕!」ボンッ!

神裂「よくもあの子の純潔をぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

フィアンマ「何を言っているのだ貴様はぁぁあああああああああああああ!」

オルソラ「お二人とも、ファイトー! オー! なのでございますよー!」
80 :matu :2012/04/10(火) 00:41:51.03 ID:4Nz3iK2s0
フィアンマ「」ゼェゼェ

神裂「」ゼェゼェ

オルソラ「お疲れ様、なのでございますよー」ニコニコ

神裂「さ、さすがは元神の右席のリーダーなだけありますね……不完全な腕であってもそれほどの性能を持つとは……」

フィアンマ「火織こそまさか目も当てられんほど弱体化しているとはいえ、俺様の第三の腕から逃れるとは……」

オルソラ「お二人とも凄すぎて、私の目では追えなかったのでございますよ」

フィアンマ「……また無駄に力を使ってしまった。第三の腕を行使できるようになるのはしばらく後だな……」

神裂「私もだいぶ体力を消費してしまいました。『唯閃』を二回も放ったので」

フィアンマ「完全に俺様を[ピーーー]つもりだったな、もう一度念のために言っておくが、俺様は禁書目録の知識以外の何にも手出しはしておらん」

神裂「え、ええ、私も少々取り乱してしまって申し訳ありません」ペコリ

オルソラ「一件落着なのでございますよー」
81 :matu :2012/04/10(火) 00:42:17.81 ID:4Nz3iK2s0
フィアンマ「やれやれ、俺様はこれから買い物に行かんといけないのに。とりあえず必要なものは着替えや日用品といったところか」

神裂「この近くに大きめのショッピングモールがありますから、そこに行けばある程度は揃うと思いますよ。私も一緒に行きますし」

オルソラ「私も一緒に行くのでございますよ」

フィアンマ「神の右席と聖人、それにシスターが仲良く買い物か。他の魔術師が見たら腰を抜かす光景だな。……まぁ、俺様は別の事を心配しているのだが」

神裂「何をですか?」

フィアンマ「俺様が火織と歩いていたら、火織にそういう羞恥を煽る恰好を強要させて街を歩かせている変態に見られるのではないだろうか」

神裂「懲りませんねこのド素人が」チャキッ

フィアンマ「刀を置いて出かけてくれ頼むから」
82 :matu :2012/04/10(火) 00:42:59.38 ID:4Nz3iK2s0
ショッピングモール

フィアンマ「…………」

神裂「どうかしました? 何故固まってるんです?」

フィアンマ「……俺様が前に性悪暴力女に買い物に行かされた時はこんな大きな場所ではなかった。もっとこじんまりとした、客も2,3人しかいない店だった」キョロキョロ

オルソラ「ここら辺で一番大きなショッピングモールでございますからねー、たくさんの人が集まるのでございますよー」ペロペロ

フィアンマ「お前は早速アイスを買い食いか、どれだけ自由なんだ」

神裂「オルソラ、はしたありませんよ。……でもおいしそうですね」ジー

フィアンマ「……火織も買いたければ買えばよかろう」

神裂「い、いえいえ、私は天草式を束ねる女教皇ですよ? そんなみっともない真似はしません!」

フィアンマ「そうか、ならばあのみっともない奴らはどう思う?」ユビサシ

神裂「へ?」クルリ
83 :matu :2012/04/10(火) 00:44:26.80 ID:4Nz3iK2s0
建宮「五和ーっ! 今日こそこの『熾天使エロメイド服水陸両用ヴァージョン』を着るのよなー!」

五和「ひぃぃぃぃぃぃっ!? な、なんだか妖精の奴より布が少ないというかもうそれほとんど紐じゃないですか! う、牛深さんも諫早さんもどうしてそんなに目を輝かせて私の背後に回り込んでるんですか!?」

牛深「黙れ! もう『あの方をお守りできるのならば一歩引いたところで見守ります』的な雰囲気はたくさんだ!」

諫早「孫娘的な五和には幸せを掴んで欲しいのだ!」

香焼「ファイトです! 女教皇様!」

対馬「まぁ、頑張りなさい」

建宮「そういうわけで着るのよな! その隠れ巨乳を武器にあの少年にアタックをさぁさぁさぁさぁさぁ!」ズイズイッ

五和「た、建宮さぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」






神裂「」
84 :matu :2012/04/10(火) 00:45:09.82 ID:4Nz3iK2s0
フィアンマ「あれが確か天草式とかいう連中だったな。火織を慕う者達だろう? 何やら衣服というよりは荷造りの紐に近いものを持って女を一人囲んでいるが、あれはもしや日常生活中に隠れた術式を混ぜるという天草式由来の何かなのか?」

神裂「……ちょっと(息の根を)止めてきます」チャキッ

フィアンマ「お前もお前で往来で刀を出すな、というかやっぱり持ってきていたのか。後物騒な言葉が聞こえたような気がしないでもないのだが」

オルソラ「あら、あそこにおらっしゃるのは天草式の皆様ではございませんかー」ペロペロ

フィアンマ「いつの間に二個目を買ってきたんだお前は」

五和「助けてぇぇぇぇぇぇ! ……って女教皇様!? どうしてここに!?」

神裂「それは私のセリフですが……とりあえずあのクワガタを十七個くらいに切り刻んできます、止めないでください」

五和「えぇっ!?」

フィアンマ「火織、いくらなんでもそれはやめておけ。殺人など事後処理が完璧な者しかやってはいけんよ」

五和「!?」

建宮「待つのよな五和……って、女教皇様? こんなところに何用ですのよな? それに……どうしてソイツがそこにいるのか、聞きたいのですよのな」

神裂「……」シマッタ

 ネェ、アレッテ アア、アノアカイノ……
  ウホウノフィアンマダ  ナンデプリエステスサマト




フィアンマ「まぁ、なんとなくこうなる事は予想していたがな」
85 :matu :2012/04/10(火) 00:54:05.91 ID:4Nz3iK2s0
今日はここまででございますのよな。
リアルの方がいつ忙しくなるかわからないのでそれまでは毎日更新は続けますのよな。100が近いので頑張ります。

それでは、次回予告をしておさらばとしましょう。






「腐っても俺様は聖職者だ。昨日のお前の言葉ではないが、『救われぬ者に救いの手を』……俺様の第三の腕は永遠に未完成だが、それでもこの体から延びる二本の手は差し伸べることができるぞ」
――『神の右席』元リーダー 右方のフィアンマ



「女教皇様――の事、よろしく頼むのよな」
――『天草式十字凄教』教皇代理 建宮斎字




「私にそんな口をきいていいのは上条さんただ一人だけなのになんであなたのような服のセンスゼロの上に上条さんが行方不明になる原因を作った根暗で引きこもりで唐辛子みたいな男に言われないといけないんですか大体私が上条さんを助けて一気に好感度を稼ぐという私の作戦もグレムリンだかガーゴイルだか知らないですが意味不明な組織に邪魔されてあの人に会いに行く時間が取れないっていうのにそれをあざ笑うかのようにこのタイミングであなたが出てくるなんてもう私にとっては不幸以外の何物でもないんですけど不幸と言う事はある意味あの人とお揃いと言う事でここは喜ぶべきなのかもしれませんいやでも私とあの人二人そろって不幸と不幸を掛け合わせればマイナス×マイナスはプラスになるように二人そろって幸福になれるかもしれませんそろってとても素晴らしいことですよねだって普段は不幸な二人がそろったときに幸せになるなんてこれはもう運命の巡り会わせとしか言えませんよああ会いたい上条さん上条さんこんな意味不明赤野郎なんて今すぐにでもすりつぶしてロシアの極寒の海にばらまいて今すぐ会いに行きたいよ上条さん上条さんかーみじょぉさん」
――『天草式十字凄教』恋する乙女 五和



それではまた明日、お疲れ様でしたー


86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/10(火) 01:42:30.64 ID:WwHzsaat0
うん、ここの五和は正常だな(棒
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/04/10(火) 13:38:54.78 ID:QUF4XErXo
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/10(火) 21:37:24.13 ID:9HaGj3ADO
乙ー


ところで>>2では右腕くっついてないみたいなのに>>85の予告で2本の手と言ってるのが気になった
89 :matu :2012/04/11(水) 00:33:35.10 ID:8WWIOsWj0
>>88
ごふっ……まさかそんなミスをしていたとは……申し訳ないです。本編ではちゃんと修正しました。


出だしからミスをやらかして危険な雰囲気ですが、今日も投下していきます。
90 :matu :2012/04/11(水) 00:34:47.15 ID:8WWIOsWj0
 カクカクシカジカ


フィアンマ「と、言うわけで俺様は今こいつらの所で世話になっている」

建宮「カクカクシカジカって便利な言葉なのよな」

フィアンマ「そういう発言はするな」

対馬「私にはどうも信じられないけど……フィアンマって色々と噂されてたし」

フィアンマ「そうなのか?」

対馬「ええ、『幼い子供の生き血を浴びてるから真っ赤なんだ』とか、『トマト祭りを右腕を振るだけで終わらせるトマトの化身』だとか、『魔界にある村を訪れた騎士を[ピーーー]赤い悪魔の親玉』とか色々」

フィアンマ「噂というか悪評ではないか。というか俺様に猟奇的な趣味はないしトマトの化身でもないしゲームキャラクターを従える気などありはせん」
91 :matu :2012/04/11(水) 00:35:43.85 ID:8WWIOsWj0
香焼「でも、本当に怖い人だと思ってました」

フィアンマ「そうだな、その気になればここにいる人間を虐[ピーーー]ることは可能かもしれん。最もその気などありはせんし、俺様としても火織やオルソラを[ピーーー]のは回避したい」

建宮「……!? 『火織』……だと……?」ワナワナ

牛深「き、教皇代理が震えている!」

神裂「え、えーと、建宮? 別にフィアンマが私の事を名前で呼ぶことに深い意味は……」

建宮「そうか、そういう事だったのか……成程なのよな。……フィアンマ」

フィアンマ「何だ」










建宮「女教皇様の事、よろしく頼むのよな」キリッ


フィアンマ「」
92 :matu :2012/04/11(水) 00:36:33.66 ID:8WWIOsWj0
フィアンマ「」

神裂「」

対馬「……何言ってるの?」

建宮「俺が知る限り、女教皇様を名前で呼ぶのは禁書目録だけなのよな。フィアンマも同じく名で呼び、それを許されている。これはもうフィアンマを受け入れたとしか考えられないのよな!」

香焼「ま、マジですか!?」

牛深「おのれフィアンマ! 女教皇様には心に決めた男性がいるのだぞ!」

神裂「みんな何を言っているのですか!? それに私には心に決めた男性など――

牛深「女教皇様はかの幻想殺し、上条当麻に『堕天使エロメイド』という姿を見せているのだぁぁああああああああああ!」バァァァァァン!

神裂「牛深ぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああ!!?///」
93 :matu :2012/04/11(水) 00:37:33.99 ID:8WWIOsWj0
フィアンマ「……」

神裂「フィアンマ! そんなに憐れみに満ちた目で私を見ないでください! あ、あれは私の意志ではなく! そう、土御門の卑劣な――

フィアンマ「良いのだ、火織」

神裂「え?」

フィアンマ「人には誰しも負の一面と言う物がある。平和に生きる平凡な男の心の中に殺人衝動が渦巻くことも、純粋な好青年がふと魔が指して性犯罪を犯すこともこの世ではいくらでもある。だが、そんな負の一面も含めてこそその人間を指すのだ。火織、たとえお前が露出狂ばかりか名前を聞いただけで羞恥の極致にある衣服を異性の前で着るという行為に走ったとしても、俺様のお前に対する評価は変わらんよ」

神裂「フィアンマ……」

フィアンマ「腐っても俺様は聖職者だ。昨日のお前の言葉ではないが、『救われぬ者に救いの手を』……俺様にはもう腕は一本しか残っておらんが、それでも差し伸べることができるぞ」

建宮「い、良い話なのよな……」グスッ

牛深「フィアンマ、俺はお前の事を誤解していたよ」エグッエグッ

香焼「ふ、フィアンマ兄貴カッコいいです!」キラキラ

諫早「良い相手が見つかったようで……この諫早、一片の悔いなし」フッ……

対馬「べ、別に感動して泣いてなんか……」ズズッ
94 :matu :2012/04/11(水) 00:38:08.36 ID:8WWIOsWj0
神裂「……フィアンマ、一つだけ訪ねたいのですが」

フィアンマ「何だ、聞こうではないか」







神裂「堕天使エロメイド姿の私と普段着の私の評価が同じと言う事は、普段着の私もそれくらい恥ずかしい格好だと、そういうことでしょうか」




フィアンマ「」

フィアンマ「……いや、違う、ぞ」

神裂「なぜ目をそらすのですか! ちゃんと私の目を見て答えて下さい!」ガシッ

フィアンマ「大丈夫だ、火織。お前にも良いところはあるはずだ。見た目だけで判断するなど愚かな人間がすることだよ」

建宮「そうなのよな、女教皇様。女は見た目だけじゃありません」

香焼「僕達、女教皇様のいいところいっぱい知っていますから!」グッ!

神裂「つまり見た目はアウトってことじゃないですかぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」ウワァァァァァァァァァン!
95 :matu :2012/04/11(水) 00:38:43.79 ID:8WWIOsWj0
建宮「あーあ、泣かせてしまったのよなー」ジトー

フィアンマ「俺様だけが悪いような言い方をするな」

対馬「とりあえず慰めてくるわ」

オルソラ(空気なのでございますよ)ペロペロ

香焼「美味しそうっすね」

オルソラ「なら買ってあげるのでございますよー。一緒に行くのですよ」

フィアンマ「お前ら火織は完全スルーか」

建宮「まぁ女教皇様は対馬に任せておけば大丈夫なのよな」

フィアンマ「ならばいいんだが。……で、天草式の代表」

建宮「建宮斎字なのよな」

フィアンマ「では建宮、一つ訪ねたいんだが……」
96 :matu :2012/04/11(水) 00:39:40.33 ID:8WWIOsWj0





五和「……」ギロッ





フィアンマ「あの殺意100パーセントの視線を俺様に向けている女は何だ」

建宮「あー……あれはちょっと仕方ないのよな。フィアンマ、お前さん第三次世界大戦で上条当麻と戦っただろ? あれ以来少しの間上条当麻が行方不明になってな」

フィアンマ「そういえばそんな事をオッレルスが言っていたな」

建宮「まぁその上条当麻は今は無事に学園都市にいるらしいから、五和も地面にめり込むレベルで落ち込んでいたのからは何とか復帰したのよな」

フィアンマ「……つまり、一時とはいえ上条当麻が行方不明になったのは、最後にベツレヘムの星でアイツと戦った俺様のせいだと、そういう理由で憤慨しているわけか」

建宮「そうなのよなー……五和も今すぐにでも上条当麻に会いに行きたいんだが、最近俺らもいろいろと忙しいのよな。何やら不穏なやつらが出てき始めているのよな」

フィアンマ「不穏なやつら?」
97 :matu :2012/04/11(水) 00:40:18.43 ID:8WWIOsWj0
宮「魔術サイドとも科学サイドとも言いにくい奴らが戦争終結時からちょこちょこと噂されているのよな。まだ問題と言えるほどの事は起こしていないんだが……」

フィアンマ(……オッレルスが調査していた奴の事か? 今の『魔神』が不穏な動きを見せていると言っていたが、何か関係が……)

五和「……建宮さん、そんな信号機の止まれの記号の色まみれの奴と話すことなんかないですよ」ギロッ

フィアンマ「普通に赤と言え小娘」

五和「私にそんな口をきいていいのは上条さんただ一人だけなのになんであなたのようなセンスゼロの上に上条さんが行方不明になる原因を作った根暗で引きこもりで唐辛子みたいな男に言われないといけないんですか大体私が上条さんを助けて一気に好感度を稼ぐという私の作戦もグレムリンだかガーゴイルだか知らないですが意味不明な組織に邪魔されてあの人に会いに行く時間が取れないっていうのにそれをあざ笑うかのようにこのタイミングであなたが出てくるなんてもう私にとっては不幸以外の何物でもないんですけど不幸と言う事はある意味あの人とお揃いと言う事でここは喜ぶべきなのかもしれませんいやでも私とあの人二人そろって不幸と不幸を掛け合わせればマイナス×マイナスはプラスになるように二人そろって幸福になれるかもしれませんそろってとても素晴らしいことですよねだって普段は不幸な二人がそろったときに幸せになるなんてこれはもう運命の巡り会わせとしか言えませんよああ会いたい上条さん上条さんこんな意味不明赤野郎なんて今すぐにでもすりつぶしてロシアの極寒の海にばらまいて今すぐ会いに行きたいよ上条さん上条さんかーみじょぉさん」ブツブツ

フィアンマ「」ガタガタガタガタ

建宮「……恋する乙女は恐ろしいのよな」

フィアンマ「明らかに恋する乙女などという甘酸っぱい響きのものではないだろうあれは!」
98 :matu :2012/04/11(水) 00:41:22.75 ID:8WWIOsWj0
牛深(……教皇代理、やはりあの作戦は無茶だったのでは?)ヒソヒソ

建宮(ううん……俺の独自の調査によれば、あの少年の周りには様々なタイプの女がいると発覚したのよなぁ。だから五和には新たなタイプのヒロインになってもらおうと思ったのよな……)ヒソヒソ

牛深(あの時は俺たちもどうかしていましたよね。『上条当麻を攻略せよ! 五和をヤンデレヒロインに大改造作戦』なんてやっちゃいましたからね)ヒソヒソ

建宮(最も危険と思われる相手がシスターかツンデレだったのよな。そして言わずもがな女教皇様は母性あふれるお姉さんタイプ、ならばと思ってヤンデレになるよう洗脳を試みた結果、それっぽくはなったのよな)ヒソヒソ

牛深(明らかに前の方がマシのような気がしますけどね。普段はいつも通りなのにあの少年が絡んだ瞬間一気にキャラが変わりますから)ヒソヒソ

建宮(まぁ、最終的には責任はすべてフィアンマに押し付けるのよな。五和がああなったのはあの少年が行方不明だったせい、そしてその責任はフィアンマにあるっていうことで)ヒソヒソ

フィアンマ「聞こえているぞ貴様ら、そこに並べ。今すぐ俺様が肉塊にしてやる」

五和「何が肉塊ですか、『私の』上条さんを傷つけたあなたなんかズタズタのグチャグチャのボロボロにビチャビチャのミンチになればいいのにというか私が今すぐしてあげますよ」チャキッ
99 :matu :2012/04/11(水) 00:42:26.92 ID:8WWIOsWj0
建宮「五和ーっ!? こんな街中で海軍用船上槍なんて構えちゃダメなのよなー!」アタフタ

五和「止めないでください建宮さん、あんまりうるさくすると刀を頭に振り下ろしちゃいますよ」ニコッ

建宮「」ガタガタガタ

フィアンマ「お、おい、誰かこの脳内天界女を止めろ。そうだ火織はどこだ」キョロキョロ

オルソラ「あそこで対馬様に渡されたアイスを食べながら諫早様に慰められているのでございますよ」

フィアンマ「子供かアイツは!」




火織「私だって、えぐ、おしゃれをしたいんです。これでも18歳の女なんですから、もっと、ぐすっ」ウェェェェ

対馬「わかります、女教皇様。大丈夫ですよ、あなたは素材が素晴らしいんですから、いつか服装に隠された術式もちゃんと読み取ってなお受け入れてくれる素晴らしい男性が表れますよ。ほら、たとえば上条当麻とか」

神裂「彼は別にそういう風に考えたことはないですが……それに彼はインデックスと……」
100 :matu :2012/04/11(水) 00:43:28.37 ID:8WWIOsWj0
フィアンマ「くそ、完全に戻ってくる気配がないなあれは」

五和「さぁフィアンマ、粛清して差し上げますよ。ご安心ください、邪魔者はもう排除しました」

建宮「」

牛深「」

香焼「」

フィアンマ「そこの子供は何一つ手を出していなかっただろうか! くっ……俺様への憎しみのあまり狂化したか……」

五和「あなたの首を手土産にイギリス清教の上層部に彼に会いに行くことを打診すれば許可を貰えるかもしれません、ふ、ふふ、ふふふふふふふふふ」

フィアンマ(……第三の腕は……まだ行使できないか。あれが使えれば楽なのだが、仕方あるまい)ゴォォォォッ!

五和「炎ですか……そういえばあなたは右方、『火』を司るでしたね。 あの水ゴリラの水は厄介でしたがあなたの火はどんな事をしてくるんですか?」
101 :matu :2012/04/11(水) 00:45:06.99 ID:8WWIOsWj0
フィアンマ「俺様の首を取ろうとする奴に誰が自分の技を教えるものか、後水ゴリラとはアックアの事か? まぁその評価には同意だが」

五和「のんきなことを言っている余裕がありますか? 今からあなたはハンバーグ一直線なんですから」

フィアンマ「……」ハァ

五和「さぁ、上条さんへの謝罪を口にしながらせいぜい念仏でも――!?」




 ゴォォォオオオオオオオオオッ!!!





フィアンマ「あまり調子に乗るなよ、女」

五和「ほ、炎が巨大な腕の形になって……!?」

神裂(ステイルの『魔女狩りの王』よりも巨大で威圧的な炎の『右腕』……第三の腕がなくとも魔術師として最高クラスの力を持っているとはさすがですね……)

フィアンマ「今は貴様に火の拳を向けているにすぎん、だがそこから一歩でも足を進めてみろ。殺しはせんが四肢のどれか一つは炭になってもらう。安心しろ、俺様はこれでも火のエキスパートだ。誤って余計なところを焼くなどいうミスは犯さんよ」

五和「……ッ!」ギリッ

対馬「五和、ここは引きましょう」

五和「……」

フィアンマ「……」

五和「……女教皇様や建宮さんがどうかはわかりませんが、私はあなたを許していませんから」

フィアンマ「そうか、俺様も許してもらえたなどと思っておらんよ」
102 :matu :2012/04/11(水) 00:45:58.83 ID:8WWIOsWj0
 イキマショウ、イツワ ……




フィアンマ「……ふむ」

神裂「フィアンマ……その、あまり気を落とさずに……」

フィアンマ「気など落としておらんよ。ただ確認していただけだ」

神裂「確認?」

フィアンマ「ああ、俺様の目的は『世界中を見て回る事』、『たくさんの友人と大切な恋人を作る事』だが、さらにもう一つ追加だ」

神裂「その、目的とは?」

フィアンマ「どうやら俺様が謝らねばならんのは、禁書目録だけでは足りんようだ……少なくとも俺様がそれなりに深くかかわった人間には謝罪せねばならんな」

オルソラ「きちんと謝るのは良いことなのでございますよ」

神裂「居たんですか」
103 :matu :2012/04/11(水) 00:46:46.04 ID:8WWIOsWj0
フィアンマ「言ってやるな。さて……火織、アニェーゼ達は任務と言っていたな? いつごろ戻ってくる?」

神裂「え? ええと確かそこまで大きな仕事ではないので二、三日中には帰ってくるかと」

フィアンマ「そうか、ならば先にあそこに行くとしようか。行動は迅速であるべきだ。火織、オルソラ、着いて来てもらえるか?」

火織「どこに行くんですか?」

フィアンマ「バッキンガム宮殿」

神裂「」

オルソラ「」

フィアンマ「あのじゃじゃ馬第二王女は第三の腕で吹き飛ばした事もあるしな、アニェーゼ達が戻ってくる前に英国女王と第二王女に謝罪をしに行こう。ついでに第三王女にはアックアについて色々とあることないこと吹き込んでやる」

神裂「ちょちょちょちょっと! ちょっと待ってください!」ガシッ
104 :matu :2012/04/11(水) 00:47:29.42 ID:8WWIOsWj0
フィアンマ「何だ、というか聖人の力で腕を掴むな、折れるかと思ったぞ。俺が今涙目になっているのを見て察しろ」

神裂「いきなりバッキンガム宮殿に言って『王女達に謝りたいから入れろ』だなんて通るわけないでしょうこのド素人が!」

フィアンマ「物騒な口癖だな、ド素人って」

神裂「大体あなたは魔術サイドから追われている身なんですよ!? いきなり王室派と騎士派のトップがいるところに行くだなんて自ら処刑台に上りに行くようなものですよ!」

フィアンマ「俺様に常識は通用せんよ」キリッ

神裂「へこましていいですかその顔」グッ

フィアンマ「やめろ拳を握って顔に向けるな、嫌なことを思い出すから。……だがまぁ、処刑台に上るというのならば別にかまわんよ」

神裂「え?」

フィアンマ「もし俺様が戦争終結時に身柄を拘束されていたならば極刑以外の何も存在しなかった。俺様が生きているのは法律やルールを順守する者たちにとっては理不尽以外の何物でもないだろう。しかし俺様は謝らねばならん、許されずに処刑されるのであれば、それもまた俺様の運命だろう」
105 :matu :2012/04/11(水) 00:48:42.78 ID:8WWIOsWj0
神裂「しかし……」

オルソラ「大丈夫なのでございますよ、神裂様」ニコッ

神裂「オルソラ?」

オルソラ「フィアンマ様はきっと許してもらえるのでございますよ。今のフィアンマ様は第三次世界大戦を起こした時のフィアンマ様とは別人のようにお変わりになっているのでございますから、きっと許してもらえるのでございますよ」ニコニコ

フィアンマ「連中が皆お前の様だったならばおそらく確実だろうな」

神裂「王室派と騎士派全員がオルソラのような性格ですか……」

フィアンマ「……」

オルソラ「?」ニコニコ

フィアンマ「確実に滅ぶな、英国」

神裂「ええ」

オルソラ「イギリスが滅ぶのでございますか?」

フィアンマ「気にするな、なんでもない。……まぁいい、さっさと行くとしよう」

神裂「嫌な予感しかしません……」
106 :matu :2012/04/11(水) 00:55:19.31 ID:8WWIOsWj0
今日はここまでです。いやぁ、どんどんフィアンマにやることが増えていって困っちゃいます。
そしてこのSS、ゆっくりまったりだらだら続けていく予定なので多分結構長丁場になると思います。お付き合いください。


それでは次回予告




(顔パスというか、服装で覚えられているのではないのか?)
――『神の右席』元リーダー 右方のフィアンマ



「羞恥とはなんであるか! まさかフィアンマ、こういう時のためにちょくちょく神の右席』時代に我々を鍋パーティだのなんだのに誘っていたのであるか!?」
――『神の右席』英国傭兵 後方のアックア



「な……なら、今夜は……私が眠るまで私の手を握っていてください///」
――『王室派』英国第三王女 ヴィリアン







それではまた明日ー
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/04/11(水) 01:28:59.75 ID:hsPGhQyfo
乙です

魔術側オンリーのSS希少だから楽しみ
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/11(水) 02:40:12.24 ID:Bzk3IE0SO
五和の怒りは友達や仲間を傷つけられた人間としては至極まともな思考な件

自分を何度も救った上条や大切なインデックスを傷つけ利用した奴をあっさり許すとか責めないとかいっちゃう神裂やオルソラがノータリンにしか思えない。それを肯定する周囲も

戦争なんだから一般人も被害を被り死者も出たろうに
上条やインデックス、天草式がフィアンマのせいで死ななかったのは結果論に過ぎない
フィアンマが五和に対して罪悪感を感じず、牙をむけるなんて理不尽な八つ当たりもいいとこじゃね?
本来こういう人間から責められ、批判や罵倒を受け止めるべきだろうに
謝るとか言ってんのに贖罪(笑)になってるぞ

開き直ったクズにしか見えない。神裂もオルソラもフィアンマも割りと好きな自分には残念だ
辛口コメで悪いが期待してみてた読者の感想だと受け流してくれ
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/04/11(水) 05:54:35.17 ID:whdhxOPAO
>>1

自衛の為に手が出るのは致し方ないんじゃなかろうか、罪人とはいえフィアンマさんはやっぱり人間だから。ましてや暗部に身を置いてたから…。
それにしてもフィアンマさんの涙目かわいいな
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/11(水) 09:56:34.69 ID:rW+moGMc0
111 :matu :2012/04/11(水) 21:25:09.46 ID:8WWIOsWj0
すいません、今日予定していた投下ですが、筆者の急病により見送らせていただきます。熱39、7度ってどういうことなの……

ですので明日、もしくは明後日に投下します。

ねぎとショウガと卵の入った雑炊を食べておとなしくしています。皆さんもお体にはお気を付けください。
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/11(水) 22:19:05.96 ID:7WZMQW16o
お大事に
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2012/04/12(木) 13:07:09.97 ID:rdwFr0mAO
贖罪(笑)
114 :matu :2012/04/14(土) 00:28:20.81 ID:Gv48BbRf0
復活! 作者復活ッ! 作者復活ッッッ! 作者復活ッッッ!

お待たせしました、14キロの砂糖水を飲んで復活しました。今日は少し短めになりますが、どうぞお付き合い下しあ。


>>108
ある程度のフォローがもう少ししたら出てきますので、ご期待には添えないかもしれませんが少々お待ちください。私にシリアスを書く力がない事を実感してしまいましたが……


それでは投下します
115 :matu :2012/04/14(土) 00:29:07.02 ID:Gv48BbRf0
 バッキンガム宮殿 正面門前





フィアンマ「と、言うわけでバッキンガム宮殿前までやってきた」

神裂「誰に言ってるんですか?」

フィアンマ「そうだな、いうなれば天上の意志という奴か……まぁそれは良い。しかしずいぶんと注目を浴びているな」

神裂「そうですね、オルソラの修道服はまだあまり珍しくはないですが私とフィアンマが少々目立ちますね」

フィアンマ「火織の場合は少々どころの話ではないと思うが……いや、やめておこう、どうせ刀を出して話を中断するのが見えているからな。俺様の場合は右腕が無いからな、まぁ目立つだろう」

神裂「骨折とかしてギプスつけて登校すると妙に注目を浴びるあれですね」

フィアンマ「何の話だ」
116 :matu :2012/04/14(土) 00:30:06.09 ID:Gv48BbRf0
神裂「これもいわゆる天上の意志相手に、という奴です」

オルソラ「ええと、インターホンはどこでございましょうか」キョロキョロ

フィアンマ「バッキンガム宮殿にインターホンがあったら俺様は設計者の脳を疑うな」

神裂「戦争以来来ていませんが、私はたまに出入りしていたので顔パスで行けないこともないですが……」

フィアンマ(顔パスというか、服装で覚えられているのではないのか?)

神裂「普通の見張りや使用人に王女達に会わせろと言っても無理でしょうし、騎士団長あたりに会えればいいのですが……」


 ブルルルルルル……



フィアンマ「ん? 車が来たな」

神裂「どうやらこちらへ向かってますね、明らかに高級車ですし、少し隠れて様子を伺いましょう」コソコソ

オルソラ「探偵さんみたいでわくわくなのでございますよー」ワクワク
117 :matu :2012/04/14(土) 00:31:48.56 ID:Gv48BbRf0
 
 ガチャッ  ウンテンシュサン、アリガトウゴザイマシタ
  グム……  ダ、ダイジョウブデスカ?







ヴィリアン「ウィリアム、ちゃんと持ってくださいよ? 落としたらお仕置きです」

アックア「し、しかしヴィリアン様、いくらなんでもこれは買いすぎではないのでは……? 積み重ねて5メートルほどあるのですが……」ヨロヨロ

ヴィリアン「女性の荷物位軽く持てなくては恰好がつきませんよ?」

アックア「くっ、少し前までの私ならこの程度軽々持てたのであるが……」






神裂「」

フィアンマ「」

オルソラ「仲がよろしいのでございますねー」ホノボノ
118 :matu :2012/04/14(土) 00:32:57.63 ID:Gv48BbRf0
フィアンマ「……多少調べはしたもののどこにいるかわからなかったアックアだったが、まさか第三王女とイチャイチャしていたとは」

神裂「知らなかった……」

フィアンマ(恋人を作る、という点で俺様はアックアに劣っていたのか……しかしあの強面ゴリラを顎でこき使うとは第三王女もなかなか肝が据わっているな)

神裂「アックアがすさまじく荷物を持たされているのでなかなか中に入りませんね」

フィアンマ「ふむ、ちょうどいいではないか。このままアックアに会って中に入ることを伝えればよかろう」スタスタ

神裂「え」








アックア(しかしこの私が女性の買い物の荷物持ちとは……騎士団長や知り合いには絶対に見られてはいけない姿であるな)

ヴィリアン「さすがに買いすぎたでしょうか……あら? どなたか近づいてきますね」

アックア「何ですと?」クルッ
119 :matu :2012/04/14(土) 00:33:50.25 ID:Gv48BbRf0
フィアンマ「久しいな、アックア」

アックア「」

ヴィリアン「? どなたなのですか?」

フィアンマ「すまんがエリザードとじゃじゃ馬第二王女に用があってな、中に入らせてもらうぞ」スタスタ

神裂「ちょ、ちょっと待ってくださいフィアンマ!」タタタタッ

オルソラ「お邪魔しますなのですよー」ペコリ






アックア「……」ボーゼン

ヴィリアン「う、ウィリアム、フィアンマってもしかしてあなたと同じく『神の右席』の……」

アックア「……はっ! す、すいませんがヴィリアン様、荷物はここに置かせていただきます!」ドサドサッ ダダダダダダ……

ヴィリアン「えっ!? ちょ、ちょっと待ちなさいウィリアム! こんなにたくさんの荷物私ひとりじゃ運べません!」
120 :matu :2012/04/14(土) 00:34:41.97 ID:Gv48BbRf0
フィアンマ「すんなり入れたな」テクテク

神裂「あれは許可を得た内に入るのでしょうか……」テクテク

オルソラ「立派な建物でございますねー」テクテク





アックア「ま、待つのであるフィアンマ!」ダダダダッ

フィアンマ「ん? どうしたアックア、そんなに慌てて」

アックア「どうしたではないのである! 何故貴様がここにいる!? それに天草式の聖人まで居るとは……まさかまた馬鹿な事でもしでかすつもりであるか?」

フィアンマ「落ち着け、そんなつもりは欠片もありはせんよ。純粋に英国王女と第二王女に話があってきただけだ。そうだろう? 火織、オルソラ」

神裂「ええ、落ち着いてくださいアックア。決して不審な真似はしないと誓います」

オルソラ「ご安心くださいなのですよー」ニコニコ
121 :matu :2012/04/14(土) 00:35:30.86 ID:Gv48BbRf0
アックア「むぅ……しかしフィアンマ、貴様は魔術サイド全体から追われる立場である。特に堅物の騎士団長に見つかれば遠慮なしに斬りかかってくると思うが」

フィアンマ「その時は抵抗させてもらうだけだ。最も、俺様がこの宮殿内で魔術を行使するのは自衛のためだけだ。第三の腕も発動しないと誓おう、それでもまだ不満か?」

アックア「貴様をよく知る人間であれば、貴様から不信感と言う物が拭える日は来ないと思うのが当然である」

フィアンマ「ふん、違いない」

神裂「そんな事言ってないで……アックア、すいませんが女王、もしくは第二王女の所へ案内してくださいませんか?」

アックア「……すまぬが、私はお前らを完全に信頼できたわけではないのである。信頼のおけぬ人物を王女のもとへ連れて行くことはできない」

フィアンマ「面倒くさい奴だなお前は、だからいつまでたっても第三王女に尻に敷かれているのだ」

アックア「なっ!?」
122 :matu :2012/04/14(土) 00:36:29.58 ID:Gv48BbRf0
フィアンマ「俺様が『神の右席』時代にほかのメンバーの事を調べないとでも思ったか、知っているぞアックア、貴様が第三王女の我儘にいろいろと振り回されていた事を」

アックア「フィアンマ、貴様……!」

フィアンマ「今だってそうだろう? 第三王女を放って俺様達を追いかけてきたのだろうが、今度の『お仕置き』は何になるだろうな? また買い物の付き添いか、はたまた一緒に食事か、もしかしたら一緒のベッドで添い寝なんて事を言われるかもな」ニマニマ

アックア「黙るのである、ヴィリアン様がそんな事を言うわけ――







ヴィリアン「見つけました! ウィリアム!」プンプン

アックア「ヴ、ヴィリアン様……」
123 :matu :2012/04/14(土) 00:37:31.60 ID:Gv48BbRf0
ヴィリアン「いきなり荷物を置いて走って行ってしまって! あんなにたくさんの量一人で持てるわけないじゃないですか!」

神裂(貴女先ほどアックアに一人で持たせていましたが)

ヴィリアン「近くにいた召使の人達に持って行ってもらったので何とかなりましたけども!」

アックア「そ、それについては本当に申し訳ありません……どんな罰でも甘んじて受けさせていただきます」

ヴィリアン「……その言葉に二言はありませんね?」

アックア「は、はぁ……」






ヴィリアン「な……なら、今夜は……私が眠るまで私の手を握っていてください///」テレテレ///



124 :matu :2012/04/14(土) 00:38:55.82 ID:Gv48BbRf0
アックア「」

フィアンマ「ほほぅ」ニマニマ

神裂「///」

オルソラ「ラブラブなのでございますねー///」

アックア「し、しかし就寝の時間ともなる夜に第三王女の部屋を訪れるなど、一介の傭兵である私には許されないことで……」

ヴィリアン「良いんです! 私が許したんですから! 王女命令ですよ!」

神裂(普段権力に頼らない第三王女がこんなこと言うなんてよほどですね)

フィアンマ「良かったではないかアックア、元同僚として祝福してやる。結婚式には電報の一つでも送ってやろう。なんなら神父の役でも任されようか?」
125 :matu :2012/04/14(土) 00:39:36.00 ID:Gv48BbRf0
ヴィリアン「け、結婚だなんて……///」

アックア「……フィアンマ、貴様そんなキャラじゃなかったはずであるが……」

フィアンマ「さて、どうだかな。ところで第三王女よ、一つ提案があるのだが」

ヴィリアン「? はい、何でしょう」

フィアンマ「イギリスから離れて『神の右席』で後方のアックアをやっていたこのウィリアム・オルウェルだが……まぁ色々とあったものだ。聞きたくはないか? 神の右席のメンバーしか知らない『後方のアックア』としてのウィリアム・オルウェルを」

アックア「フィアンマ! ヴィリアン様に不穏な取引を持ちかけるなど許さぬのであ――

ヴィリアン「……」ゴクリ

アックア「ヴィリアン様!?」
126 :matu :2012/04/14(土) 00:40:15.80 ID:Gv48BbRf0
フィアンマ「もし聞きたければ、俺様達を英国王女の所に案内してもらえんか? 案内するだけでいい、それだけで俺様が知る限りの『後方のアックア』の羞恥と日常を教えてやる」

アックア「羞恥とはなんであるか! まさかフィアンマ、こういう時のためにちょくちょく『神の右席』時代に我々を鍋パーティだのなんだのに誘っていたのであるか!?」

フィアンマ「ようやく気づいたかアックア、誰がお前らなんぞに無償で飯など奢るか。いつ使えるかわからん伏線こそ布石の価値があるのだ」キリッ

神裂(鬼ですね)

オルソラ(思っていたより神の右席の方々も仲がいいのでございますねー)

ヴィリアン「ご案内します、こちらです」ニコッ

アックア「ヴィリアン様ぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああ!?」
127 :matu :2012/04/14(土) 00:48:38.69 ID:Gv48BbRf0
本日はここまでです。短い、短すぎるぞ私!

とりあえず体調に気を付けながら、今後ものんびりと進めていきます。では次回予告






「男らしいじゃないか、まぁ確かにゴリラだがな」ケラケラ
――『王室派』英国女王 エリザード




「檻から抜け出したゴリラが戻ってきた感覚ね」
――『王室派』英国第一王女 リメエア




「あのゴリラが戻ってきて喜んでいるのはお前とヴィリアンだけだし。まったく、あのゴリラのどこがいーんだか」
――『王室派』英国第三王女 キャーリサ




「だ、誰がゴリラですか! ウィリアムは違いますよ!」
――『王室派』英国第三王女 リメエア




「……誰も私の事だとは言っていないのに、何故ゴリラと聞いて即座に私だと?」
――『神の右席』英国傭兵 後方のアックア




それでは次回投下は明日を予定しています。
皆さんも体調にはお気を付けください、それではー
128 :matu :2012/04/14(土) 00:51:08.10 ID:Gv48BbRf0
ミスりました。次回予告の下から二番目はリメエアじゃなくてヴィリアンのセリフです。
何でミスしたんだろ私、これもリメエアが可愛すぎるからいけないんだ。三十路過ぎ可愛いよ三十路過ぎ、おや、何か次元が切断され――
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/04/14(土) 01:36:00.89 ID:BkJ3omnAO
乙ですねー

右席鍋パーティーか…そのうち小ネタとしてちょっと書いてくれたら嬉しいなんて(チラッチラッ
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/14(土) 02:09:51.85 ID:JfA9hxI20
>>108
イギリスには仲間傷つけたやついっぱいいるからな。
神裂だってインデックスを傷つけてたし、
相手のためと思ってたのは、世界中にある不平等を無くしたいと思ってた
フィアンマと規模が違うだけで似たようなもん。
他の奴らだってそうだろ。
ほとんどのやつらが何か言っても自分の事棚に上げてるだけになる。
さよーなら
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/14(土) 11:12:32.40 ID:ua1kHPjAO
うわあ…
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/04/14(土) 18:55:15.30 ID:eAqup9Alo
やっと追いついた
禁書で贖罪云々言い出したらキリが無いぞwwww

あの浜面でさえ御坂母殺そうとしてるし
もしあそこで成功してたら一方通行よりヤバイと思う
133 :matu :2012/04/15(日) 00:15:49.59 ID:+4FhMJFl0
昔のゲームやべぇ面白ぇ、どうもこんばんわ。
今日含めちょいとギャグがあまり入らない話になっちゃいますが書かざる負えない展開でもあるのでご了承ください。


>>129
色々と小ネタというか遊びの話はいずれちょくちょく入れていきたいと思います。


それでは今夜も投下していきましょう。ちなみに私の中のニンテンドー64の中の三大ゲームはマリオストーリー、カスタムロボ2、ゴールデンアイの三本です。ではレッツゴー
134 :matu :2012/04/15(日) 00:16:55.00 ID:+4FhMJFl0
エリザード「なぁ、騎士団長」

騎士団長「は」

エリザード「日本では『クールビズ』という物があるそうだ。何でもラフで涼しげな恰好で仕事をすることらしいが、その文化を私は素晴らしいと思う。だから今からイギリスでもそれを実施しよう、具体的にはこのクソ重たいドレスを脱いでジャージとTシャツで――

騎士団長「却下です。というかそもそもそんな頭の悪い事を言わないでください」

エリザード「むぐ……ちっ、冗談の通じん奴は嫌いだ。はぁ、何か面白いことでも起きないものか」

キャーリサ「なら私がまたクーデタでも起こしてやるし」

騎士団長「物騒なことを言わないでくださいお二方、平和であること、これ以上に望む事などありません。ウィリアムも傭兵として戻ってきて何の不自由もないではありませんか」

リメエア「檻から抜け出したゴリラが戻ってきた感覚ね」

キャーリサ「あのゴリラが戻ってきて喜んでいるのはお前とヴィリアンだけだし。まったく、あのゴリラのどこがいーんだか」

エリザード「男らしいじゃないか、まぁ確かにゴリラだがな」ケラケラ

リメエア「そうは言っても、私もキャーリサも想い人などいないわけだから。ヴィリアンが私たちの中では一番進んでいるわ」

キャーリサ「むー……あんな泣き虫に負けるのは納得いかないし。どこかに私に相応しー良い男は居ないのか? 騎士団長」

騎士団長「両王女様方に吊り合う男などこの世に存在するかどうか……」
135 :matu :2012/04/15(日) 00:17:22.15 ID:+4FhMJFl0
 コンコン





エリザード「おー、誰か知らんが入れー」

ヴィリアン「失礼します」

キャーリサ「何だ、噂をすればゴリラ好きの妹か」

ヴィリアン「だ、誰がゴリラですか! ウィリアムは違いますよ!」

アックア「……誰も私の事だとは言っていないのに、何故ゴリラと聞いて即座に私だと?」

リメエア「あら、ご本人登場」

ヴィリアン「、いえ違うのですよウィリアム! お姉様方はいつもウィリアムをゴリラだの肉襦袢だのターザンだの馬鹿にするので……」

キャーリサ「ターザンなんて言った覚えないし」
136 :matu :2012/04/15(日) 00:18:02.62 ID:+4FhMJFl0
リメエア「で、何か用かしら?」

ヴィリアン「あ、ええと、実はお母様とキャーリサお姉様にお会いしたいという客人が……」

エリザード「何、客人だと? ちょうどいい、暇をつぶせる相手なのだろうな?」ニヤリ

騎士団長「エリザード様、そのようなお言葉は慎んでください」

キャーリサ「しかし私達を訪ねてくる客人なんてそんなに考えられないし。また幻想殺しじゃないだろーな?」

アックア「いえ、その、なんと説明すればいいのか……」

騎士団長「どうしたウィリアム、言い淀むなどお前らしくない。一体誰が来たというのだ?」






フィアンマ「俺様だ」






エリザード「」

騎士団長「」

キャーリサ「」

リメエア「あら、まぁ」
137 :matu :2012/04/15(日) 00:18:40.98 ID:+4FhMJFl0
神裂「ついでに神裂です」

オルソラ「ついでにオルソラなのでございますよー」



エリザード「……まさか客人というのが『神の右席』と聖人とシスターとは」

騎士団長「右方のフィアンマ! いったい何をしに来た!」シャキン

フィアンマ「落ち着け騎士派、俺様は別に危害を加えに来たわけではない」

エリザード「……騎士団長、剣を引け」

騎士団長「しかし……」

エリザード「こいつは交戦の意は無いと言っている。なのにこちらが武器を構えていたら弱腰になっているも同然じゃないか。英国女王たる私は常に相手より堂々としていなければ恰好がつかん」

リメエア「重要な会議にジャージで出ようとした人のセリフとは思えないわね」

エリザード「格好つけさせろよこの娘畜生」
138 :matu :2012/04/15(日) 00:19:21.09 ID:+4FhMJFl0
キャーリサ「……じゃあ、何しに来たんだし。お前を見てると前にぶっ飛ばされた時の痛みを思い出すし」

フィアンマ「……俺様は」

エリザード「……?」

フィアンマ「……」

キャーリサ「早く言って欲しーし」

神裂「……フィアンマ? どうかしたのですか」

フィアンマ「……ん」

アックア「……?」
139 :matu :2012/04/15(日) 00:20:09.38 ID:+4FhMJFl0











フィアンマ「……すまん、なかったことにしてくれ」ダッ










140 :matu :2012/04/15(日) 00:21:15.72 ID:+4FhMJFl0
エリザード「はぁ?」

神裂「フィ、フィアンマ!?」

キャーリサ「何だアイツ、いきなり走って部屋を出ていきやがったし」

騎士団長「」ポカーン

アックア「……」

ヴィリアン「い、一体どうなったんですか?」アセアセ

リメエア「……」ウーン

オルソラ「……フィアンマ様……」
141 :matu :2012/04/15(日) 00:21:54.92 ID:+4FhMJFl0
 バッキンガム宮殿 最上階展望台


フィアンマ「……」

フィアンマ「……はぁ」

フィアンマ「やはり、か。そうだ、当たり前の事ではないか……まったく、火織やオルソラには迷惑をかけてしまったな」





 ガチャッ






フィアンマ(……誰だ? まぁおそらくアックアか火織だろうが……)



リメエア「私ですよ」
142 :matu :2012/04/15(日) 00:22:41.97 ID:+4FhMJFl0
フィアンマ「……予想外すぎるな。火織かアックア、王室派の奴らであれば俺様を見つけるのはエリザードのババァかじゃじゃ馬第二王女だと思っていたのだが」

リメエア「私は頭脳の王女なのだから、頭を働かせて見つけたにすぎません。軍事力でバッキンガム宮殿を更地にするか、人徳で人海戦術を使えば妹達があなたをいち早く見つけたかもしれませんが」

フィアンマ「……成程な。厄介な英国女王、カーテナ・オリジナルを使ってクーデタを起こしたじゃじゃ馬第二王女、そしてアックアことウィリアム・オルウェルに執着する第三王女、こいつらに比べてお前は影が薄かったから見向きもしなかったが、中々に愉快だな」

リメエア「うふふ。愉快だなんて評価は生まれて初めて、ありがたく受け取りましょう」

フィアンマ「しかし、まったく調べなかったわけではないぞ? 英国第一王女リメエア。お前はお前の立場を知る人間は一切信用せず、関わりもしない疑心暗鬼で暗い性格だと噂されていたが」

リメエア「何か不可解な点でも? 私の立場を知っている人間なんて、王室に媚を売るか命を狙うかのどちらかしかありません。それならば路地裏でサッカーをして遊んでいる子供と関わった方がよほど気が楽だわ」

フィアンマ「変わった奴だな」

リメエア「うふふ、あなたほどでは」
143 :matu :2012/04/15(日) 00:23:32.05 ID:+4FhMJFl0
フィアンマ「俺様はお前の立場を知っている。それでもなお普通に接してくるのには意味があるのか?」

リメエア「ええ、貴方であれば私の素性を知ってなお傲慢な態度は消えないでしょう? 私の命を狙っているならば真正面から殺しに来るでしょうし、媚を売るような真似をするとは思えない。実に合理的でしょう」

フィアンマ「……もう一度言おう、変わった奴だよお前は」

リメエア「うふふ。少しくらい突飛な方が美人は映えるのよ」

フィアンマ「……それで、俺様に何の用だ? 何か目的があって俺様を探していたのだろう?」

リメエア「まぁ、あんな去り方をしておいて何か用だなんて、あなたの方がよっぽど変わっているわ。とりあえず、隣に座らせてもらおうかしら」

フィアンマ「英国王女が世界最悪の戦犯の隣に座るとはな、騎士団長が心臓麻痺を起こしそうだ」

リメエア「それはそれで面白いかもしれません」ウフフフ
144 :matu :2012/04/15(日) 00:24:14.83 ID:+4FhMJFl0
フィアンマ「……」

リメエア「良い眺めでしょう? ここからロンドンの街が一望できるのはバッキンガム宮殿の良い所の一つなの。私はここが好きでよく一人で来るわ」

フィアンマ「馬鹿と羊は高いところが好きだそうだ」

リメエア「羊だなんて、あんな可愛らしい動物に例えられるなんて照れてしまうわ」

フィアンマ「ポジティヴだな、馬鹿とはとらんのか」

リメエア「私がお馬鹿ならば王室派にはお馬鹿しかいなくなるわ」

フィアンマ「それは恐ろしいな、全員が第二王女の様であれば一体何度クーデタがおきるのやら」

リメエア「違いありません、まぁキャリーサも反省しているようだけれど」

フィアンマ「……反省、か」

リメエア「そうね、タイミングもいいですし、そろそろ本題に入りましょうか。実は神裂火織に聞いているわ、貴方がここへ来た理由を」

フィアンマ「……」ピクッ
145 :matu :2012/04/15(日) 00:24:47.18 ID:+4FhMJFl0
リメエア「謝罪なんてね。正直言ってとても驚きました。貴方が出向いた事に対してではなく、あなたという存在が『謝罪』という行為を実行しようと考え付いたことに対して、ですが」

フィアンマ「……すべてお見通しというわけか」

リメエア「これでお馬鹿の要素がまた一つ減りましたわね」ウフフフ

フィアンマ「なんか怖いなお前」

リメエア「心外な」

フィアンマ「……まぁいいか。しかし神の右席時代には俺様の考えなど誰一人見抜ける奴はいなかったが、今は貴様のような英国王家の血筋に生まれただけの一般人に見抜かれるとは、俺様は一体どこまで墜ちたのだろうな」

リメエア「特別扱いが嫌いとはいえ、一般人とは心外です。美人で頭も切れるリメエアちゃんです」

フィアンマ「自分で自分の名前にちゃんを付けるな三十路過ぎ」ボソッ

リメエア「ぶちのめすわよ?」

フィアンマ「露骨にキレるな」
146 :matu :2012/04/15(日) 00:25:44.10 ID:+4FhMJFl0
リメエア「まぁそんな事は些細な問題なのでスルーしましょう。先ほども言いましたが、私が驚いたのはあなたの頭に『謝罪』という概念が生まれた事、何が言いたいのかはわかります?」

フィアンマ「ああ、要するに俺様が謝罪などするわけがない、考える事すらありえない。そういう事だろう?」

リメエア「ええ、何故ならばあなたは世界を救いたいと思うほどに強いお心をお持ちなのだから」

フィアンマ「……」

リメエア「もちろん、その方法は許されるはずがなく、失敗することは確定していました。悪性の英雄が世に台頭できないのは摂理のようなもの。だからこそキャーリサのクーデタの失敗も運命通り。クーデタのタイミングであの少年がイギリスに来るなんてあまりにも出来すぎだと思いません?」

フィアンマ「上条当麻がイギリスにやってきて、悪いお姫様を倒すのは運命通りだったというのか? 何ともメルヘンな話だ、お前には悪いがまったく似合わんよ」

リメエア「心配ご無用です、自覚はありますから」ウフフ

フィアンマ「……俺様も第二王女も同じ善性に敗北したとは奇妙な縁だな。まぁ俺様と第二王女では罪のレベルがまるで違うが」
147 :matu :2012/04/15(日) 00:26:12.62 ID:+4FhMJFl0
リメエア「そうね、確かに規模が違う。でもやろうとした事は同じく『救い』。貴方もキャーリサも救おうとした、自分の持つ力で何かを変えようとした」

フィアンマ「……」

リメエア「キャーリサはイギリスを、貴方は世界を。たとえ何をしてでも、悪性の方法であろうとも救おうとした。結果として二人とも善性の英雄に阻まれたけれど、世界は今あなたたちが見ている通り、救われているわ」

フィアンマ「……」

リメエア「あの少年、上条当麻はイギリスを軍事で変えて救おうとしたキャーリサを倒し、結果としてイギリスを救った。一撃で世界中の人間に恐怖を植え付ける程の力を持ってして世界を救おうとした貴方を倒し、結果として世界は救われた。善と悪、やり方は真逆でも貴方もキャーリサも上条当麻も何かを救おうとした。それが正しいと信じ、自分の意志で立ち向かった」

フィアンマ「……」

リメエア「あなたもキャーリサも上条当麻も、皆意志が怖いほどに強い。誰に何を言われても自分が正しいと信じた道を歩む。世界中を滅ぼす力で世界を救おうとした貴方という人格がそんな簡単に変わるはずがないもの。……そろそろ、はっきりと言ってしまおうかしら」

フィアンマ「……そうだな、はっきりと言ってもらおうか。俺様も長い話はあまり聞きたくない」








リメエア「世界を救済するという思想にまでたどり着いた『右方のフィアンマ』という存在が、そんな簡単に変わるはずないもの。口と態度で他人はごまかせても自分はごまかせられない。貴方は自分以外の人間全てを心の底では見下し、蔑み、世界は悪意で歪んでいると信じきっている」
148 :matu :2012/04/15(日) 00:26:50.03 ID:+4FhMJFl0
フィアンマ「やはり、そうか」

リメエア「あら、意外な反応」

フィアンマ「自覚はしていた。俺様はまだ世界を見て回り始めてから二日目だが、俺様の心にどっしりと乗っかる苦痛があまりにも辛くてな。『右方のフィアンマ』の本性が今の俺様を許せないのだろう」

リメエア「あらあら、案外あなたもナイーブなのかしら」

フィアンマ「さぁな。ただお前の言葉はほぼ完答だよ。俺様は『変わりたい』と思っている。だが俺様の本心はどうやらそれを認めたくないようだ。自分で自分の心も制御できんとは……あまりにも惨めで泣けてくる」

リメエア「泣き落としは女の専売特許なので無駄ですよ」

フィアンマ「誰が泣くか、比喩表現だ。……ここに来る前に天草式十字凄教の五和という魔術師に会った」

リメエア「五和……もしかしたらあの可愛らしい子かしら、槍を持っている」
149 :matu :2012/04/15(日) 00:28:27.29 ID:+4FhMJFl0
フィアンマ「そうだ。その五和というのは上条当麻に好意……と言っていいのか怪しいほど歪んだ愛情を持っているのだが、ベツレヘムの星で上条当麻と俺様が戦った後、上条当麻が行方不明になったのだ」

リメエア「そういえば、捜索の手伝いを清教派から申し込まれたわね」

フィアンマ「まぁ上条当麻は無事生存が確認され、今は学園都市にいるそうだがな。……その五和という奴に会ったとき、久しぶりに純粋な『悪意』という物を向けられたよ。アレイスターに負けて右腕を吹き飛ばされ、オッレルスに回収されて旅立つまでの間は俺様には似合わん『平和な日常』というのを過ごしていたからな、悪意を向けられる事がないのはいつ以来だったかも覚えておらん」

リメエア「素敵じゃない」

フィアンマ「悪意の無い世界というのは俺様にはあまりにも居づらかったよ。眩しく、暖かく、そして狂うほど自分が惨めに思える。だから俺様は変わりたいと思った、変わらなければと思った」

リメエア「……」

フィアンマ「だが、『右方のフィアンマ』はそれを認めなかった。俺様の中にある悪意とプライドは決して俺様が知らん悪意以外の世界の一面をどうしても受け入れようとしない。だから俺様は苦しんだよ、まるでジキルとハイドだ。笑えんな」

リメエア「……」
150 :matu :2012/04/15(日) 00:29:13.92 ID:+4FhMJFl0
フィアンマ「いまだ善性を認めない俺様を受け入れようとした火織やオルソラ、あいつらに『俺様』は感謝しているよ。だが『右方のフィアンマ』はあいつらを鬱陶しがっている。差し伸べられた手に泥を塗るようなものだ。……五和に悪意を向けられて、『右方のフィアンマ』は納得したよ。これが俺様だ、悪意を向けられ向け返す世界こそが俺様のいる世界だと。だが『俺様』は認めたくなかった、無理やりにでも自分を変えようとした。だから俺様はバッキンガム宮殿に来ることにした」

リメエア「……成程。だから謝罪だなんて似つかわしくない言葉が出てきたのね。ただの自分に反発するために意地を張っただけだったのね」

フィアンマ「そうだ、子供の我儘と何も変わらん。醜い自分を受け入れたくないから綺麗事を並べて回りも自分も偽ろうとした。……結果、俺様の口から謝罪は出なかったよ。『右方のフィアンマ』としての本性が俺様の変わりたいという願いよりも強いらしい。……もし言葉が出たとしても、何の意味もない文字の羅列にすぎなかっただろうがな」

リメエア「……」

フィアンマ「なぁ、リメエアよ。俺様はどうすればいいのだと思う? 悪意の世界に再び舞い戻り、歪んだ考えと共に生きていけばよいのだろうか、それともあらゆる物を偽りながら善性の世界で生きていけばよいのだろうか……教えてくれ、リメエア。お前は頭脳の王女なのだろう、俺様に教えてくれよ」

リメエア「そんな事、私が答えられるものではないわ。私が答えても何の意味もない、たとえ私の言葉でどちらかを選んだとしても、あなたは必ず後悔する。悪意の世界で自分に絶望するか、善意の世界の眩しさに壊れてしまうかしてしまう」

フィアンマ「……なら、どうしろと言うのだ。どちらでも生きられないというのであれば、俺様はもう死ぬしかないではないか」











キャーリサ「何腑抜けたこと言ってるんだし、このアホが」
151 :matu :2012/04/15(日) 00:30:35.87 ID:+4FhMJFl0
フィアンマ「……第二王女」

リメエア「あら、居たの」

キャーリサ「姉上を名前で呼んで私の事は第二王女だなんて認めないし。私の事も名で呼べ、麗しきキャーリサ様でもいーぞ?」

フィアンマ「失せろ、今俺様はお前を見たくない」

キャーリサ「同族嫌悪か? 私だってお前のよーな奴と同族だなんて吐き気がするし。……まぁ、やり方はほとんど同じだったから仕方ないけど」

フィアンマ「違うな、俺様は世界を滅ぼす力で世界に恐怖を教え込み世界を救おうとした。お前は国の頂点に立ち国を救おうとした、あまりにも違いすぎる。お前のやった事など俺様からすれば可愛いものだ」

キャーリサ「可愛いのはやった事じゃなくて私自身だし。いや、どっちかというと美しいの方が嬉しーな」
152 :matu :2012/04/15(日) 00:31:13.65 ID:+4FhMJFl0
フィアンマ「……」

リメエア「キャーリサ、フィアンマが呆れた目で見ているわよ」

キャーリサ「ふん、無礼な奴だし。……まぁいーし。さてとフィアンマ、全部の話を聞いたわけじゃないが、なんでもお前は悪意が大好きだそーだな? 他人から嫌われるのが好きだなんてとんだドマゾ野郎だし」

フィアンマ「黙れ、お前のような今なお英国でのうのうと生きているお前にそんな事を言われる筋合いはありはせんよ」

キャーリサ「何だ、羨ましーのか?」

フィアンマ「恥知らずと言っているだけだ。罪人となり罪を償うならまだしも、人の上に立とうとするその考えが知れんよ」

キャーリサ「私が独房に入っても誰も得をしないし。私は『軍事』、世界が安定してきているこの世界でも絶対に欠かせない物、私は王女であるから英国を守れるんだし」

フィアンマ「……」
153 :matu :2012/04/15(日) 00:31:50.66 ID:+4FhMJFl0
キャーリサ「フィアンマ、私はお前が嫌いだし、世界中の人間に『第三次世界大戦の引き金になったフィアンマを好きか嫌いか』なんてアンケートを取ったら確実に嫌いな奴が多いだろーな。嫌いどころか憎しみで殺してやろうとする奴だって相当いるだろーし」

フィアンマ「当然だな、俺様を憎まん方が異常なのだ。火織やオルソラのようにな」

キャーリサ「で、お前はそんな貴重な奴を追っ払って満足してるのか?」

フィアンマ「……」

キャーリサ「確かに幻想殺しのよーな『正義のヒーロー』にはなれないだろーさ。たとえ無くなった右腕に宿っている力が『世界を救う力』だろーが、お前は悪だし」

リメエア「キャーリサ」







キャーリサ「つまんない意地なんて張ったところで辛いだけだし。なぁ『右方のフィアンマ』、お前は善意の世界に生きてみたいんだろ? だったら『右方のフィアンマ』としてのプライドなんて全部ぶっ壊してやるし。もうプライドなんて持てないくらい、今私がお前をここでぶっ飛ばしてやるし」チャキッ
154 :matu :2012/04/15(日) 00:32:35.65 ID:+4FhMJFl0
リメエア「! 貴女、カーテナ・セカンドを……」

フィアンマ「……舐めるなよキャーリサ。お前程度、『第三の腕』が無くとも簡単に肉片に出来るのだぞ?」ゴォォォッ!

キャーリサ「ふん、炎なんてサーカス団のピエロにだって出せるし。それに、いつ私だけなんて言った?」

フィアンマ「……」












騎士団長「リメエア様、お下がりください」

アックア「……キャーリサ様も、無理をなさらぬよう」

キャーリサ「誰に言ってるんだし水ゴリラ。お前の方こそもう聖人じゃないだろーが」

神裂「聖人でも、右腕がない状態のフィアンマの相手は困難を極めます。油断しないでください」
155 :matu :2012/04/15(日) 00:33:32.45 ID:+4FhMJFl0
フィアンマ「……英国王女に元聖人にして神の右席、極東の聖人に騎士派のトップか。成程豪華なメンツだな」

キャーリサ「私達全員でお前をぼこぼこにしてプライドも何もかも粉々にしてやるし。びーびー泣くまでぶっ飛ばしてやるし!」ニコニコ

騎士団長「……キャーリサ様、何故そんなに楽しそうなのです」

アックア(そういえば以前フィアンマに吹き飛ばされたと言っていたな、その仕返しでもするつもりであるか……)

神裂「オルソラや騎士達は市街に戦いの影響が出ないように作業をしてもらっています。このバッキンガム宮殿自体が大きな結界のような役割を果たすよう細工をしましたからご安心を」

キャーリサ「うむ、くるしゅーないぞ神裂。……さて、フィアンマ。お前は『右方のフィアンマ』として存分にふるまえ。そーでなきゃ意味ないの」

フィアンマ「……やれやれ、仕方あるまい」






フィアンマ「良いだろう、お前ら程度で『右方のフィアンマ』をどうにかできると思っているのならば……そんな下らん幻想、まとめて焼き払ってやろう」
156 :matu :2012/04/15(日) 00:38:01.73 ID:+4FhMJFl0
本日はここまでです。


その幻想を焼き尽くす→そげや→そげ屋→上条さんがワンコインで顔パンしてくれるお店→君も話術サイドに!

……これは流行るな。ゴクリ


そしてこの面白くない駄作なシリアス(笑)も明日で終わらせます。明日の投下量は多分今までで一番多い量に。まとめられないというのもシリアス苦手な理由の一つです。


そいでは、次回予告を。
157 :matu :2012/04/15(日) 00:45:03.70 ID:+4FhMJFl0





「今頃理解したところで遅すぎるな。手加減を期待したところでもう間に合わんよ。……第二十二章第一節、『神よ、何故私を見捨てたのですか』、完全発動まで十八秒といったところか」
――『神の右席』元リーダー 右方のフィアンマ




「『Salvere000』!」
――『必要悪の教会』聖人 神裂火織




「お前達……」
――『王室派』英国第二王女 キャーリサ




「ふん、お前も私と同じく不器用であるな」
――『神の右席』元メンバー 後方のアックア




「お前と同レベルで不器用とは思われたくないがな。わが友よ」
――『騎士派』トップ 騎士団長




「うふふ、うふふふふふふ。さぁて、はりきってやりましょうか」
――『王室派』英国第三王女 リメエア 






それでは次回も明日を予定しております。ぐっない
158 :matu :2012/04/15(日) 13:36:09.76 ID:+4FhMJFl0
すいません、事情によりこのSSを続けることができなくなりました。

申し訳ありません。HTML化依頼に出しておきます。

159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/15(日) 13:39:11.08 ID:O/eu4dTko
そっか、元気でな!


ばいばい!
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/04/15(日) 13:42:46.75 ID:25soSsBAO
残念だが仕方ないな…乙…
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/15(日) 13:47:34.30 ID:Um/YZKrDO
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/15(日) 18:20:50.91 ID:04U1iSLh0
乙。
残念だ、機会があればまた書いてくれ。
面白かった
163 :matu [sage]:2012/04/15(日) 21:03:47.94 ID:+4FhMJFl0
何また来てるんだみたいな作者ですが、書き忘れていたことをちょいと報告。

このSSを続けられなくなった理由は執筆時間が取れなくなったとかの類ではないので、近いうちに(思いついたら)書くかもしれません。まぁこのSSは続けられないんですけども。

球磨川禊の学園都市入りとか考えたんですけどもう偉大なる先駆者もいるので没に。作者名は多分変えます、idですぐばれますけど。

そういうわけで、ここからは去ります。皆様本当に申し訳ありません。
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