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あぎり「にんだいあるであいさんかく」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 01:46:16.29 ID:T3yoCJw40
このSSは…
アニメではあぎりさんの出番が原作より多い→忍法じゃね?
→あぎりさんにとっては出番すら自由自在 という発想が元です

あぎりさんの超忍具にソーニャ達が振りまわされるタイプの話です
分類としては百合のコメディ?
前に投下したSSとは別の話です。ソーニャはムッツリで変態ではありません

神出鬼没で縦横無尽
にんにんくのいちJK忍者
鬼に託せし謎小箱
右にまわせば欠片も消えて
左にまわせば夢現に絡む
放棄の末に放置あり
発覚自覚紅三角
結びを巡るABC

キルミーSSその2「にんだいあるであいさんかく」
さて、どうする、呉織あぎり!

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1334421975(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)
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諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
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渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
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二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 01:48:06.99 ID:T3yoCJw40
ある日の放課後

ソーニャはあぎりに呼び出され、一人空き教室にやってきていた

一人であるのは、やすなは家の用事とかですでに下校していたからである

ソ「あぎり、何か用か?……もしや、依頼か?」

あ「いいえ、突然ですがプレゼントです。ソーニャ これあげる」

あぎりが何かを取りだす

ソ「相変わらず唐突だな…で、なんだこれは」

ソーニャは四方10センチくらいの箱を渡される、外装は茶色い、飾りっ気の無い箱だ

ソ「…アンテナが一つにダイヤルが一つ…?なんだ、また何とか遁の術の道具か?」

ソーニャが言う通り、シンプルな無線機の様な物に見える

あ「近いかもしれませんねぇ。これ、ようやく完成したの 名付けて…」

あ「『忍者エンカウント率調整装置』〜!」

パパパパッパパー♪(SE)
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 01:48:38.90 ID:T3yoCJw40
ソーニャ「はぁ…で?」

まるでさっぱり意味不明である

あ「これは、私が出現する度合いを調整することができる忍具なのです」

ソ「…意味が分からん」

あ「今は、いつもみたいに『エンカウント率』はデフォルトにしているけど…」

あ「このダイヤルをこっち(+)に回ると、私が頻繁に登場するようになります♪」

あ「逆にこっち(−)に回すと、私が見えなくなり、出現しにくくなりますー」

ソ(それ、出しゃばりになるか ならないかだけじゃないのか?)

あ「いろんな設定で、遊んでみてね〜」

ソ「そうか、ふむ……じゃあ、早速」

キリキリキリ…

ソーニャは遠慮無しにダイヤルをマイナス方向に回しきった

数値は書かれていないが、普通であれば『ゼロ』の位置だ

ソ「よし、これ以上回らないな。さて、話では出現率が低くなるとのことだが…」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 01:49:17.52 ID:T3yoCJw40
ふと、先程まで隣にいた気配が消えているのに気付く

ソ「…ん?あぎり?どこだ?」

いつの間にやらあぎりがいない

ソ「…おーい、あぎりー!出てこーい!」

ソーニャは呼ぶが、しかし一向に出てくる感じがしない

ソ「…携帯で呼びだしてみるか……あれ?あぎりの電話番号がない!」

あぎりの項目だけが抜けている

そんなバカなとソーニャはあぎりとの緊急連絡用の道具を取り出そうとするが

ソ「…ない」

続けてメモ帳を取り出す。さすがにこれは手元にあったが…

ソ「…空白こんなにあったか…?」ペラペラ

ソ「そうだ、こないだの仕事はあぎりも参加してたな…確かこのページにメモが…」

ソ「…ない!おい!!私は始末したターゲットを誰に引き渡したことになってるんだ!」

ソーニャはなんか恐ろしくなった

ソ「はは、そうだ。道具はきっと家に忘れたんだ。電話番号も部分的な不具合だ」

ソ「このメモも、味方すらも欺くレベルの証拠隠滅の一環だ。きっとそうだ…」

ソーニャは頭の中がモヤモヤしたまま帰宅した

そしてすぐにあぎりとの緊急連絡用の道具を探したのだが、見つからなかった…
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 01:51:25.52 ID:T3yoCJw40
よくあさ

学校に行こうとするソーニャは、入り口に置いたままだった例のリモコン(装置)を手に取った

ソ「昨日、マイナス方向に全開にして、そのままだったな…」

ソ「とりあえず、今度は逆に出現率MAXにしてみるか…」

キリキリ…

ソ(これで今日あぎりが出てこなかったら組織に連絡しよう…さすがにシャレにならん)

キリキリ…

ソ「…よし、これ以上回らないな」

トントン

確認するやいなや、入り口を誰かがノックした音が聞こえた

ソ「…!?(誰だ?こんな朝に…)」

急いで入口のスコープを覗くと…あぎりが立っていた

ソ「!!??」

絶句した。そして入口とリモコンを交互に見る。

ソ「…え?まさか、出現率を上げたから…?」

ハッとして携帯電話を操作して見ると…あぎりの項目が復活していた

ソ「…午後限定の不具合とは…最近の携帯は難しいなぁ…難しいなあ!」

ソーニャは無理矢理にでもそう思う事にした

ソ(さぁ!登校するか…)

意を決してドアを開けるソーニャ
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 01:52:51.47 ID:T3yoCJw40
ガチャ

あ「おはよー ソーニャ」

ソ「…わざわざ朝から私の所に来るとはいったいどういう風の吹きまわしだ…」

あ「昨日は途中でいなくなっちゃったから〜 まあ、今日は大丈夫そうね」

ソ(…大丈夫そうって…やっぱりリモコン…深く考えない方がいいな…)

ソ(そういえば、一緒に登校するのは初めてだったか?…まあ、いいか)

しかしこれは序曲に過ぎなかったのである…

教室の授業中こそ見かけなかったが、移動教室や体育では何故かあぎりのクラスと合同になり

休み時間では常にあぎりが現れていた

なにかと理由をつけて訪ねてきていた

こうなると…教室の授業中は教師や生徒に化けて“いた”のも知れないが、

あまりにも怖いのでそう考えるのはやめた

そして放課後、下校の時も当然の様にあぎりがいた

や「あぎりさん、今日は一日中ずっと一緒でしたね!」

あ「そういえば、そうでしたね〜」

ソ(何が「そういえば」だよ…)

や「今日は一日とっても楽しかった!明日も一緒ですか?」

あ「それは…(チラッ)分かりませんねぇ〜」

ソ(こっち見たな… やっぱりあのリモコン次第ってことか…)

や「えぇ〜 残念だなぁ」



や「じゃーね、ソーニャちゃん、あぎりさん、バイバイ!」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 02:03:02.54 ID:T3yoCJw40
いつもの場所でやすなと別れて、ソーニャだけの帰り道に入る

ソ「…なのに、なぜまだお前がいるんだ。帰らないのか?」

あ「ええ、今日はソーニャのお家に泊まる予定ですから」

寝耳に水の連絡だ

ソ「泊まる?予定?はぁ?何言ってるんだ。私は知らないぞ、そんな予定」

あ「私も知りませんでした、“今日の朝までは”」

ソ「…っ!(今日の朝といえばあのリモコンの設定をかえた時…どうなっているんだ…)」

あ「まあまあ、晩御飯と明日の朝ご飯は作ってあげますから〜」

…そんなことはどうでもいい、どうにかできないものかとソーニャはあらゆる方向から

あぎりを説得してみたが効果無く、そのうちに家に着いてしまった

ソ(まあ、あぎりとなら何が起きるって事でもない)

ソ(抜け忍という言葉もある、今日だけかくまっていると思う事にするか)

しかし…イベントはあぎりからもたらされた
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 02:04:54.36 ID:T3yoCJw40
夕食

あ「はい、あ〜ん」

ソ「やめろ!そんなことしなくても食える!」

あ「あら、わたしの愛情たっぷりの料理が食べられないの?」

ソ「ブッ! 何が愛情だ。食事に必要なのは栄養だ。その栄養が豊富なのは認める」モグモグ

あ「ソーニャに必要なのは 心の栄養なのに〜」

ソ「お前までやすなみたいな事をいいだすのか!そう思うのなら静かに食事させてくれ」

あ「あらあら、ちょっとごちそうさまです」

夕食の後

ソ「いい、来るな!私は子供じゃないんだ!シャワーくらい一人で浴びさせろ!」

あ「たまには裸のスキンシップもいいじゃない〜」

ソ「そんなスキンシップは必要ない!!」

ソ「ってお前、まさかもう服を脱いでいるのか?」

あ「大丈夫〜 この話書いている人はその手の描写ダメですからきっと省略されますよ〜」

ソ「そういう問題じゃない!!(このしつこさ、まるっきりやすなじゃないか!)」

ふと思う

ソ(…そうだ、もしやすな相手だったら私はどうする…?)

抵抗しながらソーニャは必至に考えて結論を出した

ソ「やめた。今日は、シャワー浴びない(放棄するのがここはベストだ…)」

あ「ええ〜 そんな…」

ソ「そうだ、着替えるからどいてくれぇ!」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 02:07:36.48 ID:T3yoCJw40
そのあと

ソ「さて、そろそろ寝るが…お前は床でいいよな」

あ「ソーニャの横がいい」

ソ(ゾワッ! 即答かよ!)

ソ(言い出すかも知れないと予想はしていたが、ここまで悪寒が走るとは…)

ソ「いーやーだ!一人で寝かせてくれ!」

あ「あらこんなことに天然由来の成分が充填された缶が」

ソ「…分かった。(無理矢理眠らされたらそれこそどうなるか分からん…)」

あ「ふふふ…おやすみなさい」

ソ(明日になったら、ダイヤルを戻そう…これでは身がもたん…)

ソ(ああ、早く眠りに落ちたい…)

しかし、背中に当たるあぎりの胸の感触がそれすらも許さないのだった…



そこは…ぼんやりとした世界…

デフォルメされた様な外観の体長数センチの“ミニあぎり”が『ニン!ニン!』と鳴きながら

やすなの腕の上を歩いている、そして、手をつないでいる私の腕へと渡ってきた

その直後、やすなの腕の力が失われた。

やすなと出会ってからもう54年くらいたっただろうか…

最初は、まさかこんな長い付き合いになるとは、そして、私の方が長く生きるとは考えもしなかった

…そういえば、この“ミニあぎり”はどれだけ生きるのだろうか

そんな時に流れた男の声「こんにちは、チョーです。こいつは千年生きます」

※元ネタはイカ娘1期5話Cパートのミニイカ娘の話「飼わなイカ?」です

ソ「千年ん!?」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 02:08:26.55 ID:T3yoCJw40
叫んで飛び起きるソーニャ

ソ「…!…!ゆ、夢!?…夢だったのか、し、しかし…」

横を見るがあぎりはいない…いや、食べ物の臭いか漂ってくる

すでに起きていてどうやら朝食の支度をしている様だ

ソ(あの変な生き物はたぶんあぎりだよな…ま、まさか夢でも出てくるとは…)

夢の内容を確認した後、ハッとして体をまさぐるソーニャ

手元の鏡をつかって目の届かない体の部分もチェックする

ソ(別に何かされてはいないようだな…)

ソ(キスマークでも付けられていたらそれこそやすなに何言われるか…って)

ソ(何でそこでやすなが出てくるんだ!と、ともかく!リモコンだリモコン!)

ツッコミつつ、慌ててリモコンの元に行き、ダイヤルを元の位置に戻す

キリキリ…

ソ「これで…どうにかなるか?」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 02:09:39.08 ID:T3yoCJw40
すると、朝食の準備を終えたあぎりがソーニャを呼びに来た

あ「あら、起きていたのね、ソーニャ おはよう〜」

ソ「あ、ああ… おはよう」

あ「ソーニャ いきなりで悪いけど用事を思い出して…もう出なきゃいけないの」

あ「とりあえず朝食は用意しておいたから ちゃんと食べてね」

あ「それじゃあ、また学校で あでぃおす♪」

言うだけ言って、あぎりは突風の様に去っていった

ソ「…何なんだ、一体…」

ソーニャは茫然としていたが、すぐに落ち付いて朝食を済まし

一人となった部屋でシャワーを浴びなおすのだった
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 02:11:18.60 ID:T3yoCJw40
※ここまでで一区切りです その先は書いてる途中です。なるべく速く風呂敷をたたみたいところです
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 20:30:10.03 ID:4zxbsHVC0
先日同様に部屋を出る前に、リモコンを手に取るソーニャ

ソ「しかしとんでもないものを作ったものだ…ん…?」

まじまじと眺めていると、横にもう一つスイッチを発見する

ON/OFF切り替えスイッチの様であるが…

ソ「お、電源スイッチがあるじゃないか」

パチリ

ソ「切ってやった。これで大丈夫だろう」

続いてアンテナをしまおうとして縮まらせると、なぜか下方から別のアンテナが伸びてきた

下に出てきたアンテナをしまったら、また上の方に最初のアンテナが伸びてきた

どうやらどちらかのアンテナを出していなければならないらしい

ソ「なんだこれ 両方ともしまえないのか?とりあえず最初のアンテナをしまっておくか」

ソ「まあ、これで…大丈夫…?…いや、確かめておこう」

そう思って、ダイヤルを先程の様に出現率MAXにする

…しかし、あぎりは出現しない

ソ「…よし、大丈夫だな…。ふう、しかし大変な目に会った…疲れがたまる一方だ」

ソ「こいつは学校であぎりに返すとするか」

安心しきったソーニャはリモコンをカバンにしまい、いつもの様に登校するのだった

だが、ソーニャは気がつかなかった

ON/OFFと思っていたスイッチには…S/Yなる文字が刻みこまれていた事に…
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 20:31:05.19 ID:4zxbsHVC0
ソーニャはあぎりを呼び出してリモコンを返した

あ「お気に召さなかった?」

夜や朝のせわしさなどどこ吹く風、いつもののんびりとしたあぎりに戻っていた

ソ「私じゃ使いきれん…」

あ「そう…あら?」

あぎりは何かに気付いた様だ

ソ「ああ…スイッチは切っておいたから」

あ「そう…ありがとう ソーニャ♪」

ソ(スイッチ切っておくだけで、そんなお礼いわれるものかね)

そう思って、ソーニャは空き教室を後にした

その日の帰り

や「じゃーね ソーニャちゃん バイバイ」

やすなはいつも通りに帰って行った

ソ(…昨日あぎりと帰ったことは 知らんようだな)

ソ(まあやすながウチに来たいと言っても 絶対に呼ばないけどな)

だがソーニャはこの時気付いていなかった。微妙な変化がすでに始まっていたことを…

ナレーション(さて、ここからしばらくの間…微妙な変化が重大な変化へと成長する様を)

ナレーション(ソーニャ視点?でのダイジェストにてお送りしよう…)
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 20:31:44.09 ID:4zxbsHVC0
〜ソーニャ視点でのダイジェスト〜

@次の日

ソ(授業中はいつも通りだったが、放課後になると私に声もかけずに帰って行った)

Aその次の日

ソ(朝、最近では珍しくやすなと遭遇しなかった。くだらない準備でもしていたのか)

ソ(日中は相変わらずだったが、昨日と同じく帰宅は別々だった)

B休みをはさんで月曜日

ソ(朝、放課後だけでなく、休み時間でも私に全く接触してこない時があった)

ソ(宿題でも慌ててやっていたのだろうか。帰りはまた別々。早く帰って宿題をやれ)

Cさらに次の日

ソ(休み時間も半分くらいは会話せず。昼休みにも誘ってこなかった)

ソ(久し振りに屋上で一人で食べたやきそばパンだが、このパンメーカーは許せん!)

ソ(いつもと、味が変わっているじゃないか!)

Dさらなる次の日

ソ(一日一度しか話さなかった。たしか三時間目と四時間目の間だ。内容は…)

や「ふふふ、あぎりさんから買った忍法『褒め殺しの術』!」

や「これでソーニャちゃんを更生させちゃうよ!」

ソ「また、バカな真似を… まあ、褒められるのは悪くないな ほら やってみろ」

や「それじゃあ… (パラパラパラ…)『表彰状!アンタは偉い! ニン!』」

ソ「……(また古いネタだなあ)」

や「…こ、これだけ…?」

ソ「……ほら、早く褒めろよ」

や「うぅ… そんな、ひどいよあぎりさーん!」

そう叫んで、やすなは逃げ出した

ソ「…騙される方が悪いだろ…」

ソ(…結局、その日はそのやり取りだけだった…)

ソ(け、決して、「これだけ」とは思っていない!!)
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 20:32:45.94 ID:4zxbsHVC0
Eそのまた次の日

ソ(とうとう、丸一日…会話をしなかった)

ソ(どういうわけか、午後の休み時間のクラスメートのヒソヒソ話がいやに耳に残る…)

声(珍しいなあの二人が静かだぞ…)
声(ケンカでもしたのかしら、いやけどいつもケンカみたいなことしてるから…冷戦中?)
声(倦怠期か…)
声(出番よこせ〜 出番よこせ〜)

ソ(最後のやつ、クラスメートか?)

Fそしてさらに次の日

ソ(またも何も話さなかった。しかしやすなも全く喋ってないというわけでない)

ソ(朝だったら「おはよう」は、挨拶をしてきた18名全てに返していたし)

ソ(先生から問題を当てられた数学と国語と化学ではちゃんと「はい」と返事をしていた)

ソ(…回答はいい加減だったが… 予習はしておけと言いたい)

ソ(クラスメートから落し物を差し出された時は「違うよ、私のじゃないよ」と正直に答えていた)

ソ(帰りの時も…って何を私はやってるんだ!)

ソ(私は別に、気にしてなど…)

や「じゃーね バイバイ」

ソ「!ゃ」

ソ(やすなの声がして振り返る…と、やすなは別の生徒に声をかけて教室を出て行った)

Gさらに休みをはさんで月曜日

ソ(休日はろくな収穫が無かった)

ソ(何故か近隣の地理が気になりずっと町を散策していたが、あまり頭に入らなかった…)

ソ(まあ、やすなに遭遇しなかったのは幸運だが)

ソ(そして今日も、やすなと私は話さない。しかし気付いたことがある)

ソ(やすなは休みの時間などにどこかに行っている事が多い)

ソ(そしてその頻度がじょじょに増している)

ソ(ズバリその場所は最後のやりとりからして、あぎりのいる空き教室の可能性が高い)

ソ(私は最近の変化の謎を解くべく、空き教室へ行くことにした)

ソ(…ただ、謎を解きたいだけで、現状には全く問題はない…問題はないんだ)

〜ソーニャ視点ダイジェスト・おわり〜
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 20:34:52.06 ID:4zxbsHVC0
放課後

やすなはソーニャの読み通り、空き教室に入って行った

ソーニャは気配を殺し、空き教室に近づく

そして運良くわずかな隙間が空いていたドアから中を覗き込む…

ソ(やすなのバカめ、ちゃんとドアを締めないからこうなるんだ)

すると… あぎりが出現し 二人は楽しそうに会話を始める

ソ(やはりあぎりが関わっていたのか…)

会話の内容は聞き取れない、盗聴器をしかけておくべきだったと後悔する

しばらくして

やすながいきなりストレッチというか…

よく分からない柔軟体操の様な動きを始める

ソ(…?っておい!)

その動きは柔軟体操と言えばそう見えない事もないが、問題はその体勢

着替えもせず制服で大きく足を開いたりしている

ソ(バカやすな!パンツ丸見えだぞ!誰かが覗いていたらどうする!)

ソーニャ自身の行動は頭に入っていないようだ…

ソ(あぎりも注意しろよ!)

そして体操?を続けるやすなは熱くなってきたのか…

ネクタイをゆるめて外し、シャツのボタンも何個か外した

ソ(な…な…な…)

いつのまにかやすな並に顔が赤くなっているソーニャ

流石にそれ以上、はだけさせる事はなく、しばらくすると謎の運動が終了した

ソ(…ようやく終わったか…しかし何なんだあの運動は…)

安堵のため息が思わずもれるソーニャだが、続いておきた光景が彼女に衝撃をもたらす
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 20:35:52.03 ID:4zxbsHVC0
ソ(!?)

あぎりが、やすなの額に、キスをした

体操を終えたご褒美とでもいうのか…!

ソ(な…あぎり…お前…)

しかし事はそれで終わらなかった

チュッ

そのお返しとばかりにやすなはあぎりの頬にキスをしたのだ

照れるやすなの顔は…予告絵並の可愛さだった

ソ(ガ―――――――――――――ン…)

やすなの顔と対象的に、ソーニャの顔からは色と希望が失われていく

あまりの展開に一時思考をシャットアウトしたソーニャは、フラフラと空き教室を後にした…

その帰り道…

ソーニャの頭の中はそれはもう書ききれない程の思考の渦が巻き起こっていた

ソ(まて…落ち付け!落ち付くんだ!私はプロだ!こんなプライベートで動揺してどうする!)

どうにかプロ根性を発揮して、帰宅したソーニャ

そして…彼女の意地とでもいうべきか、眠りにつく頃には頭の中を整理していた

落ち付かせるように、考えを引き出し、言葉に出して、確認する…

ソ「…まとめると、このように推測される…」
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 20:37:07.48 ID:4zxbsHVC0
チュッ

ソ(!?)

あぎりが、やすなの額に、キスをした

体操を終えたご褒美とでもいうのか…!

ソ(な…あぎり…お前…)

しかし事はそれで終わらなかった

チュッ

そのお返しとばかりにやすなはあぎりの頬にキスをしたのだ

照れるやすなの顔は…予告絵並の可愛さだった

ソ(ガ―――――――――――――ン…)

やすなの顔と対象的に、ソーニャの顔からは色と希望が失われていく

あまりの展開に一時思考をシャットアウトしたソーニャは、フラフラと空き教室を後にした…

その帰り道…

ソーニャの頭の中はそれはもう書ききれない程の思考の渦が巻き起こっていた

ソ(まて…落ち付け!落ち付くんだ!私はプロだ!こんなプライベートで動揺してどうする!)

どうにかプロ根性を発揮して、帰宅したソーニャ

そして…彼女の意地とでもいうべきか、眠りにつく頃には頭の中を整理していた

落ち付かせるように、考えを引き出し、言葉に出して、確認する…

ソ「…まとめると、このように推測される…」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 20:38:07.01 ID:4zxbsHVC0
※アップでミスりました、18でなく19でお願いします。
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 20:39:11.36 ID:4zxbsHVC0
ソ「まず、あぎりがやすなの気を引いているだろうという事。理由は不明」

ソ「それには、おそらくあのリモコンが何らかの関わりを持っているという事。詳細は不明」

ソ「そして…私は…やすなを…やすなを…あぎりに…取られたくない…と言う事」

ソ「詳細は…あぎりに…でもない…誰にも取られたくない…」

ソ「恋人とか…そういう関係に至る感情なのかは分からない…!」

ソ「…だけど…だけど…今は、お互いに一番の…友達でいたい…」

改めて想いを口にして、ソーニャは涙が出そうになる

いつの間にそこまで想うようになっていたのか…

ソ「…まあ、そういう風に仕向ける事こそ、あぎりの目的かもしれないからな…」

そう自分本位に考えることだけが、今のソーニャの一番の対処法だった

ソ「…とりあえず、明日リモコンを持ってくるようにあぎりに連絡はした」

ソ「…あのリモコンには何かまだある、きっとある…それを突き止めてやる…」

パチリ

今日のやすなの顔が瞼を閉じても、開けていても暗闇に浮かぶ

ソ「…やすな…」

パチリ

…自室で明かりをつけたまま朝を迎えることは初めてだった…
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 20:40:06.17 ID:4zxbsHVC0
次の日

ソーニャは意表をついて、朝からあぎりの家を訪ねた

昨晩すんでのところで“学校で受け取る時にやすなが乱入する可能性”に気付いたからだ

朝の内ならば、邪魔はされまい――

しかしわずかな“やすなが泊まっている可能性”の存在がソーニャを心を締めつけ、落ち付かせない

あぎりの家 玄関

あ「あらソーニャ おはよう」

出てきたあぎりはすでに制服に着替えていた

ソ「ああ、おはよう 早速で悪いがリモコンを渡せ」

あ「あらあら せっかちですねえ…どうぞ」

バッ

ソ「ふん…ってこれ、なんだよ!壊れているじゃないか!!」

あ「昨日お客さんが来て壊しちゃいました〜」

ソ「お客さん?…まさか、やすなか!?」

あ「正解です」

ソーニャの心臓がドクン ドクンと高鳴る…

ソ「まさか… まだいるのか?」

ややわざとらしく、部屋の中を覗くしぐさをするソーニャ

あ「いいえ 帰りましたよ。ちゃんと家に帰っています」

ソ「そうか…(ホッ)」

何故無事に帰宅したのかをあぎりが知っているのか、その事にソーニャは気づかず安堵する

ソ「しかし、壊れてしまったとは…」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 20:40:53.82 ID:4zxbsHVC0
しかし謎は解けていない…ソーニャはリモコンを色々な角度から見てみる

ソ(これはON/OFFスイッチだな…ん?)

ソ(いや、字が違うぞ、SとY・…S/Y?なんだこれは?)

ソ「あぎり…ここのスイッチなんだが、本当にON/OFFの切り替えなのか?」

ソ「S/Yとあるが、どういう意味なんだ?『入れる』『切る』の隠語か何かか?」

あ「実はそれはON/OFFスイッチではありません…SとYの切り替えです」

ソ「だからなんだSとYってのは」

あ「対象です」

ソ「対象…?」

ソ「このリモコンの対象…?あぎりの対象…?あぎりが出会う相手…?…そうか!!」

ソ「このSってのは私(Sonya)で……Yはやすな(Yasuna)ってことか!」

あ「正解! さすがソーニャ」

ソ「じゃあ、出現度MAXのままで、やすなを対象としていたってことは…」

ソ「お前はやすなとずっと会っていたってことか!!」

あ「その通り」

ソ「なるほど…私は見事に機能停止していたと騙されていた訳だ…」

ソ「だが、まだ分からないのがこれだ。上下の二本のアンテナ。これは何だ?」

あ「よーく見てね」

そう言われてアンテナ周りをまじまじと眺めるソーニャ、すると…

各アンテナに文字が書かれているのを発見する

ソ「上の方のアンテナに『共生』、下の方のアンテナには『略奪』…?」

再度、考え込むソーニャ

ソ「…!!ま、まさか…」

ソーニャはついに辿り着いた
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 20:41:51.69 ID:4zxbsHVC0
ソ「最初私が使った時は上、『共生』を向いていた。その時はやすなも一緒だった」

ソ「しかし、下の『略奪』の時は、私は一切…やすなとお前に関われなかった…つまり…!」

ソ「この…アンテナの向きは、スイッチの対象でない方を除外するか否かの設定なのか!!」

ソ「…つまり、この状態は『やすなとあぎりはずっと会うが、私は無視』という設定ということか!」

あ「パーフェクト!」パチパチパチ!(拍手)

ギリギリ…バキイッ!

ソーニャは思わずリモコンを握りつぶす!

ソ「…よくもまあこんな手の込んだ物を作ったなあぎり!!さあ、元に戻してもらおうか!!」

あ「今の握りつぶしで完全にアウトです」

ソ「あ」

二人「…………」

ソ「…これ、壊れたら設定どうなるんだ?まさかそのままなのか?」

あ「…どうでしょう?分かりません」

ソ「分かりませんて、お前の行動コントローラーだろ」

あ「ああ、そういうこと!私自身はどうにでもできますから問題ありません」

あ「でも… お姫様の気持ちまでは、保証できません」

あ「ソーニャが一番どうにかしたいのは そこでしょ?」

ソ「…っ」

図星で言葉に詰まる

あ「それじゃあお先に〜『煙遁の術』〜」

ドロン!

ソ「しまった!ゲホゲホ…!ま、待てあぎり!」

隙を突かれ、文字通り煙に巻かれてしまったソーニャは仕方なく学校へ向かった
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 20:43:14.09 ID:4zxbsHVC0
…相変わらず学校では、やすなとソーニャは(傍からみれば)疎遠だった。

ただ違うのは、ソーニャの殺気がそれは半端ない状態であったことと、

彼女の視線が常にやすなを追っていたことだ。

声(お、おい…今日のソーニャどうしたんだ?なんか異常にヤバイぞ…)
声(倦怠期を超え…修羅場が近づく…)
声(出番カモカモ 出番カモカモ)

そして放課後

やすなは、軽い足取りで空き教室へ向かう

今日はずっと教室にいたから、あぎりとは会っていない

そこから先は、だいたい同じ流れだった

やすなが教室に入り、ソーニャが隙間から覗き(ただし殺気丸出し)

やすなは無防備に体操を始め

それが終わると…額と頬にキス…

したところで、ソーニャが勢いよく扉を開けて乱入した!

や「ソ、ソーニャちゃん!?」

まさかの乱入者に、さらに真っ赤になって驚くやすな

一方ソーニャはズカズカと二人に近づき…やすなを背中からはがいじめにする!!

ガシィ

や「ちょ、ちょっとソーニャちゃん!?」

ソーニャは遠慮なしに技をかける!

ギリギリギリ…

や「いたた、いたい、いたいよ!ソーニャちゃん!」

やすなの悲鳴も無視してソーニャは技をどんどんきつくする

や「ギブ!ギブ!あっ、ああ…やめてよソーニャちゃん!」

ソ「やすな、聞きたい事がある。少し前に小さいあぎりが夢にでてこなかったか?」

や「ええ、何?あぎりさん?」
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 20:44:43.66 ID:4zxbsHVC0
ソ「そうだ、数センチのあぎりがいて、それをお前が世話する夢だ」

や「み…見たけど…、ミニあぎりさんの夢…」

ソ「それに私はでていたか!?その夢に私もいたか?」

や「何その質問!いたいた!最後、ソーニャちゃんに小さいあぎりさんを渡して夢がさめたよ!」

ソ「そうか!…(ならまだ、希望はあるってことか…)」

パッ

ソーニャが技を外した

や「!!…っ ハァ ハァ…何なの ソーニャちゃん…いきなり」

息を整えようとするやすなの頬に…

ソーニャはキスをした

や「!!! そ、そーにゃ、ちゃん…?」

頬の前にあるソーニャの顔を、視線でとらえるやすな

突然のことでとても顔を合わせられる自身が無い

ソ「…よく我慢したな。今のはご褒美だ」

や「! ご褒美って…」

ソ「お前、私に隠れて何をやっているかと思えば、体を鍛える特訓だったとはな」

ソ「今の技で分かった。お前は相当強くなっている。…頑張ったな」

いい声である。ソーニャ流のアメとムチだ。やすなには効果は抜群であろう

や「…い、いや、その…確かに最初はソーニャちゃん対策で始めたんだけども…」

や「あぎりさんと遊ぶのも楽しいかな〜って思っちゃったりしちゃったりして」

ソ「あ゙ぁ?」

ギロッ

や「で、でもソーニャちゃんに褒められて嬉しい! 本当だよ!嬉しい!」

ソ「ああそう…、じゃあさっきのキスも嬉しいか?」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 20:46:28.58 ID:4zxbsHVC0
や「…う、うん。嬉しい…」

や(そ、そんなキスだなんてハッキリ言わないでよぉ)

ソ「…」

や「…」

二人の間に、わずかな沈黙

ソ(…お返しはなしか…)

ソ「ならば、力づくで手に入れる!」

ソーニャはやすなの頭を掴み、顔を強引にソーニャの顔の横に向かせる

そして頭をグイッと顔に寄せて

ガツッ

や「お、おおぅ、歯、歯がソーニャちゃんの頬に…ま、前歯がイタイ…」

一応これも頬へのキス?なのだろうか?

ソ「…これで互角だな」

頬に血をにじませながら、ソーニャは勝ち誇る

…その様子をずっと眺めていた忍者に対して

あ「…強引にやっておいて 互角とはよく言いますね」

ソ「勝っているつもりなのか?だとしても、すぐに私が抜き返すがな」

あ「…それは、宣戦布告ととっても?」

ソ「さて、組織内での私闘は禁じられているはずだが」

ソ「…それに、お前だろ?(ケンカを)売ってきたのは」

あ「売ってはいません、差し上げただけです」

あ「…それを勝手に返して、またよこせと言ったのは、貴女」

ソ「やっぱりお前が原因じゃねーか」

あ「あら、貴女のいつまでたっても煮え切らない気持ちと早とちりが原因ではなくて?」

ソ「…!いうじゃないか、この泥棒キジが」

あ「そちらこそ ツンツン鬼さん♪」

バチバチバチ!!二人の間に強烈な火花が散る!
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 20:47:58.22 ID:4zxbsHVC0
や(プラズマは本当にあった! あわわ… どうしちゃったの二人とも…)

ソ「…先にターゲットを射止めるのは私だ、負けん!」

あ「ふふ、久し振りの標的が出来ました… 負けませんよぉ」

バチバチバチ!!

や(ソーニャちゃん あぎりさん… もしかして二人とも私の命を狙ってる?)

や(いやー! 死にたくないー!)

やすなのハートを狙う気満々の二人であったが

当の本人は生命を狙われていると思い込み…

ここに、よく分からない三角関係が出来上がったのでありました

「にんだいあるであいさんかく」

おわり
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 21:00:05.87 ID:4zxbsHVC0
追加ですいませんが他の板に載せたあぎり×没キャラのSSを貼り付けます
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 21:01:23.59 ID:4zxbsHVC0
あぎり×没キャラSS

ソーニャ「じゃあ 私達は行くからな 後は頼んだぞ、あぎり」

あぎり「了解〜」

没キャラ「ま、待て やすなぁ!ソーニャぁ!」ジタバタ!

さかのぼることは少し前…

ある日の放課後

下校中に突如 野良犬の集団に襲われたソーニャとやすな

犬退治忍法グッズを売りつけようとするあぎりと並走しながら

ひたすら逃げたその先は、いつもの旧忍者同好会の部室…

さあ、どうする折部やすな!

…ところがどっこい、そこには実は野良犬を操っていた没キャラがいた

溜まり場に陣取っていたおバカなラスボスはあっさりイスにふん縛られて事態は収束…

ってかいつぞやの刺客でもこんな展開だったような…

一応一般人のやすなを帰すための護衛にソーニャが付き添い、

没キャラの処遇というか後始末はあぎりに任せる事になり今に至る――
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 21:02:00.87 ID:4zxbsHVC0
あぎり「さて…どうしましょうかねぇ」

没キャラ「ま、待て! 話せば分かる!体育祭回で同じ髪型をしていた縁で見逃してくれ!」

あぎり「覚えていませんねぇ あ もしかしてあのおじいさん?」

没キャラ「三つ編みだったろミツアミ!頼む!なんでもするから出番を…じゃなくて助けてくれ!」

あぎり「そうですねえ…じゃあ…犬のモノマネをして下さい。出来によっては 考えてあげましょう」

没キャラ「本当か?よーし!聞いて驚くなよ…実は私は動物の動きを取り入れた拳法『形意拳』の使い手!
動物のマネなどお茶の子さいさい!」

※没キャラはイスに縛られているので、二人ともここで言うモノマネは“鳴き声のマネ”という認識です

あぎり「期待してますよー あ、できれば忍犬っぽくお願いしますー」

没キャラ「任せなさーい ではいくぞー

ワンワンワンワン (中略) ワオーン!

…ふぅ どうだ?まさに犬!だったろう!」

パァッ と、とても晴れやかな顔になるあぎり

あぎり「すばらしいです パンタソス(仮名)そっくり〜」

没キャラ「ぱ ぱんたそす…?」

あぎり「私の忍犬の名前です。ある遠い国の神話の神様の名前で『仮像者』とも言われてます

忍犬ぽいでしょう?

私と同じ日に生まれた子で 一緒に修行してました こないだ亡くなってしまいましたが…」

シュン と、と今度は顔に陰が落ちる

あぎり「久し振りにあの子の声を聞けました… 合格です。今日は見逃してあげます」

没キャラ「本当か? やった!やった!」

あぎり「だけど〜 見逃すだけで調べることはこれから調べますよ〜

あと、今度から呼んだら5分以内に来て下さいね…同じ学校みたいですから」

没キャラ「ええ〜!?そんなぁ(でも、出番がもらえるかもしれないからいいか)」

こうして、没キャラの手綱はあぎりが握ることになったのだった…
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 21:02:46.10 ID:4zxbsHVC0
別の日の放課後

いきなり没キャラはあぎりに屋上に呼びだされた

没キャラ「ハァハァ… ま、間に合った… な、何の用だ!?」

あぎり「3分…まずまずですね。いきなりですが これを付けてもらいます」

息を整える没キャラの首に何かを取り付けるあぎり

漫画雑誌くらいの大きさのボードがぶら下がっている。大部分が液晶でどうも何かを表示するもののようだ

あぎり「これは 秘伝の忍具『犬語翻訳板』です
犬の鳴き声を人の言葉に翻訳する術が内蔵されているんですよ〜」

没キャラ「それって、バウリン…」

あぎり「『犬語翻訳板』です 非売品ですよ〜」

没キャラ「…で? これで何を? ハッ まさか、私にまた犬の真似を…」

あぎり「お察しの通りです♪ ハイ! スタートぉ〜」

パン と手をたたくあぎり 問答無用!である

没キャラ「…ええと、まずは何すれば?」

あぎり「……」

没キャラ(うわ、無視かよ!本当に犬語じゃないとダメそうだ…仕方がない)

没キャラ「ワンワン!!(まず何しますか?)」

すると瞬時に液晶に文字が表示される→表示『頭なでて下さい』 ちなみに筆文字である

没キャラ「ハァッ?なにそれ!全然意味ちがうじゃん!」

あぎり「頭ですか? いいですよ〜 いいコ いいコ〜」ナデナデ

優しく没キャラの頭をなでるあぎり

没キャラ(ま、まあいいか…)

あぎり「さあ 次はどうしたいのかな?」

没キャラ「…ワンワンワン!(お腹が空きました!)」→表示『ボール投げて!』

没キャラ「はぁ?どうなってんのこれ?」

あぎり「それじゃあ… そーれ! 早くとってきなさ〜い」

ポーンと適当にボールを投げるあぎり
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 21:03:23.33 ID:4zxbsHVC0
没キャラ「う〜(なんで?)」→表示『嬉しい!』

没キャラ(ほんとにこれ どうなってるんだ?)

でもしょうがないので ボールを追っかけて(手で)拾って あぎりに渡す

没キャラ「ワウワウ(持ってきました)」→表示『またやって』

あぎり「それじゃあもう一回 そ〜れ〜」

没キャラ「……ワウワウ(持ってきました)」→表示『またやって』

没キャラ(同じ言い方で同じ結果だからランダムじゃなさそうだなぁ)

没キャラ「……ウワッホウ(次は何します?)」→表示『もう一回!』

あぎり「それじゃあもう一回 そ〜れ!」

没キャラ(ハァ…何回やれば…)

ため息付きながらボールを取りに行く没キャラ

何気なくボールに手を伸ばし…が!突如ボールが空中に浮き上がった!

没キャラ「!!??」

いきなりの怪現象にあぜん!!

そして正気を取り戻す前にボールが没キャラ目指して飛んでくる!

ボカッ!

没キャラ「ギャウン!」思わず犬語でリアクションしてしまう!→表示『なめんなよ!』

あぎり「…忍法『やまだのじゅつ』〜 もう一回いきますよ〜」

没キャラ「ま、待て!何だ今の?超能力?超能力なのか?」

あぎり「忍法ですよ〜 必殺技かもしれませんけど〜 では、いきま〜す」

あぎりの手元が怪しく光る!

するとボール…だけでなく屋上の色々なものが浮き上がる!!

ベンチ バレーボール 小石 エビフライ ナイフ などなど…

没キャラ「んなああ!ナイフはやばい!ナイフはやばい!誰のだよ!いやベンチもやばいけど!」

あぎり「そーれー」

ズガガガガ!!バタリ!

没キャラ「どっくーんと きたよ…」
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 21:04:34.48 ID:4zxbsHVC0
ボロボロになりながら…付近に落ちたボールを取り上げる没キャラ

没キャラ「…ワウウウ(どうぞ)、バウウバウワウ(もう休ませて下さい)」

→表示『いいッス』『今度はもっと上手くやるよ』

没キャラ(ああもう…どうにかしてよ)

心底ガックリとする没キャラ

あぎり「そうですね、じゃあ一休みしましょうか」

没キャラ(えっ? 『もっと…』って?あれ?)

壁を背におっとりと座るあぎり ポンポンと自分のふとももを叩いて

あぎり「さぁ どうぞ」

没キャラ「えっ?」

あぎり「どうぞ」と膝のあたりを指す

没キャラ(これは…膝枕ってことか?一体何を企んでいる…?)

いぶかしみながら徐々に頭を下げる没キャラ

そんな心配をよそに しっかり膝枕の状態になる二人

果たしてあぎりの意図は一体?

……膝枕の状態で、しばらく時間が過ぎた 没キャラの痛みも大分ひいてきた

本人の心臓はバクバクして全然落ち付いていないが…

没キャラ(こ、怖い…)

すると、あぎりが優しく没キャラの頭をなでる 本当に丁寧になでている

緊張に震える没キャラをよそに ポツリ と、あぎりが言葉を紡ぎ始める
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 21:05:20.40 ID:4zxbsHVC0
あぎり「…昔はこうやって…よくあのコと一緒に、修行をしてました…」

没キャラ(あのコって あたしが似てるっている忍犬のことか?)

あぎり「…疲れたり、修行が嫌になった時は 修行場の近くの林に行って 一緒に隠れてサボっていましたね…」

没キャラ(ふーん…)

あぎり「懐かしい…ですね… 師匠に見つかって怒られても… 里から出ても… 同じでしたね… けど… 今はもう…」

髪をなでる手が止まる そしてわずかにだが 手が震えている…

横になっている没キャラがふとあぎりの顔を見上げると 汗か涙か 目元のあたりが閃いた

没キャラ(もしかして 泣いているのか? …なんか、らしくないような… あー、仕方ないなあ)

あぎり「!?」

没キャラはいきなり起き上がり、驚くあぎりと顔を向き合わせる

傷だらけのままニカッと笑顔を見せて

没キャラ「ワンワン!バウバウ!(気にするなよ!元気だせよ!)」

あぎり「……っ」

とても悲しそうな顔をするあぎり

歯を食いしばる彼女の姿など 今まで何人が見たことがあるのだろうか

あぎり(そうやって辛い時に励ましてくれること…声…口調…八重歯…キズの形…何もかも似て…)

ギュッ――

思わず、あぎりは没キャラを抱きしめていた

没キャラ「えっ?あっ、ちょ。ワン(おい!)ワン(おい!)おい!(バウ!)」

あぎり「…うぅ…ごめんなさい!…ごめんなさい…あの時…私がもっと、しっかりしていれば…!!」

没キャラ(ごめんって、あの犬に…? そういえばどうやって死んだのか聞いてないな…もしかして、闘いの中で…?)

静かに 慟哭するあぎり

没キャラ(あたしも修行の中で動物を犠牲にしてきたから気持ちは分からんでもないけど…
まいったなあ こういう時は どうしてたっけ…)
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 21:05:52.15 ID:4zxbsHVC0
その内にあぎりも落ち着いてきた

名残りを惜しむ様に最後にギュッと力を入れて抱きしめてから没キャラから離れる

あぎり「…ごめんなさい。みっともないところを見せちゃいましたね」

没キャラ「まあ、気にスンナって!ところで その犬は今どこにいるんだ?」

あぎり「どこって… たぶん、(下を指さして)ですかね」

没キャラ「えっ?この学校の中で死んだの?」

あぎり「いえ、地獄ですけど」

没キャラ「…あ〜、なるほど ってオイ!一応愛犬だったんなら(上を指して)天国って言ってやれよ!」

あぎり「でも忍犬ですから〜 それに名前も冥王軍の一員ですし〜」

没キャラ「そうじゃなくて 墓!墓の場所!」

あぎり「ああ、そういうことですか〜 故郷の忍びの里で眠っていますよ」

没キャラ「墓参りには行ってる?」

あぎり「いえ 最近は…行ってませんね」

没キャラ「じゃあ思い立ったが吉日! お参りに行ってきなよ!きっと喜ぶって!」

あぎり「…ふふ そうですね…わかりました。 …それじゃあ、荷物持ちをお願いします」

没キャラ「へっ?あたしも?」

あぎり「当然です 敵の刺客から目を離すワケには行きませ〜ん」

没キャラ「うっ そういえばそうだった…」

あぎり「それに極秘の忍びの里の場所に行けますから、あなたにもメリットがありますよ〜

まあ、帰ってこれるか…コホン。帰って来た時に覚えているかは保証しませんが…」

没キャラ「怖い!!やっぱ行きたくない!」

あぎり「ダメです 諦めて下さいv」

真っ青におびえる没キャラと対象的に、あぎりはすっかり笑顔になっていた―
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 21:07:20.06 ID:4zxbsHVC0
それから数日後…

やすな「ねえねえソーニャちゃん!今度こそ家に連れて行ってよ!」

ソーニャ「嫌だ。面倒くさい」

やすな「…もう、いいじゃん別に…連れてってくれたら、晩御飯作ってあげるからさあ!」

ソーニャ「必要無い!!」

やすな「…じゃあ朝ごはん作ってあげる」

ソーニャ「おい、いつまでいる気なんだ…」

やすな「えっ?朝に寄らせてもらおうと思っただけだけど?」

ソーニャ「…っ!!」

やすな「ふーん…ソーニャちゃん家は朝帰りOKなんだ〜どうしよう〜」

ソーニャ「どうもこうも無い!そもそも絶対に!教えん!」

フイとソーニャは外を向いてしまう

やすな「くそう、鉄壁だなあ…」

ソーニャ(まあ、荷物持ちをするんだったら考えてやっても…)ボソッ

やすな「?ソーニャちゃん、何か言った?」

ソーニャ「!…いや、別に…」

やすな「うそだー、口動いてたよー」

ソーニャ「(よく見てんなこいつ…)あー…、空が青いなーって」

やすな「うわ、ポエム!ソーニャちゃん、ついに殺し屋に見切りをつけて、ポエマーになる決意を…!」

ソーニャ「んなわけあるかぁ!!」

ガスッ!

やすな「ぐへぇ!」

ソーニャ「全く…」

静かになるやすなは放置して、再度窓の外へ顔を向ける

今日は全国的に晴天らしく 雲一つない青空が広がっていた

ソーニャ(あいつらもこの陽射しの下にあると思われるどこかの土地の上にいるのか、ねえ…)
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/15(日) 21:10:13.46 ID:4zxbsHVC0
一方 どこかの山中

没キャラ「なあー まだ着かないのかよぉー?」

あぎり「ポエマーはないですねえ〜」

没キャラ「?」

あぎり「地獄耳の術♪」

没キャラ「??」

あぎり「…おしまい!」






※パロディおまけ 
そこは忍びの里の頭領の部屋。
あぎり「お頭。この者が良い(獣の)香りのする乙女にござりゅ」
没キャラ「マンガ違う!(※元ネタは4コマ「忍パラサイト」)」
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