捜査令嬢　〜踊るフロイライン〜 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 ：1 [saga]：2012/04/15(日) 19:02:23.73 ID:cGZDgOGGo

令嬢「ん〜〜っ！　今日も気持ちの良い目覚めなのだわ！」

　でかいお屋敷の中の、こらまたでかい寝室の、こらまたバカでかい天蓋ベッドで
　可愛らしく伸びをしているのは超大金持ちの家に生まれた正真正銘のご令嬢。

令嬢「うんっ！　今日は何かいいことがある気がするわっ！」

　ベッドを飛び出すと、鏡の前でひと回転。
　ふわりと栗毛のウェーブがたなびいて、鏡の中の少女がウインクを決めた。

　どこからどう見ても非の打ちどころのない美少女。

令嬢「今日はどんな事件が起こるのかしら！」

　ただし、その中身は自称名探偵の困った女の子！

　お城は今日も我が道を行く！
　周りを巻き込み、世を騒がして、真実を目指して！


　　ﾁｬ〜ﾁｬﾗﾗ〜ﾃﾞﾝﾃﾞｹﾃﾞﾝ♪（OP）


　　捜　　査　　令　　嬢　（ﾊﾞｰﾝ）


　　　　　第1話　「Back Come on！　そいつがルパンだ！」



令嬢「おはようございますわ、お父様」

父「うむ、おはよう」

　口ひげを蓄えたグレイヘアーのダンディな細目のおじ様は、
　何を隠そう令嬢の御父上なのだ！
　カネモティ=コンツェルンのトップでありながら、自分の娘には結構甘い！

父「ううむ、我が娘ながら今日もかわゆいではないか。結構けっこう」

令嬢「やだわお父様ったら、相変わらずお上手」

　年頃の娘なら「死ね」の一言でもぶつけるところだが、令嬢は少しヌケてる心やさしい女の子なのだ！


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笑えるな 君のせいだ ＠ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 ＠ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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トーチャーさん「超Ａ級スナイパーが魔王様を狙ってる？」〈ゴルゴ13inひめごう〉 ＠ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「２号線」【コンマ判定新鉄・関東】 ＠ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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2 ：1 [saga]：2012/04/15(日) 19:03:10.80 ID:cGZDgOGGo

　　ｶﾞﾁｬ　バターン　

　と、そこで突然バカでかい扉が開かれた！

兄「やあ、朝食でしたか、すいませんね」

令嬢「お兄様！」

　寝ぐせが立っていてフワッとした感じのなんだろう、なんていうかヤサ男風の
　少年のような心を持ったそんな感じの男が入ってきた！
　それは何を隠そう令嬢のお兄様なのだ！

兄「やあ令嬢、久しぶりだね」

　兄はとある理由で家を出ている！
　何故、何不自由ない屋敷での生活を捨てて外に出ているのか！？

父「兄よぉー！　なんだその安物のスーツは！　いい加減我が家に戻ってきなさい！」

　泣きそうな声を出す父上様。
　部下には決して見せられない顔だ。
　しかし、息子にも溺愛しているお父様には、息子の現状が心配でならないのだ。

兄「ぼ、ボクは絶対に戻りません！　大体おかしいんですよこのウチは！」

父「おかしい？」

令嬢「何かおかしいかしらぁ？」

兄「おかしいですよ！　なんで学校の送り迎えが自家用ジェットなんですか！」

令嬢「速くて助かりますわぁ？」

兄「挙句、学校の周囲の敷地を買い取って飛行場と高級VIPリゾート施設作っちゃうし！」

令嬢「ジェットの使い心地が良くってうれしいですわぁ」

兄「小学生の時だって！俺が入学した途端に食器が純金製に、料理が高級フレンチになったじゃないか！」

令嬢「学校の敷地に作った牧場からの絞りたてミルクは絶品でしたわ〜」

兄「ボクはこんな家イヤなんだよぉ！！！　フツーの暮らしがしたいんだ！！」

兄「そりゃ今の生活は豊かとはいえないよ！　でも、でも、三食カップ麺生活になったって……！」

令嬢「カップ・メン？　それはどんなお料理なのかしらぁ？　おいしそうですわぁ〜」ﾆｺﾆｺ

兄「ッッ！！！　これだよ！！　ボクはこの家で非常識に育ちたくないんだよ！！」

父「非常識とは何事かっ！お父さんは……御父さんは悲しい……！　こんなにお前たちのことを思って……」

兄「過保護だっつってんの！！」

父「ああ、やはり刑事なんて仕事に就いているから、思考も犯罪的に……」

兄「その発言全国のデカを敵に回したよ！？　っていうか、ボクは自分の職業に誇りを持っている！！」

　そう！兄の仕事は刑事！　明らかにダメ刑事だが、本人は結構がんばっているつもりだ！
　ちなみに彼の先輩デカいわく、「警察犬の6割ぐらい役に立つ」だそうだ！！

3 ：1 [saga]：2012/04/15(日) 19:03:33.80 ID:cGZDgOGGo

令嬢「ところで、お兄様は何のご用でいらしたのかしら？」

　キョトンとした顔で問う令嬢！ちなみにキョトンとした顔もかわいい！

令嬢「あ、まさか！　何か事件ですかっ？」

　目を大きく見開いてキラキラと輝かせる令嬢！繰り返すがかわいい！

兄「違うよ……ったく、お前は何かにつけてそれだ　そんなに事件が好きかい」

令嬢「はい！　ワクワクしますわ！」

　事件＝人の不幸が好きとかロクな人間にならないね！

兄「ボクはただ、お母様にご挨拶に来ただけだよ」

　お母様は体が弱く、屋敷の中の専用部屋でゆっくり静養している！　

兄「だから、挨拶したらすぐ帰るよ」

令嬢「なぁんだぁ、事件かと思いましたのにぃ」

兄「なんで事件だからってこの屋敷に来るんだよ！」

令嬢「え？　わたくしに面白い事件をお届けに来てくれたのかと」

兄「どんだけ自分中心の考えなのお前は！？」

　　ﾋﾟﾘﾘﾘﾘｯ

　と、そこで突然鳴り響く携帯電話！
　このフツーな感じの着信音は兄のものだ！

兄「おっと、携帯が……」

　ﾋﾟｯ

兄「はい、もしもし」

兄「えぇっ！？　殺人事件ですか！？」

令嬢「！」ｷｭﾋﾟｰﾝ

───

4 ：1 [saga]：2012/04/15(日) 19:04:04.65 ID:cGZDgOGGo

───

兄「いいかっ！？　絶対ついてくんなよ！？」

　フリにも聞こえるセリフを必死で投げかけながら、
　兄はデカい屋敷を出た。

　ちなみに屋敷を出た後も出口まで数キロぐらいあるが、専用の「動く歩道」があるから無問題だ！

兄「くそー、急がなきゃ、現場は割と近くだな」

　先輩の「早く来い！」の声が頭の中でリフレインする。

兄「くそ……そうだ、屋敷の運転手に頼んで……いやダメだ！ボクは家に頼らないって決めたんだ！」

　兄は走って屋敷の門を飛び出した！

兄「そうだ、タクシーを拾って……」

　兄がサッと手を挙げると、ご都合良くタクシーが目の前に止まった！

　が、しかし……！

兄「ハッ……」

　慌てて財布の中身を確認する！
　しかし、現実は残酷！　全くタクシー代が足りそうにない！
　脳内では「家賃！！」と叫ぶ大家の顔が大きく浮かぶ！

兄「す、すいません……やっぱいいです」

ﾀｸｼｰ運転手「ケッ、貧乏人が」

　運ちゃんは唾を吐き捨てるとｷｭｷｭｷｭｷｭｷｭ！とアクセルをふかして行ってしまった！

　兄は行きに乗ってきたママチャリ（9800円）にまたがると、必死で漕ぎ始めた！
　がんばれ！

───

5 ：1 [saga]：2012/04/15(日) 19:04:35.65 ID:cGZDgOGGo

───

兄「ゼェゼェ……やっと着いた……」

先輩「おせぇぞ！　何やってんだ！」

兄「ず、ずびばぜん……」ﾖﾛﾖﾛ

先輩「……現場、入るぞ　ついてこい」

兄「は、はいっ！」


　　……ﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞ…


兄「……ん……この音……」

　
　バババババババ！！

警官A「！！？　　ヘリコプターだっ！？」

警官B「な、なんでこんなとこにヘリコプターが！？」

警官C「しかも真っピンクだ！！」

警官D「デフォルメアニメキャラみたいなのが書いてあるぞ！」

兄「…………」

兄「ま、まさか…」


令嬢「お兄様ぁ〜〜〜っ！！　わたくしもお手伝いしますわーっ！」


　ヘリから半身乗り出して拡声器で叫んでいるのは、まぎれもなく令嬢！！

兄「く………く………」

兄「来るなぁ〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ」！！！！！！！」

　兄の悲惨な叫び声は、ヘリの爆音にかき消された。

───

6 ：1 [saga]：2012/04/15(日) 19:05:21.48 ID:cGZDgOGGo

つづく

勢いでここまで書いた。
何にも考えてない。
ではまた。

7 ：1 [saga]：2012/04/15(日) 19:06:39.65 ID:cGZDgOGGo

>>1のお城はお嬢のミスです、ｻｰｾﾝ

8 ：1 [saga]：2012/05/13(日) 09:21:36.69 ID:CdltfUQZo

────

お嬢（令嬢）「お兄様っ！　会いたかったですわ〜」ﾄﾃﾃ

兄「今朝会ったばっかでしょ！？　てかそんな壮大な再会を僕は望んでないよっ！？」

お嬢「そんなぁ……はるばるセバスチャンに無理やりヘリを運転させて来ましたのに……」

兄「セバスチャンもうそろそろ米寿だよね！？　無理させちゃダメだよ！？　ヘリより高い所行っちゃうよ！？」

お嬢「そんなことよりお兄様」ｽﾞﾋﾞｼ
　
　指をピンと立てて兄の口を遮る。

お嬢様「事件っですわねっ！」

兄「………」

　麗しい唇の端が持ち上がり、
　お嬢の可愛らしい顔にひまわりの様な笑顔が咲く。
　そんな妹の無邪気な笑顔を見せられて、兄は額に手を当てて嘆息する。

兄「やれやれ……こうなったらもう止まらないんだから……」

9 ：1 [saga]：2012/05/13(日) 09:28:05.57 ID:8yFRrihUo

ここまで。

10 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/05/13(日) 11:13:23.16 ID:rUBhHEhDO

こういうハイテンションなノリは好き！
期待です

11 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]：2012/05/13(日) 18:38:05.49 ID:hELNIlILo

乙
いいねこの雰囲気

12 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/06/11(月) 23:56:17.83 ID:k4CIR/ICo

む