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マミ「美国さんと呉さんが仲間になったわ」 -
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1 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga sage]:2012/04/18(水) 19:14:46.12 ID:27a+Vhhu0
--お菓子の魔女の結界--
マミ「言ったはずよね。二度と会いたくないって」
まどか「ま、マミさん」
ほむら「今回の獲物は私が狩る。あなた達は手を引いて」
キリカ「いやいや、二人とも退いてくれないかな」
マミほむまど「!?」
キリカ「初めまして。この獲物は私が狩る。率直に言って君達は私の狩りの邪魔になるからここから消えてほしい」
マミ「――違う魔法少女!?」
ほむら「呉キリカ!?あなたがここで出てくるなんて……」
キリカ「――へぇ。君は何故私の名前を知っているんだろうね」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1334744081
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荒巻@管理人★
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一護「そいぽんって誰だ?」 @ 2024/12/19(木) 02:18:44.47 ID:+2ulqL88O
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1734542324/
リー「うーん」ガイ「どうしたリー?便秘か?」全年齢版 @ 2024/12/17(火) 18:21:54.47 ID:yRa+3jBoO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1734427314/
★ @ 2024/12/16(月) 18:19:12.46 ID:BGx9cLsmo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1734340750/
■ 萌竜会 ■ @ 2024/12/16(月) 07:20:13.81 ID:HuMoA6cIo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1734301213/
■ 萌竜会 ■ @ 2024/12/16(月) 07:20:00.61 ID:fcO1AseBo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1734301199/
■ 萌竜会 ■ @ 2024/12/16(月) 07:19:41.77 ID:8S093f/Bo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1734301181/
■ 萌竜会 ■ @ 2024/12/16(月) 07:19:04.48 ID:Ok0CFWkxo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1734301143/
■ 萌竜会 ■ @ 2024/12/16(月) 07:18:45.78 ID:H5BMOJgmo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1734301125/
2 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛知県)
[sage]:2012/04/18(水) 19:17:34.89 ID:IGc1iYE80
期待
3 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/18(水) 19:25:37.05 ID:xAD0RN+2P
立てたの本人か?
4 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/18(水) 19:27:39.08 ID:27a+Vhhuo
マミ「中に生存者がいる。私が迎えに行かないと」
キリカ「それは私も識っている。――ま、なんだ。それぐらいなら何とかするよ」
マミ「信用すると思って?」シュルシュル
キリカ「鈍い」ザシュゥ!
マミ「な!?私のリボンがこんな簡単に……!?」
キリカ「君達には攻撃するなといわれているんだけどね。そういう対応をするようなら」
ほむら「退くのはあなたよ!呉キリカ!」バキューン
キリカ「――少しぐらい刻んでも問題ないかな」キィン!
ほむら「弾丸を弾かれた……!!」
まどか「みんなもうやめて!」
マミキリほむ「!!」
5 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/18(水) 19:31:11.54 ID:27a+Vhhuo
まどか「みんなやめてよ……こんな事やってたらさやかちゃんもキュゥべえも。みんな死んじゃうよ。どうして魔法少女同士で戦わなきゃいけないの?」
マミ「――確かに。今はこんなところで使っている時間が惜しいわね」
ほむら「……」
マミ「呉さん。一時休戦しない?あなたさえ良ければ、だけど」
キリカ「中にいるのは君達にとってそこまで大切な人なの?」
まどか「大切だよ!さやかちゃんはわたしの大切な親友だもん!」
マミ「キュゥべえだって。私の大切な友達よ」
キリカ「――分かった。三人で魔女を撃退しよう。それで問題はない?」
マミ「私に異論はないわ」
ほむら「――私にも異論はない」
6 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/18(水) 19:34:21.36 ID:27a+Vhhuo
使い魔「キキキ!」
マミ「速攻で片付させてもらうわ!」ジュドォン!
ほむら「油断しないで、巴マミ」バンバンバン!
キリカ「すごいね二人とも。初めて一緒に戦うとは思えないコンビネーションだ」ザシュゥ!
マミ「――?そういえば、暁美さんの援護は不思議なぐらい的確ね」トッカ!
ほむら「――あなた、分かっていて言ってるでしょう」ダダダダダ!
キリカ「さぁどうだろう?――そうだ。巴マミ。君は紅茶が好きなんだよね?」ガガガ!
マミ「このタイミングで何?」ティーロ!
キリカ「噂に名高い巴マミの紅茶。一度飲んでみたいと思っていたんだよ。この戦いが終わったら飲ませてほしいな。砂糖三個にジャム三杯。忘れずにね」イッテデジュッテ!
マミ「それは紅茶と呼べるのかしらね……!!」ティロ・ボレー!
7 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/18(水) 19:35:47.58 ID:27a+Vhhuo
--お菓子の魔女の結界 最奥--
さやか「マミさん!まどか!――それに転校生!?何か知らない人までいるし!」
まどか「えぇと、その……」
ほむら「いろいろ事情があったの」
マミ「あれがお菓子の魔女。――弱そうに見えるけど」
キリカ「あいつは口から第二形態が出てくる。そいつが厄介だ。巨大な蛇のような形状をしていて、速度は速いし噛み付き攻撃が強い。間違えれば一撃で殺される」
ほむら「巴マミ。あなたの一撃必殺戦法は相性が悪い。少なくとも第一形態での大技は絶対に控えて。第二形態になっても極力小技中心で戦って」
マミ「――分かったけど。あなたたちはどうしてこの魔女にそんなに詳しいの?まるで会ったことがあるみたいに」
ほむら「――それは」
キリカ「――そういう思慮深さは大切だとも思うけど、今大事な事はそこではないんじゃないかな」
マミ「――わかったわ。今回は小技に徹する」
8 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/18(水) 19:36:58.30 ID:27a+Vhhuo
キリカ「とはいえ、この面子ならそこまで恐れる相手でもないと思うけどね」
ほむら「あなたも油断しないで。恐らく彼女から聞いて知っているんでしょうけど、知識と実際に戦うのは全く違う」
キリカ「――ふーん。確かにこの魔女と本当の意味で戦った事があるのは君一人みたいだし、ね」
ほむら「……」
キリカ「――くっくっく」
マミ「――駆け引きをしている暇があるなら、早く片付けましょう?」
9 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/18(水) 19:38:03.42 ID:27a+Vhhuo
キリカ「ハハ!確かに知識とは違うね!想像より鈍い!」スパァ!
ほむら「あなたは油断しているの?それとも油断しているように見せかけているだけなの?」ドンドン!
キリカ「こういう話をしていた方が集中できるんだよ。ほら、音楽を聴きながら勉強をするとはかどったりしない?」ドバッ!
お菓子の魔女「グァアアアア!!」
マミ「――確かに恐ろしい魔女ね。私一人だったら危なかったかもしれない。でも」
お菓子の魔女「ガァア!!」クパァ!
キリカ「まだ動けるか」
ほむら「巴マミ!危ない!」
マミ「種明かしの終わった手品で私は倒せないわ」
マミ「――ティロ・フィナーレ」ドォン
10 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/18(水) 19:39:34.53 ID:27a+Vhhuo
まどか「マミさぁん!」
さやか「マミさん。無事でよかった……」
マミ「ふふふ」
キリカ「小技に徹するんじゃなかったの?」
マミ「――あの場面で小技は逆に危険よ」
ほむら「巴マミの言うとおりよ。回避か大技か。今のはその二択だった」
マミ「さて……どうするの?このグリーフシード」
キリカ「三分割でいいんじゃない?いちいち考えるのも面倒だ」
ほむら「巴マミさえよければ」
マミ「私もそれでいい。――助けてくれてありがとう。暁美さん。呉さん。あなた達がいなければ私は多分やられていた」
マミ「――その、私の家で紅茶を飲んでいかない?ご馳走するわよ」
キリカ「喜んで」
ほむら「……(この時間軸、一体何が起こっているの?)」
11 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/18(水) 19:41:09.74 ID:27a+Vhhuo
QB「やれやれ。まさか彼女達が動き出すなんてね」
QB「仕方がない。僕も手を打っていくしかなさそうだ」
--マミの家--
さやか「いやー。一時はどうなることかと思ったー」
まどか「さやかちゃん。マミさん。ほむらちゃん。キリカちゃん。キュゥべえ。お疲れ様」
ほむら「――あなたもいるのね」
QB「邪魔だったかい?」
キリカ「うん。おいしいね!私の記憶の中で二番目に入るおいしさだ」
マミ「じゃぁ一番目は何なのかしら」
キリカ「私の大好きな人の作ったもの、だよ」
マミ「あらあら」
ほむら「――呉キリカ。あなたの目的は何?」
キリカ「――巴マミからすれば君の目的こそ謎だと思うよ。私はたまたま魔女を狩ってたで充分しらを切りとおせる」
マミ「そんな話を本人の目の前でしている時点で無理だと思うけど……」
12 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/18(水) 19:48:37.65 ID:27a+Vhhuo
キリカ「それにしてもキリカ『ちゃん』って。一応私、巴マミと同級生なんだよ」
まどか「え……!?ご、ごめんなさい!」
キリカ「や、むしろごめん。謝るほどの話じゃないし、キリカちゃんでいいよ」
さやか「キリカ先輩」
キリカ「それは嫌だ。――それなら呼び捨てかキリカさんで手を打つ」
さやか「――変なこだわりはあるんだね」
マミ「さて……あなたの目的は何?話せないのなら別にいいけど……」
キリカ「私の目的はそこの暁美ほむらと全く同じだよ」
ほむら「……」
マミ「――鹿目さんと美樹さんの勧誘に関して、手を引けというの?」
まどさや「!?」
キリカ「理由は違うだろうけど、目的は同じ。――どの道一般人を巻き込むのはどうかとは私も思うしね」
QB「それは君が決めることではない。鹿目まどかと美樹さやかが自分の意思で決めることだ」
キリカ「そうだろうね。だから私は君の契約を阻止してまわることになる」
マミ「……」
QB「呉キリカ、君は……」
キリカ「嫌な話をしたね。私はこれで帰らせてもらうよ。巴マミやキュゥべえの考え方とは根本から合わないと思うしね」
13 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/18(水) 19:50:27.13 ID:27a+Vhhuo
--外--
キリカ「……」
ほむら「呉キリカ」
キリカ「やぁ。君も居辛くなったの?」
ほむら「どこまでが彼女のシナリオなの?」
キリカ「――彼女の能力は絶対的なものではない。――でもここまでは概ね成功だよ。まず最悪の可能性、ここで鹿目まどかが契約する事は避けられた」
ほむら「――あなたの本当の目的は何?」
キリカ「私達の世界を守る為、さ」
ほむら「――同じね。あの時と」
キリカ「へぇ。私はあの時とやらを知らないけどね」
ほむら「……」
キリカ「彼女……織莉子から君を連れてくるように言われている」
14 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/18(水) 19:52:22.93 ID:27a+Vhhuo
--織莉子の家--
織莉子「はじめまして。それともひさしぶり、なのかしら」
ほむら「今回あなたがまどかを殺そうとしない理由は何?」
織莉子「――そう。やはり別の世界の私はその選択を選んだのね」
キリカ「そんな殺気のこもった目で織莉子を見るのはやめてくれないか。思わず刻みたくなる」
織莉子「やめなさいキリカ。――暁美ほむら。貴女はあの場所の魔法少女ということで間違いないようね」
15 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/18(水) 19:54:08.17 ID:27a+Vhhuo
織莉子「私は未来を見た。貴女も知っているでしょう。鹿目まどかが魔女となり、世界が終わる」
ほむら「そんな事はさせない」
織莉子「そういう未来もあるという風に捉えて。とはいえ、今のままではその可能性は限りなく高い」
織莉子「ここで選択肢は二つある。世界の終わりをもたらす爆弾を数十年にわたり監視するか、善良な一般市民を一人犠牲にし、他の人間を助けるか」
織莉子「――後者の方がリスクは遙かに少ない。それは分かるわよね」
ほむら「そうね。そして……私とあなたはかつて、別の時間軸で敵対した」
織莉子「私も後者の選択を本来は選ぶべきだと思っている」
ほむら「でもそれならば、今私をここに呼ぶのはミスとしか思えない。あなたには後者を選ばなかった理由があるのよね」
織莉子「えぇ、そうよ」
ほむら「――その理由は?」
織莉子「――それは」
16 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/18(水) 19:55:23.74 ID:27a+Vhhuo
織莉子「一言で言うと、ヘタれたの」
ほむら「――は?」
織莉子「――世界人類の命がかかっていたとしても、それを人一人の命と天秤にかけるという事が私には出来なかった」
織莉子「それで、キリカとも相談したんだけど……」
---回想---
キリカ「いいんじゃない?織莉子のしたいようにすれば」
織莉子「でも、世界の命運がかかっているのよ」
キリカ「どうでもいい。私からすれば世界がどうなろうと鹿目まどかがどうなろうとどっちにしろ知ったことじゃない」
キリカ「君を君のやりたいようにさせる。それが私の存在理由であり私の生甲斐だ。君が悩むのなら私も考えるけど、君が決めたなら私はそれに従う為にここにいる」
織莉子「キリカ……ならば私の悩みについて、考えて欲しい。私の出した答えは貴女から見て間違っていると思う?」
キリカ「その問いかけはナンセンスだね。君の答えは正しいし、間違えてる。私以外から見れば」
織莉子「――貴女から見れば?」
キリカ「正しい。例え他の人間がどれほどに間違えてると言っても私は君が正しいと断言する」
キリカ「――ま、明らかに間違えてると思えるなら反論もするけどね。織莉子が織莉子自身の答えを出す限りにおいて、私はそれを正しいと言い張るさ。私にとって織莉子は全てなんだから」
織莉子「キリカ……」
--回想ここまで--
17 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/18(水) 19:56:44.40 ID:27a+Vhhuo
織莉子「というやりとりがあって」
ほむら「なるほど、確かに、その……」
ほむら「――とにかく。あなた達が仲間にまわってくれるというのはとても助かるわ」
キリカ「何を言いかけたのやら」
織莉子「――ワルプルギスの夜。これを超えてしまえば鹿目まどかの契約確率は大幅に減少する。まずはここの突破を目標としましょう」
18 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga sage]:2012/04/18(水) 20:02:35.42 ID:27a+Vhhuo
ここまで
VIPでこのスレタイみて思わず開いたら空白でしたっと
VIPの方でも言ったけど次回更新は土日ぐらいになると思う。多分
19 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/18(水) 22:19:13.47 ID:wf84dKdSO
がんばれ
20 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/18(水) 23:46:31.27 ID:hh443wZVo
落ちないからってだらだらと甘えんなよ
VIPのつもりでやれ
21 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(香川県)
[sage]:2012/04/19(木) 00:36:40.83 ID:k35SK7HVo
>>20
それは言い過ぎ
読み手としてどうかと思う
22 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山形県)
[sage]:2012/04/19(木) 00:50:11.32 ID:kIWN8/LFo
しかし実際にこっちに移ってエターなった作品は数知れず・・・
23 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/19(木) 02:21:16.61 ID:Z2WWcplNP
SSには遅筆を要求する魔女が潜んでいて、多くのSSがマミられたという
24 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/20(金) 02:02:13.45 ID:OaKkr1mao
協力者が速攻で出来たよ、やったねほむほむ。
25 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/20(金) 23:54:44.74 ID:8FWeBOPKo
--マミの家--
マミ「呉さんや暁美さんは鹿目さんと美樹さんの契約を阻止しようとしている……」
マミ「グリーフシードの取り分が減るから?でも今日の呉さんを見る限り、グリーフシードに固執しているような様子は見えなかった」
マミ「――暁美さんは美樹さん以上に、鹿目さんの契約を重点的に阻止しているように見える。それも何か関係が……」
マミ「――駄目ね。全然考えが纏まらない」
QB「マミ。あの二人の行動は謎が多い。用心するに越したことはないと思うよ」
マミ「そうね。でも、あの二人が私を助けてくれた事も事実よ」
QB「彼女達の助けがなくても、君一人であの魔女を撃退できたかもしれない」
マミ「私の戦闘スタイルを分析する限りにおいて、ほぼ不可能と言っていいと思う」
QB「君は君自身を低く見すぎているよ」
マミ「ありがとうキュゥべえ。でも私自身の事は私が一番よく分かっているわ」
QB「そうかい。まぁただ一度一緒に戦っただけで、彼女達二人を信用するのは危険だ、とだけ言っておくよ」
マミ「――分かってる」
26 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/20(金) 23:56:26.97 ID:8FWeBOPKo
--昼休み--
マミ「とはいえワルプルギスの夜が迫ってる今、戦力が欲しいのも事実だし……ってあれは?」
さやか「――――――?――――!」
キリカ「――――」
マミ「(口論している?行って話を)」
マミ「(――いや、ひょっとするとあの子の行動理由が分かるかもしれない。このまま遠くから様子を伺ってみましょう
魔力の波動を極力抑えて……)」
27 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/20(金) 23:57:53.08 ID:8FWeBOPKo
--屋上--
さやか「――なんであんたは、あたしらの契約を阻止しようとするのさ!」
キリカ「何度繰り返させるつもりなのかな。魔法少女は常に死と隣り合わせだ。契約しないですむならそれに越したことはない」
キリカ「ピンク髪の方は理解してるみたいだよ。あの時本来巴マミがどうなっていたのか、ね」
まどか「――!」
さやか「黙れ!」
キリカ「ふぅ……命に代えてでも叶えたい願いが、君にはあるの?」
さやか「――そんなの、わからないけど」
キリカ「『ない』ではなく、『わからない』か」
キリカ「一ついいことを教えてあげるよ。君の願いの対象……上条恭介の腕は少なくともこの世界で治る事はありえない。それこそ奇跡か魔法でもない限りね」
さやか「――!?」
28 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/20(金) 23:59:33.59 ID:8FWeBOPKo
さやか「な、何でそんな事分かるんだよ!てか何であんたが恭介の事を知ってるんだ!」
キリカ「魔法少女には固有の能力がある。私の親友が予知能力者でね。お菓子の魔女に詳しかったのも、事前にその親友から情報を貰っていたからなんだよ」
キリカ「嘘だと思ってくれても構わない。どの道今日の夕方には君はその事実に直面することになる。高確率で上条恭介が君に直々にその話をしてくれるだろうね」
まどか「そんな……そんなのって……」
さやか「――あたしが契約すれば、恭介の腕は」
キリカ「――君に誓えるの?上条恭介の為に全てを投げ出していいと。何の見返りも一切求めず、ただ無限に尽くすと」
さやか「それは……」
29 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/21(土) 00:00:35.84 ID:x4k6J0bxo
さやか「――誓える」
まどか「さやかちゃん!」
さやか「誓えるよ!恭介の為だったらあたしは」
キリカ「嘘つき」
さやか「!?」
キリカ「言ったよね。私の親友は『予知能力者』だと。君の願い、君が魔法少女になった後どうなるか、もう全て私は知識としてもっているんだよ」
キリカ「君は私とは違う。君の愛は無限でも有限でもない。見返りは求めているし、全てを投げ出す事なんて出来やしない。君は君自身がとてもとても大切な、ごくごく普通の中学生だ」
さやか「知った風な事を言うな!」
キリカ「下らない」
キリカ「――いいや。教えてあげるよ。巴マミの教えなかった魔法少女の真実、そして君がその願いを遂げてどのような結末を迎えるのか」
30 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/21(土) 00:01:36.22 ID:x4k6J0bxo
まどか「―――嘘、だよね」
さやか「―――そんな、それじゃ魔法少女ってのは」
キリカ「やがて魔女になる私達の事は、魔法少女と呼ぶべき……らしいよ?」
さやか「――ちょっと待ってよ!あの戦った魔女達は!?」
キリカ「あの魔女達は、元々魔法少女であったものの成れの果てだ」
まどか「マミさんは!?嘘をついてたって言うの!?」
キリカ「誤解のないように言っておくと、大部分の魔法少女はその真実を知らないし、巴マミも例外ではない。私の親友や……暁美ほむらがイレギュラーなのさ。彼女達の持つ固有能力が魔法少女の真実を把握可能にした」
さやか「そ、そんなの信じられるかよ!」
31 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/21(土) 00:01:36.39 ID:MhybZIm70
魔法少女のことを使い捨て電池みたいに思っているのにQBさん必死だな。
32 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/21(土) 00:03:03.93 ID:x4k6J0bxo
キリカ「なら、簡単に試せるところで、私のソウルジェムを殺ってみる?これをもって私から100メートル以上離れれば、君も無事殺人者だ」ポン
さやか「わ!?わわわ……」
キリカ「どうしたの?やってみたら?」
さやか「じょ、冗談。だよね」
キリカ「さっきの話でも分かると思うけど、すぐに戻ってくれば命に支障はないし、試してみてもいいんじゃない?」
さやか「何でだよ!自分の命なんだろ!?何でそんな簡単に扱えるんだよ!!」
キリカ「私は私の親友の為に全てをつくすと決めている。君や鹿目まどかの契約を止める為だったら、これぐらいは厭わない」
さやか「――あんた、壊れてる」
キリカ「今更だね」
カタン
キリカ「――ん?」
さやか「何?」
キリカ「いや……(誰かいた?でも魔力の波動は感じなかったし……一般人に聞かれたところで精々演劇の出し物と思われる程度か)」
33 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/21(土) 00:04:45.88 ID:x4k6J0bxo
キリカ「――まぁ、いいや。ここまで語れば分かるよね。魔法少女になるということがどういう事か。そして鹿目まどか、君が契約する事にどんな意味があるのか」
まどか「――キュゥべえはわたしに魔法少女の素質があるといってた」
キリカ「あるらしいね。そしてそれは魔女の素質もあるという事になる」
キリカ「君が魔女になれば、世界が終わる。……誰だって止めるに決まっているだろう。そんな話。本来なら」
キリカ「(殺してしまった方が手っ取り早いのに)」
まどか「そんなのってないよ……」
キリカ「ま、そんなうまい話が転がっているわけがない。たかだか魔女を狩る程度で奇跡とつりあいがとれるわけないよ」
さやか「ねぇ……」
キリカ「ん?」
さやか「あんたは……あんたは何を願いに魔法少女になったの?」
キリカ「――私は」
キリカ「言えない。言いたくない」
さやか「――ごめん。そうだよね……」
34 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/21(土) 00:06:52.90 ID:x4k6J0bxo
--さやかとまどかが去った後 屋上--
キリカ「――これが一番手っ取り早いと思うんだけどね。私は」
ほむら「全てを語らなくても……彼女達を止める方法はあった」
キリカ「君のやり方では手ぬるすぎる。その度に最低限の真実しか明かさないという方法では、『この程度なら』と契約されてしまうかもしれない」
キリカ「考えうる最悪の絶望を突きつけてあげる方が優しさになると思うね」
ほむら「――そうね。あなたの言うことは正しい。でも、それでも私は」
キリカ「やめよう。どの道これで……そうだ。見張ってたならわかるかな」
ほむら「何?」
キリカ「この屋上に私達以外の別の人物がいたりとかしなかった?」
ほむら「!?――魔力の波動は感じなかった。普通の人間がいた可能性は捨てきれないけど」
キリカ「そっか。ならいい。……いや、うん。なんでもないや」
ほむら「呉キリカ。あなたは無用心すぎる。もしこの場に」
ほむら「(この場にあの人がいたら、それは失敗なんてものじゃすまされない)」
キリカ「無用心だったのは認める。とはいえ結果全ては順調だ」
ほむら「……」
35 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/21(土) 00:09:38.84 ID:x4k6J0bxo
--学校から離れた場所--
マミ「(嘘、だ)」
マミ「(あれは全部嘘。ソウルジェムの真実も、魔法少女が魔女になる事も、全て嘘。ああやって鹿目さんや美樹さんを騙せば、契約される心配はないもの。そうよ、そうに違いない)」
マミ「(もしあんな話が本当なら――私は魔女になるということ。全てを呪う、あいつらと同じになるという事。そんなの――嫌だ。そんな真実認めたくない!)」
マミ「(――そうだ。ソウルジェムの事は呉さんの言った通り簡単に試す方法があるはず。確か100メートル以上離れれば――)」
マミ「(――――)」
ッゾク
マミ「(――怖い)」
マミ「(怖い怖い怖い怖い怖い!!)」
マミ「(もし、本当だったら私はどうなるの?死んでしまうの?そんなの……)」
マミ「――キュゥべえ!どこかにいないの!ねぇキュゥべえ!!」
QB「――やれやれ」
マミ「――キュゥべえ。よか」
QB「彼女が話していた事は全て真実だ」
36 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/21(土) 00:11:49.32 ID:MhybZIm70
これは・・・・マミさん自殺フラグ・・・・
37 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/21(土) 00:13:39.62 ID:Yi+y5qmIO
来てたか
38 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga sage]:2012/04/21(土) 00:14:35.58 ID:x4k6J0bxo
ここまで
まぁあれから方針はそれなりにたったので、エタる事はないと思う。多分
更新速度は遅くなりそうだけど、なるべく毎週一回以上更新という感じでやっていこうかと
39 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/21(土) 01:02:29.21 ID:x4k6J0bxo
--夕方 病院--
恭介「もう聴きたくなんかないんだよ!自分で弾けもしない曲、ただ聴いてるだけなんて」
さやか「恭介!大丈夫だよ。きっと何とかなる。諦めなければ」
さやか「(あたしは何を言っているんだろう。この後の話はもうあいつから聞かされて知ってるのに)」
恭介「諦めろって言われたのさ」
さやか「(一言一句違わない)」
恭介「もう演奏は諦めろってさ!先生から直々に言われたよ。今の医学じゃ無理だって!!」
恭介「僕の手はもう二度と動かない。奇跡か、魔法でもない限り治らない!」
さやか「あ……」
――君に誓えるの?上条恭介の為に全てを投げ出していいと。何の見返りも一切求めず、ただ無限につくしてみせると
さやか「……」
さやか「(あたしが契約して恭介の腕が治っても……恭介は仁美の元に行っちゃう。あたしは絶望して、あの化け物になっちゃう……」
恭介「ぅぅぅ……!!」
40 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga sage]:2012/04/21(土) 01:03:49.52 ID:x4k6J0bxo
--病院外--
さやか「あたし、最低だ」
キリカ「いやいや最高だよ。よくあそこで『奇跡も魔法もあるんだよ』なんて言い出さなかった」
さやか「――恭介はね。今日までずっと頑張ってきたんだよ。いつかきっと腕が治るってそう信じて。なのに……」
キリカ「そういう現実なんだから仕方がない。上条恭介の腕が治る事なぞありえはしなかった」
さやか「――治せるんだよ。魔法少女の力があれば。それなのにあたしは……あたしは自分かわいさで……」
キリカ「――魔法少女は夢と希望を与え、そして絶望と呪いを振り撒く。上条恭介を助ければ、それだけの呪いがやがて別の誰かに解き放たれるだろうね」
キリカ「君はそれを許すの?罪のない人が君の願いで死んでいくのを」
さやか「――そんなの、嫌だ」
キリカ「それを許容できないなら、魔法少女になるべきではないよ」
さやか「……」
41 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/21(土) 01:05:39.51 ID:h9pDCnNio
マミが自殺か心中か魔女化する未来しか視えないんじゃないかこれww
42 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/21(土) 02:10:54.98 ID:xwA7aKtJ0
キャンデロロさんクルー?
43 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/21(土) 14:30:21.00 ID:ZaPWQzxe0
一人で自殺してくれた方が今後の事も考えたら色々安全だが
そうなってくれる事を祈る
44 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/21(土) 16:31:33.23 ID:MhybZIm70
まどポのマミさんが自[
ピーーー
]るルートは鬱だった・・・
「せめて、救えなかった〜中略〜思うから。」あたりは泣いた・・・・・(;´Д⊂)
45 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/21(土) 20:33:23.76 ID:x4k6J0bxo
--公園--
マミ「(全部嘘だった……私が正義の魔法少女とうかれて倒してきたのは、みんな元々は私達だったものの成れの果て。私達こそが呪いを振り撒く魔女だったのね……)」
マミ「(ここは……私が初めて戦った魔女のいた……魔女に捕らえられた子供を、守れなかったあの場所……)」
マミ「(――ごめんね。私達のせいであなたを殺しちゃって……本当に、ごめんね)」
マミ「せめて、私の命で……」
?「よぉ、巴マミ」
マミ「あなたは……」
杏子「こんな絶好の狩場をさー。あんただけじゃなく、他の奴らにも使わされるってのはちょっとムカつくんだよねー」
杏子「あんたの縄張り、奪いにきたよ」
マミ「……」
46 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/21(土) 20:33:55.91 ID:x4k6J0bxo
杏子「――ッチ!」ポイ
マミ「!?ロッキー……箱ごと!?」
杏子「まずそれを食え」
マミ「え!? あなたがロッキーを箱ごと渡すなんて、そんなことが!?」
杏子「きれられたくなかったら黙って食え」
マミ「う、うん。――ありがとう、佐倉さん」
47 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/21(土) 20:34:40.40 ID:x4k6J0bxo
杏子「何があった?」
マミ「――何でもないわ(話せない。この話は魔法少女にはあまりにも重過ぎる)」
杏子「何でもなくはないじゃねぇの?折角意気揚々とあんたをぶちのめしにきたのにさぁ。あんたがそれじゃ、張り合いがないんだよねぇ」
マミ「――ごめんなさいね。駄目な魔法少女で」
杏子「本当、うっぜぇな。今のあんたは」
杏子「――まぁいい。今日は宣戦布告にきた。この街はあたしが貰う。逆らうようならこの街の魔法少女は全員あたしがぶちのめす」
マミ「……」
杏子「それを言いに来ただけだ。じゃぁな!」
マミ「……」
杏子「――おい、一つだけ、馬鹿みたいな話だけど確認してもいいか?」
マミ「――何?」
杏子「あんた、今日ここに……死にに来たってわけじゃないよな?」
48 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/21(土) 20:35:37.82 ID:x4k6J0bxo
マミ「――どうしてそう思ったの?」
杏子「親父が死ぬ前、あんたと同じような目をしていた」
マミ「――!!(そうだ!佐倉さんはお父さんが心中で……!)」
杏子「――嫌なもん思い出しちまった。誰か話せる奴にでも相談しとけよ」
マミ「(――私は何をやろうとしていたの?自殺は佐倉さんの心をさらに深く抉ってしまう……自殺だけは駄目)」
49 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/21(土) 20:36:36.52 ID:x4k6J0bxo
マミ「あら、随分と心配性なのね」
杏子「あん?」
マミ「ちょっと辛い事があっただけ。今日はそれを振り返りにここに来てたの。ただそれだけの話よ」
杏子「――そっか。ここはあんたの」
マミ「それにしても宣戦布告とか――相も変わらず縄張りなんてものを意識しているのね」
杏子「――ハ!当たり前だろ?縄張り意識を持たない、使い魔まで殺してるあんたの方が異常なんだよ」
マミ「自分の為……ね。実に今のあなたらしいわ」
杏子「――今日はしらけちまったからやめとくけどさ……次会った時は前の戦いの決着つけようぜ。あん時はあんた、実力の半分も出してなかっただろ?」
マミ「あら、確かに強くなったように感じるけど、今のあなたの力でも私に勝てるとは思えないわね」
杏子「やってみなきゃわかんねぇぜ?」
マミ「この街を狙うならまず最初に私を狙いなさい。あなたの実力を見定めてあげる」
杏子「――次に会う時を楽しみにしてるよ」
50 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/21(土) 20:38:36.59 ID:x4k6J0bxo
マミ「(昔袂を別った佐倉さんに気を使わせちゃうなんて)」
マミ「(……死ぬのならせめて自殺に見えないようには偽装するべきね。――そもそも冷静になって考えれば今私が死ぬのはまずい。せめてワルプルギスの夜を倒した後、見滝原を任せられるような子を見つけた後じゃないと)」
マミ「(魔女が溢れている中私が死んでしまえば、あの子と同じような犠牲者を増やし続けることになる。――何故、こんな簡単な事が見えなくなっていたんだろう)」
マミ「――本当に弱いわね。私は」
ほむら「何が弱いのかしら?」
マミ「!?暁美さん、いつからそこに!?」
ほむら「つい今しがたよ。あなたの様子が少し気になって」
マミ「――お菓子の魔女との戦闘でね。ちょっと自分の弱さを反省していたの」
ほむら「――私では力になれないかもしれないけど、その……」
マミ「――そんな事を言ってくれるのね。あなたは」
マミ「大丈夫。この前のあなた達の戦い方から自分の戦闘スタイルを見直して、今後に生かさせてもらうわ。……ところで、あなたに相談したい事があるの」
ほむら「……」
51 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/21(土) 20:40:43.35 ID:x4k6J0bxo
マミ「恐らく今月中にワルプルギスの夜が現われる。あなたや呉さんほどの魔法少女が一緒なら、ひょっとしたら倒せるかもしれない」
ほむら「……!?あなたがその事をどうして……!」
ほむら「(でも確かに何故かワルプルギスの夜を把握している周回は何度かあった。キュゥべえに聞かされているの?それとも別の理由……?)」
マミ「魔力の波動と、使い魔、魔女の増殖。後は過去のデータ、キュゥべえの説明とかいろいろよ。――私としてはどうしてあなたが知っているの方が気になるのだけど、ね」
マミ「(魔法少女が魔女になる事やソウルジェムの真実をおそらく暁美さんも知っているだろうし、相談にものってくれるだろう。でも今はそんな傷の舐めあいをやっている状況ではない)」
マミ「(ワルプルギスの夜。呉さんや、暁美さん。呉さんの親友という魔法少女や佐倉さんの力も合わせれば、勝てるかもしれない。私は見滝原の為に戦う正義の魔法少女。たかだか魔法少女の真実がわかったぐらいで、それを変えてしまってなるものか)」
52 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga sage]:2012/04/21(土) 20:55:49.65 ID:x4k6J0bxo
今日多分ここまで
いいわけみたいにはなるが
スレタイ的な意味でマミさん主人公でいこうと思うんだ
てかこのSSまだスレタイにも辿り着いてなかったりする
今のまんまじゃ『ほむら「美国さんと呉さんが仲間になったわ」』である
53 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)
[sage]:2012/04/21(土) 21:04:07.39 ID:hqe/v+aOo
おりこは美国さんって呼ばれるのあんま好きじゃないみたいね。
54 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/21(土) 21:09:29.13 ID:xwA7aKtJ0
乙でした
>>53
なるほど、つまりあだ名で呼んであげるのが優しさという事か
>>1
のネーミングセンスに期待
55 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/21(土) 21:38:50.37 ID:h9pDCnNio
投下乙。
ナイス杏子。そしてマミ自力復活おめ。
マミと織莉子がお菓子談義とか見たくなってきた。
あと、マミとキリカが実は同じクラスだったりすると夢が広がるな。
ところで、織莉子とキリカが魔法少女になってるなら、やはりゆまも?
56 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[sage]:2012/04/25(水) 16:16:37.19 ID:xsduWg6eo
地の文なしが今後を考えるときつくなってきたので、使います。最初から使っておけばよかった……
57 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/25(水) 16:21:18.51 ID:xsduWg6eo
……? ここは?
杏子「……マミさん」
マミ「佐倉さん!? あなたはどうしてこんなところに……そもそもここはどこ!?」
杏子「父さんも母さんもモモも死んじゃった……みんなの為に願ったのに、その願いがみんなを傷つけちゃったんだ。もうあたし生きてる価値ないじゃん……はは……」
マミ「佐倉さん!? 駄目! 希望を失ってしまえば 」
魔法少女は魔女を……!!
杏子「――ごめんね。マミさん」
そのソウルジェムはグリーフシードへと変化を変え……
マミ「佐倉さん!!」
--マミの家 朝--
マミ「――ひどい夢」
マミ「でも、確かにいつかは仲間だった魔法少女も私が狩らなきゃ……いや、逆に仲間だった魔法少女に私を狩ってもらう事になるのかも」
――誰かの迷惑になる、そんな死に方だけは避けないと
58 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/25(水) 16:22:42.33 ID:xsduWg6eo
マミ「それで、何であなたが私の家の前で待っていたのかしら」
キリカ「何故って、私今日から学校に復帰しようと思って」
マミ「? あなた、昨日学校に来ていたじゃない」
キリカ「――私を見たのかい?君は」
マミ「――屋上で話をしているのが、下から見えたから」
キリカ「――話は、聞こえた?」
マミ「ううん。全然」
全くの嘘だけど
キリカ「いや、まぁ契約するなと念を入れていただけだけどね」
キリカ「あれは屋上から進入しただけだよ。学校に正式に行ったわけじゃない」
マミ「――呆れた」
キリカ「それに、ワルプルギスの夜と戦う仲間じゃん。仲間とは一緒にいたいと考えるのってそこまで変なこととは思わないな」
マミ「あなたやあなたの友人……美国さんには今日の放課後、暁美さんと一緒に会う予定だったけど」
キリカ「暁美ほむらから電話で話だけは聞いたからね。君だって織莉子の事を暁美ほむらから聞かされたんだろう?」
マミ「――えぇ、そうね」
59 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/25(水) 16:24:15.87 ID:xsduWg6eo
マミ「鹿目さんと美樹さんの監視が目的?」
キリカ「復学するのに目的がいるんだ……いや、確かにそういう理由だけど」
マミ「ごめんなさい。確かにひどい言い草ね」
キリカ「いや、事実だしね。まさか学校にもう一度行くことになるとは思わなかった」
マミ「それはそれでどうかと思うけど……」
……まるで佐倉さんみたいな子だ
キリカ「――監視をやめろ、とか言わないんだね」
マミ「言っても聞かないんでしょう?であれば言ってもしょうがない。それにワルプルギスの夜と戦う仲間と不要な戦いは避けたいし」
キリカ「――意外に思慮深い一面もあるんだね。巴マミは」
マミ「あなたは私をどういう目で見ていたのかしらね」
キリカ「はは、ごめん」
60 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/25(水) 16:25:39.82 ID:xsduWg6eo
キリカ「じゃぁ私は隣のクラスだから」
マミ「意外と近かったのね」
キリカ「――同じクラスでもなきゃ、不登校の生徒なんて顔も知らないものだよね」
マミ「拗ねてるの?」
キリカ「少しだけね。眼帯でもつけて登校していれば少しは目立ったのかな」
マミ「確かにそれをやっていたら隣のクラスでも記憶に残っていたでしょうね……」
マミ「そういえば、――これはもう今言っても無意味かもしれないけど」
キリカ「何?」
マミ「今日はテスト日だから。頑張ってね」
キリカ「――帰る」
マミ「駄目! 折角学校に入ったんだからそのまま行く!!」
キリカ「しまったなぁ……テストとか完全に記憶から消していたよ」
マミ「――先生に話をすれば、ずらしてもらえそうだけど」
キリカ「いや、それも面倒だからちゃんと受けてくるよ。事前に教えてくれてありがとう。巴マミ」
キリカ「――そうだ。私は意識せず呼んでいたから忘れていたけど」
キリカ「織莉子は名字で呼ばれるのを嫌がるんだ。さっきみたいに美国さんなんて間違っても呼ばないでね」
マミ「――それは、美国議員の娘と思われるのが嫌だから?」
キリカ「そこまで知っていたんだ」
マミ「この街に住んでいればね。もっともその話と織莉子さんは何の関係もない」
キリカ「うん。そう呼んでくれればいい。――君らしく、イタリア語でニックネームをつけてもいいんだよ?」
マミ「――私を何だと思っているの?」
キリカ「私と似たりよったり?」
マミ「――返しに困るわね……」
61 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/25(水) 16:26:51.68 ID:xsduWg6eo
--テスト中 キリカの教室--
キリカ「――下らない」
先生「? どうした呉。今更テストをやめたいといっても遅いぞー」
途端に周りからもれる笑い声
キリカ「すいません。なんでもないです」
問題の意図通りにただ解答欄を埋める
――それなら、最初から答えを入れておけばいい
ただただ正解を埋める作業に何の生産性も見出せない
せめて答えが2つも3つも存在するというのならまだわかるが
――そんな事を話したら、織莉子ならまた私を子供扱いするのだろうか
現実は違う。答えは無数に存在する
それはワルプルギスの夜への戦い方であったり、巴マミの扱い方であったり
鹿目まどかや美樹さやかの処分についてだったり
私は鹿目まどかや美樹さやかを契約しないように誘導している
巴マミは契約するように或いは誘導していたのかもしれない
そのどちらが間違いであるかなんて本来誰にも決められないはずだとは思う
思うけど、決めなければ前に進むことが出来ない
キリカ「――本当に、下らない」
今度は小声で、解答用紙を数年ぶりに全て埋めると、キリカはそのまま眠りに入った
62 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/25(水) 16:28:04.21 ID:xsduWg6eo
--放課後--
キリカ「さて、巴マミと合流して……」
さやか「ねぇ、キリカ……さん」
キリカ「――呼び捨てでいいよ。美樹さやか」
さやか「キリカ。――その、この後喫茶店で話せないかな」
キリカ「――ふむ」
63 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/25(水) 16:29:52.30 ID:xsduWg6eo
キリカ「織莉子。暁美ほむらが巴マミを連れて行く。そっちは任せられる?」
織莉子「――わかったわ。キリカ。――いうまでもなくわかってると思うけど」
キリカ「――分かっているよ。織莉子」
キリカは携帯電話を閉じた
キリカ「さて、次は巴マミと直接話をしてくるか」
さやか「ごめん。 キリカ、魔法少女としても忙しい時みたいなのに」
キリカ「今は君の方が優先度は上だ。――上条恭介の話なんだろう?」
さやか「――うん」
64 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/25(水) 16:31:22.21 ID:xsduWg6eo
--織莉子の家の前--
マミ「聞いてはいたけど……これは……」
壁に書きなぐられた誹謗中傷。石で割られた窓ガラス
どうすればここまで歪んだ事ができるのだろう
ほむら「――はやく入りましょう。見ていて気分がいいものではない」
マミ「えぇ……」
--織莉子の家--
織莉子「こんにちは。暁美ほむら。そして……はじめまして、巴マミ」
マミ「はじめまして、織莉子さん」
ほむら「こんにちは。美国織莉子」
織莉子「さて……キリカもあわせれば4人。これが現状におけるワルプルギスの夜に向けた戦力ね」
マミ「――その事なんだけど」
織莉子「それに佐倉杏子。そして千歳ゆま。この6人で戦えばいかなワルプルギスの夜といえど充分に勝機が見える」
マミ「――千歳さん?」
ほむら「!? 彼女も契約しているの!?」
織莉子「――貴女でも知らない事があるのね。それともそれはあなたの中でもそこまで確定した事象ではないのかしら」
ほむら「――あなたが誘導したの? 千歳ゆまを魔法少女に」
織莉子「まさか。――そういう世界もあるのね。私はこの世界において千歳ゆまに対して何の干渉もしていない。或いは彼女がやむをえず魔法少女になるような理由があったのかもしれない」
ほむら「――そうね。確かに考えてもみれば、彼女の魔法少女契約理由は、あなたの存在なぞ関係なく発生してしまえば不可避なものだった」
マミ「――全く話が見えないのだけれど」
ほむら「知らなければ知らないでいい事よ」
65 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/04/25(水) 16:33:33.18 ID:xsduWg6eo
--喫茶店--
キリカ「それで、話したい事って」
さやか「――何とかして、恭介の腕を治す方法ってないのかな。ほら、あんた達の仲間で回復魔法が使える仲間がいれば、簡単に……」
キリカ「一人可能性がある子はいる。でもそれは非常にハイリスクな賭けになる」
さやか「どういう事?」
キリカ「上条恭介の怪我は非常に繊細なものなんだ。対してその魔法少女の回復魔法は対魔法少女を想定したもの。魔法少女ならば問題はないが、普通の人間……特に上条恭介のような人間にそれを使えば、神経が破壊されてしまう恐れがある」
さやか「――それは魔法少女では無理って事?」
キリカ「私の知る限り、今上条恭介の腕を治せる魔法少女はいないと考えていいと思う。――ごめん。力になれなくて」
さやか「うぅん。――調べてくれてたんだ。キリカ」
キリカ「――何もこの世界はヴァイオリンだけが全てではない。それを君が上条恭介に分からせてあげればいいんだよ」
さやか「――ありがとう、キリカ。――もう少し、もう少しだけ頑張ってみる」
キリカ「……」
66 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga sage]:2012/04/25(水) 16:39:03.91 ID:xsduWg6eo
ここまで
>>48
の杏子の「親父〜」は「父さん〜」に心の中で読み替えてください
67 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)
[sage]:2012/04/25(水) 17:43:01.60 ID:6APCFOIAO
乙
そういえばさやかは自分が契約すればどうなるか知ってるってことは仁美は恭介が好きって知ってるのか?
68 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[sage]:2012/04/25(水) 18:15:44.48 ID:xsduWg6eo
>>67
知ってる
それで
>>39
,
>>40
な流れになってる部分もある
仁美に恭介に持っていかれる未来が分かっているから魔法少女になる事が出来ないとかそんな感じ
まぁそれだけじゃないけど
69 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[sage]:2012/04/25(水) 18:17:25.09 ID:xsduWg6eo
>>68
×仁美に恭介に
○仁美に恭介を
70 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/25(水) 19:18:45.62 ID:qfeCFG+X0
マミさん、頑なで厳しい言動が多いな
魔法少女の真実を知って必要以上に馴れ合わない方向に覚悟を決めたのかな?
だとしたらそれは悲しいぞ…
71 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]:2012/04/25(水) 23:42:14.72 ID:rfHYwZp60
乙
原作では仲間側の魔法少女はひらがな表記って前聞いたことがある
ってことはまさか……まさかねwww
72 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)
[sage]:2012/04/25(水) 23:44:01.91 ID:RhG1GP3no
まどか
さやか
ほむら
マミ
杏子
織莉子
キリカ
ゆま
73 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/08(火) 22:21:22.43 ID:2evtfRvIO
>>1
はまだ来ないのか…
74 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
:2012/05/09(水) 22:34:33.95 ID:hU0rx4HK0
このSSも導かれてしまったか・・・
75 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/05/10(木) 01:52:51.14 ID:hExATEgBo
黙れよ早漏共
まだ一ヶ月も経ってないのに何言ってんだ
76 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/05/10(木) 22:38:56.81 ID:Fdc3vtWqo
--織莉子の家--
マミ「佐倉さんには昨日会った。――彼女は見滝原を奪うつもりのようね」
織莉子「――交渉はあなたに任せるわ。元々彼女の師であったあなたの言葉なら、佐倉杏子の心も動かせるでしょう」
マミ「――本当に不思議なものね。私しか知りえない情報を知られているというのは」
織莉子さんの未来予知、暁美さんの時間遡行
信じられない能力ではあるが、魔法少女に信じられないというのもナンセンスなのかもしれない
――ソウルジェムの話といい、私の知っているような情報はすべてつかまれているのだろう
マミ「――師なんて大層なものじゃないわよ。私」
ほむら「――大層なものなのよ。あなたは」
マミ「――?」
ほむら「……」
ほむらは、別の世界で巴マミが死んだ場合の佐倉杏子を見たことがあった
一言で言ってベタ惚れである
何故生きているとここまでうまくいかないかの方が疑問なぐらいに
――多分お互いに意地を張ってしまっているところがあるのだろうけど
織莉子「――どの道佐倉杏子と組むのであれば、あなたと佐倉杏子の確執をなんとかしなければならないのは事実」
マミ「わかってるわ。一度、しっかりあの子と話をしてみる」
77 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/05/10(木) 22:40:54.95 ID:Fdc3vtWqo
ほむら「ところで、巴マミ。あなたに聞いておきたい事があったの」
マミ「――何かしら?」
ほむら「鹿目まどかと美樹さやかの契約の件……あなたはどうするつもり?」
マミ「――もう、あの子達にはすべてを伝えたわ。魔法少女体験コースも終了よ」
ほむら「――随分あっけなく引き下がるのね」
マミ「――魔法少女への誘導はするべきではない。あなたはそういったけど、これに関しては私も同意見。私はあの子達に魔法少女の素質があるから、最低限の事を教えただけ。後は鹿目さんや、美樹さん自身で決めることよ」
――嘘
本当は仲間が欲しかった。一人ぼっちでいるのが嫌だった
だから魔法少女へとあの子達を誘導していた
でも、ソウルジェムの真実を知った今となっては、とてもこんな世界にあの子達を引きずり込むわけにはいかない
――そんな事をするぐらいなら、私は一人ぼっちのままでいい
ほむら「――巴マミ。あなたもしかして……」
マミ「やめましょう。今考えるべきはワルプルギスの夜と戦う為の戦力。そしてそれを用いてワルプルギスの夜をいかに倒すか。それだけを考えるべきじゃないかしら」
ほむら「――そうね」
織莉子「では、続けましょう。ワルプルギスの夜と戦う上で必要な事は……」
78 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/05/10(木) 22:42:10.17 ID:Fdc3vtWqo
--病院?
さやか「ごめんね。今日はCDもってこなかったから……」
恭介「もう、来ないでくれないか?」
さやか「え?」
恭介「君を見ていると……君を見ていると、思い出すんだよ!もう弾けもしなくなったヴァイオリンの事をさぁ!」
さやか「そ、そんな……あたしは恭介の為に……」
恭介「いいから出ていけ!二度とくるな!!」
さやか「……!!」
さやかは逃げるように恭介の病室を出て行った
恭介「ハハ……親友にまで当り散らして、僕は何をやっているんだ。こんな奴……もう救いようがない……」
79 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/05/10(木) 22:44:01.47 ID:Fdc3vtWqo
--病院ロビー--
キリカ「……どうだった?」
さやか「いやー……あはは……」
キリカ「……君は、本当に顔に出やすいよね。……何かきつい事言われたの?」
さやか「もう会いたくないって。ヴァイオリンを思い出すから二度とくるなって……う……」
さやか「うぇええええええええん!!」
さやかは泣きだしてしまった
キリカ「……」
私は、間違えたのだろうか
上条恭介の腕は二度と戻らない
けれどそれは彼自身が乗り越えなければならない壁だ
でも……もし上条恭介にその壁を乗り越える事が出来ないとしたら?
――いや、この状況は一過性のものにすぎない
そもそもこうなる事ぐらいはある程度予測できていたはず
――何を揺らいでいるんだ、私は
キリカ「大丈夫。――君が信じてあげないでどうするんだ。上条恭介はこれぐらいの逆境、乗り越えられるよ」
そういいつつ、頭では全く逆の事を考えていた
――もしも美樹さやかが上条恭介を愛しているのと同じだけ、上条恭介がヴァイオリンを愛しているとしたら
ここから先に待つのは破滅しかありえない
80 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/05/10(木) 22:44:39.74 ID:Fdc3vtWqo
--次の日--
さやか「おはよー……まどか……」
まどか「さやかちゃんおはよう……大丈夫?」
仁美「寝不足ですか?」
さやか「――そうなんだよー。昨日夜遅くまでテレビ見ちゃってさー」
仁美「さやかさんったら。夜更かしは体に毒ですよ」
まどか「――さやかちゃん。本当に大丈夫なの?ひょっとして……」
さやか「さー早くいこー!ほら、まどかも急いで!!」
まどか「さやかちゃん……」
81 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/05/10(木) 22:46:30.66 ID:Fdc3vtWqo
--学校--
でねー……嘘―……
さやか「――あれ?何か騒がしいなー。おーっす。なんかあったのー?」
上条君が……こんなことになるなんて……
さやか「――詳しく聞かせて」
女生徒「え?――美樹ちゃん!?え、えぇと……」
さやか「聞かせて、お願い」
女生徒「そ、そんなに凄まなくても……落ち着いて、聞いてね。先生達が話しているのを聞いたんだけど」
――上条恭介が病院の屋上から転落した
奇跡的に一命は取り留めたが未だ予断を許さない
現場には遺書が残されていたらしく、自殺の可能性もあると……
82 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga sage]:2012/05/10(木) 22:48:48.96 ID:Fdc3vtWqo
ここまで
短いけどまぁ生存報告もかねてということで
83 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/10(木) 22:49:46.78 ID:tHolqweh0
乙
やはり上条くんは腕が治らなければ自[
ピーーー
]る運命なのか
84 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)
[sage]:2012/05/10(木) 22:53:33.97 ID:Xh99ISKEo
まどポでも自殺未遂起こしたからな。
85 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2012/05/10(木) 23:40:45.46 ID:IUQ5wAcho
>>83-84
だが、自殺に失敗して助かった人や、助けてもらえて生き延びた人は、
みんな、自殺しようとしたことを後悔するようだぞ。
で、「なぜあんなことをしたのか分からない」と言うらしい。
つまり、最終的には、衝動によるわけだ。
だがその一方で、何度もリストカットを繰り返す人もいるんだよなあ。
それはそうと、1乙。
86 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/05/11(金) 02:59:46.06 ID:AQDBkOwEo
>>85
衝動による自殺未遂……まどマギ世界ならほぼ魔女が絡んでるな
87 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/16(水) 08:15:41.25 ID:igOC2DDio
一命は取り留めた…
チッ
88 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/16(水) 08:35:48.47 ID:UyIKFF+IO
oh…shit!!
89 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]:2012/05/17(木) 02:05:54.56 ID:M+Hiue1O0
一命はって…………何中途半端なことしてくれてるんだこのダメ条は
さっさとログアウトしてさやかちゃんの前から消え失せr……
ん?なんだこの青い光h
90 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/17(木) 09:49:05.91 ID:3yJ30zhLo
削除依頼でてるけど本人なの?
91 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[sage]:2012/05/17(木) 10:37:23.51 ID:G0T+QYgxo
>>90
thank
自分ではない
とりあえず無視するようにお願いしてきた
今週中には続きが書けそうな、そんな気がする
92 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/05/17(木) 21:30:33.60 ID:G0T+QYgxo
--病院--
友人から話を聞いたさやかはすぐに病院へ向かい
看護婦に制止させられた
さやか「恭介! 恭介ぇ!」
看護婦「落ち着いて! 今みんな……頑張ってるから! ね!」
さやか「でも! 恭介が! 恭介がぁああ!」
看護婦「大丈夫! 大丈夫だから!」
結局その後遅れてまどかが来た頃に、
やっとさやかは自分を取り戻した
――取り戻したというよりは、憔悴して動けなくなったという方が正しいが
93 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/05/17(木) 21:31:20.02 ID:G0T+QYgxo
まどか「さやかちゃん、大丈夫?」
さやか「――あたしのせいだ」
さやか「あたしが魔法少女になっていれば。恭介の腕を治していればこんなことにはならなかったんだ」
まどか「ち、違うよ! そんな事!」
さやか「何が違うの?」
まどか「そ、それは……」
キリカ「魔法少女になれば、上条恭介の腕を治した希望と同じだけの絶望を誰かに与える事になる」
さやか「!」
まどか「き、キリカちゃん」
キリカ「上条恭介の話を聞いて、念の為追いかけてきたんだよ」
キリカ「――前にも言ったはずだ。君が関係ない誰かに絶望を撒き散らす気もないなら、契約なんて考えるな、てね」
さやか「――あんたはぁああ!」
さやかはキリカにつかみかかった
その掴み掛った腕をキリカは無造作に弾き飛ばす
さやか「っが!」
キリカ「――間違った事を言っているなら訂正もするよ。でも私は間違った事は何も言っていない」
さやか「――じゃぁどうしろっていうんだよ! どうすれば恭介は助けられるんだよ!!」
キリカ「――それは私には判断できない」
さやか「なんだよそれ……あんた魔法少女なんでしょ。何とかしてよ! 恭介を助けてよ!!」
まどか「さやかちゃんやめて! キリカちゃんにあたっても何にもならないよ!」
94 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/05/17(木) 21:31:51.83 ID:G0T+QYgxo
さやか「――ごめん。どうかしてるね、あたし。ちょっと屋上行ってくる」
まどか「さやかちゃん……」
さやか「少し、一人にさせて……お願い」
キリカ「魔法少女に契約するつもり?」
さやか「――わからない。――何が正しいのか、もうわからない……」
キリカ「……」
95 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/05/17(木) 21:32:54.49 ID:G0T+QYgxo
--病院の屋上--
さやか「――あたし、何やってるのかな」
まどかの言うとおりだ
キリカに頼んでなんとかなるなら、とっくにやってもらってる
むしろキリカだって他の魔法少女を探したりいろいろやってくれていたんだ
そのキリカにあたってもしょうがないのに……
さやか「魔法少女、か」
魔法少女になれば恭介を救える
でも、それは仁美に恭介をとられてしまう事を意味する
あたしが呪いを振りまく化け物になって、最終的にみんなに迷惑をかけてしまう
何より……あたしは化け物なんかになりたくない
さやか「駄目だ、あたし。こんな状況になっても自分の事ばっかだ……」
……
……でも
さやか「――化け物にならない、方法ならある……」
……
……
96 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/17(木) 21:34:32.62 ID:l0Na7HGG0
雨の守護者の野球バカ「そういう時は素振りしてモヤモヤを発散しようぜ。さやかは物事を抱えすぎる癖があるからな」
やっぱこの人とさやかは相性よさそう。
97 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/05/17(木) 21:34:34.52 ID:G0T+QYgxo
まどか「さやかちゃん、大丈夫かな……」
キリカ「……」
上条恭介が魔女の口づけにやられていたなら……まだよかった
今回の件、上条恭介に魔女の口づけがないのは確認した
恐らく体が治ったとしても上条恭介は同じような事を繰り返すだろう
それほどまでに上条恭介にとってヴァイオリンは大切だったのだ
……結局
彼を救おうと思ったら、それは
さやか「ただいま」
まどか「さやかちゃん!!」
キリカ「――さやか」
さやか「ごめん、心配かけたね。まどか。キリカ。もう大丈夫だよ。恭介の事は心配だけど……それであたしまで塞ぎ込んでちゃ、しょうがないもんね!」
まどか「さやかちゃん……」
キリカ「……」
98 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/05/17(木) 21:35:40.21 ID:G0T+QYgxo
--さやかの家の近く--
さやか「いやーここまで一緒に来てくれなくても大丈夫だったのに」
まどか「さやかちゃん。本当に大丈夫なの?」
さやか「――大丈夫。本当に、心配かけてごめんね」
まどか「――ううん。大丈夫ならいいの。……また明日学校でね!」
さやか「うん!また学校で!!」
99 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/05/17(木) 21:36:12.95 ID:G0T+QYgxo
さやか「……」
QB「願い事が決まったようだね」
さやか「――うん」
QB「さぁ、君はどんな願いでソウルジェムを輝かせるんだい?」
さやか「その前に、ちょっとだけ待ってもらってもいいかな」
QB「?」
さやか「まだ……話をつけなきゃいけない人が残ってる」
キリカ「――やぁ」
100 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/05/17(木) 21:37:06.70 ID:G0T+QYgxo
さやか「キリカ。あたし、魔法少女になるよ」
キリカ「自らの願いの為なら、他人を蹴落としても構わないというわけか」
さやか「――うぅん。違う」
キリカ「?」
さやか「誰かの為に願った分だけ、誰かを呪わずにはいられない。多分魔法少女ってそういう事なんだと思う」
さやか「でも、ね。呪いを自分だけで背負いこむ方法なら、ないわけでもないんじゃない?」
キリカ「どういう意味?」
さやか「魔法少女になった瞬間自分のソウルジェムを砕く。これであたしは魔女になる事なく願いをかなえることができる」
キリカ「――な!?」
101 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/05/17(木) 21:38:12.49 ID:G0T+QYgxo
キリカ「馬鹿な!そんな事をすれば、君は死んでしまうんだよ!」
さやか「ん。わかってる」
キリカ「なら……!!」
さやか「でも、これなら魔女になってみんなに迷惑をかける事はない。……考えたんだけどさ。誰だかわからない他人と恭介の命は量れないけど……自分と恭介の命だったら、簡単に量れたんだ」
キリカ「――君を大切に思う人だっている。君のお父さんお母さんや……鹿目まどかの気持ちを考えないの?」
さやか「それはもう謝るしかないかなぁ……」
キリカ「君は!」
さやか「――命を賭けてでも叶いたい願い事、見つけちゃったんだもん。もう、仕方ないよ」
さやか「以前に聞かれた事、今ならまっすぐに答えられるよ。恭介の為に全てを投げ出せるか。見返りを一切求めず、無限に尽くせるか」
さやか「――誓える。あたしは恭介の為に自分の命を捨てられる。例え何も見返りがなくても、恭介の為にあたしは無限に尽くせる」
キリカ「……!!」
さやか「あんたにはいっぱい迷惑をかけたけどさ。――最終的にあたしが辿りついたのがこれだった。……ごめんね」
102 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/05/17(木) 21:40:25.26 ID:G0T+QYgxo
キリカ「――私は、君を魔法少女にするわけにはいかない。なんとしてでも君の契約を阻止しなくてはならない」
さやか「それだけどさ……まどかの事はわかるけど、あたしの事は……本当は数に入ってなかったんじゃない?」
キリカ「――何でそう思う?」
さやか「何でって……まどかが契約すると世界が終わるって話をあんたは言ってだけどさ。あたしに関しては何も言ってない。あたしが契約しても……実は対して問題は起こらないんじゃない?」
キリカ「――問題はある。君の存在は鹿目まどかや……他の魔法少女に大きく影響を与える可能性がある。今この時期の魔女化は全てをご破算にされかねない」
さやか「でも、それだってあたしがここで死んでしまえば、解決だよね」
キリカ「――どうせ、死ぬ願いを選択するのであれば。私にとっては、君がここで死んでしまっても大差ない」
さやか「――あたしを、殺すの?」
キリカ「あぁ。魔法少女になった後、君が考えを変える可能性だってある。――確実性をとらせてもらう」
さやか「……」
キリカ「――逃げたら? 無駄だけど」
さやか「無駄だよね。それに……あんたには、あたしは殺せないよ」
キリカ「――何故?」
さやか「愛は無限に有限だってキリカは言った。その愛をあんたは自分で消すような事、出来はしない。……だからずっと、あたしの契約を阻止しようとしていたんじゃないの?あたしが契約してしまえば、それはあたしの恋の終わりを意味していたから」
キリカ「――それは」
キリカ「――その通りだ。鋭いね。君は」
キリカ「……」
キリカ「――キュゥべえ。認めるの? この契約では君の本来の意図は達成できないはず」
QB「契約した後どうするかは、僕たちの範疇にはない。彼女の意思を無理に止めてしまうのはルール違反だ」
キリカ「――そうか」
103 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/05/17(木) 21:41:25.84 ID:G0T+QYgxo
--病院--
医者「!? な、何だ? これは一体……!?」
恭介「……あれ? ……先生。ここは?」
医者「治ってる……転落した怪我も……腕も……こんな、ことが?」
恭介「……?」
104 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/05/17(木) 21:42:36.21 ID:G0T+QYgxo
QB「おめでとう。これで君も晴れて魔法少女の仲間入りだ」
さやか「恭介は治ったんだよね」
キリカ「――確認ぐらいはしにいく?」
さやか「――うぅん。恭介の顔みたら、泣きたくなっちゃうし。――これで、いいんだ」
キリカ「――死ぬのであれば、誰にも死んだと断定されないような方法が望ましい。魔女結界の中で死ねば、君はその痕跡すら残さず消えることができる」
さやか「うん。それでいいよ。――最後まで、本当にごめんね。キリカ」
キリカ「――どうせ死ぬなら、一つ頼みたい事がある」
さやか「……?」
キリカ「ワルプルギスの夜。最強の魔女がこの見滝原に現れる」
さやか「――え!?」
キリカ「ワルプルギスの夜が上陸すれば、見滝原は跡形もなく吹き飛ぶだろう。ワルプルギスの夜と戦う為に、君の力を貸してほしい。――その後の事は君に任せる。魔女化するのもいいし、そのまま死ぬのもいい。なんだったら私が手を貸してあげても構わない」
さやか「――ちょ、ちょっと待ってよ。そんな話何も聞いてない!!」
キリカ「言わなかったし、言う必要もなかったからね。――でも、状況が変わった」
さやか「待って。――でも、そうか。だからあたしの魔女化が他の魔法少女にも影響を与えるなんて話に……」
キリカ「思ってはいたけど。君は馬鹿ではないんだよね。ただ、まっすぐすぎて周りが見えていなかったり、今一つ自分というものを理解していないだけで」
さやか「む……」
キリカ「できれば、君の力を借りたい。あの最強の魔女と戦う上で、君の力は必要だ」
さやか「――あたしは」
105 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/05/17(木) 21:43:15.34 ID:G0T+QYgxo
--織莉子の家--
織莉子「――お疲れ、キリカ」
キリカ「織莉子」
キリカ「――ごめん。織莉子。私にさやかの契約は止められなかった」
織莉子「――元々美樹さやかの契約阻止に関して、私はそこまで重きを置いていなかったけど……キリカ、大丈夫?」
キリカ「――彼女の愛は無限だった。私が見誤ってたよ……。さやかの上条恭介への想いも、上条恭介のヴァイオリンへの想いも、私なんかが介入してどうにかなる問題ではなかった」
織莉子「キリカ……」
キリカ「話をさせてもらってもいいかな」
織莉子「どうしたの?」
キリカ「私の、契約した理由に関しての話だ」
106 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/05/17(木) 21:44:38.58 ID:G0T+QYgxo
織莉子「……」
キリカ「ごめんよ。織莉子の知っている私は偽物だったんだ。私は友達にも恋愛にも何にもできない向きなえない、いじけた子供なんだ」
キリカ「――美樹さやかは違った。友達には真摯に接するし、恋愛だって真っ直ぐだ。私が契約の力で成し遂げた事を、彼女は契約なしでやってのけてるんだ」
キリカ「――だから私は、彼女を救いたかった。魔法少女の契約でなきゃ救えない未来があるなんて、認めたくなかった。だけど、私は……」
キリカ「私は、無力だ……」
織莉子「キリカ……」
織莉子「キリカ。私は貴女の事を偽物なんて考えない。それが、あのお金を落とした時の貴女であっても、今の貴女であっても」
キリカ「!? 織莉子。その事を覚えて……」
織莉子「私にとって貴女は何に変わったとしても本物なの。それだけは忘れないで」
キリカ「織莉子……」
キリカ「――ありがとう」
織莉子「それよりも、美樹さやかを戦力とするなら、またこれからの作戦の練り方も変わってくる。巴マミや暁美ほむらとまた会うまでに、私達で少し話し合いましょう?」
キリカ「――うん」
107 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga sage]:2012/05/17(木) 21:48:09.02 ID:G0T+QYgxo
ここまで
折り返し地点ぐらいには到達した気がする
108 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)
[sage]:2012/05/17(木) 21:50:11.34 ID:hZcTzXQ4o
乙乙
109 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]:2012/05/18(金) 01:25:48.71 ID:cu7II5X70
ここまでで半分……だと……?
>>1
はどれだけ楽しませてくれたら気が済むんだ……!
110 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/05/25(金) 08:06:19.82 ID:DaF0gzIKo
--次の日昼休み 屋上--
キリカ「……話って何」
まどか「さやかちゃんが今日、学校に来なかったんです」
キリカ「……それは、そうだろうね」
まどか「やっぱり昨日の件で……」
キリカ「……隠していてもしょうがないし、話してしまうけど」
キリカ「さやかは魔法少女になったよ」
まどか「……!?」
111 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/05/25(金) 08:07:20.38 ID:DaF0gzIKo
キリカ「さやかは上条恭介を治す願いで魔法少女になった。今頃病院は大騒ぎなんじゃないかな。転落の怪我も、その前の腕の怪我も、全て完治してしまったんだから」
まどか「そんなのって……」
キリカ「……さやかが選んだ道だ。私達がどうこう言える話じゃない」
まどか「……さやかちゃんは今、どこにいるんですか?」
キリカ「今は織莉子の家にいる。……さやかが学校に来続ければ、運命の通りに物語が廻ってしまう可能性がある。彼女を学校に来させるわけにはいかない」
キリカ「さやかには、来るべき時まで学校を休んでもらうつもりだ」
まどか「……来るべき時?」
キリカ「……ワルプルギスの夜。最強の魔女が現れる日、までさ」
112 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/05/25(金) 08:07:45.70 ID:DaF0gzIKo
--放課後--
マミ「呉さん。ちょっといい?」
キリカ「……巴マミか。君も美樹さやかの件?」
マミ「鹿目さんから話を聞いたの」
キリカ「……ここで話をするのもなんだし、一緒に帰ろうか」
113 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/05/25(金) 08:08:26.44 ID:DaF0gzIKo
マミ「美樹さんを魔法少女にしたのね」
キリカ「私がした覚えはない。彼女の意思だ」
マミ「……何故? あなた達は鹿目さんと美樹さんの契約を阻止しようとしていたんじゃないの?」
キリカ「……全てを捨ててでも、さやかは魔法少女になりたいと願ったんだ。そんな彼女を私には止められなかったよ」
マミ「ふざけないで!!」
キリカ「!?」
マミ「あなたは自分が何をしたのか分かってるの!? ……美樹さんはたとえどんな理由があろうと魔法少女になるべきではなかった! こんな絶望的な運命を背負うべき子ではなかった!」
キリカ「……おかしな事を言うね。ついこの前まで彼女達を勧誘していたのは他ならぬ君じゃないの?」
マミ「……」
キリカ「……巴マミ。君はやっぱり……」
?「お仲間同士で喧嘩かい?」
キリカ「!?」
マミ「……随分と時間がかかったわね」
杏子「そういう事いうなって。こっちにもいろいろ事情があったんだ」
?「キョーコ。この人がキョーコに言ってた?」
杏子「あぁ。あたし達の敵だよ」
マミ「佐倉さん。それに……子供!?」
キリカ「あれが千歳ゆまだ。魔力は恐らく君以上。油断はできないよ」
マミ「……佐倉さん。あなたはそんな子供を魔法少女に……?」
杏子「決着をつけるよ。巴マミ。……ついてきな。ここじゃ人目につく」
キリカ「……」
杏子「おっと!」
佐倉杏子は槍を投げ
呉キリカの携帯を貫いた
キリカ「……っちぇ」
杏子「こっちは二人だけだからね。援軍を呼ばれるのは困るのさ」
114 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/05/25(金) 08:09:13.30 ID:DaF0gzIKo
--跨道橋--
杏子「さて、ここなら誰の邪魔も入らない」
キリカ「こんな場所があるとはね。……巴マミ。今は」
マミ「……美樹さんの件は後でゆっくり問いたださせてもらうわよ」
キリカ「私が話す事もあまりないんだけどね……分かったよ」
杏子「話はすんだかい? ……いくよ!」
先手必勝とばかりに杏子の槍が巴マミに襲い掛かる
対する巴マミはマスケット銃でそれの撃墜を狙う、が
ゆま「てぇーい!!」
マミ「……!?」
マミの銃弾は千歳ゆまの衝撃波によって弾き飛ばされた
杏子「もらったぁ!!」
キリカ「私を忘れてもらっては困るよ」
杏子のマミを狙った槍は、間に入ったキリカの鉤爪によって防がれた
それを見た巴マミは再び銃の召喚を行う
狙うは……千歳ゆま!
マミ「食らいなさい!」
杏子「ちぃ!」
杏子は慌ててゆまのフォローにまわるが
ゆま「杏子、大丈夫だよ」
マミの放つ銃弾
それを千歳ゆまは再び衝撃波で弾き返した
キリカ「君の対策は万全ってとこか」
マミ「大技を放つ隙も作ってはくれなさそうだし……厳しいわね」
115 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/05/25(金) 08:09:56.15 ID:DaF0gzIKo
キリカ「……でも、もう見切った。衝撃波は私が封じる」
マミ「何か方法があるの? ……任せたわ」
マミは再びマスケット銃の狙いをつける 狙いは佐倉杏子
杏子「ゆま! 頼むよ!」
ゆま「う……」
キリカ「速度低下」
ゆまに対してキリカの速度低下が発動する
これによってゆまの衝撃波を打つタイミングが遅れ
マミの銃弾が杏子の両足を貫いた
杏子「が……!」
ゆま「杏子!?」
マミ「トッカ・スピラーレ!!」
さらにマミが一気に間合いを詰め、螺旋状のリボンによる攻撃が炸裂する
ゆまが慌ててそのフォローにいくも、キリカに動きを止められる
キリカ「させないよ」
ゆま「キョーコ!」
杏子「くそ!」
杏子はそれでも体制をとり直し、槍で巴マミに応戦する
マミは杏子相手にこれ以上近距離戦は続けられないと判断し、距離をとる
キリカ「千歳ゆまは私が相手をする。佐倉杏子は任せた」
マミ「えぇ」
杏子「……っへ。やっぱ強いね。巴マミ」
マミ「もう降参する? これ以上はあなたも厳しいと思うのだけれど」
杏子の両足は銃弾に貫かれたせいで思うように動けない
さらに、ゆまもキリカに距離を離されている今では杏子の助けにまわれない
現状、杏子達が圧倒的に不利だ
だが、無論そこで引くような杏子ではない
杏子「……馬鹿言ってんじゃないよ。まだあたしはやれる」
116 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/05/25(金) 08:10:25.00 ID:DaF0gzIKo
杏子「ぐあ……!」
マミの銃弾がまた、杏子に傷を負わせる
ゆま「キョーコ! キョーコ!!」
キリカ「よそ見は良くないね」
動揺するゆまの隙をつき、キリカの鉤爪が襲い掛かる
ゆま「きゃぁ!!」
杏子「く……!!」
それを見た杏子はゆまのフォローに行きたいが、巴マミに隙を見せられず動くことができない
完全に手詰まりだ
杏子「……畜生! あたしだって強くなってるはずなのに! 何で!」
マミ「師匠越えはそう簡単な事ではないわ。それが例えあなたであっても」
杏子「……」
まだだ
実力は巴マミの方が上なのはわかっていた
もう一人の魔法少女もただものではない
状況は絶望的だ。それでも最後まで諦めるわけにはいかない
杏子「うおおおお!!」
杏子はいちかばちかの突進を仕掛けた
巴マミはそれを迎え撃とうとして……自身のマスケット銃の射線上に杏子のソウルジェムが入ってしまった
マミ「あ……」
そもそもソウルジェムを狙い撃ちにしたところで、そこまでわかりやすい攻撃なら佐倉杏子は防げる
それ故にここは迷わず撃つべきだったのかもしれない
でも、ソウルジェムの真実をつい最近知ったばかりの巴マミは迷ってしまった
もしソウルジェムに当ててしまい、万が一にでも佐倉杏子を殺してしまう可能性を危惧してしまい、動きが止まってしまった
そんな致命的な隙を見逃す佐倉杏子ではない
117 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/05/25(金) 08:10:51.34 ID:DaF0gzIKo
杏子「……隙が出来た!?」
理由はわからないけど、こんな絶好の隙もう二度と訪れない
この一撃で確実に戦闘不能にしなければならない
でも……ならばどこを狙う?
巴マミを殺さず、かつ戦闘不能に追い込める箇所……魔力の源、ソウルジェムを狙えば!
杏子「くらぇえええ!!」
マミ「!?」
マミは慌てて回避する
かろうじてソウルジェムにあたることは防いだが、ソウルジェムを止めていた髪の毛を刈り取った
結果としてマミのソウルジェムは宙を舞い
キリカ「……巴マミ!?」
マミのソウルジェムは跨道橋の下へと落ちていった
118 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[sage]:2012/05/25(金) 08:16:40.17 ID:DaF0gzIKo
ここまで
119 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]:2012/05/25(金) 08:52:22.43 ID:v4gaYJIf0
乙
そして相変わらずマミさんだけ技名叫び……
120 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(岡山県)
[sage]:2012/06/12(火) 00:36:21.20 ID:ayWc52RUo
ふぅ、さっき見つけてからここまで息もつかずに読んだよ。
面白いな、このSSは。
121 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/06/12(火) 19:41:55.23 ID:7xH1M7Hyo
キリカ「く……!」
巴マミの肉体が崩れ落ちた
ソウルジェムは、跨道橋の下を走っていたトラックの上に運よく着地する
キリカ「……君たちとの戦いは後回しにさせてもらうよ!」
キリカは巴マミのソウルジェムを追いかけ、疾走した
122 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/06/12(火) 19:42:26.97 ID:7xH1M7Hyo
杏子「おい、何だこれ……何がどうなってやがる!」
杏子「マミ……おいマミ!しっかりしろ!!」
ゆま「え? キョーコ……どうしたの?」
杏子「……どういうことだおい……キュゥべえ!」
QB「どうかしたのかい?」
杏子「説明しろ! 何でマミが……マミがまるで……!!」
QB「君たち魔法少女が体をコントロールできるのは、せいぜい100m以内が限度だからね」
杏子「……一体何を言ってやがる?」
QB「……ソウルジェムこそが、君たちの本体、魂なんだよ。そこに転がってるのはマミじゃなくて、ただの抜け殻さ」
杏子「……な!?」
ゆま「……?」
123 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/06/12(火) 19:42:55.80 ID:7xH1M7Hyo
キリカ「まったく……あの巴マミがこんなヘマをするとはね……!」
キリカはマミのソウルジェムの場所まで辿りついた
高速道路という構造上ピンポイントの速度低下は使えない
よって自身の速度だけで追いかけた結果、どうにも時間をかけてしまった
キリカ「……ソウルジェムの真実、か」
魔法少女に変わった人間は魂をソウルジェムに変化させられる
故に魔法少女の肉体はソウルジェムから離れてはいけない
万が一離れてしまった場合、今回のように肉体と魂が分離してしまう
キリカ「まぁ肉体が無敵になるんだから、そのぐらいのデメリットは安いものとも考えられるんだろうけどね」
ともあれ、巴マミの肉体を完全に放置してきてしまった
まさか佐倉杏子達が巴マミの肉体を攻撃するような真似はしないと信じたいけど……
キリカ「早めに戻ったほうがよさそうだ」
124 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/06/12(火) 19:44:18.90 ID:7xH1M7Hyo
マミ「……つ……」
私は……?
確か佐倉さんに髪を……
……そうだ。私はソウルジェムを狙われて
つまり私は今まで
杏子「マミ!」
キリカ「……大丈夫?」
マミ「えぇ。……あなたがソウルジェムを拾ってきてくれたの?」
キリカ「うん」
マミ「……ありがとう。助かったわ」
杏子「……畜生! キュゥべえの奴……こんな話聞いてねぇ! あたしは聞いてねぇぞ!!」
ゆま「キョーコ……」
キリカ「……さて、巴マミも戻ったみたいだし……再戦といこうか」
杏子「……今日はもう、やめよう」
マミ「……佐倉さん」
杏子「仕切り直しだ。気持ちの整理をしたい」
キリカ「……別に、私には異論はないよ。巴マミもいい?」
マミ「……えぇ」
杏子「……じゃぁな」
マミ「一つだけ言わせて」
杏子「……なんだよ」
マミ「今日の勝負、私の負けよ。……強くなったわね。佐倉さん」
杏子「……! なんで……!!」
あたしはあんたを殺してしまうところだったのに
どうしてあんたはそんな優しい言葉をかけるんだ
マミ「? 佐倉さん?」
杏子「……行くよ。ゆま」
ゆま「……わかった」
125 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/06/12(火) 19:44:48.00 ID:7xH1M7Hyo
キリカ「巴マミ、確認させてほしい」
マミ「……何かしら」
キリカ「君はどこまで知っている?」
マミ「……全てよ。あなたが屋上で話していたのを、私は全て聞いていた」
キリカ「……どうして、今まで言わなかった?」
マミ「話すまでもない事だから。私がその事実を知っていようといまいとあなた達の行動に支障はないでしょ」
キリカ「大違いだ!」
巴マミ
織莉子の未来予知で、巴マミがその事実を知った時の行動は見えていた
そして、それ次第でワルプルギスの夜打倒の道が完全に閉ざされてしまう事もあるという事も
キリカ「……今こうして君がここにいるんだから、問題はないんだろうけど……油断大敵だな。これで失敗していたら暁美ほむらに合わせる顔がなかった」
マミ「……何の話?」
キリカ「……いいよ。もぅ……」
126 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/06/12(火) 19:45:53.34 ID:7xH1M7Hyo
--夜 見滝原のとあるホテル--
杏子「ゆま……大丈夫か?」
ゆま「うん。ちょっとびっくりしたけど……キョーコこそ大丈夫?」
杏子「あたしは自業自得だからさ。別に気になんかしてないよ。……でも、ゆまは」
ゆま「ゆまだって同じ。杏子が助かって欲しいとゆまが願って、だからキョーコは助かったんだよ」
杏子「……ゆま」
ゆま「ゆまはどんな事があったって後悔なんかしない。キョーコに生きていて欲しいとゆまがお願いしたんだもん。それ以上の事なんてない」
杏子「……そっか」
ゆま「そうだよ」
杏子「悪い、変な事聞いたな。夕飯食べにいこっか!」
ゆま「うん!」
127 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/06/12(火) 19:47:28.14 ID:7xH1M7Hyo
--レストラン--
杏子「で……だ」
マミ「何かしら」
杏子「……何であんたがここにいるんだよ」
マミ「偶然ね。たまたま一人で食べに来たらあなたがいるなんて」
杏子「んなわけあるか! あんたいつも自炊じゃねーか!」
ゆま「え、えーと……」
マミ「改めまして、私の名前は巴マミ。千歳さん、今日はお姉さんが好きなもの食べさせてあげるからね」
ゆま「!!!」
杏子「ゆまを餌付けしないでくれよ……」
128 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/06/12(火) 19:49:15.27 ID:7xH1M7Hyo
ゆま「……Zzz……」
マミ「ふふふ……まるで昔のあなたみたいね」
杏子「……そろそろいいだろ」
マミ「……今日はあなたにお願いがあって来たの」
杏子「言ってみな」
マミ「後数週間後に、見滝原にワルプルギスの夜が出現する」
杏子「……何だと」
マミ「ワルプルギスの夜を倒す為に、あなた達の力を貸してほしいの」
杏子「……」
マミ「勿論条件はつける。もしワルプルギスの夜を倒した時は、あなたにこの見滝原を明け渡すわ」
杏子「……そしたら、あんたはどうすんのさ」
マミ「この見滝原を出る。……前から決めていたの。ワルプルギスの夜を一つの区切りにしようって」
最も、見滝原を任せられるような魔法少女が現れる事が前提だった
呉さんや美国さん、美樹さんのようなルーキーでは心もとない
暁美さんは……多分、街の為に戦うようなタイプの魔法少女ではない
でも、かつて一緒に戦った佐倉さんなら……
杏子「あんたは多分、勘違いをしている」
杏子「あたしは見滝原を任されても、もう前のように街の為に戦うような魔法少女に戻るつもりはない。あたしは他人の為に魔法を使ったりしないと決めたんだ。あんたの期待に沿う事はできないよ」
マミ「なら、どうしてあなたは千歳さんを受け入れたの?」
杏子「……!」
マミ「他人の為に魔法を使ったりしないのなら、千歳さんを近くに置く事なんてできないはず。あなたにとって千歳さんとは何なのかしら?」
杏子「……ゆまは例外だ」
マミ「……いいえ。あなたの心はもう」
杏子「どの道! そんな方法で見滝原をあんたから貰うつもりはない。あんたから見滝原を奪う時は、あんたを完膚なきまでに叩きのめした時って決めてるんだ」
129 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/06/12(火) 19:50:13.34 ID:7xH1M7Hyo
マミ「……? この前の勝負、あなたは私に勝ったじゃない」
杏子「あぁそうだね。……あたしのソウルジェムが視界に入って、攻撃を止めただろ。あんた」
マミ「……!」
杏子「ソウルジェムの真実。あんたは最初から知ってたんだね。それであたしに対して全力で戦う事が出来なかった。……そんな勝負で勝ったって、そんなのあたしが許せない」
マミ「……本当に、強くなったわね。あの一瞬をそこまで分析できるようになるなんて」
杏子「……ワルプルギスの件。いいよ、あたしの力を貸してやる。でもその変わり、ワルプルギスの夜を倒し終わったら、今度こそ手加減抜きであたしと勝負してもらうよ」
マミ「……わかったわ。その条件を飲ませてもらう」
杏子「……交渉成立だね」
マミ「えぇ」
130 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/06/12(火) 19:52:17.98 ID:7xH1M7Hyo
杏子「じゃ、じゃぁ。その……しばらくは協力関係ってことだよな」
マミ「? え、えぇ。そういう事になると思うけど?」
杏子「じゃぁさ。さっそくで悪いんだけど」
マミ「……何?」
杏子「ここの会計。全部あんたに任せちゃっていいか。その、元々まぁ、全力で逃げる予定だったというか……」
マミ「……少し、私のお説教を聞いてもらおうかしら」
杏子「そうなるよなぁ……だから巴マミは面倒なんだよ……」
マミ「当たり前でしょう! ちゃんとお金ぐらい払いなさい!」
杏子「あーうぜぇー」
マミ「まったく……」
131 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga sage]:2012/06/12(火) 19:56:29.30 ID:7xH1M7Hyo
ここまで
132 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/12(火) 20:01:20.11 ID:VPcOfUOPo
乙
このマミと杏子の関係、いいなぁ
133 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2012/06/12(火) 20:04:32.90 ID:mgKeqe3AO
乙
考え得る最大の戦力も揃ったし、いよいよ決戦間近だ
134 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/12(火) 20:07:32.87 ID:t8A3/+8Eo
長年連れ添った夫婦みたいでいいな
135 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/06/12(火) 22:23:47.83 ID:GdKYvwQT0
乙
ワルプルさんが空気を読まず全てを破壊しつくすなんて…
ははっまさかそんなことないよな
136 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/06/12(火) 23:46:56.25 ID:yjh+f4TUo
乙
でもマミさんは見滝原を出るとは言ってるけど実際はたぶん…なつもりだろうから
勝っても幸せな結末なんてものがあるのかどうか
137 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(兵庫県)
[sage]:2012/06/13(水) 03:15:43.02 ID:Hus3XyGt0
乙
破壊行動をしないワルプルさんに意味はあるのだろうか、いやない
138 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/13(水) 06:26:36.44 ID:kgY5fT1G0
乙
対ワルプルギス戦力としてはもう十分すぎるほど充実してるな
魔法少女達の精神もなんだかんだ安定してるし、既にSGの真実を知ってるし
もう何も怖くない
139 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/14(木) 17:46:50.29 ID:sl1KP8pro
SSだと
みんな集まれば倒せる!
みんな集まっても (まどか抜きだと) 倒せない ショボン
両パターンあるので、都合よく人が集まっていても
シリアス展開なら先が読めなくてハラハラできて良いね!
140 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/06/16(土) 19:41:41.86 ID:G4CJHAIzo
--マミの家--
QB「想定できる最高のメンバーがそろったみたいだね。おめでとう。マミ」
マミ「……キュゥべえ……」
マミ「……ねぇ。あなたは何が目的なの? 何で魔法少女システムなんてものを考えたの?」
QB「……全てはこの宇宙の為なんだ」
マミ「この宇宙の?」
QB「あぁそうさ。君はエントロピーという言葉を知っているかい?」
そしてキュゥべえは語った
彼らの作り出した、魔法少女システムの全てを
141 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/06/16(土) 19:42:09.85 ID:G4CJHAIzo
QB「……というわけさ」
マミ「つまり、私達の魔女化の際に発生するエネルギーがあなたの目的というわけ?」
QB「流石マミ。理解が早いね」
マミ「……でも、あなたが私に知らせた時。あのままでは私は魔女化するより先に……」
QB「僕としてはワルプルギスの夜に君が立ち向かう方が問題だったんだ。ワルプルギスの夜に君達が敵う可能性は低いけれど、それでも万が一は潰しておきたい」
QB「君一人の魔女化時に発生するエネルギーを、鹿目まどかは大きく凌駕するからね」
マミ「……なるほど、全ては鹿目さんを魔法少女にする為に……」
マミ「……させないわよ。キュゥべえ」
QB「たとえ君達全ての力を使ったとしても、ワルプルギスの夜を倒す事は難しいだろう。そうなれば、鹿目まどかの魔法少女化は必要だ」
マミ「そうだとしても、鹿目さんの魔法少女化は何としても阻止してみせる。この世界も、見滝原も私達が守りきる」
QB「……では、お手並み拝見だ。マミ」
マミ「えぇ、覚悟しなさい。キュゥべえ」
142 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/06/16(土) 19:42:51.80 ID:G4CJHAIzo
--避難所--
まどか「私も魔法少女になれたら……」
マミ「こら! あなたが魔法少女になったらどうなるか知っているんでしょう? ここは私達に任せなさい」
さやか「そうだよ。このさやかちゃんがどーんとワルプルギスの夜を倒しちゃうからさ」
ほむら「……本当はあなたにも魔法少女になって欲しくなかったんだけどね」
さやか「そんな事言うなよ。転校生〜」
まどか「……頑張って。祈ってるから」
マミ「……えぇ。私達の手で、必ずワルプルギスの夜を倒してみせる」
143 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)
[sage]:2012/06/16(土) 19:43:04.40 ID:9OsBekK70
宇宙全体的にはいい事かもしれないが、まったく説明なしに利用される人間にとってはいい迷惑。
不条理なのは間違いない!
144 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/06/16(土) 19:43:32.53 ID:G4CJHAIzo
--ワルプルギスの夜発生予測地点--
杏子「やっと来たか。マミ。ほむら。ぼんくら」
さやか「ぼんくらって言うな! あたしだって魔法少女の一員だぞ!」
杏子「あんたはぼんくらで充分だ。……無駄死だけはすんなよ」
さやか「お、おう……」
織莉子「大した魔力の波動ね……もしワルプルギスの夜が出現した時には、これがどれほどになっているのか」
キリカ「関係ないよ。織莉子。……どんな魔力を持っていようと、倒してしまえばそれで終わりだ」
マミ「そうね。どれほどに強大な相手でも、私達がやる事に変わりがあるわけじゃない」
そして
ワルプルギスの夜が現れた
145 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/06/16(土) 19:44:29.41 ID:G4CJHAIzo
ほむら「打ち合わせ通りに!」
マミ「えぇ!」
ゆま、織莉子、キリカの衝撃波、マミのマスケット銃、さやかの剣、杏子の槍、そしてほむらの重火器、7人の魔法少女の最大火力で一撃のもとに沈める
市内への侵入を避けなければならない以上、出会い頭の一撃で潰す……!!
ワルプルギスの夜「アハハ」
巨大な爆発が発生した
146 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/06/16(土) 19:45:24.04 ID:G4CJHAIzo
杏子「……やったか?」
マミ「どうでしょうね……」
キリカ「ぐぁ!」
ゆま「きゃ!」
杏子「ゆま!」
さやか「キリカ!?な、なんであいつが……ワルプルギスの夜が真後ろに!?」
ほむら「空間移動!? そんな事が出来るなんて」
いや、もっと驚くべきところは
あのワルプルギスの夜がこちらの攻撃を嫌がって回避を選択したということだ
流石に7人の魔法少女の一斉攻撃を食らえば、ただではすまないのかもしれない
つまり何とかして当てさえすれば
ほむら「でも、それが難しいみたいね……!!」
織莉子「方法は……ある」
ほむら「!!」
147 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/06/16(土) 19:45:44.80 ID:G4CJHAIzo
織莉子「今から7分後。この軌道でワルプルギスの夜は移動する。未来予知で確定した情報である以上、ワルプルギスの夜の行動範囲が外れる事はありえない。このタイミングならば確実にワルプルギスの夜へ攻撃を当てる事が出来る」
ほむら「……つまり、そこまで私達がもてば……」
ワルプルギスの夜「アハハハハハハハ!!」
杏子「な、なんだこいつら!使い魔が大量に!!」
ゆま「きょ、キョーコ!危ない!!」
ほむら「く……!自分への攻撃を使い魔で当てさせないつもりね」
マミ「……切り札が、あるわ」
ほむら「え?」
148 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/06/16(土) 19:46:10.69 ID:G4CJHAIzo
マミ「残り時間10秒。そこを狙って使い魔達を全てこの世からかき消す。そのタイミングでなら全員の攻撃がワルプルギスの夜へ通るはずよ」
ほむら「……巴マミ。あなたの魔法でどうにかできるというの?」
マミ「えぇ」
ほむら「……わかった。任せる」
149 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/06/16(土) 19:46:36.48 ID:G4CJHAIzo
キリカ「まだ!?」
マミ「だめよ。再召喚されては意味がない。もっと引き付けて……今!」
マミ「ボンバルダメント!!」
使い魔「アハハ・・・・・・!?」
使い魔達が一瞬で消え去った
杏子「すごい。巴マミがこんな魔法を隠しもっているなんて……」
織莉子「呆けている時間はないわ。今こそ全力を叩き込む時」
マミ「いくわよ。みんな!」
ゆま「うん!せーのー……」
さやか・マミ・杏子・ほむら・織莉子・キリカ・ゆま「うおおおおおおおおおおおおおおお!!」
ゆま、織莉子、キリカの衝撃波、マミのマスケット銃、さやかの剣、杏子の槍、ほむらの重火器、再度放たれる7人の魔法少女の最大火力
ワルプルギスの夜は今度こそ回避すらできず、その攻撃が直撃した
150 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)
[sage]:2012/06/16(土) 19:46:50.56 ID:9OsBekK70
>杏子「……やったか?」
あんこちゃんフラグ建てちゃダメェェェェェェェってもう建てた・・・・
151 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/06/16(土) 19:47:05.55 ID:G4CJHAIzo
QB「すごいね。君たちは。まさかワルプルギスの夜がここまで追い詰められるなんて思わなかったよ」
マミ「キュゥべえ!?」
QB「でもね。マミには前にも言ったけど、君たちの力ではワルプルギスの夜を倒す事は難しい。そして……これが現実だ」
杏子「な……なんだ!? ワルプルギスの夜が逆さに?」
ほむら「ま、まずい!このままでは……きゃあああ!!」
反転したワルプルギスの夜の一撃がほむらたちを襲った
152 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/06/16(土) 19:47:47.14 ID:G4CJHAIzo
QB「今ので小手調べといったところだ。もうすぐ全力の一撃が来る。……君たちは終わりだ」
ほむら「そ、そんな……ここまで力の差があるなんて」
杏子「あ、諦めてんじゃねぇ! あたしは最後まで諦めないぞ!!」
キリカ「当然だ! これぐらいで……これぐらいで私達が……」
QB「無駄だと言っているのに。こりないね。君達は」
QB「……君もまだ。戦い続けるのかい?マミ」
マミ「……あなたは何か勘違いしているわね」
QB「え?」
153 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/06/16(土) 19:48:33.78 ID:G4CJHAIzo
マミ「まるであの一撃で倒せなかったのが私にとって全くの想定外であると。そう考えていないかしら」
QB「……どういう意味だい?」
マミ「知れた事。切り札はボンバルダメントだけではないという事よ。最後の切り札。これをもって私はワルプルギスの夜に引導を渡す」
QB「君達がどのような力を行使しようとワルプルギスの夜は倒せないだろう」
マミ「そうね。私達の力ではね」
マミ「……佐倉さん」
杏子「なんだよ」
マミ「もしも、万が一の時は……あなたに見滝原を任せたわ」
杏子「!? な、何で今そんな事を言うんだよ」
マミ「それだけ。じゃぁね」
杏子「……マミィ!!」
154 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/06/16(土) 19:49:21.26 ID:G4CJHAIzo
巴マミはただ一人、ワルプルギスの夜に向けて突進をしかけた
それを見たワルプルギスの夜は標的を巴マミ一人に定める
そして、ワルプルギスの夜の一撃
文明すらひっくり返す究極の暴力
それが巴マミに向けて放たれ……
マミ「確かに私達の力で、こいつを倒すのは無理なのかもしれない。でも」
それがワルプルギスの夜自身の力だとしたら……
マミ「……アイギスの鏡!ワルプルギスの夜へ攻撃を跳ね返しなさい!!」
巨大な光が辺りを包み込んだ
155 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/06/16(土) 19:50:14.39 ID:G4CJHAIzo
杏子「何だおい……何が起こったんだ!!」
QB「本当に驚いたよ。まさかマミがあのワルプルギスの夜を倒すなんてね」
キリカ「……どういう事?」
QB「ワルプルギスの夜の本気の一撃。巴マミはずっとそれを待っていたんだ。自分達の魔力で倒せなくても、ワルプルギスの夜自身の魔力を使えば倒せるかもしれない。そういう考えだったんだろう。そしてその計算は的中した」
杏子「……マミは! マミはどうした!!」
QB「マミはワルプルギスの夜の攻撃を反射したとはいえ、真正面からあの攻撃を受けたんだ。普通の魔法少女ならたたではすまないだろうね」
杏子「……なんだよ、それ!」
QB「でも、知っているだろう? 巴マミは」
普通の魔法少女ではない……!!
マミ「私……生きてる……?」
156 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/06/16(土) 19:51:05.75 ID:G4CJHAIzo
さやか「まったく。あたしが言うのも難ですけどむちゃくちゃですよ。こんな方法でワルプルギスの夜を倒すなんて」
ゆま「うんうん。ゆま達がいなかったら大変だった」
マミ「あなた達二人の回復魔法を当てにしていた部分もあったの」
QB「インパクトの瞬間体に無数のリボンを巻きつけて地上に接続。ワルプルギスの夜の攻撃を拡散させたのか。……君の願い。命を紡ぐリボンの力を持ってすれば、このぐらいの奇跡は、まぁ造作もなかったんだろうね」
マミ「造作もないって事はないわ。分の悪い賭けだとも思っていた。でも、最後は……」
杏子「マミぃぃぃぃ!!」
マミ「そう、心から生きたいと思えたから。だからかもしれない」
QB「ふーん。僕にはよくわからないね」
157 :
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(神奈川県)
[saga]:2012/06/16(土) 19:52:00.57 ID:G4CJHAIzo
QB「これで鹿目まどか契約の為の最後の切り札を僕は失ってしまった」
ほむら「……もう、あなたの目論見もこれで終わりね。消えなさい」
QB「あぁ。またワルプルギスの夜クラスの魔女が現れたら、ここに来ることにするよ」
織莉子「たとえまたこれほどの魔女が現れようとも、私達の手で魔女は打ち倒す……!!」
QB「そうかい。……じゃぁ、また会える時を楽しみにしているよ。みんな」
マミ「……行ってしまった、わね」
杏子「……いいのかい?あんたの友人だったんだろ? あいつ」
マミ「キュゥべえが決めたんだもの。仕方ないわ。……それに、案外すぐにあの子にはまた会えそうな気がしてね」
ほむら「冗談ではないわ……」
158 :
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[saga]:2012/06/16(土) 19:52:27.66 ID:G4CJHAIzo
--エピローグ1--
ほむら「……まどかぁあああ!!」
まどか「ほむらちゃん!無事で良かった!!」
ほむら「私ね。ずっと……ずっと頑張ってきたんだよ!」
まどか「ほむらちゃん……」
さやか「はっはっは。ワルプルギスの夜なぞさやかちゃんの前には相手にならなかったね」
マミ「美樹さん!みんなの力でしょ!」
さやか「はいはーい」
杏子「調子いいんだから、このぼんくらは……」
さやか「何をー!結構さやかちゃんだって活躍したじゃんかー!」
織莉子「……暁美ほむら」
ほむら「美国織莉子……。ありがとう。あなた達が協力してくれたおかげで、私は出口のない迷路から抜け出す事が出来た」
織莉子「……暁美ほむら。一つ、私の願いを聞いてほしい」
ほむら「?」
159 :
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[saga]:2012/06/16(土) 19:52:56.57 ID:G4CJHAIzo
織莉子「暁美ほむら。あなたにとってこの世界は幾多の世界の一つなのかもしれない。でも、私達にとってはこの世界こそが唯一なの。だから」
織莉子「もう二度と別の世界へ逃げたりしないで。世界に真正面から向き合って。それが私のお願いよ」
ほむら「……分かっている。私はもうこの世界を手放したりしない。やっと理想の世界を手に入れたんだもの。二度と逃げたりするもんですか」
まどか「ほむらちゃん!わたしも、ほむらちゃんの道を手助けできるのかな」
ほむら「勿論よ。まどか」
織莉子「……それさえ守ってくれるのであれば、私達は今後もあなた達と良好な関係を築いていけるはず。何年も。いえ、何十年も」
ほむら「えぇ……これからも宜しく。美国織莉子」
160 :
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[saga]:2012/06/16(土) 19:53:23.82 ID:G4CJHAIzo
--エピローグ2--
キリカ「行くの?さやか」
さやか「うん。まぁ今更ソウルジェムを砕くのもあれだし。だからといって仁美が恭介と付き合うのをそのまま見過ごせるほど大人にもなり切れない。だから、これでいいんだ」
キリカ「そう……」
さやか「……あんたには本当にいっぱい助けてもらった。ありがとうね。キリカ」
キリカ「あぁ、うん。……少し、それを言うには早すぎるかもしれないけどね」
さやか「? じゃぁ、そろそろ行くね」
サヤカー!!
さやか「……ん?」
恭介「さやかーーーーー!!!」
さやか「きょきょきょ恭介!? ど、どうしてここが?」
キリカ「そりゃ私がしゃべったからね」
さやか「え?」
キリカ「君が魔法少女になった経緯、どんな願いをしたのか、どんな決意をしたのか。全て上条恭介に伝えさせてもらった」
さやか「……ななななななぁあああああ!?」
恭介「さやか……」
161 :
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[saga]:2012/06/16(土) 19:53:50.38 ID:G4CJHAIzo
さやか「ななな何で! 魔法少女の事だけは、恭介に知られたくなかったのに!!」
キリカ「だからありがとうを言うには早すぎるって言ったじゃないか。私はそういう擦れ違いストーリーは大嫌いなんだよ」
さやか「そんな! あたしがどんな気持ちで」
恭介「さやか!」
さやか「はいいいいいいい!!」
さやか「え、えぇと……ごめんね、恭介」
恭介「違う」
さやか「え?」
ダキッ
恭介「謝るのは僕の方だよ、さやか。僕のせいでこんな事になってしまって……」
さやか「恭介……違うよ。あたしが勝手にこんな願いを」
恭介「全て、僕の弱さが原因なんだ。僕は自分の腕愛しさに……一番大事なものを犠牲にしてしまった」
さやか「……え?恭介、それって……」
恭介「さやか。もう謝りきれないのも分かってる。全ては僕の弱さが原因だ。音楽なんかよりずっと大切なものだったのに。それなのに僕はそれを気づけなかった」
恭介「僕にはさやかがいればそれでよかったんだ……」
さやか「きょ、恭介……」
キリカ「……じゃぁ、仲良くね。二人とも」
さやか「……キリカァ……」
キリカ「そんな恨めしそうに見られても……あとは君達の問題なんじゃないかなぁ」
162 :
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(神奈川県)
[saga]:2012/06/16(土) 19:54:16.46 ID:G4CJHAIzo
--エピローグ3--
マミ「……」
杏子「これはけじめだ。ワルプルギスの夜を倒したら、あたし達の決着をつける。そういう約束だっただろ?」
マミ「……えぇ。本気の私と本気のあなた。お互いの雌雄を決するのがあなたとの約束」
杏子「あぁそうだ。一度目は決別したあの日。あの時あんたは実力の半分も出し切らないで、あたしに押し切られた」
杏子「そして二度目。あんただけがソウルジェムの秘密を知っていたせいで、あんただけが実力を出し切れず、あたしの勝利になった」
杏子「でも、今度は違う。ソウルジェムの秘密を、あんたも、あたしも知ってる。この状況下なら今度こそ、対等な戦いができる」
マミ「……聞いてもいい? 何でそこまで私との対等な戦いにこだわるの?」
杏子「あんたがあたしにとっての目標だからだ。だから、この戦いだけは譲れない」
マミ「そう……なら、いくわよ」
杏子「こい!巴マミ!!」
163 :
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(神奈川県)
[saga]:2012/06/16(土) 19:54:42.19 ID:G4CJHAIzo
杏子「ハァ…ハァ……」
マミ「……」
いくたびのマスケット銃と槍が重なりあい
そして最後にマミのマスケット銃が杏子のソウルジェムに突き付けられた
勝負あり、だ
杏子「ははは……強ぇ!やっぱ強ぇよ! あんた!」
マミ「不思議な子ね。負けたのに何でそんなに笑顔なの……」
杏子「相手があんただからに決まってんだろう! ははは、勝てねぇよこりゃ。あはははは!」
杏子「……これで、決着だ。見滝原は変わらずあんたのもの。あたしは風見野に帰る」
マミ「……その件なのだけど。見滝原をあなたに……」
杏子「……その後、あんたはどうするつもりだった?」
マミ「それは……」
杏子「……死にたい、なんて考えるなよ」
マミ「!?」
164 :
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(神奈川県)
[saga]:2012/06/16(土) 19:55:29.59 ID:G4CJHAIzo
杏子「マミのソウルジェムを落とした時にさ。……ソウルジェムの事。キュゥべえとキリカから全部聞いたんだよ。魔女の話も含めて」
杏子「だから……その時、あんたの考えていた事にも察しがついた。見滝原をあたしに任せて、死ぬつもりだったな。あんた」
マミ「そ、それは……」
杏子「そんなの、嫌だ」
マミ「……」
杏子「マミはあたしにとってライバルで、憧れで、かけがえがなくて……とても大切なんだ。もう二度とそんな事考えないでくれよ……」
マミ「……佐倉さん……うん。分かってる。変な事考えて本当にごめんなさい」
杏子「……見滝原の巴マミ。あたしが生きている内にあんたが死ぬのは、絶対許さないからな」
マミ「あなたこそ。……風見野の佐倉杏子さん。お互い、長生きしましょう」
杏子「へへ……あぁ!」
165 :
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(神奈川県)
[saga]:2012/06/16(土) 19:56:12.06 ID:G4CJHAIzo
ゆま「キョーコ!!」
杏子「ゆま……負けちまったぁ!本当巴マミは強ぇなぁ!」
ゆま「マミお姉ちゃんと、仲良くなれたの?」
杏子「へ?」
ゆま「え? だってマミお姉ちゃんと仲良くなる為に見滝原まで来たんだよね」
杏子「そ……それは……」
ゆま「キョーコ?」
杏子「まぁ……ない事もない……ような……」
杏子「……だぁああああ!! 帰るぞ! ゆま!」
ゆま「うん!!」
166 :
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(神奈川県)
[saga]:2012/06/16(土) 19:56:42.84 ID:G4CJHAIzo
--エピローグ4--
マミ「そこで、呉さんが私の魔法に速度低下をかけて……」
織莉子「私の未来予知であらかじめ敵の位置を察知して……」
キリカ「織莉子、マミ。二人で何の話をしてるの?」
マミ「新合体必殺技、『ボンバルダメント・デュオ』について考えてるの。あなたも仲間に加わりなさい」
キリカ「……また面白そうな事を」
織莉子「……不思議なものね」
マミ「何?」
織莉子「本当なら、私と貴女は敵同士になるはずだったの。キリカがあなたと殺し合い、そして……私は貴女に対して、憎しみを持つ。そういう物語のはずだった」
マミ「……この世界ではそうはならなかった。それが全てよ」
織莉子「えぇ。……その通りね」
キリカ「二人ともすっかり仲良しだなぁ。私もさやかと……でも最近、さやかは恭介とべったりで付き合い悪いもんなぁ……」
マミ「あら。あの二人はそういう仲になったの?」
キリカ「いろいろあって……ね」
167 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga]:2012/06/16(土) 19:57:36.41 ID:G4CJHAIzo
マミ「……」
キリカ「ん?どうしたの、巴マミ」
マミ「いえ……そのね。私、魔法少女って孤独なものだと思ってたの。魔女の話をしった時はさらに。ずっと孤独のまま終わっていくと思っていた」
織莉子「でも、そうはならなかった。……私達も一緒。暁美ほむらや美樹さやか。佐倉杏子に千歳ゆまもいる。あなたが孤独に感じる事なんてもうありえないわ」
マミ「そう……そうなのよね」
キリカ「うん」
織莉子「ふふ」
マミ「……一人ぼっちじゃないのよね、私! もう何も怖くない!!」
織莉子「……!?」
マミ「……どうしたの?」
織莉子「い、いえ……巴マミ。未来予知で今見えたのだけど」
マミ「……何?」
織莉子「その、数日後。あなたはまた、お菓子の魔女と戦う事になるみたい」
マミ「……!?」
おしまい
168 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[saga sage]:2012/06/16(土) 20:00:10.60 ID:G4CJHAIzo
おしまい!
地味に言い忘れてたけど、このSSは作者以外転載禁止でお願いします。書かなくても何ら問題ない気はしつつ、何となく
ちょくちょくエタりかけたりしましたが、これで無事終了ということで
今までありがとうございました!
169 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)
[sage]:2012/06/16(土) 20:01:55.68 ID:9OsBekK70
乙
てっきり、
QB「いくらなんでもうまく行き過ぎていると思わなかったかい?そうさ、これはワルプルギスの夜が作った幻影さ」
とかなると思った。
そして最後ワロタwwwwwwww
170 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)
[sage]:2012/06/16(土) 20:02:02.05 ID:CUCY5WcKo
乙。乗っ取りからだったのに完結してよかった。
同期のふたなりさやかとかも戻ってこないかなー
171 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/06/16(土) 20:17:07.49 ID:g+QRZg0to
やっぱり素直になったあんこちゃんは対マミさん最強(心の支え的な意味で)だぜ
マミおりキリ上級生トリオのその後も見てみたいがひとまず完結乙
172 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2012/06/16(土) 21:12:49.29 ID:mh1g7c/AO
乙!
グランドフィナーレだな
173 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/06/16(土) 22:16:52.27 ID:gw5sEBUBo
乙
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[ Aramaki★
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