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梅原「大将、ローゼンメイデンって知ってるか?」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 15:26:27.14 ID:h5FPf93SO
橘「ローゼンメイデン? 聞いたことないな」

梅原「なんでも、ある日突然人間そっくりの西洋人形が入った鞄が自分の所に届くらしいぜ」

橘「人間そっくりだって!?」

橘「(それじゃあ、あんなことやこんなことがし放題って事か!?)そ、それで?」ドキドキ

梅原「ただその人形、呪いの人形らしくて、その人形を手に入れた人間は人形に食べられちまうんだってよ〜」

橘「へ、へえ、それは恐いね」

梅原「ま、そんなの作り話だろうけどよ」



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諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
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渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
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二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

2 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 15:29:00.23 ID:h5FPf93SO
薫「何二人でコソコソ話してんのよアンタ達?」

梅原「オッ、棚町」

薫「どうせなら私にも聞かせなさいよ。あっ、でもアンタ達の事だからまたエッチな本の話とかだったりして」

橘「違うよ薫、僕達は呪いの人形の話をしてたんだよ」

薫「呪いの人形?」ピクッ

橘「そっ。ローゼンメイデンって言う呪いの――」

薫「ブッーーーーーーーーーーーー!?」

梅原「た、大将、大丈夫か?」

橘「うわああああ!? 僕の顔に薫が口に含んでた唾液混じりのジュースがああああ!!!」

薫「ゲホッ、ゲホッ!」

梅原「大将、ハンカチだ」

橘「あ、ありがとう。酷いよ薫。いくら僕でもそんな趣味はないよ(でも森島先輩ならありかな)」

薫「ご、ごめんごめん。ちょっと変な所に入っちゃって…」

薫「あ、あたし、ちょっと用事思い出しちゃった。それじゃ!」

橘「あ、薫…全く、制服にもジュースが…」

絢辻「……」
3 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 15:31:05.60 ID:h5FPf93SO
ラプラスの魔「メタ発言なんて気にしな〜い♪ メタ発言なんて気にしな〜い♪」

ラプラスの魔「こんにちは紳士淑女の皆さん。ラプラスの魔です」

ラプラスの魔「今回ドールズが巻かれた世界は…アマガミですね」

ラプラスの魔「さて、お話を楽しむ前にここで注意して欲しい事があります。そ・れ・は、キャラ崩壊です」

ラプラスの魔「キャラによってはかなり壊れてます。それが嫌な人にはきついかもしれません」

ラプラスの魔「何故キャラが崩壊してるのか? それはこのお話が終わった後に教えましょう」

ラプラスの魔「では、アマガミ(?)×ローゼンの続きをどうぞ」

高橋「白崎先生、さっきから独り言がうるさいですよ」

4 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 15:33:37.37 ID:h5FPf93SO
学校の帰り

薫「あー…びっくりした。寿命が縮まったじゃない」

薫「何であいつらローゼンメイデンの事知ってるのよ」

薫「もしかしてあの子、私がいない間に出掛けてたりしてんのかな? それで誰かに見られて噂になったとか?」

薫「とかなんとか言っちゃってる内に我が家に着いたわ」

薫「ただいまー」

翠星石「お帰りです。薫、さっさと薇を巻けです。そろそろ翠星石の体がフリーズしそうですよ」

薫「相変わらず憎たらしいわねー。ハイハイ、今やりますよ」マキマキ

翠星石「あ〜、それそれ。力がみなぎってくるです」

薫「翠星石、アンタさ、一人で外に出たりとかした?」

翠星石「なーに言ってるんですかオメェは。翠星石は薫と契約してないんですよ?」
翠星石「nのフィールドに行くのだって乗り気じゃない翠星石が、一体何が潜んでるか分からない外の世界に行くわけがないじゃないですか」

翠星石「家に居た方がずっと安全です。どうしてそんな事聞くんですか?」

薫「いやあのね、今日、私の友達がローゼンメイデンの話してたのよ」

翠星石「ほー、それで翠星石を疑ったと?」

薫「ま、まあそうなんだけどね」

翠星石「酷い人間ですね。どうしてスィドリームは今回こんなワカメ人間をミーディアムに選んだんでしょう」

薫「ワカメ言うな! だって、普通の人がローゼンメイデンの話してたから、色々と考えちゃったのよ。悪かったわよぅ…」
5 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 15:35:09.79 ID:h5FPf93SO
翠星石「ま、どうせこの世界に昔からローゼンメイデンの伝説があったからそれをたまたま話してたか、他のドールが最近何らかの理由で他の人間に存在を知られて噂として広がったとかですよ」

薫「なら良いんだけど。いや、良くないけどさ」

翠星石「というか薫、いい加減翠星石と契約しやがれです。薇だけじゃ心細いんですよ」

薫「そんな事言ったって指輪が目立つのよ。出来ないわよ。しかも契約してる間は指輪外せないんでしょ? 私バイトしてるから無理。無理無理無理! 絶対無理だから」

翠星石「なんて話の分からない人間ですか! けち! ワカメ人間のけち!」

薫「だからワカメ言うな!」

6 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 15:37:20.93 ID:h5FPf93SO
水銀燈「詞、ただいまー…開けてくれないかしら?」

絢辻「……」ガララ

水銀燈「あ、ありがとう」

絢辻「水銀燈、あなた今日どこに行ってたの?」

水銀燈「ど、どこって、普通に建物の屋上とかに座って外を眺めてたわ」ビクビク

絢辻「水銀燈!」

水銀燈「はい!」ビシッ

絢辻「あなた、誰かに見られたりしなかった?」

水銀燈「た、多分大丈夫よ」

絢辻「多分?」

水銀燈「誰にも見られてません! 絶対に大丈夫です!」

絢辻「そうかしら?」

7 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 15:39:54.04 ID:h5FPf93SO
水銀燈「ど、どうしてそんな事聞くの?」

絢辻「今日、私のクラスの男子がローゼンメイデンの話をしてたのよ」

水銀燈「そうなの? め、珍しいわね」

絢辻「どうしてローゼンメイデンと関係のない人がそんな話をしてたのかしら?」

水銀燈「さあ…」ビクビク

絢辻「水銀燈!」

水銀燈「はい!」ビシッ

絢辻「あなたやっぱり誰かに見られたんじゃないの?」ニコニコ

水銀燈「見られてないわ! ちゃんと気をつけてるわ! 見られたとしても鳥くらいだから!」

絢辻「本当に?」

水銀燈「ええ。誓うわ! 信じて!」

8 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 15:41:45.08 ID:h5FPf93SO
絢辻「……分かったわ。信じてあげる」

水銀燈「ねえ詞、私の指輪そろそろ返して」

絢辻「駄目よ。だってあなた、私の手帳見ちゃったんでしょ?」

水銀燈「い、一瞬よ一瞬。何が書いてあったか全然分からなかったし!」

水銀燈「だからお願い。指輪返して」

絢辻「駄目。一瞬でも、内容を覚えてないとしても、私の手帳を見た罪は重いわよ」

水銀燈「不可抗力だったのよ〜」

絢辻「だとしても駄目。私とあなたの契約忘れたの?」

水銀燈「忘れてないわ。でも詞、契約してるなら指輪の契約もして」

絢辻「駄目よ。だって指輪なんかしたら私の評判がた落ちよ。それにあなた、契約しなくても大丈夫なんでしょ?」

水銀燈「そうだけど、それなら私の指輪返して!」

絢辻「ダーメ。だってそんな事したら、あなた逃げちゃうじゃない」

9 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 15:44:21.01 ID:h5FPf93SO
水銀燈「手帳を見たのが人間ならまだしも、人形が見たところでそれを信じてくれる人はいないわ!」

絢辻「他の人形の持ち主や新しいミーディアムなら信じるかもしれないわ」

水銀燈「私は人前には出ないわ! 他の持ち主とも会わないし新しいミーディアムも探さないわ!」

絢辻「うーん、どうかしら? 他の持ち主が偶然あなたに出会ってしまう可能性も捨て切れないわ」

水銀燈「そうだとしても話すわけないじゃない普通」

絢辻「手帳の事は言わないとしても、私の本性をポロッと口にしちゃうかもしれないでしょ?」

水銀燈「そ、そこまで言うならどうして私を監禁しないの?」

絢辻「監禁も考えたんだけど、万が一私の姉が私の部屋に入って来てあなたを見つけたら面倒な事になるわ」

水銀燈「そ、それは多分大丈夫よ。というか監禁しないなら指輪を返して! 私を解放して! そもそも私を逃がさない事であなたが得られるメリットってあるの? 関わらない方が得じゃない!」

絢辻「ハア、これじゃあいたちごっこだわ。とにかく、手帳を見た以上、あなたを逃がすわけにはいかないわ」

水銀燈「そんな、酷いわぁ…」

絢辻「それと、これから外出する時は誰かに見られないように気をつけなさい」

水銀燈「分かったわ…」

10 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 15:46:08.53 ID:h5FPf93SO
絢辻「じゃあ水銀燈、いつものアレ、やるわよ」

水銀燈「またなの?」

絢辻「何か言った?」

水銀燈「何でもありません!」

絢辻「それじゃあ、『絢辻詞は裏表のない素敵な人です』ハイ復唱♪」

水銀燈「絢辻詞は裏表のない素敵な人です! 絢辻詞は裏表のない素敵な人です! 絢辻詞は裏表のない素敵な人です! 絢辻詞は裏表のない素敵な人です!」

絢辻「まだまだ♪」

水銀燈「絢辻詞は裏表のない素敵な人です! 絢辻詞は裏表のない素敵な人です! 絢辻詞は裏表のない素敵な人です! 絢辻詞は裏表のない素敵な人です! 絢辻詞は…」

絢辻(まあ、一番の理由は面白いオモチャが手に入ったからなんだけどね)

11 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 15:47:40.91 ID:h5FPf93SO
真紅「紅茶は相変わらずイマイチね。茶道部とかって言うお茶の同盟のようなモノに入ってるみたいだから少しは上達したかと思ったんだけど」モグモグ

梨穂子「そんな事言っても私、和風専門だから無理だよ真紅ちゃ〜ん」モグモグ

真紅「シュークリームおかわり」モグモグ

梨穂子「はい、どうぞ」モグモグ

真紅「契約出来ないんだから紅茶くらい上手になって欲しいわ。全くありえないわよ。指輪がはまった瞬間、指が太過ぎたせいで指輪が壊れるなんて」モグモグ

梨穂子「ごめんね真紅ちゃーん」モグモグ

真紅「でもお菓子やご飯は美味しいから許すしてあげる」モグモグ

梨穂子「ありがとー」モグモグ

モグモグモグモグモグモグモグモグ

香苗「二人共食い過ぎじゃない?」
12 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 15:50:31.46 ID:h5FPf93SO
七咲「ただいまー」

蒼星石「お帰りなさい。逢さん」

七咲「ただいま。蒼星石、体は大丈夫?」

蒼星石「まだ大丈夫。でも、そろそろ巻いて欲しいかな」

七咲「分かった。ちょっと待ってて」

マキマキ

蒼星石「ありがとう。逢さん」

七咲「いつもごめんね。本当は契約してあげたいんだけど指輪が外せないのは水泳してる私にはやっぱり……契約してる間も取り外しが大丈夫ならすぐにでもしてあげるんだけど」

蒼星石「うーん、確かに僕も契約してくれた方が助かるんだけど、そこまで気にしないで」

七咲「他に頼めそうな人はいないの?」

蒼星石「行く宛てが中々見つからなくて…」

七咲「ごめんね。蒼星石…」ショボン

蒼星石「大丈夫。僕もなんとかするから」

蒼星石(とりあえず翠星石でも探すか)

七咲「それとね蒼星石、蒼星石が退屈しない様にこれ買って来たの」ガサゴソ

蒼星石「何だい?」

七咲「これなんだけど…」

13 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 15:51:48.65 ID:h5FPf93SO
紗江「ねえ、ヒナちゃん」

雛苺「なーに、サエ?」

紗江「この指輪、やっぱり外せないの?」

雛苺「契約してる間はダメなの」

紗江「それ先に行ってよ〜」

雛苺「過ぎた事はしょうがないのよ」

紗江「うう……」

雛苺「それにしても紗枝のおっぱい、すっごくでかいの」

紗江「そ、そうかな?」

雛苺「うにゅ〜みたいに柔らか〜い」モミモミ

紗江「ひ、ひゃあ!? ヒナちゃんダメー」ピクンピクン

14 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 15:53:53.04 ID:h5FPf93SO
森島「ふふ、 金糸雀ちゃんは今日も可愛いなー」スリスリスリ

金糸雀「は、はるちゃん、摩擦が激しい! 激しいかしら!」

森島「こんな可愛いお人形さん、やっぱり私だけしか知らないなんて不公平よ」

森島「ねえねえ金糸雀ちゃん、やっぱり家族にもあなたの事見せたいわ」

金糸雀「それは駄目かしら。皆卒倒しちゃうかしら。他の人間には見せちゃ駄目かしら」

森島「えー……そうだ! 響ちゃんには見せよーうっと!」

金糸雀「ちょっ!? はるちゃん話聞いてた? だから駄目だから。カナの事見せるのはマズイかしらー!」

15 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 15:55:44.77 ID:h5FPf93SO
翌日・昼休み

七咲(蒼星石の事、早く何とかしなくちゃ)モグモグ

美也「あれ? 紗枝ちゃんその指どうしたの?」

紗江「つ、突き指しちゃったの」

七咲「大丈夫? (左手の薬指…?)」

紗江「大丈夫」

美也「でもすごいぐるぐる巻きだよ」

紗江「う、うん。でも、大丈夫だから」

美也「早く治るといいねー」

紗江「ありがとう美也ちゃん」

16 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 15:58:02.09 ID:h5FPf93SO
昨夜

紗江「ねえヒナちゃん」

雛苺「うゆ?」

紗江「契約、やめたいんだけど…」

雛苺「エッー!? サエ、ヒナの事嫌いになったの?」

紗江「ち、違うの。あのね、指輪が凄い目立っちゃってね、学校で先生に注意されちゃうかもしれないから、一度契約をやめて…」

雛苺「そんなー」

紗江「家にいる時はまた契約するから」

雛苺「ローゼンメイデンはそんな都合良く行かないのよ! そう何回も契約出来ないのよ!」

紗江「うう…」

雛苺「ヒナはそんなお股の緩い女じゃないわ! サエの事ちょっと嫌いになったの!」プンプン

紗江「ご、ごめんね。牛乳あげるから」

雛苺「ワーイ! サエ大好きー!」

現在

紗江(これからどうしよう…)

七咲(……まさかね)

17 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 16:00:09.39 ID:h5FPf93SO
nのフィールド

蒼星石「あっちに翠星石がいるんだね、レンピカ」

レンピカ『!』

蒼星石「翠星石はもうマスターと契約しているのだろうか?」

ジュポン

翠星石「! 蒼星石?」

蒼星石「やあ、久しぶり」

翠星石「まさか蒼星石の方から来てくれるなんて…」

蒼星石「まあ色々あってね。調子はどうだい?」

翠星石「イマイチですよ。巻いた人間は契約してくれないですし」

蒼星石「え? 翠星石も?」

翠星石「え? 契約してないんですか?」

蒼星石「うん。巻いてくれた人が学校じゃ目立つから出来ないって。申し訳なさそうにはしてたけど」

翠星石「うわー、さすが双子ですね」

蒼星石「契約してない状態は不安だから君を頼りにここまで来たんだ」

翠星石「うう…妹が姉を頼りに……お姉ちゃんは嬉しいですよ」

蒼星石「でも君も目覚めてたんなら僕の事探せば良かったのに」

翠星石「嫌です! 契約してないのに出歩くなんて! それなら引きこもりしてた方が百倍マシです」

翠星石「ほら、部屋にはポテチやクッキーがたくさんあるですよ。漫画も読み放題。ブヒャハハハハハハハハ!!!!」

蒼星石(ああ、心が腐ったのか)

18 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 16:01:56.56 ID:h5FPf93SO
蒼星石「これからどうしようか?」

翠星石「翠星石はあっちが契約してくれない限りこの生活を続けるですよ」ボリボリ

蒼星石「(それは妹として恥ずかしいな)じゃあ僕が時々君の所に行って傍にいるよ。そうすればnのフィールドにも行けるでしょ?」

翠星石「んー、それなら」

蒼星石「決まりだね」

翠星石「ところで蒼星石、そのベルトどうしたんです?」

蒼星石「……僕の持ち主に貰ったんだ」モジモジ

翠星石「何かあるんですか? コレ」

蒼星石「うん……イナゴマスクって言うヒーローの変身ベルト……」モジモジ

翠星石「ほー」

蒼星石・翠星石「……」

蒼星石「チェンジ! イナゴォ!!」シャキーン

19 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 16:03:51.25 ID:h5FPf93SO
橘「ハァ…」

梅原「どうした大将? 元気がないな」

橘「いや、また梨穂子にお弁当食べられちゃったんだ」

梅原「そりゃお気の毒に」

橘「僕は家に帰るまで耐えられるかどうかわからないよ」

梅原「そんな事もあろうかと、大将の為に昼食買って来てやったぜ。コッペパンとお茶だけだけどな」

橘「梅原…君は命の恩人だ」

梅原「困った時はお互い様だろ?」

橘「心の友よ!」ガシッ

梅原「おうよ!」ガシッ

橘「じゃあお言葉に甘えて……あれ? 無い」

梨穂子「パン美味しいやー」モグモグ

橘「うわああああああああああああああああああ!!!!!!!!!????」

20 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 16:05:29.40 ID:h5FPf93SO
梨穂子「ハッ!? 発作が…ご、ごめんね純一。パンの匂いがしたからつい…」モグモグゴキュゴキュ

梅原「お茶も同時に飲んでらぁ…」

橘「や、やっと食べれると思ったのに」ゲソッ

梨穂子「ごめんねー。代わりに純一のお弁当箱返すから」

橘「それ代わりになってないよ……」

21 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 16:07:05.71 ID:h5FPf93SO
橘「誰か……僕に恵んで……」

絢辻「橘くーん、ちょっと頼みたい事があるんだけど…って、何廊下で倒れてるのよ?」

橘「絢辻さん、恵んでくだせえ! 僕に食べ物を恵んでくだせえ!」

絢辻「ち、ちょっと、そんな恐い顔で迫らないでよ!」

絢辻「JUM、お座り!」

橘「ワン!」ビシッ

絢辻「よーし、いい子ねー」ナデナデ

橘「ご飯! ご飯!」ハッハッ

絢辻「お預け」

橘「くぅーん…」ショボン

22 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 16:08:55.33 ID:h5FPf93SO
橘「絢辻さん、空腹の僕にこんな大量の書類を運ばせるのかい?」

絢辻「あなたくらいしか頼めないの。でもその前に聞きたい事があるの」

橘「何だい?」

絢辻「昨日の休み時間、梅原君と何話してたの?」

橘「え? どんなの? (も、もしかして梅原が裏ルートを使って手に入れる予定の海外のお宝本か?)」

絢辻「……人形の話」

橘「人形? ああ、呪いの人形の話?」

絢辻「ええ…」

橘「どうしてそんな事聞くんだい?」

絢辻「別に。男の人がそんな話をしてるって珍しいから」

橘「ふーん」

絢辻「橘君って呪いの人形とかに会ってみたい?」

橘「まさか」

絢辻「そう(興味はなさそうみたいね)」

橘(絢辻さんどうして呪いの人形の事なんて聞いてきたんだろう……まさか!?)

橘(絢辻さんは僕と人形プレイがしたいのか!?)

23 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 16:10:44.48 ID:h5FPf93SO
橘「絢辻さん、僕が呪いの人形になるから絢辻さんは怯えて」ワキワキ

絢辻「は? 何言ってるのあなた?」

橘「そんなに恥ずかしがらないで。それとも絢辻さんが呪いの人形になる?」

絢辻「……よく分からないけどあなたは今呪いの人形なのね?」

橘「そうだよ! だから絢辻さんは怯えながら僕に呪われてよ!」ワキワキ

絢辻「呪いの人形ならお払いしないとね」ガシッ

橘「あれ? 絢辻さん、どこ握ってるの? そんな所引っ張ったら僕の体――」

ゴキッ! ベキッ! ボキッ!

24 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 16:12:29.94 ID:h5FPf93SO
七咲(蒼星石、薇切れてないかなぁ…)

響「はるか、またここに来たの?」

森島「だって〜、響ちゃんや逢ちゃんの顔見たかったんだもーん」

響「あのね、ここはそういう場所じゃないのよ」ハァ

森島「もう、響ちゃんのケチ♪」

響「! はるか、その指輪どうしたのよ?」

七咲(指輪?)

森島「えへへ♪ 似合う?」キラン

響「そういう問題じゃないでしょ。この学校、そういうのには厳しいんだから」

森島「大丈夫大丈夫♪ちゃんと気をつけてるから」

響「そうじゃないでしょ。もう」

響「とにかく、あまりその指輪目立たせちゃダメよ」

森島「ハーイ♪」

七咲「あの指輪、どこかで……」

25 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 16:15:52.37 ID:h5FPf93SO
真紅「梨穂子、新しい指輪が出来たわ。早速契約して頂戴」モグモグ

梨穂子「分かったよー」モグモグ

真紅「次はちゃんと耐えられる強度の筈」モグモグ

梨穂子「うーん」モグモグ

『グググ……ベキッ!』

真紅「!? ちょっと! 何で壊れるのよ!? 一応サイズは貴女に合わせてるのよ!!」モグモグ

梨穂子「あ、あれー?」モグモグ

真紅「もしかして貴女、また太った?」モグモグ

梨穂子「え、エヘヘ」モグモグ

真紅「いやいやいや、ありえないわよ。いくら太ったとしてもそう簡単に指まで太くならないわよ」モグモグ

梨穂子「ごめんねー」モグモグ

真紅「また一からやり直し……一体いつになったら契約出来るのよ」モグモグ

梨穂子「真紅ちゃん、次は一緒に唐翌揚げ食べようよー」モグモグ

真紅「そうね。腹が減っては戦が出来ぬなのだわ」モグモグ

モグモグモグモグモグモグモグモグ

26 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 16:20:09.22 ID:h5FPf93SO
薫「増えてる…」

翠星石「オー、帰ったですか」

蒼星石「こんにちは」

薫「ちょっと、誰よこの子?」

翠星石「妹です」

蒼星石「はじめまして、第4ドールで双子の妹の蒼星石です」ペコリ

薫「双子? ああ、そういえば似てるわね。私は薫。棚町薫」

蒼星石「いつも姉がお世話になってます。迷惑かけてませんか?」

薫「う、うん大丈夫。むしろ私の方が迷惑かけてるかな?」

翠星石「いつもはそんな事言わないくせに」ボソッ

薫「う、うっさいわね」

蒼星石「持ち主も帰って来た事だし、僕はそろそろ帰るね。僕の持ち主も心配するだろうし。薫さん、さようなら」ジュポン

薫「窓の中(?)に入って行った…ってかあの子一人称僕なんだ」

翠星石「いやー、今日は蒼星石が来てくれたお陰で暇が潰せたですよ」

薫「……」ジッー

翠星石「…何です?」

薫「いや、双子なのに全然違うなーって、アンタと違って礼儀正しいし。寧ろあっちの方が姉って感じ」

翠星石「うっさいですねー。余計なお世話ですよー。どーせ翠星石は蒼星石の様に利口じゃないですから」ブーブー

薫「ハイハイごめんなさいね。いじけないいじけない。ってかアンタ、こんなに部屋散らかしちゃって、片付けるのは私なのよ」

翠星石「いやー、リラックスし過ぎてつい。翠星石も手伝いますから勘弁してくれです」

薫「もう…」

27 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 16:22:14.95 ID:h5FPf93SO
ジュポン

蒼星石「……母親はタイムセール、父親は仕事。よし、誰もいない」キョロキョロ

蒼星石「nのフィールドと繋がってる場所がリビングの窓しかないのはきついな。今度からは鞄での移動にしようかな?」

スタスタ

蒼星石(! 足音!?)

ガチャ

蒼星石(入ってくる。くっ、隠れる時間も場所もない)

蒼星石(ならば人形のフリだ!)バタン

郁夫「……」

蒼星石(しまった。弟の存在を忘れてた)

郁夫「……?」スタスタ

蒼星石(落ち着け僕。僕はただの人形。魂も何もないただの人形だ。某おもちゃ物語のカウボーイだっていつもやってるじゃないか)

ピタッ

郁夫「……」ジッー

蒼星石(視線を感じる……)

郁夫「……」ツンツン

蒼星石(ほ、ほっぺを…感じないぞ。僕は何も感じないぞ!)

28 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 16:24:25.26 ID:h5FPf93SO
郁夫「……」カチャカチャ

蒼星石(べ、ベルトを取られた)

郁夫「……」グイ、ブンブンブン!

蒼星石(グゥオオオオオオオ!!!? 僕の右腕を持ち上げて振り回すなあああああああ!!!!)

郁夫「……」ピタッ

蒼星石(ち、ちぎれるかと思った)ダラーン

郁夫「……」ジッー

蒼星石(まだ見てるよ…)

ペロペロ

蒼星石「!?」

郁夫「……」ペロペロ

蒼星石(エエエエエエエエエエエエエ!? この子僕の顔舐めて来たよぉおおおおおおおおお!!!!?)

29 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 16:26:15.59 ID:h5FPf93SO
ペロペロ

蒼星石(だ、駄目だ。このままじゃ声が出ちゃう……)

クニクニ

蒼星石「!!?」

郁夫『ニヘラニヘラ』クニクニ

蒼星石「ちょっと何お股触ってんのさああああああああああ!!!」

郁夫「!?」ビクッ

蒼星石「あ」

郁夫「!? ???」ビクビク

蒼星石「そ、蒼星石ック!」ギュオン!

郁夫「!?」バタン

蒼星石「よし、気を失ったな。ちょっと泡吹いてるけど」

郁夫『ブクブク』ガクガクガク

蒼星石「今のうちにこの子の心の樹の一部を切って僕に関する記憶を消しておこう」

蒼星石「この子の夢の中には……よし、入れるみたいだ」

蒼星石「ついでにベルトも回収」カチャカチャ

蒼星石「この事は逢さんには絶対に内緒にしておかなきゃね♪」テヘッ

30 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 16:32:13.14 ID:h5FPf93SO
雛苺「サエー、何描いてるのー?」ヨジヨジ

紗江「だ、ダメ。ヒナちゃんにはまだ早いから」

雛苺「エッー、ヒナの見たいよー」グイグイ

紗江「キャッ」

雛苺「わー、男の人達が裸でプロレスごっこしてるのー」

紗江「そ、そうなの。これはプロレスなの」

雛苺「ふーん、お尻の穴を舐め舐めしたりおちんちんをジュポジュポしてるけどこれはセ○クスじゃないの?」

紗江「セッ……」カァアアア

雛苺「ねえねえ、これはセ○クスじゃないのー?」キラキラ

紗江「あ……う……」

雛苺「セ○クスでしょー?」キラキラ

紗江「……うん。これはセ○クスだよ」

雛苺「どうして男の人同士でセ○クスしてるの?」

紗江「ヒナちゃん、これはね、BL(ボーイズラブ)って言うの///」

雛苺「ボーイズラブ?」

紗江「うん……男の人同士が肉体関係を持つの」

雛苺「お友達じゃないの?」

紗江「ちょっと違うかな……男の人と女の人が互いに持つ感情……愛なの///」

雛苺「愛? 男の人同士なのに?」

紗江「うん……これは本当はいけない事。禁断の愛なの///」

雛苺「きんだん…うわぁ、なんだかゾクゾクしてきちゃうのよ」

31 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 16:36:05.21 ID:h5FPf93SO
紗江「私ね、これを描いてコミケに行って売ってるの」

雛苺「コミケってなーに?」

紗江「コミックマーケットの略でね、簡単に言うと素人以上プロ未満の人達が自分で作った漫画やゲーム、同人誌や同人ゲームって呼ばれてる物を売る場所なの。プロの人も売りに来てるけど…」

雛苺「面白そーう」

紗江「私、同人の世界では乳運命(ミルクフォーチューン)って呼ばれてちょっと有名なんだ」

雛苺「サエすごーい」

紗江「えへへ」

雛苺「ヒナも同人誌描いて売りたいの!」

紗江「ひ、ヒナちゃんの画力じゃまだ無理だよ…」

雛苺「じゃあコミケ行きたいの!」

紗江「人形はちょっと…」

雛苺「大丈夫なのよ! ヒナの見た目なら人間の幼女で済むのよ!」

紗江「でも、基本的に駄目で…」

雛苺「そんなぁ……じゃあボーイズラブの事もっと知りたい!」

紗江「ヒナちゃんにはまだ早過ぎるよ…」

雛苺「ヒナはサエよりも年上だから大丈夫!」

紗江「じ、じゃあ最初に私の知り合いの先輩達の実話を基に作った本から読んで。それと兄弟や父と息子の近親相姦シリーズも」

雛苺「うにゅうううううううう!!!!! 興奮してきたのよおおおおおおおお!!!!!」

32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県) [sage]:2012/04/19(木) 16:38:09.78 ID:2389ARLpo
この二人・・・只者じゃないな
33 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 16:38:57.44 ID:h5FPf93SO
七咲「ただいま、ハァ」

蒼星石「お帰りなさい。逢さん。何か疲れてるみたいだけどどうかしたの?」

七咲「うん、実はさっき弟の郁夫が泡を吹きながら床に倒れてたの」

蒼星石「弟さんは大丈夫なの?」

七咲「うん。私もそれ心配したんだけど特に問題ないみたい。ただ、どうして倒れてたのか覚えてないみたいで」

蒼星石「へ、へえー」ダラダラ

七咲「念の為お母さんが明日病院に連れてくって。郁夫、大丈夫かなぁ…」

蒼星石「た、多分大丈夫だよ。きっと何の問題もないよ」

七咲「なら良いんだけど…」

蒼星石(やり過ぎた…)

七咲「ご、ごめんね蒼星石。蒼星石にも変な心配させちゃって」

蒼星石「いやいや、全然問題ないよー」

七咲「そうだ、まだ薇巻いてなかったよね? 今やるから」

蒼星石「あ、ああ、今日は大丈夫だよ」

七咲「そう? 分かった」

七咲「あ、ねえ蒼星石、契約の指輪見せて欲しいんだけど」

蒼星石「ん? うん」スッ

七咲「……」ジッ

七咲(森島先輩、ドールと契約してたんだ)

蒼星石「どうかしたの?」

七咲「ううん、何でもない。契約がしたくて見たかったとかじゃないから。ごめんね」

蒼星石「いいよ。寧ろずっと薇でも大丈夫だから」

蒼星石「逢さん、今日は疲れてると思うから僕がそのストレス消してあげるね」

七咲「え? うん、ありがとう…?」

蒼星石「それと、明日から窓の鍵を解除してくれたら助かるなー」

34 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 16:40:31.18 ID:h5FPf93SO
森島「ねえ金糸雀ちゃん」

金糸雀「何かしら?」

森島「金糸雀ちゃんの他にも姉妹はいるんだよね?」

金糸雀「ええ、皆個性的かしら」

森島「へえー、会ってみたいなー」

金糸雀「それなら今度カナが会わせてあげるかしら」

森島「本当?」

金糸雀「ええ、全員とまではいかないけど」

森島「キャー! 金糸雀ちゃんアリガトー!! 大好きー!!」スリスリスリ

金糸雀「はるちゃん摩擦! 摩擦が…」

35 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 16:42:25.46 ID:h5FPf93SO
水銀燈「詞は寝てるみたいわね。今のうちに指輪を探さないと…」ガサゴソ

水銀燈「こういうのは机の引き出しの中に隠してるものなのよねー」ガサゴソ

水銀燈「チッ、ないわね。どこにあるのよ?」ガサゴソ

水銀燈「! 指輪があったわ。これさえ取り戻せばもうこの女とはおさらばよ。この家に二回もお世話になってたまるもんですか」

バチン!

水銀燈「ギャーーーーーーーーーー!?」

36 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 16:44:07.83 ID:h5FPf93SO
水銀燈「痛ぁい! 指が痛いわぁ!? 何これぇ? ねずみ捕り?」

絢辻「まんまと引っ掛かったわね。水銀燈」

水銀燈「つ…か……さ………?」プルプル

絢辻「こんな事もあろうかと罠を仕掛けておいたのよ。でもこうも見事に引っ掛かってくれるとは思わなかった」

水銀燈「ひ、ひどぉい。そこまでする?」

絢辻「そこまでさせたのはあなたなのよ。水銀燈」

絢辻「それにしてもよくもまあ散らかしてくれたわね。片付けが大変じゃない」

絢辻「これはもっと仕付けが必要ね。こんな夜中にしてあげるんだからありがたく思いなさい」

水銀燈「」

37 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 16:46:06.39 ID:h5FPf93SO
翠星石「健やかに〜伸びやかに〜」ジョロロ-

ムクムク

翠星石「はい、終わりましたよ」

薫「オー、何だか前より寛容になった気がするわ。ありがと」

翠星石「普通、未契約の相手にこんな事はしないんですけどね」

薫「細かい事は気にしない気にしない」

翠星石「あー、薫じゃなくてもいいから誰か契約してくれないですかね」

薫「まあ何とかなるわよ」

翠星石「へーい。じゃあおやすみですー」

薫「おやすみー」

38 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 16:47:53.29 ID:h5FPf93SO
翌朝

翠星石「ふああ、よく寝たです」

モコモコモコ

翠星石「ん……ギャアアアアアアアアアアアアア!!!???」

薫「な、何?」ガバッ!

翠星石「薫の髪の毛が部屋を埋め尽くす程増えてるです!!」

薫「え? ちょ、な、何よこれえ!!!?」
薫「何でこんなに増えてるのよ!?」

翠星石「もしかして昨日、心の樹を育てたから……?」

薫「いやいや、増えすぎでしょ!」

モコモコモコ

翠星石「ワカメの様に盛り上がってるです」

薫「ホラーよ。とにかくハサミで髪の毛切らないと。くっ、前髪も凄い伸びて前が見えな……」

翠星石「どうしたんです?」

薫「何だかパンツの中がワサワサするわね……」

翠星石「え?」

薫「……嫌な予感しかしないわ」

39 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 16:49:59.76 ID:h5FPf93SO
ガバッ

薫「……」

翠星石「ど、どうです?」

翠星石「……伸びてる。下の毛がありえない位伸びてるのよ!」

翠星石「ええ!?」

翠星石「み、見せやがれです!」

薫「ほら!」

翠星石「oh…」

翠星石「剛毛ですね。ワカメか昆布です」

薫「言うな! パンツからはみ出しまくってるじゃないの。もう!」

薫「ハサミどころじゃないわ。剃刀よ! ってこの姿じゃ移動出来ないじゃない…」

薫「アンタに頼みたいけどそしたらアンタの事ばれちゃうし、そもそも風呂場じゃないと出来ないか…」

翠星石「ど、どうするんです?」

薫「とにかくハサミ探して。まずは下の毛の処理よ! 髪の毛は後回し!」

40 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 16:51:58.96 ID:h5FPf93SO
梅原「よう大将。何だかいつもより顔がつやつやしてるぜ」

橘「うん。良い夢見たからね」

梅原「オッ、どんな夢だ大将?」

橘「それは梅原でも教えられないな」

梅原「何だよ教えてくれよー。もしかして、森島先輩とか出て来たのか?」

橘「違うよ。まあ美少女には変わりなかったけどね」

梅原「くぁー! 夢の中とはいえ羨ましいぜ!」

薫「お、おはよー」

橘「おはよう薫…って、どうしたんだよその髪? 凄い伸びてるじゃないか!?」

田中「どうしたのよ薫。腰まであるわよ」

薫「う、うん。私、髪の毛伸びるの早いから」

橘「早過ぎるよ…」

薫(下の毛の処理にてこずって髪の毛切る時間がなかった…)

梅原「それにしてもすげえな。カツラじゃないのか?」

薫「自毛よ自毛」

田中「本当だわ。仰天ものよ」グイグイ

橘「へえ、まるでライオンみたいだ。モサモサしてて気持ち良いよ」

薫「ちょっと、勝手にほお擦りしないでよ」

41 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 16:53:18.27 ID:h5FPf93SO
田中「でも髪の毛が長い薫ってなんだか新鮮」

薫「そ、そうかな?」

梅原「うーん、こいつは棚町のファンが出来るかもな」

薫「お、大袈裟よ」

橘「確かに。今の薫はどこか女性らしさを感じて可愛いよ」

薫「な、何よぅ、褒めたって何も出ないわよ///……って、それじゃあまるで普段の私は女としての魅力がないって事じゃない!!」

橘「ご、ごめんごめん。そういう意味じゃないよ」

薫(でもしばらくはこのままでいようかな)

42 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 16:55:36.44 ID:h5FPf93SO
昼休み

薫「さーて、食堂食堂」

ザワザワ

薫「……何だか皆私の事見てる。特に男子」

薫「これは悪くないかも」

男子1「あの、棚町先輩」

薫「ん? 何?」

男子1「もし良ければ僕と一緒に食事でm」

男子2「下級生は下がってな。棚町、俺と一緒に飯食おうぜ」

男子3「いいや。俺とだ。というか付き合おうぜ」

男子4「邪魔をするな。棚町、僕と付き合おう」

薫「ご、ゴメーン。私、友達と食べる約束してるから」

薫「急に話し掛けてくる人が増えたわね。特に男子」

薫「悪くないなーって思ったけどさすがにこれは…」

御木本「棚町、俺と付き合わないか? はるかも良いがお前も中々だぜ」

花園「やあ、僕と親交を深めないかい?」

薫「パス」

「棚町ー、たなまちー、タナマチー」

薫「ああ、もう!! しつこい!!」

43 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 16:57:18.18 ID:h5FPf93SO
薫「と言うわけで、恵子、髪切って」

田中「ええ!? 私が?」

薫「最初は良かったんだけど、しつこいのよ男子が。だんだん疲れてきたわ」

薫「だから頼むわ」

田中「うん。わかったわ」

薫「あっ、ハサミがないわね」

田中「大丈夫。もう用意してあるわ」

薫「早いわね」

薫「バッサリ切って頂戴」

田中「ええ。行くわよ」

ジョキン! ボトン

薫「オー、結構な量ね。頭も軽くなったし」

田中「でも昨日と同じ長さにするにはまだ切り足りないわ」

チョキン、チョキン

薫「どう、恵子?」

田中「うん。元に戻ってきてるわ」

田中(どうしよう、ちょっと切りすぎちゃった)

薫「どう?」

田中「ちょっとバランス悪いかな。もう少しだけ切るね」

薫「う、うん」

チョキチョキチョキ

田中(うわ、後ろショートカットなんてレベルじゃないわ)

薫「何か後ろスースーするわね」

田中「か、薫、前髪も少しだけ切るね」

薫「え……うん」

チョキン、チョキン…

44 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 16:58:58.20 ID:h5FPf93SO
夕方

翠星石「ん、帰ったですか。薫が出て行った後の髪の毛の処分大変だったんですよ」

薫「……」

翠星石「? どうしたんです帽子なんか被って?」

薫「……笑わないでよ」スポッ

翠星石「! ゲヒャハハハハハハ!!! 何ですかそのド短髪は? しかも前髪だけおかっぱもどきの昆布。ブヒャハハハハハハハハハ!!!」

薫「笑うなって言ったでしょお! 髪切ってもらったらこんな結果になったのよ!」

翠星石「ヒヒヒ、それは災難でしたね。ウオッヘヘヘヘーーーー!!」

薫「わーらーうーなー」メリメリ

翠星石「ちょっ、薫……首をホールドするなです……ギブギブ…」

薫「とにかく、早く夢の中に入って私の心の樹に水やって!」

翠星石「過剰摂取させると逆効果ですよ?」

薫「いいから! 早く髪の毛を伸ばしたいのよ!」

翠星石「分かったですよー。でもそうするには薫が寝なきゃ駄目です…ブフゥ!!」

薫「だから笑うなって言ってるでしょこの性悪人形!!」

45 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 17:00:34.23 ID:h5FPf93SO
梨穂子「ねえねえ真紅ちゃん」モグモグ

真紅「何?」モグモグ

梨穂子「真紅ちゃんって良い香りがするよね」モグモグ

真紅「お父様がそういう風に造ってくれたからよ」モグモグ

梨穂子「何だかこの香り…ううん、匂いを嗅いでるといい気分になるなー」クンクン

真紅「ありがとう。貴女中々のセンスしてるわね」モグモグ

梨穂子「ねえ真紅ちゃん、真紅ちゃんの事食べてもいーい?」モグモグ

真紅「……は?」モグ…

46 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 17:02:24.29 ID:h5FPf93SO
真紅「梨穂子、それは何のボケかしら? さすがの私でもツッコミが追い付かなかったわよ」

梨穂子「そのまんまの意味だよー」

真紅「いやいやいや、私人形よ。食べ物じゃなくてよ?」

梨穂子「うん。でも、真紅ちゃんから美味しそうな匂いがするんだー」

梨穂子「だから真紅ちゃん、ちょっとだけもいいから食べてもいーい?」

真紅「いやいやいや! それでハイ、どーぞ。ってなるわけないじゃない! 本当の意味で『私を食べて(ハァト)』って事じゃない!! ありえないわよ!」

梨穂子「腕だけでも食べさせてー。あ、指でもいいよー」

真紅「全力で断るわ」

梨穂子「そっかぁ。ごめんね真紅ちゃん」

真紅「何だか急に体が怠くなってきたわ。私もう寝るわね」

梨穂子「おやすみー」

バタン(鞄が閉まる音)

『…………………………………………』

ガチャ

梨穂子「どうしたのー?」モグモグ

真紅「いえ、何でもないわ。(襲って来ないわ。彼女もそこまで愚かではないようね)」

47 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 17:03:47.13 ID:h5FPf93SO
深夜

真紅「う…ん……体がくすぐったい」パチ

真紅「何……!!!!!!!????」

梨穂子『モグモグモグ』

真紅「り、梨穂子!? 何してるの?」

梨穂子「ケーキ美味しいなー」モグモグ

真紅「寝ぼけてる? いえ、その前に私食べられてる!?」

梨穂子「お口に入らないよー」モグモグ

真紅「ちょっ…梨穂子、やめなさい、やめなさいってば!!」ベチンベチン

梨穂子「もー、頬っぺたのクリーム舐めないでよ純一」モグモグ

真紅「ぜ、全然起きない…」

梨穂子「食べても食べてもなくならない」モグモグ

真紅「やめて、やめ――」

モグモグモグモグモグモグモグモグ、ゴキュン!

48 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 17:06:41.59 ID:h5FPf93SO
数日後

金糸雀(木の上)「ふぅ、外の空気は美味しいかしら」

金糸雀「さて、休憩もした事だし活動再開かしら」

金糸雀「まずは真紅に会いに行こうかしら? いや、雛苺? それとも翠星石や蒼星石…あら?」

ギャー! ギャー!

金糸雀「うわ…下のごみ捨て場カラスがいっぱいかしら。今のうちに逃げなきゃ……あれ?」

水銀燈「カッー! カッー!」

金糸雀「え…」

ギャー! カッー!

水銀燈「カッー! カッー! カァアーーー!!」

金糸雀「水銀……燈?」

水銀燈「!」ビクン

金糸雀「何してるのかしら? カラスの格好して…」

水銀燈「カ、カッー! カッー!」バサバサ

金糸雀「ま、待つかしら水銀燈」

水銀燈「いやあああ!! 見ないでええええ!!」

49 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 17:08:19.29 ID:h5FPf93SO
数分後

金糸雀「で、どうしてカラスの格好してるのかしら?」

水銀燈「それは、私を巻いた女が外に行く時誰かに見られて噂になったらまずいから、カラスの格好して行けって言ったのよ…」

金糸雀「かなり酷いマスターかしら」

水銀燈「マスターじゃないわよ! 巻いてくれたけど契約してくれないし、指輪は返してくれないし、もう踏んだり蹴ったりよ!」

金糸雀「どうしてそんな事に?」

水銀燈「それはあの女が……とにかく私は今その女には逆らえないのよ」

金糸雀「あの水銀燈が逆らえないなんて……どんな人かしら?」

50 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 17:10:45.83 ID:h5FPf93SO
水銀燈「毎日毎日仕付けられて、時にはカラスや犬になる為の特訓をさせられたり、時には蝋燭やら鞭やらで…う、うわぁああああああああん!!!」

金糸雀「よしよし、辛かったね」ナデナデ

水銀燈「かなりああああああああああああああああああああ!!!!!」

金糸雀「大丈夫かしら。妹は水銀燈の味方かしら。だから泣き止むかしら」

水銀燈「クスン…あの子、激しすぎるのよ。もうちょっと優しくしてくれたら受け止められるのに。その前にジャンクになっちゃうわぁ。もう」

金糸雀(あれ? 目覚めかけてる?)

水銀燈「貴女にみっともない所見せちゃったわね」

金糸雀「また秘密が出来ちゃったかしら♪ 水銀燈はカナの胸の中でワンワン泣いてたかしら。水銀燈の新しい弱みを握ったかしら」

水銀燈「ワ、ワンワン鳴いてなんかいないわよぅ。ふざけないでぇん」モジモジ

金糸雀(あ、ソフトなのだと反応しやすいかしら。これはいつか堕ちるかしら)

水銀燈「じゃあ私はそろそろ別のごみ捨て場に行くわ。私の事、他の姉妹には言わないでよね」

金糸雀「ま、待って」

水銀燈「何?」

金糸雀「うん、実は…(いや、水銀燈をはるちゃんに会わせるのも微妙かしら。そもそも水銀燈は馴れ合わないし、はるちゃんみたいな人間は苦手だし)」

水銀燈「何か用? まあ夕方まで待ってあげてもいいけど」

金糸雀(はるちゃんも水銀燈にあしらわれたら嫌な気分になるだろうし…いや、はるちゃんはその程度の事じゃめげないんじゃないかしら? 逆に気に入る?)

水銀燈「聞いてる?」

金糸雀「え、ええ。ごめんなさい。ちょっと用件をまとめてたかしら」

51 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 17:12:24.09 ID:h5FPf93SO
金糸雀「(うーん、当たって砕けろかしら)ねえ水銀燈、今日、私のマスターと会ってみないかしら?」

水銀燈「えぇ…嫌よ面倒臭い。何で私が他のマスターに会わなきゃいけないのよ?」

金糸雀「うん。そうだけど…(やっぱり駄目かしら……そうだ、せっかくだからちょっと強め言ってみようかしら」

水銀燈「用はそれだけ? なら私は行くわよ」

金糸雀「水銀燈!」

水銀燈「な、何ぃ?」

金糸雀「さっき私の胸の中で泣いてたのは誰かしら?」

水銀燈「や、やだぁ」

金糸雀「水銀燈、今日はカナに付き合いなさいかしら!」

水銀燈「ひ、卑怯よ。でも…今日は貴女の言う通りにしてあげる」モジモジ

金糸雀(うわ…)

52 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 17:13:53.73 ID:h5FPf93SO
翠星石「いやぁ、引きこもりは良いですね。無駄な体力を消耗しなくて良いですよ」

翠星石「翠星石もやっと引きこもりの気持ちが分かったですよ。煎餅が美味いです」ボリボリ

蒼星石「やる事がないとは言え、自堕落過ぎるよ」

翠星石「そうは言っても契約してくれる人間がいないんだからしょうがないですよ。それに人に見られちゃいけないから料理も出来ない」ボリボリ

翠星石「蒼星石だって、巻いた人間以外とは基本関われない状態に陥ってるんですからやる事がないじゃないですか?」

蒼星石「確かにそうだけど…新しい契約相手を探す事も考えようよ」

翠星石「どこにいるんです? そんな相手? 探してる間に体が動かなくなったらどうするんです?」

蒼星石「だから僕と一緒に…」

翠星石「家でゴロゴロしてた方が楽です」

蒼星石(ああ、姉がどんどんダメ人形になって行く……)

53 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 17:15:27.55 ID:h5FPf93SO
ジュポン

蒼星石・翠星石「ん?」

真紅「食べ物…食べ物の匂いがするのだわぁああああああああ!!!!!」ネチョネチョ

翠星石「おわああああああああああ!!!!!!?」

蒼星石「な、何かベチョベチョしてる」

翠星石「し、真紅!? 何ですそのゾンビみたいにやって来て――」

真紅「煎餅美味しいわね」ガブッ、ボリボリ、ゴクン

翠星石「っておいいいいいいいいいいいいい!!!!? 翠星石の煎餅を空っぽにするなですうううううう!!!!」

真紅「ふぅ、エネルギー補給完了」

蒼星石「どうしたのさ真紅、そんなにベチョベチョになって?」

翠星石「何かちょっと臭いです」

真紅「実はマスター候補に食べられたの」

54 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 17:18:11.37 ID:h5FPf93SO
翠星石「食べられた? やーん! エッチー!」

真紅「違うわ。言葉のまんまよ。本当に飲み込まれたのよ」

翠星石「え? ま、まさかぁ?」

蒼星石「君のマスターは獣か何かかい?」

真紅「人間の女の子よ。まあ、ある意味獣ね。いえ、食欲の権化よ」

真紅「昨日の夜、マスター候補が寝ぼけて私を食べてたの」

翠星石「どんな寝ぼけ方ですか。ありえないですよ」

真紅「ううん、あの子は昨日私を食べ物として食べたいって言ってたからありえなくないわ」

翠星石「えー…」

真紅「それでなんとか起こそうとしたんだけど全然起きなくて私は食べられた」

蒼星石「よく脱出出来たね」

真紅「実はマスター候補の胃袋、正確には胃液がnのフィールドと繋がっていたの。それでなんとか消化されずに済んだわ」

翠星石「何で繋がってるんですか……」

真紅「私はボロボロに、いえ、ドロドロになった体でnのフィールドをさ迷った。そしてある時、食べ物の匂いがしたの。私はその匂いを頼りに進んだ」

蒼星石「そして僕らの所に来たのか」

真紅「ええ」

55 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 17:20:00.04 ID:h5FPf93SO
蒼星石「そういえば君、さっきマスター候補って言ってたけど、まだ契約してないの」

真紅「契約はしたわ。でも出来なかった」

真紅「契約の指輪がはめ込まれた瞬間、彼女の指が太過ぎて指輪が壊れたの」

翠星石「ぶっ!?」

蒼星石「普通めり込むんじゃないの?」

真紅「そうだと思うんだけど、指の肉がありえないくらいめり込みに抵抗したのよ」

翠星石「どんだけ弾力があるんですか…」

真紅「それで私は必死になって新しい指輪を造ったわ。もちろん前よりも頑丈に。サイズも合わせて」

翠星石「それで、もしや…」

真紅「ええ。壊れたわ。また太ったのよ」

蒼星石「指もそんな簡単に太るの?」

真紅「太ったみたい」

翠星石「どんだけ栄養が行き渡ってるんですか……」

56 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 17:22:13.77 ID:h5FPf93SO
真紅「一体いつになったら契約出来るのやら」

蒼星石「薇だけでよくここまで来れたね」

真紅「私も驚いてるわ。いつ動かなくなるかヒヤヒヤしたもの」

翠星石「真紅も合わせて三体目ですか。契約してないのは」

真紅「貴女達もしてないの?」

蒼星石「うん、僕達の場合は巻いた人が『高校生』で学校だと目立つから出来ないってのが理由なんだけど」

真紅「そういえばあの子も『高校生』だわ」

翠星石「そっちは良いですねー。契約は出来なくてもする意志だけはあるから」

真紅「でも食べられるくらいなら一生薇の方がマシよ」

蒼星石「まあ皆それぞれ事情があるしね」

真紅「ああ…誰かちゃんと契約出来る人間はいないの?」

翠星石「ですねー。誰かいないですかね」

蒼星石「確かに契約はしたい」

真紅・蒼星石・翠星石「ああ…契約がしたい…」

57 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 17:24:04.16 ID:h5FPf93SO
学校

橘「あぁ、人形プレイがしたいなぁ」

橘「誰かいないだろうか? 僕と人形プレイをしてくれる人は」

橘「絢辻さんは前にボコボコにされたから駄目だしな。薫がいいかな……いや、そんな事頼んだら殴られそうだ」

橘「梨穂子は……いいや」

橘「よし! まずは紗江ちゃんに頼んでみよう!」

58 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 17:25:51.64 ID:h5FPf93SO
橘「おーい、紗江ちゃん」

紗江「あ、しぇんぱい、何ですか?」

橘「紗江ちゃん、もう学校には慣れたかい?」

紗江「はい。なんとか」

橘「人前に出ても緊張はしなくなったかい?」

紗江「いえ、そこまでは……」

橘「じゃあ僕が久々に訓練してあげるよ」

紗江「ほ……本当ですか?」

橘「ああ。僕に任せてくれ」

59 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 17:28:09.21 ID:h5FPf93SO
秘密部屋

紗江「し、しぇんぱい、ここで一体何をするんですか?」

橘「うん。今回は紗江ちゃんが羞恥心に耐えられるように人形になってもらおうと思う」

紗江「に、人形?」

橘「そう。今から紗江ちゃんは人形になって僕に何されても無表情でいられる様に頑張るんだ」

紗江「え、ええ!? ど、どうしてそんな事するんですか?」

橘「いいかい紗江ちゃん、何されても動じない。人形の様に感情を表に出さないって事は、恥ずかしさにも耐えられるって事だ」

橘「それはつまり、人前に出ても恥ずかしくなくなるって事なんだよ」

紗江「!! さ、さすがしぇんぱい。尊敬します!!」

橘「分かってくれたみたいだね」

紗江「はい!」

60 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 17:31:25.23 ID:h5FPf93SO
橘「それじゃあ紗江ちゃん、制服から行くよ」

紗江「は、はい」ドキドキ

スル、スルスルスル

紗江「ひ、ひああああ!!」

橘「紗枝ちゃん頑張れ! 人形の様に感情を表に出さないで我慢するんだ!」

紗江「は、はい!」

紗江(しぇんぱいの為に、頑張らなくちゃ!)

橘「お、おお…」

紗江「し、しぇんぱい……そんなにジロジロ見ないで下さい……」

橘「ご、ごめん」

橘(さっきまで制服で隠されていたふかふかボディが、今はブラだけになってる)ゴクリ
61 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 17:35:35.96 ID:h5FPf93SO
紗江「う、ううう///」

橘(ち、ちょっとやり過ぎたかな? やめた方が……)

橘(い、いや、ここで引いたら男が廃るぞ橘純一)

橘(男になれ! 橘純一!)

橘「さ、紗江ちゃん」

紗江「は……はい」

橘「つ、次はむ、むむ胸を触るよ?」

紗江「む……ね……?」

橘「うん……ちょっとハードかもしれないけど、これに耐えられれば紗江ちゃんはきっと急成長すると思うよ」

橘「でも、もし紗江ちゃんが嫌なら僕は胸を触るのをやめる。その代わりスカートを下ろすから」

62 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 17:40:18.74 ID:h5FPf93SO
紗江「わ、私頑張ります! しぇんぱいの為に耐えてみせます!」

紗江「だから……胸………触って…………下さい………………////」

橘「う、うん」

プルプルプル

紗江「あ……」

橘(後、数センチで僕の指が紗江ちゃんの胸に触れるぞ)

橘(後ちょっとでむn)

梨穂子「あれー? 純一何してるのー?」

橘「うわああああああああああ!!!?」

63 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 17:42:08.45 ID:h5FPf93SO
橘「な、何で梨穂子がこんな所にいるのさ?」

梨穂子「うん、秋刀魚の匂いがしたからそれを辿ったら…キャア! 純一何してるの!?」

紗江「あ、あの……」

梨穂子「二人共…Hな事してたの……?」

橘「ち、違うんだ梨穂子。これは……そう、紗江ちゃんの服の中に蜘蛛が入ったからそれを取ってあげただけだよ」

梨穂子「なーんだ。びっくりしたー」

橘「梨穂子、誤解させたお詫びに何か食べ物を買ってあげるよ」スタスタ

梨穂子「わーい。ありがとー」

紗江「し、しぇんぱい、私は…」

橘「紗江ちゃん、放置プレイも立派な訓練だよ」

紗江「放置プレイ……はい!!」キュン

64 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 17:44:59.33 ID:h5FPf93SO
橘「いやぁ、紗江ちゃんのは失敗したな」

橘「紗江ちゃんとはもう出来ないな。となると次は……」

橘「よし! 次は森島先輩に頼んでみよう!」

橘「森島先輩!」

森島「なぁに橘君?」

橘「先輩に折り入って頼みがあります!」

森島「ん? どんな頼みかしら?」

橘「とりあえずポンプ小屋に来て下さい」

ポンプ小屋

森島「ねえ橘君、ここで何をするの?」

橘「森島先輩、以前、ここで森島先輩の膝の裏にキスした事覚えてますか?」

森島「うん。もしかして…また、したいの?」

橘「いえ、今度は違います。今度は麻薬探知犬の気持ちになってみたいんです!」

森島「麻薬探知犬?」

橘「はい。そこで森島先輩は人形、マネキンになりきって欲しいんです!」

森島「私がマネキンに? それと麻薬探知犬が何の関係があるの?」

橘「はい。麻薬は時に下着コーナーとかのマネキンに隠されてる事があります」

橘「そこでです。森島先輩がマネキンになって僕がマネキンに隠されてる麻薬を探す犬になります!」

森島「え、ええええ!?」

65 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 17:46:21.26 ID:h5FPf93SO
橘「お願いします!」

森島「そ、それはちょっと恥ずかしいなあ」

橘「お願いします! 森島先輩しか頼める人がいないんです!」

森島「面白そうだけど、さすがに…」

橘「僕、将来は刑事になるのが夢なんです。もしこれが出来なかったら僕はもう刑事の夢を諦めるしかありません。お願いします森島先輩! 僕に森島先輩を嗅がせて下さい!」ウルウル

森島「そんな子犬みたいな目で見つめられたら……分かったわ。やってあげる」

橘「本当ですか?」

森島「ええ、少しだけなら。もう、相手が君じゃなかったら断ってたんだから///」

橘「ありがとうございます! (やったぞ! これで森島先輩のスカートの中を嗅ぐ事が出来るぞ!)」

66 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 17:49:37.01 ID:h5FPf93SO
森島「それじゃあ、私はどんなポーズをすればいいかな?」

橘「あ、普通に立ってて良いですよ」

森島「分かったわ」

橘「じゃあ行きますよ」

橘『クンクン、クンクン』

森島「へえ、やっぱり探知犬だけあって最初は地面を嗅ぐのね」

橘『クンクン、クンクン』

森島「そ、そんなに足の方嗅がないでよ///」

橘『クンクン、クンクン』

森島「え!? 脇の方も嗅ぐの? 犬ってそんな所も嗅ぐの?」

橘「犬によっては嗅ぎます」クンクン
67 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 17:50:58.93 ID:h5FPf93SO
橘『クンクン、クンクン』

森島(橘君の顔が近い)ドキドキ

森島(あ…胸の方も嗅いでる)

橘『クンクン、クンクン…クンクンクンクンクンクンクンクン!!!』

森島「え? そこって……」

橘「はい。ここから麻薬の匂いがします」

森島「スカートの中はちょっと……」

橘「森島先輩……」ウルウル

森島「もーう! 特別だからね!」

橘(よーし! 森島先輩の犬小屋にレッツダイブだ!)

68 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 17:53:34.66 ID:h5FPf93SO
ゴソゴソ

森島「あ…」ピクン

橘(おお……ここが森島先輩のスカートの中。まさに未確認領域!)

橘『クンクンクンクンクンクンクンクンクンクンクンクンクンクンクンクンクンクン!!!!!!!』

森島「そ、そんなに嗅がないで…。恥ずかしいよう……」

橘(良い臭いだ。パンツは……へえ、大人っぽいな)

森島「橘君、もういーい?」

橘(最後のシメとして)

橘「森島先輩、麻薬探知犬は時に麻薬が確実にあるかどうかを調べる為に下着に鼻を突っ込み、舐める事もあります。最後にそれもやらせて下さい」

森島「ええええええええええええ!!!!!!!??」

69 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 17:55:36.41 ID:h5FPf93SO
橘「お願いします!」

森島「駄目よ! それは駄目! いくら橘君の頼みでも駄目なんだから!!」

橘「……お願いします!これをやらなかったら人生後悔しそうなんです!」

橘「僕は……未練を残したまましにたくないんだ」ポロポロ

森島「……良いよ」

橘「え?」

森島「橘君の将来台なしにしたくないから……ちょっとだけなら突っ込んで舐めても良いよ」カアア

橘「ありがとうございます!」

森島「あまり……激しくしないでね」

橘「はい。優しくしますよ」

橘(よーし! ふわふわクッションにレッツダイブだ!!)

シュルルル!

橘「え?」

ギチギチギチッ!!

森島「きゃっ!?」

橘「な、何だこのトゲトゲしたものは?」

ギュオン! バキィ!(トゲトゲしたものに引っ張られ、裏小屋が壊れる)

森島「橘君!」

橘「う、うわあああああああああ!!!!」キラン

森島「行っちゃった……」

森島「ま、いっか♪」

70 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 17:58:05.64 ID:h5FPf93SO
橘「痛たた……さっきのは一体何だったんだ?」

橘「森島先輩ももうどっかに行っちゃっただろうから続きは無理だな」

橘「もう少しだったのになあ」ガックリ

橘「仕方がない。新しい相手を探そう」

橘「ここはやっぱり菩薩の心を持った七咲が一番だね!」

橘「おーい、七咲ー!」

七咲「何ですか先輩?」

橘「実は七咲に頼みたい事があるんだけど、良いかな?」

七咲「良いですよ。何です?」

橘「実は七咲に人形になってもらいたいんだけど」

七咲「人形?」ピクッ

橘「そ、人形」

七咲「あの、言ってる意味がよく分からないんですけど」

七咲(どうして人形に? もしかして先輩はローゼンメイデンの事を知ってるのかな?)

71 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 17:59:43.21 ID:h5FPf93SO
橘「いや実はさ、七咲の体って人形の様にシャープだからさ、一度触ってみたいなーって」

七咲「シャープって…先輩、それって嫌みですか?」

橘「い、嫌みじゃないよ! 七咲って綺麗なポディラインしてるだろ。その……七咲は白鳥なんだよ。白鳥って見ることは出来ても触る事は中々出来ないだろ? それで…」

七咲「ふふ、冗談ですよ。でも、綺麗って言ってくれたのは嬉しいです」

七咲「でも触りたいならいくらでも触らせてあげますよ?」

橘「それなんだけどさ、ただ触るのはつまらないから、七咲には人形の様に喋らないで、無表情のまま触られて欲しいんだ」

七咲「ハァ、先輩はとんでもない性癖の持ち主ですね。気持ち悪すぎます」

橘「そ、そんな…」

七咲「でも、断ったら先輩が可哀相ですし、良いですよ」

橘「ありがとう七咲。でもその前にやって欲しい事があるんだ」

72 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 18:01:59.54 ID:h5FPf93SO
バチャバチャバチャ、ザパァ!

七咲「はい。泳ぎましたよ」

橘「うん、お疲れ様。じゃあ更衣室に行こう」

更衣室

七咲「ふう、タオルを…」

橘「待ってくれ。体は拭かないでくれ」

七咲「はぁ…」

橘「七咲、さっそくだけど人形になりきってくれ」

七咲「え? 水着の格好で?」

橘「うん。僕は人形になりきった七咲を、しかもプールで水着も体も濡れた七咲をなめ回したいんだ」

橘「特にプールの水で濡れた七咲の脇をなめ回してみたいんだよ!!」

73 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 18:04:58.76 ID:h5FPf93SO
七咲「……さすがの私でも引きますよ?」

橘「や、やっぱり?」

七咲「まさか先輩がそこまで変態だったとは思いませんでした。失望しました」

橘「そ、そんな!」

七咲「もう先輩とは話したくはありません。今後、金輪際、私には話しかけないで下さい!」スタスタ

橘「ま、待ってくれ七咲…七咲ィ!!」

ピタッ

七咲「と、言うのは嘘です」

橘「な、何だよ、驚かさないでくれよ七咲」

七咲「だって、先輩がとんでもない事言ったから驚いちゃったんですよ」

七咲「触るだけならまだしも、なめ回すなんて、普通ビンタが来てもおかしくない様な発言ですよ?」

七咲「先輩があまりにも調子に乗るから、私もちょっと先輩を驚かしたかったんです」

橘「ごめんよ七咲」

七咲「でも……良いですよ先輩なら。私の脇、舐めても良いですよ」

橘「ほ、本当かい七咲?」

七咲「はい。でも、あまりなめ回さないで下さいね。でなきゃ本当に嫌いになりますから」

橘「ありがとう七咲。激しくしないように気をつけるよ!」

74 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 18:06:47.40 ID:h5FPf93SO
七咲「それじゃあ体が乾かないうちに、はい先輩、濡れた脇ですよ?」グイッ

橘「待ってくれ。七咲は今は人形なんだ。だから、わざわざ腕を上げなくていいよ。僕が全部やるから」

七咲「もーう、本当に先輩は変態さんなんだから」

橘「それじゃあ」グイ

七咲(あ、先輩に腕を持ち上げられた)

橘「これが七咲の濡れた(左)脇か」ゴクリ

七咲(そ、そんなにジロジロ見ないで///)

橘「よ、よーし」チロッ

七咲(せ、先輩の舌が私の脇に近づいてくる)ドキドキ

七咲(あ、舐められちゃう)

橘(一体、どんな味がする――)

塚原「響ック!!」ドゴォ!!

橘「オゴォ!?」ゴキッ!

75 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 18:07:54.36 ID:h5FPf93SO
七咲「つ、塚原先輩? どうしてここに?」

塚原「ええ。実はさっき下級生から報告があったの。橘君が七咲を更衣室に連れ込んで七咲に変な事強要させてるって」

七咲「だ、だいたい合ってますけど……」

塚原「行くわよ七咲。早くここから出ましょう」

七咲「え、橘先輩はどうするんです?」

塚原「そうね……」

塚原「こんな変態はゴミ捨て場に寝かせときましょう」

七咲「え、えー…」

76 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 18:09:00.48 ID:h5FPf93SO
橘「う、うーん……」パチリ

橘「ここは、保健室か?」

橘「どうしてこんな所に僕はいるんだ?」

橘「そういえば七咲は……痛ッ!?」

橘「そうだ。あの時後頭部に強い衝撃が走って痛たたた……何だったんだ?」

橘「でも、ここにいるって事は七咲の脇を舐める事は出来なかったのか」

橘「結局、誰とも人形プレイは出来なかったか」ガックリ

橘「でも何故だろう。出来なかった筈なのに、まるで出来たかの様な達成感が今の僕にはあるぞ」

橘「これは一体……まあ、いいか。今何時だろ?」

77 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 18:11:42.74 ID:h5FPf93SO
夕方

薫「また増えてる…」

翠星石「オッー、帰ったですか」

蒼星石「お邪魔してます」

真紅「はじめまして。貴女が薫の仮マスターね」

薫「えっと、アンタ誰?」

真紅「第5ドールの真紅よ」

薫「5…へえ、双子ドールの妹さんね。う、うん。私は薫って言うの。っていうかなんかクサッ!?」

真紅「ごめんなさい。少しばかり事情があって今は胃液臭いの」

薫「そ、そうなんだ」

真紅「薫と言ったわね。帰って来て突然だけど、紅茶を用意してくれないかしら?」

薫「(いきなり呼び捨て!?)え、えっーと家にあったかな? ウーロン茶ならあるんだけどね、アハハ」

真紅「あったら持って来てくれないかしら?」

薫「え、あ、うん…(何か絡みづらいなぁこの子)」

78 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 18:13:38.49 ID:h5FPf93SO
薫「翠星石、ちょっと一緒に来てくれない?」

翠星石「親に翠星石の事見せてないですよね?」

薫「いいから来て」グイッ

翠星石「うわっ!? 急に持ち上げるなです」

ガチャ、スタスタ

翠星石「何です薫? 監禁状態の翠星石を部屋から出してどうするんですか?」

薫「シッー! 静かに。アンタの妹の事何だけどさ…」

翠星石「蒼星石の事ですか?」

薫「違うわよ。赤い子の方よ」

翠星石「真紅が何です?」

薫「あの子、何か妙に絡みづらいんだけど、いつもあんな感じ? 胃液臭いし」

翠星石「機嫌が悪くなる様な事があったんですよ。だからちょっとピリピリしてるんです」

79 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 18:14:59.08 ID:h5FPf93SO
薫「ふーん。何だろ、アンタの青い妹が礼儀正しいなら、あの赤い子は礼儀に厳しい感じなのかな? 妙に気品があるというか上品というかそんな感じなのよね。胃液臭いけど」

翠星石「そうなんですよ。真紅は姉妹の中でも特にマナーに厳しくて、ドSで女王様気質なんです」

薫「あー、何かそんな感じはするわね」

翠星石「まあでも、真紅は姉妹の中で一番思いやりのあるドールでもあるんですけどね」

真紅「さっきから何コソコソ話してるの? 薫、紅茶はまだ?」

翠星星「ゲッ!? 聞こえてた」

薫「地獄耳ね」

80 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 18:16:53.13 ID:h5FPf93SO
薫「ごめんねー。紅茶なかったわ」

真紅「そう。なら仕方がないわね。じゃあ菓子類を持って来てくれないかしら?」

薫「あ、うん…待ってて」

一分後

ボリボリ

蒼星石「今日は随分遠慮がないね。胃液臭いからかい?」

真紅「エネルギー補給が必要なの」ボリボリ

翠星石「翠星石達は食べ物がエネルギー源じゃないですよ?」

真紅「今の私は食べ物だけで力が得られるわ」ボリボリ

薫「……ねえ真紅…ちゃん? どうして家に来たの?」

真紅「……私の仮マスターに食べられて、さ迷ってたらここに着いたわ」

薫「え?」

81 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 18:19:02.44 ID:h5FPf93SO
蒼星石「真紅の仮のマスターが寝ぼけて真紅を飲み込んだんです。でも、胃の中の胃液がnのフィールドと繋がってて、そこを通って僕達の所に来たんです」

蒼星石「胃液臭いのはそのせいです」

薫「nのフィールド…ああ、翠星石がこの前言ってたヤツね。ってかマスターに飲み込まれたって…それ人間?」

真紅「貴女と同じ女の子で、歳も同じくらいだわ」ボリボリ

薫「どんな奴よそれ……」

真紅「あら? そういえば貴女、服が同じね」ボリボリ

薫「服?」

真紅「”制服”って言うのでしょ? それ、私の仮マスターも同じのを持ってるわ」ボリボリ

薫「嘘? 同じ学校の子!?」

真紅「まあマスター同士が同じ学校に通ってたり知り合いだったりするのはそんな珍しい事じゃないわ。似たような前例はいくつもあるわ」バリボリ

真紅「でも、どちらの人間も契約していないのは初めてね」バリボリ

82 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 18:22:27.13 ID:h5FPf93SO
薫「ねえ、その子ってどんな子なの?」

真紅「食いしん坊さんね。とにかく食べる事が好きなのよ。間食だってよくしてるわ」ボリボリ

薫(何かそんな人を知っている様な気がする……いやいやまさかね。さすがに寝ぼけて人形食べる子じゃないし)

真紅「ゴクン…ごちそうさま」

薫「(新しい煎餅がもう空に…なんか話題作らなきゃ)そ、それにしても真紅ちゃんのマスターはよく契約してくれたわね。私、バイトで指輪が目立つから無理だわ」

真紅「契約してないわよ。さっき仮マスターだと言ったじゃない。それとどちらの人間も契約していない事も言ったわ」

薫「あ、うん。そうだったわね…」

真紅「ただ、私の場合、あっちは契約する気はあったんだけど、指が太過ぎて指輪が壊れて契約出来なかったの」

薫「ぶっ!?」

真紅「困ったものだわ。あの子、早く契約出来る様になって欲しいものだわ」

薫「ま、まあ、その子はともかく、普通指輪が外せないって言われたら大体の人は契約しないのが普通なんだけどね」

真紅「やっぱり困るものなの?」

薫「そりゃそうよ。相手が主婦だったり、指輪をファッションとして身につけてる人や不良ならまだしも、普通の学生ならまず戸惑うわよ」

83 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 18:26:55.40 ID:h5FPf93SO
薫「包帯とかで隠す手もあるけど、やっぱり色々と困るのよ。変な噂されたり、人間関係や仕事関係が面倒になったりね。アンタ達のマスター、今までそういうトラブルとか無かったの?」

真紅「今まで私を巻いたマスターは、特にそんな大きな問題が起こるような事はなかったわ」

翠星石「翠星石も無かったですね」

蒼星石「……実は僕と翠星石が一緒に巻かれた時にはあったんだ」

翠星石「ちょっ、蒼星石!」

真紅「そうなの?」

薫「あったんだ…どんなの?」

蒼星石「はい。けっこう昔、と言ってもこの世界とほとんど文明レベルは変わらない世界で巻かれた時の話です」

薫「ちょっと待って。けっこう昔なのに文明レベルはほとんど変わらない世界ってどういう事?」

真紅「私達は次の世界に行くとき、その次の世界が前と同じ世界で別の時代に行く場合と、全く別の世界で前の世界と似た時代もしくは全く違う時代に行く場合があるの」

翠星石「パラレルワールドみたいなものですよ」

薫「う、うん。大体分かった」

84 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 18:29:54.66 ID:h5FPf93SO
蒼星石「僕と翠星石は双子なのと庭師の関係上、基本ペアで巻かれます。それで、ペアで巻かれた時に契約したマスターとトラブルが起きました」

蒼星石「その人は女の人で、最初は指輪が抜けなくなる事に困ってたんですけど、最終的にはマスターになる事を了承してくれました」

蒼星石「その人は包帯で指輪を隠して生活するようにしました。けどある時、その人はうっかり寝坊して包帯を巻くのを忘れてしまったんです」

翠星石「明日仕事があるにも関わらず、遅くまでお酒を飲んでたんですよ。酒好きなマスターだったんです」

蒼星石「二日酔いも相俟って、完全に包帯の事が頭にありませんでした。ただ、それだけならその日はたまたま巻くのを忘れた。で、済んだんですけど……」

薫「済んだんですけど、何?」

蒼星石「その日、マスターは学生時代に知り合いだった男性に告白されたんです」

薫「……まさか」

蒼星石「はい。マスターは相手の男性の告白に喜んで応えようとしました。けど、相手に指輪を見られて、その人は『結婚してるの?』と、聞かれました」

蒼星石「マスターはこれはファッションだと言いました。相手は『なら外して欲しい。紛らわしいから』と言いました」

薫「でも契約のせいで外せなかった?」

蒼星石「はい……それがきっかけで相手は諦めてしまい、相手の男性とは結ばれなかった」

翠星石「その日の夜は大変でしたよ。翠星石達の事を責めまくって、やけ酒はする大泣きはする。もう散々でしたよ」

85 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 18:32:39.28 ID:h5FPf93SO
蒼星石「心の樹の手入れも大変でした。全ての雑草を刈り取るに現実時間で一時間は掛かりました」

翠星石「水を与えても普通の人間の十分の一しか成長しなかったです」

蒼星石「その後、僕達は逃げるようにその世界から消えました」

蒼星石「消えた後、僕達はまた同じようなトラブルが起きない様に、もし次巻いた人が契約する事に戸惑ったら、無理強いさせるのは止そうって、二人で決めました」

翠星石「あの時は契約してくれって頼みまくりましたからね。それ以降翠星石達は文句を言うのは出来るだけ控えてるんです」

薫「え? アンタ私が契約しないからケチケチって結構言ってるよね?」

翠星石「はて、何の事やら?」ピッピッピッピピ〜♪(口笛)

薫「こいつ…」

薫「でもやっぱりそうなるわよね普通。寧ろ今までそんな問題が無かった方が不思議よ」

真紅「じゃあどうして翠星石を追い出さないの?」

薫「うん、確かに指輪が抜けなくなるのは困るわ。でも、だからと言って、こんな小さな女の子を…人形だから小さくて当然だけど。女の子を外に追い出すのはちょっと気が引けるのよね。別に呪い[ピーーー]訳じゃないし」

薫「巻くか巻かないかで『巻く』を選んだ私にも責任があるし。だから、契約は出来ないけどせめて寝床くらいは用意したいなー、て訳」

86 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 18:34:47.32 ID:h5FPf93SO
翠星石「ま、まあ、確かに契約が出来ないのは不便ですけど、ここでの生活も中々良いものです」

蒼星石「僕を巻いた人も、学校の事情で契約出来てないんだけど、居候はさせてもらってます」

蒼星石「ちなみに女の子で、薫さんと同じ高校生です。歳は薫さんより下だと思います」

薫「じゃあ一年か。意外と学生多いわね」

蒼星石「あれ? そういえばスカートが薫さんの物と同じだ」

薫「えぇ!? その子も同じ学校の子? 結構身近にいるんだ…」

翠星石「案外、巻いた人間全員が同じ学校の生徒かもしれないですよ?」

薫「まさかぁ、ないない」

真紅「お腹が空いたわ。お菓子おかわり」

87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/19(木) 18:36:46.55 ID:h5FPf93SO
深夜

森島「ふふふ、水銀燈ちゃんはかわいいなー」スリスリ

水銀燈「ちょっと、いい加減にしなさいよ」ハァハァ

森島「連れない事言わないでー。でもそこがまたカワイイ」ナデナデスリスリ

水銀燈「金糸雀、この女なんとかしなさいよ。私こういうタイプの人間嫌いなのよ」ハァハァ

金糸雀「だったら全力で振り払えばいいのに」

水銀燈「そ、それとこれとは別よ」ハァハァ

金糸雀(うわぁ、はるちゃんの摩擦で興奮してるかしら。これはもう間違いなくMに目覚めてるかしら)

森島「ふふ、ごめんね水銀燈ちゃん。あまりにも可愛かったからついつい長く抱きしめちゃった」

水銀燈「ほ、程々にしなさいよ。もう」

金糸雀(いくら水銀燈がMに目覚めてるとはいえ、こんなにも水銀燈を気に入るなんて、カナのマスターになる人はみんな精神がタフな人ばかりかしら)

森島「金糸雀ちゃん! 水銀燈ちゃんにかまってばかりで寂しかったでしょ? ごめんねー」スリスリ

金糸雀「ぜ、全然平気かしら」

88 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 18:38:24.48 ID:h5FPf93SO
水銀燈「そういえば今何時?」

金糸雀「何時かしら?」

森島「8時よ」

水銀燈「げっ!?」

金糸雀「どうかしたの?」

水銀燈「私もう帰るわ」

金糸雀「水銀燈の家主の所?」

水銀燈「そうよ。とにかく早く帰らなきゃ」

森島「さようなら。また来てね水銀燈ちゃん」

水銀燈「いーやーよ」バサッ

89 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 18:39:52.95 ID:h5FPf93SO
水銀燈「ああ、完全にしくじったわ。それもこれも金糸雀マスターのせいで」ブツブツ

水銀燈「詞、怒ってるわよね」ゾクッ

コンコン

水銀燈「つ、つかさー、開けてくれない?」

絢辻「随分遅かったわね」ガララ

水銀燈「ごめんなさい。今日はちょっとアリスゲームをしてたの」

絢辻「もう、心配したんだからね」

水銀燈(あら、ちょっと優しい)

絢辻「ほら、早く入りなさい」

水銀燈「え、ええ、ありがとう」

絢辻「! 待って」

水銀燈「な、何?」

絢辻「あなたカラスの衣装どうしたの?」

水銀燈「げっ!!」

90 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 18:41:21.50 ID:h5FPf93SO
水銀燈(あの家に置き忘れたわ…)ガタガタ

絢辻「ねえ、カラスの衣装はどうしたのよ?」

水銀燈「そ、それは……そう、アリスゲームの時にボロボロになったから捨てたの!」

絢辻「は? 何で捨てたの? 家に持って帰れば直せたじゃない?」

水銀燈「え、あ、その……」ガタガタ

絢辻「水銀燈、来なさい」グイッ

水銀燈「ひっ!」グン

絢辻「オシオキが必要ね」ニコッ

スパァンスパァンスパァン!!

水銀燈「あぁん! あぁん!! あぁん!!!」

絢辻「声出さない。聞こえるじゃない」

水銀燈「だ、だってそんなにお尻叩かれたら――」

スパァン!

水銀燈「ひぎぃ!! いたぁい!!」

絢辻「声出さない! まだまだ終わらないわよ」スパァン!

水銀燈「あぁん!!」

絢辻「水銀燈、いつものアレ言いなさい!」スパァン!

水銀燈「あ、綾辻詞は、絢辻詞は裏表のない素敵な人ですぅう!!!!」ゾクゾクゥ!

91 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 18:43:10.74 ID:h5FPf93SO
紗江「……出来た」

雛苺「これが、サエの新作……」

紗江「キビトノヨル〜性人形編〜。これはきっと売れる」

雛苺「マサ『本当の人形みたいにかわいいぜ。さあ、お着替えの時間だ。ジュン』
ジュン『はうう、脱がされてく。あっ、マサ、駄目だよ。そんなに僕のおいなりさんを撫で回さないでくれよ』
マサ『人形は喋っちゃ駄目なんだぜ?』ブチュー!
ジュン『んぶぶ…(あ、口の中でマサのウナギが僕のウナギに絡み付いてくる。)』
マサ『俺のカッパがジュンののり巻きに包まれるぜ!!』ズプズプパァンパァン!
ジュン『醤油を付けてお食べ下さい!!』」

雛苺「JUM! MASA! JUM! MASA! JUM! MASA! JUM! MASA! JUM! MASA! ドビュルルルル〜ン(ハァト)! ドクン、ドクン…」

雛苺「ヒナ、興奮し過ぎて頭がおかしくなりそうだわ」

紗江「今日、憧れの先輩に訓練をされた時に思い付いたの」

雛苺「その人、この事を知ったらきっと喜ぶのよ」

紗江「それは分からないけど」

雛苺「ヒナも紗枝に負けないくらいの腐女子になるのよおおおおおおおおおお!!!!!!!」

雛苺「ヒナは腐女子を極めるのよおおおおおおおおおお!!!!!!!」

92 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 18:44:19.26 ID:h5FPf93SO
真紅「このおバカ!! よくも私を食べてくれたわね!!」バシィンバシィン!

梨穂子「ごめんね真紅ちゃーん」ヒリヒリ

真紅「寝ぼけて人形を食べるなんてとんでもない人間だわ!」バシィン!

梨穂子「飲み込むつもりはなかったんだよー」ヒリヒリ

真紅「嘘おっしゃい! 貴女私の事食べたいって言ってたじゃない!」

梨穂子「食べたいって言っても犬が骨をしゃぶる様に味わいたかっただけなのー」

真紅「大して変わらないじゃない!」

93 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 18:53:06.09 ID:h5FPf93SO
七咲「ねえ蒼星石」

蒼星石「何だい?」

七咲「もし蒼星石が誰かと契約する時、もし相手が他の人形と契約してても、その人とは契約出来るの?」

蒼星石「出来るよ。普通、僕は双子の姉とペアで巻いた人の前に現れて契約するから。今回は違うけど」

七咲「へえ、そうなんだ。お姉さんって蒼星石にそっくりなの?」

蒼星石「顔はね。性格は全然違うけど」

蒼星石「どうして急にそんな事を?」

七咲「うん、ちょっとね。そうだ。蒼星石に渡したい物があるの」

蒼星石「何だい?」

七咲「イナゴマスクのお面だよ」

蒼星石「わあ、ありがとう逢さん。これで僕はますますイナゴマスクに近づけるよ」

七咲「今度フィギュアも発売されるからそれも買ってあげるね」

蒼星石「本当? ありがとう逢さん」

94 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/19(木) 18:55:10.02 ID:h5FPf93SO
今日はここまでにします。次は早くて明日。遅くても明後日だと思います。
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/19(木) 20:06:55.91 ID:2YOwU4vSO
なんという組合せだ
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/19(木) 20:52:14.46 ID:KXVvCdWDO
どことなくピアイ才的なセンスを感じるな
97 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/20(金) 05:13:52.79 ID:Z4WbL/KSO
ある日の日曜日

森島「響ちゃーん、遊びに来たわよ(^。^)ー」

塚原「いらっしゃい。ねえはるか、見せたい物ってそのバッグの中に入ってるの?」

森島「ふふふ、それは響ちゃんの部屋に入ってからのお楽しみ」

響の部屋

塚原「ねえ、一体何が入っているの?」

森島「ふふ、響ちゃん、驚くわよ〜」ジィイイ(チャックを開ける)

森島「ジャ(^。^)ーン! 見て、カワイイでしょー?」

金糸雀「こ、こんにちはかしら」

塚原「こ、子供!?」

森島「すごいプリティーでしょ? この子は」

塚原「あなた何やってるのよ!!」

98 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 05:18:48.18 ID:Z4WbL/KSO
森島「ひ、響ちゃん?」

塚原「はるか、自分が何してるか分かってるの? こんな小さな子供をバックの中に入れるだなんて非常識よ! ううん、犯罪だわ」

森島「ち、違うの響ちゃん。この子人間じゃないの」

塚原「人間じゃない?」ジッ

金糸雀「あわわわ…恐いかしら」ガタガタ

塚原「……確かに顔つきは年齢の割にはちょっと大人びてる所はあるけど、そんな言い訳が通用すると思う? しかも人間扱いしないなんて見損なったわ!」

森島「違うの。この子は人形、生きた人形なの!」

塚原「生きた人形ですって……?」ジッ

塚原「……言われて見れば確かに違和感を感じなくもないけど……それだけじゃ納得出来ないわ」

99 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 05:20:02.95 ID:Z4WbL/KSO
森島「うー、金糸雀ちゃんゴメン!」ヌギヌギ

金糸雀「きゃっ!?」スポポポン

塚原「……え?」

金糸雀「はるちゃん! スッポンポンにしなくても腕や足の球体関節だけ見せれば十分かしら!」

森島「あ、そうだった」

塚原「身体が……人間じゃない……?」

森島「ね? 人形でしょ?」

塚原「嘘……本当に……」バタン

金糸雀「え?」

塚原『ブクブク』ガタガタ

森島「キャー! 響ちゃんが白目向いて泡吹いてるーー!?」

金糸雀「ほら、言わんこっちゃない……」

100 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 05:21:42.35 ID:Z4WbL/KSO
数十分後

塚原「う…ん……」

森島「あ、目を開けたわ」

金糸雀「良かったかしら。もーう、だから他の人には見せちゃ駄目って言ったかしら」

森島「だってー、響ちゃんに見せたかったんだもーん」

塚原「はるか、私…」ムクッ

森島「響ちゃん、大丈夫?」

塚原「え、ええ」

金糸雀「さっきは驚かせてごめんなさいかしら」

塚原『バタン』

森島「ああ! 響ちゃん」

101 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 05:23:36.81 ID:Z4WbL/KSO
数分後

塚原「驚いたわ……本当に人形だなんて」

森島「ローゼンメイデンって言うのよ」

塚原「さっきは怒鳴ってごめんね。でも、はるかがまぎらわしい事するから…」

森島「だって金糸雀ちゃん恥ずかしがり屋さんなんだもん。響ちゃんを家に呼ぶ方法もあったんだけど、響ちゃんが家に来る間に金糸雀ちゃん、恥ずかしがって逃げちゃうかもしれなかったから」

森島「だから、金糸雀ちゃんに頼んでバッグに入ってもらってこっちから見せれば良いって思ったの」

金糸雀「半ば強制的だったかしら……」

森島「何よりそっちの方がサプライズにもなるし♪」

102 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 05:25:50.45 ID:Z4WbL/KSO
塚原「ハァ、カナリアちゃんだっけ? あなたには迷惑をかけたわ」

金糸雀「その様子だと、貴女も苦労が絶えないみたいかしら」

塚原「まぁそこまで苦労はしてないけど、時々振り回されるのよね」

金糸雀「なんとなく分かるかしら」

金糸雀・塚原「お互い大変かしら(ね)」

森島「二人共ひどーい」

金糸雀「でも、なんだかんだでカナははるちゃんの事好きかしら」

塚原「ふふ、私もなんだかんだではるかは親友だし好きよ」

森島「もーう、照れちゃうじゃなーい」

103 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 05:29:07.73 ID:Z4WbL/KSO
塚原「それにしても、本当に人間そっくり。ううん、顔に関しては余程の人じゃないと人形だと思わないわ」

森島「でしょ? ローゼンメイデンは伊達じゃないわ」

塚原「ねえ、あなたは食事をする事は出来るの?」

金糸雀「ええ。食事は問題ないかしら」

塚原「そうなんだ。何が好きなの?」

金糸雀「卵焼きかしら」

塚原「そっか。卵焼きなんだ」

森島「それ私も初めて知ったー」

金糸雀「だって卵焼きが好きなんて言ったら、卵焼きを食べさせてくれるついでに家族にも見せられそうだったから」

森島「むー、私はそこまで気まぐれじゃないよー」

104 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 05:31:36.15 ID:Z4WbL/KSO
塚原「ねえ、頬っぺた触っても良い?」

金糸雀「ええ。どうぞかしら」

塚原「じゃ、じゃあ、左ほっぺから」プルプル

プニッ

金糸雀「きゃっ」

塚原「(あ、柔らかい)い、痛かった?」

金糸雀「ううん。全然。ちょっと気持ち良かったかしら」

塚原「もっと触っても良い?」

金糸雀「もちろんかしら」

プニ、プニプニプニ

塚原(あ、癖になりそう。右も…)プニッ

金糸雀「きゃん」

塚原(か、可愛い)プニプニプニ

金糸雀「く、くしゅぐったいかひら」

森島「響ちゃん、すっかり金糸雀ちゃんに夢中ね……そうだ!」

金糸雀・塚原「何?」

森島「響ちゃん、医学部志望でしょ?」

塚原「ええ」

森島「だったら、金糸雀ちゃんに患者さんになってもらってシミュレーションするのはどうかしら? 小児科の先生になるんだし、予行演習にちょうど良いわ」

金糸雀・塚原「えぇ!?」

105 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 05:33:46.87 ID:Z4WbL/KSO
塚原「つ、次の患者さんどうぞー」

金糸雀「は、はーいかしら」

森島「失礼しまーす」ペコリ

塚原「こんにちは。カナちゃんよく来てくれたわね。前会った時よりも大きくなったわねー」

金糸雀「先生も相変わらず美人さんかしら」

塚原「ありがとー。カ、カナちゃん、心臓の音聞きたいから上着脱ごうねー」

金糸雀「は、はーい」

森島「じゃあ金糸雀ちゃん、ママが手伝ってあげるわね」ヌギヌギ

金糸雀「は、はるちゃん、何も本当に脱がさなくても」

森島「だって、そっちの方がリアルで響ちゃんの経験値になるわ」

金糸雀「う、うん。せ、先生どうぞかしらー」

塚原「あ、ありがとー」

106 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 05:35:53.25 ID:Z4WbL/KSO
ポン(手を乗せてるだけ)

塚原(な、何故か照れ臭いわね)ポン、ポン

塚原「はい。次は背中見せてねー」

金糸雀「分かったかしらー」

ポン、ポン

塚原「はいありがとー」

森島「先生、結果はどうでしたか?」

塚原「前に診断した時とたいした変化はありません。安定しています。エコーにも異常はありませんでした」

森島「良かったね金糸雀ちゃん」ナデナデ

金糸雀「わ、わーい」

塚原「こ、こんな感じで良いの?」

森島「うん! さすが響ちゃん、本当のお医者さんみたいだったわ」

107 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 05:39:35.74 ID:Z4WbL/KSO
森島「! そうだわ、せっかくだから家族ごっこもしなくちゃ!」

金糸雀・塚原「えぇ!?」

森島「どうして今まで気がつかなかったのかしら? 人形と言えばおままごとじゃない!」

森島「響ちゃん、金糸雀ちゃん、やりましょうよ!」

塚原「ん…まあ、誰も見てないし良いわ」

金糸雀「そ、そうね。せっかくだし家族ごっこもしようかしら」

森島「それじゃあ響ちゃんがお母さんで名前は森島・エキゾチック・響。私は長女で金糸雀ちゃんは次女。それと金糸雀ちゃんの名前は森島・ピチカート・金糸雀よ!」

金糸雀「随分設定が凝ってるかしら」

塚原(何か勝手に名前付けられてる…)

森島「それとシチュエーションは、響ママが卵焼きを作ってて、娘達はそれが出来るのを楽しみに待ってるって設定よ。じゃあ始めるわよ♪」

108 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 05:42:05.59 ID:Z4WbL/KSO
森島「ママ〜卵焼きはまだ出来ないの?」

塚原「もう少し待ってね」

金糸雀「卵焼きの美味しそうな匂いがするかしら」クンクン

塚原「カーナ、危ないから離れてなさい……はい。出来たわよ」

金糸雀「わーいかしら」

森島「待って! 何か物足りないわ」

塚原「物足りないって、何が?」

森島「うーん……そうよ! 歌よ!」

塚原「う、歌?」

森島「料理する時の歌が無いから盛り上がりに欠けるのよ。子供達のワクワク感を表現するには歌う事が一番ね」

森島「だから響ちゃん、次は歌いながら料理して♪」

塚原「う、歌いながら…」

109 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 05:44:20.17 ID:Z4WbL/KSO
森島「ママ〜今日のおかずはなーに?」

塚原「今日は、はるかとカナの大好きな卵焼きよ」

金糸雀「わーい! 卵焼きかしらー!」

塚原「た…卵を割ってかきまぜる〜。かきまぜかきまぜトロトロりん♪ トロトロりんりん♪ トロりんりん♪」

塚原「ト、トロトロになったら〜、フライパンさんにかけましょう♪」

塚原「ジュージュープクプク〜、卵がだんだん固まるのー♪」

塚原「そろそろ良いかな卵さん? クルクル回して美味しくなーれ♪」

塚原「ハイ! ホカホカの、フワフワの、卵焼きーの出・来・上・が・りんりん♪」

金糸雀・森島「……」

塚原「……何?」

森島「グゥウウウウウウウウウ!!! 響ちゃんとっても良かった」

金糸雀(顔が真っ赤になってるかしら)

110 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 05:46:58.53 ID:Z4WbL/KSO
塚原「も、もういいわよね?」

森島「まだよ。次は子供達を寝かしつけるのよ」

塚原「寝かしつける?」

森島「マーマー」

塚原「(もう始まってるの!?)ど、どうしたのはるか?」

森島「あのねあのねー、はるか、何だか眠れないのー」

塚原「あらあらそれは困ったわねー」

森島「ほら、金糸雀ちゃんも」

金糸雀「え、ええ。ママー、カナも眠れないかしらー」

森島「ねえママ、今日はママと一緒に寝てもいーい?」

塚原「しょうがないわね。じゃあ今日はママと一緒に寝ましょうか。二人とも、こっちいらっしゃい」

森島・金糸雀「わーい」

111 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 05:50:43.33 ID:Z4WbL/KSO
森島「ママ、私、ママの子守唄聞きながら寝たいなー」

塚原「こ、子守唄!?」

金糸雀「カナも聞きたいかしらー」

塚原「い、良いわよ。きっとすぐに眠くなると思うわ」

塚原「……ねーん♪ ねーん♪ ころーりーん♪ ころーりーんよー♪」

塚原「だんだんだんだん眠くなるー♪ ウトウトトロトロ眠くなるー♪」

塚原「頭の中がートロン♪ トロン♪ トロリンコー♪」

塚原「可愛いー我が子♪ 可愛い寝顔を母(はーはー)にー♪ 見せてくれてーるー♪」

塚原「いい子♪ いい子♪ いい子だよー♪ぐっすり寝なさい♪ 眠りなさーい♪」

金糸雀「……」ジッー

塚原「……やだ、恥ずかしい」カアア(顔を両手で隠す)

金糸雀「すごく良かったかしら。本当に眠りそうだったかしら」

塚原「ね、ねえはるか、こんな感じで良いの?」

森島「スッー、スッー」

金糸雀・塚原「本当に寝てる!?」

112 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 05:55:25.00 ID:Z4WbL/KSO
とりあえずここまで。続きは今日の夜から、もしくは明日の昼に再開する予定です。
113 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 14:41:23.19 ID:Z4WbL/KSO
時間に余裕が出来たのでかなり早めに再開します
114 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/20(金) 14:42:55.12 ID:Z4WbL/KSO
ある日、七咲の部屋

蒼星石「ん…よく寝た」

七咲「あ、起きた。おはよう蒼星石」

蒼星石「おはよう逢さん」

蒼星石「ユカナとリカ(イナゴ)もおはよう」

ガララ

蒼星石「空気が冷たい。でも、今日もいい天気だね」

七咲「うん、そうだね。蒼星石、薇巻いてあげるね」

蒼星石「ああ、今日はまだ大丈夫」

七咲「そっか。分かった」ヌギヌギ

115 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 14:53:22.96 ID:Z4WbL/KSO
蒼星石「そういえば逢さんの体、水着の跡が出来てるね」

七咲「うん。常時着用だから」ヌギヌギ

蒼星石「逢さんって、綺麗な体してるよね」

七咲「え? うん、ありがとう」

蒼星石「体は鍛えると太く逞しくなる。悪く言えば体全体がゴツゴツした感じになってしまう。でも逢さんのは全然違う。美しさと色気がある」

七咲「そ、そう?」

蒼星石「ちょっと、触ってもいい?」

七咲「うん。いいよ」

サワサワ

七咲「ん…」

蒼星石「すごい…この鍛え上げられた体、選手としては逸材とも言えると固さと逞しさだ。にも関わらず、女性らしさを感じさせる柔らかい胸もちゃんと備えている」ムニュ

七咲「ひ、ひゃあ!? そ、蒼星石」

蒼星石「ご、ごめんなさい。でも、女の僕から見ても魅力的だったから」

蒼星石「もし抱きしめられたら、巨乳とはまた違った安心感がありそうだな」

七咲「でも私、胸が大きくないからそんなに褒められても自信がないな…」

蒼星石「逢さんのは貧乳じゃないよ。立派な美乳。鍛え上げられた体とマッチして芸術的なんだ」

七咲「そ、そこまで言われたら照れるなぁ」

蒼星石「もっと自信を持った方がいいよ」

七咲「う、うん。そうするね」

116 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 14:55:19.17 ID:Z4WbL/KSO


薫「翠星石を借りたい?」

蒼星石「はい。僕の持ち主の心の樹を育てたくて。連れて行っても良いですか?」

薫「別に良いわよ」

翠星石「えっー、嫌ですよ面倒くさい。毛布を被ってミノムシになってた方が良いです」

薫「アンタねえ、少しは妹を見習いなさいよ」

翠星石「翠星石は我が道を行くですよ〜」

薫「この性悪人形め…」

翠星石「だって契約してないんですよ? いつ薇が切れるか分からないんですよ?」

蒼星石「僕も一緒だから大丈夫だよ。なんなら薇も持ってく?」

117 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 14:57:42.46 ID:Z4WbL/KSO
翠星石「ううう、じゃあビーバー三国志を読み終わったら」

蒼星石「翠星石の鞄をお外にポーン!」ポーン

翠星石「おわあああああああ!!!??」

翠星石「何するんです!?」

蒼星石「だって、そうでもしないと君は外に出たがらないだろうしさ。読み終わってもまた言い訳とかしそうだし」

蒼星石「このままじゃ君は、例え薫さんと契約出来たとしても、引きこもってるに違いない」

翠星石「……分かったですよぅ。一緒に行ってやるですよ」

薫(結構容赦ないわねー。この妹)

118 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 14:59:51.85 ID:Z4WbL/KSO
七咲の部屋

蒼星石「ただいま」

七咲「お帰り。あれ?」

蒼星石「ああ、紹介するね。彼女は僕の双子の姉の翠星石だよ」

七咲「蒼星石が前に言ってた子だね。こんばんは」

翠星石「こ、こんばんはです」

蒼星石「あ、僕の姉は人見知りが激しいんだ。翠星石、彼女が僕を巻いてくれた人で、逢さんって言うんだ」

翠星石「ふーん、人間、妹がお世話になってるです」

七咲「ううん。そんな事ないよ。私、契約が出来ないから蒼星石にはいつも迷惑掛けっぱなしで」

蒼星石「そんな事ないよ。逢さんには本当にお世話になってるから」

七咲「もう、蒼星石はお世辞が上手いんだからあ。でも、どうしてお姉さんもいるの?」

蒼星石「今日は心の樹の手入れで連れてきたんだ。本来は雑草を刈り取るだけじゃなく、樹に水を与える事も必要なんだ」

蒼星石「翠星石は樹に水を与える役って訳」

七咲「そうなんだ。ありがとう。翠星石」

翠星石「ま、まあ、蒼星石がどうしてもって言うから仕方なくですよ」

蒼星石「じゃあ、逢さんが寝たら手入れするから」

七咲「うん。分かった」

119 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 15:01:41.30 ID:Z4WbL/KSO
夢の中

七咲「あ、蒼星石、翠星石」

翠星石「何で水着なんですか?」

七咲「うん。何故かこんな格好なの」

蒼星石「どうだい翠星石、逢さんのボディは美しいだろう?」

翠星石「んー、まあ無駄な所はないですね」

翠星石「まあ、胸はちょっと物た――」

蒼星石「芸術的でしょ?」シャキン

翠星石「ちょっ…鋏向けるなです」

蒼星石「美乳で綺麗な体してるでしょ?」

翠星石「そうですね」

120 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 15:02:56.00 ID:Z4WbL/KSO
七咲「やっぱり、胸が…」

蒼星石「そんな事ないって逢さん。逢さんはすごく魅力的だから」

蒼星石「大丈夫。僕達が自信付けさせてあげる」

七咲「う、うん」

チョキン、チョキン

蒼星石「雑草の処理は終わり。翠星石、お願い」

翠星石「うぃー。スィドリーム」

チョロロロ

翠星石「健やかに〜伸びやかに〜」ジョロロ-

ムクムク

七咲「わあ、どんどん大きくなってく」

121 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 15:04:49.70 ID:Z4WbL/KSO
チョロロロ…

翠星石「ま、こんな所ですかね」

七咲「……! 何だか気持ちが…」

蒼星石「おおらかな気持ちになったでしょ? 僕ら庭師は人間の心を成長させる役目も担ってるからね」

蒼星石「逢さん、何だか前よりも自信が持てる感じはしない?」

七咲「うん。弱気だった自分が消えた気がする。ありがとう。二人とも」

七咲(……何だろう、 如雨露を見てると不思議とアレに濡らされたくなってくるなあ)

橘『僕、一度は七咲を水浸しにしてみたかったんだ。それ〜!』

七咲(なんていやらしい事、いつかやりそうだなぁ。よし、先輩にそんなイタズラされても平気な様に訓練しとかなきゃ。でも、なんでこんな事急に頭に出てきたんだろう?)

七咲「あの、翠星石にお願いがあるんだけど」

翠星石「何です?」

七咲「私の体を、その如雨露で濡らしてくれないかな…?」

翠星石「はいぃ?」

122 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 15:06:13.76 ID:Z4WbL/KSO
蒼星石「逢さん?」

翠星石「ちょ、何で急に?」

七咲「うん。何だか急に水をかけられたくなって」

蒼星石「いやいやいや」

七咲「座って足広げるから、水をかけて欲しいの」

蒼星石「いや、開脚しなくても」

翠星石「この人間、急に変態的になりましたよ」

蒼星石「樹が成長したからかな…?」

七咲「お願い翠星石。濡らして欲しいの。水着だからかけても大丈夫だよ」

翠星石「わ、分かったですよ。如雨露をこんな形で使うとは思いませんでしたよ」

シャアアア

七咲「んく…」

123 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 15:08:40.01 ID:Z4WbL/KSO
ダラダラ

蒼星石「逢さんの胸の辺り、水でどんどん濡れていく」

七咲「何かくすぐったい…」

橘『七咲にいっぱいシャワーかけちゃうぞ〜』

七咲「(そういうイタズラされても平気な様に鍛えなくちゃ)つ、次はお腹の辺り」

翠星石「え、は、はいです」チョロロ

七咲「ひあああ!? ちょっと下過ぎだってば!」

翠星石「わ、悪かったです」

ダラダラ

蒼星石「下がたくさん濡れてるからお漏らししたみたいになってる」

翠星石「卑猥ですね」チョロロ

七咲「ん、ふぅん…」

124 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 15:09:52.89 ID:Z4WbL/KSO
七咲「スッー、スッー」

蒼星石「うん。ぐっすり眠ってる」

翠星石「それにしてもびっくりしたですよ。あんな事言うなんて」

蒼星石「うん。確かに驚いた」

翠星石「この水着人間、案外むっつりスケベかもしれないです。学校に行くとき水着着っぱなしなんですよね? マニアには堪らないですよ」

蒼星石「まあ水着は部活があるからしょうがないよ」

翠星石「さて、翠星石はもう寝ますよ。今日はお泊りです。おやすみですー」

蒼星石「おやすみ。翠星石」

125 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 15:13:32.65 ID:Z4WbL/KSO
翌朝

七咲「ん…よく寝た」ムクリ

七咲「……下は濡れてないよね?」ガサッ

七咲「良かった、濡れてない。もう、昨日どうしてあんな事しちゃったんだろ」

七咲「…あれ? 何か胸が……」

蒼星石「ん…よく寝た」

七咲「蒼星石!」

蒼星石「ど、どうしたの逢さん!?」

七咲「胸が大きくなってるの!」

蒼星石「ええ!?」

七咲「ちょっとだけなんだけど、パジャマがちょっときつかったの。見て」チラ

蒼星石「…本当だ。ボリュームが少し違う」

126 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 15:18:21.66 ID:Z4WbL/KSO
翠星石「何です騒がしい…」パカッ

蒼星石「翠星石、逢さんの胸が少し大きくなったんだ」

翠星石「それって普通じゃないですか?」

蒼星石「それにしては急過ぎると思うんだ。見てよ」

翠星石「うーん…確かに急ですね」

蒼星石「ちょっと触るね」モミモミ

七咲「キャア!」

蒼星石「やっぱり昨日と感触が違う。ワンカップは違うね」モミモミ

七咲「そ、蒼星石ったら」

翠星石「ほー、どれどれ」モミモミ

七咲「キャウ!?」

翠星石「翠星石は水着人間のおっぱいを触った事ないからよく分からんです。けど悪くない揉み心地です」モミモミ

蒼星石「胸は大きくなったのに、スマートな体との相性は全然問題ないや。さすが逢さんだ」モミモミ

七咲「二人…ともぅ……」

127 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 15:20:38.75 ID:Z4WbL/KSO
夜・薫の夢の中

薫「へえー樹に水を与えたら胸が大きくなったんだ」

蒼星石「あくまでも可能性だけど。もしくは水を体にかけたから大きくなったのかもしれない」

薫「どっちにしてもうらやましいわね」

翠星石「薫の樹に水を与えたら毛がわかめの様に増えましたから不思議なもんですね」チョロロ

蒼星石「え…どうして増えたの?」

翠星石「理由は分からんです」

薫「ねえー、ちゃんと水の量は調整した?」

翠星石「大丈夫だと思うですよ」

薫「ね、ね、どうせだから私の胸にも水かけてみてよ。もしかしたら胸が大きくなるかもしれないし」ヌギヌギ

翠星石「上手く行くですかねえ」

薫「やってみなきゃ分からないわよ。ほら、やってみて」プルッ

128 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 15:23:29.74 ID:Z4WbL/KSO
翠星石「じゃあもうちょっとしゃがめです」

薫「うん」

翠星石「そーい」チョロロロ

ダラダラダラ…

薫「ねえ、大きくならないわよ」

翠星石「そりゃすぐには効果は出ないですよ。そもそもそれで大きくなったのかは分からんですし」

薫「まあ、そうよね」

翠星石「水、もし頭に直接かけたらどうなるんでしょう?」チョロロ

薫「ち、ちょっと! 何するのよ! うわ、もーう、頭濡れたじゃないのよー」

翠星石「ちょっと、からかってみただけです」

薫「風邪引いたらどうするのよー!」

翠星石「夢の中だから大丈夫ですよ」

129 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 15:24:51.93 ID:Z4WbL/KSO
蒼星石「すみません。馬鹿姉が調子に乗ってすみません。ほら、翠星石も謝って」

翠星石「ごめんですー」

薫「全く、性悪人形め…髪の毛乾かしたいな」

ニョキ

蒼星石・翠星石「ん?」

薫「え? どうしたの?」

蒼星石「今髪の毛が盛り上がったような…」

薫「え? まさかぁ……前髪が前より伸びてる?」

ニョキニョキニョキ!

薫「え? え、え?」

蒼星石「ど、どんどん増えてる!?」

翠星石「まさか、本当に伸びるんですか!?」

ズモモモモモモモモモモモ!!!!!

130 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 15:26:24.35 ID:Z4WbL/KSO
薫「ちょっ、イヤアアアアアアア!!!」

ズモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモ!!!!!!!!

翠星石「ヒィイイイ!!? 髪の毛で夢の中が埋もれてくですぅ!!!」

蒼星石「と、とにかく一度現実世界に戻ろう! このままじゃ僕達まで巻き込まれてしまう!」

翠星石「逃げるですー!」

パカッ

蒼星石・翠星石「やぁー!」

翠星石「ふぅ、何とか現実世界にヌオオオオオオオオオオオオ!!!!!???」

モコモコモコモコモコモコモコモコ

蒼星石「や、やっぱり現実世界でも髪の毛が…」

翠星石「しかもどんどん増えてきてるです!!」

131 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 15:28:01.51 ID:Z4WbL/KSO
モコモコモコモコモコモコモコモコ

翠星石「前見た時よりも多いです……しかもまだ伸びる」

蒼星石「翠星石、薫さんを起こしたら伸びが止むかもしれないから起こすんだ!」

翠星石「ら、ラジャーです!」

翠星石「わかめ人間、起きるです! 起きやがれです!! 薫起きろですぅ!!」

薫「ぶはぁ!!」ガバッ

蒼星石「よし、起きた!」

薫「翠星石、アンタのせいで酷い目にうわあああああああああ!!!!」

蒼星石「薫さん落ち着いて」

薫「まさか現実の方でも伸びてるの!?」

翠星石「駄目です。起こしてもまだ伸びるです!!」

薫「ちょっ…何とかしてーーーー!!!」

モコモコモコモコモコモコモコモコモコモコモコモコモコモコモコモコモコモコモコ

132 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 15:29:35.22 ID:Z4WbL/KSO
数分後

モコモコモッコリ

薫「うーん……」

翠星石「やっと止まったです…」

蒼星石「ドアや窓や床が全く見えないくらい埋もれてるよ。体も上手く動かせない…」

薫「アンタよくもやってくれたわねー!」ブンブン

翠星石「ごめんなさいですー! まさかこうなるとは思ってなかったんですー!」

蒼星石「でも薫さんが何とか無事で良かった」

薫「あー、最悪だわ。処分するのにどのくらい時間が掛かるのよ」

蒼星石「nのフィールドに捨てる事が出来るのが不幸中の幸いですね」

薫「! そうだ、胸は大きく…なってないわ」

翠星石「じゃあ薫の場合は胸には効果が出ないのかもしれないですね」

薫「えー…いや、まだあまり眠ってないから何とも言えないわね」

133 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 15:31:36.56 ID:Z4WbL/KSO
薫「ねえ、この髪の毛って処分にどれくらい時間掛かるかな?」

蒼星石「nのフィールドに捨てるだけならそこまで掛からないかもしれない」

薫「良かった。寝る時間は大丈夫かも」

蒼星石「まずはある程度髪の毛を処分して、その後薫さんの髪型を直します」

薫「うん。ありがとう」

翠星石「頑張るですよー。おやすみでーす」

蒼星石・薫「君(アンタ)も手伝うんだ(手伝うの)よ!」

翠星石「じょ、冗談ですよ」

134 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 15:33:44.10 ID:Z4WbL/KSO
翌朝

薫「胸、やっぱり成長してないや…」

蒼星石「じゃあ僕の持ち主が特殊なだけか」

翠星石「まあ薫も十分特殊ですけど」

薫「誰のせいで特殊になったと思ってるのよ。全く。さてと、早く学校行く準備しなくちゃ」
135 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 15:35:30.58 ID:Z4WbL/KSO
午後・薫の部屋

翠星石「と、言うことがあったんです」

真紅「それはまた随分と大変だったわね」

蒼星石「今回は特殊な人が多いね」

真紅「そうね。今回は契約は出来ないし色々と疲れる事が多いわ」

翠星石「他の姉妹も大変な目にあってるのですかね?」

真紅「そうねえ、未だに再会出来た姉妹は私達だけだし」

真紅「水銀燈や末妹はともかく、雛苺がこっちに会いに来ないのはちょっと変ね」

蒼星石「彼女も契約してないとか?」

真紅「有り得るわね。単に目覚めてないだけかもしれないけど」ズズッ、ゴクン

真紅「…緑茶も悪くないわね」

136 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 15:43:29.07 ID:Z4WbL/KSO
カチャ、ジッー

金糸雀「ふっふっふ、今日もあの三人は呑気にお茶会かしら」

水銀燈「貴女も好きよねえ、そういうの。疲れないの?」

金糸雀「カナにとって偵察はストレッチと変わらないかしら」

水銀燈「で、いつになったら侵入するのよ?」

金糸雀「それは…隙を見てかしら。今回は妙に侵入しづらいかしら」

水銀燈「くだらないわねぇ」

金糸雀「なら水銀燈はどうしてカナと一緒にいるのかしら?」

水銀燈「それは…貴女がついてこいって言ったから……」

金糸雀「水銀燈、だんだんカナに従順になってきてるかしら」

水銀燈「バ、バカ言わないでよね! 古い付き合いでカラスのふりするのもうんざりだから貴女と一緒にいるだけよ!」

金糸雀(でもカナは別に何もしてないけど)

水銀燈「調子狂うからどこかに行くわ」バサッ

金糸雀「あ、待ってかしらー」

137 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 15:49:16.43 ID:Z4WbL/KSO
nのフィールド

水銀燈「まだついてくるの?」

金糸雀「だって、カナも偵察以外にやる事がないし」

水銀燈「しょうがない妹ね」

金糸雀「ねえ水銀燈、外に出る時わざわざカラスの格好するより、こうやってnのフィールドで散歩してた方が良いんじゃないかしら?」

水銀燈「もちろんそれもしてるわぁ。でもやっぱり外の空気も吸いたいのよね」

金糸雀「水銀燈って、いつも出掛けてるのかしら?」

水銀燈「あの女に拘束される以外はほぼ毎日よ」

金糸雀「たまには家に居たりしないのかしら?」

水銀燈「あの女が出掛けてる時は家にいちゃ駄目って言うのよ」

金糸雀「どうして?」

138 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 15:52:26.52 ID:Z4WbL/KSO
水銀燈「私に部屋を荒らされないようにする為よ。それと万が一、家の人間が部屋に入って来て私を見つけたらまずいらしいのよ。特に姉には私の事見せたくないんですって」

金糸雀「どうして姉に見られたくないのかしら?」

水銀燈「さあ? 姉の事が嫌いなんじゃないの? でも巻いた人間は大体、アリスゲームに関わってる人間以外にはローゼンメイデンの事は内緒にするのが普通だし、そこまで不思議がる事じゃないわ」

水銀燈「……でも、万が一あの子に見つかってもそこまで問題にならないと思うけど」ボソッ

金糸雀「何か言ったかしら?」

水銀燈「別に」

139 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 15:57:27.88 ID:Z4WbL/KSO
金糸雀「そういえば水銀燈は巻いた女の人から逃げたいのかしら?(調教されてるから逃げる気はないのかもしれないけど)」

水銀燈「当たり前じゃない」

金糸雀「水銀燈、この際指輪は諦めて逃げたらどうかしら」

水銀燈「それも考えたわ。でもあの子、私の鞄に重りを付けて逃がさないようにしてるのよ」

金糸雀「うわー…」

水銀燈「ホンット、容赦ないんだから……ん?」

金糸雀「水銀燈?……あら?」

『……』

水銀燈「なぁにコレ? 気味悪いわね」

金糸雀「これって、確かファラオだったかしら」

水銀燈「ファラオ? ああ、そういえばそうね」

140 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 16:00:19.33 ID:Z4WbL/KSO
金糸雀「どうしてnのフィールドにあるのかしら?」

水銀燈「知らないわよ。にしても近くで見たらますます気味悪いわね」コンコン

金糸雀「水銀燈、叩いちゃ駄目かし」

ファラオ「!」カッ

水銀燈・金糸雀「え?」

ファラオ『プシューーーーーー!!』

水銀燈「ギャアアアアアアアアアア!!!!!」

141 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 16:03:09.00 ID:Z4WbL/KSO
金糸雀「す、水銀燈!?」

モクモクモク…

金糸雀「ケホッケホッ、水銀燈大丈夫かしら……いない?」

「ど、どうなってるのお?」

金糸雀「え? どこから…」

「な、何よコレェ!?」

金糸雀「す、水銀燈…貴女……」

水銀燈(ラーメン)「ラーメンになってるぅ!?」

142 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 16:04:34.17 ID:Z4WbL/KSO
水銀燈麺「どうして私ラーメンになってるのよ!!」

金糸雀「もしかして、ファラオの煙で…しかも丁寧に割り箸まであるかしら」

水銀燈麺「ちょっとぉ!! さっさと戻しなさいよ!!」

ファラオ『……』

金糸雀麺「無反応かしら」パチン

水銀燈「チィ! ってか貴女、何割り箸使おうとしてるのよ」

金糸雀「美味しそうな匂いがするからかしら……味噌味で結構美味しいかしら」ズズズ

水銀燈麺「食うな!」

143 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 16:06:42.09 ID:Z4WbL/KSO
ラプラスの魔「……おやー、ファラオの呪いにかかり……ましたか。うぷっ」

金糸雀「ラプラスの魔かしら」

水銀燈麺「え? どこにいるの?」

金糸雀「カナの目の前に」

水銀燈麺「金糸雀の顔しか見えないわ」

金糸雀「そこが目なんだ…」クルクル

水銀燈麺「本当。ラプラスの魔だわ」

ラプラスの魔「珍しい物に…うぷっ……出会いましたね……オエッ」

金糸雀「何か様子が変かしら」

ラプラスの魔「オエッ!! オロロロロッ!!!」

金糸雀「キャー! 吐いたかしらー!」

水銀燈麺「嫌ー! スープに入っちゃう!」
144 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 16:08:32.59 ID:Z4WbL/KSO
ラプラスの魔「ゼェー、ゼェー、気持ち悪かった……くっ、まだ二日酔いが…」

金糸雀「結構調子悪そうかしら」

水銀燈麺「今なら叩きのめす事が出来るのに、ラーメンになってるから出来ないわぁ」

水銀燈麺「ねえ、貴方このファラオの事何か知ってるでしょ?」

ラプラスの魔「これですか……これはとある遊園地のアトラクションにある不思議なファラオです…また吐き気が……」

ラプラスの魔「ファラオの呪いを受けると色々な物に変化します」

ラプラスの魔「貴女の場合はラーメンでしたか……ラーメンプレイがお好み……ですか……?」スッ

水銀燈麺「ちょっと、何持ち上げてるのよ」

ラプラスの魔「うん。美味しい…」

水銀燈麺「食べないでよ汚らわしい」

ラプラスの魔「や、やばい。また吐き気オエ、オロロロロ」

水銀燈麺「いやあああああああああああ!!!!?? ゲロがラーメンに混ざってくううううううう!!!?」

145 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 16:10:15.60 ID:Z4WbL/KSO
ラプラスの魔「オエエ…いつもの調子で動くのはやはり無理がありますね……」

水銀燈麺「やだあ。ラーメンがゲロ浸しだわぁ」

金糸雀「臭いかしら…」

水銀燈麺「ちょっとぉ、離れないでよぉ」

金糸雀「これ、元に戻るのかしら?」

ラプラスの魔「ファラオに頼めば戻るんじゃないですかね?」

水銀燈麺「分からないの?」

ラプラスの魔「私は体験した事がないので何とも言えません」

水銀燈麺「役に立たないわねぇ」

ラプラスの魔「お詫びと言ってはなんですが、ちょっと面白いモノをお見せしましょう」

ラプラスの魔「テレレテッテレー♪真実の鏡〜」

146 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 16:13:23.28 ID:Z4WbL/KSO
グニャ

金糸雀「…男の子?」

水銀燈麺「何か冴えないわねえ」

金糸雀「誰かのマスターかしら?」

ラプラスの魔「いいえ違います。彼の名前は橘純一。ちょっとHで紳士的な普通の高校生です」

水銀燈麺「その人間がどうかしたの?」

ラプラスの魔「実は、貴女達のマスターとお付き合いがあります」

金糸雀「はるちゃんと?」

水銀燈麺「別に普通じゃない。ってか私は契約してないわよ」

ラプラスの「まあまあ、これを見て下さい」

147 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 16:16:51.02 ID:Z4WbL/KSO
グニャグニャグニャ〜

金糸雀「!! なっ……!?」

ペロペロペロペロペロペロペロペロ!!!

森島『うん……橘君、くすぐったいよう』

水銀燈麺「何よこいつ…」

金糸雀「はるちゃんの膝の裏を舐めまくってるかしら…!?」

橘『ペロペロ…これで犬の気持ちが分かりました。森島先輩ありがとうございました』

水銀燈麺「この男、気持ち悪いわあ」

ラプラスの魔「さらに」

グニャグニャグニャ

水銀燈麺「! 詞…?」

橘『絢辻さん、僕はいつまで椅子のままでいればいいかな?』

絢辻『資料見通すの、後15分くらい掛かるから。それまで耐えなさいよ』

橘『はい! 喜んで!』

金糸雀「すごく嬉しそうな顔をしてるかしら」

水銀燈麺「な、なんて羨ましい!」

金糸雀「え?」

148 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 16:19:38.10 ID:Z4WbL/KSO
ラプラスの魔「ご覧の通り、この少年は彼女達と様々なフラグを立てているのです。いやー、さすがは紳士。まだ誰とも付き合ってませんけど」

金糸雀「節操無しかしら」

水銀燈麺「まるで発情した犬ね」

ラプラスの魔「純粋なだけですよ。さーらーに、彼は全てのマ…うぷっ、また吐き気が……しかも頭が痛い」

ラプラスの魔「申し訳ありませんが今日はここまでにします……また会えるかどうかは分かりませんが……」

水銀燈麺「早くどっかに行きなさい。ゲロ兎」

ラプラスの魔「私も今回は運が悪いですね……頭が痛い……頭痛薬を……」スゥ

金糸雀「はるちゃん、遊ばれてなきゃいいけど…」

水銀燈麺「それよりも、私元に戻るの?」

金糸雀「そうだったかしら。確か、ファラオに頼めば元に戻るって…」

水銀燈麺「ねえ、早く戻しなさいよ。さもないとジャンクにするわよ!」

ファラオ『……』

水銀燈麺「何よコイツ、全然反応しないわ」

149 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 16:23:21.75 ID:Z4WbL/KSO
金糸雀「乱暴な言葉を使うからかしら。ファラオさんお願い。どうか水銀燈を元に戻して欲しいかしら」

ファラオ『……』

水銀燈麺「やっぱり反応がなi」

プシューーーーーー!!!

金糸雀「ケホッ、ケホッ……水銀燈?」

モクモクモク…

水銀燈「……やったわぁ。元に戻ったわぁ!」

金糸雀「良かったぁヴッ!?」

水銀燈「何? ヴッ!? 臭いわ……」

プ〜ン

水銀燈「さっきのウサギのゲロじゃない!? いやーーーーーーーー!!!! 頭や服にこびりついてるわーーーー!!!!」

金糸雀「oh…」

水銀燈「やだぁ。汚い。臭いわあ。臭い取れるのお? このままじゃ詞に殺されるわぁ!!」

金糸雀「こっち来ないで欲しいかしら」

水銀燈「ちょっとぉ、どうして私から離れるのよお」

金糸雀「やめて。私に近づかないで。服に付いちゃうかしら」

水銀燈「何よぉ、さっきまで金魚の糞みたいに私についてきてたくせにぃ!」

150 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 16:25:33.53 ID:Z4WbL/KSO
とりあえずここまでにします。続きは夜中になると思います。

151 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/20(金) 21:45:16.03 ID:Z4WbL/KSO
公園

ジャー!

水銀燈「冷た! お湯で洗いたいわぁ」

金糸雀「仕方がないかしら。はるちゃんは学校にいるからお風呂は使えないし、詞って言う人にバレる訳にもいかないから公園の水で洗うしかないかしら」

水銀燈「せめて石鹸くらい公園にありなさいよぉ。綺麗に落ちないわぁ」バシャバシャ

水銀燈「……髪も服も一応洗うだけ洗ったけど、どう? まだ臭う?」

金糸雀「(あまり嗅ぎたくないかしら)…うーん、髪の毛も服もまだ臭いかしら」クンクン

金糸雀「しかも、服は汚れがまだまだ余裕で目立ってるかしら」

水銀燈「最悪……もうこれ詞に言っても絶対に洗ってくれないし機嫌悪くするわぁ。しかもきついオシオキまで待ってる。一体どうすればいいのよ…」

金糸雀「翠星石達の所に戻ろうかしら。いや、多分マスター以外の人間には自分達の事は見せてないと思うから洗濯機は使えないかしら」

金糸雀「何か良い方法は……あったかしら!」

152 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 21:48:52.24 ID:Z4WbL/KSO
コインランドリー

水銀燈「ここ、洗濯機がいっぱいあるわ」

金糸雀「コインランドリーって言うかしら」

金糸雀「昔、カナが散歩から帰る途中、雨に濡れて服が汚れた時、男の子のマスターがカナの服をこういう場所で洗ってくれた事を思い出したかしら」

金糸雀「ドールの服を身内にばれずに洗うにはコインランドリーが一番って言ってたかしら」

水銀燈「でもこれお金がいるわよ」

金糸雀「大丈夫かしら! 実は前にはるちゃんから貰ったお小遣いがあるかしら!」

水銀燈「人形に持たせてどうするのよ。まあそれで今助かってるんだけど」

三分後

金糸雀「服を洗濯機の中に入れて、洗剤を入れて、準備OKかしら」

水銀燈「服はいいけど、私の髪の毛はどうすればいいのよ?」

金糸雀「そっか……じゃあ水銀燈も一緒に洗うかしら」

水銀燈「洗…う……?」

153 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 21:50:35.57 ID:Z4WbL/KSO
金糸雀「水銀燈、洗濯機の中に入って」グイッ

水銀燈「ちょっと、やめなさいよ。待って、本当にやめて」グググ

金糸雀「えい」

水銀燈「キャア!」ジャポン

金糸雀「そして蓋をすぐに」バタン

カナリア! アケナサイ!

金糸雀「スイッチオン」ピッ

グイングイングイングイン

イヤ-! グルグルマワルワ-! カナリアー! ダシナサーイ! イヤー!

金糸雀「これで嫌な臭いもなくなるかしら」

154 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 21:52:50.89 ID:Z4WbL/KSO
数十分後

グイングイン…

金糸雀「水銀燈、綺麗になったかしら?」パカッ

水銀燈「……目が回るわ」

水銀燈「貴女……ふざけないでよねえ……」ネチョ、ネチョ

金糸雀「ご、ごめんなさい。でもこうするしかなかったから」

水銀燈「死んだらどうするのよぉ」ベチョベチョ

金糸雀「人形だから大丈夫かなーって。ほら、服も髪の毛も綺麗かしら」

水銀燈「髪の毛、洗剤臭いわぁ。ゲロよりはマシだけど」

155 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 21:54:16.04 ID:Z4WbL/KSO
金糸雀「じゃあ次は服を乾燥機に入れるかしら」パカッ

金糸雀「それ」ポイッ

水銀燈「体が冷たいわぁ」

金糸雀「水銀燈も入って」グイッ

水銀燈「え? ちょ、ギャア!?」ポイッ

金糸雀「今かしら!」バタン

水銀燈「開けなさーい!! 開けろー!!」ガンガンガン

金糸雀「体を乾かすにはこれしかないかしら。水銀燈頑張って」ピッ

グイングイン

水銀燈「やめっアガッ! オゴッ! アダダダダダダダ!!!!!」ゴロンゴロンガタガタガタ
金糸雀「わあ、見るのにちょっと勇気がいるかしら」

156 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 21:56:46.10 ID:Z4WbL/KSO
学校・廊下

絢辻「……」ツカツカツカ

絢辻(最近、誰かに見られてるような気がするわね)

絢辻(でも、人が隠れてそうな所から気配を感じるって訳でもないのよねぇ。もっと、ありえない所から。それに気配って言うよりも寒気に近いわね)

絢辻「疲れてるのかしら?私」

絢辻「…気分変えたいから橘君呼ぶか」

157 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 21:58:29.81 ID:Z4WbL/KSO
橘「ワンワン! ワンワン!」

絢辻「よく来たわね〜JUM。偉い偉い」

橘「絢辻さん、僕に何か用でもあるの?」

絢辻「違うわ〜。ただのストレス発散よ〜」

橘「やったワン。ご褒美だワン!」

絢辻「JUM、降伏のポーズ」

橘「ワン!」バタッ

絢辻「良い眺めねー。ねえ橘君、あなた今何考えてるの?」

橘「絢辻さんに生足で踏み踏みされたいワン!」

絢辻「うわっ…さすがに引くわ……本当にどうしようもない変態ね」

橘「ありがとう。それは褒め言葉だよ」

158 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 22:02:41.28 ID:Z4WbL/KSO
絢辻「ふーん。それで、踏まれたいんだ」

橘「はい。僕は絢辻さんの綺麗な生足に踏まれたいです」

絢辻「じゃあ橘君、外に向かって『僕は女の子に踏まれると興奮してしまう様などうしようもない最低な変態野郎だっー!』って言ったら踏んであげる」

橘「じゃあ『僕は絢辻さんに踏まれると興奮してしまう様などうしようもない最低な変態野郎だっー!』って言えばもっと素晴らしいご褒美があるんだね。分かったよ!」

絢辻「!?」

橘「行ってきまーす」

絢辻「馬鹿! 本気にしないでよ! そもそも名指ししろなんて一言も言ってないわよ!」

橘「冗談か……さすがにそれは僕でも傷つくよ」

絢辻「名誉が傷つく方を気にしなさいよ。それに名指ししなくてもそんな変態と一緒にいたら私まで変態扱いされるわよ」

橘「せっかく絢辻さんに踏まれる事を期待してたのに、酷いよ絢辻さん」

159 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 22:05:06.32 ID:Z4WbL/KSO
絢辻「オチンチン」

橘「ワンワン」ヒョコ

絢辻「えい♪」グシャ

橘「ヒッ!?」ビクン

絢辻「ほらー、踏んであげたわよー。満足した?」

橘「それ…ほぼ金的だよ………」

絢辻「踏んだ事には変わりないでしょ? ……ん?」

橘「ど、どうかしたの…(まだ痛いな)」

絢辻「……」スタスタ、ガララ

絢辻「……やっぱり気のせい?」

橘「絢辻さん、どうしたんだい?(ん、これは倒れてる事を利用してスカートの中を覗く最高のチャンスじゃないか)」

絢辻「何でもないわ」

絢辻(窓から視線を感じた気がしたけど、誰もいなかった。そもそも『外から』じゃなくて『窓から』視線を感じた事自体変ね)

橘「オッ、今日もパンツの色は白だね」

絢辻(やっぱり私変だわ。疲れすぎて感覚でも狂ったのかしら?)ゴスッ! ゴスッ!

橘「ご、ごめんなさい。殴らな――」グシャ

160 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 22:06:48.74 ID:Z4WbL/KSO
絢辻「橘君の血で手がべっとりだわ。仕事出来ないじゃない」

橘「ごめんなはい、あやふひはん」

絢辻「ペロ…苦いわ」

橘「うはっ! いやらしい」

絢辻「興奮してないで仕事手伝いなさい」
161 : ◆qgXEy7ZweA [saga]:2012/04/20(金) 22:08:44.47 ID:Z4WbL/KSO
カタカタカタ、カタン、カタカタ

絢辻「創設祭、もうすぐねえ」

橘「何言ってるんだい絢辻さん。創設祭はまだまだずっと先だよ?」

絢辻「私にとっては近いの。考えなきゃいけない事がたくさんあるのよ」

橘「へえ、絢辻さんは相変わらずすごいね」

カタン!

絢辻「終わりっと。少し時間余ったわね」

橘「本当だ。ねえ絢辻さん、せっかくだからこの余った時間で僕達も創設祭の出し物を何にするか考えてみない?」

絢辻「そうねえ、何にしようかしら? 急に言われたら出てこないものね」

絢辻「橘君は何か思いついた?」

橘「キャットファイトかな」

絢辻「死ねば?」

162 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 22:11:09.20 ID:Z4WbL/KSO
橘「冗談だよ。でも、プロレスとかはいいかも」

絢辻「好きな人あまりいないわよ?」

橘「いや、ただのプロレスじゃないさ。僕が考えるプロレスはヒーローショーみたいなものだよ」

絢辻「悪役ならプロレスにだってちゃんとあるじゃない?」

橘「違うよ。特撮みたいなプロレスだよ。怪人と正義の心を持ったヒーローがプロレスで戦うんだよ」

絢辻「どこかで聞いた事があるような内容ね」

橘「時間はまだあるし、ちょっとやってみようよ」

絢辻「へ?」

163 : ◆qgXEy7ZweA [saga]:2012/04/20(金) 22:13:04.90 ID:Z4WbL/KSO
橘「ついに姿を現したなイナゴレディ。今日こそ貴様を倒してやる!」

絢辻「ちょ、何よ急に」

橘「特撮プロレスを再現してるんだよ。ほら、絢辻さんもなりきって」

絢辻「なりきるって…分かったわよ。出たわね。え、えーと何怪人?」

橘「イカ男にしよう」

絢辻「ようやくお出ましのようね、イカ男。私の技であなたを骨抜きにしてあげる」

橘「え? 本当?」

絢辻「ただの台詞よ」

橘「でも実際にプロレスもしてみようよ」

絢辻「嫌よ。怪我したくないわ」

橘「大丈夫。イメージトレーニングだから。殺陣みたいにやるだけだから」

絢辻「……変な所触ったら殺すから」

164 : ◆qgXEy7ZweA [saga]:2012/04/20(金) 22:16:00.58 ID:Z4WbL/KSO
橘「まず、僕は絢辻さんの後ろに回る。そして絢辻さんの腕や脚を掴もうとする」

絢辻「変な所触ったら殺すって言ったでしょ?」

橘「絢辻さん! 僕は真面目にやってるんだ! だからそんな事言わないでくれよ!」

絢辻「わ、分かった、分かったわよ。好きにすれば。だからそんなに顔近づけないで」

橘「よーし、張り切っちゃうぞ」

橘「特撮系のプロレスだから、技も特殊になる」

橘「イカ男の触手攻めで絢辻さんは腕やお腹、脚に触手が絡み付いて動けなくなる」

橘「ピンチな絢辻さん。でも、仮面の馬鹿力のオーラで絢辻さんは触手を解くんだ」

橘「着ぐるみがないから完璧に再現する事は出来ないけど、ある程度再現してみよう」

橘「じゃあ腕を掴むよ。あ、ちゃんと脚も封じられてる事も忘れないでね」

絢辻「え、ええ」

165 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 22:18:15.49 ID:Z4WbL/KSO
ガシッ

橘「イカーッカッカッカ! 捕まえたぞイナゴレディ」

絢辻「しまった」

橘「ほう、中々良い体してるじゃなイカ」

絢辻「腕折るわよ?」

橘「ただの台詞だよ」

絢辻「でも私はすぐに馬鹿力で橘君を瞬[ピーーー]るのよね?」

橘「まだだよ。しばらくイカ男の触手に苦しめられるんだ」

橘「ほれほれ〜、どうだ? 恥ずかしくなイカ? 苦しくなイカ?」

絢辻「くう、解かなきゃ」

橘(でも、僕が本当にイカ男だったら絢辻さんの腕やお腹、脚を触手で掴み放題なんだよな)

橘(あんな事やこんな事がいっぱい出来る。特に絢辻さんの太もも、柔らかそうだなぁ。絡めたら気持ち良いかもしれない)ゴクリ

166 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 22:20:08.24 ID:Z4WbL/KSO
橘「絢辻さん、台詞だけじゃリアルさに欠けるから、体も使ってみるよ。脚を絡ませてもらうよ」

絢辻「ち、ちょっと脚絡めないでよ」

橘「やっぱりリアルさが欲しいんだ! 今ここで技術を身につけとけば万が一創設祭でやる事になっても困らないよ! (うん! 僕の脚と絢辻さんの脚が絡み合って良い感じだ!)」

ズプ、シュル…

絢辻「橘君やめて。さもないと本気で殴るわよ」

橘「そこを頼むよ! 僕は真面目にやってるんだ! (絢辻さんの太ももの感触を確かめる為に!)」

シュルシュル…

絢辻「この変た――」

トン

橘「うわっ!?」グラッ

絢辻「え? うわぁ!」

ドサッ!

167 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/20(金) 22:27:30.46 ID:Z4WbL/KSO
橘「痛たた、急にバランスが…絢辻さん大丈夫うわぁ!! 絢辻さんが僕の下敷きになってる!?」

絢辻「……」

橘「ごめんよ絢辻さん。今降りるから」

絢辻「……」ムクリ

橘「大丈夫絢辻さん? あ、鼻血が出てるじゃないか。ごめんよ。今僕が舐め取ってあげるから」

絢辻「橘君、イナゴレディはいつ馬鹿力を発揮するのかしら?」ポタポタ

橘「え? それは子供達の応援で力を発揮するんだよ。それよりも鼻血が」

絢辻「子供達の声が聞こえるわ。今なら触手を振りほどいてイカ男を倒せそう」

橘「ん? 何を言ってる――」

ガシッ

橘「絢辻さん?」

絢辻「こっちが少し大人しくしてたら調子に乗って…」グググ

橘「え? 待って、え? 絢辻さん力持ち!?」フラッ

絢辻「マスクジャーマンスープレックス!!」ギュオン

橘「うごっ!?」ゴォン!

168 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 22:29:42.18 ID:Z4WbL/KSO
橘「」

絢辻「バーカ」

絢辻「……」クルッ

絢辻(さっき、橘君が自分からバランスを崩したって言うより、誰かに押されてバランスを崩したような感じだったわね)

コンコン

絢辻「窓には何も仕掛けはない、か」

絢辻「やっぱり気のせい?」

絢辻「何か腑に落ちないわね。とりあえず橘君起こすか」

絢辻「橘君起きて。頭打った事くらいたいしたことないでしょ?」

橘「」

絢辻「意外とダメージが大きかったのね」

絢辻「JUM、起きたらご褒美にパンツ見せてあげる」ボソッ

橘「ワン? (本当?)」ピョコン

絢辻「嘘に決まってるじゃない。馬鹿ね」
169 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 22:32:06.78 ID:Z4WbL/KSO


絢辻「随分髪の毛がボロボロね…」

水銀燈「色々あったのよ…」

絢辻「さすがに可哀相だから手入れしてあげるわ」

サッ、サッ

絢辻「人形の髪の毛を手入れするって懐かしいわね」

水銀燈「……ねえ詞、貴女、お姉さんが嫌いそうに見えるけど、どうして?」

絢辻「何よ急に?」

水銀燈「いえ、妙に姉の事になると機嫌悪そうになるから。姉には特に私の事見せたくないみたいだし」

絢辻「……あの人、いつも能天気で自分勝手なのよね」

水銀燈「あー、分かるわぁ」

絢辻「え?」

水銀燈「ううん。何でもない」

170 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 22:34:50.97 ID:Z4WbL/KSO
絢辻「…努力も何もしてないくせに、自分だけ認められて、いい思いして。苦労なんか知らない。人の事は振り回す。私がどんな気持ちなのかも全然知らないくせに」

水銀燈「確かに貴女元気がなかったわよねぇ」

絢辻「は?」

水銀燈「ううん。何でもない」

絢辻「……手入れ、終わったよ」

水銀燈「ありがとう。珍しく優しかったわね」

絢辻「珍しくは余計よ。次は気をつけてよね」

水銀燈「ええ…」

171 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 22:38:27.49 ID:Z4WbL/KSO
ある日

真紅「昨日、やっと契約出来たわ」

蒼星石「おめでとう」

翠星石「ちぇー、先を超されたです」

真紅「指輪は最大にまで強度を高めたから、今度こそ、今度こそ大丈夫な筈よ」

学校

香苗「桜井ー」

梨穂子「なーに?」モグモグ

香苗「アンタさ、最近ダイエットしてないよね」

梨穂子「うん」モグモグ

香苗「というか、ダイエット云々の前に体重とか気にしなくなったよね」

梨穂子「えー、ちゃんと気にしてるよー」モグモグ

香苗「その割には結構食べてるよね」

梨穂子「エヘヘ。美味しいからつい食べちゃうの」モグモグ

172 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 22:42:00.98 ID:Z4WbL/KSO
梨穂子「でもちゃんと気をつけてるよ。デパ地下の試食品も全部食べないで我慢してるんだよ」モグモグ

香苗「前は全部食べてたんだ」

香苗「でも気をつけなよー。じゃないと、好きな人は振り向いてくれないよ」

梨穂子「う、うん」モグモグ

香苗「そういえば桜井、その指輪ってもしかして契約が何とかって言ってた指輪?」

梨穂子「うん、真紅ちゃんと契約したんだ」モグモグ

指輪『ギリギリギリ…』

香苗「(指輪が悲鳴をあげてる様に見えるんだけど)ふーん、真紅も大変だったろうに」

梨穂子「えっー!? それどういう意味ー?」モグモグ

香苗「特に意味はなし。周りに変な目で見られない様に気をつけなよ」

梨穂子「うん」パクン、モグモグ

香苗「って、私のお昼ご飯が!?」

梨穂子「美味しそうだったからつい」モグモグ
香苗「こいつー、やったなー」

梨穂子「ごめんなさーい」

指輪『メリメリ、ピキピキピキ! バキン!』

梨穂子・香苗「あ」

173 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 22:45:13.86 ID:Z4WbL/KSO
真紅「……え?」

翠星石「どうかしたんです?」

真紅「急に力が流れなくなった」

翠星石「え?」

蒼星石「もしかして君のマスターに何かあったのかな?」

真紅「それにしては変なのよ。あの子の心の状態に異常はなかった」

真紅「何かしら、こう、電話で例えるなら、お話をしてたら電話が突然切れたような、コードをいきなし抜かれたような感じね」

蒼星石「つまり、マスターではなく別の何かが原因なのか」

真紅「そう。……まさか指輪が壊れた?」

翠星石「え、えー、まさか?」

真紅「あの子なら、ありえるわ……」

174 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 22:46:55.15 ID:Z4WbL/KSO


真紅「やっぱり……」

梨穂子「ごめんねー」

真紅「頭が痛くなってきたわ」フラッ

梨穂子「お詫びにカステラ買ったから食べて」

真紅「……ありがとう」

真紅「って、九割無くなってるじゃないの!?」

梨穂子「美味しそうそうだったからつまみ食いしちゃった」

真紅「どこがつまみ食いよ! これじゃあ食べ残しよ!」

真紅「駄目だわ。駄目過ぎるのだわ。早く、早くこの子を何とかしなきゃ」

梨穂子「カステラ食べないなら私が食べるよー」モグモグ

175 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 22:48:20.72 ID:Z4WbL/KSO
別の日

真紅「ふふふ」

翠星石「何です? さっきからニヤニヤして」

真紅「実はね、私ついにまともな契約が出来たの」

蒼星石「それは良かったね」

翠星石「太り過ぎて契約出来なかったんじゃないんですか?」

真紅「その事なんだけど、私の愛の鞭、もとい絆ダイエットによって指輪がはまるようになったのよ」

真紅「大変だったわ。痩せさせるのにどれだけ苦労したか……」

もわもわもわ〜ん

真紅「梨穂子、痩せるわよ」モグモグ

梨穂子「ふえ?」モグモグ

真紅「契約出来ないのは貴女が太りすぎてるせいよ。だから契約出来る様にするには痩せるしかないわ」モグモグ

176 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 22:49:57.54 ID:Z4WbL/KSO
梨穂子「えー!? 嫌だよー! ダイエットなんて辛いだけだよー!!」モグモグ

真紅「わがまま言わない! 全く、毎回毎回なけなしの力を使って貴女のサイズに合わせて指輪を造ってるのに、その度に貴女は太って指輪を壊す。もうこれで何度目よ!!」モグモグ

梨穂子「ごめんねー。でも食べるのが止まらないのー」モグモグ

真紅「梨穂子、貴女ちょっと体重計持ってきなさい」モグモグ

梨穂子「う、うん」モグモグ

数分後

真紅「乗って」

梨穂子「うん」ズシーン!

ガラガラギュオオオオオ!!!! ピタッ

真紅「oh…これは酷い。糖尿病になってもおかしくないくらいの体重ね」

177 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 22:51:23.04 ID:Z4WbL/KSO
梨穂子「え、えへへ。でも何とかなるよ」モグモグ

真紅「食べないで」

梨穂子「まだまだ大丈夫だよー」モグモグ

真紅「…梨穂子、反省してもらう為にちょっと痛い思いをするわよ」

梨穂子「え?」モグモグ

真紅「喰らいなさい! 絆パンチ!!」

ボニュ

梨穂子「え?」モグモグ

真紅「き、絆パンチのパワーがお腹のお肉に吸収された……?」

真紅「しかも抜けない」グググ

梨穂子「ちょっとくすぐったいよー」モグモグ

メリメリ、バチン!

真紅「え?」ギュオン!

ドゴォン!

真紅「ぐはぁ!?」メリィ!

梨穂子「あぁ! 真紅ちゃんが吹き飛んで壁に衝突した!!」モグモグ

178 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 22:53:38.38 ID:Z4WbL/KSO
真紅「お…ご……」ピクピク

梨穂子「真紅ちゃん大丈夫?」モグモグ

真紅「と、とにかく、ダイエット始めるわよ」

梨穂子「でも、耐えられないよー」モグモグ

真紅「貴女、好きな人がいるんじゃないの?」

梨穂子「ふえ!?」ドキン、モグモグ

真紅「そんなにぶくぶく太ったら、好きな人も振り向いてくれないわよ?」

梨穂子「ううう」モグモグ

真紅「それでもいいの?」

梨穂子「それは嫌だけど…」モグモグ

真紅「ならやるしかないわ。レディたるもの女磨きを怠っちゃいけない。行くわよ梨穂子!」

梨穂子「う、うん! 分かったよ!」モグモグ

梨穂子「でもその前にピザ(Lサイズ)とハンバーガーセット食べようよー」モグモグ

真紅「そうね。まずは体力を付けなきゃ」モグモグ

モグモグモグモグモグモグモグモグ

真紅「って、ちがああああああああああああああああああう!!!!!!!!!」

179 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 22:57:16.91 ID:Z4WbL/KSO
真紅『こうして、私と梨穂子は地獄のダイエット生活を始めたわ』

真紅「半身浴ダイエットよ!」

梨穂子「気持ち良いー」

真紅「早朝ランニング! シャドーボクシング! ダンス!」

香苗「桜井ファイトー」

梨穂子「エッホエッホ」

真紅「ホーリエを追いなさい」

梨穂子「待てー」

真紅「薔薇の尾回避ダイエット!」

梨穂子「ひああああああ!!」

真紅「一日の食事は今までの十分の一の量にしなさい! 間食禁止!」

梨穂子「お腹が空いたよー」

真紅「ちょっと! また寝ぼけて私を食べない!!」バシンバシン!

梨穂子「純一は美味しいなー」モグモグ

180 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 22:59:31.39 ID:Z4WbL/KSO
そして…

ガラガラガラ、ピタッ

梨穂子「やったよ真紅ちゃん! 私痩せたよ!」

真紅「ええ。体重が平均的になってるわ」

真紅「しかも都合良く胸はそんなに小さくなってない。お尻も女の私から見ても魅力的だわ。まさにボン、キュ、ボンよ」

梨穂子「キャハ♪」

真紅「それじゃあ梨穂子、私と契約して頂戴」

梨穂子「うん!」

真紅「はい、指輪よ。はめてみて」

梨穂子「うん」グイッ

グググ、ピッタリ

真紅「壊れないわ!」

梨穂子「やったぁ」

真紅「梨穂子、その指輪に口づけして」

梨穂子「うん」チュ

真紅「おおお……力が、力がみなぎるのだわああああああああああああああああああ!!!!」

梨穂子「やったね真紅ちゃん!」

真紅「ええ!」

梨穂子・真紅「アハハハハハ、ウフフフフフ、アハハハハハ、ウフフフフフ」

181 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 23:01:46.38 ID:Z4WbL/KSO
真紅「こうして、私達の絆はより深くなったの」

翠星石「それじゃあ契約してないのは翠星石と蒼星石だけですか。ちぇー」

蒼星石「そういえば他の姉妹はどうしてるんだろう?」

翠星石「もう契約してると思いますよ。水銀燈と末妹は別にしなくても大丈夫ですけど」

真紅「そういえば全然会ってないわね」

蒼星石「探しに行く?」

翠星石「面倒です」

真紅「そのうち会えると思うわ。今はのんびりしましょう」

翠星石「ですねー」

真紅「ふふ、契約出来て嬉しいわ。あの子は将来素敵なレディになるわね」

182 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 23:03:30.52 ID:Z4WbL/KSO
香苗「最近男子がこっちによく話し掛けてくるなー」

梨穂子「そうかな?」モグモグ

香苗「やっぱ桜井が痩せたからかも」

梨穂子「き、気のせいだよ」モグモグ

香苗「ってか桜井食べ過ぎじゃない? また太るよ?」

梨穂子「ちゃんと気をつけてるから大丈夫だよ」モグモグ

モグモグモグモグモグモグモグモグ

183 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 23:06:45.20 ID:Z4WbL/KSO
茶道部

夕月「ホント、りほっちも随分イメージが変わったねー」

飛羽「まさに超変身」

梨穂子「ずっと食べるの我慢してたからー」

夕月「もしかして、将来の旦那様の為にとか?」ニヤニヤ

梨穂子「ち、違いますよー」

飛羽「図星」

夕月「指輪までしちゃってさ、気が早いねー」

梨穂子「こ、これは、その……」

夕月「まあいいや。マナーに厳しい小姑には注意しなよー」

飛羽「不思議ちゃんにも注意」

梨穂子「? はーい」

夕月「ところでりほっち、最近また食べる量が増えてないかい? もうシュークリーム何個食べてるんだか」

梨穂子「だって、やっと好きなものが食べれて嬉しいんです」モグモグ

夕月「気をつけなよー」

飛羽「油断大敵」

梨穂子「はーい」モグモグ

夕月「ま、食べてる時のりほっちは可愛いからそれはそれで良いんだけどね」

モグモグモグモグモグモグモグモグ

184 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 23:08:36.48 ID:Z4WbL/KSO
夜、桜井宅

梨穂子「ポテト食ーべよ」

真紅「やめなさい」ペシン

梨穂子「痛ッ! 真紅ちゃん?」

真紅「そうやってまた間食する。いい? こんな時間に間食したら急激に太るわよ?」

梨穂子「でも、私痩せたよ? 食べたいよ」

真紅「痩せたからこそよ。レディたるもの美しさを維持する為の努力を怠ってはいけない」

真紅「また太ったら今までの苦労が水の泡だわ」

梨穂子「うう、分かったよ真紅ちゃん。私我慢するね」

真紅「偉いわよ梨穂子。その心の強さが貴女をますます素敵なレディにしてくれるわ」

真紅「そろそろ寝る時間ね。おやすみなさい梨穂子。くれぐれも間違って私を食べないように」

梨穂子「もー、酷いよ真紅ちゃーん」

185 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 23:11:35.40 ID:Z4WbL/KSO
深夜

グギュルルル

梨穂子「うーん、お腹が空いたよー。むにゃむにゃ」スヤスヤ

キィイイイン、バチ、バチバチバチ!!

翌日

真紅「う……」カパッ

真紅「おかしいわね…何だか体が怠いのだわ。ちゃんと鞄の中で寝た筈なのに……」

香苗「お邪魔しまーす」

真紅「あら香苗……今日もご苦労様」

香苗「おはよう真紅。何か疲れてない?」

真紅「ええ、ちょっとね」

香苗「無理しないで。起きろ桜井、遅刻するぞー」バサッ

梨穂子「うーん、よく寝たー」ムクリ

真紅・香苗「……え?」

梨穂子「あ、香苗ちゃん」ムチムチ

186 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 23:14:10.43 ID:Z4WbL/KSO
真紅「梨穂子、貴女昨日より太ましくなってない?」

梨穂子「え?」

梨穂子「……あれー?」

真紅「貴女まさか昨日の夜何か食べたの!?」クワッ!

梨穂子「知らないよー。私何も食べてないってばー」

真紅「嘘おっしゃい!!」

梨穂子「嘘じゃないよー。ほら、ポテトチップスがちゃんとあるでしょ?」

真紅「……確かに。貴女なら真っ先にポテトチップスを食べる筈」

真紅「よくよく考えてみれば間食くらいでここまで太らないわよね」

香苗(学校では結構食べてるけど)

梨穂子「真紅ちゃん酷いよー」

香苗「はいはい二人とも、喧嘩はここまで。ほら、遅刻するよ?」

梨穂子「え? うわっ!? 急がなきゃ!」

真紅「うーん、じゃあどうして太ったの?」

真紅「……それにしても体が怠いわね」

187 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 23:15:33.28 ID:Z4WbL/KSO
薫の部屋

真紅「ねえ貴女達、最近体が怠いって事ない?」

蒼星石・翠星石「ないね(です)」

真紅「そう…」

翠星石「どうかしたんですか?」

真紅「実は今朝、何故か体が怠かったの。ちゃんと鞄の中に入って寝たのにも関わらず」

翠星石「夜更かしでもしたんですか?」

真紅「いいえ。時間はちゃんと守ったわ」

翠星石「契約もちゃんとして時間通りに寝たのに体が怠い。聞いた事がないですね」

蒼星石「君の体に異常でも起きたとか?」

真紅「それもありえるわね。ところで蒼星石、前からあえてツッコミを入れなかったんだけど……」

蒼星石「何だい? 僕がボケた事でもしたの?」

真紅「そのお面は何?」

蒼星石「イナゴマスクのお面さ」シャキーン!

188 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 23:18:11.66 ID:Z4WbL/KSO
真紅「どうして被ってるの?」

蒼星石「それは僕がイナゴマスクにはまってるからだよ」

真紅「でもわざわざ持ってこなくてもいいじゃない」

蒼星石「駄目だよ。今の僕はイナゴマスクなんだ。いつでも悪の組織と戦える様にしなきゃ。ちなみにこれはコスプレじゃないよ。それを証拠に本物のベルトもちゃんと持ってきてる」

真紅「コスプレにもなってないわよ。しかもそれおもちゃじゃない」

蒼星石「おもちゃなんかじゃない! 確かに電子音はおもちゃっぽいし、オリジナルのベルトじゃないけど、これは悪の組織と戦う為の立派なアイテムだ!」

蒼星石「君だって昔は探偵グッズを集めてたじゃないか!」

真紅「そうだけど…」

翠星石「最初は翠星石に見られて恥ずかしがってたんですけど、今じゃどっぷりはまってるんですよ」ヒソヒソ

真紅「あー、はいはい」

189 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 23:20:00.81 ID:Z4WbL/KSO
蒼星石「ねえねえ見てよ見てよ」

電子音『シャキーン、ジュキーン!』

蒼星石「チェンジ! イナゴォ!!」

蒼星石「さらに必殺技だ!」

電子音『マスクサンダーキック』

蒼星石「せいやっー!」ギュオン

真紅「部屋の中でしないで!」

蒼星石「ふふ、つい熱くなって善良な市民に迷惑をかけてしまった。正義のヒーローは善良な一般市民に迷惑をかけてはいけない。これ基本」

真紅「いや、私達人形よ」

蒼星石「nのフィールドの平和は僕が守る!」

真紅「しなくて結構」

190 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 23:22:44.23 ID:Z4WbL/KSO
翠星石「で、今は体は大丈夫なんですか?」

真紅「ええ。もう大丈夫よ。力の供給も安定してるわ」

翠星石「そうですか。何なんでしょうね?」

蒼星石「逆にマスターの方に異常が起きたとか?」

真紅「梨穂子が…そういえばあの子、昨日の夜より体が太くなってたわ」

蒼星石「太ったの?」

真紅「ええ、太ったの」

翠星石「間食でもしたんじゃないですか?」

真紅「最初はそう思ったんだけど結局違ったわ」

191 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 23:23:52.98 ID:Z4WbL/KSO
蒼星石「体がむくれたとか?」

真紅「そういうレベルじゃなかったわ」

蒼星石「そもそも一日くらいでそんなに太るの?」

真紅「ないと思うわ。多分」

蒼星石「……ねえ、今僕嫌な事が頭に浮かんだんだけど」

真紅「奇遇ね。私もよ」

翠星石「翠星石もです」

「「「…………」」」

真紅・蒼星石・翠星石「人間がドールから力を吸い取った?」

192 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 23:25:38.16 ID:Z4WbL/KSO
翠星石「いやいやいや、ありえないですよ」

蒼星石「吸い取る事はあっても吸い取られる事はないよ」

真紅「……あの子ならありえるかもしれない。指輪が壊れるくらいですもの」

翠星石「まさかー」

真紅「でももしこの推理が正しければ、朝体が怠かったのも頷けるわ」

翠星石「もしかして、指輪が狂ってるとか?」

真紅「それならもっと前に力を吸い取られてるわ」

真紅「とにかく、梨穂子が私から力を吸い取ってる可能性がかなり高いのだわ」

蒼星石「じゃあ契約は破棄する?」

真紅「まだ証拠がないわ。確かに原因は彼女かもしれないけれど、もしかしたら本当は私の方に異常が起きてるかもしれないし」

翠星石「原因が確定していない以上、何も出来ないですね」

真紅「とりあえず、今日は彼女の様子でも見る事にするのだわ」

193 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 23:26:53.33 ID:Z4WbL/KSO
夜、梨穂子の部屋

真紅「梨穂子! 夜の間食は駄目って言ったじゃない!」

梨穂子「えー、茶道部の先輩達から貰ったシュークリーム食べたいよー」

真紅「ダーメ。貴女ただでさえ急激に太ってきてるのよ。ますます太るわ」

真紅「それは冷蔵庫に入れて三時のオヤツとかにしなさい。でもそれすらも危ういわね」

梨穂子「はーい…」

194 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 23:28:49.98 ID:Z4WbL/KSO
深夜

真紅(鞄の中)「梨穂子はもう寝てるわよね?」

ガチャ

梨穂子「純一がいっぱいだー」ムニャムニャ

真紅「ちゃんと寝てるわね」

真紅「私も早く寝たいわ。もう寝ようかしら? 体も疲れてきたし」

バタン

真紅(鞄の中)「異常は無し。もしかしたら今までのストレスが一気に私に襲い掛かって来ただけかもしれないわね。今みたいな夜更かしも原因なのかもしれないわね」

真紅「でもそれじゃあ梨穂子が太った原因が……今日はもう寝ましょう」

195 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 23:30:14.16 ID:Z4WbL/KSO
真紅「おやすみなさい。梨穂――」

グギュルルルル!!!

梨穂子「うーん……」

真紅「……随分と元気な腹の虫ね」

梨穂子「食べ足りないよ……」

キィイイイイイイイン!!!

真紅「え?」

ズオオオオオオオオオオ!!!!

真紅「――なっ!?」

梨穂子「もう我慢は嫌だよ…」ズオオオオ

梨穂子の指輪『キィイイイイイイイン!!! バチバチバチ!!!』

真紅「ち、力が吸い取られる……!?」

196 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 23:31:21.14 ID:Z4WbL/KSO
ガチャ

真紅「梨穂子!!」

梨穂子「エヘヘ、ワーイ。純一ラーメンだー」ムクムクムク

真紅「か、体がどんどん大きくなっ――」ガクン

真紅(か、鞄から出た途端、急に吸収力が強くなった!?)ガクガク

ズオオオオオオオオオオ!!!

真紅「どんどん吸い取られる……なら吸い取り返してやるのだわ!!」ズオオオオ!!!

梨穂子「あーん、待ってよ私のショートケーキ!」ズオオオオオ!!!

真紅(な、なんて吸収力なのよ? 私がパワー負けするなんて……)

197 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 23:32:44.49 ID:Z4WbL/KSO
真紅(昨日もこのくらいのパワーだったの? マスターがドールの一部になるくらいのパワーじゃない!)

真紅(じゃあ昨日の私は鞄の中に入ってやっと吸収力を抑えられるギリギリの状態だったって訳ね。どうりで体が怠い筈だわ)

真紅(そして彼女が太ったのも私の力を吸い取ったから。でも、どうしてこんな事が……?)

梨穂子の指輪『キィイイイイイイイン!!!』

真紅(!! 彼女の指輪を通して感じる。心の中が……これは、異常なまでの食欲!?)

真紅(分かったわ! 飢えにも近い強力な食欲が、無意識にドールから力を吸い取る事を可能にしたのね!! 梨穂子、貴女すごいわ』

ズオオオオオオオオオオ!!!

真紅「って、感心してる場合じゃないわ!」

198 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 23:34:02.09 ID:Z4WbL/KSO
真紅「(とにかく彼女を起こさなきゃ)梨穂…子……)」

ズオオオオオオオオオオ!!!

真紅「(吸い取られ過ぎて声が出ない……なら)ホーリエ……」

ホーリエ『!!』ギュオン! パアアアアアア!!!

梨穂子「うーん……えへへ、純一のチョコバナナ美味しいや」ムクムク

ホーリエ『!?』オロオロ

真紅(ホーリエの光も駄目なの……?)

真紅(な、なら、鞄の中に入って力を抑えるだけでも)ガクガク

真紅「足に…力が入らない……!?」

ホーリエ『!!』チカチカ

梨穂子「幸せームニャムニャ」ズオオオオ!!

199 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 23:35:00.94 ID:Z4WbL/KSO
真紅「あ…(や、ややややばいのだわ。このままじゃ完全に吸い取られるのだわ)」

真紅(こ、こうなったら最後の手段として強制的に契約を解除するしかない!)

ズオオオオオオオオオオ!!!

真紅「わ、私は…」

ズオオオオオオオオオオオオオ!!!!

真紅「薔薇の……ち、ち…………」

ズオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!

真紅「ち、誓…………い………………」

ズオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!

真紅「を…………………解………………………」ガクン

梨穂子「うへぇー、純一の苺牛乳美味しかったー」ムニャムニャ、ムクムクムク

梨穂子の指輪『ギギギ、ビキ、ビキビキビキ! ベキョ!!』

200 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 23:35:46.78 ID:Z4WbL/KSO
翌朝

梨穂子「うーん、よく寝たー」

ホーリエ『!!』チカチカ

梨穂子「きゃっ!? ホーリエどうしたの? 起きたばかりの人の目にその光はきついよ」

ホーリエ『!!』ギュイン

梨穂子「何?」

真紅「」

梨穂子「真紅ちゃん? 真紅ちゃん!?」ドンドン!

梨穂子「真紅ちゃんしっかりして!!」ユサユサ

梨穂子「一体どうしてこんな事に……」

ホーリエ『(……)!』チカチカ

梨穂子「え? 鞄の中? ……!! そっか、薇だね!!」

201 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 23:37:03.00 ID:Z4WbL/KSO
マキマキ

真紅「……う」パチッ

梨穂子「真紅ちゃん? 良かったぁ」

真紅「梨穂子……?」

梨穂子「もー! びっくりしたんだよー!」

真紅「! 思い出した。私、力を吸い取られて、それで……梨穂子、指輪は?」

梨穂子「指輪? あれ、ない?」

真紅(解除に間に合ったのね)

ホーリエ『!』チカチカ

真紅「え? ベッドの上にある?」

梨穂子「ホント? どこどこ? ……あ〜〜〜〜〜!!」

真紅「……まさか」

梨穂子「真紅ちゃーん、また指輪壊れてるよー」

真紅「……のわああああああああああああああ!!!!!」

梨穂子「キャア!? どうしたの真紅ちゃん?」

202 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 23:38:12.37 ID:Z4WbL/KSO
真紅「もう貴女一体何なのよ!! 指輪は壊す。やっと契約が出来たと思ったら今度はこっちの力は吸い取る。もううんざりよ!!」

梨穂子「そんな事言われても…」

真紅「もういいわ! もう貴女とは契約しない。契約したくないわ!」

梨穂子「ううう、何だかよく分からないけどごめんね真紅ちゃん」

真紅「私、出ていくわ」

梨穂子「う、うん。ごめんね……」シュン

真紅「……ごめんなさい。少し感情的になりすぎたわ」

梨穂子「いいの。私も悪いし。あれ? また体が太くなってる!?」

真紅(今頃気がついたの?)

梨穂子「う〜、ダイエット失敗したよ〜」

真紅「やっぱり出ていくのやめるわ。次の契約相手が見つかるまでここにいる事にするわ」

梨穂子「え? いいの?」

真紅「ええ。ただしその間は、貴女の食事の管理をするから」

梨穂子「えー」

203 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 23:38:55.63 ID:Z4WbL/KSO
真紅「ほら梨穂子、せっかく香苗が来る前に起きれたんだから、早く歯を磨いて着替えをしなさい」

梨穂子「う、うん」

真紅「ホント、世話の焼ける子ね」

204 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 23:40:18.36 ID:Z4WbL/KSO
梨穂子「それじゃあ真紅ちゃん、行ってきます」

真紅「いってらっしゃい。梨穂子」

梨穂子「あ、待って」

真紅「何?」

梨穂子「学校に持って行くお菓子入れるの忘れてた」

真紅「ちょっとおおおおおおお!!!!! 」

真紅「反省したかと思ったらいきなりコレ? というかよく今まで私に見つからなかったわね? いい加減にしなさい!」バシバシ

梨穂子「えーん、頬っぺた叩かないでよー」

真紅「と、いうことがあったの」

翠星石「oh…」

205 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/20(金) 23:41:42.45 ID:Z4WbL/KSO
今日はここまで。続きはまた明日。

206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/21(土) 00:33:07.10 ID:mP1lMWASO
おつ
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2012/04/21(土) 06:49:46.66 ID:rP5/xJvAO

梨穂子は可愛いなぁ
208 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/21(土) 12:14:36.21 ID:M3QAtpJSO
ある日、とある駅

雛苺「コミケッツ楽しみなの」

紗江「そ、そうだね」

紗江(結局、ヒナちゃんのおねだり断りきれなかった…)

紗江「ヒナちゃん、ヒナちゃんは親戚って事になってるから、私の友達の前でもそう振る舞ってね?」

雛苺「分かったのよ!」

紗江(バレなければいいけど…)

209 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 12:16:29.04 ID:M3QAtpJSO
美也「おっ、紗江ちゃーん! おっはよーう!」

紗江「おはよう。美也ちゃん」

美也「あれ? 紗江ちゃん、その子が…」

紗江「うん。ドイツの親戚で――」

雛苺・美也「あっーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

紗江「ひゃっ!?」

美也「ヒナちゃんだーーーー!!」

紗江「え? え、え?」

雛苺「ミヤ…ミャーだわーーーー!!」

紗江「え? ええええ!!!?」

210 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 12:17:42.95 ID:M3QAtpJSO
コミケッツ会場

橘「今日はコミケッツの日だ!」

梅原「大将、今日はいつもより燃えてるな」

橘「そりゃそうさ。何て言ったって、今回のコミケッツにはあの森島先輩がコスプレイヤーとして来てるからね!」

梅原「くぅ〜! まさか森島先輩がコミケッツに来るなんて思わなかったぜ!」

橘「ちなみに梅原、その情報は間違ってないよな?」

梅原「大丈夫だ。問題ない」

橘「楽しみだな。それと梅原、今回もコミケッツ限定のお宝本、ちゃんと手に入れてくれよ」

梅原「任しとけ大将! 大将の方も、森島先輩の写真、ちゃんと撮ってくれよな!」

橘「ああ。生で見れないお前の分も撮りまくってやるさ!」

211 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 12:18:50.31 ID:M3QAtpJSO
雛苺「わー、ここがコミケッツなのね。人がたくさんいるのー!」

紗江「うん。そうだね」

美也「いやー、まさか紗江ちゃんがヒナちゃんのマスターだとは思わなかったよ。指の包帯は指輪隠してたんだね)

紗江「うん。でも、まさか美也ちゃんがヒナちゃんの昔のマスターだったなんて知らなかった」

美也「にしし。実は四年前にヒナちゃんと契約した事があるのだ」

雛苺「サエー、ミャー、色んな格好した人が沢山いるのー」

美也「うん。すごいでしょコミケッツは」

雛苺「サエー、ミャー、色んな格好した人が沢山いるのー」

美也「うん。すごいでしょコミケッツは」

雛苺「うん。ヒナ、来れて嬉しいの」

美也「ヒナちゃん凄く喜んでる……ところで紗江ちゃん」

紗江「なぁに美也ちゃん?」

美也「ヒナちゃんをこの会場に連れて来て本当に良かったの? みゃー達がこれからするのはお買い物じゃなくて同人誌を売るんだよ?というかヒナちゃんが人形なのバレるないの?」

212 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 12:20:15.70 ID:M3QAtpJSO
紗江「うん、ヒナちゃんがどうしても行きたいって……小さな女の子としてごまかせばいいって」

美也「でも、同人誌の中身は…」

紗江「大丈夫。ヒナちゃんはもうこちら側の世界の住人だから」

美也「え?」

雛苺「サエー、サエの先輩をモデルにした同人誌、沢山売ろうねー」

美也「え?」

紗江「ち、違うの! 今日のは違う先輩をモデルにした同人誌だから」

美也「今日のは…?」

紗江「と、とにかく全部オリジナルだから!」

雛苺「ぬおおおおおおおおおお!!!!!!!! 腐女子魂が燃え上がるのよおおおおおおおおおお!!!!!!」

美也「ヒナ…ちゃん……?」

213 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 12:21:43.87 ID:M3QAtpJSO
橘「森島先輩、森島先輩はいったいどこにいるんだ?」

薫「あれ? 純一、アンタ何してんの?」

橘「薫!? どうしてここに?」

薫「私? 恵子の手伝いでここに来てるのよ。それで今トイレに行って戻ろうとしてたのよ。アンタの方こそ何してんのよ? カメラなんか持っちゃって」

橘「ぼ、僕は取材だよ取材!」

薫「ふーん、いやらしい事考えてるんじゃないでしょうね?」

橘「ち、違うよ!」

橘「しかし薫の格好は、魔法使いの少年か。ふーん」カシャ

薫「撮るな」ゲシッ

214 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 12:23:38.17 ID:M3QAtpJSO
橘「それにしても森島先輩は一体どこにいるんだ?」

ザワザワカシャカシャ

橘「あの人だかりは、もしや森島先輩か?」

橘「すみませーん、どいて下さーい。どいて…通れない」グググ

橘「セェイ!」ズポッ

森島「イェ(^。^)イ♪」

橘「森島先輩だー!」

森島「あー! 橘君だー!」

橘「こんにちは森島先輩。おお…某東鳩で有名なお姉ちゃん。しかもブルマ!!これは撮らなきゃ!!」カシャカシャ

七咲「先輩、下から撮りすぎですよ」

橘「七咲まで!? こ、これは某女の子向けのアニメに出てくるキャラクターの格好! 七咲、確かに胸は中学生でもおかしくないけど」

七咲「余計な事言わないで下さい」

215 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 12:25:58.86 ID:M3QAtpJSO
橘「でもどうして七咲もここにいるんだい?」

七咲「森島先輩に無理矢理連れてかれました」

森島「逢ちゃんひどーい♪」

橘「ハハ、なるほど。ぬおっ!? 塚原先輩まで!!」

塚原「あまり見ないでよね」

橘「おお!! 銀髪の超ロングヘアーに黒いボディコンファッション。そして何だかよく分からない鎖も持ってる。普段の塚原先輩からは想像出来ない格好だぞ!!」

七咲「先輩、周りを見て下さい」

橘「ハッ!」

ギロギロギロ

橘(ま、まずいぞ。周りにいる同類からとてつもない殺気を感じる)

橘(このままじゃ殺られる。ならそうなる前に)

橘「森島先輩達を撮りまくる!」カシャカシャカシャ

塚原「ちょっと! どこ撮ってるのよ!!」

森島「ワァ(^。^)オ♪」

七咲(そういえば美也ちゃん達も来てるんだっけ。後で行ってみよ)

216 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 12:27:33.55 ID:M3QAtpJSO
田中「ハァ、写真撮られるの疲れたなー」

田中「コスプレイヤーになればたくさん男が寄ってくると思ったけど、やっぱりキモオタしかいないなー。いい男が全然いない」

田中「猫耳まで付けたのに。あーあ、出会いが欲しいなー」

ツンツン

田中「え?」クルリ

田中「子供? どうしたの? ママとパパとはぐれちゃったの? すごい衣装だねー」

「すみません。人違いでした」ピューン

田中「行っちゃった…」

薫「恵子ー、早めのお昼にするわよー」

田中「あ、薫ー、いい男が全然見つからないよー」

217 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 12:29:33.05 ID:M3QAtpJSO
腐女子1「ピギィイイイイイイ!!!!! 乳運命先生の新刊よおおおおおお!!!!!」

腐女子2「ぐぇふぐぇふ!!!!! 待ってましたああああああああああああ!!!!!」

腐女子3「オゲゲゲ!!!!! 保存用にもう一冊下さあああああああああい!!!!!」

紗江「ありがとうございましたー」

雛苺「ふ、ふえええ、腐女子恐すぎるのよー」ガタガタ

美也「や、やっぱり腐女子には慣れないよー」ガタガタ

雛苺「ヒナ、腐女子を甘く見てたのよ。ミヤー」

美也「ヒナちゃーん」

紗江「美也ちゃん、同人誌補充したいからコピーして来て」

218 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 12:30:54.76 ID:M3QAtpJSO
七咲「あ、いた。中多さん」

紗江「え、もしかして、逢ちゃん!?どうしてここに?」

七咲「うん。森島先輩に無理矢理連れてかれてこんな格好してるんだ」

紗江「カワイイー」

七咲「あれ? 美也ちゃんは?」

紗江「美也ちゃんは同人誌を印刷しに行ってるの」

七咲「そっか。あれ? 中多さん、その子は?」

紗江「う、うん。親戚の子なの」

雛苺「うゆ? サエのお友達?」

紗江「うん。逢ちゃんって言うの」

七咲「こんにちは」

雛苺「こんにちは。ヒナは雛苺って言うの」

219 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 12:32:33.21 ID:M3QAtpJSO
七咲「雛苺って言うんだ。珍しい名前だね。外国人なのに日本語上手いね。人形みたいに可愛い……」

七咲「……人形?」

七咲(外国人なのに名前が外国人っぽくなく日本語が出来る。しかも人形みたい)

七咲(!…中多さんの薬指包帯してない。しかもあの指輪)

紗江「ど、どうしたの?」

七咲「ねえ中多さん、その子もしかしてローゼンメイデン?」

紗江「!? ど、どうして逢ちゃんがそれを……?」

七咲「やっぱりローゼンメイデンなんだ。実は私の所にも人形がいるの」

紗江「でも、指輪がないよ?」

七咲「うん。契約する前に指輪が取れない事聞いたから。それで契約はしてないの」

紗江「わあ、親切」

220 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 12:34:15.33 ID:M3QAtpJSO
雛苺「ねえねえ、アイの所にはどのドールがいるの?」

七咲「蒼星石って言う帽子を被った子だよ」

雛苺「蒼星石がいるんだー。ヒナの事よろしく言っといてね」

七咲「うん。分かった」

森島「逢ちゃん見つけたわよ(^。^)ー。探したんだから」ヒョコ

七咲「あ、森島先輩」

森島「ワァ(^。^)アアアアアアアアアオ!!! 今回二人目のラブリーな女の子発見よおおおおおおおおおお!!!!!」ヒョイ

七咲「あ」

森島「あなたどこの国の子? お名前は何て言うの?」

雛苺「雛苺って言うのよー」

森島「ヒナイチゴちゃんって言うのね。私ははるか。森島はるかよ」

221 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 12:36:22.65 ID:M3QAtpJSO
森島「あら? あなたもしかしてお人形さん?」

雛苺「うん」

紗江「ひ、ヒナちゃん駄目」オロオロ

森島「ワァ(^。^)オ♪ 金糸雀ちゃんの妹発見♪」

雛苺「カナのマスターなの?」

森島「そうよ。ねえ、もし良かったら今度家に遊びに来ない?」

雛苺「うん! 行く!」

森島「ありがとー! 待ってるからね。逢ちゃん、コスプレの続き行くわよ!」

七咲「あ、はい。じゃあ中多さん、また後で」タタッ

紗江「う、うん……森島先輩もドール持ってたんだ……」

美也「紗江ちゃ〜ん、同人誌のコピー終わったよ〜…」フラフラ

222 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 12:38:36.83 ID:M3QAtpJSO
数十分後

塚原「はるか、私ちょっとトイレ行くね」

森島「うん、わかったわ」

七咲(あ、チャンス)

七咲「あの、森島先輩」

森島「ん? どうしたの?」

七咲「前から森島先輩に頼みたい事があったんですけど、中々頼みにくくて……」

森島「ふふ、どんなお願いかな?」

七咲「あの! 私の家にいるローゼンメイデンと契約してくれませんか?」

森島「エッー!? 逢ちゃんもローゼンメイデンいるのー!?」

七咲「はい。実は(というかこの人、私が
ローゼンメイデンの事知らないって思ってたのに、普通に傍でローゼンメイデンの事話してたな)」

森島「ねえねえどんな子なの?」ワクワク

七咲「帽子を被った男装のクールな女の子です。名前は蒼星石って言います」

森島「ワァ(^。^)オ♪実に個性的ね」

223 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 12:40:26.60 ID:M3QAtpJSO
七咲「私は事情があってその子とは契約してません。ですから、もし森島先輩が良ければその子と契約してくれませんか?」

森島「もっちろん♪ すぐにでも契約してあげるわ」

七咲「あ、ありがとうございます」

七咲(良かったぁ。これで蒼星石が困らずに済む)

塚原「ゼェ…ゼェ…ただいま。二人とも何話してるの?」

森島「響ちゃん聞いて聞いて! 逢ちゃんもドール持ってるの!」

七咲「ブフゥ!? ちょっと森島先輩!?……も?」

塚原「七咲も?」

七咲「えっ? もしかして塚原先輩も?」

塚原「いや、私ははるかにドール見せてもらったの。それでね」

七咲(うわぁ、森島先輩隠す気ゼロだ)

224 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 12:41:58.95 ID:M3QAtpJSO
橘「……なあ梅原」

梅原「何だ大将?」

橘「若さって、時には恐ろしいよな」

梅原「そうだな」

橘「後の事なんか何も考えずに行動するのは若さ故の過ちだよな。例えそれが危ない事だと分かっていても」

梅原「けどよ大将、若いからこそ俺達は大人には出来ない事をやってのけようとするんだ」

橘「ハハハ、確かにそうだね」

橘「これが青春…」

梅原「ああ。青春だ」

警備員「そこの二人、何をコソコソと話してる? 特にパンツ一丁でカメラを持ってるガキ、さっさとフィルムをこっちに渡せ」

225 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 12:44:12.62 ID:M3QAtpJSO
橘「いやー、さすがに調子に乗りすぎたよ」

梅原「まさか大将がパンツ一丁になって写真を撮ってたなんて思いもしなかったぜ」

橘「やっぱり、良い写真を撮るためにはレイヤーと同じ気持ちにならないとね」

梅原「言ってる意味がよくわかんねえぜ。で、良い写真は撮れたか大将?」

橘「ああ! バッチリさ! 特に下半身はバッチリだよ。もちろんレイヤーの顔もね」

梅原「大将はやる事がえげつねえな〜」

橘「僕のフィルムには良い割れ目が揃ってるはずだよ。あ、森島先輩の割れ目もちゃんと撮ったよ」

梅原「マジかよ…。やっぱり大将はそこらの奴とは違うぜ!」

橘「へへ、よせやい」

梅原「けどよ大将、俺まで巻き込まなくても良かったんじゃないのか?」

橘「ごめんごめん。でも、警備の人から逃げる時は仲間がいた方が心強いだろ?」

梅原「そいつは言えてるな」

警備員「おい! いつまで話してる!! 特にそこの変態、さっさとフィルムをよこせ!」

226 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 12:47:24.85 ID:M3QAtpJSO
橘「お願いします! フィルムだけは奪わないで下さい!」

梅原「そもそも俺は何もしてないぞ!」

警備員「お前、サークルチケットを高値で売りさばいてただろ? 証拠はあるんだ」

梅原「テヘッ♪ ばれちった」

警備員「お前達は警察に引き渡す」

橘「い、嫌だ! 前科持ちにはなりたくない!」

梅原「俺も親から勘当されちまう!」

警備員「今更後悔しても遅い。今警察に電話する」

梅原(や、やべえ。まだ彼女も出来てないのに少年院行きかよ)

橘(そ、そんな、このままじゃ森島先輩の割れ目が堪能出来ないよ)

橘(いや、それどころか退学になったらもう薫とエッチ、スケッチ、ワンタッチも出来ないし、紗江ちゃんとの楽しい教官プレイも出来ない。
七咲の前で赤ちゃんに戻る事も出来ない。梨穂子のお腹で遊ぶ事も出来ない。
綾辻さんに罵られる事も縛られる事も踏まれる事も無くなってしまうじゃないか!?)

橘・梅原(そ、そんなの嫌だ!!)

227 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 12:49:24.97 ID:M3QAtpJSO
警備員「はい。こちらコミケッツの――」

橘(僕の人生が終わる…)

バチバチ

警備員「ガァ!?」バタン

橘「な、何だ?」

「すみません。こちらの間違いでした。はい。では」ガチャ

警備員2「何だ貴様!? どこから入って来た!?」

バチバチ

警備員2「オゴォ!?」バタン

梅原「このレイヤーさんは何者だ?」

「二人とも、早く逃げて!」

228 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 12:50:18.68 ID:M3QAtpJSO
橘「あ、あなたは一体?」

「いいから早く!」

警備員3・4「何だ? 騒がしいぞ?」ゾロゾロ

「くっ、私一人だけじゃキツイわね。急いで!」

梅原「た、大将、とにかく今のうちに逃げるしかねえ!!」

橘「う、うん。ありがとう。謎のレイヤーさん!」シュタ

「……無事でいて。橘君」

229 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 12:51:49.57 ID:M3QAtpJSO
橘・梅原「ハァハァ」

橘「振り切った、かな……?」ハァハァ

梅原「多分、大丈夫だ」ハァハァ

橘「それにしてもさっきのレイヤーさんは何者だったんだ?」

梅原「わからねえ。ただ、俺達を助けてくれたのは確かだな」

橘「あの人、綺麗な銀髪の持ち主だったなあ」

梅原「大将、あれはカツラだって。猫耳してたし」

橘「あ、そっか」

梅原「けど、あのレイヤーさんのお陰で俺達は地獄に落ちずに済んだ」

橘「ああ。もう一度会えるならお礼がしたいよ」

橘・梅原「謎のレイヤーさん、あなたの事は一生忘れない」

梅原「ところで大将、フィルムはどうした?」

橘「え? ……し、しまったあああああああああああああああ!!!! 取り返すの忘れてたあああああああああああああ!!!!!!!!」

230 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 12:53:12.50 ID:M3QAtpJSO
夜・七咲の部屋

七咲「蒼星石、今日は聞いて欲しい事があるの」

蒼星石「何だい逢さん?」

七咲「あのね、あなたと契約してくれる相手がやっと見つかったの」

蒼星石「え、見つかったの?」

七咲「うん。私の学校の先輩でね。快くOKしてくれたの。その人も契約者なんだ」

蒼星石「そうなんだ。その人って、どの姉妹と契約してるの?」

七咲「誰だったかな……確かカナリアって言ってた」

蒼星石「そっか。ありがとう(喧嘩する事はないな)」

七咲「ごめんね蒼星石。今まで不敏な思いさせて」

蒼星石「そんな事ないよ。僕は逢さんに会えて良かったよ。それに、逢さんのお陰でイナゴマスクにもハマる様になったし」

蒼星石「でも、ちょっと寂しくなるな。イナゴのユカナとリカともお別れだね」

七咲「私、蒼星石の分もちゃんとお世話するから」

蒼星石「また、顔見せに来てもいい?」

七咲「うん。いつでも遊びに来ていいから」

231 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 12:54:46.94 ID:M3QAtpJSO
森島はるかの部屋

金糸雀「エェ!? 新しいドールと契約?」

森島「そうなの。金糸雀ちゃんの姉妹が家にやってくるの」

金糸雀「水銀燈かしら?」

森島「ううん。蒼星石って言う子よ」

金糸雀「ああ、蒼星石」

森島「早く会いたいなー。男装の女の子、いっぱい可愛がってあげたいわ!」

森島「そうだわ! 響ちゃんと一緒に男装ペアってのも素敵ね!」

森島「それで私は金糸雀ちゃんと一緒にお姫様コスチュームよ!」スリスリ

金糸雀「はるちゃんはまるでサンタさんを待つ女の子みたいかしら……摩擦が」

森島「後ね、今日は雛苺ちゃんって言う妹ちゃんにも会えたわ」

金糸雀「え? はるちゃん、今日は人がいっぱいいる所にいたんじゃないのかしら?」

森島「私の後輩の知り合いと一緒に来てたの〜」

金糸雀「ああ、なるほど」

森島「ふふ、水銀燈ちゃんや蒼星石ちゃん、雛苺ちゃんだけじゃなくて、全員と会ってみたいなー」

232 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 12:55:52.89 ID:M3QAtpJSO
純一の部屋

美也「にぃにー! また押入れに入ってるのー? ご飯冷めちゃうよー」

橘「美也、今は出たくないんだ。先に食べててくれ」

美也「もう! 知らないからねー」タタッ

橘「ウッ…ウッ……森島先輩のコスプレ写真……森島先輩の割れ目。レイヤーさん達の割れ目……」

橘「みんな……台なしになった」

橘「苦労して撮った割れ目。謎のレイヤーさんに助けられたのに取り返すのを忘れてしまった僕の割れ目コレクション…」

橘「悔しい! 悔しいよお!」ポロポロ

橘「僕は、人生最大のチャンスを逃してしまった……」

橘「二度とチャンスは来ないだろうなあ。このショックは失恋以来だ」

橘「ああ…押入れの中の星が皆の割れ目に見えるよ」

233 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 12:57:57.94 ID:M3QAtpJSO
橘「そういえば学校では皆どんなパンツ履いて割れ目を隠してるんだろう?」

橘「森島先輩は大人っぽいパンツだった。薫はきっとベージュのパンツだな。
紗江ちゃんはピンクのパンツかも。
七咲は言うまでもなく競泳水着だ。
梨穂子は多分熊さんパンツ。それで綾辻さんは確か純白のパンツだったね!」

橘「田中さんは普通に白のパンツ。
塚原先輩は意外と乙女だからきっと水玉模様のパンツだね。それで高橋先生は黒のランジェリーか? いや、変にピュアだから白だね!」

橘「おお、想像するだけで元気が出てきたぞ!!」

橘「ハハハ、割れ目、割れ目、皆の割れ目、どんなかな? 割れ目、割れ目、皆の割れ目、未知の領域に突入だ!」

橘「割れ目、割れ目、皆の割れ目、パンツで隠すよバリアーだ! 割れ目、割れ目、皆の割れ目、パンツに形が出ているぞ!」

234 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 12:59:54.75 ID:M3QAtpJSO
ゴンゴン

橘「? 窓が叩かれてる?」

橘(ま、まさか泥棒か?)

シーン…

橘(……足音はしないな)

橘「何だ?」スッ

橘「……誰もいない。ん? ベットに何かあるな……写真だ」

橘「!!! こ、これはパンツに割れ目の形がくっきりと写ってる写真だ!?」

橘「一体誰の……裏に何か書いてある。『これを見て元気になって下さい。あなたの幸せを願ってます。あなたをいつも見守ってるレイヤーより』」

橘「もしかして、あの時助けてくれた謎のレイヤーさんなのか?」

橘「だとしたらこの写真はレイヤーさんの割れ目なのか?」ドキドキ

橘「レイヤーさんはサンタさんだったのか。くぅ! 謎のレイヤーさん、早めのクリスマスプレゼントをありがとう!」

235 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 13:02:01.78 ID:M3QAtpJSO
翌日・薫の部屋

翠星石「契約相手が見つかった!?」

真紅「まあ」

蒼星石「うん。逢さんが探してくれたんだ。その人、金糸雀と契約してるんだ。それと雛苺も目覚めてるみたい」

翠星石「チビカナとですか。とりあえず危ない人間ではなさそうですね。それにしても契約相手が見つかるなんて羨ましいですね」

蒼星石「でもすぐには契約しないよ。まだ少しだけ逢さんの所にいるから」

翠星石「いいなー。翠星石もその人間と契約したいですー」

真紅「私も本音を言わせてもらえば契約したいわ」

蒼星石「そうだね。契約出来ればいいけど、それを相手に伝えずに勝手に皆と一緒にそこに行くのはまずいな」

真紅「そうね。元々は蒼星石だけとの契約だし」

金糸雀「話は聞かせてもらったかしら」

蒼星石「金糸雀?」

236 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 13:04:06.58 ID:M3QAtpJSO
金糸雀「やっと侵入出来たかしら」

真紅「この世界で会うのは初めてね。どうやってここを?」

金糸雀「ずっと前から偵察してたかしら。でも、皆契約してないのは驚いたかしら」

翠星石「今回は皆状況が特殊なんですよ」

金糸雀「そうなんだ。水銀燈も契約出来てないし、今回は珍しいかしら」

真紅「水銀燈も?」

金糸雀「ええ。巻いた人間の女性がドSみたいで契約出来てないみたいかしら」

翠星石「また随分とんでもない人間に捕まりましたね」

金糸雀「ところで、皆契約したいのかしら?」

真紅「ええ。出来れば」

翠星石「どうせなら双子一緒に揃って契約したいです」

金糸雀「うーん、確かに私のマスターは全てのドールには会いたいって言ってたけど、契約してくれるかしら?」

金糸雀「それにカナを含めて四体と契約する事になる。体への負担も大きくなりそうかしら」

翠星石「そこを何とか!」

金糸雀「うーん…一応聞いてみるかしら」

237 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 13:07:37.18 ID:M3QAtpJSO


森島「ぜひ連れて来て!」

雛苺(遊びに来た)「皆に会えるのよー」

金糸雀「え…いいの?」

森島「もちろんよ(^。^)」

翌日

金糸雀「喜んでOKしてくれたかしら…」

翠星石「Yes!!」

238 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 13:10:13.73 ID:M3QAtpJSO
薫「え? 契約相手が見つかったの?」

翠星石「そうなんですよー。ついに見つかったんですよー。いやー、苦労したです」

薫「ふーん、良かったわね」

翠星石「あれ〜、もっと寂しがっても良いんですよ〜? 意地を張らない張らな〜い」

薫「いや、特に何も」

翠星石「ぐぬぬ、何て冷たい人間ですか」

薫「でもアンタとの口喧嘩がなくなるのは少し寂しいわね」

翠星石「オッ、やっぱり寂しいんじゃないですか。素直じゃないですね〜」

薫「ハイハイ。寂しいですよ。でも新しい契約相手とあまり口喧嘩とかしちゃ駄目よ。そういうのは、私だから許されるんだからね」

翠星石「ほーい」

薫「それと、ここ離れる時好きなお菓子持ってっていいわよ」

翠星石「てんきゅでーす」

239 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 13:22:20.17 ID:M3QAtpJSO
梨穂子「そっかー。真紅ちゃん新しい契約相手の所に行くんだね」

真紅「ええ。今までお世話になったわ」

梨穂子「ちょっと寂しくなっちゃうなー。ごめんね。ちゃんと契約出来なくて」

真紅「でも今となったら良い思い出だわ」

梨穂子「真紅ちゃん、いつでも家に遊びに来て良いからね」

真紅「ええ」

梨穂子「またご飯いっぱい食べようね」

真紅「それは考えとくわ。梨穂子、貴女も素敵なレディになる事を忘れないように」

梨穂子「うん。頑張るよ」

真紅「梨穂子、緑茶か抹茶、飲みたいわ」

梨穂子「うん。分かったよ」

240 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 13:25:47.95 ID:M3QAtpJSO
真紅「ん…中々良い味ね。さすがお茶の同盟に入ってるだけの事はあるわ」

梨穂子「私なんてまだまだだよ〜」モグモグ

真紅「紅茶がイマイチだから仕方なく緑茶や抹茶にしてたけど、今ではすっかりそっちも好きになったわ」

真紅「これを飲んでたら昔を思い出しちゃったわ。昔、貴女と同じ様に紅茶の入れ方が下手な子がいたの」

梨穂子「へ〜、そうなんだ〜」モグモグ

真紅「いつも紅茶の入れ方を注意したわ。その度にその子は愚痴をこぼしてたわ。『紅茶より緑茶の方が好きなんだよ!』とか言ってたわね」

真紅「でも、その子との仲は悪くなかったわ。むしろ仲は良い方。愚痴のこぼし合いもあったけど、今となってはいい思い出だわ」

真紅「あの子、元気にしてるかしら」

梨穂子「その子はどんな子だったの?」モグモグ

真紅「眼鏡を掛けた女の子でね、あまり言葉遣いが女性っぽくなかったの。男勝りな性格だったわ」

梨穂子「ワァー、るっこ先輩そっくり」

真紅「……るっこ?」

241 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 13:27:40.33 ID:M3QAtpJSO
梨穂子「あ、るっこ先輩は私の茶道部の先輩でね」

真紅「待って梨穂子、そのるっこって言うのは本名なの?」

梨穂子「ううん、呼び名だよ。本当の名前は琉璃子って言うの」

真紅「ね、ねえ、もしかして愛歌って子も知ってる?」

梨穂子「え? どうして真紅ちゃんが愛歌先輩の事知ってるの?」

真紅「嘘……貴女、琉璃子達の後輩だったの……!?」

梨穂子「うん。真紅ちゃんはどうして二人の事知ってるの?」

真紅「琉璃子は昔、私のマスターだったの。愛歌も琉璃子と同じドールのマスターだったの」

梨穂子「ウエッー!? とんでもない事実が発覚しちゃったよー!!」

真紅「私の方が驚きだわ。一体どれだけの確率でこんな偶然が起きるのよ。いえ、これは必然。運命かもしれないわ」

梨穂子「ショックが大きすぎて食が止まらないよー!!」モグモグモグモグモグモグ

242 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 13:29:12.55 ID:M3QAtpJSO
水銀燈「ただいまー…って、まだ帰って来てないわね」

水銀燈「窓は…鍵が掛かってる。相変わらずドSな女ね」

水銀燈「どこかで暇を潰すしk」

「あれー? 銀ちゃん?」

水銀燈「ゲッ…」

縁「やっぱり銀ちゃんだー。わー、何年ぶりだろー」

水銀燈「縁…」

縁「銀ちゃん久しぶりー。どうしてここにいるの? もしかして遊びに来たの?」

水銀燈「そんなんじゃないわよ…」

縁「そっか。じゃあ家に入ろうよ」

水銀燈「いや、それは…」

243 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 13:30:57.59 ID:M3QAtpJSO
絢辻「……何してるの?」

水銀燈「ヒィイイイイ!!? 違うの詞! これには訳があるの」

縁「見て見て詞ちゃん、この子が喋るお人形さんだよ」

絢辻「……」スタスタスタ

縁「詞ちゃん?」

ガシッ

水銀燈「ヒッ!?」

絢辻「一緒に来て」ボソッ

水銀燈「は、はい…」

縁「詞ちゃん、銀ちゃんの事気に入ったんだ」

244 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 13:34:49.44 ID:M3QAtpJSO
詞の部屋

絢辻「あれだけ人に見られるなって言ったのに。しかもよりによって姉に見られるなんて」

水銀燈「だ、だって、鍵が掛かってて部屋に入れなかったのよ」

絢辻「確かに私もしくじったわ。今日は帰りが遅くなったし。こんな事なら鍵を掛けなければ良かった。でも、見つかったあなたにも責任があるわよねぇ?」

水銀燈「そ、そうだけど」

絢辻「面倒な事になりそうだわ。そういえばあなたの事、あの人の口ぶりだと前から知ってた様に見えたけど、もしかしてずっと前からバレてたの?」

水銀燈「……今日が初めてよ」

絢辻「え? だってあの口ぶり…」

水銀燈「私、昔契約した事があるのよ。縁と」

絢辻「え…ちょっと待って? 何それ?」

水銀燈「本当は貴女の事、昔から知ってたの。でも貴女に巻かれた時、貴女が縁の妹だとはすぐには気が付かなかったわ。貴女が私に名前を教えてくれた時、気が付いたの」

水銀燈「びっくりしたわよ。一瞬、巻いてない世界かと思ったくらいですもの」

245 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 13:37:36.62 ID:M3QAtpJSO
絢辻「嘘?……そうだ、思い出した。確か四年くらい前にあの人、喋る人形がいるって。あの時、また訳の分からない事言ってるって思ってたけど、あなたの事だったのね水銀燈」

水銀燈「そうよ。あの時は誰かに見られるのが嫌だったから拒んだけど」

水銀燈「実は時々、興味本位で貴女の事見てたのよ。その頃から貴女、既に心を閉ざした様な、仮面を被った感じがしたのよねぇ。目も寂しそうだったし」

水銀燈「でもドSだってのはさすがに分からなかった。それが素だとは思わなかったわ」

絢辻「……どうして姉の事言ってくれなかったの? どうして私の事知ってるって言ってなかったの?」

水銀燈「だって貴女、昔から姉の事嫌ってたみたいだったし」

水銀燈「私も、縁とはイマイチ波長が合わないのよね。振り回されると言うか、ペースが乱されると言うか、全体的に苦手なのよ、ああいう子。貴女が苦手に思うのも何となく分かるわ」

水銀燈「それで『昔、貴女の姉と契約してました』とか言ってごらんなさいよ? お古は嫌だとかって言われて契約出来なかったらたまったもんじゃないわよ」

水銀燈「それに、貴女の事は昔から知ってましたって言っても何か変な空気になりそうだったから、敢えて言わなかっただけ」

水銀燈「でも、結果的にはそれよりも酷い事になったけど…」

246 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 13:41:29.65 ID:M3QAtpJSO
絢辻「ふふ…何よそれ、これじゃあ私、まるで道化じゃない」

水銀燈「ハァ? どうしてよ?」

絢辻「だってそうでしょ? 私はあなたの事は知らなかったけど、あなたは私の事を前から知ってた。しかも私の弱い部分まで!そんな相手に私は調教とか虐めとかしちゃって……」

水銀燈「でも手帳の事までは知らなかったわ」

絢辻「手帳より質が悪いわよ。あなた、結構強いのよね? なのに私に逆らわなかったのは同情のつもりだったの?」

水銀燈「同情する訳ないじゃない。仮に同情したとしても、大人しくサンドバッグになる気はないわ。それに貴女から逃げようとした事あるじゃない?」

水銀燈「人間を傷つけるのが趣味じゃないだけよ。しかも女の子相手に。傷物にさせる訳にはいかないわぁ」

水銀燈(まあそれもないわけじゃないんだけど、この子には相手を逆らわせないオーラがあるのよねぇ。それに、だんだん調教されたくなってきたのもあるわ)

247 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 13:43:54.60 ID:M3QAtpJSO
絢辻「ある意味、私はあなたの手の平の上で踊らされていたって訳ね。ホント、馬鹿みたい」

水銀燈「考えすぎよ」

絢辻「……もういいわ」ガタッ、ガサゴソ

絢辻「指輪、あなたに返すわ。鞄の重りも取ってあげる」スッ

水銀燈「どうしたのよ急に」

絢辻「もうあなたは私の下僕である必要性がないのよ。昔の事を言わなかったんだから、手帳の事もあなたは誰にも言わない筈。もちろん私が調教してきた事も」

水銀燈(ごめんなさい。調教の事は次女は知ってるの)

絢辻「あなたは自由の身よ。何処にでも行きなさい」

水銀燈「指輪は返してもらうし重りも外してもらうけど、私はここを離れるつもりはないわよ」

絢辻「は?」

水銀燈「ここ、雨宿りには良い場所なのよ。また他の場所を探すなんて面倒臭いわ。それに言ったでしょ? 新しいミーディアムは探さないって。少なくともこの世界では探さないわ」

水銀燈「だから、今まで通り居候させてもらうわよ」

248 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 13:46:25.09 ID:M3QAtpJSO
絢辻「……そう、物好きな人形ね」

絢辻「あーあ、何だか疲れがどっと出たわ。あなたの事虐める気も失せちゃったし」

水銀燈(え、せめてソフトなのは残して欲しいわぁ)

絢辻「いいわ。今まで通りここに居させてあげる。でも、あの人には見つからないで。ここに居る事バレるから」

水銀燈「気をつけるわ」

絢辻「窓の鍵は常に解除にしてあげる。ただし、今まで通り門限は絶対よ」

水銀燈「ええ」

絢辻「他にも守って欲しい事は色々あるけど、それは後回し。水銀燈、契約の指切りして」スッ

水銀燈「ええ」ギュ

絢辻「これで私とあなたは再び契約したわ。これからもよろしくね。水銀燈」

水銀燈「ええ。よろしく詞」

絢辻「それじゃあ水銀燈、早速だけど罰を受けてもらうわ」

水銀燈「え?」

249 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 13:48:46.28 ID:M3QAtpJSO
絢辻「赤の他人には見つかっちゃ駄目。特に姉には。それを破った罰よ」

水銀燈「そ、それは勘弁してくれないかしらぁ? 昔から知ってたんだし」

絢辻「それはそれ。これはこれよ」ニコニコ

水銀燈「貴女、私を虐める気が失せたんじゃないのかしら?」

絢辻「これは虐めでも調教でもないわ。罰よ」

絢辻「水銀燈、お尻出しなさい」ニコニコ

水銀燈「ふふふ…いつでもいいわよぉ!」

スパァン! スパァン! スパァン!

絢辻「絢辻詞は?」

水銀燈「裏表のない素敵な人よぉおおおおおお!!!」

スパァン!!!

250 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 13:50:51.08 ID:M3QAtpJSO
翌日・教室

橘「フンフフーン♪」

梅原「大将? また機嫌が良いな」

橘「うん。美少女とデートしてるんた」

梅原「何ィ!? 大将、いつの間に?」

橘「あ、夢の中の話だよ」

梅原「何だよまた夢の方かよ。つーか大将、さすがに虚しくないか?」

橘「いやそれがさ、夢なのになんか生々しいんだ。まるで本当にデートしてるみたいで。体が覚えてるんだ」

梅原「マジかよ〜?」

橘「ただ、顔は覚えてないけどね」

梅原「何だそりゃ」

「……」ジッー

251 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 13:52:26.35 ID:M3QAtpJSO
(ふふ、昨日の夜も橘君とデートしちゃったわ)

(ただ、顔を覚えてくれてないのは残念だけど。私がそうしてるんだけど)

「裡沙さん裡沙さん」

裡沙「雪華綺晶、他の子達の様子は?」

雪華綺晶「特に何もありません。裡沙さん、愛しの殿方の様子はどうですか?」

裡沙「今日も素敵よ。目の保養になるわ」

雪華綺晶「裡沙さん、もう橘さんにガチで告白すればいいじゃないですか?」

裡沙「む、無理よ。そんな事出来ないって」

雪華綺晶「それとも容姿を気にしているのですか? 裡沙さんは美少女だから大丈夫ですよ」

裡沙「そういう問題じゃないの。私にはそんな勇気も資格もないから……」

雪華綺晶「夢の中でデートもしてるのに、変な所で内気ですね」

裡沙「い、いいでしょ別に。それに、今の私は彼を見守ってるだけでとても幸せなの」
252 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 13:54:32.46 ID:M3QAtpJSO
裡沙「! 橘君がこっちに来るわ」ササッ

裡沙「あ、橘君が今ゴミ箱に鼻水だらけのティッシュを捨てたわ!」

シュバ!

裡沙「橘君の使用済みティッシュ、ゲットだぜ!!」

シュタタタ!!!

トイレ

裡沙「ハアハアハアハアハアハアハアハアハアハア」ガサゴソ

裡沙「まだねっとりしてる…橘君///」キュン

裡沙「くんくん…橘君の体にはとりあえず異常は無し。まあまあ健康ね。でも念の為に舐めて詳しい事も調べとかなきゃ」ペロペロ

裡沙「ほおほお、昨日はまんま肉まんを二個食べたんだ。それだけじゃないわ。お昼はラーメン。夕食はご飯を大盛にしてるわね。橘君、糖尿病には注意して」

雪華綺晶「どうして分かるんですか?」

253 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 13:57:49.87 ID:M3QAtpJSO
お昼・屋上

裡沙「こちら『アサシン』。『ホワイトローズ』応答せよ。橘君の様子は?」

雪華綺晶「こちら『ホワイトローズ』。男性のお友達とご飯を食べてます。特にフラグらしいフラグもありません」

裡沙「そっか。とりあえず今は大丈夫だね」

雪華綺晶「心配性ですね。疲れないんですか?」

裡沙「大丈夫。でもね雪華綺晶、あなたと出会ってからは私の負担(主に監視)もかなり減ったよ。でも、その負担も橘君の為だと思えば喜びに変わるけど」

雪華綺晶「貴女は本当に橘さんを愛しておられるのですね」

裡沙「あ、愛!! ……そう、そうよ。私は橘君を愛しているのよおおおおおおおおお!!!!!」

雪華綺晶「周りに聞こえますよ」

雪華綺晶「でもそれならガチで告白すればいいじゃないですか? あのお方、今はもう心の傷なんてないくらいに変態じゃないですか」

裡沙「で、でも、私、橘君に色々と邪魔してきたし、やっぱり無理だよ。少なくとも今は駄目」

裡沙(だけど、雪華綺晶と出会ったお陰で嬉しい事も増えたな)

254 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 13:59:50.55 ID:M3QAtpJSO
とてもとても長い回想

裡沙「ふふ、橘君、今日もかっこよかったな」

裡沙「でも、橘君の周りの女子には注意しなきゃ」

裡沙「少しでも怪しい動きがあれば、橘君が不幸になる前に何とかしなくちゃ!」

裡沙「でも、一番手っ取り早いのは私が橘君の彼女になる事なんだけどね」

裡沙「でも、私は橘君を傷つけちゃったからそんな資格はないし」

裡沙「今の私に出来る事は橘君を見守って、彼の指紋や耳紋(じもん)、歩幅、欠伸、瞬きの回数、くしゃみ、鼻水、尿、便、その他から彼の健康や精神状態を確かめる事くらい」

裡沙「でも、もっと橘君に近づきたい。本当は私も橘君とお話がしたい」

裡沙「神様、少しでもいいの。夢の中でもいいから私に橘君とお近づきになれるチャンスを下さい!」

雪華綺晶「こんにちは」ジュプ

裡沙「キャアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!?????」

255 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 14:01:22.89 ID:M3QAtpJSO
裡沙「な、な……」

雪華綺晶「急に叫ぶからびっくりしました。驚かさないで下さい」

裡沙「それはこっちの台詞よ! な、ななな何あなた? 窓から急に…人間?」

雪華綺晶「いいえ。私は人形です」

裡沙「に、人形?」

母「裡沙ー、どうしたのー」

裡沙「な、何でもない」

裡沙「あなた、本当に人形なの?」

雪華綺晶「はい…見てくださいこの腕」

裡沙「! 間接が球体?」

雪華綺晶「信じて…くれましたか……?」

裡沙「に、人形が私に何の用なの?」

雪華綺晶「契約相手を探してます」

裡沙「契約?」

雪華綺晶「私の名前は雪華綺晶」

裡沙「き、きらき? 何?」

雪華綺晶「き・ら・き・しょ・う。雪華綺晶です」

雪華綺晶「そこの貴女、私と契約してマスターになって下さい」

256 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 14:07:16.47 ID:M3QAtpJSO
裡沙『私は彼女と出会って自分の知らない世界を知った』

裡沙「な、何?ドアがいっぱい!?」

雪華綺晶「9秒前の白の次はnのフィールドです」

裡沙「わ、私体が浮いて――」ギュオン

裡沙「ひいいいい!! 落ちるうううううううう!!!!!」

雪華綺晶「第×××××の世界の扉が開きます。レッツゴー」

裡沙「ここって、私が小学生の頃に美也ちゃんと遊んだ場所だ」

みや『りさちゃーん!』トコトコ

裡沙「え? 美也ちゃん!? どうして子供に戻ってるの?」

雪華綺晶「貴女が見ているのはただの記憶にしか過ぎません。本物ではありません」

裡沙「立体映像の様なものね」

りさ『みやちゃんのお兄ちゃんはね、本当は”にぃに”って言うんだよ』

みや『りさちゃん物知りー』

裡沙「美也ちゃんに呼び方教えてる。懐かしいなあ」

257 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 14:09:37.99 ID:M3QAtpJSO
雪華綺晶「次の世界は……何?」

裡沙「ここはもしかして……橘君!!」

橘「……ハァ」ズーン

雪華綺晶「落ち込んでますね」

裡沙「そっか。私が今見てるのは一昨年のあのクリスマスの日」

裡沙「私は橘君を守る為にあの人達に嘘をついた」

裡沙「私は橘君を守った。でも……」

橘「……僕はもう終わりだ」

裡沙「同時に傷つけた」

橘「……」トボトボ

裡沙「間近で見たらもの凄く悲しそうな顔してる……」

裡沙「ごめんなさい橘君……でも、こうするしかなかったの……」ポロポロ

258 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 14:12:25.53 ID:M3QAtpJSO
雪華綺晶「……あの男性の事が好きなのですか?」

裡沙「うん。大好き。世界で一番大好き。誰にも負けないくらい大好き!」

雪華綺晶「どう…して…?」

裡沙「うん。あのね、橘君は小学生の頃――」

裡沙『多分私は半日くらい橘君の事を語ったわ』

259 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 14:33:08.65 ID:M3QAtpJSO
裡沙『そして、私は雪華綺晶と言う頼もしいパートナーと共に、橘君を見守る様になった』

裡沙「nのフィールドって凄いねー。どこにでも行けちゃう。学校だってすぐ着いちゃう」

雪華綺晶「本来なら…どこにでもnのフィールドに繋がる場所がある訳ではありません……」

雪華綺晶「ですが…nのフィールドの中で長く生きてきた私にとっては…※nのフィールド(に繋がる場所)を作り出す事くらい、造作もないことです……」

裡沙「これなら夜に学校に忍び込んで隠しカメラをセットする事が出来る!」

※YJローゼンでそれらしき描写(まやかしの世界)があったので。とりあえずこのSSでの雪華綺晶はそういう能力があると言う設定で。
260 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 14:36:32.38 ID:M3QAtpJSO
裡沙「雪華綺晶、いる?」

雪華綺晶「はい…裡沙さん」

裡沙「あれが橘君よ」

雪華綺晶「この前見ました」

裡沙「生は初めてでしょ?」

雪華綺晶「この前見たのもほぼ生な気がしますけど…」

裡沙「橘君、今日も元気にしてる。良かった」

雪華綺晶「あのお方とお話はしないのですか…?」

裡沙「で、出来ないよ! だって私、橘君の事傷つけちゃったから……」

雪華綺晶「守った…のでは?」

261 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 14:37:59.54 ID:M3QAtpJSO
裡沙「確かに守ったよ。あの時そうしなきゃ橘君はもっと傷ついてたかもしれない」

裡沙「でも結局、私が傷つけた事には変わりないから」

裡沙「だから、私は彼と気楽に話す資格はないの。少なくとも今は」

雪華綺晶「今は……」

裡沙「でもその代わり、彼の事はいつでも見守っていられる様にしようって思ったの」

雪華綺晶「見守る……」

裡沙「見て、この袋の中に二本の抜け毛があるでしょ? これは橘君の抜け毛よ」

裡沙「一本は入学当初の頃。この頃はまだ失恋のショックが残ってるから毛がボロボロよ。寝不足で下痢もよくしてるわね」

雪華綺晶「私にはよく分かりません」

裡沙「でも最近手に入れたもう一本の毛は違う。毛が綺麗なの。ストレスも少ないし、寝不足はしてないし漫画を読んで楽しむ余裕もあるわ」

雪華綺晶「単に時間の経過による差では?」

262 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 14:40:31.79 ID:M3QAtpJSO
裡沙「雪華綺晶、これからは私と一緒に橘君の事を守って欲しいの」

雪華綺晶「何故……?」

裡沙「さすがの私でも活動範囲に限界がある。でも、あなたが協力してくれたら今まで以上に橘君を守る事が出来るわ」

雪華綺晶「いいですよ。ですが…」

裡沙「ですが、何?」

雪華綺晶「貴女はそれで満足なのですか……?」

裡沙「決して満足じゃないわよ。でも、仕方がないから」

雪華綺晶「傍にいられないのに…?」

裡沙「もう、さっきも言ったでしょ。傷つけちゃったから今は見守る事だけで精一杯なの」

裡沙「でもね、貴女は傍にいられないって言うけど、橘君はちゃんと私の傍にいるよ」

雪華綺晶「……?」

パカッ

裡沙「このロケットの中に橘君の写真が入ってあるの」

裡沙「写真の橘君もいつ見ても素敵。凄く紳士的」ジュルリ

裡沙「だから、私は橘君といつでも一緒にいられるの。私の事をいつも見守ってくれてるの」

裡沙「橘君! 橘君だーい好き!!」スリスリ

裡沙「と言うわけで、私に協力してね」

雪華綺晶「はい……」

263 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 14:41:53.85 ID:M3QAtpJSO
裡沙『雪華綺晶が仲間に加わったお陰で今まで以上に橘君の情報が手に入った』

裡沙「どう? 雪華綺晶。橘君、家で何してた?」

雪華綺晶「お友達の男性から貰ったお宝本を半裸になって見てました。妹さんが突然入って来た時には…生まれたての姿で体操するとたくましい体になる…と、苦しい言い訳をしてました」

裡沙「やっぱり巨乳系?」

雪華綺晶「はい。ボインボインです」

裡沙「ボインボインかあ……」チラッ

雪華綺晶「……ペタンペタン」ペチペチ

裡沙「ほ、ほっといてよー! これからなのー!!」

雪華綺晶「マッサージマッサージ」モミモミ

裡沙「きゃん!? き、雪華綺晶…何だか私、変になっちゃう……」

雪華綺晶(紅薔薇のお姉様といい勝負)

裡沙「今誰かと比較した?」

雪華綺晶「いえ……」

264 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 14:44:12.20 ID:M3QAtpJSO
裡沙「雪華綺晶、授業中の橘君はどうだっだ?」

雪華綺晶「特に何も。強いて言うなら欠伸を二回程してました」

裡沙「寝不足かな? それとも気持ちが安定してるからこその欠伸?」

裡沙「ううん。これはきっと面白いテレビを見て大爆笑したけど急に気持ちが沈んで、寝る前に押入れに入って心を癒してたのよ!」

雪華綺晶「どうして分かるのですか?」

裡沙「彼の事が大好きだから!」

265 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 14:46:40.31 ID:M3QAtpJSO
裡沙「お昼休みだって橘君を見守らなきゃ」モグモグ(アンパン)

裡沙「むむ、橘君、どこに行くのかな?」ソロリソロリ


裡沙「歩き方が変、顔がちょっと強張ってる……これはトイレね」

裡沙「橘君の健康チェックも私の務めだよ!」ソロリソロリ

裡沙「う〜、他の生徒が多くて男子トイレに入りづらいよー」

裡沙「こうなったら、雪華綺晶!」

雪華綺晶「はい」ヒョッコリ

裡沙「nのフィールド経由で私を橘君がいる男子トイレに連れてって!」

雪華綺晶「え…はい」

266 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 14:49:20.84 ID:M3QAtpJSO
ジュポン

裡沙「誰もいないね」

雪華綺晶「何故男子トイレ?」

裡沙「しっ! 聞こえちゃう!」

橘君「くっ…ふん!」

裡沙「橘君の声だ。私達も個室トイレに入って…」ガチャ

裡沙(橘君、踏ん張ってる。頑張れ橘君!)

チェックマイソー! チェックマイソー!(排便の音が不快なので代わりを)

裡沙「橘君の音は癒される。でも今日は何だか音のリズムが変だな」

雪華綺晶「私には不快な音にしか聞こえません」

裡沙「橘君、まるで緊張してる様な興奮してる様な気がする」

雪華綺晶「貴女は超能力者ですか?」

裡沙「!! もしかして女子に告白されるとかイチャイチャしたりするのかな? それで緊張してるんじゃ…」

雪華綺晶「力んでればそりゃ緊張しますよ」

裡沙「もしかしたらウメちゃんのお宝本を楽しみにしてるかもしれないんだろうけど、実際に見てみないと分からないや」

ジャー!

雪華綺晶「出ましたね。では追跡を」

裡沙「待って、その前に」

雪華綺晶「……何故橘さんが使っていた便器の方に移動を…?」

裡沙「だって、橘君の便がまだ便器にこびりついてるかもしれないんだよ?」

雪華綺晶「え……?」

267 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 14:51:45.69 ID:M3QAtpJSO
裡沙「ああ、橘君の臭いがする……」スッーハッースッーハッー

雪華綺晶「くさっ……!?」

裡沙「ウ○チは……こびりついてたぁ!」キラキラ

雪華綺晶「それを…どうするんですか……?」

裡沙「採取するのよ」

雪華綺晶「……はい?」

裡沙「ふふ、橘君のウ○チ、ゲットだぜ!」

雪華綺晶「何故採取用の道具を持っているのですか?」

裡沙「橘君、消化がイマイチね。大丈夫かなぁ。とにかく大切にしなきゃ」

雪華綺晶「何故汚物を回収するのですか?」

裡沙「汚物じゃないよー。これは橘君の一部。大切な一部なの」

雪華綺晶「何故大切に出来るのですか……?」

裡沙「だって、私は橘君の全てが好きだから。大好きだから」ポッ

裡沙「って、こんな事してる場合じゃないや。早く橘君を追わなきゃ!」ガチャ

梅原「ん?」ガチャ

裡沙「げっ!? ウメちゃん!!」

梅原「いぃ!? ここ男子トイレだよな?」

裡沙「ごめんウメちゃん、眠って!」バキィ

梅原「うげっ!?」ゴン、バタン

雪華綺晶「トイレの扉に思いきり頭叩きつけましたね。えげつない」

裡沙「はわわわわ、どうしよ〜う」

雪華綺晶「個室トイレに座らせときましょう」

268 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 14:54:46.63 ID:M3QAtpJSO
ズズズッ…

梅原「」グッタリ

裡沙「ウメちゃんはこれでオッケー♪」

裡沙「橘君はどこに行ったんだろう? うーん」

裡沙「まずは屋上に向かわなきゃ」

屋上・秘密部屋

裡沙(nのフィールドの入口)「良かったぁ。やっぱりお宝本だ」

雪華綺晶「ニヤニヤしてますね」

裡沙「カワイイなあ。雪華綺晶、橘君のお宝本はね、いつもは新聞紙を上に乗せてカモフラージュしてるの。重ねられてる本はね、上に行けば行く程お気に入り度が高いのー」

雪華綺晶「よく知ってますね」

裡沙「だって大好きだもん!」

橘「!? 誰だ?」キョロキョロ

橘「……気のせいか」

裡沙(あ、危なかったよー)

裡沙『雪華綺晶のお陰で私は今まで以上に橘君に近づける事が出来た』

269 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 14:57:23.10 ID:M3QAtpJSO
裡沙『さらに私はとっておきの情報を手に入れたんだ』

裡沙「夢の扉?」

雪華綺晶「誰もが持ってる……その人の夢の中の世界」

雪華綺晶「裡沙さん…貴女が橘さんとは話が出来ないとは言いますが……せめて夢の中くらいなら良いじゃないですか?」

裡沙「……いいの、かな?」

雪華綺晶「我慢は身体に毒ですよ…?」

裡沙「うん! そうだね! 夢の中くらいなら良いよね!」

雪華綺晶「では、nのフィールドにレッツゴー」

270 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 14:58:51.47 ID:M3QAtpJSO
nのフィールド

裡沙「雪華綺晶、橘君の夢の扉は分かるの?」

雪華綺晶「もう既に調べてあります……着きました」

裡沙「これが橘君の夢の扉……」ゴクリ

雪華綺晶「入りますよ…?」

裡沙「橘君、お邪魔しまーす」

夢の中

裡沙「わあー、橘君のエロスとトラウマが入り交じってる世界だー」

雪華綺晶「いましたよ」

橘「まんま肉まんポヨヨンポヨヨン♪ まんま肉まんプルルンプルルン♪」

裡沙(橘君…)ドキドキ

橘「!! うわぁ!? 誰だ君は?」

裡沙「あ、あの…」

裡沙(橘君が私に喋ってくれた)ドキドキ

橘「もしかして……今の見てた?」

裡沙(夢の中だけど、生橘君がこんなに近くに……)ドキドキドキドキ

裡沙「うおっしゃあああああああああああああああ!!!!!!!」プシュー!

橘「ええ!? 急に鼻血噴き出したよこの子!!」

271 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 15:01:31.02 ID:M3QAtpJSO
裡沙「え、えへへ」ボタボタ

橘「だ、大丈夫?」

裡沙「うん。ありがとう橘君(会話しちゃった!)」

橘「え? 何で僕の名前を知ってるの?」

裡沙「う、うん。それは……」

雪華綺晶「裡沙さん裡沙さん」

裡沙「何? 雪華綺晶?」

雪華綺晶「せっかくだから告白すれば良いじゃないですか」

裡沙「こ、告白ゥ!?」

雪華綺晶「夢の中なんですし、やったもん勝ちですよ?」

裡沙「そ、そうだね。やったもん勝ちだよね」

272 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 15:03:55.69 ID:M3QAtpJSO
橘「あのー、お取り込み中失礼」

裡沙「聞いて橘君!」

橘「は、はい!」

裡沙「わ、わたず!」

橘「わたず?」

裡沙(エーン、噛んじゃったよー)

雪華綺晶「裡沙さんファイト♪」

裡沙「わ、私の名前は上崎裡沙って言うの。ず、ずっと前からあなたの事が好きでした!」

橘「ええ!? 僕の事を?」

裡沙「そ、そうなの。それで、もし良ければ、私とお付き合いしてくれませんか……?」モジモジ

橘「ほ、本当に僕でいいの?」

裡沙「うん……あなた以外ありえないから」モジモジ

橘「ぼ、僕で良ければ喜んで」

裡沙「ほ、ホントに?」

橘「うん」

裡沙「や、やった!」

雪華綺晶「パフ♪ パフ♪」

橘「よ、よろしくお願いします。上崎さん」

裡沙「橘君、出来れば下の名前で呼んで欲しいな」モジモジ

橘「り、裡沙…ちゃん?」

裡沙「うん。ありがとう///」

裡沙「橘君、さっそくだけど私とデートして」

橘「そ、そうだね!」

橘・裡沙「アハハハハ! ウフフフフ! アハハハハ! ウフフフフ!」

273 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 15:05:22.78 ID:M3QAtpJSO
橘「おはよう! 梅原!」

梅原「よう大将。何だかいつもより顔がつやつやしてるぜ」

橘「うん。良い夢見たからね」

梅原「オッ、どんな夢だ大将?」

橘「それは梅原でも教えられないな」

梅原「何だよ教えてくれよー。もしかして、森島先輩とか出て来たのか?」

橘「違うよ。まあ美少女には変わりなかったけどね」

梅原「くぁー! 夢の中とはいえ羨ましいぜ!」

裡沙「エヘヘ。橘君に告白してデートまでしちゃった」

雪華綺晶「良かったですね。ですが、貴女も下の名前で呼んでも良かったのでは…?」

裡沙「今の私にはあれでお腹いっぱいだよー」

雪華綺晶「それと、顔と名前を忘れさせて良かったのですか?」

裡沙「万が一現実世界で橘君と鉢合わせした時に色々と厄介だから。辛いけどしょうがないよ。それにまた夢の中に行けば思い出してくれるし」

274 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 15:07:12.77 ID:M3QAtpJSO
裡沙『雪華綺晶に出会えて本当に良かった。でも、油断は出来ないんだよね』

裡沙「雪華綺晶、他にもドールはいるんだよね?」

雪華綺晶「はい…私を含めて七体います」

裡沙「七体かあ。アリスゲームで私と雪華綺晶の邪魔されたら困るわね。雪華綺晶、ドールと持ち主の顔を知りたいんだけど、出来る?」

雪華綺晶「大丈夫です……では、一緒にnのフィールドに向かいましょう」

275 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 15:08:24.80 ID:M3QAtpJSO
翠星石「薫ー、煎餅くれですー」

薫「はいはい」

梨穂子・真紅『モグモグモグ』

七咲「ありがとう蒼星石、マッサージ気持ち良いよ」

蒼星石「水泳の疲れはちゃんと取らなきゃね」

紗江「先輩は責めかな? 受けかな?」

雛苺「なーにソレ?」

森島「金糸雀ちゃんのお腹をコチョコチョコチョー!」

金糸雀「キャハハハ! は、はるちゃん、くすぐったいきゃしりゃははは!」

276 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 15:10:15.25 ID:M3QAtpJSO
綾辻「へえ、あなたの翼ってちゃんと背中から生えてるのねー」ツンツン

水銀燈「詞、どうして私を丸裸にして調べるの?」

綾辻「身体検査♪ 女性器もちゃんとあるんだ」クパァ

水銀燈「や、やめて! 奥は見ないで!」

綾辻「乳首の感度はどうかしら」ギュウウウ

水銀燈「ヒィン!? 乳首つねらないでェ!!」ハアハア

綾辻「何? 感じてるの? この変態!」ギュウウウ!

水銀燈「やぁん!! 両方はやめてぇ!!!」ハアハア

雪華綺晶「あらあら」

裡沙「ど、どうしよう…私がマークしてる人全員がドールの持ち主だなんて」

277 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 15:11:42.14 ID:M3QAtpJSO
雪華綺晶「ですが…桃薔薇と黄薔薇のお姉様以外は全員未契約です。黒薔薇のお姉様は未契約でも活動可能ですが」

裡沙「雌豚化してるドールは無視すれば大丈夫だろうけど、残りの五体は注意しなきゃ」

雪華綺晶「何故……?」

裡沙「何故って…アリスゲームで戦わなきゃいけない時があるでしょ? そしたら橘君の守護に支障が起きちゃう!」

雪華綺晶「あ…それは大丈夫です。最近はグダグダなんですよ。アリスゲーム」

裡沙「そ、そう? ならいいんだけど」

裡沙「でも、他のドールが邪魔しないとは限らないから油断は禁物だね。常に警戒しなくちゃ!」

裡沙「頑張ろうね。雪華綺晶!」

雪華綺晶「はい…」

278 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 15:13:17.76 ID:M3QAtpJSO
裡沙『こうして、私達の橘君を守る為の戦いが始まった』

裡沙「雪華綺晶、ドールの監視を頼むわ」

雪華綺晶「はい」

雪華綺晶「翠薔薇のお姉様はマンガを読んでる…蒼薔薇のお姉様はイナゴマスクのベルトで遊んでる…桃薔薇のお姉様はホモに夢中…黄薔薇のお姉様は空気…黒薔薇のお姉様は今日も調教されてる」

雪華綺晶「紅薔薇のお姉様は……あら?」

梨穂子『モグモグモグ、ゴキュン!』

雪華綺晶「紅薔薇のお姉様が食べられた…」

雪華綺晶「紅薔薇のお姉様、このままでは溶けてしまいますね」

雪華綺晶「仕方がありませんね」ジュポン(梨穂子の部屋に入る)

雪華綺晶「nのフィールドが出来るツボ」グイグイ

梨穂子「う、うぷっ」

雪華綺晶「nのフィールドに繋がる様に胃液に入口を作って安心です…」

ホーリエ「!」チカチカ

雪華綺晶「シッー…ではさようなら」ジュポン

梨穂子「お腹のお肉が痛いよー」

279 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 15:15:31.68 ID:M3QAtpJSO
橘「へえ、まるでライオンみたいだ。モサモサしてて気持ち良いよ」

薫「ちょっと、勝手にほお擦りしないでよ」

田中「でも髪の毛が長い薫ってなんだか新鮮」

薫「そ、そうかな?」

梅原「うーん、こいつは棚町のファンが出来るかもな」

薫「お、大袈裟よ」

橘「確かに。今の薫はどこか女性らしさを感じて可愛いよ」

薫「な、何よぅ、褒めたって何も出ないわよ///……って、それじゃあまるで普段の私は女としての魅力がないって事じゃない!!」

橘「ご、ごめんごめん。そういう意味じゃないよ」

裡沙(た、大変! 棚町さんが謎のロン毛化で橘君が意識してる)

裡沙(ロン毛の棚町さん…まるで姐御肌系のモテモテ女子みたい)

裡沙「雪華綺晶!」

雪華綺晶「はい」

裡沙「棚町さんを異常なまでに男子にモテる様にして。きっと彼女ならそれにうんざりして髪を切る筈だわ」

雪華綺晶「じゃあ適当な男子を操りますね」

280 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 15:16:49.66 ID:M3QAtpJSO
薫「バッサリ切って頂戴」

田中「ええ。行くわよ」

裡沙「よし、髪を切る気になった」

裡沙「雪華綺晶、念のため田中さんの体を操って棚町さんを残念な髪型にして」

雪華綺晶「えげつないですね」

ジョキン! ボトン

薫「オー、結構な量ね。頭も軽くなったし」

田中「でも昨日と同じ長さにするにはまだ切り足りないわ」

チョキン、チョキン

薫「どう、恵子?」

田中「うん。元に戻ってきてるわ」

田中(どうしよう、ちょっと切りすぎちゃった)

雪華綺晶(糸で操っている)「次はどんな風に切りましょうか」

薫「どう?」

田中「ちょっとバランス悪いかな。もう少しだけ切るね(あ、あれー、何で手元が狂うんだろう?)」

薫「う、うん」

チョキチョキチョキ

田中(うわ、後ろショートカットなんてレベルじゃないわ)

薫「何か後ろスースーするわね」

田中「か、薫、前髪も少しだけ切るね(ど、どうして上手く行かないの…?)」

薫「え……うん」

雪華綺晶「髪を切るのは楽しいですね」

チョキン、チョキン…

薫「な、何よこれえええええええ!!!!!?」

281 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 15:22:48.31 ID:M3QAtpJSO
橘「あぁ、人形プレイがしたいなぁ」

橘「誰かいないだろうか? 僕と人形プレイをしてくれる人は」

橘「綾辻さんは前にボコボコにされたから駄目だしな。薫がいいかな……いや、そんな事頼んだら殴られそうだ」

橘「梨穂子は……いいや」

橘「よし! まずは紗江ちゃんに頼んでみよう!」

雪華綺晶「やる気満々でした」

裡沙「急がなきゃ!」

282 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 15:24:05.84 ID:M3QAtpJSO
紗江「しぇんぱい、どこに行くんですか?」

橘「僕しか知らない秘密の部屋だよ」

裡沙「よりによってそこ!?」

裡沙「まずいわ。直接手を下そうにも顔を見られたらまずいし、だからと言って彼の大切な秘密部屋をばらすわけにも壊すわけにも行かない……」

裡沙「どうしたらいいの…?」

梨穂子「お腹が空いたよー」テクテク

裡沙「桜井さん? ……そうだ!」

裡沙「雪華綺晶、秋刀魚を焼きたいから出して」

雪華綺晶「え…はい」

283 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 15:25:33.29 ID:M3QAtpJSO
梨穂子「うー、ご飯が食べたいよー」グギュルルル

プ〜ン

梨穂子「あれ? 秋刀魚の匂いだー」

梨穂子「どこからだろー」テクテク

裡沙「そうよ。こっちに来て」パタパタ

雪華綺晶(茨で焼いてる秋刀魚を持っている)「秘密部屋が分かっちゃいますよ?」

裡沙「大丈夫。桜井さんなら部屋の事は気にしないと思うから」

裡沙「屋上に着いた。隠れるよ」

梨穂子「ここからかな?」ガララ

梨穂子「あれー? 純一何してるのー?」

橘「うわああああああああああ!!!?」

284 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 15:37:09.83 ID:M3QAtpJSO
橘「な、何で梨穂子がこんな所にいるのさ?」

梨穂子「うん、秋刀魚の匂いがしたからそれを辿ったら…キャア! 純一何してるの!?」

紗江「あ、あううう……」

梨穂子「二人共…Hな事してたの……?」

橘「ち、違うんだ梨穂子。これは……そう、紗江ちゃんの服の中に蜘蛛が入ったからそれを取ってあげただけだよ」

梨穂子「なーんだ。びっくりしたー」

橘「梨穂子、誤解させたお詫びに何か食べ物を買ってあげるよ」スタスタ

梨穂子「わーい。ありがとー」

裡沙「やった!」

雪華綺晶「二人きりにしても良いのですか?」

裡沙「大丈夫。桜井さんはマークしてる中でも一番危険度が低いから今は無視してもいいわ。二人きりにさせるのはちょっと嫌だけど」

285 :>>284の訂正 [sage]:2012/04/21(土) 15:40:24.55 ID:M3QAtpJSO
紗江「あ、あううう……」 →紗江「あ、あの……」

286 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 15:41:42.39 ID:M3QAtpJSO
雪華綺晶「あの少女はどうします?」

紗江「しぇんぱいに放置プレイ…えへへ」

裡沙「お宝本が見つかるとまずいわね。それ以前に秘密部屋を知られたからには生かしておけないわ」

紗江「えへへ」

裡沙「眠ってもらうわ」スッ

紗江「キャッ――」カクン

裡沙「後は心の樹の枝を折って記憶消去よ」

雪華綺晶「何故クロロホルムを持ってるんです?」

裡沙「え? いつも持ってるよ」

雪華綺晶「まあ物騒」

287 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 15:44:00.32 ID:M3QAtpJSO
裡沙「じゃあ今の内にnのフィールドに入ってこの子夢の扉を探さなくちゃ」

雪華綺晶「裡沙さん、折るときに注意が必要です」

裡沙「何?」

雪華綺晶「下手に折れば記憶障害になってこの少女はまともな生活が出来なくなりますよ?」

裡沙「え? 枝は雪華綺晶が選ぶんじゃないの?」

雪華綺晶「私とて万能ではありません。
庭師である蒼薔薇のお姉様、翠薔薇のお姉様ならまだしも、私の様な庭師ではないドールでは、どれが正しい枝なのか判断しづらいのです」

雪華綺晶「そもそも、枝を折ること自体が危険です」

裡沙「じゃ、じゃあ、何で橘君の記憶は消せたの?」

雪華綺晶「あれはあくまでも夢の中の出来事ですから。夢と言うものは基本的に記憶が曖昧です。だから消せました」

雪華綺晶「ですが、現実世界の記憶はそうは行きません……それでも良いと言うのならば…手伝いましょう」

288 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 15:45:45.31 ID:M3QAtpJSO
裡沙「うーん、それをやったらさすがにこの子が可哀相だな。でも、秘密部屋の事知られちゃったし、どうしたらいいのよー?」

雪華綺晶「問題ありません」トコトコ

裡沙「え?」

ヒソヒソ

雪華綺晶「貴女は目が覚めたら秘密部屋の事を忘れてる。貴女は目が覚めたら秘密部屋の事を忘れてる…」ヒソヒソ

紗江「うう…」

裡沙「えぇ!? 催眠術!?」

雪華綺晶「終わりました。これで目が覚めたら人形プレイ以外綺麗さっぱり忘れてるでしょう…」

裡沙「それがあるなら先に言ってよ…というか人形プレイの事も消してよ」

雪華綺晶「彼女はどこに寝かしときます?」

裡沙「うーむ、ベンチに寝かしとくかな」

289 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 15:48:02.14 ID:M3QAtpJSO
裡沙「運ぶのに時間が掛かっちゃった。橘君はどこに行ったんだろ?」キョロキョロ

雪華綺晶「裡沙さん裡沙さん、見つかりました」ヒョコ

裡沙「どこ?」

雪華綺晶「森島はるかさんと一緒にポンプ小屋に行きました」

裡沙「えぇええええええええええええ!!!!!!???」

ポンプ小屋

橘『クンクンクンクンクンクンクンクンクンクンクンクンクンクンクンクンクンクン!!!!!!!』

森島「そ、そんなに嗅がないで…。恥ずかしいよう……」

裡沙(手遅れだったああああああああああああああ!!!!!!!!!)

雪華綺晶「まあ、お盛んな犬だこと」

裡沙「感心してる場合? とにかく早く止めなきゃ」

裡沙「でも、周りには誰もいない。直接手を下す事も出来ない。どうしたらいいのよ〜」

橘「森島先輩、麻薬探知犬は時に麻薬が確実にあるかどうかを調べる為に下着に鼻を突っ込み、舐める事もあります。最後にそれもやらせて下さい」

森島「ええええええええええええ!!!!!!!??」

裡沙(橘くぅうううううううううううううん!!!!!!???)

290 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 15:49:23.24 ID:M3QAtpJSO
橘「お願いします!」

森島「駄目よ! それは駄目! いくら橘君の頼みでも駄目なんだから!!」

裡沙(そうよ! 断って!)

橘「……お願いします!これをやらなかったら人生後悔しそうなんです!」

橘「僕は……未練を残したまましにたくないんだ」ポロポロ

森島「……良いよ」

橘「え?」

裡沙「え?」

森島「橘君の将来台なしにしたくないから……ちょっとだけなら突っ込んで舐めても良いよ」カアア

裡沙(エェー!? 何OKしちゃってるのこの人ー?)

291 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 15:51:33.99 ID:M3QAtpJSO
橘「ありがとうございます!」

森島「あまり……激しくしないでね」

橘「はい。優しくしますよ」

裡沙「ま、まずいわ。このままじゃますます二人は親密になっちゃうわ」

裡沙「でも止める方法が思いつかない……雪華綺晶何とかして!」

雪華綺晶「では、少し離れてて下さい」

裡沙「う、うん」

雪華綺晶「えい」シュルルル

シュルルル!

橘「え?」

ギチギチギチッ!!

森島「きゃっ!?」

橘「な、何だこのトゲトゲしたものは?」

雪華綺晶「そーれ♪」グイ

ギュオン! バキィ!

森島「橘君!」

橘「う、うわあああああああああ!!!!」キラン

雪華綺晶「星になりました」

裡沙「た、橘くぅうううううううん!!!!!」

292 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 15:52:24.57 ID:M3QAtpJSO
裡沙「ちょっと! 何橘君を飛ばしてるのよ?」

雪華綺晶「何とかしてと言われましたので…」

裡沙「他にも方法はあったでしょ?」

雪華綺晶「アレしか思いつきませんでした…」

裡沙「う〜〜〜、とにかく橘君を探さなくちゃ。どこに飛んでいったの?」

雪華綺晶「あちらの方角かと…」

裡沙「ごめんね橘君。すぐに行くから!」
293 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 15:53:20.48 ID:M3QAtpJSO
橘「痛たた……さっきのは一体何だったんだ?」

裡沙「良かった。橘君無事だった」ホッ

橘「仕方がない。新しい相手を探そう」

裡沙「え?」

橘「ここはやっぱり菩薩の心を持った七咲が一番だね!」

裡沙「エェーーーーーーーーーー!?」

雪華綺晶「懲りない変態紳士ですね」

294 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 15:55:52.96 ID:M3QAtpJSO
橘「おーい、七咲ー!」

七咲「何ですか先輩?」

裡沙「ぐぬぬ、よりによって綾辻さんとは別の意味で危険度No.1の七咲さんが相手だなんて」

橘「実は七咲に頼みたい事があるんだけど、良いかな?」

七咲「良いですよ。何です?」

橘「実は七咲に人形になってもらいたいんだけど」

七咲「人形?」

七咲「あの、言ってる意味がよく分からないんですけど」

橘「いや実はさ、七咲の体って人形の様にシャープだからさ、一度触ってみたいなーって」

七咲「シャープって…先輩、それって嫌みですか?」

裡沙「そうよ。あなたみたいな貧相な体は人形かそれ以下なんだから」

雪華綺晶「裡沙さんも負けてませんよ?」

295 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 15:59:14.37 ID:M3QAtpJSO
橘「い、嫌みじゃないよ! 七咲って綺麗なポディラインしてるだろ。その……七咲は白鳥なんだよ。白鳥って見ることは出来ても触る事は中々出来ないだろ? それで…」

七咲「ふふ、冗談ですよ。でも、綺麗って言ってくれたのは嬉しいです」

七咲「でも触りたいならいくらでも触らせてあげますよ?」

橘「それなんだけどさ、ただ触るのはつまらないから、七咲には人形の様に喋らないで、無表情のまま触られて欲しいんだ」

七咲「ハァ、先輩はとんでもない性癖の持ち主ですね。気持ち悪すぎます」

橘「そ、そんな…」

裡沙「ふふ、そうよ。あなたじゃ無理よ。橘君の性癖を受け入れる事が出来るのは私だけ。橘君の人形は私だけでいいのよ」

七咲「でも、断ったら先輩が可哀相ですし、良いですよ」

裡沙「ゲェ!?」

橘「ありがとう七咲。でもその前にやって欲しい事があるんだ」

296 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 16:03:49.18 ID:M3QAtpJSO
>>295の裡沙ちゃんの喋り方に違和感があるので訂正します

裡沙「ふふ、そうよ。あなたじゃ無理よ。橘君の性癖を受け入れる事が出来るのは私だけ。橘君の人形は私だけでいいのよ」

裡沙「ふふ、そうだよ。あなたじゃ無理なんだから。橘君の性癖を受け入れる事が出来るのは私だけ。橘君の人形は私だけでいいの」

297 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 16:08:41.38 ID:M3QAtpJSO
バチャバチャバチャ、ザパァ!

七咲「はい。泳ぎましたよ」

橘「うん、お疲れ様。じゃあ更衣室に行こう」

裡沙「私達も行かなくちゃ」

更衣室

七咲「ふう、タオルを…」

橘「待ってくれ。体は拭かないでくれ」

七咲「はぁ…」

橘「七咲、さっそくだけど人形になりきってくれ」

七咲「え? 水着の格好で?」

橘「うん。僕は人形になりきった七咲を、しかもプールで水着も体も濡れた七咲をなめ回したいんだ」

橘「特にプールの水で濡れた七咲の脇をなめ回してみたいんだよ!!」

裡沙「そ、そんな、駄目だよ橘君」

七咲「……さすがの私でも引きますよ?」

橘「や、やっぱり?」

裡沙「ホッ」

七咲「まさか先輩がそこまで変態だったとは思いませんでした。失望しました」

橘「そ、そんな!」

七咲「もう先輩とは話したくはありません。今後、金輪際、私には話しかけないで下さい!」スタスタ

橘「ま、待ってくれ七咲…七咲ィ!!」

裡沙「さすがの彼女でも受け入れる事が出来なかったみたい。良かったぁ」

298 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 16:10:56.17 ID:M3QAtpJSO
ピタッ

七咲「と、言うのは嘘です」

裡沙「え?」

橘「な、何だよ、驚かさないでくれよ七咲」

七咲「だって、先輩がとんでもない事言ったから驚いちゃったんですよ」

七咲「触るだけならまだしも、なめ回すなんて、普通ビンタが来てもおかしくない様な発言ですよ?」

七咲「先輩があまりにも調子に乗るから、私もちょっと先輩を驚かしたかったんです」

橘「ごめんよ」

七咲「でも……良いですよ先輩なら。私の脇、舐めても良いですよ」

裡沙「エェーーー!?」

雪華綺晶「焦らしプレイが得意なのですね」

橘「ほ、本当かい七咲?」

七咲「はい。でも、あまりなめ回さないで下さいね。でなきゃ本当に嫌いになりますから」

橘「ありがとう七咲。激しくしないように気をつけるよ!」

299 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 16:13:58.13 ID:M3QAtpJSO
裡沙「ど、どうしよーう!? このままじゃ二人は親密になっちゃうよー!」

雪華綺晶「また引っ張り出しましょうか?」ヒソヒソ

裡沙「駄目! また橘君が怪我しちゃう。しかもポンプ小屋と違ってここは壁とか色々硬いし」ヒソヒソ

雪華綺晶「次は気をつけます。それに、さっきと違ってどこかへ飛ばすのではなく、nのフィールドを作り出してこちらに引き寄せるんですよ?」

裡沙「橘君に私達の事ばれちゃうよ」

雪華綺晶「では…彼女をnのフィールドまで引き寄せるのは…?」

裡沙「それはいいかも……待って、そんな事したらそのうちあの子のドールにばれて私達が狙われる可能性がある。それによく考えてみたら前者もあの子に怪しまれるし」

裡沙「誰か、外に誰かいないの? ……ん!」

塚原「……」テクテク

裡沙「塚原先輩? ラッキー!」

300 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 16:15:37.38 ID:M3QAtpJSO
塚原「……」テクテク

裡沙「あのー」

塚原「? どうかしたの?」

裡沙「さっき、水泳部の女子が男子に無理矢理更衣室に連れてかれてたの見たんですけど(橘君ごめんね橘君ごめんね橘君ごめんね橘君ごめんね橘君ごめんね橘君ごめんね)」

塚原「何ですって!?」

裡沙「何か、『来いよ七咲! 君を僕のペロペロキャンディーにしてあげるよ』とか言ってました」

塚原「七咲が!?」

裡沙「は、はい」

塚原「待ってて七咲!」シュタ

裡沙「こ、これで止められる筈だわ」

塚原「響ック!!」ドゴォ!!

橘「オゴォ!?」ゴキッ!

裡沙(イヤーーーー!! 橘君が蹴り飛ばされた!?)

301 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 16:18:59.73 ID:M3QAtpJSO
七咲「つ、塚原先輩? どうしてここに?」

塚原「ええ。実はさっき下級生から報告があったの。橘君が七咲を更衣室に連れ込んで七咲に変な事強要させてるって」

七咲「だ、だいたい合ってますけど……」

塚原「行くわよ七咲。早くここから出ましょう」

七咲「え、橘先輩はどうするんです?」

塚原「そうね……」

塚原「こんな変態はゴミ捨て場に寝かせときましょう」

七咲「え、えー…」

裡沙「ひ、酷いよ。別に蹴らなくても良かったのに。しかもゴミ捨て場に寝かせるなんてあんまりだよ…」

雪華綺晶「あの…」

裡沙「何?」

雪華綺晶「私達が水泳部員のふりをして入れば止められたのでは…?」

裡沙「……そうだね」

302 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 16:21:08.64 ID:M3QAtpJSO
雪華綺晶「裡沙さんって、もしかしてアホの子ですか?」

裡沙「な、何よ! 雪華綺晶だってさっきは思いつかなかったくせに」

雪華綺晶「私はあえて提案しなかっただけです」

裡沙「ぐぬぬ…って、こんな事やってる場合じゃない。早く橘君を回収しなきゃ!」

ゴミ捨て場

橘「」グッタリ

裡沙「橘君、可哀相…」

雪華綺晶「生きてるでしょうか?」ツンツン

裡沙「橘君、今保健室に連れてくから。雪華綺晶手伝って」ズルズル

303 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 16:22:32.33 ID:M3QAtpJSO
保健室

裡沙「ふんぬ!」グググ

雪華綺晶「よいしょ、よいしょ」シュルシュル

ドサッ

裡沙「ふう、これで良し」

橘「」

裡沙「橘君、後頭部痛かったね? ごめんね。私のせいで。痛いの痛いの飛んでけー」ナデナデ

橘「……スッー、スッー」

裡沙「寝顔、可愛いなあ。このままずっと見ていたい」

雪華綺晶「おでこに肉って書きましょう」キュポン

裡沙「やめてよ。せっかく橘君が寝てるのに……寝てる?」

裡沙「そうだ! 今がチャンス!」

雪華綺晶「またろくでもない事ですか?」

304 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 16:30:45.79 ID:M3QAtpJSO
夢の中

雪華綺晶「何をするんですか?」

裡沙「私、橘君と相手の女の子が仲良くならないように邪魔したけど、同時に橘君の楽しみも奪っちゃった。橘君には少し悪い事しちゃった」

裡沙「だから、橘君が寝てる間に夢の中に入って私が代わりに橘君と人形プレイすればいいのよ」

雪華綺晶「まあ漁夫の利」

裡沙「雪華綺晶、橘君に会う前に私の胸大きくして。橘君がしたかったプレイを全部やらなきゃ」

雪華綺晶「……言ってる意味がよく分かりません」

裡沙「分からないって…私の胸をお宝本に載ってる女の子の胸の様に大きくしてって言ってるの。ここは夢の中なんだからできるでしょ?」

雪華綺晶「……無理です」

裡沙「どうしてぇ!? あなた夢を操れるんじゃないの?」

雪華綺晶「ここは他人の夢の中ですよ? 外の世界から…しかも生身でやって来た裡沙さんの胸を…大きくする事など無理に決まってます」

305 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 16:33:50.19 ID:M3QAtpJSO
裡沙「で、でも他にも、ほら、橘君に私の胸が大きくなってる様に幻をかければいいじゃない?」

雪華綺晶「……今やってみましたが無理でした。裡沙さんの胸は幻をかけても効果が出ないようです」

雪華綺晶「恐らく…私の力を持ってしても…私が裡沙さんの夢の世界を操作したとしても…胸を大きくする事だけは無理でしょう…」

裡沙「そん…な……」

雪華綺晶「裡沙さんドンマイ」

裡沙「ぐぬぬ、こうなったら出来る範囲でやるしかないわ」

306 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 16:35:20.64 ID:M3QAtpJSO
裡沙「橘くぅ〜〜〜〜ん」タタタッ

橘「裡沙ちゃん、今日も来てくれたのかい?」

裡沙「ええ。あなたの為ならどこからでも飛んで来てあげるんだから。だって私、橘君の彼氏だよ?」

橘「ハハ、照れるな」

裡沙「……ねえ橘君」

橘「何だい裡沙ちゃん?」

裡沙「橘君って、人形プレイに興味ある?」

橘「え?」

裡沙「私ね、好きな人にね、自分の事をお人形さんだと思って遊んでもらいたいなーって、思ってたの」モジモジ

橘「う、うん」

裡沙「そ、それでね、もし橘君がそういうのに興味があるんだったら、一緒にしたいなって思ってたの。橘君、興味ある?」

橘「あるよ! すごいあるよ! もう大好きさ!」

裡沙「そ、そうなんだ」

307 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 16:36:38.25 ID:M3QAtpJSO
裡沙「た、橘君、今から私は橘君のお人形さん。そして橘君はそれの持ち主」ドキドキ

裡沙「た、たたた橘きゅん、い、いいい今の私はお人形さんだから好きにしていいよ」

裡沙「服を脱がしたり体を触ったり……ス、スカートの中やパンツの臭いを嗅いだりパンツに畠を突っ込んだり舐めたりしても……体中を舐め回してもいいよ。
も、もし脇が好きなら脇をいっぱい、な、舐めてもいいから」ガタガタ

雪華綺晶「震えてますよ?」

橘「ほ、本当?」

裡沙「う、うん」

雪華綺晶「お着替えの用意もバッチリ。着せ替えも自由です」

橘「じゃ、じゃあお言葉に甘えて」

シュルシュル

裡沙(は、はわわわわ、私、橘君に脱がされてる)ドキドキ

308 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 16:37:41.09 ID:M3QAtpJSO
橘「おおお……」クンクン、ペタペタ、ペロペロ

裡沙「ん!…(臭いも嗅がれて、体も触られて、舐められて…)」ピクンピクン

橘『モソモソ…クンクンクンクンクンクンクンクンクンクンクンクンクンクンクンクンクンクン!!!!!!!』

裡沙「ハアハアハア(スカートの中を嗅がれてるよ〜〜〜!!)」

グイ…

裡沙「ひゃう!?」ビクン!

橘「ご、ごめん!」

裡沙「だ、大丈夫。そのまま鼻をパンツに突っ込んでいいから……」ガクガク

橘「う、うん」

……グイ、グイグイグイ! クンクンクン!

裡沙「あ…あ……」

雪華綺晶「変態紳士と変態淑女、お似合いの変態カップルですね」

クンクン、ペロペロ、ペロリ

309 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 16:39:58.12 ID:M3QAtpJSO
橘「う、うーん……」パチリ

橘「ここは、保健室か?」

橘「どうしてこんな所に僕はいるんだ?」

裡沙「えへへ。橘くんといっぱいしちゃった」

雪華綺晶「ヨダレが垂れてますよ?」

裡沙「最高の思い出過ぎるよ」ジュルリ

雪華綺晶「あちらは覚えてないのに? 今回は顔と名前どころか夢の内容までほぼ消しても良かったのですか?」

裡沙「だって、夢の内容まで覚えてたら私が恥ずかしいよー!」ジタバタ

雪華綺晶「また変な所でピュアですね」

裡沙「でも満足感だけはちゃんと残しておいたから未練はないと思うわ」

雪華綺晶「裡沙さん、体が橘さんのヨダレで臭いますよ。パンツもよだれだらけです。洗ったらどうです?」

裡沙「うん。でも、橘君に舐められたこの体は出来れば洗いたくない。一週間はずっとこのままでもいいくらい。
ヨダレだらけのこのパンツ、とても気持ちいいし嬉しい。帰ったら永久保存にする。ついでに寝てる橘君から採取したヨダレも大切にしなきゃ」

雪華綺晶「まあ変態淑女」

310 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 16:41:47.31 ID:M3QAtpJSO
裡沙『絢辻さんは本当に強敵。油断は出来ないわ』

雪華綺晶「彼女、私の気配に時々気付いてるようです」

裡沙「さすが絢辻さんね。一筋縄では行かない」

裡沙「彼女は今どこ?」

雪華綺晶「橘さんと仕事をしてます」

裡沙「嫌な予感がする。nのフィールドから監視しなきゃ」

311 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 16:43:19.33 ID:M3QAtpJSO
裡沙「橘君、金玉蹴られた。可哀相」

雪華綺晶「さすが黒薔薇のお姉様を巻いた女性。やる事がえげつない」

雪華綺晶「あ…こちらに気がつきました」

裡沙「げっ!?」

ガララ

絢辻「……」キョロキョロ

雪華綺晶「どうやらnのフィールドの事はよく分かっていないようです」

裡沙「た、助かったよ…」

雪華綺晶「しかし、監視を続けるのは難しいのでは?」

裡沙「うん。でも、もう少しだけ続ける」

312 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 16:44:20.83 ID:M3QAtpJSO
裡沙「ど、どうしよー。プロレスごっこで二人の距離が縮まっちゃう。雪華綺晶、何とかならないの?」

雪華綺晶「……今の彼女ならこちらの気配に気がつかない筈……」シュルシュル

裡沙「何をするの?」

雪華綺晶「茨で背中を押します」トン

橘「うわっ!?」グラッ

絢辻「え? うわぁ!」

ドサッ!

裡沙「ち、ちょっとやり過ぎかも…ほら、鼻血出てるし、橘君心配してるし」

絢辻「マスクジャーマンスープレックス!!」ギュオン

橘「うごっ!?」ゴォン!

裡沙「ひぃいいいいい!? 橘君があああああああ!!!??」

313 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 16:47:23.32 ID:M3QAtpJSO
絢辻「バーカ」

裡沙「ひ、酷い。仮にも橘君はわざとじゃないのに」

雪華綺晶「あ…またこちらを見てます」

裡沙「うえっ!?」

コンコン

雪華綺晶「窓を調べてるみたいです……無駄ですけど…ですが、勘は鋭い」

裡沙「さすがに怪しまれたか…」

雪華綺晶「しばらくの間、監視だけにして彼女を妨害するのはやめませんか? いつか失敗する可能性があります」

裡沙「悔しいけど、そうするしかないか。でも橘君、あなたの事はいつも見守ってるから!」

314 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 16:53:53.21 ID:M3QAtpJSO
裡沙『桜井さんが痩せた時は驚いたな』

香苗「はいはい男子はどっか行った行った」

梨穂子「え、えっとごめんね」

梅原「桜井さん、最近男子に人気あるよな」

橘「ああ…そうだな」

梅原「ん? もしかして気になってんのか大将?」ニヤニヤ

橘「そういうわけじゃないよ。ただ、確かに可愛くなったなって印象はあるよ」

梅原「それを気にしてるって言うんだよ大将。確かに桜井さんは最近スリムになった感じがするよな。出てるとこも出てるしさ。大将は鈍いねー」ニヤニヤ

橘「か、からかうなよ」

裡沙「た、大変。桜井さんがスリムになったせいで橘君が彼女を意識し始めてる!?」
315 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 16:55:35.58 ID:M3QAtpJSO
裡沙「雪華綺晶!」

雪華綺晶「はい」

裡沙「桜井さんが元の体に戻る様に暗示して!」

雪華綺晶「はい」

深夜・梨穂子の部屋

梨穂子「う、うーん」

雪華綺晶「貴女は今まで以上に食べる事に貪欲にな〜る。貴女は今まで以上に食べる事に貪欲にな〜る」ヒソヒソ

梨穂子「クリームシチュー食べたいよー」アーン

雪華綺晶「貴女は、あっ――」

パクン! モグモグモグモグモグモグモグモグ、ゴキュン!

梨穂子「ぷはぁ、美味しかった……」スヤスヤ

316 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 16:58:58.58 ID:M3QAtpJSO
裡沙『私は橘君の事が好き。大好き。いつでも彼の事を見守ってあげたい』

裡沙『そう。彼が遠くに出かける時だって――』

裡沙「コミケッツに着いたわ」

雪華綺晶「人がたくさん…」

裡沙「あなたの情報だとここには森島先輩達も来てるんだよね?」

雪華綺晶「はい…楽しみにしてました」

裡沙「橘君はそれが目当てでここに来たのね。橘君を途中で見失ったのは痛かったけど。でも、探せばきっと見つかる筈」

裡沙「雪華綺晶、二手に分かれて橘君を探すよ」

雪華綺晶「人形の私が堂々と人前に出ていいのですか?」

裡沙「大丈夫。あなたは小さなコスプレイヤーの女の子にしか見えないから」

裡沙「そして私もコスプレ。
猫耳の銀髪ショートカットのカツラに猫の尻尾、衣装もそのキャラと同じ黒を基調とした衣装! でもロケット砲と足のプロペラはさすがに用意出来なかったよ♪」キャハ

雪華綺晶「裡沙さんは髪型が『はいだらっー!』の人に似てるからそっちにすれば良かったのでは?」

裡沙「私にはオッパイがないから無理だよ」

317 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 17:01:05.38 ID:M3QAtpJSO
裡沙「それじゃあ雪華綺晶、もしあなたが橘君を見つけたらそのまま監視して」

雪華綺晶「いつ…どこで集合すれば良いですか?」

裡沙「橘君は常に動き回ると思うから下手にあなたと待ち合わせは出来ない。彼が昼食を取る為に休むとは限らないし」

雪華綺晶「では、どうやって連絡を…?」

裡沙「その時の為にポケベルを用意したの。この前使い方教えたでしょ? これで連絡を取るから。はい、あなたの。それと地図も」スッ

雪華綺晶「……」

裡沙「どうしたの?」

雪華綺晶「……携帯は?」

裡沙「携帯!? そんな新時代の貴重な物、学生の私には無理だよ!!」

318 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 17:03:24.20 ID:M3QAtpJSO
雪華綺晶「そういえば裡沙さんが携帯を持ってる所を見たことがありません。電話も家のを使ってますし…貧乏なんですか?」

裡沙「貧乏? 私の家庭は普通だよ?」

雪華綺晶「他の人達は普通に持ってるのでは…?」

裡沙「え? 私の周りでもそんな人いないよ。大人だって持ってる人かなり少ないのに。ううん、ほとんどいないかも」

雪華綺晶「……写メール」

裡沙「しゃメール? 何それ?」

雪華綺晶「……何となく古臭さは感じてましたが…この世界は想像以上に古い時代ですね。まだ進んでなかったとは」

裡沙「何を言ってるの?」

雪華綺晶「いえ…こちらの話です」

319 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 17:05:11.36 ID:M3QAtpJSO
裡沙「じゃあ二手に分かれて行動だよ」

雪華綺晶「はい」

数十分後

雪華綺晶「橘さんはどこにいるのでしょう…?」トコトコ

森島「逢ちゃんはどこにいるのかなー?」テクテク

雪華綺晶「あら、あれは黄薔薇のお姉様のマスター…」

森島「あら?」ピタッ

雪華綺晶「あ、こっち見てる」

森島「……」ジッー

雪華綺晶「まるで獲物でも見つけたかの様な目……」

森島「ワァ(^。^)アアアアアアアアアオ!!!」

雪華綺晶「!?」ビクン

320 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 17:06:55.40 ID:M3QAtpJSO
森島「可愛い女の子発見! ワァ(^。^)アアアアアアアアアオ!!」シュタ

雪華綺晶「逃げなくては」シュタ

森島「ワァ(^。^)アアアアアアアアアオ! ワァ(^。^)アアアアアアアアアオ!! もう、待ってよー。 ワァ(^。^)アアアアアアアアアオ!!!」シュタタタ!

雪華綺晶(恐い恐い恐い恐い恐い……)シュタタタタ!

数分後

森島「あれー? さっきの子どこに行ったのかなー?」キョロキョロ

雪華綺晶「ハァ…ハァ…」

森島「しょうがないわね。諦めるしかないか。逢ちゃんはどこかなー?」テクテク

雪華綺晶「……久々に追い詰められました」

雪華綺晶「ここはどこでしょう? ……地図を見ても分かりませんね」

雪華綺晶「まずは歩きますか…」トコトコ

321 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 17:08:21.46 ID:M3QAtpJSO
雪華綺晶「橘さんも裡沙さんも見つかりません…あら?」トコトコ

雪華綺晶「後ろ姿しか見えませんが…あの猫耳に銀髪、それに黒を基調とした衣装を着てる人は…もしや裡沙さん……?」トコトコ

「ハァ、写真撮られるの疲れたなー」

雪華綺晶(あの声は裡沙さんですね)ツンツン

田中「え?」クルリ

雪華綺晶(あ、違った)

田中「子供? どうしたの? ママとパパとはぐれちゃったの? すごい衣装だねー」

雪華綺晶「すみません。人違いでした」ピューン

322 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 17:09:21.97 ID:M3QAtpJSO
裡沙「う〜、橘君が見つからないよー」キョロキョロ

裡沙「しかもカメラ男が時々撮りに来るからそれが邪魔で行動しづらい…」

裡沙「雪華綺晶からの連絡もないし、橘君はどこにいるのー!?」

裡沙「む!! あれは森島先輩だわ」

裡沙「塚原先輩も美也ちゃんの友達の七咲さんもいるわね……塚原先輩、どこかに行くみたいね。トイレかな?」

裡沙「あの時はよくも橘君の後頭部を蹴ってくれたわね」

裡沙「懲らしめなくちゃ…」

323 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 17:10:32.54 ID:M3QAtpJSO
トイレ

塚原「ん、ふう…」チョロロロ…

ビー、ビリッ! ペタペタ、ビュルル! ベチョ! ガタガタ

塚原「……何?」

プシュー!

塚原「!? ゲホッゲホッ! 目が痛い…早く開けなきゃ…」ギギギッ

塚原「!! 開かない!? 何で?」

プシュー!

塚原「ゲホッ! ゲホッ!」

裡沙(ふっふっふ、扉にガムテープを貼って、さらに外国にしか売ってないような超強力な瞬間接着剤を木の板に塗ってそれを扉に貼付ける。
さらにさらに、貼付けた木の板にもガムテープを貼付ける。これで隔離完了♪)

裡沙(そして催涙スプレー攻撃でイチコロだよ♪ 念のため、顔がばれない様にサングラスとマスクも装着♪ 塚原先輩、橘君の苦しみを少しでも味わって!)

塚原「ゲェホ! ゲェホ!」

324 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 17:11:49.32 ID:M3QAtpJSO
裡沙「橘君、仇は取ったよ」スタスタスタ

ピピピッ!

裡沙「! 雪華綺晶からだ……事務室の近くに来て? 何だろう?」

事務室近く

雪華綺晶「裡沙さん裡沙さん」テマネキ

裡沙「どうしたの雪華綺晶? 橘君は見つかったの?」

雪華綺晶「はい……橘さんが警備員に捕まりました」

裡沙「えぇええええええ!!!!???」

雪華綺晶「実は――」

もわもわもわ〜ん

雪華綺晶「橘さんも裡沙さんも見つかりません」トコトコ

雪華綺晶「あ…裡沙さんはポケベルで連絡を取れば良いですね」

梅原「へっへー、目当ての同人誌が手に入ったぜ」

雪華綺晶「あれはウメさん…」

梅原「ん? あれは大将。オーイ、タイショー!」

雪華綺晶「橘さん…?」クルッ

325 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 17:13:05.68 ID:M3QAtpJSO
橘「う、梅原!」ハアハア

梅原「よう大将、俺の方はもう…って、何パンツ一丁で走ってるんだよ大将!?」

雪華綺晶「まあ露出狂」

警備員(複数)「待てーーーー!!」

梅原「大将、何追われてるんだよ!?」

橘「話は後だ! 逃げるぞ!」タタタッ

梅原「お、おう!」シュタ

雪華綺晶「二人で鬼から逃げてる……」

雪華綺晶「あ…捕まった」

326 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 17:14:40.82 ID:M3QAtpJSO
雪華綺晶「そして二人は仲良く事務室に連れてかれました」

裡沙「た、大変……このままじゃ橘君は犯罪者になっちゃう」ガタガタ

雪華綺晶「どうするんです?」

裡沙「決まってるじゃない! 橘君を助けるの!」

裡沙「催涙スプレーは……もうないや」カラカラ

雪華綺晶「どこで使ったんです?」

裡沙「でも私にはまだ切り札がある。この……」

裡沙「スタンガンで……」バチバチ

雪華綺晶「まあ物騒。どこで手に入れどこに隠してたのやら」

裡沙「行くよ。雪華綺晶」

雪華綺晶「私もですか?」

裡沙「あなたの支援も必要かもしれないでしょ?」

327 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 17:16:12.36 ID:M3QAtpJSO
ガチャ

裡沙「誰もいない。橘君は奥ね。こちらコードネーム『アサシン』、侵入に成功」シュタ

雪華綺晶「こちらコードネーム『ホワイトローズ』、同じく侵入に成功」シュタ

シュタタタ

裡沙(橘君……いた。ウメちゃんと一緒に椅子に座ってる)

裡沙(警備員の人が電話しようとしてる……まさか警察に?)

裡沙「いけない! アサシン、戦闘体制に入る!」シュタ

バチバチ

警備員「ガァ!?」バタン

橘「な、何だ?」

裡沙「すみません。こちらの間違いでした。はい。では」ガチャ

328 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 17:17:13.01 ID:M3QAtpJSO
警備員2「何だ貴様!? どこから入って来た!?」

バチバチ

警備員2「オゴォ!?」バタン

梅原「このレイヤーさんは何者だ?」

裡沙「二人とも、早く逃げて!」

橘「あ、あなたは一体?」

裡沙「いいから早く!」

警備員3・4「何だ? 騒がしいぞ?」ゾロゾロ

裡沙「くっ、私一人だけじゃキツイわね。急いで!」

梅原「た、大将、とにかく今のうちに逃げるしかねえ!!」

橘「う、うん。ありがとう。謎のレイヤーさん!」シュタ

裡沙「……無事でいて。橘君」

329 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 17:18:55.95 ID:M3QAtpJSO
警備員5「君、いけないよ。そんな事したら」

警備員6「オシオキが必要だね」シャキン(警棒を出す)

警備員7「子猫ちゃ〜ん、いい子にしまちょーねー」

裡沙「数が多すぎる。このままじゃ薄い本みたいな展開になっちゃう」

裡沙「でも私は一人じゃない! ホワイトローズ!」

雪華綺晶「どこの少年漫画のノリですか?」シュルルル!

警備員3〜7「ぐわぁ!? 何だこれは…?」ギチギチ

裡沙「あなた達、よくも私と橘君の人生を奪おうとしたわね!」

裡沙「でもあなた達なんかに負けない! 私の橘君への愛は…どんな障害だってナンクルナイサーにしてみせる。ううん、確実に乗り越えてみせるよ!」

裡沙「橘君への想いが生み出した私の力、見せてあげる!」バチバチ

裡沙「橘君イッペーカナサンサンダー(橘君大好きサンダー)!」バチバチバチ

警備員3〜7「ぐがががが!?」

雪華綺晶「ただスタンガンを相手の首に当ててるだけじゃないですか」

330 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 17:23:26.06 ID:M3QAtpJSO
雪華綺晶「貴方達は目が覚めたら今日起きた出来事を全て忘れている。貴方達は目が覚めたら今日起きた出来事を全て忘れている…」ヒソヒソ

裡沙「激しい戦いだったよ」

裡沙「あれ? このフィルム、橘君のかな?」

裡沙「……」

裡沙「持って帰って中身を確かめなくちゃ」

裡沙の部屋

裡沙「うわー、割れ目がいっぱい」

雪華綺晶「暗いです。部屋を明るくしてもいいですか?」

裡沙「駄目。フィルムが駄目になるから。全部見てからね」

裡沙「……全部森島先輩達の写真や他のコスプレイヤーの全体像や割れ目ね」

裡沙「よし、処分」グチャグチャ

雪華綺晶「まあ勿体ない」

裡沙「橘君の大切なフィルムを勝手に処分しちゃったな…でも、しょうがない事だし」

雪華綺晶「代わりの物はあるんですか?」

裡沙「も、もちろん」ヌギヌギ

雪華綺晶「あら? 今日のコスプレに着替えて何をするんです?」

331 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 17:24:45.02 ID:M3QAtpJSO
裡沙「……決まってるじゃない」

裡沙「わ、私の割れ目が写った写真を橘君に、あ、あげるの」ドキドキ

雪華綺晶「まあ変態淑女」

裡沙「雪華綺晶、ピント合ってる?」

雪華綺晶「はい。黒のストッキングから透けて見えるパンツ……そして、クッキリと形が分かる割れ目……絶景です」

裡沙「と、撮って」

雪華綺晶「割れ目でポン」カシャ

ジッー…

雪華綺晶「出てきました。時間が経てば次第に……」

裡沙「うん…」

雪華綺晶「ほら…裡沙さんの割れ目がだんだん、くっきり…くっきり……ほぉら、割れ目さんのお出ましですよ」

裡沙「わ、我ながら恥ずかしい///」

332 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 17:28:18.93 ID:M3QAtpJSO
裡沙「橘君は今日、絶対に落ち込んでる筈。早くこれを届けなきゃ」

裡沙「裏にメッセージも書かなきゃ。
『これを見て元気になって下さい。あなたの幸せを願ってます。あなたをいつも見守ってるレイヤーより』」

雪華綺晶「幸せを願ってるのならば現実でも橘さんの彼氏になれば良いのに…」

裡沙「待ってて橘君。すぐに癒してあげるから」

橘宅

裡沙(nのフィールド)「きっと押し入れの中で落ち込んでる筈」

美也「にぃにー! また押入れに入ってるのー? ご飯冷めちゃうよー」

裡沙「やっぱり」

雪華綺晶「引きこもり…」

裡沙「美也ちゃんが行った。今のうちに部屋の中に入らなきゃ」ジュポン

333 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 17:30:01.64 ID:M3QAtpJSO
裡沙(まずは写真をベッドの上に置いて…)ピラッ

裡沙(そして窓を叩いて気付かせなきゃ)ゴンゴン

裡沙(後はnのフィールドから見守る。橘君、元気を出して)

橘「……誰もいない。ん? ベットに何かあるな……写真だ」

橘「!!! こ、これはパンツに割れ目の形がくっきりと写ってる写真だ!?」

橘「一体誰の……裏に何か書いてある。『これを見て元気になって下さい。あなたの幸せを願ってます。あなたをいつも見守ってるレイヤーより』」

橘「もしかして、あの時助けてくれた謎のレイヤーさんなのか?」

橘「だとしたらこの写真はレイヤーさんの割れ目なのか?」ドキドキ

橘「レイヤーさんはサンタさんだったのか。くぅ! 謎のレイヤーさん、早めのクリスマスプレゼントをありがとう!」

雪華綺晶「大喜びですね……裡沙さん?」

裡沙(両手で顔を隠している)「うわーん! 恥ずかしいよーーー! 橘君が喜んでくれてるのは嬉しいけど同時に凄く恥ずかしくなってきたよーーー!!」ジタバタ

雪華綺晶「パンツ越しにお股を舐められた貴女が何を今更……」

裡沙「だって次はちゃんと記憶に刻まれちゃってるんだもーーん!! 写真もあるから永久保存だよーーーー!! 私変態だよ。恥ずかしいよーーー!!」ジタバタ

334 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 17:31:06.49 ID:M3QAtpJSO
裡沙『恥ずかしい事もあったけど、私はどんどん橘君との距離を縮めて行った』

夢の中

橘「イカ焼き美味しいね」モグモグ

裡沙「うん」モグモグ

雪華綺晶「裡沙さん裡沙さん」

裡沙「ふぁに(なぁに)? ひはひひょう(雪華綺晶)?」モグモグ

雪華綺晶「もう下の名前で呼んだらどうですか?」

裡沙「ふぇ!?」ドキン

雪華綺晶「夢の中くらい…贅沢するべきですよ…?」

裡沙「モグモグ、ゴクン…うん。そうする」

335 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 17:31:57.25 ID:M3QAtpJSO
橘「何話してるの?」

裡沙「橘君」

橘「何だい裡沙ちゃん?」

裡沙「あのね…橘君の事……下の名前で呼んでも…いい?」

橘「下の名前で?」

裡沙「駄目…かな…?」

橘(う、上目使いが可愛い)

橘「もちろんだよ。僕達付き合ってるんだからさ」

裡沙「! ありがとう橘君! …っと、もう下の名前で良いんだよね」

裡沙「ふぅ……それじゃあ行きます」

橘「はい」

336 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 17:33:06.63 ID:M3QAtpJSO
裡沙「じゅ、純一君……?」

橘「うん。裡沙ちゃん」

裡沙「じゅ、純一君!」

橘「裡沙ちゃん」

裡沙「純一君!!」

橘「裡沙ちゃん!!」

裡沙「純一君!!!」

橘「裡沙ちゃん!!!」

裡沙「ハァハァハァ…ねぇ純一君」

橘「何だい裡沙ちゃん?」

裡沙「ナデナデして」

橘「うん」ナデナデ

裡沙「私、純一君の事が大好き」

橘「僕も裡沙ちゃんの事が大好きだよ」

裡沙「これからもずっと仲良くして行こうね」

橘「うん。そうだね」

裡沙・橘「……」

チュッ

雪華綺晶「キャー」

337 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 17:35:08.86 ID:M3QAtpJSO
現在

裡沙「エヘヘヘ。橘君との素敵な思い出がいっぱい」ダラダラ

雪華綺晶「裡沙さん…ヨダレヨダレ」

裡沙「ジュル…雪華綺晶、この調子でこれからもどんどん橘君を守ろうね」

雪華綺晶「……はい」

雪華綺晶(今回のマスターは愛歌さんとは違った意味で変人ですね……)

338 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 17:40:53.54 ID:M3QAtpJSO
今日はここまで。続きは明日の昼に、もしくはそれよりも早くに投稿します。
339 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/21(土) 21:15:47.19 ID:M3QAtpJSO
夜・はるかの部屋

森島「ワァ〜〜」キラキラ

金糸雀「はるちゃん、連れて来たかしら」

蒼星石「はじめまして。第4ドールの蒼星石です」

翠星石「第3ドールで姉の翠星石です」

真紅「第5ドールの真紅よ」

森島「カワイイ〜〜〜〜〜!!!!」キラキラ

金糸雀「はるちゃん、本当に良いの?」

森島「もっちろん!!あ、皆、私の名前は森島・ラブリー・はるかよ。よろしくね」

翠星石「テンション高いですね…」

蒼星石「四体同時契約は体に大きな負担を与えるかもしれないけど、大丈夫なの?」

森島「そんなの平気よ! みーんな契約してあげる!」

340 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 21:16:58.89 ID:M3QAtpJSO
キラキラ

森島「ふふん、皆と契約しちゃった♪」

金糸雀「指輪が大きくなってるかしら」

蒼星石「本当に大丈夫かな?」

翠星石「一緒に生活するだけなら大丈夫ですよ」

真紅「やっとまともに契約出来たわ」

森島「本当、嬉しいなぁ。こんなに多くのローゼンメイデンと出会えるだなんて」

ガララ

金糸雀「あら」

水銀燈「金糸雀、仕方なく来てあげたわよ。門限あるから早めに帰らせてよね」

森島「水銀燈ちゃんいらっしゃーい」

真紅「水銀燈?」

水銀燈「久しぶりね貴女達」

341 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 21:20:18.98 ID:M3QAtpJSO
蒼星石「どうして彼女がここに?」

金糸雀「実は前にはるちゃんの家に来た事があるの。蒼星石達が契約の為にはるちゃんの家に来るから、水銀燈達も呼ぼうってはるちゃんが言ったの。貴女達に言うの忘れてたかしら」

翠星石「水銀燈『達』?」

ズプッ

翠星石「ん?」

雛苺「ハルカー、また遊びに来たわ」

森島「雛苺ちゃん来てくれたのね(^。^)ー」

雛苺「あ、真紅に翠星石、蒼星石、水銀燈久しぶりなのー」

真紅「雛苺まで」

翠星石「この人間と知り合いだったんですか?」

金糸雀「三日前に外で知り合ったみたい。それで、一昨日この家に遊びに来たかしら」

342 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 21:25:00.35 ID:M3QAtpJSO
真紅「一気に六体もここに揃うなんて…」

金糸雀「まるで同窓会みたいかしら」

水銀燈「他人か」ペシン

森島「夢みたい…子供の頃、ローゼンメイデンの伝説は聞かされてたけど、それが実在してて、しかも私の目の前に六体もいるだなんて……まさに運命の出会いね」

森島「後は末っ子ちゃんだけね。ねえねえ、末っ子ちゃんはどんな子なの?」

真紅「白い衣装を纏っていて、右目が白い薔薇になってるの。名前は雪華綺晶よ」

森島「へえー、その子にも早く会いたいなー。あれ? でもその子の事、前に見かけた事があるような…まあいっか」

雛苺「ねえねえ、ヒナ、皆に見せたい物があるのー」

金糸雀「カナ達に?」

森島「へえー、どんなのかしら?」

雛苺「あのねー」ゴソゴソ

雛苺「これ! 同人誌なのー!」

343 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 21:26:48.23 ID:M3QAtpJSO
真紅「同人誌?」

翠星石「漫画ですね」

雛苺「同人誌は個人で販売する漫画なのよ。ヒナのマスターが描いたの」

金糸雀「漫画家なのかしら?」

雛苺「一応素人さんなのよ」

蒼星石「キビトノヨル…?」

雛苺「ちゃんと皆の分もあるから見せてあげるね」

水銀燈「ふーん、絵は素人の割には上手いわ――」ペラッ

翠星石「どんな漫画なんで――」ペラッ

水銀燈・翠星石「ギャアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!???」

344 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 21:29:01.33 ID:M3QAtpJSO
蒼星石「ど、どうしたの!? ……こ、これは!?」

真紅「一体何が……ウッ!?」

金糸雀「み、見せて……ゲェ!?」

雛苺「すごいでしょ? 男の人同士の愛。女の人に向ける愛と同じ。禁断の愛なのよ!」

翠星石「アワワワワ…男同士であんな事やこんな事を……太いのがあんな小さな穴に」

蒼星石「ふ、踏み込んではいけない領域だ」

真紅「頭が痛くなってきたわ……」

水銀燈「汚らわしい! 汚らわし過ぎるわ!! 貴女のマスター頭腐ってるんじゃないの!?」

金糸雀「なんて恐ろしい物を…あれ? このキャラクター誰かに似てるような……」

森島「素敵ね(^。^)!!」

345 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 21:34:42.24 ID:M3QAtpJSO
ラプラスの魔「メタ発言なんて気にしな〜い♪ メタ発言なんて気にしな〜い♪」

ラプラスの魔「森島先輩の膝の裏にキスした〜い♪ 薫にお尻で股間をグリグリされた〜い♪ 紗江ちゃんと教官プレイがした〜い♪ 七咲の股枕で子守唄を聞きながら眠りた〜い♪ 梨穂子に指を吸われた〜い♪ 絢辻さんの犬になりた〜い♪」

ラプラスの魔「裡沙ちゃんにスニーキングされてみた〜い♪」

ラプラスの魔「みんなみんな魅力がいっぱい♪ サブキャラだって攻略した〜い♪」

ラプラスの魔「でも……」

ラプラスの魔「麻耶ちゃんの酒には付き合いたくな〜い……」

高橋「白崎ィ! もう一軒行くわよ!」プハー
346 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 21:36:51.15 ID:M3QAtpJSO
白崎「高橋先生、まだ飲むんですか?」

高橋「当たり前じゃにゃい。私はまだまだ飲み足りないんだかりゃ」プハー

白崎「酒クサ…」

高橋「ほら白崎〜ちゃんと私についてきなしゃい」ヒック

白崎「寧ろあなたの方が僕について来て下さいよ。足がふらふらじゃないですか。というか呼び捨てやめてくださいよ。普段は白崎先生や白崎君って呼ぶのに」

高橋「良いじゃないのよ〜。気にしない気にしない。ヒック…」

白崎「全く、美人なのに勿体ない。そんなんだからいつまでたっても結婚どころか彼氏も出来n」

高橋「うるさああああああああい!!!!」バリーン

白崎「ギャアアアアアアアアアア!!!!」プシュー!

白崎「イダダダダダ!? 高橋先生! 酒のビンで頭殴らないで下さいよ!! ほら、破片が頭に刺さっt」

高橋「そんなもの知らないわよ!」バキィ

白崎「うげぇ!?」ベチン

347 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 21:40:32.71 ID:M3QAtpJSO
高橋「白崎〜」ドサッ

白崎「ちょっと、何馬乗りになっt」

高橋「オラァ!」バキィ

白崎「ぷぎゅ!?」メリィ

高橋「悪かったわねぇ…婚期逃した女で……あぁん?」

白崎「は、鼻血が」

高橋「どうせ私は一生独身ですよ…この歳になってもいつかは王子様がやってくるって思ってる痛い女よ」

白崎「い、いやそこまでは言ってないんですけど」

高橋「でもねえ…アンタみたいな若造に言われたくないわよ! この三下ァ!!」

白崎「だからって殴るのは――」

高橋「ヒャッハー!」ゴスッ!

白崎「ラプゥ!?」グチュ

ゴスッ! ゴスッ! バキィ! グチャ! メリィ! ドゴォン!

348 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 21:42:35.75 ID:M3QAtpJSO
数十分後

白崎「い、いや〜、居酒屋巡りは良いですね〜」

高橋「でしょー」

白崎「高橋先生は飲んでる時が色っぽくて良いですねー」

高橋「もう、褒めたって何も出てこないわよ年下君。もしかして、私に気がある〜?」

白崎「(実際は貴女よりもずっと年上なんですけどね)ハハハ、まさか」

高橋「あ?」

白崎「い、いえ、僕みたいな未熟者が高橋先生と釣り合う訳がないと言う意味でして」

高橋「冗談よ冗談。からかってみただけよ〜。アッハッハッハ」バンバン!

白崎「(目が本気でしたけど)イタタ、背中叩かないで下さい」

高橋「そうだ白崎、せっかくだから裸になりなさい」

白崎「はい?」

349 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 21:44:26.82 ID:M3QAtpJSO
高橋「ねえ、裸になりなさいよ〜」

白崎「ここ、お店の中ですよ?」

高橋「だからよ。男はね、こういう場所で裸になった方が成長するのよ」

白崎「いやいや、言ってる意味が分かりません。何が成長するんですか?」

高橋「何〜? 恥ずかしいの〜? 肝っ玉のちっちゃい男ね〜。ヒック」

白崎「いやいやいや! 宴会でもないのに裸になるって常識的に考えてオカシイでしょう!」

高橋「私の言う事聞けないのぉ? 私が宴会よぉ!! アァン?」グイ

白崎「ヒィ! ネクタイ掴まないで下さい!」

白崎(酒癖悪すぎですね…昔はまだマシだったのに)

高橋「……」

白崎「な、何です?」

高橋「あなたって結構良い男よね」

白崎「へ?」

350 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 21:47:54.17 ID:M3QAtpJSO
高橋「顔はカッコイイし、私のお酒には付き合ってくれるし」

白崎(酒は貴女が無理矢理…)

高橋「私達何だか気が合いそう……ねえ、白崎君、私達、付き合わない?」

白崎「え!? 白馬の王子様を待ってるんじゃ……」

高橋「それはそれ。これはこれよ…ヒック」

白崎(うわぁ、メルヘン思考無視するくらいだから相当酔ってますね)

白崎(付き合うなんて嫌ですよ。麻耶ちゃんが中学生や高校生だったら付き合いますよ。
けど人妻補正も未亡人補正もない三十路間近の女性と付き合うのはちょっと…お見合いですら躊躇するというのに……何より貴女は痛すぎます)

白崎(私にとって大学生より年上の女性、人妻補正も未亡人補正もない女性を彼女にするのはありえない。守備範囲外です!!)

高橋「誰が守備範囲外ですってぇ?」

白崎(心読んだ!?)

高橋「うぷっ」

白崎「高橋先生? ま、まさか」

高橋「オエエエエ」

白崎「うわーーー!? 高橋先生ーー!?」

白崎(もう嫌だ…)

351 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 21:49:06.57 ID:M3QAtpJSO
梅原「大将、夜の街だ」

橘「ああ、夜の街だ」

梅原「夜の街と言えばナンパだ! ナンパで彼女を作るぜ!」

橘「ああ! これで虚しい青春とはおさらばだ!」

橘「でも梅原、僕はナンパなんてしたことがないからどうすれば良いか分からないよ」

梅原「心配するな大将。そこは俺に任せてくれ。ナンパで女を釣るのはマグロを釣るよりも簡単だ!」キラン

橘「そいつは心強い。頼りにしてるよ。梅原」

梅原「おうよ!」

352 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 21:50:42.62 ID:M3QAtpJSO
高橋「オエ……さっきは気持ち悪かったわ」

白崎「高橋先生、もうやめましょうよ」

高橋「まだまだよ。お楽しみはこれから。ヒック…次行くわよー」

白崎「勘弁して下さいよ……」

高橋「! あれぇ? あそこにいるのはもしや…ヒック」

橘「梅原、まずはどこに行くんだ?」

梅原「俺のレーダーは東の方角に出会いがあるって言ってるぜ。だからまずは東側の…ゲェ! 麻耶ちゃん!?」

橘「え? うわぁ!?」

高橋「あなたたちぃ、なーにしてるのぉ? ヒック」

梅原「え? お、俺達は別に何もしてないぜ。な、なあ大将」

橘「う、うん。それにここに学生がいてもおかしくないですし」

高橋「この辺りは学生が入っちゃいけないお店が多いのよぉ。もしかしぃてあなたたぁち、いかがわしいお店に入るつもりだったんでしょお? ヒック」

353 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 21:51:53.93 ID:M3QAtpJSO
梅原「(酒臭いな)それは大丈夫だぜ麻耶ちゃん。俺達は喫茶店で未だに彼女が出来ない虚しさを語り合うつもりだったんだ」

橘「うんうん」

高橋「彼女ォ? 私だって彼氏欲しいわよぉ!!」

梅原(しまった! この麻耶ちゃんには禁句だった!)

白崎「君達、この時間帯は危ない人も多いから、例え本当に喫茶店に寄るつもりだとしても、今日はやめなさい」

橘「えっと…あなたは確か……」

梅原「白崎先生だよ大将。ま、まあ先生方がそういうなら――」

高橋「二人共私に付き合いなさいよ〜」

橘・梅原「へ?」

白崎「高橋先生何言ってるんですか?」

高橋「うっさいわねこのホスト野郎!!」ブスッ

白崎「ダァアアアアアア!!! 目に指が刺さったぁあああああ!!!!」バタバタ

354 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 21:55:38.36 ID:M3QAtpJSO
高橋「私もね〜、出会いがないから寂しいのよね〜。あなたたちぃ、先生と一緒に居酒屋で語り合わな〜い。保護者になってあげるから〜」

梅原「お、俺急用思い出した」

橘「ぼ、僕も」

高橋「付き合ってくれるわよね?」

橘・梅原「はい」

居酒屋

高橋「プハッー。お酒おかわり!」

白崎「さっき吐いたのにまた飲むんですか?」

高橋「いいのいいの。あ、お代は全部あなた持ちだから」

白崎「え?」

梅原「麻耶ちゃん、すごい酔ってるな」

橘「甘酒でも酔うのに、体壊しちゃうよ」

高橋「ねえねえ、あなたたちの虚しい青春時代教えなさいよ〜」

梅原「いやー、麻耶ちゃんに語る程の内容じゃないなー」

高橋「えー、何よそれー?」

橘「だって僕達、先生よりも人生経験豊富じゃないし」

高橋「誰がおばさんですってええええええ!!!」

橘「言ってない言ってない! そんな事一言も言ってませんから!」

高橋「ちょっと驚かそうと思っただけよ。アッハッハッハ」

橘(酷いよ…)

355 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 21:58:51.41 ID:M3QAtpJSO
高橋「じゃあ人生の先輩である私からはにゃす(話す)わね。ヒック」

橘(長くなりそうだなぁ…)

高橋「……私ねえ、四年前にお人形さんと暮らしてた事があるの」

橘(ええ!? 何言ってるのこの人?)

高橋「双子のお人形でね、すごく人間にそっくりなの。何よりその子達、生きてるのよ」

橘「(うわぁ、先生妄想が酷いな)へ、へえー」

高橋「その子達ね、私が指輪嵌めないと生きてけないって言ったのよ。最初は困ったわぁ。ずっと憧れてた男性が結婚して、
それを悔やんで、それで自分も出会いが欲しいと思って一年経った時に指輪よ。私は相手がいない婚約者かよって」

橘(何言ってるかよく分かんないよ)

高橋「でもねぇ、あの子達の助けを求める顔を見たらね、嵌めてあげなきゃって思ったの。指輪が抜けなくなるのは困ったけど、包帯とかで隠せばいいし。ヒック」

橘「梅原、先生は一体何を言ってるんだ?」

梅原「まあ聞こうぜ大将」

356 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 22:01:54.62 ID:M3QAtpJSO
高橋「でもね、私ある時ね、学校が終わった後、高校時代の男子の友達に会ったの。ヒック」

高橋「久々だったからその人とレストランに寄って昔話とかしたのよ。それでしばらくの間、帰りによくその人と一緒にご飯を食べたりしたわ。それでね、ある日その人に告白されたの」

高橋「嬉しかったわぁ。私にも遂に春が来たって。それで、付き合おうと思ったら、指に包帯するの忘れてて、彼が私の薬指の指輪見ちゃったのよ!」

梅原「もしかして、相手は婚約指輪と間違えたとか」

高橋「そうなのよぉ!! 私は焦ったわぁ!」

橘「え? 婚約指輪じゃないならそう説明したり、外したりすれば良いんじゃ…」

高橋「契約してて指輪が外せなかったのよぉ! ヒック!」

橘「は、ハァ…」

高橋「それで…それが理由で付き合う事が出来なくて……あの子達を責めて……」

橘(もしかして人形に八つ当たり? なら高橋先生残念美人すぎるよ)

高橋「気がついたらあの子達はいなくなってて、指輪もなくなってたわ」

橘(イマイチ話の内容が分からないなあ。指輪のせいで交際が駄目になったのは分かるけど、人形って何かの比喩か?)

357 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 22:04:01.25 ID:M3QAtpJSO
高橋「でもよく考えてみたら私が悪いのよね。ウイ〜ヒック。契約は自己責任だし。包帯巻かなかった私が悪かったんだし。ヒック。ウイ」

高橋「それに、あの子達はいつも私のストレスを取ってくれて、心を元気にしてくれたわ……なのに、私は、あの子達を責めて、怒鳴って……やけ酒までして……」

高橋「教師失格よ。ううん、人間失格だわ」

高橋「私、あの子達に謝りたい……う、ウウウウ」

梅原「まあ麻耶ちゃん、そんなに気にしない方がいいぜ? その人形達だって、麻耶ちゃんの気持ちは分かってると思うし、そうクヨクヨしちゃ駄目だって」

高橋「……本当?」

梅原「おうよ。だから麻耶ちゃん、元気出しなって」

高橋「でも私、やっぱりあの子達に謝りたい」

梅原「なーに、きっとそのうちまた会えるさ。その時に謝れば良いって。ささっ、麻耶ちゃん、今夜は楽しもうぜ」

高橋「ありがとう、梅原君……」

橘(梅原、話合わせるの上手いなあ)

358 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 22:05:34.27 ID:M3QAtpJSO
高橋「スピー、スピー…」

梅原「麻耶ちゃん、すっかり寝ちまってる」

橘「寝るまで大変だったな。酔ってない時の先生はしっかりしてるのに」

白崎「君達、付き合わせて悪かったね。後の事は僕に任せて良いから。もう帰りなさい。全く、教師が生徒を連れ回した事が知られたら大変な事になるぞ」

橘「それじゃあ白崎先生、さようなら」スタスタ

梅原「麻耶ちゃんの事頼んだぜ。白崎先生」スタスタ

白崎「ああ。さようなら」

359 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 22:06:58.58 ID:M3QAtpJSO
スタスタ、ピタッ…スタスタ

白崎「ん?」

梅原「そうそう白崎先生」

白崎「何だい?」

梅原「寝てる間に麻耶ちゃんの事襲うなよ〜。ウサギは地味に精力があるからな」

白崎「ハハハ、大丈夫。守備範囲外だから」

梅原「うわ、ひっでえ奴」スタスタ

橘「何話してたんだ?」

梅原「いんや、ちょっとからかっただけだ」

橘「ふーん…」

360 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/21(土) 22:11:34.63 ID:M3QAtpJSO
時間に少し余裕が出来たので追加投稿しました。

361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/04/21(土) 22:37:16.89 ID:5YuPdpjuo
ローゼンメイデン知らないけど
アマガミのキャラが立ってて面白い。
362 : ◆qgXEy7ZweA :2012/04/22(日) 11:26:23.86 ID:ACOsZxVSO
日曜日・紗江の部屋

美也「いやー! ホント凄い偶然だよ。紗江ちゃんがヒナちゃんのマスター。逢ちゃんが蒼ちゃんを巻いてたなんて」

七咲「私もびっくりした。中多さんがマスターで、しかも美也ちゃんが前のマスターで蒼星石と翠星石の事も知ってたなんて」

美也「もうこれは運命と言っても過言ではないね!」

紗江「本当だね」

雛苺「運命なのー」

七咲「ねえ美也ちゃん、何がきっかけで蒼星石達と知りあったの?」

美也「う、うん。色んな偶然が重なってね」

七咲「へー」

雛苺「ねえねえミヤ、ジュンイチは元気?」

363 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 11:28:28.64 ID:ACOsZxVSO
美也「え…うん、元気だよ」

紗江「先輩もヒナちゃんの事知ってるの?」

美也「うん、ちょっとね…」

雛苺「あのねー、ジュンイチはねー」

美也「いいよヒナちゃん別に言わなくても」

七咲「先輩がどうかしたの?」

美也「ううん何でもない! 特に何でもないから!」

七咲「う、うん」

美也「ところで逢ちゃん、森島先輩も契約してるんだよね? すごいねー」

七咲「うん。だから、契約してない私の代わりに森島先輩と契約してもらったの。蒼星石、契約出来なくて困ってたから」

美也「うんうん。確かにあの指輪は目立つ。水泳をやってる逢ちゃんには確かにきつい」

紗江「私も包帯で隠さなきゃいけないし」

美也「うんうん。皆そうするよねー。ま、それはともかく、今日はヒナちゃんとの感動の再会を祝って皆で乾杯なのだー!」

364 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 11:30:45.71 ID:ACOsZxVSO
数日後・はるかの部屋

真紅「雛苺、貴女いつ頃目覚めたの?」

雛苺「ずっと前からなのよ」

真紅「誰にも会ってなかったみたいだけど、今まで何してたの?」

雛苺「ボーイズラブのお勉強してたの」

真紅「それは止めときなさい」

雛苺「えー」

蒼星石「それにしても、マスターも逢さんと同じ学校の生徒だとは思わなかったな」

翠星石「薫も真紅の元マスターもチビヒナのマスターも同じ学校に通ってるみたいですし、今回は学生が多いですね」

金糸雀「水銀燈のマスターも同じ学校の生徒だったかしら?」

水銀燈「マスターじゃないわよ。でも同じ学校に通ってるみたい」

蒼星石「じゃあ巻いた人間は全員学校通いなのか。しかも同じ学校」

真紅「それだけじゃないわ。実は私を巻いた子がずっと前に契約した子の後輩だったのよ」

翠星石「ほえー、それは珍しいですねー」

365 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 11:32:28.05 ID:ACOsZxVSO
水銀燈「実を言うと私も、私を巻いた子の姉が私の元マスターだったのよ」

蒼星石「これはまた珍しい」

雛苺「ヒナもミャーに会ったの。ミャーも同じ学校なのよ」

蒼星石「ミャー? もしかして美也さん!?」

雛苺「うん」

真紅「昔のマスター?」

蒼星石「ううん。知り合い。でも美也さんがいるって事はあの人もいるのか」

翠星石「元気にしてるですかねぇ…いい男を見つけてれば良いんですけど」

蒼星石「会いに行く?」

翠星石「会いづらいですよ…」

金糸雀「それにしてもすごい確率かしら。彼女達を選んだのは人工精霊だけど、新旧の巻いた人間が互いに繋がりを持ってるだなんて。カナは今の所ないけど……」

真紅「後は末妹だけね」

雛苺「起きてないのかなー?」

水銀燈「あの子は元々寝ないわよ。とっくにこの世界にいるはずだわ」

翠星石「一体雪華綺晶は何をしてるのやら」

366 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 11:36:05.33 ID:ACOsZxVSO
ガチャ

森島「ただいま」

金糸雀「はるちゃんお帰りかしら」

塚原「お邪魔します。わぁ…」

金糸雀「響?」

水銀燈「誰あの人間? もしかしてマスターだった人間?」

金糸雀「ううん。全く関係ないかしら。でもはるちゃんのお友達。前にカナも会った事あるかしら」

塚原「いっぱいいるわね(皆カワイイなあ)」

森島「でしょ? 銀髪の子が水銀燈ちゃん。緑色の衣装の子が翠星石ちゃん。帽子の子が蒼星石ちゃん、赤い衣装の子が真紅ちゃん。ピンクの衣装の子が雛苺ちゃんよ」

雛苺「ハルカのお友達?」

塚原「そうよ。響って言うの。よろしくね」

雛苺「うん!」

水銀燈「契約者でもない相手にそう簡単に私達を見せても良いのかしらねえ? あの人間の性格だとどんどん他の人間にも見せそうだわぁ」

金糸雀「うーん、響だけで済めば良いけど…」

森島「そうだ、響ちゃん、今度の創設祭にこの子達も連れて行きたいな」

塚原「もしかして、ここにいる子達全員?」

森島「そうよ」

塚原「はるか、それはまずいわよ」

367 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 11:37:50.03 ID:ACOsZxVSO
雛苺「そーせつさいって何?」

塚原「簡単に言えば学校でやるお祭りの事よ。はるか、もしこの子達の事が他の人にバレたらまずいって」

森島「でもでも〜その日だけこの子達を家に置いてくのは可哀相よ」

塚原「百歩譲って金糸雀だけって言うならまだ考えるわ。でも六体一緒は危険よ」

塚原「それに、雛苺と水銀燈…だっけ? この子達はあなたと契約してないんでしょ? 持ち主の都合だってあるんだから」

雛苺「ヒナ、創設祭に行ってみたい」

塚原「う…」

森島「大丈夫よ。雛苺ちゃんは中多さんと一緒にコミケッツに行った事があるからバレないわ」

水銀燈「私は遠慮するわ。人に見られたくないし、門限もあるし」

塚原「ほら」
368 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 11:39:33.37 ID:ACOsZxVSO
森島「駄目…?」

水銀燈「無理よ」

森島「駄目なの…?」ウルッ

水銀燈「み、見つかったら叱られるし」

森島「どうしても…?」ウルウル

水銀燈「……しつこいわよ。無理なものは無理なの」

森島「そっか……」シュン

水銀燈「……一応行ってみても良いか聞いてみるわ」

森島「やったぁ♪ 水銀燈ちゃんありがとう!」

369 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 11:42:03.63 ID:ACOsZxVSO
塚原「ハァ…あなた達はどうするの?」

真紅「人間無しで外に出る事自体は何度も経験してるから、そこまで不安ではないわ」

翠星石「いずれにしろ、はるかの頼みは断る事は出来ないですし」

蒼星石「人がたくさんいる所に行くのは不安だけど、マスター付き添いなら大丈夫だと思う。正直な所、ちょっと学校にも行ってみたいのもあるかな」

金糸雀「断るだけ無駄かしら」

森島「皆オッケーね」

水銀燈「私は空飛べるから安全な場所に移動出来るけど、他の姉妹はどうするのよ?」

森島「うーん…じゃあ皆を大きなバッグの中に隠して連れてくわ」

真紅「きつそうね」

森島「だからお願い。響ちゃんも手伝って!」

塚原「ハァ…分かったわ。念のため七咲にも協力してもらうよう頼んでみるわ」

森島「やったぁ♪」

370 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 11:43:35.05 ID:ACOsZxVSO
創設祭前夜

詞「明日は帰りが遅くなる?」

水銀燈「そうなのよ。明日は門限までに帰れるかどうか分からないの」

詞「何しに行くの?」

水銀燈「薔薇乙女会議って言う会議でドールの今後を話し合わなきゃいけないのよ。だからお願い!明日だけ遅くなるの許して!」

詞「…そうねぇ、私も創設祭で忙しくなるし……いいわ。明日だけ遅くなるの許してあげる」

水銀燈「助かるわぁ」

371 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 11:46:30.55 ID:ACOsZxVSO
裡沙「ヘクシュン! 風邪引いちゃったよぅ…」

雪華綺晶「おでこがポカポカ…」

裡沙「ううう、よりによって創設祭前日に風邪引いちゃうなんて……しかも全然治りそうにないよぉ。せっかく橘君も創設祭に来るのに…グスッ」

裡沙「雪華綺晶…私の代わりに橘君を見守って…クシュン」

雪華綺晶「え…?」

裡沙「明日はそこまでマークしてる子達を警戒しなくてもいいんだけど、念のため。それと、橘君が楽しんでる所…カメラとかで記録しといて……クシュン! ズズッ…」

雪華綺晶「……はい(面倒…)」

372 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 11:48:02.90 ID:ACOsZxVSO
翌日・創設祭

森島「皆、出てきてもいいわよ」

金糸雀「プハァ、苦しかったかしら」

真紅「ギュウギュウ詰めは堪えるわね」

雛苺「ワクワクするの」

翠星石「学校の中に入るなんて、昔を思い出すです」

蒼星石「ここが逢さんやマスターが通ってる学校の中か」

七咲「あの、大丈夫なんでしょうか? 学校に連れて来て?しかもこの子達だけで学校を回らせるなんて」

塚原「うーん、本当は大丈夫じゃないんだけどね」

森島「大丈夫よ。一目見ただけじゃ人形だって分からないわ。それに、(現代っ子が着る)服もこの子達に合うのを買ったから、ますます人形には見えないわ」

真紅「これが人間の少女が着る服ね」

翠星石「コスプレとは違う感覚ですね」

373 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 11:49:28.84 ID:ACOsZxVSO
雛苺「ヒナ似合うかな〜?」

塚原「念のため、顔をあまり見られないように帽子も被っておいてね」

蒼星石「分かりました」スポッ(シルクハットではない)

森島「水銀燈ちゃんは服いらなかったのかな?」

真紅「彼女は羽が邪魔をするから着れないわ」

森島「そっか、どうしよう…」

金糸雀「はるちゃん、水銀燈は人前に出ないように上手くやるから大丈夫かしら」

森島「それなら安心ね。じゃあ皆、お祭り楽しんでね。後、私ミスサンタコンテストにも出るから、私のサンタ姿も見てね」

374 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 11:53:34.28 ID:ACOsZxVSO
茶道部

梨穂子「ホントびっくりしましたよー。るっこ先輩達が昔契約してたなんて。しかもるっこ先輩は真紅ちゃんと」

夕月「私も指輪見た時はびっくりしたねー。まさかりほっちがローゼンメイデンと契約してるなんて夢にも思わなかったからさ」

飛羽「まさに衝撃」

夕月「真紅っくの奴、口うるさいだろ? 苦労してないかい?」

梨穂子「えー? 私の方が真紅ちゃんに迷惑かけましたよー」

飛羽「りほっちは優しい」

夕月「でも指輪してないけどどうかしたのかい? まさか真紅っくとの契約やめたとか?」

梨穂子「うーん、私には真紅ちゃんの指輪が合わなかったみたいで、契約する度に指輪が壊れちゃったんです。だから、違う人に契約させました」

夕月「へ、へえ、そうなんだ」

飛羽「さすがりほっち」

梨穂子「でもまた家に遊びに行くって言ってました」

夕月「オッ、なら今度来た時、私達にも会いに来いって言っといてくれないかい?」

梨穂子「はい。ちゃんと言っときますね」

375 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 11:55:10.36 ID:ACOsZxVSO
水銀燈「ここが詞の通ってる学校ね。賑やかね」バサッ

水銀燈「でも、どうやってお祭りを楽しめば良いのよ私は? 遠くから見てるだけでもまあまあ楽しめるけど」

水銀燈「とにかく、人間が少ない場所に着地するしかないわね。これ詞に見られたら殺されるわぁ」

水銀燈「ん?」

雪華綺晶「カメラのレンズ…フキフキ」

水銀燈「雪華綺晶? 何であの子がここに?」バサッ

雪華綺晶「あら……黒薔薇のお姉様?」

376 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 11:56:54.39 ID:ACOsZxVSO
翠星石(緑のソフト帽)「いやぁ〜、お祭りとは良いものですねぇ〜」

雛苺(白のソフト帽)「コミケッツみたいに楽しいの」

真紅(赤いソフト帽)「案外バレないものね。私達の事」

蒼星石(青い野球帽)「逢さんが作ったおでん、美味しいや」

金糸雀(ベージュのソフト帽)「水銀燈は一体どこにいるのかしら」

メイメイ『!』ヒューン

金糸雀「メイメイ? 人がいる所に来ちゃ駄目かしら」

メイメイ『!!』チカチカ

金糸雀「雪華綺晶を見つけた?」

翠星石「何で学校にいるんです?」

金糸雀「とにかく行ってみるかしら」

377 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 12:00:06.46 ID:ACOsZxVSO
水銀燈「! 来たわね」

雪華綺晶「お姉様方…お久しぶりです」

真紅「雪華綺晶、どうしてこんな所に?」

雪華綺晶「はい…私のマスターの頼みでここにいます」

蒼星石「もしかして、その人も高校生?」

雪華綺晶「ええ……チョベリバな高校生です」

翠星石「それじゃあ全員高校生に巻かれたんですね」

雪華綺晶「マスターの大切な殿方を他の女性から守る為に。半分片思いですが…」

雛苺「モテモテなのー」

雪華綺晶「決してモテる訳ではありませんが、フラグをよく立ててます」

水銀燈(フラグ?)

雪華綺晶「特にお姉様方のマスターとフラグを立てます。困った殿方です」

水銀燈「私達の…」

金糸雀「マスター…?」

真紅「私達のマスター? 貴女、いつから私達が契約してる事を知ってたの? 契約したのはつい最近よ」

雪華綺晶「……訂正します。お姉様方を巻いた女性達とです」

蒼星石「もしかして全員と?」

雪華綺晶「はい」

翠星石「ゲェ、なんて節操の無い男なんですか」

水銀燈「……金糸雀、私、心当たりがあるわぁ」

金糸雀「奇遇かしら。私もよ」

真紅「心当たりあるの?」

水銀燈・金糸雀「物凄く」

378 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 12:02:26.93 ID:ACOsZxVSO
蒼星石「雪華綺晶、その人はどんな人なんだい?」

雪華綺晶「性格は基本スケベです」

翠星石「犬ですね」

雪華綺晶「写真もあります」スッ

真紅「この子が貴女のマスターの思い人なのね」

雛苺「アッー! ジュンイチなのー!」

真紅「知ってるの?」

雛苺「うん。あのねー」

蒼星石・翠星石「ゲェーーーーーー!?」

真紅「ど、どうしたの二人とも」

翠星石「こ、こいつはぁ…」

蒼星石「変態少年…」

蒼星石・翠星石「橘純一!?」

379 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 12:04:03.15 ID:ACOsZxVSO
四年前

美也「にぃににぃに大変だよー!!」

橘「どうした? 美也」

美也「にぃにー、このお人形さん、喋る人形なんだよ!」バッ

雛苺「うゆ? 貴女のお兄さん?」

橘「美也、この女の子どこから連れて来たんだよ!?」

美也「違うってばにぃに! これお人形さんなんだってば!」

橘「人形? ……言われてみればそうだな。すごいリアルだ」

雛苺「はじめまして。ヒナは雛苺って言うの。貴方のお名前は?」

橘「へえ、頭が良いな。どこで造られたんだろ?」

美也「中には何も入ってないってば! この子、呪いの人形なんだってばー!」

380 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 12:05:30.74 ID:ACOsZxVSO
橘「呪いの人形?」

美也「部屋に鞄があってね、開けて薇巻いて体が光って動いたんだよ!」

雛苺「ヒナ、呪いの人形じゃないよ」

橘「ちょっと落ち着けよ美也。これのどこが呪いの人形なんだ?」

美也「だから現にこうやって喋ってる時点で呪いの人形だよにぃに!」

橘「どこに電池が入ってるんだ?」ガサゴソ

雛苺「くすぐったいのー」

美也「だから機械類は何もないって! どさくさに紛れて変な所触っちゃ駄目!」

橘「あ、あれ? 嘘だろ?」

美也「だから言ったでしょ? 呪いの人形だって」

雛苺「ヒナ、呪いの人形じゃないよー。ローゼンメイデンなのー」

381 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 12:06:27.33 ID:ACOsZxVSO
美也「ローゼンメイデン?」

雛苺「あのねー」

橘「」バタン

美也「にぃに?」

橘『ブクブク』ガタガタ

美也「ワアーーーーー!!? にぃにが白目向いて泡吹いて失神してるーーーー!?」

382 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 12:08:21.69 ID:ACOsZxVSO
数日後

美也(契約済み)「あれー? ヒナちゃんどこに行っちゃったのかなー?」

美也「にぃにー、ヒナちゃん見なかった?」ガチャ

ペロッ、ペロッ

美也「……え?」

雛苺「ジュンイチくすぐったいのー」

橘「美也ちゃんの背中、良い味がするよ」ペロッ、ペロッ

橘「美也ちゃん、次は僕の背中を舐めてよ」

雛苺「うん!」

美也「にぃに…何してるの?」

橘「うわぁ!? いつからいたんだよ美也?驚かすなよ!」

美也「驚きたいのはこっちの方だよ! ヒナちゃんで何してるのさ!」

橘「ち、違うんだよ美也。これは誤解なんだ」

雛苺「あのね、ジュンイチがね、お友達同士は背中を舐め合うのが普通だって言ってたの」

美也「にぃに! ヒナちゃんに嘘教えないで! ヒナちゃん、にぃにの言うことを本気にしちゃ駄目だよ」

橘「ま、待ってくれ」

美也「にぃにのスケベ!」

383 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 12:09:42.31 ID:ACOsZxVSO
その後

橘「ヒナちゃん、乳首が痒いんだ。かいてくれないかな?」

美也「ちょっとにぃに!」

橘「ヒナちゃん、お医者さんごっこしようか?」

美也「こらー! にぃにー!」

橘「ヒナちゃん、一緒に寝ようか?」

美也「駄目ー!」

橘「ヒナちゃん、僕の頭を撫でながら子守唄を歌ってくれないかな?」

美也「にぃに〜」

橘「ヒナちゃん、指を切っちゃったよ〜。指を舐めて欲しいな〜」

美也「自分でやれば?」

橘「ヒナちゃん、今日は僕の両親がいないから一緒にお風呂に入ろう」

美也「にぃにいい加減にしてーーー!!」

384 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 12:10:59.90 ID:ACOsZxVSO
美也「ハァ…にぃに、全然懲りてないよ」

雛苺「ミャー、とても疲れてる」

美也「私がヒナちゃんと契約してる限り、にぃにはこれからもヒナちゃんに迫ってくるだろうなぁ」

美也「ここは暗殺…いや、さすがにやり過ぎか。せめてヒナちゃんに関する記憶を消す事が出来れば良いのに」

雛苺「それなら良い知り合いがいるのー」

美也「ほえ?」

385 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 12:12:47.27 ID:ACOsZxVSO
蒼星石「はじめまして。蒼星石です」

翠星石「翠星石です」

美也「オッー! 双子だー。私、橘美也。よろしくね」

蒼星石「雛苺から話は聞きました」

翠星石「アホな兄を持って大変ですね」

美也「そうなの。ウチのにぃにすっごくエッチでねー、ヒナちゃんにいっつもちょっかい出してくるの。だからちょちょいっと記憶を消してくれないかな?」

蒼星石「分かりました」

翠星石「記憶消すだけなら翠星石はいらないんですけどね」

386 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 12:14:45.10 ID:ACOsZxVSO
橘「今日は梅原から貰った新しいお宝本で楽しむぞー」

橘「海パン一丁になって準備運動もした。橘純一、紳士らしく挑むであります!」

翠星石「ヘイヘーイ! ロリコン野郎はどこですかー?」バタン

橘「うわああああああ!!!?」

蒼星石「この人か」

橘「な、何だ君達は? ロ、ローゼンメイデンか」

翠星石「オー、すぐに気付いたですか」

蒼星石「ごめんなさい。貴方に説明してる時間はないんです」

橘(ど、どうしてローゼンメイデンがここに? いや、それよりも双子か。この子達も可愛いなあ)

橘(よーし、双子の人形とあんな事やこんな事を!!)

387 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 12:16:30.84 ID:ACOsZxVSO
橘「ねえ君達、僕と水泳プレイをしようよ!」

蒼星石・翠星石「は?」

橘「大丈夫。浮翌輪には自信があるからさ!」ピョーン

翠星石「如雨露殴り!」ゴン!

橘「ひぎっ!?」バタン

翠星石「想像以上の変態ですね」

蒼星石「気絶してる間に夢の中に入ろう」

翠星石「意識失ってますけど入れるんですか?」

蒼星石「多分。よし、入れた」

388 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 12:18:39.02 ID:ACOsZxVSO
>>387の訂正

橘「大丈夫。浮翌翌翌輪には自信があるからさ!」ピョーン

橘「大丈夫。浮翌輪には自信があるからさ!」ピョーン

389 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 12:22:48.89 ID:ACOsZxVSO
あれ…直ってない?

>>387
橘「大丈夫。浮翌輪には自信があるからさ!」ピョーン


橘「大丈夫。『うきわ』には自信があるからさ!」ピョーン

漢字がちゃんと表示されない…
390 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 12:24:44.98 ID:ACOsZxVSO
夢の中

蒼星石「心の樹はどこだろう?」

翠星石「なんかヌメヌメした世界です」

蒼星石「! 翠星石、アレ」

翠星石「オッ、あったですね。じゃあとっとと終わらせるです」

「ブラブラゾウさんブラ〜ンブラ〜ン♪
今日もパオーン! 明日もパオーン! フリフリゾウさん…」

翠星石「何です? このへんちくりんな歌は?」

蒼星石「す、翠星石、あれ!」

翠星石「ん? ヒィ!?」

橘s「ブラブラゾウさんブラ〜ンブラ〜ン♪今日もパオーン! 明日もパオーン!」

翠星石「猫人間の兄がいっぱいいるです!? しかも裸!!」

蒼星石「でも股間はゾウさんで隠れてる」

橘s「ブラブラゾウさんブラ〜ンブラ〜ン♪今日もパオーン! 明日もパオーン!」シュタ

翠星石「ゲェ!? 囲まれたです!」

391 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 12:26:06.87 ID:ACOsZxVSO
橘s「……」

翠星石「何なんですこいつら?どれが本物です?」シャキン

蒼星石「多分、失神と睡眠が入り混じった状態だから、本物はいないと思う。夢だけが独り歩きしてる状態なんだろうね」シャキン

翠星石「それにしたって異常です」

橘1「僕らはみんなー思春期さ」

橘2「思春期だから紳士なのさ」

翠星石「歌いだしたです」ビクビク

橘3「女の子の不思議が知りたいよー」

橘4「でも紳士だから深追いしない」

橘s「紳士、紳士、紳士、紳士、紳士、紳士、紳士、紳士です。でも紳士だから好奇心の塊さ」シャカシャカ

蒼星石「蟹歩きしてる…」

392 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 12:27:24.93 ID:ACOsZxVSO
橘5「女性って良い匂いがするのかなー?」

橘6「なーに食べるんだろーう?」

橘7「ブラはもう付けてるのかな?」

橘8「可愛いあの子にトキメキさー」

橘9「体重気にしてるあーのー子ー」

橘10「消しゴム貸してくれてうれしーな。消しカスが勿体ないー」

橘11「フワフワ髪の毛に触りたい。あの子の髪の毛になーりたい」

橘12「エッチな本を買うのはー、勇気がいるーのさー」

橘13「オッパイの感触が知りたいよー。触ってみたーいなー」

橘14「でも紳士だからそーんなー、野蛮な事はしなーい」

橘s「紳士、紳士、紳士、紳士、紳士、紳士、紳士、紳士です。でも紳士だから止められなーい」シャカシャカ

翠星石「ち、近寄って来たです」ガタガタ

蒼星石「へ、変態だ」

393 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 12:29:16.44 ID:ACOsZxVSO
橘s「紳士、紳士、紳士、紳士、紳士」シャカシャカ

翠星石「く、来るなです! 健やかに伸びやかに健やかに伸びやかに健やかに伸びやかにぃいいい!!!」メキョメキョ

橘s「うわああああああああ!!!??」グシャア!

翠星石「は、早く樹の枝を切るです!」

蒼星石「う、うん。急がなきゃ」

橘s「知りたいな。感じたいな」ボコン

翠星石「オゲェー!? 地面から生えてきたです」

蒼星石「う、上にも」

橘s「僕らは思春期紳士だよ。僕らは想像豊かだよ」バッサバッサ

翠星石「ウゲェー!?顔だけ人間の蝶ですぅ!?」

394 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 12:30:32.99 ID:ACOsZxVSO
橘s「紳士、紳士、紳士、紳士、紳士、紳士、紳士、紳士、紳士、紳士」

蒼星石「く、来るなぁ」ブシュウ! ザシュウ! ズバァ!

翠星石「健やかに伸びやかに健やかに伸びやかに健やかに伸びやかに健やかに伸びやかに健やかに伸びやかに
健やかに伸びやかに健やかに伸びやかに健やかに伸びやかに健やかに伸びやかに
健やかに伸びやかに健やかに伸びやかに健やかに伸びやかに健やかに伸びやかに
健やかに伸びやかに健やかに伸びやかに健やかに伸びやかに健やかに伸びやかにぃいいいいいいい!!!!!」メキメキメキメキメキメキメキメキ

プシャアアアアアアアアアアア!!!

蒼星石「死体が気持ち悪い…」

翠星石「蒼星石早く!」

蒼星石「う、うん。とりゃあ!」チョキン

翠星石「切ったです。これでローゼンメイデンの事は綺麗さっぱり忘れてる筈です。すぐに脱出です!」

蒼星石「と、言うことが昔あったんだ」

真紅「oh…」

395 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 12:31:50.76 ID:ACOsZxVSO
雪華綺晶「全員のマスターとイチャイチャしてます」

水銀燈「や、やっぱりこいつだったのね」

金糸雀「はるちゃんだけじゃなく、他のマスターにまで…」

真紅「梨穂子が好きな子ってこの子の事だったのね」

蒼星石「よくも逢さんを…」

翠星石「薫にまで…」

雛苺「ジュンイチいけないのー」

水銀燈「ぶちのめしてやりたいわぁ」

真紅「ええ。教育が必要だわ」

雪華綺晶「それなら…私に良い考えがあります……」

396 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 12:33:06.64 ID:ACOsZxVSO
橘「今年も彼女が出来なかったなぁ」トボトボ
橘「でも去年よりは良いな。いい思いはいっぱいするようになった」

橘「森島先輩は来年で卒業だから彼女にするのは無理だけど、来年こそは彼女作りたいなあ」

橘「よーし、頑張るぞー」

ガサガサ

橘「ん?」

お宝本『ガサガサ』

橘「これは、僕が秘密部屋に隠しているお宝本じゃないか!? しかも一番のお気に入り!」

お宝本『ガサガサ!!』

橘「ま、待て!」

397 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 12:35:40.55 ID:ACOsZxVSO
橘「くそ、どこに行った? 気がついたら人が全然いない所にいるし」

ギュオオオン!

橘「ん?」

蒼星石「蒼星石ック!!」
翠星石「翠星石ック!!」

橘「ブッ!?」グシャ

橘「」バタン

蒼星石・翠星石「よし」

水銀燈「ふふふ、捕まえたわぁ」

真紅「さっそくnのフィールドに連れて行くわよ」

雪華綺晶「悪夢の始まり始まり」

398 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 12:37:12.08 ID:ACOsZxVSO
橘「……ん?」パチリ

橘「ここは一体どこだ? 顔が痛いな」

森島「橘くぅーん!」

橘「あ、森島先輩。ミスサンタはどうしたんですか?」

森島「橘君、実は橘君に大事な話があるの」

橘「大事な話ですか?」

森島「そうよ。橘君にとってすごい大事な事」

橘「何ですか?」

森島「実は…橘君の子を妊娠したの(^。^)ーーー!!」ボン!

橘「……え?」

399 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 12:40:35.68 ID:ACOsZxVSO
森島「見て、こんなに大きくなっちゃった。あなたと私の愛の結晶よ」ナデナデ

橘「え、いや、何言ってるんですか? 僕全然覚えがないんですけど」ダラダラ

森島「酷い! 認知してくれないの!?」

橘「いや、だって」

薫「逃げないでよね純一。私と赤ちゃんを見捨てる気」ボン!

橘「か、薫まで!?」

紗江「しぇんぱい、出来ちゃいました」ボン!

橘「紗江ちゃんまで!?」

七咲「せーんぱい、ちゃんと私を見て下さい」ボン!

橘「そ、そんな、七咲まで!?」

梨穂子「ずんいち〜、私も出来たよー」ボン!

橘「り、梨穂子は違うんじゃないかな?」

絢辻「橘君、責任取ってね」ボン!

橘「あ、アハハ。嘘だ、絢辻さんまで」

裡沙「純一君、私も」ボン!

橘「え、君…誰?」

絢辻「橘君、こんなに孕ませちゃったんだ。どうしようもない発情犬ね。去勢が必要だわ」ナデナデ

梨穂子「ずんいちは食いしん坊さんだね」ナデナデ

橘「待って、本当に知らないんだ」

400 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 12:42:36.15 ID:ACOsZxVSO
森島「あ、動いた!」

七咲「私もです」

紗江「私も」

絢辻「皆動いてるわね。私もだけど」

橘「え、え?」

グニャグニャ

森島「見て! お腹がグニャグニャになるほど動いてる。元気いっぱい」

裡沙「私も、暴れてる」

橘「何それ? おかしいよ」

絢辻「もうすぐ産まれそうだわ」

橘「ええ!? 大変だよ!!」

森島「お腹から出てくるわ!」

ギチ、ギチギチ

橘「帝王切開!?」

ビリッ

薔薇乙女「オギャーーーーーーー!!!!!!!」ドーン!

401 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 12:45:38.10 ID:ACOsZxVSO
橘「な、な…何だーーーー!?」

水銀燈「覚悟してもらうわ」

蒼星石「去勢してあげる」

翠星石「この変態人間!」

雛苺「ジュンイチ、悪い事しちゃダメ」

橘「人形……お、思い出したーー!! これはローゼンメイd」

真紅「壁殴り用絆パンチ!!!」バキィ

橘「ひっ!?」ベキ

金糸雀「攻撃のワルツ!!」

橘「ブッ!!」ゴキッ、ベキッ

水銀燈「こいつぅ! 詞の奴隷は私だけでいいのよ!」グシャグシャ

蒼星石「よくも逢さんを弄んだな!」グサッ、グサッ!

翠星石「このプレイボーイが!!」ベキッ、ドゴッ!

橘「や、め…」

金糸雀「はるちゃんをもうなめ回さないで!!」ブチッ、ベチッ!

真紅「ハーレムなんて許さないわよ!!」ゴスッ、ゴスッ!

雛苺「ジュンイチオシオキなのー」ベキッ、ベキッ!

雪華綺晶「不倫はいけませんよ」ゴスッ、ベキッ

橘「うぴぃ!?」

402 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 12:47:09.52 ID:ACOsZxVSO
現実世界

橘「」

水銀燈「パンツ一丁にしてやったわぁ」

金糸雀「これで懲りたと思うかしら」

蒼星石「さて、僕達は今のうちに退散しよう。誰かに見られたらマズイ」

翠星石「ですね」

高橋「あ〜〜〜〜〜〜〜〜!! そうしぇいしぇきにすいしぇいしぇきじゃなーい!」

蒼星石「ま、麻耶さん!?」

翠星石「麻耶!?」

高橋「やっと会えたわぁ。あの時はごめんねぇー。あなた達に酷い事言って、ヒック」

水銀燈「誰よこいつ?」

蒼星石「昔のマスター。でもどうして学校に? まさか麻耶さんここの学校の先生!?」

高橋「ごめんなさーーーーーい! 許して〜〜〜〜〜〜〜!!」

翠星石「ええい、翠星石達を掴むなです。てか酒クサッ!? また飲んでるんですか酒乱人間は?」

403 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 12:48:53.92 ID:ACOsZxVSO
高橋「分かってたのぉ…悪いのは私だったのぉ…指輪の事で責めてごめんねぇ。うわ〜〜〜ん!!!」

蒼星石「大丈夫。大丈夫だから。もう僕達は怒ってないし許してるから」

高橋「ホントォ…?」

蒼星石・翠星石「うんうん」

高橋「ふたりどもありがど〜〜〜う。大好き〜〜〜〜!! え〜〜〜〜〜〜ん!!!! ヒック」ギュウウ

翠星石「麻耶放せです」

水銀燈「ちょっとぉ、早く逃げるわよ」

蒼星石「麻耶さんが放してくれないんだ」

麻耶「エヘヘー」ギュー

真紅「まずいわ。このままじゃ誰かに見つかるわ」

雛苺「誰か来たのー」

雪華綺晶「まあ大変」

梅原「麻耶ちゃん、もうそこら辺にしときなよ。ドール達が困ってるぜ?」

金糸雀「ま、正吉……?」

梅原「よっ、カーナリア。久しぶり」

404 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 12:50:34.02 ID:ACOsZxVSO
真紅「もしかして昔のマスター?」

金糸雀「ええ。まさかまた会えるなんて」

梅原「いやー、それにしても驚いたぜ。麻耶ちゃんが元契約者だったなんてよ。ほら麻耶ちゃん、双子ちゃん達を放しなって」

麻耶「うーん…」ズルッ

梅原「にしても、こんなにドールが集まって何してるんだ?」

金糸雀「ごめんなさい正吉。また今度会おうかしら」

梅原「おい、金糸雀! あいつら行っちまった……」

梅原「何だったんだ…た、大将!?」

橘「」

梅原「どうしたんだ大将? パンツ一丁になって!? しかもボロボロじゃねえか!」

405 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 12:51:50.10 ID:ACOsZxVSO
橘「う、ん…梅原?」パチッ

梅原「良かった。目ェ覚ましたか。一体何が――」

橘「梅原ーー! 助けてくれー! ローゼンメイデンが僕を襲ってくるよー!!」

梅原「ローゼン…大将、まさかローゼンメイデンにやられたのか!?」

橘「梅原ー、怖いよー」ギュウ

梅原「よしよし、怖かったなー大将。でも何で金糸雀達そんな事したんだ?」ナデナデ

田中「キャーーーーー!!! 梅原君と裸の橘君が抱き合ってるーーーー!!!??」

梅原「え、え? 田中さん!?」

406 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 12:53:16.16 ID:ACOsZxVSO
田中「二人ともおホモ達だったのね。いやーー!!」

梅原「待ってくれ田中さん! 誤解だ!」

田中「いやーーーーー!!! 来ないでーーーー!!」

梅原「違うって! やべぇ、早く説明しねえと」

橘「梅原ー! 梅原ー! 行かないでくれよ梅原ー!」

梅原「放せ大将! このままじゃとんでもない事になっちまう!」

橘「梅原ッー! うめはらッー! ウメハラアッーーーーーーーーーーー!!!!」



〜fin〜
407 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 12:55:11.57 ID:ACOsZxVSO
エピローグ1

橘「絢辻さん待ってよー」

絢辻「来ないでよホモ! 私まで変態扱いされちゃうじゃない!」

橘「あれは誤解だよー」

絢辻「だとしてもしばらく話し掛けて来ないで!!」

エピローグ2

裡沙「これ…全部橘君の裸写真?」

雪華綺晶「はい」

裡沙「やったーーーー!!! 橘君の裸写真、ゲットだぜ!」

雪華綺晶(幸せな人…)

408 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 12:57:23.63 ID:ACOsZxVSO
エピローグ3

茶道部

真紅「美味しいわね」

雪華綺晶「苦みもまた絶妙…」

夕月「オッ、真紅っくも紅茶以外の味が分かったみたいだね」

飛羽「和菓子もある」

真紅「紅茶の方は上達したのかしら?」

夕月「そっちはイマイチだね」

真紅「琉璃子は相変わらずね」

夕月「真紅っくも相変わらずだね―」

飛羽「変わらない仲」

雪華綺晶「微笑ましい」

梨穂子「みかん美味しいなー」モグモグ
409 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 12:58:40.34 ID:ACOsZxVSO
エピローグ4

梅原「へぇ、それで大将をボコボコに」

水銀燈(ついでに来た)「ゲスな犬だったわ」

金糸雀「そうかしら。女を弄んだ罪は重いかしら」

梅原「金糸雀、大将も悪気があった訳じゃねえんだ。過去の失恋で心が病んでるんだ。確かに過激だったかもしれねえけど。大将め、羨ましいぜ」

金糸雀「正吉!」

梅原「じょ、冗談だよ」

梅原「でも大将の奴が昔ローゼンメイデンと関わってたのは驚きだったな。だからラプラスの奴、俺の所に来たのか」

金糸雀「ラプラスが?」

梅原「おお」

410 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 13:00:03.95 ID:ACOsZxVSO
回想

梅原「よーし、お宝本が手に入ったぜ」

ラプラスの魔「ほうほう、これはまた過激な」

梅原「うおっ!? ラプラスじゃねえか?」

ラプラスの魔「お久しぶりですね」

梅原「何だよ何しに来たんだよ? まさかローゼンメイデンが目覚めたのか?」

ラプラスの魔「正解。ですが、貴方の所には来ませんよ」

梅原「じゃあ何しに来たんだ?」

ラプラスの魔「貴方にローゼンメイデンの噂をしてもらおうと思って」

梅原「俺が?」

ラプラスの魔「とりあえず貴方の親友辺りに話して噂を広げてみて下さい。貴方のクラスの中に巻いた人間がいると思いますから」

梅原「ふーん…」

411 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 13:01:19.26 ID:ACOsZxVSO
ラプラスの魔「ちなみに、私は現実世界でも行動しますから」スッ

白崎「君達の学校の先生、白崎としてね。まあどちらの姿でも君と会ったり話したりする機会はあまりないと思うけど。じゃあよろしく頼むよ」シュン

梅原「都合の良いウサギだな」

学校

橘「ローゼンメイデンって言う呪いの――」

薫「ブッーーーーーーーーーーーー!?」

梅原「た、大将、大丈夫か?(ああ、これは人形がいるな)」

梅原「という訳」

金糸雀・水銀燈「なるほど」

412 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 13:02:19.78 ID:ACOsZxVSO
梅原「にしても金糸雀は森島先輩か。く〜羨ましい。俺も人形になって森島先輩に抱きしめられたいぜ」

金糸雀「もう、正吉はエッチで困るかしら…ねえ正吉、カナ、また正吉の家の卵焼き食べてみたいかしら。」

梅原「オウ、なら次は親に内緒で持って来たのじゃなくて、俺が作る卵焼き食べてみるか?」

金糸雀「ええ。楽しみかしら」

梅原「銀お嬢も食ってみるかい?」

水銀燈「その呼び方やめなさい」

413 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 13:03:52.69 ID:ACOsZxVSO
エピローグ5

ジェシカ「信じられないわ! あの伝説のローゼンメイデン!?」

森島「そうよ。皆かわいいでしょ?」

金糸雀「はるちゃんが二人…」

真紅「疲れが二倍になりそう…」

蒼星石・翠星石「2Pカラー…」

雛苺「そっくりなのー」

雪華綺晶「まあ狂気」

「「ワァ(^。^)(^。^)アアアアアアアアアアアアアオ!!」」

414 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 13:08:59.36 ID:ACOsZxVSO
エピローグ6

翠星石「チビヒナ、他のも読ませろです」

雛苺「はい。男すぃ高校生の日常〜真の相棒編〜なの」

翠星石「オォ! ええのーええのー!! フヒヒヒヒヒヒ!!! 堪らんですぅ!!」

紗江「ヒナちゃん、翠ちゃん、出来たよ!」

雛苺「ついに連載用が出来たのね!」

翠星石「オォ! ついにですか!」

紗江「うん。引きこもりの少年ジュンは、ある日、赤い男の子の人形と出会う事になる。
人形は全部で七体の少年。人形達は自分達を作ったお父様に会う事を願う。ただし会えるのは一体だけ。会う方法はただ一つ。戦って生き残る事」

紗江「そんな残酷な運命に抗おうとするジュンと人形。その運命の中で芽生える絆、そして禁断の愛! 今、少年達による禁断のアビスゲームが始まる!」

紗江「禁断のバトルアクション&ラブストーリー! その名も」

紗江「魔翌羅乙男(マラオトメン)!!」



〜fin〜

415 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 13:12:10.46 ID:ACOsZxVSO
ラプラスの魔「メタ発言なんて気にしな〜い♪ メタ発言なんて気にオエッ、オロロロロ!」

ラプラスの魔「うぷっ……いや〜終わった終わった。アマガミらしくない露骨な下ネタばかりでしたねー」

ラプラスの魔「さて、やっとこのSSがアマガミっぽくない理由を言えますよ。
実を言うとこのSS、『あまがみっ!』をベースにして作ったんです」

ラプラスの魔「ですから、アマガミ×ローゼンと言うよりも、あまがみっ!×ローゼンに近いですね。ただ、あまがみっ!原作 はこのSS程酷くないですけどね」

ラプラスの魔「あまがみっ!がベースでしたから、橘さんは全然紳士じゃなかったんです。理由オシマイ」

ラプラスの魔「ちなみにこのSSの時間軸はJUMの世界→アマガミ(四年前)の世界→その他諸々の世界→アマガミの世界です」

416 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 13:13:40.67 ID:ACOsZxVSO
ラプラスの魔「ついでにオマケです。もしアマガミヒロインの心の樹に水を与えたら、心の成長以外にどのような影響を及ぼすのか?」

森島はるか→ジャンプ力がUpする
棚町薫→増毛
中多紗江→胸が成長する。あっちの想像力が豊かになる。
七咲逢→胸が少し成長する。一時的にむっつり(?)スケベになる。感度が良くなる
桜井梨穂子→色々と増す
絢辻詞→ビンタが強力になる
上崎裡沙→スニーキングに磨きがかかる。
橘美也→特になし

ラプラスの魔「とまあこんな感じですね。そろそろお別れの時間ですね。では、またローゼンSSかローゼンのクロスでお会いしましょう」

高橋「白崎〜、お酒に付き合いなさ〜い」

ラプラスの魔「さ、さようなら〜。また頭が痛くなりそうだ」

417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/04/22(日) 13:23:26.71 ID:rjoOJXCMo
お疲れ様。面白かったよ。
418 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 13:41:35.56 ID:ACOsZxVSO
これで終わりです。
最後に謝罪したい事があります。

アマガミのSSなのに全然アマガミらしくなくてごめんなさい。

アマガミに露骨なエロを入れてごめんなさい。

梨穂子のキャラを酷くしてごめんなさい。
麻耶ちゃんのキャラを酷くしてごめんなさい。
紳士が全然紳士じゃなくてごめんなさい。
あまがみっ! のキャラをベースにしたんですけどやり過ぎました。ごめんなさい。

最初、sageで進行させる事を忘れてました。ごめんなさい。

2ちゃんねる以外の板、SS速報VIPでSSを書くのは初めてです。もしかしたら、自分でも気がついてないだけで、このサイトでのルールを他にもいくつか破ってるかもしれません。
またいつか、このサイトでSSを書くかもしれません。またこのサイトにお世話になるかもしれません。
ルールをまだ完全に把握しきれてない未熟者ですが、またSSを書く事があったら、その時はよろしくお願いします。

419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/22(日) 16:03:09.74 ID:d8g8sZvSO
HTML化依頼スレッドへこのスレのURLを書いて終わりだよー

まだ書くならこのままでいいけど
420 : ◆qgXEy7ZweA [sage]:2012/04/22(日) 16:22:35.73 ID:ACOsZxVSO
>>419
分かりました。教えてくれてありがとうございます。
421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2012/04/23(月) 08:54:08.90 ID:HdjFnLgAO

面白かったよ
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