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綾野「もうそろそろ起きなよー」小椋「…ん……」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆tAQNLS7LCk :2012/05/01(火) 23:01:02.92 ID:bEtl4jwf0
・Another二次SSです。
・書き溜めありません。
・綾野さん、小椋さん、有田さんがメインのほのぼの日常系です。
・オリ設定満載です。設定資料が出たら可能な限り調整しようと思うのでその都度指摘ください。

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VIPでTW ★5 @ 2024/03/29(金) 09:54:48.69 ID:aP+hFwQR0
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小テスト @ 2024/03/28(木) 19:48:27.38 ID:ptMrOEVy0
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満身創痍 @ 2024/03/28(木) 18:15:37.00 ID:YDfjckg/o
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にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:02.91 ID:AZ8P+2+I0
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2 : ◆tAQNLS7LCk :2012/05/01(火) 23:03:31.18 ID:bEtl4jwf0
〜中学校入学初日〜


小椋「……」

有田(前の席の子……さっきからずっと窓の外見てる……話しかけようかな……でも……)

小椋「……」ムスーッ

有田(うう…機嫌悪そう……コワい人なのかな……美人さんだけど……中学だし、もし不良さんだったら……)

綾野「やぁ、初めまして!」

小椋「……は?」

有田(え……?)

綾野「小椋さんだっけ? あたしは綾野彩、よろしくね!」

有田(うわぁ勇気あるなぁ……っていうか元気っ子? だけど……)

小椋「……あぁ、はいはい」ハァ…

有田(愛想悪っ!めっちゃため息付いてるし!)
3 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/01(火) 23:04:34.58 ID:bEtl4jwf0
綾野「もーっテンション低いなぁ。もっと盛り上がってこー!」

有田(ちょ、あなたはテンション高すぎだから……!ちょっと空気読んで……)

小椋「いや、そんな無理に盛り上がらなくてもいいでしょ」

綾野「んー? ほほぅなるほど、確かにまだ盛り上がるのは無理のようですなぁ」ムニムニ

有田(ぇえええぇぇええっ!!む、胸、初対面なのに……しかもよりによってこの子に!あわわわ……)ウデデメカクシッ

小椋「やめんか」ゴン

有田(ッ――!    ……あれ?)

綾野「痛っ、もう何すんのさ!」プンスカ

小椋「ったく、それはこっちのセリフよ」ヒトマエデナニヤッテンノヨ

有田(あんまり怒ってない……?)
4 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/01(火) 23:07:05.32 ID:bEtl4jwf0

綾野「だって由美ってばノリ悪すぎだしー……ふた開けっ放しで放置されたプリット(固形)みたい」

小椋「なら彩はスポンジキャップがはずれて漏れ出たアラビックヤマト(液体)ね」

綾野「失礼な。うちの海苔は永○園の」

小椋「ハイハイ」

綾野「最後までボケさせてよ!」

小椋「ボケがボケすぎると本当にボケたと思われるよ」

有田「あ、あの……」

小椋「っと、ごめんねうるさくて」コイツガ

有田「(あ……笑った)あ、いや、そんなこと」

綾野「ちょっ、コイツってあたしのこと?」ガーン

小椋「他に誰がいるってのよ」ホレ

綾野「うう、ごめんね……えーっと、有田さんだっけ? よろしくね」

有田「ううん、こちらこそよろしく……ってそうじゃなくて」
5 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/01(火) 23:08:05.14 ID:bEtl4jwf0

綾野「?」

有田「その、二人は初対面、なんだよね?」

小椋「あーさっきの茶番ね」

有田「茶……?」

綾野「いやぁ、何て言うか全てが一新されたドキドキを味わいたくてさ」

有田「ええと……」

小椋「あたしたちは幼馴染みなのよ。さっきのは彩のイタズラ」

有田「あ……あー、なるほど(なんだそういうことか安心した)」ホッ

綾野「むぅ……だってせっかくの初日だってのに由美ってばムスッとした顔しちゃってさ」カオマネー

小椋「ちょっと寝不足で……でもそんな不機嫌な顔してないわよ」

有田(いや、してました)

綾野「しーてーまーしーたーっ」
6 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/01(火) 23:08:57.20 ID:bEtl4jwf0

有田「!」ギクッ

小椋「またそんな小学生みたいな……有田さんもびっくりしてるじゃない」

有田「あははは……(心の中読まれたかと思った……)」

綾野「だってこの間まで小学生だったんだもん、人間そう簡単に変われませんって」ニヘラ

小椋「ったくもう……」クス

有田「(仲良いんだなぁ)――そういえばどうして寝不足だったの?」

綾野「くふふっ、それがねぇ昨日の夜由美ったr〈ゴンッ〉い"っ?!」

小椋「……ま、いいじゃない」ドウダッテ

有田「え?」

綾野「――ったぁ……うう……別に正直に言えばいいじゃん、夜通し例のゾンビゲーやってて寝てないって」ハヤクチー

小椋「あっ、この!」
7 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/01(火) 23:09:47.28 ID:bEtl4jwf0

有田「……ゾンビゲーってこの間出たばかりのあれ?」

綾野「そうそう、由美あれにハマっちゃってさぁ」

有田「へぇー(意外だな)」

小椋「いや、別にハマってないわよ、その、話題になってたからどんなもんかなーって思っただけ」

綾野「またまた〜、結局すぐにクリア出来なくてあたしんちに泊まりこんでまでやってたじゃん。飽きっぽい性格なのに」

小椋「し、仕方ないでしょ、あたしゲームなんてやったことなかったし」

有田「えっ、自分の家でやってたんじゃないの?」

小椋「ん?そうだけど?」

有田「そうだけど、って家の人に何も言われないの?」

綾野「うんにゃ別に? うちの両親そういうとこゆるいから。由美のこともちっちゃい頃から知ってるし」

有田「そ、そうなんだ、でも小椋さんのご両親だって心配したり……」
8 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/01(火) 23:10:56.77 ID:bEtl4jwf0

小椋「あーうち兄貴と二人暮らしだから」

有田「えっ」

小椋「まぁ色々あって」

綾野「家庭の事情ってやつですよ」

有田「あ、あの……(やば、入学そうそう地雷踏んじゃったかも)」

小椋「あ、いや、言いたくないとかじゃなくて話すのが面倒だから言わないだけだし」キニシナイデ

有田「……そっか(よかった…)」

綾野「由美って結構めんどくさがりだよね。意外だとは思わないけど」

小椋「なによそれ」

綾野「何かと気怠そうにしてるもん。今日だってさぁ」

小椋「だから寝不足なんだってば……それに春だし」
9 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/01(火) 23:12:49.29 ID:bEtl4jwf0

綾野「あー “春眠アカツキが溺れる” だっけ。いつも思うんだけどアカツキって誰なんだろうね」

有田「――え?」

綾野「ん?」

小椋「……ま、いいや」

綾野「なにさー。あっ、ひょっとして由美、この言葉知らないの?」プププ

有田「いや、その……」

小椋「まぁねー、知らない言葉の由来なんて想像もつかないからなぁ……そうだ、あの眼鏡の子にでも聞いてきなよ。自己紹介ついでに」

有田「ちょ」

綾野「おっ、見た感じ頭良さそうだねぇ。くくく、んじゃちょっくらインテリな会話を堪能してくるよ!」

タッタッタ……


ネェネェ、アタシアヤノアヤ!ヨロシクネ!
エ、アッ、ソノ…ワタシハ サクラギ…
ヘー、バスケトカ トクイソウダネ。トコロデサ…
10 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/01(火) 23:14:09.73 ID:bEtl4jwf0




有田「――小椋さんって意外とイタズラ好きなんだね」

…ッテ シッテル?
エ、ソレッテ…

小椋「いつもイタズラされてんのはこっちだし、たまにはね……あ」

“アカツキヲ オボエズ” ジャナイ ?
エッ…

有田「ツッコまれたっぽいね……」

小椋「おーおー真っ赤になっとるわ」

有田「あわわ、恨めし気な顔でこっち見てるよ」ヒソヒソ

小椋「m9(^Д^)」

有田(こっちはこっちで挑発しまくってるし……)


有田(でも良かった、中学になってちょっぴり不安だったけど――)

有田(――こんなにも早く友達ができて……)

有田(……ふふっ、楽しい中学生活になりそう)
11 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/01(火) 23:16:09.41 ID:bEtl4jwf0


……ダダダダダ!

綾野「ゆぅぅぅぅみぃぃぃぃぃぃんんん」ガシィ

小椋「ぎゃっ、ちょ、おまっ、やめっ!」

綾野「からかったんだね?からかったんでしょ!」コチョコチョ

小椋「ひぅっははひ、や、やめ、だって普通に教え、たら、ひゃひゃ、あたしは彩の今後を思ってやね、ひははは」

綾野「このフニは!……ウソをついてる「フニ」だぜ……ユミーノ・オグルァーナ!」コチョコチョ フニフニ コチョコチョ フニフニ

小椋「ぎゃぁあああっ、こらマジやめっ!くひ、ひぁははははは」ジタバタ ゴンッ


有田(ちょっとはしゃぎすぎな気もするけど……)

有田(……)

有田(……ううっ……男子の視線が……二人とも気付いてーっ!)



赤沢(……騒々しいクラスね)


12 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/01(火) 23:21:04.09 ID:bEtl4jwf0
とりあえずここまで。
まだ全然書いてないので明日また来ます。
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/01(火) 23:45:37.39 ID:9LD05Qt70
超俺得
期待してるぜ
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/05/02(水) 00:45:02.57 ID:VN8A11R0o
なんかいいな…このSS
15 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/02(水) 20:09:19.59 ID:McAtx+gR0
それじゃ再開します
ちなみにこのSSは現時点で中学校1年の頃を想定しています
16 : ◆tAQNLS7LCk :2012/05/02(水) 20:11:30.40 ID:McAtx+gR0




有田「はぁはぁ、やばいやばい、なんで目覚ましの電池が切れてるかなぁ〜」タッタッタッ

有田「うぅ柵ちゃん達には先に行ってもらったけど、ぜぇぜぇ、っていうか今何時っ?」

有田「さっきから生徒を全然見かけないっ、はぁ、ひぃ、てマジで遅刻かも……あっ、あれは」



綾野「ふぁあぁあ……あれ? ありりんじゃん」ダラダラ

小椋「おはよー」テクテク

有田「……ふぇっ、二人とも何してんの」ゼェゼェ

小椋「ちょっと寝坊しちゃって」コイツガ

綾野「もー、またこいつって言うー……で? 松っちゃんもお寝坊?」ニヒヒ

有田「あ、うんまぁ、ってそうじゃなくて!」

小椋「ん?」

綾野「どったの?」
17 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/02(水) 20:13:22.43 ID:McAtx+gR0


有田「あぁもう二人とものんびりしすぎ!このままじゃ遅刻しちゃうよ!」

小椋「落ち着いてー」ホラ

有田「あ、時計……(もしかして閉門までまだ結構余裕あるのかな)」

有田「――って過ぎてんじゃん!」ヒィー!

綾野「時すでにお寿司」ダネ

小椋「遅し」

綾野「いやいくら私でもそれくらい分かってるよ!」

小椋「へぇ(驚愕)」

綾野「やめて、そんな意外そうな目で見ないで、ショックだから」

小椋「そう(無関心)それよりこっちの方がショック深そうだけど」

18 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/02(水) 20:14:28.62 ID:McAtx+gR0


有田「」ズーン

綾野「ありゃりゃ、どうしちゃったの?」

有田「うう……ありえないよ……学年始まって早々に遅刻とか……皆勤賞狙ってたのに……」

綾野(解禁証?)

小椋「大丈夫だよ、有田さん」ポン

有田「小椋さん……」

綾野「そうそう、まだホームルームまで10分くらいあるし」グッ

有田「え……でもでも、門のとこで生徒会役員や先生たちが遅刻検査してるし」

綾野「ものごとには抜け穴がつきものなのだよ」ニハハ

有田「それってまさか」

小椋「門から入らなきゃ大丈夫ってこと」

19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/02(水) 20:14:55.87 ID:0thZg1RDO
中二、中三も書くんですか?
もし書くのであれば災厄の無い世界が嬉しい
20 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/02(水) 20:17:10.13 ID:McAtx+gR0


有田「塀を乗り越えるってこと? だ、だめだよ、プールの横や運動場は職員室からまるみえだし」ヒソヒソ

綾野「ふふふ、こんな時のための秘密基地ルートよ」ガサガサ

有田「秘密基地って……こっちは旧校舎の裏の森じゃ」

小椋「別荘みたいなもんよ。関係者以外は気味悪がって近寄らないからね」

綾野「ここからこっそり入れば大丈夫♪」

有田「なんか二人とも慣れてない……?」

小椋「ほら、見えてきた。体育館の隣に小屋があるでしょ」

有田「うん……あのプレハブずっと気になってたんだよね」

綾野「我らが秘密基地、千曳ハイムだよ!」

有田「千曳ってあの図書室の」

小椋「そ、我らが演劇部の顧問」

21 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/02(水) 20:20:12.19 ID:McAtx+gR0


有田「えっ」

綾野「ああ見えてもすごいんだよ千曳せんせ」

小椋「演技してる時はちょっとかっこいいもんね、プロってるっていうか」

綾野「そーそー、殺陣とかすごいんだから。こう、フンッ!ヒュバッ!シャキーン!って」

有田「いやそれも驚きなんだけど、それより二人とも演劇部に入ったの?」ア、フェンスガ

綾野「まぁねー、由美が入るっていうからさぁ」アナ アイテルカラ ダイジョウブ

有田「えっそんな理由で?」

小椋「よっ、と……あたしも好きなとこ入ればいいじゃんって言ったんだけどね」ガシャ

有田「運動とか得意そうなのに」

綾野「これこれしょこたんや、人を髪型だけで判断してないかい?」

有田「違うの?」

22 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/02(水) 20:24:28.80 ID:McAtx+gR0


小椋「彩は走るのが苦手なのよ。あの手の振り方は、ぷぷっ、いつ見ても」プークスクス

綾野「あーあーあー、それより急がないと本当に遅刻しちゃうよ」ダッ

有田「(話そらした…)うん、まぁ実際遅刻してるんだけど」タッタッ

小椋「ノーカン!ノーカン!」タタタ








キーンコーンカーンコーン


綾野「ふぅーどうにか間に合ったね」

小椋「一時間目自習だってさ」

綾野「え、マジ? ラッキー♪ それじゃ……ふぁぁあ……おやすみ……」グゥ

有田「って寝ちゃうの!?っていうか早っ!」

小椋「寝不足だからね、しかたないね」

23 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/02(水) 20:26:37.49 ID:McAtx+gR0


有田「しかたないって……というか何で寝不足なの」

小椋「この前の1月くらいに公開されたホラー映画あるでしょ。ほら、テレビから出てくるやつ」

有田「あぁ、話題の。もしかして見に行ったの?」

小椋「昨日ね。部活の一環として千曳先生の車で」

有田「へぇー、てことは街まで行ったんだ。いいなぁー」

小椋「うん、まぁそこまでは良かったんだけど、その夜にさ」

有田「……まさか恐くて眠れなかったとか……って、あはは、そんなわけないか」

小椋「正解」

有田「え」

24 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/02(水) 20:29:01.58 ID:McAtx+gR0


小椋「さっきも言ってたじゃん。彩って “見かけによらず〜” なことが多いのよ」

有田「あ、あー……あれはそういう…」

小椋「眠たくなるまでおしゃべりしようって言われたんだけど、あたしの方は最初から春眠モードでさ」ソンナニ コワク ナカッタシ

有田「(また泊まったんだ…)それで置いてけぼりになった、と」

小椋「起こそうとして必死で揺らしたり話しかけたりしてたらしいけど」

有田「眠気には勝てなかったんだね」

小椋「最初から抗う気もなかったし」

有田「えー……そこは付き合ってあげなよ」

小椋「……」

25 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/02(水) 20:30:49.08 ID:McAtx+gR0


〈回想〉


小椋「あっ、もうちょいで…よしっ」ピコピコ

綾野「……」フ…ァ…

小椋「このっ、えいっ……やった!」ピコピコ

綾野「……由美ー、もうあたし寝るね」

小椋「んー……ぅおしっ」ピコピコ

綾野「ふあ……むにゃ……たくさん寝ないと身長伸びないよー……」

小椋「」ガタン

綾野「……ぐぅ……」

小椋「」カタカタ

綾野「……」ムニャムニャ

小椋「……」

綾野「……あはは……ゆみのおっぱいペッタンコー……」ムニャ

小椋「」ガーン

綾野「むにゃ……」グゥ


〈回想終わり〉



小椋「――あたし、寝なきゃダメな子だから」

有田「そ……そうなんだ……(目がすわってる…)」

26 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/02(水) 20:39:29.69 ID:McAtx+gR0


キンコーン カンコーン


綾野「んーっ、よく寝たーっ!」

小椋「彩、よだれよだれ」

綾野「あ、やばっ」ジュルリ

有田「本当によく寝てたね」

綾野「えへへ、寝る子は育つんだよ」

小椋「残念ながら課題プリントは育ってないみたいだけど」ホレ

綾野「げ……そ、そんなのあったなんて聞いて……」カタカタ

小椋「聞く前に寝ちゃったから」

綾野「なんで起こしてくれなかったのさっ」ガー

小椋「起こしたらかわいそうかなーって」

有田(本当は面倒くさかったからだろうなぁ)

有田「それにしても、あっという間だったね……一瞬何が起こったのかと」

27 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/02(水) 20:43:52.10 ID:McAtx+gR0


綾野「ふ、ふふ……世の中には立ったまま熟睡できる人達もいるのだよまっつん」

小椋「目を見開いたまま寝る人もいるよね」

有田「何それこわい……あ、ところでずっと気になってたんだけどさ」

小椋「ん?」

綾野「なぁに、マー子」

有田「ま、マー子って……私の呼称が毎回変わるのはなんで?」

綾野「えっ、もしかしてアリスの方がよかった?」オロ

小椋「そういうことじゃないと思う」タブン

28 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/02(水) 20:51:26.94 ID:McAtx+gR0
とりあえずここまで
もう少し書き溜めてから投下した方がいいかな

>>19
そうですね
どこまで続くかは分かりませんが、女子中学生の日常をだらだらと書き続けられればいいかなと
基本的に災厄とは無縁な世界になると思います
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/02(水) 20:57:28.84 ID:0thZg1RDO
>>28
楽しみにしてます
乙でした
30 : ◆tAQNLS7LCk :2012/05/03(木) 20:17:36.56 ID:btCOHCfP0
再開します
31 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/03(木) 20:20:39.80 ID:btCOHCfP0



小椋「でりゃぁあああああああッッ!!」

< ピーッ       ……22メートル 4センチ!


    ザワ……ザワ……
                                 マジカヨ
                 ヤベェヨ……ヤベェヨ……


綾野「おー、さすが由美」

有田「……たしか中1のハンドボール投げの平均って」

綾野「体力測定のしおりによると12歳時点だと男子が19〜21m、女子が12〜14mくらいだってさ」

有田「なんであんなに飛ぶの」

綾野「由美は昔から男子にまじって野球とかドッジボールとかするの好きだったからねー」


                     チェイサーッ!! >    


< ピーッ        ……23メートル 1センチ!


有田「なんでソフトボール部とか入らなかったの」

綾野「あたしとしては助かるんだけどねー」

有田「えっなんで?」

綾野「だって球技系苦手だし」

有田「そっか」

綾野「……」

有田(……ん??)

綾野「おっ次は、金木さんか。がんばれー!」

32 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/03(木) 20:22:10.89 ID:btCOHCfP0





小椋「ふーやれやれ」

有田「今の50m走……すごく速かったね」

小椋「そう?」

有田「みんなびっくりしてたよ。何か速く走る秘訣でもあるの?」

小椋「別に何も……あーそっか……」ズーン

有田「ゆ、由美ちゃん?」

小椋「たぶんあたしチビだから……」ズズーン

有田「ぅえっ!?いや、あの、そんなことは」

小椋「出るとこ出てないから風の抵抗もないし……」ズズズーン

有田(し、しまった、地雷ふんじゃった!なにか、何か別の話題は…)

小椋「――あれ、そういえば彩は?」

有田「(あった!)そうそう、彩ちゃんなら先に砂場の方に行ってるってさ!」

小椋「え、それじゃあたしたちも早く行かなきゃ」

有田「まだ大丈夫だよ。準備してるだけだし」

小椋「準備――って、走り幅跳びでしょ? 走って跳ぶだけじゃん」

有田「そう言われればたしかに……でも "準備しなきゃ" って」

小椋「彩が言ってたの?」

有田「うん」

小椋「……ははーん」

有田「?」

33 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/03(木) 20:26:29.79 ID:btCOHCfP0



綾野「たしかこう……エビぞりからのー……よっ、ほっ!」

綾野「そして前のめりっ……うーん」

綾野「着地の時は足を開いて……」

綾野「うりゃ!」

小椋「空中スクワット?」

綾野「はひっ!? ――って、なんだ由美たちかぁ」

有田「彩ちゃん……」

綾野「後ろから忍び寄らないでよ、びっくりするなー」モー

小椋「伊○家の裏技はうまくいった?」

綾野「えへへバレた?」

小椋「バレるもなにも、この間本屋に買いにいってたじゃん。で、どうだったの」

綾野「短距離走のはぶっちゃけいまいち。ガセネタだったのかなー」

有田(腕の振り方のせいだと思います)

小椋「変な腕の振り方してるからでしょ」

綾野「うーんやっぱりそうなのかな」

小椋「ほらこっち向いて、腕やわらかくして」ガシ

綾野「わっ」

34 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/03(木) 20:28:24.36 ID:btCOHCfP0


小椋「一、二、一、二、ほらこうやって前後に振ればいいんだよ」グイグイ

綾野「わっわっ、ちょ、今やらなくてもいいよ、今からやるのは幅跳びだし」

小椋「何言ってんの、助走があんでしょーが」

有田「勢い付けないと遠くまで跳べないよ」

綾野「うう……何でうちの学校は走り幅跳びまであるかなぁ……立ち幅跳びだけでいいじゃん……」ブンブン

小椋「あるんだから仕方ないでしょ」グイグイ

綾野「頭では分かってはいるんだけどねぇ……一、二、一、二」ブンブン

小椋「一、二、一、二」グイグイ

有田(なんかかわいい)

綾野「一、二、一……ん?どうかした?」ブンブン

有田「ううん、ちょっと小さい頃のプール思い出して。ほら、先生の手に掴まってバタ足するあれ」

綾野「えー、ちょっとショックかも」ブンブン

有田「どうして?」

綾野「だって由美の方が子供っぽいのにあたしが子供役なんてさ」ブンブン

小椋「おい」グイグイ

有田「あはは……」

35 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/03(木) 20:30:16.34 ID:btCOHCfP0


小椋「それじゃ手離すよ」パッ

綾野「ふんっ、ふんっ、どうよ」

小椋「そうそう、いい感じじゃん」

綾野「でもいざ走る段になると出来なくなるんだよねぇ。腋のしまりが悪いのかな」ブンブン

有田「ああいう走り方何て言うんだろ。女の子走りかな」

小椋「それって内股になるやつのことじゃないの?」

綾野「なるほどー、あたしってば乙女ポイント高いからなー」

小椋「ソウダネ」

綾野「そんな面倒くさいから認めてやろうみたいな返事するのやめてよ。あたしが痛い子みたいじゃん!」

小椋「アヤチャンカワイーアヤチャンマジオトメー」

綾野「ぐぬぬ……」

< ピーッ

有田「あっ、始まるみたいだよ」

綾野「ほんとだ早く並ばなきゃ」

36 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/03(木) 20:32:48.65 ID:btCOHCfP0


小椋「今さらだけどア行だとすぐに終わるから気が楽だよね」

綾野「えーそうかなぁ」

小椋「後半だと待たされすぎてモチベーションだれそうじゃない?」

綾野「んん、でも最初の方っていまいちクラスのノリが高くないから損した気分になるっつーかさ」

有田「私もどっちかといえば後の方が良いかも……あまり目立ちたくないし……」

< アカザワ イズミー
                             ハイ! >
  
         タタタッ
        ヤァ!
トスンッ

綾野「おお、さすが泉美」

小椋「泉美は背が高いからなー」ウラヤマスィ…

有田「赤沢さんかぁ、まだ話したことないんだけど二人とも知ってるの?」

綾野「あの子も演劇部だからね。あたしたちと同じ」

有田「えっ、そうだったんだ」

小椋「1年生は今のとこ、あたしと彩と泉美だけなのよ」

37 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/03(木) 20:34:28.75 ID:btCOHCfP0


有田「……少なすぎない?」

綾野「うちの学校自体生徒少ないからねー」

小椋「しかも2年はいないし、3年の先輩方も受験だ何だであまり顔を見せないから」

綾野「実質あたし達だけなのだ!」ドンッ

有田「ああなるほど……それで部室を秘密基地とか別荘とか呼んでたんだ」

< アヤノ アヤー

綾野「そういうこと。じゃっ行ってくるよ!」ハーイハイハーイ!

タッタッタッ


有田「そういえばさ」

小椋「ん?」

有田「由美ちゃんはどうして演劇部に入ったの?」

                                      イキマース! >
                          ダダダッ
                   タァーッ !!!

小椋「どうしてって…… |ズサーッ| ……あ、転んだ」

有田「か、顔からいったけど大丈夫かな」オロオロ

38 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/03(木) 20:36:36.83 ID:btCOHCfP0


小椋「もう一回やりなおしだね」

有田「それで……」

小椋「っと、クラブの話だっけ。また何でそんなことを」

有田「だって由美ちゃんってボール投げ得意だし足も速いし、他にも向いてそうなクラブあるのに」

小椋「他?」

有田「ソフトボール部とか陸上部とかバスケ部とか」

小椋「バスケは体格的に無理だと思うな……」ズーン

有田「あっ、いや、そういう意味じゃなくて」アワワ

小椋「あはは大丈夫、分かってるよ」

有田「それでどうして演劇部に?」

小椋「彩が運動部は嫌だって」

有田「そっか」

小椋「……」

有田(……んん???)

< アリタ マツコー                         

小椋「ほら、次呼ばれてるよ」ハヤク イカナイト

有田「――あ、ハイ、今行きます!」

39 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/03(木) 20:40:04.84 ID:btCOHCfP0






綾野「はぁ、ひぃ、何で最後がこれなのよぉ」タッタッ

有田「最初に、持久走だと、後のを、やる気無くすから、じゃないかな」タッタッ

小椋「別の日に、やれば、いいじゃんっ」タッタッ

綾野「そーだそーだ!できれば、そのまま、忘れて、くれても」タッタッ

小椋「それは、無理だと、思う」タッタッ

有田「都会の、学校では、シャトルランって、いうのを、やってるとこも、あるんだって」タッタッ

小椋「シャベルカー?」タッタッ

綾野「それを、いうなら、ショベル、じゃない?」タッタッ

小椋「あれ近くで見ると、結構大きくて、ちょっと恐いよね」タッタッ

有田(こわい……?)

小椋「あんなのにぶつかられたらと思うと」ブルル

綾野「由美ちっこいし、絶対勝てないよ!」ケラケラ

小椋「そもそも勝負しねぇよ!で、そのショベルカーが、都会の学校で、流行ってるの?」タッタッ

有田「シャトルランだってば……」タッタッ

40 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/03(木) 20:44:30.27 ID:btCOHCfP0


綾野「なんだか、宇宙に、行けそうな、名前だね」タッタッ

小椋「うーん、バトミントンと関係が、あると見た」タッタッ

有田「スペースシャトルも、シャトルコックも、関係ないよ」タッタッ

小椋「えっ違うんだ」タッタッ

綾野「惜しいと思ったんだけどなぁ」タッタッ

小椋「いやあんたのは絶対違うでしょ」タッタッ

綾野「ほら、飛行士の訓練が由来とか」

小椋「――なるほど」タッタッ

有田「だから違うってば……なんだっけ、たしか20mの間隔を、何度も走って、往復するの」タッタッ

有田「その間ずっと、スピーカーから、音が聞こえてて、なんだっけ、ドレミファソラシドだったと思う」タッタッ

小椋「ずいぶん詳しいんだね」タッタッ

有田「テレビでやってたから。試験的に都内の、学校に導入するとか、なんとかで」タッタッ

綾野「都会は都会で、大変なん、だねぇ」タッタッ

有田「低いドが鳴ると同時に、片側の線からスタートして、高いドまで鳴り終わるまでに、もう一方の線を、越えなきゃいけないのよ」タッタッ

有田「それが鳴り終わると、今度は低いドに向かって、もう一度鳴り始めるから、ぜぇ、同じように、ぜぇ、走って、これを何度も繰り返すの、ケホッ」タッタッ

41 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/03(木) 20:48:21.57 ID:btCOHCfP0


小椋「ちょ、ちょっと大丈夫?」タッタッ

綾野「走ってる時に、連続で喋ったりしたら……!」タッタッ

有田「だ、だいじょうぶ、ごほっ、ん"んっ、うん大丈夫」タッタッ

有田「それでね、二回続けて失敗したら、そこで終了して、その前の成功した回数が、記録になるの」タッタッ

綾野「シャトルランかぁ、そっちの方が、あたしには向いてるかな」タッタッ

小椋「なんで?」タッタッ

綾野「だって距離に関係なく、無理と思ったら止められる、ってことでしょ、マイペースでできそう」タッタッ

有田「言い忘れてたけど、一分ごとに音のスピードが、早くなっていくらしいよ」タッタッ

綾野「……あー、それはきつい、かも」タッタッ

小椋「つーかずっと、往復なんだから、景色も変わらないし、気分的にも、しんどいでしょ」タッタッ

綾野「まぁこっちも、ずっと田んぼ、ばっかだけど、ね」タッタッ

小椋「グラウンドをグルグルするよりはいいじゃん」タッタッ

有田「でもほら、山とか上の方、まだ雪残ってるよ」タッタッ

綾野「わーきれいだなー雪だるまとかつくりたいなー」タッタッ

小椋「わーすごい棒読みだーどうした演劇部員ー」タッタッ

綾野「うう……それより足が棒になりそう……それはそうと由美」タッタッ

42 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/03(木) 20:50:20.15 ID:btCOHCfP0


小椋「なに?」タッタッ

綾野「ずっとあたし達と、一緒にいるけど」タッタッ

有田「そういえばそうだね」タッタッ

綾野「いいから俺たちを置いて先に行け!なぁに後から追いつくさ! ……みたいなセリフ待ち?」タッタッ

小椋「死亡確定じゃん」タッタッ

有田「でも本当に、私達のことは、気にしなくて、いいんだよ?」タッタッ

小椋「……」タッタッ

綾野「そうそう、だらだら追いかけるからさ」タッタッ

小椋「だって……一人で走るのは……」タッタッ

有田「え?」タッタッ

綾野「お?お?」タッタッ

小椋「……寂しいし」ポソ

綾野「!?」

有田「!!」

43 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/03(木) 21:03:03.39 ID:btCOHCfP0

綾野「あ、あー、そっか、うんわかるわーその気持ち、やっぱ楽しく走りたいよね、いや走ることは別に楽しくないけど、黙々とはつまんないってゆーか」タッタッ

小椋「ぶっちゃけ持久走が苦手なだけなんだけどね」シレッ

綾野「うん、そんなこったろうと思ったよ!」タッタッ

有田「……」タッタッ

小椋「どうかした?」タッタッ

有田「あ、ううん、なんでもない」タッタッ

有田(……きっとさっきのは本音だったんだろうな)

綾野「やった、折り返し地点が見えてきた!あと半分!あと半分!」タッタッ

有田「お腹すいたね」

綾野「この試練を、乗り越えれば、楽しい楽しい、昼食の時間が……!」タッタッ

有田「えへへ、今日のお弁当、自分で作ってきたんだー」タッタッ

綾野「なんと!それは楽しみだ」ジュル

小椋「食べる気まんまんなのね」ヤレヤレ

有田「あははは、別にいいよ、そのつもりで、多めに作ってきたし」タッタッ

綾野「おおっ、さすが松っちゃん、いいお嫁さんになれるよー!」タッタッ

小椋「たくさん食べると眠たくなるよね」タッタッ

有田「あ、わかるわかる、夕食後とか、いっつも眠たくなるもん」タッタッ

小椋「午後の授業サボって、部室で昼寝、しちゃおっか」タッタッ

綾野「おっいいねー」タッタッ

有田「ええっ駄目だよ、そんな」タッタッ

小椋「冗談冗談」タッタッ

綾野「えっ」ガーン

小椋「……おいおい」タッタッ

有田「ははは……」タッタッ



44 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/03(木) 21:06:07.46 ID:btCOHCfP0
とりあえず今日はここまで
次は明日か明後日ぐらいになると思います
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2012/05/03(木) 21:13:22.53 ID:GxHhFiM+o
>>38
マツコじゃなくてショウコな
46 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/03(木) 21:21:48.57 ID:btCOHCfP0
あ、判明したんですね
前に有田さんのキャラスレでマツコだと言われていたので
ありがとうございます
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/03(木) 21:31:28.70 ID:ENPNTlADO
乙!
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/03(木) 21:32:27.06 ID:u3L8geoP0

終始ニヤニヤしてしまった

1ヶ月前に水島監督が「まつこだと思います」って答えたんだよね
しょうこと判明したのは昨日ぐらい
49 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/03(木) 21:37:38.53 ID:btCOHCfP0
>>48
あぁなるほど
情報ありがとうございました
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/05(土) 15:48:15.40 ID:xS63rkJDO
支援
51 : ◆tAQNLS7LCk :2012/05/07(月) 19:15:51.22 ID:eOBBvLGQ0
再開します
今回はちょっと少なめかも
52 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/07(月) 19:21:09.98 ID:eOBBvLGQ0


―演劇部部室

ガチャッ


綾野「おっひるっごはーんーだよーっ♪」フンフン

小椋「ほら上がって上がって」

有田「お……おじゃまします……」

小椋「大丈夫だよ、基本的にあたし達しかいないから」

綾野「そうそう。まぁ活動中は泉美と、たまに千曳先生がくることもあるけど」

有田「ふぇっ、ちび……そ、うなんだ」

小椋「」ガタ

綾野「あれ?ひょっとして千曳先生のこと嫌い?」

有田「えっ、あの、その」

小椋(……――あ、あぁなんだそっちか)ホッ

綾野「別の言葉と聞き間違えて露骨に動揺したあとこれまた露骨にホッとしている由美は置いといて」

小椋「いちいち言わんでいい」ムッ

有田「嫌いとかじゃないんだけど、その……図書室で見かけるとちょっと……」
53 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/07(月) 19:23:18.14 ID:eOBBvLGQ0

小椋「見た目で引いちゃう人は多いかもね」

綾野「たしかにあの長い白髪とか光る眼鏡とか不気味だからね」ウンウン

小椋「黒を基調とした服装のせいもあるんじゃないかな」

有田「柵ちゃんたちから聞いたんだけど……上級生の間では “図書室の主” って呼ばれてるんだって」ヒソヒソ

小椋「と、図書室の……」プルプル

綾野「主……っ」クッ

有田「あ、ごめん、二人の顧問なのに私ったら」アセアセ

有田「――って、二人とももしかして……笑ってるの?」

小椋「だ、だって図書室の主って」クスクス

綾野「ひ、池の、ははッ、巨大魚じゃあるまいし」ゲラゲラ

小椋「ちょ、ちょっと余計なこと、ぷくく、言わないで……想像しちゃったじゃないのよっ」ケタケタ

綾野「あはははッッ」バンバンッ

有田(……ごめんなさい千曳先生)
54 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/07(月) 19:26:06.35 ID:eOBBvLGQ0

綾野「ま、まぁ、そうだね、たしかに一見するとアレな感じはするけど基本的に良い先生だから大丈夫だよ」ククク

小椋「そうそう。指導も熱心にしてくれるし」

綾野「たまに街の映画館や劇場に連れて行ってくれるしね。タダで」

有田「部費とかじゃないの?」

小椋「映画や舞台の関係者に知り合いが多くて、しょっちゅうタダ券が送られてくるんだってさ」

綾野「同じのが十枚くらい来るって言ってたっけ」

有田「な、なんでそんなに沢山」

綾野「さぁ……ご家族のとか、バラ撒いて布教するためのとかかな」

有田「えっ、結婚されてるんだ」

小椋「今は離れて暮らしてるらしいけどね」

有田「単身赴任?」

綾野「そんなとこじゃないかな。たまにニコニコしながら奥さんや娘さんと電話で話してるの見かけるし、仲は良さそう」

小椋「この間なんて頬がゆるみまくって目が波みたいになってたよ」

綾野「あぁ、ゴ○モンの○ビス丸みたいなアレか」

小椋「そそ、笑○亭鶴瓶みたいなアレ」

有田「想像できない……」

綾野「まぁ図書室にいる時はねー……なんせ、くひっ、図書館の主だか、ら」プルプル

小椋「も、もうやめなって……くくく……ほら、早く座ろうよ」

有田「このパイプ椅子でいいのかな」ガチャ

小椋「あーそっちじゃなくて」

綾野「こっちこっち」テクテク

有田「カーテン?」
55 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/07(月) 19:28:06.23 ID:eOBBvLGQ0


    シャーッ


有田「――あ、お座敷」

綾野「いいでしょー」

有田(ちゃぶ台まで……なにこの生活感)

小椋「本当は衣装付けするための間(ま)なんだけどね」

綾野「さぁ上がって上がって」クツヌギヌギ

小椋「座椅子いる?木製のやつと布製のやつがあるよ」

有田「う、ううん大丈夫」

小椋「じゃ座布団」ホイ

有田「ありがと……なんか暮らせそうだねここ……」

綾野「暮らしてた人もいたらしいよー」

有田(いたんだ)

綾野「さぁごはんごはん♪」

小椋「あ、松子ちゃんのお弁当箱大きくなってる」

綾野「おぉ〜中身もぎっしり!」

有田「えへへ、今日だけだよ」

綾野「うわおいしそーっ、ねぇねぇ食べてもいい?あたしハンバーグが欲しいなーっ」ワクワク

小椋「いただきますしてからでしょ」コラコラ

有田(姉妹……いや母娘かな……)
56 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/07(月) 19:30:06.60 ID:eOBBvLGQ0






綾野「うーむ」モギュモギュ

有田「どうかな……」

小椋「おいしいよ。すごくおいしい」

綾野「はぁ……パワーが充電されてく……」

有田「よかったぁ。家族以外に食べてもらうの初めてだから」

綾野「大丈夫、いつでもお嫁さんに行けるよ!」

有田「あはは、ありがと」

小椋「家族以外に、ってことは家ではよく作ってるってこと?」

有田「うん。お母さんやお婆ちゃんに教えてもらいながら」

綾野「へぇー、でもいいね。家帰ってお腹へったら自分で作れるじゃん」

有田「どうだろう……結構手間かかるし」

綾野「あーそっかぁ」

有田「でも楽しいよ。苦労したぶん心なしか美味しく感じるし」

小椋「だろうねぇ。彩も今夜から作ってみたら?」
57 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/07(月) 19:32:37.49 ID:eOBBvLGQ0

綾野「んー……やっぱりいいや。あたしは食べる専門だから」

小椋「今から練習しておいて損はないと思うけど」

綾野「いいんだってば。それより由美こそ作ったらどうなのよ」

小椋「めんどくさい」

綾野「ですよねー」

有田「でも由美ちゃんが料理してないのはちょっと意外かも」

小椋「なんで?」

有田「だってお兄さんと二人暮らしなんでしょ?」

小椋「ん、まぁ、あたしも食べる専門だから」

綾野「あつし君はプロだからねぇ」

有田「プロって、えっまさか板前さんなの?」

小椋「ち、違う違う、たしかに兄貴の趣味は料理だけど、ごく普通の高校生だよ」ブンブン

有田「でもそういえば由美ちゃんのお弁当、すごく凝ってて綺麗……」

小椋「凝り性なだけだって……もう、彩が誇張するから」

綾野「いいじゃん上手いし美味しいし、プロの味だよ」ヒョイ パクッ

小椋「よくない……ってそれあたしのタコさんウィンナー!」
58 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/07(月) 19:34:27.09 ID:eOBBvLGQ0

綾野「残してるからいらないのかなって」モギュモギュ

小椋「好きなものは最後に残す派だっていつも言ってんでしょーが!」ガァーッ

小椋「つーかエビフライもなくなってるし?!」ガーン

有田(い、いっぺんに二品も)

綾野「むぐむぐ、よきかなよきかな」モグモグ

有田「器用だね」ハハ…

小椋「ぬぬぬぬぬぬ……」ゴゴゴゴゴ

綾野「な、なによぅ」

小椋「ぬぬぬ…………」ジワ

有田「!」ギョッ

綾野「ッ!?わわっ、ごめんごめんって!ほらあたしの唐翌揚げあげるからさ!」ハシデ ツマンデ ズイッ

小椋「……」ジットミツメル

小椋「……」パクッ モギュモギュ

綾野「ほ……ほら、鶏の照り焼きもあるよ〜」プルプル

小椋「(パクッ)……おいしい」ニヘラ

綾野「で、でしょー?」ホッ

有田(……やっぱり姉妹かも)

59 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/07(月) 19:36:51.44 ID:eOBBvLGQ0





綾野「ふー食った食ったぁ。予は満足じゃ」グテー

有田「なんかその言い方うちのお父さんみたい」クスクス

綾野「いやーしょこたんが多めに作ってきてくれててよかったよ」

小椋「今日はいつもよりお腹すいてたからねー。ありがと松子ちゃん」

有田「ふふっ、お粗末さまでした」

綾野「……まだ昼休みが終わるまで20分くらいあるなぁ……」ゴロン ネコロビ

有田「私は日直だから今から戻って次の授業の用意しなきゃ」カタヅケ カタヅケ

綾野「そっかぁ日直かぁ、次ってなんだっけ……」

小椋「たしか音楽だったと思うよ」

有田「今日は五時間授業だから次で終わりだね」

綾野「……リコーダーと教科書取りにいかなきゃね……」ウト

小椋「彩、もしかしなくても今眠たいでしょ」

綾野「えへへ……やっぱわかる……?」トローン
60 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/07(月) 19:41:58.04 ID:eOBBvLGQ0

有田「だ、駄目だよ、今寝るのは危険すぎるよ」

綾野「だいじょ……ぐぅ……」ムニャ

有田「って言ったそばから……!」

小椋「言う前からほとんど寝てたよ」ヤレヤレ

有田「どうしよう」アワワ

小椋「どうしようもないかなぁ」

有田「そ、そんな」

小椋「予鈴がなったら起こすから、松子ちゃんは先に行ってて」ナデナデ

有田「う、うん……次は音楽室だから気をつけてね」

小椋「おっけー」ヒラヒラ

ガチャッ

有田(まぁ由美ちゃんが一緒なら大丈夫よね)バタン

有田(なんとなく起こすの慣れてそうだし)

有田(……でもこの前寝坊した時はそろって遅刻してたような……)

有田(……)テクテク

有田(ほんとうに大丈夫かな……)
61 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/07(月) 19:43:48.90 ID:eOBBvLGQ0





小椋「あと5分で予鈴か……」

小椋「そろそろ起きなよ〜」

綾野「……ん……いま何時……?」

小椋「もう時間だよ」

綾野「……うそつき……どうせまだなんでしょー……」

小椋「時計見てないじゃん」

綾野「なんとなく分かるんだよ」イツモソウダシ

小椋「早め早めで考えて動いた方が遅れなくてすむよ?」

綾野「いいから由美もねころがってみなー」グイッ

小椋「わっ」コロン

小椋「もう、髪型がくずれちゃうでしょーが……」

綾野「ほら、窓からの日光で畳が温められてぽかぽかするの」ニヒヒ
62 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/07(月) 19:45:00.04 ID:eOBBvLGQ0

小椋「ほんとだ……ぬくぬくしてる……」

綾野「ね……?眠たくなってくるでしょ……」フワァ


小椋「だめよ……もうすぐ時間なのに……」ウト…


綾野「予鈴鳴ってからダッシュすれば……い……よ……」ムニャ


小椋「……それもそ…だ……ね……」ウトウト



綾野「…スー…スー……」



小椋「……あとごふん……だけ……」コテン



小椋「……くぅ……すぅ……」

                                            

                                                    キーンコーンカーンコーン >


綾野「くかー……」

小椋「ムニャムニャ……」


―音楽室


教師「あら……?席が二つ空いてるみたいだけど……」

有田(やっぱり大丈夫じゃなかった)ガクガク
63 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/07(月) 19:46:55.42 ID:eOBBvLGQ0

◇ ◆ ◇

―職員室前


ガララッ

< シツレイシマシター
< シマシター


有田「あっ、二人とも!」

綾野「叱られちゃった」アハハ

有田「もうっ、だから危険だって言ったのに」

小椋「ごめんね、あたしも何か眠たくなっちゃって」テヘヘ

綾野「由美ってば仕方ないんだからー、今回は許してあげるよー」ドヤ

小椋「あんたに言っとらん」コツン

有田「でもほんと、今日が5時間授業の日でよかったよ」

綾野「どして?」

有田「だって授業が終わって掃除の音楽が始まってもまだ帰ってこないから、心配になって部室を見に行ったら……」


〜回想〜

綾野小椋「zzzzz……」スヨスヨ

有田「」

〜回想終わり〜


綾野「いやー、あははは」タラー

小椋「面目ない」ペコ

有田「もし6時間授業だったら2時間もサボるところだったよ」マッタク
64 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/07(月) 19:53:00.94 ID:eOBBvLGQ0

小椋「うーんなんで目が覚めなかったんだろう」

綾野「やっぱ体力測定のせいじゃないかな」

有田「二人ともチャイムの音聞こえなかったの?」

綾野「あたし目覚ましの音とか聞こえないタイプだから」

有田「それで寝坊が多いんだね……」

小椋「んー、というか放送スピーカー付いてないんだよね。あの部室」

有田「」

綾野「まぁ所詮プレハブだからねぇ」

小椋「一向にチャイムが聞こえないもんだから、夢うつつでまだ大丈夫、まだ大丈夫って思ってるうちに熟睡しちゃった」

綾野「あたしなんて爆睡だよ爆睡」

小椋「松子ちゃんが起こしにきた時も全然起きなかったもんね」

有田「で、でも屋外のスピーカーだって鳴ってるのに」

綾野「所詮プレハブ、しかし千曳ハイム」

小椋「いろいろあって防音だけはしっかりしてるのよ。千曳先生らしいといえばらしいけど」

有田「それじゃどうして寝ようなんて」

綾野「わすれてたんだもん」

小椋「さっき思い出したんだもん」

有田「だもん、って……」ハァ…

65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/07(月) 19:53:59.34 ID:est22I6DO
いいよーいいよー
66 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/07(月) 19:55:05.88 ID:eOBBvLGQ0
今回は以上です
明日は帰ってこれないので次は明後日ぐらいになると思います(書けてれば)
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/07(月) 19:56:38.27 ID:est22I6DO
乙!
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/07(月) 20:46:11.14 ID:o4HSF/Qto
乙!
かわいいなー
69 : ◆tAQNLS7LCk :2012/05/10(木) 20:36:34.73 ID:fYn5ZJQ20
再開します
あまり書く時間なかったんで前回よりも短いかもorz
70 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/10(木) 20:37:24.00 ID:fYn5ZJQ20


ガチャ

綾野「じゃーん!本日二度目の部室ー!」バーン

小椋「あのまま荷物置いとけばよかったかなぁ」

有田「おじゃましま……あ」

赤沢「……あら」

綾野「お、今日も早いねー」

小椋「あれ? まだ泉美だけ?」

赤沢「先生なら少し遅れるって言ってたわ。それより…」チラ

有田「わ、わわっ、お、おじゃましますっ」ワタワタ

赤沢「あなた確か同じクラスの」

綾野「しょこたんだよ!」

赤沢「しょ……?」ハテ

小椋「あだ名だから気にしないで」
71 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/10(木) 20:39:45.57 ID:fYn5ZJQ20

有田「えっと、有田松子です(初めて近くで見たけど綺麗な人……)」

赤沢「ああ思い出したわ」ポンッ

有田「もしかして忘れられてた……?」オナジクラス ナノニ…

赤沢「あ、いや、その……ごめんなさい、忘れてたわけじゃないのよ」オロ

綾野「印象に残らなかっただけだよね」ウンウン

小椋「関心を持てなかっただけだよね」ウンウン

赤沢「ちょ、ちょっと、適当なこと言わないでよ!」

有田「うう……私って特徴がないから……」

赤沢「ちが、そんなことないって!もう、あなた達が余計なこというから……!」キッ

綾野「あーっやっぱりここに忘れてた」ケータイ

小椋「だめだよ、携帯の持ち込みは原則禁止なんだし、バレないように身につけとかなきゃ」

綾野「寝転んだ時にうっかり出ちゃったんだよー」

赤沢「聞きなさいよ!」
72 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/10(木) 20:42:02.12 ID:fYn5ZJQ20

赤沢「ったく……で、入部希望? その二人に誘われた?」

有田「ううん、ちょっと見学してみたいなって思って」

赤沢「そう……入部したくなったら言ってね。滑舌や発音がよくなるし声もよく通るようになるわよ」

小椋「お、さっそく勧誘活動ですか」

綾野「さすが泉美、ぬかりないですなぁ」

赤沢「本当はあなた達がやるべきことなんだけど」ギロ

綾野「まったく由美ったらもー」ウデクミッ

小椋「あんたもや」

有田「そういえば部長さんは誰がやってるの?」

小椋「……」チラ

綾野「……」キョロ

赤沢「……えっと」

有田「……もしかしていないとか?」

赤沢「ううん、三年生にいたはずだけど……」
73 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/10(木) 20:44:16.61 ID:fYn5ZJQ20

綾野「いたっけ?」

小椋「いたような気がしなくもなくもなくなくもない」

有田「……え?」

赤沢「混乱するからやめなさいって……まぁ一応いたんだけど、三年はみんな幽霊化してるから、実際にはいないことになるかな」

小椋「他の部みたいに引き継ぎ式とか引退式みたいなのも無かったもんね」

有田「じゃ本当に三人しかいないんだね」

赤沢「そうね……そろそろ新部長を決めないt

綾野「はいはいはーいっ!!あたしやりたいでーす!!」

小椋「わっ、ちょっと耳元で叫ばないでよ」キーン

綾野「あ、ごめんごめん」ナデナデ

赤沢「……いいけど、本当に大丈夫?」

綾野「だいじょーぶ、だいじょーぶ!まかしんさい!」

赤沢「なら彩が部長ってことで…」

綾野「ところで部長って何すんの?」

赤沢「おい」ビキビキ
74 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/10(木) 20:46:38.37 ID:fYn5ZJQ20

綾野「え、ま、待って、冗談、そう冗談だか痛たたたたたっ!いたいいたい!」ジタバタ

赤沢「あ、な、た、って、ひ、と、は、い、つ、も、い、つ、も……」グリグリグリ

綾野「ごめんごめんなさい、マジこめかみダメだからぁぁあああ!」ギャァァァ



 ギャァァァ

小椋「ほら、これが台本の入ってるロッカー」ガチャ

< タスケテー! ユミー!

有田「その……いいの? 助け呼んでるみたいだけど……」

小椋「彩はク○ヨンしんちゃんが好きだからね」イインジャナイカナ

有田「いや、あの」

小椋「よいしょっと。じゃーん! ふふっいいでしょこのデッキ! MDだよMD!」

有田(気にも止めてない……もしかして日常茶飯事なのかな)

小椋「コンセント挿して、カセット入れてメニューメニュー……と、よし再生!」カチャ

ザーッ

< …イキルベキカ、シヌベキカ……ソレガモンダイダ


有田「うわぁいい声……」ホェー

小椋「でしょ」エヘヘ
75 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/10(木) 20:49:10.86 ID:fYn5ZJQ20

有田「昔の部員さんだよね? すごいなぁ中学生なのに」

小椋「ブッブー、はずれ」

有田「えっ、違うの?」

小椋「ヒント欲しい?」

有田「……ヒントってことはもしかしてあたしでも知ってる人? 有名人とか?」

小椋「んー、そだね。有名人」クク

有田「でもたしかに何処かで聞いたような気が……」ウーン


< アマデラヘ イッチマエ、コレデ オワカレダ


小椋「ヒントは――」

有田「ちょ、ちょっと待って、分かりそうなんだから!」

小椋「仕方ないなぁ。うーん、それじゃキーワードだけ」

有田「……お願いします」

小椋「キーワードは “ヌシ” だよ」

有田「――それホント?」

小椋「あー、やっぱ分かっちゃったか。もうちょっと分かりにくい言葉にすればよかったかな」

有田「でも全然雰囲気が……」
76 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/10(木) 20:52:03.21 ID:fYn5ZJQ20

綾野「痛つつ……ね、さっき言ったでしょ。演技してる時はなんかカッコイイんだよねぇ」

赤沢「役者だもの。これくらい当たり前よ」フン

綾野「またまた〜そんなこと言っちゃって。泉美だって内心では」

赤沢「わたし先に発声行くから」スタスタ

赤沢「あなた達も荷物置いてさっさと来なさいよ」ガチャ 

バタン


有田「あ……」

小椋「……」ゴクゴク

綾野「お、由美いいもん飲んでんじゃーん、ちょっとちょうだい!」

小椋「ぷは、ちょっとだけだからね」ホイ

綾野「やたっ♪」ウケトル

有田「あの……」

小椋「気にしなくても大丈夫だよ。別に先生を嫌ってるとかじゃないからさ」

有田「……そうなの?」

綾野「泉美はね、なんていうか憧れのもう一つ先にいるんだよ。ライバル視してるって言ったらいいのかな」

有田「ライバル視って相手は先生なのに?」
77 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/10(木) 20:54:47.50 ID:fYn5ZJQ20

綾野「それだけ真剣なんだよ。尊敬しているからこそ対抗したくなるってのがあるんじゃないかな」

小椋「素直じゃないというか何というか」クスクス

綾野「そうそう、それ!漫画とかにいそうなタイプ!」ケラケラ

小椋「見てて可愛いのよねー」アハハ

有田「……そう、そっか」クス…

小椋「だからそんなに身構えることないんだよ。それに泉美って女子には基本的に優しいから」

有田「うん、それはなんとなく分かったよ」

綾野「たまに暴力的になるけどね」ウウ…マダイタイ…

有田(それは自業自得のような……)

小椋「さ、泉美も待ってるだろうしそろそろ行こっか」

有田「……」モジ

綾野「っと、MD消さないと……えっとどうやるんだっけ」

小椋「あぁそれはそこの四角ボタンを押して……」

綾野「これ?」カチ


< イダイナ シーザー モ シシテ ツチクレ ト ナr(プツン)

78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/10(木) 21:08:37.74 ID:By7hYtSDO
む?
79 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/10(木) 21:09:57.75 ID:fYn5ZJQ20

小椋「カセットを取り出して……」ウィーン カチャ

有田「……」モジモジ

綾野「おおー、最近のおぐりんはハイテクガールですなぁ」

小椋「なにそれ。これくらい誰でも出来るっての」フフン

有田「……」モジモジモジ

綾野「やっぱり機械に詳しいお兄ちゃんを持つ妹は違うねぇ」

小椋「ないない、うちではそういう会話とかしないし」

有田「……あの、さ」

綾野「えっ、まじ? パソコンの話とかめっちゃしてるイメージが」

小椋「ねーよ」

有田「あの!」

小椋綾野「「ん?」」

有田「あ……えっと……その、入部のことなんだけど……」

有田「まだ活動してるとこ見てないけど、その、三人を見ていてすごく楽しそうだと思ったの」

小椋「お」キテル?

有田「私なんてそんなに声が大きい方じゃないから不安だけど、でも」

綾野「おお!」キテルキテル!

有田「みんなと一緒に私m |ガチャッ|



    「いやぁすまない、遅れてしまったよぉ」



小椋綾野「「 あ 」」

有田「」

80 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/10(木) 21:12:55.58 ID:fYn5ZJQ20


千曳「ん? 君はたしか1年の有田くんだったかな」 ←目の下に隈、眉間に皺

千曳「代わりに赤沢くんの姿が見えないようだが……」 ←ボサボサの髪とよれよれのシャツ(はだけてる)

千曳「おや、ドアのたてつけが悪くなってるな……噴ッッ!覇ッッ!!」ドンッ ガンッ


有田「」


千曳「邪ッッ!!!」ドカーン!   …キィー……

千曳「よし直った。ところで君はどうしてここにいるんだい?」バターン!


綾野小椋「「……」」カオ ミアワセル

有田「……由美ちゃん、彩ちゃん」

小椋「う、うん」ニコッ

綾野「な、なぁに?」ニッコリ

有田「……入部の件――もう少し考えさせてもらってもいいかな」ビクビク

千曳「なに? 入部だって?」ズイッ

有田「い、いえ!すみません、私今日はちょっと用事があるのでっ、じゃあね二人とも!」アトズサリーッ

   ガチャッ  
             バタンッ

                            タタタ…

小椋「……」

綾野「……」

千曳「……」

小椋「……せんせ、どうしたんすかその格好」

千曳「ん? ああ実は急ぎの用事で書庫の整理をね……一昨日からあまり寝てないんだ。まったく今の校長は人使いが荒くて困るよ」

綾野「……そっすか」

81 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/10(木) 21:15:56.33 ID:fYn5ZJQ20
とりあえずここまで
次は明後日ぐらい……とか言ってるとたいてい一日以上遅れたりするから5日間以内ということで
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/05/10(木) 21:18:00.13 ID:mz4cI7Uz0
乙!

この3人がテスト勉強して綾野さんだけ遊んでるのが想像できた
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/10(木) 22:02:09.08 ID:By7hYtSDO
乙!

気長に待つよ
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) :2012/05/11(金) 04:52:04.76 ID:mdJLHpBV0
まってるよぉ
85 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/14(月) 22:25:43.57 ID:4W/T+TVK0
レスありがとうございます
すみませんが今から数日間家を空けなければならなくなったので、投下は今週末になりそうです
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/05/14(月) 23:23:14.17 ID:ZeYegFhao
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/05/15(火) 19:54:45.33 ID:rFvgtQZe0
待ってるよぉ
88 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/19(土) 11:38:02.70 ID:ZFEd25ix0
リアルが忙しくてあまり進まなかったけどとりあえず再開します
89 : ◆tAQNLS7LCk :2012/05/19(土) 11:42:13.81 ID:ZFEd25ix0



< ……デアルカラシテ、ツマリ モクテキゴガイラナイ ノデ……


有田(はぁ……英語苦手だなぁ)

有田(どうして中学から外国語なんてやらなきゃいけないんだろ……)

有田(別にいらないじゃん、どうせ海外なんて行かないんだから)


< ……コノバアイ ホゴガイラナイノデ カンゼンタドウシ ト……


有田(きっと将来は英語のいらないお仕事に就くだろうし)

有田(……)

有田(……将来の夢……なんだっけ……小さいころはお花屋さんだったような記憶が)ウーン

有田(ふぁ……あ……)アクビ

有田(今日ってたしか職員会議で半ドンだっけ。学校終わったら家に帰って昼寝しよっかな……)


< Tom goes to Venice every summer. ハイ、ツヅケテ

全員「とむごうずとぅーゔぇにすえぶりぃさまー」ダラダラ

< ベリー ナイス!

< ソレデハ ツギノページヲ ヒライテ


有田(……)←教科書の挿写真見てる

有田(……ヴェネツィアかぁ……ちょっと行ってみたいかも)

有田(やっぱり必要なのかな英語……ん?)チラ
90 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/19(土) 11:47:07.08 ID:ZFEd25ix0

綾野「……」カキカキ

有田(ノート……じゃないよね……紙きれ? なに書いてるんだろ)

綾野「……」ガサガサ

有田(と思ったら今度は畳みはじめ――)

綾野「……」ポイ

有田「――え」

小椋「……」アタマニ コツン

有田「」

小椋「……」ジロッ

綾野「……」ニヒヒヒ

小椋「……ったく」ボソ ←拾ってめくる

有田(もしかして手紙?)

小椋「……」カキカキ

有田(返事でも書いてるのかな……)

小椋「……」スッ ←振り向かず黙って有田の机に紙きれを置く

有田「えっ! わ、わたし? あの……」ガタッ


< ン? ナンダアリタ、シツモンカ?


有田「あうっ、い、いえ、なんでもありません」スミマセン
91 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/19(土) 11:50:19.72 ID:ZFEd25ix0


< マッタク… ジュギョウニ シュウチュウ シナサイ

     < クスクス
                      クスクス >

有田(うう……恥ずかしい……原因の二人は)チラ

小椋:黒板見つめて知らん顔

綾野:笑いをこらえるのに必死

有田(……ひどい)ガックリ

有田(っとそうだ、さっきもらった紙きれ……)ペラ


[ 放課後、時間空いてる? ]


有田(一応空いてるけど……部活かな? この間は活動風景を見ないで帰っちゃったから……)

有田(……)ブルッ ←色々思い出した

有田(ま、まぁ職員会議で先生はいないだろうし! “うん、大丈夫だよ” っと)カキカキ

有田(由美ちゃん由美ちゃん)ツンツン

小椋「っ!?」ビクン 

有田( あ )

綾野「ぶっ」

小椋「……」カタカタ

有田(やばっ、もしかして脇腹つついちゃった?)

綾野「……」クスクス

小椋「……」スッ ←後ろ手に受け取る

有田(うう……仕返しにイタズラしたとか思われてないかな……微妙に背中から警戒心がにじんでるような気が)チラ

綾野「……」Σd(ゝ∀・)グッジョブ!!

有田「」

有田(ちがうのに……orz)
92 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/19(土) 11:52:58.94 ID:ZFEd25ix0



キーンコーンカーンコーン


綾野「いやー傑作だったよ、さっきの由美の反応。ビクッ!ってエビぞりになっちゃってさ」ケラケラ

小椋「うっさい」

有田「あ、あの、ごめんね、そんなつもりじゃなかったんだけど」オドオド

小椋「ううん、分かってるから気にしないで」

有田「背中をつついたつもりが脇をつついちゃって……」

小椋「……うん、できれば次からは肩がいいかな」

有田「肩?」

綾野「ちゃんと背中つついてたよ。ちゃんと、ね」ククク

有田「え? でもあの時」

綾野「昔から由美は背中が弱いからねー」

有田「あぁ……それで」ナルホド

小椋「ちょっとこそばゆいだけだってば……」

綾野「しょこたんも気を付けないと由美のゲンコツが飛んでくるよー」アタシノ トキ ミタイニ

小椋「アレはあんたがしつこく指でなぞってきたからでしょーが!」

有田「あはは……そんなことがあったんだ」

有田( “ちょっと” じゃないんだろうな)
93 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/19(土) 11:58:30.23 ID:ZFEd25ix0

綾野「さて、そろそろ行こっか。教室にいても掃除の邪魔になるだけだし」

小椋「お腹も空いてきたしね」

有田「あっ」シマッタ…

小椋「どうかした?」

有田「ごめん……今日半ドンだからお弁当持ってきてなかったんだった……一旦食べに帰らなきゃ」ガックリ

小椋「あぁ、そのことなら大丈夫よ」

綾野「ちょっと待ってね……よいしょっと」ゴソゴソ ドサッ

有田「これは……?」デッカイ

小椋「えへへ、この間のお弁当のお返し」

綾野「早起きして二人で作ったんだよ!一緒に食べよ!」

有田「もしかして私のために……?」

小椋「そ、そうそう」タシカ

綾野「も、もちろん!」ソウダッケ?
94 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/19(土) 12:01:07.57 ID:ZFEd25ix0

有田「……二人とも……ありがとう……!」ダキッ

小椋「わっ!よ、喜んでもらえて良かったわ……」ダキツカレテル

綾野「そ、そうだねぇ、いやははは、参ったなー……」ダキツカレテル

有田(やば……ちょっと、というかかなり感動したかも。普段マイペースな二人が私のためにこんな……)

小椋(やば……松子ちゃんめちゃくちゃ喜んでるし……本当は間違えてご飯やおかずを作りすぎてしまっただけなのに……)

綾野(やば……しょこたんめちゃくちゃ喜んでるなぁ……量的に二人で消費するのが無理だから手伝ってもらおうとしただけなのに……)

小椋「……彩」

綾野「……由美」

綾野「言うべきか言わぬべきか……」

小椋「言えば問題になるかもしれない、言わなければ決して問題にならない、なら……」

綾野「言わない方向で」

小椋「うん」

有田(友達っていいなぁ……)シミジミ


95 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/19(土) 12:04:01.44 ID:ZFEd25ix0


小椋「う……まぶしい」テクテク

綾野「良い天気だねぇ……五月晴(ごがつばれ)だっけ」テクテク

小椋「五月晴(さつきばれ)ね。でもあと二週間もすれば梅雨入りだから……」

綾野「あー、そいつがあったかぁ……いやだなぁ」ゲンナリ

有田「あの」

綾野「ん? あぁほら、あたしってクセッ毛だからさ……湿気が辛いのよ」トホホ

有田「いや、そのことじゃなくて」

小椋「短くしてんだから関係ないじゃん、って、あ、こらやめっ、頭触るな!」

綾野「由美はいいなーサラサラだし、なんか良い匂いするしっ」ワシャワシャ

小椋「あんたんちのと同じシャンプーなんだから同じ匂いだっての!」ブンブン

綾野「短いから自分では嗅げないんだよこのやろー」ワシャワシャワシャ

有田「あのー……」

小椋「いい加減やめんか!……ったく……サイドだけ伸ばせばいいでしょーが」カミガタ クズレタ

綾野「なるほど」ポム

有田「……私影が薄いのかな」シクシク
96 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/19(土) 12:11:14.66 ID:ZFEd25ix0

小椋「っと、ごめんね、気付いてたんだけど彩のペースに乗せられちゃって」オロ

綾野「ごめんごめん、由美の髪のせいで気付かなかった」オロロ

小椋「おい」

有田「学校の外に出ちゃったけど……部室に行くんじゃないの? てっきり活動見学だとばかり……」

綾野「言ってなかったっけ」

小椋「活動見学といえば活動見学かも。けど今日は泉美も先生もいないから、クラブ自体はお休みだよ」

綾野「先生は職員会議、んで泉美はたしか……親戚のお兄さんとお出掛けだっけ?」ヨクシラナイケド

有田「そうなんだ。それで私たちは今どこに向かってるの?」

綾野「んーそうだねぇ……秘密基地第二号、かな」ニヤ

有田「……部室とは別のってこと?」

小椋「秘密基地というより秘密の練習場所ね」

有田「秘密なんだ」

綾野「だって校内だと人の目が気になって集中できないから……小っ恥ずかしいっていうか……」

小椋「泉美には言わないでね。叱られちゃうから」

有田「いいけど……叱られるってなんでまた」

綾野「『練習の段階で恥ずかしがってたら本番で通用しないでしょ!』ってさ」

有田「あぁ、なるほど。 ……っていうか上手いね声真似」ソックリ
97 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/19(土) 12:16:05.30 ID:ZFEd25ix0

綾野「そりゃもう演劇部ですから」エヘン

小椋「泉美の言いたいことも分かるんだけど実際にはねぇ」

綾野「歯が浮くようなキザなセリフと、キザな身振りをしているところに誰か通りかかった時なんか……」ブルッ

小椋「あれはハズい、あれはハズイ!ぎゃー!思い出しただけでも」トリハダミノルー

有田「た、たしかに、ちょっとそれは無理かも……珊ちゃんあたりに見られたら冷やかされそうだし」

綾野「珊ちゃんって渡辺さんだっけ。仲良いの?」

有田「うん、家が近いから」

綾野「へぇーあたしまだ喋ったことないんだよね。今度紹介してよ!」

有田「あはは、珊ちゃんもそんなこと言ってたっけ。それじゃ今度一緒に遊びに行こっか」

綾野「おぉー、いいねいいねー!」

小椋「渡辺さんか……かっこいいよね……背も高くて……」ウラヤマスィ

綾野「いーじゃん、由美はちっこくて可愛いのが売りなんだから」ナデナデ

小椋「むっ、勝手に人のセールスポイントを決めないでよ、いつか彩を見下ろしてやるんだから!」

綾野「そーかそーか」ナデリナデリ

有田「ま、まぁ成長期だしもしかすると一年でグンと伸びて追い越すかもしれないよ」

小椋「っ!だよね!そういう話よく聞くもん!」

綾野「ないない」ケラケラ

小椋「ぐぬぬ……」
98 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/19(土) 12:20:39.50 ID:ZFEd25ix0

有田「え、ええと……あはは……そ、そういえば目的地はどこなの? この先は田んぼと山しかないけど……」

綾野「山だよー」

有田「えっ」マジ?

小椋「山っていっても麓にある小川だから大丈夫だよ」

有田「小川……あ、もしかするとそこ行ったことあるかも」

綾野「たぶん小さいころに遠足とかで来たんじゃないかな。穏やかな渓流と農道しかないけど夏場だとたまにキャンプしてる人も見かけるから」

有田「へぇ……」

小椋「あそこなら誰にも見られる心配がないわ。たまに軽トラが通るくらい」

有田「でも大丈夫なの? その……熊とか猪とか出たりは」

綾野「さぁ……そういえば考えたことなかったかも。由美は?」

小椋「奥地ならともかく、本当にすぐのところだから大丈夫なんじゃない?」

綾野「音立ててれば警戒して近寄らないらしいしね。演技する時は声でかいよー、あたし」エヘン

小椋「彩はいつでもでかいじゃん」

綾野「ん? 由美もでかくなりたいって? 牛乳を飲みなさい牛乳をー」

小椋「言われなくても毎日飲んどるわ! っつーかそっちの話じゃねぇっつーの!」ガーッ

有田(本当に大丈夫なのかな……)

綾野「大丈夫大丈夫」SSダシ

有田「えっ?」

小椋「気にしないで」



99 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/05/19(土) 12:25:55.06 ID:ZFEd25ix0
今日はここまで
資料集がまだ手元にないから設定に食い違いあるかも
夜見山の地図とかないのかなぁ…
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/19(土) 15:48:21.84 ID:37lrJIADO
乙!

資料集買ってないからわかんないなー
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/05/20(日) 23:30:42.44 ID:51Aryd4m0
乙!

待ってるよぉ
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/05/31(木) 22:35:06.80 ID:r460FMxt0
まだかの
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2012/06/04(月) 22:07:16.48 ID:GrwQKpSNo
まだか…
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/07(木) 19:45:34.95 ID:Nl+2lVblo
待ってるよお
105 : ◆tAQNLS7LCk [sage]:2012/06/19(火) 22:57:54.96 ID:l993RGZb0
ずいぶん間が空いてしまいすみません

少しリアルのほうでゴタゴタが起こっていまして落ち着くまで時間がかかりそうです
七月までに一度投稿したいと思っていますがそれ以降はまた間が空くと思います
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2012/06/19(火) 22:59:41.13 ID:GzGYBlZ/o
待ってるよ
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/20(水) 21:37:27.69 ID:vTP5ekLDO
待ってる
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/07/06(金) 11:43:32.65 ID:T71kLUJE0
まだ待ってる
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/26(木) 23:23:30.91 ID:k0G54RFqo
(´・ω・`)
110 : ◆LOLITA/lSg :2012/07/27(金) 20:31:34.38 ID:wWBA4+Yso
まだか
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/08/09(木) 17:11:10.03 ID:aOCEYBsfo
まだ待ってる
112 : ◆5KogFCxQf337 [sage]:2012/08/20(月) 10:51:11.59 ID:4MlPGUtU0
間が空いてしまい申し訳ない
ネットを使えない期間中も時間を見つけてラップトップにちまちま書き溜めていたんですが
何の前触れもなく、ある日突然データごと現象の餌食になってしまいました
修理が終わり、ネット環境が回復次第、内容を思い出しながらもう一度書いて投下したいと思います

滞在先のパソコンからとり急ぎ報告まで
113 : ◆KXkDgWncuQGa [sage]:2012/08/20(月) 10:52:47.19 ID:4MlPGUtU0
あれ?コテハンが違う……
これで合ってるかな
114 : ◆5KogFCxQf337 [sage]:2012/08/20(月) 10:54:50.73 ID:4MlPGUtU0
やべ、忘れてしまった
すみません>>112-113>>1です
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/08/25(土) 17:47:49.53 ID:cxCWJcOr0
おぉお!!まってたかいがあったぜ!!
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) :2012/08/25(土) 21:42:15.86 ID:z5zurbKLo
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/08/27(月) 20:20:41.99 ID:j1kW8vvto
おお
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/09/20(木) 21:14:19.51 ID:maafartyo
マダー?
119 : ◆5KogFCxQf337 :2012/09/27(木) 03:53:42.51 ID:INuNBI9X0
待たせちゃって申し訳ないです
びっくりするほどゴタゴタが続いてて時間がありません
飛行機嫌いなのにこの2ヶ月で14回も乗っちゃったよ

一瞬だけネット環境を手に入れたので少しだけ
120 : ◆5KogFCxQf337 [sage]:2012/09/27(木) 03:55:37.41 ID:INuNBI9X0


有田「……」



小椋「ほらほらっそっち行ったよ、そっち!」バシャッ

子供A「っ!逃した!」バシャン!

子供B「彩ねーちゃんおねがい!」

有田「……」

綾野「よっしゃぁ!おりゃおりゃおりゃおりゃ!」バシャバシャバシャ!

子供C「バリケード作ったよ!」

子供D「こっちこっち!こっちに追い込んで!」

有田「……」

綾野「まかせ……あれ?どこ行っ」

小椋「いた!足下!右の踵のとこ!」

綾野「うわわっ、っとっとっと……!」ヨロ

有田「あ」

小椋「!?」

子供達「「「「げっ……」」」」

綾野「わっ、わっ、わっ、わっ、わっ!」シガミツキッ

小椋「え、ちょ、しがみつ……きゃっ!」グラ


        バッシャーン!


121 : ◆5KogFCxQf337 [sage]:2012/09/27(木) 03:56:58.73 ID:INuNBI9X0







有田「ふたりとも大丈夫?」

小椋「あまり大丈夫じゃない……」

綾野「うー……びしょびしょ……魚は?」

有田「えっ……と」

子供C、D「……」フルフル

子供A「逃げちゃったよ……」シュン

小椋「あらら」

綾野「あああ、ご、ごめんごめん」オロ

子供B「いいよ別に……また見つければいいだk

子供B「……ってうわ、何やってんだよ馬鹿!」

小椋「あー?」バカダト? ←ベスト脱いで絞ってる

有田「ゆ、由美ちゃん!服、服!」コゴエ

子供A、C「わわわ……」カオソラシ

小椋「何? 服?」クビカシゲ

綾野「あはは、由美ってば透け透けじゃん」

小椋「なっ」バッ

子供達「」カオマッカ
122 : ◆5KogFCxQf337 [sage]:2012/09/27(木) 04:03:53.81 ID:INuNBI9X0

有田「ほ、ほら、早くベスト来て!」

小椋「あ、うん。いや、体操服あるしそっち着替えるわ」チョットソレトッテクレル?

有田「これだねっ」ハイ

綾野「ほら、あんたら後ろ向いてな」アタシモキガエルカラ

子供B「もう向いてるっての!」

子供A、C、D「」ドキドキ

綾野「しっかし……泉とかならともかく由美ので、ねぇ……」ゴソゴソ

小椋「なにがよ」ボタンプチプチ

綾野「いやー、やっぱ子供には子供なのかなぁと」スル

有田「あ、綾ちゃん……」

小椋「誰のせいでこうなったと思ってんのよ」パサリ

綾野「え、まさか私のせい?」ヨイショ

有田(はい)

小椋「他に誰がいるってのよ」ガサガサ

綾野「……ごめん、私が毎日もっと気合い入れて揉んであげてれば今頃は」スルリ

小椋「そっちじゃないっつーの」プハッ

有田「というかそこだけ見たら彩ちゃんも……」ポソ

綾野「え?ごめん聞こえなかった、何か言った?」

有田「う、ううんっ何も言ってないよ!」
123 : ◆5KogFCxQf337 [sage]:2012/09/27(木) 04:04:43.13 ID:INuNBI9X0

有田「でも体操服持ってきててよかったね。これがなかったらビショビショのままだったよ」

綾野「へへ、経験則のなせる技ってやつですよ」

有田「え」マサカ

小椋「えっと……恒例行事というか、なぜか濡れちゃうのよね」

綾野「ほんと何でだろうねー」

小椋「たいていはあんたのせいでしょ」

有田「恒例行事って、まさか四月からずっと……?さすがに風邪ひいちゃうんじゃ……」

小椋「中旬くらいに彩が三日くらい休んだ時があったでしょ?」

綾野「いやーあの時は参ったよ。まだ雪解け水だってことすっかり忘れててさ」

有田「いや、それ以前にまだ寒いでしょ」ビックリ

小椋「やめた方がいいって言ったんだけどねぇ」ヒトコトダケ

綾野「テンションあがっちゃって気がついたら水の中に入っちゃってるんだよねー、ねっ、由美?」

小椋「同意を求められてもなぁ」

子供D「おねーちゃん……まだ……?」

有田「あっごめんね、忘れてた。もう大丈夫だよ」

子供B「ったくさっさと着替えろよ」ブツブツ

綾野「おやおや?君はまだ顔赤いままじゃないかね?」ニヤニヤ

小椋「こら、あんまり子供をからかうもんじゃないよ」

子供B「子供じゃねぇよチビ!」

小椋「」ピク
124 : ◆5KogFCxQf337 [sage]:2012/09/27(木) 04:06:03.41 ID:INuNBI9X0

子供A「お、おいB!やめとけって」ヒソ

子供B「ちっこいくせに、中学生になったくらいで大人ぶってんじゃねーっつーの」ケッ

子供C「ちょ、由美ちゃんにそれは禁……!」

小椋「……ほう」ゴゴゴ

有田(あちゃー)アチャー

綾野「こらこら言いすぎだぞ少年。たしかに由美はちんまりしてるし、おっぱいもおしりも小さいけくぁあswでfrtgyふじこlp;:「」

小椋「子供に便乗すれば許されるとでも?」コメカミグリグリ

綾野「や、ひゃめ、やめで、まじいだい痛ぁからぁあああああぁあああ」

有田(懲りないなぁ)

子供達「「「「」」」」

子供C「あっ、そ、そういえば今日は用事があったんだった!」

子供D「そ……そうそう!ぼ、ぼくも塾に行かなくちゃ!」

子供B「え?お前んとこのは火木金だっt

子供A「バカ、逃げるんだよ!」ヒソヒソ

子供C「空気読んでよ、ったく」ヒソヒソ

有田「あら?もう帰るの?」

子供D「う、うん、用事が塾で行かなくちゃだから、それじゃまた今度!」ダッ

子供A,C「「ばいばーい!」」ピューッ

子供B「え、おい、ちょっと待てよ!」タタタ
125 : ◆5KogFCxQf337 [sage]:2012/09/27(木) 04:06:55.77 ID:INuNBI9X0


                     ナンナンダヨイキナリ! >

                              ウッセー! オマエガヨケイナコトイッタセイダローガ! >

                                 マッタク、コレダカラムッツリハ >

                                   
                     
有田「……ばいばーい」

有田「……」

有田「さて……」


  < ダレガペッタンコデスッテ? ダレガミクロマンデスッテー? グリグリ

< イッテナイ、ソレハイッテナイ!

  < ダイタイ アンタモヒンニュウデショーガ!  グリグリグリグリ

< ギャー!


有田(なんていうか……年中行事だなぁ)

有田「……」

有田「お腹すいた……」グゥ
126 : ◆5KogFCxQf337 [sage]:2012/09/27(木) 04:10:38.15 ID:INuNBI9X0
とりあえずこれだけ
なるべく時間を見つけて書いてくつもりですが、しばらくはこのぐらいの量になりそうです
こんなシチュが見たいとかリクエストがあったら言ってください
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/10/04(木) 21:16:37.63 ID:RlQ502H7o
待っていた、待っていたぞ
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