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勇者「あんま悪いことしとったらあかんでほんま」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/04(金) 20:52:38.89 ID:C2tHVgjDO
勇者「分かってんの?」

魔王「はい……」

勇者「ほんま?」

魔王「はい……」

勇者「……分かってへんやろ」

魔王「はい……」

勇者「はい、ちゃうわ!」

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全レスゾーンゼロ @ 2025/06/16(月) 17:23:39.88 ID:/JulHR0so
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750062219/

バームくんへ @ 2025/06/11(水) 20:52:59.15 ID:9hFPsRzXO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1749642779/

秘境 @ 2025/06/10(火) 00:47:53.81 ID:BDVYljqu0
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【安価】上条「とある禁書目録で」鴻野江「仮面ライダー」【禁書】 @ 2025/06/09(月) 21:43:10.25 ID:qDlYab/50
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ツナ「(雲雀さん?!)」雲雀「・・・」ビショビショ @ 2025/06/07(土) 01:30:36.87 ID:AfN9Rsm0O
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【安価コンマ】障害走を極めるその5【ウマ娘】 @ 2025/06/06(金) 01:05:45.46 ID:RaUitMs20
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1749139545/

貴様たちの整備のお陰で使いやすくしてくれてありがとう @ 2025/06/04(水) 20:56:21.03 ID:QjuK6rXtO
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/04(金) 20:54:59.73 ID:C2tHVgjDO
勇者「自分なんでこんなことしたん?」

魔王「世界征服、カッコええやん」

勇者「あーなるほどなるほど」

勇者「ってアホか!」

魔王「人生を賭けるのに値するのは夢だけやと思わへん?」

勇者「自分魔族やん!」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/04(金) 20:55:54.88 ID:C2tHVgjDO
魔王「しかしあんたも立派やね」

勇者「なにが」

魔王「まだ16やろ?」

魔王「若いのに世界の命運委ねられてるなんて」

魔王「めっちゃ凄いやん」

勇者「お前のせいや!」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/04(金) 20:56:51.61 ID:C2tHVgjDO
魔王「怒鳴らんといてよもー」

勇者「自分退治されんのわかっとんの?」

魔王「えー、ほんまー? 怖ー」

勇者「なめとんのかボケ!」

魔王「君カルシウム足りてへんのちゃう?」

勇者「なんで魔王に栄養の偏り指摘されなあかんねん!」

魔王「あ、やっぱ足りてへんねや」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/04(金) 20:57:38.70 ID:C2tHVgjDO
勇者「はー・・・」

勇者「もうええ、行くで」

魔王「どこに?」

勇者「王国や」

魔王「ここで倒さへんのかい」

勇者「それでもええねんけどな」

勇者「お前倒したらどうせ消えるやん?」

魔王「そらそうや、倒されたら消えるのが悪の美学や」

勇者「それめっちゃ困んねん」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/04(金) 20:58:49.71 ID:C2tHVgjDO
勇者「正直な、手ぶらで帰っても儲けになれへんのや」

魔王「そんなんゆうても、うちだけ生首なんの嫌や」

勇者「せやから王国で倒すねん」

魔王「ええんかそれ?」

勇者「なにが?」

魔王「魔王を王国に招き入れてええんか?」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/04(金) 21:00:03.91 ID:C2tHVgjDO
勇者「ちゃうよ」

魔王「?」

勇者「お前が押しかけてくんねん」

魔王「意味分からん」

勇者「自分頭悪いなー」

魔王「うっさいボケ」
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/04(金) 21:01:47.24 ID:C2tHVgjDO
勇者「王国の近くで二手に別れんねん」

魔王「うんうん」

勇者「ほんでお前王国に攻め込む!」

勇者「やばい! 王国の危機! その時勇者が帰ってきた!」

勇者「ほんでお前のことしばいてめでたしめでたし」

魔王「うわー、うちよりアホな奴おったわー」

勇者「一発どついたろか」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/04(金) 21:02:23.76 ID:C2tHVgjDO
魔王「ええよ、面白そうやし」

魔王「どうせ一度あんたに倒された身や」

勇者「よっしゃありがとう!」

魔王「あんた変な奴やなー」

勇者「ほな行くで」

魔王「れっつごー!」

勇者「忍!」ドロン
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/04(金) 21:03:00.16 ID:C2tHVgjDO
勇者「着いたで」

魔王「なんで忍者式やねん」

勇者「ええやんなんでも」

魔王「うわー、うち魔王やのに忍者に倒されてもーたー」

魔王「ってなるやんか」

勇者「信長みたいでええやん」

魔王「信長は忍者に倒されてへん!」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/04(金) 21:23:09.48 ID:C2tHVgjDO
勇者「作戦はこうや」

勇者「俺はもう出発する、お前は少ししてから来い」

勇者「以上」

魔王「うわー頭悪い説明やなー」

勇者「お前徐々に調子乗り出しとんな」

勇者「まあええ、行ってくるわ」

魔王「ほなな」

勇者「日が沈んだ辺りで来いやー」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/04(金) 21:23:48.55 ID:C2tHVgjDO
魔王「少しってどんくらい待つんやろ」

魔王「暇やなー」

魔王「あかん、眠なってきた」

魔王「寝たらあかん寝たらあかん寝たらあかん寝たらやかん」

魔王「ちゃうちゃう、やかんやなくてあかんや」

魔王「あははー」

魔王「zz」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/04(金) 21:24:33.50 ID:C2tHVgjDO
勇者「おい」

魔王「うちだし巻き卵は塩辛派ゆーてるやんかー」

魔王「甘いのは嫌やー」

勇者「起きんかいボケ」

魔王「あと5分・・・」

勇者「永眠させたろか」

魔王「・・・んー?」

魔王「ゆ、勇者! ふはは、よく来たな!」

勇者「もうそのくだり終わってんねん!」

魔王「痛い痛い! 思い出しました思い出しました! だからつねらんといて!」

魔王「もー、うちなんもしてへんのにつねることないやんかー」

勇者「なんもしてへんからや!」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/04(金) 21:26:09.78 ID:C2tHVgjDO
勇者「せめて逃げろや!」

魔王「ええの?」

勇者「あかんわ!」

魔王「どないやねんな」

魔王「今までなにしてたん」

勇者「日の出って間違えてゆうたかなー」

勇者「とか考えてさっきまで向こうで待機しとった」

魔王「うわーご苦労様やなー」

勇者「しばいたろか!」

魔王「今から行こか?」

勇者「朝に行ったら」

勇者「おはようございますー」

勇者「って感じになるやろ!」

魔王「細かいなー」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/04(金) 21:26:41.87 ID:C2tHVgjDO
翌日

勇者「あとで宿代半額出しや」

魔王「うわーケチくさ!」

勇者「今度こそきちんと来いや」

魔王「分かってるって」

勇者「ほんまやな?」

魔王「ほんまや」

勇者「ほんまにほんまやな?」

魔王「ほんまにほんまや」

勇者「ほんまにほんまにほんまやな?」

魔王「はよ行きや」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/04(金) 21:27:13.33 ID:C2tHVgjDO
勇者「心配やなー」

勇者「あいつまた寝てへんやろな」

勇者「見にいこかな?」

勇者「あかんあかん、甘やかしたらあかんわ」

勇者「まだかー?」

勇者「・・・お?」

勇者「来た」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/04(金) 21:27:45.30 ID:C2tHVgjDO
魔王「ガオー」

兵士A「うわああああああああ」

兵士B「て、敵襲ー! 敵襲ー!」

兵士C「なんなんだこいつは! 一体どこから!」

兵士D「ど、ドラゴンなのか?」

魔王「魔王やでー」

兵士D「ま、魔王だー!」

兵士E「ひいいい! お助け!」

魔王「ガオー」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/04(金) 21:29:15.04 ID:C2tHVgjDO
魔王「ガオー」

チュドーン

魔王「ガオー」

チュドーン

魔王「んんー?」

魔王「あれなんか眠・・・」

魔王「zz」シュルシュルシュル

賢者「催眠魔法が効いて助かったわ・・・」
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/04(金) 21:30:15.88 ID:C2tHVgjDO
……

魔王「んー?」

魔王「ここどこやー?」

賢者「お目覚めみたいね」

賢者「ここは王国よ」

賢者「ついでに言うと牢屋よ、それも結界がいくつも張られたね」

魔王「が、ガビーン!」

賢者「もうあなたはそこから出られないわ、死ぬまでね」

魔王「な、なんやて・・・!?」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/04(金) 21:31:37.23 ID:C2tHVgjDO
魔王「んなアホな話があるかい!」

魔王「ふんっ!」

魔王「・・・」

魔王「・・・あかん」

賢者「無駄な真似はしないことね」

賢者「精々死ぬまでそこで悔い改めなさい」

賢者「また後で来るわね」

魔王「アホー、一昨日来んかーい」

賢者(なんでゆーくんと同じ訛り方なんだろ)
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/04(金) 21:32:34.92 ID:C2tHVgjDO
勇者「うおー! みんな無事かー・・・ん?」

兵士A「いやー賢者様がいてくださって助かったな」

兵士B「まさか魔王を倒されるとは」

兵士C「まったくそれに比べて勇者ときたら」

兵士D「魔王を倒すことしか取り柄がないくせにな」

兵士E「まさかおめおめ王国に帰ってくることはないだろうな」

兵士「わはははは」

勇者「・・・あかん」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/04(金) 21:33:23.28 ID:C2tHVgjDO
……

魔王「んー?」

魔王「ここどこやー?」

賢者「お目覚めみたいね」

賢者「ここは王国よ」

賢者「ついでに言うと牢屋よ、それも結界がいくつも張られたね」

魔王「が、ガビーン!」

賢者「もうあなたはそこから出られないわ、死ぬまでね」

魔王「な、なんやて・・・!?」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/04(金) 21:34:08.76 ID:C2tHVgjDO
魔王「んなアホな話があるかい!」

魔王「ふんっ!」

魔王「・・・」

魔王「・・・あかん」

賢者「無駄な真似はしないことね」

賢者「精々死ぬまでそこで悔い改めなさい」

賢者「また後で来るわね」

魔王「アホー、一昨日来んかーい」

賢者(なんでゆーくんと同じ訛り方なんだろ)
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2012/05/04(金) 21:35:10.62 ID:0UjLMZZh0
魔王の気高さゼロだなwwwww
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/04(金) 21:35:22.94 ID:C2tHVgjDO
魔王「むー」

魔王「どないしよ」

魔王「それもこれもあのアホが早く現れへんからや・・・」

勇者「・・・やっと行きよったか」

魔王「ゆ、勇者!?」

魔王「こらー!」ガシャーン

勇者「うわっびっきりしたあ」

魔王「なんで倒しに来なかったんや!」

魔王「うちはあんたやから倒されるゆうたんや!」

勇者「いや魔王として状態異常にかかるのはどうなん・・・?」カチャカチャ

魔王「お茶目や!」

勇者「アホか」カチャカチャ
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/04(金) 21:37:24.77 ID:C2tHVgjDO
魔王「さっきからなにしとんの?」

勇者「結界壊しとんねん」カチャカチャ

魔王「・・・なにしとんの?」

勇者「助けたるゆうてんねん」カチャカチャ

魔王「・・・アホちゃう?」

勇者「このままじゃ俺が貧乏くじ引いただけやんか!」カチャカチャ

勇者「なんとしても儲ける側に回ったんねん」カチャカチャ

勇者「せやからな」

勇者「心配せんでもお前を倒すのは俺や」

魔王「・・・バカ」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/04(金) 21:38:58.83 ID:C2tHVgjDO
勇者「よっしゃ、ほな行くで」

勇者「忍!」ドロン

パキーン

魔王「おお、やるやん忍者」

勇者「朝飯前や」

魔王「ほんまに朝飯前やな」

勇者「腹減ったわー」

賢者「朝食は食べてくの?」

魔王「そんなんしたら見つかるやんかあほやなー」

勇者「アホはお前や」

魔王「うわっ」

賢者「おはようございます」

魔王「あ、これはご丁寧にどうもどうも」
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/04(金) 21:39:58.57 ID:C2tHVgjDO
賢者「ゆーくん久しぶり」

勇者「久しぶりやな賢者」

賢者「今なら見なかったことにしてあげられるわ」

勇者「ほな頼むわ」

賢者「魔王は置いていって」

勇者「無理な話や」

賢者「じゃあ見過ごせないわね」

魔王「ドキドキ」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/04(金) 21:46:21.78 ID:C2tHVgjDO
魔王「あのー、つかぬ事をお聞きしますが」

勇者「なんや?」

魔王「二人はどーゆー関係なん?」

賢者「恋人?」

勇者「そうそう、ただの幼なじみってなんでやねん!」

魔王「ふーん……」

賢者「あら、私のことは遊びだったの?」

勇者「遊びもなにも……遊びもなにもや!」

賢者「意味を為してないわよ」

魔王「ふーん……」
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/04(金) 21:50:08.71 ID:C2tHVgjDO
魔王「えらい仲いいんどすなあ?」

勇者「なんでちょっと訛り方変わっとんねん」

賢者「むしろ聞きたいのはこっちよ」

賢者「ゆーくん、なんで魔王を助けるの?」

魔王「それはなー!」

魔王「勇者は闇に魂を売ったんや!」

賢者「ありうる……」

魔王「ありえるな……」

勇者「ありえへんわ!」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/04(金) 21:54:26.83 ID:C2tHVgjDO
賢者「まあただの自己申告だし、本当に魔王かどうかは分からないけど」

魔王「失礼な! 血統書付き、由緒正しき魔王一家やで!」

賢者「それでも魔王を倒すのがゆーくんの目的でしょ?」

魔王「無視すんなや!」

勇者「そやなー」

勇者「なんでかゆーたら……」

勇者「お前のせいやー!」ビシッ

賢者「え」
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/04(金) 21:58:05.99 ID:C2tHVgjDO
勇者「よー考えたらお前が邪魔しくさるからこんなことになっとんねん!」

魔王「そーやそーや!」

賢者「じゃ、邪魔って……」

勇者「ともかくここは通してもらうで」

賢者「……それはダメ」

勇者「お前のことあんま傷付けたくないんや」

賢者「そう」

賢者「じゃあ私か・・・らっ!?」ゴンッ

勇者「でもな」
勇者「どうせ傷付けるんなら早いうちに済ませとくわ」

賢者「きゅー・・・」

勇者「ほな行こか」

魔王「あんたむっちゃ悪い奴やなー」

勇者「魔王に言われたないわ!」
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/04(金) 22:03:16.26 ID:C2tHVgjDO
魔王「ガオー」

チュドーン

兵士E「うわー!」

兵士C「な、なんでまた魔王が!?」

兵士B「敵襲ー! 敵襲ー!」

兵士D「ま、魔王は捕らえられてるんじゃ!?」

兵士A「まさか賢者様の結界が不十分だった……?」

勇者「わはは、ざまーみさらせ!」

兵士A「だ、誰か乗ってるぞ!」

兵士C「あの男がこんなことを……!」

魔王「隠れてなあかんよ」

勇者「ええねん」

魔王「? ガオー」

チュドーン
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/04(金) 22:04:38.73 ID:C2tHVgjDO
数日後

魔王「魔王を解放した謎の男、その正体やいかに!?」

魔王「やてー、賢者さんちくらへんかったんやね」

勇者「……やっぱな」

魔王「これからどないする?」

勇者「今考え中や」

魔王「折角勇者も魔王も休業中やし、どっか別の大陸行ってみいへん?」

勇者「そうやなー」

勇者「あ」

魔王「決まった?」

勇者「そういや宿代!」

魔王「ケチくさ!」
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/04(金) 22:12:58.64 ID:C2tHVgjDO
オレはようやくのぼりはじめたばかりだからな
この果てしなく遠い男坂をよ……

蜜柑
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/05/04(金) 22:28:02.80 ID:8K6gjvd1o
面白そうなのに
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/04(金) 22:55:06.74 ID:C2tHVgjDO
>>35
あ、区切りって分かるように入れただけです
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/05(土) 21:04:03.43 ID:+UR1X+vDO
魔王「あつー……」

勇者「言うなや……」

魔王「むっちゃ暑ない?」

勇者「言うなゆうとんねん……」

魔王「むちゃくちゃ暑いな!?」

勇者「やかましいボケ!」
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/05(土) 21:04:33.38 ID:+UR1X+vDO
勇者「誤算やったわ」

勇者「砂漠がこんな暑いとは」

魔王「あかんわもう、うちらここで干からびるんや」

勇者「魔王が大自然に翻弄されてええんか……?」

魔王「どんなに文明が発達しても、人は地に足を着けな生きられへんのや」

勇者「自分魔族やん!」
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/05(土) 21:06:16.51 ID:+UR1X+vDO
魔王「みずー……」

勇者「ちょっとだけやぞ」

魔王「うん」ゴキュッゴキュッ

勇者「ベタ過ぎじゃボケ……」

魔王「あー幸せやー」

勇者「……」

魔王「怒らんの?」

勇者「怒る気も起こらんわ……」

魔王「あ、ダジャレやね?」

勇者「ちゃうわ!」
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/05(土) 21:06:55.94 ID:+UR1X+vDO
魔王「ところでな」

勇者「なんや」

魔王「うちらもう長いことオアシスに向かって歩いてるやんか」

勇者「おお」

魔王「あれ蜃気楼やろ」

勇者「……」

勇者「おあっおおあああああああ!」

魔王「うわ気が狂いおった!」
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/05(土) 21:08:05.43 ID:+UR1X+vDO
勇者「……」

魔王「落ち着いた?」

勇者「……お前今のはあかんで」

勇者「思ってても口にしたらあかん」

魔王「ごめんて」

魔王「水あげるから許したってや」

勇者「おお、ありがとうな」

勇者「って空やん!」バシッ
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/05(土) 21:09:18.32 ID:+UR1X+vDO
勇者「あかん、積んどる……」

勇者「水はない、オアシスもない、仲間にも恵まれない」

魔王「志半ばにして倒れるとは、無念……」

勇者「お前の志を折ったんは俺やったけどな」

魔王「おのれ、魔王の仇や!」

勇者「暑い! 組み付くな!」

剣士「あのー……」

勇者「なんや!」

剣士「ひっ!」ビクッ
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/05/06(日) 04:41:15.81 ID:h4nNBucK0
勇者=浜田
魔王=松本


で脳内再生されるwwwwww
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/06(日) 19:19:23.57 ID:8hF6Uw2DO
魔王「むっちゃ助かったわ、ありがとうな」

剣士「いえいえ、困った時はお互い様ですよ」

勇者「でもほんまにええんか? 砂漠で見ず知らずの他人に水なんかあげて」

魔王「うちら水知らずやしな」

勇者「お前のせいや!」

剣士「あ、あはは」

剣士「ところで、お二人ともオアシスに向かわれてるんですよね?」

魔王「うん」

剣士「……良かった」

勇者「?」

剣士「でしたら僕も同行していいですか?」
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/06(日) 19:21:20.92 ID:8hF6Uw2DO
勇者「いやー、剣士君が地図も持っててくれてほんま助かるわ」

魔王「うちは絶対いるゆうたんやけどな」

勇者「俺は今までなしでやってきたんや」

魔王「やっぱあんたあほやなー……」

剣士「あ、あの……」

勇者「ん?」

剣士「も、もしかして勇者さん達迷子だったんですか?」

魔王「そうやで?」

剣士「……」

勇者「どしたん?」

剣士「……実は僕も迷ってるんです」

勇者「は?」

剣士「勇者さん達が道を知ってると思って……」

魔王「……」

勇者「……」
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/06(日) 19:22:24.18 ID:8hF6Uw2DO
勇者「これ世界地図やんか!」

魔王「うわっ、ほんまや」

剣士「僕も買った時おかしいとは思ったんですが……」

魔王「その思い、口にせな伝わらへんで」ドヤッ

勇者「なに良いこと言おうとしとんねん」イラッ

魔王「その思い、口にせな伝わらへんで」ドヤッ

勇者「……ドツキまわすで?」

魔王「怖っ! あんた鬼の目しとるで!」

勇者「お前に言われたないわ!」

剣士「うう……」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/06(日) 19:23:09.80 ID:8hF6Uw2DO
魔王「もー、しゃーないなー」

魔王「うちが空から見渡したるわ」フワー

勇者「できるなら初めからやらんかい!」

剣士「す、凄い! 魔王さんは魔法使いだったんですね!」

魔王「ん? ちゃうちゃう、魔王やで」フワフワ

剣士「……え?」

勇者「なーんちゃって!」

剣士「え!?」ビクッ

勇者「なーんちゃって!」
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/05/07(月) 11:10:38.54 ID:eK2OP1dAO
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50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/07(月) 21:19:26.41 ID:mZjN19JDO
数時間後

魔王「着いたー!」

勇者「ほんま一時はどうなることかと思ったわ」

剣士「本当にありがとうございました!」ペコペコ

魔王「ふふん」

勇者「偉い偉い」ナデナデ

魔王「えへへー」

剣士「ふふ、お二人共仲が良いんですね」

魔王「こいつはうちから何もかも奪った男やからな」

剣士「……え?」

魔王「うちの身体は髪の先からつま先までこいつのものやで」

勇者「人聞き悪いこと抜かすなボケ!」

魔王「そ、そんな! うちとは遊びの関係やったんか!?」

勇者「遊びもクソもないわ!」

剣士(い、一体どういう関係なんだろう)ドキドキ
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/07(月) 21:22:18.46 ID:mZjN19JDO
魔王「しっかし大きな町やなー!」

勇者「砂漠のド真ん中にあるのに大したもんやな」

剣士「砂漠の民の要所ですし、砂漠には多くの遺跡が手付かずで残されてますからね」

剣士「文化的価値も高いので学者もたくさん集まってます」

剣士「そもそもこのオアシスの起こりは……」

剣士「ペラペラ」

魔王「はー……」ポカーン

剣士「ど、どうしましたか?」

魔王「君物知りやなー」

剣士「そ、そんなことないですよ」アセアセ

勇者「ほんまようさん知っとんなー」

剣士「……そ、そんなに褒めないでくださいよ」テレテレ

勇者「ほなガイドさん案内頼みますわ」

剣士「ガイドじゃないです!」
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/07(月) 21:23:39.80 ID:mZjN19JDO
勇者「おー、あのでかい建物なんや?」

剣士「あれは図書館ですね」

魔王「なーあれなんの店なん?」

剣士「あれは観光客向けの地元料理のお店ですね」

呼び子「いらっしゃーせー」

魔王「むっちゃうまそうやなー」チラッ

呼び子「いらっしゃーせー」ニコニコ

魔王「むっちゃうまそうちゃう?」

勇者「あんなんな、食ったらがっかりする奴やわ」

魔王「んー、確かに言われて見ればなー」

呼び子「……!」ガタッ

剣士「! そ、そんなことないと思いますよ」アセアセ

勇者「ところであっちの建物は……」

剣士「あ、あれはですね……」

剣士(この人達マイペース過ぎる……)フラフラ

剣士(……結局ガイドやらされてるし)フラフラ
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/07(月) 21:25:36.51 ID:mZjN19JDO
勇者「おー、お城立派なもんやなー」

魔王「あんたんとこより凄いやん」

勇者「おまえんとこも大概やったぞ」

魔王「キシャー!」ガバッ

勇者「組み付くな暑い!」

魔王「しゃーなかったんや! あれでもいっぱいいっぱいやったんや!」ウルウル

勇者「泣くほど気にしとんのかい!」

勇者「ところで剣士君は?」

剣士「……」フラフラ

勇者「おー、ガイドさんこっちこっち」

剣士「……ガイドじゃ……ないで……す……」ドサッ

魔王「うわっ、ぶっ倒れおった!」
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/08(火) 20:50:56.06 ID:FooJ4ELDO
剣士「ううーん……」

剣士「はっ!」ガバッ

魔王「おっ、起きたん?」

剣士「ここは……?」キョロキョロ

魔王「宿屋やで」

勇者「剣士君な、多分はしゃぎ過ぎてぶっ倒れたんや」

勇者「剣士君には砂漠で水もらった恩があるから今回は貸しにしといたるわ」

剣士(む、向こうの恩が押してる!)

剣士(……しかもはしゃぎ過ぎてたのはあなたたちです!)

魔王「剣士ちゃんどしたん? なんか込み上げてへん?」

剣士「だ、大丈夫です……」

魔王「その思い、口にせな伝わらへんで」ドヤッ

剣士「大丈夫です」イラッ
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/08(火) 20:51:48.99 ID:FooJ4ELDO
勇者「ほな剣士君も起きたことやし、今後のことでも決めよか」

魔王「せやな」

剣士「すいません、僕のことなんか放って決めてくださってよかったのに……」

勇者「いや、ぶっちゃけ剣士君はおってもおらんでも良かったんやけどな」

剣士(そ、そんなはっきり……)

剣士「そういえばお二人はどうして砂漠にいらっしゃったんですか?」

魔王「楽しそうやったし」

剣士「……え?」

魔王「うち砂漠来たことなかってん」

剣士「……」

魔王「……?」

剣士「ほ、本当にそれだけの理由なんですか!?」バッ

勇者「そのアホの言うことは気にせんでええ」
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/08(火) 20:54:52.80 ID:FooJ4ELDO
勇者「俺ら旅してんねん」

魔王「そーそー、それで砂漠来たんや」

剣士「……なんでですか?」

魔王「なーんもすることなくて暇を持て余しててん」

剣士「……」

勇者「そいつは気にせんでええ」

勇者「そんなのーたりんはこいつだけや」

剣士「……勇者さんは?」

勇者「砂漠ゆーたら王様のお墓むっちゃたくさんあるやん?」

勇者「王様のお墓ゆーたらお宝やん?」

剣士「お、王様のお墓荒らすんですか!?」

勇者「宝箱は開けな意味ないやん」

剣士「……」
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/08(火) 20:56:21.36 ID:FooJ4ELDO
剣士「お二人とも砂漠なめてるんですか!?」

勇者「世界地図で砂漠歩いとったあほには言われたないわ」

剣士「うぐぐ……」

魔王「うちらなんか地図も水もなかったけどな!」

勇者「うぐぐ……」

勇者「って水はお前がガバガバ飲んでたからや!」

魔王「うわっ、まだ気にしてたん? 自分むっちゃ心狭いなー」

勇者「……」ギリギリ

魔王「いひゃいいひゃい」

勇者「ところで、そっちこそどーゆー目的なんじゃい」
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/08(火) 20:57:35.49 ID:FooJ4ELDO
剣士「この辺は昔からサンドワームの被害が多いんです」

剣士「……多くの罪のない人々がサンドワームの被害で命を落としています」

剣士「だから、もうそんな悲しいことが起きないためにサンドワームを倒しにきました」

魔王「魔物虐待反対!」

剣士「えっ!?」ビクッ

魔王「魔物にもっと愛を!」

剣士「えっ!? えっ!?」

勇者「そいつは気にせんでええ」

魔王「どんだけうちのこと気にせえへんねん!」
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/08(火) 20:58:52.00 ID:FooJ4ELDO
勇者「せやけどえらい自信やな?」

剣士「え?」

勇者「昔からおるってことは今まで何人もお前みたいな奴らおったんちゃうか?」

魔王「サンドワームちゃんがむっちゃ可哀相やん!」

勇者「ことごとく返り討ちにしてんねんでそいつらを」

魔王「流石魔物や!」

勇者「うるさいねんお前は!」

剣士「……っ」

勇者「ん?」

剣士「……実は僕、修行中の身なんです」
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/08(火) 21:32:26.01 ID:rBGwwOVdo
おもしろい
C
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/08(火) 21:45:12.76 ID:Vf75h+Zdo
あかんやん ぼこぼこにされるやん
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/09(水) 22:30:05.46 ID:E+7MMI7DO
勇者「なるほどなー」

勇者「剣士君は修業中の身で、各地を修業の旅して回ってたらサンドワームの話を耳にして、」

勇者「苦しめられとる人らの話を聞いたらいてもたってもおれんようになって、」

勇者「自分の実力もよう考えんと、」

勇者「サンドワーム討伐隊に加わりにきた、と」

剣士「はい……」

勇者「むっちゃあほやなー」

剣士「だ、だって……」

魔王「わはは、そんな若輩者に我がサンドワームが倒せるものか!」

勇者「実際死ぬだけなんちゃう?」

魔王「うんうん、死ぬな」

剣士「う、うう……」
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/09(水) 22:32:14.07 ID:E+7MMI7DO
剣士「じゃ、じゃあ勇者さん達は黙って見てろって言うんですか!?」

勇者「おう」

剣士「!」

剣士「……困ってる人を見捨てるなんて、僕には理解できません……!」タッタッタッ

バタンッ

魔王「あちゃー、行ってもーた」

魔王「どーすんの? ほんまに死によるであの子」

勇者「……あ」

魔王「どしたん?」

勇者「……おった」

魔王「ん?」

勇者「あのガキ宿代踏み倒しおった!」

魔王「うわっ……」
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/09(水) 22:34:07.47 ID:E+7MMI7DO
翌日

隊長「えーあー、おほん」

隊長「えー本日は集まってくれて、えー非常に、えー感謝感激である」

戦士1「おい、あのおっさんがえーって言った回数数えようぜ」

戦士2「なにそれまじうけるわー」

剣士(……僕はやっぱり困ってる人を放っておけないです)

隊長「えー、それでは出陣します」

戦士達「ウィース」

剣士(……大丈夫かな)
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/09(水) 22:35:42.18 ID:E+7MMI7DO
砂漠御一行

戦士3「ん?」

剣士「どうしました?」

戦士3「あっちでなんか動いた気が……」

剣士「……?」ジーッ

戦士4「何見てんの?」

戦士3「いや、何かが動いた気がしたんだけどさ」

剣士「……」ジーッ

ゴゴゴゴゴゴ

剣士「……!」

ドーン

剣士「!?」

砂虫「ギュウウウウン!」
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/05/10(木) 00:39:40.85 ID:M31CKfi1o
テンション保つの大変なネタ、よー手ぇ付けはったなぁ。ちょっと期待してるよ。
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/10(木) 19:12:05.71 ID:M5Eq/w9DO
支援ありがとうございます
めっちゃ励みになります!

ここから魔王も勇者もちょっとの間出ない標準語進行になります
標準語とか生理的に無理wwwwって方は申し訳ないんですが軽く読み流してください

基本的に台本形式にしているので、わけわからん[ピーーー]ってところは質問していただけると助かります
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/10(木) 19:13:52.31 ID:M5Eq/w9DO
 砂煙を巻き上げながらそれは現れた。
サンドワーム。討伐の対象であり忌むべき魔物。
 その魔物には目などなかった。この砂漠の絶対的補食者たるそれは、相手を確認する必要がないのだ。ただなにかがあることを感知出来さえすれば良かった。
 あるのは蛇のように長い胴体と全てをかみ砕く強靭な顎。
 剣士の小柄な体がブルリと震える。武者震いなんていいもんじゃないな、と一人自嘲気味に呟いたのを聞いた者はいなかった。
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/10(木) 19:15:32.80 ID:M5Eq/w9DO
戦士4「て、敵襲ー!」

戦士3「な、なんてでかさだ!」

隊長「えー、総員、えー戦闘配置!」

戦士1「53、54」

戦士4「来るぞ!」

砂虫「ギュウウウウウウ!」

ズドーン

戦士2「ほげええええええ!」ズザザ

戦士3「だ、大丈夫か!?」

戦士4「二撃目来るぞ!」

剣士「ま、任せてください!」ズイッ

戦士4「あ、おい!」

砂虫「ギュウ!」

剣士「ふー……」

戦士3「なに目閉じてんだ! 前見ろ前!」

砂虫「ギュウウウウウウ!」グオオ

剣士(ここだ!)
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/10(木) 19:16:50.80 ID:M5Eq/w9DO
戦士4「ええ、最初はなにが起こったのか分からなかったですね」

戦士4「私は剣士君が吹っ飛ぶと思ってましたから」

戦士4「え? ええそうです、吹っ飛んだんです。はい、サンドワームが」

戦士4「まあ実際はこうきた相手をこう、受け流したと言った方が正しいですね」

戦士4「ただ、受け流しただけじゃなくて」

戦士4「そう、回転したんですね」

戦士4「いえ、剣士君は吹っ飛ばされてないですって」

戦士4「じゃあなんで回転したかって?」

戦士4「それは、」
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/10(木) 19:18:12.95 ID:M5Eq/w9DO
剣士「ベイゴマ!」

グルン

戦士3「す、すげえ! サンドワームに吹き飛ばされるかと思った刹那、刀身でサンドワームの突撃を受け流して軌道を変えた!」

戦士4「しかも受け流した勢いで本人がまさにベイゴマのように回転することによって、サンドワームを高速で何度も切り付けているぜえ!」

剣士(誰に説明してるんだろう)

砂虫「ぎゅちちちちい!」イヤイヤ

戦士3「効いてるぞ!」

隊長「えー、今が好機! えー、総員一斉、えー攻撃!」

戦士1「55、56、57」

戦士達「ウオオオオオオ!」
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/10(木) 20:59:31.74 ID:2CmBhJn+o
うおおおおおおおおおお!
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/11(金) 19:16:10.13 ID:qxx/7UlDO
砂虫「ギュウウウウウウ!」ブンブン

剣士「くっ!」ザザッ

戦士4「ちぃっ! あの巨体で暴れられたら近寄れねえ!」

戦士3「任せろ!」ガシッ

砂虫「ぎゅ、ぎゅぎゅぎゅ……」ミシミシ

戦士4「す、すげえ。生身でサンドワームを止めてる!」

戦士3「今だ! 俺が止めてる間に!」ミシミシ

剣士「は、はい!」

剣士「でやああああああ!」

スパーン

砂虫「ぎゅ、ぎゅち……」ズルッ

ドサッ
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/11(金) 19:18:04.62 ID:qxx/7UlDO
剣士「ハァハァ」

戦士4「やったなおい!」バシッ

剣士「……っとと」フラフラ

戦士3「ボウズ、そんなちっちゃな体でやるじゃねえか」

剣士「……えへへ」

剣士「戦士3さんこそ凄い怪力でしたよ!」

隊長「えー、うむ! みんなよう戦ってくれた! えー、それでは引き上げとしよう」

戦士1「58、59」

戦士達「ウィース」

戦士4「しかし砂漠の悪魔も大したことなかったな」

剣士(確かに……呆気なさすぎる)

戦士2「ん?」

戦士2「おい、なんか聞こえねえか?」

剣士「え?」

ゴゴゴゴゴゴゴ

戦士3「なんだ!? なんの音だ!?」

剣士「ま、まさか……」

ドーン

砂虫2「ギュチチ」
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/11(金) 19:19:05.96 ID:qxx/7UlDO
戦士4「んなっ!? なんでサンドワームが!?」

剣士「さ、さっき倒したはずなのに!」

戦士3「しかもこいつさっきのよりでかいぞ!」

ドーン

砂虫3「ギュウウウウウウン!」

戦士2「ま、また!?」

ドーン

砂虫4「ギュギュギュギュ!」

隊長「え、ええー……」

戦士1「60」
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/11(金) 19:21:14.97 ID:qxx/7UlDO
戦士4「で、でけえ……」

剣士「さっきのは幼体だった……?」

戦士3「関係ねえ! 何体でもぶっ飛ばしてやるぜ!」

戦士2「帰りてーよー……」

戦士4「来るぞ!」

砂虫3「ギュウウウウウウン!」グオオ

剣士「っ! ベイ……!?」

ズドーン

剣士「う、うう……」ドサッ

戦士4「さっきの技が通用しない!?」

戦士3「お、おらああああ!」ブンッ

ボスッ

砂虫2「ギュチ?」

戦士3「や、刃が通らねえ……」ビリビリ
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/11(金) 19:22:41.25 ID:qxx/7UlDO
剣士「……」

剣士「……?」

剣士「……っ!」ガバッ

剣士「み、皆さん大丈……」

戦士2「おげ、おげえええ」ゲボゲボ

戦士3「いでえええええ! おあああああああ!」

戦士1「あ、あが……」ピクピク

戦士4「ハァ……ハァ……」フラフラ
隊長「あ、あわわわ」

砂虫3「ギュウウウウ!」グオオ

ズドーン

隊長「う、うわああああ」ズザザ

剣士「……」ガクッ
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/11(金) 19:24:45.22 ID:qxx/7UlDO
戦士4「く、くそ! 奴ら楽しんでやがる……」フラフラ

戦士2「もう嫌だ、死にたい死にたくない死にたい死にたくない……」ガタガタ

戦士3「腕が! 腕があ!」バタバタ

剣士「……勇者さんの言った通りだ」

剣士「僕にはやっぱり無理だったんだ……」

砂虫2「ギュチチ」

剣士「……もういいや」

砂虫3「ギュ?」

剣士「?」

魔王「うわー、品のない魔物らやなー」
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/11(金) 20:35:13.33 ID:K50Ln+qIO
おつおつ
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/12(土) 11:23:26.73 ID:SEoF2CQDO
剣士「ま、魔王さん!?」

魔王「おぃっす!」

剣士「ど、どうしてここに!?」

剣士「……こっちに来ちゃダメです!」

魔王「え、うちそんなにうざかったん……?」ズーン

剣士「そ、そういうことじゃなくて……」

砂虫4「ギュギュギュ!」

魔王「ん?」

砂虫2「ギュウウウウウウ!」

魔王「なんやあんたら、ひょっとして威嚇してんの?」

剣士「こ、こいつらとんでもなく強いんです! 逃げてください!」

魔王「ふーん」
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/12(土) 11:25:26.00 ID:SEoF2CQDO
魔王「……」キョロキョロ

魔王「あんたや」ビシッ

砂虫4「ギュチ!?」ビクッ

魔王「あんたこん中で一番お兄さんやろ?」

砂虫4「……ギュギュ」ブンブン

魔王「え、ちゃうの? なんやあんた老け顔やなー」

砂虫3「ギュギュギュ」

魔王「あー、あんたかー。どっちかなーって思ったんやけどなー」

剣士(わ、分かるの?)
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/12(土) 11:27:11.53 ID:SEoF2CQDO
魔王「ほな改めて、あんた!」ビシッ

砂虫3「ギュチ」

魔王「こんなみっともない真似はやめや」

魔王「[ピーーー]んならさっさと殺しいや。殺さんのやったらこんな半端なことするんやない」

魔王「大体な! 最近の若い魔物みんなに言いたいねんけど、あんたら情けないねん! もっとしゃっきりしいや!」

剣士「あ、あの魔王さん……?」

戦士4「な、なんだあいつは……」

砂虫2「ぎゅ、ギュギュウウウウウウ!」

魔王「お!? なんややんのかこらあ!」
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/12(土) 11:30:41.30 ID:SEoF2CQDO
魔王「おらー! いてこましたろかボケー!」

砂虫4「ギュギュ!」グオオ

剣士「ま、魔王さん右!」

魔王「へ?」

砂虫4「ギュウウウウウン!」

ズドーン

剣士「ま、魔王さーん!」

砂虫4「……ギュ?」

ゴゴゴゴゴゴゴ

砂虫4「ギュチ!?」

魔王「せーの……」

魔王「どっこいショーン・コネリー!」

ブンッ

砂虫4「ギュチイイイイ!?」ポーン

戦士3「……」ポカーン

戦士4「さ、サンドワームを投げ飛ばした……」

剣士(掛け声がおっさん臭い……)
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/12(土) 11:31:30.06 ID:SEoF2CQDO
魔王「ほら次ぃ!」

砂虫2「ギュ……」

魔王「なんや、ビビっとんのか?」

魔王「そっちからけえへんのやったら……」

魔王「まほう」ピッ

魔王「最大閃熱呪文」バチバチ

砂虫2「ギュギュギュ!?」

ボンッ

砂虫2「ギュー!」ボー

砂虫2「ギギギギギギ」ドサッ

魔王「まっずそうな丸焼きやなー」
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/12(土) 11:32:49.17 ID:SEoF2CQDO
剣士「す、凄い……!」

魔王「残るはあんただけやな」

砂虫3「ギュウウウウウウ!」

魔王「まだやるん?」

砂虫3「ギュチ」キョロキョロ

砂虫4「……ギュチチ」ピクピク

砂虫2「」シーン

砂虫3「ギュギュ……」

魔王「降参するんか、殊勝な心がけやな」

ゴゴゴゴゴゴゴ

砂虫3「……ギュチ!?」

魔王「じ、地震や! 机の下に隠れな!」アセアセ

剣士「お、落ち着いてください魔王さん!ここに机はありません!」

剣士「ってこの音は……」

ゴゴゴゴゴゴゴ

ドーン

砂虫3「……ギュ!?」ブチッ

大砂虫「ギョオオオオオオ


剣士「で、でか……」ポカーン
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/12(土) 11:33:16.48 ID:SEoF2CQDO
 剣士は未だその全貌を把握できずにいた。
ただ民家よりも大きなサンドワームが潰された様を見て、漠然とその巨大さを感じるだけだ。
 一体誰がこんなものを討伐できると考えただろうか。少なくともこの討伐隊には一人としていなかった。
そもそも彼らが相手をしにきたのは、こんな異質ななにかではなかった。もっとシンプルな怪物を倒しにきただけだ。
 だがそんな思惑を余所にそれは活動を開始した。
大地が鳴る。その巨大な質量の挙動に風が舞い起こる。
 魔王を除いて、理解の範疇を超えたそれを正視出来るものはいなかった。
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/12(土) 11:34:02.08 ID:SEoF2CQDO
魔王「ひょおおおお!」

魔王「あんたむっちゃでかいなーごついなー」ムフー

剣士(て、テンション上がってる!)

大砂虫「ギョオオオオ」

魔王「うんうん、頑張りや!」ポンポン

剣士「な、なんて言ってるか分かるんですか?」

魔王「人間を滅ぼすゆーとる」

剣士「……ああ、なるほど」

剣士「……」

剣士「え!?」
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/12(土) 13:52:44.92 ID:TXnEqtbIO
きてた!
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/13(日) 16:39:35.86 ID:2PHcYY/DO
剣士「魔王さんはともかく、なんで僕らを襲わないんでしょうか……」

魔王「眼中にないんちゃうか?」

魔王「多分あんたらよりもっとええもん見つけたんやこいつは」

剣士「僕らより良いもの?」

魔王「オアシス、とかちゃうか?」

剣士「!?」

魔王「スケールでかいわー、男前やなあ」

剣士「と、止めないんですか!?」

魔王「?」

魔王「なんでや?」キョトン

剣士「え、だって……」

魔王「それをしにきたんはあんたらやろ?」

魔王「それにな、うちは馬鹿はぶっ飛ばすけど、こういう大馬鹿は大好きやし」

剣士「だ、だってあんなの魔王さんくらいしか止められないですよ!」

魔王「……」

魔王「あんたもう一人忘れてへん?」

剣士「え?」

魔王「最大馬鹿な人間がまだおるやん」ニヤ

魔王「というか……」

魔王「いつまで出番伺っとんねんボケエ!」
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/13(日) 16:44:43.00 ID:2PHcYY/DO
ザバッ

勇者「ぷはーっ!」

剣士「ち、地底人!?」ビクッ

魔王「そう、奴は砂の中からやってきた。地底人間スナーン……」

勇者「ちゃうわ!」ビシッ

剣士「あ、あはは……」

剣士「……あの」

剣士「勇者さん、すいませんでした……」

勇者「あ?」

剣士「勇者さんの忠告も聞かずに飛び出して、結局この様です」

剣士「笑いたかったら笑ってください……」シリアス

勇者「……」

魔王「……」

勇者「……っ」プルプル

魔王「…………ブフッ」

勇者「! ウハハハハハ!」バンバン

魔王「ちょっ! あかん、わろたらあかんて! ヒーヒー!」バンバン

剣士「……」ポカーン
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/13(日) 16:46:26.41 ID:2PHcYY/DO
魔王「あーお腹むっちゃ痛かった」サスサス

勇者「お前笑うなやほんま、釣られてまうやん」

魔王「あんたかて元から笑いそうやったやん」

剣士「……う゛ー」

勇者「ほんまごめんて」

剣士「ほんとに笑うことないじゃないですか!」

魔王「うちああいう空気あかんねん」

勇者「俺も、なんか堪えられへんよな」

剣士「……う゛ー」
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/13(日) 21:38:29.70 ID:2PHcYY/DO
勇者「んで、」

勇者「困ってる人を助けたかったんやっけ?」

剣士「……はい」

勇者「やったらええやんか」

勇者「人助けは人にどうこう言われてやるやらない決めるもんちゃうし」

剣士「でも……やっぱり僕には無理でした……」

勇者「……」ピクッ

剣士「自分の力量も考えずに、理想だけ立派で、」

剣士「あはは、本当なにやってんでしょうね僕」

剣士「はは……」

勇者「……」

剣士「……僕は」グッ

剣士「みんなを守れるくらいに強くなりたい……!」ポロポロ

勇者「自分には無理」

勇者「力さえあれば」

剣士「え?」

勇者「ええこと教えたろか?」

勇者「そうやって理由つけて、」

勇者「ここで意地を通さん奴をな」

勇者「腰抜けって言うんや」
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/13(日) 21:40:49.80 ID:2PHcYY/DO
剣士「でも……」

勇者「でもでもでもでもやかましいんじゃ!」

勇者「でももクソもないわ!」

勇者「普通今のでやる気になるやろ! ほんまに金玉ついとんのかボケ!」

剣士「きん……!?」カアア

魔王「うわっ……」

勇者「やるんやったらとことんやらんかい! 半端なことはすんなや!」

剣士「……はい!」

勇者「……」ジッ

勇者「よっしゃちょっとだけ男前な顔になったわ」ポンッ

剣士「お、男前……」
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/14(月) 03:10:33.83 ID:o5FJ5WNDO
乙!
最初のみたいなやつでもなんでもいいから区切りは欲しいな
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/05/14(月) 03:15:50.40 ID:j3EmKkQTo
楽しみにしてる
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/14(月) 08:20:03.68 ID:wjbFFe86o
この剣士は女だな
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/14(月) 20:16:14.04 ID:3O6IVUbDO
>>94
すいません、了解しました

投下します
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/14(月) 20:18:04.91 ID:3O6IVUbDO
魔王「優しいやん?」ニヤニヤ

勇者「だあほ、俺はただウジウジしとる奴が気にくわへんだけや」

魔王「素直ちゃうなこのこの」ツンツン

勇者「……」イラッ

剣士(な、仲間に向ける目付きじゃない!)

勇者「……」

勇者「……!」ハッ

魔王「どしたん?」

勇者「そういえば、剣士君もっと謝らなあかんことないか?」

剣士「もっと謝ること?」

剣士「……?」

勇者「宿代踏み倒したやん!」

剣士「え」
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/14(月) 20:25:42.99 ID:3O6IVUbDO
剣士「い、今ですか!?」

剣士「確かに謝らなきゃいけないことですけど!」

勇者「俺は金銭関係はクリアでいたいねん」

勇者「金の切れ目は縁の切れ目って言うやろ」

魔王「もー、そんなケチケチしなやー」

勇者「お前もや!」ビシッ

魔王「普通、情事の時は男が出すやん?」

勇者「誰が、いつ、どこでお前と枕を共にしたんや!」

勇者「……してへんよな?」

魔王「もー、うちの口から言わせんといてよ……」ポッ

剣士「え、えっ!?」カアア
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/14(月) 20:27:10.41 ID:3O6IVUbDO
剣士「ま、待ってください!」

剣士「今ちょっと持ち合わせが……」

勇者「ええこと教えたるわ」

勇者「借りたもん返さへんのを泥棒って言うんやで」

勇者「しのごの言わずに、臓器でもなんでも捌いて金作らんかい!」

剣士(こ、この人たちが悪い……!)

魔王「なーなー」

剣士「はい?」

魔王「おいくら?」

剣士「売りません!」

剣士「こ、この討伐が終わったら報酬金が出ることになってます!」

剣士「お金を受理したら必ず返しますから!」

魔王「ボランティアやったんちゃうの?」

剣士「いえ一応国からの公募でして、仕事扱いになってます」

勇者「そうか、有償なんか……」
勇者「……」ニヤリ

魔王「あ、悪いこと考えとる」
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/14(月) 20:28:56.66 ID:3O6IVUbDO
剣士(……話題を変えよう)」

剣士「話変わっちゃいますけど、さっきまでずっと砂の中に隠れてたんですか?」

勇者「そうや、登場のタイミング伺っててん」

剣士「……いつからですか?」

勇者「こいつが虫投げたとこあたりかな」

魔王「あんた、ほんま細かいとここだわるよなあ」

勇者「当たり前や、お前が先に戦い始めてから行っても」

勇者「あ、どもどもー、みたいな感じになるやろ!」

剣士(ならない気がするけど)

剣士「というか結局登場の仕方格好悪い!」ガーン

魔王「剣士ちゃん声に出てもうてるで」
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/14(月) 20:43:54.81 ID:3O6IVUbDO
勇者「……」

魔王「落ち込みなや」ヨシヨシ

剣士「そ、そんなことより!」

勇者(自分から振ったのに!?)
剣士「あの大きなサンドワームをどうにかしないと!」

剣士「あっちの方角にはオアシスが!」

魔王「……くふ」

剣士「わ、笑ってる場合じゃないですよ!」

魔王「いや、だって」

魔王「あんたさっきまで絶望しきっとったやん」

魔王「すっかり勇敢になったんやなーって」ニヤニヤ

剣士「あ」

剣士(勇者さんと魔王さんが来てからだ……)

剣士(もしかして、二人がとぼけてたのも僕のために……?)

魔王「?」

勇者「……」ウジウジ

剣士「……そんなわけないか」
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/14(月) 20:46:54.36 ID:3O6IVUbDO
魔王「さっきも言ったけど、うちはなんも手出しせえへんで」

剣士「……分かってます」

剣士「でも、やれるだけやってみたいと思います!」

魔王「そか、頑張りや」ニコ

剣士「はい!」

剣士「勇者さん!」

勇者「……」

剣士「僕とことんやってみます!」

勇者「……」

勇者「俺かてもっとかっこいい登場が良かったわ……」

魔王「あんたはよー頑張ったよ」ナデナデ

剣士(しつこいなこの人……)


104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/14(月) 20:51:09.70 ID:3O6IVUbDO
今回はここまでです


次回もこのスレにチャンネル・セット!
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/15(火) 13:29:19.53 ID:52ccwImDO
乙!
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/05/15(火) 20:52:05.72 ID:HR1wUfYPo
おつ
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/15(火) 22:20:57.38 ID:iXiEcHKIO
おー、テンション保ってるやん?
乙乙、無理なペースにせんでえーから最後まで持ってってなー。楽しみにしてんでー
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/15(火) 22:23:32.87 ID:iXiEcHKIO
あー、せや。
sageだけやのーて、sage saga、さげすぺーすさが、にしといてやー。[ピー]はよみにくいさけなー
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2012/05/15(火) 23:09:53.85 ID:P+b857pDO
実はsagaってなんなのか知りませんでした、教えてくださってありがとうございます

すいません、明日からは多分毎日投下ができなくなります
最低でも週一くらいは投下するようにしますので、今後ともよろしくお願いします
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2012/05/15(火) 23:14:37.50 ID:P+b857pDO
大砂虫「ギョオオオオオオ」ズズズ

剣士「あ、改めて見るとやっぱりでかいな……」

剣士「こんなの止められるのかな……?」

剣士「よ、弱気になっちゃだめだ!」パンパン

剣士「僕にできることをやろう!」

剣士「僕にできること……僕にできること……」ブツブツ

剣士(そういえばこいつら目がないのにどうやって目標を定めてるのかな)

剣士(目が見えなくても相手の位置を知る方法……)

剣士「……考えろ」ブツブツ

剣士(四六時中砂漠の炎天下に曝されて平気な生き物なんかいるわけない)

剣士(こんな巨体じゃ隠れられる日陰なんかないだろうな)

剣士(多分こいつらは地底を住家としている、だから地底から出てきたんだ)

剣士(……わざわざ地上に顔を出した理由)

剣士「……考えろ」ブツブツ

剣士(砂中からでは相手の正確な位置を掴めない? 地上に出て相手の位置を探っている?)

剣士「音か……?」

剣士(だとしたら、体当たりを直撃させてこない、させられないのも、)

剣士(一見遊んでるように見えたあの執拗な攻撃も)

剣士(正確な位置を割り出すためにやっていた?)

剣士(音で大雑把な位置を把握して、少しずつ狙いを定める)

剣士「こんないかつい外見の割には細かい性格してるのかな……」
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/15(火) 23:17:19.39 ID:P+b857pDO
剣士「きっとオアシスの賑わいは静かな砂漠で目立つんだ……」

剣士(こいつの進行を止める、オアシスに行かせない方法……)

剣士「……!」ピコーン

剣士「スウウウ」

剣士「勇者さん! なんとか時間稼ぎをしてみます!

剣士「その間に勇者さんはオアシスのみんなに避難するように言ってください!」

剣士「あとは任せました!」バッ


勇者「あいつなんてゆーてた?」

魔王「さあー? よー聞かへんかったわ」
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/15(火) 23:21:30.68 ID:P+b857pDO
勇者「なんやねんあいつ」

魔王「行ってまいよった」

勇者「……さてと」

勇者「ほなそろそろビジネスしよか」ザッ

魔王「びじねす?」

隊長「う、ううーん……」

勇者「おっさん起きや、こんなとこで寝とったら風邪ひくで」ゲシッ

隊長「……痛っ!?」

隊長「な、なんだね君は!?」

勇者「ええ話があんねんけどな」ニマー

魔王「うわっ、むっちゃ悪い笑顔」

勇者「魔王に言われたないわ!」

戦士2「俺らマジ空気だな」

戦士4「うん」
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/15(火) 23:23:04.25 ID:P+b857pDO
 剣士は巨大な影にいた。日を背にして突き進むサンドワームの影は、剣士が何百人いても余裕がありそうなほど広かった。

剣士「やっぱり僕のことは眼中、もとい耳中になしか」

 常識的に考えて、剣士が止められる質量ではない。この巨体には山でさえ押しのけてしまえそうな力強さがあった。
当然進路上にいる人間など虫けらのように引き潰してしまうだろう。
 剣士は悪い考えを振り払うように頭を振った。
こんなことを考えている場合じゃない。時間だって無限ではないのだ。
手順の最終確認。できるかどうかは分からない。失敗してもしなくても死ぬかもしれない。でもやるしかない。
 剣士は身を翻した。必然、サンドワームに背を向ける形となる。ビリビリと背中に届く圧迫感。
剣を下段に構える。足に力を溜める。
 徐々に足元の砂が、飲み込まれていくのを感じる。規格外の怪物が近付いてくるのを感じる。
 怪物との距離が剣士の動ける限界に達した時、剣士が動いた。
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/15(火) 23:28:52.10 ID:P+b857pDO
剣士「かまいたちとベイゴマ改め……」

剣士「カンキセン!」ブンッ

 脚の筋肉が目一杯地面を蹴って、剣士が高速で回転する。それに呼応するように風が引き寄せられ渦を作る。
 最初は小さなつむじだったそれは次第に範囲を広げていく。そしてついに、サンドワームすら囲うような風の流れを生み出した。
 所詮はそれだけの技だ。剣士の実力では攻撃はおろか、風で動きを妨げることすらできない。
 だがそれだけで十分だった。
 サンドワームは動きを止めた。もちろん、風に阻まれたわけでも剣士に脅威を感じたわけでもない。
むしろその逆だった。巨大すぎるその体は、剣士が生み出す微弱な風に気を留めるには強すぎる。
 しかし音は違う。剣士を中心に渦巻く風は、音を巻き込むには十分な勢いだった。

剣士(人間が風景の回転に目を回すのと同じく、)

剣士(耳に頼るサンドワームは音の回転に意識を撹乱されてしまうはず!)

剣士(理由が分からないとなれば尚更だ!)

 目標から聞こえていた音が突然360度、全方位から聞こえてくる。しかもサンドワームには理由が分からない。
指針も確信も失ってしまったサンドワームは、進行を止めざるを得なかった。
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/15(火) 23:30:31.62 ID:P+b857pDO
今日はここまでです

スペース・ランナウェイ!
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/05/16(水) 01:23:46.18 ID:ph+DI5gLo
イデオンかいっ()

つか、モデルはドウモウかよ
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/18(金) 23:15:10.44 ID:JOe0n5EDO
>>116
イデオンは正解なんですが、
すいません、ドウモウはモデルじゃないです……
というか劇場版しか見てないんですが、劇場版にドウモウって出てましたっけ?
もっとRPGにいるような奴イメージしてます

投下します
最近展開がグダグダしてるのでこの辺そろそろ締めたいと思います
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/18(金) 23:16:29.54 ID:JOe0n5EDO
大砂虫「ギョオオン……」

剣士(や、やった! 効いてる!)

剣士「……あらら?」フラッ

剣士「ぼ、僕も目を回すってこと忘れてた……」フラフラ

ドサッ

大砂虫「ギョオオオ……」

剣士(風はまだ流れてるけど、きっと長くはもたない)

剣士(風が止む前になんとか立ち上がらないと……!)グッ

剣士「うぷっ」

大砂虫「ギョワ……」

剣士(なんだか)

剣士(両者情けない……)
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/18(金) 23:17:33.77 ID:JOe0n5EDO
剣士「……つっ」

剣士(もう腕がパンパンだ、酔いも治まってない……)

大砂虫「コオオオ……」

剣士「?」

大砂虫「ギョオオオオオオオ!」

剣士「……っ!」ビリビリ

剣士(こ、怖い!)

剣士(こいつからしたらただの悪態なんだろうけど……)

剣士「……」

剣士(僕こんなんでよく人助けしようなんて考えたな……)

剣士(勇者さんの言った通りアホだな)クスッ

剣士(勇者さんの言ったこと……)

大砂虫「ギョオオオオオオオ!」
剣士「……」ビリビリ

剣士「……勇者さん、魔王さん。僕もう少し頑張ってみます」グッ
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/18(金) 23:18:25.49 ID:JOe0n5EDO
剣士「よし!」パンパン

剣士「……いけるかな?」ギュッギュッ

剣士「いける……気がする!」

大砂虫「ギョゴゴ」ズズズ

剣士「う、動き出した!」

剣士(もう時間がない、やるしかないんだ!)

剣士「カンキセン!」ブンッ

ブワッ

ビキッ

剣士「っ!?」

剣士「ツッタアアアアアア」ゴロゴロ

大砂虫「ギョワ……?」ピタッ
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/18(金) 23:19:27.77 ID:JOe0n5EDO
剣士「ふぐううう!」ゴロゴロ

大砂虫「……」シーン

剣士「い、一応成功したのかな……?」

大砂虫「ギョゴゴ! ギョワ!」

大砂虫「ギョオオオオオオ!」グオングオン

剣士「!?」

ドゴーン

ドゴーン

剣士「わ、わわわ」ヨロヨロ

剣士「なんで突然暴れだして……」

剣士「八つ当たり……?」

剣士「なんにせよ危なすぎる……一旦離れよう」ヨロヨロ

大砂虫「ギョゴオオオオオオ!」グオングオン

剣士「あ」

ドグシャ
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/18(金) 23:23:40.54 ID:JOe0n5EDO
剣士「……!」

剣士「……」

剣士「……あれ?」チラッ

勇者「おいっす」

剣士「ゆ、勇者さん!? どうしてここに!?」

剣士「サンドワームは!?」

魔王「あ・れ・は」

剣士「!?」ビクッ

勇者「なんなんじゃ、なんじゃ、なんじゃ」

魔王「にんにんじゃ、にんじゃ、にんじゃ」

勇者「快傑ライオン丸参上!」

剣士「最後違うの混じった!」

123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/18(金) 23:26:26.36 ID:JOe0n5EDO
今日はここまでです

疾風に乗って流れます。ジロン・アモスは何処へ行く
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/19(土) 15:24:36.27 ID:jdVDTeUIO
ここんとこボケニウムとツッコミ成分が不足気味で、なんか身体がダルい
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/20(日) 12:16:01.07 ID:KrPUR15DO
勇者「どや」ドヤァ

剣士「なにがですか」イラッ

勇者「かっこええやろ?」

魔王「うちはちょっと古いんちゃうかってゆーたんやけどな」

勇者「お前最近守りに入っとんな」

魔王「脱ぎます!」バッ

勇者「お前は新人芸人か!」

剣士「というか」

剣士「なんで僕のこと肩車してるんですか!?」

勇者「お、おお……やっと突っ込んだな」

魔王「ウケ狙いや」

勇者「み、身も蓋も無い言い方しなや!」ビクゥ

剣士(図星だ……)
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/20(日) 12:20:26.50 ID:KrPUR15DO
剣士「あ、遊んでる場合じゃないですよ!」

剣士「サンドワームがこうしてる間にもオアシスに迫ってるのに!」

大砂虫「ギョオオオオオオ!」

ドゴーン

ドゴーン

魔王「むっちゃ道草食っとるで」

剣士「それはそうですけど……」

勇者「ツッタアアアアアア」

剣士「え!?」ビクッ

勇者「ふぐううううう!」ゴロゴロ

勇者「あ」ポカーン

勇者「ゴシャ」

魔王「ブフッ」

勇者「うひゃひゃひゃひゃ!」

剣士(うざ……)イラッ
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/20(日) 12:21:40.96 ID:KrPUR15DO
剣士「……」

勇者「悪かったって」

魔王「剣士ちゃんむっちゃ頑張ってたわ! 大したもんやな!」

勇者「そーそー! やるやん!」

剣士「……」

勇者「おい、むっちゃ怒ってるで」ヒソヒソ

魔王「あんたがやりすぎなんや」ヒソヒソ

勇者「お前かて笑っとったやん!」ヒソヒソ

魔王「うちのはちょっと呼吸変になっただけや」ヒソヒソ

勇者「お前言い訳する気ないやろ!」ヒソヒソ

剣士「……」

剣士「……うう」ポロポロ

勇者魔王「「!?」」
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/20(日) 12:23:18.63 ID:KrPUR15DO
勇者「……」

魔王「……」

魔王「……あーあ、あんた剣士ちゃん泣かしてまいよった!」

魔王「先生にゆーたろ!」

勇者「せせこましい!」

剣士「……う、うう」ポロポロ

魔王「大丈夫かー? あいつほんまに酷い男やねー」ナデナデ

勇者「こ、こいつこのまま押し通す気か……」

剣士「魔王さん……」ガシッ

魔王「んなあ!?」ビクッ

剣士「……グスッ」ギュウゥ

魔王「あ、あかんて剣士ちゃん! うちそんなに安い女ちゃうよ!」アセアセ

勇者「お前最近下ネタ多ない?」

魔王「あ、やっぱり?」
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/20(日) 12:24:50.93 ID:KrPUR15DO
魔王「落ちついた?」

剣士「……すいません」

剣士「なんだか緊張の糸が解けちゃって……」

勇者「ま、その。なんや?」

剣士「……」ズズ

勇者「よー頑張った」ポン

剣士「……勇者さん」

勇者「後は任せとき」

勇者「お前のこと泣かしたやつはきちんとぶっ飛ばしてきたる」

魔王「ちゃっかり責任転嫁しとるし」

勇者「ほな行ってくるわ」

魔王「流石にこの話グダグダ引っ張り過ぎとるからな」

勇者「メタ発言やめんかい!」
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/20(日) 12:25:54.80 ID:KrPUR15DO
剣士「……勇者さん大丈夫でしょうか?」

魔王「まー平気なんちゃう?」

剣士「……でも丸腰ですよあの人」

剣士「勇者さんも魔法使いなんですか?」

魔王「あー」

魔王「まあ見ててみ、職業勇者は伊達ちゃうから」

剣士「はい」

剣士「……職業勇者?」
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/20(日) 12:27:14.80 ID:KrPUR15DO
剣士「あ、あれ!?」

剣士「い、いつの間にか勇者さんあんなに近づいてますよ!?」

魔王「あー、あいつ忍者的なとこあるからなー」

剣士「職業勇者なのに!?」

剣士「あれ」

剣士「勇者さん光ってますよ」

剣士「なんか出した」

魔王「光魔法ってやつや」

魔王「そしてあれはチンピラのファイナルウェポン、金属バットや」

魔王「魔法剣キラキラみたいなもんやな」

剣士「剣ですらない!」ガーン
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/20(日) 12:28:30.97 ID:KrPUR15DO
剣士「勇者さんが持つといやにしっくりきますね」

魔王「やるでやるで……」

剣士「え、まさか……」

ゴスッ

魔王「やった!」

ゴスッゴスッゴスッ

ギョオオオオオオオオ

剣士「た、ただひたすらに殴りつけてる!」

魔王「うわっ、えぐー」

剣士「……」

魔王「そこや! うわっ! よしっ!」

ギョオオオオオ……

剣士「……倒した」

魔王「あいつがあれ持つと怖いわ」

魔王「今に親父狩り始めるで」

剣士「……ありえますね」

魔王「……ありうるな」

勇者「ありえへんわ!」ドロン
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/20(日) 12:29:40.94 ID:KrPUR15DO
剣士「あ、あわわわわ」ガクガク

魔王「か、狩らんといて!」ブルブル

勇者「どういう目で俺のこと見てんねん……」

魔王「エロい目」

勇者「普通逆やろ!」

魔王「……」ジーッ

勇者「な、なんや」

勇者「……ん?」

魔王「クスッ」

勇者「今どこ見てわろたんじゃこらあ!」

剣士「ひっ」サッ

勇者「なんでお前も一緒になって見とんねん!」
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/20(日) 12:31:01.12 ID:KrPUR15DO
隊長「えー、あのー……」

勇者「なんや!?」

隊長「え、ええっ……」

戦士1「61、62」

勇者「お前はいつまでツッコミ待ちしとんねん!」

戦士1「!」パアア

勇者「嬉しそうな顔すな!」

剣士「ツッコミ待ちだったんだ……」

隊長「あ、あなた方はただ者ではないのでしょう……?」

隊長「もしや勇者様なのでは……?」

勇者「あー……まあ、なんや」

魔王「なあに、ただの魔王と愉快な従者や」

隊長「ま、魔王……?」

剣士「……」

勇者「こいつちょっと頭おかしいんですわ」ゴスッ

魔王「うち今ので頭おかしなった気がする」プシュー
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/20(日) 12:33:12.21 ID:KrPUR15DO
隊長「それでですね」

隊長「勇者様を是非とも我が国に御招待したいと思いまして」

隊長「女王陛下の予言では、勇者様が近々砂漠に現れる」

隊長「もし、勇者様を見つけたらお城にお呼びするように言われてまして……」

隊長「もちろん今回の謝礼金もそこでお渡しします」

勇者「……」

魔王「いかへんのか?」

勇者「俺は勇者ちゃうかもしれへんで?」

隊長「いえ、その点は大丈夫です。予言で勇者様の特徴も知っていますから」

勇者「そ、そんなにばっちし分かるんか!?」

隊長「勇者は十代から三十代、もしくは四十代から五十代の男、又は女である」

勇者「ストライクゾーン広ーっ!」ズコー

魔王「図太い神経した予言やな……」
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/05/20(日) 12:34:27.44 ID:KrPUR15DO
勇者「まあええ、会ったるわその女に」

剣士(う、上から!?)

魔王「ほなそういうこっちゃ、案内し」

魔王「こいつ待たすと怖いで、狩られるで」

勇者「狩らへんわ!」ビシッ

隊長「は、ははは、えー。それじゃあ戻りましょうか」

魔王「れっつごー!」

ザッザッザッ

剣士「あ……」

剣士(そうか、僕はもうお二人とは関係ないんだった……)

剣士(少しの間だったけど賑やかで楽しかったな……)

剣士「勇者さん、魔王さん。さようなら……」トボトボ

魔王「ん?」

魔王「なにしとんねん剣士ちゃん」

剣士「え?」

勇者「もたもたしなや。行くでガイドさん」

剣士「……!」

剣士「もう! 僕はガイドじゃないです!」タッタッタッ
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/20(日) 12:46:56.69 ID:KrPUR15DO
?「まさかあんなにあっさり砂漠の主を倒すとは」

?「勇者と魔王、か……」

?「ククク」


魔王「なー、なんかこっち見とんであいつ」

勇者「ほっとき、後で向こうからこっちきよるわ」

魔王「なんで分かるんや」

勇者「勇者を見つめる謎の影がとる行動なんてそれくらいしかないわ」

魔王「ああ、殺人事件が起こるんやな」

勇者「それ探偵ものになってもうてるやん!」

魔王「犯人はうち!」

勇者「お前なんかい!」ビシッ
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/20(日) 12:51:43.50 ID:KrPUR15DO
 痛みを知らない子供が嫌い。心を失くした大人が嫌い。優しい漫画が好き。バイバイ
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2012/05/20(日) 13:03:39.06 ID:B3UVbWEAO
>>138
久しぶりに聞いたわ、そのフレーズ

電波な人だったなぁ
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/20(日) 14:31:59.41 ID:i38mbyjGo
ロケットでつきぬけろ!
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/20(日) 14:34:39.20 ID:ji4+pfOIO
今度は戦闘メカ ザブングルだと(´Д` )
なつかしいな、おい
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/20(日) 14:41:39.82 ID:ji4+pfOIO
>>139
冨樫のアシやってた松井だっけ
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/08(日) 01:10:19.15 ID:qsbsIj9GP
続きまだー
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/07/08(日) 21:07:08.69 ID:8sjazTtOo
どうみても、もうエタってんだろ、このスレ。
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/07/20(金) 15:23:17.19 ID:Vxx0o5//o
まだー?
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