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続・ほむら「ボクらの太陽……?」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/10(木) 00:26:27.76 ID:MjAfNlSC0


GBAソフト「ボクらの太陽」シリーズとまどか☆マギカのクロスSS


ほむら「ボクらの太陽……?」の続編
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1333384821/


※注意事項

  

  前作を読んでいなくても物語に関しては問題ありません
  

  ボクらの太陽シリーズの用語解説はWikiに載せておきました


  周回ボーナスは主人公の記憶持ち越し(アイテム、武器は引き継ぎナシ)


  難易度は相変わらずベリーハード、場面によってはナイトメアかも




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1336577187(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)
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旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713353246/

木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1713351945/

いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713279251/

【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713277692/

こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713183168/

【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/

アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713089503/

エルヴィン「ボーナスを支給する!」 @ 2024/04/14(日) 11:41:07.59 ID:o/ZidldvO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713062467/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2012/05/10(木) 00:30:30.30 ID:COTaFc6Ro
来たか
期待
3 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/10(木) 00:30:53.90 ID:MjAfNlSC0
      

     5人目か…やるな、太陽少年


                                      さあ、始めようではないか!血の舞踏をな!!

                           助けて……


        実は、お願いがあって君を呼んだの



                          『君にはたった1人で』



                              そうだよ。とっても大切な友達
 
 待ってるよ、ジャンゴ君…
                    

                                     大丈夫。ウチに任しとき、スパイダー1匹入らせん
 

               いつも心に太陽を!ですわ


4 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/10(木) 00:34:14.34 ID:MjAfNlSC0
  

                                       暁美ほむらです……よろしくお願いします
              

 潜入任務(スニーキングミッション)の基本は現地調達だぞ、ジャンゴ


                                      私を助けに? 信じられないわね 


            まぁ、深くは聞かないでおいてあげるわ



                          『辛く、厳しい戦いを』



                                     あのね…夕べあの子と夢の中で会った………ような?

      だから…僕はキュゥべえ、〔魔法少女達を導く者〕さ

                  
                私の切り札

                           それより、その有様はなんだ?マミのリボンの様だが


5 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/10(木) 00:36:51.05 ID:MjAfNlSC0


         しっかりしろ!ジャンゴ!!

                                                まさに〔破壊の獣〕だよ

                   全く、お前という奴は…とんだお人好しだ


 だから、絶対に契約なんかさせない



                    『生き抜かなきゃならないときが来るかもしれない』



                                       ほ、本当だ。ダンボールを覗き込で吹っ飛んだんだ

              必ず護るよ。だから安心してついてきて

                                        あんたみたいな奴がいるからマミさんはッ!
                              
   そんな奴は殺しちゃう以外にないよね!

                        私は冷静な人の味方で、無駄な争いをするバカの敵


6 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/10(木) 00:39:34.92 ID:MjAfNlSC0
     

                                               愚か者が相手なら私は手段を選ばない

             あんたらもあの転校生とグルで、マミさんを嵌めたんだ!

PErsonal Terminal(パーソナルターミナル)……携帯情報端末だ

                  
                                     ちぇ、分かったよ。あたしは杏子、よろしくな

           待て!彼女と争ってはいけない!!



                     『でも、君にならきっと乗り越えられはず』
 


                                               こいつ死んでるじゃねぇかよ

                  君達の魂を抜きとってソウルジェムに変えることなのさ


  これは人間……いや全ての生命に対する冒涜だぞ!!

                                      そいつに何を言ってもムダよ
 

7 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/10(木) 00:42:10.25 ID:MjAfNlSC0


                 ちゃんとグリーフシードも落とすだろ。無駄な狩りじゃないよ

                                           あげるよ、そいつが目当てなんでしょう?

 ……彼女はソウルジェムに穢れを溜めこみすぎた


                                  もしそれが本当だとしたら、魔法少女の運命とは……
 
                さやかちゃん……昨日から帰ってきてないって



                            『なぜなら…』



   ほむらの奴がさやかを殺そうとしやがった

                        いい加減にしてよ!!

                                わたし達はどこかで……どこかで会ったことがあるの?わたしと……
                           
       盗み聞きとは……いい趣味をしているわね


8 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/10(木) 00:44:59.50 ID:MjAfNlSC0
       

          ねぇ、ソウルジェムは?さやかちゃんはどうしたの!?


                                    私達はグリーフシードとなり、魔女として生まれ変わる


 だって、あいつはさやかの親友なんだぞ!!


                            〔どうすべきか〕ではなく、〔どうしたいか〕を考えるんだ



                      『その胸に太陽を宿しているのだから』

  

                                              ほむらちゃんも手伝ってくれないかな…

本当に覚悟は良いんだね

              
                              ねぇ聞こえる?わたしの声が分かる?

              ジャンゴ!応援だ!!


9 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/10(木) 00:48:22.33 ID:MjAfNlSC0
                     

                        こんな人生だったんだ、せめて最後くらい幸せな夢を見させてよ


          あいつだって……1人ぼっちは寂しいもんな



                                                ……勝手にしなさい

    お前が希望を失えば、後の2人の希望も潰えてしまう



                      『いつか約束を果たしてまた会いに来る』



                        約束なんか破って逃げてしまえばいいのに、なぜ戦おうとするの


          ボクらの太陽……?

                                    ふ〜ん、銀河意志ダークか……なかなか興味深い話だったよ

 やり直せない私には…あいつに勝てる望みなんか残されてないのよ!!


10 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/10(木) 00:50:49.70 ID:MjAfNlSC0


だが、たとえわずかでも希望があるなら……我々は戦いをやめるわけにはいかない


                           〔明日もまた日は昇る〕そうだろう?ジャンゴ


                                           火力の集中投下でケリをつけるぞ、いいな?
 

        わたし…やっとわかったの、叶えたい願い事を見つけたの

  
                  
                         『その時まで、どうか……』

  

  相棒はどうしたんだい?姿が見えないけど


                             分かったよ……ジャンゴ君
 
                                                 私の生きるっていうことだから

         だから…もし聞き届けてくれるなら、そのカードで彼女を救って


11 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/10(木) 00:53:07.95 ID:MjAfNlSC0















                        『太陽と共にあらんことを!』















12 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/10(木) 00:55:12.07 ID:MjAfNlSC0














                      続・ほむら「ボクらの太陽……?」

                          運命に抗いし者達














13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/05/10(木) 00:57:11.05 ID:MjAfNlSC0
ここから本当の戦いだ


 『う〜む。しかし……お前の望む結末を迎えるのは難しいぞ』


次回:「強くてニューゲーム」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/10(木) 01:01:24.60 ID:95+all4DO
待ってた
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/10(木) 01:06:18.16 ID:rjdBesJSo
待ってまし乙!
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/10(木) 01:21:11.21 ID:/UgbDWdh0
抗え、最後まで。
乙!
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/10(木) 07:09:38.04 ID:dyB6IcCIO
待ってましたッ!
18 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/11(金) 00:08:19.28 ID:BzkKa6vB0



続・第1章 「強くてニューゲーム」



19 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/11(金) 00:10:22.23 ID:BzkKa6vB0


おてんこ「それではまるで〔強くてニューゲーム〕だな」



それがジャンゴの話を聞いたおてんこの感想だった。



ジャンゴ「?」


おてんこ「い、いや…忘れてくれ」



おてんこはジャンゴの理解していない様子を見て、慌ててはぐらかす。



おてんこ「それにしても……お前の話によると」

おてんこ「この世界には〔アンデット〕も〔闇の一族(イモータル)〕も存在しない」

おてんこ「だが、その代わりに〔魔女〕と〔魔法少女〕なるものがいる」

おてんこ「なんとも信じがたい内容だな」


ジャンゴ「…っ」


おてんこ「まぁ……他でもないお前がそこまで言うんだ」

おてんこ「信じよう」


ジャンゴ「ありがとう、おてんこさま」


20 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/11(金) 00:11:54.05 ID:BzkKa6vB0


おてんこ「う〜む。しかし……お前の望む結末を迎えるのは難しいぞ」

おてんこ「条件は自体は、〔鹿目まどか〕を契約させずに〔ワルプルギスの夜〕を倒す、という単純なものだが……」

おてんこ「強いんだろう? そのワルプルギスの夜とやらは」


ジャンゴ「・・・」


おてんこ「その反応は……図星だな」

おてんこ「それで、どれ程のモノだったんだ?」


ジャンゴ「…」



ジャンゴは思い出した範囲で最後の戦いについて話す。


21 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/11(金) 00:13:50.29 ID:BzkKa6vB0


おてんこ「絶対存在(エターナル)……」

おてんこ「確かに厄介な相手だな」

おてんこ「しかし、お前は奴がそうなった場面を覚えていないのだろ?」


ジャンゴ「…」コクリ


おてんこ「なら、それが本当かどうかも怪しいな」

おてんこ「ただ……お前と暁美ほむら〕という人物では勝てなかったのは間違いない」

おてんこ「戦力を増やすしかないか…」

おてんこ「〔巴マミ〕に〔美樹さやか〕、そして〔佐倉杏子〕、彼女達に協力を仰ぐことはできそうなのか?」


ジャンゴ「…」



おてんこに彼女達の人間関係、取り巻く境遇を説明する。


22 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/11(金) 00:17:02.41 ID:BzkKa6vB0


おてんこ「うむ………」

おてんこ「タダでさえ拗れているのに、魔法少女のシステムが余計に問題をややこしくしているな」

おてんこ「まあ……開発者がそうなるように仕組んでいるなら、よくできたシステムと言うべきか」



ジャンゴ「・・・」


おてんこ「ぼやいても何も始まらないか……」

おてんこ「ジャンゴ、最初から彼女達にすべてを話すというのはどうだ?」


ジャンゴ「・・・」


おてんこ「その様子だと……ムリそうだな」

おてんこ「なら、1人ずつ対策を練るしかあるまい」


ジャンゴ「…」コクリ


23 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/11(金) 00:20:36.39 ID:BzkKa6vB0


おてんこ「まず、〔佐倉杏子〕はお前の話を聞く限りは……別段気に掛けることもないだろう」

おてんこ「それでも、万が一の場合に備える必要はあるがな」


ジャンゴ「…」


おてんこ「次に、〔巴マミ〕についてだ」

おてんこ「おそらく、彼女の協力を得るのは簡単だ」

おてんこ「だが……彼女は魔法少女の真実を知らないまま逝った」

おてんこ「状況次第では敵対する可能性もある」

おてんこ「最も…その段階まで生き残ってもらわないと話にならない」

おてんこ「彼女がいつ、どこでやられたのか覚えているか?」


ジャンゴ「…」フルフル


おてんこ「そうか…まあ、我々が見張っていればいいだけの話だ」


ジャンゴ「・・・」


24 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/11(金) 00:24:00.57 ID:BzkKa6vB0


おてんこ「最後は……問題の〔美樹さやか〕だな」

おてんこ「お前が言った通りなら」

おてんこ「彼女は人間関係が拗れた原因。つまり、魔法少女システムの一番の被害者だ」

おてんこ「そうであるなら、魔法少女になった彼女を救うことは難しいだろう」

おてんこ「現にお前も一度失敗している」


ジャンゴ「・・・」


おてんこ「となると、残された方法は1つ」

おてんこ「彼女を契約させないことだ」

おてんこ「それには彼女の願いを知らなければならないのだが……」

おてんこ「知っているか?」


ジャンゴ「…」フルフル


おてんこ「そう、上手くはいかない……という訳か」

おてんこ「彼女のことも調べなければいけないな」


ジャンゴ「…」


25 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/11(金) 00:29:47.85 ID:BzkKa6vB0


おてんこ「ひとまず、この話はここで置いておこう」

おてんこ「今後の方針についてだが……ジャンゴ、案はあるのか?」


ジャンゴ「ほむらと話をつける」


おてんこ「〔暁美ほむら〕か……しかし、前回は信用されなかったんじゃないのか?」


ジャンゴ「それはボクらが味方かどうか分からなかったから」


おてんこ「では、我々が敵でないと証明する方法があるの?」


ジャンゴ「〔インキュベーター〕を差し出す」


おてんこ「敵の敵は味方か……」

おてんこ「確かに、そいつを差し出せば不可能ではないだろう」

おてんこ「だが、何処にいるか分かっているのか?」


ジャンゴ「…」コクリ


おてんこ「それなら問題ないな」


26 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/11(金) 00:31:42.11 ID:BzkKa6vB0


おてんこ「さて、方針も決まったわけだが……ジャンゴ」

おてんこ「寝床はどうするつもりだ?」

おてんこ「ここじゃあ、迂闊に野宿もできないのだろう?」


ジャンゴ「・・・」


おてんこ「……考えていないようだな」

おてんこ「よし、今日はこれから寝床を探しに行くぞ!」


ジャンゴ「…」コクリ



こうして太陽少年による〔強くてニューゲーム〕は始まった。


第1章・了


27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/05/11(金) 00:33:03.48 ID:BzkKa6vB0
相手は知らないんだぜ?
 
  
 『じゃあ、あんた一体何なの!!』


次回:「2度目の出会い」
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2012/05/11(金) 01:22:26.21 ID:udE00gNE0
>>1乙!

やっときてくれたのか
期待してます!
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/11(金) 06:50:43.17 ID:izx1xd/IO
おてんこさまかわいい
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/11(金) 12:07:20.36 ID:IzxyLKqSO
遅かったじゃないか…続きを待ってたぜ!
頑張って下さい!
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/11(金) 12:51:02.11 ID:cAIdqbE8o
まってた
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/11(金) 20:56:53.07 ID:Db5/60tDO
待ってました
略してゾクホムでいいのかな
33 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/12(土) 00:12:34.06 ID:ZuCpklZU0



続・第2章 「2度目の出会い」



34 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/12(土) 00:13:37.18 ID:ZuCpklZU0


おてんこ「本当にこんなところで待っていて、奴は来るのか?」


ジャンゴ「…」コクリ



痺れを切らしたおてんこはジャンゴに尋ねる。

ジャンゴ達の潜む旧店舗は長い間放置されてたらしく、閑散とした薄暗い空間になっていた。



おてんこ「そうは言ってもな………」


ジャンゴ「…」



ジャンゴを信じると言ったものの、あまりの人気のなさにおてんこは心配になる。

しかし、文句を言って状況が改善されるわけでもないので、



おてんこ「まあ、他にすることないか……」



結局は待つことにするのであった。


35 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/12(土) 00:15:06.04 ID:ZuCpklZU0


そんなこんなで辛抱強く待ち人が来るのを持っていると、


       バンッ   


   ガシャァァン 


近くで何かが倒れるような音が聞こえてきた。



ジャンゴ&おてんこ「!」


おてんこ「今のは…」

おてんこ「やはり、お前が正しかったようだな」

おてんこ「最初から信じていたぞ? 太陽少年」


ジャンゴ「・・・」



ジャンゴ達は音のした方向へ走っていく。


36 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/12(土) 00:18:50.52 ID:ZuCpklZU0


  「………」



ジャンゴ達の向かった先には床に倒れている白い獣がいた。



おてんこ「あいつが……インキュベーター」

おてんこ「ジャンゴ、捕獲するぞ」


ジャンゴ「…」コクリ



傷ついたQBのもとへ駆け寄ると、それを左腕で抱え上げる。



QB「君は……」

QB「」



抱え上げられたQBはジャンゴを不審に思うも、体力が底をつき意識を失くしてしまった。


37 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/12(土) 00:21:15.28 ID:ZuCpklZU0


おてんこ「コイツの身柄は確保した」

おてんこ「後は……彼女を探すだけだな」


ジャンゴ「…」フルフル


おてんこ「ん? コイツを引き換えに話をつけるのではないのか?」


ジャンゴ「…」フルフル


おてんこ「じゃあ……」

おてんこ「!」

おてんこ「……そういうことか」


   「…」



ジャンゴの視線の先には拳銃をぶら下げた黒髪の少女が立っていた。


38 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/12(土) 00:23:19.23 ID:ZuCpklZU0


おてんこ「彼女が〔暁美ほむら〕なのか?」ヒソヒソ


ジャンゴ「…」コクリ



おてんこは小声で確認を取る。



ほむら「そいつを渡しなさい」チャキ



そんな様子は気にも留めず、ほむらはジャンゴに銃口を向ける。



おてんこ「待て、我々は敵じゃない」


ほむら「信用できないわね」


おてんこ「お前に話があってきたんだ」


ほむら「いいから、そいつを引き渡しなさい」

ほむら「そうすれば手出しはしないわ」


おてんこ「……分かった」


39 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/12(土) 00:24:56.35 ID:ZuCpklZU0


おてんこ「だが、その代わりに条件がある」


ほむら「条件?」


おてんこ「ああ、それが……」


ほむら「なっ!」



おてんこが話し始めようとしたとき、唐突にほむらの顔が驚愕に染まる。



おてんこ「ん……どうした?」


ジャンゴ「?」



彼女の見たものを確かめるために後ろを振り向く。



ジャンゴ「!」


ほむら「まどか!?」



そこにはジャンゴ達を見つめる、ピンク色の髪の少女の姿があった。


40 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/12(土) 00:27:21.07 ID:ZuCpklZU0


まどか「ほむら……ちゃん? 何…してるの?」


ほむら「これは…」



まどかはジャンゴに拳銃を突きつけているほむらに質問する。



QB「助けて……まどか」


ほむら&まどか「!」



いつの間にかに意識を取り戻していたQBはまどかに助けを求める。



まどか「君が……わたしを呼んだの?」


QB「そうだよ…だから……」


ほむら「ダ…」


     シューーーーー
 

      「!?」



ほむらの声を遮って辺りに白い粉が勢いよくばら撒かれる。


41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/12(土) 00:28:32.25 ID:88p0YX2q0
期待
42 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/12(土) 00:29:53.88 ID:ZuCpklZU0


   「まどか!!」



粉末の発射地点には消火器のホースをこちらに向ける青髪の少女が立っていた。



まどか「さやかちゃん!?」


さやか「早くこっちに!」


まどか「で、でも……」



まどかはジャンゴの方を見ながら言いよどむ。



さやか「あんたも早く!!」



まどかの様子を見たさやかはジャンゴに向かって叫ぶ。



ジャンゴ「…っ」



ジャンゴは消火器の粉に包まれるほむらを一瞥するとさやかの方へ駆けていく。


      ポイッ  ガシャン


まどか達が寄ってくるのを確認したさやかは、消火器を投げ捨て走り出す。    

2人はそれを追ってその場を後にした。


43 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/12(土) 00:33:19.68 ID:ZuCpklZU0


さやか達はほむらから逃れるために旧店舗を駆ける。



さやか「なによ!? あいつ!!」

さやか「今度はコスプレで通り魔かよ!!」

さやか「それに……」

さやか「こいつ何者!? 抱えてる動物は何!!」

さやか「まどか! あんたなんか知らないの!?」


まどか「分かんない! 分かんないけど……」

まどか「この子、助けなきゃ!!」



まどかはジャンゴが手に持つQBを見て言い放つ。



さやか「じゃあ、あんたは一体何なの!!」


ジャンゴ「ボクは……」


   「!?」



ジャンゴが答えようとすると、辺りの景色が歪み変化する。


44 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/12(土) 00:37:38.45 ID:ZuCpklZU0


さやか「な、なに! これ!?」


まどか「世界が変わって……」


ジャンゴ「…」


おてんこ「ふむ、これが……」オテンコ


まどか&さやか「!?」



2人はいきなり現れたおてんこに肝を冷やす。



さやか「な、な、なに!? 何なのよ!!」

さやか「次から次へと、もう!どうなってのよ!!」


まどか「落ち着いて、さやかちゃん!」


さやか「まどか! どうしてあんたはそんなに冷静なの!?」

さやか「白い猫モドキに、変な空間、おまけに空飛ぶひまわりだよ!!」

さやか「もう、わけ……」


おてんこ「ひまわりなどではないっ!!」


まどか&さやか「!」ビクッ


ジャンゴ「・・・」



さやかの言葉を遮って、おてんこは怒声を響かせた。


45 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/12(土) 00:41:47.72 ID:ZuCpklZU0


さやか「……じゃあ、何なんだよ!」


おてんこ「私の名はおてんこ、太陽の使者だ」


さやか「はぁ…?」


まどか「それって、どういう…」


おてんこ「どうやら……」

おてんこ「詳しい話をしている暇はないようだ」


  「ケケケ…」



おてんこの言葉が終わると、ジャンゴ達の周りに使い魔が出現し始める。


46 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/12(土) 00:44:46.66 ID:ZuCpklZU0


さやか「へ…? 何アレ」


まどか「どうなってるの?」


おてんこ「ジャンゴ、準備は……良くないな」



おてんこはジャンゴの腕の中のQBを見て呟く。



おてんこ「おい! そいつを頼む」


まどか「え…わたし?」



おてんこはジャンゴの抱えているQBを指しながら、まどかを見て言う。



おてんこ「いいから言う通りにするんだ!」


まどか「は、はい!」



おてんこの気迫に押されたまどかはジャンゴからQBを受け取る。



おてんこ「よし、任せたぞ!」



おてんこ「太陽ぉーーーー!!」



地面に太陽を象った模様が浮かび上がる。


47 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/12(土) 00:47:13.64 ID:ZuCpklZU0


さやか「わっ!?」


まどか「きゃ!」


さやか「こ、これは?」


おてんこ「〔太陽結界〕…」

おてんこ「ひとまずこの中にいれば、お前達の身は安全だ」

おてんこ「ジャンゴ、準備はいいな?」


ジャンゴ「…」コクリ  シュン ガチャ



ジャンゴは太陽銃を召喚し、太陽グレネード〔ボム〕を装填する。



おてんこ「ボムか…確かにあの数ならそれが一番だな」


さやか「ちょ、ちょっと……何なの!? それ!」


まどか「銃…?」


おてんこ「説明は後だ」

おてんこ「行くぞ! ジャンゴ!!」



ジャンゴとおてんこは使い魔に向かって走り出す。


48 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/12(土) 00:54:38.55 ID:ZuCpklZU0


ジャンゴ「…」テュン テュン


   「!」



ジャンゴは太陽ショットを打ち込み使い魔の群れを牽制する。



ジャンゴ「…」ボンッ



敵が怯んだのを確認すると群れの中に入り込み、グレネードを撃ち込む。


  ババババババババンッ


ボムは着弾すると中の炸薬を炸裂させ、大きな爆発を巻き起こした。



  「ギャアアアアァァァァ!!」



広範囲に広がった爆風がジャンゴの周りの使い魔を一掃する。



  「ケケケ…」


しかし、使い魔はあっという間に消滅した数を埋めるほどに湧いて出てくる。



ジャンゴ「…っ」ボンッ


  ババババババババンッ

 
  「ギャアアアアァァァァ!!」



ジャンゴも少しでも数を減らそうとボムを放つ。

ボムの爆発は使い魔の相当数は減らすが、それでも殲滅に至らず、 



  「ケケケ…」



新たな使い魔を呼び寄せてしまう。


49 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/12(土) 00:56:39.89 ID:ZuCpklZU0


その後も、次々に湧いて出でてくる敵をボムで蹴散らすが、一向にその数を減らせないでいた。



おてんこ「次から次へと、キリがないな」  

おてんこ「ジャンゴ、残りは?」


ジャンゴ「…」フルフル


おてんこ「それで最後か…」



おてんこは太陽銃に装填されたグレネードを眺めながら呟く。



おてんこ「彼女達を巻き込むかもしれないが……仕方がない」

おてんこ「合身<トランス>でケリをつけるぞ」


ジャンゴ「…」コクリ


50 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/12(土) 00:59:41.31 ID:ZuCpklZU0


トランスをするためにおてんこが近づこうとした時、


   ダダダダダダダダンッ


上空から大量の弾丸が降り注ぎ、周囲の使い魔を一掃する。



ジャンゴ&おてんこ「!」


おてんこ「この攻撃は…」


ジャンゴ「……マミ」



ジャンゴがそう呟くと、


   「…」シュタッ


金髪の少女がまどか達の近くに着地する。

彼女の参戦で不利を感じたのか、使い魔は消えて世界が元に戻る。


51 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/12(土) 01:01:07.79 ID:ZuCpklZU0


おてんこ「ジャンゴ、彼女が〔巴マミ〕なのか?」


ジャンゴ「…」コクリ



使い魔を殲滅したマミは、まどかとさやかに何やら話をしている。



おてんこ「さて、我々も彼女達に説明することがあったな」

おてんこ「行くか」



ジャンゴ達も会話に参加すべくマミ達のもとへ駆け寄る。


52 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/12(土) 01:03:56.47 ID:ZuCpklZU0


マミ「来たわね」

マミ「あなた達がキュゥベえを助けてくれたんでしょ、ありがとう」
  

ジャンゴ&おてんこ「…」


さやか「!」

さやか「そういえばあんた! さっきのこと説明してよね!!」


おてんこ「ん?」


さやか「太陽の使者がどうのこうのってヤツだよ!」


おてんこ「そういえばそんなこと言ったな」

おてんこ「すべての生命種を守るために太陽意志ソルに使わされた使者」

おてんこ「それがこの私、おてんこだ」


さやか「は?」


まどか「使者?」


おてんこ「要するに、お前達みたいな危ない目に合った人間を助ける存在だ」


53 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/12(土) 01:05:04.06 ID:ZuCpklZU0


マミ「なら、私と一緒ね」


まどか「あなたも…?」


マミ「ええ。私は魔法少女、彼らと同じく困っている人を助けるのが仕事よ」


さやか「魔法少女?」


マミ「そうよ。でも、その話は少し待っていて」

マミ「用事ができたみたいだから」ガチャ



マミはマスケット銃を召喚し、その銃口を物陰に向ける。



マミ「出てきなさい。そこにいるのは分かっているわ」


   「…」  



その陰からは少女が、長い黒髪を揺らして姿を現す。


54 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/12(土) 01:07:13.10 ID:ZuCpklZU0


さやか「お前は!」


まどか「ほむらちゃん……」


ジャンゴ&おてんこ「…」


ほむら「…」


マミ「魔女は逃げたわ」

マミ「仕留めたいなら追いかけなさい。今回は譲ってあげる」


ほむら「私が用があるのは……」チラッ


まどか「!」ビクッ



ほむらはまどかを一瞥する。



マミ「彼女は一般人、あなたには関係ないはずよ」


ほむら「…っ」サッ



マミの説得が効いたのか、ほむらは消えるようにしてその場を去っていく。


55 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/12(土) 01:09:10.85 ID:ZuCpklZU0


さやか「大丈夫だった? まどか」


まどか「う、うん…」


さやか「それにしても、何なの……あいつ」

さやか「あんた達を狙ってたんじゃないの?」



さやかはジャンゴ達の方を見て問い詰める。



ジャンゴ&おてんこ「・・・」


おてんこ「何とも言えんな…」

おてんこ「ただ…彼女はそこまで悪い奴ではない」

おてんこ「本当に手段を選ばない人間だったら、我々はとっくの昔にやられている」


まどか「・・・」


さやか「でも……」


マミ「そんなこと話しても仕方がないわ」

マミ「いくら考えても私達には彼女の考えなんて分からないのだから」

マミ「それよりもキュゥベえを直して、あなた達に事情を説明する方が先だわ」



その後は1週目と同じようにQBを治療し、マミの家で魔法少女の説明を受けることとなった。


第2章・了


56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/05/12(土) 01:10:19.22 ID:ZuCpklZU0
罠にかかったのは……
 

 『ムダなことだって知っていたんだろ?』


次回:「罠」
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sagesaga]:2012/05/12(土) 02:00:23.87 ID:hM9PuSzj0
乙。ゾクタイはワールドのカードをてにいれるまでやったw夢幻街で何回死んだことか……。
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/12(土) 06:32:02.22 ID:C2vA8qsSo
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/05/12(土) 07:29:53.51 ID:nTM7iVk7o
敵の湧き用が初っ端からナイトメアでワロタ
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/12(土) 12:14:16.90 ID:Be1o2GgSO
グレネードかぁ…初代じゃジャベリンの次にボス戦でお世話になりました
ところでジャンゴはフラッシュとかライジングサンとかナイトメアとかパイナップルとか他のグレネードは持ってないんだろうか
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/12(土) 13:14:51.21 ID:73UEf5oDO

引き継ぎレベル以上に難易度上がってやんのww
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2012/05/12(土) 13:52:49.43 ID:TiKZg80g0
ガーディアンとムゲンを使って無双したことが懐かしい
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sagesaga]:2012/05/12(土) 15:20:52.94 ID:aQBekbuZ0
つーかナイトメアだとジャンゴ正面からじゃ弱くない?やはり後ろから不意討ちでメッタギリ、気付かれたら即逃走しないとダメージがちんまい…
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [ sage saga]:2012/05/12(土) 17:58:41.27 ID:ZuCpklZU0
>>60
 一応、持ってきている設定なんですが、
 ライジングサンを魔法扱いにした上、パイナップルはどう頑張ってもネタにしかならない
 チェンジとスキャンに至ってはゲーム内でも使いどころが分からないんで、活躍は期待しない方がいいです
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) :2012/05/12(土) 19:07:05.67 ID:/SFRsWGy0
難易度上がっとるwww
むしろ全力でネタにして行く方向でパイナップルを活用してほしいwww
それと、次の投下がいつ頃になるのかを投下終了後に予告してくれると嬉しいです
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [ sage saga]:2012/05/12(土) 19:18:40.22 ID:ZuCpklZU0
>>65
 実は今回、戦闘パートが割と少ないんです
 その貴重な一回をパイナップルに使うのは……
 後、難易度からしてネタに走ったら死にます、確実に
 
 投下に関しては基本的に毎夜12時を予定しています
 ただし、スットクが少なくなった場合はこの限りではありません
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/05/12(土) 19:25:25.59 ID:nTM7iVk7o
中沢の服を奪うのに使えば…

いや、ネタはスネーク程度で止めておこう
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/12(土) 22:13:01.63 ID:73UEf5oDO
>>64
チェンジ 範囲内の使い魔をグリーフシードに変換
スキャン 結界の発見、隠れた本体の発見etc.


こんな感じ?
それだとチェンジが強すぎる気するけど、グレネードの補充効かないなら妥当かなとも思う
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/05/12(土) 22:15:21.24 ID:nTM7iVk7o
チェンジ強過ぎだろwwwwww改変後ならともかくwwwwww
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [ sage saga]:2012/05/12(土) 23:36:22.56 ID:ZuCpklZU0
>>68
 グレネードは各10発ぐらい携行しているつもりで書いているので、さすがにチェンジがチートすぎます
 
 それに結界はおてんこレーダーで察知できたり、アイテムはゲーム内での効果で使いたかったりするので、
 やっぱりチェンジ、スキャンは使いにくい子ですね
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/12(土) 23:53:38.03 ID:Be1o2GgSO
つまりギャグ無しで普通に強いナイトメアの大活躍は期待して良いんだろうか
初代だと属性の関係上使い辛かったしなぁ
72 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/13(日) 00:10:07.43 ID:obHTbIZI0



続・第3章 「罠」



73 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/13(日) 00:11:30.16 ID:obHTbIZI0


前と同様にマミの部屋に案内され、お茶とケーキをごちそうになる。



まどか「マミさん、すっごくおいしいです」


さやか「うん!めちゃウマっスよ!」


おてんこ「すごいな、ここまでできるものなのか……」


マミ「ありがとう」


ジャンゴ「・・・」


さやか「どうしたんだよ、無口野郎」

さやか「あまりのおいしさに感動して声も出ないってか?」


マミ「そうだとしたら、私にも作ったかいがあるわ」


74 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/13(日) 00:12:58.05 ID:obHTbIZI0


まどか「こんなのどうやって作るんだろ?」

まどか「わたしにはできそうもないよ……」


マミ「そんなことないわよ。慣れれば意外と簡単なんだから」

マミ「今度、作り方を教えてあげましょうか?」


まどか「ホントですか!? ありがとうございます!」


さやか「さっすがマミさん! 太っ腹〜」


マミ「まったく……褒めても何も出てこないわよ?」


さやか「は〜い」


マミ「さて……そろそろ本題に入りましょうか?」

マミ「このままじゃ、日が暮れちゃうものね」


75 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/13(日) 00:16:42.16 ID:obHTbIZI0


マミは魔法少女について説明する。



さやか「うわぁ…金銀財宝とか、不老不死とか、満漢全席とか?」


まどか「いや、最後のはちょっと」



まどか達は好奇心をくすぐる未知の世界を思い描き、



ジャンゴ「…っ」


おてんこ「…」



ジャンゴは希望と絶望が入り混じる、魔法少女の宿命を思い出す。



まどか「う〜ん」


さやか「そういえばマミさん、1つ質問があるんですけど」


マミ「なにかしら?」


さやか「魔女を倒せるのは魔法少女だけって言ってたじゃないですか」


マミ「ええ」


さやか「じゃあ、こいつらは何なんですか?」


ジャンゴ&おてんこ「…」


76 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/13(日) 00:18:14.59 ID:obHTbIZI0


マミ「ごめんなさい。それは私にも分からないわ」

マミ「魔法少女以外の人間が使い魔と戦ってるのなんて初めて見たんだもの」

マミ「ねぇ、キュゥベえ?」


QB「僕は幾人もの魔法少女を見てきたけど、彼らのようなケースは初めてだよ」

QB「とても興味深いね」


さやか「ふ〜ん。じゃあ、何者?」


おてんこ「言っただろう? 太陽の使者だとな」


さやか「そうじゃなくて、どうして戦えるか知りたいんだよ」

さやか「あんたら魔法少女じゃないんだろ」


おてんこ「そういうことか……ジャンゴ」


ジャンゴ「…」コクリ シュン


まどか&さやか&マミ「!」


おてんこの指示を受けたジャンゴは太陽銃を召喚する。


77 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/13(日) 00:19:44.78 ID:obHTbIZI0


まどか「その銃は…」


さやか「さっき使ってたヤツ!」


おてんこ「そう……こいつはガン・デル・ソル」

おてんこ「太陽の力を弾丸にして打ち出す魔法機械だ」


まどか「ガン・デル・ソル?」


マミ「直訳で〔太陽の銃〕ね」


さやか「マミさん分かるんですか!?」


マミ「い、いえ…ただ日本語に訳しただけよ」


さやか「それだけでもすごいっスよ!」

さやか「さっすがマミさん、憧れます!!」



マミ「ま、まあ……彼らが戦える理由もわかったことだし、この話はこれくらいにしましょ」

マミ「あなた達だってその方がいいでしょ?」


おてんこ「まあな……」


ジャンゴ「・・・」


78 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/13(日) 00:21:40.64 ID:obHTbIZI0


マミ「私から1つ提案があるの」


まどか「提案…ってなんですか?」


マミ「2人ともしばらく、私の魔女退治に付き合ってみない?」


まどか&さやか「!?」


ジャンゴ&おてんこ「…」


マミ「魔女との戦いがどういうものか、その目で確かめてみればいいわ」

マミ「その上で、危険を冒してまで叶えたい願いがあるのかどうか」

マミ「じっくり考えてみるべきだと思うの」


おてんこ「なあマミ、戦いなら我々も協力する」

おてんこ「だから無暗に魔法少女を増やす必要もないんじゃないか?」


マミ「それもそうかもしれないけど、決めるのは彼女達よ」


79 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/13(日) 00:23:31.58 ID:obHTbIZI0


おてんこ「しかし……」


まどか「マミさん、わたし…やってみる」


ジャンゴ「…」


さやか「本当に? まどか」


まどか「うん……契約するのはそれからでも遅くないと思うんだ」


さやか「まどかが行くなら、あたしも行くよ」


マミ「本当に、後悔しない?」


まどか&さやか「「はい!」」


マミ「じゃあ……明日の放課後、喫茶店に集合ね」

マミ「あなた達はどうするの?」


おてんこ「どうする? ジャンゴ」


ジャンゴ「…」フルフル


おてんこ「そうか……我々は遠慮しておこう」

おてんこ「魔法少女の問題に首を突っ込むのも野暮だろうからな」


80 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/13(日) 00:24:45.13 ID:obHTbIZI0


マミ「分かったわ」

マミ「あら? ……もうこんな時間」

マミ「親御さんも心配しているだろうし、今日はもうお開きね」


まどか「はい、ありがとうございました」


さやか「じゃあ、また明日お願いします」


ジャンゴ&おてんこ「・・・」


マミ「あなたは帰る準備をしないの?」


ジャンゴ&おてんこ「・・・」



ジャンゴ達は1週目と全く同じやり取りをして、マミの家に厄介になることになった。


81 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/13(日) 00:27:07.50 ID:obHTbIZI0


その晩、マミが夕食を作るのを待っていると、QBが話しかけてくる。



QB「君は一体何者なんだい?」

QB「魔法少女でもないのに使い魔と戦え、見たことのない術を使う」

QB「暁美ほむらに次ぐ……いや、それ以上のイレギュラーだ」


おてんこ「知りたいか?」


QB「ああ、もちろん」


おてんこ「なら、付いてこい」


QB「何処に行くんだい?」


おてんこ「屋上だ」



そうしておてんこはQBをマンションの屋上に連れて行く。


82 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/13(日) 00:30:54.19 ID:obHTbIZI0


QB「別に、こんなところまで来る必要は無いんじゃないかな?」


おてんこ「マミに見られると面倒なんでな」


QB「マミに……どうしてだい?」


おてんこ「理由は簡単だ。誰だって………」


QB「?」




おてんこ「知り合いが罠にかかるのを見たくはないからな!!」




QB「!?」


  ジューーー


おてんこの声と同時に地面の模様が光り、その上にいたQBを焼く。


83 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/13(日) 00:31:52.04 ID:obHTbIZI0


おてんこ「どうだ…?」



光が止んだ後、QBの様子を確認する。



QB「」シューー



罠を張った場所にはよく焼けたQBの死体が転がっていた。



おてんこ「よし、ジャンゴ! 回収だ!!」


ジャンゴ「…」コクリ



物陰から姿を現したジャンゴはQBの焼死体に駆け寄るとそれをバッグに突っ込む。


84 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/13(日) 00:33:46.67 ID:obHTbIZI0


おてんこ「パイルトラップだけで済むとは…」

おてんこ「意外に簡単だったな」

おてんこ「万一のためにお前を待機させておいたが、杞憂だったようだ」


  「全く…ヒドいじゃないか」



何処からか声が聞こえる。



おてんこ「意外と早かったな、インキュベーター」



おてんこはさして驚いた様子もなく、応答する。



QB「驚かないのかい?」


おてんこ「知っているからな……驚きようがない」


85 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/13(日) 00:35:27.68 ID:obHTbIZI0


QB「君達はどこまで知っている?」


おてんこ「お前の目的も、魔法少女の運命も、何もかも全てだ」


QB「それじゃあ、なんで僕を殺したんだ」

QB「ムダなことだって知っていたんだろ?」


おてんこ「特に理由はない。ただ本当に復活するか試してみたかっただけだ」


QB「代わりはいくらでもあるけど、無意味に潰されるのは困るんだよね」

QB「もったいないじゃないか」


おてんこ「それは済まなかったな」

おてんこ「さて……話は以上だ、消えろ」


86 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/13(日) 00:36:46.96 ID:obHTbIZI0


QB「本当にそんなこと言っても良いのかい?」

QB「僕がマミにこのことを話すかもしれないのに」


おてんこ「お前だって我々のことをよく知りたいんだろう?」

おてんこ「だったら見す見すその機会をなくすようなマネはしないはずだ」


QB「……こちらの考えはお見通しってわけか」


おてんこ「分かったらとっとと居なくなれ」


QB「拒否権は……」


ジャンゴ「…」ジャキ


QB「無いみたいだね」



ジャンゴが太陽銃を突きつけているのを確認するとQBはその場を後にした。


87 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/13(日) 00:38:57.33 ID:obHTbIZI0


おてんこ「奴の死体を手に入れた」

おてんこ「これで少しは交渉がやりやすくなるな」


ジャンゴ「…」コクリ


おてんこ「ところで、ジャンゴ」

おてんこ「本当にマミ1人に彼女達を任せてよかったのか?」

おてんこ「お前が初めて戦った魔女……割と苦戦したらしいではないか?」


ジャンゴ「大丈夫、マミは強い」


おてんこ「そうか……お前がそう言うなら信じよう」

おてんこ「しかし、マミ達が魔女と戦っている間、我々はどうするのだ?」

おてんこ「まさか…何もしないわけではないのだろう?」


ジャンゴ「ほむらと話をつける」


おてんこ「ふむ。彼女と話をか……」

おてんこ「確かに……前回は彼女の尾行がマミ達との溝を深くしたらしいし」

おてんこ「我々がほむらの動きを止めることで、不信感を生まないようにすることも可能だな」

おてんこ「なら、決行は明日の午後」

おてんこ「マミ達の後を付けるほむらに接触するぞ!」


ジャンゴ「…」コクリ



ジャンゴ達は屋上から戻り、明日に備えて早めに床に入る。


第3章・了


88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/05/13(日) 00:42:21.02 ID:obHTbIZI0
用語解説1


≪パイルトラップ≫

太陽の光を使用する定置型の罠。

蓄えたエネルギーを任意のタイミングで放出する。

効果範囲は罠にある模様の上。



さあ、交渉の続きだ
 

『目的は何?』


次回:「駆け引き」
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2012/05/13(日) 01:37:31.72 ID:LjuDvMxV0
>>1乙!
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sagesaga]:2012/05/13(日) 07:53:17.63 ID:SIaE1brB0
乙。パイルトラップの存在を銀河の彼方に忘れてた俺は三流…。そういえば隠密用に姿を消す防具があったような
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/13(日) 12:20:50.14 ID:L1n6IHpHo
     |┃三
     |┃
     |┃       |\           /|
 ガラッ. |┃       |\\       //|
     |┃  ノ//   :  ,> `´ ̄`´ <  ′
     |┃三     V           V
     |┃       i{ ●     ●  }i さて、仕事するか。
     |┃       八   、_,_,     八
     |┃三    / 个 . _  _ . 个 ',
     |┃三   /   il   ,'    '.  li  ',
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/13(日) 12:23:51.82 ID:rM22zB8DO

思わず「上手に焼けました〜♪」と口ずさんでしまった
93 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/14(月) 00:07:51.69 ID:jZJi3BUz0



続・第4章 「駆け引き」



94 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/14(月) 00:09:00.93 ID:jZJi3BUz0


翌日の午後、マミ達が喫茶店で集まっている裏でジャンゴ達の作戦は静かに始まる。



おてんこ「マミ達はもう集まっているな」


黒ジャンゴ「…」チュー


おてんこ「ほむらの姿は見えないか……」


黒ジャンゴ「…」チュー



ジャンゴは見つからないように観葉植物の植え込みに隠れていた。


95 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/14(月) 00:10:04.59 ID:jZJi3BUz0


しばらく時間を潰していると、マミ達が動き出す。



おてんこ「動き出したな……」


黒ジャンゴ「…」チュー


おてんこ「まだ、ほむらは姿を現していない」


黒ジャンゴ「…」チュー


おてんこ「マミ達を見失わずに、且つほむらに見つからないように尾行する」


黒ジャンゴ「…」チュー


おてんこ「それを可能にするには……」


黒ジャンゴ「・・・」チュー


おてんこ「分かっているようだな」


黒ジャンゴ「…」チュー


おてんこ「よし、外に出てアレの準備をするぞ」


黒ジャンゴ「…」チュー



マミ達の後を追ってジャンゴも店を後にする。


96 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/14(月) 00:11:09.95 ID:jZJi3BUz0


おてんこ「居たな……」


ジャンゴ「…」



おてんこは黒髪を揺らして歩いている少女の背を見て呟く。



おてんこ「ここではまだ人目がある」

おてんこ「もう少し様子を見よう」

おてんこ「彼女が路地に入ったら行動開始だ」


ジャンゴ「…」コクリ



ジャンゴ達はほむらに気づかれないようにその後を追う。


97 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/14(月) 00:14:15.89 ID:jZJi3BUz0


ほむら「…」



少女はとある少女を見守るために魔法少女を追う。



ほむら「…」



彼女は前を行く少女達に気取られないよう、路地に入って身を隠す。



ほむら「!」



路地に入った彼女は何者かの気配を感じる。

そして、後ろを振り向と、



ほむら「?」


   「…」



人ひとりは入りそうなダンボールが不自然に置かれていた。


98 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/14(月) 00:17:01.28 ID:jZJi3BUz0


ほむら「これは…?」



明らかに怪しいダンボールを不審に思い、近づく。

それを調べようと近づいたとき、


   ガタッ


ほむら「!?」



勢いよくダンボールが吹っ飛んで中から人が現れる。



ほむら「貴方は…」


ジャンゴ「・・・」



中から出てきたのは赤いマフラーにバンダナを付けた少年だった。


99 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/14(月) 00:17:56.84 ID:jZJi3BUz0


おてんこ「また会ったな」


ジャンゴ「…」


ほむら「……一体何の用かしら?」


おてんこ「交渉の続きだ」


ほむら「交渉? 今の貴方達と取引しても私にメリットはないのだけれど」


おてんこ「ふむ……これならどうだ?」

おてんこ「ジャンゴ、出せ」


ジャンゴ「…」コクリ ポイッ



おてんこに指示受けたジャンゴはバッグからあるモノを取り出して、投げる。



QB「」ドサッ



焼け焦げたQBの死体は鈍い音を立てて地面に落ちる。


100 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/14(月) 00:20:51.89 ID:jZJi3BUz0


ほむら「これは……」


おてんこ「インキュベーター、宇宙からの来訪者……違うか?」


ほむら「……どうしてコイツのことを?」


おてんこ「我々…いや、正確にはこいつが過去に騙された少女達を見てきたんでな」


ジャンゴ「…」


ほむら「目的は何?」


おてんこ「我々の目的は……1ヶ月後にこの町に来る魔女、ワルプルギスの夜の撃破」

おてんこ「これはその戦力集めだ」


ほむら「どうして、貴方達はそんなことを?」


おてんこ「とある人物に頼まれてな」


101 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/14(月) 00:22:33.55 ID:jZJi3BUz0


ほむら「貴方達は何者? 魔法少女ではないみたいだけれど」


おてんこ「……難しい質問だな」

おてんこ「ただ、お前の敵ではないのは間違いない」


ほむら「…」


おてんこ「どうだ? この町に住んでいるお前にも悪い話ではないと思うのだが」


ほむら「分かったわ……協力してあげる」

ほむら「ただし、条件があるわ」


おてんこ「言ってみろ」


102 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/14(月) 00:23:36.57 ID:jZJi3BUz0


ほむら「貴方達の戦いに手を貸す、その代わりに魔法少女の問題には首を突っ込まないで」


おてんこ「しかし、我々も目の前で少女が騙されようとしているのを見過ごすことはできないぞ」


ほむら「なら、この話はなかったことに」


おてんこ「だが……」


ほむら「私達の問題は私達で解決する」

ほむら「部外者の貴方達にとやかく言われる筋合いはないわ」

ほむら「それじゃあ」


おてんこ「待て!」



そう言い残すしたほむらはジャンゴ達の前から姿を消す。


103 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/14(月) 00:24:48.90 ID:jZJi3BUz0


おてんこ「これがお前の言っていた能力か」

おてんこ「時間停止……強力だな」

おてんこ「だが…あれで良かったのか?」

おてんこ「いくら前回、本当のことを言って怪しまれたからといって」

おてんこ「ここまでひた隠しにする必要はないように思えるのだが……」


ジャンゴ「・・・」


おてんこ「まあ、過ぎてしまったものはしょうがない」

おてんこ「とりあえず協力を取り付けられたから良しとしよう」


ジャンゴ「…」


104 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/14(月) 00:25:52.68 ID:jZJi3BUz0


おてんこ「それと……一応確認しておく」

おてんこ「彼女の言う通りに魔法少女への接触を控えるか、そうでないか」

おてんこ「お前はどうするんだ?」


ジャンゴ「・・・」


おてんこ「その眼は……」

おてんこ「そもそも彼女達を救うためにお前は繰り返したんだった」

おてんこ「そんなお前にこんなことを聞く方が失礼だな」


ジャンゴ「…」


105 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/14(月) 00:29:17.76 ID:jZJi3BUz0


おてんこ「さて……案外早くに話がついてしまったな」

おてんこ「お前の話から察するに、彼女との交渉はもう少し長引くと思っていたんだが……」

おてんこ「そうでもなかったな」

おてんこ「交渉自体は成功したが、時間稼ぎには失敗か……」

おてんこ「おそらく彼女はマミ達のもとへ向かったのだろう」

おてんこ「我々も後を追おう」


ジャンゴ「…」コクリ



頷いたジャンゴはその場を後にしようとするが、



おてんこ「おっと、忘れていた」


ジャンゴ「?」



おてんこによって止められる。


106 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/14(月) 00:30:39.81 ID:jZJi3BUz0


おてんこ「ジャンゴ、あれは……」


QB「」



おてんこの指し示す先にはQBの焼死体が転がっていた。



おてんこ「私としては放置しても構わないのだが…」

おてんこ「お前はどう思う?」


ジャンゴ「・・・」



その後、ジャンゴ達はQBの死体を処理して、マミが戦っているであろう廃墟へと向かった。


107 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/14(月) 00:33:03.60 ID:jZJi3BUz0


おてんこ「あれは!?」


ジャンゴ「…」



廃墟に着いたジャンゴ達の目に飛び込んできたのは地面に倒れている女性の姿だった。

ジャンゴは彼女に寄るとその安否を確認する。



おてんこ「どうだ?」


ジャンゴ「・・・」


おてんこ「……ひとまず大丈夫みたいだな」

おてんこ「これも魔女の影響か……」

おてんこ「しかし……近くには闇の気配はしない」

おてんこ「ということは、魔女は既に倒された……マミがやったのか?」

おてんこ「外には彼女達の姿はもちろん、あの少女の姿もない」

おてんこ「おそらく廃墟の中にいるのであろうが、この女を放っておくのもな……」

おてんこ「よし、ジャンゴ。彼女を介抱しながらマミ達を待とう」


ジャンゴ「…」コクリ



おてんこの指示に従い、ジャンゴはマミ達を待つことにした。


108 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/14(月) 00:34:28.26 ID:jZJi3BUz0


 「あら? あれは……」


 「無口野郎に…」


 「おてんこさま?」



しばらく待っていると廃墟の中から少女達が出てくる。



おてんこ「来たな」


マミ「あなた達、どうしてここに?」

マミ「魔女退治には付き合わないんじゃなかったの?」


おてんこ「やはり……気になってな」

おてんこ「どうしても様子が知りたくなったのだ」


109 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/14(月) 00:36:57.88 ID:jZJi3BUz0


マミ「なら…言ってくれればよかったのに」

マミ「協力してくれるなら、私はいつでも歓迎するわ」


おてんこ「そうか……済まないな」

おてんこ「ところでお前達、もう1人の魔法少女……暁美ほむらを知らないか?」


まどか「ほむらちゃんを…?」


さやか「転校生を!? どうして?」


おてんこ「いや……彼女も魔法少女なら、鉢合わせているのではないかと思ってな」


マミ「確かに彼女と会ったけれど、とても友好的とは言えなかったわ」


さやか「あいつ……マミさんの後を付けてきたくせに、スカシやがって」


まどか「やめなよ、さやかちゃん…」


さやか「だって……」


おてんこ「もういい、彼女がここへ来たことが分かっただけで十分だ」


110 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/14(月) 00:38:35.52 ID:jZJi3BUz0


マミ「でも、あなた達はどうして彼女を?」


おてんこ「……ただの好奇心だ」


マミ「そう……なら深くは聞かないでおくわ」


おてんこ「では、日も落ちてきたし……そろそろ帰らないか?」


マミ「ええ、そうしましょう」

マミ「けどその前に……この人を送り届けなきゃいけないわね」



そして、倒れている女性を送り届けたジャンゴ達はそれぞれの家路につく。


第4章・了


111 : [saga]:2012/05/14(月) 00:43:15.85 ID:jZJi3BUz0
選択は慎重にな


 『今度こそ彼女を助けるんだろ?』


次回:「ルート岐路1」



※そういえば、1レスの長さってこれぐらいでいいですかね?
 未だにどれぐらいが良いのか分からないので、何かあったら指摘してください
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/05/14(月) 00:45:35.55 ID:GDQwoKZSo
前回終盤でスレ足らずになったりしなかったし、これでいいと思います。
乙乙。
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/14(月) 11:55:33.66 ID:AjqbbxExo
おっつおっつ
読みやすいしいいんでない?
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/14(月) 17:27:49.50 ID:cAVAxkDXo
     |┃三
     |┃
     |┃       |\           /|
 ガラッ. |┃       |\\       //|
     |┃  ノ//   :  ,> `´ ̄`´ <  ′
     |┃三     V           V
     |┃       i{ ●     ●  }i 僕の扱いがあまりにもひどくないかい?
     |┃       八   、_,_,     八
     |┃三    / 个 . _  _ . 个 ',
     |┃三   /   il   ,'    '.  li  ',
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/05/14(月) 21:24:04.60 ID:yhZ4Xlcqo
ほむらの太陽
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/14(月) 22:29:24.00 ID:cAVAxkDXo
続ら「ほむ・ららの太陽……?」
117 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/15(火) 00:04:11.45 ID:uWDI2oR90



続・第5章 「ルート岐路1」



118 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/15(火) 00:07:42.73 ID:uWDI2oR90


決戦に備えて町に罠を張ったり、魔法少女体験コースをしているマミ達を見守って日々を過ごす。

やり直した日から、かれこれ1週間が過ぎようとしていた。

ジャンゴは前と同じように屋上に上がると、おてんこと話し合う。



おてんこ「1週間か……長いようで短かったな」

おてんこ「お前の話からすると、そろそろ〔あの日〕が近いのではないか」


ジャンゴ「・・・」


おてんこ「覚えていないか…」

おてんこ「無理もない。お前はヴァンパイアの力で甦ったのだ」

おてんこ「多少の記憶の欠落はあれ、大体の流れを覚えているだけも大分違う」

おてんこ「どちらにしろ我々の手元にあるのはお前の記憶だけなんだ」

おてんこ「その中で思いつく限りの行動をするしかない」


ジャンゴ「…」


119 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/15(火) 00:09:26.26 ID:uWDI2oR90


おてんこ「と、言ったはいいが……」

おてんこ「今できることといえば………罠の設置とマミの監視ぐらいだな」


ジャンゴ「・・・」


おてんこ「まあ……我々がマミを見張っていれば滅多なことは起きないし、対処もできる」

おてんこ「今度こそ彼女を助けるんだろ?」


ジャンゴ「…」コクリ


おてんこ「なら、できることを精一杯するだけだ」

おてんこ「明日からマミの監視を強化する、いいな?」


ジャンゴ「…」


おてんこ「……もう、こんな時間か」

おてんこ「戻るぞ……マミが待っている」



ジャンゴ達は作戦会議を終え、マミの待っている部屋へと戻っていった。


120 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/15(火) 00:11:23.27 ID:uWDI2oR90


翌日、ジャンゴ達はいつも通りに罠を仕掛け終えると、マミに会うために見滝原中学校へと向かう。



おてんこ「そろそろマミの授業が終わる時間だな」

おてんこ「ここで待っていればそのうち出てくるだろう」



校門の前でおてんこはジャンゴに話しかける。



おてんこ「私は怪しまれるから一旦姿を隠す」

おてんこ「後は頼んだ、太陽少年」


ジャンゴ「…」コクリ



ジャンゴが頷くとおてんこはその姿を消す。



ジャンゴ「・・・」



残された少年は少女を待ってひとり校門の前にたたずむ。


121 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/15(火) 00:14:04.97 ID:uWDI2oR90


  「あら……どうしてこんなところに?」



しばらくすると、目的の少女-巴マミが校舎から出てくる。



ジャンゴ「…」


マミ「それに、あの……ひまわりみたいなのはいないの?」


おてんこ「失礼な! 私はひまわりなどではない!!」オテンコー


マミ「きゃ!?」

マミ「あ、あなた……いつからそこに?」


おてんこ「何時からもなにも、姿を隠していただけで最初からいたぞ」


マミ「そ、そう…それはごめんなさいね」


ジャンゴ「・・・」


122 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/15(火) 00:15:41.69 ID:uWDI2oR90


マミ「それより……何しているの? こんなところで」


おてんこ「学校というものに少し興味があってな」

おてんこ「お前を待つのを理由に辺りを探索してたんだ」


マミ「それなら、今からでも案内してあげましょうか?」

マミ「ちょうど今日は魔法少女体験コースもお休みだし」


おてんこ「……それは助かるな」

おてんこ「ジャンゴ、ここは彼女に甘えて案内してもらおう」


ジャンゴ「…」コクリ



ジャンゴ達はマミの厚意にあずかり、学校を案内してもらった。


123 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/15(火) 00:19:07.61 ID:uWDI2oR90


一通り校舎を周って校庭に出たところ、校門からひとりの少女が走ってくるのが見えた。



  「…はぁ……はぁ……マミ…さん」



彼女はマミのもとまで来ると息を荒げながら、何かを伝えようとする。



ジャンゴ「?」


マミ「鹿目さん?」


おてんこ「どうしたんだ? そんなに慌てて」


まどか「さやか……ちゃんが…病院に………」


マミ「美樹さんが? 病院で何かあったの?」


124 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/15(火) 00:21:49.36 ID:uWDI2oR90


まどか「グリーフシードを……見つけて…それが孵化しそうだった……から」

まどか「さやかちゃんが……見張って………わたしがマミさんに…」


マミ「分かったわ、鹿目さん」

マミ「美樹さんは病院で待っているのね?」


まどか「…」コクリ


マミ「なら、急ぎましょう」


おてんこ「我々も同行する」

おてんこ「まどか、お前はここで待っていろ」


まどか「えっ…」


125 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/15(火) 00:23:42.77 ID:uWDI2oR90


マミ「確かにそれがいいかもしれないわね」

マミ「それじゃあ、すぐには走れないでしょ?」


まどか「でも……さやかちゃんに…約束したし」

まどか「場所を……知っているのは…わたしだけだから………」


おてんこ「それもそうか……」

おてんこ「仕方ない……ジャンゴ、任せたぞ!」


ジャンゴ「・・・」


まどか「?」


マミ「一体、何をするつもりなの?」


おてんこ「まあ、見ていろ」


ジャンゴ「ごめん……まどか」グイッ


まどか「へ!?」


126 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/15(火) 00:26:19.05 ID:uWDI2oR90


まどか「え、えっと……///]


ジャンゴ「・・・」



指示を受けたジャンゴは両腕にまどかを抱きかかえた。



おてんこ「これなら、問題ないだろう?」


まどか「で、でも……こんな…//」


マミ「お姫様だっこだなんて、妬けちゃうわね」


まどか「そんな……マミさんまで………///」


おてんこ「文句は後で受け付ける、今は急ぐぞ!」


マミ「ええ」


ジャンゴ「…」コクリ


まどか「…///」


127 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/15(火) 00:27:46.82 ID:uWDI2oR90


ジャンゴ達はまどかの先導の下にさやかの待っている病院へ向かった。

そこには期待をよそに、すでに魔女の結界が形成されていた。



ジャンゴ「!」


おてんこ「ここだな」


マミ「もう、結界が張られているわね……」

マミ「急ぐわよ!」


おてんこ「ああ」


ジャンゴ「…」


まどか「あ、あの…」



3人が息巻いている中、ジャンゴに抱えられたまどかは弱々しい声で何かを訴える。


128 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/15(火) 00:30:13.07 ID:uWDI2oR90


マミ「どうしたの? 鹿目さん」


おてんこ「こんなところで立ち止まっている時間はないはずだぞ?」


まどか「そう…だけど、そろそろ降ろしてほしいかなって……」


おてんこ&マミ「・・・」


まどか「…」


おてんこ「済まない…忘れていた」

おてんこ「ジャンゴ、降ろしてやれ」


ジャンゴ「…」



おてんこの指示に従いジャンゴはまどかを地面に降ろす。


129 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/15(火) 00:30:51.35 ID:uWDI2oR90


まどか「……///」


マミ「これで準備は整ったわね」

マミ「入るわよ!」


まどか「はい!」



マミは結界の入り口を開き、中に入っていく。

まどかはその後を追って結界の中に消えて行ってた。


130 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/15(火) 00:32:01.73 ID:uWDI2oR90


おてんこ「さて、我々も後を追うか」


ジャンゴ「・・・」


おてんこ「どうした? 様子がおかしいぞ」


ジャンゴ「……思い出したんだ」


おてんこ「思い出した……?」

おてんこ「ということは、まさか…ここが」


ジャンゴ「〔あの日〕……マミがやられた結界」


131 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/15(火) 00:33:31.30 ID:uWDI2oR90


おてんこ「…」


ジャンゴ「…」


おてんこ「……いつかは来ると分かっていた」

おてんこ「ただ、それが今日であっただけのこと」

おてんこ「我々のやることは変わらない」

おてんこ「行くぞ! ジャンゴ!!」

おてんこ「今度こそ彼女を助けるんだ!!」


ジャンゴ「…」コクリ



少年は命運を分ける結界に足を踏み入れた。


第5章・了


132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/05/15(火) 00:34:35.32 ID:uWDI2oR90
疑うのは簡単だ


 『信用すると思って?』


次回:「猜疑心」
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2012/05/15(火) 00:46:21.46 ID:Tkkp84qo0
>>1乙!

1週目とどんな違いが出るのか期待
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sagesaga]:2012/05/15(火) 01:12:50.08 ID:2Xe2M2CG0
お姫様抱っこ……。リタに殺される……。
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2012/05/15(火) 10:54:12.58 ID:XKQpu9/30
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/05/15(火) 15:19:13.86 ID:PoROJI63o
チェンジは弱った使い魔を太陽虫に変えるぐらいでいいんじゃないかと
流石にそのまま無力化は鬼畜すぎるので弱体化させる必要はあってもいいよね
137 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/16(水) 00:16:22.22 ID:iyumoSLm0



続・第6章 「猜疑心」



138 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/16(水) 00:18:09.56 ID:iyumoSLm0


遅れて結界に入ったジャンゴ達も、先行するマミとまどかに追いつく。

合流した4人は狭い通路を辿って結界の深部を目指す。



おてんこ「静かだ……使い魔の気配がしない」


マミ「この結界はできたばっかりだから、まだ結界内を使い魔が監視していないのよ」

マミ「キュゥベえに確認を取ったら、まだ孵化もしていないみたいだし」

マミ「警備が薄い今のうちに奥まで進みましょ」


おてんこ「そうだな」


まどか「間に合ってよかった」

まどか「さやかちゃんも無事みたいだし、後は魔女を倒すだけですね」


マミ「そうだけど、無茶し過ぎよ」

マミ「今回は間に合ったからいいけど……次はそうはいかないかもしれない」


まどか「…ごめんなさい」


139 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/16(水) 00:20:14.14 ID:iyumoSLm0


マミ「まあ、そこまで自分を責める必要はないわ」

マミ「これなら魔女を取り逃がす心配もないしね」

マミ「帰ったらみんなでお茶でもしましょうか?」


まどか「はい!」


ジャンゴ「…」


マミ「さあ、急ぎましょう」

マミ「………と、言いたいところだけど」

マミ「その前に…やることができたみたいね」


ジャンゴ&おてんこ「…」


  「…」



ジャンゴ達の背後には黒髪の少女が静かに佇んでいた。


140 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/16(水) 00:21:23.06 ID:iyumoSLm0


まどか「え? あっ」


ジャンゴ「ほむら…」


ほむら「…」


マミ「何の用かしら?」

マミ「言ったはずよ、二度と会いたくないって」


おてんこ「おい、マミ」

おてんこ「そう邪険に扱うこともないだろう?」


マミ「あら? これでも譲歩はしているつもりよ」



マミは仲裁に入ったおてんこを軽くあしらう。


141 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/16(水) 00:23:49.69 ID:iyumoSLm0


ほむら「今回の獲物は私が狩る。貴女達は手を引いて」


マミ「そうもいかないわ。美樹さんとキュゥベえを迎えに行かないと」



ほむらもそのやり取りを無視して続ける。



ほむら「その2人の安全は保障するわ」


マミ「信用すると思って?」


おてんこ「待て、いがみ合っていても事態は好転しない」

おてんこ「ここは1つ、協力してみてはどうだ?」

おてんこ「マミはさやか達の安否を確認でき、彼女は魔女を狩れる」

おてんこ「グリーフシードは1回しか使えないわけではないのだろ?」


142 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/16(水) 00:25:23.58 ID:iyumoSLm0


ほむら「貴方達、約束が違うわ」

ほむら「魔法少女の問題には関わらないで、と言ったはずよ」


おてんこ「それは…」


ジャンゴ「…」


まどか「約束?」


マミ「……そういうことだったのね」

マミ「どうも最近おかしいと思ったら、あなた達の仕業だったの」


まどか「マミさん?」


おてんこ「何を言って……」


143 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/16(水) 00:27:07.79 ID:iyumoSLm0


マミ「ここ1週間、ずっと誰かの視線を感じていたのだけれど」

マミ「まさか……あなた達だったとはね」

マミ「大方、私の動向でも彼女に報告していたんでしょう?」


おてんこ「違う、誤解だ! マミ!!」


マミ「言い訳は聞きたくないわ」

マミ「彼女の発言で質言は取れたわけだし」

マミ「残念だけど、あなたの案は飲めない」

マミ「私が油断している隙に美樹さん達に危害を加える可能性だってあるもの」



言い終えるがいなや、マミはリボンを召喚してジャンゴとほむらを拘束する。


144 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/16(水) 00:28:11.50 ID:iyumoSLm0


ジャンゴ&ほむら「!?」



リボンでぐるぐる巻きにされたジャンゴ達は完全に身動きを封じられる。



ジャンゴ「…っ」ガシガシ


おてんこ「マミ! 一体、何をしているんだ!!」


ほむら「くっ……こんなことやってる場合じゃ」グイグイ


マミ「万が一って可能性もあるでしょ?」

マミ「安心して。おとなしくしていれば帰りにちゃんと解放してあげるから」

マミ「行きましょう、鹿目さん」


まどか「え…はい」



マミはまどかを引き連れて、結界の奥へ消えて行ってしまった。


145 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/16(水) 00:29:28.43 ID:iyumoSLm0


おてんこ「待て!マミっ!!」


ほむら「待っ……くっ」ギチギチ


ジャンゴ「マミ!!」ギシギシ



おてんこ達は必死で呼び止めるが、その声が彼女に届くことはなかった。


146 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/16(水) 00:33:30.78 ID:iyumoSLm0


その後もしばらくリボンと悪戦苦闘を繰り返すが、一向にほどける気配はなかった。



おてんこ「クソっ……解けないか」


ほむら「このままじゃ、巴マミは……」ガシガシ


ジャンゴ「くっ…」グイグイ



3人はビクともしないリボンに焦りの色を見せる。



おてんこ「ほむら、お前の魔法でどうにかならんのか?」


ほむら「どうにかなるなら、初めから使っているわ!」


147 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/16(水) 00:35:53.71 ID:iyumoSLm0


ジャンゴ「…っ」


おてんこ「そうか……済まなかった」


ほむら「やっぱり、私には彼女を救うなんて……」


ジャンゴ「諦めるな!!」


ほむら「!?」


ジャンゴ「まだ、戦いは終わっちゃいないんだ!」


ほむら「でも、ここから脱出する方法なんてないじゃない!」


ジャンゴ「ある!!」シュン



そう断言したジャンゴは何かを召喚し、口でくわえる。


148 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/16(水) 00:37:54.23 ID:iyumoSLm0


ほむら「それは…?」


おてんこ「……ボム」

おてんこ「お前は……」


ジャンゴ「…」


ほむら「一体、何をするつもりなの」


おてんこ「こいつは……自分ごとリボンを爆破するつもりだ」


ほむら「!?」

ほむら「そんなことをしたら……」


おてんこ「……タダでは済まないだろうな」


149 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/16(水) 00:39:16.53 ID:iyumoSLm0


ほむら「なら…」


おてんこ「だが、こうなっては誰もこいつを止められない」


ほむら「…」


おてんこ「ジャンゴ、私が信管を引き抜く」

おてんこ「爆発まではラグがある、タイミングを見て放すんだ。いいな?」


ジャンゴ「…」コクリ


おてんこ「ほむら、お前も爆風に気をつけろ」


ほむら「待って」


150 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/16(水) 00:41:04.73 ID:iyumoSLm0


おてんこ「何か問題でもあるのか?」


ほむら「どうして……そこまでして彼女を救おうとするの?」



おてんこ「そこまでしてでもやりたいことだったというわけだ」

おてんこ「さあ、覚悟はいいな? 行くぞ!!」


ジャンゴ「…」


    ピンッ


掛け声とともに、おてんこはジャンゴが加えているグレネードの信管を引き抜く。


151 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/16(水) 00:43:15.11 ID:iyumoSLm0


ジャンゴ「・・・」パッ



信管が抜かれたボムをくわえたジャンゴは、時間を見てそれを放す。


    バババババババン


ジャンゴ「うわっ!!」


おてんこ「くっ…」


ほむら「…!」



落下したボムはジャンゴの腹、ちょうどリボンが密集しているところで爆発した。



ジャンゴ「ぐっ…」スチャ



爆発によってリボンは焼き切れ、ジャンゴは解放される。


152 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/16(水) 00:45:19.97 ID:iyumoSLm0


おてんこ「大丈夫か!? ジャンゴ!」

おてんこ「傷を見せてみろ」


ジャンゴ「・・・」



片膝を付くジャンゴにおてんこが近寄る。



おてんこ「火傷と裂傷……」

おてんこ「リボンの強度が高かったのが幸いして、致命傷は避けられたな」

おてんこ「時間がない……無理をさせて悪いが、急ぐぞ」


ジャンゴ「でも……その前に」シュン



ジャンゴは剣を召喚するとリボンに縛られたほむらの前に向き合う。



ジャンゴ「…っ!」シュッ ザッ


   ザクッ  ジュシャ


そして、その剣でリボンを切りつけ始める。


153 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/16(水) 00:48:42.33 ID:iyumoSLm0


ほむら「何しているの!?」

ほむら「彼女を助けたいのなら、私のことなんて放っておきなさい!!」



ジャンゴの行動に驚いたほむらは声を荒げる。



ジャンゴ「君達を…誤解させたままに……したくない」

ジャンゴ「それに……この体で魔女と戦うのは厳しいよ」


おてんこ「…」


ほむら「…」



ジャンゴの反論にほむらは黙りこくる。


    ガスッ


ほむら「…」サッ



ジャンゴの攻撃によってほむらもリボンの拘束から解き放たれる。


154 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/16(水) 00:50:03.77 ID:iyumoSLm0


ほむら「……助けてくれたことにはお礼を言うわ、それじゃあ」


ジャンゴ「待って!」ガシッ


ほむら「!?」



ジャンゴは時間停止を使って消えようとするほむらの腕を掴む。



ほむら「時間がないの、放しなさい」


ジャンゴ「ボクらも……連れていってほしい」

ジャンゴ「君ひとりだけだと…心配だ」


ほむら「傷だらけの貴方にそんなこと言われる筋合いはないわ」


155 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/16(水) 00:51:47.45 ID:iyumoSLm0


おてんこ「こいつは別に魔女との戦闘について言っているんじゃない」

おてんこ「マミとの関係について心配してるんだ」


ほむら「貴方達だって、彼女に疑われたじゃない」


おてんこ「ああ、だが……お前1人で行くよりはだいぶ違うと思うぞ?」


ほむら「・・・」

ほむら「……分かったわ、付いてきて」


おてんこ「待て、いいモノがある」


ほむら「時間が押しているの、待ってる暇はないわ」


おてんこ「心配するな、走っていくよりはマシだ」

おてんこ「ジャンゴ、出せ!」


ジャンゴ「…」コクリ


156 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/16(水) 00:53:54.98 ID:iyumoSLm0


ジャンゴ「…」


ジャンゴは棺桶を召喚すると、バイクに変形させる。


ほむら「!」

ほむら「これは……」


おてんこ「モタモタしている暇はない、さっさと乗り込め!」

おてんこ「こいつで奥までカッ飛ばすぞっ!!」



バイクのアクセルを全開にして、3人は結界の最深部を目指す。


第6章・了


157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/05/16(水) 00:55:00.18 ID:iyumoSLm0
避けられない運命、どう抗う?


 『避けてっ! マミさん!!』


次回:「よみがえる悲劇」
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/05/16(水) 05:42:03.09 ID:LhJSi1fLo
乙っす
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/16(水) 05:57:39.76 ID:ebygMai+o
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sagesaga]:2012/05/16(水) 07:23:06.18 ID:yijD30al0
乙。次回タイトルが全てを物語ってるw どうあがいても……。
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/16(水) 07:58:53.65 ID:fd62iF+IO
ヤムチャ死す!みたいな感じだなwww
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/16(水) 08:37:50.41 ID:UyIKFF+IO
マミさんの頭がよりハードになってる…
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/16(水) 12:07:36.44 ID:C3QeDQASO
乙ー
しかしどいつもこいつも人の話し聞かねぇなぁ…
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/16(水) 12:46:08.20 ID:K2fPy8+DO

でもチェンジバットかマウスで抜けられたんじゃ、とか聞くのは野暮か
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/16(水) 12:48:03.83 ID:i8G15y9IO
その手の力を封じる仕掛けがあったことにしよう
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/05/16(水) 15:45:45.91 ID:59ndMkpxo
あの状態で吸血鬼化するのもほむらに不審に思われると思うんだが
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) :2012/05/16(水) 17:49:07.89 ID:/bey0emAO
今回はストーキング行為が裏目に出てしまったか…
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/05/16(水) 20:25:40.51 ID:iyumoSLm0
>>164
 本編では描写していませんが、リボンの拘束力はかなり高めに設定しています
 それこそ変身したら最後、 プチッ となる感じです

 さらに言えば>>166が指摘している通り、ほむらに怪しまれてしまうのと
 そろそろ主人公の見せ場を作ろうという理由でこのような脱出方法にしました
169 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/17(木) 00:05:05.87 ID:zKq2AOLv0



続・第7章 「よみがえる悲劇」



170 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/17(木) 00:06:29.33 ID:zKq2AOLv0


おてんこ「あそこだ!!」



結界内をバイクで駆けるジャンゴ達は魔女の部屋に続く扉を発見する。



おてんこ「2人とも! 構えるんだ!!」

おてんこ「このまま突破するぞ!!」


ほむら「このまま突っ込むつもりなの!?」


おてんこ「そうだ!! 扉を破壊して突き進む!」

おてんこ「準備はいいな! ジャンゴ!!」


ジャンゴ「…」コクリ


おてんこ「撃てっ!!」


171 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/17(木) 00:07:56.98 ID:zKq2AOLv0


おてんこの掛け声に従い、ジャンゴは手元のボタンを操作する。


     ヒュッ  ボンッ


ほむら「!?」



すると、フロントの左右にあるユニットからミサイルが発射される。


    バババババババン


発射されたミサイルは目の前の扉を木っ端微塵にした。



おてんこ「行くぞ!!」



ジャンゴ達は大きく口を開いた魔女の部屋への入り口へと突入する。


172 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/17(木) 00:10:44.76 ID:zKq2AOLv0


  「「マミさん!!」」

 
   「え……」



魔女の部屋では、今、まさに蛇のような魔女がマミの頭に食らいつかんとしていた。



ジャンゴ&ほむら「!」


おてんこ「マミ!!」

おてんこ「ジャンゴ! 攻撃だ!!」


    ヒュッ  ボンッ


ジャンゴは再びボタンを操作して、2発目のミサイルを発射する。


   バババババババン


   「ギャアア!!」



ミサイルは魔女の左舷に着弾し、その軌道を変えた。

それを確認したジャンゴは後輪を滑らせながらバイクを急停止させる。


173 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/17(木) 00:12:56.68 ID:zKq2AOLv0


おてんこ「よし、これで…」


ほむら「巴マミは…」


ジャンゴ「…」



誰もがマミの危機が去ったと安心したその時、



  「危ない!!」


  「避けてっ! マミさん!!」


  「な…に……」



ミサイルによって態勢を崩された魔女が身をよじって再びマミに牙をむいた。


174 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/17(木) 00:14:12.24 ID:zKq2AOLv0


そして、




        ガプッ




 「「「「「マミ(さん)!!」」」」」



呆けていたマミは左腕を肩から食いちぎられてしまう。


175 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/17(木) 00:16:08.12 ID:zKq2AOLv0


マミ「いやぁあああ!!!!」



左腕を失ったマミは我を失い、叫ぶ。



   「ガァッ……」



それを見た魔女が追い打ちをかけようとするが、


     ドォン


  「ギャアアアア!!」


ほむら「…」シュー



ほむらの攻撃によって阻まれる。


176 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/17(木) 00:17:50.67 ID:zKq2AOLv0


おてんこ「ほむら! 奴は任せた!!」

おてんこ「我々はマミの手当てをする!」


ほむら「分かったわ」タッ



おてんこの指示に了解したほむらは魔女に向かっていった。



おてんこ「行くぞ! ジャンゴ!!」


ジャンゴ「…」コクリ



ほむらに遅れてジャンゴ達も手負いのマミのもとへ向かう。


177 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/17(木) 00:20:12.00 ID:zKq2AOLv0


マミ「いやぁああ!! 腕がぁ!!」


まどか「マミさん!!」

まどか「さやかちゃん! 手当てしなきゃ!!」


さやか「分かってる!」

さやか「でも、どうすりゃいいのよ!!」


まどか「それは……」


マミ「私の腕がぁあ!!」



ジャンゴの向かう先には錯乱したマミと、それを見守るまどかとさやかの姿があった。


178 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/17(木) 00:21:22.98 ID:zKq2AOLv0


ジャンゴ&おてんこ「マミ!!」


まどか「ジャンゴ君!?」


さやか「あんたら!!」


おてんこ「彼女の手当ては我々に任せろ!!」

おてんこ「お前達は手を出すな!」


さやか「あ、ああ…」


まどか「分かった、マミさんをお願い!」


おてんこ「ジャンゴ、準備はいいな?」


ジャンゴ「…」コクリ



ジャンゴは治療をすべく、マミに近づく。


179 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/17(木) 00:23:43.03 ID:zKq2AOLv0


マミ「いやぁあ! いやぁあ!」


おてんこ「落ち着け! マミ!!」

おてんこ「今、手当てをする!」


ジャンゴ「マミ、頼むから暴れないでくれ」


マミ「いやよ! いやぁ!!」


おてんこ「気をしっかり持て!!」

おてんこ「まだ、その程度では死なない!」


さやか「マミさん、しっかりして!」


180 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/17(木) 00:24:19.02 ID:zKq2AOLv0


マミ「嘘っ!! 死んじゃうのよ!!」

マミ「腕がないなら、死んだ方がマシよっ!!」


おてんこ「大丈夫だ。治る」

おてんこ「治すから、傷を見せてくれ」


まどか「そうだよ、きっと治してくれますよ!」



マミ「いやっ!! 近寄らないで! 私はもうダメなのっ!!」



ジャンゴ達の必死の説得にも関わらず、錯乱したマミは治療を受けようとしない。


181 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/17(木) 00:25:48.85 ID:zKq2AOLv0


おてんこ「クソッ! 言うことを聞いてくれない……」

おてんこ「仕方がない……ジャンゴ、強行手段だ」


ジャンゴ「でも…」


おてんこ「いくら魔法少女といえども、このまま出血が続けば持たない」

おてんこ「これも彼女のためだ……」


ジャンゴ「…っ」シュン



ジャンゴは太陽銃を召喚して、レンズとフレームを交換し始める。


182 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/17(木) 00:27:22.21 ID:zKq2AOLv0


まどか「ジャンゴ君……?」


さやか「おい! あんた!!」

さやか「一体、何をするつもりなんだ!!」


おてんこ「彼女を気絶させる」

おてんこ「そうでもしなければ、治療は不可能だ」


さやか「でも、それは魔女を攻撃してた銃じゃない!!」


おてんこ「安心しろ。太陽レンズ〔ルナ〕は攻撃力を持たない」

おてんこ「気絶こそしても、彼女にダメージは残らないはずだ」


ジャンゴ「…」カチャカチャ ガチッ



その取りを尻目に、ジャンゴはレンズをルナ、フレームをヘビーショットタイプへと変更し終える。


183 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/17(木) 00:28:09.36 ID:zKq2AOLv0


さやか「だからって、あんた達は味方に武器を向けるの!?」


まどか「さやかちゃん!」


さやか「まどかは黙ってて!!」

さやか「どうなの!? 答えてよ!」


ジャンゴ「……他に方法が思いつかないんだ」チャキ


おてんこ「分かってくれ……さやか」



ジャンゴは太陽銃の銃口を暴れるマミに向ける。


184 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/17(木) 00:29:47.62 ID:zKq2AOLv0


さやか「やめろっ!!」ドスッ


おてんこ「さやか!」


まどか「さやかちゃん!」



さやかは銃を構えるジャンゴを突き飛ばした。



ジャンゴ「ぐっ…!」スチャ



爆発のダメージを負っていたジャンゴはよろめき、片膝を付く。


185 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/17(木) 00:30:43.40 ID:zKq2AOLv0


おてんこ「大丈夫か!? ジャンゴ!」


ジャンゴ「・・・」


まどか「やめてよ、さやかちゃん…」


さやか「転校生なんか連れてきた来た奴らなんて信用できない!」


おてんこ「話を聞け! さやか!!」

おてんこ「このままだと本当に手遅れになるぞ!!」


さやか「あんた達に任せるほうが危ない!」

さやか「マミさんはあたしが守るんだ!!」



彼女はおてんこの話を頑なに拒み、何としてもマミに近づけさせてはくれなかった。


186 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/17(木) 00:32:19.91 ID:zKq2AOLv0


さやかの説得を諦めたおてんこはジャンゴに耳打ちする。



おてんこ「だめだ……このままでは本当にまずい」ヒソヒソ

おてんこ「ジャンゴ、最後の手段だ」ヒソヒソ

おてんこ「……さやかも気絶させる」ヒソヒソ


ジャンゴ「…」スチャ



おてんこの話を聞いたジャンゴは静かに立ち上がると、



ジャンゴ「…っ」ダンッ


さやか「なっ…」ドサッ


まどか「!」



太陽ショットでさやかを気絶させる。


187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/17(木) 00:33:10.89 ID:pMamdR4N0
さやか、これでマミが死んだらどうするつもりなんだ?
188 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/17(木) 00:34:57.12 ID:zKq2AOLv0


さやか「」


まどか「さやかちゃん!?」


おてんこ「安心しろ。気絶しているだけだ」

おてんこ「時間が経てば、じきに目を覚ますだろう」


まどか「でも……」


おてんこ「我々もこんなことはしたくなかったが、事態が事態だ……許してくれ」


まどか「…」


おてんこ「我々はマミの治療にあたる」

おてんこ「まどか、お前はここでさやかの様子を見ていろ」

おてんこ「私が合図をするまでこっちを見るな、分かったか?」


まどか「うん…」



まどかとさやかを残して、ジャンゴ達はマミに向き合う。


189 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/17(木) 00:36:42.80 ID:zKq2AOLv0


おてんこ「ジャンゴ……やれ」


ジャンゴ「…」チャキ


マミ「やだよぉ……助けて…」



ジャンゴは太陽銃の銃口をマミに向け、



マミ「パパ…ママ……」


ジャンゴ「…」ダンッ



その引き金を引く。



マミ「」



光弾を受けた少女は意識を失い、おとなしくなる。


190 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/17(木) 00:38:31.93 ID:zKq2AOLv0


おてんこ「よし……ジャンゴ」

おてんこ「まずは傷口の確認だ」

おてんこ「左肩の余計な服を剥げ」



ジャンゴ「…」ザッ ザッ



左肩に残された布をはぎ取ると、痛ましい傷が露わになった。


191 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/17(木) 00:39:57.97 ID:zKq2AOLv0


おてんこ「ヒドイな……」


ジャンゴ「…っ」


おてんこ「この状態では布をあてがっての止血は難しい」


ジャンゴ「なら、どうすれば……」


おてんこ「……傷口を焼いて、皮膚を火傷させる」

おてんこ「そうすれば出血は止まる」

おてんこ「レンズを〔フレイム〕に交換して、スプレッドを当てれば可能なはずだ」


192 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/17(木) 00:42:27.73 ID:zKq2AOLv0


ジャンゴ「…」


おてんこ「……済まない」

おてんこ「本当は、お前にこんなことはさせたくないのだが……」

おてんこ「他に方法がない…」


ジャンゴ「…」カチャカチャ ガチッ



ジャンゴは無言で太陽銃のフレームを万能タイプに戻し、レンズをフレイムに交換する。

そして、



マミ「」


ジャンゴ「…っ」ビィーーーー



マミの傷口に炎属性のスプレッドを照射した。


193 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/17(木) 00:43:59.20 ID:zKq2AOLv0


マミ「」ジューー



しばらく照射を続けると出血は止まり、傷口の色が変わってきた。



おてんこ「もう十分だ……」


ジャンゴ「…」



それを確認したおてんこはジャンゴに指示を出す。


194 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/17(木) 00:46:29.41 ID:zKq2AOLv0


おてんこ「次は傷の消毒だな…」

おてんこ「消毒薬の持ち合わせはないが、魔法薬で代用できるだろう」

おてんこ「それと、ガーゼ替わりになる物が必要だが……」

おてんこ「それは彼女の持っているハンカチを使おう」


マミ「」


おてんこ「緊急事態だ……許してくれるだろう」


ジャンゴ「…」コクリ



ジャンゴはマミのポケットからハンカチを取り出す。

それに持ってきた魔法薬を染み込ませると火傷した傷口にあてがう。


195 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/17(木) 00:47:55.43 ID:zKq2AOLv0


おてんこ「これでひとまず……失血と化膿は防げたな」

おてんこ「後は、ガーゼを固定する包帯だが……」

おてんこ「さすがにこの場での調達は不可能。当然、お前も持っていない」

おてんこ「それが無ければ、迂闊に彼女を運ぶことはできない」

おてんこ「どこかに包帯代わりになる物はないのだろうか……」


ジャンゴ「……ある」


おてんこ「本当か? それなら問題は解決するのだが……」

おてんこ「一体、どこにあるというのだ?」


ジャンゴ「ここだよ」クイッ



ジャンゴは自身の身に着けている赤いマフラーを指し示す。


196 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/17(木) 00:50:03.37 ID:zKq2AOLv0


おてんこ「……深紅のマフラー」

おてんこ「しかし、それはお前の親父の……」


ジャンゴ「…」



ジャンゴは動揺するおてんこをまっすぐに見据える。



おてんこ「……そうだな」

おてんこ「同じ状況なら、あいつ……リンゴもそうするに違いない」

おてんこ「やるぞ、ジャンゴ」


ジャンゴ「…」コクリ



ジャンゴは首に巻きつけているマフラーを外すと、包帯替わりにそれを巻きつけた。


197 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/17(木) 00:51:50.87 ID:zKq2AOLv0


マミ「」


おてんこ「応急処置が完了した」

おてんこ「今は安静にするのが一番だ」

おてんこ「ジャンゴ、彼女を棺桶に収納するぞ」

おてんこ「ここではあの中が最も安全だからな」


ジャンゴ「…」コクリ



ジャンゴは座標をマミにセットして棺桶の転送装置を起動させる。


   ウィーン  ガタン


転送された棺桶は自働でマミを収納するとその動きを止めた。


198 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/17(木) 00:53:12.73 ID:zKq2AOLv0


おてんこ「これで当分は大丈夫だな」

おてんこ「まどかを呼ぼう」


ジャンゴ「…」


おてんこ「まどか!」


まどか「!」


おてんこ「マミの治療が完了した」

おてんこ「こっちへ来てくれないか?」



おてんこに呼ばれたまどかは気絶したさやかを連れてやってくる。


199 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/17(木) 00:54:14.76 ID:zKq2AOLv0


まどか「マミさんは……?」


おてんこ「あの中だ」



おてんこは黒い棺桶を指し示す。



まどか「えっ……」


おてんこ「大丈夫だ。彼女は生きている」

おてんこ「今はあの中にいるのが一番安全だからな」


まどか「よかった」


200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2012/05/17(木) 00:54:39.16 ID:g805oHAa0
棺桶に収納ってある意味死んでるよねww
201 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/17(木) 00:55:24.27 ID:zKq2AOLv0


おてんこ「だが、危険な状況であるのは変わりない」

おてんこ「一刻も早く本格的な治療を施さなければならない」

おてんこ「そこで、我々もほむらに加勢する」

おてんこ「行けるな? ジャンゴ」


ジャンゴ「…」コクリ


まどか「そんなボロボロの体じゃ……」


ジャンゴ「大丈夫、ボクらは負けない」


まどか「でも……」


おてんこ「こいつは何度も死線をくぐり抜けてきたんだ」

おてんこ「この程度の傷、どうってことない」

おてんこ「さあ! 行くぞ!!」



少女を残して、少年は魔女に向かっていった。


第7章・了


202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2012/05/17(木) 01:00:13.10 ID:kbIVk3L+0
>>1乙!

題名からして1週目と違うシチュでマミるのかと思ったわ・・・
203 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/17(木) 01:01:16.22 ID:zKq2AOLv0
用語解説2


【紅の リンゴ】

ジャンゴの父、ジャンゴに太陽銃と深紅のマフラーを託した人物。

伯爵に敗れ命を落とすも、銀河意志の策略によりヴァンパイアとして復活する。

最期は自分を器にするイモータルをその体に封じ込め、敵もろともジャンゴに浄化させる。



安心なんて出来ないな


 『なら、今の我々にできることはマミを信じて待つことだけだ』


次回:「不安な気持ち」
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/05/17(木) 01:01:26.77 ID:B+iByIzMo
アニメ見てないからまどマギのこと全く知らないんだけどさ
さやかってキャラはアニメでもこんなにウザキャラなのか
俺的にはもうウザイなんてレベルじゃないんだが
好きな人には悪いが、頭がアレなんじゃないかと思うレベル

まあ話は面白いので乙
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/17(木) 01:04:53.66 ID:gwNhvAPl0
いくらさやかでもここまで馬鹿じゃないだろ
あそこでほむらが助けなかったらマミさんは間違いなく死んでたと思うんだが・・・
それがわからんほど愚かでもないだろ
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga sage]:2012/05/17(木) 01:08:46.12 ID:zKq2AOLv0
>>204
 さやかはこの作品の負の部分を全て背負っているようなキャラなので
 決して彼女が悪い訳ではなく、周りの状況が彼女を追い詰めている様な感じです

 作者もさやかが嫌いという訳ではありません
 ただただ、難易度と世界観の都合上こんなことになってしまいました

 全国のさやかファンの皆さん、本当に申し訳ありません
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/05/17(木) 01:26:49.54 ID:2GQZ61vwo
思い込みが激しいってか自分の信じた正義を貫くってタイプというか
それが本編でも何かと裏目に出るわけだが
ついでにマミさんの事尊敬してるし、さやかの正義そのものだから信じられない奴らに触らせたくないってところか
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/05/17(木) 05:27:33.98 ID:d2xyYM1Yo
安定の青
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sagesaga]:2012/05/17(木) 06:29:14.12 ID:IbTubdAe0
乙。あーもーどいつもこいつもめんどくせぇ!ほむらが拗れるわけだ……。
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/05/17(木) 06:31:32.43 ID:hZcTzXQ4o
安定のあたまハードモード
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/17(木) 06:45:45.78 ID:Q7JzYzW9o
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/17(木) 07:23:48.11 ID:4Z3cNklSO
これ送られて来たのがジャンゴじゃなくてサバタだったらヤバいよな…当てはしないだろうけど有無を言わさずガンデルへル乱射しそうだ
もしくはゼロシフトで突き飛ばすとか
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/05/17(木) 08:31:50.79 ID:7UNjMhFeo
さやかちゃん好きは本編でのウザさが一周回ってかわいく見えちまった奴らなのさ…
まぁそもそも魔法少女のほとんどがJCだし…
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2012/05/17(木) 11:00:04.60 ID:B7IcuH7B0

サバタだったら、マミられた後のマミさんにダークマター注ぎ込んでヴァンパイア蘇生コースだろうな
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sagesaga]:2012/05/17(木) 14:04:43.42 ID:Z++DpEnM0
伯爵がカーミラにやったことをサバタがやるとおもうか……?
216 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/18(金) 00:12:28.35 ID:dSwXlT0g0



続・第8章 「不安な気持ち」



217 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/18(金) 00:14:39.20 ID:dSwXlT0g0


ほむらは爆弾や銃火器を使って魔女を翻弄する。

戦いの主導権は完全に彼女が握っていたが、



ほむら「…」ポイッ 


   ズドォォォン


  「ウガァァァァ!!!」



ほむら「!」サッ

ほむら「…っ」ドンッ カチッ

 
    バァァン


  「オオオォォォォ!!!!」



蛇のような魔女は硬い表皮に守られて一向に弱る気配を見せない。


218 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/18(金) 00:15:51.54 ID:dSwXlT0g0


ほむら「くっ…」ドンッ カチッ



有利に立っているとはいえ、物資に限りがある彼女は焦りの色を見せる。



ほむら「…」サッ



守りの堅い魔女に攻撃を加えようと左手の盾から爆弾を取り出した時、



  「ほむら! 目を瞑れっ!!」


ほむら「!?」



何者かの叫び声が聞こえる。


219 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/18(金) 00:18:51.92 ID:dSwXlT0g0


とっさにその指示に従うと、


    ピカッ


   「ガァ!?」



強烈な光が周りの景色を白一色に染め上げる。



   「………」



突然の閃光に魔女は怯み、その行動を鈍らせた。


220 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/18(金) 00:21:38.94 ID:dSwXlT0g0
 

  「今だ! 奴の口の中に爆弾を放り込め!!」


ほむら「…」ポイッ

 
      ズドォォォン


  「ギャアアアアアアアアアアア!!!!!!」



指示通りに爆弾を投げ入れると、不意打ちを食らった魔女は断末魔を上げて悶える。



  「このまま押し切れっ!!」

  「奴に抵抗する暇を与えるな!!」


ほむら「…っ!」ドンッ カチッ ドンッ カチッ ドンッ カチッ


 テュン バァァン バァァンテュン バァァン テュン テュン


   「ギャ!!グォ!…ギ……」



ほむらは魔女に対してダメ押しの弾幕を張る。


221 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/18(金) 00:23:28.94 ID:dSwXlT0g0


   「ガ……ァ………ッ………」



猛攻を受ける魔女は次第に抵抗を示さなくなる。

そして、遂に、



   「………」

   
 
沈黙した。


222 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/18(金) 00:24:47.15 ID:dSwXlT0g0


ほむら「これで終わりよ」ドンッ



弱り切った魔女に銃口を向けると、銃の引き金を引く。



     バァァン

  
  「ア゛……ア゛ア゛」



彼女の一撃によって魔女は消滅、結界は崩壊した。


223 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/18(金) 00:27:40.10 ID:dSwXlT0g0


おてんこ「マミを運ぶぞ! ジャンゴ!!」


ジャンゴ「…」コクリ



戦闘を終えたジャンゴ達はまどかのもとへ向かう。



おてんこ「まどか! マミの様子はどうだ!?」


まどか「大丈夫だけど……早く病院に連れて行かなきゃ!!」


おてんこ「何処だか分からない!」

おてんこ「案内してくれ!!」


まどか「でも、さやかちゃんが……」


224 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/18(金) 00:28:58.03 ID:dSwXlT0g0


おてんこ「さやかのことは私が見ておく」

おてんこ「お前はジャンゴを案内してくれ」


まどか「分かった!」


おてんこ「ジャンゴ、マミを頼んだぞ」


ジャンゴ「…」コクリ



ジャンゴは棺桶からマミを取り出すと彼女を抱きかかえる。



まどか「ジャンゴ君、こっち!」


ジャンゴ「…」



ジャンゴはまどかに従ってマミを運ぶ。

彼女の先導によってマミは緊急外来に送られ、緊急手術が施された。


225 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/18(金) 00:32:45.53 ID:dSwXlT0g0


まどか「マミさん……」


ジャンゴ「…」



手術室の前でマミの手術が終わるのを待っていると、



  「どうだ?」


ジャンゴ「おてんこさま…」



背後から聞きなれた声がする。


226 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/18(金) 00:35:52.62 ID:dSwXlT0g0


まどか「さやかちゃんは……どうしたの?」


おてんこ「ほむらに頼んで家に送って貰った」

おてんこ「今の彼女の精神状態では我々はもちろん、マミに会うのもよくないからな」


まどか「そう……なんだ」


おてんこ「心配するな、ほむらもそう悪い奴ではない」

おてんこ「マミだってきっと立ち直るさ」


まどか「…」


おてんこ「それとも……お前の知っている魔法少女はこんなとこでくたばるような奴なのか?」


まどか「…」フルフル


227 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/18(金) 00:36:58.47 ID:dSwXlT0g0


おてんこ「なら、今の我々にできることはマミを信じて待つことだけだ」


まどか「…うん」

  
    ガチャ


    「!?」



突然、手術室の扉が開いて中から看護師が現れる。


228 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/18(金) 00:39:25.41 ID:dSwXlT0g0


まどか「あ、あの! マミさんは……」


看護師「大丈夫よ。安心して」


まどか「よかった……」


ジャンゴ「…」


看護師「あなた達はあの娘のお友達?」


まどか「え、えっと……」

まどか「マミさんは学校の先輩で…わたしは……」


ジャンゴ「そう、マミは仲間だ」


看護師「一体、何があったの?」

看護師「あんな怪我するなんて普通じゃないわ」


まどか「それは……」


ジャンゴ「・・・」


229 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/18(金) 00:40:43.68 ID:dSwXlT0g0


看護師「………ごめんなさい」

看護師「今、一番辛いのはあなた達よね」


まどか「…」


看護師「後……これを」

看護師「もし、あのまま応急処置がなかったら手遅れになっていたわ」


ジャンゴ「…」



彼女はビニール袋に入った赤いマフラーをジャンゴに手渡す。


230 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/18(金) 00:41:34.66 ID:dSwXlT0g0


看護師「後のことは私達に任せてあなた達は家に帰りなさい」

看護師「ご両親も心配しているだろうし」


まどか「あの……マミさんには会えませんか」


看護師「……今、あなた達を面会させるわけにはいかないの」

看護師「心配なのは分かるけど、諦めて」


まどか「はい…」


看護師「面会できるようになったら、連絡が行くと思うから」

看護師「今日のところはこれで……」



看護師は再び手術室に入り、扉を閉めていってしまった。


231 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/18(金) 00:43:12.16 ID:dSwXlT0g0


まどか「…」


ジャンゴ「…」


おてんこ「なんとか、マミを救うことができたな……」オテンコ



看護師から身を隠していたおてんこが姿を現す。



まどか「でも……左腕が…」


ジャンゴ「丈夫、マミは強い」

ジャンゴ「きっと乗り越えてくれるさ」


おてんこ「もし、挫けそうになったら我々が助けてやればいい。違うか?」


まどか「…ううん」


232 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/18(金) 00:44:13.89 ID:dSwXlT0g0


おてんこ「さて、ここにいても何も始まらない」

おてんこ「今日はもう帰ろう」

おてんこ「帰りは我々が送っていく」


まどか「そだね……」

まどか「でも…ジャンゴ君達はどうするの?」


おてんこ「しばらくはマミの家にいる」

おてんこ「しかし……彼女の家にもいずれは捜査が入るだろう」

おてんこ「その時はどこか別の場所で過ごすことにする」

おてんこ「なに、ちゃんと連絡はする。行方不明にはならないさ」


まどか「…」


233 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/18(金) 00:45:25.68 ID:dSwXlT0g0


おてんこ「ああ…そうだ」

おてんこ「今回の件は不用意に話すなよ」

おてんこ「一般人には魔女や魔法少女の話は理解されない」

おてんこ「最悪、我々の行動が封じられてしまう恐れがある」

おてんこ「分かったな?」


まどか「…うん」


おてんこ「なら、行こう」



そうしてジャンゴ達は病院を後にする。


第8章・了


234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/05/18(金) 00:45:59.07 ID:dSwXlT0g0
取り戻すのは大変だぞ?


 『どうしてだ! マミ!!』  


次回:「喪失せし者」
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/05/18(金) 00:56:22.90 ID:zunvpw6Vo
次回予告から再び嫌な予感がする…
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/05/18(金) 01:03:43.53 ID:3EIp/XRAO
前回とあわせて予告がなぜか笑える
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sagesaga]:2012/05/18(金) 08:05:00.98 ID:0ZLCIQ8b0
ついに豆腐メンタルがマミったか。自殺すんじゃねーだろーな。
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/18(金) 08:11:07.58 ID:a55SKQLIO
流石に魔女化も外付けも知らない段階で自殺は……このスレのマミならありえそう
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/18(金) 09:03:19.59 ID:93imAQPSO

まぁ生還できたんだし結果オーライかねぇ…
というかマジで自殺しそうだw
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/18(金) 10:27:46.33 ID:Dqml2MfDO
乙、生還しただけマシなのかどうか…

隻腕の銃士だとか何とかいい方面で厨二こじらせてくれれば、或いは好転するかも判らんね
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/18(金) 10:38:37.90 ID:a55SKQLIO
このスレのネタ成分はおてんこさまくらいしか望めないからなぁ…
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/18(金) 10:56:56.77 ID:bTSqywv9o
つ ダンボール
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sagesaga]:2012/05/18(金) 14:39:43.74 ID:UKtNW9zW0
ボクタイ絶対子ども向けじゃ無いだろ…。そもそも主人公側が絶対に勝てない闘いに身を置いてる時点で子ども心に納得いかなかった。
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2012/05/18(金) 18:12:39.12 ID:g8TIQCC/0
数日後、そこにはサイコガンよろしくマスケットを腕代わりに生やすマミさんの姿が
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/18(金) 18:49:57.85 ID:OjcgF9m2o
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga sage]:2012/05/18(金) 19:06:20.02 ID:s3abkKWk0
ジャンゴさん冗談きついぜ……
腕が噛み千切られたら 普通 発狂もんだよぉ?
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/18(金) 19:24:02.31 ID:a55SKQLIO
>>244
だが単発だ
248 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/19(土) 00:05:19.74 ID:otHAbCTY0



続・第9章 「喪失せし者」



249 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/19(土) 00:07:35.23 ID:otHAbCTY0


マミが病院に送り込まれてから1週間が経ってようやく面会許可が下りた。

ここまで伸びた理由は『精神状態を鑑みての処置』であるらしい。

連絡を聞いたジャンゴ達は早速、マミのもとへ向かった。




おてんこ「マミの病室はここか……」



おてんこは病室の戸の上に書かれた〔巴マミ〕の文字を眺める。



おてんこ「中から人の気配がするな」

おてんこ「マミが動き回っているのか、それとも誰かが面会に来ているのか……」

おてんこ「考えても仕方ない……入るぞ」


ジャンゴ「…」コクリ


  ガラ   ガラ


ジャンゴは引き戸を開けて病室へと入る。


250 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/19(土) 00:09:21.21 ID:otHAbCTY0


そこにはよく知った3人の少女の姿があった。



まどか「…」



1人は顔を伏せながら、黙りこくり。



さやか「…っ」



もう1人は拳を握り、歯を食いしばる。



マミ「…」



最後の1人は、誰もいない方向を見つめたまま動かないでいた。


251 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/19(土) 00:11:23.78 ID:otHAbCTY0


さやか「なんでいるんだよ……」


まどか「……ジャンゴ君」



ベッドの脇にいた少女達が来訪者の気配に気づく。



ジャンゴ「…」


おてんこ「……様子はどうだ?」


まどか「それが……その…」



まどかがおてんこの質問に答えようとするが、



さやか「どうしてあんた達がここにいるんだよっ!!」



隣にいる少女の怒声によってかき消される。


252 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/19(土) 00:13:00.19 ID:otHAbCTY0


おてんこ「面会許可が下りたんでな、マミの見舞いに来た」


さやか「マミさんの見舞い? ふざけてんじゃないわよ!」

さやか「あんた、マミさんに銃を向けてたじゃない!!」


まどか「やめてよ! さやかちゃん!!」

まどか「ジャンゴ君が居なかったらマミさん、死んじゃってたかもしれないんだよ!!」


さやか「うるさいっ!!」


まどか「ひっ…」


さやか「そもそも、こいつらが居なかったらこんなことにはならなかったんだ!!」

さやか「普通だったら今頃マミさんと一緒にお茶してる! 違う!? まどか!!」


まどか「そんな……」


253 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/19(土) 00:15:11.79 ID:otHAbCTY0


さやか「言い訳できないってことはそうだよね?」

さやか「全部、何もかも、みんな、あいつらの所為だってことだよね!!」


まどか「違う…」


さやか「帰れよ!!」

さやか「あたしも、マミさんもお前らの顔なんて見たくないっ!!」


おてんこ「……そうか」

おてんこ「行くぞ、ジャンゴ」


ジャンゴ「…っ」


まどか「待って!」



まどかの制止を無視してジャンゴ達は病室を後にした。


254 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/19(土) 00:17:47.74 ID:otHAbCTY0


おてんこ「嫌われてしまったな」


ジャンゴ「…」



誰もいない病室の廊下で、おてんこは呟く。



おてんこ「ある程度は予想していたが、まさかあそこまで印象が悪いとは……」

おてんこ「状況が悪かったのか、それとも運がなかったのか」


ジャンゴ「・・・」


おてんこ「……悔やんだところで何も始まらない」

おてんこ「今日はもう帰ろう、また明日来ればいいさ」


ジャンゴ「…」コクリ



寝床に帰ろうと足を踏み出したとき、



  「ジャンゴ君!」



背後から自分を呼び止める声を聞く。


255 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/19(土) 00:20:23.03 ID:otHAbCTY0


ジャンゴ「まどか…」


おてんこ「……どうしたんだ?」


まどか「あ、あの…さやかちゃんのことなんだけど」


おてんこ「問題ない、ある程度は予想していた」


まどか「そうじゃなくて」

まどか「あの娘は……思い込みが激しくて、意地っ張りで、結構すぐ人とケンカしちゃったり」

まどか「でもね、すっごくいい子なんだ」

まどか「優しくて勇気があって、誰かのためと思ったら頑張りすぎちゃっうの」

まどか「だから……」


ジャンゴ「分かってる!」


まどか「!?」


256 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/19(土) 00:23:52.20 ID:otHAbCTY0


ジャンゴ「ごめん…脅かすつもりはなかったんだ」

ジャンゴ「けど……」

ジャンゴ「マミの強さ、さやかの純粋さ、杏子の優しさ、そして……ほむらの決意だって」

ジャンゴ「ボクにはみんな分かっている」

ジャンゴ「忘れない、って決めたんだよ」


まどか「ほむらちゃんも……?」

まどか「ジャンゴ君は何か知っているの?」


ジャンゴ「…」


257 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/19(土) 00:26:25.43 ID:otHAbCTY0


まどか「もし知ってるなら、教えて」

まどか「そうすれば、ほむらちゃんとも仲良くできるかもしれないから……」


ジャンゴ「それは……ボクの口から話すことはできない」


まどか「でも……」


ジャンゴ「確かに、その話は君達の彼女に対する見方は変えるかもしれない」


まどか「だったら…」


ジャンゴ「でも、それをしてしまったら彼女の決意を無碍にすることになる」

ジャンゴ「彼女の想いを踏みにじるなんて……ボクにはできないんだ」


まどか「…」


258 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/19(土) 00:29:19.61 ID:otHAbCTY0


おてんこ「まどか……分かってやってくれないか」

おてんこ「こいつもこいつなりの葛藤があって、この結論に至った」

おてんこ「どうか、その答えを否定しないでやって欲しい」


まどか「…」


おてんこ「色々と思うところがあるだろうが、今日はこれでお開きだ」

おてんこ「我々は今、町はずれの廃工場を根城にしている」

おてんこ「何か困ったらいつでも来てくれ」

おてんこ「それじゃあ、さやかを頼んだぞ」


まどか「…」コク



少女をひとり廊下に残して、ジャンゴ達は拠点にしている工場へと向かった。


259 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/19(土) 00:36:57.62 ID:otHAbCTY0


翌日、日課になっている罠の仕込みを終えたジャンゴ達は再びマミの病室を訪れる。



おてんこ「今度こそちゃんと面会できればいいのだが……」


ジャンゴ「…」


おてんこ「さあ、入ろう」


  ガラ  ガラ


昨日と同じように病室の引き戸を開ける。


  
   「!?」

 
  「……貴方達」


おてんこ「お前……」


ジャンゴ「…」



そこには先客、暁美ほむらが来ていた。


260 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/19(土) 00:38:49.39 ID:otHAbCTY0


おてんこ「……来ていたのか」


ほむら「…」


おてんこ「マミの様子はどうだ?」


ほむら「貴方達の方が詳しんじゃないの?」


おてんこ「昨日は追い返されてしまってな」

おてんこ「様子を見ていられるよな状況じゃなかったんだ」


ほむら「なら、自分たちで確かめればいいわ」

ほむら「正義に燃えた魔法少女のなれの果てをね」



そう言って、黒髪の少女はジャンゴ達に道を譲る。


261 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/19(土) 00:40:43.03 ID:otHAbCTY0


おてんこ「これは……」


ジャンゴ「…マミ」


マミ「…」



ほむらの陰から現れた少女は、虚ろな瞳で天井を見つめていた。


262 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/19(土) 00:42:14.49 ID:otHAbCTY0


おてんこ「マミ、我々が分かるか?」


マミ「…」


おてんこ「聞こえているのか? マミ」


マミ「…」


おてんこ「何とか言ったらどうだ?」


マミ「…」


おてんこ「そうか、我々の仕打ちに怒っているのだな」


マミ「…」


おてんこ「謝るから、何か話してはくれないか?」


マミ「…」


263 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/19(土) 00:43:20.86 ID:otHAbCTY0


おてんこ「……済まなかった、あれ以外に方法がなかったのだ」


マミ「…」


おてんこ「許してくれないか?」


マミ「…」


おてんこ「…」


マミ「…」


おてんこ「マミ……」


マミ「…」


おてんこ「我々にできることなら何でもする、だから……」


マミ「…」


おてんこ「頼むから何か言ってくれ」


マミ「…」



おてんこはベッドに横たわる少女に話しかけるが、彼女が反応を示すことはなかった。


264 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/19(土) 00:44:51.43 ID:otHAbCTY0


おてんこ「どうしてだ! マミ!!」


ジャンゴ「…っ」


マミ「…」


ほむら「無駄よ、何をやっても彼女は答えないわ」


おてんこ「どういうことだ……」


ほむら「そのまんまの意味よ」

ほむら「触れようが、話しかけようが、彼女は何の反応も示さない」

ほむら「まあ…ソウルジェムはどうなるか知らないけど」


おてんこ「……どうしてこうなった?」


265 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/19(土) 00:46:44.31 ID:otHAbCTY0


ほむら「そんなこと聞かれても困るわ」

ほむら「私が来たときは既にこの状態だった」

ほむら「結局……肉体は救えても、その精神までは救えなかったってだけの話よ」


おてんこ「どうにか元に戻すことはできないだろうか……」


ほむら「あいつにでも聞いてみたら」

ほむら「契約対象の状態ぐらい把握しているんじゃないかしら?」


おてんこ「インキュベーターか」

おてんこ「しかし、奴はどこに……」



   「呼んだかい?」



病室にはいつの間にか、赤い目をした猫のような生き物の姿があった。


266 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/19(土) 00:49:34.78 ID:otHAbCTY0


ジャンゴ「…」


おてんこ「……見舞いにでも来たのか?」


QB「そうだよ、僕としてもマミに立ち直って欲しいからね」


おてんこ「どうしてマミがこうなったか……教えてくれるな?」


QB「簡単に言うと、彼女は心を閉ざしてしまったんだ」


おてんこ「心を閉ざした……? どういうことだ」


QB「今回の出来事はマミにとってはとても耐えられるものじゃなかった」

QB「だから、彼女は自分を守るためにあらゆる感覚器のスイッチを切った」

QB「つまり……思考を停止することで精神の崩壊に歯止めをかけたんだ」


267 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/19(土) 00:51:56.08 ID:otHAbCTY0


おてんこ「しかし、マミは魔法少女として死を覚悟していた……」

おてんこ「覚悟を持った人間が、戦闘中の負傷でそこまで追い詰められるものだろうか?」


QB「僕には何とも言えないね」

QB「ただ……彼女にとって、それほどまでにショックなことがあったということだよ」


おてんこ「あった……?」

おてんこ「お前……余計なことはしていないだろうな」


QB「余計なことってなんだい?」


おてんこ「聞かれてもいないことを、ベラベラ喋ることだ」


QB「僕達は何も喋らないよ、聞かれていないことについてはね」


おてんこ「その口ぶり………何か話したな」


QB「…」


268 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/19(土) 00:52:37.49 ID:otHAbCTY0


おてんこ「沈黙は肯定か……」

おてんこ「何処までだ」


QB「君達が知っているところまでさ」


おてんこ「全てか…」


ジャンゴ「…」


ほむら「…」


QB「もう、聞きたいこともないみたいだし」

QB「僕はこれで失礼するよ」



そう言い残すと、QBは病室を後にする。


269 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/19(土) 00:53:18.80 ID:otHAbCTY0


おてんこ「…」


ジャンゴ「…」


ほむら「…」



残された3人の間に沈黙が流れる。


270 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/19(土) 00:58:12.03 ID:otHAbCTY0


おてんこ「……状況を整理しよう」

おてんこ「どのような経緯か分からないが、奴が魔法少女のシステムについてマミに話した」

おてんこ「その話は、当然、腕を失くした彼女にとって耐えられるものではなかった」

おてんこ「そこで、彼女の防衛本能が働き、外界との接触を絶った」


マミ「…」


おてんこ「……今は、時が彼女を癒してくれるのを待つしかあるまい」

おてんこ「彼女が全てを受け入れられる準備ができるまで……信じて待っていよう」


ほむら「…」


ジャンゴ「…」


おてんこ「ほむら、我々はこれで……」


ほむら「…」



沈黙するほむらを残して、ジャンゴ達は病室から出る。


271 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/19(土) 01:00:10.05 ID:otHAbCTY0


おてんこ「ジャンゴ…」



病室を出ると、おてんこに話しかけられる。



おてんこ「さっきも言った通りマミはすぐには復帰できない」

おてんこ「その場合、お前の話を総合すると……さやかが契約する可能性が高い」


ジャンゴ「…」


おてんこ「我々にはマミの心は救えなかった」

おてんこ「だから、今度は絶対に成功させる」

おてんこ「彼女の契約を阻止するぞ」


ジャンゴ「…」コクリ


272 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/19(土) 01:01:42.71 ID:otHAbCTY0


おてんこ「それには、彼女の願いを知る必要があるのだが……」

おてんこ「我々にはそれが分からない」


ジャンゴ「…」


おてんこ「だが、手がかりがないこともない」

おてんこ「マミと一緒にいたとき、さやかが仄めかしていた〔上条恭介〕という人物」

おてんこ「彼女の言動からしても……契約内容に密接に関わっているに違いない」

おてんこ「彼は今、我々がいるこの病院に入院しているらしい」

おてんこ「探すぞ、ジャンゴ」


ジャンゴ「…」コクリ



新たな手ががりを求め、太陽少年は病院内を回り始めた。


第9章・了


273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/05/19(土) 01:02:23.74 ID:otHAbCTY0
言っただろ? 慎重に、って


 『恭介はあたしが守るっ!!』


次回:「ルート分岐2」
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/05/19(土) 01:06:21.88 ID:xTc7ywM7o
乙っす
青もQBもロクなことせんな
275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/05/19(土) 01:08:52.53 ID:lG6RomKfo
わぉ…今まで見た中でもトップクラスに悲惨なマミさんだ…
276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/05/19(土) 01:10:05.03 ID:vnjGgCNP0
というかやることが色々裏目ってるな
おてんこ様が海のリハクか呉学人に見えてきた
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/19(土) 01:15:41.83 ID:RrmpxsAl0
さすがにさやかはここまで頭がアレじゃないだろ
原作ではほむらのせいにするのはまだわからなくもないけど
あの状況でジャンゴ達のせいって…そう思うにしてはいくらなんでも無理がありすぎるだろ…
あそこでジャンゴ達が駆けつけなきゃ間違いなくマミさんは死んでたんだし、それが理解出来ないわけでもないだろ
演技だと思ったにしてもこれはないって
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga sage]:2012/05/19(土) 01:20:18.86 ID:otHAbCTY0
>>277
 そこら辺は重々承知しています。ただ、これが作者の限界です
 ここはナイトメア仕様として、目を瞑って頂ければ幸いです
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/19(土) 02:37:02.63 ID:nyEa6TVHo
乙。
まあ、ナイトメア仕様という言葉を免罪符にした、さやかアンチになり掛けてる気がしないでもないけど、結論を出すのはまだ早いか。
今後の展開に期待かね。
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sagesaga]:2012/05/19(土) 06:53:58.43 ID:bOkvOewb0
おてんこ「どうしてこうなった」

こっちが聞きたい。ほむらもいままでに無い状況にことばが出ない…。
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/19(土) 11:58:47.18 ID:rMcTkGuSO
乙 首じゃなくて心がマミったかw
豆腐メンタルでよかったなw
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/19(土) 15:32:22.72 ID:yv5oadHDO

確かにボクタイじゃ手っ取り早い鬱ブレイカーってのは難しいよなあ
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/19(土) 20:43:37.65 ID:ikclqaoao
まあさやかは、どうあがいてもクズだと思うがな
284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/05/19(土) 20:48:35.47 ID:De7nXtljo
正直な話、いくら本人の考える正義だとか状況が悪いというのを考慮したとしても
俺にはさやかがまともな感性を持ったキャラクターにはどうしても見えんのだが
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/05/19(土) 20:48:37.66 ID:p2S0/ffyo
新・〜スレが立つ可能性を無視するならここからどう持ち直すかが見せ場だな。

え?DSまでの四部作スレ??(斜め上
286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/19(土) 20:51:44.67 ID:MxzCLeG/o
ところで、ソウルジェム無事なら腕生えるんじゃね?
287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/05/19(土) 21:20:12.72 ID:rdaktvI5o
>>286
病院で正式に見てもらった後だし、生えてきたらそれはそれで不味い気も
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/05/19(土) 21:22:27.26 ID:p2S0/ffyo
自分を人間だと思ってるからそんなことできないと思ってるんじゃね。

リボンの応用力が公式で異常だから多少は手の代わりには出来るだろうけど、魔翌力の消費もあるし、本人にまずその気が無いのが
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2012/05/19(土) 23:47:14.13 ID:mxotijbz0
さやかが契約しちゃったら癒しパワーで腕再生してくれるだろうが、その契約自体避けたい訳で・・・

そもそも願いが恭介の腕を治したい→マミさんの腕を治したいに変わるだけかも知れんし
290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/05/19(土) 23:48:33.68 ID:p2S0/ffyo
この病院の人の症状を全部なおして!

君の素質じゃ無理だ、まどか、君ならできる!
291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/05/20(日) 00:16:27.39 ID:xHL7V0pIo
どこから来たのかもわからんような奴がおまけに空飛ぶひまわりまでついてるからな
得体の知れない相手を信用しろってのは酷な話だからな。なんでさやかの行動はありえない態度ではない
精神的な成長が見込めない限りは契約は避けたいというのが今のところの方針だろうな
292 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/20(日) 00:19:29.68 ID:ib4XvH2q0



続・第10章 「ルート分岐2」



293 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/20(日) 00:24:06.87 ID:ib4XvH2q0


病院内を探し回ったジャンゴ達はある部屋の前にたどり着く。



おてんこ「〔上条恭介〕……ここだな」


ジャンゴ「…」



病室と廊下を仕切る戸には〔上条恭介〕と書いてあるネームプレートがぶら下がっていた。



おてんこ「さて、どうしたものか」

おてんこ「このまま入っても我々はタダの不審者だ」

おてんこ「かといって……今はさやかに紹介など頼める状況ではないし」

おてんこ「やはり、潜入しか……」



  「もう聴きたくなんかないんだよ!!」



ジャンゴ&おてんこ「!」



扉の向こうから唐突に叫び声が聞こえる。


294 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/20(日) 00:25:59.14 ID:ib4XvH2q0


おてんこ「今の叫び声……ただ事ではないな」

おてんこ「あの声の主が上条恭介という人物なのか?」


ジャンゴ「…」


おてんこ「だとすれば、その声を向ける相手は……」


    ガラッ


「…」


ジャンゴ「……さやか」



目の前の扉を開き、青い髪をした少女が姿を現す。


295 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/20(日) 00:29:14.69 ID:ib4XvH2q0


さやか「あんた達……どうしてここに」


     ガタン


彼女が手を放すと、戸は内蔵したバネの張力によって勝手に閉まる。



おてんこ「それは……」


さやか「いいよ、話さなくても」

さやか「あたしには分かってるから」


おてんこ「……どういう意味だ」


さやか「あんた達、何か企んでるんでしょ?」


296 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/20(日) 00:34:20.57 ID:ib4XvH2q0


ジャンゴ「そんなことない」

ジャンゴ「ボクらは……」


さやか「黙れ!!」

さやか「マミさんをあんな目に合わせたくせに、しらばっくれるんじゃないわよ!!」


ジャンゴ「…っ」


おてんこ「だから、あれは…」


さやか「今度こそ、あんたらの思い通りになんてさせない!」

さやか「恭介はあたしが守るっ!!」


おてんこ「待て! さやか!!」



さやかは背を向けて走り去っていってしまう。



おてんこ「ジャンゴ! 彼女を追うぞ!!」


ジャンゴ「…」コクリ



ジャンゴ達は激情した少女の背中を追う。


297 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/20(日) 00:36:01.77 ID:ib4XvH2q0


おてんこ「クソっ! どこにいったんだ!!」



慣れない病院の中でさやかを見失ってしまう。



おてんこ「このままでは衝動に任せて契約してしまう」

おてんこ「早く見つけなければならないのに」

おてんこ「一体、どこへ……」

   
   タッ  タッ


ジャンゴ&おてんこ「!」



何者かの足音がジャンゴ達の耳に入る。



おてんこ「上だ!!」



音にのした方向を確認すると、少女を追って階段を駆け上がる。


298 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/20(日) 00:39:21.44 ID:ib4XvH2q0


おてんこ「この先は屋上か…」

おてんこ「突入するぞ!!」


ジャンゴ「…!」

  
     バァン


階段を抜けたジャンゴは屋上へと続く扉を開け放つ。

その扉を開いた瞬間、



   パァァァァアアア


おてんこ「なっ!」


ジャンゴ「!?」



強烈な光がジャンゴ達を包み、その視界を麻痺させた。


299 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/20(日) 00:42:58.07 ID:ib4XvH2q0


おてんこ「うっ…」


ジャンゴ「…っ」



光は次第に弱まり、



ジャンゴ&おてんこ「!」



目の前の光景が露わになる。



おてんこ「クソ…遅かったか」


ジャンゴ「さやか…」


さやか「…」



そこには白いマントをはためかせ、右手に剣を携えている少女が佇んでいた。


300 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/20(日) 00:46:55.00 ID:ib4XvH2q0


ジャンゴ「…」


おてんこ「契約……したのだな」


さやか「力が必要だったからね」


おてんこ「お前は、その力を……何に使うつもりだ?」


さやか「守るために使うよ」

さやか「大切な人を、大好きな人を……」

さやか「あんた達みたいな奴らからね!!」ダッ


ジャンゴ&おてんこ「!」



さやかはジャンゴに向かって斬りかかってくる。


301 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/20(日) 00:49:08.47 ID:ib4XvH2q0


おてんこ「ジャンゴ!!」


ジャンゴ「…っ」シュン


    キンッ


すかさず剣を召喚し、さやかの剣を受け止める。



おてんこ「落ち着け!! さやか!」

おてんこ「我々はお前と戦うつもりはない!!」


さやか「うるさい!!」


    カンッ


ジャンゴ「…!」



彼女は鍔迫り合いになると、ジャンゴを突き放して距離を取る。


302 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/20(日) 00:52:18.00 ID:ib4XvH2q0


さやか「はあぁぁ!!」ブン



彼女は再びジャンゴに肉薄して、手に持つ剣を横一線に薙ぐ。
  
 

ジャンゴ「…っ」サッ



ジャンゴはバックステップでその攻撃をやり過ごす。



ジャンゴ「止めるんだ! さやか!!」


おてんこ「そうだ! 争っても何も始まない!!」


さやか「あたしは騙されない!!」



ジャンゴ達の呼びかけを無視して、彼女は攻撃を続ける。


303 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/20(日) 00:54:30.85 ID:ib4XvH2q0


さやか「はっ!!」


   キンッ
 

ジャンゴ「話を聞くんだ!!」


さやか「黙れっ!!」


   カンッ


ジャンゴ「くっ…」



その後も、何度か呼びかけるが、



さやか「はぁぁああああ!!!」



彼女が答えてくれることはなかった。


304 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/20(日) 00:56:50.20 ID:ib4XvH2q0


戦闘の合間を見て、おてんこはジャンゴに耳打ちする。



おてんこ「これ以上の説得は意味をなさない」

おてんこ「やりたくなかったが、仕方ない……戦うぞ」

おてんこ「彼女の頭に上った血を冷ますんだ」


ジャンゴ「でも…」


おてんこ「でなければ我々がやられてしまう」

おてんこ「分かってくれ、ジャンゴ!」


ジャンゴ「…っ」


305 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/20(日) 00:59:10.18 ID:ib4XvH2q0


さやか「行くぞ!!」ダッ



反撃の様子を見せない少年に向かって、さやかは剣を突出して飛び込んでいく。



ジャンゴ「…っ!」ヒュッ



覚悟を決めたジャンゴは右手の剣で一閃、



さやか「!?」


     カンッ   


  カラン   カラン


さやかの手から剣を叩き落とした。


306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(香川県) [sage]:2012/05/20(日) 00:59:19.93 ID:aWBuKeYlo
さやかひでぇ
ジャンゴのタイミングも悪すぎるwwww
307 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/20(日) 01:02:06.86 ID:ib4XvH2q0


さやか「…」



武器を失った少女は黙って、地面に落ちた剣を見つめる。



おてんこ「どうだ……少しは頭が冷えただろ」


さやか「やっぱり………そうだよね」


おてんこ「どうした……?」


ジャンゴ「さやか…?」


さやか「口では戦わないとか言っても、危なくなったら武器を振るう」

さやか「結局、みんな自分の身が惜しんだ」


おてんこ「待て、これはお前のためを思って……」


さやか「黙れ!! あたしはあんた達みたいにならない!」

さやか「この力は誰かを守るために使うんだ!!」シュン シュン シュン シュン



さやかの周りの地面に大量の剣が召喚される。


308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/05/20(日) 01:02:51.36 ID:xHL7V0pIo
前回の立ち回りの方がいいのかもしれんな
とはいっても精神的な成長はなんかでかいことないと見込めない気もするし…
309 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/20(日) 01:04:03.46 ID:ib4XvH2q0


おてんこ「これは……」


ジャンゴ「どうして……」


さやか「お前はあたしが倒す!!」



彼女は叫ぶと、周りの剣をジャンゴに次々と投げつける。



おてんこ「避けろ!!」


ジャンゴ「くっ…」サッ サッ



ジャンゴは右へ左へと体を翻して、向かってくる無数の剣を避ける。

しかし、全てを回避できるはずもなく、



ジャンゴ「ぐっ…」ザクッ ズシャッ



行く手を遮る剣にその身を切り裂かれる。


310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2012/05/20(日) 01:04:38.51 ID:Ob63rkKAO
おもいっきり人殺しのために使ってるじゃないですかー
311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/05/20(日) 01:05:07.65 ID:2fVGTVBjo
さすがさやかさんやで、クズやわぁ
312 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/20(日) 01:06:19.90 ID:ib4XvH2q0


おてんこ「この数は対応できない!!」

おてんこ「ジャンゴ、撤退するぞ!」


ジャンゴ「…」コクリ



これ以上の交戦を不可能と判断したおてんこは撤退を命じる。



さやか「逃がすか!!」



しかし、入口の方向に剣を投げつけられ、ジャンゴ達は行く手を塞がれる。


313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/05/20(日) 01:07:36.92 ID:xHL7V0pIo
クズ× バカ〇 
さてあとはROMるか
314 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/20(日) 01:08:58.68 ID:ib4XvH2q0


ジャンゴ「…っ」サッ  ザクッ


おてんこ「これでは入り口にたどり着けない」

おてんこ「こうなったら、最後の手段だ」

おてんこ「飛ぶぞ! ジャンゴ!」


ジャンゴ「…」コクリ サッ シュッ



おてんこの指示を聞いたジャンゴは屋上の手摺りへ向かった。


315 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/20(日) 01:10:08.77 ID:ib4XvH2q0


さやか「もう逃がさない!」



少年が手摺りにたどり着くと、



ジャンゴ「…」


さやか「喰らええぇぇぇぇ!!」



青い魔法少女は、召喚した剣を一斉に投げつける。


316 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/20(日) 01:14:19.87 ID:ib4XvH2q0


ジャンゴ「…っ」サッ



飛んでくる剣を確認した少年は、手摺りに身を乗り出し、



ジャンゴ「…!」



屋上から飛び降りた。



さやか「!」



予想外の行動に驚いたさやかは手摺りに駆け寄って下を確認するが、



さやか「…っ」



何も見つけられなかった。



さやか「…」



彼女が顔を上げると、一匹のコウモリが夕暮れの空を飛んでいくのが目に入った。


第10章・了


317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/05/20(日) 01:14:59.07 ID:ib4XvH2q0
お前は……


 『待っていたぞ、太陽少年』


次回:「邂逅」
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/05/20(日) 01:17:07.44 ID:xEZMnTiHo
それでも私は>>1がさやか嫌いではないと信じている。

でも読んでて胸が苦しいよ、ここ迄のすれ違いって。
ほむらですらここまでの仕打ちは受けなかったのに…
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/20(日) 01:21:29.08 ID:NyMgqp2T0
これはありえないだろww
いくら嫌いな奴でもこんな問答無用で殺しにくるようなキチガイじゃないだろ、さやかはww
どういう思考ならこうなるんだと思い込みが強くても限度があるわ

320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/05/20(日) 01:22:35.45 ID:xHL7V0pIo
SS書いててまぁぶち当たる壁はマミさん・さやかちゃん・ほむらだよね
ほむほむを一番最初の段階で引き込めないのならマミさん側についていたほうが守りやすくはあるだろうね
321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/05/20(日) 01:25:36.81 ID:xEZMnTiHo
実質まどか以外誰も信用してくれてないしなぁ。
まどかにほむらのことを伏せて魔法少女よ真実を話すか、QBにいじられる前に杏子に早いところ信用を取り付けに行くか。

まさにナイトメアだなこれは。
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/05/20(日) 01:29:07.64 ID:xHL7V0pIo
>>319
ヒント:さやか側から見ると身元不明の怪しい変な奴にしか見えないから
    あとナイトメア補正
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/05/20(日) 01:32:44.87 ID:xEZMnTiHo
マミ自殺
さやか腐敗
そんなひどいコトはできないと言った一周目終了後の作者


二周目、早くも
マミ廃人化
さやか頭沸騰

予想してなかったぞこれは流石に
324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/05/20(日) 01:34:39.87 ID:xHL7V0pIo
早くもではないとは思うけどね ただ状態が違うだけであって
まぁ俺は応援しつづけるよ
325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/05/20(日) 01:34:47.27 ID:SvwhAZaAO
杏子はたぶん出会い頭にポッキーで目潰ししてくる
ナイトメア補正で
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/20(日) 01:38:28.40 ID:NyMgqp2T0
いや、2度も助けてもらってそれなりに友好的に接してるのにこれはないって
だいたい得体が知れないんならQBも大概でしょうがと
それに本編でさやかは正義を振りかざして嫌いな奴でも殺しにくるようなマネはしてないだろ
あの時、仕掛けてきたのも杏子からだったし
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/05/20(日) 01:45:10.24 ID:xHL7V0pIo
あくまでも俺の見解だが
助けてもらったことより今抱えている怒りや不安をどうにかしたいという方に意識をとられているように見える
QBはただ力をくれる存在だと現時点では思っているので拒絶するだけの理由がない
上条とのこともあって頭に血が上ったさやかが考え無しに契約から攻撃までを行ったんだと思っている

これ以降は作者でもなんでもないので俺は黙ってることにする
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/05/20(日) 01:46:41.04 ID:Pm/SEQaG0
乙ー
ところでその気になればエターナルも封印出来るジャンゴの鉄拳が出るのは何時ですか?
まぁシャアンとも似たような事有ったけどなぁ・・・お前ジャンゴの話聞けよとゲームに向かって突っ込んだわww
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sagesaga]:2012/05/20(日) 03:32:01.73 ID:F7mLk9mJ0
さやかちゃんみたいなのがたくさんいるから、せんそうはなくならないんだとおもいました。
後何気にヴァンパイアソードっぽい攻撃に感動。
330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/20(日) 11:25:00.51 ID:0GlOFc9DO

このさやかにデジャブ感じると思ったら、仮面ライダー剣序盤でもずく浸かってた頃の橘さんだ

つまり恭介が魔女に殺されれば覚醒チャンス…いやそれじゃ救われなさすぎか
331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) :2012/05/20(日) 12:10:52.90 ID:sqBY6tCAO
さやかは伯爵だったのか。
しかし、契約直後なのに凄く強いな
332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sagesaga]:2012/05/20(日) 15:02:03.52 ID:F7mLk9mJ0
アダジノカラダハボドボドダ!
キョウフシン…アダジノココロニキョウフシン…
ギョウズゲー!!
333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/05/20(日) 19:58:36.29 ID:7IPsTSWZ0
>>329
??「お前のような奴がいるから戦いがなくならないんだ!消えろ!!」
??「お前のような奴はクズだ!生きてちゃいけない人間なんだ!」
そういえばアイツも髪が青かったな…
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/05/20(日) 21:09:43.29 ID:yKPMCh3Ao
>>333
そして精神崩壊=魔女化とすると…?
青いのは駄目だなぁ
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) :2012/05/20(日) 21:48:27.71 ID:iuvXG5Fl0
さやかってここまでひどかったかな・・・
中学生ってのを考慮してもこれはなあ・・・
こっから信用させるなんて無理げーだろ
336 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/21(月) 00:04:24.43 ID:vaDGtV6o0



続・第11章 「邂逅」



337 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/21(月) 00:05:26.98 ID:vaDGtV6o0


おてんこ「なんとか逃げられたな」


ジャンゴ「…」



さやかの前から姿を消したジャンゴ達は病院の近くにあるビルの屋上にいた。



ジャンゴ「…」


おてんこ「…」



おてんこの一言を最後に2人の間に沈黙が流れる。


338 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/21(月) 00:06:50.40 ID:vaDGtV6o0


おてんこ「契約してしまったか……」


ジャンゴ「…」



しばらくしておてんこが口を開く。



ジャンゴ「結局、ボクには何もできなかった」

ジャンゴ「彼女を追いこんでしまっただけなんだ」


おてんこ「そう自分を責めるな」

おてんこ「誰も悪くはない」

おてんこ「巡りあわせが悪かっただけだ」


ジャンゴ「…」


339 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/21(月) 00:08:17.93 ID:vaDGtV6o0


おてんこ「それにまだ終わったわけではない」

おてんこ「確かに、魔法少女になったさやかを救うのは難しかもしれない」

おてんこ「だが、不可能ではない」

おてんこ「お前だって、この程度で諦めるわけにはいかないんだろう?」


ジャンゴ「…」


おてんこ「そうだ、その顔だ」

おてんこ「お前が瞳に光を宿し続ける限り、希望はなくならない」

おてんこ「諦めないその心こそが未来をつくるのだ」


340 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/21(月) 00:09:42.81 ID:vaDGtV6o0


おてんこ「さて、今日はもう帰ろう」

おてんこ「いくらヴァンパイアの力で傷は塞がったとはいえ、体力までは回復しない」

おてんこ「しっかりと休息を取っておくんだ」


ジャンゴ「…」コクリ


おてんこ「まだ時間はある。焦る必要はないさ」



ジャンゴはしばらく体を休めると、寝床にしている廃工場へ向かった。


341 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/21(月) 00:11:14.97 ID:vaDGtV6o0


おてんこ「ん? これは……」


ジャンゴ「?」



帰りの道中、おてんこは何かに感ずいた様子を見せる。



おてんこ「……闇の気配がする」

おてんこ「方角はこの先、工場街の方だ」

おてんこ「行けるか?」


ジャンゴ「…」コクリ


おてんこ「よし、行くぞ!」



ジャンゴはバイクを加速させて目的地へ向かう。


342 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/21(月) 00:13:21.11 ID:vaDGtV6o0


おてんこ「ここか……」


ジャンゴ「…」



気配を追っていった先には小さな工場があった。



おてんこ「既に結界が張られているな」

おてんこ「突入するぞ、準備はいいな?」


ジャンゴ「…」コクリ



ジャンゴ達は結界の入り口を開き、その中に入る。


343 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/21(月) 00:16:11.23 ID:vaDGtV6o0


結界内は青を基調とした空間が広がっていた。



おてんこ&ジャンゴ「…」キョロ キョロ

おてんこ&ジャンゴ「・・・」


おてんこ「とりわけて……何もないな」

おてんこ「あるものと言えば、あのテレビとかいうハコだけか」

おてんこ「とにかくアレを調べてみよう」

おてんこ「何か分かるかもしれない」


ジャンゴ「…」



2人は何も無い空間の中央に置かれたテレビへと向かう。


344 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/21(月) 00:20:19.40 ID:vaDGtV6o0


おてんこ「ふむ……特に変わった様子はないな」

おてんこ「電源も付かないし、ダイアルを回しても反応はない」

おてんこ「動かない電子機器か……」

おてんこ「よし、ジャンゴ。PET(ペット)を出すんだ」


ジャンゴ「?」


おてんこ「目には目を歯には歯を、電子機器には電子機器をだ」

おてんこ「おあつらえ向きに端子もあるからな」

おてんこ「プラグインすれば何か起こるかもしれないぞ」


ジャンゴ「…」コクリ

ジャンゴ「…」ピンッ



ジャンゴはバッグからPETを取り出して、テレビにプラグインする。


345 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/21(月) 00:21:56.01 ID:vaDGtV6o0


ジャンゴ&おてんこ「・・・」


おてんこ「ダメか…」

おてんこ「やはり、何もないのか?」



反応を示さないテレビに対して諦めかけたとき、

 
   ザッ ザザ ザー


ジャンゴ&おてんこ「!」



その電源が付いてモニターが明るくなる。


346 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/21(月) 00:25:05.19 ID:vaDGtV6o0


おてんこ「電源が付いた…?」

おてんこ「しかし、この風景は……」


ジャンゴ「…」



画面は幾つかの小部屋に区切られている部屋を映し出していた。



おてんこ「これは……今は亡き闇の女王(クイーン)の居城、暗黒城」

おてんこ「その内にある戦士の間」

おてんこ「嘗てお前の兄、サバタとの死闘を演じた場所」


ジャンゴ「…」


347 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/21(月) 00:29:15.10 ID:vaDGtV6o0


おてんこ「お前にとって因縁の場所でもあるここが、どうして…?」


ジャンゴ「…」


おてんこ「一体、このハコは何だと……」



突然、モニターの光が強くなってジャンゴ達の視界を奪う。



おてんこ「何だ!? これは!」


ジャンゴ「!?」



そのまま、ジャンゴ達は光に飲みこまれてしまった。


348 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/21(月) 00:31:24.42 ID:vaDGtV6o0


ジャンゴ「うっ……」


おてんこ「ここは……」



気が付いたジャンゴ達は辺りを見回す。



ジャンゴ「!」


おてんこ「これは!」



ジャンゴ達はモニターに映し出された場所、暗黒城の内部にある戦士の間に居た。


349 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/21(月) 00:38:26.73 ID:vaDGtV6o0


おてんこ「どうしてここに……」


   「……来たな」


ジャンゴ&おてんこ「!」



突然、背後から何者かの声がする。

ジャンゴ達が後ろを振り向いて確認すると、



おてんこ「お前は!!」


ジャンゴ「サバタ!?」


サバタ「フッ……」



黒い銃を片手に、藤色のマフラーを身にまとった少年が佇んでいた。


350 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/21(月) 00:39:58.07 ID:vaDGtV6o0


サバタ「待っていたぞ、太陽少年」

サバタ「再びお前と会い見える時を」


おてんこ「お前は……本当にサバタなのか?」


サバタ「疑うなら、自分で確かめればいい」

サバタ「さあ、銃を取れ。ジャンゴ」

サバタ「今こそ決着を付ける時だ」


ジャンゴ「…っ」


351 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/21(月) 00:41:11.08 ID:vaDGtV6o0


おてんこ「待て! ここで戦っても意味はない」


サバタ「意味は無い? ……違うな」

サバタ「戦うことにこそ意味がある」

サバタ「どのみち俺を倒さなければ、お前達は前に進めない」

サバタ「戦え! ジャンゴ!!」

サバタ「この俺を越えて、未来を掴んで見せろ!」



おてんこ「……悔しいがあいつの言う以外にここから出る方法が思いつかない」

おてんこ「奴が本当にサバタかどうかも戦って確かめるほかあるまい」

おてんこ「行くぞ! ジャンゴ!!」


ジャンゴ「…」ジャキ



兄弟による死闘の火蓋が、因縁の地で今一度切って落とされた。


第11章・了


352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/05/21(月) 00:42:05.99 ID:vaDGtV6o0
死闘、再び


 『太陽と暗黒、今再び雌雄を決す!!』


次回:「光と影」
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/05/21(月) 00:42:57.68 ID:H7RTe/IMo
乙!
どこにプラグインしたんだ…
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sagesaga]:2012/05/21(月) 00:46:02.28 ID:I2UuYSMM0
お兄ちゃんが喝を入れに来たようだなぁ。
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/21(月) 00:47:38.07 ID:CTN1785IO
さやか達がマイナス過ぎて、魔女がむしろプラスに働くのかwwwwwwwwwwww
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/05/21(月) 01:49:27.05 ID:N0XhySMpo
>>355
ワロタ
357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/21(月) 03:52:43.51 ID:j3+mdUUDO
乙、そう言えば自分の闇に打ち勝つ試練てのはボクタイらしいな
コラボ先のエグゼでもダークソウル戦あったし
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/21(月) 05:57:23.88 ID:Ys0CGKz9o
359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/05/21(月) 11:43:29.51 ID:ymhkkCvU0
太陽が月に呑まれていく……
360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/21(月) 23:17:47.52 ID:j3+mdUUDO
そう言やDSの装備品にエクリプスゴーとエクリプスアイってあったな
太陽光でも暗黒チャージが、月光でも太陽チャージが可能になるやつ
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/05/21(月) 23:28:12.70 ID:c3Rmz/vCo
DSの専用装備はなんか格好いいの多いよね。
デイウォーカーとかかっこよすぎや
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2012/05/22(火) 00:09:04.89 ID:X0UQXQk60

プラグインしたせいで、過去の記憶で構築された世界に入り込んだ状態なの?
363 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/22(火) 01:29:42.00 ID:tkemjhZA0



続・第12章 「光と影」



364 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/22(火) 01:31:06.60 ID:tkemjhZA0


サバタ「行くぞ!!」シュン



黒衣の少年は転移魔法ゼロシフトによってジャンゴに肉迫する。



ジャンゴ「…っ」タッ タッ



ジャンゴは通路を使ってサバタの前から消える。



サバタ「…」シュン シュン



標的を見失ったサバタは瞬間移動を多用して、違う小部屋を探し始める。


365 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/22(火) 01:32:27.05 ID:tkemjhZA0


ジャンゴ「…」コン コン



自分を探し始めたのを確認したジャンゴは近くの壁を叩く。



サバタ「!」シュン



ジャンゴ「…」タッ タッ



壁を叩いたジャンゴはすぐにその場から離れる。



サバタ「?」キョロ キョロ



音のした場所へたどり着いたサバタは目標を探して立ち止まる。


366 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/22(火) 01:34:49.20 ID:tkemjhZA0


ジャンゴ「…」テュン テュン



その隙に背後に回り込み、サバタに向かって太陽ショットを放つ。



サバタ「ぐっ…」ジュ ジュ

サバタ「そこか!」デュ デュ デュ デュン



攻撃を受けたサバタは倍以上のショットで反撃する。



ジャンゴ「…っ」サッ



ジャンゴは素早く身を隠し、それをやり過ごす。


367 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/22(火) 01:37:45.67 ID:tkemjhZA0


サバタ「何処だ!」シュン シュン



彼は再び、見失ったジャンゴを探し始める。



ジャンゴ「…」コン コン



ジャンゴは先程と同じようにサバタを誘い、



サバタ「!」シュン

サバタ「?」キョロ キョロ


ジャンゴ「…」テュン テュン テュン テュン


サバタ「…っ!」ジュ



隙を見せたサバタに攻撃を仕掛ける。


368 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/22(火) 01:41:02.15 ID:tkemjhZA0


ジャンゴ「…」タッ タッ



今度も逃げようとするが、



サバタ「逃がすか!!」シュン


ジャンゴ「!」



接近を許す。

そして、



サバタ「喰らえ……」

サバタ「火炎っ!!」ブン ブン



瞬間移動した暗黒少年に高速回転スプレッド〔暗黒ゴマ〕を放たれる。



ジャンゴ「ぐっ…!」



不意を突かれたジャンゴは直撃を許してしまう。


369 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/22(火) 01:44:12.51 ID:tkemjhZA0


サバタ「どうした!!」

サバタ「お前の力はこの程度なのか!!」


ジャンゴ「…っ」タッ タッ



ジャンゴは隙を見てサバタの連続攻撃から逃れると、再びその身を隠す。


370 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/22(火) 01:45:35.24 ID:tkemjhZA0


サバタ「…」シュン シュン

 
  コン  コン


サバタ「!」シュン



自分を見失ったサバタに対し、同じ戦法で対抗しようとするが、



サバタ「はっ!」ボンッ


ジャンゴ「!」


  ババババババババンッ


ジャンゴ「うわっ…!」ドサッ



暗黒属性のグレネード〔ナイトメア〕を放たれ、逆に吹き飛ばされる。


371 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/22(火) 01:47:08.13 ID:tkemjhZA0


サバタ「甘いぞ! ジャンゴ!!」

サバタ「同じ手が何度も通用すると思ったか!!」


ジャンゴ「くっ…」タッ タッ



何度か小部屋を移動して、サバタの目の前から消える。



サバタ「出てこい!」シュン シュン

サバタ「隠れても無駄だ!!」シュン シュン



ジャンゴを見失ったサバタは部屋を回り始める。



ジャンゴ「…」タッ タッ



サバタの動向を確認しながらジャンゴも逃げ続ける。


372 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/22(火) 01:49:36.53 ID:tkemjhZA0


ジャンゴもただ逃げている訳ではなく、



おてんこ「ここままでは奴に攻撃は当たらない」

おてんこ「奴の動きを止めて一気に叩く」

おてんこ「罠を張っておびき寄せるんだ!」


ジャンゴ「…」コクリ



走りながらおてんこと話し合い、作戦を練っていた。


373 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/22(火) 01:51:03.63 ID:tkemjhZA0


   コン  コン



サバタ「そこか!」シュン

サバタ「無駄だといったはずだ!!」ボンッ


   ババババババババンッ



壁を叩く音を聞いたサバタはナイトメアを放つ。

しかし、彼の予想とは裏腹に太陽少年の姿はなかった。



サバタ「ちっ…」



再びジャンゴを追おうとするが、



サバタ「これは!?」



足元の地面に浮かび上がった模様に目が留まる。


374 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/22(火) 01:52:52.46 ID:tkemjhZA0


サバタ「クソっ!!」



彼は危険を察知し逃げようとする。



サバタ「!」



しかし、それよりも早くパイルトラップが発動した。



サバタ「うあああぁぁぁぁぁぁ!!!」



発動した罠はサバタを閉じ込め、その身を焦がす。



サバタ「ヌグッ……」スチャ



光の檻から解放された暗黒少年はその場に片膝を付いた。


375 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/22(火) 01:56:48.05 ID:tkemjhZA0


サバタ「…」


おてんこ「どうだ、これで満足か?」


ジャンゴ「…」


サバタ「フッ……」スタッ



少年は不敵な笑いを浮かべながら立ち上がると、



サバタ「フッハッハッハッハッ!!」

サバタ「さすがだな、ジャンゴ!」

サバタ「だが、そうでなければ面白くない」

サバタ「俺も本気で行くぞ!」

サバタ「唸れっ、暗黒銃(ガン・デル・ヘル)ッ!!」

サバタ「人を滅ぼす闇の力よ!!」



右手を掲げ闇の力をその身に取り込む。


376 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/22(火) 01:58:11.72 ID:tkemjhZA0


サバタ「来たぁ!」

サバタ「来た来た来た来た来たぁ!!」

サバタ「行くぞぉ!」

サバタ「行くぞ行くぞ行くぞ行くぞ行くぞぉ、ジャンゴ!!」

サバタ「太陽と暗黒、今再び雌雄を決す!!」

サバタ「太陽よ、恐怖しろ!!」



サバタ「あんこぉぉぉぉぉく!!!!」




サバタは暗黒魔法ブラックサンを発動して、辺りから光を奪う。


377 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/22(火) 01:59:54.98 ID:tkemjhZA0


サバタ「行くぞ!!」シュン デュデュデュデュデュン


ジャンゴ「!」


サバタ「火炎っ!!」ブン ブン



一気に攻勢に出たサバタはショットを連発し、暗黒ゴマを放つ。



ジャンゴ「くっ…」サッ タッ タッ



それをやり過ごしつつ、ジャンゴはサバタから距離を取ろうとする。


378 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/22(火) 02:02:12.09 ID:tkemjhZA0


サバタ「逃がすか!!」シュン シュン 

サバタ「フッハッハハハ!!」ブン ブン


ジャンゴ「ぐっ!」



しかし、サバタに高速で接近され、暗黒ゴマを受ける。



ジャンゴ「…っ!」サッ ボンッ



連続攻撃の隙を見て、ジャンゴは太陽グレネード〔フラッシュ〕を発射する。


   ピカッ


サバタ「なっ?!」



強烈な光がサバタの視界をブラックアウトさせた。



サバタ「くっ…」


ジャンゴ「…」タッ タッ



サバタが怯んだ隙にジャンゴは再び姿を隠す。


379 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/22(火) 02:03:49.59 ID:tkemjhZA0


サバタ「何処だ!!」シュン シュン


ジャンゴ「…」タッ タッ



その後も、反撃のチャンスがつかめないジャンゴはサバタから逃げ続ける。



サバタ「どうした! ジャンゴ!!」

サバタ「隠れていては俺は倒せないぞ!」


   「…」


サバタ「フッ……」

サバタ「そっちから来ないというなら」

サバタ「行くぞっ!!」



サバタは分身を召喚し、ジャンゴを探し始めた。


380 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/22(火) 02:06:08.51 ID:tkemjhZA0


物陰に身を隠すジャンゴ達は再び作戦を練る。



おてんこ「このままでは見つかるのも時間の問題だな……」

おてんこ「ジャンゴ、太陽の光だ!」

おてんこ「それがあれば本体が見破れるはず」

おてんこ「ライジングサンを使い、奴の本体を叩く! いいな!!」


ジャンゴ「…」コクリ


381 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/22(火) 02:07:44.04 ID:tkemjhZA0


ジャンゴ「太陽ぉーーーー!!!」



作戦通り、ジャンゴは右手を掲げて太陽魔法ライジングサンを発動する。


   ピカッ


サバタ「!」



打ち上げられた太陽のかけらは闇を払い、部屋を照らす。



サバタ「無駄だ!!」

サバタ「あんこぉぉぉぉぉく!!!」



サバタは再び闇を呼ぼうとする。


382 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/22(火) 02:09:00.06 ID:tkemjhZA0


おてんこ「今だ! ジャンゴ!!」

おてんこ「右手を掲げているのが奴の本体だ!!」


ジャンゴ「…」タッ タッ



指示を受けたジャンゴはサバタに向かって走り出す。



サバタ「なっ…」



サバタも対処しようとするが、ブラックサンの発動で対応が遅れる。


383 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/22(火) 02:10:08.26 ID:tkemjhZA0


そして、



ジャンゴ「はっ!!」ブゥン


サバタ「ぐわっ……!」



なす術もなくジャンゴが放ったスプレッドに焼かれる。



ジャンゴ「はぁぁぁぁあああ!!!」ブン ブン



サバタが怯んだの確認したジャンゴはそのまま回転し、連続攻撃を浴びせる。


384 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/22(火) 02:11:20.19 ID:tkemjhZA0


サバタ「ぐおっ! ぬわっ!」



回転スプレッドを受け続けたサバタは、



サバタ「うっ…」スチャ



遂に膝を付いた。



ジャンゴ「…」



ジャンゴは攻撃を止め、サバタの前に立つ。


385 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/22(火) 02:13:59.84 ID:tkemjhZA0


サバタ「……さすがだ、太陽少年」

サバタ「やはり……俺ではお前に勝てないようだ」


ジャンゴ「サバタ、どうして…」


サバタ「勘違いするな、俺はお前の知っている人間ではない」

サバタ「お前の心に潜む闇」

サバタ「それが最も近しい人物の人格を象ったモノに過ぎない」


おてんこ「それではお前は……」


サバタ「ただの幻影、魂などない」

サバタ「それでもジャンゴ、お前との戦い……楽しかったぞ」

サバタ「これは記憶の中にある奴の想いなのか、それともお前が抱いた想いなのかは分からん」

サバタ「しかし、俺がそう感じたのは事実だ」



サバタが話し終えると、その体が透け始める。


386 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/22(火) 02:15:42.51 ID:tkemjhZA0


サバタ「どうやら……これまでのようだな」

サバタ「だが、忘れるな」

サバタ「光があれば、また影もある」

サバタ「お前が絶望したとき、俺はまた現れる」


ジャンゴ「…」


サバタ「フッ……この俺を倒したんだ」

サバタ「そう簡単に挫けるなよ?」



そう言い残すとサバタの姿が消え、周りの景色が歪む。


387 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/22(火) 02:16:56.18 ID:tkemjhZA0


おてんこ「結界か…」

ジャンゴ「…」



次の瞬間には、もう魔女の結界に戻されていた。

電源の切れたテレビの前にはPETが転がっている。



おてんこ「繋ぎっ放しで行ってしまったのだな」

おてんこ「ジャンゴ、回収しておけ」


ジャンゴ「…」コクリ



ジャンゴがPETを手に取ると、再び景色が歪んで元の工場に戻る。


388 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/22(火) 02:18:48.06 ID:tkemjhZA0


おてんこ「ジャンゴ、体は大丈夫か?」


ジャンゴ「・・・」


おてんこ「ただでさえ連戦だったんだ」

おてんこ「お前が気づかないところに疲れが溜まっている可能性もある」

おてんこ「しっかり休息を取っておくのだぞ」


ジャンゴ「…」コクリ


おてんこ「それにしても……一体どうして結界が崩壊したんだ?」

おてんこ「奴が…サバタが魔女であるはずがないし」

おてんこ「誰か他の魔法少女が魔女を倒したのだろうか?」


    「そうよ」


ジャンゴ&おてんこ「!」



突然の声に驚いて振り向くと、そこには闇に紛れたほむらが佇んでいた。


389 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/22(火) 02:20:43.52 ID:tkemjhZA0


おてんこ「……お前がやったのか?」


ほむら「いいえ、違うわ」


おてんこ「なら、一体……」


ほむら「忘れたの?」

ほむら「どこかの誰かさんのおかげで、この町にはもう1人魔法少女がいるわ」


ジャンゴ「さやか…」


おてんこ「…」


ほむら「約束を守らずに魔法少女の問題に首を突っ込むからこうなるのよ」


おてんこ「…」


ほむら「魔法少女の秘密について知っているみたいだから教えてあげるけど…」

ほむら「どう頑張ったって美樹さやかは絶望して魔女になる」

ほむら「救うことなんてできないわ、私にも、貴方達にもね」

ほむら「まあ、それでも諦めないというなら止めしないけれど」



そう言い捨て、彼女は姿を消してしまった。


390 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/22(火) 02:23:27.79 ID:tkemjhZA0


おてんこ「あの様子……」

おてんこ「彼女がもとからあのような性格であるなら問題ないのだが」

おてんこ「お前の話を聞く限りそうではないらしいな」

おてんこ「彼女が人格を改変しているとはいっても……」

おてんこ「人はそう簡単に変われるものではない」

おてんこ「もし、内向的な人間が無理してあのような態度をとっているなら……」


ジャンゴ&おてんこ「・・・」


おてんこ「どうやら、彼女にも限界が近づいているようだ」

おてんこ「これ以上ループを続ければ、いずれ精神が破綻する」

おてんこ「なら、何としてもこのループで終わらせる」

おてんこ「同じ苦しみを味わったお前になら、それが出来るはずだ」


ジャンゴ「…」コクリ



こうして激動の一日が過ぎ去っていった。


第12章・了


391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/05/22(火) 02:23:57.63 ID:tkemjhZA0
赤、それは情熱と攻撃の色


 『商売敵は排除するしかないよね?』


次回:「赤い2人」
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/05/22(火) 06:09:13.36 ID:bB+lW4+so
393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/05/22(火) 06:18:23.09 ID:qqgzfEiLo
乙乙。大抵のクロスはほむらかマミの信用は得られてるからうまくいってるんだなーって
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/22(火) 07:13:59.56 ID:N6Oxx02SO

やっぱり兄ちゃんのテンションの高さは異常だぜw昔はともかく今は吹いてしまうw
395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/22(火) 09:15:56.88 ID:foPZ3DmDO
改めて見ると暗黒城でのサバタ、こんなテンション高かったんだなwwww
暗黒仔の副作用なのか?ww
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/22(火) 11:56:07.99 ID:9zRcUE4bo
ほんと報われないな
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/22(火) 14:46:24.35 ID:BQAEEpbu0
乙。ふと思った。
世紀末救世主伝説ボクらの太陽
ジャンゴ「お前はもう焼けている」

ボク「くぽふ!」

サバタ「兄より優れた弟なぞそんざいしねぇ!」

ラタトスク「お前(トリニティ)の言う通り、おれはラタトスクよ!だがもう遅い!見ろ!サバタは木人形だぁ!」

おてんこ「太陽はの使者おてんこ一生の不覚…!」

どっちも世紀末だね!
398 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/23(水) 00:10:30.64 ID:A/033R1r0



続・第13章 「赤い2人」



399 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/23(水) 00:15:48.02 ID:A/033R1r0


ジャンゴ「うっ…」



ジャンゴは熱を感じて目を覚ます。

廃工場の割れた窓から日が差し込み、その身を照らしていた。



おてんこ「起きたか、太陽少年」

おてんこ「もう昼過ぎだぞ」

おてんこ「いくら、昨日の戦闘があったとはいえ……」

おてんこ「いささか眠りすぎではないか?」


ジャンゴ「・・・」


400 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/23(水) 00:19:43.87 ID:A/033R1r0


おてんこ「まあ、そんなことはどうでもいい」

おてんこ「それより問題はさやかについてだ」

おてんこ「お前の話だと今日あたり……彼女と〔佐倉杏子〕なる人物が接触するんだろ?」


ジャンゴ「…」コクリ


おてんこ「なら、やることはひとつ」

おてんこ「さやかとそいつを引き合わせないことだ」

おてんこ「今の……激情のただ中にいるさやかと他の魔法少女との接触は危険だ」

おてんこ「間違いなく戦闘に発展する」

おてんこ「いずれ2人には協力してもらうだろうが、それは今でなくても良い」


ジャンゴ「…」


401 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/23(水) 00:20:58.66 ID:A/033R1r0


おてんこ「さやかが例の使い魔を発見する前に我々が倒す」

おてんこ「そうすれば2人は出会わず、戦闘も起こらない」

おてんこ「行くぞ、 ジャンゴ!」

おてんこ「いつまでも状況に振り回されているわけにはいかない」

おてんこ「今度こそ、我々が流れを変えるんだ!!」


ジャンゴ「…」コクリ



決意を新たに少年達は行動を開始する。


402 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/23(水) 00:23:49.07 ID:A/033R1r0


おてんこ「ここか……」


ジャンゴ「…」



ジャンゴ達は記憶を頼りに、いつか杏子とさやかが対決した裏路地へとたどり着く。



おてんこ「結界は……できていないな」

おてんこ「今日ではなかったのか、それともまだ使い魔が現れていないだけなのか」

おてんこ「考えるだけ無駄か……」


ジャンゴ「…」


おてんこ「よし、張り込むぞ」

おてんこ「そのためにワザワザ寄り道までしてアレを手に入れたのだからな」

おてんこ「場所は……あそこでいいか」

おてんこ「さあ、こっちだ」


ジャンゴ「・・・」



ジャンゴは最強の非ステルス迷彩を携え、おてんこが待つ場所へ向かった。


403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2012/05/23(水) 00:26:06.97 ID:cC48r7vq0
最強の非ステルス迷彩......あれか、
404 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/23(水) 00:27:39.63 ID:A/033R1r0


おてんこ「!」

おてんこ「これは……闇の気配!」



しばらく張り込んでいると、おてんこが結界の気配を感じ取る。



おてんこ「出るぞ!!」


ジャンゴ「…」コクリ 


   ガタッ



指示に従い、ジャンゴはダンボールから飛び出る。


405 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/23(水) 00:29:06.55 ID:A/033R1r0


おてんこ「ジャンゴ!! タイムリミットはさやかが来るまでだ!」

おてんこ「連続攻撃で一気にケリをつけるぞ!!」


ジャンゴ「…」カチャカチャ ガチン



ジャンゴは太陽銃のフレームを連射タイプに切り替え、



ジャンゴ「…」テュテュテュテュテュテュン



使い魔を強襲する。


406 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/23(水) 00:34:17.64 ID:A/033R1r0


    「!?」



突然現れた大量の光弾に使い魔は驚き、戸惑う。



ジャンゴ「…」テュテュテュテュテュテュン



そのまま硬直した使い魔に対し、ショットを連発して畳み掛ける。



   「ウァァァアアア゙ア゙ア゙!!!!」



反撃のチャンスを掴めなかった使い魔はなす術もなくジャンゴによって浄化された。

主を失った結界は崩壊し、もとの裏路地に戻る。



ジャンゴ「…」カチャカチャ ガチ



戦闘終了を確認すると、フレームをもとのノーマルタイプに換える。


407 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/23(水) 00:37:53.92 ID:A/033R1r0


おてんこ「さすがだな、太陽少年」

おてんこ「この程度……敵ではないか」


ジャンゴ「…」


おてんこ「目的も果たしたし、退却するぞ」

おてんこ「このままではさやかも来てしまうからな」


ジャンゴ「…」コクリ



目的を達成して、その場を後にしようとしたとき、

  
   ガスッ


ジャンゴ&おてんこ「!」



行く手を阻むように槍が地面に突き刺さる。


408 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/23(水) 00:41:20.55 ID:A/033R1r0


おてんこ「この槍は……まさか」


ジャンゴ「杏子……」
 

杏子「…」



ジャンゴ達が振り向いた先には赤い装束に身を包んだ少女が佇んでいた。



杏子「困るんだよね、アンタらみたいなやつ」

杏子「魔法少女でもないのに勝手に使い魔を狩ちゃってさ」

杏子「あいつはイレギュラーだか何だか言ってたけど」

杏子「そんなん、あたしには関係ねぇ」

杏子「魔女狩りはあたし達、魔法少女の専売特許なんだ」

杏子「商売敵は排除するしかないよね?」



杏子は槍を召喚すると、その切っ先をジャンゴに向ける。


409 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/23(水) 00:42:57.03 ID:A/033R1r0


おてんこ「落ち着け、我々はお前と戦いに来たわけではない」


杏子「ふ〜ん、どうだかねぇ」

杏子「まあ、アンタらに理由はなくてもあたしにはあるんだ」

杏子「行くよッ!!」


ジャンゴ「…っ」ジャキ



彼女は槍を突き出したまま、ジャンゴに突進する。


410 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/23(水) 00:44:57.23 ID:A/033R1r0


おてんこ「ジャンゴ!!」


ジャンゴ「…」テュン テュン テュン



攻撃してくる杏子に対し、ジャンゴは太陽ショットで牽制する。



杏子「無駄だよ」ブン ブン



杏子は槍を振り回して、ショットの軌道を逸らす。



ジャンゴ「!」


杏子「やあっ!!」



光弾をやり過ごした彼女はそのままジャンゴに向かって、槍を振り下ろす。


411 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/23(水) 00:46:11.03 ID:A/033R1r0


ジャンゴ「…っ!」シュン


杏子「!?」


   キンッ  



避けられないと判断したジャンゴはとっさに左手に剣を召喚し、杏子の攻撃を受け止めた。



ジャンゴ「…」ジャキ


杏子「!」



ジャンゴは杏子の動揺を見逃さず、太陽銃の銃口を彼女に向けて引き金を引く。



ジャンゴ「…」テュン テュン


杏子「ぐっ…」



とっさに杏子は回避行動を取るが、間に合わずに太陽の弾丸をその身に受ける。


412 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/23(水) 00:47:49.72 ID:A/033R1r0


杏子「けっ……さすがに使い魔とやりあうだけのことはあんな」

杏子「けど、こいつはどうだ!」



杏子は手に槍を多節棍に変形させ、それでジャンゴを薙ぎ払おうとする。



ジャンゴ「…」サッ



杏子の攻撃を予想していたジャンゴは跳び上がり、鞭のように呻る槍を回避する。

そのまま上空から杏子を狙撃しようとするが、



杏子「まだだ!!」


おてんこ「ジャンゴ! 下だ!!」


ジャンゴ「!?」ガシッ


  ドォォォン 


ジャンゴ「うぐっ!!」



避けたはずの多節棍に足を掴まれ、地面に叩きつけられる。


413 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/23(水) 00:50:38.07 ID:A/033R1r0


ジャンゴ「うっ……」



とてつもない衝撃を受けたジャンゴはその場に蹲る。



杏子「どうだ、ちったぁ効いたか?」

杏子「これに懲りたら、もう使い魔なんざ狩るんじゃねぇぞ」



おてんこ「待て! 話は終わっていない!!」



杏子「全く…聞き分けのねぇ奴らだ」

杏子「そんなに死にてぇなら、あたしがやってやるよ!」



彼女は多節棍をもとに戻し、ジャンゴに斬りかかる。



おてんこ「避けろ! ジャンゴ!!」


ジャンゴ「くっ…」



おてんこは叫ぶが、ダメージを受けたジャンゴは動けない。


414 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/23(水) 00:52:25.84 ID:A/033R1r0


杏子「はぁぁあああ!!」  



杏子は動けない太陽少年に向かって槍を突き出すが、  



  「やめろぉぉぉ!!!」


    キンッ


    「!?」



何者かが割って入り、その槍を受け止める。



杏子「テメェ……」


ジャンゴ&おてんこ「「さやか!?」」


さやか「こいつはあたしが倒す!!」



そこには両手の剣で槍を受け止める、青い魔法少女の姿があった。


第13章・了


415 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/05/23(水) 00:53:39.08 ID:A/033R1r0
背後に注意


 『マミさんをバカにするなぁ!!!』


次回:「避けられぬ出会い」
416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/23(水) 01:36:21.47 ID:Oc1y3QXSO

もう泣いて良いぞジャンゴw
後今までの一部始終をリタに見せたらブチ切れるどころじゃねぇだろうなw
417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/23(水) 01:47:39.64 ID:4yxztFyW0
ごめん、なざさやかがここまでジャンゴに敵意を向けるのか
さっぱり理解出来ないんだが
本編のほむらでもここまではされなかったぞ
このままだとただのまどマギのヘイトssにしかならないぞ?
418 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/05/23(水) 02:26:49.44 ID:KJXRZm62o
SSでのさやかは大抵かわいいか最低の二つだからしゃーない
419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/05/23(水) 02:35:09.27 ID:LwSRAoVAo

ジャンゴに味方らしい味方がいない…
420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/05/23(水) 04:40:59.62 ID:Wb/vTG2AO
×倒す
○[ピーーー]
421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/23(水) 09:04:27.70 ID:AS6z55sw0
誤解が更なる誤解をうみ、主人公に味方がいない。石森章太郎先生がコミカライズしたらこんな感じの作品になりそうだw
よく考えたらジャンゴも半ヴァンパイアだから普通の人間から見たら化け物でしかないよな。
世紀末世界だからこそ理解者も多かったけど現代世界じゃそれこそ仮面ライダーやキカイダー並に肩身の狭い思いをしなきゃならないと思うとなんか複雑。
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/23(水) 10:55:12.73 ID:NKEdiifDO

今回助けられたのと、ぶん投げたソウルジェム救出とで貸し借り0になるのかな
事態が好転する気はしないが…
423 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/23(水) 17:00:45.13 ID:I/FIc3GPo
強くてニューゲームっていうほどは強くなれてないな
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/23(水) 17:05:39.46 ID:2UtUTE3IO
魔女結界に戦士の教えでもあればな。
425 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/05/23(水) 19:17:45.77 ID:iwlZpFiv0
フラストレーション解消面がないからなあ
ゲームでもこんだけNPCは人の話しきかないんかね?
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/23(水) 20:42:29.03 ID:Oc1y3QXSO
そんなことは無…そんなこと有るな…
ジジイ リタ シャイアン サバタ トリニティ 伯爵・ダーイン・カーミラ除くイモータル全員 話し聞かない奴多いね
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/05/23(水) 21:58:29.55 ID:iwlZpFiv0
つうことは魔法少女=イモータルなのかね
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/05/23(水) 22:03:42.03 ID:m4MUcURBo
ポリドリとQBならQBが良心的に見えるが、実際はどうだろうか。
429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/23(水) 22:28:15.34 ID:DJ/WllrUo

>おてんこ「待て! 話は終わっていない!!」

おてんこが余計なこというからとどめ刺されそうになったなww
430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/23(水) 22:45:12.73 ID:NKEdiifDO
QB「確かに今の君達の身体は幻影に過ぎないよ
 しかし…それが何だと言うんだい?
 この星の生命と一つになって感情エネルギーを回収することが出来れば、それで充分じゃないか」

ヴァンパイア側だけでも星の住人の営利は考えてくれてるだけ、ポリドリさんの方がなんぼかマシかも知れない
431 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/23(水) 22:56:57.44 ID:WPp0i2kzo
ここまできたら嫌われるだけ嫌われてほしいかもww
432 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/24(木) 00:10:45.54 ID:1rLlGcRX0



続・第14章 「避けられぬ出会い」



433 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/24(木) 00:12:01.08 ID:1rLlGcRX0


杏子「…っ!」


  ガキッ


さやか「!?」



ジャンゴへの攻撃を諦めた杏子はさやかを突き飛ばし、距離を取る。



杏子「アンタ、どういうつもり?」


さやか「どうしたも、こうしたもない!!」

さやか「こいつはあたしが倒す!!」


434 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/24(木) 00:14:07.79 ID:1rLlGcRX0
 

  「やめて! さやかちゃん!!」



さやかと一緒に来ていた、ピンク髪の少女、鹿目まどかが叫ぶ。



さやか「まどかは黙ってて!」

さやか「これはあたしの問題なの!!」


まどか「でも……」


杏子「へぇ……アンタもこいつらがジャマなんだ」

杏子「まあ、勝手に使い魔を狩られちゃ堪ったもんじゃないもんね」

杏子「4〜5人ばかり食って魔女になるまで待て、ってのに」


さやか「な……あんた」

さやか「魔女に襲われる人たちを……見殺しにするって言うの!?」


435 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/24(木) 00:16:16.97 ID:1rLlGcRX0


杏子「何、不思議に思ってんのさ」

杏子「あたしら魔法少女にはグリーフシードが必要、でも使い魔はそれを落とさない」

杏子「だから、魔女になってグリーフシードを孕むまで待つ」

杏子「こいつらを倒すってことはそういうつもりなんじゃないの?」


さやか「違うっ!!」

さやか「あたしはマミさんを、恭介を守るために戦うんだ!」


杏子「マミか……」

杏子「そういやアイツ、再起不能になったんだって?」


さやか「…っ」


436 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/24(木) 00:17:04.44 ID:1rLlGcRX0


杏子「『誰かを守るために戦う』とか言ってたけど、結局はやられちまった」

杏子「結局、この力は他の誰でもない……自分自身のために使わなきゃならねぇんだ」

杏子「それが分からなかったマミはやられた………アンタはどう?」

杏子「やれ人助けだの正義だの、その手のおチャラケた冗談かますために契約したわけじゃないよね?」


さやか「うるさい!!」

さやか「マミさんをバカにするなぁ!!!」ダッ



逆上したさやかは目の前の少女に刃物を振るう。


437 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/24(木) 00:18:25.06 ID:1rLlGcRX0


杏子「チッ…」

杏子「わっかんねぇヤツだなぁ!」

杏子「だったら、その体に教えてやるよ!!」



飛び込んでくるさやかに対して、杏子は槍を構える。



さやか「やっ!!」ブン


杏子「ハッ!!」キンッ



赤い少女と青い少女がぶつかり合う。


438 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/24(木) 00:20:13.33 ID:1rLlGcRX0


まどか「どうして……」


おてんこ「……止められなかったか」


ジャンゴ「…」



標的から外れたジャンゴ達はまどかのもとに来ていた。



まどか「ジャンゴ君に、おてんこさま……」


おてんこ「済まない……」

おてんこ「今回は全面的に我々が悪い」


まどか「そんな……あやまらなくても」


おてんこ「いや……こればかりは譲れない」

おてんこ「ここは我々が責任を持って事を治める」


439 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/24(木) 00:22:28.09 ID:1rLlGcRX0


まどか「でも、どうやって……」


おてんこ「さやかは魔法少女になったばかりで経験が浅い」

おてんこ「このまま戦闘が続けば、もう1人の方に軍配が上がる」

おてんこ「そこで、こいつの出番だ」


ジャンゴ「…」


おてんこ「我々が2人の間に入って攻撃の矛先を変える」

おてんこ「ある程度攪乱すれば、戦いは自然に終わるだろう」


まどか「それじゃあ、ジャンゴ君が……」


ジャンゴ「大丈夫だよ、まどか」

ジャンゴ「ボク達の目的は2人に勝つことじゃない」

ジャンゴ「危なくなったら引くよ」


440 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/24(木) 00:24:27.05 ID:1rLlGcRX0


まどか「けど…」


おてんこ「言っただろう? 何度も死線を潜り抜けてきたって」

おてんこ「どこまでが危険かの線引きぐらいできる」

おてんこ「さあ、準備はいいか?」


ジャンゴ「…」カチャカチャ ガチン シュン 



右手にソードタイプの太陽銃、左手に剣、嘗て魔法少女の仲裁に入った装備に切り替える。



おてんこ「まどか、お前はここで待っていろ」

おてんこ「何があっても動くんじゃない」


まどか「う、うん……」


おてんこ「行くぞ! ジャンゴ!!」


ジャンゴ「…」ダッ



二振りの刃を携えた太陽少年は魔法少女の戦いに割って入る。


441 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/24(木) 00:26:11.44 ID:1rLlGcRX0


剣と槍を振るう2人の少女。



杏子「チャラチャラ踊ってんじゃねぇよウスノロ!」


さやか「黙れぇ!!」



両者の刃が交わろうとした時、



ジャンゴ「…っ!」


杏子「!?」カンッ


さやか「っ!?」キンッ



少年が割って入り、その武器を弾く。


442 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/24(木) 00:28:34.35 ID:1rLlGcRX0


杏子「テメェ……まだいたのか」


さやか「あんたっ!!」


ジャンゴ「…」



2人の問いを無視して、少年は両手の剣を構える。



杏子「へッ…あんたも敵か」

杏子「いいぜ、相手になってやるよ!!」


さやか「負けない……」

さやか「あんたなんかに負けないッ!!」



杏子とさやかが一斉に斬りかかってくる。


443 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/24(木) 00:34:24.90 ID:1rLlGcRX0


ジャンゴ「…っ」



向かってくる2人に対し、ジャンゴは陽の下で自身を加速させる魔法〔ダッシュ〕を発動する。



ジャンゴ「…」ダッ


さやか「!?」


杏子「なっ…」



陽光を受けた少年は加速し、さやかに近づくと、



ジャンゴ「ハッ!」キンッ


さやか「…!」



その剣を払いのける。


444 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/24(木) 00:36:16.39 ID:1rLlGcRX0


そして、



ジャンゴ「…」ドカッ


さやか「か…はっ……」



そのまま彼女が反応できないスピードで蹴りを入れる。


   ドォォォン


さやか「うっ……」



蹴り飛ばされたさやかは水道のパイプを破壊して倒れてしまった。



ジャンゴ「…!」



さやかを吹き飛ばしたジャンゴはすぐさま向き直り、



杏子「!」キンッ



杏子の槍を受け止めた。


445 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/24(木) 00:38:01.76 ID:1rLlGcRX0


杏子「……それがアンタの本気ってわけか」

杏子「正直……舐めてたぜ」

杏子「なら、あたしも本気を出してやるよ!!」カンッ


ジャンゴ「…」



杏子はジャンゴを押し返し、バックステップで距離を取る。



杏子「はっ!」



彼女は槍を多節棍に変形させると、先程と同じように薙ぎ払う。


446 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/24(木) 00:42:46.86 ID:1rLlGcRX0


ジャンゴ「…っ」サッ



今度は多節棍と地面の間にできた隙間をくぐって避けるが、



杏子「甘いよ!!」



行動を読んでいた杏子に新たな槍を召喚され、投げつけられる。



ジャンゴ「!」キンッ



とっさに左手の剣を構えて槍を弾くも、



  カラン  カラン



反動に負けて剣を吹き飛ばされてしまう。
    


杏子「まだまだっ!!」



片方の武器を弾き飛ばした杏子は槍を戻し、一気に攻勢に転じる。


447 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/24(木) 00:48:20.63 ID:1rLlGcRX0


ジャンゴ「くっ…」キンッ カンッ



剣と槍の相性の悪さから杏子に押されるジャンゴは日陰に入る。



杏子「へっ…すこしは効いてるみたいだな」

杏子「動きが鈍って来てるよ」



ダッシュが使えなくなっても必死で対応するが、



杏子「はっ! やっ!!」


ジャンゴ「…っ」キンッ カンッ



完全に戦いの主導権を握られてしまった。


448 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/24(木) 00:51:15.03 ID:1rLlGcRX0


杏子「はっ!」


ジャンゴ「…っ」キンッ



不利な状況に陥ったジャンゴは、



ジャンゴ「うおおおぉぉぉぉ!!!」ブンッ ブン



一発逆転を賭けた回転スプレッドを放つ。



杏子「!」キンッ

杏子「ぐっ…」



少年の予想外の攻撃に動揺した杏子はその攻撃を受ける。


449 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/24(木) 00:52:00.60 ID:1rLlGcRX0


杏子「…っ!」サッ



ジャンゴの反撃を浴びた杏子はすぐさま距離を取る。



ジャンゴ「はぁ……はぁ……」

ジャンゴ「…っ」ジャキ



猛攻を防ぎ切ったジャンゴは杏子を攻撃しよう太陽銃を構える。


450 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/24(木) 00:53:32.61 ID:1rLlGcRX0


しかし、



おてんこ「後ろだ!! ジャンゴ!!」


まどか「やめてっ!! さかやちゃん!!!」


ジャンゴ&杏子「!」


さやか「はああああぁぁぁぁぁ!!!!」


     ザクッ


ジャンゴ「うあぁぁぁぁ!!!!」



息を吹き返していたさやかによって背中を切り裂かれてしまう。


451 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/24(木) 00:54:58.02 ID:1rLlGcRX0


ジャンゴ「」ドサッ



切りつけられた少年はその場に崩れ落ち、



さやか「あ……あ……」


    カラン


切りつけた少女は血濡れの剣を放し、脱力する。



おてんこ「ジャンゴ!!」


まどか「ジャンゴ君!!」



行く末を見守っていた者達がジャンゴに駆け寄った。


452 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/24(木) 00:56:32.99 ID:1rLlGcRX0


さやか「…」


杏子「あーあ……やっちゃったねぇ、アンタ」

杏子「まぁ…いいんじゃない」

杏子「アイツを倒したかったんでしょ?」


さやか「違う……」

さやか「あたしは…こんな……」


杏子「まさか……傷つけたくなかった、なんて言わないよね」


さやか「…っ」


453 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/05/24(木) 00:56:52.71 ID:+UblzEG3o
仮にまどマギのアニメを見てもさやかは好きにはなれないだろうなと思った

まあさやかのせいで印象最悪だから見ないが
454 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/24(木) 01:00:45.48 ID:1rLlGcRX0


杏子「はぁ……」

杏子「そういうのやめてくれない?」

杏子「困るんだよね、遊び半分で首突っ込まれるのってさ」


さやか「……違う」


杏子「なら、ここでやられても文句は言えないよね?」

杏子「だって……」

杏子「本気で殺し合いをするんだから!」



杏子は無防備なさやかに槍を突きつける。


455 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/24(木) 01:01:47.90 ID:1rLlGcRX0
  

  「やめなさい、佐倉杏子」



杏子「!」


さやか「お前っ!」



杏子の背後には黒い魔法少女、暁美ほむらがいた。



杏子「何者だ……アンタ?」


ほむら「私は冷静な人の味方で、無駄な争いをする馬鹿の敵」

ほむら「貴女達はどっちなの?」


さやか「何の用だ!!」



へたり込んでいたさやかがほむらに食って掛かる。


456 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/24(木) 01:02:59.11 ID:1rLlGcRX0


ほむら「…」シュン ガンッ


杏子「!」



それに対し、ほむらはさやかの背後に回ると手刀を決める。



さやか「」ドサッ



それを食らったさやかは気を失ってしまった。




杏子「チッ……妙な技を使いやがる」


ほむら「貴女はどうなの?」

ほむら「向かってくるなのら、容赦はしないわ」


杏子「……手札がまるで見えないとあっちゃね」

杏子「今日のところは降りさせてもらうよ」


ほむら「賢明ね」



杏子は跳躍すると壁伝いに路地の建物の上に消えていった。


457 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/24(木) 01:04:49.05 ID:1rLlGcRX0


一方、おてんことまどかはジャンゴの治療を行っていた。



ジャンゴ「」


おてんこ「思ったよりも傷が深いな……」


まどか「ジャンゴ君は大丈夫なの?」


おてんこ「無事…とは言えないな……」

おてんこ「新米とはいえ魔法少女」

おてんこ「その渾身の一撃を、碌に防御もせずに食らってしまったのだ……」


まどか「そんな……」


458 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/24(木) 01:05:31.80 ID:1rLlGcRX0


おてんこ「今はできることをやるしかない」

おてんこ「まどか、こいつのバッグの中から魔法薬を出してくれ」

おてんこ「緑色の液体が入っている小瓶だ、見ればわかるはず」


まどか「…」コクリ



おてんこの指示を受けたまどかはバックから瓶を取り出す。



おてんこ「……まだ残っているな」

おてんこ「そいつを傷口に振りかけてくれ」


まどか「…」ポンッ サァーー


ジャンゴ「」



彼女はコルクの栓を抜くと、小瓶の中の液体を患部に振り掛ける。


459 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/24(木) 01:06:35.38 ID:1rLlGcRX0


まどか「どう……? おてんこさま」


おてんこ「……なんとも言えんな」

おてんこ「ここまで深い傷だとこの程度は気休めにしかならん」

おてんこ「とにかく、適切な処置を施すのが先決だ」


まどか「じゃあ…もう、わたしにできることは……」


おてんこ「今のところは…無いな……」


   「そんなことないよ」

  
まどか「キュゥべえ…?」



黙って成り行きを見守っていたQBが口を開く。


460 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/24(木) 01:08:07.44 ID:1rLlGcRX0


QB「まどか、君にはまだ願いが残っている」

QB「君が望めば彼の傷なんていとも簡単に治せるよ」


まどか「ホントなの……?」


QB「ああ、本当だよ」

QB「君の素質を考えればそれくらい朝飯前さ」


おてんこ「耳を貸すな!」

おてんこ「たとえそれで助かったとしても、こいつはそれを望まない」

おてんこ「お前を戦いに巻き込んでしまった自分を責めるだけだ!」


  「そうよ」


まどか&おてんこ「!」



背後からおてんこに同意する声が聞こえる。


461 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/24(木) 01:09:31.21 ID:1rLlGcRX0


まどか「ほむらちゃん?!」


おてんこ「いつの間に!?」


ほむら「…」



黒髪の少女が黒いの装束に身を包んで立っていた。



おてんこ「さやか達はどうした?」


ほむら「美樹さやかならそこで気絶しているし、佐倉杏子なら居なくなったわ」

ほむら「それより、まどか」


まどか「な、なに…?」


ほむら「貴女が契約する必要はないわ」


462 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/24(木) 01:10:41.61 ID:1rLlGcRX0


まどか「でも、ジャンゴ君が……」


ほむら「安心しなさい、私が手当てをする」

ほむら「その代りに……もう、魔法少女の問題には首を突っ込まないで」


まどか「だって…」


ほむら「何度忠告させれば気が済むの」

ほむら「貴女は関わり合いを持つべきじゃないと、もう散々言って聞かせたわよね?」


おてんこ「待て、ほむら」

おてんこ「今回の件は我々に責任がある」


ほむら「貴方達が何をどうしようが私には関係ない」

ほむら「でも、まどかだけは巻き込まないで」

ほむら「それが聞けないというなら、私にも考えがあるわ」


463 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/24(木) 01:11:54.38 ID:1rLlGcRX0


おてんこ「……分かった」


まどか「おてんこさま……?」


おてんこ「まどか、お前はあそこで伸びているさやかを見てやれ」

おてんこ「私は彼女に付いてジャンゴを看ている」


まどか「でも……」


おてんこ「今、最も優先すべきはこいつの治療だ」

おてんこ「これ以上、押し問答をしている暇はない」

おてんこ「分かってくれ……」


まどか「…うん」


464 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/24(木) 01:13:05.08 ID:1rLlGcRX0


ほむら「話は決まったみたいね」

ほむら「治療は私の家でするわ」



彼女は深手を負った少年をおぶさり、裏路地を後にする。



おてんこ「頼んだぞ、まどか」


まどか「…」コクリ



それに続いて太陽の使者も夕闇の中に消えていった。


第14章・了


465 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/05/24(木) 01:15:03.59 ID:1rLlGcRX0
用語解説3


≪太陽魔法 ダッシュ≫

サン・ミゲルを守る、風の戦士から授かった風の祝福。

太陽の光をその身に受けることで自身を加速させる。

ただし、加速中は受けるダメージが倍になり、太陽が出ていないと使えない。



昨日の敵は今日の友……じゃあ、明日は?


 『あたしとじゃ協力できないって言うのかよ』


次回:「協力者」
466 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/24(木) 01:16:11.13 ID:RvpPKAFMo
>>1
さやかのクズっぷりが癖になるな
467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/24(木) 01:17:52.95 ID:an1R2Cti0
なんかまどマギキャラ全員クズばっかじゃね?
ジャンゴから入った人は全くいい印象がもてないんじゃねーの?
468 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga sage]:2012/05/24(木) 01:34:42.94 ID:1rLlGcRX0
>>467
 一応、ほとんど原作通りの1周目があるんですが……ダメですかね?
469 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/24(木) 01:38:04.73 ID:an1R2Cti0
だってあれジャンゴは殆ど蚊帳の外みたいな扱いだったじゃん
470 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/05/24(木) 02:14:27.69 ID:/gQADcJ4o
多感な思春期でまだまだ青い子供な中学生に大人らしい対応を求めようなんてのが土台無理なんだろうに
これが高校生だったらまた少し違うんだろうが
471 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/24(木) 02:18:12.40 ID:dy+J86e1o
472 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/24(木) 04:31:05.29 ID:58LtRaNE0
乙。しかしまどかっていい子だなぁ。
473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/05/24(木) 06:30:14.99 ID:5zg/thAto
まどかと杏子は原作通りじゃないですかー
ほむらも実際こんなんでしょ。他のクロスであっさり受け入れすぎてるだけよう。
マミに関しては死ぬ代わりに精神崩壊は結構SSではあったし。
さやかに関してはシリアス物の中では群を抜いてクズと言えよう。
474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2012/05/24(木) 10:42:32.85 ID:VnBn9lDw0
自分の欲望に忠実で、現実を突きつけられたら脆く崩れかねない
そういう時期だからこそQBのカモなんだしな

クロス物なら、言葉でも行動でも指導してやれる人物がいればいい方向に向かうんだが…
ジャンゴ無口ってレベルじゃないし、おてんこさま戦闘力ないし
475 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/24(木) 11:13:25.11 ID:6EdkgqhSO

ただQBの必死っぷりはすげぇリアルだよなw怪我しただけで契約とか安過ぎるw
476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/05/24(木) 11:59:50.04 ID:Gx9J7xSko
背後から渾身の一撃とか殺す気満々だなw
477 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/24(木) 12:33:21.14 ID:CUG/j0K5o
いつものクロスはほら、熱血漢がいたり頼りになる大人がいたりするけど、ジャンゴは比較的静かな熱血漢って感じだし…
478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/24(木) 16:07:36.84 ID:wuU7lPkIO
恭介に何か余計なこといってさらにさやかと険悪になるのは勘弁
479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(香川県) [sage]:2012/05/24(木) 22:51:17.23 ID:dyywZD3O0
さやかは頭が冷めたら冷めたで、色々と面倒なことになりそうだな
480 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/25(金) 00:25:18.30 ID:C9+caCd50



続・第15章 「協力者」



481 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/25(金) 00:28:37.11 ID:C9+caCd50


  「うっ……」



少年は目を覚まし、辺りを見回す。



  「ここは……」



いつかと同じ部屋の同じベッドに横たわっていることに気付く。


   
  「そうか…ボクは…」



自分が何処にいるのか理解した少年は、倒れる前のことを思い出した。


482 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/25(金) 00:30:51.80 ID:C9+caCd50
 

  「…」



しばらく考え込むと、枕元に置いてあった服に袖を通す。 



  「……おてんこさまを探そう」グウー



少年は相棒を探す決心をするが、



ジャンゴ「・・・」

 

その前に腹ごしらえをすることにした。


483 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/25(金) 00:33:16.98 ID:C9+caCd50


  ガチャ


ジャンゴ「…」



寝室を後にしてリビングに入るが、そこには誰もいなかった。



ジャンゴ「!」

ジャンゴ「…」スタスタ

ジャンゴ「…」ガサゴソ



部屋の隅に置かれた自分の荷物を見つけて漁る。



ジャンゴ「…」

ジャンゴ「…」スタスタ ボス

ジャンゴ「…」モグモグ



荷物の中から干し肉を取り出すと、リビングにある椅子に座って食べ始める。


484 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/25(金) 00:35:58.08 ID:C9+caCd50


ジャンゴ「・・・」



空腹を満たしたジャンゴは友を探して、ほむらの家を回ることにした。



ジャンゴ「…」スタスタ


   ガチャ


ジャンゴ「…」キョロキョロ

ジャンゴ「…」スタスタ

  
   バタン
 

ジャンゴ「…」スタスタ


   ガチャ


ジャンゴ「…」スタスタ

ジャンゴ「…」キョロキョロ


   バタン


ジャンゴ「・・・」



しかし、見つけられずにリビングで帰りを待つことにした。


485 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/25(金) 00:41:14.00 ID:C9+caCd50


ジャンゴ「…」ガチャ ガチャ 


  ガチャ


ジャンゴ「!」



リビングで武器の手入れをしていると、扉の開く音がする。



ジャンゴ「…」



何者かはそのまま家に上がりこみ、リビングへ入ってくる。



  「アンタ…」


  「気が付いていたのか……」



姿を現したのは暗い顔をした、太陽の精霊とポニーテールの少女であった。


486 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/25(金) 00:42:57.50 ID:C9+caCd50


おてんこ「……もう、傷は大丈夫なのか?」


ジャンゴ「…」コクリ

ジャンゴ「でも、それより……」


おてんこ「ああ、分かっている」

おてんこ「今の状況についてだな……」


ジャンゴ「…」コクリ


おてんこ「端的に言おう……最悪だ」


ジャンゴ「…」


杏子「…」


487 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/25(金) 00:44:22.23 ID:C9+caCd50


おてんこ「お前が倒れてから、3日経った今」

おてんこ「マミは相変わらず心を閉ざしたまま」

おてんこ「ほむらは何を考えているのか分からない」

おてんこ「そして、さやかは……」

おてんこ「激情に囚われ、迷いの刃を振るっている」


ジャンゴ「どうして……」


おてんこ「知ってしまったのだ……ソウルジェムの秘密を」


ジャンゴ「!」


杏子「その反応……アンタ、知っていたのか?」


ジャンゴ「…」


488 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/25(金) 00:46:24.61 ID:C9+caCd50


杏子「……どうして黙ってたんだ」

杏子「アンタ達が話してたなら、アイツだって……」

杏子「あそこまで追い込まれなかったんじゃないのかよ!」


ジャンゴ&おてんこ「・・・」


おてんこ「その通りだ、だが……」

おてんこ「とてもじゃないが話せる状況ではなかった」

おてんこ「仮に話したとしても、聞き入れては貰えなかっただろう……」


杏子「一体、何があった?」

杏子「アンタ達とさやか、そして……マミの間に」


ジャンゴ「…」


おてんこ「それは…」



おてんこは杏子に出会うまでのことを説明した。


489 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/25(金) 00:49:29.41 ID:C9+caCd50


杏子「それでか……」


おてんこ「…そうだ、これが事の真相だ」


ジャンゴ「…」


杏子「ホント……バカだよ、アイツ」

杏子「他人のために契約して、誰かを守るって息巻いていたくせに」

杏子「自分のことすら守れちゃいない」

杏子「勝手に暴走しては、自爆する」

杏子「なんでそこまでして自分を追い詰めるんだよ……」


おてんこ「杏子…」


ジャンゴ「…」


490 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/25(金) 00:51:17.20 ID:C9+caCd50


おてんこ「……我々には何と言えない」

おてんこ「だが、このまま手をこまねいていては事態は悪化するだけだ」

おてんこ「彼女を助けられるのは我々しかいない、そうだろう?」


杏子「…そうかもな」

杏子「じゃあ…アンタ、えっと……」


ジャンゴ「ジャンゴだ」


杏子「佐倉杏子だ。よろしくな、ジャンゴ」スッ



彼女はジャンゴに右手を差し出す。



ジャンゴ「…」



しかし、ジャンゴはその手を見たまま黙り込む。


491 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/25(金) 00:53:35.48 ID:C9+caCd50


杏子「なんだよ」

杏子「あたしとじゃ協力できないって言うのかよ」


ジャンゴ「…」フルフル


杏子「じゃあどうして」


ジャンゴ「そっちには先約がある」

ジャンゴ「だから……」スッ



ジャンゴは杏子と反対に左手を差し出す。



杏子「ったく……変なヤツだよ」


ジャンゴ「…」



杏子は悪態を付きながらもジャンゴの手を取る。


492 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/25(金) 00:55:33.21 ID:C9+caCd50


おてんこ「挨拶は終わったみたいだな」

おてんこ「なら、さやかについての対策を練ろう」


ジャンゴ「…」コクリ


杏子「ああ」



おてんこ「彼女は今非常に不安定な状況にある」

おてんこ「下手に接触すれば、彼女の逆上を招いてさらに状況が悪化する」

おてんこ「かといって何も対策をしなければ、落ち着かせる前にワルプルギスが来る」

おてんこ「なんとかして誤解を解ければいいのだが……」


   「ムリね」


ジャンゴ&おてんこ&杏子「!」



3人は背後からした声に驚き、振り向く。


493 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/25(金) 00:56:43.29 ID:C9+caCd50


杏子「お前…」


おてんこ「帰って来ていたのか」
  

ジャンゴ「……ほむら」


ほむら「…」



そこには制服姿のほむらが立っていた。


494 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/25(金) 00:57:42.38 ID:C9+caCd50


おてんこ「どういう意味だ?」


ほむら「そのままの意味よ」

ほむら「美樹さやかには何を言ってもダメ」

ほむら「それは貴方達も身をもって経験しているでしょ?」


ジャンゴ「でも……」


ほむら「貴方だって、勘違いの末に斬りつけられたわよね」


ジャンゴ「…っ」


ほむら「結局はそういうことなのよ」


杏子「でもよ……」


495 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/25(金) 00:59:35.35 ID:C9+caCd50


ほむら「貴方達が美樹さやかをどうしようが私には関係ないわ」

ほむら「けど、ここは私の家」

ほむら「ワルプルギスの夜と戦ってくれるというから、場所を提供しているの」

ほむら「これ以上、不毛な議論に花を咲かせるつもりなら帰ってくれるかしら?」


おてんこ「…」


ジャンゴ「…」


杏子「…」


ほむら「分かってくれたみたいね」

ほむら「それじゃあ、始めましょうか」

ほむら「対ワルプルギス戦の作戦会議をね」


第15章・了


496 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/05/25(金) 01:00:23.26 ID:C9+caCd50
嵐は、来る前も去った後も静けさしか残さない


 『我々が先に諦めてしまっては、彼女に合わせる顔がないものな』


次回:「一難去って……」
497 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/25(金) 01:03:34.43 ID:MHkXrGkOo

はてさてどうなることやら
498 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/25(金) 01:09:08.04 ID:fmLH1+QLo
>>1
右手じゃなく左手ってところがまたいいね
499 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/05/25(金) 01:12:13.82 ID:ij1z95Odo
おつ
杏子は味方なんだな
良かった
500 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/25(金) 05:20:26.46 ID:MODDjJvj0

杏子も根っこはやさしいからぶれない。その他もまたしかりなのでジャンゴも強く出れない…。
それにしても左手を出すジャンゴが渋い。大人になったら本当にスネークみたいな渋格好いい戦士になりそうだw
501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/25(金) 06:01:58.08 ID:UZU+jaaQo
502 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/25(金) 12:46:06.91 ID:FWqBJgWDO

やっと味方できたね
503 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(香川県) [sage]:2012/05/25(金) 18:43:02.08 ID:4yvvXy4S0
冷めたのかと思ったらまだ沸騰してた
504 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/05/25(金) 21:09:45.46 ID:1fAaM/72o

ここまできたらもうさやかは諦めるしかなさそうかね
505 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/25(金) 21:12:03.80 ID:KBo1CbWIO
やっぱり四スレに渡って展開か
506 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/05/25(金) 21:17:43.14 ID:thl5+4Rbo
>>505
四スレ目からキャラ一新でかずみ版に代わりそうだな
507 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/25(金) 21:20:26.66 ID:KBo1CbWIO
かずみ勢が出るなら先に織莉子達出せよwwwwww


ぶっちゃけサルタナとか出たらほむらやGBAジャンゴより拗れそう
508 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/26(土) 00:25:44.84 ID:JMfpDRVA0



続・第16章 「一難去って……」



509 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/26(土) 00:29:05.66 ID:JMfpDRVA0


ジャンゴが目を覚ましてから1日が経つ。

あの後、作戦会議を終えて就寝し、今はおてんこから状況説明を聞いていた。



おてんこ「我々が置かれている状況を説明する」

おてんこ「まず、この家にいることもからも分かるように、ほむらは敵ではない」

おてんこ「しかし、完全に信用されているわけではない」

おてんこ「彼女にしてみれば、ワルプルギスの夜を倒すために戦力がいるというだけ」

おてんこ「利害関係の一致から協力してくれているに過ぎない」

おてんこ「手を組む条件にまどかに関わるなというのも含まれていたしな」


ジャンゴ「…」


510 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/26(土) 00:31:00.29 ID:JMfpDRVA0


おてんこ「次に、杏子についてだ」

おてんこ「お前も彼女と話したから分かると思うが」

おてんこ「彼女は比較的協力的だ」

おてんこ「どうやら、さやかに対してなにかしら思うところがあるらしい」


ジャンゴ「…」


おてんこ「そして、まどかとマミにはあまり変化はない」

おてんこ「マミは未だ、現実を受け入れられずに心を閉ざしている」

おてんこ「まどかは状況の変化についていけず、困惑しているようだ」

おてんこ「彼女達も何とかしたいのだが…」

おてんこ「マミは外界からの接触を完全に遮断している上に」

おてんこ「まどかにもほむらとの約束から手を出せない」

おてんこ「我々にはどうしようもないのが現状だ……」


ジャンゴ「…」


511 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/26(土) 00:34:54.08 ID:JMfpDRVA0


おてんこ「最後は……さやかだな」

おてんこ「昨日も話したように彼女は激情に囚われている」

おてんこ「原因はソウルジェムの秘密やら、他の魔法少女達との軋轢やら色々と考えられるが……」

おてんこ「最も大きな要因はマミの存在だろう」

おてんこ「思えば、マミの掲げる〔正義〕に一番感化されていたのはさやかだった」

おてんこ「自分にとって正義の象徴たるマミを失った彼女は、その意志を継いで正義のために戦うことを決めた」

おてんこ「だが、その決意が自分自身の首を絞めることになる」


ジャンゴ「・・・」


おてんこ「お前も知ってるように、彼女は我々を〔悪〕と認識して攻撃した」

おてんこ「そして……お前は敗れ、結果的に彼女は悪を成敗した」

おてんこ「しかし、人を斬ることは彼女にとってあってはならないものだった」


ジャンゴ「…」


512 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/26(土) 00:37:12.59 ID:JMfpDRVA0


おてんこ「それだけならまだ、辛うじで自分を保てたかもしれない」

おてんこ「が、しかし……そんな彼女に容赦なく止めの一撃が下された」

おてんこ「それが……」


ジャンゴ「……ソウルジェムの秘密」


おてんこ「そう……彼女は魔法少女の秘密を知らされた」

おてんこ「そこで自分は人間でないと勘違いした彼女の精神は崩れた」

おてんこ「自分を見失ったさやかは、たったひとつ残された〔正義〕にすがることにした」

おてんこ「そうして、彼女は今も魔女を…使い魔を狩り続けている」

おてんこ「己の正義を守るため、自分を保つために……」


ジャンゴ「…」


513 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/26(土) 00:39:11.57 ID:JMfpDRVA0


おてんこ「お前の話が本当なら……彼女が魔女になるのも時間の問題だ」

おてんこ「正直、どうしたらいいのか私にも分からない」

おてんこ「普通に会っても、彼女が話を聞いてくれる可能性はゼロに近い」

おてんこ「だからといって他に方法が見つからない……」


ジャンゴ「…っ」


おてんこ「今はとにかく、さやかを探そう」

おてんこ「もしかしたら彼女が魔女化した、決定的な出来事があるかもしれない」

おてんこ「接触することは叶わなくとも、それを回避することは出来るはずだ」

おてんこ「我々が先に諦めてしまっては、彼女に合わせる顔がないものな」


ジャンゴ「…」


514 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/26(土) 00:41:32.02 ID:JMfpDRVA0


おてんこ「ジャンゴ…この後、さやかはどこに現れたのか覚えているか?」


ジャンゴ「立体駐車場で……杏子が目撃していた」


おてんこ「なら、そこで待ち伏せよう」

おてんこ「お前の話を聞く限り、大体の出来事はそのまま起こっている」

おてんこ「おそらく今回もそうだ」

おてんこ「だったら、さやかがそこへ現れてもおかしくはない」

おてんこ「この広い町を闇雲に探すよりもよっぽど効果的だ」

おてんこ「行くぞ、ジャンゴ!」

おてんこ「今度こそ悲しい運命を彼女に迎えさせるわけにはいかない!!」


ジャンゴ「…」コクリ



前回のループでさやかが現れたという立体駐車場へと向かった。


515 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/26(土) 00:47:18.02 ID:JMfpDRVA0


おてんこ「ここか……」


ジャンゴ「…」コクリ



記憶を頼りに、どうにかあの日の駐車場にやってくる。



おてんこ「う〜む。バイクは下に隠しておいたからいいが……」

おてんこ「ここには我々の隠れる場所がないな」

おてんこ「仕方ない……アレを使うか」

おてんこ「ジャンゴ、出せ」


ジャンゴ「…」フルフル


おてんこ「分からないのか? ダンボールだ」


ジャンゴ「そうじゃなくて……」


おてんこ「では、何が問題だというのだ?」


ジャンゴ「無いんだ」


おてんこ「無い?」

おてんこ「そんなことは……」


ジャンゴ「使い魔を待ち伏せした後、回収していないんだ」


おてんこ「・・・」

おてんこ「……探すか」


ジャンゴ「…」コクリ



2人はダンボールを求めて、日が傾き始めた町へと繰り出した。


516 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/26(土) 00:52:28.56 ID:JMfpDRVA0


すっかり日も暮れた頃、ジャンゴ達はようやくお目当てのモノを手に入れ、駐車場に戻った。



おてんこ「意外と時間がかかってしまったな」

おてんこ「まさか古紙回収で店に残っていないとは……」

おてんこ「次は気を付けなければならないな」


ジャンゴ「・・・」


おてんこ「さあ、あの場所に………」


   「いい加減にして。もう人を疑ってる場合じゃないでしょう」


ジャンゴ&おてんこ「!」



準備ができた2人が隠れようとすると、話し声が聞こえてくる。



おてんこ「これはほむらの……」


   「あんた達とは違う魔法少女になる」


おてんこ「そうか、相手は……」


ジャンゴ「……さやか」


517 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/26(土) 00:53:50.45 ID:JMfpDRVA0


おてんこ「……どうやら時間をかけ過ぎてしまったようだ」

おてんこ「既にさやかはこの場所に到着し、何故かほむらと話をしている」

おてんこ「彼女はさやかの問題に関わるつもりはないような素振りを見せていたのだが……」

おてんこ「これは一体どういうことだ?」

おてんこ「とにかく、もう少し様子を……」


  「いっそ私が、この手で、今すぐ殺してあげるわ。美樹さやか」


ジャンゴ&おてんこ「!?」


おてんこ「そんな暇はなさそうだ」

おてんこ「出るぞ! ジャンゴ!!」


ジャンゴ「…」ジャキ ダッ



ほむらを止めるべくジャンゴは2人の前に飛び出す。


518 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/26(土) 00:56:21.90 ID:JMfpDRVA0


ほむら「!」


さやか「お前……」


ジャンゴ「…」



ジャンゴは2人の少女の間、ほむらの向ける拳銃の前に割って入る。



ほむら「……どういうつもり」


おてんこ「それはこちらのセリフだ」

おてんこ「何故、さやかを撃とうとした?」


ほむら「彼女が邪魔だったからよ」


おてんこ「さやかの問題に関わらないつもりじゃなかったのか?」


ほむら「そんなことひと言も言っていないわ」

ほむら「貴方達が何をしようが気にしない、と言ったの」

ほむら「それは私が何もしないという意味じゃない」


519 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/26(土) 00:57:58.71 ID:JMfpDRVA0


おてんこ「それで、さやかを……」


ほむら「分かってくれたかしら?」

ほむら「出来たらそこを退いて欲しいのだけれど」

ほむら「戦力になる貴方達を失うのは惜しいわ」


おてんこ「……残念だが応じることは出来ない」

おてんこ「我々も彼女を失いたくはないのでな」


ほむら「残念ね」シュン


   ガンッ


おてんこ「うがあっ!!」



彼女は時間操作を使いおてんこに接近、銃で殴りつけて気絶させた。


520 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/26(土) 01:00:20.70 ID:JMfpDRVA0


おてんこ「」ドサッ


ジャンゴ「おてんこさまっ!!」


さやか「!」


ほむら「次は貴方よ」シュン



おてんこが倒れたのを確認すると、時間操作の魔術を発動してジャンゴに襲いかかろうとする。

しかし、



ジャンゴ「…っ」サッ


ほむら「!」カスッ



移動地点を先読みされたほむらは、



ジャンゴ「…」テュン テュン


ほむら「くっ…」



ジャンゴに反撃を許してしまう。


521 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/26(土) 01:01:28.00 ID:JMfpDRVA0


ほむら「…」


ジャンゴ「やめるんだ! ほむら!!」


ほむら「貴方に指図される覚えはないわ」シュン



彼女は再び魔法を発動する。



ジャンゴ「…!」サッ



ジャンゴも先程と同じように回避行動を取るが、



ほむら「こっちよ」シュン


   ガンッ


ジャンゴ「うっ…」



ほむらに先回りされ首元を銃床で殴られる。


522 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/26(土) 01:03:56.71 ID:JMfpDRVA0


ジャンゴ「……待…て」



なんとか衝撃に耐えて意識を保つが、



ほむら「…っ」

   
  ガンッ


ジャンゴ「」ドサッ



2回目の攻撃によって、その視界は闇に染まってしまった。


第16章・了


523 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/05/26(土) 01:04:48.82 ID:JMfpDRVA0
その覚悟は本物か?


 『さやかちゃんに会って話をしなきゃいけないの』


次回:「覚悟」
524 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/05/26(土) 01:21:41.24 ID:mMxs3zL1o

おてんこさま……なぜマウスかバットに変身することを提案しなかった……
525 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/05/26(土) 01:23:17.58 ID:/1v9co0ko


みんなアホやな
526 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/26(土) 02:35:38.79 ID:NvpAR8l90
トランスをしろトランスを
そしてパイルドライバーを呼び出せ
527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/05/26(土) 12:03:45.63 ID:lcrWwvGso

なんかやたらと変身するのを言ってるのがいるが
したらしたでまた怪しまれるだろうに
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(香川県) [sage]:2012/05/26(土) 14:02:22.00 ID:sgM0UZgT0
もう十二分に怪しまれてるからオーケーって考えじゃない? 
529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/05/26(土) 14:16:15.30 ID:31Sji2rno
目の前で鼠や吸血鬼になんてなったらさやかさんに魔女認識されちゃう
530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/26(土) 14:33:12.13 ID:1l2ygi4DO


このジャンゴって、太陽銃フレームは特殊系含めて全部持ってるの?
ビートマニアとかストーカーとか
531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(香川県) [sage]:2012/05/26(土) 15:24:23.48 ID:sgM0UZgT0
さやかに救いはないのか
532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/05/26(土) 15:33:48.44 ID:PtOEqopTo
マミがあの状況の時点でお察しくださいか
533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga sage]:2012/05/26(土) 17:23:45.77 ID:JMfpDRVA0
>>526
 前スレでも描写した通り、トランスは結構なバランスブレイカーです
 原作ゲームでも凶悪な性能なので、できる限り縛っていきます
 ジャンゴが無双するを見たいというなら、ごめんなさい

>>530
 これも設定上は持ってきています
 しかし、特殊系はトリッキーな上、使える場面が限られてくるので作者の力量的に出すのは難しいかと……

 余談ですが
 太陽銃の性能は無印基準で、ジャンゴのデフォルト装備はソルV、ドラグーン、クイントです
 後、アストロ、ムゲンバッテリーは持ってません
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) :2012/05/26(土) 19:19:16.72 ID:5cdnxOfv0
トランスの発動条件がわからないからモヤモヤする。この作品的な描写だとかなり自由に使ってた感じだから使わない時の違和感が凄い事になるんだと思う
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/26(土) 20:06:30.87 ID:1l2ygi4DO
ダークジャンゴはゾクタイ仕様でいつでもトランス出来るとしても
ソルジャンゴはトランスゲージが満タンにならないとトランス出来ない
ゲーム的な表現を使わないなら、感情エネルギーが一定以上まで高ぶらないとトランス不可って設定だったはず

DS版ならミルクがぶ飲みしたりヨーグルト食えばすぐトランスできるんだが…
536 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga sage]:2012/05/26(土) 20:19:08.00 ID:JMfpDRVA0
>>534
 この作品でのトランスの条件は

 ヴァンパイア→任意のタイミングで発動(場合によっては暴走)  
 ソルジャンゴ→おてんこさまが近くにいる状態で、2人の意思が合えば発動
 
 ただし、両方とも変身にはラグが発生する

 という感じで、特別必要な条件は設けてありません

 
 本編で使わない理由は

 作者的には>>533でも言った通り、トランスゲー化させたくないのと、

 ジャンゴ達にとっては

 ヴァンパイア→何も知らない相手には100%怪しまれる、太陽光で体が焼ける
 ソルジャンゴ→技を使うと味方まで巻き込んでしまう可能性がある、体が光って異常に目立つ
 両者→変身中に攻撃を受けるとトランスが強制キャンセルされ、隙が生まれる

 ということになってます
537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/26(土) 20:27:02.81 ID:LYOmY24do
ボクらの太陽ってやったことないけどジャンゴって弱いんだな、
常に負けてる
538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(田舎おでん) [sage]:2012/05/26(土) 22:36:58.02 ID:9JzCQjMk0
[ピーーー]気でかかってくるやつに対して沈静を目的に戦ってるんだから仕方ない
539 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/26(土) 22:38:28.78 ID:6Er65sdBo
基本的に敵から隠れてフィールドをうまく使いながら戦うゲームだしね

障害物も壁もないような場所じゃあ勝てる気がしない
540 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/27(日) 00:22:01.69 ID:4D3VqopR0



続・第17章 「覚悟」



541 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/27(日) 00:23:22.67 ID:4D3VqopR0


  「…っ」



闇に落ちた意識がよみがえる。



  「目、覚ましたか……」



辺りを確認するよりも早く、少女の声が少年の耳に届く。


  
ジャンゴ「杏…子……?」


杏子「ああ」



そこには、膝を付いて自分を見下ろす少女の姿があった。


542 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/27(日) 00:26:48.93 ID:4D3VqopR0


ジャンゴ「!」

ジャンゴ「どうなったんだ!?」


杏子「!?」


ジャンゴ「さやかは! ほむらは! おてんこさまは!!」

ジャンゴ「教えてくれ! 杏子!!」


杏子「……っ」キーン


ジャンゴ「頼む!」


杏子「ったく………叫ぶんじゃねぇよ」

杏子「頭に響いて適わねぇ」


ジャンゴ「ごめん…」


543 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/27(日) 00:28:13.16 ID:4D3VqopR0


杏子「いいよ、別に」

杏子「あんな状況だったんだ」

杏子「アンタが狼狽する理由もわかる」


ジャンゴ「それで、みんなは……?」


杏子「さやかとほむらはどっか行っちまった」

杏子「アンタの相棒はあそこで伸びてるよ」


おてんこ「」


ジャンゴ「…」



杏子から話を聞いたジャンゴはおてんこを起こしにかかった。


544 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/27(日) 00:30:17.01 ID:4D3VqopR0


おてんこ「うっ……まだ眩暈がするな」

おてんこ「済まない……2人とも、迷惑を掛けた」


ジャンゴ「…」


杏子「別に気にしてねぇよ」

杏子「あたしもアイツにやられたし」


おてんこ「……杏子」

おてんこ「我々が倒れた後に何が起きたか、説明してくれないか?」


杏子「説明って言っても、そんなに話すことはないよ」

杏子「あたしがここへ来たのは……」

杏子「アンタらがやられたすぐ後、ほむらの奴がさやかに銃を突きつけてる時だった」
 
杏子「だから、ほむらを羽交い絞めにしてさやかを逃がしたんだよ」

杏子「それでどうしてこんなことをしたか、問い詰めようとしたんだけど……」


おてんこ「その様子は……失敗したのか?」


545 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/27(日) 00:32:57.15 ID:4D3VqopR0


杏子「…」

杏子「……あの野郎、スタングレネードなんて隠し持ってやがったんだ」

杏子「それに気付けなかったあたしはこの様だよ」

杏子「正直……まだ耳鳴りが収まらねぇし、クラクラするんだ」 


おてんこ「そうか……済まないな」

おてんこ「そんな状況なのに質問に答えてもらって」


杏子「いいさ」

杏子「あたし1人じゃさやかを探すのは難しいし」

杏子「アンタらだって協力してくれんだろ?」


おてんこ「ああ…」


ジャンゴ「・・・」


546 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/27(日) 00:35:00.88 ID:4D3VqopR0


ジャンゴ「杏子」


杏子「なんだ? 何か不満でもあるのか」


ジャンゴ「…」フルフル


杏子「じゃあ何だっていうんだよ」


ジャンゴ「さやかが何処にいるか知っている、って言ったら……どうする?」


おてんこ「ジャンゴ、お前……」


杏子「……どういう意味だ」

杏子「アンタ、さやかの居場所を知ってるのかよ?」


ジャンゴ「…」コクリ


547 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/27(日) 00:36:25.34 ID:4D3VqopR0


杏子「教えろ」


ジャンゴ「君はそこで残酷な真実を知ることになるかもしれない」

ジャンゴ「本当に、それでもいいのか?」


杏子「いいに決まってる!」

杏子「あたしはあのバカに一言、言ってやんなきゃねぇ」

杏子「アンタ達だって、さやかをどうにかしたいんじゃないのか?」


ジャンゴ「分かった…」


おてんこ「……いいのか? ジャンゴ」


ジャンゴ「…」コクリ


おてんこ「そうか……」


548 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/27(日) 00:39:08.01 ID:4D3VqopR0


杏子「どこだ! 案内してくれ」


おてんこ「待て、そう焦るな」

おてんこ「そこまでは我々が送る」

おてんこ「お前だって、早く着く方がいいだろ?」


杏子「そりゃあ……そうだけどさぁ」

杏子「何かなんのかよ?」


おてんこ「まあ、見ていろ」

おてんこ「ジャンゴ! 出せ!!」


ジャンゴ「…」コクリ


杏子「!」



ジャンゴは棺桶の転送装置を起動し、バイクを呼び出した。


549 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/27(日) 00:41:21.74 ID:4D3VqopR0


杏子「……そういうわけか」

杏子「アンタ、ちゃんと運転できるんだろうね?」


おてんこ「任せておけ」

おてんこ「ただし、覚悟はいいだろうな」

おてんこ「飛ばすぞ?」


杏子「へっ………上等だ」

杏子「そうでもなきゃ、ワザワザ乗る意味がねぇ」


おてんこ「決まったな……」

おてんこ「行くぞ!」


ジャンゴ「…」コクリ



合図を聞いたジャンゴは杏子を乗せ、バイクを発進させる。

赤い少年と少女は黒いバイクに乗って闇に溶け込んでいった。


550 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/27(日) 00:42:59.15 ID:4D3VqopR0


おてんこ「ここだ」


ジャンゴ「…」



ある建物の前に来てバイクを止める。



杏子「……駅か」

杏子「本当にここにさやかがいるのか?」


おてんこ「必ず、とは言えないが……」

おてんこ「かなり高い確率でここに来ることは確かだ」


杏子「そうかい」


おてんこ「……覚悟はできているな?」


杏子「大丈夫だ」


おてんこ「なら、行こう」


551 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/27(日) 00:45:45.40 ID:4D3VqopR0


そうしてジャンゴ達が駅の入り口に向かって歩き出したとき、



  「待って!」


  「!?」



誰かに呼び止められる。



おてんこ「お前は……」


杏子「…なんでここに」


ジャンゴ「……まどか」


まどか「…」



そこには、今から会いに行こうとしている少女の親友がいた。


552 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/27(日) 00:48:33.96 ID:4D3VqopR0


まどか「さやかちゃんは……ここにいるの?」


おてんこ「それは……」


ジャンゴ「…」


まどか「そうだったら、連れてってほしいの」

まどか「あの時、わたしが追いかけなかったから」

まどか「さやかちゃん、どっか行ちゃって……」

まどか「それで……ちゃんと会って話そうと思って」

まどか「でも、探してもどこにも見つかんなくて」


おてんこ「まどか…」


まどか「だから、お願い」


553 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/27(日) 00:53:12.97 ID:4D3VqopR0


杏子「なぁ、連れて行ってやってもいいんじゃないか」

杏子「こいつがいた方がアイツだって話しやすいだろうし」


おてんこ「だが……」


ジャンゴ「…」


まどか「やっぱりダメかな……」


ジャンゴ「……まどか」


まどか「何…? ジャンゴ君」


ジャンゴ「この先には……」

ジャンゴ「君にとっても、さやかにとっても、辛く厳しい現実が待っているかもしれない」

ジャンゴ「君には…それを受け入れる覚悟はあるか?」


まどか「わたしは……」


おてんこ「…」


杏子「…」


554 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/27(日) 00:54:55.05 ID:4D3VqopR0


まどか「会わなきゃ」

まどか「さやかちゃんに会って話をしなきゃいけないの」

まどか「そうじゃなきゃ、絶対に後悔する」


ジャンゴ「…」

ジャンゴ「分かったよ、まどか」

ジャンゴ「行こう……さやかに会いに」


まどか「うん…」


ジャンゴ達はまどかを連れて、不気味な静けさの漂う構内に足を踏み入れた。


555 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/27(日) 00:57:28.20 ID:4D3VqopR0


  「…」



ホームには、蛍光灯に照らされながら、ベンチにもたれ掛かる少女の姿があった。



  「…」
 


彼女の手にはもとの色が分からないくらいに黒ずんだ宝石が握られていた。



杏子「本当に居やがった……」


おてんこ「無事だったな、ジャンゴ」


ジャンゴ「…」


まどか「さやかちゃん!」



ジャンゴ達に構わず、まどかはさやかに駆け寄る。


556 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/27(日) 00:58:28.48 ID:4D3VqopR0


さやか「まどか……」


まどか「さやかちゃん、ごめん…」

まどか「わたし、魔法少女でもないくせにあんなこと言って」

まどか「さやかちゃんの気持ちを考えないで」

まどか「自分の意見だけ押し付けて……」


さやか「いいんだよ、もう……そんなこと」

さやか「あたしが悪かったんだから」


まどか「さやかちゃん…」


557 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/27(日) 00:59:34.94 ID:4D3VqopR0


杏子「アンタ、もっと他に言い方があるんじゃないの?」

杏子「こいつはずっと心配してたんだよ」


さやか「あんた……どうしてまどかと」


杏子「お前を探してたんだ」

杏子「その途中で出会って、一緒に来たってわけ」


さやか「そっか……手間かけさせちゃったね」


杏子「何だよ、らしくないじゃんかよ」


さやか「…」


おてんこ「まぁ……いいではないか、こうして見つかったんだ」

おてんこ「さあ、帰ろう。さやか」

おてんこ「お前のソウルジェムだって真っ黒ではないか」


ジャンゴ「…」


558 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/27(日) 01:01:51.15 ID:4D3VqopR0


さやか「ああ……あんた達もいたの」

さやか「悪かったね。敵だって決めつけたりして……」

さやか「今になって思えば、全部あたしの勝手な思い込みだったよ」


おてんこ「話は後でいくらでも聞いてやる」

おてんこ「だから、今はソウルジェムの心配をしろ」

おてんこ「お前だって、それが何なのか知っているだろう?」


まどか「そうだよ、早く浄化しないと……」


さやか「なんか別にもう、どうでも良くなっちゃったんだよね」

さやか「結局私は、一体何が大切で何を守ろうとしてたのか、もう何もかも、わけ分かんなくなっちゃった」


杏子「何、言ってんだよ……」


559 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/27(日) 01:03:26.70 ID:4D3VqopR0


さやか「希望と絶望のバランスは差し引きゼロだって、いつだったかあんた言ってたよね」

さやか「今ならそれ、よく分かるよ」


まどか「さやかちゃん……?」


さやか「確かに私は何人か救いもしたけどさ、だけどその分、心には恨みや妬みが溜まって」

さやか「一番大切な友達さえ傷付けて」


おてんこ「これは……」


さやか「誰かの幸せを祈った分、他の誰かを呪わずにはいられない」

さやか「魔法少女って、そう言う仕組みだったんだね」


ジャンゴ「さやか、どうして君は……」




さやか「あたしって、ほんとバカ」




第17章・了


560 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/05/27(日) 01:04:37.64 ID:4D3VqopR0
それは、誰にでも、何にでも訪れる


 『これが魔法少女が辿る道よ』


次回:「いつか来る終わり」
561 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/05/27(日) 01:06:02.26 ID:6MMskcTW0


もう嫌……このさやか……
562 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/27(日) 01:07:16.72 ID:XXR0kk62o

今回もさやかは馬鹿エンドを迎えたか
ここまできたら救えなくても仕方がないな
むしろ早まらなかったのが不思議なくらい
563 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/05/27(日) 01:07:54.02 ID:tk3brbEVo
自業自得だな、ざまぁねえや

564 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/05/27(日) 01:10:06.59 ID:mT/2zb6ro
次は新ほむらの太陽か
おっさん
565 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/05/27(日) 01:10:43.42 ID:mT/2zb6ro
>>564
ミス、乙
566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/05/27(日) 06:24:24.50 ID:STmVwmdfo
杏子だけは……杏子だけは……
567 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/27(日) 07:01:40.15 ID:FmOptVeX0
…なんで…こんなええ子たちが戦わなならんのや…。
新ほむでは救われますようにと思ったがもうカードがない!
568 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/05/27(日) 07:55:55.32 ID:HvjOLX4AO
マミを見殺しにしなかったことが悔やまれる
569 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/27(日) 10:02:43.01 ID:oHJ5FQ1DO
乙。さやか救われねぇ…

こうなったら暗黒ローンに200ソル払ってやり直すしかないな
570 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) :2012/05/27(日) 11:32:55.08 ID:vzWY/Z1L0
暗黒ローンはある意味最強のチート
571 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/27(日) 11:49:15.30 ID:LaXEL0ZBo
ジャンゴまた走るのか…まぁ愛の証が手に入れば強いしな
572 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/27(日) 12:15:59.81 ID:IQm977NSO
ところでまどマギ世界でもローンカードは使えるんだろうか
573 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/27(日) 14:12:40.49 ID:nbkChSP60

>>572
使えるとして
払えなくなったら「ジャンゴがひたすら走り続ける回」になるのかww
574 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/27(日) 14:59:43.40 ID:ykvacgDIO
おてんこ「お前のためにアイツはいま必死に走っている」

「お前ができることはなんだ?」

さやか「……あたしがやる」


こうですか
575 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/27(日) 18:42:42.17 ID:CtGp1eMf0
終わって見なきゃわからんが
今の所ただの微妙なssにしか見えない
キャラの心理描写にしたって無茶苦茶だし(特ににさやか)
クロスなのにジャンゴいる意味殆どねぇじゃん
まどマギの魔法少女に影響を与えたり支えになったりするわけでもなく
一周目となんら状況が変わらず本当にただいるだけ…
マジで何しに来てるの?両作品のファンからしても微妙じゃないの?
576 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/05/27(日) 19:30:00.12 ID:YeJ7lnBko
なら終わるまで黙ってればいいんじゃないかな
577 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/27(日) 19:32:13.15 ID:76VVUTdIO
三周目は確定だろうな。
578 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/27(日) 19:44:50.12 ID:CtGp1eMf0
>>573
新潟県は正直ここまで都合よく解釈できるんならどんなssでも面白く思えるんだろうな
正直、掲示板やサイトでssをあげる以上批判は付き物だと思うけど?
579 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/05/27(日) 19:47:01.85 ID:YeJ7lnBko
終わってから評価するだけなんでね
そこまでガヤガヤと騒ぐほどのもんかな、と思うからレスしただけなんだけど、まぁ俺も黙ろうかね
580 :578 [sage]:2012/05/27(日) 19:47:30.50 ID:CtGp1eMf0
間違い>>576だった
581 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/05/27(日) 19:53:27.97 ID:STmVwmdfo
完全に三周目あるだろうからこの展開でも
582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/27(日) 20:38:52.27 ID:oHJ5FQ1DO
逆に考えるんだ、ドン底まで落ちれば後は上がるだけだと
つまり3周目の新ほむにご期待下さい

…なんて、作者でもないのに勝手に決めつけても何だが、ジャンゴいる必要なかったかどうかはもう少し先の流れを見てからでも遅くはないんじゃないかな
583 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/27(日) 21:12:45.51 ID:QEXIR9kRo
本編再放送見ても分かるけど、基本的にさやかは1ヵ月ずっと最悪なコンディションだしね
突然の環境の変化、先輩の死、才能のへの嫉妬、失恋…
あげくの果てに原因は散々忠告されてたことを無視したせい、何て状況じゃまともでいる方が有り得ない

平和な世界での二次創作ばっか見てると忘れがちだけど、本編に沿ったSSではこうなるのが当然だと思う
584 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/27(日) 21:23:49.02 ID:gsGd8m2Lo
乙でした
585 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/27(日) 21:35:07.27 ID:CtGp1eMf0
>>583
基本的にまどマギクロスssの殆どは本編に沿った内容ばかりだろ
上で誰かが言っていたがそうならない様にクロスキャラが首突っ込んで導いたりまとめたり流れになるssが多い
586 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/05/27(日) 21:49:33.75 ID:STmVwmdfo
DS版しかやったことない俺にGBA版がどれくらい鬼畜か教えてくれ
587 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/27(日) 21:52:18.93 ID:gsGd8m2Lo
晴れてる日なら全体的にそこまで鬼畜じゃない

でも、蒼空の塔は電池との闘い、ってかSP以降じゃないと普通にやってられない
夢幻街は敵とトラップがぶっ飛んだ設計
588 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/05/27(日) 21:54:25.73 ID:STmVwmdfo
いや、ストーリー面で
確かに太陽無いとキツイけどさwwwwww
589 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/27(日) 22:00:29.62 ID:gsGd8m2Lo
>>588
・ゲーム中では描写少ないけど結果的には主人公側に勝ち目無し、とか?

兄貴の彼女候補とお父さんコロコロして自分が吸血鬼擬きになったりしたけど……
深夜に大地の巫女を吸血してコロコロしたのは内緒

DSって新ボクのモグモグBADエンド以降のパラレルだっけ? やってないから知らんけど
590 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(香川県) :2012/05/27(日) 22:47:04.17 ID:3T6QWDFY0
>>589
「モグモグBADエンド」←何それ怖い
591 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/05/27(日) 22:48:26.53 ID:STmVwmdfo
モグモグだと二作目のヨルムンガルドの話かと思ってしまった
592 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/27(日) 23:17:57.08 ID:LaXEL0ZB0
子ども向けと銘打っているにも関わらず父母は死に、叔母を殺し、双子の兄も殺し、妙にBL臭い美少年が出てきたりお兄様loveな赤髪ロリが出てきたり、はじめっから勝ち目の無い戦いだったり、分岐した未来から息子?がやって来たり。
小6の弟が北欧神話にはまって中2病併発したり恐ろしく濃い内容だった、気がする。
593 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/28(月) 01:14:25.61 ID:0I2lqEMk0



続・第18章 「いつか来る終わり」



594 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/28(月) 01:15:48.39 ID:0I2lqEMk0
   

      パキンッ
  

    ゴォオオオオオオオ



何かが砕けるような音と同時に、さやかの周りから突風が吹く。



 「「「「さやか(ちゃん)っ!!!」」」」



その風はジャンゴ達を押しのけ、さやかから引き離す。


595 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/28(月) 01:17:53.63 ID:0I2lqEMk0


ジャンゴ「…っ」


おてんこ「くっ…」



体重のあるジャンゴと浮遊できるおてんこはなんとかその場にとどまるが、



まどか「きゃっ!」


杏子「うぁっ!」



後の2人は突風で吹き飛ばされてしまう。


596 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/28(月) 01:19:55.43 ID:0I2lqEMk0


ジャンゴ「まどか!」ガシッ


まどか「!」ボスッ



ジャンゴは自分の方へ飛んできたまどかを受け止めるが、



ジャンゴ「なっ…!」


杏子「…っ!」スカッ



一緒に飛ばされてきた杏子を逃してしまう。



ジャンゴ&おてんこ「「杏子っ!!」」



彼女はそのままジャンゴ達の視界から消える。


597 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/28(月) 01:21:50.07 ID:0I2lqEMk0


まどか「そんな……」


おてんこ「クソっ…」



居なくなってしまった杏子を諦めかけたとき、



  「…大丈夫だ」

  
   「!」



背後から声が聞こえる。



おてんこ「無事だったか!!」


杏子「…っ」



振り向くと、ホームの柵に掴まっている杏子の姿があった。


598 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/28(月) 01:24:55.21 ID:0I2lqEMk0


杏子「あたしのことは気にすんな!」

杏子「そんなことよりアイツを! さやかを!!」


おてんこ「分かって……」

 
  「!?」



おてんこが杏子に答えようとした時、風が止んで風景が一変する。


599 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/28(月) 01:26:35.82 ID:0I2lqEMk0


唐突に変わった風景に対して、



まどか「何……これ…?」


杏子「……どうなってやがる」
 


ある者達は驚き、  



ジャンゴ「…っ」


おてんこ「止められなかったか……」



ある者達は覚悟を決める。


600 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/28(月) 01:28:41.53 ID:0I2lqEMk0
 

   「オ オ オ オ オ……」


       「!」



ジャンゴ達がどぎまぎしていると、何かが唸るような声が聞こえてくる。



杏子「あれは!?」


まどか「さやかちゃん!!」


ジャンゴ&おてんこ「…」


  「………」


さやか「」



そこには甲冑に身を包んだ人魚の魔女とその足元に横たわるさやかの姿があった。


601 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/28(月) 01:30:41.01 ID:0I2lqEMk0


杏子「さやかっ!」


さやか「」


  「………」



杏子は微動だにしない魔女を尻目に、さやかを抱えて戻ってくる。



まどか「さやかちゃん!!」ダッ


ジャンゴ「!」



杏子が戻ってくるのを確認したまどかは、ジャンゴを振り払ってさやかのもとへ駆け寄る。


602 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/28(月) 01:34:19.19 ID:0I2lqEMk0


杏子「おい! 起きろ!!」


まどか「ねぇ、しっかりして! さやかちゃん!!」


さやか「」



2人は必死に呼びかけるが、さやかが目を覚ます気配はない。



杏子「何なんだよ……テメェ、一体何なんだ!」

杏子「さやかに何をしやがった!!」



動揺を隠せない杏子は怒りの矛先を魔女へと向ける。



  「………」



しかし、魔女は沈黙したまま動かない。


603 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/28(月) 01:38:39.93 ID:0I2lqEMk0


杏子「答えろっ!!」ジャキ



杏子は怒りに任せて槍を召喚する。



おてんこ「待て! 抑えるんだ、杏子!!」

おてんこ「ここには、さやかにまどかもいるんだ」

おてんこ「魔女が行動を止めているうちに退却するぞ!」


杏子「けど……」


  「その通りよ」


ジャンゴ&おてんこ「!」


杏子「アンタ!?」


まどか「ほむらちゃん! どうして!?」


ほむら「そんなことはどうでもいい」

ほむら「とにかく、今は退きなさい」



さやかを亡き者にしようとした張本人、暁美ほむらが姿を現した。


604 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/28(月) 01:42:03.21 ID:0I2lqEMk0


杏子「逃げるって言うのかよ!?」


ほむら「今の貴女達は足手まといにしかならないわ」

ほむら「それとも、美樹さやかを抱えて、まどかを守りながら戦えるというのかしら?」


まどか「…」


杏子「…っ」


おてんこ「残念ながら彼女の言う通りだ」

おてんこ「さやかとまどかを庇いながら戦うことは出来ない」

おてんこ「だから、今は逃げることを優先しろ」


605 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/28(月) 01:44:00.97 ID:0I2lqEMk0


杏子「……分かったよ」


おてんこ「話はついたな……」

おてんこ「ジャンゴ、まどかを頼む」


まどか「えっ…」


ジャンゴ「行くよ……まどか」


まどか「!」



ジャンゴはまどかを抱きかかえる。



ほむら「結界を脱出するわ、付いてきて」


ジャンゴ「…」コクリ


杏子「…」コク



ジャンゴ達は黙する魔女の前から逃げ出した。


606 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/28(月) 01:46:53.40 ID:0I2lqEMk0


おてんこ「ここまでくれば………大丈夫だな」

 
   「・・・」


魔女の結界から逃げ出したジャンゴ達は線路の上にいた。



杏子「…」


ジャンゴ「…」



2人は、それぞれまどかとさやかを下す。


607 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/28(月) 01:48:36.65 ID:0I2lqEMk0


まどか「さやかちゃん!!」


さやか「」



地面に降ろされたまどかはさやかに駆け寄り、呼びかける。

しかし、



さやか「」


まどか「目を覚ましてよ、さやかちゃん!」


杏子&おてんこ「…っ」


ジャンゴ&ほむら「…」



彼女が反応することはなかった。


608 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/28(月) 01:49:43.98 ID:0I2lqEMk0


杏子「どうなってんだ……」

杏子「なんでさやかは目を覚まさない?」

杏子「どうして、あんなところに魔女がいたんだ」

杏子「アンタ……知ってるんだろ」

杏子「だからあんな警告をした、違うか?」


ジャンゴ「…」


おてんこ「杏子…」



沈黙を貫くジャンゴを杏子が問い詰める。


609 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/28(月) 01:52:33.87 ID:0I2lqEMk0


杏子「教えろ!」

杏子「あの魔女は何だ!!」

杏子「 一体さやかはどうしちまったんだよ!!」


ジャンゴ「それは……」


ほむら「答えは簡単、あの魔女が美樹さやかってだけのことよ」


杏子「なっ…」


まどか「えっ…」


おてんこ「…」



答える気配のないジャンゴに代わってほむらが答える。


610 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/28(月) 01:54:22.71 ID:0I2lqEMk0


杏子「何……言ってんだ」


まどか「そんなことあるわけないよ!」

まどか「ソウルジェムだってここに……」



彼女はさやかの懐からソウルジェムを探すが、



さやか「」


まどか「どうして……」



見つけることができなかった。


611 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/28(月) 01:56:02.07 ID:0I2lqEMk0


ほむら「こんなところにあるはずないわ」

ほむら「彼女のソウルジェムはグリーフシードに変化した後、魔女を生んで消滅したんだもの」


まどか「嘘…だよね」


杏子「本当なのかよ、おい! ジャンゴ!!」


ジャンゴ「…」


おてんこ「ああ……本当だ」


まどか「そんな……」


杏子「どうして黙ってた!」

杏子「何で話してくれなかったんだよ!!」


612 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/28(月) 01:58:16.29 ID:0I2lqEMk0


ジャンゴ「……ごめん、本当は話しておくべきだった」

ジャンゴ「でも、君は信じてくれなったかもしれない」

ジャンゴ「そうなってしまったら、ボク達だけでさやかの説得なんてできない」

ジャンゴ「そう…思ったんだ」


杏子「だからって…」


ほむら「彼の言うことにも一理あるわ」

ほむら「貴女はこの事実を魔法少女でもない人間から聞いて」

ほむら「本当に信じることができたのかしら?」


杏子「それは……」


まどか「やめてよ…2人とも」

まどか「そんなことより、さやかちゃんをどうにかしないと」


613 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/28(月) 01:59:32.34 ID:0I2lqEMk0


ほむら「諦めなさい、まどか」

ほむら「これが魔法少女が辿る道よ」

ほむら「魂の宝石が濁りきって黒く染まる時、私達はグリーフシードになり、魔女として生まれ変わる」

ほむら「それが……魔法少女になった者の、逃れられない運命」


まどか「でも、なんで……どうして…?」

まどか「さやかちゃん……魔女から人を守りたいって、正義の味方になりたいって、そう思って魔法少女になったんだよ?」

まどか「なのに……」


ほむら「その祈りに見合うだけの呪いを、背負い込んだまでのこと」

ほむら「あの子は誰かを救った分だけ、これからは誰かを祟りながら生きていく」


まどか「いやだよ……さやかちゃん…」



ほむらの辛辣な言葉にまどかは泣き崩れる。


614 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/28(月) 02:01:02.64 ID:0I2lqEMk0


杏子「テメェ…何様のつもりだ?」

杏子「さっきから黙って聞いてれば、好き勝手言いやがって!」

杏子「分からねぇのかよ!? 親友を失くしたこいつの気持ちがよ!!」


ほむら「…」


おてんこ「杏子……抑えるんだ」


杏子「アンタらは平気なのかよ!?」

杏子「あたしはこいつが自慢げに、それも親友の前で話してるのが許せねぇんだ!」


おてんこ「冷静になれ」

おてんこ「今、ここで彼女と争ったところで事態は好転しない」

おてんこ「こんな時こそ落ち着いて、次の一手を考えるんだ」


615 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/28(月) 02:01:55.97 ID:0I2lqEMk0


ほむら「そうよ……わざわざ死体を持って来た以上、扱いには気をつけなさい」

ほむら「迂闊な場所に置き去りにすると、後々厄介な事になるわよ」


杏子「テメェ……それでも人間かっ!?」


ほむら「もちろん違うわ。貴女だってそうでしょう?」


杏子「…っ」


ジャンゴ&おてんこ「…」



そう言い残して、ほむらはその場を去って行ってしまった。


616 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/28(月) 02:03:18.73 ID:0I2lqEMk0


おてんこ「これからどうしたものか……」


杏子「……決まってるだろ、こいつを元に戻すんだ」


おてんこ「当てはあるのか?」


杏子「ない………けど、絶対になんか方法があるはずだ」

杏子「アンタ達、何か知らないのか?」


ジャンゴ「・・・」


おてんこ「残念だが、我々にもそこまでの知識はない」

おてんこ「しかし、お前がさやかを戻すというなら協力は惜しまない」

おてんこ「……今言えることはこれぐらいだ」


杏子「そうかよ」


617 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/28(月) 02:05:32.23 ID:0I2lqEMk0


おてんこ「それで……さやかはどうするつもりだ?」

おてんこ「あの口振りからして、ほむらがさやかを自分の家に置くことを許すとは思えないのだが」


杏子「どっかにホテルでも借りる」

杏子「そこなら人目にもつかないはずだ」


おてんこ「分かった。居場所が決まったら連絡してくれ」


ジャンゴ「ボク達もこのままにしておきたくないから……」


杏子「……分かった」

杏子「場所が決まったら、アンタらのとこへ行くよ」


おてんこ「ああ…」



杏子と当面の方針を立てると杏子はさやかを運びに、ジャンゴはまどかを家まで送り届けることにした。


第18章・了


618 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/05/28(月) 02:07:48.34 ID:0I2lqEMk0
本当に、このまま何も出来ないと思うか?


 『それでも……だからこそ、我々は前に進まなければならない』


次回:「諦めない心」
619 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/05/28(月) 02:09:33.14 ID:GzIdzvaAO
乙、一見badendルートだな
620 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/05/28(月) 03:00:09.72 ID:nQY8bs8Mo
これは唐突に電脳世界と繋がるルートだよ
621 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/28(月) 03:56:24.17 ID:K8W6TC0S0
ジャンゴに頑張って貰いたいわ
シンタイやるのか分からんケド、ワルプルギス戦で無双して貰いたい
622 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/05/28(月) 04:01:16.81 ID:NuGmjCRX0
前スレでボロ負けしちゃったしなぁ……。
623 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/05/28(月) 07:32:31.88 ID:JoMiuTyqo
ロックマンみたいな明るい人が居れば…PETがそこそこ活躍してるから期待してしまう
624 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/28(月) 12:02:51.92 ID:05k6l4NSO

パイルドライバーの出番はあるのだろうか…
625 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/28(月) 21:19:47.35 ID:+CHHgA3DO

アースとかクラウドみたいな属性魔法も使って欲しいな
626 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/05/28(月) 21:35:08.32 ID:gjSyNDrX0

しかし時間を遡れるのか?
愚者のカードは使っちまったし…
627 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2012/05/28(月) 22:32:47.42 ID:0qcp35yq0
ほむらに時の魔方陣作ってもらえれば或いは
628 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/29(火) 00:14:19.98 ID:fMr1SadR0



続・第19章 「諦めない心」



629 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/29(火) 00:16:51.76 ID:fMr1SadR0


さやかの一件の後、ジャンゴ達はまどかを送り届けて帰宅する。

その夜はほむらとも顔を合わせることもなく、浅い眠りについた。



ジャンゴ「…っ」



夜明け前に目を覚まし、静かに外へ出て屋根に登った。



ジャンゴ「さやか……」



少年は白んでいく空を眺めながら、いつかと同じように物想いに耽る。


630 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/29(火) 00:21:29.09 ID:fMr1SadR0


ジャンゴ「結局、最後まで……」

ジャンゴ「君の願いも、その絶望でさえも、ボクには分からなかった」

ジャンゴ「1つの結末を知っていても尚、君を救うことはできなかった」

ジャンゴ「それでも……ボクはまだ、諦めたくない」

ジャンゴ「誰一人失わない、そう決めたんだ」

ジャンゴ「君を絶望させた、この世界に君を呼び戻すこと」

ジャンゴ「それは君にとっては苦痛かもしれない」

ジャンゴ「けれど、どうか許してほしい」

ジャンゴ「希望がある限り、抗い続ける」

ジャンゴ「それが……ボクらの生きるということだから」



朝焼けを受けながら、少年は聞いているかも分からない少女に語りかける。


631 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/29(火) 00:24:00.95 ID:fMr1SadR0


  「そうだな、それでそこ太陽少年だ」



そんな少年の語りに同意する声が聞こえてくる。



ジャンゴ「……おてんこさま」


おてんこ「ふっ……」



そこには暁の光を受けて、その身を輝かせる太陽の精霊がいた。


632 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/29(火) 00:26:21.01 ID:fMr1SadR0


おてんこ「どんなに絶望的な状況に立たされても、決して諦めずに戦い続ける」

おてんこ「なぜなら、それが生きるということだから」

おてんこ「父と母……リンゴのマーニの意志は確実にお前に受け継がれているようだな」


ジャンゴ「…」


おてんこ「お前が語った未来…」

おてんこ「マミは戦いに敗れその命の落とし、さやかは絶望に打ちひしがれ悲しき運命を辿る」

おてんこ「そして、杏子は友を想いその命を散らした」

おてんこ「今回もまた、同じ未来へと続く道を辿っているのかもしれない」

おてんこ「しかし、1つだけ違うことがある」


633 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/29(火) 00:28:45.88 ID:fMr1SadR0


ジャンゴ「……マミ」


おてんこ「そう、彼女の存在だ」

おてんこ「未来が変わらないというなら、彼女は命を落としているはず」

おてんこ「だが、彼女は今、心を閉ざしながらも生きている」

おてんこ「それは未来が変わったからなのか?」

おてんこ「それとも……彼女の死が先延ばしになっただけなのか?」

おてんこ「我々には何も分からない」

おてんこ「たった一歩先の未来さえ、知ることができない」

おてんこ「それでも……だからこそ、我々は前に進まなければならない」

おてんこ「そうだろう?」


ジャンゴ「…」コクリ


634 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/29(火) 00:34:53.00 ID:fMr1SadR0


おてんこ「よし、決まりだな」

おてんこ「さやかを元に戻し、マミを取り戻す、それが我々の目標だ」

おてんこ「しかし……具体的に何をすればいいのか見当もつかんな」


ジャンゴ「…」


おてんこ「ジャンゴ、何かないのか?」

おてんこ「お前が見た未来に、ヒントになるような事はなかったのか?」


ジャンゴ「・・・」


おてんこ「ダメか…?」


ジャンゴ「……いや、1つだけ心当たりがある」


おてんこ「それは、一体……」


ジャンゴ「太陽の光」

ジャンゴ「それを使えば彼女を元に戻せるかもしれない」



黎明の後、昇りくる太陽を見据えて、少年は答える。


635 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/29(火) 00:38:17.48 ID:fMr1SadR0


ジャンゴ「あの時、さやかの魔女が討たれた後」

ジャンゴ「魔女が落としたグリーフシードに向かって、太陽ショットを放った」

ジャンゴ「そしたら、太陽銃で撃たれたグリーフシードは煙を上げたんだ」

ジャンゴ「もしかしたら、魔女の卵は浄化できるのかもしれない」

ジャンゴ「本当にそうなのかどうか分からない」

ジャンゴ「でも……今は、それに賭けるしかないんだ」


おてんこ「……そうだな、太陽の使者ともあろう私が失念していた」

おてんこ「我々が使えるのも、頼ることができるのも太陽の光だけ」


636 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/29(火) 00:41:14.85 ID:fMr1SadR0


おてんこ「だが、それで十分だ」

おてんこ「希望の象徴たるあの星の力を借りて、今まで戦ってこれた」

おてんこ「なら、これからもそれが揺るぐはずがない」

おてんこ「いつだって太陽は、我々と共にあるのだ!」


ジャンゴ「…」


おてんこ「……どうやら迎えも来たようだ」

おてんこ「今度こそ、我々が流れを変える」

おてんこ「行くぞ! ジャンゴ!!」



2人の視線の先には、協力者が赤い髪を揺らして向かってくる姿があった。


637 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/29(火) 00:43:49.13 ID:fMr1SadR0


おてんこ「場所は決まったのか?」


杏子「ああ」



屋根から降りたジャンゴ達は玄関の前で、杏子を出迎える。



杏子「けど……さやかを戻す方法なんて思いつかなかったよ」

杏子「アンタらはどうだ?」


おてんこ「我々にも確実に戻す方法は分からない」


杏子「…そうか」


おてんこ「だが、可能性がないわけではない」

おてんこ「こいつ……太陽少年になら、それが可能かもしれない」


638 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/29(火) 00:47:04.83 ID:fMr1SadR0


杏子「本当か? 教えてくれ」


おてんこ「いや……その前にやることがある」


杏子「やること、って何さ?」


おてんこ「同志を、協力者を集めることだ」


杏子「協力者?」

杏子「あたしらだけじゃ足りないっていうのかよ?」


おてんこ「確かに、この方法は我々だけでも不可能ではない」

おてんこ「だが、先程も言った通り……確証はないのだ」

おてんこ「だから…仲間を集める」


杏子「どうして、そうなるんだよ」


639 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/29(火) 00:49:43.20 ID:fMr1SadR0


おてんこ「さやかは心の穢れ、絶望を抱え込んで魔女になってしまった」

おてんこ「なら逆に、希望を、彼女を呼ぶ者の想いを届ければ戻せるかもしれない」

おてんこ「彼女への呼びかけがあれば、成功率は上がる可能性がある」

おてんこ「お前だって、少しでも確率が高い方がいいだろう?」


杏子「それで仲間を集めるってわけか」

杏子「けど、協力者たって……」

杏子「あの…まどか、ってのぐらいしかいないじゃねぇか」

杏子「ほむらだって協力してくれるとは思わないし」


ジャンゴ「いや、もう1人いる」

ジャンゴ「さやかのことも、魔法少女のことも、知っている人間が」


杏子「さやかの知り合いで、魔法少女について知っている……」

杏子「!」

杏子「まさか……」


640 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/05/29(火) 00:50:47.56 ID:3vFO+t2P0
恭介じゃないのか
641 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/29(火) 00:51:08.79 ID:fMr1SadR0


おてんこ「そう、マミだ」


杏子「アイツは今、とても戦える状態じゃ……」


おてんこ「そうだ……だが、まだ彼女は負けてはいない」

おてんこ「辛い現実にも、己の闇にも」

おてんこ「心を閉ざしながらも、それを受け入れようと必死で戦っている」

おてんこ「だから、今こそ彼女を取り戻す時だ」


杏子「アイツがさやかのことを知ったら……」

杏子「それこそマミを魔女にするようなもんじゃないかよ!」


642 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/29(火) 00:53:05.89 ID:fMr1SadR0


おてんこ「そう、これは劇薬を投与するようなものだ」

おてんこ「だが……この事実はいつか必ず彼女の前に立ちはだかる」

おてんこ「その時、彼女は本当の意味で負けしまうだろう」


杏子「…」


おてんこ「今こそ正に決断の時、運命の分岐点だ」

おてんこ「彼女を奮い立たせることなくして、さやかの救出に向かうか」

おてんこ「それとも……彼女を信じて全てを伝えた上で、戦いに赴くか」

おてんこ「どうする?」


杏子「分かったよ……」

杏子「マミを信じて全てを話す、それでいい」


643 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/29(火) 00:54:33.77 ID:fMr1SadR0


おてんこ「では、行動開始だな」


ジャンゴ「…」


杏子「待ってくれ、1つ頼みがある」


おてんこ「何だ? 我々にできることなら何でもするぞ」


杏子「その……マミのことなんだけど」

杏子「アンタらに任せていいか?」


おてんこ「別に構わないが……」

おてんこ「どうしてだ? お前の方がマミと関係が深いのだろ」


644 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/29(火) 00:57:27.93 ID:fMr1SadR0


杏子「……アイツが呆けている姿を見たくないんだ」

杏子「色々あったけどさ、やっぱりあたしの中でアイツの存在は大きんだ」

杏子「だから、アイツが失望している姿なんか見たら……どうなるか分からない」

杏子「面倒事を押し付けている様で悪いけどさ、出来そうにないんだ」


ジャンゴ「…」


おてんこ「……分かった、マミのことは我々に任せろ」

おてんこ「その代わり、お前はまどかに話を付けてきてくれないか?」


杏子「済まないね、迷惑をかけて」


おてんこ「気にするな、我々にも責任はある」

おてんこ「それに、分業したほうが早く準備が終わるしな」


杏子「そうだ……コレ、持ってきな」



杏子はポケットから黒いコマの様なものを出すと、ジャンゴに手渡す。


645 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/29(火) 00:58:32.20 ID:fMr1SadR0


ジャンゴ「これは…」


おてんこ「……グリーフシードか」


杏子「ああ……アイツもこれが必要になるだろうからね」

杏子「アンタ達から渡してやってくれないか?」


おてんこ「分かった、確かに受け取ったぞ」


杏子「それじゃあ、頼んだよ」



杏子は朝霧の中に紛れて、行ってしまった。


646 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/29(火) 01:01:03.39 ID:fMr1SadR0


おてんこ「さて、我々も行くか…」


ジャンゴ「…」


おてんこ「どうした? 何かあるのか」


ジャンゴ「……マミのところへ行く前に、やっておきたいことがあるんだ」


おてんこ「そうか…」

おてんこ「今の内にやり残したことを済ませておけ」

おてんこ「私はここで待っている」


ジャンゴ「…」コクリ



ジャンゴはおてんこを玄関に残して、ほむらの家に入っていく。


647 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/29(火) 01:03:06.75 ID:fMr1SadR0


ジャンゴ「…」



家に戻ったジャンゴはほむらの部屋、閉ざされた扉の前に立つ。



ジャンゴ「…」


   コン コン   



中に人の気配を感じると、黙ってその扉をノックする。



   「…」


ジャンゴ「・・・」



しかし、何の反応も帰ってこなかった。


648 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/29(火) 01:04:53.23 ID:fMr1SadR0


ジャンゴ「……ほむら」


   「…」


ジャンゴ「ボク達は行くよ」

ジャンゴ「さやかを救いに、マミを取り戻しに」


   「…」


ジャンゴ「確かに君の言う通りに、それはとても難しい……」

ジャンゴ「もしかしたら、不可能な事なのかもしれない」


   「…」


ジャンゴ「でも、だからといって諦める理由にはならない」


   「…」


649 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/29(火) 01:06:22.16 ID:fMr1SadR0


ジャンゴ「どんなに絶望的な状況でも、先の結果が見えていようとも」

ジャンゴ「ボクは戦うことを止めない」

ジャンゴ「なぜなら、そこに僅かでも希望が残されているから」


   「…」


ジャンゴ「これはただの独り言、聞き流してくれて構わない」

ジャンゴ「けど……もし聞き届けてくれるというなら」

ジャンゴ「待ってるよ、ほむら」


   「…」


そうとだけ告げると、ジャンゴは扉の前を後にしておてんこのもとへ向かった。


第19章・了


650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/05/29(火) 01:09:00.60 ID:fMr1SadR0
用語解説4


【月下美人 マー二】

ジャンゴの母、サバタに月光のマフラーを託した人物。

元はイモータル側に身を寄せていたが、リンゴと出会い離反したため、姉であるヘルに憎まれ誘拐される。

最期はヘルと同化し、息子たちの手によってヘルと共に浄化される。



勝負を決めるモノ、それが切り札


 『彼女の魂を浄化する』


次回:「残された手段」
651 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/05/29(火) 01:10:04.48 ID:3vFO+t2P0
652 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/05/29(火) 01:12:27.24 ID:ys1BggGFo

マミさん説得とか難しすぎだろ
653 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/29(火) 01:17:21.04 ID:2pIGyGxyo

発狂マミさん来るのかな
654 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/05/29(火) 01:34:23.13 ID:HUu3HWrK0

いよいよパイルドライバーか
655 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/05/29(火) 01:35:15.74 ID:HUu3HWrK0

いよいよパイルドライバーか
656 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/29(火) 02:18:58.21 ID:g+HHRuYDO

さあバトルドライブの始まりだ!
657 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/29(火) 02:51:29.08 ID:zZt+r4THo
たとえ無駄なことで終わるかも知れなくても、今までの受け身の状態よりずっとよくなったな
658 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/29(火) 03:10:07.77 ID:2pIGyGxyo
まぁ手を伸ばさない事と、手が届かないことは別だしな
659 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/29(火) 06:14:17.22 ID:CcIhVscjo
乙。パイルドライブ待機
660 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/29(火) 18:09:52.94 ID:d9JJtN5U0
太陽と共にあらんことをってセリフが何時出てるかwkwkしながら待ってる
661 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/30(水) 00:21:52.44 ID:HdeFu+ll0



続・第20章 「残された手段」



662 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/30(水) 00:22:55.25 ID:HdeFu+ll0


おてんこ「着いたな…」


ジャンゴ「…」



2人はさやかが契約した日以来、初めてマミの病室を訪れる。



おてんこ「どんな結果が待ってようと、彼女にすべてを話す」

おてんこ「……覚悟はいいな?」


ジャンゴ「…」コクリ


おてんこ「では、行くぞ」



覚悟を決めたジャンゴは、目の前の戸をゆっくりと引き開ける。


663 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/30(水) 00:26:16.64 ID:HdeFu+ll0


ジャンゴ「…」


おてんこ「…」



病室の中には、嘗て見たの全く同じ光景が広がっていた。



マミ「…」



傷ついた少女を置きざりにして、時が流れ去ってしまっているようであった。

その時を進めるべく、少年と精霊は彼女に話しかける。


664 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/30(水) 00:28:05.13 ID:HdeFu+ll0


ジャンゴ「マミ…」

おてんこ「覚えているか?」


マミ「…」


おてんこ「我々に初めて会った日を……その時一緒にいた、さやかとまどかのことを」

おてんこ「……1週間後に起きた悲劇を」


マミ「…」


おてんこ「お前が倒れたあの日以来、様々なことがあった」


マミ「…」


おてんこ「辛いこと、悲しいこと、理不尽なこと、数多くのことが起こった」

おてんこ「そして、その果てに、今……我々は大きな分岐点にいる」


マミ「…」


665 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/30(水) 00:30:32.61 ID:HdeFu+ll0


おてんこ「……さやかが契約し、絶望した」


マミ「…」


おてんこ「彼女は……」

おてんこ「魔女になってしまったのだ」


マミ「…」ピクッ



全く反応のなかったマミの右手が微かに動く。


666 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/30(水) 00:33:40.39 ID:HdeFu+ll0


おてんこ「どうやら……声は届いているようだな」


マミ「…」


ジャンゴ「マミ……ボクらは彼女を救いに行くよ」

ジャンゴ「それがどんなに難しくても、まだ希望は残されているから」


マミ「…」


おてんこ「さやかを取り戻すには、彼女を呼ぶ者の想いが必要だ」

おてんこ「だから……お前の力を借りに来た」


マミ「…」


667 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/30(水) 00:35:56.24 ID:HdeFu+ll0


おてんこ「魔法少女の運命が受け入れがたいことなのは良く分かっている」


マミ「…」


おてんこ「だが…魔法少女であろうと、なかろうと」

おてんこ「人はいつか必ずその生を終える」

おてんこ「結果だけみれば、実に虚しいものだ」


マミ「…」


おてんこ「しかし、そんな結果などどうでもいい」

おてんこ「すべてはどう生きるかだ」


マミ「…」


おてんこ「笑い、泣き、怒り、喜び、悲しむ……」

おてんこ「たとえ苦しむことがあろうとも、生きていることにこそ意味があるのだ」


マミ「…」


668 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/30(水) 00:37:27.78 ID:HdeFu+ll0


おてんこ「我々は信じて待っている」

おてんこ「自らの闇に打ち勝ち、再び生き抜くこと決断する時を」

おてんこ「友を救うために立ち上がる、その時を」


マミ「…」


おてんこ「……お前に渡したいモノがある」

おてんこ「ジャンゴ、出せ」


ジャンゴ「…」コクリ



ジャンゴはバッグからグリーフシードを取り出し、サイドテーブルの上に置く。


669 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/30(水) 00:39:25.87 ID:HdeFu+ll0


おてんこ「これはお前に渡すようにと、杏子に託されたモノだ」


マミ「…」


おてんこ「もし、協力してくれるというならそれを使え」

おてんこ「魔力さえあれば、その腕は元に戻せるはずだ」


マミ「…」


おてんこ「マミ……」

おてんこ「お前がどのような決断をしようとも、我々はそれを責めはしない」

おてんこ「だが……悔いの残るような選択はするなよ」

おてんこ「後悔は、一生付きまとうことになるのだからな」


マミ「…」


おてんこ「話は以上だ、失礼する」


ジャンゴ「…」


マミ「…」



2人は少女を残して、病室を後にした。


670 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/30(水) 00:41:54.47 ID:HdeFu+ll0


  「ジャンゴ君、おてんこさま」


  「待ってたよ」


ジャンゴ&おてんこ「!」



病院から出ると、ジャンゴ達を出迎える声が気こえる。



おてんこ「杏子…まどかを連れてきたのだな」


杏子「ああ」



今朝別れた杏子が傍らにまどかを据えて、立っていた。


671 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/30(水) 00:43:43.77 ID:HdeFu+ll0


まどか「さやかちゃんを元に戻す方法があるって……ホント?」


おてんこ「ああ、僅かだが可能性はある」


まどか「お願い、教えて!」

まどか「役に立たないかもしれないけど……」

まどか「それでもわたしは、さやかちゃんを助けたいの!」


おてんこ「分かっている」

おてんこ「それに……もとからお前の力を借りるつもりだった」


まどか「なら……」


672 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/30(水) 00:44:31.21 ID:HdeFu+ll0


杏子「あのさ、こんなところで突っ立ってたら日が暮れちまうよ」

杏子「話は歩きながらでもできる」

杏子「とっととアイツを探しに行かない?」


おてんこ「……そうだな」


ジャンゴ「…」コクリ


おてんこ「まどか、詳しい話は道中で話す」

おてんこ「今はさやかを探しに行こう」


まどか「…」コク



高く昇る陽の下、4人は友を探しに町へ繰り出した。


673 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/30(水) 00:46:27.67 ID:HdeFu+ll0


ソウルジェムの輝きに導かれ、目的の魔女の下へと向かう。

出発したときには高かった日も傾いてオレンジ色の光がジャンゴ達を包み始める。

ジャンゴ達は2人にに太陽の力を借りてさやかを取り戻すことを説明していた。



杏子「アンタらが言う太陽の力を使えば、さやかを救えるかも知れないのは分かったけど」

杏子「具体的にはどうすんのさ?」

杏子「まさか……虫眼鏡を使って光を集める、とか言わないよね」


ジャンゴ&おてんこ「・・・」


674 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/30(水) 00:49:09.66 ID:HdeFu+ll0


まどか「そうなの…? ジャンゴ君」


おてんこ「……安心しろ、さすがに虫眼鏡は使わない」


杏子「じゃあ、何だっていうんだよ?」


ジャンゴ「パイルドライバーを使う」


まどか「パイルドライバー?」


杏子「なんだそりゃ?」


おてんこ「パイルドライバーとは太陽仔の一族が、太陽銃と共に残した魔法機械」

おてんこ「父なる太陽と母なる大地の恩恵を受け、太陽エネルギーを増幅してくれる」

おてんこ「暗黒物質(ダークマター)を焼却し、闇の一族(イモータル)を浄化を可能とする物だ」


まどか&杏子「・・・」


まどか&杏子「?」





675 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/30(水) 00:50:56.44 ID:HdeFu+ll0


おてんこ「どうした? 理解できなかったのか」


まどか「分かったには、分かったんだけど………」


杏子「ダークマター? イモータル? ……何だ? それは」

杏子「もしかして、マミを説得に行ったとき何かあったのか?」


ジャンゴ&おてんこ「・・・」


おてんこ「そうか……お前達は知らないのだったな」

おてんこ「まあ、今は穢れと魔女のようなものだと思ってくれ」


杏子「…」


676 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/30(水) 00:52:28.91 ID:HdeFu+ll0


まどか「その……パイルドライバーでどうするの?」


おてんこ「彼女の魂を浄化する」


杏子「けど、アイツのソウルジェムはもう……」


おてんこ「確かにさやかのソウルジェムは失われてしまった」

おてんこ「だが、それは……」

おてんこ「彼女の魂そのものが消滅してしまったことを意味していない」


まどか「どういうこと?」


おてんこ「覚えていないか? あの夜……さやかが魔女になった後のほむらの言葉を」


677 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/30(水) 00:53:30.80 ID:HdeFu+ll0


杏子「アイツの……」


まどか「ほむらちゃんの言っていたこと……」



  『彼女のソウルジェムはグリーフシードに変化した後、魔女を生んで消滅したんだもの』



まどか&杏子「!」


おてんこ「……思い出したようだな」

おてんこ「おそらく、彼女の魂は今……魔女の卵、グリーフシードに宿っている」


678 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/30(水) 00:55:41.88 ID:HdeFu+ll0


まどか「でも、それが分かっても……どうすれば…」


おてんこ「そこでパイルドライバーの出番なのだ」

おてんこ「お前達も知っているように、グリーフシードは穢れを溜めて魔女を生む」

おてんこ「これは紛れもない事実だ」

おてんこ「なら、逆にグリーシードから穢れを取り除けば……」

おてんこ「どうなると思う?」


まどか「もしかして…」


杏子「ソウルジェムに……戻る?」


おてんこ「そうだ……そうであっても不思議ではない」

おてんこ「パイルドライバーを持ってすれば、穢れの浄化も可能なのだ」


まどか「それじゃあ!?」


おてんこ「さやかを魔法少女として、この世界に呼び戻すことができる」


679 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/30(水) 00:57:46.60 ID:HdeFu+ll0


おてんこ「しかし……これはあくまでも憶測の話だ」

おてんこ「もしかしたら、グリーフシードにはさやかの魂は残っていないかもしれない」

おてんこ「仮に宿っていたとしても、ソウルジェムに戻るとは限らない」


杏子「…」


まどか「そんな…」


おてんこ「どんな結果が待っていようと、我々はそれを受け止めねばならない」

おてんこ「お前達にはその覚悟があるか?」


杏子「へっ……元から希望なんてあってないようなもんだったんだ」

杏子「覚悟なんざ、とっくの昔にできてるよ」


680 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/30(水) 00:58:41.88 ID:HdeFu+ll0


おてんこ「お前はどうだ? まどか」


まどか「わたしは……決めたの」

まどか「ジャンゴ君に言われた時…」

まどか「絶対にさやかちゃんと会って話をしなきゃ、って」

まどか「だから……大丈夫だよ」


おてんこ「……愚問だったようだな」

おてんこ「さあ、行こう!」

おてんこ「彼女に想いを、太陽を届けるんだ!!」


杏子「ああ」


まどか「うん!」


ジャンゴ「…」コクリ



友を救う覚悟と決意を決めた、少年と少女達は夕暮れの町を歩き続ける。


第20章・了


681 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/05/30(水) 01:00:19.52 ID:HdeFu+ll0
用語解説5


≪太陽仔≫

太古の昔よりイモータルと戦い続ける、太陽の一族。

ガン・デル・ソルやパイルドライバーを作り出した。

また、これらの装置は太陽仔の血を引いていなければ扱うことは出来ない。



本当に倒せるのか?


 『答えてくれ! さやかっ!!』


次回:「人魚の魔女」
682 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/05/30(水) 01:03:39.91 ID:TTQpLN2Y0


上手くいくかなぁ……
683 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/05/30(水) 01:45:09.15 ID:7EzhvAG+o

ようやく面白い展開になってきたがどうなるか
684 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2012/05/30(水) 03:31:27.79 ID:55gYu6nx0
追いついた
なんかマミさんが某豆腐メンタル銃使いライダーに思えてきた
685 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/30(水) 03:47:36.90 ID:rfzxztnh0
橘さんは強いだろ、普段はまるで役に立たないが。
つーか日がくれたらゲージがヤバイんじゃ?てるてる坊主つかう?
686 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/05/30(水) 04:52:24.71 ID:+xDUoI1Yo
687 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/30(水) 09:42:39.81 ID:QtxfhXFfo
マミさんの影響受けたみたいな言われ方ワロタ
688 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/30(水) 13:03:37.95 ID:wVDyyILDO
乙。長い夜になりそうだな…


つ やせがまんの実
ジャンゴ「本当だ!その気になれば痛みなんて簡単に消しちゃえるんだ!」
689 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/31(木) 00:29:56.17 ID:TIyhMr640



続・第21章 「人魚の魔女」



690 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/31(木) 00:33:35.05 ID:TIyhMr640


ジャンゴ達は見覚えのある工事現場に到着する。



杏子「ここだな」



そう呟くと、彼女はその中へと入って行った。



ジャンゴ&おてんこ&まどか「…」




ジャンゴ達も、その後に続いて工事用の仮足場を歩き始める。



まどか「ホントにさやかちゃんかな、他の魔女だったりしないかな……」


杏子「魔力のパターンが昨日と一緒だ。間違いなくあいつだよ」


ジャンゴ&おてんこ「…」


691 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/31(木) 00:36:07.04 ID:TIyhMr640


そして、一行は何の変哲もない行き止まりにたどり着いた。



おてんこ「ここか…」


杏子「行くよ」ジャキ



気配を感じた杏子は変身すると、



杏子「はっ!」



手に持つ槍で結界の入り口を切り開く。


692 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/31(木) 00:37:14.10 ID:TIyhMr640


おてんこ「開いたか……」

おてんこ「まどか、お前はここで待っていろ」


まどか「え…? でも、力を貸してほしいって……」


おてんこ「確かにそう言ったが、それはあくまでも彼女を浄化するとき」

おてんこ「我々が魔女を倒してグリーフシードを手に入れた後だ」

おてんこ「お前が魔女との戦いに同行する必要は無い」


まどか「けど……それじゃあ、またわたし…」

まどか「誰かに戦わせて、自分で何もしない」

まどか「そんな卑怯なこと嫌だよ……」


693 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/31(木) 00:39:38.84 ID:TIyhMr640


ジャンゴ「それは違うよ」

ジャンゴ「誰も君を卑怯だなんて思ってない」


まどか「どういうこと?」


ジャンゴ「人が戦う理由には色々ある」

ジャンゴ「家族を守るため、友達を守るため、自分を守るため、それこそ人によって違う」

ジャンゴ「でも……1つだけ変わらないことがあるんだ」


まどか「変わらないこと…?」


694 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/31(木) 00:44:22.22 ID:TIyhMr640


ジャンゴ「ボク達は誰かに戦わされているわけじゃない」

ジャンゴ「皆、自分の意志で戦ってるんだ」

ジャンゴ「だから、誰も君を卑怯だなんて思っていない」

ジャンゴ「ただ……戦う理由の中に、君を守ることが含まれていただけなんだよ」


まどか「…」


おてんこ「そうだ」

おてんこ「こいつに杏子、さやかやマミ、そして……ほむらもお前を大切に思っている」

おてんこ「お前を危険な目に合わせたくない」

おてんこ「そう思うからこそ、お前の前に立って戦いに身を投じたのだ」


695 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/31(木) 00:45:32.29 ID:TIyhMr640


まどか「杏子ちゃんも……そうなの?」


杏子「……まぁ、何て言うかさ」

杏子「アンタが思っている以上に、周りの奴はアンタを大事にしている」

杏子「役立たずなんかじゃなかったってことだよ」


まどか「…」


おてんこ「ここまで連れてきてこんなこと言うのは悪いと思っている」

おてんこ「だが、お前を失いたくないんだ」

おてんこ「分かってくれないか? まどか」


696 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/31(木) 00:46:34.67 ID:TIyhMr640


まどか「………分かった」

まどか「わたしはここで待ってる」

まどか「だからお願い、絶対にさやかちゃんを連れてきて」


おてんこ「分かった……約束しよう」

おてんこ「ジャンゴ、杏子、行くぞ」



まどかを残して、ジャンゴ達は結界の中に飛び込んでいった。


697 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/31(木) 00:47:53.03 ID:TIyhMr640


おてんこ「この結界……どうなっているんだ?」



しばらく進んだところでおてんこが声を漏らす。



おてんこ「扉で仕切られてはいるものの……先程から一本道が続くのみ」

おてんこ「おまけに使い魔の気配もしない」

おてんこ「まるで我々を招き入れているようではないか」


ジャンゴ「…」


杏子「まあ……いいんじゃない」

杏子「何かあっても……結局、あたし達は奥に行かなきゃなんない」

杏子「むしろ、何もない方がやりやすいよ」


おてんこ「それもそうだな……」

おてんこ「さやかに会うまで、我々は引き返すわけにはいかない」

おてんこ「なら、前に進むのみだ」



3人は不気味な静けさの中、結界を進み続ける。


698 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/31(木) 00:51:49.98 ID:TIyhMr640


おてんこ「微かに聞こえるのこの音は……」


杏子「ヴァイオリンか……?」



結界の奥、長く続く一本道を区切る大きな扉の向こうからヴァイオリンの楽曲が流れてくる。



おてんこ「……どうやらこの奥がそうらしい」

おてんこ「突入する前に……杏子」


杏子「なんだよ?」


おてんこ「相手がさやかだからって手加減なんてしようと思うなよ」

おてんこ「我々の目的は、魔女を倒してグリーフシードを回収することだからな」


杏子「それぐらい分かってるよ」


おてんこ「なら、いいんだ」

おてんこ「2人とも準備はいいな?」


ジャンゴ「…」コクリ


杏子「ああ」


おてんこ「行くぞっ!!」


   ギィッ


ジャンゴは目の前の扉を押し開け、魔女の部屋に乗り込む。


699 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/31(木) 00:52:47.02 ID:TIyhMr640


扉の向こうにはコンサートホールのような空間が広がっていた。



ジャンゴ「…」


おてんこ「…」


杏子「…っ」



ジャンゴ達が立ち入ると、先程まで流れていたヴァイオリンの音色が途絶える。



  「 オ オ オ オ オ 」



そして、代わりに甲冑に身を包んだ魔女の咆哮が辺りに響いた。


700 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/31(木) 00:54:02.16 ID:TIyhMr640


おてんこ「杏子、我々は援護にまわる」

おてんこ「お前はあいつの懐に飛び込んで本体を叩け!」


杏子「了解」ジャキ



杏子は槍を召喚するとその矛先を魔女に向ける。



おてんこ「ジャンゴ、お前もいいな!」


ジャンゴ「…」コクリ ジャキ



それに続いてジャンゴも太陽銃を召喚し、戦闘態勢に移る。


701 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/31(木) 00:59:11.08 ID:TIyhMr640


おてんこ「作戦開始だ!!」



おてんこの合図で、



杏子「…」ダッ



杏子は魔女に向かって走り出し、



ジャンゴ「…」ダッ



ジャンゴも距離を取って彼女の後に続く。


702 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/31(木) 01:01:38.38 ID:TIyhMr640
    

    「………」


  ヒュン   ヒュン



魔女は自分に向かってくる2人に対し、車輪を飛ばしてくる。



ジャンゴ「…」テュン テュン テュン



ジャンゴは向かってくる車輪を迎撃し、杏子に道を作る。



杏子「…」キンッ サッ



杏子もジャンゴが撃ち漏らした車輪を槍であしらいながら魔女へ突進する。

そのまま攻撃を掻い潜って魔女の懐に入ると、



杏子「ハッ…!」ダッ


   「!」



一気に跳躍し、槍で相手を串刺しにしようとする。


703 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/31(木) 01:05:19.47 ID:TIyhMr640


しかし、



おてんこ「引け! 杏子!!」


杏子「!」サッ



おてんこに従い、とっさに身を翻す。


  ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン


       ガァァン


その直後、ジャンゴ達が撃ち落とした車輪が一斉に杏子がいた場所に終結し、砕け散った。



杏子「…っ」スタッ タッ タッ



追撃を警戒した杏子は、ジャンゴ達のところまで退却する。


704 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/31(木) 01:08:35.77 ID:TIyhMr640


杏子「……助かったよ」


おてんこ「礼はいい、それよりも対策を練るぞ」

おてんこ「迂闊に近づけば、あの車輪の餌食だ」

おてんこ「だが……車輪は撃ち落としても、破壊しない限り自由に動かせるらしい」

おてんこ「一体、どうすれば……」


杏子「・・・」

杏子「なぁ……アンタ、銃以外にも何か使える?」


ジャンゴ「剣と槍、槌なら…」


杏子「そんだけ使えりゃ十分だ」


705 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/31(木) 01:10:50.40 ID:TIyhMr640


おてんこ「何か考えがあるのか?」


杏子「2人で接近戦に持ち込こむ」

杏子「そうすればアイツだって、無暗に車輪を飛ばせなくなるはず」


おてんこ「しかし……」


杏子「他に方法は無い、これで行くよ」


おてんこ「……分かった」


ジャンゴ「…」コクリ シュン



杏子の作戦に乗ったジャンゴは太陽銃をしまい、槍を召喚する。



杏子「さあ、行くよ!!」ダッ


ジャンゴ「…」ダッ



赤い少年と少女はその手に槍を携え、人魚の魔女に向かって走り出した。


706 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/31(木) 01:12:37.44 ID:TIyhMr640
  

  「オ オ オ オ オ オ オ」


    ヒュン   ヒュン



魔女は車輪を飛ばして2人を牽制しようとするが、



杏子「…っ! やっ!!」サッ キンッ


ジャンゴ「うおぉぉぉぉ!!」キンッ ガンッ



リーチの長い槍を振り回しながら突進するジャンゴ達を止められず、その接近を許してしまう。


707 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/31(木) 01:16:19.57 ID:TIyhMr640


敵の懐に入った2人は、



ジャンゴ&杏子「「…っ!」」ダッ



同時に跳び上がると、



ジャンゴ&杏子「「はあぁぁぁ!!!」

 

上空から槍の切先を彼女に向けて降下する。



      グシャァアア


 「ギャアアアァァァァァ!!!!!」



攻撃に対応できなかった魔女は、その身を槍に貫かれる。


708 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/31(木) 01:19:58.60 ID:TIyhMr640


杏子「…」スチャ サッ


ジャンゴ「…!」スチャ ダッ



地面に着地したジャンゴ達は更なる攻撃を加えようと、魔女に向かう。

しかし、槍の直撃を受けたにも関わらずに魔女は、



  「ヴォアア!!!」ブンッ


ジャンゴ&杏子「!?」   



左手の剣でジャンゴ達を薙ぎ払う。


709 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/31(木) 01:22:52.17 ID:TIyhMr640


ジャンゴ「うっ!」キンッ


杏子「ぐっ…」カンッ



2人はとっさに槍の柄で剣を受け止めるが、衝撃で吹き飛ばされる。



杏子「くっ…」


ジャンゴ「…っ」



倒れた2人は立ち上がると、



ジャンゴ&杏子「「うおぉぉぉ!!」」ダッ



再び魔女に向かって走り出す。


710 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/31(木) 01:24:07.88 ID:TIyhMr640


2人と魔女の力は拮抗し、戦いは消耗戦にもつれ込んでいく。



  「オ オ オ オ オ オ」

     
   ヒュン   ヒュン



杏子「っ…!」カンッ サッ

 
  「ヴォアア!!!」ブンッ


ジャンゴ「…!」キンッ



ジャンゴ達は接近戦で何とか魔女と互角に渡り合っていたが、



杏子「ハァ……ハァ…」


ジャンゴ「・・・」



その消耗を隠せないでいた。


711 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/31(木) 01:29:46.95 ID:TIyhMr640


そんな状況の中、勝敗を決定的にする出来事が起こる。



ジャンゴ「…っ!」



魔女の近くを飛び回るジャンゴが、向かってくる車輪を叩き落とそうとしたとき、


    バキッ


ジャンゴ「!?」



鈍い音を立てて槍が砕けた。


   ヒュン


ジャンゴ「!」



武器を失った少年に向かって、すぐさま次の車輪が飛んでくる。


712 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/31(木) 01:30:38.65 ID:TIyhMr640


  ドォォォン


ジャンゴ「ぐぁっ!」



ジャンゴはそのまま、なす術もなく車輪に吹き飛ばされてしまった。



杏子「!?」

杏子「なっ……おい!!」


  「オァアアア!!!」ブンッ


杏子「!」

杏子「うあぁ!!」



ジャンゴに気を取られた杏子も魔女の剣劇を受け吹き飛ばされてしまう。


713 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/31(木) 01:32:44.43 ID:TIyhMr640


おてんこ「大丈夫か! お前達!!」


ジャンゴ「うっ……」


杏子「くっ…」



吹き飛ばされたジャンゴ達はダメージを受けて蹲る。



おてんこ「不味いな…」

おてんこ「ジャンゴ、ここは一旦……」

おてんこ「!?」



芳しくない戦況に、おてんこは退却を提案しようとするが、あるものを見て言葉を失う。


714 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/31(木) 01:34:09.92 ID:TIyhMr640


ジャンゴ「なっ……」


杏子「何だよ、あれ……」



   「オ オ オ オ オ オ オ」


 
 ゴ  ゴ  ゴ  ゴ  ゴ  ゴ  ゴ 



そこには有りっ丈の車輪を召喚して、投げつけようする魔女の姿があった。


715 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/05/31(木) 01:35:48.92 ID:TIyhMr640


おてんこ「ダメだ……あの数では避けようがない」

おてんこ「ここまで……なのか」


ジャンゴ「…っ」


杏子「クソ……結局、何もできねぇのかよ」

杏子「答えてくれ! さやかっ!!」



  「ヴォォォァァァァアアアアアアアア!!!」


 ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ



魔女の咆哮を合図に、結界を埋め尽くすほどの車輪が一斉に発射された。


第21章・了


716 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/05/31(木) 01:39:12.47 ID:TIyhMr640
ピンチをチャンスに


 『全く…来るのが遅せぇよ』


次回:「援軍」



※書き溜めが底をつき始めました、ここから少し投下間隔を空けたいと思います。ご了承ください
717 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/05/31(木) 01:47:58.60 ID:nwfpbdlY0
マジか。

乙です。
718 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/05/31(木) 01:49:45.34 ID:xYvQpdx3o
援軍…!ついにショウさんが立つのか…!
719 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/05/31(木) 01:51:34.35 ID:NMDn3uFKo

ショウさんの武器はスイカバーか
720 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/31(木) 01:51:36.43 ID:DqPpjEsio
>1乙

こんなナイスタイミングで書き溜めなしとか生殺しにもほどがあるww
721 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/31(木) 01:58:56.22 ID:aILKSsBJo
722 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/05/31(木) 05:59:46.72 ID:G91S6ZFPo
乙っす
723 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/31(木) 11:05:26.99 ID:/VCs52mDO

ボス戦が長いのもボクタイならでは
724 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/31(木) 23:51:09.14 ID:lEQ3/MRi0
トランス無双で蹴散らせ!
725 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(香川県) [sage]:2012/06/01(金) 20:18:08.50 ID:Z/QLehFb0
でもグリーフシードって魔女が時々落とすもんなんだよな・・・
難易度ナイトメア、イヤな予感しかしない
726 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/01(金) 20:39:37.16 ID:o6LcN5WIo
727 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/01(金) 21:04:40.40 ID:T0k3A2HDO
DS版設定だけど、天候が流れ星ならアイテム出現100%、レアアイテム50%になる
つまり流れ星の降る夜に戦闘すればグリーフシードも格段にゲットしやすくなるはず
728 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/03(日) 00:44:54.18 ID:n0XB8wHm0



続・第22章 「援軍」



729 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/03(日) 00:47:24.27 ID:n0XB8wHm0


車輪の弾幕が止み、辺りが静寂に包まれる。


  
   「・・・」



自身の終わりを覚悟して、目を閉じていた少年達は、



   「…?」



不意に訪れた静寂に疑問を覚える。



   「…っ」



そして、ゆっくりと目を開いて辺りの状況を確認する。


730 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/03(日) 00:49:39.46 ID:n0XB8wHm0
    

    「!」



彼らの目に映ったのは、

    

  「ごめんなさい」



黄色を基調とした装束に身を包み、マスケット銃を構える金髪の少女、



マミ「待たせてしまったわ」シューーーー


  「「「マミ!!」」」



巴マミの姿であった。


731 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/03(日) 00:51:51.85 ID:n0XB8wHm0


おてんこ「来てくれたのか!?」


マミ「あんなこと言われたら、私だって黙ってるわけにはいかないもの」


杏子「全く…来るのが遅せぇよ」


マミ「佐倉さんもありがとう」

マミ「あなたのくれたグリーフシード、しっかり使わせてもらったわ」


杏子「礼なんかいらねぇよ」

杏子「その分、しっかり働いてもらうからな」


マミ「久しぶり会ったのに手厳しいわね」


杏子「へっ……」


732 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/03(日) 00:54:31.53 ID:n0XB8wHm0


おてんこ「マミ、やることは分かっているな?」


マミ「ええ、鹿目さんから話は聞いたわ」

マミ「美樹さんがこうなってしまったのは私の責任でもあるし」

マミ「後輩の面倒は先輩が見ないといけないものね」


杏子「なら、お前はあの車輪をどうにかしてくれ」

杏子「その隙にあたし達がアイツの懐に潜りこむ」


マミ「それは構わないけど、大丈夫なの?」

マミ「あの魔女、接近戦の方が得意みたいよ」


杏子「誰も止めを刺すなんて言ってねぇよ」

杏子「あたしらはあくまで囮、止めはマミ……任せたぜ」


マミ「分かったわ、任せておきなさい」


733 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/03(日) 00:55:57.82 ID:n0XB8wHm0


おてんこ「よし、話は付いたな」

おてんこ「作戦開始だ!」


杏子「準備はいいかい? ジャンゴ」


ジャンゴ「…」シュン



ジャンゴは折れた槍を捨てると、剣を召喚して装備する。



杏子「あたしは右、アンタは左を頼んだよ!」


ジャンゴ「…」コクリ


杏子「行くぜっ!!」ダッ


ジャンゴ「…」ダッ



ジャンゴと杏子は再び、魔女に向かって地を駆る。


734 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/03(日) 01:00:45.54 ID:n0XB8wHm0

  
  「オ オ オ オ ォ ォ ォ ォ ォ」


 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ



向かってくる2人に対して、魔女も最初とは比べものにならない数の車輪を飛ばしてくる。

しかし、



マミ「させないわ!」シュシュシュシュシュン



後衛を務めるマミはマスケットを大量に召喚、



マミ「はっ!!」


   ダダダダダダダダンッ


バキッ バンッ ガンッ ガンッ バキッ ガンッ ガンッ



その掃射を以って車輪群を破壊する。


735 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/03(日) 01:05:22.39 ID:n0XB8wHm0
  

  「ヴ ヴ ヴ ヴ ヴ ヴ」



再び、車輪を召喚して攻撃しようとするが、



杏子「こっちだ!」


ジャンゴ「…」


  「!?」



その時には、既に2人が目前に迫っていた。


736 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/03(日) 01:07:30.05 ID:n0XB8wHm0
  

  「ヴォァァアアア!!」ブンッ



窮地にに立たされた魔女は、左手の剣でジャンゴ達を薙ぎ払おうとする。

だが、



杏子「遅いよ!!」サッ


ジャンゴ「…っ!」サッ



完全に反応が遅れた攻撃は難なく避けられる。


737 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/03(日) 01:10:43.71 ID:n0XB8wHm0


ジャンゴ&杏子「…!」ダッ



魔女に接近した2人は同時に跳び上がると、



ジャンゴ「おりゃっ!!」ザクッ


    ドサッ
 

少年は剣を以て右腕を、



杏子「やっ!!」ザシュ


    ゴスッ


少女は槍を以て左腕を切り落とす。



  「ヴォォァァァアアアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!」



両腕を失った魔女は痛みで我を失い、断末魔を上げて暴れ始める。


738 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/03(日) 01:18:43.74 ID:n0XB8wHm0


おてんこ「今だ!! マミ!」

おてんこ「奴に止めを刺せ!!」



痛みに悶える魔女を確認したおてんこは、マミに指示を飛ばす。



マミ「分かってるわ」ジャキ



指示を受けた少女は己の頭身を数倍はある巨大な大砲を召喚すると、



マミ「この一撃で仕留める」ガチャ



目の前の魔女に狙いを定め、



マミ「行くわよ……」カチッ



引き金を引く。


739 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/03(日) 01:21:31.34 ID:n0XB8wHm0









              「   テ  ィ  ロ  ・  フ  ィ  ナ  ー  レ   」









740 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/03(日) 01:22:04.91 ID:5JDAD3Uco
ボンバルダメントかと思ったらティロフィナーレか
741 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/03(日) 01:22:34.26 ID:n0XB8wHm0
     


     ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ オ オォォォォン


 
      「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛…………」
  


彼女が放った必殺の砲火は、ジャンゴ達を苦しめた人魚の魔女を跡形もなく消し去った。


742 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/03(日) 01:23:46.07 ID:n0XB8wHm0


主を失った結界は崩壊し、元の工事現場に戻る。



ジャンゴ「…」


おてんこ「終わったか……」


杏子「ああ」


マミ「感傷に浸るのもいいけど、グリーフシードを回収しなくちゃ」

マミ「美樹さんを取り戻すまで、安心できないわ」


  「貴方達の探しているのはこれかしら」


     「!?」



魔女を倒して一息ついていると、背後から聞きなれた声がする。


743 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/03(日) 01:26:33.24 ID:n0XB8wHm0


ジャンゴ「…ほむら」


マミ「それは……グリーフシード」


杏子「テメェ…何しに来たんだ?」


ほむら「…」



そこにはグリーフシードを持った暁美ほむらの姿があった。



  「待って、杏子ちゃん」


  「!」  



ほむらの後ろから、杏子を制止する別の声が聞こえてくる。


744 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/03(日) 01:31:32.29 ID:n0XB8wHm0


おてんこ「どうしたのだ? まどか」


まどか「その……ほむらちゃんも…さやかちゃんを助けに来てくれたの」

まどか「だから、ケンカしないで」


杏子「ホントかよ?」


ほむら「ワルプルギスと戦うには戦力がいる」

ほむら「もし、美樹さやかを戻せるというなら、協力する」

ほむら「その方が私としても都合がいいもの」


おてんこ「そんな言い方しなくても良いんじゃないか?」


ほむら「他にどんな言い方をすればいいというのかしら?」


マミ「2人とも、今はそんなことどうでもいいでしょ」

マミ「仲たがいしたせいで、取り返しのつかないことになるのはもう嫌だわ」


   「・・・」


745 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/03(日) 01:32:55.94 ID:n0XB8wHm0


ほむら「……分かったわ」

ほむら「これが、あの魔女が落としたグリーフシードよ」


ジャンゴ「…」



ほむらは持っていたグリーフシードをジャンゴに手渡す。



おてんこ「よし、これで必要なモノは揃った」

おてんこ「後はパイルドライバーで浄化するだけだな」


ジャンゴ「…」コクリ


746 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/03(日) 01:35:52.49 ID:n0XB8wHm0


まどか「ねぇ、ジャンゴ君」


ジャンゴ「?」


まどか「その……パイルドライバーってどこにあるの?」


杏子「確かに、スゴそうな機械の割にアンタらが持ってる気配はないな」


マミ「パイルドライバー? 何かしらそれ?」

マミ「美樹さんを戻す方法があるとしか聞いていなかったから、気になるわ」


おてんこ「そうか……まあ、見てのお楽しみだ」

おてんこ「ところで、どこか日の当たる開けた場所は無いか」

おてんこ「ここだと狭すぎてパイルドライバーが召喚できないからな」


第22章・了


747 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/06/03(日) 01:37:36.41 ID:n0XB8wHm0
待たせたな!!


 『準備完了!!』


次回:「パイルドライブ」
748 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/06/03(日) 01:41:44.72 ID:6Q3OrbSa0



マミさんが戻ってきて感激だぜ。
問題は浄化出来るかだな……。
749 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/03(日) 01:43:27.32 ID:5JDAD3Uco
マミが生きてて、動揺もしてない以上大丈夫だとは思うんだがなぁ
750 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/03(日) 01:49:04.69 ID:ZYcgyIaco

ちなみにマミさんは隻腕なのか?
それとも魔法で再生できた?
751 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga sage]:2012/06/03(日) 01:57:23.68 ID:n0XB8wHm0
>>750
 ちゃんと魔法で再生してます、説明不足で申し訳ありません


後、「ボンバルダメント」って何ですか?
作者の知ってる必殺技は「ティロ・フィナーレ」だけなんで、よかったら教えてください
752 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/03(日) 01:59:05.61 ID:5JDAD3Uco
ティロフィナーレよりデカいヤツよ。
そういえば前にゲームはやってないって言ってたな。すまんかった
753 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/06/03(日) 02:38:37.80 ID:0Q0zL0DF0

これで外出て夜だったら気まずいだろうな・・wwww
754 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/06/03(日) 02:43:15.32 ID:uEtm06sAo
突然腕が生えてきて病院の人ビックリ仰天だな
755 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/03(日) 10:27:05.79 ID:wXItZUsoo
たとえ夜だろうと太陽センサーに光が当たってれば大丈夫さ!
756 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/06/03(日) 10:28:11.81 ID:GVW6T93Co
テルテルボーズいらっしゃい
757 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(香川県) [sage]:2012/06/03(日) 14:25:25.12 ID:MZPyYiCE0
乙 
難易度ナイトメアだからオクタヴィアがグリーフシード落とさずに消滅して、マミ・杏子が絶望して魔女になるんじゃないかと思ってたが杞憂だった
758 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/03(日) 18:42:29.37 ID:56Sgh7hDO
マミさん復活乙!!
蛍光灯に太陽センサーかざして待ってる

>>757
幾らなんでも救われなさすぎるわww
759 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/03(日) 18:46:13.05 ID:+Ov+FHeIO
というか魔女がたまに落とすって設定はいらなかったとおもう。必ずでええやん…
760 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2012/06/03(日) 19:20:09.25 ID:f6Dd9RO10
いっそ太陽にかざせば浄化できる設定なら良かったのに>SG
761 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/06/03(日) 20:23:28.22 ID:uEtm06sAo
>>760
キュウさん大損ですやん
762 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2012/06/03(日) 22:10:36.94 ID:iM6fSOhLo
そういえば魔女の使い魔は元の魔女に成長するんだから
元の魔女と使い魔から成長した魔女を狩ってGSを取りまくってそれを浄化しまくればさやか2人とかに増やせるんじゃないか?
763 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/03(日) 22:11:45.47 ID:5JDAD3Uco
身体は一個しかないぜ…
764 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/04(月) 00:27:49.16 ID:KMsjb3/W0



続・第23章 「パイルドライブ」



765 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/04(月) 00:32:00.60 ID:KMsjb3/W0


ジャンゴ達は町はずれの空き地に案内された。


おてんこ「よし、ここなら大丈夫そうだな」

おてんこ「パイルドライバーを召喚するぞ」



おてんこはパイルドライバーを起動すべく、その中央に向かう。



まどか「?」


杏子「一体、何をするつもりだ?」


マミ「召喚……ね」


ほむら「…」



太陽の精霊は空地の中心へとたどり着くと、




おてんこ「太陽ぉーーーーーーーー!!」




お決まりの掛け声を上げる。



     「!?」  



辺りが眩い光に包まれ、少女達の視界はホワイトアウトした。


766 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/04(月) 00:35:21.33 ID:KMsjb3/W0


光が止み、目が見えるようになる。
  


杏子「なっ…!」


ほむら「この力は…」


マミ「これが…」


まどか「……パイルドライバー」



そこには、地面に展開している巨大な魔法陣があった。


767 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/04(月) 00:36:46.48 ID:KMsjb3/W0


おてんこ「これがパイルドライバー」

おてんこ「闇の一族(イモータル)の浄化を可能とする魔法機械だ」


   「…」



巨大な魔法陣に少女達は息をのむ。



おてんこ「ジャンゴ、準備はいいか?」


ジャンゴ「…」



ジャンゴは棺桶を召喚すると、その中にほむらから受け取ったグリーフシードを入れる。


768 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/04(月) 00:38:29.49 ID:KMsjb3/W0


まどか「え……どうして棺桶に?」


マミ「それも必要なことなの?」


おてんこ「ああ、パイルドライバーは魔法陣の中心に棺桶をセットして初めて起動準備に移行する」

おてんこ「本来なら棺桶の中には闇の一族(イモータル)が封印されているのだが、今回はそうではない」

おてんこ「イモータルの代わりに、浄化対象のグリーフシードを収納したんだ」


杏子「そうかい」


ほむら「なら、早くしなさい」


おてんこ「そうだな……もう日没も近い」

おてんこ「ジャンゴ、棺桶をパイルドライバーの真ん中にセットするんだ!」


ジャンゴ「…」コクリ


769 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/04(月) 00:43:13.68 ID:KMsjb3/W0


ジャンゴ「…」ズッ ズッ 



ジャンゴは棺桶を魔法陣の中央にある白く輝く部分まで運び、



ジャンゴ「…」ズッ ズッ 


    ガチャンッ


セットする。

すると、赤い光の輪が中央から魔法陣のラインを走って消え、


    ジャキンッ


    「!?」



緑色の機械が棺桶の四方に出現した。



マミ「…」


杏子「…っ」


ほむら「これは…」


まどか「何なの?」



予期せぬ機械の登場により少女達は再び、息を飲む。


770 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/04(月) 00:45:40.45 ID:KMsjb3/W0


おてんこ「こいつはジェネレーター」

おてんこ「魔法陣によって増幅した太陽エネルギーを打ち出すものだ」

おてんこ「ここまでくれば、準備が完了するまであと少しだな」


マミ「まだ終わっていないの?」


おてんこ「ああ、このジェネレーターはまだ待機状態だ」

おてんこ「パイルドライバーを起動するには4基のジェネレーター、そのすべてをセッティングする必要がある」


ほむら「それにはどうすればいいの?」


おてんこ「通常なら、太陽銃(ガン・デル・ソル)のショットをぶつければいいのだが……」


杏子「何か問題でもあんのか?」


おてんこ「それはあくまで闇の一族(イモータル)を浄化するとき……」

おてんこ「今回の様に魂を浄化する場合は想定していないのだ」


771 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/04(月) 00:46:57.30 ID:KMsjb3/W0


まどか「じゃあ、どうすれば……」


おてんこ「……ここには今、ジャンゴと私を除いて何人いる?」


杏子「そりゃあ、4人でしょ」

杏子「まあ……さやかを数に入れれば別だけど」


ほむら「そんなこと聞いてどうするつもり」


おてんこ「そして、ここに4基のジェネレーターがある」

おてんこ「後は………分かるな?」


杏子「力を合わせて仲間を救う…」


マミ「……そういうことよね」


ほむら「…」


772 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/04(月) 00:51:46.68 ID:KMsjb3/W0


まどか「でも……魔法少女でもないわたしにそんなこと」


ジャンゴ「大丈夫、ボクらも手を貸す」

ジャンゴ「君はさやかに呼びかけることだけを考えるんだ」


まどか「うん、そうだよね」

まどか「わたしがさやかちゃんを助けてあげなきゃ」


おてんこ「よし、決まったな」

おてんこ「4人は各ジェネレーターの後ろについて、魔力を注入してくれ」


  「…」コクリ
 


おてんこの指示を受け、少女達は各ジェネレーターの後ろへと移動した。


773 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/04(月) 01:00:04.14 ID:KMsjb3/W0


4人はそれぞれジェネレーターの状態をアクティブにする。




杏子「さやか……待ってるぜ」


    ガチャッ キンッ





マミ「美樹さん、巻き込んでしまってごめんなさい」


    ガチャッ キンッ





ほむら「…」


    ガチャッ キンッ





まどか「さやかちゃん、お願いだから戻ってきて」

ジャンゴ「…」テュン


    ガチャッ キンッ




774 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/04(月) 01:04:03.37 ID:KMsjb3/W0


全てのジェネレーターが起動状態になると、



b------ b------ b------ b------ b------ b------ b------



パイルドライバーが起動可能であることを知らせる警報が鳴り響く。



おてんこ「準備完了!!」

おてんこ「ジャンゴ! パイルドライバーを起動しろ!!」


ジャンゴ「…」コクリ



おてんこから指示を受けたジャンゴは、パイルドライバーの白く輝く紋章の上に立ち、





ジャンゴ&おてんこ「「太陽おおおおおぉぉぉぉ!!!!!」」





パイルドライバーを起動させた。


775 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/04(月) 01:05:12.47 ID:KMsjb3/W0


装置が起動すると、周囲の景色が暗転し地面の魔法陣が輝きだす。

  
      ガコッ


    ビィーーーー


     「!?」



それと同時に、4基ジェネレーターから中央の棺桶に向かって太陽パイルが放出される。

  
    ジューーーー


増幅された太陽の光によって、棺桶の中のグリーフシードが焼かれる。


776 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/04(月) 01:06:47.47 ID:KMsjb3/W0


おてんこ「よし、このままなら……」

  
    「!」


まどか「何、アレ…?」


マミ「霧…?」



このまま順調に浄化されるかと思った矢先、黒い霧のようなものが辺りに立ち込める。

次第にそれらは集まり、



ほむら「!」


マミ「あの姿は……」



人の形をかたどった。



まどか「これって…」


杏子「…さやか」


   「…」



その影は、在りし日の魔法少女の姿をしていた。


777 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/04(月) 01:07:50.16 ID:KMsjb3/W0


おてんこ「これはエクトプラズム!?」

おてんこ「魔女の意識が浄化に抵抗しているというのか!」


    「…」ジャキ



魔法少女の影は剣を召喚すると、



    「…」ダッ  

  
   「危ない!!」



目の前のジャンゴに斬りかかってくる。


778 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/04(月) 01:10:19.65 ID:KMsjb3/W0


ジャンゴ「…!」サッ



とっさにその攻撃をかわしたジャンゴは、バックステップで距離を取る。



まどか「ジャンゴ君!!」


マミ「大丈夫なの!?」



ジェネレーターの後ろで待機している少女達が声をかける。



おてんこ「こっちは大丈夫だ!」

おてんこ「それより、持ち場を離れるな!!」


杏子「待て! 何なんだよアレは!!」


ほむら「こんなの聞いていないわ!」


779 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/04(月) 01:12:33.10 ID:KMsjb3/W0


おてんこ「説明は後だ!」

おてんこ「とにかく、あの影は我々が対処する!!」

おてんこ「お前達は彼女を呼び続けろ!」

おてんこ「そうでなければ、浄化は不可能だ!!」

おてんこ「ジャンゴ! 頼んだぞ!!」


ジャンゴ「…」コクリ

ジャンゴ「…」カチャカチャ ガチ 



ジャンゴは太陽銃のフレームをソードタイプに変更すると、



    「…」チャキ


ジャンゴ「…っ」ダッ



目の前の影に向かって行った。


780 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/04(月) 01:13:24.40 ID:KMsjb3/W0


ジャンゴ「…!」ヒュッ



少年は光り輝く太陽の刀を振るい、



   「…」キンッ  



少女の影は黒い霧を纏った刃で迎え撃った。


781 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/04(月) 01:15:17.95 ID:KMsjb3/W0


2人は輝く魔法陣の上で剣舞を舞う。


 
  「…」ヒュッ 

 
   キンッ


ジャンゴ「…っ!」

ジャンゴ「はっ!!」ブンッ

 
  「…」サッ


ジャンゴ「…!」ヒュッ


   カンッ


  「…!」ザクッ

  「…」ダッ


ジャンゴ「!」サッ


782 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/04(月) 01:16:31.26 ID:KMsjb3/W0


  「…」ヒュッ


ジャンゴ「くっ…」ザッ

ジャンゴ「…!」ヒュッ


   カキンッ
 

  「…」サッ

  「…っ」ヒュ ヒュ ヒュッ 


ジャンゴ「!?」


  キンッ カンッ


ジャンゴ「…っ」ズシャ

ジャンゴ「やぁっ!!」ブンッ


    カァン

  
  「…」ギギギ


ジャンゴ「くっ…」ギギギ


783 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/04(月) 01:19:17.45 ID:KMsjb3/W0


両者の力は拮抗し、戦いの決着はつかないかの様に見えたが、



ジャンゴ「はぁぁああ!!」ヒュ ヒュッ 


  カンッ  キンッ


   「…っ」



刻一刻と浄化されている少女の影は次第に押され始める。
 
そして遂に、



ジャンゴ「はぁっ!!!」ブンッ   


   ギンッ

   
   「!」

  
 カラン  カラン  


少年によって剣を叩き落とされてしまう。


784 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/04(月) 01:21:12.77 ID:KMsjb3/W0

 
   「…」



武器を失った影は茫然とその場に立ち尽くす。



おてんこ「ジャンゴ! エクトプラズムを太陽パイルの中に押し込め!!」

おてんこ「このまま一気に浄化するぞ!!」


ジャンゴ「…」ダッ



ジャンゴは棒立ちになっている少女の影に駆け寄り、一太刀浴びせようとする。

しかし、


  
  「ヴォォォオオオオオ!!!!」


    「!?」  


ジャンゴ「うわっ!!」ドサッ



影の周りに発生した衝撃波によって吹き飛ばされてしまう。


785 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/04(月) 01:22:13.95 ID:KMsjb3/W0


衝撃波が収まり、周りの状況が判明する。



まどか「ジャンゴ君!!」


ほむら「……どういうこと」


杏子「なっ……あれは!!」


マミ「魔女!?」



  「オ オ オ オ オ オ」



先程まで少女を象っていた影は、甲冑を着た人魚、魔女に姿を変えていた。


786 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/04(月) 01:23:30.19 ID:KMsjb3/W0


まどか「どうして? さやかちゃん……」


マミ「私達のやってきたことはムダだったの……?」


ほむら「美樹…さやか……」


杏子「何で魔女が出てくるんだ!」

杏子「グリーフシードを浄化しているんじゃなかったのかよ!?」


おてんこ「狼狽えるな!!」

おてんこ「これは彼女の、魔女の最後の足掻きだ!!」

おてんこ「ここを乗り切れば浄化は完了する!」

おてんこ「届けるんだ! お前達の想いを、我々の声を!!」


787 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/04(月) 01:25:41.22 ID:KMsjb3/W0


まどか「……分かった」

まどか「わたし……呼ぶよ! さやかちゃんを取り戻すよ!」


マミ「そうね……私達が諦めちゃ、美樹さんに顔向けできないものね」


杏子「けっ…あのバカ、手間かけさせやがって」


ほむら「…」


おてんこ「そうだ、その意気だ!」

おてんこ「我々はあの影を止める」

おてんこ「行け! ジャンゴ!!」


ジャンゴ「…」コクリ

ジャンゴ「…」カチャカチャ ガチ 



ジャンゴはフレームを元のノーマルタイプに戻すと、


 
  「オ オ オ オ オ オ」
 

ジャンゴ「…」テュン テュン テュン



魔女の姿をした影に向かって行く。


788 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/04(月) 01:28:14.79 ID:KMsjb3/W0
   

   「ヴォァアア!!」ブンッ



 『さやか!! いい加減にしやがれ!!』



ジャンゴ「…」シュタッ

ジャンゴ「…!」テュン テュン テュン 



   「アアアア゛ア゛ア゛」ジュ ジュ ジュ


    ヒュン    ヒュン



 『美樹さん! お願いだから戻ってきて!!』 



ジャンゴ「…」サッ  ビィーーー 


   ガンッ  


ジャンゴ「…っ」ビィーーー 


   バキッ


ジャンゴ「…」テュン テュン テュン 



  『答えて! さやかちゃん!!』



   「ヴァァオ!!!」ブンッ



ジャンゴ「ぐっ…!」ザクッ

ジャンゴ「うおぉぉぉぉおおおお!!!」ブン ブン



   「ギャァアアアアア!!!」



     『さやかっ!!』


789 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/04(月) 01:30:51.74 ID:KMsjb3/W0


おてんこ「よし! 太陽パイルに閉じ込めた!!」

おてんこ「このまま出力を上げて、押し切る!!」

おてんこ「ジャンゴ! ライジングサンだ!!」



ジャンゴ「太陽ぉーーーーーーーー!!」



太陽のかけらはパイルドライバーにエネルギーを供給し、その魔法陣を大きく輝かせる。
 


  「ギャアアああああ……ああ……あ…」


  「…っ!」



魔女の断末魔とともに、少女達の視界は真っ白く塗り上げられた。


第23章・了


790 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/06/04(月) 01:31:21.24 ID:KMsjb3/W0
絶望から立ち直った人間は強い


 『私はもう、1人ぼっちなんかじゃなかったって』


次回:「取り戻した者」
791 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/06/04(月) 01:32:36.03 ID:bP6sViC60
乙 

やっぱりパイルドライバーはテンションが上がるな!!
792 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/04(月) 01:35:04.43 ID:wiMvwPFSo
793 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/04(月) 02:13:00.74 ID:B3zSuUg30
パイルドライバー懐かしいな
794 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/06/04(月) 02:26:53.22 ID:w8AG6vQ/o
乙!
795 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/06/04(月) 02:36:02.79 ID:N/TIvPvm0
乙。頭の中で勝手にBGMが再生されたんだがw
796 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/04(月) 05:13:19.43 ID:3Z6lHOk9o
しかし流れたBGMはラプラスのだった
797 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/04(月) 07:17:35.94 ID:5vEnYOTSO

しかしなんだかんだ言ってここまで犠牲者0とは…頑張ったなジャンゴ
798 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2012/06/04(月) 08:14:39.67 ID:+MGoTxpR0

待ってましたよパイルドライバー
799 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/04(月) 08:17:57.64 ID:3Z6lHOk9o
多分「その作品は拝見していません」って帰ってくると思うけどキュベレイを彷彿とさせるな
800 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/05(火) 00:29:35.64 ID:CLi429Is0



続・第24章 「取り戻した者」



801 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/05(火) 00:30:59.01 ID:CLi429Is0


光が止み、辺りの景色が目に入ってくる。

夕日に照らされた空地には、パイルドライバーの魔法陣とその中央に棺桶が残されていた。



おてんこ「パイルドライバーの機能停止を確認」

おてんこ「グリーフシードの浄化は完了した」


まどか「それって」


おてんこ「ああ、これで……彼女は元に戻るはずだ」

おてんこ「ジャンゴ、確認だ!」


ジャンゴ「…」コクリ



おてんこに指示を受けたジャンゴは棺桶に近づくと、その中を覗き込む。


802 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/05(火) 00:32:43.15 ID:CLi429Is0


杏子「おい! どうなんだ!?」


マミ「美樹さんは帰ってくるの?」


ほむら「…」


まどか「さやかちゃん……」



さやかの帰りを待つ少女達は、棺桶を確認するジャンゴに質問を投げかける。



ジャンゴ「…」



それに対し、少年は棺桶の中から何かを取り出して彼女達に見せる。


803 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/05(火) 00:34:11.17 ID:CLi429Is0


ジャンゴ「…」ニヤリ



その手には青く輝く宝石が握られたいた。



まどか「やったよ……さやかちゃん」


杏子「へっ……」


マミ「これで、美樹さんは」


ほむら「…」



取り戻した魂の宝石を見て、少女達は思い思いの感傷に浸る。


804 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/05(火) 00:36:00.54 ID:CLi429Is0


おてんこ「よくやったな……ジャンゴ、それに…お前達も」

おてんこ「彼女もお前達の呼びかけに答えてくれたに違いない」

おてんこ「だが、まだ感傷に浸るには早い」

おてんこ「その宝石を彼女に返して、彼女が目覚めたとき」

おてんこ「その時こそ本当の意味でさやかを取り戻したことになる」

おてんこ「さあ、早くソウルジェムを彼女に届けるんだ」


ジャンゴ「…」コクリ


まどか「そうだね」


杏子「ああ、早く行こうぜ」


マミ「これ以上美樹さんを待たせるのも悪いしね」



皆がさやかに会いに行こうと歩き出したなか、



ほむら「…」



1人だけその場に立ち尽くす少女がいた。


805 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/05(火) 00:37:45.11 ID:CLi429Is0


まどか「ほむらちゃん…? どうしたの」


ほむら「私は……行かないわ」


杏子「は? どうしたんだよ、急に」

杏子「ここまで来たら最後まで付き合うもんじゃないのかよ」


ほむら「美樹さやかがこうなった原因は私にある」

ほむら「今更彼女に合わせる顔なんてないわ」


まどか「でも…」


ほむら「それに……付いて行ったところで、彼女は私を許してはくれないわ」


杏子「そんなこと…」


806 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/05(火) 00:38:28.69 ID:CLi429Is0


ほむら「とにかく、私は行かない」

ほむら「それじゃあ」



彼女が背を向けて立ち去ろうとしたとき、



マミ「待ちなさい」



マミによって呼び止められる。


807 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/05(火) 00:40:08.76 ID:CLi429Is0


ほむら「まだ、何かあるの?」


マミ「ええ、そうよ」


ほむら「なら、早くした方がいいんじゃない」

ほむら「美樹さやかに会いたんでしょう?」


マミ「確かに……美樹さんとは早く会いたいわ」

マミ「でもね、あなたと一緒じゃなきゃ嫌なの」


ほむら「私は行かない、と言ったはずよ」


マミ「いいえ、あなたは美樹さんに会うべきだわ」


ほむら「どうして…」


マミ「覚えてるかしら? 私が魔女にやられた日のこと」


ほむら「…」


808 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/05(火) 00:41:04.03 ID:CLi429Is0


マミ「あの日、私はあなたの忠告に耳を貸さなかった」

マミ「それどころか、敵だと決めつけて縛り付けてしまったわ」

マミ「その代償として…腕を失い、自分をも見失ってしまった」


ほむら「……それとこれと一体何の関係があるのかしら?」


まどか「ほむらちゃん!」


マミ「いいの……鹿目さん」

マミ「暁美さん、最後まで聞いてくれるかしら?」


ほむら「…」


809 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/05(火) 00:42:26.23 ID:CLi429Is0


マミ「……続けるわよ」

マミ「あの後、ベッドの上に居た私はたくさんの人の声を聴いたわ」

マミ「鹿目さんに、美樹さん、ジャンゴ君達、そして……暁美さん、あなたの声もね」


ほむら「…」


マミ「それでやっと分かったの」

マミ「ここには私が居なくなったら悲しんでくれる人がいる」

マミ「こんな私でも必要としてくれる人がいる」

マミ「私はもう、1人ぼっちなんかじゃなかったって」


まどか「マミさん…」


杏子「…マミ」


ほむら「…」


810 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/05(火) 00:43:37.92 ID:CLi429Is0


マミ「今の美樹さんにだって、そういう人が必要なはず」

マミ「それには暁美さん、あなたも含まれている」

マミ「私はそう思うの」

マミ「だから、一緒に行かない?」


ほむら「でも、私にはそんな資格……」


マミ「誰かに会うのに資格なんていらないわ」

マミ「それに……あなたはここにいて、彼女を救おうとした」

マミ「きっと美樹さんだって分かってくれるはずよ」


まどか「そうだよ、ほむらちゃん」


杏子「ここまで言われて、付いてこないつもりか?」


811 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/05(火) 00:45:24.65 ID:CLi429Is0


ほむら「……分かったわ」

ほむら「付いていけば良いんでしょ」


マミ「分かってくれて、嬉しいわ」


ほむら「…」


おてんこ「話はついたようだな」

おてんこ「もう日も暮れてしまう、早くさやかに会いに行こう」

おてんこ「杏子、案内してくれ」


杏子「分かったよ、付いてきな」



杏子の先導によって、ジャンゴ達はさやかのもとへ向かった。


812 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/05(火) 00:46:49.00 ID:CLi429Is0


杏子「ここだよ」



案内された先はとあるホテルの一室であった。

扉を開けて中に入ると、



さやか「」



ベッドの上に横たわっているさやかの姿があった。


813 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/05(火) 00:47:44.40 ID:CLi429Is0


まどか「さやかちゃん……」


マミ「美樹さん…」


ほむら「…」



改めて見た、魂を失った少女の姿に3人は言葉を失う。



おてんこ「ジャンゴ、ソウルジェムを……」


ジャンゴ「…」コクリ



ジャンゴはさやかの胸にソウルジェムを置く。


814 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/05(火) 00:51:39.23 ID:CLi429Is0


さやかを取り戻すため、少女達は呼びかける。



さやか「」


まどか「お願い…」


さやか「」


マミ「目を覚まして」


さやか「…」


杏子「…さやか」


さやか「…」


ほむら「…っ」



そして、長い戦いの果てに、



さやか「うっ……」



少女は再びその意識を取り戻した。


第24章・了


815 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/06/05(火) 00:52:37.40 ID:CLi429Is0
5人の少女と1人の少年と精霊、ここに集う


 『あんたの声も聞こえたよ』


次回:「集結」
816 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/05(火) 00:54:42.36 ID:UgfeztHDO
ちょっとあれだが

胸に置く

に妙な勘ぐりを入れてしまった
817 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/06/05(火) 01:23:40.83 ID:YtxBD9Rqo
>>816
浄化
818 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/06/05(火) 02:32:17.41 ID:+whsWm/20
819 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/05(火) 02:44:44.75 ID:evaijQG/o
820 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/05(火) 18:57:52.27 ID:1MjArkKDO
乙!
マミさん復活に続いてさやか復活か
流れが変わりだしたぞお
821 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/06(水) 00:27:48.58 ID:MgkD/Zql0



続・第25章 「集結」



822 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/06(水) 00:29:05.46 ID:MgkD/Zql0


まどか「さやかちゃん!!」



まどかは息を吹き返した親友に駆け寄る。



さやか「まどか…」


まどか「よかった……よかったよ」

まどか「さやかちゃんが戻ってきてくれて」


さやか「聞こえたよ……まどかの声」

さやか「まどかの声があったから、私は戻ってこれた」

さやか「ごめん……色々ヒドイことしちゃったよね」

さやか「それでも、呼んでくれて……あたしは……」


823 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/06(水) 00:30:35.36 ID:MgkD/Zql0


まどか「もう……いいんだよ、さやかちゃん」

まどか「そんなこと気にしてないから」

まどか「それより、わたしの方こそあやまらなくちゃ」

まどか「ごめん……魔法少女でもないのに分かったような口利いて」


さやか「ううん、まどかは全然悪くないよ」

さやか「原因は全部あたしにあるんだ」

さやか「みんなのためにとか言いながら……結局は自分のことしか考えてなかった」

さやか「いや……本当は、自分のことすら考えられてなかったんだ」

さやか「ホントにごめん」


824 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/06(水) 00:33:06.23 ID:MgkD/Zql0


まどか「だから、それはいいって……」


さやか「でも…」


杏子「あー、 もう! じれったいな」

杏子「アンタは元に戻って、こいつはそれを喜んでる」

杏子「それでいいじゃねぇか」

杏子「終わったことウジウジ言っても何も始まんないよ」


さやか「そんなこと……」


マミ「そうよ美樹さん、佐倉さんの言い方もちょっと悪いけど」

マミ「過ぎ去った事なんて誰も気にしてないわ」

マミ「今はただ、あなたとの再会を喜んでいるだけなの」


825 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/06(水) 00:34:43.99 ID:MgkD/Zql0


さやか「けど…あたしはこいつを、無口野郎を斬ったんだ」

さやか「そんなの………許してもらえないよ」


ジャンゴ「さやか……そんなことは気にしてないよ」

ジャンゴ「むしろ、こっちこそ許してほしい」

ジャンゴ「君をあそこまで追い詰めた責任はボクらにもあるから」


さやか「だけど…」


おてんこ「まあ、そういうことだ」

おてんこ「お前は過去の行為を悔いている」

おてんこ「それで十分ではないか」

おてんこ「それに……」

おてんこ「こいつはもっとキツイ一撃を受けたことがあるし、な?」


 
     『チェストーーーッ!!!!!』



ジャンゴ「・・・」


826 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/06(水) 00:36:03.15 ID:MgkD/Zql0


ほむら「……話は済んだかしら」

ほむら「これ以上何もないなら、帰らせてもらうわ」



今まで黙っていた彼女は口を開くと、背を向けて部屋から出ようとする。



マミ「暁美さん、待って!」


まどか「ほむらちゃん!」


杏子「おい!」



3人の呼びかけを無視して立ち去ろうとするが、



さやか「待って」

さやか「転校生、いや……ほむら」


ほむら「…」



さやかに名前を呼ばれて立ち止まる。


827 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/06(水) 00:38:11.49 ID:MgkD/Zql0


さやか「……あんたにも迷惑かけたよね」


ほむら「…」


さやか「あんたの声も聞こえたよ」

さやか「何もかも諦めた目をしてる、だなんて言っちゃったけど……ホントはそんなことなかった」

さやか「あたしなんかよりずっと辛いことを経験して、感情を表に出せなくなっただけ」

さやか「あたしを助けたいって言葉も嘘なんかじゃなかった、って」

さやか「あの時……光と一緒にほむらの想いが流れ込んできて、分かったんだ」

さやか「だから…ごめん」


ほむら「…」


まどか「さやかちゃん……?」


杏子「どういうことだ」


マミ「良かったら説明してくれないかしら」


さやか「すいません、あたしの口からは……」


マミ「そうなの……ごめんなさい」


828 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/06(水) 00:40:01.81 ID:MgkD/Zql0


ほむら「……美樹さやか」

ほむら「貴女は……どこまで見たの?」


さやか「全部……じゃないけど」

さやか「あんたがどんな奴で、何をしようとしてたかぐらいは分かったよ」


ほむら「…」


おてんこ「ほむら……話しても良いんじゃないか」

おてんこ「たとえお前がどんなことを話しても、彼女達なら聞き入れてくれる」

おてんこ「魔法少女の悲しき運命を知り、それを乗り越えたのだ」

おてんこ「並大抵のことではこの結束は揺るがないぞ?」


ほむら「…」


829 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/06(水) 00:41:51.04 ID:MgkD/Zql0


まどか「そうだよ、ほむらちゃん」

まどか「わたし達にできることなら何でもするよ」


ほむら「…」


マミ「ムリ言ってあなたをここに連れてきた以上、ちゃんと責任は取るわ」

マミ「だから、話す気にならない?」


ほむら「…」


杏子「あたしは、アンタと取引したんだ」

杏子「やめろっても、アンタんところに居座るよ」


ほむら「…」


830 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/06(水) 00:42:49.19 ID:MgkD/Zql0


さやか「ほむら……あたしが言うのも難だけどさ」

さやか「話しを聞いてくれる相手がいるってとっても幸せなことなんだ」

さやか「あたしはそれが分からずに、1人で抱え込んで失敗した」

さやか「だから……さ、あんたにはそうなってほしくないんだ」

さやか「それじゃあ、ダメかな……」


ほむら「…」


ジャンゴ「ムリに話せとは言わない」

ジャンゴ「けど、出来ることなら君の力になりたい」

ジャンゴ「ただ……それだけなんだ」


ほむら「…」

ほむら「明日の放課後……私の家に来て」

ほむら「そこで全てを話すわ……」


   バタン


そうとだけ告げると、彼女は扉を閉めて行ってしまった。


831 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/06(水) 00:44:20.57 ID:MgkD/Zql0


  「・・・」



ほむらが出ていった後、しばらく沈黙が流れる。



マミ「さて……今日はもう遅いし」

マミ「私達も帰りましょうか?」



その沈黙を打ち破るようにマミが提案する。



おてんこ「そうだな、ここに長居する理由もない」

おてんこ「話があるなら……明日、ほむらの家ですればいいからな」


まどか「…そうだね」


832 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/06(水) 00:45:39.60 ID:MgkD/Zql0


まどか「じゃあ、わたしはさやかちゃんと……」


さやか「…」


おてんこ「いや…その必要は無い」

おてんこ「彼女はここに置いていく」

おてんこ「それでいいな? さやか」


さやか「うん……済まないね」


まどか「え…? でも、さやかちゃんのお父さんとお母さんも心配してるし……」


さやか「ごめん……まどか」

さやか「今、帰れそうにないんだ」


833 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/06(水) 00:47:16.98 ID:MgkD/Zql0


まどか「どうして……?」


さやか「それは……」


おてんこ「この短期間に彼女を取り巻く環境は大きく変わった」

おてんこ「だから、一段落ついた今こそ……1人で考える時間も必要なのだ」

おてんこ「それに……家に帰ったら、当分戻ってこれなくなる」

おてんこ「明日のほむらの話も聞けなくなってしまうだろうしな」


まどか「そうなの? さやかちゃん」


さやか「うん……だから、悪いけどもう少し家出ってことにしておいてくれない?」

さやか「恭介の事とか、色々整理したいんだ……」


まどか「…うん」


834 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/06(水) 00:50:11.40 ID:MgkD/Zql0


杏子「よし、話は済んだな」

杏子「さやかはここに残って、他の奴らは帰る」

杏子「それでいいな?」


マミ「それはいいんだけど……佐倉さん、あなたはどうするつもりなの?」


杏子「ん?」


マミ「ここに美樹さんを残すとなると……」

マミ「あなたの居場所がなくなってしまうのだけれど」


杏子「それなら問題ないよ」

杏子「この町にもいくつか拠点があるんだ」

杏子「そのうちの1つで夜を明かすつもりさ」


マミ「だったら、私の家に来ない?」

マミ「ずっと空けてたから……どうなってるか分からないの」

マミ「だから、あなたが来てくれればとっても助かるわ」

マミ「ちゃんとおもてなしもするから、ね?」


835 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/06(水) 00:53:19.33 ID:MgkD/Zql0


杏子「・・・」


マミ「やっぱり……ダメかしら」


杏子「なぁ、マミ……晩飯はまだ食ってないよな?」


マミ「ええ、そうだけど……」


杏子「なら、条件はそれだ」

杏子「晩飯を奢ってくれんなら、お前ん家に泊まる」


マミ「任せてといて、お料理には自信があるんだから」


杏子「交渉成立だな」

杏子「ジャンゴ、後は頼んだよ」

杏子「さあ、行こうぜ!」グイグイ


マミ「ちょっと引っ張らないで、佐倉さん」


  バタン


杏子はマミを連れて部屋を出て行ってしまった。


836 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/06(水) 00:54:34.07 ID:MgkD/Zql0


おてんこ「さて……我々も行くか」

おてんこ「まどか、お前は我々が送って行こう」


まどか「…いいの?」


おてんこ「ああ、問題ない」

おてんこ「さやか、ほむらの家で会おう」


さやか「ああ……じゃあね」


おてんこ「行くぞ、ジャンゴ」


ジャンゴ「…」コクリ


   バタン


ジャンゴ達もさやかを残して、部屋を後にする。


837 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/06(水) 00:57:12.28 ID:MgkD/Zql0


まどか「ねぇ…ジャンゴ君」


ジャンゴ「?」



さやかの部屋を出て、ホテルの階段を下りている途中でまどかに話しかけられる。



おてんこ「どうしたのだ? まどか」


まどか「あの…その…聞きたいことがあって」


おてんこ「聞きたいこと……?」


まどか「ジャンゴ君達が使ったあのスゴい機械……」


おてんこ「パイルドライバーのことか?」


まどか「うん…」

まどか「それで、他のグリーフシードを浄化できないのかな? って」


838 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/06(水) 00:59:12.33 ID:MgkD/Zql0


おてんこ「・・・」

おてんこ「おそらく……不可能ではないだろう」


まどか「なら…」


おてんこ「だが、我々はこれ以上グリーフシードを浄化するつもりはない」


まどか「どうして?」

まどか「それを使えば魔女になった娘も元に戻せるかもしれないのに」


おてんこ「確かに、パイルドライバーを持ってすれば」

おてんこ「一度、魔女になった者でも魔法少女に戻すことができるだろう」


まどか「だったら……」


839 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/06(水) 01:01:27.81 ID:MgkD/Zql0


おてんこ「しかし、それはグリーフシードがなくなることを意味する」

おてんこ「魔女を救ったがために、知り合いの魔法少女が魔法を使えずに命を落とすかもしれない」

おてんこ「お前の提案によって、マミが、さやかが、杏子が、ほむらが死んだらどうする?」


まどか「そんな……」


ジャンゴ「こんなこと聞くのは、可哀そうだと思う」

ジャンゴ「でも……戦いに身を置く友達を持つ君だからこそ、はっきりさせておかなきゃいけないんだ」

ジャンゴ「優しさと同情の違いを」


まどか「優しさと同情……?」


840 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/06(水) 01:04:54.81 ID:MgkD/Zql0


おてんこ「お前の……自分を差し置いてでも他人を思いやる、その心」

おてんこ「それはとても高潔なものだ」

おてんこ「だが、高潔であるがために見落としやすいモノがある」

おてんこ「それが……その、優しさと同情の違いだ」


まどか「…」


おてんこ「この世界には……」

おてんこ「たとえ、誰かのためを思ってした行動でも……それが結果的にその人物を傷つけることがある」

おてんこ「優しさとは、どんな結果になってもそれを受け入れること」

おてんこ「全てを受け入れる覚悟を決めて、他人のために行動することだ」

おてんこ「その覚悟無くしては、慈愛と呼ぶに値しない、ただの同情だ」


841 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/06(水) 01:10:12.48 ID:MgkD/Zql0


おてんこ「……もう一度聞く」

おてんこ「お前は友を失う覚悟決めた上で、尚、グリーフシードの浄化を頼むつもりか?」


まどか「そんな……」

まどか「そんなの……できないよ………」


ジャンゴ「…」


おてんこ「悪かったな……お前を責めるつもりはなかったんだ」

おてんこ「だが、このことは頭に入れておけ」

おてんこ「お前が覚悟を持ってした行動なら、我々は何も言わない」

おてんこ「しかし……そうでないと言うなら、お前の前に立ちはだかる」

おてんこ「我々も、お前には後悔してほしくないのだ」


まどか「…」


おてんこ「さあ、早く帰ろう」

おてんこ「あまり遅くなると、お前の親も心配する」



ジャンゴ達はバイクをまどかを送ると、ほむらの家に帰り、床に就いた。


第25章・了


842 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/06/06(水) 01:10:48.72 ID:MgkD/Zql0
見つけるのは意外と難しい


 『あんたは一体、何のために戦っているの?』


次回:「戦う理由」
843 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/06/06(水) 01:11:43.44 ID:NdMuhlIko

さやか毒抜けすぎだろwwwwwwww
844 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/06/06(水) 01:24:22.96 ID:SiLYAkXdo

まぁ一辺死ぬほど痛い目見れば誰だって丸くなるだろう
ところでGSをSGに戻したとしても肉体はどうするんだろう
頑張って復元するのかね?
845 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/06(水) 01:40:29.89 ID:NUpDBLu5o
846 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2012/06/06(水) 01:42:04.70 ID:x3ZBPQZXo
>>843
ほら、パイルドライブされたし
847 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/06(水) 02:54:57.26 ID:TnF1v0CIO
SGと肉体って紐付けされてんのかな? 極論死人を乗っとれたりとかすんのかね?
848 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/06(水) 07:26:34.01 ID:dA9eYU3Bo
太陽の力ってすげえ!!
肉体が無いから再生しても意味ないのが多いと思うけど、しないことに対して突っ込むのはヤボだな
849 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/06/06(水) 10:26:48.77 ID:7g8isAOdo
もっとキツい一撃でイモータルを差し置いて挙げられるリタ…
850 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/06(水) 11:35:58.68 ID:OTTjGMFDO


流石ダンジョン最深部からでも素手で無傷帰還するリタさんや!
851 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/06(水) 12:26:43.84 ID:eO4L23sjo
>>847
まどポだとさやかがSGなくして肉体が死んだ時にQBが
2日で肉体と精神が完全分離するとか言ってた
852 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/06/06(水) 14:32:22.18 ID:PXugcBlAO
スレの残りが少なくなってきたけど、このスレ内で完結できるかな?
853 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/06(水) 15:09:09.21 ID:la3Wqu+SO

まぁ足りなくなったらなったで次スレ立てれば良いじゃない 新・ほむら、とでも立てれば。
854 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/07(木) 01:25:51.84 ID:y+mC/vTu0



続・第26章 「戦う理由」



855 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/07(木) 01:28:08.45 ID:y+mC/vTu0


翌日、午前中を武器の調整に費やしたジャンゴ達はリビングで皆の集合を待っていた。



ジャンゴ&おてんこ「・・・」


おてんこ「……遅いな」


ジャンゴ「…」


おてんこ「学校があるほむらやまどか、気持ちの整理を付けているさやかは分からんでもないが……」

おてんこ「後の2人は、一体何をしているんだ?」

おてんこ「掃除で、半日潰すほどに部屋が汚かったか」

おてんこ「それとも、ただ単に盛大な寝坊でもしているのか……」

おてんこ「どう思う? ジャンゴ」


ジャンゴ「・・・」


856 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/07(木) 01:30:04.05 ID:y+mC/vTu0


ジャンゴ&おてんこ「「はぁ……」」


     ガチャ


ジャンゴ&おてんこ「!」



いい加減に誰も来ない状況に飽き飽きしていたころ、何者かが扉を開らく音がした。



おてんこ「マミ達か?」


ジャンゴ「…」



来訪者を確認すべく後ろを振り向くと、



おてんこ「……お前だったか」


ジャンゴ「さやか…」


さやか「…」



そこには絶望の淵から救い出された少女の姿があった。


857 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/07(木) 01:31:14.19 ID:y+mC/vTu0


おてんこ「早かったな……」

おてんこ「もういいのか?」


さやか「うん……まだ、全部受け入れられたってわけじゃないけど」

さやか「とりあえずは大丈夫」


おてんこ「そうか」


さやか「あ、あのさ…」


おてんこ「ん? まだ何か問題でもあるのか」


さやか「そうじゃなくて……その…」

さやか「ごめんなさい」


858 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/07(木) 01:34:44.85 ID:y+mC/vTu0


おてんこ「どうしたんだ? 改まって」

おてんこ「昨日も言ったが、我々は過ぎ去ったことは気にしていない」

おてんこ「今、ここでお前と話せている……それだけで十分なのだ」


さやか「でも、昨日はちゃんと謝れなかったし」

さやか「一番迷惑を掛けた上に、フォローまでしてくれたからさ……」


おてんこ「さやか」

おてんこ「人は皆、失敗を乗り越えて強くなるのだ」

おてんこ「たとえ、苦しいこと、辛いことがあったとしても」

おてんこ「乗り越えたその先にきっと、答えがある」

おてんこ「明日を信じて進み続けることこそが、人を大きく成長させる」


さやか「…」


おてんこ「絶望を乗り越え、今、お前はここにいる」

おてんこ「それで良いではないか」


859 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/07(木) 01:36:49.13 ID:y+mC/vTu0


さやか「でもさ…」

さやか「こんな体になちゃったし……あたしって、まだ人間なのかな」

さやか「魂のない抜け殻じゃないのかな?」


おてんこ「それはお前が決めることだ」

おてんこ「自分が人間なのか、そうでないのか」

おてんこ「他人がとやかく言ったところで、それが答えになるはずがない」

おてんこ「本当の答えは自分で見つけなければならないんだ」


さやか「そんこと言ったって」

さやか「分かるわけないよ、あんた達には……人じゃなくなる気持ち」


860 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/07(木) 01:38:44.85 ID:y+mC/vTu0


おてんこ「ああ……確かに、私は分からない」

おてんこ「だが、こいつならそれが分かるはずだ」


ジャンゴ「…」


さやか「けど、あんたはソウルジェムも持ってないし……どう見たって人間だよ」


おてんこ「……ジャンゴ、やれ」


ジャンゴ「…」コクリ

黒ジャンゴ「…」ポワン


さやか「!」



少年は少女の前で、ヴァンパイアへと姿を変える。


861 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/07(木) 01:41:14.60 ID:y+mC/vTu0


さやか「その姿は……」


黒ジャンゴ「…」


おてんこ「闇の一族(イモータル)の眷属、ヴァンパイア」

おてんこ「その身に受けた、ヴァンアパイアの血が吸血変異を引き起こした結果だ」


さやか「それじゃあ、こいつは……」


おてんこ「もはや純粋な人間とは言えないだろうな……」


ジャンゴ「…」ポワン


さやか「…」


862 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/07(木) 01:43:17.95 ID:y+mC/vTu0


ジャンゴ「確かに、この体はもう人とは呼べないかもしれない」

ジャンゴ「でも、だからこそ思うんだ」

ジャンゴ「人として生き、人として死にたいって」


さやか「どうしてそんな…」


ジャンゴ「そうじゃなきゃ、分からないよ」

ジャンゴ「命のあたたかさも……太陽のあたたかさも」

ジャンゴ「だからこそ、限りある人の命……」

ジャンゴ「それを精一杯に生きるんだ」


おてんこ「お前がどういう決断をするかは分からない」

おてんこ「ただ……こいつは人として生き、死ぬことを決めた」

おてんこ「それだけだ」


さやか「…」


863 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/07(木) 01:44:25.16 ID:y+mC/vTu0


おてんこ「さあ、辛気臭い話はこれくらいにして」

おてんこ「後は、皆が来るのを待とうではないか」


さやか「ねぇ…」


おてんこ「どうした? まだ何かあるのか」


さやか「そんな体になってまで、どうして戦えるの?」

さやか「あんたは一体、何のために戦っているの?」


ジャンゴ「…」


864 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/07(木) 01:47:33.27 ID:y+mC/vTu0


おてんこ「何のために戦う」

おてんこ「……難しい質問だな」

おてんこ「強いて言うなら、生きるためか」


さやか「生きるため…?」


おてんこ「そう、生きるためだ」


さやか「でも、魔法少女じゃないなら戦う必要はないんじゃ……」


おてんこ「それはここが平和な世界だから言えるのだ」

おてんこ「我々もこんな世界に生を受けたなら、戦うこともなかったのかもしれない」

おてんこ「戦いを知らずに死ねたかもしれない」

おてんこ「しかし、現実は違う」

おてんこ「我々の生まれたのは、戦わなければ生き抜けない世界だった」

おてんこ「そこには、明日の見えない日々と勝ち目のない戦いしかない」

おてんこ「抗うことを止め、諦めれば待つのは死のみ」

おてんこ「そんな場所だ」


さやか「…」


865 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/07(木) 01:50:50.49 ID:y+mC/vTu0


ジャンゴ「戦いの果てに何が待っているのか……ボクにも分からない」

ジャンゴ「けれど、戦わなきゃ明日は掴めない」

ジャンゴ「それだけは分かっているんだ」

ジャンゴ「だから、戦う……」

ジャンゴ「抗い、戦い続けること」

ジャンゴ「それがボクらの生きるということだから」


さやか「…」


おてんこ「……これは我々の場合でしかない」

おてんこ「お前が何のために戦おうが、我々は何も言えない」

おてんこ「さやか、お前はお前の思う理由で戦えばいいのだ」


    ガチャ 


おてんこの話が終わると、玄関の扉が開く音がする。


866 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/07(木) 01:52:02.52 ID:y+mC/vTu0


おてんこ「ちょうど、来たみたいだな」

おてんこ「この話はこれぐらいにして、後はほむらの話を聞こう」


さやか「うん…」


ジャンゴ「…」コクリ


  「…」



リビングには、他の4人が入ってきていた。


第26章・了


867 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/06/07(木) 01:54:04.33 ID:y+mC/vTu0
誰かに託す、それもまた1つの答え


 『……どうして、そんなものを私に』


次回:「託したモノと託されたモノ」
868 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/07(木) 02:39:03.96 ID:qTbbmn2v0
おてんこさまばっかりじゃ無く、もう少しジャンゴにも喋って欲しい
869 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/06/07(木) 03:02:19.55 ID:g60wb9xAO
もうヨルムンは出た?
870 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/07(木) 06:13:39.52 ID:Ab2UHRgzo
乙。ジャンゴは寡黙だから仕方ない
このジャンゴがエグゼ6仕様なら話は変わってくるが
871 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/07(木) 06:16:31.74 ID:FslTjSRco
DSの方のジャンゴだったらよくあるクロスになってたな
872 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/06/07(木) 07:44:51.47 ID:E+nbzmvLo
おつ
873 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/07(木) 09:48:50.35 ID:KVCWZ5EIO
戦わなければ生き残れない!
874 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/07(木) 11:36:03.66 ID:ITNnWvkDO

さやかの話中justiФ'sが頭をよぎった
875 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/06/07(木) 12:17:07.41 ID:ssRFHupwo

今一人一人の胸の中〜
876 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/08(金) 00:21:19.10 ID:jR2Mw2hh0



続・第27章 「託したモノと託されたモノ」



877 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/08(金) 00:23:17.75 ID:jR2Mw2hh0


おてんこ「全員、集まったな」


   「…」



おてんこはリビングの椅子に腰かける5人に呼びかける。



おてんこ「ほむら…」

おてんこ「話してくれるか?」


ほむら「…」コクリ



彼女は話し始めた。

何をやってもダメな、昔の弱い自分のこと。

そんな自分にできた、たった1人の友達のこと。

友と交わした約束のこと。

そして……その約束を守るために何度も繰り返したこと。


878 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/08(金) 00:25:03.05 ID:jR2Mw2hh0


まどか「…」


杏子「…」


マミ「…」



彼女の話を予想だにしていなかった者たちは、その内容に言葉を失う。

また、



さやか「…」


おてんこ「…」


ジャンゴ「…」



彼女の想いを知る者たちは、それぞれの想いを胸に黙って聞き入る。


879 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/08(金) 00:26:57.98 ID:jR2Mw2hh0


ほむら「これで終わりよ」


杏子「…」


マミ「…」


まどか「ほむらちゃん……」


ほむら「ごめんね……まどか」

ほむら「こんな話されても、わけわかんないよね」

ほむら「信じてくれるわけないよね……」


880 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/08(金) 00:28:48.40 ID:jR2Mw2hh0


まどか「ううん、わたしは信じるよ」

まどか「この1ヶ月、ほむらちゃんは何度もわたしを助けてくれた」

まどか「何も知らないわたしが契約しそうになっても、見捨てないでやってきてくれた」

まどか「それだけで、十分だよ」


ほむら「……まどか」


まどか「今のわたし達は、出会って1ヶ月しか経ってないけど」

まどか「違う世界のわたし達が親友になれたなら、きっとまたやり直せるはずだよ」


ほむら「でも、ワルプルギスが来たらまた……」


881 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/08(金) 00:32:41.40 ID:jR2Mw2hh0


杏子「おいおい」

杏子「そいつを倒すためにあたし達がいるんじゃないのかよ?」


ほむら「杏子…」


マミ「そうよ、暁美さん」

マミ「私達を忘れてもらっちゃ困るわ」


ほむら「マミ…」


さやか「ま、迷惑かけた分しっかり働くからさ」

さやか「もう少し希望を持ってくれても良いんじゃない?」


ほむら「さやか…」


882 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/08(金) 00:36:41.80 ID:jR2Mw2hh0


ジャンゴ「ボクらは様々な困難を乗り越えて、ここに集まっているんだ」

ジャンゴ「なら、これからだって何とかなる……」

ジャンゴ「何とか出来るはずさ」


ほむら「…」


おてんこ「我々の結束は大抵のことでは揺るがない」

おてんこ「たとえ、相手が最強の魔女であってもな」

おてんこ「それとも……我々には勝つことはできないとでも言うつもりか?」


ほむら「私は……」


883 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/08(金) 00:38:42.59 ID:jR2Mw2hh0


ほむら「戦う……まどかとの約束を守るために、自分の未来を掴むために」


おてんこ「そうだ、その意気だ」

おてんこ「では早速、ワルプルギスの夜への対策を練ろうか」


ジャンゴ「待って」


おてんこ「ん? どうした、何かあるのか」


ジャンゴ「…」コクリ

ジャンゴ「ほむら、君に渡しておきたいものがある」


ほむら「?」


そう言うと、ジャンゴは部屋に置いてある荷物の中から何かを取り出す。


884 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/08(金) 00:40:05.47 ID:jR2Mw2hh0


ジャンゴ「…」


おてんこ「それは!?」


まどか「マフラー?」


さやか「あんたの身に着けてるのと色違い?」


マミ「使い古されてるモノみたいだけど」


杏子「それ以外は見た感じ、普通のマフラーだな」



少年の手にあったのは、使い込まれた藤色のマフラーであった。


885 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/08(金) 00:42:47.17 ID:jR2Mw2hh0


ほむら「それは……一体何なのかしら?」


おてんこ「それは月光のマフラー」

おてんこ「ジャンゴの母、月下美人であるマーニがサバタに託したもの」

おてんこ「そして……サバタ亡き今、こいつにとっては兄の形見と言えるものだ」


ジャンゴ「…」


  「!?」


886 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/08(金) 00:44:51.37 ID:jR2Mw2hh0


ほむら「……どうして、そんなものを私に」


ジャンゴ「そのマフラーは月の力を、慈愛と狂気を象徴するもの」

ジャンゴ「友を想う慈愛と、その友のためにすべてを投げ出す狂気」

ジャンゴ「それらを持ち合わせた君になら、月光仔でなくともこれを役立てるはず」


おてんこ「確かに……その通りかもしれないな」


ほむら「どういうこと……?」


おてんこ「月は太陽の光を映し出す」

おてんこ「だが、それはただの鏡ではない」

おてんこ「その光は万物の慈愛と狂気を宿し、全ての力を操り導く」


887 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/08(金) 00:47:04.06 ID:jR2Mw2hh0


おてんこ「お前は友との約束を果たすために、他人の想い、自分の想い、その全てを犠牲にしてきた」

おてんこ「それは月の暗黒面、狂気の力」

おてんこ「だがその根底にあるのは、親友の幸せを願う純粋な思い」

おてんこ「それは正しく月の太陽面、慈愛の力」

おてんこ「月の2面性、慈愛と狂気」

おてんこ「それらを持ち合わせるお前に、月光のマフラーは力を与えてくれるはずだ」


ほむら「…」


ジャンゴ「ボクがこれを持っていても仕方ない」

ジャンゴ「ただ……過去を振り返ることしかできないから」

ジャンゴ「だから、託すんだ」

ジャンゴ「約束のために、明日のために、これを使ってくれる君に」


ほむら「……分かったわ」



少年は目の前の少女に、マフラーを手渡した。


888 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/08(金) 00:49:29.06 ID:jR2Mw2hh0


おてんこ「さて、今度こそ作戦を……」


さやか「あのさ……」


おてんこ「どうした?」


さやか「よかったらでいいんだけど」

さやか「あんた達が何処から来て、何をしてきたか教えてくれないかな?」

さやか「それを聞けば、あたしの答えに近づけるかもしれないから……」


おてんこ「そういえば……我々のことは全く話していなかったな」

おてんこ「よし、ここで話しておこう」

おてんこ「人々が太陽を忘れた時代と、その中でも光を求め続けた者達の物語をな」



太陽の使者はジャンゴ達の生きる世界、世紀末世界を語る。

全ての生命種の撲滅を目的とする銀河意志ダーク。

イモータルが引き起こす吸血変異によってアンデットに変異する人類。

明日の知れない毎日を必死で生き抜く人々。

そして、決して勝つことのできない銀河意志に挑む戦士たち。


889 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/08(金) 00:51:56.34 ID:jR2Mw2hh0


おてんこ「……以上だ」


   「・・・」



おてんこの話にその場にいた全員は黙りこくる。



 「異世界からの訪問者……それが君達の正体だったんだね」

  
   「!」
  


背後からの声が、唐突に沈黙を打ち破った。



ほむら「お前は」


マミ「……キュゥべえ」


QB「…」



振り向いた先には、猫のような姿をした異星人の姿があった。


890 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/08(金) 00:53:17.29 ID:jR2Mw2hh0


杏子「何の用だ?」

杏子「さやかだって取り戻したんだ、今更お前が出てくるような場面じゃないよ」


QB「僕はただ、話をしに来ただけだよ」


さやか「……まだ、まどかを狙っているの?」


QB「まどかの素質はとても魅力的だ」

QB「彼女の契約から生まれるエネルギーは計り知れない」

QB「僕達としても、見過ごすわけにはいかないよ」


891 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/08(金) 00:54:22.03 ID:jR2Mw2hh0


まどか「キュゥべえ、わたしは契約できないよ」
  
まどか「確かに……わたしが願えばどんな願いだって叶うかもしれない」

まどか「けど、そしたら……ほむらちゃんの想いをムダにして、その未来を奪っちゃうから」


QB「君の言いたいことは分かったよ」

QB「でも、今日は君を勧誘しに来たんじゃない」


おてんこ「なら、話とは一体なんだ?」


QB「情報のやり取りだよ」

QB「僕は、君達が立ち向かうであろうワルプルギスの夜について話す」

QB「代わりに、僕は君達の素性と目的を聞く」


892 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/08(金) 00:56:08.68 ID:jR2Mw2hh0


おてんこ「しかし、お前はさっき我々の正体を言い当てていたではないか」


QB「そう、これは僕も予想外だったよ」

QB「まどか達の後を追って、部屋に入ろうとしたら勝手に話し始めるんだもの」

QB「まさか…何もしなくても情報が手に入るなんてね」


おてんこ「盗み聞きか……余りいい趣味とは言えんな」


QB「ダンボールに隠れながら人の後を付けるような人間に、言われたくないね」


ジャンゴ&おてんこ「・・・」


893 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/08(金) 00:57:49.34 ID:jR2Mw2hh0


おてんこ「……なぜ、姿を現した?」

おてんこ「必要な情報は手に入れたんだろ」


QB「確かに……君達の話で僕の知りたかったことは分かった」

QB「でも、僕らの目的はあくまでもエネルギーの回収なんだ」

QB「まどかが契約の意志を示さない今、君達が何もできずにワルプルギスに負けるのは困るからね」


ほむら「どういうこと?」


894 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/08(金) 01:02:45.68 ID:jR2Mw2hh0


QB「君達も知ってるように」

QB「ソウルジェムがグリーフシードに変化することによって、エネルギーが生じる」

QB「しかし……そのソウルジェムが破壊されてしまっては元も子もないんだ」

QB「だから、君達にはそう簡単に負けてもらうわけにはいかないんだよ」


さやか「あんたは最初から話すつもりだったの?」


QB「そうさ、取り引きの形を取ろうと思ったのはただの知的好奇心からだよ」

QB「未知のテクノロジーには、熱力学に縛られない新たなエネルギーを開拓できる可能性が眠っているからね」

QB「でも、ここへ来た本当の目的は君達に説明するためさ」

QB「魔法少女のシステムと最強の魔女との関係をね」


895 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/08(金) 01:04:45.60 ID:jR2Mw2hh0


QBは淡々とした口調で、説明した。

絶望の蓄積機としての魔女の役割。

魔法少女の戦いが生む絶望。

戦いの中で進化する魔女、ワルプルギスの夜。


 
  「・・・」



少女達は自分が抗おうとしているモノの正体を知り、沈黙する。


896 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/08(金) 01:06:07.11 ID:jR2Mw2hh0


QB「分かってくれたみたいだね」

QB「ワルプルギスの夜が最強と謳われる理由を」


おてんこ「用事は……これだけか」


QB「まあね」


おてんこ「なら、さっさと失せろ」

おてんこ「お前の顔など見ていたくもない」


QB「手厳しいね」

QB「まあ……用事は済んだし、僕は失礼するよ」



挨拶を終えたQBは闇の中へと溶け込んでいった。


897 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/08(金) 01:07:00.05 ID:jR2Mw2hh0


杏子「クソ……アイツの言ってることがホントなら」

杏子「勝てねぇじゃねえかよ」


マミ「キュゥベえ……」


ほむら「やっと5人揃ったのに、やっぱりアイツには……」


さやか「戦う程に強くなる魔女……どうすりゃいいのよ」


まどか「そんな…どうしようもないの?」


おてんこ「いや、諦めるのはまだ早いぞ」


898 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/08(金) 01:07:46.77 ID:jR2Mw2hh0


ほむら「抵抗すればするほど強力になるのに、勝ち目なんて」


おてんこ「奴の話をちゃんと聞いていたか?」

おてんこ「ワルプルギスが強くなるには必要なものがある、それは……」


マミ「人々の絶望」


おてんこ「そうだ」


さやか「でも、それが分かったところで」


おてんこ「忘れたか? 絶望というのは言うなれば心の穢れ」

おてんこ「それはお前が一番よく知っているはずだぞ」


さやか「そうだけど…」


899 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/08(金) 01:08:31.03 ID:jR2Mw2hh0


おてんこ「我々には穢れを浄化する方法がある」

おてんこ「それを使い、魔女に流れ込む絶望を失くしてしまえば……」


杏子「勝機はある」


おてんこ「そういうことだ」

おてんこ「我々も決戦に備え、準備をしてきた」

おてんこ「負ける道理はない」

おてんこ「さあ、作戦会議を始めるぞ!」


第27章・了


900 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/06/08(金) 01:12:29.84 ID:jR2Mw2hh0
用語解説6


≪月光仔≫

イモータルにも人間にも属さない、月の一族。

太陽と暗黒、火水風土の4大元素、その全てを受け入れる力を狙われて滅亡した滅びの一族。

この血を引く者はダークマターによる吸血変異を起こさなくなる。


≪月下美人≫

太陽の光を受け流し、慈愛と狂気を司る星と月の巫女。

あらゆる元素を受け入れ、自在に操る力を有す。

マー二が最後の生き残りであったが、彼女の亡き後、その役目をサバタが引き継ぐ。



ようやくここまで来たか……


 『だが、明けない夜はないのだ』


次回:「嵐の前」
901 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/08(金) 01:27:46.66 ID:hVIdvm1Zo
902 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/06/08(金) 05:00:22.91 ID:n+a9yzg10
明けない夜は無いが、夜明けが晴天とは限らない…。
903 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2012/06/08(金) 10:02:56.35 ID:RcqZaSmc0

やっと苦戦〜いい勝負レベルになってきたね
904 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/08(金) 23:38:15.25 ID:ogfo3oGao
明日もまた日は登る!
905 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/09(土) 05:53:50.55 ID:i7+fDfok0



続・第28章 「嵐の前」



906 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/09(土) 05:56:17.29 ID:i7+fDfok0


ワルプルギス到来前夜、ジャンゴ達はいつかと同じ様に屋根に登り、夜空に浮かぶ月を眺めていた。



おてんこ「小望月(こもちづき)か……明日は満月だな」

おてんこ「太陽がそうであるように、月もまた……いつでも我々を照らしてくれる」

おてんこ「案外、あいつ…サバタも見守ってくれているのかもしれないな」


ジャンゴ「…」


907 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/09(土) 05:57:39.35 ID:i7+fDfok0


おてんこ「この1ヶ月、お前にとっては2ヶ月だが……」

おてんこ「長かったな」

おてんこ「この世界に来て、お前の話を聞き、未来を変えようと決意した」

おてんこ「だが、運命に抗うことは容易いことではなかった」

おてんこ「マミは戦いの傷と残酷な真実を知り、心を閉ざし」

おてんこ「さやかは己を見失い、絶望して魔女になった」

おてんこ「未来は変えられないとさえ思える出来事が起こった」


ジャンゴ「…」


908 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/09(土) 05:59:42.60 ID:i7+fDfok0


おてんこ「しかし、それでもお前は諦めなかった」

おてんこ「たとえ手が届かなくとも、手を差し伸べ続ける」

おてんこ「明日を信じて、未来を諦めないその心が」

おてんこ「運命に打ち勝ち、新たな希望をもたらした」


ジャンゴ「…」


909 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/09(土) 06:01:37.36 ID:i7+fDfok0


おてんこ「立ちふさがる敵は、想像を絶するほどに強大かもしれない」

おてんこ「だが、明けない夜はないのだ」

おてんこ「それが最強の魔女、ワルプルギスの『夜』であっても」

おてんこ「未来を信じて今日を生き抜けば、必ず……」

おてんこ「明日もまた日は昇る!」


910 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/09(土) 06:02:37.55 ID:i7+fDfok0


おてんこ「もう、振り返る必要は無い!」

おてんこ「後はただ……希望に、明日に向かって突き進むのみ」

おてんこ「何があろうと我々は負けない!」

おてんこ「今の我々には太陽が……共に戦う仲間が付いている」

おてんこ「さあ、行くぞ! 太陽少年!!」

おてんこ「今度こそ悲しみのループに終止符を打つのだ!!」



少年達の負けられない戦いは、目前に迫っていた。


911 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/09(土) 06:05:45.15 ID:i7+fDfok0




午前3時26分

気象庁群馬地方気象台が雷雲の異常発生を確認。





午前3時42分

これをスーパーセルの予兆と断定し、見滝原市に避難指示の発令を要請。





午前4時12分

見滝原市長が市議会員を招集。





午前5時58分

スーパーセルの発生を確認。





午前6時25分

見滝原市一部地域に避難勧告を発令。





午前6時47分

スーパーセル分隊が見滝原に到達。





午前8時43分

避難勧告を撤回し、見滝原市全域に避難指示を発令。





午後3時33分

一部避難困難者を除きほぼ全ての住民の避難完了を確認。




912 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/09(土) 06:10:59.84 ID:i7+fDfok0
パーティメンバー________________________________

・=武器  *=防具  $=魔法/特殊技能
________________________________________


太陽少年 ジャンゴ_______________________________


・太陽銃 ガン・デル・ソル  太陽の光を撃ち出す魔法機械。
 
  Lレンズ    ― ソルV     敵を浄化する。ソル属性。     

    Lフレーム   ― ドラグーン   ショットとスプレッド、2通りでの攻撃が可能。

      Lバッテリー  ― クイント    バッテリー容量5倍。

        Lグレネード  ― なし      --------------
    
     
・バスタードソード  片手半剣。切り裂くよりも叩っ斬る様にして使う。

・パルチザン     幅広の槍。突く以外に斬ることもできる。※折れている

・ウォーハンマー   戦槌。一撃で骨をも砕く破壊力を持っている。


*深紅のマフラー   リンゴの形見。最強のヴァンパイアハンターと呼ばれた男の血と魂が宿っている。


$月光魔法 ゼロシフト    瞬間移動を可能とする転移魔法。 

$太陽魔法 ダッシュ     高速移動を可能とする加速魔法。

$太陽魔法 ライジングサン  太陽のかけらを召喚する。

$パイルトラップ       太陽の光を使用する定置型トラップ。

$トランス・ソル       太陽の使者と合身し、限界を超えた存在となる。

$トランス・ダーク      ヴァンパイアの血を呼び覚ます。暴走状態に陥ることもある。   

   Lチェンジマウス    ネズミに変身する。
   
      Lチェンジバット    コウモリに変身する。
   
         Lチェンジウルフ    オオカミに変身する。


913 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/09(土) 06:14:52.63 ID:i7+fDfok0


太陽の使者 おてんこさま____________________________


・なし        ---------


*なし        ---------


$召喚        パイルドライバーを召喚する。

$中継        太陽の光を中継し、太陽少年に光を届ける。

$太陽結界      闇を縛り付ける結界を張る。

$太陽感       闇の気配を察知してその方向を探る。

$トランス・ソル   太陽少年と合身し、限界を超えた存在となる。


暁美ほむら___________________________________


・拳銃        携行性に優れた銃火器。コンパクトで身につけやすいが、その分威力は下がる。    

・ショットガン    散弾銃。近距離に弾をばら撒く。

・バズーカ砲     対戦車ロケット弾発射器。目の前にロケット弾をぶち込む。

・手榴弾       携行爆弾。いわゆるパイナップル。

・スタングレネード  閃光手榴弾。強烈な音と光で敵を無力化する。

・ハンドメイドボム  お手製の爆弾。材料は一般人にも手に入るため、威力は月並み。


*月光のマフラー   サバタ、マーニの形見。月の光が装備者を優しく包む。


$時間停止   任意のタイミングで自分意外の時間を止める時間魔法。

$時間遡行   ある期間に使用可能になる魔法、自身を1ヶ月前に飛ばす。


914 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/09(土) 06:17:21.11 ID:i7+fDfok0


美樹さやか___________________________________


・サーベル   直剣。突き、斬りのどちらにも使える。


*青の装束   さやかの魔法衣。青、それは冷静と防御の色。


$治癒魔法   全身の治癒能力を上げ、傷を塞ぐ回復魔法。  


巴マミ_____________________________________


・マスケット  単発式マスケット銃。見かけによらず高性能。


*黄の装束   マミの魔法衣。黄、それは命と希望の色。


$形質変化       召喚したリボンを任意の物体に変化させる変形魔法。

$ティロ・フィナーレ  長い魔法少女生活の末、編み出された必殺技。


915 : ◆pOKsi7gf8c [saga]:2012/06/09(土) 06:19:38.64 ID:i7+fDfok0


佐倉杏子____________________________________


・変形ロングスピア    長槍。任意で多節棍に変形可能。 


*赤の装束  杏子の魔法衣。赤、それは情熱と攻撃の色。


$結界    敵の攻撃を防ぎ、味方を守る結界を張る防御魔法。

$幻影    相手の五感に干渉し、幻覚を見せる幻影魔法。


鹿目まどか___________________________________


・鞄    中学校の鞄。教科書を詰めて殴れば、それなりに強い?


*制服   中学校の制服。天然繊維の服より耐火性に優れる。


$なし   -----------




第28章・了


916 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga sage]:2012/06/09(土) 06:21:17.86 ID:i7+fDfok0
お察しの
917 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/06/09(土) 06:23:20.86 ID:C4yVglGE0
918 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga sage]:2012/06/09(土) 06:28:35.02 ID:i7+fDfok0
>>916
 ミスりました。気にしないでください


残りレス的にこのスレでは完結することはできません
なので、このスレはここまでにして続きは次スレにて投下します

書き溜めしていないので、次回予告はありません


それでは、またお会いしましょう
919 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/06/09(土) 07:06:26.42 ID:hCXhJ9sQo
残り80レスも残ってるスレで投下しきれないってどんな量だ期待
920 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/06/09(土) 07:16:23.03 ID:Wz7au4sYo
921 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga sage]:2012/06/09(土) 07:37:46.13 ID:i7+fDfok0
>>919
 保険です
 このスレのペースは約15〜20レス/章なので
 単純に投下できる残りはおよそ4、5章分……展開次第では戦闘中にスレが終わってしまう可能性のあるので


そういえば………家を探してたら、ゲームの取扱説明書が出てきました
人物説明はしていた割に容姿については全く描写していなかったので、ジャンゴ達の姿が分からないという人の多いと思います
残り80も残っているので、差支えなければ画像でも上げていこうと思うのですが………どうですか?
922 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/06/09(土) 07:54:22.49 ID:C4yVglGE0
いいと思います!むしろ、見たいれす。
923 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/06/09(土) 07:56:31.27 ID:v2Yjbhnao
是非ともオナシャス
924 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga sage]:2012/06/09(土) 08:01:31.28 ID:i7+fDfok0
了解しました
今日は用事があるので貼るのは早くても午後からです

後、作者はこういったことは初めてなので、何かともたつくかもしれません
925 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/06/09(土) 08:25:07.17 ID:OjAvAMESo
1000まで投下してもそのまま続きを次スレで投下する人もいるし、別にいいんじゃないかと思うけどな
任せます
926 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/09(土) 09:55:22.23 ID:9tfQeYfIO
はよ魚拓を取らないと…
wiki編集も作者さんにまかせますよ
927 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/09(土) 09:58:14.69 ID:djj0aUmco
乙。最高画質で頼んだ

お兄ちゃんかっこ良いよねお兄ちゃん
928 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/09(土) 10:23:41.75 ID:e8iUH0f2o
抗い、戦い続けること…
それが俺たちの「生きる」ということだ!

ザバタ大好き。なんで死んでしもたんや…
929 :sage :2012/06/09(土) 14:18:20.65 ID:/zljzh930
サバタは死んでないぜ
今も月から見守ってくれてるさ
930 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/09(土) 17:14:48.13 ID:SxVLeUxSO
乙 俺らみたいに知ってる人なら問題無いけど知らない人も居るだろうからね
後本編次スレで書くなら小ネタとか書いちゃっても良いのよ?(チラッ
931 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga sage]:2012/06/09(土) 20:22:37.93 ID:i7+fDfok0
遅くなって申し訳ありません

説明書は無印と続だけ見つかったので、そこから適当に上げていきたいと思います



説明書表紙(無印、続)
http://www1.axfc.net/uploader/Img/so/143906


キャラクター紹介1(無印)
http://www1.axfc.net/uploader/Img/so/143907


キャラクター紹介1(無印)
http://www1.axfc.net/uploader/Img/so/143908


932 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga sage]:2012/06/09(土) 20:33:42.01 ID:i7+fDfok0
ゲームシステムの説明など



太陽銃について(無印)
http://www1.axfc.net/uploader/Img/so/143910


アクション紹介1(無印)
http://www1.axfc.net/uploader/Img/so/143911


アクション紹介2(無印)
http://www1.axfc.net/uploader/Img/so/143913


933 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga sage]:2012/06/09(土) 20:57:08.89 ID:i7+fDfok0
あらすじなど


物語(無印)
http://www1.axfc.net/uploader/Img/so/143914


物語(続)
http://www1.axfc.net/uploader/Img/so/143915


パッケージ(続)
http://www1.axfc.net/uploader/Img/so/143916

※パッケージの人物について
 
 向かって右の黒衣の少年    :暗黒少年 サバタ

 右上の白髪の老人       :鋼鉄のスミス(鍛冶屋)

 右端の長髪の男        :風の戦士 シャイアン(武器屋) 

 ジャンゴの左の黒猫      :冒険者 クロ

 クロの左隣の少女       :スミレ(倉庫番)

 左端の杖を持つ少女      :ひまわり娘 ザジ

 正面から左上の区画      :イモータル一同(ボス敵)


 

ひとまず、用意した画像はこれで終わりです
他にも上げてほしい画像があれば、書き込んでみてください。出来る限り応えていきたいと思います
934 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/06/09(土) 21:51:50.25 ID:HZdvpgqZo

昔読んだボクタイの攻略本に吸血鬼の起源やら吸血鬼の出てくる映画作品やらを紹介してるページがあって、そこで洋画の「ブレイド」も紹介されてたけど、ゾクタイでジャンゴが吸血鬼の力を利用するヴァンパイアハンターになったのはブレイドのオマージュなのかね
935 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/09(土) 23:46:49.23 ID:djj0aUmco
乙。マカロニウエスタン云々は無印の攻略本の解説だったっけな?
936 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/06/10(日) 01:41:15.68 ID:+i312fFa0
乙、やっぱゾクタイだな、ドゥラスロールに後ろから襲いかかってたあの真夏の太陽、リタに後ろから襲いかかってた夜、スミレからもらったチョコレートを奪りやがった犬を全力で殺しにかかった暗黒街、
937 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/06/10(日) 01:46:29.65 ID:R2O6b2+Ro
サバタが使えるようになるジャンゴ浄化前と螺旋の塔はストーリーを投げてまでサバタで遊びまくったわ
938 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/10(日) 02:58:44.85 ID:uyefMOcwo
このSS読んでからボクタイやったんだかど、愚者のカードって繰り返し使えるんだね。ゾクタイのは消費アイテムだったのに。
939 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/06/10(日) 11:10:26.40 ID:9oTUToAW0
「明日もまた日は昇る!」
いい言葉だよね乙
940 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/10(日) 11:42:56.50 ID:bXzREcgDO
エグゼ4でもおてんこさまが「太陽ォ!!!」と叫んでたが作中唯一のボイス入りでワロタ
941 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/06/10(日) 22:34:02.92 ID:H314qltAo

懐かしいな
942 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/12(火) 23:49:39.98 ID:02PPBRZN0
次スレはいつ立つんだ?
943 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/06/12(火) 23:53:12.82 ID:cIAnM+XQo
ここを消費しきってからじゃないの
944 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga sage]:2012/06/13(水) 07:23:55.22 ID:EjPjLStv0
>>942-943
 ここを消費した後に立てようとかは考えていません
 ただ……28章を投下した時点でスットクがゼロになってしまったんです
 だから、続きには時間がかかる……と言うか、時間を下さい

お詫びの気持ちを込めて、次回予告だけお送りいたします 
945 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/06/13(水) 07:25:16.64 ID:EjPjLStv0
信じること、それもまた強さ


 『わたしはここで待ってるよ。みんなの帰りを信じて』


次回:「強くあること」
946 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/06/14(木) 21:50:45.42 ID:CWFJXupAO
おおっ今追いついた!!ボクタイもまどマギも大好きなんで嬉しい!
ゆっくりで良いから是非頑張ってくれ、待ってる!
947 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/16(土) 13:30:36.09 ID:46RXwPWCo
はよ埋めて>>1に続き書いてもらおう
948 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/06/16(土) 13:47:33.16 ID:TNHbXBARo
埋めたら書くわけでもないだろ
949 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/16(土) 19:06:48.89 ID:aY2mXcMqo
>>947
余ったところで書き終えるんだろ?
埋めたら>>1もう書いてくれなくなるよ。
そもそもまだ残ってるのに埋めるのは>>1に失礼だ。
まあここから俺もROMって>>1を待つよ
950 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/16(土) 20:13:47.48 ID:Tsij8R37o
んな急かすなよ
のんびり待とうぜ
951 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/18(月) 16:53:36.44 ID:BtknE9xq0
レスを読んで来い
952 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/19(火) 09:39:06.16 ID:2x2vXG2Jo
誘導

新・ほむら「ボクらの太陽……?」
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