女「君、強くなる気ない？」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) ：2012/05/17(木) 00:24:25.93 ID:TMYi0AWf0

更新は不定期です。
全年齢対象SSですので、R-18目的の方などはお戻りください。
地の文下手なくせに地の文書きたいアホなので、気分を悪くしたらすみません。
大したSS書いてないので、展開が急すぎたりだとか所々にミスは見つかると思いますが、暖かい目でご覧下さい。

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1.5 ：荒巻＠管理人★(お知らせ) [Twitter]： ID:???

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2 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) ：2012/05/17(木) 00:25:14.08 ID:TMYi0AWf0

▼1話　「邂逅」

いつも通りの酷く暑い日だった。
夏休みまで残り1日、つまり今日頑張れば明日からは皆大好き長期休暇である。
僕はというと、毎年夏休みは別に楽しい訳ではない。
こんな出だしで始まるのもなんだが、僕はいじめられている。
しかも、過度ないじめである。
学校に登校するたびに机の上には菊の花が添えられているし、椅子の上には画鋲が乗っている。
教師に相談しようにも、黙認しているんだから意味がない。

3 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) ：2012/05/17(木) 00:25:56.15 ID:TMYi0AWf0

男「ああ、今日も、酷く暑い」

僕は太陽が照りつけ陽炎ができている道を歩きながら、そう呟いた。

同級生A（以下同A）「よう、男」

同級生B（以下同B）「今日も死んだ目してんなー」

絵素江洲高校2年1組、クラスメイトの同級生AとB。
いじめの主犯、不良Aに引っ付いてる金魚のフンである。
死んだ目をしているのも、なにもかもお前らのせいなんだが、まあ言い返さないとしよう。

4 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) ：2012/05/17(木) 00:26:30.14 ID:TMYi0AWf0

男「おはよ…」

同A「あ？お前今俺らに挨拶したの？キモッ喋んなよ」

ギャルA「ちょっと同Aやめなよー、男君かわいそう…ﾌｯだよー」

挨拶をしないと殴るくせに、しても罵倒されるとはこれいかに。
罵倒を浴びながら菊の花をロッカーの上に置き、画鋲を教卓の上の画鋲入れへと戻す。
毎日毎日こんなことを続けるのだから、笑いモノだ。

5 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) ：2012/05/17(木) 00:27:09.63 ID:TMYi0AWf0

不良「うぃー」ｶﾞﾗｯ

いじめの主犯であり、金髪オールバック、赤シャツの上にボタン全開学ランの時代遅れヤンキーが登校してくる。
僕をいじめるためだけに学校に来てるらしい。人生を潰してるのと同じだ。

同A「あ、不良さんおはようございます！」

同B「聞いてくださいよ！男の野郎、調子に乗って俺らに挨拶とかしてんすよ！」

毎日不良が来るたびにこいつらは告げ口をする。
そんなことが日課だなんて、ご苦労な事だ。

6 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) ：2012/05/17(木) 00:27:43.96 ID:TMYi0AWf0

不良「は？まじかよ、おい男テメェちょっとこっちこい」

男「え、もう授業、始まるし」

不良「あ？」

男「…」

逆らってもどうせ勝てないなんてことは明白だ。
だから僕は、今日も後ろからくすくすと笑われながら人気のない体育館裏へと連れていかれるのだ。

不良「てめえよ、なんで毎回俺らにうざい反応するわけ？」

男「別にしたくてしてるわけじゃないよ」

不良「ッ…調子乗ってんじゃ、ねーぞ！！」

7 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) ：2012/05/17(木) 00:28:09.16 ID:TMYi0AWf0

不良の拳が後ろに引いたと思ったら、素早く僕の鳩尾へと降ってくる。
スポーツもなにもやっていない僕は避ける事なんてできるはずもなく、勿論防いだりなんてできない。
鳩尾に拳が減り込み、胃液が逆流してきて、僕はその場で吐いた。

男「ウェッ…う…オェッ」

不良「きったねーな…一生来るんじゃねーこのクズ！」

吐いている僕の頭へ容赦なく不良の踵が落ちてくる。
そこで僕の意識は途絶えた。

8 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) ：2012/05/17(木) 00:28:37.36 ID:TMYi0AWf0

―何時間ここで僕は倒れていたのだろうか。
辺りは夕焼けで赤く染まっていて、校舎外から帰宅する生徒の声が聞こえてくる。
きっと今日は欠席扱いになっているのだろう。折角暑い中登校したのに。
さっさと家に帰ってお茶でも飲もうと、立ち上がる。

？「あ、気がついたんだ」

男「…？」

服に付着していた砂利を払っていると、後ろから声が聞こえた。
20歳程だろうか。150cm強程の華奢な体をした女性が立っていた。

女「あっはっはっは、さっき君を見つけてね。頭から血が出てたからとりあえず応急処置はしておいたよ」

男「え、あ、ありがとう…ございます…」

9 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) ：2012/05/17(木) 00:29:04.14 ID:TMYi0AWf0

踵落としで出血していたのか。
この人が見つけてくれなかったら死んでたかもしれないぞ、あの不良め。

女「見た感じ、いじめられてる？」

男「…」

女「沈黙は肯定とみなすよ」

男「…ええ」

ぱっぱと嘘をついて帰ってしまおうとも考えたが、なぜかこの人に嘘をついても無駄だと思った。

女「唐突すぎるんだけど、君、強くなる気ない？」

男「…は？」

10 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) ：2012/05/17(木) 00:29:35.73 ID:TMYi0AWf0

なにをいきなり言いだすんだ。
この人、頭おかしいんだろうか？
そんな事を頭の中で巡らせながら女性の事をじろじろと観察していると、「すけべ」と呟かれた。
違う、誤解だ。

女「私ね、ここら辺で総合格闘技の道場を開いてて、今日は柔道着を学校に返してもらいにきたの。ここで使ってる柔道着、ウチのなんだよね」

男「あ、そうなんですか…」

女「でさ、ウチって勿論会費払ってきてくれてる人もいるんだけど、私がスカウトした人は払わなくてもいいことになってるの。」

男「ええ、いや、なんで僕なんですか？」

女「だから、君いじめられてるでしょ？だから強くなって、やり返してみない？」

男「えっと、その」

11 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) ：2012/05/17(木) 00:30:17.35 ID:TMYi0AWf0

今までの僕なら一言目には「面倒」二言目には「用事があるんで」とかなんとか言ってあしらっていただろう。
でも、この女性には妙なカリスマがあった。
従う事が当たり前っていうか、従う事が正しいと思わせるような言動。
僕はそんな妙なカリスマに惹かれて

男「やらせてください」

総合格闘技を習う事になってしまったのだ。

12 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) ：2012/05/17(木) 00:31:14.76 ID:TMYi0AWf0

投下終了です。

13 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) ：2012/05/17(木) 00:33:05.29 ID:TMYi0AWf0

1話目というよりかは、プロローグみたいなものです。
自分で投下しながら、「展開早すぎるなー、まあいいか」などと一人で考えたりしてました。
次回投下は週末の予定です。

14 ： ◆lPahCtlWsA ：2012/05/17(木) 00:35:33.60 ID:TMYi0AWf0

とりあえず投下用のトリップを

15 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) ：2012/05/17(木) 00:44:51.81 ID:pxef9I+J0

強くなった男が不良をボコボコにしてる所を早く見たいね