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のび太「これが…ポケモン…」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : [saga]:2012/05/18(金) 11:42:27.46 ID:4+Tb215AO
TV「……ロケット団によるポケモン虐殺事件は後を絶たず、市民の不安は警察組織へと向かっています。早急な対応を求められる警察組織の動きに市民の厳しい目が……」


ドラえもん「最近、ほんと物騒な世の中になったね」

青く艶のある体を光らせながら、ドラえもんは手元にあるリモコンでけだるそうにテレビの電源を切った。

のび太「酷いやつらだ…ロケット団…。許せないよ!」

連日流れるロケット団関連のニュースに憤りを覚えていた僕はつい語気を荒げる。

ドラえもん「君の怒りも最もだ。だけどその怒りは目の前に宿題にぶつけてくれ」

のび太「やる気が出ないよドラえもん」

くるくると鉛筆を指で回す。そもそもせっかくの夏休みに宿題を出すなんてどうかしているよ。休む時はしっかり休むのが良いと僕は思う。

ドラえもん「君はいつも休んでるみたいなもんじゃないか」

最近ドラえもんが僕の心を読んでくるのが悩みだ。

「のび太さーん!」

――外から不意に耳に届く小鳥のさえずりのような声。僕は声の主をよく知っていた。

のび太「しずかちゃん!」

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木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
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いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
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【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
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こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
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2 : [saga]:2012/05/18(金) 12:44:09.03 ID:4+Tb215AO
ドラえもんと共に、玄関へ向かう。

のび太「しずかちゃん!どうしたの?」

しずか「どうしたの…って、今日はオーキド博士に呼ばれて研究所へ行く日でしょ?」

のび太「ああ!そうだ、すっかり忘れてた!」

――僕達の住んでいるこの世界には「ポケモン」と呼ばれる奇妙奇天烈摩訶不思議な生物が大地を、空を、海を闊歩している。
ポケモンの生態については未だに詳しくわかっていない。何処から来て、何処へ向かうのか。それを知る術は未来からやって来たドラえもんにすら知らないという。

しかし人間はそんなポケモンを自由自在に捕え、操る術を身につけた。ある研究者が、弱ったポケモンの調査をしていたところ、そのポケモンは研究者のコンタクトレンズケースにすっぽりと姿を隠してしまったのだ。

この習性から、モンスターボールというポケモン捕獲に特化した道具が作られ、野生のポケモンを自分のパートナーとして連れ歩くトレーナーが現れた。
やがてペット感覚でポケモンを使役するのに飽きた人間は、トレーナー同士で捕まえたポケモンを闘わせるという段階へ進む。それがポケモンバトルである。

――果たして人間は支配者として地球上の頂点に立つことが出来たのか。それとも――
3 : [saga]:2012/05/18(金) 12:54:29.80 ID:4+Tb215AO
――これがポケモンと人間の簡単な歴史だ。一説によればこの地球を創造したのもポケモンらしい。各地に散らばる神話に現れる神々もポケモンなのかもしれない――

何故そんなに詳しいのか?出木杉に聞いたからさ。

オーキド博士とは、このマサラタウンに住むポケモン研究の第一人者だ。


しずか「他の皆はもう向かったわ。私達も行きましょう」

のび太「うん」

ドラえもん「ちょっとのび太君、宿題は?」

のび太「帰ってきたらやるよ」

ドラえもん「またそんなこと言って…。サボらないか心配だから僕もついていくよ」

のび太「じゃあそろそろ行こうか」

しずか「ええ」


――僕はまだこの時知るよしも無かった。これが激動の人生の始まりだったと…
4 : [saga]:2012/05/18(金) 13:04:06.28 ID:4+Tb215AO
のび太「オーキド博士の研究所ってどこだっけ?」

ドラえもん「君は何年ここに住んでいるんだい。町の外れだろ」

のび太「研究所なんか行かないし…」


「ばっかもーーーーーーん!!!!」


ドラえもん「な、なに!?」

雷鳴のように轟いた怒声に一同は体を強張らせる。
辺りを見回すと、どうやら声は僕達に向けられたものではないということがわかった。


オーキド「草むらでは野生のポケモンが飛び出すと言っておるじゃろう!!」

レッド「すみません…」


1番道路とマサラタウンの境でオーキド博士は周りの目も気にせずに怒鳴り散らしている。
帽子のつばを押さえながら俯いているのは、赤井 勇。通称レッドであった。
5 : [saga]:2012/05/18(金) 14:25:31.11 ID:4+Tb215AO
オーキド「野生のポケモンは油断していると大変な目に合うと君もよく知っておるじゃろ!?」

レッド「……はい」


しずか「レッド君、草むらに入っちゃったのね…」

のび太「ポケモンも持ってないないのに…そりゃあオーキド博士も怒発天を突くよ」

ドラえもん「安雄君の件もあったからオーキド博士もピリピリしてるんだろうね」


――安雄。

彼とはよく野球なんかをして一緒に遊ぶ仲であった。

……「あった」

そう言葉を選ぶしか無い。彼はもうこの世にはいないのだから――


しずか「……コラッタ。雑魚ポケモンとして有名で、駆け出しトレーナーの経験値稼ぎで乱獲される……そんな弱々しいイメージしかなかったのに…」

のび太「安雄は馬鹿だったんだ…。昼にチーズフォンデュなんか食べて草むらに入るから…!」

しずか「彼……言ってたわ。明日はチーズフォンデュを食べるんだ!って…。美味しかったのよ…だから舞い上がって…」

のび太「普段大人しいコラッタも、大好物のチーズの香りを纏った肉が無防備に歩いているのを発見して……集団で安雄に…」

ドラえもん「よそう」

しずか「…!そ、そうね…安雄さんも浮かばれないわよね…」

ドラえもん「ネズミの話はうんざりだ」

のび太「今はただ…安雄に永久の安らぎを…」
6 : [saga]:2012/05/18(金) 14:39:24.77 ID:4+Tb215AO
かつての友・安雄の死はあまりにも大きな傷を僕達の心につけると共に、「ペット」「パートナー」として人間社会に根付いたポケモン本来の危険性も教えてくれた。
未来の世界でネズミに耳をかじられ、耳無しネコ型ロボットというマヌケな姿で僕の横に佇むドラえもんは、安雄への哀悼の念よりネズミ(コラッタ)に対する恐怖、憎しみが今は勝っているようだった。


オーキド「お、君達、いい所にいたの!レッドと一緒に研究所へ向かうのじゃ!」

昔はトレーナーとしてもその名を轟かせていたらしいが、こうして見るとその辺りで乾布摩擦でもしてそうジジイと変わらない。


のび太「わかりました。レッド!行こう!」

レッド「ああ」
7 : [saga]:2012/05/18(金) 14:46:36.77 ID:4+Tb215AO
【オーキド研究所】


僕達が研究所に着くと、既に残りのメンバーは揃っていた。


ジャイアン「よお!」


一見するとゴリラポケモンともとる事が出来るが、彼はれっきとした人間である。妹もゴリラポケモンっぽいが人間である。


スネ夫「ドラえもんも来たのか」

ドラえもん「来ちゃ悪いのかい!」


開口一番、皮肉を飛ばしたのはスネ夫。もしも所持金が半分になるような事態になったら一番に彼を頼る。
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県) [sage]:2012/05/18(金) 19:19:31.78 ID:c9ETAKmko
のび太が廃人になる話かと思ってたのに・・・
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/05/19(土) 21:10:12.69 ID:jDdN9g0+0
ロケット団とプラズマ団の思想対立が激しそうな世界だなぁ。[たぬき]がいて何が出来るんだろう
10 : [saga]:2012/05/19(土) 21:42:17.63 ID:80l1M7kAO
オーキド「よしよし、皆そろっておるようじゃの!」

ジャイアン「博士遅いぞ!」

オーキド「すまんすまん!……さて」


慌ただしく自分の研究所にやってきたオーキド博士は、僕達の顔をぐるりと見渡してから納得したような表情で頷き、横に置かれている一際大きなテーブルにモンスターボールを……一つ、二つ、三つ……合計六つ、テンポ良く並べていく。


スネ夫「もしかして…」

ジャイアン「もしかするとよ…」


二人は並べられたモンスターボールの意味に感づいたようだ。かく言う僕も漠然とした期待が大きくなっていくのを感じていた。
11 : [saga]:2012/05/19(土) 21:52:51.58 ID:80l1M7kAO
オーキド「手短に話すぞ。お前達にはこの中からパートナーとなるポケモンを一匹選んでもらい、わしのポケモン図鑑を完成させる旅に出てもらう!」


ジャイアン「うおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!ついに俺にも自分のポケモンが!!!」

スネ夫「何でも買い与えられてきた裕福な僕だけれども、唯一手に入らなかったのがポケモン!!それが僕の手の届く所にあるなんて!!」

のび太「うわわ!ど、ドラえもん!ポケモンくれるんだって!やったよ!」

ドラえもん「良かったねぇのび太君」


ワッ、と歓声が研究所を包む。
今まで大人達に禁止されてきたポケモン…。それが解禁されたとなれば誰だってこうなる。

だが、しずかちゃんは冷静な口調でオーキド博士に問う。


しずか「あの…ポケモン図鑑というのは?」

レッド「博士、俺も気になっていた。それは一体何ですか?」


腕を組みながら壁にもたれ掛かり、帽子を深く被り表情を読み取れないでいたレッドもしずかちゃんに続いた。
12 : [saga]:2012/05/19(土) 22:03:14.07 ID:80l1M7kAO
オーキド「ふむ、ポケモン図鑑というのは、簡単に言えばこのカントー地方で確認されている151匹のポケモンのデータを網羅出来る優れたモバイル端末じゃ。お前達が旅先で新たなポケモンと出会ったり捕まえたりすると、自動的にデータを登録してくれるという、本当に優れたモバイル端末なんじゃよ」

しずか「すごい!」

オーキド「じゃろじゃろ?」

ジャイアン「博士!ポケモン図鑑とかどうでも良いから早くポケモンくれよ!」

オーキド「慌てるでない慌てるでない」

スネ夫「で、でも急に旅とか言われても…ママが心配するし…」

オーキド「心配するでない、既にお前達のご両親からはご了承をいただいておるからの!」
13 : [saga]:2012/05/19(土) 22:17:37.95 ID:80l1M7kAO
オーキド「では、お待ちかねのポケモンチョイスタイムといくかの!」

ジャイアン「待ってましたああああああああ!!!!」


自然と心臓の鼓動が速くなる。ついに、やっと、ようやく、憧れのポケモンが――


グリーン「待ちやがれジジイ!!!」


若い子供の声。鮮やかな緑色のズボン。イカした髪型。
彼の名前は、緑川 開。

ドラえもん「通称グリーン君!驚かさないでくれよ!」

グリーン「通称とか言うな青二号!」

ドラえもん「随分と体に悪そうなあだ名をつけるんじゃあない!!」

オーキド「はて…?君は一体何て名前だったかの?」

グリーン「グリーンだよクソジジイ!!一応あなたの孫なんですがね!」

のび太「グリーンは名前じゃなくてあだ名でしょ?」

グリーン「のび太のくせに的確なツッコミだなオイ!」

スネ夫「のび太のくせに!」

のび太「ドラえも〜〜ん」

ドラえもん「付き合いきれないよ」

レッド「…博士」

オーキド「それでは……各自一個ずつ好きなの選びんしゃい!!」
14 : [saga]:2012/05/19(土) 22:34:09.66 ID:80l1M7kAO
古代スパルタ軍のように雄叫びをあげながらジャイアン、スネ夫、グリーンがテーブルへと突撃する。

のび太「す、すごい剣幕だ…」

レッド「やれやれだ」

しずか「私は残ったので良いわ。どんなポケモンだろうと愛情をこめて育てるもの」


グリーン「へへっ!!俺はこいつだ!」

ジャイアン「あ!ずるいぞグリーン!」

グリーン「ずるいもなにも早い者勝ちだぜ!ポケモンも……人生もなッ!」

オーキド「お、タリーンはゼニガメか」

グリーン「すげえ頭悪そうな名前だな俺!クソジジイ、いいからゼニガメの説明してくんな!」

オーキド「ゼニガメは良いポケモンじゃぞ!泡を吐くしの!」

グリーン「ポケモン博士の説明がそんな簡単で済んじゃダメだろ!……まあいいや、俺はゼニガメに決めたぜ」
15 : [saga]:2012/05/19(土) 22:40:12.79 ID:80l1M7kAO
レッド「…俺はこいつだ」

ジャイアン「あ!!レッド、いつの間に!!」

オーキド「レッドはヒトカゲか!こいつはカッコカワイイしオススメじゃぞ!ただし、弱い内は旅の難易度が他のポケモンと比べてダンチじゃぞ。成長すれば強力な技を次々覚えるがの!あとはしっぽの炎を消さないように注意するんじゃぞ!」

レッド「わかりました。やってみせます」

グリーン「うおい!俺の時と全然説明の質が違うぞクソジジイ!!」

レッド「……」

レッド「……よろしくな、ヒトカゲ」
16 : [saga]:2012/05/19(土) 22:51:50.53 ID:80l1M7kAO
ジャイアン「よし決めた!!俺はコイツにする!」

オーキド「ほお、ワンリキーか。そいつも良いポケモンじゃが、より強くするためには友達を大事にせんといかんぞ」

ジャイアン「友達?なんで?」

オーキド「うるさいの!!自分で考えるんじゃ!!」

ジャイアン「(ええー…)」


年寄りのヒステリーほど見苦しいものはない……いや、ロボットのほうが見苦しいか。
理不尽な攻撃を受け、どことなく哀しい横顔を覗かせるジャイアンをよそに、どうやらスネ夫も決めたようだ。
17 : [saga]:2012/05/19(土) 22:59:00.14 ID:80l1M7kAO
今日はここまでです。
ちなみに、最近のポケモンをあまり知らない方でも楽しんでいただけるように、ポケモンは一応初代のストーリーという事になるので、例外もあるかもしれませんが出てくるポケモンは初代のみになります。ご了承下さい。
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/05/20(日) 12:06:59.59 ID:076LBsg10

面白すぎるwww
19 : [saga]:2012/05/20(日) 20:53:10.08 ID:Dg/k+MtAO
スネ夫「僕はこいつだ!」

オーキド「カモネギか。ハズレじゃのお」

スネ夫「ハズレってなに!?てかハズレとかあったんだ!」

しずか「それじゃあ私はこの子にするわ」

オーキド「おお!ピッピ!かわいいのお、かわいいのお」

ピッピ「ピッ!」

淡いピンク色をした丸っこい体に、クルリとカールした前髪のような毛。なんて愛くるしいポケモンだろうか。
何よりしずかちゃんに抱き抱えられているお前が羨ましいよ。


しずか「かわいい〜」

ピッピ「ピッ、ピッピッピ」

しずか「あはは、甘えん坊さんねぇ。あは、も〜ピッピったら!あはは…え、ん?こ、こらやめ…ちょ、ピッピ…や……やめろっつってんだろおおおおおおおおお!!!」

ピッピ「ギエピーー!!」


――策士。甘えるふりをして、しずかちゃんのお胸を触るなんて自分の愛くるしい風貌を把握した上での作戦。
しずかちゃんの懇親の右ストレートが顔にめり込んだピッピは、そのまま研究所の壁に吹っ飛んでいった。
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/20(日) 20:57:05.37 ID:aU7j3W+DO
穴久保ピッピww
21 : [saga]:2012/05/20(日) 21:02:12.88 ID:Dg/k+MtAO
しずか「オーキド博士ぇ!!返品って受け付けてますかね!?」

オーキド博士「残念ながら承っておらんのじゃよ」

しずか「そ、そんな…」


しずかちゃんはガックリと、よく磨かれた研究所のタイル張りの床に膝を落とした。そりゃそうだろう、これから長い間パートナーとなるポケモンがいんらんポケモンなのだから。


ピッピ「よろしくだっピ」

しずか「グッ……!」

のび太「シャベッタアアァァァァァァァァァァ!!!」

オーキド「ああ、ポケモン図鑑にほんやくコンニャクの機能もつけておいたのじゃよ。ドラえもん殿の協力もあっての」

のび太「い、いつの間にドラえもん…!」

ドラえもん「僕もそろそろ手に職つけないとね」

しずか「見てなさい……早くめっちゃ可愛いポケモン捕まえてあんたなんかパソコンに預けてやるわ…」

ピッピ「……」
22 : [saga]:2012/05/20(日) 21:09:56.07 ID:Dg/k+MtAO
ドラえもん「……さあ、のび太君」


ドラえもんに肩を叩かれ、テーブルに近付く。
六つあったモンスターボールは今や一つ。僕を待っている。


のび太「………」

オーキド「フシギダネじゃの」

のび太「フシギダネ……」


これが僕のポケモン…。

背中に大きな蕾を背負った草タイプのポケモン。
――ああ、そうだな。これから君と僕とは一心同体だ。僕が君の蕾から大輪の花を咲かせてあげる。さあ……行こう!!


フシギダネ「のび太かよ……」ボソッ


のび太「……」

ドラえもん「まあ…ドンマイ」

のび太「ドラえもーーーーん!!今のドンマイは僕に言ったって信じてるからねぇ!!」

ドラえもん「…え?あ、ああ…うん」

のび太「」
23 : [saga]:2012/05/20(日) 21:22:38.80 ID:Dg/k+MtAO
スネ夫「のび太!レッドとグリーンが早速ポケモンバトルするようだぜ!」

のび太「えっ!?」


グリーン「レッド!!俺とお前が選んだポケモン、どっちがつえーか決める時がきたようだな!」

のび太「決める時はやっ!」

レッド「ああ、受けてたとう」

グリーン「そうこなくっちゃなあ!!」


――静寂。そして…


グリーン「いっけえええ!!!ゼニガメーー!!」

ゼニガメ「ゼニゼニィ!!」

レッド「ヒトカゲ…君に決めた!!」

ヒトカゲ「カゲエェェェ!!!」
24 : [saga]:2012/05/20(日) 21:27:46.65 ID:Dg/k+MtAO
のび太「ドラえもん!このバトル、どっちが勝つかな?」


ゼニゼニとヒトカゲ。なんか強そうな外見をしているのはヒトカゲだが…


ドラえもん「いや…甘い」

のび太「え!?」

しずか「ええ…、レッドさんのヒトカゲはほのおタイプ。対するグリーンさんのゼニガメはみずタイプ。タイプ相性的に見ると…レッドさんの圧倒的不利ッ…!」

のび太「え、え、え?」

スネ夫「馬鹿だなのび太。ほのおはみずに弱く、くさはほのおに弱く、みずはくさに弱い。ポケモンにはこのようにタイプによって得手不得手があるのさ」

のび太「なるほど〜」

ドラえもん「シッ!バトルが動くぞ…!」
25 : [saga]:2012/05/20(日) 21:37:46.43 ID:Dg/k+MtAO
グリーン「先手必勝!ってなあ!」

ゼニガメ「よそ見してっとケガするゼニイィィィ!!!」


両足に力を込め、ゼニガメはヒトカゲに向かって走っていく。


ドラえもん「あれは…"体当たり"か!!」

レッド「ヒトカゲ…!」


全体重を乗せたゼニガメの体当たりを、レッドの呼びかけに合わせてすんでのところでヒトカゲはかわす。


ヒトカゲ「…どうした?終わりカゲ?」

ゼニガメ「あ…?終わるわきゃあねえだろ?たまたま避けただけでデケエ口叩くなゼニイィィィィ!!!」

ヒトカゲ「カゲエェェェ!!!」


二匹の闘志かぶつかり合う。まるで熱い炎が、魂を震わせるビートが、この一帯を包んでいるようだ…!


のび太「これが、ポケモンバトル…」

ドラえもん「ああ…目ひんむいてよーく見てな。君も今日からクソあちいソウルを持つポケモントレーナーなんだからよ…」

のび太「へへっ…!なんだか嬉しくって涙がでらあ…!」
26 : [saga]:2012/05/20(日) 22:30:25.65 ID:Dg/k+MtAO
ゼニガメ「ゼニィ!!」

ヒトカゲ「カゲ!!」

ゼニガメ「おりゃゼニィ!!」

ヒトカゲ「どうしたカゲェェェ!!」


のび太「す、すごいよヒトカゲ!ゼニガメの体当たりをギリギリながらも全てかわしている!」

ドラえもん「いや…」

しずか「それも限界ね…」

のび太「限界…!?あああああああ!!ゼニガメの体当たりをかわすために動き回っていたヒトカゲの膝が笑ってらあ!!」

ドラえもん「あの足じゃ次のゼニガメの体当たりをかわすのは不可能…!」

しずか「よく頑張ったわヒトカゲは…」
27 : [saga]:2012/05/20(日) 22:38:51.14 ID:Dg/k+MtAO
ゼニガメ「へへへ…、ヒトカゲさんよぉ!どうした?膝がゲラゲラとオーサカのおばちゃんみたいに爆笑してるぜ!!」

ヒトカゲ「………ッ」

グリーン「レッドぉ…!次で終わらせるぜ…」

レッド「……」

グリーン「辞世の句は無言ってか?お前らしいぜ!!ゼニガメ!!フィニッシュだあああああああ!!!」

ゼニガメ「くらいやがれえええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」


ヒトカゲとは対照的に、いや、それ以上にゼニガメの体当たりのスピードはこれまでで最高のものであった。
疲労が限界に達していたヒトカゲは、ゼニガメの攻撃を避けることなど出来ず、腹に抱え込むようにゼニガメの頭がめり込んだ――


のび太「ああっ!!」

ドラえもん「決まった、か……」

グリーン「おっしゃああああああああ!!!!ゼニガメよくやったぜーーー!!」

ゼニガメ「ゼニゼニゼニ!まあヒトカゲ、お前もよくやったほうだゼニ」

ヒトカゲ「ニヤリ」

ゼニガメ「なッ…!?」

のび太「見て!!ヒトカゲはまだ生きている!!」

ゼニガメ「何故てめえは笑っていられるーーーーッ!?」
28 : [saga]:2012/05/20(日) 22:46:37.06 ID:Dg/k+MtAO
ドラえもん「そうか…!」

しずか「そういうことね…!」

のび太「なになに〜?僕にもわかるように言ってよぉ!」

ドラえもん「ヒトカゲはただゼニガメの体当たりをかわしているだけじゃなかったのさ。ヒトカゲはかわすと同時に…」

しずか「"なきごえ"をゼニガメにぶつけていたのよ」

のび太「なきごえ?」

スネ夫「相手のこうげきを一段階下げる効果さ。そんなことも知らないて馬鹿だな」

ジャイアン「俺も知らなかったぞ」

スネ夫「え、い、いや…」

ジャイアン「俺が馬鹿だってかあああああああ!!!」

スネ夫「ママアアァァァァァァァァァァ!!!」

のび太「…あ!!そうか…、ヒトカゲがゼニガメのこうげきを下げていたから体当たりを食らっても平気なんだ!」

ドラえもん「いまやゼニガメの攻撃力はのび太君以下ってわけさ」

しずか「そしてヒトカゲ……いえ、レッドさんの目的は…」

ドラえもん「ゼニガメを攻撃範囲内に入れること…!」
29 : [saga]:2012/05/20(日) 22:56:23.50 ID:Dg/k+MtAO
ゼニガメ「く、クソッ!!はなしやがれ!!」

ヒトカゲ「立場逆転カゲ」


ニヤ、と笑ったかのように見えたヒトカゲはおもむろに右手を振り上げる。その先には全てを切り刻むかのごと光る、鋭い爪があった。


ゼニガメ「ま、まて!話せばわかる!!」

ヒトカゲ「……」


ヒトカゲはレッドを見た。


レッド「……ヒトカゲ」


その一言で全てを理解したヒトカゲはゼニガメへ向き直り――


レッド「"ひっかく"!!」

ヒトカゲ「カゲエェェェェェェェェェェ!!!!」

ゼニガメ「ゼニイィィィィィィィィィィィィィィ!!!!」


ゼニガメの断末魔が、あまり広いとは言えない研究所から聞こえなくなると、じゅるりと己の爪の切っ先に付着した血液をなめとるヒトカゲの足元にゼニガメは力無く横たわった――


グリーン「ま、負けた……だと……」

レッド「バトルは力だけじゃない」

グリーン「く……くそおおおおおおおおおお!!!!」


僕らのポケモンバトルはこうして壮絶な幕開けとなった。レッドの最後の言葉は、これから闘いへ赴く僕等に対しても向けられているように思えた。
黙りこくる僕等は、ただただ響き渡るグリーンの叫びを聞きながら、何を思うのか――
30 : [saga]:2012/05/20(日) 23:08:12.48 ID:Dg/k+MtAO
【のび家】


のび太「なんだか自信無くしちゃったよ……」

ドラえもん「初っ端から凄いポケモンバトル見せられちゃ、ね」


はあ、と深いため息をつき、フシギダネの入ったモンスターボールを手に取る。
僕はこいつと旅を上手くやっていけるのだろうか?バトルに勝つなんて可能なのだろうか?僕なんか昼寝していたほうが良いんじゃないだろうか?

――考えれば考えるほど、自信が無くなっていく。やはり僕には――


ドラえもん「君なら大丈夫だよ。いつも見てきた僕が言うんだから間違いないさ」

のび太「ドラえもん……」


……そうだ。やってみなきゃ、わからない。


ドラえもん「僕も着いていくからさ」

のび太「ドラえも〜ん!」

ドラえもん「はっはっは!こいつめぇ!はっはっは!」


――そして夜が更ける……。


TO BE CONTINUED
31 : [saga]:2012/05/20(日) 23:20:15.69 ID:Dg/k+MtAO
今日はここまでです。
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/20(日) 23:21:32.41 ID:jEY4XxiIO
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/21(月) 00:40:40.11 ID:R0y2J62d0
34 : [saga]:2012/05/22(火) 18:58:34.50 ID:od8XF16AO
【1番道路】


フシギダネ「………」

コラッタ「………」

ドラえもん「クソネズミ野郎……僕がたたきのめしてやる」

のび太「ドラえもんは引っ込んでいてくれ!……これは僕の初めての野生ポケモンとのバトルなんだ。あわよくばコラッタもゲットしてやる…!」


のび太「いけフシギダネ!体当たりだ!!」

フシギダネ「ダネフッシャアアアアアアア!!!」


緊張で裏返りそうな僕の声に、フシギダネは雄叫びをあげてコラッタへと迫る。


コラッタ「ッタ!!」

のび太「な、避けた!?」

ドラえもん「あのネズミ野郎やるじゃねえか」


敵ながら見事と褒めたたえるしかないコラッタの動きに、思わずドラえもんと目を合わせる。

――だが、次の瞬間、コラッタへの称賛の念は驚愕へと変わった。


コラッタ「……そんな動きじゃ俺は倒せねえぞ?コラッタだからって舐めてかかると、あの人間のガキみたいにまた喰ってやるッタ」

ドラえもん「!!!」

のび太「て、てめえが…!安雄を!?」
35 : [saga]:2012/05/22(火) 19:09:50.39 ID:od8XF16AO
コラッタ「安雄って言ったのかあのガキ。美味そう匂い撒き散らしながら馬鹿みてえに縄張りに入ってきたからよ……そりゃあ『喰ってやるのが野生の礼儀』ってもんだろッタ!?」

のび太「コラッタ……!お前だけは僕の手で始末してやる!」

フシギダネ「のび太…手貸すダネよ」

のび太「ああ、頼んだぞフシギダネ!お前と僕とで初の勝利をこの手に収めるんだ!ドラえもん!」

ドラえもん「あいよ!」


素早く四次元ポケットにそのしなやかな剛腕を突っ込み、僕が望んだ秘密道具を教えずとも引っ張り出し、僕に向かって投げる。
――ドラえもん。やっぱり君は何でもお見通しなんだな。


のび太「『熱線銃』!君に決めた!!」


受け取ると同時に引き金に指をかけ、ためらいなくコラッタに向け、引く。
僕までもがその凄まじい熱気で蒸発してしまうのではないかと思えるほどの熱線が銃口から放たれ、


コラッタ「ぎゃああああああああああ!!!!」

コラッタ「ああああああ…………」


コラッタはこの世界からその痕跡を消した。


ドラえもん「さすがのび太君、銃の腕前はピカイチだ」

のび太「安雄の事を考えたら、迷いなんてすぐ消えたよ」

フシギダネ「」
36 : [saga]:2012/05/22(火) 19:18:23.89 ID:od8XF16AO
【トキワシティ】


ドラえもん「あ、のび太君、しずかちゃんだよ」

のび太「ホントだ!しずかちゃ〜ん!こんなところで何してるの?」

しずか「あらのび太さん。いえ、早速ジムに挑もうと思ったんだけど、どうやら閉まっているみたいなの」

ピッピ「やっていないなら仕方ないっピね。早くマサラタウンに帰るっピ」

しずか「オーキド博士から死ぬまでこき使って良いって言われてるから、このままニビシティに向かって死に物狂いでニビジム戦やってもらうわよ」

ピッピ「ゾ〜ッ」

のび太「そうかぁ、やってないのか…。今ならジム戦もいけそうな気がしてたのに」

しずか「自信満々ねのび太さん」

フシギダネ「……」

ピッピ「元気ないっピね」

しずか「フシギダネさん!のび太さんを頼んだわね!」

フシギダネ「あ、はい」
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/22(火) 19:21:03.33 ID:wmPN9USDO
そこはフシギダネにコラッタフルボッコさせてから消せよwwwwwwwwww
38 : [saga]:2012/05/22(火) 19:29:24.06 ID:od8XF16AO
のび太「じゃあ僕達もニビシティに行くとするか……ん?あの道は?」

ドラえもん「あの道はセキエイ高原へ続いているんだよ。その先にはポケモントレーナー夢の舞台、ポケモンリーグ本部さ」


ポケモンリーグ本部。
それは幾多の激戦を闘い抜いた真のトレーナーのみが赴く事の出来る場所。
ポケモントレーナーは各地の街に散らばるジムで、ジムリーダーを倒し、その証となるバッジを八つ集めることで、ポケモンリーグ本部に力を認められる。
そして四天王と呼ばれる最強最悪のポケモントレーナー達と闘い、己を力を持ってして彼等を屈服させる事が出来れば、ポケモントレーナー界の頂点「チャンピオン」の地位を手に入れる事が出来るのである。


のび太「いつかは僕もチャンピオンになってみたいなぁ」

しずか「私も負けないわよ」

ドラえもん「夢を見るのは自由だからね。さあニビシティへ急ごう」
39 : [saga]:2012/05/22(火) 20:19:25.11 ID:od8XF16AO
【トキワの森】


のび太「ニビシティに行くにはこの森を抜けなきゃいけないんだね」

ドラえもん「しずかちゃんはさっさと行っちゃったね。僕達も早く抜けようか」


スネ夫「ママアアァァァァァァァァァァ!!!」


のび太「!今の声はスネ夫!?」


むしとり少年「おいてめえ、ピーピー泣いてないで早く金出せよオラ!」

スネ夫「まだバトルもしてないのにぃ!!」

ビードル「るせぇ!!どうせ俺らに負けるんだから金出すのが早いか遅いかの違いだろおが!円でもドルでも良いからよこせドル!」


のび太「スネ夫がむしとり少年に絡まれてる!ど、ドラえもん」

ドラえもん「ロケット団による治安悪化の影響でトレーナーの民度も下がってるみたいだね。のび太君、ポケモンバトルの良い機会だ。ついでにスネ夫も助けておいで」

のび太「そ、そんなぁ」
40 : [saga]:2012/05/22(火) 20:25:43.77 ID:od8XF16AO
ドラえもん「やかましいむしとり少年はどこのどいつだい?」

のび太「ドラえもん、何を…」

むしとり少年「あ?新種のポケモンか?」

ドラえもん「ポケモンなんかと一緒にされるのは心外だね。のび太君、やっておいで」

のび太「け、結局ぼくぅ」

ビードル「おいおいおい、俺らも随分と甘く見られたもんだな。ビードルなめてっと毒針刺すぞコラァ!!」

むしとり少年「ビードル、このマザコン坊やにも飽きてきたころだ。そのメガネザルで新しいオモチャを作ろうぜぇ!!」

のび太「ドラえもーん!!」


ドラえもん「……ファイッ!!」
41 : [saga]:2012/05/22(火) 20:34:59.56 ID:od8XF16AO
のび太「や、やるしかないのか!」

フシギダネ「……!!あぶねぇのび太ァ!!」


――しまった。

気が付くと僕の目の前に、木々の間から降り注ぐ木漏れ日に照らされたビードルの毒針が正に僕の眼鏡を突き破り、眼球を貫かんとしていた。

――ポケモンバトルはポケモンとポケモンとの真剣勝負。ポケモンがトレーナーを直接攻撃することは無いという思い込みが確かに僕の価値観の中で燦然とそびえていたのだ――


フシギダネ「つるのムチ!!ダネフッシャアアアアアアア!!」


刹那、フシギダネの蕾から二本の蔦が鞭のようにしなり、毒針をたたき落とした。


のび太「フシギダネ!!」

フシギダネ「ボサッとしてんな!!…しずかの言った通りまだまだ俺がしっかりしねえとダメみたいだな!」

のび太「ふ…。言うじゃないか。だが今ので僕にも火がついた!いくぞフシギダネ!!」
42 : [saga]:2012/05/22(火) 20:44:08.21 ID:od8XF16AO
ドラえもん「(ふむ、案外良いコンビじゃないか。嫉妬しちゃうよ)」

のび太「フシギダネ!!そのままつるのムチでぶちのめせええぇぇぇぇぇ!!!」

フシギダネ「せいやああああああああああ!!!」

むしとり少年「ビードル!"いとをはく"!!」

ビードル「ぷっしゅるるるるるるるるるるる」


ビードルの口から放たれた白い糸は見た目の脆弱さとは裏腹に、フシギダネのつるのムチに一歩も引かないパワーであるようで、自らへの攻撃をたやすく防ぐ。


ドラえもん「相手のすばやさを一段階下げる"いとをはく"をあのように使うとは、あのビードル、相当のレベルか…」

むしとり少年「俺のビードルは世界最強のビードル!!トキワの森を何年も牛耳ってきたビードルの中のビードルなのさ!」

ビードル「人生はみじけえ……一度は人間の元で新たな縄張りを開拓するってのも良いかと思ってなドル!」
43 : [saga]:2012/05/22(火) 20:54:11.74 ID:od8XF16AO
のび太「くッ…!!か、勝てるのか僕は!?」

フシギダネ「ダネ…!!」

ビードル「ほれほれぇ、どうしたどうしたあ!?ご自慢のつるのムチはたかが芋虫の糸に負けるってのかあ!?」

フシギダネ「だがこのままじゃお前も動けないダネよ…!」

ビードル「これでいいのさ、止めはうちのダンナが直接さしてくれるドル」

フシギダネ「なッ…!?」

ビードル「俺はお前の動きさえ封じていればそれで良いのよ…!あとはてめえのご主人様をゆっくりと嬲ってから金を頂く!!そのあとはてめえも頂いてロケット団に売り飛ばすドル!!ヒャハハハハハハハ!!!」

のび太「ろ、ロケット団!?」

ドラえもん「なんとまあ……まさか直接ロケット団に繋がっているとはね」

むしとり少年「そういうわけだメガネザル、お前にはじっくりと俺の虫ポケモンコレクション共の遊び相手になってもらうぜぇ…!」

のび太「わ、わわわ!ドラえもん!!」

ドラえもん「はあ…仕方ない…『熱線…


「待ちな」
44 : [saga]:2012/05/22(火) 21:11:52.13 ID:od8XF16AO
むしとり少年「だ、誰だ!?」


ピカチュウ「よお、ビードル」

ビードル「て、てめえはピカチュウ!!何しに来やがった!!」


のび太「ピカチュウだぁ!やっぱりピカチュウは可愛いな〜〜〜〜〜」


ピカチュウ「いやなに、どこかのビードルさんが身動き取れなくなってるって風の噂で聞いてな」

ビードル「チッ…!今は取り込み中だ!お前の相手をしているヒマはねえ!!」

ピカチュウ「随分と尊大じゃないか。人間の下について自分まで強くなったと勘違いしたピカ?」

ビードル「はあ!?ざっけんな!!俺は元からつよ…」

ピカチュウ「おい知ってるかトレーナーさんたち!ここにいるビードルはこの森で自分の縄張りのショバ代をちょろまかして俺らに追われてたピカ。どこ行ったかと思えば人間のところへ逃げ込んでたとはなぁ」

ピカチュウ「情けねえクズポケだな」

ビードル「ぐっ……うぅ…!」
45 : [saga]:2012/05/22(火) 21:21:44.78 ID:od8XF16AO
ピカチュウ「まあいいピカ。お前がクズだろうがカスだろうが俺もやることやんねえと下に示しがつかないチュウ」

ピカチュウ「おい、そこのけったいなツボミ野郎、そのまま捕まえといてくれピカ」

フシギダネ「ダ、ダネ」

のび太「フシギダネが怯えている…?」

ピカチュウ「よし、そんじゃちゃちゃっと済ませますピカ」

ビードル「ひっ……ピ、ピカチュウ……さん!!すみませんでした!!ショバ代は必ず渡します!!一週間後!い、いや、三日後に!!」

ピカチュウ「最後ぐらい潔くしてろ。それがポケモンってもんだろ」

ビードル「ひッ……!」

ピカチュウ「神鳴り」


――何処からともなく分厚い雲が空を覆い、木漏れ日すら奪いさったソレは、轟音と共に天から雷の剣を振り落とし、考える暇も、いや、苦痛という感覚を与えることなくビードルの命を奪いさった。
46 : [saga]:2012/05/22(火) 22:18:20.88 ID:od8XF16AO
なんか中途半端ですが今日はここまでで。
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/22(火) 22:49:41.38 ID:KKjHt0CDo

期待してる
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/23(水) 00:07:26.24 ID:Tcr1GjHG0


49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/23(水) 00:07:56.28 ID:Tcr1GjHG0


50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/23(水) 00:10:14.05 ID:uyKx5ZNHo
乙!神鳴りwww
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/05/23(水) 02:21:23.77 ID:arcnV9tEo
ピカチュウさんパネェwwwwwwww
52 : [sage]:2012/05/24(木) 19:23:57.60 ID:seGXDW+AO
のび太「す、すごい…」

むしとり少年「ひ、ひゃはは……やりやがったなッ!!俺にこんな辱めを…!!死んだぜ黄色!?俺のバックにはなぁ…ロケット団がついてるんだよォ!!」

ピカチュウ「わりぃな、俺もロケット団だピカ」

のび太「ええ!?こんな可愛いピカチュウがロケット団!?信じられない……」

むしとり「なっ……、そ、そうさ、証拠はあんのか証拠はよォ!?てめえみたいに顔だけで生きてるような甘ちゃんポケモンがロケット団なわきゃねぇーーーーッ!!」

ピカチュウ「まあそりゃそうピカ。ほれ」


どこからともなく取り出した一枚の写真をピカチュウは指で弾く。


むしとり少年「………そ、そんな…」

ピカチュウ「若い時のやつだから俺だってわかんねえかもな」

のび太「ちょっと見せて」

のび太「……うわあ!!」

のび太「ピ、ピカチュウがロケット団ボスのサカキとパンツ一丁でカメラに向かってピースしながら肩組んでる!!!」

ピカチュウ「若気の至りってやつよ。その頃はあいつも真面目なチンピラだったんだがな。って俺もか!ピーピッチュッチュッチュッチュッチュッ!!」
53 : [sage]:2012/05/24(木) 19:41:00.21 ID:seGXDW+AO
ピカチュウ「チューわけだボウズ。あんま組の名前出してはしゃいでると、あの糞芋虫みたいになるぜ?」

むしとり少年「ひ、ひいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!すみませんでしたああぁぁぁぁぁ!!」

ピカチュウ「わかったからいけ」

むしとり少年「はいぃぃぃぃぃぃぃ!!」


――彼のアイデンティティであるむしとりグッズ一式を置いて走って行くほど、彼は脅え、恐れおののいていたのだろう。しかし彼もまだ若い。これを機に真っ当な人生を歩み、昆虫の良さを人々に広める素晴らしい人間になってもらいたいものだ。


スネ夫「ピ、ピカチュウ!助けてくれてありがとなぁ!」

[たぬき]「スネ夫君いたんだ」

ピカチュウ「馴れ馴れしいガキが。気安く触んじゃねえピカ!!」

スネ夫「ああ!!」

ピカチュウ「自分の尻は自分で拭け。この世は、己か敵か、そうだと心得ろ。油断したやつから死んでいく。それがこの世ってやつチュウ!!」

スネ夫「ママアアァァァァァァァァァァ!!!」

のび太「ドラえもぉん、モンスターボールってまだあった?」

[たぬき]「ゴロゴロあるよ。ほら」

のび太「ありがとう。う〜、緊張するなぁ」

[たぬき]「最初が肝心だからね」

のび太「そうだね!……いっけえええええ!!!」


――ロケット団?それがどうした。強くて、可愛いピカチュウ!最高のポケモンじゃないか!思い切り投げられたモンスターボールは一直線にピカチュウに向かって飛んでいく。まるで僕のピカチュウへの情熱を現しているかのように、ただ一直線に。
ビリッ!と乾いた音が空気を振動させる。
呆けたマヌケヅラで黒焦げになったモンスターボールを確認し、残念ながら捕獲に失敗したことに気付かされる。


のび太「あちゃー、失敗したかぁ」

[たぬき]「諦めないでどんどん行こう」

ピカチュウ「てめえら死んだぜ…?」
54 : [saga]:2012/05/24(木) 19:47:07.13 ID:seGXDW+AO
【ニビシティ】


――まどろむ眼を覚ますと、そこには新しい街並みが広がっていた。
旅というのは何て不思議なものなんだろう。まるで夢の世界をさ迷っているみたいだ。


ドラえもん「やっと起きたね。ピカチュウの電撃で意識を失った君をここまで運ぶのは中々大変だったよ」

のび太「どうりで節々が痺れると思ったよ」

ドラえもん「きかいタイプの僕にはピカチュウみたいなでんきタイプは天敵だからね。それ以前にネズミってだけでノーサンキューだけど」
55 : [saga]:2012/05/24(木) 20:39:14.57 ID:seGXDW+AO
のび太「ところでピカチュウは?」

ドラえもん「スモールライトで小さくしといたけど、時間が経てば元に戻るからさっさとジム行ってバッジ手に入れて次の街へ行こう」

のび太「もっとゆっくり旅を楽しみたかったなあ」

ドラえもん「……ん?あれはジャイアンじゃないか?」

のび太「ホントだ。ジャイアンのやつ、ジムから出て来たよ!おーいジャイアン!」

ジャイアン「お、のび太にドラえもんじゃねえか」

のび太「今ジムから出て来たけど……」

ジャイアン「ああ、ここのジム楽勝だったぜ。ワンリキーノーダメの完全試合だったわ。どうやら最初にチャンピオンになるのは俺みたいだな」

のび太「そうなの?ジムリーダーってのも案外僕達と変わらないレベルなんだね」

ジャイアン「拍子抜けだぜ。それじゃあ俺は次の街で二つ目のバッジを手に入れてくるとするか!」

のび太「ばいばーい」

ドラえもん「さて僕達もジャイアンに負けないようにジムへ行くよ」
56 : [saga]:2012/05/24(木) 20:49:12.78 ID:seGXDW+AO
【ニビジム】


オッサン「おーす、未来のチャンピオン!」

のび太「……」

ドラえもん「……」

のび太「ねえ、あの人いきなり意味のわからないこと言ってるけど、僕達に言ってるのかな」

ドラえもん「最近暖かくなってきたからねえ。ああいう人も出てくるさ。無視して先へ進もう」

のび太「うん」

オッサン「おーす!!全部聞こえてるんだわ!俺はジムへ挑戦する若者にアドバイスを贈りたいだけの優しいお節介オッサンだよ」

のび太「うわあ…」

ドラえもん「自分で優しいとか言っちゃうところがね」

オッサン「いいからアドバイス聞いてってよお!オッサン寂しいの!!」

のび太「ああもう……わかりましたから泣かないで下さい」

ドラえもん「関わらない方がいいよ」

のび太「大丈夫、いざとなればフシギダネにドラえもんがいるさ」

ドラえもん「そうだね、小さくしたり溶かしたり、四次元に放り込むってのもあるし」

オッサン「こわッ!君達サラっとこわッ!オッサン、恐怖でチワワみたいに小刻みに震えちゃうわ〜」

ドラえもん「行こうか」

のび太「うん」

オッサン「待てッ!!……聞きたくないか?ここのジムリーダー、タケシが使うポケモンについて」

のび太「ほう…」
57 : [saga]:2012/05/24(木) 20:57:04.18 ID:seGXDW+AO
オッサン「よし。タケシはいわタイプのポケモンを好んで使うぞ」

ドラえもん「いわタイプか。みずやくさタイプなんかに弱いね。フシギダネがドハマリじゃないか」

のび太「こりゃあいただいたかな」

オッサン「良いアドバイスだろう?ただな…」

のび太「ただ?」

オッサン「お前の前に来たゴリラみたいな少年にタケシはたたきのめされたから、いつも使ってるポケモンが今は使えない。だからいつもはお留守番してるようなポケモンが出てくるだろうな」

ドラえもん「いわばベンチを暖めてる選手が、スタメンがケガで休んだ時に急遽呼ばれるみたいなものか。なら普段よりレベルが低いポケモンってことだね」

のび太「そりゃあバッジを手に入れたも同然じゃないか!ラッキーボーイだなぁ僕」

オッサン「おーす!じゃあ頑張ってこいよ!」

のび太「ありがとうおじさん!意外に役に立ったよ」

ドラえもん「オッサンも捨てたもんじゃないな」
58 : [saga]:2012/05/24(木) 21:58:24.69 ID:seGXDW+AO
のび太「ここがジムリーダーの間だね。……あ!見てドラえもん!あそこに腕組んで仁王立ちしている人がいるよ!みるからにジムリーダーっぽい雰囲気だ!」

ドラえもん「ジャイアンにこてんぱんにされたのに、あのふてぶてしい態度。滑稽だね」

タケシ「随分と口が達者なポケモンを持っているトレーナーだな。ポケモンはトレーナーに似るというから君がしっかり世話をしなければダメだぞ」

のび太「そうなんですよ。口ばっかり生意気で」

ドラえもん「じゃあ僕が戦おう。えーと『地球破壊爆…」

のび太「そんなことしたら世界が滅びるよぉ!……やいタケシ!…ジャイアンと同じ名前だな。やいジャイアン!」

タケシ「ジャイアンって誰?」

ドラえもん「のび太君、ジャイアン=たけし、だけど、たけし=タケシではないよ」

のび太「そうか…。やいタケシ!ジャイアンってのは僕の前にお前をこてんぱんにしたヤツだ!それでお前のポケモンもセンター送りにされてるのも知っている!大人しくバッジを渡すんだ!」

ドラえもん「勝てると思う相手には態度がでかいね」

タケシ「なるほど、あいつの友達か。あいつはかくとうタイプのポケモンを使っていたから俺のいわポケモンが粉々にされてしまった。それは認めよう」

のび太「そして僕はくさタイプのポケモンを持っている!お前に勝ち目はないぞ!」

タケシ「かくとうの次はくさか。今日は厄日のようだが致し方ない。ジムリーダーとして君の相手をしてあげよう!」


――タケシは高らかにそう言うと、腰に付いているモンスターボールを一つ取り、広々とした土造りのバトル場へと投げる――


のび太「何がくるかな」

ドラえもん「どうせイシツブテでしょ」

タケシ「こいつを出すのは躊躇われるが、こいつしかいないのだから仕方ない!いでよ!ゴローニャ!!」

ゴローニャ「おおおおおおおおおおおおお!!!!」


のび太「ドラえもん、あれはイシツブテより弱いの?僕の眼鏡の調子が悪いのか、すごい凶悪そうなツラをしているように見えるよ」

ドラえもん「あれはイシツブテの最終進化系だね。君の眼鏡は自慢出来る代物らしい」
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga sage]:2012/05/24(木) 22:08:04.31 ID:tgv+W9U50
殿堂入り後の再戦用メンバーじゃないですかーやだー!!
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/05/24(木) 22:10:30.67 ID:NM1bABp5o
強すぎて封印されていたパターンだったか
61 : [saga]:2012/05/24(木) 22:18:49.06 ID:seGXDW+AO
のび太「と、とにかくフシギダネ!君に決めた!」

フシギダネ「ダネフッシャアアアアアアア!!活躍らしい活躍してない俺が輝けるジムリーダー戦か!!しかも相手はいわタイプ……ダネエエエエエ!!」

ゴローニャ「おおおおおおおおおおお!!!」

フシギダネ「あんなん無理に決まってんだろ聞いてねえよ!!てかここ最初のジムじゃねえのかよ!」

ドラえもん「フシギダネ、ポケモンバトルはレベルじゃない。大事なのはタイプ相性だ。ゴローニャはいわ・じめんタイプ。君の技なら二倍×二倍で四倍だ」

のび太「フシギダネ、君なら出来るよ!だって君は素晴らしいポケモンなんだから!」

フシギダネ「…お、おう。ちったーポケモンの良い育て方ってのをわかってきたみたいダネ。やってやるよ!!先手必勝つるのムチ!!」


二本の淫らな緑の触手が、ごつごとした逞しい岩の塊で雄の獣臭さを包み込んだゴローニャの身体に襲い掛かる!


――ぺちん、ぺちん、とプリプリの桃のような張りのある尻に、手首のスナップをよく利かせてリズム良く盆踊りの矢倉太鼓のように叩いた音が(後にドラえもんが語った表現であるが)、響いた。


ゴローニャ「あ〜、気持ちいいニャ。だけどそんな刺激じゃ俺は満足出来ないニャアアアアアアア!!!」

フシギダネ「よ、四倍ダメージを気持ちいいだとォ!?」

タケシ「このゴローニャはMでね」

のび太「どういう意味?」

ドラえもん「耐久型ってことさ」
62 : [saga]:2012/05/24(木) 22:28:05.63 ID:seGXDW+AO
ゴローニャ「さあさあ!早く俺を満足させねえと、どんどん"かたくなる"ニャ!!」

のび太「うぅ!?ゴローニャの身体が!」

ドラえもん「"かたくなる"で防御力を一段階上げてきたか。これでより激しいプレイにも耐える事が可能だ」

フシギダネ「くッ!!つるのムチ!!」


――ぺちん。


ゴローニャ「ニャアアアアアアア!!"かたくなる"ぞおおおおおお」

フシギダネ「クソォ!!」


――ぺちん。


ゴローニャ「かたくなっちゃううぅぅぅぅぅぅ!!!」

のび太「まるで要塞だよぉ!!」

ドラえもん「ゴローニャはアタッカーという常識を崩す、耐久型か…。まさに変態だ」
63 : [saga]:2012/05/24(木) 22:40:25.06 ID:seGXDW+AO
のび太「このままじゃ手に負えなくなるよぉ!」

タケシ「ははははははは!!!今までこのゴローニャを満足させられたやつはいない!」

ゴローニャ「ニャアアアアアアアン!!!」

のび太「そんな……僕は最初のジムすら勝つ事が出来ないのか…。やっぱり僕は家で寝てマンガ読んでゲームしてるのがお似合いの人間なんだ…」

ドラえもん「諦めるのはまだ早いよ」

のび太「そんな慰めいらないよ…」

ドラえもん「フシギダネを見てごらん」

のび太「え?」

フシギダネ「……」

のび太「なんだかモジモジしてるよ。おしっこでも我慢してるのかな」

ドラえもん「いや、あれは…」

フシギダネ「(な、なんかツボミから出そうダネ……。出しちゃいけないけど出したい、もどかしいダネェ……ああ!もう我慢出来ないダネ!出ちゃうダネ!ダネェ!出ちゃう!)」

フシギダネ「ダネエエエエエェェェェェ!!!」


――果てるかのようなフシギダネの雄叫びと共に、彼のたわわに実ったツボミから、ポップコーンのように小気味よい炸裂音を連れながら丸いタネのような物体が発射され、ゴローニャの逞しいボディに無事着陸成功した。


タケシ「ん!?なんだあの怪しげなモノは!」

ドラえもん「やどりぎのたね―パラサイト・シード―」
64 : [saga]:2012/05/24(木) 22:56:56.37 ID:seGXDW+AO
今日はここまでです。毎回もっと投下出来れば良いんですが…
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/24(木) 23:29:21.10 ID:0UdN3K+Qo
66 : [saga]:2012/05/27(日) 23:23:57.19 ID:a5rN35jAO
のび太「やどりぎのタネ!?」

ゴローニャ「う…」

タケシ「ま、まずい!!」

ゴローニャ「うにゃあああああああああああん」

ドラえもん「やどりぎのタネは継続的に相手の体力を奪う。例え相手が防御力をいくらあげようとも意味は無い!」

のび太「凄いぞー偉いぞーフシギダネー!!……でもあまりゴローニャには効いていないみたいだよ!?これじゃ体力を吸いきる前にゴローニャの攻撃で…!」

タケシ「俺のゴローニャの技構成は"かたくなる""まるくなる""どくどく"…そして」

ドラえもん「成る程。完全なロマン型か。どくどくもどくタイプを持つフシギダネには効果は無い」

タケシ「"だいばくはつ"」

のび太「え?」

ドラえもん「逃げるぞのび太君」

ゴローニャ「おおおおおおおおおおおおおお!!!!」


――まばゆい光がゴローニャの身体から溢れ出したかと思うと、その瞬間、ゴローニャの肉体は全てを無に帰すほどのエネルギーを放出しながら、爆ぜた――
67 : [saga]:2012/05/27(日) 23:33:09.93 ID:a5rN35jAO
【ニビジム跡】


のび太「めがね…めがね…………っと、これかな……」

フシギダネ「死ーん」

のび太「フシギダネぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

ドラえもん「ふう。ニビジムリーダー、タケシ。最後は潔く自分のジムもろとも破壊するとは…流石だね」

のび太「なにを冷静な傍観者でいるつもりなんだドラえもおおおおおん!!フシギダネがあああああ!!!」

ドラえもん「原形を留めているだけ奇跡だよ。それぐらいポケモンセンターに行けば問題無しさ」

タケシ「やあ、みんな無事でなによりだ」

のび太「生きていたのかタケシ!!」

タケシ「伊達にジムリーダーをやっていないさ。さて、君にはこれを渡さないとな」

のび太「これは…」

タケシ「グレーバッジさ。互いのポケモンは瀕死の状態だが、先にゴローニャがだいばくはつで瀕死になってしまったからね。紛れも無い君の勝利だ」

のび太「え……」

ドラえもん「良かったね、のび太君」

のび太「グレーバッジ、ゲットだじぇい!!!」

フシギダネ「死ーん」
68 : [saga]:2012/05/27(日) 23:43:49.95 ID:a5rN35jAO
【ニビシティポケモンセンター】


ジョーイさん「お待たせしました。フシギダネはすっかり元気になりましたよ」

フシギダネ「生き返ったわ〜」

のび太「良かったぁ…フシギダネが元気になって」

フシギダネ「あれぐらいじゃ俺は死なないダネよ。…てっぺん取るまではな」

ドラえもん「ヒュ〜ウ」

スネ夫「すみません、またお願いします…」

ジョーイ「あらあら、わかりましたよ」

のび太「あれ、スネ夫じゃないか」

スネ夫「やあのび太…。どうやら元ニビジムを攻略したみたいだね。僕はまだかかりそうだよ」

カモネギ「旅は急がば回れ。ゆっくりと旅を満喫しようではないかスネ夫殿」

スネ夫「誰のせいで何回もここに来てると思ってるんだ!偉そうなこと言うなら進化ぐらいしてみろ!」

カモネギ「…進化などいつでも出来る。しかし簡単に進化してしまえば面白くもない。若いうちの苦労は買ってでもしろと言うだろう?」

スネ夫「うるしゃーーーい!!!鍋に入れて食ってやるぞお!!!」

カモネギ「不遜な事を軽々しく言うなカモオォォォォォォォォォ!!!!」

スネ夫「かかってこいやああああああああああ!!!!………あ、ちょ、ネギできりさくのは…」
69 : [saga]:2012/05/27(日) 23:49:59.56 ID:a5rN35jAO
のび太「ドラえもん、次はどこへ?」

ドラえもん「次はハナダシティだよ。そこへ行くためにはおつきみ山を越えなければならないけど」

のび太「え〜、登山なんて疲れるし嫌だなぁ。……そうだ!タケコプターで山を越えれば良いんだ!」

ドラえもん「冴えてるじゃないか。そうと決まれば早速むかおう」

スネ夫「道具使うなんてずるいぞーーーーッ!!」

カモネギ「楽をすればするほど心は廃れていく…」

のび太「何のために口うるさいドラえもんを連れてきたと思ってるんだい?こういう時のためだろう?」

ドラえもん「(良いぞのび太君……君にはその傲慢さが必要だ)」
70 : [saga]:2012/05/27(日) 23:57:49.65 ID:a5rN35jAO
【おつきみ山上空】


のび太「いや〜、やっぱりタケコプターは最高だねドラえもん!」

ドラえもん「僕の道具はいつだって最高さ。使う人間が至らないのが玉に傷だけどね」

のび太「うわぁ、おつきみ山を歩いて越えるのはやっぱりきつそうだったね。2、3日はかかったんじゃない?」

ドラえもん「これで他の皆に差をつけることが出来る」

のび太「そうだね、あ!遠くに見えるのがハナダシティかな」



ピカチュウ「どんな魔法を使って人間風情が空を飛んでいるかはしらねえが、この俺から逃げることなんて不可能ピカ」

ピカチュウ「精々、ハイキングを楽しみな。……生きていられればだがな」

ピカチュウ「神鳴り」
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/28(月) 00:09:11.36 ID:zAXrHhLDO
ピカサマ…じゃなくてイカサマ使うとロクな事にならんな
72 : [saga]:2012/05/28(月) 00:09:13.60 ID:SmRUkXQAO
【おつきみ山】


のび太「う、う〜ん……」

ドラえもん「ようやく目が覚めたね。こんな時もノロマなんだから君は」

のび太「ここは?」

ドラえもん「おつきみ山さ。どうやら突然の落雷で、僕達はここに墜落したらしい」

のび太「結局歩いていかなきゃならないのか…。現実を直視したらまた眠くなってきたよ…」

ドラえもん「やれやれ。………のび太君、動くなよ」

のび太「え?」

ドラえもん「熱線銃を使用する」


――唐突にドラえもんが僕に熱線銃を向けてきた時は、落雷の影響で思考回路がショートしてしまったのか。


ズバット「ズバアァァァァァァァァァァ!!!!」


のび太「な、なに!?」

ドラえもん「こうもり型ポケモンのズバットさ。君はこいつに血を吸われていたんだ。あのままだったら君は永遠に眠り続けて何十年か先に保存状態の良いミイラとして物好きな学者さんたちにてごめにされていただろうね」

のび太「あ、ありがとうドラえもん」

ドラえもん「ボヤボヤしていると、天井で自分の順番を待っているズバットにまた血を吸われるよ。さあ行こう」

のび太「おつきみ山…。僕達は無事に生きてここを抜け出す事が出来るのか…?」
73 : [saga]:2012/05/28(月) 00:22:57.69 ID:SmRUkXQAO
――それから僕達は細心の注意を払いつつ、おつきみ山の奥へ奥へと歩みを進めていた。迫り来るイシツブテ、イシツブテ、イシツブテ、イシツブテ…。この時ほどフシギダネを選んでおいて良かったと思うことはなかった。そして歩き続けて一日…



のび太「お腹減った…」

ドラえもん「タケコプターだったから食料なんて持ってきてないからね」

のび太「ああ……君はロボットだからな……僕は君みたいにいけしゃあしゃあとはしていられないよ……」

ピッピ「ギエピーーーーー!!!」

ドラえもん「ん?今の叫び声はピッピか?」

のび太「ピッピってことはしずかちゃんもいるのか……。ちょっと行ってみよう」

「ひ、ひええ〜!!誰かあああああああああ!!」

のび太「今度は誰?」

ドラえもん「聞いたことはない声だね」

のび太「僕はピッピの所に行くから、君は今の声の元に行ってよ」

ドラえもん「僕もしずかちゃんの方が良いんだけど」

のび太「困ってる人を助けるのがロボットだろ。早く行きなよ」

ドラえもん「はいはい」
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/05/28(月) 01:50:51.76 ID:FDKV1Ipeo
ピカチュウさんが、ターミネーターのように着いて回ってくるのか
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/05/28(月) 02:23:50.33 ID:uEpYPdeTo
むしろピカさんの神鳴り食らっても生きているのびたが怖い
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/28(月) 02:27:19.78 ID:qxNK7jn5o
どこでもドア〜
北風のくれたテーブルかけ〜
77 : [saga]:2012/05/28(月) 18:06:14.61 ID:SmRUkXQAO
――僕はドラえもんと別れ、ピッピの悲鳴が聞こえた方向へと走ると、そこには地面にへたりこむしずかちゃんがいた。ピッピの姿は無い…


のび太「しずかちゃん、一体何があったんだい!?」

しずか「………の、のび太さん?」

のび太「可哀相に、軽いパニック状態に陥っているみたいだ。慌てないで落ち着いて…」

しずか「ありがとう……。実は、急に知らない男がピッピを奪って逃げてしまったの…」

のび太「なんだって!!男の顔は…?」

しずか「暗くてよく見えなかったわ」

のび太「そうか……。でも安心して!必ず僕がピッピを取り返すよ!」

しずか「え……いや…別に、無理してアレしなくてもいい……かな。ここで違うピッピ捕まえればそれで……」

のび太「あ……そっか」

しずか「そうね…」

のび太「……あー…うん……じゃあ、行く?」

しずか「ええ……過ぎたことは仕方ないし」

のび太「とりあえずドラえもんと合流って方向で」

しずか「わかったわ」
78 : [saga]:2012/05/28(月) 18:23:59.50 ID:SmRUkXQAO
――その頃ドラえもんは……



ドラえもん「声がしたのはこの辺りだけど誰もいなさそうだから戻るか」

「ま、待って〜」

ドラえもん「誰だい、僕は忙しいんだから用件は手短に頼むよ」

「よ、良かったぁ人が………うわあ!?新種のポケモン…?あまりカッコヨクもカワイクも無いな」

ドラえもん「なんだねキミはいきなり失礼なヤツだ。……その見た目、みるからにオタクじゃないか。何でオタクがこんな山にいるんだい?オタクは自分の部屋から一歩も出ないものだと思ってたよ」

理科系の男「き、君も見かけによらず口が悪いんだな。僕はオタクじゃなくて理科系の男さ。オタクなんかと一緒にし、し、しないでくれたまえ!」

ドラえもん「メガネかけてガリガリでシャツをズボンに入れて猫背なら皆オタクなんだよ。そんなことより、いっちょ前に助けなんか呼んでどうしたんだい?」

理科系の男「じ、じ、実は、化石を奪われてしまったんだ。僕が見つけたやつなのに………あれは僕の化石なのに!!!」

ドラえもん「いきなり大声出すんじゃないよ。これがこの時代で問題になってるキレる若者ってやつかね。後でドラミに報告しておこう」

理科系の男「化石化石化石化石化石化石化石……」

ドラえもん「今度はブツブツ呟きだしたよ。全く怖い怖い。そんな石っころなんて諦めて、可愛い女の子でも見つけた方が有意義だと思うよ」

理科系の男「うるさあああああああああああい!!!!!あれは僕が初めて見つけたポケモンの化石だ……誰も見付けていない……凄い代物だあれは、きっと何千万の価値がある…」

ドラえもん「何千万?」

ドラえもん「(ふむ、何の価値も無い石っころを奪うなんて物好きもそうそういない。あのオタクが言うように、少なからず価値はあるんだろう…)」

ドラえもん「よし、僕が化石を取り戻してあげるよ」

理科系の男「本当かい!?」

ドラえもん「任せてくれたまえ(その代わり、報酬はタップリと貰いますがね)」
79 : [saga]:2012/05/28(月) 19:01:28.66 ID:SmRUkXQAO
ピッピ「やろー!!離せっピ!!」

ロケット団A「うるせえ黙って大人しくしてろ!!!」

ピッピ「大人しくしてるほど僕は甘くはないっピよ!!!」

ロケット団B「こいつ本当にあの可愛い可愛いピッピか?」

ロケット団A「ちょっと太ってるがピッピに間違いないだろう……多分」

ロケット団B「違ってたらボスに何されるかわからんぞ」

ロケット団A「大丈夫さ。このポケモンスキャナーでも99.9%ピッピだと結果出てるしな。それにしてもポケモン言語変換機能はすげえよな。……ピッピのイメージが崩れたが」

ピッピ「なにを訳のわからないことを言ってるっピ!!離せっピ!!」

ロケット団B「…確かにな」

ロケット団A「それよりお前も見つけたんだろ?」

ロケット団B「ああ。見つけたというより奪ってきたがな」

ロケット団A「欲しい物はなんでも奪う……それがロケット団だからな」

ピッピ「お、お前らロケット団だったピか!?やろー!!ぼくを食べても美味しくはないっピよ!!」

ロケット団A「誰がお前を食うか!!」

ロケット団B「まあ……食われるより恐ろしい目に合うだろうがな」

ピッピ「ゾ〜ッ」

ロケット団A「よし、目的の物は手に入れた。本部に戻ろう」


ドラえもん「ん?君はしずかちゃんのピッピじゃないか。こんなところで何をしているんだね全く」
80 : [saga]:2012/05/28(月) 19:12:55.57 ID:SmRUkXQAO
ピッピ「ドラえもん!!助けてくれっピ!こいつらロケット団だっピ!!」

ドラえもん「ロケット団?へえ、君達が噂の…」

ロケット団B「チッ、余計な邪魔が入ったか

ロケット団A「なんだあのポケモン?スキャナーにもデータが無い…。新種か?」

ロケット団B「新種か…。ならばあいつも手に入れるまでだ」

ドラえもん「僕をポケモンだと思って来るならそれでもいい。だけどその油断が君達の最大の失敗だね」

ロケット団A「こいつ、デケえ口叩きやがるぜ!」

ロケット団B「俺達ロケット団の恐さを知らない可哀相なポケモンなんだれう。ならば教えてやるまでさ。行け!ラッタ!!」

ラッタ「ッッッタ!!!」

ドラえもん「またネズミポケモンか。じゃあ遠慮無く……殺せるな」
81 : [saga]:2012/05/28(月) 20:36:57.48 ID:SmRUkXQAO
ピッピ「ぶっとばせっピー!!!」

ドラえもん「言われなくてもこの熱線銃で一撃さ」

ロケット団B「ラッタ、"でんこうせっか"」

ラッタ「ッタ!!」

ドラえもん「なに!?熱線銃を避けただと?」


ラッタは閃光のような素早い動きで熱線の攻撃をかわし、そのままドラえもんに電光石火の体当たりをぶつける。


ドラえもん「うッ……。ネズミの分際で」

ラッタ「ハッハーッ!!お前みたいなデブに俺様のでんこうせっかをかわすことは出来ないッタ!」

ドラえもん「かわす程の攻撃でもないからね」

ラッタ「……強がってんのがバレバレだぜ?この攻撃でそれが証明される!!"ひっさつまえば"をくらいやがれーーーッ!!」


ラッタの口に、その身体と不釣り合いなほど巨大な前歯が二本そそり立っており、ドラえもんの青いボディにそれを食い込ませる。


ラッタ「ハッハーッ!!痛かろう!!苦しかろう!?」

ドラえもん「ドラミの肩もみの方がまだ刺激が強いぜ」

ラッタ「なにッ!?」

ドラえもん「僕の身体から離れろどぶねずみ。空気砲」


右手に装着された空気砲から、圧縮された空気の塊がボンッと音を伴いながら発射される。


ラッタ「ぐええーーーー!!!」

ドラえもん「おやおや、ネズミは空気程度で弱音を吐く生き物なのかな」

ロケット団B「なにをやっているラッタ!!」

ロケット団A「あのポケモン、見たこともない技を使いやがる!」

ラッタ「て、てめえ……、俺様を怒らせたみてえだな…」

ドラえもん「君が勝手に騒いでいるだけだろ」

ラッタ「狸のニセモンみてえな野郎がよォーーーー!!!必殺の前歯を受けろぉぉぉぉぉぉ!!」
82 : [saga]:2012/05/28(月) 20:55:39.13 ID:SmRUkXQAO
ドラえもん「"ひっさつまえば"とやらは僕に効かないのを忘れたのかな?」


そう、たとえラッタが全身全霊を込めたひっさつまえばであろうとも、22世紀の超合金をふんだんに使ったボディを持つドラえもんには雀の涙のダメージしか与えられないだろう。

――だがラッタが使用した技は"ひっさつまえば"ではなかった!

彼は隠し持っていた必殺技、"いかりのまえば"を"ひっさつまえば"と偽っていたのである。
いかりのまえばは、相手の体力をきっかり半分奪い去る凶悪な技。ドラえもんがどんなに強固な身体を持っていようとも関係はないッ!"きっかり""半分"奪い去るのである!

ラッタは最後の最後で、窮鼠猫を噛んだのである。果たして彼がドラえもんを猫だと知っているのかどうかは誰にもわからないが、ラッタは最後までドラえもんを騙しきったのである!


ラッタ「その余裕がてめえを敗北へと誘うッタ!!!」

ラッタ「これで終わりだ狸野郎ーーーーッ!!!」
83 : [saga]:2012/05/28(月) 21:13:08.68 ID:SmRUkXQAO
ドラえもん「………」

ラッタ「おいおい、逃げんじゃねーッタ!!!」

ドラえもん「僕は逃げてなんかないぞ?」

ラッタ「あ?」

ロケット団B「うぅ…!?」

ラッタ「逃げてねーんなら何で俺様がお前に向かって走り続けている!?お前が後ろへ逃げているからだろーがッ!!」

ロケット団A「ち、ちがうんだ…」

ロケット団B「あいつは逃げていない……ラッタ、お前が小さくなっているんだ…!!」

ラッタ「………は?」

ラッタ「……なんじゃあこりゃああああああああああ!?」

ドラえもん「スモールライトで君を小さくさせてもらったよ。いくら君のひっさつまえばが僕に効かないとはいえ、ネズミに噛まれるのは不快だからね」


――想定外であった。ドラえもんは自分の策にまんまと騙された。そうラッタは確信していた。いや、思い込んでいたのであった。敵は、ドラえもんは、そんなチャチな策など眼中にないかのように、力を、圧倒的パワーを持っていたのである。


ラッタ「小さくなった?俺様が?馬鹿馬鹿しい!!俺様はいつだってビッグなんだ!!そうさ、コラッタ時代に雑魚ポケだと罵られて生きてきた俺様はビッグになるしかなかッタ!!」

ラッタ「毎日毎日毎日トレーニングを欠かさなかった!!ビッグになって虐げてきた奴らを見返すために!そして俺様は進化した!!力を!力を手に入れッタ!!」

ラッタ「俺様はやったんだ!!初めて上に立てたんだ!ロケット団にも入った!!俺様はまだまだビッグになれる!!俺様は……ギャッ!!」


ドラえもんの足の下で最後にラッタはビッグになれたのだろうか?身体がどんなに小さくなろうとも、彼の心はビッグになろうと燃えつづけ、命の炎は、消えた――


ドラえもん「いくらビッグになろうと、ネズミはネズミだよ」
84 : [saga]:2012/05/28(月) 21:15:21.91 ID:SmRUkXQAO
今日はここまでッタ
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/28(月) 21:34:58.13 ID:rfUWGj5Po
86 : [saga]:2012/05/30(水) 11:17:08.68 ID:qDnBrF/AO
ロケット団A「お、おい!!あのポケモンやべえよ!!ここはずらからねえと、俺らまで殺られるぞ!!」

ロケット団B「腑抜けたか?あいつをボスに献上出来れば、俺らは昇進だ…!」

ロケット団A「けどよォ!俺、まだ死にたくねぇよお!!」

ドラえもん「次は君達自身が相手かい?人間だからって容赦はしないよ」

ロケット団A「うぅ…!?」

のび太「あれ、ドラえもん何を楽しそうなことをしているんだい?」

しずか「……その人達、ロケット団じゃない!!」

のび太「えぇ!?」

ロケット団A「く、くそ!次から次へと…!こうなったら、その女を人質にして逃げてやる!!」

ロケット団B「よせ!!」

しずか「いやああああああああああ!!!」

のび太「しずかちゃん!!」
87 : [saga]:2012/05/30(水) 11:47:24.53 ID:qDnBrF/AO
ロケット団A「へっへっへ……可愛がってやるぜ!」

ロケット団A「……うっ!?」


――しずかちゃんに襲い掛かったロケット団は、情けない声を一つ、発したかと思うと、糸の切れた操り人形のごとく崩れ落ちた。


レッド「大丈夫か、しずかちゃん」

しずか「レッドさん!?」

レッド「延髄に手刀を食らわせた。暫くは起きないだろう」

のび太「さっすが〜〜!僕も同じ事をしようとしてたけど先を越されちゃったよ」

ドラえもん「……」

のび太「見るなよ、僕をそんな目で見るな!」

ロケット団B「これまでか……お前らの顔は覚えたぞ。では、さらばだ!」

ドラえもん「逃げたか」

レッド「気絶しているロケット団は俺が警察に連れていく」

のび太「頼むよ」

しずか「あら、これは何かしら?」

ドラえもん「(それはオタクが言ってた化石!)」

ドラえもん「しずかちゃん、危険な有害物質が発生しているかもしれない。それは僕が処理するよ」

しずか「あらそう?お願いね」

ピッピ「しずかーーーー!!!」

のび太「あ、ピッピだ」
88 : [saga]:2012/05/30(水) 11:56:22.12 ID:qDnBrF/AO
ピッピ「しずか、僕は信じてたっピよ!!やっぱり助けに来てくれたっピね!!」

しずか「ああ、うん……」

ピッピ「さすが僕のしずかだっピ!!」

ピッピ「……ピ?」

ピッピ「し、しずか、一体それはどういうことだッピ?」

しずか「さっきそこで捕まえた、私の新しいピッピのネオピッピよ」

ネオピッピ「ピ」

ピッピ「う、嘘だっピ…これは夢っピね…?」

ネオピッピ「現実だっピ」

ピッピ「うおああああああああああああ!!!」

しずか「さあネオピッピ、行きましょう」

ネオピッピ「ピ」
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/05/30(水) 23:15:19.12 ID:jfC1tKjK0
口は悪くなさそうだ。
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/31(木) 06:59:57.05 ID:68Ba8l+ko
はお
91 : [saga]:2012/05/31(木) 19:12:59.47 ID:KII2jMeAO
ピッピ「うっ……うう…う…っ」

のび太「ピッピ……」

ピッピ「のび太……僕を連れていってくれッピ!!」

のび太「え!?」

ピッピ「あのネオピッピみたいな世間知らずのあまちゃん坊やに、誰が最強のピッピかを教えてやるッピ!!ついでに僕を捨てたしずかも見返してやりたいんだッピ!!」

のび太「……」

ドラえもん「まあ良いんじゃない?フシギダネしか手持ちもいないことだし」

のび太「……わかった。一緒に行こう!」

ピッピ「恩に着るッピ!!」

ドラえもん「(さて、僕はあのオタクからタップリと報酬を貰いに行くとしますか)」

ドラえもん「のび太君は先に行ってて。僕もすぐ追いつくから」

のび太「?わかったよ」
92 : [saga]:2012/05/31(木) 19:40:17.38 ID:KII2jMeAO
ドラえもん「…坊主、いるかい?約束のブツを持ってきた」

理科系の男「だ、だ、誰にもつけられてないだろうね?」

ドラえもん「ああ」

理科系の男「よ、よし!早く化石をこ、こ、こっちに!!」

ドラえもん「お預け喰らった犬みたいにキャンキャン吠えるんじゃないよ全く。ほら」

理科系の男「よ、よし、よし!ああ……僕の化石ィ……チュッチュッ」

ドラえもん「チッ!きめえな!早く報酬をよこしな!」

理科系の男「ああ…報酬だね」


――カチャ。


ドラえもん「……何のマネだい?」

理科系の男「44マグナムの銃弾が報酬さ。洒落ているだろう?この化石は全て僕のだ。誰にも渡さない!!」


――バァン!

理科系の男は激情に任せて引き金を弾いた――


ドラえもん「……」

理科系の男「な、な、な、な、何で44マグナムの銃弾をどてっぱらに受けて生きてるぅ!?」

ドラえもん「素直に金を渡してくれれば、これから先も君は大好きな化石と共に生きれたのに」

理科系の男「ひゃ」

ドラえもん「……やっぱり熱線銃は使いやすい」

ドラえもん「化石は二つ貰っていくよ」
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/31(木) 20:38:36.38 ID:68Ba8l+ko
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [[sage]]:2012/05/31(木) 20:56:31.16 ID:PtjlmfAk0
ワロタwwww
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/31(木) 21:53:50.86 ID:DBOVOpWbo
96 : [saga]:2012/05/31(木) 23:25:50.94 ID:KII2jMeAO
【ハナダシティ】


のび太「うーーーん!久しぶりに文明の利器がある場所だぁ!」

ピッピ「何を文明の利器に感動してるッピか!!早くジムへ行くッピよ!」

のび太「あ、文明の利器の最たる物が来たよ」

ドラえもん「おまたせ」

のび太「何をしてたの?」

ドラえもん「ちょっと恐竜ハンティングを」

のび太「ああ、原作で恐竜ハンティングは未来では禁止されてるって言ってたくせに、率先して恐竜ハンティングをしようとしていた矛盾に満ち溢れた君らしいや」

ピッピ「あやしいッピね。おつきみ山には恐竜なんていないッピよ」

ドラえもん「ちょっとピッピこっちにおいで」

ピッピ「甘い物でもくれるッピか?」


―――――


ピッピ「ギエピーーーー!!!」


のび太「なんだ!?」

ドラえもん「なんでもないよ」

ピッピ「のび太……ジムよりまずはポケモンセンターへッピ……」
97 : [saga]:2012/05/31(木) 23:40:04.41 ID:KII2jMeAO
【ハナダジム】


のび太「ここが二番目のジムだね。大きなプールがあるなぁ」

ピッピ「のび太……ポケモンセンター…ッピ…」

オッサン「おーす!未来のチャンピオン!」

のび太「オッサンじゃないですか!!何でここに!?」

オッサン「俺はな、お前さんに光るもんを感じたのよ。長年、ジムに挑む若きトレーナーにアドバイスしてきた俺の勘っていうんかな。だからよ!お前さんが挑むジムに先回りして見守ってやろうと思ったわけだ!!」

のび太「オッサン……」

のび太「ありがとうオッサン!!そういうことならアドバイス頼むよ!!」

オッサン「へへっ!そうこなくっちゃな!」

ドラえもん「(このオッサン、ニートか?)」
98 : [saga]:2012/05/31(木) 23:48:54.19 ID:KII2jMeAO
オッサン「おーす、じゃあアドバイスしてくぞ!」

のび太「早く早くぅ!」

オッサン「まあまあ、そう焦りさんな。ここのジムリーダーは、カスミ。ピチピチの女の子だ」

のび太「ゴクリ」

オッサン「姉が二人いるらしい。それぞれ彼氏募集中とのことだ」

のび太「ど・れ・に・し・よ・う・か・な」

オッサン「俺は長女を推すな。何より腰から尻にかけたボディラインが…」

のび太「うっ」

ドラえもん「急に前屈みになってどうしたんだい」

のび太「な、何でもないよォ!!あっち行けよォ!」

ピッピ「そんなことよりポケモンについてのアドバイスはどうしたっピ!!」

オッサン「お、そうだったそうだった」
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/06/11(月) 01:57:20.76 ID:18mlwzulo
(´・ω・`)
100 : [saga]:2012/06/11(月) 14:01:04.03 ID:FpuXEZ+AO
オッサン「カスミはみずタイプのポケモンを使う」

のび太「みずか…それなら!」

フシギダネ「ダネフッシャアアアアア!!久々に俺が目立てるダネ!」

ピッピ「ホッ。どうやら僕の出番はなさそうッピね」

オッサン「フシギダネはタイプ相性的には有利だが、カスミはみずタイプの中でも強力なポケモンを使う。油断するなよ!」

のび太「わかりました!」
101 : [saga]:2012/06/11(月) 14:11:06.46 ID:FpuXEZ+AO
フシギダネ「……」

のび太「ここがジムリーダーの間か……」

ドラえもん「おや……どうやらあの可愛らしい子がカスミのようだね」


カスミ「あら、新しい挑戦者かしら。良いわ!相手になってあげる!!」

のび太「しずかちゃんより可愛い!」

ドラえもん「後でしずかちゃんに伝えておくよ」

のび太「ひとでなし!!」

カスミ「何をガヤガヤワイワイしてるの!闘いはもう始まっているわよ!行きなさい、スターミー!!」

スターミー「ジュンジュワァ!!」

ピッピ「ス、スターミー!!あいつは強力なポケモンだっピ!フシギダネじゃ勝てないッピよ!!」

フシギダネ「……てめぇ、俺がみずタイプのヒトデ野郎に屠られると?ならそこで黙ってみてな!俺の勝利の瞬間をーーーーッ!!」

カスミ「スターミー!"サイケ光線"よ!」

スターミー「ジュワワァ!」


――スターミーの身体の中心に燦然と輝くクリスタルのような物体から、いかにもサイケデリックな光線が空間を歪めながらフシギダネへと放たれた。


フシギダネ「ダアアアアネエエエエエエエ!!!!」

のび太「ふ、フシギダネーーーーッ!!!」
102 : [saga]:2012/06/11(月) 14:55:44.28 ID:FpuXEZ+AO
ピッピ「言わんこっちゃないッピ!」

ドラえもん「スターミーはみず、エスパーの複合タイプ……。対してフシギダネはくさ、どくの複合タイプ。エスパー技はどくタイプに有利だね」

フシギダネ「へ…へへ……見事に屠られちまった……ざまあねえな……」

のび太「フシギダネ!!まだいける!?」

フシギダネ「ったりめーよ……くさタイプ代表のフシギダネを舐めるなダネ…!」

カスミ「まだ戦えるようね!スターミー!」

スターミー「ジュン!」

カスミ「"バブル光線"!!」
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga sage]:2012/06/11(月) 15:37:03.71 ID:OGx+bYAa0
あれ、自力でエスパー技覚えないのはヒトデマン系最後の良心だと思ったんだけどw
サイコキネシスなんざ食らったら粉微塵じゃ済まないとは思うが
104 : [saga]:2012/06/11(月) 16:42:54.73 ID:FpuXEZ+AO
前回のタケシのゴローニャもどくどく覚えさせているので、この世界のジムリーダーは技マシンを活用するのでしょう。……ということに。
105 : [saga]:2012/06/11(月) 16:53:35.19 ID:FpuXEZ+AO
フシギダネ「くさタイプの俺にみずタイプの技ァ!?なめんじゃねーダネ!!」

カスミ「フフフ……このスターミーのバブル光線は当社比1.5倍のバブル度よ!!そのバブルはあなたの身体の動きを捕らえて離さないッ!!」

フシギダネ「だ、ダネ!?身体の自由が…!!」

カスミ「さあスターミー……トドメよ!!」

スターミー「ジュンジュワァ!!」


――ザバァン!!

――部屋の面積の三分の二を占める巨大なプールにスターミーは勢いよく、自身の姿形から連想させるのは夜空を切り裂く隕石のように、飛び込んだ。


のび太「ああっ!?これじゃあスターミーが何処から攻撃してくるかがわからないよぉ!!」

ドラえもん「やれやれ、万事休すか」

ピッピ「(このままじゃ僕がスターミーと戦うことに……!)」

カスミ「これでショーは終わりイィィィィィィィ!!!」

フシギダネ「ショーはまだまだ続きがあるようダネ」

スターミー「ジュ…ジュワァ…」

カスミ「なに!?」
106 : [saga]:2012/06/11(月) 18:03:04.80 ID:FpuXEZ+AO
スターミー「ジュン…ジュン…ジュジュワァ…」

カスミ「スターミー!?一体どうしたの!?」

フシギダネ「おっとお嬢さん……あまり揺らしちゃいけねえ。スターミーの身体に障るダネ」

のび太「フシギダネ、君が何かしたのかい?」

フシギダネ「プールに"どくの粉"を撒いておいただけ…ただ、それだけだ」

ドラえもん「ふむ、相手に定期的に定数ダメージを与えるどく状態にさせる"どくの粉"か」

のび太「さすが僕のフシギダネ!」

ドラえもん「君は何もしてないけどね」

カスミ「くっ…!」

のび太「よーし!そのままつるのムチだぁ!!」

フシギダネ「ダネフッシャアアアアア!!!」

カスミ「スターミー!"じこさいせい"!!」

スターミー「ジュワ」

のび太「んん!?」

スターミー「ジュワワアアアアアアアッ」

ピッピ「スターミーの体力が回復していくッピ!!」

のび太「反則だァ!!」


――ビシィッ!!


スターミー「ジュッ!」

フシギダネ「くそ!耐えられたダネ!」

カスミ「そこでサイケ光線!!」

のび太「わ、わ!フシギダネ、つるのムチでプールの水面を叩け!!」

ドラえもん「なんのマネだい?」

スターミー「ジュワッ!!」

フシギダネ「ダネフッシャアアアアア!!!」


――スターミーから放たれたサイケ光線は、フシギダネのつるのムチによって天高く巻き上げられたプールの水によって掻き消される!


のび太「あ、危なかった…」

カスミ「さすが…最初のジムを突破しただけはあるってことね」

ドラえもん「(のび太君、知らず知らずにトレーナーとしての才能が目覚めつつあるのか…?)」
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/11(月) 21:53:48.34 ID:rJy42iXeo
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/18(月) 00:21:20.41 ID:K8dp1E7co
はよ
109 : [saga]:2012/06/19(火) 23:40:40.47 ID:XaP+IKIAO
のび太「相手のスターミーはどく状態だけど、"じこさいせい"で減った体力を回復してしまう…。バトルが長引けば経験の浅いフシギダネが不利…ッ!」

ピッピ「のび太!……ヒソヒソッピ……ヒソヒソッピ…」

のび太「……うん……うん……」

のび太「そうか!」

カスミ「またコソコソと!スターミー、やっておしまい!!」

スターミー「ジュワァ!!」

のび太「いったれ、フシギダネ!!"つるのムチ"!!」

フシギダネ「おっしゃああああああああ!!!」

カスミ「性懲りもなく同じ攻撃ね!でも残念。スターミー、"こうそくスピン"で蔓なんか切り落としてやりなさい!!」

ドラえもん「こうそくスピンだって?(おかしい……まだこの時代、この地方ではその技は存在していないのだが……)」

ピッピ「"こうそくスピン"ってなんだッピ」

ドラえもん「相手にダメージを与えつつ自分の場に撒かれた"まきびし"や"ステルスロック"なんかを消滅させる技だよ」

ピッピ「ポケモンの僕でも知らない技があるとは、まだまだポケモンの世界は広いッピね。それで"まきびし"とか"ステルスロック"ってなんだッピ?」

ドラえもん「それはまた今度な」

ドラえもん「(後でドラミに聞いてみるか)」
110 : [saga]:2012/06/19(火) 23:55:13.09 ID:XaP+IKIAO
カスミ「残念だったわね!これでスターミーへの攻撃、その脆弱な蔓なんて無惨にも………って、"つるのムチ"はいずこへ!?」

のび太「誰がスターミーを狙うと言った?狙っていたのは……」


――キュポン


カスミ「ま、まさか…」

のび太「この巨大なプールに大量の水を湛えさせている根源、プールの"栓"さッ!!」


――栓を抜かれたプールはまるで地獄の王が大地の下からうめき声を上げているかのように音をたてながら、巨大な渦巻きを発生させて地獄へ繋がる吸水口へと水を吸い込ませていく。


カスミ「なんてことを!!」

スターミー「ジュワワアアアアアアアッ」

カスミ「スターミーが!!!!!!」

のび太「スターミーはもう戻ってはこれない…。あの巨大な渦巻きに飲まれたまま二度と…」

ドラえもん「せめて最後に声を掛けてやりな。それがスターミーを愛した君の証にもなる」

カスミ「ス…スターミー……」

カスミ「サヨナラ……」



ピッピ「哀しい結末ッピね〜。グスッ」

ドラえもん「出会いがあれば別れもある。それがポケモンとトレーナーさ」

のび太「うん…そうだね」



のび太、ブルーバッジをゲットォ!!
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(広島県) [sage]:2012/06/20(水) 00:21:44.74 ID:CdeuaETZ0
スターミィィィィ!!
こうそくスピンで”うずしお”からも抜けれるんじゃ・・・
112 : [saga]:2012/06/20(水) 09:55:18.14 ID:YN5UBXwAO
【ハナダシティ】


のび太「いやぁ〜、まさか二つ目のバッジを手に入れる事が出来るとは思わなかったよ」

ドラえもん「僕もびっくりだよ(やはりのび太君は目覚めつつある…)」

ピッピ「僕が戦っていればもっと楽だったッピね」

のび太「じゃあ次のジムはピッピに戦ってもらおう!」

ピッピ「ギクッ」

フシギダネ「戦いたかったんだろお〜〜〜〜〜?」

ピッピ「ま、まあなッピ!……あ!あそこでバトルしてるッピよ!行ってみるッピ!」

フシギダネ「話逸らしか〜〜〜〜〜?」

のび太「本当だ!行ってみよう!」

ピッピ「ホッ」
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/06/20(水) 10:24:19.39 ID:1Eqs6AoJo
114 : [saga]:2012/06/20(水) 13:17:45.07 ID:YN5UBXwAO
レッド「いけ、リザード。終わらせるんだ」

リザード「リザアァァァァァァァ!!!」


――尻尾の先に揺らめく焔がリザードの激情を表している。晴天の下、昼下がりのハナダシティでふとそんなことを思っていると、勝敗は既に決していた。


ピジョン「……」


――こんがりと焼き上がったピジョンからほのかに食欲をそそる香りが鼻腔を刺激する。


グリーン「手加減……しちまった…ぜ…」

グリーン「仕方ないからまた戦ってやるよ!じゃあな!!」



のび太「圧倒的じゃあないか……」

レッド「みんな居たのか」

のび太「強いんだねえレッドは」

レッド「……お前もな。カスミを破ったみたいじゃないか」

のび太「偶然だよぉ!あははははは」

レッド「……のび太…いずれは俺の前にそびえるか……」

のび太「何か言った?」

レッド「いや」

ドラえもん「(レッドも気付いたか)」

レッド「この先にゴールデンブリッジという橋がある。そこにはポケモントレーナーが集まっている。腕試しをしてくるといい」
115 : [saga]:2012/06/20(水) 14:57:51.38 ID:YN5UBXwAO
【ゴールデンブリッジ】


のび太「本当だ、トレーナーが一定の距離間隔で並んでらあ」

短パン小僧「ここは泣く子も黙るゴールデンブリッジ!俺達を倒さなければ先へは進めないぜ!」

ドラえもん「のび太君、これ」

のび太「ありがとう。やるしかないって言うなら!」

のび太「熱線銃!君に決めた!」


短パン小僧「ちょwwwwおま……ぎゃああああああああ!!!」


――短パン小僧。彼の好物は、母親が作るカレーを一晩寝かせて冷えたライスにかけたもの。今朝も母親に今夜はカレーライスよ、と言われ胸を躍らせながらこの橋へやって来た。
だが彼は食べられない。カレーライスを食べられない。母親の待つ家へと帰る事も叶わない。なぜなら彼は鉄をも熔かす熱線によって蒸発し、この地球を漂う物言わぬ気体となってしまったからだ。

――母親に買ってもらった、短パンを残して。



のび太「ふぅ〜、まずは一人だね」

ドラえもん「さあ、どんどん進もう」
116 : [saga]:2012/06/20(水) 15:13:02.75 ID:YN5UBXwAO
ミニスカート「キャアアアアアアアアア!!!」

エリートトレーナー「わああああああああああ!!!」


――正に地獄。逃げ惑うポケモントレーナー。飛び交う熱線。当たれば、死。


のび太「逃げるなぁ!僕と戦え!!」

ドラえもん「(良いぞのび太君。修羅となれ)」



「おやおや……やっぱりてめぇもコッチ側の人間らしい」


のび太「誰だ!?」


――振り返る。そこには、タバコをくわえて、まるでショーでも楽しんでいるかのごとく肩を揺らして笑っている黄色い悪魔がいた。


のび太「ピ、ピカチュウ!?何でここに!?」

ピカチュウ「フゥ〜」


――けだるそうに煙を吐くと、べっこう作りのサングラスを外す。


ピカチュウ「屠ってやるよ、人間ッッ!!」
117 : [saga]:2012/06/21(木) 10:27:36.28 ID:ZtblQ1NAO
――熱線銃をピカチュウに向け、構える……暇も無く、正に"電光石火"の速さで右へ左へと動き回り、もはや黄色い残像だけが点在する橋の上であたふたと戸惑う事しか出来ない。


のび太「は、速いッッ」

ドラえもん「のび太君、上だ!!」

ピカチュウ「ヒャッハー!!"神鳴りィ"!!」


――巨大な雷が天から降り注ぐ。それを間一髪で避ける。が…


のび太「あ、危ない……。ピ、ピカチュウは何処だ!?」

ピカチュウ「ノロマめ」

のび太「(う、後ろ…!?)」

ドラえもん「のび太君!!」

のび太「や、殺られる…」



――刹那。


――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……



ピカチュウ「!?」

のび太「何の音!?」

ドラえもん「橋だ!橋が崩れるぞ!!」
118 : [saga]:2012/06/21(木) 10:34:51.25 ID:ZtblQ1NAO
――まるで地震のような揺れと地響きは平衡感覚を失わせるのに十分であり、その場に尻をつく。


ドラえもん「さっきの神鳴りのおかげって訳だ。流石ネズミ野郎だね」

ピカチュウ「チッ!青ダヌキはお喋りがお好きなようだ。だがよぉ、これでお前らは終わりだ。橋と共になァ!!」

ドラえもん「それはどうかな?」

ピカチュウ「なに?」

ドラえもん「のび太君」

のび太「あいよ!フシギダネ、君に決めた!!」

フシギダネ「ダネフッシャアアアアア!!」
119 : [saga]:2012/06/21(木) 10:43:25.65 ID:ZtblQ1NAO
ピカチュウ「そんな雑魚ポケモン一匹でこの窮地から脱する事が可能だとも思っているのか?こりゃあ傑作だ!ピーカッカッカッカッカッカッカ!!」

のび太「人間には知恵がある。勇気がある。度胸がある。そして、やると決めた!この僕が!野比のび太が決めたッッ!!」

のび太「フシギダネ、"つるのムチ"!!」

フシギダネ「いくぜ!!」

ピカチュウ「何をする気だ…?」

ピカチュウ「!!」

ピカチュウ「まさかァ…」



のび太「崩壊しつつある橋の破片で"イカダ"を作る!!それが生きるという事だッ!!」

ドラえもん「橋と共に死ぬのは君だよ。ピカチュウ君」

ピカチュウ「エテ公どもがァ〜〜〜〜〜〜〜!!」
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/06/21(木) 20:50:33.33 ID:H6AtT5ano
[たぬき]「タケコプター(ドラ声)」
121 : [saga]:2012/06/21(木) 21:19:44.00 ID:ZtblQ1NAO
>>120
しずか「お月見山上空でピカチュウに破壊されました」
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 21:44:11.87 ID:oPHAcUcXo
>>122
おい










おい
123 : [saga]:2012/06/21(木) 23:06:53.15 ID:ZtblQ1NAO
――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……


崩れるゴールデンブリッジッ!落ちるトレーナー達ッ!



のび太「さあドラえもん!早くイカダに!」

ドラえもん「あいよ!」

ピカチュウ「逃がさねえよサル共ォ!!」


――頼りないイカダにのび太とドラえもんが乗り込む!そしてピカチュウも"電光石火"のスピードを利用してイカダへと着陸する!


ドラえもん「しつこいネズミはドブネズミよりタチが悪い。空気砲」


――ポン、と軽やかなメロディーに乗せられた無情なる空気の塊がピカチュウに当たる。


ピカチュウ「ピカァ!」

ドラえもん「あばよ」

ピカチュウ「てめぇら…俺は逃がさないッ!決してッ!地の果てまで追い詰めて必ずッ!……ピカアアアアアアアアアアア」


――崩落するゴールデンブリッジの亡きがらが青く澄み渡る水の中へと消えて、激しい水しぶきがのび太達を乗せたイカダを襲う。何とか沈没を免れたソレに、ピカチュウの姿は無かった。



のび太「……ふぅ。助かった……」

ドラえもん「さあ、このままイカダに乗って近くの陸へ上陸しよう」
124 : [saga]:2012/06/22(金) 21:20:22.72 ID:CZ+m0/XAO
【マサキの小屋】


のび太「ごめんくださーい!誰かいませんかー!」

ドラえもん「怪しげな機械ばかりだねぇ、ここ。一体ここで…」

のび太「どうしたのドラえもん?」

ドラえもん「見たまえ、"ポケモン融合科学〜人為的に新たなポケモンを生み出す…"」

のび太「こ、これは…」

ドラえもん「どうやら僕達はとんだマッドサイエンティストの家に迷い込んだらしいね」

のび太「人間がポケモンの命を弄ぶなんて許せない!!」

ドラえもん「同感だね(そう、ポケモンは人間なんかよりも遥かに力を持った存在だ)」
125 : [saga]:2012/06/22(金) 21:30:09.03 ID:CZ+m0/XAO
マサキ「……だから何度も言ってるやろ!お前達ロケット団にわいの研究は渡せんってな!この研究は平和的に活用せなアカンねんなホンマにも〜」

ロケット団「そんなこと言って良いのかな?こちらとしても強行手段に出るぞ」

マサキ「そげなこと言ったって仕方ないっぺ!あんたらじゃ研究を使いこなすことなんて出来へんさかい。………ちょいまち、アッチの部屋が何か騒がしいべさ」




ドラえもん「のび太君、"超小型地球破壊爆弾"の設置は終わったかい?」

のび太「うん」

ドラえもん「それじゃあ脱出しよう。超小型と言ってもここら一帯を消滅させる程の威力はあるからね」

のび太「これで実験に利用される不幸なポケモン達はもういなくなるんだね……」

ドラえもん「あ、のび太君、逃げる前にそこの机の上にある"サントアンヌ号のチケット"を持っていってね。たまには優雅に船上でワインでも飲もうや」

のび太「わーい!船だ船だ!」

ドラえもん「さあ行こう」
126 : [saga]:2012/06/22(金) 21:43:43.54 ID:CZ+m0/XAO
【クチバシティ・ポケモンセンター】


TV「本日未明、ハナダシティの郊外のマサキさん宅で大規模な爆発がありました。マサキさんは依然として行方がわからないとのことです。爆発によって周辺500メートルは今なお立入禁止となっています。マサキさんはIT分野で活躍しており、今後が期待されていたポケモン研究者でもあったとのことです。
続いては、季節の旬を堪能しよう!のコーナーです。本日はカモネギを使った鍋料理…」



のび太「ドラえもん、ジムに行く前にサントアンヌ号に行っていいでしょ?」

ドラえもん「最近は旅してばっかりでろくに休養もとってないしね。いいよ」

のび太「やたあああああああああ!!!」
127 : [saga]:2012/06/22(金) 22:14:24.94 ID:CZ+m0/XAO
【クチバシティ・港】


スネ夫「おや、のび太達じゃないか」

のび太「あ、スネ夫。それにジャイアンにしずかちゃん!」

しずか「のび太さん久しぶりね」

ジャイアン「よお!」

ピッピ「し、しずか…」

しずか「あら、ピッピじゃない。野生に還ったと思ったらのび太さんと一緒にいたの」

ネオピッピ「ピ」

ピッピ「"ピ"じゃねーッピ!!日本語喋れんのか今時の若ポケモンはッピ!!」

ネオピッピ「息臭ァ」

ピッピ「テメーーーー!!!」

しずか「お黙りピッピ!のび太さん、自分のポケモンをしっかり躾するのもトレーナーの仕事よ?」

のび太「ご、ごめんよしずかちゃん。……こらピッピ!お前のせいでしずかちゃんに怒られたじゃないか!」

ピッピ「の、のび太まで僕を邪険にするのかッピ……あんまりだッピーーー!!!」

ドラえもん「あーあ、怒ってどっか行っちゃった」

のび太「お腹すいたら帰ってくるよ。それよりみんな集まってどうしたの?」
128 : [saga]:2012/06/22(金) 22:28:13.66 ID:CZ+m0/XAO
ジャイアン「へへへ、実はな。これから目の前にある豪華な客船、サントアンヌ号に乗るんだぜ!」

スネ夫「ほんとジャイアンは口が軽いんだから」

しずか「スネ夫さんのお父様がこの船のオーナーらしいの。それでチケットをくれたのよ」

のび太「えー!!良いなぁ」

スネ夫「悪いのび太。このチケット3人分なんだ」

ジャイアン「残念だったなのび太!お前は俺達の土産話でも期待してろよ!」

のび太「そ、そんなぁ」

ドラえもん「のび太君、僕達もチケットを持っているだろ」

のび太「そうだった。すっかり忘れてたよ」

スネ夫「何でのび太が!?見せてみろ!!」

スネ夫「こ…これは、各国の著名人しか手に入れる事の出来ない"ウルトラVIPアルティメイタムチケット"!!!」

乗務員「これはこれは、"ウルトラVIPアルティメイタムチケット"をお持ちのお客様でしたか。さあ、こちらへ」

のび太「ありがとうございます。じゃあまたねみんな!」

スネ夫「のび太のくせに生意気だぞォ!!」

ジャイアン「羨ましい…」

乗務員「あなたたちは……"貨物室よりはマシだけどトイレ横inペット達と一緒チケット"か。オラァ!!ボヤボヤしてないで早く着いてこい貧乏人が!!船に乗れるだけ有り難いと思え資本主義の犠牲者共!!」

スネ夫「ママアァァァァァァァァァァ!!!」
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/22(金) 23:01:48.23 ID:pw2XYt4DO
このスネ夫のコネしょぼすぎワロタ
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/06(月) 00:57:02.42 ID:CW9CV3Hj0
n
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/08/07(火) 05:35:08.20 ID:IruKg14AO
更新マダー?

あと読み返してわかったのだがポケモントレーナーとして旅立ってまだ10歳ぐらいののび太にワインを薦める[たぬき]って…

何はともあれのび太さんマジぱねぇッス
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