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のび太「風の谷ののび太」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2012/05/26(土) 09:48:43.52 ID:fqnbWbUAO
のび太「ドラえもーん!どこか旅行に連れてってよ!」

ドラえもん「いいよ、どこが良い?」

ジャイアン「俺未来の世界がどうなってるのか見てみてえ!」

スネ夫「未来かあ……科学はどこまで進んでいるかな」

しずか「面白そうね」

ドラえもん「じゃあ100年くらい未来に行ってみようか!さあみんなタイムマシンに乗って!」

のび太「わあい!」

この時はまだ

僕らにあんな事が起こるなんて思ってもいなかった……

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  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713798788/

【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713788018/

ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713736565/

【安価】少女だらけのゾンビパニック @ 2024/04/20(土) 20:42:14.43 ID:wSnpVNpyo
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ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713522243/

旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713353246/

木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1713351945/

2 :名無し [ごめんもう一回テスト]:2012/05/26(土) 09:50:58.35 ID:fqnbWbUAO
のび太「ドラえもーん!どこか旅行に連れてってよ!」

[たぬき]「いいよ、どこが良い?」

ジャイアン「俺未来の世界がどうなってるのか見てみてえ!」

スネ夫「未来かあ……科学はどこまで進んでいるかな」

しずか「面白そうね」

[たぬき]「じゃあ100年くらい未来に行ってみようか!さあみんなタイムマシンに乗って!」

のび太「わあい!」

この時はまだ

僕らにあんな事が起こるなんて思ってもいなかった……
3 :なんだこれぇ… [saga]:2012/05/26(土) 09:52:27.82 ID:fqnbWbUAO
のび太「ドラえもーん!どこか旅行に連れてってよ!」

ドラえもん「いいよ、どこが良い?」

ジャイアン「俺未来の世界がどうなってるのか見てみてえ!」

スネ夫「未来かあ……科学はどこまで進んでいるかな」

しずか「面白そうね」

ドラえもん「じゃあ100年くらい未来に行ってみようか!さあみんなタイムマシンに乗って!」

のび太「わあい!」

この時はまだ

僕らにあんな事が起こるなんて思ってもいなかった……
4 :名無しNIPPER [saga]:2012/05/26(土) 09:57:18.20 ID:fqnbWbUAO
のび太「……」

のび太「……ん?」ムクリ

のび太「僕眠って……?……」

のび太「……ここどこ?砂と岩ばかりだけど……」

ユパ「気が付いたか、砂漠の真ん中で倒れているから死体かと思ったぞ」

のび太「へ?おじさん誰?」

ユパ「わしの名はユパ、腐海の謎を知るために旅をしている者だ」

のび太「ふかい?なにそれ」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/05/26(土) 09:59:51.84 ID:r9L5uaRco
割り込みスマンがニュー速は初めてか?
メール欄に「saga」と入れないと>>2のように特定文字列が伏字状態になる
「sage」とは別なんで、投下するときは「saga」にしとくのがよい
6 :名無しNIPPER [saga]:2012/05/26(土) 10:00:32.32 ID:fqnbWbUAO
ユパ「なんと!腐海を知らぬのか!?」

のび太「……ごめんなさい」

ユパ「おぬしは一体何者なのだ?顔立ちは土鬼の者のようだが」

のび太「どるく?」

ユパ「土鬼も知らぬのか……おぬしはどこから来たのだ?」

のび太「僕は野比のび太!日本に住んでて、ドラえもんのタイムマシンで出かけた所までは覚えているんだけど……」

ユパ「ニホン?ニホンという国の出身なのか?」

のび太「うん」

ユパ「辺境では聞かぬ国だな……土鬼の一族か?いや言葉が我々と同じものだが……」
7 :名無しNIPPER [saga]:2012/05/26(土) 10:06:29.03 ID:fqnbWbUAO
のび太「あの……さっきから何言ってるか分からないんだけど……」

ユパ「こちらもおぬしの正体が掴めん……」

のび太「ドラえもんは?しずかちゃんは?ジャイアンやスネ夫はどこ?」

ユパ「おぬしの知り合いか?」

のび太「うん、同じ学校なんだ」

ユパ「ほう……学校に行けるとは高貴の出なのだな……」

のび太「へ?学校なんてみんな行ってるでしょ?」

ユパ「いや、高度な教育を受けられるのはごく一部の者達だけだ」

のび太「??」
8 :名無しNIPPER [saga]:2012/05/26(土) 10:09:16.63 ID:fqnbWbUAO
ユパ「とにかくいつまでも砂漠にいるわけにはいかん」

ユパ「おぬしの正体は分からんが、ひとまずわしの馴染みの国へ行くとしよう」

ユパ(気絶している時に体を調べたが武器は持っていなかった、それにまだナウシカぐらいの子供だ、大丈夫だろう……)

のび太「え、あ、うん……」

ユパ「クイに乗ってくれ」

クイ「クェッ!」

のび太「うわあ!なにこれダチョウ!?」

ユパ「ウマを知らぬのか……いまさら驚きはせぬが」

のび太「ウマ?これは馬じゃないよ、馬は四本足で……」

ユパ(!旧文明ではウマは四本足だと聞くが……)
9 :名無しNIPPER [saga]:2012/05/26(土) 10:24:22.04 ID:fqnbWbUAO
ユパ「……おねしは四本足のウマを知っているのか?」

のび太「見た事あるよ、旅行で行った牧場とかで」

ユパ(見た!?四本足のウマを!?)

のび太「あの……どうしたんですか?(凄い睨んでる……)」ビクビク

ユパ「……何でもない、風が強くなってきた、急ごう」

のび太「うん、こうやって乗るのかな……?」ヒョイッ

クイ「クェッ!」

のび太「うわぁ!」ドサッ
10 :名無しNIPPER [saga]:2012/05/26(土) 10:27:09.75 ID:fqnbWbUAO
〜風の谷〜

ジル「ユパ、また会えて嬉しいぞ」

ユパ「久しいなジル……元気そうだな」

ジル「いや……最近歩くのがきつくなってきた……その子は?」

のび太「!」ビクッ

ユパ「ここの近くの砂漠で拾ってな……害はなさそうなので連れてきてしまったが……」

ミト「ふむ……おいおぬし!名はなんという!?」ギロリ

のび太「ひっ……!の、野比のび太です!」ブルブル

ムズ「こりゃミト、怖がっているではないか」

ミト「わ、わしは十分愛想良く……!」

ニガ「どこがじゃ、殺人鬼にしか見えんかったぞ」

谷の住人達「はははははははは!」

ナウシカ「ユパさまー!」タタタッ
11 :名無しNIPPER [saga]:2012/05/26(土) 10:30:53.96 ID:fqnbWbUAO
ダキッ

ユパ「おうナウシカ、また大きくなったな」

ナウシカ「ユパ様お帰りなさい!……?」ジッ

のび太「!」ドキッ

ナウシカ「ユパ様、この人は?」

ユパ「のび太という少年だ、砂漠で拾ってな、お前と同じ年頃(11才)だしよき遊び相手になるであろう」

ナウシカ「へえ砂漠で?もしかしたら蟲かもしれないわね!」クスッ

のび太「失礼な!僕は虫じゃないよ!」

ナウシカ「うふふ冗談よ、どこの出身なの?土鬼っぽいけど」

のび太「だからそのどるくってのは何なのさ!?チンプンカンプンだよ!」

ナウシカ「?」キョトン

ジル「土鬼を知らぬとは……どこの子なのだ?」
12 :名無しNIPPER [saga]:2012/05/26(土) 10:33:04.10 ID:fqnbWbUAO
ミト「ジル様……この坊主はもしや他国のスパイでは……」

のび太「スパイ?僕はスパイなんかじゃないよ!」

ミト「ではどこの生まれなのだ!」

のび太「ニッポンだよ!」

ユパ「ニッポン?前はニホンと言っていたが」

のび太「ニホンもニッポンも同じじゃないか!常識だよ!」プンスカ

ミト「ええい言ってる事が分からん!ジル様!こいつを谷に入れるのは反対です!」

ナウシカ「そんなひどいわミト!追い返すなんて!」

ミト「しかし姫様……!」

ジル「まあ良いではないか、ユパが連れてきた者だ、間違いはあるまい」

ミト「それはそうですが……」
13 :名無しNIPPER [saga]:2012/05/26(土) 10:35:56.75 ID:fqnbWbUAO
ジル「のび太という少年よ、たいしたもてなしはできぬが存分に休まれよ」

のび太「あ、ありがと……」

ナウシカ「さあお城でニホンという国のお話を聞かせて!」グイッ

のび太「うわっ!ちょ……」

ナウシカ「変わった洋服ね!ニホンではそういうのが流行りなの?」グイグイ

のび太「いや、そんなわけじゃ……うわっ!」コケッ

ナウシカ「ごめんなさい!引っ張り過ぎた?」

のび太「うわーん!血が出てるよドラえもーん!」

ミト「少し擦りむいただけではないか!まったく軟弱な……」

ナウシカ「どらえもん?あなたのお友達?」

のび太「僕はドラえもんのタイムマシンに乗って、気がついたらこんな所にいたんだ!」

ナウシカ「タイムマシン?なにそれ!ニホンのお船?聞かせて聞かせて!」ウキウキ

のび太(ううう……何だよこの子……)
14 :名無しNIPPER [saga]:2012/05/26(土) 11:11:50.53 ID:fqnbWbUAO
のび太は城で今までの事を全て話した。

ナウシカ「へえ……ニホンという国はとても文明が進んでいるのね」

ミト「ばかばかしい!この世界のどこにそんな国があるのだ!」

のび太「僕は嘘は言ってないよ!」

ミト「うるさい!だいたいなんだタイムマシンというのは!?時間を操れる!?そんなおとぎ話を信じられるか!」

ナウシカ「あらミト、世界は広いのよ?そんな船があってもおかしくはないわ」ニコニコ

ミト「まったく姫様は不思議な話を聞くといつもこうだ……」

大ババ「いいや……この少年の言ってる事は本当かもしれん……」

ナウシカ「大ババ様!起きてたの!」ニコッ

ミト「大ババ様まで何を言うんじゃ……」

大ババ「火の七日間が起きる前は粘土のように生き物の形を変えれたという……」

大ババ「時間の流れを変えれてもおかしくはない……」

のび太(いでんしそーさってやつかな?)
15 :名無しNIPPER [saga]:2012/05/26(土) 11:13:47.70 ID:fqnbWbUAO
ユパ「しかしのび太の話では100年の昔から来たというが……古エフタル王国を知らぬのであろう?」

のび太「エフタルなんて国聞いた事もないよ」

ユパ「エフタル王国が滅びたのは300年も昔……この世界に住む者なら知っていて当然だ」

ナウシカ「私達が知っている100年前とは違うのかしら……」

ミト「だから嘘だと言っているでしょう!」

のび太「違うよ!嘘じゃないよ!」

のび太「僕だってわけ分かんないよ!いきなり目が覚めたら砂漠で……変な服や建物がいっぱいで……!」

ミト「変だと!?お前こそ変だわ!」

のび太「僕は変じゃないよ!そりゃ勉強も野球もできないけど……!」ジワ…

のび太「ううう……」

ミト「お、おい?」

のび太「うわあああああああああああん!」ビエーン!
16 :名無しNIPPER [saga]:2012/05/26(土) 11:16:49.01 ID:fqnbWbUAO
ナウシカ「ミトが泣かしたー!」

大ババ「ほほほ、ナウシカもよく泣かしておったな」

ミト「そ、それは姫様を思っての事で……!」

のび太「ううう……」シクシク

ミト「ええい!男のくせに泣くな!」ポカンッ!

のび太「痛いよおおお!ジャイアアアアアン!」ビエーン!

ユパ「ミト、この子も混乱しておるのだ、乱暴はするな」

ナウシカ「ミト、泣かしたんだからちゃんと謝んなきゃ駄目よ?」ニコニコ

ミト「ぐ……ぐぐぐ……」プルブル

ミト「……すまん」
17 :名無しNIPPER [saga]:2012/05/26(土) 11:18:57.31 ID:fqnbWbUAO
大ババ「もう夜も遅い、子供は寝る時間じゃ」

ミト「む……そうですな、さ、姫様寝室へ……」

ナウシカ「のび太!一緒に寝ましょう!」

のび太「ええ!?////」ドキッ

ナウシカ「まだまだ不思議な話を聞き足りないわ!」ニコニコ

ミト「駄目ですぞ姫様!こんな得体の知れぬ男と……!」

大ババ「いいではないか、男と女といっても共に11の子、何もなからう」

ミト「し、しかし姫様の身に何かあれば……」

ユパ「その心配はないだろう、ナウシカは大人顔負けの武芸の腕前だしな」

ナウシカ「さあ一緒に寝ましょう!」グイッ

のび太「わ、わわわ////」

ミト「ぐぬぬ」
18 :名無しNIPPER [saga]:2012/05/26(土) 11:21:56.20 ID:fqnbWbUAO
ジル「……不思議な子だ」パチリ

ユパ「ジル……あの少年をどう思う」

ジル「言ってる事はおとぎ話だが……ナウシカがなついておる……害はあるまい」

ユパ「そうだな、ナウシカには不思議な力がある……ナウシカが心を開いたのなら大丈夫だろう」

ジル「ユパよ……あの少年がもし本当に過去の世界から来たのだとしたら……」

ジル「この黄昏れの世に……何か意味があって訪れたのかもしれんな……」

大ババ「時を越えてか……ほほほ……あの伝承を思い出すのう……」

ユパ「まさかあの少年が伝承に出てくる人物だと?わしが見つけた時は黄色の衣だったが……」

大ババ「悪い子ではなさそうだ、この谷に根をおろしてくれるのなら……ナウシカの良き友になってくれるだろうて……」

ジル「トルメキアと土鬼はいつ戦争が起こってもおかしくはない状況だ……」

ジル「そうなれば風の谷も戦乱に巻き込まれていく……その時はナウシカが……」

ジル「……腐海が大地を飲み込もうとしているのに……何と人間は愚かなのだろうな……」

ユパ「……それも人の世だ」
19 :名無しNIPPER [saga]:2012/05/26(土) 11:27:46.41 ID:fqnbWbUAO
ナウシカ「スー……スー……」

のび太(ふぅ……やっと寝てくれたか……)

のび太(ふわぁ……僕の時代の話がそんなに面白いのかな)

のび太「……」ゴロン

のび太(……みんなどこにいっちゃったんだろ)

のび太(ドラえもん……しずかちゃん……ジャイアン……スネ夫……僕、怖いよ……)

のび太(……ここは100年後の世界なのかな?)

のび太(でも……そのわりにはいろんなものが変わり過ぎてるし……)ウトウト

のび太「ひょ……して……タイム……マシン……の……こしょー……で……」

のび太「…ZZZ」
20 :名無しNIPPER [saga]:2012/05/26(土) 11:30:44.75 ID:fqnbWbUAO
……た!……のび太!

「起きてのび太!」

のび太「んー……ドラえもん……あと5分……」ムニャムニャ

ナウシカ「どらえもん?私はナウシカよ?」

のび太「……へ!?」ガバッ

のび太「……」キョロキョロ

のび太「夢じゃ……なかったんだ……」

ナウシカ「うふふ、さあシャキッとして!これから腐海に行くんだから!」

のび太「ふかい?ああ、大きい虫がいるっていう……ええ!?嫌だよ!」

ナウシカ「腐海見た事ないんでしょう?行きましょうよ」ニコニコ

のび太「嫌だよ!ショーキっていう毒ガスがあるんだろ!?それに怖い巨大な虫が……!」

ナウシカ「大丈夫あなたの分のマスクは用意したし、みんな良い子よ?可愛くて!」ニコッ

のび太「イ、イイコ?」
21 :名無しNIPPER [saga]:2012/05/26(土) 11:32:45.79 ID:fqnbWbUAO
コソコソ

ナウシカ「そーっとね……みんなが起きる前に飛びたいから」

のび太「よく見ればまだ太陽が隠れてるじゃないか……何でこんな朝早くに……ふわぁ」

ナウシカ「ミトがうるさいのよ、まだ谷の外を飛ぶには早いってね」

のび太「じゃあやめとこうよ……あの人怖いよ……」

ナウシカ「あら優しい人なのよ?」カチッ

バシュン!ボボボボ…

ナウシカ「さあ乗って!」

のび太「え、ええ!?こんなのに乗るの!?」

ミト「こりゃ姫さまああああ!何しておるのだあああああ!」タタタッ

ナウシカ「いけない!ミトが起きちゃった!早く!」グイッ

のび太「わわっ!」

バシャンッ!

のび太「うわあああああああああ!」
22 :名無しNIPPER [saga]:2012/05/26(土) 11:36:31.58 ID:fqnbWbUAO
ミト「姫さまあああああ!また腐海に行くんですかあああああ!?」

ナウシカ「ごめんなさい!昼までには戻るわ!」

のび太「うわああああああああ!速いよおおおおおおお!」

ミト「まったく……メーヴェなど与えなきゃ良かった……」

上空を飛ぶナウシカとのび太。

のび太「……」

ナウシカ「あら、あんなに怖がっていたのにもう慣れたの?」

のび太「うん、よく考えたらタケコプターで飛びまわっていたし……」

ナウシカ「タケコプター?頭に小さな風車を付けて飛ぶっていうやつ?」

のび太「うん、タケコプターの方が全身剥き出しだから怖いや」

ナウシカ「ふーん……それっ!」

メーヴェがクルクルと回り出す。

のび太「うわぁ!?や、やめてよ!」

グルグル
23 :名無しNIPPER [saga]:2012/05/26(土) 11:40:22.44 ID:fqnbWbUAO
のび太「」ゲロゲロ

ナウシカ「大丈夫?ごめんね、ちょっとやり過ぎちゃった」

のび太「ううう……胃液しか出ないよ……」

ナウシカ「これから先はマスクをつけなきゃ駄目だから当分食事ができないし、水を飲む事もできないわ」

ナウシカ「サンドイッチを作ってきたから今のうちに食べときましょう」ニコッ

のび太「ナウシカの手作り?」

ナウシカ「うん!」ニコニコ

のび太「……」パクッ

ナウシカ「……どう?」

のび太「……美味しい////」モグモグ

ナウシカ「よかった!」ニコニコ
24 :名無しNIPPER [saga]:2012/05/26(土) 11:57:49.33 ID:fqnbWbUAO
再びメーヴェで空を飛ぶ二人。

のび太「息が苦しいよ……」

ナウシカ「そのうち慣れるわ、絶対に外しちゃ駄目よ?あっというまに死んじゃうから」

のび太「うへえ……やっぱ行くのやめようよぉ……」

ナウシカ「わがまま言わないの、ほら、もう見えてきた」

のび太「!?な、なにあれ!?」

ナウシカ「腐海よ、この世界の大部分を占める菌類の森、王蟲達の棲みかでもあるわ」

のび太「わ、わわわ……」ガクガク

のび太(ナウシカは変だよ!こんな怖いトコに行こうだなんて!)

のび太(100年かそこらでこんな植物が現れるわけがない!やっぱり変だよ!いろいろと!)
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/05/26(土) 11:59:10.46 ID:uqNUYJWno
>>5
ニュー速…………?
26 :名無しNIPPER [saga]:2012/05/26(土) 11:59:45.27 ID:fqnbWbUAO
メーヴェから降り、腐海に向かって歩いていく二人。

ナウシカ「もう一度確認しておくけど、蟲達を傷つけては駄目よ?」

のび太「う、うん……」

ナウシカ「もしマスクが壊れたり外れたりしたら落ち着いて息を止めて、予備のマスクを付けるの、いいわね?」

のび太「ね、ねえ、やっぱりやめ……」

ナウシカ「さ!行きましょう!」グイッ

のび太「とほほ……」
27 :名無しNIPPER [saga]:2012/05/26(土) 12:02:14.42 ID:fqnbWbUAO
腐海の中を進んでいく二人。

ナウシカ「♪」ルンルン

のび太「……」ビクビク

蟲の群れ「ギギギ」カサカサ

のび太「うわぁ!?」

蟲「!?」

ナウシカ「ごめんね、この子怖がりなの」ニコッ

蟲「……」カサカサ

ナウシカ「駄目よ驚かしちゃ」

のび太「む、無理だよ……ゴキブリの方が100万倍マシだよ……」ブルブル

ナウシカ「みんな蟲達を怖がるけど誠意を持って向き合えば蟲達も優しくしてくれるわよ」

のび太(やっぱりナウシカ……変……)ブルブル
28 :名無しNIPPER [saga]:2012/05/26(土) 12:04:17.57 ID:fqnbWbUAO
のび太「ねえ……どこ行くの?」

ナウシカ「鉄人兵の所よ、良い眺めなのよ?」ニコッ

のび太「鉄人兵?……世界を滅ぼしたとかいう!?」ビクッ

ナウシカ「今はただの遺跡だから大丈夫よ」

のび太「1000年前に世界を焼き尽くしたらしいけど……そんなの信じられないなあ……」

ナウシカ「私達はそう伝え聞いているわ、でものび太が100年前から来たのならその言い伝えは間違いだったのかも」

ナウシカ「私達は時を越える船なんて作れないしね」

のび太「……」
29 :名無しNIPPER [saga]:2012/05/26(土) 12:06:32.25 ID:fqnbWbUAO
のび太「ふうふう……」

ナウシカ「頑張って!あと少しよ!」

のび太「まったく……階段も無しにこんな……ふうふう……」

のび太は鉄人兵の遺跡の肩に出た。

のび太「うわあ……凄い眺め……」

ナウシカ「綺麗でしょ?」ニコニコ

のび太「この腐海、どこまでも続いているの?」

ナウシカ「どこまでも」

のび太「腐海の奥はどうなっているの?」

ナウシカ「うーん……きっと王蟲達の楽園だわ!」ニコッ

のび太「……ナウシカ、そのおーむっての好きなんだね」

ナウシカ「偉大な生き物だもの!見ればのび太もきっと好きになるわ!」ニコニコ

のび太(……たぶんそうはならない)
30 :名無しNIPPER [saga]:2012/05/26(土) 12:09:06.95 ID:fqnbWbUAO
腐海の探索を終え、メーヴェで空を飛ぶ二人。

のび太「ぷはぁっ!やっとマスクを外せるよ……」

ナウシカ「ふふふ、お疲れ様」

のび太「ふかいって怖いトコなんだね……生きた心地がしなかったよ」

ナウシカ「そのうち好きになるわよ」

のび太「ねえナウシカ、ナウシカは何でふかいが好きなの?」

ナウシカ「美しいから」

のび太「……僕には理解できないよ」

ナウシカ「……」

のび太「あ……ごめん……」

ナウシカ「ううん、みんなそう言うから」ニコッ
31 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/26(土) 12:12:36.79 ID:fqnbWbUAO
ナウシカ「のび太、のび太はいつまで谷にいてくれるの?」

のび太「へ?」

ナウシカ「のび太が気に入ってくれたらいつまでも谷にいてくれていいのよ?」ニコニコ

のび太「でも、僕が家に帰らなきゃパパとママが心配するよ」

ナウシカ「……そう」

のび太「たぶんもうすぐドラえもんが迎えに来てくれると思うんだ、だからそれまではいたいんだけど……駄目かな?」

ナウシカ「そんな事ないわ!のび太がいたいだけいてくれて構わないわ!」ニコッ

のび太「ありがとうナウシカ!」ニコッ

ナウシカ「それー!」

グルグル

のび太「うわあああああああ!やめてよおおおお!」

でも……ドラえもんが迎えに来てくれる事はいつまでたっても無く……

僕が風の谷に来てから、5年の歳月が流れた。

第一話 おわり
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/05/26(土) 12:19:08.51 ID:31Sji2rno
えっ
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga sage]:2012/05/26(土) 16:31:47.14 ID:7N3PNdhp0
まず火の七日間以前の住人があの世界に居られる訳がないという話は置いておくべきなのか。
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/05/26(土) 16:40:13.00 ID:r9L5uaRco
それは思ったけどアニメで出てない設定は使わないのかもしれない

とりあえず>>1
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/26(土) 17:50:21.17 ID:qs7/k14IO
えっ
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/05/26(土) 22:00:17.26 ID:nHmOTdyDO
最初に100年ほど未来って言ってるが、それドラえもんのいた時代じゃん
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/05/26(土) 22:02:07.86 ID:31Sji2rno
だからタイムマシンに何かあったんでしょ
のび太は既に何回かナウシカの裸を見たんじゃないか、羨ましい
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/26(土) 22:26:16.47 ID:nHmOTdyDO
いや、100年程度は肌身に触れてるじゃんドラ自身と秘密道具でって事を言いたかった
つか全員2112年くらいは行った事あるはずだし
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/26(土) 22:31:34.97 ID:pmZe6vZSO
あんまり言うと>>37が「嫌なら見るな」とかレスしそうだなww
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/05/26(土) 22:41:06.95 ID:31Sji2rno
ああなるほど、そういうことね。
>>39
何がどうなってそうなった
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/27(日) 02:00:55.80 ID:I1YLGG0Co
青狸金色の野に降り立ち云々
42 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/27(日) 11:59:13.58 ID:5tlmoBSAO


砂漠をウマに乗って進むユパ。

ユパ「……む?」

人のようなものが砂漠に転がっている。

ユパ「!」タタタッ

駆け寄るユパ。

ラステル「う……う……」

ユパ「まだ生きている!しっかりしなさい!さあ水を!」

ラステル「ん……」コクン

ユパ(……ひどい怪我だ……これでは……)

ラステル「わた……しは……ペジテの……ラステル……」
43 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/27(日) 12:02:37.26 ID:5tlmoBSAO


ユパ「ペジテの王女様か!?」

ラステル「これを……腐海……に……捨て……て……」

ガクンッ

ユパ「……」

ユパ「これは……石?」

秘石を手にとるユパ。

テト「キュイ」

ユパ「キツネリス?」

テト「キュ?キュイ?」ウロウロ

ユパ「……この少女が飼い主か」

のび太がこの地に来てより5年、腐海はますます広がり、人々は争いを続けていた。
44 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/27(日) 12:04:59.18 ID:5tlmoBSAO


〜風の谷〜

ナウシカ「よし、まわしてみて」

スムーズに回る風車。

ミト「良いようですな」

ナウシカ「ふぅ……ようやく直ったわね」

谷の子供「姫姉さまー!ユパ様がきたよー!」

ナウシカ「本当!?」バッ!

風車から飛び降り、木や建物のでっぱりを足場にして猿のように降りていくナウシカ。

ミト「わわ……!まったくヒヤヒヤさせるわい……」
45 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/27(日) 12:06:48.73 ID:5tlmoBSAO


ユパが来たというのにどこか浮かない顔の人々。

ナウシカ「……この子は?」

ユパ「砂漠に転がっていてな……わしが見つけた時はまだ息があったが……看取ったよ」

ナウシカ「そう……谷の外れにある墓地に埋めてあげましょう……みんなと一緒に……」

ユパ「すまんな……ジルはどうした?」

ナウシカ「……父はもう……歩けません」

ユパ「なんと……もう病がそこまで……」

ナウシカ「腐海のほとりに生きる者のさだめだとか……」

ユパ「……」

テト「キュイ!」トテトテ

ナウシカ「!キツネリス……」

ユパ「この少女のものだったらしい」
46 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/27(日) 12:09:38.14 ID:5tlmoBSAO


夜になり、谷のみんなとドンチャン騒ぎをするユパ。

テトはナウシカの肩の上に。

ユパ(人になつかぬキツネリスがこうもなつくとはな……)

ユパ「ところでのび太を見掛けぬが……」

ナウシカ「のび太は今王蟲の抜け殻を取りに行っているの」

ユパ「ほう……ナウシカが腐海で見つけたのか?」

ナウシカ「はい!」

ムズ「姫様の腐海遊びも無駄ではないわけだ」

ミト「心配するわしの身にもなって欲しいわい」

住人達「ははははははははは!」
47 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/27(日) 12:13:59.86 ID:5tlmoBSAO


〜ジルのいる寝室〜

ジル「ユパ……また会えるとはな……」

ユパ「ナウシカは立派になったな……もう16か……」

ジル「ああ……お前が拾ってきた少年もだ……」

大ババ「気まぐれな子じゃよ……一度外に出たら何日も帰ってこん」

ジル「元いた所を探しておるのだろう……口には出さぬがな」

ジル「家族と離れて暮らすのは辛かろう……好きにさせてやるさ……」

ユパ(のび太……)
48 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/27(日) 12:16:02.10 ID:5tlmoBSAO


〜翌朝〜

ナウシカ「!?トルメキアの船が!?」

ミト「間違いありません!コルベットです!谷に着陸する気です!」

ナウシカ「!」タタタッ

望遠鏡で覗くナウシカ。

コルベットは谷の農地に何の遠慮もなく着陸した。

ナウシカ「ひどい事を……種まきが終わったばかりなのに……あそこは焼かなくちゃ……」ギリッ

メーヴェに乗り込むナウシカ。

ミト「姫様!?」

バシャンッ!

ミト「ええい!わしらも続くんじゃ!」
49 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/27(日) 12:17:55.67 ID:5tlmoBSAO


コルベットから続々と降りて来るトルメキア兵と、そして蟲使い。

蟲使い「チッ…チッ…チッ…」

蟲「……」ウネウネ

蟲使い「間違いありません……石はこの谷に……」

装甲兵「そうか、引き続き探せ」

装甲兵「!?何かくるぞ!?」

キイイイイイイン

装甲兵「辺境の風使いだ!」

ゴオオオオオオ!

装甲兵「ガンシップもだ!」

トルメキア兵達の前に降り立つナウシカ。

ナウシカ「……」
50 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/27(日) 12:19:40.87 ID:5tlmoBSAO


ザンッ!

ナウシカ「風の谷ジルの子!ナウシカ!」

ナウシカ「汚れた船で許可もなく畑に着陸するとは何事だ!」

ナウシカ「この剣より一歩も先には進ませぬぞ!今すぐ立ち去れ!」

???「我らが目当てのものがこの谷にあるのだ、ペジテの王女が持っていたものなのだが」

???「大人しく渡せ、でなければ容赦はせぬぞ」

ナウシカ(!あの石を……!?何故こうまでして……)

蟲使い「……」

ナウシカ(あの蟲使いの持っている冠は……!?なんてこと!あの子の墓を暴いたんだ!)

ナウシカ(許せない!この石は絶対に渡さない!)キッ!
51 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/27(日) 12:21:38.37 ID:5tlmoBSAO


蟲使い「チッ…チッ…チッ…」

装甲兵「動くな、目当てのものを蟲達が見つけたようだ」

蟲達「……」ウネウネ

ナウシカ「……」

ナウシカに向かって進んでいく蟲達……だが……

バチッ!バチチッ!

蟲達「!?」ウネウネ

蟲使い「む、蟲達が……!?」

装甲兵「この女……!妖しい技を……!」
52 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/27(日) 12:25:41.45 ID:5tlmoBSAO


ナウシカ「おのれ!これ以上の愚行許せぬ!」

装甲兵「面白い!相手になろうぞ小娘!」

剣を構えるナウシカ。

ユパ「待てっ!双方剣を引け!」タタタッ

後ろから武器を持った谷の住人達が続く。

装甲兵「あの男……ユパです」

???「辺境一の剣士とは奴の事か……」

ユパ「ナウシカ早まるな、この谷を戦場にしてはいかん」

ナウシカ「……」

ユパ(これがあのナウシカか……!?まるで攻撃色の王蟲だ……)
53 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/27(日) 12:27:39.08 ID:5tlmoBSAO


装甲兵「おらぁ!」

斧を振りまわすトルメキア兵。だがナウシカはそれをかわし……

ザクッ!

鎧のすき間から剣を突き刺した。

谷の住人達「オオ!」

装甲兵「う……う……」フラフラ

ナウシカ「……」ニヤリ

ナウシカ(もらった!)ヒュンッ!

ガキィンッ!

ユパ「双方動くな!動けばこの王蟲の殻より削り出した刃がセラミック装甲をも貫くぞ!」
54 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/27(日) 12:29:47.17 ID:5tlmoBSAO


ナウシカ「……!」ブルブル

ナウシカ……気が付いたかナウシカ……動くな……まだ終わっていない……

ユパ「トルメキア兵に聞く……風の谷とそなた達の国とは古い盟約で結ばれた仲のはず……」

ユパ「何か用があればまず使者を立てるのが礼儀ではないか?」

クシャナ「……見事な仲裁だ、こちらから剣を引こう」カチャッ

谷の住人達「女!?」

装甲兵「」ガクンッ

クシャナ「すまない事をした……今日の所は引くと……」

???「おい!こいつ死んでるぞ!?」

なんだって!?ざわざわ

装甲将軍「よくも俺の心の友を……!ゆるさねえ!」
55 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/27(日) 12:31:37.35 ID:5tlmoBSAO


クシャナ「将軍、自重しろ」

装甲将軍「仲間をやられて黙っていられるか!この女ぶん殴ってやる!」ズンズン

ナウシカに近付いていく大男。

ユパ(まずい……!)

ナウシカ「……」

パキューン!

大男の足元の土が弾けた。

装甲将軍「!?」

ナウシカ(銃!?まさか……)

のび太「……」

ナウシカ(のび太!?)
56 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/27(日) 12:33:59.08 ID:5tlmoBSAO


離れた所から、ウマに乗ったまま銃口をこちらへ向けるゴーグルをつけた男。

のび太「……」チャキッ

装甲将軍「お前かこんにゃろ!来い!お前からぶん殴ってやる!」

クシャナ(この距離で正確に足元を狙ってくるとは……あやつ何者……)

のび太「……」タタタッ

ウマに乗りさっそうと近付いてくる男。

装甲将軍「へっへっ、俺様とやろうだなんて良い度胸じゃねえか!新しい剣の切れ味を試させろ!」

のび太「ごめんなさああああああい!」ドゲザザーッ!

クシャナ「……な!?」

トルメキア兵達「は?」

蟲使い達「え」
57 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/27(日) 12:38:43.73 ID:5tlmoBSAO


装甲将軍「な、何だお前は!?ウマで走ってきたと思えばいきなり土下座しやがって!?」

のび太「ナウシカが危ないと思ったからつい撃っちゃったんです!でも当てる気はなかったんだ!お願い許して!」

装甲将軍「う、うるせえ!早く立て!立って俺様と戦え!」

のび太「嫌だよー!僕喧嘩嫌いなんだもん!」

装甲将軍「こんにゃろ……ん……?このヘタレ具合……そしてこの声……」

のび太「……ん……?……この怖さ……この声は……」

パカッ

ジャイアン「のび太!?」

パカッ

のび太「ジャイアン!?」
58 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/27(日) 12:40:18.25 ID:5tlmoBSAO


のび太「ジャ、ジャイアン!?な、何で……」ワナワナ

ジャイアン「お前こそ……!どうしてここに……」ワナワナ

ダキッ!

のび太「うわーん!ジャイアアアアアアン!」

ジャイアン「心の友よおおおお!会いたかったぞおおおおお!」

クシャナ「?」

トルメキア兵達「?」

ユパ「?」

谷の住人達「?」

ナウシカ「……」
59 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/27(日) 12:42:34.72 ID:5tlmoBSAO


クシャナ「ジャイアン、この男はお前の知り合いか?」

ジャイアン「クシャナ!こいつは100年前に学校で俺と同じクラスだったのび太っていうんだ!」ギュウウウ!

のび太「痛い!ジャイアン鎧が痛いよ!」

装甲兵「将軍、殿下にそのような口の効き方は……」

クシャナ「お前が時を越える船でやって来たという故郷の知り合いか……信じてはおらぬがな」

ジャイアン「ホントだって!なっ!のび太!」

のび太「無駄だよジャイアン、言っても信じてくれないよ」

ジャイアン「むむむ……」

クシャナ「ジャイアン、引き上げだ、早くしろ」

ジャイアン「ちっ、ゆっくり話もできやしないな、じゃあなのび太!また会おうぜ!」

のび太「うん!またねジャイアン!」

コルベットで去っていくトルメキア軍。

ユパ(同じような話をする者が現れた……ひょっとすると本当に……)
60 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/27(日) 12:44:35.85 ID:5tlmoBSAO


谷の住人達「やりましたな姫様!トルメキア兵に一泡吹かせてやりましたな!」

ナウシカ「……」

谷の住人達「のび太もじゃ!あの大男を止めた銃の一発!格好良かったぞ!」

のび太「僕は別に……」

ナウシカ「……ありがとうのび太、おかげで助かった」ニコッ

のび太「えへへ////」

ミト「どこがじゃい、あんな土下座の仕方わしは初めて見たぞい」

のび太「いやー、怖くてつい……」

ミト「それにどこをほっつき歩いとったんだ、すぐ戻ってくるといっとったのに、王蟲の殻も持ってきておらんし……」

のび太「そ、それは……」
61 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/27(日) 12:46:42.45 ID:5tlmoBSAO


ナウシカ「良いじゃないミト、のび太の遅刻癖は今に始まった事じゃないわ」

のび太「えへへ////」

ミト「褒めておらんわ!」

ナウシカ「ピースケもありがとね!」

のび太の乗ってたウマに抱き着くナウシカ。

ピースケ「クェッ!」

ユパ「ピースケも立派なウマになったな……のび太が拾ってきた時は小さな子ウマだったのに」

ピースケ「クェッ!」グリグリ

のび太「痛いよピースケ!」

ユパ(ウマにここまで懐かれるとは……やはりこの谷に連れてきて良かった)
62 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/27(日) 12:51:06.07 ID:5tlmoBSAO


〜夜の城〜

のび太(ナウシカがトルメキア軍と一緒に戦争に参加する事になっただなんて……)

のび太(嫌だな戦争なんて……みんな仲良くすれば良いのに……)

のび太(ナウシカどこにいるんだろ……)キョロキョロ

テト「キュイッ」

のび太「テト、ナウシカはどこだい?」

テト「……」タタタッ
63 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/27(日) 12:53:42.66 ID:5tlmoBSAO


ガチャッ

ナウシカ「……」

のび太「!?」

のび太「ナウシカどういう事!?これ腐海の木々でしょ!?マ、マスクマスク!あー無い!」アセアセ

ナウシカ「大丈夫、瘴気は出してないから」

のび太「ええ!?で、でも腐海の……!?」

ナウシカ「水は深い地下から組み出した井戸水、砂も同じよ」

ナウシカ「綺麗な水と砂では腐海の木々は無害なの!汚れているのは土だったのよ!」

のび太「へえー、よく気付いたねえ……やっぱナウシカは頭良いや」

ナウシカ「のび太!私怖い!」ダキッ!

のび太「わ、わわわ////」カアア
64 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/27(日) 12:55:57.69 ID:5tlmoBSAO


ナウシカ「怒りに身をまかせて何をするか自分でも分からない!」

ナウシカ「今まで戦争をする人達の事を哀れんできたけど、私もおんなじだったのよ!」

のび太「……」

ナウシカ「ううう……」

ギュッ

のび太「だって人間だもの、仕方ないよ」

のび太「人に嫌な事をしちゃったら、それよりもっとたくさん人に優しくすれば良いんじゃない?」

のび太「ナウシカだけじゃないよ、みんな怖いんだ……でもだからこそ優しくされた時嬉しいんじゃないかな?」

ナウシカ「のび太……」

のび太「大丈夫、ナウシカは優しくできるよ……僕がこの谷に来た時に優しくしてくれたじゃないか」ニコッ

ナウシカ「……ありがと」ギュウウウ

この様子をこっそり眺めるユパ。

ユパ「……」
65 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/27(日) 12:57:32.84 ID:5tlmoBSAO


〜のび太の寝室〜

のび太(……明日……ナウシカ旅立つんだ……)

のび太(ナウシカ死んじゃうのかな……そんなの嫌だな……)

コンコン

のび太「?」

ガチャッ

ユパ「……」

のび太「ユパさん……」

ユパ「すまぬな、こんな遅くに」

のび太「いえ……どうかしたんですか?」ニコッ

ユパ「実はちょっと頼みたい事があってな……」
66 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/27(日) 12:59:15.50 ID:5tlmoBSAO


〜翌朝〜

ミト「姫様も物好きだ、お供に選んだのが城オジ三人とは……」

ナウシカ「あら、私は頼りにしてるわよ?」ニコッ

谷の幼女達「姫ねえさまー!」タタタッ

ナウシカ「これ、チコの実?」

谷の幼女達「みんなで摘んだの!」

ナウシカ「まあ!大変だったでしょうに!」

谷の幼女達「必ず戻ってきてね!」

ナウシカ「うふふ、約束するわ」

谷の幼女達「ホントにホント!?」

ナウシカ「ホントにホント」ニコッ
67 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/27(日) 13:03:43.23 ID:5tlmoBSAO


コルベットとガンシップのエンジンが起動。

ドドドドドド…

ユパ「ナウシカ……気をつけるのだぞ……」

ナウシカ「いってきますユパ様……のび太は?」

ユパ「今朝から見ておらぬな……」

ミト「まったくこんな日にも遅刻とは、呆れた奴だ」

ナウシカ「もう時間がない……ユパ様、のび太にいってきますと伝えといて下さい」ニコッ

ユパ「うむ、まかせておけ」

キイイイイイイイイン

飛び立っていくコルベットとガンシップ。

ユパ「……」
68 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/27(日) 13:06:53.83 ID:5tlmoBSAO


〜バージの船内〜

ムズ「カイも一緒とはな、心強いわい」

ニガ「のび太のピースケも一緒だが……許可は得てあるのか?」

カイ「クェッ!」

ピースケ「クェッ!」

ゴトゴト

のび太 ナウシカは谷を気遣って若者は連れて行かぬだろう

ムズ「ん?この荷物動いてないか?」

生きて戻れぬ事も考えておるのだろう

ニガ「はて……なんじゃろ……」

そこでだ のび太 こっそり荷物に紛れてナウシカと同行してくれぬか

バーン!

のび太「ふぱぁー!ようやく飛び立ったみたいだね!」

ムズ「の、の……」

ニガ「のび太ああああああああああ!?」

そしてナウシカの事を守ってくれ……頼んだぞ
69 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/27(日) 13:08:35.20 ID:5tlmoBSAO


ユパ(ナウシカ!のび太!必ず生きて戻ってこい!)

ユパ(お前達二人ならどんな地獄からも戻って来られるはずだ!)

ユパ(風の谷が……世界がお前達のチカラを必要とする時が必ず訪れる!)

この日、トルメキアと土鬼の開戦が宣言された。

第二話 おわり
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/05/27(日) 14:12:27.67 ID:mT/2zb6ro
ジャアーン!
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) :2012/05/27(日) 15:59:35.28 ID:6RKabyiBo
これスネオ死んだのか?
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) :2012/05/27(日) 16:11:30.38 ID:6RKabyiBo
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) :2012/05/27(日) 16:54:04.23 ID:6RKabyiBo
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/05/27(日) 17:15:49.97 ID:O31/9l6Uo
保守せんでも落ちない。規約読んで来い
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/05/27(日) 17:29:51.80 ID:B2QHvjV8o
これは良いコラボ、楽しみだ
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/05/27(日) 18:00:20.50 ID:6RKabyiBo
申し訳ない専ブラで見てたからニュー速VIPと素でまちがえました
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2012/05/27(日) 18:22:48.49 ID:cr/ddC/Xo
面白いな
ナウシカ読みなおしながら待ってる
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/27(日) 19:52:31.35 ID:K2l9UvlDO
>>71
でもジャイアンは仲いい友達には心の友と言うし主役級のスネ夫がここで死ぬ事もないだろ
79 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/28(月) 18:43:41.24 ID:i+enkzLAO


〜上空 コルベット船内〜

クシャナ「お前の話していたのび太という男が本当にいたとはな」

ジャイアン「だから言ったろ!俺は100年前の過去から来たんだよ!」

クロトワ「殿下何なんですかこいつは?おかしな事を言っておりますが」

ジャイアン「何だと!?中央派遣の参謀だが何だか知らねえが俺様に舐めた口利くとぶっ飛ばすぞ!」

クロトワ「おっとっと」

装甲兵「しょ、将軍!」アタフタ

クシャナ「ジャイアン騒ぐな、船が揺れる」

ジャイアン「……クシャナに免じて今は許してやる!」ガシャガシャ
80 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/28(月) 18:46:39.70 ID:i+enkzLAO


クロトワ「何なんですかあの男は……」

クシャナ「5年前にトルメキア国内に突然現れてな、私が拾ってやった」

クロトワ「拾ったですと?顔つきは土鬼に似ていますが大丈夫なのですか?」

クシャナ「奴はスパイなどできる頭は持ち合わせておらん」

クロトワ「そのようですが……あのような知性のカケラも無い男が将軍とは……」

クシャナ「奴は部下からの信頼も厚い、白兵戦では敵無しだしな、使える男だ」

クロトワ(やれやれ、よく分からんな)
81 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/28(月) 18:48:36.92 ID:i+enkzLAO


〜上空 ガンシップ〜

ミト「姫様!バージからの連絡で、荷物にのび太が紛れ込んでたらしいですぞ!」

ナウシカ「まあ!?のび太が!?」

伝声管『えへへごめん、荷物の中で寝てたらこうなっちゃった』

ミト「まったく、今さら降ろせんわい」

ナウシカ(のび太何故……のび太には風の谷を守っていて欲しかったのに……)

ミト「姫様!辺境の船です!」

辺境のガンシップや船が続々とナウシカ達に合流してくる。

ナウシカ「凄い……ガンシップがこんなに……」

ミト「まだこれ程の数が残っていたとは驚きですな」
82 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/28(月) 18:50:59.28 ID:i+enkzLAO


〜コルベット船内〜

クロトワ「こいつは驚いた……ガンシップがこんなに……」

ジャイアン「なんだぁ?あんなちびっこい船で戦えるのか?」

クロトワ「馬鹿め、ガンシップの性能を知らぬのか」

ジャイアン「んだとぉ!」ガシッ

クロトワ「お、おいおい……」

クシャナ「やめろジャイアン、この男の言っている事は正しい」

ジャイアン「ケッ……」

クシャナ「ガンシップは一機でもこのトルメキア船団と戦える程の船だ」

ジャイアン「何だと!?あんなちっこいのでか!?」

クロトワ(辺境の奴らに反逆されたら終わりってわけか……何とも不安だねぇ……)

装甲兵「!2時の方向に船です!」
83 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/28(月) 18:52:48.20 ID:i+enkzLAO


船団が近付いてくる。

ナウシカ「船!?」

ミト「浮砲台だ!土鬼の船です!」

ドンッ!ドンッ!ドンッ!

大砲を撃ってくる土鬼の船団。

ナウシカ「くっ!」

トルメキアも負けじと撃ち返す。辺境の船達も身を守るために攻撃を開始する。

〜バージ船内〜

のび太「わわわ!」

ムズ「ひええ、えらいこっちゃ」
84 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/28(月) 18:56:13.13 ID:i+enkzLAO


装甲兵「辺境のガンシップ船団が攻撃を開始!」

クシャナ「今だけは味方のようだな」

ガンシップ達はその機動力を活かして土鬼の船団を圧倒している。

ジャイアン「やるなあ、小さいくせに」

装甲兵「土鬼が撤退を開始!追撃しますか!?」

クシャナ「いや、こちらも撤退だ」

クロトワ「何故です!絶好のチャンスで……」

突如現れたガンシップが、トルメキアの船一機に弾丸を撃ち込んだ。

ジャイアン「!?」

装甲兵「ガンシップ!あれは……ペジテのガンシップだ!」
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/28(月) 18:57:42.21 ID:UMKlh4UIO
原作既読者しかわかんねぇだろ、このSSwww
86 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/28(月) 18:57:58.20 ID:i+enkzLAO


クロトワ「何でこんないきなり!?」

クシャナ「土鬼の船団は奴が呼び寄せたのだ」

装甲兵「!こっちへ来る!」

アスベル「……!」ギラギラ

ドバババババ!

装甲兵「ぐああああ!」

装甲兵「ぎゃああああ!」

ジャイアン「お、お前ら……!俺をかばって……!」

操縦士「あ、あわわ」ブルブル

クロトワ「何やってんだ!どけ!」

操縦士「え」

操縦席に座るクロトワ。
87 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/28(月) 18:59:43.18 ID:i+enkzLAO


クロトワの操るコルベットは生まれ変わったようにガンシップの攻撃をかわしていく、

ミト「あれはペジテのガンシップです!」

ナウシカ「(同じ辺境の船は撃てない!)このままじゃ巻き添えを喰らう!退却!」

戦場から離れていく風の谷のガンシップ。

〜バージ船内〜

ニガ「うひゃあ……地獄絵図じゃあ……」

のび太「ねえ!あのクシャナとかいう人はどの船にいるの!?」

ムズ「あの中央のコルベットだと思うが……」

のび太(ジャイアンもたぶんあの船に乗っている!)

のび太(ジャイアン……!)ギリッ
88 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/28(月) 19:01:30.09 ID:i+enkzLAO


ペジテのガンシップがクシャナのいるコルベットに向かって急降下。

クロトワ「クソ!何て奴だ!」

アスベル(もらった!ペジテの仇だ!)

ビシッ!

ガンシップの右の翼が破損した。

アスベル「!?」

アスベル(何だ!?どの船に撃たれたんだ!?)

辺りを見渡すアスベル。

はるか遠くにある風の谷のガンシップが引っ張っているバージ。

その乗り込み口に一人の男が身を乗り出して機関銃を構えている。

ビュオオオオオ…

のび太「……」

アスベル(まさかあいつが!?同じ辺境なのに……いやあんな所から撃って命中させただと!?)
89 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/28(月) 19:03:09.37 ID:i+enkzLAO


ムズ「のび太!一体何をしとるんじゃ!?」

ニガ「!土鬼の船が戻ってきたぞい!」

ナウシカ(!私達がペジテのガンシップには手を出せないと思って引き返してきたんだわ!)

ペジテのガンシップに近付くコルベット。

アスベル(しまった!)

クロトワ「もらった!」

ドガガガガガ!

ミト「やられたあ!落ちていくぞ!」

ナウシカ「……」ギリッ

ドガガガガガ!

ナウシカ「!?」

風の谷のガンシップとバージとをつなぐロープが破壊された

ミト「土鬼の奴らめ!わしらも落とす気だ!」
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/05/28(月) 19:06:58.38 ID:cjpqgXCyo
銃が絡んだ時ののび太の頼もしさは異常
91 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/28(月) 19:55:29.63 ID:i+enkzLAO


トルメキアへの攻撃を再開した土鬼。

〜コルベット船内〜

クロトワ「クソッ!土鬼め!」

クシャナ「こちらが落ち着きを取り戻せば引いていくだろう、辺境のガンシップに攻撃命令を出せ」

装甲兵「」

装甲兵「」

装甲兵「」

クシャナ「……」ギリッ
92 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/28(月) 19:56:51.70 ID:i+enkzLAO


ナウシカ「バージの回収に行く!」

ドガガガガガ!

ミト「姫様駄目じゃあ!土鬼の船が!」

ナウシカ(どうして……!私はあなた達と戦う気は無いのに……!)

ミト「土鬼の船をやるしかない!」

ナウシカ「駄目!」

ミト「何故じゃあ!奴らをやらないとバージの回収が……!」

ナウシカ「のび太がいる!」

ミト「あんな泣き虫に何ができるんだ!」

ナウシカ(のび太……お願い……!)
93 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/28(月) 19:58:27.59 ID:i+enkzLAO


〜バージ船内〜

のび太「あ、あわわ」ブルブル

ムズ「もう終わりじゃあ……」

ニガ「蟲に食われるのは嫌じゃあ……ひとおもいに自害を……」

のび太(怖い!どうしたら!どうしたら!)ガクブル

……た

のび太「!?」

……のび太!

のび太(ナウシカ!?)
94 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/28(月) 19:59:53.78 ID:i+enkzLAO


のび太お願い!みんなを助けて!

のび太(何故ナウシカの声が!?それに何だろこの感じ……)

のび太(まるでナウシカと一緒にいる時みたいだ……)

ムズ「のび太!」

のび太「!」ハッ

ムズ「ほれ銃じゃ……これで蟲に食われる前に死のう……」

ニガが拳銃を自分自身の頭につけ、引き金を引こうとしている。

ズキューン!
95 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/28(月) 20:01:19.23 ID:i+enkzLAO


ニガ「!?」

のび太はニガが持っていた拳銃を撃ち弾いた。

ニガ「な、何を……」

のび太「腐海に不時着するんだ!」

ムズ「無理じゃそんなの!蟲に食われて終わりじゃ!」

のび太「やるだけやって蟲に食われるならそれでいいじゃないか!」

ムズ「んな……」

のび太はバージの操縦桿を握った。

のび太(生きるんだ!ユパさんに約束したんだ!)

バージは腐海に向かって下降していく。

のび太(ナウシカを守って、必ず生きて帰るって!)
96 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/28(月) 20:04:43.78 ID:i+enkzLAO


腐海の上をガンシップで飛ぶナウシカとミト。

ミト(この広い腐海の中からバージを見つけるなど不可能だ……)

ナウシカ「……」

ゴオオオオオオオ…

ミト「姫さ……」

ナウシカ「!あそこに誰かいる!」





アスベル「う……いてて……」
97 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/28(月) 20:06:27.55 ID:i+enkzLAO


アスベル(何とか不時着したけど……ガンシップは駄目になってしまったし……)

アスベル(辺境の国々までは遠い……それに腐海には蟲達が……)

ボトッ

アスベル「ん?肩に……」

蟲「ギギギ」ウネウネ

アスベル「うわあああああああ!?」

ナウシカ「駄目!撃っては!」

ナウシカがメーヴェに乗ってやって来た。
98 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/28(月) 20:08:26.78 ID:i+enkzLAO


蟲「ギギギ」

ナウシカ「ごめんね……」

蟲「……」ウネウネ

アスベル「き、君は……?」

ナウシカ「私は風の谷のナウシカ」

アスベル「僕はペジテのアスベル、ありがとう……つい蟲を殺してしまう所だったよ」

ナウシカ「……あなたがトルメキアの船団を襲ったのね?」

アスベル「そうさ!奴らは突然ペジテに襲いかかって女子供まで皆殺しにしたんだ!」ギリッ

ナウシカ「何故そんな……」

アスベル「それはあいつらがペジテにあるパーツを……!」

ナウシカ「パーツ?」

アスベル「……君は知らない方が良いよ」
99 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/28(月) 20:10:33.65 ID:i+enkzLAO


ナウシカ「ガンシップがこの近くの湖に停まっているわ、私の凧でいきましょう」

アスベル「ありがとう……ホントに助かったよ……」

ナウシカ達の頭上を、真っ赤になった蟲達の集団が飛んでいる。

アスベル「うへぇ……」

ナウシカ「森が怒ってる……土鬼やトルメキアの船が森に落ちたせいね」

ナウシカ「のび太達は大丈夫かしら……」

アスベル「のび太?」

ナウシカ「私の友達、時を越える船で過去の世界から来たの」ニコッ

アスベル「はぁ……?」
100 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/28(月) 20:12:07.42 ID:i+enkzLAO


〜ガンシップの停まっている湖〜

アスベル「そうか……妹は風の谷に埋葬されているのか……」

ミト(この少年がペジテの王族だったとは……)

ミト(それにしてもペジテは平和的な辺境の工房国家……何故トルメキアはペジテを……)

ナウシカ「アスベル……これ」

秘石を見せるナウシカ。

アスベル「!これは!」

ナウシカ「妹さんから預かったものだけど……あなたに渡した方が良いかしら」

アスベル「……僕が持っておくよ」

ナウシカ「……蟲達がだいぶ落ち着きを取り戻してきたみたい、飛びましょう、のび太達を探さなくちゃ……」
101 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/28(月) 20:46:51.77 ID:i+enkzLAO


〜また別の湖〜

ムズ「何とか湖に不時着できたはいいが……」

ニガ「バージだけでは飛べん……ガンシップを待たないと……」

蟲「ギギギ」バッサバッサ

ムズ「ひええ!」

のび太「騒ぐと逆に危ないよ、落ち着いて」

ムズ「お、おう……」

ニガ(……まるで姫様みたいじゃのう)

…………

のび太「……?」

……ん…
102 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/28(月) 20:48:40.59 ID:i+enkzLAO


のび太(……ナウシカ?)

……た……ん…

のび太(違う……誰……?)

ムズ「どうしたんじゃ?」

のび太「僕ちょっと周りの様子を見てくるよ」ドブンッ

ニガ「お、おいのび太!?」

蟲「ギギギ」バッサバッサ

ニガ「わひぃっ!」ビクッ
103 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/28(月) 20:49:55.98 ID:i+enkzLAO


腐海の中を歩くのび太。

のび太(……聞こえなくなっちゃった)

ズボッ!

のび太「!?」

ズズズ…

のび太「これは……流砂……!?」

ズズズ…

のび太「くっ……!」

ズズズ…

のび太「な、何とかしないと……!」

ズズズ…

のび太「くっ……そ……」

……………

………
104 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/28(月) 20:52:34.59 ID:i+enkzLAO


のび太「……」

のび太「……ん」パチリ

のび太「!?ここは!?」キョロキョロ

辺りには石となった巨大な木が並び、それが砕けて岩となった幻想的な風景が広がっていた。

のび太「ここはどこ?僕は確か流砂に飲まれて……?」

チャプンッ

のび太「水?湖……そうか、僕湖に落ちたから助かったのか……」

のび太「!?うわぁ!マスクが壊れてる!?」

のび太「……?平気だ!?」スーハースーハー
105 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/28(月) 20:54:01.43 ID:i+enkzLAO


のび太「空気が清浄なんだ……腐海の地下にこんな所があったなんて……」

パキンッ

のび太「!?」

石となっている倒木が崩れた。

駆け寄るのび太。

サラ……

のび太「これ……砂……?」

のび太「綺麗……前ドラえもんに連れて行ってもらったビーチの砂みたいだ……」
106 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/28(月) 20:57:10.05 ID:i+enkzLAO


のび太「この水……飲めるのかな?」

ゴクンッ

のび太「うん美味しい!何から何まで綺麗なんだ!」

のび太「ナウシカが見たら喜びそうだ、でも何で腐海の地下にこんな空間が?」

その時、全身を毛布みたいなものでくるんだ人間が現れた。

のび太「!?」

???「……さん?」
107 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/28(月) 20:59:27.36 ID:i+enkzLAO


のび太「?」

???「あなたのび太さんでしょ!?」

のび太「そ、そうだけど……」ビクビク

???「やっぱり!良かった!のび太さん無事だったんだ!」

のび太「……き、君は?」ビクビク

???「……」

カポッ

しずか「私よのび太さん!」ニコッ

のび太「し、しずかちゃん!?」

第三話 おわり
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/05/28(月) 21:02:47.62 ID:Sv38krrQo
しずかちゃんきたあああ
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県) [sage]:2012/05/28(月) 21:10:01.11 ID:FgkBwTLUo
しずかちゃーん!
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/05/28(月) 22:00:13.89 ID:UR7EqlZg0
えーと、ここで

のびた 風の谷
しずか 森の民
ジャイアン トルメキア
だと思うんだが。

残るスネオは、土鬼にいそうだな。

[たぬき]は巨神兵(笑)
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/28(月) 22:34:49.03 ID:EZ+s5P+Ao
スネ夫は死んだよ。腐海に呑まれてポックリさ
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/05/29(火) 00:02:42.53 ID:YLk02sQ70
地下から出れなくなってたのか…10年も…
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県) [sage]:2012/05/29(火) 22:22:13.58 ID:aBjCtNjSo
超期待
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/29(火) 23:45:49.15 ID:i3P2jVDro
このガンシップは三人乗り云々
115 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/31(木) 12:48:16.17 ID:JmNX7y6AO


〜バージの停まっている湖、ガンシップも停まっている〜

ナウシカ「のび太が腐海に!?」

ムズ「そうじゃ……まだ戻ってこん……」

ミト「何をやっておるのだ!蟲達が騒いでいるから早く脱出したいのに!」

ナウシカ「……!」

突然水面が揺れ、王蟲が現れた。

ザバーンッ!

王蟲「……」

ナウシカ「王蟲!」
116 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/31(木) 12:51:28.92 ID:JmNX7y6AO


ニガ「わひゃあああ!ここは王蟲の巣じゃー!」

ミト「姫様!のび太は置いといて早く脱出を!」

ナウシカ「……?」

王蟲「……」キシキシ

ナウシカ「待って、私が話してみる」

アスベル「は、話す?」

ゆっくりと近付いてくる王蟲。

ナウシカ「王蟲!ごめんなさい!あなたの家にお邪魔しちゃって!」

王蟲「……」シュルシュル

王蟲の口から金色の触手が伸び、ナウシカを包む。

アスベル「うわ……」

ムズ「ひ、姫さまああああ!」
117 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/31(木) 12:53:40.61 ID:JmNX7y6AO


らん、らんらららんらんらん

……ここは?

カキーン!

ジャイアン「のび太ー!いったぞー!」

のび太「オーライオーライ……ああ!」

ガシャアン!

しずか「まあ大変!」

スネ夫「雷の家だ!やばいよのび太!」

……のび太?

ジャイアン「おいどうすんだよのび太!」

のび太「ええー!?ぼくうううう!?」

……これは……のび太の記憶……?

ドラえもん「まったくしょうがないなあ……」

……この青い人は?

らんらら、らんらんらん…
118 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/31(木) 12:55:33.79 ID:JmNX7y6AO


ナウシカ「王蟲!今のは!?何故私に!?」

王蟲「……」ザブザブ

ナウシカ達から去っていく王蟲。

王蟲!どこへ行くの!?

……我らは『南のトモ』の元へ行く

南のトモ!?南のトモって!?

…………

王蟲!待って!

……

王蟲!
119 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/31(木) 12:56:54.66 ID:JmNX7y6AO


ミト「姫様!?姫様!?」

ナウシカ「ミト……」

ミト「よかった……何事かと思いましたぞ……」

バージからメーヴェを出すナウシカ。

アスベル「どこへ行くんだい!?」

ナウシカ「水面が収まったら飛んで!そのまま谷に帰って!」

ナウシカ「のび太は私が何とかするから!」

バシュンッ!

ミト「姫さまー!?」
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/05/31(木) 16:41:43.02 ID:fS817Ko6o
翻訳こんにゃくがあれば…!
[たぬき]のありがたみがよくわかる
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/31(木) 17:27:34.84 ID:6iEhUkjIo
>>120
そうか!巨神兵に食わせるのか!
122 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/31(木) 18:22:40.36 ID:JmNX7y6AO


〜腐海の上空〜

蟲達「ギギギ」バッサバッサ

メーヴェで飛ぶナウシカ。

ナウシカ(蟲達の様子がおかしい……)

蟲達「ギギギ」バッサバッサ

ナウシカ(怒っているんじゃ……ない?)

…………

ナウシカ「……?」

…………

ナウシカ「……誰?」
123 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/31(木) 18:25:53.78 ID:JmNX7y6AO


〜腐海の地下〜

のび太「し、しずかちゃん!?ホントにしずかちゃんなの!?」

しずか「そうよのび太さん!良かった会えて!」

のび太「じゃあ僕を呼んだのはしずかちゃんなの?」

しずか「……呼んだ?」

無意識に古き友を呼んでしまったのでしょう……

のび太(!?心に直接……!?)

彼女は力を得て間もないですから……

???「……」

しずかと同じく、毛布のようなものを身にまとった人物が近付いてきた。

のび太「だ、誰?」ビクビク

???「……」

カポッ

セルム「私の名はセルム……森に住む者です」ニコッ
124 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/31(木) 18:27:18.83 ID:JmNX7y6AO


しずか「セルムさん……」

セルム「駄目だよ私から離れては、腐海で迷ったら見つけるのに苦労する」

しずか「えへへ……ごめんなさい」

のび太(ムッ……ペアルック……?)

のび太「だ、誰なのさ?このキザや野郎は?」

しずか「この人はセルム、腐海で私を拾ってくれた『森の人』よ」

のび太「ふ、腐海で拾った?もりのひと?」

セルム「腐海の奥地で瘴気マスクもせずに生きていたから最初は蟲だと思いましたよ」

のび太「え……ええ!?マスク無しで!?」

のび太「ありえないよそんなの!腐海でマスク無しじゃ死んじゃうんだよ!?」
125 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/31(木) 18:29:10.53 ID:JmNX7y6AO


セルム「確かにありえません、マスク無しで腐海の瘴気の中生きていられる人間なんているはずがない」

のび太「じゃ、じゃあ何で……?」

しずか「のび太さん……『テキオー灯』じゃないかしら?」

〜テキオー灯とは?〜
その道具から照射される光りを浴びれば宇宙空間だろうと生身で活動できるようになるひみつ道具。
ただし効果は24時間しか続かない。

のび太「そうかテキオー灯だ!テキオー灯を使えば腐海の中でだって平気だ!」

しずか「でもテキオー灯の効果って24時間のはずよね?」

のび太「うん」

しずか「私最近腐海の中でマスク外してみたんだけど、平気だったのよ」

のび太「え?」

しずか「つまり私にはテキオー灯の効果がずっと続いている事になるのよ、5年間ずっと」
126 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/31(木) 18:31:17.74 ID:JmNX7y6AO


のび太「どうしてなんだろ……」

しずか「のび太さんはどう?」

のび太「うーん……どうなんだろ……腐海でマスク外して試してみたいけど失敗したら嫌だなあ……」

セルム「例え平気であってもマスク無しで瘴気の中を歩くのはやめた方が良いでしょう」

のび太「なんで?」

セルム「人は不思議なものを恐れるものですから」

のび太「ふぅん……よく分からないけどそうするよ」

しずか「他のみんなはどうなったのかしら……たけしさんやスネ夫さんは……」

のび太「ジャイアンならこの前会ったよ」

しずか「え!?どこで!?」

のび太「風の谷って所でちょっとね、軍隊に入ってて将軍なんて呼ばれていたけど、ジャイアンはジャイアンだった」

しずか「そう……たけしさんらしいわね、うふふ」
127 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/31(木) 18:35:27.50 ID:JmNX7y6AO


のび太「僕はその風の谷っていう町にいるんだ!」

のび太「しずかちゃんもおいでよ!そんな毛布じゃない普通の服がたくさんあるよ?」

しずか「うふふ、これ蟲の腸よ?」ニコッ

のび太「えええ!?ちょ、ちょう!?」

しずか「それに毎朝蟲の卵を飲んでいるのよ?」

のび太「ゲエエ!?」

セルム「私達は火を捨てたものですから」

のび太「もしかしてずっと腐海で暮らしているの!?」

しずか「うん」ニコニコ

のび太「そんなの可哀相だよ!風の谷で暮らしなよ!セルムも!」
128 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/31(木) 18:36:59.28 ID:JmNX7y6AO


しずか「ごめんなさいのび太さん、私は森での暮らしが気に入ってるし」

しずか「それに、与えられた役目があるから」

のび太「役目?」

セルム「腐海の異変を探るという役目です」

のび太「異変?変なの?腐海が?」

しずか「最近蟲達の様子が変なの……どこかへ移動していて……私達を蟲を追ってここまで来たのよ」

のび太「ふぅん……大変だね……ん?」

ナウシカ「のび太ー!」

メーヴェで舞い降りてくるナウシカ。
129 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/31(木) 18:38:28.60 ID:JmNX7y6AO


ナウシカ「!?のび太マスクが!?」

セルム「大丈夫、ここの空気は清浄ですから」

のび太「うん、大丈夫だから外してみなよナウシカ」

ナウシカ「……」

カパッ

ナウシカ「……本当だ!」

ナウシカ「でもどうして……そうか!腐海の木々が大地の毒を浄化してそれで……!」

ナウシカ「……嬉しい!」ダキッ

のび太に抱き着くナウシカ。

のび太「わ、わわわ////」

しずか(ムッ……)
130 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/31(木) 18:40:03.41 ID:JmNX7y6AO


あなたも腐海の目的を探る一人でしたか

ナウシカ「!」

セルム「……」

ナウシカ(この人が……)

ナウシカ「あなた達は?見慣れない格好だけど……」

セルム「私達は森の人です」

ナウシカ(森の人!?蟲の腸をまとい蟲の卵を食べる火を捨てた人達……)

ナウシカ(ユパ様に聞いていたけど、本当にいたなんて……)

セルム「あなたが来てくれて良かった、彼を帰そうにも私達は空を飛べませんから」

ナウシカ(私をここに呼んだのはこの人だったんだ……)
131 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/31(木) 18:41:50.99 ID:JmNX7y6AO


〜砂漠上空〜

メーヴェで飛ぶナウシカとのび太。

ナウシカ「まあ!あの女の人は元の世界でのお友達だったの!?」

のび太「うん、僕と同じく5年前にこの世界へ来て、森の人に助けられたみたい」

ナウシカ「……」

のび太「ナウシカ?」

ナウシカ「可愛い人だったわね?」ニコッ

のび太「うん、ナウシカみたいだった」

ナウシカ「え?」

のび太「あ……いや……その……ナウシカみたいに腐海と蟲が大好きだったって事!」アセアセ

ナウシカ「へぇ、私以外にもいたのね、蟲が好きな人が」

のび太「////」ドキドキ
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/31(木) 18:46:58.67 ID:ziIXZr+SO
これは原作ファンにはたまらないな
133 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/31(木) 18:50:41.32 ID:JmNX7y6AO


〜トルメキア軍の宿営地〜

ざわざわ

クロトワ「殿下!辺境の者どもが風の谷の奴らがいなくなった事で騒いでおります!」

クシャナ「しょせんは寄せ集めか」

ジャイアン「何て奴らだ!これから一緒に土鬼と戦うってのに!俺がぶん殴って……」

クシャナ「やめろジャイアン、拳ではガンシップには勝てん」

クロトワ「では……」

クシャナ「辺境の者どもとはここで別れる、反逆されては面倒だ」

クロトワ「仕方ありませんね……」

立ち去ろうとするクロトワ。だがジャイアンが立ち塞がる。

ジャイアン「……」ドーン

クロトワ「……」
134 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/31(木) 18:53:00.60 ID:JmNX7y6AO


クシャナ「お前の演技に付き合うのはもう飽きた、反逆の種は残らず焼き払いたいものでな」

ジャイアン「……」ポキッポキッ

クロトワ「……いやまいったな」

クシャナ「お前は王子どもに何を頼まれたのだ?」

クロトワ「……秘石でございます」

クシャナ(やはりか……)

ジャイアン「このやろう!ぶん殴ってやる!」

クロトワ「ま、待て!話を聞いてくれ!」

クロトワ「俺は平民出でしてね……この任務の後に本国が俺を生かしておくとは思えんのですよ」

クシャナ「何が言いたい」

クロトワ「殿下、俺と手を組みませんか?コルベットの操縦なら誰にも負けませんよ?」ニヤリ
135 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/31(木) 18:54:57.80 ID:JmNX7y6AO


クシャナ、少しの沈黙。

クシャナ「……飯を食べたら飛び立つ、船の準備をしておけ」ポイッ

クシャナはクロトワに銃を返した。

クロトワ「は、はい!」

ジャイアン「おいお前!もし俺達を裏切ったら……!」

クロトワ「殴るんだろう?お前に殴られたら頭が飛んでいきそうだ」

装甲兵「殿下!ついに反逆ですか!」

クシャナ「ああ、まずは第三軍と合流する、土鬼との前線に出るぞ」

装甲兵「はい!」

クシャナ(トルメキア王家の毒蛇どもめ……!我が母のカタキだ……!)ギリッ
136 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/31(木) 18:56:33.69 ID:JmNX7y6AO


〜風の谷〜

ナウシカ「父様が!?」

城オジ「もう長くはないと……」

ナウシカ「!」タタタッ



ナウシカ「父様!」

ジル「……ナウシカか」

ジルは手を伸ばした。

ナウシカ「……父様」ギュッ

のび太「ジルさん……」

ユパ(……もうじきジルの火は……消える)
137 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/31(木) 18:58:53.29 ID:JmNX7y6AO


ジル「ナウシカ……今までお前に父親らしい事は何ひとつ……できなかったな……」

ナウシカ「そんな事ありません……!父様は私に……!私にいろんな事を教えてくれました……!」プルプル

ジル「ナウシカ……ガンシップはお前にやる……」

ナウシカ「はい……大切にします……」

ジル「のび太……ナウシカを……頼んだ……ぞ……」

のび太「はい!まかせて下さい!」

ナウシカ「父様!風の谷は私が必ず守ってみせます!」

ジル(……馬鹿な子だ)

たったひとりで……世界を背負おうとしおって……

大ババ「……」ユラリ

ナウシカ「……!」

大ババ「……今までようがんばった……偉い子じゃった……」

住人達「うわあああああ!」
138 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/31(木) 20:00:52.95 ID:JmNX7y6AO


〜夜〜

ユパ「ナウシカ……」

ナウシカ「父の死は既に受け入れました……私はもう族長ですから……」

ユパ(こんな少女が一国の重みに耐えねばならないとは……むごい……)

のび太「ナウシカ……僕にできる事があったら何でも言ってよ」

ナウシカ「……ありがとうのび太」

のび太「……ナウシカ、何か考えている事があるんでしょう?」

ナウシカ「……」
139 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/31(木) 20:03:57.74 ID:JmNX7y6AO


かつてこの地にはエフタルという王国が栄えていた。

エフタルにはまだエンジンの製造技術が残っていたという。

だがしだいに王の跡継ぎをめぐる争いが過熱化した。

戦争が起こり、エフタルは大量の兵器を求めた。

その時、エフタルの武器商人どもは王蟲を狩り、王蟲の殻を武器に使ったという。

その結果怒り狂った王蟲が腐海より溢れ出て、広大な大地が腐海に飲まれたのじゃ。

大ババ「『大海嘯』……これがエフタル王国滅亡の原因と言い伝えられておる……」

のび太「王蟲を狩るなんて……そんな事が可能なの?」

大ババ「今は失われた技じゃ……知らぬ方がええ……」

ナウシカ「……」

ユパ「ナウシカ……お前が考えている事は……」

ユパ「……大海嘯だな?」
140 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/31(木) 20:06:51.90 ID:JmNX7y6AO


ミト「まさか!?単なる伝説でしょう!?」

ナウシカ「……蟲達の動きが明らかにおかしいの……こんなに大量に移動する事なんて……」

のび太「ナウシカ、行きたいの?」

ナウシカ「……」

のび太「大海嘯が本当に起こるかどうか確かめたいんでしょう?」

ナウシカ「……」

のび太「人間も蟲も腐海もみんな助けたいんでしょ?欲張りだなぁナウシカは」ニコッ

ナウシカ「……駄目なの」

ナウシカ「今すぐ王蟲達を追いたい!でも駄目なのよ!」

ナウシカ「私は風の谷の族長だもの!私がいなくなったら誰がみんなを……!」

ユパ(ナウシカ……)
141 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/31(木) 20:09:20.91 ID:JmNX7y6AO


のび太「……」

足が震える……

でも……僕は……

お願い……僕に勇気を……







……ドラえもん!

のび太「僕が行くよ!」
142 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/31(木) 20:11:58.92 ID:JmNX7y6AO


ナウシカ「!?」

のび太「僕が行く!僕が大海嘯が本当に起こるかどうか確かめる!」

のび太「僕が大海嘯を止める!やってやる!」

ミト「止めるって……どうするつもりだ?」

のび太「そ、それは……と、とにかく!ナウシカは風の谷をお願い!僕が王蟲を追うからさ!」

ナウシカ「のび太……危険だわ……」

のび太「……僕は風の谷に拾われたおかげで、とても幸せだった、だから何か恩返しがしたいんだ!」

……そう、もしこの世界に危険が迫っているのなら……僕は風の谷を……

蟲と腐海はやっぱり怖いけど……やっぱり僕は……

……この世界を守りたいんだ

ナウシカ「……」

ダキッ!

ナウシカ「……必ず生きて帰ってきてね」ギュウウウ

のび太「うん、約束する」サス…
143 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/31(木) 20:17:34.94 ID:JmNX7y6AO


ミト「のび太になんか姫様はまかせられん!わしも行くぞ!」

ミト「ムズ!ニガ!お前らは谷に残って姫様を守るんだ!」

ムズ「まかせろ」

ユパ「わしものび太に付いていこう……のび太がこの大地に現れた意味……見届けたい」

アスベル「僕も力になるよ、風の谷には恩義があるからね」

のび太「ありがとうみんな!」

大ババ「ほほほ……世界を救う旅に出る四人の戦士達か……」
144 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/05/31(木) 20:19:47.07 ID:JmNX7y6AO


ガンシップとつながっているバージ。

ガンシップのエンジンが起動する。

ゴゴゴゴゴ…

アスベル「ガンシップの操縦をまかせてくれ」

ミト「操縦が上手いのは知ってるよ」

ユパ「頼りにしてるぞピースケ」

ピースケ「クェッ!」

のび太「じゃあナウシカ……行ってくるよ」

ナウシカ「のび太……気をつけてね……」

のび太「……」ニッ!

飛び去っていくガンシップとバージ。

ナウシカ(のび太!絶対に死なないでね!約束よ!)

ナウシカ(風の谷に帰ってきたら……その時は……絶対に……)

第四話 おわり
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/05/31(木) 20:53:22.49 ID:fS817Ko6o
やだのび太かっこいい。でも何故か今回絵柄が新ドラで再生された
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/31(木) 21:11:28.08 ID:ziIXZr+SO
今原作確認してきたが、原作の流れそのものじゃないんだな
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/05/31(木) 21:27:03.84 ID:ehKq/B/qo
おつ
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/06/03(日) 00:43:16.67 ID:c8YHIN1y0
乙乙
149 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/03(日) 12:35:40.45 ID:n/4NpboAO


〜トルメキア軍と土鬼軍の前線〜

クシャナ「戦況はどうだ」

装甲兵「はっ!両軍とも睨み合いをしたまま、まだ一度も交戦しておりません!」

ジャイアン「はあ!?何だよそりゃ」

クシャナ「第三軍が手柄を立てないようにしておるのだろう、将軍?」

将軍「わ、私は王子様からの命令で……!」

クシャナ「ジャイアン、縛って牢に入れておけ」

ジャイアン「よしきた」グイッ

将軍「な、何をする!」

ジャイアン「黙れこのトルメキアの恥さらしが!」ボカッ!

将軍「がふっ……!」

クシャナ「なるべく丁重にな」
150 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/03(日) 12:38:07.97 ID:n/4NpboAO


クロトワ「で、攻めますか?」

クシャナ「反乱のために兵は温存しておきたいがここを破られると国そのものの存続が危うい」

クシャナ「眼前の土鬼軍を殲滅する、国がなくては革命も何もないからな」

クロトワ「向こうは船無しです、上空からやりますか?」

クシャナ「対空砲がありすぎる、白兵戦で血祭りにしてやるさ」ニヤリ

クロトワ(おーコワ、さすがはトルメキアの白い魔女だぜ)





装甲兵「土鬼軍は川の向こうの丘に陣取っています」

装甲兵「川の水かさは低く、ウマなら楽に渡れる深さです」
151 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/03(日) 12:40:04.64 ID:n/4NpboAO


装甲兵「兵力はこちらは土鬼の5倍……まったく殿下が来てくれて助かりましたよ」

クロトワ「正攻法で行けば楽勝ですな」

クシャナ「土鬼も馬鹿ではない……あの垂れ幕は何なのだ」

土鬼側には前線に沿う形で妙な垂れ幕がかけられている。

装甲兵「空からも内部は確認できません」

装甲兵「宗教上の設備では?」

ジャイアン「あんなもんただの布切れじゃねえか!とっとと攻撃しちまおうぜ!」

クシャナ「……これ以上睨み合ってるわけにはいかん」

クシャナ「兵を集めろ!攻めるぞ!」
152 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/03(日) 12:41:42.90 ID:n/4NpboAO


装甲を装着した兵とウマが続々と集結していく。

クシャナ「長い睨み合いも今日で終わりだ!」

クシャナ「もう我慢する必要は無い!存分に暴れろ!」

トルメキア軍「オオオオオオオオオオ!!」

クロトワ(すげえ士気だ……こりゃ本国がクシャナを恐れるはずだぜ)

ジャイアン「待ち切れねえぜ!早くこの剣の切れ味を試させろ!」ウズウズ

装甲騎兵「将軍、ウマに乗れたんですか?」

ジャイアン「馬鹿にするな!ウマぐらい乗れるわ!」

クロトワ「殿下、御武運を」

ジャイアン「参謀のモヤシ野郎はここに残ってな!ハハハ!」

クシャナ「突撃!」
153 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/03(日) 12:43:16.58 ID:n/4NpboAO


騎兵団の発進と同時に船を上空に飛ばす。

クロトワ(これで土鬼の大砲は船に向くわけだ……)

ドドドドドド…

地響きを鳴らしながら土鬼軍へ向かって進軍するトルメキア装甲騎兵団。

クシャナ「抜刀!」

チャキンッ!

それを合図にトルメキアの船が大砲を発射。

ドォン!ドォン!

狙いはあの垂れ幕。命中。

だが巻き上がった土埃で内部は視認できない。

クシャナ(何を隠しているのかは知らんがこれで使いモノにはならなくなった!)

クシャナ「垂れ幕は避けて進め!」
154 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/03(日) 15:32:08.60 ID:n/4NpboAO


垂れ幕を避け、迂回をするトルメキア装甲騎兵団。

土鬼兵「うおおおおお!」

毛長牛に乗った土鬼軍と激突。

ジャイアン「おらぁ!」

剣をところ構わず振り回すジャイアン。後には胴体と離れた土鬼兵の頭が転がる。

土鬼を圧倒するトルメキア軍。眼前の土鬼軍はもう壊滅状態だ。

クシャナ(妙だ……手応えがなさすぎる)

クシャナ「……!?」

地面に穴に逃げ込んでいく土鬼兵達。

クシャナ(地下シェルター!?)

クシャナ(垂れ幕の中も空だ!一体何を!?)
155 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/03(日) 15:33:44.23 ID:n/4NpboAO


装甲騎兵「殿下!空の様子が変です!」

空を見上げるクシャナ。

黒い雲がある。

ジャイアン「何だぁ?雨雲かぁ?」

クシャナ「……」

クシャナ「!?」

クシャナ「違う!あれは雲では無い!あれは……」




ブブブブブブブブブ



クシャナ「イナゴの大群だ!」
156 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/03(日) 15:35:33.50 ID:n/4NpboAO


黒い塊はその正体をしだいに現していく。

装甲騎兵「何だあれは!?イナゴなのか!?」

装甲騎兵「あ、あんなにたくさん!まずいぞ!」

クシャナ「退却だ!船まで戻るぞ!」

船まで戻ろうと旋回するトルメキア軍。

だが……

装甲兵「!?水が!?」

川の上流から強烈な鉄砲水が押し寄せてきた。
157 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/03(日) 15:37:07.57 ID:n/4NpboAO


クシャナ「いかん!川から出ろ!」

だが時既に遅く、強烈な水圧がトルメキア軍に襲い掛かり、人もウマも将棋倒しになった。

クシャナ「立て!立って船まで戻るのだ!」

体勢を立て直そうとするトルメキア軍。だが人もウマも混乱してしまっている。

ジャイアン「クソ!これだからウマは苦手なんだ!」

クシャナ(少しの間足止めするのが目的か!計ったな土鬼!)

ブブブブブブブブブ

そして、無数の悪魔達が人々に襲いかかる。

装甲兵「ぎゃあああああ!」

装甲兵「ひいいいいいい!」

装甲兵「ただのイナゴじゃない!?何だこのデカイイナゴは!?」
158 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/03(日) 15:38:34.95 ID:n/4NpboAO


クツのサイズ程もあるイナゴの大群があらゆるものに喰らいつく。

人、ウマ、鎧、剣、大砲……その鋭いキバに見境は無い。

土鬼の逃げ込んだ地下シェルターも、巨大イナゴの魔の手からは逃れられなかった。

巨大イナゴはぶ厚い扉をも食い破り、その中にいる大量の人間を見つけると嬉しそうに喰らいついた。

クシャナ「……!」

必死に逃げるトルメキア軍。だがクシャナに付いてくる兵はみるみる減っていく。

クシャナ(クソ!このままでは全滅だ!)

トルメキア兵「殿下をお救いするのだ!」

クシャナを助けようと離陸し飛んでくるコルベット。

だが……

トルメキア兵達「うわああああああああ!!」

コルベットの内部に大量のイナゴが入り込み、制御を失った船は

ドガアアアアアン!

墜ちた。

クシャナ「……!」ピクッ
159 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/03(日) 15:42:24.35 ID:n/4NpboAO


逃げようと次々と飛び立つコルベット。

だが大量のイナゴが群がり、落とされていく。

クロトワ「高く飛ぶな!地面スレスレで飛べ!」

離陸し、超低空で飛ぶコルベット。

クロトワ「殿下!(駄目だ!クシャナしか拾えねえ!)」

手を伸ばすクロトワ。だが……

クシャナ「……」

クロトワ(……チッ!部下を見捨てない気かよ!?)

ドンッ!

クシャナ「!?」ドサッ!

突き飛ばされ、船の乗り込み口に入り込んだクシャナ。
160 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/03(日) 15:43:49.11 ID:n/4NpboAO


ジャイアン「……」

ジャイアン達から遠ざかっていくコルベット。

クシャナ「ジャイアン貴様!?戻れ!船を戻せ!」

クロトワ「……」クンッ

クロトワが操縦桿を倒し、コルベットはさらに加速する。

クシャナ「ええい戻れと言っている!命令が聞けぬのか!」

クロトワ「……」

クシャナ「クロトワァ!」

キイイイイイイイン
161 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/03(日) 15:45:45.82 ID:n/4NpboAO


ジャイアン「へへ……悪いなお前ら」

装甲兵「いえ!殿下が生き残ってくれるのなら命などいりません!」

装甲兵「お供しますよ将軍!」

ブブブブブブブブブ

ジャイアン(クシャナ殿下……俺なんかを拾ってくれた恩……これで返したぜ)

ジャイアン「さあ来い虫ケラどもめ!」チャキッ!

剣をイナゴの群れに向かって突き付けるジャイアン。

ジャイアン「俺はジャイアン!!ガキ大将!!」

ブブブブブブブブブ…

ブブブブブ…

………
162 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/03(日) 15:47:34.84 ID:n/4NpboAO


トルメキア兵「ふぅ……何とか逃げ切れたな」

トルメキア兵「しかし何なんだあのでけえイナゴは……見た事もねえぞあんなの」

クシャナ「……」

クロトワ「殿下申し訳ありません……」

クシャナ「……」カシャンッ

頭の兜を下ろすクシャナ。

クシャナ「このまましばらく進め、まだ安心できん」

クロトワ「分かりました」

クシャナ「……」ガシャガシャ

クロトワ(……泣いてる?)
163 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/03(日) 15:49:01.09 ID:n/4NpboAO


後部にある乗り込み口に立つクシャナ。

ヒュオオオオオ…

クシャナ「……」

クシャナ「ジャイアン!何をしている!早く船に乗れ!」

クシャナ「ウマに満足に乗れないようでは我が軍には入れんぞ!」

クシャナ「……」

ブチッ

自分の髪を切り、投げるクシャナ。

クシャナ「お前の100年前からの忠義絶対に忘れぬ!!ご苦労であった!!」

クシャナ「元の世でゆっくりと休むが良い!!受け取れ!!手向けだ!!」

ビュオオオオオオオ…
164 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/03(日) 17:56:08.74 ID:n/4NpboAO


〜セラミック鉱山の町〜

ミト「まったく蟲の群れを見失うなんて信じられんわい」

のび太「ごめん……つい眠くて……」

アスベル「でもしょうがないよ、襲われないように十分な距離を取っていたんだから」

ユパ「……」

ミト「ユパ様どうかなさいましたか?」

ユパ「いや……大海嘯はどのようにして起こるのか考えていてな」

ユパ「わしらが見ていた範囲では蟲達は腐海から出てはいなかった……」

ユパ「ナウシカが王蟲より聞いたという『南のトモ』というのも気になる……一体何が起ころうとしておるのだ……」
165 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/03(日) 17:57:51.14 ID:n/4NpboAO


ざわざわ

ミト「む?何やら表が騒がしいですな」

のび太「?」

のび太達が店の外を覗くと、一人の少女がトルメキア兵達に囲まれ、体をまさぐられている。

ケチャ「£○☆♂§!」

トルメキア兵達「へへへwww」

ミト「何と……戦争で負け、奴隷になった土鬼の少女か……」

アスベル「あいつら!」

ガシッ

ミト「待てアスベル!」
166 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/03(日) 17:59:38.90 ID:n/4NpboAO


アスベル「何故止める!?あの子が!」

ミト「ここはトルメキアの領土だ!下手に騒ぎを起こしたら……」

わああああああああ!

ミト「!?」

アスベル「!?」

アスベル達が見た時には、トルメキア兵達は地面に倒れ込んでいた。

トルメキア兵達「な、何だ貴様ら!?」

のび太「大丈夫?さあこれを羽織って……」

ケチャ「……¢£р」

ユパ「戦争で心が乱れているといっても人の心は無くしてはならん!」

トルメキア兵達「う、うるさい!その娘は俺達が勝ち取ったんだ!どうしようと勝手だ!」

騒ぎを聞きつけたトルメキア兵が続々と集まってくる。
167 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/03(日) 18:01:20.79 ID:n/4NpboAO


「なんだなんだ!」

「あいつらが俺達の奴隷を強奪しやがったんだ!」

アスベル(まずい……数が多すぎる……)

「殺せ!殺してしまえ!」

「絶対に逃がすな!取り囲め!」

じりじり

のび太「……」

銃に手をかけるのび太。

「待て待て!」

トルメキア兵達「?」

装甲兵「こんな大勢で囲んでなさけない!俺がこいつら全員ぶった斬ってやる!」

トルメキア兵達「それは面白い!やって見ろ!」
168 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/03(日) 18:03:24.08 ID:n/4NpboAO


ユパ「……のび太、わしが」

のび太「ううん、僕がやる、下がってて」

装甲兵「……」ジリジリ

剣を構える装甲兵。

のび太「……」

拳銃の所で指をクイクイするのび太。

装甲兵「……!」ダッ!

装甲兵が踏み込む。

パキューン!

だがのび太が足元に銃弾を撃ち込んだため注意が足元に向けられる。

その一瞬の隙、それだけで十分だ。

のび太「……」チャキッ

のび太は装甲兵に銃を突き付けた。銃口を鎧のすき間にねじ込まれている。
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) :2012/06/03(日) 19:21:35.76 ID:FURPVqZ1o
キテターーーー
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/03(日) 20:11:10.82 ID:+AiTuP7SO
ジャイアン・・・・ヤ無茶しやがって
171 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/03(日) 20:58:38.24 ID:n/4NpboAO


のび太「これで僕の勝t……」

装甲兵「のび太君……」

のび太「!?」

装甲兵は何個もの手投弾を頭上に放った。

トルメキア兵達「うわああああああああ!?」

ユパ「!」

トルメキア兵達がひるんだ隙をつき、ユパ達が逃げる。

ケチャ「◇$▼∬!?」

トルメキア兵達「待て!」

装甲兵「全部撃って!」

のび太「!」

バキューン!バキューン!

のび太が装甲兵の投げた手投弾のようなものを全て撃ち抜くと、煙幕が吹き出した。

トルメキア兵達「!?煙幕!?」
172 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/03(日) 21:00:18.83 ID:n/4NpboAO


急いで町の外に出るのび太達。

のび太「わわわ」

アスベル「さあしっかり!走るんだ!」

ケチャ「£♀◎‡……」

トルメキア兵達「待てゴルアアアア!」

トルメキア兵達「撃て!撃っちまえ!」

ズキューン!ズキューン!

トルメキア兵達「!?」

のび太達を撃とうとするトルメキア兵達、だがのび太に銃を撃ち弾かれてしまった。

トルメキア兵達「んな……!?」
173 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/03(日) 21:02:03.87 ID:n/4NpboAO


ガンシップとバージに乗り込むのび太達。

銃を持ったトルメキア兵達が続々と町から出てくる。

ピシッ!ピシッ!

ミト「まったく何て無茶を!」

アスベル「やってしまったもんはしょうがない!出すよ!」

ピシッ!ピシッ!

のび太「クッ!」

ズキューン!ズキューン!

ユパ(次々とトルメキア兵の銃を弾いていく!それも殺さないまま……何て子だ!)

装甲兵「これが最後だ!」

装甲兵が球状のものを投げる。

ブシュウウウウウウ!

トルメキア兵達「うわああああ!?催涙弾だ!」

トルメキア兵達「目がああああ!目がああああああ!」
174 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/03(日) 21:03:55.24 ID:n/4NpboAO


〜上空、バージ船内〜

のび太「……大丈夫?」

ケチャ「★℃☆!」バッ

のび太「あの……お腹空いてない?喉渇いてない?」オロオロ

ケチャ「……」プイッ

装甲兵「そっとしといてあげよう……彼女も混乱しているだろうし」

のび太「そ、そうだね……ごめんね」

ユパ「……おぬしは何者だ?その鎧はトルメキアのものだが」
175 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/03(日) 21:05:42.65 ID:n/4NpboAO


のび太「そういえば……君は一体……」

装甲兵「……ああ、まだだったね」

装甲兵「僕だよのび太君」

カポッ









出木杉「出木杉だよ!」ニッコリ

のび太「で、で、出木杉くううううん!?」

第五話 おわり
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/06/03(日) 21:11:35.34 ID:uEtm06sAo
何となく予想はついてたけどお前か!
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/03(日) 21:12:16.58 ID:bC/0XqEy0

劇場版ではいつもハブられてる出来杉君が出るとは
続きが楽しみです
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/06/03(日) 21:17:30.65 ID:58Yhl7vso
乙です

スネオさんが息してないwwwwww
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/03(日) 21:39:03.52 ID:x9fti36SO
我らの頭脳が来たか
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(青森県) [sage]:2012/06/03(日) 21:43:30.73 ID:23OrnHlVo
>>178
         ,r '" ̄"'''丶,
        ./.゙゙゙゙゙   .l゙~゙゙゙゙ ヽ\
      . i´ ri⌒.'li、 .'⌒ヽ  'i::`i,
      .| ′ .゙゜  .゙゙゙″ .:::l::::::!
      |,   ,r'!ヾ・ ヽ,  .::::.|:::::::i  スネ夫はもう消した!
      .i,  ./,r──ヽ, :::::::i::::,r'
      ゙ヽ、  .ヾ!゙゙゙゙゙゙'''ヽ、_ノ
        `'''゙i ._____ l /ヽ
    /\ へ  ゙ヽ ___ノ’_/
    へ、   | ̄\ー フ ̄ |\ー
  / / ̄\ |  >| ̄|Σ |  |
  , ┤    |/|_/ ̄\_| \|
 |  \_/  ヽ
 |   __( ̄  |
 |   __) 〜ノ
 人  __) ノ
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/03(日) 21:53:59.16 ID:It2MbUKDO
出来杉いたんだ
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/06/03(日) 21:58:48.81 ID:uEtm06sAo
>>180
だからお前は誰なんだよ
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/03(日) 22:02:26.36 ID:PQPzudoIO
完全に一枚岩
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/06/04(月) 12:27:31.93 ID:LQcrR5cAO
ジャイアン死んじゃいやん
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/05(火) 01:00:28.98 ID:Zufu0wi9o
風俗ののび太と空目
疲れてるんだな俺
186 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/05(火) 18:49:52.65 ID:uwb6pztAO


小川のある森で休息をとる。

ガンシップとバージは木の枝で隠した。念のためだ。

のび太「ふぅ……気持ち良い……」

川の水で水浴びをする。

出木杉「のび太君、ずいぶんたくましくなったね」

のび太「そう?」

出木杉「子供の頃はヒョロヒョロだったのに、今ならジャイアンにだって勝てそうだ」ニコッ

のび太「無理だよ、僕が人並みの体格になっているならジャイアンはモンスターになってるよ」

ハハハハハハ!
187 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/05(火) 18:52:11.13 ID:uwb6pztAO


ミト「あの出木杉とかいう男も過去の世界より来たと言っておりましたが……」ジロッ

アスベル「本当なのかい?のび太が時を越える船でやってきたって」

ミト「デタラメに決まっとる」

ユパ「のび太の言っている事が真実かどうかはどうでもよい……」

ユパ「のび太はこの世界を救おうとしている、それだけで十分だ」

アスベル「そうだね、僕のび太の事を信用するよ」

アスベル「君も水浴びしたらどうだい?大丈夫、覗きやしないよ」ニコッ

ケチャ「……」プイッ

ミト「言葉は通じているはずなんじゃが……気難しい子だ」
188 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/05(火) 18:54:20.38 ID:uwb6pztAO


のび太「それにしてもまさか出木杉君までこの世界に来てたなんて……」

出木杉「僕がこの世界に来たのは五年前、のび太君やジャイアン、しずかちゃんと同じだね」

出木杉「のび太君達を探すために各地を転々として、ようやく出会えてホッとしたよ」

のび太「大変だったね……」

出木杉「不思議なものもたくさん見れたから刺激的な旅だったよ」ニコッ

のび太「僕はてっきりタイムマシンの故障でこの世界に来ちゃったと思っていたんだけど……どうやら違うみたいだね」

出木杉「確かに僕はタイムマシンに乗っていなかったけど……原因から除外するのはどうかな?」

のび太「え?」

出木杉「タイムマシンの故障がのび太君達と僕をこの世界に飛ばしたきっかけかもしれないって事さ」

のび太「何だかよく分からないや……」

出木杉「はは、僕も推測で言っているだけさ」
189 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/05(火) 18:56:22.49 ID:uwb6pztAO


出木杉「……それで、各地を旅してる間に、いくつか気になる事があったんだ」

のび太「気になる事?」

出木杉「しずかちゃんにはテキオー灯の効果が五年以上続いているんだよね?」

のび太「うん、腐海の中でもマスク無しで平気らしい」

出木杉「そのしずかちゃんがいる『森の人』っていう一族なんだけど……超能力を使えるんだよね?」

のび太「うん!しずかちゃんもセルムって人もテレパシーを使ってたんだ!」

出木杉「その二人だけでなく、森の人の中の選ばれた人々は超能力を使えるそうだよ」

のび太「選ばれた人々?」

出木杉「僕が旅の中で聞いた話では、その選ばれた人々は森の人に伝わる一冊の本に触る事を許されるらしい」

のび太「本……?」
190 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/05(火) 18:57:48.76 ID:uwb6pztAO


出木杉「超能力……本……のび太君、何か思い浮かばないかい?」

のび太「うーん……」

出木杉「……超能力は魔法とも言える」

のび太「魔法……?……あ!」

のび太「魔法辞典!?」

〜魔法辞典とは?〜
ひみつ道具のうちのひとつ。最初は白紙だが書き込んだ内容の魔法を使えるようになる。
書き込んだ内容によって使える魔法や制約も思いのままである。

のび太「じゃあ……森の人が使っている超能力は魔法辞典の効果で!?」

出木杉「その可能性は高いね」
191 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/05(火) 19:08:54.68 ID:uwb6pztAO


のび太「魔法辞典だとするとドラえもんが森の人に貸したのかな?」

出木杉「……もしくは、奪われたか」

のび太「そんな!?」

出木杉「のび太君……僕やのび太君はこの世界では異常な存在なんだ」

出木杉「僕やのび太君、ジャイアンにしずかちゃんは運良く心優しい人に出会えたけど」

出木杉「まだ安否を確認できていないスネ夫君やドラえもんは……もしかしたら……」

のび太「そ、そんなはずない!二人ともきっと無事だよ!」

出木杉「……うん、そうだね……ごめん、変な事言って……」

のび太(ドラえもん……スネ夫……)
192 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/05(火) 19:11:05.39 ID:uwb6pztAO


出木杉「とにかく、この世界にドラえもんのひみつ道具が関与している可能性は高い」

出木杉「のび太君、君はこの世界の人達と話せている事に疑問を感じた事はないかい?」

のび太「え?」

出木杉「辺境で使われているのは日本語ではないよ」

のび太「……ほんやくコンニャク!」

出木杉「うん、僕達にはほんやくコンニャクの効果があるかもしれないんだ」

のび太「……いつのまに食べたんだろ」

出木杉「例え食べていたとしてもこんなに長く効果が続くわけがない……一体僕達に何が……」

のび太「……頭がこんがらがってくるよ」

出木杉「うん……僕もだ」
193 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/05(火) 19:13:17.27 ID:uwb6pztAO


出木杉「とりあえず、今話した事は頭の隅にでも留めておいてくれ」

のび太「わかった」

出木杉「今は大海嘯の事に集中しよう」

出木杉「この世界は僕達には馴染みの薄い世界だけど……救いたいんでしょ?」

のび太「うん!僕はナウシカのいる世界を救いたい!」

出木杉「ふふふ、大人になってものび太君はのび太君だね……それにしても……」ニヤニヤ

のび太「?」

出木杉「しずかちゃんも大変だな」クスッ

のび太「???」

ミト「おーい!もうそろそろ飛ぶぞー!」
194 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/05(火) 19:15:33.48 ID:uwb6pztAO


アスベル「結局僕らに隠れて水浴びしたみたいだね」ニコッ

ケチャ「★§℃!」プイッ

ユパ「さてのび太、出木杉……出発する前に話して欲しい事があるのだが」

のび太「なに?」

ユパ「さっき二人で話していた事だ」

のび太「……」

ユパ「わしらを警戒するのは分かる……だが今や我々は仲間だ」

ユパ「……信用してくれないか?」

のび太「……」

のび太「……うん、そうだね、いいよね出木杉君?」

出木杉「僕らの情報が大海嘯について役に立つかもしれないし、話しておこうか」

アスベル「ケチャは僕が声が聞こえない遠くに連れて行ってるから、後で僕にも教えてね」

ケチャ「♂¢$……」
195 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/05(火) 19:17:16.62 ID:uwb6pztAO




ミト「……なんじゃそのほんやくコンニャクというのは」

出木杉「理解できなくて当然ですよ」

出木杉「これで僕達の知っている情報は全て話しましたよ、ね?」

のび太「うん、もう隠している事は何もないよ」

ユパ「……」

ミト「ますます信じられん……アスベルとケチャを呼んでくるわい、もう出発しないと」

ユパ(のび太の世界とこの世界には関係が……)

ユパ(やはりわしがのび太と初めて会った時に思ったように……のび太がこの世界に現れたのには何か理由が……?)

ユパ「……」
196 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/05(火) 19:51:57.43 ID:uwb6pztAO


〜上空、バージ船内〜

のび太「もう少しで土鬼の領地だ、ケチャを安全に部族に返せると良いけど……」

出木杉「のび太君はホントに変わってないんだね……」ニコリ

ケチャ「……」

ケチャ「……と」

のび太「?」

ケチャ「……ありが……と」

のび太「お礼なんて……僕らが君を巻き込んでしまったんだし……」

ケチャ「あのままトルメキアのものだったら人間じゃなくなってた」

ケチャ「だからお前らに感謝する、ありがとう」

のび太「ケチャ……」
197 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/05(火) 19:53:44.73 ID:uwb6pztAO


ゴオオオオオ…

アスベル「……ん?」

ミト「……あれは!」

ドドドドドドドドドド

出木杉「王蟲だ!王蟲の大群だ!」

ケチャ「◆∫∽Å!?」

のび太「うわぁ……」

ユパ「何と……王蟲が大地を埋め尽くしている……」

ドドドドドドドドドドド
198 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/05(火) 19:55:25.00 ID:uwb6pztAO


ミト「えらいことだ……一体どこに向かって……」

アスベル「大海嘯が本当に起ころうとしているのか!?」

ユパ「……」

のび太(ナウシカ……)

出木杉「あそこ!」

ドドドドドドドドドドドド

出木杉「あそこの一角だけ別の方向に行くよ!?」

のび太「ホントだ……どうして……(あの固まりだけ目が赤い……何に対して怒りを!?)」

ユパ「ミト!あの王蟲の群れの行く先へ飛んでくれ!どうも様子が変だ!」

ミト「了解!行くぞアスベル!」

アスベル「お願いだから空を飛ぶ蟲は現れてくれるなよ!」

キイイイイイン
199 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/05(火) 19:57:38.53 ID:uwb6pztAO


王蟲の群れの上空を飛ぶガンシップとバージ。

のび太「……!?」

アスベル「船だ!船がいるぞ!」

ケチャ「£☆⇔★!俺の部族の船だ!」

のび太「何だって!?」

ユパ(あんなに損傷して……駄目だ!助からん……!)

ユパ達の見ている前で、土鬼の船は王蟲の群れの中へ墜落した。

ケチャ「♀★◆……」ヘナヘナ

ユパ「……」ギュッ

アスベル「!?なんだあれは!?」
200 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/05(火) 19:59:22.70 ID:uwb6pztAO


王蟲の群れのずっと先、何かが飛んでいる。

アスベル「もっと近付いてみよう!」

キイイイイイイン

アスベル「……?」

小さなな王蟲をぶら下げた飛行ガメが飛んでいる。

アスベル「!?」

土鬼兵「☆¢§▼!」

ドガガガガガ!

飛行ガメがガンシップに向かって攻撃。

ミト「子供の王蟲を使って王蟲をおびき寄せている……!?」

アスベル「一旦退く!こっちはバージが付いているんだ!」
201 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/05(火) 20:45:45.46 ID:uwb6pztAO


出木杉「さっきの船は子供の王蟲を捕らえた際に損傷したのか!?」

出木杉「一体何故こんな事を……!?」

ケチャ「……」

のび太「……ケチャ」

ケチャ「し、知らない」

のび太「ケチャ……教えて、お願い、君の部族の船だ」

ケチャ「俺何も知らない!知らない!」

のび太「ケチャ……」

ケチャ「……」

のび太「……」

ケチャ「……王蟲でトルメキア軍を潰すんだ」
202 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/05(火) 20:47:34.07 ID:uwb6pztAO


ケチャ「この先にトルメキアの主力軍がいる、だからそこを王蟲に踏み潰させる」

ユパ「何て事を!」

出木杉「そんな事したらトルメキアどころじゃない!国土が腐海になるんだよ!?」

ケチャ「心配ない、鉄人兵がある……」

アスベル「鉄人兵!?鉄人兵は今土鬼にあるのか!?」

ケチャ「そうだ」

アスベル「……クソ!」

ユパ「アスベル!どういう事だ!?」
203 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/05(火) 20:51:48.70 ID:uwb6pztAO


奴はペジテの地下坑道で掘り起こされました。

みんな最初はただの旧世界の船の残骸だと思っていた。バラバラのパーツだったんだ。

でもおかしな箱に秘石をはめ込んでしばらくたつと、パーツが勝手に合体していったんです。

職人達は急いで秘石を箱から外しました。

パーツの合体は何とか止まったけど、ペジテの技術力ではどうやっても鉄人兵は破壊できなかったんです。

アスベル「でもトルメキアの奴らがペジテの地下に鉄人兵があるのを嗅ぎ付けて……」

ミト「なるほど……だからトルメキアはペジテを……」

ユパ「その石は今どこに?」

アスベル「ナウシカから渡された後に腐海に捨てました、場所は拷問されても言えない」

ユパ「鉄人兵の事は後まわしだ、今はこの王蟲の群れを何とかしなくては」

ケチャ「★£⊥!何で!トルメキアが土鬼にどれだけの事をしてきたか!」

ケチャ「辺境の国もトルメキアが憎いはずだ!何で助ける!」

のび太「……」
204 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/05(火) 20:55:00.99 ID:uwb6pztAO


のび太「ケチャ……トルメキア軍には僕の友達がいるんだ」

ケチャ「トルメキアに!?」

のび太「うん、友達がいるんだ……僕の事を心の友だって言ってくれる人」

ケチャ「心のとも?」

のび太「王蟲の進む先にその友達がいるかもしれない、僕が王蟲を止めたい理由はそれだけで十分だ」

のび太「それにねケチャ、今はトルメキアと土鬼は争っているけど、いつか友達になれる日がくるよ」

ケチャ「土鬼とトルメキアが!?ない!」

のび太「きっと来るよ、現に君は僕達を信用してくれてるじゃないか」ニコッ

ケチャ「★♀¢……////」

出木杉(ふふふ、しずかちゃんはホントに苦労するな)クスッ
205 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/05(火) 20:56:51.10 ID:uwb6pztAO


ミト「しかし止めると言ってもどうやって止めるんだ!?」

ミト「王蟲の子を群れに返したからといって止まってくれるかどうか……!」

のび太「……アスベル、僕をこの先に降ろして」

アスベル「!?一体何をする気なんだい!?」

のび太「やれるだけの事さ」ニコッ

出木杉「一人で王蟲を止める気かい!?無茶だよのび太君!」

のび太「みんなはこの先にいるトルメキア軍にこの事を知らせて」

出木杉「のび太君……」
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/06/05(火) 20:59:30.07 ID:xJLuh05To
のびさんイケメンすなぁ
207 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/05(火) 21:47:45.80 ID:uwb6pztAO


のび太一人を残し、離陸するガンシップ。

アスベル「のび太!絶対に死ぬなよ!」

のび太「……」ニコッ

キイイイイイイン

のび太「……」

のび太(怖い……足が震える……喉はカラカラだ……でも)

のび太(ナウシカなら……ナウシカならきっとこうする……だから僕も……)

地平線より、子王蟲を連れた飛行ガメが近付いてくる。

岩かげに隠れ、近付き過ぎないうちに狙いを定める。

遠すぎても駄目だ、こっちが近付く前に王蟲の群れが来てしまう。

のび太「……」チャキッ
208 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/05(火) 21:49:58.21 ID:uwb6pztAO


ヒュウウウウウン

土鬼兵「……」

土鬼兵「……!?」

ズキューン!ズキューン!ズキューン!

土鬼兵が気付いた時にはもう遅い、子王蟲をぶら下げているロープは全て撃ち抜かれてしまった。

この早撃ち、のび太の勝ちだ。

ドサッ

子王蟲「ギギギ」

土鬼兵「あいつだ!あいつがやったんだ!」

土鬼兵「クソッ!撃ち殺して……」

バチッ!

土鬼兵「!?」

土鬼兵「おいどうした!?早く撃ち殺せ!」

土鬼兵「無理だ!機関銃の引き金を破壊された!」

土鬼兵「んなぁ!?」
209 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/05(火) 21:51:36.85 ID:uwb6pztAO


土鬼兵「クソッ!王蟲が落とされた!どうする!?」

土鬼兵「ええい!あれだけ興奮してれば十分だろ!逃げるぞ!」

飛行ガメは飛び去っていった。

のび太「……」タタタッ



のび太「はあはあ」



のび太「ふぅふぅ……少し遠すぎたかな」



のび太「……やっと着いた」ゼエゼエ

子王蟲「ギギギ」
210 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/05(火) 21:53:04.22 ID:uwb6pztAO


子王蟲「ギギギ」ボタボタ

のび太(ひどい!わざと急所を外して助けを呼ばせたんだ!)

子王蟲「ギギギ」

のび太「……ごめんね」

子王蟲「ギギギ」

のび太「謝ったって許される資格なんてないけど……ごめんね」

のび太は王蟲に抱き着いた。

子王蟲「ギ……」

のび太の服が王蟲の体液で青く染まっていく。
211 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/05(火) 21:54:43.14 ID:uwb6pztAO


ドガガガガガ!

わーわーガキィン!

トルメキア軍と土鬼軍が交戦している。

クシャナ「……」

クロトワ「しかししぶといですな」

装甲兵「もう少しでトルメキアの船を全て取り戻せそうです」

わーわー!

クシャナ(何故だ……これだけの兵力差、土鬼の敗北は確実……)

クシャナ(船を我らから奪って、一体何を考えている?)

装甲兵「……あれは!?」

キイイイイイイン

装甲兵「辺境のガンシップだ!」
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/06/05(火) 22:34:35.86 ID:9M00UJPqo
うおお続きが気になる
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) :2012/06/05(火) 22:41:53.03 ID:YQPgiPSL0
追いついた…だと…!
214 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/05(火) 23:13:27.35 ID:uwb6pztAO


ガンシップに向かって攻撃をするトルメキア軍。

クシャナ「やめろ!ガンシップを攻撃するな!」

装甲兵「し、しかし……」

着陸をするガンシップとバージ。

ミト「王蟲の群れがくるぞおおおお!」

アスベル「今すぐ逃げ……(あの女は!?)」

クロトワ「な、何だと?」

クシャナ「……!?」

地平線に黒い土埃が舞い上がっている。

ミト「もうきおった!(のび太は失敗したのか!?)」

クシャナ「全員ただちに退却!土鬼に奪われた船は一斉砲撃で破壊しろ!」

ドガガガァアアアアン!

クロトワ(もったいねえ……)
215 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/05(火) 23:16:51.50 ID:uwb6pztAO


上空を飛ぶガンシップとトルメキアのコルベット。

〜コルベット船内〜

クロトワ「殿下!早く王蟲から離れましょう!」

クシャナ「……」

クロトワ(クソッ!どうかしちまったのかクシャナ!)

〜ガンシップ〜

アスベル「王蟲が……止まった…!?」

ユパ(赤い攻撃色ではなくなっていく……何と清んだ青色だ……)

ケチャ「£¢∬……」

出木杉「あれは……のび太君!?」
216 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/05(火) 23:23:40.50 ID:uwb6pztAO


王蟲達は触手を伸ばし、何かを空高く掲げている。

のび太だ。のび太に金色に輝く触手が巻き付けられている。

あの小さな王蟲もちゃっかり触手を伸ばしている。

のび太「……」ニコッ

のび太を中心に、金色に光る胞子のようなものが放出されている、

〜コルベット〜

ゴゴゴゴゴゴ…

クロトワ「わわっ!マスクマスク……ん?胞子じゃない?何だこれは!?」

クシャナは飛んできた金色のそれを手の平で受け止めた。

クシャナ「……」
217 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/05(火) 23:25:24.28 ID:uwb6pztAO


王蟲達は金色に輝くのび太をゆっくりと地上に降ろしていく。

王蟲の巻き上げた土埃と王蟲自身の色で大地は黒一色だ。

ケチャ「……!!」

§£¢$ Λ∽∬ жψиζÅ!! 

(その者、時を越え金色の衣をまとい暗黒の地に降り立つべし!!)

ΥΛ£⊥Å §∬Ёδ Θ∂νЩф∽!!

(引き裂けられた世と世を結び、ついに人々を浄化された大地へ導かん!!)

ケチャ(僧正様が言っていた土鬼に古く伝わる伝承……!)

ケチャ(王蟲が心を開いている……あの人に……!?)
218 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/06/05(火) 23:27:06.47 ID:uwb6pztAO


ゴゴゴゴゴゴ…

去っていく王蟲達。

のび太「待って王蟲!行かないで!」

ゴゴゴゴゴゴ…

のび太「これ以上進まないで!腐海を拡げないで!」

ゴゴゴゴゴゴ…

のび太「お願いだよ王蟲!!」

我らは南のトモを迎えにいく

のび太「南のトモ!?南のトモって何さ!?」

ゴゴゴゴゴゴ…

のび太「王蟲!待って!」

のび太「おおむううううううう!!」

第六話 おわり
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/06/05(火) 23:38:53.35 ID:xJLuh05To
のび太聖人すぎワロタ
乙。落下地点がわからない
220 : :2012/06/06(水) 00:20:13.92 ID:ALAn0nTAO
のび太「おおむつううううううう!!」
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/06(水) 07:57:22.69 ID:+lLKf47SO
映画でも中々お目にかかれないイケメンっぷり
222 :名無しNIPPER [saga]:2012/06/06(水) 11:34:20.13 ID:bHlw+WxAO
作者だけど1レスから見るの見にくい!って人は
良かったら俺が自分の書いたやつまとめてるブログ使ってくれ
トリで検索したらたぶん出てくるから
223 :名無し :2012/06/11(月) 19:12:02.04 ID:rWZ0wVAAO
てす
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/13(水) 23:14:17.78 ID:PrYuem/do
映画のイメージしかなかったんだけど、このSS読んでからというもの、クシャナがかっこ良くてたまらん!
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/13(水) 23:31:37.52 ID:XDBTl66+o
原作も読んでみ?
映画の登場人物全員イケメン度3割増しだから
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/06/13(水) 23:50:04.57 ID:eZ87UIJPo
続きはよ
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/06/17(日) 16:14:55.17 ID:C6F/RutU0
はよはよ
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/06/19(火) 21:59:13.85 ID:nxT2a8nDo
続きまなかなー
229 :名無し :2012/06/23(土) 14:43:10.92 ID:glA/C0iAO
テスト
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2012/06/24(日) 18:50:52.71 ID:zGhJGKgAO
待ってるよ
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/24(日) 21:22:37.29 ID:MBbj069z0
待ってます
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県) [sage]:2012/07/02(月) 22:32:52.60 ID:ygFUcxOCo
待ってる
233 :名無しNIPPER [saga]:2012/07/10(火) 04:17:59.46 ID:gs4OB+VAO
てす
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/07/10(火) 04:18:41.16 ID:LNxW+Gu1o
何故こんな時間にageたし
235 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/07/11(水) 04:46:01.85 ID:CCf7lJQAO


〜とある前線〜

土鬼兵「やったぜ!大勝利だ!」

土鬼兵「トルメキアの豚どももたいした事ないな!」

土鬼兵「おら!さっさと歩け!」ドガッ!

トルメキア捕虜「いでっ!」

トルメキア捕虜「ちくしょう土鬼の奴ら!調子に乗りやがって!」

トルメキア捕虜「我が軍の戦力は土鬼の三倍はあったんだぞ!?それなのに何でこんな……」

トルメキア捕虜「なんでも、土鬼皇帝に直々に仕える大軍師がいるらしい」

トルメキア捕虜「この大敗北はその軍師のせいだって?」

トルメキア捕虜「さあな、だが得体の知れない不気味な奴らしい」

トルメキア捕虜「土鬼の奴らの中じゃあ土鬼を助けるために天から降臨したと噂されてるらしいぜ」

トルメキア捕虜「天から?なんじゃそりゃ」
236 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/07/11(水) 04:48:38.11 ID:CCf7lJQAO


土鬼兵「チヤルカ殿、捕虜はどうしますか?」

チヤルカ「このまま捕らえておけ、交渉で何かと使えるからな、人としてもてなすのだぞ」

土鬼兵「しかし大逆転勝利ですな、この兵力差で勝てるとは思いませんでした」

土鬼兵「これもチヤルカ殿が来て見事な作戦を立ててくれたおかげです」

チヤルカ「まだ気は抜くな、戦争は続いておるのだ」

土鬼「はっ!」

ヒュオオオオ…

土鬼兵「しかしすげえ作戦だったな」

土鬼兵「ああ、歴史に残る勝利だよ」

わいわい がやがや

チヤルカ「……」
237 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/07/11(水) 04:51:20.37 ID:CCf7lJQAO


土鬼兵「チヤルカ殿大変です!」タタタッ

チヤルカ「どうした」

土鬼兵「皇弟様のご様子が……」ヒソッ

チヤルカ「なんだと!?」





チヤルカ「……!」ダダダッ!

土鬼兵「チヤルカ殿!皇弟様が!」

ミラルパ「……」

チヤルカ「静かにしろ、動かしては駄目だ」

土鬼兵「ではこれが噂の……!?」

チヤルカ「ああ、超常の御力だ」
238 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/07/11(水) 04:54:09.48 ID:CCf7lJQAO


ミラルパ「……っ」ピクッ

チヤルカ「お戻りになられましたか?」

ミラルパ「……ああ、大変な事態だ」

チヤルカ「お体に何か異常が!?」

ミラルパ「いや……うっ!」ゲホッ

チヤルカ「沐浴の用意だ!急げ!」

土鬼兵「はい!」タタタッ

ミラルパ「げほっ……チヤルカ……」

チヤルカ「今すぐ沐浴ができるようにしておりますので!」

ミラルパ「現れたのだ……奴が……」

チヤルカ「現れたとは!?」

ミラルパ「金色の衣の者だ!奴が現れた!」
239 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/07/11(水) 04:56:42.35 ID:CCf7lJQAO


チヤルカ「何ですと!?」

土鬼兵「沐浴の準備ができました!」

チヤルカ「よし!お入れしろ!」

ミラルパ「間違いない……今度こそ……今度のは……」ゴポゴポ

チヤルカ「長く外気に触れすぎたのだ……戦争が長引くのは危険だな……」

土鬼兵「チヤルカ殿、金色の衣の者とは?」

チヤルカ「おぬしは知らなくて良い」

土鬼兵「は、はい」

チヤルカ「……」

ゴポゴポ…
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/11(水) 06:20:26.66 ID:UtySBwROo
もうこないかと
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2012/07/11(水) 07:17:38.07 ID:TBcId4F20
乙!
巨神兵じゃなくて鉄人兵なのが気になるな...
まぁ、そのうちわかるだろうな。
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 07:45:59.92 ID:yJ3TMwkSO
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/11(水) 08:46:10.21 ID:Tmmw4hmDo
来てたぁ
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 10:57:06.50 ID:pGqbEYdDO
245 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/07/11(水) 12:11:35.98 ID:CCf7lJQAO


〜風の谷〜





ナウシカ「……っ」

城オジ「姫様、どうされましたか?」

テト「キュイ?」

ナウシカ「……何でもない、仕事に戻って」

城オジ「?」

ナウシカ「……」

ナウシカ(のび太……)
246 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/07/11(水) 12:14:00.70 ID:CCf7lJQAO


〜王蟲の去った荒野にコルベットとガンシップが停まっている〜

ユパ「何と……そのようなイナゴが……」

クシャナ「……あの虫けらに友軍が壊滅させられたのだ」



クロトワ「お、お前ホントに人間か?」

のび太「蟲にでも見える?」

アスベル「驚いたよのび太!王蟲のあんな姿僕初めて見たよ!」

のび太「ううん、僕は何も……」

アスベル「へ?」

のび太(僕はナウシカの事を考えていただけなんだ……)

のび太(ナウシカならどうするだろうって……そう思っていただけなんだ)

アスベル「ケチャ!?」

ケチャ「……」ダッ!
247 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/07/11(水) 12:16:25.97 ID:CCf7lJQAO


ユパ「……」

ギリギリ

ユパがケチャの腕を掴み、止めた。

ケチャ「離せ!トルメキアは私の部族をたくさん傷つけた!」

ケチャ「トルメキアのせいで私の部族の船は落ちた!離せ!離せ!」

クロトワ「おいおい、王蟲の件は土鬼が勝手にやった事だろ」

クシャナ「良い判断だ、ユパ殿」ニヤリ

ユパ「……」

クシャナ「娘、お前の部族の船は勝手に王蟲を捕まえに行き勝手に落ちたのだ、我々の知った事ではない」

ケチャ「ЙψБл!」
248 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/07/11(水) 12:18:50.28 ID:CCf7lJQAO


クシャナ「娘、お前の部族の生き残りは我々の捕虜となっている」

ケチャ「!?」

クシャナ「ユパ殿に感謝するんだな」ニヤリ

ミト(ユパ様が止めていなければトルメキアは土鬼の捕虜達を皆殺しにしていただろう……)

ユパ「ケチャ、ここは堪えろ……おぬしの部族のためだ」

ケチャ「……」

カランッ

ケチャは剣を捨てた。

クロトワ(……ふん、本国に連れて帰る手間が減るのに)
249 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/07/11(水) 12:20:39.45 ID:CCf7lJQAO


のび太「あの……クシャナさん……」

装甲兵「貴様!殿下に向かって……!」

クシャナ「よい、なんだ」

のび太「ジャイアンは元気にしてますか?」

クシャナ「……」

のび太「今どこに?」

クロトワ「……」

のび太「あの……?」

クシャナ「土鬼と戦い、死んだ」







のび太「……え?」
250 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/07/11(水) 18:04:54.30 ID:CCf7lJQAO


クシャナ「……立派な最期だった」

背を向け、船に戻っていくクシャナ。

クロトワ「引き上げだ!」

船に戻っていくトルメキア兵。

のび太「ジャイアンが……死んだ?」

クシャナ「……」ガシャガシャ

のび太「……嘘だ」

ユパ「……」

ミト「……」

出木杉「……」

のび太「嘘だあああああ!」ダッ!
251 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/07/11(水) 18:07:30.60 ID:CCf7lJQAO


クロトワ「止めろ!」

クシャナに向かって駆け寄っていくのび太、だがトルメキア兵達に止められる。

のび太「死ぬわけない!死ぬわけないじゃないか!」

出木杉「……のび太君!」グイッ!

のび太「嘘だ!絶対に嘘だ!」

出木杉「のび太君!危ない!」

のび太「ちくしょう!ジャイアンに何をしたんだ!トルメキアめ!うあああああ!」

ユパ「……」

クシャナ「……」

立ち止まり、じっとのび太を見つめるクシャナ。
252 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/07/11(水) 18:10:22.03 ID:CCf7lJQAO


装甲兵「落ち着きなさい!」

のび太「離せえ!」

装甲兵「ジャイアン将軍は殿下を逃がすために戦って死んだのです!」

のび太「……!」

装甲兵「……立派な方でした、我らは将軍の事を死ぬまで忘れないでしょう……」

のび太「……どうして」

その場にへたれ込むのび太。

のび太(どうしてだよジャイアン……この世界の……それも戦争なんかしている人のために何でそんな……)

のび太(……!)

のび太(僕は……僕は……!)

のび太「……うう」

のび太「うわああああああああああ!」

のび太の泣き声が、響く。
253 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/07/11(水) 18:13:03.59 ID:CCf7lJQAO


クシャナ「……そういえば」

クシャナ「ジャイアンとお前が風の谷で出会った後、もう一人の心の友とやらの話をしていたな」

出木杉(スネ夫君?)

クシャナ「お前がいたんだからその男も必ずいるはずだと大声で喚いていた」

クシャナ「そいつは俺様と違って喧嘩は弱いが、悪知恵はまわるから必ずどこかで生きていると信じていたぞ」

のび太「……」

クシャナ「……無事だと良いな」

ガシャガシャ
254 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/07/11(水) 18:15:17.25 ID:CCf7lJQAO


クロトワ「……殿下、ジャイアンは土鬼ではなくイナゴに……」

クシャナ「言うな、いくぞクロトワ、まだ兵の数が足りん」

クロトワ(お優しいのね)

飛び立っていくトルメキア軍。

ゴオオオオオオ…

のび太「……」

ミト「のび……」

ユパ「……」グッ

ミトの腕を掴むユパ。

ミト「?」



ケチャ「……」

のび太「……」

ケチャ「辛いか」
255 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/07/11(水) 19:20:00.94 ID:CCf7lJQAO


へたり込んだままののび太。

のび太「……」

ケチャ「仲間を殺される痛みが分かったか」

のび太「……」

ケチャ「土鬼がお前の友達を殺した……私も土鬼だ」

のび太「……」

ケチャ「……憎いか?」

のび太「……」

ケチャ「これでもトルメキアと土鬼が友達になれるというか!?」

ケチャ「今のお前に聞いてみろ!友達になれるのか!」

のび太「……」
256 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/07/11(水) 19:22:36.41 ID:CCf7lJQAO




ミーンミンミン

のび太『わあジャイアン!どうしたのさその格好!?』

ジャイアン『ちょっと隣のクラスの奴と喧嘩してな』ボロッ

のび太『泥だらけじゃないか……』

ジャイアン『ああ、これはそいつらと野球した時にだよ』

のび太『へ?』

ジャイアン『俺様が喧嘩で泥をつけられるわけがないだろ!』

のび太『や、野球?なんで?』

ジャイアン『野球したのがどうしたよ?』
257 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/07/11(水) 19:24:31.72 ID:CCf7lJQAO


のび太『でも、喧嘩したんだよね?』

ジャイアン『おう!』

のび太『喧嘩したのに野球したの?』

ジャイアン『あいつらなかなかやるよ!ガハハ!』

のび太『喧嘩した人達の事嫌いじゃないの?』

ジャイアン『嫌いになったら野球できないだろ』

のび太『ジャイアン……』クスッ

ジャイアン『何がおかしいんだよ!?』

のび太『うふふ』ニヤニヤ

ジャイアン『何だよのび太のくせに!生意気だぞ!』

わーわーうわージャイアン!ごめんってー!
258 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/07/11(水) 19:27:01.42 ID:CCf7lJQAO


のび太「……」クスッ

ケチャ「なにがおかしい!?」

のび太「僕の友達は……喧嘩した相手と仲良く野球する人だったんだ」

ケチャ「やきゅう?」

のび太「……ケチャ」

のび太「もうその友達はいない……だから僕が代わりに君に言うよ」

ケチャ「な、なんだ……」

のび太「この喧嘩が終わったら、一緒に遊ぼう!」

ケチャ「え?」

のび太「トルメキアと土鬼も誘って一緒に野球でもしようよ!」ニコッ

ケチャ「お前……何言って……」

のび太「そのうち分かるよ、うふふ」

ケチャ「?」ポカーン

出木杉「……」
259 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/07/11(水) 19:29:04.81 ID:CCf7lJQAO


ユパ「……のび太」

のび太「もうトルメキアは飛び立った、僕らも行こう!」ニコッ

ミト「少しここで休んでも……」

のび太「ゆっくりしてはいられないよ、トルメキア軍が話していたイナゴの事もあるしね」

出木杉「……」

出木杉「よし、行こう!」

ミト「出木杉……」

出木杉(のび太君……君は……どこまでも……)



キイイイイイン

離陸するガンシップとバージ。
260 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/07/11(水) 20:09:38.02 ID:CCf7lJQAO


〜上空、ガンシップ〜

アスベル「……あの女は、僕にとっても憎い相手でした」

ミト「アスベル……」

アスベル「顔を見た瞬間に殺意が沸いた、ペジテの仇を討ちたいと思いました」

ミト「……」

アスベル「でものび太が王蟲の群れを止めたのを見た時に……うまく説明できないけど……」

アスベル「……のび太は不思議な人ですね、本当に別の世界から来たのかも」

ミト「変人なだけだよ」

アスベル「僕も……のび太みたいな事ができるのかな……」

ミト「できるさアスベル、もうしたじゃないか」

キイイイイイン…
261 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/07/11(水) 20:12:07.52 ID:CCf7lJQAO


〜バージ船内〜

のび太「イナゴの事も気になるけど……ひとまず王蟲を追う事にしよう」

出木杉「そうだね、大海嘯が起こるとすれば、王蟲が引き金の可能性が高い」

ユパ「……おぬしは腐海についてずいぶんと詳しいのだな」

のび太「出木杉君はとっても頭が良いんだよ!」ニコッ

出木杉「そんな……旅の中で身につけただけです」

のび太「またまたー、謙遜しちゃってー」

わいわい

ケチャ「……ふん」ゴロン
262 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/07/11(水) 20:13:56.22 ID:CCf7lJQAO








のび太「……」

のび太(ドラえもん……スネ夫……今どうしているんだろ……)

のび太(僕やジャイアンやしすかちゃん、出木杉君までこの世界にいたんだ……きっと二人も……)

のび太(無事でいてくれるよね……ドラえもん……スネ夫……)

ゴオオオオオ…
263 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/07/11(水) 20:16:16.67 ID:CCf7lJQAO


〜とある前線〜

チヤルカ(皇弟様が前線に出てきたのは鉄人兵の奪還が目的)

チヤルカ(鉄人兵は手に入れた……だが今度は兵達の士気を気にして前線を離れられぬ……)

チヤルカ(早く墓所に戻ってもらわねばお体が……しかし戦争はまだ続く……)

チヤルカ(戦争といえばわしは何をしておるのだ?他人の立てた作戦を自分の立てた作戦だと偽わされ……)

チヤルカ「……」

チヤルカ「……そろそろ沐浴の終わる頃だな」スタスタ

チヤルカ(わしは皇弟様の手足となって働く、それのみよ)
264 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/07/11(水) 20:19:24.04 ID:CCf7lJQAO


チヤルカ「……!?」

土鬼兵「」

土鬼兵の死体がごろごろと転がっている。

チヤルカ(これは!!?)

チヤルカ(トルメキアの仕業か!?いや……まさか!?)ハッ

チヤルカ「皇弟様!!」ダダダッ!





チヤルカ「……」ハアハア
265 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/07/11(水) 20:25:29.24 ID:CCf7lJQAO


チヤルカの目に映ったもの

それは











浴槽の中に腐った魚のように浮かぶ神聖皇帝ミラルパの遺体だった。

チヤルカ「お……おお……」ガタガタ
266 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/07/11(水) 20:27:47.46 ID:CCf7lJQAO


「やあ、遅かったねチヤルカさん」

チヤルカ「!?」バッ!

チヤルカが振り返ると、大勢の土鬼兵を引き連れた布巾を被った男が立っていた。

チヤルカ「まさか……貴様か!?貴様らが皇弟様を!!?」

???「うん」

チヤルカ「何故だ!!おぬしらは土鬼ではないのか!!?何故……何故!!?」

???「皇兄様の命令だからだよ」

チヤルカ「!!?」

チヤルカ(こやつらは皇兄派の人間か!!いやしかし!!?)
267 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/07/11(水) 20:30:13.03 ID:CCf7lJQAO


チヤルカ「貴様!!何故貴様が皇兄につく!!?」

???「……」

チヤルカ「素性の分からぬ貴様を誰もが羨む役職に取り立ててくれたのは皇弟様ではないか!!」

チヤルカ「それなのに……何故貴様が恩を仇で返すような真似を……!?」

???「迷信で僕を殺そうとした人間なんて土鬼に必要ないよ」

チヤルカ「!!?」

???「チヤルカ、僕に仕えろ、そうすれば命は助けてやる」

チヤルカ「なにを!!?」ギリッ

???「新しい土鬼が始まるのさ、妄想じみた皇弟なんかじゃない……」
268 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/07/11(水) 20:32:05.55 ID:CCf7lJQAO


















パサッ







スネ夫「真の神聖皇帝であられる皇兄ナムリス様の土鬼がね」



第七話 おわり
269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 20:36:15.37 ID:yJ3TMwkSO
スネオ……やはりお前皇兄側に
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 20:44:41.32 ID:pGqbEYdDO

このスネ夫は荒んでそうだ
271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/07/11(水) 21:00:32.44 ID:F6TLCbl/o
スネ夫出世しすぎワロタ
272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/07/11(水) 21:09:55.42 ID:3UqH76CS0
待ってた甲斐があった!
嬉しい!
273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 21:44:54.45 ID:T8eOChYBo
待ってた!
しかしスネ夫は腹黒い役が似合う
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 22:01:05.67 ID:M152lW4IO
スネ夫はやっぱりそっち側か
275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 23:31:41.56 ID:QOlx/ikDO
ジャイアン死んじゃイヤン…
何とか生きてるよね…?
276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/12(木) 01:38:51.17 ID:GJOYEtQ1o
ヒロインはナウシカなのかしずかちゃんなのか

ナウシカがいいなぁ
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2012/07/22(日) 09:05:21.04 ID:YkGLMyIAO
待ってたよ
278 :名無しNIPPER :2012/07/31(火) 12:40:33.09 ID:CKJOmwRAO
テスト
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/31(火) 13:54:56.73 ID:8n2Ilu4DO
ジャイアンの野球の話がとてもよかった
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(秋田県) :2012/07/31(火) 16:35:40.58 ID:7lhBrmle0
鉄人兵とかいうやつの正体ってまさか[たぬき]か、ザンダクロスか。
スネ夫がドルク側のやつについてるけどまさか[たぬき]がバイオコンピューターと関わりあるのかな。
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/31(火) 21:28:50.89 ID:75gEBbgIo
[たぬき]
282 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/08/01(水) 12:03:20.28 ID:PPD3AaRAO


風の谷

ナウシカ「……」

城オジ「姫様……最近元気が無いのう……」

城オジ「むう……大海嘯の事を気にやんでいるのかの?」

ナウシカ「……」

テト「キュイ?」

大ババ「……ナウシカや」ユラリ

ナウシカ「大ババ様……」

大ババ「のび太達の事が気になるのだろう?」

ナウシカ「……」

ナウシカ「……はい」
283 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/08/01(水) 12:05:11.50 ID:PPD3AaRAO


大ババ「行きたければ行ってもいいのだぞ?」

ナウシカ「しかし……私には族長として谷を守る役目が……」

大ババ「ナウシカ、族長として谷の事を気にするのは分かる、じゃが己の役目に振り回されてはいかん」

ナウシカ「……」

大ババ「大海嘯……もし実際に起これば世界中の大地が腐海に飲まれてしまうかもしれん」

大ババ「民が滅んでも土さえあればまた種を植え国を作る事ができるが、土が滅んでは人は生きてはいけん」

大ババ「ナウシカ、お前が心より風の谷を愛し、守りたいと考えているのなら……」

大ババ「お前はのび太達を追い、谷を少しの間留守にするべきじゃ」

ナウシカ「大ババ様……」

大ババ「決めるのはお前自身じゃ、ナウシカ」
284 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/08/01(水) 12:06:44.10 ID:PPD3AaRAO






城オジ「姫様、お気をつけて」

ナウシカ「うん、いってくる」

城オジ「ガンシップがもう一機あれば良かったんじゃが……」

ナウシカ「大丈夫、メーヴェの方が慣れてるから」

谷の住人達「谷の事はまかせて下さい!姫様以上に守ってみせますよ!」

谷の住人達「おい!」

谷の住人達「はははははは!」

ナウシカ「……みんなごめんね」

大ババ「……ナウシカ」
285 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/08/01(水) 12:08:18.51 ID:PPD3AaRAO


大ババ「あの少年が初めて谷を訪れた時、わしはその少年が谷に危害をもたらすとは微塵も思えなかった」

大ババ「そのようないたわりと友愛を身に纏った人物にあったのは……」

大ババ「ナウシカ、お前が産まれた時以来じゃ」

ナウシカ「大ババ様……」

大ババ「お前とのび太はどこか似ている……生まれた世界も、育った場所も違うが……」

大ババ「……まるで出会う事を運命づけられていたように」

ナウシカ「のび太と……私が?」

大ババ「ナウシカ、のび太を探すのじゃ、世界を救うにはのび太の力がいる」

ナウシカ「……うん、きっとそう」
286 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/08/01(水) 12:10:40.29 ID:PPD3AaRAO






バシュッ!

離陸するメーヴェ。

谷の住人達「ひめさまああああ!!いってらっしゃああああい!!」

わー!わー!

大ババ「……」

ナウシカ(みんな……父様……ごめんなさい……)

ナウシカ(でも……どうしても私は……!)

キイイイイイン…
287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage ]:2012/08/01(水) 12:36:10.13 ID:eKGRa/Ono
来てたか
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/01(水) 15:51:36.74 ID:j3NiMcKSO
289 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/08/01(水) 18:31:32.67 ID:PPD3AaRAO


土鬼某所

大地が大量の巨大イナゴの死骸で埋め尽くされている。

その死骸の山の上を浮砲台の艦隊が飛んでいる。

ナムリス「ほう、なかなか面白い光景だな」

スネ夫「トルメキア軍を食い殺した『兵器』達です」

チヤルカ「土鬼の兵達も一緒にな」

スネ夫「だけど戦局的には勝ったと見るべきだ」

チヤルカ「皇兄様!私はこのようなおぞましいものを戦争に使用するのは反対です!」

ナムリス「ほう、何故だ?」

チヤルカ「不安定過ぎます!土鬼の民や畑が食い尽くされたらどうなさるのですか!」
290 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/08/01(水) 18:33:00.88 ID:PPD3AaRAO


ナムリス「戦争だ、民や畑は多少は犠牲になるものだ」

チヤルカ「……っ」

ナムリス「敵も味方も同時に滅ぼす力、惚れ惚れするではないか」

チヤルカ「このイナゴに国土の全てを食われたらどうするおつもりですか!?」

スネ夫「その心配はいらないよチヤルカ」

スネ夫「イナゴは短時間で爆発的に増殖するけど、それと同時にごく短い時間で全て死滅するようになっている」

スネ夫「使う場所とタイミングを計れば土鬼への被害を無くす事も可能たよ」

チヤルカ「しかし……!」

ナムリス「スネ夫、引き続きイナゴの開発を続けろ」

チヤルカ「皇兄様!」

スネ夫「チヤルカ、皇兄様の決定だ」

チヤルカ「くっ……!」
291 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/08/01(水) 18:34:22.19 ID:PPD3AaRAO


ナムリス「それよりも今気にするべきは王蟲だ、現状は?」

スネ夫「王蟲の大群は依然国土を踏み荒らしています」

ナムリス「このままでは国土が腐海に飲まれるな」

スネ夫「はい……」

ナムリス「鉄人兵は?」

スネ夫「パーツは全て合体し完成しましたが、しかし……」

ナムリス「なんだ」

スネ夫「何かが足りないのです、欠けていると言いますか……」

ナムリス「王蟲を駆逐できれば良い、何とかしろ」

スネ夫「は、はい」

ナムリス(ふふ……やっと王座につけた途端にこれか……面白い)ニヤリ
292 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/08/01(水) 18:35:38.17 ID:PPD3AaRAO






スネ夫「……」テクテク

チヤルカ「……」

スネ夫「チヤルカ」

チヤルカ「おぬしに呼び捨てにされる覚えは無い」

スネ夫「はは、今は僕の方が位は上なんだよ?」

チヤルカ「……」

スネ夫「まったく、僕が皇兄様に取り入っていなかったらあんたは今頃頭と胴体が離れていたんだよ?」
293 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/08/01(水) 18:39:08.85 ID:PPD3AaRAO


スネ夫「あんたが皇弟を慕っていたのは皇兄様も知っている」

スネ夫「……謀反を考えている事もね」ニヤリ

チヤルカ「分からぬな、それなら何故わしを生かした?」

スネ夫「使える頭が欲しいからさ、土鬼は神頼みの馬鹿ばかりだからね」

スネ夫「イナゴはまだ調整が必要だし、王蟲の件もある、鉄人兵も何が起こるか分からない」

スネ夫「このままじゃ土鬼が腐海になっちゃう、チヤルカもそれは嫌でしょ?」

チヤルカ「ふん、おぬしが守りたいのは土鬼では無く地位だ」

スネ夫「ふふ、地位に固執して何が悪いのさ?」

スネ夫「人として生まれてきたのなら偉くなるのを望んで当然でしょ?」

チヤルカ「……強欲な奴め」

スネ夫「そうさ、僕は全てが欲しい、地位も名誉も女も……」

スネ夫(……そして)

ゴオオオオ…
294 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/08/01(水) 21:07:39.07 ID:PPD3AaRAO


土鬼某所 王蟲によって踏みつぶされた村



アスベル「駄目だ……生存者はいない……」

ミト「ひどいものだ……家も何もかも無くなってしまっている……」

のび太「……」

ユパ「……先へ進もう、王蟲の落とした胞子が芽吹き、ここもやがて腐海に沈む」

出木杉「これで僕らが見た限りでも六つの村が破壊された……」

ミト「何という事だ……このままでは土鬼は丸ごと腐海になるぞ……」

ケチャ「そうはならない!鉄人兵がある!」
295 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/08/01(水) 21:09:42.35 ID:PPD3AaRAO


ユパ「……鉄人兵はかつて世界を焼き尽くしたという代物、人の救済は期待しない方が良い」

ケチャ「そんなことない!きっと王蟲も腐海も全部燃やせる!」

アスベル「……」

ケチャ「土鬼は腐海になったりなんかしない!土鬼は……うう……」

ケチャ「うわあああん!」ポロポロ

だきっ!

アスベル「ケチャ……」ギュッ

のび太「……」

出木杉「……」

ユパ「……」
296 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/08/01(水) 21:11:47.44 ID:PPD3AaRAO


のび太「王蟲は何か目的があって行進を続けているはず……目的が分かればひょっとしたら……」

出木杉「……行進を止められるかもしれないね」

ユパ(……間違いなく大海嘯の引き金は王蟲だ)

ユパ(もう引き金は引かれてしまった……こうなればもはや……)

ユパ(いや、まだ何とかなると楽天的に考えよう……のび太のように)

ユパ(そして信じよう……のび太を……)

アスベル「このまま王蟲の痕跡を追っていけば群れにたどり着けるはずだよ」

のび太「急ごう!まだできる事があるはずだよ!きっと!」

ユパ「……」グッ
297 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/08/01(水) 21:13:34.89 ID:PPD3AaRAO


土鬼某所 前線

トルメキア兵達「クシャナ殿下万歳!!」

トルメキア兵達「クシャナ殿下万歳!!」

土鬼兵「くそ……ここは壊滅だ……」

土鬼兵「トルメキアの白い魔女め……!」



クロトワ「ここも落とせましたな」

クシャナ「……」

クロトワ(へへ、この調子で兵を吸収していけば本当にクーデターが成功しそいだぜ)
298 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/08/01(水) 21:14:53.83 ID:PPD3AaRAO


クロトワ「次はどこに行きますかい?」

クシャナ「いや、少し間を置く」

クロトワ「我が軍は今勢い付いていますが……」

クシャナ「兵を落ち着かせる必要がある」

クロトワ「トルメキアの兵達は皆殿下に……」

クシャナ「それだけではない、気になる事があってな」

クロトワ「イナゴの件ですか?」

クシャナ「それもそうだが王蟲の件もだ」

クロトワ「風の谷の奴らが言っていた大移動ですか?」

クシャナ「ああ」
299 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/08/01(水) 22:43:11.75 ID:PPD3AaRAO


クロトワ「あれは子供の王蟲を捕まえたからでは?それならそのまま腐海に帰るのでは……」

クシャナ「それは一部だと言っていた、大群は今だ行進中らしい」

クロトワ「信用できるんですか?向こうには土鬼の女もいましたが……」

クシャナ「嘘ではないだろう……私の勘だがな」

クロトワ(女の勘ってやつね)

クシャナ「とにかく兵達には休養が必要だ、お前も今のうちに休んでおけ」ガシャガシャ

クロトワ「はっ!」

クロトワ(休養ね……しっかり休みますか……)

クロトワ(しかし嘘であって欲しいもんだな)

クロトワ(王蟲の大群だなんて、弾が足りねえよ)ニヤリ
300 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/08/01(水) 22:44:41.07 ID:PPD3AaRAO


土鬼某所 浮砲台艦隊

ゴウンゴウン…

チヤルカ「民達の避難は進んでおるか!?」

土鬼兵「全力で避難にあたっておりますが……船の数が足りず……」

チヤルカ「くそ……船か……」

スネ夫「最近はトルメキアが土鬼の船を奪っているらしいからね」

チヤルカ(戦場を離れられぬ船もある……こんな時に……!何をしておるのだ!)

チヤルカ(人の世が滅ぶかも知れぬ時に人間同士で奪い合うなど……!)ギリッ

スネ夫「このままだと王蟲に民が踏み潰されるよ」

チヤルカ「わかっておる!」
301 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/08/01(水) 22:46:10.69 ID:PPD3AaRAO


スネ夫「チヤルカ……こうなったら新しい船を確保するしかないよ」

チヤルカ「新しい船などどこにあるのだ!」

スネ夫「あるじゃないか、戦場に」

チヤルカ「戦場の船を動かしては前線が維持できん!」

スネ夫「違うよチヤルカ」

チヤルカ「?」

スネ夫「こっち側じゃない……」





スネ夫「向こう側さ」ニヤリ

チヤルカ「!?」
302 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/08/01(水) 22:48:15.33 ID:PPD3AaRAO


ナムリス「ほう、トルメキアの船を奪うと言うのか」

スネ夫「はい、それしか民を助ける方法はありません」

ナムリス「ふふふ、蟲に食われるかどうかの時に人間同士で血を流すか」

チヤルカ「……」

スネ夫「この時だからこそです」

ナムリス「いいだろう、どのみち我が国土が腐海に飲み込まれるのは決まった」

ナムリス「土鬼が生き残るためにはトルメキアの国土を奪わねばならん」

チヤルカ「……!」

ナムリス「船だけとは言わず国ごとトルメキアから奪い取るぞ」

スネ夫「……」

ナムリス「全軍を出せ、俺自ら前線で指揮をする」

スネ夫「はい!」

チヤルカ「……」ギリッ
303 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/08/01(水) 22:51:09.42 ID:PPD3AaRAO


ナムリス「鉄人兵も運び出せ」

スネ夫「!?」

チヤルカ「な、何故!?」

ナムリス「戦争に使うのだ、マスコットにでもする気か?」

スネ夫「しかし皇兄様!まだ使用できる段階では……!」

ナムリス「黙れ、俺が使うと言ったら使う」

スネ夫「は、はい……」

チヤルカ(このタイミングで鉄人兵を使うだと……!?)

チヤルカ(この男……一体何を考えている!?)

ゴオオオオ…
304 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/08/02(木) 00:08:16.64 ID:oWL9zaiAO


土鬼某所 上空

キイイイイイン

メーヴェで飛ぶナウシカ。

蟲達「ギイギイ」バサバサ

蟲達「ギイギイ」バサバサ

蟲達「ギイギイ」バサバサ

ナウシカ(凄い……空が隠れている……)

蟲達「ギイギイ」バサバサ

蟲達「ギイギイ」バサバサ

ナウシカ(こんなにたくさんの蟲が群れになって飛ぶなんて……)

ナウシカ(……一体どこに向かって飛んでいるの?)
305 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/08/02(木) 00:10:41.27 ID:oWL9zaiAO


腐海から溢れ出てくるのは王蟲だけではなかった。

多種多様の膨大な量の蟲が土鬼の地を進んでいるのだ。

疲れて力尽きた蟲は大地に落下し、付着してきた胞子の苗床となり、その身に腐海の植物を芽吹かせた。

点々とした腐海の植物は互いを引き寄せるように胞子をまき散らし

広大な面積の大地が今まさに腐海になろうとしていたのだ

ナウシカ(力尽きて死ぬ事は分かっているはずなのに……どうしてそうまでして飛ぶの?)

蟲達「ギイギイ」バサバサ

蟲達「ギイギイ」バサバサ

ナウシカ「どうしてなの!?」

それが役目だから

ナウシカ「!?」
306 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/08/02(木) 00:12:11.90 ID:oWL9zaiAO


ナウシカ(蟲の声!?)

蟲達「ギイギイ」バサバサ

ナウシカ(違う……)

ナウシカ(……!あそこの丘に誰かいる!)

ナウシカ(あの人だわ!)

バシュッ!

方向転換し降りていくメーヴェ。

ナウシカ「……」

ナウシカ「……!」

ナウシカ(あの人は……)
307 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/08/02(木) 00:13:28.07 ID:oWL9zaiAO


丘の上

しずか「……」

ナウシカ「あなたは……」

しずか「以前腐海の底でお会いしたわね」

ナウシカ「しずかさん……」

しずか「セルムさんは別の所にいます、王蟲を追って」

ナウシカ「やはり王蟲も出て来ているのね……途中で死骸を見つけたわ……」

ナウシカ「腐海となった王蟲を……」

しずか「あなた、悲しそう」

ナウシカ「……」

しずか「……」
308 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/08/02(木) 00:17:08.37 ID:oWL9zaiAO


ナウシカ「……大海嘯……大海嘯が起きているのね……」

しずか「ええ、もはや土鬼の地が腐海に飲み込まれるのは時間の問題」

ナウシカ「どうして……何が原因でこんな事に……」

しずか「……」

ナウシカ「このままじゃ……人の生きていける世界は更に狭く……」

しずか「……ナウシカさん」

しずか「のび太さんがどこから来たのか知ってる?」

ナウシカ「ええ……時を渡る船で過去からこの時代に来たって」

しずか「そう、おそらくはタイムマシンの故障か何かで私やのび太さん達はこの世界にやってきた」

ナウシカ「のび太から聞いたわ……あなたがのび太と同じ世界にいたって」

しずか「そう、私は別の世界から来た」

しずか「……欲にまみれた世界から」
309 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/08/02(木) 00:19:13.34 ID:oWL9zaiAO


しずか「私はこっちに来てからの五年間腐海で暮らした、何回かは人里に降りたけど」

しずか「この世界に来て最初に驚いた事は、この世界が私のいた世界と余りにも違い過ぎた事」

しずか「私のいた世界にはこんな大きな虫いなかったから」

蟲達「ギイギイ」バサバサ

ナウシカ「ふふ、のび太も驚いていたわ」

しずか「そして次に驚いたのは……私のいた世界と、何も変わっていなかった事」

ナウシカ「……!」

しずか「私は科学が進んでいなければ人は優しくなれるものだと思っていた」

しずか「のどかな景色の中で暮らしていれば人は皆暖かくなれると想像していたのよ」

ナウシカ「……」
310 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/08/02(木) 00:21:12.93 ID:oWL9zaiAO


しずか「でも現実は違った……この世界でも人間は私の知っている人間だった……」

しずか「テレビもパソコンも無いのに、人は人の事を知ろうとしない!分かり合おうとしないのよ!」

ナウシカ「……」

しずか「森の人として生きるのは俗を捨てる事……でも俗が無くても最低限の欲さえ満たされれば人は生きていける」

しずか「私は腐海で暮らして分かったの、私の元いた世界の醜さを……」

ナウシカ(腐海の中で……暮らす事で……)

しずか「こんな事言ったらこの世界で育ったあなたは怒るでしょうけど……」

しずか「私は、このまま人の世界が滅んだ方が人のためだと思うの」

ナウシカ「……」

しずか「……ごめんなさい」
311 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/08/02(木) 00:37:17.15 ID:oWL9zaiAO


ナウシカ「……しずかさん、あなたはこの世界の事が嫌いかもしれないけど……」

ナウシカ「私、この世界で生きるの好きよ?」ニコリ

しすか「……」

ナウシカ「それに、たぶんあなたの来た世界で私が生まれ育ったとしても、私はきっと人間の世界が好きになる」

しずか「え……」

ナウシカ「だってのび太が来た世界だもの!」ニコッ

しずか「!」

ナウシカ「確かにどんな時代や世界になっても、人は醜いまんまかもしれない……」

ナウシカ「でも、私は人として生まれたからメーヴェで風に乗ったり、のび太と一緒に腐海を探検したりできる」

ナウシカ「だから私は人の世界が大好きなの」ニコニコ

しずか「……」
312 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/08/02(木) 00:39:47.79 ID:oWL9zaiAO






しずか「……行くのね」

ナウシカ「うん、マスク強化してくれてありがとう」

しずか「今、世界は大きく変わろうとしている……そんな時には恐ろしい嵐が現れるもの」

しずか「そんな嵐の中に突っ込んだら……あなたの凧も無事じゃ済まないわよ?」

ナウシカ「そうかもしれない……でも私はどうしてもこの目で見たいの」

ナウシカ「この世界で生まれた人間として、人間の世界がどうなってしまうのか」

しずか「……あなたらしい答えね、ナウシカ」ニコッ

ナウシカ「ふふ、またね、しずか」ニコッ

バシュンッ!

メーヴェが飛び立ち、風と共に去っていく。

しずか(……彼に似ている)
313 :とあるニート ◆TU2imyK31H1o [saga]:2012/08/02(木) 00:41:22.22 ID:oWL9zaiAO


土鬼某所

巨大イナゴの死骸の山














…ピクッ


第八話 おわり
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(島根県) [sage]:2012/08/02(木) 00:47:12.89 ID:DHtpsRmeo
おつー
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/02(木) 03:32:08.50 ID:hzHCna6SO
おもしろい
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/02(木) 05:45:05.14 ID:hgEzbc5IO
おつー
ジャイアンくるー?!
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/02(木) 08:11:58.58 ID:+jR0YJbSO
318 :名無しNIPPER [saga]:2012/08/02(木) 10:33:02.36 ID:UlTMHc/M0
これこの人のブログなのかな?

http://blog.livedoor.jp/toaruneet/archives/54015969.html
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/08/02(木) 10:36:52.73 ID:YNEdMXL6o
見つけたとしても勝手に晒すとか最低だな
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/02(木) 11:06:22.10 ID:OWo1UUmDO
>>1が自分でブログ見てねっていってた気がする
321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/08/02(木) 12:39:54.51 ID:YNEdMXL6o
マジかよ恥かいた
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/03(金) 01:31:09.35 ID:1tPZhKsDO
>>222だね
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/08/03(金) 20:29:48.18 ID:CY643xqW0
追いつ………


            かない
久しぶりに原作読んでみる
324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/08/03(金) 20:43:36.60 ID:CY643xqW0
スネちゃまが風使いポジションに落ち着いてるのにワロタwww
黄狸は出るのだろうか
325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/04(土) 12:17:20.12 ID:Vla6JQG5o
[たぬき]
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(熊本県) :2012/08/29(水) 00:33:02.89 ID:Xe05Fb/g0
続きまだー?
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/07(金) 03:34:18.45 ID:wzBpv3nR0
まーだかな?
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2012/09/13(木) 16:25:23.96 ID:foLJ9eQZ0
おお、ここで引きか!一気読みでここまで来た。
更新が随分空いてるけど、早く続きが見てぇ……。
乙でした!
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