「「「!?」」」 のれん状になってる入口から、魚雷みたいな勢いで工藤さんと美波が突っ込んできた。え、何!? 何かすごい慌ててるみたいなんですけど……何事!? その場にいた全員がぽかんとして見ている中、全力疾走してきたらしい2人は、とりあえず息を落ち着けるためにか空いている席に着き、美波はさらに僕のカップのアイスコーヒーを当然のごとく飲み干した。遠慮一切なしかい。 ……でも、ホントに何だろ? 美波はともかく、いつもあっけらかんとしている工藤さんまでもがこんなに慌ててる息を切らしてくるなんて……はぁはぁ言ってる姿がなんか新鮮で、色っぽい……じゃなかった、不自然だ。 それに2人とも、ムッツリーニの代役でスパイ関係の統括をやってくれてたはずなんだけど……! もしかして、そっち方面で何かあった!? 「えっと、2人とも、どうしたの? 何かあった?」 「Ach du Schreck! In der Hauptstadt fanden die großen politischen Ereignisse statt!」 あ、だめだ美波パニクって日本語飛んでる。 「……愛子?」 「あ、だ……代表。えっと……緊急事態! エマージェンシー!」 いつもがいつもだからか、こちらは幾分かマシそうな工藤さん。こっちに聞いた方がいいかも。 「そ……それがさ……」 それが?