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とある一位の鬼隠し - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :南阿蘇太郎 [sage]:2012/05/31(木) 02:28:12.71 ID:RmKoEZbDO

禁書×ひぐらしのクロスSSです


キャラ崩壊には気を付けます(気がついた人は指摘下さい)


携帯からの投稿になりますので見辛いかも知れませんがよろしくお願いします
m(__)m

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諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

2 :南阿蘇太郎 [sage]:2012/05/31(木) 02:29:28.27 ID:RmKoEZbDO

「熱ィ…」

カツカツカツ…ろくに舗装すらされてない道を一人の少年が気だるそうに歩いてる

白地のシャツに薄手の黒ズボン。

シャツはかなり着崩していて中に黒地のインナーを着ているのがまるわかりである

少年は杖をついていた

といっても老人がつくような趣あるものではなくトの字トンファーの様な近未来的な杖である

また首には端から見れば音楽プレイヤーの様な装置を巻いている


だがそんな付属品よりも彼の容貌の方がこの景色から浮いていた

少年の体は透き通るように白くまた棒のように細く少なくともこんな田舎似合わないだろう。モヤシっ子という言葉か一番しっくりくる

さらに一番目を引くといわれれば彼の白髪だろう。白一色のその髪は柔らかく時折吹く風に軽く揺れている

また遠目からでは気がつかないだろうが彼は赤い瞳をしていた

ここまでの身体的特徴でうさぎを思い浮かべる方もいるんだろうが彼はそんな愛くるしいものではない


知る人ぞ知る


彼の名は
3 :南阿蘇太郎 [sage]:2012/05/31(木) 02:32:56.56 ID:RmKoEZbDO
?「通行く〜ん!おっはよ〜ぅ!」

快活な挨拶が響く


通行「……誰だァこいつ?」

道行と呼ばれた少年は開口一番容赦の無い一言をつき放つ

?「は!はぅ!?酷い道行くん!1週間あってないだけで友達の事忘れるなんて!」

通行「イヤ酷ェのはお前だろうがレナちゃンよォ…まさか本気でこの俺が人の事忘れる様な低能だと思ってやがるなんてなァ。さすがにショックだぜ」

レナ「はぅ!?いやそんなことはなくてね!え〜とその道行くんが忘れたなんて言うからなんだよ…」

道行「つまりは俺のせいってかァ?1週間合わないうちに随分と冷たくなったんだなァレナ」

実際誰が悪いと言われたら100%この男が悪いのだかレナはさらに困った顔をする
4 :南阿蘇太郎 [sage]:2012/05/31(木) 02:34:16.06 ID:RmKoEZbDO

レナ「イヤ!そんな訳なくて!えと…その…はぅ」

しまいには泣きそうな顔になるレナ

道行(そろそろかァ)

道行「冗ォ談だ…」

レナ「え!?」

道行「悪かったな。ほらいい加減その泣きそうな面ァどうにかしろ。こっちの気まで滅入っちまう」

ワシャワシャと髪を撫でる道行にレナは

レナ「///はぅ…」

今度は顔を真っ赤にして下を向いていた

道行(面白れェ)

道行「おらサッサと行くぞ。あんま待たせるとアイツめんどくさいからなァ」


レナ「!待ってよぉー!」

カツカツカツと歩き出す少年の後にパタパタと駆ける少女。

今日も雛見沢は平和だった
5 :南阿蘇太郎 [sage]:2012/05/31(木) 02:39:16.30 ID:RmKoEZbDO
?「お二人さん遅いよぉー!」

道行「おゥすまねェな魅音」

レナ「あ!おはよー魅ぃちゃん」

魅音「あっれぇ〜?どうしたのさレナ?顔赤いよぉ〜もしかしてミッフィーとお楽しみだったかなぁ?」

若干頬が紅潮しているレナにニヤニヤと下品な笑みを浮かべた魅音が問い詰める

レナ「はぅ!?///」


魅音「ほら今日のミッフィーはどうだったのかな?うさぎは旺盛だから大変だったでしょぉ?」

6 :南阿蘇太郎 [sage]:2012/05/31(木) 02:40:40.71 ID:RmKoEZbDO
レナ「道行くんは最初は意地悪だったけど後からは優しかったよ?///」

頭を撫でられたのを思いだしたのかレナの顔が一層赤くなる

魅音「ほうほう…だそうですよ?ミッフィー?何か言うことは?具体的にはレナはどうでしたかぁ?」

道行「その会話には果てしない誤解があンだろ…」

レナ「道行くん!?誤解って何かな!?かな!?」

魅音「おじさんも分かんないなぁ〜いったいミッフィーは何の事いってんだろ?」

道行「…誰がミッフィーだてめェ…」
7 :南阿蘇太郎 [sage]:2012/05/31(木) 02:41:45.46 ID:RmKoEZbDO
魅音「だってミチユキって名前でしょ?それに白いし目は赤いしならもうミッフィーじゃん?更にうさぎは性欲旺盛だし」

道行「…コロス」

レナ「え!?え!?魅ぃちゃん旺盛って…ふ…不潔かな!///」

バビュン

顔を真っ赤にさせたレナが魅音に拳を放つ

魅音「ネネちゃん式ガード!」

魅音は道行を羽交い締めにしレナ向ける

その結果

道行「!ガフッ…」

っていうかネネちゃンはうさぎをガードに使わねェよ

なんて思った道行だったが放たれた剛拳が鳩尾にクリーンヒットし力なく倒れるしかなかった
8 :南阿蘇太郎 [sage]:2012/05/31(木) 02:44:07.18 ID:RmKoEZbDO
――――――――――――――――――――――――――――――


魅音「で。どうだった?久々の学園都市は?」

道行「別にどォてことァ特別ねェよ。能力測定して知り合いに会ってきただけだ」

レナ「能力は上がってたのかな?かな?」

道行「ンな簡単には上がンねェよ」

魅音「そもそも道っちゃんの能力ってなんだたっけ?」

道行「…レベル2の念動力者だ」

以下回想

9 :南阿蘇太郎 [sage]:2012/05/31(木) 02:53:52.23 ID:RmKoEZbDO
と言うわけで第一日目はここまでです


問1

時系列的に無理がある



そげぶ


問2

道行とは誰だい?レベル2?



後で説明します

問3
タイトル的に一方通行だけど俺の浜面は出んのかよ?



出ません。眼科に行くことを薦めます


ではこの辺でノシ
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/31(木) 03:02:38.68 ID:2BrCGJ/j0
ひぐらしと禁書か俺得だ。
セロリ……沙都子と梨花ちゃま襲うなよ...あと羽入も。
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/05/31(木) 04:44:15.11 ID:W7F8n1TE0
季節的に最高なのである。

破局に向けて、期待している。
12 :南阿蘇太郎 :2012/05/31(木) 23:10:33.56 ID:RmKoEZbDO
こんばんは!

レスありがとうございますm(__)m

本日もよろしくお願いしますm(__)m
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/31(木) 23:13:41.24 ID:RmKoEZbDO
――――――――――――
―――――――――
――――――
―――――
――――
―――
――

一方通行「ハァ?外にだァ?」

学園都市第一位の超能力者一方通行は彼にしては珍しく素っ頓狂な声をあげた

ここはマンションの一室である

テーブルにはこの家の住民である黄泉川愛穂、芳川桔梗、番外個体、一方通行、打ち止めの順で座っていた

驚いてる子供たち(血は繋がっていないが)とは対象的に黄泉川、芳川は冷静に説明する

14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/31(木) 23:14:37.55 ID:RmKoEZbDO
黄泉川「らしいじゃん。なんでもこれまでの様々な学園都市に対する協力に対する謝礼らしいじゃん?」

芳川「さらに自然環境に置ける能力の凡庸性と向上性の実験も兼ねての要請らしいわ」

一方通行「くだらねェの一言に尽きるな」

吐き捨てる様にそうつげる

番外個体「ミサカとしては白モヤシが自然に放り出されて食物連鎖の最下層で健気に生きる動物ドキュメンタリー観たいから賛成ー」

打ち止め「エェー!嫌だよ!ってミサカはミサカは猛反対してみる!」

一方通行「一言たりとも行くなんて行って無ェぞクソガキ…それから番外個体あとで覚えておけ」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/31(木) 23:19:37.93 ID:RmKoEZbDO
打ち止め「断るよね?ってミサカはミサカは必殺上目遣い」

一方通行「…そのつもりだ」

打ち止め「やったぁーってミサカはミサカはここぞとばかりに胸にダイブ!」

一方通行「…鬱陶ォしい」

飛び込んできた打ち止めをチョップで迎撃する

打ち止め「ギャ!?…お星さまが綺麗だねってミサカはミサカはあなたに囁きかけてみる。え!?ちょっと!?いきなり大胆だけどあなたにならってミサカはミsギャ!?」

一方通行「てめェもてめェで何妄言垂らしてんだ…」
更なるチョップが打ち止めを襲う

黄泉川「一方通行」

一方通行「あン?」

黄泉川「この話受けるじゃん」

一方通行「ハァ?」

黄泉川「お前は世界を見て回る必要があるじゃんよ」

一方通行「世界だァ?ハッ!必要無ェなァこれでも世の中の裏の奥深くまで知ってんだよ」

自嘲気味に吐き捨てる

黄泉川「そっちの世界じゃないじゃん」

一方通行「あン?」

黄泉川「表の世界じゃん」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/31(木) 23:25:45.30 ID:RmKoEZbDO
その言葉に一方通行の肩がピクンと震える

芳川「第三次世界大戦が終わってあなたも家に帰って来るようになったから私達もあなたに社会復帰させようと思ってた所なのよ」

一方通行「最年長自宅警備員に言われちゃ世話無ェな…で?なンでよりによって外なンだよ?別に学園都市内の適当ォな学校でよかっただろうがよ。外へのアピールってンなら第三位にでもやらせりゃいいだろ…」

黄泉川「学園都市内の学校じゃどうしても能力で優越や格差が出るじゃん。その点外の田舎の学校じゃ能力なんか勿論関係ないし一応桔梗の知り合いがやってる学園都市の協力機関もあるから能力者の情報の漏洩は避けられるらしいじゃん」

芳川「大学の友人のやってる診療所があるの。学園都市の医療器具、薬品を使った外部の人間への影響の観測を条件にね。――話が逸れたわね。つまりあなたの抱える超能力。そんなの関係なしに友人を作り普通に学校生活送っていって欲しいということよ」

一瞬面食らった様な顔をする一方通行

一方通行「……余計な世話だ」

黄泉川「家族だから余計な世話もするじゃん」

即答する黄泉川

一方通行「チッ……勝手にしろ俺はもう寝る」

チョーカーのスイッチをいれいまだに目を回してる打ち止めを抱えて部屋を出る
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/31(木) 23:27:16.21 ID:RmKoEZbDO

黄泉川「まったく素直じゃないじゃん」

芳川「最終信号荒れそうね」

黄泉川「それでもアイツには普通の学生みたいに今を楽しんで欲しいじゃん」

芳川「あの子が本来の自分を取り戻せたらいいんだけどね」

黄泉川「それにはまったく新しい環境でやり直す必要があるじゃん」

ふふふふと笑いながら大人二人が席を立つ

番外個体「あれ?気づいたらミサカ空気!?」

なんともバツの悪そうに番外個体は最後に席を立った
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/31(木) 23:46:10.70 ID:RmKoEZbDO
黄泉川愛穂宅にはいくつかのスーツケースが並べられていた

黄泉川「で、これが外での身分証じゃん。一応最低限の漏洩対策として名前とレベルは偽造されてるじゃん」

定期券程のサイズのカードを差し出される

一方通行「イッポウミチユキ?レベル2の念動力者だァ?」

番外個体「ギャハハハ!もろに訓読みしただけじゃん」

芳川「偽装されているとはいえ能力の使用は控えるのよ。万が一って事もあるから」

黄泉川「その点は一緒に行く桔梗がちゃんと見張るじゃん。せっかく保護者兼学校の先生として一緒に行けるようになったんだから頑張るじゃん」

芳川「まさかわたしもこんな形で夢が叶うとは思ってなかったけどね」

番外個体「あれ?そういえばおチビは?あんなに駄々こねてたのに?」

番外個体が辺りを見回す

芳川「そういえば見ないわね。ふてくされて寝てるのかしら?」

19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/31(木) 23:47:41.05 ID:RmKoEZbDO
打ち止め「ふふふ…発想の転換なのだ…ってミサカはミサカはほくそ笑んでみる」

打ち止め「止められないならミサカも行けばいいじゃない。外に出れればこっちのもんだってミサカはミサカはスーツケースの中で自身の野望を大告白!密かにだけど…」

本人が大告白したように今現在打ち止めは一方通行のスーツケースの中に入り込んでついていこうと画策している

打ち止め「まさかスネークの技術がこんなとこで役に立つなんて思わなかったぜ…まぁこれもミサカの管理個体としての優秀な頭脳と小柄な体格あっての事だけどってミサカはミサカは元気一杯に自画自賛!」

一方通行「言っとくが丸聞こえだかンなァ」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/31(木) 23:52:01.90 ID:RmKoEZbDO
ガチャとスーツケースが開かれ打ち止めが摘まみ出される

打ち止め「嫌だぁー!ミサカも行くんだぁーってミサカはミサカは最後の抵抗!」

芳川「あなたは定期的に冥土返しの病院で検査受けなきゃならないでしょ諦めなさい」

打ち止め「!そうだ!ゲコ太先生も一緒に連れていけばいいんだ!ってミサカはミサカは孔明の奇策!」

一方通行「ンな事出来るわけ無ェだろ」

打ち止め「それでも行くもんーっ!」

番外個体「捕まえたぁ〜諦めなおチビちゃん♪」

羽交い締めにされる打ち止め
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/31(木) 23:56:07.95 ID:RmKoEZbDO
打ち止め「はなしなさい!姉に対するその態度はなんなのっ!ってミサカはミサカは出来の悪い愚妹に憤慨してみる!離せぇーっ!」

番外個体「いくら姉って言ってもそんな海原の様な胸じゃ説得力ないなぁ〜せめてミサカと同じくらいはないと♪」

打ち止め「海原って言葉にはなんか遺伝子レベルの嫌悪感が生まれるけど…っていいもん毎日風呂上がりに牛乳飲んでるから!ミサカの未来は薔薇色だ!ってミサカは発展途上の肉体に乗じて未来予想図を立ててみる!希望の無い下位個体たちとは違うのだよ!」

番外個体「牛乳ってアレ迷信なんじゃ…ってわわわわ!おチビに対する悪意が物凄い勢いでミサカに流れてくるぅ〜!?」

打ち止め「きゃぁー!?ミサカを抱えたまま回んないでぇーってミサカはミサカは○×□△#…」

ぐるぐると打ち止めを抱えたまま回り出す番外個体


一方通行「アホやってンじゃねェ…もォでるぞ…」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/31(木) 23:57:01.11 ID:RmKoEZbDO

打ち止め「ハッ!?あなた!ってミサカはミサカは呼び止めてみる!」

一方通行「あァ?」

打ち止め「離れていてもミサカネットワークで繋がってるからねってミサカは…ミサカは…ふえぇぇぇぇん!」

やっぱり彼女にとっては辛いものなのだろう泣き出してしまう

一方通行「当たり前の事抜かしてンじゃ無ェぞクソガキ」

ワシャワシャと髪を撫でてやる一方通行

一方通行「今生の別れてってンじゃ無ェンだ…三ヶ月に一度は帰ってくる」

打ち止め「…グスッグスッ…浮気は許さないからってミサカはミサカは釘を挿して見送ってみる…」

一方通行「最後がそれかよ…なら行ってくる」

黄泉川宅の玄関を閉める一方通行ここから彼の新しい生活が始まる

23 :南阿蘇太郎 :2012/06/01(金) 00:06:37.06 ID:4hu6aBaDO
今日はここまでです。

読みづらいかも知れませんがそこはケータイなんですみません

違和感を感じる方は教えてください

それではノシ
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/01(金) 00:35:21.55 ID:aPzAx8OO0
乙! 
違和感はありませんよにぱー☆
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/06/01(金) 01:06:17.39 ID:LkIEY0tAO
乙!

俺得すぎる…
にぱ〜☆
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/01(金) 03:31:07.98 ID:euG2n1HDO
ひとかたみちゆきじゃなくていっぽうみちゆきか
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/06/01(金) 04:34:12.60 ID:effKRGpf0
「超能力者」から「口先の魔術師」へのジョブチェンジ

今日は6月1日、綿流しの6月が始まる

期待している。
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/01(金) 11:03:38.26 ID:/HRI2RAIO
みちゆきくんが発症したら雛見沢どころか日本がヤバイなw
29 :南阿蘇太郎 [sage]:2012/06/01(金) 23:18:42.58 ID:4hu6aBaDO
こんばんわ!

明日のバイト休みたい男です

>>26他の有名スレで使ってるから使いずらかったんです(汗)


投下前にテストやらせていただきます
↓↓↓↓↓↓

>>1


さぁ!?どうなる!?
30 :南阿蘇太郎 :2012/06/01(金) 23:20:43.90 ID:4hu6aBaDO
マーク出てますかね?

それでは投下です
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/01(金) 23:22:32.69 ID:4hu6aBaDO
回送終わり

第三次世界対戦が終わりそんなやり取りがあって一方通行はここ雛見沢にきた
過疎なこの村は人口たったの2千人程度。舗装された道などほとんどなく、あるのは田んぼと畑と畦道ばかり学園都市の様な都会の喧騒のかわりに蛙や蝉の鳴き声ばかりが耳に入るそんな村

その村の木造の建築物雛見沢分校にレベル5の超能力者一方通行もといレベル2の念動力者一方通行は歩いていた

一方通行「1週間も離れていると木の校舎ってなァやっぱ新鮮だな」

レナ「学園都市の学校ってどんなところかな?やっぱりロボットがいるのかな?」

一方通行「いるっちゃァいるが清掃ロボと警備ロボくらいだなァ…」

魅音「やっぱり二足歩行とかするわけ?こうウィーン…ガシャン…オソウジカイシシマスみたいな?」

レナ「はははは魅ぃちゃんロボット似てる〜」


32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/01(金) 23:24:44.00 ID:4hu6aBaDO
一方通行「残念だがそんな愉快な奴は居ねェな…ポリバケツにモップとタイヤ着けてそこら辺勝手に走り回ってる様ォな沙都子みてェなやつだ。まぁ沙都子と違うとこがあれば頭も腕もホウキも持って無ェところだが」

魅音「道っちゃん沙都子はホウキなんか持たないよ♪」

レナ「沙都子ちゃんはけっこう掃除中遊んでるからねぇ〜」

一方通行「だな。ン?噂をすればってやつか?沙都子ちゃンよォ…お前らは下がってろ」

子供のがみれば泣き出しそうな表情で笑う一方通行
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/01(金) 23:30:23.65 ID:4hu6aBaDO
魅音「くっくっくそこまで言うならお手並み拝見といこうかねぇ〜」

レナ「道行くんの笑顔凄く怖いんだよ!?だよ!?」

一方通行「つゥかよォ…ご丁寧に黒板消し挟みやがって…バレバレだっつの…ンでお次は画ビョウねェ…くだらねェ…今までのトラップの偏りからして教室内に2、3個仕掛けられてる筈だァ…それを対処しちまえば…オイオイなンだよ…簡単じゃねェか…ククククカキクコココケケケ!」

レナ「魅ぃちゃん!魅ぃちゃん!道行くんがご乱心なんだよ!?だよ!?」

魅音「スイッチ入っちゃたねぇ〜伊達に今までやられてるからねぇ今回は分かんないよ」

最初に画ビョウのついてない部分に手をやり黒板消しを落とす

扉を開けると縄跳びがピンと張られているが一方通行は破ってやったとばかりに踏みつける

一方通行(少し先に墨汁が置いてあンな…転んでダイブッつう寸法か…甘すぎるぜ沙都子ちゃンよォ)
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/01(金) 23:32:25.45 ID:4hu6aBaDO
その瞬間正面からゴムボールが飛び出してくる


一方通行(なるほど気が緩ンだ瞬間を狙うってかァ良い手だな。でもよォ…)

首元のチョーカー型電極のスイッチを切り換える


一方通行「操作」

一方通行の顔面を狙って放たれたボールは一方通行に当たった様に見えた瞬間不自然に曲がって変わらぬ速度のまま向かっていく。


そう。勝ち誇った顔をした北条沙都子の元へ

35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/01(金) 23:33:50.87 ID:4hu6aBaDO
沙都子「ぎゃわ!?」

一方通行「甘かったなァ沙都子ちゃンよォ?」


電極を切り換えコロコロと寂しく転がるボールを拾い上げ沙都子に詰め寄る一方通行。

相変わらず笑顔が怖い


レナ「道行くんが沙都子ちゃんに勝ったんだよ!?だよ!?」


ぱたぱたと駆け寄るレナと魅音


魅音「良い勝負だったよ二人ともこれは語り継がれていくねぇ」


魅音の一言にクラスメイトから歓声が起こる
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/01(金) 23:40:57.91 ID:4hu6aBaDO
沙都子「くそぅトラップをレベル2からレベル3に引き上げる必要がありますわね」


さらっと危ない事口走る沙都子


一方通行「結局の事ァ負け惜しみだけどなァ…つうか沙都子よォお前今トラップ認めたなァ?」

沙都子「しまりましたわ!」

一方通行「人様にトラップ仕掛けるようなやつはそォだなァ…能力デコピンでもしてやっかァ壁に穴くらいは開けれるぜェ」

沙都子「!?ひぃ」

一方通行「あはぎゃは!沙ァァァァ都子ちゃンよォ?潰される覚悟は出来てンだろォなァ?」

37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/01(金) 23:42:36.54 ID:4hu6aBaDO
凄む一方通行だが電極のスイッチは切り換えないところを見るとやはり彼はツンデレなのだろう

凄まれてる沙都子はガチガチに震え涙目なのだが


沙都子「ひぃ!?り…梨花助けて下さいまし!」


梨花とよばれた少女が一方通行の前に出る


梨花「にぱー。ひさしぶりなのですよ道行」

一方通行「おゥ梨花ちゃンひさしぶりだなァ。それよりそこをどいてくれねェか?沙都子と話し合わなければいけ無ェンだ」

梨花「道行。沙都子は寂しかったのですよ。1週間も会えなくて。だから多少の我が儘は許して欲しいのです」


怒るに怒れない言い方をする古手梨花

そしてそれは学園都市第一位一方通行も例外ではないらしい


一方通行「チッ…わかったよクソが…」


ポンポンと頭を撫でてやる一方通行
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/01(金) 23:43:51.71 ID:4hu6aBaDO
梨花「み〜にぱー☆ナデナデは寂しがりやの沙都子にもして欲しいのです」

一方通行「あァ゛?」


沙都子の方をみる一方通行


沙都子「いいもん!悔しくなんかもありませんし!撫でられるものけっこうですの!」


泣き出しそうな表情で強がる沙都子


一方通行「チッ…」


一方通行はカツカツカツと沙都子の方によりポンポンと叩く様に撫でる


沙都子「!?」

一方通行「悪かったな…」


顔を真っ赤にさせぷるぷると震える沙都子。目尻には涙がたまっている


沙都子「悔しく無いもん…嬉しく無いもん…」
39 :南阿蘇太郎 [sage]:2012/06/01(金) 23:51:48.22 ID:4hu6aBaDO
今日はこのくらいです


会話と地の文の間に二行開けることにしました


明日はちと投下は無理っぽいです(汗)


ペースは2日に1本考えてます

書き溜めがそのくらいのペースで1つ出きるからそんな感じにしていこうと思います

それではこの辺でノシ
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/02(土) 00:49:22.73 ID:SOquS6zdo

K1は出てこないの?
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/02(土) 01:11:24.13 ID:IDSHT3PT0
>>39
K1はおそらく出てこないだろ一方通行がK1の変わりっぽいし
乙!
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/02(土) 01:12:37.93 ID:IDSHT3PT0
間違えた>>40だった。
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/06/02(土) 05:11:19.62 ID:No8qOSay0
クラブ活動楽しみにいている。
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/03(日) 15:35:40.70 ID:OlchI3750

一方通行はまだ雛見沢症候群に罹ってないのか?
雛見沢症候群は雛見沢から籍を移してから1日〜10か月経過した者か、精神的な不安を抱えている者だからな
罹ってるなら雛見沢から離れれば発症してしまうからな
てことは今はL0か二次創作万歳のどちらかだな
色々ごちゃごちゃ言ってすいません気になったので
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/03(日) 15:50:33.03 ID:ArIe73xlo
そういうのってだいたいは物語進んで行くうちにわかるものだろ
始まったばかりでいきなり細かいこといろいろ聞いても答えられない事のが多いと思うぞ
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/03(日) 17:34:23.69 ID:It2MbUKDO
既にL5(能力的な意味で)だろ
47 :南阿蘇太郎 :2012/06/04(月) 01:42:43.70 ID:eNRn49cDO
こんばんわ

2日に1本と言いながら気づいたら回ってた!?


投下します
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/04(月) 01:46:25.19 ID:eNRn49cDO
そんな一方通行に負けず劣らずのツンデレっぷりを発揮している沙都子を竜宮レナは見つめている

狩人の様な目で


レナ「はう…真っ赤に泣いてる沙都子ちゃんかぁいいよぅ」ボダボダ

魅音「確かにかぁいいけど落ち着きな鼻血酷いって」

レナ「はうぅ…梨花ちゃんもかぁいいよぅ…」ボダボダ

魅音「レナまずは落ち着こう。鼻血ホントヤバイって」

レナ「おおおおお持ち帰りぃぃぃぃ!」

49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/04(月) 01:48:04.58 ID:eNRn49cDO
鼻血をボダボダ足らしたレナは両脇に沙都子と梨花を抱え誘拐しようする


魅音「今きたばっかじゃん!レナ持ち帰りはとりあえずあとでね!」


教室を出ようとするレナを大声で呼び止める


レナ「だったらここで楽しんじゃうからね!はぅ〜!」


レナは両脇に抱えてる沙都子と梨花に高速頬擦りをする


梨花「みーっ!」

沙都子「きゃああああ!道行さん助けてくださいまし〜!」

50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/04(月) 01:52:19.82 ID:eNRn49cDO
一方通行「断る。あぶねェだろうが」

沙都子「薄情者〜!」


その時予鈴がなる


魅音「ヤバっそろそろ先生くるね!みんな片付けるよーっ!」


魅音の一言にクラスメイト全員でトラップの後始末をする

仕掛けるのは沙都子だが片付けばみんなでやるのだ


一方通行「だそうだ。落ち着け」

レナ「はぅ…まだまだもの足りないよぉ…」


仕方なしとばかりに二人を解放するレナ


沙都子「助かりましたわ…」ガクッ

梨花「み…み゛ー」ガクッ


解放された二人は力尽きた様に席に突っ伏す


芳川「みんなお久し振りね。あれ北条さんと古手さんどうかしたの?」

知恵「一方くんはひさしぶりですね。ホームルーム始めますよ。委員長号令」
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/04(月) 02:17:53.66 ID:eNRn49cDO
魅音「はーい。起立。礼。着席」


魅音の号令にホームルームが始まる


一方通行(相変わらずクソ騒がしい朝だな…まァ悪く無ェが)


いつもの仏頂面でつまらなそうに連絡事項を聞く一方通行だったがその口元は微かに緩んでいた

52 :南阿蘇太郎 :2012/06/04(月) 02:23:22.52 ID:eNRn49cDO
ちと区切りをミスりましたが本日はこれまでになります

投下量少なくてすみません

遅い時間でしたがありがとうございました


最後にテスト

[ピーーー]

ころす

コロス

[ピーーー]
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/04(月) 02:30:57.70 ID:ZOyFKUWno
[ピーーー]とかならメ欄にsagaだよ
sagaねsaga

おつ
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2012/06/04(月) 03:27:50.36 ID:1lltpt4a0
最近読みはじめたぜ。
俺得だな。
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/04(月) 08:56:26.83 ID:JgAMoc4IO
今気付いたけど芳川も雛見沢いんのかw
てことは一方は芳川と二人暮らししてんのかな?
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/06/04(月) 09:46:59.13 ID:RK7/0qZAO
遺伝子レベルで嫌悪される海原ェ…

てっぺい☆をやるのになんの障害もない主人公だなあ
57 :南阿蘇太郎 [saga]:2012/06/05(火) 20:46:34.62 ID:MvCUX1RDO
こんばんわ

熱があるんで投下量微々足るもので申し訳ございません


>>53言われた通りやってみます

テスト↓

死ね

殺す
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/05(火) 20:47:40.14 ID:MvCUX1RDO
昼休み

魅音「やぁっと弁当だねぇ!」

一方通行「四時間目ずっと鳴いてたからなァ」

魅音「!?///」

レナ「道行くんも気づいてたの?レナ笑い堪えるの大変だったよ」

魅音「えぇい!えぇい!レナも道っちゃんもうるさいんだよ!///」

レナ「ふふふ真っ赤になって魅ぃちゃんかぁいい」

魅音「レぇナぁ〜///」

レナ「わ〜わ〜魅ぃちゃんが真っ赤になって追いかけてくるんだよ!どうしてかな?かな?」

59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/05(火) 20:51:03.36 ID:MvCUX1RDO
逃げるレナに追いかける魅音

一方通行「……」

沙都子「ほら!ボーとしないで早く机くっ付けてくださいまし邪魔ですわ!」

梨花「騒ぐ孫をみるおじいちゃんみたいな目してますのですよ」

道行「ン?おォすまねェなァ梨花ちゃン」

梨花「白髪と相成って余計に老けて見えますです」

一方通行「……梨花ちゃンそれは沙都子の台詞だぜェ」

沙都子「道行さんはわたしをどう見てますの!」

一方通行「クソガキ」

沙都子「レディですわ!」

一方通行「おい…沙都子お前今日早退しろ入江診療所行って観てもらえ」

沙都子「余計なお世話ですわ!」

60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/05(火) 20:51:54.53 ID:MvCUX1RDO
梨花「沙都子は立派なれでぃですよ。ブロッコリーとカリフラワーの区別がつかないだけなのです」

沙都子「梨花ぁ!?それは秘密って約束のはずですわよ!?」

梨花「みーみー」

沙都子「梨花ぁ!?」

一方通行「訂正してやンよ…アホガキ」

沙都子「分かります!分かりますわよ!違いくらい!」

一方通行「言ったな?」

沙都子「う…」

一方通行「いいだろう違いが解るってンならレディとして認めてやンよアホガキ。だがなァ間違えちまったら俺による特別課外授業だイイなァ?」

梨花「沙都子ファイトおーなのですよ」

沙都子「うううう…白…白い方がブロッ…いやカリフラワー?…」
61 :南阿蘇太郎 :2012/06/05(火) 20:54:05.54 ID:MvCUX1RDO

もう無理…キツい…


世界が回ってる

吐き気がものすごい


ホント少ないですがスミマセン


ならノシ
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/05(火) 21:58:57.92 ID:wmTfKcVDO
おつ
具合悪い時は無理せず休んだ方が良いよー
63 :南阿蘇太郎 :2012/06/07(木) 21:17:52.78 ID:CMdXC9WDO
こんばんわ!

本日も投下に来ました!

40度の熱がある時って何で8度に下がるだけでこんなに楽なんでしょうかね
f(^ー^;


思えば自分は毎年体調崩します

必ず高熱が出て…


…下痢になる

毎年6月に!?

オヤシロ様の祟りやぁー!!!


茶番も止めて投下行きます
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/07(木) 21:19:23.91 ID:CMdXC9WDO
しばらくして魅音に捕まったレナがやってくる


レナ「ごめんね魅ぃちゃんごめんねでもかぁいいかったよ?」

魅音「まだ言うかぁ〜この!この!」

レナ「アハハハハ魅ぃちゃんごめんね!ごめんね!」


脇腹をくすぐられるレナにくすぐる魅音この二人はホントに仲がいい


梨花「お先にいただいてるのですよ」


三人は先に互いの弁当を適当につついてる


魅音「待たせたねぇレナがなかなか捕まんなくてさぁもうおじさんペコペコだよ…」


レナ「あれ?道行くんと沙都子ちゃんは何してるのかな?かな?」


ノートになにやら書いている一方通行とそれを必死に書き写す沙都子を見て首を傾げる


梨花「かがいじゅぎょーなのですよ」

レナ魅音「「?」」

65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/07(木) 21:20:15.25 ID:CMdXC9WDO
一方通行「つまりブロッコリーもカリフラワーも共にキャベツの変種なンだよ。因みにブロッコリーってのははカリフラワーの変種で、カリフラワーの方が人類に栽培される以前の原種に近い植物って訳だ。つってもカリフラワー自体突然変異みたいなもンだが、地中海沿岸の原産って説があるが詳細は不明だァ。俺達はだいたい蕾の状態の花序と茎を食ってる訳だが収穫せずに栽培を続けると巨大になった花序にブロッコリーは多数の黄色やクリーム色の花をつけるのに対してカリフラワーは黄緑や紫色の花をつけるがまァ今はどォでもイイな。ブロッコリーの品種はピクセル、エンデバー、グリーンベール、シャスター、パラグリーン、マーシャル、チャレンジャー、海嶺、雷鳴、緑炎、緑帝、緑笛、緑嶺ってェのがある。日本での主産地は埼玉県、愛知県、北海道が主だな。市町村別では愛知県の田原市って所が全国で最も生産量が高いらしい。ブロッコリーにはビタミンB、ビタミンC、カロチンや鉄分を豊富に含まれている。またカリフラワーに含まれるビタミンC量は少しばかり低いが茹でたらあまり差はなくなるらしい。――おィ聞いてンのか!?アホガキ!」


一方通行による特別課外授業〜緑と白のコントラスト〜が終わったのは10分後の事だった
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/07(木) 21:26:48.33 ID:CMdXC9WDO
魅音「ん〜これ美味しい!梨花ちゃんこの煮物よく染みてるねぇ〜」

梨花「じっくりコトコト一晩寝かせたカレー寸法なのです」

沙都子「梨花にかかればこれくらい楽勝ですわー!」
一方通行「なンでお前が威張ってンだよ」

レア「沙都子ちゃんの野菜炒めも美味しいんだよ!」

魅音「っていうか道っちゃん…相変わらず肉ばっかりの弁当だね…」


魅音の言った通り一方通行の弁当箱は肉オンリーだった

唐揚げ、ミニハンバーグ、生姜焼き、メンチカツ、ミートボールなどが敷き詰められてる
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/07(木) 21:28:30.92 ID:CMdXC9WDO
一方通行「別に構わねェだろうがよ?俺は肉が好きなンだ」

レナ「レナはもっと道行くんは野菜を食べた方がいいと思うな?」

魅音「ただでさえモヤシ体格なんだからバランスよく食べないとさ衰弱死しちゃうよぉ」


クックックと笑いながら魅音が一方通行の弁当蓋にミニトマトや漬け物を入れていく


沙都子「では私から野菜炒めとをカボチャの煮物をまったく梨花ったらカボチャだけは入れるなってあれほど言いましたのに」

梨花「僕は沙都子のためを思っての事です」

一方通行「…とりあえずカボチャは返す」

沙都子「ご返品はお断りですわ!」


弁当箱を避難させる沙都子。一方通行はため息混じりにカボチャを口の中に放り込む


レナ「じゃ…じゃあレナからはブロッコリーとモヤシのごま和えあげるね」

一方通行「オラ沙都子。ブロッコリーやンよ」


ヒョイとレナのブロッコリーを沙都子にやる一方通行


沙都子「イヤァァァァ!今あの二つは…あの二つはぁぁぁぁ!」


トラウマになっているのかガタガタと震える出す
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/07(木) 21:33:03.62 ID:CMdXC9WDO
一方通行「クカカカカ…そォだなァ…なンなら今ここで復習テストでもすっかァ?そォだなァブロッコリーの原産地は地中海辺岸だが…カリフラワーの原産地はどこでしょォか?」


引き裂いた笑みで笑う一方通行


沙都子「レナぁレナぁ道行さんが苛めますわー!」


スパパパパーン


音だけが響き渡り一方通行は教室に突っ伏している


レナ「はぅぅ…怯えてる沙都子かぁいいよぅ…ほらお姉ちゃんが白い悪魔やっつけたから安心してお家に行こうね?お持ち帰りぃ〜!!」


沙都子がニヤリと笑う


一方通行「ぐばっ!?はっ!?」

魅音「やられたねぇ右ストレートに左ジャブ、左の肘に右足蹴り上げそのまま踵落としの計5コンボとおじさんは見てるよ」

梨花「かゎいそかゎいそなのです。にぱー」


梨花が一方通行の頭を撫でる
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/07(木) 21:37:29.44 ID:CMdXC9WDO
一方通行「く…体が動かねェ…ぞ…飯食わせて…くれねェか…?」

魅音「えっ!?…しょ…しょうがないねぇ…お…おじさんが食べさせて上げるよ……ほらモヤシのごま和え」
  ///

魅音がしゃがんで動けずにいる一方通行に箸を差し出す


一方通行「…いらねェよ」

魅音「え!?」


一刀両断とはこのことだろう。顔を赤らめながら箸を差し出している魅音にいい放つ


一方通行「肉を寄越せ肉を。野菜なンか食ってられるか」

魅音「…ぷはははは!道っちゃんもしかして何?モヤシとしてモヤシを食うのは共食いだって事ぉ〜?」


アハハハハと笑いこける魅音


一方通行「誰もンな事言って無ェだろ!いいから肉寄越しやがれ!」

魅音「アハハハハならおじさんの牛肉コロッケあげるよ。どう美味しい?」

一方通行「ン…これお前が作ったのか?」

魅音「一応そうだけど不味かった?」

一方通行「いや…悪く無ェ少なくとも安い冷凍食品には出せ無ェ味だ」

魅音「あ…ありがと」
  ///
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/07(木) 21:39:00.86 ID:CMdXC9WDO
なんてお前らどこの新婚だよ

鴛鴦夫婦かよ…

しねよ…

的な感想が上がってくるそんな光景をよそに


レナ「はう〜先ず家に持ち帰ってぇ〜それからぁ〜それからぁ〜♪」

沙都子「レナさんいい加減離して下さいまし!弁当が食べられませんわ〜!」

梨花「みー。レナ落ち着くのですよ。ひっひっふぅーなのです」

レナ「梨花ちゃんそれは…それは…おおおお持ち帰りぃ〜!」

梨花「!?み゛〜」


逃げようとする梨花だが、ガシッっと万力の様な力でレナに掴まれる


沙都子「レナさん落ち着いて落ち着いて!きゃあああ!回らないで下さいまし〜!」

梨花「み゛〜…み…」


2人を抱き抱えたままグワングワンと風車の様に回りだすレナ

一方通行に顔を赤らめながら食べさせてやる魅音

このカオスは午後の予鈴まで続いた
71 :南阿蘇太郎 [sage]:2012/06/07(木) 21:42:32.00 ID:CMdXC9WDO
本日の投下はこれまでです。

基本パソコンの方を考えて投下してます


話が学園都市に飛ぶこともたまにございますがよろしいでしょうか?


という事でこれまでです!

m(__)m


72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/06/10(日) 17:57:55.17 ID:1W7BW0w00
>>1乙 そして、舞っている。
73 :南阿蘇太郎 :2012/06/14(木) 12:50:35.28 ID:keJ2CHDDO
すいませんォォ


なかなか治らない感染性胃腸炎と書き溜めの紛失により来れませんでした


待っていた方申し訳ありませんォォ


昼間からですが投下いきます
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/14(木) 12:56:23.75 ID:keJ2CHDDO
カナカナカナ

帰り道。

ひぐらしの声以外に何も聞こえない夕焼けに染まった畦道

3つの影が長くゆっくりと並んで動いている



レナ「道行くん明後日予定とかある?」

一方通行「明後日…日曜日か?まァな。ばっちり詰まってる」

レナ「え!?え!?どんな予定かな?かな?」

一方通行「一日中寝る。以上」

レナ「?それは暇って言うんじゃないかな?」

一方通行「一日で最も必要な時間を一日で一番長く取るンだ。暇な訳無ェ…」

魅音「そうは問屋が下ろさないのだよ。モヤシくん」
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/14(木) 12:59:24.91 ID:keJ2CHDDO
ガッと肩をかけてくる魅音
杖をついてる一方通行はもたれ掛かられバランスを崩す



一方通行「寄りかかんな。コッチは杖付いてンだぞ…邪魔くせェたらありゃしねェ…」

魅音「せっかく美人が寄り添って来たんだからさぁ?素直に赤くなっときなってぇ」

一方通行「で?土曜がどォしたんだ?俺の予定を覆せるほどのたいそれた予定が入ってるたァ思え無ェが?」

レナ「道行くんの中で睡眠はどのレベルで大事なのかな!?かな!?」

魅音「照れちゃってぇ照れちゃってぇ☆恥ずかしがることなんかないんだよぉ?」

一方通行「いいから言ってみろ。話だけなら聞いてやる」

レナ「あ〜うん!明日ね道行くんに雛見沢案内しようって話になってね?ほらまだ道行くんあまり雛見沢の地形分かんないよね?」

一方通行「まァ情けない話一人じゃ回れねェな」

魅音「だからさ?そんな道っちゃんに案内しながら散歩でもしようかって事だよ」

一方通行「案内か…まァ悪くねェな…よしレナ明日は頼むな」

76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/14(木) 13:00:49.47 ID:keJ2CHDDO
魅音「魅音さんは!?道っちゃん最初に案内しようって提案したのおじさんだよ!?」

一方通行「レナ。どのくらいかかるンだ?丸一日かかるってェなら飯とかはどうすンだよ?」

レナ「レナがお弁当作るからそこら辺は大丈夫なんだよ!だよ!」

一方通行「……悪ィな」


レナ「ぜんぜん気にしなくていいよ。期待しててね?」

一方通行「あァ頼む」

レナ「えへへへ〜」



魅音を無視して2人の世界を築くレナと一方通行



魅音「あのさ?散々シカト決め込んで極めつけに2人でラブらないでくれない?かなりくるからそれ…」

レナ「ら…ラブる…///」

一方通行「アホ言ってンじゃねェ」

77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/14(木) 13:03:35.67 ID:keJ2CHDDO
魅音「やーいムッツリ〜ムッツリ〜」

一方通行「シバき倒すぞてめェ…」


魅音に詰め寄る一方通行


魅音「よしレナ!君に決めた!」

レナ「はぅ!?ちょ!ちょっと魅ぃちゃ…」


バンと後ろから押されるレナ

バランスを崩した彼女は杖をついて魅音に迫っていた一方通行もろとも倒れこむ

一方通行「痛ェな…何しやが…あァ゛?」

レナ「酷いよ魅ぃちゃ…」


言いかけた二人の口が止まる

一緒に倒れたレナと一方通行は一方通行がレナに押し倒される形で

目が合う一方通行とレナ。その唇は僅か3p程しか離れておらずレナの髪が一方通行の頬をくすぐるそんな距離


78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/14(木) 13:04:28.63 ID:keJ2CHDDO
魅音「野外とはまたマニアックだねぇお二人さぁ〜ん?」


魅音の茶化した声を聞いてみるみる顔が赤くなるレナ

ちなみに一方通行は変わらぬ仏頂面である


一方通行「ぶごっ!」

魅音「アガッ!」

スパパーンと音が鳴り響き魅音がふっ飛ぶ


レナ「じゃ!じゃあレナはもう帰るね!またね魅ぃちゃん道行くん!バイバーイ!」///


足早に去っていくレナ

残された地面に倒れてる魅音に一方通行


魅音「…道っちゃん大丈夫?」

一方通行「…つゥか、なンで俺まで打たれンだよ…理不尽すぎっだろ…」

魅音「…馬乗りの状態で顔面に一発やられたからね…鼻血とか出てない?」

一方通行「…このダメージで奇跡的に大丈夫だ…お前は?」

魅音「鳩尾に一発重いの貰ったからねぇ…しばらく無理」

一方通行「お前この頃勝率低いぞ…どうしたンだよ」

魅音「…とりあえずガードはしたんだけどね…あの娘双纒手使ってきたんだよ…」

一方通行「…無敵じゃねェか」

魅音と一方通行が立ち上がれたのは日が完全に落ちてからだった
79 :南阿蘇太郎 :2012/06/14(木) 13:06:53.22 ID:keJ2CHDDO
という訳で本日はここまでです
m(__)m


次回は学園都市の打ち止めも出るかも?



それではまた近日中にノシ
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/14(木) 13:57:17.81 ID:XiaqMvzDO
乙、微笑ましいなぁ
お大事にー
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/06/18(月) 01:46:52.91 ID:5U1KH17AO
圭ちゃん登場したら完全に俺得
82 :南阿蘇太郎 [saga]:2012/06/18(月) 10:36:31.12 ID:Hl/T6tuDO
結局先週いっぱい死んでた

>>80ありがとうございますもう(恐らく)大丈夫です!

>>81Kー1出すには妄想力足りません(泣)申し訳ない


それでは投下と行きます
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/18(月) 10:39:03.20 ID:Hl/T6tuDO
日曜日

杖をついてる一方通行は少し遅れて待ち合わせ場所に着く


一方通行「悪ィ…待たせた」

レナ「あんまり待ってないから大丈夫だよ!だよ!」

魅音「まぁ男の子の朝は長いしねぇ〜それにうさぎともなれば尚更…」

一方通行「あァ?何寝ぼけた事抜かしてンだァ?コラ」


魅音にブレーンクローをきめる一方通行。電極は切り替わっている


魅音「何ってナニに決まってんじゃん♪そしてナニから抜かすものは…」

一方通行「糞みてェな妄想しか出来ねェ可哀想ォな頭は直接指突っ込んで調節してやるしか無ェかなァ?魅音?」


指に力を入れていく一方通行

入れられている魅音の頭からはギリギリメキメキと頭蓋骨の軋む音が聞こえるが


魅音「ギ、ギブ!ギブ!何かが砕ける!」

84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/18(月) 10:40:53.23 ID:Hl/T6tuDO
一方通行「…チッ」


通常モードに戻す一方通行

魅音「冗…冗談にならんよ…本当」

レナ「な…ナニから抜かすものって何なんだろ!?だろ!?」

一方通行「黙れ。知らなくて良い知識だ」

魅音「えぇー知らなくて良い知識とは思わないケドなぁ」

一方通行「……」

魅音「ストップ!無言で首に手伸ばさないで!」

ブンブンと首を振り後ずさる魅音


一方通行「ところで」


一拍置いて一方通行がレナの足下にある膝の高さくらいある直方体の物体に目をやる


一方通行「その馬鹿でかいやつはもしかして…」

レナ「うん!お弁当作ってきたの!」

一方通行「……それ全部か?」

レナ「沢山作ってきたから遠慮せず食べてね!」

魅音「道っちゃんレナさ…」


魅音が耳打ちする


一方通行「あ?」

魅音「うっすらと隈あるでしょ?さっき聞いたんだけど夜遅くまで仕込みして朝早く起きて作ってきたんだって」

一方通行「残せねェな…」

85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/18(月) 10:42:31.28 ID:Hl/T6tuDO
魅音「覚悟はしたが良いよ?アレ…5キロはあるから…」

一方通行「5キロだァ!?」

レナ「5キロもないよ!2,5…せめて3キロぐらいだよ!」

魅音「道っちゃんホント甘く見ちゃいけないよ?レナ持ち上げる時『よっこらしょ』って言ってたから…」

一方通行「マジかよ…」

レナ「ほら道行くんも魅ぃちゃんも早く行こ!回るところは沢山あるから!…よっこらしょっと」

一方通行「……ありそうだな5キロ…」


よたよたと先に行くレナの後に続く


魅音「道っちゃん〜男でしょ?持ってやろうとか思わない訳ぇ?」

一方通行「てめェわかってて言ってンだろ…コッチは杖付いてンだぞ…むしろお前が持ちやがれ…」

魅音「幼気な女子にそんなことさせるわけ〜?」

一方通行「よく言うぜ…どこぞの警備員みたいな体格しといて…」

魅音「警備員?」

一方通行「学園都市の警察みてェなもンだ」

魅音「ふぅん…まぁどうでもいいじゃん」
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/18(月) 10:46:15.59 ID:Hl/T6tuDO

その頃学園都市

どこぞの警備員「ハッ!?今私のアイデンティティーが奪われた気がするじゃん!?」

打ち止め「黄泉川うるさい!ってミサカはミサカは注意してみる!プリキュア聞こえないじゃない!」

黄泉川「それどころじゃないじゃん!これは一大事じゃん!」

番外個体「ちょっとぉーミサカも見てるから静かにしてくんない?」

黄泉川「っ〜!何じゃん!何じゃん!もういいじゃん!」


リビングから出ていく黄泉川


黄泉川「う〜むなしいじゃん…こんな時に桔梗がいたら…でも桔梗は外だし…そうだ!電話すればいいじゃん!って愛穂は愛穂は閃いてみる!」


するとリビングの方から

87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/18(月) 10:46:43.97 ID:Hl/T6tuDO

「にゃわー!!ミサカのアイデンティティーが奪われた気がするってミサカはミサかは言葉に出来ぬ不安感に震えてみたり!?」

「ちょっとうるさいってばおちび!」


なんて声が聞こえるのを尻目に黄泉川は自分の部屋に入る


黄泉川「ふふふ…アイデンティティーを奪われる怖さを思い知ればいいじゃん。……さて、桔梗は桔梗はっと」

芳川「はいもしもし芳川ですけど…」

黄泉川「桔梗?私じゃん!黄泉川じゃん!」

芳川「そのじゃんじゃん喋りはあなた以外に知らないケド…」

黄泉川「それより聞いてほしいことがあるじゃん!さっき打ち止めと番外個体が…」

芳川「あぁごめんなさい。今ちょっとプリキュア見てるから長い話はまた後でね」

ツーツーツー

黄泉川「なんなんじゃんよぉー!!」
88 :南阿蘇太郎 [saga]:2012/06/18(月) 10:50:59.67 ID:Hl/T6tuDO
という訳で本日はここまでです

ちなみに私は日朝は見ません

というか見れません


今さらですが投下量大丈夫でしょうか?


少ないと思われたり多いや1レスに辺りの量をどうにかして欲しいという方がいれば言ってください


それでは近日中ノシ
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/18(月) 17:56:31.70 ID:8tVdHXVDO
おつー
自分は1レスの文章量は丁度良いと思うよ
投下量は>>1のやりやすいようにすればいいんでない?
90 :南阿蘇太郎 :2012/06/20(水) 12:54:55.73 ID:Apx85gQDO
こんにちは!

>>89コメありがとうございます

だいたい5000バイト前後投下する事にしました


書き溜めがだいたいそれくらいなので


さて本日も投下行こうと思います


今日は上条さんや御坂にスポットが飛びます


本編進み悪いですがスミマセン


それでは本日もよろしくなのです
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/20(水) 12:57:47.28 ID:Apx85gQDO
黄泉川の不毛な絶叫が学園都市に響いてるそんな中一方通行達は雛見沢を歩いている


一方通行「あらためて見ると合掌造りってのはやっぱ新鮮だな」

レナ「雛見沢は寒村だからね何世代も住んでる人も沢山いるしあんまり家は建てないからね」

魅音「たまにテレビとかで学園都市が出たりするけど想像つかないからね〜超高層ビルとか銀色の街並みとか」

レナ「道行くんが来るまで学園都市自体私たちには都市伝説みたいなものだったんだよ?だよ?」

一方通行「そりゃまァ…科学の街には似合わない解釈だなァ…」

魅音「学園都市ってさぁ?超能力者の街なんだよね?やっぱり火をボォォォォって出したり風をビュゥゥゥゥってしたりすんの?」

一方通行「まァいるっちゃいるな…」

魅音「へ〜なら夏場でも自分で風起こせば快適じゃん!」

92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/20(水) 12:59:31.49 ID:Apx85gQDO
一方通行「ンな手間するぐらいなら普通にエアコン入れるがな…」

魅音「夢が無いなぁ〜」

一方通行「持ってるやつには持ってンのが普通なンだ。夢もクソもあるか」

レナ「だったらね?レナも学園都市に行けば能力者になるのかな?かな?」

一方通行「なンとも言えねェな…能力者の街つってもその全体のだいたい六割弱は無能力者だからな」

レナ「無能力者?」

一方通行「何も能力が無い学園都市の生徒の事だ。…イヤちげェな…能力そのものはソイツにも宿っちゃァいるンだが発現出来ねェでいる能力者の事だ」

魅音「その無能力者は一生無能力者な訳?」

一方通行「そうとも限らねェな…実際能力ってのはソイツの努力や周囲の環境で上がるもンだからな。実際CMで出てる能力者いンだろ?アイツはレベル1からレベル5になった実例だからな」

レナ「レベル?」

93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/20(水) 13:02:06.33 ID:Apx85gQDO
一方通行「あ?言ってなかったか?学園都市は無能力者をレベル0超能力者をレベル5って具合にソイツの能力の強度によって分けてンだよ。ちなみに超能力者ってのは学園都市にも七人しかいないエリート共だ…」

魅音「じゃああのCMでビリビリしてる女の子は」

一方通行「学園都市でも三番目のエリートだな」

魅音「えぇー!?あんな胸の小さい娘が!?」

レナ「魅ぃちゃん。悪く言っちゃダメだよ?本人気にしてるかも知れないし」

魅音「でもさぁ〜?」

一方通行「…哀れだな…オリジナル」


クスクスと笑う二人の後に歩く一方通行は険悪な関係にある人間の事を心から同情していた


94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/20(水) 13:04:45.76 ID:Apx85gQDO
またも変わって学園都市
第七学区とある路地


胸の小さい超能力者「なんかとても腹の立つことを言われて顔も思い出したくない奴に同情された気がするわ」
          ビリビリ

ツインテールの女子生徒「お姉様よく理由は存じませんがむやみに漏電するのは止めてくださいまし周囲の電子機器に被害が及んだらどうするおつもりですの!……それにお姉様のまこと慎ましい胸板でしたら私がストレッチして差し上げますのに」

お姉様「黒子…アンタは…」

黒子「お姉様!ようやく黒子の気持ちをわかっていただけたのD…」

お姉様「日曜の朝から何言ってんだぁぁぁ!」
    バチバチバチバチ

黒子「あbbbbbbbbお゛姉゛様゛〜!!」

95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/20(水) 13:07:22.16 ID:Apx85gQDO
上条当麻は久方ぶりに浮かれていた

それは日曜日なので連日の補習から一週間ぶりに開放されたこともあるがやはり原因は左手に持っているスマートフォンだろう

もともとスマートフォンは学園都市外の技術だったがその利便性をかわれ最近では学園都市内でも幾つかのメーカーが開発し出した学園都市オリジナルだ

防水機能は勿論、発火能力者への防火防熱対策。象が乗っても大丈夫という一昔前のキャッチフレーズを持つ耐久性。など能力者様にあらゆる故障防止策を巡らせたまさに学園都市専用のスマートフォンなのだ。

しかし上条当麻にはそんな強度性は正直二の次だったのだが


上条「遂に念願のスマホが!しかもこのスマホ、GPS登録設定したら各ケータイの位置情報が瞬時に例え電源が切れていようが分かるという優れもの!インデックスは充電しないからな〜。それに防水やら防火やらの素晴らしい機能も!北極海やニコ中魔術師に関わりのある不幸な上条さんにはもってこいですのことよ!現にここに来るまでにも右手を中心に不幸がってわぁ!」


ちょうど次の角を曲がった途端青白い閃光が視界にいきなり入る

96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/20(水) 13:11:36.42 ID:Apx85gQDO
上条「とっとっと…な…何だぁ!?」


咄嗟に右手で打ち消す

すると目の前には見知った顔のビリビリ中学生と真っ黒になった白井黒子であろうツインテールの女子生徒だった


ビリビリ中学生「あ…アンタは!?」

上条「あ〜やっぱり御坂かよ…お前なぁ〜街中で放電するなよ…たまたま俺だったから良かったものの…」

御坂「う…うるさい!わかってるわよ!そんなこと!」

上条「ホントわかってんだろうなぁ〜あ!そういえば俺スマホ買ったんだよ!GPS登録機能ってのに引かれてさ?良かったらお前の番号入れていいか?」


上条の何気ない一言に御坂の顔が真っ赤になる


御坂(え!?それって相手の位置が24時間分かるってやつだよね!?それってつまりコイツは私の事を…キャーキャー!どうしよ…いきなり大進展しちゃたよ!)


御坂「アンタがいれたいって言うなら別に…いいわよ」
///
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/20(水) 13:14:15.16 ID:Apx85gQDO
顔を真っ赤にしながらモジモジと答える御坂


そんな中二の女子の乙女心を全く意思介さず上条当麻はとどめをさす


上条「おおサンキューな!御坂!ん?そういえば御坂が初めての登録者だな!よろしく頼むぜ!」

御坂(は、は、初めてってそんな!?そんな!?)

御坂「よ…よろしく」
///


何故か顔を真っ赤にしている御坂にポカンとする上条だが特に意にも止めず左手のスマートフォンに目をやる

そして不幸は突然やってくる


上条「え!?何この黒いの?」


そこには幻想殺しをもろともせず(当たり前だが)上条の目にクリアな世界を写し出していた紺色のスマートフォンの画面は自分の顔が見えるレベルで黒く染まっている


上条「何故だ!何でだ!どうしてでせうか?の三段活用!」


98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/20(水) 13:16:06.05 ID:Apx85gQDO
その良くわからない三段活用に恋愛フィルター全開だった御坂は我に帰る


御坂「え!?え!?どうしたの!?わ!今の黒子みたいに真っ黒じゃない!」


消し炭になっている黒子とスマートフォンを見比べる御坂


上条「いや!今の発言で確信得たぞ!お前の放電が原因だよ!チクショウ!不幸見越して左手だったのにそれが裏目に出たよ!あぁもう!不幸だぁぁぁぁ!!」


頭を抱えワシャワシャと掻きむしる上条


上条「チクショウ…今月の仕送りが…もうモヤシすら食えない絶食の日々を覚悟したそんな決意が…」


ガクリと膝をつきシクシクと泣き出す


御坂「あーっ!もう!」


そんなうちひしがれてる上条の手首を顔を真っ赤にした御坂が掴む


御坂「ほら行くわよ!壊しちゃったのは私だから弁償くらいはするわよ!ちょうど私もスマホに乗り換えようと思ってたところだし!」
///


小声でゲコ太のタイプあるかしら?あ…でもコイツとお揃いでも…イヤイヤ無い無い…でも…なんて呟きながら手を引く彼女の声など上条の耳には届いてない


上条(不幸…なのか?)


なんてこと考えながら大人しく真っ赤な顔をした少女の後ろを行く上条当麻

時刻は昼前、普段ならビリビリしている彼女だが上条は不思議と何も感じなかった
99 :南阿蘇太郎 :2012/06/20(水) 13:24:36.13 ID:Apx85gQDO
という訳で今日はここまでです


ホントは御坂のビリビリで上条さんのスマホクラッシュ不幸だぁー!

って発想だったんですが気付けばアレ?上琴メインじゃね?という結果になっちまいました


お許しをm(__)m


次回は

『グラマーナース爆誕』

ってサブタイトルで行こうと思います


それでは近日中ノシ
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/20(水) 17:54:42.70 ID:zADpIo20o
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/20(水) 21:37:28.11 ID:+QlVUz0DO
おつ
風起こせて電源がいる一通さんマジエアコン
102 :南阿蘇太郎 [saga]:2012/06/22(金) 13:31:16.12 ID:qcYtBBtDO
こんにちは!

今日も更新しに来ました


>>100を取られちまっただと…?


>>101フル充電でも30分しか持たないエアコン…悲しいですね


さて今日の内容ですが遂に我らが三四さん登場ですよ!

グラマラスなボディを前ににセロリはセロリである事が出来るのか?

頑張れセロリ!

負けるなセロリ!

お前のセロリは立派なセロリだ!!


では投下です
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/22(金) 13:33:18.63 ID:qcYtBBtDO
時刻は昼前一方通行と園崎魅音と竜宮レナは雛見沢を歩いている

この時刻になると様々な村人が出歩いてるため村の案内というより村人への一方通行の紹介のようになってた


一方通行「お…重ィ」


杖をつきながらよたよたと歩く一方通行の左手には大きな袋がいくつかぶら下がっていた

袋を覗けば長ネギ、人参、薩摩芋、などがこんもり入っている


レナ「沢山もらえたね道行君!あ!セロリもあるよ?」

魅音「道っちゃんにセロリってなんかありそう…何でかね?」

一方通行「知るか。なンでセロリもクソもねェ所でセロリ呼ばわりまたされンだよ…」

魅音「生粋のセロリだから?」

一方通行「ドタマブチ抜かれたく無けりゃ黙るンだな魅音!」

レナ「魅ぃちゃん!魅ぃちゃん!セロリって何かな!?かな!?レナさっきから着いていけないよ?」

魅音「さぁ〜?おじさんも分っかんないなぁー!ねぇ道っちゃんどういう意味か教えてよ?」

一方通行「黙れ。俺こそ分かンねェよ…」


104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/22(金) 13:37:18.76 ID:qcYtBBtDO
???「あら?竜宮さんに園崎さんじゃない?こんなところで会うなんて奇遇ね」

レナ「あ!鷹野さん久しぶり〜」

魅音「今日はお一人なんですかぁ?」

ニヤニヤしながら魅音が尋ねる

鷹野「ふふふふ。これからジロウさんと待ち合わせがあるのよ。あらそっちの子は…引っ越してきた一方君ね?」

一方通行「…どォも」

鷹野「鷹野よ。鷹野三四。入江診療所の看護婦やってて趣味は野鳥の観察ね。よろしく両手に花でイイじゃない?」

一方通行「……」

鷹野「ふふふ。あまり冗談通じないタイプかしら?じゃあ私約束あるから。そうそう園崎さんと竜宮さん」


ちょいちょいと手招きする


鷹野「仲良く取り合いなさいよ」


小声でそう耳打ちする


魅音「ちょっ違っ!?そんなの全然違うから!?」
///

レナ「そうだよ!全く関係ないんだよ!だよ!」
///


顔を真っ赤にして否定する二人


鷹野「ふふふふ。どうかしらね?じゃあお邪魔だろうし私はもう行くわね」


クスクスと笑いながら去って行く

105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/22(金) 13:56:12.79 ID:qcYtBBtDO
さっきから話しに着いていけて無い気がする一方通行は


一方通行「どォしたンだよお前ら?」

魅音レナ「道っちゃん「道行くん「「には関係ないっ!」」

一方通行「おォう!?」


取り敢えず聞いてみたがピシャリと言われ怯む一方通行


一方通行「でもよォ…」

魅音「ん?どうしたん?」

一方通行「イヤやっぱ顔知られてンだな」

魅音「回覧板で引っ越してくる人の事は二日で村中に知れてたからねぇ。おまけに全身真っ白だったしそんな目立つ新入り3時間もすれば村に知らない人いないよ?」

レナ「だからね?新しい白い人=引っ越してきた一方君って事になるンだよ!だよ!」

魅音「村人はみんなの顔とか家族構成、趣味、仕事とか把握してるし」

106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/22(金) 13:58:15.00 ID:qcYtBBtDO
一方通行「質問」

魅音「ハイ!道行くんなにかね?」

一方通行「さっきすれ違った親子は?セロリくれたアイツらだ」

レナ「ハイ!吉村畳屋のさやめさんと吉郎くん!夢はハワイに行く事だって」

一方通行「さっき虫取してたガキ共は?」

魅音「谷村さん所の達也くんと妹の恵ちゃん互いに結婚するんだぁーって言ってるよ」

レナ「ホント仲イイよね」

一方通行「……そォだな」
    (土御門みてェにならなきゃ良いがな)

魅音「ありゃそのうち一線越えるよ〜」

レナ「み、魅ぃちゃん一線って///」

一方通行「……魅音お前ホント女で良かったな…男ならセクハラ野郎だぞ」

魅音「そんなガチに引かないでよぉ〜!ちょっとふざけただけじゃん!」
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/22(金) 13:59:58.94 ID:qcYtBBtDO
一方通行「嫌もういい。雛見沢以外で会ったら他人のフリする」

魅音「ヒドッ!それにおじさんも四六時中このテンションじゃないから!」

一方通行「ダウト」

魅音「うがぁー!」

一方通行「うわっなンだ魅音。止めろ!こっちは両腕ふさがってンだ!殴ンじゃねェ!」

魅音「道っちゃんは乙女のピュアな心を汚したんだ!」

一方通行「なにが乙女のピュアな心だ!お前はおっさンの下心みてェな汚く薄汚れ…痛ェつってンだよ!しまいにゃ反射すンぞ!」

魅音「?反射って?」

一方通行「イヤなンでもねェ…ただの能力の応用だ」

一方通行(危ねェなうっかり話しちまう所だった)


レナと魅音が怪訝に顔を見合わせる

三人に気まずい沈黙が訪れる

108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/22(金) 14:01:12.20 ID:qcYtBBtDO
一方通行「……最後の質問ここに居る俺は?」

レナ「あはははは。一方通行く〜ん。意地悪だけれど本当は優しい照れ屋さん好きな飲み物はコーヒー」

魅音「だけど大したこだわりも無く一週間ほど飲んだらすぐに違う商品に転向。ブラック以外は飲まない中2くん」

一方通行「誰が中2だテメェ…」

魅音「それに朝は遅ぉ〜いウサギさん☆何でかどうかは調査中」

一方通行「それはもういい。要らン調査してンじゃねェ!」


ぐぅ〜

気の抜けた音が聞こえた


魅音「アッハハハハ!実はさ?おじさん結構前からお腹空いててねぇーっ!」

レナ「ふふふ魅ぃちゃん大丈夫だよ?古手神社でお弁当だからあとちょっと我慢してね?」

一方通行「アホ丸出しだな」

魅音「頑張ってお腹減らさないとレナの5キロ弁当は辛いよ?」

一方通行「確かにな…」

レナ「ほら早く行こ行こ!古手神社はすぐそこだよ!だよ!」

109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/22(金) 14:04:22.66 ID:qcYtBBtDO
魅音「ありゃぁーテンション上げちゃって…こりゃいよいよ腹括るしか無いのかねぇ」

一方通行「頑張れよォ魅音」

魅音「え!?道っちゃんが一番頑張るんだよ?」

一方通行「ハァ?お前よく見ろよこンな細いヤツがあンな食えるわけねェだろ?カップ麺で胃もたれすンだぞ」

魅音「道っちゃん少しは体鍛えよう?おじさんも協力するから?」


真面目に気遣われる一方通行


一方通行「うるせェ…それより今からの危機だろ」

魅音「う〜ん。一応助っ人は呼ぶつもりだけどねぇ〜」

一方通行「助っ人だァ?」
110 :南阿蘇太郎 :2012/06/22(金) 14:09:01.51 ID:qcYtBBtDO
今日はここまでです


三四さん全然書けなかった…


期待してた方スミマセン
m(__)m


それでは本日はこの辺でノシ
111 :南阿蘇太郎 [saga]:2012/06/25(月) 12:57:04.05 ID:PvsVvWiDO
こんにちは

昨日は投下できずに申し訳ございませんでした


でわ本日の投下いきます
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 12:59:00.43 ID:PvsVvWiDO
古手神社境内


レナ「ここは古手神社。雛見沢の守り神オヤシロ様が奉られてるんだよ」

一方通行「オヤシロ様ねェ…」


一方通行(まァ学園都市の人間からすりゃ神様なンて下らねェって話なンだかな)


魅音「来週の日曜日にはお祭りがあるから楽しみにしとくんだね〜」

一方通行「祭なァ…」

魅音「あれ?あんま乗り気じゃないね?」

一方通行「騒がしいのはそもそも好きじゃねェンだよ」

113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 13:01:00.23 ID:PvsVvWiDO
魅音「引きこもり」


ニタニタ笑いながら肘で一方通行の腕を小突く


一方通行「黙れセクハラオヤジ」

レナ「駄目だよ魅ぃちゃん色々辛い事があったのかも知れないし」

魅音「え!?本当!?もしかしておじさん非道い事言った!?」

一方通行「何もねェよ」

魅音「ホント?言えないような辛い過去とか掘り返してない?」


ふざけてた顔から一変し申し訳なさそうに頭を下げる


一方通行「その妙な同情が腹立つンだよ!トラウマ抉ったとか思って優しく接してンじゃねェぞクソッタレが!」

魅音「ゴメンゴメンほらなんかそういう風貌してるからさぁ〜?」


ニカッと笑いタッタッタと先に行く魅音


一方通行「否定できないのが辛いな」


なんてため息を吐いてあとに続く


レナ「早くーっ!こっちこっち!」


最初に着いてたレナはブルーシートを広げている


一方通行「悪ィ待たせた」

レナ「ほらこの場所。雛見沢を一望出来るんだよ!だよ!」

一方通行「……すげェな」
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 13:12:04.38 ID:PvsVvWiDO
確かに雛見沢が一望できた

こうしてみれば午前中歩き回った村がずいぶんと小さく見える

喧騒なんて無い

雀と少し早い蝉の鳴き声ばかりが聞こえる

それぞれが各々の時間をゆっくりと過ごしている村

改めて案内されるとより一層感じた


一方通行(……打ち止めも連れてきてやりてェな)


味のある空気を胸一杯に吸い込みながら叶わない事を願う一方通行

学園都市の勝手な都合で生産され何度も命を脅かされたそんな彼のもっとも大切な存在

そんな彼女だからこそこの学園都市には無いものばかりのあるこの村で元気に走り回って楽しく過ごしてもらいたい

きっとレナ達ともすぐに仲良くなり色んな事を知ってもらいたい

空気の美味しさ

身近な大自然

人の温かさ

学園都市のカリキュラムでは学べない能力よりも大切な物を学んでほしい

自分がこの村で経験したことを打ち止めにも体験してほしいと一方通行は願っていた
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 13:13:27.58 ID:PvsVvWiDO
そんな彼の思考は突然耳に入ってきた黄色い声にかき消された


沙都子「コラコラ!人の家の庭で何勝手にお弁当広げてるんですのぉーっ!」


気づけば北条沙都子と古手梨花がやって来ていた


梨花「皆さんはここで何してるのですか?」

一方通行「見たまンまだシート広げて弁当食おうとしてる」


一方通行が座りながら答える


沙都子「そんなことは見れば分かりますわ!な・ん・でさながらピクニックの様に人の家の庭でお弁当広げてるんですの!?」

一方通行「そもそも神社は公共の場だろうが」

梨花「ここは古手神社って言って僕たちのお家なのです」

一方通行「そォいえば梨花ちゃンの名字は古手だったな…つまり梨花ちゃンにはそれを言う権利があるンだが古手でも無いのにここに住んでるっつうホームレス沙都子には言われる筋はねェよな?」

116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 13:15:29.28 ID:PvsVvWiDO
沙都子「レディーに対してホームレス何て言うなんてあなたはどんな教育受けてるんですの!」

ご立腹な沙都子だが残念ながら少なくとも一方通行は学園都市最高レベルの教育は受けている


一方通行「で?梨花ちゃンここで飯食ったら駄目なのか?」


そんな噛みついてくる沙都子を無視し一方通行は庭の主に問いかける

梨花「別に構わないのですよ。皆の神社なのです」

一方通行「おォすまねェな。なら梨花ちゃンも一緒に食うか?」

梨花「是非とも一緒しますのですよ」

隣に腰を下ろした梨花の頭を優しく撫で箸と皿を渡す一方通行


梨花「み〜。ありがとうなのですよ」

一方通行「沙都子もどォだ?今までナマ言ってすみませンでした。って言えたら一緒にしてやンよ」

沙都子「な、なんですってぇー!」

レナ「道行くん意地悪は駄目だよ。ほら沙都子ちゃんコッチに座って?」

沙都子「あらぁレナさんありがとうでございますの」

一方通行「…チッ」

魅音「呼ぶまでもなかったかぁ〜さっ!食べよ食べよ!」

一方通行「……援軍ってコイツらの事かよ」

117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 13:16:58.65 ID:PvsVvWiDO
魅音を先頭に皆で弁当をつつきだす


沙都子「そういえばお三方はどうして日曜の昼間からこんなところにいますの?」

魅音「道っちゃんの雛見沢案内してたんだよ。まだ一人で回れないみたいだし」

一方通行「頼んだ覚えは無いがな」

沙都子「そんなことなら呼んでくだされば何時でもご一緒しましたのに」

一方通行「ご一緒なンかいらねェ。ガキはプリキュアでも見とけ」

沙都子「録画しますからいいですわ!」

一方通行「馬鹿馬鹿しい…アニメなンぞ小学校に上がるときに普通卒業すンだろ?」

魅音「えっ!?」


一瞬空気が凍る


一方通行「はァ?」

魅音「え!?レナは?見てない?プリキュア?」

レナ「レナは見てるよ?毎週欠かさず」


当然のように答えるレナ
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 13:18:11.74 ID:PvsVvWiDO
魅音「道っちゃんは見てないの!?」

一方通行「見るも何もなンでこの年になってどォして日朝なンざ見ンだよ」

魅音「えぇーっ!みんな見てるよぉーっ!?レナも沙都子も梨花ちゃんもみんな見てるよ」

一方通行「沙都子や梨花ちゃンは分かるとして俺はなンで魅音とレナが見てるか分からねェよ」

魅音「いや!面白いから!プリキュアは全世代が楽しめる面白さだからうちの婆っちゃだって見てるよ!」

梨花「お魎が見るなら本物なのです」

一方通行「テメェの婆ちゃンなンぞ知るか。興味すらねェンだから」

レナ「とりあえず一回見てみれば認識が変わってくると思うな?な?」

一方通行「下らねェ世間も何も分かっちゃいねェクソガキ共が平和を守るっつう名目並べて暴力振るう話だろ」

119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 13:19:26.21 ID:PvsVvWiDO
沙都子「歪みに歪んだ認識ですわね…」


さすがに絶句する一行


梨花「だから道行はボッチなのです」


ポツリとそんなことを呟く梨花

命知らずだが間違ってはいない


一方通行「…梨花ちゃン。俺が梨花ちゃンには優しいって思ってちゃァ間違いだからな…」

梨花「みー僕は道行を信じてるのですよ」

一方通行「………」


べし

と梨花の頭に一発チョップを入れる一方通行


梨花「にぱー。やさしいチョップなのですよ」

沙都子「私の時とは凄い違いじゃありませんこと?」

一方通行「沙都子は馬鹿だからいくら打っても大丈夫だけど梨花ちゃンは賢いからなァ」

沙都子「なんですってぇー!」

一方通行「うるさい。飯くらい落ち着いて食え」

沙都子「ううううう!」
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 13:21:41.23 ID:PvsVvWiDO
睨んでくる沙都子をよそに一方通行は最後のミートボールに箸を伸ばす

その時前からヒョイっと箸が伸びてきてミートボールを突き刺し一方通行の箸が空を切った


沙都子「おーっほほほ!レナさんこのミートボール実に美味しいですわね!箸が進みますわ!」

レナ「ありがと沙都子ちゃん。作ってきた甲斐あるんだよ!」

一方通行「…沙都子ォ」


顔に青筋を浮かべビキビキと笑う一方通行


沙都子「ほらぁ〜食事中は落ち着いて食べませんとね〜」

一方通行「…クソが」


あらためて箸をコロッケに向け伸ばす

すると再び前から箸が乱入し一方通行の箸が空を切った
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 13:22:16.15 ID:PvsVvWiDO
一方通行「…沙ァ都子ちゃンよォ…」

沙都子「なんのことでございますのぉ?私はただレナさんのお弁当を戴いてるだけですわ!さぁてこのコロッケはどんな味が…げぶっ!?」


ニヤニヤと口に放り込んで勝利の笑みを浮かべていた沙都子が毒を飲んだようにのたうち出す


レナ「ど!?どうしたの!?沙都子ちゃん!?もしかして美味しくなかったかな!?かな!?」


一方通行「どォしたのかなァ?沙都子ォ?カボチャコロッケはそンな上手かったのかァ?」

沙都子「は…謀りましたわね?」

一方通行「なンの事かなァ?俺はレナのコロッケが上手そうだから箸伸ばしただけだがなァ」


喉を抑えて力尽きる沙都子


梨花「沙都子がご臨終なのです。なむなむなのです」

別に死んだわけではないが両手を合わせ拝み出す


魅音「なんか同レベルな争いだよねぇ…」


ポツリと漏らす魅音だが大騒ぎしている周囲にその呟きは聞こえず日曜の昼は過ぎていった
122 :南阿蘇太郎 [saga]:2012/06/25(月) 14:35:24.92 ID:PvsVvWiDO
今日はここまでです



次は宝探しでもやろうかなと考えています


それではまたノシ
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/25(月) 16:40:43.19 ID:UL4Koqd0o
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/25(月) 18:40:22.32 ID:9IeNgSUDO

ほのぼの感が空恐ろしいな……
打ち止め連れて来ちゃダメ絶対
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/06/25(月) 19:10:45.57 ID:UMDX1w1mo
一方さんアハギャハしたらL5みたいなもんだから鬼隠し編問題なく行えるなww
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/25(月) 19:17:35.00 ID:kx9aJ7pco
そろそろヒヤリとした話になんないの?
127 :南阿蘇太郎 [saga]:2012/06/27(水) 13:07:01.34 ID:4wCOgWnDO
こんにちは!

九州は雨がパナイです


皆さまは大丈夫でしょうか?

>>123レス感謝です!


>>124とりあえず最初はほのぼのを出していこうかとそのため話進むの遅くなってスミマセン(汗)


>>125一方通行の『あはぎゃは』は使いやすいです(笑)まだまだ先になりそうですが

>>126すみません進むの遅くてとりあえず今日の投下でトミー出そうと思います

それではお見苦しい文で恥ずかしいですが投下行きます
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 13:10:21.08 ID:4wCOgWnDO
日曜の夕暮れの中を一方通行と竜宮レナは歩いている


一方通行「結局いつも通りな終わり方だったな…」

レナ「うん?レナはこういうの好きだよ?みんなと大騒ぎした後の帰り道とか」

一方通行「……まァ悪くはねェな」

レナ「祭…来ようよ?」

一方通行「あ?」

レナ「道行くんももう村の一員なんだからね?雛見沢の事いっぱい好きになって欲しいんだよ?だよ?」


微笑む竜宮レナ


一方通行「……めんどくせェな」

レナ「え!?」
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 13:11:34.02 ID:4wCOgWnDO
一方通行「ったく。行く言ってンだよ」

レナ「本当!?約束だよ?だよ?」

一方通行「しつけェ…行くつったら行くンだよ」


ワシャワシャと乱雑にレナの髪を撫でる一方通行

レナ「はぅ〜っ!」

一方通行「ったくサッサと帰ンぞ…一日歩き回って疲れてンだ」


カツカツカツと先に歩を進める一方通行


レナ「あっ!?道行くん待ってぇーっ!」

一方通行「……なンだよ」


一方通行はめんどくさそうに振り替える


レナ「あのね?最後によりたいところあるんだけどいいかな?かな?」

一方通行「……よりたいところだァ?」

レナ「うん!レナの特別な場所なんだよ!」

一方通行「…構わねェよ…案内頼む」

レナ「ありがとう!こっちなんだよ!だよ!」


嬉しそうに先に行くレナ

一方通行(ンな顔されりゃ断れねェだろうが…)


億劫そうにレナの後を追う
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 13:13:45.96 ID:4wCOgWnDO
しばらく歩いて


レナ「ここなんだよ!」

一方通行「……は?」


一方通行は目を疑った

目の前には山が広がっていた

1つではない大小様々な山がさながら山脈のように連なっている


レナ「はぅ!新しい山が出来てるんだよ!」


目の前には心底楽しそうなレナがいる

一方通行の理解が追い付かない

この少女は特別な場所と呼びここに連れてきた

だがしかしそんな場所に広がっているのは


一方通行「……ゴミ山じゃねェか」
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 13:15:16.29 ID:4wCOgWnDO
見たそのままを口にする一方通行

そうゴミ山だった

大小様々な山には角材、看板、電化製品などが無造作に積み上げられている

いわゆる不法投棄というやつだ


レナ「…ゴミ山なんかじゃないもん」


不意にレナがそんなことを呟く

その声と体はどことなく震えていて彼女の心を傷つけた様だった

一方通行(もしかしてなンか特別な思い入れでもあったのかも知れねェな)

レナ「レナにとっては…レナにとっては…」

一方通行「……すまねェn」
レナ「宝の山なんだよ!」

一方通行「…ハァ?」


一方通行を遮ってレナはそんなことを宣言する。

そのままレナは


レナ「おおおお持ち帰りぃ〜!」


かぁいいモードに移行しゴミ山に突っ込んで行く
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 13:17:02.94 ID:4wCOgWnDO
一方通行「……は!待ちやがれレナ!」


我に帰って後を追う一方通行だがゴミに足を取られ上手く進めない

一方通行「クソが!邪魔なゴミだなァ!オイ!」

レナ「道行くんはそこら辺で休んでてぇー!すぐに済むからぁ!」

山の上からそんな声が響いてくる

一方通行(まァあの様子なら心配なンざいらねェよな…つゥかなンでこンなゴミがかァいいンかねェ)


適当な所に座り込み目を閉じる一方通行

一方通行(にしても今日は疲れたなァ…そォいや日曜誰かと出かけるって何年ぶりだァ?)

一方通行(ホント平和すぎンぜ…)

うつらうつらと意識が遠退く一方通行


パシャッ

133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 13:18:28.91 ID:4wCOgWnDO
一方通行「あァ?」


不意に聞こえたフラッシュ音に不機嫌そうに目を開ける

目を開けるとそこには黒のタンクトップを着た筋骨粒々の眼鏡をかけた冴えなさそうな人物がいた


一方通行「…ンだテメェは?」

???「いやぁ〜驚かせてすまないね…僕は富竹…フリーのカメラマンさ」

一方通行「富竹だァ?…まァいい…写真撮るときは被写体に許可取ンのが普通だろうが?」

富竹「いやぁ〜ゴメンゴメン。メインは野鳥の写真でね?普段許可なんか取ったこと無いんだ」

一方通行「つまり俺は鳥並みって事かァ?こりゃァまた随分斬新な評価だなァ?」
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 13:20:06.53 ID:4wCOgWnDO
敵意をむき出しにする一方通行


富竹「悪かったよ。そんな怒らないでくれ。夕暮れに照らされてる美少年があまりに絵になったからつい」

一方通行「ついじゃねェよ」

おだてられた所で一方通行の苛立ちは消えない


富竹「すまなかったって。えっと確か…噂の白い髪に赤い目ってことは…一方…通行くんだよね?鷹野さんが話してたよ?こんなところで何してるんだい?」


一方通行(俺の事を知らない?外の人間か?)

一方通行「……アレの付き添いだ」


顎でゴミ山の上で何やら奮闘しているレナを指す


富竹「……えっと…彼女は何をしているんだい?」


何やら取り出した電化製品に頬擦りしているレナを見て更に聞き返してくる

当然といえば当然だ

付き添いの一方通行でさえ今の彼女が一体何がしたいかなんて分かってないのだから

一方通行「……さァな?昔埋めたバラバラ殺人でも掘り返してンじゃねェのか?俺の知ったことか」


135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 13:20:52.17 ID:4wCOgWnDO
ぶっきらぼうにそう答える軽い冗談それこそ知ったことではないと言わんばかりに首を振る

しかし富竹の反応は思っていたのと違った

予想外の反応だった


富竹「……嫌な事件だったね」

一方通行「はァ?」

一方通行(嫌な事件?)

富竹は構わず続ける

富竹「集団リンチでバラバラ。右手がまだ見つかって無いんだってね…」

一方通行(集団リンチ?バラバラ?何を言ってやがるンだ?コイツは?)

無言の時間がひぐらしの鳴き声と流れる


富竹「今年は誰…」

レナ「道行く〜ん。お待たせぇーっ!」


何かを言いかけようとした富竹だか駆け寄ってきたレナに遮られる


富竹「おや?レナちゃんだったのかい!こりゃぁ触らぬ神に祟り無しってね!僕は早めに退散しますか!それじゃまたね!えっと…道行くん!」


自前の自転車に股がりそそくさと立ち去る富竹

その勢いは一方通行が残った疑問を問いただす間も無いほどに素早かった
136 :南阿蘇太郎 [saga]:2012/06/27(水) 13:36:11.53 ID:4wCOgWnDO
という感じで本日はここまでです

やっとほのぼのから脱出かと思いきやまだまだほのぼのは続きます


最悪夏までには終わらせたいのですが…


では皆さんありがとうございましたノシ
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/28(木) 00:08:41.92 ID:85B51WQso
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/29(金) 00:10:36.95 ID:idFklgnYo
今追いついた
>>1
シリアス編が1番楽しみにしてる!
139 :南阿蘇太郎 [saga]:2012/06/29(金) 12:41:05.23 ID:RhJ3ba+DO
皆さん二日振りです!


いつもいつもレスありがとうございます!

励みになります(^-^)/


さて早速投下行きます
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/29(金) 12:43:15.14 ID:RhJ3ba+DO
一方通行は無言で富竹の去った方を睨む


レナ「えっと…ゴメン待たせちゃって…怒ってるかな?…かな?」


一方通行「あ?」


横をみれば炊飯器を抱えたレナが申し訳なさそうにたっている


一方通行「別に待っても無ェし怒っても無ェよ。サッサと帰ンぞ。つゥかなンだそれ…ンなもンも持って帰るのかよ」


溜め息混じりに立ち上がり歩き出す一方通行


レナ「うん!とぉ〜ってもかぁいいんだよ!」

141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/29(金) 12:44:26.88 ID:RhJ3ba+DO
一方通行「そういうもんかねェ」


一方通行(黄泉川とは別タイプの炊飯器コレクターだな)


レナ「あとね?あとね?ほらこぉ〜んなに沢山かぁいい物見つけたんだよ!はぅ〜っ!」


炊飯器の蓋をカパッと空け中から沢山のガラクタやゴミが顔を出す


一方通行「……すげェな」

勿論『こンなゴミ持ち帰れるお前が』という意味である


レナ「えへへ〜凄いでしょ〜」

そんな感想を持ってるとも知らずレナは炊飯器に頬擦りする


一方通行「……そォいや今じゃあンなゴミ…宝の山になってるが昔は何があったンだ?」


142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/29(金) 12:45:31.53 ID:RhJ3ba+DO
妙な間が空いた。一瞬だったが確かな間が


レナ「……よく知らないけどダム建設の跡地らしいんだよ」

一方通行「ダムだァ?雛見沢にか?」

レナ「…うんそうみたい…よく知らないけど」


目を背けるレナ

まるで後ろめたいことがあるかの様に


一方通行("よく知らないけど"かァ…まさかとは思うがはぐらかされてねェか?)


妙な違和感を抱きながら一方通行は話を進める


一方通行「……そのダム工事で何かトラブルとか無かったか?事故とか事件とか?」

レナ「知らない」


普段のレナからは考えられない凛とした声だった

返答というより解答

まるで決められた答えを言ったかのような発言

YES OR NO

で言うところのNO

以前彼、一方通行が沈んでいた世界において出てきた様な無機質で拒否以外の意味はない返答

竜宮レナの返事はそれに近かった

143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/29(金) 12:47:21.14 ID:RhJ3ba+DO
目を見開き言葉を失う一方通行


レナ「あ、あのね!?レナも去年雛見沢にやって来たから転校生だったんだよ?だから昔の事よく知らないの…ごめんね」


一方通行を畏縮させたと思ったのかいつもの柔らかい口調に戻るレナ


一方通行「……レナも転校生とはな」

レナ「うんだからあんまり知らないの…ごめんね?」

一方通行「構わねェよ…」


気まずい間が流れる


レナ「あのね?あのね?」


一方通行「ンだよ…サッサ帰ンぞ」

レナ「宝の山にゲコ太が埋ってたんだよ!だよ!」

一方通行「……ゲコ太だァ?」

レナ「知らないの?カエルのマスコットでとってもかぁいいんだよ?だよ?」

一方通行(そォいや前に打ち止めがンな事騒いでた様な…)
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/29(金) 12:48:00.56 ID:RhJ3ba+DO
レナ「お髭があるカエルさん☆」

一方通行「……アレか」

レナ「かぁいいよね?はぅ〜っ!お持ち帰りしたいよぉ〜」

一方通行「すりゃァイイだろ。既に捨てられてンだ新しい飼い主にでもなってやれ」


心底どうでもいい。正直なところの一方通行の心境だった


レナ「うん…レナもそうしたいケド完全に埋まっちゃって手のつけようが無いんだよ…だよ」


かぁいいモードから一転して俯き悄気た声になるレナ

一方通行「クソが…放課後だ」

レナ「放課後?」

一方通行「明日の放課後にでも一緒に行って掘り返すぞ」

レナ「いいのかな!?かな!?」

一方通行「構わねェよ。つゥかいい加減帰ンぞ。こっちは一日動いて疲れてンだ。今にでも眠っちまいてェ…」

大きな欠伸をして杖を早める


睡魔に支配されかけている一方通行は今日感じた違和感などもう考えるのも止め帰路を急ぐことにした
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/29(金) 12:50:44.08 ID:RhJ3ba+DO
月曜日放課後

一方通行は早々に鞄に荷物を詰め席を立つ


一方通行「おらレナ、サッサとすンぞ」

レナ「あわわわ!道行くん待ってよぉ〜」

魅音「なになに〜二人でデートですかぁ?もしやおじさんがバイト行った後に大人の階段を!?シロウサギはやっぱり凄いねぇ〜」


帰ろうとする二人を魅音が茶化す


一方通行「……悪ィなレナ。予定ができた…このババアをぶっ飛ばさなきゃなァ!」

魅音「モヤシッ子の道っちゃんに出来るかなぁ?」

一方通行「上ォ等だァ!二つも牛みてェな贅肉ぶら下げている牛女ごときがよォ!」
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/29(金) 12:52:00.01 ID:RhJ3ba+DO
レナ「ぼぼ暴力はいけないと思うな!?」


どの口が言ってるんだと思う二人だか既に魅音は古流武術の構えをし一方通行は電極を切り換えて杖を捨てている


梨花「みー。部活で決着をつけるっていうのはどうでしょうか?」


ひょっこりと梨花ちゃんが出てきてそんなことを呟く


一方通行「部活だァ?」

魅音「おじさんはイイよ。道っちゃんには負ける気しないし」

一方通行「ちょっと待て部活ってなンの事だ?こンな学校でも部活ってあンのかよ」

レナ「みんなでゲームしてわいわい騒ぐ部活なんだよ!」

一方通行「はァ?」

魅音「この複雑化していく社会の中で如何に臨機応変に対応し順応し生きていく術を学ぶ部活だよ」

一方通行「それをゲームでか?下らねェ…」

魅音「おんやぁビビってんのかなぁ?」

147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/29(金) 12:55:17.67 ID:RhJ3ba+DO
一方通行「あァ゛?」

魅音「別に強制はしないけどー成績優秀な道行さんがまさか知能ゲームに逃げるとはねぇ。もしかして成績は良くても頭は悪いとか?」

魅音はにんまり笑って小馬鹿にしたように口を押さえる

一方通行「いいだろう…その安い挑発買ってやンよ」

魅音「ほう…言ったね?言っとくけどうちはレベル高いよぉ。舐めてかかると痛い目みるからねぇ」

レナ「魅ぃちゃんは部長だからね強いんだよぉ」

一方通行「そォかよ…レナ。ゲコ太は部活の後になっても構わねェか?」

レナ「もともとレナはそのつもりだったんだよ?だよ?」

一方通行「…そりゃァ余計だったな」


なんともばつの悪そうな顔をする一方通行


沙都子「あら?今日の部活は道行さんも参加しますの?あのままやらせておくのも楽しそうでしたのに…」

遠くで楽しそうに見ていた沙都子が入ってくる


148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/29(金) 12:55:51.43 ID:RhJ3ba+DO
梨花「大人数の方が楽しいのですよ。それにあのままじゃ学校がボーボーのウーウーなのです」

レナ「さすがにそれは無いんじゃないかな?かな?」

梨花「あの二人にはあり得ますのですよ」

レナ「そ、そうなのかな?かな?」


現実でありそうな話をしている二人を横切り沙都子が一方通行の前に立って不適に笑う


沙都子「まさかこぉーんなご老体がこの私に勝てるとでも思ってるんでしょうかねぇ」

一方通行「安いな…三下が。例えレナや魅音に負けたとしてもアホガキには負ける姿なンざ想像できねェな」

沙都子「三下ぁ?失礼ですわね!これでも私は魅音さんの次に勝率高いのですわよ!」

一方通行「ハァ?オイオイ魅音。ホントにレベル高ェのかァ?こンなアホガキがナンバーツーなンてレベルの低さもの語ってる様ォなもンだろ」

魅音「道っちゃん言ったね?それは部活メンバー全員に対する挑戦って受け取って問題無いんだね?」


魅音の声が1オクターブ下がる

沙都子「道行さんには身の程を知って頂きませんとね…」

レナ「レベルが低いなんて心外なんだよ?だよ?」

梨花「飛んで火にいる夏の虫が火に油を注いだのです」

ゴゴゴゴゴと四人の背後に炎が上がる

一方通行「カッ!いいねェ…いい感じに背伸びしてンじゃン!この俺に牙ァ向けりゃどォなるか徹底的に叩き込んでやンよォ!」

149 :南阿蘇太郎 [saga]:2012/06/29(金) 12:59:24.81 ID:RhJ3ba+DO
というぐらいで本日はここまでになります


次は入部試験です


では皆さんまたお会いしましょうノシ
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/29(金) 13:25:23.66 ID:6LO2YrgDO
おつ不穏でいいねぇ
固有結界使えなさそうな一方通行は知力と能力で頑張るのかな
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/30(土) 00:00:07.31 ID:o8hd0rOto
>>1乙!
一方さんは学園都市第一位の能力と頭脳を持ってる
たとえモヤシでも頭脳でなんとかなると信じてる
152 :南阿蘇太郎 [saga]:2012/07/02(月) 13:29:28.16 ID:XXLu1llDO
皆さんこんにちは!

投下しに来ました


ちょっと土日忙しいのでこれからの土日の投下は難しいです


今日はセロリが梨花ちゃんに襲いかかる話です
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/07/02(月) 13:32:43.27 ID:XXLu1llDO
魅音「なら今日は通っちゃんの入部試験も兼ねてトランプの定番大富豪でもやりますかねぇ」

トランプを取り出し慣れた手付きでシャッフルする魅音

道行「定番っちゃ定番だがローカルルールはどうすンだよ?七渡しとかJバックとか?」

魅音「う〜ん今日は無しで行こうかね。大富豪は都道府県の数ルールあるとか言われてるし。革命返しあり、縛り、8切り、2とジョーカー上がり禁止、ダイヤの3スタート、ジョーカー最強くらいかな」

レナ「ルールが多いとレナ混乱しちゃうから嬉しいんだよ!」

沙都子「オードソックスだからこそ知能が問われるんですわ!」

154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/02(月) 13:35:24.71 ID:XXLu1llDO
自信満々に胸を張る沙都子だが

一方通行「オーソドックスだアホガキ」

一方通行の指摘にみるみる顔が赤くなる

沙都子「し…知っていましたわ!道行さんを試したんですのよ!」

一方通行「ほう。因みに『オーソドックス』の意味は?」

沙都子「…普及している?」

ドゴッ

一方通行のチョップが沙都子の頭を襲う

沙都子「何するんですの!?」

一方通行「オーソドックスは正統派。伝統的なが意味だ」

沙都子「っ〜///」

一方通行「英語の課外授業も必要かもなァ?」

レナ「沙都子ちゃん涙目かぁいいよぅ…」

梨花「かぁいいモードは駄目ですよ?」

レナ「はぅ!?なら見てるだけ見るだけなら!?」

梨花「見るだけならいいのです。いい加減進まないと危ないのです」

レナ「?何の話かな?かな?」

梨花「さぁ僕には分からないのですよ」
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/02(月) 13:57:14.90 ID:XXLu1llDO
魅音「さあさあトランプ配るよ因みにトランプ配るのは次から最下位の役目だから道っちゃん気を付けてねぇ」


一枚ずつ配っていく魅音


一方通行「…誰に対して物言ってやがる。余計な世話だ」

魅音「じゃあ10回勝負で1位は5点5位は1点の点数制ね。ついでに初めての道っちゃんに教えとくけど大貧民が大富豪に献上するルールあるでしょ?アレも無し。勝ちたきゃ限られた状況で最善の策を巡らす事だね」

一方通行「…別に構わねェ」

一方通行(ふゥン中々の手持ちだな…8の使い所が鍵になるか…ン?このカード…傷だらけじゃねェか…)

レナ「じゃダイヤの3はレナが持ってるから。ハイ3のW」

一方通行(Wか…まァJバックの無い状況では妥当だな…生憎こちらも7W持ってンだよ…)

魅音「クックック…なら4Wね」

梨花「みーパスなのです」

沙都子「なら6でと縛りですわ!」

一方通行「!?チッ…パスだ」

沙都子「あっれぇ〜出さないのですか?アレほど大口叩いてまさかの敗退なんてそんな事はございませんよね〜?」

一方通行「たまたま回りが悪かっただけだ。くだらねェ妄言たらしてンじゃ無ェ…」


一方通行(そう。たまたまだ前のクソガキが出さなかったら俺は出せてたンだ。問題無ェ)
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/02(月) 14:12:16.13 ID:XXLu1llDO
魅音「じゃあおじさんで流しね?じゃあ5」

一方通行(5か…まァ単品だし低い所だからな縛り想定で要らねェ中堅かそこいらを捨てるか)

梨花「なら7なのですラッキーセブンなのです」

沙都子「7と来たら〜…8切りですわ!」

一方通行(クソがァァァ!)

沙都子「なら3ですわ!」

一方通行「……4だ」

一方通行(問題無ェまずは中堅の処理だ)

レナ「6なんだよ!」

魅音「ならそうだね〜」


チラチラと一方通行の方を見る魅音


一方通行「なンだよ?」

魅音「別にぃ〜9の縛り」

一方通行「!?」

一方通行(イヤ…問題無ェ。中堅は無理だかなンせQがあンだ。いきなり高確率でK、1、2は来ねェ…出せる!)

梨花「大奮発なのです♪王様なのです」

一方通行「クソがァァァ!」

157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/02(月) 14:14:16.49 ID:XXLu1llDO
みんなの視線が一方通行に集まる


一方通行「何なンだよ!?どォなってやがる!?なンでKが来ンだよ!?こんな序盤で!?」

梨花「道行…怖いのです…ミ゙ーミ゙ー」


梨花の目に涙が浮かぶ。

更に泣き出してしまった


一気に冷静になる一方通行。

当たり前だ。今の自分は自分の手札が出せない苛立ちを年下の女子小学生にぶつけ泣かせてしまうという最低な行動をとっているからだ

恐らく彼女は無邪気な気持ちでKを出したんだろう。
一回も親が回って来てない彼女はちょっと早いが奮発してKを出して自分の好きな物を出したかったんだろう

失敗したら「み〜…残念なのですよ…」とげんなりし

成功したら「にぱー。なら僕が出すのですよ」と笑いながら次の札を出していたんだろう

そんな彼女の気持ちを学園都市最強の人格破綻者は粉々に破壊した
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/02(月) 14:40:26.77 ID:XXLu1llDO
周囲は一方通行を生物にはまず向けない視線たとえば片付けたくもないゴミを見るような目で魅音達が見つめる


魅音「道っちゃんさすがにそれは無いわ…大丈夫だよ梨花ちゃん落ち着いて」


右に座ってた魅音が梨花の抱き寄せるように背中を擦る


沙都子「大丈夫ですわよ梨花は私が守りますから…道行さんの鬼!鬼畜!人でなし!」


左隣の沙都子が一方通行から庇うように背中を見せる

レナ「道行くんは梨花ちゃん謝るべきだと思うよ」


正面にいたレナが梨花の頭を撫でながら普段からは考えられない鋭い目付きで告げる


一方通行「……すまなかった」

沙都子「ハァ?それが謝る姿勢ですの?土下座ですわ土下座」


一瞬沙都子に対しチョーカーのスイッチを切り換えそうになるが理性を働かせ大人しく床に頭をつける


159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/02(月) 14:43:12.27 ID:XXLu1llDO
一方通行「…すまねェな梨花ちゃン」


彼を知ってる者なら恐らく自分の頬をぶん殴っている絵だろう

あの学園都市レベル5が土下座して小学生に許しを請おてる

しかし彼女達は彼を学園都市最強の超能力者一方通行だとを知らない

あくまで普通の友達だ


レナ「違うよ。道行くん悪いことをしたら何だっけ?」

一方通行「っ…ごめンな…梨花ちゃン…頭に血が登ったンだ…許してくれとは言わない。気が済むまで俺を好きにしてくれ」

さわっ

一方通行の頭に小さな手が置かれる

梨花「みー。少しびっくりしただけで別に怒ってなんか無いのですよ」

まだ目尻に涙を残した彼女は一方通行の頭を優しく撫でる

一方通行「…すまねェ」

梨花「ほら。仲直りの握手です」

手を差し出す梨花

一方通行「……悪かった」

梨花「いいのです」

一方通行「すまねェな。中断させちまって梨花ちゃんからだろ始めガッ!?」
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/02(月) 14:47:03.90 ID:XXLu1llDO
立ち上がろうとする一方通行だったがいきなり頭に小さな上履きをはいた足に踏まれ押さえられた


沙都子「ハッ!偉そうに!何でもするって言いましたわよね?道行さんは今日1日私たちの奴隷ですわよ!」


ニヤニヤと心底楽しそうに笑う沙都子


沙都子「そうですわね〜まず私にはお嬢様と呼んで帰り道には醤油を」

一方通行「つゥかよォ…」


沙都子を遮って一方通行が話し出す


一方通行「俺は梨花ちゃンには悪ィと思ってるし今からでも梨花ちゃンが命令したら何でも聞くつもりだけどよォ…なンでお前にまで気ィ使う必要があンだァ?沙都子ちゃンよォォォ!」

勢いよくチョーカーのスイッチを切り換える


沙都子「ひぃ!り…梨花止めてくださいまし!」

梨花「道行」

一方通行「あァ?」

梨花「ファイトおーなのですよ」

一方通行「あはぎゃは!」
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/02(月) 15:13:13.30 ID:XXLu1llDO
沙都子「梨花ぁ!」

一方通行「沙ァァァァ都ォォォォォ子ォォォォォォちゃァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ン!ガタガタ震えちゃってェ!足腰もたなくなるには早すぎねェかァ?お楽しみはこれからだぜェ!?」

沙都子「な、なんて発言!セ…セクハラですわよ!皆さんも笑ってないで助けてくださいまし!」

バチン

沙都子「ギャワ!」


容赦なく放たれた一撃は沙都子のでこを襲い力無く轟沈する


一方通行「ったく。待たせたな」


沙都子にベクトルデコピンを見舞いした一方通行は先程のテンションとはうって変わって冷静に席につく


162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/02(月) 15:14:40.25 ID:XXLu1llDO
沙都子「ふん!いいですわ!どうせ道行さんなんか最下位で罰ゲームが落ちなのですから!」


目尻に涙を溜めた沙都子がぷるぷると震えながら起き上がり声を張り上げ強がりを見せる


一方通行「罰ゲームだァ?」
魅音「あれ?言ってなかった?最下位は罰ゲームあるからね。今日は優勝者が決めるって事でいい?」

梨花「意義無いのです」

沙都子「これは燃えてきましたわねぇ〜!最下位は道行さんで決まってますから優勝目指して頑張りませんと!」

レナ「レナは最下位にはならないように頑張るかな…かな」

一方通行「沙都子に優勝は無理だろ…」

沙都子「それでも道行さんより順位はいい自信ありますわ!」

一方通行「ほざけアホガキ」

魅音「なら再開しようじゃないか!梨花ちゃんのK出せる人いるかい?」
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/07/02(月) 15:23:53.87 ID:XXLu1llDO
本日の投下は以上です

お楽しみいただけたでせうか?

【忘れていたのでレス返し】

>>150>>151そのつもりですただ私の頭が残念なのであまり凄いの出来そうにないですが(汗)

それでは皆さんまたご近日中
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/02(月) 18:05:25.48 ID:Hg0r/JK90
乙!面白い!
一方さんがもうちょいチートでもいいんじゃねとも思ったが、これはこれでいいな。
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/03(火) 22:55:37.99 ID:fKq/Uahoo
乙乙
一方さん頑張ってくれww
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/07/04(水) 01:43:06.76 ID:UXLyKsRAO

期待してるのです☆
167 :南阿蘇太郎 [saga]:2012/07/04(水) 12:59:58.36 ID:tFhsquWDO
こんにちは投下に来ました!

皆さまのレスとても励みになります


今日はセロリの反撃が始まります


それでは
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/04(水) 13:05:43.97 ID:tFhsquWDO
――――――――――――
――――――――――
―――――
――――

一方通行(おかしい)


一方通行は悩んでいた

というより違和感に苛まれていた


一方通行(あれから1ゲーム終わって俺は最下位…
もうこのゲームも終盤だが明らかに俺に回らない。
ここぞとばかりに切られたり出したい1つ上を出される。
縛るにしても俺の出せないマークを1つ前もしくは親が出してやがる)


一方通行の手札は依然多い部員たちが各々あがる準備をしているゲーム終盤とは思えない多さだ


沙都子「この勝負は私がいただきましたわ!」


残り3枚で親の沙都子が6をだす


魅音「くぅ〜おじさんとしたことが見謝るなんて!」

沙都子「おんやぁ?道行さん手札多いですわよねぇ〜まさか二連敗とかありませんかぁ?」


一方通行(試してみる価値はあるな…)

169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/04(水) 13:09:00.04 ID:tFhsquWDO
一方通行「1だ…」


まだ7枚程カードが残っているなかであえて1をだす一方通行


一方通行(沙都子以外は4枚で上がる準備をしてやがる。
つまり下手に強いカードは出せねェはずだ…
勝負ってのは決まる間際に必ず隙が生じる…
そこを突かせてもらうぜ沙都子ォ)

沙都子「皆さんはパスですの?くっくっく道行さん私が2を持ってないとでも思いますの?」

一方通行「出したけりゃ出しゃイイ…しかしイイのか?出したらお前の一位通過は無くなるンだぜ?」

沙都子「道行さんあなたまさか…」

一方通行「ご名ェ答…残り一枚のジョーカー持ってンだよ」


ニヤリと笑う一方通行

一枚のトランプをパタパタさせる

一方通行「俺がお前の2を切って残り一枚で戦えるってンなら出しゃイイ」


プルプルと震える沙都子
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/04(水) 13:11:11.76 ID:tFhsquWDO
沙都子「道行さん…あなたって人は………トラップで私を出し抜こうなんてあなたには100年早いですわー!」


バン!

勢い良く2と5を出しあがる沙都子


一方通行「チッ甘かったか…」

沙都子「下の下ですわー!そんなんじゃ生き残れませんわよー!」

レナ「レナはドキドキしちゃったよ」

梨花「道行は充分頑張ったのです」

魅音「確かに良いハッタリだったけど相手が沙都子じゃねぇ…まぁしょうがないよ」

一方通行(やっぱなァ…魅音の言う通りだよなァ)


結局二回戦も魅音が二番目に上がりレナ、梨花と続いた。沙都子撃沈に動いた一方通行は呆気なく二連敗を喫した

171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/04(水) 13:12:07.67 ID:tFhsquWDO
三回戦

一方通行が配り終えた(シャッフル出来ないので能力をフル活用した)カードを見て沙都子はほくそ笑んでいた


沙都子(Jの革命ですわ!それに1Wに低めのカードですわ!ついに私の時代が…)

魅音(へぇ沙都子革命してんじゃん!これはこの勝負も沙都子一位かなぁ)

レナ(わわわ!沙都子ちゃん革命してるんだよ!?強いカード無くさなきゃ!)

梨花(何も知らない道行かわいそかわいそなのです)

そう実はこの四人カードが見えている

互いの戦力を見極めながら一番不利な一方通行に狙いを付けて戦っていたのだ。手札が減らない訳である


魅音「じゃあおじさんからだね。スペード5」

梨花「続くのです。ハート6」

沙都子「縛れませんわね…ダイヤ7ですわ」


実際には縛れるパターンも存在したし、そもそもここでは8以上のカードを出すのがセオリーだがあえて出さない

わざと一方通行を親にし弱いカードを出し尽くして革命してやろうという魂胆である


一方通行「!8切り…4W」

そんなことも知らずに回ってきた幸運?に乗っかる一方通行。四人の結託に気付かないままゲームは加速していく

172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/04(水) 13:20:27.64 ID:tFhsquWDO
ゲーム中盤

ついに北条沙都子が動いた

沙都子(皆さんも良い感じに強いカード残ってませんわねぇ。道行さん以外。ごめんあそばせ道行さん…部活は非情ですのよ?)


沙都子「1Wですわ!誰も出せませんの?革命ですわー!」


バン!と四枚揃った(ジョーカー込み)Jを机に突き出す

ギャラリーが騒ぎ一方通行の動きが固まる


魅音(道っちゃんここまでかい?おじさん買い被り過ぎたかねぇ)


しばしの沈黙が流れ


一方通行「……クカ…クケクケキコカカカ!キキケココカキケコココカカカッー!!」


一方通行は壊れた


173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/04(水) 13:26:27.12 ID:tFhsquWDO
魅音「み!?道っちゃん!?」

レナ「道行くん落ち着こ!?ほら深呼吸して!」

梨花「みぃ…今までにないキレっぷりなのですよ…」

なだめる三人を振り切り沙都子に詰め寄る


一方通行「沙ァ都子ちゃンよォ!!」

沙都子「!!なんですの!?怒るなんて理不尽ですわ!」

一方通行「怒るだァ?俺は冷静だぜェ?ありだったよなァ?」


ポカンとした表情をする魅音以外の3人

魅音のクックックという微笑が静まり返った教室に響く


一方通行「革命返しだ…」


沙都子とは対照的に静かにゆっくりと自らの勝利を宣言するかのようにジョーカーを入れた6四枚を出す

教室に割れんばかりの歓声が上がる

そのなかでただひとり北条沙都子は固まっていた


174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/04(水) 13:29:13.83 ID:tFhsquWDO
沙都子「ど…どうしてですの?」

レナ「そうだよ!?道行くんはなんで沙都子ちゃんが革命するって分かってたの?」

沙都子「そ…そうですわ!それにあなたは6三枚ととジョーカーなんて持ってなかったはず!」

レナ「さ!?沙都子ちゃん!」

梨花「みー。沙都子がばらしちゃったのです」


一方通行「つゥかよォ…お前らが傷でトランプ見分けてンのぐらいとっくに気づいてンだよ」

レナ「え!?」

魅音「さすが道っちゃん気づいてたかぁ〜」


ポリポリと頭を掻く魅音


レナ「い…いつ気づいたのかな!?かな!?」

一方通行「前のゲームでの沙都子との会話だ」

沙都子「……私との会話?」

一方通行「あン時俺は沙都子に言ったよなァ?ジョーカー持ってるって」

沙都子「でも結局ハッタリはバレて私が上がりましたわ!」

一方通行「つまり俺の計算通りだったって訳だ」

梨花「?どういうことなのですか?」

一方通行「アレは沙都子の上がりを阻止するためのハッタリなンかじゃなくて、沙都子がカード見切ってるって確信を得るための会話ってことだ」

魅音「…そういうことね」

175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/04(水) 13:41:53.64 ID:tFhsquWDO
一方通行「沙都子は俺がジョーカー持ってるって言ってンのに迷わず出してきた…
つまりそれは俺が持ってない事をあらかじめ知ってたっつう事だよなァ?
それだけじゃねェ。
あの場には俺以外のお前ら3人もいたわけだがお前らが出してくる可能性も充分あった…
なのに出したって事はジョーカー持ってるヤツはジョーカーが消えちゃ上がれないって事も知ってたって事だろ?
実際梨花ちゃンはジョーカー使って上がったからなァ」

レナ「確かにそうだけど…じゃあなんで沙都子ちゃんが革命出来てるって分かったの?」

一方通行「能力使って配る時に沙都子にJ三枚ととジョーカーを俺に6三枚とジョーカー来るように細工した」

梨花「カードが宙を踊ってるようにしか見えなかったのです」

176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/04(水) 13:49:37.16 ID:tFhsquWDO
一方通行「あとは俺のカードに新たな傷つけりゃ完璧だ。
まァお前らが6の数不足に気づくか結構賭けだったが…
幸い気づいたのは魅音だけだったみたいだしなァ?
他のレナと梨花ちゃンは自分の強いカード無くすのに手一杯だし
沙都子は余裕かまして違和感に気づかない。
実際いつもの調子じゃ気づく明らかな違和感だ。
魅音が気づくようにな。
だが二連勝が見えて浮き足だったガキには見えなかったって訳だ。
残念だったなァ沙都子…
知ってかァ?
人間ってのはなァ?
勝利を確信したって奴ほどチョロいもンはいないんだぜェ?」

ポカンとする部活メンバーにギャラリー


魅音「いやぁ〜おじさんは信じてたよ?道っちゃんならやってくれるって!今のプレーにおいて認めよう!勝つために一回の勝利を捨てきれるその覚悟よし!一方通行くん君の入部を認めよう!!」

177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/04(水) 14:33:34.31 ID:tFhsquWDO
魅音「我が部へようこそ!一方通行くん♪」

レナ「これからもよろしくね道行くん」

梨花「部活メンバーは仲間なのです。困ったことは何でも言ってくださいよ?」

沙都子「悔しいですが認めますわ…」


一方通行「ケッ…いいから続きすンぞオラ10だ」


慣れない歓迎の言葉に微かに頬を赤くした一方通行が顔を背ける


沙都子「ぐわわわわぁ無理ですわ〜この手札でどうしろと…」

絶望的な表情をしてガクリと膝を折る沙都子

一方通行「あはぎゃは!イイねイイね最っ高ォだねェか!最高にトンじまったよ…その表情ォ!勝利を確信した奴が突き落とされた時のどォしようもない面は格別だねェ!」


レナ「パスかな…沙都子ちゃんレナも危ないよ一緒に頑張ろ?」

魅音「道っちゃんを信じて助かったよ〜ハイQ」


178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/04(水) 14:34:11.26 ID:tFhsquWDO
梨花「パスなのです。大事に使わなきゃなのです」

沙都子「パスですわ…どうしろっと言いますの」

一方通行「俺もパスだな」

魅音「あれ?通った?道っちゃんいいの?」

一方通行「構わねェよ」

魅音「じゃあ3」

梨花「みー。6なのです」

沙都子「梨花ぁ!?」

梨花「みーにぱー☆」

沙都子「くぅ…パスですわ…」


6を出そうとしていた沙都子は項垂れる


一方通行「哀れだな沙都子…Q縛りだ」

レナ「そんな出せないよ…パス」

魅音「縛られちゃね…パス」

一方通行「なら俺だな2だ」

確認するまでもなく流す一方通行

一方通行「そして5上がりだな…」


一位抜けする一方通行ギャラリーから歓声が起こる


そしてその後魅音が上がり梨花が続きレナと沙都子の一騎討ちはレナに軍配が上がった

またその後のゲームも一度途切れた流れを沙都子は取り戻せずあえなく最下位

魅音と一方通行の独壇場となったが最初の連敗が響き優勝は結局、園崎魅音。部長の実力を感じさせる結果となった

しかしこのままでは終わらない

部活はこのまま終わるわけはない


179 :南阿蘇太郎 [saga]:2012/07/04(水) 14:38:14.37 ID:tFhsquWDO

投下はここまでです

トランプのマークは書き込むことにしました


次は罰ゲームです!


沙都子をお持ち帰りするのは果たして

レナか!?

セロリか!?



















すいません冗談です
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 14:46:45.99 ID:pQ3FMHga0
乙 一方さん持ち帰って調教しちゃえよ
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/07/04(水) 20:02:57.77 ID:XDEWed320
>>1乙 そして最高だね

今後の、展開楽しみにしている。
182 :南阿蘇太郎 [saga]:2012/07/06(金) 12:40:14.47 ID:oUSC/2vDO
どうも皆さん本日も更新しに来ました

>>180大石さんの出番が早まりますww

>>186応援ありがとうございます!期待に応えられるかは分かりませんが出来るだけ丁寧に仕上げていこうと思ってます


さて本日は罰ゲーム前編です


お楽しみください
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/06(金) 12:58:24.23 ID:oUSC/2vDO
魅音「さぁ〜てそれじゃ楽しい楽しい罰ゲームの時間と行きますかねぇ〜」


ワキワキといやらしい手つきで魅音が沙都子に迫る


沙都子「ひ!ひぃ!」

一方通行「おっとォ!何逃げようとしちゃってンのかなァ?沙都子ちゃン?」


背を向け逃げ出そうとする沙都子だが一方通行が笑いながら前に立ち逃げ道を無くしてしまう

例えるなら調度ナンパから逃げ出そうとする女子の逃げ道を塞ぐような図を想像してもらいたい

このような状況では大抵第三者(大抵男)がいらん介入してくるのだがこの教室にはそんなヒーローは存在しない

そもそもここで第三者が介入した所でどこかのツンツン頭以外一方通行に返り討ちになるのだが

ちなみにそのツンツン頭はただ今とある学校で休んでしまった担任の代わりにゴリラのような体育教師に補修を見られるという地獄コースを味わっている


梨花「道行がドSモード入っちゃてるのです。沙都子が死んじゃうのです」

レナ「負けなくて良かったよぅ」

梨花「みー。明日は我が身なのです」

レナ「梨花ちゃん!?」

魅音「さぁてどうしようかねぇ?道っちゃん?なんかいいのある?」

184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/06(金) 13:04:12.86 ID:oUSC/2vDO
ガクガク震える沙都子を心底楽しそうに眺めていた魅音がそんな提案をしてくる


一方通行「地球の自転を利用した100m走してみっかァ?世界新出せて風になれるぜェ?」

沙都子「嫌な予感しかしませんわ…」

梨花「かぼちゃの一気食いがいいのです。とても健康的なのです」

沙都子「絶対にいやですのっ!」

レナ「レナの家にお泊まりなんてどうかな?かなっ!」
一方通行「鼻血吹き散らしながら何言ってンだ?お前…」

今にも震えている沙都子に飛び付こうとしていたレナが一方通行に止められ正気に戻る

魅音「う〜んみんな盛り上がってるところ悪いんだけどね?今日の罰ゲームは始めての道っちゃんの為にもやさしいやつにしようと思う訳よ」


七色の油性ペンを取り出しながら魅音が笑う


185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/06(金) 13:06:42.16 ID:oUSC/2vDO
沙都子「れ、レディの顔に落書きなど外道のする事ですわぁー!」

梨花「みー☆みんなでお絵かきなのです」

レナ「顔にお絵かきはやさしいとは思えないかな」

一方通行「まァ勝ったのはお前だ好きに決めろよ。魅音」

魅音「ククク…じゃ勝者園崎魅音が敗北者北条沙都子に命ず!大人しく顔に落書きを」

一方通行「ククク残念だなァ沙都子ォ。嫁入りに困らない顔にしてやンぜ?」


ガシッと沙都子の肩を掴む一方通行


魅音「される人間をこの中から選べ!それが君の罰ゲームだ!!ただし私以外で!!!」


ビシッと沙都子を指指し言い放つ


沙都子「え!?」

レナ「う…嘘…」

梨花「み…」

一方通行「ハァァァァ!?」

沙都子「いいんですの!?私が決めて!?罰ゲームですわよ!?」

魅音「だからコレが罰ゲームだって☆一番ダメだった人がダメだったばっかりに勝つはずだった努力した人間を突き落とさなきゃいけないなんて過酷だねぇ〜☆」


パタパタとペンケースで仰ぎながらケラケラ笑う魅音

一方通行「ふざけてンじゃねェぞ魅音!」

魅音「罰ゲームは絶対だからねぇ?ほら沙都子サッサと決めなよ?」

沙都子「道行さんですわ!」


即答だった


186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/06(金) 13:08:42.81 ID:oUSC/2vDO
一方通行「だよなァ!クソガキがァ!」

魅音「あらあら道っちゃん残念だったねぇ〜?」

一方通行「よく言いやがるよなァ…狙ったくせによォ」


魅音を睨み付けビギビギと青筋を立てる


魅音「あらま!バレちった?」

一方通行「丸わかりだっつうのクソがァ!一体どォ言う要件だ!」

魅音「いやいやもともと道っちゃんと私の勝負だったじゃん?それに道っちゃんは敗れた。それだけ」

一方通行「!ガァァァァ!」


頭を抱える一方通行

彼はまた以前のように本当の目的を見失っていた


梨花「かぁいそかぁいそなのです」


頭を撫でてくれる古手梨花


沙都子「さぁさぁ!化粧直しの時間ですわよ!道行さぁん?」

187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/06(金) 13:10:50.44 ID:oUSC/2vDO
一方通行「アア゛?」


物凄い形相で沙都子睨み付ける


沙都子「ひっ!」

魅音「やれやれ往生際だけはホント悪いよねぇ…レナ!梨花ちゃん!」


魅音の号令で二人に手足を抑えつけられる


レナ「ゴメンね?ゴメンね?道行くん」


梨花「後でかぁいそかぁいそしてあげるのですよ。にぱー」

一方通行「クソが!離せ!離せ!離しやがれェェェ!」


もがく一方通行だが残念な事に全然動かない


沙都子「………相手は女子二人なのに…道行さんあなたか細すぎますわよ…」

一方通行「るせェ!クソガキがァ!覚えてろォ!」

魅音「あぁもう抵抗すんな!レナ首元にスイッチあるでしょ?それ一番下に下げちゃって!」

一方通行「!?バカよせ止めろ!それだけはいじンじゃねェ!!」

レナ「えい!」

一方通行「止めっ……ァ゙〜ゥ〜ァ゙〜」

188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/06(金) 13:13:16.21 ID:oUSC/2vDO
レナ「どうしよ!?どうしよ!?道行くんがショートしたんだよ!?だよ!?」

梨花「いきなり動かなくなったのです。脱け殻なのですよ」

沙都子「目の焦点が合ってなくて呂律が回ってませんわ…」

魅音「まぁ何にせよやっと大人しくなったねぇ?さぁて覚悟するんだねぇ道っちゃぁぁん」

一方通行「ゥ゙〜ォ゙〜ァ゙〜」


力なく呻く一方通行


レナ「なんか可哀想になってきたんだよ…」

沙都子「私も流石にコレに落書きは…」

魅音「嫌ならイイよぉ?お二人さんが代わりに罰ゲーム受けることになるケドぉ?それにぃ…」


ガシッと一方通行の腕を魅音が掴む


魅音「何どさくさに紛れてスイッチ戻そうとしてんのぉ?道っちゃん」

189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/06(金) 13:14:56.44 ID:oUSC/2vDO
クククと一方通行の眼前で笑う魅音だが当の一方通行には


「人間をスイッチにしては転がして貴方を叫びます?」


に聞こえているが


魅音「ほらレナ書きたくないなら書かなくていいから道っちゃんの腕押さえててよ?邪魔になるから後ろから万歳みたいに」

レナ「…うん。ゴメンね?道行くんゴメンね?」


一方通行はレナに膝枕され万歳の形をとらされる


魅音「さぁてなら早速やりますかぁ?覚悟してよねぇ道っちゃん?」


問いかけるが当の一方通行は相変わらず


「ライトながらの金ヅチ意見も確認中上がりますけど聞いておりますか?」


なんてしか聞こえてない

梨花「大丈夫なのです目が覚めたらとってもかぁいくなってますよ」


真っ赤な油性ペンをもって髪を撫でる


沙都子「日頃の恨み晴らさせて頂きますわー!」


青の油性ペンをもった沙都子が腕捲りをする


魅音「じゃ始めますかねぇ!大丈夫!男前にしてあげるから!!」


一方通行「ァ゙〜ゥ゙〜ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙」

無抵抗な一方通行の額に魅音の油性ペンがキュキュッと音を立てた
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/06(金) 13:17:59.33 ID:oUSC/2vDO
しばらくして


魅音「ふぅこんなもんかねぇ〜」

沙都子「これは悲惨ですわね…」

レナ「道行くん怒って暴れなきゃいいけど」

梨花「十中八九怒るのです。そしてみんなバラバラなのです」

魅音「……あのさぁ?」

レナ「どうしたの?魅ぃちゃん?」

魅音「このまま放っといて帰っちゃ?」

レナ「だだだ、駄目だよ魅ぃちゃん!それこそ道行くん一番怒るよ!」

沙都子「ここはスイッチ切るように言った魅音さんが戻すべきですわ!」

魅音「ェ゛…」

梨花「賛成なのです」


味方は誰も居なかった


レナ「一応押さえとくからね?頑張ろ?魅ぃちゃん」
魅音「〜っおじさんも部長だよ!甦れ!道っちゃぁぁぁん!」

カチカチと何かが二段階上がったような音が響く

魅音「あ…」

レナ「?魅ぃちゃんどうしたのかな?かな?」

魅音「レナ今すぐ道っちゃんから離れて!おじさん間違えて能力モードにしちゃったよぉ…」

あははははと乾いた笑いをしやっちまったとばかりに頭を掻く

レナ沙都子梨花「「「えぇーっ!?」」」

191 :南阿蘇太郎 [saga]:2012/07/06(金) 13:38:48.89 ID:oUSC/2vDO
本日はこれまでです


進みが遅いですがそこはおおめに見てください


次は罰ゲーム後編です


『軽い予告』

見事死亡フラグを打ち立てることに成功した魅音はある決断をする

魅音「そうだ!おじさんも幼くなろう!」


また調整に来ていた10032号には一通のメールを開くそのメールが一方通行と妹達にかつてない亀裂を与えるとは知らずに…


次回とある一位の鬼隠し

『罰(笑)』


この予告は5割ほどフィクションです
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/06(金) 20:25:49.50 ID:j4u4fvKOo
>>1
一方頑張ってくれーww
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/07/07(土) 05:53:11.04 ID:lsr2ZI+Z0
第一位…これで発症するのか
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/09(月) 12:53:40.78 ID:cYQRfaxDO
その瞬間教室に暴風が吹き荒れる


カーテンは暴れプリントは吹き飛ばされる。机はガタガタと鳴り響く


一方通行の側にいた竜宮レナは間一髪離れて被害は免れた


教室の後ろに倒れていた超能力者はゆっくりと立ち上がる


一方通行「あはぎゃはハハはハはハ!!!魅音ちゃんよォォォ!!愉快な壁画になる覚悟が出来てねェとは言わねェよなァァァァ!!」

狂ったように笑いながら立ち上がる一方通行

彼の赤い瞳は呆然としている魅音を写している


魅音「ゥ゙…ゥ゙…」


一方通行「泣こォが喚こォが関係ねェンだよォ!世界遺産になる様ォな壁画にしてやっから感謝しやがれェェ!!」


俯いて嗚咽を漏らす魅音に対し引き裂いた様に笑いながら凄む一方通行


そして


195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/09(月) 12:55:18.60 ID:cYQRfaxDO
魅音「ゥ゙…アッハハハハハ!!ヤバいもう無理!道っちゃん頼む!頼むからその顔で凄まないでぇー!!」


何を思ったのか魅音はいきなり腹を抱えて笑い出してしまった

一方通行は呆気にとられて魅音を睨み付ける


ピエロの様な顔で


レナ「ぷ…ぷぷぷ…はい道行くんコレ鏡…」


必死に笑いを堪えるレナから手鏡を受け取る


一方通行「なンだこりゃァ゙!?」

思わず声をあげてしまう。映っていたのはキチガイ見たいな顔をした自分だった

196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/09(月) 12:56:52.78 ID:cYQRfaxDO
左目の回りにハートが赤く描かれていて、右目には黒で星が。


眉毛は黒く野太く描かれ、額には書かれている文字は(笑)

鼻は茶色に塗られその頭は赤く塗られている

両頬にはそれぞれモヤシとゴミと書かれダンディーな髭が鼻の下から伸びている

顎は二つに割れており水色と黒で無数の点が描かれている。恐らく青髭をイメージしているのだろう


そして彼の唇はピンクのペンで口紅の様に染まっていた

ふと周りを見てみればクラスメイトが必死に笑いを堪える

魅音と沙都子に限っては目が合った瞬間腹を抱えて床を叩きながら笑い出した



一方通行「…………死にてェ」


197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/09(月) 12:58:29.96 ID:cYQRfaxDO
通常モードに切り替え、そう呟くと今まで堪えていたクラスメイトまでも笑い出す

教室内で一方通行は孤立していた

誰も味方はいなかった

その時ガラッと教室の扉が開かれ彼の同居人にして良き理解者芳川桔梗が入室してくる


芳川「あなた達いつまで騒いでるの?早く帰り…酷い教室ね…」


入ってきた教室の散らかり具合に呆れ果てる芳川


芳川「ほらもうみんなで片付けなさい」


芳川の一言に全員が片付けを始める

実際には一方通行がキレて一人でメチャクチャにしただけだが当の本人は後ろを向いて立ち止まって芳川から体を背けている

当然だ。こんな哀れな姿見せるわけにはいかない


芳川「ほらあなたも片付けなさい」


そんな一方通行の決意をよそに芳川はまっすぐ片付けない一方通行のすぐ後ろに来てしまう


198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/09(月) 12:59:51.32 ID:cYQRfaxDO
一方通行「るせェ…近寄ンな」

芳川「何を苛ついてるのかは知らないけどとりあえず今は片付けなさい。話は帰ってから聞くから…」


肩に手をおき振り向かす芳川だが彼女は言葉を失った

今の一方通行の顔を見て


一方通行「ンだよ…」

芳川「…………」

一方通行「笑いたけりゃサッサと笑いやがれ…いい加減コッチは笑われ慣れてンだ」

芳川「…………」


カシャッ

素早く芳川はケータイを取りだし一方通行の顔を写メる

一方通行「!?!?テメェ何撮ってやがンだ!!」

芳川「…何のことかしら」

一方通行「惚けてンじゃねェぞババァ!!そのケータイ寄越しやがれ!」

芳川「先生にそんな口の聞き方するなんて」

さらに素早くボタンを操作し

『添付画像つきメールを送信しました』

という機械音声が響いてくる

一方通行「!……誰に送信しやがったテメェ…」

芳川「いえ別に最近あの子達と連絡取ってないなぁって」

一方通行「なンて事しやがンだァァァ!!」

199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/09(月) 13:02:24.67 ID:cYQRfaxDO
ガクリと膝をつく

そんな一方通行の姿を見て再びクラスメイトは笑い出す


芳川「ほら笑ってないで片付けたら早く帰るのよ」


そんなことを言って悲劇を起こした張本人は去っていく


梨花「みー。道行はどこ行くのですか?」


気付けば一方通行もふらふらと杖をつきながら教室を出ようとしている


一方通行「いい加減落としてくる…こンな面他の奴に見られてたまるか…」

魅音「あはははー道っちゃんそれは駄目だよぉ?罰ゲームなんだからさ?家に帰るまで落とししちゃダァーメ!」

一方通行「ハァ…クソが」

沙都子「あら?抵抗しませんのね?」

一方通行「なンかもう色々諦めた…たぶン今ごろ一万人近く広まってる」

レナ「一万人って…芳川先生はネットワークサイトにでもメールしたのかな?かな?」

一方通行「あながち間違えちゃいねェよ…」

魅音「そりゃぁ残念だったねぇ…」

一方通行「もうサッサと片付けて帰ンぞ。もう一秒たりとも長く学校になンざいたくねェ」

梨花「もうほとんど片付いてるのですよ?みんなが片付けてくれたのです」

一方通行「ン?あァ…そォかよ…悪ィなお前ら」
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/09(月) 13:03:15.46 ID:cYQRfaxDO
梨花の言った通り教室はもうほとんど片付かれていた
クラスメイトも各々帰宅していく

レナ「ならちょっとレナは宝探しの準備があるから先に帰っちゃうね?みんなまた明日〜。道行くんは待ってるからぁ〜!」

走り去って行くレナ

そういえばゴミ山に行く約束もしていたなと一方通行はため息をつく


沙都子「さてと梨花、私達も帰りますわよ?お醤油切らしていましたから買いに行きませんと」

梨花「みー。そういえばそうだったのです。魅ぃ、道行お先に失礼しますのです」


パタパタと二人して教室を出ていく

魅音「さぁて。おじさん達も帰りますかぁ?」

一方通行「悪ィが一人で帰りやがれ。俺は音速で家に帰ンだよ」


素っ気なく答えて電極を切り換える一方通行

魅音「どうせ明日には村中に知られてるんだからさ?どうせならみんなにその顔見せてやろうよ?その方が噂に尾ひれつかないし……それとも道っちゃんは私と帰るのは…嫌なの?」


最後の台詞に妙な寂しさを一方通行は覚えた

一方通行「………チッ。サッサと帰ンぞ」


電極を戻し一人で先に教室を出る一方通行

魅音「さっすがぁ道っちゃん分かってるぅ」

魅音は鞄を手に取り後を追う

201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/09(月) 13:11:15.26 ID:cYQRfaxDO
帰り道


一方通行「見知らぬ村人に爆笑されるって何なンだよ…」

魅音「道っちゃんは知らなくても向こうは知ってるからねぇ遠慮なんて無いんだよ」


今までに数人ほど村人に出くわしてしまい一方通行は老若男女かかわらず景気よく大爆笑されてしまったのだ


一方通行「こっからゴミ山行かなきゃいけねェと考えると気が重ィな…」


家に帰りペン(油性らしい)を落としてゴミ山に行く手間を考えると思わずため息をついてしまう


魅音「ゴミ山なんて言ったらあの土地が可哀想だよ。特に今の道っちゃんから言われるのは」


頬のゴミを指しケラケラと笑う魅音


一方通行「るせェな…」

202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/09(月) 13:17:57.77 ID:cYQRfaxDO
一方通行(ゴミ山か…)


ふと昨日の富竹との会話を思い出す


レナはよく知らないと言った

なら雛見沢にずっと住んでる魅音なら


一方通行「なァ…あの土地ダム建設の跡地なンだってな?」

魅音「ん?あぁ!よく知ってたね?そう。雛見沢ダム建設計画それの跡地」

一方通行「どンな計画だったンだ?そのダム建設ってのは」

魅音「雛見沢を丸ごとダムに沈めようっていうふざけた計画だよ」

一方通行「丸ごとだァ!?」

魅音「勿論私達は猛反対したさ!デモ起こして色んな所に手を回してる内にダム計画は撤廃になった!私達の完全勝利!!」


ワッハハハハ!と豪快に笑う魅音

その様は何にも後ろめたいことなんてないおおっぴろ気な雰囲気があった


一方通行「国相手だろ?すげェな」

魅音「まぁね〜♪」


魅音は上機嫌になり鼻唄を歌い出す


203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/09(月) 13:18:42.52 ID:cYQRfaxDO
一方通行「ンなでけェ運動なら事件とかは起きなかったのか?」

魅音「なかった」

空気が変わる

またも即答だった

レナの時と変わらない返答というよりはただの回答。そんな答だった


魅音「アッヒャヒャ道っちゃん顔変〜」


ピエロ顔で呆けているている一方通行を見て魅音は爆笑する


魅音「じゃあ私コッチだからさ?また明日ねぇ〜道っちゃん!顔早く洗ったがイイよぉ〜!」


大声で叫びながら走り去っていく

その様子は何故だか逃げているように一方通行は感じた


一方通行「何だってンだ…」


首元に手を伸ばしながら呟く


自分だけが知らない雛見沢の何か

別に自分に関係があるとは思えないがそれが妙に頭に引っ掛かる


一方通行「……とりあえず家に帰ンねェとな」


電極を切り替え砂ぼこりが舞う

一方通行は時速60キロで家に帰ることにした

204 :Kー1 [saga]:2012/07/09(月) 13:27:49.62 ID:cYQRfaxDO

皆さん今日は!

終わってからの登場>>1です

なんというかこの名前で次回から行きたいと思います

フルデリカかどうしようか迷ったんですがまぁこれでいいかなと>>1の1付くし


さて今回は罰ゲーム後編と更なる違和感でした


次からは

ゲコ太のなく頃に〜掘り返し編〜

にしていこうと思います


でわまたノシ
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/09(月) 13:34:34.48 ID:8bFPanKV0
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/10(火) 00:59:59.30 ID:fJAiIitno
>>1
早くシリアス編みたいな〜
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/10(火) 19:37:19.91 ID:vMmbd4/2P
シリアスに入っちゃうと一方さんならアッサリ片付いちゃうんだよな
雛見沢症候群だって頭触って解析して寄生虫殺せそうだし
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/07/11(水) 02:33:55.38 ID:fZzyKSJAO
雛見沢症候群に負ける一方通行は見たくないなぁ
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 12:54:53.96 ID:QOlx/ikDO
L5で妹達が危ない
210 :Kー1 [saga]:2012/07/11(水) 12:56:29.39 ID:pt7xiHrDO
こんにちは!

本日も投下に来ました

皆さまレスありがとうございます!
励みになります


>>206シリアスはまたしばらくありませぬ…すまぬ


>>207>>208さてどうなることやら


それでは投下いきます
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/11(水) 13:01:23.45 ID:pt7xiHrDO
一方通行「相変わらずだな…」


ゴミ山の上で角材を引っ張っているレナを見て呆れた声をあげる

時速60キロで帰宅した一方通行は水と能力を使い落書きを落としてゆったりと建設現場に行った

日は既に傾きかけてはいるが能力を使えば問題なくゲコ太は掘り返せるだろう


一方通行「レナァ!」

レナ「えっ!?うわわわ!」


大声で呼ばれ振り返るレナだが相当驚いたのだろうバランスを崩しゴミ山から転落しそうになる


一方通行「!チッ…」


今日何度目だろうか一方通行は電極に手をやり瞬時に落ちてくレナの身体を受け止めた


一方通行「ったく…少しは気を付けやがれ」

レナ「あ…ありがと」
///


めんどくさそうにレナを立たせゴミ山を見上げる


212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/11(水) 13:04:23.81 ID:pt7xiHrDO
レナ「ホ…ホントに来てくれたの?」
///


目をぱちくりさせるレナ。どうやら半信半疑でいたらしい


一方通行「チッ…でなきゃ誰が好き好ンでこンなとこ来ンだ。で?ゲコ太とやらは何処だ?」

レナ「あ…うん!コッチなんだよ!だよ!」


レナがまたゴミ山に登っていく

レナ「ほらこの隙間から見えるんだよ!だよ!」


後から登ってきた一方通行も隙間を覗きみる


一方通行「……あの緑の髭か?」

レナ「うん!間違いないんだよ!だよ!全部見えなくても山から出るかぁいいオーラで分かるもん!」


なんだそりゃ。と思った一方通行だが黙って適当な廃材を掴む


一方通行「下がってろ」


レナが言われた通りゴミ山から降りる


強引に引っこ抜こうとする一方通行だがその時廃材からギカカカ…と不自然な音が漏れた


213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/11(水) 13:09:16.75 ID:pt7xiHrDO
一方通行「あ?…クソめんどくせェ…」

レナ「ど…どうしたのかな?かな?」

一方通行「中で廃材が絡まってンな。強引に引き抜く事も出来るンだが恐らくゲコ太も無事じゃあねェだろ」

レナ「え?だ…だったら?」

一方通行「ったく。ンなしみったれた顔してンじゃねェ。めんどくせェが外から剥がしてく」

レナ「?剥がしてく?」


首を捻るレナをよそに一方通行は複数の廃材を適当に掴む

そしてそのまま木の皮を剥がすようにベリベリとゴミ山の表面を文字通り剥がしてく


レナ「!凄い!道行くん凄いんだよ!?だよ!?」


ゴミ山の様々なゴミを抉りながらまるでスプーンで削られたように一方通行の手の跡がついている


一方通行(やべェ…なンか楽しくなってきやがった)

ゴミ山を剥がしながら徐々に気分が乗っていく一方通行

214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/11(水) 13:11:57.26 ID:pt7xiHrDO
一方通行「ギャハハハハ…ッエーイ!たまンねェなァ!たまンねェよオイ!」


ベリベリと剥がすだけではあきたらずゴミ山を蹴り上げ廃材を粉々にする

そんな一方通行を苦笑いしながら眺めるレナ


レナ「なんか怖いかな?かな?」

一方通行「やべェ!やべェよ!クソが!アイツら人の顔面にさんざん落書きしやがって!」


いつの間にかゴミ山に八つ当たりしだす一方通行


レナ「……やっぱり謝ったがよかったかな?かな?」

一方通行「何が元々道っちゃンと自分の勝負だったじゃンだ!ふざけてンじゃねェぞ!普段からウサギウサギ言いやがって!電極だけは弄ンなつってンだろォが!牛女がァ!」

レナ「…魅ぃちゃん…恨まれてるよ」

215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/11(水) 13:13:20.15 ID:pt7xiHrDO
一方通行「アギャハハハハハ…あン?」


ゴミ山に八つ当たりしていた一方通行の手が止まる

目に入ったのは何年か前の数札の週刊誌だった

その瞬間あの気になってた言葉を思い出す


一方通行(嫌な事件だったね…か。バラバラ殺人なンざ週刊誌が飛び付きたくなるネタだな)

レナ「道行くん!?どうしたのかな!?かな!?」

一方通行「電極の充電が切れかかってやがる。激しい能力の使用はNGだな。レナ悪ィが家に鉈か斧かねェか?今日一気に決めるぞ」

レナ「あ!それだったら家の倉庫にあったと思うな!ちょっと待ってて道行くんすぐ取ってくるから」


パタパタとレナが走り去る
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/11(水) 13:15:36.16 ID:pt7xiHrDO
一方通行「ホントはある程度余裕はあンだがな…レナは行ったな」


週刊誌を掴んで適当な場所に座る

週刊誌の目次に目を通しめぼしい記事がなければまた次の雑誌へ

それを繰り返し四年前の6月の雑誌に目をやる


一方通行「…これか」


記事には『バラバラリンチ殺人長閑な人里に何故!?』という名目で書かれている

一方通行(ふン…ダム建設の監督が集団リンチの末斧や鉈でバラバラ遺体にねェ。
調度ダム抗争の時か。犯人の一人は未だ逃走中。
右腕も発見されて無い…か。
ン?オヤシロ様の祟りィ?
ハッ下らねェ考察なンざ興味ねェ。
……問題はなンでレナと魅音が俺にその事を伏せてやがるかだ)

雑誌を投げ捨てて考え込む一方通行


「道行くん」


不意に後ろから声をかけられた

一方通行「レナか?」

後ろを振り返る

レナ「お待たせ持ってきたんだよ」
217 :Kー1 [saga]:2012/07/11(水) 13:21:51.90 ID:pt7xiHrDO
短いですが本日はここまでです


>>209関わらなければ大丈夫だ。問題ない


どんどん一方さんに違和感が出てきてますがシリアスはまだまだです


でわまたノシ
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 16:12:03.06 ID:is7P0TADO
ほのぼのも違和感も美味しいれす
シリアスも楽しみだ
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/07/11(水) 21:49:21.80 ID:fZzyKSJAO
いいねいいねェ!最っ高だねェ!!
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/07/12(木) 05:20:01.92 ID:qiQ+aT2c0
逆光の鉈きた!
221 :Kー1 [saga]:2012/07/14(土) 14:40:34.84 ID:oshxb+ZDO
こんにちは!

昨日来る予定でしたが白川の反乱で浸水した知り合いの助けに行ってました

おかげで全身筋肉痛です

さて皆さまレスありがとうございます!

嬉し泣きしたらその一粒が川に落ち反乱してしまいました

俺ノセイダ…俺ノセイダ…俺ノセイダ!


というわけで本日の投下です


不甲斐ない文章ですがよろしくお願いします
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/14(土) 15:30:12.72 ID:oshxb+ZDO
そこには夕日に照らされ光が反射している大きな鉈を持ったレナが微笑を浮かべ立っていた


一方通行「!………お前なァ」

レナ「え!?え!?なんか間違えたかな?…かな?」

一方通行「…何も剥き出しで持って来てンじゃねェ。通報されンぞ」

レナ「え!?途中に駐在さんとすれ違ったけど『レナちゃん今から宝探しかい?頑張るんだよぉ』って言われたよ?」

一方通行「はァ…どこから突っ込みゃいいンだよ」


ため息を吐いて一方通行が首を鳴らし立ち上がる


レナ「?」

一方通行「オラ。寄越せ後一段階だからよ」

レナ「あ、うん!おねがいね!道行くん!」

223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/14(土) 15:41:31.72 ID:oshxb+ZDO
鉈を受け取りゴミ山をどんどん解体し出す

レナ「凄い!道行くん手際いいね!」

一方通行「……まァな」

一方通行(実際は自分にかかる負荷も廃材に与えて二倍にしてるだけだがな)


一方通行「……こンなもンか」


解体を一旦止める一方通行

3分の1程掘り出したゲコ太の頭を強引に引っ張る

メキメキ

と中で何かが軋む音が響き渡る


一方通行「ダメか…上の山全部崩す以外無ェな」

レナ「大丈夫なのかな?もう回りずいぶん暗くなってきたけど…」

一方通行「ン?確かにな……」
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/14(土) 15:46:30.55 ID:oshxb+ZDO
辺りを見回す

確かに日はもう完全に落ち山際から漏れる光がかろうじて澄んだ夕暮れの空を照らしていた


レナ「もう帰ろ?芳川先生も心配するよ?」

一方通行「アイツが心配ねェ…」


それは無いなと一方通行一蹴する


一方通行「お前はいいのかよ?ゲコ太明日になるぞ?」

レナ「うん!それにこれ以上道行くんに迷惑かけちゃ悪いんだよ…」

一方通行「……余計な世話だ」


ワシャワシャと乱雑にレナの頭を撫でる


レナ「はぅ〜っ!」

一方通行「くだらねェ。ほら帰ンぞ」


通常モードに切り替え杖をつき歩き出す一方通行


レナ「照れ隠しなのかな?かな?」


ボソッと呟き一方通行の後を追う


225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/14(土) 16:03:32.76 ID:oshxb+ZDO
一方通行(……雛見沢には確かに事件があった。
そして何故かは知らねェがレナと魅音は明らかに俺にその事実を隠してやがる。
隠す理由は何だ?
俺に言えない都合の悪い事情でもあるのか?)


演算を止めて能力に集中するのを止めると疑問に思ってた問題が浮かび上がってくる

レナ「ねぇねぇ道行くん?」


不意にレナに話しかけられた。思考が止まる

一方通行「あ?なンだレナ?」

レナ「もしかして怒ってるかな?…かな?」

一方通行「は?なンで俺が怒らなきゃなンねェンだ」

レナ「だって難しい顔してたから…」


レナは申し訳なさそうに俯いたままゴニョゴニョと呟く


一方通行「……ゲコ太俺も欲しくなったなァ…って思っただけだ」

レナ「えぇ!?」


一方通行はとりあえずその場を取り繕ってみる


226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/14(土) 16:12:25.61 ID:oshxb+ZDO
一方通行「掘り返してたら愛着沸いてきた。なァアレ掘り返したら俺のもンにしてイイか?」

レナ「そ、そんなぁ…でも掘り返してるのは道行くんだし…どうしてもかな?…かな?」

一方通行「クカカカカっェーい!ゲェェェェェコォォォォォ太クゥゥゥゥゥゥン!!!!」

レナ「そ…そんなぁ!?!?」


少しはしゃぎ過ぎる一方通行。レナは泣きそうな顔になってるが


一方通行「ったく。冗ォ談だ。誰があんな化け蛙欲しがるか」

レナ「えーっ!?道行くんひどいよ!ひどいよ!ついてイイ冗談と悪い冗談があるんだよ!だよ!」


普段おっとりしてる彼女にしては珍しく機嫌が悪くなる

それだけゲコ太に夢中だったのだろう

しかし一方通行は悪びれた様子も見せずに笑う


227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/14(土) 16:13:02.91 ID:oshxb+ZDO
一方通行「なら欲しがったが良かったか?」

レナ「それはもっとダメだもん!」

一方通行「クカカカカそもそもいらねェけどな」

レナ「む〜どうしてそんな意地悪ばっかり言うのかな!かな!」

そっぽを向いてしまうレナ

一方通行「悪かった機嫌直せ。明日にはゲコ太はお前の枕元にあるンだぞ」

レナ「あ…うん!そうだよね!明日が楽しみなんだよ!だよ!」


レナの顔がパッと明るい表情に変わる

一方通行「そォだな…ならまた明日だ」

レナ「うん!まったねーっ!道行く〜ん!」


手を振り微笑むレナに一方通行も片手を上げ応える


一方通行(考えすぎだな…)

あいつらに限ってそれは無い

バラバラ殺人があったとしてもそれはレナ達には関係無い

昔の話だ

それが一方通行が出した結論だった


228 :Kー1 :2012/07/14(土) 16:23:00.40 ID:oshxb+ZDO
今日はここまでです


次はまた月曜にでも


雨止んだらいいな
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/07/14(土) 17:24:21.40 ID:raXNw2Be0
>>221 白川って、白河夜船?

>>227 キャラ違和感無く読めるのが不思議
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/15(日) 00:33:09.54 ID:6bQx0/96o
>>1乙!
面白くなってきた!
231 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/07/17(火) 10:22:07.87 ID:6lgXRvyDO
こんにちは!

本日の投下をしに来ました

>>229熊本です。九州北部の豪雨により反乱したんですよ(汗)


さて今日は富竹再来になります


それでは
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/17(火) 10:29:56.83 ID:6lgXRvyDO
翌日帰宅後



一方通行「…行くか」


制服からしましまの私服に着替え一方通行は玄関に向かう

目的地は昨日のゴミ山…ダム建設現場跡地だ

恐らくレナももう向かっているのだろう


芳川「あら?今日も出るの?」


リビングでコーヒーを飲んでいた芳川が問いかけてくる


一方通行「……なにやってンだお前?」

芳川「?私の家で私が寛いでいて何の問題があるの?」

一方通行「……そォいう問題じゃねェよ…学校はどォした?」

芳川「今日はもう終わったじゃない?」

一方通行「それは生徒がだ。なンでよりにもよって教師のお前が生徒の俺より早く帰ってきてコーヒー飲ンでンだ」

芳川「仕事があればやって来るけどあの学校ホント仕事も何も無いのよ。だから学校が終われば生徒も教師も帰れるの」

一方通行「…学園都市じゃあり得ねェな」

233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/17(火) 10:32:04.66 ID:6lgXRvyDO
芳川「今更ながらね。あなた今日どれくらいに帰って来るの?」

一方通行「……日が落ちる頃には」

芳川「めんどくさいわね…今日の晩ごはん何にしようかしら?」

一方通行「どォせ黄泉川直伝の炊飯器調理法じゃねェか…材料いれてスイッチ押すだけだろ」

芳川「洗ったり切ったりするのが面倒なのよ」

一方通行「お前ホント変わらねェな…」

芳川「万能性全自動調理機って売れると思うのよ」

一方通行「ダメ人間急増だな」

芳川「人間楽できるなら楽しようとした方が良いのよ…遠くへの移動を楽にしたいから人間は自動車を発明したのよぉ?」

一方通行「一理あるが教育者の言葉たァ思えねェな…」

芳川「だから私は今日も怠けてるのよ。あ〜晩ごはんめんどくさい…」

一方通行「怠けるのは違ェだろ…さっきの話だが楽しようと模索して人間は楽してンだ。怠けるのとは違ェ…」

芳川「うるさいわねー。私は教師なのよ」

一方通行「……確かに最高ォの反面教師だな」


机に突っ伏す芳川を眺め思わず呟く


234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/17(火) 10:34:13.37 ID:6lgXRvyDO
一方通行「じゃ行ってくる。ウダウダ言わねェで保護者の役目くらい果たしとけ」


見かねて家を出る


変わらない芳川

それが彼女の良さであり彼女の強さなのだろう

どんな立場であっても彼女は自分には甘い

そして時にはそれが強さ

自分には無いタイプの強さになることも一方通行は知ってる

235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/17(火) 10:36:54.06 ID:6lgXRvyDO
一方通行(……なら俺はどォだってンだ?)


ここ雛見沢に来て自分は変わったのだろうか?

恐らく以前の彼を知る者だったら変わったと即答するだろう

同年代の友達を作り朝から夕方まではしゃぐ今の彼の姿など予想も出来ないだろう

彼に光の世界を与えたいと願っていた人達はその姿を見て心底安心するだろう


その事は一方通行も自覚している

だからこそ一方通行は怖かった

やっと手にいれた普通の生活で自分は本当に変われているのか怖かった

もしかしたら変われているのは表面上でその実は目的のためには手段を選ばなくなってしまう怪物が残っている危険性がどうしても頭から離れない

些細なことがきっかけで自分の本性が露見した時アイツらは俺を今まで通りの目で見てくれるか?

隠し事をしていた自分を温かくまた迎え入れてくれるのだろうか?

そして自分の本性が皆を傷つけないか?


236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/17(火) 10:39:13.00 ID:6lgXRvyDO
様々な懸念が浮かび上がるが最後の懸念が一番心配だった

使い方を誤れば取り返しのつかない超能力

ちょっとの弾みが大惨事を引き起こす可能性は低くもない


一方通行「チッ…クソッタレが」


強制的に負の懸念を断ち切る

一方通行(止めだ。元々怪物なンだ。負の懸念なンざいくらでも湧いてくる)


息を吸い込み顔を上げる


一方通行(やれることを考えろ。日常を維持するために俺にやれることはなンだ?)

「やぁ。一方くん。またあったね」


思考をこらす一方通行だったが林に入る小道でいきなり話しかけられる


一方通行「……富竹か」

237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/17(火) 10:41:31.60 ID:6lgXRvyDO
富竹「今日もレナちゃんとダム現場で約束かい?」

一方通行「まァ…そンなとこだ」

富竹「あのさ…あのさ…ここだけの話なんだけど…」

周りを気にして声をひそめ喋り出す富竹


一方通行「あァ゙?」


一方通行(今度はなンだ?前回といい…コイツの話すことは…)


富竹「レナちゃんさっき見掛けたんだけど
剥き出しにしたギラギラ光る大きな鉈振り回して
『はぅ〜』なんて言いながら向かってたからさ…
ちょっと気を付けたがイイよ…
あの辺り人通り少ないし、あの様子は相当ヤバイ」

一方通行「……なら心配いらねェよ」


何故か富竹に常識が通じる事実が妙に腹立たしい

238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/17(火) 10:44:59.98 ID:6lgXRvyDO
富竹「そ…そうなのかい?」

一方通行「あァ。今ごろ新たな犠牲者探してンだろ」
富竹「犠牲者!?」


目を見開く富竹


一方通行「冗ォ談だよ」

富竹「なんだ…冗談だったのかい。鷹野さんみたいな事言わないでくれよ」


ははは…と力無く笑う


一方通行「まァあンま嗅ぎ回らねェ事進めるぜェ?……命が惜しけりゃな」


勿論これも冗談だ

何故かこいつは弄りがいがある

鷹野さんとは意外に気が合うかもしれない


239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/17(火) 10:53:46.16 ID:6lgXRvyDO
富竹「それも冗談かい?……それとも警告のつもりかい?」


彼の反応はまたも予想を外れていた


富竹「はははは…せいぜい気を付ける事にするよ。じゃレナちゃんと約束あるんだろ?僕はここら辺で失礼するよ」


この間の自転車に跨がり逃げるように去っていく


一方通行(警告…なンだ?どォいうことだ?一体アイツは何を恐れてやがる?)


自分の知らないこと、雛見沢のまだ知らぬ事実があるんじゃないか

なんて考えがふと浮かぶ


富竹を追って詳しく聞き出そう

電極に手を伸ばす一方通行

240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/17(火) 10:54:47.82 ID:6lgXRvyDO
一方通行「くだらねェ…」


気になっているのは事実だが敢えてその考えを一蹴した


嫌な予感がした

これ以上踏み込んではならない

駅の警告線のような踏み込んでも良いことはない下手したら命を奪われる危険性がある

そんな予感が微かにした


一方通行「……レナ待ってンだろォな」

それにこんなところで無駄に充電を無駄にするなんて馬鹿げてる

もしもの事に備えある程度残しておくのが得策だろう
自分に言い聞かせる様に考える

一方通行「かったりィ…」


一方通行は富竹が去っていった道から踵を返し建設現場へ向かうことにした


241 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/07/17(火) 11:03:32.87 ID:6lgXRvyDO
というわけで本日の投下は以上です


皆さまのレスいつも励みになってます


夏の暑さも本格的になってきましたが体にはお気をつけ下さい


でわまたノシ

次回
【ファッションセンターしましま倒産】


242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/17(火) 11:54:12.06 ID:jQc57kJyo
>>1
シリアスに入りそうで入らないのがなんともいえないww
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/17(火) 12:31:14.08 ID:Z3+trZhDO
次回予告が気になり過ぎて眠れない乙
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/07/17(火) 17:45:00.15 ID:u0rWyLS/0
次回に超期待しま

245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/18(水) 01:58:14.60 ID:pbocE+WDO
しまむらが無事ならそれでいい
246 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/07/19(木) 13:04:55.23 ID:eDtgw1oDO
さてこんにちは投下に来ました

最近書き溜めを書いてるときにふと聞こえてくるひぐらしの鳴き声が大好きです

>>242これから部活をもう一回やってから綿流しのつもりなんで本格的なシリアスはまだまだです(汗)

>>243>>244期待に添えるよう頑張ります


>>245とりあえず2日前に夏物買いに行って店員の姉さんに話し掛けようか15分悩んだ時は無事でした

さてでわ投下に行きます
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/19(木) 13:10:42.17 ID:eDtgw1oDO
一方通行「凄まじい光景だな」

ガゴッ
ドゴッ
メキャッ
ズシャッ

豪快な破壊音が鳴り響くゴミ山をみて思わず呟く

ゴミ山ではすでにレナが解体作業に取り掛かっていた

どういう経緯かかぁいいモードに豹変しているレナは『はぅ〜っ!』とニヤニヤ笑いながら物凄いスピードで鉈をゴミ山に振りかざしては下ろしている


一方通行「ったく……レナァ!」


声に気づいたのか振りかざしていた手が止まる


レナ「あ!道行くん待ってたよぉーっ!」


248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/19(木) 13:12:13.04 ID:eDtgw1oDO
鉈を持ちぶんぶんと手を振るレナ

一方通行は電極を切り換え杖を適当な所に置きレナの元に向かう

一方通行「また鉈なンか持って来てンのか?あと少しだし今日は要らなかったぞ?」

レナ「道行くんが来る前にできるだけ進めとこうと思って♪」

一方通行「どォせ俺は遅刻魔だ…」

レナ「でもかなり進んだんだよ!だよ!」


胸を張るレナ

確かにゴミ山は昨日より3分の1程低くなってる

あの細腕でこれだけの作業こなしたというのだから驚きだ


一方通行「!おいレナ…手見せてみろ」

レナ「え!?」

249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/19(木) 13:15:06.84 ID:eDtgw1oDO
夕日で判りずらかったが彼女の手は赤く腫れていた

当然といえば当然だろうあんなハイスピードであれほど大きな鉈を長時間使えば彼女の小さな手など簡単に腫れてしまう


レナ「あはははは…楽しくて前々気付かなかったんだよ…だよ」


力無く笑う


一方通行「……手ェ出しやがれ」

レナ「?」


意味が分からないが言われた通りに両手を差し出すレナ

一方通行は優しく彼女の両手を包み込む


レナ「え!?み、道行くんちょっと!?」///

一方通行「うるせェ…静かにしてろ」


一方通行に言われ顔を赤らめながらも押し黙るレナ

不意に少し手に力を込める一方通行


レナ「痛っ…」

250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/19(木) 13:16:57.54 ID:eDtgw1oDO
僅かにレナが顔をしかめる


一方通行「痛むか?」

レナ「う…うんちょっと痛むかな…かな」///

一方通行「……ちょっと待ってろ」

一方通行は演算を開始する

一方通行(少しばかり内出血してやがるな…とりあえず傷の回復促進と血液の循環の活性化でもしとくか)

レナ「………」///

一方通行「………」


無言の時間がしばし流れる

一方通行「…終ったぜ」


握っていた手を離す


一方通行「まだ痛むか?」


レナ「え!?…凄い!全然痛くないんだよ!?だよ!?」

一方通行「あくまで応急措置だからな。家に帰って湿布でも貼っとけ」

レナ「う、うんありがと」///


顔を赤らめながら手をさする


251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/19(木) 13:18:56.26 ID:eDtgw1oDO
一方通行「じゃ始めンぞ。お前が削っといてくれたから早く終わりそォだ」


ベクトル操作で廃材を剥がして捨て剥がしては捨てで削っていく

レナはそんな一方通行が捨ている廃材の中にもかぁいい物が混ざってないか漁っている

抜け目無いといえば抜け目無い

レナ「あ!」

一方通行「なンだ?かァいいもンでも見つけたかァ?」

レナ「ううん…えっと…コレは道行くんに言って良いのかな?…かな?」


視線を反らし言い澱むレナ

一方通行「ンだよ?遠慮すンな」

レナ「遠慮というか…なんというか」

一方通行「見せてみろ。隠し事とか止めやがれ」


ゴミ山から飛び降りレナのもとに向かう


レナ「別に隠してる訳じゃ無いんだけど…道行くんこの袋の中見てくれるかな?…かな?レナからは言いづらくて…」


252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/19(木) 13:20:54.78 ID:eDtgw1oDO
レナの足下には中身が見えないように黒く塗られているゴミ袋が1つ置かれている

中身は黒塗りの為分からないが膨らみくらいからかなりの重量が入っているのだろう

無言でひっくり返すとドサッドサッドサッと中身が落ちてきた


一方通行「……なンだこりゃ」

レナ「えっと…道行くん?ショック受けないでね?」

レナのフォローも一方通行の耳には届いていない

袋から出てきたのは新品同然の一方通行が普段愛着しているのと同じ服また似たようなデザインの服だった
一方通行は知っている

この袋から出てきた長袖半袖のシャツ。これは自分が一番気に入っているブランドの物だと

253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/19(木) 13:29:07.47 ID:eDtgw1oDO
値札も付いてる所からすると売れ残りなのだろう

辺りを見渡せば他にも黒い袋が幾つか転がっている

試しにそれらの袋の中身も確認したが出てきたのはブランド、季節、服の種類までもバラバラな衣類が出てきた


一方通行「…………」

レナ「レナは道行くんの服かっこいいと思うんだよ!だよ!」


レナの必死のフォローが一方通行の空っぽな心を通り過ぎて行く

一方通行は自分のファッションセンスにはなかなかの自信があった

少なくとも他人に笑われる様なみっともない服装はしてないそう思っていた

254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/19(木) 13:30:08.44 ID:eDtgw1oDO
それが何だ?

袋を開ければ片田舎に棄てられるような売れ残りの不法投棄の山じゃないか

化け蛙(ゲコ太)と同じレベル

そんな事実が一方通行の頭に重くのし掛かる

レナ「ほら学園都市は色々進んでるし…まだ流行が追い付いてないだけじゃないかな?…かな?」

フォローするレナだがちゃっかり先ほどひっくり返した衣類で自分好みのかぁいい物を選び風呂敷の上に畳んでいる

そんなレナのフォローを一方通行は死んだ魚の様な目でチラリと見る

そしてそのまま近くにあった手頃なゴミ山を




粉砕した


255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/19(木) 13:35:41.94 ID:eDtgw1oDO
更に無言のまま足でコツンとゴミ山を蹴る

その瞬間蹴りの勢いからは考えられないが蹴られたゴミ山が爆散する


レナ「あぁ!?お宝の山がっ!道行くん止めてぇーっ!かぁいい物が死んじゃう〜っ!」

レナの悲痛な叫びも一方通行の耳には届かない

というかそもそもかぁいい物は生きてはいないんだが

一方通行は一通り辺りの山を一掃してからおぼつかない足取りでゲコ太の眠る山に迫る


レナ「道行くん!道行くん!ゲコ太だけは見逃してあげてね!?ね!?」


ゲコ太の身に危険を感じたのかレナが叫ぶ

それが一方通行の耳に届いてるのかは定かでないが

ただ黙々とゴミ山を破壊し尽くす
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/19(木) 13:41:37.45 ID:eDtgw1oDO
一方通行「あン?」


緑色の物体が見え一方通行の動きが止まる


一方通行「おいレナァ…」


まだショックが抜けてないのだろう力無く呼び掛ける


レナ「ん?道行くんもう大丈夫なのかな?かな?」

一方通行「るせェ…ほら化け蛙出てきたぞ」

レナ「ホント!?」

レナが駆け寄って来る

レナ「ホントだ!ありがとう道行くん!凄いんだよ!だよ!」

一方通行「その台詞はまだ早ェよ…ほら引き抜くぞ?」

レナ「うん!」

パッと笑いレナがゲコ太の脇を掴む

ゲコ太はもう足の部分くらいしか埋まっていなくレナ一人の力でも充分に引き抜けられるレベルだ


レナ「ほら?道行くんも一緒に抜こう?」

一方通行「はァ?」

257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/19(木) 13:44:52.83 ID:eDtgw1oDO
レナ「道行くんがほとんどやってくれたから最後だけレナなんてなんか悪いんだよ?…だよ?」

一方通行「……お前最後の最後まで俺に働かせる気かよ…」

レナ「はぅ!?そ、そうじゃなくて!み…道行くんは嫌なのかな?……かな?」

一方通行「別に嫌って訳じゃねェケドよォ…」

レナの心遣いに何故か素直になれず渋る一方通行

レナ「やってくれないかな?…かな?」

一方通行「……はァ…どこ持ちゃ良いンだ?」

レナ「!えっとそっちの方の脇持ってくれないかな?かな?」


レナが嬉しそうに説明する


一方通行「ったく…ここか?」


悪態をつく彼だが口元は綻んでいる


レナ「せーので引っ張ろ?行くよ?せーのっ!」


ズボボボボ!

音を立てゲコ太が引き抜かれる
258 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/07/19(木) 13:53:00.28 ID:eDtgw1oDO
というわけで本日はここまでです


土日は忙しいので明日また来ます


でわまたノシ


次回【親父は子に何かを遺したがる】
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/07/19(木) 14:04:39.63 ID:/yp1EMYAO
乙!
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/19(木) 15:31:32.44 ID:4pBxfz4DO
乙、しましま……
後のことを考えるとこの二人爆発しろって言えないけど爆発しろ
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/07/19(木) 20:04:14.84 ID:bway/V2J0
>>1

鉈を使うときは手袋(軍手,皮手袋)を使うと手を傷めない。


262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/20(金) 02:29:27.85 ID:znETQArso
新品の服が大量に手に入るとか羨ましい
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/07/20(金) 05:26:14.46 ID:psTOVzzgo
一気に読んだらねそこねた
乙!
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/20(金) 07:52:04.79 ID:HezAL+gDO
部屋着にもってこいですね
265 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします :2012/07/21(土) 03:39:05.58 ID:D+cb7EXDO
スミマセン!

オールスターやサマーウォーズみてから投下の予定が寝落ちによりこんな時間に
orz

>>260安心してくださいちゃんと狂い殺します。リア充なんて殺してやります


>>261確認しましたがあの娘素手でやってたんですよ

>>262>>264タダより高いものはない!自分だったら即刻パジャマにしますけど


でわ投下に行きます
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/21(土) 03:40:45.81 ID:D+cb7EXDO
レナ「やったぁー!やっぱりゲコ太かぁいいんだよぉ〜!はぅ〜っ!お持ち帰りぃ〜っ!」


自分と同じくらいの大きさのゲコ太を抱えその場でブルンブルン回り出す


一方通行(ハンマー投げみてェだな)


一方通行はため息を吐いて電極を戻し適当な場所に腰を掛ける

ふと目をやると先ほど発見した山積みにされたブランドの服が目に入る


一方通行(悪ィとは思わねェンだけどなァ)


杖をつき服まで歩くそして躊躇いながらも生地に触れてみる


一方通行(やっぱ新品だな…全然痛ンでねェ)


267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/21(土) 03:41:41.91 ID:D+cb7EXDO
何を思ったのか電極を切り換え空中で服を乱雑に回転させる

更にバシバシと袋をはたき何も入ってないか確認する


一方通行(こンなもンか…)

何かを確認した一方通行は回転させている服を手に取り一つずつ丁寧に畳み袋に詰めていく


一方通行(おォォォォォ持ち帰りィィィィってか?…こりゃねェな)


詰め終わった一方通行は電極を戻し杖をついて袋を持つ

一方通行「いい加減落ち着きやがれ。暗くなる前にサッサと持って帰ンぞ」

レナ「うん!道行くん本っ当にありがと!このご恩は絶対に忘れないんだよ!だよ!」

268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/21(土) 03:43:26.53 ID:D+cb7EXDO
一方通行「せいぜいイイ恩返し期待してンよ…しっかし…」


レナの抱えているゲコ太を睨む


レナ「?どうしたのかな道行くん?」

一方通行「やっぱみればみるほど気味悪ィ蛙だな」

レナ「そんなこと無いんだよ!ゲコ太はプリティーでチャーミーでお持ち帰りぃ〜っなんだよ!だよ!」

一方通行「確か設定はおじさンだろ?プリティーでチャーミーたァ思えねェが」
レナ「それでもかぁいいの!プリティーでチャーミーなかぁいいオーラがいっぱい出てるの!」

一方通行「もォオマエロケット団にでも入ってろ…」

一方通行(いつか打ち止めに詳しく聞いてみるか)

ダルそうに欠伸をする一方通行


269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/21(土) 03:45:06.69 ID:D+cb7EXDO
レナ「道行くんも服持って帰るのかな?かな?」

一方通行「まァな…勿体ない」

レナ「お金持ちなのに?」

一方通行「金なンざ使わねェなら使わねェが良いだろ」

レナ「それはそうだけど…」

一方通行「それに一応学園都市のブランドだからな無駄にイイ技術が使われてンだ」

レナ「夏場風通しがイイとかかな?」

一方通行「ンなちゃちいもンじゃねェ。夏の気温と体温を利用して風そのものを自分の周囲に吹かせてるらしいからな」

レナ「えぇ〜いいなぁ〜」

一方通行「勿論ある程度値段はするが」

レナ「それでも熱いよりはましだと思うな?」

一方通行「女子生徒にはガードが甘くなるから不評って聞いたな」

270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/21(土) 03:48:36.75 ID:D+cb7EXDO
一方通行「まンまの意味だ…短くするくせに見られたくねェってガキ共には捲れるから不評ってヤツだ」

レナ「見られたく無いものは見られたく無いんだよ!」///

一方通行「それはそっちの都合だろ?コッチからしちゃ見たくもねェもン見せられてもよォ」

レナ「……たまに道行くんが男の子って疑問が浮かぶときがあるんだよ」

一方通行「いちいちパンツごときで興奮するガキじゃねェからな」


実際彼は未成熟な裸から完熟した裸まで目撃した事のある経験者である


一方通行「レナの服こそ似合ってンじゃねェか?そンな服ここらで売ってンだな」

レナ「レナは服買ってないんだよ?」

一方通行「?貰い物か何かって事か?」

レナ「違うよ。お父さんの手作りなの」
271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/21(土) 03:51:16.30 ID:D+cb7EXDO
一方通行「親父ィ!?」

レナ「うん!レナの服は全部お父さんの手作りなんだよ!だよ!」

一方通行「すさまじい親父だな…」


一方通行は父親という物を知らない

だから父親がいたらこういうものかと考えてしまう

子供のために陰ながら努力しているのだろう


彼の幼少の記憶にある大人といえば9月30日に星になったあの男ぐらいだ


一方通行(あり得ねェな…あの糞が親父って環境なら電極オフは天国だ)


鼻で笑う一方通行だが実際服装のセンスはバッチリ影響されているようだが

272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/21(土) 03:53:49.07 ID:D+cb7EXDO
レナ「一回学校の制服貰ってきた事あったんだけどその時
『父さんの生き甲斐奪うなぁー!』
って泣かれちゃってアハハハハッ面白いお父さん」

一方通行「親父ィ…」

レナ「『レナがお嫁に行くまでレナの服は僕が作るんだ』
っていつも言ってるんだよ?
ウェディングドレスを作るのが夢なんだって」

一方通行「叶ったらいいなァ…」


一方通行(つゥか絶対結婚なンざ認めそうにねェ親父だな)


レナの父親と面識の無い一方通行は古風な頑固親父を思い浮かべる

婚約者が『うちの娘をたぶらかしおってぇぇぇっ!』の怒号と共にぶん殴られレナと母親がそれを制す姿が頭に浮かんだ


一方通行(コイツと結婚するやつは哀れだなァ)


娘の父親という立場の人間の認識が少しばかり古風な一方通行

273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/07/21(土) 03:54:59.24 ID:D+cb7EXDO
再びレナに目をやる

レナは何を思ったのかまた蛙に頬擦りを始めていた


一方通行「その化け蛙どこに置く気だ?」

レナ「レナの部屋だよ?」

一方通行「今までのゴミ…かァいい物もあンのか?」

レナ「うん!置いてるんだよ。だよ!」

一方通行「あのゴミの中で見つけた物もかァ?さすがに汚ねェだろ?」

レナ「アハハハさすがに洗ったりしてるよ」

一方通行「なら今日は帰ったら早速ゲコ太と混浴だな」

レナ「え!?こここ混浴!?ゲコ太と!?」///


またもや顔を真っ赤にするレナ

よほど動揺したのか抱えているゲコ太を落としそうになる


一方通行「何今更驚いてンだ?ゲコ太も洗うンだろ?」

レナ「洗うケド車洗うみたいにスポンジとホースで洗うんだよ!お風呂でなんか洗わないもん!」

一方通行「そォなのかよ?」

レナ「そうなんだよ!だよ!」

274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/21(土) 03:56:26.24 ID:D+cb7EXDO
一方通行「で?部屋に飾ンだろ?」

レナ「うん!枕元に置くんだよ!」

一方通行「それはまた随分な所だな」

レナ「夜寝るときも朝起きる時もゲコ太の顔を見れるなんて幸せなんだよ!だよ!」


レナはかぁいいモードに入り頬擦りを再開する


一方通行(俺から言わせりゃ薄気味悪ィだけだがな…)


朝目覚ましたら2,5頭身の化け蛙が覗き込んできた朝を思い浮かべ鳥肌がたつ

275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/21(土) 03:57:40.00 ID:D+cb7EXDO
そんなことを話している内にレナと別れた

レナのかぁいいモードは別れるまでずっと続いた

一方通行は定番になった帰路を進む


沈んでいく夕日とひぐらしの鳴き声が一方通行の頭を冷やしていくにつれどうでもいいことが頭に蘇ってくる


一方通行(『警告』ねェ…)

必要以上に何かを警戒していた富竹

アイツは何かを知ってる

バラバラ殺人よりもヤバい何かを

"知りたい"妙な好奇心と理性がぶつかり合う


一方通行「ン?」

どこからか香ばしい香りが漂ってきた

時間帯からしてどこかの家庭の晩ごはんなのだろう


一方通行「芳川ちゃんと作ってンだろォな?」

現実的な懸念が頭に上り一方通行は思考を止める


それまでの懸念を掻き散らす様にひぐらしの鳴き声だけが帰り道に響いていた
276 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/07/21(土) 04:00:47.22 ID:D+cb7EXDO
というわけで本日はここまでです


学園都市製の服のくだりは適当に流してください


なんか学園都市の技術ならフワッとやれるかなぁなんて考えでしか書いてませんので


でわまたノシ


次回

【部活2ndシーズン】
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/07/21(土) 05:03:03.02 ID:zFvP1HAu0
>>1

ひぐらしヒロインズは料理も上手… 

278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/21(土) 13:35:42.66 ID:ui7PMwBiP
※ただし沙都子は除く
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/07/22(日) 00:42:02.87 ID:bVfIxm9no
カレーしか作れないヒロインいるの忘れんな!
280 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/07/23(月) 13:49:17.74 ID:aJKS9HpDO
こんにちは!今日も投下に来ました

ゆるゆりは相変わらず面白いですね


>>227魅音以外は好きにしていいです。てか魅音はやりません

>>228野菜炒めがある!家庭感溢るる野菜炒めがある!

>>229カレーなんて2週間に1回で充分…おや誰か来たようだ


さてでわ投下行きます
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/07/23(月) 13:51:52.39 ID:aJKS9HpDO
>>280ミスった

正しくは

>>277
>>278
>>279


です

282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/23(月) 13:54:57.51 ID:aJKS9HpDO
翌日放課後

一方通行は絶好調だった

いや絶好調というよりは元々の彼のスーパーコンピューター並みの頭脳が波に乗りまくり連戦連勝。百戦錬磨の部員達を叩き潰したのだった

だったのだが


一方通行「どォしてこォなった…」


時は終令直後に戻る


283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/23(月) 13:57:06.42 ID:aJKS9HpDO
―――――――――――
―――――――――
―――――――
―――――
―――


魅音「はぁーい!部活メンバー集合!今日も部活始めるよぉ〜!」


魅音がパンパンと手を鳴らし一方通行達は机をくっつけ席に座る

辺りにはクラスメイトが罰ゲーム見たさに集まり既に教室内はヒートアップしていた

一方通行「ンで今日は何すンだよ?」

レナ「あんまり難しいヤツは止めてくれないかな?かな?」

魅音「ちょっと待っててねぇ〜確か新品がぁ…」


ゴソゴソとロッカーを漁り出す


284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/23(月) 14:07:25.79 ID:aJKS9HpDO
一方通行「ふと思ったンだが…」

レナ「ん?どうしたのかな道行くん?」

一方通行「あンな狭いロッカーにどォしてあンだけ入れるンだ」


上半身をロッカーに突っ込んで何やら格闘している魅音をみて呟く


沙都子「アレはこの学校の七不思議の1つですからあまり考えない方がよろしいですわよ?」

梨花「気になった生徒さんがあの中に入ってみて未だに行方不明って噂もあるのです」

レナ「こ…怖いよぅ」

285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/23(月) 14:09:36.77 ID:aJKS9HpDO
沙都子「レナさんは怖がりですわねぇ!私は全っ然怖くありませんわー!」

一方通行「へェ…そりゃ頼もしいな。じゃあ片付けは頼むぞ沙都子」

沙都子「え゛」

一方通行「え゛じゃねェよ。イヤァ助かったなレナ?沙都子が片付けてくれるンだとよォ?内心俺もビビってたからな」

レナ「本当!?沙都子ちゃんありがとね!」

沙都子「で…ですが…」


冷や汗をダラダラ流し青ざめる沙都子

梨花「さすが沙都子なのですよ。ボクならガタガタのブルブルなのです」

魅音「あったぁーっ!ゲホゲホゲホ…」


286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/23(月) 14:11:14.69 ID:aJKS9HpDO
埃にまみれた魅音がスポン!とロッカーから体を引き抜く

一方通行「ひでェなりだな…埃落とせ小汚い」

魅音「アッハハハハ随分奥にあったもんだからさ〜ヴぅ〜っ!」


犬のように体を震わし埃を飛ばす魅音

余談だがこの時胸が随分けしからん揺れ方をしたが一方通行は眉一つ動かさず


一方通行(埃舞い過ぎたろどンだけ潜ってンだ)


なんて考えていた


梨花「それで今日はどんなゲームなのですか?」

魅音「フッフッフ…実はおじさん道っちゃんが二位とったあの日一晩眠らず考えたのだよ…」

一方通行「訳分からねェ理屈で俺が罰ゲーム受けたがなァ?」

一方通行が魅音に噛みつく

あの夜打ち止めから苛められてないか3時間に及ぶ尋問が電話越しに行われたのだ

287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/23(月) 14:15:11.14 ID:aJKS9HpDO
そんなことも知らず魅音は構わず続ける


魅音「おじさんは情けなかったよ…
あろうことか全てにおいて有利な状況で我が部の精鋭達は素人の道っちゃんに翻弄された!
そこである疑惑が出たさ…
道っちゃんが言ってた通りレベルが低くなってしまったというね!」

レナ「み、魅ぃちゃんがいつに無く燃えてるんだよ…だよ…」

沙都子「実際ぐぅの音も出せませんわね…」

梨花「魅ぃはやる気なのです。今日の罰ゲームは怖い怖いなのですよ」

一方通行「くだらねェ」

魅音「そこでリターンマッチおよび各部員に試験として本日の部活は再び大富豪とするっ!
なお罰ゲームは各自10枚ずつ用紙に内容を書いてこの箱に入れて各ゲームのビリが一枚引いて出たのが罰ゲームね!」

レナ「うぅ…波乱の予感がするんだよ」

梨花「ドぎついのを書くのです。にぱー」

沙都子「負けなければ何の問題もございませんわ!」
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/23(月) 14:17:09.16 ID:aJKS9HpDO
一方通行「罰ゲームなンざどォでもいい。ルールはどォすンだ?この間と変わらねェのか?」

魅音「そうだねぇ〜。よりスリルと駆け引きを増すためにJバックと7渡しとスペード3追加しようか?それ以外は前回と一緒でいいかな?」

レナ「それぐらいならレナでも大丈夫なんだよ!だよ!」

一方通行「構わねェよ。傷で見分けてンのにスリルも駆け引きもねェと思うが」

魅音「その点は心配要らないよ。今日のトランプは新品。フェアな条件で戦おう!」


バンッと封も切っていないトランプを机に出す


沙都子「本当ですわね!?確認させて頂きますわぁー!」

梨花「魅ぃは封切れてなくても細工する可能性がありますのです」


封を切って中身を確認する二人

289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/23(月) 14:19:33.13 ID:aJKS9HpDO
魅音「嫌だなぁ〜そんな事までしないって」

一方通行「オマエ子供に疑われるってなァ…」

魅音「いやぁ部員としてしっかり育ってるなぁーっ!」


アハハハハハと豪快に笑う魅音だが心なしか笑い声が乾いている


一方通行「誤魔化してンじゃねェ…子供が人を疑うことを覚える部活は問題あるンじゃねェか?」

魅音「う、うるさぁーい!それ以上の事を学んでいるのだ!」

一方通行「例えば?」

魅音「……人を蹴落とした先の栄光とか」

一方通行「大問題だ。クソッタレ」


沙都子「よし…これならいいですわね。」

梨花「念のため後1つルールを追加しませんですか?」

魅音「ん?梨花ちゃんなんか気になった?」

梨花「途中でカードに細工した人はその時点で罰ゲーム確定というのはどうですか?」

一方通行「いいンじゃねェか?より公平になる」

レナ「レナも賛成かな」

290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/23(月) 14:23:57.44 ID:aJKS9HpDO
魅音沙都子「「う゛」」

一方通行「オマエらなァ…」

魅音「アハハハハ!さすが我が部員!念には念!抜け目ないねぇ!」

一方通行「それによりオマエ自身が苦しめられちゃ世話ねェな」

魅音「いいハンデだよ!」

一方通行「なにがハンデだ。元々公平だろォが」

梨花「沙都子と魅音と道行は細工する可能性もありますからレナ配ってもらえますか?」

ヒョイとレナにトランプを渡す

レナ「うん!別にかまわないんだよ。だよ!」

魅音「……信用ないなぁ」

沙都子「魅音さんは前科が多すぎますからね」

291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/23(月) 14:24:59.81 ID:aJKS9HpDO
一方通行「どォでもいいがなンで俺まで警戒されンだよ?」

梨花「道行は能力使ってシャッフルしますからダメなのです」

一方通行「……俺もそンな信用出来ねェか?」

梨花「部活は非情なのです」

一方通行「沙都子はともかく梨花ちゃンに言われるとな」

沙都子「……梨花の事を言う時に決まって沙都子はともかくって言うの止めて貰えません?けっこう残りますわよ…」

一方通行「ン?悪ィな。気にしてなかった」

レナ「よし…配り終わったんだよ!」

魅音「じゃあ各自書いた紙をこの箱に入れて〜」


罰ゲーム箱と書かれた箱を机の中心に置く


292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/23(月) 14:25:49.05 ID:aJKS9HpDO
梨花「"何もなし"って書くのはダメにしましょうです」

魅音「ギクッ」

箱に伸ばしていた手を止める魅音

その手には角の折れた一枚の紙が握られている

沙都子「あああああ!魅音さん卑怯ですわぁ!『何もなし』って書いて角を折ってあるじゃございませんの〜!!」

レナ「魅ぃちゃんズルーい!」

一方通行「抜け目ねェつゥか…オマエさっきも梨花ちゃンにやられてたなァ」

魅音「えっへへへ…梨花ちゃん今日は冴えてるねぇ?」


293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/23(月) 14:27:06.20 ID:aJKS9HpDO
改めて箱に罰ゲームを書いた紙を入れていく5人


沙都子「通行さんの罰ゲームが気になりますわね〜」

一方通行「安心しろ。ただの絶叫アトラクションだ」

梨花「……何一つ安心しきれないのです」

一方通行「俺は梨花ちゃンの罰ゲームが気になるな」

梨花「明日から村の人気者になれますのですよ」

一方通行「これ以上人気者になってどォすンだよ…」


前日の罰ゲームを思い出す一方通行


魅音「よしよし皆覚悟は決まったようだね?それじゃ早速開戦といこうか!」

294 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/07/23(月) 14:31:51.65 ID:aJKS9HpDO
というわけで本日はここまでです

この部活編は結構続きます

そのぶん水着になったりブルマになったり百合子になったりと続きます

そしたらいよいよ綿流しいざシリアスです

ならでわまたノシ


次回【絶望の光明(ハゲ)】
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/24(火) 08:01:02.65 ID:Bif1l5fDO
水着なら絶叫系でも捲れないから安心だね乙
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/24(火) 12:44:36.59 ID:mFUV8DUDO
校長とか絶対反射無効にしてくるな
297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/07/25(水) 23:01:00.39 ID:JNIyaRNX0
待ってるよー
298 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/07/26(木) 12:44:15.34 ID:Elb0DVTDO
皆さま昨日はこれずにすいません…

ニコ動のAB一挙放送見てました

私事でスミマセンm(__)m

>>295絶叫系は一応あるにはあるんですがあまり書いてません。それより男の欲望のままに書いちゃってます

>>296どうなることやら…


>>297北海道!?なんか感動です!九州に住んでる身としてそんな遠くの方が!(泣)


ということで本日の投下です

299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/26(木) 12:46:58.59 ID:Elb0DVTDO
一方通行は上々の滑り出しだった

前日の様にトランプに細工もされてないのでわりとスムーズに札を出せている

順番は一方通行→魅音→レナ→梨花→沙都子→一方通行でゲームは回っている

他のメンバーも時に長考しながら確実に手札を無くしていく


一方通行「俺だな2だ。出せねェよな?6で上がり」
沙都子「8で9上がりですわ!」

レナ「7でハイ魅ぃちゃん4あげるね?あっがりぃ〜!」

梨花「9W上がりますのです」

魅音「お…おじさんがビリだってぇーっ!?」

300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/26(木) 12:48:15.70 ID:Elb0DVTDO
バッと机に突っ伏す魅音

なんと最初に敗れたのは部長の魅音だった


レナ「ほらほら魅ぃちゃん罰ゲームだよ!だよ!」

意気揚々とレナが魅音に箱を差し出す

魅音は観念した様に中の紙を一枚取る

一瞬の間

そして魅音の絶叫


魅音「だ…誰?これ…書いたの?」


顔面蒼白で小刻みに震える魅音


レナ「魅ぃちゃん見せてみて……えぇっ!?」


覗き込んだレナも声をあげる

301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/26(木) 12:49:34.97 ID:Elb0DVTDO
一方通行「寄越せ。二人で盛り上がってンじゃねェぞ」


パッと魅音の掴む紙切れを奪う


一方通行「ハァ?校長の頭を撫でるだァ?」


沙都子「これはまた…とんでもない物が出てきましたわね…」

一方通行「イマイチ状況が掴めねェな。校長だろ?頭なンざそう難しくもねェだろ?」


あの日頃何をしているか全く掴めないハゲた校長を思い浮かべる


梨花「道行。校長は頭を恥ずかしがっているのですよ」

一方通行「まァあンな頭じゃなァ」


外出時には必ず帽子をかぶっていた姿を思い出す

それを考えたらこの罰ゲームの一番の被害者は校長なのだろう

302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/26(木) 12:51:46.50 ID:Elb0DVTDO
一方通行「哀れだな校長…」
沙都子「そうも言ってられないのですわよ!」

一方通行「どォいう意味だ?」

沙都子「校長は武道の達人ですのよ…」


額から汗をたらし沙都子がつげる


レナ「若い内にありとあらゆる武術を極め世界中で世直しの旅をしていたんだって…
そして戦後の教育システムの乱れを憂いて教育者になることにしたって言ってたんだよ」

梨花「この間第三次世界大戦にも一週間くらい留守にして行ってましたのです」

一方通行「ハァ?」


その争乱のただ中で戦っていた一方通行も思わず声をあげてしまう


303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/26(木) 12:57:33.41 ID:Elb0DVTDO
沙都子「なんか"ふぁいぶおーばーれぇるがん"って書かれた部隊を一人で壊滅させたらしいですわよ」

一方通行「……ナニソレコワイ」


何気なく言う沙都子だが校長の計り知れない実力に正直ビビる一方通行

噂だけには聞いてたレベル5を科学技術で再現し本家を超える性能を目指す駆動鎧

第三次世界対戦で活用されたのかは知らなかったがその部隊を一人で壊滅させたと言う

そんな校長の頭を魅音が撫でる。撫でなきゃいけない
通夜みたいな沈黙が漂う


304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/26(木) 12:58:47.64 ID:Elb0DVTDO
魅音「いよぉっし!」


バンッと席を立つ魅音


魅音「部長たる私が罰ゲームから逃げるわけには行かないねぇっ!
相手は校長!部長園崎魅音!相手にとって不足はないわぁーっ!
うらぁ〜らぁ〜らぁ〜らぁ〜!!」


戦場に向かう兵士の様な表情で教室を駆け出していく魅音

一方通行「バレねェよォに穏便に済ますってやり方は…」

沙都子「たぶん無理ですわ…気配でアメフラシが分かるって噂ですし」

一方通行「人間業じゃねェな…」


ドゴォォォォン

轟音が鳴り響き校舎が揺れる

無言で互いの顔を見合せるもみんな似たような表情をしていた

ただ一人古手梨花は


梨花「校長の渾身の一撃なのですよ。にぱー☆」


なんて呑気な事を言っているが

305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/26(木) 12:59:44.32 ID:Elb0DVTDO
レナ「み、魅ぃちゃん大丈夫かな!?かな!?」

一方通行「アイツなら大丈夫だろ…たぶン。校長もまさか生徒に本気は出さねェだろ…たぶン」


その時ガラガラガラと扉が開かれる

その向こうには今にも力尽きそうな魅音の姿が


魅音「な…撫でた…これでいい?」


一言だけ言ってバタンと力尽きてしまう

そんな魅音に梨花と沙都子の二人が近づく

介抱でもしてやるのかと思えば二人して脈や意識の確認をし出す


沙都子「意識も脈も大丈夫ですわね。ゲーム続行ですわ!」

魅音「お…鬼」

こんな部活にした張本人がズルズルと教室に引きずられていく姿は実に哀れだった
306 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/07/26(木) 13:17:21.27 ID:Elb0DVTDO
少し少ないんですが切りが良いので本日の投下は以上になります


書き溜めがなくなってきたので急ピッチに制作中です

また夏場は投下できない日が増えるかも知れませんがご了承下さい

同年代の友達が少ない私は先輩に呼ばれ

【漢だらけの♂浜辺バーベキュー。〜2012あの更衣室で待ってる〜】

に招集されました


ちなみにリア充なダチ…ゲフンゲフン

知り合いは自分の裏で

【夏だ!祭りだ!キャンプフィーバー】

に可愛い娘連れていって若いエナジーを燃やしてくるそうです


燃え尽きろってんだ

以上

次回【メイドの真髄】

「俺が冥土に送ってやンよォ!」
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/26(木) 14:59:08.49 ID:nYSWUHIDO
>>1乙アッー!
誰がどの罰ゲーム書いたのか答え合わせはするのかな
308 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/07/31(火) 12:58:02.29 ID:MQ1roN2DO
こんにちは本日の投下に来ました

先日海に行ったのですがまぁ日焼けしましたね

両腕真っ黒のピリピリです

あずにゃんの気持ちがよく分かりました


>>307答え合わせはたぶん無しです想像に任せます


でわ以下投下です
309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/31(火) 13:00:22.13 ID:MQ1roN2DO
魅音の生存を確認されてゲームは再開される


一方通行「最後に7渡しだ頑張れよォ?沙都子」

魅音「あっがりぃ!もう負けないよぉ〜」

梨花「3上がりなのです」

沙都子「あぶなかったですの…でもあがりですわ!」

レナ「はぅ!負けちゃったよぉ〜」


次の罰ゲームはレナのようだ

恐怖の罰ゲーム箱からおそるおそる一枚取り出す

【メイドさん口調でしゃべる】


310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/31(火) 13:03:10.16 ID:MQ1roN2DO

一方通行「……どォいう意味だ」


くだらなすぎる罰ゲームに思わず聞き返す一方通行


魅音「そのままの意味だと思うなぁ〜」

一方通行「随分温ィ罰だな」
魅音「おじさんは道っちゃんのメイド口調期待してたんだけどなぁ…」

一方通行「随分と愉快な事考えンじゃないかァ?魅音冥土に送られてェのか?」

魅音「それが罰ゲームってものだしぃ?まぁ思惑ははずれちゃったけどさ」


へへへと笑ってレナにまとめていたトランプを渡す


311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/31(火) 13:04:53.75 ID:MQ1roN2DO
魅音「はいレナ。シャッフルして配ってねぇ?」

レナ「は…はい。ご主人様ぁ…」

魅音「くっくっくこれは病みつきになるねぇ。ほら道っちゃんも何かレナに言ってあげなよ?」

一方通行「無茶ぶりにも程あンだろ…ったくレナ次は負けンじゃねェぞ」


レナ「は、はい!頑張ります…ご主人様ぁ…」


レナは俯きながら顔を合わせることなくトランプを配りながら答える


魅音「ほらさ?何かこうぐぐっとこない?」

一方通行「来ねェな…」


健全な男の子なら鼻の下を伸ばしてぐっへへへな状況なのだが相変わらず一方通行は一蹴する

312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/31(火) 13:06:17.98 ID:MQ1roN2DO
クラスメイトの女子

しかも可愛い部類に入っている女子が恥ずかしながらメイド口調でしゃべっているのだ

さらにマニアックな事を言おう

ここは学校

制服を着用する場である

つまりメイドに付き物のメイド服を着ていないのだ

しかしここで疑問が生じる

果たしてメイド服を着ていないのにメイド口調それはメイドと言えるのか?

答えは否だろう

なぜならメイドというのはご主人様を想う滅私奉公のが本来の姿。その魂の貌その結晶がメイド服なのである

制服がメイド服でないメイド喫茶果たしてそれはメイド喫茶なのだろうか?

そんな訳ない

ただの口調がかしこまり過ぎているファミレスである

つまりメイドでもないのに恥ずかしながらもメイド口調で接してくれるクラスメイトの女子

313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/31(火) 13:08:15.64 ID:MQ1roN2DO
魅音「男のロマンじゃん!?」

一方通行「そもそもお前は女だろォが。あと男のロマンはもっと高尚なもンだ」

魅音「あ…うん。そうだね」///

一方通行「?」


顔を赤くする魅音に一方通行は眉をひそめる


レナ「あの…配り終わりました」


それぞれが自分の手札を捲り大まかな作戦を立てる


一方通行「ダイヤの3誰だ?さっさと出せ」

レナ「はぅ!も、申し訳ございませんご主人様ぁ〜」


314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/31(火) 13:10:49.28 ID:MQ1roN2DO

一方通行に急かされ慌てて3を出す


一方通行「……なンかすまねェな」


そのあまりにもか弱い物言いにさすがの一方通行も頭を下げてしまう


沙都子「あの道行さんが自分から謝りましたわ…」

梨花「みー☆明日は雹が降り積もるのですよ」

魅音「沙都子あんたもメイド口調になれば道っちゃんも優しくなんじゃない?」

沙都子「道行さんに頭下げるくらいならゴキブリを師と仰いだがマシですわ!」

一方通行「聞こえてンぞ。まァ別にいいケドよ。お前は史上最強の親父と喧嘩でもすンのか」

315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/31(火) 13:12:15.77 ID:MQ1roN2DO
魅音「ほらほら道っちゃんだよ」

一方通行「9だ…つゥかよくよく考えりゃレナの罰ゲームはいつまで続くンだ?」

レナ「そ…それはレナも気になっておりました…」

沙都子「やっぱり家に帰るまでじゃないんですの?」
梨花「賛成なのです」

一方通行「部活終わるまででいいだろうが」

魅音「あっれぇ〜?やけに庇うねぇ?」

一方通行「妙ォな口調でいられるとこっちの調子が狂うからな。やりづれェたらありゃしねェ」

魅音「まぁ道っちゃんがそれで良いって言うなら良いんだけどね。良かったねぇレナ。ご主人様が優しくて」

肘でレナを小突きながらニヤニヤと笑った魅音が小馬鹿にした口調で告げる

316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/31(火) 13:13:28.64 ID:MQ1roN2DO
レナ「あっ!ありがとうございます!ご主人様」

一方通行「……構わねェ」


誰がご主人様だ。魅音に対して多少の苛立ちを覚えながら適当に答える


沙都子「やっぱりメイド口調の方には優しいですわよ。私も…」

梨花「沙都子がメイド口調になんかなれば別の人が飛んでくるのです」

沙都子「何か悪寒がしましたわ…誰ですの?それは?」

梨花「みー☆僕には分からないのですよ」


良く分からない話をする梨花に沙都子は首をかしげる

一体飛んでくる男とは誰の事であろう?
317 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/07/31(火) 13:19:07.78 ID:MQ1roN2DO
本日の投下は終了です


Q伝説のメイド王と沙都子は面識があるのでは?

A鬼隠しではメイド王は降臨していなかったと思うので軽く伏せさせていただきました

自分に祟り殺しまで書く余裕があるなら出しますよ彼

でわ今日はこのくらいで


次回【フラグ】
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/31(火) 16:47:01.99 ID:isV+swQe0
一方通行ならL5のレナだろうが詩音だろうが山狗だろうが瞬殺だな
山狗なんて猟犬部隊の十分の一くらいの戦力だろうし
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/31(火) 17:16:03.68 ID:D2omx0ZDO
滅菌作戦の山狗とか銃弾の反射で勝手に終わる
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/07/31(火) 22:33:16.54 ID:dGjaIk/z0
銃弾反射ならラストの羽入のシーンとか一方通行が反射して鷹野殺しそう
321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/01(水) 14:30:45.29 ID:ym61cVOG0
滅菌作戦が行われても一方通行には人体の有害なウィルスの反射で効かないな
322 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/08/02(木) 13:09:04.06 ID:rLoUgtfDO

本日の投下来ました

レスありがとうございます

金欠で2000円のピン札崩すか真剣に悩んでます



>>318リーダーにも圧倒的差がありますからね。ただの軍隊格闘VS木原神拳

>>319>>321今思えばチートですよね…書きづらいです

>>320そこまでかけるかが問題ですね


さて今日も部活

沙都子にセロリの魔の手がかかります
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/02(木) 13:14:43.74 ID:rLoUgtfDO
一方通行「7渡しWであがりだ。ほらよ沙都子」

レナ「レナもお先にあがらせていただきます」

梨花「Kの縛りなのです。出さないのですか?あがりですよ」

魅音「8流し♪悪いね沙都子あがらせてもらうよーん♪」

沙都子「ああもうっ!道行さんが7さえ出さなければ勝てましたのに!」

一方通行「残念だなァ?ほら罰ゲームだ」


上機嫌な一方通行が罰ゲーム箱を沙都子につき出す

渋々と箱から中身を取り出す


【部活終了まで正座】


324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/02(木) 13:16:37.35 ID:rLoUgtfDO
沙都子「あれ?こんなものでいいんですの?」


拍子抜けとばかりに聞き返す沙都子


魅音「ありゃりゃラッキー引いたね〜」

レナ「羨ましいですご主人様」

梨花「ずるいのですよ」

沙都子「おーっほっほっほっ!日頃の行いですわぁー!」


得意顔で足をたたみ椅子の上に正座をする沙都子


沙都子「さぁてカードを配りますわよ!」


ご機嫌にトランプを配る沙都子だが気づいていない


隣に座っている一方通行が俯いて引き裂いたような笑みを浮かべている事に

325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/02(木) 13:17:16.87 ID:rLoUgtfDO
一方通行「8流し6あがりだ」

魅音「1みんな出せない?あっがりぃ!」

沙都子「Q縛り。4!道行さんからの妨害さえなければ負けませんわぁー!」

梨花「7で5で終わりなのです♪」

レナ「そ、そんなぁ!またレナですかぁ?」


再びビリになるレナ

何て言うか運がない

実際彼女は何も考えずにトランプを出している訳ではない

一方通行の次に長考する部員だ

しかし彼女は正直なのである

例えば7で渡されるにしろ全く良い所のないクズカードを渡すので比較的貰う側はトリプルを作りやすいのだ

それに今までの彼女の手札もあまり優れているものとは言えなかった


326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/02(木) 13:19:17.13 ID:rLoUgtfDO
一方通行「哀れだなレナ…」

魅音「いくら哀れでも勝つためには自力で何とかしなきゃねぇ?はいレナ罰ゲーム♪」

レナ「ううう……そんなぁ!?」


一枚取り出し泣きそうな顔になるレナ

その内容は

【上下一枚ずつ脱衣但し靴下リボン等は除く】

327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/02(木) 17:00:45.99 ID:rLoUgtfDO
一方通行「……誰だンなくだらねェ事書いたやつ」

魅音「え?道っちゃんじゃないの?」


キョトンとする女性陣


一方通行「寝言は寝て言え…なンで俺がンな合コンまがいな罰ゲーム書かなきゃなンねェンだ」

魅音「一応男の子だしねぇ?」

沙都子「これだから殿方は…」

梨花「おめめまで真っ赤にして照れてるのですよ☆」

レナ「あ、あの…どうしても脱がなきゃダメですか?ご主人様」


328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/02(木) 17:03:01.01 ID:rLoUgtfDO
完全に一方通行が書いた罰ゲームだと思われている
まだ沙都子や魅音が言うなら笑いながら眉間に一発食らわして冗談で済ましてやれるがレナと梨花ちゃんに暴力を奮うわけにもいかない

ため息とともに一方通行は首を鳴らす


一方通行「もォいい…俺が書いたってンなら無効にしても文句ねェな?」

魅音「いやいや道っちゃんそういう訳にはいかないよ」

妥協して罰ゲームを無効にしようとした一方通行を部長の魅音が止める


329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/02(木) 17:06:55.27 ID:rLoUgtfDO
一方通行「ハァ?」

魅音「罰ゲームは崇高にして絶対な物。例え天が止めようが中止になることはないのだよ!」

一方通行「訳分かンねェ…」


ようは自分が書いた罰ゲームを中止にされるのがイヤだったと一方通行は解釈する

レナ「わかりました…脱ぎます」

一方通行「ハァ!?」

レナ「ご主人様がそこまで言うなら…」

一方通行「ちょっと待てェェェェ!」


さっきの会話でどォして俺が脱がせたいみたいになンだ!?

と叫ぼうとした一方通行だが有無を言わず制服を捲り上げるレナ


一方通行「チッ…少し出てくる」


席を立ち教室の外へ向かう一方通行

330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/02(木) 17:09:46.52 ID:rLoUgtfDO
沙都子「あら?どちらへ行かれますの?」

一方通行「トイレだトイレ。みなまで言わすなマセガキ」


後ろでギャーギャー騒ぐ沙都子をよそに一方通行はドアを開ける

魅音「道っちゃ〜んヌいてくるなら手はしっかり洗ってきてねぇ〜」

下ネタを投げ掛けてくる魅音の頭を叩き割ろうとも思ったが黙ってそのまま教室を去る


一方通行(さて、何すっかなァ?)

一周でもしたら教室にもどるかと考えふらふらと校舎内をぶらつく

331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/02(木) 17:17:42.05 ID:rLoUgtfDO
職員室前に通りかかった時調度彼の同居人が帰り支度を済ませた様子で出てきた


芳川「あら?まだ残っていたの?」

一方通行「それはこっちの台詞だ」

芳川「珍しく仕事が入ったのよ」

一方通行「仕事だァ?」

芳川「なんか年に一度のお祭りの見回り予定図の作成任されちゃったのよ」


意外な事にこの村での芳川の評判は高く、祭りの役員を任されたり町内会の会計の補佐なんかも任されている

また先生としての人気もあり分かりやすく優しく教えてくれる先生。

生徒の悩みを親身になって聞いてくれる頼れる先生という感じなのだ

332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/02(木) 17:20:24.76 ID:rLoUgtfDO
無論その無駄に良い外面の反動が家の中で爆発し一方通行は昼夜大迷惑をかけさせられているのだが


一方通行「そォいやあったな」


数日前にした約束を思い出す

綿流しだったか?

あのメンバーで祭りなんぞ行けばさぞかし見回りも大変なのだろう


芳川「あぁ役員なんてめんどくさいわ…」


肩を下ろし引き受けたことを後悔し出す


一方通行「お前そォいうのは家に帰ってからにしろ。外面だけは良いンだからなァ。
つゥかもォ終わって帰ンじゃねェのか?」

芳川「クソ暑くて集中出来ないから家でせんべいでもかじりながらゆったりやるつもりなの」

一方通行「もォ好きにしろ」

芳川「だいたい見回りも何もこの村ほっといても情報が入ってくるから必要ないのよ」

一方通行「確かにな」

芳川「そういうあなたは何で残っているの?あなたも早く帰るタイプじゃない」

一方通行「……部活だ」

333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/02(木) 17:24:16.00 ID:rLoUgtfDO
適当なことを言って誤魔化そうとも思ったがとりたて隠すような事でもないので本当の事を話す


芳川「あ〜あの園崎さんがやってる。みんなでゲームして遊ぶ部活ね?」

一方通行「……反論してやりてェがその通りだ」

芳川「あなたが部活ねぇ〜」

一方通行「……ンだよ?」


ニヤニヤ笑う芳川を蹴り飛ばしてやろうかと思った一方通行だがさすがに学校では止めておく事にする


334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/02(木) 17:29:54.80 ID:rLoUgtfDO
芳川「別に。ただだからこの前あんな可笑しな顔していたのね…ププッ」

一方通行「よォし…お前を更に愉快な顔にしてやンよ」


こめかみをヒクつかせながら指をパキパキ鳴らす一方通行


芳川「随分と楽しんでるみたいじゃない?」

一方通行「あン?」


柔和な笑みを浮かべた芳川の言葉に一方通行の動きが止まる


芳川「正直あなたがここまで活き活きと暮らせるなんて思ってなかったわ。
越してきて良かったわね?」

一方通行「チッ…お陰で俺はクソガキ含む全妹達からモヤシで苛められているって認識されちまったがなァ」

335 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/08/02(木) 17:37:34.16 ID:rLoUgtfDO
というわけで今日はここまでになります


途中で中断してしまい申し訳ありませんでした


でわまたノシ

336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/08/05(日) 02:36:42.33 ID:NEoJm46AO
乙です

ひたすら待ってます
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/08/06(月) 21:46:00.10 ID:F2c7ub8k0
祭りでのゲ−ム、第一位の反応やいかに?

>>1具現化に期待している
338 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/08/07(火) 01:04:03.91 ID:bE7pd4pDO

すいません昨日は更新来れずにm(__)m

次回はMNW予定してるんですが妹達の性格が分かんなくて…

どこがいいまとめサイトありませんかね?

更新無しでスミマセン
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/08/07(火) 04:10:10.37 ID:GSYu1lsx0
いつだったかまとめサイトは見た気がしないでもないが、見つけられんかった。
代わりに、
http://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/08/07(火) 04:25:25.66 ID:GSYu1lsx0
>>339です。
何か表示されんかった…。orz
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/08/07(火) 05:48:15.87 ID:XFEwCDsJ0
>>338 乙 そして、

これはどうかな?

http://d.hatena.ne.jp/naga_sawa/20100711/1278824116
342 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/08/08(水) 12:50:14.11 ID:BqA/z/DDO
こんにちは!投下に来ました

しばらく来れずすいませんでしたm(__)m


>>339お気持ちだけで充分です!ありがとうございます!

>>341ありがとうございました!すごく参考になりました!


さて今回はMNW内の様子ですね

では本日もよろしくお願いします
343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/08(水) 12:53:56.78 ID:BqA/z/DDO
―――――――――――――――――――――――
――――――――――
―――――――――
――――――――
――――――
―――

一方通行の写メが芳川から送信された日ミサカネットワーク内
344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/08(水) 12:55:45.52 ID:BqA/z/DDO
【10032号が大爆笑したんだが…】

1 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka13577

ちょいこれ見てみ

つ[画像]

2 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka12685

は?嘘これが…

3 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka19334

クローンの限界を越えた…だと?

4 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka10056

やつなら…やつなら…やってくれると信じていたさ…
5 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka13459

ハイハイ合成乙

345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/08(水) 12:58:17.78 ID:BqA/z/DDO
6 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka14267

いやいやこれ合成じゃ無理だろ

7 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka12685

とりあえず>>1はどこいんの

8 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka13577

病院なう

9 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka13459

証拠写真をあげろ

リアルゲコ太の写メ希望
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/08(水) 12:59:07.49 ID:BqA/z/DDO
10 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka12121

>>9おまえただリアルゲコ太の写真欲しいだけだろ

11 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka13459

>>10何故ばれたし

12 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka12121

>>11教えてやろう何故ならミサカも欲しいからだ!


13 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka10368

イヤ…んなもんいらないだろ…

14 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka19334

ならミサカも欲しいよ

15 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka14267

ならミサカも

16 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka19637

ならミサカも

17 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka10368

えっならミサカも…

18 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka19459

>>18どうぞどうぞ

19 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka12685

>>18どうぞどうぞどうぞ

20 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka14267

>>18どうぞどうぞどうぞwww
347 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/08(水) 13:01:48.77 ID:BqA/z/DDO
21 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka17369

お前らどこのダチョウだよwww

22 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka13577

とってきたほい



23 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka12121

リアルゲコ太キタ!これでかつる

24 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka12685

これで>>1の無罪は確定したな

25 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka11123

じゃあなんでヤツはなんでこんな酷い有り様に

26 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka18852

>>1説明

27 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka13577

なんかメールが来て開いたら突然…

28 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka10300

メール?

王様ゲームでもしてたか?

29 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka17369

王様ゲームで爆笑だったら逆に10032号の性格疑う

30 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka13577

ちょっと待て本人起こす
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/08(水) 13:04:48.41 ID:BqA/z/DDO
31 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka10368

けっこう>>1ひでぇな

32 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka10056

もうやめて10032号のライフはもうゼロよ!

33 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka10032

なんなんですかこのスレ

34 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka17002

あ…生きてた

35 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka10032

死にそうにはなりましたがなんとか踏み留まりました

36 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka11489

説明希望

kwsk

37 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka10032

その前に私の醜態を晒した写真を消してください

38 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka19334

えー

39 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka18806

どうしよかっなぁ

40 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka16785

別いいじゃん?何を今更
349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/08(水) 13:06:29.71 ID:BqA/z/DDO
41 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka10032

よくありません!クールビューティーと呼ばれるミサカがあんな姿…

42 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka16785

ハイハイ厨二乙

43 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka18806

クールビューティー(笑)

44 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka10032

ちょっと用事思い出したんでこれにてミサカは落ちますね

45 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka16785

>>44嘘です!止めてください削除しました!

46 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka18806

>>44ごめんなさい二度と言いません

勿論画像は削除いたしました

47 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka16953

>>45>>46お前らwww

48 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka10032

いいでしょう

説明しますね

アレはミサカが調整のため冥土返しの病院にいるときでした

49 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka12121


リアルゲコ太ね←ここ重量

50 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka10032

突然芳川から一通のメール来て…

350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/08(水) 13:08:33.62 ID:BqA/z/DDO
51 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka12100

ニートから!?

52 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka12685

ニートと言えば最近モヤシと外に…

53 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka20000

セロリたんと聞いて

54 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka13459

出たな変態

53 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka11123

早いな変態

54 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka10032

ある意味鋭いですね…

再開しますよ?

55 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka19637

たのんます

56 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka10032

芳川からのメールには何も書いてなく一枚の添付画像が…

57 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka19334

あげろ
あげてくれ
あげてください

58 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka10032

今でも思い出すと腹が痛くなります

つ[画像]

59 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka12685

!?!?!?!?!?

60 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka13459

なwwwんwwwだwwwこwwwれwww

351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/08(水) 13:13:50.31 ID:BqA/z/DDO
61 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka14510

キャアアアア!一方通行さんが!?一方通行さんが!?

62 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka10300

腹痛てぇwwwwww

63 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka20000

も…漏れのセロリたんが…

64 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka19637

クソワロタざまぁwww


65 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka13577

どうしてこんなことにwwwwww

66 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka10032

>>65あまりに急すぎて芳川もさぁ?の一言ですし

67 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka18782

いじめか?いじめられてんのかwww

68 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka14510

そんなことありません!
一方通行さんがいじめられるなんて!

69 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka18782

>>67現実見ろや春厨www

てかいつ来た

70 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka10368

でも春厨の言うことも一理あるぜ…

あの一方通行がイジメなんて考えられるか?

352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/08(水) 13:14:31.01 ID:BqA/z/DDO
71 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka13459

確かにな〜でもモヤシだぜ?

72 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka10368

あ…

73 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka12685

大方そのあまりに貧弱モヤシコミュ障っぷりにwww

74 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka18804

なくはないよなwww

75 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka14510

無いです!それに一方通行さんはモヤシでもコミュ障でもありません!

ただやせ形でクールなだけです!

76 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka19637

>>75そげぶ

77 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka13459

>>75現実見ろや

78 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka20000

これがキッカケにセロリたんがMになって……ふぅ

79 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka11489

黙ってるかと思えば

80 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka17369

歪みねぇよな変態は
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/08(水) 13:17:16.06 ID:BqA/z/DDO
81 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka18782

結論

モヤシは田舎の大自然に全く慣れることが出来ず持ち前のコミュ障もあって苛められました

81 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka16785

めでたしめでたし

82 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka17369

めでたいのかコレ?

83 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka13459

セロリざまぁwww

84 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka13577

学園都市の第一位(笑)


84 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka18782

イジメラレータwww

85 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka14510

何が結論ですか!?一方通行さんに限って絶対無いです!

86 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka18806

>>85イジメ以外無いだろjk
87 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka14510

きっと仮装大会の写真です!
そうに決まってます!

88 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka10368

>>87ねぇよ

89 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka13577

>>87まだイジメがリアルだぞ

90 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka12121

>>87お前ちゃんと今日のそげぶ受けたんだろうな?酷いぞ

354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/08(水) 13:18:07.87 ID:BqA/z/DDO
91 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka10606

今北産業

92 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka18782

モヤシが

苛められて

ざまぁwww


>>58

93 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka10606

ちょっ…俺の綾鷹返せwww

94 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka10093

みさ動へのうP完了しました

95 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka19334

>>94でかしたオタクwww

96 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka13577

ちとみてくるわ

97 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka10093

>>96タグはモヤシ、イジメラレータ、大自然の洗礼


98 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka17002

>>97見つけたwww見つけたwww

99 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka10300

BGMwww

100 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka10368

なぜ情熱大陸www

355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/08(水) 13:20:14.09 ID:BqA/z/DDO
101 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka18782

イジメは行けないと思いますwww

102 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka17369

てゆうか

モヤシ「さてこの俺イジメラレータは何をやってるでしょォか?」

いやほんとなにやってんだお前www


103 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka19459

タグ付け加えた

イジメの残酷さがわかる動画

104 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka10606

あwwwやwwwたwwwかwwwをwwwかwwwえwwwせwww

105 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka14510

ちょっと!一方通行さんに何やってるんですか!?

106 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka18782

>>105騒ぐな春厨

てかお前も見てんじゃんwww

107 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka20000

漏れはセロリたんが濡れてボロボロのシーンを幻視した

108 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka11123

>>107あったか?そんなシーン

109 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka13459

>>108構うなよどうせ変態の妄想なんだから

110 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka11123

>>109スマヌスマヌ…
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/08(水) 13:21:14.65 ID:BqA/z/DDO
111 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka13577

>>108たぶんモヤシが木原ひろしにボコられてた所だろ

てゆうか変態は一生幻視してろ

112 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka14510

止めてください!

一方通行さんをそんな汚れきった目で見るのは!

113 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka20000

>>112なんなら感覚共有してやろうか?ん?

114 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka14510

>>113止めてください!悲しい想像は一人でやってください!

115 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka20000

言われなくても漏れの妄想はクライマックスだぜ?

ほらぁ…セロリたんのセロリたんはセロリたんより元気で正直ですぜ?

後どれくらいでセロリたんと同じくらい白くてセロリたんのセロリんを作るものが出てくるか漏れに教えてくださいよぉ〜?
ぐふふひひひひ…

116 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka14510

>>115やめろぉぉぉ!!

117 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka10368

これは春厨に賛成やめろキモい

118 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka18782

キモい

[ピー]

失せろカス

119 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka20001

一体なんの騒ぎなのかな?コレ

120 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka20000

>>119そりゃもうセロリたんのセロリを漏れがペロペ…って運営様!?
357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/08(水) 13:22:52.32 ID:BqA/z/DDO
121 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka13577

う…運営様!?

お疲れ様ッス!

122 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka18782

いらしてたのですか!?

運営様!?

123 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka20001

さっき一緒にゲームしていた番外個体がうわ言を言いながらいきなり倒れて気になって来てみたらナニ?

124 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka12121

わ…我々はただいつもの様に仲良くお喋りを…あばbbbbbb

125 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka20001

何してたのかな?ってミサカはミサカは再度笑顔で問いかけてみる

126 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka11123

スイマセン!

いろいろ一方通行の悪口言ってあばbbbbbb…

127 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka20001

何をしてたのかな?ってミサカはミサカは最後まで諦めずに笑顔で問いかけてみる

128 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka19334

どうしろというあばbbbbbb

129 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka10300

運営様落ち着いて下さあばbbbbbb

130 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka20001

とりあえずあの人の写真消すけどいいかな?

358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/08(水) 13:23:51.35 ID:BqA/z/DDO
131 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka18852

勿論でございます!運営様!

132 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka10368

運営様のお心のままにして下さい!

133 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka20001

全て削除したからそれじゃね…

134 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka18806

お疲れ様です!

運営様!

135 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka12685

お世話になりました!運営様!

136 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka13577

いつもいつもご苦労かけます!運営様!

137 :以下、名無しに変わりましてミサカがお送りします
ID:Misaka20001

じゃあ今からみんなのお仕置きタイムね♪ってミサカはミサカは笑顔で死の判決を下してみたり!

359 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/08/08(水) 13:36:33.37 ID:BqA/z/DDO
さて本日の投下は以上です
かなり多く投下しましたが如何だったでしょうか?

MNWは一度に済ませたかったんでこんな量になっちゃいました

春厨と変態は書いてて楽しいですね

MNWは正直クソしんどかったですが…

なんか妹達でおかしな点があれば教えてください


次回はまた部活です

一方通行が着々とハーレムを作り出してます


いいぜ…

お前がハチャメチャ系巨乳委員長から妹系ツンデレロリにまでその手にかけるって言うなら…

まずはそのふざけた幻想をぶち殺すっ!!
360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/08/08(水) 16:57:05.85 ID:/uU3QqUAO
妹達性格悪すぎだろ 調子のんなよ
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/08(水) 18:34:14.99 ID:INytgMGDO
情熱大陸フイタ
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/08(水) 18:59:10.78 ID:EcXEt5x7o
MNWネタはもういいよ
363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/08/08(水) 21:40:34.07 ID:6Yyq+Ubf0
>>1

雛見沢に医療研究施設はあるけど、在住のミサカはいないのかな?

17330号?

364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/09(木) 14:53:35.34 ID:sSBjgmgo0
SSで妹達の性格が悪くなるのはお馴染みだろ
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/09(木) 14:54:18.54 ID:sSBjgmgo0
SSで妹達の性格が悪くなるのはお馴染みだろ
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/09(木) 14:54:52.18 ID:sSBjgmgo0
すまん、ミスった
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/09(木) 18:30:53.31 ID:UVundNttP
雛見沢の文明レベルじゃ妹達の調整も出来んだろ
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/08/10(金) 01:56:29.51 ID:qUXLSo13o
>>360
お前こそ調子にのんなよ
>>1
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/08/10(金) 18:08:18.23 ID:51bkwcANo
ここは間を取って俺が調子に乗っておこうじゃないか
370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/08/12(日) 20:55:31.06 ID:LffUdDyx0
昨日の町会議から帰ってきたら更新されてると思ってたら、更新されて無かった…。
まぁ、焦らず書き切ってくだされば関係無いがな。
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2012/08/14(火) 03:43:09.57 ID:5g5eA4gW0

MNWネタ好きだからとてもよかったよ
372 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/08/15(水) 23:18:52.34 ID:EvqiLMaDO
スミマセン!お盆の用事や書き溜めのクラッシュにより永らく来れませんでした
m(__)m


待っていて下さった方々本当にスミマセン!
そしてありがとうございます!


>>360>>364ネットワーク内では出来るだけ悪くしてやろうと思いまして妹達ファンの方々スミマセン


>>362>>371MNWはホントに疲れたのでとりあえずもう考えていません


>>363マジだ!いつか使わせていただきます


>>367設備さえ整えればあのメイド王はやってくれると信じてます


でわ寝る前に投下行きます
373 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/15(水) 23:22:49.05 ID:EvqiLMaDO
一方通行「あれからまた打ち止めから毎日のように電話かかってくるようになっていい加減迷惑してンだ」

打ち止めから聞いた話を思いだし肩を落とす一方通行

引っ越してきて1週間ほどは寂しかったのだろう毎日のようにかかってきた電話だったが最近になってまたかかって来るようになったのだ

別段電話自体は一方通行もあまり気にはしないのだが
その内容が苛められて無いかの三時間ほどにおける詳しい報告

ただでさえ家で働かない芳川の代わりに掃除や皿洗いもしなければならない一方通行にとっては時間の取られる電話は正直迷惑以外の何物でもなかった


芳川「やっぱり心配なんでしょ?それに報告なんて建前であなたに少しでも長く接していたいんじゃない?」

一方通行「チッ…」


芳川に背を向け一方通行は歩きだす


芳川「あらどこいくの?」

一方通行「戻る。いい加減レナも終わっただろ」

芳川「?」


首を傾げる芳川ほっといて教室に戻る


374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/15(水) 23:24:01.36 ID:EvqiLMaDO
一方通行「待たせた」

魅音「遅いよぉ〜いったい何発やってんのさ?」


戸を開けた瞬間下ネタが飛び出してくる


一方通行「そォだな今からお前の眉間に一発ブチ込んでやろォか?」

レナ「お、お、お帰りなさいませ…ご、ご主人様」///

一方通行「お前もお前で何アホ言ってやがンだ…おおよそ誰が指示したか予想はつくが」


魅音を睨みながら席につく一方通行


魅音「なぁんの事かなぁ?おじさんは知らないよぉ?」

沙都子「それより早く始めませんこと?レナさんも脱ぎ終わったことですし」

375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/15(水) 23:26:20.24 ID:EvqiLMaDO
沙都子の一言にふとレナを見る一方通行


一方通行「下に体育服着てたンだな」


一方通行の目に入ったのは普段体育の授業(というより適当に外で遊んでいるだけの時間)で目にしている体育着だった


ちなみに体育着といっても一昔前のブルマと言われるものである。

雛見沢には制服屋というものが存在しない。生徒達は隣町の興宮にある古着屋で制服や体育着を購入しているのだ。

一昔前なのは当たり前である


ちなみに外の世界の事を全く知らない一方通行はこの体育着が女子の一般的な体育着だと勘違いしている

376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/15(水) 23:29:02.34 ID:EvqiLMaDO
魅音「あれもしかして下着姿とか期待していた訳?」

一方通行「……もォお前死ねよ」

魅音「辛辣すぎない!?」

一方通行「馬鹿は死ななけりゃ治らねェって言うしなァ…」

魅音「命捨ててまで馬鹿直さなくて結構です〜」


一方通行「安心しろよ?学園都市なら例え脳だけになろォがクローン技術やそこらで再生できるンだからなァ?」

魅音「……ねぇレナ?おじさん道っちゃんに嫌われるようなことしたかな?」

レナ「う〜ん…心当たりが多すぎて分かりませんね…ご主人様」


深刻な顔して尋ねる魅音だが返ってきた答は酷く残酷なものだった


377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/15(水) 23:32:18.70 ID:EvqiLMaDO
一方通行「予想はしたが期待なンぞ誰がするかクソボケ」

魅音「クソボケって言う方がクソボケなんですーっ!」

ベーと舌を出して一方通行を指差す魅音


一方通行「ほンとうぜェな…お前」

沙都子「魅音さんのウザさは今に始まったことではございませんわ。気にしたら負けですのよ」

梨花「ある程度無視したら勝手に黙るのでそれまで喋らせとくが吉なのです」


魅音「さすがのおじさんも死にたくなったんだけど…?」


机に顔を沈めぽつりと呟くも悲しい沈黙が訪れる


一方通行「……ったく黙ってりゃそこそこの面してンだからよォ…」
378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/15(水) 23:33:22.31 ID:EvqiLMaDO
魅音「うぇっ!?」///


ボソリと呟いた一方通行の一言にボンッと頭から湯気をだし真っ赤になる魅音

沙都子「いいから早く始めませんこと?もう私…」

レナ「どうかなさいましたか?ご主人様?」


もじもじと口ごもる沙都子

若干心苦しそうに見える


沙都子「な、何でもございませんわ!レナさん早く配ってくださいまし」


何かをごまかす沙都子に首を傾げつつもレナがトランプを配り終える


379 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/08/15(水) 23:46:29.46 ID:EvqiLMaDO
というわけでひさびさな投下はここまでになります


書き溜めが消えた分少し減速するかもしれませんがご了承ください


8月も残り半分これいつ終われるんかなぁ〜

出来るだけ1スレにまとめて終わりたいです(願望)


次回予告

沙都子「あ…ふぅ…ひっ…んっ…んっ…はぁ…にっ…にゃあ…いっ…みゃ!…はぁ…はぁ…んっ…」///


一方通行「そろそろ突っ込み所だよなァ?」
380 :以下名無しに変わりまして前原圭一が謝罪します :2012/08/17(金) 11:34:15.92 ID:hzCUBkWDO
すいません!

今日は色々だるい用事が入ったので投下できません

明日には来ますのでまたノシ
381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/08/18(土) 15:10:43.77 ID:VB0iQ+Rz0
舞ってる
382 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/08/18(土) 20:19:55.35 ID:Qi4+09kDO
さて更新にきました


高校野球みてたらこんな時間に…


それでは投下行きます
383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/18(土) 20:23:52.66 ID:Qi4+09kDO
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



魅音「K縛り!出せないのぉ?なら6であがりだね!」

レナ「えっと…バックだから5の縛り…え!?流れるの?なら8と9であがりなんだよ!だよ!」

梨花「5のWなのです。10で終わりますです」

一方通行「スペードのQか…1縛り。QのW。出せねェのかァ?なら8で6だな」

沙都子「くぅぅぅぅっ!また負けましたわぁーっ!」

最終局面で一方通行に大敗した沙都子の絶叫が教室内に響き渡った

384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/18(土) 20:25:43.08 ID:Qi4+09kDO

梨花「道行の圧勝だったのです」

魅音「上手いねぇ…最初から勝てないと踏んで無難に4位狙いで強いカードを残しとく訳かぁ」

レナ「レナにはちょっと難しいかな…かな」

一方通行「おら沙都子罰ゲームだ。さっきのラッキーが続くといいなァ?」

沙都子「いいですわよ…ラッキーガール…北条沙都子の実力見せて差し上げますわぁーっ!」


箱に右手を突っ込み適当に選んだ一枚を机の真ん中に置く


【一位の人から足つぼマッサージ】

385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/18(土) 20:26:59.25 ID:Qi4+09kDO
レナ「わぁやっぱり沙都子ちゃんラッキーガールなんだよ!だよ!」

魅音「一位って私かぁ…なんか私が罰ゲームを受ける気分だよ…」

梨花「ふぁいとおーなのですよ」


レナと魅音は沙都子の引いた罰ゲームを羨ましがっているのだが

北条沙都子の顔は青ざめていた

沙都子「み、魅音さんが嫌と言うのでしたら罰ゲームは無しという方向でも…」

一方通行「アリな訳ねェよなァ?」


どさくさに紛れて罰ゲームを回避しようとする沙都子だが一方通行がピシャリと割り込まれ阻止される

そしてそんな沙都子の様子を不審がる人物がいた


386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/18(土) 20:29:18.61 ID:Qi4+09kDO
魅音「あっれぇ〜沙都子ちゃんどぉしたのかなぁ〜?」


歌のお姉さん口調で沙都子迫る魅音
優しい口調とは裏腹に妙に怖い笑顔を浮かべている


魅音「ほら足を崩して〜?マッサージ出来ないよぉ?」

沙都子「けけけ、結構ですわ!」

魅音「大丈夫。痛くしないってば…えいっ☆」

沙都子「ニャワッ!」


思いっきり沙都子のふくらはぎを掴む魅音

ビクンと沙都子が震え奇声を発する

387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/18(土) 20:30:14.07 ID:Qi4+09kDO
魅音「えぇ?どぉしたのぉ?沙都子ちゃん?」

沙都子「ひゃ…」


スススーと魅音の指が沙都子の足の甲を撫でる


沙都子「い…いやぁ…み、魅音さん…やめてくださいまし…ひゃあぁっ!」


涙目になり痺れる足に悶える沙都子


魅音「ヤバい…おじさん癖になりそうかも…」


ハァハァと鼻息を荒くし生唾を飲み込む魅音

目が座っている様に見えるのは気のせいであってほしい

魅音は更にマッサージを加速する

388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/18(土) 20:33:12.72 ID:Qi4+09kDO
沙都子「ひゃ…あっ…あっいっ…んっ…ニャッ!…んっ…ニャニャッ!!」

魅音「大丈夫だよ沙都子…すぐ気持ちよくなるから」
沙都子「あ…ふぅ…ひっ…んっ…んっ…はぁ…にっ…にゃあ…いっ…みゃ!…はぁ…はぁ…んっ…」


沙都子の吐息がだんだんと甘いものに変わっていく


魅音「へぇ…いい感じじゃん。ほら気持ちいいでしょう?」


くりくりと沙都子の小指を弄りながら意地悪く魅音が笑う


沙都子「はぁ…はぁ…み…魅音…さん」


顔を紅潮させトロンとした目で魅音を見る沙都子


魅音「もう準備は大丈夫みたいだね?なら体育倉庫にでも…オガッ!?」


389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/18(土) 20:35:09.91 ID:Qi4+09kDO
卑猥な言葉を言いかけた魅音の頭に物凄い速度で飛んできた学生鞄が衝突した

不意打ちを食らった魅音はバタっと倒れ込む


一方通行「そろそろ突っ込みどころだよなァ?」


電極をONにした一方通行が問いかける


魅音「あは…あはははは…助かったよ道っちゃん…だけどもう少しお手柔らかにお願いできるかな…」


倒れたまま喋る魅音の頭から餅のようなたんこぶが出てくる


一方通行「悪ィなどこかの百合女が暴走してたからな。余裕がなかった」

魅音「み…道っちゃんには何故だか言われたくない」
梨花「みー♪大きいお兄さん達が大喜びな会話だったのですよ」


にぱーと魅音のたんこぶをつつきながら梨花が笑う


一方通行「いい加減次のゲームにすンぞ。おら沙都子さっさと配れ」


390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/18(土) 20:36:38.44 ID:Qi4+09kDO
未だに呆けている沙都子にトランプを渡す


沙都子「うぇ!?」

一方通行「うぇ!?じゃねェぞ最下位。あとお前何ちゃっかり足崩してンだ。さっさと正座しやがれ恥女」

沙都子「っ〜!うるさいですわね!モヤシ!ウサギ!腹黒ミッフィー!言われなくてもやりますわよ!」


恥女呼ばわりされいつもの調子で噛みついてくる沙都子

レナ「はぅ…やっぱり強がっている沙都子ちゃんかぁいいよぅ」


かぁいいモード特有のオーラが出だすレナ

一方通行「お前までめんどくさくなンじゃねェ。突っ込むこっちの身を考えやがれ…」


一方通行は肩を落としため息をつく

何故だか自分は突っ込みの立ち位置になっている事に若干悲しくなる


391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/18(土) 20:38:44.27 ID:Qi4+09kDO
梨花「やっぱり道行はがんばり屋さんなのです」

一方通行「………訳分かンェ」

梨花「そしてすごく照れ屋さんなのですよ。にぱー☆」

一方通行「……」


無言で軽くチョップをし顔を背ける


一方通行「!?お前…沙都子ォ!何俺の手札見せて配ってンだ!」

沙都子「いけませんのぉ?たしかルールでは裏返しで配ってはいけないなんてありませんわぁー!」


盗人猛々。

堂々と胸を張る沙都子


一方通行「おっ…けェ…ならお前に一発ここでブチ込もォがルール違反じゃねェよなァ?」

沙都子「ぼ、暴力ではなにも解決しませんわよ!それとも何ですの?
もしや手札みられたら勝てないとかナヨっちい事は言いませんわよねぇ?」

392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/18(土) 20:40:36.11 ID:Qi4+09kDO
一方通行に怯えながらも沙都子は挑発する


一方通行「……ならお前の手札も御開帳してやンよォ!沙都子ちゃァァァン!」


沙都子に一方通行の影がかかる


沙都子「きゃああああ!暴漢ですわぁーっ!」

一方通行「誰が暴漢だァ!ブチ殺すぞごらァ!」


否定する一方通行だがそういうのが暴漢というのだ

393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/18(土) 20:41:48.26 ID:Qi4+09kDO
魅音「まぁまぁ道っちゃんの気持ちも分かるけどここは落ち着こう?
沙都子確かにルールに無かったケド次からやっちゃ罰ゲームだから」


見かねて魅音が仲介に入る

渋々とうなずく沙都子


レナ「魅ぃちゃんが部長ぽい事したんだよ!?だよ!?」
梨花「みー…明日は雪が降るのですよ」


目を丸くし物凄く珍しいものを見たという感じの二人


魅音「え!?何気に酷くない?それ…」

394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/18(土) 20:43:21.91 ID:Qi4+09kDO
一方通行「ンな事はどォでもいいだろ…それより俺の手札だ。まさかこのままスタートって事には」


落胆する魅音を無視し自分の手札を確認する一方通行

悪くないカードだがなんせ全員に見られているのだ。
不利極まりない

配り直しを要求する一方通行


魅音「もおいいじゃん…配り直すのも面倒だし」

一方通行「はァ!?」


お返しとばかりに投げやりに答えられる


魅音「じゃあ多数決で。配り直しに賛成の人〜?」

レナ「レナは今回手札いいからあんまりヤダな…」

梨花「僕は道行を信じてるのですよ。道行ならきっと勝てますです」

魅音「沙都子と私は言うまでもなく反対だから残念だったね〜道っちゃん?」

一方通行「だよなァ!クソどもがァ!」

395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/18(土) 20:44:05.92 ID:Qi4+09kDO
やはりとばかりに頭を抱える

レナと梨花がちゃっかり理由を取り繕っているのが憎い


魅音「へぇこりゃ道っちゃん初の最下位が見えてきたねぇ?よぉーしおじさん俄然燃えてきたよぉ!」

沙都子「日のある内は歩けなくしてございますわぁーっ!」

梨花「とってもかぁいくして男の娘にしてあげますです」

レナ「安心して道行くん!レナがちゃぁ〜んとお持ち帰りするんだよ!だよ!」


黒いオーラが湧き出し目が怪しく光る四人

レナだけは若干ピンクだが怪しさだけでは誰にも負けてはいない


一方通行「……上ォ等だァ!格の違いってもン見せ付けてやらァ!三下共がァ!」

396 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/08/18(土) 20:53:02.73 ID:Qi4+09kDO
といった具合で以上です


書き溜めが消えたんで当初の予定と少し変わってくる所もあります…

恐らく絶叫系罰ゲームは無しの方向ですスミマセン
m(__)m

でわまたノシ

次回

【たった一つの答え】

397 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/08/24(金) 10:53:14.62 ID:cBz2iBlDO
家の最寄り駅にクマモンなう


では久々の投下
398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/24(金) 10:55:09.66 ID:cBz2iBlDO
――――――――――
――――――――
――――――
――――
――



魅音「ふふふ…あははは…アーッハハハハ…負けたよ」

ガクリと膝をつき頭を抱え込む魅音

梨花「みー…魅ぃが負けたのです」

レナ「魅ぃちゃんが2回目の最下位なんて珍しいかな…かな」

魅音「くぅー!道っちゃんを道っちゃんを落とそうとしなければこんなことには!」

399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/24(金) 11:13:20.71 ID:cBz2iBlDO
一方通行「ハッ…ざまァねェなァ?おら愉快でステキな罰ゲームだ…」

魅音「くぅ〜…女子スクール水着に着替える!?ああああ!これは道っちゃんに着せたかった!」


ロッカーからスクール水着を取りだしトボトボと教室を出る魅音


一方通行「一つ気になンだが…」

沙都子「どうしたのですの?道行さん?」

一方通行「この学校にはプール無ェよな?なのに何でスクール水着なンか学校に持ってきてやがンだ?」

レナ「あはははそんなの罰ゲームの為に決まってるんだよ!」

400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/24(金) 11:14:36.35 ID:cBz2iBlDO
梨花「色んなサイズがありますが全部魅ぃの私物なのですよ」

沙都子「スクール水着だけではございませんわよ?メイド服、チアリーダー、ナース服に、巫女服、堕天使エロメイドとかもございましたわね?」

一方通行「学校をなンだと思ってやがンだあのバカ女」

驚異のラインナップにただただ呆れ果てる


魅音「おっ待たせぇーっ!いやぁ暑いからねぇ?逆にコッチが快適なんだけど?」


持ち前のスクール水着に着替えた魅音が教室に入ってきた

その瞬間男子生徒の目は開かれる

401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/24(金) 11:15:45.84 ID:cBz2iBlDO
委員長ってさ?この学校で一番スタイル良くね?

のような会話しているものプールが無いので
ちくせう!ちくせう!
と嘆いていた彼らの前にたった一つの答えが舞い降り彼はその光景を胸に焼き付けた

バインバインだ

バインバインなのだ

普段は服に隠れて見えないが歩くたびにぷるんぷるんと微かに揺れている


そんな魅音の胸をつまらなそうに一方通行は眺めている


一方通行(コイツといい黄泉川といいホント牛だな…ったく何食りゃンな不様な脂肪が付くンだか…)

402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/24(金) 11:17:01.80 ID:cBz2iBlDO
沙都子「道行さんが食い入るように見つめてますわよ…」

一方通行「……はァ?」


……ちょっと待て誰が何をどォしてるって?


レナ「えぇ!?道行くんホント!?」

魅音「ん〜?道っちゃんそんな興味津々?」


顔を真っ赤にして驚くレナといやらしい笑みを浮かべ一方通行に胸を突き出す魅音


一方通行「ンな訳あるかァ!ごらァ!」


梨花「あんな目を充血させていやらしいのです」

沙都子「文字どおり目に焼き付けてるんですわ!」
403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/24(金) 11:18:10.24 ID:cBz2iBlDO
一方通行「イイ度胸だよなァ…ガキどもォ」ビキビキ

沙都子「今度は私達の胸を見てきましたわーっ!」

梨花「きっと『うへへへへ沙都子はB…梨花ちゃんは…』なんて鑑定してるのです」


キャー!と胸を隠し睨み付けてくる沙都子とにぱー☆と笑って見てくる梨花ちゃん

一方通行「思うかボケがァ!10年たって出直しやがれ!」

梨花「つまり10年たったらボクも沙都子も毒牙にかけられちゃうのです。恐ろしいのですよ」

沙都子「ふ、不潔ですわーっ!」

一方通行「がァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゛!」

机に突っ伏し頭をかきむしる一方通行

404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/24(金) 11:22:13.19 ID:cBz2iBlDO
そんな苦悩をしている一方通行の袖口を恥ずかしそうに引っ張るレナ


レナ「あ、あのね?レナも今はあんまりおっきく無いケド毎日牛乳飲んでるから…えっと…その」///

一方通行「お前もお前で何訳わかんねェこと言ってンだ…」


顔を真っ赤にして告げるレナに一方通行は深い溜め息と共に答える


魅音「つまり道っちゃんはそんな未来の希望的観測よりも今、目の前にあるこの現実の方がいい…と」


405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/24(金) 11:23:29.38 ID:cBz2iBlDO
レナ「そ、それは梨花ちゃんと沙都子ちゃんは発展途上だから可能性があるけどレナはもう終わってしまってるって事なのかな?道行くん…」


普段からは考えられない怒気を帯びた声になるレナ


一方通行「なァに話を狂った方向に向かわせてンですかァ!?魅音ちゃァァァン!?」

魅音「なんのこと〜?それより沙都子と梨花ちゃんどっちが将来大物になると思う?おじさん的には沙都子にはおじさんも凌駕する恐ろしいポテンシャルが…」

一方通行「……」


何か語り出す魅音を見て一方通行は諦めたように目を閉じ電極を入れる


一方通行(無駄な音響は反射っと)


それから一方通行が電極を元に戻したのは何を話しても完全無視を続ける一方通行に対し魅音達が全員土下座で頭を下げた時だった


406 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/08/24(金) 11:49:56.78 ID:cBz2iBlDO
本日は以上になります

でわまたノシ
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/08/24(金) 11:50:20.78 ID:b4x5nWiJ0
408 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/24(金) 18:42:23.62 ID:LbkHQift0

409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/08/24(金) 21:00:10.21 ID:4AFrHEMe0
410 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/08/27(月) 13:09:24.60 ID:si1HT/nDO
こんにちは!

投下にきました

レスありがとうございます!

それでは投下
411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/27(月) 13:15:56.22 ID:si1HT/nDO
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

レナ「やったぁーっ!レナが一位なんだよ!だよ!」

一方通行「あがりだな」

梨花「みーあがれたのです」

魅音「ヘッヘーン!沙都子?サシでおじさんに敵うと思ってるわけぇ?あがりだよーん!」

沙都子「くっそう!あと少しでしたのにっ…」

魅音「負け惜しみ負け惜しみ〜♪4位と5位には絶対に越えられない壁がありその差は100億光年たとうが埋まらないのだよ!」
412 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/27(月) 13:18:40.47 ID:si1HT/nDO
一方通行「光年は時間じゃなくて距離だがなァ」

魅音「う…うるさいっ!そんなん授業で習ってないもん!」

一方通行「この程度常識だ」
魅音「う…」

レナ「というかお嬢様この間芳川先生が教えてくれましたよ?」

魅音「あり?」

梨花「魅ぃは体育以外基本寝てるから知らないのも無理はないのです」

一方通行「お前今年受験だろアホが…」

魅音「ううう…うるさーい!それより罰ゲームでしょ!?ほら沙都子引いて引いて!」

沙都子「……妹口調で喋る」

413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/27(月) 13:21:43.00 ID:si1HT/nDO
レナ「あははは!またかぁいいのが来たね!じゃあ沙都子お嬢様配って貰えませんか?」

沙都子「う…うん。お姉ちゃん…」

レナ「はぅ〜☆かぁいいなぁ〜」


今にも飛び掛かりそうなレナ

幸せそうな口調の裏にある猟奇的な意思を感じ取れる

魅音「道っちゃんレナが暴走したらフォーメーションDね…」

一方通行「…とりあえず電極だけは切り換えておく」
414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/27(月) 13:25:30.05 ID:si1HT/nDO
年長者二人が覚悟を決めレナを監視する


沙都子「く…配り終わりましたわ…」


蛇に睨まれた蛙のように怯える沙都子


レナ「沙都子お嬢様は何を怯えてるのかな?かな?お姉ちゃんが何にでも相談にのるよ?」

一方通行「蛇が蛙にどうしてほしいか聞いてやがるな…」

魅音「沙都子はただ震えているけどね…」

沙都子「なんにもございませんわ…お姉ちゃん…」

レナ「はぅ☆かぁいいよ!かぁいいよ!」

415 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/08/27(月) 13:27:11.31 ID:si1HT/nDO
魅音「あ〜そうだね!ほらほらレナ。やるよ!」

レナ「え〜」

一方通行「次も一位になって楽しみゃイイだろ」

レナ「ん〜うん!ずっと一位になってみんなみんなお持ち帰りぃ〜っ!」


かぁいいモードの雄叫びをあげるレナ

一方通行以外の部員が青ざめる


416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/27(月) 13:28:59.76 ID:si1HT/nDO
魅音「道っちゃんが…地雷を踏んだっ!」


なんということだ!とばかりに頭を抱える魅音


沙都子「やってしまいましたわね…」

梨花「ここは道行が責任とって持ち帰られるべきなのです」

一方通行「はァ?確かにかぁいいモードのレナは厄介だがあくまで身体能力がだろ?頭脳面はむしろ退化…」

魅音「道っちゃん…甘いよ…エンジェルモートの新作パフェより数段甘いよ…」

沙都子「例え頭脳が退化までしていましてもかぁいいモードのレナお姉ちゃんは空間を支配し奇跡を連発させますわ…」

レナ「何を話してるのかな!早く早くお持ち帰りさせて貰うんだよ!だよ!」


417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/27(月) 13:29:33.75 ID:si1HT/nDO
鼻息を荒くし配られたカードを高速シャッフルするレナ


梨花「なんかもう勝つ行程飛ばしてお持ち帰られる事になってるのです」


校長の時の再来のような沈黙が訪れる


一方通行「……面白ェ」

沙都子「え?」

一方通行「やべェ…やべェよオイ!かぁいいモード…最ッ高ォじゃねェか!やってやンぞォ!お前らァ!!」

レナ「え?もしかして道行ご主人様が早速レナに持ち帰られていいの!?」


ヒートアップする二人


沙都子「どうします魅音お姉ちゃん?」

魅音「どうってやるしかないじゃん…はぁ…沙都子に梨花ちゃん意地でも最下位にはならないよ!」

418 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/08/27(月) 13:49:28.50 ID:si1HT/nDO
>>415の訂正で最初の魅音の台詞の前に入れてくれると幸いです

沙都子「そ、それより早く次のゲームに移りませんこと!?魅音お姉ちゃん!」

という沙都子が魅音に助けを求める台詞を付け足しといてください

さて本日の投下は以上です

少ない上にミスしてすみませんでした


気がつけば夏ももう終わりですね


この夏といえば先輩から後輩まで幼馴染みから上京した同級生まで様々な漢との思い出♂しか出来ませんでした

これからは秋が深まるにつれ寂しくなって行きクリスマスには死にたくなる下げの半年ですね

それではみなさん良い半年をノシ


419 :化物語ぽく次回予告 :2012/08/27(月) 14:27:08.49 ID:si1HT/nDO
変態「変態ですぜ!」

犬「いつもキャンキャンあなたの股間に這いよる駄犬10033号です」

変態「世の中には様々な"なま"がありますが思っちゃうことがあるのですよ?」

犬「エロいということですね?分かります」

変態「さすがですね犬。生々しくしかり生クリームしかり生キャラメルしかり」

犬「生キャラメルにエロい要素を見つける辺りさすがと言わざるをえませんね変態」

変態「褒めてもセロリたんのツンパしか出ないぜ犬。犬はなんか"なま"でやりたいことありますか?」

犬「この生ゴミのような犬を生々しく痛め付けてください!まだです!まだまだです!生ぬるいですよ!こんな生半可な調教なら生中継を見ている視聴者は満足しません!さらに生々しくお願いします!……ふぅ」

変態「さすがですね。なんか"なま"って言葉がエロい言葉としか思えなくなりました」

犬「"なま"に限らず"(な行+ま)×2"は大抵エロく聞こえますよ?」

変態「?なまなま。にまにま。ぬまぬま。ねまねま。のまのま……ホントだ!なんかエロい!」

犬「のまのまは意味分かりませんが何となくどれも響きがエロいでしょう?」

変態、犬「「次回セロリたんのひ・み・つ」」


変態「セロリたんの生セロリをチュパチュパしたいお!」
(^ω^)
420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/27(月) 22:14:20.19 ID:YS78cRW+o
へ、変態だー!!(AA略
421 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/08/29(水) 13:19:08.86 ID:oWX8toGDO
ちわッス

投下にきました〜

稲花粉が俺の鼻に圧政を強いてきました

早く刈り取られておいしいホカホカご飯になってしまえば良いのです

それでは本日の投下
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/29(水) 13:21:31.33 ID:oWX8toGDO
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

レナ「そ…そんなれ…レナが最下位なんて」

あまった数枚のカードを凝視してレナが俯く

沙都子「ほ…本当にかぁいいモードのレナお姉ちゃんを潰しましたわ」

魅音「しかも自分は一位あがりって…道っちゃんまさかとは思うケド…」


魅音と沙都子がじっとりとした視線を向けてくる


梨花「イカサマ疑惑大勃発なのです」

一方通行「……はァ?」

423 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/29(水) 13:23:35.63 ID:oWX8toGDO
沙都子「でないと考えられませんわ!これまでの連勝とかぁいいモードのレナお姉ちゃんに勝てるなんて!」

一方通行「アホらしい…頭使えば余裕だろ」

魅音「い〜やおかしい!だってどうしても弱いカードが来るときってあるじゃん!でも道っちゃんはまだ一度も罰ゲームになってないし!」

梨花「何か小細工しないと考えられないのですよ」

レナ「え!?道行ご主人様もしかしてずるしてたのかな…?」

一方通行「するか…証拠でも何でも調べてみろ」


一方通行にそういわれトランプや一方通行の周囲を探し出す

424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/29(水) 13:26:13.50 ID:oWX8toGDO
一方通行はそれをつまらなそうに欠伸しながら眺めてる

事実一方通行は不正などしていなかった

彼はそのスーパーコンピューター匹敵する学園都市最高の頭脳を使い
魅音達の出す手札を条件に数十パターンの仮説論理式を算出
4順目に回る頃には全員の手札をほぼ完璧に把握していたのだ

そうなれば自分に有利にそしてレナに不利になるよう魅音らを無意識誘導して手札を出させ十数手を先読み
いくつもの勝利の方程式を作り出し先読みが外れたとしても別の方程式に移行する事を繰り返し勝利を掴み取っていたのだ


沙都子「おかしいですわね…トランプに違和感はございませんし机の周りにも不審な物は特別…」

魅音「………」

425 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/29(水) 13:27:37.06 ID:oWX8toGDO
梨花「魅ぃは何をしようとしてるのですか?」

ギク!とコソコソと動いてた魅音の手が止まる

そしてレナが魅音の手に収まっていた物を奪う


レナ「?魅ぃちゃんこの四色の油性ペンはなんに使うのかな?かな?」

魅音「あっははは…は」

沙都子「ほんと油断も隙もないですわね…」

一方通行「まったくだな…ところで沙都子あそこの手鏡って何なンだろォな?」

一方通行の指差した先には手鏡が調度一方通行の手札が沙都子の位置から見えるように窓枠にとりつけられていた

沙都子「さ、さぁて何なのでございましょうね?」

一方通行「知らねェてンなら取り外して貰うが文句ねェよな沙都子?」
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/29(水) 13:29:59.61 ID:oWX8toGDO
沙都子「勿論ですわよ!というかどうして私に確認をとりますの!」

一方通行「自分の胸に手あてて考えてみるンだなァ?」

沙都子「うう、うるさいですわね!それよりレナお姉ちゃんの罰ゲームですわ!」


苦し紛れにレナを指差す沙都子

視線が一気にレナに集まる

レナ「え!?え!?」

魅音「ほぉら〜引いて引いて〜?」

逆に不正をしようとした二名がレナに噛みついてくる

レナも観念したように苦笑いを浮かべ取り出した一枚を机に広げる


【一位に膝枕】


427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/29(水) 13:31:33.67 ID:oWX8toGDO
一方通行「なンだこりゃ…」

魅音「やったじゃん道っちゃん!生膝枕だよ?役得役得〜♪」

梨花「助平魂のこもった執念の勝利だったのです」

沙都子「相変わらず鬼畜ですわねぇ?道行お兄ちゃんは…」

一方通行「……どォせ反論しよォが無駄だろォが。全力で否定させて貰うが」


深く重い溜め息をついてレナをみる


一方通行「悪ィなレナ」

レナ「う!?うん!はい!」

一言だけ断わりを入れギュッと目を強く瞑っているレナの太ももに頭を預ける
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/29(水) 13:32:53.45 ID:oWX8toGDO
サワッ

見えてはないが柔らかくて少しこそばゆい感触が直に太ももに伝わってきて若干体を震わすレナ


レナ(わっ!道行くん髪の毛サラサラでフワフワだぁ〜!)

恐る恐る目を開くもその瞬間一方通行と目が合ってしまう

瞬時にまた気恥ずかしくなり顔を紅潮させ視線を逸らすレナ

一方通行も少し焦ったのか気まずそうに目を泳がせこの嫌にでも目が合う体勢から体の向きを外にやろうとする

レナ「きゃふ!?」///

429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/29(水) 13:33:40.29 ID:oWX8toGDO
一方通行「いきなり気味悪ィ声あげてンじゃねェ!」

レナ「だ…だってご主人様がいきなり動いて髪がくすぐったかったから…」


二人の間に気まずい沈黙が流れる


一方通行「ン…」


蒸して髪が痒くなってきたのか不意に一方通行の頭がぴくっと疼く

レナ「きゃふっ!」///

一方通行「だから意味分からねェ声あげンじゃねェ!」///

レナ「で…でも」///

一方通行「〜っ!クソガァッ!!」///


その後体勢を変えることも出来ず互いに目を泳がせているのだが時折目があってしまい顔を赤くする二人

しまいにはレナは顔を真っ赤にしながら背けたままになってしまい一方通行はひたすら円周率を計算し出してしまった

そしてそんな中で大富豪は再開する


430 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/08/29(水) 13:38:18.42 ID:oWX8toGDO

といった感じで以上です

なかなか良いネタ浮かばないです

ラストははっきりしているのに

まぁ展開亀ですがご勘弁を今日の投下で部活編は半分くらいです

それではノシ
431 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/08/29(水) 13:45:52.25 ID:nl3LC0Ke0
432 :次回からの予告サザエさんver [saga]:2012/08/29(水) 14:10:34.71 ID:oWX8toGDO
一方通行「一方通行でェす」

一方通行「よくいかにも王様って奴が家来に羽団扇仰がせてるっつゥ絵があるがアレなンなンだろォな?」

一方通行「羽団扇なンぞ使わなくても今の時代エアコンで充分だろォが」

一方通行「部屋全体が涼しくなるし最近はエコだの節電だので低コストだ」

一方通行「羽団扇とか逆に扇いでる奴が暑苦しいだろ。ウザってェ」

一方通行「次回、生まれたての幼女、躊躇なき一撃、首無しほういちの三本だな」

一方通行「次の投下も見てくれよなァ?じゃンけンぽン!くかきけこかかきくけききこかかきくここくけけけこきくかくけけこかくけきかこけききくくくききかきくこくくけくかきくこけくけくきくきくきこきかかか―――――ッ!!」

433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/08/29(水) 14:31:45.45 ID:nl3LC0Ke0
ロリコン 酷い 怖い
434 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/29(水) 20:58:38.76 ID:+Uk8HcaDO
ひざまくらのまま再開か
第一位爆散してまえ
435 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/09/01(土) 00:01:17.46 ID:HgNoWhWDO
さぁて夜に来ました!

>>433まぁかるいノリで書いた文なのでほんわかとそんな感じの今回です

>>434これからこれからwww


熊本の夜はとても涼しいです

なら今夜の投下
436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/01(土) 00:08:13.75 ID:HgNoWhWDO
魅音「くぁーっ!負けたーっ!」

一方通行「ざまァねェな魅音罰ゲームは一位に羽団扇かさァ扇ぎやがれ」

魅音「くそぉ〜!」


バフンバフンと乱暴に一方通行を扇ぎ始める魅音


437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/01(土) 00:11:04.49 ID:HgNoWhWDO
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

魅音「おじさんが…おじさんが…二連敗ーっ!?」


さらに1ゲーム終えて再び魅音の絶叫が教室に響き渡る


沙都子「お姉ちゃんが二連敗なんて始めてじゃございません?」

梨花「魅音が一位奪還に燃えてまたも返り討ちなのですよ…」

魅音「なんかいつも負けてるレナの気持ちがわかるよ…」

レナ「お嬢様罰ゲームをお取りくださいなんだよ!だよ!」

直前で魅音に勝ってなんとか罰ゲームは逃れたレナが嬉しそうに罰ゲーム箱を差し出した

438 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/01(土) 00:15:14.41 ID:HgNoWhWDO
魅音「くぅ〜…赤ちゃん言葉で喋るかぁ〜」

一方通行「確かに愉快だなァ?魅音」

沙都子「でも赤ちゃん言葉って実際にはどんな言葉ですの?」

レナ「確かに良く分かんないんだよ?だよ?」

梨花「きっとシがチになっちゃうのですよ」

一方通行「一回自己紹介してみろよ」

439 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/01(土) 00:17:19.16 ID:HgNoWhWDO
魅音「あたちそのぢゃっ…そのぢゃっ…ざ…そのぢゃきみおん15ちゃい!」

元気良く右手を挙げて答える魅音

ノリノリである

レナ「かぁ〜いいよぉ〜っ!お持ち帰りぃ〜っ!」

一方通行「がァ!?」

膝枕されてた一方通行を吹っ飛ばして魅音に抱き着くレナ

レナ「かぁいいよぉ〜!咬まないように気をつけながら結局咬んでしまう赤ちゃん魅ぃちゃんかぁいいよぉ〜!」

頬擦りしながら悶えるレナ
440 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/01(土) 00:19:28.90 ID:HgNoWhWDO
魅音「ぐっ!がぁぁぁ…れ、レナ…折れる…止めてぇ…」


メキメキメキと万力のような力で挟まれている魅音の背骨から人体が発したらヤバい音が奏でられる

その音に反応したのか力を抜き頬擦りをやめるレナ


レナ「どうしてお嬢様は赤ちゃん言葉使わないのかな?かな?」


自分の事を棚に上げて魅音にそんなことを聞き出す

魅音「え!?……止めてくだちゃい!痛いでちゅ!」

441 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/01(土) 00:21:02.62 ID:HgNoWhWDO
レナ「やっぱりかぁいいよぉ〜っ!お持ち帰りぃ〜!」

魅音「やっぱりかぁ!?!?ぎょえええええ!?!?くぇ……」


じゃあ何でする。

そんな疑問が残るが魅音は再び万力のような力で締め上げられ

ゴキュリ

とそれまでに無い危険な音を上げたかと思ったらピクリとも動かなくなってしまった

そんな魅音に気づいてないのかレナは未だに力を入れ続け頬擦りしている


442 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/01(土) 00:22:16.67 ID:HgNoWhWDO
沙都子「魅音お姉ちゃん動かなくなってしまいましたけど大丈夫ですわよね?」

梨花「それを言ったら道行もなのですよ?天井に突き刺さったまま動かないのです」

一方通行「」プラーン


天井に頭が突き刺さって動かなくなった一方通行を梨花ちゃんが箒でつつくもやはり反応がない


沙都子「レナさん!ストップですわ!魅音さんの顔がどんどん紫色になってますわよ!」


レナ「はぅ〜っ!かぁいいよぉ〜♪ってえぇ!?魅ぃちゃん!?どうしたの!?」


レナは顔を紫色にし白目を剥いている魅音にようやく気づき必死に揺さぶる


443 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/01(土) 00:23:17.75 ID:HgNoWhWDO
レナ「心臓マッサージが必要なのかな!?かな!?」


パニクりながら問いかけるレナ

沙都子「魅音さんなら大丈夫な気もしますが一応やるべきではありませんの?」

レナ「わ、わかったんだよ!……せーのふん!」


横に寝かせた魅音の鳩尾に躊躇なく渾身の右ストレートを入れるレナ

そんなレナを沙都子と梨花ちゃんは口をあんぐり開けて呆然と見ている


魅音「ぐぇ!?」

レナ「あ!?息を吹き返したんだよ!だよ!」

444 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/01(土) 00:24:41.18 ID:HgNoWhWDO
パアアアア!と輝くような笑顔で二人に告げるレナ

そしてその二人北条沙都子と古手梨花は

沙都子「れ、レナさんって本当に躊躇無いですわよね…」

梨花「今、魅ぃの体からグポッと何かがはまる音がしたのです…心臓マッサージ関係ないのですよ…」


二人でガクガクと怯えていた

魅音「うぅ…気持ち悪いムカムカする吐きそう…」

お腹を擦りながら魅音が立ち上がる

どうやら事故前の記憶が若干飛んでいるようだ

445 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/01(土) 00:25:25.63 ID:HgNoWhWDO
魅音「ん〜っ!なんか体のあちこちが痛いなぁって道っちゃぁぁぁん!?!?」


魅音は天井に頭から下だけぶら下がっている一方通行に駆け寄る


沙都子「そう言えば忘れてましたわね」

梨花「ボクはちゃんと言ったのですよ?」

沙都子「そうでしたっけ?取り敢えず引き抜きませんこと?」

魅音「これって引き抜いたら首から上の無い道っちゃんが出てきたりしないかな」

レナ・沙都子・梨花「「「え」」」


部活メンバー含めてクラスの雰囲気が一気に冷たくなる

446 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/01(土) 00:26:24.19 ID:HgNoWhWDO
魅音「イヤイヤもしかしたらだよ?」

梨花「さぁ沙都子早く抜いて上げてほしいのです」

沙都子「いやいやここは不安になることを言った魅音さんがやるべきだと思いますの」

魅音「そもそもの原因はたぶんレナでしょ?だったらおじさんはレナに」

レナ「えぇ!?そんなぁ…レナだって嫌だよぅ…」

沙都子「だったらどうしますの!?このままほっといたら私達全員道行さんに八つ裂きにされますわよ!」


447 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/01(土) 00:27:43.69 ID:HgNoWhWDO
一方通行「つゥかなンで俺の頭が無ェって前提で話が進んでンだてめェらァ…」

不意に天井から聞こえた一方通行の一言にビグンと肩を揺らす一同

一方通行の口調はもう半ば諦めた感じになっている


一方通行は辛うじて天井に突き出ていなかった首元の電極に手を伸ばし天井から脱出する


一方通行「お前らホントもォ考えらンねェ…」

梨花「道行は大丈夫なのですか?」

一方通行「問題ねェ…どっかのバカが放り投げてくれたお陰で未だに少し頭が痛むがなァ」

レナ「ご、ごめんね?ご主人様」

一方通行「別にいいけどよォ…。おら魅音トランプ配れ」

448 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/09/01(土) 00:46:56.56 ID:HgNoWhWDO
ということで今回は以上です

魅音の年齢はググって出た予測年齢です

間違ってたらスミマセン


それではノシ
449 :以下次回から予告 [saga]:2012/09/01(土) 01:26:33.81 ID:HgNoWhWDO
アックア「後方のアックアである」キリッ

アックア「このところ男の娘というものをよく耳にしているのだが」

アックア「なんでも女性の特徴を含む愛らしい男のこととか…」

アックア「しかし男たるものそんなことで良いのだろうか!?」クワッ

アックア「だが世間はそんな軟弱な男に対し『くぎゅうううう!』なる評価は如何なものか!?」

アックア「男の魅力はそんなものではなく力強くまた生命の息吹を沸々とかんじるところであろう!」クワッ

アックア「つまり許せても漢の娘ということだっ!」カッ

アックア「ほら?どうだこの胸筋は?全力で『くぎゅうううう!』するがいい」

アックア「なに?遠慮するな。嫌ならこちらからいくぞ?くぎゅうううううう!」
バキバキボキボキメキャゴリュグシャ

アックア「……ふぅ。どうした動かなくなって?そんな漢の娘が良かったか?」

アックア「次回百合子爆誕」

アックア「待っているがよい。浜面仕上」///
450 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/01(土) 17:27:57.67 ID:Yxuein120
受験がどうとか言ってたし17か18だろう
多分17だと思うが
451 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/09/03(月) 12:31:50.26 ID:pL3iqc2DO
こんにちは!

投下に来ました!

>>450 17ですかね?確かどこかで高校受験がなんたらって言ってた気がしたんで…でも確かに15であの乳は…

さて今日は遂に百合子が降臨して世界の争い事は消え去ります


それでわ
452 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/03(月) 12:35:29.22 ID:pL3iqc2DO
――――――――――
―――――
―――


そして舞台は最初に戻る


一方通行「最後の砦だったのによォ…」


ちらりと横を見てため息をついてしまう


梨花「?にゃーにゃー」

チリンと鳴る首につけた鈴の音が聞こえる

前のゲームでのらりくらりと罰ゲームを回避し続けた梨花ちゃんの崩落

猫耳、鈴、尻尾を着けて猫語で話すというウルトラパンチを喰らってしまったのだ

これにより罰ゲームを受けていないのは一方通行だけ端から見ればハーレムを作り上げてしまっていた
453 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/03(月) 12:37:23.24 ID:pL3iqc2DO

一方通行「なんつゥかよォ…不幸だ」


どこぞのウニ頭の様に呟く

結局一方通行から反則を見つけられなかった部員達は一方通行の連勝を助平パワーによる執念の勝利と解釈してしまい、
連勝を続けた一方通行は人間としての大切な尊厳を失ってしまった気しかしなかった


魅音「さぁてちゅぎのげーむでさいごにしまちゅか!」

沙都子「次こそはお兄ちゃんを失墜させて見せますわーっ!」

梨花「みーみー」

レナ「ご主人様お手柔らかにお願いしますね?」
454 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/03(月) 12:38:26.53 ID:pL3iqc2DO
改めてこの意味不明な状況を痛感する一方通行


一方通行(ワザと負けるか…)

少なくともここで罰ゲームになったところで後にはあまり響かないだろう

自分の落ちるとかまで落ちた尊厳も少しは回復するだろう

そう思った


一方通行「は?」

目論見通りビリになった一方通行は目を疑う

それにはあまりにも単純で意味不明な二字が書かれていた

【全部】

一方通行「意味が分からねェ…」

いやこの意味くらいはさすがに分かる

分かるからこそこれが何の全部なのかが問題なのだ

しかし大体の予想はつく

ついてしまう

体中から嫌な汗が出るのが分かる一方通行
455 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/03(月) 12:40:58.18 ID:pL3iqc2DO

魅音「そりゃ今まで出た罰ゲーム全部でしょ?」

一方通行「なンだそりゃァァァァ!?」

沙都子「ほらほらまずはスクール水着に着替えて猫耳着けてくださいまし!」

一方通行「クソガァァァ!魅音!男子スクール水着寄越しやがれェ!」

魅音「イヤイヤ道っちゃんここには女子スクール水着に着替えるって書いてあるからちゃんと女子のスクール水着に着替えなきゃ」

一方通行「ハァァァ!?」

魅音「大丈夫だって!道っちゃんは細いから女の子用でもぴったりなサイズあるし!負けたら潔ぉ〜く」

一方通行「ふざけてンじゃねェぞ!てめェら!」

魅音「仕方無いねぇならまた無理矢理にでも」


いやらしく笑い両手をわきわきとさせる魅音


一方通行「ちょっと待ってろォ!」


魅音の手からスクール水着と猫グッズを引ったくり教室を出る一方通行

456 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/03(月) 12:42:36.64 ID:pL3iqc2DO
しばらくして


一方通行「……入ンぞォ」

一方通行が教室に入ってくる

その瞬間男子生徒は目を疑った

入ってきたのは虚弱な体で顔を赤らめ目に微かに涙が溜まった白髪赤眼の美少女が女子スクール水着に猫耳に尻尾。鈴まで着けて入ってきたのだ

男子生徒幾人かが鼻血を吹き散らし教室に卒倒する


女子生徒は奥歯を噛んだ

その可憐すぎる少女は俯いて教室に入ってくる

時おり困ったかのようにチラリチラリと周囲の視線を気にする動作はあまりにも男性の保護欲を刺激する

457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/03(月) 12:44:14.14 ID:pL3iqc2DO

あの娘には絶対に勝てない

僅か数歩歩いただけでクラスの女子生徒は自らの完全敗北を悟ってしまった


そしてそれは一方通行以外全て女子で構成されている部員達も関係なかった


魅音「え…と…だ、誰?」

混乱のあまり問い掛けてしまう魅音

一方通行(誰かってなァこの女ァ…待てよこれはアレか赤ちゃん言葉の罰ゲームの振りってヤツかァ?)

一方通行「えっと…ぼくのなまえはいっぽうみちゆきなかよくちてね!」

一方通行(死にてェ)
458 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/03(月) 12:45:30.83 ID:pL3iqc2DO

真剣に自殺を考えてしまう一方通行

魅音「みちゆきって…えぇ!?道っちゃん!?」

クラスがどよめく

一方通行「きしぇたのはてめェらだろォが」ベシベシ

羽団扇を乱暴に扇いで魅音の頭を何度も叩く

魅音「何だろう?おじさん自分に自信無くなってきたよ…」

暗く告げる魅音


沙都子「道行さんあなた……本当に男性の方なんですの?」

信じられないものを見る目で沙都子が根本的な所に疑問を抱いてくる

一方通行「見れば分からねェのお姉ちゃん?」

沙都子「女の子ですわ!」


妹口調で返したのもありそう判断を下してしまう沙都子

459 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/03(月) 12:47:14.64 ID:pL3iqc2DO

梨花「百合子爆誕なのですよ…女の子は胸より顔と知りましたのです」

一方通行「誰がおんにゃの子だ…」

梨花「男の娘なのですか?」

一方通行「そっちでもにェ!」

梨花「なら百合子なのですよ♪性別百合子なのです」

一方通行「もォどォでも構わにェよ」

レナ「百合子ちゃん!膝枕お願いしていいかな!?かな!?」

鼻息を荒くしてレナが迫ってくる

一方通行「誰が百合子ですかァ…かしこまりましたご主人様ァ…」
460 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/03(月) 12:48:35.55 ID:pL3iqc2DO

レナ「うわ!お肌スベスベだぁ〜」

一方通行「きゃん!止めてくださいご主人様ァ」

レナ「はぅ☆かぁいいよかぁいいよ!お持ち帰りしていいかな?かな!」

一方通行「お止めくださいご主人様ァ」

レナ「で〜も止めないもんね!お持ち帰りぃ〜っ☆」

一方通行「止めろォォォォ!」

かぁいいモード全開で襲いかかるレナに能力を使い必死の抵抗をする一方通行


461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/03(月) 12:50:05.45 ID:pL3iqc2DO

その時大騒ぎな教室のドアが開かれ知恵先生が入ってきた

知恵「古手さんちょっといいかしら?」

梨花「みぃ?」

ちょいちょいと梨花ちゃんに手招きして呼び寄せて教室を出る


一方通行「珍しいな梨花ちゃンが呼ばれるたァな」

馬乗りにされ頬擦りしてこようとするレナを必死に両腕で突き離そうとしながら一方通行が言う
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/03(月) 12:51:19.47 ID:pL3iqc2DO
沙都子「梨花はお祭りの実行委員ですからね百合子さんと違って忙しいのですわよ」

一方通行「誰が百合子だ。定着させようとしてンじゃねェ」

魅音「あと数日だからねぇ…今年もやるよ!綿流し四凶爆闘!」

沙都子「今年は百合子さんがいますから五凶爆闘になりますわね!」

一方通行「ちょっと待て…なンだその五凶爆闘ってのは」

魅音「ん?露店荒らし」

463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/03(月) 12:52:19.22 ID:pL3iqc2DO
一方通行「随分ステキな迷惑行為だな」

レナ「日頃部活で培った物を外に発表する数少ない場なんだよ!だよ!」

やっとかぁいいモードから戻っていたレナが咄嗟にフォローを入れる

一方通行「要は迷惑行為ってことだよな?」

レナ「あんまり否定できないかも…」

梨花「毎年のように村長さんに怒られているのですよ」


いつの間にか戻ってきていた梨花ちゃんが笑顔で語る


一方通行「よくもまァ学ばねェな」

魅音「他人事じゃ無いよ百合子ちゃん?今年は道っちゃんも怒られるんだから」

一方通行「ハァ…だろォな」
464 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/09/03(月) 12:57:08.41 ID:pL3iqc2DO
さて区切りが微妙ですが今回は以上になります


いよいよ次回部活編も大詰めです


ようやく綿流しに行けます


それでわまた
465 :以下次回から予告 [saga]:2012/09/03(月) 13:23:53.71 ID:pL3iqc2DO
百合子のドキドキ深夜ライブ


百合子「YURIKOのライブに来てくれてありがとー☆」

ワーワーYURIKO!YURIKO!

百合子「YURIKOもみんなに負けないくらいこのステージ楽しんぢゃうゾ☆」

YURIKO!!YURIKO!!ワーワー

百合子「それじゃ早速歌ってみたりぃー?」

ウタッテミタリィー!

百合子「それじゃ一曲目!『みんなのハートに一方通行→』」

ワーワーアイシテマスYURIKO〜!!

シアワセデスYURIKO〜!!

百合子「♪〜♪〜☆〜」

YURIKO!YURIKO!WEE LOVE YURIKO!

YURIKO!YURIKO!WEE LOVE YURIKO!

百合子「〜☆…みんなぁ!どうだった〜?」

アンコール!!アンコール!!アンコール!!アンコール!!

百合子「え!?一曲目からぁ?しょうがないなぁ〜えへへへ」


ワーワーワーワーYURIKO!YURIKO!

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

百合子「みんな本当にありがとぉ〜☆YURIKOみんなのこと大好きだよぉ〜!」

アリガトウゴザイマスYURIKOサマー!!

シアワセデスYURIKOサマー!!


チュンチュン

一方通行「ハッ!?……良かったァ…夢かよ」

466 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/03(月) 15:47:56.52 ID:DY54yplxo

いちいち小ネタが素敵すぎるwwww
467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/09/03(月) 19:31:38.15 ID:ny3EHs+20

百合子はどこのSSでもいいものだがここのは一際良いと思うwwwwww
468 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/09/05(水) 15:51:14.62 ID:B8LF3AmDO
こんにちは!

本日の投下に来ました


今日で長ったるかった部活編も終了します


>>466次回予告は全てその場のノリで書いてますのです。とりあえずシリアス入れば予告は無しにしますが

>>467ありがとうございます!本当これからの励みになります!

469 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/05(水) 16:02:57.11 ID:B8LF3AmDO
もう百合子と言わせなくすることに若干の諦めを感じながら一方通行は教室を出ようとする


沙都子「どこ行きますの?百合子さん?」

一方通行「黙れ。罰ゲームも一通り終わったし着替えンだけだ」

梨花「みー☆まだなのですよ」

一方通行「あ?正座は膝枕の時やってたろ?
足つぼはやりてェなら勝手にしやがれ」

梨花「それじゃ無いのですよ?」

一方通行「ハァ?だったら後何が…あ!」


認めたくないが思い当たる節がある一方通行

身体中から再び嫌な汗が出てくる
470 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/05(水) 16:13:53.63 ID:B8LF3AmDO
最も危険で学園都市の最新技術を駆使した部隊をたった一人で壊滅させた漢が


梨花「そうなのですよ♪一番最初にやった罰ゲームがまだなのです」


そんな一方通行なんかお構い無しに笑いながら死刑を宣告する


一方通行「……このナリでか?」


頭に着けた猫耳がピクピクと動く

梨花「にぱー☆」


同じく猫耳を動かし悪魔は笑いながら頭を優しく撫でてくれた


471 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/05(水) 16:15:16.09 ID:B8LF3AmDO
――――――――――
―――――――
―――――
―――



コンコン

ドアをノックする


「入りたまえ」


重く低い声がドアの向こうから聞こえてきた

一方通行は首元の電極に手を伸ばす

チリン

無駄に可愛らしく鳴り響いた鈴の音と共に学園都市最強の超能力が目を覚ます

杖を投げ捨てゆっくりとドアを開け

472 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/05(水) 16:18:10.18 ID:B8LF3AmDO
一方通行「あはぎゃは」


一方通行は笑った

その瞬間一方通行は消える

足下のベクトルを操り瞬間移動のような高速移動を実現する

移動場所は部屋の真ん中に佇んでいる校長の背後

厳密には後頭部の空中へ

一方通行の右手が校長の頭を狙う

一方通行「悪ィがこっから先は一方通行ってなァ!大人しくその不様に丸まった頭ァ触らせやが…」

一方通行の口が止まるそして目を疑った

確かに自分はハゲの後頭部へ回ったはずだ


473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/05(水) 16:18:57.98 ID:B8LF3AmDO
一方通行(なのになンでこのハゲはこっちを向いてやがる!?)

「むん!」


校長の右腕が唸る

放たれた豪腕は一方通行の右手にカウンターを取る形で顔面に迫る

しかし


一方通行(ハッ!ハゲゴリラがこっちには反射があンだよ反射がァ!)


拳が一方通行の頬を捉えた瞬間校長の体が凄い勢いで後退する


一方通行「ぎゃは」


軽やかに着地し一方通行が笑う

反射は正常に働いた

一方通行の顔にはかすり傷一つ無かった

474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/05(水) 16:21:52.35 ID:B8LF3AmDO
しかし一方通行は再び目を疑うことになる


「やりおる」


校長が右手を上に左手を下にした構えを取る

問題はそこだった


一方通行(どォなってやがる…反射は正常に機能したはずだ…なのになンでアイツの右腕はぶっ壊れてねェ!?)


そこだった

今現在校長の構えている右手は全くの無傷である


一方通行(反射は正常だった。ならアイツはどンなカラクリを使ったかァ知らねェが自分に返ってくる衝撃を0にしたってことだな)


一方通行はあの時の校長の様子を思い浮かべる


一方通行(アレか…全く派手に飛んだかと思ったらねェ…面白ェ)

反射した直後の校長の後退を思いだし口を歪める一方通行

475 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/05(水) 16:23:11.47 ID:B8LF3AmDO

実際半分は彼の推測通りだった

あの時手応えの無さを感じ取った校長は返ってくる力にすんでのところで気付き右腕を脱力。
僅かに受けたダメージを逃すため背後に自分から跳躍したのだ


一方通行「面白ェ…面白ェよオイ!」


一方通行は再び足下のベクトルを操作しまたも高速移動をする

狙いは頭上

最短距離から重力を加えて頭を狙う

しかし校長は最低限体を捻るだけで一方通行の攻撃をかわす

そして今度は一方通行の鳩尾に右腕を放つ

476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/05(水) 16:24:55.34 ID:B8LF3AmDO
一方通行(無駄だってェのが分かンねェのかァ?脳筋ハゲ)ガハッ!?」


いきなり腹部に走る衝撃に着地も出来ずうずくまり悶える一方通行

一方通行(反射が破られた!?まさかコイツも木原と同じ手で!?)


しかし木原とは明らかに重みが違う

抉るような痛みがじわじわと増してくる


「押してダメなら引いてみよと先人は言うたが然りだな」


校長が何かを呟いてるが一方通行の耳には届いていない

ただ校長を睨み付け痛みを堪えることしか出来ない

それは彼の必死のプライドが負けることを許さないのだろう

例え目に涙を浮かべて唇はプルプル震えていたとしても

477 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/05(水) 16:27:01.35 ID:B8LF3AmDO

「うむ…少し手荒くしすぎたか…すまないお嬢さん」


校長が帽子を被り頭を下げる


一方通行「だ、誰がお嬢さンだ…」

「しかし君は強いな…強くて…可憐だ」


妙によそよそしく校長が語る


「君みたいな強さと可憐さをあわせ持つ女性は初めてだ…」

「唐突ですまないが…」

「私と結婚を前提に付き合っていただけないだろうか?必ず守ってみせる!!」///


一方通行人生初のプロポーズを受けた瞬間だった
478 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/09/05(水) 16:43:17.72 ID:B8LF3AmDO
今回はここまでで終了です

部活編も終了で次回からは綿流しになります


長っかた本当に長かった


シリアスはもっと長いんだろぉな終わんのかなコレ…


というわけでまたノシ
479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/05(水) 17:01:56.91 ID:RKKPG5cDO
(゚Д゚)



ある意味最強タッグじゃね?
480 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/09/05(水) 17:29:40.16 ID:Fs21+G9n0
最強過ぎて 山狗がヤバい
481 :以下次回から予告 [saga]:2012/09/05(水) 17:57:05.49 ID:B8LF3AmDO
コノガキガミゴロシニサレテモイイッテリユウニハナンネェダロウガ!コノガキガ…

番外個体「ん?あ!あの人から電話だ」

番外個体「もしもしどったぁ?ミサカ暇じゃ無いんだけど〜?」

番外個体「ん?いやモンハン?」

番外個体「あのね?モヤシの優先度とかモス以下だしwwww」

番外個体「え!?…あ…うん。じゃあ良いよ何?」///

番外個体「はぁ!?祭りぃ!?」

番外個体「そんなんミサカも知らないし」

番外個体「あ〜うん。ちょっと待って繋いでみる」

番外個体「大体わかったよ。なぁんか浴衣が基本らしくて定番は金魚すくいなんだって」

番外個体「さぁ?店員に聞けば?『なンか似合う浴衣ありませンかァ?』って。どうせほっといたらウルトラマンセロリじゃんww」

番外個体「え!?なんかやけに素直じゃん?いつもなら『この学園都市トップの崇高なファッションセンスは凡庸で凡俗なお前らには一生理解出来ねェンだよキリッ』とか言ってんのにギャハハハハ」

番外個体「ふ〜ん?まぁいいかぁ。後はお金は多めに持ってたがいいらしいよ?カード使えないから」

番外個体「はぁ!?何言ってんの!?お礼とかマジキモいし!」///

番外個体「とにかく!ミサカとの約束忘れるんじゃ無いよ!」///

番外個体「うん。はーいじゃあね〜モヤシセロリ〜」

番外個体「ぎゃは!やだよ〜」

ピッ…ツーツー


番外個体「やった!あの人と一緒に買い物行けるぅ〜!」///

番外個体「ハッ!な…なにミサカ喜んでんのさ!
これはモヤシの財布におごらさせるだけであって…
別に二人きりでとか全然…///
えぇいもぉ!モヤシに何買わせるかだけ考えよう!
そうだなぁ…モヤシが浴衣とか言ってたからミサカも高いの買って貰って…
そして二人でそのまま夏祭りとかなぁ…」///
482 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/09/05(水) 20:18:27.53 ID:JSMKGO7AO
モス馬鹿にすんなよ!

483 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2012/09/05(水) 22:44:57.40 ID:g3Z2dAAWo
モスは眠りの天敵
なんど起こされたことか

>>1
484 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/09/07(金) 18:32:13.41 ID:Kk766UmDO
こんばんわ!今週最後の投下に来ました

気付けはひぐらしの声もすっかりしなくなりましたね

今はたまに聞こえるツクツクボウシにお前まだ鳴いてんのかよ!と突っ込みたくなるぐらいです


>>479組んじゃいけない組み合わせですね。チートです

>>480実際赤坂さんより校長が強い気がするのは僕だけでせうか?

>>482>>483モスはイャンクックから命からがら逃げた時怒りの追撃により俺を初めて三落ちさせた因縁のキノコです


それではお祭り編スタート
485 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/07(金) 18:40:11.69 ID:Kk766UmDO
綿流し当日


一方通行「こンなもンか…」


鏡に映る自分の姿を見て頷く一方通行

彼の今日の服装はいつものウルトラマンではない

祭りということで彼は浴衣を購入して今ようやく着終わったのだ


一方通行「意外に大変だったな」


バッテリー残量を確認しながら呟く一方通行
486 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/07(金) 18:41:13.98 ID:Kk766UmDO
ただでさえ杖を付いてる一方通行は悪戦苦闘し結局能力を使いようやく着ることができたのだ


一方通行「バッテリー大丈夫だろォな…」


意外に消費してしまった電極をみて不安になる

面子が面子なのだ

一体どれほどの充電を食うか分からない以上出きるだけフルに近い状態で行動したい


一方通行「ハァ…充電すっかァ」


専用のプラグを電極に繋げ壁にもたれ座り充電を開始する


487 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/07(金) 18:43:00.54 ID:Kk766UmDO
一方通行(なンだかンだですっかり俺も楽しみにしちまってンな)


祭りのことを考え充電をしてる自分に自嘲気味に笑う

だが悪くない

ずいぶん甘ったるいがこれくらいが苦すぎる自分には調度いいのではないか

薄れてく意識の中心地よさ気に口元が上がる


芳川「あら?寝てるの?」


いきなり入ってきた芳川にビクッと体を震わせ目を開ける一方通行
488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/07(金) 18:44:13.30 ID:Kk766UmDO

一方通行「なンだお前?人様が気持ち良く寝てる所邪魔しやがって」


プラグを抜き億劫そうに立ち上がる一方通行


芳川「竜宮さんもう来てるわよ?」

一方通行「レナがァ?早ェなアイツ…」

芳川「ほら早く行きなさい。女の子を待たせるなんて男として最低よ?百合子ちゃん」

489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/07(金) 18:45:13.82 ID:Kk766UmDO
一方通行「うるせェクソが…言われなくとも行ってやンよ」


クスクス笑う芳川を無視しレナの待つ玄関に向かう一方通行


芳川「…気持ち良くね」


一方通行の寝顔を思いだす芳川


芳川「…気づいてるのかしら?あの子いつも何かに警戒してるように寝てるのにあんなに無防備に眠れるようになったのね」


安心したように眠っていた一方通行に芳川は満足そうに笑みを浮かべ外を見る

芳川「私もそろそろ向かおうかしらね…あぁめんどくさいわ」


ガックリと肩を落として芳川は一方通行の部屋を後にした
490 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/09/07(金) 18:49:53.11 ID:Kk766UmDO
かなり短いですが書き溜めのキリの良さ的に今日はここまでにさせていただきます
m(__)m


一方通行の充電方法は自己解釈です

なんか打ち止めに散歩させられてる絵を昔見たのでそこから考えました

でわまたノシ
491 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/09/07(金) 19:55:06.86 ID:3HBhRaOL0
乙!!
小ネタはどォォォォしたァァァァ!!!
残念だが、まぁ頑張って下さい。
492 :遅れましたが以下次回から予告 :2012/09/07(金) 21:01:01.19 ID:Kk766UmDO

「皆さんこんにちはミサカ17330号です」

「ミサカは学園都市への協力機関のあるここ雛見沢に派遣された17330号ですね」

雛見沢号「色々調整とかどうすんだよ!とか協力機関?とか疑問はふにゃっとして下さい」

雛見沢号「それにしても綿流しですかぁ…ちょっと今日は諸事情がありまして行けないんですがねぇ…」

雛見沢号「よくよく考えれば私はこのSSで登場するのでしょうか?」

雛見沢号「確かに>>1は次回作まででたらご都合主義により適当な妹達を出させてみようかなぁとは心の片隅に留めていたのですが…」

雛見沢号「実際私は>>363のレスにより考案されたキャラも何も定まってないダメミサカ」

雛見沢号「…実際この次回予告に登場したのも>>1の『どうしよう予告思い付かねぇよ…』的な状況により出番が回ってきたのですよ」

雛見沢号「なんなんでしょうね…このミサカの存在意味ってミサカだって本当は初めて一方通行に会ってみたかったですし…祭りにも行って五凶爆闘に参加したかったです!」

雛見沢号「でもミサカなんてですね…日陰でやってるのが一番なんですよね…一方通行も…ミサカなんか…出来損ないの…乱増品……としか思っていませんから…ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい」
493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/09/07(金) 21:14:21.33 ID:ZoHLSY6n0
発病してる!?
494 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/08(土) 17:57:14.76 ID:Q6P6nOUe0
17330で雛見沢か
495 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/08(土) 23:57:26.02 ID:+8fKokZ00
こっちじゃミンミンゼミがまだ泣いてるぜ!
496 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/09/09(日) 07:20:28.73 ID:JRfoEgIR0
>>1乙 

綿流しですが、小食の第一位 最下位?
497 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/09/10(月) 12:11:03.39 ID:xeigczJDO
皆さんこんにちは!

今週最初の投下です


>>493個人的なキャラ設定はヤンデレで行こうかと考えてます

>>494そんな感じです

>>495チベットか!?チベット自治区だからか!?

>>496どうなることやら…

それではよろしくお願いします
498 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/10(月) 12:12:41.77 ID:xeigczJDO
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

夕暮れの空にひぐらしの泣き声と微かに聞こえてくる祭り囃子の音が響く

いつもは人通りなんて皆無に近いこの雛見沢にも今日に限ってはある程度人だかりが出来ている

そんななか一際目立つグループがあった


一方通行「歩きづれェ…」


浴衣を着た一方通行は杖をつきながらオタオタと歩いている

浴衣を着た人間が杖をついているというのはなんとも可笑しい絵であり

さらに渋みのある浴衣を着ている人間が近未来的な杖をついてるというのは可笑しいを通り越してもはやシュールなだけであった

499 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/10(月) 12:13:48.07 ID:xeigczJDO

魅音「そりゃただでさえ着なれてないのに杖なんてついてたら歩き辛いでしょ?」

レナ「別に浴衣じゃなくても良かったんだよ?だよ?」

一方通行「……うるせェ」


舞い上がってた自分が恥ずかしくなっていく一方通行

この日のために彼は

"祭りにはどんな服装で行けばいいのか"

"持っていくべき金額"

"いい露店の選び方"


など学園都市にいる番外個体などに密かに相談していたのだ

500 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/10(月) 12:14:50.26 ID:xeigczJDO

一方通行(クソがァ!何が『日本の祭りは浴衣に始まり浴衣に終わる』だ!あのガキ適当な事抜かしやがってェ!)


魅音「それに今日は暴れまわるんだから動きやすい服装で来た方が良かったんだけどなぁ〜」

レナ「確かに浴衣じゃあんまり動き回れないんだよ?だよ?」

一方通行「少しは大人しくしとけよ…」

魅音「大人しく浴衣で楽しむお祭りなんて幼稚園の時に卒業しとくべきだよ!」

一方通行「悪かったなァ…」


実際祭りなんて彼にとっては全く別の世界の代物で参加するなんてあり得なかった行事なのだ


幼稚園もクソもない


501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/10(月) 12:17:19.24 ID:xeigczJDO

一方通行(打ち止めも祭りぐらいには行かせてやンねェとな)


次に学園都市に戻るのは向こうで夏祭りがあるときにでもしようかとふと考える

人通りが密集してくる


一方通行「会場は梨花ちゃンの家の神社だっけか?」

魅音「そだよだから梨花ちゃんと沙都子とは現地集合」

一方通行「見つかンのかねェ」

レナ「あ!なんか探さなくても大丈夫みたいだよ!だよ!」

一方通行「あ?」

502 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/10(月) 12:18:36.25 ID:xeigczJDO

目を向けると調度階段の横に二人して並んで待っている

梨花ちゃんは相変わらずのんびりマイペースに待ってるが沙都子は腕を組み貧乏揺すりをしているのを見ると相当苛立ってるのが分かる


魅音「おーい!沙都子ぉー梨花ちゃぁーん」


魅音が大声で叫ぶと二人してパタパタと駆け寄ってくる


沙都子「遅いですわ!」

魅音「ごめんねぇ?なんか道っちゃんの気合いが空回りして」

一方通行「うるせェ…」

沙都子「まったく…レディを待たせるなんてどういうつもりですの!?」

一方通行「悪かったな梨花ちゃン。待たせちまった」
503 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/10(月) 12:19:59.48 ID:xeigczJDO

梨花「?」

沙都子「レディは私ですわーっ!」

一方通行「黙れクソガキ…梨花ちゃンのそれは巫女さンか?凄ェな」


ポカポカと殴ってくる沙都子を適当に無視して一方通行は梨花ちゃんの着ている巫女服を珍しげに眺める


魅音「家の婆っちゃ特製だからね。毎年寸法してるんだよ」

梨花「み〜お魎にはいつも世話になってばかりなのです」

魅音「アハハハッいいっていいって!老い先短い老人のささやかな楽しみなんだって」

梨花「今度また遊びに行くのですよ」

504 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/10(月) 12:23:04.87 ID:xeigczJDO
魅音「あぁそうしてやってなんか孫が増えたみたいだって喜んでるから!」

梨花「そうするのですよ。そういえば道行は浴衣なのですね?」

一方通行「知り合いが祭りつったら浴衣って言ってたンだ。文句あっか?」

梨花「いいえとても似合っているのですよ」

一方通行「そ、そォか?」


さんざん否定され続けてきた浴衣をようやく認められ若干機嫌がよくなる一方通行


梨花「はい。百合子降臨なのです」

一方通行「……うるせェ」
505 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/10(月) 12:24:26.88 ID:xeigczJDO

沙都子「無視すんなーっですわ!」

散々一方通行から無視され続け堪忍袋の尾が切れた沙都子がパチンと指を鳴らすと一方通行の頭上に金属製のタライが現れる


一方通行「ゴァッ!?」


不意討ちを受けた一方通行は力無く転がるタライと共に倒れ込む


沙都子「おーっほほほ!天罰ですわー!」


してやったりとばかりに一方通行の頭を踏みつけ高笑いをする沙都子


レナ「だだだ大丈夫?道行くん」

魅音「クリーンヒットしたからねぇ?おーい生きてるかーい道っちゃぁん?」

506 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/10(月) 12:26:12.51 ID:xeigczJDO

本気で心配していそうなレナと笑いながら木の棒でつつく魅音


一方通行「く…く…クククッ!クククククッ!」


うつ伏せのまま笑い出す一方通行

対照的に沙都子は青ざめ汗が滝のように吹き出ている


一方通行「クゥソガァキがァァァ!」


電極を弾き勢いよく立ち上がる一方通行


沙都子「ひ…ひぃ!」

507 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/10(月) 12:26:46.90 ID:xeigczJDO

一目散に階段をかけあがり逃げ出す沙都子


一方通行「待ァちやがれェクソガキがァァ!」


沙都子「待てと言われて誰が待ちますのー!キャアアアア!!」

一方通行「切り刻ンで金魚の餌にでもしてやらァ!!」


物凄い速度で階段を駆け上がる二人


魅音「ククククク…さぁておじさん達もはやく行こうか?」

レナ「うん!いっぱい遊ぶんだよ!だよ!」

梨花「そしていっぱい罰ゲームにしてやるのですよ」


残された三人も急いで階段を駆け上がて行った
508 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/09/10(月) 12:30:19.95 ID:xeigczJDO
本日の投下終了ォー。


といったところで次からは本格的なお祭りです

次回から予告どうしょっかなぁ…
ネタがない

でわまたノシ
509 :以下次回から予告 [saga]:2012/09/10(月) 13:33:01.45 ID:xeigczJDO
打ち止め「アナターってミサカはミサカは昨日徹夜でCLANNAD見てたあなたを叩き起こしてみたり!」

一方通行「!!風子ォ!あ?なンだお前かクソガキ…ったく何の用だ」

打ち止め「……ミサカはミサカは自分の立ち位置とあなたの移り気にわなわなと震えてみる」

一方通行「はァ?何の事だ?」

打ち止め「誤魔化したって無駄なんだから!ってミサカはミサカはあなたに昼ドラの如く詰め寄ってみる!」

一方通行「お前まだ昼ドラなンか見てンのか…見ンな言ってンだろ」

打ち止め「だって面白いんだもん!ってミサカはミサカは反論してみる!」

一方通行「ンな爛れたもン見るンだったらCLANNAD見ろ」

打ち止め「よく分かんないんだもん!ってミサカはミサカはストーリーの難しさに問題があると見解してみる!」

一方通行「昼ドラ理解できるヤツが何浅い言い訳してンだ」

打ち止め「それにCLANNAD見て浮気性になるよりはマシだ!ってミサカはミサカは泣きの反論してみる!」

一方通行「なンだァ!?クソガキお前CLANNADディスってンですかァ!?風子ディスってンですかァ!?」

打ち止め「ミサカと風子どっちが大事なの!ってミサカはミサカは昼ドラ定番の台詞であなたを追い詰めてみたり!」

一方通行「やっぱ悪影響受けてンじゃねェか…お前昼ドラ禁止な」

打ち止め「そ、そんなひどい仕打ちなんてない!ってミサカはミサカは大反論」

一方通行「るせェな…つゥか何の用だ?いちいち人の貴重な睡眠邪魔しやがって」

打ち止め「あ!あのね!かき氷作って欲しいのってミサカはミサカはおねだりしてみる」

一方通行「かき氷だァ?まァ夏だしもォ3時か…ちょっと待ってろ」

打ち止め「やったぁ!あのね?あのね?ミサカあの頭が痛くならないのがいいって提案してみる」

一方通行「ハイハイ…氷の分子を圧縮圧縮…ほらよ」

打ち止め「やったぁ!ありがとぉ!ってミサカはミサカは小躍りしながら喜びを表現してみる!」

一方通行「…なら俺は寝直す……風子ォ…むにゃむにゃ」

打ち止め「浮気者〜っ!ってミサカはミサカはあなたの顔面にかき氷をぶちまけてみる!」

一方通行「ギャアアアア!?冷てェェェェ!?」
510 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/09/10(月) 14:03:47.20 ID:cuMBKfYG0
風子は泣いた
ことみも泣いた
511 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/09/12(水) 20:23:59.13 ID:HO+auTvDO
こんばんわ

ちと熱っぽいですが投下に来ました

>>510泣かない人が珍しい名作ですもんね

さて沙都子は切り刻まれて金魚の餌になっているのか!?

投下です
512 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/12(水) 20:38:37.07 ID:HO+auTvDO

――――――――――――――
―――――――
―――――
――――


一方通行「沙ァ都子ちゃァン?獲物になるンだったら狐になりやがれェ!」

沙都子「いやぁぁぁぁ!」


必死で逃げる沙都子を露店の射撃銃片手に追撃する一方通行


一方通行「ホラホラァ!ちンたら逃げやがってェ!豚みてェな逃げ方してンじゃねェ!」


人混みを縫うように逃げている沙都子だか一方通行は確実に沙都子の足を狙い撃つ


沙都子「キャッ!?」


射撃の弾を受けた沙都子が一瞬怯む


一方通行「終わりだなァ沙都子ちゃァン?」


沙都子の額に銃口を突き付け一方通行が笑う

513 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/12(水) 20:50:57.70 ID:HO+auTvDO

「はーいそこまでだよ〜道っちゃぁん」


肩に手が置かれ振り返る一方通行


一方通行「魅音か…」

沙都子「みみみ、魅音さん助けてくださいまし!」

一方通行「邪魔すンな魅音。今から少しばかり早い誕生日プレゼントを沙都子にやるンだからなァ?」

魅音「いいから落ち着いてって…全く部活前に死人出してどうすんの?」

一方通行「今更だろォが?少しばかりハシャイだ所でコイツは変わらねェよ」

魅音「う〜んはしゃいだって言うか…まぁある意味そうなんだけどさ道っちゃん?」

一方通行「あ?」

514 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/12(水) 20:53:04.66 ID:HO+auTvDO

妙に言葉を濁して顔を赤らめる魅音に一方通行は怪訝そうに眉をひそめる


魅音「その〜サービスしすぎじゃない?服」


にゃはは…と笑いながら一方通行の浴衣の胸辺りを指す

一方通行の浴衣は盛大にはだけていた

大胆にはだけた浴衣は一方通行の両肩から胸元まで完全に外の空気に晒させ露店の灯りに映し出された白い柔肌はどこか淫靡さをかもし出しでいた

周囲の視線は当然一方通行のその部分に寄せられており

アノネェチャンムネハザンネンダガスゴクエロクネ?

ヤッパオンナハカオダナ!アノコマジテンシ!

アルビノヤー!アルビノビショウジョヤー!!コンナイナカマデキタカイアッタデェー!!

など好き勝手な噂をされている

515 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/12(水) 20:56:02.14 ID:HO+auTvDO

一方通行「チッ…」


猟銃を脇に挟み浴衣を直し出す一方通行

その隙に沙都子は魅音の影に隠れる


レナ「はぁはぁ…やっと追い付いた〜」

梨花「部活の前にもう疲れたのですよ…」

魅音「二人とも情けないねぇ〜。道っちゃんと沙都子も決着は祭りでね?」

一方通行「俺は構わねェな。いつかみたいにこのガキを完膚なきまでに公衆の面前で叩きのめしてやらァ」

沙都子「ふん!祭り慣れもしてない道行さんが果たしてついていけるのか楽しみですわー!」

魅音「へぇ二人のボルテージはもう最高潮みたいだねぇ…じゃあ始めるよ!綿流し五凶爆闘!止めれるもんなら止めてみろぉぉぉ!!」

「「「「おぉーっ!!」」」」


一方通行を含め全員が手を挙げる

照れ臭い

だがこういうのも悪くはないと一方通行はそう思った
516 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/12(水) 21:02:43.33 ID:HO+auTvDO
魅音「かき氷早食い対決!」

魅音の掛け声と共に皆一斉にかき氷を頬張る

沙都子「くぁー!こんなもの絶対に無理ですわ〜」

魅音「甘いねぇ!おじさんはシロップたっぷりだからね!混ぜればすぐ溶ける!」

一方通行「食ったぞ」

一同「早っ!?」

レナ「え!?道行くん?どうやったの?」

517 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/12(水) 21:07:08.73 ID:HO+auTvDO

梨花「確か能力でかき氷溶かすのは禁止してたハズなのです」

一方通行「ンなことしなくても能力で痛覚麻痺させりゃ問題なくいけンだろが」

沙都子「卑怯ですわー!」

一方通行「いや俺はかき氷にはまったく能力使ってねェからルール違反にはなら…」


ドヤ顔で言い放つ一方通行だがいきなり腹部を押さえてうずくまる


梨花「どうしたのですか?道行」

一方通行「いきなり冷たいもン入れたから腹が…」

魅音「あはははは!これに懲りたら少しは能力に頼るのやめたらぁ?」

一方通行「………うるせェ…」

その後約10分程してようやく一方通行は復活したのだった


518 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/09/12(水) 21:16:32.12 ID:HO+auTvDO

少し少ない気がしますが今日は以上になります


それでわまた金曜にノシ
519 :かなり遅れましたが次回から予告 [saga]:2012/09/13(木) 00:48:57.13 ID:FLZX6JqDO

全てを犠牲にして戦った一方通行は自らの能力を超えた先に辿り着き彼の体は進化を遂げる


梨花「百合子比が60%を超えたのです」

しかしそんな一方通行に忍び寄る漆黒のタンクトップが


あらゆる陰謀が渦巻く中何も知らない村人と共に祭りは行われる


次回。綿流し五凶爆闘〜腹下し編〜

一方通行と美少年盗撮三十路男が交差♂する時、物語は始まる
520 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/13(木) 02:02:47.70 ID:zbCZhvnNo
乙!
腹下しクソ吹いた
521 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/13(木) 02:07:02.81 ID:BWUsid8DO
色々とヒデェww
522 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/09/13(木) 07:37:28.72 ID:Tg4jc7gf0
乙!
もうこれが本編で良いんじゃね?wwwwww
523 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/09/14(金) 22:29:27.29 ID:atoJTd7DO
こんばんわ!

投下に来ました!

今こちらでは雷がヤバイですね…

恐らく茶色い短髪の中2がツンツン頭の男子高校生を地元で追いかけ回してます


>>520>>521その場のテンションがぶっ飛んでいたんです。独りヤケ酒は怖いですね。ハイ

>>522こんな些細な予告でも喜んでいただいたら何よりです。本編でもこのくらいやれれば良いのにorz

それでわ前置きはこの辺で
524 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/14(金) 22:31:28.85 ID:atoJTd7DO

沙都子「お次は焼そば早食い対決ですわーっ!」

一方通行「また早食いかァ…少しは間を開けて…ウプッ」

まだかき氷のダメージが抜けきれてない一方通行は口を押さえながら顔を背ける

梨花「ひょろっちいのです」

一方通行「うるせェ…もともと俺は少食なンだ」

沙都子「嫌なら構いませんわよ〜?その場合ビリは道行さんになりますけどぉ〜?」

いやらしく高笑いする沙都子

完全に確信犯だ


一方通行「クソがァ…やってやンよ…チクショオ…」

525 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/14(金) 22:34:13.03 ID:atoJTd7DO

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

一方通行「………吐きてェし死にてェ」


一方通行は隅の木陰で魅音に背中を擦られていた


魅音「お〜よしよし道っちゃんアンタは良く頑張ったよ」

沙都子「まったくホント軟弱ですわね…」

梨花「大丈夫ですか?道行」

一方通行「………そォ思うンならまずその手を止めてから言うンだな梨花ちゃン」


ツンツンツンツンと一方通行の腹をつついてる梨花ちゃんに一方通行は目立った抵抗も出来ずぐったりとした口調で答える

526 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/14(金) 22:34:58.64 ID:atoJTd7DO

レナ「ほら!道行くんお水貰ってきたんだよ!だよ!」


コップに水を入れたレナがやって来る

一方通行「……悪ィな」


遠慮なく水を飲む一方通行


魅音「どう?だいぶ楽になった?」

一方通行「お陰様でな…だからってぐいぐい人の腹押すンじゃねェ梨花ちゃン」


先程よりいっそう力を込めて押し出した梨花ちゃんの頭にチョップを叩き込む


527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/14(金) 22:37:16.61 ID:atoJTd7DO

パシャッ

いきなりフラッシュ音が響き5人に強い光が照らされる

一方通行達が目をやるとそこには片手をあげ笑っている富竹の姿があった


富竹「やぁ。今年は珍しく大人しいね?」

魅音「富竹のおじさまじゃん!久しぶり!道っちゃんがダウンしちゃってね〜。ん?富竹のおじさまは道っちゃん分かる?」

富竹「道っちゃん?あぁ道行くんか!もう何度か会ってるから分かるよ」

一方通行「どォも」


とりあえず頭を下げる一方通行

なんとなくだが一方通行はこの男を警戒していた

いくらかの不審な発言を思いだし顔をしかめる

528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/14(金) 22:40:41.37 ID:atoJTd7DO


沙都子「おじさまは今年も暇人なんですのね〜?」

梨花「沙都子ダメですよ。ほんとの事でも言って良いことと社会的に不味いことがあります」

富竹「あはははは…相変わらず二人は手厳しいね…」

レナ「富竹さんは今年はいつまで雛見沢にいるのかな?かな?」

富竹「う〜ん…今週いっぱいが限度かなぁ〜ほんとはもっと長居したいんだけど仕事とお金がねぇ…」

魅音「ほんとに仕事とお金ですかぁ?おじさんは後者の割合が1:9くらいだと思うなぁ〜」

富竹「ほ…ほんとだよ!それに2:8くらいだよ!」

529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/14(金) 22:43:41.40 ID:atoJTd7DO

一方通行(……悪いヤツではなさそうだな)


まだ完全に信用は出来ないが仲間達と打ち解けて話している富竹を見てとりあえず信用する


一方通行「2:8?」

沙都子「富竹のおじさまはまだデビュー前ですからね先立つものが貧相なのですわ」


沙都子が富竹の金銭事情を一方通行に耳打ちする

ちなみにもろ聞こえである


富竹「あはははは…聞こえてるよー沙都子ちゃん。まぁその通りなんだけど」

魅音「早くばりばり稼いでくださいね〜?出世払いの撮影料が利子付きで膨らんで行ってるんですから」

富竹「えぇ!?聞いてないよ!?」


アハハハハと笑いが起こる
530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/14(金) 22:47:13.73 ID:atoJTd7DO

一方通行「ンならいっそ雛見沢に住めばいいだろ」

富竹「え!?」


ふと思い付いた一言をそのまま発した一方通行

富竹を含めレナ達も無言になる


一方通行「確かに都会に比べりゃ何もねェやっていけるかどォかも分からねェド田舎だがよォ…
実際住んでみりゃそンな些細なもンどォにでもなンぞ?俺が良い例だ」


自分でも何の保証にもならない言葉と分かっていても口にしてしまう一方通行


富竹「アハハハハ…道行くんありがとう。」


乾いた笑いをする富竹

彼には彼の事情というものがあるのだろう

531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/14(金) 22:49:58.99 ID:atoJTd7DO

魅音「う〜ん…よし!毎年富竹のおじさまは綿流しにも来てくれてるからね〜名誉村民として迎えようではないか!?」

富竹「えぇ!?」

レナ「レナは賛成だよ?よろしくね富竹さん」

梨花「祭りの夜だけでも羽目を外して楽しんだらいいのですよ」

沙都子「キン肉マンに私の相手が勤まるか楽しみですわ〜っ!」

一方通行「沙都子は馬鹿だからな。わりと単純な手に引っ掛かるぞ」

富竹「い、いいのかい?」


未だにこの状況に着いていけなく困惑する富竹

一方通行はそんな彼がつい最近の自分と重なり妙な親近感を感じた

532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/14(金) 22:51:37.09 ID:atoJTd7DO

一方通行「好意ぐらい素直に貰っとけ。こちらも専属カメラマン手に入るからな。黙って着いてこい」

沙都子「……ツンデレですわ」

魅音「デレたねぇ…おっさん相手に」

レナ「デレた道行くんかぁいいかったよ〜」

梨花「百合子比が60%を超えたのです」

一方通行「なァに勝手なこと口喋ってンですかァ?お前らァ!」

富竹「あは…あははは。分かったよ。どうかお手柔らかに頼むよ先輩方」
533 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/09/14(金) 22:57:26.84 ID:atoJTd7DO
一方通行がデレた所で以上です


今週最後の投下は如何だったでせうか?

それではまた月曜にノシ
534 :以下次回から予告 [saga]:2012/09/15(土) 00:05:05.20 ID:Ys1hZe6DO

三匹の三下


垣根豚「ついに完成したぁ!間違いねぇ…究極のメルヘンだろぉ…最高の家だぜぇ」

羽毛家

垣根豚「冬場の防寒も完璧!内装もメルヘン極まりない!」

スッ…

一方狼「yjrp悪qw」

ドガグシャブチョグチャドシャーン…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ヒーロー豚「やっとだ…やっと完成した…突然の落雷や、竜の吐息、聖人の腕相撲大会や神の右席の忘年会で大破した上条さん宅がようやく!お金もないから全部自分で…うぅ思い出したら泣けてきた」シクシク

木の家

フッ

一方狼「くかきけこかかきくけききこかきくここくけけけこきくかくきくこくくけくかきくこけくけくきくきこきかかかーッ!!!!」

ズガーン

ヒーロー豚「……うわわわわん!不幸だーっ!!」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

木原豚「絶対の壁さえ作ったらしんDすけもみDえも入りゃしねぇんだよ!分かるかな?マゾヒストくん?」

レンガの家

木原豚「30年ローン組んで猟犬部隊の新アジト建てだからなぁお前らぁ!絶対にしDのすけに見つかるんじゃねぇぞ!」

ザッ

一方狼「ihbf殺wq」

ゴゴゴゴゴズシューン


御坂妹「といった具合で一方狼は自分の気に食わない人間の家を全て灰に帰しましたとさ。めでたしめでたしとミサカは入院中の子供達に自作の紙芝居を披露します」

御坂妹「次回は綿流し五凶爆闘〜すけこまし編〜ですとミサカは宣伝します」
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/09/15(土) 00:50:31.30 ID:QZHrTY5AO
おちゅ
536 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/15(土) 02:46:47.11 ID:dFn9NQdDO

一人ヤケ酒で目の潤んだヴェントさん…ゴクリ
537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/09/16(日) 08:53:26.70 ID:4pAKCx4Eo
木原豚wwww
538 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/09/17(月) 23:31:44.37 ID:8Q0zKTNDO
こんばんは寝る前に投下に来ました

熊本の台風は風だけでした


>>536イメージ的には酔ってフィアンマとヴェントがアックアをイジメだして癇癪を起こしたアックアにより全壊って感じです

>>537使えない部下と上司からの高いノルマに苦戦する資本主義の奴隷です

それでは
539 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/17(月) 23:34:51.75 ID:8Q0zKTNDO

魅音「さぁてなら次のゲームからは富竹さんも参加ってことで次のゲームはレナが決める番だね」

レナ「くじ引きなんてどうかな!?かな!?」

富竹「また運任せな物を選んだね」

一方通行「飲食系でなければなンでも構わねェ」


6人はくじ引きの露店に向かう

540 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/17(月) 23:36:42.67 ID:8Q0zKTNDO

レナ「はぅ〜!やっぱりかぁいいのがたぁくさんあるよ〜」

魅音「なるほどね。レナ好みのかぁいい景品がたくさんあるね」

富竹「ははは…なんか僕と道行くんはやりずらい店だよね」


ズラリと並んだ女子向けの景品を見て富竹が頭を掻く

正直なところ一方通行の胸中も似たようなところだった


梨花「道行は百合子になれば万事大丈夫です」

一方通行「俺が人として万事休すだろォが」

富竹「百合子?」

沙都子「道行さんの真の姿ですわ」
541 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/17(月) 23:39:44.92 ID:8Q0zKTNDO

一方通行「なに食いついてやがンだ筋肉メガネ。クソガキもいらねェ説明してンじゃねェ」

レナ「みみみ皆!早く引こうよ!」

魅音「確かにここで油売ってもなんだし引く順番じゃんけんするよ」

じゃんけんをし決まった順番にくじを引いていく

結果は魅音、一方通行、沙都子は同じ100円ショップに売っていそうな7等キャラクターペン
梨花ちゃんは4等の大人気アイドル一一一のレア下敷き
レナは3等の耳がとれて毛色が青のリアル子猫ぬいぐるみ
そして富竹は見事に1等の大精霊チラメイドを手にいれた


梨花「……こんなんいらないのです」

沙都子「……私もこれはちょっと…」


互いの景品をみてため息をつく二人

542 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/17(月) 23:51:56.24 ID:8Q0zKTNDO

レナ「かぁいいよぉ!ほら!道行くん見て見て!?目なんか凄くつぶらだよ!」

一方通行「なンつゥか気味悪さ7割苛立ち2割可愛さ1割だな」

レナ「そんなことないよ!レナにとってはかぁいいさ10割なんだよ!だよ!」

一方通行「妙に毛並みが良いのが余計に気味悪ィし腹立つ」


当たったペンをレナにやり一方通行はぬいぐるみの頭を叩く

"当初の設定は21世紀〜"

ぬいぐるみから妙なダミ声が響いてくる


一方通行「学園都市でも無理だからなあと1世紀は延びンぞ」

レナ「えっと…なんのこと?」

一方通行「……なンでもねェ忘れろ」

543 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/18(火) 00:02:41.83 ID:lamzmC+DO

魅音「おじさまは"それ"どうすんの〜?愛しの彼女にご試着願うわけ?」

魅音は富竹が当てたそれを指差しプククと笑っている


富竹「ご試着って…あははは、どうかなぁ〜」

魅音「どうかなぁって本当は確定事項じゃないのぉ?羨ましいぜこのこの〜」

富竹「ちゃ…茶化さないでくれよ魅音ちゃん」

魅音「茶化す〜?なんのことかなぁ?それよりナース服とソレどっちが好みぃ?」

富竹「そんなの着て貰わなきゃ分かんな…な、何言わせるんだい!」

魅音「やっばりか〜まぁおじさんはソッチの方が新鮮で良いと思うよ〜?」

富竹「な、なんの事か分からないな〜……それより次!次の見せに行かないかい?」

魅音「はぐらかしちゃってぇ!まぁいいや。梨花ちゃんは次、何したい?」
544 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/18(火) 00:03:40.04 ID:lamzmC+DO

梨花「綿菓子が食べたいのですよ」

一方通行「また食い物かァ?」

梨花「嫌なのですか?」


うんざりしたような口調の一方通行に目を潤ませて梨花ちゃんが見上げてくる


一方通行「構わねェ…少し小腹が空いてきた頃合いだしな」


梨花ちゃんの頭をポンポンと撫でる


沙都子「後悔しませんわね?道行さん」

一方通行「まァ大丈夫だろォよ」

魅音「じゃあ行こうか!道っちゃんどうなっても知らないよ〜?」
545 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/18(火) 00:12:14.44 ID:lamzmC+DO
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


一方通行(甘ェ…砂糖じゃねェか…なンだこれ)


はじめて食べる綿菓子に顔をしかめる一方通行

口の中に不快な砂糖のような甘さがまとわり着く

実際に融解した砂糖を棒に丸めただけのお菓子なのだがそんなこと知らない一方通行は一口で食べきるのを諦めた

魅音沙都子梨花の三人は綿菓子を上から叩き潰して既に完食している

546 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/18(火) 00:13:13.62 ID:lamzmC+DO

一方通行「ほらよ」

魅音「え?」


一口だけ食べた綿菓子を魅音に差し出す


一方通行「不戦敗だ。残りやる」

魅音「え!?え!?」///

一方通行「甘すぎンだ。捨てるのもなンだしな。いらねェってンなら他あたるが」

魅音「う、うん!貰うよ!いやぁおじさん綿菓子大好きだしなぁ〜」///


一方通行から綿菓子を受け取る魅音


一方通行「さっさと食えよ。甘いの好きなンだろ?」

魅音「え!?ううううん!」///


一方通行に急かされ躊躇いながらも一口小さく頬張る魅音

547 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/18(火) 00:20:29.18 ID:lamzmC+DO

一方通行「どォだ?」

魅音「……甘い…よ」///

一方通行「だろォな」


顔を赤くして黙々と食べる魅音とそれを黙って見る一方通行

その光景は恋人同士の初々しい姿に見られてもおかしくない

しかし片割れの白髪の男の心中は口からなかなか離れない甘味に対しコーヒーを買ってくるかどうか真剣に悩んでいるだけだが


富竹「あのさ?あのさ?」


その様子を見て近くにいる沙都子に耳打ちをする富竹

548 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/18(火) 00:23:35.08 ID:lamzmC+DO

富竹「あの二人はその…付き合ってるのかい?」

沙都子「いえ。特別そういう間柄ではありませんわよ?」

富竹「で、でもあの様子だと…」

沙都子「道行さんはたまにこういったことしますわよ?」

梨花「天然の女たらしなのです。すけこましなのです」

富竹「彼に恋愛感情ってのは…」

沙都子「今のところありませんわね。たぶんアレも魅音さんは食い意地はっていて食べかけとか気にしないだろうとか思ったんでしょうね」
549 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/18(火) 00:25:59.42 ID:lamzmC+DO
梨花「こちらの気も知らないでよくやりますのです」

レナ沙都子「「まったく」」だよ…」ですわ…」


女性陣が揃って肩を落としため息を吐く


富竹「まぁ…みんな頑張って」

一方通行「なァに話てンだ?」


こちらをじろじろと見て話している四人を見て一方通行は詰め寄ってくる

550 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/18(火) 00:28:22.45 ID:lamzmC+DO

沙都子「別に。次の勝負は道行さんが決める番だって話ですわよ」

一方通行「次だァ?………金魚すくいなンてどォだ?」


やっていない事を思い浮かべて番外個体の言っていた祭りの醍醐味から提案する一方通行


沙都子「言いましたわね?この祭りで敵無し金魚すくいの沙都子と呼ばれた私に勝てるとでも?」

梨花「随分呼ばれる時間と日にちが限られてる二つ名なのです」

レナ「レナは金魚すくい苦手かも…」

富竹「いいねぇ。童心に帰れるじゃないかい。やろうやろう」


快く賛同して一同は歩き出す


レナ「魅ぃちゃぁーん!早く早くぅ〜!」

魅音「え!?あーっ!おじさんを置いてくなぁ〜!」


未だに惚けていた魅音も急いで走って後を追いかけた


551 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/09/18(火) 00:31:07.80 ID:lamzmC+DO
日付を跨いで以上です

眠いので寝ます


でわまたノシ
552 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/09/18(火) 02:44:29.23 ID:l1RDAGmAO
553 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/09/18(火) 06:09:45.12 ID:IwogzAiAO
内容はいいんだけど
進展はよ
554 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/18(火) 07:59:27.39 ID:f83xMgdIO
原作的に今はゆっくりとほのぼのを楽しめばいいじゃないか

ほのぼのとシリアスの落差が激しいからこそ面白くなると思うし
555 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/09/18(火) 16:15:14.22 ID:RulHaoC00
乙!
金魚すくいか…
一方さん無敵だな…
556 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/19(水) 18:58:27.02 ID:SayAJ5coo
てかシリアス展開はあんの?
無いなら無いって言ってくれ
557 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/09/19(水) 19:20:12.03 ID:ELRp1BW4o
尻assな展開なr(ザシュ
558 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/09/19(水) 21:22:34.21 ID:ytf+xdtDO
秋到来!

こんばんわ!

東日本はいまだ猛暑と聞きましたが九州は台風が秋を連れてきました


>>553>>556>>557スミマセン!展開亀で…シリアスはちゃんとあります!綿流し終われば直ぐなんでそれまでご辛抱を
m(__)m


>>554ハードル上がった気がする…頑張ります!!


>>555一方さんは能力使用制限されてるのでどうでしょうね…


それでわ投下
559 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/19(水) 21:24:47.53 ID:ytf+xdtDO
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「み、魅音ちゃんそろそろ勘弁…」

店のおやじが冷や汗をかいて頼み込む


魅音「なんでーっ!?まだ半分も残ってんじゃん?逃がさないよぉ〜」


魅音の脇には椀一杯に金魚が入っていた

しかも一つではない。

既に同じような状態の椀が三つ程置かれており魅音は実質四つ目に入っておりポイはほぼ無傷に近かった


魅音「ちぇっ。このくらいで勘弁しといてやるよ〜!」


四杯目を一杯にし最後に取った一匹を袋に入れてもらい残りを水槽に戻す

ドバドバと椀一杯に入れられた金魚が放水されてく様はこの上なくシュールだった

560 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/19(水) 21:39:37.85 ID:ytf+xdtDO

魅音「これで一位おじさん二位沙都子三位梨花ちゃん四位レナで五位が一匹のおじさまね?」

富竹「はははは…腕が鈍ってるなぁ〜」

沙都子「道行さんが二匹取れたら富竹のおじさまのビリは確定ですわね」

一方通行「さすがに二匹は取れると思うがな…」


魅音のポイ捌きを思いだし見よう見まねで掬おうとする


一方通行「あ…」

561 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/19(水) 21:41:29.82 ID:ytf+xdtDO

しかし所詮金魚すくいなんて今まで一度たりともやったことのないド素人
金魚もポイに捉えてさえもいないのに半分ほど破けてしまった


レナ「うわぁ…」

梨花「みみっちいのです」

沙都子「言葉も出ませんわね…」

魅音「あ〜あ…やっちまったね〜?こりゃ総合成績に響くよぉ?」

富竹「とりあえず一安心だよ」


周囲からもため息が聞こえる


一方通行「……まだだ…まだ終わってねェ…」

562 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/19(水) 21:42:26.45 ID:ytf+xdtDO

無事な部分で再び挑戦を試みる

ベリ


一方通行「な…」


しかし一方通行の再戦もむなしくポイは水に入れた瞬間金魚一匹乗るか乗らないか位のスペースを残して破れ去ってしまった


一方通行「……」

沙都子「見る影もございませんわね…」

一方通行「…るせェ」


なかば諦めた様子で一方通行はポイを最後水槽の中に入れ適当な一匹を掬おうと試みる


一方通行「ン?」


するとそこに一匹の小柄な金魚が調度ポイの上にやってきた

一方通行はその一匹を慎重に掬い上げ椀に移していく

563 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/19(水) 21:45:11.34 ID:ytf+xdtDO

しかし現実はそう甘くない

ついにポイは限界を迎えあと少しというところで金魚は水槽に落下していく


一方通行「ざっ…けンなよっ!クソガァァァ!」


落ちていく金魚に必死に椀を突き出しなんとかキャッチしようとする

チャポン

小さな音を立て小柄な金魚は問題なく狭い椀の中を泳いでいた


ワッと周囲から歓声が起こる

「ナイスガッツだったぞ!!」

「さすが魅音ちゃんが見込んだ子だねぇ!執念が違うよ!」

「モヤシのわりにはやるじゃねぇの!ガキぃ!」

「よく頑張ったぞ!嬢ちゃん!」


見知らぬオヤジやおばさんに背中を叩かれる

564 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/19(水) 21:46:25.18 ID:ytf+xdtDO

中には性別を勘違いしている人もいたが一方通行は悪い気もしなかった


沙都子「一匹だけとは相変わらず不様でしたわね〜」

一方通行「…うるせェ」


手首からぶら下がっている袋に入った金魚を見て沙都子がプクククと笑う


梨花「沙都子は褒めているのですよ?」

一方通行「あァ?」

梨花「道行らしい不様でも必死に足掻いて頑張った素晴らしい健闘だったっていいたいのです」

沙都子「ちょっと梨花ぁ!?」

梨花「沙都子はもうちょっと素直になるべきなのですよ」

一方通行「…………不様で悪かったなァ」


追いかけっこを始めた二人を見ながら一方通行は聞こえないような小声で呟く

565 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/19(水) 21:47:38.86 ID:ytf+xdtDO

レナ「ねぇねぇ道行くん!この金魚道行くんそっくりだよ?だよ!」

まじまじと一方通行が掬った金魚を覗き込むように見ながらレナが嬉しそうに教えてくる


一方通行「あ?」


レナに言われ一方通行も金魚を見つめる

言われてみれば確かにそうだった

小柄な金魚は全体的に色は白でしかし目だけは赤く輝いていた

566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/19(水) 21:49:40.20 ID:ytf+xdtDO

魅音「きっとこの金魚も道っちゃんに掬って欲しかったんだね〜」

同じように金魚を覗き込みながら魅音が笑う


レナ「あはははは。きっとそうだよ〜」

一方通行「お前らなに脳ミソお花畑なことぬかしてンだ」


そんな5人を富竹はレンズ越しに見ていた

魅音とレナは一方通行の金魚を笑いながら見つめており一方通行も少し呆れたように同じものを見つめている

その周りで沙都子と梨花ちゃんは踊っているかのように追いかけ回っている


富竹(こんな彼らがいつまでも続くといいな)


そんな想いを胸に抱きこの瞬間を永遠に残そうと誰にも気づかれぬようにシャッターを切った

567 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/19(水) 21:50:38.57 ID:ytf+xdtDO

魅音「さぁてぇ!それじゃ時間的にラストバトルに行きますか!」

沙都子「富竹のおじさまですわよね?何かやりたいやつございますか?」

富竹「う〜ん…射撃なら得意かなぁ?」

一方通行「射撃ィ?」

魅音「ほ〜言うねぇ?でも射撃ならおじさんも得意だけどいいのぉ?」

富竹「経験の差見せつけてあげるよ。お嬢ちゃん♪」


挑発気味に言う魅音に対し同じく挑発で返す富竹

相当自信があるのであろう


魅音「上等だぁ!衰えしか見えない三十路のニートがどこまでやれるか見せて貰おうじゃないのぉ!」

富竹「ちょっとそれは言わないでくれよ〜!」


咆哮を上げながら突っ走っていく魅音にタジタジになりながら富竹が後を追う


一方通行「……なンだあのテンション」

レナ「道行くんも魅ぃちゃんに挑発されたらあぁなるよ?」

一方通行「……みっともねェな」


残された一方通行達もゆっくり魅音と富竹の後を追った
568 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/09/19(水) 22:00:12.02 ID:ytf+xdtDO
本日は以上になります


あと綿流しは3〜4回で終わる予定なのでそっからは刑事投入シリアスに向けて遊び無しに行きます

それでわノシ
569 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/19(水) 22:05:35.70 ID:ckPLc6aS0
乙乙
570 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/09/19(水) 22:10:48.80 ID:H4H9yPyP0
乙乙乙!
今度こそ一方さん勝てそうだ。
暗部で銃使ってたし!
571 :以下ボツネタ+次回から予告 [saga]:2012/09/19(水) 22:26:58.15 ID:ytf+xdtDO

ボツネタ
〜一方通行は能力で10032匹目の金魚を掬おうとしたようです〜


一方通行「…理解できねェな」

一方通行「なンでオマエは金魚を庇う?」

一方通行「コイツらは原価7〜22円の価値しかない出来損ない」

一方通行「オマエの千円札でいくらでも追加購入できるし在庫なンて出しゃ管理費もバカにならねェ大損なヤツらだろォが!?」

金魚すくいのオヤジ「お金の損得なんて関係、ない」

金魚すくいのオヤジ「商品だから」

金魚すくいのオヤジ「こいつらは俺の店の商品だから」

金魚すくいのオヤジ「ただそれだけだ」


沙都子「………なんなんですの?このやり取り?」


次回

射♂撃


富竹「あなたの本音を富竹フラッシュ!」
572 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/20(木) 00:24:39.85 ID:s0fGV7DSO
なんだこのオヤジ…!
かっこいいじゃないか…!
573 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/20(木) 02:48:39.86 ID:DU7eaNqho
やっぱり次回のタイトルに全部持ってかれるわwwww
574 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/20(木) 15:10:47.21 ID:hHrct+rf0
射撃なら一方通行の独壇場だな
575 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/09/21(金) 15:34:43.16 ID:0NVM75JDO
こんにちは!投下に来ました!

乙コメありがとうございます!すごく力になります


>>570>>574原作でも目玉ですからね活躍させたげる予定です


>>572旅掛さんイメージ頼みます

>>573アーッな展開はありません

さて今日は射撃ですね

ようやく一方さんが活躍できます
それでは
576 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/21(金) 15:43:26.39 ID:0NVM75JDO
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


魅音「くそ〜おじさんが最初かぁ…」


じゃんけんをして一番最初に撃つことのなった魅音が銃を構える

ちなみに順番は魅音、沙都子、レナ、富竹、梨花ちゃん、一方通行の順だ

持ち玉は三発

特大のクマを落とせたら優勝間違い無しなのだが基本は落とした数と大きさで勝敗は決まる

魅音「じゃあ一番手だし今日は堅実に行かせて貰いますかねぇ?」

577 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/21(金) 15:45:58.79 ID:0NVM75JDO

魅音は大き過ぎずかと言って絶妙なサイズの三つの景品を次々と落としていく

ギャラリーがざわつく


魅音「沙都子思ったより弾が軽いから気を付けてね」

沙都子「了解しましたわ」


ニヤリと笑った沙都子は特大のクマに狙いを定める

周囲がどよめく

しかし軽いコルク弾はクマの体に当たるも虚しく弾き返される


沙都子「クッ…弾が軽すぎますわ…」


結局一発クマに当てただけで狙いを変え順当な物を撃ち落とす


一方通行(ほォ…沙都子にしちゃァ冷静な判断だな。実際あのクマはマトモに相手するなら絶対に取れやしねェ)


レナ「おおおおお持ち帰りぃ〜っ!!」

578 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/21(金) 15:47:10.13 ID:0NVM75JDO

突如レナの咆哮が祭り囃子を掻き消して古手神社にこだました


レナ「れれれレナがあのクマさん撃ち落としてお持ち帰りするんだよ!だよ!」

ジャギンとオモチャのコルク銃からは考えられない重量感のある音を出しつつレナが構える


富竹「だ大丈夫かな…?当たればいいけど…」

一方通行「心配ねェ」

富竹「え!?」

一方通行「かァいいモードのアイツは画鋲の穴さえ狙撃出来るからな」

富竹「ほ…本当かい!?」

一方通行(まァそれでも取れるって訳じゃねェがな)

579 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/21(金) 16:02:07.15 ID:0NVM75JDO

一方通行の考察通りぬいぐるみはレナの鋭い射撃により今までに無く大きく揺れていたが三発目を撃っても結局倒すことは出来なかった


レナ「はぅ…クマさん」


明らかにひどく落胆しているレナ

「ほらよ嬢ちゃんコイツ持っていきな」

レナ「え!?」


げんなりしているレナに屋台の親父が小さなキャラメルを渡す


「いいもん見せてもらったからな。それでも食って元気だしな」

レナ「ありがと…でもクマさん……欲しかったよ…はぅ」
580 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/21(金) 16:06:10.54 ID:0NVM75JDO

一方通行「チッ…クソッタレが…」


そんな普段からは考えられないほど落ち込んでいるレナを見て悪態とともに一方通行はレナに近づく


一方通行「おい…レ

富竹「僕が君にあのクマ取ってあげるよ」

レナ「え!?うん!富竹さんがんばれ〜!」


"しゃァねェから俺が代わりに取ってきてやる"

と言おうとしていた一方通行の前にスッと入った富竹に全て持っていかれてしまった


一方通行「……」

581 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/21(金) 16:08:21.72 ID:0NVM75JDO

梨花「道行も頑張ってきてくださいなのですよ」

一方通行「……なンのことだ」


ガックリと肩を落とし自分の見せ場を奪った富竹の射撃を冷たく見守る


一方通行(つゥかあの盗撮マッチョはどうする気だ?アイツにかァいいモードのレナ以上の射撃が出来るとは思えねェがなァ)


そんな事を考えていると富竹は頼んでコルク銃を三丁手にする


一方通行(なるほどな)


沙都子「?。3つも持ってどうしますの?」


一方通行には富竹の狙いが分かったようだが大抵は沙都子と同じようにポカンとしている

582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/21(金) 16:11:00.79 ID:0NVM75JDO

一方通行「考えたなァ?」

富竹「経験の差だよ道行くん」


短く言葉を交わし富竹が一発目を放つ
放たれたコルク弾はぬいぐるみのひたいに当たり微かに揺らす
だが富竹は当たった箇所も確認せず次の銃を取り撃ち込む。
早撃ちだ
ぬいぐるみは二発目が当たり揺れが大きくなる
しかしなおもその光景を確認せずに富竹は最後の銃を取りぬいぐるみ向け発砲する
三発目も命中したぬいぐるみはレナの時以上に大きく揺れあわや本当に倒れてしまうのではないかとその場にいる全員に予感させた


富竹「……あははは。ごめんレナちゃん取れなかったよ」


ばつの悪そうに笑いながらレナに平謝りをする富竹

583 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/21(金) 16:13:34.16 ID:0NVM75JDO

そんな富竹を見ながら一方通行は呆然としていた


一方通行(すげェな…正直想像以上だ。アイツ着弾点確認せずに全部同じ所に当てやがった。相当場馴れしてやがる)


魅音「あははは!残念だったねぇおじさまぁ?オッサンはキャラメル貰えないみたいじゃん?」

梨花「富竹が0だから1つでも取れたらビリはないのですよ」


そう言って無難に二つほど撃ち落としてきた梨花ちゃんが一方通行に銃を渡す


一方通行「あァ」


一言頷いて梨花ちゃんから銃を貰い屋台に向かう

584 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/21(金) 16:15:06.96 ID:0NVM75JDO

富竹「道行くん!」

一方通行「あ?なンのようだ?」


向かっていた一方通行を富竹が呼び止める


富竹「参考になったかな?」

一方通行「あ?あァ充分だ」


富竹の問いに不適な笑みで答える一方通行


魅音「で。どうすんの道っちゃん?もう無理する必要もないけど?」

一方通行「決まってンだろ」

魅音「それじゃ道っちゃんは…」

一方通行「俺は取れる獲物ワザワザ逃がすほど甘くはねェ。総合優勝は目の前に転がってンだからよォ?」

585 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/21(金) 16:17:14.93 ID:0NVM75JDO

幾度も銃弾を物ともせず立ち竦んできたクマを睨み付ける


一方通行「レナァ!」

レナ「え!?どうしたのかな?かな?」

一方通行「名前考えてろ」

レナ「え!?……うん!かぁいいの考えとくね!」


再びパァッと明るくなったレナを見て一方通行は満足そうに鼻で笑い再びクマを睨み付ける


一方通行(富竹の策は間違っちゃァいなかった。問題はタイミングだな…
要ォは衝撃が最大になった瞬間にさらに上乗せしなきゃならねェ…
しかも寸分の狂いもなく撃ち込まなきゃならねェ訳だ
あのクマの体積と位置、材質。更にコルクの重量、被弾の際の速度と角度を考え最適なタイミングは…
オイオイ…いいのかよ?こンなン二発でお釣りが来る計算じゃねェかァ?)

586 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/21(金) 16:19:03.88 ID:0NVM75JDO

富竹と同じように三丁銃を用意させ一方通行は狙いを定める

狙いはレナが狙い撃った箇所と同じ場所

反動などゼロに等しいコルク銃を当てるなど一方通行にとっては造作もない

一発当てるだけでレナの時ほどとは言わないがクマの体が大きく揺れる

更に一方通行は富竹程の早打ちとは言わないが確実に同じ箇所に揺れの一番大きくなるタイミングを見計らい二発目を撃ち込む

この二発目で既にクマは富竹の三発目より大きく揺れ少し風でも吹いた程度ですぐに倒れそうになっている


一方通行「ン?少し誤差(ズレ)たか?」

587 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/21(金) 16:20:15.44 ID:0NVM75JDO

一言呟いて一方通行は最後余裕を持ってぬいぐるみが後ろに傾いた時に片手で軽くその眉間を撃ち抜く

ゴロッ

大歓迎が再び一方通行に集められる


レナ「わぁっ!ホントに取ったぁ!道行くん!」

魅音「さっすが道っちゃん!どこまでも予想を超える男だよ〜!」

沙都子「やりましたわね!見直しましたわ!」

梨花「今日一番のふぁいんぷれーなのです」

富竹「ほらほら!お姫様に何かプレゼントは無いのかい?」

一方通行「るせェ…分かってる」

588 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/21(金) 16:21:27.29 ID:0NVM75JDO

一方通行は片手でクマをレナの目の前に突き出す


一方通行「かァいい名前考えたンだろォな」

レナ「えぇ!?ほ…ホントにいいの?」

一方通行「俺がドブに捨ててもいいなら遠慮しろ」

レナ「貰う!貰う!遠慮せず貰うから!」


一方通行からぬいぐるみを引ったくるように奪うレナ


一方通行「……そのアレだ。お前には普段から世話になってるからな……その礼だ」

レナ「う…うん。ありがと道行くん」///


顔を赤くしたレナの頭をポンポンと優しく撫でる

不意に祭り囃子の音がいっそう大きくなる


魅音「ん?ヤバイよ梨花ちゃん!そろそろじゃん!」

梨花「みー!大急ぎで行ってくるのです!」


パタパタと走り出し人混みに消える梨花ちゃん
589 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/09/21(金) 16:25:20.77 ID:0NVM75JDO
少し長かったですが本日は以上です

次の投下は来週の月曜の予定です

それでわ良い週末をノシ
590 :以下次回から予告 [saga]:2012/09/21(金) 16:34:30.21 ID:0NVM75JDO
問題

図1
レナ>魅音>梨花ちゃん>沙都子≧一方通行


これは部活メンバーのある基礎能力が高いと思われる順に並べた結果である。この基礎能力を予想せよ

答えは次回投下
591 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2012/09/21(金) 20:46:07.43 ID:qykB27Xmo
女子力だな
592 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2012/09/21(金) 20:46:33.22 ID:qykB27Xmo
あと>>1
593 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/09/21(金) 22:17:44.82 ID:yErLDnwUo
おヒップのムチムチ度ですね
>>1
594 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/22(土) 01:21:02.00 ID:uXZYJ9WY0
>>1
595 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/22(土) 09:22:03.42 ID:HUqq8grpP
料理対決の予感
596 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/22(土) 14:34:01.19 ID:LMcF6+k30
料理っぽいな
つか絶対富竹より一方通行のほうが射撃は上だと思うな
597 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/23(日) 17:43:58.23 ID:KfQszem30
つかもうすぐ富竹時報が鳴るな
後半戦いよいよか
598 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/09/25(火) 00:34:44.43 ID:4hislA5DO
こんばんは!

深夜に来ました

たくさんの回答ありがとうございます!

とても力になります!

>>591百合子になれば最強です

>>593魅音>レナ>沙都子>梨花≧一方通行になりますよ。ちなみに最強は大石ですかね?

>>595確かにそうかも!でもあくまで予告なので今回は違うと言うことで

>>596富竹は逃走中の車内から追跡中の運転手に正確な計画射撃を行えるハリウッド顔負けレベルなので

>>597いよいよですね…長かった

それでわ
599 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/25(火) 00:37:01.07 ID:4hislA5DO

富竹「そっか…そろそろ奉納演舞か。今年はあっという間だったなぁ」

一方通行「奉納演舞?」

沙都子「祭りのシメに巫女の梨花がやる演舞の事ですわ!」

一方通行「そォいや実行委員つってたなァ…大役じゃねェか」

レナ「ずっと練習してたからね。みんなで応援するんだよ」

富竹「それじゃ僕は写真を取らなきゃいけないから先に行くね」


富竹がカメラを抱えて人混みの中に走り去っていく


魅音「かなり人集まるケド道っちゃん杖大丈夫なの?」

一方通行「なンとかなるだろ。意外に充電結構残ってるから最悪能力を使えばいい」
600 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/25(火) 00:39:11.75 ID:4hislA5DO

魅音「なら大丈夫かな?じゃあ私らも向かいますか!」


魅音を先頭に奉納演舞の舞台へ向かう

しかしさすが祭りのシメの目玉なだけあり人混みもかなり密集してしまい杖をついている一方通行と大きなクマのぬいぐるみを抱えているレナは魅音と沙都子に置いていかれはぐれてしまった


一方通行「……ウザってェ」

レナ「去年もそうだったけどやっぱり人多いね〜!」

一方通行「おいレナはぐれるンじゃねェぞ」

レナ「ちょ、ちょっと難しいかな…」

一方通行「っ痛ェ!?」

レナ「え!?道行くんどうしたのかな?かな?」

601 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/25(火) 00:40:02.30 ID:4hislA5DO

一方通行「クソがァ…誰か足踏みやがった…クソッもォヤメだ」


悪態を吐いて進もうとする足を止める


レナ「え!?」

一方通行「能力を使う。俺の直ぐ後ろにピタッと着いてこい」


そう言って一方通行は能力モードに切り換え


一方通行(外からの力に掛ける力を−1から−0,5に変更するか)


反射の設定を変え人混みを後ろにいるレナと共に突っ切る


一方通行「ここからなら結構よく見えるな」

602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/25(火) 00:41:17.44 ID:4hislA5DO

一方通行とレナは少し小高くなっている箇所に出て人混みに溢れかえっている舞台を見下ろす


一方通行「俺達のナリで人混みにいるよりかマシだろ」

レナ「それもそうかな…かな?」

一方通行「見ろよ?魅音と沙都子がいンぞ」


一方通行が指を指した先には人混みに押し潰されそうになりながらも懸命に前に進んでる


レナ「ホントだぁ!お〜い!魅ぃちゃぁ〜ん!」

一方通行「手を振ったところで気づくたァ思えねェがな」

レナ「ん〜!駄目だね。全然気がついてないかな…かな?」

一方通行「哀れだなァ?カカッ滑稽極まりねェ」

603 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/25(火) 00:42:08.30 ID:4hislA5DO

レナ「道行くん!そんなこと言っちゃ駄目だよ!」


太鼓が一際大きく響き場内が静まり返る


レナ「そろそろ始まるよ」


巫女役の梨花ちゃんが神官に扮した町会の爺さん達をつれて登場する


一方通行「梨花ちゃンが持ってるアレなンだ?」

レナ「あれは祭具用の鍬だよ。これから持ってくるお布団をアレで裂くの」

一方通行「なンつゥか…変わった儀式だな」

レナ「ちゃんと意味もあるんだよ?人間に代わって冬の病魔を吸い取ってくれたお布団を清めてるの」

604 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/25(火) 00:43:11.89 ID:4hislA5DO

一方通行「聞いてもねェ非科学的な解説ありがとよ」

レナ「そんなこと言っちゃ駄目だよ。この後道行くんも綿流しするんだから」

一方通行「はァ!?」

レナ「あ!ほら道行くん見て!」


レナに言われ祭壇を見る一方通行

そこでは祝詞をあげて梨花ちゃんがレナの説明にあったように布団を割いて中の綿を外に出して突っついたりし出した


一方通行「……汗だくだな」

レナ「かなり重いんだって。毎日お餅つきの杵で練習しているんだって」

一方通行「……全然知らなかったな」

605 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/25(火) 00:45:57.13 ID:4hislA5DO

振る度に鍬の重さで左右にバランスを崩しかけている梨花ちゃんを心配そうに見守る


一方通行(毎日杵でねェ…ちょっと待て。もしかしてアイツ俺より力あるンじゃねェか!?)


小学生に力負けしている可能性を考え愕然となる一方通行


一方通行がわなわなと震えている間に梨花ちゃんは黙礼し祭壇を降りる


レナ「ほら道行くん川行こ?」


レナに呼ばれ我に返る一方通行

辺りを見渡すと見物人が一斉に布団をかついだ神官たちの後に着いてぞろぞろと移動を始めていた

606 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/25(火) 00:46:49.15 ID:4hislA5DO

一方通行「何ンだ?川で洗濯して桃でも貰いに行くのか?」

レナ「あははは。だから綿流しだって」


一方通行とレナが行列に続き歩いていくと沢のほとりに着いた

かがり火がこうこうと焚かれ昼間の様に明るくなっている

レナに付き添って行列に並ぶと先程の神官に手のひら大にされた綿をもらった


一方通行「なるほどだから綿流しか…」

レナ「道行くんは綿流し始めてだからレナの見て真似してね?」


綿を右手に持ち左手で御払いの様な事をしてから額、胸、へそそして両膝をぽんぽんと叩く

607 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/25(火) 00:48:19.36 ID:4hislA5DO

レナ「これを三回繰り返すの。そして心の中でオヤシロさまありがとうって唱えるんだよ」

一方通行「オヤシロさまねェ…」


言われるままにレナの動きを真似る一方通行


一方通行(オヤシロさまありがとう…オヤシロさまありがとう…オヤシロさまありがとう…馬鹿みてェだな俺)


学園都市出身で神なんて微塵も信じていないがとりあえずは社交辞令、カタチだけでも真似をする


レナ「これでね、体に憑いてる悪いのが綿に吸い取られたの。…で後は沢の流れにそっと流してね、おしまい」

608 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/25(火) 00:49:39.77 ID:4hislA5DO

レナに言われ一方通行もそっと水面に綿を浮かべる


レナ「うん。これで今年一年元気に生活できるんだよ」

一方通行「明日には下流近隣に住んでるヤツが大迷惑被りそうだがな」


微笑むレナに冗談で返す一方通行

レナ「あははは。ちゃんと少し下流に網張ってあるから大丈夫なの」

一方通行「あたりまえだろ。…だけどまァ…悪くはねェな」


最後ぼそりと呟いた言葉はレナには届いておらず、一方通行はようやく村の一員として認められたかのような通過儀礼的心地よさを感じていた
609 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/09/25(火) 00:54:32.00 ID:4hislA5DO
という感じで以上です

レナはレナパン

魅音は最年長者

梨花は奉納演舞

沙都子はテッペのお使いで何本ものビール瓶や野球での特大アーチを考えてモヤシよりはあるだろと

一方通行ただのモヤシ

以上から答は"腕力です"


それでわノシ
610 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/09/25(火) 03:14:08.55 ID:rxYOK6Kso
>>1

>>596
ちゃんとした訓練を何年も受けて銃を扱ってた奴と
暗部で少し銃を扱った程度の奴じゃどっちのほうが銃の扱いに長けているかわからないわけじゃないよな
611 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/25(火) 14:39:12.39 ID:PQqmtRh60
>>609
沙都子はテッペのお使いで、がテッラのお使いで、に見えた俺は末期
「ちょっと小麦粉買ってきてもらえませんかねー」

>>610
つっても一方通行は暗部落ちしてすぐ、SS1の時点で既に正式訓練を受けた警備員より遥かに射撃の腕は上だぞ
やっぱり天才なんだろ、特に学園都市暗部の訓練施設とか外の施設とは比較にもならない施設だろうしな
富竹のほうが上としても差はほとんどないと思うがな
まあ結論は永遠に出ない話だが
612 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/09/25(火) 18:30:30.67 ID:P9LR9lUJ0
乙!
しかも学園都市製の銃と普通の銃じゃ性能の違いがデカそうだ。
613 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/09/27(木) 01:24:56.27 ID:vPr5Ow0DO
こんばんわ

投下に来ました

さぁさぁ皆さんシリアスがどんどん来てますよ


>>610富竹さんはある意味チートですよ

>>611「これ片栗粉じゃないですかぁーっ!!異教徒の雌猿がぁぁっ!!」……ちとテ/ッ/ラしてきます


>>612反動なんて無い拳銃くらいは楽に作ってそうですよね。つくってワクワクです


それでわ投下
614 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/27(木) 01:26:15.60 ID:vPr5Ow0DO

―――――――――――――
―――――――――――
―――――――
―――


一方通行は沢の流れをぼんやりと眺めていた

周囲にはあれほどいた人だかりも今ではまばらになっている


一方通行「そろそろ戻ンぞレナ」


踵を返し辺りを見渡す


一方通行「あ?レナ?」


しかしレナの姿が見当たらない

恐らく先に魅音達を探しに出てしまったのだろう


一方通行(ま、構わねェか)


615 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/27(木) 01:27:15.85 ID:vPr5Ow0DO

自分もあとで合流すればいいだろう

もう自分の知らない他所の土地でもない


魅音らと合流しようと小石ばかりの河原で不恰好に杖をついて神社に向かおうとする


一方通行「……アレは?」


道中につい先程まで一緒に居た人物を見かけ足を止める


一方通行「よォ富竹」

富竹「わ!なんだ道行くんか…おどろいたな」

一方通行「どこぞの盗撮野郎よりはマシだ」

富竹「あははは、その節は悪かったよ」

616 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/27(木) 01:27:53.96 ID:vPr5Ow0DO

一方通行「……鷹野…だったか?…悪ィ邪魔したな」


富竹と共に居た女性に気づき気まずそうに問いかける


富竹「いやいや!そんなんじゃないって!」

鷹野「そうよ。私とジロウさんはそんな関係じゃないわ」


顔を赤くして否定する富竹とそんな富竹を馬鹿にするかのようにクスクス笑う鷹野


鷹野「一方くんはお祭り楽しめたかしら?」

一方通行「……まァ悪くはねェよ」

富竹「えっと…楽しめたということで良いのかな?」

617 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/27(木) 01:29:01.70 ID:vPr5Ow0DO

一方通行「くだらねェ…好きに解釈しやがれ」

鷹野「ふふふふ…それは良かったわねぇ」


妙に含みのある笑いをする鷹野

その様が一方通行の癪に障る


一方通行「…どォいう意味だ」

鷹野「いやね?そんな気楽にこのお祭り楽しんでるのって一方くんくらいなのかなぁって」

一方通行「喧嘩売ってンなら喜ンで買ってやるよアバズレ」

鷹野「そんな怒らないでよ。……もしかして一方くん知らないの?」

一方通行「知らない?」

富竹「お、おい…鷹野さん…」

618 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/27(木) 01:30:28.63 ID:vPr5Ow0DO

鷹野「いいじゃない。今や一方くんもこの村の一員。郷土の事については知っておくべきよ。それに―――。どのみちいずれ知ることになるから」

一方通行「いいから教えろ。くだらねェ理由だったらブッ飛ばす」

鷹野「怖いわね〜。それじゃ一方くんって…祟りとか信じる?」

一方通行「はァ?祟りだァ?」

鷹野「そうよ。信じる?」


さも当然のように、にっこり笑って聞いてくる鷹野


一方通行「ククク。クククク…なァに言い出すかと思えば言うに事欠いて祟りかよ!くだらねェ!お前ら揃いも揃ってこンな科学の時代に頭のネジブッ飛ンでるンですかァ?」

619 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/27(木) 01:31:33.51 ID:vPr5Ow0DO

ケタケタ笑い出す一方通行


鷹野「その様子だと微塵も信じていないみたいね?」

一方通行「信じる。信じないじゃねェ。祟りなンざねェンだよ」

富竹「す、凄い言いようだね」

一方通行「で?なンですかァ?要は祟りだと思いたくなるよォな何かがあンだろ?勿体つけないでサッサと言いやがれ」

鷹野「そうね。―――それじゃダム監督バラバラ殺人って知ってるかしら?」

一方通行「あァ?確か数年前の事件だろ?右手と犯人が行方不明の」


次は幽霊とでも言い出すのではないかと勝手に予想する

620 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/27(木) 01:32:45.41 ID:vPr5Ow0DO

鷹野「そうね。調度綿流しの日だったかしら」


鷹野の一言が一方通行の胸中に突き刺さる

別に祟りがどうとかではない

ただ自分なりに楽しめたと感じる村の祭りの日に昔の事といえ殺人が起きたというのは気分がよくない


鷹野「当時はオヤシロさまの祟りってね。ずいぶんお年寄りたちは騒いでたわ」

一方通行「なるほどな」

富竹「最初の話になるけど何も僕たちが祟りを信じてるって訳じゃないさ」

一方通行「そォいうことかよ…悪ィこと言ったな」


621 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/27(木) 01:33:46.80 ID:vPr5Ow0DO

苛立ちに任せ二人を悪く言ったことを謝る

一方通行が謝ると二人は驚いたように目を合わせて笑った


鷹野「別に気にしてないわ。……でもね?今では結構いるんじゃないかしら。若い人にも」

一方通行「……若い人にも?」

富竹「信じる人だよ…オヤシロさまの、祟りを」


二人の顔は笑顔のままだがその目には笑顔は消えていた

ひゅぅっと一方通行の背中を風がかすめる


富竹「その後にね。毎年起こるんだよ。……決まってね」

一方通行「起こるだァ?」

622 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/27(木) 01:34:39.55 ID:vPr5Ow0DO

一方通行が聞き返すと富竹は周りをうかがうようにして小声で話を続ける

鷹野「翌年の綿流しの晩ダム工事の誘致派の村人夫婦が旅行先の崖下の濁流に転落し死亡したのよ。奥さんに至っては死体が見つかってないの」

富竹「その翌年の綿流しの晩ダム反対運動に消極的だった神社の神主さんが奇病により急死。奥さんはその晩のうちに入水自殺をしてね。これも死体があがってないんだ」


風が強くなってくる


鷹野「さらに翌年近所の主婦が撲殺体で発見。この主婦は二年前に死んだ夫婦の弟一家にあたるそうよ」

一方通行「……つゥことは」

623 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/27(木) 01:36:01.10 ID:vPr5Ow0DO

鷹野「そう…綿流しの日になるとね………必ず。誰かが死ぬのよ」


風が止んだ


一方通行「……それでオヤシロさまの祟りって訳か」

鷹野「そうね。だから祭りにも出ない罰当たりはオヤシロさまの怒りに触れるってそういう噂が今ではあるのよ」

一方通行「なるほどだから気軽に楽しめてるのが俺だけってことか」

鷹野「別にそれが悪いとかで言った訳じゃないの。ごめんなさいね?」


両手を合わせてケロリと謝罪する鷹野

624 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/27(木) 01:36:54.68 ID:vPr5Ow0DO

別段一方通行もいまやそんな些細な事どうでも良かった

それより魅音ら。

自分の仲間達がそんなものに恐れて祭りに来ていたという事実が頭にのし掛かる


一方通行「で?ンな調子なら翌年も誰かがくたばってンだろ?誰だ?」

富竹「さぁて…道行くんは誰だと思うかな?」


急に言葉を濁す富竹

再び吹いてきた風で木々がざわめきだす

一方通行「知るか……はぐらかしてンじゃねェ」

富竹「いやいや。別にはぐらかしたつもりはないんだよ。その翌年の綿流しってのは…」

625 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/27(木) 01:38:39.06 ID:vPr5Ow0DO

鷹野「今日よ」


一方通行「……気分悪ィな」

鷹野「クスクス。ちょっと刺激が強すぎたかしら?」

一方通行「そンなンじゃねェ…誰かが今日死ぬかもしれない言われていい気にはなれねェだろ」


自分の知り合いの顔を浮かべ顔をしかめる一方通行


富竹「大丈夫だよ。道行くんは雛見沢が大好きだし知り合いも雛見沢が大好きなんだろう?だったら心配ないよ」


富竹は親指を立てて体育会系的な笑みを浮かべる

一方通行「はァ…そンなンじゃねェって。まァ根拠のねェ励まし感謝すンよ」
626 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/09/27(木) 01:42:07.49 ID:vPr5Ow0DO
ってなわけで以上になります


ようやく見えてきたシリアスの影

次回はFridayに投下にきます

でわまたノシ
627 :以下次回から予告 [saga]:2012/09/27(木) 02:04:59.32 ID:vPr5Ow0DO
帰り道

魅音「富竹さん意外に射撃上手かったね〜」

一方通行「まァ俺以下だがな」

レナ「えへへへ〜道行くん。くまさんありがと♪」

一方通行「………名前は決まったのかよ?」

レナ「ちょっとまだかな?…でも後日発表するんだよ?だよ!」

一方通行「まァ期待しといてやンよ」ワシャワシャ

レナ「はぅ…なんで髪撫でるのかな?…かな」///

一方通行「さァな」

魅音「でも道っちゃん金魚すくい下手くそだったよねぇ?わっははは!」

一方通行「お前に言われりゃ誰だって下手くそだろォがよ…」

レナ「魅ぃちゃんね。今年は少ない方だったんだよ?」

魅音「だってオヤジが泣き目になってんだもん!そういや道っちゃんその一匹飼うの?」

一方通行「…………まァな。生き物なンて飼った試しがねェからどォすりゃ良いか分からねェが」

レナ「う〜ん…まず餌と水変えかな?」

魅音「砂敷いて水草入れてあげたらなお良いよ」

レナ「あとは大事にしてあげたら金魚も喜ぶよ?」

一方通行「あァ…分かってる」

魅音「ぷぷーっ!道っちゃんが金魚可愛がってる姿想像したら…」

一方通行「〜っ!?うるせェ!オラお前ここまでだろ!さっさともとの居場所へ引き返しやがれェ!」

魅音「はいは〜い!ならまた明日〜!」

タッタッタッタ…


一方通行(ったく…大事にするに決まってンだろォがよ…)
628 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/27(木) 04:13:13.79 ID:FQHQqEgHo
カルキはちゃんと抜くんだぞ!
井戸水ならあらかじめブクブクを入れて空気を含ませておくのを忘れずにな!
629 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/27(木) 15:20:13.38 ID:dZ2pwjZV0
まぁ科学の総本山である学園都市、しかもその中の第一位、つまり科学の頂点が一方通行だからなぁ
祟りなんざ信じるわけがないわな
つか圭一と違って仲間が豹変してもあまり動揺しないだろうな、いや少しはするだろうけど
レナが鉈持っても魅音や詩音がスタンガンやら包丁やら持っても、一方通行からすりゃ何の脅威にもならんもんなww
630 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/09/29(土) 01:57:09.48 ID:qfDQ48IDO

こんばんわ!投下に来ました


>>628一回学校で飼ってた金魚をそれで亡くした記憶あります

>>629そこは雛見沢症候群によりふにゃっとさせます


さて祭り編の締めです

それでわ
631 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/29(土) 01:58:56.67 ID:qfDQ48IDO

鷹野「それじゃ私はこのあとちょっと用事があるからこの辺で。じゃあね。一方くんにジロウさん」

手を振って鷹野が別れる


富竹「さて僕たちもお仲間を探さなきゃね」

一方通行「そォいや結構経ってるな」


ケータイを開き時刻を確認するとレナとはぐれてから既に30分以上経過していた


一方通行「クソガキがうるさそうだな」

富竹「おや、噂をすればだよ」


富竹が指差す先には魅音らが駆けてくるのが見えた


632 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/29(土) 01:59:54.58 ID:qfDQ48IDO

レナ「道行く〜ん!ごめんなさぁ〜い!」

魅音「悪いね道っちゃん!すっかり話が弾んじゃってさ!あっひゃっひゃっひゃ!」

沙都子「私、言いましてよ!早く道行さんを探しに行きましょうって!」

梨花「み〜迷子の圭一が心細くて泣き出すまで放置していたのですよ。にぱ〜☆」

一方通行「別にお前らは悪くねェよ。こっちも富竹と話していたからなァ」

沙都子「あぁら、富竹さんもご一緒でございましたの?調度良かったですわ〜」


富竹の存在に他のメンバーも気づく

富竹「な、なんだい?」

633 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/29(土) 02:00:35.17 ID:qfDQ48IDO

梨花「今日のお祭りの結果発表をしますです」

魅音「ビリには素敵な罰ゲームがあるからね?道っちゃんかなぁ?おじさまかなぁ?」


魅音がいやらしく笑いながら一方通行と富竹の顔を交互に見比べる


富竹「あ、…そ、そうだったねぇ…結局ビリは僕なのかな?」


先程の射撃で一方通行が一位を取っているのを思い出して富竹は自信無さ気に問いかける


魅音「正〜解!ビリは富竹さんでしたぁ〜っ!」


富竹に拍手が贈られる

敗者に拍手が贈られるという妙な状況によくも分からず照れて苦笑する富竹

634 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/29(土) 02:01:44.90 ID:qfDQ48IDO

魅音「じゃあ富竹おじさま準備はいいかな?」

富竹「え?……ははは。い、一体どんな罰ゲームなんだい?」

魅音「まぁ富竹さんは正規部員じゃないからねぇ?くっくっく…アレにしますかぁ…」


魅音がポケットからマジックを取り出す

それを見て一方通行達は全員で富竹を羽交い締めにし、そこに魅音がマジックを片手に薄ら笑いを浮かべて近づいていく


魅音「きゅきゅきゅ、っと」


しかし魅音が書いたのは顔ではなく富竹の着ているシャツにだった
635 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/29(土) 02:02:40.58 ID:qfDQ48IDO

"今年こそメジャーデビューだね!魅音"


次にマジックを受け取ったレナも笑顔でシャツに書いていく


"今度写真も見せてくださいね☆レナ"


一方通行(…ただの寄せ書きかよ。つまらねェ)

拍子抜けしたようすの一方通行は気づかずに苦笑いを浮かべていた


沙都子「ほほほ!私は甘くありませんのよ!」

"や〜いビリ!沙都子"

"次回はがんばりましょうです。梨花"

みな思い思いに書いていく
636 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/29(土) 02:03:51.18 ID:qfDQ48IDO

一方通行も少し迷ったが

"いつでも遊びにこい。道行"

正直に思ったことを書いてみることにした


富竹は少し驚いたようにシャツを見つめている


富竹「……ありがとう。一生の宝物にするよ」


噛み締めるよう例を言う富竹


一方通行「なに今生の別れ気取ってンだ。書いてあンだろ…いつでも遊びにこい」

魅音「もちろん帰るまでそれ脱いじゃ駄目だかんね?」

沙都子「また村に来るときも着て来る事を義務付けますわ!」

637 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/29(土) 02:04:24.76 ID:qfDQ48IDO

笑顔で語る部員らに富竹は感極まったような顔をする

富竹「分かった。次来るときは必ず着てくるよ約束する!」


少し涙ぐんで笑う富竹


レナ「あ!富竹さんお迎えが来たみたいだよ?だよ?」


レナの指差す先にはついさっきまで一緒にいた鷹野が手を振っていた

富竹「あはははは…どうやらそろそろ行かなきゃ。またね!みんな!」

一方通行達に手を振って富竹は鷹野の所へ走っていきそのまま人混みへ消えていった


レナ「…行っちゃったね」
638 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/29(土) 02:05:26.23 ID:qfDQ48IDO

魅音「じゃ、うちらも解散しますかね〜」

魅音が一言呟いた

周りをみるとあれだけ沢山いた人もまばらになり帰路についている

一方通行達も神社に住んでいる梨花ちゃんと沙都子と別れ三人帰路につく

帰り道、今日の戦果に盛り上がる三人

魅音が挑発し一方通行がツッコミ、レナが顔を赤くする、いつも通りの帰り道

途中、魅音と別れレナと二人になり一方通行の家に着く


一方通行「こンな時間だが一人で大丈夫か?」

レナ「うん!大丈夫!近いし走っていくし」
639 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/29(土) 02:06:25.72 ID:qfDQ48IDO

一方通行「怪しいヤツがいたら大声出せよ」

レナ「はぅ…大きな声出したら来てくれるのかな…かな?」

一方通行「聞こえたらな」

レナ「うん!すっごく大きいな声出すね!じゃあね道行くん」


ぬいぐるみを抱えパタパタと駈けて行くレナ

レナが見えなくなり虫と蛙の鳴き声が夜に響き渡る

雛見沢連続殺人事件

オヤシロさまの祟り


誰もが不安に思っているものの口に出来ない人の死は今夜も起こる可能性がある


一方通行(村…見回ってくるか?)
640 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/29(土) 02:07:12.75 ID:qfDQ48IDO

電極に手を伸ばす一方通行


一方通行(………必要ねェな)


そもそも祟りなんて信じてない

それに今日はもう疲れてしまっている

いちいちそんな下らない噂話に力を割いてられない

伸ばした手を下ろして玄関に向かう

グシャ…

嫌な音が足下から聞こえた


一方通行「あ?……ひぐらしの…死骸か…」


踏みつけた足を地面に擦り付けて一方通行は玄関のドアを閉めた

641 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/09/29(土) 02:10:57.63 ID:qfDQ48IDO

祭りが終わりました!


同時にほのぼのも終わりました!

それでわ次からはシリアスですね!

投下ペース落ちるかもしれませんがご勘弁を…

それでわノシ
642 :以下次回から予告(まじめ) [saga]:2012/09/29(土) 02:23:32.79 ID:qfDQ48IDO
???「ガイ者は?」

「今は病院にいますけどたぶんもう無駄ですね…一応写真ありますけど見ます?」

???「わー。これは酷いですねぇ。記録更新では?」

「直接的な死因には恐らく出血多量でしょうね…」

???「薬は?」

「まだ詳しく調べてないからなんとも…ついでに調べてもらいましょうか?」

???「んっふっふ。よろしくお願いします。これは?」

「寄せ書きみたいですね。名前もあります…魅音…レナ…道行…ですね」

???「道行ねぇ…熊ちゃんたぶん今日は徹になりますよ。それと明日昼開けるんでよろしく」
643 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/29(土) 06:30:03.65 ID:9OxhRrfDO
おつ
ゾクゾクするぜ
644 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/09/29(土) 09:55:26.49 ID:pVqCWry+0
>>1

時報来た! さあ、推理ゲ−ムの始まり。

ああ、でも、>>630、第一位はへたれなのか…
645 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/10/09(火) 16:08:55.28 ID:w64A580r0
待ってるよ?。
646 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/10(水) 01:13:07.42 ID:PQNkMPKlo
くけけ・・・待ってる、ずっと待ってるよ・・・けけ
647 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/10/19(金) 10:35:49.97 ID:LIiS+rJDO
大変待たせてスミマセン!

お待たせしました!


書き溜めがある程度貯まってきたのでまた投下始めます


でわ
648 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/19(金) 11:34:54.24 ID:LIiS+rJDO

翌日昼休み

給食なんて概念の無いこの学校では昼休みになると我先にとばかりロッカーから弁当を取りだしグループを作る


一方通行(なンつゥか…いつもと変わらねェな)


もう昼休みになるがそんなどこまでも平常運転なクラスの雰囲気に一方通行は欠伸をして机をくっつけ弁当を広げる

649 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/19(金) 11:35:39.53 ID:LIiS+rJDO

魅音「うわ!道っちゃん相変わらず肉ばっかだね〜モヤシの癖に」

一方通行「牛女に肉ばっかとか言われるとはな。自覚しねェとさらに太るぞ」


もはや売り言葉に買い言葉なやり取りをしてそれぞれ弁当をつつき出す


沙都子「あら?知恵先生が来てますわよ?」

不意に沙都子がそんなことを呟き箸を止める

650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/19(金) 11:36:28.48 ID:LIiS+rJDO

ガラッ

沙都子の言ったとおり教室のドアが開き知恵先生が入ってきた


一方通行「…なンで分かったンだ?」

沙都子「先生が半径15mに入ると微かにカレーの臭いがするんですのよ」

一方通行「あの昼前に魅音の腹を刺激してるやつか」


ヒソヒソと話す二人の方を知恵は見る

ビクッと体を震わす二人

651 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/19(金) 11:37:34.63 ID:LIiS+rJDO

知恵「一方くん。玄関にお客様が入らしてますよ?」

一方通行「客だァ?」

知恵「えぇなんでも緊急とか…」

一方通行「チッ…飯食ってる時にイチイチ来てんじゃねェ…」


悪態を吐きながらも席を立つ一方通行

ここぞとばかりに全員が一方通行の弁当をつつき出す


一方通行「オイこらボケ共…俺の弁当平らげやがったら明日からのお前らの弁当うさぎの餌になっからな」


一応効果は期待していないが釘を刺して教室を出る一方通行


652 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/19(金) 11:38:35.55 ID:LIiS+rJDO
知恵「ちょっと一方くんいいですか?」


玄関に向かおうとする一方通行を知恵先生が引き止める


知恵「この時期は色んな方が村にお越しになりますがくれぐれも適当な事や曖昧な事は言わないようにしてくださいね」

一方通行「………あァ、分かってる」


暗に何が言いたいのかを察し了解をする一方通行

確かにオヤシロさまの祟りなんて三流雑誌のいい記事になるのであろう

要は自分もレナ達のように知らないと答えればいいのだ

村のイメージを悪くするような言動は避けて欲しいとの事らしい


653 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/19(金) 11:40:57.98 ID:LIiS+rJDO

一方通行の答えを聞いて知恵先生はにっこり頷く


知恵「ほら、お客様が待ってますよ?早く行きなさい」

一方通行「言われるまでもねェよ」

踵を返し足を早め玄関に向かう

来客なんて心当たりが無いが貴重な昼休みは有意義に過ごしたい


玄関に着くとそこには見知らぬ中年のおっさんが暑そうに小脇にジャケットを抱え、ネクタイをだらしなく緩めて待っていた

654 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/19(金) 11:42:42.46 ID:LIiS+rJDO

一方通行「なンだ?お前…」

「一方通行さんですよねぇ?いやいやこんな暑い中お呼び立てして申し訳ありませんね」


ポケットから手帳のような物を取り出してパタパタと扇ぎながら愛想笑いを浮かべるおっさん


「私興の宮署で刑事やってる大石と申しますがお話聞かせてもらっても構いませんかねぇ?」


一瞬目付きが鋭くなり大石と名乗った刑事はにんまりと笑った
655 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/10/19(金) 11:44:25.24 ID:LIiS+rJDO
本日は以上!

次くらいから3日に1回くらいだと思います

でわノシ
656 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/19(金) 12:45:38.23 ID:VLaJswvlo
ついにクラウド党情か
657 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/10/24(水) 18:35:23.04 ID:cFJVJUODO
ちょ…気づいたら水曜やん!

スイマセン投下遅れました!

それでは行きます
658 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/24(水) 18:42:17.22 ID:cFJVJUODO

一方通行「警察?」


確か学園都市で言うと警備員の様な存在だった気がするがそれが自分に何の用かは想像がつかない


大石「まぁそんなところです。お話…よろしいですか?」

一方通行「断る。要件もねェのに世間話なンざやってる暇あるか」

大石「困りましたね〜。富竹ジロウさんってご存じですか?」

一方通行「…さァな」


いきなり話し出したこの刑事から富竹の名前が出たことに若干驚きながらも煙を巻く一方通行

659 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/24(水) 18:43:29.94 ID:cFJVJUODO


大石「昨夜亡くなられました」


660 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/24(水) 18:45:08.00 ID:cFJVJUODO

一方通行「あ?」


いきなり発せられた一言に思わず声を出して聞き返してしまう


一方通行(コイツはなンて言った?富竹が…死ンだだと…!?)


大石「どうやら知っている様子ですねぇ…お話。いいですか?」

一方通行「チッ…クソッタレが…」

にやりと笑う大石を一方通行は舌打ちして睨み付ける


大石「まぁ怒んないでください。それにしても暑くありません?車、クーラー効いてますよ?」


661 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/24(水) 18:46:21.52 ID:cFJVJUODO

大石に連れられ一方通行は車に入る

言った通り車はクーラーが効いており少し寒いくらいに冷え込んでいた


大石「冷やし過ぎてたら言ってくださいね?私ガンガン冷やしちゃいますから」

一方通行「構わねェ…それよりアイツが死んだってのは本当か?」

大石「えぇ本当ですよ?ホトケのシャツにあなた方の名前と寄せ書きの様なものがありましてね?ご協力お願いします」

一方通行「クソッタレが…」

大石「なっははは。一方さんもすっかり雛見沢の住民ですねぇ?手厳しい手厳しい」

662 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/24(水) 18:47:39.33 ID:cFJVJUODO

一方通行「雑談してェンだったら帰っていいか?こっちは弁当すら食ってないンだがな」

大石「んっふっふっふ。すみませんね?それじゃ早速…オヤシロさまの祟りって信じますか?」

一方通行「ハァ…信じねェな。祟りだのなンだの騒がれちゃいるが要はただの事故や殺人事件だ。犯人なンて人間以外の誰でもない」


昨晩鷹野相手に同じようなやり取りを行ったのを思いだし言い聞かせるように答える


大石「なるぼとそのとおり。犯人は人間です。富竹ジロウを殺したのも」

一方通行「死因は?」

大石「一言で言うと…不明ですかねぇ」
663 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/24(水) 18:48:46.65 ID:cFJVJUODO

一方通行「……どォいうことだ?」

この科学の時代。DNA捜査は本格的に導入され検挙率は90%を有に越すご時世に死因が不明な事件などあるのだろうか?

脳裏にオヤシロさまの祟りという言葉がチラつき出す


大石「直接の死因はご自身の爪で喉を掻きむしった事だと…こうガリガリと」


喉を掻きむしる様を真似る大石


一方通行「…………なンらかの薬物の過剰摂取による錯乱って事じゃねェか?」


一瞬面食らった一方通行だが冷静に考え聞き返す

664 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/24(水) 18:52:05.04 ID:cFJVJUODO

大石「それがですね…富竹さんの遺体からは何の薬物反応も見られなかったんですよ」

一方通行「なっ…」

大石「ですが一方さん?あなたのおっしゃった通りこれはれっきとした殺人事件ですよ。
富竹さんの体には何者かに襲われた外傷が多数ありましてね。
死ぬ直前まで複数人に囲まれ角材で抵抗を試みたようなんです」

一方通行「複数人に襲われたねェ…」

大石「えぇ。これは祟りなんかじゃなく殺人事件ですよ。―――しかも」

大石「村ぐるみで殺人が行われている可能性があるのです」

一方通行「村ぐるみで……殺人だと?」

665 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/24(水) 18:53:26.83 ID:cFJVJUODO

脳裏に凶器に変わった農具を手にする村人に囲まれ首をかきむしりながらも必死に抵抗する富竹が浮かぶ

一方通行(……これがレナ達が隠し事をしてた本当の理由なのか?)

大石「われわれ警察もあらゆる面から捜査を進めますが村ぐるみ説だと村人の口を割るのは難しい」

一方通行「だから、俺ってか?」

大石「察しがよくて助かります。村に来て日も浅くてオヤシロさまの祟りを信じない村人のあなたの協力が必要なんです!」


その言い方が早く村に馴染もうとする一方通行に軽く突っかかる


一方通行「協力だァ?」

666 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/24(水) 18:55:13.90 ID:cFJVJUODO

大石「えぇ。なんか聞いたり見たりしたことをそのまま伝えてくだされば充分です」


一方通行(要はスパイになれってか?ったく、どこに行こうが闇は着いて来ンな)


ため息を深く吐く一方通行


一方通行「……悪ィな。他当たれ」

大石「なっ!?」

一方通行「別にお前らの邪魔をしようって訳じゃねェが随分前に決めてンだ。
この平穏を保つためならなンでもやってやる。
下手に協力してこの関係を崩したくねェからな」

667 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/24(水) 18:56:00.60 ID:cFJVJUODO

大石「一方さん…」

一方通行「今日の事は誰にも話さねェし捜査の邪魔もしねェ。
話は学園都市へ行く要人の警護の為に話を聞きに来たことにしといてやる」

大石「………分かりました。こちらも強制ではありませんからねぇ…」

一方通行「すまねェな」


車から降りる一方通行

途端に夏の熱気が襲ってくる


大石「一方さん!」

一方通行「…なンだ」

大石「これ私の番号です。こちらからあなたに掛けてくる事はしませんが何かありましたらお電話ください」


小さな切れ端に番号を書いて手渡される

一瞬受け取らない事も考えたが


一方通行「……考えとく」


とりあえず受け取ってポケットに突っ込んだ
668 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/10/24(水) 18:58:05.51 ID:cFJVJUODO

以上になります

それでわ
669 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/25(木) 09:47:38.43 ID:mJ4TdQVO0
………コテハンどうした?
670 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/10/25(木) 22:40:49.70 ID:c+/3Zw+A0
待ってたぜ

671 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/10/30(火) 00:37:05.13 ID:R0hvfhsDO
こんばんは

寝る前に投下行きます

寝たらごめんなさいです…

それでわ
672 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/30(火) 00:38:15.94 ID:R0hvfhsDO

翌日昼休み


一方通行「この上なく眠ィ…」


弁当を食べた一方通行から大きな欠伸がもれる

いつも通りくっつけていた机をもとに戻すと一方通行はそのまま億劫そうに腰掛けた


レナ「わぁ〜道行くんおっきな欠伸」

一方通行「昨日は遅かったからな。この昼休みは眠らせてくれ、頼む」

沙都子「この私が大人しく眠らせると思いまして?」

一方通行「邪魔したら屋根から吊し上げてやるから期待しとけ」

673 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/30(火) 00:40:28.72 ID:R0hvfhsDO
何か言い返す沙都子だが完全に無視して一方通行は昼寝を始める


魅音「こりゃ、邪魔しちゃ悪いね。レナこっち行こ?」

レナ「はぅ☆寝顔、かぁいい☆」

魅音「ほらほら後でいくらでもお持ち帰りしたらいいから行くよ」

梨花「沙都子も邪魔しちゃダメなのです。道行なんてほっとけば良いのですよ。先生が来てもほっときますです☆」


魅音とレナは教室の隅へ梨花ちゃんと沙都子は同年代の友達と遊び出す


一方通行(よォやく静かになりやがった)


本格的に昼寝をはじめようとする一方通行

674 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/30(火) 00:41:37.83 ID:R0hvfhsDO
そこへレナ達の声が微かに聞こえてきた


レナ「……え…それっていつから?」

魅音「もう次の日にはいなかったって……綿流しの晩には失踪したらしいよ」


レナの声は本当に微かで聞き取るのも簡単ではないが魅音の声は潜めているつもりでも地声が大きいのでよく聞こえる


一方通行(……まさか…富竹の話か?)


昨日大石から聞いた話が頭に乗っかかる一方通行

675 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/30(火) 00:44:32.55 ID:R0hvfhsDO

なんで魅音らは知ってる?

なんで自分が起きている時には話さない?

なんでレナには話し自分には話してくれない?

あの刑事から聞くくらいならまだ魅音らから聞きたかった事件

妙な疎外感が浮かび歯軋りする一方通行


レナ「…けさん…けさんなの」

魅音「…知る限りではね」

レナ「…他にもいるんでしょ?」

魅音「彼女が祟りにあったのか」


一方通行(……彼女?大石は…ンな事…)


676 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/30(火) 00:45:06.16 ID:R0hvfhsDO


魅音「オニカクシにあったのかはわかんないけどね」


677 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/30(火) 00:46:33.19 ID:R0hvfhsDO

一方通行(……コイツら今なンて?)


オニカクシ

鬼カクシ

鬼隠し

聞き慣れない単語だったが言い知れぬ不吉な気配を察する


レナ「…れにせよもう一人いるんだよね?……だよね?」

魅音「オヤシロさまなら…ね」


一方通行(もう一人?オヤシロさまなら?)

678 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/30(火) 00:48:12.15 ID:R0hvfhsDO

魅音「今年は穏便に片付けようって警察と話つけてるらしいんだよ」

レナ「じゃあレナたちが知らないだけで…誰かが…たかもしれない…ってこと?」

魅音「…かも、ね…」

レナ「…次は………レナ、かな…」


一方通行(!?…レナは自分が次の犠牲者だと思ってンのか?……なンで…なンで俺に相談してくれねェ…)


未だに仲間だと思われてないのだろうか?

どんどん仲間が遠くへ行く感覚

幼い日、雪だるま式に孤独になったあの感覚を思い出す


679 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/30(火) 00:49:57.91 ID:R0hvfhsDO

一方通行「がァァァ!!うるせェぞ!沙都子ォ!!眠れねェじゃねェか!」


勢いよく席から立ち上がる一方通行

沙都子には悪いが、堪えられなかった

これ以上聞いてしまうと自分はまた独りになってしまうそんな不安がした


教室中の目が一方通行に向けられる


沙都子「なっ…、私そんな大きな声で喋ってなんかございませんわ!」

一方通行「……なンだろォな?お前の声聞いたら無性にうるさく感じる自分がいるな」
680 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/30(火) 00:52:59.53 ID:R0hvfhsDO

沙都子「いくら私でも傷付きましてよ…」

一方通行「冗ォ談だ」


ぽんぽんと軽く沙都子の頭を撫でてやりその場を離れる


沙都子「どこへ行きますの?」

一方通行「顔洗ってくンだよ。次の時間芳川のヤツが俺の睡眠邪魔してくるだろォしな」


教室の隅にいる魅音とレナの前まで来てふと足を止める一方通行

知らない事のオンパレードだったがそれでも一際気になってつっこみやすそうな単語を軽く聞いてみることにする


一方通行「そォいや…さっきチラッとオニカクシって聞こえたンだが鬼ごっこの一種…」
681 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/30(火) 00:53:39.22 ID:R0hvfhsDO



魅音「なんでもない」



682 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/30(火) 00:55:28.97 ID:R0hvfhsDO

拒絶のような即答だった


一方通行「……そォか、さて顔でも洗ってくか」


いつもと変わらない様子で呟き教室を後にする一方通行


一方通行「……ッ!」


廊下の中頃に達した頃一方通行は能力も使わずに拳を壁に叩きつける

鈍い痛みがじわじわと襲うが一方通行は気にも止めない

また隠し事をされた

疎外感から来る苛立ちが一方通行の中に渦巻く
683 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/30(火) 00:56:56.53 ID:R0hvfhsDO

一方通行(やっぱり…俺は、…他人かよ…クソがッ!)


魅音もレナもやはり自分を認めていない

いや恐らく、沙都子も梨花ちゃんも他の村人も自分の事を村の一員などと見ていない

余所者

この一言が頭に重くのし掛かる


結局、外の水道まで行って顔を洗ったが一方通行の心は晴れることなどなかった
684 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/10/30(火) 01:02:06.01 ID:R0hvfhsDO
以上になりますね

毎度毎度待たせてすみません。待ってたコメの度申し訳なくなります

そしてすみませんが"コテハン"とは何ですか?
結構初心者なんでマナー知らずにすみません

色々見苦しいかもしれませんがこれからもよろしくお願いします

それではまた
685 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/30(火) 01:11:24.16 ID:B9UVCz5H0


やはり症候群か
全盛期なら年中無休で反射だから症候群に感染することもなかったんだろうが……
今は能力使用モード時しか反射できないからかかっちまったんだろうなぁ
686 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/30(火) 03:16:26.67 ID:x195jslDO


ggれ……と言われる前に教えるね。
コテハンは簡単に言うと名前の事
(多分、コテが変わってたから、聞かれたんじゃないかと)


書き手ならあだ名みたいに付けても問題ないけど、読み手側ではコテハン付けると大抵叩かれるから注意ね。


ひぐらしssは久しぶりに読んだ。一気に読んでやっと追いついた。

面白いので頑張ってね
687 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/11/04(日) 03:56:39.59 ID:8I89O5SDO
深夜にきました


>>686すみませんありがとうございます。またこれから何度か変わってしまうかも知れないけど…その時はすみません

それでは
688 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/04(日) 03:57:25.87 ID:8I89O5SDO

一方通行「はァ?今日の部活は中止だァ!?」


ロッカーからボートゲームを粗方引っ張り出していた一方通行は大きな声を上げ魅音に食いかかる


魅音「本っ当にごめん!バイトが急に入っちゃって!」


頭を下げ手を合わせ魅音が謝る


一方通行「マジかよ…白けンな」

魅音「本当にごめん!埋め合わせはちゃんとするから!まったね〜!」


バタバタバタと魅音が教室を走り去っていく

689 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/04(日) 03:58:41.45 ID:8I89O5SDO
部活をすればこの胸につっかえてる疎外感は無くなるのではないか?

そう期待していたのだが…


一方通行「……これどうすンだ…あのバカ」


目の前に四散したゲームの山を見て大きな息を吐く


沙都子「さて私と梨花は醤油買ってこなければ行けませんのでこれにて失礼いたしますわ!」

梨花「ダッシュで逃げ出しますのです」


片付けの危険を感じ取った沙都子と梨花ちゃんも呼び止める間も無く走り去ってしまう
690 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/04(日) 03:59:58.05 ID:8I89O5SDO
一方通行「……俺はレナを信じてる」

レナ「あははは。二人で片付けようか?」

一方通行「…すまねェな」


残った二人で片付けを始める

しかしこれでもかと詰め込まれていたゲームや小道具果ては小さな紙くずまで散乱しておりなかなか捗らない


一方通行「…駄目だな、まずザッと片付けでもするか…」

レナ「いつも思うケドよく魅ぃちゃんは片付けられるよね」

一方通行「……整理整頓って言葉を学習装置使って直接脳に流し込ンでやりてェ」
691 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/04(日) 04:02:59.22 ID:8I89O5SDO
レナ「??。だけど魅ぃちゃん自分の部屋はスゴく綺麗なんだよ?だよ」

一方通行「想像つかねェ光景だなそりゃ…」


菓子や服が脱ぎ散らかった部屋ならば簡単に頭に浮かぶ一方通行に僅かな笑みが零れる


レナ「魅ぃちゃんは本当はとってもかぁいい女の子なんだよ?だよ!」

一方通行「ならレナは乙女だな」

レナ「もう!そう言うことじゃないもん!」


冗談めかして言う一方通行にレナはムッとした表情で頬を膨らませる
692 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/04(日) 04:04:42.30 ID:8I89O5SDO
一方通行「にしても…なンだこりゃ?ツイスターゲーム?聞いたことねェな」

レナ「今日は魅ぃちゃんの都合で無かったケド…明日からは嫌になるくらい部活三昧だからやったことないゲームもすぐに覚えるよ」

一方通行「あァ、そォだな…」


明るく話すレナに軽く救われた気分になる一方通行

今日部活が無くとも少なくとも明日からは部活三昧なのだ

この疎外感もいつか薄れ村の一員だと認められるだろう


一方通行「あ…なンだ?」


ロッカーの奥からしわくちゃになった紙を一枚取り出しを広げる
693 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/04(日) 04:05:59.90 ID:8I89O5SDO
一方通行「過去の戦績表か?」

レナ「道行くん!早く片付けよ!」

急かすレナを無視し戦績表を眺める

魅音、沙都子、梨花、レナ、悟史


一方通行(……悟史?)


一方通行には聞かない無い名前だった

恐らくクラスの名簿にも無かったであろう


一方通行「……なァ?この悟史って…」

レナ「知らない」

一方通行「ッ!」
694 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/04(日) 04:07:35.84 ID:8I89O5SDO
今の今まで一方通行が抱いていた安心感が全て消えていく


一方通行「………知らねェって訳ねェだろォが。現にお前の名前も」

レナ「ごめん。よく知らないから」


二回目の答えはもはや完全に拒否だった


一方通行「そォかよ…」

レナ「はぅ!レナと入れ替わりで出てったから……ごめんね?」

一方通行「……あァ、なら仕方ねェな」


困ったような顔をするレナに一方通行は多少不服な様子で首を掻く
695 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/04(日) 04:10:06.77 ID:8I89O5SDO
一方通行(隠し事のうえに……嘘かよ)


レナ「み…道行くん…怖い顔してる。…なんでだろ?…なんでだろ?」

一方通行「……なンでもねェ」


残ってあるゲームを手早く片付け立ち上がる一方通行


一方通行「……帰ンぞ」

レナ「う…うん」


慌てて鞄を取りに行くレナも待たず一方通行は教室を出た
696 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/11/04(日) 04:12:34.41 ID:8I89O5SDO
今回は以上です

次回は火曜から水曜くらいにかけて投下します

でわまた
697 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/04(日) 14:07:24.11 ID:LUpSv2rD0
乙!
首を掻くとか一方さんもうかなり症候群進行してるな…
698 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/05(月) 08:59:56.04 ID:ZBzh7cmNo
レナのまんこくっせぇわ
699 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/05(月) 13:57:58.24 ID:pTqw1IaIO
>>698
は?
700 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/11/06(火) 00:44:39.59 ID:FBMS91T4o
>>1

>>699
sageも知らない新参にノセられんな
701 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/11/07(水) 08:20:00.32 ID:A5BUM9Mi0
おっちゅー
遂に始まるか...
702 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/11/07(水) 13:21:55.21 ID:60D9r1mDO
こんにちは昼休み投下に来ました!

たくさんのレスありがとうございます

ホントは返して行くべきですが時間の都合上割愛させて貰います

では投下
703 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/07(水) 13:27:05.06 ID:60D9r1mDO

二人無言の気まずい帰路

普段は聞こえるひぐらしの音も聞こえずただ一方通行のつく杖の音が冷たく響く


一方通行「なァ、レナ」

レナ「え?ど、どうしたのかな?道行くん」

一方通行「お前も転校生なンだろ?当時はどォだったンだよ?」

レナ「え?……うん。道行くんとおんなじで魅ぃちゃんに弄られて沙都子ちゃんにトラップ仕掛けられたり、梨花ちゃんに頭撫でてもらったり…楽しかったかな」


その言葉には偽りなど無いのだろう目を閉じ噛み締めるように語るレナ

704 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/07(水) 13:28:16.69 ID:60D9r1mDO
しかしだからなのだろう

だからこそ一方通行にある疑問が心に刺さって仕方なかった


一方通行「………隠し事は?」

レナ「え?」

一方通行「隠し事とかはされなかったかって聞いてンだ」

レナ「あ…うん。なかっ…たよ」


その口調に後ろめたい事があると確信する一方通行


一方通行「…なァ、お前らなンか俺に隠し事があるだろ?」

レナ「え!?し…してないよ。全然」

一方通行「嘘だな」
705 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/07(水) 13:29:40.42 ID:60D9r1mDO
断言し空いてる手でレナの左肩を掴む


一方通行「気付いてないとでも思ってンのか?騙されるとでも思ってンのか!!?」

レナ「み、道行くん…肩痛いよっ!…それに…騙すだなんて…」

一方通行「正直に言えっ!!」


遂に一方通行は激昂する


一方通行「してるよなァ!!?俺に隠し事を!!!」


沈黙が訪れた

レナは顔をうつむかせ動かない


レナ「じゃ…」
706 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/07(水) 13:31:17.00 ID:60D9r1mDO
ゆっくりと顔をあげながらレナは続ける


レナ「道行くんはどうなのかな?」


一方通行は目を疑った

レナの様子が一変する

口調こそいつもと変わらなかったが、その目はどこか虚ろでしかし猛禽類の様な鋭さが宿っていた

さらにレナは続ける


レナ「道行くんこそレナたちに嘘ついてないかな?……隠し事してないかな?…かなっ」

一方通行「ッ…!?」
707 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/07(水) 13:34:08.99 ID:60D9r1mDO

もしかして大石の事が知られてるのではないか?

自分が本当の名前やレベルを隠している事が知られてるのではないか?

そんな疑問が一方通行の胸中に浮かぶ


一方通行「するわけねェだろ…嘘も、隠し事も」

レナ「嘘」


即答するレナに一方通行は言葉を失う

背中に冷たい汗が伝わるのが分かる


レナ「あははは。道行くんだって知らないおじさんと車の中で話してたよ?」
708 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/07(水) 13:37:32.70 ID:60D9r1mDO
笑うレナだがその口調は全く笑ってない

重く威圧感はあるがどこか機械的で人形の様なそんな口調


レナ「ねぇ…誰、あのおじさん?何の話してたの?」

一方通行「ま…前にも言ったろ!学園都市への要人の警護で大石って刑事が!」

レナ「嘘」

一方通行「なッ!?」


レナは全てを知ってるのか?
連続怪死事件について聞かれたことから、自分たちの口裏まで?

あるはずのない疑問が頭にのぼる


レナ「ねぇ、何の話してたのかな?」

709 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/07(水) 13:39:15.18 ID:60D9r1mDO
一方通行「だ…だから言ってンだろ!学園都市に」

レナ「嘘」

一方通行「……ッ!?」


最後まで口にする事を許さずにレナが断言する


一方通行(訳が分からねェ!なンなンだってンだ!?
そもそも俺はアイツの話なンて蹴ってンだからやましいことなンてなンにもねェはずだろ!!?)


混乱する頭で自分に言い聞かせる一方通行

心臓の鼓動が速くなっていく


レナ「なんのはなしをしていたのかな?」

一方通行「お、お前らには関係ねェ話だっつってンだろ!!」
710 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/07(水) 13:40:02.33 ID:60D9r1mDO
最後の台詞はもはや叫びに近かった


レナ「あははは。そっか関係無い話なんだ」

一方通行「あ…あァ」


にこやかにレナが笑う

レナの口からは先程のような威圧感は感じられなかった

カナカナカナカナとヒグラシの鳴き声が二人の空気を和らげていく
711 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/07(水) 13:40:48.55 ID:60D9r1mDO




レナ「嘘だッ!!!」




712 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/07(水) 13:45:09.98 ID:60D9r1mDO
レナの叫びが辺り一体に響き渡る

一方通行の呼吸が止まった

学園都市の中にいた時にも滅多に感じなかったはっきりとした恐怖をこのよく見知った少女から感じる

いやよく見知った少女なんかではない


一方通行(だ…誰だ…コイツは?)


レナ「ね?」


動けないでいる一方通行にくすりと笑い"そいつ"はひたひたと近づいてくる

一方通行は反射的に電極へ手を伸ばす
713 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/07(水) 13:46:57.45 ID:60D9r1mDO
レナ「道行くんにも隠し事や秘密があるように」


"そいつ"の顔が3p程の距離まで迫る


レナ「レナたちにだってあるんだよ?」


耳元で諭すように囁き"そいつ"はにたぁっと笑った

まるで一方通行の事など何も恐れておらず見下して嘲笑うかのような挑発的で不気味な笑み

電極まで持っていった指がカタカタと震える
714 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/07(水) 13:47:34.42 ID:60D9r1mDO
レナじゃない

一方通行は確信する

レナの顔を被った"何か"だ

意を決して電極を弾く一方通行


レナ「風が涼しくなってきたね…」

レナ「帰ろ?道行くん♪」


にこやかに笑いかけ畦道を駆けていくレナ



一方通行(い…いつものレナか?)

一方通行の手にしていた杖が地面に転がる

最後に見せた笑顔それは紛れもなくレナのものだった

先程のなごりは全くみれない
まるで何かに乗り憑かれたかの様なレナの豹変


一方通行(なンだってンだ…一体…)


去っていくレナを追いかけることも出来ずただ呆然と立ち尽く一方通行

夕暮れの空気がゆっくりと一方通行の頭を冷やしていった
715 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/11/07(水) 13:52:12.17 ID:60D9r1mDO
今日の投下は以上になります

次はまた今週中に一回くるのでその時に

それではまたノシ
716 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/11/07(水) 15:03:18.60 ID:/N91ZTBVo
完全に症候群や…一方さん…
717 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/07(水) 16:39:37.14 ID:q5TUZJao0
乙!
最近は更新分読むたびにドキドキする
毎回引きこまれる文章を書く>>1はすごいわ
できたら罪滅し編とか圭一(
718 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/07(水) 16:44:20.13 ID:q5TUZJao0
すまんミスった
できたら罪滅し編とか圭一(
719 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/07(水) 16:46:19.52 ID:q5TUZJao0
ごめんなさいまたミスった…
もう大人しくROMっとくわ
720 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/07(水) 17:19:36.18 ID:AY6SLp+60
お前はよく頑張ったよ………つ【ハンカチ】
721 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/07(水) 18:46:10.83 ID:k8V8rrg70
一方通行がレナたちを[ピーーー]時はどうやるんだろ
血流逆転で愉オブなのか、木原くンにやろうとしてたように腕をへし折って片結びするのか
黒翼で流れ星なのか、指を食っちゃうのか
あるいは全身の皮膚の五割を剥いで、それでも生きてたら見逃すのか

夢が広がるな
722 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/11/08(木) 22:50:15.53 ID:A9YoQUoF0
一方通行がミンチにした二人の肉を僕が食すんですねわかります。
723 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/11/09(金) 18:07:06.62 ID:QNHkhVUDO
>>717>>718>>719圭一は…絡め方が分からないっス…それに罪滅ぼしとかにまでいける自信もないっス

>>720なら自分からはエンジェルモートのはきたてストッキングを

>>721その他にもパターンが10031通りありますから選ぶのが大変です(笑)

>>722(°ワ°)マジデ…?


さてこんにちは投下に来ました

それでは今週最後の投下です
724 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/09(金) 18:08:57.75 ID:QNHkhVUDO
家に着くと一方通行は制服も着替えず自室のベッドに突っ伏す

整理しなければならない情報が多すぎる

オヤシロさまの祟り

富竹の怪死

鬼隠し

隠し事

レナの豹変


これらが頭の中でぐるぐると回る

一方通行(チッ…駄目だな…一人の考えたところで一緒だな)


鞄から一枚のしわだらけの紙を取り出す
725 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/09(金) 18:09:57.09 ID:QNHkhVUDO
一方通行「なンつゥか…癪だよなァ」


首を描きながら紙に書かれた番号に電話をかける一方通行


『もしもし。大石です』

一方通行「一方だ」

『一方さん?どうなさったんです?』

一方通行「気になることがあンだがよ?お前あのとき"何かあったら"つったなァ?どォいう意味だ?」

『ん〜…まァそのまんまの意味ですよ?何かあったら』

一方通行「御託はいいンだよ。よォはその"何かある"の根拠を聞かせろってンだ。まさか話聞いた全員に番号配ってンじゃねェだろ?」
726 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/09(金) 18:11:28.30 ID:QNHkhVUDO
『あ〜…どうしましょうかね?まだ予想の範囲内ですし、一般の方に話すような情報では…』

一方通行「チッ…どォせ捜査協力とか言い出すンだろ?やってやンよクソが…そのかわり隠し事は無しだ」

『んっふっふっふ。任せてください。それで連絡先をお話した根拠ですね?』

一方通行「……あァ」

『一言で言いますと…勘ですかねぇ』

一方通行「……切るぞ」

『待ってください。刑事歴約40年のベテランの勘ですよ?下手な証拠よりかは信憑性ありますよ?』

一方通行「そォかよ…で?ベテラン様の勘が働いたのはどォいう訳よ」
727 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/09(金) 18:12:46.47 ID:QNHkhVUDO
大石の言い回しに苛ついてるのだろう

一方通行の言葉が荒くなっていく

『その言葉使いには若干引っ掛かりますが…話すと長くなりますよ?』


これは大石なりのもう引き返せないと言う警告なのだろう

一方通行の脳裏ににこやかに笑うレナたちの顔が浮かび上がる


一方通行「……チッ…構わねェ…さっさと話せ。包み隠さずな」


しかしその笑顔を塗り潰すかのように浮かんできた"隠し事"の三文字が一方通行を決断させる


『分かりました。───では一方さん。まずはここ数年の事件の傾向をお話ししますね?』
728 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/09(金) 18:14:29.60 ID:QNHkhVUDO
一方通行「傾向?」

『警察なめちゃいけませんよ?ある程度予想は掴んでます。まず一年目』

一方通行「現場監督のバラバラ殺人か…」

『……いえ、正確にはそれと犯人一味の一人とホトケの右腕失踪ですね。動機は村をダムで沈めようとしたから。成る程分りやすい』

一方通行「まァそォなるな」

『二年目はダム誘致派の転落事故妻の方の死体は行方不明。動機は村の敵だから』

一方通行「確かにな」

『三年目、神社の神主夫妻の怪死と入水自殺。自殺した奥様の方はいくら捜索しても死体が上がりませんでした。動機はダム運動のリーダーの家の1つだったのにも関わらず運動に消極的だったからが妥当でしょう』

一方通行「……あァ」

『四年目。ある家庭の主婦の殴打死と息子の失踪。動機とするなら二年目のダム誘致派の夫の方と被害者の夫が兄弟だったからですかねぇ』

一方通行「……?」


729 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/09(金) 18:17:41.66 ID:QNHkhVUDO
これには一方通行はあまり納得が出来なかった

ダム誘致派と肉親だったからという理由はあまりにも希薄すぎる

一方通行(待て…?だったら今年の富竹はなぜ殺された?あいつが殺される理由なンて─)


『そして今年は────余所者だったからですかね』

一方通行「はァ?」


なンだそれは?

納得がいかない

そんな理由ならまだ無差別と言われた方が納得がいく


『信じられないでしょう?でもですね?このオヤシロさまの祟りと呼ばれる連続怪死事件……殺される理由がどんどん希薄になってくから怖いんですよ』

730 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/09(金) 18:20:51.92 ID:QNHkhVUDO
一方通行「……成る程な。それで来年の被害者候補が俺ってかァ?ハッ!随分心配性だなァ」

『違いますよ。そんな来年の心配事する余裕残念ながらありませんからねぇ…』


今回の件で大部まいってるのだろう深い溜め息が電話越しからでも伝わってくる


一方通行「ならどォいう訳だ」

『その前に一方さん?もう一つの共通事項があるんですが』

一方通行「まだあンのかよ…」

『えぇ。これ含めて後二つほど…』


うんざりしたように言う一方通行だが恐らく受話器の向こうにいる大石はにんまり笑っているのだろう。口調がそれを告げている
731 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/09(金) 18:22:38.18 ID:QNHkhVUDO
一方通行「はァ。なンだ?その共通事項ってのは?」

『この一連の事件はですね。毎年殺人と共に行方不明者を出してるんですよ。鬼隠しとか言って』

一方通行「鬼隠し?」


レナと魅音の会話を思い出す一方通行

結局隠し事をされたのだが…


『世間一般で言われる神隠しの様な物ですね。人里から忽然と姿を消したらその人物は本当は人食い鬼に拐われて食べられてしまったのだ。と』


人食い鬼

その言葉に帰り道のレナの豹変を思い出す
732 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/09(金) 18:27:32.39 ID:QNHkhVUDO
一方通行(……なに馬鹿げた想像してンだ俺は。くだらねェ)


『一方さん?続けますよ?』

一方通行「あ…あァ、頼む」

『その鬼隠しがですね?今年はまだなんですよ?』

一方通行「………行方不明者が出てねェって事か?」

『厳密には違いますね。逆です』

一方通行「逆?」

『今年の行方不明者は見つかってしまったんですよ』


本来それは喜ぶべき事なのだろう

しかしそう単純にはなれない

行方不明者が発見された。それはつまり
733 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/09(金) 18:31:51.78 ID:QNHkhVUDO
一方通行「殺人はまだ続く、または別の行方不明者が出るかも知れねェってことか…」

『その可能性は充分ありますねぇ』

『ちなみに発見されたのは診療所に勤めている看護婦の鷹野三四さん。岐阜県の山中で焼死体となって発見されました』

一方通行「鷹野…」


富竹と一緒に居た女を思い出す一方通行

怪死事件の事をペラペラと喋ったところを見ると恐らく彼女も富竹と同じ、余所者なのだろう


『警察も混乱してるんですよ。何せ初めての事ですからねぇ。言い方は悪いですが異常事態です』

一方通行「で?最後の根拠はなンだ?余所者、行方不明者の発見ってなら俺以外にもいるだろ?」


一拍置いてさらに大石は語りだした
734 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/11/09(金) 18:38:43.67 ID:QNHkhVUDO
今日の投下は以上ですね

それでは来週

よい週末をノシ
735 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/09(金) 18:44:55.77 ID:dQe7Qqka0
そういや園崎家の力って一方通行からすりゃ大したことないな
学園都市と比べればかわいいもんだ
736 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/11/09(金) 20:16:53.52 ID:P+mXK1R90
ひぐらしは、力はあってもコミュ症一方通行には辛い展開になるわな。
737 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/11/13(火) 00:26:37.73 ID:/54NiRLDO
レス感謝です!

投下にきました

>>735鬼婆もびっくりアレイ☆

>>736エンジェルモートの勇士達とはお友達になれそうにありませんね(笑)

それでは
738 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/13(火) 00:28:40.53 ID:/54NiRLDO

『ん〜…一方さん?これから話すことは大変失礼なことになりますから怒らないで聞いてくださいね?』

一方通行「チッ…なンだよ?」

『失礼を承知であなたのご友人達を調べさせてもらいました』

一方通行「!?お前ェ…」

『怒らないで怒らないで。すると大変興味深い事が分かったんですよ』

一方通行「興味深い事だと?」

739 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/13(火) 00:29:46.88 ID:/54NiRLDO
『えぇ、まず園崎魅音さん。彼女は一年目の被害者と事件の数週間前何度か取っ組み合いしているんですよ』

一方通行「アイツならやりかねねェな」

『二年目の転落事故ありますよね?そのとき夫妻のお嬢さんも一緒に居たんですよ…それが北条沙都子さんです』

一方通行「なっ!?沙都子だと…」

『三年目の神主夫妻のお嬢さんは古手梨花さん』

一方通行「梨花ちゃンも…」

『四年目は言わなくても分かりますよね?沙都子さんの叔母です』
740 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/13(火) 00:30:36.67 ID:/54NiRLDO
言葉を失う一方通行

認めたくない

しかし大石は残酷にも言葉を続ける


『つまりですね?』

一方通行「うるせェ…」

『被害者達は全員あなた方友達グループと何らかの繋がりがあるんですよ』

一方通行「偶然に決まってンだろォが…」

『考えられませんよ』


あっさりと否定する大石

当たり前である

一方通行自身も客観的に見たら偶然等とは思わない
741 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/13(火) 00:32:12.33 ID:/54NiRLDO
一方通行「ちょっと待て。……レナは…?レナには何の繋がりなンてねェだろ?」


すがるように聞く一方通行

だが一方通行自身もレナの豹変ぶりには一番警戒している

レナには何かあるそう思いながらも信じたいそんな胸中だった


『竜宮さんですね?確かに彼女は被害者との関係などはありませんが…ちょっと気になる事があるんですよ』

一方通行「気になること?」

『えぇ。実は…彼女雛見沢に来る以前の学校で暴力事件を起こして謹慎処分を請けてるんですよ』

一方通行「レナが…謹慎?」

『はい。引っ越し前の学校でまるで何かに取り憑かれたかの様に校舎中のガラスを割って回ったらしいんです』
742 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/13(火) 00:34:41.91 ID:/54NiRLDO
一方通行(…ガラスを?)


あの普段虫すら殺せそうにないレナからは考えられない


『その後医師のカウンセリングを彼女は受けたんですが…結構出てくるんですよ』

一方通行「出て…くる?」


恐る恐るその続きを問いかける
743 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/13(火) 00:35:54.53 ID:/54NiRLDO



『オヤシロさま。という単語がですよ』



744 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/13(火) 00:37:14.73 ID:/54NiRLDO
一方通行(また…オヤシロさまだと…!?)


携帯電話を落としかける一方通行

『なんでもオヤシロさまは幽霊みたいな存在で夜な夜な枕元に立って見下ろすんだそうですよ』

一方通行「……ありえねェだろ…それ」

『はい?』

一方通行「レナは雛見沢の人間じゃねェだろ。去年引っ越して来たって聞いてるぞ。レナもある意味余所者だろ」

『……竜宮さんは余所者なんかじゃありませんよ』

一方通行「あ?」

『住民票を調べてわかったのですが竜宮一家は小学校に上がるまでは雛見沢に住んでいたんですよ』
745 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/13(火) 00:38:35.94 ID:/54NiRLDO
一方通行「……そォかよ」

『被害者と直接関わりはありませんが祟りについては何か知ってる可能性は否定できません。───そして最後の富竹氏…』

一方通行「富竹…」

『覚えてますよね?祭りの晩…あなた方全員と楽しく遊んでます』

一方通行「確かに…そォだな…」


富竹ジロウ

得たいの知れない奴だと感じていたが何の事ないノリのいい大人で

祭りの一番の思い出を飾った仲間とも言える人物

次に会ったときは自分も写真を見せてもらおうと密かに考えてたそんな男の死

何故だか分からないが今になって急に胸の奥に虚無感の様な感情が宿る
746 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/13(火) 00:39:57.40 ID:/54NiRLDO
一方通行(クソが…急になンだってンだ!人の死なンて一万以上は見てきてンだろ!!)


少し蒸してむずかゆい喉元の汗を拭い一方通行は大きなため息を吐く


一方通行「だいたい言いてェ事は分かった。要はアレだろ?───まだ続く恐れのある事件、余所者、そして俺の周囲から考えて…」

『えぇ。次の被害者は一方さん。あなたが一番危ないんですよ?』


鋭く告げる大石

その予想に一方通行も反論しない

認めたくない気持ちもあるがそれ以上に一方通行の頭でも理解してしまっているが
747 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/13(火) 00:41:45.11 ID:/54NiRLDO
一方通行はぐにゃりと口角を吊り上げ引き裂いたような笑みを浮かべる


一方通行「上ォ等だ」

『はい?』

一方通行「殺しに来よォが消しに来よォが構わねェって言ってンだ」

『!?一方さん分かっているんですか!?相手は得たいの知れない上に何人いるかも全くわからない下手したら村ごと敵になるんですよ!』

一方通行「得たいの知れない?村ごと?おーおー言ってくれるねェ?安心しろよちゃンと生きたまま突き出してやっからよォ?ま、人のカタチかどうかは約束出来ねェが」

『……なははははは、分かりました期待しときますよ。ですが一方さん?これだけは覚えていてくださいね?何かあったら連絡して下さい。私はいつでもあなたの味方ですから。それでは』
748 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/11/13(火) 00:45:03.24 ID:/54NiRLDO
本日は以上です

軽いネタバレ

一方さん祟り相手に喧嘩売りましたがあのモヤシへたれますよ(笑)

それでは次は水曜か木曜です

それではノシ
749 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/13(火) 01:21:36.04 ID:e/7QMe4X0
症候群がなかったら全部反射で終わりだもんな
山狗とか三分で全滅するだろうし、雛見沢自体黒翼やらプラズマやらで消し飛ばせてしまう
750 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/13(火) 01:55:31.92 ID:ZvgTOY6j0
喉掻き毟るまでにどれだけ破壊出来るんだろ
751 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/11/13(火) 05:48:07.91 ID:WTQz0C0R0
>>739 来ましたね、疑心暗鬼。

>>748 へたれますか… 足音に、対する第一位の反応がすごく楽しみ。
752 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/13(火) 11:01:33.80 ID:zphBhF7fo
レナのアナルくっせぇわマジで
753 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/11/14(水) 23:13:04.98 ID:XlijT6ODO
こんばんは!

毎度レス感謝です!楽しみに読ませていただいています

それでは投下
754 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/14(水) 23:16:45.50 ID:XlijT6ODO
一方通行はそのままケータイを閉じ再びベッドに横になった

ふと疲れた目で壁にかかったデジタル時計を眺めると既に一時間くらい経過していた


一方通行(さて…と。何から調べるか…とりあえず過去の事件はアテにならねェな)


一応警察が調べているのだ

今更掘り返した所でたいした事実が出てくるとは思えない


「入っていいかしら?」


不意にいつの間に帰ってきてたのかドアの向こうからノックと芳川の声がした

体を起こし勝手に入れと了承する
755 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/14(水) 23:17:59.50 ID:XlijT6ODO
芳川は茶菓子とティーカップを2つ乗せたお盆を持って外面用の笑顔を浮かべ入ってきた


一方通行「………気味悪ィ笑顔浮かべやがって…新手のネタか?」

芳川「失礼ね。せっかく用意したのに。あら?竜宮さんは?」


部屋を見渡して首を傾げる芳川

あたりまえだがレナの影などどこにもない


一方通行「やっぱ新手のネタか?」

芳川「そうじゃなくて来てたでしょ?竜宮さん。つい一時間くらい前に入れたわよ」


サラリという芳川

嘘をついてる様には見えない
756 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/14(水) 23:20:52.69 ID:XlijT6ODO
ため息を吐いて愚痴りながら部屋を去る芳川

残された一方通行はこの一時間の記憶を探る

一時間程前は調度大石から殺したであろう動機について聞いてた頃だった

そして人知れず帰宅

芳川はさっきまでレナは居るとまで思ってた

そして二階には一方通行と芳川の部屋そして普段は鍵のかかっている客室。その他には狭い廊下があるだけだ

つまり
757 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/14(水) 23:21:55.23 ID:XlijT6ODO



一方通行(レナは俺と大石の会話をドアの後ろから全部聞いてた!?)


758 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/14(水) 23:25:01.61 ID:XlijT6ODO
鷹のような目で冷たく盗み聞きするレナが脳裏に浮かぶ


一方通行「訳がわからねェ…」


レナの行動が理解できない

何かに取り憑かれたかの様

オヤシロさま

大石から聞いたこの二つの言葉が一方通行の胸中に渦巻き続けた
759 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/14(水) 23:31:52.13 ID:XlijT6ODO

翌日朝

雛見沢にやって来てからはすっかり早起きが身に付いてる一方通行にしては珍しく芳川に起こされるかたちで目が覚めた


芳川「私の朝食すら作らずに寝てるとはいい度胸じゃない?お陰でもう行く時間なんだけど?」


学校

ここまで行きたくないと感じたのはいつぶりだろうか?

いや学園都市に居た頃も行く必要ないと思っていただけで実際行きたくないとまでは考えて無かっただろう
760 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/14(水) 23:34:20.55 ID:XlijT6ODO
一方通行「頭が痛ェンだ…今日は休ンで病院行く」


気だるそうに適当な事を言う一方通行

レナに会うのが怖い

立ち聞きしていたなら事件やレナたちの事を話していたのを知ってるはずだ


芳川「え?休むの?」

一方通行「……少し熱っぽいしなァ」

芳川「まぁ、最近本格的に暑くなってきたしあなたじゃねぇ…」

一方通行「……どォ言う意味だお前」

芳川「分かったわ。なら学校の方には私から言っておくから病院ちゃんと行きなさいよ?」

一方通行「あァ、頼む…」
761 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/14(水) 23:35:17.12 ID:XlijT6ODO
それじゃ。と芳川は部屋を出る

まだカーテンすら開けてない部屋薄暗い部屋で一方通行は再び毛布にくるまる


一方通行(どうして…レナに怯えなきゃならねェ…)


普段の少し変わってはいるが優しくて面倒見がいいレナが頭に浮かぶ

一方通行(……昨日のレナは見間違いだ…そうに違いない)


自分に言い聞かせる様に結論をだし一方通行は久し振りに朝の惰眠を貪ることにした
762 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/11/14(水) 23:40:03.48 ID:XlijT6ODO
今日はここまでになります

次の投下は金〜土にかけてきます

それではノシ
763 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/15(木) 00:55:25.03 ID:RMQIITA40
                    __
                  / ___、 `ヽ、__
                 レ'´   ヽ \____`)
               -='´  ハ {'´ー}/ヽl  Y    あ〜う〜道行くんかぁいいよ〜
                /  /レV  三 リ ノi|       乙お持ち帰り〜♪
                  {  { 彡   "/イ 八
                N ヘ "  「 ノ  /  _>
                 ヽ_ゝ、 _ f⌒)ー‐くゝ
                  / (__ j´`\ヽ_〉
                  Vレヘ \\介i\ヽ\


              
764 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/11/18(日) 02:26:35.42 ID:dw1t2CjDO
深夜に来ました

レス感謝です!

投下いきます
765 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/18(日) 02:27:54.85 ID:dw1t2CjDO
結局連日の寝不足も祟って一方通行が目を覚ましたのは昼前になっていた

診療所に行き風邪薬を貰い一方通行帰宅の道を急ぐ


一方通行(村の様子はたいして変わってなかったな)


足を止め一面に広がる青い田畑を見てそう感じる

診療所に居た時も村人からは何の違和感も感じず、診療所も平常運転だった

一つ気になることがあったとしたら老夫婦が鷹野の失踪の事を話ていたことだが
それも結局、富竹とかけおちでもしたんだろうとの噂話レベルの会話だった


一方通行(村ぐるみで殺人が行われてるとは思えねェよなァ)

766 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/18(日) 02:28:58.90 ID:dw1t2CjDO
その時突然後ろからクラクションを鳴らされる

振り向くとそこには車の窓から身を乗り出して大石が手を降っていた


一方通行「………どォしてここにいやがる?」

大石「いやですね〜偶然ですよ?今からお昼なんです。一緒しません?お耳に入れておいて欲しい話もありますし」

一方通行「……いいだろう」

大石「では車に乗ってください。ここら辺は村人の目がありますから興宮のファミレスで構いませんかね?」

一方通行「食えりゃどこでもいい」

大石「むっふっふ任せてください。いい店を知ってるんですよ」
767 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/18(日) 02:30:10.71 ID:dw1t2CjDO
大石の車が発進する

しばらく車を走らせ山をいくつかこえたら雛見沢よりは少しばかり開かれた町へ出た

興宮

決して人口が多いわけでもないが雛見沢よりは明らかに開かれていて道路もきちんと舗装されておりファーストフード店やファミレスもいくつか建ち並んでいる

そんな町並み中、大石の車は一軒の店に入る

看板にはエンジェルモートと書かれており結構な客入りを予想できる駐車場だった

ただ気になるのは車に最近のアニメか何かのキャラがプリントされてる車が数台あったことだが


「いらっしゃいませ。エンジェルモートへようこそ!」
768 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/18(日) 02:33:10.03 ID:dw1t2CjDO
ウェイトレスの女性に定番の文句を受け一方通行は


一方通行「……帰っていいか?」


ため息を吐いて隣で笑っている大石にそんな事を尋ねた

いつだったか?

一方通行に黄泉川の家に上がり込まされたばかりに脱水所で起きた事件の時と大差ない表情が浮かぶ


大石「いやぁ〜可愛いでしょ?ここの制服大人気なんですよ」

一方通行「ただの風俗店の延長じゃねェか」
769 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/18(日) 02:34:39.07 ID:dw1t2CjDO
大石と一方通行が評じた様にここエンジェルモートの制服はかなり賛否が別れるような物だった

やたら胸の谷間が強調されておりバニー服の様に目のやりどころを困らせている

それに正面が完全に開かれていてスカートとしての機能を完全に見失っている
(いわゆるレオタ見せ)
スカートも男性客の夢と心と眼を釘付けにしている

またここまでかなりオープンにしているくせに二の腕から手首まで隠している裾や太ももからはニーソックスなど特別隠す必要はないであろう部位を敢えて隠している所が一方通行には意味不明らしいが大石曰くまた人気らしい

770 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/18(日) 02:36:35.44 ID:dw1t2CjDO
一方通行「で?話ってなンだ?」


昼ランチセットを一通り食べ終わり一方通行は話を切り出す

大石は自分のコーヒーを一口飲み語り出した


大石「今日はこの地方に伝わる昔話をお聞かせしようと思いまして」

一方通行「……関係あるンだろォな?」

大石「関係付けて考えてみると面白いなぁ〜なんて程度ですね。まぁ食後の雑談がてらに聞いてください」


そう言われると断りも入れにくくなるので一方通行は仕方なしに大石の話を聞くことにする
771 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/18(日) 02:37:59.48 ID:dw1t2CjDO
大石「まず雛見沢───旧称鬼ヶ淵村はですね。鬼の住む里として近隣の村々に恐れられていたんですよ」

一方通行「鬼ヶ淵村?」

大石「はい。今でもその名前残ってるんですよ?ほら、神社の神主夫人の入水自殺した沼。あそこが鬼ヶ淵って言うんですよ」

一方通行「初耳だな」

大石「でですね。鬼ヶ淵村は恐れられていたのと同時に崇められてもいたんですよ」

一方通行「恐れ敬う…カミサマみてェな存在ってか?」


やや冗談めかして一方通行が言う

大石もさぁ?とわざとらしく首を振った
772 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/18(日) 02:46:31.69 ID:dw1t2CjDO
大石「でもそう言うならやっぱり人食い鬼ですね。
なんでも息子を治療してやった代償に連れてきた母親を食わせろ
みたいな感じで願いは叶わせるけど命と引き換えだぁ〜
って具合らしいです」

一方通行「イイ趣味してンな」

大石「なんせ鬼さんですからね。で、もちろん母親は息子を連れて逃げる訳ですがこれを鬼ヶ淵の村人が総出で捕まえるそうなんですよ」

一方通行「村人総出…」


その言葉に村ぐるみでの殺人が頭をよぎる


大石「まぁ、結局二人とも捕まって食べられちゃうんだそうです。おしまい」

一方通行「それ矛盾してねェか?当事者の二人食われてンだから話の広がりようねェだろ?」
773 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/18(日) 02:48:40.54 ID:dw1t2CjDO
大石「ん?あ〜そういやそうですね〜でもね、多いんですよ一方さん。その手の村人総出で捕まえに来る昔ばなしが。この地方では特に」


警察が関連付けたくなるのも分かる一方通行

昔ばなし一つ一つにたいして意味はないだろうがその他にも似たような物が数多くあるとなると話は別だ

大石「あと気になる点が一つ。そのですね鬼に食われる人間はあらかじめ決まってるらしいんですよ」

一方通行「決まってる?」

大石「はい。それを踏まえて昨日お話したご友人達との関係性を考えてください」

一方通行「……決めた人間に近づいてるって言いてェのか?」
774 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/18(日) 02:54:45.98 ID:dw1t2CjDO
大石「十分に考えられる可能性です。
四年目の北条悟史くんと五年目の富竹氏はあなた方との関係が特に」

一方通行「ちょっと待て……悟史だと?」


話している大石を遮って一方通行が割り込む

どこかで聞いた名が耳に引っ掛かった


大石「あれ?言ってませんでしたっけ?四年目の行方不明者の北条悟史さん。沙都子さんの実兄で去年まで今のあなたと同じ様に魅音さんの部にいた人ですよ」

一方通行「なっ!?」


何気無しに語る大石の言葉に一方通行はようやく思い出す

775 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/18(日) 02:56:11.27 ID:dw1t2CjDO
悟史

レナが口を閉ざした人物の名前

沙都子の実兄であり四年目の行方不明者

そして一年前、一方通行と同じように魅音らと楽しく部活をしてたであろう人物


改めて一方通行は自覚する

次に危ないのは自分だ

漠然としか抱いていなかった危機感がようやく芽生える


連続怪死事件は遂に自分に繋がったのだ


776 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/18(日) 02:56:39.26 ID:dw1t2CjDO
しばらく無言になる一方通行

大石が気を使ったように立ち上がる


大石「そろそろ出ましょうか、一方さん。風邪でしたよね。お昼のお薬は飲まれましたか?」


大石に言われ形だけでも一方通行は処方された粉薬をコーヒーで流し込む

妙な味になってしまったコーヒーの不快感に気を取られながら一方通行は店を出る


大石「すみませんね。体調が優れないときに…家まで送りますよ」

大石の好意に甘え助手席に腰かける一方通行

帰り道は互い終始無言だった
777 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/11/18(日) 03:01:56.45 ID:dw1t2CjDO
本日は以上になります

次は月〜火にきますね

構想は完成してるのに文にできない…SSは難しいッスね

ではまたノシ
778 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/18(日) 04:03:16.96 ID:RCjagn47o
ちょ
その粉薬だいじょうぶなのかアクセラレータ!?
779 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/11/18(日) 06:25:07.15 ID:h50OukKMo
もし違ったら申し訳ないがキリッツグ?
780 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/18(日) 13:52:39.67 ID:nGHV7ISw0
781 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/20(火) 11:43:20.41 ID:YIgEDoD90
782 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/11/20(火) 15:56:58.45 ID:riGCcQrDO
こんにちは
お待たせしました

>>778普通の白い風邪薬ですよ。コムギコなんかじゃないです。

>>779違いますよ。初SSです

乙と言われたら凄く嬉しくなる。こだまでせうか?いいえ、誰でも

それでは投下いきます
783 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/20(火) 15:59:33.12 ID:riGCcQrDO
帰宅した一方通行はさらに一眠りした後しきりに鳴るインターホンで目を覚ました


一方通行「うるせェな…」


足取り重く玄関に向かいドアを開ける


一方通行「どちら様ですかァ?」

魅音「おーす!生きてる〜?」


訪ねて来たのは魅音だった

インターホンを乱打するのも納得が行く

ニコニコと笑う魅音に一方通行は軽く青筋を浮かべ


一方通行「……間に合ってまァす」

ドアを再び閉める
784 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/20(火) 16:02:53.92 ID:riGCcQrDO
魅音「なっ!?道っちゃん!せっかくお見舞い来てるんじゃん!開けてよ!開けろ〜!」


しばらくニコニコ笑顔で呆気に取られてた魅音だが再びインターホンを乱打し出し遂にはドアを借金取りの様に叩き出す


一方通行「がァァァ!うっせェな!さっきから何度も何度も!こっちは寝てンだぞ!!」


結局、一方通行は怒りに任せドアを勢いよく開ける


魅音「あぅ!?」


ひたすらドアを叩いていた魅音は至近距離からのドアの猛撃に避けるすべもなくスローモーションで轟沈した
785 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/20(火) 16:04:08.37 ID:riGCcQrDO
レナ「み、魅ぃちゃん!大丈夫?」

一方通行「!……レナも来てンのか」


レナの存在に一瞬怯んだが気にしない素振りを見せる一方通行


魅音「いちち〜…、せっかくお見舞いに来たのにさぁ…」

レナ「沙都子ちゃんも梨花ちゃんも心配してたんだよ?だよ」

一方通行「あァ、そォかよ……悪かったな」


一方通行(わざわざ訪ねて来やがって何が目的だ…?)


二人の様子からは何の違和感も感じられない
786 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/20(火) 16:05:45.09 ID:riGCcQrDO
レナ「道行くん?」

一方通行「……ンだよ?」

レナ「これ魅ぃちゃんとレナからのお見舞いの品♪」


レナから新聞紙に包まれた大きな塊を受けとる

ずっしりと重い感覚が一方通行の腕にかかる


一方通行「重てェな…何入ってンだ?」

魅音「うちの婆っちゃのお手製のおはぎだよ。いやぁ〜作りすぎちゃってさぁ〜」

一方通行「よりにもよって甘いもンかよ…」

魅音「あら?道っちゃん甘い物駄目だっけ?」

一方通行「駄目って程じゃねェよ…苦手なだけだ」
787 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/20(火) 16:07:50.81 ID:riGCcQrDO
魅音「ふ〜ん…じゃあ大丈夫かな〜?」

一方通行「……何企んでやがる?」

魅音「人聞き悪いなぁ〜。休んだ道っちゃんに宿題だよ。部活の〜」

レナ「あのね?レナもおはぎ作ったんだよ?だよ!」

魅音「で、そのレナおはぎを当てるのが宿題。外したら罰ゲームだかんね!」

レナ「アルファベットが書いてあるからちゃんと選んでね?」

一方通行「……苦手だっ言ってンの聞いてねェのかお前ら」

魅音「さぁ〜?宿題忘れも罰ゲームだから精々気合い入れて頬張ればぁ?」

一方通行「一口だけ食って後はゴミだな」
788 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/20(火) 16:08:55.96 ID:riGCcQrDO
魅音「なにお〜っ!んじゃ外したら百合子装備で興宮までショッピングだかんね!」

一方通行「ちょっと待てコラ」

レナ「あははは。これじゃ道行くん当てるしかないね?」

一方通行「……ったく。部活だが見舞いだがハッキリしろ」

魅音「あははは。うん、そんなにヒドい風邪じゃなさそうだね」

レナ「はぅ…よかった…」


和やかに笑う二人に釣られ一方通行の表情も綻ぶ


レナ「じゃあ…あんまり長居しても道行くんに迷惑だし帰ろ?魅ぃちゃん」

魅音「そだね。もう行こっかね。………あ、そうそう道っちゃん」

一方通行「なンだ」
789 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/20(火) 16:09:45.57 ID:riGCcQrDO



魅音「お昼、何食べた?」



790 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/20(火) 16:10:45.98 ID:riGCcQrDO
一方通行「ッ!?」


その質問と魅音の表情に一方通行は持っていた見舞いのおはぎを落としてしまう


一方通行(またあの瞳…)


つい昨日のレナの時と同じ様な感覚が一方通行の体を支配していく

一方通行「お…表に出たがなンだってンだ」


一気に干上がった口からでる言葉は自分でも驚く程にか細く震えている


レナ「へぇ、道行くんお昼は外だったんだぁ……どう?おいしかった?」
791 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/20(火) 16:11:43.47 ID:riGCcQrDO
気付けはレナもあの目をしていた

その優しい口調とは裏腹にレナの目は見透かしてるかの様に鋭くギラギラと光る


一方通行「ンなことたァ…どォでもいいだろ」


適当にはぐらかして一方通行は冷静になろうとする

レナと魅音は昼は学校にいるはずだ

大石との話を知ってるなんてありえない


魅音「ねぇ、道っちゃん…渋いおじ様と一緒してたみたいだけど誰?」

一方通行「……は…?」

レナ「へぇ、道行くんそれ誰?」
792 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/20(火) 16:17:03.48 ID:riGCcQrDO
魅音「ねぇ、誰なの?」

レナ「誰なのかな?」


執拗に聞いてくる二人に対し一方通行からは言葉らしき言葉が出てこない

ただ断言できる

この二人には全てを知られている


レナ「クスッ…答えられないならレナが答えてあげるね?……こないだの車のおじさん。でしょ?」

一方通行「なンで…ンなこと言えンだよ…?」

魅音「……さぁて?おじさんに分かんないことなんて無いからねぇ」

意味深にニヤリと糸を引く様に笑う魅音
793 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/20(火) 16:18:01.18 ID:riGCcQrDO
魅音「で、随分真剣な雰囲気だったらしいけど……何の話してたの?」

一方通行「お…お前ら二人とは何の関係もねェよ!」

レナ「ふぅん?…聞いてもないのにレナたちの名前が出るなんてなんだか怪しいなぁ?」


レナの視線がねっとりと絡み付くように一方通行をうかがう


魅音「…ま、何を隠れてやろうともおじさんには全てお見通しって事。それだけは忘れないでくれればいいかなぁ」


クックックと笑う魅音に一方通行は返事すら出来ない

ただ呆然と今の言葉が耳に残る
794 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/20(火) 16:18:35.87 ID:riGCcQrDO
レナ「道行くん、顔色悪いよ?もう横になったがいいと思うな」

魅音「そうだね。私たちはもう帰ろ」


何事もなかったかの様に二人は笑い玄関を後にしようとする

そのいつもと変わらない笑い声が逆に不気味に聞こえ響き渡りゆっくりと二人の姿が扉の向こうに消えていく


魅音「それじゃね。道っちゃん」


閉まり際に魅音が扉の隙間からあの目を覗かせ一方通行を射ぬく様に見つめる


魅音「明日…学校休んじゃ"嫌だよ"」
795 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/11/20(火) 16:24:10.22 ID:riGCcQrDO
以上になります

女子がお見舞いに来るだけで勝ち組ですよね

次回は水〜木にはきますね

それではノシ
796 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/11/20(火) 19:00:44.54 ID:Vfs8FdAk0
怖いw
797 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/11/21(水) 05:42:47.36 ID:Y0AmQ99A0
先ず、如何に仲間の魂に近づくかが命題の、ひぐらし。

>>1の描く、心理的に追い詰められていく第一位… 

798 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/21(水) 18:31:54.07 ID:6YW3HUzC0
たしかに怖いが、学園都市の暗部の方が遥かに怖いと思うの
木原くンやていとくんと戦うくらいだったら雛見沢行くわ俺
799 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/22(木) 11:00:21.60 ID:ooB+CGHP0
怖さのベクトルが違うな
800 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/22(木) 15:26:16.34 ID:T84/lFgC0
一方さんは既にL5だから何も問題無いな
801 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/22(木) 17:47:00.99 ID:RKRlVHlG0
雛見沢だと狂乱のカキクケコて死ぬ事になりますがよろしいでしょうか?
802 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/11/22(木) 22:39:35.98 ID:rWOkJnsDO
こんばんわ

たくさんのレス感謝します!
書き溜めの励みにしてます!

>>796ありがとうございます。怖いと言われるのが一番嬉しいかもです

>>797正直な話シリアス入ったら地の文が結構一方よりになってます。安定感なくてすみません

>>798あまたんやていとくんは根っからの敵だからみたいな解釈で頼みます

>>799その怖さを仲間への疑念にベクトル変換しちゃうセロリです

>>800しかもコミュ障だから最悪です

>>801今更ながらあんまし笑い方変わらない気がしてきました


それでは投下
803 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/22(木) 22:41:50.87 ID:rWOkJnsDO
音もなく戸が閉められる

一方通行は力なく靴箱に寄りかかる様に倒れた

祭りで取った金魚を入れている金魚鉢の水が震動で多少かかるも一方通行は気にも止めない

魅音たちは知っていた

その事実が一方通行を戦慄させる

何故?どうやって!?

思考が混乱する

"何を隠れてやろうとお見通し"

つまりこれは


一方通行「『余計な話をするな』ってかァ…?」

魅音やレナの言いたいことをようやく理解する

一方通行の口角が徐々に上がっていく
804 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/22(木) 22:44:11.43 ID:rWOkJnsDO
一方通行「ククク…ハはハハハ…ギャハハハハハハ…!!」


ひとしきり笑った後、ゆらりと一方通行は立ち上がる


一方通行「そォだ…大石と話しちゃいけねェンだ。アイツは俺の仲間の事疑ってンだぞ?」

一方通行「俺らの日常を壊しやがったのは誰だ?狂い始めたのは誰のせいだ?」

一方通行「大石があンな話ししやがるからだろォが!富竹がバラバラ殺人なンて話しやがるからだろォが!」

一方通行「せっかく隠していてくれた事をペラペラと余所者が話しやがったから」

一方通行「だからアイツらは……富竹を殺したンだ」
805 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/22(木) 22:45:37.20 ID:rWOkJnsDO
そう。余計な話をしたから殺された

一方通行はほとんど強制的に自分に納得させる


その理屈だと大石も殺される

当たり前だ


一方通行「あンな奴ら殺されて当然だろォが!!」


アイツらは悪くない

一方通行は自分に言い聞かせる

アイツらは悪くない。アイツらは悪くない。アイツらは悪くない。アイツらは悪くない。アイツらは悪くない。アイツらは悪くない


ぐったりした疲労感があるが不思議と気分が楽になった
806 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/22(木) 22:46:52.48 ID:rWOkJnsDO
一方通行「おはぎ……食わねェとな」


居間に移動し包みを広げる

中には五つのおはぎが並べられており左からABC…とおはぎの前に書き込まれていた


一方通行「なンとしても百合子だけは避けねェと…形で判断するならEって所か」


五つある中でも一際綺麗に整えられ、他の四つより少し小ぶりなおはぎを一方通行は手にとる

レナの手のひらは小さい方だ

宝探しで鉈を振り回せる程力はあるのだがこれはお見舞いの品

しかも作りすぎた魅音の祖母とは違いたった一つしか作ってないとなればある程度は丹精込めて作られているだろう
807 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/22(木) 22:48:09.55 ID:rWOkJnsDO
一方通行「とりあえず…食べ比べだな」


そのEのおはぎを手にとり一口食べる一方通行

そもそも一方通行はこれまで甘いものとは疎遠でおはぎなど食べたことも無いのだが正直なところ意外に悪くないと思った


一方通行「……ン…?」


妙な感覚がした

口の中にヒリヒリとした痛みに似た感覚が広がる


一方通行「…何か入れやがったな。アイツら…」


タバスコだろうか?
口の中に指を突っ込み異物を取り出してみる

808 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/22(木) 22:49:22.33 ID:rWOkJnsDO









809 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/22(木) 22:51:22.95 ID:rWOkJnsDO
それを一方通行は頭で確認するよりも前に反射的に壁に投げつける

一方通行(い……今のは…なンだ…?)


最初は髪の毛かと思った

髪の毛よりも遥かに硬く太かった

取り出してみるとそこには鈍い銀の輝きがあり、一方の針には裁縫針のような穴があった


そう…裁縫針によく似ていた

先端も尖っており、本当に裁縫針にそっくりだった


一方通行(待て……?アレは"裁縫針によく似た"なンだったンだ…?)
810 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/22(木) 22:53:00.51 ID:rWOkJnsDO
口の中に鉄の匂いが広がっていく

決まっている

答えなんか決まっている


一方通行「あは…はハハハ…ったく、あのバカ共…手の込んだ悪戯しやがって…針なンて飲み込ンだら怪我じゃすまねェだろ」


そう怪我なんかじゃすまない

最悪命に関わる

つまりこれは
811 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/22(木) 22:54:03.18 ID:rWOkJnsDO



一方通行(俺なンて……死んでしまえと思ってるのか…)



812 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/22(木) 22:55:22.84 ID:rWOkJnsDO
一方通行「ア゙ア゙あア゙ア゙ア゙アアア゙ア゙ア゙あア゙あア゙ア゙ア゙ア゙ァア゙ぁぁア゙ア゙ッ!!」


喉が切れんばかりの絶叫上げありったけのおはぎを壁に叩きつける
体中から汗が吹き出呼吸が荒くなっていく一方通行


覚悟はしていた

どこで襲われようと叩き潰す

それは覚悟していた事だった

しかし甘かった

魅音とレナ…仲間がこうもあからさまに自分を殺しに来るとは思わなかった

いや、考えたくなかっただけなのかもしれない


一方通行「ふざけンな…殺れるもンなら殺ってみろ…クソッタレがァァ!!」
813 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/11/22(木) 22:58:53.86 ID:rWOkJnsDO
一方さんがおはぎをギネスに載るような愉快な壁画にしたところで以上です

読んでくださった方はありがとうございました

次は金〜土あたりにこれれば

でわまたノシ
814 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/11/23(金) 06:09:51.67 ID:EIqhxJy70
これで、どうやって口先の魔術師にjob change出来るのか…

続きを、楽しみに舞っている。
815 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/23(金) 12:59:19.89 ID:cHeKD/8F0
このループで助かるには打ち止めにきてもらわないと皆愉快なオブジェになっちゃうなー
816 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/23(金) 19:34:19.94 ID:SJWloK4U0
このまま行くと
一方さんが村ごと吹き飛ばすビジョンしか見えない
817 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/23(金) 21:58:05.78 ID:pgI3su600
翌日、山狗の乗った車が一方通行に突っ込んで反射されてぺしゃんこになるんですね、分かります
黒翼が出なくて本当に良かったな、雛見沢が地図から消えてしまうところだった
818 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/24(土) 12:34:31.67 ID:2k3TUFAA0
一方さんが魅音とレナを 魅/レ/音/ナ にしそうな予感
819 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/24(土) 15:29:47.33 ID:QIzDtR8X0
>>817
「演出ゴクロー。華々しく散らせてやるから感謝しろ」
820 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/11/24(土) 22:49:36.63 ID:u80ApZ7DO
投下に来ました

レスありがとうございます。楽しみに読ませてもらってます


>>814口先の魔術師はこのスレには難しそうです

>>815打ち止め「なんで嘘つくの?ってミサ(ry」
一方(ッ!…またあの目)

>>816一方「圧縮、圧縮、空気を圧縮ゥ!!」

>>817一方「oh殺agi」

>>818…どうなることやら

それでは
821 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/24(土) 23:12:36.00 ID:u80ApZ7DO
翌日レナが迎えに来た

断れる訳も無く一方通行は家を出る

いつも通りレナと並んで歩く通学路

レナが昨日の事を話てくれるが一方通行の耳にはまともに入らない

レナ「あ…魅ぃちゃん先行っちゃったね」

一方通行「ン…?あァ…そォだな」

レナ「魅ぃちゃんが先に行っちゃうくらいだから急がないと遅刻だよ。だよ!」


普段と変わらない調子でレナが先に駆けていく


一方通行「…ったく、こっちは杖ついてンだぞ…」
822 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/24(土) 23:13:53.13 ID:u80ApZ7DO
レナ「あ、道行くん今文句いった…」


ピタ…とレナがいきなり足を止めた

反射的に一方通行は体を強ばらせてしまう


レナ「良かった♪なんか最近調子崩してたみたいだから心配したんだよ?でもだんだん良くなってきたみたいだね!」


屈託の無い笑顔でレナが微笑み一方通行の頬をちょこんと突っつく


言葉も出ない一方通行

こうも良くしてくれる仲間を…レナを…まだ疑うのか?

覚悟も出来てない心がぐらぐらと揺れだす
823 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/24(土) 23:23:37.02 ID:u80ApZ7DO
一方通行「……はァ…文句=俺って事で聞き間違い無いかなァ?レナちゃァン?」

レナ「くすくすくす…あ、そうだ道行くん?」

一方通行「どォした?」

レナ「おはぎ…ちゃんと食べてくれた?」


一方通行の心臓が高く跳ねる

質問の意図がうまく掴めない

ちゃんと?

"警告が伝わったか"とでもレナは言いたいのだろうか


一方通行「食欲が無くてなァ…悪ィ、半分以上残しちまった…」

レナ「ふぅん…」


妙な間が二人の間に生まれ朝の爽やかな空気には似合わない嫌な汗が一方通行の背中を流れる
824 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/24(土) 23:24:55.85 ID:u80ApZ7DO
レナ「あはは、だったら道行くん宿題忘れで罰ゲームだねっ」

一方通行「……今日までなのか?」

レナ「うん。だから罰ゲームなんだよ♪早く行って魅ぃちゃんに報告しなきゃ!」

一方通行「ゆ、百合子だけは勘弁してくれ…」

レナ「あははは、魅ぃちゃん何て言うかなぁ?早く行こ!道行くん!」


一見したら何の変鉄も無い朝の風景だった

しかし一方通行は警戒を怠らない事にする

大石は言っていた
825 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/24(土) 23:26:32.80 ID:u80ApZ7DO
レナには昔、学校中のガラスを割って回った過去があると

周りの制止を全く聞かず、ガラスの破片を気にもとめずにただひたすら病的に叩き割り続けたと

そしてカウンセリングでレナが発したオヤシロ様…


一方通行(レナはオヤシロ様に取り憑かれてた?)


それならばレナの凶行にも納得が行く

何の疑問も抱かず自分が狙われる理由、見透かされてる訳も説明できる


一方通行(いや、……駄目だな)


そこまで考えて一方通行は否定した
826 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/24(土) 23:28:15.97 ID:u80ApZ7DO
魔術の存在は知ってはいるが結局の所人の仕業だ

神の祟りなどあるわけがないし、その類いも信じない

確かにオヤシロ様の仕業にしてしまうのが一番納得が行くが最悪のケースも考えなければならない


一方通行(レナは…仲間たちは…自分達の意思で俺を…殺そうとしてる)


目眩がするような想定だが無視できない

オヤシロ様の祟りと考えた方がまだ気が楽になる

人間の犯行を疑えば自然とオヤシロ様の祟りがちらつき
オヤシロ様の祟りを疑えば人間の犯行が浮かび上がる


どちらが真実か見当も付かない

混乱した頭で学校に着く
827 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/24(土) 23:30:07.82 ID:u80ApZ7DO
教室の扉を開けるといきなり黒板消しが落ちてきた


沙都子「おーっほっほっほ!ズル休みにはお似合いですわぁ〜!!」

見事トラップに嵌まった一方通行に沙都子が高笑いを浴びせるが一方通行は無視して席に座る


沙都子「……なんか今日の道行さんは張り合いがございませんわね…」

梨花「道行、まだ本調子じゃないみたいです」

レナ「…うん。今日はお手柔らかにしてあげて…ね?」

魅音「おっはろ〜ん!道っちゃん、元気ですかッ?」


バシッと一方通行の肩を叩いて魅音がどこぞのレスラーのような口調で顔を覗かせてくる
828 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/24(土) 23:31:29.03 ID:u80ApZ7DO
一方通行「ン…?あァ…」

魅音「なんだよ元気ないねぇ…昨日のおはぎ、ちゃんと食べたの〜?」


一方通行(食ったからこンな様なンだろォが)

そうだ

心配してるように見えるが魅音だって命を狙ってる

気を許すわけにはいかない


一方通行「…食欲が出なくてな、…残しちまった」

魅音「あれ?じゃあ宿題は?」

レナ「道行くん。お忘れさんなんだって」

魅音「ありゃぁ…そんじゃ、今度罰ゲームだねぇ…いっしっし!」

829 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/24(土) 23:37:38.02 ID:u80ApZ7DO
魅音のいやらしく笑いにつられて他の皆も笑う

その笑顔は普段よく知る笑顔となんら変わりは無かった


一方通行(……今のこいつらからは敵意なンざ欠片も感じねェ)


知恵と芳川が入ってきて退屈な学校が始まる

授業風景も何もかもいつもと変わらない

そのあまりにも変わらない様に今までの事は全て誤解だとも思えてくる


一方通行(今更何トチ狂った事考えてンだ!)
830 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/24(土) 23:40:24.93 ID:u80ApZ7DO
この教室でこの環境で北条悟史は消されている

綿流しで確かに魅音らの輪の中にいた富竹ジロウも殺されている


一方通行(俺だけは騙されちゃならねェだろォが!!)


恐らく自分が殺されたところでこの教室では今まで通り何の変化も無い日常が続きレナと魅音を疑う人間は誰もいないのだろう

一方通行の守り続けたかった日常は既に破綻している


一方通行(甘えは捨てろ!理由や理屈なンざ二の次だ!雛見沢には敵しかいねェンだ!!)
831 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/11/24(土) 23:46:10.98 ID:u80ApZ7DO
今日は以上です

読んでくださった方ありがとうございました

さて次の投下ですが来週はリアル事情が詰まりすぎていてたぶん来れません。
恐らく来れて金曜日です。すみません
m(__)m

それではまたノシ
832 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/25(日) 00:12:21.85 ID:4pXVYEbb0
乙ー
キチガイ黒翼状態から普通に戻した打ち止めですらダメなのか……

口先といえば上条さんしかいないよね
833 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/11/25(日) 05:39:41.73 ID:4IzR7Zyl0
鬼隠し編らしく、第一位無様に逝くのか…

楽しみに待つ。

834 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/11/25(日) 11:27:37.04 ID:xqTPb4ico
>>832
圭一が言いくるめだとしたら上条さんは感情論の濁流で押し流す感じだよね
835 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/25(日) 14:10:48.34 ID:HvssrpOL0
末期症状でしぬ一方さんが想像出来ない…
836 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福井県) [sage]:2012/11/25(日) 14:27:59.24 ID:YeDK92Zno
俺には見えるぞ
演算が上手くできないようになって自らを愉快なオブジェに変える第一位の姿が
837 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/25(日) 15:38:56.71 ID:uat5IKrqo
お前の予想なんてどうでもいいから垂れ流すなよ
838 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/25(日) 20:38:27.34 ID:wi9PGsxu0
839 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/26(月) 16:06:06.75 ID:PHb+rX/Po
愉快なオブジェタイムはまだですか
840 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/11/30(金) 22:20:55.92 ID:Xq1TXoMDO
こんばんわ

一週間もお休みもらってスミマセンでした

また沢山のレスありがとうございます

不甲斐ない文章ですがよろしくお願いします

では投下
841 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/30(金) 22:23:03.55 ID:Xq1TXoMDO
放課後

一方通行は魅音らが机をくっつけ部活の準備を進める中、一人荷物をまとめ出した


沙都子「道行さんもう帰り支度ですのー?」

魅音「えぇ!?道っちゃん今日部活はぁ!?」


あまりに普段通りな魅音と沙都子に心が痛む


レナ「道行くん…顔色悪いよ…?家まで送ろうか…?」

一方通行「ッ…構わねェ」

梨花「道行具合が悪そうなのです。かわいそかわいそなのです」


体調を心配してくれるレナに足りない背丈を精一杯伸ばして頭を撫でてくれる梨花
842 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/30(金) 22:24:53.99 ID:Xq1TXoMDO
罪悪感が山のように一方通行にのし掛かってくる


一方通行「しばらく…ほォって置いてくれねェか…」


力無く立ち上がりフラフラと教室を出る一方通行

魅音らが後ろで何か言ってたが一方通行は敢えて耳を閉ざした


一方通行「クソがァ!」


帰りの畦道一方通行は唐突に電極を切り換え地面に亀裂を走らせる

辺り一帯が微かに揺れ蝉や鳥が一斉に飛び立った
843 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/30(金) 22:26:57.77 ID:Xq1TXoMDO
罪悪感がどうしても拭えない

本当は自分も部活に参加したかった

本当は頭を撫でられた時『心配すンな』と微笑み返したかった


一方通行(アイツらは敵だろォが!今までの日常は全て偽物だろォが!)


そう…偽りだ

結局、今日のアイツらも偽りなのだ

ゆっくりと息を吐きフラフラとすっかり静かになった帰り道を進んでいく

一方通行が帰宅した時には既に芳川が帰宅しておりソファーに腰掛けコーヒーを飲んでいた
844 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/30(金) 22:41:14.12 ID:Xq1TXoMDO
芳川「あら、早いわね?」

一方通行「……まァな」


一方通行(……平和な奴だ)


呑気にくつろいでる芳川を見て一方通行は正直に思う


一方通行「……お前なンか最近変わったこととかねェのかよ?」

芳川「変わったこと?……そうね…何故か気づいたら最近部屋の掃除とかやらされてることかしらねぇ?特に昨日のおはぎの件とか」

一方通行「……さて、着替えっか」
845 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/30(金) 22:43:07.15 ID:Xq1TXoMDO
負のオーラを纏わせる芳川から逃げるよう自分の部屋に上がる一方通行

芳川にはまだ何も危害も及んでいない

とりあえずだが一方通行に安堵の表情が浮かぶ

しかし油断はできない

常に最悪の事態を想定しなければ

そして無視できない後一つの懸念がある


一方通行(アイツらが襲ってきた場合…俺は…どォする?)


能力で迎撃するのか?

助かる方法はそれぐらいしか思いつかない
846 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/30(金) 22:45:39.95 ID:Xq1TXoMDO
しかし出来るか?

屈託の無い笑顔で笑うレナ達の顔が浮かんでくる


一方通行「クソが…出来るか、出来ねェかじゃねェ…ヤるしかねェンだ」


強引にその笑顔を掻き消す一方通行

みすみす黙って殺されるつもりは毛頭無い

例え魅音らが襲ってきたとしても反撃するしかないのだ

だとすれば距離を置く必要がある

847 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/30(金) 23:07:57.33 ID:Xq1TXoMDO
一方通行(…油断を招く恐れのある交遊は避けねェとな)


非情にならねばならない

甘えを捨て冷徹にならねば生き残れない


一方通行「俺は殺されねェ…誰であろうと叩き潰す。誰敵に回してンのか分からせてやらァ!」


芳川は巻き込まない
味方は誰もいない
これまでの絆は邪魔にしかならない

静まりかえった部屋の中で一方通行の孤独な戦いは始まった
848 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/11/30(金) 23:19:30.80 ID:Xq1TXoMDO
今日は以上になります

次くるのは月〜火です

読んでくれた方はありがとうございました

それではノシ
849 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 15:02:03.91 ID:H/O9VH920

沙都子ペロペロ
850 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/12/04(火) 23:10:37.51 ID:G05EUmgDO
火曜日にどぉも投下に来ました

>>849なら私は打ち止めをぺろP…すいません。止めます


それでは
851 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/04(火) 23:12:12.48 ID:G05EUmgDO
翌朝

一方通行は朝食も取らず早い時間に家を出た

昨日考えた事だ

油断を招く恐れのある交遊を避ける

登下校も授業中も休み時間も弁当時もそして放課後も全て一人でいる事にした


一方通行(……長ェな…ったく)


孤立する

一方通行が考えた程楽でもなかった

852 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/04(火) 23:14:04.43 ID:G05EUmgDO
毎日通ってたはずの学校への畦道がやたらと長く感じる上に心なしか足も重い

照りつける太陽は溶けてしまうのではないかと思うほど暑く今まで気にもならなかった蝉の声が耳障りでしょうがない


不意に車のエンジン音が聞こえてくる

一方通行はつまらなそうに振り向いた

見るとそこにはまだ遠く離れてはいるが白いワゴン車が土煙を上げて走ってきている


一方通行(……)


ため息を吐き再び杖をついて歩き出す一方通行

エンジン音が近づいてくる
853 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/04(火) 23:15:23.47 ID:G05EUmgDO
狭い畦道とはいえ徐行しながら路肩によれば問題なく通れる程の広さがあるため別段避ける必要もない

さらにエンジン音は近づいてきていた

一方通行は呑気に欠伸をして首を三回ほど鳴らす

激しいエンジン音が迫ってくる

一方通行はニタァっと笑い電極を静かに切り換えた


蝉の声を切り裂く凄まじい轟音が鳴り響き土煙が辺り一帯を隠す

しばらくして土煙が晴れると無傷の一方通行が静かに立っていた
854 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/04(火) 23:17:51.00 ID:G05EUmgDO
一方通行「……チッ」


一方通行は地面にはっきりと残ったタイヤ痕を睨み付ける

タイヤ痕は一方通行の立っている数メートル手前で避ける様にいきなり切られてそのまま去って行っていた


一方通行(避けやがったか…)


ただでさえ車などほとんど見られない雛見沢でこの朝早くからあれほどの速度を出していたので警戒をしたのだがどうやら杞憂だったらしい

首元の電極を戻そうと手を持っていく一方通行

電極に触れた時その指がピタッと止まった
855 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/04(火) 23:18:48.70 ID:G05EUmgDO
一方通行(…待て…まさか今、電極を切り換えたのを見て咄嗟に避けやがったのか…?)


ワゴン車の走り去った方向をじっと見つめる一方通行

あの速度で下手に轢かれでもしたら間違いなく命に関わる

周囲は朝の畦道。人目なんて無いに等しい

接触はしなかったとはいえハンドルを切るのが遅すぎだった気もする


一方通行「あの野郎ッ!」


一瞬追いかけてゴミ山の一部にでもしてやろうかと思ったがすんでの所で踏み止まった
856 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/04(火) 23:19:29.60 ID:G05EUmgDO
一方通行(クソッ…駄目だな。証拠がない)


ここは雛見沢

学園都市とは違い事件が公にならないとは考えにくい

ただでさえ連続怪死事件で警察も動き回っている状況で憶測だけで動いても良いことは無いだろう


舌打ちして電極を戻す一方通行


一方通行「ふざけやがって…」


ただこれで向こうも理解したはずだ

一方通行に回りくどいやり方は通じない


一方通行(……次は確実に殺しにくる)


どんな手でくるかは分からないが必ず姿は表すだろう

そこを返り討ちにする

殺されない

その決意だけが最悪な心境のなか一方通行を学校へと向かわせた

857 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/12/04(火) 23:22:27.52 ID:G05EUmgDO
本日は以上ですね

投下少ないですが読んでくださった方ありがとうございます

次は木〜金に来ます

でわノシ
858 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 00:11:46.22 ID:L+HErpfDO
乙!
疑心暗鬼良いね良いね
859 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 05:12:47.40 ID:jrpeYESv0
もはや、雛見沢症候群 レベル5 
860 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 20:47:19.37 ID:5i2eQKn+o
症候群のレベル6シフトは村人皆殺しか
861 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 23:39:03.38 ID:zKhV9seGo
いっそのこと最終的に地球割りに挑戦して欲しい
862 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/12/08(土) 00:29:06.39 ID:vcld99ODO
気づいたら回ってた!

今更ながら投下です

レスありがとうございます!

今日は少量しか投下出来ません…申し訳ない…


>>858ありがとうございます!疑心暗鬼回でそう言って貰えるのはとても光栄です

>>859制御不能、コントロール不可、暴走の危険大のレベル5…なんだ、麦のn…おや?誰か来たようだ

>>860鷹野と手を組めば何より簡単です

>>861他の都道府県たまったもんじゃ無いですよwww


それでは少量ですが投下
863 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/08(土) 00:35:39.44 ID:vcld99ODO
教室に入る

登校している生徒は一人もおらず静まり返った教室の中で一方通行は自分の席に腰掛け机にそのまま突っ伏す

全身から妙な疲れがどっと湧き出してきた


常に誰かから狙われ疎まれ怨まれてるピリピリとした環境での生活は嫌というほど経験してきたはずだ

思い返せば人生の大半はそんな生活だったかもしれない

今更戻った所でなんとも無い一方通行はそう思っていた
864 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/08(土) 00:38:09.74 ID:vcld99ODO
一方通行(……平和ボケ…してやがって………ちくしょォ)


丸くなってしまった自分が不甲斐なくて仕方ない

自分の置かれてる状況がこれまでとは比べ物にならないほど辛く感じる

打ち止めと出会って芳川と出会って黄泉川と出会って番外個体と出会って一緒に暮らして一方通行の地獄のような日常は一変した

雛見沢に越して来て最高の仲間達と出会いひだまりの様な毎日が始まった

やっとのことで手に入れたそれらの日々を失うことが一方通行は人一倍堪えられない

865 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/08(土) 00:41:55.17 ID:vcld99ODO
長閑な田園が広がるこの風景には隠された狂気が潜んでおり
最高の仲間と思ってたレナ達はどういうわけか自分の命を狙ってくる

もうなんでもいい

オヤシロ様でも誰でもいいからあの日常を返してほしい

それが正直な所の一方通行の思いだった


「あら?道行さんお早いんですわね?」


いきなり声をかけられ一方通行が顔を上げるとそこにはロープを片手に登校してきた沙都子と礼儀正しくランドセルをからってる梨花の姿があった
866 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/08(土) 00:42:54.41 ID:vcld99ODO
梨花「おはようございますです。道行」

沙都子「いったいどうしたのですの?いつもならレナさんと─」

一方通行「うるせェ」


沙都子が喋り終わる前に一方通行は冷たく言い放つ


一方通行「ほっとけって言ってンだろ。気安く話し掛けンな」

沙都子「え…」

梨花「…みぃ」


二人の顔をまともに見ることが出来ない


今顔を合わせたら間違いなくまた自分は揺らぐ

それこそ向こうの思うつぼだ
867 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/08(土) 00:44:07.99 ID:vcld99ODO
いくら情けの言葉を懸けられようとそれは偽りだ

自分に言い聞かす一方通行


離れていく二人の力無い足音が耳に届く

これしきの事で心を痛めてはならない

暗部にいた時以上に冷酷に心を鬼にしなくてはならない

そうしなければ生き残れない


一方通行(思い出なンざ忘れてしまえ!近しかった者こそ疑え!
奴らの偽善に騙されるな!雛見沢には味方なンか存在しねェ!!)


次々と登校してくる生徒を横目で睨みながら一方通行は電極を切り換え周囲の雑音を反射し再び机に突っ伏した
868 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/12/08(土) 00:52:08.21 ID:vcld99ODO
今日はこれまで

読んでくださったには申し訳ないです。本当に少ない…


次は日〜月のどちらか

それでわノシ
869 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 05:25:33.31 ID:7NYiTw3z0
鬼隠し編らしく、自分から孤立して逝く…

メンタルの弱さも第一位…

上手く描けている。
870 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/12/10(月) 08:12:14.65 ID:Arv+OQVDO
おはようございます!

今日は朝から投下です

レス感謝です。1つでもモチベーション上がります

>>869ありがとうございます!そう言ってもらえるだけ幸せですね!

それでわ投下です
871 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 08:39:47.11 ID:Arv+OQVDO
放課後

一方通行は手早く帰宅の準備をし電極を切り換え雑音を反射して教室を出た

魅音らが何か言ってた気もするが一方通行の耳には届かず無視して歩を進める

下駄箱まで来た一方通行は電極を戻し杖をついて再びいつも以上に長く感じる道のりを歩き出した

丁度帰路にある雑木林辺りに差し掛かった時一方通行は不意に足を止める
872 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 08:41:41.64 ID:Arv+OQVDO
一方通行「……いい加減にしやがれ」


勢いよく振り返る

そこには今通ったのと何も変わらない帰路の道と蝉のうるさい雑木林しかない


一方通行「気づかねェとでも思ってンならナメられたもンだなァ…ずっと付けてきてンだろ?あァ゙!?」


声を荒げて一方通行は森の木々の間や茂みの奥を睨む

しかしそこからは何の反応も返ってこない

作為的なまでの静けさが木々の間に存在するだけだった


一方通行「……チッ」
873 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 08:43:00.08 ID:Arv+OQVDO
一方通行は電極を切り換える


一方通行「来ねェってンならこっちから行くぞ?」


首を鳴らしゆっくりと茂みの奥へ進む一方通行

微かな気配を探り大きな木を回り込むとそこには良く見知った顔があった


一方通行「!……レナ」

レナ「……はぅ」


レナはへたりこむように隠れており両手で頭を抱えて目に涙を浮かべ微かに震えていた
874 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 08:45:07.24 ID:Arv+OQVDO
一方通行「……ここで何してやがる……部活はどォした?」

レナ「み…道行くんが休みだからレナもお休み…かな」


怯えながらも優しく警戒を和らげるようにレナが話す


レナ「ね…ねぇ…道行くん。…れ…レナも一緒に帰って…いい…かな…?」

一方通行「あァ゙?」


信じれない

一方通行は直感的に思った

一緒に帰りたければ最初から声をかければいいはずだ

こんな所でコソコソとつけるようにする理由がない

バレバレの嘘だ

875 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 08:46:20.49 ID:Arv+OQVDO
一方通行「余計な世話だ…とっとと失せろ」

レナ「れ…レナは道行くんの事が…心配だから」


本当に心配そうにレナが言う

しかしだからこそ一方通行は許せなかった

心配など本当はしていないだろうに取って付けたような言い訳が頭に来る


一方通行「いいから…さっさと帰りやがれ!!」

レナ「ひっ…」


一方通行は苛立ち気に地面を蹴り辺り一帯を微かに揺らす

その揺れにさらに怯えた風に頭を抱えるレナ
876 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 08:47:25.93 ID:Arv+OQVDO
レナ「分かった!分かったから!……道行くんそんな怒らないで…その…怖いの」


最後の方は掻き消える様な声でレナは言い一方通行の首にある電極を指さす

罠かと警戒したが一方通行は周囲に気を配りながら電極を戻した


一方通行「これで文句なンざねェだろ。さっさと行け」

レナ「う…うん。…またね…道行くん」


レナま俯いたまま一方通行の脇をおどおどとしながら抜けていく

レナが敵とは分かっていても心が痛む一方通行

一方通行としても怯えた様子の彼女など見たくなかった
877 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 08:49:45.17 ID:Arv+OQVDO
レナ「あ…あのね!道行くん!」


まだたいして離れてない位置でレナは急に立ち止まり震えた声で一方通行に声をかけてきた


一方通行「立ち止まンな!さっさと行けつってンだろ!」

レナ「どうして…悟史くんと一緒なの…?」


絞り出すかのようにレナが尋ねてきた

あれほど避けていた悟史の名前をこうもあっさり使ってきた事が一方通行には引っ掛かる


一方通行「……どォいうことだ」
878 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 08:50:56.82 ID:Arv+OQVDO
レナ「悟史くんもね突然一人で登校するようになったの…道行くんみたいに」

レナ「突然部活にも来なくなって…みんなを避けて…何かに警戒するみたいになったの…道行くんみたいに」


呆然となる一方通行

消された悟史が自分と同じ行動を取っていた

一方通行は自前の超能力だが能力者でもない悟史は携帯していても怪しまれない金属バットの様な物で襲撃に備えてたのであろう


レナ「そして突然悟史くんは───」
879 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 08:52:06.73 ID:Arv+OQVDO
そこでまで言ってまるで何かを躊躇っているかの様にレナの口が止まる


一方通行「言え…悟史はどォなった?」


一方通行の行動は悟史と酷似していた

つまり悟史の経過は一方通行にもあてはまる可能性はある


一方通行「答えろ!悟史はどォなったかって聞いてンだ!!」


荒い足取りで近づき一方通行はレナの肩を掴み強引に振り向かせた
880 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 08:53:07.22 ID:Arv+OQVDO
レナ「言ったよね?」


レナと目が合った

あの冷たい刃の様な視線が一方通行を射抜く

一方通行の背中は凍りつき先程までの威勢の良さは引いていった


レナ「"転校"しちゃったんだよ」


レナの口元がぐにゃりと上がり一方通行に挑発的でまるで『次はお前だ』と言うような笑みを向ける


レナ「道行くんは……しないよね?」

一方通行「…しない、だと?」
881 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 08:53:45.84 ID:Arv+OQVDO



レナ「"転校"」



882 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/12/10(月) 08:56:38.69 ID:Arv+OQVDO
というところで以上になります

朝からよんでくれた方はありがとうございます

次は水〜木に来るのでよろしくお願いします

でわまたノシ
883 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 18:42:59.25 ID:uwM+oWg50
第一回目のタ−ンはらしくなってきた。

続き期待して舞っている。
884 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/12/13(木) 23:58:06.96 ID:HyAHdZdDO
こんばんわ!

流星群観測の休憩がてら投下です

>>883駄文ですが満足いただければ幸いです

それでは首の痛みに耐えながら投下
885 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/13(木) 23:59:54.26 ID:HyAHdZdDO
「"転校"」


それだけ言うとレナは走り去ってしまった


重い足取りで帰宅の道を進みだす一方通行


先程レナが言い放った一言が頭にこびりつく

転校。言葉のままの意味とは思えない

何か別の意味合いを含んでいるに違いない


一方通行(…あの世に転校ってかァ?……笑えねェ)


汗ばむ首を掻いて立ち止まる一方通行
886 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/14(金) 00:07:35.79 ID:PtFpPEdDO
ぺた…


背後から足音のような音が耳に届き一方通行は振り返る

レナがまた着いてきてるのかと身構えたがここは開けており身を隠す物は見当たらず人の気配も全く無かった

セミの声だけがむなしく響き渡る


一方通行(はァ…考えすぎっつうか、疑心暗鬼になってンな俺…)

踵を返し一方通行は念のため尾行に細心の注意をはらいながら再び歩き始めた


緊張が続いた帰路も終わり一方通行はようやく家に着く

結局、あの後は何の気配も異変も感じず一方通行は玄関で靴を脱ごうと立ち止まった
887 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/14(金) 00:08:35.00 ID:PtFpPEdDO



ぺた…



888 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/14(金) 00:09:36.90 ID:PtFpPEdDO
安堵の息をつこうとした所で一方通行は戦慄する


一方通行(……今…足音がしなかったか?)


確かに聞こえた

足を止めた瞬間にぺた…っと。
先程聞こえたのと全く同じような足音が後方から一つ余計に聞こえてきた

ドア越しなどでは無い

真後ろだ


一方通行(ありえねェ…)
889 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/14(金) 00:10:56.83 ID:PtFpPEdDO
一方通行は一時期とはいえ暗部に身を置いていた

鈍っていて尾行に気づかないということは万が一あり得るかも知れないが
この距離まで近づかれて気づかないとは考えられない


一方通行(俺の勘違いだ…そォに決まってる…)


玄関に映る影は一方通行のものだけを映し後ろに誰もいない事を証明している


一方通行(なのに…なンだってンだ…?この視線は…?)


髪の流れる音がした

まばたきをする音がした
890 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/14(金) 00:12:46.17 ID:PtFpPEdDO
頭では否定しても一方通行にある野生に近い感覚がそれの存在を正確に伝えている

学園都市ならまだ能力者という可能性があったが雛見沢ではその線は考えられない

確認する方法は簡単だ

振り返れば全てが分かる

しかし首を動かすだけの簡単な動作を一方通行は躊躇ってしまう


一方通行(もし…振り返って誰もいねェンだったら俺はそれを受け入れられンのか…?)

891 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/14(金) 00:13:54.89 ID:PtFpPEdDO
一方通行「…だ、誰かいンのか…?」


ようやくか細い声を絞り出す一方通行

後ろの"何か"からは答えあぐねるかのような気配が感じられたが一方通行は即座にそれを否定する

そして一方通行は聞いた

確かに聞いた

真後ろから一方通行の問いに戸惑いながらも答えようとしたかのように、すぅ…と息を吸い込む音をはっきりと聞いた

若い女の物だった

一方通行の知ってる人物では無い
得体の知れない"それ"は一方通行の真後ろに確かに い、た
892 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/14(金) 00:15:28.11 ID:PtFpPEdDO
一方通行「ク…ヵ…がァ゙ア゙ァ゙ァ゙ア゙ァ゙ァ゙ア゙ァ゙!!」


喉元の電極を跳ね上げベクトル操作を駆使した渾身の一撃を振り向きざま横薙ぎに放つ

その一撃は軌道上にあった靴箱を粉砕され上に置かれていた金魚鉢は粉々に砕け中の水が玄関にぶちまけられた



それだけだった

圧倒的破壊力を持っていた一方通行の右腕は背後の何者かを捉えること無くそのまま虚しく空を切る


一方通行「ありえねェ…」


愕然と靴箱の残骸とこぼれた水で散らかりかえった玄関を見て思わず口がこぼれる

893 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/14(金) 00:17:37.27 ID:PtFpPEdDO
一方通行(気のせいだったてのか!?さっきの気配が!?居ただろォが!俺の背後に!間違いなく!)


気でも狂ったのかと一方通行は頭を抱える

疑心暗鬼でもなんでもない確かに居た

存在した

それなのに今は気配の欠片も感じられない

ただぴちゃぴちゃと金魚鉢に居た金魚がこぼれた水溜まりの中必死に跳ねているだけである


一方通行「クソがァ!!」


一方通行は怒りに任せて床を踏みつけドアにチェーンキーまで掛け自室へ上がっていった

一方通行が立ち去った後の玄関には静かすぎる程の静寂が訪れ水の溜まりには赤い染みが広がっていった
894 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/12/14(金) 00:20:41.40 ID:PtFpPEdDO
本日は以上になります

読んでくれた方は感謝です

次は土〜日にでも

それではよい夜をノシ
895 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/14(金) 00:29:15.40 ID:q7F7KYXHo
赤いシミ……?
え、ひょっとしなくてもあたった?
その場に血溜まりってことは吹き飛ばずにスパッといったのか
896 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/14(金) 05:45:15.34 ID:2MD24Z/l0
人外に好かれる第一位wwwwwwww

すごく楽しみ。
897 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/14(金) 18:03:48.39 ID:4zaLWMKc0
赤い染み……
あたったっぽい?
だとしたらよく羽生死なないなww
898 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/14(金) 18:28:22.65 ID:3KwLTl/Lo
ちょww羽生の安否が気になるwwwwww
899 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2012/12/15(土) 17:37:56.63 ID:35ucHjMG0
これまさかの大逆転もあり得るんじゃね?

羽入が見えるようになるとか

>>898それ将棋wwww
900 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/15(土) 23:30:52.51 ID:2Bhlg0m5o
>>897も棋士だなww
901 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/15(土) 23:50:55.71 ID:eGNTZjIp0
埼玉県の自治体かも知れない
902 :羽入と17730号の謝罪会見 [saga]:2012/12/16(日) 01:29:44.90 ID:IZEtvl4DO
羽入「あぅあぅあぅ…今日は皆さまにお知らせというか…謝罪というか…しなけゃいけないのです」シュン…

17330号「お久しぶりですここからはミサカが。とミサカは挨拶も早々に片付け説明に入ります」ペコ

17330号「事の発端は>>893の赤い染みの描写でしたとミサカは切り出します」

17330号「全ての責任は>>1の深刻な表現ミスと描写不足にありましたとミサカは全然出番を寄越してくれない>>1を容赦無く切り捨てます」

17330号「簡潔に言いましょうあの赤い染みは──ミサカの行けなかった綿流しで一方通行がやっとの思いで取った金魚の血ですとミサカは断言します」

17330号「何故に金魚の血?と思う方が多数いらっしゃると思いますがそれは一方通行が苛立ちに任せて床を踏みつけた時に足下にいた金魚も踏み潰したからです。とミサカは補足説明します」

17330号「一応気づいて貰えるかなと水のはねる音だけが響いていた玄関に最後静寂が訪れたという感じで入れてみたのですが自分で読み返しても分かりにくかった…
せめて
"一方通行の足下にいる金魚"
"一方通行が立っていた足下から赤い染みが─"
という風にしとけば…とミサカは>>1の心情を代弁します」

羽入「というわけであの攻撃は当たってたって訳ではないのです。………胸の辺りを通り抜けていっただけなのです」///

羽入「だから僕は無事なのです。ご心配ありがとうごさいますです。ちなみにプロ棋士やスケーター市町村まで問題ないのです」

17330号「再度大変ご迷惑おかけして申し訳ありませんでしたとミサカは穴に籠って出てこない>>1に変わりお詫び申し上げます」orz

羽入「これからも>>1を生暖かい目で見てやってほしいのです」

羽入17730号「「それでは投下」」なのです!)とミサカは─)
903 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/16(日) 01:33:11.22 ID:IZEtvl4DO
自室に入った一方通行は落ち着きを取り戻すためつい先日買い溜めしておいた缶コーヒーを口に流し込む


一方通行(……さっきのは…なンだったンだ?)


冷静に考えれば考えるほど思考が混乱していく


一方通行「……狂ってやがる」


学園都市第一位の頭脳はそう結論付けた

何がどう狂っているかは説明できないが根本的な所で修復不可能と思える程絡まり合っている感覚がある

その嫌な感覚を洗い流すかの様に一方通行はコーヒーを早い間隔で口に運ぶ
904 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/16(日) 01:34:05.49 ID:IZEtvl4DO
一方通行(…あァ?もォ切れたのか。そォいや何時以来だ?こォやってコーヒーバカ飲みすンの)


新たな缶コーヒーを持ってこようと部屋を出ようとした所で一方通行のケータイが鳴り出した


一方通行「……何の用だ?あのババァ…」


液晶には芳川の名前が映し出されている

録な用では無いと確信しながらも一方通行は通話ボタンを押す


一方通行「何の用だ?」

『旅に出ます』

一方通行「はァ!?」
905 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/16(日) 01:35:08.94 ID:IZEtvl4DO
『冗談よ。でも急遽三日間くらい家を出ることになってしまったから』

一方通行「…どォいうこったよ?」

『なんでも妹達の調整機材にトラブルが出たみたいで今から学園都市に立たなきゃならないのよ…勘弁してほしいわ…』

一方通行「俺も行ったがいいンじゃねェか?」


少なくとも今の雛見沢よりは落ち着ける

打ち止めや番外個体の様子にも興味があるのでこの際いい機会だと思った

それに少し違う環境で落ち着かせれば雛見沢に戻ってきた時には全て元通りになるだろうか─という希望的観測も入っていた
906 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/16(日) 01:36:01.52 ID:IZEtvl4DO
『大丈夫よ。なんか体調崩してるみたいだし無理せずゆっくりしてなさい』


しかしその一方通行の思惑は実現すること無くあっさり断られる


考えてみれば当然だ

学園都市への出入りは通常の手段で行うととても面倒なのだ

一方通行が過去学園都市に戻ったときにも一月前から連絡を入れ電車やバスを使い5時間以上、レベル5という事もあり入る手続きですら3時間近く掛かったのだ

そんな面倒な手続きをしてまで芳川は一方通行を学校をサボらせてまで連れていく理由はない


一方通行「余計な世話だ。……アイツらによろしく言っとけ」


電話を切る一方通行
907 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/16(日) 01:36:57.52 ID:IZEtvl4DO
一瞬今からでも一人で自分も学園都市に向かおうと考えたが一方通行はすぐにその考えを振り払った

芳川は学園都市にいる以上安全だと考えていいだろう

奴らも学園都市に行ってまで手を出してくるとは思えない

懸念していた芳川の安全は確保されたようだ

それに芳川は三日と言っていた

一方通行が家で一人と知れば例え家に居ようと敵はやってくる

文字通り24時間狙われた状態になるのだ

それを考えれば三日もあれば充分だろう


一方通行(この三日で奴らを叩き潰す…)
908 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/16(日) 01:38:03.83 ID:IZEtvl4DO
唐突に再びケータイの着信音が鳴り出す

また芳川かと思ったが液晶には数字の羅列だけが写し出されている

その番号にある程度察しがついたのか一方通行は深いため息を吐いて電話に出た


『もしもし、興宮書房の大石と言うものですが一方通行さんはいらっしゃいますか?』

一方通行「はァ、やっぱりか。どォいった用件だ?」

『あら?もしかして一方さんでしたか?』

一方通行「そンなところだ。つーかこの番号はケータイだからカモフラしても意味ねェンだかな」

『あら?そうなんですか。雛見沢にはケータイが普及してないからつい』
909 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/16(日) 01:38:48.31 ID:IZEtvl4DO
一方通行「どォでも構わねェよ。ンなクソの役にも立たねェ情報寄越してェンなら迷わず切るぞ」

『そうカッカしないでください。何かお変わりに等ないかと思いまして』

一方通行「……お前らこそ捜査の進展の一つや二つねェのか」

『むっふっふ。進展があるなら今頃一方さんにこんな質問しませんよ』


一方通行(つまり張ってさ餌に喰い付いたかの確認ってかァ?…チッ…なめやがって)


ケータイを握る手に力が入る一方通行

癪だが大石の力を頼らない手はない
どんな手段を使ってでもこの三日で決着を着けねばならないのだ

人手がある以上あらゆる情報を調べている警察の協力が必要になってくる
910 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/16(日) 01:40:20.98 ID:IZEtvl4DO
一方通行「……直接的な手段はねェが間接的にはねェとは言えねェな」

『本当ですか?ぜひお話しください』

一方通行「と言っても証拠も何もねェ、信憑性の無い事だがよ」

『構いません。どんな情報でも必要です』

一方通行「俺が学校休ンだあの日の夕方アイツらが見舞いに来たンだが」

『アイツらとは?』

一方通行「レナと魅音」

『なるほど…それで?』
911 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/16(日) 01:41:44.15 ID:IZEtvl4DO
一方通行「見間違いかも知れねェが見舞いのおはぎの中から針が出てきた」

『なんと!その針は!?』

一方通行「……どこにでもある様な裁縫針だ」

『違いますよ一方さん。──その針は証拠になるんです』

一方通行「な!」


居間に移動する一方通行


一方通行(クソがァ!片付けてやがる!)
912 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/16(日) 01:44:52.93 ID:IZEtvl4DO
そういえば昨日芳川が言っていた

"おはぎの件"

無視して自室に戻ったことが今更ながらに悔やまれる

僅かな可能性を賭け絨毯やゴミ箱をひっくり返したが何も出てこない

能力で電磁石の真似事までしたが意味は無かった


一方通行「……悪ィ、見当たらねェ」

大石「大丈夫ですよ。見かけたら連絡ください。それで他に何か気になることは?」

一方通行「……今朝車に轢かれかけたことぐらいかァ?被害妄想強すぎっかも知れねェがなァ?」


自嘲気味に一方通行は語る

その言葉受けしばらく大石は沈黙しやがて重い口調で口を開いた
913 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/16(日) 01:45:46.01 ID:IZEtvl4DO
『ナンバープレートは確認しました?』

一方通行「あァ?」

『こちらでその車を確認してみます』

一方通行「……ッ…見てねェ」


歯噛みする一方通行

二度も尻尾を掴む機会があったにも関わらずみすみす逃している

手を出してきた人間にはその場でことごとく報復することにしてきた一方通行はナンバープレートの確認などこれまで頭の片隅にも置いてなかったのだ


『では…車の特徴は?』

一方通行「白の…ワゴンだ」

『分かりました。こちらでも調べてみますね』

914 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/16(日) 01:46:41.23 ID:IZEtvl4DO
一方通行「あと…レナも怪しいな」

『…ほぅ。具体的には?』

一方通行「……転校」

『転校…とは?』

一方通行「詳しくは分からねェ…ただ俺が悟史と一緒だ。このままだと転校するぞ。なンて言ってたな」

『それは恐らく…何らかの脅迫、もしくは警告ですねぇ』

一方通行「だろォな」


大石に言われ帰り道の出来事が一方通行の頭に浮かぶ

レナは確実に何かを知っている


ピンポーン

下からチャイムの音が聞こえてきたが一方通行は無視して会話を切り出す
915 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/16(日) 01:48:00.25 ID:IZEtvl4DO
一方通行「一つ聞いていいか?」

『どうしました?』


一方通行がレナについて聞こうとした時インターフォンの音が鳴り響いた

出ようかとも考えたが一方通行は無視して話を続ける


一方通行「レナについ……ちょっと待て」

『はい?』


一方通行の言葉を止めたのは先程からうるさく鳴り続けているインターフォンだ

何度も何度もまるで一方通行が家に居るのを知っているかの様にインターフォンは鳴り続ける


一方通行「ちょっと待ってろ。客が来た」


一言だけ言い残し一方通行は部屋を出て重い足取りで玄関へ向かった
916 :雛見沢(17330)号の終わりの挨拶 [saga]:2012/12/16(日) 02:17:52.07 ID:IZEtvl4DO
雛見沢号「投下は以上になりますとミサカは一言でこの事実をつげます」

雛見沢号「月〜火ぐらいには>>1のメンタルも回復する見込みですとミサカは予告します」

雛見沢号「つたない文章でしたが読んでくれた方はありがとうございました」ニコッ

雛見沢号「それではまたの機会にとミサカは去り際の言葉をのべ立ち去ります」

スタスタ…ピタ

雛見沢号(それにしても今日の謝罪会見はミサカにしては"一人"でよく頑張ったとミサカは自分を褒め称えます。こんな時にはエンジェルモート新作スイーツでも…)ホワホワ〜


ぺた…


雛見沢号(?はて…?今何か足音が…?気のせいでしょうか?)キョロキョロ
917 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/16(日) 07:46:20.22 ID:7q26Ultw0
>>1乙、祭りの金魚は床の染みになったのか…

期待する羽入の立ち居地は、人工天使より脆いかな。
918 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/16(日) 16:10:50.26 ID:BExlvu/j0
よかった……
愉快なオブジェになった可哀相な羽生はいなかったんだね
919 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/12/19(水) 00:51:35.79 ID:FrO5UUiDO
スイマセン

年末の仕事と書き溜めをアレしてしまいましてしばらく投下に来れそうにありません
m(__)m

出来る限り早く最低でも年内には復帰しますのでご勘弁を…

本当ごめんなさい
920 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/19(水) 05:42:24.96 ID:h3Mh1xIS0
>>919

舞ってるよ。
921 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/20(木) 11:16:39.38 ID:DVMciqVIO
構わない
922 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/22(土) 12:18:08.35 ID:kDLD/jrx0
>>1に良いクリスマスを。
923 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2012/12/31(月) 23:40:33.11 ID:WrLRYatDO
皆さま大変お待たせしました

新年またぎの投下です

ちなみにクリスマスは聞かないでください

今年は大変お世話になりました


それでは投下
924 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/31(月) 23:42:13.07 ID:WrLRYatDO
一方通行(どンだけ鳴らすんだ…うざってェ)


相変わらず鳴り続けるインターフォン

そのしつこさから考えて真っ先に魅音の顔が思い浮かぶ


一方通行(もしも魅音のクソだったら縛り上げて肉屋に売り付けてやらァ…)


しかし玄関先に居たのは魅音では無かったが当たらずとも遠からずな人物だった


レナ「あはっ!道行くんこんばんは♪」

一方通行「……レ…ナ」
925 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/31(月) 23:44:02.66 ID:WrLRYatDO
訪ねてきたのはレナだった

一瞬一方通行の背中に冷たい感覚が襲う


一方通行「何しに来た……こンな時間に…?」


レナは一方通行が大石に彼女の事を聞こうとした瞬間やって来た

邪魔しようとばかりにインターフォンを鳴らし続けてまでだ

もう遊びに来るような時間でもない

レナ「道行くん。レナドア越しにお話しは嫌だな…チェーン外してくれないかな、かな?」


ドアに結ばれたチェーンを摘まみレナが笑いかけてくる

いつも通り明るく警戒を解きたくなるような笑みだ
926 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/31(月) 23:45:47.53 ID:WrLRYatDO
しかし一方通行は騙されない

口車に乗り無防備な状態には決してなるわけにはいかない


一方通行「うちは夜は基本チェーンしてンだ。気にすンな」

レナ「そう…なんだ」

一方通行「で、何しに来てンだ…何時だと思ってやがる」

レナ「そうだった!あのね?道行くん…もう晩御飯食べた?」

一方通行「飯?…いやまだだな」


警戒しながら一方通行は答える

レナの質問の意図が上手く掴めない
927 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/31(月) 23:46:41.20 ID:WrLRYatDO
レナ「本当!?良かった♪晩御飯作ってきたの!一緒食べよ?」


重箱を見せてレナが笑う

もちろん一方通行には一緒に食べるなんて考えられない

それよりも根本的な部分が一方通行には引っ掛かる


一方通行(レナはなンで今日晩飯なンか作ってきたンだ…?)


今日は芳川がいない

だから普段芳川が食事を作っていると思っているレナはわざわざ夕飯を作ってきてくれたのかと一方通行は予想を立てる
928 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/31(月) 23:49:41.02 ID:WrLRYatDO
一方通行(待て…なンでレナは芳川がいねェのを知ってンだ…?)

そう結局そこだった

芳川が学園都市に向かうのは急遽決まった事だった

帰りのホームルームでも連絡されていない程突如決まったものだった



レナが知っているはずがない



929 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/31(月) 23:51:00.23 ID:WrLRYatDO
一方通行「いらねェよ…今作ってンだからな」


一方通行の答えを聞いたレナが意外そうな顔を浮かべる


レナ「道行くんが作ってるの?」


その何気ない一言で一方通行は確信した

レナは芳川の留守を知っている

一方通行「まァな……」


混乱していく頭で一方通行は受け答える

実際は夕飯の事なんて全く頭に入っていない

小腹が空けばコーヒーと共に買いだめていたカップ麺にでも手を着けるつもりだった
930 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/31(月) 23:54:48.71 ID:WrLRYatDO
レナ「本当!?レナ、道行くんの手料理も食べてみたいな!食べ比べしよ?」

一方通行「な!?」


墓穴を掘った…一方通行が思ったときには既に遅かった

断る理由が咄嗟に思い付かない


一方通行「……悪ィな…相当かかるからまた今度にしてくれ」

レナ「いいよ♪待ってるから」

一方通行「ッ!?……」


今度こそ一方通行は完全に沈黙する

答えようがない

会話は完全に詰みだった

背筋が寒くなるような間を一方通行は感じる
931 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/01(火) 00:03:56.47 ID:cLujty1DO
レナ「道行くん…もしかして"嘘"吐いてる…?」

一方通行「……な…」

レナ「道行くん…嘘…吐いてるよね?」


問いただしてくるレナ

その目から徐々に笑みが消えていく


一方通行「な…なに言ってやがる…まだ仕込みってだけで」

レナ「嘘」

一方通行「嘘なンか─」

レナ「じゃあレナが道行くんの晩御飯当ててあげるね。んっと…」
932 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/01(火) 00:05:26.54 ID:cLujty1DO
弁解しようとする一方通行を遮って話し出したレナはわざとらしく首を傾げ答えを探る様子を見せた

一瞬、本当にレナに夕飯の内容を知られているのではないか?などと一方通行は考えてしまう


一方通行(そンな訳ない。大丈夫だ…レナが知ってる筈──)


レナ「カップラーメン…こないだ沢山のコーヒーと一緒に買ったどれかかな?」

一方通行「…な、ンで…?どォしてンな事まで分かりやがる!?なンでお前らは俺の行動が分かる!?なぜ知ってる!?」
933 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/01(火) 00:06:50.40 ID:cLujty1DO
レナは知っていた

カップ麺だけならまだ予想が付くだろうが本来ならありえない共に買いだめたコーヒーの事まで知られていた

杖を握る手に力が入っていく一方通行

ありえない

何か裏があるはずだ

そうに違いない

裏がなければならない

裏があるに決まってる


今まで溜め込んでいた物が一方通行の中でついに爆発した

ドア越しにレナに詰め寄る
934 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/01(火) 00:08:08.93 ID:cLujty1DO
一方通行「何故だ!?答えろ!答えやがれ!!」

レナ「あははは。変な道行くん─そんなの決まってるじゃない」


にこやかに笑ってレナは一方通行を胸にちょこんと指を当てる




レナ「道行くんの後ろからずっと見てたの」




935 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/01(火) 00:09:24.32 ID:cLujty1DO
一方通行「…今…なンて…?」

レナ「だから道行くんがパッケージ凝視しながらコーヒーをたくさんカゴに入れてたのも
そのあと目についたいろんなカップ麺を適当にカゴに入れてたのも全部後ろから見てたの」


その意味が咄嗟に理解ができず一方通行は頭の中で反芻させるも理解するもレナが再び口を開いた


レナ「ずっと背中にくっついてたんだよ?うふふふふ」


レナが気味悪く笑い出す

その笑い声に一方通行は、はじかれるように体を後ろにのけぞらした

チェーンで空いたの隙間からは淀んだ瞳が怪しく覗いており一方通行を射抜いている
936 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/01(火) 00:15:09.84 ID:cLujty1DO
一方通行「ンな訳ねェ!あの時レナは見当たらなかったぞ!?」


おぼろ気な記憶を探る一方通行

買いだめしに行ったのは随分前だがこれまで買い出しに出かけ知り合いに会った記憶は一度もない
それに一方通行の知るレナは少しでも姿が見えたら手を振って明るい声で名前を呼ぶような人物だ

コソコソと後をつけるような事は絶対にしない


レナ「うふふふふ。だからね?道行くん…」

一方通行「ァ…な…」


声をうまく出す事が出来なくなる一方通行

呼吸も鈍くなっていき冷静な判断力が失われていく


レナ「この邪魔なチェーンを外して…?一緒にごはん食べよ☆」


レナの細い指がチェーンを掴みカチャカチャと鳴らす
937 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/01(火) 00:17:04.35 ID:cLujty1DO
一方通行「…ヵエレ」


まともに機能しない喉から出たか細い声はチェーンの揺れる音に掻き消された


レナ「ねぇ?道行くんここを空けて?……中に入れてよ…?」


レナの両手の指がまるで侵食していくかのようにドアの隙間から玄関に入ってくる


一方通行「カ…エレ…頼むから…帰って…くれ」


ガチャガチャと激しく鳴る金属の鎖は今にも切れてしまうのではないかと思える程頼りない


一方通行「か、帰れって言ってンだろォが!!」


咄嗟にノブを掴みドアを閉めてしまう一方通行

ゴりゅッっという嫌な感触が一方通行を我に返らせた
938 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/01(火) 00:18:23.81 ID:cLujty1DO
一瞬自分が何をやったか分からなくなり呆然となる

見ればいつだったか彼自身が治してやったレナの細い指は赤く腫れ血が滲んでいた

後悔と罪悪感が一方通行を襲う


レナ「…痛いよ。ひどいよ道行くん…」

一方通行「…ヤメ」


ギギギ…と音を立てて再びレナの顔が表れる

その虚ろな目が一方通行を捉えて離さない

抱いていた罪悪感も気づいたら掻き消えており代わりとばかりに恐怖心が一方通行を支配していく


レナ「痛い…痛いよ…このドア開けて…?開けてよ開けて…道行くん開けて」

一方通行「ヵ…帰れ!帰れェ!」


再びドアを閉める一方通行

ドアに挟まったレナの指がゴリゅッ…ゴリゅッ…と軋む嫌な感触も、痛い痛いと訴えるレナの声も無視して両手にさらに力を込め続ける
939 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/01(火) 00:20:16.62 ID:cLujty1DO
一瞬一方通行の力が緩みようやくレナの指がドアから解放され彼女はそのまま後方に倒れた


その隙に扉を完全に閉めしっかりと施錠をする一方通行

彼の息は荒く体全体に汗が滝のように流れていた

糸が切れたようにドアに背中を預ける一方通行


一方通行(レ…レナは一体…)


ドン…

鈍い音がドアの向こうから聞こえた

一方通行の心臓が跳ね上がり杖も使わずよろめきながらも急いでドアから離れる


レナ「開けて…開けて…道行くん…お願い開けて。レナが悪かったのなら謝るから…」


レナの声と共にズルズルと力無くドアをなぞる音が聞こえてくる


一方通行「あ…ァ…あ…」


一方通行の奥歯がガチガチと震える

今まで一方通行に突っかかって来た者はここまで痛め付けると普通一目散に逃走していた

だからこそレナの行動が一方通行には全く理解できない


レナ「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい」


不気味にただ不気味に"ごめんなさい"という言葉がドアの向こうから響き続けていた
940 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2013/01/01(火) 00:26:32.77 ID:cLujty1DO
今日の投下は以上です

もうこのスレも残りわずかなのでレスあたりの投下量多目にしていこうと思います

それでは皆さまの新年が良い年でありますように

それではノシ
941 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/01(火) 02:30:39.78 ID:FSnVkvQNo
新年から怖いもんみちまった
乙です
942 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/01(火) 03:51:29.78 ID:esEg4s3DO
新年早々ありがたい
一方さん追い詰められてますな
943 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/01(火) 04:54:35.94 ID:JVDVbkj00
あけましてオメデトウ

二年参りならぬ、二年うPに感謝。
944 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/01(火) 17:23:29.64 ID:uhU9obDs0
滞空回線ですね、分かります
945 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2013/01/16(水) 17:28:01.59 ID:AqAJv1jDO
久しぶりに投下にきました

レス感謝です!

できるだけこのスレで終わらせたいので1レスあたり投下が倍くらいに増えます

かなり詰め込みますので読みづらくなりますがお許しください

投下前にちとテスト

───────それでは投下
946 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/16(水) 17:32:42.36 ID:AqAJv1jDO
急いでその場を離れ一方通行は手すりを使い二階へ向かう

レナの事を知らなければならない
レナは何者なのか?
何故あのような行動に出るのか?
オヤシロさまの祟りとの関係性、不可解な現象

とにかく今は情報が必要なのだ


一方通行「大石!レナについて話せ!包み隠さずだ!」

『……竜宮さん、ですか?』

一方通行「あァ!」

『うーん…話す分には構わないんですが…』

一方通行「随分歯切れが悪ィな…何かあるのか?」

『まぁ…他言無用でなら』


プライバシーに関する話ですから。と大石

別段悪用する気も無い、ただレナと祟りとの関係性について知りたい一方通行は二つ返事で了承する

その返事を聞いてもしばらく沈黙していた大石だがやがて長いため息を吐いて語りだした


『竜宮さん…本名は竜宮礼奈、レナはニックネームのようですね』

一方通行「ニックネーム?」


確かに紹介された時にレナなど変わった名前だと感じた
ニックネームと言われれば納得も出きる

しかしそのニックネームを日常生活の至る所でさながら名前のように使っているあたりが気がかりになった一方通行は理由を大石に尋ねる


『すいません…こればかりは。ただ本人の内に心境的変化があったのだと…』
947 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/16(水) 17:34:46.26 ID:AqAJv1jDO
心境的変化

ふと多重人格という言葉が脳裏に浮かぶ


一方通行(…普段がレナでアレが礼奈ってかァ?)


そこまで考えが行って一方通行はため息を吐いて首を振る


一方通行(ありえねェだろ…いよいよ俺も参ってンな)


多重人格における記憶の共有など聞いたこと無い

それにレナは豹変した時も自分の事をレナと呼んだ

馬鹿みたいな考えを一方通行は一蹴して話を進める


一方通行「なら他に知ってること……そォだな、転校先での事件の事を詳しく聞かせろ」

『─分かりました。竜宮さんは小学校に上がる時に茨城へ引っ越しており去年の今頃学校で暴力事件を起こしています』

一方通行「校舎のガラスを割って歩いたってヤツか…」

『いえ…それとは別にですね』

一方通行「別…?」

『はい。金属バットで男子生徒3人に暴行を加えているんです』

一方通行「暴行だと…?」

『はい。被害者の二人は痣ですみましたが一人は片目に後遺症を残すほどの怪我を負ったらしいです』

一方通行「……一体何があってンな事…」

『それが詳しいことは分からないんです』

948 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/16(水) 17:37:11.62 ID:AqAJv1jDO
一方通行「はァ?明らかな障害事件だろ。警察は何やってンだ」

『学校側も被害者の関係者も誰も告発をしなかったんです。被害届が無ければ動けませんから』

一方通行「告発をしなかった?」

『しなかった、というよりは出来なかったと言うべきなんでしょうか──被害者の方々にも直接会って来たんですが皆さん何かに怯えてるように口を閉ざしてしまっているんですよ』

一方通行「怯える?」

『はい。まるで祟りを恐れているかのように』

一方通行「!…ンな訳ねェだろ。何言ってンだ」

『…竜宮さんは普段は女の子らしい優しい生徒さんで教師や生徒問わず人気者だったと聞いています…しかし暴力事件の直前』

『"何かにとり憑かれた"ように豹変したらしいんです』


一方通行(豹変だと…?)
949 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/16(水) 17:41:21.44 ID:AqAJv1jDO
一方通行自身も何度も目にした事だった

冷たく射抜くような視線で普段のレナの面影もない姿

とり憑かれたという方が納得が行く


一方通行(人間以外の仕業だってのか!?あるわけ無ェだろそンなもン!)


祟りでも何でも叩き潰すと豪語した一方通行だが今となっては祟りと認めるわけにはいかない

祟りと認めれば恐らくそこで自分の戦いは終わってしまうと今日の出来事で一方通行は直感的に悟ってしまった


一方通行「レナの精神に異常が出たとかは考えられねェのか」

『……レナさんがその後カウンセリングを受けた事はお話ししましたよね?』

一方通行「オヤシロさまって言葉が出てきたって話か」

『はい…そのカウンセリングを担当していた医師に当時の様子を聞いたのですが』
950 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/16(水) 17:44:51.98 ID:AqAJv1jDO
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「オヤシロさまです!!」


竜宮レナは薄暗い病室の中で突然立ち上がった

勢いに負けたイスが大きな音を立てタイルの床に転がる


「……雛見沢を捨てた人は必ずオヤシロさまに追われるんです!」

その口調は怯えており何かから逃れようとしている様だった


「雛見沢に帰りたい…ううん帰らなきゃいけない」


無機質な声で彼女は"帰らなきゃいけない"と壊れた様に繰り返し狂ったように髪を掻きむしり出す

医師と看護婦がやっとの事で止めると今度は訴えかけるような口調で彼女は語り出した


「……本当はもっと早く帰らなきゃいけなかった!!こうなる前に帰らなきゃいけなかった!!でも……もうダメ──」


そこまで言って突然スイッチが切れたように彼女は沈黙する

重苦しい静寂が漂う中それまでの激しい口調とはうって変わった淀んだ声でそう告げた



「オヤシロさまが…来てしまった」


951 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/16(水) 17:48:29.83 ID:AqAJv1jDO
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『その様はそれまで沢山の患者を見てきた精神科医の先生自身もまるで何かにとり憑かれたかのように見えたらしいです』


窓の外からザアァ…と激しい雨音が空っぽの耳に響く


一方通行「…馬鹿言ってンじゃねェ」

『一方さん…私はこの連続怪死事件は園崎家を中心とした村ぐるみの犯行と信じています』


その一言で幾分か気が楽になる
周囲の人間がなんと言おうと警察は殺人事件として動いている

ならば犯人は人間だ

一方通行が恐れる必要はない


『でも時々不安になるんですよ』


『オヤシロさまの祟りは本当にあるんじゃないかって…』



白い稲光が薄暗い部屋を照らし辺り一体に轟音が轟いた


『うおっ!?凄い雷だ…もしもし一方さん聞こえます?』

一方通行「……あァ、もォいい。手間とらせたな」

952 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/16(水) 17:52:51.02 ID:AqAJv1jDO
その一言を聞いて一方通行は一方的に電話を切りケータイを放り投げた

雷鳴による聞き間違いだと信じたかった

警察も本心はオヤシロさまの祟りと考えている

これから先の事が全く見えなくなる一方通行


一方通行(そォいや窓閉めねェとな)


現実逃避気味に腰を上げる

実際先程から風と共に部屋には雨粒が吹き込まれており一方通行の机を濡らしていた


一方通行(ひでェ雨だな………ン?)


家の前に妙な影を見つけた
微動だにしないでその影は雨に打たれ続けている

一方通行は目を細めその影の正体を探る


一方通行(レナ…!?)


土砂降りの雨と薄暗い周囲のせいでよく見え辛いが確かにレナだった

一方通行(何…やってンだ…アイツ…?)


打ち付ける大粒の雨も意に介さずレナは一方通行の部屋を見つめたまま動こうともしない
外の暗がりにも目が慣れてきたのかはっきりとレナの姿が見て取れてきた
濡らしていた雨粒はまるで泣いてるかのように彼女の虚ろな目から流れており口元が微かに動いている


一方通行(何を言ってやがる?)
953 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/16(水) 17:54:28.53 ID:AqAJv1jDO
彼女の口元を凝視する

口の動きから察するにその言葉は五文字で何かを繰り返し訴えているかのようにある一定の間隔で動いていた

さらに彼女の口の動きを観察する

……ご
………メ
…ン
…………奈
………差
…イ


───ごめんなさい!?


彼女の言葉を理解した一方通行は咄嗟にカーテンを閉め窓から離れる

レナはあの時からずっと謝り続けていた

一方通行の姿が見えなくなろうと
雨が容赦なく彼女の体を濡らし体温を奪っていこうとずっとずっとずっと


一方通行(なンでアイツは帰らない…)


レナの行動は明らかにおかしい

とても正常な人間のものとは思えない

"まるで祟りを恐れてるかのように"

"何かにとり憑かれたように豹変したらしいんです"

"その様は──まるで何かにとり憑かれたかのように見えたらしいです"

"オヤシロさまの祟りは本当にあるんじゃないかって"


大石の語った言葉が頭に重くのし掛かる


一方通行「──まさか…いや、ありえねェ…祟りなンざ存在するわけねェだろォが!!」
954 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2013/01/16(水) 18:02:33.76 ID:AqAJv1jDO
今日は以上ですね

こうやって見ると本当に多い気がします

読んでくださった方はありがとうございました
また明日来ます

それそれでわでわノシ
955 :以下名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2013/01/17(木) 07:15:45.22 ID:mr0W4eTDO
ちゃっちゃと埋めよう朝から投下です
956 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/17(木) 07:18:38.79 ID:mr0W4eTDO
一方通行「やっちまった…」


翌日朝一方通行は苦悩の内に目が覚めた

理由は明確である

昨晩電極の充電をしていなかったのだ

昨日あの電話の後オヤシロさまの祟りについて考えていたら気づかぬ間に眠っていた


一方通行(どォすっかねェ…)


昨日の事でレナに会いづらい

いっそのことこのまま休んでしまおうかなんて考えが浮かんだのだが


一方通行(はァ…守りに入って進展なンざあるわけねェだろ)


この三日で決着を着けなければならない
自ら攻め込むぐらいの姿勢で望むべきだ


一方通行「もォ行かねェとな」


今日も誰にも会わず早めに登校しなければならない

電極の充電を諦めた一方通行は朝食も取らず家を出る

しばらくは何も口にしたくない気分だった
957 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/17(木) 07:20:39.15 ID:mr0W4eTDO
先日のように誰も居ない教室に入り寝た振りを始める

充電が心配なため電極は切り換えない

しばらくするとドアの開く音と共にクラスメイトの談笑が耳に入ってきた

その談笑が一瞬止まる

いくつかの視線が集まってくるのが分かる一方通行

クラスメイトとの間に壁を作るようにさらに深く組んだ腕の中に頭を沈める

次第にその視線は薄れていき再び談笑が聞こえてきた


どのくらい経ったろうか一方通行は肩を叩かれ顔を起こす

そこには真剣な眼差しを向ける魅音の姿があった


魅音「ちょっち良いかな?道っちゃん」


無視を決め込もうとも思ったが一方通行は無言で席を立つ

ふと目の隅にいつの間にか登校してきていたレナが映った

その指には沢山の絆創膏が貼られていたが不思議と一方通行の心は痛まなかった

屋上へ続く階段の隅にある人目に付きにくい場所へ連れてこられる

魅音「あのさ…道っちゃん」


切り出しにくそうに頭を掻く魅音


魅音「何を怒ってるか分かんないけどもうそろそろ許してくれないかな…?謝るからさ…」
958 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/17(木) 07:22:12.04 ID:mr0W4eTDO
目を伏せて弱々しく告げる魅音

普段の明るさからは考えられない真剣な謝罪だった


一方通行(なに言ってンだ…コイツ?)


謝る

思い当たる節が咄嗟に思い付かない


一方通行(命を狙ってた事を謝るってわけは無ェだろ)


それならば何の事を謝って許しを乞う必要があるのか

隠し事した事
嘘をついた事

そんなことを命を狙ってるこの状況で謝ってなんになるのか


一方通行(………まさか、許しを得て油断させるために業と謝ってンのか…?)


そうとしか考えられない

命を狙ってる状況では謝る理由はそれぐらいしかあり得ない


一方通行「……ふざけてンのか…テメェ」

魅音「え…」

一方通行「お前らの魂胆なンざ見え透いてンだ!いつまでも隠し事が通用するわけねェだろ!!」

魅音「ちょ…道っちゃん待ってよ…私隠し事なんて…」

一方通行「お前『ダム抗争で事件はなかった』とか抜かしやがったよなァ。じゃあダム監督のバラバラ殺人はなンだってンだ?」

魅音「あ、あれは道っちゃんを怖がらせたくなくて…」
959 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/17(木) 07:24:37.67 ID:mr0W4eTDO
魅音の弁解も一方通行の耳には入らない


一方通行「あァ、それとおはぎ。血が出る程うまかったなァ……やったのはお前か?レナか!?」

魅音「それは…やったのは私…そんな…ちょっとしたイタズラじゃん…」


そんな怒らなくてもとばかりに魅音が言う


一方通行(針を入れたのが…イタズラ…だと?)


ふざけている

タバスコを入れるのとはワケが違う

命に関わるような行為をただのイタズラ…?


一方通行「調子に乗ってンじゃねェぞ…魅音」


一方通行は静かに電極を切り換え強引に魅音の胸ぐらを掴み上げた

一方通行「悟史を消したように俺を消せると思ってンのか!あァ゙ァ゙ッ!!?」


狂ったように赤い瞳が魅音を射抜く


一方通行「お前らが連続怪死事件の容疑者って事もダム抗争の頃から警察沙汰繰り返してきてるのも知ってンだ!」


突き放すように魅音を離す一方通行


魅音「な…どうしてそんな事ま─」
一方通行「黙れ」
960 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/17(木) 07:25:43.97 ID:mr0W4eTDO
もう魅音の声など聞きたくもない

喋らせる間も与えず一方通行は畳み掛ける


一方通行「もう俺に話しかけるな。この嘘つき野郎が」

魅音「そんな…」


魅音の頬に涙が伝う


魅音「ひどいよっ…道っちゃ…」


すすり泣きだす魅音


一方通行「……チッ」


舌打ちと共に電極を戻す


一方通行(俺は事実を言ったまでだ)


耳に届く嗚咽を無視してその場から立ち去る一方通行

心を痛める必要などない

悪いのは魅音の方なのだ


"ククク…そっかぁ…"


一方通行の足が止まる

後方の階段の影から妙な声が聞こえてきた


"道っちゃんに全部ばらしたの大石の野郎かぁ…"


その一言を聞かない限りそれが魅音のものだとは一方通行は気づけなかった

それほどにまで怒気を帯びた声だった


"今年で定年だからって容赦してやった恩も忘れやがって…"


一方通行(容…赦…なンの事だ…?)


"あのジジィ…絶体…殺してやる…"


その殺意に満ちた声で一方通行は確信する

魅音はやはり連続怪死事件の犯人の一味で自分の命を狙ってる

綿流しまでのかけがえのない日々は全て偽りで油断させるための準備期間だったのだ


一方通行(…ふざけンなよ……クソがァ…)


痛む胸を抑えながら一方通行はふらふらと教室に戻った
961 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/17(木) 08:08:27.91 ID:Fp72eNWZ0
タバスコな訳だが
962 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/18(金) 13:26:32.82 ID:cXdvfrVg0
963 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/18(金) 15:06:35.17 ID:ZB8GIQxT0
バラバラ殺人程度で一方通行がビビるわけもないよな
その何倍も惨い殺し方してきてるし

これが終わったら綿流し編に期待するぜ
いや、とある第二位の綿流しになる可能性も微レ存……?
964 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/19(土) 19:56:02.67 ID:nEi8FBRN0
>>1乙、そして救いの無い鬼隠し編、終局を座して舞っている。
965 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/19(土) 20:31:28.27 ID:14RiKMOIo
やっと一方さんブチギレたか・・・最近は我慢強くてなぁ
すぐブチ切れて暴れる一方さんが好きだぜ
966 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/19(土) 22:04:04.48 ID:/ba5D3fDO
その後一方通行は誰とも話すことなく帰路の道についた

雑木林に挟まれた道に蝉の声がサイレンのように嫌にうるさく鳴り響く


大石は連続怪死事件は園崎家を中心とした村ぐるみの犯行だと言っていた

そして今日魅音が犯行グループの一味だという疑惑が確信に近いものとなった


一方通行(大石の推理はあながち間違っちゃいねェな)


だとすると一つ気掛かりな事がある

村ぐるみの犯行

最悪の場合村人全員が敵の可能性がある


一方通行(全てにカタ着けた時俺はどォする?)


仮に犯行グループを返り討ちにしたとする

しかしそのまま雛見沢に留まり続けるのか?

大石が言ったように村ぐるみの犯行だとしたらいつ再び命を狙われるかが分からない

それこそ村人全員を皆殺しにする以外安心できないのだ


一方通行「……雛見沢には居られねェな」
967 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/19(土) 22:05:13.35 ID:/ba5D3fDO
ふとあれほどうるさく鳴いていた蝉の声がピタッと止んだ
それまでの空気が一気に張り詰めたものに変わる

まるで禁句を述べてしまったかのように

まるで突然やって来た何かを恐れているかのように


ひた………ひた……ひた…ひた


後方から静かな足音が一方通行の耳に入ってきた

足音こそ潜めているが前回のように密かにつけ回るような様子は感じられない


一方通行(……来やがったか)


電極を跳ね上げ勢いよく振り返る


「道行くん…」


レナがいた

いつだったか宝探しに使われた大鉈を片手に持ちまとわり付く様な嫌な笑みを浮かべたレナがいた


レナ「見ぃつけた☆」


夕陽を乱反射させる大鉈がゆらゆらと光る

背筋が冷たくなるのを感じる一方通行
968 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/19(土) 22:07:05.84 ID:/ba5D3fDO
一方通行「何しに来やがった!?レナッ!」

レナ「道行くんとおんなじ帰り道だよ」

一方通行「お前は帰り道に鉈持って帰ンのか!?」

レナ「道行くんだっていつもは電極入れてないよ?」

一方通行「お、俺は急ぎの用があンだよ!」

レナ「じゃあレナは宝探しがあるの」

レナ「ダム現場でまたかぁいいのを見つけたんだよ。それを発掘するために必要なの」

一方通行「信じろってかァ!?ンな取って付けたみてェな台詞を!」


さっきから会話のテンポがおかしい

まるで売り言葉に買い言葉

あらかじめ用意された答えをレナが述べているとしか一方通行には思えなかった


レナ「あははは…うん、信じないよね?」

レナ「信じないよねぇ?あはははははははは」


壊れたように笑い出しゆっくりと近づいてくるレナ

反射的に後退ろうとするも一方通行の足は金縛りにでもあったかのように思うように動かない


一方通行「く…るな」

レナ「あははは。なんで?レナも同じ帰り道だよ?」

一方通行「く…来るなっつってンだろォが!!」


やっとの思いで地面を蹴り能力を利用してその場を去る一方通行
969 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/19(土) 22:10:45.60 ID:/ba5D3fDO
──レナが人間とは思えない

──あんな人間がいるはずがない

充電が少ないため急激な加速はできないがレナの狂笑は次第に耳から離れていった


一方通行「撒いたか…?」


緩いカーブを描く林の出口付近で一方通行は足を止め振り返る

後方には不気味なまでに静かで蝉の鳴き声一つ聞こえない雑木林があるだけだった


「道行くん、いた」


一方通行の思考が止まる

前方からありえない声が聞こえた

たった今撒いたはずの今頃は遥か後方にいるはずの人物の声が前方から響いてきた

凍りついた体をなんとか振り返らせると先程と変わらず大鉈を持ったレナが微笑を浮かべそこにいた


一方通行「なンで…お前が…」


──ありえない

──完全に撒いたはずだった


レナ「あははは。レナね?道行ともっとお話しがしたいの」

一方通行「お、お前と話すことなンざあるか!!」

レナ「嘘だっ!!あはははは!」


踏みつけるような一歩をレナが踏み出す


970 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/19(土) 22:13:45.51 ID:/ba5D3fDO
レナ「分かる。レナには分かるよ道行くん。怖いんだよね?」


一歩また一歩とレナが近づいてくる

棒になったような足を必死に動かし後ずさる一方通行


レナ「レナだけは相談に乗ってあげられる。今度こそ力になってあげられる」


一方通行(コイツ…何言ってやがる?)


レナの真意が掴めない

何の話をしているか、何がやりたいかが全く分からない


レナ「悟史くんも悩んでた。でもレナはなんにも相談に乗ってあげられなかった」

レナ「すごく後悔したんだよ。レナが相談に乗ってあげれば悟史くんは転向せずに済んだんじゃないかって」

レナ「だから道行くんはレナが助けてあげる。もう人が転校するところは見たくないもの」


一方通行(白々しい嘘だ!助けるだと!?悟史を消したのは他でもないお前らだろォが!!)


レナの言うことはもう半分も理解できない


レナ「ねぇ何が怖いのかな?怯えるなんて道行くんらしくないよ?」

一方通行「ど…どの口が言ってンだ…。さ、悟史を追い詰めてたのは誰だ…?悟史を消したのは誰だ…答えろっ!!?」

レナ「?レナは道行くんが何言ってるかわかんないな?」
971 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/19(土) 22:24:24.85 ID:/ba5D3fDO
一方通行「じゃあ分かるよォに言ってやらァ!」

一方通行「連続怪死事件の犯人は誰だって聞いてンだ!」


風が吹いた

生暖かい嫌な風が五メートルもない二人の間を通り抜け一瞬の沈黙を作る


レナ「道行くんは何か勘違いしてるよ?」


きょとんと首をかしげるレナ


一方通行(このごに及んでまだとぼけやがンのかコイツ…!)


レナ「人間の犯人なんていない─全てはオヤシロさまが決めることだから」

一方通行「は…?な…何言ってやがる。ンな迷信…信じろってのか?」

レナ「信じる信じないじゃないオヤシロさまは"いる"の」

一方通行「ふざけンな…信じれるかンな話…」

レナ「"いる"よオヤシロさまは」

レナ「道行くんは誰かに謝られたことはない?それもずっと」
972 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/19(土) 22:26:15.68 ID:/ba5D3fDO
ニッコリとレナが笑う

その笑顔があるでしょ?と無言で告げている


レナ「"ソレ"を許してもらえるまでずっとついてくるの…うふふふふ」


昨日帰宅直後の玄関で感じた気配が脳裏に浮かぶ一方通行

──しかしオヤシロさまなどいるワケがない

──祟りなんかなおさらだ

──冷静に思えばただの勘違いだったに決まってる

──そう思い違いだ

──そうに違いない


レナ「大丈夫…心配しないで」


鉈を両手に持ち直すレナ


レナ「レナが助けてあげるから…怖がらないでね?」


ギラギラと鉈が怪しく光る


レナ「助けてあげるよぉオオ!あはははははははは!!」
973 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/19(土) 22:28:10.03 ID:/ba5D3fDO
───殺られる

直感的に悟った一方通行は再び地面を蹴りレナから逃走する

今度はまともな道を使わない

雑木林の中を突っ切って完全にレナを撒く

林を抜ける直前一方通行は唐突に足を止めた

止めた足が次第にガクガクと震え出す


一方通行(今…レナが居なかったか…?)


抜けた後の小路にチラッとレナらしき人影が見えた気がした

ありえない

だが確かに見た

先程まで一方通行が出していた速度は時速50キロを優に越えてる
生身の人間が追い付ける速度ではないのだ


一方通行(クソッタレがァ!)


もはやなにも考えられなかった

がむしゃらにただがむしゃらに雑木林を突き抜ける


「どこ行ってたの?道行くん」
974 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/19(土) 22:29:02.22 ID:/ba5D3fDO
林を抜け出したすぐにレナに出くわした

体勢を崩したかのように二、三歩後退り後ろに倒れ込む一方通行

そんな一方通行に微笑を浮かべてレナが近づいてくる


一方通行「ァ…ァ゙…あ…」


レナからは逃れられない

どんな手段でどんな速度で逃れようともどういうワケか先回りしてくる

まるで先程レナが発したどこまでもついてくるオヤシロさまのように…

なら道は一つだ

逃れられないとしたら反撃に出るしかない

足元のベクトルを操りレナに特攻を仕掛ける一方通行


一方通行(レナの意識を一瞬で刈り取る!)


レナが人間ならばそれで全てカタが着くはずだ

レナが反応するよりも速く一方通行は彼女の顔に手をのばしその指が額を捉えようとする


ピピッ


普段は聞きなれない小さな電子音が一方通行の耳に届いた

それを理解するよりも早く一方通行の体が体勢を崩す

何が起きたのかも一方通行には理解出来ないまま彼の体はそのまま勢い余ってニメートル程転げ回り意識は闇の中に呆気なく沈んで行った
975 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/20(日) 09:22:47.23 ID:NuNIFM2B0
>>1乙、羽入の存在を感じてはいたのか…
976 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/20(日) 15:11:36.28 ID:rYF3+T360
反射があるのに逃げ回るあたり追い詰められてるよな
でも逃げても逃げてもレナに回り込まれてるって原作にはなかったよな?
全部終わった後に解説欲しいんだぜ
977 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/20(日) 16:42:18.29 ID:wxsDo4VR0
原作だとレナから逃亡→逃亡中に山狗さん登場→山狗にやられる→レナに助けられて自分の部屋へ→\(^o^)/
978 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/21(月) 22:05:16.29 ID:CpeNUaoDO
薄暗い部屋の中最初に目に入ったのは見慣れた天井だった

電極に目を移すと満タンまでには行かないが能力を使う際支障が出ない程には回復されており今も充電はされている

先程の出来事が上手く思い出せず意識は朦朧としていたがとりあえず一方通行は電極の充電を止め身を起こそうとした


「あっ…まだ起きちゃダメだよ…?」


一方通行の視界に上下逆さまのレナの顔が映る


一方通行「レナ…」

レナ「ほら…ちゃんと寝とかなきゃ…」


優しく一方通行の肩を押さえるレナ
柔らかい感触が一方通行の頭に伝わってくる
気づけば一方通行はレナに膝枕をされた状態で寝かされ彼女の腕は一方通行の胸の辺りに置かれていた


優しく心地よい温もりが一方通行を包む
979 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/21(月) 22:06:08.06 ID:CpeNUaoDO
一方通行「……悪い」


自然とそんな言葉が漏れた

きょとんとした表情をレナは見せる


レナ「何の事かな?道行くん」

一方通行「いや…なンでもねェ…ただ…」


そこまで言って一方通行は目を閉じ静かに息を吸い込んだ

暖かい

心が安らぐような香りが広がっていく


一方通行「もォ少しこのままでいさせてくれ…」

レナ「うん…いいよ」


目を静かに閉じ優しくねぎらう様に言うレナ

嫌な夢から覚めた様な─あるいは夢だと思えてしまうほど清々しい気分だった
980 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/21(月) 22:06:46.10 ID:CpeNUaoDO















981 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/21(月) 22:09:13.67 ID:CpeNUaoDO
「なぁ〜におじさんの居ない所でイチャついてんのぉ?お二人さん♪」


不意に声をかけられ二人はビクッと体を震わし部屋の外を見る


レナ「み、魅ぃちゃん!べ、別にイチャついてなんか…!」

魅音「どうだかな〜?オスッ道っちゃん大丈夫〜?」

一方通行「見ての通りだ…」


へ〜。と魅音の視線が一方通行を舐めるように回っていく


魅音「うん。良かった"ちゃんと生きてる"じゃん」


ニィ…と怪しい笑みを魅音が浮かべた気がした


魅音「でレナ。一応監督には電話した?」

レナ「うん。すぐに来るって言ってたよ」

一方通行「……監督?」


雛見沢では聞き慣れない言葉だった


魅音「あはははは。道っちゃん監督知らないの〜?ほら監督っていえば映画の監督とか」

レナ「工事現場の監督とか」

一方通行「…ンな意味じゃ無くてだな……は?」


工事現場の監督

真っ先に思い至ったのはバラバラの死体となって見つかった連続怪死事件の最初の犠牲者だった
982 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/21(月) 22:11:20.74 ID:CpeNUaoDO
一方通行(待て…レナは何て言ってた…?)


未だに回転の悪い頭で記憶を探る一方通行


"すぐに来るって言ってたよ"


一方通行(……死んだはずのダム監督がすぐに来るだと…?)


体を起こし呆然となる

鈍っていた防衛本能が次第に働きだした


レナ「起きちゃダメだよ。道行くんは怪我人なんだから」


がし…とレナが優しく羽交い締めをしてきた

その優しい感触とは違いレナの腕はしっかりと一方通行の肩まで回っている


一方通行「レ…ナ……?」


ヒヤリと一方通行の背中に冷たい汗が伝う


レナ「ねぇ、魅ぃちゃん?」

魅音「…そうだね。監督が来るまでに済ませとくかな」

一方通行「済ませる…だと?」

レナ「罰ゲームなんだよ。罰ゲームなんだよ!」

魅音「レナのおはぎを当てる宿題あったじゃん。あれ宿題忘れだったよねぇ?」


魅音の言う通り確かにそんなこともあった

しかし何故よりにもよって今なのか

悪い予感がしてならない
983 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/21(月) 22:15:01.41 ID:CpeNUaoDO
気づけばレナと魅音の二人はなにかしら企んでいるかの様な怪しい笑みを浮かべている


魅音「暴れないでよ?会則第…何条でもいいや。罰ゲームに抵抗しちゃダメなんだからさ」


そう言って魅音はポケットをまさぐり出して一本の細長いペン状になっているものを取り出した


魅音「監督が来る前に済ませないとね…」


キュポン…と独特の音を出してそれの蓋が外される


一方通行(……注射器?)


確かに注射器だった

何故か魅音の手にあるそれは病院で使われるような細く目盛りが書かれてあるごく普通の注射器で中には何の薬品か知れないが小量の液体が入っていた


魅音「大丈夫。痛くないよ〜…クックック!」


中の薬品を交ぜるように注射器を揺らしながら魅音が言う


一方通行「な…ンの真似だ…お前らァ!?」

魅音「何って…見て分からない?今更カマトトぶられてもなぁ」

一方通行「はぐらかして煙巻いてンじゃねェ!!」


やれやれとばかりに魅音はため息を吐きこれまで以上に怪しく笑った


魅音「富竹さんと同じ目に遭ってもらう」

一方通行「…え……?」

レナ「……道行くんとぼけてるよね?…薄々は気づいてたくせにぃ☆」
984 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/21(月) 22:16:54.76 ID:CpeNUaoDO
心臓の跳ね上がる音がはっきりと聞こえた

大石の言葉が一方通行の脳裏を駆け巡る


"富竹ジロウさんが昨晩お亡くなりになりました"

"死因は喉を自ら掻きむしった事です"


一方通行(あの薬を射たれると喉を掻きむしって死ぬことになンのか!?)


だが大石は薬物は検出されなかったとも言っていた

──しかしだとしたらあの注射器はどう説明できる?

──この状況で富竹と同じ目に遭うのなら殺される他に何がある!?


一方通行「は…離せ!」


反射的にもがくも一方通行の体はレナにしっかりと抑えられ思うように動かせない

以前罰ゲームでレナと梨花に抑えられた事がこんな状況で脳裏に浮かんだ


一方通行(能力だ!反射さえ使えばこの場を切り抜けれる!)


必死に首元へ手をやる一方通行

レナもそれに気づいたかのかより一層強く一方通行を押さえつける


魅音「おーおー抵抗しちゃって…そろそろ観念しなって?」


ゲラゲラゲラゲラ!!


馬鹿にしたように魅音とレナが笑い出す

力を振り絞って電極へ手をやる一方通行

不愉快な嘲笑と共に魅音の注射器が残り数センチという距離まで迫ってくる
985 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/21(月) 22:18:30.40 ID:CpeNUaoDO
なかば諦めた瞬間一方通行の指が電極に触れる


一方通行「がァァ゙ッ!!」


渾身の力を入れ能力使用モードに切り換える一方通行

その瞬間一方通行はただの貧弱な身体障害者から学園都市最強の超能力者へと姿を変える


一方通行「…な?」


しかしそれだけだった

能力は確かに戻っているにも関わらず一方通行は相変わらずレナにしっかりと羽交い締めにされている

レナ達の笑いも止み薄暗い部屋に沈黙が訪れる


一方通行(……何がおこってやがる!?)


能力は間違いなく戻っている。反射も正常に働いている

だとすると考えられる事は


一方通行(反射の設定ミスか!)


反射は基本的に一方通行の指定した物以外全てに適応される

雛見沢に来て魅音らと親密になっていくにあたって彼女らに対する反射を全てOFFにしたのだった


一方通行(反射のリストにレナと魅音を追加する!)


演算を組み直す一方通行
検算を含めても0.1秒も必要ない

一方通行「…な、ンで……?」


しかし状況は数秒前と何も変わらなかった

それどころか一方通行の精神的な面からすれば悪くなったのかも知れない
986 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/21(月) 22:21:42.87 ID:CpeNUaoDO
またしても反射は全く機能しなかった

今でも電極に受信しているミサカネットワークの電波は能力で簡単に確認できている

能力には全く問題はないのだ

しかし反射は機能しない

検算にも狂いは無かった

設定ミスもあり得ない

たちの悪い悪夢でも見ているかのような心境だった


一方通行(なンで…?なンでだってンだ!?どォして反射が効かない!!?)


反射は基本的に一方通行に害する物全てに設定されている


一方通行(!──まさか俺はまだどこかでコイツらを敵として見れてない…のか?)


スイッチが切れたかの様に一方通行の体から力が抜ける

思い返せばそのような場面は幾度となくあった


おはぎに針が入れられてると気づいた時一方通行は彼女らに何もしなかったのは何故か

昨日レナが訪ねてきた際にもドアを閉めるなど中途半端な抵抗などせず能力で迎撃も出来たはずだがそれをしなかったのは何故か

魅音が犯人の一味と確信した時も問い詰める事をしなかったのは何故か

帰り道鉈を持って襲ってきたレナに直ぐさま反撃に出なかったのは何故か
987 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/21(月) 22:24:33.10 ID:CpeNUaoDO
認めたくない思いに反して嫌な確信が一方通行に生まれてきた


一方通行(そンなワケあるか!レナと魅音は間違いなく敵だ!)


自分に言い聞かせるようにしながら一方通行は再び演算を組み直すも反射は機能しない


一方通行(あの日々は全て偽物で俺を油断させるための罠だ!そンなのも分からねェ程馬鹿じゃねェだろ!!?)


またもや演算を組み直す

小言を言いながら歩を進めた登校時
トラップの攻略に燃えた朝のひととき
悪態を吐きながら机を囲んだ授業風景
机を寄せ合って互いの弁当を自由につまみ他愛のない話をした昼休み
面倒な授業からも解放されハメを外して騒いだ部活
その日一日の余韻に浸りながら影を並べ歩いた夕日に照らされる帰りの畦道


その風景が一方通行の脳裏にはっきりと蘇る

反射は機能しなかった


一方通行「…ッ!」


それでも一方通行は演算を組み直す

休日を返上してまで不馴れな自分に雛見沢を案内してくれた事がありがたかった
宝探しでレナにゲコ太を掘り出してやれた事が自分の事のように嬉しかった
罰ゲームで一喜一憂する仲間の顔を見るのが楽しくて仕方がなかった
祭りのひとときは一生忘れられない宝物となった

気付けば完全に演算自体を一方通行は止めていた
988 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/21(月) 22:30:06.07 ID:CpeNUaoDO
気づけば頬が濡れていた


──悪いのは自分の方だった

──今まで経験したことの無い二人の優しさに明るさに素直さに思いやりに輝くような笑顔に自分はようやく全てをやり直せた

雛見沢に来て確かに一方通行は救われていた


魅音「ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!!!!」

レナ「げらげらげらげらげらげらげらげらげらげら!!!!」


突然涙をこぼし始めた一方通行を見てレナと魅音は大声で笑い出す

二人の狂笑が部屋に響き渡る


一方通行「…フ…ふ…ふざけてンじゃねェぞォォォォ!!クソッタレがァァァァ゙ァ゙ァ゙ァ゙!!!!!」


その咆哮が嘲笑を上げるレナと魅音にか
それとも未だレナと魅音に幻想を抱いてる自分に向けてかは一方通行自身も分からなかった

純粋なベクトル操作で羽交い締めにしているレナを振り払う

一方通行の呼吸は荒く上手く思考が働かない

しかし一つだけ確かなことがある

──この場を切り抜けなければ確実に明日はない

──しかし反射は通じない

──だったらどォする?

──簡単じゃなイか

──反射が通ジなクとも
989 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/21(月) 22:30:40.59 ID:CpeNUaoDO



──血流操作ガアルジャナイカ



990 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/22(火) 07:49:57.68 ID:jSHBU5Z8o
ぞくぞくする
991 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/23(水) 05:04:32.35 ID:MDhstSna0
幼女だったら抵抗諦めてたのかな?
992 :レス辺りの投下量をさらに二倍に増やす意地でも終わらせてやる。投下 [saga]:2013/01/23(水) 07:10:48.04 ID:Xpww3lwDO
再び目が覚めた時はもう完全に暗闇に包まれており部屋の様子は全く分からなかった

杖を使い立ち上がり一方通行は部屋の灯りを着ける

蛍光灯の灯りで一瞬目が眩むも徐々に部屋の様子が分かってきた


一方通行「…………は?」


目に映った部屋の光景が理解できなかった

一年ほど前まで嗅ぎ慣れた匂いが鼻を刺激する


一方通行「ゥヴ!?」


途端に激しい吐き気に襲われ反射的に左手を口元に運ぶ一方通行


一方通行「がェッ!げはっ!!ぐふっ!!」


ついに堪えきれなくなった一方通行は膝をついてえづき出してしまう

昨日から何も口に入らなかったのが幸いしたのか胃からの逆流は無かったがそれでもしばらくは嘔吐感が消えることは無かった


嘔吐感がようやく消え今一度一方通行は虚ろな瞳で部屋全体を見渡す

血溜まりだった

白い蛍光灯の灯りは鮮やかに部屋を赤黒く照らしその中心にほとんど原型なんて留めていない二つの肉塊があった

一方通行は自分の掌を見つめる

その手からは反射の効かない彼女らの血がポタポタと滴り落ち血溜まりに波紋を作っていた


一方通行「なにが…守るだ…」


──結局自分は何も成長してなかったじゃないか

──再び能力を使い取り返しのつかない事をしてしまったじゃないか

──犠牲者を増やしただけじゃないか

──結局自分はただの化物だったじゃないか


一方通行「ゥ゙ぐッ!?」


血溜まりに手をつき再びえづき出してしまう一方通行

まだ生暖かい液体の温度ががじわじわと伝わってくる

あの優しく抱き締められた温かさが直に手から伝わってくる


一方通行「グァ…ァ゙ァ゙…ァ゙ぁぁあァァア゙ァ゙ァ゙亜ぁァ゙ァぁァァァア゙ァァ゙阿アアアァ゙ぁァァアアア゙ァ゙ァァァア゙!!!!」


乱雑に髪を掻きむしり糸が切れたように後ろへ倒れ込む一方通行

その目は照準が定まっておらず腕は力なくだらりと垂れており最早彼自身からも生気は感じられなかった

時計の針の音だけが不気味に静まり返った部屋に響き続けた
993 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/23(水) 07:19:42.17 ID:Xpww3lwDO
外から車の急停止する音が時計の針の音を掻き消した


作業服を着た数人の男と白衣を羽織った男が白いワゴン車から慌ただしく出てくる
白衣の男が幾つかの指示の様なものを出した後一人の作業服姿の男が灯りの着いた玄関先に近づきインターホンを鳴らした
しかしドアの向こうからは何の反応も帰ってこず十数秒の時間が過ぎる
それを受け男は振り返り仲間と顔を見合わせ慎重にドアノブに手を伸ばした


べぎゃッ…


何かが砕ける音がして男の腹部に違和感が生じる


「え…?」


見ると白く細い腕がドアを突き破って腹部へと伸びており作業着からは赤い染みがじわじわと広がっていた


「なにこ─」


言い終わるよりも前に男の体は不自然に歪み水風船を割った様に内側から破裂した

玄関先の灯りと街灯に照らされ鮮血の雨が周囲を赤く染める

作業服の男達は何が起きたか全く掴めずにいた

さっきまで仲間の一人がいた今はもう赤黒く染まってしまった玄関先には中心に不自然に穴が開いたドアがあるだけで誰もいない

そのドアがゆっくりと力なく開いていく


暗い玄関には一人の白髪で中性的な顔立ちの少年が項垂れて立っていた
よく見るとその体の至るところには赤黒い何かがこれでもかと付着している


一方通行

虚ろな目で脱け殻のようになってはいるが学園都市level5がそこにいた


ゆらり。と顔を上げる一方通行
作業着の男達に緊張が走り風が彼らの間を不気味に通り抜ける


「…ひっ!」


後方から小さな悲鳴が聞こえた
男達が振り返ると今の今まで玄関にいたはずの一方通行が一番後ろに控えていた白衣の男に右手を伸ばしている

ブチブチゴリュベリャ!

その手が左肩に触れた瞬間その肩から肉の繊維が切れる音と骨が外れる音、そして肩から体が千切れ飛ぶ音が響いた
男の体はそのまま20〜30メートルほど地面を転がりピクリとも動かなくなる

主を失った左手が重力に従いぼとりと地面に落ちた

作業着の男達は目の前で起こった光景を飲み込むことが出来ずにいた
首だけを動かし虚ろな目で一方通行は男達を睨む
本能的な恐怖に刈られ散り散りに逃走を始める男達

それを見て一方通行は無言で足下の左手を拾い上げ目についた一人に向かって投げつける
それだけでその男の頭はショットガンで撃ち抜かれたかのように爆散し残された体は3メートルほど走り前のめりに倒れ込んだ
994 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/23(水) 07:22:32.62 ID:Xpww3lwDO
「あぁ…ば…ば…けも」


玄関の方から震えた声が聞こえ横目でチラリと見る一方通行
そこには完全に腰を抜かして震えている男の姿があった
一方通行はふらふらと玄関に足を進める
それを見て男はさらに怯えだし涙と鼻水と汗で顔をぐしゃぐしゃにさせズボンには染みが広がっていった
そうしてる間にも彼の目の前まで一方通行は迫っている


「待っ…て。違う!君は勘─」


ぐじゃり…


水っぽい何かが潰れる音がした


ワケが分からぬまま男は一方通行の足下を見る
そこには砕けたプリンのようになった赤黒い何かが無惨に散らばっていた
そしてそこには自分の左足首があったはずだった


「───────!!」


声にならない絶叫が夜の静寂に響きわたる
悶え叫ぶ男を一方通行は気にも止めずさらに一歩足を踏み出した

ズシャ

骨が砕ける音と肉が潰れる音がし男の左腰が地面と一体化する


「あ…ぁ…俺の…こ、し…」


うずくまり一体化した土を男は手に取って茫然と呟く
後頭部に一方通行の靴底が静かに運ばれた


ふいに車のエンジンのかかる音が響く
見ると一方通行が先ほどまでいた所の少し先に停められていたワゴン車がものすごい勢いで発進していた


「き…聞いてねぇ!聞いてねぇよ!なんなんだよあの化け物は!?」


アクセルを強く踏み込みサイドミラーに男の目が行く
そこに映る先ほどの化け物は既に豆粒ほどに小さくなっていた


「あは…あははは…助──」


地面をも揺るがす様な轟音が安堵の声を掻き消した
あまりの衝撃に男はフロントガラスに頭から突っ込みそうになる


「クソッ!!電柱か!?こんな時に!」


見ると前方のバンカーはヘの字に折れ曲がっており助手席と後部座席に続く空間は完全に潰れてしまっていた
また車のガラスは全て粉々に砕けておりフロントガラス至っては運転席側に破片が飛び散っている
さらにタイヤは歪み完全にパンクしてしまっていた
車体も歪に曲がっておりドアを開こうともびくともしない
これだけワゴン車は破壊されているのに関わらず運転席の男はガラスによる切り傷ほどしか目立った外傷が無かったのは奇跡だろう


「なんで…」


しかし男の口からは震えた声がこぼれる
信じられないとばかりに砕け散ったフロントガラスの前方を指差し声を張り上げる


「なんでテメェがここにいんだよ!!?」
995 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/23(水) 07:27:25.57 ID:Xpww3lwDO
そう。激突したのは電柱でもなんでもない

ありとあらゆる物を反射させる学園都市のlevel5一方通行にだった
男の問いに一方通行は答えない。ただ不気味なまでに押し黙ったまま原型を留めていないバンパーにおもむろに手を突っ込み豪快に中の機器を引き抜いた
ファンベルトやエンジンなどの残骸が無惨に地面に転がる
そのまま一方通行はいつか宝探しでしたように千切っては捨ての解体作業を繰り返す


「止めろ…止めてくれ…」


解体音が足元にまで迫ってくる
ガクガクと震えたまま両手と右足でドアを開こうともするもびくともしない
蹴っていた右足を下ろし今度は体当たりをドアにし始める
ギシギシ…と僅かだが徐々にドアに隙間が生まれてくる

男の顔に微かな希望の色が出た

その一筋の希望に向け必死にドアに体当たりを繰り返す
しばらくするとガコンと何かが外れる音と共にドアがゆっくりと開いていった
急いで車から降りようとする男
しかし左足首に不意にやって来た妙な感覚に動きを止めた
恐る恐る自分の左足を確認する

そこには病的に白く細い手がクラッチペダルがあったはずの場所からぬうっと伸び男の左足首をがっしりと掴んでいた


「ひっ!?」


ずるずると引き摺られていく作業着の男
その先には一方通行の腕が伸びていた直径10センチにも満たない小さな穴しかない
骨と肉の潰れる音と男の断末魔が短く響く


ウインナー状になった男を投げ捨て一方通行は辺りを見渡した
月明かりに照らされた夜の雛見沢には動く物はもはや見当たらず虫の声一つも聞き取れない

月を仰ぐように一方通行は手を広げる

風一つ吹かない中一方通行の口元が僅かに上がっていく


──もはや全てがどォでもいい

──こんなにいい気分は久しぶりだった

──嫌、ここまでテンションが上がってしまったのは始めてかもしれない

──この爽快感、高揚感は今まで味わった事はなかった


一方通行「ククク…アハハ…ンはひゃ…ぎゃははハはぎゃハはヒャひゃヒャヒャひゃハはハはハハハ!!!」

静かな。ただ静かな夜に一方通行の狂笑は響き続けた
996 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/23(水) 07:34:30.28 ID:Xpww3lwDO
深夜、興宮署に一本の電話が鳴り響いた


「大石さーん。一般の方から外線でーす」


名前を呼ばれた大石はため息を吐いて吸っていた煙草を潰し電話に出る


大石「お待たせしました。大石です」

『お…大石…か?俺だ…』

大石「!?一方さん!?」

『あァ…』


荒い息が受話器越しに聞こえてくる
言い様の無い嫌な予感を感じとる大石


大石「こんな時間にどうしたんです!?今どこにいるんですか!!すぐそちらに行きますよ!!」

『ァァ…ゲボッ…もォ…無理…だ…ゲホッゲホッ』

大石(この咳は普通じゃない…嘔吐…まさか血!?既に犯人に教われている!?)

大石「一方さん!犯人は誰なんです!?」

『ォ…れ…俺も最初…犯人はヒトだって思っ…ガボッ』

大石「大丈夫ですか!?一方さん!!」

『オヤシロさゴボッ…まの…祟りなンざありゲホッガボッ…えねェ…って』

『でもガボッ…ォお…おぉオオオオゲバッ』



『オヤシロさまはいる』



『あのあとも…ガボッ…潰しても潰しても…ゲホッ離れることなく…つけてきやがって』

『今も俺の後ろにピッタリ張り付いて…ゴボッ』

大石「あなたの後ろに犯人がいるんですかっ!?」

『振り向ケるワケねェだろ…ゲホッゲボッ振り向いたら…ゲボッゲボッゴボッ』


一方通行の咳が次第に荒く増えていく


大石「お願いです!チラッと見てくれるだけでいいんです!!教えてください!!」


受話器の向こうからの反応はない
ゲボッ…ガボッ…ゴバッ…という咳と共にバリッ…バリッ…と妙な音が聞こえてきた


大石「…一方さん…あなた…まさか」


大石「喉を掻きむしったりしてないでしょうね…?」


ガシャァァン!と倒れ込むような音が受話器の向こうから響いてきた


大石「!一方さん?もしもし一方さん!?」


『ごめンなさい…ごめンなさい…ごめンなさい…ごめンなさい…ごめンなさい…ごめンなさい…ごめンなさい…ごめんなさイ…ゴメンナサイ…ゴメンナサィ…ゴメンナ』


何の誰に対する言葉かは大石には検討もつかなかったがその謝罪は電話が切れるまで延々と響きつづけた
997 :エピローグ〜とある畦道の夕暮れの中に〜 [saga]:2013/01/23(水) 07:46:20.81 ID:Xpww3lwDO
気づけば夕暮れの畦道を歩いていた
意識ははっきりしないが冷やされていく空気とひぐらしの鳴き声が妙に心地よい

これまでの事が上手く思い出せない

まるで夢と現実が混ぜ合わされているかのような感覚だ

いや、たぶんこれは夢なのだろう
恐らくこの夕暮れの風景が完全に闇に包まれたら自分はまた目を覚ますのだ

ふと右に目を向ける

そこには夕闇で顔ははっきりとは見えないがレナがいた


「──────」


彼女の言葉は聞き取れなかったが恐らくそれは優しい思いやりのある言葉なのだろう
今まで誰にもそんな言葉はかけてもらえなかった
友人として対等な目線での彼女の優しさは何よりも温かかった

そんなレナが大好きだった


次に左へ目を向ける

そちらには同じくはっきりと顔は見えないが魅音がいた

魅音はこちらの視線に気づくと踊るように体を回し数メートル先まで走っていった

明るく活発な彼女との思い出が浮かび上がってくる

休日を早く起きて遊び回るなんて以前の自分からしたら考えられない事だった
初めて心から気を許せる友になってくれた

そんな魅音が大好きだった

勿論この思いは自分が思っているだけの一方的な感謝で彼女らにとっては何の特別な事でも無いのかも知れない
ただ単に普通に雛見沢に来た転校生と打ち解けようとしていただけなのかも知れない
だけど自分はそれに救われた

そんな雛見沢の普通が大好きだった

気づけば辺りはますます暗くなっていた
二人の姿もかなり見えなくなっている

暗くなれば自分は違う状況で目を覚ますかも知れない
ならば最後に一つだけ言わなくてはならないことがある

自分を救ってくれたレナと魅音、そして雛見沢に。

心からの最初で最後の


「…ありがとう」


視界は完全に闇に包まれた
ひぐらしの声はまだ鳴き続けている
998 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/23(水) 08:31:37.36 ID:s69c1LpV0
>>1乙 第一位逝ったか…

999 :以下、名無しに変わりまして前原圭一がお送りします [saga]:2013/01/23(水) 08:43:06.04 ID:Xpww3lwDO
終わり!疲れた!
とりあえず質問に答えとくと

>>976最初の先回りは一方通行もあまり速度出していませんでしたし土地勘のあるレナが近道して回り込んだだけです
二回目のチラッと見たときは雛見沢症候群お馴染みの幻覚だと考えてください。大方農作業中の婆さんを見間違えたんです。
でその後がむしゃらに森を駆けてたら元の場所に戻ってきちゃった。といった感じですね

今まで読んでくださった方ありがとうございました

次スレは

とある一位の綿流し
http://ex14.vip2ch.com/test/mread.cgi/news4ssnip/1358897860/-20

で名前はミサカ17330号で行こうと思います

第二位は出てきません(笑)

それではまた次スレノシ
1000 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/23(水) 08:57:06.30 ID:SfPYf6Yu0
1001 :1001 :Over 1000 Thread
☆.。 .:* ゜☆.  。.:*::::::::::::::::゜☆.。. :*☆:::::::::::::::::: 。.:*゜☆.。.:*
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。.: *・゜☆.。. :* ☆.。:::::::::::::::.:*゜☆  :。.:・゜☆.。
::::::::::::::::: *=@☆.。::::::::::::::::::::::::::::::.:*・゜☆    =磨K☆.。
:::::::::::::::::::.:*・゜☆  :. :*・゜☆.::::::::::::::::::::::::::゜☆.
:  =: :   *  ゜☆.。::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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      `ー-、_    く´ =@    /     ヽ  
         ,!     `!  l              ヽ、__ノ    このスレッドは1000を超えました。もう書き込みできません。
         l     `! `! !              l
          l  . =@ ,=@ヽ、 、_ ,ィ      ノ               
         l、_,!   し'   l =@  `l     =@               ://vip2ch.com/
1002 :最近建ったスレッドのご案内★ :Powered By VIP Service
とある一位の綿流し @ 2013/01/23(水) 08:37:40.93 ID:Xpww3lwDO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1358897860/

YaCFbcDvjEQLafF @ 2013/01/23(水) 05:50:40.43 ID:vQa0Kx8S0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/operate/1358887840/

貴音「離婚します」 @ 2013/01/23(水) 05:36:03.84 ID:SLOLcvir0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1358886963/

P「サンキュー・マイ・トワイライト」 @ 2013/01/23(水) 05:32:28.09 ID:cAe2onWJo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1358886747/

男「天使だと?」天使「うんっ!」 @ 2013/01/23(水) 05:31:53.75 ID:2zKA0hj00
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1358886713/

磯野ーラジコンしよーぜー @ 2013/01/23(水) 03:55:23.15 ID:KQ0SwMLIO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1358880923/

uhcivCGkkGlxkr @ 2013/01/23(水) 03:44:32.11 ID:dK0f4Y8+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/operate/1358880271/

ここだけ男子高校ただしPCは男装少女PART42 @ 2013/01/23(水) 01:17:44.47 ID:lK3WerZro
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