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女「おはよー、男くん!」 男(……なにかがおかしい) -
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1 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/05/31(木) 19:58:34.16 ID:PtjlmfAk0
男「お、おはよう……」
女「? なんか最近、男くん元気ないね? なにか悩んでることでもあるの?」
男「え?(まぁ、あるにはあるんだけど)い、いや、特にないけど」
女「でも、一昨日くらいから、全体的にテンション低くない?」
男「そ、そう?」
女「うん。なんか私に隠してない?」
男「え、いや、特には、ないけど」
女「そっかー……。まぁ、いいや。話変わるけど、昨日の夜ねー……」
男(……おかしい。なにかがおかしい)
男(コミュ障、陰キャラの俺が、美人で評判の女ちゃんと一緒に高校に登校しているだなんて)
男(しかも、一昨日から数えて三日連続……。そればかりじゃない)
男(クラスで喋れる友人もキモオタくらいしかいなかったのに、最近はクラスメートはおろか、
他クラスのヤツまでやって来て、喋りかけてくる始末だ)
男(一体、俺に何が起きてるんだ? それとも、皆がどうかしてるのか?)
男(解せぬ)
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1338461913
(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)
1.5 :
荒巻@管理人★
(お知らせ)
[
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]: ID:???
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【シャニマス】ベジータ「ア、アルストロメリアだと………!」【ドラゴンボール】 @ 2025/04/08(火) 21:21:00.94 ID:ch+GxRTZo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1744114860/
どけ、馬鹿ども @ 2025/04/08(火) 17:50:19.05 ID:ZpOcDfR4O
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1744102218/
=^・ω・^= ぬこ神社 Part127《ぬこみくじ・猫育成ゲーム》 @ 2025/04/08(火) 15:05:35.64 ID:ORnLfiWxO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1744092335/
”巨大”とは感動である @ 2025/04/08(火) 01:19:24.07 ID:lXIr96Fs0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1744042763/
イキスギ龍戦隊 トコロテンリュウチャーン @ 2025/04/07(月) 23:14:15.12 ID:Wirs8NLuo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1744035254/
ブラックホールを利用したスイングバイですか @ 2025/04/07(月) 22:24:09.84 ID:cNeF3kS2o
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1744032249/
>>2
-
>>1000
←こいつらバカ @ 2025/04/07(月) 17:56:14.63 ID:EPGMr7I0O
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1744016174/
存在しないA雑の1コマbot @ 2025/04/07(月) 15:38:34.09 ID:ftcC9QE7o
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1744007913/
2 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(秋田県)
[sage]:2012/05/31(木) 20:10:56.29 ID:crELiT4vo
長くなりましたがこのSSはこれで終わりです。
ここまで支援、保守をしてくれた方々本当にありがとうごさいま した!
パート化に至らずこのスレで完結できたのは皆さんのおかげです (正直ぎりぎりでした(汗)
今読み返すと、中盤での伏線引きやエロシーンにおける表現等、 これまでの自分の作品の中では一番の出来だったと感じていま す。
皆さんがこのSSを読み何を思い、何を考え、どのような感情に浸 れたのか、それは人それぞれだと思います。 少しでもこのSSを読んで「自分もがんばろう!」という気持ちに なってくれた方がいれば嬉しいです。
長編となりましたが、ここまでお付き合い頂き本当に本当にあり がとうございました。
またいつかスレを立てることがあれば、その時はまたよろしくお 願いします! ではこれにて。
皆さんお疲れ様でした!
3 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/05/31(木) 20:14:57.63 ID:PtjlmfAk0
>>2
解せぬww
4 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2012/05/31(木) 20:17:36.16 ID:nwfpbdlY0
What!?
5 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/05/31(木) 20:20:41.97 ID:ylhgZFqyo
まあ改行しようか
6 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/31(木) 20:27:38.58 ID:7Kg72TYDO
…ゑ?わけがわからないよ
7 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/31(木) 20:30:47.08 ID:Uk7/8OqIO
さあ
>>3
よ、気にせず続けてくれたまへ
8 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)
[sage]:2012/05/31(木) 20:49:32.18 ID:xuWOw7SKo
その臭いVIPのノリはやめてください
9 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/05/31(木) 20:52:41.47 ID:PtjlmfAk0
男(……まさか、友達の少ない哀れな俺を皆で弄って遊ぼうとしてるのか?)
男(友達面して近付いて、俺がいい気になって心を許した瞬間……)
男(女「ばーか、こっちはお前の友達のフリしてただけなんだよ!
一時でもリア充の気分が味わえて良かったなぁ、負け犬ぅ!!」)
男(クラスメート「ははは! いきなり皆に囲まれてキョドってるお前、超面白かったぜぇ!!
そんなだから、友達できねぇんだよ、このキョロ充!!」)
男(こんな感じに皆で結託して俺を笑いものにしようとしてるんじゃないだろうか……)ガクブル
女「でねでねー……。って、聞いてる? 男くん?」
男「え? い、いや、ごめん。聞いてなかった。あの、ま、まだ、ちょっと眠くて、意識が……」キョドキョド
女「ふーん。 男くん、なに、夜更かしでもしちゃったの?」
男「あ、うん、そうなんだよ……。な、なんか眠れなくてさー」キョドキョド
女「ふーん……。(んー、なんだろう。最近の男くん、よくどもってる……)」
女(それに、こんなに挙動不審だったっけ? うーん……なんかおかしいな……)
女「まぁ、いいや。夜更かしは美容の大敵だから、気をつけてねwwww」ニコッ
男「お、おうふww (やべ、おうふwwとか言っちゃった。つーか女ちゃんの笑顔かわええ)」ニヤニヤ
女「……。(やっぱり、おかしいよ……。いつもの男くんなら、「男の美容なんて気にせんでええわ、ボケwwww」とか
なんとか言って、面白い返しをしてくれるのに……。なんか、いつもの男くんじゃないみたい……)
10 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/05/31(木) 21:01:30.86 ID:PtjlmfAk0
今更こんなこと言うのもなんですが、自分初心者ですし、書くのも遅いです
完結できるかどうかすら未定ですが、頑張ります
11 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/05/31(木) 21:33:56.97 ID:PtjlmfAk0
10分後。
高校
チャイム「キーンコーンカーンコーン」
ウザ男「よぉーっす、男! 今日も女と仲良く登校かよ、妬けるねぇ〜」
男「おふww や、やめてくれよ」
ウザ男「……なに、照れてんだよ? お前らしくもないww」
男「お、おふww」
男(くっそ、クラス一のお調子者、煽り上手のウザ男に下駄箱で鉢合わせとは……運が悪いな)
男(でも、いつものウザ男なら「今日もシケたツラしてやがんなー。ぷぷっ」みたいに滅茶苦茶コケにしてくるのに)
男(今日は大人しいな……。あ、でも、昨日昼休み会った時もこんな感じだったか?)
男(やっぱり、こいつも俺を笑いものにするため、一役買ってるんじゃないだろうか……)
女「あれ、ウザ男じゃん、おはよ」
ウザ男「女さん、チャース!」
女「元気でよろしい」
男「おうふww」
男(しかし、こうなると、誰も信じられないな……。女さんがそんな人だなんて思いたくもないけど、
俺を笑いものにするため、仲良いフリをしてる可能性がないわけじゃない)
男(大体、突拍子もなさすぎる。友達ってのは、そんなに急にたくさんポンとできるもんじゃないだろうし)
男(加えて、クラスのマドンナ的女性と三日連続で登校するなんてことが起こりうるわけがない)
男(これは罠だ……。間違いない。俺を躍らせて陰で馬鹿笑いする魂胆なんだ……)
男(そうでもなきゃ、こんな風に女さんと登校していることや、
クラスメートが突然フレンドリーになったことの説明がつかないしな……)
男(くそ、なんて非道な真似をするんだ……。そこまでして俺のメンタルを粉々にしたいのか……?)
男(俺が何したっていうんだ……)
12 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)
[sage]:2012/05/31(木) 21:51:41.71 ID:xuWOw7SKo
>>10
おう頑張れ!
でも完結無理だと思ったらオチだけでも教えてね
何かモヤモヤするから
13 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/05/31(木) 21:55:43.73 ID:PtjlmfAk0
>>12
最悪の場合、箇条書きみたいな感じで終わらせるかも
完結できるよう善処します
14 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/31(木) 22:04:02.89 ID:xPm+SJ8bo
完結出来なかったら継ぐぞ
みんなが良かったらの話だけどね(レベルが下がると思うので…)
俺も
>>1
が考えてるオチは知りたいし
15 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/05/31(木) 22:11:50.10 ID:PtjlmfAk0
>>14
分かった。俺がダウンしたら、その時は任せます
16 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/05/31(木) 22:13:00.21 ID:PtjlmfAk0
クラス「ガヤガヤ」
男(ふむ。ハメられている事が分かっていて、大人しくハメられるのも癪だし)
男(とりあえず、何か手を打たねば……)
男(一昨日や昨日は、一方的に話しかけてくる奴等と戸惑いつつも結構楽しげに会話してしまったしな)
男(それこそ、奴等の思うツボだ。今日は一転して、まるで興味がない態度でも取っておくか)
イケメン「よぉ、男。おはよう」
男「おふっ!」ビクッ
イケメン「? なんだよ、ビクビクして……?」
男(き、気をつけろ!こいつはクラス一のイケメン。ルックス良し、性格良し、床上手の三拍子そろったリア充野郎だ!
隣りにいるだけで、どんな男もただの引き立て役と化すぞッ!)
男(しかも、先日からやけに馴れ馴れしく近寄ってくる所から予想するに、
どうやらこいつも俺を笑いものにしようとしている連中の一味らしい)
男(最悪だ……。俺はなんという男を敵に回してしまったんだ……)
イケメン「男……? 聞いてる?」
男「え、あ、あぁ。すまん、ボーッとしてた。その、寝不足なもんで」
イケメン「そかそか。確かに、浮かない顔してるもんな。まぁ、一限は日本史だし、なんなら寝たら?」
男「(ここはテキトーに相槌でもうっとくか)あ、うん」
イケメン(……男の奴、最近、どうもリアクション薄くなってないか? 具合でも悪いのかな……)
男(……ふぅ。まぁ、他の奴もこんな感じであしらっとけばいっか。つれない態度をとられても、寝不足理由にすれば、
相手もなんも言えないだろうし)
男(その内、相手も飽きてきて、俺を構わなくなるだろ。よし、それまでの辛抱だ……)
17 :
◆4DdXUijRKqnC
[sage]:2012/05/31(木) 22:59:23.30 ID:PtjlmfAk0
ロリ顔「おっはー。男ー」
男「お、おっふー」
男(この子は、クラス一の童顔少女、ロリ顔! 顔と態度は、幼女同然だ!
だが、気をつけろッ!天真爛漫なその笑顔は、見る者全てをロリコンという状態異常に誘うぞ!)
ロリ顔「んー? 難しそうな顔して何考えてるの? ねぇねぇ」
男「え、いや、別に、おいたんは……おふんおふん」
ロリ顔「?」
男「な、なんでもないよ。そ、それよりロリ顔さん、俺に何か用でも?」
ロリ顔「え? あ、そうだった。男にね、言いたいことがね、あったんだけどねー」
男「ふむふむ」
ロリ顔「……忘れちゃった」
男(くっ、予想以上の可愛さだ! 今まで全然話したことがなかったから、分からなかったけど、
このロリ顔、とんでもない破壊力を秘めたロリコンホイホイだ!)
男(つーか、この子も急に俺に話しかけてくるようになったよな。二日ほど前……つまり一昨日から、唐突に)
男(まさか、こんな無邪気な顔をしておいて、裏では俺をハメようとしている輩と手を組んでいるのか……?)
男(でも、確かに、女さんと俺が一緒に高校へ行くようになったのも一昨日から……。
クラスメート達が俺に話しかけるようになったのもちょうど一昨日からか……)
男(そうなると、連中が俺をハメようと動き出したのは、一昨日という考えに至ることになる)
男(ということは、やっぱりロリ顔も……)
男(疑心暗鬼とはこの事か……。連中もなかなかえげつないことをしやがる……)
ロリ顔「男……?」
男「あ、はいはい。えっと、い、言いたいことは思い出せた?」
ロリ顔「うーん、無理っぽいや。思い出したらまた来るね、ばいばい」
男「あ、う、うん(ばいばいって、お前、俺の席の右隣りだろ……。解せぬ。まぁ可愛いから許すけど)」
ロリ顔(……。うーん、男、元気ないのかな……。いつもみたいに構ってくれないし……。むー)
男(しかし……信じたくはないが、ロリ顔もどうやら俺をハメようとしている連中の仲間のようだ……)
男(くっ、連中め、ロリ顔まで巻き込むなんて許せない……)
男(こうなったら、首謀者を見つけ出してやる。俺を落としいれ心を折り、絶望させようと企んだそいつのその面
殴ってやるまで、俺は諦めずに戦い続けるぞ!おふっ!)
18 :
◆4DdXUijRKqnC
[sage]:2012/05/31(木) 23:00:33.11 ID:PtjlmfAk0
とりあえず今日はここまでです
あと一応トリ付けてみました
19 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/31(木) 23:01:26.02 ID:Qz/tn0v2o
乙
期待してます
20 :
◆4DdXUijRKqnC
[sage]:2012/06/01(金) 22:16:57.84 ID:yVsnRoRY0
男(しかし、そう決意したものの……、どうやって首謀者を探ろう……?)
男(容疑者候補が多すぎて、現段階じゃ絞るのは無理そうだよな……。
ひとまず、俺の数少ない友人、キモオタにでも相談してみるか)
キモオタ(……ふぅ。疲れたでやんし。たった五分とはいえ、いつもいつも高校まで徒歩で行くのは疲れるでやんし)
男「おはよう、キモオタ」
キモオタ「!?」ビックゥ
男「……? どうした? いきなり飛び跳ねたりなんかして」
キモオタ「な、なんでもないでやんし。おはようでやんし。(こいつは、クラス一の人気者、男でやんしぃぃ!!
顔はブサいのに、その明るさと抜群のギャグセンスによって、人望を獲得した、ミラクルボーイでやんし!)
キモオタ「それで、僕に何か用でもあるでやんし?」
男「(なんだ? キモオタの奴、妙に余所余所しいな……)まぁな。キモオタにちょっと相談したい事があってさ……」
キモオタ「相談? なんでわざわざ僕に……? 男なら、もっと相談役に適した友人がいるでやんしょ?」
男「おいおい、つれない事いうなよ。確かに最近はどうも友人気取りの阿呆が大量発生してるみたいだけど……。
本当に頼りになるのは、キモオタ、お前だけだよ」
キモオタ「……。( 本当に頼りになるのは僕だけ……?笑わせるなでやんし。
男とは今日初めて言葉を交わした関係なのに、何を馬鹿げたことを言ってるでやんし?)」
男(あれ? なんで、キモオタ黙ってんだ? 俺が急に人気者みたいな扱い受けてるのが、気に入らないのか?)
チャイム「(本鈴だよー)きーんこーんかーんこーん」
男「おっと、鳴ってしまったか。まぁ、後ででいいや。キモオタ。あまり他人には聞かれたくない相談なんだ。
HRが終了したら、男子トイレの一番奥の個室で待っててくれ。そこで落ち合おう」
キモオタ「(なんだかよく分からないけど)分かったでやんし。力になれるかどうかは分からないけど、
聞くだけ聞いてみるでやんし」
21 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/02(土) 15:34:17.67 ID:OQhFmdHoo
おもしろーい 期待して待っとります
22 :
◆4DdXUijRKqnC
:2012/06/02(土) 23:31:57.90 ID:I9tC5/r+0
HR終了後 男子トイレ
キモオタ「とりあえず来てみたでやんし」
男「おお、キモオタ、来てくれたか。そう遠慮せず、座るなりして寛いでくれ」
キモオタ「家に遊びに来た友達に対する定型句を今使わないでほしいでやんし。ここトイレでやんし」
男「まぁ、そう言わずに。座って、座って」
キモオタ「……分かったでやんし。便器を使わせてもらうでやんし。それで、相談ってなんでやんし?」
男「ふむ、そうだな。そろそろ本題に入るか。だが、その前に、約束してくれ。
今から言う事は、誰にも言わないで欲しいんだ」
キモオタ「分かったでやんし。たとえ拷問されようと他言はしないでやんし」
男「よろしい。じゃあ具体的に現状を説明していくとするか」
男「キモオタも分かっているとは思うけど、何故か最近、俺はやたらとクラスメートに親しげにされるんだ」
男「男子生徒の憧れ、女さんと一緒に登校することになったり、今まで話したこともない奴や、
名前も知らない他クラスの生徒にまで声をかけられるようになったりと、俺の生活は一昨日を機に激変した」
男「だが、普通は、そんな皆の一変した態度を素直に受け止められるはずがない。
当然、これは裏で何かあったな、と俺も思ったわけだ」
男「それで思い当たったんだが……もしかしたら、俺は複数人の人物から、からかわれているのかもしれない」
男「友達の少ない俺に親しく接し、俺が心を許した瞬間を見計らって豹変して馬鹿にしようという謀略に
ハメられかけているんじゃあないだろうか、とね」
男「元から俺はイジられキャラな所もあるし、今回皆が友達ぶってるのも、
そんな悪戯のうちなんじゃないかと、なんとなく感づいたんだよ。
男「まぁ、あくまで推測だから決め付けられないけど……正直、これ以外の可能性はないと思ってる」
男「さて、それをふまえた上で、キモオタに相談したいんだけど、その前に、意見を聞かせて欲しい」
男「キモオタはこの事をどう思う? これ以外の可能性はないなんて言ったけど、キモオタはどう考えるか知りたいんだ」
男「俺が急に人気者になったのは何故だと思う? 正直な意見を聞かせてくれ」
キモオタ「……」
23 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(ロアナプラ)
[sage]:2012/06/03(日) 00:29:46.77 ID:gno3n0rs0
キモオタ&俺「黙れこのリア充」
24 :
◆4DdXUijRKqnC
[sage]:2012/06/03(日) 14:19:22.17 ID:aA57EjB70
>>23
正論すぎるwwwwww
25 :
◆4DdXUijRKqnC
[sage]:2012/06/03(日) 15:16:00.41 ID:aA57EjB70
キモオタ「……。一つだけ聞きたいことがあるでやんし」
男「なんだ?」
キモオタ「男は本当に、一昨日からクラスメート達が親しげになり始めたと、そう思っているのでやんしか?」
男「随分と変な質問だな。ずっと俺とつるんでたお前なら、聞くまでもないだろう?
親しくも何とも無い連中に、俺が突然絡まれるようになった事なんて」
キモオタ「そうでやんしか……。男がそう断言するのなら、僕も自分の意見をキッパリ言わせてもらうでやんし」
キモオタ「男とクラスメートが仲良くなり始めたのは一昨日なんてそんな最近の事じゃないでやんし」
男「……は?」
キモオタ「今より半年前の入学当初、既に男はクラスの大多数の人間と友好関係を築き上げていたでやんし」
男「……なに、デタラメ言って……」
キモオタ「そして、僕と男は半年前からつるんだことなんて一切無かったでやんし。
関わりも、喋ったことすらも、無かったでやんし。男と話したのは、ついさっきが初めてだったでやんし」
男「…………言ってる意味がよく、分からない。ふざけてるのか?」
キモオタ「僕は大真面目に言ってるでやんし。それに僕から言わせれば男の方こそふざけているように思えるでやんし」
男「は? 俺だって大真面目だぞ? つーか、キモオタ、お前は俺と過ごした半年を忘れたっていうのか!?」
キモオタ「忘れるも何も、男と過ごした日々なんてもの、僕の中には存在しないでやんし。
逆に男が忘れたんじゃないでやんし? 女さんや、イケメンや、ロリ顔と過ごした半年間を」
男「そ、そんな充実した半年を俺が送ってるわけないだろ!? 俺は、お前以外に友達なんていなかったんだ。
俺の中には、お前と過ごした半年間しか存在しない!」
キモオタ「……そこまで言うなら、証拠を見せるでやんし」
男「証拠……?」
キモオタ「そうでやんし。これ以上、言い争っても埒が明かないのは薄々分かっているでやんしょ?
話を進めるには証拠の提示が必要でやんし。
男は、『この半年間、男がキモオタと過ごしたという証拠』を。
僕は、反対に『この半年間、男がクラスメート達と過ごしたという証拠』を見せるでやんし」
男「なるほどな。確かに、これ以上言い合っても時間の無駄みたいだ。一限も、もうすぐ始まるしな」
チャイム「(予鈴だよー)きーん(ry」
キモオタ「おっと、もうこんな時間でやんしか」
男「よし、それじゃあ、一限終了後、もう一度、男子トイレに集合だ。
今度はお互い、証拠を持ってな」
26 :
◆4DdXUijRKqnC
[sage]:2012/06/03(日) 16:11:58.73 ID:aA57EjB70
チャイム(本鈴だよー)き(ry」
男(……キモオタの奴、どうしたんだろうな。この半年間のことを忘れてしまったのか……?
いや、でも、都合よく俺と友達だったって事だけ忘れてるし、記憶喪失の線は薄いか」
男(なら、俺がリア充同然の生活を送っていることに嫉妬して、あんな意地悪な事を言っているのか?
いや、でも、キモオタは三次元の恋愛云々にあまり興味はないしなぁ」
男(……まさか、俺をハメようとしている連中とグルだったりして)
男(なに言ってるんだ、俺は。友達を疑うなんて最低だぞ)
男(とりあえずは、俺とキモオタが友達だという証拠とやらをあいつに突きつけてやるか。
そんなもん、テキトーに携帯の中、漁ってれば出てくるだろう)
教室ドア「ガラガラ」
日本史教師「はい、はい。皆、席ついてー。日直さん号令ー」
日直「きりーつ。礼、ありがとうございましたー。先生、もう帰っても結構ですよ」
日本史教師「何しに来たのよ、私は。はい、ふざけたこと言ってないで、始めるよー」プクー(頬膨らませてる)
男(こいつは、日本史教師ッ! 20代前半で教師歴はまだ浅いッ!
故に授業にまだ慣れておらず、生徒に対する距離感もまだ掴めていないため、
授業中は居眠り、内職、グ○ーにモ○ゲー、なんでもやりたい放題だぜッ!
あと、イジると拗ねるぜ、可愛いぜッ!)
男(まぁ、何が言いたいのかというと、今のうちに、証拠とやらを押さえておこうというわけだ)
男(先生は戦国武将の魅力を伝える事に夢中だし、地味な俺に話題が振られることもないだろう。
今なら、携帯イジっててもバレないはず……!!)
27 :
あなるユルユル右衛門
◆ANALVIP.zA
[sage]:2012/06/03(日) 16:48:45.66 ID:Atg6d54Ro
更新マダー?
28 :
◆4DdXUijRKqnC
[sage]:2012/06/03(日) 17:12:00.79 ID:aA57EjB70
男(手始めにメールから見てみるか。確かこの前、キモオタからメールが来てたはず……。
それを見せれば、キモオタも『男とは今日初めて喋ったでやんし』なんてこと二度と言わないだろう)
携帯ポチポチ
男(あれ……? ない……。おかしいな、確かにメール来たはず、ってなんだこりゃ!?)
男(キモオタの代わりに、女さんやらイケメンから来たメールがあるぞ!? しかも一昨日より前に!)
男(どういうことだよ、俺は女さんのメアドなんて知らないぞ……?電話帳に登録してあるのだって、
マミーにパピーにシスターに、あとキモオタのだけなはず……)
携帯ポチポチ
男(な、な、なんじゃこりゃあああ!!)
男(電話帳登録件数200ぅ!!? 気持ち悪っ!! いつの間に!? スタンド攻撃か!?)
男(女さん、イケメン、ロリ顔のアドレスまで……何故か、ウザ男のも登録してある。
つーか、クラスメートのアドレスはほぼコンプリートしてんな)
男(他のクラスっぽい奴もちょこちょこ混じってるし……、佐藤、山田、高橋、ロドリゲス。
いや、ロドリゲス誰だよ。流石に知らねぇよ、こんな奴!!)
男(……でも、キモオタのメアドだけは無い……。……そんな、嘘だろ?
俺が消すはずないし、誰かに消されるような不覚を見せた覚えもない)
男(そして、このありえない数のアドレス登録数)
男(これは、誰かが俺の事をハメようとしたなんてレベルの細工じゃあない。
しかも確認してみるに、どうやらキモオタの言う通り、俺は半年前から女さん達とメールをしているようだ……)
男(馬鹿な。意味が分からん。これじゃあ、まるで、俺が入学当初からクラスに溶け込めているリア充野郎で、
キモオタとは親しくともなんともなかったみたいじゃないか)
男(寧ろ、この携帯自体が、それを裏付ける証拠そのものと化していると言ってもいい。とんでもない捏造だ)
男(くっ、現状がさっぱり掴めなくなってきたぞ……。俺は本当に、何者かにハメられてるだけなのか?)
男(もっと、何か、深い事件に巻き込まれてしまったんじゃないか……?)
男(くそ、分からない……)
29 :
◆4DdXUijRKqnC
[sage]:2012/06/03(日) 18:26:53.51 ID:aA57EjB70
男(一つ言える事といえば、事情がより複雑になったために、
頭の切れるキモオタの協力が必要不可欠なものとなったということだけだ)
男(こうなった以上なんとしてでも、証拠を押さえ、キモオタの信用を得なければ……!!)
男(しかし、どうしよう? 正直、この携帯からはキモオタと俺の仲を証明してくれそうな情報が
出てくる気がしないんだよな)
男(そうだ。だいぶ前、キモオタの家に行ったとき、なんか全裸の女の子の絵が描かれてる抱き枕があって……。
俺はそれを写メに残したんだっけな)
男(悪戯心からずっと取っておいた“はず”なんだけど……やっぱり無いか)
男(代わりに、撮った覚えのない写真が大量にあるな……)
男(ん? 海? 海水浴場か、これ。って、うおおおおおおおお!!?)
男(ちょ、なんだ、これぇぇ!! これって、アレ、お、女さんの着替えシーンじゃねぇかああ!!!
どーゆーこと、これ! なんでこんな写真が俺の携帯の画像フォルダに!?
女さんが、服脱いで、ビキニに着替える所まで総計50枚あるぞ、オイ!!
す、素晴らしいッ!素晴らしいけど、更衣室のセキュリティずさんすぎて心配だわ!!
いや、でも、イイ! これイイ! 女さん、マジ天使! マジ全裸!
くっ、マズイ、この画像は俺みたいなチェリーには早すぎたようだ――――ッ!)
男「ジ、ジーザス!!!」ブシュウ〜〜ッ
クラス一同「!!?」
ウザ男「なんか知らんが、男が鼻血噴いてぶっ倒れたぞwwwwwwww」
ロリ顔「おぎゃあああああああ!!」
イケメン「出血量が尋常じゃない!!」
女「こ、この中にお医者様はいませんか〜!!」
日本史教師「皆、落ち着いて! 新種のウイルスかもしれないッ! 救護班は何しているのッ!?」
ロドリゲス「お前が落ち着け」
日直「とりあえず、男を保健室に運ぼう! キモオタ、お前保健委員だろ、手伝ってくれ!」
キモオタ「わ、分かったでやんし!」
イケメン「俺も運ぶの手伝うぞ!」
ロドリゲス「よし、お前ら、男は頼んだぞ!」
30 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/06/03(日) 19:31:21.15 ID:ZtG1jJm/0
見てる
31 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/03(日) 19:32:39.19 ID:ehN+oahy0
もっと
32 :
◆4DdXUijRKqnC
[sage]:2012/06/03(日) 21:17:21.64 ID:aA57EjB70
保健室
男「……。うーん」ハッ!
男「あ、あれ? なんで、俺ベッドで寝てるんだ?」
キモオタ「男は授業中、鼻から血を噴いて倒れたんでやんし」
男「うお!? キモオタいたのか!!(授業中倒れた……? あ、そうか。
俺、携帯の画像フォルダでいかがわしいヌード写真見つけて……それで鼻血出して昏倒したのか。
今時、興奮して鼻血噴出するとか最悪だな、俺)……そうだ、俺の携帯は!?」
キモオタ「それならここにあるでやんし。あとイケメンが『授業中なんつーモノ見てんだ、お前は。自重しなさいwwww』
って言ってたでやんし」
男「そ、そっか。ありがとう。(おふぅぅぅぅ!! イケメンにバレちまったよ、おい!
……でも、まぁ、女さんにバレるよりはマシか……。あとでイケメンに釘刺しとかないと)」
男「……で、もしかして、キモオタが倒れた俺を保健室まで運んでくれたのか?」
キモオタ「日直とイケメンも手伝ってくれたでやんし。それから保険医曰く、鼻血による貧血で倒れたらしいでやんし」
男「そうだったのか。悪い、ありがとな、わざわざ。しかも、俺が起きるまで待っててくれたのか」
キモオタ「まぁ、待ったといっても10分くらいだったでやんし。
イケメンと日直は一旦帰ったけど、僕は保健委員だし合理的に授業をサボれるから残る事にしたんでやんし。
それに、男とさっきの話の続きをしたかったでやんしね」
男(あー、そうだった。しまった、俺、証拠見つけてねぇじゃん。
見つけたのは精々、俺が女さん達と友達で、キモオタとはなんの関わりもないことを証明するもんばっかだったし)
キモオタ「早速でやんしが、証拠はあったでやんし?」
男「……そうだな。『この半年間、男がクラスメート達と過ごしたという証拠』なら腐るほど見つけたな」
33 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/03(日) 22:55:18.63 ID:C8KFFx3v0
これは期待
34 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[sage]:2012/06/03(日) 23:12:23.60 ID:LCvbd97Jo
おもしろそうだよ
35 :
◆4DdXUijRKqnC
:2012/06/07(木) 21:34:14.73 ID:jr+iE+ZL0
キモオタ「そうでやんしか。僕としては証拠を提示する手間が省けて良かったでやんしが……。
肝心の『この半年間、男がキモオタと過ごしたという証拠』は見つかったでやんし?」
男「……いや、残念ながら物的証拠は見つからなかったよ」
キモオタ「やっぱり」
男「でもな。人的証拠ならある」
男「俺自身の記憶……、半年間、お前と過ごした思い出なら、俺の頭の中に入ってる」
キモオタ「……なら、それを証明して欲しいでやんし」
男「ああ、当然だろ。例えば……そうだな。キモオタはアニメキャラクターの全裸抱き枕を持っている。
確か、あずにゃんとかいう名前だったな。違うか……?」
キモオタ「……!?(そんな、あずにゃんの人形の存在は家族にも知られていないはずなのに!?)」
男「それだけじゃない。キモオタは、しばらく前、痔で苦しんでたよな。でも夏休みの間に手術して完治させた。
手術後、歩き方がぎこちなくてつい笑っちゃった記憶がある。悪気はなかったんだけど、すまんな」
キモオタ「そ、そんな事まで……っ!?」
男「あと、キモオタの二つ年上のお姉さん。背中に超特大のほくろがあって、
それがコンプレックスなんだって言ってたよな」
キモオタ「……最近二つに分裂したらしいでやんし」
男「マジかよ、ほくろって成長すんの!?」
キモオタ「知るかでやんし」
36 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/08(金) 08:11:05.03 ID:EqkwzfUDO
>>1
乙
個人的に初めて見るタイプの記憶改変モノで楽しみ
37 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/06/11(月) 08:04:03.28 ID:fLR8PSrbo
キモオタの語尾が残念だけど面白いな
38 :
◆4DdXUijRKqnC
[sage]:2012/06/12(火) 21:26:35.52 ID:T0W5OYz90
男「まぁ、お姉さんのほくろ云々は置いといて。……ざっと、こんなもんか。
これが、俺の証拠だよ。俺がキモオタといた半年間の中で知った個人情報だ。
間違ってることはあったか?」
キモオタ「……いや、無かったでやんし。全て事実でやんし……」
男「そうか。じゃあ信じてくれるか? 俺がこの半年間、お前と一緒にいたという事を。
まだ信じられないうえでキモオタが望むなら、俺の知ってるお前の秘密をこの場で言ってみせてもいい」
キモオタ(……確かに今、男の言っていたことはまぎれもない事実)
キモオタ(しかも、僕となんら関係のない人間なら知っているはずもないものばかりでやんし)
キモオタ(でも、まだ決定打が足りないでやんし。
この程度の情報なら、姉さんから聞き出そうと思えば聞き出せるでやんし)
キモオタ「じゃあ念のため、一つ要求するでやんし。家族にも詳しいことは言ってない、僕の趣味……。
もし、答えられたら信じるでやんし」
男「趣味? 趣味、か……」
男(うーん……。代表的なのは、アニメ鑑賞、フィギィア収集、聖地巡礼かな。
キモオタはこれでも多趣味な奴だから、実際思い返してみると十個以上趣味持ってるな……)
男(でも、家族にも言っていない趣味か。 多分、上記のは家族も公認している類のもんだろうし……。
だとすると、もしかしたら……)
男「なんとなく見当がついたよ。誰にも言ってない趣味とは思ってなかったけど、
確かに家族に言い辛い趣味ならお前から直々に暴露された覚えがある。まぁ、お前は覚えていないようだけど」
キモオタ「……もったいぶらずに早く言うでやんし」
男「分かったよ、ほら、確かアレ作ってんだろ、匿名で。題名は忘れたが、触手ものの同人誌」
キモオタ「っ!!?」
男「確か、あれは夏休みが始まる前のことだったよな。
お前の家で遊んでた時さ、おもむろに薄い本渡されて、開いてみたら、
女の子達がヌルッヌルの触手に終始犯され続けてるヤツ」
キモオタ「な、なんで……そんなこと……」
男「あれには吃驚したな。でもって『これなんだよエロ本じゃねぇか』って突き返したら、
『男、僕と一緒に同人誌を作ってみないでやんし?』って何故かキメ顔で勧誘されたんだよ。
まぁ、断ったけどな。本は借りたけど」
キモオタ(ば、馬鹿なでやんし!!? 家族に言ってない趣味って、僕としてはエロゲ実況プレイのことだったでやんし!
なのに、男はその一歩先……、僕が秘密裏に同人誌を作成していることまで知っているだなんて!?)
男「まぁ、これ以外で言うなら、ニコ動にエロゲの実況プレイを投稿してることとかか?
実際、これも家族には言い辛いし、知られたくないことだよな」
キモオタ(やはり、エロゲ実況プレイのことも知っているでやんし!
これじゃ本当に、僕と男は半年間仲良かったようでやんし……。
そんなはずがあるわけないのに……。おかしい、何かがおかしいでやんし)
39 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/06/14(木) 07:41:31.43 ID:RYlUq17Io
キモオタなかなかやるなww
40 :
◆4DdXUijRKqnC
[sage]:2012/06/21(木) 22:24:19.11 ID:wmUG0dMt0
キモオタ「……男、どうして君はそこまで僕の個人情報を……」
男「そりゃ、友達だからだよ。まだ日は浅いけど、友達ならこれくらい知っててもおかしくないだろ?
いや、普通は知ってたら流石におかしいのもいくつかあったけど……」
キモオタ「……」
男「とにかく、俺はお前の質問に答えた。キモオタの望んだ答えかどうかは分からないけど……さぁ、どうなんだ。
信じてくれるのか……?」
キモオタ「……さっきの問いは、どうせ分からないだろうから、信じるとか言ったでやんしが、
いざ、正しい解答をされたところで、信じることはハッキリ言って、無理でやんし」
キモオタ「僕が男と仲が良いだなんて話、半年間女さんやイケメン達と仲良くしていた男を見てきた僕からすれば……、
半年間孤独に過ごした僕からすれば、妄想乙、の一言で一蹴できる戯言でやんし」
男「そんな……」
キモオタ「でも、僕の秘密をここまで知ってることには、驚いたでやんし。
そして、恐怖が湧くと同時、男の戯言を少しだけ信じてみたくなった自分がいたでやんし」
男「…………つまり」
キモオタ「僕は男の話を信じたわけではないでやんしが、男の話に興味が湧いたのでやんし」
キモオタ「だから、男の戯言に少しだけ付き合ってみることにしたでやんし」
男「キモオタ……!」
男「良かった、ありがとな、キモオタ……。
どうやら、俺は、一人ではどうにもならない規模の事件か、何かに巻き込まれているみたいなんだ」
男「このおかしな事件の原因究明と、事態解決をするために協力して欲しい」
キモオタ「……了解でやんし」コクリ
41 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/26(火) 19:47:06.75 ID:SIkCpWf4o
これなかなか面白いな。
今後の展開が楽しみ
42 :
◆4DdXUijRKqnC
[sage]:2012/07/02(月) 20:39:40.94 ID:Q3+12pFI0
キモオタ「それじゃあ、手始めに男の主観で、男の置かれた状況を整理するでやんし」
男「そうだな。メモの方は頼むぞ。
まず俺はクラスに居場所がなく、半年の間ずっと友達と呼べる友達はキモオタくらいしかいなかった」
男「ところが一昨日を境に、ろくに喋った事もないクラスメート達から突然話しかけられるようになった。
それどころか、女さんと一緒に登校したり、皆に囲まれて弁当食べたり、
俺の生活は、あれほど憎んでいたリア充のそれに一変したんだ」
男「だが流石に現実的に考えて、俺みたいな陰キャラに理由もなくいきなりこんな友達ができるはずもない。
そう思った俺は、友達のいない俺をからかおうと企む、クラスメート達による悪ふざけだと考えた」
男「そして、どうすればいいか、唯一の友人、キモオタに相談すべく話を持ちかけたところ意外な答えが返ってきた」
男「俺は、一昨日よりずっと前、具体的には半年前からクラスの皆と友達だった、と」
男「そして、その発言を裏付ける証拠もちゃんと存在していた。
俺の覚えている限りでは、ただエロ動画やエロ画像を見る以外、特に使い道のなかった携帯電話が……
この通り、200件近い友達のメアドを保有する、別人の携帯電話のようになっていたんだ」
男「勿論、別人の携帯電話ではなく、紛れも無い俺の所有物だぞ?
その中身は別人のだとしか思えないものだったけどな」
男「中でも女さんを筆頭としたクラスメート達との半年間に渡るメールは、
俺が半年前からクラスに溶け込めていたというキモオタの言い分に対する揺るがない証拠となった」
男「単純な悪ふざけでここまでの工作は無理だろうし、何よりここまでやる意味もない。
こうなると、タダの悪ふざけなんて甘っちょろいものに巻き込まれたわけじゃないと、俺は確信した」
男「ならば、俺に一体何が起きているのか……? それを、今現在考えているわけだ。
……よし。我ながら上手くまとめられたと思うんだけど、どうだ? キモオタ。メモはとれたか?」
キモオタ「とれたでやんし。これで、状況がよく分かるでやんしね」
男「そうだな」
キモオタ「……ところで、男。話が変わるでやんしが、さっきはどうして突然鼻血を噴いて倒れたでやんし?」
男「え」ギクッ
キモオタ「今はなんともなさそうでやんしが……さっきは何があったでやんし?」
男「そ、それは、ですねー……。真に、言いにくい話ではあるんだけれど……」
43 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/07/02(月) 20:47:28.34 ID:Q3+12pFI0
ふぇぇ、構想は練りあがってるのに、文章にならないよぉ……
というわけで今日はここまで。
こんな苦戦するとは思わなんだ。
44 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/07/02(月) 20:49:46.02 ID:ZFGQBnmwo
そうか、ともかく乙
期待して待っているよ
45 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/07/02(月) 23:44:08.19 ID:MS+YQOsJo
乙乙!
46 :
◆4DdXUijRKqnC
[sage]:2012/07/10(火) 19:26:10.76 ID:+jVMO+Ba0
男「とまぁ、見ての通り、女さんの生着替えシーンを収めた画像にちょいとクラッとしてしまいまして……」
キモオタ「さ、最低でやんし……。結局、エロ画像を見るツールという使い道自体は微動だにしてないんでやんし」
男「で、でも俺は盗撮なんかした覚えはないぞ!? なんか知らんが、入ってたんだよ!」
キモオタ「はぁ、なんか厄介な事になってきたでやんしね……。男、ちょっとケータイを貸してみるでやんし」
男「え、まぁ、良いけど……。あんま変なトコ見るなよ?」
キモオタ「分かってるでやんし。ちょっと確かめたい事があるでやんし」
キモオタ(……電話帳登録件数200オーバー……でやんしか。恐ろしいでやんし。
フリーザ様の戦闘力を聞かされた時のような寒気を覚えるでやんし)
キモオタ(しかし、流石に男でも、高校生活半年目で友達200人作れるわけないでやんし。
つまり、この200人の中には、高校以前の友達が大量に混じっていると考えるのが妥当……)
キモオタ「ところで、男。ケータイを初めて買ったのはいつ頃でやんし?」
男「中学に入ってすぐだったかな、確か」
キモオタ「やっぱりそうでやんしか。なら、中学時代はどんな生活を送っていたでやんし?」
男「あぁ、その事なら、キモオタには以前、話した事があるんだが……やっぱり心当たりはないのか」
キモオタ「例によって、例の如くでやんし」
男「そっか。なんか、ちょっと悲しい気分になるな……。で、えーっと、俺の中学時代だっけ?
……そんな話す程の思い出はないよ。今とあまり変わらないな。クラスでは孤立してたし、
友達といえる友達は学年全体で二、三人いたか、どうか……」
キモオタ「なるほど」
キモオタ「そんな男に耳寄り情報でやんし」スッ
男「ん? なんだよ、俺のケータイをまるで黄門様の紋所みたいに……なんだこれ?」
キモオタ「男の中学校時代の友達のアドレスが入ってるファイルでやんし。
どうやらアドレス整理のために高校の友達と中学の友達とでファイル分けしてるようでやんしね」
男「え、どういうこと? ファイル分けなんてした覚えはないし、
大体、俺、中学の時の友達とはアドレス交換してないはず……うわ、本当だ、なんだこれ。
120件も登録されてんじゃん……。き、気味が悪いな……。本当にこれ俺のケータイかよ……」
キモオタ「でも、これでハッキリしたでやんしね。中学校時代まで関係しているとなると、
今回の一件は、クラスの皆が男を嵌めようとしてやった工作じゃないって」
男「まぁ、ほとんど分かってはいたけど、これで確定事項にはなったな。でも、根本部分じゃ何も解決してない状態だ」
キモオタ「それを今から考えるでやんし」
47 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/07/10(火) 20:13:00.69 ID:rjBmCKKso
はよ
48 :
◆4DdXUijRKqnC
[sage]:2012/07/10(火) 22:15:18.47 ID:+jVMO+Ba0
キモオタ「そうでやんしね……。例えば、こう仮説をたてるでやんし」
キモオタ「男は、本当はコミュ力に優れていて、中学時代から男女隔てなく多くの友人を持っていた。
しかし、何らかの現象または事故などによって、それらの記憶を全て忘れてしまった」
キモオタ「代わりに、別の記憶を植えつけられ、それを自分の記憶だと思い込んでいる……とか。
まぁ、これはあまりに突拍子もない非現実的な発想でやんしが……」
男「なるほど。上書きされた記憶を自分が本当に体験してきた過去だと信じ込んでいるってワケか。
要は記憶改変だな。確かに、かなり非現実的だけど……、人の記憶ってそう簡単に塗り替えられるのか?」
キモオタ「さぁ……。その辺はなんとも言えないでやんし。でも、そう考えると色々しっくりくるんでやんし。
例を挙げると、半年間、クラスメートとあんなに仲良かった男が突如、その事を忘れて、
僕ぐらいしか話せる友達がいなかった、と言い出した事とかでやんしね」
男「そうか……。確かに、納得できるな。登録した覚えがない人達のアドレスが大量に登録されている事とかも、
それで解決できるし、キモオタくらいしか友達がいないと思っているわけだから、
いつも通り話しかけてくれるクラスメート達に対して、不信感を抱いてしまった事も、説明できる」
男「でも……それが本当だとしたら……俺の今までの人生は全てまやかしだった事になる……。
そんなの、信じられないよ……」
キモオタ「まぁ、まだ決まったわけではないでやんし。それにこの説には、いくつか腑に落ちない部分があるでやんし」
男「ん? なにが腑に落ちないんだ……?」
キモオタ「……男が、僕のプライベートな事情を知っているという事でやんし」
男「あ、ああ……その事か」
キモオタ「確かに、この説では男の思い出が実際の現実と違っている事は、説明できるでやんし。
でも、男が僕の事情を知っていることについては、この説だけでは説明がつかないでやんし」
男「え、でも、それって、俺の記憶が“キモオタと過ごした記憶”に摩り替わっているって事だろ?
別に知ってても、おかしくは……」
キモオタ「さっきも言ったでやんしが、エロゲ実況プレイや、触手同人本の話は他人に漏らした事はないでやんし。
男の記憶が改変されたとなると、その記憶を改変したであろう人物は、
僕の秘密を知っていたという事になるでやんしょ?」
男「あ、そっか……。それが腑に落ちないと」
キモオタ「そうでやんし。あまりにも僕についての情報が正確な事……それが、引っかかるでやんし」
49 :
◆4DdXUijRKqnC
[sage]:2012/07/10(火) 22:17:03.38 ID:+jVMO+Ba0
今日はここまでです。
なかなか筆が進まず申し訳ない
50 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/07/10(火) 22:20:37.74 ID:J7sJzwB0o
おつ。楽しんでるから続きも頑張って
51 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/07/23(月) 00:54:32.46 ID:EWzUIViRo
まだか
52 :
◆4DdXUijRKqnC
[saga]:2012/07/25(水) 13:04:48.54 ID:5NhsrbWK0
キモオタ「腑に落ちないことはもう一つあるでやんし」
キモオタ「仮に男の記憶が掏り替えられていたとして……」
キモオタ「誰が、何のために、そんな事をしたのかということでやんし」
男「そうか。キモオタの仮説が本当だとすれば、俺の記憶を改変した人物が存在することになるよな」
キモオタ「何が目的で、男の記憶を弄ったりしたのか……。検討もつかないでやんしね……」
キモオタ「そういえば、男が異変を感じたのは一昨日からでやんしょ?」
男「ああ」
キモオタ「なら、一昨日より前……恐らくは一昨昨日に男の記憶は別の記憶に摺り替えられた事になるでやんし」
男「まぁ、そうなるな」
キモオタ「一昨昨日の日、男は何か異変を感じなかったでやんし?」
男「うーん……残念だけど、特におかしなことはなかったと思う」
キモオタ「……まぁ、当然でやんしか。記憶が替えられているんだから……」
男「…………」
男「…………いや、待て。そういえば、一つだけ……おかしな事があったな」
キモオタ「……なんでやんしか?」
男「実を言うと俺、あんまり寝つきがよくないタイプなんだけど……」
男「一昨昨日の夜だけは、ぐっすり眠れたんだ」
男「以前、一度試したことのある睡眠薬を服用した時みたいに……ぐっすりと」
53 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/07/25(水) 13:27:09.01 ID:qMqSs5YOo
来やがった!待ってたぜ!!
54 :
◆4DdXUijRKqnC
[sage saga]:2012/07/25(水) 13:45:12.99 ID:5NhsrbWK0
キモオタ「睡眠薬……でやんし、か」
男「ああ。前にさ、あんまりにも眠れないもんだから、母さんに処方された睡眠薬をつい飲んじゃった事があったんだ」
男「それが、結構強力なヤツでさ。十時間くらい眠り続けて学校に遅刻して、薬飲んだこと両親にバレて、
こっぴどく叱られたんだよ」
男「市販で売ってるような睡眠薬とはワケが違うらしくて、使用法を間違えてたら危なかったらしい。
それ以降は勿論飲んでないけど……」
キモオタ「一昨昨日の夜は、例の睡眠薬を飲んだ時のように熟睡できたってわけでやんしか」
男「ああ、うん。もしかして、俺、睡眠薬飲まされたのか? その間に記憶改変を……?」
キモオタ「……かもしれないでやんし」
男「なんてこった。一生の不覚だ……」
キモオタ(睡眠薬を飲ませて男を眠らせて……その隙に記憶改変……)
キモオタ(それをたった一晩で……? ジェバンニじゃあるまいし……)
キモオタ(今の科学技術がどれほど進歩しているのか、僕は知らないでやんしが……そんな事が本当に可能なのでやんし?)
キモオタ「まぁ、できようができまいが、これで一つ分かったでやんしね」
キモオタ「男が睡眠薬を飲まされていたのだとすると、この一件はもう事故や現象ではなく」
キモオタ「立派な事件だということでやんし」
55 :
◆4DdXUijRKqnC
[sage saga]:2012/07/25(水) 14:38:56.53 ID:5NhsrbWK0
男「キメ顔してる所悪いけど、記憶改変の説が有力である時点で既に事件だって事は確定してただろうに」
キモオタ「何度も言うように、それはあくまで仮説でやんし。
だから、事故や何らかの現象で男の記憶が書き換えられた確率がなくなったわけではないでやんし」
キモオタ「つまり、睡眠薬の話がでてきたことによって、ようやく事故及び現象の線は薄れたのでやんし」
男「まぁ、厳密に言えばな。キモオタが分かった、なんて言うから俺はてっきり全ての謎が解けたのかと……」
キモオタ「んなわけないでやんし」
チャイム(一時間目終了だよー)「きーんこーんかーんこーん」
男「あ、一時間目が終わっちまったか」
キモオタ「結局、今の時間で分かったのは……」ペラッ
メモ「・キモオタしか友達がいない男は、クラスメート達が突然態度を変え、馴れ馴れしくしてきたという事態に対し、 皆が皆、友達の少ない自分をからかっていると考えたが、実際には本来の記憶が別の記憶に摺り替えられていて
本当はクラスの皆と仲が良かったのに、自分には友達が一人しかいないと、思いこませられている可能性」
キモオタ「本来の記憶が別の記憶に〜云々の所は仮説でやんしが一応」
男「長ぇよ。頭がこんがらがるわ」
メモ「・今回の件はクラスメート達による嫌がらせの類ではないという事」
キモオタ「これはほぼ確定事項でやんし」
メモ「・男が一昨昨日の夜、睡眠薬によって眠らされていたという可能性」
男「あくまで可能性か……。確かに一昨昨日の日に偶然、熟睡できた可能性がないわけでもないけど」
キモオタ「翌日、一昨日から異変が起こりだしたことを考えると可能性は低いでやんしがね」
メモ「・上の可能性が事実だった場合、この一件は事件だと考える事ができる」
男「……理屈っぽい文章ばっかりだな。正確ではあるけど」
メモ「・男は密かに撮っていたクラスメートの生着替え画像を、授業中に見て鼻血を噴出するいやらしい阿呆である(童貞)」
キモオタ「これもほぼ確定事項でやんし」
男「今、関係ねーだろ、このメモ!!」
56 :
◆4DdXUijRKqnC
[sage saga]:2012/07/25(水) 15:01:04.81 ID:5NhsrbWK0
キモオタ「そうでやんし。一時間目が終わったら、イケメン達が見舞いに行くって息巻いてたでやんし」
男「マジかよ。……ありがたいんだけど、正直疲れるんだよな、イケメンとかとの会話は。
俺、かなりのコミュ障だし」
キモオタ「コミュ障? イケメン達とあんな快活に喋ってた男が……?」
男「それは昔の話なんだろ? 今の俺は、この通り友達の少ないコミュ障ニート予備軍さ」
キモオタ「ニート予備軍は流石に卑下しすぎじゃないでやんしか……?」
キモオタ「大体、コミュ障とか言う割には僕とは普通に会話できてるでやんし」
男「そりゃ、キモオタとは友達だからどもらないで喋れるよ。慣れってヤツだ。四月頃はキモオタに対してもどもってたからなー、俺」
キモオタ「そうでやんしか……」
キモオタ「ところで、男。これから、クラスメートの皆とはどう付き合って行くつもりでやんし?」
男「どうって……」
キモオタ「もし、このまま……。違和感づくめの現状が回復しないままの生活を送るとしたら、男はどうするんでやんし?」
キモオタ「自分の中の記憶に従ってクラスの皆と関わりを絶ち、僕とだけ仲良くするつもりでやんしか?」
男「…………」
57 :
◆4DdXUijRKqnC
[sage saga]:2012/07/25(水) 15:30:48.67 ID:5NhsrbWK0
男「いや、俺はキモオタだけじゃなく、皆とも仲良くするつもりだよ」
男「俺の知ってる“俺”は小学校時代からずっと友達が少ないコミュ障野郎だけど」
男「もし、それが記憶改変による思い込みで、本当の“俺”は友達がたくさんいるリア充野郎だっていうなら」
男「それに合わせた方がよっぽど愉快だ。そりゃ、人と接することは苦手だし、疲れるけど」
男「キモオタとも仲良くなれたんだ。きっと皆とも上手くやっていけるさ」
キモオタ「……そうでやんしか。良かった。それでこそ男でやんし」ニコッ
男「ははは……」
男(それでこそ、か。俺の記憶通りのキモオタなら『そんな前向きな発言、男らしくないでやんし』とか言うだろうに)
男(このキモオタは、“小学校時代からずっと友達が少ないコミュ障野郎の俺”を知らないから、そんな事を言うんだ)
男(キモオタが知っているのは、“友達がたくさんいるリア充野郎の俺”だけだから……)
男(…………)
男(本当に……俺は記憶を変えられたんだろうか。誰かの手によって)
男(“小学校時代からずっと友達が少ないコミュ障野郎の俺”は記憶の中にしか存在していなくて)
男(現実には“友達がたくさんいるリア充野郎の俺”しか存在しないのか……?)
男(くそっ、信じられない……。今までの俺の十六年間が全て虚構だったなんて、信じたくない)
男(でも……。信じて、生きていくしか、ないのか……?)
58 :
◆4DdXUijRKqnC
[sage saga]:2012/07/25(水) 15:53:49.61 ID:5NhsrbWK0
男(俺は、どうすれば……)ガリガリガリガリガリ
キモオタ「男……? 男?」
男「……ん? なんだよ、キモオタ?」ガリガリガリガリ
キモオタ「なんで、そんな首を掻いてるでやんし? そんなに掻いたりしたら……。ほら、掻きすぎて血が出てるでやんし」
男「おっと、本当だ……。ごめん、知らなかったか? 俺、アトピーなんだ」
キモオタ「……アトピー?」
男「アトピーってのは、ほら、肌が凄く痒くなる皮膚病だよ」
キモオタ「いや、それくらいは知ってるでやんしが……」
キモオタ(男が……アトピー? そんなはずは……)
男「俺、ストレスが溜まると、なんか無性に身体が痒くなるんだよ。
あとはまぁ、冬場とか、汗をかいたりすると首とか背中とか肘の内側とか膝の裏なんかが痒くなるんだ」
男「あー、痒い、痒い……。全く、変な事考えたりするから、ストレスが溜まって……」ポリポリ
キモオタ「男……。ちょっと、確かめたい事があるでやんし。悪いけど、上着を脱いでくれないでやんしか」
男「え……なんで?」
キモオタ「いいから」
男「ま、まぁ、いいけどさ……」ヌギッ
キモオタ(……確かに、アトピーでやんし。しかも首周りのケロイド状の傷からして大分酷い状態でやんしね……)
キモオタ(胸や脇腹、背中に至るまで、数え切れないほど掻き壊した傷が見受けられるでやんし)
キモオタ(どうやら、かなり昔からアトピーだったんでやんしね……)
59 :
◆4DdXUijRKqnC
[sage saga]:2012/07/25(水) 16:07:41.50 ID:5NhsrbWK0
キモオタ「ありがとうでやんし。もう上着を着ていいでやんし」
男「お、おう」
男「なんだよ、アトピーの傷を見てたのか……? 正直、じろじろ見られるの嫌いなんだけど」
キモオタ「すまなかったでやんし」
男「水泳の授業とか、皆に見られてる気がして、凄い嫌だったんだからな……」
キモオタ「悪かったでやんし……。ところで、男。アトピーはいつから患っているでやんし?」
男「あー、結構昔だぞ。つーか、生まれたときからだったかもしれないな」
キモオタ(やっぱり、そうでやんしか……)
キモオタ(……でも、おかしいでやんし)
キモオタ(水泳の授業の時、男の身体を見たでやんしが……こんな傷はなかったでやんし)
キモオタ(それにさっきみたいに自分の身体を掻き毟ったりする所を目撃した事もなかったでやんし)
キモオタ(男がアトピーだなんて……そんな馬鹿な……)
60 :
◆4DdXUijRKqnC
[sage saga]:2012/07/25(水) 16:47:56.05 ID:5NhsrbWK0
男「あ、そうだ。上着脱いだついでに、薬塗っちまうか。本当は風呂入った後とかが良いんだけどな」
キモオタ「薬……? ステロイドでやんしか?」
男「そうそう。確かそんな感じの痒み止め。処方されてる薬は、これの他にアレルギー症状を抑える錠剤だけだな」
キモオタ「錠剤……でやんしか」
男「ああ。錠剤は朝晩服用だから、とりあえず今は応急処置として塗り薬をだな……」
キモオタ「手伝うでやんし」
男「いや、いいって。大丈夫だから。皆が来ないうちに早く塗らないと……」
男「あ、そうだ。キモオタ。俺、考えたんだけどさ」
キモオタ「……?」
男「俺、さっきの鼻血で倒れた時、頭打っただろ?」
キモオタ「……確かに打ってたでやんしね。ズキズキするでやんしか?」
男「ああ。それで思いついたんだけど、俺、皆には頭打った所為で記憶喪失になったって言おうと思う」
キモオタ「…………!」
61 :
◆4DdXUijRKqnC
[sage saga]:2012/07/25(水) 16:54:12.77 ID:5NhsrbWK0
男「実際、記憶喪失みたいなもんだろ? クラスメートの皆と過ごした半年間なんて覚えてないんだから」
キモオタ「まぁ、あながち間違いでもないでやんしが……」
男「皆と過ごした半年間は覚えてないけど、キモオタと過ごした半年間は覚えてる、なんて言ったら、
説明がややこしくなるだけだし、ここはシンプルに記憶喪失を突き通そうと思う」
キモオタ「……確かに、そうすれば何かと都合は良さそうでやんし」
男「そう。これまでのように無理矢理皆のテンションに合わせなくてもいいし、キャラが変わった事も記憶喪失で誤魔化せる」
キモオタ「コミュ障なのも、記憶喪失という状態なら案外受け入れられるかもしれないでやんしね」
男「そうだ。俺にしてはウマイ考えだろ?」
キモオタ「まぁ……男にしては悪くないアイディアでやんし」
男「よーし! キモオタのお墨付きも貰ったし、この作戦でいくとするか!」
キモオタ「頑張れでやんし。それじゃあ、僕は皆が来ないうちに退散するでやんし」
男「え、いや、待て待て。帰っちゃうのか?」
キモオタ「僕もイケメン達のテンションにはついていけないでやんし。絡まれるのも面倒だから帰るでやんし」
男「そんなぁ……。俺だって、あいつらのテンションは苦手だよ」
キモオタ「頑張れでやんし。じゃ!」
男「う、裏切り者ー!!」
62 :
◆4DdXUijRKqnC
[sage saga]:2012/07/25(水) 17:28:10.57 ID:5NhsrbWK0
キモオタ「お大事にでやんしー」ガラガラ ピシャ (←保健室のドアを閉める音)
キモオタ(大体これ以上授業をサボるわけにはいかないから、どの道もう帰るつもりだったでやんし)
キモオタ(……おっと、前からイケメン率いるクラスメート集団が……)
キモオタ(本当に男は愛されているでやんしね……。確かに男は明るくて面白い奴でやんしが……)
キモオタ(今の男は真逆の状態でやんし。皆に愛想を尽かされないか少し心配でやんしね)
イケメン「あ、キモオタじゃん。 男の様子どうだった? あいつ大丈夫か?」
女「キモオタ君、男の付き添いしてくれてありがとね」ニコッ
キモオタ「あ……。それが……」
キモオタ(男が記憶喪失だって事ここで言ってしまうでやんしか……? いや、ここは男に任せた方が……)
キモオタ「男は……なんだか様子がおかしかったでやんし。それで、僕は保険医の先生を呼ぼうと思って……」
イケメン「ああ、そうだったんか。じゃあ、キモオタは保険医の人を頼む。ありがとな」
キモオタ「どういたしましてでやんし」
キモオタ(……そうでやんし。イケメンに聞いておきたいことがあったでやんし)
キモオタ「……ちょっと待って欲しいでやんし。イケメンにちょっと話があるでやんし」
ウザ男「話ってなんでやんしー?」クスクス
イケメン「お前は黙ってろ。分かった、話を聞くよ。みんな先に行っててくれ」
ロリ顔「りょーかーい」
ウザ男「イケメンに話があるって、実は恋の告白の事だったりしてなー」プークスクス
日直「うはwwwきめぇwww」
女「はいはい、行くよ。ウザ男も」
ウザ男「ウィーッス、女さん」
キモオタ「…………」
63 :
◆4DdXUijRKqnC
[sage saga]:2012/07/25(水) 17:58:49.10 ID:5NhsrbWK0
イケメン「すまないな、キモオタ。……あとで殴っておくから、あいつら」
キモオタ「別に気にしてないでやんし……。それより、聞きたい事があるでやんし」
イケメン「あぁ。なんだ? 話って」
キモオタ「男の事でやんし。……イケメンは男がアトピーを患ってること知ってるでやんし?」
イケメン「アトピー? あぁ、そういえば聞いたことがあるよ」
イケメン「前に男が自分で言ってたよ。小学校六年生の時、ようやくアトピーを治す事ができたって」
キモオタ「…………!」
キモオタ(やはり、男はアトピーじゃないでやんし……。イケメンに確かめておいて良かったでやんし)
キモオタ(なら何故……“あの男”はアトピーなんでやんしか……?)
イケメン「昔はかなり苦しんでたらしいな……。でも“サクラ”と出会ってから、必死で治す努力をしたんだってさ」
キモオタ「…………サクラ? ……誰でやんし?」
イケメン「え………知らないのか? キモオタ。確かにクラスは違ったけど、聞いた事ぐらいはあるんじゃないか……?」
キモオタ(……違った? 過去形?……まさか、サクラって……!)
キモオタ「サクラ……。それって……夏休み明けに始業式で言われてた……例の女子でやんしか?」
イケメン「…………ああ」
イケメン「サクラ……。夏休み中、交通事故によって、亡くなってしまった……」
イケメン「男の、“恋人”だ」
キモオタ「……………………!!?」
しばらくして――――保健室
イケメン「……遅れてすまん、皆。男の容態はだいじょ……」ガラガラッ
女「大変なの! イケメンくん!」
イケメン「おいおい、そんな慌ててどうし……」
女「男くん、記憶喪失なの!」
イケメン「…………は!?」
女「忘れちゃったんだよ……皆。私達だけじゃない……」
女「“サクラちゃん”の事も」
イケメン「…………………っ!?」
64 :
◆4DdXUijRKqnC
[sage saga]:2012/07/25(水) 18:03:57.83 ID:5NhsrbWK0
長かった導入部分もようやく終了です。
まだまだ完結まで時間がかかりそうですが、今後ともよろしくお願いします。
本日の投稿は以上です
65 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[sage]:2012/07/25(水) 18:19:26.45 ID:BJATTEXNo
乙!
続きが気になるわ
66 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/07/25(水) 18:37:58.65 ID:nuQE0w5SO
乙乙!
イケメン達久々登場だな
67 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/07/25(水) 23:42:53.16 ID:60Ufojzeo
なるほどそういう事なのか乙!
68 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/07/26(木) 06:44:18.29 ID:qe9aP+b3o
男は彼女がいた、もしくは亡くしたばかりなのに女を盗撮したりしてたのか
69 :
◆4DdXUijRKqnC
[sage saga]:2012/07/26(木) 09:53:43.24 ID:PoiIK6/f0
>>68
盗撮したのは、男が彼女と付き合い始める前という設定になっています。
あと、サクラという固有名詞を出してしまったので、固有名詞とか苦手な方すみません
70 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/07/26(木) 11:54:31.38 ID:tldNt15lo
構わないだろ
71 :
◆4DdXUijRKqnC
[sage saga]:2012/07/26(木) 13:26:50.71 ID:PoiIK6/f0
in 保健室
イケメン「男……。記憶喪失って、お前それどういう事だよ……?」
男「お、おうふ……」
男(完全に忘れてるわけでもないから、騙してるようでなんだか心が痛むけど……)
男「す、すまないけど……覚えてないんだ。き、君たちの事……」
イケメン「な、なんで、そんなことに……」
ロリ顔「わたし見たよ。男ね、さっき倒れたとき頭うってた……」
女「その所為で記憶喪失に……?」
ウザ男「ま、マジかよ……」
ロドリゲス「それで、保険医の先生は……?」
日直「今、キモオタのヤツが呼びに行ってるんだろ?」
女「うん……。そのはずだけど……」
イケメン「嘘だろ……。そんな……。 ほ、本当に何一つ覚えてないのか? 今まであった事、全て忘れてしまったのか?」
男「え、い、いや、その、覚えてる事がないわけじゃ、ないよ。じ、自分の名前とかは、分かるし」
男「えと、つまり、分からないのは、君たちの事とか、今まで自分がどんな人生を歩んできたのか、であって……」
イケメン「じゃあ、やっぱり、サクラのことも覚えてないんだな……?」
男(さっきから、このサクラってのは誰のことを言ってるんだ? 名前からして女子なんだろうけど……)
男「ご、ごめん。覚えてない、みたいだ……」
イケメン「そう……か」
72 :
◆4DdXUijRKqnC
[sage saga]:2012/07/26(木) 17:18:16.73 ID:PoiIK6/f0
一同「…………」
男「そ、その……サクラさんって誰?」
イケメン「……サクラはな、お前の彼女だった女子だ」
男「彼女!!?」
ウザ男「そ、そんな驚くことねぇだろ。びっくりさせやがって」
男「ご、ごめん。か、彼女って、ど、どういうこと?」
イケメン「どういうことも何も、男とサクラは付き合ってたんだよ……」
男(どういうことだ……!? 俺と、サクラとかいう女子が……? なんだそれ!)
男(大体、キモオタからはそんな事聞かされてないぞ……?)
女「あのね、男くん。男くんとサクラちゃんは、小学校時代からの友達だったんだよ?」
男「小学校時代……?」
男(そういや、小学校、中学校、高校まで同じ所に通ってる女子がいたような覚えがあるな……)
男(確かに、サクラとかいう女子だった。でも、同じ学校に通ってるってだけで、なんの接点も絡みもなかったはず……)
女「男くんは、サクラちゃんのことがずっと好きだった」
女「それで今年の七月、皆で海に遊びに行った時、男くんからサクラちゃんに告白して……」
女「サクラちゃんはその告白を受け取ったんだよ。長年の恋が成就して、男くん、泣いてたよね」
73 :
◆4DdXUijRKqnC
[sage saga]:2012/07/26(木) 17:23:48.31 ID:PoiIK6/f0
男「そ、そうだったの……?」
女「うん。でも……その数日後……」
イケメン「…………」
ロリ顔「…………」
男「? 数日後、何が……?」
女「……交通事故があったの」
男(おい……まさか……)
女「それに、サクラちゃんは巻き込まれて……」
男「……死んだ、のか?」
女「…………」
女「ねぇ、男くん。本当に覚えてないの……? 何も……」
男「…………」
男「……ごめん」
男(そんな……嘘だろ? 俺が女子に告白して、成功して、付き合い始めたその数日後に、その彼女が死んだだって?)
男(なんだよ、それ。意味が分かんねぇよ……。本当にそれ“俺”なのか?)
男(みんな、本当に“俺”の話をしてるのか……?)
男(もしかして、みんな……違う“誰か”の思い出話を俺に聞かせてるんじゃないか……?)
男(…………なぁ、何が起こってるんだよ、俺に。誰か教えてくれよ……)
男(皆がおかしいのか? それとも、俺がおかしいのか?)
男(……なにかがおかしいんだ。一体、なにがおかしいんだ? くそっ、一体なにが……)
男(……誰か、教えてくれ……)
74 :
◆4DdXUijRKqnC
[sage]:2012/07/26(木) 21:38:08.55 ID:PoiIK6/f0
ガラガラッ
一同「ん?」
保険医「キモオタ君に呼ばれて来たのだけれど……あら、男くん目が覚めたのね。良かった」
ウザ男「暢気なこと言ってる場合じゃないっスよ、先生」
女「先生! 男くん、記憶喪失みたいなんです! 倒れた時に頭をうったらしくて……」
保険医「なんですって……?」
男(キモオタのヤツ、保険医なんて呼んで……。大事にはしたくなかったんだけどな……)
男「ど、どうも……」
保険医「男くん。記憶喪失だなんだ言ってふざけてるわけじゃないのね?」
男「ふ、ふざけてなんかいません」
保険医「そう……。それじゃあ自分の名前、年齢、住所、誕生日を言って御覧なさい」
男「は、はい。自分の名前は、男。年齢は16歳、住所は○市×区□町1−3−48、誕生日は12月3日です」
男「自分のことならある程度は分かるんですが……」
保険医「……そう。わたしは専門医ではないから分からないけど、部分的な記憶障害かもしれないわね」
保険医「とにかく、記憶喪失になるほど頭を強く打ったのなら、脳を損傷してる可能性が高いわ……」
保険医「吐き気や頭痛はするかしら?」
男「いえ……」
保険医「……念のために病院で診てもらった方が良さそうね。記憶喪失の事もあるし……」
保険医「そうと決まれば、男くん。今すぐ、病院に向かいましょう」
男「わ、分かりました」
男(うっわ……。やっぱり厄介な事になりやがった……)
男(でも、まぁ、医者に診てもらうくらいならいいか。もしかしたら、記憶改変された痕とか見つかったりするかもしれないし……)
男(これ以上、イケメン達と話をしても混乱するだけだしな……)
75 :
◆4DdXUijRKqnC
[sage]:2012/07/26(木) 21:46:12.71 ID:PoiIK6/f0
ロリ顔「男。お医者様にしっかり見てもらうんだよ?」
イケメン「先生、男を頼みますよ!」
保険医「分かってるわよ。……それに記憶喪失とはいっても、短期的なものかもしれないし、男くんの記憶が完全に失われるわけじゃないから……」
保険医「貴方達、そんな泣きそうな顔しなくてもいいのよ?」
ロドリゲス「え、そうなんですか……?」
保険医「ええ。頭をぶつけたことによる記憶障害は別にめずらしいものじゃないのよ?」
保険医「男くんの場合は一時的に、物事を忘れてるだけだと思うわ。だから、大丈夫」ニコッ
ウザ男「な、なんだー……。全く心配させやがって……」
イケメン「それ、本当ですか……!?」
保険医「ええ。まだ分からないけど、私の見立てではね。だから、安心して待ってなさいな」
女「良かった……」ホッ
男(全然良くねぇ……)
男(……いや、でも案外これで良かったのかもな。これ以上、イケメンや女さんを悲しませたくないし……)
男(しっかし、保険医先生が言うように、本当にただの記憶喪失なら良かったのに……)
76 :
◆4DdXUijRKqnC
[sage]:2012/07/26(木) 21:50:05.63 ID:PoiIK6/f0
というわけで本日の投稿は終了です
77 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/07/26(木) 22:09:15.62 ID:b8e19miIO
おっつん
78 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/07/26(木) 22:15:50.94 ID:xTCKamsSO
乙!!
79 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2012/07/27(金) 01:33:54.76 ID:t0+dfn28o
ロドリゲス?
80 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/07/27(金) 07:30:39.15 ID:0ttMkQ/lo
いいよいいよー
81 :
◆4DdXUijRKqnC
[sage saga]:2012/08/26(日) 13:01:55.95 ID:3TjkJsTx0
夜 男宅
男(はぁ……。病院には行ってみたものの結局、何も分からなかったな)
男(脳神経外科の医者曰く『脳に異常はありません。記憶障害の件については心療内科をあたってみた方がよろしいでしょう。脳に原因がないとなれば、精神面のストレスやショックから記憶障害に陥った可能性がありますからね』だとか)
男(俺のこの記憶の異常は、精神からくるものだとは思えないけど医者がそう言うんだから、そうなのかもしれないな)
男(確かに、例の“サクラ”とかいう彼女が死んだショックで、記憶障害になった可能性もないわけじゃないだろうし)
男(ただ、その仮説じゃ俺がキモオタと過ごした半年間の出来事を記憶している事の説明がつかないんだよな)
男(しかも、俺が覚えてるキモオタの個人情報は本人曰く正確らしい)
男(キモオタと仲良しこよししている妄想を俺がただしていたってだけじゃ、正確性なんて普通は皆無のはずなのに……)
男(頭がこんがらがってきたぞ……。おまけにストレスで身体が痒くなってきた。いったん整理してみよう)
男(俺は、イケメン達とつるんでいた記憶を忘れ、代わりにキモオタと仲良くしていたと思い込んでいた)
男(でも、その思い込みには実際のキモオタの個人情報も紛れ込んでいて、だから、ただの思い込みとも言い切れない)
男(脳には異常なし。つまり第三者によって記憶が改変された可能性も薄い)
男(この事から仮説をたてると、『俺は何らかの原因による精神的ショックから自らの記憶を、現実に起こった事とは異なる別の記憶に差し替えた』となる)
男(……自分のことながら、とても信じられないけど、その線が可能性としては高いわけだ)
男(そうとなれば、問題解決のためには俺が精神的ショックを受けた元凶を突き止める必要があるな)
男(だとすると……元凶候補No1は間違いなく“サクラ”って女の子の死亡事件だろう)
男(明日は、そいつの事について聞き込みでもしてみるか。何か思い出すかもしれないし)
男(よし! そうと決まれば今日はもうオナニーして寝よう! おやすみなさい!)
82 :
◆4DdXUijRKqnC
[saga]:2012/08/26(日) 13:02:46.28 ID:3TjkJsTx0
翌朝
男(……ふぅ。女さんの生着替え画像最高すぎる……。でも賢者モードになると、圧倒的罪悪感と背徳感が……)
男(お、なんかメール来てるな……。す、すげー! 結局昨日病院行った後学校行ってないからなのか、クラスメートとかから心配メールが大量に!)
男(キモオタからは……来てないよな。メアドまだ交換してないんだから、来るわけない)
男(なんかこういうの慣れないな。嬉しいけど、リア充のやり取りみたいなのは正直、肌に合わない)
男(でも、まぁ、返信はしなきゃな……あ、でも、どうしよう。俺、設定では記憶喪失って事になってるから……)
男(とりあえず、保留でいっか。今日学校で皆に言えばいいだろ)
男(さて、学校に行かねば。昨日医者に言われた事とかキモオタに報告したいしな)
〜支度中〜
母「ちょっと、男ー? あんたのクラスメートが迎えに来てくれたわよー」
男「あんだってー?」
母「女ちゃんって子が迎えに来てんの! はよ来なさいな!」
男「なんだってー!?」
男(おいおいおい、マジかよ。昨日までは近所の十字路の所で待ち伏せ?的な事してただけなのに、今日は家にお迎えですか!!)
男(でも、さっき女さんで抜いたばっかりだから、なんか気恥ずかしいなー……というか、俺最低ですやん……)ズーン
男(まぁ、いいや。とりあえず行くか)ケロリ
83 :
◆4DdXUijRKqnC
[saga]:2012/08/26(日) 17:16:33.20 ID:3TjkJsTx0
男「お、おうふ!(訳:おはよー) ごめ、ごめっ。ま待たせちゃったね」オドオド
女「おはよー、男くん。大丈夫? 病院どうだった? まだ記憶喪失のままなんだよね……?」
男「う、うん。ちょ、え、もしかして、それが心配でわざわざ、家まで来てくれたの?」
女「うん。それは気にしないでいいよ。それより、男くん。お医者さん、記憶喪失の事についてなんて言ってたの?」
男「あ、うん。あ、あざす。えっと、医者は、なんか、脳には異常はない、って言ってた。精神的ショックとかから記憶喪失になったんじゃないかって」
女「精神的ショック? って事は……あの事故が原因なのかな」
男「え、あの事故って、あれ、昨日言ってた、サクラって子が巻き込まれた事故のこと?」
女「……うん。サクラちゃんがいなくなってから、男くん、塞ぎこんでたし……一時期、元の男くんに戻ったと思ったのに……まさか、こんな……」
男「えっと、女さん、その、サクラさんが、亡くなった後の話、聞かせてもらっていい?」
女「いいよ、分かった。……サクラちゃんが死んじゃってから、男くんは全然学校に来なくなった」
女「しばらくはそっとしておこうと思ってたんだけど、あんまりにも来ないから、男くんの家に一番近い私が、男くんを学校に連れて行ってたんだ」
男「え、マジか。ご、ごめん、世話かけて」
女「いいの。私にできる最低限のことをしただけだし……。……私が引っ張っていくようになってから、男くんは学校に来るようにはなった」
女「でも、男くんは以前みたいに明るくなかった。ずっと沈み込んでたし、授業も上の空って感じで、昼食も全然食べてなかった」
女「そんな毎日が一ヶ月ほど続いたある日……男くんが突然、元のキャラに戻ったの」
女「ついに立ち直ったのかも、と思った私達は内心安心しながらも、サクラちゃんの事を男くんの前でするのは控えるようにしてた」
女「それから更に一週間くらい男くんは元気だったよ。無理に気丈に振舞ってるってよりは、心の底から楽しそうに過ごしてるように見えた」
女「なのに……昨日……」
男「…………」
男(ずっと落ち込んでたのに、ある日突然、元に戻った、だって?)
男(……何かがあったんだな。何か……元気になれるキッカケが……)
男(もう少し情報を集めてみない事には分からないけど、俺の記憶の異常にも関連しているかもしれない)
男(学校でも聞き込みしてみよう)
84 :
◆4DdXUijRKqnC
[sage saga]:2012/08/26(日) 17:19:29.35 ID:3TjkJsTx0
本日の投稿は異常です
また、暇を見つけて投下しまふ
85 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[sage]:2012/08/26(日) 17:35:56.07 ID:TyFmLqGDo
乙
86 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/08/27(月) 08:18:16.05 ID:ZbvYSQWSO
乙
87 :
[sage]
:2012/09/25(火) 17:14:36.25 ID:qed4cYPB0
はよ
88 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
:2012/10/12(金) 19:54:19.90 ID:woUvbrOt0
あト2しュウ間
89 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/10/13(土) 11:27:08.26 ID:lSywnKSdo
なんか急に固有の名前出されると違和感しかないわ
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