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P「アイドルたちにワードナを倒してもらおう」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 13:37:13.60 ID:94djENKYo
シナリオは#1のwizSSです

書き始めたら予想以上に長かったのでここに投下させていただきます。



P「ワードナに……さらわれた。どうしよう……」



春香「プロデューサーさん……」

いつもお世話になってるプロデューサーさんが誘拐されてしまった。
プロデューサーさんが残したメッセージによると犯人の名前はワードナ。住所は町外れの迷宮。
私たちはプロデューサーさんを取り返しに迷宮探索へ行くことに決めたのでした。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1338611830(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713736565/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 13:37:52.25 ID:94djENKYo

一度に探索に行けるメンバーは6人。
それ以上多くても上手く機能しないらしい。
適性に応じた役割を各々がこなす必要がある。

わたしたちはパーティーを二つに分けることにした
迷宮の中は常に危険で満ち溢れている。
迂闊に全戦力を出して全滅したら取り返しが付かなくなるのだ。

話し合いの結果、交互に探索を行い慎重に進めることになった。

また律子さんには街に残ってもらい、全体の計画と金銭・道具の管理をしてもらうことにした。
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 13:38:51.06 ID:94djENKYo
Aパーティ         Bパーティ

 真:戦士           響:戦士
千早:戦士        あずさ:戦士
春香:僧侶         雪歩:僧侶
真美:盗賊         亜美:盗賊
貴音:司祭        やよい:司祭
美希:魔法使い       伊織:魔法使い



律子:司祭
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 13:39:46.90 ID:94djENKYo
<いってきます>


千早「それじゃあ行ってきます」

伊織「危ないと思ったらすぐに引き返すのよ」

亜美「いおりん優しー!」

これから怪物と危険な罠の潜む迷宮に挑戦するとは思えないほど
いつも通りの私たち。
とても心強く感じられた。
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 13:41:02.89 ID:94djENKYo
【地下1階】

町外れにある大きな洞窟。
階段を降りると暗く湿った壁が私たちを出迎えた。

真「見えないわけじゃないけど、先のほうまではわからないね」

千早「東側と北側に道が伸びているけど……どっちに進もうかしら?」

美希「ミキは早くワードナを倒してハニーに褒めてもらいたいな!」

貴音「美希、急いては事を仕損じるといいます。ここは慎重にいきましょう」

とは言え悩んでいても仕方ない。
どちらかには進まなければいけないのだ。

私たちは東側に進むことを決めるとおっかなびっくり歩き出した。
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 13:41:38.67 ID:94djENKYo
道はすぐに行き止まりになっていた。
左手には玄室の扉がある。

春香「どうしよう?入ってみる?」

真美「ババーンと開けちゃえばいいんじゃないの?」

千早「玄室の中にはモンスターがいることが多いの。他の場所を探してからのほうがいいんじゃないかしら」

真「でもここは街から近いし、なにかあったらすぐに帰れるよ。慎重すぎるのもどうかと思うけど……」

美希「zzzzzzzzzzzzzz」

話し合いの結果玄室に入ることになった。

初めての戦闘。
すごく緊張する。
誰かが唾を飲む音が聞こえた。
武器を握り締める。
初めてのライブを思い出し、少しだけ笑うことが出来た。

真「いくよ!」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 13:42:37.08 ID:94djENKYo
<玄室>


真が扉を蹴っ飛ばす。
中には――誰もいなかった。

全員がため息を漏らす。安堵とほんの僅かな失意で。
玄室は6マスのブロックで構成されていた。
一通り調べてみたが特に得る物は無いようだった。

真美「こっち側はハズレみたいだね、どうするの?街に帰る?」

春香「さすがにこれだけじゃ帰れないよ。北側もすこし調べていこうよ」

来た道を引き返す。
行きほどの緊張はないとはいえ、皆の硬さはまだ抜けていないようだ。

北側に向かい道なりに進むと右手に道が分かれていた。
一歩踏み出すと扉らしきものが見える。
無言で進む真に自然と押し黙りついて行った。

一度だけ真が目配せをすると全員がうなずく。
大きく振りかぶり扉を蹴飛ばした。
全員が部屋になだれ込む。
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 13:43:09.64 ID:94djENKYo
<初めての戦闘と報酬>

いた。

犬の頭に人の体を持つコボルドだ。
前列の真、千早ちゃん、それに私が各々の手に持った武器で殴りかかる。

後列の美希と貴音さんのカティノが先に決まるかどうかにかかっている。

真っ先に動いたのは千早ちゃんだった。
コボルドを剣で叩きのめす。
美希と貴音さんのカティノが飛んできたのはそのすぐ後だった。

呪文に抵抗できずにコボルドたちは崩れるように眠った。
すやすやと眠るコボルド達を倒すのは抵抗があったが、甘いことを言っていれば次に死ぬのは自分か、他の誰かなのだ。
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 13:43:44.06 ID:94djENKYo
春香「みんな大丈夫〜?」

開始早々眠らせたので怪我はないと思うが念のために聞いてみた。

真美「大丈夫だよー。それよりこの宝箱開けちゃっていい?」

真美は戦闘に参加していないので自分が活躍できる場面が来てとても嬉しそうだ。

真「いいと思うよ。罠は大丈夫?」

真美「んっふっふー。怪盗マミマミに不可能はないのだよ」

真美が軽口を叩きながら宝箱を探ると、

真美「あ」

嫌な言葉が聞こえた。
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 13:46:14.75 ID:94djENKYo
<負傷者>

迷宮の宝箱はまさにビックリ箱だ。
何の使い道もないガラクタから伝説の武器まで何が入っているか分からない。
だが宝箱に仕掛けられたトラップは、時に熟練の探索者をも死地に追いやる。

春香「真美!」

真美「うぅ……痛いようはるるん……」

宝箱の中には小型のクロスボウが仕掛けられていた。
真美の左腕に食い込んだ矢が禍々しく見える。

流れる血の量に狼狽していると

貴音「早く矢を抜いて止血をしましょう」

落ち着いた貴音さんの声が聞こえた。
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 13:46:47.45 ID:94djENKYo
そうだ。わたしの仕事は治療すること。
怪我に慌てている場合じゃない。

幸い矢に返しはなくあっさりと抜けた。
消毒をして包帯を巻き、精神を集中させ呪文を言祝ぐ。

春香『Dios』

祝福の言葉が力となって全身を巡り、かざした指先から真美の左腕に流れ込むのを感じる。

成功だ。
完治とまではいかなかったが後に残るようなことはないだろう。

美希「真美、大丈夫?」

真美「う、うん。ちょっと痛かったけどはるるんのおかげでもう痛くないよ!」

顔色は良くないが直に良くなるだろう。
ホッと息を吐く。

安心するとすこし腹が立って来た。
ここは年長者らしく威厳に満ちたお説教をしてやるのも悪くないのかもしれない。
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 13:47:18.51 ID:94djENKYo
<帰るまでが冒険です>

あの後代わる代わるお説教を食らった真美は、
今後絶対に軽率なマネをしないと誓わされた。

最後にはすこし涙目になっていた事は亜美には内緒にしてあげよう。

一度の戦闘で――正確には宝箱のトラップで――驚くほど疲弊した私たちは冒険を切り上げ街に帰ることにした。

街への階段まであと2ブロック。
油断していた。

暗がりの中に潜んでいたオークが飛び出してきたのだ。
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 13:47:46.35 ID:94djENKYo
3匹のオークは先頭の真――ではなく千早ちゃんを集中的に狙ってきた。
2匹の攻撃を捌いたところにオークの太い腕が飛んで来た。
ゴッと乾いた音が響く。

体勢を立て直し、オークに向かい合う。
この二足歩行の豚はとても臆病だ。
こちらに戦意ありとみるや一匹が逃げ出した。

その姿に怒りがこみ上げる。
わたしは千早ちゃんに治療呪文をかけながら、千早ちゃんを殴ったオークを思いっきり睨んでやった。
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 13:48:15.26 ID:94djENKYo
<ただいま>

真「いやー、やっぱり外の空気は美味しいね!中はジメジメしてて嫌になっちゃうよ」

美希「お腹すいたの……。真クンおにぎり食べに行こうよ!」

貴音「わたくしはらぁめんを食したいと思います」

春香「あ、ちょ、ちょっとダメだよ。帰ってきたことをみんなに報告しないと」

千早「そうね、わたしも疲れたし一度宿に帰りましょう」

違和感を覚え振り返ると真美がどことなく気まずそうな顔をしていた。

春香「どうしたの真美?」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 13:49:21.39 ID:94djENKYo
真美「いやーその、もしかしてまたお説教もらっちゃうのかなー、なんて……」

春香「あはは……」

そして

律子さん、あずささん、伊織にお説教をもらい。

真美「ごめんなさいってばー!」

やよいと雪歩には泣かれてしまい

真美「反省しています……」

亜美には真顔で怒られた後、小馬鹿にされていた。

真美「ぐぬぬ」



一日目 終わり
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 13:49:51.47 ID:94djENKYo
2日目

<りっちゃんの悩み>


今日はBパーティが探索する日だ。
わたしたちは今後の計画を練ることにした。

律子「あの洞窟はどうやらワードナによって大幅に改造されているようね」

春香「そんなことまで出来るんですか!?」

律子「具体的に……となると、分からないことが多いけどね。」

律子「ただ元々洞窟を利用しているのだから、設備が残っている可能性はあるの。それでコレを見て頂戴」

律子さんがテーブルに古い紙を広げる。
地図?なのかな?細かく数字や専門用語が書かれている。
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 13:50:18.18 ID:94djENKYo
千早「これは?」

律子「あの洞窟は昔鉱山だったの。そのときの地図ね」

言われて地図を見る。
確かに昨日歩いたのと似た形になっている。
だけど……

春香「昨日見た限りではもっと綺麗な形になっていましたよ?区画整理されたみたいに」

地図の部屋は自然の洞窟を利用したのだろう、通路がくねり部屋が真四角なんてことはない。

律子「だから改造されたのよ。理由は分からないけどね」

潔癖症……じゃないか。なんだっけ?几帳面でいいのかな?

律子「それでここを見てほしいんだけど」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 13:51:35.75 ID:94djENKYo
律子さんが紙をめくる。

律子「ここが現在の何階にあたるかわからないんだけどエレベーターがあるのよ」

真「ホントだ。じゃあこれを利用すればより地下に簡単に潜れるわけだね」

律子「ええ……」

なんだか律子さんの歯切れが悪い。

春香「何か問題があるんですか?」

律子「まずさっき言ったとおり現在このエレベーターが何階にあるのかわからない。今もあるのかどうかすら、ね」

律子「ワードナがどこにいるのかわからないのも痛いわ。もしかしたら地下1階にいる可能性も0ではないのだから」

なるほど。より探索が困難な地下にいるとみせかけて実は浅い階層にいましたなんてこともありそうだ。
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 13:52:36.17 ID:94djENKYo
律子「そしてこれが一番怖いんだけど」

律子さんは一度言葉を区切りメガネの位置を直した。

律子「深い階層に行けばそれだけ危険になるわ。同じ強さの敵が出たとしても深層というのはそれだけで危険なのよ」

春香・千早・真「…………」

律子さんの言ってる意味がよくわかった。
冒険は行ってお終いではない。

敵を倒し、罠を回避し、戦利品を手に入れて、その上で帰ってくることが出来なければ無意味なのだ。
帰ることが出来なければ落とし穴に嵌まって死ぬのも、怪物に殺されてしまうのも大差はない。
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 13:53:04.88 ID:94djENKYo
律子「本当のことを言えばね、あなた達に行ってほしくないのよ」

千早「律子……」

律子「卑怯だと自分でも思うのよ?でもね、あなたたちの代わりに行ってくれる人がいたらって、そう考えちゃうの」

待つことしか出来ないのは辛い。
律子さんは口に出さないけれど、自分が行きたかったのだろう。
でも彼女の代わりは誰にも出来ない。
律子さん自身が一番判っているから自分が残ると言い出したんだ。

だから、わたしはわたしに出来る精一杯の笑顔で律子さんに

春香「だいじょーぶ!ですよ!」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 13:54:22.49 ID:94djENKYo
声が大きすぎた。律子さんが目を丸くしている。

春香「心配しすぎですよ!わたし達は必ず……帰ってきますから、ね?」

驚いた表情のままわたしを見つめていた律子さん。
不意にニヤっと笑った。

律子「言ったわね〜。その言葉信じるわよ?」

春香「はい!任せてください!必ずプロデューサーさんを連れて帰って、全員でパーティーを開きます。律子さんの好きなお菓子も作っちゃいますから!」

律子「ふふっ。期待しちゃうからね?」

春香「はいっ!」

わたしにできることはそんなに多くないから。
約束を破るつもりはないけど、何が起きるか分からないから。
だから今だけは、最高の幸運を信じて笑っていてほしいな。
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 13:55:02.53 ID:94djENKYo
<お気楽三人組>



真美「ねーお姫ちーん。そろそろ出ようよー」

真美達は今らぁめん屋さんにいる。
律ちゃん達が作戦会議をするので外に出てきたのだ。

サボったんじゃないよ?
昨日のケガはもうほとんど治ってたんだけど、体力は違うから〜とか言ってメンジョされたのだ。
もっとも真美はピチピチなので一回寝れば元気マンタン!なのだけどね。

お目付け役としてお姫ちん。
そしてどうせ寝てるからとミキミキも一緒にゴハンを食べにきたのだ。
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 13:55:32.22 ID:94djENKYo
貴音「真美、慌ててはいけません。食事は優雅に、ゆっくりと……。すろぉふぅどというものです。素晴らしいことですね」

お姫ちんはつまんだナルトをうっとりと眺めている。
丼を重ねてご満悦だ。

ミキミキはおにぎりを食べたら机に突っ伏して寝てしまった。
よだれが薄く糸を引いてとても幸せそうだ。

このメンバーだと真美が突っ込み役ってのが辛いよね。

真美「でも、もう3時間もここにいるじゃーん」

お店の人は何も言わないけどちょっぴりお尻のすわりが悪い。
それに真美たちはアイドル!なのだ。一応。
らぁめん屋さんに3時間も居座っているのをファンの兄ちゃん姉ちゃんに見られたらカッコ悪くて恥ずかしい。
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 13:56:13.90 ID:94djENKYo
貴音「おや、もうそんな時間ですか。わたくしとしたことが」

お姫ちんの大きなお尻がやっと動いた。
せっかくのお休みなのに、らぁめん屋さんに行っただけで終わるのは本気で嫌だったので助かったよ。

真美「ほらミキミキも起きて。お店出るよ」

美希「あふぅ」

昨日一番に寝て、今日は最後に起きて、それでこれだけ眠れるミキミキはちょっとすごい。真似したくないけど。

貴音「さぁ3時のおやつを食べに行きましょう」

ずっこけ芸を披露したのは初めてだったよ兄ちゃん。
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 13:56:41.30 ID:94djENKYo
<おかえりなさい>

夕方、日が落ちてくると落ち着かなくなってきた。
昨日私達が帰ってきたのは今よりもすこし早い。
勿論同じ時間に帰ってくるわけじゃないんだけど、やっぱり心配だ。

千早「春香、座ったら?」

千早ちゃんにそう言われるまで自分が立っていることに気がつかなかった。

春香「うん。でももう帰ってくるかもしれないから……」

わたしは窓から洞窟の入り口を見ていた。
暗くなくても遠すぎてよく見えないんだけど。
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 13:57:09.92 ID:94djENKYo
昨日待ってた人たちはこんな気分だったのかな。
やだな、律子さんに心配するなって言ったのに。
気分を変えるために千早ちゃんに話しかけてみた。

春香「真は?」

千早「トレーニングするって行って走りに行ったわ。そろそろ帰ってくると思うけど」

春香「あ、そうなんだ」

特に意味のない問いかけ。
言葉が上滑りしてるのが分かる。

春香「プロデューサーさんどうしてるのかなぁ……」

ポロっとこぼれてしまった。
千早ちゃんをそっとみると聞こえてなかったみたいだ。手元の本を熱心に読んでいる。
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 13:57:46.10 ID:94djENKYo
引っかかっていることがある。
プロデューサーさんをさらったのはワードナというおじいさん、らしい。
らしい、と言うのはそのワードナさんが御伽噺にしか出てこないくらい古い人なのだ。
なんで今更そんな人が出てきてプロデューサーさんをさらったのだろう?

あまりよろしくない頭を捻ってもリボンが衣擦れの音を立てるだけで何も出てこない。
ナントカの考え休むに似たり。本人に聞こう。
そう結論付けるとドタバタと騒がしい声が聞こえてきた。

千早「ふふっ、相変わらず騒がしいのね」

春香「うんっ!」

難しいことを考えるのはわたしの役目じゃない。
とりあえず今は

春香「おかえりなさいっ!」

二日目終わり
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 13:58:18.42 ID:94djENKYo
6日目 Bサイド

<ゆきぽ症候群>

律子「じゃあ出発前にちゃんと薬を補充しとくのよ」

伊織「わかってるわよ。伊織ちゃんに同じミスはないわ」

雪歩「うぅ……ごめんなさい……」

申し訳なくて顔が上げられないです。
私のクラスはプリースト。パーティの治癒と回復を司る生命線です。
なのに私はいまだに回復の呪文を覚えていません。
そんな僧侶は出来の悪い戦士。まがい物のファイターです。
あぁ穴を掘りたい……。
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 13:59:29.80 ID:94djENKYo
あずさ「雪歩ちゃん、この前も言ったけど慌てることはないのよ?」

亜美「そーそー、レベルが上がれば自然に覚えるんでしょ?亜美も魔法使えないけど、直接戦えるゆきぴょんのほうがずっとエライよー」

雪歩「うぅ……ごめんなさい……」

また謝ってしまいました。きっとここはお礼を言う場面なのに。
わかっていても反射的に謝る癖は直りません。

響「そーだなー、でも早めに覚えてくれると助かるぞ!傷薬も安くないしな」

はぅ!
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 13:59:57.07 ID:94djENKYo
雪歩「ごごごごごめんなさい!おおおお金はなんとかしますから!」

響「あ!違うぞ!責めたわけじゃないんだぞ!」

わかってます。響ちゃんはそんな子じゃありません。
純粋に早く覚えてくれると助かると言葉のままの意味で言っただけ。
だから余計に情けなくなるのです。私が留守番役ならよかったのに。
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 14:00:37.41 ID:94djENKYo
負のスパイラルが胸のうちに渦まいてドンドン深みに落ちていく。
穴がほしい。すっぽりと隠れてしまえるほど大きな穴が。

ふわっと、優しい香りに包まれました。

やよい「よーしよし、大丈夫だよー」

え?
やよいちゃんが屈んだ私を抱きしめてくれていたのです。
ゆっくりと、私のほうが年上なのに、まるでお姉さんのように言葉を繋ぎます。
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 14:01:08.02 ID:94djENKYo
やよい「雪歩さんは頑張ってます。わたし知ってます」



やよい「どーくつに入った日でも律子さんと夜遅くまでお話してました」

やよい「お休みの日でも難しい本をいっぱい読んで勉強していました」

やよい「毎日一生懸命じゅもんの練習をしてました」

やよい「犬が苦手なのに前に立って私たちを守ってくれました」

やよい「どんなに大変でも『大丈夫だよ』って笑ってくれました」

やよい「だから……雪歩さんが頑張ってるのわたし沢山知ってますから!だから、えーと」
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/02(土) 14:01:26.00 ID:cWUNTV/Do
おもしろそう。
昔は目をつぶってても進めたな・・・
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 14:01:56.37 ID:94djENKYo
優しくて
温かくて
嬉しくて
悔しくて
そしてなんだか恥ずかしくなって。

私は泣いてしまいました。

やよい「わわっ!雪歩さん!わたし変なこと言っちゃいましたか!?」

違います、違うんです。
上手く言葉にすることが出来なくて、
ただ首を横に振るだけの私を優しく撫でてくれたやよいちゃん。

ありがとう。
これだけはいますぐ伝えたいな。
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 14:05:02.05 ID:94djENKYo
<響あらぶる>

伊織「ちょっとあずさー!!」

やよい「あずささーん!どこですかー!」

キャンプを張ろうと準備をしていたらあずささんがいなくなってしまったぞ。

伊織「まったくもう!なんで一瞬でいなくなるのよ!もう!」

怒った伊織は結構怖い。普段はちっちゃくて可愛いのに。
自分も声を出してみたけど壁と天井が音を吸い込んでしまうみたいで遠くまでは声が届かなかった。
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 14:05:33.24 ID:94djENKYo
雪歩「ど、どうしましょう……一度街に戻ったほうがいいんでしょうか?」

雪歩の提案をすばやく検討する。

響「うーん……わかんないぞ」

亜美「案外街に戻ってるかもしれないよね……」

響「うん、それはあるかもしれない」

都合のいい考えだとは思うがあずささんならありえなくもない。

伊織「いえ、念のためここは二手に分かれましょう」

雪歩「えぇ!?バラバラになるんですか!?」

伊織「ここは街からそれほど離れていないから亜美にひとっ走りしてもらうわ」

響「なるほどー」

合理的に聞こえる。
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 14:06:56.90 ID:94djENKYo
さっきから自分の意見がないことに気がついた。
完璧な自分がこんなことではいけない。
何か意見を出してみることにするさー。

響「こういうときは誰かに聞いてみるがいいと思うぞ!」

自信ありげに言ってみた。

伊織「はぁ?」

やよい「響さん、聞くって誰に聞くんですか?」

む、やよいにまで突っ込まれてしまったぞ。

響「そんなの決まってるさー!モンスターに聞くんだぞ!」
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 14:08:12.65 ID:94djENKYo
呆れた顔をされてしまった。
どうして信じてくれないのか。
自分は家族の言葉は全部わかるし動物形のモンスターとならきっと話せるはずだぞ!

響「本当なんだぞ!嘘なんかついてないからな!」

伊織「あ、ちょっと!」

響「たのもー!」

元気いっぱいに挨拶して部屋に入った。挨拶は基本だからな。
部屋の隅っこでビックリした顔をしてるのはおなじみのコボルトだ。
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 14:08:39.44 ID:94djENKYo
響「お前ちょっといいか?聞きたいことがあるんだけど」

コボルド「…………?」

問答無用で襲ってくることはないようだ。やっぱり挨拶は大事だな!

響「おっぱいの大きいショートカットの優しそうでおっぱいの大きい女の人を見なかったか?」

コボルト「……ミテナイ」

響「そっかー……」

いきなりは無理だったけどちゃんとコミュニケーションは取れた。
自分パーフェクトだな!
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/06/02(土) 14:13:02.32 ID:94djENKYo
コボルト「ニオイアレバサガセル オレハナイイ」

響「ホントか!?コボ介!」

雪歩「な、なんて言ってるの?響ちゃん?」

部屋の外から顔だけを覗かせて雪歩が聞いてきた。

響「匂いがあれば探せるって言ってるぞ!なにかないか?」

雪歩「えと、さっき貸してもらったハンカチなら。汚れちゃってますけど……」

コボ介に先導してもらいあずささんの探索が始まった。
コボ介は見かけよりも年を取っているらしく、モンスターも顔を見ると静かに立ち去っていったのさー。

響「どうだ?コボ介」

コボ介「ニオイツヨイ チカイ」

亜美「ひびきーん、本当にいるの?見たことない場所なんだけど」
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/02(土) 21:44:34.74 ID:Bq3gAXOJo
マイルフィック「ティルトウェイトでございま〜す!」
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/02(土) 23:06:26.46 ID:cWUNTV/Do
グレーターデーモン養殖してるアイドルたちは見たくない・・・
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2012/06/12(火) 23:00:39.30 ID:bqEiHAA8o
続きまだー?
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/06/20(水) 03:06:51.20 ID:/rbuAijfo
まだかな?
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