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P「アイドルギアソリッド」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/06/04(月) 22:07:18.77 ID:XJT5p3p4o
MGS3の登場人物をアイマスキャラに置き換えてSSにしてみようという試み
人数の都合上ストーリーに一部改変あり、地の文も入るので注意して下さい。

〜〜
第二次世界大戦終結後、世界は東西に二分された。
冷戦と呼ばれる時代の幕開けである。

モブ1「パキスタン上空、高度3万フィート
   間もなくソ連領空に近づきます」

モブ2「降下20分前、機内減圧開始
    装備チェック、自動開傘装置のアミングピンを外せ」

順二郎「よし、準備はいいかね?」

モブ1「高気圧、依然として目標地域に停滞中
    CAV・OK」

順二郎「いいぞ、視界は良好だね」

モブ3「菓子を食べるのはもうやめろ」

亜美「え→!?いいじゃん!」

モブ1「酸素ホースを機体のコネクターに接続、マスク装着せよ」

亜美「もうちょっと食べさせてよ…」

モブ3「この子、やっぱり素人じゃないか…」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1338815238(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)
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諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714136403/

少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/06/04(月) 22:07:38.10 ID:XJT5p3p4o
モブ1「降下地点に接近中」

モブ2「降下10分前」

順二郎「亜美君、聞こえたかね?」
    《食べるのをやめてマスクを装着してくれ》

亜美「ちぇー…」

モブ1「機内の減圧完了、酸素供給状態確認、後部ハッチ開きます」

モブ2「日の出です」

モブ1「外気温度摂氏マイナス46度
    降下二分前、起立せよ」

順二郎「時速130マイルで落下する
     風速冷却での凍傷に注意するんだ」

モブ1「降下1分前、後部に移動せよ」

モブ2「酸素装置作動」

順二郎「これが記録に残る世界初のHALO降下になる…」

モブ1「降下10秒前、スタンバイ…全て正常、オールグリーン」

モブ2「降下準備、カウント、5,4,3,2,1--」

順二郎「鳥になってきたまえ!幸運を祈る!」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/06/04(月) 22:21:46.81 ID:XJT5p3p4o
順二郎「亜美君、よく聞いてくれ
     ついにCIA長官からバーチャスミッションの許可が出た」

亜美「ばーちゃるみっしょん?」

順二郎「我々765プロの存在意義をかけた、バーチャスミッションだよ
     これが成功すれば、アイドル事務所としての大きな一歩を踏み出せる」

亜美「貞淑なミッション…社長さん、難しい言葉をつかいますなぁ
   つまり→、めっちゃ余裕ってことっしょ?」

順二郎「気は抜かないでくれよ、あくまでも実践だ」

亜美「はいはい、わかってるよ→
    それで?記念すべきミッションの内容は?」

順二郎「うむ…約2年前
     ソ連のあるオタクが西側への亡命を申し出た
     我々の潜入工作員を通じてな
     コードネームは"サイネリア"
     阿蘇連の兵器開発を担当する秘密設計局のひとつ
     OKB-961の局長であり、東側の兵器開発における第一人者だ」

亜美「サイネリアって…あのネットに動画をアップしてる?」

順二郎「そう、そのサイネリアの事だ」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/06/04(月) 22:36:57.47 ID:XJT5p3p4o
順二郎「1961年4月12日、ソ連は人類初の友人宇宙飛行に成功した」

亜美「地球は青かった、まるでブルーハワイのように」

順二郎「むぅ…?少し違うな
     まあいい、そのガガーリン少佐を送り届けたのがA1ロケット
     通称ヴォストークロケットというものだ
     サイネリア君はそこで使用されたマルチエンジン・クラスターの完成に最も功績のあった人物らしい
     有人宇宙飛行の成功後、サイネリア君はロケット開発を離れ
     新設された秘密設計局の局長へ就任した」

亜美「動画をアップしてただけのオタクなお姉ちゃんが局長に?
   なんかスッゴイね→なんで亡命なんかするの?」

順二郎「それがよくわからないのだが…もともとアイドル業界が嫌いだったらしい」

亜美「その為に、国も家族も捨ててギューンと亡命しちゃうの?」

順二郎「いや、家族もこっちで保護するというのが彼女の出した条件だったよ
     我々は潜入工作員を使って家族を先に脱出させ
     間をおかずサイネリア本人もベルリンの壁を越えさせる事に成功した
     その亡命作戦の指揮を取ったのがこの私だったんだ
     しかし、いかんせん半分ひきこもりだったので、体力がなくてね
     西ベルリンの病院に一度入院させたんだ
     ソ連の設計局から600マイル以上、2週間かかってたどり着いたらしい
     その2週間後に、大事件が起きた」

亜美「ベルリンの壁崩壊だね!」

順二郎「キューバ危機だ」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/04(月) 22:49:56.19 ID:GH2kyxtIO
2だったら、2繋がりと発売当初の不人気繋がりで
雷電ポジにジュピターの誰か置くとか出来たのに…
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/06/04(月) 22:51:31.42 ID:XJT5p3p4o
順二郎「1961年10月16日
     キューバにソ連の中距離弾道ミサイルが配備されつつあるという情報が
     ケネディ大統領の下へ届けられた
     大統領はソ連へミサイルの解体・撤去を要求し
     同時に新たなミサイル搬入を阻止するため海上封鎖を実行すると宣言した
     だがソ連はそれに応じず第二戦備態勢を指令
     ミサイルを積んだソ連輸送船団も以前キューバを目指し続けた
     米ソ両国は全面核戦争への臨時体制に突入
     一触即発のにらみ合いの中、国連緊急安保理事会や非公式の接触を通じた交渉が行われた
     そしてついに、10月28日だ
     ソ連はキューバからのミサイル撤去に同意して
     世界は前面核戦争の危機を脱した」

亜美「からあげ食べたいまで読んだ」

順二郎「だが、ソ連がミサイルを引き上げた裏にはある取引があったんだ」

亜美「亜美寝ていい?」

順二郎「トルコからのミサイル撤去…ではなく
     亡命したサイネリア君の返送だったんだ」

亜美「つまり…えっと、そのサイネリアって姉ちゃんの為にミサイルを撤去したの?
    一体どうして…」

順二郎「その時は我々も何もわからなかった
     タイムリミットは迫っていた
     サイネリアという一人の少女か?全面核戦争か?
     選択の余地はなかった
     大統領もフルシチョフの要求をのんだ」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/06/04(月) 23:21:05.18 ID:XJT5p3p4o
すまん、フルシチョフは黒井に置き換えてくれ

順二郎「翌日、私はサイネリア君を病院から出し
     東側の局員に引き渡した
     サイネリア君は「助けて」と叫び続けていた
     見えなくなるまで
     …そして一ヶ月前、我々の工作員から再び情報が入った
     サイネリア君は設計局に連れ戻され、KGBの監視下で例の兵器開発をさせられているらしい
     しかもそれは完成直前ということだ」

亜美「その兵器って?」

順二郎「詳細はわからんが、特殊な核兵器の一種らしい
     この半年、ソ連で頻繁に核実験が繰り返されている」

亜美「それがサイネリア姉ちゃんの兵器に関係あるって事?」

順二郎「黒井がキューバからミサイルを撤退させてまで取り返したかった極秘兵器だ
     情報によると、設計局から西3マイルにある、ツェリノヤルスクという山の中に移されたらしい」

亜美「どうして?」

順二郎「兵器の野外実験演習らしい
     奪還には好都合だ、設計局内だったら今回の任務は立案されなかっただろう
     これが最後のチャンスだ、サイネリア君もそれで連絡を取ってきたに違いない
     私は彼女を助けたい、亜美君、この任務に参加してくれ」

亜美「いいYO→」

順二郎「随分と軽いな…」
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/06/04(月) 23:22:59.77 ID:XJT5p3p4o
今日の投下は終わり

一応キャストはMGS,MGS2分は軽く考えてはいます
後は気力と面白さの問題
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/04(月) 23:32:11.84 ID:IO8ghdh5o
乙。そして期待してる
しかし亜美がネイキッドか…他の配役が楽しみだ
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/06/04(月) 23:54:07.32 ID:UJPWs4uMo
3を最初に持ってきたということは
時系列順にMGS4まで行ってくれると信じてるよ
11 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/05(火) 21:51:53.77 ID:QwRGlcEoo
酉つけときます

順次郎「亜美君の任務は、ソ連国内の山中、ツェルノヤルスクに単独潜入
     サイネリア君の安全を確保、西側へ奪還する事だ
     例の兵器が完成する前にサイネリア君を奪還しなければ大変なことになるかもしれん
     残された時間は、わずかだ」

カシュ!(パラシュートを開く)

順二郎「サイネリア救助確認後、リカバリーポイントで待っててくれ
     こちらから回収用気球をポイントに投下する
     その後、ガンシップのアームでひっかけてつり上げる」

亜美「プルトニウム回収システムって奴っしょ?
   名前は聞いたことある!」

順二郎「フルトン回収システムだ、実績もある」

亜美「サイネリア姉ちゃんは大丈夫なの?」

順二郎「衝撃はパラシュート降下時よりも少ない
     アームの強度も500ポンドまでは大丈夫だ」

亜美「そのずんぐりむっくりで国境を越えるつもりなの?」

順二郎「安心してくれたまえ、武装はしている
     だが、予備タンクの燃料を考えてもタイムリミットは4時間
     順調にいけば数時間で終わるミッションだが…
     スムーズにいかなければジャングルで朝を迎えることになる」

亜美「うげー」
12 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/05(火) 22:01:52.79 ID:QwRGlcEoo
亜美「あわわわわ!!パラシュートで森に突っ込んじゃうよ!どうやって減速するの!?」

亜美「いたたたたたたたたた!!!
    いった!?痛い痛い!」

ブチ!
ドシャー!

亜美「っつー…酷い目にあったYO…とりあえず無線無線」

順二郎『聞こえるかね?そこは既に敵地内だ。
     傍受される危険性がある、今後はお互いをコードネームで呼び合う事とする
     君の本ミッションでのコードネームはアーケード・亜美だ
     しかし便宜上今後も亜美、亜美君と表記する』

亜美「アーケード?」

順二郎『アーケード版は嫌いかね?』

亜美「嫌い?どういう意味?」

順二郎『プレイしたことはあるな?』

亜美「まあ、ちょっとだけ…」

順二郎『それは何よりだ』

亜美「でも、カクカクであんまり好きじゃないなぁ」

順二郎『グラフィックが全てじゃないさ』
13 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/05(火) 22:12:50.48 ID:QwRGlcEoo
亜美「それで、亜美は社長さんの事をどう呼べばいいの?」

社長『そうだな…私は…社長だ、長いから名前の表記も社長とする
   今回のミッションは隠密潜入任務だ
   敵に見つかってはならない、潜入の形跡も悟られてはいけない、わかるね?
   それが我々「765プロ」の特殊任務だ
   パラシュートも回収して、処分するかバックパックに詰めて携帯してくれたまえ
   食料も現地調達、まさにサバイバルだ』

亜美「現地調達って…食べれるようなのいるかな
   どうやって調達すればいいの?」

社長『ナイフと麻酔銃が装備に含まれていただろう
   それでキャプチャーしてくれ
   他にも治療用の備品もバックパックに入れてある』

亜美「…あ!!リュックサックならさっき木にひっかかっちゃったよ!!」

社長『それは困る、まず回収してくれ
   場所はわかるかね?』

亜美「うん、ここから見えてるよ」

社長『私は亜美君をずっと無線機でモニターしている
   領空侵犯は出来ないが、機内にいる
   周波数は140,85だ、こちらから連絡がある場合はCALLする』

亜美「え!?ちょっとメモるから待って!」

社長『これはゲームだ、勝手に周波数は合わせてくれる』
14 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/05(火) 22:31:06.82 ID:QwRGlcEoo
亜美「さてと…さっそくリュックサックを拾いにいかないとね」

亜美「木に登るには万能三角…よいしょ
    うぎぎぎぎ…ぐぬぬぬぬ…ひぃ、腕が疲れる!!」

亜美「げっちゅ!違うゲ→ムって怒られそうだからさっさと進もう!
    …っと、その前に、パラシュートとかも拾わないと
    こんな小さなリュックにどうやって入ってたんだろ
    とりあえず畳んで埋めちゃえばいいよね」

〜〜

社長『亜美君、バックパックを回収したようだね
   今後も何も痕跡を残してはいけない
   そこはソ連の領域だ、米兵が存在してはならない
   もし亜美君が捕まっても政府は関与を否定するだろう』

亜美「亜美ひとりぼっち…?」

社長『寂しがらないでくれ、私を含めたバックアップチームが無線でバックアップする
   紹介しよう、今回の任務で君の体調管理を担当するスタッフだ』

小鳥『よろしくね、亜美ちゃん』

亜美「ピヨピヨがパラメディックかー、ひねりがなくてつまんないなー」

小鳥『あ、あんまりガッカリされるとお姉さん傷つくなー
   ハードディスクにある亜美ちゃんの秘蔵写真をばらまきたくなっちゃいそう』

亜美「ピヨピヨいつの間にそんなものを!?」

小鳥『亜美ちゃんが任務から生きて帰ってきたら消してあげる』
15 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/05(火) 22:44:37.27 ID:QwRGlcEoo
社長『亜美君、それからもう一人紹介したい人がいる』

亜美「?」

社長『アケマスといえば、天海春香君を知っているな?
   君の先輩であり、売れっ子アイドル…
   実は、長官から本ミッションの実行許可を取り付けてくれたのが彼女なんだ
   今回は天海君が「765プロ」のミッション・アドバイザーを勤めてくれる』

亜美「はるるんが!?」

社長『ミッション立案にも、天海君が協力してくれた
   彼女は昔から気配りの出来るいい子だね』

春香『やっほー、聞こえてる?』

亜美「はるるん…」

春香『えへへ、久しぶり』

亜美「…」

春香『ははは…返事してよー?
   亜美の声が聞きたいなー』

亜美「6年ぶりだよ」

春香『亜美、少し痩せたね』

亜美「声だけでわかるの?」

春香『わかるよ、目を閉じれば亜美が見える』
16 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/05(火) 23:08:15.12 ID:QwRGlcEoo
亜美「亜美の事わかってるのに」

春香『どうしたの?』

亜美「どうして突然、亜美の前からいなくなったの?」

春香『ごめんね、詳しい事はいえないお仕事があったの
   …亜美ももう大人なんだから、一人でなんとか出来ると思って』

亜美「まだまだだもん」

春香『ううん、アイドルとして教えられる事は全部教えたよ
   後は、亜美が自分で学ばないといけないこと』

亜美「…まだアイドルの精神は教えてもらってないもん」

春香『ふふ、甘えん坊なんだから
   精神は教えられないよ、人から教われるのは技術だけ
   心は自分で育てないと』

亜美「ぶー…」

春香『政治は生き物、それに動かされるアイドルも一緒』

亜美「だから亜美の事置いてったの?」

春香『敵も味方もない、昨日の正義は今日の悪かもしれない
   そんな中、自分が自分でいられる理由って何?
   私は、私がアイドルだから、私でいられるんだと思うな
   そういう、アイドルの姿を、亜美もちゃんと見つけてね』
17 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/05(火) 23:28:57.90 ID:QwRGlcEoo
社長『さて、あんまり陰気臭くなっても良くない
   そこから北に行った所にある廃工場に監禁されている
   極力戦闘を避け、見つからずに行動するんだ
   ステルス任務である事を忘れないでくれたまえ」

亜美「おっけー!ばーちゃるみっしょんを開始するよ!」

社長「バーチャスミッションだ」



〜〜
20分後

亜美「おー!カエル!
    あ、こっちにもカエル!」

社長『時間は3時間しかないんだ
   カエルで遊んでないで進んだほうがいいぞ…』

亜美「あ、そうだった!」

社長(不安になってきた)

亜美「…!社長、敵が二人いるよ」

社長『おそらくサイネリア君を見張っているKGBの兵士だろう
   敵との接触は禁じる、戦闘も避けてくれたまえ
   隠密行動だ、いいかね?』

春香『亜美、ジャングルでの隠密潜入にはカモフラージュが重要だよ
   動かず、その場に溶け込めるように考えてね』

亜美「よ、よーし!いっちょババーンとこっそりいきますか!」  今日の投下はここまで
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岐阜県) [sage]:2012/06/05(火) 23:38:11.82 ID:JWaKPVuNo
乙。いいねぇ
19 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/07(木) 09:34:13.45 ID:gWuPBSERo
昨日分投下します

亜美「こっそりこっそりこっそりな〜♪いそがずあせらず〜♪
   まいろ〜か〜♪」

亜美「この地域ではウッドランド迷彩が有用だね
   フェイスペイントも…うわ、なんかベタベタする
   文句ばっかり言ってられないか…
   せめてもっと良い匂いのするの作ってくれればいいのに」

敵「…ん?」

亜美(やば!)ガサッ

敵「気のせいか…」

亜美(ちょうどいいや、このまま通り過ぎるのを待とう)


〜〜

社長『亜美君!いい加減起きたまえ!!』

亜美「ふぁ…あ!すっかり寝ちゃってた!」

社長『まったく信じられない
   あまり時間に余裕はないんだ、早く進みたまえ』

亜美「お…ちょうど敵さんも交代時間なのかな、このまま進んじゃえ」
20 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/07(木) 09:43:11.35 ID:gWuPBSERo
〜5分後〜

亜美「あそこにも敵さんが…ん?」

亜美(あれは…蜂の巣…?)

亜美「…ニヤリ」

亜美「サプレッサーよし、セイフティを外して…」パシュ

ブーン
敵「うわ!?なんだ!?」

亜美「んふっふ〜、上手く逃げてくれたね
    やっぱり亜美って天才かも?」

亜美「あれ?もう敵さんいないのかな…ってあれ!あの建物そうじゃん!」

ツー
亜美「社長さーん、サイネリア姉ちゃんが監禁されてるっぽい建物みつけたよ
    ボロボロでオバケが出てきそうな感じ?
    双眼鏡どこやったっけ…んー、敵もメッチャいるよ」

社長『サイネリア君は廃工場の奥
   北東部の部屋に監禁されているはずだ
   気をつけてくれよ、彼女を生きたまま連れて帰らなくてはいけない
   敵に発見された状態で接触してはダメだ』

亜美「了解ちゃん!」

社長『…それと、亜美君』

亜美「ん?」

社長『救出に成功したら彼女に伝えて欲しい
   …遅れてすまない、と』

亜美「うん!亜美にババーンと任せてよ!
   そんじゃ行って来るね!」
21 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/07(木) 10:03:46.16 ID:gWuPBSERo
〜〜

亜美「すみっこの草むらをこそこそしてたら普通に着いちゃった
    そこの敵さんも背中向けてたから眠ってもらったし
    亜美ってもしかして才能あるかも?」

ガチャ

亜美(あの何か燃やしてる人がサイネリア姉ちゃん?)

亜美「お姉ちゃんがサイネリア?」

サイネリア「!?
       アンタ、あのロン毛の手先ね!
       私はロン毛の下でなんか働かないわよ!」

亜美「んー?姉ちゃん少し落ち着いてよ
    亜美はCIAからお姉ちゃんを助けるように送られてきたんだよ?」

サイネリア「CIA…?」

亜美「うん、二年前にお姉ちゃんを亡命させた順二郎社長の下で働いてる765プロのアイドル!」

サイネリア「765プロ…」

亜美「あ、社長さんから伝言があるんだった
    「遅れてごめんねー」って」

サイネリア「…そうデスか」
22 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/07(木) 10:24:27.19 ID:gWuPBSERo
亜美「どういう意味なの?」

サイネリア「あの人は約束を守る人ってことですよ
       …あ!それより、早くここから連れ出してください!あいつらが来る前に!」

亜美「あいつら?」

サイネリア「あのくそむかつくロン毛デスよ!
       えーっと…名前は尾崎!」

亜美「尾崎?うーん聞いた事ないなぁ」

サイネリア「ソ連の政権奪取を狙ってるチョー!ヤバイ奴です!
       二年前のキューバ危機以来、黒井社長は西側との平和共同路線を進めてきました
       軍や地方有権者などのタカ派から弱腰と非難される事を知っていながら
       でも黒井さんは反対勢力を何とか抑えてきました
       だけど、傘下のこだまプロダクションが失態を晒して立場が危うくなってきた上に
       去年の11月に事件が起きたんです」

亜美「11月って…順一郎社長の大統領就任?」

サイネリア「ハイ…黒井さんはあの人相手だと、妙に意地を張ってしまう癖がありますから…
       今まで進めてきた西側との連携もギクシャクしちゃって
       黒井さん自身の立場も今はかなり危ういって感じデス
       それを機に、反黒井派を糾合して現政権を覆し権力を手に入れようとしているのが…」

亜美「さっきの、尾崎って人?」

サイネリア「あのロン毛は秘密兵器設計局OKB-876、通称876プロダクションを抱えて後ろ盾にしています
       しかも、それだけでは飽き足らずあのロン毛は私がここで作らされてた兵器を奪って
       それで政権転覆を狙ってるんデス!この演習中に行動を起こすという情報も入ってきています
       …そういう事なんです、ロン毛はかならずやってきマス!私を早く連れ出してください!」

亜美「あいあいさー!亜美に任せて!」

サイネリア「それにしても、こんな小さな子がアイドルなんて
       やっぱり、アイドル業界はブラックで怖い所デス…」
23 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/07(木) 10:28:50.09 ID:gWuPBSERo
亜美「社長さーん!亜美だよ!
    サイネリア姉ちゃんを無事に救出!めっちゃ元気!」

社長『よくやったぞ亜美君!
   サイネリア君を連れて回収地点まで急いでくれたまえ!
   見張りには?』

亜美「んっふっふ〜、亜美は誰にも見つかってないよ?すごいっしょ!」

社長『うむ、では脱出を急いでくれ』

亜美「…はるるんは?」

社長『先ほどから連絡が途絶えている
   おそらく電波状況が悪いだけだろう、あまり気にするな』

亜美「…うん、わかった」

24 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/07(木) 10:30:16.12 ID:gWuPBSERo
一旦終了

今日の夜また投下しに来ます
25 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/07(木) 23:26:17.89 ID:gWuPBSERo
投下開始します

ガチャ
亜美「…よし、行こう」

サイネリア「ひぃ…本当に大丈夫なんデスカー?」

亜美「しっ」

兵士1「動くな!!」

亜美(あー…)

サイネリア「やっぱりぃ!」

亜美(1,2,3,4人か…どうする?)

千早「やっと会えたわね、春香
   765プロの誇るアイドルに…」

兵士3「貴様…!スペツナズの山猫部隊!」

兵士4「GRUの兵士が何故ここに?」

千早「…兵士ですって?」

兵士「いや、歌姫の千早さんだ!」

千早「顔も見ないで判断しないで欲しいわ
    私は…千早少佐よ」ドヤァ
26 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/07(木) 23:37:57.57 ID:gWuPBSERo
兵士2「サイネリアは渡しませんよ
    さっさと帰ってください」

千早「山猫は獲物を逃がさない」

兵士「何だと?」

亜美「やばっ!伏せて!」

サイネリア「ひゃぁ!?」

ダンダンダンダン!!ダンダンダン!

千早「…GRUの為とはいえ
   同志を撃つのは気分の良いものではないわね」

亜美「サイネリア姉ちゃん、隠れてて!」

サイネリア「ひぃぃ!!」

千早「…姉ちゃん?」クルッ

亜美「…」

千早「春香じゃない…」

亜美「人に顔見ないで判断するなって言っておいて自分で間違えちゃったの?」

千早「くっ…!私を馬鹿にしたわね…死んでもらうわ!」

亜美「えー!?」
27 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/07(木) 23:46:24.24 ID:gWuPBSERo
千早「…!待って、あなた…」

亜美「ん?」

千早(私より、胸が大きい…?)

千早「そんな…」

亜美「ははーん?お姉ちゃんの"ココ"何か詰めてるんだ?」

千早「!?」

亜美「詰めないで何cm?」

千早「…な、72…」

亜美「亜美は何も詰めないで74せんちだよ→」

千早「2cmも…負けた…」

亜美「でも、姉ちゃんめっちゃ美人なんだから、何も詰めなくていいと思うな」

千早「くっ…また会いましょう!」

亜美「ばいば→い」
28 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/07(木) 23:53:17.58 ID:gWuPBSERo
亜美「社長さーん、聞こえる?」

社長『聞こえるよ、亜美君
   大丈夫かね?』

亜美「なんだかややこしくなってきたYO
    GRUのえっと…尾崎さん?の手下がサイネリア姉ちゃんを狙ってたっぽいよ」

社長『GRUの尾崎?』

亜美「ソ連内部の昼ドラ顔負けドロドロバトルなんだって
   サイネリア姉ちゃんが言ってた」

社長『KGBに守られながらGRUに狙われてる?
   うぅむ…どうやらそこはキューバよりもホットみたいだな』

亜美「何かイヤーな予感がするよ」

社長『私もだよ、急いでくれ』

亜美「サイネリア姉ちゃんが一人で行っちゃったけど、すぐに追いつくよ」

社長『頼むぞ』
29 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/08(金) 00:05:44.17 ID:Uv+NsaTdo
サイネリア「…」

亜美「やっと追いついたよ
   大丈夫?」

サイネリア「あいつら山猫部隊デスヨ!!」

亜美「山猫…スペツナズ?」

サイネリア「そうです、GRUの中でもエリート中のエリート…!もう無理かも…」

亜美「大丈夫だって→!心配したって仕方ないっしょ!」

ドォン

サイネリア「あれ…」

亜美「双眼鏡双眼鏡っと…あれがお姉ちゃんが作ってた奴?」

サイネリア「そう、シャゴホッド
     IRBMを射出する核搭載戦車デス」

亜美「あんな所から核ミサイルが撃てちゃうの?」

サイネリア「ええ、友軍の支援もなしに」

亜美「そんなのが完成してるの!?」

サイネリア「まだフェイズ1が終了しただけデスヨ
     フェイズ2をクリアしなければ完成とは言えません
     あれが完成してロン毛の手に渡ったら…冷戦が終わるでしょうネ
     それから、本当の恐怖の時代が始まります…」

亜美「起こさせないよ、世界大戦なんて
   さ、行こう?」

サイネリア「…はい!」
30 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/08(金) 00:06:31.92 ID:Uv+NsaTdo
今日の投下分はとりあえず終わりです
31 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/08(金) 23:34:17.14 ID:Uv+NsaTdo
投下開始します

サイネリア「霧が出てきマシタネ…」

亜美「サイネリア姉ちゃん、足元気をつけてよ?
   つり橋から落っこちてミッション失敗なんて亜美はヤだかんね→?
   …止まって」

サイネリア「どうかしましたカ?」

春香「…」

亜美「は、はるるん…?」

春香「お疲れ、亜美」

亜美「どうしてはるるんがここに?」

春香「そこのサイネリアさんを渡してもらうよ」

ガチャン!

サイネリア「うわ!?」

亜美「あ!蜂を使えないからって!ロケット団がピカチュウを捕まえる時みたいな事してる!!」

愛「なんだかんだと聞かれたら!」

絵理「聞かれてないかも?」

愛「え?あ、そうですね…じゃあ答えてあげないです!」

涼「春香さんの下で戦える事、凄く嬉しいです」

32 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/08(金) 23:45:14.71 ID:Uv+NsaTdo
尾崎「876プロのアイドルはお気に召したかしら?」

春香「…尾崎さん」

尾崎「ようこそ、ソビエト連邦へ」

亜美「はるるん!どういうこと!?」

春香「私ね、ソ連に亡命するの
   そこのサイネリアさんを手土産にね」

尾崎「無反動核弾頭…これも手土産に貰ったわ」

亜美「そんな…ウソでしょ!?」

尾崎「その子は?見たところ765プロのアイドルみたいだけど…連れて行く気?」

春香「ううん、亜美はまだ亡命するには幼すぎる」

亜美「はるるん!どういう事か説明してよ!」スチャ

春香「…撃てるの?」

亜美「…!?」(CQC!?)

春香「隙だらけだよ!」

亜美「うわ!」ドテッ
33 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/08(金) 23:57:23.59 ID:Uv+NsaTdo
尾崎「連れて行かないのなら、生かしておけないわ
   黒井社長にバレると色々と処理が面倒になるもの」

春香「尾崎さんは黙ってて
    …亜美、立てる?」

亜美「…うん」

春香「久しぶりに会ったんだから、ハグしてよ
   いつもみたいに、ね?」

亜美「はるるん…?」ギュ

春香「…ごめんね」ドン!!(つり橋から亜美を突き落とす)

亜美「…え?」

亜美「わああああああぁぁぁぁぁぁぁ」

ドボン

尾崎「さぁ、設計局を襲いにいきましょう
   シャゴホットを貰っちゃわないと」

春香(流されて、どこまでも…
   私は留まるしかないから…)

尾崎「何か言った?」

春香「いえ、なんでもないです
   行きましょうか」
34 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/09(土) 00:22:13.97 ID:mj+bS8g1o
PiPiPiPiPiPiPi…

亜美「んぅ…」カチッ

社長『亜美君、聞こえるか?』

亜美「げほっ…聞こえ…てるよ」

小鳥『よく聞いて、亜美ちゃん
   応急手当が必要よ!どうして状態がわかるとか野暮な事は聞かないで言うとおりにして!』

亜美「ん…ぁ」

小鳥『意識をしっかり!』

亜美「社長…も、この無線…聞いてるよね
    はるるんが…げほっ 亡命しちゃった…」

社長『今は君の治療が先だ!』

小鳥『切創は止血前にきちんと消毒しないと駄目よ
   あとでそこから化膿してきちゃうんだから
   辛いでしょうけど、頑張って!下半身が吹き飛んでも助かった兵士もいたから、亜美ちゃんも絶対助かるよ!』

亜美「はは…ピヨピヨの励まし方…めっちゃ斬新だね」

小鳥『訓練で簡単な応急処置の仕方は覚えてるでしょ?
   私達が着くまで持ちこたえて!』
35 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/09(土) 00:43:23.68 ID:mj+bS8g1o
亜美「っぐうぅぅぅ…痛いよぉ…はぁ…」

亜美「…あれ…?」

バババババババババババババ(大量のヘリが核搭載戦車を運んでいる)

亜美「…シャゴ…ホッド…」

〜〜

千早(あんな子が、74cm…)

春香「どうかしたの?」

千早「な、なんでもないわ」

パイロット「安全圏内に達しました」

春香・千早「?」

尾崎「そう、じゃあ設計局の見納めに綺麗な花火でもあげましょうか」

千早「…ちょっと、尾崎さん、まさか核ミサイルを撃ち込むつもりですか!?
   敵対しているとはいえ、ソ連の同胞ですよ!?」

尾崎「うん…いい眺めね
   …吹き飛びなさい」

カチッ  ボシュ!!

ドオオオォォォン

亜美「…まさか…」
36 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/09(土) 01:03:01.66 ID:mj+bS8g1o
〜一週間後〜

モブ「現在北極海上空 高度3万フィート
   ソ連領空に接近中」

モブ「間もなくドローン射出ポイントに到達します
   ドローン 油圧・電圧共に正常
   ベイロードへの酸素供給も正常
   ベイロード用防寒装置への電力供給異常なし
   現在ドトーン切り離しに問題なし」

社長『今回はHALO降下は無理だ
   前回の作戦以来、空域の警戒が厳重になった
   バーチャスミッションの時のように上空へは近づけない
   よってブラックバードからのドローン射出による侵入を行う
   これはアラン・シェパード並みの栄誉だぞ
   これが最後のチャンスだ、愛国心を示してくれ!』

37 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/09(土) 01:06:32.35 ID:mj+bS8g1o
〜数日前の話〜

社長「どうだね?最新の集中医療室に入院した感想は?」

亜美「面会時間は守ってほしいかな
    皆来るから寝る暇もないよ」

社長「やはり上層部が事情聴取に来ていたか」

亜美「あれじゃ聴取じゃなくて尋問だYo…
   亜美、頑張ったのに
   亜美がはるるんを亡命させたって、ずっとそればっか…」

社長「彼らもまた自分のクビの代わりになるものを探しているのだ
   私もまたその一人だよ…お互いヒーローにはなれなかったみたいだ」

亜美「765プロはおしまい?」

社長「まだ終わらないさ
   今日来たのは我々765プロの汚名を返上するためだ」

亜美「…え?」

社長「状況が変わった
   私達が生き残るチャンスがまだある
   …今朝、CIA長官から呼び出しを受けた
   なんでも、昨日ホワイトハウスにソ連のある人から電話があったらしい」


38 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/09(土) 01:22:36.06 ID:mj+bS8g1o
黒井『高木か?』

順一郎『ああ、私だ』

黒井『数日前、私が国の主力設計局、OKB-961が核兵器で消滅した
   ほぼ同時刻、防空レーダーには貴様の国の軍用機の機影を捉えてる
   …何か弁明はあるか?』

順一郎『…』

黒井『こっちでは報復体制を整え
   我が軍には現在、第二戦備態勢が発令されている
   貴様の返答次第では、弱小アリンコ軍団を潰さざるをえない
   …すまないな、アルマゲドンを避けられるような立場ではなくなってきた』

順一郎『こっちから連絡をすべきだったね
    一週間前、我が軍の兵士がそっちに亡命したのは知っているかね?』

黒井『…いや』

順一郎『知らないのか
    手引きしたのは、GRUの大佐、尾崎玲子』

黒井『尾崎…?
    あの雌犬め…それで?』

順一郎『私が以前社長を勤めていた、765プロ筆頭アイドルの天海春香』

黒井『貴様の弱小アイドルなど…ふむ、しかしあの天海春香か』
39 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/09(土) 01:36:48.27 ID:mj+bS8g1o
順一郎『そう、小型核弾頭を2発を持って』

黒井『ウィ…発射機構も?』

順一郎『ああ、遺憾ながらそっちへの亡命の手土産だったのだろう』

黒井『設計局を吹き飛ばされ、周囲は汚染された』

順一郎『その件については…すまなかった』

黒井『一人の兵士が核弾頭を二発持ってソ連に亡命
   時を同じくして設計局がその核で吹き飛ばされた
   貴様はそういうのだな?』

順一郎『ああ』

黒井『あくまで一兵士の亡命であると?』

順一郎『…ああ』

黒井『では軍用機の機影はなんだ?
   明らかな領空侵犯だ』

順一郎『偽装亡命を疑うのも無理は無い
     だが、わが国は無関係だ』

黒井『軍部を抑えるには証拠が必要だ
   …一週間だ、一週間軍部を抑えていてやる
   その間に天海春香の死体をこさえろ』

順一郎『…』

黒井『痛みを伴うものだろう
   だがやれ、世界大戦なんかを起こしてまで
   貴様らのような弱小国と争ってやるほど私は暇ではない
   尾崎も殺して構わん…私からすれば、その方がありがたいからな、ウィ』

順一郎『…わかった』
40 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/09(土) 01:39:00.61 ID:mj+bS8g1o
今夜分は終わりです
41 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/10(日) 22:06:01.21 ID:mwfyTzfxo
投下します

〜〜

亜美「つまり…」

社長「核爆発にアメリカが関与していない事を証明しないといけない」

亜美「亜美が、はるるんを…」

社長「…この際だから、回りくどい言い方はしない
   天海君を[ピーーー]んだ」

亜美「…」

社長(断ったら私共々処刑される事くらい、言わなくてもわかるな…)

亜美「…それで、どろどろソ連ちゃんは何か協力してくれるの?」

社長「衛星をひとつ間借りさせてくれるそうだよ」

亜美「え?それだけ?」

社長「あと、内通者を用意してくれるそうだ
   コードネームはADAMとEVA
   1960年9月に、ソ連に渡ったNSAの暗号解読員だ
   彼らはこういう時の為にKGBで訓練を積んでいたらしい
   そのうちのアダムが尾崎大佐の下に潜入しているそうだ
   脱出経路もアダムが用意する手はずになっている
   現地で落ち合ってくれ」
42 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/10(日) 22:26:17.31 ID:mwfyTzfxo
あうち…規制部分はまあお察しの通りの動詞です

〜ソ連領空〜

モブ1「コントロール、高度3万フィート
    国籍不明の飛行物体を発見」

モブ2「早い!!推定速力マッハ3以上」

モブ1「尚も南下中…間もなく見失う」

社長『機内から射出するぞ、歯を食いしばれ』

亜美「うん…!」

バシュ!!ガサガサガサガサ

亜美「また木ぃ!?いだだだだだだ!!!」

ドシャ

亜美「いった〜…擦り傷だらけだよ…
   社長、聞こえる?」

社長『ああ、まずは着地に成功したようだね
   もう一度任務を伝える
   サイネリア君の救出
   シャゴホッドの開発状況の調査、破壊
   そして…天海春香君の抹殺だ
   本作戦は…アイドルイーター作戦と名付ける』



亜美「…ひねりがないね」社長『言うな』
43 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/10(日) 22:39:33.73 ID:mwfyTzfxo
社長『おお、そうだ
   尾崎大佐の始末もだったね』

亜美「亜美は殺し屋じゃないんだよ」

社長『しかし、黒井の要請はそういう事だ』

亜美「ちぇー、お尻に引かれちゃってさー」

社長『ああ、そうだ…
   コードネームを変えよう』

亜美「いまさら?どうして?」

社長『順一郎ちゃんが、社長の座は貸しているだけだとうるさいんでな
   表記は今まで通り順二郎に戻す』

亜美「はーい
   一からの仕切りなおしだね」

順二郎『いや、君はもうアメリカを経って、ソ連に立った
     すでに二歩目だよ
     …それから、音無君にも作戦に参加してもらっている』

亜美「ピヨピヨも…」

順二郎『それと、もう一人サポートをつける
     武器装備、最新テクノロジーの専門家
     …君のプロデューサーだ』

44 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/10(日) 22:47:47.18 ID:mwfyTzfxo
順二郎『彼がいれば心強いだろう
     この先にADAMが待っているはずだ
     先週のミッションでサイネリア君が監禁されていた工場だ
     まずはADAMと合流してくれ』

亜美「まだどんな人か聞いてないよ?」

順二郎『廃工場まで行けばわかる
     ここはあの核爆発の汚染区域に近いから、他に近づく物好きはいない
     合言葉は…「愛国者は」「ら・り・る・れ・ろ」』

亜美「らりるれろ?
    う〜ん…何か変な合言葉だね、でもわかった!」

順二郎『いいか、亜美君
     この任務の失敗は、前面核戦争の始まりを意味する
     くれぐれも慎重に頼む』

亜美「あいあいさー!」

〜〜

ヒヒーン

亜美(…馬?)

亜美「わー!本物のお馬ちんじゃん!
    どうしてこんな所いるんだろ」

春香「…命拾いしたみたいだね」
45 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/10(日) 23:09:43.71 ID:mwfyTzfxo
亜美「はるるん…?」

春香「亜美、帰りなよ」

亜美「帰れないよ、亜美はね…やらなくちゃいけない事があるんだ」

春香「…」

亜美「あ、亜美ね…はるるんを殺さないといけないんだ」

春香「…そうなんだ」

亜美「…」スチャ

春香「震えてるよ?」

亜美「――いじゃん」

春香「…」

亜美「撃てる訳…ないじゃん…」

春香「…撃てないなら、帰りなよ
   この先、876プロの子も亜美の事殺しに来るよ
   覚えてる?絵理ちゃんとは一度戦った事があるんじゃなかったっけ
   皆、あの頃よりもずっと強くなった、亜美は殺されちゃうよ」

亜美「ど、どこに行くの?」

春香「…帰る。背中も撃てない腰抜けな亜美なんて見てたくないもん」

亜美「あ…」
46 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/11(月) 00:07:52.61 ID:O5fpN9kAo
亜美「待って!!」

春香「…」

亜美「どうして、亡命なんか…?」

春香「亡命じゃないよ
   自分がするべき事をしているだけ
   亜美は?ここまでノコノコ戻ってきて…何も考えてないでしょ」

亜美「あ、亜美は…!!」

春香「甘えないで」

亜美「…」

春香「このまま南に60マイル進めば国境だよ、はやく帰りな
   次会う時、私はお説教なんかしないで引き金を引くからね」

〜〜
亜美「…社長、聞こえてる?」

社長『ああ、聞こえている』

亜美「はるるんに会った…」

社長『な、何だって?』

亜美「どうしてはるるんがここに?
   情報が漏れてるとしか…」

社長『それは考えられない
   天海君と組んでいる尾崎大佐は、黒井とは敵対関係にある』
47 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/11(月) 00:15:32.39 ID:O5fpN9kAo
亜美「亜美もうむりだよ…」

順二郎『しっかりしてくれ、やるしかないんだ
    天海君は敵なんだ』

亜美「敵?今までずーっと一緒に頑張ってきたんだよ!」

順二郎『気持ちは分かる、だがとにかくADAMの待つ廃工場に急ぐんだ
     時間がない、急いでくれ』

亜美「ふん!社長のばーか!」

亜美(…このままこっちに亡命しちゃいたいよ)

〜〜

今日の投下は終わりです
48 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/14(木) 13:46:48.19 ID:MvJsDhbZo
投下開始します

〜〜

亜美「一応着いたけど…誰もいないじゃん
   サイネリア姉ちゃんが隠れてた部屋かな」

ガチャ

亜美「…いないなぁ」
ガチャ

亜美「うわ!眩しい!」

?「…」

亜美「えっと…ADAMさん?」

?「ADAMはちょっと来られないんだって」

亜美「…ホントに?
   合言葉は?「愛国者は」」

?「…」

亜美「姉ちゃん偽者だね!」

敵兵「動くな!」

亜美(は、ハメられた!どうしよう!)
49 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/14(木) 13:57:35.04 ID:MvJsDhbZo
?「伏せて!」

亜美「!?」

ダダダダダダダ!!
ギャー!

?「これが合言葉の答え」

亜美「…ヘルメットとって」

真美「ふぅ、よろしく私がEVA…
    …って、真美がもう一人!?」

亜美「えー!?亜美がもう一人!?」


〜廃工場〜

亜美「はぁ、びっくりした」

真美「社長さんもそっくりさんだって言ってくれればいいのにね」

亜美「…でも、どうしてADAMさんがいないの?」

真美「黒井社長が、ADAMじゃ駄目だって」

亜美「そんなの聞いてないよ?」

真美「そんなの真美に言われても困るよー」

亜美「むー、じゃあいっか」
50 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/14(木) 14:12:20.96 ID:MvJsDhbZo
真美「あ、そうだ!CIAの…」

亜美「亜美だよー」

真美「亜美に渡すものがあるんだった
   はい、アメリカの鉄砲」

亜美「ありg」

P『Coltの45口径か!』

亜美「わ!兄ちゃんどうしたの?」

P『いや、亜美の無線機のカメラ越しに見てるが…素晴らしい一丁だな』

真美「ふっふ〜ん、無線の兄ちゃん、わかってるねぇ」

P『フィーディングランプは延長されてジャムは起こしにくくなってる
 しかも鏡のようにピカピカだ、よくメンテナンスもされてる
 スライドは強化製、フレームとのかみ合わせもタイトにして制度を上げてある
 サイトシステムもオリジナル、官給品の低いフロントサイトじゃなくきちんと調整済み
 サムセイフティも指をかけ易く延長されてる
 トリガーも滑り止めグルーブのついたロングタイプにリングハンマー
 ハイグリップ用に付け根を削りこんだトリガーガード
 全てのパーツが入念にカスタムされてる…ああ!俺も今すぐそこに行ってその銃を触りたい!!』

亜美「兄ちゃん落ち着いてよー」

真美「流石、インパクトのある初登場だね!」
51 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/14(木) 14:25:16.75 ID:MvJsDhbZo
亜美「つまりめっちゃ凄いんでしょ?
   こんな凄い銃貰っちゃっていいの?」

真美「いいYO→!
   ぶっちゃけ倉庫からパクってきた奴だし?」

亜美「ほほ〜おぬしも悪よのぉ」

真美「いえいえ、お代官様ほどでは…ひっひっひ」

亜美「ん?その服は?」

真美「科学者に変装するのに使えると思って持ってきたんだけど、いる?」

亜美「いるいる!変装ってメッチャかっこいいじゃん!」

真美「ここからジャングルを北に向かって
   ヘリポートがあるからそれを超えると大きなクレバスがあるの
   そこを降りて洞窟を抜けると研究所があって
   その先の研究所にサイネリア姉ちゃんがいる!」

亜美「も、もっかい言って!」

真美「えぇ?真美もあんまり覚えてないよ…
   多分!メモに書いた通りだから、このメモあげる!」

亜美「せんきゅー!そんじゃ早速…」

真美「ちょ、ちょっとこのまま行くつもり?」

亜美「うん、何で?」

小鳥『ダメダメ!絶!対!ダメです!』

亜美「ぴ、ピヨピヨ?」
52 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/14(木) 14:33:53.98 ID:MvJsDhbZo
小鳥『亜美ちゃん、今日はもう休んで頂戴!
   本当ならまだ集中治療室にいるような状態なんだからね!』

亜美「ピヨピヨも強引ですなー」

小鳥『もう、バカなこと言ってないで寝なさい!
   医療担当としての命令です!』

亜美「はーい…」

〜〜
53 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/14(木) 15:09:36.89 ID:MvJsDhbZo
〜朝ちゅん〜
ガサガサ

亜美「zzzz…ん、ん!?」

真美「どうしたの?」

亜美「誰かいる」

真美「げ…きっとおニャン子クラブだよ!やっば!逃げないと!」

亜美「そんな所に隠し扉が…床下に出られるの?」

真美「うん、よっと」

亜美「亜美がひきつけて置くよ、真美は逃げて」

真美「…そこまでしてくれるの?」

亜美「昨日会ったばっかりだけど、真美は他人には思えないからね」

真美「へへ、死んじゃやだよ」

亜美「あいあいさー!」
54 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/14(木) 15:18:37.52 ID:MvJsDhbZo
〜〜
亜美「4人片付けたし、これで全員かな?」
ダン!ダン!

亜美「!?」

ダン!ダン!ダン!ダン!

亜美「何の銃声…?」

千早「会いたかったわ、貴方に」

亜美「この前の山猫姉ちゃん…」

真美「…この!」

千早「動かないで」グイ!

千早「…ん?」モミモミ

千早(こ、このスパイも、私より胸が大きい…)

亜美「…」

千早「貴方も動かないで、撃ち殺されたくなければね」

亜美「あ、詰め物ツメツメするのやめたんだね」

千早「ええ、もう私より胸のある人に嫉妬なんてしないわ」

亜美「まあ、確かにツメツメで嘘つくのはよくないよね」
55 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/14(木) 15:26:31.10 ID:MvJsDhbZo
千早「…何が言いたいの?」

亜美「おムネがないのを開き直るのはいいけど…
   その服めっちゃダサいよ?」

千早「何ですって!?
   馬鹿したわね…撃ち殺してやるわ!」

亜美「それともう一つ
   …お姉ちゃんは私を殺せない」

千早「どこまでも馬鹿に…!」カチッ

千早「え?」カチッ

亜美「その鉄砲、6発までじゃん、さっき6発撃ってたでしょ?」

千早「くっ!」

真美「隙あり!」ドスッ

千早「うぐ…」

亜美「お姉ちゃん、おムネがないんだから、無いのに合わせて服選ばなくちゃ」

千早「…はぁ…ま、また会いましょう
   今度会ったときはタダじゃ済まないわよ!」

亜美「ばいばーい!」
56 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/14(木) 15:58:30.23 ID:MvJsDhbZo
真美「行っちゃった…いいの?」

亜美「うん、あの姉ちゃんはいい人だもん」

真美「まー、亜美がそういうならいいけど
   そんじゃ、真美もそろそろ行くね
   早く帰らないとバレちゃうし」

亜美「ばいびー!」

真美「ばいびー!」

〜〜

亜美「…無線?」

真美『やっほー!帰還報告なり!』

亜美「おー!無事?」

真美『バッチリ!誰にも見られてないよ』

亜美「尾崎っていうオバサンのそばにいるんだよね
   …はるるんもいるの?」

真美『いる→』

亜美『…』

真美『はるるんとはめっちゃ気が合うよ!』

亜美「どうして亡命なんか…」
57 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/14(木) 16:08:55.01 ID:MvJsDhbZo
亜美「真美もアメリカで生まれて、アメリカで育ったんでしょ?」

真美『他の国や、異なる文化や考え方が存在するなんて、思いもしなかった
   すくなくともあの小さな町で暮らしてた時にはね
   国家安全保障局で働いたら、ビックリしたよ
   これまで当たり前だったものも、何も信じられなくなっちゃった』

亜美「…何を見たの?」

真美『言っても信じないよ』

亜美「教えてよ」

真美『宇宙』

亜美「…宇宙?」

真美『真美は地球の重力に縛られてた
   人も国も環境で変わるし、時代で変わる』

亜美「わけわかんないよ
   はるるんみたいな事言うし…」

真美『亜美ちんにはまだ早いかもねー
   そんじゃ、バイビー』

亜美「…」

休憩
58 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/16(土) 19:37:51.93 ID:qeTODOc+o
投下します

〜クレバス〜

亜美「ひえー、こんな深い谷がいきなりあるなんて怖いなー
   何メートルくらいだろ?」

千早「…やっぱり来たわね
   春香の情報は確かなのがよくわかったわ」

亜美「おムネの無い姉ちゃん…」

千早「そ、そう呼ぶのはやめなさい、私は如月千早よ
   あなたどこまで私を馬鹿にすれば気が済むのよ…
   876プロダクションには悪いけど、あなたはこの私が頂くわ」

亜美「ふっふーん、亜美に勝てるかな?」

千早「12発、今回は12発よ
   …」


亜美「…」

千早「さあ、来なさ…い?」

ギュルギュルギュルギュル…

亜美「何この音?」
59 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/16(土) 19:43:49.68 ID:qeTODOc+o
ギュルギュルギュルギュルギュルギュル…

亜美「な、なんだか近づいてくるよ!?」

愛『おっはよー!ございまーす!』

千早「あ、あれは1K17レーザー戦車!?
   まだ開発段階のはず…」

亜美「ぎょえー!?なんで愛ぴょんが戦車に乗ってる登場するの!?」

愛『えー?だってママがこの方がカッコイイからって…』

千早「どこか壊したら局長から大目玉食らうわよ!早く停めて!」

愛『うーんと、こうかな?』
ギュルギュルギュルギュルギュル!!!!

亜美「わー!ストップストップ!!亜美轢かれちゃうよー!!」

愛『うわーん!停め方わからないよー!!』

亜美「うわぁ!!」ガシッ

千早「どうしてあなたは避けずに飛び乗るの!?
   二人とも早く降りなさい!!」

亜美「こんな速いのから降りるなんて怖いYO→!!」

愛『お、落ちるー!!』
60 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/16(土) 19:52:23.97 ID:qeTODOc+o
千早「あ…」

重力に身を任せ、外装に亜美、内部に愛を乗せた新型戦車は谷底へと落ちていった。

ザプーン

〜〜

愛「けほっ!けほっ!」

亜美「底が水でめっちゃラッキーだったよ…
   うわ、服ビチョビチョ…」

愛「うぅ〜…大切な戦車壊しちゃいました!」

亜美「ガミガミだね!」

愛「ど、どうしよう!」

亜美「ところでさー、愛ぴょんはどうして戦車にのってババーンと現れたの?」

愛「…あ!すっかり忘れてました!
  私、亜美ちゃんを倒しに来たんです!」

亜美「亜美を?」

愛「そう!私は876プロダクションの日高愛!
  亜美ちゃん!いざ勝負で(パシュ)…ふにゃぁ」

亜美「敵なら眠ってもらうしかないね」

愛「zzz…」
61 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/16(土) 20:48:37.20 ID:qeTODOc+o
順二郎『…やっと繋がった、無事かね?』

亜美「うん、ちょっと思わぬ敵さんと遭遇しちゃって…(二人も)
   洞窟に落ちちゃった」

順二郎『敵だと?交戦したのかね』

亜美「おムネのないお姉ちゃんと、愛ぴょん
   交戦したって言って良いのかどうかは微妙だけど…」

順二郎『愛ぴょん?もしかして876プロダクションの日高愛君か』

亜美「うん!もうオネンネしてるけどね→」

順二郎『彼女ももう前線か…いいか、日高君は876プロダクションでは一番の年少だ
    他の二名と戦う羽目になったら彼女よりももっと手強いぞ』

亜美「亜美の実力があれば余裕っしょ!」

順二郎『その意気だ、それと洞窟にいると言ったね?』

亜美「うん」

順二郎『その洞窟は冷える、日高君に着火具の一つでも残しておいてやれ』

亜美「おやおやぁ?社長さん敵さんにプレゼントしろって言うんですかい?」

順二郎『何を言っているんだ?"うっかり落としてしまえ"と言っているだけだよ』

亜美「あいあいさー!」
62 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/16(土) 20:56:01.53 ID:qeTODOc+o
順二郎『滑り落ちたのは予想外だったが
     洞窟に入る事自体は予定通りだ
     そのまま奥に進んでくれ』

亜美「はーい!
   …でも、この洞窟メッチャ暗いし、ちょっと時間かかるかも」

順二郎『暗い?』

亜美「うん、超まっくら!
   持ち物にライトも入れてくれれば良かったのに」

順二郎『亜美君、明かりが無ければ代わりになるものを探したまえ
     まったく最近の若い子は…』

亜美「まーた社長の昔は良かった攻撃?」

順二郎『何か言ったかね?』

亜美「なんでもなーい」

順二郎『最近の若い子は既製の物に頼りすぎだと思わないかね?
     その上一つのものを他の用途に使うという応用力も欠いている
     昔は皆が色々な物を多目的に融通を利かせるよう親によく言われたものだ
     ライトがなければ代わりになるものを探すという柔らかい発想が出来るよう常に…聞いてるかね?』

亜美「え?ああ、うん」

順二郎『蛇避けにタバコがあっただろう、点ければないよりはマシだろう
     長持ちさせる為に吸うんじゃないぞ』
63 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/16(土) 21:16:30.29 ID:qeTODOc+o
亜美「げほー、狭いしタバコの煙メッチャ充満してチョ→煙い…
   …あれ?何か光ってる」

小鳥『亜美ちゃん、それはオロシャヒカリダケよ
   発光菌の一種、つまり光るキノコね』

亜美「どうしてキノコが光るの?」

小鳥『原理はホタルと同じよ、生物発光
    いわゆるルシフェリン・ルシファラーゼ反応ね
    簡単に言うと、ルシフェリンがルシフェラーゼとMg2+の存在下で酸化されて
    オキシフェリンと二酸化炭素に分解されるんだけど』

亜美「からあげ食べたいまで聞いた」

小鳥『亜美ちゃん、まだ説明終わってないんだけど…』

亜美「ねーねー、ピヨピヨ
   このキノコをバッテリーの金色の所にくっつけたら充電する?」

小鳥『えっ』

亜美「する?」

小鳥『いや…あのね、亜美ちゃん
   亜美ちゃんが使用してる機器のバッテリーには生体電池と言われる物が使用されていて
   それは細胞間の電位差を…』

亜美「するの!?」

小鳥『…も、もうするって事でいいんじゃないかな』
64 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/16(土) 21:22:43.72 ID:qeTODOc+o
亜美「ふむふむ、二つのデンキョクにこのキノコをくっつければ!」ピトッ

〜〜

亜美「ピヨピヨ!聞いて聞いて!」

小鳥『どうしたの?』

亜美「このキノコちん凄いね!本当に充電できた!」

小鳥『えっ』

亜美『亜美めっちゃ感動した!』

小鳥『えーっと…亜美ちゃん、ちょっといいかな?』

亜美「ん?」

小鳥(プロデューサーさん、今の聞きました?)

P(ああ、生物発光するキノコをくっつけたからって充電できる訳が無い)

小鳥(どういう事でしょう…)

P(さぁ…亜美の思い込みとしか)

小鳥(プラシーボ効果って奴でしょうか?)

P(まあ、亜美ってかなり単純だしなぁ
  特に害がある訳でもないから、信じさせておけばいいんじゃないか?)

小鳥「あ、亜美ちゃんお待たせ
    光るキノコを電極にくっつけると充電できるわ!」

亜美「うん?」
65 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/16(土) 21:43:14.78 ID:qeTODOc+o
今日はここまでです
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/06/16(土) 23:49:50.94 ID:ZFLIn1oLo
乙!
おろしゃひかりだけの下りは好き
67 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/18(月) 17:13:24.12 ID:BtpJV8fwo
投下します

亜美「ふいー、ジメジメ洞窟もやっと抜けたよ
   …ん!?あれは!」

亜美「何か美味しそうな木の実…」

小鳥『あれはロシアニセマンゴーよ、亜美ちゃん
    ツェルノヤリスク特有の、マンゴーによく似た果実ね』

亜美「亜美めっちゃマンゴー大好き!」

小鳥『味は香りも良く、味もメロンに少しにて美味しいみたい
   種は胃腸の調子を整える薬にもなるんだって
   ジャングルでは体調も崩しやすいから、種をとっておくと便利かもね』

亜美「レッツキャプチャーだね!」

小鳥『あ、亜美ちゃん、怪我しないでね』

亜美「大丈夫!亜美木登り得意だから!」

順二郎『亜美君、マンゴーもいいが、任務に差し支えないように頼むよ』

亜美「あいあい、さー」

順二郎(はぁ、やはりまだ子供だな)

小鳥(仕方ないですよ)
68 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/18(月) 17:24:37.59 ID:BtpJV8fwo
〜〜

亜美「うんまー!!」

小鳥『亜美ちゃん?そろそろ任務…』(見てるこっちがお腹空いてきちゃうよ)

亜美「!?」

ガサッ

順二郎『どうかしたかね?』

亜美「な、なんかフリーザ様の乗り物見たいのが飛んでる…」

P『フライングプラットホームか、もう向こうで採用してたとは驚きだな
 下は見にくいし、騒音もあるから、足元の沢を這って行けば見つかることはないだろう』

亜美「りょーかい!
   マンゴーパワーで地を得た亜美になる!」

P『それ、凄いのか?』

亜美「さあ?」

P『…』

亜美「あ、兄ちゃんあの乗り物作っといてね!
   亜美も乗りたい!」

P『社長に予算を取り付けてくれたらな』
69 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/18(月) 17:41:26.63 ID:BtpJV8fwo
洞窟を出たところにある直線状の沢を抜け、大きな倉庫が見える場所に出た。

亜美(サイネリア姉ちゃん!)
   「双眼鏡双眼鏡…」

==

サイネリア「離して!このロン毛!」

尾崎「あーっと、手が滑って鈴木の「す」の字を打ってしまったわ
   これ以上反抗するようなら貴方の本名がネットの世界に流れちゃいそうね」

サイネリア「こ、この〜…!」

絵理「尾崎さん、やりすぎ」

尾崎「絵理…こいつに同情したって、良い事なんてないわよ

絵理「サイネリアを連れてって
   乱暴は駄目」

兵士「はっ!」
70 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/18(月) 17:48:45.89 ID:BtpJV8fwo
千早「待ちなさい」

絵理「千早さん?」

千早(ジー…)

サイネリア「な、何よ」

千早「あなた、もしかして」

春香「千早ちゃん♪
    どうしたの?胸の大きさなんて、気にしたってしょうがないよ?」

千早「べ、別に私は胸を気にしてた訳じゃ…」

春香「ごめんね呼び止めちゃって、連れてってあげて」

兵士「はい」

尾崎「そのコンプレックスは解消したんじゃなかったかしら」

千早「人の心配をする前に、自分のアイドルの心配をしたら?」

尾崎「何?」

千早「日高さん、試作品の戦車勝手に乗って谷底に落ちたらしいじゃない」

尾崎「試作品ってまさか…1K17!?
   あれにいくらつぎ込んだと思ってるの!?」

千早「私に言わないで下さい」
71 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/18(月) 18:02:09.12 ID:BtpJV8fwo

尾崎「まったく、後で説教が必要ね…」

絵理「あんまり、怒らないであげて?」

尾崎「絵理…」

絵理「次、私が亜美ちゃんを止めに行くから」

尾崎「あなた、大丈夫なの?まだ…」

絵理「うん、平気」

春香「行こっ 千早ちゃん」

千早「水谷さん、任せたわよ」

絵理「善処はする?」

==

亜美「皆建物の中に入ってっちゃった
   何話してたんだろ…
   っていうか、ここって研究所じゃないよね?
   真美の地図によると倉庫のはずなんだけど…どうして皆いるんだろ
   でも、急いで行けば余裕でサイネリア姉ちゃんに追いつけるって事だよね!」
72 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/18(月) 18:08:33.70 ID:BtpJV8fwo
〜倉庫を抜けた先の森〜

亜美「なんか、あの倉庫見た目の割りに狭かったなー
   えっと地図を見ると、この森を行けば研究所だよね!
   つまりサイネリア姉ちゃんも!」

亜美「目標達成までもうちょっとかな
    …って、あああああ!!!」

社長『ど、どうしたんだね!』

亜美「ウサギだよ!ウサギ!!」

社長『…』

亜美「チョーカワEEEE! ><」

社長『作戦中にくだらない事で大声を出さないでくれ
   敵が居たらどうなってた事やら…』

亜美「待ってー!逃げないでよー!」

社長『…勝手にしたまえ』
73 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/18(月) 18:20:07.09 ID:BtpJV8fwo
亜美「よーし、そのまま、そのまま…
   とりゃあああ!!」ガシッ!

亜美「へっへっへ…ついに捕まえたぞ、お前の名前はウサピョンだ!」
ピンッ!

亜美「へ?うわあああああ!!!」

社長『トラップに引っかかったようだな
   ウサギなんか追っかけてるからだ』

亜美「ウサピョン逃げちゃった…」

社長『さっさとナイフで縄を切って任務を続けるんだ』

亜美「ぐっ…!ふん!うぎぎぎぎ…」ブチッ ゴチン

亜美「痛っ!?」

社長『本当に亜美君はどんくさいな…』

亜美「だってー、猫みたいにくるっと着地なんて出来ないよ→」

社長『弱音は良い、早く進むんだ』

亜美「ちぇー…あ、あれが研究所?」

社長『恐らくそうだろう』

亜美「めっちゃ近いじゃん、行ってきまーす!」

一旦終了
74 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/19(火) 17:19:41.40 ID:fnoQbLD3o
投下します

亜美「これが研究所…?
   なんか拾いなー、入り口どこだろ
   …ん?あれは…」

小鳥『軍用犬のグレートデンね
   原産はドイツ、昔から狩猟犬として用いられてきた犬種よ
   見た通りとても大きいし、力持ちだから気をつけてね
   性格は勇敢で冷静、その上とても賢いのよ
   訓練されたグレートデンは人間より強いかも…気をつけてね』

亜美「なるほど→」

小鳥『亜美ちゃん!だめだからね!』

亜美「な、なにが?」

小鳥『なでなでしようとか思ったでしょ』

亜美「あ、亜美は何も…」

小鳥『嘘、そんな顔してたわ』

亜美「…」

小鳥『返事!』

亜美「はーい」

小鳥『伸ばさない!』

亜美「はいはい」

小鳥『はいは一回!』

亜美「はい…」
75 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/19(火) 17:36:48.31 ID:fnoQbLD3o
〜〜

亜美「まったく任務中にお説教なんてしないでほしいYO…」

亜美「あ!あのドアから研究所に入れるのかな」

ガチャ

兵士「交代時間はまだ…って!?」

亜美「わっ」(パシュ!)

兵士「だれか…zzzz」

亜美「ふいー、心臓止まるかと思った…
   この人、ちょっと奥に運んどこう
   それにしても、これが研究所か→
   なんかでっかいなー、ジャングルと違って草むらもないし大変そう
   横の小屋は何かな…まあいっか」

順二郎『亜美君、研究所に入る前に
     EVAから貰った研究者用の白衣を着て行ったらどうだ』

亜美「へ?ああ、そっか
   ここなら白衣着てればバレない?」

順二郎『ああ、だがその前にフェイスペイントを落とすんだな
     顔にドーランを塗りたくった科学者はいないだろう』

亜美「あいあいさー!」
76 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/19(火) 17:51:37.40 ID:fnoQbLD3o
〜グラーモモ・ゴルキー 研究所1F〜

亜美「〜♪」

兵士「…」

亜美(敵の目を気にしなくていいなんて
    あーらくちん)

研究者「ん?お前…見ない顔だな」

亜美「え?あはは、新入りでーす!それじゃっ!」
タッタッタ

亜美(あぶにー、同じ研究者にはバレちゃうかもしれないんだ
   さっさと進もう)

ガチャ

亜美(…あれ?部屋間違えた?)

律子「…サイネリアとかいう子ならもう居ないわよ」

亜美「!?」

律子「ちょ、ちょっと銃口を向けないでよ!
   まったく最近の子は物騒ねー」

亜美「ご、ごめんなさい…」
77 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/19(火) 18:02:31.64 ID:fnoQbLD3o

律子「あなた、例の侵入者よね
   残念、お目当ての人はもうここにはいないわ」

亜美「お姉ちゃんは?」

律子「私を知らないの?呆れた…よくアイドルが務まるわね
   私は秋月律子、ソ連最高のアイドルであり
   栄光あるグラーニン設計局の局長でもあるわ
   インテリ系アイドルの頂点とも言えるわね」
 
   あなた達が"SS−1C"と呼んで恐れおののいている
   道路移動型弾道ミサイルシステムを作ったのも私よ」

亜美「うーん、話が長いことだけはよくわかったよ」

律子「あら、ごめんなさい長々と
   当方ずいぶんと暇なもので」

亜美「局長なのに?」

律子「それもこれも、サイネリアとかいう子の所為よ
   あの子の所為で私の全権は奪われ
   研究もお払い箱よ…この企画書を見てよ
   画期的な移動核ミサイルシステム!二足歩行戦車!」

亜美「二足歩行戦車?」

律子「歩く戦車、いわゆるロボットに近いわね」
78 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/19(火) 18:26:06.46 ID:fnoQbLD3o
律子「あなた、猿から人への進化におけるミッシングリンクの話は知ってる?
   二足歩行戦車の技術は、歩兵と兵器を繋ぐ歯車になる…まさに金属で出来た歯車ね
   この歯車によって兵器は革新的な進化を遂げる
   偉大な金属の歯車と言えるわ」

亜美「メタル、ギア?」

律子「いい響きね、そう名付けようかしら
   …最も、私にはもうそんな権限はないけど
   でも、泣き寝入りはしないわ
   この資料はネットの海深くに沈めるの
   誰も手の届かないような、深い海に
   それを手にする事が出来る偉大なハッカーなら
   この素晴らしさをきっと理解してくれるでしょうからね
   
   サイネリアだかサイリウムだか知らないけど
   シャゴホットと私の研究は品位も志も違うの
   戦域ミサイル防衛用の撃墜弾体射出システムのプラットフォームとしての十分な成果が発揮できる
   金属の歯車は、この世から戦争をなくせるのよ…!
   なのにソ連は、シャゴホットを選んだ
   賢者の遺産まで、サイネリアに回されて…酷い仕打ちよ」

亜美「話がむずかしすぎてわかんないよー!
   プ、プラットホーム?賢者?」

律子「賢者の遺産の事、知らないの?」

亜美「何それ?」
79 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/19(火) 18:39:00.81 ID:fnoQbLD3o
律子「賢者の遺産
   尾崎さんが引き継いだ莫大な遺産の事よ
   彼女の父親は"賢者達"のマネーロータリングを担当していた
   彼は世界大戦の後、どさくさに紛れてその遺産を横領したの
   軍の予算なんて目じゃないほどの金額よ
   この設計局の開発費は全てそこから出ているわ

   …いえ、出ていたが正しいわね
   お金も人員も全てシャゴホッドに回されて、いよいよ明日が最終試験
   サイネリアも尾崎さんの本拠地であるグロズニィグラードで最終調整をしてる
   その間私はここで暇をもてあますしかない」

亜美「グロズニィグラードって所にいるんだね!
   サイネリア姉ちゃんもシャゴホッドも!」

律子「ええ」

亜美「ちょっくら行ってくる!」

律子「待ちなさい、あの要塞は文字通り鉄壁よ
   手助けしてあげる」

亜美「…亜美アメリカ兵だよ?」

律子「いいのよ、私もソ連にとって用済みだし
   その代わり、私の代わりにソ連に一矢報いて頂戴
   サイネリアを連れ出して、シャゴホッドも破壊するの」

亜美「うん!」

律子「いい子ね、グロズニィグラードの下には地下壕が張り巡らされてるわ
   それをうまく使えば中に侵入出来るはずよ、これ地図あげるわね
   山岳地帯に行けば地下壕への入り口があるはずよ
   …この鍵も持っていって」

亜美「ありがと!りっちゃん!」
80 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/19(火) 18:44:40.26 ID:fnoQbLD3o
律子「本当に大丈夫?」

亜美「…うん!」

律子「ま、待って
   不安だから道を言うわね
   この研究所に来る時、倉庫を通ったでしょ?」

亜美「うん」

律子「そこで赤い大きな扉があるはずだから
   その扉の鍵をこれで開けるの
   その先には密林が広がってるわ、その奥に進めば山岳地帯に出れるの
   そこから地下壕に…っていう道順、わかった?」

亜美めっちゃ助かったよ→「
   ありがとう!りっちゃん!」

律子「頑張ってね」

とりあえず一旦終了
81 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/21(木) 13:53:38.59 ID:yuudX15ao
投下します

亜美「ふぅ、来た道を戻るってのは良い気分じゃないね↓
   この先のジャングルを抜けたら…グ…えっと、グなんとかだよね
   いよいよ大詰め?」

真美『やっほー!聞こえる→?』

亜美「聞こえるー、真美は今どこにいるの?」

真美『今グロズニィグラードって所にいるの
   あのね、ちょっと状況が変わっちゃって…』

亜美「大体知ってる!サイネリア姉ちゃんもそっち連れてかれちゃったんでしょ?」

真美『え?うん、どうして知ってるの?』

亜美「律子っていうお姉ちゃんが教えてくれた!」

真美『りっちゃんが?…ははーん、尾崎ちんに役立たず扱いされたのまだ怒ってるんだ→
    …って、そんな事話してる場合じゃないYO!!
   シャゴっぱちの最終調整もほとんど終わりだよ!』

亜美「えー!?それって、めっちゃヤバくない!?」

真美『とにかく急いでー!
   あ、あと、絵理ちんがさっきから居ないから、もしかしたら待ち伏せしてるかも…』

亜美「絶対絶命じゃん!」

82 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/21(木) 14:31:30.55 ID:yuudX15ao
真美『…気をつけてね、絵理ちんは手ごわいよ』

亜美「うん!」

真美『そんじゃ、そのジャングルを抜けた山岳地帯の頂上で一旦合流しようね』

亜美「あいあいさー!」

〜〜

亜美「う〜…ここ暑いねぇ…」

亜美「あれ?ヘビ…じゃないよね、何だろう?」

小鳥『亜美ちゃん!それツチノコよ!』

亜美「え?」

P『本当か!?亜美!!カメラに映してくれ!!』

亜美「うん、はい」

P『よくやった!流石は765プロのアイドルだ!!』

順二郎『ああ、君を送り込んだ甲斐があったというものだ!
    さっさとシャゴホッドを破壊してそいつを連れてかえってくれ!
    絶対に逃がしたりするなよ!』

小鳥『これで765プロに100万円ですね!』

亜美「…平成生まれにはこのテンションの上がりようがよくわかんないよ…」

83 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/21(木) 14:41:19.02 ID:yuudX15ao
亜美(とりあえずバックパックには詰めておいたけど…
   可哀想だから逃がしてあげよう)

ガサッ

亜美(ばいばい)

〜同時刻、200m北にて〜

絵理「…おかえり、オウムさん」

オウム「センパイ、アリガトウ
     センパイ、アリガトウ
     センパイ、センパイ、アリガトウ」

絵理「無事着いたんだね、サイネリア
   それと…亜美ちゃんも
   それじゃあ、始めようか
   オウムさん、もう逃げてね
   戻ってきちゃダメだよ」

バサバサ

オウム「アリガトウ、センパイ
    アリガトウ、アリガトウ、アリガ…」

絵理「ばいばい」
84 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/21(木) 14:57:18.34 ID:yuudX15ao
〜〜
プシュ!

亜美(スモークグレネード!?)

絵理『久しぶり、亜美ちゃん』

亜美「絵理姉ちゃん!?」

絵理『そんなにキョロキョロしなくても
   ここには私しかいないから』

亜美(見えてる…?この煙の中で…?)

絵理『…だから、私だけを見て、私だけから逃げれば良いよ』

亜美「やばっ!!逃げないと!!」ガサッ

ダン!!

亜美「…ふぃー、危なかった
   北の方角から撃たれたんだよね、とりあず壁に沿ってるから北東に警戒かな…
   兄ちゃん、聞こえてる?」
85 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/21(木) 15:01:58.52 ID:yuudX15ao

P『新米だった水谷絵理か…立派な狙撃手として成長したらしいな
 その技量はヘイヘやザイツェフに並ぶとアメリカまで評判が届いてる
 ただのプロパガンダではなさそうだ
 スポッターを連れてない辺りから察するに、その森の地理は完璧なんだろう
 距離も目測で分かるし、風速も肌で把握出来る…多分移動速度まで見ただけで』

亜美「ひえー!」

P『本当の意味での天才なんだな
 兵器開発にも携わっていた時期もあるらしい
 ソ連の頭脳という呼び名も頷ける
 中距離狙撃では射撃までの時間がかなり重要になってくる
 スポッターからの伝達というプロセスを介していないから…厄介だぞ』

亜美「しかもさっき撃ってきたの実弾だよね?」

P『7,62mm弾だろう、上半身に一発でも撃たれたら即戦闘不能に陥りかねない
 10分後には…死んでるぞ
 着弾まで数秒、銃声を聞いて即時反応出来れば…難しいな』

亜美「さっきからネガティブな情報しか来ないよー!?」

P『ネガティブ!!』

亜美「曲の話は今はいらな→い!!」

P『集音マイクを使うといい
 もしかしたら彼女の呼吸音か何かを捕らえられるかもしれない
 それで方向を把握すれば多少は有利に試合を進められるだろう』

亜美「わ、わかった!」
86 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/21(木) 15:26:30.06 ID:yuudX15ao
〜〜
亜美「お腹空いた…
   もう30分もずっと動いてないよ…」

P『持久戦だ、我慢するしか…』

亜美「でもずーっとこうしてたら、シャゴホッド本当にもう完成しちゃうよ?」

P『確かにそうだが、ここで亜美が倒されちゃったらそれこそ元も子もないぞ』

亜美「そうだけどさ→…」

亜美「…?」

P『どうした?』

亜美「静かにして
   集音マイク、やっと何か聞こえた
   1時方向…距離200くらい?」

[…ほっ、けほっ]

亜美「…」

絵理[げほっ…]

亜美「亜美行って来る」

P『お、おい?何が聞こえたんだ?』
87 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/21(木) 15:32:43.04 ID:yuudX15ao
絵理「はぁ…はぁ…けほっ」

亜美「姉ちゃん!」

絵理「…み…ちゃん」

亜美「ピヨピヨ!」

小鳥『う、うん…症状的に何かの発作なんじゃないかな
   だとしたら、薬を持参してると思うけど
   何か持ってない?多分ペンダントとか…ドックタグとかと一緒に』

亜美「あった!姉ちゃん、これ飲んで!」

絵理「ん…」

亜美「水もあげた方がいい?」

小鳥『そうね、亜美ちゃんの水は一回熱してあるよね?
   ならあげた方がいいかも』

社長『無線記録は消しておかないといけなさそうだな』

P『何を今更、社長だって』

社長『オッホン、とにかく水を飲ませてやれ』

亜美「うん…」
88 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/21(木) 15:39:04.71 ID:yuudX15ao
表記ミス、社長→順二郎
==
亜美「…寝ちゃったよ」

小鳥『脈だけ確認してもらえる?』

亜美「ちゃんと息もしてるし、ドキドキも普通」

小鳥『そう…、多分薬に眠くなる作用があったか…単純に体力の限界だったか』

順二郎『都合がいい、そのまま置いてグラズニィグラードへ急いでくれ』

亜美「でも…」

順二郎『薬を飲んだんだ、もう大丈夫だろう
    彼女に構ってミッション失敗など、勘弁願いたいね』

亜美「わかった…」

順二郎『先ほどから見覚えのない周波数の無線がこっちにシグナルを送っている
    これから特定を急ぐから、もしかしたら亜美君の無線に出られないかもしれない
    とにかく先を急ぐんだ』

亜美「…うん」

とりあえず一旦投下終わり
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/23(土) 00:01:39.34 ID:+qQwClRDO
読んでるよー。
頑張って下さい。
90 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/24(日) 17:49:15.35 ID:Sj4++7aAo
〜〜

亜美「うげー、ジャングルと山岳地帯でもうクタクタだよ…
   頂上のこの建物でいいのかな?」

ガチャ

亜美「真美?」

真美「わっ!?びっくりしたー」

亜美「やっほー、元気バリバリ?」

真美「うん…ってそんな事より!サイネリア姉ちゃんの事どうやって逃がしたの?」

亜美「え?」

真美「亜美じゃないの?」

亜美「どういう事?」

真美「えっとね、第二フェイズ終了間際にサイネリア姉ちゃんがいなくなっちゃったの」

亜美「それって…つまり?」

真美「わかんない、一人でビュンビュン逃げちゃったのかな
   今オザリンが必死に探してるけど」

亜美「第二フェイズが終わってないって事は…もうシャゴちゃんは動かないの?」

真美「んー、ごめんそれもよくわかんない
   組み立て自体は終わってて、最終調整?ってのをやろうとしたら居なくなってたんだって
   オザリンの事だから調整しないまま無理やり動かすかも…」
91 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/24(日) 18:52:07.44 ID:Sj4++7aAo
亜美「うーん、やっぱ急がないとダメか→!」

真美「オザリンも今居る科学者だけで最終調整をやってみようって頑張ってるみたいだから
   多少は時間稼ぎになるかもだけど…良い事ばっかりじゃないよ
   今痺れを切らした黒井社長の部隊がこっちに向かってるんだって」

亜美「二人でやりあっててくれたらラッキーじゃないの?」

真美「何いってんのさー、警備がガチガチになっちゃうよ?」

亜美「そっか…もー、この任務ほんの数時間で終わるはずだったのに…
   それで、シャゴちんはどこにあるかわかる?」

真美「要塞のまんなかにある、兵器廠って建物だよ
    兵器廠は3っつ並んでるんだけど、その真ん中の兵器廠で組み立てられてるの
    多分ちょーデッカイからすぐ分かるんじゃないかな
    でも、この兵器廠っていうのは、左右の建物からしか入れないから気をつけてね」

亜美「らじゃ→!」

真美「あ、白衣もう使わないでしょ?
   真美が捨てとくよ、代わりにこっちあげる」

亜美「…これは?」

真美「見てのとーり!軍服にょろ?」

亜美「なんで?」

真美「んっふっふー、まあまあ
   持っておきなさい!」

亜美「? うん」
92 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/24(日) 19:02:07.26 ID:Sj4++7aAo
順二郎『やっと繋がったか、山岳地帯は電波の調子が悪くていかんな
    EVAは?』

亜美「もう行っちゃったよ、亜美に軍服を渡して」

順二郎『軍服?』

亜美「なんでだろう?」

順二郎『さぁ…まあ、コンクリートで出来た要塞内部で緑の迷彩服を着ていても仕方が無いし
     ソ連の軍服を着ていれば顔を見られなければ気づかれないかもしれないな
     向こうに行く間に敵を見つけたら銃を奪うのもいいだろう』

亜美「あの長い奴?重そう…」

順二郎『まあどうするのも君の自由だ
     その小屋を出た所から要塞が見えるはずだ、何か見えるか?』

亜美「ん?ちょっとまってねー」

〜〜
93 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/24(日) 19:26:25.94 ID:Sj4++7aAo
尾崎「くそっくそっ…!まだ見つからないの!?」

兵士「申し訳ありません!!」

千早「…少し落ち着いたらどうです」

尾崎「きっと律子が逃がしたのよ、すぐに捕らえて拷問しなさい!」

兵士「はっ し、しかし…」

千早「尾崎さん、順序が違うかと
    先に尋問をすべきでは?」

尾崎「きっと律子が鈴木さんを逃がしたのよ、拷問するのが当然じゃない」

千早「…きっと?
   律子は同じソ連の同志ですよ」

尾崎「拷問から始めたほうが手っ取り早いわ」

千早「そんなやり方…納得できません」

尾崎「いい?簡単に事実を教えてあげる
   私は大佐、貴方の上官、そしてここの司令官
   納得する必要がどこにあるの?」

千早「核砲弾の件も、私はまだ…」

尾崎「またその話?
   まったく…これは戦争なのよ、冷戦は謀報合戦なの
   アメリカに一歩でも譲らない為にスパイのは見つけないといけない
   疑いの芽は摘む、組織の結束には邪魔な感情だもの
   米帝の犬っころがここまで出来るなんて…絶対に誰か内部の者がサポートしてるのよ」
94 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/24(日) 19:37:51.34 ID:Sj4++7aAo
春香「仲間を疑い出したらきりが無いですよ?」

千早「春香…」

春香「絵理ちゃんも、負けちゃったみたいですよ」

尾崎「絵理が…!?
   絵理は無事なの!?」

春香「さぁ?」

尾崎「よくも絵理を…許さないわ
    鈴木さんと一緒にいるはずよ、脱出ルートを絞らないと…」

春香「亜美は来ますよ、ここに」

尾崎「何ですって?」

千早「アメリカの狙いくらいわかりませんか?
   尾崎さん、もう少し冷静になって下さい」

尾崎「ふぅ…そうね、考えてみればシャゴホッドを壊さずに逃げる訳ないわ」

春香「それと、賢者の遺産も」

尾崎「まさか…」

春香「アメリカの工作員がここまで来るなんて、滅多にないでしょうから
   ついでに持ってちゃおーってなると思いますよ?」

尾崎「…警備を強化しなさい、今すぐに!!」

兵士「はっ!!」
95 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/24(日) 20:02:22.55 ID:Sj4++7aAo
一旦投下終わり
96 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/27(水) 18:44:17.66 ID:4ZqdphkEo
投下します
〜〜

亜美「ここが兵器廠の東党だよね…?
   真美に貰った軍服に着替えちゃいたいんだけど…外で着替える訳にもいかないし…」

「--み」

亜美「?」

真美「亜美、こっちこっち」

亜美「え!?真美?」

真美「しーっ」

〜東党トイレ個室〜

真美「やっほ→、会えてよかったよ」

亜美「それより、その軍服…?」

真美「うん、亜美にあげたのと同じ奴
   ほんで、これが渡すの忘れてた帽子!これさえ被っとけばもう大丈夫!」

亜美「階級章がピッカピカなんだけど
   真美ってもしかして御偉いさんなの?」

真美「んー、少佐?」

亜美「すげ→!!」

真美「しーっ!」
97 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/06/27(水) 18:54:29.05 ID:4ZqdphkEo
真美「これから先、わかるね?」

亜美「うん、ここから渡り廊下を渡って
   その先にある真ん中の兵器廠のシャゴホッドぼかんとすればいいんでしょ?」

真美「そっ 途中にある兵器庫に爆弾があるからそこから持ってっちゃっていいYO
   ロケットエンジンに使う燃料タンクを狙えば、大爆発間違いナシ!
   サイネリア姉ちゃんも逃げたっぽいからもうこれで帰れるね!」

亜美「…ううん、もう一個任務があるから」

真美「へ?そうなの?」

亜美「うん、はるるんと、オザリンっていうオバチャンをなんとかしないと」

真美「なんとかするって…え?」

亜美「うん、そう」

真美「こ、殺す…って事?」

亜美「…」

真美「…」

亜美「もう、行くね
   早く爆破しちゃわないと」

真美「がんb…気をつけてね」

亜美「ありがと」
98 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/27(水) 19:02:15.41 ID:4ZqdphkEo
〜〜

亜美「この先が武器庫でいいのかな…?」

兵士1「敬礼!」

兵士2「はっ!」

亜美「わっ びっくりした〜」

兵士1「早く扉を開けろ!」

兵士2「申し訳ありません!」

亜美(すごー…やっぱり少佐ってメッチャ偉いんだ)

亜美「ありがとね→」

ガチャン

亜美「さてと…爆弾爆弾…なんて爆弾?
   わー!せめてどんな箱に入ってるかを聞いておけばよかった!」

亜美「無線通じないよー!えーっと…爆弾っぽい奴爆弾っぽい奴…」

ガチャン

尾崎「真美?何してるの?」

亜美「!? えーとあはは、何か探してたんだけど何探してたのかも思い出せないってよくあるよね!」

尾崎「あなたね、10分前には集合しなさいって言ったでしょ
   ミーティング始まってるわよ」

亜美「いや→それがそのー…今ちょっと行けないって言うか…」
99 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/27(水) 19:11:53.33 ID:4ZqdphkEo
尾崎「?」

亜美「あー、すみませんすぐ行きまーす!」

尾崎「ちょっと待ちなさい」

亜美「ぎく」

尾崎「ミーティングルームはそっちじゃないわよ」

亜美「いや、忘れ物を…」

尾崎「髪型も変えたのね」

亜美「へ?あ、あぁ…うん」

尾崎「…Присягу Родине даём(祖国に誓いを捧げましょう)」

亜美「お、オールハイルソビエト!」

尾崎「答えはСлужу Советскому Союзу(ソヴィエト連邦に奉仕する)
   残念だったわねCIAの犬っころ!ついに捕まえたわ!!」

亜美「ぎゃー!!」

兵士1「ど、どうしたんですか!」

尾崎「縄を持ってきなさい!!死なせて下さいと言うまでいたぶってやるわ!」

兵士1「は、はっ!」
100 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/27(水) 19:23:55.81 ID:4ZqdphkEo
〜〜

春香「何の騒ぎです…亜美」

千早「拷問したんですか」

亜美(…この声…はる、るん…?)

尾崎「まだ鈴木さんの居場所を吐かないの」

春香「…」

尾崎「次は足の爪でも剥いでしまおうかしら」

春香「…」

千早「さっさと殺してしまいましょう
   最終調整をしなくてもシャゴホッドは動くんですから
   こんな馬鹿に付き合ってる暇はないでしょう」(尾崎にアイコンタクト)

尾崎「!
   ふふ、それも確かに一理あるわ
   でも、散々手を焼かせたのだから思う存分に痛めつけてあげないと」

千早「それもそうですね、尾崎さんの言う通りです、ふふっ」

春香「私、もう行きます」
ガシャン

尾崎「あら、残念。彼女も人の子なのね。
   伝説のアイドルの精神力も大した事ないじゃない」

千早「今ここで彼女を侮辱する必要はないかと
   目の前にいいオモチャがいる訳ですから」
101 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/27(水) 19:28:42.04 ID:4ZqdphkEo
尾崎「それじゃ、この子を牢屋にぶち込んでおきなさい
   自分の失敗で世界が火に飲まれるのをただただ指を咥えて待つしかない
   素敵な余生ね」

兵士1「はっ!」

兵士2「ちゃんと立て!」

ガシャン

尾崎「いい嘘ね」

千早「きっと彼女も自分を責めて苦しむでしょう」

尾崎「私に似たのかしら、まったくいい趣味してるわ」

千早「犬は飼い主に似るものです」

尾崎「それじゃ、最終調整を渋る科学者達をしごきに行きましょうか」

千早「はい」
102 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/27(水) 19:45:06.15 ID:4ZqdphkEo
==
春香「もー、いつまで寝てるの?」

亜美「むにゃ…は、はるるん!?」

春香「えへへ、寝ぼけちゃって美希みたい」

亜美「美希って…?」

春香「千早ちゃーん、亜美も起きたよー!」

ガチャ

千早「やっと起きたの?車でプロデューサーが待ってるわ
    早く行きましょう」

亜美「ま、待って!行くってどこに?ここ、どこ?」

千早「…ちょっと、今日はさくらテレビで収録があるって言われたでしょ
   いつまでも寝ぼけてないでよ」

亜美「へ?収録?」

ガチャ

真美「あーみ!兄ちゃんガミガミだよ?早くいこー!」

亜美「ちょ、ちょっと…」

春香「仲良しだねー?」

千早「ふふ、そうね
   少し羨ましいわ」

春香「あれれ?千早ちゃんのそばには私がいるよー?」

千早「もう…さ、行きましょう」
103 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/27(水) 19:49:23.83 ID:4ZqdphkEo
P「遅いぞ」

真美「ごめんごめんご→!」

P「頭下げるの俺なんだから遅刻は勘弁してくれ」

春香「それじゃ、れっつごーです!」

千早「プロデューサー、企画は当日教えてもらえるとの事でしたが」

P「ああ、亜美が寝てたから伝えるのが遅れちゃったな
 今日の収録は…シャゴホッドの破壊だ」

==

亜美「!!」

亜美「…夢」

キョロキョロ
亜美「そっか…亜美捕まっちゃったんだった
   シャゴホッド、調整なしでも動くんだっけ」

亜美「…わかんないけど、核ミサイルを撃つその瞬間まで
   諦めちゃだめだよね」



亜美「…がんばろ」
104 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/27(水) 20:17:26.83 ID:4ZqdphkEo
やよい「だ、だいじょうぶですか?」

亜美「姉ちゃんだれ?」

やよい「私ですか?高槻やよいって言います!よろしくねー!」

亜美「んー、牢屋越しによろしくって言われてもねー…」

やよい「はわわっ ごめんなさい…でも、牢屋は絶対空けるなって言われてて…」

亜美「いいよいいよ」

亜美(それにしても、どうやって出ればいいんだろ
    扉は…鉄?曲がりそうもないし
    ダクトもない、コンクリだから穴も掘れなさそうだし…うーん)

やよい「あの、ごはん食べないんですか?」

亜美「え?」

やよい「沢山食べないと元気でませんよっ」

亜美「ごはんって?」

やよい「そこに…」


亜美「これ!?これコウモリの死骸じゃん!
   って触ったらちょっと腐ってるし!」

やよい「あー!食べ物をそまつにしたらダメなんだよー!」
105 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/27(水) 20:21:23.27 ID:4ZqdphkEo
亜美「いや、食べ物って…」

やよい「もー、いらないなら頂戴!」

亜美「えっ」

やよい「こうもりさんだって命があるんだから、食べてあげなきゃかわいそーだよ」

亜美「う、うん…はい」

やよい「うっうー!ごはんの前のおやつ♪おやつ♪」

亜美「ちなみに、ごはんは何食べるつもりだったの?」

やよい「ねずみさんですっ」

亜美「わお」

〜〜

亜美「ねえ、やよいっち?」

やよい「なーに?」

亜美「お腹痛くなったりしない?」

やよい「!
    も、もしかしてこうもりさんに何かお薬入れた!?」

亜美「いや、入れる必要すらなさそうだったんだけど…」
106 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/27(水) 20:23:16.62 ID:4ZqdphkEo
亜美(うーん、お腹壊してくれる事を期待してたんだけど…)

やよい「ふにゃ?!」

やよい「zzz」

涼「…今鍵開けるね」

亜美「りょ、涼姉ちゃん?」

涼「…こんな事したら、本当に尾崎さんに殺されちゃうかもね」

亜美「どうして…」

涼「絵理ちゃんの事、助けてくれたでしょ
  あのままじゃ、本当に絵理ちゃんは死んでた
  それと亜美ちゃんも、このままじゃ死んじゃう
  間違いなく殺されちゃうよ」

亜美「でも、亜美助けたってばれちゃったら…」

涼「何かあったらアメリカの部隊に雇ってもらおうかな
  なーんちゃって」

亜美「…姉ちゃんも亡命するの?」

涼「わかんない
  何がしたいのか分からなくなっちゃったよ」

亜美「…」

涼「でもね、少なくとも絵理ちゃんを助けてくれた亜美ちゃんを、見殺しにするようなアイドルにはなりたくない」

亜美「それが姉ちゃんの目指すアイドル?」

涼「ふふっ、まだ模索中
  これ以上は助けてあげないよ?
  絵理ちゃんの分の一回だけ、これで貸し借りなしだからね」
107 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/06/27(水) 20:38:15.74 ID:4ZqdphkEo
涼「…それじゃ、頑張ってね」

亜美「ありがとう、お姉ちゃん」

〜〜

順二郎『脱出に成功したようだな』

亜美「うん、涼姉ちゃんが助けてくれたんだ」

順二郎『情けは人のためにあらず、って事か』

亜美「んっふっふ〜、計算高いでしょ?」

順二郎『今の亜美君は何も武器がない
     敵との交戦状態になれば勝ち目はないぞ
     マンホールから下水道に出られるはずだ
     あとはEVAと無線をとりながら落ち合って装備を回収するんだ』

亜美「あいあいさー」

順二郎『…ご苦労だね
    腐ったものを食べろと言う訳ではないが
    とにかく沢山食べて体力の回復を待て
    今焦っては全てを台無しにするのは勘弁願いたい』

亜美「任務終わって帰ったら豪邸建ててもらうかんね」

順二郎『覚悟しておく』

今日はここまで。
108 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/02(月) 17:55:27.18 ID:7wYvnUFko
投下します

亜美「下水っていうからもっと臭いかと思ってたけど
    案外そんな事ないね」

亜美「あれ?無線?」

真美『亜美ー!脱出したのバレたよ!!
   今総出で探してるから、たぶん下水道にも人がいっぱいくるよー!』

亜美「うえー!?」

真美『北のドア開けておいたけど…もしかしたら閉じられちゃってるかも…』

亜美「それチョーやばいじゃん!!」

真美『と、とにかくファイト→!』

亜美「うわーん、はくじょうものー!!
    ってワンコの鳴き声するし!!やば!!」

兵士「いたぞー!!」

兵士「追えー!!」

亜美「ひーん!」
109 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/02(月) 18:34:34.93 ID:7wYvnUFko
亜美「あれは…出口…!!
    ってうわっ!?」

亜美「た、滝〜〜!?」

??「目を瞑って!!」

亜美「…!?」

ピカリンチョ

涼「今のうちにこっちへ!!」

亜美「う、うん!」

〜〜

涼「…はぁ」

亜美「ありがとー!!むぎゅうううう」

涼「わっ 抱きつかないでー!!」

亜美「なんで→!?亜美ね、今ちょー猛烈に感謝してるの!!」

涼「わ、わかったから、あんまりくっつかれると…こほん
  はい、感謝おしまい」

亜美「ちぇー」
110 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/02(月) 18:45:53.98 ID:7wYvnUFko
涼「…」

亜美「もう助けないって言ったのにね〜?
   やっぱ優しいんだ」

涼「…やよいさん、わざと逃がしたって疑われて
  独房に入れられちゃったんだ」

亜美「え?やよいっちが?」

涼「うん…尾崎さん、最近機嫌悪いから
  もしかしたら酷いことされるかも」

亜美「…どうするの?」

涼「今度はやよいさんを助ける
  どうせ、2回目は私だってバレちゃうから
  せめてその前に亜美ちゃんを助けようと思って」

亜美「よく分かったね、あそこだって」

涼「外壁に囲まれてるんだよ?
  真っ先に下水道疑うよ、普通は」

亜美「ぐぬぬ…
   それで、やよいっちを助けたらどうするの?」

涼「わかんないけど、きっと逃げられるよ
  狙撃手の絵理ちゃんは特別なサバイバル訓練も受けてるし
  …うん、きっと大丈夫」
111 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/02(月) 18:56:18.66 ID:7wYvnUFko
涼「それじゃ、私行くね」

亜美「ちょ、ちょっと待って
   876プロダクションって、オザリンの部隊なんでしょ?」

涼「…ううん、本当は石川っていう人の部隊だったんだ
  尾崎さんはあくまで養成部門のコーチだったんだけど
  いつしか石川さんと剃りが合わなくなって
  新人達から信頼を得ていた尾崎さんが石川さんを追い出しちゃったの
  私は、石川さんも尾崎さんも好きだけど…今の尾崎さんのやり方には、結構皆が不満を持ってる
  絵理ちゃんや愛ちゃんも、亜美ちゃんに負けちゃって何されるかわからないし」

亜美「…ごめんね」

涼「ふふ、謝らなくたっていいよ
  私たちだって亜美ちゃんを捕まえる気だった訳だから
  もう、いいかな」

亜美「うん、頑張って
    …あ、これ、よかったら持って行って!
    やよいっちに…カロリーメイト、凄く美味しいから、きっと喜ぶと思う」

涼「わかった、渡しておくね」

亜美「気をつけてね」

涼「ありがとう、亜美ちゃん
  行ってきます」

亜美「…」
112 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/02(月) 19:10:15.37 ID:7wYvnUFko
〜〜

亜美「川を上った所にある小さな滝の裏口で集合って言われたけど…
    これでいいんだよね?」

亜美「真美ー?いるのー?」

真美「やっほ→!」

亜美「わ!?後ろから登場しないでよー!」

真美「ごめんごめんご→!
   お土産持ってきたから許してひやしんす!」

亜美「ほう、この亜美を満足させるほどの手土産でなきゃ…
   姐さん体で払ってもらうぜ?」

真美「うふふ、とっておきの…ラーメン!そして魚だーい!」

亜美「おお!さすが真美!わかってるね→♪」

真美「怪我だらけだし、沢山食べなきゃ治るもんも治らないよー?」

亜美「焼き魚!焼き魚にしたい!」

真美「んじゃボボっと焼いちゃいますか!」

亜美「いえっさー!」
113 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/02(月) 20:10:06.20 ID:7wYvnUFko
亜美「そーいえば、真美
   基地の様子はどうなの?」

真美「亜美がバレた所為で真美ぜんぜん出歩かせてもらえないんだよ↓
   紛らわしいから出てくるな→!ってヒドいよね?」

亜美「じゃあツメツメですか?」

真美「ツメツメですなー…
   あ、でもこっそり爆弾盗んできたよ?
   亜美がシャゴちん壊すのに一直線で行けるように」

亜美「!
   それが爆弾だったの!?」

真美「やっぱりわかんなかった?
   無線しようと思ったけど通じなくてさ→」

亜美「こんなちょっとでいいの?」

真美「うん、これだけでボカーンと兵器廠ごと吹き飛ばせる!」

亜美「ほへー、時代の進化って凄いですなー」

真美「前にも言ったけど、兵器廠にある燃料タンクを狙うんだよ?
   全部で4箇所、全部に爆弾をセットするんだよ
   爆弾はタイマー式…さ、この先進んで
   奥のはしごを登れば要塞内部に出れるよ
   本棟への入り口へはこの鍵を使って
   …気をつけてね」

一旦休憩

114 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/04(水) 17:41:32.19 ID:91D5bE8ho
投下します

〜〜
亜美「ふー、グロズニィグラードまで戻ってきたけど
   やっぱ警備が厳重だね↓
   どうしよっかな→また真美に…」

真美『亜美ー?聞こえてる?』

亜美「ん?」

真美『まさかとは思うけど、また真美に変装して入ろうとか考えてない?』

亜美「ま、まっさかー」

真美『ならいいけど…そんでね、そういえばよくトラックが兵器廠に出入りしてたから
    その辺のトラックを探してみたら?兵器廠行きって書いてあるダンボールがあったらきっとそうだよ!』

亜美「なるほどー!…で、それに乗って、積荷を降ろすときにおねんねして貰う訳ですな?」

真美『そう!』

亜美「あんがと→!んじゃパパッっとやってくるね!」

真美『てらてら→!』
115 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/04(水) 18:24:18.87 ID:91D5bE8ho
亜美「このトラックだね…ダンボールの奥に隠れてよ」

P『今のうちにもう一度説明するぞ
 格納庫ごと吹き飛ばすのは液体燃料タンクをC3で爆破するのが一番確実だ
 聞いた話じゃ、タンクは4箇所、その全てに仕掛ければ爆発の威力を効率的に上げられる』

亜美「ふむふむ」

P『間違った場所に仕掛けるのはやめてくれよ
 必要分しか貰ってないんだろ?』

亜美「うん」

P『それと、液体燃料はちょっとした衝撃で爆発するんだ
 自殺したいんでもなければタンクのそばで銃火器は使わないように』

亜美「ひえー」

P『全ての爆弾を同時に爆破するのが好ましい
  時限式なんだろ?タイマーのセットは爆弾を全てセットした後に起動するんだ』

亜美「最後に、だね。わかった!」
116 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/04(水) 18:42:09.19 ID:91D5bE8ho
亜美「社長さーん、爆弾の設置はもう終わったよ」

順二郎『脱出ルートは?』

亜美「真美が用意してくれてる!」

順二郎『真美君…EVAに任せたのか』

亜美「真美なら大丈夫だよ!」

順二郎『とにかく脱出を…』

尾崎「待ちなさい」

順二郎『!!』

亜美「…真美、はるるん…」

真美「けほっ…あ、亜美…」

尾崎「真美ソックリに整形した兵士が忍び込んでいた時点で怪しいとは思っていたけど
   まさかもとからグルだったなんてね
   危うくとんでもないものを盗まれるところだったわ…"賢者の遺産"を
   このマイクロフィルムに"遺産"の全てが収められてる
   つまりこのフィルムこそ"賢者の遺産"そのものなの
   …本当に危ないところだったわ
   アメリカの犬、今ここで撃ち殺してあげようかしら」

亜美「や、やめてよ!」
スチャ
千早「動かないで
   今ここで頭を吹き飛ばされたいなら、話は別だけど」
117 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/04(水) 19:01:56.19 ID:91D5bE8ho
亜美「亜美は"賢者の遺産"なんて知らないよ!許してあげてよ!」

尾崎「知らない?
   知らないで盗みに来るなんて、本当にアメリカの言う事を聞くだけの犬なのね
   いいわ、教えてあげる
   世界大戦で、米中ソの権力者の間に秘密協定があったの
   枢軸国に勝利して、その後の世界をその3つの国で自由に動かすための協定が
   三国は大戦の勝利を決定付けるために、お互いの資金を出し合った
   そして表に出せない様々な裏工作や研究を共同で進めたの
   原子爆弾もロケット技術もその産物…世界大戦をあと5回は繰り返せるような資金だった」

尾崎「大戦にケリをつけた後、三国は"賢者の遺産"を分け合うことになっていた
   米ソがドイツの有能な科学者を抱え込んだのもその一環
   でもソ連は、米中よりも頭が良かった
   …間抜けな二国を出し抜いて、莫大な資金を我々のものにした
   馬鹿なアメリカや中国には不釣合いなのよ、あの資金は
   私の父親は"賢者の遺産"の管理者の一人だった
   終戦後のドサクサに紛れて、ソ連が独り占め出切る様にしてくれたわ
   スイス、オーストラリア、香港など世界中の銀行を通じて分散して洗浄した
   その金の流れを記したのが、このマイクロフィルム」

尾崎「父親から引き継いだこの資金を使って
   このグロズニィグラードも、グラーニン設計局をも建設した
   でもインテリアイドルと名高い律子も結果は出してくれない
   だから鈴木さんのシャゴホッドが必要だったの
   GRUに属してる私が直接襲ったんじゃ、後が面倒でしょ?
   そこで、765プロの天海春香さんの出番って訳
   秘密協定のスパイ網を通じて、色々寄り道しながらも彼女と連絡を取って…亡命を勧めた」
118 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/04(水) 19:10:58.26 ID:91D5bE8ho
尾崎「彼女も私の意思に同調してくれたの
   世界はもともと一つだった」

亜美「…」

尾崎「賢者達の対立で世界が二つに分かれてしまった
    だから、私が世界を一つにする
    このシャゴホッドで!」

亜美(このうすらでかい戦車が…)

尾崎「あんたに876プロのアイドルは潰されちゃったけど
   私にはまだシャゴホッドと遺産がある
   量産体制さえ整えれば…アメリカごときには私をとめる事は出来ない
   よくも絵理を…貴方とアメリカには真っ先に後悔して貰うわ
   天海春香…"遺産"を安全な所へ」

春香「はい、受け取りましょう」

尾崎「頼んだわよ」

春香「私は真美を始末しておきます
   …それと、亜美がいるって事はシャゴホッドに爆弾をしかけられてるはずです
   それも探してきます。亜美の始末は、GRUの二人に任せますね」

千早「任せて」

尾崎「私が[ピーーー]わ、如月さんは手を出しちゃ駄目よ」

千早「…はい」
119 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/04(水) 19:53:01.24 ID:91D5bE8ho
尾崎「さぁ、楽しみましょうか」

千早「…と、言いたいところですが」

尾崎「?」

ビー!!ビー!!ビー!!
『爆弾を発見!!解体班はすぐに兵器廠本棟に向かえ!
 繰り返す、解体班はすぐに兵器廠本棟へ向かえ!!』

千早「残念ですけど、春香からの合図が来てしまいました」

ガシュー

兵士「しょ、少佐…大佐!報告、爆弾解体に来ました!」

千早「今は黙ってて」

兵士「はっ!」

尾崎「…貴方…私に銃を向けてタダで済むと思ってるの?」

尾崎「これは反逆罪よ!解体班はすぐに少佐を…」

ダン!

千早「お喋りの多い人ね」

兵士「う、撃て!!」 
兵士「少佐だぞ!?」
兵士「今大佐を殺したろ、撃てー!」

ダダダダダ!!
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2012/07/08(日) 18:25:11.93 ID:z7Kox2dAO
一応支援を
楽しみにしています
121 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/09(月) 22:32:48.94 ID:suPAGKwio
旅行行ってました
投下します

亜美「な、なんだなんだ!?」
ダダダダ!!!
千早「危ないから伏せてなさい!!」
ダンダンダン!!
亜美「ひゃあ〜!?」

千早「亜美、爆弾の爆破時間は?」

亜美「え?あと…1分」

千早「くっ…!早く逃げて!!」

亜美「え!?で、でもお姉ちゃんは!?」

千早「言ったでしょう、私の名前は如月千早よ」

亜美「そ、それどころじゃないっしょ→!?」

千早「早く!兵器廠ごと吹き飛びたいの?
   ここは私に任せて!!」

亜美「千早お姉ちゃん…ありがとう!!」

千早「さて…私のロングコルトに風穴空けられたい人は出てきなさい
   …私は獲物を逃がさない」
122 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/09(月) 22:37:10.21 ID:suPAGKwio
〜〜

真美「亜美!こっち!」

亜美「真美!?バイク運転できるの!?」

真美「ゲーセンと同じようなもんっしょ!」ブロロロロ

ドーン!!

亜美「!」

真美「オザリン一派の軍がまだ攻めて来るよ!
   真美たち二人だけで逃げ切れるかはわからないけど…飛行機が用意してあるから急ごう!!」

亜美「…二人じゃないよ」

真美「?」

亜美「千早お姉ちゃんが、食い止めてくれてた
   亜美達だって、負けてらんないよ!」

真美「んじゃ、いっちょひとっ走りしますか!」

兵士「追えー!」

真美「真美のドラテクに追いつけるかな!?」
123 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/09(月) 22:41:09.54 ID:suPAGKwio
兵士「待てー!」ダダダダ!!

亜美「あっぶなー」
ダダダダダダ!!

亜美「な、なんか追っ手多くない!?」

真美「ミラーが曇ってて見えないYO→!
    ふきふきしてー!」

亜美「はい!」

真美「…わっ、凄い人数」

亜美「ヤバヤバデンジャラス?」

ギャー!

亜美「?」

真美「あ!多分一部は黒井社長が派遣してくれた軍人さんだよ!
   攻めてきてるって話は前から聞いてたし!」

亜美「あ、そういえば言ってたね!
    じゃあ一気に逆転!」

真美「ふっふっふ〜、やっぱり真美のドラテクには…」

亜美「って、亜美!前前!」

真美「う、うわああ〜!?」

ガシャーン
124 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/09(月) 22:48:00.04 ID:suPAGKwio
亜美「けほっ…ぺっ」

亜美「口の中ドロドロだよ…真美」

真美「こ、こっち…」

亜美「…!」

真美「痛くてさ…目、開けられないよ…
   ど、どうなってるの?」

亜美「…」

真美「亜美…?いる、んでしょ?」

亜美「枝が…刺さってる、おなかに…」

真美「…亜美は、平気?」

亜美「うん、亜美は大丈夫」

真美「よかった…」

兵士1「居たか?」

兵士2「いや、向こうかもしれない。探してみよう」ガサガサ

亜美「…逃げよ、そのうちバレちゃうよ」

真美「真美は無理だよ」

亜美「真美…!」
125 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/09(月) 22:57:49.54 ID:suPAGKwio
真美「…あのね、この先にの湖にはるるんが待ってる
   亜美にはやる事があるんでしょ?」

亜美「真美を置いて行くなんて、嫌だよ…このままじゃ真美死んじゃうよ!
   一緒にアメリカに帰ろう、すぐ良くなるから」

真美「…」

亜美「そんでさ、一緒に何か映画でも見に行こうよ
   ぴよぴよオススメの映画でもさ」

真美「…はー、亜美は一人じゃ逃げられないもんね
   真美がもう少し頑張ってあげないと」

亜美「!」

真美「いたた…とりあえず、処置しないと…」

小鳥『出血が酷くなるから、枝を抜いちゃ駄目よ
   枝の先を追って横から止血帯で圧迫するの』

亜美「わかった、頑張る!!」

真美「いたたたた!!」

亜美「我慢してー!」

真美「はい…」

今日はここまで
126 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/11(水) 15:14:12.61 ID:72t2jnzqo
投下します

亜美「しっ…」

真美「…」

兵士1「今何か聞こえなかったか?」

兵士2「見てくる」

兵士1「気をつけろよ」

ガサガサ

ダダダダダダ!!!
亜美・真美「!?」

兵士1「て、敵か!」
ダダダッダ!!

黒派兵1「敵2名沈黙」

黒派兵2「クリア」

黒派兵1「同じソ連の兵士撃ってどうなるんだろうな」

黒派兵2「黒井さんが勲章でもくれるさ」

黒派兵1「…!」

黒派兵2「…(ハンドサイン)」
127 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/11(水) 15:19:08.44 ID:72t2jnzqo
ガサガサ…
亜美「真美は隠れてて」

真美「あ、亜美?」

亜美「撃たないで!」

黒派兵1「…」

亜美(野戦服じゃなくて軍服着てる…黒井一派の兵士だよね?
   なら、無駄に争う必要は…ないよね)

黒派兵2「…本部」

HQ『こちらHQ』

黒派兵2「尾崎派の兵士2名を無力化
      他に異常はない」

亜美「!」

HQ『了解、作戦に従い要塞方面へ向かえ』

黒派兵1「行こう」

亜美「あ、ありがと!」

黒派兵2「…」
128 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/11(水) 16:14:27.97 ID:72t2jnzqo
〜〜

真美「この先の湖に、WIGが停めてあるよ」

亜美「…」

真美「まだ、行けないんだ」

亜美「うん」

真美「帰ってきてね」

亜美「うん、約束」
129 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/11(水) 16:36:00.35 ID:72t2jnzqo
〜〜
春香「…来たんだね、亜美
   待ってたよ。…ずぅっと
   亜美が成長することも、…今日のこの決着も」

亜美「はるるん…どうして亡命なんかしたの」

春香「これは亡命じゃないよ
   …世界を一つにするためのワンステップ」

亜美「世界をひとつに…尾崎とかいう人も、言ってたけど…」

春香「そう、尾崎さんの言ってた通り
   世界はかつてひとつだった
   でも、大戦の終結と共に"賢者達"の反目が始まって、世界は分散…
   876プロと私も、お別れ
   一緒に頑張ってきた仲間だったのに
   政府の体制、時代の流れで敵味方がまるで風向きのように変わる
   …こんなのおかしいよ」

春香「昨日の味方は今日の敵?東西冷戦?
   世界大戦の時、私は876プロのアイドル達と仲間だったんだよ?
   そして今度はどうなるの?きっとアメリカは違う敵と戦ってる
   時代の流れで敵は変わっていく、私たちアイドルはその中で弄ばれるだけ…
   亜美と一緒に頑張ってきたのも、今ここで殺しあう為じゃない
   私たちの技術は、仲間同士傷つける為にある訳がないもん」
130 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/11(水) 16:59:48.12 ID:72t2jnzqo
亜美「…じゃあ私たちの持つべき敵って?」

春香「…そんな敵、存在しないよ
   いっつも同じ人間同士で争ってる…間違ってるよ
   世界は一つになるべきだと思う
   だから、私は"賢者達"をもう一度統合したかった
   尾崎さんの資金があれば…出来たはずなの」

亜美「賢者達…?」

春香「20世紀初頭、アメリカ、ロシア、中華民国を動かす実力者が集まったの
   賢人会議と呼ばれるようになった極秘会談
   その秘密協定が"賢者達"の始まり
   でも1930年代、最後の賢者が死んじゃった
   賢人会議はただの形骸、正義も悪もない
   あらゆる戦争のあらゆる局面で様々な国や組織につく
   それがあの人たちの手口
   私たちアイドルを食い物にして、その戦争は新たな戦争を生んで
   この先も、ずっと続いていく…」

春香「全てを教えてくれたのは私のお父さん
   私のお父さんも賢者の一人だった…
   それを教えてくれたお父さんも、教えた直後に不審な死
   …もう、私の中はからっぽ
   何も残ってない」
131 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/11(水) 17:03:15.19 ID:72t2jnzqo
春香「ソ連に来てから、亜美は色々な人と出会ったよね
   私たちのいるこの世界とは遠く離れた世界では
   皆、…皆が一緒に、笑ってられたかもしれない
   でも、ここでは違う
   血が流れて、人が死ぬ
   亜美は優しいから、皆麻酔銃で倒してきたんだよね
   任務に必要ない殺生をしないアイドルのモラル
   …亜美はきちんと守れてる」

亜美「そんな事…」

春香「これが亜美との最後の話になるんだから
   静かに聴いて?ね?」

亜美「最後とか…言わないでよ…」

春香「876プロのアイドルも、皆いい子達
   もちろん亜美も、千早ちゃんも…私は皆が大好きだよ
   だから、立派なアイドルになって欲しい
   色々な人と対峙して、人間として、アイドルとして成長して欲しい
   …でもね、この国はもう駄目なの
   たぶんソ連は崩壊しちゃうし
   社会主義は資本主義に負ける時代が来る
   それと同時に、ソ連や中国は
   社会主義の看板を掲げて資本主義経済に則るような国に成り下がる
   そんな国じゃ、まっとうなアイドルにはなれない」

亜美「はるるんの話、やっぱりむずかしいよ…」

春香「えへへ、ごめんね
   もう、見たくないんだ
   食い物にされていくアイドルたちを」
132 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/11(水) 17:04:59.05 ID:72t2jnzqo
亜美「…それって、諦めてるって事?」
   死にたいって、そういう意味!?」

春香「…そうかもね」

亜美「そんなの、ズルいよ
   亜美に偉そうに説教して!
   亜美がはるるんを[ピーーー]ように説教しといて!
   結局は自分が死にたいんじゃん!
   腰抜けはどっち!?」

春香「…ごめんね」

亜美「謝らないでよ!せっかく亜美は…」

春香「[ピーーー]気で来たのに?」

亜美「…っ」

春香「私を[ピーーー]決意、出来たんだ」

亜美「はるるんに言われた事、この任務の間ずっと考えてた
   アイドルとは何か…どんな事があっても、自分の感情を出さずに任務を全うする
   国も、大統領も、書記長も、時代も、何もかもが変わる
   だから、受けた任務だけは全うする
   変わっていくものの波に、流されちゃわないように
   …亜美が、亜美であるために」

春香「見つけたんだね、答え」


亜美「でもね…でもね…
   はるるんの事、ころしたくないよぉ…」

春香「…」

亜美「どうしてはるるんを殺さなくちゃいけないの…?
   あみやだよぉ…」
133 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/11(水) 17:08:22.55 ID:72t2jnzqo
春香「…亜美、おいで」

亜美「ぅん…」

春香「自分に、忠を尽くすんだよ」なでなで

亜美「…?」

春香「これ、"賢者の遺産"
    渡しておくね…亜美なら、きっと正しく使ってくれる気がするから」

亜美「…」

春香「もー、可愛いなー
   食べちゃいたいくらい」

亜美「はるるん…?」


春香「さぁ、引き金を引いて」









バン!!
134 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/11(水) 17:12:51.51 ID:72t2jnzqo
亜美「はる、るん…?」

亜美「…ごめんね、ごめんねはるるん…
    ごめん…うわあぁん…はるるん…」

〜〜
ガサッ
千早「…」

千早「…もう、終わってしまったのね」

亜美「ぢばやねえぢゃん…」

千早「鼻水拭きなさい、ほら」

千早「…春香を殺したのが、あなたでよかった」

亜美「…」

千早「876プロの3人が黒井閣下と話をつけたそうよ
   …3人ともアメリカに亡命する」

千早「彼女達の基地づてにヘリがよこされるはず、多分5分かからない
   真美と一緒にそのヘリで亡命するの」

亜美「…」

千早「あなたが殺さなければ、春香は来たヘリに乗ってる兵士達に殺されてた
    ありがとう、亜美」
135 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/11(水) 17:15:33.12 ID:72t2jnzqo
亜美「どうして…死にたいなんて…」

千早「春香は死なんて望んでなかったわ」

亜美「…え?」

千早「春香は、本当はアメリカに帰るつもりだった
   賢者の遺産を手に…
   でも尾崎さんがいきなり核ミサイルを発射したから
   予定が狂ってしまったの」

亜美「ちょ、ちょっとそれって…」

千早「新たにCIAから受けた任務が、ソ連の地で射殺される事
   あなたと一緒だったのよ、任務を全うしなければと身を削る思いで、あなたと向き合ってた」

千早「…来たわね」

米兵「動くな!」

順二郎「待て、彼女は良い
     音無君、天海君の遺体を回収してくれたまえ
     …お疲れ、亜美君」

亜美「社長…どうしてここに…」

順二郎「たまたま滑走路のある基地への着陸許可が出てね
    そこからソ連のリムジンで運んでもらったんだ
    乗り心地は良くなかったがね」
136 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/11(水) 17:17:14.34 ID:72t2jnzqo
亜美「…そんな事より本当なの?
   亜美に殺される事がはるるんの任務だったって」

順二郎「私は君のミッションをサポートするよう命じられただけだ
    …だが、薄々感じてはいたよ」

小鳥「…春香ちゃん、ごめんね…少し体動かすからね
   すぐ、アメリカに着くから」

亜美「もういい、亜美疲れた」

小鳥「…こんなの、酷すぎますよ
   876プロの3人も、精神状態はボロボロでしたよ」

順二郎「みなまでいうな…私もよく、わかっているよ
    先にヘリに戻っていてくれ」

小鳥「はい」

順二郎「…君も乗っていくか?」

千早「ありがとうございます、でも遠慮しておきます」

順二郎「CIAと同じヘリには乗りたくないか」

千早「いえ、もう迎えは呼んでありますから
   手土産も持って行かないと…」

順二郎「天海君の事は、非常に残念だった」

千早「…」

順二郎「私はもう行くよ…後で、一度話し合おう
    天海君の意志、我々なら継げるはずだ」

千早「…アメリカに帰ったら連絡します」
137 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/11(水) 18:02:30.58 ID:72t2jnzqo
千早「はい、グロズニィグラードも
    グラーニン設計局も跡形もなく
    …確かに、ですが必要な犠牲でした」

千早「ええ、確かに天海春香の処理はCIAが
   これでホワイトハウスも満足しているはずです
   黒井もこれで終わりです…貴方達の時代ですよ
   …そう、全ての真相を抑えることはアメリカの首根っこを掴むのと同じ
   今後の外交の切り札にも
   それでは、KGB局長 また…」

千早「…もしもし、はい、私です
   春香は任務を完了しました
  "賢者の遺産"は無事我々…アメリカの手に
  この資金があれば、"賢者達"の再開も十分に可能かと」

千早「ええ、ソ連も私の正体には気づいていません
   3重スパイ…ましてADAMだなんて
   引き続き新政権とのコンタクトを続けます
   …それでは、CIA長官」
138 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/11(水) 18:03:45.57 ID:72t2jnzqo








亜美「おはよう、はるるん」

亜美「…今日は、勲章を貰ったよ
   この勲章、はるるんにあげる
   亜美ね、思うんだ
   はるるんがこの勲章を貰うべきだって」

亜美「だって…はるるん、任務を完了したのに…何も貰えてないじゃん…
   亜美はまだ、勲章なんて貰えるけどさ…はるるんは…はるるん…
   うわああん…ごめんね…ごめんね…
   はるるん…ごめんね、泣いちゃダメだって思ってるだけど
   涙…止まらないよ…」

亜美「えへへ、ごめんね…今日は、もう帰るから」
139 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/11(水) 18:06:44.39 ID:72t2jnzqo
MGS3はとりあえず終わり
多分シコシコMGS1とかも続けると思います

ここまで呼んでくれたマゾい人がいるようでしたら
MGS1へ向けて改善点などレスしてくれれば嬉しいです
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/13(金) 12:33:22.26 ID:1w/V19HIO
MGS全部やってくれるのか期待
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/07/14(土) 02:16:21.96 ID:lUXFy26Fo
MGはさすがにやってはくれないか。
見てるから頑張れ
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/16(月) 22:15:00.00 ID:qMWQeduN0
次からはメ欄にsagaも入れて書き込んだ方が良いよ
143 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/17(火) 16:30:47.33 ID:2mlpHCPQo
MGシリーズもやりたいんだけどやると時系列あわなくなるのでやりません。
とりあえずMGS始めます

〜オハイオ級原子力潜水艦ディスカバリー〜

順二郎「アラスカ、フォックス諸島沖の孤島
     シャドー・モセス島にある核兵器廃棄所…
     765プロと彼女達の率いる次世代特殊部隊が突如武装蜂起して島を占拠した
     彼女達が政府に突きつけた要求は「天海春香」の遺体だ

     それが24時間以内に受け入れられない場合
     彼女達は核を発射すると通告してきている

     君に依頼する任務は二つ
     廃棄所に潜入して、人質として捕らえられたDARPA局長…
     そう言えば分かるだろう、君のプロデューサーだ
     そしてアームズ・テックのCEO、岡本まなみの両名を救出すること

     そしてテロリストの核発射能力の有無を調査し
     事実ならばそれを阻止することだ」

亜美「どうやって行くの?」

順二郎「潜水艦で廃棄所の近くまで接近する
     そこから小型船推定を射出
     島に再接近後、潜水艇を破棄…後は泳ぎだ」

亜美「お、泳ぎ!?アラスカの海を!?」

順二郎「文句を言わないでくれ」

亜美「ちぇー」
144 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/17(火) 16:44:35.60 ID:2mlpHCPQo
順二郎「ハイテク特殊部隊765プロダクション
     アイドルイーター作戦後君が所属し私が指揮を執っていた特殊部隊だ」

亜美「765プロはなくなったんじゃなかったの…?」

順二郎「残党という形に近い、正式には存在しない
    今回のテロには4名の765プロのアイドルが参画しているらしい
    声明には、水瀬伊織、三浦あずさ、如月千早
    そして彼女達の指揮を執っているのが…双海真美君だ」

亜美「へぁ!?」

順二郎「あとの二人は、君ともアイドルイーター作戦で面識があるな」

亜美「…うん」

順二郎「どうしてこうなったのか、私は知らないしここで論議している暇はない
     島全体が核廃棄施設になっている
     上陸後は無線機で指示を出す
     いつものように、単独の、潜入任務だ
     装備には君の大好きなハッシュパピーを入れておいた」

亜美「ぷしゅっと睡眠銃パピーちゃんだね?」

順二郎「では、ご武運を祈る」
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/17(火) 17:03:51.81 ID:xwzN+nlRo
支援
146 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/17(火) 17:15:04.13 ID:2mlpHCPQo
〜数時間前〜

順二郎「久しぶりだね、亜美君」

亜美「誰かと思えば社長さんじゃ→ん!
   急にどうしたの?亜美と会いたくなっちゃった?」

順二郎「相変わらず元気な子だね
     君の迎えをよこしたのは他でもなく…」

亜美「んー?迎え…って亜美メッチャ怖い人たちに囲まれたんだけど!?」

順二郎「ああいう奴しかいなくてな
    しかし、急ぎだったんだよ、また君の力が必要なんだ」

亜美「…亜美はもうアイドルじゃないよ」

順二郎「君なら引き受けてくれる、そう信じてるよ」

夢子「失礼、ちょっといい?」

亜美「だれこの人?」

順二郎「Dr.桜井夢子、メディカルスタッフだ
     専門分野は…遺伝子治療だったかな?」

亜美「アイドル?」

夢子「そう、アイドル
   ほら腕まくりなさい、注射するから」

亜美「ちゅ、注射ー!?」
147 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/17(火) 17:37:19.44 ID:2mlpHCPQo
夢子「ぎゃーぎゃー言わないでよ
   ほら腕出す!」

亜美「ひーん!」

順二郎「亜美君、そこにあるブリーフィングペーパー通りに作戦を行う
    何か質問はあるかね?」

亜美「まだ受けるって言ってないんですけど→」

順二郎「まあ、状況を聞いてから判断しても遅くないだろう?」

亜美「んー…廃棄所ってどういう場所なの?」

順二郎「核兵器廃棄所は地下基地になっている
    最新鋭の諜報機器を駆使しても内部の状況は不明だ
    中に入るまではわからない」

亜美「兄ちゃんと兵器会社の社長…廃棄所ってゴミゴミ捨てる場所でしょ?
   何の用があったのかな?」

順二郎「実はテロが起こったときここである演習が行われていたのだよ」

亜美「演習?」

順二郎「何かの新型兵器の演習だろうが…詳しい事は知らされていない」

亜美「二人の場所とかって分かるの?」

夢子「あんたの所のプロデューサーには発信機がついてるから
    近くに行けばレーダーに映るはずよ」

順二郎「…それは聞いてないぞ?」

夢子「あ、あはは…嫌がらせしようとか考えてないわよ?
   たまたまよ、たまたま」
148 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/17(火) 17:44:22.84 ID:2mlpHCPQo
亜美「それで、テロったアイドル達は核ミサイルを撃てるの?」

順二郎「核弾頭のシリアルナンバーまで教えられたよ、もちろん符合した
    少なくとも核ミサイルを保有してるとみて間違いない」

亜美「安全装置みたいのないの?
   作ってる人たちだってテロリンたちに盗まれる事とか想像してない訳じゃないでしょ?」

順二郎「起爆コードPALは存在する」

亜美「ぱる?」

順二郎「パーミッシブ・アクション・リンク
    全ての核ミサイルの装備されている安全制御システムだ
    だけど安心は出来ない、プロデューサーは発射暗号を知っているからね」

亜美「…ねーね、核弾頭しか持ってないって事は?
   廃棄所なんだから解体されてるんじゃないの?」

順二郎「冷戦終結後、金さえあれば何でも手に入るものだよ」

亜美「物騒だね→」
149 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/17(火) 17:55:06.00 ID:2mlpHCPQo
亜美「それで?テロリンたちの目的は?
   この紙には書いてないけど」

順二郎「ある人物の遺体だ」

亜美「…遺体?」

順二郎「正確にはゲノム遺伝情報を含むある人物の細胞標本だ」

亜美「サイボウヒョウホン…??
   えっと…」

順二郎「とにかく彼女らはそれが欲しい
     実は、次世代特殊部隊の隊員達は遺伝子治療によって強化されている」

亜美「きょ、強化…?レベルアップ的な?」

順二郎「知っての通り、ヒトゲノム計画はほぼ完了している
    次のステップとして、今は戦闘に適した遺伝子の究明が行われている」

亜美「そんなのあんの?」

夢子「私が説明してあげる
   遺伝子治療によって、病気や疾患を誘発する遺伝子を取り除いたり、付加したりできるの
   つまりあらゆる遺伝病を克服できると同時に、遺伝的素質を任意に追加できるのよ
   …もちろん、戦闘に優れた遺伝子を究明できればの話だけど
   究明されれば戦闘に適した遺伝子を兵士に組み込む事だって出来るの
   その為には戦闘に優れた兵士の遺伝子を調べる事が重要になってくる」

亜美「戦闘に優れた兵士…」

夢子「あんたも知ってるでしょ?伝説のアイドル天海春香…」

亜美「…」
150 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/17(火) 18:26:41.35 ID:2mlpHCPQo
夢子「彼女の細胞から戦闘に適した遺伝子の解析が急ピッチで行われてるわ
   今のところ、60個くらい適しているとされた細胞が見つかってる」

亜美「はるるんの遺体を…」

順二郎「落ち着きたまえ
    彼女の毛髪や皮膚から培養した細胞で研究している
    彼女の遺体に針やハサミを刺しまくるような事はしていない
    丁寧に保管されているよ」

亜美「…」

夢子「技術などの後天的物よりも
   アイドルには遺伝子などの先天的物が重要なの」

順二郎「彼女の遺体を渡すわけにはいかない
     どんな大量破壊兵器よりも戦略的意味を持つ
     任務の成功は絶対だ」

亜美「それで?そこの姉ちゃんは?」

順二郎「無線でのサポートをしてくれる
    遺伝子治療を受けた兵士のことは良く知っているからな」

亜美「もう注射はヤダよ?」

夢子「あんたのための注射よ
   低温化でも血液や退役が凍らないように
   不凍物質の「不凍糖ペプチド」とナノマシンの混合液よ」

亜美「ナノマシン?」

夢子「それも一種類じゃないわ、それぞれがアドレナリン、栄養剤に糖分の補給を行うの
   24時間食事はいらない、それとヌゥートロピクス、ベンゼトミン、通信ナノマシン用バッテリー」
151 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/17(火) 18:32:23.42 ID:2mlpHCPQo
亜美「なんかゴチャゴチャしてるねー…」

順二郎「さて、参加する気にはなったかね?」

亜美「二つ、条件があるよ」

順二郎「なんだね?」

亜美「嘘つき禁止
   社長以外からの命令は無視無視する」

順二郎(やっぱり機嫌悪いな…)

亜美「いい?」

順二郎「ああ、構わないさ
    こっちからも頼めるかな」

亜美「ん?」

順二郎「一つ気になっている事がある
    日高愛君を覚えているかね?」

亜美「愛ぴょん?そりゃ覚えてるけど…どうしたの?」

順二郎「彼女もこの武装蜂起に巻き込まれているようだ」

亜美「…え!?」

順二郎「知っているだろう、876プロのアイドルはアメリカに亡命した
    彼女はまだアイドルの道を諦めてなかったんだよ」

亜美「…助けなくちゃね」

順二郎「それと…私はもう社長ではない
    765プロはもうないからね」

亜美「あいあいさー、社長さん♪」

今日はとりあえずこれくらいで
152 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/21(土) 17:25:17.34 ID:DLkNabiJo
投下します
〜OP:The Best Is Yet To Come〜
http://www.youtube.com/watch?v=6miaTf1gF4g

真美「いい?ちゃ→んと見張っててよ!?
    そんじゃ、ヘリをブイブイ言わせてくるね→」

兵士「はっ!」

チャプン

亜美「…亜美だよ、社長聞こえてる?」

順二郎『良好だよ、亜美君 状況はどうだね?』

亜美「地上に出るルートはエレベーターだけみたいだね」

順二郎『昇降機は中央にあるから見つからないようにくれぐれも気をつけてくれ
     周波数は140.85だ
     この無線は耳小骨を直接振動させるものだ、敵には聞こえない』

亜美「おっ なんかハイテクだね
   それじゃ、いってくるねー」

153 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/21(土) 18:06:51.02 ID:DLkNabiJo
今日はこんだけ
154 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/22(日) 21:18:48.47 ID:cufNnELho
投下します

亜美「うー、さぶ
   敵は相変わらずアホちんだから助かるけど
   この寒さは堪えるねー…早くエレベーター来ないかな」

ガション

亜美「きたきた、バイバ→イ♪」

亜美「もしも〜し
   廃棄所の前に着いたよ」

順二郎『予定通りだな、ブランクがあるとは思えない』

夢子『スニーキングスーツの調子はどう?』

亜美「すぐ乾くね!いつまでも濡れてないからいいYO→
   ただちょっと身動きとりにくいかな?」

夢子『文句言うんじゃないわよ
  低体温症になるよりマシでしょ?』

亜美「はいはい、お注射までしてくれて本当にありがたいよ」

夢子『どういたしまして』

亜美「お姉ちゃん、皮肉なんだけど…」

夢子『安心しなさい、そこにいる連中も今回の演習で使ってるわ』

亜美「実験済みって訳ね…そういえば
   陽動作戦の方はどうなったの?」

順二郎『カレーナ基地からF16が二機そちらに向かっているよ
     今頃はテロリストのレーダーにも捕捉されてるだろう』
155 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/22(日) 21:45:24.76 ID:cufNnELho
順二郎『テロリストの要求した時間まで残り18時間を切っている
     あまり遊んでいる暇はないぞ』

亜美「まあ、ここじゃカエルもウサギも居ないしね」

順二郎『それともう一つ…現地からSOSシグナルを拾った
    音声無線ではない原始的なものだが…解読によるとどうも現地の開発員らしい
    まあ、これに関しては詳しいことが分かったら追って連絡する
    そういう存在が居る事を頭に入れておいてくれ

    潜入するとしたら、まずは正面の扉
    一番の近道だが、敵に見つかる可能性が高そうだね』

亜美「閉まってるね」

順二郎『ノックすれば開けてもらえるだろう』

亜美「笑える…左右に歩哨が一人ずつ
   小銃を装備してるね、見つかったら穴だらけになっちゃうかも」

順二郎『正面扉脇にあるダクトはどうだね?
    2回にもあるはずだ、どの道を行くかは君次第だよ』

今日はこれだけ
156 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/26(木) 11:48:59.96 ID:8wd5xekFo
投下します

亜美「あ、監視カメラ…
   ジャングルの作戦と違ってこういうのも注意しないとね…」

亜美(とりあえず、一番無難なのは2回にある通気ダクトからかな?
    見張りも一人だけだし、ダクトより向こうにいるし)

順二郎『亜美君、聞こえるか』

亜美「わっ 何?」

順二郎『少し信じがたい事だが…陽動作戦で出撃したF16が2機とも撃墜された
     ハインドDに』

亜美「ハインドって…確かロシアのヘリコプター?」

順二郎『ああ』

亜美「どうしてロシアのヘリがこの島に…」

順二郎『詳しい事はわからない
    とにかく、急いでくれ』

亜美「社長さんそればっかり」

順二郎『猶予がないんだ』

亜美「はいはい、パッパーと片付けちゃうよ」
157 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/26(木) 11:56:52.46 ID:8wd5xekFo
亜美「よし、誰もいな…!?」

兵士「あー、寒い…
    やっぱダクトの前は暖かくていいなぁ」

亜美「…仕事しろ(パシュ」

兵士「うっ …zzz」

亜美「ったく真面目に働いてよー、敵ながら情けない…
   さてとダクトに潜入!」

〜〜

亜美「…くさー
   あれ?何か聞こえる…」ゴソゴソ


兵士1「地下1階の独房に移しておいたぞ」

兵士2「通風孔の掃除は?」

兵士1「さっきフタを空けてたから、もうすぐネズミの駆除をするんじゃないか?」

亜美(地下一階の通風孔…)

兵士2「終わったらちゃんと閉めておけよ
    それと、独房の女を見張ってろ 気を抜くんじゃないぞ」

亜美(独房の女…?)
158 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/26(木) 12:00:25.67 ID:8wd5xekFo
セリフ一個抜けてました

兵士1「アームズテック社長を地下一階の独房に(ry」です。

159 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/26(木) 12:06:02.53 ID:8wd5xekFo
兵士1「あんなガキに注意もなにもないだろ」

兵士2「…侵入者がいるらしい」

亜美(!)

兵士2「もう3人もやられてる」

亜美(…え?)

兵士1「3人も…殺されたのか?」

兵士2「ああ、しかもそいつはステルスらしい」

兵士1「ステルス?」

兵士2「見えないんだよ」

兵士1「…」

亜美(亜美以外にも、誰かここに来てるって事…?)

160 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/26(木) 12:21:53.91 ID:8wd5xekFo
亜美(よいしょ…このダクト地下まで続いてるとか気が利いてるねー
    登れないのが残念だけど)

亜美(よく見えないけど、物音するからここだよね
   今独房に入れられてるのって、アームズテック社長と兄ちゃんくらいだろうし)
ガタン

亜美「よいしょっと」

まなみ「だ、誰!?」

スタッ

亜美「お姉ちゃんがアームズテック社の社長さん?」

まなみ「ええ、正確にはCEOだけど…私を助けに?
    失礼だけど、あなたはどこの所属?」

亜美「…765プロ」

まなみ「765プロダクションって…もう解散したはずじゃ…」

亜美「だから、元が正しいかな?」

まなみ「…信じましょう、テロリストがわざわざ排気ダクトから出てくる訳ないものね」

亜美「オッケー、じゃあ、この島を占拠してるテロリンについて教えてもらえる?
    核の発射が本当に可能かどうかとか」
161 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/26(木) 12:41:29.00 ID:8wd5xekFo
まなみ「核発射?…まさか…」

亜美「うん、ホワイトハウスを脅迫してるよ」

まなみ「なんて事…
    …ええ、可能よ」

亜美「ミサイルだけ合っても撃てなくない?」

まなみ「…何も知らないんだね
    ここが核廃棄施設だなんて、表向きの話
    ここである新型兵器の演習が行われていたの
    兵器史上に残るような…」

亜美「?」

まなみ「地球上のあらゆる地点からの核攻撃を実現する
     核搭載二足歩行戦車、その名も…」

亜美「メタル、ギア…」

まなみ「!」

亜美「まさか、本当にそうなの?」

まなみ「メタルギアはブラックプロジェクトのはず
    どうしてその名前を?」

亜美「まあ、ちょっとだけ縁があって…
    お姉ちゃんがここにいるのも、それが理由?」

まなみ「仮にもCEOだもの、忙しいわ
    新兵器の演習でもなければこんな遠い所まで来ないよ」
162 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/07/26(木) 13:17:32.74 ID:8wd5xekFo
亜美「メタルギアの計画はボツになったって(りっちゃんから)聞いたけど…」

まなみ「誰から聞いたのかは知らないけど
    こっちでは企画案が出されてからそのまま通ったよ
    途中で、上からの要請でいくつか変更の箇所はあったけど…
    今回の演習を材料にして、量産体制に移行する計画だったの」

まなみ「今回の蜂起さえなければ…
     もうメタルギアレックスはテロリストの手に渡ってしまったわ」

亜美「レックス?」

まなみ「今回の演習に使われてるメタルギアのコードネームよ
    あの人たちはその道のプロ…いえ、トップアイドルと言っても過言ではない
    兵器の整備取り扱いにも慣れてるから、もうレックスに核弾頭を装備しているでしょうね」

亜美「でも、核弾頭って安全装置が組み込まれてるんでしょ?
   HALだっけ?」

まなみ「PALの事?確かにあるよ
    2つの発射コードを入力しないと発射できない仕組みになってるの
    私と、DARPAの局長が一つずつ持ってたの、でも…私のコードは知られてしまったの」

亜美「喋っちゃったの!?」

まなみ「ご、ごめんなさい…
    拷問が、怖くて…」

亜美「もし、兄ちゃん…じゃなくて、局長からもコードを聞きだせちゃったら?」

まなみ「いつでも、核が撃てる」

亜美「…」

休憩
163 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/08/01(水) 12:42:00.42 ID:yETQRl72o
投下します

まなみ「だけど、核発射を止める方法はあるの」

亜美「え!?」

まなみ「鍵よ」

亜美「…鍵?」

まなみ「暗号を使わずにセイフティを入力・解除できるの
     まだ、開発段階だったからきちんとした動作をしてるかはわからないけど…」

亜美「その鍵を使えば…」

まなみ「うん、核発射は食い止められる」

亜美「そのカギカギはどこにあるの?」

まなみ「今日演習の際に局長に渡されると聞いていたけど…
     彼も捕まってしまったから、今はどこにあるか…
     とにかく、鍵は三つあるはず
     こちらに届けられてた企画書にはそうあったよ」

亜美「鍵は3つあるんだね
    オッケー、それで兄ちゃん…じゃなかった局長の居場所は知ってる?」

まなみ「地下二階のどこかって、見張りが話してたのが聞こえたような…
     ごめんなさい、詳しくは知らないの」
164 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/08/01(水) 12:57:56.25 ID:yETQRl72o
まなみ「…ところで、政府は要求を飲むつもりはあるの?」

亜美「さぁ?亜美はオエライちゃん達のことは知らないよ〜」

まなみ「でも、国防省は…うっ!
     く、苦しい…!!」

亜美「ちょ、ちょっとどうしたの!?お薬は!?」

まなみ「ぁ…ぅ…」バタン

亜美「ちょ…し、死んでる…
    聞こえてる!?」

夢子『ええ、モニターしてたわ
   よくわからないけど…心臓発作みたいね』

順二郎『もしや…』

亜美「…何か隠してる?」

順二郎『今回のテロはコード・レッドのセキュリティレベルが敷かれている
     真相を知るには最高度の機密接近資格が必要なんだ
     私も憶測であれこれ言うことはできない』

亜美「作戦を負かされてるのに、教えてもらえない訳ないじゃん!」

順二郎『本作戦の司令官は国防総省長官だ
     私は亜美君のサポート役に過ぎない
     …議論をしている暇はない、プロデューサーを探すんだ!』
165 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/08/01(水) 13:09:19.20 ID:yETQRl72o
亜美(…兄ちゃんのコードが知られたら、核発射…
   急がないと…)
ガチャ

?「動かないで!」

亜美「セーフティが掛かってるよ、愛ぴょん」

愛「…あ、亜美ちゃん?」

亜美「久しぶりだね?」

愛「!? まなみ…さん…?」

亜美「…」

愛「ど、どうして…」

亜美「…心臓発作」

愛「嘘、嘘、うそですよね、まなみさんっ!!」
ピピッ

亜美「!悲しんでる暇はなさそうだよ
    構えて!誰か来る!!」

ガチャ

敵兵「!」

亜美「撃って!!」バンバンバン!!

愛「きゃー!!」ダダダダダダ!!
166 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/08/01(水) 13:21:31.15 ID:yETQRl72o
〜〜

愛「まなみさんのばかー!!!」ダダダダ!!!

亜美「あ、愛ぴょん!もう敵いないよ!!」

愛「うわーん!!」

亜美「ど、どこ行くの!?」

タッタッタッタッタ

亜美「ま、まってよー!」

順二郎『話を聞く限りCEOの岡本君のコードは知られてしまっている
    今は彼女より先にプロデューサーを迎えに行くんだ
    急がないとテロリストに核を発射されてしまう』

夢子『あんたのプロデューサーならレーダーに映ってるでしょ
   先のエレベーターを使って迎えに行ってあげて』

亜美「…うん」
167 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/08/01(水) 14:20:48.18 ID:yETQRl72o
亜美「レーダー反応はこの地下室…」ガチャ

P「うぅ…あ、亜美?」

亜美「兄ちゃん!大丈夫!?」

P「あ、待って、触ったら爆発するからマジで触らないで」

亜美「え?」

P「俺のまわりをよく見てくれ」

亜美「…爆弾…!?」

ダン!!

P「ひぃ!」

千早「よく避けたわね
   ご明察、プロデューサーの周りのワイヤーに触れると
   この部屋は吹き飛ぶわ」

亜美「ち、千早お姉ちゃん!?」

千早「久しぶりね、亜美
   ソ連で会ったときは、結局決着は付けられなかった
   …ここで、決着をつけましょう」
ダン!!
168 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/08/01(水) 14:25:38.67 ID:yETQRl72o

亜美「ひあっ?!」

千早「あと4発避けられるかしら…!」
ダンダン!

P「危ない!危ないまじで!爆弾には当てないで!」
チュン

亜美「跳弾!?セーフ…」

千早「これで…!」

ボトン

千早「…ん?」

千早「あ、あぁ…私の腕が…私の腕が!!」

亜美「え?え?どうして急に腕が切り落とされてるの?」

千早「はぁ…はぁ…ステルス迷彩の、死に損ない…!!
    邪魔が入ったわ、また会いましょう!!」

タッタッタッタ

亜美(ステルスって…ダクトから見えた敵兵が喋ってた…)

ドサ

P「痛っ あれ!?縄が切れた…!?」

亜美「ど、どうなってんの!?」
169 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/08/01(水) 14:34:41.79 ID:yETQRl72o
ブゥン

忍者「…」

亜美「だ、誰!?」スチャ

忍者「名前は、ない
   あなただって同じでしょう」

P「その強化骨格…まさか音無さんの…」

ブゥン…

亜美「消えた…」

〜〜

亜美「大丈夫?」

P「ああ、なんとか…」

亜美「アームズテックの社長さんは起爆コードを喋っちゃったんだって
   兄ちゃんは?」

P「喋ってないよ、千早からの拷問なんて俺にとってご褒美だからな!」

亜美「…」

P「冗談だよ…単純に昔拷問に耐える訓練を受けたんだ
 順一郎社長に命じられてね、順二郎社長や音無さんだって受けてるよ」
170 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/08/01(水) 14:47:41.61 ID:yETQRl72o
亜美「とりあえずこれで起爆コードは…」

P「安心とは言えない」

亜美「え?」

P「コードは暗号化されてるが…パソコンの中にあるんだ
 パソコンを持ってかれた以上、知られたと考えておく方が賢明だろう…」

亜美「そんな…!」

P「岡本まなみさんは、どうなったんだ?」

亜美「心臓発作で、死んじゃった…」

P「…そういう事か」

亜美「?」

P「くそ…ペンタゴンはDARPAを何だと思ってるんだ
 頭はとっかえひっかえしていいとでも…くそ!」

亜美「何言ってるかわかんないよ、鍵は持ってるの?」

P「PALキーか、一緒に独房に入れられていた日高愛とかいう子に渡したよ
  私が持っていてもすぐに没収されてしまうからな
  あの子が脱獄は出来たみたいだが…」

亜美「愛ぴょんのことなら、多分大丈夫だよ
    射撃の腕は確かだったし」
171 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/08/01(水) 15:12:48.16 ID:yETQRl72o
亜美「って…どうして脱獄したって知ってるの?」

P「ここに縛られるまでは無線で話していたんだ
 まだ彼女が無線機を持っていたら話せるはず…周波数は、187.61だ」

亜美「おっけー、それでもし鍵が手に入らなかったら
   核発射は止められないのかな?」

P「開発者なら何か分かるかもしれないが…俺はあくまで開発局として視察に来ただけだからな…
 この基地で開発してたんだから、開発者がいるんじゃないか?」

亜美「開発者が閉じ込められてたりしたら?」

P「破壊するしかない」

亜美「…ねえ、なんでメタルギアを造ってるの?
   核の時代はもう…」

P「終わってなんかいない、以前より核の脅威は増している
 有効な処理方法もないから、核物質は貯蔵施設に放り込まれるだけ
 扱いはずさん、闇取引は発生する始末
 冷戦終結後はロシアの核技術者は職にあぶれ行き場もない
 …技術者も、核物質も簡単に手に入るんだよ
 だから今じゃ小国だって核武装できる」

亜美「他の核大国は?」

P「核抑止を継続してる、だが核廃絶など不可能だ
 …だからこそ、抑止理論を保つには圧倒的な兵器が必要なんだ」

亜美「それが、メタルギア…?」

P「ああ」
172 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/08/01(水) 15:21:08.92 ID:yETQRl72o
亜美「さっきの、忍者みたいのは?」

P「765プロの暗部…俺なんかより桜井夢子の方がよっぽど詳しいはずだ
 もはや、一番あの件に詳しいだろうからな…」

亜美「なんであの人が…?」

P「とにかく、千早たちを止めてくれ
 あれが公になったら、俺たちは終わりだ…うっ!!」

亜美「兄ちゃん…!?」

亜美「兄ちゃん!!起きてよ!!」

P「…」

亜美「社長!!聞いてる!?どういう事!?」

順二郎『…わからん』

亜美「ほんとうに?!」

夢子『見たところ心臓発作よ』

亜美「毒物は?」

夢子『確かに大量に摂取すれば心臓発作を起こす薬物はあるわ
   安価カリウムとか、ジゴキシンとか…検死をしなきゃ何とも言えないわよ』

亜美「…」
173 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/08/01(水) 15:32:42.78 ID:yETQRl72o
順二郎『日高君と連絡を取ってくれ、鍵は彼女が持っているんだろう』

亜美「…夢子お姉ちゃん、聞きたい事がある」

夢子『なに?』

亜美「さっきのロボットみたいな忍者は何?」

夢子『…さあ?』

亜美「知らないの?」

夢子『…知らない』

亜美「…はいはい」

ツー

亜美(愛ぴょんと連絡をとって、鍵を貰って、核解除
   もしそれが出来なければ、開発者さんをここで探す
   後はメタルギアを破壊するか、どうにかして
   愛ぴょんと、SOSシグナルを発信していた人を助けて逃げる、かな
   なんだか大変になってきたなー)

とりあえずここまで
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/08/01(水) 18:04:15.79 ID:PxkJFj+To

確かMGS3 → MPO → MG → MG2 → MGS → MGS2 → MGS4の流れだったが全部やるのか?
175 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/08/01(水) 21:20:34.09 ID:yETQRl72o
BIG BOSSをザ・ボスに置き換えて話を進めてるので
話が食い違っちゃうからMPOやPW、MGシリーズはやりません
多分キャラも足りないし
176 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/08/03(金) 19:26:58.34 ID:5lL4BdiFo
投下します

亜美「じゃあ、先に無線で連絡をとっておこう…」

愛『…あ、亜美ちゃん…?』

亜美「逃げ切ったとか愛ぴょんやるね→」

愛『もう新米アイドルじゃないよー!』

亜美「愛ぴょんって最初からこの演習に参加してたんでしょ?色々聞きたいんだけど…」

愛『う〜ん、あたしにわかる事なら…』

亜美「おっけ→、まず最初にこの施設って…」

愛『会ったときにまなみさん何も教えてくれなかったの?
  ここはもともと廃棄施設じゃなくて、開発基地なんだよ』

亜美「演習がどうとか言ってたけど…そういう事だったんだ…」

愛『そして、その核弾頭発射演習のために
  私たち次世代特殊部隊と、元765プロの皆さんが…』

亜美「どうして765プロが?」

愛『もう解散してるから、記録に残さなくて済むってことかな?』

亜美「なるほどね」
177 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/08/03(金) 19:47:04.51 ID:5lL4BdiFo
亜美「そういえば、兄ちゃ…DARPAの局長さんから鍵をあずかってない?」

愛『うん!ちゃんと持ってるよー!』

亜美「ふぅ…よかったー」

愛『亜美ちゃんも局長さんと会ったの?』

亜美「ああ…うん、まあ」

愛『あの人って765プロのプロデューサーだったんでしょ!?
  感動の再会って感じ!』

亜美「はは…」

愛『? どうしたの?』

亜美「死んじゃったんだ…」

愛『…え?』

亜美「岡本まなみさん?愛ぴょんの知り合いの…あの人と同じ…」

愛『…そんな…二人とも…』

亜美「あの人、何か病気してた?」

愛『…ううん、あたしが知るかぎりは…』

亜美「兄ちゃんも元気そのものだったはずなんだけど…
   何か、裏がありそう」

愛『…』
178 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/08/03(金) 20:06:44.31 ID:5lL4BdiFo
順二郎『落ち込んでいる所すまない
     急用だ』

亜美「ど、どうしたの?」

順二郎『SOSシグナルの位置を特定できた
     北にある核保存棟地下二階の…研究室だ』

亜美「!」

愛『?』

亜美「つまり…」

順二郎『開発者の一員である可能性がある』

愛『開発者さんに何か用があるんですか?』

順二郎『私は兵器開発者じゃないからわからないが
     ハッキングでプログラムを書き換えて無力化したり
     それが出来なくても何か役には立つはずだ』

愛『んー、じゃあ急いだほうが…
  見張りの人が、プログラムの調整が終わったら用済みって言ってましたし…』

亜美「愛ぴょん、行き方わかる?」

愛『うん、この建物の一階のエレベーターの横に運搬口があるよー!
  私も行くね!』

亜美「だめ」
179 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/08/03(金) 20:25:45.12 ID:5lL4BdiFo
愛『あたし、もう新米じゃないもん!脚だって引っ張らないよ!』

亜美「パニクってたじゃん」

愛『…訓練では、ちゃんと…』

亜美「…人が死ぬって、ああいう事なんだよ」

愛『あたし、アイドルになるのが夢だったの
  実践にむけて、毎日毎日訓練もしてきた
  ソ連で、亜美ちゃんとは戦うまでもなく負けちゃったけど、生き延びて
  だからアメリカで、やりなおそうって…』

亜美「もうやめたくなった?」

愛『ううん、涼さんとも、絵理さんともはぐれちゃったけど
  トップアイドルになれてなくても、誇れる何かを持って、また会おうって約束したもん』

亜美「誇れるアイドルって、何?」

愛『それは…すごい強くて、かっこよくて…尊敬される存在!』

亜美「…とりあえず、今は生きて帰ることだけ考えて
   死んじゃったら、おしまいだから」

愛『亜美ちゃん…』

今日はこんだけ
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/08/04(土) 21:54:22.51 ID:dqr/wNmCo
今度からは、メール欄に【saga】って打った方がいいよ。
[ピーーー]とか[ピーーー]とかに規制が入らなくなる。
【sage(サゲ)】じゃなくて【saga(サガ)】だからね。
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage saga]:2012/08/04(土) 21:55:22.45 ID:dqr/wNmCo
っと言ってる間にミス
死ねに殺すね。
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県) [sage]:2012/08/05(日) 01:10:48.70 ID:p1TKb/3/o
やっと追いついた
ちーちゃん腕・・・
183 : ◆TEkxp.nIVOlz [sage]:2012/08/06(月) 20:24:51.81 ID:wjV9DIoro
酉これであってたっけ…
PC死んじゃったんで、しばらく投下できないかもしれません
多分一ヶ月くらいで再投下出来ると思うけど…
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/08/06(月) 23:29:13.93 ID:t8Y55foho
>>183
マジか・・・
185 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/08/16(木) 06:28:22.94 ID:ihyUM1WQo
直った直った
投下します。

愛『亜美ちゃん、運搬口のロック解除しましたっ』

亜美「ありあり→、愛ぴょんよく見つからなかったね→」

愛『ふふーん、敵の服着てごまかしてますから!』

亜美「…うーん、愛ぴょん小さいからすぐバレそうだけど…」

愛『それじゃ、核弾等保存等で会いましょう!』

亜美「え、ちょっと!大人しくしてるんじゃ…!」

愛『言ってませーん!』

亜美「亜美は愛ぴょんの為に〜!」

愛『…亜美ちゃん、戦って戦って、それで私の答え探してみる
  逃げてたら、答えなんてわからないよ!』

亜美「次世代特殊部隊と765プロだよ!迷いながら戦ってどうにかなる相手じゃ…!」

ツー

亜美「切れてるし…」
186 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/08/16(木) 06:41:18.18 ID:ihyUM1WQo
誤字:>>185 5行目愛『それじゃ、核保存棟で会いましょう!』

ガチャン

亜美「寒い!今まで建物に居たから余計寒く感じるぅ…」

亜美「えっと、この中抜けを通り過ぎた先の建物が保存棟で、そこの地下2階に開発者さんがいるんだよね」

ザザー
?『アミチャん、キヲツけて
  そこにはクレイモア地雷がシカケテある』

亜美「…誰?」
亜美(声がもやがかってて、誰だかわからない…バースト通信じゃない?
    つまり衛星を介さない…この建物の人間?)

?『ディープ・スロートとでも名乗ッテオコウカナ』

亜美「ディープ・スロート?」

?「名前ナンテ、どうでもいい
  クレイモア地雷を潜リ抜ケタ先には、敵が一人マッテル」

亜美「誰なの…?」

?「ファンの一人、かな」
187 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/08/16(木) 07:16:21.59 ID:ihyUM1WQo
亜美「社長さん!今部外者から無線が入ってきたYO!?」

社長「ああ、こちらでもモニターしていたよ
   部外者でも、亜美君の無線周波数を知っていれば連絡は可能なんだ
   …しかし、回線周波数は極秘のはず…」

亜美「情報が外部に漏れてるってこと?」

社長「そうだろうな…
   こちらでも無線の発信源探知を急いでいる
   亜美君も急いでその先へ進んでくれ
   だが、彼の言っていた地雷にはくれぐれも気をつけてくれ
   装備の赤外線スコープを見ればよく見えるはずだ」

亜美「お→見える見える!
   なんでクレイモアのステルス迷彩だけ赤外線スコープで見えるかは聞かない事にする!」

社長「そうしてくれ…」

あずさ「あらあら、あなたが敵さんですか?」

亜美「…うん、お姉ちゃんは…」

あずさ「私、765プロでアイドルをやっている、三浦あずさです
    …あなたは、亜美ちゃんよね」

亜美「知ってるんだ、亜美のこと」

あずさ「ちょっとした有名人よ〜?」
188 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/08/16(木) 07:42:24.97 ID:ihyUM1WQo
短いけど一旦ここまで
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県) [sage]:2012/08/16(木) 15:17:10.21 ID:WpwRi2YNo
>>188
まっていた
190 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/08/18(土) 18:19:19.18 ID:50+D6KY/o
投下します。

あずさ「…」

亜美「動かないで」

あずさ「あらあら、そんなに怯えないで」

亜美「亜美は怯えてなんか…」

あずさ「良い物をあげる、プレゼント」

亜美「…」

あずさ「カードキー、これがあれば色々と便利でしょう?」

亜美「…どうして亜美にくれるの?」

あずさ「ふふふ、きっと、どこか別の世界では
    私は亜美ちゃんと仲間だった気がするの」

亜美「亜美と、お姉ちゃんが…?」

あずさ「それじゃ、ばいば〜い♪」

亜美「行っちゃった…」

191 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/08/18(土) 18:29:02.30 ID:50+D6KY/o
〜〜
あずさ「勝手な事しちゃってごめんなさいって、真美ちゃんに謝っておいてもらえる?」

千早『はぁ…まあ、どっちにしろ泳がせるつもりでしたから、いいですけど
   で、亜美はどうでした?』

あずさ「いい目してたわよー、真美ちゃんより強いかも」

千早『馬鹿を言わないでください』

あずさ「千早ちゃんだって、腕を一本食べられちゃったんでしょ?くすくす」

千早『なんとでも言ってなさい、脂肪の塊が…』

あずさ「あらあら」

千早『もう、邪魔はさせません
   今度こそ亜美は私がたっぷり可愛がってあげます』

あずさ「そう?私は出来れば戦いたくないわ」

千早『おじげづいたんですか?』

あずさ「さぁ?月まで吹き飛ばされるのは誰でしょうねー」

千早『ふん…』
192 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/08/18(土) 18:45:52.30 ID:50+D6KY/o
〜〜

亜美「ここが核保存棟…この箱積みにされてるのが…」

社長『ああ、核弾頭だ』

亜美「本当におきっ放しなんだ…」

社長『ああ、だから武器は使わないほうが得策だ
   発射管は外されているから、爆発する事はないだろうが
   もし弾が当たったら核物質が漏れ出して大変な事になるぞ』

亜美「ひえー」

社長『保存棟内でなら、開発室に無線を取れるんじゃないか?
    SOSシグナルを送ってきたのは187,62だ』

亜美「わかった、試してみるね」

ツー
亜美「もしもーし?聞こえる?」

研究室『Y』

亜美「ありゃ、そっちからは信号だけか…
   えっと、今から救出に向かうね」

研究室『T』

亜美「サンキュー、かな
   そんじゃ待っててね」
193 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/08/18(土) 18:59:05.85 ID:50+D6KY/o
亜美「ここが地下二階…
   んじゃー、ちゃっちゃと助けに」

研究室『wait(待て)』

亜美「あれ?人口音声?
   なんかやっと無線らしくなってきたね
   どうしたの?」

研究室『do not go ahead.(前に進むな)』

亜美「んー?どした?トラトラブルブル?」

研究室『floor have an electronic. now i take it out.
    (床に電流が流れている、今解除する)』

亜美「おー、こわ…先に行ってYO!」

研究室『come in.(入って)』

亜美(そっけないなー)

?「ぎゃああああああ」」

亜美「!?」

ガチャ

亜美「何…この死体の山…開発者さんを狙って…!?」

社長『急ぐんだ!』

亜美「わかってる!」タッタッタッタ
194 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/08/18(土) 19:08:12.33 ID:50+D6KY/o
絵理「ひ、ひぅ…」

忍者「私のトモダチは、ドコ?」

絵理「な、何の話…?」


亜美「動くなー!」

絵理「ひぅ…!こ、今度は何〜!?」

亜美「さっきの忍者…」

忍者「待ってタヨ…」

亜美「何者さん?亜美の事知ってるみたいだけど…」

忍者「敵でも味方でもナイ…そういう下らない関係を超越シタ…
   邪魔な敵は排除シタ
   二人キリで、決着をつけたい…」

亜美「目的は…?」

忍者「決着をツケルこと」

亜美「亜美、恨まれるようなことしたっけ?」

忍者「そんな陳腐な感情じゃナイ
   殺すも殺されるも、同じ…さ、始めヨウ?」
195 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/08/18(土) 19:21:28.49 ID:50+D6KY/o
絵理「ひゃぁ…!」ガタン

亜美「そこに隠れてて!」スチャ

忍者「銃など、無駄」スッ

亜美「え?」

バキッ

亜美「痛っ!!!あー、痛い!!あー痛い痛い痛いなー!!」

忍者「…」

亜美「くそー、メッチャいいパンチくれるじゃん…意識飛びかけた…」

忍者「ふん」

亜美「舐めんなー!」ガシッ

忍者「…」

亜美「抜けられないでしょ?
   こちとら近接戦闘の母から直伝で教わってんの
   舐めくさってるとこの強化骨格全部剥ぎ取って裸で外放り出すよこのエビ!」

忍者「ああぁぁぁああ!!!」

亜美「うわぁ!?何これ!?ATフィールド!?」

亜美「くそー、せっかく捕まえたのに…」
196 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/08/18(土) 19:31:40.77 ID:50+D6KY/o
忍者「やっと、勝負が付いたね…亜美ちゃん」

亜美「その、声…まさか…」

忍者「クスリが…クスリ…消え…私が…」

亜美「ど、どこに行くの…!?」

ブゥン

亜美「行っちゃった…いつまで隠れてるの?」

絵理「ひぅ…あなたは、いじめない?」

亜美「まさか、助けにきたんだよ」

絵理「助けに…私を?」

亜美「うん、姉ちゃんに助けてもらう事にもなるかもしれないけどね
   さーさー、出ておいで」

ガシャン

絵理「あれ…亜美ちゃん?」

亜美「お姉ちゃん!?」

絵理「どうしてここに…?」

亜美「お姉ちゃんこそ…」
197 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/08/18(土) 19:43:23.07 ID:50+D6KY/o
絵理「わたしは…ソ連を抜け出してから、アイドルを辞めちゃったんだ
    愛ちゃんも涼さんもどうなったか知らない…
    ただ、わたしは今兵器開発会社のメタルギア開発チーフをしているの」

亜美「なんかインテリって感じだったんもんねー」

絵理「うん、サイネリアと色々設計のお話とかするの、好きだったから…」

亜美「そんじゃ先に、メタルギアについてお話聞いちゃおうかな」

絵理「メタルギアについて? メタルギアはっていうのは、移動可能な戦域ミサイル防衛の為に開発されたの
   メタルギアがきちんと動作したら核ミサイルをも撃墜できるディフェンス用兵器の万能プラットホーム…」

亜美「待った待った!亜美が待ってる話とスタート地点がもう違う!」

絵理「?」

亜美「テロリンたちはね"メタルギアを使って核攻撃をしかける"って脅迫してるんだよ!」

絵理「え?TMDのミサイルモジュールを利用すれば廃棄核弾頭を発射する事も可能かもしれないけど…」

亜美「違う違う、今回の演習自体、初めからメタルギアによる模擬核弾頭発射が目的だったんだよ」

絵理「嘘…?そんな事…」

亜美「おたくの社長さんから直接聞いたんだよ」

絵理「そんな…」

亜美「その様子じゃ、本当に知らなかったみたいだね…」
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/08/18(土) 19:48:22.58 ID:ruB3Do5lo
お漏らしはないのか
199 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/08/18(土) 19:57:21.29 ID:50+D6KY/o
絵理「武装は全部別の部署で作られてたから
   本体への組み込みは、まなみさんが指揮を執ってたし…」

亜美「おたくの社長さんが?」

絵理「うん…武装の内容についても詳しくは知らされてなかった…
   組み込まれるのは…バルカン砲とレーザーとレールガンユニット?」

亜美「とある科学のなんとやら?」

絵理「磁場を使って超高速の弾丸を撃ち出す兵器…
   SDI構想で一度ポシャったけど…リバモアの国立研究所と
   アームズ・テック社が共同開発して小型化に成功したの…
   たしかレックスの右肩に装備されてるはず?」

亜美「核発射が前提だったんでしょ、何か思い当たるものは?」

絵理「8発のミサイルが装填できる…ミサイル・モジュール?」

亜美「でも核ミサイルなら今までのデータがあるんじゃないかな
   他には何かない?」

絵理「…まさか…」

亜美「あるの?心当たり」

絵理「リバモア国立研究所では、新しい核兵器を創るプロジェクトも行われていた…
   ノバやニフみたいな、レーザー核融合実験装置とスパコンを使って」

亜美「その仮想実験室でもしも新型の核兵器が開発されてたら…」
200 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/08/18(土) 20:14:35.84 ID:50+D6KY/o
絵理「仮想データだけでは実戦配備は出来ない、演習データが必要…」

亜美「今回の演習がソレって訳か…」

絵理「まなみさん、なんて事…」

亜美「…」

絵理「科学は人の生活を助けられるって、信じてた…
   わたしもサイネリアも…きっと、秋月さんも…」

亜美「りっちゃん…?」

絵理「わたしがメタルギアの企画を提案した…
   でも、もともとはこの企画は、既存の企画を少しアレンジしただけ…
   ネットの海の、奥深く…幾多もの鍵がかけられた中に、この企画が隠されてた…
   その鍵をひとつずつクラックして…わたしが手に入れた

   その企画書にはこうあったの"原案:秋月律子 企画の名付け親は名も知らない米兵"
   この米兵って…亜美ちゃん?」

亜美「金属の歯車って言ったから、メタルギアと…」

絵理「ふふっ、やっぱり
   秋月さんもメタルギアで、世界の役に立とうとしてた…
   なのに…わたしは結局、他人の企画を殺戮兵器の設計図に変えただけ…」

亜美「泣くのはいつでも出来るよ
    核発射を食い止めるのは今しかできない、ね?」

ここまで
201 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/08/27(月) 16:50:53.27 ID:vxP33W1Io
投下します

絵理「レックスは今、整備基地においてあるはず
   通信棟の遥か北にある…」

亜美「同じところに、起爆コードを解除するシステムはある?」

絵理「うん、整備基地の司令室にある…
   急いだほうがいい?
   最初から発射実験が仕組まれていたとすると
   弾道プログラムも済んでると思うし…
   この数時間、わたしが呼ばれてない事から考えると…もう、用無し
   つまりは…準備完了?」

亜美「もし解除出来なかったら?」

絵理「…破壊?」

亜美「やっぱり…」

絵理「わたしも、手伝う…
   造ったからには、義務もあると思う」

亜美「…」

絵理「亜美ちゃん?」

亜美「アイドル引退して長いでしょ」
202 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/08/27(月) 17:01:31.12 ID:vxP33W1Io
絵理「でも…」

亜美「デモデモデモ隊はすっこんでて→」

絵理「ひぅ…」

亜美「どうせ机仕事ばっかりで体なんてまともに動かないっしょ?
   そんじゃ→、どっかに隠れて情報を無線で頂戴?」

絵理「うん、がんばる…」

亜美「それじゃ、愛ぴょんにお姉ちゃんの護衛頼んじゃおう」

絵理「え…愛ちゃん?」

亜美「うん、その…まあ、色々あって
   今一緒に行動してるんだけど…」

絵理「愛ちゃん…まだ、アイドルやってたんだ…」

亜美「うん、どうしたの?」

絵理「会いたく…ない…」

亜美「え?」

絵理「トップアイドルとか…誇れるものを持って、また会おうって言ったのに…
   愛ちゃん、夢を諦めないでアイドルやってて
   わたしは核兵器造って、厄介事増やして…何も…」

亜美「あー、もう!
   お姉ちゃんは防衛用兵器としてアレ造ったんでしょ!じゃあいいじゃん!
   もう無線で呼んじゃうからね!」

絵理「ま、まだ心の準備が…」
203 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/08/27(月) 17:15:01.09 ID:vxP33W1Io
亜美「まー、愛ぴょんならどっか逃げたと思うけど…」

絵理「…」

亜美「お姉ちゃん、気分はどう?具合悪くない?」

絵理「?」

亜美「いや、なんもないなら、それでいいんだけど
   亜美が助けた人、みんな死んじゃったから」

絵理「え、縁起悪い…」

亜美「んー、とりあえず安全な場所に隠れてて?
   一人で行ける?」

絵理「大丈夫、わたしが開発したステルス迷彩もあるから…」

亜美「それって…」

絵理「うん、さっきの…忍者?
  わたしの開発室から盗んでったのかも…」

亜美「…」

絵理「亜美ちゃんは、あの忍者が誰だか…わかったの?」

亜美「ううん、気のせいだった
   それじゃあ気をつけてね」

絵理「うん」
204 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/08/27(月) 17:29:52.61 ID:vxP33W1Io
亜美「…誇れる何かを持って、また会おう…か」

ツー

社長『とりあえず、開発者の救出に成功したね
   まさか水谷君だとは夢にも思わなかったが』

亜美「社長さん?」

社長『ん?なんだね?』

亜美「さっきの忍者…多分、秋月…涼お姉ちゃんだと思う
   多分…ううん、間違いない」

社長『そんな馬鹿な…彼女は…』

夢子『死んでいる…涼は経歴上既に2回死んでるわ』

亜美「2回?」

夢子『高木社長が知っているのが、最初の死
  彼女はソ連からアメリカに亡命して、日高愛同様にアイドルの道を諦めなかった
  そして作戦行動中の事故死…そう、事故死したはずだった
  でも生きていたのよ』

夢子『私が米軍メディカルスタッフになる前の話だから、よく知らないけど
   ゲノム兵の遺伝子治療の実験体にされた兵士がいたらしいの』

社長『初耳だぞ』

夢子『765プロが解散した後の話だから、まあ知らないのも無理は無いわね
   でも、こっちは知ってるんじゃないかしら
   遺伝子治療担当者…つまり、私の前任』

社長『音無君か…』
205 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/08/27(月) 17:40:44.53 ID:vxP33W1Io
亜美「ピヨピヨ!?」

社長『彼女は765プロ解散後も軍に残っていたんだ
   遺伝子治療の主任とは、大した出世振りだったよまったく…』

亜美「…それで…」

夢子『二年前、研究所の爆発事故で亡くなってる
   それで、彼女が担当していた人体実験には
   足が付かないようなアイドルの遺体が使われたって…』

亜美「そこで、亡命してきた涼お姉ちゃんを?」

社長『だが、遺体を使ったと言ってもさっきまで忍者は…』

夢子『無理やり蘇生させられたのよ
   人工の骨格と内臓を埋め込まれて、麻薬漬けにされてね
   そのまま、遺伝子治療反応を見るために、涼は医者のオモチャになって弄ばれてたの
   今のゲノム兵も、その実験結果から生まれたものでしょうね』

亜美「…どうして、黙ってたの」

夢子『…機密事項だから』

亜美「それだけ?」

夢子『…』
206 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/08/27(月) 17:57:06.91 ID:vxP33W1Io
社長『その後の、秋月涼君は…』

夢子『実験ミスにより、死亡と記録には…』

社長『しかし…その忍者が彼女だったとしても…どうして?』

亜美「正常な意識はなさそうだったね」

夢子『…』

亜美「決着をつけよう、そう言って来たよ
   もしかしたら、ソ連で涼お姉ちゃんとだけ戦わずに終わっていたから…その決着を…」

社長『だとしたら、また現れるだろうね』

夢子『その時は、戦うの?
   涼を殺すまで…』

亜美「もしかしたら、お姉ちゃんはそれを待ってるのかもしれない…
    問題はお姉ちゃんだけじゃないよ、愛ぴょんの無線の切れ方も気になる
    何かあった感じだよ」

社長『とにかく彼女と合流してくれ』

亜美「あいあいさーっ」

ここまで
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県) [sage]:2012/08/27(月) 21:40:33.16 ID:IT7DeBOOo
俺のピヨが…
208 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/09/02(日) 15:04:16.04 ID:PPuCa504o
亜美「ま、隠れる場所といえば…ここだよね」

ガチャ

愛「ひゃっ!?」

亜美「あれ、着替えたんだ
   今までの敵兵士の服装の方が目立たなかったのに」

愛「…血の匂いが、したから…」

亜美「すぐ慣れるよ」

愛「血の匂いに…慣れる?」

亜美「その内、実際の匂いがあるかどうかすら、関係なくなるもん」

愛「それって…」

亜美「なんでもナッシング!…って、そのパッチ…」

愛「そう、765プロのパッチ
  あたし、765プロに入るのが夢だったんです!
  亜美ちゃんがいて、伝説のアイドルも居て…そんな人たちと一緒に前線に出たかったんです」

亜美「伝説なんてないよ」

愛「そんな!愛ちゃんも春香さんも、あたしたち876のアイドルのとっては…!」

亜美「亜美ははるるんを殺したバカヤローだし
   はるるんも一発の銃弾で死んじゃうただの人間
   …はあ、この話はおしまい」
209 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/09/02(日) 15:22:24.61 ID:PPuCa504o
亜美「どうして連絡しなかったの?」

愛「無線機が壊れちゃって…」

亜美「もうちょっと気をつけて扱ってよねー」

愛「はーい
  ホワイトハウスとの交渉はどうなってるんですか?」

亜美「進展はないみたい」

愛「つまり亜美ちゃん次第だね!」

亜美「とにかく核発射を食い止めないと
   方法は二つ…起爆コードを解除するか、それが出来なければメタルギアを破壊するか…
   局長から鍵を預かってるよね?」

愛「これ?」ゴソゴソ

亜美「鍵は3つあるはずでしょ?」

愛「え!?これしか預かってないよー!」

亜美「あと2個はどこに…」

愛「鍵が足りないとなると、メタルギアを壊さないと…」
210 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/09/02(日) 15:45:13.76 ID:PPuCa504o
亜美「メタルギアはここから北にある地価整備基地にあるんだって」

愛「じゃああたしも行く!」

亜美「足手まとい、新兵ちゃんは来なくていいよ」

愛「足でまといにはならないよ!誓う!」

亜美「もしそうなったら?」

愛「あたしを撃っていいもん!」

亜美「…足手まといになった上に、始末まで亜美にしろってこと?」

愛「うぅ…じゃあ、自分でなんとかするから置いてって…」

亜美(…まあ、絵理お姉ちゃんはステルス迷彩持ってるから大丈夫かな)

亜美「はいはい、ご勝手に」

愛「やったー!」

亜美「弾は大丈夫?」

愛「5,56は弾切れだけど、倉庫にあったデザートイーグルを使うから大丈夫!
  (ガチャ!)クリア!ついてきて平気だよー!」

亜美「はしゃぎすぎだって…ちょっと待っててー」

愛「うん!見張ってる!」

今日はここまで
211 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/09/10(月) 15:14:22.32 ID:FR+kv/BBo
ツー
亜美「愛ぴょん見つけたよー、元気バリバリ」

社長『よかった…』

亜美「ま、今の所は、だけどね」

社長『弾でも食らわなければ、彼女は大丈夫だろう』

亜美「まったく、愛ぴょんってポジテジブなんだかネガティブなんだかよくわかんないね」

社長『本人に言ってやってくれ』

亜美「それで、社長は本当に今回の演習の目的を?」

社長『知らない、私はただの使いっぱしりに過ぎない』

亜美「はぁ、お互い主人公にはなれなさそうだね」

社長『脇役でも物語の展開を変えることは出来るさ
    互いに、バッドエンドを避けるよう勤めよう』

亜美「はーい」
212 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/09/24(月) 19:42:00.14 ID:lju5Rhg5o
投下します

愛「誰に無線してたの?」

亜美「ちょっとね、仕事の上司に」

〜所長室〜

愛「…あれ?何か聞こえない?」

亜美「うん、これは…歌?
   なんだか、気味が悪い…音程が上下にバラバラだし…」

愛「…」

亜美「愛ぴょんは、どうしてアイドルになったの?
   さっき話してた…最初から私たち765プロを目指してた訳じゃないんでしょ?」

愛「あたしのママ…あたしのお母さんは、アイドルだったの
  よく、知らないけど…立派なアイドルだったって
  そんなお母さんも…戦争で死んじゃって、何もわかんなくなってた
  だからずっとお母さんの背中を追っかけて…」

愛「でも、あたしは本当は、その後姿を見続けることであたしから目を背けてただけだったのかもしれない
  何もないカラッポのあたしを…見たくなかった
  …そんな弱虫じゃ、だめだよね」

亜美「銃弾は、人生を振り返ってる間待ってくれないよ」

愛「…うん、もっと勇気のあるアイドルになって
  ママでも、亜美ちゃんでも、春香さんでもないあたしになる!!」

亜美「うん、それじゃあ行こうか」
213 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/09/24(月) 19:53:04.45 ID:lju5Rhg5o
愛「待って」

亜美「ん?」

愛「亜美ちゃんは…どうしてアイドルになったの?」

亜美「…わかんない
   昔からちょっと変わった生活だったかんね」

愛「変わったって…」

亜美「物心付いたころから軍事訓練を受けてたし…
   家族も居なかった」

愛「家族も…?」

亜美「うん、訓練施設で学校みたいに授業受けて…めっちゃダルかったけどNE→
   そんで施設卒業と同時にそのまま軍に入っちゃったから」

愛「それじゃあ、家とかも…」

亜美「ま、あの頃ははるるんが親代わりだったね」

愛「…」

亜美「そんな顔、しないでよ」

愛「ご、ごめん…」
214 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/09/24(月) 19:59:42.33 ID:lju5Rhg5o
今になって気付いた…
>>208の最後の愛のセリフ
「愛ちゃんも春香さんも」→「亜美ちゃんも春香さんも」です。
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/09/24(月) 20:02:00.04 ID:6Z0AWHix0
さっきメタルギア4やってたらスネークが
スネーク「俺は雷・・・雨の化身」とか言い始めたwwwwww
216 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/09/24(月) 20:29:49.80 ID:lju5Rhg5o
愛「亜美ちゃんは…強いね」

亜美「…はぁ
   さっさーと整備基地行って、ぱっぱーと終わらせたいし
   だからザックリ言っちゃうね
   亜美が強かろうがなんだろうが、ただの人殺しだし
   はるるんは親代わりって言ったけど、もうそんな存在を超越してた
   お墓の前で死ぬほど泣いたし
   亜美自身だってまだアイドルの意義すらよく分かってないまま戦ってる」

愛「…」

亜美「どう転んでも、世界を助けようとも
    ただの人殺しなんだよ」

愛「そんなの…」

亜美「もう行こ?」

愛「う、うん…ここの本棚の裏に
  通信棟を越えられる隠し扉があるはず…よいしょ」

亜美「暗い廊下…」

ワオーン

愛「…狼?」

亜美「狼犬ウルフドッグだね」

愛「亜美ちゃん詳しい!」

亜美「まー、動物好きだからNE→」

愛「あたし、ポイントマンやる!」

亜美「おっけー、気をつけて進もう」


今日はこれくらい
217 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/10/06(土) 17:20:57.96 ID:yHW24+f0o
投下します。

愛「あ!そこの通路の中央はクレイモアが設置されてるはずだから
  右側を通って!」

亜美「こわいこわい、ブリーフィングの賜物だね」

愛「うん、ここを抜けたら通信棟に…」

亜美「…」

愛「亜美ちゃん?」

亜美「何か、居る気がする」

愛「お、おおおおオバケ!?」

亜美「…気の所為かな」

愛「もー!脅かさないで!」

ダン!!

亜美「…え?」

愛「あ…ぁ」

亜美「愛ぴょん!!」

ダンダン!!

亜美「くっ!」
218 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/10/06(土) 17:29:52.73 ID:yHW24+f0o
亜美(狙撃!?あそこに倒れてる愛ぴょん、助けに行きたいけど…あそこじゃ良い的…)

愛「あ…みちゃん…」

亜美「どこ撃たれたの!?大丈夫!?」

愛「……」

亜美「愛ぴょん!!…胸が動いてるから息はしてるっぽいね…
   脳震盪でも起こしちゃったかな…とにかくなんとかしないと…」

絵理『亜美ちゃん!愛ちゃんは…!?』

亜美「お姉ちゃん!生きてる、生きてるけど早くなんとかしないと!」

絵理『今、通信棟の通路?』

亜美「うん、愛ぴょんが撃たれたの通路のど真ん中で…」

絵理『スモークグレネードは?』

亜美「ないよぉ!だってこの基地にあのを拾ってやりくりしてるんだもん!」

絵理『多分…そこで待ち伏せしてたのは水瀬伊織さん…』

亜美「知り合いなの?」

絵理『…うん、わたしもソ連で狙撃手だったから…少しだけ、気が合って…』
219 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/10/06(土) 17:42:25.78 ID:yHW24+f0o
亜美「とにかくなんとかしないと…」

絵理『屋内、無風、距離100m…残念だけど、伊織さんの実力を考えると
   外す方が難しい…』

亜美「対策とか…」

絵理『小銃とスモークがあれば、制圧射撃してから愛ちゃんを救出とか、多少幅があっただろうけれど…
   拳銃だけだと…他の道もないから
   多分、ハイドレーションッパックに飲み物とかもあるから…
   飲まず食わずの亜美ちゃんよりも向こうに持久戦でもかなり不利…
   嘘は嫌いだから、率直に言うと…八方塞がり』

伊織『あーあー、テステス
   ただいまオープンチャンネルにて交信中、亜美とかいうチャランポランは返事しなさい』

絵理『ひぅ…』

伊織『あ!ちょっと絵理、あんたまで一緒になって行動してる訳!?
   …無線切ったわね、あのバカ…亜美!さっさと返事しなさい!!』

亜美「そんな怒鳴らなくたって聞こえてるよ」

伊織『オーライ、大人しく出てきたら、そこの豆子ちゃんもあんたも撃ち殺さないであげる
   豆子ちゃんを見捨てるのは勝手だけど、私からは出入り口もよーく見えてるからそこん所ヨロシク〜♪』

亜美「…社長」

社長『…どちらにせよ、生きて捕らえようと試みる以上
   何か目的があるのだろう…、出入り口まで狙われてる以上、降伏する他あるまい…』
220 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/10/06(土) 18:00:26.11 ID:yHW24+f0o
今日はここまで
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/07(日) 02:46:50.52 ID:oZE+U2530
うおおおおお来てたぁあああああああ
222 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/10/08(月) 22:03:33.27 ID:8zCUf+Llo
投下します

亜美「わかったわかった、大人しく出るよ」

伊織『あら、思ったよりバカじゃないのね♪
   両手を挙げたままゆっくり出てきなさい、手のひらをこっちに向けてね』

亜美「…愛ぴょんを助けるには、こうするしかないよね
   どの道、対抗出来なかったし…」

伊織『あんた達、捕まえてらっしゃい』

部下「「はっ」」

亜美「はぁ、どうなることやら」

部下「黙って歩け!」

亜美「うるせー!」

部下「なんだと!?」

亜美「やんのか!」

伊織「ちょっとちょっと!全く降参した割りに随分元気ねアンタ…」

亜美「狙撃銃、その声…」

伊織「そっ 私がトップアイドルにして世界最高のスナイパー…を目指してる水瀬伊織ちゃんよ!
   …アンタ、ほんとに真美そっくりね」
223 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/10/08(月) 22:19:26.23 ID:8zCUf+Llo
亜美「やっぱり?亜美もびっくりしちゃった」

伊織「ふーん、真美とか千早が話したい事あるらしいから
   私がつまはじきにされてる間たーっぷり話し込んできなさい
   連れてって」

亜美「愛ぴょんは?」

伊織「大丈夫よ、治療してあげる」

亜美(……もしかして、悪い人じゃない?
   絵理お姉ちゃんとも仲良しだったみたいだし…)

部下「いくぞ!」

亜美「うるせー!自分で歩けらぁ!」

伊織「どこの江戸っ子よ…」
224 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/10/08(月) 22:39:39.46 ID:8zCUf+Llo


真美「やっっほ、久しぶりだね」

千早「捕虜になるのは何回目?縛られる気分はどうかしら」

亜美「…」

千早「この鍵、プロデューサーから貰ったの?」

亜美「そんな感じ」

千早「残り2つはどこにあるの?」

亜美「…言わない」(のこりの2個、取られちゃった訳じゃないんだ)

千早「…ふん、まあいいわ」

真美「もしもし?千早お姉ちゃん?
  ホワイトハウスが要求を無視ムシしてきたって」

千早「くっ…いつになく強気ね、腰抜けの政府らしくない
   何か奥の手があるのかしら
   ここで気にしてても仕方が無いわね、予定通り10時間後に発射する
   その準備をしてくるわね」

伊織「私もジャンバルジャン達に餌をあげないと
   似た者同士仲良くお喋りしたら?じゃあね〜♪」
225 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/10/08(月) 22:45:22.89 ID:8zCUf+Llo
真美「久しぶり、亜美
   いや、こう呼ぶべきかな、お姉ちゃん」

亜美「…お姉ちゃん?」

真美「そ、真美のお姉ちゃん」

亜美「ちょ、ちょっと…どういう事?」

真美「…どこから言えばいいのかな」

亜美「最初に、聞いてもいい?」

真美「何?」

亜美「どうして、今回の蜂起に参加したの?
  核なんて撃ったら、数万人が…」

真美「真美はね、亜美に会いたかったから参加したんだよ
   だから、こうして会えてる」

亜美「なんで…765プロを勝手に辞めて
   亜美の前から消えたのは真美でしょ」

真美「勝手に辞めたのは、謝るよ。ごめんね
   でも、真美は逃げなくちゃいけなかったの」

亜美「逃げるって…」

真美「765プロに終われてたから」
226 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/10/08(月) 23:09:14.57 ID:8zCUf+Llo
亜美「じゃあ、どうしてわざわざ会うためにこんな事…」

真美「千早尾根ちゃんが考えた今回の蜂起
   確かに参加した理由は網に会うためだったけど
   少しだけ、社長たちにも恨みもあったから」

亜美「恨みなんかで、核の発射なんか!」

真美「うん、言いたい事はわかる
   …でも、やっぱり社長たちを許せない
  亜美は凄いよね、施設を出てすぐに陸軍に入隊、最年少で陸軍の特殊部隊グリーンベレーに入って
  アメリカでも英雄的存在、その名前はソ連にまで響いて876プロのアイドルを始めとする多くの人に影響を与えて」

亜美「…そんなの、今する話じゃないでしょ」

真美「恨みの話?」

亜美「…」

真美「それがね、今回の蜂起に参加してまで亜美に会いたかった理由なんだけど
   …"恐るべき子供達計画"って知ってる?」

亜美「恐るべき子供達計画…?」

真美「最強のアイドルを人為的に生み出そうという計画
   雛型に選ばれたのは当時最強と名を馳せていた…わかるでしょ?」

亜美「はるるん…?」
227 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/10/08(月) 23:18:53.81 ID:8zCUf+Llo
真美「そう、はるるんに似たアイドルを作るっていう計画」

亜美「それは、遺伝子治療とは…」

真美「似てるね、今回の蜂起に参加しているアイドル達もはるるんの遺伝子をジーンセラピーで組み込まれてる
    でも、それは真美たちも一緒なんだよ」

亜美「…え?」

真美「真美にも、亜美の体にも、はるるんの遺伝子が組み込まれてる」

亜美「そ、そんな事は!!」

真美「ある、それが恐るべき子供たち計画
   この計画は、今のジーンセラピーの土台となる計画だった」

亜美「だって、亜美は治療なんかされてないよ!!」

真美「昔、訓練施設で暮らしてたでしょ?」

亜美「…うん」

真美「それだよ、それが治療なの」

亜美「治療って…!?だって、亜美は普通に授業受けたり、運動したり…」

真美「定期的な健康診断も受けて、学生みたいに給食も食べたでしょ」

亜美「…うん」

真美「その、給食によって遺伝子が組み替えられ
   健康診断では、それにより異常が起きてないかを調べられてた」
228 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/10/08(月) 23:40:00.51 ID:8zCUf+Llo
亜美「うそだ!そんなの嘘だよ!」

真美「ベクターの役割を果たすウィルスが、給食に組み込まれてた
   みんなじゃ誰も知らないまま、美味しそうにそれを食べる
   摂取したウイルスは細胞の遺伝子に特定の塩基配列を埋め込む」

亜美「じゃあ、あの施設にいた子はみんな…」

真美「そう、はるるんの遺伝子を受け継ぐ家族
   もっとも、それが全部の細胞が入れ替わるまで待つとなるとかなりの時間が掛かるし
   そんな突然に染色体が変異したような細胞が体の中で発現したせいで体に異常をが出たり
   癌細胞と見なされて排他しちゃう子が現れたりで、効率的ではなかった
   だから、この恐るべき子供達計画を経て遺伝子治療というものが確立されたの
   …まあ、遺伝子治療でもまだ問題はあるみたいだけどね」

亜美「だから、お姉ちゃん…?」

真美「真美と亜美は、戦争孤児だったんだよ
    アメリカに拾われるまでは孤児の姉妹だったの」

亜美「アメリカに…拾われた…」

真美「恐るべき子供達計画は、戦争孤児を非合法的に引き取って行われてた
   遺伝子治療に成功した子供は軍に入れられて
   失敗した子供も英才教育を続けて大人になるまで育て上げ、政界に放つ
   そうすれば、施設はその人たちにとって「育ててくれて、社会に進出させてくれた」存在であり
   施設側からしたら、政界は言う通りに動く駒だらけ、政治も思うがままってなるの
   …わかった?」

亜美「じゃあ、真美も施設で…」

真美「そう、同じ親から生まれ、同じ施設で育った」
229 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/10/08(月) 23:53:15.11 ID:8zCUf+Llo
亜美「その事、社長が…?」

真美「言わなかった、でも真美は調べて行き着いた
   社長も施設の経営者の一人だったけどね」

亜美「…!」

真美「亜美に言おうと思ってたんだけど
   どうしても、我慢出来なくて、社長に怒鳴り込みにいったら
   口封じされちゃって…それでアメリカ政府から追われて、転々と
   やっと伝えにこれたよ」

亜美「じゃあ、亜美と真美は…本当に姉妹?
   遺伝子治療とか、関係なく…」

真美「うん」

亜美「まみぃ!!」

真美「あわわっ 泣かないでよ
   ごめんね、縄は解いて挙げられないよ」

亜美「…そっか、真美は蜂起は続けるんだね」

真美「やめられないよ、真美のために」

亜美「…真美」

真美「ん?」
230 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/10/08(月) 23:53:50.20 ID:8zCUf+Llo
今日はここまで
231 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/10/19(金) 13:37:15.61 ID:vV5wtMpLo
投下します

亜美「理由、本当にそれだけ?」

真美「…」

亜美「他にも理由がある、そういう言い方だったよ、真美のは」

真美「…確かに、社長達に恨みはある
    でも、何よりも憎いのはね
    亜美、そして真美。私たち2人が一番憎い」

亜美「…」

真美「施設に居た時のわずかな成績の差と
   亜美がお姉ちゃんだったって事だけで、亜美ははるるんに次ぐアイドルだと認められた
   …妹の真美は?」

真美「ソ連、アフガン、イラク…グリーンベレーが、亜美が参加した作戦には全部参加してた
    全部、スパイとして
    嘘ついて、情報を集めてアメリカ軍の作戦進行の踏み台になるだけ
    全部!!亜美の踏み台になるだけに参加して!!どこに行っても、うそつきのスパイ扱い!!」

亜美「それじゃあ、アイドルイーターにも…」

真美「まさか亜美の作戦に利用される為だったとは思わなかったけどね」

亜美「…」
232 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/10/19(金) 13:43:29.13 ID:vV5wtMpLo
亜美「…亜美が憎い?」

真美「憎いよ、憎いけど…
  ううん、なんでもない
  だから、この蜂起で自分の存在を示す
  姉の踏み台にされるための存在じゃなくて、自分のための存在だって示す」

亜美「…その為なら、核だって撃つっていうの?」

真美「多分都市には撃たないよ、千早お姉ちゃん優しいもん
    …でも、真美は違う
   邪魔になる存在は…殺すよ
   だから、さようなら、亜美」

亜美「真美!どこ行くの!?真美!!」

真美「独房に入れておいて」

兵士「はっ!」
233 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/10/19(金) 15:16:07.48 ID:vV5wtMpLo
短いけど今日はここまで
234 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/11/02(金) 11:24:00.40 ID:feQ98Fpgo
投下します

亜美「…」

Pipipipipiツー

社長『亜美君、大丈夫か…』

亜美「なんとかね」

夢子『あのチビは?』

亜美「愛ぴょんなら捕まってるよ」

社長『そうか…亜美君、政府はテロリスト達の要求に応じないことを決定した
   今時間稼ぎを試みている』

亜美「…いつまでシラを切ってるつもり?」

社長『何の話だ?』

亜美「全部、全部ね…
   メタルギアが新型核弾頭発射の為に開発された兵器だって事とか
   亜美と真美が…ううん、何でもない
   ホワイトハウスはどこまで絡んでるの?」

社長『少なくとも、大統領は昨日までレックス計画の事を知らなかった
   大統領は明日ロシアの代表と第三次戦略兵器削減条約の調印を行う』

亜美「厄介事って訳ね」

社長『今回の事が公になれば、スタート3どころではない、TMDの問題も蒸し返され
   わが国の権威失墜に繋がる』 

亜美「それで隠密行動ね、都合よく利用されてた訳なんだ」
235 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/11/02(金) 11:43:46.23 ID:feQ98Fpgo
社長『頼む…奴らを食い止めてくれ!』

亜美「ちょっと勝手過ぎない?
   どうせ新b型核弾頭の内容も教えてくれないんでしょ?」

社長『…すまない』

亜美「はーあ…要求を呑めばいいじゃん
   はるるんの細胞標本だかなんちゃら」

社長「それは…」

亜美「それともどうしてもはるるんの遺体をあげられない理由でもあるの?
   まだ、亜美に話してない理由が」

夢子『大統領は生命倫理に関にも厳しい政策を発表してきたから
   遺伝子治療のことも知られたくないのよ』

亜美「本当にそれだけかな」

社長『…』
236 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/11/02(金) 11:50:58.08 ID:feQ98Fpgo

亜美「…まあいいや」

社長『すまない
   これからはどうするつもりだ?奴らの状況は?』

亜美「核発射コードは二つとも入手してるみたい、さっき発射準備にかかるって言ってたから」

社長『くそ…発射を防ぐ手立ては?』

亜美「PALキーっていう鍵で発射をとめられるらしいけど
   3つあるうちの1個しか持ってないし、その鍵もさっき装備と一緒にとられちゃった」

社長『仕方がない、鍵は後回しだ
    メタルギア自体の破壊を優先してくれ
    独房の君に全てを託すのも酷だが、君しか居ない
    そこから脱出して通信棟へ向かってくれ』

亜美「はいはい」

亜美(わからない、真美の言うことが本当だったら、社長は許せない
   …でも、真美の核発射はどうしても食い止めないと
   それが結果的に社長達に利用されることになっても
   あの事を考えるのは、後にしよう)

今日はここまで
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/02(金) 21:33:47.66 ID:JxhPS1VIO
隕九※繧九◇
238 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/11/30(金) 20:43:17.86 ID:8QoEYAp0o
投下します。

絵理『…亜美ちゃん、聞こえる?』

亜美「…うん」

絵理『大丈夫?』

亜美「まあね、牢屋に閉じ込められちゃったけど一応」

絵理『今、セキュリティシステムのクラッキングを試してる…
   そこは管理システムが他の場所と別だから、少し手間取ってるけど、もう少ししたら開けられると思う』

亜美「ほんと!?」

絵理『うん、まかせて?』

亜美「恩に着るYO〜!
   ここの見張りは一人だけだから扉さえなんとかなってくれればどうにでもなりそう!」

絵理『ここを抜けたら…また伊織さんと戦う?』

亜美「そりゃ、向こうが止めにきたら亜美は戦うよ」

絵理『…伊織さんは、悪い人じゃない…だから…』

亜美「それは絵理お姉ちゃんと同じスナイパーだから?」

絵理『そうじゃ、ないけど…』
239 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/11/30(金) 20:50:59.65 ID:8QoEYAp0o
絵理『本当は、優しい人…』

亜美「愛ぴょんが撃たれても?」

絵理『…』

亜美「核を発射しようとしていても?」

絵理『…』

亜美「まあ、この際良い人悪い人なんて事はなし
   核発射が良い事か悪い事かだけを考えて動くよ」

絵理『…システムダウン、もうドアは開いてる』

亜美「ありがとう」

絵理『もう、亜美ちゃんのお手伝いは出来ないかもしれない』

亜美「亜美があのスナイパーさんを殺すから?」

絵理『わからない…でも、伊織さんを殺す手伝いは、したくない…』

亜美「核発射の手伝いはしないでよ?」

絵理『うん、どうせわたしは用済み?
  …それと、さっき警備用ブリーフィングペーパーのファイル見付けたんだけれど
  そこにいる見張りの人、セキュリティカード6を持ってる…今後動くのにもらった方がいい…』

亜美「それじゃあ、ちょっと借りようかな
   ありがとね」

絵理『通信終了…』プツン
240 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/11/30(金) 22:29:33.77 ID:8QoEYAp0o
亜美「ん、確かに開いてるね
   装備もここに…まさか鍵を開けられるとは思ってなかったんだ
   それじゃあサクっと行きますか〜」

亜美「よう大将!」

見張り「ん?うぐっ!?」

亜美「グッナイ!」たったった




亜美「来た道を戻って、上の階に出れば連絡橋なんだよね…」

亜美「血の跡…ここで愛ぴょんは…
    あのスナイパーは治療するって言ってたから、きっと大丈夫…」

社長『覚悟は出来ていたはずだよ、彼女も軍人だ』

亜美「…母親の背中を追いかけてただけだよ、覚悟なんてしてる暇もなかったと思う」

社長『母親…日高愛、か
   彼女もまたアイドルの頂点に近かった天海春香君にも劣らないアイドルだった』

亜美「亜美がもう少し強ければ…愛ぴょんを守れてれば…」


絵理『…それは、違う…』
241 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/11/30(金) 22:46:37.90 ID:8QoEYAp0o
絵理『愛ちゃんは確かにちょっぴり泣き虫だけど…
   絶対絶対、くじけない』

亜美「…」

絵理『…ソ連でわたし達3人は、笑ってたもん
   背中だけ見てる子が、あんな笑顔でアイドルやってる訳、ないもん…』

夢子『はい、はい、どーどー
   後悔するのも説教垂れるのもあんたら二人の自由よ?
   でこの重くなった空気は誰がどうするのよ
   気分が重くなると血液が脳に行きにくくなって判断能力も鈍るし良い事ないのよ?
   もっと生産的に生きなさいよ』

社長『…うむ、後悔は何も生まないな
   それに、ここから連絡橋に行くにはとても長い階段を延々と登る必要がある
   せめて気分だけでも意気揚々と行こうではないか』

亜美「そだね、うん」

ウィーン

亜美「…え?この階段?」

社長『そうだ』

亜美「200mくらいない?」

社長『ある』

亜美「まじ?」

社長『まじだ』
242 : ◆TEkxp.nIVOlz [saga]:2012/11/30(金) 22:58:13.63 ID:8QoEYAp0o


亜美「つ、疲れた…あそこにあるのが連絡橋だね…」

バババババババババババ

亜美「戦闘ヘリ…!?」

真美『やっほー!!』

亜美「ま、真美!?」

真美「そうはさせないんだなー!ポチっとな!」

ボカーン

亜美「あー!とても安っちい効果音と共に連絡橋が壊されちゃった!」

真美『生身の亜美相手ならハインドでミンチにできる!』

亜美「このまま戦っても勝てない!」

絵理『…ハインドで戦闘機落とした真美ちゃんと、生身で戦車潰した亜美ちゃんの会話とは思えない?』

亜美「ツッコミ禁止!逃げるよー!」

真美「ロープでラペリング…!?いつのまにロープなんて!」

亜美「よし!テンションがおかしくなったから今日の投下はここまでー!」
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/01(土) 21:20:40.57 ID:vPmzUAaYo
[ピーーー]
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 12:04:19.55 ID:Kl74Ikaco
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