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恒一「MS少女」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、名無しに変わりましてGN-XVゆかりちゃんがお送りいたします :2012/06/08(金) 19:08:40.39 ID:w0fMMUtg0
前回執筆中にdat落ちしたために書き溜めておいた続きです。前半部分から改訂次第上げていきます
(更にこのあとVIPに再びスレを立てたらさるさん食らったのでここに移動しました。三度目の正直……)
あとこの世界は割と普通にMS少女が少女がいたりする世界です。あと00率高めなのは作者が00のMS少女がが大好きだからです。

沙苗「おー、ガンオタ少年今度は何を読んでるんだね?」

恒一「ガンダムAGE小説版の三巻ですよ」

沙苗「おお、AGE最後の良心の最新刊か!して、どんなふうに改変されてる?」

恒一「ロマリーがロマビッチじゃ無くなってたり、学園編が引き伸ばされてたり、余計なエピソードが削られてたり、ウルフさんがちゃんと大人してたりですね。総じて説得力が増してますね」

沙苗「ふーむふむ、やっぱり説得力がましたか。今度貸してくれる?」

恒一「読み終わったら貸しますよ」

沙苗「ところで少年、お客様だよ」

恒一「あ、はいはい」


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諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

2 :以下、名無しに変わりましてGN-XVゆかりちゃんがお送りいたします :2012/06/08(金) 19:09:43.30 ID:w0fMMUtg0
ズラリッ

恒一「(っと、GN-XV連邦軍仕様少女とアカツキ少女かぁ……)」

風見「あっと、榊原くん。僕は君の転校することになった3年3組クラス委員の風見。で、こっちが同じクラス委員の桜木さんと、対策係の赤沢さん」

桜木(GN-XV連邦軍仕様)「よろしくお願いします」

赤沢(アカツキ)「……よろしく」

恒一「あ、うん。よろしくお願いします」

風見「ところでこれは忠告なんだけど、3年3組は毎月誰かが死にそうになるっていうちょっとした呪いがあるんだよね。赤沢さんはそのための対策係なんだ」

恒一「え!?なにそれ!?」

風見「まあ、今は有効な対策があるから死者はまず出てないし、ちょっと気をつけて欲しいってくらいかな?」

桜木「対策については学校に来てから逐次話しますね。そっちの方が話がしやすいですし」

恒一「あ、うん(……さらっと凄い事を流した)」

風見「じゃあ、さようなら」ガララ

恒一「……死にそうになる呪いって、あんなフランクに言うものなの?」
3 :以下、名無しに変わりましてGN-XVゆかりちゃん改めGN雨傘がお送りいたします :2012/06/08(金) 19:11:45.55 ID:w0fMMUtg0
恒一「さて。HGアンクシャ組んだのはいいけど、エナメル塗料使いすぎて頭痛い……」

恒一「少し空気入れ替えて、その間にロビーに飲み物買いに行こうっと」フラフラ

恒一「エレベーター来た来た」

チーン ガー

鳴「……」

恒一「(あの女の子、エクシア?いや、GNソードが折れてるし、左腕ないし、眼帯してるからエクシアリペアか……それよりあれ夜見北の制服?)」

恒一「君って、夜見北の生徒?」

鳴(ガンダムエクシアリペア)「……」コクリ

ゴアー

恒一「(ありゃ、一階通り過ぎたぞ、このエレベーター)」

チーン チカニカイデゴザイマス
4 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします :2012/06/08(金) 19:12:23.14 ID:w0fMMUtg0
恒一「何持ってるの?」

鳴「……オーライザー」

恒一「届け物?」

鳴「そう。太陽炉の調子が安定しない私の半身に」スタスタ

恒一「あ、君。名前……」

鳴「鳴。見崎鳴」

スタスタスタ

モーメイオソイヨー ゴメンゴメン,ハイ ワーイオーライザーミサキオーライザーダイスキ

恒一「……早いとこ飲み物買おう」ガチャン
5 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします :2012/06/08(金) 19:13:02.08 ID:w0fMMUtg0
―教室―

恒一「東京から来た榊原恒一です」

ヒューヒュー カッコイイ- ジツニフェアダネ

恒一「(MS少女が異常に少女率が高いなあ。このクラス。副担任もそうだし)」

久保寺「じゃあ、榊原くんはそこの席に座ってね」

恒一「はい」ガタッ

金木(メルクリウス)「よろしく」

望月(AGE-3)「よろしくー」

恒一「よろしくー(MS少年、珍しいなぁ)」

桜木「さて、ここから榊原くんに対策のお話をします」スッ

恒一「うん。その話自体は前に聞いたんだけど、具体的に対策って何なの?」

風見「簡単簡単。基本的に『MS少女の近くにいればいい』ってだけだから」

恒一「それだけ!?それだけで死なないの!?」

風見「それが、実は結構効果あるんだよね」

桜木「基本的に『現象』……あ、これ呪いの通称なんだけどね。それって物理死がおおくて、ある年試験的に三年生中のMS少女をかき集めてクラスを組ませてこの対策を実施させたら死亡率がかなり低くなったらしいです」
6 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします :2012/06/08(金) 19:20:26.32 ID:w0fMMUtg0
ちなみにこの世界で言うところのMS少女というのは、まあ女の子にモビルスーツの目立つパーツがくっついてる女の子のことです
例として鳴ちゃんエクシアリペアはこんな感じhttp://p.twipple.jp/bNizw

恒一「ふぅん……」

鳴「……」

恒一「(あ、あの子も3年3組だったんだ)」

桜木「あ、見崎さんと知り合いなんですか?」

恒一「あ、うん。前に病院でちょっとね」

桜木「彼女、ちょっと浮き気味ですから仲良くなれるといいですね」ニコニコクルクル

恒一「(うわぁ、すっごいかわいい笑顔……ディフェンスロッドも機嫌良さそうに回ってるし)」

風見「…………」ギロォ

恒一「(やっべ、風見くんにすっごい睨まれてる)」
7 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします :2012/06/08(金) 19:21:17.86 ID:w0fMMUtg0
―屋上―

鳴「で、あなたも体育見学?」

恒一「一応病み上がりだからね。君は?」

鳴「左腕バラしてオーライザーの部品にしたから、バレーボール参加できない」プラプラ

恒一「あ、元からそうなんじゃないの?」

鳴「本来は普通のエクシア少女。GNダガーも標準装備。ただ転んだ拍子にGNソード折ったり左腕無くなってるからエクシアリペアに間違われるだけで」

恒一「そうなんだ……」

恒一「ってことはその目も?」

鳴「質問攻めは嫌い」

恒一「……ごめん」

恒一「じゃ、最後にこれだけ聞くけど。この前病院でオーライザー届けてたけど、知り合いに00ガンダム少女でもいるの?」

鳴「うん。ちょっと前にはしゃぎすぎてトランザムしたら太陽炉の調子がおかしくなったらしくて入院してたみたい」

恒一「00ガンダムはそうだよねー」

鳴「ところで、二人でガンネクやる?」スッ

恒一「残念だけどぼくは今PSPを持っていないんだ」

高翌林「突っ込みどころはそこじゃないとは思うんだけどね」

鳴「あら高翌林くん、こんにちわ」
8 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします :2012/06/08(金) 19:22:56.04 ID:w0fMMUtg0
―美術室―

望月「♪〜」

三神(Vガンダムヘキサ)「何描いてるの?」

望月「救世主ガンダムです」ニコリ

三神「今は静物画を描きなさい」

望月「はぁい」シュン

恒一「そういや望月って珍しいよね。MS少年って」

望月「ああ、うちはおじいちゃんが技師だからね、その関係で」

恒一「へー。望月のおじいちゃんってどんな人?」

望月「凄い人だよー、もうとにかくすっごい人」

恒一「へぇー……」

望月「ところで、榊原くんは三神先生のこと、どう思う?」

恒一「どうって……(まさか、教師に惚れてるのか!?コイツ!)」

鳴「…………」

三神「見崎さん。あなたは何を描いているの?」

鳴「カイラスギリーのキャノン砲を」

三神「あなたも静物画を描きなさい」
9 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします :2012/06/08(金) 19:23:46.50 ID:w0fMMUtg0
―そしてあくる日―

久保寺「えー、つまり。このバイク戦艦からとれるの富野監督の心境は……」

ガラリ ボソボソボソ

桜木「!」ガタッ

桜木「(お母さん……無事でいて)」

ガッ

桜木「(足が滑っ……いや、GNランスが!)」

GNランスof桜木「キラーン」

桜木「きゃあああああああああああああああああああっ!」

3組全員「!?」ガタッ

風見「ゆかりいいいいいいいいいいいいイイイイイイイイイイ!!!」ガタタッ

久保寺「あ、風見、待ちなさい!」

風見「ゆかりいいいいいいいいいいいいいい!!!」ダダダダダダッ!

勅使河原「すっげえいいフォームで走ってったぞ、アイツ……」

高翌林「突っ込みどころはそこじゃないと思うんだけどね」
10 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします :2012/06/08(金) 19:24:28.28 ID:w0fMMUtg0
なんで高翌林の時に変な文字はいるん?

風見「ゆかりぃぃ、生きててよかったアアアアアアァァァァァァ!!」

勅使河原「風見、取り乱し過ぎだって!」

風見「ゆかりが死んだら僕もう生きていけうあああああああああああああああ!!!」

桜木「ホント間一髪でコレに気づいてよかったです」

桜木「ついててよかったディフェンスロッド」グルングルン

勅使河原「とっさにランスを弾き飛ばしたんだもんなぁ」

久保寺「壁にランスの大穴空いたけどね」

三神「修理代降りますかね」

久保寺「降りないと思いますからとりあえず今度の土曜に修理しましょう」

久保寺「あと交通事故に遭ったお母さんだがね、通りすがりのトランザムライザー少女のおかげで大したことにならなくて済んだらしいよ」

鳴「……(美咲だ。絶対に美咲だ)」
11 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 19:25:30.58 ID:w0fMMUtg0
―後日、学校―

赤沢「と、まあ。ゆかりが自分で防いだとはいえ死にそうになったわけだから、今年も『災厄』はどうもあるみたいね」

水野「あ、赤沢ー。あとうちの姉ちゃんも『災厄』遭遇したみたいだぞ」


赤沢「そうなの?」

水野「コレについては俺より榊原が詳しいみたいだけどなー」

勅使河原「家族よりサカキの方が詳しいってどうよ」

水野「いや、榊原は姉ちゃんとリアルタイムで話してたらしいから」

恒一「うん。この前の昼休みのことだけど……」
12 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 19:26:27.81 ID:w0fMMUtg0
恒一「だからXは駄作じゃないですって。地味だけど名作ですって」

沙苗『でもさ、序盤のMS乗りのヒャッハーな風体とか30分ずっと炙られるエアマスターとかフロスト兄弟がニュータイプ候補ぶつけまくるとことかはどうよ……』

恒一「それは……確かに……ですけどローレライの海とか見て下さいよ!名エピソードでしょ!」

沙苗『あれは確かに良かったね。でも後半の展開はどうさ?地味に輪をかけて地味だしいきなり宇宙革命軍とかサテリコンとか出されて持って感じだったじゃん』

恒一「うぐぅ……」

沙苗『てなわけで……ガザッXはザザザ……』

沙苗『ごめ…ブッ…電波……』

ガクッ!ブヅツッ!

沙苗『きゃあああああああああああああああああああああ!!!』

ゴアアアアアアア

恒一「沙苗さん何があったんですかっ!?」

??『……ザムッ!』

ヒュゥオアアアアア

沙苗『あ、あれ?』
13 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 19:27:21.10 ID:w0fMMUtg0
恒一「てなわけでたまたま同じエレベーターに乗り合わせていた通りすがりのトランザムライザー少女のおかげでエレベーターが軟着陸したらしいです」

恒一「あとライザー少女は見崎の従妹だそうです」

鳴「どうも調子に乗ってトランザムしまくってるみたいです……」カァァ

赤沢「(あ、あの眼帯ない二個付きの見崎さんってそうだったの?)」

勅使河原「てかもう見崎の従妹いりゃ『災厄』解決するんじゃないのか?」

千曳「そういうわけでもないんだな、これが」

赤沢「あ、千曳さん」

千曳「今までにもいろんなMS少女の潜在能力で『災厄』が偶然止まったことがあった」

千曳「が、一応その年は止まるだけで次の年にはすぐに復活するらしい」

千曳「ちなみに一昨年はサイコフレームの共振が原因で止まったね」

赤沢「あ、その人うちの従兄の彼女さんです」

千曳「そうそう。確か赤沢くんの従兄を巡ってサザビー少女とガチンコしてたらサイコフレームが共振して『災厄』も止まったってオチだね」

恒一「なんて根性のない『災厄』だ」
14 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 19:27:50.07 ID:w0fMMUtg0
赤沢「とは言え、コレ以上放置してても厄介だから男子はできるだけMS少女の近くに、MS少女は念には念を入れて気をつけましょう」

ハーイ


―放課後―

高翌林「Xについて熱く語れる人が増えて嬉しいよ。今まではX好きが少なすぎてフェアじゃなかったからね」

恒一「そうそう。X好きってあんまりいないからね」

望月「Xだとディバイダーとか好きかな。僕は」

恒一「いいよねディバイダー!」

高翌林「ジャンクパーツから作り上げた機体なのに元のXを凌ぐあの汎用性、フェアすぎるよ」

高翌林「まあ、僕が一番好きなのはファイアーワラビ……うぐっ」ドサッ

恒一「どうしたの!?高翌林くん!」

望月「高翌林くんの持病の心臓発作だ!」
15 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 19:28:30.25 ID:w0fMMUtg0
恒一「早く救急車呼ばなきゃ」ピポポ

望月「……威力を0.002%程度に絞れば、いけるっ!」スチャッ

恒一「望月!なんでシグマスライフルを構えるの!」トルルルルルル……

望月「シグマス・スタン・ショッカー!」バシィッ!

高翌林「オフゥッ!」

恒一「」トゥルルルル

高翌林「はぁ、はぁ、ファイア……ワラビー……」

望月「はぁ、おじいちゃんに教えてもらったとおりに成功してよかった……」

救急『はいこちら救急センターですが……』

恒一「あ、すみません。もう済みました。お手数かけました」
16 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 19:29:03.38 ID:w0fMMUtg0
―教室―

赤沢「ついに高翌林くんまで……」

風見「ってかビームライフルで心肺って回復するものなの?」

恒一「したんだからしょうが無いだろ……」

望月「ちなみに高翌林くん、ショック療法のおかげで心臓が大分良くなったらしいけど」

勅使河原「なんだそりゃ」

恒一「知らないよ。僕だって説明して欲しいよ」

恒一「(でもいいX仲間が助かってよかったんだけどね。Xって何故か風当たり強いし)」

恒一「ところでこの『災厄』ってどうやって起こってるの?」

望月「ああ、それは……」

見崎「それは私が説明するわ」スイッ

恒一「見崎!いつの間に!?」

見崎「なんか忘れられてるような気がして」

恒一「(正直最近色々ありすぎてちょっと忘れてたんだけどね)」

見崎「この『災厄』はクラスに死者が紛れ込むことで発生するの」

見崎「26年前の夜見山岬って男の子が死んだ時に、夜見山岬をその場にいるように扱ってから」

見崎「毎年3年3組には死者が紛れ込んで、そのせいで人が死んでいくの」

恒一「ふぅん……」

赤沢「ちなみに昔は死者の代わりに『いないもの』って役を作って災厄を回避しようとしたんだけど、結局災厄が起こった挙句MS少女のお陰でことごとく『災厄』にあった人が助かって2年でやめたみたい」

恒一「ふぅん……」

ガラリ

久保寺「皆さん。今日は私、皆さんに謝らなければなりません」
17 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 19:29:35.89 ID:w0fMMUtg0
久保寺「みなさんに迷惑を掛けたくなく、自分一人で頑張っては見たのですが」

久保寺「やはり私一人ではどうにも行かないらしくて……」ジー

風見「!?」

スッ

綾野「左官用の……こて?」

久保寺「先日桜木さんがGNランスで開けた大穴、みなさんも修理手伝ってください」

エー タリー フェアジャナイヨ-

久保寺「あと、どうも介護疲れと『災厄』への心配で胃に穴空いたんで長期治療を受けてきます」

久保寺「あとのことは頼みます三神先生。千曳さんにもフォロー頼みましたんで」

三神「任されました」
18 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 19:30:26.72 ID:w0fMMUtg0
綾野「あー、こういっちゃん。そのセメント使っていい?」

恒一「いいよ」ジャボジャボ

小椋(オーバーフラッグ)「ったく、先生も余計な仕事残していって……」

王子「でもすっごい胃にストレスきてたらしいから、しかたがないよね」

望月「三神先生、久保寺先生が胃薬の錠剤すごい量を飲んでたとこ見てたって言うし」ドッズセメントミキシングー

猿田「なんという末期症状ぞな」

恒一「(悲しき中間管理職……か)」ブルリッ「(あ……)」

恒一「ごめん、ちょっとトイレ」

小椋「行っといでー」

恒一「ありがと」ソソクサー

有田(ブリッツガンダム)「ぐへへ、チャーンス」ミラコロミラコロ

有田「(さーて、恒一君の放尿シーンをこのカメラにバッチリ納めておかないとなぁ。フヒヒ)」ミラコロミラコロ

見崎「……」ビシュビシュビシュ(無言でGNソードライフルで射撃)

有田「ぎゃああああああ」ビシュビシュビシュ

恒一「有田さん!?」

有田「」チーン

赤沢「……また『災厄』の被害者が出てしまった」

杉浦(スローネアイン)「どう見ても自業自得にしか見えないわ」
19 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 19:31:05.28 ID:w0fMMUtg0
―恒一邸―

恒一「どうしましょうね、この『災厄』。有田さんは正直大したことなかったらしいですが」

怜子(Vガンダム)「本当にタフじゃない?今年の3組って。私の頃もあったけど、ここまで被害を抑えられてなかったわよ」

恒一「怜子さんの時はどんな感じだったんですか?」

怜子「んー、カプセルに入れられて海中漂流しかけて死にかけた子とか、あといつも鈴つけてる風紀委員の女の子にギロチン食らわされた男子とか」

怜子「あと自転車で岩に激突して、気を失ってる間に車に轢かれかけたヤツ。松永って言うんだけど、あいつは私のメガビームキャノンで車止めなかったら死んでたわねー」

恒一「なんという黒富野」

恒一「あ、ところで千曳さんから聞いたところ怜子さんの年は途中で災厄が止まったらしいんですよね」

怜子「……?」

恒一「どうしたんです?覚えてないとか?」

怜子「んー……ごめんね、よく思い出せないの」

怜子「ただ、合宿に行った気がしたんだけどねー……」

恒一「合宿。ですか」
20 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 19:31:33.88 ID:w0fMMUtg0
―喫茶店『イノエ』―

恒一「と言うことを聞きだしたんだけど、なんで赤沢さんしかいないの?ここ呼び出したの勅使河原だよね」

赤沢「あいつは色々あって遅れるらしいわ。で、ここに時間通り来たのは私達だけみたい」

恒一「うん」

智香(AGE-2ノーマル)「いらっしゃいませ」

恒一「あれ?」

智香「こんにちわ。優矢の姉の智香です」

恒一「ああ、望月のお姉さんですか」

智香「ごめんなさいね。あの子も呼ばれたらしいんだけど、あの子、お爺ちゃんの相手に忙しくって……」

恒一「相手?」

智香「お爺ちゃんが急に昔のつてで人をかき集めて古いモーターボートで釣りに行くのについて行かされたの」

恒一「なんたる老害」
21 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 19:32:25.36 ID:w0fMMUtg0
智香「うちのお爺ちゃん、すごく偏屈で強引なトコあるからねぇ……」

智香「ところで、飲み物と食べ物はどうする?」

恒一「じゃメロンソ」赤沢「私と同じやつで」スイッ

智香「かしこまりました」

恒一「」

智香「はい。ブラックコーヒーとドネルケバブ・ヨーグルトソースです」

恒一「」

赤沢「ここのコーヒーはハワイコナ・エクストラファンスィーを使っている本物よ」ドヤァァァ

恒一「(なんか砂漠の虎の副官の気分が今わかったような気がした)」
22 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 19:32:58.31 ID:w0fMMUtg0
赤沢「……ってわけでこのカーフィー、絶品でしょう!?」

恒一「あ、うん。美味しいね(あんたが見てない間にシュガースティック2本ぶち込んだ結果だけどね)」

勅使河原「いやー、遅れた遅れた」

望月「遅れてごめんね、みんな」

風見・桜木「おじゃましますー」

恒一「あれ?望月?おじいさんに拉致されたんじゃ……」

勅使河原「そこは色々奪還工作を練って連れてきたんだよ」

風見「単に中尾を爺さんへの生贄に捧げただけだろ」

恒一「最低だな、それ」

勅使河原「細かいことは置いといて、みんな揃ったことだしここで凄い情報が手に入ったことを発表する!」

赤沢「すごい情報って?」

勅使河原「どうも狙ったとおりに『災厄』を止められるという手段がどこかにあるらしい」


赤沢「ってことで松永さんって人に合えばいいのね」

恒一「あ、その人うちの怜子さんの知り合いみたいだから、どこにいるかくらいは聞いておくよ」

望月「サンキュー」
23 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 19:33:57.24 ID:w0fMMUtg0
―見崎邸(MS工房「m」)―

恒一「ってことなんだけど、見崎も来る?」

鳴「無理。その日は家族サービスに付き合わされて出かけなきゃいけないから」

恒一「そうかぁ……って、腕とGNソード治ったんだね」

鳴「うん。鳴ちゃんエクシアリペアU」シャキーン

恒一「良かったね。腕のいい整備士さんにかかってもらったの?」

鳴「霧果がなおしたの。太陽炉MS少女は得意分野だからって」

恒一「霧果って、お母さんだよね」

鳴「うん。美咲のオーライザーも霧果が作ったから……」

鳴「あとこの眼も……」スイッ

恒一「そういえば毎回気になるんだけど、その眼ってどうなってるの?」

鳴「見たい?」

恒一「うん」

鳴「いいよ」スチャリッ
24 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 19:34:38.23 ID:w0fMMUtg0
恒一「普通の眼じゃないね、それ……」

鳴「うん。デュナメス用のスコープカメラアイをいじった特注品」

鳴「ただ、精度が良すぎていっつも物見てると頭が疲れるから普段は眼帯つけてるの」

恒一「そうなんだ」

鳴「あ、そうそう。これ」

恒一「何?携帯の番号?この前携帯は嫌いって行ってなかった?」

鳴「持たされてるの。過保護だから、霧果って」

鳴「流石に30分おきにかかってくる電話はGN粒子濃くしてわざと繋がらなくしてるけど」

恒一「(不憫だな、お母さん)」

鳴「でも榊原くんは何か困った事あったら電話していいからね」

恒一「そうさせてもらうよ」
25 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 19:35:17.14 ID:w0fMMUtg0

―リゾートホテル「白狼」付近の海岸―

恒一「(そんなこんなで松永さんに話を聞くために海についた僕らであったわけだが、松永さんはあいにく不在らしくこの浜でしばらく遊ぶことになったのである)」

望月「怜子さんのボートひっくり返して怜子さんをヌレスケにしたいと思います!」

勅使河原「イェー!」

中尾「まかせろー」

怜子「聞こえてるっつの」



桜木「うふふふふ」キラキラクルクル

風見「あはははは」キラキラ

杉浦「なんかあの二人無駄に仲良くない?」

赤沢「『災厄』のあとに風見がクラス全員の前で勢い余って告白してからずっとあんな感じよ」

杉浦「なんかこのあと恐ろしいことがやってきそうね」

赤沢「考えられるのはゆかりがフォトンリングレイ直してる最中にマジシャンズ8乱入フラグかしら」
26 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 19:35:45.37 ID:w0fMMUtg0
恒一「さて、僕はどうしようか。ついでに体でも焼いていくかな?」

恒一「あれ、あそこにいるのって……」


鳴「私が、未来を切り開くっっ!」シャキラーン!

鳴「うーん、いまいち。やっぱGNソードを前に突き出すほうがいいかな?」

恒一「何してるの?」

鳴「ひゃはぁっ!」ビクビクビクウッ!

恒一「必殺技のポーズの練習?」

鳴「な、なんで榊原くんがここにいるのッ!」

恒一「いや、向こうでみんなで海水浴してたから」

鳴「……そうだったの、同じ海岸だったのね」

恒一「で、さっきのは何?必殺技?」

鳴「……美咲のライザーソードに負けたくなくって練習してたの」カァァ

恒一「(やっべ、可愛すぎる)」ズルッ

恒一「とにかく、こっちに来なよ。みんないるし」
27 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 19:36:33.59 ID:w0fMMUtg0
恒一「ってわけで必殺技の練習をしてた見崎を連れてきました」

鳴「」スチャキッ(無言でGNソード構えてる)

恒一「うわごめんっ! みんな必殺技ってあたり忘れて!」

恒一・鳴除く全員「ハイハイ」

勅使河原「というわけでバーベキューしようぜ!」

赤沢「食材は?」

勅使河原「そんなの現地調達に決まってるだろ!」ツリザオッ

杉浦「アホか」

風見「アインラッドかドッゴーラ釣るのがオチだからやめとけ。今から僕が買いに行ってくる」

桜木「お金余分に持ってきてよかったですね」

風見「あ、うん。こんな事だろうと思ってたから」テレテレ

中尾「……チッ」

杉浦「……」ソワソワ

望月「?」
28 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 19:37:04.44 ID:w0fMMUtg0
松永「よー、ここにいたのかー」

怜子「いたわよー。最近どう?」

松永「ぼちぼちだわ。良子(シャイターン)も元気。ギギムセメントクラッシュも現役」

怜子「そういや結婚したんだっけ。仲よかったもんねー、アンタら」


松永「ところでなんだっけ?俺が『災厄』関係の何かを後輩のために遺したってやつを聞きに来たんだって?」

怜子「そうそう、それそれ。あんたなんか覚えてる?」

松永「さーなぁ。あの年はサイコフレームもクアンタムバーストもないのにすっぱり『災厄』が無くなったのは覚えてるけど」

松永「それを俺が動向っていうのはすっぱり忘れちゃったんだよなあ」

怜子「役に立たないわねぇ」

松永「仕方ないだろ……」


杉浦「あ、ボールが飛んでっちゃった……」

中尾「まかせろー」ジャボジャボジャボ
29 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 19:38:55.68 ID:w0fMMUtg0
プカァァ

勅使河原「あれ?中尾変じゃねえか」

鳴「鳴ちゃんさーち」PPPPPPPPPPPPPP

鳴「なんか脳震盪起こしてるっぽい」

恒一「それどころじゃない!モーターボートが!」

赤沢「逃げてー!中尾逃げてー!」

風見「誰か飛んでいけば……」

桜木「あの距離じゃトランザムでも間に合いません!」

杉浦「……見崎さん、あなたのそのアホ毛だけど、それって緊急用のGN粒子コネクター?」

鳴「うん」コクン

杉浦「じゃ、ちょと借りるわ。あとゆかりの粒子コネクターも」スチャッ ジーッ

桜木「え?」

鳴「照準リンク機能も付加する?」

杉浦「ありがとう」ガチャァァァン ギュウウウウウン

恒一「ブッ! 杉浦さん何する気……」

杉浦「中尾くん!今助けるから!」ピピピ

恒一「逃げて!ボートの人今すぐ逃げてえええええええええええええええええええ!!」

バシュウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!

ボゴーン

杉浦「さあ、早く中尾くんを助けに行きましょう!」

恒一「GN……ハイメガランチャー……」

赤沢「……やっぱ一番怒らすとこわいのって、多佳子なのかも……」

桜木「損害賠償……大丈夫でしょうか」

風見「尋常じゃないね」

望月「それ千曳先生のセリフ」

フィィィィィィィン

鳴「中尾くんとボートの乗員、救助してきました」ドサッ

恒一「ありがとう、見崎」
30 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 19:39:25.59 ID:w0fMMUtg0
松永「……今の見て、なんか思い出したぞ」ソワソワ

恒一「え?」

松永「確か教室に……0号館の教室に……」ソワソワ


―後日・夜見北前―

恒一「というわけでこれから僕と望月とてっしーと見崎の四人衆で校舎の中の探索を始めます」

勅使河原「他のメンツは?」

望月「この前のボートの損害買収の件で保険会社の人と頭くっつけて話し合いだって。あと杉浦さんは純正粒子と擬似粒子ちゃんぽんにしたせいで
   ちょっと具合悪いみたい」

勅使河原「なるほどな」

鳴「ちなみに私は本来頭数には入ってませんでしたが、そこで榊原くんと会ったので急遽加わりました」

綾野(ストライクルージュ)「あれー? こういっちゃん?」

小椋「ほんとうだー。てっしーにもっちーに鳴たんまで。どーしたの?」

鳴「第二図書室でゴトラタンの初期名称について熱く討論するんだけど、来る?」フフフッ?

綾野「いや、それは勘弁」

恒一「じゃ、綾野さんたちと別れたことだしとっとと旧校舎に入って松永さんの残したものを探そう」
31 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 19:40:09.01 ID:w0fMMUtg0
小椋「じゃーね。彩、夏休みは東京行くんだっけ?」

綾野「うん。お台場のガンダム撮ってくるかー?」

小椋「ぜひぜひー。じゃーねー」

綾野「ばいばーい」

テクテク

小椋「雨が凄いなぁ」

小椋「あれ、あの重機」

小椋「うちの方に向かってってる!?」
32 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 19:40:47.54 ID:w0fMMUtg0
VIPの方のスレ落っこちたか……

重機搭載トレーラー「バックしますwwwバックしますwww」

小椋「あそこには、兄貴の部屋がッ……!」バシュゥアッ(ウィング展開)

小椋「やらせるかああああ!」シュオオオオオアアアアア!

小椋「いつもは他の子達の性能に押されてる私だけど」チャキッ ヴゥン

小椋「今日の私は、阿修羅すらも凌駕する存在だあああっ!!」ジャキイイインッ!

スッパーン!

小椋「切り捨て……御免!」ジャキン!

小椋兄「…………由美、なにこれ」

小椋「やだ、兄貴見てたの?」アセアセカァァ

小椋兄「いんにゃ、すごい音がしたから見に来ただけ」

小椋「どっちにしろよかった……」ホッ


小椋「んん?」

小椋「兄貴、その封筒何?」

小椋兄「おお、これか」ピラリ

小椋兄「MS技士試験3級と太陽炉取扱免許試験の合格通知。やっと受かったんだよ」

小椋兄「俺、今月から市内のMS工房で働かせてもらうことになって、そのために資格とったんだよ」

小椋「……」

小椋「あにきいいいいいいいいいいいっ!」ガシッ

小椋兄「うわっ! いきなり抱きつくなって!」
33 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 19:41:51.81 ID:w0fMMUtg0
オーバーフラッグおぐらちゃん。略してオグおぐ

―ほぼ同時刻 教室―

鳴「さて、この教室のどこかにあるはずなんだけど」

ゴチャァー

恒一「うわぁ、探すのすっごいめんどくさそう」

勅使河原「完全にいらないもの置き場だな」

望月「家のAGEビルダーで探知機でも作って持ってくるべきだったなぁ」

鳴「それなら、鳴ちゃんさーち」PPPPP

見崎「あ」

恒一「見つかった?」

鳴「邪魔なものが多すぎてよくわからない」

恒一「あっそ。やっぱ普通に探そうか」ガサゴソ

勅使河原「そーしよ」ガサゴソ
34 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 19:42:26.06 ID:w0fMMUtg0
勅使河原「おい、この用具箱の天板になんかあるぞ!」

恒一「ほんとだ。剥がしてみよう」ベリベリ

勅使河原「カセットテープ?」

望月「覆ってたガムテープに『理不尽な災厄で苦しめられたりしなかったりする未来の後輩へ』って書いてあるから間違いないね」

勅使河原「んじゃ、これを再生しようか」

恒一「勅使河原、再生できるもの持ってきてるの?」

勅使河原「ぬかりない。ウォークマンを持っている」ゴソゴソ

鳴「あ、無理みたい」ガパッ

勅使河原「なんで?」

鳴「これ自体が再生できそうにない。テープが切れてるみたいだし」

勅使河原「え?」

鳴「120分テープだし、ラベルが上からベタベタ貼ってあるし、テープ自体の寿命だったのかも」

鳴「あ、ちなみに直前には『機動戦艦ナデシコ・ドラマCDvol.1』が入ってたみたい」ベリベリ

恒一「……それはそれで聞いてみたいかも」

勅使河原「てかテープくらい新しいの買えよ」
35 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 19:42:53.84 ID:w0fMMUtg0
―数日後、夜見山峠―

ブロロロロ

綾野「んっふっふー」

綾野父「ご機嫌だな、彩」
綾野「まーねー♪由美にお台場ガンダム撮るって約束したし」

綾野父「よーし、もうすぐで夜見山市外だー」

綾野「いぇー」

綾野父「パパ張り切ってスピードあげちゃうぞー」ブロロロロロロロロロ

ガラガラガラ,ドガンッ!

綾野父「落石!?」

ギャギャギャ、バキャーンッ!

ボガーン
36 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 19:44:03.03 ID:w0fMMUtg0
綾野「ふぅ、間一髪」シュゴー

綾野母(エールストライク)「あと10秒外に出るのが遅かったら大惨事だったわね。お父さん、大丈夫?」シュゴー

綾野父「母さんが助けてくれたからな。それになんとか鞄だけは死守したぞー」プラプラ

綾野「車は燃えてるけどね」シュゴー

綾野父「多分保険が降りるだろ」

綾野母「それよりも、旅行どうしましょ」シュゴー

綾野父「仕方ないし一度夜見山に帰ろうか」

綾野「お台場ガンダム、見たかったなぁ」シュゴー

綾野父「なに、冬にまた行けばいい」

綾野「そだねー」
37 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 19:44:35.66 ID:w0fMMUtg0
―同日、勅使河原邸―

望月「はい、テープ。応急措置だからそう何度は聞けないけど」

勅使河原「大丈夫だ。MDコンポでダビングしつつ聞いていくからな」

風見「無駄に準備がいいな」

ガチャ

松永『えっと、俺の名前は松永克己。夜見北の1997年度の3年3組の生徒だ。このテープは8月20日、自宅で一人で録っている』

松永『このテープは俺の罪の告白と、未来の後輩である君たちへのアドバイスだ』

松永『10日ほど前に合宿があって、俺たちは夜見山の山腹の夜見山神社って場所にお参りに行ったんだ』

松永『それで、みんなでお参りをして、まあ今まで大丈夫だったし多分これで止むかもなー。とか思ったらそんなに甘くなかった』

松永『出ちまったんだ。死人が』

松永『そいつは星川ってMS少女で、確か機種はアイザックだったか。とにかくセンサー系の強い奴だったんだ』

松永『そいつ、帰り道で何か気づいたように回りをキョロキョロしてたんだ。そしたらいきなり雷に撃たれて死んじまったんだよ』
38 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 19:45:05.39 ID:w0fMMUtg0
松永『それから大混乱だ。MS少女がいれば助かるなんて定石が一瞬で覆ったからな』

松永『とにかく、ここからが重要だ。合宿所に帰った後、俺は××って奴と口論になった』

松永『奴は星川が死んだ落雷をファンネルだ、ファンネルだって言って譲らなかったんだ』

松永『もしファンネルだったら誰かが星川を殺したってことだ。俺は全力でそいつの言うことを否定した』
松永『そうするうちに頭に血が上ってな。勢い余って俺は××を突き飛ばした。そしたら××はチェストに頭を打ち付けて動かなくなった』

松永『俺が殺したんだ』

松永『それから怖くなって××の死体をバスルームに隠すと、俺は布団を被って震えてた』

松永『そのうちに怜子が夕食の時間になっても俺が降りてこないって、俺を呼びに来たんだ』

松永『怜子はその時に「あんなことがあった後だけど、あんた一人のせいでみんなご飯食べられないのよ」って言った』

松永『それを聞いてびっくりしたよ。俺と××の二人でなく、俺一人ってな。それで俺は怜子に××の事をそれとなく聞いてみたんだ』

松永『そしたら怜子は「誰それ」ってあっけらかんと答えたんだよ』

松永『そして俺は恐ろしくなりながらもバスルームを覗いた。奴の死体を確認するために』

松永『そしたら、奴の死体は残ってなかったんだ。血痕一つな』

松永『そこで俺は気づいたのさ。奴が、××が今年の死者だってな』
39 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 19:45:58.93 ID:w0fMMUtg0
松永『俺も今、記憶の改竄によって××のことを忘れつつある。今日も偶然思い出せたからこそこれを録っている』

松永『後輩たち。例えMS少女がそばにいても『災厄』を舐めるな。そして超常に頼らず確実に『災厄』を止めるためには死者を殺して、死者を死に返すんだ』

松永『それが確実に『災厄』を止める唯一の方法だ』

ブツッ ナゼナニナデシコ-

ガチャ

勅使河原「死者を死に還せ、か……」

風見「確かに確実だが、ナンセンスな方法だな。死者の記憶が改竄されているんなら、一人ひとりクラスの人間を殺していくしか確かめようがない」

恒一「それに、いざ[ピーーー]となってもそれができるか。だね」

風見「そういうことだ。それに急にこれを公開したところで、クラスの人間全員が疑心暗鬼になってパニック、最悪バトルロワイアルに陥るに違いない」

風見「このテープは保管したまま、僕らはいままで通りに『MS少女がいれば安心』と振舞ったままでクラスを回し続けるのが得策だ」

望月「まるで政治家だね」

風見「こんなクラスの委員にもなれば、悪知恵くらい身につくさ」

恒一「……とりあえず、このマスターテープはもらっていいかな」

望月「あ、うん」

風見「公開だけはするなよ」

恒一「わかってる。ナデシコのドラマCD聞くだけだから」

望月「ナデシコ好きなの?」

恒一「うん。モーパイはもっと好きだけど」
40 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 19:46:54.52 ID:w0fMMUtg0
―合宿所―

恒一「ずいぶん大きいですね」

千曳「とある財団が持て余していた保養所を学校に寄付してくれたのさ。学校も学校で持て余してるんだがね」

恒一「そうなんですか……」

高翌林「それじゃあ今日から二日間よろしくね、おじいちゃん、おばあちゃん」

管理人妻「ええええ、郁夫ちゃんのクラスの人達なら大歓迎よ」

赤沢「そういえば彩は東京旅行じゃなかったの?」

綾野「それが車が崖に落ちて東京旅行どころじゃ無くなってー」アハハ

小椋「でもまー、三人でお泊りってのは良かったかもね」

望月「そうだ、みんな、写真撮ろうよ」

勅使河原「いいねえ!じゃ、俺がカメラ撮るから」

ワーワー キネンサツエイダッテー マカセロー

勅使河原「じゃあ撮るぜー。あ、望月。お前もうちょっと三神先生の方に寄れ。中尾ももうちっと杉浦よりに、な。」

望月・杉浦「」テレテレ

勅使河原「ただし風見、テメーはくっつきすぎだから離れろ」

風見「……チッ」

勅使河原「じゃー撮るぜー」カシャッ カシャッ カシャッ
41 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 19:47:25.29 ID:w0fMMUtg0
―夕食後・恒一の客室―

恒一「客室にユニコーンのタペストリーかぁ……」

鳴「趣味は悪くないと思う」スッ

恒一「今日もガンネク?」

鳴「今夜は長くなりそうだから、Gジェネ持ってきたんだ」

恒一「ワールドかぁ。ワールドは輪をかけてだけど、Gジェネのオリジナルユニットって結構卑怯くさいトコ有るよねー」

鳴「わかる。フェニックスガンダム系なんてもうスパロボ出てたほうが似合うとか思ったりするもん」

恒一「いくらストーリーのためとはいえあんな反則くさい機体はねー」

鳴「MSは兵器としてこそ味があるっていうのに、正直白けるよね」
42 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 19:48:08.38 ID:w0fMMUtg0
メシ食ってきます。

恒一「ところで、見崎は今何しにこの部屋に来たんだい?」

鳴「あのカセットテープを聞きに」

恒一「で、なんでPSP出すの?」

鳴「終わったら天使道場でギャプラン育てようと思って」

恒一「(この前のUCエピ4に影響されたんだな)……じゃ、流すよ」


松永『それが確実に『災厄』を止める唯一の方法だ』

ブツッ ナゼナニナデシコ-

鳴「これで終わり、じゃないんでしょう?」

恒一「ああ、途中からでもいいからってナデシコのドラマCDを聞いていたら偶然見つけたんだ」

恒一「三分ぐらいしたら流れるんだ」ガチャッ シュインシュインシュイン ガチャッ

アキトー……ブツッ
43 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 20:41:43.86 ID:w0fMMUtg0
松永『この隠しトラックまで聞いてくれて光栄だ。ここから先は俺の後悔と××の弁明のためのトラックだ。』

松永『このトラックは夜見山市外で録ってる。『現象』に改竄されて、星川と××の犠牲が無駄にならないように』

松永『俺の耳には××のファンネルだった! って声がまだこびりついてる。あまりにも必死な叫びで、当時の俺は気が動転してたが、今考えればあれは嘘を行っているような口調じゃ絶対になかった』

松永『その時思い出した。星川は雷に打たれる前に回りをキョロキョロしてた、とな』

松永『そこで俺は仮説を立てた。星川は何かを見つけて、そしてそいつのファンネルで雷と見せかけて消されたんじゃないか。と』

松永『そしてそれをファンネルだと見ぬいた××は、次に消されるのは自分だと思って俺に相談しにきた。それを俺が殺しちまったわけだ。死者とはいえ、悪いことをしたと思っている』

松永『星川が、××が気づいたそいつが何なのかは俺はわからない。だけどこの隠しトラックを知った後輩たちになら頼めるかもしれない』

松永『死者の先にある真実を掴んでくれ』ブブッ……ゲキガンパーンチ!

鳴「死者の先にある真実……ね」

恒一「正直ぼくもこれを聞いた時はびっくりしたよ。でも、『災厄』と別にそいつが今回も動き出すとしたら……」

鳴「ところで、このトラックのことは?」

恒一「説明する機会があんまりなかったんだ。ぼくも気づいたのは昨日の夜だったから」

鳴「ということは私たちだけの秘密……」

鳴「秘密なら、私にもあるんだけどね……」

鳴「そのテープのお礼に教えるわ。私と美咲の秘密」

恒一「美咲って、君の従妹の……」

鳴「いいえ、実の妹よ」

恒一「え?」
44 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 20:42:13.54 ID:w0fMMUtg0
鳴「霧果の双子の姉妹の双子の姉妹。それが私と美咲。霧果が流産したり、私の実のお母さんの家も経済的に逼迫したりで色々会って、養子に出されたの」

鳴「霧果の異常なまでの心配性も、多分私を失いたくないって裏返しのハズ」

恒一「そうなんだ……」

鳴「とは言え、美咲と遊ぶのは何年も前から黙認状態で、結構遊んでたりもしたんだけど」

鳴「今年の4月に美咲がふざけてトランザムしたら、太陽炉の同調が突然狂い始めたの」

鳴「あの時私が霧果に泣きついて、左腕をばらして作ってもらったオーライザーを取り付けなかったら本当に危なかったって、あとから技師さんに言われたらしいの」

恒一「それって……」

鳴「そう。この『災厄』は5月の桜木さんからじゃない。4月の美咲の太陽炉同調異常から始まってたのよ」

鳴「だから、さかきば……恒一くんが死者って可能性はゼロ」

恒一「そうだったのか……とりあえず死者じゃないってわかって安心はしたけど」ブブブブブブ

鳴「恒一くん、電話」

恒一「うん」パカッ「あ、母さん」

鳴「お母さんて、インドにいる?」

恒一「うん。そうそう」ピッ「もしもし?」
45 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 20:43:30.79 ID:w0fMMUtg0
理津子(F91)『いやぁ、熱いわねーインドは! 夏真っ盛りだわ!』

恒一「あ、母さん、何?今頃」

理津子『いやさぁ、息子が夜見山ライフを満喫してるかと思って?』

恒一「いや、今はちょっと色々立て込んでてさ……」

恒一「…………(そういえば、母さんは『災厄』のきっかけになった夜見山岬のクラスメイトだったよな)」

恒一「(母さんから何か聞けるかもしれないな)」

恒一「そういえばさ、母さん」

理津子『はいはい?』

恒一「母さんのクラスの担任だった千曳先生と今よく話たりするんだけど」

理津子『あら?千曳先生今も夜見北にいるの?懐かしいわねぇ』ウフフ

恒一「それで、夜見山岬って子のことを聞いたんだけど、母さん知ってる?」

理津子『ええ……私は苦手だったけどね。すごく人当たりのいい子だったんだけど、なんか裏がありそうで、怖くてあまり関わらないようにはしていたわ』

恒一「そんな子だったの、夜見山岬って男の子は」

理津子『え?待って?岬ちゃん男の子じゃないわ。MS少女よ?』

恒一「え?」

理津子『だから岬ちゃんはMS少女少女ガザッ……ブーブブブ』

理津子『あ……ごめん、やっぱり男の子だったと思うわ。それがどうかしたの?』

恒一「いや、うん。何でもない。じゃ、母さん気をつけてね」ピッ
46 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 20:44:01.51 ID:w0fMMUtg0
鳴「どうしたの?」

恒一「いや、夜見山岬は男でなくMS少女だったって母さんが言い出して……」

鳴「そんなわけ。千曳先生もだし、学校の公式記録にも、夜見山岬は男って書いてるはず」

恒一「ますますわからなくなってきたな……」

ピンポンパンポーン

杉浦『対策委員の杉浦です』

杉浦『今からお聞かせする音声は、1997年度の先輩が残した貴重なアドバイスです』

シシャヲシニカエスンダ! ガヤガヤガヤガヤワーワーワーワー

杉浦『えー、これは私見ですが、私は死者は榊原くんが怪しいと思います』

杉浦『やはり彼が転入してきた5月から災厄があったこと、また彼自身が足りない机の主であることなどが挙げられます』

杉浦『と言うわけで』

杉浦『殺せええええええええええええええええええええええっっ!!』

ガチャバタン!

望月「榊原くん!今の聞いた!?」

恒一「もちろん。僕が死者だってことらしいね……どこから音源が漏れたの?」

望月「さっき赤沢さんが聞かせてくれって頼みに来たんだよ。それでコピーしたMDを渡したんだ」

恒一「(赤沢さん!? ますますわからなくなってきた!)」

鳴「こちらの味方は?」

望月「僕とてっしーと風見くんの三人だね。あとは戸惑ったり君を殺そうとしてるカンジ」
47 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 20:44:31.67 ID:w0fMMUtg0
ガチャバタン!

杉浦「榊原くん!?いったい今の放送は何!?」

桜木「何なんですか!今の!?」

恒一「杉浦さん!? なんでここに!?」

杉浦「誰かが私になりすましてあの放送をかけたみたい。私もはじめてあのテープのこと知ったわよ」

恒一「(……誰の仕業だ? どういうつもりなんだ?)」

桜木「……やっぱり榊原くんが死者なんですか?」フルフルチャキッ

鳴「違う」

桜木「え?」フルフル

鳴「私の眼はただの高性能スコープカメラじゃない」スチャリッ

鳴「見えてしまうのよ、『死の色』が」

鳴「私は死者の色ははっきりと判別できる、だけど、恒一くんから死の色は見えない。それに、この場にいる誰からも」

鳴「私の話は別に信じてくれなくてもいい。でももし恒一くんに危害を加えるなら」

鳴「私が斬り伏せる」

恒一「見崎……」

望月「でももし信じるとして、どうするのさ。ここは二階の角部屋で、向こうの廊下には恒一君を殺そうといろんな人が待ち構えてる……」

ジリリリリリリリリリリ

管理人「火事だーーーっ!! 食堂と106号室から火が出てるぞ!」

ワヤワヤワヤワヤ エ、カジ?

鳴「どうやら、杉浦さんになりすました人は相当恒一くんが嫌いらしいわね」

ダダダダダッ!

勅使河原「サカキ! ロビーに出る廊下は囲まれて……」

風見「奥の非常階段も駄目……だ」

中尾「強行突破するしか無い……ぞ」

勅使河原・風見・中尾「なんで杉浦(さん)がここにいるんだよっ!!!」

杉浦「……私の名前と声を使ってこの騒ぎを起こした奴がいるとだけ教えておくわ」

恒一「そして、そいつの目的はどうも僕を[ピーーー]気だってことらしい」

勅使河原「そうか……うまく状況が飲み込めないけど、とにかく誰かがサカキを『死者』にして殺そうとしてるってことだな」

風見「お前にしてはよくわかったほうだな」

勅使河原「うるせ!」

中尾「でもどうするんだ?二階の廊下と非常階段は榊原キラーでいっぱいだぞ」

鳴「人間はパニック状態になると恐怖から逃れるために恐怖を煽るような不確かな情報ばかりを信じて行動する」

鳴「今がまさにそれ、強行突破するしか無い」スチャキッ
48 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 20:45:17.20 ID:w0fMMUtg0
望月「でも火災まで起こってるってことは、みんなの避難を誘導する役割も必要ってことだよね……?」

桜木「それはクラス委員の仕事ですね。頑張りましょう、風見くん」ニッ

風見「ああ」ニッ

杉浦「私と中尾も手伝うわ」

中尾「まかせろー!」

望月「じゃあ榊原くんの護衛要員は僕とてっしーと見崎さんでいいね」

鳴「うん」コクリッ

恒一「それまずはノーマーク組が外に出て避難誘導を。ぼくたちは2分後に出る」

中尾「無事でいろよ」

恒一「うん」コクリ
49 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 20:45:44.85 ID:w0fMMUtg0

―二階西廊下―
アッサカキバラダ! サカキバラヲコロセェェ! シシャヲシニ! ドチュチュチュチュチュ!

恒一「意外に容赦無く撃ってくるね」

望月「僕のシグマスライフルを応用してフィールド張ってるから、余程じゃないと射撃は届きはしないよ」

勅使河原「こうやって外に逃げていったらついでに避難誘導にもなりそうだな」

鳴「でも気をつけて、クロスレンジに持ち込まれたら……」

小椋「榊原恒一、覚悟おおおおおおおおおっ!」ジビゥン!

鳴「遅い!」ズパァン!

勅使河原「小椋っ!」

小椋「兄貴のためにっ、彩のためニッ、みんなのためにッッ!」ビュァッ!

恒一「違う、僕じゃない!」

小椋「問答無用っ!」ビュンビュンビュン

望月「僕のフィールドじゃ流石にサーベルは防げないよ!」ビシャアッ

鳴「だからこそ私がいる」フワッ

小椋「まずはお前から殺されたいかっ! みさきめえええええいっっ!」

鳴「迷いと恐怖に任せて振るう剣は、曇りしか無い!」シャキン!

鳴「だからこそ、隙だらけなのよ」ジャキィィィン!

小椋「なぁっ……」バタ

鳴「ふぅ……」

勅使河原「見崎! 一息ついてる場合じゃねぇ! この先の廊下、完全に火が回ってやがる!」

望月「あれじゃ人一人通れないよ!」

恒一「窓だ!あの部屋の窓から壁づたいに向こうの部屋にいけるはずだ!」

勅使河原「それだ!」

50 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 20:46:10.55 ID:w0fMMUtg0
―二階東廊下―

松井(ヴァイエイト)「ねえ、榊原くんが向こうの廊下にいるらしいよ」

金木「どうする?亜紀」

松井「榊原くんを[ピーーー]の?私はあまり気が乗らないけど」

金木「でも、やらないとどちらかが死んじゃうなんてこともありえるのよね」

松井「それなら……」

風見「やめておけ」

松井・金木「!?」バッ

桜木「ここは危険です。避難しましょう」

風見「もうそこの角の階段のところまで火が迫っている。榊原くんのいる方に行っていたらあっという間に火が回ってお陀仏だ」

風見「ミイラ取りがミイラなんて言うのは君達も御免だろう」

桜木「ちなみに、それでも榊原くんを[ピーーー]って選択肢は私達を敵に回すことになりますよ」チャキッ

松井「……どうする?」

金木「……二人の言うこと聞いて逃げたほうがいいよね。ここで死ぬよりは」

松井「だよね」

風見「217号室のバルコニーから樹を伝って降りられるはずだ、そこから逃げてくれ」

松井「わかった、ありがとう!」タタタタッ!


桜木「ふぅ……クラスメートを守るためとはいえ、武器を向けるのは心苦しいですね」チャキッ

風見「僕達はクラスメートを守るクラス委員だ。ちょっと荒っぽいとは言え、手段を選んではいられないよ」タタタッ

桜木「今はそう信じる他ないですね」タタタッ
51 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 20:46:42.53 ID:w0fMMUtg0
―二階西廊下―

恒一「よし、そっちに移れそう!」

勅使河原「良い感じだサカキ!手を伸ばせ!」

望月「こっち側、今のところ敵はいないみたい!」

恒一「んーッ」プルプル

鳴「恒一くん! 後ろっ!」

恒一「!?」バッ

小椋「見つけたァ……」ジャキン

恒一「くっ……!」プルプルプルプル

小椋「いまお前を切り刻めば、全ては終わ……」

ツルッ

小椋・恒一「あ」

小椋「なあああぁっ!」

小椋「(可変ウィング展開……! ダメ、間に合わない! どうしよう!)」
52 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 20:47:08.78 ID:w0fMMUtg0

シュバゥッ

小椋「あれ?」

綾野「ふぅ、ヒヤヒヤさせるなー由美は。人一倍飛び立つのに時間かかるんだから」シュゴァー

小椋「彩ッ!」

綾野「探したよー。あの放送聞いて一人でサーベル持って出てっちゃうんだからさ」
シュゴアー ヒュウウウン

鳴「…………」ジャキッ

綾野「あ、あたしはこういっちゃん狙わないから普通に銃口下ろしていいよ」プラプラ

綾野「さっきすぎにーと中尾から話聞いたからねー」

鳴「ならよかった。ありがとう、綾野さん」

綾野「由美のことはあたしに任せて、こういっちゃんは先に行くといいよ!」

恒一「サンキュー! 綾野さん!」

シュタッ!

恒一「よし、渡れた!」

勅使河原「サカキ! ホールまで一気に駆け抜けるぞ!」
53 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 20:47:52.10 ID:w0fMMUtg0


―一階西廊下―

杉浦「このへんの生徒には大体声をかけた……もう取りこぼしは無いか……」

パチパチパチ

杉浦「もうこの辺も火が回ってきたか……」

杉浦「順太と合流してすぐに外に出たいところね」

杉浦「そういえば泉美はどこに? 騒ぎが起きて真っ先に逃げたとは思えないけど」

ガタンッ

杉浦「管理人室……?」

―管理人室―

赤沢「多佳子、どうしてここに!?」

杉浦「泉美こそなんでここに!?」

赤沢「いえ、『死者』を死に返そうと……ね」スラリッ

杉浦「……ッ! 泉美! アレは私の真似をした誰かのデマ……」

赤沢「そうなの? 多佳子、詳しく聞かせて?」

杉浦「ええ。私もあの音源のことは今さっき知って……」

赤沢「」ニヤリ

ザシュッ!

杉浦「なっ……!泉美……」ドサッ

赤沢「あーあ、やっぱり焦りすぎはいけないわね」

赤沢「予想じゃもっとパニクってみんな榊原恒一を殺しにかかって、榊原恒一とあと何人か死ぬ予定だったのに、未だ死人の一人も出てないなんて。今年の3組が優秀だったとは思わなかったわ?」

赤沢「もっときちんと下準備を進めるべきだったね」ジャギンッ

杉浦「……下、準備?」

赤沢「あなたと赤沢泉美、それに榊原恒一の回りの面子にももっと手を回しておくべきだったってことよ。アドリブは流石にほころびが多いみたいだからね」ニヤアアア

赤沢?「まあ、ここで今から死ぬあなたには関係はないんだけどね」スタスタスタ

杉浦「……ま、待て……ぅ」ガク

赤沢?「さて、私の秘密を知ってしまったおバカさんをどう始末しましょうか」シュインッ
54 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 20:48:21.18 ID:w0fMMUtg0

中尾「杉浦? どこだー?」パタパタ

川堀「お、中尾。何してるんだ?」

中尾「前島に川堀に高翌林、有田に渡辺も。杉浦見なかったか?」

有田「さあ?さっき外に出るように言われたけど、それ以来見て無いよ?」

中尾「……っかしいな。このあたりで落ち合わせる予定だったんだよ」

高翌林「と言ってもこの先にはほとんど火が回って管理人室ぐらいしかもう行けないよ?」

中尾「管理人室か……」クルリ タタタタッ

前島「あ、オイ!中尾待てって!」タタタタッ

高翌林「まるで炎の中に金塊取りに行くエアマスターだね」
55 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 20:49:21.50 ID:w0fMMUtg0
―玄関ホール―

勅使河原「よし、ここまで来ればもう大体は安心って感じ……」

赤沢「でも無いわよ」ジャキィン!

恒一「シャンデリアの上に赤沢さん!?」

シュバッ! ガシャアアアアン!(シャンデリア落下)

赤沢「さっきの放送、聞かせてもらったわ」

勅使河原「赤沢、お前ならわかるだろ! あの放送はどう聞いても何の根拠もないこじつけでしか無いんだぞ!」

赤沢「そうね」シュラァ

赤沢「でも、現状で最も死者の確率が高いのは榊原くんなのは代わりはないから」ブゥン

赤沢「……名残惜しいけど、これからの対策のために死んでもらうわよ」ジャキン

勅使河原「もしハズレだったらどうするんだよ!?」

赤沢「ビンゴが出るまでやり続けるしかないわね」

勅使河原「目的と手段が完全に入れ替わってるじゃねえか!」

赤沢「覚悟なさい、榊原くん」チャキンッ

恒一「(あの装備はシラヌイ装備……ぼくもここまでか……)」

鳴「三人は逃げて!ここは私が引き受ける!」シャキィンッ

望月「でも見崎さん、君一人じゃ荷が重すぎるよ!」チャキ

鳴「望月くんの装備じゃ赤沢さんのビームコートは突破できない」

鳴「でも、エクシアは対ガンダム戦のために生まれた機種」

鳴「GNフィールドもどんなビームコートも切り裂ける、この剣がある!」シュアッ
56 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 20:49:47.40 ID:w0fMMUtg0
勅使河原「……望月、外へ出るぞ。ビーム一辺倒のお前の装備じゃ赤沢を止めることは出来ない」タタタッ

望月「……くッ!」タタタッ

ガチャタタタッ!

鳴「恒一くんもそこに立っていないで早く逃げて!」

恒一「うん……ッ!」タタタッ

赤沢「逃がすわけないじゃない」ビシュビシュビシュ

バシュワァーッ バシュワァーッ バシュワァーッ

恒一「うぉぉぉぉぉぉっっ!」タタタタタタッ!

鳴「無事逃げられたみたいね、恒一くん……」
57 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 20:50:16.55 ID:w0fMMUtg0

赤沢「……ここまで邪魔をするのなら、あなたから先に殺しましょうか? 見崎鳴?」

赤沢「あなたも榊原くんの次に死者の確率が高いからね」グゥォーン……

鳴「望むところ」シャキン!

鳴「総当りでしか謎を解けない無能をこれ以上対策係にしておくのは問題以外の何物でもないし」シュバァッ

赤沢「言ってくれるじゃない」バシュウッ! バシュウッ!

鳴「本当のことを言って何か悪い?」クルクルシュタッ!

バシュゥッ! シュバッ! シュバッ! グウォーン……ジャキィンッ! バシュワッ!

赤沢「かっこいいことを言っているようだけど、まだ一太刀しか浴びせられてないじゃない?」ビシュワァッ! ビシュワッ! ビシュワッ!

鳴「……まさか、あなたがそこまで無能だとは思わなかったわ」スタッ! クルクルスタンッ!

赤沢「なっ?」バシュワーツ!

鳴「情と不安に流されすぎよ、赤沢泉美。普段のあなたなら今頃気づいているはず」シュパンッ!
58 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 20:50:45.57 ID:w0fMMUtg0
鳴「シラヌイ装備の最大の長所にして弱点はそのドラグーン装備」スタタタタタッ シュバンッ!

鳴「半永久可動の核動力機ならいざしらず、バッテリー駆動のアカツキにとってドラグーンは運用するだけでもバッテリーを大幅に消費する」ダンッ! ダンッ!

鳴「それをこんなにバカスカビームを撃ち続けていたら、いくら無能のお姫様でもそれくらいはわかるわよね」シュパンッ!

赤沢「……ッ!」ズンツ!「バッテリー……切れっ!」

鳴「そのとおり」シャキーン! ズバシッ!

赤沢「あ……」

鳴「勝負あったわね。今回は髪だけで勘弁しておいてあげるわ」

赤沢「……っ!」


スッ……

鳴「立てる?」

赤沢「……え?」

鳴「立てる?って。立つほどバッテリー容量ないなら抱っこするよ」

赤沢「……そのくらいは残ってるわよ」スクッ

鳴「ふらふらじゃない。肩、貸すわ」

トタッ、トタッ、トタッ
59 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 20:51:21.29 ID:w0fMMUtg0

鳴「……いくら対策係だって、慣れないことはしないほうがいいわよ」

鳴「ああは言っていたけど恒一くんを殺せるだけの覚悟はなかったんでしょう?」

赤沢「……どこで気づいたのよ、それ」

鳴「ドラグーンやビットは操作に高度な技量を要するわ。心の迷いや覚悟の無さなんて照準の狂いで一目瞭然」

鳴「それに、責任感の強さと同じくらいに恒一くんやクラスのみんなへの愛着も持っているのも知っているから」

赤沢「……あんたにいわれるとほめられた気がしないから不思議だわ」

鳴「よく言われる。美咲からね」

鳴「でも、どこから情報を得たのか走らないけれど望月くんから例のコピーMDを奪って、放置していたのは無能の極みだけど」

赤沢「え? ……なにそれ」

鳴「え?」

赤沢「コピーMDをって、あの死者を死にってやつでしょ? 私もアレを知ったのは多佳子の放送よ……」

鳴「なにそれ……」

赤沢「それに私、夕食からさっきまで望月くんにも一回も会ってないけど」

鳴「……」

鳴「まさか、ね」

赤沢「……何一人で納得してるの?」

鳴「赤沢さん。一人で歩ける?」

赤沢「ええ、頑張れば……」

鳴「なら、此処から先は一人で行って? もうすぐそこにみんな集まっているわ」スイッ

赤沢「見崎さん、どういう事?」

鳴「私には、まだ少し仕事があるの」

鳴「断ち切るのよ。このクラス、3年3組の歪みを」シュラァン…
60 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 20:51:47.49 ID:w0fMMUtg0


―一階 管理人室―

中尾「杉浦っ! ここかっ!?」バァンッ!

杉浦「……ぅ、順……太?」

中尾「ああ、俺だ! しっかりしろ!」

中尾「ビームで撃たれてやがる……だれがこんな真似を」ダンッ!

前島「見つかったか!?」

中尾「おう! 弱ってはいるけど大丈夫だ!」オヒメサマダッコッ!

有田「だめ!廊下が落ちてきて玄関ホールの道が塞がれてる!」

川堀「……そこの窓から出られるんじゃないか?」

前島「おいおい、下手にぶち破ったらガラスまみれで……」

中尾「まかせろおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」ズダダダダダダダダッ!バリィイイイイイインン!!

川堀「うわぁ、すげえダッシュ……」

高翌林「何も考えずに走れ、ってやつだね」タタタタッ!

杉浦「……ぅぁ」

中尾「喋るな! いま外に出て救急車呼ぶからな」

杉浦「さかき……ばら……くん、ねら……われ、て」

中尾「狙われ……?」

杉浦「ぜん……ぶ、あ……いつのし、わざ」ガク

中尾「オイ、しっかりしろ! 杉浦!」

前島「大丈夫だ、気を失ってるだけだ!」

ダダダダダダ!

61 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 20:52:14.03 ID:w0fMMUtg0

―玄関前―

ワーワーギャーギャー コノモエカタジンジョウジャナイネ ウワー

中尾「うおらぁぁぁぁぁぁっ!!」

勅使河原「中尾! 杉浦!」

望月「前島くんに高翌林くん、それに川堀くんに有田さんに渡辺さんも!?」

風見「これでクラス全員か!?」

桜木「まだ赤沢さんと見崎さんが……」

赤沢「私ならここに……いるわ……」ズルズル

勅使河原「赤沢、お前何やってたんだ!?」

赤沢「……ただの兵装バッテリーの使いすぎ。少し休んだら治るわ……」

桜木「見崎さんは!?」

赤沢「知らない……さっきまだ仕事があるって、一人でどっか行っちゃったわ……」

風見「どっかって……」

赤沢「確か、私が望月くんからコピーしたMDを持っていったとか、そんな事を話してたわ……全く見に覚えがないんだけどね」

望月「え!? あの時MDを持っていったのは確かに赤沢さんだったはず……!?」

杉浦「偽物……」

風見「!?」

杉浦「多分偽物の泉美よ……私はそいつに襲われたの」

勅使河原「……そういえばサカキはどこ行ったんだ?」

望月「そういえば、さっきから見ないね……」

多々良(ガンダムヘビーアームズ改EW)「え? 恒一くんならさっき見崎さんといっしょにあっちに行ったの見たけど」

赤沢「……さっきって……いつ……?」

多々良「三分ぐらい前、のはずだけど……」

赤沢「その時間ならまだ彼女はあたしと一緒にいたわ……」

勅使河原「ってことは……もしかして」

赤沢「私と多佳子になりすました奴が……見崎さんになりすましてに違いないわ」


62 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 20:52:44.94 ID:w0fMMUtg0
―記念館裏、物置小屋前―

恒一「見崎、本当にこの先に『死者』がいるのか?」

鳴「ええ、榊原くん」

鳴「ほら、そこの材木に押しつぶされているのが……」

恒一「……あそこに倒れている人……怜子さん!?」

怜子(Vガンダム)「うう……っ」

鳴「そう。あれが『死者』よ」

鳴「『死の色』がはっきりと見えるもの」

恒一「…………怜子さんが、今年の『死者』……」

鳴「そうよ。だから榊原くんが終わらせてあげて」

鳴「ほら」GNツルハシ

怜子「……え? 『死者』って何のこと……?」

恒一「……」スチャ

怜子「やめて……恒一くん」

鳴「……」

恒一「怜子さん……」チャキッ

怜子「……ッ! 恒一くん! 避けて!」

恒一「!?」クルッ

バシュァッ! バシュアッ!
63 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 20:53:13.41 ID:w0fMMUtg0
バキャァン!

鳴「……チッ! 邪魔が入ったか!」ジャキィンッ!

恒一「え!? あ!?」キョロキョロ

鳴「よかった、当たったぁ……」ホッ

恒一「見崎が……二人?」

鳴「逃げて、そいつは偽物よ」シュタッ スタァンッ!

ニセ鳴「……まさかここまで本物が早く来るとは思ってもなかったわ」シャキィンッ!

鳴「前々からたまに見えてたのよ。ありえないほどに濃い『死の色』が」

恒一「え!? どういう事……」

鳴「前々から思ってたの。死者を殺してもなんで次の年にまた『現象』が起こるのかって」

鳴「それに対して私が立てた仮説は、一年ごとに消える死者の他に、見えない死者がいるからってもの」

鳴「一年ごとにクラスに紛れ込む『もう一人』と言うブラフを作り、実際に『現象』を引き起こす本物の『死者』がいるんじゃないかって」

鳴「毎年のように過去に自分が『現象』で殺した『死者』を再生して、あたかも『もう一人』が『現象』の原因であるようなシナリオを揃えて、そのカラクリに気づいたものは消していくMS少女……」

鳴「そして自分が『現象』の元凶と悟られないためにも、『現象』を応用して力の及ぶ範囲の自分に関するあらゆる記録を改竄した」

恒一「まさか……そいつは……」

鳴「松永さんの隠しトラックと恒一くんのお母さんの電話で恒一くんはその正体を掴みかけていた。だからこそ恒一くんを殺そうとしたんでしょう!?」

鳴「そうよね。最初の『死者』にしてこのクラスの歪み!」

怜子「え……それって……まさか」

恒一「夜見山……岬っ!?」

鳴「フフフフフッ」

シュバァ! ゴオオオオオアアアアアア!!
64 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 20:53:53.83 ID:w0fMMUtg0
岬(ハルファスガンダム)「まさか、こんなに賢しい子がいるなんてね。あなたから始末するべきだったわ」

鳴「ハルファスガンダム……『現象』の元締めのあなたにお似合いの機種ね」

岬「でもその名推理もひとつ間違いがあるわ。その子一人を[ピーーー]ならこのフェザーファンネルを使えばよかっただけだもの」ヒュゥゥン

岬「私はね、惨劇を楽しみながらあなた達を殺したかったのよ」

岬「その子を巡ってクラスの仲間達がこの館の中で次々に無残に死んでいく様を見たかったの」

岬「最近はMS少女の力にことごとく『現象』が負けてみんな緊張感を無くしてたから、私もつまらなくてね。このあたりでいっそ惨劇パーティを開いたら後輩たちにもいい見せしめになるんじゃないかと思って」

岬「でもダメだったわ。準備不足もあったけど、パニックを煽ってもいい子ちゃんが多すぎて全然パニックにならないんですもの」

岬「あと、彼のテープに関しては完全に私の取りこぼしね。記録改竄を『現象』の自動改竄にばっかり頼ってたのがいけなかったわ。まさか私の存在まで推測していたてたなんて」

岬「で、これで知りたいことは全部かしら?」ヒュゥゥン

恒一「……母さんがあんたを嫌ってた理由、わかったよ。優等生ヅラの裏のこんなにドス黒い本性があったなんてね」

岬「あら、奇遇ね。私も三神さんのこと大嫌いだったのよ。あの私の本性をお見通しって態度が特に」

岬「でもこれで終わりね」

怜子「恒一くん! 逃げて!」

岬「フェザー・ファンネル!」

シュバァッ!

恒一「……ッ!」

怜子「……ぁっ!」
65 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 20:55:11.88 ID:w0fMMUtg0

ジャキィィィィンッ!

恒一「……え?」

怜子「ファンネルが、撃ち落とされてる。それに、あの閃光は……」

岬「高エネルギー……ビームライフルッ!」ギリィッ!

鳴「何を勘違いしているの? あなたの相手は恒一くんだけじゃないわ」シュラッ

(推奨BGM 米倉千尋「ガンダムに愛をこめて」http://www.youtube.com/watch?v=2MsYC-ZjglA

鳴「あなたの相手はこの私と、三神先生」ジャキィン!

怜子「あ、木材が……」バラバラバラ

怜子「これで、自由に……動ける!」

鳴「そして、このクラス! あなたが弄んだこの3年3組全員よ!」


ワイワイワイ コイツガサイヤクノゲンキョウカ! ヤダ、ハルファス!?

恒一「みんな……」

綾野「いやー、当たって良かった良かった。外れたらどうしようかと思ったよ」チャキンッ

赤沢「見崎さんの打った通信信号を聞きつけて、ここに来たのよ」ジャキィン

高翌林「1対32は流石にフェアじゃないけど、まず君の存在自体がフェアじゃないからね!」

小椋「こいつこそが、全部の元凶!」シュラン!

風見「この3組の結束はお前の思うよりもずっと固いぞ」

勅使河原「さて、これでもまだ戦るつもりか? 夜見山岬!」


千曳「夜見山……さん!? まさか本当に!?」

岬「……こんばんわ。千曳先生」

千曳「道中で見崎くんから話を聞いたよ。『災厄』の全ての元凶が君だったとはね」

千曳「あの頃は青かったから君の演技に騙されていたとはいえ、私もあれから長年多くの生徒を見てきた」

千曳「だからこそ今なら君という人間がよく見えるよ! どうやら私が良かれと思ってとった行為は本物の怪物を作り上げただけだったようだね!」

千曳「君の演技と記憶の改竄に騙され続け、君のシナリオ通りに道化を演じた私が心底憎らしいよ」ギリィツ!

岬「……千曳先生、あなたも私に歯向かうつもりなんですね」

岬「いいですよ。3年3組に連なる者全員をここで消してさしあげましょうか!」ジャキィィンン!
66 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 20:56:28.68 ID:w0fMMUtg0
赤沢「全員で畳みかけるわよ!」チャキッ


岬「全員で? ほざくな、雑魚風情が!」シュァァァン

岬「雑魚は雑魚同士こいつらと遊んでいろっ!」

少女人形(レギナ・フェニックスゼロ)「……」シュピンシュピンワラワラワラワラ

勅使河原「なんだこいつらっ!」

岬「死者と同じ原理で創りだした人形だ! 私の『現象』でいくらでも作り出せるな!」

――――

藤巻(ガンダムサンドロック改EW)「くっそ、邪魔臭い!」ジャキン

中島(GMカスタム)「本丸を一気に狙い撃つ……のは無理か」

多々良「それなら一気に片づけましょう」ブドドドドドドドドドドドド

藤巻「あいさっ」ブッピガァン!

少女人形「」ドガンドガンドガン

中島「恵のダブルガトリングはホント見てて怖いなぁ……あ、でも撃ち漏らしはきちんと貰うね」パラララッ

王子「手伝うよ」パカンッ

猿田「ぞな」パカンッ

少女人形「」ドガンドガン

――――
67 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 20:57:39.02 ID:w0fMMUtg0
少女人形「……」ビシュワビシュワビシュワッビシュワッ!

風見「うわぁっ」ズザザッ!

勅使河原「風見っ!」ズザッ

風見「……なんとか助かった」フゥ

桜木「風見くんに」スチャキィッ

桜木「手をだすなぁ―ーーーっ!!」ズドドドドドド ズシャアアアアアッ!

少女人形「」ドガンドガンドガンドガンドガン

桜木「大丈夫ですかっ!? 風見くん!」

風見「……ゆかり怖ええぇぇ(うん、大丈夫だよ。ゆかり)」

勅使河原「本音と建前裏返ってるぞ」

少女人形「……」バシュバシュバシュ

桜木「あうんっ!」ドガドガドガン!

風見「ゆか……り」

スック

勅使河原「大丈夫だ。大した傷じゃない……って、風見?」

風見「お前が撃たなければ……ゆかりは」ブツブツブツ

スチャキッ

勅使河原「って風見! お前何で智彦ナイフコレクションのガンダニュウム合金製アーミーナイフ持ってきてるんだ!」

風見「ぶっ、[ピーーー]っ!!!」キシュイイイイイイイイイ

勅使河原「なっ……風見から黄金に輝くオーラが……?」

前島「まさか、あの光はスーパーモード!?」

勅使河原「そんな馬鹿な!? あれはMS少女しか使えないはず」

前島「いや、聞いたことがある。偏執的なまでの怒りの感情とGN粒子やバイオセンサーのような感情に作用するデバイスが周りにあれば、生身の人間でもスーパーモードを引き起こせると!」

前島「風見の内に秘めた狂気と桜木への偏執的なまでの愛情が、満ち溢れたGN粒子と反応してあいつをスーパーモードにしたんだ!」

勅使河原「なんじゃそりゃあ!」

68 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 20:58:09.02 ID:w0fMMUtg0
風見「うぉらぁぁあああ!シャイニングフィンガーナァァァァイフっ!!」ザクザクザクザクッ!

少女人形「」ドガンドガン

風見「面!面っ!面っっ!めぇぇぇえええんんっっ!!!」ザクザクザク

前島「いや、もうそれ面ですら……って風見ィィ!避けろぉぉぉ!」

風見「え」

バシュバシュバシュバシュバシュッ

勅使河原「風見ィィ!」

シュウウウ

風見「ゆか……り?」

桜木「だからだめなんですよ……風見くんに手を出したら…………」ブツブツブツクルクルクル

前島「桜木がディフェンスロッドであの砲撃を防いだのか」

勅使河原「いや待て様子がおかし」

桜木「だめなんですよおおおぉっっ!!」ズドドドドドドドドドドドド

前島・勅使河原「こっちもかぁぁぁぁっ!」

風見「うぉらぁぁあああ!」ザクザクザクザクッ

桜木「ああああああぁぁぁぁっっ!!」ズドドドドドドドドドドドド

少女人形「」ドガンドガンドガンドガン

勅使河原「なんつーか、あの一角だけ狂気に満ち溢れてるな」スタコラサッサ

前島「でも本当にお似合いだよな、あいつら。ある意味羨ましいわ」スタコラサッサ

――――
69 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 20:58:39.75 ID:w0fMMUtg0

渡辺(ザクウォーリア・アスラン機)「てやっ」サクッ

少女人形「」ドガン

江藤(ハイゴッグ)「ほいさっ」ゴスッッ!

少女人形「」ドガン

少女人形「……」ビシュワビシュワ

佐藤(ガーベラテトラ改)「ほいやっさ」シュタッ!

佐藤「えいや」ドビシュシュシュシュ

少女人形「」ドガン

米村「あいつら凄い事務的に倒してってるな」ヒョイヒョイ

水野「でも確実に倒してる、ムラがない」パカァン

米村「全然そうは見えないけどな」パカァン

――――
70 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 20:59:10.35 ID:w0fMMUtg0
少女人形「」ワラワラビシュワビシュワ

綾野「おーおー、集まってきたねぇ」シュゴァー

小椋「ようやくこれを使う時が来たわね……」シュゴァー

小椋「とくと見るがいいわ! 兄貴が作ったこのダブルGNビームサーベル『オグニー&アヤボリー(命名・小椋兄の師匠の娘)』の力!」ヴゥン

ザシュァザシュァザシュァザシュァッ!!

小椋「切り捨て……御免っ!」チキンッ!

少女人形「」ドガンドガンドガン

綾野「やっぱいざって時の由美のポテンシャルはでかいわー、お、撃ち漏らし見っけ」バシュン

少女人形「」ドガン

――――
71 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 20:59:39.68 ID:w0fMMUtg0

少女人形「……」キョロキョロ

有田「残念、後ろだよー」シュバン ゴスゥゥッッ!

少女人形「」ドガン

有田「わたしのミラコロは今まで見崎さんしか見破ったものはいないからね。気づかないのも当たり前か」

有田「現に恒一きゅんの放尿シーンもばっちし記録してあるし」ミラコロッ

鳴「……」ビシュワビシュワ

有田「あふぁっ!」ドスドス

――――
72 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 21:00:07.55 ID:w0fMMUtg0
少女人形「……」ヴゥン

辻井「……っ!?」バッ

ズッパァァァァン!

辻井「え?」

柿沼(デスサイズヘルカスタム)「辻井くんにはまだまだ協力してもらいたいんだから、傷つけせる訳にはいかないわよ」ニタァァァ

辻井「あ、ありがと……(なんか嫌な予感が……尻がヒュンって)」アハハ

――――
73 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 21:00:59.55 ID:w0fMMUtg0

少女人形「……」ビシュワビシュワビシュワ

赤沢「舐めるんじゃないわよっ! ヤタノカガミ装甲がそんな貧弱なビームで破れるとでも!?」ビスビス

少女人形「……」ビシュワビシュワビシュワ

杉浦「ひゃぁっ!」

赤沢「中尾! このシールド使って!」シュパッ

中尾「まかせろー!」ビスビスビスビス

――――

少女人形「……」ビシュワビシュワビシュワ

鳴「てやっ!」ザシュァ

少女人形「」ドガンドガン

少女人形「……」シュインシュインワラワラ

恒一「くっ、キリが無い……」

怜子「突破口を開くわ!みんな下がって!」メガビームランチャー

望月「三神先生、手伝います!」ブラスティアキャノン

怜子「ありがとう! 見崎さん、発射まで援護をお願い!」ヒュイイイイイ

鳴「わかりましたっ!」シャウンッ

望月「……三神先生は、夜見山岬を倒したらいなくなっちゃうんですよね」ヒュイイイイ

怜子「ええ、たぶんね」ヒュイイイ

望月「だったら言います。……僕、後悔したくないんで!」ヒュイイイイ

望月「三神先生、ずっとずっと、好きでしたっ!」ヒュイイイイ

怜子「……」

怜子「……ありがとう……っ!」ヒュイイイイイイイ

望月「……チャージ率100%」ジャキン

怜子「行くわよっ! 見崎さん、飛んでっ!」ガシュンッ

鳴「はいっ!」ガシッ シュバアアアッ!

望月・怜子「3、2、1」

望月・怜子「ってえええええええええええええええええええええええええええっっ!!」

ドビュシュシュシュシュシュシュワア-----------ッッ!!!

ドガンドガンドガンドガンドガンンドガンドガン

恒一「今だ! 鳴っっ!!」

鳴「いっけええええええええええええっ!」ヒィイイイイイイイイイイイインッ!
74 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 21:02:20.19 ID:w0fMMUtg0
岬「チッ、駒が……」

岬「だけど、まだカードは残ってるわ」バシュワバシュワバシュワバシュワ

鳴「そんなモノっ!」ボガンボガンボガン

岬「ならこれはどう!? クロスメガビームキャノン固め撃ちは!」

ドビュアーーーッ!

鳴「くっ……!」

ズバァンッ!

鳴「……!? 無傷……なんで?」ヒィイイイイイン

金木「プラネイトディフェンサー……間に合った……」

鳴「金木さん……ありがとう!」

小椋「見崎さん、さっきのお詫びにこれを使って!」シュバッ

藤巻「私のもだっ」シュバッ

鳴「っ!」パシッ

シャキィィィン

鳴「ヒートショーテルに、『オグニー&アヤボリー』……」

小椋「あなたのと合わせて、それでちょうど7本でしょ?」

鳴「……うん」コクリッ

多々良「道は私達が抑えますから、見崎さんは夜見山岬を!」ブドドドドドドド

松井「あなたが、『災厄』を断ち切るのよ!」ボシュワー! ボシュワー!


鳴「ありがとう……みんな!」

鳴「これは、私も本気を出さなきゃね」シュッ

鳴「眼帯開放、オーバーブーストシステムを完全開放、そして」シュィィィィン

鳴「トランザムッ!!!」

ヒュゥォォォオオオアイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッッッ!!
75 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 21:03:15.86 ID:w0fMMUtg0
鳴「うぉあああああああああああああああああ!!」バシュシュシュシュシュシュシュシュッ!!

鳴「セブンスソード……エクシアッ!」シュラァン

岬「くっ……!」

岬「動きが……つかめないっ!!」

鳴「無理でしょうね、このスピードは並の機体じゃ追いつけさえしない!」バシュシュシュシュシュシュシュシュッ!!

鳴「それっ!」ドス! ドス!

岬「ぐふっ……!」ザク! ザク!

藤巻「ショーテルが岬の体に!」

鳴「まだまだっ!」バシュシュシュシュシュシュシュシュッ!!

岬「な……っ!」

鳴「いけぇっ!」ヴゥン ドス! ドス!

岬「ぐっ、がはぁっ!」 ザシュッ! ザシュッ!

綾野「鳴たんいけぇっ!『オグニー&アヤボリー』を使うんだっ!」

鳴「でやあああああああああっ!」ヴゥン バシュァァァァッ!

岬「ぐうああああああっ!」ビシュアアアアッ!

鳴「それっ!」 ドスゥッ! ドスゥッ!

岬「うぐぉあっ!」 ザシュッ! ザシュッ!

鳴「そしてこれで終わりっ!」バシュシュシュシュシュシュシュシュッ!! シュラァン!

鳴「そう……私が」ズバッシィィィィィィン!!!

岬「ぐはあああああああっ!」ズバァァァァァァァッ!

鳴「……私達が、3年3組だっ!」

ドゴォォォォォン!

恒一「やったか!?」
76 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 21:03:43.25 ID:w0fMMUtg0
サァァァァァ

勅使河原「いや、まだだ!」

岬「くそがああああああああっ!全員まとめて八つ裂きにしてやるァァァァァァァっっっ!!!!」ヴゥゥゥン

千曳「ぶざまだな、夜見山くん」

岬「『現象』を統べるこの私を、コケにしやがってぇぇぇ!」

千曳「統べる? 冗談」

千曳「ならなぜ君は『現象』で先程見崎くんを殺さなかった」

千曳「それどころかこれだけの砲火が錯綜すれば『現象』はフレンドリーファイアで容易に数人を殺せるはずだ」

岬「……ッ!」

千曳「つまりはそう言うことだ」

千曳「君は『現象』を統べる女王などではない」

千曳「君が操れるのは見た所『死者』の作成や情報改竄のような『現象』の補完機能のみで、本質の『現象』については手も出せない」

千曳「先程のパニック騒ぎも『現象』ではなく、ブラックボックス化されている『現象』の力不足とランダム性に苛ついた君が仕組んだ茶番劇なのだろう」

千曳「おかげさまでひどい芝居を見せて貰ったよ」

千曳「そしてそれで理解した。君は『現象』の発生装置と言う以外は、神様気取りの、ただの奢った中学生に過ぎないんだよ!」

岬「言わせておけば……」

岬「何調子こいてやがる千曳ぃぃっっ! まずはてめぇから処刑してやるかぁっ!」バシュァバシュァ
77 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 21:04:51.71 ID:w0fMMUtg0

シュピン! シュピン!

岬「ぐふっ!」ドガン! ドガン!

岬「…………ッ! なんだこれは!」

赤沢「あんたも筋金入りの無能ね、夜見山岬」

杉浦「それは千曳さんが話している間に泉美のシラヌイ装備のドラグーンシールドと、私のバラ撒いたGN粒子で作った対ビーム結界よ」

怜子「そしてもしその中にこのメガビームランチャーを撃ちこめばどうなるか、成績優秀な夜見山さんならすぐにわかるわよね」ジャキィィン!

岬「な……っ!」

怜子「今のあなたは電子レンジの中に入れられたダイナマイトよ!」ドビシュゥァァァッ!!

岬「うぐあああああああああぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」ドビシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ

怜子「神様を気取って人の命を弄んでいた罰、きっちり噛み締めながらメガ粒子の閉鎖空間で分解されなさい!!」

岬「うわあああああああああ!私はこんな結末……認めは…………!」ドビシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ

怜子「恒一くん! 離れのアトリエの鍵、好きに使って!」シュッ!

恒一「……さよなら、怜子さん」パシッ

怜子「この数ヶ月間楽しかったわ。生まれ変わったら、みんなとまた会ってみたいわね」

クラス全員「……」

ドビシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ

怜子「それじゃあ、さよな……」

シュゥゥゥ……

恒一「これで終わったんだよね」

鳴「うん……」

78 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 21:05:47.24 ID:w0fMMUtg0
――――

恒一「(あの夏から2年が経った。やはり夜見山岬の再びの死と共に『災厄』は止まり、3年3組はただの3年3組に戻った)」

恒一「(2学期に入って久保寺先生が療養から復帰し、僕らはその後何事も無く卒業できた)」

恒一「(怜子さんに関しては、『災厄』の行った最後の記憶改竄によって、あの場で彼女が消えるのを見ていった僕ら以外の皆が彼女がいた事を忘れていた)」

恒一「(きっと僕らも彼女のことを忘れていくのだろうが、それは悲しいが自然の摂理であって、『災厄』以上にどうにもできない)」

恒一「(ちなみに、怜子さんはあの年の3年前に市内を流れる川の下流で、背中にナイフを突き刺された状態で発見されたらしい。どうも通り魔殺人らしく、犯人はその翌年に逮捕されたという)」

恒一「(僕は東京の高校に進学するために卒業後に夜見山を離れたが、今でも夏にはここに戻ってくる)」

恒一「(夜見山に、怜子さんの残したアトリエに)」

――――
79 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 21:11:41.38 ID:w0fMMUtg0
(推奨BGM:伊藤由奈「Trust You」 というかガンダム最終話ソングなら大抵なんでも良し)
――――

綾野「またバージョンアップしたんだね、『オグニー&アヤボリー』」

小椋「うん。これでMK.7。実体刃付きで稼働時間も大幅アップだって」

綾野「そいやさ、これの名付け親って鳴たんなんだよね」

小椋「そうそう。まさか鳴のお母さんに兄貴が弟子入りしたなんてね」

綾野「今度また鳴たん誘ってどっかいく?」

小椋「いいね、泉美も誘おうよ!」クルクル

――――

沙苗「やぁ。心臓の具合も最近いい感じみたいだね、少年」

高翌林「おかげさまで。HGAWファイアワラビーが出るまで[ピーーー]ないですし」

沙苗「そんな超超マイナーMSが出るのは奇跡でも起こらなきゃ無理だって。活躍つったってエアマスターを延々30分炙ってるだけじゃん」

高翌林「エアマスター30分炙ってますよ。GMクウェルなんて一瞬画面に写っただけなのにMG化もされてフェアじゃありませんよ」

沙苗「うむぅ。それならHGACエアリーズやHGACトーラスが出ないのは本当におかしいなぁ……」

水野「お前ら病院でなんの話してるんだ」

――――
80 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 21:12:16.96 ID:w0fMMUtg0

千曳「久保寺先生、次は3組の授業ですか?」

久保寺「はい、千曳先生のクラスですよ」

久保寺「それにしても、千曳先生がまた教職に戻るなんて思いもしませんでしたよ」

千曳「もう0号館も解体されて、私の引きこもる場所がなくなりましたしね」

久保寺「記念館の火災保険使って新校舎作りましたからね」

久保寺「それじゃあ、また後で」

千曳「ええ。また後で」

千曳「(……私はまだ一人であの『災厄』の対策を続けている。教師という形で、傍観ではなく生徒と向きあうと言う方法で)」

千曳「(夜見山岬。君のような怪物を、もう二度と世に放たないように、と)」

――――

シャワシャワシャワシャワシャワ

風見「夏休み講習もあと二日かぁ……」

桜木「そうですねぇ」クルクル

風見「最終日、講習が終わったらプール行こうか? 実は温水プールのチケット二枚余ってるんだ(本当はバイトしてる勅使河原に頭下げて譲ってもらったんだけど)」

桜木「そうなんですか……(多分勅使河原くんに頭下げてもらったんでしょうね……)」

桜木「あ、でもまだ今年の水着買ってないです……」

桜木「去年のはまたサイズが合わなくなって……」

風見「(ゆかり成長しすぎだよゆかり)……なんなら、今から少し時間あるし、買いに行ってみる?」

桜木「はい」ニコニコクルクル

シャワシャワシャワシャワシャワ

――――
81 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 21:13:31.87 ID:w0fMMUtg0

王子「しかし、あんな豪快に撃ちまくる多々良さんが繊細極まりないようなフルートパートなんて信じられないよね」

猿田「っていうかあれはもう別人格か何かと思っているぞな」

多々良「こらそこ二人、おしゃべりしないの」コツン

藤巻「でも、恵はなんで吹奏楽部はいらないでこいつらと市民バンドやってるわけ?」

多々良「コンクールの勝ち負けで争うような吹奏楽部は苦手なの。だから楽しんで吹けるこっちを選ばせてもらって」

中島「あー、そういや恵んとこの吹奏楽部凄いっていうもんねー」

多々良「それにみんな揃ってるこっちのほうが、私には吹きやすいっていうのもあるし」

バンドメンバー「おーい、セッションやろうぜ!」

多々良・王子・猿田「はーい!」

――――

柿沼「フフフ……辻井きゅんの実地取材のおかげで夏の祭典用の本をなんとか印刷所に期日どおりに持っていけたわ! 今回のニルティエ本は多分かなりイケるはず……」ギラギラギラギラ

辻井「あ、ありがとう……(畜生……尻が……尻がっ!)」

柿沼「でも冬の祭典はもっと厚くて凄いの描くわよ! 虎と兎にうつつを抜かしてる奴らをぎゃふんと言わせてやるんですから!」ギラギラギラギラ

辻井「は、はぁぁ……(誰か助けてえええええええええええ)」

――――
82 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 21:14:02.20 ID:w0fMMUtg0

渡辺「そーいえばさー、恒一くんまたこっちに帰ってきてるんだって?」ズズー

佐藤「そうなの?」ズズー

江藤「あたしこの前恒一くんの家の近く通ったけど、確かに見たよ」ズズー

江藤「ただし、そこには例によって例のごとく見崎姉妹の姿があったけど」ズズー

佐藤「ま た 見 崎 姉 妹 か」ズズー

渡辺「見崎従妹はさておき鳴と恒一くんはお互いに下の名前で呼び合うような仲だしねー……松井金木結界とか風見桜木フィールドとも違うあの独特の雰囲気には勝てんわ」ブクブク

江藤「そうだよねー」ブクブク

――――

ジーワジーワジーワジーワ

松井「杏子ー♪」イチャイチャユリユリ

金木「亜紀ー♪」イチャイチャユリユリ

前島「あー……ただでさえ暑苦しいこの炎天下の中、もっと熱いもん見たわ」ダラダラ

米村「前島、これ以上見てたら脳が溶けるから向こうのコンビニでアイスでも買って食おうぜ」ダラダラ

川堀「それが一番だな」ダラダラ

前島「時に川堀、お前、俺の尻狙ったりしてないよな?」

川堀「なんだよそれ」

米村「お前最近学校でホモって噂流れてるんだよ。知らないの?」

川堀「はぁ!? なんだよそれ!?」

ワーワーワーワー

松井「杏子ー♪」イチャイチャユリユリ

金木「亜紀ー♪」イチャイチャユリユリ

ジーワジーワジーワジーワ
83 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 21:16:37.17 ID:w0fMMUtg0
――――

赤沢「今回はエクストラファンスィーをベースに自分でブレンドしてみたんだけど、どうかしら?」トポトポ

杉浦「んー、美味しいかも(泉美、この前輸入モノのコーヒーサイフォン買ってからまた調子に乗ってきたわね……にっが)」コクコク

勅使河原「ん。たしかにこれは(まあコクとか深みはあるけどさ……にっが)」コクコク

杉浦「(だけど砂糖を入れたりすると烈火のごとく怒るからね……なんて迷惑な子)」

勅使河原「(味わいよりも飲みやすさだよな、やっぱり)」

中尾「コクも風味もなかなか(シュガースティックとガムシロならまかせろー)」コクコク スッ! スッ!

勅使河原・杉浦「(ナイス対策!)」

赤沢「今度は恒一くんや鳴にも飲ませて上げようかしらね、このスペシャルブレンド♪」

勅使河原・杉浦・中尾「(頼む見崎(さん)、お前(あなた)の率直な意見でコイツの眼を覚ましてやってくれ)」

――――

望月「♪〜」ペタペタ

恒一「や、邪魔した?」

望月「いや? 全然」

望月「むしろこっちがお礼を言いたいぐらいだよ。三神先生の画材とアトリエ勝手に使わせてもらっちゃって」

恒一「どうせぼくは絵苦手だし、ここも夏休み以外使う事ないからね。それなら絵描く望月に貸すのがたぶん一番だし、怜子さんも喜ぶだろうから」

恒一「その絵の怜子さんみたく、さ」

望月「……あの時の集合写真と記憶を元にして描いたからちょっと不安だったんだけど、恒一くんのお墨付きがもらえて光栄だよ」

恒一「それじゃあ、いつもの通りに描き終わったらお祖母ちゃんに鍵渡しといて。ぼくはちょっと出かけるからね」

望月「見崎さんと?」

恒一「まあね」カラカラカラ

望月「……」ペタペタ

望月「この絵、似てますでしょうか? 三神先生?」

???「……やだなぁ。そんなに私、かわいくないわよ……」ザァァァァァ

望月「……三神、先生?」

――――
84 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 21:17:28.11 ID:w0fMMUtg0
――――

ミーンミンミンミンミーン

美咲(00ライザー)「遅いっ、実に遅いっ」

恒一「ごめんごめん、海パン探すのに手間取っちゃって……」

鳴「前日から用意しとけばよかったのに」

恒一「すいませんでした」ペコリ

美咲「わかればよろしい」フンスッ

美咲「そうそう、今日のプールは期待するといいよ。いいモノが拝めるかもよー?」

鳴「美咲ッ!」カァァァ チャキンッ

美咲「わかったわかったって! 照れ隠しでも危ないからそのGNソード収めて、ね!」

鳴「もう……」カァァァァァァ

恒一「(なるほど……大体何があるのかは予想できるぞ)」

鳴「……あんまり期待しなくていいからね。その、無いとこ無いから」

恒一「いや、それがいい」

鳴「……ロリコン?」

恒一「いや、鳴オンリー」

鳴「ならよかった……」ブブブブブ

恒一「鳴、電話」

鳴「どうせ霧果だから無視しとく」

ミーンミンミンミンミーン

恒一「やっぱりまだ嫌い? 携帯電話」

鳴「あんまり好きじゃない。だけど」

鳴「遠距離でもつながってられるのは、ちょっと便利」ニコッ

恒一「だよねぇ……(うおなんだあの笑顔の破壊力)」

有田「(恒一きゅんの萌え狂い顔激写チャーンス!!)」ミラコロミラコロカシャカシャカシャ

鳴「……」チラッ ビシュビシュビシュ

有田「うぉんがふっ!」バチュバチュバチュ

恒一「あれ、向こうの方から変な音が……」

鳴「気にしなくていい。きっとただの犬か何か」

恒一「そうだね」

パッパー 97バン ヨミテルメユキデス

美咲「ふたりともー! バス来ちゃってるよ!」

恒一「はいはい」

恒一「行こう、鳴」

鳴「うんっ!」ニコッ


85 :以下、名無しに変わりましてGN雨傘がお送りいたします [sage]:2012/06/08(金) 21:19:08.27 ID:w0fMMUtg0
 どうも、作者のGN雨傘です。
 最初はゆかりちゃんが声を失いながらも頑張るSSを書いてたのですが(こちらもいつか仕上げたい)、ゆかりちゃんスレに投下したGN-XVゆかりちゃんに愛着を持ち始め、そこからAnother×ガンダムの方向で妄想が膨らみまくり、そしてこうなりました。
 いきなりのトロージャンの発動によってエピローグ進行作業中に保存しなかった分が消えたり、VIPへの投稿中にさるさん規制と波乱の中で書き終えた作品で、後半あたりかなり至らない点がありますがそこは生暖かく見守ってあげてください。
あとオグおぐのGNビームサーベルの名前は『恒一「デビル鳴クライ?」』に由来してます(このSSが面白すぎて引用しちゃいました)

とりあえずGN-XVゆかりちゃんのディフェンスロッドペロペロ。鳴ちゃんのGNソード改ペロペロ
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2012/06/09(土) 22:24:43.97 ID:KhkIp+qSo
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