このスレッドはSS速報VIPの過去ログ倉庫に格納されています。もう書き込みできません。。
もし、このスレッドをネット上以外の媒体で転載や引用をされる場合は管理人までご一報ください。
またネット上での引用掲載、またはまとめサイトなどでの紹介をされる際はこのページへのリンクを必ず掲載してください。

フロリス「第六位?」青ピ「せやで!」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

1 :>>1 [saga]:2012/06/09(土) 19:30:45.63 ID:NLVnmO7U0
このSSは?

・一応バトルもののつもり
・青ピさんが無双するはず
・青ピ×フロリス
 ※フロリスさんの出番は物語が少し進んでからになります

注意点

・地の文初めて
・書き溜め?なにそれおいしいの?
・遅筆(だと自分では思ってる)
・毎日更新する予定ですが、時々できないこともあります
・やろうと思ってた矢先にPCぶっ壊れたため3DSで更新してます
・いきなり視点が変わることも……

上記のことOK!って人はどうぞ〜

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1339237845(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)
【 このスレッドはHTML化(過去ログ化)されています 】

ごめんなさい、このSS速報VIP板のスレッドは1000に到達したか、若しくは著しい過疎のため、お役を果たし過去ログ倉庫へご隠居されました。
このスレッドを閲覧することはできますが書き込むことはできませんです。
もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

2 :>>1 [saga]:2012/06/09(土) 19:35:38.73 ID:NLVnmO7U0
〜イギリス・ロンドン〜

騎士団長<ナイトリーダー>を含むイギリス三派閥の一つ『騎士派』の精鋭十数名は、戦場へと駆ける。



正確には、戦場となる場所へ。



騎士団長「……急がなければ」

騎士団長「『第六位』を逃さないためにも」
3 :>>1 [saga]:2012/06/09(土) 19:47:46.44 ID:NLVnmO7U0
__
___
____

二週間程前、騎士団長は後始末に追われていた。

第三次世界大戦の直前に起こった、『ブリテン・ザ・ハロウィン』。
世間では世界七不思議の一つとして捉えられているが、実際はイギリスの第二王女キャーリサが起こしたクーデター。
騎士団長はその中でも実行犯として活動していたが、後方のアックアによって倒されて、また上条当麻、女王エリザードの尽力でクーデターは失敗した。

そんな訳で、主犯格キャーリタの右腕とも言える騎士団長は、膨大な始末書を書かされているのである。
4 :>>1 [saga]:2012/06/09(土) 19:53:27.02 ID:NLVnmO7U0
騎士団長「猫の手も借りたいとはこういう状況を言うのだな……」

その時、唐突にドアがコンコン、とノックされる。

騎士団長「入れ」

「失礼します、騎士団長」

入ってきたのは伝令役の騎士だった。

騎士団長「私は伝令など呼んではいないし、そんな暇もないのだが?」

多すぎる始末書に少しばかりイライラしていた騎士団長は鋭く声をかける。

「申し訳ありません。しかし、騎士団長にも伝えておいたほうがいいと判断したので」
5 :>>1 [saga]:2012/06/09(土) 20:00:13.88 ID:NLVnmO7U0
騎士団長「(私に伝えなければと判断されるような事が起きたのか……?)」

「まずはこれをお聞き下さい」

伝令役は手に持っていたテープレコーダーのスイッチを入れた。

そこに録音されていたのは……。

『こ、これは一体!?』ガゴン

『圧倒的すぎるぞ!!』バキッ

『くそっ、増援はいないのか!』ガガガ…

焦燥感のある男たちの声と、まるで何かが壊れていくような音だった。
6 :>>1 [saga]:2012/06/09(土) 20:09:46.45 ID:NLVnmO7U0
そして……



『皆すまへんなぁ。ボクも仕事でやってるもんで』



テノールの野太い声で発された日本語。

騎士団長「これは一体なんだ?まるで戦場のような……」

「はい。これはとあるビルで起きた戦闘の様子です。カメラは全て破壊されており、これしか資料は残っておりませんでした」

騎士団長「単なる事件なら警察があるだろう。なぜ私にわざわざ伝えにくるんだ」

「通常なら警察による捜査で終了です。しかし、これに録音されているビルは実は魔術結社の支部なのです」

そう聞いて、騎士団長はますます意味が分からなくなった。魔術結社絡みなら『凄教派』の管轄だからだ。
7 :>>1 [saga]:2012/06/09(土) 20:19:38.53 ID:NLVnmO7U0
「これに録音されていた実行犯と思われる者の痕跡は残っておりません。なぜなら、全てが破壊されていたからです」

騎士団長「……、」

破壊。
被害にあった魔術結社は、イギリスのなかでも有数の勢力を誇っていた。そんな組織の支部が痕跡もないほどに破壊されていたということは。

騎士団長「犯人は相当の実力者」

魔術結社は幾人もの魔術師で構成されている。大きい組織なら支部を持ち、次第に勢力が広がっていく。一つ二つ潰された程度なら、大した傷はつかない。だが、徹底的に破壊されたということは、これからもその魔術結社を相手取るという犯人からの宣告であろう。

「更に、この魔術結社は反学園都市勢力でもあるのです」

騎士団長「なに?」
8 :>>1 [saga]:2012/06/09(土) 20:29:23.45 ID:NLVnmO7U0
現在、イギリスと学園都市は有効関係にある。そのイギリス国内に反学園都市勢力があるというのは、イギリスとしてもあまり喜ばしくはないし、学園都市にとってもいい顔はしないだろう。

そして、ある一つの可能性が浮かび上がる。

騎士団長「これは学園都市が差し向けた刺客……」

「そういうことです」

学園都市が差し向けた刺客。
つまり、能力者。

騎士団長「しかし、この魔術結社は反学園都市勢力でもあるのだろう?ならば勝手に潰させたらいいじゃないか」

騎士団長はそういい放つ。
だが伝令役は。

「ですが、それにも問題がありまして。この魔術結社の中枢メンバーの中に『王室派』の重要人物がいまして、勝手に殺されては都合が悪いのです」
9 :>>1 [saga]:2012/06/09(土) 20:38:54.33 ID:NLVnmO7U0
騎士団長「つまり、魔術側があまり関与しない警察関係の組織のなかで事件の犯人を無力化し、『王室派』の人物についてはこちらで処分を下すと」

「その認識で構いません」

騎士団長は軽く溜め息をつく。面倒事がまだまだ残っている状態で更に面倒事が追加されてきたからだ。

騎士団長「まぁいい。早く情報収集をしろ。なるべく早めにカタをつけたい」

「わかりました。それでは」

伝令役が部屋から出る。
敵は相当な実力者だろうが、騎士団長はイギリス国内であれば最強クラスの力を持っている。普通なら相手にもならないはずだ。

しかし……。

騎士団長「この胸騒ぎは一体なんだ……?」
10 :>>1 [saga]:2012/06/09(土) 20:40:42.91 ID:NLVnmO7U0
今日はここまで
地の文初めてで緊張したー……

不明な点とかあれば遠慮なくどうぞ〜
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/09(土) 20:52:46.71 ID:5utVD2CZo
結局乙って訳よ

雰囲気は好きだな
これからどう広がるか期待
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/09(土) 20:58:52.35 ID:Wx8McTs90
とりあえず乙
期待。

騎士団長は将来ハゲそうだwwwwwwwwww
13 :>>1 [saga]:2012/06/10(日) 12:35:11.27 ID:39spVptp0
>>1です
ついたレス見てニヤニヤしてる俺きめぇ

更新開始
14 :>>1 [saga]:2012/06/10(日) 12:43:37.39 ID:39spVptp0
〜とあるビル〜

 「や、やめ……殺さなっぎゃあああああ!!!」

 「すまへんなぁ。これがボクの仕事なんよ」

最後の一人をナイフで刺し、襲撃者<青髪ピアス>は仕事を終える。
この襲撃を始めて一週間程経ったが、一体どれだけの人を殺しただろうか。もう自分では数えきれない程に潰してきたはずだ。

いつもはここで自分が泊まるホテルへと戻る。だが今日は違った。

青ピ「そこにいる奴、でてきいや」

敵の増援か、はたまた何の関係もない部外者か。青ピは様子を窺っていたが、出てきたのは意外な人物だった。
15 :>>1 [saga]:2012/06/10(日) 12:50:36.33 ID:39spVptp0
上条「テメエ、ここで一体何やってたんだよ」

青ピ「……!」

出てきたのは青ピのクラスメイト、上条当麻だった。
驚くのも当然である。彼は本来、学園都市にいるはずだからだ。

青ピ「カミやん、なんでここにいるん?」

上条「どうだっていいだろ。それより、俺の質問に答えるんだ」

上条は少しピリピリした様子で青ピに詰め寄る。

青ピ「ボクがここにいる理由?」



青ピ「そんなん仕事に決まっとるやん」


16 :>>1 [saga]:2012/06/10(日) 12:59:04.71 ID:39spVptp0
上条「しご……っ!?テメエそんな理由でこの人たちを殺したってのか!?大体、そういうのには縁が無いはずだろ!!」

青ピ「縁が無い?そんなんカミやんが勘違いしとっただけやろ。なぁカミやん」



青ピ「暗部って知っとる?」



暗部。
学園都市の闇。
様々な理由でそこに堕ちてきた者は、例外無く汚れ仕事を押し付けられる。

上条「でも……っ、なんで青ピがこんなことやってんだよ!?学園都市にはもっと強いやつくらい……」

青ピ「あぁそうだ。カミやんに言ってなかったこと、まだあったわ」
17 :>>1 [saga]:2012/06/10(日) 13:06:00.80 ID:39spVptp0



青ピ「ボクな、『聖人』と『第六位』やってんねん」



上条「な……に………?」

青ピが言ったこと。
聖人。
第六位。

学園都市に聖人がいたことも驚きだが、『第六位』。
その正体を知る者はごく少数。元々、LEVEL5すら知ってる者は殆どいない。
その中でも特に機密レベルの高い『第六位』。それが己の友人だったなど、上条はここで初めて知った。
18 :>>1 [saga]:2012/06/10(日) 13:16:13.87 ID:39spVptp0
上条「……ちょっと待てよ」

青ピ「んー?なんやカミやん?」

上条「世界に二十人といない『聖人』。その一人が第六位だなんて信じられるわけねぇだろ」

上条のいう通りだ。聖人という存在は、魔術業界では核弾頭に等しい力を持つ。故にその情報が出回ることは殆どなく、また教会などにより保護されるはずである。
しかし、青ピは。

青ピ「ほんなら実演してみせよか?いつもは下部組織がビルの破壊をするはずやけど、今日はボクがやったるわ」
19 :>>1 [saga]:2012/06/10(日) 13:22:38.08 ID:39spVptp0
上条「……」

青ピ「カミやん、ボクの体に触れとけ。その状態で柱を一本ひっこ抜けば、嫌でも聖人ってことを知るやろ」

上条「……分かった」

上条が青ピの体に触れる。そして青ピは。

青ピ「ぐぉぉおおおぉ!!!」

ゴゴゴゴゴ、と轟音がなり響きながら、ビル全体が揺れる。そして……。

バコッ

青ピの宣言通り、柱が一本抜けた。

上条「スゲぇな。こりゃ普通の人間にはできない。どうやら本当に聖人みたいだな」

青ピ「だから言ったやろ?」
20 :>>1 [saga]:2012/06/10(日) 13:29:36.58 ID:39spVptp0
ヘラヘラと笑いながら青ピは言う。しかし上条は続けてこんなことを言った。

上条「能力はどんなヤツなんだ?第六位なんだから、相当強大な能力なんだろ?」

青ピ「そういや言ってなかったな、ボクの能力。ええで、説明したる」


青ピ「ボクの能力は肉体強化系。まぁLEVEL3程度の肉体再生と肉体操作もあるんやけどな」


上条は絶句した。
聖人の肉体強化。
それは一体どれ程の力を生み出すのだろう。

青ピ「これも実演してみせよか。カミやん外に出てくれ。このビル全体を壊したるわ」
21 :>>1 [saga]:2012/06/10(日) 13:40:28.98 ID:39spVptp0
上条と青ピは外に出る。
また、青ピは50mほど距離をとった。

青ピ「そんじゃ、いくで?」

次の瞬間、常人には捉えきれないスピードで青ピは駆け出す。そしてビルを殴った。
すると。



ビルの壁一面に大きなヒビが入り、ビル全体が砕けた。



上条「……ぁ」

青ピ「どや?これでボクの言ったこと信じてくれた?」

青ピはそう言う。そして上条は。

上条「青ピの言ってたことが本当だったってことは分かった。だけど、なんでその力を他の人の為に使わない?それほどまでに強い力なら、自分で暗部を抜け出すくらいできるだろ?」
22 :>>1 [saga]:2012/06/10(日) 13:44:00.82 ID:39spVptp0
青ピ「……ハハッ。カミやんは暗部がどれほどの屑か分かっていない。力を使って抜け出せるのならば、超能力者が暗部に残るはずがない」

そして、こういい放つ。



青ピ「ボクな、腹ん中に爆弾埋め込まれてんねん」



上条「えっ……?」
23 :>>1 [saga]:2012/06/10(日) 13:55:28.70 ID:39spVptp0
青ピ「爆弾や、爆弾。非現実すぎて頭でも飛んだのかいな?」

上条「テメエ……」



上条「なんで俺たちにその事を相談しなかったんだよ!?信じてもらえないとでも思ったのか?どうせ解決しないとでも思ってたのか?あんまり俺たちを見くびるんじゃねぇよ!!その程度のことなら、俺たちが頑張ってどうにかしてやる!!」



これには青ピも面食らう。この反応は予想していなかったからだ。だが、青ピは。

青ピ「でもな、無理なものは無理やねん」

上条「なんでそんなこと言うんだよ!?やってみなくちゃわからっ……」

青ピ「ボクの腹ん中にある爆弾は、カミやんたちがどうにかできるレベルを越えている。周りの臓器の運動状況から生体の状態を判断し、無理矢理取ろうものなら直ぐ様爆発し、周りの人の命を奪う」

青ピ「病院にいくなど持っての他。二十四時間衛星から監視し、少しでもおかしな素振りを見せたらその瞬間爆発。どや?なかなか絶望的やろ」
24 :>>1 [saga]:2012/06/10(日) 14:02:14.25 ID:39spVptp0
上条「……それでも、俺はお前のしたことを許すことはできない」

青ピ「それでええ。それが当たり前の反応や。許してもらおうなんて思ってへん。わかったらさっさと行け、カミやん」

青ピはそう言った。

上条「だけどよ、青ピにも守りたいものくらいあんだろ?それが壊されそうって時は相談くらいしろよ。お前は俺の『友達』なんだから」

そう言って、上条はその場を去る。

青ピ「守りたいもの……か」



青ピ「そんなもん、とうの昔に壊されたっていうのに」



誰一人いないなか、青ピはそう呟いた。
25 :>>1 [saga]:2012/06/10(日) 14:03:25.21 ID:39spVptp0
一旦更新終了

また後でくるかもです
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/10(日) 15:22:52.78 ID:U6VaD4HDO
クソスレ予感する…
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/06/10(日) 16:08:00.36 ID:XcHRbLzAO
超電磁で第6位って八方手を尽くして見つかってないんだから青ピ説はないだろ
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/06/10(日) 19:58:13.89 ID:4tq7cXlS0
期待


>>27

うまいこと撒いた可能性も
29 :>>1 [saga]:2012/06/10(日) 20:39:48.93 ID:39spVptp0
>>1です

>>27
ちょ……それ突っ込んだらこのSSはおしまいですぜ……
まぁご都合主義ってことでお願いします

更新開始
30 :>>1 [saga]:2012/06/10(日) 20:48:56.92 ID:39spVptp0
魔術結社襲撃から一週間、騎士団長は大きな溜め息をつく。
それも仕方ないだろう。膨大な書類の束に、襲撃犯の調査も進めていたのだから疲れも溜まるというものだ。

騎士団長「とはいえ、犯人の特定も大分進んだがな……」

襲撃された場所から半径1km圏内の防犯カメラを調べあげ、それとなく怪しい人物をピックアップ。
加えて襲撃された時間帯の絞り混みも進み、犯人は特定された。

騎士団長「この青い髪で大柄な男。これが一連の襲撃事件の犯人だろう」

騎士団長はそう呟く。
31 :>>1 [saga]:2012/06/10(日) 20:55:15.04 ID:39spVptp0
と、その時。不意にドアがノックされる。

 「失礼するし」

入ってきたのは、イギリス第二王女キャーリサだった。

騎士団長「おや、キャーリサ様。何か御用ですか?」

キャーリサ「いや、特に用事というわけでは無いんだが……。その、て、手伝ってやろうか?」

騎士団長「?何をでしょうか?」

キャーリサは騎士団長の横に積まれた書類の束を指差しながらこう言う。

キャーリサ「その始末書の原因は私が起こした事だからな。騎士団長は忙しーと思うし、代わりに私がやってあげても……」

騎士団長「結構です」
32 :>>1 [saga]:2012/06/10(日) 21:06:06.12 ID:39spVptp0
騎士団長「キャーリサ様が発端だとしても、私が協力したのは紛れもない事実です。それに私にもプライドというものがあります。いくら忙しいとはいえ、己の仕事を人に押し付けるなど到底出来ません」

キャーリサ「……そっか」

騎士団長「はい。お分かりになられたら、どうぞお引き取り下さい。生憎私は多忙なもので、話す時間すら惜しいのです」

キャーリサ「わかった。それじゃー失礼した。また次の機会に」

キャーリサは騎士団長の部屋を出たあと、一人でこう呟く。

キャーリサ「……寂しいものだな」

キャーリサ「短い間だったとはいえ、貴方は私に全面的に協力し、また信頼してくれた」

キャーリサ「その時の私の気分は決して悪くないものだった」
33 :>>1 [saga]:2012/06/10(日) 21:15:55.93 ID:39spVptp0
キャーリサ「今の私は抜け殻みたいなもの。何もやりたいことなど無いはずなのに、何故か貴方に会いたくなってくる」

キャーリサ「これは『恋』なのだろうか……?」

生まれた時からイギリスの王女としての品位、教育などを叩き込まれ、必死にイギリスのために頑張ってきた。
今まで多くの人とふれあってきたが、対等な立場で話したことがある人物など血縁以外には殆どいなかったキャーリサに、あそこまで近付いた人は騎士団長が初めてだった。

キャーリサ「あの男はずっと気づかないままだろうな。私のこの気持ちに……」
34 :>>1 [saga]:2012/06/10(日) 21:18:13.23 ID:39spVptp0
短かったけど今日はこれで一旦終わり

面白くなるように頑張ってみてもなかなかうまくいかないもんですね……

また明日ノシ
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/10(日) 22:02:49.83 ID:FkSguZHRo

                    /∵∴∵∴\
              (ヽ,,.  /∵∴/∴∵\\
        __,,,,,,,))))ヽ,i彡,/∵∴●∴∴.●∴|
       (・ │   ◎ 彡ミ∵∵∵/ ●\∵|
        >イ|      彡ミ∵∵/ 三 | 三 | |       / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         ̄| ̄ヽ_  彡彡ミ∵∵ |\_|_/. |     < 糞スレたてんなくそが
          |  /   彡ミ ∵ . \_//  /       \_____
          ヽ∠__彡ミ.   \____/.        
        彡彡彡彡彡\ミ    ソ / )
        /    彡彡彡|____// ./
       /彡彡彡彡彡彡{!!!__//
       |        ___y   /
   / \ ヽ      (      ノ
 //\ \|       \ \ ̄ ̄\
丶◆| ̄ ̄ ̄   ノ   と__ヽ    \
   | | ̄ ̄ ̄""\            .|
   | |        ヽ           |ノ⌒ミ
   丶◆        \__|        | )))ミ
                 ヽ     / ((((
                 /    /ヽ    )))
                /   /\ \   ((
                \  \  \ \   )),
                  \ \ //
                  ////
                 // ■"
                ■"


36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/06/10(日) 22:13:50.65 ID:IAnuMEmho
ツンデレ湧いとる
37 :>>1 [saga]:2012/06/11(月) 17:31:33.89 ID:Dl6/4/Yc0
>>1です

批判はどんどんやってくれて構いませんが改善点などを教えてくださるとありがたいです

更新開始
38 :>>1 [saga]:2012/06/11(月) 17:37:14.69 ID:Dl6/4/Yc0
上条当麻との遭遇から四日、これまでと変わらず仕事を続けてきた青ピのもとに、とある人物が訪れる。

青ピ「誰や?」

騎士団長「……私は、警察の更に上の組織のトップをやらせてもらっている、騎士団長という者だ」

そう、訪れた人物とは騎士団長のことだった。

青ピ「ほほぅ。そんな大層なお人がどうしてここに?」

騎士団長「それは貴方がよく分かっているんじゃないか?」

青ピ「……」

騎士団長は続けて言う。

騎士団長「私は取り引きをしに来た」

青ピ「取り引き?」
39 :>>1 [saga]:2012/06/11(月) 17:42:20.33 ID:Dl6/4/Yc0
騎士団長「そうだ。魔術結社襲撃をやめてもらおう。その代わり、貴方のしたことは見逃す」

青ピ「……本気で言うとるん?」

騎士団長「はい」

青ピは少し黙ったあと。

青ピ「……無理やな」

騎士団長「なぜ?」

青ピ「なぜってこれがボクの仕事やし。それに見逃してもらおうなんて思てへんから」

きっぱりと告げる。
40 :>>1 [saga]:2012/06/11(月) 17:49:58.26 ID:Dl6/4/Yc0
騎士団長「……襲撃が始まってから随分と時間が経つ。その間に貴方のことを調べさせてもらった」

青ピ「へぇ。で、どんなことが分かったん?」

騎士団長「ずばり、貴方は学園都市第六位」

青ピ「……!」

青ピは驚く。それも当然だ。
学園都市のセキュリティは決して緩くはない。ましてや青ピはLEVEL5だ。部外者にそう簡単に探れるものではない。しかし騎士団長は続ける。

騎士団長「学園都市には『書庫』と呼ばれるものがあるらしい。私たちはそれを重点的に調べた。なに、調べる方法などいくらでもある」

騎士団長「青い髪に長身。貴方は余りにも特徴的だから、すぐに調べはつくと思っていた」

騎士団長「……だがそれは間違っていた」
41 :>>1 [saga]:2012/06/11(月) 17:56:51.83 ID:Dl6/4/Yc0
騎士団長「書庫のどこを探しても、青い髪で長身の男の情報は無かった。調べていく内に第一位のことや、兵器に関する情報も見ることが出来たのにだ」


騎士団長「だが同時にあることにも気付いた」


騎士団長「『第六位』に関する情報。それもまた見つけることが出来なかった」

騎士団長「この二つのことから、私たちは貴方を『第六位』だと思ったのだ」

青ピ「ふ、ふふ……」

青ピは笑う。
42 :>>1 [saga]:2012/06/11(月) 18:03:12.02 ID:Dl6/4/Yc0
青ピ「いやいや!驚いたで。学園都市の外に書庫の情報を取得できるテクノロジーがあったのも驚きやけど、第六位ってことまでバレるとは思ってなかったもん」

騎士団長「……だが、一つだけ腑に落ちない点がある」

青ピ「なんや?」

騎士団長「なぜ、他の能力者よりもセキュリティレベルが高い?第六位よりは第一位の方が秘匿性は高いと思うのだが」

騎士団長はそう訪ねる。すると青ピは。

青ピ「それはやな、ボクが中途半端に魔術側と関わってるからやで」
43 :>>1 [saga]:2012/06/11(月) 18:11:59.29 ID:Dl6/4/Yc0
騎士団長「それは……どういう意味だ?」

科学の総本山、学園都市の人間が『魔術』という単語を発するということよりも、『中途半端に関わっている』という言葉に騎士団長は疑問を感じる。

青ピ「どういう意味って?まぁ聞けば簡単なことや」


青ピ「ボクは『聖人』やからな」


騎士団長「……ふむ。日本出身の聖人に、神裂火織以外の人間がいるとはな」

青ピ「神裂さん?前に一度だけ顔あわせたことあるけど、なかなか別嬪さんやったなぁ」

騎士団長「そんなことはいい。それより、聖人とはどういうことだ?」
44 :>>1 [saga]:2012/06/11(月) 18:17:06.25 ID:Dl6/4/Yc0
青ピ「そのまんまの意味や。ボクは学園都市第六位で聖人の力を持つ学生さんやで」

騎士団長「これは……厄介な人を学園都市は差し向けたものだ」

青ピ「ははは、そう言うなってぇ」

青ピは茶化す。
そして、騎士団長はある宣言をする。

騎士団長「貴方は、こちらの取り引きに応じる気はないんでしょう?」

青ピ「やな」



騎士団長「それなら三日後、私が直々に相手をしよう」



青ピ「……、」
45 :>>1 [saga]:2012/06/11(月) 18:24:49.27 ID:Dl6/4/Yc0
騎士団長「貴方は相当な実力者だ。いくら天使と同等の力を持つとはいえ、そこらへんの騎士では相手にならないだろう」


騎士団長「だが私は騎士団長だ」


騎士団長「この肩書きが意味するもの、それは圧倒的な力。必ずや貴方を潰してみせる」

そう言って騎士団長は去った。
対する青ピはこう呟く。

青ピ「確か、天使の力とかなんとか言ってはったな」

青ピ「……久々に全力が出せそうやな」
46 :>>1 [saga]:2012/06/11(月) 18:26:00.45 ID:Dl6/4/Yc0
今日はここまで

明日は前哨戦くらいになるかなー
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/06/11(月) 19:02:41.53 ID:3fcT9Y8AO
土御門も上条も名があるから締まるんだが二次元変態星人には名前が無いからなぁ…どうも…
48 :>>1 [saga]:2012/06/12(火) 18:15:34.36 ID:b5i6fWGG0
>>1です

>>47
でも、それが青ピの魅力でもあると思うんですよね

更新開始
49 :>>1 [saga]:2012/06/12(火) 18:25:14.44 ID:b5i6fWGG0
イギリス・フォークストーン近郊。
青ピは一つ仕事を終えた。残る敵はあと本部のみなのだが、わざわざ叩きには行かない。

今日は騎士団長との遭遇から三日である。

青ピは騎士団長の到着を今か今かと待っていた。
と、その時。

騎士団長「ーー待たせたな」

青ピ「おっ、ようやく来たか」

騎士団長「私は騎士。約束を破るなどありえん」

青ピ「流石は英国紳士。ボクとは違うわ。……で、覚悟は出来とるん?」

騎士団長「愚問だな」

青ピ「それもそうやな」
50 :>>1 [saga]:2012/06/12(火) 18:30:04.02 ID:b5i6fWGG0
騎士団長「ここでは狭いだろう。広い場所に行こうか」

青ピ「ほい。後ろの人たちは増援かいな?」

騎士団長「馬鹿にするな。私が一人で相手をしよう」

青ピ「そりゃ大した自信で」

そう言いながら、青ピたちは進む。
そして戦場となる場所へと到着した。

青ピ「っほー。こりゃ広いな」

騎士団長「我が友との思い出の地だ。もっとも、血で染まった思い出だがな」

青ピ「今の、ダジャレ?」

騎士団長「茶化すな」
51 :>>1 [saga]:2012/06/12(火) 18:35:29.41 ID:b5i6fWGG0
青ピ「でさ、一つ聞きたいんやけど」

騎士団長「なんだ?」

青ピ「後ろの人たちは増援やないんやろ?なら何のために連れてきたん?」

騎士団長「私が潰された場合、代わりに貴方を捕らえる者たちだ。一人一人では私に劣るが、総量なら私との戦いで消耗した貴方を捕らえることができるだろう」

青ピ「ふぅん。ほんなら……」

騎士団長「(何かやるつもりか……?)」



青ピ「今のうちに潰しとこか」


52 :>>1 [saga]:2012/06/12(火) 18:42:43.92 ID:b5i6fWGG0
そう言った瞬間、青ピは動いた。
近くにいる者を殴りとばし、吹っ飛んだ者を盾にしながら他の騎士に突撃していく。
それが終わると騎士団長以外には捉えきれないスピードで背後に回り込み気絶させる。
そうしていって、青ピは僅か数十秒の間に回りの騎士たちを全滅させた。

騎士団長「……、」

青ピ「ふぅー。これで邪魔は無しやな」

騎士団長「……なぜ」

青ピ「ん?」

騎士団長「なぜ攻撃した?」

青ピ「ボクは騎士道精神なんて持ち合わせてないもんでな、他に敵がいると不安でしょうがないからやらせてもろたわ」

騎士団長「……ふん、外道だな」

青ピ「どうぞご自由に」
53 :>>1 [saga]:2012/06/12(火) 18:51:16.69 ID:b5i6fWGG0
騎士団長「私は、今日の日のために新たに魔術を仕込んできた」

青ピ「そっちから仕掛けるんやな。うしこい」

騎士団長がロングソードを振るう。すると、剣の周りが赤くボコボコと泡立っていき、異形の剣となった。

騎士団長「フルンティング。『天使の力』<テレズマ>を『返り血』に対応させ、大量に圧縮封入することによって莫大な破壊力を実現した」

青ピ「うわー。怖い怖い」

騎士団長「そして……『射程距離』」

青ピ「ん。……!?」

どこからともなく斬撃が飛んできて、青ピは慌ててその場を離れる。
54 :>>1 [saga]:2012/06/12(火) 19:00:47.04 ID:b5i6fWGG0
青ピ「危ない危ない。剣なのに長距離攻撃あるなんて反則やん」

騎士団長「そう言うな。逆にこっちは避けられて驚いたぞ」

青ピ「そか。んじゃこっちもいかせてもらうで」

ジャキッ!と青ピはどこからともなく銃を取りだし、パン!と発砲する。
しかし、銃弾はいともたやすく避けられてしまった。

騎士団長「その程度なら私には効かんぞ!」

青ピ「こっちも効くとは思とらへんよ。ならこっちはどうや?」

青ピが銃の横につけられたスイッチを押すと、なぜか銃が変形しサバイバルナイフの形となる。

騎士団長「ほう。学園都市の技術か」

青ピ「そやで。学園都市未元物質製特殊サバイバルナイフ。Equ.DarkMatterのように翼を生やすことはできんが、絶対に破壊されないし、切れ味も落ちない。さっきみたいな変形機能も備えとる」
55 :>>1 [saga]:2012/06/12(火) 19:08:09.91 ID:b5i6fWGG0
騎士団長「絶対に破壊されない……か。面白そうだな」

青ピ「やろ?結構気に入ってるんやで」

騎士団長「……『移動速度』」

青ピ「んー?高速移動も出来るんか。でもスピードなら負けへんで」

そう言うと、青ピは騎士団長を上回る速度で急接近する。
そして、激突。

騎士団長「『武具重量』。……っく!」

青ピ「うっひょー。すごい威力やな。手がジンジンするで」
56 :>>1 [saga]:2012/06/12(火) 19:22:50.78 ID:b5i6fWGG0
騎士団長「(くそっ、相手の出力が予想以上に大きい……!)」

青ピ「なに驚いとるん?ボクは『聖人』で『学園都市第六位』やで。並の聖人と一緒にしてもらっちゃ困る」

青ピ「『聖人』ってのは『神の子』に似とるからその力の数パーセントを得ることができる。しかし、あくまでボクは人間や。聖人の力を常時最大解放すると体が壊れてしまうし、その力を最大限利用するために細かい制御も必要ととなる」

青ピ「そこで、LEVEL3程度の『肉体操作』で細かい制御をし、聖人としての力を最大限発揮せるための下地を整える」

青ピ「もちろんそのままやと聖人としての力を常時使用するのは50%が限界や」

青ピ「だが、『発条包帯』<ハードテーピング>で全身の筋肉を強化することで70%ほど、力を常時使用することが可能となった。そして……」



青ピ「ボクの能力、『超過肉体』<オーバーブースト>で更に全身を強化。聖人の力を100%解放することに成功した」


57 :>>1 [saga]:2012/06/12(火) 19:25:59.20 ID:b5i6fWGG0
騎士団長「(聖人の力を100%解放か……。ウィリアムの時のような激戦になるかも知れないな)」

青ピ「説明も終わったし、……いくで」



騎士団長「……こい!!」



58 :>>1 [saga]:2012/06/12(火) 19:28:27.87 ID:b5i6fWGG0
今日はここまで

聖人の力を解放云々は>>1の独自見解によるものなので、クレームはつけないでもらえるとありがたいかなーなんて思ってたり……

また明日これたら来ます
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/12(火) 21:36:08.56 ID:G9HliTlIO

明日も頑張れよ
60 :>>1 [saga]:2012/06/13(水) 17:30:55.84 ID:TlPXbWO50
レスありがとうございます>>1です

それでは前回の続きからスタート
61 :>>1 [saga]:2012/06/13(水) 17:39:18.21 ID:TlPXbWO50
青ピは幾多の戦場を潜り抜けてきた騎士団長でさえギリギリで目に追えるスピードで動き出す。
その速さはおよそ時速4900km。音速の3倍ものスピードだった。

青ピ「いちいち驚いてたら勝てへんで!」

騎士団長「そんなことは承知している!」

そして青ピは右手で特殊サバイバルナイフを突き出す。
対する騎士団長は剣の腹で受け止めた。

青ピ「脚ががら空きや」

騎士団長「っく!!」

その瞬間に青ピは足払いをしかけた。
だが騎士団長は倒れない。

騎士団長「そんな小細工は効かん。『切断威力』!!」
62 :>>1 [saga]:2012/06/13(水) 17:47:29.30 ID:TlPXbWO50
青ピは慌てて後方へと下がるが、騎士団長はそれを予想してたかのように青ピを蹴って吹き飛ばす。

青ピ「(ヤバい!!この状態で攻撃を出されたらーーー」」

騎士団長「射程距離」

轟ッ!と空中にいる青ピに斬撃が襲いかかる。
普通ならこれで終わるだろう。だが騎士団長は油断していない。

青ピ「いってぇ。こりゃ剣の欠片飛ばしとるんか?普通の飛び道具とはワケが違うんやな」

騎士団長「化け物が。……っ!?」

騎士団長が驚く。
なぜなら、切り裂かれた傷口が徐々に直っていったからだ。
63 :>>1 [saga]:2012/06/13(水) 17:53:35.37 ID:TlPXbWO50
青ピ「ごめんな。ボク、再生能力もあるんよ」

騎士団長は歯噛みする。いくら斬撃を浴びせても、ああやって体を再生させられたら意味がないからだ。

騎士団長「普通の斬撃は無効ならば……一撃で仕留める!!」

青ピ「やってみいや」

騎士団長「射程距離」

青ピ「だからそれは効かへん……って!?」

今度は青ピが驚いた。
避けたと思ったら眼前に騎士団長の姿があったからだ。
64 :>>1 [saga]:2012/06/13(水) 18:02:58.44 ID:TlPXbWO50
騎士団長「私には『移動速度』があることを忘れたか。『切断威力』」

だが避けられる。そして青ピはこう言う。

青ピ「ボクは何よりも『力』と『速さ』を求めた。やるんならもっと全力で来い。まだまだボクは足りひんぞ」

騎士団長「……、」

青ピ「なんや、戦場で動き止めるなんて自殺行為やで」

騎士団長「貴方は先程、『力』と『速さ』を求めたと言ったな」

青ピ「それがどうかしたんか?」

騎士団長「……一体何があった。戦場ならいざ知らず、貴方は未成年で学生のはずだ。いくら闇に手を染めていようと、それなりに理由があるはずだろう」
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/13(水) 18:12:43.22 ID:ztLcgk7DO
そらそうよ
66 :>>1 [saga]:2012/06/13(水) 18:12:52.64 ID:TlPXbWO50
青ピ「言う必要が感じられへんな。そんなんどうだってええやろ。人の過去を詮索するなんて無粋やで」

騎士団長「……それもそうか」

そう言って、また戦闘が始まる。
青ピは騎士団長に急接近し、蹴りを放つ。が、避けられた。

騎士団長「切断威力」

斬ッ!と剣が突き立てられる。が、これも避けられる。

青ピ「その射程距離やら切断威力。なんで一つ一つしか出さへんの?もしかして同時使用は出来ないんか?」

騎士団長「ーーーーっ!」

青ピ「どうやらそう見たいやな。それに射程距離の時は威力が低く、切断威力の時はリーチが短いようにも感じるで」
67 :>>1 [saga]:2012/06/13(水) 18:20:26.31 ID:TlPXbWO50
弱点が、見破られた。

騎士団長「だがそれがなんだと言うのだ!移動速度!!」

青ピ「遅い」

そう言い放ち、青ピは騎士団長を殴り飛ばそうとする。

騎士団長「耐久こう……ぐっ!」

青ピ「どうや?聖人に全力で殴られた感想は」

騎士団長「……ふん」

青ピ「そろそろ終いにしよか」

騎士団長「(来るっ!)」

青ピは右手を狙う。どうやら腱を切り飛ばすつもりのようだ。
68 :>>1 [saga]:2012/06/13(水) 18:28:12.94 ID:TlPXbWO50
騎士団長「(馬鹿が。剣の威力なら私のほうが上。そのまま押し返しその隙に首を切り飛ばす……!)」

騎士団長は勝利を確信した。


が。


騎士団長「(!?急に後ろへ……!?)」

青ピの行動はフェイクだった。カウンターの準備をしていた騎士団長は反応が追い付かない。その隙に青ピは騎士団長の後ろへ回り込み心臓へナイフを突き立てるーーーー!!
69 :>>1 [saga]:2012/06/13(水) 18:35:53.81 ID:TlPXbWO50
はずだった。



騎士団長「ゼロにする!!!」



そう騎士団長が言うと、心臓を貫くはずだったナイフはあろうことか服で止まった。

青ピ「な……にが……」

騎士団長「ソーロルムの術式。英国王室以外の武器の殺傷力をすべて打ち消す魔術」

青ピ「……なんやねん、それ。そんな隠し玉があったなんてな」

騎士団長「出来れば使いたくはなかった」

青ピ「なぜや?」

騎士団長「相手に全力を出させた上で勝利するのが騎士道というものだ」
70 :>>1 [saga]:2012/06/13(水) 18:42:38.42 ID:TlPXbWO50
青ピ「……ふん、そんなんあるなら最初っから使っとけ。わざわざ出し惜しみするなんてボクを舐めてるん?」

騎士団長「そういうことではない」

青ピ「言い訳なんていらんわ。久々にキレてきたで。ほんならこっちも全力出させてもらうわ」

騎士団長は押し黙る。そこまでキレられるとは思っていなかったが、それよりも青ピの言葉だ。
『全力を出す』というのはどういう意味だ?今までは全力では無かったとでもいうのだろうか。

青ピ「これ使ったら再生能力あっても必ず体が壊れるから使いたくは無かったんやけどな」

騎士団長「……何が言いたい」
71 :>>1 [saga]:2012/06/13(水) 18:47:57.20 ID:TlPXbWO50
青ピ「ただの肉体強化では、第六位にはなれへん。その上があってこそ第六位っちゅうもんや」

騎士団長「……まさか」



青ピ「『第二強化』」



青ピ「ボクはそれが出来たから肉体操作や肉体再生も副産物として使用できるようになったし、第六位の座にもつけた」

騎士団長「今までは全力では無かったということか」

青ピ「そゆこと」
72 :>>1 [saga]:2012/06/13(水) 18:53:25.85 ID:TlPXbWO50
騎士団長の心に、ある感情が渦巻く。
先程の青ピのような、全力を出さなかったことに対する怒りではない。

強者と戦える喜びだ。

騎士団長「……面白い!ここからは全力だ、存分に楽しませてもらおう!!」

青ピ「さっきの魔術でこのナイフは使えへん。素手でいかせてもらうわ」

騎士団長「ーーーーいくぞ!!」

青ピ「ーーーーいくで!!」
73 :>>1 [saga]:2012/06/13(水) 18:54:47.59 ID:TlPXbWO50
今日はここまで

次で青ピvs騎士団長は終わるかな
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/13(水) 20:26:12.48 ID:S/TtrLnIO
>>73
がんばってくれ
75 :>>1 [saga]:2012/06/14(木) 18:23:29.53 ID:WAhTg9XP0
こんにちは>>1です
更新開始
76 :>>1 [saga]:2012/06/14(木) 18:31:25.41 ID:WAhTg9XP0
二人が相対する。
単純なスピードでは青ピのほうが上だが、リーチでは騎士団長に分があるだろう。

青ピ「(あの剣に斬られたらボクはひとたまりもない。避け続けなあかんな)」

騎士団長「(相手はあのスピードを常時維持できるようだ。奇襲に気を付けなければならんな)」

頭の中で策を練る。
先に攻撃を仕掛けたのは騎士団長だった。

騎士団長「聖人は『神の子』に似ている故強大な力を得られるが、同時に弱点も受け継いでしまう」

青ピ「(何を仕掛けるんや?)」

騎士団長「専門用途」
77 :>>1 [saga]:2012/06/14(木) 18:41:32.13 ID:WAhTg9XP0
そう唱えると同時に、騎士団長は刺突の構えをとる。

騎士団長「今この瞬間に、私の剣には刺突という属性が加えられた」

青ピ「『ロンギヌスの槍』の真似事でもする気かいな!」

騎士団長「そうだとしたら?」

青ピ「(やばい、あれは避けなければならん!!)」

騎士団長は青ピに急接近する。そして、攻撃が加えられた。
が、青ピは難なく避ける。

騎士団長「……、」

青ピ「どうやらその『専門用途』、特定の相手に対する効果が得られるみたいやな。もろに喰らってたらボクの聖人の力が暴走して大変なことになってたやろ」

騎士団長「そこまで見抜くか」
78 :>>1 [saga]:2012/06/14(木) 18:50:39.05 ID:WAhTg9XP0
青ピ「ボクの『超過肉体』は脳の強化も含まれててな、演算処理速度が上がるんよ」

つくづく厄介な能力だな、と騎士団長は舌打ちする。
攻撃を加えようとしたら避けられ、更にその効果まで見破られるなど、悪夢のようにしか思えない。

青ピ「今度はボクのターンや」

青ピが動いた。
どうやら超高速で動きまわり攻撃を仕掛けるようだが、騎士団長の目には捉えきれない。

騎士団長「(どこから来る……)」

神経を研ぎ澄ます。
と、攻撃が加えられた。

青ピ「せいっ!」

騎士団長「うぉぉおおおおぉ!!」
79 :>>1 [saga]:2012/06/14(木) 18:59:38.43 ID:WAhTg9XP0
全力で青ピを迎え撃つ。

一発目はガード。二発目は避け、三発目にクロスカウンターを合わせようとする。
決まった!と思ったが、いつの間にか避けられていた。

この間、実に0.7秒である。その短い時間の中で、騎士団長と青ピは生死を懸けて闘っていた。

青ピ「やっぱそう簡単に喰らってはくれへんか」

騎士団長「攻撃の一つ一つがミサイルのようなものだからな。まともに受けていたらそこで終わってしまう」

そしてまた始まった。
次は騎士団長から仕掛けるようだ。
『天使の力』が込められたその剣を青ピに向かって振るう。

騎士団長「的確精度」

剣は青ピの急所へ自動的に向かった。
80 :>>1 [saga]:2012/06/14(木) 19:07:51.94 ID:WAhTg9XP0
だが避けられる。

青ピ「いかんなぁ。自動的に向かうんやったら当たる瞬間に避けてしまえば済むことや」

騎士団長「でたらめを……」

青ピ「そのでたらめを実現することが『LEVEL6』への鍵になるとボクは思ってるんやけどね」

騎士団長「……、」

無言で戦闘を再開する。
その後は騎士団長が攻撃を仕掛け、青ピが避ける。その繰り返しだった。

青ピ「やばいなぁ」

騎士団長「なんだ?」

青ピ「ボクが避けてばっかじゃ勝負はつかへん。そう思うやろ?」
81 :>>1 [saga]:2012/06/14(木) 19:12:38.29 ID:WAhTg9XP0
騎士団長「当たり前だろう」

青ピ「それに……。ごふっ」

青ピが血を吐いた。
超高速で避け続けたことで内臓がいくつか壊れたのだ。

青ピ「……あっ、そや。一瞬で勝負をつける方法思い付いたで」

騎士団長「なっ……。そんなことを信じるとでも思ったのか」

青ピ「べっつに〜?ほんならやろか」

騎士団長「(一体何をするつもりだ……)」
82 :>>1 [saga]:2012/06/14(木) 19:22:11.34 ID:WAhTg9XP0
青ピの雰囲気が変わった。
と、その時。青ピがこれまで以上の速度で動き出す。

騎士団長「(っく……ここまで出力を出せるとは……)」

青ピ「ボーッとすんなや。死ぬで」

青ピは騎士団長を正面から殴り飛ばそうとする。
普通ならいいカモだと切り飛ばすだろう。だが騎士団長は先程のフェイクを思いだし、一瞬考え込む。
それが、命取りだった。

青ピ「ボーッとすんなって言ったやろ」

必殺の拳を叩き込もうと構えた。
騎士団長は慌てて剣の腹で受け止めようとする。

が、それこそ青ピの狙い。

莫大な『天使の力』を内包していたフルンティングを全力で殴る。
そして、破壊された。
83 :>>1 [saga]:2012/06/14(木) 19:30:37.24 ID:WAhTg9XP0
騎士団長「ーーーー」

青ピ「これで武器は無くなった。聖人を超えた力、受けてみぃや」

己の剣が消え、呆然とする騎士団長。
青ピは容赦無くその腹を全力で蹴り飛ばすーーーー!

勝負は、ついた。

青ピ「うっひょ〜。怖かったでぇ。ってもう聞いとらんか」

騎士団長「」

騎士団長は気絶していた。
青ピはどこかに運ぼうと騎士団長に近付く。
そこで、唐突に声が掛けられた。

 「その男から離れろ!!」

青ピ「ん?」

そこにいたのはーーーー。
英国第二王女キャーリサだった。
84 :>>1 [saga]:2012/06/14(木) 19:31:56.38 ID:WAhTg9XP0
今日はここまで

明日も更新できるように頑張りますので、何卒よろしくお願いします
85 :>>1 [saga]:2012/06/16(土) 20:15:09.01 ID:+jG21dhL0
昨日更新するとか書き込んどいて出来ずにすみません

しかしあれですね、レスがないってのも結構ツライですね

更新開始
86 :>>1 [saga]:2012/06/16(土) 20:24:40.69 ID:+jG21dhL0
キャーリサ「何があったかは分からんが、とにかくそこをどけ」

青ピ「ちょっと待ってぇやお姉さ……いっ!?」

青ピは驚愕した。
イギリスの第二王女が何故ここにいるのか、いつ来たのかと疑問は尽きないが、とりあえず臨戦態勢をとる。

青ピ「お姉さん、なんでここにいるん?」

キャーリサ「そこの男が心配だったから。これだけでは不満か?」

青ピ「(騎士団長さんが心配で……ねぇ。病院にでも連れていこうと思ってたんやけど、言っても信じてはくれないやろな)」

キャーリサ「私のことは知ってるよーだな。だが安心しろ、私以外には誰もいないし」
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/16(土) 20:30:33.46 ID:YOpw18fIO
>>85
みんな優しく見守ってるんだよ言わせんな恥ずかしい///
88 :>>1 [saga]:2012/06/16(土) 20:31:40.23 ID:+jG21dhL0
一人で来た。
確かに他に人影はないが、警戒を続けながら青ピはちょっと脅しをかける。

青ピ「一国の王女様が護衛もつけずに戦場へ来るなんてあかんで。今すぐボクが殺してやってもいいんよ?」

キャーリサ「……、」

青ピ「(さて、どう反応するか……)」

キャーリサの反応を待つ。
すると意外にも、笑いながらこう言ってきた。

キャーリサ「殺す、殺すねぇ。そんな気はさらさらないだろう?仮にも学園都市と我がイギリスは協力関係を結んでいる。わざわざそれを壊す真似などするはずがないし」

青ピ「バレたか。でも無力化くらいはできるで?」
89 :>>87こりゃ失礼しました…… >>1 [saga]:2012/06/16(土) 20:41:19.09 ID:+jG21dhL0
キャーリサ「……。騎士団長を撃破しているということは、それなりに腕が立つのだろーな。武器を持ってない私ならあっさりとやられていたし」

青ピ「分かってくれたか。ほんならさっさと騎士団長さんを連れていったげ……」

キャーリサ「だが反抗をしないとは言ってないぞ」

青ピ「……は?」

戦うということだろうか?
イギリスの王女とはいえ、たかが一人に敗北するとは思えない。青ピはそう思っていたのだが、キャーリサには何か策があるようだ。

キャーリサ「かつてイギリスには『カーテナ』と呼ばれる武器があった。まぁ私が壊してしまったのだがな」

青ピ「……で?それだけではないやろ。わざわざ戦うなんて言うくらいやし」
90 :>>1 [saga]:2012/06/16(土) 20:52:21.82 ID:+jG21dhL0
キャーリサは何かを取り出す。見たところ金属の破片のようだ。

青ピ「ほー。それが武器か」

キャーリサ「カーテナの欠片。完璧な状態の頃と比べるとその力は微々たるものだが、それでも貴様一人は相手できるだろー」

欠片が突如発光する。すると光が四方向の飛び出し、さながら勇者の武器のようになる。

青ピ「ははっ、光の剣なんておもろいな。実際にあるとは思わなかったで」

キャーリサ「もっともだな」

そう言うと、キャーリサが青ピへと駆け出した。騎士団長と比べると速さは段違いだが、それでも常人以上のスピードだった。

キャーリサ「カーテナを持つ者には天使長の力が与えられる。今の私には殆ど力は来てないよーだが、それでも充分だし!!」
91 :>>1 [saga]:2012/06/16(土) 20:59:48.50 ID:+jG21dhL0
青ピ「やばいなぁ……。さっきの戦いで疲れたっていうのに連戦とはきっついでぇ」

キャーリサ「無駄口を叩いてる暇があるのか!?」

青ピはギリギリで避ける。
騎士団長戦で使用した『超過肉体』は莫大な力を得られるが、反動も大きい。それが今ここで響いていた。

青ピ「あかん、足がうまく動かへん……うぐっ!!)」

ついに切りつけられた。青ピは肉体再生の能力も有しているが、今は殆ど発動していないらしい。

キャーリサ「万全な状態の貴様では勝てなかっただろうな」

キャーリサが動きの遅くなった青ピをなぶるように攻撃していく。
そして、止めを刺さんと近づいてきた。
92 :>>1 [saga]:2012/06/16(土) 21:04:06.78 ID:+jG21dhL0
キャーリサ「これで……終わりだ!!」

青ピ「(意識が……朦朧として……)」



青ピ「がっ!!」



青ピが突如として倒れた。
キャーリサの攻撃によるものではない。まるで糸の切れた人形のように意識を失ったのだ。

意識を失った、はずだった。

青ピ「敵性、確認」

キャーリサ「な……んだし……」
93 :>>1 [saga]:2012/06/16(土) 21:12:48.87 ID:+jG21dhL0
倒れた青ピが疲れを感じさせない様子でむくりと起き上がった。
キャーリサは少しだけ違和感を感じる。

キャーリサ「(この男は疲労と傷で今にも意識を失う状態だった。それが突如として動きだすなどありえないし。それに……先程とは別人のような感じがするし)」

青ピ「ーーーー」

攻撃を仕掛け始めた。
例え無意識でも個人の型というのはどこかに残っているはずなのだが、それの動きは騎士団長の時とも違う全く別のものだった。

まるで、誰かに乗っとられているような…….。

キャーリサ「(やばっ……このままでは……っ)」
94 :>>1 [saga]:2012/06/16(土) 21:21:16.76 ID:+jG21dhL0
青ピ「ーーーー」

無表情でキャーリサを圧倒する。
心無しか、眼が紅く光ってるようにも見えた。

キャーリサは何とか防御を続けるが、ついに青ピの蹴りで、カーテナの欠片が飛ばされた。

キャーリサ「あっ……まずっ……」

拳を降り下ろさんとする。
だが、別の意識によって減速し始める。

そう、青ピの意識が戻りかけているのだ。

青ピ「ーーーーっ、ーーーー!」

青ピの意識の謎の意識。二つの意識が衝突する。
95 :>>1 [saga]:2012/06/16(土) 21:31:07.41 ID:+jG21dhL0
キャーリサ「ぐっ……うあっ……」

その様子をキャーリサは見ていた。
青ピの気迫と恐怖で気を失いそうになるが、それでもなんとか堪えていた。

青ピ「これ以上……すことは……さん……」

青ピ「これ以上ボクの体を勝手に動かすことは許さんで!!」

どうやら青ピの意識が勝ったようだ。
と、ここでキャーリサの方を向く。

青ピ「大丈夫かいな、お姉さん?」

青ピは手をさしのべるが、キャーリサはさっきの様子を思いだしていた。

キャーリサ「こっちに、こない……で……っ」

青ピ「そんな怖がらなくても……ってあっ。気ぃ失っちゃったか」

実際、何者かに操られていた時の青ピの表情は強い怨念のようだった。気を失うのも仕方ないだろう。
96 :>>1 [saga]:2012/06/16(土) 21:40:34.06 ID:+jG21dhL0
青ピ「これ……どないしよ」

キャーリサは気を失ったが、そのまま放置しておくわけにもいかない。
というか、騎士団長も放っておいたままだった。

青ピ「取り合えず安全な場所に移動させて……っと。後は救急車でも呼んでおこか」

青ピは手早く済まし、一刻も早くこの場所を離れようとする。
が、そう上手くはいかない。

青ピ「(あかん……超疲れとる。視界もぼやけて何があるのかもわからへん……)」

フラフラと歩く。

その様子を遠くから見ている者が約一名。

フロリス「うわあれどうなってんの?キャーリサ様と胡散臭い青髪が騎士団長巡って戦いだしたと思ったら青髪のほうが急に変な動きしだして、そしてなんやかんやあってキャーリサ様が気を失って、そのあと青髪がキャーリサ様と騎士団長を運んで救急車を呼んだらフラフラしながら歩きだして……。まったく意味がわかんない……」
97 :>>1 [saga]:2012/06/16(土) 21:50:08.97 ID:+jG21dhL0
訂正、一名だった。
依然青ピはフラフラと歩いていたが、ラクロスのユニフォームのような物を着ている少女、フロリスは、我慢できなくなったのか青ピのほうへ駆け寄る。

フロリス「ちょ、ちょっとー。大丈夫ですかー?」

青ピ「あぁ……。ついに疲労が溜まって可愛いお嬢ちゃんの幻覚まで見えるように……」

フロリス「ちゃんと現実だよ!?そんな傷でどこ行こうとしてんの?」

青ピ「それは諸事情で話すことは……うへぇ」

ついに青ピが倒れてしまった。
フロリスはこれからどうしよう、と一瞬考え、そして決めた。

フロリス「しょうがないから『新たなる光』のアジトにでも連れていってやるか」

青髪ピアスとフロリスの出会いはこんな感じで始まった。
98 :>>1 [saga]:2012/06/16(土) 21:52:41.17 ID:+jG21dhL0
今日はここまで

やっと青ピとフロリスが出会いました

需要あるかどうかわかりませんが、これからも頑張っていくのでよろしくお願いします
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/16(土) 22:00:27.92 ID:YOpw18fIO
>>98
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/06/16(土) 23:42:17.23 ID:WpUwIeqH0
やっべ、青ピがかっけぇ
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2012/06/16(土) 23:53:50.55 ID:/RR25Alvo
このスレをみてからムキムキの青ピが頭から離れない
102 :>>1 [saga]:2012/06/17(日) 20:22:05.63 ID:ip46yOyk0
能力の嵐のなか躍りながら回避していく青ピは運動神経抜群カッコいい

更新開始
103 :>>1 [saga]:2012/06/17(日) 20:29:43.75 ID:ip46yOyk0
フロリス「うげっ、重い……」

フロリスは気絶した青ピを抱き抱えると、肩に取り付けられた羽のようなものを展開する。
すると羽から光が飛び出し、さながらコウモリの翼のようになった。

フロリス「こういう時この魔術は便利なんだよね〜」

そして自分が所属する『新たなる光』のアジトへ向かった。



青ピ「ん……?ここはどこや?」

むくりと起き上がる。すると、横に誰かがいた。

ベイロープ「目を覚ましたか。傷はまだ完治してないから、あんまり動かないほうがいいぞ」

青ピ「あらっ……。目覚めたら綺麗なお姉さんが隣にいるなんて幸せやわぁ」
104 :>>1 [saga]:2012/06/17(日) 20:39:04.88 ID:ip46yOyk0
ベイロープ「ありがとう」

ニコリと笑う。

青ピ「それで、ここはどこなん?ってかお姉さんは誰や?」

ベイロープ「私はベイロープ。あなたをここへ連れてきたやつの仲間よ」

青ピ「あぁ、あの子の……。ってあの子も誰や!?」

すると、ベイロープの後ろから誰かが顔を出した。
フロリスだ。

フロリス「あっ、やっと起きたんだね。私はフロリスって言うんだ。あなたの名前は?」

青ピ「ボクは青髪ピアス。気軽に青ピって呼んでや!」

思いっきり偽名じゃないか、と二人は思う。
しかし、相手が名乗りたくないんならそれでもいいかとも思っていた。
105 :>>1 [saga]:2012/06/17(日) 20:46:12.35 ID:ip46yOyk0
青ピ「二人はお仲間さんってことは、ここは二人の家とか何か?」

ベイロープ「ここはアジトよ。私たちはちょっと危ない組織でもあるの。他にも二人構成員がいるけど、今は出掛けているわ」

青ピ「ふぅん、そっか。まぁ傷の手当てしてくれたのは感謝やわ。ありがと」

ベイロープ「礼なら彼女にも言いなさい。あなたをここに連れてきたのはフロリスよ」

青ピ「そういえばそうやったな。ありがと、フロリスちゃん」

フロリス「どういたしまして」

簡単にお礼を済ませる。
そして青ピは疑問に思っていたことを聞いてみた。
106 :>>1 [saga]:2012/06/17(日) 20:53:04.69 ID:ip46yOyk0
青ピ「……なぁ、なんでボクを助けてくれたん?正直、こんな怪しいやつに関わるなんてどうかしてると思うで」

ベイロープ「言ったでしょ。私たちは危ない組織でもあるの。そんなことは関係ないわ。それに」

青ピ「うん?」

フロリス「あなた、キャーリサ様と戦ってたよね?それに、騎士団長も近くで倒れてた。その辺詳しく聞いてみたいな?」

そう言えばこの少女は戦場で助けてくれたのだ。不思議に思わないほうが無理がある。
ということで正直に話すことにした。

青ピ「あー……聞いてもおもしろくないと思うで?」

フロリス「別にいいよ。でしょ?」

ベイロープ「そうね」
107 :>>1 [saga]:2012/06/17(日) 21:01:58.83 ID:ip46yOyk0
青ピ「騎士団長さんは仕事の都合上。キャーリサさんは……まぁなんとなく」

ベイロープ「キャーリサ様に関しては想像できるからいいけど、仕事?さっき私たちが危ない組織って言った時も動じなかったし、さてはあなたも裏の住人ね?」

青ピ「そやな」

あっさり肯定した。

フロリス「案外あっさりと認めるんだね。仕事でやったのかって怒って襲いかかってくるとは思わなかったの?」

青ピ「いやぁ?助けてくれたっちゅうことはそれなりに裏に精通してるからって予想してたし、何より綺麗なお嬢ちゃんに襲われるなら本望やわ」

フロリス「……なんか調子狂うなぁ」

ガシガシと頭を掻く。
そういえばこの男は、初めて会った時にも綺麗なお嬢ちゃんがーとかなんとか言っていた。
108 :>>1 [saga]:2012/06/17(日) 21:08:47.21 ID:ip46yOyk0
青ピ「これでええやろ?ほんなら帰らせてもらうわ。体もボクなら普通にうごかせるし、何よりボクがここにいたら君たちが危なくなる」

そう言って青ピはベッドから降りて帰ろうとする。
するとベイロープは何かを取り出した。

ベイロープ「危なくなるってこれがあるからかしら?」

青ピ「そ、それは!!」

取り出したのは、青ピの腹に埋まっているはずだった爆弾だった。

青ピ「あかん!!それは半径10mを爆破する程の爆弾や!どうやって腹ん中から取ったかは知らへんけど、いつ爆発してもおかしくあらへん!!」

フロリス「大丈夫だよ」

青ピ「なぜそう言い切れるねん!?」
109 :>>1 [saga]:2012/06/17(日) 21:18:14.92 ID:ip46yOyk0
ベイロープ「信じられないかも知れないけど、私たちは魔術師でもあるのよ」

青ピ「魔、術師……」

魔術。
青ピはその存在を痛いほど知っている。仕事で魔術結社を潰してきたということもあるし、何より思い出したくない過去に、魔術は強烈に刻みこまれていた。

フロリス「傷を治療するために魔術で全身をスキャンしてたんたけど、偶然見つけちゃったんだ」

青ピ「でもどうやって取ったん?あれは他の人が触れることはおろか、生体反応を読み取りそれが途絶えた時点で爆発するように設計されとる。普通なら出来んはずや」

ベイロープ「言ったでしょう?私たちは魔術師。科学の外側にいる者たちよ。機械を騙す方法なんていくらでもあるわ」

フロリス「もっとも、魔術が解除されたら即爆発だと思うけどね」
110 :>>1 [saga]:2012/06/17(日) 21:24:37.54 ID:ip46yOyk0
青ピ「……ははっ」

青ピは思わず笑う。
こんなところで、自分が学園都市の暗部に縛られている理由が取り除かれたからだ。

青ピ「いやぁ……。人生どう転がるかわからんもんやね」

ベイロープ「人生を語れるほど長く生きてないでしょ?」

青ピ「おっと、そうやった」

つかの間の談笑。
そして青ピは、今後の予定も無いのでここにお世話になることにした。

青ピ「ほんならここに居座ってもいいかな?いく宛も無いもんで困っとるんよ」

フロリス「私はOK。ベイロープは?」

ベイロープ「OKよ。あとの二人にも、事情を話せば許可してくれるでしょう」

青ピ「何から何まで……ほんまにありがとうな」
111 :>>1 [saga]:2012/06/17(日) 21:31:48.14 ID:ip46yOyk0
ベイロープ「住むところは……フロリスの部屋でいいかしら?」

フロリス「なんで!?」

ベイロープ「あなたが連れてきたんだし。青ピは?」

青ピ「構わへんよ。フロリスちゃんが嫌なら床で寝てもええで?」

フロリス「そんなこと出来ないよ。でもベッドは一つだし……。まぁ一緒に寝ればいっか」

青ピ「えぇぇええええぇ!?」

フロリス「な、何?」

青ピは混乱する。
女の子に『一緒に寝よう』と言われるなど、青ピの人生には一度も無かったからだ。

ベイロープ「フロリス……。あなた大胆ね」

フロリス「だから一体何よ?」

青ピ「だ、大丈夫!ボクは紳士やから大丈夫や!!」
112 :>>1 [saga]:2012/06/17(日) 21:38:31.91 ID:ip46yOyk0
ベイロープ「フロリスに手を出したら……わかってるわね?」

青ピ「わかってる!わかってるからその変なマジックハンドみたいの下ろして!」

フロリス「(二人とも何が言いたいんだろ……)」

ベイロープ「ならいいわ。二人が帰ってきたら、簡単な自己紹介でもしなさいよ」

青ピ「ええで」

と言った矢先に二人が帰ってきたらようだ。
なんともタイミングがいい。

ベイロープ「……意外と早かったわね」

レッサー「ただいまーってあれ?その男の人は誰です?」

ランシス「も、もしや強盗……?」

何か勘違いをしているようだが、ベイロープが説明をした。
113 :>>1 [saga]:2012/06/17(日) 21:43:12.25 ID:ip46yOyk0
レッサー「ふぅん。なんか胡散臭いですね」

ランシス「だね」

青ピ「皆に言われるわぁ……」

フロリス「青ピはどこの人なの?日本人ってのはわかるんだけど……」

青ピ「学園都市や」

ベイロープ「ほっほー。なんか面白くなってきたわね」

青ピ「そして!そしてそしてそして!!」

ちょっと溜める。

青ピ「なんと!学園都市第六位やねん!!」


フロリス「第六位?」

青ピ「せやで!」

114 :>>1 [saga]:2012/06/17(日) 21:48:39.63 ID:ip46yOyk0
レッサー「そんな大物だったんですか」

青ピ「そして聖人!!」

ランシス「せ、聖人!?」

青ピ「どや?魔法少女にも負けない設定やろ?」

ベイロープ「それが本当なら確かに凄いけど……最後が全てを台無しにしているわ」

フロリス「ほんと。黙っていればイケメンなのにね」

青ピ「女の子にイケメンと言われるなんて嬉しいわぁ……」

レッサー「……なんか気持ち悪いです」

青ピ「暴言なんて痺れるぅ……」

フロリス「ほんと、残念だよ」
115 :>>1 [saga]:2012/06/17(日) 21:50:50.03 ID:ip46yOyk0
今日はここまで

『新たなる光』でしばらくお世話になることになりました

それでは次回にノシ
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/17(日) 22:35:58.66 ID:FEpboQYIO
>>115

次回もよろしく
117 :>>1 [saga]:2012/06/18(月) 18:27:29.66 ID:Xj1Oyou+0
こんばんは>>1です

更新開始
118 :>>1 [saga]:2012/06/18(月) 18:35:39.60 ID:Xj1Oyou+0
ベイロープ「聖人で、第六位……ねぇ。それなら騎士団長やキャーリサ様を倒したってことも納得できるかもね」

レッサー「ちょ、騎士団長やキャーリサ様を倒したってどういうことですか!?ってかそんなやつをアジトに入れたんですか!?」

フロリス「落ち着いてレッサー。確かにキャーリサ様をボコったのは許しがたいけど、殺してはいないし、救急車も呼んでくれたんだよ?」

青ピ「ボコったってぇ……。あれは仕方なく……」

ベイロープ「あっれぇ〜?さっき、何となくキャーリサ様を倒したって言わなかったぁ〜?」

痛いところを突かれてしまった。
さっきの自分を殴ってしまいたい、と青ピは密かに思う。

青ピ「でもぉ。キャーリサさんがいるなんて想定外やったし、どんなことされるかわからんかったから……」
119 :>>1 [saga]:2012/06/18(月) 18:41:10.45 ID:Xj1Oyou+0
レッサー「……」

愛国心の強いレッサーは納得いかないようだ。

青ピ「本当ごめん!何でも言うこと聞くから、許してくれへんか?」

レッサー「……なんでも?」

青ピ「なんでも!」

レッサー「それなら、私たちの財布にでもなってもらいましょうかね」

青ピ「はいはーい。ってえぇ!?」

金は腐るほどあるものの、自分も含めて五人分の生活を賄えというのだろうか。

レッサー「洋服とか買う時にも、しっかりついてきて下さいよ!」

鬼畜である。

青ピ「はぁ……。まぁええか。可愛い女の子のためやと思ったら平気や!」
120 :>>1 [saga]:2012/06/18(月) 18:46:33.96 ID:Xj1Oyou+0
ところがそこに、ベイロープが待ったをかける。

ベイロープ「ちょっと待ちなさい」

青ピ「ん?」

レッサー「何か?」

ベイロープ「青ピは学園都市の住人。そうでしょ?」

青ピ「やな」

ベイロープ「能力者を外に放り出しておくってのは考えられないし、何より青ピは強大な力を持っているわ。学園都市がそれを手放すとは思えない」

青ピ「……確かに」

ベイロープ「恐らく、近いうちに回収にくるでしょう」

青ピ「でも、今更あの街に戻りたくないしなぁ……」

フロリス「なんで?」
121 :>>1 [saga]:2012/06/18(月) 18:50:05.10 ID:Xj1Oyou+0
すまん、ちょいと飯いてくる
122 :>>1 [saga]:2012/06/18(月) 19:30:03.89 ID:Xj1Oyou+0
青ピ「学園都市には友達とか大切な人がぎょうさんおる。だけど、あの街の闇は相当深い。近いうちにまたつれ戻されるやろ」

一方通行によって暗部は解体されたためそんなことはあり得ないのだが、青ピにその情報は伝えられていない。

フロリス「友達には会いたいけど、汚れ仕事は嫌ってこと?」

青ピ「そうなるな」

ベイロープ「ずっとここにいてもらっても構わないわよ。迷惑でもないし」

青ピ「……ありがとなぁ」

外出を控えてくれればここを特定されることも無いでしょう、とベイロープは付け足す。
それに、例え外出中に襲われたとしても自分がいる限り負傷することは無いだろうと青ピは思っていた。

後日、その認識は間違いだったと青ピは身を持って体感することとなる。
そのことを青ピはまだ知らない。
123 :>>1 [saga]:2012/06/18(月) 19:42:44.67 ID:Xj1Oyou+0
青ピ「なぁ、フロリス達は魔術師なんやろ?」

フロリス「そうだよ」

青ピ「なんか今すぐ出来る魔術とかあるん?できれば目に見える形のやつ」

フロリス「そうだねー……。効果が普通にわかるものと言えば回復系かな」

そういうとフロリスは腕に小さく切り傷をつけた。

青ピ「ちょ、何やっとるん!?」

フロリス「大丈夫。すぐ治るから」

そして、近くの机に人を模したものを描く。その絵の腕に×印を付けた。そこはまさしく先程傷をつけた箇所だった。
更に絵の周りに植物の歯のようなものをいくつか加えていき、手を握りだす。
すると傷がだんだん直っていった。
124 :>>1 [saga]:2012/06/18(月) 19:52:05.45 ID:Xj1Oyou+0
>>123の最後
『植物の葉』です。失礼致しました。


青ピ「うわっ。凄いな」

フロリス「ね?すぐ治るって言ったでしょ。でも絵のやつだけじゃダメなんだ。特殊な呼吸と『祈り』が必要だから」

青ピ「呼吸の仕方が普通じゃないのはボクの能力の関係上すぐわかったけど、祈ることも必要なん?」

フロリス「うん。植物の葉は『治療する』って意味を持たせていて、それを増幅させるために神々に願いを届けないといけないんだよ。祈りが強ければ強いほど効果も高くなるね」

面白いな、と青ピは心の中で思う。
しかし、真似したりはしない。魔術を仕様すると体が壊れることを知っているからだ。
125 :>>1 [saga]:2012/06/18(月) 19:57:21.15 ID:Xj1Oyou+0
青ピ「ありがと。いいもん見せてもろたわ」

フロリス「いえいえ」

ベイロープ「話は終わったかしら?そろそろ食事だからこっちに来なさい」

フロリス「はーい」

青ピ「おう」

青ピとフロリスがベイロープの方へ向かう。
こういうのも良いかもしれない。青ピは新しい生活に心踊らせていた。
126 :>>1 [saga]:2012/06/18(月) 19:58:52.23 ID:Xj1Oyou+0
短いけど今日はここまでです

読んで下さりありがとうございました
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/18(月) 20:08:01.02 ID:g20S3z/IO
>>126
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/06/18(月) 20:55:06.84 ID:0OhH0Qwd0
青ピのくせにハーレム...ちくせうレッサー可愛いよレッサー
129 :>>1 [saga]:2012/06/19(火) 18:51:54.51 ID:mMCGudYD0
レッサーは可愛い
だけど、フロリスはもっと可愛い

更新開始だべ
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/19(火) 18:53:47.96 ID:FxB4fu4IO
さぁ始まるザマスよ
131 :>>1 [saga]:2012/06/19(火) 18:56:49.42 ID:mMCGudYD0
今日、レッサー、ランシス、ベイロープの三人は出掛けている。
詰まるところ、青ピとフロリスで二人っきりである。

青ピ「……」

フロリス「……」

青ピ「(気まずいぃぃぃ!!)」

青ピは紳士だ。女性の前で下品な会話は一切口にしない。
何か話題は無いものか、と第六位の頭脳で必死に考えるが、一つも思い浮かばなかった。
というか女性と二人っきりという状況も青ピにとっては一大イベントのため、そうそう思いつくはずもないのだ。

その時、唐突にベルが鳴らされる。

フロリス「あ、行ってくるね」

青ピ「ほーい」
132 :>>1 [saga]:2012/06/19(火) 19:01:57.63 ID:mMCGudYD0
すごすごと奥に引っ込む。
それが間違いだった。

 「第六位はここだな?」

フロリス「え?」

パン、と銃声がなり響く。
フロリスの左肩に風穴が空いていた。

フロリス「うあぁぁああぁ!!」

青ピ「!!」

慌てて玄関に駆け寄る。
そこには倒れたフロリスと、駆動鎧<パワードスーツ>を着込んだ兵士が六人立っていた。

 「探したぞ、第六位」

青ピ「テメェ!!」

聖人の力と能力を解放する。
いくら学園都市製の駆動鎧と言えど、その力になす術なく倒れる。
133 :>>1 [saga]:2012/06/19(火) 19:08:36.96 ID:mMCGudYD0
 「がぁあああ!!」

青ピ「これで終いか?」

増援がいないか確認するため、青ピは外に出ようとする。
それが命取りとなった。
まだ意識の残っていた兵士が、青ピへと銃口を向ける。

フロリス「青ピ!!」

青ピ「あ……?」

撃たれて負傷しているフロリスが、青ピの盾になろうと咄嗟に前に出た。
撃とうとしていた弾は少々特殊で、標的に当たると同時に爆発する仕掛けが施されていた。
直後、フロリスの腹部に銃弾が当たり、爆発する。

フロリス「ーーーー」

青ピ「ーーーーっう」



青ピ「フロリスぅぅぅうううう!!」


134 :>>1 [saga]:2012/06/19(火) 19:14:30.85 ID:mMCGudYD0
本来なら青ピに当たるはずだった。
自分が外に出ようとしなければ、弾が発射されることも無かった。
自分の責任であることは分かっているが、それ以上に敵が憎い。

 「ひっ!!」



撃った兵士は血祭りにした。
周りには学園都市からの刺客が、無惨にも倒れているだけだ。

青ピ「フロリスちゃん……」

フロリス「青…ピ……」

フロリスの腹部からは血が流れ続けている。
怒りで敵を殺す前に応急処置をしていれば、助けられる確率が上がっていただろう。
今から救急車を呼んだところでフロリスが助かるかどうかは分からない。
以前の自分なら諦めていたはずだ
だが今は違う。大逆転する方法がある。
135 :>>1 [saga]:2012/06/19(火) 19:18:25.62 ID:mMCGudYD0
青ピ「魔術……」

『新たなる光』で目を覚ました時に、フロリスから簡単な回復魔術を見せてもらった。
なんでもそれは、祈りが強いほど効果が高くなるという。
青ピはそれを行うつもりだった。

しかしここで一つの問題が発生する。
能力者に魔術は使えない。
能力者が魔術を使おうとすると、体の組織が破壊される。

青ピ「それがどうしたっていうんや」

だが青ピはやるようだ。
136 :>>1 [saga]:2012/06/19(火) 19:24:26.52 ID:mMCGudYD0
やり方は覚えている。
魔術には魔力が必要だが、それも問題ない。
フロリスは特殊な呼吸をすることによって魔力を得ていたが、能力の関係上人体のエキスパートである青ピにはその動きが手に取るように分かっていた。

魔法陣を構築していく。
人を模したものを描き、その腹部と左肩に×印をつける。
植物の葉を正確な位置に配置し、後は手を握りしめ祈るだけだ。

青ピ「待ってなフロリスちゃん。今助けるから」

魔術が発動した。

その瞬間、青ピの目から血が溢れた。
続くように、手、太股などから血が流れる。

青ピ「こんなん平気や」
137 :>>1 [saga]:2012/06/19(火) 19:28:46.10 ID:mMCGudYD0
平気なはずはない。
しかし、青ピは倒れなかった。
傷か増えるたび、祈りが自然と強くなる。
それに比例して、フロリスの傷が治るスピードが早くなっていった。



フロリス「あ、あれ……?」

撃たれた左肩と腹部は既に完治していた。
だが何かが足りない。ふと横を見ると。

血塗れの青ピが横たわっていた。

フロリス「な…んで……」


フロリス「いやぁぁあああぁあ!!!」


その後帰ってきたベイロープ達により救急車が呼ばれ、青ピは病院へと連れていかれた。
138 :>>1 [saga]:2012/06/19(火) 19:30:38.33 ID:mMCGudYD0
今日はここまで

次で第一部的なもの完かな……
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/19(火) 19:44:13.77 ID:FxB4fu4IO
>>138
140 :>>1 [saga]:2012/06/21(木) 17:33:37.22 ID:2pfYNwzs0
>>1です

更新開始
141 :>>1 [saga]:2012/06/21(木) 17:36:44.99 ID:2pfYNwzs0
病院の一室で青ピは目を覚ます。
一瞬なぜこんな所に、と考えるがすぐに思い出した。

青ピ「魔術、使ったんやっけ……」

負傷したフロリスのために魔術を使い、血塗れになったのだ。
その時、病室のドアがノックされる。

青ピ「どうぞー」

フロリス「あ、起きたんだね」

入ってきたのはフロリスだった。
142 :>>1 [saga]:2012/06/21(木) 17:40:21.53 ID:2pfYNwzs0
青ピ「どっか怪我とか残ってへんk」

フロリス「人の心配じゃなくて自分の心配をしてよ……」

悲痛な声で言う。

青ピ「……ごめん」

フロリス「本当に心配したんだよ?傷が治ってると思ったら、横で青ピが倒れてるんだもん」

青ピ「能力者のくせに魔術使っちゃってな。お陰でこんなんなってしもたわ」

気分を上げようと無理矢理明るい声を出す。
正直、体が痛くて気絶してしまいそうだ。
143 :>>1 [saga]:2012/06/21(木) 17:45:50.31 ID:2pfYNwzs0
フロリス「でも、助かったみたいで良かったよ。最初見た時は死んでるのかと思っちゃったし」

青ピ「生憎、人より丈夫な体しとってな。そう簡単には死なへんよ。もう完治してるとはいえ、ボクのせいで怪我させちゃってごめんな」

フロリス「いいよ。私も不注意だったし」

青ピ「でも、ボクがお世話になりますーて言うたから……」

フロリス「連れてきたのは私だよ?」

青ピ「……まぁええ。この話はもうやめや。何であの時ボクを庇ってくれたん?」

青ピにはそれがずっと疑問だった。
するとフロリスはこう答える。

フロリス「んー。なんでだろ?強いて言うなら、体が勝手に動いたって感じ?」

青ピ「なんやねんそれ」
144 :>>1 [saga]:2012/06/21(木) 17:50:44.33 ID:2pfYNwzs0
フロリス「初めて会った時もそんな感じだったかなー」

青ピ「ハハッ。一目惚れですーってか?」

ないやろ、ないない。と青ピは心の中で反省する。
しかし違ったようだ。

フロリス「そうかも」

青ピ「……え?」

冗談のつもりだった。
フロリスは続けて言う。

フロリス「助ける義理は無かったんだけど、何故かこの人は助けなきゃなって思ったんだよね。今思えば一目惚れだったのかも」
145 :>>1 [saga]:2012/06/21(木) 17:57:34.74 ID:2pfYNwzs0
あっさりと認めてしまった。
呆然とする青ピに、フロリスが迫る。

フロリス「どうなの?こんな可愛い子が、一目惚れしたって言ってるんだよ?」

そう言われて、改めてフロリスを見る。
顔は良い方だし、色々世話を焼いてくれる。ていうか一緒に寝てる。

あれ?結構いいんじゃね?

青ピ「……ボクでええの?」

フロリス「うん。こうして見ると青ピってすっごく魅力的かも。ほら、なんだかんだ言って優しいし、面倒見良い方だし」

青ピ「……こうはっきり言われると意外と迷うもんやね。それでもま、ボクでいいならよろしくお願いします」

フロリス「よろしく!」

ニコリと笑う。
146 :>>1 [saga]:2012/06/21(木) 18:01:38.54 ID:2pfYNwzs0
なんだか軽い感じで決まってしまった。

フロリス「あのさ、青ピの両親ってどこに住んでるの?日本ってことはわかるけどさ」

青ピ「それがどうかしたん?」

フロリス「将来的に会うかもしれないし、どうせなら早いほうがいいかなーって」

話が早すぎる。
なんだか裏切るようで悪いと思いながら、青ピは言う。

青ピ「残念やけど、それはできひん」

フロリス「な、なんで?」
147 :>>1 [saga]:2012/06/21(木) 18:04:28.90 ID:2pfYNwzs0



青ピ「ボク、親なんていないから」

フロリス「……え?」



フロリス「それ、どういう事?」

青ピ「聞きたい?」

フロリス「嘘じゃ、ないよね?」

青ピ「せや」

フロリス「分かった。聞いてみる」

青ピ「そか。んじゃ話すわ」
148 :>>1 [saga]:2012/06/21(木) 18:15:24.54 ID:2pfYNwzs0
ボクな、関西弁使ってるけど、出身は小さな離島で六歳まではそこに住んでたんや。
一人っ子やったけど親戚はたくさんいたし、皆仲良かったわ。

そうやって普通に暮らしとった時に、突然変な集団がやってきよった。
魔術結社やった。
当時はそんなん分からなくてただ呆然と眺めてたんやけど、そいつらボクを見るなり『捕らえろ!』なんて言いながら迫ってくるんや。
近くにいた人たちが慌てて止めようとしたんやけど、魔術で殺されよった。
そっからは大パニック。
ボクは恐怖で逃げ出して、家の中に隠れた。このまま見つからなければ、諦めて帰ってくれるだろうと思ってな。
でも甘かった。そいつらはボクがどこにいるか聞いて、答えなかった人を順番に殺していったみたいや。
そしてボクだけが残った。皆なぜか場所を言わなかったらしい。
後はしらみ潰しに探されて、結局見つかってしもた。
皆を殺したやつに捕まるのはイヤだ。
そう思ったから、今度はボクの方から殺していった。
一応聖人やったからな。時間はかかったけど、全員を殺してやったわ。
149 :>>1 [saga]:2012/06/21(木) 18:22:08.14 ID:2pfYNwzs0
青ピ「これがボクに親がいない理由や」

フロリス「……そんなことがあったんだ」

青ピ「理解してくれたか?」

悲痛な声で言う。

フロリス「ごめんね、辛いこと思い出させちゃって。泣いてもいいよ。私の胸で良かったら貸すから」

青ピ「……。もう泣くことなんて無いと思ってたんやけどな」

そう言って青ピは泣いた。嗚咽を漏らすように。

やがて、それもおさまる。
フロリスは青ピに囁く。

フロリス「私は青ピより弱いけど、側にいることくらいは出来るから。いくらでも頼っていいんだよ?だって私は彼女なんだから」

青ピ「彼女……か。ほんまありがとな」
150 :>>1 [saga]:2012/06/21(木) 18:25:44.77 ID:2pfYNwzs0
青ピ「なぁ、フロリスちゃん」

フロリス「なに?」

青ピ「続き、聞いてくれるか?」

フロリス「……続きがあるんだ。聞いてみるよ」

青ピは続きの話を語り出した。
151 :>>1 [saga]:2012/06/21(木) 18:33:26.25 ID:2pfYNwzs0
乗り込んできたやつらは殺した。けど、いつの間にかボクの背後に立ってる人がいたんや。
十三〜十四歳くらいで、鍔広の帽子と右目に眼帯をした女の子やった。
だけど、これまでとは雰囲気が圧倒的に違ってた。

『とんでもないものを持っているが、お前はその力を引き出していない。気づいてすらいない』

女の子はそう言ってたけど、何の事かさっぱり分からんかった。
とりあえず身構えたんやけど、必要無かった。
意味が無かった。
気づいた時には地にふせていて、それを感じた瞬間に血が吹き出た。

『ちなみに今日襲ってきたやつらは私の部下だ。お前が自身に宿っいる力を理解した時に私はまた現れる』

朦朧とする意識のなか、そんな言葉を聞いた。
152 :>>1 [saga]:2012/06/21(木) 18:37:58.02 ID:2pfYNwzs0
「君の名前は……何……?」

かろうじて声を出すことができた。
すると女の子はこう答えた。

『隻眼のオティヌス。魔神だ』

そう言って女の子は消えた。

目が覚めた時真っ先に思ったことは、皆を殺したやつらのボスーーーーオティヌスを殺すということやった。
そのためにボクは、何よりも力と速さを求めた。
そして、超能力が得られるという学園都市に潜り込んだんや。
153 :>>1 [saga]:2012/06/21(木) 18:43:30.76 ID:2pfYNwzs0
青ピ「結果、暗部に身をおくことになってしもたんやけどな」

青ピは笑う。
だがフロリスには二つ、気になることがあった。
一つは魔神。
その言葉の意味をフロリスは知っている。実際にいるとは驚きだし、そんなことをしていたのかというのも衝撃的だった。
もう一つは、その魔神の言う力についてだった。

フロリス「ねえ青ピ。魔神が言ってた『力』って何なの?」

気になって思わず訊ねてみた。
すると青ピは。

青ピ「分からへん。でも一つだけ心当りがある」
154 :>>1 [saga]:2012/06/21(木) 18:48:41.03 ID:2pfYNwzs0
曰く、イギリス第二王女キャーリサと戦ってる時、何かに一時的に体を乗っ取られた。
疲労で動きは鈍っていたはずだが、乗っ取られた時はスピードが全力を出した時に近くなっていた。

フロリス「……、」

青ピ「あの時は異常やった。二重人格とも思えへんし、それが『力』なのかもーーーー」

その喋ったところで、不意に青ピのケータイが鳴る。

フロリス「はい」

青ピ「ありがと」

フロリスが手渡した。
ケータイには『つっちー』と表示されている。

青ピ「もしもし」

土御門「青ピかにゃー?」

青ピ「せやで」
155 :>>1 [saga]:2012/06/21(木) 18:50:33.50 ID:2pfYNwzs0
土御門「連絡事項がある」

青ピ「あー、宿題なら下宿先に「学園都市に戻ってこい」」



青ピ「……は?」


156 :>>1 [saga]:2012/06/21(木) 18:51:36.92 ID:2pfYNwzs0
今日はここまで

駆け足すぎたかも知れませぬ……
疑問点とかあればどぞー
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 20:37:18.95 ID:M3Ed1MaIO
>>156
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/06/21(木) 20:48:04.56 ID:JJ+2bDkR0


青ピはもう爆発する心配はないの?
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/06/21(木) 23:13:33.88 ID:prmZid9l0

フロリスちゃんかわええ
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/20(金) 00:07:58.59 ID:dfkBfErIO
>>1が来ないお…もう二ヶ月たってまうよ…
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/07/23(月) 11:29:17.94 ID:Y9daMrQDo
すんげーおもろいやん
はよ帰ってこいください>>1
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/22(水) 18:48:23.43 ID:GEcHE9QIO
おい二ヶ月だぞどーすんだ>>1
エタる気か?
163 :>>1 [saga]:2012/09/21(金) 23:42:54.55 ID:bjWEsAtT0
入院してました
具体的にいうと、車にひかれました
携帯は紛失し、パソコンもぶっ壊れたため書き込めませんでした
本当に申し訳ありません

退院自体は少し前にしましたが、まさか残っているとは思わず……
このまま続けて欲しいという声があれば、一週間後に再開します
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/21(金) 23:44:28.81 ID:H3c8/ZMSO
無事でなにより。てか聞かずに書いてたらかっこよかったのになぁ…はよ
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/22(土) 00:02:26.98 ID:YgtP5ZMIO
>>1さんよくぞご無事で
生存報告があればまた暫くは大丈夫ですし無理なさらないで下さいね
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/09/25(火) 20:06:31.69 ID:wAoXYOxqo
きたたたた

このまま続けてください。
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) :2012/11/18(日) 18:49:13.09 ID:m78jHGo20
早く・・してくれ・・俺の中の欲望が破裂しそうだ・・     
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) :2012/11/18(日) 18:49:38.48 ID:m78jHGo20
早く・・してくれ・・俺の中の欲望が破裂しそうだ・・     
76.80 KB   
VIP Service SS速報VIP 専用ブラウザ 検索 Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)