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ウルフルン「あぁん? 交換日記だぁ?」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) :2012/06/10(日) 11:33:11.25 ID:po3jOJ9A0
〜お読みになる前に、差支えなければ以下の文をお読み下さい〜


・スマイルプリキュアのssです。

・少しだけキャラの崩壊があります。 ご注意下さい。

・物語について矛盾していることがあれば、ツッコミの方よろしくお願いします。

・初投稿です。 掲示板に書き込むのも初めてになります。 おまけに遅筆です。

・何か気になることがあれば、質問して頂ければ幸いです。


〜読んでも大丈夫という方は、どうか楽しんでいって下さい〜

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真神煉獄刹 @ 2024/05/08(水) 10:15:05.75 ID:3H4k6c/jo
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愛が一層メロウ @ 2024/05/08(水) 03:54:20.22 ID:g+5icL7To
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ハルヒ「最近わたしのss見かけなくなったわね」 @ 2024/05/07(火) 15:04:17.64 ID:FJQjQ6ct0
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孤独のエレナ Season3 @ 2024/05/06(月) 23:06:58.73 ID:mOA71iC60
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雑談はヒーローごっこじゃない @ 2024/05/06(月) 20:39:20.98 ID:e5NXmnk+0
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朝顔 @ 2024/05/06(月) 00:25:05.84 ID:AB/bv7Jv0
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オゾン層依存症って3回 @ 2024/05/05(日) 18:17:43.14 ID:JwHCDSU70
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【安価スレ】あかるくたのしい傭兵生活 @ 2024/05/04(土) 01:17:50.63 ID:3fwRECJNO
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2 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 11:34:26.01 ID:po3jOJ9A0
みゆき「そう、交換日記! オオカミさん一緒にやろうよ〜」

ウルフルン「なんで俺がんなことやらなきゃならねぇんだっつの!!」

ウルフルン「俺達は敵同士だぞ! 馴れ合いはごめんだ!」

みゆき「まあまあ、話を聞いてよオオカミさん」

みゆき「確かに私たちは戦う立場にあるけど、ある日ふと思ったの」

みゆき「そうやってお互いを敵だと決めつけるのはだめなんじゃないかって」

ウルフルン「……ほう」
3 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 11:35:23.19 ID:po3jOJ9A0
みゆき「絵本の中では、悪いオオカミが出てくるお話が沢山あるよ」

みゆき「だけどそれだけじゃないの。 数は少ないけど、良いオオカミが活躍する物語もあるんだよ」

みゆき「オオカミさんは自分を悪いオオカミだと言っているけど、実は良いオオカミかもしれない」

みゆき「だから私は自分自身の力で、どっちが本当かを確かめたいの」

ウルフルン「…やっぱガキだなてめぇは」

ウルフルン「自分自身の評価を間違えたつもりはねぇ。 俺様が悪者だと言えば悪者なんだよ」

ウルフルン「今のお前は、他人の言うことを素直に聞けずにワガママ言ってるようなもんだ」

みゆき「でも………」
4 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 11:36:05.95 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「……ま、確かに自分の評価と他人の評価が違うことってよくあるからな」

みゆき「え?」

ウルフルン「交換日記、だっけか? そんなんで気が済むなら好きにしろ」

みゆき「ホント!? オオカミさん!!」パアァ

ウルフルン「まぁな」














ウルフルン「こんなきれいにパロ・スペシャル決められてたら従うしかないだろ」メキメキメキ

みゆき「分かってくれてありがとう! オオカミさん!」ギリギリギリ
5 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 11:36:59.89 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「くそっ油断したぜ。 まさかこの俺様が罠にかかるたぁなぁ…」

みゆき「オオカミさんってば、あかねちゃんが焼いたお好み焼きしか見てなかったもんね〜」

ウルフルン「最近何も食ってなかったからな。 あの味がいざ目の前にあったら飛びつくに決まってんだろ」

みゆき「お好み焼き食べれてウルトラハッピー?」

ウルフルン「いや、数が足りねえ。 1枚だけじゃ腹は膨れねぇなやっぱ」

みゆき「えぇー。 …次から気を付けるね」

ウルフルン「次また同じ罠にかかることはねぇから安心しろ」
6 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 11:37:35.69 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「ちなみに」

みゆき「?」

ウルフルン「いつまでこの関節技を決めてるわけ?」メキメキメキ

みゆき「えっとね、あとはオオカミさんに交換する日記を渡せばいいだけなんだよね」

ウルフルン「ふむふむ」

みゆき「でもね、どうやら肝心の日記を家に忘れてきたみたいなの」

ウルフルン「ほう、そうか」

みゆき「だから取りに戻らなきゃいけないんだけど…」
7 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 11:38:11.03 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「残念だったな。 お前が取りに行ってる間に俺様はバットエンド王国に帰ってやる」ウルッフフ

みゆき「うぅー…やっぱりそうなるか」

ウルフルン「んじゃあ、さっさと諦めて放してくんねぇか?」

みゆき「……やだ!! 絶対諦めないもん!」

ウルフルン「ほう? それじゃあどうやって日記を取りに行くつもりなんだよ?」

みゆき「えっと、それは…」

ウルフルン「………」

みゆき「………」ウーン

ウルフルン「早く決めてくれ」スゲェイテェンダヨコレ
8 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 11:38:48.24 ID:po3jOJ9A0
みゆき「……あっ! そうだ!」

ウルフルン「んぁ? 何か見つかったってのか?」

みゆき「うりゃ!!」グイ!

ウルフルン「グオッ!!?」メキィ!

みゆき「放したくないならそのままにすればいいんだよ! 私ってばあったまいいー!」

ウルフルン「お、おい。 まさかてめぇ…」

みゆき「私が案内するから、オオカミさんはそのまま歩いてね?」

ウルフルン「ふざけんじゃねぇよ!! 関節技決められたまま歩くなんて真似できるわけが…!」

みゆき「そぉい!!」グイィ!

ウルフルン「ギェァォオッ!!?」メキメキィ!

みゆき「あ! 一歩進めた〜。 この調子でどんどん進んでねオオカミさん!」
9 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 11:39:48.87 ID:po3jOJ9A0
〜住宅街〜


青木淳之介「ほっほっほっ」タッタッタッ

れいか「ほっほっほっ」タッタッタッ

淳之介「午後からのジョギングも悪くはないね、れいか」タッタッタッ

れいか「本当ですね、お兄様」タッタッタッ

淳之介「朝とは違う景色も見られるし……例えばほら」

れいか「?」




みゆき「ねーねーオオカミさん。 そっちじゃなくてこっちだよー?」グイグイ!

ウルフルン「こんなポーズでまともに歩けるわけねぇだろうが普通!!」メキメキ!




れいか「」

淳之介「な? 朝にはあまり見かけない光景だろう?」

れいか「……えぇ本当ですね。 私も初めて見ました。 いやホントに」
10 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 11:40:41.62 ID:po3jOJ9A0
〜河原〜


緑川はる「お姉ちゃーん! ボール行ったよー!」

なお「はいはい、今返すからねー」ポーン

なお「それにしても、はるがサッカーし出すなんて何かあったの?」

はる「私ね、お姉ちゃんに憧れてるの!」

はる「料理が出来て、サッカーも上手で…私もお姉ちゃんみたいな人になりたいんだ!」フンス

なお「へぇーえらいねー」ナデナデ

はる「えへへー」テレテレ
11 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 11:41:31.29 ID:po3jOJ9A0
なお「お姉ちゃんを見本にしてくれるのはとても嬉しいよ」

なお「でもねーはる、私だけじゃなくて周りの人も見てみれば、本当にやりたいことが見つかるかも―――」チラ




みゆき「それー! 進めーオオカミ号ー!」グイー!

ウルフルン「マジで、やめて…勘弁してくれ……腕が…足が……」フラフラ




はる「」

なお「」

はる「……私もあれ、今度学校でやってみようかな」

なお「えぇっ!!? ちょっ、誰に使うつもり!?」
12 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 11:42:15.57 ID:po3jOJ9A0
〜星空一家自宅前〜


みゆき「やっとついた〜! オオカミさんお疲れ様!」

ウルフルン「」コヒューコヒュー

みゆき「それじゃあ日記取りに行ってくるから、少しの間ここで待っててね」ヨイショット

ウルフルン「」コヒューコヒュー

みゆき「ついでに何か食べられるもの持ってくるから、楽しみにしててねー」タタタ・・・

ウルフルン「」コヒューコヒュー









ウルフルン「」コヒューコヒュー
13 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 11:43:15.12 ID:po3jOJ9A0
日野げんき「ふぃー。 お好み焼きの材料買うだけでこんなに重くなるもんなんかー………ん?」



ウルフルン「」コヒューコヒュー



げんき「うわっ!? なんなんあの人、むっちゃ虫の息やんか!」

ウルフルン「」コヒューコヒュー

げんき「あんた大丈夫か!? なんかあったんか!?」

ウルフルン「」コヒューコヒュー ガクガクガク

げんき「なんや知らんけど、むっちゃ手足けいれんしとる…ほんまに何があったんや…?」
14 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 11:43:47.13 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「」コヒューコヒュー

げんき「なぁあんた! 一体どんなトレーニングしてん!?」

ウルフルン「………歩いた……」コヒューコヒュー

げんき「歩くってウォーキング? それでこの状況っておかしいやろ!?」

ウルフルン「……13kmや…」コヒューコヒュー

げんき「そんだけの距離歩いたんか!? 頑張りすぎや!!」
15 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 11:44:30.58 ID:po3jOJ9A0
みゆき「オオカミさんおまたせ〜……ってあれ? あかねちゃんの弟さん?」タタタ

げんき「あ、星空さん。 いつもねーちゃんが世話になってます」ペコリ

みゆき「いえいえこちらこそ」ペコリ

げんき「…ってこんなんしてる場合やない! このオオカミみたいな顔した人に何かあったんですか!?」

みゆき「え? ただ一緒に歩いただけだよ?」

げんき「一緒に歩いたん、ですか? でも星空さんはあんまり疲れてませんよね?」

みゆき「オオカミさんがおんぶしてくれたんだ。 とっても優しいんだよ〜」

ウルフルン「」コヒューコヒュー

げんき「はぁ、そうですか…(オオカミさんって言われとるんかこの人…)」
16 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 11:45:21.57 ID:po3jOJ9A0
げんき「とにかくこの、オオカミさん? に水とかあげへんとやばいんちゃいます?」

みゆき「うん。 ここに来る前お腹空いたって言ってたもんね」

みゆき「ちょっと待っててね。 今さっき栄養のあるもの取ってきたから」ガサゴソ

げんき「いや、栄養あるなしはどうでもいいから早く飲みもんを…」

みゆき「はいオオカミさん、きな粉だよ〜」フクロイリ!

げんき「そのチョイスはあんまりや!!」
17 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 11:46:08.58 ID:po3jOJ9A0
みゆき「冗談だってば〜。 すぐに飲み物持ってくるからね」タタタ・・・

げんき(持ってきてなかったあたり、本気で忘れとったみたいやな)

ウルフルン「」コヒューコヒュー フクロヲバンッ

げんき(にしてもあれやな、結構な距離をおんぶしてあげたんやったなこの人)

ウルフルン「」コヒューコヒュー オクチヘグイッ

げんき(けったいな見た目しとうけど、人を外見で判断したらあかんっちゅうわけやな)ウン

ウルフルン「ガハッ!? ガハゲホゴホォ!!」

げんき「ちょっ!!? 何きな粉一気飲みしてんねん!?」
18 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 11:47:03.95 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「カハッケヘッ」ピクピク

げんき「あんた少しは考えろや!! 腹減ってるのは分かるけど、喉乾いてるときにそれは自殺行為やで!?」

ウルフルン「」コヒュー・・・

げんき「こりゃあかん、呼吸の回数が減ってきよる……っとあった!」ガサゴソ

げんき「買い物ついでに飲みもん買ってきてよかったわー。 はいこれ」

ウルフルン「」

げんき「ん? どないしたん? 早くこれ飲んで安静に…」














ウルフルン「」

げんき「うわやばいやばいやばいやばいってこれちょっとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!?」
19 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 11:47:41.64 ID:po3jOJ9A0
げんき「ま、まだ間に合うはずや!! 押し込めえええええ!!」グイー

ウルフルン「…ッ!? グボァ!! ゲホッゲホッ!!」

げんき「よ、よかった……助かったぁ〜」フィー

ウルフルン「バ、バットエンドに染まるかと思ったぜ…」

げんき「バ? (バットエンド?) あんた大丈夫やったか? さっき息してなかったんやで?」

ウルフルン「ああ、腹ん中に石詰められて井戸に落ちる夢を見てた」

げんき「ちょっと意味合いがちゃうけど、正夢になりかけとったなそれ」
20 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 11:48:21.41 ID:po3jOJ9A0
みゆき「お待たせ〜」タタタ

ウルフルン「ッ!?」ビクッ

げんき「あ、星空さん。 オオカミさん元気になりましたよ」

みゆき「え? げんき君がやってくれたの? ありがと〜」

げんき「いえいえ、当然のことをしたまでです…っとと、もうこんな時間か…」

げんき「すみません、今店の買い出しの真っ最中なんで、ここで失礼します」ペコ

みゆき「そうなんだ。 何ももてなすことができなくてごめんね」

げんき「いやいや、とんでもありませんよ〜」
21 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 11:48:59.96 ID:po3jOJ9A0
げんき「ちなみに」

みゆき「?」

げんき「今手に持ってるのはなんですか?」

みゆき「ああこれ?」ガサッ

みゆき「美味しい飲み物はなかったから、美味しそうなこんにゃくゼリー持って来たの」リンゴアジ!

げんき「あんた天然かっ!! ここまできたら狙ってやってるようにしか見えませんよ!?」
22 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 11:50:04.13 ID:po3jOJ9A0
げんき「はぁ…もういいですわ。 それでは失礼します」ペコ

みゆき「お元気で〜」バイバイ

ウルフルン「………」

みゆき「お待たせオオカミさん! ずっと待っててくれたんだね」

ウルフルン「…いや、待ってなんかなかったさ」

みゆき「え?」

ウルフルン「意識を取り戻して、てめぇがここに来ようとした瞬間から逃げようかと思ったんだが」

みゆき「うんうん」

ウルフルン「手足がけいれんしててろくに立つことができねぇ」

みゆき「あー…」
23 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 11:50:43.68 ID:po3jOJ9A0
みゆき「でもバットエンドの人たちって、飛んだり一瞬で移動したりできなかったっけ?」

ウルフルン「確かにそれもできるんだがなぁ……」

みゆき「…何かできない理由でもあったの?」

ウルフルン「さっきのガキの目の前でやったら驚くだろうが」

みゆき「オオカミさんってば優しいんだね」

ウルフルン「親切にしてもらったからな。 プライドが高く義理堅いんだよ俺様は」フンッ
24 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 11:51:36.90 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「でもまあ、さっきのガキも行っちまったし、俺もここでおさらばしとくか」

みゆき「えっ!? ちょっと待って、日記は?」

ウルフルン「んなもん知るか!! 早めに風呂入って手足の疲れを癒してぇんだ!」

みゆき「お願い、この交換日記を持っていくだけでいいから!」コレ!

ウルフルン「へっ。 そうやって渡されて素直に受け取るかってんだ」

みゆき「はっぷっぷー。 ……そこまでオオカミさんが言うなら」

ウルフルン「お、どうした? 何か考えがあっても俺様には通用するわけが―――」

みゆき「さっきオオカミさんが罠にかかったときの映像をみんなに見せます」スチャ

ウルフルン「日記はそれでいいんだよな? 俺の頭の上にでも置いといてくれ」テガウゴカナイ

みゆき「オオカミさんは素直で優しいね」

ウルフルン「プライドはできるだけ守っときたいんだよ俺様は」クソッ
25 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 11:53:54.94 ID:po3jOJ9A0
〜バットエンド王国〜


ウルフルン「…さて、話を整理しておくか」

ウルフルン「今はこうして俺は無事帰還できたわけだが、やたら体中がいてぇ」

ウルフルン「まぁ、流石に数時間もパロ・スペシャル決められ続けたらそうなるわな」

ウルフルン「それは百歩譲っていいとしても、今の歩き方が老人みたいになってるのはいただけねぇ」

ウルフルン「アカオーニには笑われるし、マジョリーナのババアから杖を渡された時には悔しくて涙が出たぜ」

ウルフルン「いつ治るか分かったもんじゃねぇが、しばらくは出撃を控えるのが一番だな」

ウルフルン「それにしても杖って使えるもんなんだな。 しばらく借りることにすっか」
26 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 11:54:52.59 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「…で、今手に持っているのが、その関節技を決めやがったガキの日記」

ウルフルン「俺はほぼ強制的にこの日記を交換し合うことになったわけだ」

ウルフルン「しかし今考えてみると、これは絶好の機会かもしれねぇ」

ウルフルン「あいつはプリキュアだ。 言い換えれば俺達の敵となる存在だ」

ウルフルン「んで、その敵は自身の生活をこの日記に記すことになるから、俺はそいつの情報を得ることができる」

ウルフルン「つまりは、その情報の中からあいつらを倒す秘策が見つかるかもしれねぇってわけだぜ!」
27 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 11:55:38.72 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「馬鹿な奴だぜ、自分から負ける原因を作り出してるようじゃなぁ」ウルッフフ

ウルフルン「さて、そうと決まれば早速情報を集めるとすっか」

ウルフルン「完全に人の言葉を知ってるわけじゃねぇが、あまりにヒデェ内容じゃなければ俺でも理解できる―――」ペラ







20XX年 ○月□日


今日は駄菓子屋さんへ買い物に行きました。


オランダキャンディーって、なんだかキャンディを取り合ってるように聞こえますね。

そうするとキャンディはお姫様でしょうか? 沢山の王子様からプロポーズされるのでしょうか?


何やら私の中でキャンディの株が急上昇中です! でも私だって負けないわ!!

だって私には、沢山のジェントルマンからいただいたラフ″レ ター‥- があるもの!


つい最近新鮮な魚を手に入れました。 フラメンコダンスしながら踊り食いをしてみたいです。


☆Ulutora Happii☆







ウルフルン「ヒデェ!!」
28 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 11:56:18.76 ID:po3jOJ9A0
〜星空みゆきの部屋〜


キャンディ「ZZZ」



みゆき「…オオカミさん見てくれたかなー?」カキカキ

みゆき「少しメルヘンチックに書いちゃったかもだけど…ちょっとぐらいならいいよね、うん」カリカリ

みゆき「でもラブレターっていう表現は少し無理があったかも」ガリガリ

みゆき「実際は先生達から貰った補修のプリントなのにねー…」デモカカナイモンネ
29 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 11:57:05.11 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「…よし、ちょっと落ち着いてみよう。 俺様ならできるはずだ」

ウルフルン「俺はついさっきまで、この日記の中からプリキュアに勝つための秘策が見つかるだろうと思っていた」

ウルフルン「しかし俺様はまだまだ勉強不足らしい。 秘策どころか内容さえも理解できん」

ウルフルン「俺が分かったのは、あのガキがメルヘンランドのチビに対抗心を燃やしているぐらいだ」

ウルフルン「ラブレターっていう文字の部分だけ悲しいほど震えてやがるな」

ウルフルン「ってことはこれは嘘だろうな。 嘘ついてまでそいつに勝ちてぇのかっつー話だよ」

ウルフルン「魚の食べ方については…そういうやり方が向こうじゃ当たり前なんだろうな、きっと」

ウルフルン「最後の英語は…なんかもうどうでもいいや」
30 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 11:57:50.93 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「正直ここで終わりにしたいが、俺にはやらなきゃいけないことが残っている」

ウルフルン「この日記に今日あったことを書いて、明日アイツに渡すことだ」

ウルフルン「文章書いたことなんて今までなかったからなー俺。 …まぁ適当でいっか」カキカキ







20XX年 ○月■日


だりぃ

ねみぃ

手足の筋肉がいてぇ

きな粉うまかった

あのジュースの味は忘れない







ウルフルン「こんなもんでいいだろ」ウン
31 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 11:59:13.48 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「さてと、後はこれをガキに渡すだけだが…」

ウルフルン「………」

ウルフルン「…どうやって渡したらいいんだコレ?」

ウルフルン「まぁいい。 もう疲れたから、明日のことは明日にでも考えることにすっか」ヨッコイセ

ウルフルン「あー杖あると楽に歩けるわー」カッカッ テクテク


アカオーニ「…ウルフルンの奴、なんかやたらとジジくさくなってるオニ」
32 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:00:16.22 ID:po3jOJ9A0
〜翌朝〜


ウルフルン「ぐっすりと眠っちまった」

ウルフルン「アカオーニの部屋からモーニングバードの声が聞こえる…ってことは多分朝なんだろうな」

ウルフルン「なんだか早寝早起きしてるなー俺。 オオカミは夜行性じゃなかったか?」

マジョリーナ「起きたのかいウルフルン? 昨日はお疲れだっただわさ」テクテク

ウルフルン「マジョリーナか…」

マジョリーナ「あんたがあそこまでヘロヘロになったは珍しいだわさ。 あれもプリキュアの仕業かね?」

ウルフルン「まぁそんなとこだな」

ウルフルン(変身もしてないただのガキにやられました、って言えねぇよなやっぱ)
33 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:01:03.07 ID:po3jOJ9A0
マジョリーナ「それはそうと、気になることがあるんだがね」

ウルフルン「んぁ?」

マジョリーナ「先日あんたが出撃していったはずなのに、バッドエナジーが集まる様子がなかっただわさ」

ウルフルン「あー…いきなり出会っちまってな、何もすることができずにコテンパンにされたんだよ」

マジョリーナ「油断しすぎだわさ。 私だったらもう少しましな働きをするだわさ」ヒッヒッヒッ

ウルフルン「ケッ! 次からはこうはいかねぇさ!」
34 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:01:51.99 ID:po3jOJ9A0
マジョリーナ「それはそうとあんた、いい加減体起こしたらどうだわさ?」

ウルフルン「言われなくてもっ……」

マジョリーナ「………」

ウルフルン「………」

マジョリーナ「………?」

ウルフルン「……体が動かねぇ…」

マジョリーナ「!?」
35 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:02:44.73 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「うがるるるるるるるるるる…!!」グググ・・・

マジョリーナ「なんとか起き上がることができただわさ」

ウルフルン「チクショウ!! 体中が痛くて動けねぇ!」

マジョリーナ「きっと筋肉痛にでもなったんだわさ」

マジョリーナ「昨日あんな風になってたらそりゃそうなるだわさ」

ウルフルン「くそっ!!」
36 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:03:42.65 ID:po3jOJ9A0
マジョリーナ「そんな体じゃプリキュアと戦っても話にならないさね」

マジョリーナ「こっちからアカオーニに言っておくから、しばらく休んでおくがいいだわさ」テクテク

ウルフルン「お、おい! 待て!」

マジョリーナ「そっちがのん気に休んでいる間に、私達2人でプリキュアを倒しておくだわさ」ヒッヒッヒッ

ウルフルン「待てよおい! ババア!!」


イィーッヒッヒッヒッヒッヒ・・・


ウルフルン「………」

ウルフルン「………」

ウルフルン「………、行ったか」
37 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:04:13.28 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「さーてと、冗談抜きで痛ぇが頑張って体動かすか」ドッコイショ

ウルフルン「マジョリーナやアカオーニには、俺がしばらく出撃できないことを知られてしまった」

ウルフルン「しかし、だからと言って俺様は休むなんて馬鹿な真似はしねぇ」

ウルフルン「この日記を使ってプリキュアの弱点をつかみ、あわよくば俺様の手でプリキュアを倒してやる」

ウルフルン「正直日記の内容は分からんかったが、この先何か使える情報が手に入るかもしれねぇからな」

ウルフルン「プリキュアを倒した時の2人がどんな顔をするか楽しみで仕方ねぇぜ」ウルッフフ
38 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:05:20.04 ID:po3jOJ9A0
〜人間界〜


ウルフルン「自由に体は動かせねぇが、飛んて移動したらそんなの大した問題じゃねぇな」フヨフヨ

ウルフルン「さっさとあのガキ見つけて日記を渡したいんだが…そう簡単には上手くいかねぇか」キョロキョロ

ウルフルン「勢い付けて出て行ったから何か帰るの癪だし、かといって他にすることもねぇし…どうすっか…」

ウルフルン「………」ウーム

ウルフルン「………」

ウルフルン「………」ペラ

ウルフルン「………駄菓子か」
39 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:05:53.12 ID:po3jOJ9A0
〜駄菓子屋前上空〜


ウルフルン「特に用はないのに来ちまった」フヨフヨ

ウルフルン「かといって、ここで何かするわけでもないんだがな」ストン

ウルフルン「さて、これからどうやってあのガキを探すか―――」テクテク




みゆき「………あれ? オオカミさん?」

ウルフルン「…簡単に見つかっちまったぜおい」
40 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:06:28.77 ID:po3jOJ9A0
キャンディ「みゆき!? ウルフルンがここにいるクル!?」ガバッ

みゆき「あっキャンディ! 勝手に出てきちゃダメだよ!」グイー

キャンディ「クル―――――!?」ムゴー

ウルフルン「……おいてめぇ、どうしてここにいやがる?」

みゆき「え? えーと…今日学校が休みだから…?」

ウルフルン「…そういうもんなのか?」

みゆき「そういうものだよ?」

ウルフルン(休みになると駄菓子を買うもんなのか)ナルホド
41 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:06:59.54 ID:po3jOJ9A0
みゆき「私はみんなと食べるお菓子を買いに来たんだけど、オオカミさんはどうしてここに?」ミユキー

ウルフルン「……別に、ただ単に気まぐれで来ただけだ」

みゆき「そうなんだ〜。 ………ふふっ」ネーミユキー

ウルフルン「? 何がおかしいんだよ?」

みゆき「もしかしたら私の日記を見て、来ようとしたんじゃないかなーって思って」オーイ

ウルフルン「へっ 随分と都合がいい考えだなそりゃ」

みゆき「そうかもね〜 ……えへへ」ダシテクルー
42 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:07:46.61 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「おらよ、昨日言われた通り日記を書いてきたぜ」スッ

みゆき「うん、ありがと〜。 家に帰ってから読むね」オネガイクルー

ウルフルン「? なんで今ここで読まねぇんだよ?」

みゆき「こういう楽しみは家でゆっくりと楽しみたいの」イキガクルシイクルー

ウルフルン「そういうもんかよ」

みゆき「そういうものなんだよ」ネェチョット!
43 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:08:21.92 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「ったく、何が楽しいんだか全く分かんねぇぜ」

みゆき「…確かに、分かんないかもしれないよね」ハナシヲキイテヨ!

ウルフルン「あん?」

みゆき「この日記のことは、他のみんなには内緒にしてるんだ」ホントニクルシインダッテ!

みゆき「自分でもね、隠し事はいけないことだって分かってるの」ダシテ!!

みゆき「でもね、今はこの日記があるからオオカミさんとこうやって話すことが出来ている」ダシテヨ!!

みゆき「そんな時間を、失くしたくないの。 少しでも、大切にしたいの」キヨマロオオオオオオオオオオ!!!
44 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:09:07.71 ID:po3jOJ9A0
みゆき「だからね、その…」キヨマロオオオォォ・・・

ウルフルン「……そう思うんだったら俺様は何も言わねぇ」

みゆき「…え?」・・・ォォォォォォォォカッ ゴフッ!?

ウルフルン「隠したら隠し通すことだな。 俺はそれにできる限り協力してやるからよ」

みゆき「ありがとう! オオカミさん!」イ イキガ・・・

みゆき「それじゃあ明日お昼頃に学校に来てね! 屋上で渡すから!」カハッ ケホッ

ウルフルン「ああ、そんじゃな」

みゆき「うん! それじゃあね!」コヒューコヒュー


タタタ・・・


ウルフルン「………」
45 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:10:12.96 ID:po3jOJ9A0
〜バットエンド王国〜


ウルフルン「………」

ウルフルン「…俺様は鼻が良い」

ウルフルン「あのガキが買ってたのは、匂いからしてかっぱえびせんだったな。 オランダキャンディーじゃねぇのか」

ウルフルン「そして俺様は耳が良い」

ウルフルン「鞄の中に入れられてた妖精がかなりやばそうだった。 すっげぇ本気でやばそうだった」
46 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:10:54.13 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「そして俺様は頭が良い」

ウルフルン「押し付けられた日記を逆に利用して、プリキュアに勝つための秘策を手に入れようと考えた」

ウルフルン「全ては目的ため、全ては勝利のためにやってるだけに過ぎねぇ」

ウルフルン「あのガキの気持ちとは裏腹に、だ」

ウルフルン「………」

ウルフルン「………」

ウルフルン「………、何変なこと考えてんだ? 俺様らしくねぇ」
47 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:11:35.06 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「そもそもだ、今回の作戦は上手くいってるかどうか定かじゃねぇんだよな」

ウルフルン「あのガキは隠していると言ったが、嘘をついているかもしれん」

ウルフルン「こっちが利用していると思わせといて、逆に利用されていたというパターンもあるわけだ」

ウルフルン「あのガキ見た目はあれだが、内面は知ったこっちゃねぇからな」

ウルフルン「気を付けなくちゃいけねぇ。 油断は禁物ってな」
48 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:12:27.14 ID:po3jOJ9A0
〜翌日〜


ウルフルン「…という風に昨日は言ったものの」







20XX年 ○月☆日


オオカミさんおはよう!


みんなでおしゃべり会をしようと思ってましたが、いつの間にかお医者さんごっこをするようになってました。


お医者さんの役をやったれいかちゃんとなおちゃんが一生懸命で、とってもカッコよかったです!

まるで王子様みたいで、病人役のお姫様を優しく包み込む姿は私には眩しすぎます。

あまりに眩しかったので後ろを向いてかっぱえびせんを食べていました。 それだけでもウルトラハッピーです☆


どんな状態になっても王子様がお姫様を助ける、というハッピーエンドは永遠に揺るがないことに感動しちゃいました!

ちなみに病人役のお姫様はキャンディでした。


やっぱり王子様は素敵です。

いつ私の元へ王子様が迎えに来てもいいようにバク転をマスターしたいです。







ウルフルン「特に警戒する必要ねぇ感じだなこりゃ」ウン
49 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:13:42.36 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「つーか、この日記から勝つための秘策がまるで見つからねぇ」

ウルフルン「このまま続けていても埒が明かねぇし、どうしたもんかね…」

アカオーニ「ウルフルン、体の筋肉痛は治ったオニ?」

ウルフルン「アカオーニか… まだ全然治っちゃいねぇよ」

ウルフルン「むしろ背中の方まで筋肉痛になってきた」

アカオーニ「腹筋ならまだしも、背中の筋肉を鍛えることはあまりないからオニな」

ウルフルン「背筋伸ばすといてぇから、しばらくは猫背になっちまうぜ」ヤレヤレ

アカオーニ(もう完全におじいちゃんオニ)
50 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:14:24.32 ID:po3jOJ9A0
アカオーニ「まぁしばらくの間は休んでるオニ! その間の出撃は俺様達に任せておくオニ!」

ウルフルン「ん、よろしく。 ところでよ」

アカオーニ「?」

ウルフルン「もし他の奴が持っている情報を知りたいとき、お前ならどうするよ?」

アカオーニ「いきなりどうしたオニ?」

アカオーニ「というか、簡単なことを聞くオニね」

アカオーニ「知りたかったら、そいつに直接教えてもらうのが一番オニ!」デーン
51 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:15:09.81 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「あー…そうか。 うん、まぁ当然のことだよな」

アカオーニ「当然オニ! 知らないことはとりあえず質問してみるオニ!」

ウルフルン「んじゃ早速お前に質問なんだが」

アカオーニ「ん? 何が知りたいオニ?」

ウルフルン「なんで湿ったパンツを好んで履くのかね?」

アカオーニ「なーんだオニ。 それも簡単なことオニ」

アカオーニ「ロ マ ン だ か ら オ ニ!!」オニーン

ウルフルン「あーすまん。 やっぱ聞くんじゃなかったわチクショウめ」
52 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:15:55.08 ID:po3jOJ9A0
アカオーニ「それじゃあ俺様これからひとっぱたらきしてくるオニ!」ドスドス

ウルフルン「おーそうかい」イッテラッシャイ


ドスドスドス・・・


ウルフルン「………」

ウルフルン「………」

ウルフルン「………」

ウルフルン「………さて、日記でも書くか」
53 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:16:47.53 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「確かにアカオーニの言うとおり、自分から聞きにいくのが一番だな」ウン

ウルフルン「今までは適当にやってただけだが…質問する形で書いてみるか」カキカキ







20XX年 ○月◎日


数日遅れて背中の筋肉痛がきた。 すっげぇいてぇ。

なんかアカオーニが老人を気遣う態度で接してきた。 俺様ショック。


質問したいことがあるんだが、

お前について何か知りたいことがあったら聞いてもいいか?







ウルフルン「よしできた」フゥ

ウルフルン「仮に質問できたとしても、いきなりプリキュアの弱点を聞くなんてしたら怪しまれるからな」

ウルフルン「まずはこのガキだけについて聞いていくとするか」
54 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:17:39.48 ID:po3jOJ9A0
〜2日後〜


ウルフルン「日記が返ってきたことだし、上手くいったかどうか確認してみるか」

ウルフルン「質問していいことになれば、プリキュアを倒すための情報をどんどん引き出してやるぜ」ウルッフフ

ウルフルン「そうとなれば俺様達バットエンド王国の勝利も近い―――」ペラ







スマイル年 (*^−°V) ウルトラ月ハッピーデイ日 ☆⌒(*^∇゜)v


o(^−^o)(o^−^)o  \(*´∇`*)/
おっっっはよぉうござぁいまぁあす!! ♪~♪ d(⌒o⌒)b♪~♪
♪ \(^0^\)(/^0^)/ ♪  ヾ(>▽<)ゞ
私今、とっても大きな幸せをむちゃくちゃ感じており―――







ウルフルン「」パタン
55 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:20:13.05 ID:po3jOJ9A0
〜河原〜


ウルフルン「………」ポチャーン

ウルフルン「………」

ウルフルン「………」ポチャーン

ウルフルン「………」

ウルフルン「………」ハァー

ウルフルン「………うん、まぁ、そうだな」














ウルフルン「とりあえず歌でも歌ってみるか」
56 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:20:50.40 ID:po3jOJ9A0
なお「はぁー……学校の先生に怒られちゃったねー」テクテク

はる「……お姉ちゃん…」トボトボ

なお「何?」クルッ

はる「……ごめん、なさい…」グスグス

なお「…お姉ちゃんに謝っても意味ないと思うな、はる」

なお「謝るなら、パロ・スペシャル決めた相手の男子にちゃんと謝りなさい」
57 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:21:25.25 ID:po3jOJ9A0
はる「うぅー…だってー…」

なお「だってじゃないでしょ!」




ウォーウォーウォーウォーウォーウォーウォーウォーウォ―――ン

ウォウォウォーウォーウォーウォーウォーウォーウォーウォーウォ―――ン




なお「……? 何だろうこの声?」

はる「…ワンちゃん?」
58 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:22:01.26 ID:po3jOJ9A0
あかね「……? 何や? 何か変な声が聞こえてくんで?」

やよい「うん、そうだね…?」




ウォウォウォーン ウォーウォーウォウォーン ウォウォーウォーウォウォーウォーウォーウォ――ン

ウォーウォーウォーウォンウォ――ン ウォーウォーウォーン ウォーウォーウォ――ン




やよい「……あれ? この曲って確か…」

あかね「やよい? この曲について何か知ってるん?」

やよい「うん。 ママがね、毎週欠かさず見ているの」

あかね「?」
59 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:23:06.40 ID:po3jOJ9A0
ウォウォウォーン ウォーウォーウォウォーン ウォウォーウォーウォウォーンウォンウォンウォ――ン

ウォーウォ――ンウォーウォーウォウォ――ウォーン ウォーウォーンウォーウォーウォウォンウォンウォンウォン

ウォーン ウォーウォーウォウォーン ウォウォーウォーウォウォーンウォンウォンウォ――ン

ウォーウォーンウォーンウォンウォ――ン ウォーウォーンウォーンウォンウォーウォーン

ウォウォウォーン ウォーウォーウォウォーン ウォウォーウォーウォウォーンウォンウォンウォ――ン

ウォーウォ――ンウォーウォーウォウォーンウォーン ウォーウォーンウォウォウォウォーウォ――ン




ウルフルン「…私ウルフルンは、プリキュアに勝つための情報を得られなくて困っておりました」

ウルフルン「その問題に挑む今回の匠は、バットエンド王国三幹部の1人、ウルフルン」

ウルフルン「匠の考えた作戦は、知りたいことがあったら質問してもいいかを日記で聞いてみることでした」

ウルフルン「さてその返事を見てみると……なんということでしょう」

ウルフルン「ただでさえ内容がアレなのに、メガ盛りになって返ってきているではありませんか…ってな」
60 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:25:57.39 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「よーし、何だか歌ってみたらすっきりしたぜ」

ウルフルン「一応日記の中身を確認してみると、質問しても全然OKだそうだ」

ウルフルン「これで本格的に打倒プリキュアに乗り出せる、はずなんだが……正直やる気が出てこない」

ウルフルン「質問するのはいいんだが、なんかこれと同じテンションで答えてきそうな気がする」

ウルフルン「今回だって読むのに恐怖を伴ったからな…もうあの文章は読みたかねぇぜ」
61 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:26:47.88 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「つーか、なんでアイツ舞い上がってんだっけか?」ハテ

ウルフルン「こっちはただ質問してもいいかを聞いてみただけだぞ?」ウーム

ウルフルン「自分の事を聞かれるのがそんなに嬉しいもんなのかねぇ」ワカラン



??「あのー、ちょっとよろしいですか?」



ウルフルン「あん?」

入江「先程歌が聞こえたのでここまで来てみたんですが…」
62 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:29:37.46 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「何だ? こっちの歌が下手くそだったって言いてぇのか?」

入江「いえ、そういう訳ではなく…毎週見ているので思わず聞き入ってたんです」

ウルフルン「ふーん。 …で、お前俺に何か用でもあるのか?」

入江「特にありませんよ。 ここの近くで生徒会の活動をしているだけです」

ウルフルン「そりゃあ大変なことで」

入江「お気遣いくださり、ありがとうございます」ペコリ
63 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:30:59.85 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「まぁ何というか…やけに礼儀正しいなお前」

入江「年上を対する礼儀は持ってて当たり前ですから」ニコリ

ウルフルン「? 俺お前に自分が何歳かって言ったか?」

入江「いえいえ、少し話すだけですぐに分かるものですよ、おじいさん」

ウルフルン「えっ」

入江「えっ?」

ウルフルン「……俺ぁじいさんと呼ばれる年じゃねぇぞ?」

入江「そうなんですか? ついてっきりそうかと…」スイマセン
64 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:33:29.95 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「…ちなみに、俺のどこらへんがじいさんっぽいんだ?」

入江「はい、えーっと…その曲がった腰と」

ウルフルン(筋肉痛で曲がった腰と)フム

入江「その手に持っている杖と」

ウルフルン(マジョリーナから借りた杖と)フムフム

入江「大阪のおばさんが好みそうな、虎模様の服から判断してました」

ウルフルン(アカオーニの服を借りパクして改造したやつか)ナルホド
65 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:35:55.35 ID:po3jOJ9A0
入江「声を聴くまではおばあさんかな、と思ったのですが…どうも失礼しました」ペコリ

ウルフルン「うんにゃ、こっちも誤解させてすまんかった。 …つーか誰でも勘違いするだろうよこんな格好じゃ」

入江「確かに、そうかもしれませんね」

ウルフルン「あー…、もうタメ口でも構わねぇよ。 あんま中身の年齢変わんねぇだろうし」

入江「あぁ、ありがとう」ニコッ

ウルフルン「ん」
66 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:36:49.79 ID:po3jOJ9A0
入江「…そういえば」

ウルフルン「?」

入江「何か悩んでいるようだったけど、どうかしたのかい?」

ウルフルン「……聞いてたのか?」

入江「歌の冒頭が聞こえてきてからずっとね」ウン

ウルフルン「そうか…」
67 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:37:43.06 ID:po3jOJ9A0
入江「…これは僕の勝手な考え方だけど」

ウルフルン「?」

入江「自分から何かしてみよう、っていうのはとても大事なことだと思うよ」

入江「でもそれって、目的を1人で成し遂げようって考えてたら上手くいかないんじゃないかな」

ウルフルン「……ほう?」
68 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:38:15.57 ID:po3jOJ9A0
入江「1つの目的を成し遂げるには、他の人の助けが必要な時が沢山あるんだ」

入江「それでお互い協力し合い、その過程でお互いを知り、目的が達成されたときに初めて喜びを分かち合うことができる」

入江「今の君がやっていることも、その日記で通じてる人と一緒に協力しないと、達成するのは難しいんじゃないかな」

ウルフルン「………」

入江「君がやろうとしていることは正直分からないけど、少しでも相手のことを知ろうって気持ちは大事だと僕は思うよ」
69 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:39:54.59 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「残念だったな。 お前は根本的な事を間違えてるぜ」

ウルフルン「俺はこの日記の奴と協力しようと思っちゃいねぇ。 利用しているだけなんだよ」

入江「…君はそう思っていても、その相手の人は違うんじゃないかい?」

ウルフルン「……何だと?」

入江「その日記、風でめくれた部分が見えちゃったんだけど」

入江「とても楽しそうに書いていたよ。 ちょっと見ただけですぐに分かるぐらいにね」

入江「きっと、君と一緒に日記を書いていけるのが、嬉しくて嬉しくてたまらないんじゃないかな」

ウルフルン「………」ペラ
70 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:41:05.80 ID:po3jOJ9A0
入江「少しだけでもいいから、その人の気持ちを考えて行動してみたらいいと思うよ」

入江「そうしたらやりたいことも、より達成しやすくなるはずだからね」

ウルフルン「………、なるほど、そういうことか」

入江「…分かってもらえたかな?」

ウルフルン「ああ。 わざわざ説明してもらってすまねぇな」

入江「いやいや、こっちこそ長話してすまなかったね」
71 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:42:31.67 ID:po3jOJ9A0
カイチョー ドコニイルノデスカー?




ウルフルン「…なんだ、この声は?」

入江「あぁ、どうやら生徒会の人が僕を捜しに来たみたいだね」

ウルフルン「ほー。 …って、あいつは確か…」

入江「?」
72 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:43:32.61 ID:po3jOJ9A0
れいか「やっと見つけましたよ!」タタタッ

れいか「生徒会長! こんなところで何をしているんですか!?」

入江「すまない、青木君。 ちょっとそこの人に話を伺ってたんだよ」

れいか「はぁ、そうですか…? …このおばあさまとはお知り合いで?」

入江「いや、今日初めて会った人だよ。 後この人はおばあさんでもおじいさんでもなくて―――」チラッ







ウルフルン「…どうも、初めましてお若いの」ゴホッゴホッ

入江「…あれ?」
73 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:44:36.59 ID:po3jOJ9A0
れいか「まぁ、おじいさまでしたか! 勘違いしてしまい申し訳ありません」ペコリ

ウルフルン「いいんじゃよ。 ワシは昔から後ろだけはべっぴんさんだと褒められたものじゃ」

れいか「あら、冗談がとてもお上手なんですね」クスクス

ウルフルン「褒められると悪い気はせんのう」ウルッフォッフォ

入江(なんで老人の演技をしているんだろうこの人?)

ウルフルン「あ゛ー、少しでも振り返ると首が痛くて敵わんわい」トントン

入江(しかも完全に役になりきっているし)スゴイヤ
74 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:45:26.66 ID:po3jOJ9A0
れいか「自己紹介が遅れました。 私、青木れいかと申します」ペコリ

入江「あ、僕は入江という名前だy、…です」ペコリ

ウルフルン「あー…、ワシの名前はー…なんだったかのー…?」

入江「…思い出せないのなら、どういう風に呼んで欲しいのか、ということでも大丈夫ですよ?」

入江(なんだか本名を言いたくなさそうだし、これでいいはずだ)
75 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:46:23.63 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「…そうじゃのー。 ワシのことはさしずめ…」

れいか「はい」

ウルフルン「…筋肉痛様(きんにくいたいよう)とでも呼んでおくれ」

入江「!?」

れいか「まぁ、筋肉痛様、ですか?」

れいか「とても素晴らしいお名前ですね」

入江「!!?」
76 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:48:27.86 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「そうじゃろそうじゃろ、センスあるじゃろ」ウルッフォッフォ

れいか「はい。 そうですね、筋肉痛様さん」クスクス

ウルフルン「なんかヒーローぽくてカッチョいい名前じゃから、呼び捨てで呼んでくれんかのう?」

れいか「はい、筋肉痛様。 …ふふふっ」

ウルフルン「ウルッフォッフォッフォッ」

入江(…どうしよう、収集つかなくなってきた)
77 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:49:25.19 ID:po3jOJ9A0
れいか「それでは私達は生徒会の活動があるので、ここで失礼します」ペコリ

ウルフルン「おぉ、それじゃあ気ぃ付けなされよ」ヒラヒラ

れいか「はい。 それではごきげんよう、筋肉痛様。 …さぁ会長も」

入江「え!? えーっと…失礼します。 …筋肉痛、様?」

ウルフルン「達者でのー」ヒラヒラ
78 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:50:16.92 ID:po3jOJ9A0
れいか「さて、急ぎませんと。 皆さんお待ちになってます」タタッ

入江「本当にすまなかったね。 …ところで青木君?」タタッ

れいか「はい?」タタタッ

入江「さっきの人の名前についてはどう思ってる?」タタタッ

れいか「? …筋肉痛様、とてもいいお名前だと思いますけど?」タタタタッ

入江「……さいですか」タタタタッ

入江(青木君は冗談言わないから、本当にそう思ってるんだろうな)タタタタタッ

入江(あの人も演技とはいえ、よくもあんなヒドイ名前を呼ばせたもんだよなぁ)タタタタタタッ
79 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:51:24.47 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「……やっと撒いたか」

ウルフルン「あー危なかったぜ。 まさか近くにプリキュアがいたなんてなぁ」

ウルフルン「とっさに演技で誤魔化せはしたが、少し無理矢理感があったな」

ウルフルン「まぁその演技の中で得られるもんがあったからよしとするか」

ウルフルン「筋肉痛様…我ながら素晴らしい名前を思いついたもんだぜ」ウルッフフ
80 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:52:54.02 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「しかしまぁ…」ペラ

ウルフルン「俺様は情緒豊かじゃねぇが、コイツのテンションが高いってことは分かっていた」

ウルフルン「ただこれが、俺と日記を交換できることが嬉しいからだっていうことは分からないでいた」

ウルフルン「普段の俺様なら、こんな感情は今すぐにでも否定してぇ所だが…」

ウルフルン「入江とかいうセイトカイチョーさんの言うとおり、あのガキの気持ちを考えて行動してみるとすっか」

ウルフルン「そうすれば情報もすぐに集まり、プリキュアを倒しやすくなるからな」ウン
81 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:53:51.35 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「しっかし、アイツの気持ちなんて、分かるもんかねぇ…?」ペラペラ

ウルフルン「………、ん? そういやこれらの文章よく見てみりゃあ…」ペラペラ

ウルフルン「自分が日記の主役になって、どんな活躍をしているかについて書かれてるな」

ウルフルン「あー……そういや確かあのガキ絵本好きみたいだからなー…その表れか」

ウルフルン「んで、自分と幸せをテーマにして書いている節がある、と」

ウルフルン「それだけアイツがハッピーエンド好きかってことが伺えるな」

ウルフルン「おぉ? なんかアイツの気持ちってやつが分かってきたんじゃねぇの俺様?」ヤルジャン
82 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:54:33.93 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「さて、問題はあのガキに対して俺がどう動くかだ」

ウルフルン「とは言っても結局は、日記の返事しかできないんだけどな」

ウルフルン「…主役…活躍…幸せ…筋肉痛様…」

ウルフルン「………」ウーム

ウルフルン「………」

ウルフルン「………、よし!」
83 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:55:26.42 ID:po3jOJ9A0
〜翌日・七色ヶ丘中学校屋上〜


みゆき「オオカミさん!! こんにちは!」タタタッ

ウルフルン「おー来たか。 んじゃ早速日記を渡して―――」クルッ









キャンディ「………」

みゆき「………」

ウルフルン「………」

キャンディ「………」

ウルフルン「………、おい」

みゆき「えへへへ……バレちゃいました…」
84 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:56:45.39 ID:po3jOJ9A0
キャンディ「流石にこう毎日屋上に行ってたら怪しいと思うのが普通クル」ソウデショ?

ウルフルン「まぁ確かにな」ウン

みゆき「うぅぅ…面目ないです」シュン

ウルフルン「んで、バレちまったんならこれからどうするよ? もう終わりにすんのか?」

みゆき「えぇぇ!? そんなのやだよ!」

ウルフルン「やだってお前なぁ…」
85 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:57:28.71 ID:po3jOJ9A0
キャンディ「それについては安心するクル」

ウルフルン「? どういうことだよ?」

キャンディ「それは、他の皆にはこの事がバレてないからクル」

キャンディ「もちろんキャンディもこのことは黙っておくから安心するクル」

みゆき「キャンディ…」パアァ

ウルフルン「どういう風の吹き回しだよ? 俺達は敵同士なんだぞ?」
86 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:58:18.07 ID:po3jOJ9A0
キャンディ「確かにキャンディ達は敵同士という事実は変わらないクル」

キャンディ「だけど、今こうして2人が日記を交換し合っているのも紛れもない事実クル」

キャンディ「みゆきはウルフルンを良いオオカミであって欲しいと言っているけど、それを確かめる方法は他にないクル」

キャンディ「だからこの日記を使って、みゆきが言ってることが正しくなるのかどうか見極めさせてもらうクル!」

みゆき「ありがとう、キャンディ!」ギュッ

ウルフルン(クルクル言ってっからゲシュタルト崩壊起こしそうだぜ)
87 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 12:59:11.80 ID:po3jOJ9A0
キャンディ「ただし、日記でみゆきを罠にはめようとしてるかどうか確認させてもらうクル!」

ウルフルン「あぁ構わねぇさ。 好きなだけ警戒しとけやクソチビ」ハンッ

キャンディ「もちろんクル!」フンス

みゆき「…オオカミさん、いいの?」

ウルフルン「ああ。 お前に見せてる時点で何人見ようが関係ねぇからな」

みゆき「……ありがとう」

ウルフルン「あと今回の俺様はいつもより一味違うからよ」

みゆき「?」

ウルフルン「まぁ楽しみにしときなって」ウルフフンッ
88 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:00:01.14 ID:po3jOJ9A0
みゆき「オオカミさんまた明日ねー」ブンブン

ウルフルン「それじゃあな、また明日回収しに来るぜー」シュン!

キャンディ「…さぁみゆき、早速日記を見せてみるクル」ホレ

みゆき「えー? これはいつも寝る前に楽しみとして取ってあるんだけどなー」ハップップー

キャンディ「…みゆき、ごめんクル!!」バッ

みゆき「あっ!? こら、キャンディ!」

キャンディ「今すぐ確かめないと気が済まないクル!」ペラ
89 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:01:01.52 ID:po3jOJ9A0
20XX年 ○月*日


河原で昼間から1匹コーラスしちゃいました。

通りすがりの人に名前を聞かれるほど上手にできたみたいで大満足です。

でもプライド高いので、失敗したらどうしようかと緊張しちゃってたんです。 だって俺オオカミだぜ?


歌を歌うだけでなんでもやれそうな気がしてきます。

今なら大海原で歌って、モーゼの十戒のようにスタンディングオベーションをさせるのも夢じゃないかもです。







キャンディ「」

みゆき「……うわー」

キャンディ「」

みゆき「オオカミさん歌上手なんだね! 憧れるなぁ〜」

キャンディ「!?」
90 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:01:39.87 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「…アイツは日記の中じゃ常に幸福感を感じているようだった」

ウルフルン「それに同調してマネて書いてみたが…なるほど、悪かねぇなこりゃ」

ウルフルン「少し抵抗あるっちゃあるが、この先もコイツと同じやり方で動いていくとするか」

ウルフルン「あー、流れに身を任せると気が楽になっていいわこれー」


アカオーニ「………? ウルフルン…?」
91 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:02:38.04 ID:po3jOJ9A0
こうして――




20XX年 ○月§日


私達のお家では納豆餃子飴がブームになってます。

こっちはあまり好きじゃないんですが、頑張って袋を300個開けてみんなを驚かせちゃいました!

でも中身だけはそっと遠くへ全力投球してるのは自分だけの秘密です。

この日記に書いてると秘密じゃなくなる気がするけど、お腹が空いたので気にしません。 ウルッフフフ☆







みゆき「300個も投げれるなんてすごいね、キャンディ!」エネルギッシュ!

キャンディ「空から納豆餃子飴が降ってきたのはコイツが原因かよクル!!」
92 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:05:07.78 ID:po3jOJ9A0
2人による日記の交換は――




20XX年 ●月Д日


明日のテストがあるので、みんなと一緒に英語を勉強しました。

辞書を使ってみようとしても、重くて大きな扉が私の道を遮ってきます。 でも私頑張りました!

テストでは、辞書で覚えた『Candy is very OBakayarou』を思う存分使いこなしてみせます!


☆明日もきっと、Ultra Happy !☆







ウルフルン「お、前に間違えてた英語しっかり書けてるじゃねぇか」ヤッタジャン
93 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:06:19.93 ID:po3jOJ9A0
続いていったのであった―――




20XX年 ●月Θ日


なんだか筋肉痛が治ってきたようで、体が軽くなってきました。

嬉しかったのでちょっぴり棍棒を借りて、風を起こして1人で竜巻パーティしてみたのです。

すると…なんということでしょう。 また体中が痛くなってきたではありませんか。


体は痛くなっても、かっぱえびせんを食べ続ける手が止まりません。 ちょびっと恥ずかしいかもです。

でも、いつか恥じらいの四字熟語が似合う男になりたいと思っています。







みゆき「あーオオカミさんもハマっちゃったかー、かっぱえびせん」オイシイモンネ

キャンディ「それよかみゆき! なんで英語のテストをキャンディの悪口で埋め尽くしてるクル!?」

みゆき「私が日記に書いたから食べてくれたのかなー……えへへ、ちょっと嬉しいかも」

キャンディ「無視すんなやクォルァ!!」
94 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:18:08.11 ID:po3jOJ9A0
〜バットエンド王国〜


マジョリーナ「ウルフルン! ウルフルンはいるだわさ!?」

ウルフルン「んぁ? どうしたんだよババア?」

マジョリーナ「今回はアンタがプリキュア退治に行きな! いい加減出撃できるはずだわさ!」

ウルフルン「いや無理。 だって俺筋肉痛だもん」イタイ

マジョリーナ「…あんた最近サボりすぎじゃないのかい?」

マジョリーナ「ここ最近ずーっとアタシかアカオーニばっかりになっている気がするだわさ」
95 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:18:55.73 ID:po3jOJ9A0
〜バットエンド王国〜


マジョリーナ「ウルフルン! ウルフルンはいるだわさ!?」

ウルフルン「んぁ? どうしたんだよババア?」

マジョリーナ「今回はアンタがプリキュア退治に行きな! いい加減出撃できるはずだわさ!」

ウルフルン「いや無理。 だって俺筋肉痛だもん」イタイ

マジョリーナ「…あんた最近サボりすぎじゃないのかい?」

マジョリーナ「ここ最近ずーっとアタシかアカオーニばっかりになっている気がするだわさ」
96 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:21:27.59 ID:po3jOJ9A0
同じものを投稿してしまいました。 どうもすみませんでした。




ウルフルン「行きたいのは山々なんじゃがなー。 体のいうことがきかなくてのぉ」ゴホゴホ

マジョリーナ「何いきなりじいさん口調で喋ってるだわさ!?」

ウルフルン「腰が痛くて曲がってしまい、足も痛くて立てませんしで散々ですじゃ」イタタタ

マジョリーナ「まぁ確かに、足腰の辛さは十分に分かるさね」

マジョリーナ「……分かっただわさ。 今回は私が行くことにするだわさ」

ウルフルン「おー、助かりますわい」

マジョリーナ「だがウルフルン、アンタ自分の本分を忘れないようにするだわさ」

ウルフルン「どういうことかのう?」

マジョリーナ「アンタから最近、負のオーラを感じることがなくなってる気がするだわさ」

ウルフルン「……はて何のことだか、さっぱり分からないですわい」
97 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:22:20.42 ID:po3jOJ9A0
マジョリーナ「…まあいい、アタシはこれから準備をしてくるだわさ」タタッ

ウルフルン「気ぃ付けなされよ、ばあさんや」


ダレガバアサンダワサ!! タタタ・・・


ウルフルン「………」

ウルフルン「………、行ったか」

ウルフルン「さーてもうじき昼になるし、日記を回収しに行くとするか」ヨッコイショ
98 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:23:29.09 ID:po3jOJ9A0
アカオーニ「ウルフルン、そこにいたオニか」ドスドス

ウルフルン「おー、アカオーニじゃねぇか」カッカッ テクテク

アカオーニ「お前から分けて貰ったかっぱえびせん、なかなか味がイケてるオニ」

アカオーニ「最近それを食べながらモーニングバードを見るのが日課になってるオニ」

ウルフルン「おーそうかい。 そりゃよかったな」
99 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:24:24.02 ID:po3jOJ9A0
アカオーニ「しかし、食べ続けてると喉が乾いてくるから困るオニ」

ウルフルン「水飲みゃいいじゃねぇか?」

アカオーニ「あれは味がなさすぎオニ。 おいしいジュースの方が良いオニ」

ウルフルン「そうかい。 ちなみに俺は梅こぶ茶にハマってる」

アカオーニ「…お前の味覚って意外と渋いオニね」
100 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:25:06.32 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「そういやお前、俺に何か用でもあんのか?」

アカオーニ「ああ。 ちょっと聞きたいことがあるから、一緒に来て欲しいオニ」

ウルフルン「…話ならここで聞くぜ? 別に移動する必要はないだろうが」

ウルフルン「それに俺の姿を見てみろよ、このみずぼらしい姿をよ」

ウルフルン「こんな腰の曲がってて、杖つかないと歩けない野郎を連れまわすってのか?」

アカオーニ「それについては問題ないオニよ」

ウルフルン「あん?」









アカオーニ「それはお前がついてる嘘だからオニ」
101 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:25:48.64 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「――! ……」

アカオーニ「最初に筋肉痛を訴えてきたのは、本当の事だって思えたオニ」

アカオーニ「そして少し前に、俺様の棍棒を振り回してたから体痛めたのも納得できるオニ」

アカオーニ「だけどそれからは、お前が体を痛めるようなことなんて何もしてないオニ」

ウルフルン「………」

アカオーニ「あれから時間は経ってる。 体が痛いのはとっくに治ってるはずオニ」
102 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:26:22.35 ID:po3jOJ9A0
アカオーニ「さあ一緒に来てもらうオニ、ウルフルン」クルッ

アカオーニ「ここではマジョリーナやジョーカーがいる。 ピエーロ様も近くで見てるかもしれない」

アカオーニ「こんなとこよりも、知り合いがいない場所へ行った方が気を楽にして話せるオニ」

ウルフルン「………」

アカオーニ「あぁそういえば、お前いつまでその体勢でいるつもりオニ?」

アカオーニ「腰曲げてると痛めるから、楽な姿勢で立った方がいいオニよ」

ウルフルン「……それもそうだな」スクッ
103 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:26:52.11 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「で、話ってのは一体何のことだよ?」

アカオーニ「…それはお前が一番よく分かっているはずオニ?」

ウルフルン「!」

アカオーニ「というか、それ以外に用があったらわざわざ外に出る必要なんてないオニ」

ウルフルン「……てめぇ、いつから知って…」

アカオーニ「それについての話も向こうに行ってからしてやるオニ」ドスドス

ウルフルン「向こうっつーのは…人間界のことか」テクテク
104 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:27:36.78 ID:po3jOJ9A0
〜七色ヶ丘中学校屋上〜


みゆき「オオカミさん、もうそろそろ来てもいい頃なのになー」

キャンディ「もう来ないんじゃないクル?」

みゆき「…そんなことないよ、キャンディ」ギュッ

みゆき「オオカミさんが来てくれなかったことなんて、今までなかったもん」ギュー

キャンディ(…みゆきはこう言ってるけど、いくらなんでも信用しすぎクル)




プリキュア!! ミツケタダワサ!!




みゆき「!?」

キャンディ「あ!! マジョリーナクル!」ソラカラクル!!
105 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:28:10.48 ID:po3jOJ9A0
マジョリーナ「こんなとこでボケーっと突っ立ってるのは見てて笑えるだわさ!」スタッ

マジョリーナ「でもそんな平和な世界は今日で終わりにするよ! 世界よ!! 最悪の結末――」

みゆき「そうはさせないわ!!」

みゆき「プリキュア!! キャンディィィ、アタ―――ック!!」ブンッ

キャンディ「クル―――――!?」

マジョリーナ「な、何だわさ!?」




ドーン ヒュー

ウワァァァオクジョウカラオチルダワサァァァァァ・・・

キヨマロオオオオオオオオオオォォォォォ・・・




みゆき「キャンディが食い止めてる間に、急いでみんなを呼ばなきゃ!!」タタタッ
106 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:29:24.18 ID:po3jOJ9A0
〜同時刻・砂漠〜


ウルフルン「なんだってこんな場所を選んだんだよ…」ジリジリ

アカオーニ「こういう場所まで来ないと、俺様達の話を聞く奴がいるかもしれないからオニ」ジリジリ

ウルフルン「他にいい場所なんてもっと他にあっただろうが…あっちぃ…」ジリジリ

アカオーニ「…確かにお前の言う通り、少し暑いオニね」ジリジリ

アカオーニ「今丁度、暑さを防げる良い道具があるから今から使うオニ」ゴソゴソ

ウルフルン「いいなそれ。 俺様それ持って来んの忘れてたわ」

アカオーニ「じゃあお前が使うといいオニ」ビュッ

ウルフルン「いいのかよ?」パシッ

アカオーニ「どっちが使おうとあまり違いはないオニ」

アカオーニ「それに、こういう場所だったらお前が使った方が似合うと思うオニ」
107 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:29:54.67 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「悪ぃな、アカオーニ」

アカオーニ「礼はいいから、さっさと涼ませてくれオニ」

ウルフルン「あぁ、分かった」

ウルフルン「んじゃお言葉に甘えて…」パカッ














ウルフルン「世界よ!!! 最悪の結末、バットエンドに染まれぇ!!!」
108 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:31:01.28 ID:po3jOJ9A0
〜七色ヶ丘中学校〜


あかね「なぁ、ほんまに敵が襲ってきたんか!?」タタタッ

みゆき「うん! 今キャンディが戦ってくれてるの!」タタタッ

なお「すごいね、キャンディ!」カッコイイ!

やよい「無事でいてね、キャンディ!」オネガイ!

れいか「あっ、見えました! キャンディ!!」ゴブジデスカ!?









キャンディ「もうヤダ、メルヘンランドに帰りたいクルゥ…」エグッエグッ

マジョリーナ「おーよしよし、確かにあれはあんまりだっただわさ」ナデナデ




あかね「」

なお「」

やよい「」

れいか「」

みゆき「無事だったのね、キャンディ!!」
109 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:31:36.18 ID:po3jOJ9A0
マジョリーナ「ほれ、納豆餃子飴でも食べて元気出すだわさ」

キャンディ「そんなの食べるわけないクル!」プイッ

マジョリーナ「はて、おかしいね? アンタもこれを食べてるもんだと思っただわさ」

キャンディ「なんでそんな勘違いを起こすクル!?」

マジョリーナ「そりゃだって…」

マジョリーナ「あんたから納豆餃子飴の臭いがするからだわさ」

キャンディ「」プーン
110 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:32:04.66 ID:po3jOJ9A0
あかね「キャ、キャンディ!! はよこっち来ぃや!」

やよい「ほらこっちに来て、キャンディ!!」

キャンディ「あかねー! やよいー! マジョリーナがキャンディを納豆餃子飴臭いって言うクル〜!」ピョンピョン

あかね「うわっ!? なんやこのくっさい臭いは!?」クッサ!

やよい「これって納豆餃子飴の臭い!?」クサッ!

キャンディ「」プーン
111 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:32:39.26 ID:po3jOJ9A0
みゆき「キャンディ、大丈夫!?」ハナツマミ

キャンディ「鼻つまむなクル!!」

キャンディ「というかみゆき!! なんでさっきキャンディの事を投げたクル!?」

みゆき「だ、だって…」

みゆき「キャンディから納豆餃子飴の臭いがしたから…」

キャンディ「拒絶の仕方が凄まじいクル!!」

みゆき「やっぱり、寝ているキャンディの口に納豆餃子飴を入れたのは不味かったのかなぁ…」

キャンディ「しかもお前が原因かよクル!!!」
112 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:48:03.60 ID:po3jOJ9A0
キャンディ「でも、今さっきキャンディのこと抱きしめてたクル!?」ギューッテ!

みゆき「あのときは、オオカミさんの事を考えてたからね…」ツイウッカリ

なお「……確かに、少しだけ臭うよみゆきちゃん」クンクン

れいか「えぇそうですね…。 これではキャンディのことは言えませんよ?」

キャンディ「そうクル、そうクル!」マッタクモー!
113 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:49:15.41 ID:po3jOJ9A0
みゆき「あはは、ごめんねキャンディ」スッ

みゆき「…でも私には、これがあるから!」カチャッ

キャンディ「クル!?」

みゆき「プリキュア、スマイルチャージ!!」レッツゴー!



ゴー! ゴー! レッツゴーハッピー!



ハッピー「キラキラ輝く、未来の光! キュアハッピー!!」ジャーン

なお「なるほど、服装をチェンジした訳だね」

やよい「これで臭くないね、ハッピー!」アッタマイイ!

キャンディ「」プーン
114 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:50:01.31 ID:po3jOJ9A0
マジョリーナ「ぐぬぬ…アタシもさっさと本と絵の具を使って―――!?」

あかね「………? 何や、いきなり黙ってもーて?」

マジョリーナ「……すでに別の場所で、バットエンド空間が出来上がってるだわさ」

れいか「え…!?」

マジョリーナ「しかもこの気配は…」

マジョリーナ「ウルフルン!!」シュン!

ハッピー「え!?」
115 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:50:42.85 ID:po3jOJ9A0
れいか「お待ちなさい!! ……行ってしまわれましたか」

なお「ねぇみんな、今さっきウルフルンって聞こえたよね?」

あかね「あぁ、最近全然現れへんかったヤツやな」

やよい「あの魔女さん、何だか慌ててたね…?」

ハッピー「…オオカミさん」

あかね「…なぁハッピー。 アンタあのオオカミについてなんか知ってるんか?」

ハッピー「………」

なお「…できれば教えてもらえないかな?」
116 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:51:28.06 ID:po3jOJ9A0
ハッピー「…それは、その」



バサッバサッ

オーイ!! ミンナー!!



キャンディ「!」ピクッ

やよい「この声って確か…」

キャンディ「お兄ちゃんクル!」パアァ

ポップ「皆の衆! ここにいたでござったか!」ポンッ

キャンディ「おにいぃぃぃちゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」ピョーン

ポップ「うわっ!? とてつもない悪臭がするでござるよ、妹よ!?」クッセェ!

キャンディ「どいつもこいつもあんまりクル!!!」
117 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:52:15.23 ID:po3jOJ9A0
あかね「なぁポップ、そんなに慌てて一体何があったんや?」

ポップ「今さっき、世界の一部がバットエンドに染まってしまったでござる」

れいか「それなら今さっき、ウルフルンというオオカミの方がやったと聞きましたが…」

ポップ「…普段なら、プリキュアと戦うために使っていたでござる」

ポップ「それが今回は、事情が少し違うように感じ取れたでござる」

やよい「……どういう、こと?」
118 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:52:47.80 ID:po3jOJ9A0
ポップ「世界の一部をバットエンドにしたのは、バットエンド王国三幹部の1人、ウルフルン」

ハッピー「………」

ポップ「そして同じく三幹部の1人にして、仲間であるアカオーニ」

あかね「……え? あの赤鬼もおるんか?」

ポップ「そうでござる。 そして以上の2人が今…」

あかね「………」

なお「………」

やよい「………」

れいか「………」

ポップ「…互いに、争っていたのでござる…!」

ハッピー「…!?」
119 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:54:07.21 ID:po3jOJ9A0
〜少し前・砂漠〜


アカオーニ「やっぱり砂漠には満月が映えるオニな」

ウルフルン「………」パタン

アカオーニ「…本を閉じるとバットエナジーを回収できないオニよ?」

ウルフルン「確かにお前の言う通り、こんな砂漠じゃ集められないという訳じゃねぇ」

ウルフルン「人間はいなくとも、砂の中にいる虫やらサボテンやらからかき集めることも可能だ」

ウルフルン「だがアカオーニ、俺達はこんなことのために来てるわけじゃねぇだろ?」ポイッ

アカオーニ「………」

ウルフルン「仮にお前がバットエンド空間を作っても、俺と同じように本を閉じるはずだった。 違うか?」
120 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:55:26.31 ID:po3jOJ9A0
アカオーニ「…そうだったオニな。 俺様達はこれから単に話をするだけだったオニ」

ウルフルン「じゃあ話をしてもいいか?」

アカオーニ「もちろんオニ。 何か聞きたいことでもあるオニ?」

ウルフルン「ったりめーだろクソが。 質問は1つだ」

ウルフルン「なんで俺が日記を書いてることをてめぇが知ってやがんだよ?」

アカオーニ「…あれはただの偶然だったオニ」
121 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:57:06.92 ID:po3jOJ9A0
アカオーニ「いつものように俺様は、ピエーロ様のために世界をバットエンドにしてたオニ」

アカオーニ「ウルフルンの体調が悪かったから、その分を補おうといつも以上に頑張ってたオニ」

アカオーニ「するとある日、学校でお前さんの姿を上空から見つけて、何をしているかと思ってたら…」

ウルフルン「………」

アカオーニ「お前さんが、プリキュアの1人に日記を手渡してるのを見てしまったオニ」
122 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:57:40.29 ID:po3jOJ9A0
アカオーニ「俺様達はプリキュアとは敵同士にある。 そんな光景があってたまるかと思ったオニ」

ウルフルン「……何だ、バレちまってたのかよ」

アカオーニ「ウルフルン…? じゃあやっぱり…」

ウルフルン「あーあ、せっかく俺様の1人勝ちに終わる計画が台無しだぜ」

アカオーニ「? どういうことオニ?」

ウルフルン「あぁ、バレちまったから特別に教えてやる」ウルッフフ

ウルフルン「あれはな、プリキュアを倒すための作戦だったんだよ!」
123 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:58:24.43 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「そもそもあのガキが日記を交換しようとかぬかしてきやがってな」

ウルフルン「何がやりたいのか正直分からんかったが、これは逆に利用できないかって閃いたんだよ」

ウルフルン「日記をやっていく中でプリキュアの情報を引き出せば、倒すための秘策が見つかるはずだとな!」

アカオーニ「ウルフルン…俺様達のために頑張ってくれてたオニか…」ジーン

ウルフルン「あぁ、あともう少しでてめぇらを出し抜けたはずなんだがなぁ」

アカオーニ「すまないオニ、ウルフルン! 俺様勘違いして―――」

ウルフルン「全くよぉ、」









ウルフルン「やってて全然面白みがなかったぜ、あんなの」

アカオーニ「―――!」
124 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:58:57.48 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「秘策を見つけるためだとしても、最低限日記を書き続けなくちゃいけねぇ」

ウルフルン「かといって、情報を引き抜こうと質問したら怪しまれるからろくに聞けねぇ」

ウルフルン「そもそも、何があったかを書き続けるっていうのがめんどくせぇ事この上なかったぜ」

アカオーニ「…」

ウルフルン「おかげで随分時間が経っちまったし、苦痛以外の何物でもなかったなありゃ」

アカオーニ「……」

ウルフルン「ったく、俺様もよく耐えたもんだぜ。 あんなクソつまらねぇもんを続けるのはよ」

アカオーニ「………」

ウルフルン「……どうした、アカオーニ? 俺がバットエンドにする前にもう暑さにやられてたか?」
125 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 13:59:45.60 ID:po3jOJ9A0
アカオーニ「………もう1つ、思い出したことがあったオニ」

ウルフルン「何だよ、記憶力悪すぎじゃねぇのかお前?」

アカオーニ「日記を手渡してたとき…顔が笑ってたオニ…」

ウルフルン「あぁ、あのガキのことか」

ウルフルン「確かアイツ、敵である俺様と分かり合えるかもって喜んでたっけか…ったく、馬鹿な奴だぜ」

アカオーニ「……違うオニ」

ウルフルン「あ?」
126 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:00:16.32 ID:po3jOJ9A0
アカオーニ「俺様が思い出したのは、プリキュアのことじゃないオニ!」ズン!

アカオーニ「日記を手渡したときの!」

アカオーニ「お前さんの顔がッ!!」ビシッ

アカオーニ「笑っていたことオニッ!!!」

ウルフルン「――!」
127 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:00:48.81 ID:po3jOJ9A0
アカオーニ「良い子や悪い子を沢山見てきた俺様には分かるオニ」

アカオーニ「あれは純粋に笑っている子供と、全く同じ顔だったオニ」

ウルフルン「………」

アカオーニ「お前さんが何を考えて、日記のやりとりをしてたかは知らないオニが…」

アカオーニ「あれじゃあ、プリキュアと日記を交換するのが楽しいんだと分かってしまうオニ」
128 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:01:37.94 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「………」

ウルフルン「………初めて、日記を書いたとき」

アカオーニ「?」

ウルフルン「文章なんて書いたことなかったから、正直やっていけるかどうか分かんなかったんだ」

アカオーニ「そうオニか。 俺様も書いたことはないオニ」

ウルフルン「目的のために質問してみたら、ものすごいテンションで返ってきたから怖かったんだ」

アカオーニ「…相手のことなんて、分からなくて当然オニ」
129 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:02:23.47 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「ある日、相手の気持ちを考えることが大事だって教えられた」

アカオーニ「そんなことを吹き込まれたオニか…」

ウルフルン「それから言われた通りに、アイツの気持ちを少しでも知ろうとして日記を書き続けた」

アカオーニ「………」

ウルフルン「最初からだったが、アイツはずっと欠かさず日記を渡してくれた」

ウルフルン「俺もそれにならって欠かさずに渡してきたんだ」
130 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:03:48.80 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「めんどくさいと思いながらも、俺は頑張って書いたんだ」

ウルフルン「そしたらさ、必ず返事が返ってくんだよ」

ウルフルン「だからもっと凄い返事を書こうってやる気が出てきて」

ウルフルン「ずっと続けていけるんじゃねぇかって思えてきて、すっごくワクワクしてきて」

アカオーニ「ウルフルン…」

ウルフルン「あぁ、そういうことか」












ウルフルン「俺は、日記を書いてて楽しかったんだな」
131 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:04:40.53 ID:po3jOJ9A0
アカオーニ「…考えがまとまったオニか?」

ウルフルン「あぁ、たった今終わった所だ」

アカオーニ「そうオニか。 じゃあ今度はこっちが質問する番オニ」

ウルフルン「手短に頼むぜ。 俺様はこれから用事があるんだ」

アカオーニ「質問というよりは、むしろお願いオニね」

アカオーニ「…あのプリキュアと日記を交換するのをやめるオニ、ウルフルン」

ウルフルン「――!」
132 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:05:28.55 ID:po3jOJ9A0
アカオーニ「我々の使命は、世界をバットエンドに染めることオニ」

アカオーニ「世界中を不幸にし、未来と笑顔を奪う。 それがピエーロ様への忠誠にもつながるオニ」

アカオーニ「なのにお前さんがやっていることは、たった1人だけだが笑顔を作ってしまってるんだオニ」

ウルフルン「…そうか」

アカオーニ「お前さんとマジョリーナは、ずっと前から一緒に頑張ってきた俺様の大事な仲間オニ」

アカオーニ「そんなお前さんが、敵に回ってしまうなんて考えたくもないオニ」

ウルフルン「………」

アカオーニ「戻ってきてくれ、ウルフルン。 このとおりオニ」ペコリ
133 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:07:18.85 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「…てめぇ勘違いしてねぇか?」

ウルフルン「俺様の故郷はバットエンド王国。 そして俺様はバットエンド王国三幹部の1人、ウルフルンだ」

ウルフルン「ピエーロ様への忠誠も忘れるはずがねぇ。 プリキュアを倒すこともだ」

ウルフルン「たかが日記ぐらいで、俺達3人の関係が崩れることも絶対にねぇ」

アカオーニ「………じゃあ」

ウルフルン「だが日記はやめねぇ。 もっともっと楽しみてぇんだよ俺様は」ウルッフフ

アカオーニ「………」
134 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:07:49.93 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「もう質問はいいか? んじゃ失礼するぜ」テクテク

アカオーニ「……待つオニ、ウルフルン」ググッ

ウルフルン「あ? まだ何か用でも――」




ドゴオォォォンッ!!




アカオーニ「……はずしたオニか」チッ

ウルフルン「…随分と危ねぇことするじゃねぇかよ、おい」ケホッ
135 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:08:30.84 ID:po3jOJ9A0
アカオーニ「たった今、お前さんにもう1つ用ができたオニ」トンッ

ウルフルン「ほー。 今後はどんなお願いなんだよ?」

アカオーニ「お願いというよりは、むしろ命令オニね」トントンッ

ウルフルン「……どんな内容かは言わなくてもいいぜ」

アカオーニ「…プリキュアは危険な奴らオニ」

アカオーニ「最初は自分の思い通りになっても、結局あいつらによって台無しになることが多いオニ」

アカオーニ「お前さんが大丈夫だと言ってるが…きっと大丈夫じゃない日が来てしまうに決まってるオニ」
136 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:09:08.97 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「そんなのてめぇの勝手な決め付けじゃねぇかよ」

アカオーニ「決め付けだとしても、お前さんを止める理由としては十分オニ」

ウルフルン「……もし仮にだ、俺が今から断るって言ったらどうする?」

アカオーニ「…そうなった場合は仕方ないオニね」ハァ














アカオーニ「俺様の全力をもって、痩せた汚いオオカミを狩るはめになってしまうオニッ!!!」ブンッ!

ウルフルン「はっ!!! 狩られるのはてめぇの方だ、この脳筋野郎!!」ダッ!
137 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:10:04.20 ID:po3jOJ9A0
アカオーニ「があああああああああああああああああああああああああ!!!」ブンッ! ブンッ! ブンッ!

ウルフルン「よっ ほっ はっと」ヒョイ ヒョイ ヒョイ

アカオーニ「なんてすばしっこい蝿オニ!! 胸糞悪いオニ!」

ウルフルン「てめぇの方が遅すぎんだよ、うすのろ」

ウルフルン「それによぉ」ジャキーン


バリバリバリッ!


アカオーニ「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」

ウルフルン「蝿が爪で引っ掻くことなんでできやしねぇだろ?」
138 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:11:16.02 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「おらおら、ご自慢の馬鹿力はどうしたんだよおい?」トントンッ

アカオーニ「やかましいオニ!! 今すぐに片付けて――」ググッ

ウルフルン「おせぇ!」シュンッ


ザンッ!


アカオーニ「お、俺様の棍棒に傷が…!? それはマジョリーナの杖オニ!?」

ウルフルン「杖の先端をやけに鋭くしたから、当たると危ないかもなぁ?」ウルッフフ
139 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:11:51.04 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「つーかやけに調子がいいぜ。 空模様が俺様好みになってるからか?」

アカオーニ「ぐぬぬぅぅぅ…くそったれオニ!!」ググッ

ウルフルン「おい、まだ振り続ける気かよ? ちったぁ学習しろっての」

アカオーニ「……ふんっ!!」ブンッ!

ウルフルン「何足元に向かって振って――!?」




ズドオォォォン!!




ウルフルン「けほっ! けほっ! あんにゃろ、砂を巻き上げやがっ…」

アカオーニ「ぬがああああああああああああああああああああ!!!」ブンッ!

ウルフルン「!? しまっ――」


メキメキィ…!


ウルフルン「がっ……はっ…!」ドサッ
140 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:12:21.61 ID:po3jOJ9A0
アカオーニ「ふんっ! 当たっても手ごたえをまるで感じないオニ!」

ウルフルン「……へっ…感覚がニブすぎるってのも、悲しいもん、だな」プルプル

アカオーニ「俺様の感覚はそんなにニブくないオニよ」

アカオーニ「手ごたえを感じないのは単に……ふんっ!!」ブンッ!


ゴキャッ!


ウルフルン「ぐ、おぉぉっ…!?」ゴロゴロゴロ

アカオーニ「お前の体が貧弱すぎるというだけオニ」
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/10(日) 14:12:47.67 ID:zLpHt0AKo
やべえ、格好いいぞ、こいつら
142 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:12:55.09 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「ぐ、が、ぎ…」ガッ

アカオーニ「ん?」

ウルフルン「ぐるるるる…」ヨロッ

アカオーニ「……どうしてそんな状態で立ち上がろうとするオニ? 寝てた方が楽になるオニよ」

ウルフルン「わりぃな。 眠っちまったら、用事ができなくなるからよ」ヨロヨロ

アカオーニ「…その用事とやらは、まさか日記についてじゃないかオニ?」

ウルフルン「………」

アカオーニ「……図星オニか」ハァ
143 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:13:27.80 ID:po3jOJ9A0
アカオーニ「こんなことなら、ウルフルンが笑ってたことを伝えるんじゃなかったオニね」

ウルフルン「いや、そんなことはねぇよ」フラフラ

アカオーニ「?」

ウルフルン「お前のおかげで、俺がどれだけ楽しんでいるのかを知ることができたんだ」

ウルフルン「こんなにも、この先何があるかワクワクしているなんて今までにねぇ」

ウルフルン「今までの自堕落な生活とはえらい違いだ」

アカオーニ「………」

ウルフルン「一応さ、感謝ぐらいはしてるんだぜ? アカオーニ」

アカオーニ「…くっだらないオニ」ギリッ
144 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:14:09.41 ID:po3jOJ9A0
アカオーニ「何が『感謝してる』オニ!! 何が『楽しんでいる』オニ!!」

アカオーニ「自分の役割というものを思い出すオニ、ウルフルン!!」ブンッ!


ゴォッ!!


ウルフルン「ぐっ……砂嵐が…!」ビリビリ

アカオーニ「我々の使命は!! 世界を最悪の結末にすること!!」ブンッ! ブンッ!

アカオーニ「俺様達はそれに全力を尽くし、ピエーロ様の期待に応えねばならないオニ!!」ブンッ!

アカオーニ「なのに今のお前は、それよりも自分が楽しければいいと思っているオニ!!」ブンッ!

ウルフルン「ぐるるるる……!」ビリビリ

アカオーニ「世界から全ての未来を奪え!!」ブンッ!

アカオーニ「世界から笑顔という笑顔を奪い尽くせ!!」ブンッ!

アカオーニ「半端な気持ちで世界をバットエンドにできると思うんじゃねぇオニ!!!」ブンッ!
145 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:15:00.09 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「くそっ、風が強すぎて動けねぇ…!」ビリビリ

アカオーニ「ふんっ、まだ立ってるオニか。 さっさとお前を眠らせて回収するオニ」ドスドス

アカオーニ「その後プリキュアに会い、もう日記のやりとりは終わりにすると伝えてきてやるオニ」ドスドス

ウルフルン「………」

アカオーニ「覚悟はいいオニか?」ヌッ

ウルフルン「………」
146 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:15:33.18 ID:po3jOJ9A0
アカオーニ「……分かってくれ、ウルフルン」

アカオーニ「そんなことをしたって、生み出されるものなんて何もないんだオニ!!」ブンッ!


ガキィン!


アカオーニ「………な、に…!?」グググッ

ウルフルン「………」グググッ

アカオーニ「杖で、俺様の棍棒を受け止めたオニ…!?」グググッ
147 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:16:59.23 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「…お前の言うとおり、始める前は何の利益にもならないと思ってたけどよぉ」ググググッ

アカオーニ「……!? 俺様が、押され…」ググッ

ウルフルン「始めてみると、結構、得られるもんもあった、ぜぇ!!!」ガキィン!

アカオーニ「ぐおっ!?」タジッ

アカオーニ「どういうことオニ…? そんな馬鹿力、お前にはなかったはずオニ!!」

ウルフルン「おそらくだが、筋肉痛による超回復ってやつだろうな」ウン

アカオーニ「超、回復? よく分からんが、無茶苦茶強そうオニ!」
148 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:17:35.56 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「それによって俺様は、俊敏な足腰を手に入れ!」ダッ

アカオーニ「なっ!? あれだけ喰らってまだ動けるオニ…!?」

ウルフルン「強靭な腕で、爪の威力をおみまいすることができる!」バリバリッ!

アカオーニ「ぐおぉぉ!? 痛い、痛すぎるオニ! …こなくそオニ!!」ブンッ!

ウルフルン「そして、前まで耐えきれなかったアカオーニの一撃も…」


ガシッ!


ウルフルン「…受け止められるようになったぜ!」グググ・・・

アカオーニ「ぐぬぬぬ…!」ギリギリ
149 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:19:11.96 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「以前の俺じゃあ、こんなすげぇことできやしなかったさ」

ウルフルン「しかし日記を通じ、日記を書き続けて…」

うるふるん「そして、体中の筋肉を痛めたことで今の俺様がいるんだ!」ドーン

アカオーニ「普通日記を書くだけじゃ筋肉は痛くならないオニ!?」

ウルフルン「だが、今確かに強くなった俺様がいる!!」グアッ!

アカオーニ「オニッ!?」タジッ
150 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:19:44.78 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「筋肉痛という苦難を乗り越え、俺様は強くなった!!」

ウルフルン「筋肉痛があったからこそ、俺様はここで立っていられるんだ!!」

ウルフルン「それに敬意を示し、新しく生まれ変わった俺様の事を皆はこう呼ぶ!!」

ウルフルン「筋 肉 痛 様(きんにくいたいよう) と!!!」ドーン

アカオーニ「なんじゃいその名前はオニ!!?」ダセェ!

ウルフルン「筋肉痛様だっつってんだろ!!」ダサクネェ!
151 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:20:29.49 ID:po3jOJ9A0
アカオーニ「……まぁ確かにお前さんの言うとおり、日記は無駄じゃなかったみたいオニね」イテテ

ウルフルン「…何だ? 許してくれんのか?」

アカオーニ「誰が許すかオニ! …と言いたい所だけど、なんか拍子抜けしちゃったオニ」ハァ

アカオーニ「個人的にはまだアレだけど、強くなるためにやるんだったら勝手にやるがいいオニ」

アカオーニ「お前さんがもっと強くなれば、ピエーロ様のお役に立てるはずオニからな」

ウルフルン「サンキュー、アカオーニ」
152 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:21:34.82 ID:po3jOJ9A0
アカオーニ「……それでも、まだ引っかかることがあるオニ」

ウルフルン「まだ聞きたいことあんのか? やたら質問が多いな」

アカオーニ「…お前さんが日記を書くのは、プリキュアを倒す秘策を見つけるためだオニ」

アカオーニ「そしてお前さんは、日記を続けることに楽しみを覚えてしまったオニ」

アカオーニ「だがプリキュアを倒すということは、日記を交換する相手を倒すのと同じ意味になるオニ」

アカオーニ「もしそうなったら、日記は書けなくなってしまうオニが…どうするつもりオニ?」

ウルフルン「………」

アカオーニ「………」

ウルフルン「………」

アカオーニ「………、ウルフルン?」

ウルフルン「……そう言われると、そういうことになるかもしれねぇな」ウーム

アカオーニ「おいおい嘘だろオニ!!?」
153 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:22:46.53 ID:po3jOJ9A0
アカオーニ「なんで今までそんな単純な事に気付かないオニ!?」

ウルフルン「いやすまん。 プリキュアを倒すことよりも日記のネタに関することばっかし考えてたからな」

アカオーニ「お前それ単に遊んでいるだけだろオニ!?」

ウルフルン「ちなみに今日の内容は『赤鬼達がいるから俺1匹狼じゃない!』をテーマにしたいんだがお前どう思う?」

アカオーニ「そんなの知らねぇオニ!!」
154 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:23:49.26 ID:po3jOJ9A0
マジョリーナ「やっと見つけただわさ!! バカ広い砂漠から探すのに苦労しただわさ!」ヒューン スタッ

ウルフルン「ありゃ? どうしてここに来たんだよババア?」

マジョリーナ「ババアじゃないだわさ! というかウルフルン、アンタ普通に立ってるだわさ!?」

ウルフルン「あぁ、なんせ今俺様は筋肉痛様だからな」

マジョリーナ「何言ってるのか全然意味分からないだわさ!?」

アカオーニ「安心するオニ、マジョリーナ。 俺様もさっぱりオニ」
155 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:24:36.19 ID:po3jOJ9A0
マジョリーナ「まぁいいだわさ。 水晶でアンタ達が戦ってるのが見えたから急いでここまで来たけど…」

ウルフルン「残念だったな。 たった今終わった所だ」

マジョリーナ「そのようだね。 まったく、馬鹿なことしてんじゃないだわさ」

アカオーニ「戦って改めて感じたけど、ウルフルン無茶苦茶強くなっているオニ」

マジョリーナ「ほう、そうなのかい?」

アカオーニ「お前さんから借りた杖で、俺様の棍棒と渡り合ったんだオニ」

ウルフルン「丁度いいから今返すわ。 貸してくれてサンキューな、マジョリーナ」ホレ
156 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:25:15.39 ID:po3jOJ9A0
マジョリーナ「………」

ウルフルン「………」

マジョリーナ「………」

ウルフルン「………? どうしたんだよ?」

マジョリーナ「…これアタシの杖じゃないだわさ」

ウルフルン「あぁ、ちょっと見た目が違うかもだが間違いなくお前の杖だ」

マジョリーナ「なんでこんなつまようじみたいな細さになっちゃってるだわさ!?」

ウルフルン「つまようじじゃねーしレイピアだし。 間違えんじゃねぇよまったく失礼な」

マジョリーナ「お前の行為そのものが失礼だわさ!!」
157 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:27:14.18 ID:po3jOJ9A0
>>141

ありがとうございます!
158 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:29:26.27 ID:po3jOJ9A0
ポップ「見つけた!! あそこにいるでござるよ皆の衆!」

ハッピー「オオカミさん!!」タタッ!

サニー「あ! ちょっと待ちぃや、ハッピー!」タタッ

ビューティ「あら? 話ではアカオーニという方と2人で戦っていると聞きましたのに…?」タタッ

マーチ「なんだか戦っている感じがしないね」タタッ

ピース「魔女さんも一緒だよ…?」タタッ コンカイノピカリンジャンケンハチョキ!
159 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:30:21.03 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「結構カッコよくなったから、その杖をメインに使ったらどうだ?」

マジョリーナ「こんなんじゃまともに支えられないだわさ!! あと人様の物を勝手に改造するんじゃないだわさ!」

アカオーニ「そういえばウルフルン! お前に貸した俺様の服いい加減に返せオニ!」

ウルフルン「あー…あれ多分お前が太りすぎてるから着れなくなってるわ」

アカオーニ「俺様の体系全然変わってないオニ!?」

ウルフルン「いや違う違う、服の方がサイズチェンジしちゃってるという意味で」

アカオーニ「勝手に改造してんじゃねぇオニ!!」

ウルフルン「改造じゃねぇし、劇的ビフォーアフターなだけだし」




ハッピー「あれ? 仲良しさんだ…?」ハァハァ
160 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:32:07.53 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「あれ、プリキュアがいるじゃねぇか」

アカオーニ「むむ!? なんでお前らがここにいるオニ!?」

マジョリーナ「アタシはホウキで来たのに、どうやってここまで来れただわさ!?」

ビューティ「ポップに乗ることで、ここまで来ることができました」

ポップ「拙者の変化の術で皆を背中に乗せたのでござる」ニンニン

キャンディ「お兄ちゃんは凄いクル!」プーン

ウルフルン「うわ、くっせぇ!? やたらくせぇぞお前!?」

キャンディ「味方に散々言われてるからその言葉には慣れてるクル」プーン
161 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:32:56.77 ID:po3jOJ9A0
マジョリーナ「ところでアンタ達…」

ハッピー「?」

マジョリーナ「あ、いや、アンタじゃなくて残りの4人にだわさ」

アカオーニ「…なんか見た目がいつもと違うオニ」

ピース「あ、それはね。 ポップに乗りながら変身したからなんだけど…」

マーチ「変身中に色んな物にぶつかったりしてね」

サニー「それで、ぶつかった物がウチらの変身スーツの中に入ってしもたんや」タハハ
162 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:34:29.22 ID:po3jOJ9A0
ウルフルン「ほー。 …ちなみに何にぶつかったかを右から順に説明どうぞ」ハイ

マーチ「え!? えーっと……白鳥にぶつかっちゃいました」アハハ

アカオーニ「なるほど、確かに背中から白い翼が見えてるオニ」フム

ピース「わ、私は…大鷲? それともコンドルかな?」ドッチ?

マジョリーナ「こっちも背中からだけど、茶色い大きな翼が見えるだわさ」カッコイイダワサ

サニー「ウチはどうやら気球にぶつかってもーて…」

アカオーニ「髪の毛からでっかい気球が昇ってるオニね」ホー

ビューティ「私はジャンボジェットを少々」

ウルフルン「今すぐ解放してやれ」
163 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:38:25.64 ID:po3jOJ9A0
ポップ「本当なら、もっと早くここへ運べると思っていたでござるが…まだまだ修行不足でござる」

ハッピー「そんなことないよ! だってあれだけ重いの運べたんだもん!」

ウルフルン「そうだな、ジャンボジェット運べたからすげぇわ。 ジャンボ級だわお前」

ポップ「なんだか体の節々が痛むでござる…」イタタ

キャンディ「お兄ちゃん大丈夫クル?」プーン

ポップ「大丈夫でござるよ。 明日ちょっと筋肉痛になるだけでござる」ハナツマミ

ウルフルン「筋肉痛……明日からの健闘を祈っとくわ」
164 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:40:13.96 ID:po3jOJ9A0
れいか「変身を解いてジャンボジェットを解放しましたが…それにしても」

マーチ「バットエナジーが集まる様子がないね…」

ピース「お空はオオカミさんが作った満月の夜なのに変だね?」

ウルフルン「あらかじめ本は閉じてるからな。 バットエナジーが集まることはねぇ」

サニー「…それ聞くと、何か別の用事でここに来たように聞こえるで?」

マジョリーナ「そういやアタシもまだ、アンタとアカオーニが戦ってた理由をまだ聞いてないだわさ」

ウルフルン「……そういや、まだ言ってないかもな」

マーチ「…ハッピー、さっき何かを知ってるような素振りを見せてたよね?」

サニー「…詳しく聞かせてくれへんか?」
165 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:41:37.97 ID:po3jOJ9A0
ハッピー「えっとー…その、あの、ね…」

ハッピー「………(どうしよう?)」チラッ

ウルフルン「………(別に隠すことねぇだろ)」ハヤクイエ

ハッピー「………」ウゥー

サニー「………」ジー

マーチ「………」ジー

れいか「………」ジー

マジョリーナ「………」ジー

ポップ「………」ジー

ハッピー「………その…」








ハッピー「ごめんねみんな! 私の思い違いだったみたいなの!」ペコッ!

ウルフルン「!?」
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/10(日) 14:41:57.04 ID:r4e0FDJ+o
ジャンボジェットにぶつかって無事なれいかさんマジ美女が野獣
167 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:43:09.33 ID:po3jOJ9A0
ハッピー「少し前に私オオカミさんと会ったことがあって、その時1人で倒したんだけど痛い目に合わしちゃって」

ハッピー「それからオオカミさんが私達の前に現れなかったから、きっと私のせいだって思って」

ハッピー「魔女さんから名前聞いたときに反省してたんだけど、赤鬼さんのことまでは分かってないんです」

マーチ「…本当にそうなのハッピー?」ジトー

ハッピー「うん!」コクリ

サニー「…なんか隠しとう事ないやろな?」ジトー

ハッピー「な、ないない! 本当に、何も隠してません!」ブンブン

ウルフルン(何日記の事言うのに躊躇ってんだこいつ?)
168 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:45:04.21 ID:po3jOJ9A0
マジョリーナ「…じゃあアカオーニ、アンタの話について聞かせてもらうだわさ」

アカオーニ「オニ。 そもそもウルフルンがプリキュアと日――」

ハッピー「プリキュアサンドパウダー!!」ブワァァ

アカオーニ「ぐぉぉお!? 目が痛いオニ! 俺様何もしてないオニ!?」

ハッピー「赤鬼さん、ごめんなさい! ごめんなさい!(お願いします! お願いします!)」ペコペコ

アカオーニ「………」フム?

ハッピー「………」ハラハラ

アカオーニ「………」チラッ

ウルフルン(久々に垂直立ちしたから欠伸が出そう)クァ・・・

アカオーニ「………」ハァ
169 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:49:21.12 ID:po3jOJ9A0
>>166

ちなみに少しの間ですが、ビューティさんはジャンボジェットを引きずりながら走っていらっしゃいました
170 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:49:58.11 ID:po3jOJ9A0
マジョリーナ「…大丈夫だわさ? アカオーニ」

アカオーニ「ああ、これぐらい何ともないオニ」

マジョリーナ「それなら話を聞かせてくれるね?」

アカオーニ「分かったオニ」コクリ

ハッピー「………」ドキドキ

アカオーニ「…そもそもは、俺様達がかっぱえびせん好きから始まった悲劇オニ」

マジョリーナ「……はぁ?」

ハッピー「!」パァア
171 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:51:13.66 ID:po3jOJ9A0
アカオーニ「俺様はウルフルンから紹介されたかっぱえびせんに夢中になってたオニ」

アカオーニ「それについて楽しく談笑してたけど、ふと一緒に飲む飲み物について話し始めたオニ」

アカオーニ「俺様は甘いジュースが良いと言ったのに…アイツは梅こぶ茶が良いと言ってきたんだオニ」

れいか「それでお互い譲らなかったので、2人はここで争った、と…」

アカオーニ「まぁそういう事になるオニ」ウン

マジョリーナ「果てしなくどうでもいいだわさ!!」
172 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:51:52.06 ID:po3jOJ9A0
ハッピー「ね! 私の件と赤鬼さんの件は全くの偶然だったでしょ?」

れいか「確かにそうかもしれませんね…」ウーム

ハッピー「ほら、十分話も聞けたことだしこれにて一件落着ってことで――」クルッ




サニー「なあオオカミ、アンタが知っとう事洗いざらい話してみ?」

ウルフルン「そこの人と一緒に交換日記してました」ユビサシ

ハッピー「オオカミさ―――――ん!!?」ガビーン
173 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:53:26.55 ID:po3jOJ9A0
ハッピー「一生懸命隠してたのになんで言っちゃうの!?」ガシッ

ウルフルン「いやだってさ、そんなに必死になって隠す必要あんのか?」

ハッピー「『隠したら隠し通すことだな』って言ったじゃん! それにオオカミさんも協力するって!」ガクガク

ウルフルン「あー……メガ盛りのインパクトですっかり忘れてたわ」ガクガク

ピース「……さっきの話本当なの? ハッピー」

サニー「日記、って……アンタら敵同士やんか!?」

ハッピー「た、確かに私達は敵同士かもしれないけど、でも…」

マーチ「気を付けてハッピー! それは敵の罠だよ!」

ハッピー「違うの! 罠なんかじゃないの!」
174 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:55:52.09 ID:po3jOJ9A0
マジョリーナ「ウルフルン!! こっち側の作戦なら、どうしてアタシに知らせてくれなかっただわさ!?」プンスカ

アカオーニ「…もう正直に言った方が良いオニよ? ウルフルン」

ウルフルン「さっきので全部話したつもりなんだけどなー」ポリポリ


ワイワイ ガヤガヤ ギャーギャー


ハッピー「うぅぅ……キャンディ、助けて…」チラッ

キャンディ「………」

ハッピー「…キャンディ?」

キャンディ「……チャンスクル」ボソッ

ハッピー「? チャンスって?」

キャンディ「ハッピー、すまないクル」

キャンディ「今までの鬱憤を晴らさせてもらうクル」ニヤリ
175 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:56:30.32 ID:po3jOJ9A0
キャンディ「みんなー!! キャンディの話を聞くクル――!!」ピョンピョン

マジョリーナ「あぁ?」クルッ

ポップ「話って何でござるか? 妹よ」

キャンディ「みゆきとウルフルンがやってきたこと、キャンディは全部知っているクル!」

ピース「本当!? キャンディ!」

サニー「話聞かせてくれへんか、キャンディ?」

キャンディ「勿論クル!」エヘン

キャンディ「…少し前に、みゆきとウルフルンが日記を交換し始めたクル」

キャンディ「でもウルフルンはその日記を使って―――」スッ

キャンディ「みゆきのことを、地獄へ突き落そうとしているクル!!」ビシッ!

ハッピー「!?」
176 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:57:29.49 ID:po3jOJ9A0
キャンディ「みゆきは日記を交換することで、ウルフルンが悪いオオカミじゃないことを見極めようとしていたクル」

キャンディ「でもウルフルンはそれを利用して、プリキュア達の弱点を見つけようとしていたクル!」

キャンディ「みゆきはそんなことも知らずに、手のひらで踊らされてた訳クル!」

ハッピー「キャ、キャンディ!? 全然違うよ! 何てこと言うの!?」

アカオーニ(確かにそれが目的って言ってたオニ)ウン

ウルフルン(あの妖精勘が鋭いな)ホウ

キャンディ「キャンディはすぐ注意しようとしたけど、その時ウルフルンが脅してきたクル!」

ウルフルン(あれ? 俺そんなことしたっけか?)ハテ
177 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 14:58:24.28 ID:po3jOJ9A0
キャンディ「泣いているキャンディに向かって、ウルフルンはこう言ったクル」

キャンディ「『今すぐ死にたくなければ、あのガキがゆっくり死に近づいていく様を見ていろクル』って」

ピース「そんな、ひどい…!」

マーチ「やっぱり罠だったか…ッ!」ギリッ

アカオーニ(…ウルフルン?)チラッ

ウルフルン(俺様そんなカッコいい台詞吐いたっけかなー?)ウーム

アカオーニ(……これは嘘オニね)

マジョリーナ「でも自分でバラしただわさ! お間抜けな奴だわさ!」
178 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 15:00:06.73 ID:po3jOJ9A0
キャンディ「みゆきはいち早くキャンディの助けに気付いたクル」

キャンディ「でもウルフルンはキャンディだけじゃなく、みゆきさえも脅してきたクル」

キャンディ「『もし他に助けを求めれば、その仲間が命を落とすことになるぜクル? バラしても終わりだクル』って」

サニー「だから今までウチらに黙ってたっちゅー訳か!」

ピース「バレたら私達が危なくなるから、さっきみたいに必死に隠してたの…!?」

マーチ「ごめんねハッピー! 気付いてあげられなくて!」

ハッピー「違う…違うよ……そんなこと私、言われてない…」フルフル

キャンディ「そして2人を脅すことでバレる心配がなくなったウルフルンは、プリキュアの情報を搾り取っていったクル」
179 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 15:01:50.83 ID:po3jOJ9A0
キャンディ「準備が整ったウルフルンは、ここでバラしてから一気にケリをつけようとしているクル!!」ビシッ!

マジョリーナ「なるほど、そういうことなら別に隠す必要ないだわさね」

サニー「オオカミ、貴様ぁ…ッ!」メラメラ

マーチ「この下郎が…ッ!」ギリッ

ピース「絶対に、許せない…!」ビリビリ

ウルフルン「……ここまでプリキュアが怒るなんて初めてのことかもな」
180 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 15:02:29.16 ID:po3jOJ9A0
マジョリーナ「そうさね。 でもまぁプリキュアなんて、アタシ達3人でかかれば一捻りだわさ」ヒッヒッヒ

アカオーニ「………」

マジョリーナ「アンタもそう思うだろ? アカオーニ」

アカオーニ「……いい加減にしろオニ」ドスドス

マジョリーナ「へ?」
181 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 15:04:51.06 ID:po3jOJ9A0
アカオーニ「おいそこの妖精、お前嘘ついてるオニな?」ギロリ

キャンディ「? キャンディ嘘ついてないクルよ?」キョトン

キャンディ「それに、嘘をつくっていったら大抵そっち側じゃないかクル!」

アカオーニ「…確かに、俺様は嘘が大好きオニ」

キャンディ「そうクル、そうクル! それにひきかえキャンディ達はみんな正直者クルッ」エヘン

アカオーニ「でも俺様がつくのは、俺様が楽しいと思う嘘だけオニ」

アカオーニ「何が楽しくて、何が楽しくないかは自分で判断できているつもりオニ」

アカオーニ「みんなじゃなくとも、自分や誰かが楽しくなれるような嘘をついてきたつもりだオニ」

アカオーニ「それに比べて、お前さんがついた嘘でお互いがいがみ合うようになってしまったオニ」

アカオーニ「そんな嘘は楽しくねぇオニ。 お前のような嘘は俺様絶対につかないオニ!」ビシッ!

キャンディ「さっきから嘘嘘って! キャンディは嘘つきじゃないって言ってるクル!」マッタクモー!
182 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 15:06:32.58 ID:po3jOJ9A0
キャンディ「第一、キャンディが嘘をついてるなんて証拠はどこにもないクル!」

アカオーニ「……そうオニね。 証拠なんてどこにもないオニ」

キャンディ「勿論クル! キャンディはいつだって正しいクルッ」エヘン

サニー「ハッピー!! 今すぐそいつから離れとき!」メラメラ

マーチ「アンタ達…今回だけは絶対に許さない!!」ザッ

ピース「今までみゆきちゃんを苦しませた事は、何があっても許されるものじゃないよ!!」ビリビリ

ハッピー「みんな戦おうとしないで!! お願いだから!!」

ウルフルン「アカオーニとの戦闘で疲れちまったんだが……やってやろうじゃねぇか」ザッ

ハッピー「オオカミさんもやめてぇ!! こんなの、こんなの絶対に…間違ってるよぉ!!」
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/10(日) 15:07:18.64 ID:r4e0FDJ+o
アカオーニ△
184 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 15:07:48.88 ID:po3jOJ9A0
キャンディ「ハッピー!! 止めるんじゃないクル!!」

キャンディ「キャンディ達とアイツらは敵同士クル! それだけは絶対に変わることのない事実クル!」

キャンディ「日記なんかやっても……意味なんて何もなかったんだクル!!」



??「お黙りなさい!!!」



ウルフルン「――!?」ビリビリ

キャンディ「!? 誰クル!!」クルッ


ビューティ「…キャンディ、少しばかりおイタが過ぎたようですね」テクテク

サニー「ビューティ!」

マーチ「あれ? いつの間に変身したの?」
185 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 15:09:04.84 ID:po3jOJ9A0
ビューティ「皆さん、どうか聞いて下さい」

ビューティ「先程キャンディが言ってた内容は…おそらく嘘ではないかと思います」

キャンディ「クルッ!?」

ピース「で、でもキャンディは嘘つかないって…」

ビューティ「おそらくそれも嘘でしょうね」

マジョリーナ「冗談じゃないだわさ!! なんでそんなことが言えるだわさ!?」
186 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 15:09:49.44 ID:po3jOJ9A0
ビューティ「…確かにキャンディの言うとおり、私達は敵同士です。 決して相容れることはありません」

ビューティ「世界をバットエンドにするか、それを守るかで対立するのは変わることのない事実です」

マーチ「じゃあどうして…」

ビューティ「……あれを、見てください」スッ


ハッピー「もう止めて…みんな、止めてよぉ…」ポロポロ


サニー「あ……」

ピース「ハッピー…」

ビューティ「…ハッピーは、対立した私達が戦うことのないよう説得し続けていました」

ビューティ「涙を流すほど必死にです。 そのような方の話に、耳を傾けるのが当然の事ではないでしょうか?」
187 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 15:12:05.68 ID:KGBTiBLJ0
ハッピー「うっ…えぐっ、ひぐっ」グスグス

サニー「……ごめんなハッピー。 アンタの事全然見てへんかったわ」ギュッ

ハッピー「…ふぇ?」グスッ

ピース「泣かしちゃって、ごめんなさい…」ギュッ

ハッピー「みんな…」

マーチ「次にハッピーを泣かせるようなことはしないからね。 約束する」ギュッ

ハッピー「……ありがとう」ニコッ
188 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 15:13:36.06 ID:KGBTiBLJ0
マジョリーナ「……けっ! けーっだわさ!! 見てて興が冷めただわさ!!」

アカオーニ「ウルフルン、もう疲れたから落とした本回収してそろそろ帰るオニ」

ウルフルン「あぁ、そうするとすっか」

マジョリーナ「はぁ!? こんな広い砂漠に本を落としたっていうのかい!?」

ウルフルン「その点に関しては問題ねぇ。 オオカミは穴掘りが得意だからな」
189 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 15:14:27.89 ID:KGBTiBLJ0
キャンディ「納得いかないクル!! どうしてキャンディの事嘘つき呼ばわりするクル!?」プンプン

ビューティ「……簡単なことです」

ビューティ「それはキャンディ…」スッ

ビューティ「貴方がくさいからです!!」ビシッ!

キャンディ「!!?」プーン
190 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 15:16:49.37 ID:KGBTiBLJ0
ビューティ「正直な人というのは、常に心も体も清くて美しいものです」

ビューティ「しかしキャンディ。 貴方の体からは、とても正直者とは思えない臭いがするのです」

キャンディ「とんでもない屁理屈クル!!」プーン

アカオーニ「でも確かに、お前物凄くくさいオニ」ハナツマミ

ウルフルン「信じられねぇ程くっせぇ臭い出してるから、そいつが吐く台詞も信じられねぇって訳か」ハナツマミ

キャンディ「ちょっと!? みんなでいっぺんに鼻つまむんじゃないクル!!」プーン

マジョリーナ「アタシでも流石にこの臭いはないだわさ」ハナツマミ

キャンディ「ちょっ!?」プーン
191 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 15:18:35.83 ID:KGBTiBLJ0
サニー「キャンディ。 次からはもう少しましな嘘つきーや」ハナツマミ

ピース「でも、私達を無理矢理戦わせるような嘘は駄目だからね?」ハナツマミ

マーチ「ついて良い嘘と悪い嘘があることを忘れないでね、キャンディ」ハナツマミ

キャンディ「ちょっと、みんな!?」プーン

マーチ「それじゃあ飛行機の人達が困ってることだし、事情を説明しに行こっか?」スクッ ハナツマミ

ビューティ「上手く説明できるかしら…」ハナツマミ

ポップ「それでは拙者、いつでも帰れるように変化の術の準備をしてくるでござる」タッタッ ハナツマミ

キャンディ「ちょっ!?」プーン
192 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 15:19:29.61 ID:KGBTiBLJ0
ウルフルン「本はここら辺に落としたはずだが…」ババババッ ハナツマミ

ピース「そういえば、2人の交換日記の話ってどうなったんだっけ?」テクテク ハナツマミ

サニー「あ、そうやった。 …なあオオカミ、それについてしっかりと話聞かせてもらうで?」テクテク ハナツマミ

ウルフルン「日記交換してた以外に言うことはもうない……っとあったあった」ヒョイ ハナツマミ

キャンディ「ちょっ…」プーン

マーチ「じゃあハッピー、先に向こうで待ってるからね」テクテク ハナツマミ

ハッピー「キャンディ。 くさくしたのは悪かったけど……少しだけ反省しててね?」スクッ ハナツマミ

キャンディ「ちょっ!」プーン
193 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 15:20:23.58 ID:KGBTiBLJ0
マーチ「それにしても、さっきアカオーニがキャンディに言ってたことは良かったよねー」テクテク ハナツマミ

アカオーニ「自分の思ってることを言うだけで褒められるものオニ?」ドスドス ハナツマミ

ピース「うん! 私も聞いててシビれちゃったもん!」テクテク ハナツマミ

アカオーニ「そうオニか。 ちなみに今回のぴかりんじゃんけんは俺様パーだから負けてしまったオニ」ドスドス ハナツマミ

キャンディ「ちょっ、ちょっ…」プーン
194 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 15:21:42.11 ID:KGBTiBLJ0
ビューティ「本が見つかったのでもう帰られるのですか?」テクテク ハナツマミ

マジョリーナ「いや、これからウルフルンの口から日記について詳しく教えてもらうつもりだわさ」テクテク ハナツマミ

ビューティ「そうですね。 私も知りたいです。 ……教えて頂けますね? ハッピー」クルッ ハナツマミ

ハッピー「は、はい!! もちろん話させていただきますです!」ビクビク ハナツマミ

マジョリーナ「そういやアンタ、ウルフルンに渡すものがあるんじゃないのかい?」テクテク ハナツマミ

ハッピー「あ、そうだ日記! 待って待ってオオカミさ――ん!!」タタタッ ハナツマミ

キャンディ「ちょっ」プーン



















キャンディ「ちょっ…」プーン
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/06/10(日) 15:23:32.43 ID:u6JeUL4y0
こいつはくせェー!ゲロ以下のry
196 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 15:28:25.68 ID:KGBTiBLJ0
〜数日後・七色ヶ丘中学校屋上〜


ウルフルン「ほら、今日の分の日記を渡してくれ」

みゆき「はい、オオカミさん。 …えへへ〜」

ウルフルン「…最近やたら喜んでねぇかお前?」

みゆき「だって、日記の事がバレるともうこんなことできないと思ってたから…」

ウルフルン「結局バレちまってもみんなお咎めなしだったもんな」

みゆき「その代わりといっちゃあれだけど…」チラッ

ウルフルン「あぁ」チラッ

れいか「…」ニコニコ

ウルフルン「…思いっきし見られてるな俺達」
197 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 15:29:08.19 ID:KGBTiBLJ0
みゆき「日記の中身を見せても心配するような事が無かったから、続けてもいいことになったのにねー」ハァー

れいか「この先貴方が日記を介して、私達を倒すかもしれないのは変わりませんので」ニコニコ

ウルフルン「もうそんなことはしねぇよ。 俺様は日記を楽しみたいだけなんだからな」

れいか「そうですね」クスクス

ウルフルン「そういや、残りの3人は中身確認しに来ねぇのかよ?」

れいか「皆さんなら、私達の秘密の場所へと行っています」

みゆき「そこで過ごしてるキャンディの臭いを消すために色々試しているの」

ウルフルン「とうとうアイツ隔離されるようになっちまったか…」
198 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 15:31:28.14 ID:KGBTiBLJ0
れいか「臭いが完全に染みついているので、本当に苦労してまして」ハァ・・・

みゆき「いっそ焼いたらいいと思って、火炎放射器使ったこともあったよね」

ウルフルン「お前らそれイジメってレベルじゃねぇぞ!?」

みゆき「ちなみに提案・実行をしたのはポップです」

ウルフルン「妹に容赦なさすぎだろ!! 武士の情けとやらはどうした!?」
199 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 15:33:19.69 ID:KGBTiBLJ0
入江「あ! いたいた青木君。 見つけるのに苦労したよ」タタタ

れいか「生徒会長? 生徒会の件で何か?」

入江「ああ。 今回ばかりは君の力が必要になってくる―――」

ウルフルン「………」

入江「あれ? 筋肉痛様?」

れいか「えっ?」

入江「えっ?」

れいか「…えっ?」マジデ?

ウルフルン「えっ?」イマサラ?
200 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 15:35:29.25 ID:KGBTiBLJ0
れいか「……知りませんでした。 この方があの筋肉痛様だったなんて…」

入江「いや、僕の場合は素の彼を知っていたからね」

ウルフルン「その場の一時しのぎのつもりだったんだがなー」

みゆき「……オオカミさん、『筋肉痛様』ってなーに?」

ウルフルン「あぁ。 この日記を通じて手に入れた俺様の新しい名前だ」

みゆき「ふーん…」

ウルフルン「カッコいいだろ? 何なら今からその名前で呼んでもらってもいいぜ?」ウルフフンッ

入江(『筋肉痛様』って名前、気に入ってたんだ…)

みゆき「…いいよ別に」ハップップー

ウルフルン「あん?」
201 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 15:42:25.53 ID:KGBTiBLJ0
れいか「では生徒会長、そろそろ生徒会に戻らないといけないのでは?」

入江「あ! そういえばそうだね。 それじゃあ僕達はこれで失礼するよ」タタッ

れいか「それではお二方、失礼致しますね」タタッ


タタタ・・・


ウルフルン「…行ったか」

みゆき「そうだね…オオカミさんも今から帰るの?」

ウルフルン「あぁ。 返ってすぐに日記読んで、即行で返事を書きあげる予定だ」

ウルフルン「こっちもアカオーニに見せなきゃならないんだが…一応変な内容は書いてねぇだろうな?」

みゆき「な、ないない!! 日記には書いてないよ!」ブンブン

ウルフルン「そうか。 なら大丈夫だな」
202 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 15:43:45.85 ID:KGBTiBLJ0
みゆき「そういえばオオカミさん、今日はげんき君の所へ手伝いに行かないんだ?」

ウルフルン「買い物の荷物は以前大量に運んだからな。 褒美のかっぱえびせんも大量に貰ってるし」

みゆき「手伝ったお礼がかっぱえびせんなのはどうして?」

ウルフルン「ただ単に美味い。 それだけだな。 マジョリーナの奴も最近ハマってる」

みゆき「そっか……それじゃあまたね、オオカミさん」ヒラヒラ

ウルフルン「おう。 明日の昼にまたなー」シュン!

みゆき「………」

みゆき「…明日、か…」

みゆき「明日のお昼は、どんな風に挨拶できるかなー……?」
203 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 15:46:00.48 ID:KGBTiBLJ0
〜バットエンド王国〜


アカオーニ「おっ。 今帰ったオニか、ウルフルン」ドスドス

ウルフルン「あぁ、まぁな」テクテク

アカオーニ「お前さんが持ってきたかっぱえびせん、俺様達の間で大ブームになってるオニね」

ウルフルン「そうだな…やっぱ止められねぇよなホント」

アカオーニ「今さっきマジョリーナが20袋目を開けた所オニ」

ウルフルン「にじゅっ!? 無茶苦茶食ってんじゃねぇかそれ!」

アカオーニ「ジョーカーの奴も、かっぱえびせんでジャグリングしながら食べてたオニ」

ウルフルン「アイツもかよ!! っていうか食べ物で遊ぶんじゃねぇ!」

アカオーニ「そういえばアイツ、ダーツの矢として投げて遊んでたオニね…」

ウルフルン「せめて食べ物として扱ってやれよ!!!」
204 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 15:48:34.72 ID:KGBTiBLJ0
ウルフルン「とにかくだ。 俺様これから日記を読んで書くから邪魔すんじゃねぇぞ?」

アカオーニ「分かったオニ。 でも必ず後で俺様にも見せるオニよ?」

ウルフルン「わざわざ確認することないんだが…まぁいいや」テクテク

アカオーニ「……すっかりアイツ、トゲトゲしい部分が無くなったオニな」

アカオーニ「…さて、俺様もかっぱえびせんを食べにいくオニか」ドスドス
205 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 15:50:28.46 ID:KGBTiBLJ0
マジョリーナ「すまないね。 かっぱえびせんならたった今無くなっただわさ」

アカオーニ「はぁ!? まだ沢山残ってたオニよ!?」

ジョーカー「すみませーん。 私、ついついはしゃぎ過ぎちゃいました〜」

アカオーニ「お前が原因かよオニ!!」ウォイ!

ジョーカー「いやはや、かっぱえびせんによるナイアガラの滝も悪くありませんでしたね〜」

アカオーニ「それもう捨ててるだけじゃねぇかオニ!!!」モッタイネェ!
206 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 15:52:44.77 ID:KGBTiBLJ0
ウルフルン「そういやあのガキ、別れ際の手の振り方がいつもより弱かったな」

ウルフルン「いつもはブンブン音がするくらいなんだが…昨日何かあったのかね?」

ウルフルン「まぁどんな内容があったかは日記を見れば分かることか」ペラ







20XX年 ●月☀日


オオカミさん、こんにちは!


今日はなおちゃんから妹について相談がありました。


なんでもその妹さん、好きな男の子にパロ・スペシャルを決めちゃったみたいなんです。

好きな子をついついイジめちゃうのはよく分かります。 素直に話すような大胆な真似できませんものね!


なおちゃんにどうしたらいいかって聞かれましたが、私はそれほど上手くないので何もアドバイスできませんでした。

ただそれからの妹さんに進展がなかったのは、多分技の締め付けが甘かったからだと思います。







ウルフルン「…なんだ、別に普通の内容じゃねぇか」ウン
207 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 15:53:35.54 ID:KGBTiBLJ0
ウルフルン「元気がないように見えたのは俺の気のせいだったか…?」ペラペラ


ハラリ


ウルフルン「ん? 日記のページに何か挟まってたぞ?」ヒョイ

ウルフルン「何だこれ……手紙か?」ペラッ
208 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 15:55:43.21 ID:KGBTiBLJ0
オオカミさんへ


この手紙を読んでくれてありがとうございます。

でも、この手紙だけは他のみんなに見て欲しくないので、オオカミさんだけに読んで貰いたいです。


私達が日記を交換してからしばらく経ちました。

その中で少しだけかもしれませんが、オオカミさんの事を知ることができたと思っています。

今までの日記を見ても、やっぱりオオカミさんは良いオオカミだなぁと自信が持てます。







ウルフルン「…正直驚いたな。 アイツ普通に文章書けてんじゃねぇか」

ウルフルン「日記じゃなく手紙だから、ってことなのかね?」ウーム

ウルフルン「そういやアイツに変な内容書いてないかって聞いたが、『日記には』書いてないと言ってたな…」

ウルフルン「……まだ続きがあるから読むか」ペラッ
209 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 15:56:56.74 ID:KGBTiBLJ0
それでも何故か、私とオオカミさんとの間に何か壁のようなものを感じてしまうのです。

私達が敵同士だから仕方のないことかもしれませんが、それに関して私からお願いがあります。

オオカミさんさえ良ければ、私の事を名前で呼んでもらいたいのです。




ウルフルン「………」
210 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 15:57:36.79 ID:KGBTiBLJ0
お互いを名前で呼べば少しでも壁を感じなくなると思い、この提案をしました。

私ももちろん、オオカミさんの事を名前で呼ぶつもりです。 が、嫌であれば素直に諦めます。




ウルフルン「………」
211 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 15:59:26.90 ID:KGBTiBLJ0
出来る限り自分の事を書いてきたつもりですが、他に聞きたいことは何かありませんか?

少し前に、質問してもいいかと聞かれてからずっとドキドキしているのです。


それではまた明日、ウルフルンさんと元気に会えることを願っています。


星空みゆきより







ウルフルン「………」ペラ

ウルフルン「………」

ウルフルン「………さて、日記でも書くか」
212 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 16:00:47.83 ID:KGBTiBLJ0
ウルフルン「私達のお家ではかっぱえびせんが大流行です。 流行らせた私からすると気持ちが良いものです」カキカキ

ウルフルン「今隣の部屋でアカオーニが暴れてるのは、きっとそれを巡ってでしょうかね……っと」カリカリ

ウルフルン「後は何を書くか……筋肉痛様の素晴らしさでも説くか…」ウーン

ウルフルン「………」

ウルフルン「………」ペラッ

ウルフルン「……壁を感じてる、ね…」

ウルフルン「俺は別にそんなもん感じちゃいなかったな。 むしろ近すぎんじゃねぇかって思ってたわ」

ウルフルン「今までそんなことなかったから分かんねぇんだが、アイツの基準だとそうなのかもしれんな」

ウルフルン「…基準なんて知ったことか。 自分の物差しで測れればそれでいいじゃねぇか」

ウルフルン「………」
213 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 16:02:19.83 ID:KGBTiBLJ0
ウルフルン「……俺様は、この日記を使って心の底から楽しんでたつもりだ」

ウルフルン「壁を感じるってことは、アイツは俺みたいに楽しめていなかったことになるのか…」

ウルフルン「………」

ウルフルン「………、納得いかねぇなやっぱ」

ウルフルン「俺様はこんなに楽しんでるというのに、相手に伝わってないっていうのは全然面白くねぇ」

ウルフルン「こうなったら俺様がどれだけ楽しんでいるか、アイツに思い知らせてやる必要があるな」ウルッフフ
214 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 16:04:29.58 ID:KGBTiBLJ0
ウルフルン「確かに俺様達は敵同士だ」カキカキ

ウルフルン「しかし、いやだからこそ、俺様の恐ろしさというのを十分に知らしめる必要がある」カキカキ

ウルフルン「俺様が楽しいと思えることは、絶対に楽しいんだってことを分からせてやるぜ」カキカキ

ウルフルン「壁なんか作って守ろうとしても無駄だ。 そんなもん俺様がブチ壊してやるからな」カキカキ

ウルフルン「……よし書けた。 今回もいい出来だ」フゥ

ウルフルン「今度の日記は、我ながら自信作だ。 …首を洗って待っていやがれ」ウルッフフ
215 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 16:05:20.24 ID:KGBTiBLJ0





ウルフルン「また明日な、星空みゆき」








〜ウルフルン「あぁん? 交換日記だぁ?」・終〜
216 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 16:11:20.22 ID:KGBTiBLJ0
これで私の作品は終了となります。

パソコンを手に入れて初めての書き込みになりましたが、すっごく緊張しました!

次に投稿する機会があれば、もうちょっとほのぼの分を増やしていきたいと思っています。

こんな決して上手いとは言えない文章を、最後まで読んでいただきまして、本当にありがとうございました!
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/10(日) 16:15:02.64 ID:r4e0FDJ+o
面白かった>>1乙!
次の投稿先はここかな、それとも一旦落として別スレ立てる感じ?
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/06/10(日) 16:15:22.48 ID:AKP5JuXAO
おつ!

ウルみゆは良いものだ
219 :po3jOJ9A0・返事が遅くなってしまい申し訳ありません :2012/06/10(日) 16:19:24.53 ID:KGBTiBLJ0
>>183

今思い返してみると、多少アカオーニさんをカッコよくし過ぎちゃったかもしれません。

でもいつか、アニメでもこんな風に活躍してくれるんじゃないかって信じています。


>>195

キャンディの愛くるしさからもゲロ以下の臭いがプンプン(ry
220 :po3jOJ9A0 :2012/06/10(日) 16:26:53.75 ID:KGBTiBLJ0
>>217

少々もったいないかもしれませんが、出来れば別のスレッドを立ち上げたいと思っています。

とりあえず今から、HTML化? というものに挑戦してみます。

しばらく経っても何も変化しないので「あぁ、こいつダメだわ」と思った場合は、ご助力頂ければ幸いです。


>>218

ウルみゆ大好きです。

こうやって好きなものについて共感しあえるのも感慨深いです。
221 :po3jOJ9A0 [sage saga]:2012/06/10(日) 16:37:48.40 ID:KGBTiBLJ0
たった今HTML化をお願いしに行ったのですが、E-mail欄に「sage」を書き込むことを忘れてしまっていました。

公共のマナーに則った行為から外れてしまいましたことを、ここで詫びさせて頂きます。

本当に申し訳ありませんでした。
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/10(日) 16:49:10.12 ID:zLpHt0AKo
ウルみゆは素晴らしい
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/11(月) 08:31:02.37 ID:uNJqqf/IO
ウルみゆが最高すぎて…
GJ
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