会長「どうして俺はここにいるんだろう…」副会長「生贄だよ」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) ：2012/06/13(水) 22:50:32.73 ID:YU5dgRWPo

会長「どうして俺はここにいるんだろう…」

副会長「ここが生徒会室で君が生徒会長だから」

会長「興味なさげに読書しながら正論をぶつけるのはやめてもらえないか」

副会長「正論なのは認めるんだね」

会長「だが俺が聞きたいのはそんなことじゃないんだ」

副会長「せっかく正しい答えを返しているのにそんなことって言うのはひどいんじゃないかな」

会長「俺が大事な部活動の時間にこんなところにいなきゃならん理由を知りたいんだよ」

副会長「自らの存在理由を模索するなんてなかなかの哲学者ぶりじゃないか」

会長「誰がレゾンデートルのことと言うたか。他人を勝手に哲学者にするな」

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1.5 ：荒巻＠管理人★(お知らせ) [Twitter]： ID:???

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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 ＠ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする（´；ω；｀）part56 ばばあ化気味 ＠ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 ＠ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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笑えるな 君のせいだ ＠ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 ＠ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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トーチャーさん「超Ａ級スナイパーが魔王様を狙ってる？」〈ゴルゴ13inひめごう〉 ＠ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです ＠ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「２号線」【コンマ判定新鉄・関東】 ＠ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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2 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) ：2012/06/13(水) 23:55:19.47 ID:YU5dgRWPo

間違えてパー速に上げちゃったけどせっかくだからこっちにも

3 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/13(水) 23:55:55.77 ID:YU5dgRWPo

副会長「君に白羽の矢が立った理由は知らないけれど、君が会長になった理由なら知っているよ」

会長「ほほう、詳しく聞かせてもらおうか」

副会長「僕が会長への就任要請を丁重にお断り申し上げたから、だね」

会長「それだけでは俺が会長になっている理由にはならんと思うんだが？」

副会長「そうだね、これだけではまだ引き金を説明しただけで内容の説明は出来ていない。で、風が吹いて桶屋が儲かる理由なんだけども…」

会長「話がズレそうな比喩をするんじゃない」

副会長「ブラジルの蝶とテキサスのハリケーンのほうが良かったかい？」

会長「ズレてるといういう意味では変わらんわ」

副会長「軽い洒落じゃないか、あまり短慮を起こすと女性に逃げられるぞ」

会長「そうそうだからいつも機が熟さんうちに告白しては玉砕…ってやかましいわ」

副会長「告白する勇気があるだけ偉いじゃないか」

会長「褒められてる気がしないし、話がズレてる」

4 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/13(水) 23:56:44.89 ID:YU5dgRWPo

***************************
副会長「でまあ、先生に就任を要請されたときに僕は言ったわけだ。「僕は生徒の先頭に立つような立場は性に合いませんし相応しくもありません。副会長でなら受けますから会長は別の人にお願いしていただけませんか？」とね。」

会長「ふむ、それは分からんでもないな。だがそれが俺にお鉢が回ってきた理由とどうつながるんだ？」

副会長「その後先生に「誰が会長にふさわしいと思う？」って聞かれたから君のことを推薦しておいた」

会長「全部お前の責任じゃねーか！！白羽の矢の理由そのものだろそれ！」

5 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/13(水) 23:57:54.40 ID:YU5dgRWPo

副会長「まあまあ、君だけを推薦したわけじゃないんだ。生徒会役員を選出するときの縛りは知っているよね？」

会長「ああ、４人のうち２人が上級生で２人が下級生、かつ文化系と体育会系で２人ずつってやつだな。」

副会長「そう。で、先生が言うには書記と会計は下級生の体育会系で大体目途がついていたらしいんだ」

会長「あの２人は先に内定してたってことなのか」

副会長「そういうこと。だから会長になれる条件は、文化系クラブの所属で、部活の要職についていない、男子、だと先生に言われたんだ。」

会長「会長も女子という選択肢はなかったんかい」

副会長「これでも僕は生物学上は女子の範疇だからね、バランスを考慮したんだろう」

会長「しゃべり方だけ聞いていたらそうは思えないけどな」

副会長「これが僕だから仕方ないのさ。その後の話は本当に僕も知らないんだ。他にも何人か知っている男子の名を挙げてはおいたのだけど」

会長「先生からは「君しかいない」って土下座しかねない勢いで拝み倒されたぞ」

副会長「不利な交渉に臨むには情に訴えるのが一番だよね」

会長「汚い、さすが大人汚い」

6 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/13(水) 23:58:56.69 ID:YU5dgRWPo

会長「で、結局おれがここにいる理由ってなんなんだ？」

副会長「要するに生贄だよ。文化部男子からのね。面倒ごとを背負いたくないのは誰しも同じさ」

会長「なにそれひどい」

副会長「生贄っていう表現が気に入らなければ「引くことが定められた貧乏くじ」かな。今年は吹奏楽部から役員を、って順番だったとも聞いているよ」

会長「適切な表現すぎて返す言葉もないわ」

まあ、昨年のクラスでの件を見る限り、貧乏くじを引いたときの身の処し方は堂に入ったものじゃないか」

会長「去年って学校祭のときのか？あれは頼むから記憶から抹消してくれ」

副会長「女性にお願いをするのに手ぶらというのは野暮だと思わないかい？」

会長「自分で女性とか恥ずかしくないのか」

副会長「あのとき撮った写真はどこへいったかな？」

会長「どのような飲み物がご所望でしょうかお嬢様」

7 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/14(木) 00:00:14.34 ID:/5My6BIxo

副会長　ゴクゴク「読書しながらのアイスティーは最高だねえ」

会長「懐の痛まない飲み物の味はいつでも最高だろうさ」

副会長「まあそう言うなよ。１２０円で女の子の口を封じられると思えば安いものだろう？」

会長「封じられた気がしないのは俺の気のせいではないと思うんだ」

副会長「対処療法にはなったじゃないか」

会長「後顧の憂いを断つためにも根本治療に踏み切りたいところだ」

副会長「根本治療は無理だろうね、黒服の持ってる記憶消去ペンでもない限り」

会長「宇宙人と戦う組織とのコネが必要だな」

副会長「なんて名乗るんだい？H？それともY？」

会長「どちらも俺の氏名の頭文字じゃないわけだがその心は」

副会長「変態のHと卑猥のY」

会長「あんまりな言われようにおにーさんビックリだよ！？」

副会長「誕生日の順番で言ったら僕のほうがお姉さんじゃないかな」

会長「今はそういうこと言ってるんじゃないよね！？」

副会長「ちなみに僕の誕生日は来月早々だから」

会長「祝って欲しいなら祝ってやるからさっきの発言の趣旨をだな」

副会長「言質をとったところで説明してあげようじゃないか」

会長（アレ、オレナンカマズイコトイッタ？）

8 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/14(木) 00:01:31.86 ID:/5My6BIxo

副会長「大体において男子が女子を見る目線は不躾であると相場が決まっているけれども」

会長「個人差もあるが男子の本能ってのはそういうものだろう」

副会長「それは君にも当てはまるだろう、と僕の目には映るわけだ」

会長「本能を否定はしないが変態と呼ばれるのは心外だな」

副会長「例えば生徒会室のお隣さんである茶道部の部長と話すときの君の目線はどこに行っているんだい？」

会長「うっ」

副会長「彼女の胸は女の身である僕からしても魅力的だというのは良く分かる。目が行くのは仕方ないとも思うがそれにしては目線が釘付け過ぎはしないかな？」

会長「そんな…ことは…ない…と思う」

副会長「彼女は彼女で辟易しているようだけどね。「肩が凝るから嫌」「和服が似合わなくなるから嫌」なんて言葉を聞いたのは一度や二度じゃない。まあ、持たざるもの達はその言葉自体に暗い感情を抱きたくもなるだろうけれど。」

会長「副会長もそのクチか？」

副会長「まあそんなわけで君が茶道部長と話すときにさりげなく彼女の胸を凝視しているのは周知の事実、というわけだ」

会長「無視かよ」

9 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/14(木) 00:02:52.98 ID:/5My6BIxo

副会長「それだけじゃない。陸上部のホープであるところの書記嬢の美脚を舐めるように見ていたという目撃証言とか」

会長「ちょ」

副会長「吹奏楽部のパート練習で必ず窓際に座るのはそこから見える水泳部の練習を眺めるためだとか」

会長「ちょっ」

副会長「あまつさえ僕ですら君の視線を感じることがままある」

会長「おーい」

副会長「自分で言うのもなんだが、茶道部長や書記嬢のように魅力があるのならばいざ知らず、僕のように貧相な身体にまで劣情を催している、ということであればそれは変態と断ずるにいささかの躊躇もない。そう僕は判断したわけだけれど、何か反論はあるかい？」

会長「もう止めて！俺の残り精神的はゼロよ！」

10 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/14(木) 00:04:46.19 ID:/5My6BIxo

***********************************
会長（机に突っ伏し）「しかたねーだろー、そんなに簡単に本能抑えれたら苦労しねーよー…」

副会長「まあまあ、そう落ち込まない。君がある意味目立つ立場の人間で、かつ皆から愛されるキャラだからこその話さ」

会長「貧乏くじ引かされた上にこの仕打ちとか、酷いとは思わないか」

副会長「むしろ君はそれを「美味しい」と思うタイプだろうと思っていたけれど」

会長「人を芸人か何かと一緒にするな。俺が目立つのは吹奏楽部のステージ上だけで十分だ」

副会長「で、目立ちすぎてパートリーダーに毎回怒られているんだろう？」

会長「何でそんなことまで知ってるんだ」

副会長「先生もパートリーダーも愚痴ってたよ、「あいつのトランペットはうちの部で誰よりも上手いのに周りと合わせるということを知らなさ過ぎる」って」

会長「手加減が苦手なんだよ」

副会長「周りに合わせた上で周りのレベルを引き上げてこその名手なんじゃないのかい？」

会長「正論すぎて返す言葉もない…が、本当に苦手なんだよなあ」

副会長「確かにビッグバンドが合わないんだろうなというのは昨年の学祭の公演みてれば良く分かるけどね。かといって音楽をやる上で仲間と合わせていく能力は必要不可欠だろう？」

会長「まったく仰るとおり。だーかーらー、練習行ってもいいかな？」

副会長「駄目」

11 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/14(木) 00:06:07.44 ID:/5My6BIxo

会長「なんでだよ、さっきからそっちだって作業なんかしてないじゃねーか」

副会長「僕の受け持ちぶんは終わったからいいんだよ。だいたい君の作業は終わったのかい？見たところ手よりも口のほうが動きが滑らかなようだけど」

会長「作業量が多すぎるんだよ、どう考えたって。…なあ、提案があるんだけど」

副会長「却下」

会長「内容くらい聞いてくれると嬉しいんだが」

副会長「どうせ手伝って欲しいとかそういうことだろう？却下だ」

会長「自分が陥れた相手を憐れむ気持ちくらい持ってくれてもいいだろう」

副会長「君がもう少し真面目に働いているならその気も起こるんだけどね。毎度毎度目を盗んで逃げ出そうとする不真面目な会長を甘やかしても誰のためにもならないよ」

会長「毎度ながら厳しいお言葉」

副会長「分かったら作業に戻るんだね」

会長「…アイ・アイ・マム」ﾀﾒｲｷ

12 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/14(木) 00:07:38.63 ID:/5My6BIxo

キーンコーンカーンコーン

副会長「どうだい、終わりそうかい？」

会長「んー、もうちょい。終わったら帰るから先上がってくれて構わないぞ」

副会長「なんだかんだ集中してからの働きぶりはさすがだねえ」

会長「仕事が残ってたら残ってたところで気持ち悪いからな」

副会長「なかなか言うじゃないか。じゃあ、僕は先に帰らせてもらうよ」

会長「おう、お疲れさん」

副会長「あ、そうそう、駅前のパティスリーの春限定イチゴタルトは美味しいらしいよ？」

会長「それは重畳なことだ」

副会長「来月楽しみにしてるから」

会長「なんのことやらサッパリ分からんな」

副会長「ふふっ、お疲れ様。お先に」ﾆｯｺﾘ

会長「…俺も帰るか」

四月編　おしまい

13 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/14(木) 00:08:19.46 ID:/5My6BIxo

こんどからはこっちで続きを書こうそうしよう

14 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) ：2012/06/14(木) 00:11:00.21 ID:WZTbwPKMo

こっちで張り付かせてもらいます！

15 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/06/14(木) 12:29:30.47 ID:zVRLKIX+o

のんびりでもよろ

16 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) ：2012/06/14(木) 23:19:32.96 ID:/5My6BIxo

思ったより筆が進んだので投下

17 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/14(木) 23:20:49.37 ID:/5My6BIxo

五月・放課後・生徒会室前

会長「おつか（グッ）…あれ、鍵開いてない」

会長「副会長が先にいないってのは珍しいな」

会長（となればどうするかは二択っ！）

　　　　中に入る
　　　　サボる

会長（とはいえ「コレ」のこともあるしなあ…）

会長（どうするか…）

会長（まあ、「コレ」は明日でもいいか。練習行こうかな）

　　　　中に入る
　　　＞サボる　　（ピッ）

副会長　ﾄﾝﾄﾝ「こんな扉の前でフリーズしてどうしたのかな？まさかサボって部活行こうなんて考えてないよね？」

会長「」

18 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/14(木) 23:22:28.98 ID:/5My6BIxo

副会長「まったく、油断も隙もあったもんじゃないね」

会長「何を言うか、まさに合鍵に手を伸ばそうとしていたところだっただろう」

副会長「僕には君が心の中で「サボる」を選択した瞬間がはっきり見えたけどね」

会長「他人の心を読むんじゃない！あと内容がメタ過ぎる！」

副会長「単純な思考のトレースだよ。メタフィクションというほどのものじゃないさ。」

会長「それは要するに俺の思考がそれほどまでに単純であると」

副会長「御明察…というか無駄話している暇はないよ、このあと部長会だろう？」

会長「おっと忘れてた。でも実質おれ司会なだけだし副会長が出てれば十分じゃねえの？」

副会長「会長業務の態度にはこの際目をつぶるから、出るべきところには出てくれないかな」

会長「へいへい。あ、ちょっと先行っててくれ、持ってくもんあるから」

副会長「分かった、会場、第二理科室だよ」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

会長「あいよー。　…さて。」ｺﾞｿｺﾞｿ「これを、こうしてっと」

会長「あとは野となれ山となれ、だな。」

19 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/14(木) 23:25:02.33 ID:/5My6BIxo

**************************************
会長「…じゃあ全国大会向けの補助予算の話は以上で。足りなくて悲鳴を上げるくらいになることを期待しています。うちも含めてみんなで頑張りましょう。あとは来月の議題は毎年恒例の学校祭へのクラブ特別参加のとりまとめをするので、特に飲食店とか特殊なことやりたい部活は部内でちゃんと決めてから出席するように。…他に質問は？」

各部長（ふるふると首を振る）

会長「んでは以上で部長会終了。お疲れ様でしたー」

各部長「お疲れ様でしたー」

************************

会長「大勢の前で話すのは疲れる…」ｸﾞﾃﾞｰ

副会長「まあまあ、お疲れ様。そうは言っても相変わらずの舞台度胸じゃないか」

会長「ステージの方がよほど楽だ」

書記「会長センパイ副会長センパイ、私部活ありますんでお先に失礼しますねー」

会計「すみませんが僕もなんでお先です」

会長「あ、くそ、おれｍ」

副会長「お疲れ様、後のことは僕らでやっておくから頑張っておいで」

会長「」

20 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/14(木) 23:26:05.87 ID:/5My6BIxo

会長「あ、そうだ、ちょっと職員室寄って行くから先に生徒会室戻っててくれ」

副会長「いいけど、そのまま糸の切れた凧、ってことにはならないだろうね」

会長「あー、荷物とかもろもろ置きっぱなしだからその心配はないぞ」

副会長「分かったよ、あんまり遅くならないようにね、今日の資料もまとめてしまいたいし」

会長「あいよー」

21 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/14(木) 23:32:48.66 ID:/5My6BIxo

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

副会長「さて、仕事に取り…　あれ？」

副会長（机の上に汗をかいたアイスティーの缶と…）

副会長（ラッピングされた小さな箱、か）

ﾍﾟﾘﾍﾟﾘ

副会長（おや、駅前の店のイチゴタルトじゃないか）

副会長（そして中にはバースデーカード）

副会長（差出人はなし、と。バレないとでも思っているのかな）

副会長（あんなんでいてもちゃんと覚えていてくれるんだね、君は）

副会長（ちょっと嬉しいぞ）

ﾓｸﾞﾓｸﾞ

副会長「美味しい」

会長「なーにニヤニヤしてんだー」

副会長「」

22 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/14(木) 23:34:31.99 ID:/5My6BIxo

副会長「おいしいものを食べて幸せを感じない人間がいるだろうか」

会長「あーそう」

副会長「あとこれを買ってきてくれた人がどんなに恥ずかしい思いをしながらあの店に並んできたかを思うとね、自然と笑みが」

会長「買ってきたのが女性なら恥ずかしくはないんじゃないか」

副会長「男性が並んでるところを想像したほうが楽しいじゃないか」

会長「さいですか」

副会長「で、並んでみてどうだった？」

会長「昼間に制服着てマダムやら若いおねーさんやらにジロジロ見られながら並ぶのは控え目に言って地獄だった、ておい」

副会長「ほら、想像したらニヤニヤ出来るだろう？」

会長「できんわい」

副会長「うららかな春の日差し、賑やかなケーキ屋」

会長「むしろ雨降ってくれたほうがマシだった」

副会長「姦しいと言うに相応しい場になぜか存在する巨漢の学生服」

会長「巨漢言うな、太ってるように聞こえる」

副会長「早く順番が来いと思いながら身を縮こまらせる制服少年に突き刺さる好奇の目線」

会長「ヤメて思い出すから」

副会長「ほら、想像しただけで笑いが…ふふふ」

会長「鬼や…アンタ鬼や」

23 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/14(木) 23:35:45.64 ID:/5My6BIxo

会長「で、どうだったよ、念願のイチゴタルトの味は」

副会長「評判に違わぬ美味しさとしか言いようがないね。夕方に店に行っても並んでないのも頷ける」

会長「店に寄ったりしていたのか、意外な気がするな」

副会長「こう見えても甘いものには目がないんだよ。文芸部の子たちとは一緒に行ったりもするしね」

会長「そっか、そりゃ良い事だ」

副会長「…人を寄せ付けないように見えるかい？」

会長「…まあ、わりと。少なくとも去年のクラスではそう見えた」

副会長「意外と良く見てるじゃないか。さては僕に惚れてるな？」

会長「バカ言ってんじゃねえよ」

24 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/14(木) 23:36:59.33 ID:/5My6BIxo

************************

副会長「それにしても、１８かあ…」

会長「どうだい、大半の同級生より先におばちゃんになった気分は」

副会長「世間の女性の大半を敵に回す発言だね」

会長「年上趣味はないからいいもんね」

副会長「１年前のあの壮絶な失恋劇はそこら中で伝説になっているというのに」

会長「そんな昔のことは忘れちまった…」

副会長「まあ、つらい記憶をわざわざ覚えておくこともないよね」

会長「人間は前にしか進めない生き物なのだよ」

副会長「で、曲がり角ひとつ間違えて迷い道くねくね」

会長「いくらなんでも古過ぎだろう。２０くらい年をサバ読んでるんじゃないのか」

副会長「それが分かる君も大概だと思うよ」

25 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/14(木) 23:38:28.26 ID:/5My6BIxo

会長「１８歳ってもうちょっと大人だと思っていたけどなあ」

副会長「なってみると、全く、全然、そんなことないね」

会長「この分だと１０年後にも…」

副会長「同じ事言っているかもしれないね」

会長「この学校で２８歳というと、いっちー、オタセン、きゅーちゃん…」

副会長「先生をアダ名で呼ぶのは失礼なんじゃないだろうか」

会長「生徒から集めている敬意がそのレベルということと、親しまれているという両面の意味があるだろう」

副会長「それは確かに。しかしその３人を並べてみると…」

会長「大人ってなんなのか分からなくなるよな」

副会長「うん。全く同感だよ。ま、分からなくてもいいことなのかもしれない」

会長「そーだなー、無理な背伸びをすることもない、か。」

26 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/14(木) 23:40:11.96 ID:/5My6BIxo

*********************************
キーンコーンカーンコーン

会長「お、もうこんな時間か、少しだけ部活に顔出して帰るから先に失礼するわ」

副会長「ひとつ忘れてるんじゃないのかい？」

会長「忘れ物なんかないぞ」

副会長「物の話じゃないよ」

会長「なんの話だかなー。じゃあな」テクテク

副会長（ぶぅ）

ガラッ

会長（扉から顔だけだして）「…誕生日、おめでとう」ニヤリ

ピシャッ

副会長「…ありがと」

副会長「…なかなかやってくれるじゃないか」

副会長「僕も帰ろう」

五月編　おしまい

27 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) ：2012/06/20(水) 23:58:34.80 ID:nJ8oisYEo

5月　運動場

「位置について！用意！」パァン

ワーワー　ガンバレー

…

（本部テント下）

会計「お疲れ様でーす、いやあ、ここは日陰で涼しいっすねえ」

副会長「やあ会計くんお疲れ様。なかなか活躍してるみたいじゃないか」

会計「本職の陸上部には敵いませんよ。シルバーメダルコレクター状態です」

副会長「本職じゃない中でナンバーワンだと思えば気分もいいんじゃないのかい？」

会計「まあ、そりゃ悪い気はしませんけどね。ところで会長は？」

副会長「クラスから4種目分エントリーを押し付けられたらしくて、今から200mを」パァン

会計「スタートしたみたいですね。…すげースタートダッシュ」

********************

陸上部「まてぇ〜ル○〜ン！」

会長「とっつぁん、し〜つこいのなんのって」

********************

会計「何言ってんでしょうねあの人たち」

副会長「さぁ？」

会計「あ、逃げ切った。すごいなあ会長。本職叩いて1着とか」

副会長「彼が吹奏楽を選んだのは色んな意味で損失な気がするね」

28 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/20(水) 23:59:28.39 ID:nJ8oisYEo

会長「たーだーいーまー」ゼハーゼハー

副会長「お疲れ様、相変わらずの身体能力だねえ」

会長「毎日体力作りに励む体育会系文化部を舐めてはいけない」

副会長「うちの吹奏楽部のトレーニングは過酷とは聞くねえ」

会長「マラソン大会でも毎年のように上位を争う吹奏楽部員の姿が見られるぞ」

副会長「そろそろ文化部の枠組みから外してもいいかもね」

会長「そうしたら俺が会長になった理由も消滅するから解任してもらえそうだな」

副会長「結局体育会系でも文化系でもない部として役員を出す枠が出来るんじゃないかな」

********************

（ﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾊﾟﾝﾎﾟﾝ)
放送部「女子400mに出場の皆様は、野球部バックネット前へ集合してください。女子400mに…」

副会長「やれやれ、僕も出番らしいよ、ちょっと行ってくる」

会長「あいよ、頑張っといでー」ﾋﾗﾋﾗ

副会長「気持ちがこもってないぞ」

会長「感情たっぷりに言われても気味が悪かろう」

副会長「確かに」

…

会長「しかし400mを文化部員に走らすとは、あいつのクラスの連中は鬼だなー」

29 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/21(木) 00:00:42.92 ID:Pxs6AS4Ho

副会長　ゼエゼエ「た…だ…い…まー…ってあれ？」

書記「あ、副会長センパイおかえりなさーい、いい走りでしたねー」

副会長　ゼエゼエ「書記さんもお疲れ様。普段やらないことやると駄目だね」

書記「そんなことないですよー、普段スポーツしてない人が４位なら凄いですよー」

副会長「最後は脚が前に出なかったよ」

書記「400mは誰が走ってもそうなりますよー」

副会長「そういうものかねえ。そういえば他の人は？」

書記「会計くんも会長センパイも次の出番に呼ばれて行きましたよー」

副会長「そっか。僕はもうこれで出番もないし、ここでお留守番かな」

書記「私は最後の100m×4リレーの準備、行ってきますねー」

副会長「いってらっしゃい、頑張って」

副会長（みんな凄いパワーだなあ）

ワァァワァァ…

30 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/06/21(木) 09:03:05.96 ID:vk6jv+2Vo

おっと、来てた

31 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) ：2012/06/21(木) 23:37:17.97 ID:Pxs6AS4Ho

翌日　生徒会室

副会長「お疲れ様…」

会長「お疲れー。動きがギクシャクしてるぞ」

副会長「僕も一応人間だからね、普段やらないような動きをすればこうもなるよ」

会長「まるで産まれたての子馬のようだ」

副会長「嬉しくない喩えだね。…うう、座るのも一苦労だよ」

会長「日頃の運動不足を恨むんだな」

副会長「根っからのインドア派の僕にあんな激しい運動を強いるほうが間違ってる」

会長「運動は人生を豊かにするんだぞ」

副会長「文化部員の台詞とは思えないね」

32 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/21(木) 23:39:13.79 ID:Pxs6AS4Ho

会長「大体そんな体力の人間がなんで400mの代表なんかやってんだよ」

副会長「ジャンケンで負けたんだよ、そうでもなければ好き好んで世界一厳しい短距離競技なんかエントリーしないさ」

会長「なるほど、クラスの女子で生贄に選ばれたわけだ」

副会長「自分の勝負弱さが恨めしいよ」

会長「他人のことを生贄だの貧乏クジだの言いたい放題にした罰があたったんだろう」

副会長「責務を果たした人間にはそれ相応の労いの言葉をかけるのが筋というものなんじゃないかな」

会長「そういうことは普段から人に労いの言葉をかけてから言ってほしいもんだ」

副会長「むう、嘘でももう少し普段から優しい言葉をかけておくんだった」

会長「本人の前で嘘でもとか言うな」

33 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/21(木) 23:40:31.48 ID:Pxs6AS4Ho

副会長「それにしても昨日はご活躍だったみたいだね」

会長「さすがに４種目も出るとバテるけどなー」

副会長「その割には身体はどこも悪くなさそうだけれど」

会長「鍛え方が違うのだよ鍛え方が」

副会長「文化部の人に得意げに言われても」

会長「陸上部に勝って文化部魂ここにありをアピールできたから満足」

副会長「何を勝ち誇っているのか僕にはさっぱり分からないよ」

34 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/21(木) 23:41:35.39 ID:Pxs6AS4Ho

副会長「それにしても、あんなに動ける君ががなんで吹奏楽なんかやってるんだい？陸上大会の主役になるのが吹奏楽部とか普通の学校だとありえないと思うんだけど」

会長「往々にして得意なこととやりたいことって違うだろ？」

副会長「それはそうなんだけどね、得意なことがやりたいこと、というパターンのほうが多いじゃないか」

会長「それはそうか。まあ、大した理由はないぞ。単純に楽器吹くのが好きで、それが続いたってだけだし。」

副会長「好きこそもののか。始めたきっかけは何だったんだい？」

会長「きっかけかあ…　今思い出しても幼稚な理由だよ」

副会長「ふむ、面白そうじゃないか」

会長「面白くなんかはないぞ。…最初に女の子が降ってくる某映画があるじゃないか」

副会長「最後に滅びの言葉を言うあれ？」

会長「そうそう。あれの主人公が途中でトランペットを吹いてただろ？」

副会長「あったねえそんなシーン」

会長「あれを見た俺は猛烈な勢いでトランペットをねだったらしいんだわ、親いわく」

35 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/21(木) 23:43:17.40 ID:Pxs6AS4Ho

副会長「なるほど、それでその後はトランペット一筋と」

会長「それがそうでもないんだな」

副会長「おや？」

会長「小学校の鼓笛隊に入ったら「お前はデカイから」という理由でチューバやらされた」

副会長「それはありがちな」

会長「隠れて練習はしてたけどな。で、中学では同じ轍踏みたくなかったから同じ小学校の奴全員に口裏あわせてもらってトランペット経験者ってことにしてもらった」

副会長「そこまでするか」

会長「したんだよ、当時の俺は」

副会長「その情熱を行動力もう少し別の方面にも向ければいいのに」

会長「そんなに器用な人間なら生徒会室なんぞにはいない」

副会長「それはそうかもね」

36 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/21(木) 23:44:14.41 ID:Pxs6AS4Ho

会長「じゃあ副会長はなんで文芸部に入ったんだ？」

副会長「ご想像のとおりだよ、単純に本を読むことが好きだったこと」

会長「あと小難しいことを考えることが好きだったこと？」

副会長「それもあるかもね。だからこの学校の文芸部に入って良かったと思ってるんだ。僕みたいな変人にも居場所はあるからね」

会長「基本的に変な奴ばっかだからな、うちの学校」

副会長「会長を筆頭にね」

会長「いやいや、副会長様には勝てませんわ」

副会長「何を言っているんだい、変人にして変態の会長がナンバーワンに決まっているだろう」

会長「変人はいいけど変態はやめて」

副会長「女子の走る姿というか揺れる胸を食い入るように見つめていた人には拒否権はないよ」

会長「」

37 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/21(木) 23:47:21.58 ID:Pxs6AS4Ho

キーンコーンカーンコーン

会長「お、もうこんな時間か」

副会長「ちょっと待って、立ち上がるのすら辛い…」

会長「おぶってってやろうか？それともお姫様抱っこがお望みかな？」

副会長「セクハラで訴えるぞ」

会長「そりゃかなわん」

副会長「…荷物」

会長「ん？」

副会長「荷物だけでもお願いしちゃ駄目かな？」

会長　「しゃーねーなー、貸しひとつな。　…重っ！何が入ってるんだこれ」

副会長「新しく図書室に入ったハードカバーがひのふのみ…」

会長「こんな日にそんなものは置いていけー！」

５月編　おしまい

38 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/22(金) 05:58:46.29 ID:gxzgY7Nco

5月編は二度終わる

39 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ：2012/06/22(金) 07:44:43.07 ID:wjHE3+H1o

相変わらず面白い
次も期待

40 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/06/22(金) 09:23:22.40 ID:AAhI4XRxo

3度目もあるかも知れない…

嘘です「その2」クレジット入れ忘れましたごめんなさい

次はホントに6月編の予定

41 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) ：2012/06/22(金) 22:15:44.72 ID:6ietWfXAo

6月　生徒会室

ザァァァァ

会長「…梅雨時とはいえ、よく降るよなあ」

会長（雨はなあ、嫌な記憶が色々よみがえるな…）

書記「お疲れ様でーす！あれ？会長センパイひとりなんですかー？」

会長「おお、書記ちゃんおつかれ。副会長は今日は文芸部のほうに行ってるよ」

書記「副会長センパイが部活優先って珍しいですねー」

会長「なんでも季刊の部誌の〆切が近いのに部員一同全然原稿が上がってなくてその監視、だそうだぞ」

書記「〆切近い漫画家に張り付く編集者みたいですねー」

会長「なんという適切な比喩」

42 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) ：2012/06/22(金) 22:18:24.03 ID:6ietWfXAo

会長「そういえば今日は陸上部のほうはいいのかい？」

書記「この雨なんで室内トレーニングなんですけどね、どうせ独りでも出来る内容なんで抜けてきちゃいました」

会長「そっか。あ、遅れたけどインターハイ出場おめでとう。部長会議でああは言ったけどまさか全国出場者が、しかもこんな身近に出るとは思わなかったよ」

書記「ありがとうございますー。でもおかげで生徒会活動や学校祭へ向けた活動は当分お預けですね…」

会長「楽しみにはしてたんだろうけどそんなことは気にしちゃいかんよ。したくても出来ない人が大半な全国へのチャレンジなんだ、過程から本番までたっぷり楽しまなきゃね」

書記「そうですね、頑張ります！」

43 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/22(金) 22:20:27.52 ID:6ietWfXAo

書記「ていうかセンパイ、さっきから何やってるんですか？」

会長「部長会の資料まとめも終わったから個人的な趣味」

書記「秘蔵の写真の整理とか」

会長「これが写真に見えるなら眼科に行くことをお勧めするぞ」

書記「学校祭の裏メインイベント、隠れミスコンテストの候補者まとめとか」

会長「それはどっちかというと俺は黙認する側で運営してるのは有志」

書記「黙認しちゃダメじゃないですか？」

会長「面白いからいいんじゃない？ミスコンだけなら男女差別だなんだって言われるけどどうやらミスターコンテストも動いてるみたいだから」

書記「うちの学校の女子のお祭り好きも相当なもんですねー」

会長「全校あげてだもんなあ、一応お勉強は出来る学校のはずなのにどうしてこうなった」

書記「お勉強が出来ることとバカをするしないは別のベクトルの問題なんでしょうねー」

44 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/22(金) 22:22:43.73 ID:6ietWfXAo

書記「で、ミスターコンテストが行われたらもちろん自薦で出るんですよね？」

会長「書記ちゃんちょっと物言いが副会長に似てきてないか？ていうかあの手の催しに自薦で出るとかサムいだろう」

書記「そこを空気読まないのがセンパイのいいところかと」

会長「それ全然褒めてないから。そういうこと言ってるとミスコンに推薦するぞ」

書記「それだけはやめてください。ただでさえ校内紙や地方紙で変な扱われ方して迷惑してるんですから」

会長「ああ、インターハイ出場決定の地方紙は俺も見たよ、ありゃ傑作だった」

書記「思い出したくないですー」

会長「姫だの妖精だのって単語が躍ってたもんなあ」

書記「恥ずかしくて顔から火が出そうでした…」

会長「といいつつ新聞記事はスクラップして取ってあるんだろ？」

書記「」

45 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/22(金) 22:23:38.22 ID:6ietWfXAo

会長「まあ書記ちゃんは俺が手を下すまでもなくエントリーされるだろうから諦めたほうがいいな」

書記「んー世の中間違ってますよ。私みたいに貧相でちんちくりんなののどこがいいんだか。絶対茶道部長さんや副会長センパイの方が人気になると思うなー」

会長「まあ世の中の嗜好は単一じゃないからなあ。そういうのがいいって奴らもたっぷりいるってことだろうさ」

書記「そんなもんですかねえ」

会長「そんなもんさ。大体書記ちゃんが茶道部長みたいだったら絶対にインターハイには行けてないって」

書記「それはそうですけど…　セクハラですよセンパイ？」

会長「事実を有り体に述べただけだ。大体エネルギーをほとんど走りに使っていたらそこの成長は望めんだろう」

書記「まあ、そうなんですけどね…モウチョットクライアッテモ」

46 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/22(金) 22:24:22.59 ID:6ietWfXAo

書記「で、会長はさっきから何をやってるんですか？」

会長「ん？ああ、定期演奏会のスペシャルコーナーの構成と、野球部の応援の曲の当てを考えてたんだよ」

書記「定期演奏会のスペシャルコーナーって毎回ネタに走るアレですか？」

会長「そう、アレ。よく知ってるね」

書記「こないだCATVの地元番組で放映してましたよ」

会長「毎度毎度ネタを考えるのも大変なんだよ。その分普通とは違う曲にチャレンジできるからいいんだけど」

書記「今度は何をやる予定なんですか？」

会長「今のところ２種類あって、ファミコンカルテットにするかドラゴ○ズカルテットにするか」

書記「どっちも誰得って感じですね」

会長「どっちも俺得だけどな」

47 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/22(金) 22:24:57.90 ID:6ietWfXAo

書記「野球部の応援も行くんですか？」

会長「こっちは部活としてというより毎年有志としての参加なんだよ。部活とは直接関係なくね」

書記「そうだったんですか。てっきり吹奏楽部総出かと」

会長「夏コンがかぶったりするとそういうわけにもいかないからね。日焼け嫌がる子もいるし」

書記「でも、いいですよね、夏の甲子園の予選って。あんなにいっぱいの人に応援してもらえるなんてうらやましいですよ」

会長「確かにあの応援の雰囲気は他の競技にない独特なものだよね。今年は野球部も本気で甲子園って気合入ってるし、いい結果が出るといいなあ」

書記「私も負けないように頑張りますよ！」

会長「うん、その意気だ」

48 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/22(金) 22:27:09.13 ID:6ietWfXAo

ガラガラ

副会長「お疲れ様ー…おお、書記さんもいたのか。今日は部活はお休みかい？」

書記「お休みなんで久々にお仕事中でーす」

副会長「インターハイプレーヤーが無理しなくてもよかったのに、ありがとうね。で、会長君はどう見ても仕事をしているようには見えないが」

会長「ザンネン、もうまとめは終わってるんだよーだ。今は内職中」

副会長「珍しいね、そりゃ雨も降るわけだよ」

会長「やかましいわ」

49 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/22(金) 22:28:20.07 ID:6ietWfXAo

書記「副会長センパイは文芸部のほうはいいんですかー？」

副会長「自分の分はもう上がってるし、他の子たちも軌道に乗ったみたいだから大丈夫だよ　…おや、今日の仕事はほとんど終わってるじゃないか」

書記「頭の使いすぎでお腹が空きましたー」

副会長「じゃあちょっと早いけど上がってお茶でもしようか」

書記「賛成ですー！」

副会長「会長も行くよね？」

会長「んにゃ、俺はもう少し内職やってくわ」

書記「えー、一緒に行きましょうよー！」

副会長「両手に花でお茶なんてそうそうないチャンスだとは思わないかい？」

会長「自分で言うな自分で。さすがに今持ってるこれは目処つけとかないとヤバいんだよ」

副会長「そうか、それは残念だよ」

会長「まあ、二人で楽しんできてくれ」

書記「はーい。じゃあ行きましょうか副会長センパイ」

副会長「そうだね、行こう。…じゃあ頑張ってね」

会長「あいよ、お疲れ様」

50 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/22(金) 22:29:27.68 ID:6ietWfXAo

会長「…この曲はここに入れてっと」

会長「ここではあいつにこのパフォーマンス任せて」

会長「…まあとりあえずはこんなもんか。あとはメンバーと相談だな」

ブーンブーン

会長「ケータイ…メールか？」

カチャ

『from：副会長
　subject：終わったら

　駅前のミ○ドに来ること！
　たまには僕らが労ってあげようじゃないか』

『from：書記
　subject：ちゃんと来てくれたら

　さっきのセクハラ発言は見逃してあげますよ〜」

会長「…やれやれ」

会長「嫌なことを思い出す暇もないってのはいいことなのかねえ」

会長「しゃーない、行くとするか」

6月編　その１？　おしまい

51 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]：2012/06/22(金) 22:55:56.63 ID:OVFZUj2mo

お疲れ様ー

今回も面白かった

52 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/06/22(金) 23:29:22.79 ID:6ietWfXAo

読んでいただけた皆様ありがとうございます

皆様のコメントがモチベーションの命綱ですｗｗ

53 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sagesaga]：2012/06/23(土) 11:32:35.63 ID:y7NfF5jjo

おつおつ

54 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/06/23(土) 17:52:32.60 ID:RYa/LQDSo

こんなリア充生徒会に入りたかった・・・

55 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/06/25(月) 15:55:38.98 ID:TIfiCshEo

なんか懐かしいな…そんな時代もあった

56 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]：2012/06/26(火) 18:45:05.51 ID:JsxOskDAO

五月編の某映画って何？

57 ：1 [sage]：2012/06/26(火) 23:23:44.80 ID:vRT0KAsno

ちまちま書き溜め中
明日くらいには上げたいとこ

コメントありがとうございます

>>54
こういうのってその場にいるときは充実してるって気付かない気がします
あとで思い出してしまったと思うことのほうが多そう

>>55
書いてる本人も懐かしんでますｗｗ

>>56
最後の滅びの言葉で巨大掲示板のサーバーが飛ぶことで有名なジブリ映画です

58 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]：2012/06/27(水) 13:58:43.13 ID:ycbA3jNAO

あの映画か

59 ：1 ：2012/06/27(水) 22:39:15.23 ID:XlKYFsT9o

6月

書記「会計くーん」

会計「ああ、書記さん、テストお疲れさま」

書記「会計くんも生徒会室？」

会計「そう、部活始まる前に顔を出しとこうと思って」

書記「私もだよー。この後忙しくなりそうだから行ける時には行かないとね」

会計「そうか、インターハイ出場を控えてるとなるとこの後は忙しいよね」

書記「そうなんだよー。会計くんとこの部はどうだったの？」

会計「うちは県ベスト８止まりだったよ。4強の壁は厚いんだよねぇ」

書記「そっかー。じゃあバレー部はもう会計くんたちの代になってるんだね」

会計「まだ全然実感ないけどね」

書記「うちは何人かのセンパイが一緒に出場できたから引退してないんだよねー」

会計「複数インターハイ出場者出すとか本当に強豪だよね」

書記「一人で全国なんて考えるだけで緊張するからホントにありがたいよー」

60 ：1 [sage]：2012/06/27(水) 22:41:52.99 ID:XlKYFsT9o

会計「だよねぇ。ところでテストは」

書記「聞かぬが花！」

会計「赤点あると全国出れないんじゃないの？」

書記「多分大丈夫だと思う！」

会計「英語えらく難しかったじゃん」

書記「大丈夫じゃないかな」

会計「数学で悲鳴をあげてた子たくさんいたけど」

書記「まぁちょっと覚悟はしておけ」

会計「涙が出るほどしょっぱい宣言だなあ」

61 ：1 [sage]：2012/06/27(水) 22:44:14.98 ID:XlKYFsT9o

生徒会室

書記会計「「お疲れさまでーす」」

副会長「お疲れ様。ちょっと静かにしてあげてくれるかな？」


会計「どうかしたんですか？…おや」

会長「Zzz…Zzz…」

書記「完全に爆睡してますねー」

副会長「僕が来た時既にこの状態だったよ。疲れてるんだろうね」

会計「そりゃテスト勉強と受験勉強と会長業と部活と」

書記「ついでに野球部の応援と学校祭の実行委員…　人間のキャパ超えてますよー」

副会長「少しは断ることを覚えればいいのにね」

会計（一番大きいとこの元凶作った人が何を仰る）

62 ：1 [sage]：2012/06/27(水) 22:45:00.98 ID:XlKYFsT9o

会計「で、どうしましょう、会長がこんなんですけど」

副会長「とりあえず僕らだけでできそうな来週の学校祭実行委員向けのまとめはやってしまおうか」

書記「そうですねー、さすがに起こすのはかわいそうな気がしますー」

副会長「じゃあ書記さんは部活からの活動願いを、会計くんはクラス単位の活動願いをまとめておいて」

書記＆会計「「分かりました」」

（黙々と作業）

会長　ガタッ「うわぁ！」

副会長　（うなされてたね）

書記　（居眠りしてるとありますねー）

会計　（あの足元が吸い込まれるというかなくなるような感じね）

63 ：1 [sage]：2012/06/27(水) 22:45:26.53 ID:XlKYFsT9o

会長「…あれ、みんないる」

副会長「そりゃあいるよ」

会長「すまん、寝てたみたいだ」

副会長「紛う方なき爆睡だったね」

会長「もう少し寝てもいいかな」

副会長「寝た分君のみならず全員の部活に費やせる時間が減るわけだがそれで良いと思うなら」

会長「仕事させていただきます」

副会長「よろしい」

64 ：1 [sage]：2012/06/27(水) 22:46:25.57 ID:XlKYFsT9o

会計「会長、クラス参加、１年から飲食店でエントリー来てますが」

会長「１年は飲食店エントリーダメだって説明したんだけどな」

副会長「まあ、往々にして話聞いてないクラスは出るものだよ」

会長「クラス委員か実行委員にエントリーのやり直しを通達しておいて、〆切は次回の実行委員会議ね」

会計「分かりました、伝えておきます」

書記「部活のエントリーはだいたい例年通りですが、まだ軽音楽部のエントリーが出てきてません」

会長「どうせまた部内の順番でゴタゴタしてるんだろう、部長に「はやくエントリーしないとステージ使えなくなる」って脅しておこう」

書記「はぁい、よろしくお願いしますー」

副会長「校門のモニュメント作成の候補はこんな感じに」

会長「毎年代わり映えしないよなー、なんか目新しいのある？」

副会長「僕の見た限りではこれと、これと、これくらいかな」

会長「ふむ、じゃあその辺と意見の数多いとこピックアップして学校全体のアンケートに回してちょ。あと一緒に作成の委員の選定を１年２年にかけておいて」

副会長「３年はいいのかい？」

会長「３年は希望者のみで。どうせ昨年やった連中が居ても立ってもいられないで集まってくるから」

副会長「違いない」

65 ：1 [sage]：2012/06/27(水) 22:47:24.59 ID:XlKYFsT9o

会長「今日決めれるのはこんなもんかな」

副会長「そうだね、こんなものだろうね。会長くん、書記さん、もう上がって大丈夫だよ」

書記「はーい、じゃあ鈍った身体を叩きなおしにいってきまーす」

会長「どうせテスト週間中も毎日10kmくらいは走ってただろうに」

書記「全国行ってまで恥かきたくないですからねー」

会長「そりゃそうだ、頑張ってこいよー」

会計「僕もお先です。さっきのクラスの件は伝えときますね」

会長「よろしく」

副会長「んじゃ僕達も出るとしようか」

会長「んだな、行くか」

66 ：1 [sage]：2012/06/27(水) 22:48:32.21 ID:XlKYFsT9o

廊下

副会長「そういえば、テストはどうだったんだい？」

会長「何とか格好は付けた、はず」

副会長「曖昧な表現だね」

会長「今日あたりは意識が飛びかけてて小人さんが問題解いていた気がしなくもない」

副会長「小人？」

会長「開始５分くらいで朦朧となって、残り１０分で意識が鮮明になったんだけど回答が出来ていた」

副会長「それは恐ろしいね」

会長「見直しはしたけど問題無さそうだったからなおさら恐ろしい」

副会長「今度から全部眠りながらやったらどうだい？某漫画の探偵みたいに」

会長「あれは小人じゃなくて子供が謎を解いてるじゃねーか」

67 ：1 [sage]：2012/06/27(水) 22:51:47.27 ID:XlKYFsT9o

会長「そっちのデキはなんて聞くまでもないな」

副会長「まあ、いつも通りだね」

会長「ひとケタ安定か、羨ましいことだ」

副会長「普段の努力だよ、それに成績が良かったら良かったで「もっと上を目指せ」的な先生の圧力が鬱陶しい」

会長「よし、そのケンカ買った」

副会長「本当なんだけどなあ、別にＴやらＫやらに興味ないから。地元国立いければそれで十分なのに」

会長「その地元国立を目指してヒイヒイ言っている皆に謝れ。むしろ俺に謝れ」

副会長「君も志望なのかい？」

会長「一応な。届くかどうかは分からないが、やってみなきゃ届くものも届かないだろ？」

副会長「おお、いいこと言うねえ」

会長「まあ、今までの人生で届いたことのほうが少ないわけだが」

副会長「強気なんだか弱気なんだか」

68 ：1 [sage]：2012/06/27(水) 22:53:39.47 ID:XlKYFsT9o

会長「じゃあ俺は部活顔出すから、お先ー」

副会長「お疲れ様、楽器吹きながら寝ないようにね」

会長「楽器だけは小人さんには任せられないから大丈夫」

テクテク

副会長（進路、かあ）

副会長（来年の今頃はどうしているんだろうなあ…）

6月編その２　おしまい

69 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/06/28(木) 23:11:04.89 ID:PYNnzolio

おつ

70 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) ：2012/06/28(木) 23:26:58.15 ID:RaUloPyUo

更新されてることに今気付いた…
>>1乙!

次も楽しみしてるぞ！

71 ：1 [sage]：2012/06/30(土) 18:34:23.34 ID:JUGsl3Zvo

絶賛書き溜めりんぐ

72 ：1 ：2012/07/01(日) 14:37:42.34 ID:OrkxA6Jjo

幕間を投下してみる

73 ：1 [sage]：2012/07/01(日) 14:38:08.71 ID:OrkxA6Jjo

7月
土曜・吹奏楽部

パートリーダー「はーい、休憩にしましょう」

トランペットＡ「はーい」

トランペットＢ「暑いー」パタパタ

卒業生「久しぶりー！差し入れ買ってきたぞ〜」

トランペットＣ「先輩お久しぶりです〜」

トランペットＤ「差し入れはなんですか〜？」

卒業生「フッフッフッ、この時期の差し入れなんてこれ以外ないぜ」

メンバ一同「「アイスだー！」」

会長（ボー）

卒業生「会長ー、お前のもあるぞー」

会長「あ、すみません、ありがとうございます」

メンバー「「つめたーい、おいしー」」

74 ：1 [sage]：2012/07/01(日) 14:38:58.79 ID:OrkxA6Jjo

卒業生「どした、元気ないじゃないか」

会長「そんな風に見えますか？」

卒業生「見えるさ、それに…」

会長「それに？」

卒業生「俺の知ってるお前のペットは鬱陶しいくらい自己主張が強い音だったけど、今日はそれがない」

会長「俺も大人になったんですよ」

卒業生「それだけならいいけど自分の個性を[ﾋﾟｰｰｰ]必要はないんだぞ？」

会長「かないませんね、先輩には」

卒業生「人生の１年分のアドバンテージは大きいんだよ」

75 ：1 [saga]：2012/07/01(日) 14:39:45.93 ID:OrkxA6Jjo

規制忘れてた。
差し替え
************************************
卒業生「どした、元気ないじゃないか」

会長「そんな風に見えますか？」

卒業生「見えるさ、それに…」

会長「それに？」

卒業生「俺の知ってるお前のペットは鬱陶しいくらい自己主張が強い音だったけど、今日はそれがない」

会長「俺も大人になったんですよ」

卒業生「それだけならいいけど自分の個性を殺す必要はないんだぞ？」

会長「かないませんね、先輩には」

卒業生「人生の１年分のアドバンテージは大きいんだよ」

76 ：1 [saga]：2012/07/01(日) 14:40:37.79 ID:OrkxA6Jjo

会長「まあ、先輩の言うとおり、ちょっと疲れてます」

卒業生「お前が会長とかやってんだもんなあ」

会長「成り行きですよ。やりたくてやってるわけじゃありません」

卒業生「美人を両手に花でウハウハだと噂に聞いたが」

会長「どんなに美しい花でも手の届かない高嶺では眺めるので精一杯です」

卒業生「美しいのは認めてるわけか、羨ましいねこの野郎」

会長「そう思うなら替わってくださいよ」

卒業生「ヤダね、俺は面倒事にはクビを突っ込まない信念の持ち主なのだ」

77 ：1 [saga]：2012/07/01(日) 14:41:30.87 ID:OrkxA6Jjo

卒業生「てゆーかお前も同じようなこと言ってなかったっけ」

会長「避けられる厄介事は避けて通る、がモットーだったんですけどねえ…」

卒業生「その割には昨年の頭から…」

会長「あんまり思い出したくないですが、酷い目にあってますよ」

卒業生「自分から動いた結果だろ？傷つくこと恐れてたら何も掴めないぞ」

会長「頭では分かってるんですがね」

卒業生「気持ちは付いてこないか」

会長「なんというか、恨んでいるとか、悪い感情があるとか、そういうんじゃないんですけど」

卒業生「納得がいかない」

会長「です」

78 ：1 [saga]：2012/07/01(日) 14:42:27.04 ID:OrkxA6Jjo

卒業生「俺はあの件についてはお前は全く悪くないと思ってるから」

会長「そうなんでしょうか」

卒業生「相手に自分の想いを告げることのどこが悪いんだ、悪かったのはその後の相手の対応だろう」

会長「…」

卒業生「はっきりいってあれは最悪のやり口だったよ。お前はよく耐えた」

会長「耐えた、わけじゃないと思います。もう自分を変えざるを得なかったんです」

卒業生「変えてみてどうだった？」

会長「それがですね」

卒業生「ふむ」

会長「割と楽しいんですよね」

卒業生「ほほう」

79 ：1 [saga]：2012/07/01(日) 14:44:06.12 ID:OrkxA6Jjo

会長「もともとは受け身な性質だと思うんですけどね、あの後は前に出ても平気というか」

卒業生「前は本番弱かったもんなあ」

会長「あれ以上恥ずかしいことってこの世にはそうないと思うと何でも出来るみたいな」

卒業生「それが昨年の男女逆転メイド執事喫茶のあれに繋がっていると」

会長「記憶にとどめるのは構いませんが、記録に残すのは勘弁です」

卒業生「他の連中のインパクトと相まってあれは伝説だもんなあ」

会長「で、厄介事を引き受けてたほうが思い出す機会が減るってことに気がついたというとこはあります」

卒業生「まあ、その方が楽なのかもしれないな」

会長「おかげで今苦労してますけどね」

卒業生「忘れるために買ってる苦労だろう、諦めるんだな」

80 ：1 [saga]：2012/07/01(日) 14:46:57.54 ID:OrkxA6Jjo

パートリーダー「練習再開するよ〜」

卒業生「おっと、話し込んじまったな、すまん」

会長「いえ、聞いてもらえて少し楽になりました」

卒業生「そっか。…あんまり抱え込むなよ？」

会長「はい、ありがとうございます」

卒業生「じゃあな、頑張れよ、色々と」

ガラガラ

卒業生（まあ、あんなことされたんじゃそう簡単に忘れられはせんわなあ）

卒業生（なんにせよ春はまだ遠そうだな、頑張れよ、後輩）

81 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/07/01(日) 19:09:45.55 ID:b8sopWPvo

恋愛パートが来たのだろうか？
おつ！

82 ：1 [saga]：2012/07/07(土) 23:49:54.09 ID:0yt6hSbWo

書き溜めすすまないー

数少ないお待ちの皆様、すんません

棚卸なんか嫌いだ〜！

83 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2012/07/08(日) 08:37:09.36 ID:smA5VqJCo

待ってますぜ

84 ：1 ：2012/07/08(日) 15:07:51.73 ID:ccZmPWjno

頑張ったら書けたので投下！

85 ：1 [saga]：2012/07/08(日) 15:08:30.63 ID:ccZmPWjno

7月　文芸部

文芸部長「ちょっとこれホントに？」

後輩Ａ「そうなんですよ、私にいきなりこれを託してどっかいっちゃって…」

**********************

副会長　ガラガラ「お疲れさま〜、…どうしたの？何かあったのかい？」

文芸部長「副会長ちゃんおっつおっつ〜」

後輩Ａ「お疲れ様です〜。先輩これ見てくださいよ」

副会長「どれどれ…？『旅に出ます、探さないで下さい』　何だいこれは？」

後輩Ａ「Ｂ先輩が私にこの手紙を押し付けて帰っちゃったんですよ」

副会長「またいつもの発作かい？〆切前の」

文芸部長「いつもの発作だったらいいんだけどねー」

副会長「何かまずいことに心当たりでも？」

86 ：1 [saga]：2012/07/08(日) 15:09:36.88 ID:ccZmPWjno

文芸部長「いやー、これはあたしが本人じゃないとこから聞いたなんだけどさ、彼女こないだのテストが相当悪かったらしくて」

副会長「そういえば皆で答えあわせをしてたら見る見るうちに顔が青くなっていっていたね」

文芸部長「そのことで両親や先生に相当絞られたらしいのね」

副会長「３年生ともなると本人よりも周りがピリピリするよねえ」

文芸部長「アンタがしなさすぎなだけで本人もするもんなんだってば。まあだから旅ってのはジョークにしても…」

副会長「この後はちょっと部活には参加出来そうにないってことだね」

文芸部長「そうなるよねー」

後輩Ａ「そこで困ったことがあるんですよー」

87 ：1 [saga]：2012/07/08(日) 15:10:10.85 ID:ccZmPWjno

副会長「困ったこと？」

文芸部長「今度の学校祭で出す部誌の件」

副会長「ああそうか、今回の寄稿って彼女の番じゃないか」

後輩Ａ「そうなんですよ、で、残った人間で書けないかを考えていたんですが…」

文芸部長「みんな『そんな余裕ありません』って固辞するんだわね」

後輩Ａ「そこで副会長先輩にお願いがあるんですが」

副会長「嫌な予感がするから帰ってもいいかな？」

文芸部長「彼女に代わる筆力かつ速筆の持ち主なんてあたしは一人しか知らないんだよね」

副会長「僕は一人も知らないけれど」

後輩Ａ「もう先輩しか頼める人がいないんですよ〜」

副会長「いや、一応僕も受験生だし」

文芸部長「副会長ちゃんの書く小説読みたいな〜出来ればダダ甘なやつがいいなー」

副会長「２人とも少しは僕の話を聞こうよ」

88 ：1 [saga]：2012/07/08(日) 15:11:06.46 ID:ccZmPWjno

駅前　ミ○ド

副会長「…という訳なんだが、何かいいアイディアはないだろうか」

会長「その前に部活で疲れてる人間をこんなメールで呼び出してしかもドーナツおごらせてる自分の神経を疑うほうが先じゃないか？」

副会長「質問に質問で返すなって学校で習わなかったのかい？」

会長「やかましい。深刻ぶって「相談したいことがある」だけのメールなんかよこしやがって」

副会長「君を呼び出すならシンプルな方が効果があるだろうと思ってね」

会長「釣り上げられてるだけに否定できん…」

89 ：1 [saga]：2012/07/08(日) 15:11:35.78 ID:ccZmPWjno

会長「で、アイディアってなんのだよ、そもそも何を書けって言われてるんだ」

副会長「小説だよ」

会長「あれだけ読書に時間費やしててしかも普段から文章だって書いているんだろ？だったら自分の体験だったり想像を軸になんとでも書けるんじゃないのか」

副会長「それが今回はそうもいかないんだよ。君の言うとおり、書くだけなら問題はないんだけど。」

会長「ふむ、その心は」

副会長「今回の部誌、テーマが『恋愛』なんだよ」

会長「Oh…」

90 ：1 [saga]：2012/07/08(日) 15:12:22.82 ID:ccZmPWjno

副会長「恥ずかしながら僕は年齢と彼氏いない暦が同等の身だ、そしてここのところもそんな話にはとんと縁がない」

会長「意図的に距離を置いているように見えなくもないけどな」

副会長「それは否定はしないよ。自分の興味の向かない他人と興味の向かない話をしても疲れるだけだからね」

会長「相手が興味を持ってくれる可能性もあるだろう？」

副会長「それも否定はしないけど、どういうわけか僕の場合、話したことないような子が外見と雰囲気で告白してくるんだよね」

会長「それはそれで相手の度胸には感心するが」

副会長「僕も同感だよ。で、さすがに相手のこと知らないから最初はお友達からみたいな形で会話は増えるんだけどね」

会長「相手も頑張ってくるわけだ」

副会長「しばらくすると僕と話すのに飽きるのか、近づいてこなくなるんだよ」

会長「何も言わずにか？だとしたらちょっと酷いな」

副会長「ギブアップ宣言とともに「こんな人だとは思わなかった」という素敵な言葉をくれる人もいたかな」

会長「テンプレ通りだな」

副会長「僕は何一つ自分を変えてはいないから、向こうが勝手に幻想を抱いてて、それが打ち砕かれたんだろうね」

会長「ナチュラル幻想殺しだな」

副会長「僕は男でもなければ無能力者でもないけどね」

会長「何で知ってるんだ。…まあ、この手の話はどっちが悪いってことじゃないと思うんだ、難しいけどな」

91 ：1 [saga]：2012/07/08(日) 15:13:18.76 ID:ccZmPWjno

副会長「というわけで僕のここのところの経験というのは「恋愛」の遥か手前で止まっているわけなんだよ」

会長「で、その相談を俺のところに持ってきたその心は？数多いかどうかは知らんが相談できる女友達くらいいるだろうに」

副会長「もちろん相談はしたさ、何人かにね」

会長「じゃあ別に俺に相談しなくても有効な助言は手に入ったんじゃないのか」

副会長「世の中には「類は友を呼ぶ」という言葉があってだね」

会長「ふむ」

副会長「誰に言っても恋愛の話だと言うと「副会長が恋愛！？」って指さして爆笑される上に、肝心なところは経験不足で口を閉ざすという体たらくで」

会長「お前少し交友関係選んだほうがいいぞ」

副会長「さすがに僕も今回はちょっと考慮したいと思った」

92 ：1 [saga]：2012/07/08(日) 15:14:49.57 ID:ccZmPWjno

副会長「そこで数少ない男性の友人である君の意見を聞きたいと思ったわけだ」

会長「それは構わないが、俺の経験はすべて告白→玉砕の歴史であることは周知の事実だと思っているが」

副会長「それは分かっているよ。でも同性からの意見だけでは偏った内容にしかならないと思うんだよ」

会長「変に真面目だなあ、もっと気楽に書けばいいんじゃないのか」

副会長「やると決めたからには全力だよ」

会長「おお、それは見上げた根性」

副会長「君だってどんなに嫌がってる仕事でも結局最後は全力出してるじゃないか、それと同じさ」

会長「むう、じゃあここはお互い偉いということにしておこう、で、内容のことだが」

副会長「お、何か良いアイディアがあるのかい？」

会長「アイディアがというほどのものじゃないけどな」

副会長「何でもいいんだよ、とっかかりになるようなものなら」

93 ：1 [saga]：2012/07/08(日) 15:15:26.65 ID:ccZmPWjno

会長「今の感じだとどうしても自己体験にこだわってるみたいだから、思い切って主体を切り替えてみたらどうかと」

副会長「というと？」

会長「例えばヒロインをアプローチかけてもなかなか振り向かないウナギみたいな女の子にしておいて、そこにアプローチかける男の子の心情を主体にするとか」

副会長「…つまり、僕にアプローチしてきたような子たちを主人公にする、と？」

会長「そういうこと」

副会長「なるほど、その発想はなかったな…」

会長「ただのアイディアフラッシュだけどな」

副会長「いや、興味深いよ。自分の少ない経験からどうこうやるよりずっといい」

会長「あとはヒロインの子と主人公の性格と、ラストさえ決めておけばある程度勝手にキャラが動くんじゃね？」

副会長「性格設定とそれに基づいた行動が鍵になるね」

94 ：1 [saga]：2012/07/08(日) 15:16:22.86 ID:ccZmPWjno

会長「そうだな、そこは書き手の腕次第」

副会長「この子をこういう性格にしたら…これはこうだし…」

会長（もう話が耳に入ってないな、凄い集中力だわ）

会長（この集中力が基本っていうなら成績いいのも頷けるな）

会長（それにしても）

会長（改めて見ると美人なんだよなー）

副会長「…おーい、君？」

会長（眼鏡と髪型が野暮ったいのはワザとなんだろうか）

95 ：1 [saga]：2012/07/08(日) 15:17:00.37 ID:ccZmPWjno

副会長「…おーい、会長くん？」

会長「おっとごめん、ボーっとしてた」

副会長「こっちこそ、考えまとめはじめたら周り見えてなかったよ、ごめん」

会長「いやいや。アイディア出てきたみたいだし、あとは独りで集中してやったらどうだ？」

副会長「…そうだね、時間も時間だし、続きは帰ってからにするよ」

会長「それがいい」

副会長「なんか色々付きあわせちゃってごめん」

会長「そこは謝だけじゃないだろ？感の字が足りないな」ニヤリ

副会長「！　…ありがとう」

会長「どういたしまして。大変だろうけど執筆頑張れよ」

副会長「会長ももうすぐ大会だったね、頑張って」

会長「おう、生徒会活動もちょっと一段落で、吹奏楽に全力投球してくるさ」

96 ：1 [saga]：2012/07/08(日) 15:20:51.49 ID:ccZmPWjno

副会長「…じゃあ、またね」

会長「おう」

************************

会長「告白してきた相手と会話が弾まない、か」

会長「生徒会室とかで話してる時はそんなこともないんだけどな」

会長「みんな身構えすぎなんじゃないだろうか」

****************************

副会長（よーし、書くぞー）

副会長（しかし、僕みたいなのの会話について来られるんだから、会長くんも相当な変人だよね）

副会長（…ありがたいこと、なのかな）

７月編　その１　おしまい

97 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) ：2012/07/08(日) 15:55:36.06 ID:JAqdWiSUo

乙

ついに恋愛パート突入か!?

98 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2012/07/08(日) 15:59:27.56 ID:smA5VqJCo

乙

99 ：1 ：2012/07/10(火) 12:56:10.64 ID:HP5ZK793o

絶賛書き溜め中

割とどうでもいい人物紹介

<会長>
体格も運動能力も良い無駄の固まり。

<副会長>
何で僕っ娘になったのかを本編で語る機会はあるのだろうか。

<書記>
走っても胸は揺れない。

<会計>
描写する機会はなさそうだがこいつが一番リア充。

<茶道部長>
登場させたいけど機会がない。多分ツンデレ巨乳。

<文芸部長>
楽しければそれでOKがモットー。副会長とは変人同士ウマが合う。

<パートリーダー>
副会長を指差して爆笑したのはこの人。

<吹奏楽部先輩>
元トランペットパートリーダーなので、会長の直の先輩。

100 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2012/07/16(月) 16:42:34.72 ID:rmb9wNR1o

まだー

101 ：1 ：2012/07/16(月) 23:18:34.87 ID:g5ccf3/fo

お待たせしてます。
まとめて投下したかったやつですがとりあえず前半部分のみ。

全ては仕事と世界樹の迷宮４が悪い。

102 ：1 [saga]：2012/07/16(月) 23:19:08.09 ID:g5ccf3/fo

7月　1学期最終日　副会長のクラス

パートリーダー「副会長ちゃんおはよー」

副会長「やあ、パートリーダーさんおはよう」

パートリーダー「今日も暑いねー」

副会長「本当にね、とても何かを出来るような環境じゃないよね、ここまでくると」

パートリーダー「今時教室にエアコンもないんだもんなー。ねえ、生徒会で議案とか出してなんとかできないの？」

副会長「そうできたらいいんだけどね、今年も昨年も一昨年も学校側に出して×もらってるから」

パートリーダー「この環境で勉強しろ勉強しろって言うんだから人をバカにした話だと思うよねー」

103 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) ：2012/07/16(月) 23:19:18.19 ID:wIOOkoLHo

キターーーー

104 ：1 [saga]：2012/07/16(月) 23:19:50.13 ID:g5ccf3/fo

副会長「そういえば、吹奏楽部は夏に向けた仕上がりはどうなんだい？」

パートリーダー「トラのパートも全体的にもいい感じかな。会長くんも最近はかなり周りに合わせようと頑張ってるし、結果を結びつつあると思うよ」

副会長「へえ、春先は随分愚痴ってたのにね」

パートリーダー「そこら辺から意識が変わってきたみたいだよ？あと、定期演奏会の幕間で思いっきり吹いて良いって言われてるのがいいガス抜きになってるみたい」

副会長「そうなんだ、変われば変わるもんだね」

パートリーダー「もともと実力はあってあとは気の持ちようだった部分も大きいからね、合わせる技術や繊細さを併せ持ったら怖いもんなしなんだよ、あの子」

副会長「同じ部内のライバルにここまで言わせるんだから大したもんだなあ」

パートリーダー「上手くいけば今年こそ県に行けるかもしれないからね、他の学校も手ごわいけど」

副会長「そうか、いいところまで行けるといいね。本番はいつなんだい？」

パートリーダー「来週の日曜に市民ホールだよー。ヒマがありそうなら見においでよ」

副会長「部誌の原稿が終わってたら考えるよ」

パートリーダー「あら、そっちも修羅場前なんだ、作家先生みたいだね」

副会長「こんなつもりじゃなかったんだけどね、アイディアはもらったけど悪戦苦闘中だよ」

パートリーダー「うん、悪戦苦闘の跡が目元にくっきり」

副会長「え、そんなにクマ出来てる？嫌だなあ」

パートリーダー「美人が台無しだねえ」

副会長「褒めても何も出ないよ？」

パートリーダー「褒めてないよ？無駄に使うなら私に美貌を分けろとは思うけど」

副会長「パートリーダーさんも十分可愛いと思うんだけどね」

パートリーダー「独りモン同士で褒め合うのは虚しいからやめようよ」

副会長「違いない」

105 ：1 [saga]：2012/07/16(月) 23:20:50.15 ID:g5ccf3/fo

同日：学校祭実行委員会

会長「よう、校門のモニュメント作成進捗はどうだい？」

作成委員長「とりあえず設計が７割がた終わったところですね。７月中には設計終わらせて、８月には製作にとりかかりますよ」

会長「了解、８月に入れば協力者増えると思うから、そのスケジュールで頼むわ」

作成委員長「会長の手は煩わせないつもりですからご心配なく」

会長「お、頼もしいねえ」

作成委員長「去年の先輩達の教えが良かったですから」

野球部「そうそう、去年のうちらの背中を見て後輩は育ってんだよ」

会長「そのうちらだって先輩のサポート無しじゃ何もできなかっただろうが」

野球部「そりゃそうだ、だからどんどん先輩頼れよ、受験生だからって遠慮はいらんぞ」

作成委員長「ありがとうございます、早めに救援要請しますね」スタスタ

会長「…行ったか、去年のうちらもああだったかねえ」

野球部「もっと先輩に振り回された気はするけどな。あ、そうそう、野球部の応援、ありがとな」

会長「礼を言われるようなことはしてねえよ。…残念だったな、夏の大会」

野球部「ああ、でも甲子園行きの大本命校相手に延長12回の接戦の結果だ、残念ではあるけど後悔はしてないよ」

会長「そっか。なら良かった」

野球部「お前はじめ応援団の応援には背中押してもらったからな、今度は俺達が背中を押す番だと思うんだ」

会長「おお、カッコイイ発言」

野球部「茶化すなって。ま、そういうわけだから、学祭の実行委員のほうはこっちに任せて、心置きなく大会に行ってこいよ」

会長「ああ、やれるだけのことをやってくるさ」

会長（今週末、かあ）

106 ：1 [saga]：2012/07/16(月) 23:21:49.24 ID:g5ccf3/fo

コンクール当日　市民ホール

卒業生「うーん、本番前のこの空気、懐かしいねえ」

卒業生「うちの後輩たちはどこにいるかなっと…」

卒業生「！」

卒業生（あの後ろ姿は…）

卒業生（このタイミングで姿見せるか…　あいつ、大丈夫か？）

107 ：1 [saga]：2012/07/16(月) 23:23:55.41 ID:g5ccf3/fo

副会長「来てしまった…」

副会長「まあ、音楽聞くのは好きだからいいんだけど」

副会長「この格好なら誰も僕だって分からないだろうし」

副会長「！」

副会長（あれ？あの人は…）

副会長（なんだろう、すごく胸騒ぎがする）

108 ：1 [saga]：2012/07/16(月) 23:24:33.02 ID:g5ccf3/fo

卒業生「おーす、みんな緊張してるかー！」

吹奏楽部員「「あ、卒業生先輩こんにちわー！」」

吹奏楽部員「緊張してるに決まってるじゃないですかー先輩ひどいー」

卒業生「こうやってほぐしに来てやってんだ、悪く思うな」

吹奏楽部員「あ、そういえばさっき前部長先輩も来られましたよ」

卒業生「ああ、そうなんだ、何か言ってた？」

吹奏楽部員「自分たちの実力を出しきれるよう頑張ってねっておっしゃってました」

卒業生「そっか。そういえば会長は？」

パートリーダー「あれ？さっきまでそこに居たんですけど…トイレかな？」

卒業生「そか、ありがとう」

109 ：1 [saga]：2012/07/16(月) 23:25:43.58 ID:g5ccf3/fo

洗面所

会長　パシャパシャ（忘れて早く立て直さないと）

会長（えーい情けないぞ俺）

卒業生「おい」

会長「！　先輩…」

卒業生「心配になって探しに来たんだが、案の定、だな」

会長「…すみません」

卒業生「謝らなくていい、俺の見解は前話した通りだ。それより…」

会長「それより？」

卒業生「一緒に頑張ってきた仲間のためにも、何より自分のためにも、なんとしても立て直せよ」

会長「…はい、わかってます」

110 ：1 [saga]：2012/07/16(月) 23:26:15.65 ID:g5ccf3/fo

客席

卒業生「おい、この席空いてるか？」

？？「ええどうぞ？　あら、卒業生クンじゃない、お久しぶりね」

卒業生「ああ、今年の卒業式以来だな、前部長」

前部長「元気だった？まだ楽器は続けてるのかしら？それとも学生生活を謳歌しているの？」

卒業生「そんなことはどうでもいい。何故このタイミングで顔を見せた？」

前部長「前部長として後輩を励ましに来ることがそんなにいけないことかしら？」

卒業生「自分が昨年何をして、それがどんな結果を及ぼしたか分かっていてもか」

前部長「それについては私にも言いたいことはあるけれど、後輩たちみんなを気にしているのは本当よ？」

卒業生「どうだか。大体…」

前部長「シッ。口喧嘩は後にしましょう。後輩たちのステージが始まるわ」

卒業生「ちっ…」

卒業生（頼むぞ、立ち直っててくれよ）

111 ：1 [saga]：2012/07/16(月) 23:27:04.66 ID:g5ccf3/fo

副会長「あ、うちの学校の出番だ」

♪

副会長「会長は…あそこか」

♪

副会長「どうしたんだろう、あの表情」

♪

副会長「緊張…じゃないね、何か表情全部をなくす努力をしてるような」

♪

副会長「こんな哀しい音色のトランペット、本当に彼の音なんだろうか…」

112 ：1 [saga]：2012/07/16(月) 23:28:01.86 ID:g5ccf3/fo

副会長（コンクール結果　金賞　５校）

副会長（その中にうちの学校の名前はなかった）

113 ：1 [saga]：2012/07/16(月) 23:29:09.78 ID:g5ccf3/fo

今日の投下は以上です。

ホントはコンクールの日のぶんは今日中にまとめたかったんですが、無念。

114 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2012/07/17(火) 06:51:12.11 ID:NYywGI+co

（｀・ω・´）b

115 ：1 ：2012/07/23(月) 00:20:38.38 ID:NeqJmWxFo

お待たせしました、後半分投下です

116 ：1 [saga]：2012/07/23(月) 00:21:06.23 ID:NeqJmWxFo

顧問「えー、残念ながら今年のコンクールは銀賞という結果となってしまったわけだが」

吹奏楽部員A　グスン「終わっちゃったね…」

顧問「金賞の学校と比べてもパフォーマンスで劣るところはなかったと思う」

吹奏楽部員B　クスン「県大会、行けなかったね…」

顧問「３年生は希望がない限りは本日で引退、希望者は学校祭までの活動となるわけだが」

吹奏楽部長　ウルウル「みんなゴメンね、もっと上に行きたかったね…」

顧問「３年生についてこの３年間で培った経験を次のステージに生かして欲しい。後輩に戦う背中を見せてやってほしい。」

会長「…」

顧問「以上、本日は解散」

117 ：1 [saga]：2012/07/23(月) 00:23:00.12 ID:NeqJmWxFo

自販機前ベンチ

会長（全然集中できなかった…）

会長（俺のせい、だな…）

会長（クソッ）

？？　チャリン　チャリン　チャリン　ピッ　ガタン　ピッ　ガタン

？？「お　つ　か　れ　さ　ま」ピトッ

会長「うわ冷たっ！誰だよ…　！　」

副会長「やあ」

会長「来てたのか…副会長」

118 ：1 [saga]：2012/07/23(月) 00:23:32.70 ID:NeqJmWxFo

副会長「うん、ささやかながら応援にね。あ、そのジュースはオゴリだよ」

会長「さんきゅ。そっか…カッコ悪いとこ見せちまったな」

副会長「そんなことないさ、堂々としたものだったじゃないか」

会長「お世辞はやめてくれよ、どんな状態だったかわからないほど節穴じゃないだろ？」

副会長「…そりゃね。でも、毅然としてた」

会長「…フリだよ。」

副会長「君は１００％の全力を尽くしたんだ、自分の心のコントロールも含めてね。」

会長「最後の最後に皆に迷惑をかけちまった」

副会長「誰も迷惑だなんて思ってはいないさ」

会長「そうだよ、分かってはいるんだ」

副会長「…」

会長「悔しいんだよ」

副会長「うん」

119 ：1 [saga]：2012/07/23(月) 00:24:08.05 ID:NeqJmWxFo

会長「だから、さ」

副会長「だったらもっと自分を出したっていいんだよ？あの時もそうだった。笑顔で我慢して、誰も寄せ付けなくて」

会長「…」

副会長「悔しさだって、悲しさだって、誰かにぶつけてもいいんだ。何なら僕にぶつけてくれたって構わない」

会長「そんなみっともないこと出来るかよ！」ドンッ

120 ：1 [saga]：2012/07/23(月) 00:24:34.73 ID:NeqJmWxFo

…

会長「…悪い、これ以上カッコ悪くなりたくないんだ」

会長「ひとりにさせてくれないか？」

副会長「…わかった、帰るよ」スッ

副会長「…でもね、会長」

副会長「君はカッコ悪くなんか、ないんだよ」

121 ：1 [saga]：2012/07/23(月) 00:25:03.36 ID:NeqJmWxFo

*************************

副会長（…）ポロッ

副会長（やだな、僕）

副会長（なんで泣いてるんだろう…）ポロポロッ

*******************

会長（昔のこと引きずるわ）

会長（それで仲間に迷惑かけるわ）

会長（その上何にも悪くない副会長に怒鳴り散らすわ）

会長（…最低だな、俺…）

122 ：1 [saga]：2012/07/23(月) 00:26:04.59 ID:NeqJmWxFo

コンクール編、おしまい。

短いですが。
次回は８月編の予定。

123 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) ：2012/07/23(月) 00:40:59.34 ID:U9CHwWRqo

おつおつ

124 ：1 ：2012/07/24(火) 21:53:34.07 ID:4fb5oqsNo

投下だよ〜

125 ：1 [saga]：2012/07/24(火) 21:54:27.81 ID:4fb5oqsNo

コンクール翌日
会長自宅

会長「暑い…」

会長「もうこんな時間か…」

会長「さすがに昼からは学校に出ないとなあ…」

会長「行きたくね―な…」

126 ：1 [saga]：2012/07/24(火) 21:55:01.23 ID:4fb5oqsNo

************************
副会長自宅
副会長「…ん」

副会長「もうこんな時間…」

副会長「学校に行かないと…」

副会長「うわ、目が真っ赤」

副会長「眼鏡で何とか誤魔化せないかな」

副会長（なんだろう、このモヤモヤ…）

副会長「行きたくないな…」

127 ：1 [saga]：2012/07/24(火) 21:55:58.94 ID:4fb5oqsNo

**************************
通学路

パートリーダー「あ、会長くんおはよー」

会長「おお、パートリーダーおはよ」

パートリーダー「目、真っ赤だよ?」

会長「うっさい、自分も泣き腫らした目しといてよく言うぜ」

パートリーダー「え、そんなに目立つ?」

会長「むしろ消す努力のあとが目立つ」

パートリーダー「お主なかなかデキるな」

会長「毎日顔つき合わせてりゃそれくらい分かるわい」

128 ：1 [saga]：2012/07/24(火) 21:57:05.42 ID:4fb5oqsNo

パートリーダー「やっぱりみんな泣くよねー、自分も含めてだけど」

会長「おれは涙は流してないぞ」

パートリーダー「目が真っ赤になるくらい悔しさを噛み殺してたなら同じじゃない」

会長「ぐっ… まあ、直前に集中力欠いたおれのせいのような気がしてさ」

パートリーダー「みんな同じようなこと思うんだねえ、自分のせいだって」

会長「集中力を欠いたのは事実だしな」

パートリーダー「それをいったら100%実力出し切れた人間はいないんだと思うよ？もっと出来たってプライドがあるんだろうけど、これがあたしたちの実力だった、ってのが結論」

会長「認めたくない現実だよなーそれ」

パートリーダー「だから会長も自分のせいだなんて背負い込むことないんだからね、つーか、敗戦の責任を一人で背負い込もうなんておこがましいことこの上ない！」

会長「ぐぬぬ、返す言葉もない」

パートリーダー「まあ、競技としての高校の吹奏楽は終わったんだよ。あとは学校祭まで楽しむしかないでしょ」

会長「そだな。いいステージ作ってリベンジだ」

129 ：1 [saga]：2012/07/24(火) 21:58:04.78 ID:4fb5oqsNo

パートリーダー「そういえば、昨日副会長が見に来てたでしょ？会った？」

会長「…会ったよ、帰りに」

パートリーダー「なんかやらかしたんでしょ」

会長「何のことだかさっぱりだな」

パートリーダー「気まずいって顔に書いてあるよ」

会長「むー」

パートリーダー「謝るべきことがあるんならちゃんと謝るんだよ？」

会長「前向きに善処するよ」

パートリーダー「回りくどい言い方するなー、男らしくないぞ！」バシッ

会長「痛ってぇ！暴力反対！」

130 ：1 [saga]：2012/07/24(火) 21:58:46.01 ID:4fb5oqsNo

会長「んじゃ、幕間の題名は『スーパー★幕間★ブラザーズ』ということで、演目はゲーム音楽でいいな」

サックス「異議なし」

コントラバス「ヒドい名前だけどこれ以外考えつかないね」

会長「しかし有志募ったら全員三年とかお前ら夏休みをなんだと思ってるんだ」

ホルン「一番ノリノリだった人にはそういうこと言う資格はないんじゃない？」

パーカッション「人間には現実逃避の場が必要なんだってうちのばっちゃんが言ってた」

顧問「ここにいる全員が浪人とかになったら俺の責任問題に発展するから最低限勉強はしてくれな？」

フルート「オタセンは心配性だねえ、大丈夫だよ大丈夫。根拠ないけど」

サックス「それよりももう編曲と編成って終わってるの」

会長「それは俺とオタセンで終わらしたから問題なし。楽譜は明日になります？」

顧問「ああ、あとは最後の詰めと印刷くらいだから明日には渡せるよ」

会長「じゃあ明日から練習開始っつーことで、今日は解散！」

131 ：1 [saga]：2012/07/24(火) 21:59:33.98 ID:4fb5oqsNo

**************************

会長（さて、今日の用事は済ませたわけだが）

会長（一応生徒会室は覗いておくか）

会長（気は進まないが）

132 ：1 [saga]：2012/07/24(火) 22:00:29.20 ID:4fb5oqsNo

生徒会室

会長　（鍵はかかってる…誰も居ない、か）

会長　ガチャ（暑っ）

会長　（とても我慢できる環境じゃねえな）

会長　（モニュメント作成現場とかフラフラするか…）

コンコン

会長　（ノック？誰だ…？）

会長「はい、どうぞ開いてますよ」

？？「すみません、会長先輩…ですよね」

会長「ああ、そうだけど君は？」

133 ：1 [saga]：2012/07/24(火) 22:01:20.23 ID:4fb5oqsNo

？？「私、文芸部後輩Bというんですが…副会長先輩を見かけませんでしたか？」

会長「副会長の後輩か、どうも。今日はまだ見かけてないよ」

後輩B「そうでしたか…　今日は来るって聞いてたんですが、いらっしゃらないんですよね。連絡も取れなくて」

会長（連絡取れないってのは珍しいな）「さすがに副会長の予定までは把握してないけど、見かけたら連絡するよう言っておこうか？」

後輩B「〆切も近いし聞きたいこともあって困ってたんです。お願いしてもいいですか？」

会長「了解。つながるようなら言っておくよ。あ、俺もうここ出ちゃうから」

後輩B「分かりました。よろしくお願いしますね」

会長（ふむ、どうしたもんか…）

134 ：1 [saga]：2012/07/24(火) 22:02:03.47 ID:4fb5oqsNo

本日はここまで。
続きは近日中に…

135 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) ：2012/07/24(火) 22:36:14.12 ID:Zgr+AMSJo

おつおつ
なんか最初のころと雰囲気変わったけど
これはこれで面白そう

136 ：1 ：2012/07/26(木) 22:08:30.13 ID:7dbIHAnxo

夏の若者は祭りの気分でうんぬん

投下〜

137 ：1 [saga]：2012/07/26(木) 22:12:11.18 ID:7dbIHAnxo

副会長「…う、ん…」

副会長「また寝てしまったのか…」

副会長「一日無駄にしてしまったなあ」

副会長「…あ、ケータイの電源切れてる」

副会長「充電器、充電器っと」カチャ

副会長「うわ、着信もメールも一杯だ」

副会長「後輩Bさんには悪いことしたなあ」ポチポチ

副会長「！」

『from：会長
　title：大丈夫か？
　subject：後輩さん心配してたぞ。連絡してあげて』

『from：会長
　title：あと
　subject：昨日のこと、直接謝りたい。駅前のミ○ドで待つ』

副会長「だいぶ前に来てる…」

副会長「さすがにこんな時間まで、待ってないよね…」

138 ：1 [saga]：2012/07/26(木) 22:13:05.43 ID:7dbIHAnxo

会長（カフェオレのお代わりのし過ぎで腹がガボガボです）

会長（まあ、ドーナツもたっぷり食べているわけだが）

会長「いったい俺はこんな時間まで何をしているんだろうね」

会長（いかん、ひとりごとを言い出したら限界だな）

会長（…帰るか）

ブーン　ブーン　ブーン

会長（ケータイに、着信？）

会長（！）

『着信：副会長』

139 ：1 [saga]：2012/07/26(木) 22:13:56.11 ID:7dbIHAnxo

会長「…もしもし」

副会長『もしもし』

会長「眠り姫がお目覚めかね」

副会長『…ごめん』

会長「気にするな、誰でもそういう時はある」

副会長『…うん』

会長「それに、俺にも責任の一端はあると思う」

副会長『そんなこと…』

140 ：1 [saga]：2012/07/26(木) 22:14:40.96 ID:7dbIHAnxo

会長「あるんだよ。昨日はすまなかった。気遣ってくれた副会長の言葉にあんな形で返したのは我ながら最低だったと思う。本当に申し訳ない」

副会長『こっちこそごめん。敗戦直後でしょげている人にかけるべき言葉ではなかったんじゃないかと後悔していたんだ』

会長「そんなことはないさ。俺が頭に血が上っていて、副会長の言葉を受け止め切れなかっただけなんだ。副会長は何も悪くない」

副会長『…優しいんだね』

会長「優しいもんか、本当に優しいなら昨日もっとまともな対応できてるよ」

副会長『素直じゃないなあ、褒めてるのに』

会長「間違った褒め方されても嬉しくないんだよ」

141 ：1 [saga]：2012/07/26(木) 22:15:30.09 ID:7dbIHAnxo

*********************
会長「…まあ、そんなわけで、部の皆に言われたよ、敗戦が自分のせいだなんておこがましいって。むしろ皆自分のせいだと思ってるんだろうな」

副会長『それだけ真剣にやってきた証拠なんだろうね。素敵なことじゃないか』

会長「そうだな」

副会長『それになんだかうらやましいよ、そういう風に言い合える仲間がいるってことがね』

会長「確かにな、ありがたいと思うよ。でも、うらやましがる必要はないんじゃないのか？」

副会長『どうしてさ。確かに文芸部もあるけど、あの集まりは君たちみたいに何かに向けてって感じじゃないし』

会長「副会長は頭は良いのに時々途方もなく鈍くなるなあ」

副会長『今すごくけなされた気がするぞ』

会長「じゃあ俺たちが生徒会でやってることは何なんだよ？」

副会長『！』

会長「そりゃ俺も最初は嫌々やってた部分もあるけどな。でもこうやって学校祭を作り上げたりしていく感覚は楽しいもんさ。その仲間に書記ちゃんがいて会計がいて、副会長がいる。そうだろ？」

副会長『うん…、そうか、そうなんだ…　でも…』

会長「どした？」

副会長『…僕なんかが仲間で、本当にいいのかな？』

会長「いいに決まってるじゃねえか、何バカなこと言ってんだ。いなきゃ生徒会回ってねーよ」

副会長『そっか…　そっか』

142 ：1 [saga]：2012/07/26(木) 22:16:14.80 ID:7dbIHAnxo

副会長『ありがとう、なんか少し元気でたよ』

会長「礼を言われるのもなんだかなあ、元は俺のせいなんだし」

副会長『そういうことは言いっこなしさ』

会長「そか。ところで小説の方の仕上がりはどうなんだ」

副会長『もう少しかかりそうなんだよね。ラストシーンがいまいち決まらなくて』

会長「後輩の子の態度から見るに、〆切過ぎてるだろお前」

副会長『〆切はゴムのように伸びるものだよ』

会長「そのうち切れて大惨事になるんだな」

143 ：1 [saga]：2012/07/26(木) 22:17:37.03 ID:7dbIHAnxo

副会長『じゃあ、僕は執筆活動に戻るとするよ』

会長「おう、ちゃんと後輩にも連絡してやれよ」

副会長『もちろん、そうするつもりだよ』

会長「…ありがとな」

副会長『？何が？』

会長「色々と、さ」

副会長『こっちこそ』

会長「じゃあ、またな」

副会長『うん、またね』

144 ：1 [saga]：2012/07/26(木) 22:18:06.59 ID:7dbIHAnxo

**********************

会長（元気になってくれたようで良かった）

会長（…帰るか）

**************************

副会長（明日はちゃんと学校へ行こう）

副会長（この原稿を仕上げたらだけど）

コンクール翌日編、おしまい

145 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2012/07/26(木) 22:30:30.59 ID:F6PlXSYso

乙

146 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ：2012/08/03(金) 12:25:57.21 ID:MusQcPAOo

書き溜め進まないお

147 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/03(金) 15:20:01.16 ID:3lb7z7hNo

頑張って
気長に待ってる

148 ：1 ：2012/08/05(日) 23:34:38.43 ID:RHXS/lPbo

投下するよー

149 ：1 [saga]：2012/08/05(日) 23:35:15.97 ID:RHXS/lPbo

8月
某教室・幕間練習中

作成委員長「あ、会長」

会長「ん？ああ作成委員長か、どうした？」

作成委員長「モニュメントの図面が上がったので見てもらおうと思って」

会長「お、出来上がったかあ、どれどれ」

作成委員長「どうでしょう？」

会長「概ねオッケーじゃないかな。一つ提案というか盛り込んで欲しいことはあるけど」

作成委員長「どんなことですか？」

ゴニョゴニョ

作成委員長「えー、そんなもの必要ありますか？」

会長「運がよければ必要ないんだけどね、時期を考えたリスクヘッジだよ」

作成委員長「そういうことですか…　確かに可能性はありますね、仕様変更、やってみます」

会長「よろしくー」

150 ：1 [saga]：2012/08/05(日) 23:36:36.94 ID:RHXS/lPbo

会長「しかし休み中だというのにほとんどの１年２年ほとんどのクラスが出てきて準備してるな」

会長「どんだけみんなお祭り好きなんだ」

吹奏楽後輩「あ、会長せんぱーい！」

会長「おう、後輩くん、どうした？」

吹奏楽後輩「うちのクラスの演し物で暗幕を申請したんですけど、事前に考えてたよりもたくさん必要になりそうで…　追加、なんとかならないですか？」

会長「暗幕は配りきっちゃってるから追加は難しいぞ…　段ボールとかじゃ代用は効かないのか？」

吹奏楽後輩「段ボールだと強度がちょっと足りないんですよね」

会長「そうなのか…　ベニヤ板だったら？」

吹奏楽後輩「ベニヤなら工夫次第で何とか出来そうな気がします」

会長「そっか、分かった、ちょい待ち」

151 ：1 [saga]：2012/08/05(日) 23:37:37.20 ID:RHXS/lPbo

ピッピッピッ　Tｒｒｒｒｒ　ガチャ

会長「ああ、写真部？」

写真部『おお、会長じゃない、どうしたの？』

会長「今展示会の設営考えてると思うんだけどさ、展示用のベニヤって余ってきそうかな？」

写真部『ちょっと古いので良ければうちの所有扱いで理科準備室に転がってるけど…何に使うの？』

会長「うちの後輩のクラスが暗幕の変わりに使えるもの探してるんだよ」

写真部『そういうことか、貸すのはやぶさかじゃないけど壊さないで欲しいんだよね』

会長「分かった、そう言っとく。いつ取りに行かせればいい？」

写真部『来週の出校日まではうちの部だれも出てかないはずだから、出校日に取りにきてって言っといて』

会長「了解、伝えとく。すまんね、協力してもらっちゃって」

写真部『多分使わないだろうってモノだから気にしないで良いよ』

会長「分かった。なら出校日に取りに行かせるわ。じゃあな」

会長「…というわけなので、出校日に写真部に言って取りに行ってもらえるかな？」

吹奏楽後輩「すみません、ありがとうございました。…会長、顔広いですね」

会長「3年になってなおかつこんな役やってりゃ顔も広くなるさ」

152 ：1 [saga]：2012/08/05(日) 23:38:32.60 ID:RHXS/lPbo

生徒会室前

会長（さて、多少は顔出しておこうと思って来てみたが）

会長（扉が開けっ放しだ）

会長（誰かいるんだろうか、どれどれ…）

副会長「おっかしいなあ…」

副会長「この辺にあるって言っていたのに」

会長（四つん這いの身体のラインが正直たまりません）

153 ：1 [saga]：2012/08/05(日) 23:39:32.75 ID:RHXS/lPbo

副会長「うーん…これも違う…」

会長「そんな這いつくばってるとぱんつ見えるぞー」

副会長「うわぁ！？　…いつからいたのさ？」

会長「おっかしいなぁ、くらいから」

副会長「変態、助平」

会長「分かったから態勢立て直したらどうだ」

副会長「冷静だなあ、少しは反応しようよ」

会長（反応はしてますけど、いろんな意味で）

154 ：1 [saga]：2012/08/05(日) 23:40:21.10 ID:RHXS/lPbo

会長「で、あんな格好で何を探してたんだよ」

副会長「２年の演し物やるクラスから前例についての問い合わせがあったんだよ」

副会長「それで、先生に聞いたら生徒会室のファイルに入ってるって話だったから探してたんだけど」

会長「なかなか見つからずってとこか」

副会長「そういうこと。先生が言った年度のファイルはとりあえず全部見てみたんだけどね」

会長「あの人もこの学校長いからうろ覚えなんだろ。で、どこまで探したんだ？」

副会長「今下段の半分くらいが終わったところ」

会長「そか、じゃあ俺は中段見てくわ」

副会長「手伝ってくれるのかい？」

会長「ヒマだしそのつもりだけどそんな驚くようなことか」

副会長「驚いたつもりはないけど、忙しいと思ってたからね」

会長「練習のタイミングじゃなけりゃヒマなもんさ。で、どんな内容を探せばいい？」

副会長「昇降口前の広場を使ったパフォーマンスなんだけどね」

会長「それ直接見た記憶あるぞ。中学生のときに遊びに来たときだから４年前か５年前じゃないか？」

副会長「僕もそう思ったんだけど見つからないんだよね」

会長「そか、じゃあとりあえずここ１０年くらいを虱潰しに探すしかねえな」

155 ：1 [saga]：2012/08/05(日) 23:40:54.62 ID:RHXS/lPbo

副会長　ガサゴソ「…これも違う」

会長　ペラ「そもそも学祭のファイルじゃない…」

副会長　ガサ「これは謝恩会の資料だ」

会長　ガサ「これも違うか…　それにしてもさあ」

会長＆副会長「「暑い」」

副会長「よねえ」

会長「だよな、そろそろ身の危険を感じるレベルだ」

副会長「僕は君と二人きりなことに身の危険を」

会長「何気にヒドいぞお前」

156 ：1 [saga]：2012/08/05(日) 23:41:25.11 ID:RHXS/lPbo

副会長「暑さ故の妄言だよ、忘れてくれ。…ところで提案があるんだけど」

会長「ふむ、ゆってみ」

副会長「ちょっと休憩にしないか」

会長「提案は賛成２票で可決」

副会長「ではもう一つ、こういう時に食べたいものと言えば」

会長「アイス以外にないな。割り勘なら付き合ってやらんこともない」

副会長「上から目線だね」

会長「釘刺さないと大体おごらされる」

副会長「ちぇっ」

会長「ちぇっじゃない」

副会長「甲斐性のある男はモテるんだぞ」

会長「やかましいわ」

157 ：1 [saga]：2012/08/05(日) 23:42:48.00 ID:RHXS/lPbo

学校前　コンビニ

副会長「アイスの美味しさが五臓六腑に染み渡るねえ」

会長「高校生の言うことかそれは。否定はしないけれども」

副会長「これでもう少し風でも吹いてくれればなおいいんだけど」

会長「むしろ夕立の一つや二つ」

副会長「それもいいね、降り続かれると帰れなくなるけど」

会長「まあなあ。それにしても何で見つからないんだろうな、資料」

副会長「なんだろうねえ。先生の話だと生徒会室にあるはずって話だけど」

会長「まあしゃーねーな、地道に探すしかねえよ」

副会長「次の予定とか大丈夫かい？」

会長「特にないし、乗りかかった船だ」

副会長「いつもすまないねえ」

会長「それは言わない約束でしょおとっつぁん」

副会長「お約束だね」

158 ：1 [saga]：2012/08/05(日) 23:43:14.18 ID:RHXS/lPbo

再び生徒会室

会長「…しかし見つからないな」

副会長「そうだねえ、ちょうど６年前の学祭のファイル、日付が飛んでるからちょっと怪しいんだけど」

会長「ここまでないとなるとそれが原因臭いなー」

ガラッ

先生「おーい、副会長いるー？」

副会長「あ、先生、資料見つかりませんよ？」

先生「ゴメンねー、先生６年前のファイル一冊自分のところに置いてたのすっかり忘れてて」

159 ：1 [saga]：2012/08/05(日) 23:43:48.73 ID:RHXS/lPbo

副会長「…どう思う？」

会長「有罪」

副会長「異議なし」

先生「？」

副会長「先生、僕たちお腹すきました」

会長「まさかいい大人が自分のミスでしなくていい調べ物を生徒にさせておいて謝罪で終わりなんてないですよね？」

副会長「熱中症で死にかねませんでしたよ？」

先生「分かったわよ、おごればいいんでしょ、おごれば！」

会長「何おごってもらうよ？」

副会長「そうだねえ。…せーのーで、」

会長＆副会長「「肉！」」

会長　ニヤリ「だよねー」

先生「…給料日前だから」

会長「だから？」

先生「お手柔らかに…」

副会長「塩タン♪セセリ♪」

会長「カルビ♪ロース♪」

先生（いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！）

８月編その１　おしまい

160 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2012/08/06(月) 07:08:04.09 ID:9z2Z5SmDo

乙

161 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/08/14(火) 23:38:49.63 ID:NCsMQ/xro

書き溜めてますよ

162 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2012/08/15(水) 09:20:36.94 ID:khzugeROo

待ってますぜ

163 ：1 ：2012/08/25(土) 23:08:44.47 ID:3TBUpSFWo

久々投下！

164 ：1 [saga]：2012/08/25(土) 23:09:15.70 ID:3TBUpSFWo

8月　出校日

ワイワイガヤガヤ

会長「おはよー」

友１「おう、会長おはよー」

会長「どうしたんだ、みんなで集まってガヤガヤと」

友２「毎年恒例の裏祭りのメインイベントだよ」

会長「…？ああ、ミスコンか」

友１「そうそう、これが投票用紙とエントリー状況」

友２「そしてコレが女人禁制のエントリー候補のプロフィール冊子」

165 ：1 [saga]：2012/08/25(土) 23:09:50.50 ID:3TBUpSFWo

会長「どれどれ。　…相変わらず女子には見せられない素晴らしい内容じゃないか」

友１「コピー本とはいえフルカラーで写真入り」

友２「本人希望じゃないエントリーだと全部隠し撮りってのがすごいな」

会長「一体どうやって撮ってるんだか」

友１「写真部の機材にはバズーカもたっぷりあるからな」

友２「しかし真の見所はそこに非ず」

会長「身長はともかく体重やスリーサイズはどうやってリサーチしてるんだ」

友１「まあ、推定の数字も含まれるけどな、敵の中に味方を作るのが勝利への近道だろう」

会長「あまり多くは聞かないでおこう」

友２「で、今各学年に投票用紙やらなんやらが配布されてるところだ」

会長「投票〆切は？」

友１「夏休み明けの三日目くらいじゃなかったかな？」

会長「そっかそっか。…さて、エントリーはっと」

166 ：1 [saga]：2012/08/25(土) 23:10:16.85 ID:3TBUpSFWo

***********************************

「正統派お嬢様」水泳部（3年）

「圧倒的な物量が男子の精神をKO!」茶道部長（3年）

「地味美人は女王の夢を見るか」生徒会副会長（3年）

「女子が投票したら1位確実！」バレー部長（3年）

「走る妖精、インターハイファイナリスト」生徒会書記（2年）

「ハートを射抜かれたい女子No.1」弓道部（2年）

「美術室に咲く一輪の花」美術部（2年）

「ツインテールの小悪魔」吹奏楽部（1年）

「校内一ガードの固い美少女」剣道部（1年）

******************************

167 ：1 [saga]：2012/08/25(土) 23:11:23.34 ID:3TBUpSFWo

会長「相変わらずうたい文句が意味不明だな」

友１「分かりやすくて良いじゃないか」

友２「しかし生徒会から２人エントリーか、恵まれた立場だな、お前」

友１「まったく、両手に花とはこのことだ」

会長「そう思うならいつでも代わってやるぞ」

友２「照れるな照れるな」

会長「まあぶっちゃけエントリーについては「物好きもいるな」とは思った」

友１「確かに、この面子ならたいていの人間の嗜好には対応できそうだ」

168 ：1 [saga]：2012/08/25(土) 23:13:28.47 ID:3TBUpSFWo

友２「で、誰に投票するんだよ、会長は？」

会長「ナイショ」

友１「アッ○ーナの真似は古いんじゃないか」

友２「どうせ水泳部さんか茶道部長だろう」

友１「いやいや、こいつ意外と後輩に人気あるからそっちじゃね？」

会長「そういうお前らはどうなんだよ？」

友１、友２「「ナイショ」」

全員「「「ですよねー」」」

友１「まあ、結果を楽しみにしとこうぜ」

友２「んだなー」

169 ：1 [saga]：2012/08/25(土) 23:14:05.43 ID:3TBUpSFWo

****************************
別のクラス

副会長「おはよう」

クラスメイト「あ、副会長ちゃんおはよー」

副会長「何をしているんだい？」

クラスメイト「毎年恒例、ミスターコンテストのエントリーを吟味中」

副会長「どれどれ…　毎年のことながら二枚目イケメンから二枚目半、三枚目までよりどりみどりだねえ」

クラスメイト「ミスコンに比べるとミスターコンテストは人気者比べのウェイトが重いもんね」

副会長「確かにねえ。ちなみにクラスメイトさんの予想は？」

クラスメイト「本命はバスケ部3年くん、対抗に野球部くん、それを追いかけるのが会計くんと軽音部くん、ってとこじゃない？」

副会長「妥当にイケメンが並んでるね」

クラスメイト「ただしイケメンに限る、ってフレーズは伊達じゃないもの」

170 ：1 [saga]：2012/08/25(土) 23:14:36.04 ID:3TBUpSFWo

副会長「ふむ、一理あるね。会計くんがトップに来ない理由は？」

クラスメイト「どれくらい知れ渡ってるか分からないけど、彼は付き合ってる子がいるでしょ？」

副会長「ああ、そういえばそうだったね。公言してるわけでもないけど隠してるわけでもないという」

クラスメイト「多少その影響があるんじゃないかなーと」

副会長「なるほど、じゃあ多分校内一のイケメンと思われる軽音部くんは？」

クラスメイト「奴はひと言、女グセ悪すぎ」

副会長「違いない、泣かされてる子も多いって聞くね」

クラスメイト「だからさすがにトップはないわね。あとは意外と会長がいいとこいくかもね」

171 ：1 [saga]：2012/08/25(土) 23:16:34.65 ID:3TBUpSFWo

副会長「ほほう、その心は？」

クラスメイト「目立つポジションにいるってこともあるし、面倒見もいいし。あの子意外と下級生に人気あるんだよ？」

副会長「そうなんだ、むしろエントリーされてることのほうが驚きだったけど」

クラスメイト「そんなこともないと思うよ？まあ二枚目半枠のエントリーなのは間違いないかな」

副会長「物好きが多いんだねえ」

クラスメイト「副会長ちゃんも物好きのひとりだったりして」

副会長「またまたご冗談を」

クラスメイト「で、誰に投票するの？」

副会長「んー、投票自体に興味ない、って回答はNG？」

クラスメイト「せっかくの祭りなんだし踊らなきゃ損なんだよ？」

副会長「まだ〆切まで間があるし、ゆっくり決めるよ。クラスメイトさんはどうなのさ？」

クラスメイト「あたしはバスケ部くんかなあ？カッコいいのもあるけど、なんだかんだ優しいよね」

副会長「そう思ってる子は多そうだねえ」

クラスメイト「2年からこっち彼女もいないはずだしね。まあ、開票が楽しみだよ」

副会長「あれ？開票作業にも一枚かんでるのかい？」

クラスメイト「そうだよー。あの作業が楽しみで楽しみで」

副会長（投票するなら目立たないとこでしよう）

172 ：1 [saga]：2012/08/25(土) 23:18:03.96 ID:3TBUpSFWo

***********************************

生徒会室

副会長「お疲れ様、珍しいね、先に居るなんて」

会長「おう、お疲れさん。まあ、ここでする作業なんてほとんどないけどな、ちょっと忘れ物を取りに来ただけだよ」

副会長「ふーん。…そういえば、人気投票の話はそっちでも出てたかい？」

会長「ああ、出てた出てた。副会長も書記ちゃんもしっかりエントリーされてるな」

副会長「やっぱりか…」

会長「どうした？なんかあったか？」

副会長「いやね、今日は妙に僕の方をチラチラ見る下級生に遭遇することが多かったから、なんだろうと」

会長「なるほどな、エントリーされることによる税金みたいなもんか」

副会長「自らの意志でやってるわけじゃないのに税金払わされるなんて不公平だと思わないかい？」

会長「それを言ったらこの世には自分の意志で払う税金も公平な税金も存在しないぞ？」

副会長「ぶう、悔しいが君の言うとおりだ」

173 ：1 [saga]：2012/08/25(土) 23:18:46.77 ID:3TBUpSFWo

副会長「ところで、君もエントリーされていたよ」

会長「ああ、もうネタ枠でのエントリー採用は慣れたからどってことない」

副会長「開き直ってるね」

会長「そりゃこんな役目やってりゃ開き直るのも上手くなるさ」

副会長「違いない」

会長「ただ、万が一にもないにしても、１位になることだけは勘弁願いたい」

副会長「それは何ゆえ？」

会長「学祭最終日のサンセットイベント、司会進行は俺たちだろ？で、アレのミスミスターは２人で開会宣言するわけだ」

副会長「ふむふむ」

会長「そんなところに自分で名を読み上げて自ら登場してみろ」

副会長「そこはかとない自作自演の香りが漂うね」

会長「いくらたいていのことは気にしないといってもさすがにそれは耐えられんわ」

副会長「確かにね。エントリーされてしまったのは仕方ないけど、恥ずかしいのは避けたいところだね」

会長（あの冊子の内容は口が裂けても言えないな）

174 ：1 [saga]：2012/08/25(土) 23:19:24.17 ID:3TBUpSFWo

副会長「で、君は誰に投票するんだい？茶道部長？それとも水泳部さんかな？」

会長「何故そこでその二人を出す」

副会長「短くも長くもない付き合いだが好みのラインくらいは分かるさ」

会長「そもそも投票しないという選択肢は？」

副会長「そういう体でいて君は相当のお祭り好きだ。そこに参加しないなんて選択肢は選ばないと断言できる」

会長「読まれてるなあ畜生」

副会長「で、誰にするのさ？」

会長「ノーコメントだ。副会長こそ誰に投票するんだよ？」

副会長「僕？「面白い」という理由で君に投票しようと思ってるけど」

会長「冗談抜きで止めてくれよ、これで１票差で勝っちゃったりしたら目も当てられない」

副会長「自分が１位になるかも知れないとちょっとでも考えてるなんて自惚れが過ぎるんじゃないかい？」

会長「何気なく酷いことを言われた気がするぞ」

175 ：1 [saga]：2012/08/25(土) 23:20:02.57 ID:3TBUpSFWo

ガラガラ

書記「お疲れ様でーす」

会長「おつかれー」

副会長「お疲れ様」

書記「副会長センパイ、ミスターコンテストのエントリー見ました？」

副会長「見たよ、書記さんはどうするの？」

書記「面白そうなんで会長センパイに投票しようかなーと思ってます！」

会長「」

８月編　その２　おしまい

176 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]：2012/08/26(日) 00:53:21.28 ID:8univpUAO

プロフィール冊子をいただこう

177 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]：2012/08/27(月) 00:15:56.31 ID:HlhwNeDvo

乙

178 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ：2012/08/31(金) 15:00:23.97 ID:6uTbPje50

はよはよ

179 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) ：2012/09/01(土) 13:47:45.09 ID:NzQs4YYko

前編だけでも投下しちゃう

180 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/09/01(土) 13:48:29.52 ID:NzQs4YYko

８月編　その３

去ること２日前
会長自宅・朝

ＴＶ『台風１２号の進路は画面のとおりとなっており…』

会長　ﾓｸﾞﾓｸﾞ（台風近づいてるのか）

会長　ｺﾞｷｭｺﾞｷｭ（今のところ進路は直撃しそうにないけど）

会長　ﾓｸﾞﾓｸﾞ（学祭関連は直撃したときのこと考えとくべきかねえ）

会長　ｺﾞｷｭｺﾞｷｭ「ごちそうさまー」

181 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/09/01(土) 13:50:06.80 ID:NzQs4YYko

*******************************************

昨日
会長自宅・朝

ＴＶ『台風１２号は更に勢力を強めて本州に向かっており…』

会長　ﾓｸﾞﾓｸﾞ（これはちょっとヤバそうだなー）

会長　ｺﾞｷｭｺﾞｷｭ（屋外準備って言うとあれとあれとあれか）

会長　ﾓｸﾞﾓｸﾞ（雨はともかく風がなー）

会長　ｺﾞｷｭｺﾞｷｭ「ごちそうさまー」

会長　ｶﾁｬ prrrrr　「…あ、もしもし？今日のモニュメント作成って人数集まってる？」

会長「あ、そう、んじゃ俺この後行くから明日の打ち合わせしよう」

会長「行く前に体育館使う部活の奴か顧問捕まえて体育館の利用の予定聞いといて」

会長「そうそう。じゃ、よろしく〜」pi

会長「…ふぅ」

会長「学校行くか」

182 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/09/01(土) 13:51:00.85 ID:NzQs4YYko

****************************************

体育教官室

ＴＶ『台風１２号の進路予想は…』

会長「ちわーす」

バレー部顧問「おう会長お疲れさん。とうとううちの部に入部してくれるんだな？」

会長「受験生相手に何言い出すんですか」

バレー部顧問「お前が入ってくれたら全国も狙えたと思うんだがなあ…」

会長「素人相手にいうセリフじゃないですよそれ」

バレー部顧問「バーカ、それくらい買ってんだよ。んで、どうした？」

会長「コイツの件で相談なんですけどね、明日の体育館の予定ってどうなってます？

バレー部顧問「上陸タイミング次第だが開店休業になりそうだぞ。うちの部は休みにしたしバスケ部も同じ事言ってた」

会長「そいつは好都合」

バレー部顧問「ん？どういうこった？」

会長「ひとつお願いがあるんですけどね…？」

183 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/09/01(土) 13:51:36.46 ID:NzQs4YYko

***********************************

作成委員長「どうでした？」

会長「とりあえず今日の夕方から明日までは使わせてもらえそうだ」

作成委員長「それは良かった」

会長「作成の進捗の方はどうなんだよ」

作成委員長「ただでさえ遅れ気味ですからね、今雨振ってないのは幸運としか言いようがないですね」

会長「そうするとギリギリまで作業やって避難か」

作成委員長「そうなりますね。本当はそろそろ徹夜作業したいところですが」

会長「さすがに先生が許してくれないだろうな。早朝作業やるしかないんじゃねえの？」

作成委員長「ですね。というか明日はもう７時集合とかしかないんじゃないかと」

会長「だな。委員にはそう通達しとき。こっちからは３年の有志に連絡回しとく」

作成委員長「ありがとうございます。じゃあ、作業に戻りますんで」

会長「ちょっと風強くなってるから高いとこの作業は気をつけろよー」

184 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/09/01(土) 13:52:45.06 ID:NzQs4YYko

************************************

写真部「あ、会長おつかれ」

会長「写真部か、こないだはありがとな、ベニヤの引渡しは出来た？」

写真部「うん、ちゃんと出校日に取りに来てたよ」

会長「そっか、そいつは良かった」

写真部「そういえば副会長さんは？」

会長「なんか高校生論文大会とかで福岡に発表に行ってるらしいぞ」

写真部「彼女も受験生だというのに大変だねえ」

会長「まったくだな」

185 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/09/01(土) 13:53:38.04 ID:NzQs4YYko

写真部「あ、ところで、例の冊子って見た？」

会長「ああ、見た見た。よく撮れてるよなあ、ある意味犯罪的なほどに」ﾆﾔﾘ

写真部「もっとよく撮れてるのがあると言ったら？」

会長「詳しく聞かせてもらおうじゃないか」

写真部「おっと、こっから先は有料サイトだよ」

会長「金とるんかい」

写真部「部費をちょちょいっと増やすという手も」

会長「悪いがそれは出来ん、個人的財産ならなんぼでも放出するが」

写真部「だよねー、さすが会長」

会長「で、いくらなんだよ」

写真部「Rで一枚5000円」

会長「高けーなおい」

写真部「こっちもそれなりに危ない橋渡ってるしね、売れる相手も限られるから」

会長「ちげーねえ。そちも仲々の悪よのう」ﾆﾔﾆﾔ

写真部「いえいえ、会長様ほどではございませぬよ」ﾆﾔﾆﾔ

会長「ま、こいつを受け取っておきたまえ」

写真部「即金とはさすがだね」

会長「チャンスは最大限に活かす主義なのだ」

186 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/09/01(土) 13:54:39.11 ID:NzQs4YYko

**********************************

深夜
副会長自宅

副会長「ただいまー」

副会長「うん、新幹線が遅れてて」

副会長「そうだね、帰ってこれて良かったよ」

副会長「うん、疲れたからもう寝る…」

187 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/09/01(土) 13:55:28.99 ID:NzQs4YYko

台風上陸当日
副会長自宅

副会長「う…ん…」

副会長（ん〜もう昼近いのか、随分寝てしまった）

副会長「外の様子はっと」

ザァァァァ　ゴォォォ

副会長「うわぁ、凄い雨と風」

副会長「！」

副会長（学校祭の準備、屋外組どうしてるんだろう…）

副会長（早く行かないと！）

母「あ、こんな天気でどこ行くの！？危ないわよ！　…行っちゃった」

188 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/09/01(土) 13:56:13.79 ID:NzQs4YYko

副会長（うー、雨と風結構強くなってる）

パシャパシャ　ザァァァァ

副会長（これじゃあんまり傘も役に立たないや）

ゴォォォ　ポキッ

副会長（うああ、傘の骨折れた！？）

パシャパシャ　ザァァァァ

副会長（雨直撃だあ…）

ゴォォ

副会長（やっと学校見えてきた…　え！？）

189 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/09/01(土) 13:56:55.21 ID:NzQs4YYko

後半（多分短いけど）へ続く！

190 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]：2012/09/01(土) 23:39:35.44 ID:hcEVZlTSo

もう投下来てた…　えっ！？

乙

191 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ：2012/09/02(日) 09:41:44.45 ID:5pllK4LX0

乙
楽しみにしてるよー

192 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ：2012/09/05(水) 16:24:04.06 ID:eZN/ox6V0

はよー
ｗｗｋｔｋが止まらんぜ

193 ：1 ：2012/09/06(木) 00:11:04.60 ID:FE6z8+9no

後半投下だよー

194 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/09/06(木) 00:11:38.34 ID:FE6z8+9no

体育館　軒下

会長（よく降るな…）

野球部「おーおー良く降るなあ」

会長「全くだな、やっぱり早朝から動いて正解だったか」

野球部「さすが会長、いい読みしてたな」

会長「褒めても何も出ねえぞ。ああ、昨年メンバーの３年組の招集ありがとな」

野球部「いやいや、みんな参加する機を今か今かと伺ってた連中だから、電話したらホイホイ釣れたぞ」ﾆﾔﾘ

会長「みんな受験勉強に飽き飽きというのがよく分かるな」ﾆﾔﾘ

195 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/09/06(木) 00:13:10.87 ID:FE6z8+9no

野球部「そういえば、副会長は呼ばなくてよかったのか？」

会長「福岡帰りで疲れてるだろうからさすがに早朝呼び出しは憚られた」

野球部「ふーん、優しいねえ」ﾆﾔﾆﾔ

会長「そういうのじゃねえよ、って、おや？」

野球部「姫君がお出ましのようですなあっておや」

会長「なんで傘さしてないんだあいつ。…ちょっと傘借りるぞ」

野球部「おう、いってら」

196 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/09/06(木) 00:14:04.60 ID:FE6z8+9no

ザァァァ

副会長（僕が最後に見た一昨日の夕方にはモニュメントはあったはず）

副会長（しかもあの時点でもう縦横４ｍ高さも５ｍとかあったはず）

副会長（あんなものがどっか行くなんて考えられないのに）

スッ

会長「いくらなんでも傘さすくらいしようぜ」

副会長　ｶﾞﾊﾞｯ「！会長！　ねえ、モニュメントは？　まさか風で飛ばされたとか！？」

197 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/09/06(木) 00:14:49.29 ID:FE6z8+9no

会長「風で？　プッ…　ククッ…」

副会長「なんで笑うんだよ？」

会長「いや、副会長でも冷静さを失うことあるんだな、と。あんな大きなものが跡形もなく吹き飛ぶわけないだろう？」

副会長「そうなんだけど、かといってあの大きさじゃどこにも避難させられないじゃないか。体育館だって入り口には入らないだろうし」

会長「それがちゃんと手段はあったんだな、まあ、とりあえず一見は百聞にしかずだ、体育館見てみろよ」

198 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/09/06(木) 00:15:21.47 ID:FE6z8+9no

体育館玄関

会長「ほれ、このとおり」

副会長「四…分…割…？」

会長「そーゆーこと。…どうしたへたり込んで」

副会長「空回りした自分が恥ずかしいんだよ、察してくれ」

会長　ニヤニヤ

副会長「こんな簡単なことに気付かないなんて…　いつの間にこんな仕込みを？」

会長「ちょっと前の学祭の資料の反省点で載ってたから、図面が上がった時に仕込んでおいた」

副会長「何で言ってくれなかったのさぁ」

会長「聞かれなかったし、使わないに越したことはないからな」

副会長「これじゃああんなに焦ってきた僕がバカみたいじゃないか」

会長「そういうとこもあるんだって感心したけどな」ﾆﾔﾆﾔ

副会長「むぅー　…クシュン！」

会長「そんなずぶ濡れじゃ風邪引くぞ、おーい、書記ちゃん着替え予備持ってない？」

書記「さすがにあたしのじゃサイズ合いませんよー、部室から見繕ってきますから待っててください」

会長「部室棟でシャワー浴びてきな。書記ちゃん案内してあげて」

書記「はーい。副会長センパイ行きますよー」

副会長「ありがとう、行ってくるよ」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

199 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/09/06(木) 00:15:54.02 ID:FE6z8+9no

副会長「ふぅ…」

会長「落ち着いたか、ほれ、ホットコーヒー貰ってきたぞ」

副会長「紅茶じゃないの？」

会長「贅沢言ってんじゃねえよ、もらってきただけありがたく思え」

副会長「はーい」ｽﾞｽﾞｽﾞ

副会長「…夏に温かい飲み物がありがたいと思ったのは初めてだよ」

会長「そりゃ良かった」

副会長「これでケーキでもあれば」

会長「残念ながらケーキ屋は台風で閉店だ」

200 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/09/06(木) 00:16:44.05 ID:FE6z8+9no

副会長「ちぇっ。で、作成の進捗はどうなの？間に合いそう？」

会長「今日のこれでまた少し進捗落ちたからなあ」

作成委員長「意地でも間に合わせますよ！」

野球部「そうそう、３年もたっぷりバックアップするから」

会長「頼もしいねえ」

先生「盛り上がってるとこ悪いんだが暴風警報発令されてるからお前ら皆帰れよー」

全員「」

201 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/09/06(木) 00:17:15.05 ID:FE6z8+9no

会長「しゃーねえ、帰るとするか」

副会長「あ…」

会長「どした？」

副会長「傘、壊れてなくなったんだ…」

会長「おおう、それでさっき傘なしで外に居たのか」

副会長「…まあ、さっきも濡れてるんだし、このまま帰るよ」

会長「…さすがにそりゃ止めとけ、俺の傘使っていいから」

副会長「でも、それは君の分だろ？君はどうするのさ」

会長「俺はせいぜい駅までだから、なんとでもするさ」

副会長「そっか。…ひとつ良いアイディアがあるんだけど」

202 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/09/06(木) 00:17:43.54 ID:FE6z8+9no

会長「ん？」

副会長「僕の家まで入れていってくれないか」

会長「はい？」

副会長「それなら二人共濡れずに済む」

会長「いや、だったら別に俺が濡れてけば」

副会長「こんな悪天候に女の子を独りで放り出そうっていうのかい？」

会長「まったく、ああ言えばこう言う…　わかったよ、送ってったる。遠くないんだよな？」

副会長「徒歩で１０分もかからないよ」

会長「おーけい、じゃあとっとと行こう」

203 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/09/06(木) 00:18:39.88 ID:FE6z8+9no

*****************************

会長（結局横殴りの雨で傘なんかは役に立たず）

副会長（濡れ鼠で二人共帰った、というのはどうでもいいことかもしれない）

８月編　おしまい

204 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ：2012/09/06(木) 17:29:21.70 ID:xmAsGBI+0

おお！
きてたー
いいねえ乙

205 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]：2012/09/07(金) 16:32:46.79 ID:c6l1rUTBo

乙

206 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ：2012/09/09(日) 19:11:47.64 ID:12/tlLbv0

早く早く！

207 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) ：2012/09/11(火) 23:34:37.90 ID:fEkqPJwzo

短いし薄いけど投下

208 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/09/11(火) 23:36:18.51 ID:fEkqPJwzo

9月　新学期　会長のクラス

友１「あ、会長おはよー」

会長「おはよ」

友２「どうよ、投票先は決めたかね」

会長「新学期の朝イチに言うセリフがそれかい」

友１「そりゃー〆切を三日後に控えては気にならない奴はいないだろう」

会長「そんなもんかねえ」

友２「お、興味ないふりしやがってやーらしーんだ」

友１「このムッツリスケベが！」

会長「うるさいわ」

209 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/09/11(火) 23:37:03.59 ID:fEkqPJwzo

友２「で、誰に投票したんだよ」

会長「３年の誰かと言っておく。今年くらいはクイーン獲って欲しいしな」

友１「あー、去年までは、なあ」

友２「あのお方の圧倒的得票で３連覇」

友１「おい」ﾁｮｲﾁｮｲ

友２「…ああ、すまん」

会長「いや、さすがに今更気にしてないし大丈夫だ」

友１「まあ、今年は混戦になりそうだし、楽しみだな」

友２「確かにね、３年から１年まで見事なまでに粒ぞろい」

会長「で、お前らは誰に投票したんだよ？」

友１「俺はベタで申し訳ないが水泳部」

友２「俺は副会長だな」

会長「おお、お前のメガネっ娘属性をすっかり忘れていた」

友１「でも眼鏡なら美術部ちゃんもいるじゃないか、なんでそっちなん？」

会長「そうそう、わざわざマッドな方を選ばなくても」

友２「ふわふわ系よりキリッとしたほうが好みってだけだ。あれで年上なら完璧なんだが」

会長「眼鏡フェチの上に年上フェチとな…」

友１「開花するのは大学行ってからだな」

会長「ちげーねえ。」

210 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/09/11(火) 23:37:49.10 ID:fEkqPJwzo

***************************************

副会長のクラス

副会長　クシュン！

パートリーダー「どうしたの、風邪？それともオトコに噂されてるとか」

副会長「んー、ちょっと台風の時に雨に当たってしまってさ、翌日から寝込んでいたんだよ」

パートリーダー「あれま、あんな日に何も出歩くこともないでしょうに」

副会長「それはそうなんだけどねえ。ようやく一昨日に熱が下がったけど、まだちょっと怠いんだよ」

211 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/09/11(火) 23:38:32.70 ID:fEkqPJwzo

パートリーダー「そうなんだ、あんまり無理しちゃダメだよ？」

副会長「まあ、治りかけだから大丈夫だよ、今日は半日だしね」

パートリーダー「いやいや、週末は本番なんだから、たっぷり働いてもらわないと」

副会長「クラスのほうはあんまり協力できなかったから協力はするけどさ…　あれ本当に着なきゃ駄目かい？」

パートリーダー「何いってんの、衣装合わせしたらクラスで一番似合ってたじゃない」

副会長「そうかなあ、皆可愛かったと思うけど。男子も良く似合ってたしね」

パートリーダー「またまたご謙遜をー。副会長以上に似合う子はいないんだから、たっぷりシフト入ってもらうよ？」

副会長「むー、お手柔らかに。…まあ、飲食店で風邪引きが接客するわけにも行かないしね、今日はとっとと帰るよ」

212 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/09/11(火) 23:39:06.45 ID:fEkqPJwzo

*************************************

作成委員長「あ、会長！」

会長「おーお疲れさん、モニュメント間に合いそうか？」

作成委員長「工程はもう最後の仕上げに入ってますよ」

会長「このあとは天気の崩れも無さそうだし、それなら間に合いそうだな」

作成委員長「先輩方のおかげです。本当にありがとうございます」

会長「いやいや、誰のおかげなんてないよ、皆の力だってば」

作成委員長「そんなことないですよ、野球部先輩とか、助けてもらってばかりです。みんな受験生なのに…」

会長「どのみち息抜きしたくて仕方がなかった連中だから気にすんな。来年になればお前らも分かるさ」

作成委員長「息抜きにしては随分長い時間助けていただきましたけどね」ﾆﾔﾘ

会長「まあ、終盤は息抜きの合間に勉強やってたな、みんな」ﾆﾔﾘ

作成委員長「僕らにも出来ますかねえ」

会長「出来るだろうさ。ラストスパート頑張れよ」

213 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/09/11(火) 23:39:59.11 ID:fEkqPJwzo

****************************

9月3日

先生「ステージのリハーサルやるぞー」

会長（いよいよ明日からか…）

♪

会長（楽しい学校祭になる、かな？）

214 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/09/11(火) 23:40:43.26 ID:fEkqPJwzo

****************************

裏・委員「それでは…」

裏・委員長「開票の儀を執り行いましょうか」

裏・委員「ここでの開票結果は…」

裏・委員「土曜日の結果発表の時間までは内密に」

裏・委員長「今年の開票発表場所は？」

裏・委員「例年通り、イベント休憩所で15時からを抑えてあります」

裏・委員長「いいわね、男子のミスコンの方との協力は？」

裏・委員「今別室で開票作業を行なっているはずです」

裏・委員「開票結果表示についてはデザイン合わせは終わってますから、あとは開票して作るだけです」

裏・委員長「では、始めましょうか」

裏・委員長（実はパートリーダー）（いやー、男女ともに結果が楽しみだわー）

215 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/09/11(火) 23:41:27.48 ID:fEkqPJwzo

****************************

野球部「間に合った…」

作成委員長「間に合いましたね…」

作成委員＆野球部＆その他大勢「「いよっしゃあああ！」」

野球部「しかし今年のはまたものすごく力が入ってるよ」

作成委員長「入れすぎたお陰でタイムリミットギリギリですよ」

野球部「だが仕上がりには納得だろ？」

作成委員長「全くです。苦労した甲斐がありました」

野球部「だな。あとはこれで来てくれるお客さんを楽しませて、自分たちも楽しむだけだ」

作成委員長「…」シミジミ

野球部（って聞いてないか。まあ、感動するよな、お疲れさん、後輩）

216 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/09/11(火) 23:41:55.97 ID:fEkqPJwzo

*************************

最寄り駅

書記「あ、会長センパイお疲れ様でした！」

会長「おお、書記ちゃんお疲れ。準備は大丈夫？」

書記「クラスの方はもうバッチリですよ！」

会長「でも帰ってくるときまだ結構…」

書記「明かり点いてましたね。隣のクラスは終わるまで帰らないって言ってましたけど」

会長「相手する先生も大変だな」

書記「本当ですよねー」

217 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/09/11(火) 23:42:44.28 ID:fEkqPJwzo

会長「書記ちゃんは明日はクラスに張り付き？」

書記「うちは展示ですからたまに顔出すくらいでいいかな、と。全力で楽しみますよー」

会長「そーかそーか。俺はステージがあるからそれ以外で色々見れるといいけど」

書記「吹奏楽部のステージいいですよね、楽しみにしてます」

会長「ああ、せっかくだからたくさん人引っ張ってきてよ、やっぱりたくさんの人に聴いて欲しいし」

書記「任せてください、たくさん連れてきます！」

会長「楽しみだねぇ」

書記「楽しみですねぇ」

会長「ミスコンの結果も」

書記「！　まさかセンパイ、私に投票したとか言いませんよね！？」

会長「ナイショ♪」

9月　学校祭前日編　おしまい　内容薄くてスマソ

218 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]：2012/09/12(水) 01:29:29.84 ID:EjlH5nx7o

乙

219 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2012/09/12(水) 17:54:25.53 ID:t1lbUBDV0

来てたか！

220 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ：2012/09/13(木) 13:02:02.37 ID:3ASje9Iq0

乙
良かった

221 ：1 [sage]：2012/09/19(水) 23:55:57.42 ID:7Mi4uh9jo

書きためちう
本職多忙につき少し時間頂くかも知れませぬ

222 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]：2012/09/20(木) 00:50:08.72 ID:o5YdssC8o

生存報告してくれるだけで待ち続けるよ

223 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) ：2012/10/01(月) 21:48:25.20 ID:J4gFrF2Eo

棚卸終わったー！

というわけで久々投下

224 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/10/01(月) 21:49:06.12 ID:J4gFrF2Eo

学校祭 1日目

♪ピンポンパンポン

放送部『あと15分で一般公開の時間です。速やかに開場の準備を終えて下さい。繰り返します。あと…』

会長(さて、今年も始まるねえ)

会長(校門のモニュメントの仕掛け、ちゃんと動くかな?)

吹奏学部後輩「先輩、眺めてるだけじゃなくて客寄せもちゃんとお願いしますよ?」

会長「まあ慌てんなって。まずはあれを拝んでからだ。」

225 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/10/01(月) 21:50:15.66 ID:J4gFrF2Eo

吹奏学部先輩「さて、ステージ見に早めに来たはいいが」

吹奏学部先輩「まだ開場前みたいだな」

吹奏学部先輩「今年のモニュメントは巨大モアイ像か」

吹奏学部先輩「…あんな校門塞ぐ置きかたしたら入れなくねえか?」

ゴーンゴーンゴーンゴーンゴーン

吹奏学部先輩(10時…鐘の音?)

226 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/10/01(月) 21:50:43.57 ID:J4gFrF2Eo

モアイ【学校祭に来場の諸君】

吹奏学部先輩(おお、モアイが喋った)

モアイ【我輩の口は非日常への入り口】

モアイ【心して通り、楽しみたまえ】

モアイ【ハーッハッハッハ】

吹奏学部先輩(なんというスリラー笑い…おお)

吹奏学部先輩(モアイのロが開いて出入り口に…!)

吹奏学部先輩(色々考えるもんだねえ)

前部長「ホント、色々考えるものよねえ」

吹奏学部先輩「うわあ!?いつからいたんだお前!」

227 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/10/01(月) 21:52:02.31 ID:J4gFrF2Eo

前部長「うわあとはご挨拶ね、鐘の音から居たわよ、あなたが気付かなかっただけでしょ?」

吹奏学部先輩「驚かせんなって言ってるんだよ」

吹奏学部前部長「そっちが勝手に驚いただけでしょ。…あ」

♪〜

前部長「恒例の客寄せが始まったみたいね」

吹奏学部先輩「アイツのペットだな」

前部長「そうね。こうしてソロを聴くと本当に上手いわねえ」

吹奏学部先輩「だったら…」

前部長「祭の日に野暮は言いっこなしよ」

吹奏学部先輩「…ちっ、分かったよ」

228 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/10/01(月) 21:53:07.12 ID:J4gFrF2Eo

ttp://youtu.be/rTI8w7Yzn3U

会長「♪〜」

吹奏学部後輩「吹奏学部定期公演in学校祭は10:30開演です!是非お立ち寄り下さい!」

会長「よろしくお願いしまーす」

会長「！」

吹奏楽部先輩「よっ！」

会長「先輩、見に来てくれたんですか！　…前部長も、お久しぶりです」

前部長「お久しぶりね、元気にしてたかしら？」

会長「おかげさまで色々ありましたが、今はまあまあ元気ですよ」

前部長「それは良かったわ。ステージ、楽しみにしてるわね？」

会長「ええ、楽しんでいってください」

吹奏楽部先輩「調子はどうだ？まあ、今の音を聞くと悪いわけもないか」

会長「まあ、勉強そっちのけで準備に明け暮れただけのことはありますね」

吹奏楽部先輩「コラ受験生」

会長「大丈夫ですよ、最後はちゃんと辻褄合わせますから」

吹奏楽部先輩「本当かどうかは疑わしいがまあよかろう。とりあえずステージ楽しんでこいよ」

229 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/10/01(月) 21:54:06.15 ID:J4gFrF2Eo

ステージ中

♪〜

吹奏楽部先輩「うん、気合いが入ってるしいい演奏じゃないかみんな」

前部長「そうね、地区銀賞止まりなんて信じられないくらい」

吹奏楽部先輩「よっぽど悔しかったんだろうな、今年は俺たちの時よりも三年生の参加が多いぞ」

前部長「親御さんや進路担当の先生の青い顔が目に浮かぶわね」

吹奏楽部先輩「心残りありで集中せずに漫然と勉強するよりはメリハリがついていいんじゃないか」

前部長「去年最後まで参加して受験直前に間に合わないって青い顔してた人の台詞とは思えないわ」

吹奏楽部先輩「ほっとけ、結果として間に合ったからいいんだよ」

前部長「あ、第一部が終わりそうね。さて、幕間は何をやるのかしら」

230 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/10/01(月) 21:54:54.00 ID:J4gFrF2Eo

吹奏楽部先輩「お、出てきそうだぞ。…おいおい」

前部長「マ○オ、ク○パ、リ○クにピカチ○ウ…、会長クンのあれは何かしら」

吹奏楽部先輩「あー、ありゃドラ○エの勇者だな。とすると今年は…」

♪〜

吹奏楽部先輩「お、ドラ○エのオープニングテーマか。やっぱり定番で来たな」

前部長「あの子たちらしいわね」

吹奏楽部先輩「その作品のときはコスプレしたやつが寸劇を担当すると」

前部長「あ、火の玉でク○パがひっくり返った」

吹奏楽部先輩「デティールも見事だな」

♪〜

231 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/10/01(月) 21:55:41.77 ID:J4gFrF2Eo

幕間終了→第二部

前部長 サッ「ちょっと前ごめんなさいね」

吹奏楽部先輩「第二部始まるぞ、見ていかないのか？」

前部長「お手洗いよ、相変わらずデリカシーの欠片もないわね」

吹奏楽部先輩「へいへい、そいつは悪うござんした」

吹奏楽部先輩(このタイミングでお手洗い…ねえ)

232 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/10/01(月) 21:56:19.78 ID:J4gFrF2Eo

ステージ裏 控室

会長「みんなお疲れ！」

コントラバス「お疲れさま！」

パーカッション「内容ウケたねー！」

サックス「ウケてたウケてた。まさか手拍子もらえるとは思ってなかったよー」

会長「あれはホントに嬉しかったな。一体感もあって楽しかったよ」

フルート「これでうちらの吹奏楽も一区切りだね」

会長「そうだな。さ、俺たちの意志を受け継いでくれる後輩たちの応援でもしにいこうぜ」

皆「「さんせー！！」」

233 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/10/01(月) 21:57:09.25 ID:J4gFrF2Eo

会長 ガサゴソ(やれやれ、みんな着替えるの早えーなあ)

会長(さて、行くか)

前部長「会長クン」

会長「…！！ 前部長先輩…」

前部長「話したいことがあるの、少し時間、いいかしら」

…

つづく！

234 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/10/01(月) 21:59:01.30 ID:J4gFrF2Eo

というわけで今日のところはここまで。
なるべくお待たせしないようにしたいです。

待ってくれている人がいるかはともかく。

235 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/10/02(火) 13:01:20.47 ID:sUuztS4mo

大丈夫だ。気長に待ってる

236 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/10/02(火) 13:40:26.93 ID:GmnexmM2o

のんびり待ってるよ

237 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) ：2012/10/05(金) 21:06:43.20 ID:kHhjyioao

投下！

238 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/10/05(金) 21:07:09.62 ID:kHhjyioao

時間は少し遡って
副会長のクラス

女クラスメイト１「いらっしゃいませー！」

男クラスメイト１「はい、ではご注文繰り返しますね」

女クラスメイト２「オーダー入ります！カフェラテ１，クッキー１…」

副会長「お待たせいたしました、アイスコーヒーとサンドイッチでございます」

副会長「…ふぅ」

女クラス長「副会長ちゃんなーに暗い顔してるのよ、お客さんに気にされるよ？」

副会長「暗い顔じゃないよ、不満なんだ」

239 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/10/05(金) 21:07:41.63 ID:kHhjyioao

女クラス長「何がそんなに不満なのよ、そんなに衣装も似合ってるのに」

副会長「僕は言ったはずだよ、土曜の午前中だけはシフト外してくれって」

女クラス長「あんたねえ、うちのクラスで看板娘張れる人間はそんなに居ないんだよ？オープニングはちゃんと居てもらわなきゃ」

副会長「ほかにもパートリーダーさんとか書道部さんとかいるじゃないか」

女クラス長「パートリーダーちゃんは今まさにステージ中でしょ。書道部ちゃんは厨房の要だからホールには出せないわよ」

副会長「そのステージを見に行きたかったのに…」

240 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/10/05(金) 21:08:20.94 ID:kHhjyioao

女クラス長「何か言ったかしら？ほらほらシフトあけるまではキリキリ働く！　…ってどこ行くのよ！？」

副会長「お手洗い」

女クラス長「我慢なさい」

副会長「ここで漏らすことになるよ」

女クラス長「それはそれである一定の層には受けそうね」

副会長「ああ言えばこう言う」

女クラス長「冗談よ、行ってらっしゃい。　…あんなに聞き分けないというかワガママ言う娘だったかしら」

女クラス長「あ、いらっしゃいませー！」

241 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/10/05(金) 21:09:09.88 ID:kHhjyioao

*********************************

副会長「全く、こんな動きにくい格好で人使いの荒いことだよ」

副会長（吹奏楽部のステージ、終わってしまったかな…）

副会長（幕間に間に合う？それとも後半？）

副会長（早く行かなきゃ…　！？）

副会長（あの渡り廊下の奥の人影）

副会長（一人は多分会長。もう一人は誰だろう？）

副会長（長い髪、私服、遠くからでは分からないけど、女性なのは間違いない）

副会長（気になる…　でも、気にしちゃいけない気もする）

副会長（むー）

副会長（…とりあえずステージ見に行こう）

242 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/10/05(金) 21:09:49.30 ID:kHhjyioao

テクテク

副会長（やってるやってる）

副会長（やっぱり後半だね、パートリーダーさんはと…）

？？？（耳元・小声で）「わっ！」

副会長「うわぁぁ！」

？？？「しー、驚きすぎ。声大きいよ」

副会長「パートリーダーさんかあ、びっくりさせないでよ」

243 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/10/05(金) 21:10:28.66 ID:kHhjyioao

パートリーダー「ゴメンゴメン、ちょうど姿が見えたもんだからさ」

副会長「趣味が悪いよ。ステージはどうしたの？」

パートリーダー「後半は後輩オンリーのステージだから。３年はお役御免で見守り中さー」

副会長「そうかあ、ステージ見たかったなあ」

パートリーダー「シフトのせいだからしょうがないよ、来てくれてありがとね」

副会長「うん。ちなみに幕間はどうだった？」

パートリーダー「ちょうど入れ替わるところで全部は見えなかったけど、盛り上がってたよ」

副会長「そっか…。返す返すも鬼クラス長が憎いね」

パートリーダー「まあまあそう言わないで。例によってＣＡＴＶが撮影に入ってるから、後で見せてもらえるよ。従兄弟が働いてるから頼んでおいてあげる」

副会長「そうなの？お願いしちゃおうかな」

パートリーダー「後で言っておくね。…そういえば、会長ももう出番終わってるから、こっち来てもおかしくないんだけどね」

副会長（じゃあやっぱりあれは会長か…）

パートリーダー「黙りこんじゃってどうしたの？」

副会長「え？ああ、なんでもないよ。無断で抜けてきちゃったからさすがにそろそろ戻らなくちゃって」

パートリーダー「そっか、そうだよね。鬼軍曹によろしく。あたしもこっちが終わったらすぐに行くよー」

副会長「うん、また後で」

副会長（…むー）

244 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/10/05(金) 21:12:11.53 ID:kHhjyioao

***********************************
体育館横　渡り廊下

前部長「…こうして二人で言葉を交わすのも久しぶりね」

会長「…そうですね、あの事件があってからはまともに言葉を交わしてませんから」

前部長「あれから１年以上？」

会長「ええ。…先輩」

前部長「何かしら？」

会長「今更、何ですか？」

245 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/10/05(金) 21:12:49.16 ID:kHhjyioao

前部長「あの時のことを謝りたい…のではいけないのかしら？」

会長「それこそ今更じゃないですか。俺があの後どれほど苦しんでたか、先輩も知らないわけではないでしょう？」

前部長「ええ、分かってるわ。だからこそ、謝りたいの」

会長「…」

前部長「正直、あなたからの手紙、嬉しかったわ。でも、同時に困ったのも事実」

会長「…」

前部長「その時の私はあなたの想いを受け取れる立場にはなかったから」

会長「…」

246 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/10/05(金) 21:13:25.50 ID:kHhjyioao

前部長「そしてどうやって傷つけないようにしようかと迷ってるうちに私の手元から手紙が消えた」

会長「その結果があれ、ですか」

前部長「申し開きのしようもないわ。あれは完全に私の責任よ。あなたの想いの詰まった手紙を無くした、ね」

会長「そんなことは分かってます。でも、俺が本当に辛かった理由はそれだけじゃない」

前部長「…そうね。私がそれに気づいたのもついこの間なのよ。だから、今日は３つのことで謝りたいの」

会長「…」

247 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/10/05(金) 21:14:39.74 ID:kHhjyioao

前部長「あなたの大切な想いの詰まった手紙を粗末に扱ってしまってごめんなさい」

前部長「ずっと返事をせずにあなたを宙ぶらりんのまま苦しめてごめんなさい」

前部長「最後に、あの時言うべきだった言葉。」

前部長「あなたの想いを受け取る事は出来ないの。ごめんなさい。」

248 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/10/05(金) 21:36:32.07 ID:kHhjyioao

***********************************
会長「…」

前部長「…」

会長「先輩」

会長「俺はまだ、今の段階であなたを許すことは出来そうもありません」

前部長「そう…　仕方ない、わよね」

会長「でも、ちゃんと言葉にしていただいてありがとうございます」

会長「失礼します」

前部長「…」

会長「さよなら」

前部長「さよなら、会長くん」

249 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/10/05(金) 21:38:02.88 ID:kHhjyioao

****************************

会長（ステージといい、あの件といい）

会長（なんか色々終わったな…）

会長（学祭を楽しむという気持ちでもなくなっちまったし…）

会長（…生徒会室ででも時間をつぶそうか）

会長（はあ）

つづく！

250 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) ：2012/10/06(土) 00:48:09.82 ID:BqtCkPOho

おつ

251 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/10/21(日) 22:47:44.06 ID:AtADorCHo

書きため中
というか展開に迷って書き直し中
お待たせして申し訳ない

252 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/10/22(月) 17:09:15.36 ID:g68iOxJ/o

楽しみに待ってる
ゆっくりでもいいからな

253 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ：2012/10/28(日) 11:02:26.39 ID:7obTFN+j0

待ってるよー

254 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) ：2012/11/06(火) 21:55:13.51 ID:FMI35cAKo

シーン細切れになって悪いけど、投下ー

255 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/11/06(火) 21:55:49.45 ID:FMI35cAKo

副会長のクラス・大正浪漫カフェ

副会長（クラスに戻ってきたは良いけれど）

副会長（余りにも忙しすぎて休憩時間すらとれない）

クラス長「いらっしゃいませー！」

パートリーダー「すみませんお客様、店内での撮影は控えていただいてよろしいですか？」

女１「ベイクドチーズケーキ１、アイスティー１でーす」

副会長「いらっしゃいませ、ご注文はお決まりでしょうか？」

副会長「…はい、BLTサンドとアイスコーヒーですね、かしこまりました」

副会長「テーブル3番、BLT１、アイスコーヒー１でーす」

副会長「！」

副会長（今渡り廊下歩いていったの、会長だったような…）

256 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/11/06(火) 21:56:53.04 ID:FMI35cAKo

*********************************
クラス長「副会長さんお疲れ、落ち着いてきたから休憩入っていいよ？」

副会長「3時間以上ぶっ続けで働かせるとか、シフトはどうなってるのさ？」

クラス長「看板娘のシフトはフルで入ってるに決まってるじゃない」

副会長「呪ってやる」

クラス長「また出来もしないことを」

副会長「むー」

クラス長「冗談よ。とりあえず例のコンテストの発表あるから16時までは休憩」

副会長「はいはい。もう脚がくたくただよ」

クラス長「まあ、座れるところでゆっくりしなさいな。賄いのサンドイッチとお茶、持ってっていいわよ」

副会長「ありがとう、お言葉に甘えるよ」

257 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/11/06(火) 21:58:01.31 ID:FMI35cAKo

******************************
生徒会室

会長「はぁ…」

コンコン

会長「！　…どうぞ？」

副会長　ｶﾞﾗｯ「やあ」

会長「副会長…、なんでここに居るって分かったんだ」

副会長「僕に分からないことなんかないんだ」

会長「大上段に振り上げるなあ」

副会長「冗談だよ。あんな顔して渡り廊下歩いてれば行く場所は一つだろう？」

会長「…見られてたか」

副会長「ついでにその前に誰と話してたかも当ててあげようか」

会長「…」

副会長「吹奏楽部の、前部長先輩、だよね」

会長「…ああ」

258 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/11/06(火) 21:58:37.99 ID:FMI35cAKo

*********************************

会長「何があったのか訊かないのか」

副会長「その顔を見れば大体は分かるよ」

会長「かなわねーな」

副会長「ふふっ。…で、何を話したんだい？」

会長「結局訊くんじゃねーか」

副会長「話聞いてほしいって顔していたからね」

会長「読まれてるなあ畜生。…まあ、去年のあの事件の謝罪かな」

259 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/11/06(火) 21:59:49.79 ID:FMI35cAKo

副会長「そうか。でもそれだけじゃないんだろう？」

会長「ああ。あの事件のおかげで聞けなかった返事がようやく聞けたよ」

副会長「うん」

会長「ようやく、ちゃんとフッてもらえた」

会長「やっと、宙ぶらりんじゃなくなったんだ」

副会長「そうか。君はそれで良かったのかい？」

会長「…良かったさ。何でそんなこと聞くんだよ？」

260 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/11/06(火) 22:00:40.05 ID:FMI35cAKo

副会長「嬉しそうにも悲しそうにも見えないからさ。何かを我慢するような笑みを浮かべてさ」

会長「…」

副会長「何かを、じゃないね、それは泣きたいのを我慢してる顔だ」

会長「悪いかよ」

副会長「悪いことだとは思わないよ。男なんだなあって思う」

会長「じゃあ何で」

副会長「でもね、男だから泣いちゃいけない、だなんて誰が決めたのさ？」

会長「！」

261 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/11/06(火) 22:01:31.70 ID:FMI35cAKo

副会長「時には我慢しなきゃいけないときはあるのは僕だって分かっているさ。でも、全部を我慢しなきゃいけないなんてことはないんだ」

会長「…」

副会長「君はもう十分我慢したんだ。もう解放されていいんだよ」

会長「…」

副会長「１年以上、頑張ったんだから」

会長「…ああ」

副会長「だから、もういいんだ」

262 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/11/06(火) 22:03:49.76 ID:FMI35cAKo

会長「副会長」

副会長「なんだい？」

会長「悪いけど、一人にしてくれないか」

副会長「…うん、格好つけさせてあげるよ」スッ

会長「言ってくれるなあ」

副会長「なんなら胸でも貸そうか？こんな貧しいのでも良ければ」

会長「やかましいわ」

263 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/11/06(火) 22:04:58.31 ID:FMI35cAKo

副会長「ふふっ、泣き終わったらうちのクラスに来るんだよ、美味しいものご馳走してあげよう」

会長「気が向いたらな」

副会長「じゃあ、また後でね」

会長「ああ。…ありがとな」

会長「…」ｼﾞﾜｯ

会長「…」ﾂｰｯ

会長「…ちくしょう」ｸﾞｽｯ

264 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]：2012/11/06(火) 22:05:41.61 ID:FMI35cAKo

今日はここまで。こんな短いとこにどんだけ時間かけてんだって話ではある。

265 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/11/07(水) 15:05:29.30 ID:iTIuD06Xo

毎度お疲れ様。のんびりで構わないから、最後まで頼むぞ

266 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]：2012/11/07(水) 23:57:43.06 ID:DtnQaBfOo

乙
マイペースでいいじゃん

267 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/12/04(火) 19:05:39.93 ID:VzRbZ7CAO

まだかな

268 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/12/05(水) 08:54:21.40 ID:xs4Idsmxo

お待たせしております。ちょっと本業が忙しいのでしばらくお待ちください。

269 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/12/05(水) 12:08:58.57 ID:Te6qIaB6o

師走は忙しいからな。ま、無理せずのんびりで。

270 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/12/23(日) 02:35:21.31 ID:w65B4DWAO

はよ

271 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ：2012/12/25(火) 06:22:42.67 ID:KTvJhrpIO

まだか

272 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/01/14(月) 15:59:06.13 ID:KZy1ysZAO

まだかね

273 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]：2013/01/14(月) 21:41:17.75 ID:La9RbLZho

お待たせしてすんませんです。

現在次章の書き上げが3/4くらい。
もうちょっとでお届け出来ます。

もう少々お待ちを…

274 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ：2013/01/15(火) 21:54:30.76 ID:a5phG4FIo

投下じゃ〜

275 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]：2013/01/15(火) 21:55:14.89 ID:a5phG4FIo

文芸部部室

文芸部長「おや副会長ちゃんそんなかわいい格好でどうしたの」

副会長「どうしたのとはご挨拶だねえ、部員が部の展示の様子を見に来たっていうのに」

文芸部長「だって作品あげた後はほっとんど部室に来ずにクラス展示や生徒会の方にかかりっきりだったじゃん」

副会長「本来書かなくてもいい作品まで書いてるんだから僕にはそれくらいの権利はあると思うけど」

文芸部長「それを言われると弱いわー。まあ、ちょこちょこ手にとってってくれてる人いるけど、あの小説結構好評だよ？」

副部長「あれが好評だって言うのは少々複雑ではあるけどねえ」

文芸部長「自分の書いたものが評価されてんだから素直に受け取りなさいって。…ところでどうしたの、今日はずっとクラスのほうにいると思ってたけど」

副会長「休憩だよ。ご飯食べようと思ってるんだけど身の置き所がなくてさ」

文芸部長「いつもなら大抵生徒会室だろうに珍しいじゃない。…会長と喧嘩でもした？」

副会長「なんでそうなるのさ。…まあ、強いて言えば、武士の情け、かな？」

文芸部長「何それ、意味わかんない」

副会長「分からなくていいんだよ。取りあえず休憩させて」

文芸部長「ハイハイ、準備室の机と椅子を使うといいよ」

276 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]：2013/01/15(火) 21:56:44.84 ID:a5phG4FIo

会長「…ふぅ」

会長「こんなに泣いたのはどれくらいぶりかな」

会長「顔、洗うか」

パシャパシャ

会長（ああ、最後にこんなに泣いたのって小学校でトランペットやらせてもらえなかった時以来か）

会長（そういえば去年は泣く余裕もなかったんだな）

会長「よし、と」

277 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]：2013/01/15(火) 21:58:15.28 ID:a5phG4FIo

パートリーダー「あー、いたいた、会長こんなとこで何してんの」

会長「別に何もだよ、ただの休憩」

パートリーダー「ホントに〜？その割にはヒドい顔してるけど？」

会長「気のせいだろ」

パートリーダー「そうかな〜？ま、いいや。会長もミスターコンテストノミネートされてたでしょ？結果発表始まるからイベント休憩所へ集合だよ」

会長「あれのノミネート者立会いって任意だろ？」

パートリーダー「あの任意は任意同行の任意と同じニュアンスなんだよね」

会長「なるほど、任意と書いて強制と読むのか」

パートリーダー「そういうこと。さ、分かったらキリキリ歩く！」

会長「へいへい」

278 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]：2013/01/15(火) 21:58:43.99 ID:a5phG4FIo

＜イベント休憩所＞

野球部「おー、ようやく来たか」

会長「まあな、仕方なくだよ。…いつからこの発表はノミネート者の出席必須になったんだ」

野球部「さあなあ。まあ、見世物だよ見世物。」

会長「よくそんな平気な顔してられるな」

野球部「注目を集めるのを苦にしてたらピッチャーは務まらねえよ。それよりお前こそそんなこと言っててよく吹奏楽なんかやってられるな」

会長「ステージ上の俺は別人だ」

野球部「じゃあ今からステージ登れるからいいじゃねえか」

会長「あのステージは俺のステージではない！」

279 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]：2013/01/15(火) 21:59:21.45 ID:a5phG4FIo

野球部「何を偉そうに…お、茶道部長さんや書記ちゃんもいるな」

会長「みんな意外と律儀だな」

野球部「いや、なんか皆腕章着けたやつがくっついている」

会長「監視付きってことか、ああ恐ろしい」

野球部「そういえば副会長はどうしたんだよ、一緒じゃなかったのか？」

会長「勝手にセット扱いにするな」

野球部「いやいや、あの変人とあれだけ対等に喋れるならセット扱いにせざるをえないわ」

会長「そんなに変か？変なのは口調だけで中身はそうでもないぞ？」

野球部「だからセットにしてんだよ。俺は中学から奴と一緒だがごく一部以外にあんなに心開いてるの見たことないわい」

会長「そんなもんかねえ」

野球部「そんなもんだ。お、噂をすれば副会長」

280 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]：2013/01/15(火) 22:00:22.96 ID:a5phG4FIo

副会長「ちょっと、そんな引きずらなくても逃げないからっ」

会長「…引きずられてるな」

野球部「お前んとこの部のトランペットの子はあの体にどんだけパワー秘めてんだ」

会長「奴の肺活量と長距離の体力は書記ちゃんにタメ張れるぞ」

野球部「どんだけ隠れバケモノが多いんだお前の部活」

パートリーダー「あ、お二人さん、この子が逃げないよう見張っといてね！」

野球部「お、おい」

パートリーダー「じゃああたし司会があるから、あとヨロシク！」

副会長「ったく、ここまで来たら僕だって逃げやしないよ」

野球部「お疲れさん」

副会長「ああ、野球部くんもお疲れさま。…会長も」

会長「…おお」

野球部（なんだ今の微妙な間は）

281 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]：2013/01/15(火) 22:00:49.81 ID:a5phG4FIo

サングラスの男（司会男）「れでぃ〜すっ！あん！じぇんとるめんっ！」

サングラスの女（司会女）「第１３回！ミス＆ミスターコンテスト！」

ワァァァァァ

会長（１３回も続いてるのか…）

副会長（パートリーダーちゃん何やっているんだ）

野球部（伝統的に物好きの多い学校なんだな）

茶道部長（困ったものだわ）

司会男「夏休み中より投票を受け付けていたこの企画」

司会女「本年も例年通り、学校祭にて発表を行うことが出来ます」

司会男・女「ご協力ありがとうございました！」ペコリ

パチパチパチパチパチパチ

282 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]：2013/01/15(火) 22:02:34.16 ID:a5phG4FIo

司会男「さて、それでは早速発表に参りましょう！」

司会女「発表は第5位から男女それぞれ、最後に1位を発表し、残りは掲示する形となります」

司会男「栄えある1位、ミス＆ミスターとなった方には先生含む有志からの寄付を基に記念品と副賞が贈られます」

司会女「さて、時間に限りもあることですし巻いてまいりましょう！それでは第5位、4位、まとめてどうぞ」

司会男「第5位、ミスコンの部！『走る妖精』生徒会書記さん、2年生！」

司会女「第5位、ミスターの部！『校内No.1イケメン』軽音部くん、3年生！」

司会男「第4位、ミスコンの部！『ツインテールの小悪魔』吹奏楽部さん、1年生！」

司会女「第4位、ミスターの部！『空飛ぶバスケットマン』バスケ部くん！2年生！」

司会男「皆様粗品を贈呈しますので壇上へどうぞ〜」

司会女「ちなみに吹奏楽部さんからは欠席の替わりにメッセージをいただいております。『みなさん投票ありがとう（はぁと）』だそうです。

会長（欠席アリなのかよ）

283 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]：2013/01/15(火) 22:03:09.09 ID:a5phG4FIo

司会男「では続いてまいりましょう、第3位、ミスコンの部！『ハートを射抜かれたい男子続出！』弓道部さん、2年生！」

司会女「精神的にも物理的にも射抜かれてしまいそうですね〜」

野球部（物理的に射抜かれたら死んでしまうがな）

司会女「ミスターの部、第3位！『いつも絶やさない微笑の男』生徒会会計くん！2年生」

司会男「ミスタースマイルがここで登場！やはり彼女が居るという噂が票を伸ばしきれなかった要因でしょうか（チラリ）」

バレー部女（こっちみんな）

284 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]：2013/01/15(火) 22:04:51.88 ID:a5phG4FIo

司会男「第2位！ミスコンの部！『正統派美少女』水泳部さん！3年生！」

司会女「この時期は日焼けで真っ赤になっちゃうのが可愛いんですよね〜」

会場の男子（うんうん）

司会女「第2位！ミスターの部！『スペードのエース』野球部くん！3年生」

野球部「ふう、まあ行ってくるとするわ」

会長「…おい」

会計「呼ばれないですね、会長」

副会長「次に呼ばれるのは勘弁願いたいね」

茶道部長「全く同感だわ」

285 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]：2013/01/15(火) 22:06:17.10 ID:a5phG4FIo

司会男「では、お待たせいたしました！本年度のクイーンは…」

（ドラムロール）

司会男「圧倒的なぶつりょ…

ぶんっ！ガシャン！

司会男「えー失礼いたしました。鋏もですが剣山を投げるのは危険なので止めて下さい」

茶道部長　＞ギロッ

司会男（おー怖い）

司会男「改めまして。『立てば芍薬座れば牡丹、歩く姿は百合の花』茶道部長さん、3年生！」

会場の男子「うぉー！」

副会長（ホッ）

茶道部長「はぁぁ…」

286 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]：2013/01/15(火) 22:08:59.87 ID:a5phG4FIo

司会女「そしてラストはミスター第１位！今年の混戦の中王座を射止めたのは…」

（ドラムロール）

会長（頼むから俺だけはやめてくれ…）

副会長書記会計（会長だとおもしろいん（だけどなあ）（ですけどねえ））

茶道部長（あんな男と並ぶのは御免被りたいわ…）

つづく！

287 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/01/15(火) 22:11:21.21 ID:EeQ37kBWo

つづけ！

288 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/01/15(火) 22:12:30.79 ID:QfUB51FGo

乙乙

289 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/01/26(土) 03:37:12.99 ID:/ifdHP6AO

おつ

290 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/02/09(土) 15:51:53.38 ID:ukYKP8jAO

続きはよ

291 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/03/01(金) 09:05:32.38 ID:moQvkDs8o

生きてるか？

292 ：1 [sage]：2013/03/01(金) 09:46:30.77 ID:jW1tEi1Qo

おまたせしてすまんです。生きてます。
というか前回の投下直後に帯状疱疹が判明して死んでました、が正しいですが。
ようやく体調が戻ってきましたのでちょこちょこと書き溜め始めました。
しばしのお待ちをいただければと。

293 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/03/01(金) 12:58:33.09 ID:moQvkDs8o

無事で何より。
気長に待ってるので、無理せずよろ〜

294 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/04/19(金) 16:00:11.96 ID:bcAncN9ho

まだ行ける？