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新・ほむら「ボクらの太陽……？」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/17(日) 00:18:04.59 ID:DtJxSssw0


GBAソフト「ボクらの太陽」シリーズとまどか☆マギカのクロスSS


１週目

ほむら「ボクらの太陽……？」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1333384821/


２週目（初日～決戦前夜）

続・ほむら「ボクらの太陽……？」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1336577187/


※注意事項


　　物語　　　　：ワルプルギスナイト
　　
　　用語解説　　：SS-Wiki

　　難易度　　　：ナイトメア




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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 ＠ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする（´；ω；｀）part56 ばばあ化気味 ＠ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
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君が望む永遠～Latest Edition～ ＠ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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笑えるな 君のせいだ ＠ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 ＠ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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トーチャーさん「超Ａ級スナイパーが魔王様を狙ってる？」〈ゴルゴ13inひめごう〉 ＠ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです ＠ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「２号線」【コンマ判定新鉄・関東】 ＠ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713736565/

2 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/17(日) 00:19:19.77 ID:DtJxSssw0



続・第２９章　「強くあること」



3 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/17(日) 00:21:24.81 ID:DtJxSssw0


おてんこ「もう一度……作戦を確認しておく」


　　「…」ｺｸﾘ



決戦の日、太陽少年と魔法少女は出撃を前にほむらの家で最後の調整をしていた。



おてんこ「まず隊列についてだが……」

おてんこ「杏子、さやか」

おてんこ「２人はワルプルギス本体に接近して、直接奴を叩いてくれ」


杏子「おう」


さやか「ああ」


4 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/17(日) 00:22:57.44 ID:DtJxSssw0


おてんこ「マミ」

おてんこ「お前は前衛の援護、主に使い魔の殲滅に当たってくれ」


マミ「分かったわ」


おてんこ「そして……ジャンゴにほむら」

おてんこ「お前達は遊撃だ」

おてんこ「前衛から後衛へと、状況によって援護から攻撃までこなしてもらう。いいな？」


ほむら「ええ」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ


5 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/17(日) 00:25:02.09 ID:DtJxSssw0


おてんこ「次に、具体的な作戦についてだ」

おてんこ「奴……インキュベーターから聞いたように」

おてんこ「ワルプルギスの夜は人々の絶望を喰うことによって、その力を増す」

おてんこ「特に、戦闘中はその強化は加速度的に行われる」

おてんこ「何も対策をしなければ……我々の勝利はまずあり得ない」

おてんこ「だが、この状況を打開する鍵がある」

おてんこ「……それが太陽だ」

おてんこ「お前達も見たように太陽の光を持ってすれば穢れの浄化は可能だ」

おてんこ「ワルプルギスに太陽光を照射し、奴の強化を無効化する」

おてんこ「そうすれば、我々にも勝機が見えてくる」


6 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/17(日) 00:27:21.90 ID:DtJxSssw0


マミ「でも、もう外は曇ってて……太陽も隠れているわよ」


さやか「確かに、これから嵐ってのに」

さやか「太陽の光なんてどうやって集めるんだよ？」


おてんこ「それなら問題ない」

おてんこ「戦闘の際は、私が雲の上から太陽の光を中継する」

おてんこ「その光をパイルドライバーによって増幅し、奴に当てる」


杏子「……ねぇ、気になってたんだけどさ」


おてんこ「何だ？」


7 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/17(日) 00:28:35.43 ID:DtJxSssw0


杏子「あの機械を使うってのはいいんだけど」

杏子「アレって小さすぎない？」

杏子「ここにある資料じゃ、ワルプルギスの夜ってのはビル以上の大きさみたいだし……」

杏子「ほむら、アンタもそう思うだろ」


ほむら「……ええ」

ほむら「アイツの巨大さは普通の魔女の比じゃない」

ほむら「見た限りでは、とてもあの魔法陣に収まるとは思えないわ」


おてんこ「無論、その対策もしてある」


8 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/17(日) 00:29:35.31 ID:DtJxSssw0


さやか「対策って……どんな？」


おてんこ「パイルドライバーを強化するのだ」


杏子「そんなことできんのかよ」


おてんこ「……ああ」

おてんこ「パイルドライバーとは太陽のエネルギーを集めて増幅する魔法機械」

おてんこ「当然、太陽の光が強くなればその威力を増す」

おてんこ「お前達が見たのは、あくまでパイルドライバーの１つの形でしかない」

おてんこ「その気になればあの比でない程、巨大な魔法陣を展開することも可能だ」


9 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/17(日) 00:31:03.49 ID:DtJxSssw0


マミ「じゃあ、あの時は力を抑えて召喚したってことなのね？」


おてんこ「……残念ながらそうでもない」

おてんこ「私ひとりの力ではあの大きさが限界なのだ」


ほむら「…」

ほむら「パイルドライバーは強化できても、貴方にはその力がない」

ほむら「結局……何もできないってことじゃない」


おてんこ「確かにな」

おてんこ「だが……それはあくまで私１人で起動した場合だ」

おてんこ「私と同等の力を持ったモノがあれば、話は違う」


10 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/17(日) 00:32:43.04 ID:DtJxSssw0


杏子「アンタ達以外に、助けが来るっていうのか？」


おてんこ「いや……我々にはこれ以上の戦力は望めない」


さやか「なら、その力を持ったモノって何？」


おてんこ「ちょっとした仕掛けだ」


ほむら「仕掛け？」


おてんこ「事前にワルプルギスが来ること知っていた我々は」

おてんこ「一月かけて、町中に中継器を仕掛けた」


マミ「それで一体、何ができるの？」


おてんこ「中継器はその名の通り、それ単体では何の役にも立たない」

おてんこ「せいぜい太陽エネルギーを溜めこむぐらいだ」


11 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/17(日) 00:34:21.87 ID:DtJxSssw0


ほむら「どうしてそんなものを……」


おてんこ「しかし、これにパイルドライバーを組み込めば話は違う」

おてんこ「先ほども言った通り、供給するエネルギーが大きくなれば」

おてんこ「パイルドライバーはより大きく、強力になる」

おてんこ「つまり……」

おてんこ「私の力に加え、新たにエネルギーをつぎ込めばパイルドライバーを強化することが出来るのだ」


12 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/17(日) 00:35:57.72 ID:DtJxSssw0


杏子「それで…その中継器っての仕掛けたわけか」


おてんこ「そうだ」

おてんこ「中継器を用いれば中継器が蓄えたエナジーを私の力に上乗せできる」

おてんこ「そして……我々の仕掛けた中継器には1月分の太陽エネルギーが蓄えられている」

おてんこ「そいつを町中に何十基も設置したのだ」

おてんこ「ワルプルギスの夜を封じ込めるくらいの大きさなら、全く問題ない」


　　　　　
　　　　グ　オ　オ　オ　オ　オ　ォ　ォ　ォ　ォ　ォ　　　



話し終えたと同時に、不気味な風鳴りが部屋に響き渡った。


13 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/17(日) 00:37:51.84 ID:DtJxSssw0


おてんこ「……来たみたいだな」


　　　　「…」


おてんこ「これ以上話している時間はない」

おてんこ「行くぞ！」


　　　　「…」ｺｸﾘ



少女達が決戦の地へ赴く覚悟を決めたとき、


　　　　バタン


　　　　「！」



不意に扉が開き、何者かが入ってくる。


14 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/17(日) 00:39:06.94 ID:DtJxSssw0
　

　「「「「「「まどか（鹿目さん）！？」」」」」」



まどか「はぁ……はぁ……」



ジャンゴ達の前に現れたのは、息を切らせたまどかであった。



ほむら「どうしてここに？！」


マミ「避難所にいなきゃダメじゃない！」


まどか「……ごめん…なさい」

まどか「でも……やっぱり、来なきゃダメだと思って」


15 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/17(日) 00:40:45.24 ID:DtJxSssw0


杏子「……分かってるとは思うけど」

杏子「あたし達の戦いに付いてきたりはしないよね」


さやか「そうだよ……まどか」

さやか「まどかには危険な目にあってほしくない」

さやか「やっぱり……あたしは大切な人を守るために戦いたい」

さやか「全ての人を助けるのはムリかもしれない。でも……」

さやか「せめて自分の近くの人だけでも守りたい、守らせてほしんだよ」


まどか「うん……分かってる」

まどか「わたしはみんなに守られている。みんながいるから生きていられるって」


16 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/17(日) 00:42:01.94 ID:DtJxSssw0


まどか「でも…そうだから、ここへ来たの」

まどか「わたしは一緒に戦うことは出来ないけど……」

まどか「みんなを信じて待ってる。絶対に契約なんかしない、って伝えるために」


ほむら「まどか……」


まどか「だから、いってらっしゃい」

まどか「わたしはここで待ってるよ。みんなの帰りを信じて」


　　　「…」


17 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/17(日) 00:43:58.68 ID:DtJxSssw0


おてんこ「それがお前の答えか……」

おてんこ「強くなったな、まどか」


まどか「ううん、わたしなんか全然……」

まどか「みんなに頼ることしかできてないよ」


おてんこ「いや、お前は強くなった」

おてんこ「自らの弱さを認め、必要とあれば他人を頼る」

おてんこ「それは……簡単なようでいて、本当は難しいことなのだ」

おてんこ「強さとは、敵を打ち負かすだけを指すのではない」

おてんこ「希望を託して待ち続けることもまた、強さだ」


まどか「…」


18 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/17(日) 00:45:09.65 ID:DtJxSssw0


ジャンゴ「……まどか」

ジャンゴ「これから始まる戦いは……長く、厳しいものになると思う」

ジャンゴ「でも、ボクらは必ず戻ってくる」

ジャンゴ「君に希望を、未来を届ける役目が残っているから」

ジャンゴ「戦いが終わるその時まで」

ジャンゴ「どうか、君も……」

ジャンゴ「太陽と共にあらんことを」


第２９章・了


19 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]：2012/06/17(日) 00:49:10.86 ID:DtJxSssw0
その手は何のためにある？


　『後は、手を伸ばしてそれを掴みとるだけだ！！』


次回：「ワルプルギスの夜」



※一週間経ったので、書き溜めが進んだところまで頑張ります
　更新が途切れたらストックが無くなったという事なので、ご理解下さい
20 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2012/06/17(日) 01:05:49.98 ID:6fms2C0Eo
新ほむ来たぁ！
乙
21 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]：2012/06/17(日) 06:24:05.10 ID:JoVlBeJQo
ｷﾀ━━━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━━━ !!!!!
22 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/06/17(日) 07:03:47.98 ID:TrWq3XTTo
来たか
>>1乙
23 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/06/17(日) 09:09:35.31 ID:bafIDTY90
待っていた、待っていたぞ！
>>1乙うううう！！
24 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2012/06/17(日) 13:31:36.79 ID:L60pPzwI0
いつも心に>>1乙を！
25 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]：2012/06/17(日) 14:10:05.51 ID:DT2di0wXo
>>1乙はうつむかへん！
26 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/06/17(日) 22:51:41.84 ID:MXpu5SFDO
>>1新ほむ乙！
27 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/19(火) 00:32:01.29 ID:kmB8LIqC0



続・第３０章　「ワルプルギスの夜」



28 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/19(火) 00:33:08.02 ID:kmB8LIqC0


杏子「ここだな」


マミ「…ええ」


ジャンゴ「…」



まどかに別れを告げたジャンゴ達は、ワルプルギスの出現予測ポイントに来ていた。


29 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/19(火) 00:34:15.07 ID:kmB8LIqC0


ほむら「もう、嵐は来ている……」

ほむら「いつ奴が来てもおかしくないわ」


さやか「へへ……」


杏子「どうした、さやか」

杏子「怖気づいたのか？」


さやか「少し……ね」


ほむら「無理して戦う必要はないわ」

ほむら「貴方の言葉だけでも私は戦えるから」


30 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/19(火) 00:35:49.24 ID:kmB8LIqC0


さやか「ううん、一緒に戦うよ」

さやか「ここで逃げ出したりなんかしたら……一生後悔する」

さやか「結果がどうであれ、きっとまた自分を責めると思うんだ」

さやか「だから……私は戦う」

さやか「今日のみんなのために、明日の自分のために」


マミ「そうね……ここで引いたら後悔するものね」

マミ「でも安心して、私達がそんなことさせないわ」

マミ「魔法少女４人と太陽少年が揃ったんだもの、向かうところ敵なしよ」


さやか「…マミさん」


31 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/19(火) 00:37:04.34 ID:kmB8LIqC0


おてんこ「ふっ……そうだな」

おてんこ「これだけ集まって負ける方がおかしい」

おてんこ「さぁ、これが最後の戦いだ！」

おてんこ「全てはこの戦いの結果で決まる」

おてんこ「奴を倒して希望を、太陽を掴め！」

おてんこ「我々の求める明日は目前に迫っている」

おてんこ「後は、手を伸ばしてそれを掴みとるだけだ！！」



　　ゴ　オ　オ　オ　オ　オ　ォ　ォ　ォ　ォ　ォ　ォ



獣の鳴き声のような風鳴りが、静まり返った町に響き渡る。


32 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/19(火) 00:40:21.04 ID:kmB8LIqC0


　　　　　　　　「！」



その場にいる全員が、増幅する魔力の波動を肌で感じた。



マミ「まだ姿を現していないのに……なんて威圧感なの」


杏子「これが奴の気配か……」


さやか「なかなか……手強そうだね」


おてんこ「覚悟はいいな？」


ほむら「……来る」


ジャンゴ「…」


33 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/19(火) 00:43:50.26 ID:kmB8LIqC0




⑤




ほむら「今度こそ絶対に……」ｼｭﾝ　ｶﾀｶﾀｶﾀ




④




マミ「これがあなたの……負けていられないわね」ｼｭﾝ　ｼｭﾝ




③




杏子「そうだな」ｼﾞｬｷ




②




さやか「行くよ」ｼﾞｬｷｯ




①





おてんこ「行くぞ！ ジャンゴ！！」


ジャンゴ「…」ｼﾞｬｷ






　　　　「キャハハハハハハハハハハハハハハハハハ」






34 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/19(火) 00:45:17.69 ID:kmB8LIqC0


耳につく甲高い笑い声と共に最強の魔女は姿を現した。



さやか「あれが……」


マミ「ワルプルギスの夜」



ドレスを着た女性が逆さまになったような姿は、一般で言うところの〔魔女〕に近かった。

しかし、普通の人間ならば他の魔女より多少は親近感を感じるであろうその姿は、



杏子「…っ」


ほむら「…」



人とかけ離れた容姿を持つ魔女と戦ってきた彼女達にとっては異様なモノでしかなかった。


35 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/19(火) 00:47:31.92 ID:kmB8LIqC0


おてんこ「いいか、よく聞け！！」



一同が息をのむ中、おてんこが声を張り上げる。



おてんこ「作戦通り、パイルドライバーで奴に流れむ絶望を浄化しながら戦う」

おてんこ「しかし…あの巨体を封じ込めるほどの大きさになると召喚に時間がかかる」

おてんこ「私はこれから町に仕掛けた全ての中継器をリンクさせ、エネルギー供給システムを構築する」

おてんこ「リンクが形成され次第、パイルドライバーの召喚に入る」

おてんこ「とにかく……お前達は時間を稼いでくれ！」

おてんこ「頼んだぞ！！」


36 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/19(火) 00:48:42.34 ID:kmB8LIqC0


杏子「任せとけ！！」

杏子「行くぜ！ さやか！！」ﾀﾞｯ


さやか「応ッ！！」ﾀﾞｯ



おてんこの言葉を聞き、前衛２人は魔女に向かって突撃していく。



マミ「さて、あの娘達を援護しなくちゃいけないわね」ｼｭﾀｯ



マスケットを携えたマミも２人を援護すべく、その場を後にした。


37 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/19(火) 00:50:57.33 ID:kmB8LIqC0


ジャンゴ「……行こう、ほむら」

ジャンゴ「この戦いですべてを終わらせる。そして……」

ジャンゴ「君の、ボクらの夢見る明日を手に入れるんだ！」


ほむら「ええ」

ほむら「今度こそ勝ってみせる」

ほむら「何があっても……必ず！」



おてんこ「さあ、行け！ 運命に抗いし者達よ！！」

おてんこ「その力を以って運命を克服してみせろ！！」



ジャンゴ＆ほむら「…」ｺｸﾘ


ジャンゴ＆ほむら「…」ﾀﾞｯ




　　　「キャハハハハハハハハハハハハハハハハハ」




少年の約束と、少女の想いを賭けた戦いの火蓋が切って落とされた。


38 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/19(火) 00:53:20.03 ID:kmB8LIqC0


さやか「ハッ！！」ﾋｭｯ


杏子「やっ！！」ﾌﾞﾝｯ
　　　
　
　
飛び出した２人は勢いをそのままに、ワルプルギスに斬りかかる。


　　　ザシュッ　　　　グサッ
　

　　　「キャ……ハッ……」



魔女は２人の加速のついた攻撃を真正面から受け止めるが、



　　　「キャハハハハハハハ」



全くもってダメージを受けている様子は無かった。


39 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/19(火) 00:55:38.45 ID:kmB8LIqC0


杏子「クソッ…」


さやか「攻撃が……効いてない」



２人は敵の予想外の固さに息を呑むが、



杏子「……勝負はまだ始まったばかりだ」

杏子「こっちの攻撃が効かないってんなら……」


さやか「効くまで殴り続けるまでッ！！」



再び魔女へと攻撃を仕掛ける。


40 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/19(火) 00:57:57.07 ID:kmB8LIqC0


　　　「キャハハハハハハハハ」

　　
　　ヒュン　　　ヒュン　　　ヒュン


向かってくる少女達を確認した魔女は触手を伸ばして牽制する。



杏子「…っ」ｻｯ


　　ガンッ


さやか「…！」ｼｭﾀｯ


　　ズドォン


杏子「遅い！」ﾋｭｯ


　　キンッ



２人は飛んでくる触手をあしらいながら魔女に接近、



杏子「喰らえ！！」


　　
攻撃を食らわせようとする。


41 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/19(火) 01:00:04.16 ID:kmB8LIqC0


しかし、



さやか「杏子！！」


杏子「！」


　　「グォォオオオ」



ワルプルギスへの集中が仇となり、自身の背後に迫った使い魔への反応が遅れる。



杏子「くっ…」



彼女は被弾を覚悟するが、


　　　　ズドォォン


　　「ギャァアアア！！！」
　

　　　　「！？」



使い魔は攻撃を加える前に爆発し、四散する。


42 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/19(火) 01:01:54.75 ID:kmB8LIqC0


さやか「これは……」



爆発のした方向には、



杏子「マミ！！」


マミ「ふっ……」ｼｭｰｰ



煙を上げるマスケットを構えたマミの姿があった。


43 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/19(火) 01:03:17.55 ID:kmB8LIqC0


マミ「使い魔は私の担当よ」

マミ「背中は任せてあなた達は本体を叩くことに集中しなさい！」

マミ「来るわよ！！」



　　　「キャハハハハハ、アハッハアハハ」



　　ヒュン　　ヒュン　　ヒュン　　ヒュン



　「ギュォオオ」　「グォオオオ」　「ギャアアアア」



新たな魔法少女の参戦を目にした魔女は、狂ったような笑い声を上げて攻撃を仕掛けてくる。


44 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/19(火) 01:05:52.94 ID:kmB8LIqC0


杏子「多いな…」ｻｯ

　
　　ガンッ


さやか「くっ…」


　「ギャァ……」ｻﾞｸｯ


マミ「…っ！」ﾀﾞﾝｯ　ﾀﾞﾝｯ



先程とは比べものにならない猛攻に３人は押され始めるが、


　　　　
　　 　ドンドンドンドン　バァン



　「グワァ……」　　「ギャァア……！」


　　
　　 ﾃｭﾝ　ﾃｭﾝ　ﾃｭﾝ　ﾃｭﾝ　ﾃｭﾝ　ﾃｭﾝ



　ズガッ　　　　ドォン　　　　ゴォォン



背後からの援護によって窮地を脱する。


45 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/19(火) 01:07:05.85 ID:kmB8LIqC0


さやか「お前ら！」


ほむら「…」


ジャンゴ「…」



そこには太陽と月、対なるマフラーを身に着けた少年と少女が佇んでいた。



杏子「助かったぜ」


マミ「ありがとう。２人とも」


ほむら「礼なんていらないわ」

ほむら「とにかく、油断しないで」

ほむら「戦いはまだ始まったばかりだから」


さやか「そうだね」

さやか「こんなとこで苦戦している訳にはいかないもんね」


ジャンゴ「さあ、行こう！」

ジャンゴ「ボクらの戦いはここからだ！！」



明日を掴むべく、少年達は最強の魔女へと向かって行った。


46 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/19(火) 01:08:57.85 ID:kmB8LIqC0


少年達と魔女の戦いは続く。



　　　「キャハハハハハハハハハ」


　　ヒュン　　　ヒュン　　　ヒュン　　



マミ「…っ！」ﾀﾞﾝｯ　ﾀﾞﾝｯ


　　　ズガァン


マミ「……逃した」


ほむら「問題ないわ」ｽﾞﾄﾞｫﾝ


　　　バァン　　　


杏子「くっ…」ｶﾝｯ

杏子「さやか！！」


　　　ガスッ


47 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/19(火) 01:10:35.79 ID:kmB8LIqC0


さやか「了解！」ダッ


　　「ギャハ！！」


さやか「！」


ジャンゴ「…」ﾃｭﾝ　ﾃｭﾝ


　　「グワッ……」


ジャンゴ「行け！」


さやか「はぁあああああ！！！！」


　　　　　ザシュッ　


　　「ギャァァアアアア！！！！」


48 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/19(火) 01:11:58.70 ID:kmB8LIqC0


杏子「よし！」


マミ「！」

マミ「みんな、伏せて！！」



　　　「キャハハハアハハハアハハ！！！！！」


　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ


　　　　　　　　　「！」


　　　　ズドォォォォオオオオオオオン



　　　　　「キャハハハハハハハハハハ」


49 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/19(火) 01:12:54.54 ID:kmB8LIqC0


マミ「みんな……大丈夫？」


さやか「はい…」


杏子「何とかな」


マミ「そっちは？」


ほむら「……大丈夫」


ジャンゴ「・・・」


杏子「全員……無事みたいだな」


ほむら「ええ」


50 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/19(火) 01:14:40.95 ID:kmB8LIqC0


杏子「それにしても何やってんだ、あの野郎」

杏子「いつになったら準備が整うんだよ」

　
　　『呼んだか？』


　　　「！？」



杏子が悪態をつくと何処からか声が響いてくる。



マミ「この声は！」


ジャンゴ「……おてんこさま」


さやか「でも、どうして……」

さやか「あんたテレパシーは使えないはずじゃ」


おてんこ『これはテレパシーではない』

おてんこ『お前達の近くにある中継器から声を送っているだけだ』


51 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/19(火) 01:17:47.47 ID:kmB8LIqC0


おてんこ『そんなことより、パイルドライバーの召喚準備が整った』　　　


ほむら「本当に？」


おてんこ『嘘などついてどうする？』


さやか「じゃあ早く召喚してよ」


おてんこ『そう焦るな。召喚にはまだ必要なことがある』


マミ「必要なこと？」


おてんこ『パイルドライバー自体はいつでも召喚可能なのだが』

おてんこ『対象の……ワルプルギスの夜の座標が安定しない』

おてんこ『もし捉え切れないとなると、パイルドライバーに奴を押し込こむ必要がある』

おてんこ『その場合、対象がパイルドライバー中心に来た瞬間にジェネレータを起動しなければ』

おてんこ『完全に太陽パイルに封じ込めることは出来ないのだ』


52 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/19(火) 01:18:59.56 ID:kmB8LIqC0


杏子「てことは……あたし達に奴の動きを止めろってわけ」


おてんこ『そうだ……だが、１つ問題がある』

おてんこ『パイルドライバーが起動していられる時間が未知数なのだ』

おてんこ『ワルプルギスの夜がとてつもない量の穢れを溜めこんでるとしたら』

おてんこ『奴を浄化するために放出されている太陽パイルが浸食される』

おてんこ『そして、限界まで浸食が進むとパイルドライバーは強制終了してしまうのだ』


ほむら「それじゃあ、全く役に立たないじゃない」


おてんこ『それはあくまでも何もしなかった場合だ』

おてんこ『パイルドライブ中に奴に攻撃を加えれば浸食の速度を緩和することができる』


さやか「つまり、パイルドライバーを召喚したとしても……」


マミ「攻撃を与えなければ強制的に終了してしまうというわけね」


53 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/19(火) 01:20:29.60 ID:kmB8LIqC0


杏子「だったら、この中の誰かがあいつの足を止める」

杏子「そんでパイルドライバーを召喚した後、残りの奴らが一気にケリを付ける」

杏子「それでいいな？」


さやか「問題は誰が残るかだけど……」


ジャンゴ「それなら……」


おてんこ『いや、ダメだ』

おてんこ『お前は究極太陽弾（ワイルドバンチ）を放つのに必要だ』


ジャンゴ「…っ」


54 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/19(火) 01:22:04.77 ID:kmB8LIqC0


ほむら「……私が行くわ」


　　　「！」　


さやか「…ほむら」


杏子「いいのか？」


ほむら「佐倉杏子と美樹さやかは足止めするにしても奴に近づきすぎる」

ほむら「そして、太陽少年はこの役目を担うことはできない」

ほむら「この中では私が一番の適役だわ」


マミ「待って……私も行くわ」

マミ「その条件の中に私は含まれていない」

マミ「マスケットとリボンは、きっとあなたの役に立つはずよ」


ほむら「いいえ、私１人で行くわ」

ほむら「その方が失敗したときのリスクが少ないもの」


マミ「でも……」


55 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/19(火) 01:22:56.43 ID:kmB8LIqC0


ほむら「安心しなさい。私には時間停止がある」

ほむら「それに……奴とは何度も戦ってきた」

ほむら「今更１人でも、どうってことないわ」


マミ「…」


おてんこ『……話はついたようだな』

おてんこ『ほむら、頼んだぞ』

おてんこ『この戦いの勝敗……全てはお前にかかっている！』


ほむら「ええ」


おてんこ『後の者は私のところへ来てくれ、誘導する』


　　「…」ｺｸﾘ


おてんこ『作戦開始だ！！』


第３０章・了


56 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]：2012/06/19(火) 01:23:59.14 ID:kmB8LIqC0
召喚せよ！


　『彼女が隙を作ってくれる。その時を信じて待つんだ』


次回：「起動」
57 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/06/19(火) 08:13:13.50 ID:EW7IxQTIO
乙
ヘルを倒したワイルドバンチか…
あのときはサバタもいたな…
58 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/06/19(火) 08:43:06.41 ID:xJfyuMOUo
乙
ていうか今回のパイルドライバーは無印仕様か
59 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/06/19(火) 11:59:10.96 ID:HsCnLrXDO
乙

台風近づいてる中で読むとちょっと臨場感ある
60 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]：2012/06/19(火) 16:53:55.27 ID:r7Ym3BEAO
パイルドライバーの新たな可能性に胸熱
61 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]：2012/06/19(火) 20:05:27.74 ID:EF4+f3Hzo
乙
とうとうボクほむも三作目か、次も楽しみにしてる
62 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]：2012/06/19(火) 22:09:00.06 ID:zXf6V1w50
今夜の投下は嵐の中だな
63 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/20(水) 01:14:35.36 ID:xyp2NVIA0



続・第３１章　「起動」



64 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/20(水) 01:18:16.22 ID:xyp2NVIA0


ほむら「…」ﾀﾞｯ



足止め役を買って出た少女はワルプルギスへと一直線に向かう。



　　　「キャハハハハハハハハハハハ」



　　　　　ヒュン　　　　ヒュン



　　「ギャハハハ」　　「オ　オ　オ　オ」　　　



向かってくる魔法少女に対して、魔女は触手や使い魔を飛ばす。


65 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/20(水) 01:19:45.54 ID:xyp2NVIA0


ほむら「…っ」ｻｯ

　　　
　　　ガァアアン


ほむら「…っ」ﾀﾞﾝｯ　ﾀﾞﾝｯ　ﾀﾞﾝｯ

　
　　　ズドォォオン


　　「ギャァ……」　



彼女も銃火器を使って抵抗するが、



　　「グォオオオ！！！」ｻｯ


　　　ドォォオオン


使い魔を一匹、撃ち漏らしてしまう。


66 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/20(水) 01:23:45.71 ID:xyp2NVIA0


ほむら「！」

ほむら「くっ…」ｼｭﾝ



危険を感じた彼女はとっさに拳銃を取り出し、



ほむら「はぁああああ！！」ﾊﾟｧﾝ ﾊﾟｧﾝ ﾊﾟｧﾝ ﾊﾟｧﾝ ﾊﾟｧﾝ ﾊﾟｧﾝ ﾊﾟｧﾝ ﾊﾟｧﾝ


　「ギャハ、ハハハ…アハｈ……ハハ………」



迫りくる使い魔に全ての弾をぶち込む。



ほむら「はぁ…はぁ……」ｼｭｰｰ



使い魔を倒したことを確認すると、


　　　ドサッ


ほむら「くっ…」ﾀﾞｯ



役目を終えた拳銃を棄て、魔女へと向かっていった。


67 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/20(水) 01:28:27.18 ID:xyp2NVIA0

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


おてんこの下へ集まったジャンゴ達はパイルドライバー発動後の計画を聞いていた。


おてんこ「いいか、良く聞け」

おてんこ「パイルドライバーで奴を浄化すれば、穢れの蓄積による奴の強化を食い止めることができる」

おてんこ「しかし……それはあくまでも妨害工作だ」

おてんこ「当然、攻撃を仕掛けなければ奴を倒すことは出来ない」


杏子「そんなの分かってる」

杏子「さっきも言ってじゃないかよ」


おてんこ「慌てるな。話は最後まで聞け」

おてんこ「確かに……攻撃を加えなければパイルドライブが強制終了すると言った」

おてんこ「しかし、問題はそこじゃない」

おてんこ「攻撃をすること自体には変わらないが、その攻撃方法に問題があるのだ」


68 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/20(水) 01:30:37.40 ID:xyp2NVIA0


さやか「攻撃方法？」


おてんこ「お前達の攻撃では奴の体力を削りきるのは難しい」

おてんこ「不可能ではないだろうが……時間がかかりすぎる」

おてんこ「そこで、我々はワイルドバンチを使う」


マミ「ワイルドバンチ……それは？」


おてんこ「ジェネレーターが増幅させたエネルギーを太陽銃で撃つ」

おてんこ「太陽のかけらを撃ち込む、究極の技だ」


69 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/20(水) 01:32:29.09 ID:xyp2NVIA0


さやか「で、それにはどうすればいわけ？」


おてんこ「奴を封じ込める大パイルドライバーの内部に通常のパイルドライバーを召喚する」

おてんこ「お前達にはその……小パイルドライバーに出現する球状のジェネレーターに魔力を注入してもらう」

おてんこ「後はジャンゴ、お前がワイルドバンチを放つんだ」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ


おてんこ「とにかく今は待機だ」

おてんこ「彼女が隙を作ってくれる。その時を信じて待つんだ」

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


70 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/20(水) 01:35:24.20 ID:xyp2NVIA0
　　　

　　　「キャハハハハハハハ」



ほむら「…」



向かってくる使い魔や触手を押し切ったほむらは、魔女に肉薄していた。



ほむら「…！」ﾀﾞﾝｯ　ﾀﾞﾝｯ



彼女は至近距離でロケット弾を発射する。


71 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/20(水) 01:36:47.06 ID:xyp2NVIA0


　　ズドォオオン

　　　　　　　　　　　ガァァアアン


　　　「ギャ……ガハッ……」



その弾は直撃するが、



　「キャハハハハアハハッハッハ」



魔女はダメージを受けた素振りを見せない。


72 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/20(水) 01:39:46.86 ID:xyp2NVIA0


ほむら「…っ」



弱らせて動きを鈍らせることは不可能と判断し、波状攻撃で態勢を崩す作戦に切り替える。

作戦の変更を決めたほむらは、



ほむら「…」ｶﾁｯ


　　「キャハハハアハ………」


ほむら「…」ｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀッ



時間を止め、有りっ丈の装備を辺りにばら撒いた。


73 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/20(水) 01:42:15.09 ID:xyp2NVIA0


ほむら「…」



彼女はそれらを手に取り、



ほむら「…」ﾀﾞﾝｯ



最強の魔女に向かって弾を撃つ。


　　　　ピタッ　　　


撃ち出された弾は時間停止の影響を受けて中空で停止する。



ほむら「…」ﾀﾞﾝｯ　ﾀﾞﾝｯ　ﾀﾞﾝｯ



それに構わず、彼女は次から次へと撃ち続けた。


74 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/20(水) 01:51:11.42 ID:xyp2NVIA0


空中で静止した弾の数は次第に増え、遂には空を覆い尽くした。



ほむら「…」ｶﾁｯ



彼女はその様子を確認し、時を動かす。



　　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ



止まっていた弾は一斉に動きだし、その標的たるワルプルギスの夜へと向かって行く。


75 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/20(水) 01:53:37.93 ID:xyp2NVIA0


しかし、彼女は



ほむら「…」ｶﾁｯ



自身が放った弾が着弾するのを見届ける前に、再び時を止める。

そして、先程と同様に



ほむら「…」ﾀﾞﾝｯ　ﾀﾞﾝｯ　ﾀﾞﾝｯ



魔女に向かってバズーカをぶっ放す。


76 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/20(水) 01:57:30.68 ID:xyp2NVIA0


ほむら「…」ｶﾁｯ

ほむら「…」ﾀﾞﾝｯ　ﾀﾞﾝｯ　ﾀﾞﾝｯ

ほむら「…」ｶﾁｯ


　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ


ほむら「…」ｶﾁｯ

ほむら「…」ﾀﾞﾝｯ　ﾀﾞﾝｯ　ﾀﾞﾝｯ

ほむら「…」ｶﾁｯ


　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ


ほむら「…」ｶﾁｯ

ほむら「…」ﾀﾞﾝｯ　ﾀﾞﾝｯ　ﾀﾞﾝｯ



時間を止めては銃を撃って、また時を動かす。

それを手持ちの弾がなくなるまで繰り返した彼女は、



ほむら「…」ﾎﾟｲｯ



バズーカ砲を投げ棄てワルプルギスを正眼に捉る。

そして、



ほむら「喰らいなさい」ｶﾁｯ



時間停止を解除した。


77 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/20(水) 02:00:27.58 ID:xyp2NVIA0


溜まりに溜まったロケット弾は時間の縛りから解放され、



　ズ　ガ　ガ　ガ　ガ　ガァァァァァァァァァァァアアアアアン



　　　　「ギャァァァァァァアアアアア！！！」



その砲火でワルプルギスを包み込む。　


78 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/20(水) 02:02:17.03 ID:xyp2NVIA0


　　　　　「キャハ……キャハハハ……」



直撃を受けた魔女はその場から離れようとするが、



　　　　　「ギャァァアアアﾞアﾞ……………」



　ズ　ガ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴォォォォォォォォォオオオオン

　
　　　　　　　　　　ズダダダダダダダダダダ　
　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　　　　　　　　　
　ガァアアアア

　　　　　　　ズ　ガ　ガ　ガァァァァ　ズガ　ガ　ガ　ガ　ガァ　ァァァ


ズ　ガ　ガ　がァァァァアアアアアン

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ドォォオオオオオオン　　　　　　　　　　　　　

　　　　　ズ　ド　ド　ド　ド　ド　ド　ド　ド


　ズ　ガ　ガ　ガ　ガ　ガァァァァァァァァァァァアアアアアン



次々に襲いかかってくる砲弾の雨にその動きを止められてしまう。


79 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/20(水) 02:05:44.03 ID:xyp2NVIA0


ほむら「今よッ！！」



動きの止まったワルプルギスを確認したほむらは声を張り上げ、合図を送る。

その直後、




　　　「太陽ぉーーーーーーーーーーーーーー！！」



　
パイルドライバーの召喚を告げる掛け声が町に響き渡った。


80 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/20(水) 02:08:46.05 ID:xyp2NVIA0


　　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ



魔女を中心にして、中空に魔法陣が展開する。

中継器のエネルギーによって強化された魔法陣は町全体を覆うほどの大きさであった。

魔方陣に遅れ、



　　　　ジャキッ　ジャキッ　ジャキッ　ジャキン



　　　　　　　　ガチャン　ガタッ
　　　　　
　　

巨大なジェネレーターが魔女の四方に顔を出し、一斉に起動状態に入る。


81 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/20(水) 02:09:54.25 ID:xyp2NVIA0


そして、



　　「「太陽ぉぉぉぉぉぉおおおおおおお！！！！」」



　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ


　
　　　「ギャァァァァァアアアアアアア！！！！！！」



魔女はジェネレーターから放出される太陽パイルに閉じ込められた。


82 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/20(水) 02:12:34.70 ID:xyp2NVIA0


ほむら「これで……」



パイルドライバー発動を見届け一息ついたとき、



　　「ギャァアア！！」


ほむら「！」



背後から使い魔の残党が襲いかかってきた。



ほむら「…っ！」



銃弾を使い果たしていた彼女は盾から手榴弾を取り出し、投げつける。



　　ドォオオオン


　　「グワァ゛……」



投げ出された爆弾は使い魔に着弾、爆炎をまき散らした。


83 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/20(水) 02:14:07.55 ID:xyp2NVIA0


ほむら「はぁ……はぁ…」



敵を片付けたほむらは仲間に合流しようと、その場を後にする。

しかし、



　　「ガァゴォオオ」


ほむら「なっ！？」



爆発を受けたはずの使い魔が息を吹き返し、背を向けた彼女に攻撃を仕掛けた。


84 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/20(水) 02:16:31.12 ID:xyp2NVIA0


　　「グォォオオオ！！」


ほむら「かっ……はっ……」ﾄﾞﾝｯ



窮地を脱した安心感から油断したほむらは直撃を受けて吹き飛ばされる。


　　
　　ヒュゥゥゥ　　　ドゴォオオン



飛ばされた彼女はビルの残骸に突っ込み、沈黙した。


第３１章・了


85 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]：2012/06/20(水) 02:17:03.26 ID:xyp2NVIA0
戦友の想いをのせて……


　『撃て！！ ジャンゴ！』


次回：「希望の光」
86 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/06/20(水) 04:22:10.72 ID:+4/LY2Oh0
乙
使い魔ェ・・・
87 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]：2012/06/20(水) 10:06:59.62 ID:1WKXcSggo
乙
88 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]：2012/06/20(水) 10:08:35.41 ID:+PLsGYbyo
使い魔珍しく奮闘するじゃん
乙
89 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/06/20(水) 11:45:12.15 ID:s4crbKNDO
乙
そらナイトメアなら耐久力も上がってるよね
90 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/06/20(水) 15:47:03.15 ID:Lo747qLg0
来たか！
91 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/21(木) 00:06:43.06 ID:8zldejUi0



続・第３２章　「希望の光」



92 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/21(木) 00:10:32.55 ID:8zldejUi0


　　　「「「「「ほむら（暁美さん）！！！」」」」」



ジャンゴ達は宙に浮かぶ魔法陣の上から、ほむらが吹き飛ばされるのを目の当たりにする。



杏子「クソっ！」


さやか「待ってろ、ほむら！ 今、行くから！！」


マミ「私も行くわ！」



仲間の危機を救うべく少女達は魔法陣から飛び降りようとするが、



おてんこ「ダメだ！ 持ち場を離れるな！！」



太陽の精霊によって制止されてしまう。


93 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/21(木) 00:12:36.77 ID:8zldejUi0


さやか「どうして！！」

さやか「助けに行かないつもりなの！？」


おてんこ「……ああ」


ジャンゴ「…」


杏子「このまま何もしなかったら」

杏子「アイツ……死んじまうかもしれないんだぞ！」


おてんこ「そうだ。彼女は自らの命を賭して我々に機会をくれた」

おてんこ「この意味が分かるか？」


マミ「そんなのどうだっていいわ！ 今は彼女の命の方が大事なの！！」


94 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/21(木) 00:16:55.20 ID:8zldejUi0


ジャンゴ「マミ………ほむらは覚悟を決めたんだ」

ジャンゴ「時間を巻き戻せる彼女なら、生き残ればまたやり直せる」

ジャンゴ「たとえ負けてしまったとしても……もう一度、この１ヶ月を繰り返すことができる」

ジャンゴ「でも、彼女はそうはしなかった」

ジャンゴ「一歩間違えれば繰り返してきたことの全てが水の泡になってしまうのに」

ジャンゴ「命を賭けてボク達に希望を託してくれた」

ジャンゴ「それは他でもない彼女の意志、ボクらにワルプルギスを倒してほしいという願いなんだ」

ジャンゴ「だから……ここを離れるわけにはいかない」

ジャンゴ「ほむらの想いに応えるなら、ここで……終わらせなきゃいけないんだ」


おてんこ「彼女の救出に向かいたい気持ちは痛いほど良く分かる」

おてんこ「だが……本当に彼女のためを思うなら」

おてんこ「分かってくれ……」


95 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/21(木) 00:21:38.24 ID:8zldejUi0


マミ「…」


杏子「……分かったよ」


さやか「うん…」


おてんこ「私はこれからワイルドバンチに必要なジェネレーターを新たに召喚する」

おてんこ「ジェネレーターは、我々が立っている小パイルドライバーの四方に設置される」

おてんこ「お前達はそれらに魔力を注入し、エネルギーを増幅させてくれ。いいな？」


　　　「…」ｺｸﾘ


おてんこ「行くぞ！！」




おてんこ「太陽ぉーーーーーーー！！！」




　　シャキン　シャキン　シャキン　シャキンッ


　　　　　
巨大な魔法陣の一部、小さなパイルドライバーのそのまた一角に球状の物体が出現した。


96 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/21(木) 00:25:39.42 ID:8zldejUi0
　

　　「ギャァア！？ グワァア゛ア゛ア゛ア゛！！！！！」


　　　　　　ガンッ　　ガンッ　　ガンッ


　　　　　ジュゥォォォォオオオオオオオオオ



新たな装置に危険を感じた魔女は、太陽パイルに閉じ込められつつも暴れまわる。


　　
　　　　　ギ　ギ　ギ　ギ　ギ　ギ　ギ　ギ　ギ　　　　　　　



それに従い、パイルがその先端からゆっくりと黒く濁り始めた。


97 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/21(木) 00:33:52.64 ID:8zldejUi0


おてんこ「……パイルの浸食が始まった」

おてんこ「時間がない！ 急いでワイルドバンチの準備にかかるんだ！！」



おてんこの指示通り、３人の魔法少女はそれぞれ球状のジェネレータの後ろに待機する。



おてんこ「始めてくれ！！」



おてんこは小パイルドライバーの中心に移動すると、合図を送った。



マミ「行くわよ！」


杏子「おう！」


さやか「はい！！」



合図を受けた少女達は目の前の球体に魔力を込め始める。



　　　　　　ビィーーーーー



魔力の注入されたジェネレーターはパイルドライバーの中心に向かってエネルギーの放出を開始した。


98 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/21(木) 00:36:30.04 ID:8zldejUi0


おてんこ「ヌッ…」



太陽の使者は放出されるパイルを受け取り、そのエネルギーを凝縮させる。

そして、全ての準備が整った後、



おてんこ「ジャンゴ！ 後は頼んだ！！」



太陽少年に指示を出す。


99 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/21(木) 00:43:29.06 ID:8zldejUi0


ジャンゴ「…」ｼﾞｬｷ



少年は太陽銃の銃口をおてんこに向け、



　　　　ギュィィィィィィィィン



凝縮されたエネルギーを収束させる。


　
　　　ギュォォォオオオオオオオオオオオオ



パイルドライバーの中心には球状のエネルギー体が形成され、おてんこを飲み込むが、


　　　
　　ギュゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ



ジャンゴは構わずエネルギーを収束させ続ける。


100 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]：2012/06/21(木) 00:46:02.08 ID:52njZzJ2o
テルテルボーズかけときますね
101 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/21(木) 00:46:07.24 ID:8zldejUi0


ジャンゴ「…っ」



エネルギーの余波により太陽銃が熱を帯び始めた頃、



　　ゴ　ガ　ガ　　　ガ　　　ガ　　　　ガ　　　　　ガ　　　　　　ガ



太陽のかけらはジャンゴの体の倍以上の大きさになり、その膨張を止めた。



　　　「撃て！！ ジャンゴ！」



光の中からおてんこが声を張り上げる。


102 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/21(木) 00:48:23.03 ID:8zldejUi0


マミ「お願い！ ジャンゴ君！！」


杏子「行け！ ぶっ放せ！！」


さやか「そうだ！ これで終わらせるんだ！！」



それに続いて、少女達も少年に声をかける。


103 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/21(木) 00:50:09.65 ID:8zldejUi0


ジャンゴ「行くぞ！！」



期待を一身に背負った少年は目の前の魔女に照準を合わせ、



ジャンゴ「うぉぉぉおおおおお！！！！」ｶﾁｯ



太陽銃（ガン・デル・ソル）の引き金を引いた。


104 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/21(木) 00:52:44.16 ID:8zldejUi0


　　　ゴォォォォォオ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　オ



　　　「グワァア゛ア゛！！ グワァア゛ア゛！！！！！」



撃ち出された太陽のかけらは一直線にワルプルギスの夜へと向かって行き、


　　
　ズドォォォォォォォ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　ン



　　　　「ギャァァァァアアアアア……………………」



着弾した。


105 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/21(木) 00:54:26.78 ID:8zldejUi0
　

　ゴオオオオォォォォ　ォ　ォ　ォ　ォ　ォ　ォ



ジャンゴ「…っ」


おてんこ「ぐっ…」


マミ「きゃ！」


杏子「くっ…！」


さやか「…！」



同時に衝撃波が発生し、ジャンゴ達を襲う。


106 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/21(木) 00:56:59.23 ID:8zldejUi0


　　「・・・」



衝撃波が止むと、辺りは静まり返る。



さやか「魔女は！？」


おてんこ「やったのか？」



大パイルドライバーの中心は土埃が舞い、魔女の姿を確認することは出来なかった。
　　

107 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/21(木) 00:58:52.95 ID:8zldejUi0


しかし、


　　
　　「グォォォオオオ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　オ」



土煙の向こうから聞こえてくる呻り声が、彼女がいまだ健在であることを伝えていた。



さやか「そんな……」


マミ「ダメなの？」


杏子「……なんでだよ」


おてんこ「狼狽えるな！！」

おてんこ「一発でダメなら、二発目……それでダメなら三発目だ！」

おてんこ「絶対にここで奴を沈める！」

おてんこ「落ち込んでいる暇があったら、次弾の用意をしろ！！」


108 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/21(木) 01:00:31.81 ID:8zldejUi0


マミ「そうね……」


杏子「ああ……行くぜ」


さやか「今度こそ、終わらせるんだ」



おてんこの叱責によって魔法少女達は再び、ジェネレータジェネレーターへの魔力供給を開始する。



ジャンゴ「…」ｼﾞｬｷ



　　　　　ギュィィィィィィィィン



太陽少年もエネルギーを収束させ、太陽のかけらを生成する。


109 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/21(木) 01:02:52.18 ID:8zldejUi0


　　　　ギュォォォオオオオオオオオオオオオ



チャージは順調に進み、ワイルドバンチが再装填されるまであと少しになったとき、


　　
　　「キャハ…キャハハハハハハハハハハハハハ！！！！」


　　　　　ジュゥォォォォオオオオオオオオオ



魔女が甲高い笑い声を上げ始める。



　　ギ　ギ　ギ　ギ　ギ　ギ　ギギギギギギギギギギギギ　　　

　
　　　　　　　「！？」
　　


それに伴い、ワルプルギスを拘束していた太陽パイルの浸食される速度が一気に上昇した。


110 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/21(木) 01:05:03.20 ID:8zldejUi0


おてんこ「これは……」


杏子「何だ？！」


マミ「何が起こってるの！？」


おてんこ「奴の力が増している……いや、違う！」

おてんこ「パイルドライバーの出力が下がっているんだ！！」


さやか「パイルドライバーが！？ どうして！！」


おてんこ「光だ！ 太陽の光が弱まってる！！」

おてんこ「気づかないうちに日没が迫って来ていたんだ！」


さやか「そんな、ここまで来て……」


杏子「クソッ……アイツのくれたチャンスをムダにしちまったのかよ」


マミ「ごめんなさい。暁美さん……」


111 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/21(木) 01:06:08.36 ID:8zldejUi0


ジャンゴ「諦めるな！！」

ジャンゴ「まだ太陽は沈んじゃいない！」

ジャンゴ「これが最後の弾になろうとも……まだボクらの負けが決まったわけじゃない」

ジャンゴ「この一撃にすべてを賭けるんだ！」


おてんこ「そうだ！ まだ終わっちゃいない！！」

おてんこ「日が沈む前、パイルドライバーが強制終了する前に」

おてんこ「太陽のかけらを奴に撃ち込むんだ！」

おてんこ「行くぞッ！！」


112 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/21(木) 01:09:17.09 ID:8zldejUi0


　　　　「キャハハハハハハハハハハハハハ」


　　　　　ギギギギギギギギギギギギギギギ



さやか「はぁああああ！！！」


杏子「うぉおおおおおお！！」


マミ「はぁぁぁぁあああ！！」



３人は持てる魔力をすべてジェネレーターに注ぎ込む。



おてんこ「ヌォッ…！」



それによって、増幅された太陽エネルギーが一気におてんこへと流れ込んでいく。


113 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/21(木) 01:13:22.79 ID:8zldejUi0


おてんこ「うぉぉぉおおおおお！！！！」



　　ギュゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　　ゴ　　ゴ　　ゴ　　ゴ　　ゴ



太陽の使者は受け取ったエナジーを凝縮、その密度を上昇させた。



ジャンゴ「くっ……」ｶﾞﾀ ｶﾞﾀ ｶﾞﾀ ｶﾞﾀ


　　　
膨大なエネルギーを制御する太陽銃は振動を始める。



　　「キャハハッハハアッハハハハハハアハハハ」


　　ギギギギギギギギギｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞ



対する魔女もパイルの浸食速度を速め、拘束から逃れようともがく。


114 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/21(木) 01:14:57.88 ID:8zldejUi0


そして……



　　　ギ　　ガ　　ガ　　　　ガ　　　　ガ　　　　　ガ　　　　　　ガ　　　　　　ガ



時間との闘いの中、遂にワイルドバンチが発射可能となった。



　　　ｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞ　　　バキンッ



　　　　　　ヒュゥーーン　　　ガタン


　　
　　　　「キャハハハハハハハハハ！！！！！」



同時にパイルドライバーが機能を停止し、最強の魔女が解き放たれる。


115 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/21(木) 01:17:11.02 ID:8zldejUi0


おてんこ「逃がすな！ 撃てッ！！」


ジャンゴ「くっ…」ｶﾞｶﾞｶﾞｷﾞｯ



少年は暴れまわる太陽銃を押さえつけながら、銃口を魔女へ向けると、



ジャンゴ「うぉぉぉおおおおおお！！！！」ｶﾁｯ



引き金を引いた。


116 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/21(木) 01:18:44.35 ID:8zldejUi0




　　　「「「「いっけえええええぇぇぇぇぇぇぇぇ！！！！！！！！」」」」




　　ズガガ　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ　　ガ　　ガ　　ガ　　ガ　　ガ　　　ガ　　　ガ




少年と少女達の想いをのせた光弾はワルプルギスの夜へと一直線に飛んで行く。　


117 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/21(木) 01:20:36.97 ID:8zldejUi0


おてんこ「よし！」


杏子「これで…」


マミ「終わる」



撃ち出された希望の光に勝利を確信したとき、



　　　　「ギャハハハハハハハハハ」


　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ


　　　　　　　　「！？」



魔女が『動いた』。


118 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/21(木) 01:22:49.38 ID:8zldejUi0


　　ギュゥォォォォォオオオオオオ　オ　オ　オ　オ　　オ　　オ



ワルプルギスの倒立とともに、凄まじい衝撃波が巻き起こる。



　　　　　　　　　　 ゴォゥン　　



　　ギンッ　ギギギギギギギ　ギ　ギ　ギ　ギ　ギ　　ギ　　ギ　




魔女へと向かっていた太陽のかけらはその衝撃波にぶつかり、


　　　　　　　　　　　ガンッ　　
　

　　ギュゥォォォォオオオ　オ　オ　　オ　　オ　　オ　　　オ



弾き返される。


119 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/21(木) 01:24:30.77 ID:8zldejUi0


　「なっ！？」　「えっ？」　「これは……」　「どういう」　　　　　　　
　

　　　　　　　　　　　 「…っ」

　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　
反射された太陽弾は発射地点の小パイルドライバーに向かって飛翔し、

　


　　ズドォォォォォォォ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　ン



　　
　　　「「「「「う゛あああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！」」」」」



呆然とするジャンゴ達を巻き込んで消滅した。


120 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/21(木) 01:28:18.39 ID:8zldejUi0


　　　　ピシ　　　　　ピシ　



おてんこが吹き飛ばされたことにより、パイルドライバーにも限界が訪れる。



　　ピシ　　　ピキッ　　ピキッ
　　　


魔法陣に入った亀裂がどんどん大きくなり、最後には、



　　　　　　パキンッ



跡形もなく砕け散った。


121 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/21(木) 01:29:06.95 ID:8zldejUi0


満月の昇る夜の町に残ったのは、



　　「キャハハハハハハハハハハアッハハハアハハハハハハ」



夜の名を冠した魔女ワルプルギスの夜、ただ１人であった。


第３２章・了


122 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]：2012/06/21(木) 01:32:46.49 ID:8zldejUi0
まだ……戦える


　『もう……私達に勝ち目なんてないじゃない』　


次回：「不屈の闘志」



※無くなりました。一週間ほど時間を下さい
123 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]：2012/06/21(木) 01:56:08.45 ID:zZ5u5paoo
乙
自分のペースでいいよ
124 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]：2012/06/21(木) 05:03:33.77 ID:I2Z0gY350
乙。まだ満月があるからダイジョーブ？
125 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/06/21(木) 06:27:50.04 ID:qbyHDN4Zo
乙
126 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]：2012/06/21(木) 16:10:22.63 ID:H+CfJ9HAO
助けて兄さん
127 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ：2012/06/21(木) 16:29:54.11 ID:07NmA8dp0
これは、ジャンゴ3週目突入か？
128 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]：2012/06/21(木) 23:45:05.86 ID:xUGzTlpF0
乙
まだだ、まだ衛星軌道上の太陽光直射がある
129 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2012/06/22(金) 00:09:10.13 ID:nzgKzzfUo
そういえば一作目って全部書き溜めだったの？
130 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga　sage]：2012/06/22(金) 07:34:19.55 ID:PTj3hmDt0
>>129
　１週目は完結させてから投下
　２週目は２０章ぐらいまで書き溜めてから投下しました
131 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]：2012/06/27(水) 22:43:26.48 ID:tKeKanNB0
明日で一週間…
そろそろ続きできる頃かな
132 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/28(木) 00:05:18.31 ID:mimqYAcC0



続・第３３章　「不屈の闘志」



133 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/28(木) 00:06:35.12 ID:mimqYAcC0


おてんこ「……大丈夫か？ お前達…」


ジャンゴ「うっ……」


さやか「…っ」



おてんこの呼びかけにジャンゴとさやかが反応を示す。



おてんこ「良かった……無事だったか」

おてんこ「後の２人は……」



同じく吹き飛ばされたであろうマミと杏子を探して辺りを見回すと、



マミ「」


杏子「」



少し離れたところに倒れた２人の姿が確認できた。


134 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/28(木) 00:08:12.81 ID:mimqYAcC0


さやか「マミさん！ 杏子！！」



２人を見つけたさやかは猪の一番に駆け出し、２人のもとへ向かっていった。



マミ＆杏子「」


さやか「・・・」


おてんこ「どうだ？ ２人の様子は」


ジャンゴ「…」



彼女に遅れて、ジャンゴ達も２人のもとへたどり着く。


135 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/28(木) 00:11:06.83 ID:mimqYAcC0


さやか「怪我は大したことないから、気絶しているだけみたいだけど……」


おてんこ「何かあるのか？」


さやか「ソウルジェムが……」



彼女の言葉を受け、倒れている少女達のソウルジェムを確認すると



おてんこ「これは！？」


ジャンゴ「…っ」



魔女化する寸前まで黒ずんでいた。



さやか「そして、あたしのもこんなに……」



マミ達を看ていたさやかは、自分のソウルジェムを見せる。



ジャンゴ＆おてんこ「・・・」



それも他の２人と同様に濁っていた。


136 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/28(木) 00:15:34.28 ID:mimqYAcC0


さやか「どうしてこんな……」


おてんこ「考えられる原因は……パイルドライバーシステムの崩壊だな」


さやか「どういうこと？」


おてんこ「お前達はワイルドバンチを放つために、ジェネレーターに魔力を注入していた」

おてんこ「この時、ジェネレーターを通じて一時的にエネルギー供給システムにリンクしていたんだ」

おてんこ「そして……最後の一撃のとき」

おてんこ「ワルプルギスの攻撃を受けてパイルドライバーは消滅、同時にシステムも破壊された」

おてんこ「おそらくは、その余波で残ってた魔力を根こそぎ持って行かれたのだろう」


さやか「そんな……」


137 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/28(木) 00:19:38.56 ID:mimqYAcC0


おてんこ「予備のグリーフシードはないのか？」

おてんこ「それさえあれば、まだ……」


さやか「ある……けど、１つだけ」

さやか「他のは吹き飛ばされたときにどっかにいっちゃって」


おてんこ「……そうか」

おてんこ「どうやら、援護は期待できそうにないみたいだな」

おてんこ「覚悟はいいか？ 太陽少年」


ジャンゴ「おてんこさまこそ」


おてんこ「ふっ……心配するまでもなかったか」

おてんこ「さやか、２人を頼んだ」

おてんこ「行くぞ！ 太陽少年！！」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ


138 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/28(木) 00:24:25.99 ID:mimqYAcC0


ジャンゴ「…」


　　　「キャハハハハハハハハ」



月夜に浮かぶ魔女を見据え、少年達が戦いに赴こうとしたとき、



さやか「待って」



少女によって引き止めらる。



おてんこ「どうした？ 何か問題でもあるのか」


さやか「どうした……って、あんた達まだ戦うつもりなの？」

さやか「ほむらは使い魔にやられて行方不明、マミさんと杏子は戦闘不能」

さやか「全力で放ったワイルドパンチも跳ね返されて」

さやか「おまけに、１ヶ月かけて準備したパイルドライバーも壊された」

さやか「もう……私達に勝ち目なんてないじゃない」


139 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/28(木) 00:26:02.62 ID:mimqYAcC0


おてんこ「そうかもしれない。だが……」

おてんこ「我々はまだ勝利を諦めてはいない」

おてんこ「終わってみなければ、結果なんて誰にも分からないだろう？」


さやか「でも……この状況でアイツと戦うなんて」

さやか「それこそ、死にに行くようなもんじゃない」


ジャンゴ「違うよ、さやか」

ジャンゴ「ボクらは死にに行くんじゃない。明日を掴むために戦うんだ」

ジャンゴ「たとえ今日がどんなに苦しくとも」

ジャンゴ「明日を信じて今を生き抜けば、必ずまた朝は来る」

ジャンゴ「ボクはまだ……明日を、未来を、勝利を諦めたくない」


140 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/28(木) 00:27:42.84 ID:mimqYAcC0


さやか「…」


おてんこ「それに……まだ可能性がないわけじゃない」

おてんこ「奴はパイルドライバーに拘束されワイルドバンチの直撃を受けたんだ」

おてんこ「確実に溜めこんだ穢れが浄化され、弱体化しているはず」

おてんこ「そこを叩けば勝機はある」


さやか「それでも、あんた達だけでなんて……」


おてんこ「心配するな」

おてんこ「我々だけで大丈夫だ」

おてんこ「それに……まだ奥の手が残っているしな」


さやか「奥の手？」


141 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/28(木) 00:29:11.61 ID:mimqYAcC0


おてんこ「まあ……見てのお楽しみだ」

おてんこ「行くぞ！ ジャンゴ！！」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ



ジャンゴはおてんこの呼びかけに応じると、



ジャンゴ＆おてんこ　「「太陽おおおぉぉォォ！！！」」



トランスを発動した。



さやか「…っ！」



少年達からほとばしる光が周囲の景色をぼやけさせる。


142 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/28(木) 00:30:55.66 ID:mimqYAcC0


光が止むと、そこには



　　　「………」



黄金の輝きを纏った太陽の化身の姿があった。



さやか「これが……」


　　　「………」



太陽の化身ソルジャンゴは、突然の変化に呆然とする少女を見据える。



さやか「……分かったよ。マミさん達は任せて」



その意図を読み取ったさやかは目の前の少年に応える。


143 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/28(木) 00:33:08.16 ID:mimqYAcC0


　　　「………」ｺｸ


　　　「……ハッ」ﾀﾞｯ



彼女の返答に満足したソルジャンゴは両足に力を込めて一気に跳び上がった。



　　　「………」


　　「キャハハハハハハハハハアハハハハハ」



宙を舞う彼の瞳は満月を背にする最強の魔女、ワルプルギスの夜を捉えていた。


144 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/28(木) 00:38:24.00 ID:mimqYAcC0


　　「ハァァァァァァ」ｷﾞｭｵﾝ　ｷﾞｭｵﾝ



跳び上がった太陽の化身は両手のに光球を作り出すと、



　　　「ハァッ！！」ｺﾞｩﾝ



目の前の魔女へと投げつける。



　　ﾋｭｰｰｰｰ　　ズドッ ズドォォン



放たれた光弾は正立するワルプルギスに直撃した。

しかし、



　　「キャハハハハハハハハハハッハ」


　　ヒュン　　ヒュン　　ヒュン　　ヒュン



彼女はそれを意に介せず、触手を飛ばして反撃してくる。


145 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/28(木) 00:40:25.10 ID:mimqYAcC0


ソルジャンゴは向かってくる触手に対し、



　 　「……」ｻｯ
　

　　ドォォォン


１本目は身をよじって回避。



　　「ヤッ！ ハッ！！」ｶﾞﾝ　ﾊﾞｷｯ

　　
　　ズダァン　　ドゴォン


続く２、３本目は軌道を逸らして、あしらう。

最後の１本は、



　　　「ウォォォォ……」ｷﾞｭｲﾝ　　



光弾を作り出し、



　　　「ハァァァアアアア！！！！」ｺﾞｫﾝ



　　　　ズガァァァアアアアアアン



　　「ギャァァァァアアアア゛ア゛ア゛ア゛！！！」



破壊する。


146 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/28(木) 00:42:09.51 ID:mimqYAcC0


そのまま怯んだ魔女へと突っ込み、



　　「ハァッ！！」



体当たり攻撃、ソルフレアを仕掛ける。


　　　 ガンッ


　　「ギャァ……」



凄まじい速度のタックルを食らった魔女は、後ろへ大きく仰け反った。
　

147 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/28(木) 00:46:23.58 ID:mimqYAcC0


　　「ヤッ！！」ｷﾞﾝｯ


　　「グワッ……！」



仰け反った魔女に追撃を食らわせ、その行動を封じると、



　　「ハッ！」


　　「ヤッ！！」


　　「ホッァ！！」


　
次々に攻撃を繰り出し、連続攻撃に入る。


148 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/28(木) 00:49:56.44 ID:mimqYAcC0


　　　　ガンッ


　　「グワッ…」


　　　　ガンッ


　　「ギャァッ…！」


　　　　ギンッ


　　「ア゛ア゛アァァァ゛」



態勢を崩された魔女はソルジャンゴの猛攻に晒される。

魔女を圧倒した太陽の化身は、



　　「ハァッ！ ハッ！！ ハァアア！！！」


　 　　　ガキッ　ガキッ　ガキンッ　


　　　「ギャ…ガッ……グォォォオオ」



ソルフレアを連発し、反撃の機会を与えなかった。


149 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/28(木) 00:52:57.22 ID:mimqYAcC0


　　　「ハァアアアアア！！！」



勝負をつけようと全身にエネルギーを充足させたとき、



　　　「ギャァアア！！」　


　　　「グォオオオ！！」　


　　　「ギャアアアア！！」


　　　　　　「！」


背後から魔女が放った刺客、使い魔が襲い掛かってきた。


150 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/28(木) 00:55:16.26 ID:mimqYAcC0


　　　「グァッ……！」ｻﾞｸｯ　ｻﾞｼｭ
　


油断していたソルジャンゴは使い魔に取りつかれ、攻撃を受ける。



　　　「ウオオォォォォ……」



窮地に陥った太陽の化身は蓄えた力をエネルギー波に変換し、



　　「ハァァァァアアアアアア！！！！」



敵を焼き尽くすソルプロミネンスを放った。


151 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/28(木) 00:57:41.26 ID:mimqYAcC0


　　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴゴゴゴゴゴゴォォォン　



　「ガッ……」　「ギャァア゛ア゛ア゛…」　「グギャァ……」



エネルギー波によって、取り付いていた使い魔達は一瞬で消滅する。



　　　　「ハァ……ハァ…」


　　　「ウオオォォォォォォ！！」



エネルギーを浪費した太陽の化身は魔女を倒すべく、チャージを再開する


152 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/28(木) 00:59:28.18 ID:mimqYAcC0


しかし、



　　　「キャハハハハハハハハハハ！！！！」


　　　　　　　　　「！」
　　　


ソルフレアの連続攻撃から逃れた魔女が態勢を立て直し、



　　　　シュ　シュ　シュ　シュ　シュ　シュン



大量の触手を放って攻撃してきた。


153 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/28(木) 01:05:05.13 ID:mimqYAcC0


　　　　「ウッ……」ｼﾞｭｼｬ


　　　「ハァアアアア！！！」


　ゴ　ゴ　ゴ　ゴゴゴゴゴゴゴォォォン



ソルジャンゴはダメージを受けながらもソルプロミネンスで、向かってくる触手を焼き払う。



　　　「ギャァアア！！」



身体を焼かれた魔女が怯んだのを確認すると、



　　　ヒュン　　ヒュン


　　　　「クッ……」ｻｯ　ｶﾞﾝｯ


　　ドォォン　　ズダァン

　

残りの触手を回避しながら魔女に急接近する。


154 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/28(木) 01:06:42.38 ID:mimqYAcC0


懐に入り込んだソルジャンゴは魔女の反応できないスピードで肉薄、



　　　「ハァァァァ………」ｷﾞｭｵﾝ



右手に太陽のかけらを生成し、



　　　「ハァァァアアアア！！！」

　

その胸に打ち込んだ。



　　　「ギャァァァァァァアアアアアアアアア！！！！！」



かけらを押し付けられた魔女は内部からその身を焼かれる。



　　　　ジュォォォオオオオオオオオオオオオオオ



魔女の体からは穢れが浄化されていることを示す黒煙が立ち上っていた。


155 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/28(木) 01:08:36.09 ID:mimqYAcC0


　　　「「うぉぉぉぉぉおおおおおおおお！！！！！！」」



魔女を浄化しつくそうと、さらなるエネルギーをかけらに送り込む。



　　ジュォォォオオオオ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　オ



　　　　「ギャ……ハハハハ………キャハハハ………」
　　　
　　　

浄化の光を受けた魔女はその力の源である穢れを浄化され、弱りはじめる。



　　　「はぁぁぁぁぁぁああああああああああ！！！！」


　　　　　　「ギャ…………キャ……………」
　　　


太陽の化身は止めの一撃を放つために全ての力を右腕に集中させる。


156 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/28(木) 01:10:58.48 ID:mimqYAcC0


チャージが終了し、全てのエネルギーを解放しようとしたとき、

　　　　

　　　　　「！」



自身の力が急速に衰退するのを感じた。


　　
　　　「これは！？」



太陽のような身体の輝きも、いつの間にか鈍い輝きに変わっている。



　　　「時間……切れ」



それはトランスの終了を知らせる合図であった。


157 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/28(木) 01:13:31.24 ID:mimqYAcC0


　　　「まだだ！！」


　　　「「うぉぉぉぉぉおおおおおお！！！！」」



太陽の化身は残された時間で決着をつけようと、霧散していくエネルギーを必死に集める。

しかし、弱まった力で浄化できるはずもなく、



　　　「キャハ……キャハハハハハハハ」


　　　　　　　ヒュンッ


息を吹き返した魔女に反撃を許す。


158 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/28(木) 01:16:21.51 ID:mimqYAcC0


　　　　「！」
　　　

　　　　　ガキッ


　　　「ぐはっ……」　



弱体化したソルジャンゴは向かってくる触手の直撃を受け、


　　　　　ﾋｭｰｰｰｰﾝ　　　　
　　

　　　ズドォォォォォォン


吹き飛ばされた。


第３３章・了


159 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]：2012/06/28(木) 01:17:18.22 ID:mimqYAcC0
敗北、その先には……


　『諦めるのか？ 太陽少年』


次回:「絶望」
160 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2012/06/28(木) 01:28:08.25 ID:nxnFbQ91o
やだ次回予告不吉
乙
161 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/06/28(木) 09:17:48.16 ID:TusMvGhIO
乙
こんなラスボスしてるワルプルギス初めて見る
162 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]：2012/06/28(木) 10:46:37.26 ID:tY9onYo90
乙
トランスは強力な代わりに使える時間短いから、長期戦には向かないな
163 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/29(金) 00:58:40.39 ID:KQRfhHdo0



続・第３４章　「絶望」



164 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/29(金) 01:03:25.70 ID:KQRfhHdo0
　　

　
　　　　「ここは……」


　　　　「そうだ、私は使い魔にやられて」


　　　　「・・・」


　　　　「結局、私にはできなかったんだ」


　　　　「私にはワルプルギスを倒すことも……まどかを救うことも」


　　　　「ごめんね、まどか」


　　　　「後はみんながやってくれるはずだから」


　　　　「私は……これで」



　　　　『どうするというのだ？』



　　　　「！」



165 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/29(金) 01:06:05.99 ID:KQRfhHdo0


　
　　　　「誰！？」



　　　　『俺か？』
　

　　　　『俺はお前と同じだ』


　　　
　　　　「同じ？」
　　


　　　　『そう……全てを犠牲にしてでも、たった１人を救おうとした愚か者だ』


　　　　
　　　　「…」



　　　　『俺には彼女を救うこと……』


　　　　『人としての生はおろか、その死までも迎えさせてやることは出来なかった』



　
166 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/29(金) 01:09:07.33 ID:KQRfhHdo0



　　　　『お前はどうなんだ』


　　　　『この程度で諦めるほど』


　　　　『お前の覚悟は生易しいものだったのか？』



　　　　「でも、私にはもう……」



　　　　『力が欲しいというなら……くれてやる』


　　　　『その力を以って、愛しき者ために絶望へと立ち向かうか』


　　　　『それとも……全てを諦め、安寧とした死に身を委ねるか』


　　　　『今、ここで決めろ！』



　　　　「私は……」



167 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/29(金) 01:11:40.75 ID:KQRfhHdo0


さやか「そんな……」



太陽の化身と最悪の魔女との戦いを眺めていた少女は、



さやか「……どうして」



最後の希望が打ち砕かれるを目の当たりにする。



　　 　ヒュゥゥゥゥゥゥ



吹き飛ばされた太陽の化身は彼女に向かって飛翔し、



　　　ズドォォォォォォン



さやか「なっ…！！」



その近くに落下した。



さやか「ジャンゴ！！」



少女は少年達の無事を確かめるために落下地点へと駆け出す。


168 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/29(金) 01:13:32.21 ID:KQRfhHdo0


さやか「ジャンゴ！ おてんこ！」



少年達は落下の衝撃でできたクレーターの中心に倒れていた。



さやか「しっかりして！」



揺すり起こそうとするが、



ジャンゴ「」


おてんこ「」



彼らが目を覚ます気配はなかった。


169 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/29(金) 01:15:01.14 ID:KQRfhHdo0


さやか「…っ」

さやか「待ってて！ 今、治すから」



少女は懐から最後のグリーフシードを取り出しソウルジェムを浄化。



さやか「…」



満身創痍のジャンゴ達を治療すべく、魔法を発動した。


　　　パァァァアアア


ジャンゴ「」


おてんこ「」



さやかの発する癒しの光が２人を包み込み、その傷を塞いでいく。


170 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/29(金) 01:16:14.04 ID:KQRfhHdo0


さやか「くっ……」



少年達の傷が塞がっていくにつれ、彼女のソウルジェムは濁る。

そして、



ジャンゴ「…」


おてんこ「…」



治療が終了する頃には、



さやか「…」



元の黒ずんだ色に戻っていた。


171 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/29(金) 01:19:52.63 ID:KQRfhHdo0


ジャンゴ「うっ…」


おてんこ「……っ」



治癒魔法が終了すると同時に、ジャンゴ達は意識を取り戻す。



さやか「気が付いた？」


ジャンゴ「…さ…やか？」


おてんこ「お前が……助けてくれたのか」


さやか「……うん、傷は治療できたけど」

さやか「グリーフシードはもう……」

　
　　「・・・」



少年達は、穢れを吸い尽くしたグリーフシードを目の当たりにする。


172 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/29(金) 01:23:03.23 ID:KQRfhHdo0


おてんこ「……ここにいるということは」

おてんこ「我々はやられてしまったのか……」


ジャンゴ「…」


さやか「…」


おてんこ「現状……戦力として数えられるのは太陽少年のみ」

おてんこ「だが、ジャンゴ１人ではあいつには到底適わない」

おてんこ「パイルドライバーシステムの復旧もほぼ不可能」

おてんこ「仮に修復できたとしても……」

おてんこ「太陽が沈んだ今、使い物にはならない」

おてんこ「そして、頼みの綱のトランスまでも打ち破られた」

おてんこ「もう……我々に打つ手は残されていない」


173 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/29(金) 01:28:21.17 ID:KQRfhHdo0


さやか「そんな、嘘でしょ……」

さやか「ホントに何もできないっていうの？」


ジャンゴ「認めたくない……」

ジャンゴ「けど、これは紛れもない事実なんだ」

ジャンゴ「彼女との約束をボクは……」



少年が右手の拳を握りしめながら俯いたとき、




　　　「諦めるのか？ 太陽少年」




ガレキの落とす陰の中から何者かに呼びかけられる。


174 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/29(金) 01:30:33.81 ID:KQRfhHdo0


ジャンゴ「！」


おてんこ「その声は……」


さやか「ほむら！！」



その声は行方不明になっていた魔法少女のものだった。　　



さやか「無事だったの！？」


　　　「……どうだかな」

　　　「果たして、この状態が無事だと言っていいものか」


さやか「えっ……」


おてんこ「どういう意味だ？」


　　　「こういうことだ」
　　　　
　　
　
少女は陰の中から歩み出てくる。


175 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/29(金) 01:32:43.30 ID:KQRfhHdo0


おてんこ「なっ！？」


ジャンゴ「これは…」　　　


さやか「ほむら……なの？」



月明かりの下に晒された少女の姿は少年達の知っているものではなかった。



　　　「フッ……」　　



その黒く長い髪は青紫に、瞳は深い緋色に染まっていた。


176 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/29(金) 01:37:17.09 ID:KQRfhHdo0


さやか「あんた……それ…」


　　　「分かっただろ」

　　　「俺はお前達の思い描いている人間ではない」


おてんこ「じゃあ、お前は一体……」


　　　「忘れたのか？」

　　　「幾度もお前達の前に立ちふさがり、退けられてきた相手を」


ジャンゴ「それは…」


　　　「戦って戦って戦い抜いて……」
　
　　　「その先に何が待っていようとも……決して諦めない」

　　　「諦めないその心こそが、お前にとって最大の武器になる」

　　　「この言葉まで忘れたとは言わせないぞ、ジャンゴ」


おてんこ「その言い方……」


ジャンゴ「……まさか」


177 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/29(金) 01:39:43.99 ID:KQRfhHdo0
　

　　　「ようやく気づいたようだな」
　
　　　「俺はお前を倒すために用意された闇の戦士、暗黒少年」

　　　「そして、お前の兄……」



ジャンゴ＆おてんこ「サバタッ！！」



サバタ「フッ……」



月光に煌めくマフラーをたなびかせながら、少女の姿をした少年は口元を歪めた。


第３４章・了


178 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]：2012/06/29(金) 01:41:08.89 ID:KQRfhHdo0
今こそ、友の力を借りる時


　『まだ居るだろ？ この問題を解決することができる者達が』


次回：「仲間」
179 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/06/29(金) 02:09:29.16 ID:A6O+NSIto
乙
お兄ちゃんが来てくれた！
180 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]：2012/06/29(金) 07:29:58.92 ID:tU5Y+wJPo
いいね、熱いね！
乙
181 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2012/06/29(金) 15:01:06.62 ID:wgvEJcVN0
乙
兄貴が来たか！
182 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]：2012/06/29(金) 20:02:30.54 ID:hEKdwn+m0
乙
まさかのサバタトランスとか胸熱
183 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/06/29(金) 20:09:14.29 ID:+T5Bn0gDo
いや、サバタはトランス出来ないよね
共闘なら胸熱。乙
184 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/30(土) 00:11:37.80 ID:G+L84Uni0



続・第３５章　「仲間」



185 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/30(土) 00:15:26.72 ID:G+L84Uni0


さやか「どういう……こと？」

さやか「なんでこいつの兄貴が出てくるんだよ」

さやか「ほむらはどうしちゃったのよ！」


おてんこ「そうだ」

おてんこ「どうして死んだはずのお前がここに居る？」

おてんこ「そして……何故、ほむらの体を使っているか」

おてんこ「説明してもらうぞ、サバタ」


サバタ「ああ…」


186 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/30(土) 00:18:45.51 ID:G+L84Uni0


サバタ「お前達の知っている通り……俺は既に死んでいる」

サバタ「これは紛れもない事実だ」


ジャンゴ「…」


サバタ「では、どうして死んだはずの俺がここにいるのか」

サバタ「その秘密はこれにある」



少年はその身に纏う、藤色のマフラーを眺める。



さやか「それはジャンゴがほむらに渡したマフラー」

さやか「でも、どうしてそれが……？」


187 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/30(土) 00:24:05.55 ID:G+L84Uni0


サバタ「全てを受け入れ、操り導く」

サバタ「滅びの一族、月光仔を象徴する力」

サバタ「月下美人……母の残したこのマフラーにもその力が秘められている」

サバタ「幼き頃より、俺の身を守ってきた月光のマフラー……」

サバタ「それは俺自身をも受け入れ、導く」

サバタ「死してヴァナルガンドと共にある俺の魂、その欠片がこれに託された」


おてんこ「それではお前は……」


サバタ「マフラーに宿った魂の欠片がこの娘の身体を借りているだけ……」

サバタ「満月の夜、一夜限りの幻影に過ぎない」


188 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/30(土) 00:26:49.42 ID:G+L84Uni0


さやか「それじゃあ、ほむらは……？」

さやか「あいつはどうなってんのよ」

さやか「本当に体を貸しただけなの！？」


サバタ「騒ぐな。彼女は無事だ」

サバタ「ただ……今は俺の中にいる」

サバタ「俺が消えれば、お前の知っている彼女に戻るだろう」


さやか「そう……」


サバタ「これで気が済んだだろ」

サバタ「これ以上無駄話をしている時間はない！」

サバタ「立て、ジャンゴ！」

サバタ「とっととこの戦いにケリを付けるぞ！」


189 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/30(土) 00:29:26.47 ID:G+L84Uni0


ジャンゴ「でも……」


おてんこ「我々にはもう、奴に対抗する手立てはない」

おてんこ「たとえお前が加勢したところで……２人になるだけ」

おてんこ「以前として状況は変わらない」


サバタ「ハッ……」

サバタ「少し見ないうちに随分と腑抜けてしまったようだな」


ジャンゴ＆おてんこ「・・・」


サバタ「そこのお前……こっちに来い」


さやか「えっ、あたし……？」


サバタ「いいから早くしろ！」


さやか「は、はい！」



少女は彼に言われるがまま、その傍まで行く。


190 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/30(土) 00:35:53.20 ID:G+L84Uni0


サバタ「そこに立っていろ」


さやか「一体何を……」



少年は目の前に立った少女に右手をかざすと、



サバタ「あんこぉーーーく！！」


さやか「！」



ダークマターを吸収する術、暗黒チャージを放つ。



さやか「これは！？」
　


さやかのソウルジェムから黒い煙が立ち上り、サバタの手のひらに吸収されていく。

チャージが終了する頃には、



さやか「ソウルジェムの穢れが……」



彼女のソウルジェムは光を取り戻し、



さやか「無くなった？」



青い輝きを放っていた。


191 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/30(土) 00:37:49.80 ID:G+L84Uni0


サバタ「これで数の問題は解決した」


おてんこ「お前……」

ジャンゴ「…」


サバタ「他の奴らのところへ案内しろ」

サバタ「そいつらのダークマターも吸収してやる」


さやか「でも、これ以上穢れなんか吸い込んだら！？」


サバタ「フッ……俺の心配か？」

サバタ「そんなことしている余裕があるなら、戦いの準備でもしているんだな」


さやか「ふざけないで！」

さやか「あんたはあいつの……ほむらの体を使ってるんだ」

さやか「何かあったらどうしてくれるのよ？！」


192 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/30(土) 00:40:02.15 ID:G+L84Uni0


サバタ「お前の思っているようなことは起きない」

サバタ「俺には月の血が流れている」

サバタ「この体に俺の魂がある限り、彼女が魔女になることはない」


さやか「本当に？」


サバタ「嘘をついてどうする」


さやか「……分かった、案内する」

さやか「付いてきて」



彼女はサバタを残りの魔法少女達の下へと誘導する。



サバタ「行くぞ、太陽少年」

　
ジャンゴ＆おてんこ「…」



ジャンゴ達も遅れてその後を追って行った。


193 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/30(土) 00:43:41.62 ID:G+L84Uni0


マミ「」


杏子「」


サバタ「こいつらか……」

サバタ「行くぞ！」



マミ達の下へ案内された暗黒少年は２人の穢れを取り込む。



マミ「……っ」


杏子「うっ……」



魔力が回復した少女達は呻き声を上げて意識を取り戻した。



さやか「マミさん！ 杏子！！」



息を吹き返した２人を見た少女は、その名を呼びながら駆け寄る。


194 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/30(土) 00:46:27.01 ID:G+L84Uni0


杏子「さや…か……？」


マミ「ここは……」


杏子＆マミ「！」


マミ「魔女は！？ 魔女はどうなったの！！」


杏子「教えてくれ！ さやか！！」



覚醒した少女達は自分達の置かれている状況を確認するため、さやかを問いただす。



さやか「それは……」



２人に詰め寄られたさやかは言葉を濁す。


195 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/30(土) 00:51:12.68 ID:G+L84Uni0


マミ「まさか……」


杏子「……負けたのか？」


さやか「…」



俯くさやかの様子に敗北を悟った彼女達は、



杏子「クソッ……」


マミ「そんな、どうして……？」



絶望に打ちひしがれる。



サバタ「全く……どいつもこいつも」

サバタ「とんだ腰抜けぞろいだ」


杏子＆マミ「！」



そんな彼女達の様子を見た少年は、少女の姿で悪態をつく。


196 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/30(土) 00:53:03.83 ID:G+L84Uni0


杏子「ほむら！ 無事だったのか！？」


マミ「でも……その髪に、瞳の色」

マミ「一体、どうしたの？」


サバタ「これは……この娘が俺を受け入れた証」

サバタ「俺の魂の欠片が目に見える形で現れたモノだ」


杏子「魂の欠片？ 俺……？ 何、言ってんだ」


マミ「あなた、本当に暁美さんなの？」


サバタ「違うな……俺はこの体を借りている存在に過ぎない」


197 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/30(土) 00:54:11.31 ID:G+L84Uni0


杏子「なっ…？」


マミ「あなたは一体……」



サバタの発言に困惑し、その正体について言及しようとしたとき、



おてんこ「そいつはサバタ……ジャンゴの兄だ」


ジャンゴ「…」


マミ＆杏子「！？」



遅れてきた太陽の精霊によってその答えが告げられた。


198 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/30(土) 00:56:00.12 ID:G+L84Uni0


マミ「あなた達！」


杏子「どういうことなんだ？」

杏子「見かけは変わってるけど、コイツは間違いなくほむらだ」

杏子「何でジャンゴの兄貴が出てくるんだよ！」


マミ「そうよ。説明してちょうだい」


おてんこ「それは奴の言葉通り」

おてんこ「ほむらはサバタの魂を受け入れた」

おてんこ「つまり、サバタの意識がほむらの体を動かしているのだ」


杏子「は？」


マミ「どういう意味？」


さやか「その……体はほむらだけど」

さやか「中身はこいつ、ジャンゴの兄貴なんです」


ジャンゴ「…」


199 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/30(土) 00:57:44.87 ID:G+L84Uni0


マミ「それじゃあ、暁美さんは……」


サバタ「安心しろ。彼女が死んだわけではない」

サバタ「俺が存在できるのは満月の夜だけ……朝が来ればまた元に戻る」


マミ「そう…なの」


杏子「なら、いいけど……」


サバタ「これで役者はそろった」

サバタ「後は奴を倒すだけ」

サバタ「そうだろう？ ジャンゴ」


ジャンゴ「…」


おてんこ「しかし……幾ら人数を増やしたところで」

おてんこ「我々にはワルプルギスの夜を完全に沈黙させる決定力が無い」

おてんこ「このまま飛び込んでいっても、いたずらに奴の力を強めるだけだ」


200 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/30(土) 00:59:56.95 ID:G+L84Uni0


サバタ「なら、その力を封じ込めてしまえばいい」

サバタ「現にお前達もそうして奴を倒そうとしたはずだ」


マミ「それって、パイルドライバーのこと？」


サバタ「そう……パイルドライバーを以って奴を拘束」

サバタ「そのままワイルドバンチを放って、ダークマターを完全に焼却する」


さやか「でも、パイルドライバーはもう………」


おてんこ「そうだ……それに加えて、エネルギー供給システムまでも破壊されてしまった」

おてんこ「こんな状況でどうしろと言うのだ」


201 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/30(土) 01:04:04.81 ID:G+L84Uni0


サバタ「簡単なことだ」

サバタ「壊れたなら直せば良い」

サバタ「たとえパイルドライバーが破壊されようが、お前達はまだ生きている」

サバタ「抗い続ける限り、俺達の負けは無い……違うか？」


ジャンゴ「そう、だけど……」


おてんこ「パイルの浸食によってシステムのそこかしこにバグやエラーが発生している」

おてんこ「これではパイルドライバーの起動はおろか……その復旧すら絶望的だ」


サバタ「フッ……それはお前ひとりでの話だろ」

サバタ「それが２人、３人と増えたらどうだ？」


おてんこ「……可能かもしれないな」


杏子「ホントか！？」


202 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/30(土) 01:07:38.03 ID:G+L84Uni0


おてんこ「だが……これ以上の増援は望めない」

おてんこ「現状では奴に立ち向かうことすら不可能なのだ」


杏子「…っ」


マミ「そんな……」


さやか「やっぱり……あたし達には何もできないの」



サバタ「何を寝ぼけたことを言っている」

サバタ「まだ居るだろ？ この問題を解決することができる者達が」


おてんこ「先程も言った通り」

おてんこ「今、ここに居るのが我々に残された全戦力だ」

おてんこ「お前の言う、システムを復旧させられる人間はなど」

おてんこ「ここには居ない……」


203 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/30(土) 01:09:18.54 ID:G+L84Uni0


サバタ「確かに……ここには居ないな」

サバタ「だが、この状況を打開することができる人物は間違いなく存在している」


おてんこ「それは一体……」


サバタ「……そろそろ頃合いか」

サバタ「ジャンゴ、今回ばかりはお前のお人好しに助けられたようだな」


ジャンゴ「何を言って……」



理解できない事を言うサバタに質問を投げかけようとしたところ、


　　prrrr prrrrr


ジャンゴ「！」



独特の警報音と共に、バッグが振動するのを感じる。


204 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/30(土) 01:10:15.54 ID:G+L84Uni0


マミ「何？ これは……」


さやか「携帯のアラーム音…？」


杏子「ジャンゴからか？」



辺りに響く、あまりにも場違いな音に少女達は困惑する。



おてんこ「これは！？」

おてんこ「まさか、お前の言っていたのは……」


サバタ「そういうとだ」


おてんこ「 確かにあの者達ならば！」

おてんこ「ジャンゴ、今すぐ電話を取るんだ！！」



そのアラーム音から全てを悟ったおてんこは、ジャンゴに指示を飛ばす。


205 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/30(土) 01:11:13.24 ID:G+L84Uni0


ジャンゴ「…」ｻｯ　　　



少年はバッグから青色の機械を取り出すと、



ジャンゴ「…」ピッ



通話ボタンを押した。



　　　『…ザッ…ザ……ンザ…ザー』



機械からは、ノイズ混じりの音声が流れてくる。


206 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/30(土) 01:12:54.06 ID:G+L84Uni0


　　　『……ゴく…ザッ…』



　　　『ジ…ザ…ゴく…！』



ノイズは次第に収まり、遂に……



　　　『ジャンゴ君！』



はっきりとした声が端末から聞こえてくる。


207 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/06/30(土) 01:14:41.87 ID:G+L84Uni0


ジャンゴ「その声は、やっぱり……」


　　　『そうだよ』

　　　
　　　『ああ、オレ達だ』



PETのスピーカーは世界を超えて知り合った友、



ジャンゴ「ロックマン！ 熱斗君！！」
　　　

ロックマン『久しぶりだね、ジャンゴ君』


熱斗『また会ったな』



ロックマン.EXEとそのオペレーター、光熱斗の声を流していた。


第３５章・了


208 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]：2012/06/30(土) 01:16:57.14 ID:G+L84Uni0
固い友情は世界をも超える


　『ロックマン.EXE トランスミッション！！』


次回：「２つの銃」



※また一週間ほど
209 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]：2012/06/30(土) 01:20:28.42 ID:wAkUCFflo
ほほう、これはこれは
乙
210 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2012/06/30(土) 04:26:46.23 ID:9zNjatF8o
やだ…テンション上がりまくり…
乙
211 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) ：2012/06/30(土) 04:41:43.16 ID:I/wH+QQ10
ロックマンキターーー！！！
212 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]：2012/06/30(土) 06:28:17.13 ID:TBrIF7kZo
まさかの二重クロス
乙
213 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]：2012/06/30(土) 08:39:09.60 ID:FIO0uri+o
暗黒パワー万能ワロタ
乙
214 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/06/30(土) 10:09:43.11 ID:r4S7e0Xwo
乙.EXE トランスミッション
215 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]：2012/06/30(土) 10:16:07.29 ID:FIO0uri+o
ロックマンのテーマ置いときますね
http://www.youtube.com/watch?v=alaIGZr-lOw&feature=youtube_gdata_player
216 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]：2012/06/30(土) 19:46:07.46 ID:NHYIsnVP0
乙
暗黒チャージの有効活用、そしてまさかのロックマンｷﾀ━━(ﾟ∀ﾟ)━━!!!
テンション上がるぞこれは
217 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]：2012/07/01(日) 22:46:26.86 ID:4HpBHDbAO
ところで俺のカーミラさんはいつ現れるだろうか
218 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]：2012/07/02(月) 02:17:51.52 ID:btVQxIG10
テｗｗｗｗンｗｗｗｗショｗｗｗｗｗｗンｗｗｗｗ上ｗｗｗｗがｗｗっｗｗｗｗてｗｗｗｗｗｗきｗｗｗｗたｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
219 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/07/02(月) 08:18:19.40 ID:ViXRT0JIO
フルシンクロきたこれ！これでかつる！
220 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(香川県) [sage]：2012/07/02(月) 19:33:05.07 ID:DgRoqsxd0
>>1乙
ロックマンが出てくるとか不意打ちにもほどがあるだろw
貴重なぽんかんジュースが･･･
221 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]：2012/07/03(火) 16:51:31.22 ID:3u9GDB/p0
そうか、PAでパイルドライバー出せるもんな
222 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]：2012/07/06(金) 20:22:04.85 ID:gghyATJF0
わざわざロックマンとロックバスターの説明をしてたのはこのためかッ！
223 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/07(土) 01:17:01.54 ID:GdiIenMk0



続・第３６章　「２つの銃」



224 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/07(土) 01:18:36.62 ID:GdiIenMk0


杏子「おい、ジャンゴ」

杏子「そいつら何なんだよ？」


おてんこ「彼らはネットナビ、ロックマンとそのオペレーター、光熱斗」

おてんこ「我々と同じく闇と戦う者達だ」


熱斗『オレは熱斗！ よろしくな』


ロックマン『ボクは熱斗君のネットナビ、ロックマン』

ロックマン『よろしくね、みんな』


サバタ「フッ……」


さやか「お、おう……」


マミ「よろしく…でいいのかしら？」


225 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/07(土) 01:21:00.03 ID:GdiIenMk0


杏子「お前達は味方……なのか？」


ロックマン『うん。ボク達はジャンゴ君を助けに来たんだ』


熱斗『バグやエラーで困ってるんだろ？』

熱斗『だったら、オレ達の出番だ！』

熱斗『オレとロックマンが居れば、どんなシステムだって動かして見せるぜ！』


おてんこ「どうしてそのことを……」


ジャンゴ「それに、２人とも…」

ジャンゴ「一体どうやってここに？」


ロックマン『それは……』


　　　『それについては、僕の方から話そう』


　　　「！？」



質問に答えようとしたロックマンの声を遮って、聞き慣れない声がPETから流れてきた。


226 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/07(土) 01:23:23.28 ID:GdiIenMk0


熱斗『パパ！』


マミ「パパ……？」


　　　『僕は科学省の科学者で、熱斗の父……光祐一郎だ』


杏子「そいつの親父？」

杏子「何で、そんな奴が出てくるのさ」


祐一郎『熱斗達は科学省からジャンゴ君のPETにアクセスしている』

祐一郎『僕はそのサポートしているんだ』


おてんこ「それは分かった」

おてんこ「だが……どうやってこのPETにアクセスしたんだ」

おてんこ「我々は世紀末世界ですらない、見滝原にいるんだぞ」


祐一郎『今からその説明をしようと思っていたんだ』


227 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/07(土) 01:25:45.82 ID:GdiIenMk0


祐一郎『ジャンゴ君……君はそっちの世界で何処かにプラグインしたね？』


さやか「プラグ……イン？」


ジャンゴ「・・・」



　　　『目には目を歯には歯を、電子機器には電子機器をだ』



ジャンゴ「…」ｺｸﾘ


祐一郎『やはり、そうだったか……』


おてんこ「ロックマン達がここにいるは、そのプラグインが原因なのか？」


祐一郎『そう。君の持っているPETは熱斗が使っていた物だ』

祐一郎『それには僕の作ったプログラムも組み込まれている』

祐一郎『そのせいかロックマンと君達のPETは微弱なリンク状態が保たれている』

祐一郎『だから、ジャンゴ君のPETに何かあると』

祐一郎『その情報の一部がロックマンにも流れ込んでくるみたいなんだ』


杏子「ペット……？」


228 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/07(土) 01:30:22.05 ID:GdiIenMk0


おてんこ「それで我々の状況が分かったのだな」


ロックマン『うん。ジャンゴ君のPETから、見たことのないアドレスのデータが流れてきたんだ』


熱斗『そいつを心配したロックマンがパパに伝えたんだ』


祐一郎『ロックマンから話を聞いた僕はそのアドレスの場所を特定しようとした』

祐一郎『しかし……君達のアクセス履歴は世界中のネットワークはもちろん』

祐一郎『ロックマンの行ったことのある世紀末世界のどこにも合致しなかった』

祐一郎『考え得る全てを探し終えた僕は、ある結論に至った』

祐一郎『新たな異世界（ビヨンダード）が存在する可能性があると』

祐一郎『後は、リンクを頼りになんとかそのPETまで回線を繋げたというわけさ』


おてんこ「そういうことだったのか……」


マミ＆杏子＆さやか「・・・」


229 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/07(土) 01:37:03.90 ID:GdiIenMk0


ロックマン『ジャンゴ君、そのPETでパイルドライバーシステムにプラグインするんだ』

ロックマン『ボク達がシステムを修復して、もう一度使えるようにする』


おてんこ「大丈夫なのか？」

おてんこ「システムを構築した私でさえ……バグやエラー、その全てを把握できていないのだぞ」


ロックマン『大丈夫！』

ロックマン『熱斗君のオペレートがあれば、ボクはどんな障害だって乗り越えられる！』


熱斗『そうさ、オレ達は誰にも負けない！』

熱斗『電脳世界だって向かうところ敵ナシだ！！』


熱斗とロックマンが威勢よく啖呵を切ったとき、


　　『全く、調子の良い奴だ』

　　『そんなことではすぐに足元を掬われるぞ？』


　　『この任務を遂行するにはお前の力だけでは不十分だ』
　　
　　『単独行動は許さんぞ、熱斗』



２人を押しのけて、見知らぬ声が割り込んできた。


230 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/07(土) 01:41:29.11 ID:GdiIenMk0


熱斗『炎山！ ライカ！』


ジャンゴ「？」


おてんこ「何者なんだ？ そいつらは」


祐一郎『炎山君とブルース、ライカ君にサーチマン』

祐一郎『熱斗達と一緒に作戦に協力してくれる仲間だ』


炎山『オフィシャルの伊集院炎山』

炎山『こいつと共にそちらに行くことになった』


ブルース『炎山様のナビ、ブルースだ』


ライカ『同じく、本作戦を担当するライカと……』


サーチマン『サーチマンだ』


マミ＆杏子＆さやか「「「は、はぁ……」」」


おてんこ「ああ」


ジャンゴ「よろしく」


サバタ「……ジャンゴ、やることは分かっているな」

サバタ「さっさと終わらせて奴を倒すぞ！」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ

ジャンゴ「プラグ……イン！！」ﾋﾟﾝッ



兄に促され、少年は近くにあった中継器へとPETを接続した。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


231 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/07(土) 01:45:17.42 ID:GdiIenMk0

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


熱斗達は科学省の一室、高度なコンピュータと大きなモニターを備えた管制室にいた。



祐一郎「PETの接続を確認した」

祐一郎「名人、転送ゲートを開いていてくれ！」


名人「了解」



名人と呼ばれた白衣の男は目の前のコンピューターを操作する。



名人「座標コードを入力……」



コンピュータにキーが入力されると、



名人「完了」



大きなモニターにネットワークを示す球体が表示された。



名人「転送座標セット……」



それを確認した名人は次の操作に移る。



名人「完了」



表示された球体が分裂し、２つに分かれる。


232 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/07(土) 01:47:05.89 ID:GdiIenMk0


名人「システムに異常……なし」



男は異常ないかを確かめると、



名人「行くぞ」



最後のキーを押す。



名人「ゲート、オープン！！」



モニターには球と球とを繋ぐ橋のようなものが表示された。


233 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]：2012/07/07(土) 01:47:14.07 ID:7sinbCkso
科学省チートすぎワロタ
まどか勢が置いてけぼりて更にワロタ
234 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/07(土) 01:49:18.28 ID:GdiIenMk0


祐一郎「よし、転送ゲートが開いた！」


名人「何時でも行けるぞ！！　熱斗君！」


熱斗「ありがとう、パパ！ 名人さん！」


祐一郎「ああ……行って来い、熱斗」


名人「ゲートについては私達が責任を持って管理する」

名人「だから君達はシステムの復旧に専念するんだ」


熱斗「はい！」


名人「それと、熱斗君……」


235 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/07(土) 01:50:02.53 ID:GdiIenMk0


炎山「光、何をモタモタしている。ささっと行くぞ！」

炎山「ブルース、行けるな？」


ブルース「問題ありません。炎山様」


ライカ「サーチマン、任務開始だ」


サーチマン「了解」



炎山＆ライカ「「プラグイン！！」」



炎山＆ライカ「「ブルース/サーチマン」」



炎山＆ライカ「「トランスミッション！！」」


236 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/07(土) 01:51:41.33 ID:GdiIenMk0


名人「『さん』は……」



熱斗「オレ達も負けてられないな」


ロックマン「うん！」


熱斗「行くぜ、ロックマン！」



熱斗「プラグイン！！」


熱斗「ロックマン.EXE　トランスミッション！！」




名人「……いらない」

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


237 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/07(土) 01:52:50.80 ID:GdiIenMk0

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


おてんこ「ロックマン達がパイルドライバーシステムへの侵入に成功したようだな」



ジャンゴのPETから反応がなくなったのを見て、おてんこは呟く。



おてんこ「彼らの話にもあった通り、ロックマン達はあくまでシステムを復旧させるだけ」

おてんこ「奴に止めを刺すのはお前達にしかできない」

おてんこ「私はこれから彼らのサポートに入り、パイルドライバーの修復にあたる」

おてんこ「夜明けまでには必ずパイルドライバーを再起動させる」

おてんこ「それまで……どうにか持ちこたえてくれ」


杏子「何だか良く分かんないけど……」

杏子「要は、アンタ達がパイルドライバーを動かせるようにするんだろ？」


おてんこ「ああ、約束する」


238 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/07(土) 01:54:18.25 ID:GdiIenMk0


さやか「だったら、任せといて」

さやか「こんなに味方が居るんだ……そう簡単には負けないよ」


マミ「そうよ、一晩ぐらいどうってことないわ」

マミ「最初からそれぐらいは覚悟してたしね」


おてんこ「済まないな……」


サバタ「話が終わったなら、さっさとあいつらのところへ行け」

サバタ「パイルドライバーの召喚が遅れればそれだけ俺達は不利になる」


おてんこ「そうだったな」

おてんこ「私は付いて行ってやることはできない」

おてんこ「だが、信じているぞ！」

おてんこ「お前達が挫けずに奴に抗い続けることを」

おてんこ「長く辛い夜の果てに、明日を掴むことを！」

おてんこ「頼んだぞ！ ジャンゴ、サバタ……そして魔法少女達よ！！」



異世界からの友を手伝うため、太陽の使者はジャンゴ達の前から姿を消した。


239 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/07(土) 01:57:31.16 ID:GdiIenMk0


サバタ「……俺達は朝まで奴の相手だ」

サバタ「覚悟はいいな？ お前達」


マミ「２人とも大丈夫？」


杏子「今更、何言ってんだ」

杏子「覚悟なんざ……」


さやか「あいつに勝負を挑んだときから決まってますよ」


サバタ「フッ……愚問だったようだな」

サバタ「今、俺達が立っているのは」

サバタ「過去と未来を、生と死を、そして……世界と世界を超えた場所だ」
　
サバタ「もう、怖れる物など何もない！」

サバタ「後は、明日に向かって突き進んで行く……」

サバタ「あの空に浮かぶ『夜』を沈めるだけだ！！」


240 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/07(土) 02:00:21.39 ID:GdiIenMk0


兄がワルプルギスの夜へと視線を合わせたとき、



ジャンゴ「サバタ！」



少年はその名を呼びかけ、



ジャンゴ「…」ﾎﾟｨｯ



何かを投げ渡す。


241 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/07(土) 02:01:14.95 ID:GdiIenMk0


サバタ「…」ﾊﾞｼｯ

サバタ「これは……」



呼びかけられたサバタはジャンゴが投げた何かを受け取り、確かめる。



サバタ「暗黒銃（ガン・デル・ヘル）……」


ジャンゴ「…」ﾆﾔﾘ



それは、嘗て暗黒少年が使っていた暗黒銃であった。


242 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/07(土) 02:05:46.35 ID:GdiIenMk0


サバタ「やはり……お前に託して正解だったようだな」

サバタ「太陽銃（ガン・デル・ソル）と暗黒銃（ガン・デル・ヘル）」

サバタ「太陽少年と暗黒少年」

サバタ「クイーンとの戦いと同じく」

サバタ「俺達２人とこの銃が揃えば互いの弱点を克服できるはず！」

サバタ「行くぞ！ ジャンゴ！！」

サバタ「これが俺とお前……最後の共演だ！！」



すべての力が集結し、最強の魔女との戦いは第二幕へと移った。


第３６章・了


243 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]：2012/07/07(土) 02:07:00.02 ID:GdiIenMk0
夜は更けていく


　『お前は左、俺は右からだ！！ いいな！』


次回：「深更」
244 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2012/07/07(土) 02:07:13.86 ID:Hb1Glaelo
まどかSSを読んでたらエグゼSSかと思ったらボクタイSSだった
乙
245 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]：2012/07/07(土) 02:08:19.09 ID:0KDFI06Ko
もはやまどマギが関係なくn（ry…ｹﾞﾌﾝｹﾞﾌﾝ
乙
246 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) ：2012/07/07(土) 02:08:55.22 ID:wNcByulT0
>>233
科学省は原作でも...いや、なんでもない
247 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]：2012/07/07(土) 02:28:08.83 ID:qf/yjOqzo
名人さんはアニメ仕様か乙
248 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2012/07/07(土) 07:41:07.78 ID:KPxACCIpo
ロックマン側の方が優遇されててワロタ
249 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/07/07(土) 07:53:26.99 ID:+noSIkulo
乙
250 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]：2012/07/07(土) 15:36:37.71 ID:p+G033nmo
ロックマン側豪華だなｗｗｗｗ
251 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/07/07(土) 21:17:40.12 ID:3Jk6ZPRro
ロックマンのアニメネタまであるとは思わなかった
対応知識広すぎワロタ
252 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]：2012/07/07(土) 22:35:09.36 ID:Vw0Ahaf90
乙
ロックマン側豪華すぎワロタ

ところでおてんこさまが電脳組サポートという事はだ、ソルクロスロックマンに期待して構いませんねッ！
253 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]：2012/07/08(日) 08:26:49.33 ID:YeJM+qhb0
乙

>>252
5で猛威を振るったアレかｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
254 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/09(月) 00:19:51.45 ID:LzP1W+as0



続・第３７章　「深更」



255 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/09(月) 00:21:10.90 ID:LzP1W+as0


パイルドライバーの電脳の中、



熱斗『どうだ？ ロックマン』



少年はシステムの状態をロックマンに尋ねる。



ロックマン「うん……時間はかかりそうだけど」

ロックマン「これなら何とかなりそうだよ」


熱斗『それなら、早速修理に入ってくれ』


ロックマン「分かった」


256 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/09(月) 00:23:24.21 ID:LzP1W+as0


指示を受けたロックマンがプログラムを修復の開始しようとしたとき、



ブルース「ロックマン！」


サーチマン「敵襲だ！」



　　　「ギャハハハハハ」　　


　　　　　　　　　「グオオオオオオ」



ロックマン「！」



黒い影のようなモノが襲い掛かってきた。


257 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/09(月) 00:24:14.97 ID:LzP1W+as0


それらに対し、



ブルース「ハッ……！」ｻﾞｸｯ


　　　「ギャッ……」



ブルースは片腕をソードに変形させ一刀両断、



サーチマン「…っ！」ﾀﾞﾝｯ


　　　「ガッ………」



サーチマンは腕に備えた大型のスナイパーライフルで狙い撃った。


258 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/09(月) 00:29:26.51 ID:LzP1W+as0


熱斗『大丈夫か？ ロックマン』


ロックマン「うん……何とか」

ロックマン「ありがとう、２人とも」


ブルース「気をつけろ、ロックマン」

ブルース「次は無いかもしれない」


サーチマン「そうだ、何が起こるか分からない」

サーチマン「警戒を怠るな」


ロックマン「分かったよ」


炎山『それより何だ？ 今のは……』


熱斗『ウイルスなのか？』


ライカ『サーチマン、解析しろ』


サーチマン「了解しました」



サーチマンは襲い掛かってきた影の残骸データの解析を開始する。


259 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/09(月) 00:31:39.57 ID:LzP1W+as0


ブルース「どうだ、分かったか？」


サーチマン「いや……データベースにこいつ等についての情報はない」


ロックマン「じゃあ、アレは一体……」



　　「それはパイルドライバーシステムに発生したバグ、魔女の使い魔だ」



謎の敵襲に困惑していると、その正体を明かす言葉が背後から聞こえてくる。



ブルース「その声は……」


ロックマン「おてんこさま！」


おてんこ「うむ」



それはジャンゴ達の下を離れてきた太陽の使者のものであった。


260 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/09(月) 00:33:26.53 ID:LzP1W+as0


熱斗『どうしてここに！？』

熱斗『ジャンゴ達は大丈夫なのか！』


おてんこ「ああ……大丈夫だ」

おてんこ「あいつら兄弟はそう簡単なことでは負けはしない」

おてんこ「それより、パイルドライバーが起動できないことの方が問題だ」

おてんこ「いくら五人揃ったといっても、相手はワルプルギス……」

おてんこ「ワイルドバンチなくして勝利を掴むのは難しいだろう」


ロックマン「…」


ブルース「！」

ブルース「来るぞ！！」



　　　　　　　　　　　「ギャハハハハハ」


　　　「ギュォオオ」　

　　　　　　　　　　　　　　　　　「グォオオオ」　
　　　　

　　　　　　　　「ギャアアアア」



おてんこの話を遮って、使い魔たちがロックマン達を取り囲むように湧き出てきた。


261 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/09(月) 00:35:29.80 ID:LzP1W+as0


サーチマン「ライカ様」


ライカ『分かっている』


ブルース「行きます、炎山様」


炎山『ああ、行って来い！ ブルース』


おてんこ「ロックマン、私はこのエラーの解除に努める」

おてんこ「お前達はあの使い魔達をなんとかしてくれ」


ロックマン「うん。あいつ等はボク達に任せて！」


おてんこ「頼んだぞ！」


ロックマン「熱斗君！ オペレートをお願い！！」


熱斗『分かった！！』

熱斗『行くぜ！ ロックマン』



熱斗『バトルオペレーション！ セット！！』


ロックマン『イン！！」


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


262 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/09(月) 00:37:36.88 ID:LzP1W+as0

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


満月の下、少年達は明日を求めて戦い続ける。



　　「グォオオオ」　


　　　　　　ヒュン　　
　　　　　　　　　　　　　　　　ヒュン
　

　　　　　　　　　「ギャアアアア」



サバタ「…」ｼｭﾝ　ｼｭﾝ



　　　　　　　　　　　　ズダァァン

　　　　ドォォォン
　


サバタ「喰らえ……」

サバタ「火炎ッ！！」ﾌﾞﾝ　ﾌﾞﾝ



　　　　「グゴッ……」
　　　

　　　　　　　　　「ガァァアア！！………」
　

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


263 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/09(月) 00:39:37.81 ID:LzP1W+as0

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


杏子「ハッ！」ｼﾞｬｷ



　　　　「ギャァアアア！！」



杏子「！」



　　　　　ヒュン

　　　　　　　　　　ヒュン　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　ヒュン
　　　　　　　　　　　　　　
　　　　ヒュン　　　　
　　　　　　　　　　　　　ヒュン　　
　　


杏子「くっ……」ｶﾁｯ

杏子「邪魔だよ！」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ



　　　　ズガ　　
　　　　
　　　　　　　　　　　ズドォ　　　　ガンッ　


　　　　　グォォォン　
　　　　　　　　　　　　　ズドォォォン


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


264 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/09(月) 00:41:08.87 ID:LzP1W+as0

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


マミ「やっ…！」ﾀﾞﾝｯ　ﾀﾞﾝｯ



　　　　ズダァァン　　　ズドォォン



　　　　　　　　　　「ギャハハハハハ」

　　
　　　「ギュォオオ」　　　　「グォオオオ」　
　　　

　　　　　「ギャアアアア」



マミ「……キリがないわね」

マミ「一気に決めるわ！」


マミ「　テ　ィ　ロ　・　フ　ィ　ナ　ー　レ　」



　　　ズガガガガガガガガァァァァァァァァン


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


265 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/09(月) 00:43:27.59 ID:LzP1W+as0

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


さやか「うおぉぉぉぉ！！！！」ｻﾞｼｭ　ｻﾞｸｯ　ﾄﾞｼｬ



　　　　　　　　　　　「ギャッ……」


　　「ギャ！……」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　「グァァアア……」



　　　　　　「ヴォァァアアアアア！！！」



さやか「！」



　　　　　ガシュッ



さやか「ぐっ…」

さやか「こんな傷で、負けて……たまるかぁ！！」



　　　　　　ジャキンッ

　
　　　「ギャァアアアア……」


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


266 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/09(月) 00:45:05.46 ID:LzP1W+as0

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿



　　　　ヒュン　　　ヒュン



ジャンゴ「…っ」ｻｯ



　　　　　　　　　　ドォォォン　　　


　　　　ズガァァァン



ジャンゴ「…」ﾃｭﾝ　ﾃｭﾝ　ﾃｭﾝ　　　　　　　　　



　　　　「ギャアアアア！！！！」



ジャンゴ「！」

ジャンゴ「…」ｼｭﾝ



　　　　 「グオオオオォォォォ」



ジャンゴ「…！」ｻｯ

ジャンゴ「はっ！！」ｻﾞｽｯ



　　　　　「ギャァアア……」


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


267 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/09(月) 00:46:51.68 ID:LzP1W+as0

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


熱斗『バトルチップ！！』


熱斗『スプレッドガン！』


熱斗『トリプルスロットイン！！』



ロックマン「プログラムアドバンス！」


ロックマン「ハイパー……」ｷﾞｭｨｨｨｲﾝ


ロックマン「バースト！！」


　
　　　ズ　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ　　　　　



　　　「ギャッ……」　　　　　「ギャ！……」

　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「グゴッ……」　　　


　　　　　　「ガァァアア！！………」


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


268 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/09(月) 00:48:06.36 ID:LzP1W+as0

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


炎山『バトルチップ……』


炎山『ソード』

炎山『ワイドソード』

炎山『ロングソード』


炎山『トリプルスロットイン！！」



ブルース「プログラムアドバンス」


ブルース「ドリームソード！！」


ブルース「うおぉぉぉぉ！！」



　　　　　　　　　ジャキィンッ



　　　　「ギャ！……」　　　「グァァアア……」

　　　　　　　　　　
　　　　
　　　　　　　　「ガァァアア！！………」　　　　　


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


　
269 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/09(月) 00:49:43.89 ID:LzP1W+as0

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　

ライカ『バトルチップ』


ライカ『バルカン』


ライカ『トリプルスロットイン！』



サーチマン「プログラムアドバンス！」


サーチマン「ムゲンバルカン！！」


サーチマン「喰らえ！」ｼﾞｬｷ



　　　　ズダダダダダダダダダダダダダダダダダ



　　　「ギャッ……」　　　　　

　　　　　　　　　　　「ギャ！……」　　　　「グァァアア……」


　　　「グゴッ……」　　

　　　　　　　　　　　「ガァァアア！！………」


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


270 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/09(月) 00:51:53.48 ID:LzP1W+as0

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿



　　　　「ギュォオオ」

　　　
　　　　　　　　　　　「ギャアアアア」



ジャンゴ「…」ﾃｭﾝ　ﾃｭﾝ　ﾃｭﾝ



　　　　「ギャ！……」

　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　「グゴッ……」　　　


　　　　　　「ガァァアア！！」
　


ジャンゴ「ぐっ…」ｻﾞｽｯ

ジャンゴ「はぁぁあああ！！！」ﾃｭﾝ ﾃｭﾝ ﾃｭﾝ ﾃｭﾝ



　　　　　「グォオオオ……」



ジャンゴ「うっ……」ｽﾞｷｯ

ジャンゴ「・・・」ｽﾁｬ

　　　

　　　「キャハハハハハ！！！」


　　　　　　ヒュン　　



ジャンゴ「！」


271 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/09(月) 00:53:06.38 ID:LzP1W+as0



　　　「どけッ！！」ﾄﾞﾝｯ　　



ジャンゴ「！？」ﾊﾞﾀｯ



　　　　ズドォォォン



ジャンゴ「サバタ！」



サバタ「何をボサッとしている！ ジャンゴ！！」

サバタ「夜はまだ長い、こんなところで手こずっている暇はないぞ」


ジャンゴ「…っ」


サバタ「奴に挟撃を仕掛ける」

サバタ「お前は左、俺は右からだ！！ いいな！」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ


サバタ「行くぞ！！」ﾀﾞｯ


ジャンゴ「…」ﾀﾞｯ
　　　　　　
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


272 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/09(月) 00:55:18.88 ID:LzP1W+as0

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿



　　　　「キャハハハハハハハハハ！！！」


　　　　　　　　　　ヒュン
　　　　ヒュン
　　　　　　　　　　　　　　　　ヒュン　　　



マミ「…」ｼｭｼｭｼｭｼｭｼｭﾝ

マミ「はっ！！」



　　　ズガガガガガガガガガガガガガガガガ



マミ「はぁ……はぁ……」



　　　「ガァア！！」　

　
　　　　　　　　「キシャァア！！」



マミ「！」


273 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/09(月) 00:56:40.49 ID:LzP1W+as0


マミ「くっ…」ｼﾞｬｷ



　　　「ハッ！！」　　
　　　　

　　　　ザシュッ　　


　　　「グゴッ……」　　　



　　　「どりゃッ！！」


　　　　　ズシャ


　　　　「ギャ……」



マミ「美樹さん！ 佐倉さん！！」


さやか「大丈夫ですか！？」


マミ「ありがとう、助かったわ」


杏子「全く……油断してんじゃねぇぞ」

杏子「！」

杏子「構えろ！ 来るぞ！！」


274 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/09(月) 00:58:41.31 ID:LzP1W+as0



　　　　　　　　　　　　　「ギャハハハハハ」　　


　　　　　「グオオオオオオ」　　　　　　　　　　　　「ギャハハハハハ」


　　　　　　　　　　　「ギュォオオ」　　　　「グォオオオ」　
　　　
　　「ギャアアアア」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ギャハハハハハ」

　　　　　　　　「ギュォオオ」　　　　　　　　　　　　　　「グォオオオ」　
　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ギャアアアア」
　


275 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/09(月) 01:02:46.04 ID:LzP1W+as0


さやか「なんて数なの……」


杏子「それだけ魔女も必死ってことさ」

杏子「でも、さすがにこれは……相手をしてらんないね」


マミ「２人とも、ここは私に任せてくれない？」


さやか「大丈夫……なんですか？ マミさん」


マミ「ええ。この日のために用意していたモノがあるの」


杏子「そいつは一体……」


マミ「話してる時間はないわ。危ないから下がってて」

マミ「行くわよ！」



マミ「ボンバルダァ……」

　　　
マミ「メントォォォォオオオオ！！！！！」



杏子＆さやか「「……っ！？」」


276 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/09(月) 01:04:01.31 ID:LzP1W+as0



　　　　　　　　　　「ギャッ……」　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　「ギャ！……」　　　　　　　「グァァアア……」
　　　　「グゴッ……」　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ガァァアア！！………」
　　　　　　　　「グァァアア……」



　　　　ズドォォォォォォォ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　ン



　　　　　　　　　　「グゴッ……」　　　　　　　　　　　　　　　　　「ギャッ……」　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ギャッ……」
　　　　「ギャッ……」　　
　　　

　　　　　　　　　　　　　「ガァァアア！！………」

　　　　　　　　　　「ギャッ……」　　　　　　　　　　　　「グァァアア……」



　　　　　　　　　　
277 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/09(月) 01:05:34.97 ID:LzP1W+as0


マミ「ふーっ……」ｼｭｰｰｰｰ


さやか「凄い……」


杏子「あんだけ居た使い魔を一掃しやがった……」

杏子「何なんだ？ 今のは」


マミ「……新しい必殺技よ」

マミ「ずっと前から温めたんだけど、なかなか使う機会がなくて」


さやか「何というか……さすが、マミさん」


杏子「……やっぱり、アンタはすごいよ」


278 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/09(月) 01:07:53.22 ID:LzP1W+as0


マミ「でも、装填に時間がかかるし……魔力だってバカにならないわ」

マミ「まだまだ改善の余地はある………ってこんなこと言ってる場合じゃないわ！」

マミ「次が来るわよ！！」


さやか「了解」


杏子「分かってるよ……マミさん」


マミ「！」

マミ「佐倉さん、今……」


杏子「ほら、ボーっとしてるぞ置いてくぞ！！」


さやか「背中から来る使い魔は私達が何とかします」

さやか「マミさんは後ろを気にせず撃ちまくってください！」


マミ「……分かったわ」


杏子「行動開始だ！！」


マミ＆さやか「「ええ/応ッ！！」」



少年達を見下ろす満月は天頂にさしかかる。

明日を賭けた戦いは既に佳境を迎えていた。


第３７章・了


279 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]：2012/07/09(月) 01:08:35.66 ID:LzP1W+as0
夜明けはもう、目の前だ


　『私は暁美ほむら……魔法少女よ』


次回：「薄明」
280 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2012/07/09(月) 01:09:10.94 ID:rabs2ORco
満月が天頂ってことはミッドナイト調度くらいか。
夜明けにはまだ遠いな。
281 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]：2012/07/09(月) 01:12:45.88 ID:EJDacRuAO
おつおつ
暁美だからな…夜明け頃復活すんのか
いや関係ないか
282 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/07/09(月) 01:52:51.17 ID:/0P9BaMGo
乙
283 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]：2012/07/09(月) 12:53:32.91 ID:GFUNq8/20
乙
今更ながら、一晩乗り切るってしんどいな
284 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(香川県) [sage]：2012/07/09(月) 19:54:55.17 ID:XaugU7fO0
ほむらの胸部装甲薄いから男であるお兄ちゃんが体乗っ取っても違和感なく動かせてそ･･･　ﾀｰﾝ　ﾄﾞｻｯ
285 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]：2012/07/10(火) 11:00:05.45 ID:Rp6mGdSn0
乙！
『ほむらの姿をしたサバタ』を『サバタ』に脳内変換しちまってるよ俺orz
286 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ：2012/07/10(火) 16:44:43.33 ID:d8YZexoIO
繝槭Α縺輔ｓ閾ｪ驥購
287 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県) [sage]：2012/07/10(火) 17:08:49.72 ID:Q6ccNNaM0
携帯で打ったら文字化けしたし下げ忘れた。スマン（´・ω・｀）
288 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/07/12(木) 00:08:39.43 ID:5LHdWgoDO
ロックバスターとガンデルソルの交換イベントがあったら熱い
289 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/12(木) 00:32:12.83 ID:bQOUDUrV0



続・第３８章　「薄明」



290 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/12(木) 00:38:35.78 ID:bQOUDUrV0


日付が変わっても、少年達の戦いは終わらない。



ロックマン「ロックバスター！」ﾀﾞﾝｯ　ﾀﾞﾝｯ



　　　「ギャァアアア！！！」



ブルース「はぁっ！！」ｻﾞｼｭ



　　　「グオオオオオ……」



サーチマン「…っ！」ｼﾞｭﾝ



　　　「グゴッ……」


291 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/12(木) 00:40:00.10 ID:bQOUDUrV0


ロックマン「はぁ……はぁ……」


ブルース「大丈夫……か？ ロックマン」


ロックマン「……うん、大丈夫」


サーチマン「次から次へと湧いてくる……」

サーチマン「キリがないな」


ブルース「弱音を吐いたところで状況は変わらない」

ブルース「だったら、出てこなくなるまで倒せばいい」

ブルース「……それだけだ」


サーチマン「それも……そうか」

サーチマン「！」

サーチマン「構えろ！ 来るぞ！！」


292 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/12(木) 00:42:23.49 ID:bQOUDUrV0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　「ギャハハハハハ」　　


　　　　　「グオオオオオオ」　　　　　　「ギャハハハハハ」
　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「グォオオオ」　　　　
　　「ギャアアアア」

　　　　　　　　　　　「グォオオオ」　　　　　　　「ギャアアアア」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　「ギャハハハハハ」
　　　　 「ギュォオオ」　　　　　　　　　　　　　　　　「グォオオオ」　
　　　
　　　「ギャアアアア」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ギャハハハハハ」



ロックマン「………ブルース、サーチマン」

ロックマン「２人とも……背中は頼んだよ」


ブルース「それはこっちの台詞だ、ロックマン」


サーチマン「……俺達の背中もお前に預ける」

サーチマン「だから、絶対に倒れるな」


ロックマン「分かってる」


ブルース「行くぞ！！」

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


293 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/12(木) 00:54:09.03 ID:bQOUDUrV0

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿



　　　　　　　　　　　　　　　　　「ギャハハハハハ」
　　　　　　　　ヒュン


　　「ギュォオオ」　　　　「グォオオオ」　
　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヒュン　

　　　　　　　　　　「ギャアアアア」

　　　　ヒュン
　　　


さやか「…っ」ｻｯ



　　　　ドォォオン　　



杏子「やっ！」ｶﾝｯ　ｷﾞﾝｯ
　　　　　　　　　


　　　ズダァァァン


　　　　　　　　ガァァァァン
　　

294 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/12(木) 00:58:28.08 ID:bQOUDUrV0


さやか「ハッ！！」ｼｭｯ　



　　　　 ザシュッ　　　　



　　　「グォッ……」

　

杏子「喰らいやがれ！」ﾋｭﾝ
　


　　　　　ズシャ



　　　「ギャァ……」



さやか「はぁ……はぁ……」



　　「ウガァァァアア！！！」



さやか「！」


295 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/12(木) 01:00:33.61 ID:bQOUDUrV0


　　　ゴスッ



さやか「がっ……」


杏子「おい！」

杏子「さやッ……」


　　「ガァァアアア！！　」



杏子「なっ！？」

杏子「ぐっ！」ｻﾞｸｯ

杏子「はぁぁぁああ！！」ｽﾞｼｬ



　　　「グォッ……」



杏子「さやかッ！！」


　　
　　「ギャハハハハハ！！！」



さやか「うっ……」


296 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/12(木) 01:03:28.29 ID:bQOUDUrV0


　　　　ﾃｭﾝ　ﾃｭﾝ　ﾃｭﾝ　ﾃｭﾝ



　　「ギャ…ガッ……ァァ……」ﾄﾞｻｯ



　　　「大丈夫か？ さやか」


さやか「ジャンゴ……」

さやか「済まないね、助かったよ」


ジャンゴ「気にしなくていい」


　　
　　　「ギャハ、ギャハハハ！！」



ジャンゴ＆さやか「！」　



　　　　　「はっ！！」ｻﾞｷｯ



　　　　「グァァァアアア……」　


297 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/12(木) 01:06:00.20 ID:bQOUDUrV0


ジャンゴ＆さやか「「杏子！」」


杏子「２人とも無事か？」


さやか「……うん」

さやか「でも、その腕……」


杏子「これか……タダのかすり傷さ」

杏子「どうってことないよ」


さやか「けど……」



　　　　　　ヒュン　　　　　　　「グォオオオ」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヒュン
　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　ヒュン　　　　　　　　　　　　「ギャハハハハハ」
　　「ギャアアアア」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ギャアアアア」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヒュン
　　　　　　ヒュン
　　　　　　　　　　　　　　　「ギュォオオ」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「グォオオオ」　
　　　　「ギャアアアア」 　　　　　　


298 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/12(木) 01:11:53.77 ID:bQOUDUrV0


杏子「どうやら、休んでる暇はないみたいだ」

杏子「行くよ！」



　　　　　「ティロ・フィナーレ」　　　　

　
　　　　　　　「火炎ッ！！」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　ゴォォォン　

　　　　「ギャッ……」　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ガァァアア！！………」
　　ズガァァン　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　
　　　　　　　　　　「ギャ！……」　　　
　

　　　　ズドォォォォォオオオオオオン　　　


　　　ババババババババババ　バァァァン
　　
　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　「グァァアア……」　
　「グゴッ……」　　　
　　　　　　　　　　　ガァァン
　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ガァァアア！！………」
　　　　「グァァアア……」　　　
　　　


　　「！？」


杏子「これは……」


さやか「マミさんの技に」


ジャンゴ「……サバタの火球」


299 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/12(木) 01:19:52.54 ID:bQOUDUrV0


サバタ「フッ……待たせたな」


マミ「３人とも、私達が時間を稼ぐわ」

マミ「その間に美樹さんは佐倉さんの腕を治してあげて」


さやか「分かりました！」

さやか「杏子、腕を見せて」


杏子「でもよ…」


サバタ「黙って治療を受けろ」

サバタ「手負いの味方は足手まといになるだけだ」


杏子「…っ」

杏子「分かったよ」


サバタ「自分の置かれている状況を理解したようだな」

サバタ「そこのお前、そいつは任せたぞ」


さやか「お、おう」


サバタ「お前ら、準備はいいな？」


ジャンゴ＆マミ「…」ｺｸﾘ


サバタ「行くぞ！」

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


300 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/12(木) 01:25:15.13 ID:bQOUDUrV0

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

　　　　　　　　　　　　　　
長く戦いの中、少年達を照らす月は西へ傾き、空はその色合いを薄めていく。



　　　　　　　ロックマン「ロックバスター！！」ﾀﾞﾝｯ　ﾀﾞﾝｯ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　杏子「オラッ！！」ｻﾞｸｯ

　　　　炎山『フミコミザン！！』


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　サバタ「喰らえ！」ﾃﾞﾕ ﾃﾞﾕ ﾃﾞﾕ ﾃﾞﾕﾝ


　　　　　　　　サーチマン「スナイプショット！」ｼﾞｭﾝ
　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　熱斗『バトルチップ！』
さやか「ハッ！！」ｻﾞｼｭｯ　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　マミ「ティロ・フィナーレ」
　

　　　　おてんこ「太陽ぉーー！！」　　　　　　
　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ブルース「でりゃ！！」ｽﾊﾟｯ
　　
　
　　　　　　　　　　　　　　　　ライカ『スロットイン！！』


　　　　　　　
　　　　　　　　ジャンゴ「…っ」ﾃｭﾃｭﾃｭﾃｭﾃｭﾃｭﾃｭﾝ



皆が求める明日は、着実に近づいてきていた。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


301 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/12(木) 01:26:57.41 ID:bQOUDUrV0

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


サバタ「……この空の色」



空を見た少年は、戦いの終わりが近づいて来ていることを悟る。



サバタ「この戦いも、あと少しか……」



終わりゆく戦いに思いを馳せたとき、



　　　　　ヒュン



サバタ「！」



夜を象徴する魔女の触手がサバタに襲い掛かる。


302 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/12(木) 01:27:36.81 ID:bQOUDUrV0


サバタ「くっ…」



向かってくる触手を迎撃するため暗黒銃を構えようとする。



サバタ「なっ！？」



しかし、その意識に反して身体が思うように動かない。



　　　　　　ガスッ
　

サバタ「うああぁぁぁぁ！！」



　　　　ズドォォォォン



突然の出来事に戸惑ったサバタはそのまま吹き飛ばされてしまった。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


303 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/12(木) 01:29:05.45 ID:bQOUDUrV0

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


ジャンゴ「サバタ！！」ﾀﾞｯ



吹き飛ばされた兄の姿を見て、少年は駆け出す。



杏子「おい！」


さやか「待っ……」

　

共に戦っていた少女達もその後を追おうとするが、



　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ギャハハハハハ」
　　　　　　　　　　ヒュン


　　　「ギュォオオ」　　　　　　ヒュン　　　　



使い魔と触手に行く手を阻まれる。



杏子「くっ……次から次へと」


マミ「２人とも、ここはジャンゴ君に任せて」

マミ「私達は魔女の相手に専念しましょう」


杏子「……仕方ないな」


さやか「来るよ！」

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


304 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/12(木) 01:31:42.71 ID:bQOUDUrV0

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


サバタ「ぐっ…」

サバタ「・・・」



地面に打ち付けられたサバタはうめき声を上げて、蹲っていた。



ジャンゴ「サバタ！」



そこへ兄の無事を確認しに来た太陽少年が駆けつける。



サバタ「お前か…」


ジャンゴ「無事、みたいだね」


サバタ「ひとまずは……な」

サバタ「しかし、俺の力は限界に近いようだ」


ジャンゴ「・・・」


305 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/12(木) 01:33:48.40 ID:bQOUDUrV0


サバタ「もうじき夜が明ける」

サバタ「日が昇れば、月は沈む」

サバタ「満月の光が俺をこの場に引き止めている」

サバタ「それが無くなれば……」


ジャンゴ「……消える」


サバタ「その通り」

サバタ「既に光は弱まりつつある」

サバタ「この体の制御にも支障が出始めた」

サバタ「今からこの体を元の持ち主に返す」

サバタ「そうすれば、制御の心配はなくなるはずだ」


306 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/12(木) 01:37:50.83 ID:bQOUDUrV0


ジャンゴ「…」


サバタ「心配するな」

サバタ「これで俺が完全に消えるわけではない」

サバタ「月が完全に沈むまでは、彼女の中に留まることができる」

サバタ「こいつの中で俺もお前と共に戦う」

サバタ「後は頼んだぞ！ ジャンゴ」



少女の姿をした暗黒少年は目を閉じる。

完全に青紫だった髪に黒みがかかり、雰囲気も一変する。


307 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/12(木) 01:39:40.58 ID:bQOUDUrV0


　　　　「…」


ジャンゴ「その雰囲気、君は……」



少年が様子の変わった少女に声をかけよとうとしたとき、


　
　　　「おい！」


　　　　「！」



背後から呼び止められる。


　　
　　「無事だったみたいね」


　　「全く……あたし達を置いてくなっての」


　　「そうだよ、使い魔でも結構大変なんだからね」


ジャンゴ「みんな……」



声の主はジャンゴの後を追ってきた魔法少女達であった。


308 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/12(木) 01:41:46.93 ID:bQOUDUrV0


さやか「サバタ……だっけ？」

さやか「たいしたケガもないみたいだし、良かったよ」


　　　「……違うわ」


さやか「はい？」


杏子「何言ってんだ？」

杏子「お前、ほむらの体を借りてるって言ってたじゃんか」


　　　「そうね……確かに彼に体を貸していたわ」

　　　「でも、今は違う」


マミ「それじゃあ、あなたは……」

　　　
　　　「そう」



そう呟いた彼女は閉じていた瞳を開く。



ほむら「私は暁美ほむら……魔法少女よ」



その左目は元の色に戻り、右目は深い緋色に染まっていた。


309 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/12(木) 01:43:28.31 ID:bQOUDUrV0


マミ「本当に暁美さんなの？」


ほむら「ええ、間違いないわ」


杏子「お前がここに居るってことは……」


さやか「あいつは消えたの！？」


ほむら「まだ私の中にいるわ」

ほむら「この髪と瞳の色がその証拠よ」

ほむら「分かったかしら？」


マミ＆杏子＆さやか「…」ｺｸﾘ


310 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/12(木) 01:44:57.59 ID:bQOUDUrV0


ジャンゴ「ほむら……」

ジャンゴ「使い方は分かるか？」



ほむらが携える暗黒銃に目をやりながら、ジャンゴは尋ねる。



ほむら「ええ、私もただ単に体を貸していただけじゃないわ」

ほむら「それに……貴方の兄の声が教えてくれるから」

ほむら「この銃と穢れを操る術をね」


ジャンゴ「なら、行こう」

ジャンゴ「夜明けはもう……すぐそこまで迫って来ているんだ！」


ほむら「…」ｺｸ



　　　「キャハハハハハハハ」



薄明の下に立ちふさがる『夜』へ、少年達は向かって行く。


第３８章・了


311 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]：2012/07/12(木) 01:46:01.04 ID:bQOUDUrV0
もう……あと、ほんの少しで届くのに
　　

　『ここまで来て、どうして……』


次回：「東雲」
312 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/07/12(木) 01:51:30.42 ID:Rlnq0jRIO
おい不吉だぞ
313 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) ：2012/07/12(木) 02:56:05.49 ID:hvXUGecF0
まあ、ボクタイからロックマンまで来たし、追加で流星が来てくれるさ！これで勝つる！
314 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2012/07/12(木) 03:38:44.30 ID:HVNhwpXno
そこまでやったらもうまどかが空気になるからやめるんだ！
乙
315 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2012/07/12(木) 05:48:32.44 ID:FSsSDCWSo
スバルとサルタナまで来るのかｗｗｗｗｗｗ
316 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/07/12(木) 06:12:24.67 ID:bB+vl9t1o
大集合だ。乙
317 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]：2012/07/12(木) 10:16:20.81 ID:AbFBdE6T0
だったらデュマさんも……それは無いかｗｗｗｗ

乙っす
318 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/07/12(木) 10:20:22.49 ID:je+krw8IO
もうライマーがまどかの決め技打つの想像しちまったじゃねえかｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
319 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/07/12(木) 12:49:41.77 ID:u031+dhB0
おいおい、流星まで来たらマジで魔法少女が空気になっちまうぞ
320 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]：2012/07/12(木) 13:06:51.61 ID:RFK98L6bo
とりあえずもうこれ以上増やさなくていいです
321 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/07/12(木) 21:10:50.15 ID:5LHdWgoDO
まあやろうと思えば、スバルは異世界とも行き来できたし、OSS後なら時間軸も百年単位で行き来できるからな
322 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]：2012/07/12(木) 22:38:12.50 ID:jWh7F8Ti0
棺桶ロケット借りてこようぜ
323 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]：2012/07/13(金) 01:27:21.52 ID:QlDOSYF+o
ガリガリ君「かと思ったか？俺だよ！！」
324 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/07/13(金) 08:18:38.69 ID:iVCeP09IO
そういやガリガリ君もいたなｗｗｗｗｗｗ
325 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]：2012/07/13(金) 08:35:41.50 ID:2qkkTV1ko
？？？さんもいるし、ボクタイも結構コラボしてたよな
まぁ？？？は自社コラボだったけど
326 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]：2012/07/13(金) 09:01:55.06 ID:2qi8iH/D0
？？？さんもガンデルソルの太陽銃の使い手だったな
327 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/15(日) 00:32:49.98 ID:lONqs9/j0



続・第３９章　「東雲」



328 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/15(日) 00:38:54.39 ID:lONqs9/j0


夜明けが迫るごとに魔女は攻勢を増していく。


　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ギャアアアア」 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヒュン　　
　　　　　　　　　　　　ヒュン　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ギュォオオ」
　　　　　　
　　　「グォオオオ」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヒュン　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　ヒュン　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ギャハハハハハ」




　　　　　　　　　　　　　「キャハ……キャ、キャハハハハハ」




　　　　　　　　　「ギュォオオ」　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ギャアアアア」

　　　　ヒュン　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヒュン


　　　　　　　　　　　　「ギュォオオ」　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「グォオオオ」　



彼女が放つ触手や使い魔は、明け行く空に黒い染みを作るほどであった。


329 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/15(日) 00:40:24.11 ID:lONqs9/j0


それに負けじと、



さやか「負けるか！」

さやか「行くよ！ 杏子！！」


杏子「ああ、そっちこそ……」

杏子「足手まといになるんじゃねぇぞ！」


マミ「援護するわ！」ｼｭﾝｼｭﾝｼｭﾝｼｭﾝ

マミ「ハッ…！！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ


ジャンゴ「…」ﾃｭﾝ ﾃｭﾝ ﾃｭﾝ　ﾋﾞｨｰｰｰ

ジャンゴ「ほむら！」ﾀﾞｯ


ほむら「…っ！」ﾃﾞｭﾝ　　ﾃﾞｭﾝ　　ﾃﾞｭﾝ

ほむら「分かってるわ」　ｼｭﾝ　　　ｼｭﾝ



現実世界の少年達も、


330 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/15(日) 00:42:18.18 ID:lONqs9/j0


熱斗『くっ……なんて数だ』


炎山『これが奴の最後の足掻き……というわけか』


ライカ『ああ、これを切り抜ければ俺達の勝ちだ』


熱斗『大丈夫か？ ロックマン』


ロックマン「うん……大丈夫。それより」

ロックマン「熱斗君、バトルチップをお願い！」


炎山『ブルース、覚悟はいいな？』


ブルース「問題ありません、炎山様」

ブルース「オペレーティングを続けてください」


ライカ『サーチマン、状況は』


サーチマン「敵は依然として多数、ロックマン達も消耗していますが」

サーチマン「戦闘の続行に支障はありません」



電脳世界の仲間達も、


331 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/15(日) 00:45:22.54 ID:lONqs9/j0


さやか「うおおぉぉぉ！！」ｻﾞｷｯ


杏子「はぁっ！」ｻﾞｼｭｯ


マミ「ボンバルダメントォ！！！」ズドォォォォン


ジャンゴ「…！」ﾌﾞﾝ　ﾌﾞﾝ


ほむら「くっ……」ﾃﾞｭﾝ　　ﾃﾞｭﾝ　　ﾃﾞｭﾝ



熱斗＆炎山＆ライカ『『『バトルチップ！！』』』



熱斗『マグナム』


炎山『バリアブルソード』


ライカ『センシャホウ』



熱斗＆炎山＆ライカ『『『スロットイン！』』』



ロックマン「喰らえ、マグナム！」ｽﾞﾀﾞｧﾝ


ブルース「エレメントソニック！！」ｻﾞｯ ｻﾞｯ ｻﾞｯ ｻﾞｯ


サーチマン「ターゲット補足………発射ッ！！」ズゴォォン



決死の覚悟で対抗する。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


332 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/15(日) 00:52:29.66 ID:lONqs9/j0

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


パイルドライバー起動までの時間稼ぎをする少年達と何度攻撃を受けても倒れない魔女。

体力の削りあいの様相を呈した戦いは、切り札のあるジャンゴ達に有利かと思われた。

が、しかし……



杏子「くっ……」


さやか「ぜぇ……はぁ…」


マミ「…っ、はぁ…はぁ……」



夜明けを迎える前に、長期戦で消耗していた少女達に限界が訪れる。


333 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/15(日) 00:55:46.87 ID:lONqs9/j0


杏子「腕が……上がんねぇ」ｶﾞｽｯ



槍を振り続けた少女その重みを支えられず、力なく腕を垂れ下げる。



さやか「力が…抜けて……」ｽﾁｬ



戦場を駆け回った少女は足を振るわせ、膝を付く。



マミ「くっ……」ｶﾞﾀｯ



自らが砲台となり使い魔を蹴散らした少女は指先の感覚を失い、武器を落とす。


334 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/15(日) 00:59:54.85 ID:lONqs9/j0


ジャンゴ＆ほむら「！」



崩れ落ちる仲間の姿を見た２人は、彼女達のもとに急行した。



ジャンゴ「マミ！ 杏子！ さやか！」


ほむら「貴女達！ 大丈夫なの！？」


さやか「うん……大丈夫」

さやか「でも、少し疲れちゃった」

さやか「一緒に戦うのはムリそう……かな」


杏子「クソ……」

杏子「ここまで来て、どうして……」

杏子「動け、動いてくれよ！ あたしの腕！！」


さやか「杏子……気持ちは分かるけど」

さやか「私達にはもう無理だよ」

さやか「後は、ほむら達に任せよう」


335 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/15(日) 01:07:59.14 ID:lONqs9/j0


杏子「けどよ…」


マミ「佐倉さん……悔しいけど、美樹さんの言う通りだわ」

マミ「たとえ、今の私達がソウルジェムの穢れを気にせずに魔法を使えるとはいっても……」

マミ「その魔法を放つ身体がまともに動かないんじゃ、話にならないわ」

マミ「彼女達ならやってくれる……そう信じましょう」


杏子「………わかったよ」

杏子「ジャンゴ、ほむら」

杏子「休憩したらすぐに助けにいく」

杏子「それまで絶対に倒れんじゃないよ！」


さやか「加勢できないのは悔しいけど」

さやか「２人とも……ワルプルギスを任せたよ」


マミ「あなた達なら、きっと明日を掴んで帰ってくる」

マミ「それを信じているわ」


336 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/15(日) 01:12:18.27 ID:lONqs9/j0


ほむら「分かったわ……任せておいて」


ジャンゴ「行こう、ほむら」


ほむら「ええ」



仲間に見送られながら、色違いのマフラーを身に纏う２人は、


　
　　　「キャハ………キャハハハハ」



ジャンゴ「…」ﾀﾞｯ


ほむら「…」ｼｭﾝ



東雲に浮かぶ魔女へ向かって飛び出した。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


337 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/15(日) 01:15:16.17 ID:lONqs9/j0

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


茜色に色付き始めた空の下、少年達は最後の力を振り絞り魔女に立ち向かう。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヒュン
　　　　

　　　　　　　　「ギャハハハハハ」
　　　　

　　　ヒュン
　
　　　　　　　　　　　　　「ギュォオオ」　　　　　　　



ほむら「はっ…！」ﾃﾞｭﾝ　ﾃﾞｭﾝ　ﾃﾞｭﾝ



　　　　　　　　　ガァァン
　　　　　　　　　
　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　「グァァアア……」　　　


　　　　ゴォォォン　
　　


ほむら「…っ」ｼｭﾝ　ｼｭﾝ

ほむら「…！」ﾃﾞｭ　ﾃﾞｭ　ﾃﾞｭ　ﾃﾞｭﾝ



　　　　「ガァ……グッ、アアア゛ア゛ア゛ア゛！」


338 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/15(日) 01:17:46.39 ID:lONqs9/j0


ジャンゴ「…！」ﾀﾞﾝｯ　ﾀﾞﾝｯ



　　　「グォッ……」


　　　　　　　　　　　　「ギャァ……」



ジャンゴ「…っ」ｶﾁｬｶﾁｬ　ｶﾞﾁッ

ジャンゴ「…」ﾃｭﾝ　ﾃｭﾝ　ﾋﾞｨｰｰｰ



　　　　グォォォン　
　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　ズドォォォン

　　　
　　　　　　「ギャァアアアア……」



ジャンゴ「うおぉぉぉ！！」ﾃｭﾝ ﾃｭﾝ ﾃｭﾝ ﾃｭﾝ



　　　　「ッ…ギャ、ガッ……キャハハハハハハ！！！」　
　

339 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/15(日) 01:19:41.70 ID:lONqs9/j0


その攻防は、



ほむら「くっ…」ﾃﾞｭﾝ　ﾃﾞｭﾝ　ﾃﾞｭﾝ

ほむら「はぁ……はぁ……」

ほむら「…っ」ｼｭﾝ　ｼｭﾝ



少女から体力を奪い、



ジャンゴ「…」ﾃｭﾝ　ﾃｭﾝ


　　　カチッ　　カチッ


ジャンゴ「！」

ジャンゴ「くっ…」ｼｭﾝ　ｶﾁｯ ｶﾀｯ

ジャンゴ「…」ﾃｭﾝ　ﾃｭﾝ　ﾃｭﾝ　ﾃｭﾝ



少年からエナジーを奪っていった。


340 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/15(日) 01:21:06.68 ID:lONqs9/j0


そして、遂に



　　　「キャハ……ハハハハハ……」



　　　　　ヒュン　　　　ヒュン



ほむら「…っ」ｼｭﾝ


　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　ドシィィイン
　　　　　　　　
　　　　
　　　　　　　　　　　　ズダァァン



ほむら「…」ｼﾞｬｷ



　　　　「ギャハハハ！！」



ほむら「！」


　　　　ザシュッ


ほむら「ぐっ……」



疲弊しきったほむらは使い魔に反応できずに攻撃を受ける。


341 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/15(日) 01:24:49.91 ID:lONqs9/j0


ジャンゴ「！」

ジャンゴ「くっ……」ｼｭﾝ ｶﾁｯｶﾀｯ

ジャンゴ「うおおぉぉぉぉぉ！！」ﾃｭﾃｭﾃｭﾃｭﾃｭﾃｭﾃｭﾃｭﾃｭﾃｭ
　　　


　　　　「ギャ…ガッ、ギャ…ギャ……ガァッ………」



それを目撃した少年は、彼女を助けるために有りっ丈の弾を使い魔にぶつける。



　　　　　　　「グァァァァァ………」ｻｧｰｰ　
　　


大量の光弾を受けた使い魔は跡形もなく消え去り、



　　　　　カチッ　　　カチッ



後には銃の引き金を引く乾いた音が響いた。



ジャンゴ「…」ｼｭｰｰｰ

ジャンゴ「…っ」ﾀﾞｯ



使い魔の消滅を確認したジャンゴはほむらのもとへ駆け寄る。


342 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/15(日) 01:28:00.58 ID:lONqs9/j0


ジャンゴ「大丈夫か！？」


ほむら「……大丈夫」

ほむら「たいした傷じゃない……まだ戦えるわ」



そう返答したほむらは立ち上がろうとするが、



ほむら「あっ…」ﾖﾛｯ


ジャンゴ「！」ｶﾞｼｯ



よろけてジャンゴに支えられる。


343 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/15(日) 01:31:14.49 ID:lONqs9/j0


ジャンゴ「……ほむら」

ジャンゴ「後はボクがなんとかする」

ジャンゴ「君はここで休んでいるんだ」


ほむら「でも、１人でなんて……」


ジャンゴ「心配はいらないよ」

ジャンゴ「確かに今……あいつの前に立っていられるのはボクだけかもしれない」

ジャンゴ「でも、ボクは１人で戦に行くわけじゃない」

ジャンゴ「君やまどか、マミと杏子にさやか、そして……おてんこさまに、ロックマン達」

ジャンゴ「明日を信じるみんなの想いと共に戦うんだ」


ほむら「そうは言っても……」

ほむら「貴方だって限界が近いはず」

ほむら「その銃だって……もう、弾が無いんでしょ」


344 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/15(日) 01:36:28.95 ID:lONqs9/j0


ジャンゴ「太陽銃（ガン・デル・ソル）が使えなくても、まだ別の武器が残ってる」

ジャンゴ「日が昇るまであと……もう少しだ」

ジャンゴ「ここで退いたら、仲間の想いを裏切ることになる」

ジャンゴ「そんなこと……ボクはしたくない」

ジャンゴ「だから、立ち向かうんだ。この命が燃えている限り」


ほむら「…」


ジャンゴ「分かってくれた……みたいだね」

ジャンゴ「じゃあ、行ってくる！」ｼｭﾝ

ジャンゴ「…」ﾀﾞｯ



鉄槌を召喚した少年は、少女に別れを告げて魔女に向かって行った。


第３９章・了


345 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]：2012/07/15(日) 01:37:26.03 ID:lONqs9/j0
最後の力を振り絞って


　『ラストバトルオペレーション！ セット！！』


次回：「もうひとつの東雲」
346 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/07/15(日) 01:43:10.51 ID:Zi+gsWSD0
前スレで残り80レスくらいって言ってたのに、めちゃくちゃ頑張ってくれてるな
347 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/07/15(日) 01:52:12.28 ID:TfODiBh0o
乙
348 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) ：2012/07/15(日) 02:23:39.34 ID:loyZ/FQT0
スネークwww
メタルギアバロスwwww
349 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]：2012/07/15(日) 02:26:50.93 ID:loyZ/FQT0
スネークは本当に、少女の集団失踪の謎を追え！とかってミッションで普通にきてそう
350 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]：2012/07/15(日) 11:36:13.40 ID:/mZqK8W30
乙
明けない夜はなんてないッ！
351 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) ：2012/07/15(日) 11:36:50.84 ID:XRQogxEn0
乙
352 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]：2012/07/15(日) 21:52:15.97 ID:KhbhKuYho
乙
これはテンション上がる
353 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]：2012/07/16(月) 00:34:12.90 ID:qUqGyGDt0
乙

野暮なようだが、正しくは「ラストオペレーション、セット」だ
354 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/07/16(月) 01:03:40.16 ID:k1H9oHRG0
>>353
　済みません、訂正しておきます

黙っていましたが、作者はエグゼシリーズ未プレイです
遠い昔に見たアニメの記憶や、また聞きしたゲームの内容を呼び起こしながら書いているので、所々おかしな部分もあ　るかと思います
　
よろしければ、今まで投下した場面の変な個所についてもご指摘下さい
次の章からは違和感の無いよう努めます
355 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/17(火) 00:47:29.02 ID:JOkOZigR0



続・第４０章　「もうひとつの東雲」



356 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/17(火) 00:55:04.01 ID:JOkOZigR0


魔法少女達が戦線を外れた時刻と時を同じくして、



炎山『ワイドソード、スロットイン！』


ブルース「オラッ！」ｽﾞｼｬ



　　　「グゴッ……」

　　　　　　　　　　　「ギャ！……」



ブルース「くっ……まだ湧くのか」

ブルース「！」



　　　　　　「グォオオオ」　　　
　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　「ギャアアアア」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ギャハハハハハ」
「ギュォオオ」　
　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　「ギャアアアア」 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　



熱斗『ブーメラン！！』
　

ロックマン「はっ！」ｻﾞｯ ｻﾞｯ ｻﾞｼｭ


　
　　　　「グゴッ……」
　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　「ガァァアア！！………」



ライカ『メガキャノン！』


サーチマン「…っ！」ドォォォン



　　　　　　　　　　　　「ガァァアア！！………」

　　　「グォオオオ」　　　　　　　　　　



電脳の戦士達も苦境に立たされていた。


357 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/17(火) 00:57:49.50 ID:JOkOZigR0


ロックマン「…っ」

ロックマン「大丈夫？ ブルース」


ブルース「済まない……助かった」

ブルース「サーチマン、残りの敵数は分かるか？」


サーチマン「残りは１０、いや２０……まだまだ増加を続けている」


ブルース「……そうか」

ブルース「休む暇など……ないみたいだな」

ブルース「炎山様、チップデータを転送してください」


炎山『…』


ブルース「どうかしましたか？」


炎山『済まん……ブルース』

炎山『さっきのが最後のチップだ』


358 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/17(火) 00:59:03.53 ID:JOkOZigR0


ブルース「！」

ブルース「……本当ですか？」


炎山『……ああ』


ブルース「くっ……」


サーチマン「……ライカ様、残りは」


ライカ『……エリアスチール１枚、バリアー２枚』

ライカ『攻撃用のチップは使い果たした』


サーチマン「…」


ロックマン「熱斗君、ボク達のは……」


熱斗『あと１枚……リカバリーだけ』

熱斗『ごめん、ロックマン』


ロックマン「そんな…」


359 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/17(火) 01:05:59.68 ID:JOkOZigR0


サーチマン「現状、３人の攻撃手段はともに基本装備のみ」

サーチマン「残されたサポートチップの数も少ない」

サーチマン「それに加えて、敵の数は刻一刻と増え続けている」

サーチマン「絶体絶命……だな」


ロックマン「一体、どうすれば……」


ブルース「どうするもこうするも……やるしかない」

ブルース「ここで諦めたら、俺達にもお前の友人にも勝ちはない」



自分たちが置かれた状況に対しブルースが答えを出すと、



　　　「そうだ。我々の手であいつらに太陽を届けるんだ」
　　　　


それに被せて何者かが肯定する声が聞こえてくる。


360 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/17(火) 01:07:14.79 ID:JOkOZigR0


サーチマン「誰だ！？」ｶﾞﾁｬ


ブルース「敵か？」ｼﾞｬｷ



突然の声に驚いた２人は臨戦態勢を取るが、



ロックマン「待って！ ２人とも」

ロックマン「この声は……」



感づいたロックマンに制止される。



おてんこ「……私だ」



声の主はエラー解除を担当していた太陽の使者であった。


361 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/17(火) 01:09:15.99 ID:JOkOZigR0


ブルース「お前は……どうしてここにいる？」

ブルース「エラーはどうなったんだ」


おてんこ「それなら問題ない」

おてんこ「パイルドライバシステムに発生したエラーは全て取り除いた」


熱斗『じゃあ、パイルドライバーの修復が終わったのか？』


おてんこ「いや……まだひとつ重大な問題がある」


サーチマン「それは……？」


おてんこ「システムに発生したバグ、魔女の使い魔の存在だ」

おてんこ「このままでは奴らが邪魔してパイルドライバーが起動できない」

おてんこ「少しの間でもいい……バグが少なくなる瞬間があれば」

おてんこ「強引にでもパイルドライバーを召喚できるのだが……」


ライカ『今の疲弊したロックマン達には難しい……か』


362 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/17(火) 01:11:52.98 ID:JOkOZigR0


熱斗『クソッ……どうすればいいんだ！』

熱斗『パイルドライバーを直してみせる、って約束したのに！ オレは……』


ロックマン「熱斗君……」


炎山『落ち着け、光』

炎山『まだ敗北が決まったわけではない』


熱斗『けど……』


ライカ『らしくないな、熱斗』

ライカ『どんな困難でも２人一緒に切り抜ける……それがお前達ではないのか？』


炎山『そうだ。約束をしたのなら、最後まで守る努力をしてみせろ』


熱斗『ライカ……炎山』


363 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/17(火) 01:13:22.43 ID:JOkOZigR0


熱斗『そう……だよな』

熱斗『ここまできて諦めるわけにはいかないよな』

熱斗『ごめん。オレ……どうかしてたよ』


炎山『別に……謝る必要などない』

炎山『それより、おてんこだったか……何か策はないのか？』

炎山『いくらブルース達が戦い続けても、このままではジリ貧だ』

炎山『パイルドライバーを召喚する機会さえ作れるかどうか怪しい』


おてんこ「方法があるには……ある」


ライカ『その方法とは？』


おてんこ「ロックマンにエネルギー供給システムをリンクさせる」

おてんこ「そうすれば……この状況を打破できるかもしれない」


364 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/17(火) 01:16:54.66 ID:JOkOZigR0


サーチマン「待て！」

サーチマン「このシステムが扱っているエネルギーは途轍もない量だ」

サーチマン「そんなものが身体に流れ込んだりすれば……」


おてんこ「下手をすれば身体がエナジーに耐えきれず、内部から崩壊するかもしれん」


サーチマン「なら……」


おてんこ「私としてもロックマンを危険に曝したくない」

おてんこ「だが、他に方法が思いつかないのだ」


サーチマン「…っ」


ロックマン「おてんこさま……それで本当にパイルドライバーを召喚できるの？」


おてんこ「確証はない……」

おてんこ「が、このまま戦い続けるよりもずっと確率は高いだろう」


ロックマン「なら……やるよ」


　　　　「！」


365 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/17(火) 01:18:29.63 ID:JOkOZigR0


熱斗『……いいのか？』


ロックマン「うん。ジャンゴ君も命を賭けて戦っているんだ」

ロックマン「だったら、ボクも頑張らなくちゃ」


熱斗『ロックマン……』


ロックマン「心配しないで熱斗君。ボクなら大丈夫」

ロックマン「必ず成功させてみせるよ」


熱斗『分かった』

熱斗『おてんこさま、ロックマンのこと……よろしく』


おてんこ「……ああ、任せておけ」

おてんこ「覚悟はいいな？ ロックマン」


ロックマン「…」ｺｸﾘ


おてんこ「行くぞ！」


366 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/17(火) 01:20:04.73 ID:JOkOZigR0


おてんこ「太陽ぉーーーーー！！」



太陽の精霊は目の前の青いナビにエネルギー供給システムをリンクさせる。



ロックマン「……！」



システムに繋がったロックマンに途方もない太陽エネルギーがなだれ込んでいく。



ロックマン「うっ……」



膨大なエネルギーを取り込む反動はその体を痛めつける。



ロックマン「うあぁぁぁぁ！！！」



あまりの苦痛にロックマンは悲鳴を上げた。


367 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/17(火) 01:23:59.57 ID:JOkOZigR0


熱斗『ロックマン！！』


ブルース「しっかりしろ！」


サーチマン「耐えろ！ ロックマン」



仲間達は苦しむロックマンを心配して声をかけるが、



　　　　 「ギュォオオ」　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「グォオオオ」　
　　　　
　　　　　　　　　　　　「ギャアアアア」

　　　　　　　　　
　　「グォオオオ」　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ギャアアアア」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ギャハハハハハ」
　　　 　　　
　　　　　　　「ギャアアアア」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ギャハハハハハ」　　　　　　



次々に湧き出てくる使い魔に邪魔される。


368 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/17(火) 01:25:33.34 ID:JOkOZigR0


炎山『ブルース！』


ライカ『サーチマン！』


ブルース「……分かってます」ｼﾞｬｷ


サーチマン「問題ありません」ｶﾁｬ



２人は行動不能な仲間を守るべく臨戦態勢に入る。



ブルース「…」ﾀﾞｯ


サーチマン「…っ」ﾀﾞｯ



準備を整え、使い魔に向かって駆け出そうとしたとき、



　　　　「はぁぁぁあああ！！！」


　　　　　　　　「！」



覇気に満ちた雄叫びと強烈な閃光が背後から押し寄せてくるのを感じる。


369 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/17(火) 01:28:57.96 ID:JOkOZigR0


ブルース達を通り抜けた光の波は、

　　　
　　　
　　　　　　　　　　　　　　「ギャッ……」　　　　　


　　　「ギャ！……」　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「グァァアア……」

　　　　　　　　　　　　　「グゴッ……」　　



向かい来る使い魔達を包み込み、



　　　　　　カァッ



消滅させた。



ブルース「……これは」


サーチマン「一体…」



突然の出来事に困惑した２人は、光の正体を確かめるために後ろを振り向く。



ブルース＆サーチマン「！」



そこには彼らの知る青い友の姿はなく、



　　　　「…」



深紅のマフラーを纏い、赤のボディーアーマに身を包んだナビの姿があった。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


370 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/17(火) 01:30:58.73 ID:JOkOZigR0

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


炎山「光、こいつは」


ライカ「ロックマン……なのか？」



モニター越しにその赤いナビを眺めるオペレータはその正体を熱斗に問う。



熱斗「間違いない」

熱斗「これはロックマンだ」



彼らの質問に対し、少年は断言する。


371 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/17(火) 01:31:53.30 ID:JOkOZigR0


炎山「どうして……そう言い切れる」


熱斗「ロックマンに何が起こったのか」

熱斗「オレにも良く分からない……」

熱斗「でも、これはロックマンだ。それだけは分かるんだ」


ライカ「しかし……」



熱斗の返答に釈然としない２人は言い返そうとするが、



　　　「熱斗の言ってることは正しいよ」



背後からの声に遮られる。



炎山「光博士……どういうことですか？」


祐一郎「熱斗の言うとおり、あの赤いナビはロックマンだ」

祐一郎「あのナビは今も、熱斗のオペレーティングを受けている」

祐一郎「それが何よりの証拠だ」


372 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/17(火) 01:34:00.80 ID:JOkOZigR0


ライカ「では、ロックマンに何が起こっているのですか？」


祐一郎「それは……」



質問を受けた博士が答えようとしたとき、



　　　『私の方から説明しよう』



ＰＥＴの向こうから太陽の精霊の渋い声が流れてくる。



熱斗「おてんこさま」


おてんこ「うむ」


炎山「……説明してくれ」


373 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/17(火) 01:35:07.66 ID:JOkOZigR0


おてんこ『私はロックマンとエネルギー供給システムにリンクを構築した』

おてんこ『その結果、彼には中継器に蓄えられた膨大なエネルギーが流れ込んだ』

おてんこ『自身の崩壊を食い止め、エネルギーを取り込むことに成功したロックマンは……』

おてんこ『限界を超えた存在となった』


ライカ「限界を超えた……存在」


おてんこ『そう』

おてんこ『今のロックマンは単体で、パイルドライバーに匹敵するほどの火力を有している』

おてんこ『それは正に、太陽をその身に宿す存在』

おてんこ『ソルクロスロックマン……とでも言えばいいか』


374 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/17(火) 01:36:04.67 ID:JOkOZigR0


熱斗「……ソルクロスロックマン」

熱斗「この力があれば……パイルドライバーを！」


おてんこ『ああ……だが、まだロックマンは完全に覚醒していない』

おてんこ『彼を目覚めさせるには、オペレーターであるお前の声が必要だ』

おてんこ『呼びかろ！ そして……あいつらに太陽を届けてくれ！！』


熱斗「分かったよ……おてんこさま」



おてんこの言葉を受けた少年は、



熱斗「ロックマン！！」



自らのＰＥＴに向かってロックマンの名を叫ぶ。


375 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/17(火) 01:38:04.93 ID:JOkOZigR0


熱斗「起きてくれ！ ロックマン！！」




　　　　　　『…』




熱斗「オレ達には、お前の力が必要なんだ！」



　　
　　　　　 『…っ』
　　　



熱斗「お願いだ！ 目を覚ましてくれ！！」




　　　　『…っ…と…』




少年は赤く染まったナビに呼びかけ続け、遂に




　 　　　『熱斗君！』




その名を呼ばれる。


376 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/17(火) 01:40:57.09 ID:JOkOZigR0


熱斗「ロックマン！！」


ロックマン『ありがとう、熱斗君』

ロックマン『君のおかげで戻ってこれたよ』


熱斗「いいんだ」

熱斗「そんなことより……分かってるよな？」


ロックマン『うん。ジャンゴ君達に太陽を届けなくちゃね』


ライカ「話は終わったみたいだな」

ライカ「熱斗、サーチマンとブルースは援護に回る」


炎山「お前達は正面からバグを蹴散らせ」


熱斗「おう！ 分かったぜ！！」


おてんこ『私は機会ができ次第、パイルドライバー召喚準備に入る』

おてんこ『後は……頼んだぞ！！』


熱斗「任せとけ！！」

熱斗「行くぞ！ ロックマン」

熱斗「ラストオペレーション！ セット！！」


ロックマン『イン！！』


第４０章・了


377 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]：2012/07/17(火) 01:41:28.40 ID:JOkOZigR0
死闘の果てに


　『これこそがお前の……そして、我々の信じ続けた明日だ！』　


次回：「夜明け」
378 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2012/07/17(火) 01:43:19.89 ID:cn9RbcPDo
まどか要素が消滅しててワロタ
乙
379 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/07/17(火) 06:48:03.77 ID:w+pRlCYIO
今までサーチマンだと思ってた奴をよく思い出したらナンバーマンだった
380 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/07/17(火) 07:58:06.48 ID:fhR7KMsZo
乙
381 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/07/17(火) 12:29:12.17 ID:KfFSyNdDO
乙！
念願のソルクロスｷﾀ━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━!!!


でもゲームならシステム上ともかく、アニメ設定ならチップ切れない(スロットインしても排出口から出てきてまた使える)んじゃ？
とか言うとせっかくのピンチが台無しになるから、そこは別に訂正しないでいいです
382 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]：2012/07/17(火) 14:18:27.25 ID:FQ5XCK00o
それでも伯爵なら…伯爵なら空気読まずに復活してくれる…！

乙
383 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]：2012/07/17(火) 14:45:06.14 ID:X+LAKUg8o
>>381
出てきたチップは機械でチャージしなきゃ使えなかった希ガス
384 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/07/17(火) 22:22:32.85 ID:X72yG1QHo
>>379のおかげででマスの人がどっさりチップ持ってきてくれる姿が見えた
勿論チップ代はキッチリ払って……あ、科学省に請求すればいいんでマスね？
385 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/07/18(水) 08:03:04.24 ID:ahGpjzpIO
ソルクロスのチャージって何が撃てるのか。
ガンデルソル？
386 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/07/18(水) 11:31:56.08 ID:J3CQt0nDO
>>385
チャージがなくて、B押してる間ガンデルソル照射じゃないっけ
387 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]：2012/07/18(水) 13:18:16.66 ID:H/4PUzgk0
>>385
ガンデルソル　威力１２０（ガード・インビシブル・潜水状態の敵にも当たる）
スーパーアーマー＋屋外からプラグインしてるとチャージショットの威力が2倍、チップの威力増加、戦闘後HP回復
388 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]：2012/07/19(木) 18:56:26.25 ID:v+oycCrA0
電脳世界ターンだから
自ずとまどか達置き去りになるのは仕方ないかｗｗ
389 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/20(金) 00:04:56.58 ID:sNdD5GVK0



続・第４１章　「夜明け」



390 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/20(金) 00:09:26.11 ID:sNdD5GVK0


茜色の空の下、



　　　「キャハハハハハ」



夜を名を冠する魔女と



ジャンゴ「…」



太陽の名を冠する少年による



　　　「キャハ、キャハハハハハハハ」



ジャンゴ「…っ」



死を賭した舞踏の幕が開いた。


391 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/20(金) 00:16:20.56 ID:sNdD5GVK0


空高くジャンゴを見下ろす魔女は、



　　　　　「キャハッハハハハハハ」


　　　　　　　　　　ヒュン　　　


　　　　ヒュン　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヒュン



自らの触手を以って、外敵を排除しようとする。



ジャンゴ「…」ﾀﾞｯ



対する少年は、槌を両手にその真っ只中へと突っ込んでいく。


392 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/20(金) 00:18:10.37 ID:sNdD5GVK0


魔女に向かって疾走する太陽少年は、



ジャンゴ「…っ」ｻｯ



　　　ゴォォォォン



初手を身を翻して回避。



ジャンゴ「…っ」



そのまま鉄槌を横に構えると、



ジャンゴ「やぁッ！！」ｺﾞｯ


　　　　　　　　ガンッ
　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　ガァァァン　
　　　　　　　　　　　　　ズドォォォン



続く２、３本目をまとめて横に薙ぎ払った。


393 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/20(金) 00:22:16.53 ID:sNdD5GVK0


　　　　「ギャァァァァアアアア！！！」



触手を打ち落とされた魔女は痛みで行動を鈍らせる。



ジャンゴ「うおおぉぉぉ！！」ﾀﾞｯ



その隙にハンマーを低く構えた少年は駆け出し、魔女との距離を詰める。



ジャンゴ「…っ」ｶﾞｯ



魔女に肉薄したジャンゴは足を踏ん張り、



ジャンゴ「ぐっ……」ｸﾞｯ



限界まで体を捻じると、その反力を利用して、



ジャンゴ「うおりゃぁぁぁあああ！！！」



渾身の一撃を叩き込む。


394 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/20(金) 00:24:18.57 ID:sNdD5GVK0


　　　　　　　　　　ガキィンッ
　　　　　　
　　　
　　　　「グワァァアアアア゛ア゛ア゛ア゛………」



鉄槌を打ち込まれた魔女の体はくの字に折れ曲がり、



　　　　　　　ズゴォォォォォオオオオン



夜明けの町を吹き飛んでいく。



ジャンゴ「…」ｶﾞｽｯ



遠くのビルに魔女が激突するのを見届けたジャンゴは、



ジャンゴ「まだか……」



空を仰ぎ見て、日の出までの時間を計る。


395 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/20(金) 00:26:54.92 ID:sNdD5GVK0


　　　　　ガラ　　　ガラ


視線を戻すと、魔女の埋まっている瓦礫が崩れていくのが見えた。



ジャンゴ「…」ｶﾞｼｯ



次なる交戦に備えてハンマーを構えた時、



　　　「ギャアアアアアア」



ジャンゴ「！」



背後から咆哮と共に使い魔が迫る。



ジャンゴ「…っ」ｻｯ



とっさに横に跳び、やり過ごすが、



　　　「グギャァァアアア」


ジャンゴ「なっ…！」



使い魔は直角に向きを変えると攻撃を繰り出してきた。


396 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/20(金) 00:29:03.20 ID:sNdD5GVK0


ジャンゴ「くっ…」



　　　　　キンッ　　



何とか反応したジャンゴはハンマーでその攻撃を防ぐことに成功する。

しかし、



ジャンゴ「…！」ﾊﾞｯ



握りの甘かった鉄槌は攻撃に掠われ、



　　　　　ガスッ　　　　



何処かへ放り投げられてしまった。


397 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/20(金) 00:31:15.13 ID:sNdD5GVK0


　　　　「ガァァァアアア！！！」



使い魔は丸腰になったジャンゴに向かって、再び襲い掛かる。



ジャンゴ「…っ」



回避や防御が間に合わないことを悟った少年も攻撃に転じる。



ジャンゴ「…」ﾀﾞｯ



正面から使い魔に向かって駆け出したジャンゴは、



ジャンゴ「…！」ｻｯ


　　　　「！？」



身をかがめ、すんでのところでその攻撃をかわす。


398 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/20(金) 00:33:10.09 ID:sNdD5GVK0


そのまま使い魔の懐に潜り込むと、



ジャンゴ「…」ｸﾞｯ



拳を握りしめ、



ジャンゴ「はっ！！」


　　　　　ドスッ


　　　「グァッ……」
　
　

強烈なアッパーカットをぶちかました。


399 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/20(金) 00:37:14.76 ID:sNdD5GVK0


　　　　「アアア……」



ジャンゴの一撃は使い魔の体を掬い上げる。

宙に浮かんだ使い魔は重力に従って落下を始めるが、



ジャンゴ「…！」


　　　　　バキッ

　
　　　　「グッ……」
　


太陽少年は次々に拳を繰り出し、



ジャンゴ「…っ！」


　　　　　メキッ


　　　　「…ッ……」　　　　



反撃を防ぐとともに、



ジャンゴ「はっ！」


　　　　　ボキッ


　　　　「………」　
　


着地することを許さなかった。


400 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/20(金) 00:41:03.66 ID:sNdD5GVK0


使い魔が完全に沈黙したのを確認したジャンゴは、



ジャンゴ「…ッ！！」


　　　　　　ゴスッ


　　　「グッ……ガ……」



決め技の回し蹴りを放ち、


　
　　　　ズドォォォン



その体を吹き飛ばす。


401 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/20(金) 00:44:23.32 ID:sNdD5GVK0


ジャンゴ「はぁ……はぁ……」　　



窮地を脱した少年は連戦で上がった息を整える。



ジャンゴ「…」ｼｭﾝ



小休止を終えたジャンゴは右手に剣を召喚すると、



　　　「キャハ……ハハハハハ」



ジャンゴ「…」ﾀﾞｯ



既に戦闘態勢を取っている魔女へと向かって行った。


402 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/20(金) 00:50:13.91 ID:sNdD5GVK0


朝焼けに霞む満月の下、



　　　「キャハハハ………」



ジャンゴ「…っ」



少年と魔女の死闘は続く。



　　　「キャ…ハハハ………アハハハ」



決して希望を捨てない相手を前に、魔女はその力を減衰させていき、



ジャンゴ「ぜぇ……はぁ…ッ」



戦い続ける少年は体力を消耗して動きを鈍らせていった。


403 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/20(金) 00:51:44.58 ID:sNdD5GVK0


いつ日が昇っておかしくない状況に焦った魔女は、



　　　　　　「キャハ…キャ、キャハハハハハ！！！！」


　　
　　　　　　　　　　　　　　ヒュン
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヒュン

　　　　ヒュン　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヒュン
　　
　　　　　　　　　　ヒュン　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　



少年を倒すべく、最後の攻勢に打って出た。


404 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/20(金) 00:59:11.84 ID:sNdD5GVK0


ジャンゴ「くっ…」



全ての攻撃を回避、防御することは出来ないと判断したジャンゴは、



ジャンゴ「うおぉぉぉ！！」



正面突破に踏み切る。



ジャンゴ「…！」ｻｯ



　　　ドゴォォン



１本目は半身を引いて回避。

　　　　　

ジャンゴ「…」ｽｯ



　　　ガァァアアン



次弾は身を屈めてやり過ごすが、すぐさま３本目の触手が迫る。



ジャンゴ「ぐっ……」ｻﾞｸｯ



少年は傷つくことも厭わずに触手を無視して突破する。

最後の２本は、



ジャンゴ「やぁぁぁあああ！！」ｷﾝｯ　ｶﾝｯ



　　　ズガァァンッ

　　　　　　　　　　　　　　　ゴォォォォン
　


強引に剣で叩き落とす。


405 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/20(金) 01:01:39.89 ID:sNdD5GVK0


　　　　　「！？」


　　　
ジャンゴ「うぉぉぉおお！！」



触手の雨を突破されたことに驚く魔女に接近すると、



ジャンゴ「はぁぁぁあああ！！！」



会心の一撃を放つ。


　
　　　　　　　　ザシュッ



　　　　「ギャァアアアアア！！！」



斬撃は魔女を切り裂き、その胸に大きな亀裂を作るが、



　　　　　　　　ピシッ



同時に刀身にもヒビを入れる。


406 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/20(金) 01:10:47.23 ID:sNdD5GVK0


ジャンゴ「！」



剣に気を取られたジャンゴは一瞬、行動を停止させる。



　　　「ヴォァァァアア゛ア゛ア゛ア゛！！！！」
　　　


深手を負った魔女はその隙を見逃さず、カウンターを繰り出した。



ジャンゴ「…っ！」



反応が遅れたジャンゴは何とかその攻撃を剣で受け止めようとするが、



　　　　　　バキッ



ひび割れた剣は衝撃に耐えれずに砕け散る。



ジャンゴ「うああぁぁぁ！！！」


　　
防御に失敗した少年は吹き飛ばされ、



　　　　　ズドォォォォン　



瓦礫の山に突っ込んだ。


407 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/20(金) 01:14:33.39 ID:sNdD5GVK0


ジャンゴ「うっ……」



辛うじで意識を失わずに済んだジャンゴは、



ジャンゴ「…っ」ｶﾞﾗ　ｶﾞﾗ



瓦礫の中から這い出す。

薄れゆく満月の空には、



ジャンゴ「くっ…」



　　　「…ハ、キャハハ……キャハハハ………」



依然として魔女が浮かんでいた。


408 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/20(金) 01:26:10.84 ID:sNdD5GVK0


ジャンゴ「…」ｽﾁｬ



西の空を見上げる少年はそっと立ち上がり、静かに口を開く。



ジャンゴ「太陽銃は弾切れ、他の武器も……もう使えない」

ジャンゴ「こんな状態じゃ……勝負にすらならないかも知れない」

ジャンゴ「それでも、ボクは絶対に明日を諦めたりしない」

ジャンゴ「諦めない心……それこそが、ボクの……」

ジャンゴ「最大の武器なのだから！」
　　


　　　「よく言った！ 太陽少年」



少年の独白が終わると、何者かが声をかけてくる。

それは、



おてんこ「待たせたな」


ジャンゴ「おてんこさま！」



苦楽を共にした相棒、おてんこのものであった。


409 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/20(金) 01:36:32.29 ID:sNdD5GVK0


ジャンゴ「一体、どうして……」


おてんこ「私がここに来る理由はひとつしかない」


ジャンゴ「……もしかして！」


おてんこ「ああ……パイルドライバーの召喚準備が整った」

おてんこ「完璧な状態とは言えないが、ロックマン達のおかげでひとまず召喚は可能だ」

おてんこ「良く頑張ったな、ジャンゴ」

おてんこ「明日を信じて未来を諦めないお前の心……それが我々に光をもたらしたのだ」

おてんこ「見てみろ！ あの空を」


ジャンゴ「！」

ジャンゴ「あれは！？」



示された方向を見た少年の瞳には、真っ赤に燃え上がる空が映る。



おてんこ「そうだ……」

おてんこ「これこそがお前の……そして、我々の信じ続けた明日だ！」



その言葉と共に、地平線から射す光が２人を照らし出した。


410 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/20(金) 01:38:58.20 ID:sNdD5GVK0


おてんこ「さぁ、ジャンゴ！」

おてんこ「明日を、未来を、希望を……」

おてんこ「太陽をその手に掴め！！」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ　ｼｭﾝ



頷いた少年は太陽銃を召喚すると、



ジャンゴ「…」ｽｯ



銃口を天高く掲げて、叫ぶ。




ジャンゴ「太陽ぉーーーーーーーーー！！」




東の空には燦然と輝く太陽が、顔を覗かせていた。


第４１章・了


411 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]：2012/07/20(金) 01:39:45.24 ID:sNdD5GVK0
時は満ちた


　『最後ぐらい自分の手で終わらせたいだろ？』


次回：「反撃」
412 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]：2012/07/20(金) 02:03:43.89 ID:ULTq94VP0
乙！
たいよおおおおおおおお
413 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]：2012/07/20(金) 02:46:33.09 ID:GGU4WQzMo
乙
終わりが見えてきたな
414 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/07/20(金) 03:38:47.24 ID:EIUI/IQN0
まどか勢の空気っぷり
最後に一仕事してくれると信じてる
415 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/07/20(金) 06:20:06.29 ID:YwKR1p3Mo
乙
416 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]：2012/07/20(金) 08:26:02.68 ID:Rsshale80
乙
素手つええ
417 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/07/20(金) 17:16:59.36 ID:8ujECkv9o
レベルを上げて素手で殴る
418 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/07/21(土) 02:09:56.08 ID:aWMFx//uo
たいよおおおおおおおおおおおおお！！
419 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/22(日) 00:09:37.80 ID:0u83xL2c0



続・第４２章　「反撃」



420 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/22(日) 00:11:46.54 ID:0u83xL2c0


おてんこ「全ての準備が完了した」

おてんこ「後はパイルドライバーを召喚し、ワイルドバンチを放つだけだが……」

おてんこ「それには奴の動きを止め。尚且つ、パイルの浸食を防ぐ必要がある」

おてんこ「……お前ひとりで両方こなすのは難しいな」


ジャンゴ「…」



全ての準備が整ったにも関わらず、



おてんこ「何か方法は……」


ジャンゴ「…っ」



それを実行できない状況に歯痒さに拳を握りしめた時、



　　　「あたしらに任せな」



何者かに呼びかけられる。


421 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/22(日) 00:13:12.55 ID:0u83xL2c0


おてんこ「その声は……」


ジャンゴ「杏子！」


　　　「私達も忘れないでほしいわ」


　　　「最後まであんたに頼りっぱなし、って訳にもいかないでしょ」


ジャンゴ「マミ、さやか……それに」


　　　「私達だって戦う。この命が燃えている限り……ね」


ジャンゴ「……ほむら」



それは戦線を退いていた少女達のものであった。


422 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/22(日) 00:16:43.51 ID:0u83xL2c0


ジャンゴ「どうして此処に……」


マミ「そんなの決まっているわ」

マミ「決着を付けによ」


ジャンゴ「でも……君達だって限界のはず」


杏子「言っただろ？　少し休んだら助けに行くって」


さやか「体力が無いっても、あいつに止めを刺すくらいわけないよ」


ジャンゴ「…」


ほむら「分かったでしょ？」

ほむら「これは貴方の戦いであると同時に私達の戦いでもあるの」

ほむら「ここまできて、最後は見ているだけなんて癪だわ」


423 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/22(日) 00:17:25.27 ID:0u83xL2c0


ジャンゴ「……分かった」

ジャンゴ「終わらせよう、みんなで」



少女達の言葉に折れた少年がそう言い放つと、



ほむら「ええ」


さやか「ああ」


杏子「そうだ」


マミ「そうこなくっちゃ」



４人は思い思いの返答をする。


424 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/22(日) 00:20:34.22 ID:0u83xL2c0


おてんこ「これで……全員そろったな」

おてんこ「後は、奴に止めを刺すだけだ」

おてんこ「方法は変わらない」

おてんこ「パイルドライバーで拘束後、ワイルドバンチで一気に浄化する」

おてんこ「ただし、それには魔女の動きを止め……」

おてんこ「チャージ中に使い魔の邪魔が入らないようにする必要がある」

おてんこ「さやか、杏子、マミ……頼めるか？」


杏子「ああ……そのために来たんだ。任せな」


さやか「必ず隙を作って見せる」


マミ「だから、安心して待っていて」


おてんこ「ふっ……頼もしい限りだ」

おてんこ「任せたぞ！ ３人とも！！」



マミ＆さやか＆杏子「「「ええ/了解/応！」」」



力強い返事を残して、３人はその場を後にした。


425 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/22(日) 00:26:03.46 ID:0u83xL2c0


ほむら「待って」



魔女に向かっていく仲間の背を見た少女は



ほむら「私も……」



自分も同行しようと声を上げるが、



ジャンゴ「ダメだ」



隣の少年に制止される。



ほむら「どうして！？ 私だって戦えるわ！」


ジャンゴ「そう……君は戦える」

ジャンゴ「だからこそ、ボクらと一緒に来て欲しいんだ」


426 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/22(日) 00:26:56.50 ID:0u83xL2c0


ほむら「……どういう意味？」


おてんこ「言葉通りの意味だ」

おてんこ「お前にはジャンゴと共にワイルドバンチを放ってもらう」


ほむら「でも、私の力は……」


ジャンゴ「いや、必要だよ」

ジャンゴ「君がその手に下げているのは暗黒銃ガン・デル・ヘル」

ジャンゴ「サバタの残したその銃は……この銃が持たない力を秘めている」

ジャンゴ「太陽と暗黒、相反する２つの力が合わさって」

ジャンゴ「真のワイルドバンチが完成するんだ」


ほむら「真の……ワイルドバンチ」


427 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/22(日) 00:28:16.19 ID:0u83xL2c0


おてんこ「そうだ。それこそが闇の女王（クイーン・オブ・イモータル）を退けた技」

おてんこ「それを持ってすれば、あの魔女でさえも完全に打ち滅ぼすことができるだろう」

おてんこ「お前の内に眠るサバタだって同じ思いのはずだ」

おてんこ「それに……」

おてんこ「最後ぐらい自分の手で終わらせたいだろ？」


ほむら「…」ｺｸﾘ


おてんこ「さて、話は終わった」

おてんこ「後は行動あるのみだ！」

おてんこ「終わらせるぞ！ 我々の手で！！」



少年達の戦いは遂に、最終幕を迎えた。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


428 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/22(日) 00:30:36.27 ID:0u83xL2c0

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


杏子「…」ﾀﾞｯ


さやか「…」ｼﾞｬｷ


マミ「…」ﾀﾞﾝｯ　ﾀﾞﾝｯ



赤、青、黄、３色の魔法少女は明日を得るために魔女に向かって走る。




　　　　　　　「……ャハ、ハハ…キャッハハハ」



対する魔女は、



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ギャハハハハハ」　　

　「ギャハハハハハ」　　


　　　　　　　　　　　　　　「グオオオオオオ」　　
　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ギャハハハハハ」　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　「ギャアアアア」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ギャアアアア」



自身を守るため、使い魔を呼び出して迎え撃った。


429 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/22(日) 00:32:56.31 ID:0u83xL2c0


杏子「さやか、右だ！！」

杏子「右を頼む！」

杏子「あたしは左から攻める」


さやか「了解！ 任せといて」

さやか「マミさん、あたし達が道を作ります！」


杏子「お前はその隙にリボンであいつの動きを止めろ！」


マミ「分かったわ」

マミ「でも、その前に……」


マミ「　ボ　ン　バ　ル　ダ　メ　ン　ト　」



　　　　　　　ズドォォォォォオオオオン


　
　　　　　　　　　　「ガッ……」　　　　　
　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ギャァ…」
　　　「ゴッ……」



430 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/22(日) 00:34:24.47 ID:0u83xL2c0


マミ「これで少しはやり易くなったでしょ？」


杏子「へっ……良く言うぜ」


さやか「あ、はは……」

さやか「相変わらずスゴいっすね」


杏子「さぁ、準備はいいかい？」


さやか「ああ」


マミ「大丈夫よ」


杏子「行くぜ！ さやか！！」

杏子「ちゃんと付いてこいよ？」ﾀﾞｯ


さやか「そっちこそ」

さやか「やられたりしたらタダじゃおかないわよ！」ｻｯ



赤と青、反対色の魔法少女は左右に分かれ使い魔の群れに突っ込んでいく。


431 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/22(日) 00:35:23.98 ID:0u83xL2c0


マミ「全く……あの子達ったら」

マミ「ついさっきまで、立ち上がるのもやっとだったのに」

マミ「元気と言うか何というか……」

マミ「私も負けていられないわ」

マミ「先輩の意地ってヤツを……」ｼｭﾝｼｭﾝｼｭﾝ



後輩達を見送った少女もマスケットを召喚し、



マミ「見せてやりましょう！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾝ



２人への援護射撃を開始した。


432 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/22(日) 00:38:34.61 ID:0u83xL2c0


魔女に向かって飛び出した２人は、



杏子「ハッ！」　　　　　　　　　　　　　　さやか「やっ！！」


　　　　　ザシュッ　　　　　　　　　　　　　ガシュッ


　　「グォ…オ……オ」　　　　　　　　「ギャァァア……」　



絶妙なコンビネーションで両翼から魔女を攻め立てる。



　　　　　　　　「キ、キャハ…キャハッハハ……」


　　
左右から同時に進攻される魔女は、



　　　　「ギャハハハハハ」　　　　　　　　　　　「ギャハハハハハ」　　


　　　　　　　　　「グオオォォォォ」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「グゴォォォオオ」　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　「ギャアアアア」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ギャアアアア」
　　　　　　　
　　　　　「ギュォオオオ」　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ギャハハハハハ」



使い魔の群れを二分して２人の相手をさせる。


433 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/22(日) 00:39:27.96 ID:0u83xL2c0


分かれた群れが自分たちに襲い掛かってくるのを確認した少女達は、



杏子「…っ！ マミッ！！」　　　　　　　　　さやか「マ…っ！ マミさん！！」

　　　
　　　　ザキッ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ガシュッ
　　
　　　　　　　　　ゴスッ　　　　　　　　　　　ジュシャ　　　　　　　　　　　
　


　　　　　　　　「ギャ！……」　　　　　　「グゴッ……」

　　　　　　　
　「グァァアア……」　　　　　　　　　　　　　　　　　「ガァッ！………」




　　　　　　　　　　　杏子＆さやか「「今だ！！」


　　　　　　　　　　
後ろに控える仲間に向かって合図を送る。


434 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/22(日) 00:40:10.27 ID:0u83xL2c0


マミ「了解！」ﾀﾞｯ



合図を受けた黄色の魔法少女は



マミ「…っ」



二手に分かれた使い魔の間、魔女へと続く一本道を駆け抜け、



　　　「！」



その眼前に迫る。


435 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/22(日) 00:41:27.47 ID:0u83xL2c0


マミ「これでも……」ｼｭﾙﾘ



魔女に肉迫した少女は胸元のリボンを解くと、



マミ「食らいなさい！」ｼﾞｬｷ



それを身の丈の倍はある大砲に変化させ、



マミ「　テ　ィ　ロ　・　フ　ィ　ナ　ー　レ　」



必殺の砲火を放った。



　　　　ズ　ゴ　ォ　ォ　ォ　ォ　オ　オ　オ　オ　オ　ン



　　　　　「ギャァァァァアア　ア　ア　ア！！！」



砲撃は魔女に直撃し、爆炎を巻き起こす。


436 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/22(日) 00:42:37.94 ID:0u83xL2c0


　　　　「グッ、ァア……ア…アアア………」



至近距離で大火力の攻撃を受けた魔女は行動を鈍らせる。



マミ「逃がさないわ！」



その隙を見逃さないマミは、



　　　　シュル　　　　　シュル


　　　　　　　　「！」



すかさずリボンを召喚。


　　　
　　　　　　　　ガシッ


　　　「ギャァァァアアアア！！！」　　　



それを以って魔女を拘束した。


437 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/22(日) 00:47:13.38 ID:0u83xL2c0


敵が身動きを取れなくなったこと確認したマミは



マミ「…！」ｻｯ
　　　　


バックステップを利用してすぐさま魔女から距離を取る。

次の瞬間、



　　　　「太陽ぉーーーーーーーーーーーーーー！！」



　　　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ



太陽の精霊の掛け声とともに中空に巨大な魔法陣が出現した。


438 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/22(日) 00:48:17.97 ID:0u83xL2c0


　　　　　「ギャ……ガッ、グォォォオオオ！！！」



危険を察知した魔女は必死にもがいて逃げ出そうとするが、


　　
　　　　　　　　ガシッ　　　　　ガシッ
　


彼女を取り巻くリボンがそれを許さない。

そうしている間にも、



　　　　ジャキッ　　ジャキッ　　ジャキッ　　ジャキン



　　　　　　　　　ガチャン　　ガタッ



パイルドライバーの準備が着々と整う。


439 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/22(日) 00:49:13.36 ID:0u83xL2c0


そして、遂に……



　　　　「「太陽ぉぉぉぉぉぉおおおおおおお！！！！」」



　　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ


　
　　　　　「ギャァァァァァアアアアアアア！！！！！！」



最強の魔女を拘束することに成功した。



第４２章・了


440 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]：2012/07/22(日) 00:50:05.10 ID:0u83xL2c0
これで……終わらせる！


　『明日もまた日は昇る！ 行くぞ！！』


次回：「最終射撃」
441 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2012/07/22(日) 00:51:29.40 ID:EU0JihWUo
乙乙

マミさんが大砲使いに
442 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/07/22(日) 02:43:42.77 ID:dopxP3l3o
乙んこさま

熱い！熱すぎる！
たいよおおおおおお！
443 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/07/22(日) 18:05:35.60 ID:OwtX/cSDO
乙
もう一緒になって叫びたくて仕方ない

太陽おおおおおおおおお！！！
444 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]：2012/07/23(月) 01:55:20.88 ID:elE61N8F0
前回は昼～日没までに二人で短期決戦のつもりで戦い続けてたから太陽銃オーバーヒートしたけど
今回は日没～夜明け、今まさに日が昇ったとこだからチャージ満タン冷却バッチリだな
445 ：NIPPERがお送りします ：2012/07/24(火) 16:07:58.65 ID:wQwOVQ0T0
おおー！！
446 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/27(金) 00:21:56.94 ID:sMGLFy6M0



続・第４３章　「最終射撃」



447 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/27(金) 00:23:56.27 ID:sMGLFy6M0


昇りくる太陽と沈みゆく月の光を受ける魔法陣の上、



　　　　「ガァァァァアアアアア！！！！」


　　　
　　　　ジュゥォォォォオオオオオオオオオ



ジャンゴ「…」ｼﾞｬｷ


ほむら「…」ｺﾞｸﾘ


おてんこ「…」



３人はその身を焦がされ悶える魔女と対峙する。


448 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/27(金) 00:26:14.90 ID:sMGLFy6M0


おてんこ「奴を太陽パイルに閉じ込めることに成功した」

おてんこ「これより……究極太陽弾（ワイルドバンチ）の発射準備に入る」

おてんこ「行くぞ！」



拘束された魔女を確認したおてんこは小パイルドライバーの中心へ移動すると、



おてんこ「太陽ぉーーーーーーー！！！」



ジェネレーターを呼び出す。



　　　　　シャキン　シャキン　シャキン　シャキンッ



召喚された球体は小パイルドライバーの四隅から浮かび上がった。


449 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/27(金) 00:27:56.70 ID:sMGLFy6M0


おてんこ「準備完了！！」

おてんこ「後はワイルドバンチを発射するだけ」

おてんこ「お前達はその銃で、増幅されたエネルギーを集めて放つんだ！」

おてんこ「夜を終わらせ、朝を呼び出す一撃を！！」


ジャンゴ＆ほむら「…」ｺｸﾘ



頷いた２人はそれぞれの銃の銃口を



ジャンゴ「…」ｶﾁｬ


ほむら「…」ｼﾞｬｷ



陽光を受けて煌めく太陽の精霊に向けると、



　　　　　　　　ギュィィィィィィィィン



凝縮されたエネルギーを収束させる。


450 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/27(金) 00:29:16.32 ID:sMGLFy6M0


　　　　　　ギュォォォオオオオオオオオオオオオ



相反する２つの力を受けた光球は紫色に染まり、



　　　ギュゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ



少年達の数倍の大きさまで膨れ上がる。



ジャンゴ「…っ」ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞｶﾞﾀｶﾞﾀ


ほむら「くっ……」ｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀ



膨大なエネルギーの余波で銃が振動し始めた頃、



　　ゴ　　ガ　　ガ　　ガ　　ガ　　　ガ　　　ガ　　　　ガ 　　　　ガ



太陽のかけらは膨張を止め、チャージを完了した。


451 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/27(金) 00:30:52.54 ID:sMGLFy6M0


　　　　　「今だ！ 撃て！！」



同時に精霊の声が光の中から聞こえてくる。



ジャンゴ＆ほむら「…」ﾁﾗｯ



指示を受けた２人は顔を見合わせて



ジャンゴ＆ほむら「…」ｺｸ

　　

頷くと、



　　　　　カチッ



引き金を引いた。


452 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/27(金) 00:32:39.24 ID:sMGLFy6M0


　　　　　ゴォォォォォオ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　オ



撃ち出されたかけらは魔女へと一直線に向かって行く。



　　　　「グワァ…！！ ア…アア………グァアアア゛ア゛ア゛！！！」


　　　
目の前に迫る光球から逃れようと魔女は暴れまわるが、
　　　


　　　　　ガンッ　　ガンッ　　ガンッ　　ガンッ　　ガンッ


　　　　　　　　ジュゥォォォォオオオオオオオオオ



太陽の光を受け取ったパイルに捻じ伏せられる。


453 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/27(金) 00:34:37.01 ID:sMGLFy6M0


そして、脱出が叶わぬまま



　　
　ズドォォォォォォォ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　オ　ン



　　　　　　「ギャァァァァアアアアア……………………」




魔女は究極太陽弾の直撃を受ける。



　　　　　　カッ



着弾と同時に強烈な閃光が巻き起こり、



ジャンゴ「…っ」


ほむら「くっ…」


おてんこ「ぬっ……」



魔法陣の上に立つ少年達の視界を白く塗りつぶした。


454 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/27(金) 00:36:54.26 ID:sMGLFy6M0


光が収まり、



おてんこ「お前達……無事か？」


ほむら「……ええ」


ジャンゴ「・・・」



視界を回復させた３人は互いの安否を確認する。



ほむら「！」

ほむら「魔女は？ ワルプルギスはどうなったの！？」



おてんこ「それなら……」



魔女の存在の有無を確かめようと顔を上げたとき、



　　　「グォォォオオオ　オ　オ　オ　オ　　オ　　オ　　オ」



腹の底から震えるような咆哮を耳にする。

並みの魔女なら一撃で消し飛ぶ攻撃を受けても、最強の魔女ワルプルギスの夜は健在であった。


455 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/27(金) 00:39:31.26 ID:sMGLFy6M0


ほむら「…っ」


おてんこ「クソ……」



少女と精霊が魔女の絶大な耐久力に言葉を失っていると、



ジャンゴ「おてんこさま、ほむら」

ジャンゴ「２人とも……準備はいい？」



脇にいた少年は静かに２人に呼びかけた。



おてんこ「……ジャンゴ」


ほむら「貴方は……」


おてんこ「そうだな……」

おてんこ「こんなところで立ち止まっている暇はない」

おてんこ「まだ、我々には抗う力が残されている！」

おてんこ「第二射の準備に取りかかるぞ！ いいな！！」


ジャンゴ＆ほむら「…」ｺｸﾘ


456 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/27(金) 00:41:26.98 ID:sMGLFy6M0


そうして次なる弾の装填に取り掛かろうとしたとき、



　　　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ


　　　　　　　　　　　「！」



唐突に地面が揺れ動く。



ほむら「地震！？」


おてんこ「いや、違う！ 揺れているのは……」

おてんこ「パイルドライバーだ！！」



振動しているのは他でもない、ジャンゴ達の乗る魔法陣だった。


457 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/27(金) 00:43:33.97 ID:sMGLFy6M0


ほむら「パイルドライバーが？ どうして！？」


おてんこ「それは……」



　　「キャ…キャ、ハハハ……キャハハハハハハハハ！！！！」

　　　　　　
　　　　　　　　　　　　「！？」



動揺する少年達を嘲笑うように魔女は甲高い笑い声を上げ始める。



　　　　ギ　ギ　ギ　ギ　ギ　ギギギギギギギギギギギギギ　　　


　　　　　　　　　ピシッ　　　　ピシッ

　

同時にパイルに浸食も進み、パイルドライバーの魔法陣にヒビが入った。


458 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/27(金) 00:45:02.28 ID:sMGLFy6M0


ジャンゴ「これは……」


ほむら「何が起こっているというの」



状況を飲み込めないジャンゴ達を余所に、



おてんこ「……そういう事か」



何かを悟ったおてんこはそう呟いた。



ほむら「説明して！」

ほむら「あいつは一体、何をしたの！？」


おてんこ「奴には……」

おてんこ「この攻撃法の弱点を付かれた」


459 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/27(金) 00:48:21.26 ID:sMGLFy6M0


ほむら「弱点？」


おてんこ「奴を封じ込めているパイルドライバー」

おてんこ「あれはエネルギーシステムの関係上……」

おてんこ「ワイルドバンチ発射後、数秒間その性能を落としてしまう」

おてんこ「通常なら減衰率は３割程度で対象が逃げ出す前にもとの性能に戻る」

おてんこ「しかし……今の不完全な状態のパイルドライバーでは当然……それを下回る」

おてんこ「奴はワイルドバンチ発射後の、性能が落ちた瞬間を狙って仕掛けてきたのだ」


ほむら「そんな……ここまで来たのに」

ほむら「こんなことって……」


ジャンゴ「まだだよ」


ほむら「でも…」


460 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/27(金) 00:50:20.91 ID:sMGLFy6M0


ジャンゴ「まだ、終わってなんかいないよ」

ジャンゴ「ボクらはまだ生きて、この場に立っているんだ」

ジャンゴ「だったらやることはひとつ……」

ジャンゴ「最後まで抗い続ける、ただそれだけさ」


ほむら「……そうね」

ほむら「約束のために散々繰り返した私がここで諦めるなんて」

ほむら「許されないわ」


461 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/27(金) 00:51:17.13 ID:sMGLFy6M0


おてんこ「話は終わったな」

おてんこ「いいか？ 良く聞け」

おてんこ「今、我々は絶体絶命の危機に立たされている」

おてんこ「だが……同時にこれは絶好の機会でもある」

おてんこ「奴はパイルの拘束を解くことに集中して、防御まで手が回っていないはず」

おてんこ「我々が止めを刺すのが先か、それとも奴が逃げ出すのが先か」

おてんこ「これが最後にして、最大の大博打だ！」

おてんこ「明日もまた日は昇る！ 行くぞ！！」


ジャンゴ＆ほむら「…」ｺｸﾘ



　　　「キャハ………ハハハ、アッハ…キャハハハハハハハ！！！」



　　　　　　　ギギギギギギギギギギギギギギギギギギ

　　　　

少年と少女は戦いの幕を下ろすため、最後の一撃の準備に入った。


462 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/27(金) 00:54:52.97 ID:sMGLFy6M0





１０





　　　　　　　　ビィーーーーー



おてんこ「ヌォッ…！」

おてんこ「来い！！ ２人とも！」





９





ジャンゴ「行くよ！」ｶﾁｬ


ほむら「分かってる！」ｼﾞｬｷ


　
　　　　ギュィィィィィィィィイイイイイン





８





　　　「ギャハ……ギャハハハハハハハハ！！！」
　　　　


　　　　　ギギギギギギギｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞ



　　　　　　　　　　　「！」　　　





　
463 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/27(金) 01:01:28.01 ID:sMGLFy6M0





７





おてんこ「パイルの浸食速度が上がった！？」

おてんこ「不味い！ このままでは……」


ほむら「…っ」


ジャンゴ「くっ……」



　　　　　ギュォォォオオオオオオオオオオオオ
　




６





　　　　「まだ終わってないわ！！」ズダダダダダ


　　　　「諦めんな！！」ザシュ　　
　　　　　　

　　　　「あたし達だって戦ってるんだ！！」ザキッ




　　　　「ギャァァァァアアアアアア！！！！」



　　　　　ｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞ





464 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/27(金) 01:03:38.48 ID:sMGLFy6M0





５





ほむら「貴女達！？」


ジャンゴ「来てくれたのか！」


さやか「あんた達ばっかに、良いカッコさせてらんないからね！」


杏子「アイツの動きは抑える！」


マミ「その間に、デカいのをかましてやりなさい！！」


ジャンゴ＆ほむら「…」ｺｸ



　　　ギュゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ





４　　　





マミ「ボンバルダメント！！」ズゴォォォオオン


杏子「喰らえ！」ズシャ


さやか「ハッ！！」ガキンッ




　　　「グォ…！ グァァァァァアアアアアア！！！！」



　　　ゴオオオオォォォォ　ォ　ォ　ォ　ォ　ォ　ォ
　　　


　　　　　　　　　　「！？」



　　　　「「「うあああぁぁぁぁぁ！！！」」」





465 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/27(金) 01:06:17.83 ID:sMGLFy6M0





３





おてんこ「くっ……まだこんな力が残されていたか」

おてんこ「仕方ない……最後の手段だ」

おてんこ「私の力で奴の内部から直に太陽の光を照射する！」


ほむら「待って！ そんなことしたら……」


おてんこ「構わん！！ ここまできて諦められるか！」

おてんこ「私の持つ太陽の力……ここで使わず、どこで使う！？」

おてんこ「ジャンゴ！！ 後は任せた！」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ





２





おてんこ「太陽ぉーーーーーーーーーー！！」


　　　　
　　　　　　　　　　「ガッ！？」



　　　　　　ジュゥォォォォオオオオオオオオオ

　　　　

　　　　「グギャァァァアアアアアアア！！！！！」





466 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/27(金) 01:08:08.18 ID:sMGLFy6M0





１





　　ゴ　　ガ　　ガ　　ガ　　ガ　　　ガ　　　ガ　　　　ガ 　　　　ガ



ジャンゴ「ほむら！」


ほむら「ええ！！」


ジャンゴ＆ほむら「「いっけぇーーーーーっ！！！」」



　　　　　　　　　　　カチッ





467 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/27(金) 01:12:34.42 ID:sMGLFy6M0


　　　　　　　　　　　　さやか「行けーーーーっ！！」
　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ライカ「……長かったな」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ロックマン「ジャンゴ君！！」


　ブルース「これで……終わりだ」


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　マミ「行きなさい！！」




　　　　　　　　　　　　　　　　　　「「太陽ぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおお！！！！！」」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　杏子「終わらせろ！！」


　　　　　　熱斗「吹っ飛ばせ！！」
　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　炎山「これが……太陽の力」　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　サーチマン「目標、行動不能……着弾します！」


468 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/27(金) 01:14:50.02 ID:sMGLFy6M0


　　　　　　「キャ…………ハ……ッ……………」



２人が放った希望の光はパイルに閉じ込められた魔女を包み込む。



　　　　　　　　　　　パキンッ



限界を迎えた魔法陣は砕け、その上にいた少年達は地面に向かって落ちていく。



　　　「…っ」



落下する少年達の視界は強烈な閃光によって白く染まった。


第４３章・了


469 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]：2012/07/27(金) 01:15:55.78 ID:sMGLFy6M0
結末は……


　『やることは……分かっているな？』


次回：「朝日」
470 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北陸地方) ：2012/07/27(金) 01:16:56.51 ID:VUDd0DDAO
ID腹筋
471 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2012/07/27(金) 01:50:16.99 ID:AA5jzAnWo
やらねえよｗｗｗｗ
>>467の声の大半がロックマン勢でワロタ
乙
472 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]：2012/07/27(金) 01:55:02.54 ID:7Y/+vgjEo
乙、太陽と共にあらんことを
473 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/07/27(金) 10:14:29.04 ID:p7PEb1/Mo
>>470
おい

おいｗｗｗｗｗｗｗｗ

おつんこ様。そろそろ最終回かな？
474 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/07/27(金) 12:33:22.60 ID:sU4/axUDO
乙おー！！
475 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/07/27(金) 16:04:41.34 ID:LtxfVUhm0
乙
長い夜が明けた
476 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/29(日) 01:10:19.25 ID:pUO5e4hI0



続・第４４章　「朝日」



477 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/29(日) 01:12:25.11 ID:pUO5e4hI0


ジャンゴ「うっ……」



少年は目を覚まして、辺りを見回す。

魔女が拘束されていたであろう場所には何もなかった。



ジャンゴ「…」



それを確認した少年は空を仰ぎ見る。



ジャンゴ「…っ」



薄青い空には太陽が浮かび、少年を暖かい光で包み込んでいた。

地面にも、空にも、何処にも姿がない。

それが最強の魔女を打ち倒した何よりの証拠だった。


478 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/29(日) 01:13:42.40 ID:pUO5e4hI0


ジャンゴ「終わった……」



全てが終わったことを悟った少年は安堵の息を漏らす。

その喜びを仲間と共有しようとしたとき、



ジャンゴ「！」



視界の隅に空から降ってくる何か黒いものを捉える。



おてんこ「」



それは最後の一撃の際、魔女へと突撃して行った太陽の使者であった。


479 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/29(日) 01:15:25.57 ID:pUO5e4hI0


ジャンゴ「おてんこさま！」


おてんこ「お前か……」



駆け寄ってきたジャンゴに対し、地面に落ちたおてんこは弱々しく返事をする。



おてんこ「私のことなら……心配いらない」

おてんこ「私が力を使い切る前に………お前達が奴に止めを刺した」

おてんこ「少し休めば、直に回復する」


ジャンゴ「……良かった」


おてんこ「そんなことより、ジャンゴ」

おてんこ「アレを見ろ」



太陽の精霊の指し示す方向には朝日を受けて煌めく宝石があった。


480 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/29(日) 01:17:55.75 ID:pUO5e4hI0


ジャンゴ「あれは……」


おてんこ「ワルプルギスの夜が落としたグリーフシード、それが浄化されたモノ」

おてんこ「彼女が魔法少女だった頃のソウルジェムだ」


ジャンゴ「…」


おてんこ「やることは……分かっているな？」

おてんこ「眠らせてやれ」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ



友の言葉に頷くと、その場を離れて魂の宝石のもとへ向う。



ジャンゴ「君は……」



少年は足元の宝石を手に取って静かに語りかけた。


481 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/29(日) 01:21:27.49 ID:pUO5e4hI0


ジャンゴ「この小さな魂の器に」

ジャンゴ「一体、どうしてあれ程までの穢れを溜めこんだのか」

ジャンゴ「……何が君をそこまで絶望させてしまったのか」

ジャンゴ「ボクには分からない」

ジャンゴ「人の体を失ってしまった君を、魔法少女に戻すことは叶わない」

ジャンゴ「だから、せめて魔女ではなく……人としての死を」

ジャンゴ「本当はもっといい方法があるのかもしれない」

ジャンゴ「でも、今のボクにはこれしか思いつかないんだ」

ジャンゴ「どうか……許してほしい」

ジャンゴ「そして、安らかに……」



少年は左手のソウルジェムを投げ上げ、



ジャンゴ「眠れ」ﾃｭﾝ



太陽銃で狙い撃った。


482 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/29(日) 01:24:07.98 ID:pUO5e4hI0


　　　　　　　　パキンッ



撃ち抜かれた宝石は砕け、



　　　　　　サァーーーーーー



光の粉になって空気に溶け込んでいった。



ジャンゴ「…」



降りかかる光の粒子を眺めていると、



　　　　　prrrr　　　 prrrr



ジャンゴ「！？」



バッグに入れたPETが振動して着信あることを知らせる。


483 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/29(日) 01:25:52.05 ID:pUO5e4hI0


ジャンゴ「…」ﾋﾟｯ



PETを取り出して通話状態にすると、



　　　『ジャンゴ君』



ジャンゴ「ロックマン……」



スピーカーの向こうから友の声が聞こえてくる。



ロックマン『……終わったみたいだね』

ロックマン『パイルドライバーの電脳にいた魔女の使い魔も消えたよ』


熱斗『やったな』


ジャンゴ「ありがとう。ロックマン、熱斗君」


484 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/29(日) 01:27:56.68 ID:pUO5e4hI0


熱斗『礼なんていらない。オレ達とお前の仲だ』

熱斗『困ってたら何時でも助けに行くぜ』


ロックマン『そう。ボク達だって君に助けられたんだ』

ロックマン『これぐらいどうってことないよ』


ジャンゴ「２人とも……」

ジャンゴ「この借りは忘れない。いつか必ず返すよ」


ロックマン『ありがとう、ジャｻﾞ…ゴ君……』

ロックマン『本当はもっｻﾞｯ……話していｻﾞｻﾞ…んだけど……ッもう時間…ｻﾞｧｰい』

ロックマン『その…ｽﾞｻﾞｰ標が変わｻﾞｻﾞｯ…そろ転送ゲーｻﾞｻﾞ…閉じちゃｻﾞｽﾞｯ……』

ロックマン『ｻﾞｻﾞ…ら……ッもう、行くｽﾞｻﾞｰ…。またね』


熱斗『また会ｻﾞｻﾞｯ…な！ ｻﾞｯ…ンゴ』


ジャンゴ「ああ、また会おう」



　　　　『ｻﾞｯ…ｻﾞｧｰ……』



別れの言葉を最後に、異世界からの通信はノイズに飲まれてしまった。


485 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/29(日) 01:29:45.84 ID:pUO5e4hI0


ジャンゴ「…」



去って行った友に想いを馳せて空を眺めていると、



　　　「フッ……相変わらずだな」



背後から何者かに話しかけられる。



ジャンゴ「！」



振り向いた少年の目に入ってきたのは長い髪を紫に染め、深い緋色の瞳をした少女の姿であった。


486 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/29(日) 01:32:20.93 ID:pUO5e4hI0


ジャンゴ「その髪の色……」

ジャンゴ「サバタ…？」



少年のが兄の名で呼びかけると、



サバタ「ああ」



目の前の少女は肯定する。



サバタ「全く……お前という奴は、どこまでお人好しなんだか」

サバタ「自分を殺しにかかってきた相手にまで情けをかけるとはな」


ジャンゴ「・・・」


サバタ「だが、お前の……その甘さがこの勝利をもたらした」

サバタ「もしかしたら、甘さを切り捨てようと躍起になっていた俺には」

サバタ「最初からお前に勝つことなど出来なかったのかもしれないな」


ジャンゴ「…」

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


487 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/29(日) 01:38:28.22 ID:pUO5e4hI0

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


太陽を背にした弟と月を背にした兄が最後の別れをしている頃、



マミ「…」ｼﾞｰ



黄色の魔法衣に身を包んだ少女は瓦礫の影から２人を覗いていた。



　　
　　　「あのー、マミさん？」



目の前に集中していた彼女は不意に後ろから名前を呼ばれる。



マミ「！」

マミ「は、はい！！ ごめんなさい……って」

マミ「なんだ……美樹さんだったのね」


さやか「なんだ……って」


マミ「ごめんなさい。つい……」


さやか「まぁ、そんなことはいいです」

さやか「それより何してるんですか？ こんなところで……」


マミ「それは……アレよ」



後輩に詰め寄られた少女は瓦礫の向こう、兄弟のいる方向を指さした。


488 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/29(日) 01:39:23.22 ID:pUO5e4hI0


さやか「あれは……ジャンゴにほむら」

さやか「……いや、あの髪の色は兄貴かな？」


マミ「そう……死に別れた兄弟が２人きりで話しているのよ」

マミ「なんだか入る込めそうな空気じゃなくて……」


さやか「あー……確かに」

さやか「でも、ならどうしてこんなとこで覗きみたいなことを？」

さやか「別にワザワザ見張っている必要もないんじゃ……」


マミ「それは……その…」


さやか「それは？」


マミ「えーっと……」



　　　「家族が別れ際に交わす最後の言葉が気になったのだろう？」



さやか＆マミ「！」



さやかの質問に口を濁したマミに代わって何者かが答える。


489 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/29(日) 01:40:45.44 ID:pUO5e4hI0


マミ「あなたは！？」


さやか「おてんこ！」


おてんこ「ふっ……」



それはヒマワリの様な姿をした、太陽の使者のものであった。



マミ「どうしてここに？」

マミ「さっきまであそこにいたのに」


おてんこ「まぁ……お前と同じ理由だ」

おてんこ「最後ぐらいあいつ等兄弟、２人きりにさせてやろうと思ってな」


マミ「そう……なの」


490 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/29(日) 01:42:01.81 ID:pUO5e4hI0


さやか「ところで、マミさん」

さやか「こいつの言っていることは当たってるんですか？」

さやか「本当にジャンゴが兄貴に何を言うかを知りたかったんですか？」


マミ「そ、それは…………そうね」

マミ「私にはもう家族と呼べる人は残っていないし」

マミ「パパとママがいなくなった時だって、お別れを言う暇なんてなかったから……」

マミ「ジャンゴ君がお兄さんと、家族と別れる時に何を言うのか気になちゃって」

マミ「いけないことだってのは分かってたんだけど、どうしても……」


さやか「……すいません。考えなしにこんなこと聞いて」


マミ「いいの。私だって褒められたようなことをしていなかったわけだし」

マミ「あなたが気に病む必要はないわ」


さやか「マミさん……」


491 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/29(日) 01:43:35.96 ID:pUO5e4hI0


マミ「だから、美樹さんも一緒にどう？」


さやか「へ？」


おてんこ「・・・」


さやか「あの、マミさん？」


おてんこ「ここは普通、退くもの……ではないのか？」


マミ「だって……気になるんだからしょうがないでしょ」

マミ「それに、あなただって言ったわよね」

マミ「私がどんな決断をしようとも止めはしない」

マミ「でも、悔いの残るような選択はするなって」


おてんこ「確かに……そうは言ったが、それは……」


492 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/29(日) 01:45:01.40 ID:pUO5e4hI0


マミ「ここで聞き逃したら私は後悔する」

マミ「だから一緒に、ね？」


さやか（マミさん、ホントはちゃんとした理由なんかなかったんじゃ……）


おてんこ（全ては私の思い過ごしで……ただ単に覗きたかっただけなのか？）



もっともらしいマミの物言いに２人が複雑な思いを抱いていると、



　　　「おーい！ お前達！！」



またもや背後から彼女達を呼ぶ声が聞こえてくる。


493 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/29(日) 01:46:33.25 ID:pUO5e4hI0


さやか「杏子……あんたも来たのね」


杏子「何だよ、あたしが来ちゃいけないわけ？」


さやか「いや、そういうわけじゃなくて……」


杏子「全く……こっちは魔女に吹っ飛ばされたアンタ達を心配して探してたってのに」

杏子「こんなところで集まって、一体なにしてんだよ？」


マミ「それは…その……」


杏子「別に……言いたくないならそれでいいよ」

杏子「ところで、ジャンゴとほむらはどうしたんだ？」

杏子「まさか……くたばったわけじゃないよね」


おてんこ「それなら、あそこにいるぞ」



太陽の使者は瓦礫の向こうを指し示した。


494 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/29(日) 01:47:51.02 ID:pUO5e4hI0


杏子「そうかい」

杏子「じゃあ、行こうぜ」


マミ「佐倉さん……行くって、どこに？」


杏子「そりゃあ決まってるだろ。アイツらのところへさ」


さやか「待って！ 今行くのはマズイって」


杏子「はぁ？ 今行かないでいつ行くんだよ」

杏子「戦いは終わったんだろ？ だったらアイツらも労ってやらなくちゃ」


おてんこ「待て、さやかはそういう意味で言ったわけじゃない」


杏子「そうか……あたしらが出向くのがダメって言うんだろ？」

杏子「だったら、向こうを呼んでやるよ」



おてんこの発言を取り違えた杏子は、



杏子「おーい！！」



ジャンゴ達に向かって呼びかけ始める。


495 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/29(日) 01:49:58.78 ID:pUO5e4hI0


それに対して、



マミ「ああ、もう！ めんどくさいわ」


杏子「ジャ…！？ ﾓｶﾞﾓｶﾞ」


さやか「ナイス！ マミさん」



ジャンゴ達にバレたくないマミは杏子の口を塞ぐ強硬手段に踏み切った。



杏子「ﾓｶﾞﾓｶﾞ……！ ﾓｶ゛…ﾓｶﾞ…ﾓｶﾞﾓｶﾞ！ …ﾓｶ゛ﾓｶﾞ！！」


マミ「あっ、コラ！ 暴れないで」



手で口を塞がれた杏子は必死で抵抗し、



杏子「ﾓｶﾞﾓｶﾞ……！！」


マミ「！」ﾊﾟｯ


杏子「何しやがんだ！ マミ！！」



自分を取り押さえるマミを引きはがすことに成功する。


496 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/29(日) 01:51:26.18 ID:pUO5e4hI0


マミ「それは、あなたに行ってほしくないからで……」


杏子「もういい！」

杏子「アンタらが行かないなら、あたし１人で行く！！」


おてんこ「おい！」


さやか「待って！」


マミ「待ちなさい！」



怒った杏子はマミ達の制止に耳を貸さずにジャンゴ達のもとへ歩いて行こうとする。


497 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/29(日) 01:52:30.86 ID:pUO5e4hI0


マミ「あ～もう！ 最後手段よ」

マミ「美樹さん、 行けるわね！」


さやか「ま、まあ……」


おてんこ「おい、待て……何をするつもりだ？」


マミ「見れば分かるわ。行くわよ！」


さやか「……はい」



そうして２人は前を行く赤い少女に飛びかかっていく。



杏子「！？」ｶﾞｼｯ



少年達の下へ向かって歩く少女は突然、何者かに取り押さえられる。

首を回して後ろを確認すると、



マミ「行かせないわよ。佐倉さん」


さやか「杏子……頼むから。おとなしくしてて」



青と黄色の魔法少女が自分の両腕に取りついている姿が目に入った。


498 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/29(日) 01:53:28.86 ID:pUO5e4hI0


杏子「あー！！ もう！」

杏子「いい加減にしろ！！」

杏子「アンタら行きたくないのは勝手だけど、それにあたしを巻き込むな！」


さやか「いや、だから……そうじゃなくて」


マミ「そうよ。話を聞いて！」


杏子「いいから放せ！！」



少女達の説得にも関わらず、杏子は２人を振り払おうと腕を振る。

しかし、



マミ「お願いだから！」


さやか「今はダメだって！」



彼女達も負けずにしがみ付く。


499 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/07/29(日) 01:56:29.34 ID:pUO5e4hI0


あまりにしつこいマミ達に痺れを切らした杏子は



杏子「は・な・ ……」



大きく体を捻って腕を振ろうとするが、



杏子「せ……？」ｸﾞﾗｯ



バランスを崩してしまう。

腕を抑えられ態勢を立て直せない杏子は、



さやか「あ……やべ」


マミ「ちょっと、待っ……」



自分に取りつく２人もろとも



　　「わっ！」　　「きゃ！」　　「なっ！」


　　　　　　　　　 ドスンッ


おてんこ「はぁ……」



地面に倒れこんでしまった。


第４４章・了


500 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]：2012/07/29(日) 01:58:08.85 ID:pUO5e4hI0
今日という日が終わって、また明日が来る
　　

　『全てが夢……だったりしないよね』


次回：「明日に向かって」
501 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/07/29(日) 07:03:32.39 ID:ZFEWKz26o
良かった…良かった
502 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ：2012/07/29(日) 10:11:07.24 ID:9FD+Ed0S0
そろそろ…終わりかぁ
503 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/07/29(日) 12:22:40.97 ID:Rt0+G7FDO
乙
504 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/07/29(日) 13:28:32.28 ID:V0kDZydSO
途中離脱したがここまで一気に読んだ…乙！
505 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/07/29(日) 13:29:48.21 ID:WiYbbaKK0
乙
もう終わりかぁ、寂しいような……

でも、ハッピーエンドはいいもんだな、ホント。
506 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/07/29(日) 21:33:10.61 ID:zIniC7Z8o
乙
507 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(香川県) [sage]：2012/07/29(日) 22:45:11.40 ID:X8fFVNaE0
針と忘却が出張ってくる可能性も微レ存･･･しないか
508 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]：2012/07/31(火) 23:01:56.35 ID:sJfipzXwo
乙、この読んでて余韻に浸れるような感覚は素敵だ
509 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/01(水) 00:21:53.29 ID:mhXnxqIh0



続・第４５章　「明日に向かって」



510 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/01(水) 00:23:52.46 ID:mhXnxqIh0


月と太陽に見下ろされながら、



サバタ「そろそろ時間か……」


ジャンゴ「…」



兄弟は最後の言葉を交わしていた。



サバタ「ジャンゴ、最後に１つだけ頼みがある」

サバタ「この宿主に伝えてやってくれ」

サバタ「『マフラーと銃はくれてやる、体を借りた駄賃だ』とな」

サバタ「これがあれば、時を操る力を失ったこの娘でもそれなりに戦えるはずだ」

サバタ「お前だって……苦労して助けた相手が簡単にやられるのはいい気がしないだろう？」


ジャンゴ「サバタ……」


511 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/01(水) 00:26:53.48 ID:mhXnxqIh0


サバタ「……皮肉なものだな」

サバタ「慈愛の心を持てず、月下美人になることが叶わなかった闇の女王（クイーン・オブ・イモータル）ヘル」

サバタ「奴がお前を倒すために俺に与えた暗黒銃（ガン・デル・ヘル）」

サバタ「俺の体を蝕み、破壊をもたらしてきたこの銃が……こんな形で人を救うことになるとは」

サバタ「やはり奴も月光仔。闇の一族（イモータル）と成り死して尚、その血には逆らえなかったか……」


ジャンゴ「・・・」


サバタ「フッ……感傷に浸るのはこれぐらいでいい」

サバタ「後は任せたぞ」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ



少年が兄の最後の頼み聞き入れたとき、



　　　　　　　ドスンッ


ジャンゴ＆サバタ「！」



近くで何かが落ちたような音を耳にする。


512 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/01(水) 00:29:15.46 ID:mhXnxqIh0


サバタ「誰だ！」ｶﾁｬ


ジャンゴ「…！」ｼﾞｬｷ



使い魔の残党を警戒した２人は同時に銃を物音をした方向へと向ける。

が、そこいたのは



　　　「イテテ……」　「ここは……」　「重い……」



折り重なるように倒れた３人の少女と、



　　　「・・・」　　　　



呆れたようにそれを見つめる太陽の使者であった。


513 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/01(水) 00:31:36.76 ID:mhXnxqIh0


杏子「ったく……何すんだよ」


マミ「あなたが暴れるから……」


杏子「あ？ あたしが悪いって」

杏子「元はと言えば、お前達が邪魔したのが原因だろ！」


マミ「それには！」


さやか「あーー、マミさん」

さやか「抑えて抑えて」


杏子「さやか！ テメェも……」


さやか「はいはい、杏子も熱くならない」


杏子＆マミ「「でも！」」


514 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/01(水) 00:33:03.67 ID:mhXnxqIh0


おてんこ「落ち着け２人とも」

おてんこ「さやかの言うとおりだ」

おてんこ「それにマミ、お前の心配はもう意味がないぞ」


マミ「へ？」



おてんこの言葉の意味を量りかねたマミは視線をずらす。



ジャンゴ＆サバタ「・・・」



その方向には黙りこくったジャンゴとサバタが立っていた。


515 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/01(水) 00:36:10.63 ID:mhXnxqIh0


マミ「あ、あなた達……何時からそこに！？」


サバタ「それはこっちの台詞だ」


さやか「マミさん……こいつらは一歩もここを動いてませんよ」

さやか「むしろあたし達が近づいて行ったというか……」


マミ「そんな……」


杏子「まぁ……そんなことはどうでもいいよ」

杏子「それより、ほむら」

杏子「やったな！ 遂にアイツを倒したぜ」


サバタ「ああ……だが、俺はお前の呼ぶ人間ではない」

サバタ「その言葉は本人に直接言ってやれ」


杏子「は？」


サバタ「どうした？ 理解できなかったか」


杏子「い、いや……そうじゃなくて」

杏子「アンタ、ほむらじゃなくてジャンゴの兄貴なのか？」


サバタ「今はな」


516 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/01(水) 00:38:35.10 ID:mhXnxqIh0


杏子「じゃあ、マミ達があたしを止めた理由って……」


マミ「そうよ。２人の邪魔をしないようにしてたの」


さやか「ま、もう意味ないんだけどね」


杏子「なら、初めからそう言ってくれよ……」

杏子「これじゃあ、あたしはただの空気読めない奴じゃんか」


さやか「心配らないよ。あたし達も同罪だから……」

さやか「ね、マミさん？」


マミ「え、ええ……」



茶番劇を繰り広げる少女達に対し、



サバタ「ハッ……」


ジャンゴ「はぁ……」


おてんこ「……やれやれだな」



遠巻きに眺める３人は呆れてため息をついていた。


517 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/01(水) 00:42:03.65 ID:mhXnxqIh0


サバタ「全く……最後だというのに締まらない奴らだ」


マミ＆さやか＆杏子「…」


サバタ「まぁ……あれだけの戦いの後で、こんなことしている余裕があるんだ」

サバタ「先の心配はいらないな」


マミ＆さやか＆杏子「・・・」


サバタ「さて……もう月が沈む」

サバタ「俺の魂にもそろそろ限界が来たようだ」


ジャンゴ「…」


サバタ「こいつにしてみても、何時までも他人に身体を乗っ取られているのは迷惑だろう」

サバタ「それに……俺の帰りを待っているバカが１人いるからな」

サバタ「ジャンゴ、俺は行く。俺の帰るべき場所へ」

サバタ「俺はお前と共に歩むことは出来ない……」

サバタ「だが……お前が明日を諦めず、今日を生き続けている限り」

サバタ「俺の想いはお前の中で生き続ける」


ジャンゴ「・・・」


518 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/01(水) 00:45:36.18 ID:mhXnxqIh0


サバタ「フッ……そんな顔をするな」

サバタ「お前は俺がその力を認めた唯一の男」

サバタ「世界でただ１人の……かけがえのない家族なのだ」

サバタ「だから、胸を張って生きろ」

サバタ「お前がそんな調子ではお前に負けた俺の面子が立たん」


ジャンゴ「……そうだね」

ジャンゴ「お父さんにお母さん、家族はみんな逝ってしまったけれど」

ジャンゴ「ボクはまだ生きている」

ジャンゴ「あの時……ヴァナルガンントとの戦いの後、誓ったんだ」

ジャンゴ「いつかまた、皆に出会える明日が来ることを」

ジャンゴ「その未来を決して諦めないことを」

ジャンゴ「そして……今、こうして会うことができたんだ」

ジャンゴ「だから、ボクは戦い続ける」

ジャンゴ「今日のような日が来ることを信じて」


519 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/01(水) 00:48:33.37 ID:mhXnxqIh0


サバタ「ああ……そうだ」

サバタ「抗い、戦い続けること。それが俺達の……」

サバタ「生きるということだ！」

サバタ「さらば！ 太陽少年ジャンゴ！！」

サバタ「我が親愛なる弟よ！！」



少女の姿をした少年がそう告げると、



　　　　「…」
　


その髪の色はもとの黒に戻り、瞳の緋色も抜けた。



ジャンゴ「ありがとう、そして……さようなら」

ジャンゴ「ボクは生きるよ。力の限り、精一杯に」

ジャンゴ「また会うときに胸を張って出会えるように……」



兄の最期の言葉を耳にしたジャンゴは空を仰いで呟く。


520 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/01(水) 00:50:10.08 ID:mhXnxqIh0


ジャンゴ「…」



少年が視線を戻すと、



　　　「行ったのね……」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ



目の前の少女が口を開いた。



ジャンゴ「ほむら……サバタからの伝言がある」


ほむら「伝言？」


ジャンゴ「『マフラーと銃はくれてやる、体を借りた駄賃だ』ってね」


ほむら「これは……私が貰っていいものなの？」


ジャンゴ「いいんだ。サバタもそれを望んでる」

ジャンゴ「それに……ボクにはもうそれは必要ない」

ジャンゴ「そんなものが無くたって、いつでもこの胸の中にいるのだから」


ほむら「ねぇ……変なことを聞くようだけど」


ジャンゴ「？」


521 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/01(水) 00:52:21.33 ID:mhXnxqIh0


ほむら「本当にこれは現実なの？」

ほむら「気が付いたら、またあの病室のベッドの上で横たわっていて」

ほむら「全てが夢……だったりしないよね」


ジャンゴ「それは自分で確かめるんだ」

ジャンゴ「此処には共に戦った仲間が、家には信じて待っている友いる」

ジャンゴ「これが夢か現実かを決めるのは彼女達に話を聞いてからでも遅くはないよ」


ほむら「…」


さやか「そうだよ。そうやって何でも１人で決めようとするから今まで苦労したんだ」

さやか「少しぐらいあたし達に話を聞いてもいいんじゃない？」


マミ「私達はもうただの協力者ではないわ。れっきとした仲間よ」

マミ「この戦いが本当だったなら、あなたにもそれが分かってるはずだわ」


杏子「あの戦いが全部夢だって？ ふざけたこと言うんじゃないよ」

杏子「あたしはこんな悪夢、ゴメンだね」


522 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/01(水) 00:53:12.33 ID:mhXnxqIh0


ほむら「さやか、マミ、杏子」


おてんこ「どうだ？ これでも夢だと言い張るのか」


ほむら「私は……」



黒い魔法少女がおてんこの質問に答えようとしたとき、



　　　「おーい！ みんなー」



遠くから声が聞こえてくる。



マミ「この声は……」


ほむら「まどか！？」



それは、決戦を前に別れたきりの少女の声だった。


523 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/01(水) 00:56:24.43 ID:mhXnxqIh0


まどか「はぁ……はぁ……」

まどか「やっと…見つけたよ」


ほむら「まどか！ どうして此処に！？」


まどか「ほむらちゃんの家で待ってるつもりだったんだけど……」

まどか「窓の外を見てたら、夜が明けて空が一瞬、パァって明るくなったんだ」

まどか「それは戦いが終わった合図だなって思って」

まどか「そしたら、居ても立ってもいられなくなちゃって」

まどか「気が付いたら家を飛び出して、みんなを探してたの」

まどか「その……ごめんなさい。心配かけさせて」


ほむら「そんなこといい」

ほむら「それよりケガは？ どこか身体に悪いところはない？」


まどか「大丈夫。ケガもないし、もちろん契約だってしてないよ」

まどか「心配してくれてあり……」



黒髪の少女は返答を待たずに、



ほむら「まどか！」ﾀﾞｯ


まどか「わっ？！」



目の前の少女に抱きつく。


524 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/01(水) 00:57:53.68 ID:mhXnxqIh0


ほむら「やった……やったよ。まどか……」

ほむら「やっと…あいつを……」



抱き着いた少女は涙声でまどかに語り始める。



まどか「え、えっと……ほむらちゃん？」



一方、抱きつかれた少女は突然の出来事に困惑して目を泳がせる。



おてんこ「まどか、今はそいつの好きにさせてやってくれ」

おてんこ「今日、この日、この時を何度も夢見て戦ってきたんだ」

おてんこ「これぐらいの褒美があってもいいだろう？」


まどか「そうだよね」

まどか「ほむらちゃん、良く頑張ったもんね」


525 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/01(水) 00:59:40.94 ID:mhXnxqIh0


ほむら「まどか……」

ほむら「もう……どこにも行ったり…しない？」

ほむら「私を…置いて……どこかに行ったり……しない？」


まどか「うん。わたしはどこにも行かないよ」


ほむら「ずっと……一緒にいて…くれる？」


まどか「ずっと、ずーーっと一緒だよ。ほむらちゃん」


ほむら「まどかぁ……」



友の言葉に感極まったほむらは嗚咽を漏らす。



ほむら「…ﾋッ…ｸﾞｽ…」


まどか「…」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ



それを見守る少女は優しくその頭を撫でていた。


第４５章・了


526 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]：2012/08/01(水) 01:00:23.88 ID:mhXnxqIh0
最後の仕事、それは……


　『教えてやろう、希望というものをな』


次回：「希望を胸に」
527 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/08/01(水) 02:14:15.97 ID:M/fuRwD0o
お疲れ様です
あとちょっとで終わりかあ
太陽とともにあらんことを！
528 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/01(水) 06:52:03.36 ID:qYCbRNF10
乙
529 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2012/08/01(水) 08:21:18.99 ID:pDnEbXnWo
サバタを待ってるバカ一人って誰だ？
DSしかやってないからわからん
530 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]：2012/08/01(水) 11:22:03.36 ID:qTzWFhFKo
カーミラのことじゃないかな
基本的にDSとGBAのボクタイは別物だと思う
531 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/01(水) 11:32:00.68 ID:4Zi7RJfDO
DSのサバタは本名サルタナだからな
532 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/01(水) 12:40:36.66 ID:7NAgFq+Lo
あれは未来の話なんだっけ？
DSのジャンゴは偉大なるヴァンパイアハンタートリニティの息子らしいとかなんとか
533 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/01(水) 13:17:59.60 ID:cIShOTfGo
新ボクでモグモグエンド、ってか敗北した後の後の話って聞いたが
534 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]：2012/08/01(水) 13:53:42.77 ID:bo/9ANSeo
DSしかやってない人は是非とも初代からやるべき。
535 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]：2012/08/01(水) 21:49:38.60 ID:9RJhk6JT0
ゲージとステータス画面の仕様は初代が一番好き
536 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]：2012/08/02(木) 23:26:50.17 ID:raiQYZxAO
ゾクタイでハヤサ値高いのプレイした後初代やると、凄くイライラするよね。いやでも、初代はアイテム沢山持てるからレモン使い放題か…

やはり初代派です
537 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/02(木) 23:47:47.86 ID:X6HDGuuCo
続タイと新ボクは浄化までのドキドキ感無いよね。他で補ってるけど
538 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]：2012/08/03(金) 18:09:17.59 ID:dCnC23VP0
初代はアイテム99個持てるのは良かったんだが、まず使い切らないｗｗ
太陽樹で実を栽培できるのは後の作品でも続けて欲しかった
539 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/04(土) 00:20:26.58 ID:/jqYfGT60



続・第４６章　「希望を胸に」



540 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/04(土) 00:23:36.88 ID:/jqYfGT60


杏子「これで一件落着だな」


おてんこ「ああ……だが、まだ我々にはやるべきことが残っている」

おてんこ「出てこい、インキュベーター」

おてんこ「そこにいるんだろう？」



太陽の使者は建物の残骸に向かって話しかける。

すると、



　　　「なるほど……お見通しってわけか」



その陰から小動物の姿をしたものが現れる。



さやか「あんたは……」


マミ「……キュゥべえ」


ＱＢ「やあ、久しぶりだね」



それは宇宙からの来訪者、インキュベーターであった。


541 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/04(土) 00:25:35.84 ID:/jqYfGT60


ＱＢ「全く……君達には驚かされてばかりだよ」

ＱＢ「魔女の落としたグリーフシードを強制的に元に戻したばかりか」

ＱＢ「史上最強ともいえる魔女ワルプルギスの夜までも倒してしまうなんてね」

ＱＢ「君達の言う太陽に……銀河の片隅にあるちっぽけな恒星にどうしてそこまでの力があるのか」

ＱＢ「全く持って、興味深いね」


おてんこ「太陽の光は大地を、あらゆる生命を、そして……人の心を照らす」

おてんこ「それはただのエネルギーではない」

おてんこ「言葉にはできない……伝えることもできない力を人に与える」

おてんこ「太陽とは、銀河の中の星のひとつを指すのではない」

おてんこ「生きようとする者達の意志の表れ」

おてんこ「そして、それこそが……」


ジャンゴ「ボクらの太陽なんだ」


542 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/04(土) 00:26:51.16 ID:/jqYfGT60


ＱＢ「生きようとする者の意志ね……」

ＱＢ「確かに、君達は最強の魔女を乗り越えて、この場にいる」

ＱＢ「けど……それだって何時まで続くか分からない」

ＱＢ「魔法少女は戦いの中で力尽きるか、ソウルジェムに穢れを溜めて魔女になるかのどちらか」

ＱＢ「契約したら最後、その運命からは決して逃れられない」

ＱＢ「君達だって似たようなものさ」

ＱＢ「銀河意志ダーク……君達が抗うその敵は、絶対に勝つことができない存在だ」

ＱＢ「だったら、生きることに何の意味ある？」

ＱＢ「運命に身を任せて、死を受けれた方がよっぽど楽じゃないのかい」


マミ「それは違うわ、キュゥべえ」

マミ「死を前にした生が無意味なんてことはない」

マミ「むしろ、終わりがあるからこそ」

マミ「限られた今をどう生きるか……それが重要なの」

マミ「あなたの言う通り、運命に身を任せれば苦しまずに済むかもしれない」

マミ「けど、それじゃあ何も残らないわ」

マミ「私がこの世界でやってきたこと、その全てを否定することになってしまうのだから」


543 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/04(土) 00:28:53.15 ID:/jqYfGT60


さやか「そうだよ……生きることは辛いし、苦しい」

さやか「失恋もすれば、絶望だってする」

さやか「それは私も身をもって体験した」

さやか「でも……それだけじゃない」

さやか「嬉しいこと、楽しいことだって沢山あるんだ」

さやか「泣いたり笑ったり、時には怒ったりもする」

さやか「それができるのは今日を生きようとする者だけ」

さやか「だから、私は生きる」

さやか「大切な人と一緒に毎日を笑って過ごしたいから」


ＱＢ「・・・」


杏子「どうやら……アンタの目論見は上手くいきそうにないね」

杏子「まぁ……端っから人の弱みに付け込む奴らなんて応援してないけど」

杏子「どうせ、お前のことだ。あたし達からエネルギーを取れなくても」

杏子「また別の奴から回収すればいいとか思ってるんだろ？」

杏子「だったら見過ごすわけにはいかないね」

杏子「生きて、生きて、行き抜いて……とことんお前らの邪魔をしてやる」

杏子「いつか魔法少女の運命が変わる、その時までな」


544 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/04(土) 00:30:45.14 ID:/jqYfGT60


ＱＢ「今更ながら君達、人間というものが殊更に分からなくなってきたよ」

ＱＢ「どうして、希望という不確実なものに縋ることができる？」

ＱＢ「なぜ、変えられるはずのない運命に抗おうとする？」

ＱＢ「僕には理解のしようがないよ」


おてんこ「理解できないか……まぁ、無理もない」

おてんこ「お前達には感情というものがないのだからな」

おてんこ「希望を胸に、明日を信じて今日を生き抜く」

おてんこ「明確な死の概念がないお前達にしてみれば、意味のないことに見えるかもしれない」

おてんこ「だが、希望を持った人の力は無限の可能性を秘めている」

おてんこ「その想いの力は条理を超えて、不可能でさえも可能にする」

おてんこ「それが今、我々が立っている場所だ」


ＱＢ「そうかい……良く分かったよ」

ＱＢ「僕達には君ら人間の考えていることなんて理解できないし、する必要がないってね」

ＱＢ「でも、１つだけ聞いておきたいことがある」


おてんこ「何だ？」


545 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/04(土) 00:32:59.09 ID:/jqYfGT60


ＱＢ「魔法少女のシステムは変わらないし、僕達も変えようとは思わない」

ＱＢ「既に彼女達の運命は決まったも同然だ」

ＱＢ「死にゆく運命の中で、一体どんな希望があるというんだい？」


おてんこ「ああ、それか」

おてんこ「それなら問題ない」

おてんこ「彼女達に希望を届ける」

おてんこ「それが我々に残された最後の仕事だからな」


ＱＢ「希望を届ける？ そんなこと本当に出来るのかい」


おてんこ「ああ、出来るとも」

おてんこ「希望の星、太陽の力を使う我々ならば」

おてんこ「さぁ、インキュベーター。私に回線を繋げ」

おてんこ「教えてやろう、希望というものをな」


546 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/04(土) 00:35:22.24 ID:/jqYfGT60


マミ「待って、あなたはテレパシーを使えないはずでしょ」


おてんこ「案ずるな。本当は我々にもテレパシーは使える」

おてんこ「ただ、こいつが取り次いでいなかっただけだ」


杏子「本当なのかよ？」


ＱＢ「彼らの思考を取り次いでも、僕達には何のメリットもなかったからね」

ＱＢ「でも、今度は話が違う」

ＱＢ「彼らの言う希望というものが気になるし、何か益になる情報が得られるかもしれない」


おてんこ「準備はいいか？」


ＱＢ「接続は良好。問題ないよ」


おてんこ「行くぞ！」



太陽の精霊は掛け声とともに目の前の異星人に向かって思念を送る。



ＱＢ「これは！？」



おてんこの意識を読み取ったＱＢは無表情な顔を崩し、明らかに驚いた様子を見せた。


547 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/04(土) 00:37:00.50 ID:/jqYfGT60


おてんこ「……以上だ」



全てを伝え終えたおてんこは静かに終了を告げる。



ＱＢ「…」



情報を受け取ったＱＢはもとの表情に戻り、沈黙していた。



さやか「一体……何を教えたの？」


おてんこ「パイルドライバーの構造とその召喚方法」

おてんこ「ガン・デル・ソルや中継器について……」

おてんこ「私の知る限りの知識を与えた」


さやか＆マミ＆杏子「！？」


マミ「そんなこと教えるなんて！」


杏子「敵に塩を送るようなもんじゃんか！？」


548 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/04(土) 00:41:51.07 ID:/jqYfGT60


おてんこ「確かに、私の話はこいつ等にとって有益なものになるだろう」

おてんこ「だが、奴ら……インキュベーターは敵ではない」

おてんこ「人を騙して利用する。その手口には反吐がでる」

おてんこ「それでも……お前達、魔法少女はこいつと付き合っていかねばならない」

おてんこ「だから、私の持ち得る知識を与えた」


さやか「待ってよ！ あたし達がこいつと付き合って行かなきゃならないのは分かる」

さやか「でも……こいつはあんたから聞いた知識を使って、また多くの人を騙すのよ！！」


おてんこ「いや、むしろ使ってもらわなければ意味がない」

おてんこ「こいつらが我々の技術を魔法少女システムに組み込んで、初めて」

おてんこ「お前達の希望となるのだ」


マミ「どういう意味なの？」


549 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/04(土) 00:43:46.30 ID:/jqYfGT60


ＱＢ「彼らの行使する太陽の力、それを以ってすれば」

ＱＢ「グリーフシードをソウルジェムに変換できる」

ＱＢ「つまり……今まで魔法少女から魔女へと一方通行だった矢印が両向きに」

ＱＢ「魔法少女→魔女→魔法少女……といった閉じた機構が成立する」

ＱＢ「それは戦いで死ぬか、魔女になって終わりだった魔法少女の運命に」

ＱＢ「蘇生の選択肢が加わることを意味する」


杏子「……っていうことは」


ＱＢ「そうさ。ある意味で君達は救われたと言えるね」

ＱＢ「君達の運命は変えることは出来ない」

ＱＢ「でも……その運命が変えられないなら、新たな結末を用意すればいい」

ＱＢ「それが彼らの言う希望……というものらしい」


おてんこ「どうだ？ 散々に人を利用してきた者が利用される気分は」


ＱＢ「悪くはないよ」

ＱＢ「使い捨てるしかなかった魔法少女を再利用できるんだから」

ＱＢ「これほど嬉しいことはない……感謝したいくらいだね」


550 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/04(土) 00:45:22.35 ID:/jqYfGT60


おてんこ「よせ、お前に感謝などされたくない」

おてんこ「お前達はただ……私の与えた技術を使っていればいい」


ＱＢ「そうかい……ありがたく貰っておくよ」



白い異星人がそう言い終えると、



　　　　「！？」



突然、何もなかった空間が切れ目が入る。



おてんこ「これは……」



少年達の後ろで黒い口を開けるそれは、



ジャンゴ「……ワームホール」



彼らを見滝原へと導いたワームホールだった。


551 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/04(土) 00:47:37.24 ID:/jqYfGT60


マミ「ワームホール？」


さやか「何なの？ それは……」


おてんこ「世紀末世界からこの世界へと通じる穴」

おてんこ「我々の帰り道だ」


杏子「じゃあ……」


ジャンゴ「もう……帰らなきゃ」

ジャンゴ「ボクらにも帰りを待っていてくれる人達がいるから」



黒い穴を横目に捉える少年がそう告げたとき、



　　　　「待って！」



何者かに呼び止められる。

それは、



ジャンゴ「……ほむら」



最愛の友に抱かれて涙していた少女であった。


552 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/04(土) 00:50:12.11 ID:/jqYfGT60


ほむら「待って」

ほむら「貴方達にはまだ、お礼を言っていないわ」


ジャンゴ「いいんだ」

ジャンゴ「ボクはただ……約束を守ろうとしただけなんだから」


ほむら「約束？ それは誰と……」


ジャンゴ「ボクに希望を託してくれた少女」

ジャンゴ「友との約束を果たすため、最強の魔女に挑んだ彼女は」

ジャンゴ「その前に倒れ、親友に辛い運命を背負わせてしまった」

ジャンゴ「分かれ際に、彼女はこう言ったんだ」

ジャンゴ「『たとえ同じ世界で生きることが叶わなくても、彼女には生きていて欲しい』って」

ジャンゴ「だから、ボクはここに来た」

ジャンゴ「それだけのことさ」


ほむら「その話……」

ほむら「貴方、もしかして！」


ジャンゴ「…」ﾌﾙﾌﾙ


553 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/04(土) 00:52:04.38 ID:/jqYfGT60


ジャンゴ「君は親友と共に待ち望んだ明日を迎えた」

ジャンゴ「もう、過去に縛られる必要は無い。前だけを見て進むんだ」


ほむら「じゃあ、貴方と約束した……」

ほむら「彼女はどうなったの？」


ジャンゴ「分からない……」

ジャンゴ「でも、ボクは信じてる」

ジャンゴ「彼女は今もどこかで戦い続けていることを」

ジャンゴ「その胸に宿した太陽は輝きを失っていないことを」


ほむら「・・・」



太陽少年の言葉に沈黙するほむらを押しのけ、



おてんこ「そろそろ時間だ、ジャンゴ」



精霊は刻限が迫っていることを伝える。


554 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/04(土) 00:53:54.11 ID:/jqYfGT60


まどか「もう行っちゃうの？」


おてんこ「ああ、このまま別れを引き延ばしても辛くなるだけだ」

おてんこ「それに……このワームホールだって何時まで持つか分からない」

おてんこ「この期を逃して元の世界に帰れない……なんてことは避けたいからな」


まどか「また……会えるよね？」


ジャンゴ「それは何とも言えない」

ジャンゴ「けど……君達が明日を信じて生き続けていれば」

ジャンゴ「きっとまた、出会える日が来る」

ジャンゴ「あの空の太陽は何時だって、ボクらを照らしているのだから」


まどか「そうだよね」

まどか「きっとまた会えるよね」

まどか「だから、その時まで……バイバイ」


ジャンゴ＆おてんこ「…」ｺｸﾘ



まどかの言葉に頷いた２人は黒い亀裂へと足を進め、その前で少女達に向き直る。


555 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/04(土) 00:58:40.06 ID:/jqYfGT60


おてんこ「ほむら、まどか、マミ、杏子、さやか……」

おてんこ「世話になったな」

おてんこ「お前達の力がなければ、あの魔女を倒すことは出来なかった」

おてんこ「ワルプルギスの浄化に成功した今、お前達は新たな明日を手に入れた」

おてんこ「しかし……我々はその明日をともに歩むことは出来ない」

おてんこ「帰らねばならない。元の世界へ」

おてんこ「そこが我々が生き……そして、死ぬべき場所であるから」

おてんこ「我々が去ろうとも、お前達の戦いは終わらない」

おてんこ「インキュベーターが魔法少女を生み、その魔法少女が魔女を生んでいるならば」

おてんこ「その戦いに、勝利は無い」

おてんこ「だがお前達が生きている限り、敗北もまた、有りはしないのだ」

おてんこ「未来へ命を繋ぐこと……」

おてんこ「それこそが、命を持つ者にとっての勝利なのだからな！」

おてんこ「さらばだ、魔法少女達よ！」

おてんこ「お前達の未来が……」

おてんこ「太陽と共にあらんことを！！」



別れの言葉を言い終えると、太陽の使者は黒い穴の中へと消えていった。


556 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/04(土) 01:00:02.37 ID:/jqYfGT60


ジャンゴ「明日もまた日は昇る！」

ジャンゴ「でも……望んでいるだけじゃあ、明日は変わらない」

ジャンゴ「未来を変えるのは明日」

ジャンゴ「明日を変えるのは今日」

ジャンゴ「今日できること、１人でできることは小さくても」

ジャンゴ「その積み重ねが明日を変え、いつか未来をも変えるんだ」

ジャンゴ「この先の未来に何が起こるかなんて誰にも分からない」

ジャンゴ「けれど、たとえ辛いことあっても……きっと乗り越えられる」

ジャンゴ「明日もまた、日は昇るのだから」

ジャンゴ「ボクに言えることはただひとつ」

ジャンゴ「諦めずに戦い続けろ！」

ジャンゴ「そして、生き抜くんだ！」

ジャンゴ「ボクらの太陽と共に！！」



深紅のマフラーを翻し、少年は次元の狭間へと飛び込んでいった。


557 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/04(土) 01:02:22.77 ID:/jqYfGT60


２人を飲み込むと、亀裂はその黒い口を閉じる。



　　　　　「…」



ワームホールが閉じた後には、何かがあったことなど感じさせないただの空間が広がっていた。



まどか「行っちゃったね……」


さやか「…うん」


杏子「……ったく、帰るならもっと早く言えってんだ」

杏子「最後は碌に話もできやしない」


マミ「まぁ……これで良かったのよ」

マミ「彼らも言っていたでしょ？」

マミ「このまま引き延ばしても別れが辛くなるだけだって」


杏子「…」


さやか「それに……もう二度と会えないなんて決まったわけじゃないよ」

さやか「生き続けていればきっとまた会える……そうでしょ？」


杏子「そうだな」


558 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/04(土) 01:03:58.41 ID:/jqYfGT60


ほむら「…」


まどか「……ほむらちゃん、どうしたの？」

まどか「さっきからずっと黙って」


ほむら「結局、彼らにお礼を言い損ねたわ」

ほむら「世話になったのは私の方なのに……」


まどか「まだ、遅くないよ」

まどか「あの太陽でジャンゴ君達だって照らしてる」

まどか「だから、きっとほむらちゃんの声も届くはずだよ」


マミ「そうよ。暁美さん」

マミ「言わないでいたままだと、後悔するわよ」


ほむら「……そうね」



友の声に同意した少女は空を仰いで静かに口ずさむ。



ほむら「太陽少年ジャンゴ、太陽の使者おてんこ」

ほむら「貴方達のことは決して忘れない」

ほむら「私は生きる。仲間と共に……この世界で」

ほむら「ありがとう……ボクらの太陽を」



第４６章・了


559 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]：2012/08/04(土) 01:05:13.74 ID:/jqYfGT60
最終章


　『君の願い、たしかに聞き届けたよ』


次回：「果たされた約束」
560 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]：2012/08/04(土) 01:06:47.60 ID:yvScRcjao

乙。

とうとう最終章か。長かった。それでいて待ち遠しい時間だった。
561 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]：2012/08/04(土) 01:35:53.13 ID:H2zhd5NLo
乙乙！
次が待ち遠しいぜ
562 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]：2012/08/04(土) 01:40:34.01 ID:z5FQJbIMo
乙乙
563 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/08/04(土) 02:46:42.62 ID:EwmAoJ+mo
乙ー
564 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/04(土) 07:13:51.00 ID:2TUOFSW70
乙
今日も太陽が眩しいな
565 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/04(土) 07:40:53.40 ID:pUNlGLaYo
乙
566 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]：2012/08/04(土) 10:52:42.32 ID:aFnfdWVAO
＞おてんこ「人を騙して利用する。その手口には反吐がでる」
＞おてんこ「それでも……お前達、魔法少女はこいつと付き合っていかねばならない」

おてんこ様GJ過ぎる…
QBを安易にただの悪として排除させてる二次創作もある中、この展開は上手いなと思った
567 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(香川県) [sage]：2012/08/04(土) 12:24:49.88 ID:B/IsOLFM0
＞ＱＢ「運命に身を任せて、死を受けれた方がよっぽど楽じゃないのかい」

お前とて確実に滅ぶ宇宙の延命のために必死であがいてるじゃないか


568 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]：2012/08/04(土) 12:36:51.49 ID:yvScRcjao
QB的には確実に滅ぶとしても延命させる手段があるからその手を使っているに過ぎない、という考えなんだろうね。必死ではないかな。
魔法少女システムの場合どうあがいても絶望する確率の方が大きいから希望に対して不可解な反応を示す。
けれど今回の太陽利用によって魔女になっても戻れるという事実が少なからず希望を理解する道になるっていうね
569 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2012/08/04(土) 12:38:01.10 ID:hZbrDARxo
QB「他の恒星でもできるのかい？」
570 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/04(土) 12:49:34.58 ID:fKvGdpGDO
乙
倒して終わりじゃない、もう一つの可能性ってのはボクタイらしくていいね
571 ：：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/04(土) 17:30:52.95 ID:hvrtAI2y0
乙だっ！
572 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ：2012/08/05(日) 16:08:44.65 ID:/nql3YNy0
本当によかった…ボクタイｓｓなんて珍しいなーくらいで見始めたｓｓがこんなに
いい作品になるなんて思わなかった。

とあるクロスｓｓで、終わったあとに逆パターンで訪問しクロス…というものがあり、
これでもいけるかもしれない？
(やってくれと言っているのではない)

読んでよかった！
乙っ！！！！
573 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]：2012/08/05(日) 22:29:17.19 ID:LIOcH6qR0
このくそ暑いさなかに燦々と照ってる太陽なんて有り難みを感じてなかったけど
やっぱ太陽って偉大だよな
574 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(香川県) [sage]：2012/08/05(日) 23:17:35.20 ID:U7aKoTYJ0
まあいったん地球が形成されたら太陽なくても生命は誕生できたし、長い間繁栄することも可能なんだがな
575 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/06(月) 00:31:11.95 ID:10dvi6iDO
>>574
太陽ないって事は地熱準拠の、今とは全く違う生態系になるだろうけどな
光合成不可な時点で植物からしてガラリと変わる
576 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/06(月) 00:35:31.81 ID:u7jjiqvs0



最終章　「果たされた約束」



577 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/06(月) 00:36:59.83 ID:u7jjiqvs0


次元の切れ目に入り込んだ少年は真っ暗になった意識の中、


　　
　　　　「……ャンゴ…ん」



何者かが自分を呼ぶ声を聞く。



　　　　「お…き……」



その声は次第にはっきり聞き取れるようになり、



ジャンゴ「…っ」



それに従って、少年の意識も覚醒へと向かう。



　　　「起きて、ジャンゴ君」



自分を呼ぶ声が少女のものであることに気が付く頃には、



ジャンゴ「うっ…」



少年は完全に目を覚ましていた。


578 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/06(月) 00:37:54.82 ID:u7jjiqvs0


ジャンゴ「！」



視界を取り戻したジャンゴは声の持ち主を確かめるために辺りを見回す。



ジャンゴ「君は……」



彼の目に入ったのはピンク色の長髪に白いドレスに身にまとった少女、



ジャンゴ「……まどか」


まどか「…うん」



鹿目まどかであった。


579 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/06(月) 00:40:08.09 ID:u7jjiqvs0


ジャンゴ「今なら良く分かるよ」

ジャンゴ「君がどういう存在なのか」

ジャンゴ「そして……君の願いにどういう意味があるのか」

ジャンゴ「でも、分からないこともあるんだ」

ジャンゴ「どうして？ ボクは君と話すことができる」

ジャンゴ「概念となった君は、もう誰かに触れることさえできないのに」


まどか「うん……それを説明しに来たんだよ」

まどか「あと、最後のお願いを聞いてもらうために」


ジャンゴ「最後の願い？ それは……」


まどか「それは、わたしの説明が終わってから……君の意志で判断してほしいの」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ


まどか「……ありがとう」

まどか「まず、ジャンゴ君がわたしに干渉できる理由なんだけど」

まどか「その前に、元のわたしがいた世界」

まどか「わたしの契約で改変された世界のその後について……話していいかな？」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ


580 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/06(月) 00:42:19.60 ID:u7jjiqvs0


まどか「ジャンゴ君も知っているだろうけど」

まどか「わたしの願いはあの世界の魔女という概念を消した」

まどか「わたしが概念となる代わりに果たされる願い」

まどか「それで全ての魔法少女が救われるはずだった」

まどか「彼女達は自分の祈りを、絶望に変えることなく済むはずだった」


ジャンゴ「…」


まどか「初めこそ上手くいってた」

まどか「キュゥベえ達も魔法少女を使いつぶすようなことはしなかったし、魔法少女も魔女になることはなかった」

まどか「でも、それは人が増大させるエントロピーを魔法少女システムが凌駕できていた時まで」

まどか「知恵をつけた人間はキュゥベえ達の予想を超えて進化していったの」

まどか「人類は急速にその数を増やし、エントロピーを増大させる」

まどか「繁栄は人の心を満たし、暗い感情を払っていく」

まどか「そうして……負の感情から生まれる魔獣は数を減らしていった」

まどか「そんな状況が続いて、気づけば……魔法少女システムではエネルギーを回収できなくなっていったの」


ジャンゴ「…」


581 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/06(月) 00:44:02.97 ID:u7jjiqvs0


まどか「キュゥベえ達は魔獣の減少を抑えられないことを悟ると」

まどか「自分達の手で魔獣を作り出すことにした」

まどか「彼らが注目したのは、ソウルジェムの穢れ」

まどか「それが魔法少女の心の闇……負の感情であることに気付いたキュゥベえ達は」

まどか「それを研究して、作り出したの」

まどか「人を魔獣にする物質……」

まどか「吸血変化を起こす暗黒物質、ダークマターを」


ジャンゴ「！」

ジャンゴ「……まさか！？」


まどか「そう……君の良く知るアンデット」

まどか「それはキュゥベえ達の生み出した魔獣のなれの果てだよ」


ジャンゴ「だったら、あの世界は……」


まどか「旧世界……大崩壊（ラグナロク）の前、人類が繁栄を極めた時代」


ジャンゴ「…」


582 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/06(月) 00:48:12.11 ID:u7jjiqvs0


まどか「暗黒物質（ダークマター）を作り出したキュゥベえ達は、早速それを使って魔獣を増やした」

まどか「でも、それでもエントロピーを凌駕することは出来なかった」

まどか「キュゥベえ達が手間取っているうちに、遂に……人は資源を求めて宇宙へと旅立った」

まどか「人類が地球を離れることで、宇宙の死が早まることを恐れたキュゥベエ達はある決断をした」

まどか「それは、全ての生命種を抹消することで宇宙そのものの時を止めること」

まどか「命持つの者の敵となったインキュベーターはその名を変える」

まどか「宇宙を総べる者……銀河意志ダーク」


ジャンゴ「…」


まどか「これが……わたしが望んだ世界の結末」

まどか「全ての魔法少女の救済はその代償に、人類そのものを滅亡させてしまった」

まどか「わたしは絶望した。いっそ魔女になりたいぐらいだった」

まどか「けれど……わたし自身の願いがそれを許さない」

まどか「だから、未来を変えることにしたの」

まどか「わたしが契約しない未来、ほむらちゃんの望んだ未来を迎えられるように」

まどか「そうして探し始めたの」

まどか「過去と未来、全ての宇宙でほむらちゃんの力になってくれる人を」

まどか「でも……見つからなかった」

まどか「たとえ、ワルプルギスを倒す力を持っていても」

まどか「概念と化したわたしに干渉できる人間なんてどこにもいなかった」

まどか「最後の希望を失くしたわたしは元の世界……銀河意志によって滅ぼされた世界に戻った」

まどか「動物も植物も何もない……そんな世界で自分の存在も忘れてしまおうと思ってた」

まどか「けど、その世界はまだ死んではいなかったの」

まどか「そこには明日を信じて戦い続ける人々が、今日を精一杯生き抜こうとする人達がいた」

まどか「そして、遂に……見つけたの、わたしが探し続けていた人」

まどか「その身に宿した月の血で、概念になったわたしをも受け入れることができ」

まどか「太陽の力を使って、果てのない戦いに身を投じる」

まどか「太陽少年ジャンゴ……あなたをね」


583 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/06(月) 00:50:38.97 ID:u7jjiqvs0


ジャンゴ「…」


まどか「ごめんね、ジャンゴ君」

まどか「全部……わたしが悪いのに」

まどか「君を騙して、自分の思うとおりに働かせた」

まどか「許してほしいとは言わない」

まどか「でも、わたしがほむらちゃんを助けたいって気持ちは本物なの」

まどか「これだけは信じて」


ジャンゴ「……まどか」

ジャンゴ「君が謝る必要なんて何処にもない」

ジャンゴ「ボクはボクの意志で、あの世界に行って戦ってきたんだ」


まどか「でも……」


ジャンゴ「たとえ、君の選択が世界を滅ぼす原因になったとしても」

ジャンゴ「誰も君を責めることなんてできない」

ジャンゴ「なぜなら、その選択は大切な人を救うためにしたのだから」

ジャンゴ「自分の命を投げ打ってでも、その人を救おうとしたのだから」


まどか「…」


584 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/06(月) 00:52:57.80 ID:u7jjiqvs0


ジャンゴ「それに……君のおかげで今の世界があるなら」

ジャンゴ「ボクは君にお礼を言わなくちゃいけない」


まどか「どうして？」

まどか「わたしは平和な世界を壊してしまったのに」

まどか「あなたの世界をあんな風にしてしまったのに」


ジャンゴ「確かに……あの世界で生きることは大変かもしれない」

ジャンゴ「でも、だからこそ強く感じられるんだ」

ジャンゴ「生きることの喜びを、太陽の暖かさを」

ジャンゴ「もし君がこの世界を創らなかったら……」

ジャンゴ「ボクはそれを感じることがなかったかもしれない」

ジャンゴ「もしかしたら、生まれてすらいないかもしれない」

ジャンゴ「だから……君には感謝しているんだ」

ジャンゴ「ありがとう」


まどか「……ジャンゴ君」

まどか「君には何てお礼を言ったら良いか分からないよ」

まどか「わたしが見つけたのがあなたで良かった」

まどか「あなた以外の人が見つからなくて……本当に良かった」


ジャンゴ「いいんだ」

ジャンゴ「そんなことより……君の最後の願いは？」

ジャンゴ「それを聞くまで、ボクは帰るわけにはいかない」


585 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/06(月) 00:54:30.84 ID:u7jjiqvs0


まどか「あなたの手で終わらせてほしいの……わたしの命を」

まどか「本当は最後まで、見届けなきゃいけないんだろうけど」

まどか「わたしはもう……限界みたい」

まどか「だから、みんなのところへ……ほむらちゃんのところへ行きたい」

まどか「最後の最後まで、身勝手なお願いでごめん」

まどか「でも……自分じゃ出来そうにないから」


ジャンゴ「・・・」

ジャンゴ「君の願い、たしかに聞き届けたよ」

ジャンゴ「でも……ボクも１つだけ、君に頼みたいことがある」


まどか「いいよ。わたしに出来ることならなんでも」


ジャンゴ「じゃあ、右手を出して」


まどか「…」ｺｸﾘ



少年に指示され、少女は右手を差し出す。



ジャンゴ「…」ｽｯ



少年は差し出された手を右手で握った。


586 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/06(月) 00:56:14.70 ID:u7jjiqvs0


ジャンゴ「『約束は果たした。会いに行けなくてごめん』」

ジャンゴ「向こうに着いたら、こう伝えてほしい」

ジャンゴ「こうすれば、彼女は分かってくれると思うから」



そう言って少年は右手を放すと、



ジャンゴ「…」ｼｭﾝ



代わりに太陽銃ガン・デル・ソルを呼び出した。



まどか「……これを撃って」



ドレスの少女は魂の宝石を取り出すと、胸の前にし差し出す。



ジャンゴ「…」ｺｸﾘ



それを捉えた少年は頷いて銃を構える。


587 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/06(月) 00:57:40.98 ID:u7jjiqvs0


まどか「ありがとう、ジャンゴ君」

まどか「あなたのこと……絶対に忘れない」

まどか「最後に話ができたのがあなたで良かった」

まどか「本当に……ありがとう！」



最期の言葉を告げるまどかに向かって、



ジャンゴ「…」ﾃｭﾝ



少年は光弾を放つ。



　　　　　　 ピンッ
　　　　


放たれた光弾はソウルジェムを打ち抜き、




　　　　　　パキンッ



砕いた。


588 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/06(月) 00:58:49.72 ID:u7jjiqvs0


まどがが消滅すると同時に、彼女がいた場所に穴が開く。



　　　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ



開いた穴はみるみる大きくなり、少年を飲み込もうとする。



ジャンゴ「…」



少年は流れに身を任せ、穴へと吸い込まれていく。



ジャンゴ「おやすみ……まどか」



その言葉を残して、少年の意識は闇へと沈んでいった。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


589 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/06(月) 01:00:49.42 ID:u7jjiqvs0

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


ジャンゴ「…っ」



光を感じた少年は目を開く。



　　「目を覚ましたようだな、太陽少年」


ジャンゴ「……おてんこさま」



傍らには先に次元の切れ目に入っていったおてんこの姿があった。



ジャンゴ「ここは……？」


おてんこ「我々が見滝原に旅立った場所、古の大樹の麓だ」



相棒の言葉を聞いて辺りを見回す。

そこには天を衝く大樹と見渡す限りの荒野が広がっていた。



おてんこ「無事に戻ってこれたようだな」

おてんこ「あの町の景色に慣れてしまったせいか、ここが随分と寂しく感じるな」

おてんこ「まぁ……荒れ地の方がこの世紀末世界らしいと言えばらしいか」


ジャンゴ「…」


590 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/06(月) 01:01:41.92 ID:u7jjiqvs0


おてんこ「さて……帰るか」

おてんこ「サン・ミゲルにはお前の帰りを待っている者もいるしな」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ



頷いた太陽少年は転送装置を起動し、棺桶を呼び出す。

そして、



　　　　ウィーン　　　ガタン



バイクに変形させてその上にまたがった。



おてんこ「さあ、行くぞ」



掛け声に合わせてエンジンを入れようとすると、



　　　ギギギギギ　　　ガンッ　



ジャンゴ「？」



異様な音を立ててバイクはその機能を停止してしまう。


591 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/06(月) 01:04:06.38 ID:u7jjiqvs0


おてんこ「どうした？ バイクの調子でも悪いのか」


ジャンゴ「・・・」


おてんこ「見せてみろ」



そう言っておてんこはバイクを調べ始める。



おてんこ「う～む。これは……」

おてんこ「駆動機系がやられているな」

おてんこ「おそらく、あの戦いの余波を受けてイカれてしまったのだろう」

おてんこ「仕方ない……歩いて行くか」

おてんこ「旅を振り返りながら歩いて帰る……たまには、それもいいだろ？」


ジャンゴ「…」ﾆﾔﾘ



太陽の使者の提案に受けた少年はバイクから降りて、故郷の方角を向く。



おてんこ「行くぞ、太陽少年」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ


592 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/06(月) 01:05:47.55 ID:u7jjiqvs0


２人が太陽の街へ向かって一歩を踏み出したとき、



　　　　「やっと見つけましたよ、ジャンゴさん」
　　
　　　　「どこにも居なくて……心配したんですから」



背後から誰かに呼びかけられる。

それは、


ジャンゴ「！」


おてんこ「お前は……」



　　　　「いつもご利用いただきありがとうございます」

　　　　「暗黒ローン受付の暗子です」



暗黒ローンの暗子ちゃんだった。


593 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/06(月) 01:07:05.99 ID:u7jjiqvs0


暗子ちゃん「……覚悟はよろしいですね？ ジャンゴさん」

暗子ちゃん「ワタシ達はエナジーを貸し、アナタはそれを借りた」

暗子ちゃん「アナタの事情も分かります……」

暗子ちゃん「ですが、借りたものは返さなければなりません」

暗子ちゃん「それが世の中のルールです」


おてんこ「待て、何を言っている？」


暗子ちゃん「ワタシは借金の取り立てに来ただけです」

暗子ちゃん「自分が何をしたか……」

暗子ちゃん「ジャンゴさん、アナタなら分かっているはずですよ」


おてんこ「そうなのか？ ジャンゴ」


ジャンゴ「…」ﾌﾙﾌﾙ

おてんこ「身に覚えがないみたいだぞ」

おてんこ「何かの手違いではないのか？」


暗子ちゃん「残念ながら……事実です」

暗子ちゃん「ちゃんと証拠もあります」

暗子ちゃん「ワタシだってアナタに苦しんでほしくはありません」

暗子ちゃん「でも、これを見てください……」

暗子ちゃん「これがアナタの借りたソル（SOL）です」



彼女は懐から何かの計器を取り出し、それをジャンゴ達に見せる。


594 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/06(月) 01:08:25.67 ID:u7jjiqvs0


ジャンゴ＆おてんこ「・・・」


おてんこ「私の目がおかしくなったのか」

おてんこ「借入額が振り切れているように見えるのだが……」


暗子ちゃん「いいえ、アナタの目はおかしくなんかありません」

暗子ちゃん「ジャンゴさんの借金は……１００万ソルを軽く超えています」

暗子ちゃん「１０万の桁までしかない機械では表示しきれません」

暗子ちゃん「……お分かりになりましたね？」


おてんこ「ちょっと待て、その計器が壊れているのかもしれない」

おてんこ「手持ちのカードを確認させてくれ」


暗子ちゃん「変わらないとは思いますが……いいですよ」


おてんこ「よし、ジャンゴ」

おてんこ「ローンカードを取り出して確認してみるんだ」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ


595 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/06(月) 01:09:15.74 ID:u7jjiqvs0


ローンカードを探すジャンゴはバッグを探る。

大切なものとして保管しているそれは、



ジャンゴ「…」ｶﾞｻｺﾞｿ

ジャンゴ「？」

ジャンゴ「…」ｶﾞｻｶﾞｻｶﾞｻｶﾞｻ



絶対にバッグの中に入っているはずだったが、



ジャンゴ「・・・」



見つけることができなかった。



おてんこ「まさか、お前……」

おてんこ「……失くしたのか？」


ジャンゴ「…」


暗子ちゃん「どうですか？ ……ジャンゴさん」

暗子ちゃん「ウソじゃありませんでしたよね」


596 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/06(月) 01:10:31.40 ID:u7jjiqvs0


おてんこ「それが、その……」

おてんこ「どうやらどこかでカードを落としてきてしまったようなのだ」

おてんこ「だから今回は……勘弁してくれないだろうか？」


暗子ちゃん「本当ですか？ ジャンゴさん」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ


暗子ちゃん「ホントのホントですか？」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ


暗子ちゃん「それなら……」



暗子ちゃんがジャンゴ達の言い分をのみかけたとき、



　　　　「騙されちゃダメよ。暗子ちゃん」



またもや何者かが押し入ってきた。



暗子ちゃん「陽子ちゃん！ どうしてここへ？！」


陽子ちゃん「暗子ちゃん……ジャンゴさんが見つかったって飛び出して行っちゃったんだもん」

陽子ちゃん「心配で付いてきちゃった」



今度は太陽バンクの陽子ちゃんであった。


597 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/06(月) 01:12:07.45 ID:u7jjiqvs0


暗子ちゃん「陽子ちゃん……でも、さっきのはどういう意味なの？」


陽子ちゃん「暗子ちゃん、アナタは騙されてるの」


暗子ちゃん「え？」


陽子ちゃん「ジャンゴさん……アナタ、ウソを付いてるわね」


ジャンゴ「…」ﾌﾙﾌﾙ


陽子ちゃん「とぼけてもムダよ。ワタシには分かってるんだから」

陽子ちゃん「自分の都合で借金して」

陽子ちゃん「それが返せなくなったから、カードを落としたなんて下手なウソを付く」

陽子ちゃん「見損なったわ。ジャンゴさん」


暗子ちゃん「本当なんですか？ ジャンゴさん」

暗子ちゃん「ワタシのお仕置きがそんなに……イヤだったんですか」


ジャンゴ「・・・」


598 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]：2012/08/06(月) 01:12:44.40 ID:pWl2/YcHo
むしろあのお仕置きを楽しんでいたプレイヤーは多かったはず
599 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/06(月) 01:13:03.29 ID:u7jjiqvs0


陽子ちゃん「分かったでしょう？ ……暗子ちゃん」

陽子ちゃん「悲しいけど、これが現実なの……」


暗子ちゃん「そんな……こんなことって」


陽子ちゃん「ワタシ達の知ってるジャンゴさんは……もういない」

陽子ちゃん「でも……取り戻すことは出来るわ」

陽子ちゃん「アナタのお仕置きで、元のジャンゴさんに戻してあげるのよ！」


暗子ちゃん「でも、ワタシのお仕置きなんかじゃ……」


陽子ちゃん「違うわ！ 暗子ちゃん」

陽子ちゃん「アナタにしかできないの」

陽子ちゃん「何度もジャンゴさんにお仕置きをしてきたアナタだからこそできるの！」



暗子ちゃん「……陽子ちゃん」

暗子ちゃん「ワタシ……やるよ」

暗子ちゃん「ワタシの手でジャンゴさんを取り戻してみせるよ！」


600 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/06(月) 01:13:48.53 ID:u7jjiqvs0


おてんこ「なぁ……ジャンゴ」

おてんこ「１つ質問がある」

おてんこ「ここで走るのと、後で走るのと」

おてんこ「お前はどちらがいい？」


ジャンゴ「・・・」


おてんこ「どうやら、私と同じ意見らしいな」

おてんこ「さぁ……」

おてんこ「走るぞ！！」


陽子ちゃん＆暗子ちゃん「！」



陽子ちゃん＆暗子ちゃん「「待ちなさーーい！！」」



最終章・了


601 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]：2012/08/06(月) 01:14:28.54 ID:u7jjiqvs0
少年と精霊、その運命は……


　　『逃げ切らなければ……我々に明日は無い！』


エピローグ：「それぞれの太陽」



※次回はエピローグというか、エンディング
　この章にまとめる予定だったのですが、異様に長くなりそうなので分けました
602 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]：2012/08/06(月) 01:15:08.07 ID:pWl2/YcHo
まだ続くのか。ありがたい。
乙
603 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/08/06(月) 01:16:11.45 ID:ZIhcabUTo
乙ー
ラビアンローズ手に入れるためお仕置き受けたなぁ・・・
604 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]：2012/08/06(月) 01:17:15.27 ID:bQhcgGYoo
陽子ちゃん暗子ちゃんクソ懐かしい&借金クソワロタ
俺もラビアンローズのためだけにお仕置き受けたわ、指が疲れた
乙
605 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) [sage]：2012/08/06(月) 02:59:02.56 ID:v4XQlCbfo
乙
ボクタイSSが終わるのは寂しいな…
606 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/06(月) 07:05:42.21 ID:RhQBCQEPo
乙
607 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]：2012/08/06(月) 08:57:06.36 ID:LOnp4nLT0
乙
借金100万ソルオーバーｗｗｗｗ
608 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2012/08/06(月) 09:00:29.37 ID:rr51ibfZo
何があったんだってレベルｗｗｗｗｗｗ
609 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]：2012/08/06(月) 11:43:27.90 ID:a7yl8t2Io
乙
ラビアンローズって確か6回お仕置きを受けると貰えるんだっけ
610 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2012/08/06(月) 12:13:38.19 ID:53L8tcNBo
次回予告の逃げ切らなければにシリアスとはまた違う緊張感を感じる
乙
611 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/06(月) 12:43:00.37 ID:I/5IxNWZo
乙
エピローグか…もう終わっちゃうんだなぁ
612 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2012/08/06(月) 12:46:24.33 ID:rr51ibfZo
次回作としてはDSにGBAがクロスするのが見たいかなって
613 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) ：2012/08/06(月) 22:04:35.56 ID:UjwAhPBS0
まどかの世界のなれはてがジャンゴの世界・・・ってことかな？
しかしすごくうまい設定だ　
あなたのおかげでまたボクタイやりたくなってきました！
ありがとう！そして乙！
614 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]：2012/08/06(月) 23:37:13.14 ID:cTKh/Rxfo
感情がないってだけで元は生命体だったはずのものが、同じ生命体に仇なすってのはどこか皮肉だな
宇宙のために地球人の少女を犠牲にしたインキュベーターならそれも有り得るんだろうけど
615 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(香川県) [sage]：2012/08/07(火) 18:33:07.70 ID:KrXkWZMQ0
乙
＞まどか「わたしはもう……限界みたい」
願いの効果で魔女化しないんだろうが何が限界なんだろう？
･･･SAN値？
616 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]：2012/08/08(水) 00:30:55.68 ID:tixa8NiG0
乙です
ＤＳ世界での暗黒ローンは多額の借金を踏み倒されて倒産したそうな……まさか、ね……
617 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]：2012/08/09(木) 08:31:18.98 ID:Let9jUdM0
乙
ロックマンと熱斗が兄弟って設定も使ってほしかったような
618 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2012/08/09(木) 08:44:50.26 ID:6LIqM7X6o
乙
ロックマン未プレイの人に無茶ぶりするんじゃない
アニメじゃその設定なかったし
619 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/10(金) 00:23:42.46 ID:HIYGfis40



エピローグ　「それぞれの太陽」



620 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/10(金) 00:26:09.95 ID:HIYGfis40

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


　　　　　　　　　　　-太陽少年　ジャンゴ-
　

　　　　　　　　　　-太陽の使者　おてんこさま-　　　

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


―荒野―



ジャンゴ「…」ﾀｯ　ﾀｯ


おてんこ「走れ！ ジャンゴ！！」

おてんこ「追いつかれたら一巻の終わりだ！」


暗子ちゃん「待ってください！ ジャンゴさん！！」

暗子ちゃん「ワタシにお仕置きさせてください！」


陽子ちゃん「逃がしませんよ！」

陽子ちゃん「アナタには世の中のルールをきっちり叩き込んであげますから！！」


ジャンゴ「・・・」ﾀｯ　ﾀｯ


おてんこ「振り返るな！！」

おてんこ「前だけを見て走れ！」

おてんこ「逃げ切らなければ……我々に明日は無い！」


ジャンゴ「…」ﾀｯ　ﾀｯ



暗子ちゃん＆陽子ちゃん「「待てーーーー！！」」


621 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/10(金) 00:27:46.48 ID:HIYGfis40

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


　　　　　　　　　-因果律の中心　鹿目　まどか-


　　　　　　　　　-黒の魔法少女　暁美　ほむら-　　　
　
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


―見滝原中学校　教室―



ほむら「まどか、一緒に帰りましょう」


まどか「ごめん、ほむらちゃん」

まどか「今日はちょっと用事があって……」


ほむら「……そうなの」

ほむら「でも、用事って？」


まどか「そろそろ……手芸部の作品を作らなきゃいけないの」

まどか「この１ヶ月、色々あってサボっちゃてたから」


ほむら「手芸部……って」

ほむら「貴女、部活に入ってたの！？」


まどか「あれ……知らなかった？」

まどか「てっきり、ほむらちゃんのことだから知ってると思ったんだけど」


ほむら「初めて会ったまどかは魔法少女だったし……」

ほむら「２回目からはそんなこと気にしているヒマはなかったから」


まどか「そう……だったんだ」

まどか「！」

まどか「じゃあ、ほむらちゃんもおいでよ」

まどか「今度は時間もいっぱいあるから、ね？」


622 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/10(金) 00:29:23.83 ID:HIYGfis40


ほむら「でも、私って不器用だし……」


まどか「大丈夫だよ。練習すれば上手になるよ」


ほむら「それに……何を作っていいか分からないわ」


まどか「ぬいぐるみ……なんてどうかな？」


ほむら「ぬいぐるみ？」


まどか「わたしも作ろうと思うから教えられると思うんだ」


ほむら「それなら……」


まどか「やった！ じゃあ、何作ろうか？」


ほむら「まどかはもう決まってるの？」


まどか「うん」

まどか「ほむらちゃんもよく知ってる『あの人』だよ」


ほむら「あの人……って誰？」


まどか「へへ……完成するまで内緒」

まどか「さぁ、行こう」

まどか「完成したらマミさん達にも見せてあげようよ」


623 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/10(金) 00:32:45.01 ID:HIYGfis40

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


　　　　　　　　　　　-大地の巫女　リタ-
　

　　　　　　　　　　　-ひまわり娘　ザジ-　　　

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


―サン・ミゲル　太陽樹―



リタ「…」


ザジ「また祈ってるんか」

ザジ「毎日、毎日……ホンマに良く飽きないもんやな」


リタ「はい……太陽樹様のお力でジャンゴ様をお守りくださいと」

リタ「私にはジャンゴ様の無事を祈ることしかできないので」


ザジ「全く……あいつもしょうがない奴やな」

ザジ「こんな娘を置いて、１人で行っちまうなんて」

ザジ「アンタもそう思わへん？」


リタ「そ、その……私は、ただ……」

リタ「ジャンゴ様のお側にいられればそれで……」


ザジ「アカン……アカンで、その考え方」

ザジ「言っちゃ悪いがあいつの鈍さは一級品や」

ザジ「そんな調子じゃあ、何時まで経ってもあんたの想いは伝わらへんで」


リタ「じゃあ、どうすれば……」


ザジ「そんなん簡単や」

ザジ「あんたから告白し、それでバッチシ解決や」


624 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/10(金) 00:34:50.97 ID:HIYGfis40


リタ「へ？」

リタ「いや、その……ふざけないでください！」


ザジ「ふざけてるわけやないで」

ザジ「あいつは……あいつら兄弟は、２人そろって無茶苦茶な奴らや」

ザジ「危険な場所だって分かってても、そこに飛び込んで行く」

ザジ「ウチらどんなに止めったって、止めようなんてしない」

ザジ「ホンマに……命がいくつあっても足らへん」

ザジ「だから、伝えられるうちに伝えなアカン」

ザジ「いなくなってから後悔したんじゃ……遅いんや」


リタ「ザジさん……」

リタ「……分かりました」

リタ「やります。ジャンゴ様が帰ってきたら告白します」


ザジ「そうや、その意気や！」


リタ「でも、その前に少し……気合を入れてきます」

リタ「師匠も言ってました」

リタ「こういう時は『当たって砕けろ』って」

リタ「では、行ってきます！」


ザジ「ちょ…待ち……」



　　　　「オラオラオラ、オッラー！！」


　　　ドンッ　ガン　バキッ　　ズドォォォォン
　　　


ザジ「・・・」

ザジ「大丈夫やろか……」


　　「ミャア」


ザジ「ん？ あんたも心配してくれるん」


625 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/10(金) 00:36:37.19 ID:HIYGfis40

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


　　　　　　　　　　　-風の戦士　シャイアン-　　　


　　　　　　　　　　　　　-鋼鉄のスミス-
　
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


―サン・ミゲル　鍛冶屋―



スミス「焼けッ！！」


シャイアン「任せろ！」



　　　ゴオオォォォォォォォォ　　　　



シャイアン「！」

シャイアン「打て！！ スミス！」


スミス「フッ！」


　　　　カンッ　　


スミス「ホッ！！」


　　　　キンッ


スミス「ハッ！！」


　　　　ガンッ


スミス「焼け！」


シャイアン「応！」
　
　　

　　　ゴオオォォォォォォォォォ　



スミス「今だ！」

スミス「冷やせ！！」



　　　ジュォォォォオオオオオオ



626 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/10(金) 00:37:48.51 ID:HIYGfis40


シャイアン「・・・」


スミス「出来は……どうだ？」


シャイアン「悪くはないが……それまで、と言ったところか」


スミス「わしらだけでは、なかなかに難しいな」


シャイアン「仕方がない、あいつがいない今」

シャイアン「私達だけでどうにかするしかあるまい」

シャイアン「もう一度だ、スミス」


スミス「そうだな」


　　　　「ミャ？」


スミス「コレ！ 危ないからお前は下がっていろ」


627 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/10(金) 00:39:32.81 ID:HIYGfis40

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


　　　　　　　-異世界からの来訪者　？？？（ハテナ）-
　

　　　　　　　　　　-アフロマスター　キッド-　　　　

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


―サン・ミゲル　アクセサリー屋―



キッド「オレは２枚チェンジ」


？？？「俺は……３枚だな」


キッド「へへっ……」

キッド「悪いがこの勝負……オレっちがもらうぜ」


？？？「よっぽどいい手が来たみたいだな」


キッド「今ならまだ降りられるぜ」


？？？「いいや、遠慮しておく」


キッド「後悔するなよ」

キッド「フルハウスだ！」


？？？「……いい役だな」


キッド「だろ？」


？？？「だが、俺の勝ちだ」


キッド「なっ……４カード」


？？？「約束通りお前のコレクションは貰って行くぞ」


628 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/08/10(金) 00:40:20.28 ID:UdqBb9byo
やはり鍛冶にはライジングサンが必要ですよね
629 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/10(金) 00:40:44.07 ID:HIYGfis40


キッド「・・・」

キッド「これで５戦全敗……バッドだぜ」

キッド「なぁ、何かコツでもあんのか？」


？？？「まあな」


キッド「頼む！ 教えてくれ」

キッド「難ならオレのコレクションをもう１つやるから」


？？？「いいだろう。よく見ておけよ」

？？？「袖のここらへんをこうすると……」

？？？「ほら……カードが出てきただろ？」

？？？「こいつをバレないように……」


キッド「ちょっと待て……」

キッド「イカサマじゃねぇか！」


？？？「まあまあ……そう怒るな」

？？？「代わりに俺が手に入れたアイテムをやるから」


キッド「……ったく、気のいいヤツだぜ」

キッド「だいたい、どこでそんなん覚えてきたんだ？」

キッド「記憶喪失じゃなかったのかよ」


？？？「頭で忘れていても、体が覚えてるものだぞ」


キッド「……手癖が悪いヤツだったんだな」


？？？「かもしれないな」

？？？「どうする？ もう一勝負するか」


キッド「もちろん、今度は真剣勝負」

キッド「イカサマはナシだぜ」


？？？「キツイ勝負になりそうだ」


　　　「ミャ」
　　

？？？「ん？ お前もやるか？」


630 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/10(金) 00:42:18.28 ID:HIYGfis40

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


　　　　　　　　　-時計塔の管理人　エンニオ-　　　　

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


―サン・ミゲル　時計塔―



エンニオ「ここをこうして……」ｷｨｺｰ ｷｨｺｰ

エンニオ「よし、これで大丈夫じゃ」

エンニオ「・・・」

エンニオ「あの小僧……最近、顔を見せんな」

エンニオ「別に、あやつがどうなろうとわしには関係ないんじゃが」

エンニオ「文句を言いに来る奴がいないと張り合いがないわい」

エンニオ「はぁ……」


　　　　　ガタッ


エンニオ「！」

エンニオ「何の用じゃ？ 時計なら狂っておらんぞ」


　　　　「ミャア？」


エンニオ「なんだ……お主か」

エンニオ「期待していた訳じゃないぞ」

エンニオ「ただ、あの坊主がどうしているか気になっただけじゃ」


631 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/10(金) 00:44:10.46 ID:HIYGfis40


―暗黒ローン　地下１００階―



暗子ちゃん「ようこそおいで下さいました。ジャンゴさん」


ジャンゴ「・・・」


暗子ちゃん「ここは暗黒ローンの地下１００階、通称お仕置き部屋です」

暗子ちゃん「そして……あちらに見えるのが暗黒発電機」



　　　　「ｸﾎﾟ……ｸﾎﾟ……」


　　　　　ウィーーーン



ジャンゴ「…」


暗子ちゃん「何をなさるのか……もうお分かりですね？」

暗子ちゃん「アナタには今からここで発電をしてもらいます」

暗子ちゃん「方法は簡単」

暗子ちゃん「発電機についているベルトコンベアーの上を走るだけ」

暗子ちゃん「エナジーが発電されれば、それが返済にあてられるというわけです」

暗子ちゃん「簡単ですね♪」

暗子ちゃん「でも、気を抜くと……」



　　　　「ｸﾎﾟ…ッ……！？」

　　　　「クポォーーー！！」



暗子ちゃん「奈落の底へ真っ逆さま……大変ですね♪」

暗子ちゃん「それではジャンゴさん」

暗子ちゃん「よろしくお願いします」


632 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/10(金) 00:47:30.56 ID:HIYGfis40

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


　　　　　　　　　-青の魔法少女　美樹　さやか-


　　　　　　　　　　-赤の魔法少女　佐倉　杏子-　　　
　
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


―見滝原　魔女の結界―



さやか「やっ！！」


　　　　　　ザシュ


　　　「ギャァァァアアア」



さやか「よし！ これで２体目」

さやか「あたしって……強い？」


　　　　「余所見すんな！」


さやか「！」


　　　　　　ザクッ


　　　「グォォォ………」



さやか「杏子！ どうしてここに！？」


杏子「最近、ソロ狩りを始めた新米がいるからね」

杏子「お手並み拝見というわけさ」

杏子「けど……その様子じゃ、まだまだみたいだな」


さやか「その、さっきはちょっと油断したけど」

さやか「今週は１人で２体も倒したのよ」


杏子「何体魔女を殺ろうが……死んだらそれでお終いさ」

杏子「アンタだって、死んだら悲しんでくれる人いるんだろ？」


さやか「…っ」


633 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/10(金) 00:48:37.24 ID:HIYGfis40


杏子「因みに……あたしの最高記録は週５体だ」

杏子「こいつを超えるまでは、いくら経験を積もうが」

杏子「アンタを一人前だって認めないよ」


さやか「じゃあ、それを超えたら認めてくれるってわけ？」


杏子「まあな」


さやか「……見てなさいよ」

さやか「その記録、絶対に超えてやるんだから」


杏子「また意地になって、死に急ぐようなマネはするなよ」


さやか「分かってるよ」

さやか「だから、それが出来るようなるまで……」

さやか「よろしくね？ 杏子」


杏子「へぇー……ちょっとは素直になったじゃんか」


さやか「まぁ、色々ありましたから」


634 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/10(金) 00:50:35.57 ID:HIYGfis40

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


　　　　　　　　　　-街の青年　マルチェロ-　　　　


　　　　　　　　　　-ギルドマスター　レディ-　　　

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


―サン・ミゲル　図書館―



レディ「うーん。困ったわね……」


マルチェロ「あのー、すいません」


レディ「でも、このまま放っとくのもねぇ……」


マルチェロ「レディさん、聞こえてますか？」


レディ「やっぱり、ジャンゴ君がいないダメだわ」


マルチェロ「レディさん！」


レディ「！」

レディ「あら、ごめんなさいね」

レディ「何の用かしら？」


マルチェロ「その……植物図鑑ってどこにありますか？」

マルチェロ「探しても見つからなくて」


レディ「ああ、それなら」

レディ「西側の手前から３番目、１番下の棚にあるわ」


マルチェロ「ありがとうございます」

マルチェロ「それと……どうかしたんですか？」

マルチェロ「なんだか忙しそうですけど」


635 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/10(金) 00:52:14.93 ID:HIYGfis40


レディ「ギルドの依頼が立て込んでて」

レディ「ジャンゴ君もいないから溜まりっぱなしで困ってるのよ」

レディ「ホント……猫も手も借りたいぐらいだわ」


マルチェロ「それは……大変ですね」

マルチェロ「じゃあ、僕はこれで……」


レディ「……ちょっと待って」


マルチェロ「はい？」


レディ「貴方って今……暇？」


マルチェロ「特に、やることは……」


レディ「アルバイトしてみない？」


マルチェロ「でも、僕には……」


レディ「大丈夫よ。単なる書類整理だけだし」

レディ「報酬も弾むから……ね？」


マルチェロ「えーっと…その……」


　　　「ミャ！」


レディ「あの子はやる気みたいよ？」


636 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/10(金) 00:54:10.21 ID:HIYGfis40

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


　　　　　　　　　　　-街の老人　ルイス-　　　


　　　　　　　　　　-棺桶を愛する男　棺桶屋-　　　
　　
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


―サン・ミゲル　ガレージ（旧棺桶屋）―



棺桶屋「…」ｷｭｲﾝ ｷｭｲﾝ


　　　ギィィィィィイイイ　

　　　　　ガン　　ガン


ルイス「おい！ 棺桶屋」


棺桶屋「ああ……貴方は」

棺桶屋「何か用ですか？」


ルイス「わしの棺桶のことじゃ」

ルイス「一体いつになったら完成するんじゃ」

ルイス「このままじゃ、おちおち夜も眠れぬわい！」


棺桶屋「それなら……」

棺桶屋「もう完成して、後は最終調整だけですよ」

棺桶屋「持ってきましょうか？」


ルイス「おお、そうかそうか」

ルイス「遂に完成したか」

ルイス「待ちわびた甲斐があったわい」

ルイス「早速、持ってきてくれ！」


637 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/10(金) 00:55:23.60 ID:HIYGfis40


棺桶屋「分かりました」

棺桶屋「オイルを入れるのに少し時間がかかるので」

棺桶屋「ここで待っていてください」


ルイス「オイル……？」

ルイス「どうして棺桶にオイルが必要なんじゃ？」


棺桶屋「勿論、動かすためですよ」

棺桶屋「それじゃあ、行ってきます」


ルイス「待て！！」

ルイス「わしが頼んだのは普通の棺桶じゃぞ！」

ルイス「変形する必要なんて全くないんじゃぞ！！」

ルイス「・・・」

ルイス「……行ってしもうたわい」


　　　「ミャ？」


ルイス「どうやら……わしはまだまだ死ねんみたいじゃ、な？」


638 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/10(金) 00:58:06.48 ID:HIYGfis40

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


　　　　　　　　　　-暗黒ローンの暗子ちゃん-


　　　　　　　　　　-太陽バンクの陽子ちゃん-　　　
　
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


―暗黒ローン　地下１００階―



ジャンゴ「くっ……」ﾀｯ　ﾀｯ


　　　　ウィーーーン　　　


　　　「ｸﾎﾟ……ｸﾎﾟ……」


　　　　ウィーーーン

　　

暗子ちゃん「ほらほらジャンゴさん」

暗子ちゃん「まだ１万ソルちょっとしか発電してませんよ？」

暗子ちゃん「アナタの走りはそんなものなんですか？」

暗子ちゃん「こんな調子じゃ、何時までたっても……」


　
　　　　　　　 ズゴォォォォオオン



ジャンゴ＆暗子ちゃん「！」　　「クポッ！？」



　　　　　「見つけたぞ！ ジャンゴ！！」



639 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/10(金) 00:59:27.54 ID:HIYGfis40


ジャンゴ「おてんこさま！！」



　　　　「暗子ちゃん！ 止めて！！」



暗子ちゃん「陽子ちゃん！ どうして！？」


陽子ちゃん「ワタシはいいから！ おてんこさまを止めて！！」

陽子ちゃん「ジャンゴさんに逃げられちゃう！」


おてんこ「準備はいいな！」

おてんこ「行くぞ！！」



　　　　　「「太陽おおおぉぉォォ！！！」」
　　　


　　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ　ガ



暗子ちゃん「あわわわわ」

暗子ちゃん「ど、どうしよう……陽子ちゃん」

暗子ちゃん「発電機が壊れちゃうよ……」


陽子ちゃん「逃げましょう……暗子ちゃん」

陽子ちゃん「このままじゃワタシ達も危ないわ」


暗子ちゃん「でも、ローンが……」


陽子ちゃん「ローンは潰れても、また立て直せばいい」

陽子ちゃん「でも、暗子ちゃんを失うわけにはいかないわ」

陽子ちゃん「アナタは……ワタシの大切な妹なんだから」


暗子ちゃん「……陽子ちゃん」


陽子ちゃん「さぁ、行きましょう！」


暗子ちゃん「うん！」


　
　　　　　　　　「はぁぁぁぁぁあああ！！！」



　　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　ゴ　



　　　　　　　「クポォォォォォオオオオ！！！」



640 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2012/08/10(金) 01:01:18.88 ID:fjbTra1+o
グールﾀｿ巻き添えｶﾜｲｿｽ
641 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/10(金) 01:01:23.75 ID:HIYGfis40

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


　　　　　　　　　　　　-暗黒少年　サバタ-　　　


　　　　　　　　　　　-嘆きの魔女　カーミラ-　　　
　　
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


―楽園　ヴァナルガンドの石碑―



カーミラ「お帰りなさいませ、サバタ様」

カーミラ「久しぶりの再会はどうでしたか？」


サバタ「相変わらずだ」

サバタ「あいつはどこまでもお人好しだった」


カーミラ「そうですか」


サバタ「・・・」

サバタ「お前は……いつまで留まっているつもりだ？」

サバタ「俺のことなんか気にせず、さっさと成仏したらどうだ」


カーミラ「お忘れですか？」

カーミラ「私のあるべきところはただ１つ、サバタ様の側だけ」

カーミラ「そう言ったはずです」

カーミラ「それとも……」

カーミラ「私のことがお嫌いになりましたか？」


サバタ「フン……好きにしろ」


カーミラ「ありがとうございます」


サバタ「全く……どいつもこいつも」

サバタ「俺の周りの奴はいつもバカばかり」

サバタ「いや、俺も大概か……」


642 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/10(金) 01:03:12.80 ID:HIYGfis40

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


　　　　　　　　　　-黄の魔法少女　巴　マミ-


　　　　　　　　-宇宙からの来訪者　インキュベーター-　　　
　
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


―見滝原　マミの家―



マミ「…」ｶｷ ｶｷ


ＱＢ「…」


マミ「…」ｶｷ ｶｷ


ＱＢ「…」ｿｰｯ


マミ「ダメよ。キュゥベえ」ｶｷ ｶｷ

マミ「ここにいなさい」


ＱＢ「…」ｽﾄｯ


マミ「…」ｶｷ ｶｷ


ＱＢ「ねぇ、マミ」


マミ「何かしら？」ｶｷ ｶｷ


ＱＢ「どうして僕を見張ってるんだい？」


マミ「魔法少女の勧誘をさせないためよ」ｶｷ ｶｷ


643 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/10(金) 01:04:10.79 ID:HIYGfis40


ＱＢ「…」


マミ「…」ｶｷ ｶｷ


ＱＢ「……何を書いているんだい？」


マミ「コレよ」ﾍﾟﾗｯ


ＱＢ「・・・」

ＱＢ「何だい？ これは……」

ＱＢ「僕にはタダの落書きにしか見えないんだけど」


マミ「失礼しちゃうわ」

マミ「新しい必殺技の原案よ」


ＱＢ「それは……どんな技なんだい？」


マミ「聞きたいの？」


ＱＢ「参考までに……」


マミ「名前はティロフィナーレ・デルソーレ」

マミ「ジャンゴ君達のパイルドライバーをモチーフにしたの」

マミ「発動するとジェネレーターを模した４門の大砲が……」


ＱＢ「・・・」


644 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/10(金) 01:07:22.50 ID:HIYGfis40

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


　　　　　　　　　　-倉庫番の少女　スミレ-


　　　　　　　　　　　　-冒険者　クロ-　　　
　
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


―サン・ミゲル　街門―



スミレ「クロちゃーーん」

スミレ「どこいるの？ へんじして」


　　　「ミャア？」


スミレ「あっ！」

スミレ「クロちゃん！！」


クロ「ミャ！」


スミレ「もー、クロちゃんったら」

スミレ「またひとりでどこかにいっちゃって。ぷーだっ！！」


クロ「ミャア……」


スミレ「あやまったってゆるしてあげないんだからね！」


　　　「スミレ！」


スミレ＆クロ「！」

スミレ「おじいちゃん！」


スミス「コラッ！！ 街の外に近づいちゃイカンと言っただろ！」


スミレ「うう……ごめんなさい」

スミレ「クロちゃんがみつからなくて……」


スミス「全く……」


シャイアン「まあ、いいではないか」

シャイアン「謝っているのだろう？」


スミス「しかしだな」


　　　「これくらい大目に見たり」

　　　「こんな素直な子、そうそういるもんやないで？」
　　　

645 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/10(金) 01:08:47.64 ID:HIYGfis40


スミス「ザジか……どうしてここに？」


ザジ「ウチだけやないで」

ザジ「物の見事に全員集合や」


シャイアン「一体、何故？」


リタ「皆さん、クロさんの後を追ってきたみたいで……」


キッド「あいつ……如何にも何かありそうな素振りをするからさ」

キッド「お前だって気になって付いてきたんだろ？」


シャイアン「あ、ああ」


レディ「まあ……偶にはいいんじゃない？」

レディ「皆が同じところに集まるなんて珍しいし」


クロ「ミャ！」


スミレ「どうしたの？ クロちゃん」

スミレ「そっちは……」

スミレ「！」


スミス「どうした？ 門の外なんか眺めて」

スミス「そこに何か……」

スミス「！」

スミス「あれは！！」


リタ「まさか！？」


ザジ「……帰ってきたみたいやな」

ザジ「さあ、みんな！」

ザジ「言ってやることはひとつや！」



ザジ「いっくでーーー！！」



646 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/10(金) 01:11:18.28 ID:HIYGfis40












　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おかえりなさい！












647 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/10(金) 01:13:38.10 ID:HIYGfis40










　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　続/新・ほむら「ボクらの太陽……？」
　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　運命に抗いし者達
　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－終－










648 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/10(金) 01:15:52.90 ID:HIYGfis40


　　　「……っとくん……」


　　　「う～ん……」


　　　「起きてよ。熱斗くん」


熱斗「ロックマン……あと５分」


ロックマン「遅刻しちゃうよ」


熱斗「もう少しだけ……」


ロックマン「しょうがないなぁ、もう」

ロックマン「熱斗君が起きないのが悪いんだからね」

ロックマン「行くよ……」



　　　　「太陽ぉーーーーー！！」



熱斗「！？」

熱斗「うぉぁあ！？」


　　ゴロ　ゴロ　　ドスン


熱斗「……っ、イテテ」


ロックマン「起きた？　熱斗君」


熱斗「ロックマン！ それより今！！」


ロックマン「おてんこさまの声でしょ？」


熱斗「また何かあったのか！？」


ロックマン「ううん。今のはボクが流したんだ」


熱斗「へ？」


ロックマン「ボクがおてんこさまからエネルギーを貰ったとき」

ロックマン「おてんこさまの音声データまで一緒に拾っちゃたみたいなんだ」


熱斗「まさか……」


ロックマン「そう。熱斗君が全然に起きないから流してみたんだ」

ロックマン「効果はバツグンみたいだね」

ロックマン「……今度から、目覚まし代わりに使おうかな？」


熱斗「カンベンしてくれよ」


649 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/10(金) 01:18:00.75 ID:HIYGfis40


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 浄化記録



　　　　　　ゲルトルート　　　　　０体　　　シャルロッテ　　　　　１体　


　　　　　　エリー　　　　　　　　０体　　　エルザマリア　　　　　０体


　　　　　　オクタヴィア　　　　　１体　　　ワルプルギスの夜　　　１体


　　　　　　巴マミ　　　　　　　　０体　　　美樹さやか　　　　　　１体　　　　
　
　
　　　　　　佐倉杏子　　　　　　　０体　　　暁美ほむら　　　　　　０体　


　　　　　　鹿目まどか　　　　　　１体　　　インキュベーター　　　１体　　　


　　　　　　伯爵　　　　　　　　　０体　　　サバタ　　　　　　　　１体　





　　　　　　　　　　　　　　　　　　 総合記録



　　　　　　戦闘回数　　　　　　１１回　　　パイルドライブ　　　　１回


　　　　　　逃走回数　　　　　　　２回　　　暴走回数　　　　　　　０回


　　　　　　おしおき回数　　　　　１回　　　オーバーヒート　　　　０回


　　　　　　見つかった回数　　　　１回　　　通話回数　　　　　　　２回


　　　　　　プラグイン　　　　　　２回　　　壊したソウルジェム　　２個


　　　　　　壊したグリーフシード　０個　　　壊した武器　　　　　　３個


　　　　　　魔女化した数　　　　　１人　　　気絶させた数　　　　　２人


650 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/10(金) 01:20:28.09 ID:HIYGfis40



　　　　　　　　　　　　　　　　[リザルト]

　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　
　　　　　　　【PLAY TIME】　　　　　　　　　793:47:33:89 　　　　　　
　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

　　　　　　　【PLAY SIDE】　　　　　　　　　　【WHITE】
　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

　　　　　　　【PLAY STYLE】　　　　　　　　　　【GUN】
　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

　　　　　　　　 【RANK】　　　　　　　　　　　　 Ａ+
　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿



651 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga sage]：2012/08/10(金) 01:33:23.00 ID:HIYGfis40
以上で本編は終わりになります
最後の方は更新速度が遅くなってしまい申し訳ありません

思い返せば……
１週目は容赦なくバッドエンドを迎えさせ
２週目はナイトメアの名の下に欝展開を繰り広げる
と、かなり勝手なことをしたスレでした

しかし、無事完結を迎えられて心から嬉しく思います
本当にありがとうございました


後、実はまだ色々と本編に載せられなかった小ネタや少しだけ後日談の構想があるんですが……
需要ってありますかね？
652 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]：2012/08/10(金) 01:34:33.59 ID:WlFQ+wuzo
需要の有無を聞くことほど無益で馬鹿らしいことはない

つまりあるからさっさと書けくださいってことだよ、乙
653 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga sage]：2012/08/10(金) 01:37:30.78 ID:HIYGfis40
>>652
　了解しました
　まだ何もしていないので、投下まで最短でも一週間ぐらいかかります
654 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]：2012/08/10(金) 01:50:14.25 ID:b0WmxgLjo
お疲れさん、後日談期待してるよ
655 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/08/10(金) 08:44:17.80 ID:WVndvlbJo
最高だった。コレはまとめに乗る！
656 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2012/08/10(金) 09:25:50.04 ID:pAnlrlcao
乙！ワルプル戦は長きに渡って楽しませてもらった
657 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/10(金) 12:09:19.71 ID:Ambpzq6DO
乙！
1スレ目から長かった…一時はバッドまっしぐらかと思ったけど、みんな救われてホッとしたわ

しかしゲームやってない割に、ユーモアセンスネタまで拾ってくれるとはｗｗ
658 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/10(金) 12:51:37.11 ID:c8IeW7wW0
乙
久しぶりのリザルト画面だ
659 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/08/10(金) 20:52:59.58 ID:UdqBb9byo
乙ー
しかし貴重なボクタイSSが終わってしまうのが悲しいぜ・・・
660 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]：2012/08/11(土) 10:06:17.96 ID:suLBnzCm0
乙です。
他にもボクタイSSって知ってますか？
661 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]：2012/08/12(日) 14:19:05.55 ID:zfzErOGj0
乙、そして乙！
662 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/12(日) 20:23:44.60 ID:Sjawow66o
面白かったよ。乙
663 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/18(土) 00:40:27.23 ID:THamQJca0


「ご利用は計画的に……」


―マミの家―



マミ「今週は佐倉さんと美樹さんが風見野を」

マミ「私と暁美さんが見滝原ね」


杏子＆さやか＆ほむら「…」ｺｸﾘ


マミ「それと鹿目さんは……」


まどか「わたし、キュゥべえを見張ってます」

まどか「また誰かを魔法少女に誘わせないために」


マミ「そうね……それがいいわ」

マミ「よろしくね、鹿目さん」


まどか「はい！」


マミ「それじゃあ、当番も決まったことだし」

マミ「今日はこれで……」


さやか「あのー、マミさん」

さやか「ずっと気になってたことがあるんですけど」

さやか「聞いても……いいですか？」


マミ「いいけど、何を聞きたいの？」


664 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/18(土) 00:43:22.10 ID:THamQJca0


さやか「その…左手を……食べられたことってありましたよね」


マミ「そういえば……そんなこともあったわね」

マミ「でも、大丈夫」

マミ「魔法のおかげで元通りだから」


さやか「いや、あたしが聞きたいのそういうことじゃなくて……」

さやか「マミさん、普通に学校に通ってるから」

さやか「なくなった腕が戻ったりて、みんな驚かないのかなって」


ほむら「言われてみればそうね」

ほむら「魔法少女のことを知っている人間はともかく」

ほむら「一般人には腕が再生して何事もなかったかのようにしてるのは不自然よね」


マミ「それなら、問題ないわ」

マミ「なかったことにしちゃったから」


杏子「なかったことにする？」


まどか「そんな魔法があるんですか！？」


マミ「まあ……私の力じゃないけど」

マミ「これを見てちょうだい」


さやか「……黒いカード」

さやか「何ですか……これ？」


マミ「それは私にも良く分からないの」

マミ「でも、それで『やり直し』が出来るのよ」


665 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/18(土) 00:47:02.28 ID:THamQJca0


ほむら「やり直しだなんて、そんなこと……」

ほむら「貴女だって私がしてきたことを知っているはずよ」


マミ「分かっているわ」

マミ「でもこれはそんな大それたものじゃないわ」

マミ「やり直しの代わりにお金を払う……それだけよ」


まどか「お金……ですか」


さやか「ホントにホントなんですか？」


マミ「疑うなら説明を聞くといいわ」


　　『いつもご利用ありがとうございます』

　　『暗黒ローンの暗子です』


　　　　　　「！？」


杏子「カードが……」


ほむら「喋った」


マミ「驚くことはないわ。ただの音声案内よ」


暗子ちゃん『それでは、ワタシから説明をさせていただきます』　　

暗子ちゃん『暗黒ローンのゴールドカード、暗黒カードには、2つのサービス機能が付いています』

暗子ちゃん『１つは暗黒ローンの呼び出しサービス』

暗子ちゃん『これを使えばいつでもどこでも暗黒ローンをご利用いただけます。便利ですね♪』

暗子ちゃん『もう１つはゴールド会員限定のやり直しサービス』

暗子ちゃん『ダンジョンの中で思わぬ失敗をしてしまった！』

暗子ちゃん『そんな時に便利なのが、このやり直しサービスです』

暗子ちゃん『やり直しを使えば、お客様のニーズに合わせて冒険をやり直すことができます』

暗子ちゃん『ただし、やり直しには相応の費用がかかります』

暗子ちゃん『かかった費用はバンクから引き落とさせていただきます。楽しみですね♪』

暗子ちゃん『説明は以上になります。今後とも暗黒ローンをご贔屓にして頂きたく存じます』


666 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/18(土) 00:48:54.09 ID:THamQJca0


マミ「どう……？ 分かったかしら」


　　「・・・」


さやか「分かりましたけど……どこからつっこんでいいのやら」


杏子「そもそも『暗黒ローン』ってなんだよ……」

杏子「名前からして真っ黒じゃねえか」

杏子「こんなものどこで手に入れたんだよ」


マミ「佐倉さんは覚えてる？ 私の部屋を掃除に来た日」

マミ「あのとき、部屋に落ちているのを見つけたのよ」


まどか（拾ったカードを使うのって……犯罪なんじゃ）


杏子「…」

杏子「ちゃんと料金は確認したのか？」


マミ「かなり良心的な値段だったわ」

マミ「確認してみる？」


杏子「ああ、見せてみな」

杏子「・・・」

杏子「！」


ほむら「どうしたの？ やっぱり何かあったのかしら」


杏子「……黙ってこれを見てみろ」


667 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/18(土) 00:51:31.32 ID:THamQJca0


ほむら「これは！？」


まどか「えーっと、４００……ソル（ＳＯＬＬ）？」


マミ「えっ……円じゃないの？」


ほむら「そっちじゃないわ、まどか」

ほむら「確かにそれもおかしいけど、問題はそこじゃない」

ほむら「暗黒ローンの方を見てみて」


さやか「暗黒ローンを確認……って、なにこれ！？」


杏子「……利率８００％」

杏子「サラ金も真っ青な数値だ」

杏子「お前……ちゃんと確認してなかったんだな」


マミ「・・・」


杏子「一体……何回使ったんだ」


マミ「…」ﾌﾙﾌﾙ


杏子「わからない……か」


ほむら「こうなった以上、とにかく早く返済するしかないわね」

ほむら「放っておいたら利子だけで破産してしまうわ」


マミ「でも……お金なんて、どうすれば」


杏子「稼ぐしかないよ」

杏子「あたしみたいにＡＴＭぶっ壊して、奪うのが手っ取り早いけど……」

杏子「イヤなんだろ？」


マミ「…」ｺｸﾘ


さやか「マミさん！ あたしたちも協力します！」


まどか「だから、一緒に借金を返しましょう！」


マミ「あなた達……」


668 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/18(土) 00:55:59.83 ID:THamQJca0


―某所―



　　「３６番、巴マミさん。入室してください」


マミ「は、はい！」

マミ「失礼します」


　　「椅子にお掛け下さい」
　　

マミ「きょ、恐縮です」


　　「そう固くならならずに」


マミ「あ……ありがとうございます」


　　「初めまして。プロデューサーを務めている者です」


マミ「３６番……巴マミです」


　　「本プロダクションへの志望動機はありますか」


マミ「え、えーっと……その……」


　　「ああ、無理に答えなくても結構ですよ」

　　「それでは……モデルや歌手、何か希望する形態はありますか？」


マミ「いえ……特に」

マミ「ここで働けたらそれで……」


　　「そうですか」

　　「では、最後に実技の方をお願いします」


マミ「は、はい！ 歌います」

マミ「曲名は……」



トップアイドル、巴マミ……誕生の瞬間であった。


-終-


669 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga　sage]：2012/08/18(土) 01:03:23.62 ID:THamQJca0
こんな感じに一話完結の方式で小ネタやら、後日談を続けていきたいと思います
アイデアが尽きるまでは続けていこうと思うので、回収していない伏線？や気になることを書き込んでみてください
もしかしたら、何かしらの話を作るかもしれません

後、ここからは投下後の１レスだけ喋っても構いませんか？
ボクタイ好きが高じてこんなスレを立てたので、作者も語りたいのです
あまりに不快だというのなら、そこで止めますので
670 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2012/08/18(土) 01:05:38.45 ID:rDNKf+L8o
それが不快な人は小ネタ集なんて見ないと思うぞ
671 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]：2012/08/18(土) 01:24:28.33 ID:JsJWeSjmo
気にすんな。それは作者の好きにすればいいと思う

というかマミさんのせいだったのかwww
672 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]：2012/08/18(土) 11:22:36.20 ID:ziu1BpjO0
乙！ほかの小ネタも楽しみに待ってるぜ。

マミさんェ……
673 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/18(土) 11:39:02.28 ID:g7sfTkEDO
話し相手が増えるのは楽しいもんだ

貴重品落とすのもどうかと思うが、使い込んだマミさんの仕業かｗｗｗｗ
674 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/18(土) 12:44:15.02 ID:9FRgCTqDo
乙。好きにしろ
675 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/08/18(土) 12:50:11.61 ID:uZOu/S0P0
あのアイドル化はこれが原因だったのか
676 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/19(日) 00:19:10.41 ID:j9gNz00R0


「ブラックパンサー」


―路地裏―



おてんこ「ふむ。マミ達はあの建物に入っていったか……」


黒ジャンゴ「…」ﾁｭｰﾁｭｰ


おてんこ「我々も後を追うぞ」


黒ジャンゴ「…」ﾁｭｰﾁｭｰ


おてんこ「準備はいいな？ 太陽少年」


　　　　　　「ミャ！」


おてんこ「？」

おてんこ「どうした？ 猫みたいな声を出して」

おてんこ「お前は……」


黒ジャンゴ「…」ﾁｭｰﾁｭｰ


おてんこ「ネズミ……だな」

おてんこ「なら、先程の声は……」


　　　　　　「ミャア」


黒ジャンゴ＆おてんこ「・・・」


677 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/19(日) 00:20:20.40 ID:j9gNz00R0


おてんこ「今……我々の目の前にはハンターの目をした黒猫がいる」

おてんこ「そして、お前はネズミの姿をしている」

おてんこ「この意味が分かるな？」


黒ジャンゴ「…」ｺｸ　ﾁｭｰﾁｭｰ


おてんこ「私が時間を稼ぐ、その隙に逃げるんだ」


黒ジャンゴ「…」ﾁｭｰﾁｭｰ


おてんこ「安心しろ。私もすぐに後を追う」

おてんこ「走れ！ ジャンゴ！！」


黒ジャンゴ「…」ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯ


　　　　　「ミャ！？」


おてんこ「お前の相手は私だ！」

おてんこ「行くぞ！！」



おてんこ「太陽ぉーーーーー！！」



　　　「ミ゛ギャァアア！！！」


　　
678 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/19(日) 00:22:43.62 ID:j9gNz00R0


―大通り―



黒ジャンゴ「…」ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯ


　　　「うがああああああっ！！！」
　

黒ジャンゴ「・・・」ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯ


　　　　「ミャア！！」ﾀｯ　ﾀｯ


黒ジャンゴ「！」ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯ


　　　「ミャ！ ミャ！」ﾀｯ　ﾀｯ


黒ジャンゴ「…っ」ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「きゃー！ ネズミ！！」


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「こっち来るな！！」
　　　　　「そっち行った！」


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「マズイ！ 車道に出たぞ！！」


　　　　　　　　　　
　　　　　　　「うわっ！？」　　　　　ブーッブッブーーー
　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ビィーーッ　　　　　「邪魔だ！ どけっ！！」　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　　　　「危ない！！」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「避けろ！」



　　　　　　　　　　　　　　　　キィーーーーッ　　ガンッ　ズドンッ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ケガ人は！？」　　　

　　　　　　　「事故だ！！」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「救急車だ！ 救急車を呼べ！！」



679 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/19(日) 00:25:17.38 ID:j9gNz00R0


―裏通り―



黒ジャンゴ「…」ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯ

　
　　　　　「ミャ！」ﾀｯ　ﾀｯ



　　「ん？ あれは……」



黒ジャンゴ「…」ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯ　　　


　　　　 「ミャーー！！」ﾋﾟｮﾝ


黒ジャンゴ「…っ」ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯ


　　　　　　「ミャ？」ﾎﾞｽｯ

　
　　「ダメよ。あんなもの食べたらお腹壊すわ」

　
　　　　　　「ミャァ……」


　　「何か食べさせてあげるから機嫌直して、ね？」


　　　　　　　「ミャ！」


680 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/19(日) 00:27:11.51 ID:j9gNz00R0


―路地裏―



黒ジャンゴ「…」ﾎﾟﾜﾝ　ｽﾁｬ

黒ジャンゴ「・・・」


　　「無事だったか……太陽少年」


黒ジャンゴ「……おてんこさま」


おてんこ「なんとか、一命を取り留めた」

おてんこ「体中……ひっかき傷だらけだがな」


黒ジャンゴ＆おてんこ「・・・」


おてんこ「……ジャンゴ」

おてんこ「今度から……無暗に変身するのは控えよう」


黒ジャンゴ「…」ｺｸﾘ



この後、彼らはダンボールの有用性に気付いたという。


-終-


681 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga sage]：2012/08/19(日) 00:35:08.65 ID:j9gNz00R0
あの黒猫の存在を知ってからやってみたかったネタです
残念ながら、投下した後にこの存在を知ったので本編に入れることが出来ませんでした

余談ですが、元ネタのミニゲームにある飛び掛かりという動作……作者は最近なって知りました
やり尽くした思ったゲームでも、意外と知らないことってあるものですね
682 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]：2012/08/19(日) 01:26:08.17 ID:xizH9clbo
乙、実は重要なエイミーの活躍がこんなところで見れるとは

だからこそ昔やった大好きなゲームって捨てられないんだよな、捨てる気もないが
683 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/19(日) 12:51:22.10 ID:xH80LXXDO
乙
ゾクタイEDのミニゲームかｗｗ
爆弾とか蜂とかたまに2連続で食らうとイラッとする
684 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/19(日) 13:08:51.31 ID:5a1GK2/6o
乙。無印のミニゲームも思い出してやってください
685 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]：2012/08/19(日) 23:44:06.05 ID:2morRJmAO
>>684
爆弾にぶち当たる度呆れてくれる兄さん
686 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(香川県) [sage]：2012/08/20(月) 18:00:22.66 ID:VKRuMkRU0
エイミーを拾ったのがかずマギ勢である可能性が微レ存
何が言いたいかと言うとエイミーとトトは同一猫だったんだよ！
687 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/21(火) 00:09:32.73 ID:pMPmx4DP0


「呪い？」


―マミの家―



マミ「鹿目さん……見せたいものって何かしら？」


さやか「そうだぞ、まどか」

さやか「いきなり呼び出しておいて見せたいものがあるって」

さやか「それはそれはスゴイものなんでしょ？」


まどか「えっーと、そこまで期待されちゃうと……」


杏子「全く……下手にハードルを上げてやんな」

杏子「感想は見てからでもいいだろ？」


さやか「はーい」


マミ「それで、その見せたいモノって？」


まどか「はい、コレです！」


　　　「！？」


ほむら「・・・」


688 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/21(火) 00:11:27.24 ID:pMPmx4DP0


マミ「こ、これは……」


杏子「おてんこ！？」


さやか「……のぬいぐるみ？」



おてんこさま「…」ｵﾃﾝｺ!



おてんこさまのぬいぐるみだ。

元気そうだ。見ていると元気がわいてくる！



マミ＆さやか＆杏子「・・・」


まどか「どう……ですか？」


さやか「う、うん……凄いと思うよ」


杏子「空耳まで聞こえてきたし……」


マミ「でも……１つだけ聞きたいことがあるわ」


まどか「何……ですか？」


マミ「どうして……」


マミ＆さやか＆杏子「「「アイツなんだ！！（彼なのよ！！）」」」


689 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/21(火) 00:12:51.37 ID:pMPmx4DP0


まどか「だって……」

まどか「かわいいじゃないですか」


マミ＆さやか＆杏子「「「はい？」」」


ほむら「はぁ……」


マミ「か、かわいい……って」


さやか「アレが？！」


まどか「うん」

まどか「例えば……ほら」

まどか「この……鼻？ みたいなところとか」



おてんこさま「…」ｵﾃﾝｺ!



杏子「まあ……アンタの言いたいことも少しは分かるよ」

杏子「でも、中身があれだぞ？」



　　　　　　　　　　『太陽ぉーーー！！』


　　　　　　　　　『明日もまた日は昇る』


　　　　　　　　『太陽と共にあらんことを』



まどか「う～ん」

まどか「確かに声は渋いけど……」

まどか「そのギャップがいいかな、って」


690 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/21(火) 00:15:25.22 ID:pMPmx4DP0


マミ＆さやか＆杏子「…」


ほむら「彼女に何を言ってもムダよ」

ほむら「まどかの中で、アレは『かわいいもの』ってことになっているから」


マミ＆さやか＆杏子「…」ｺｸﾘ


まどか「じゃあ、わたしのが終わったから」

まどか「次はほむらちゃんの番だね」


ほむら「え……」


まどか「みんなに見せてあげようよ」


マミ「暁美さん……あなたも見せたいものがあるの？」


ほむら「い、いや……その…」


まどか「はい。ほむらちゃんも一緒にぬいぐるみを作ったんです」


ほむら「でも、まどか……」


まどか「ほら、せっかく作ったんだから見せようよ」


ほむら「もう……どうなっても知らないわよ！」ﾎﾟｲｯ



きゅぅべえ「…」ｸﾞﾃﾞｰ



インキュベーター？ のぬいぐるみだ。

潰れている。見てると殴りたくなってくる？



マミ＆さやか＆杏子「・・・」


691 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/21(火) 00:17:28.66 ID:pMPmx4DP0


ほむら「ほら、見なさい！」

ほむら「まどかになんて敵わないんだから……」


まどか「そんなことないよ！」


マミ「……少し個性的だけど」

マミ「私は好きよ」


さやか「そうだよ。ちゃんと特徴は捉えてるし」


杏子「あ、ああ」

杏子「この殴りたくなるような顔なんて、特に……」


さやか「杏子！」


ほむら「…」


杏子「……ごめん」


　　　「やぁ、何をしているんだい？」


さやか「あんた……」


まどか「キュゥべえ」


ＱＢ「珍しく僕を監視していないと思ったら、こんなところで……」

ＱＢ「おや？ この白いのはなんだい？」


マミ「それは……」


ほむら「…」


692 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/21(火) 00:19:11.10 ID:pMPmx4DP0


ＱＢ「どうやら、僕らを模して作られた人形みたいだ」

ＱＢ「でも……随分と歪な形をしている」

ＱＢ「確か、この体にモデルチェンジしたとき」

ＱＢ「身体の操作を誤って転落死した個体もこんな姿をしていたっけ」

ＱＢ「こんなもの……」


ほむら「うるさい！」バシッ


　　　　　「！」


まどか「あ、窓が開けっ放し……」


　　　　ベチャッ


　　　　「・・・」


ほむら「……バチが当たったのよ、バチが」



人形は時に、呪いの道具として使われるという。


-終-


693 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga　sage]：2012/08/21(火) 00:34:33.57 ID:pMPmx4DP0
おてんこさまの人形は宿屋のタケノコと効果が被るので、早々に引退させてしまった人が殆どだと思います

おてんこさまには操作法を教わったり、パズルのヒントを貰ったりとお世話になりっぱなしでした
このＳＳでも「彼の存在なくしては話が進まなかった」と言っても過言ではありません
普通、ゲームの案内役は抽象的なヒントしかくれないのに対し、この人はやけに具体的な指示を飛ばしてくれました
初代は話せる人が彼を含めて２人しかいない上、ずっと一緒に行動してくれるので、とても頼もしかった覚えがあります
今までも……そして、これからもこの人以上の案内役には出会えないと思います
694 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2012/08/21(火) 00:38:12.38 ID:MwT2L4f8o
ぬいぐるみになるとDS版になりそうな気もしてきた
695 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]：2012/08/21(火) 00:50:42.08 ID:Ki06WKX5o
なににしてたっけなぁ・・・懐かしい
696 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/21(火) 09:43:37.20 ID:+YlZANdW0
やりこみ中はどろんぼとブルース、コンプリート後はおがんくさまにお世話になった
697 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/21(火) 11:12:11.25 ID:U6dAa6Cvo
乙。ズーボルテルテはいらない子
698 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/23(木) 00:47:55.13 ID:d7G495jn0


「女は度胸」


―サン・ミゲル　太陽樹―



リタ「あ、あの……ジャンゴ様」


ジャンゴ「…」


リタ「その……今日、お呼びしたのは」

リタ「お話したいことがあって……」


ジャンゴ「…」


リタ「ずっと、ずっーと、お伝えしようと思っていたことなんですが……」


ジャンゴ「…」

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


ザジ「お……やってる、やってる」

ザジ「告白されたあいつがどんな反応するか見ものやな」


　　　「そうね……上手くいってくれるといいのだけれど」


ザジ「！？」

ザジ「アンタは！ ギルドマスターの……」


レディ「しっ……大きな声を出すとバレちゃうわよ」


699 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/23(木) 00:51:14.24 ID:d7G495jn0


ザジ「……何でアンタがここに居るんや？」

ザジ「このことを知ってるのはあの子とウチだけやのに」


レディ「あら？ 私はギルドマスターよ」

レディ「それなりの情報網は持っているわ」


ザジ「へぇー……で、アンタはどう思うんや？」


レディ「上手くいってほしいけど……難しそうかな？」

レディ「リタちゃん、修行の時はかなり強気なんだけど……」

レディ「普段は、結構奥手なところもあるから」


ザジ「そんでもって相手があのジャンゴ」

ザジ「告白されても気が付かないんとちゃうか？」


レディ「まさか……」


　　「いや、可能性はあるな」


ザジ＆レディ「！」


ザジ「おてんこさま、どうしてここにいるんです？」


おてんこ「ああ、リタがジャンゴに話があると言っていたのでな」

おてんこ「様子を見にきたのだ」


レディ「それで、さっきのはどういう意味なのかしら？」


おてんこ「誰かに好意を向けられてもそれに全く気付かない可能性がある、という意味だ」


レディ「さすがにジャンゴ君でもそれは……」


700 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/23(木) 00:55:03.07 ID:d7G495jn0


おてんこ「あのリンゴの息子だ……あり得なくはない」

おてんこ「奴の朴念仁にはホトホト困らされた」

おてんこ「全く……人の気も知らないで、何が大丈夫だ」

おてんこ「先代ひまわりとマーニの間にいた私がどれほど気を揉んだことか」


ザジ＆レディ「・・・」



　　　「その、お話というのは……」


　　　　　　　「！？」


おてんこ「おっと、動きがあったようだな」

おてんこ「とにかく……親父の二の舞にだけはなって欲しくないものだ」

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿



リタ「えっと…その……」


ジャンゴ「…」


リタ（勇気を出すのよ！ 私）

リタ（『女は度胸』、師匠だってそう言っていたじゃない！）


ジャンゴ「…」


リタ「ジャンゴ様」

リタ「す、す……」



リタ「すき焼きっ！！」



ジャンゴ「・・・」

ジャンゴ「？」


リタ（うわーーーっ！！ なに言ってんのーっ！）

リタ（バカバカバカわたしのバカーっ！！）


701 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/23(木) 00:57:12.70 ID:d7G495jn0

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


ザジ＆レディ＆おてんこ「・・・」


おてんこ「やはりこうなったか……」


ザジ「告白以前の問題やな」


レディ「用事も済んだことだし……帰りましょうか」

レディ「リタちゃん達に見つかると面倒なことになっちゃうし」


おてんこ「そうだな、我々も撤収しよう」


ザジ「そうで…」ﾊﾟｷｯ


レディ＆おてんこ「…」


ザジ「……小枝踏んでしもた」
　　　　
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


　　　　パキッ


ジャンゴ＆リタ「！」


リタ「あなたは……」


　　「にゃは、にゃはははは……」


リタ「……ザジさん」


ザジ「バレてもうた？」


レディ「どうやら……そうみたいね」


おてんこ「ああ」


リタ「師匠に……おてんこさままで」

リタ「一体、そこで何をしていたんですか？」


702 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/23(木) 00:59:35.53 ID:d7G495jn0


おてんこ「いや……偶々近くを通りかかって、な？」


レディ「え、ええ」


ザジ「そ、そうや」

ザジ「アンタらの話なんて聞いてへんで」


リタ「なぜ、私がジャンゴ様と話をしていたと断言できるんです？」


ザジ「それは……」


リタ「それに……どうして、そんな物陰から姿を現したんですか？」


ザジ＆レディ＆おてんこ「・・・」
　

リタ「盗み聞き……してたんですね？」


おてんこ「言い逃れは……出来そうにないな」

おてんこ「２人とも、逃げるぞ！」


ザジ＆レディ「「分かってます/言われなくても」」ﾀﾞｯ


リタ「あ…！」

リタ「ジャンゴ様、少し用事が出来たのでここで失礼します」

リタ「この話の続きは何時か必ずしますので……」

リタ「では、行ってきます！」



　　　「オラーー！ 待ちやがれー！！」



ジャンゴ「・・・」


703 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/23(木) 01:05:22.81 ID:d7G495jn0


　　「あ……おにいちゃん！」


ジャンゴ「スミレ？」


スミレ「うん。クロちゃんとおさんぱなの」

スミレ「ね？ クロちゃん」


クロ「ミャー」


スミレ「どうしたの？ こんなところで」


ジャンゴ「リタに呼び出されて……」


スミレ「おねぇちゃんに？ なんていわれたの」


ジャンゴ「すき焼き……だって」


スミレ「そーなんだ」

スミレ「やったね！ クロちゃん」

スミレ「きょうはスキヤキだって！」


クロ「ミャ！」


ジャンゴ「…」



翌日、真新しい穴や亀裂が幾つも発見されたらしい。


-終-


704 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga sage]：2012/08/23(木) 01:16:54.31 ID:d7G495jn0
リタの告白もシリーズ定番のネタの１つですが、発動条件が地味に厳しいので見たことない人もいるかと思います

リタは初代でおてんこさま以外、唯一話しかけられるキャラで作者も思い入れが深いです
一作目からプレイしている人で彼女が嫌いな人はおそらく居ないでしょう
本編で一切恋愛関連のイベントが存在しないのは作者が恋愛話が苦手なのに加えて、彼女の存在も大きく関係しています
続編で後発のキャラに出番を取られ気味ですが、個人的には不動のヒロインです
705 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]：2012/08/23(木) 01:24:00.67 ID:FSWfeiYQo
新はお兄ちゃんの方が目に行くもんねぇ…　乙
706 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) [sage]：2012/08/23(木) 01:33:25.70 ID:P7vp/rNCo
おつおつ！
だんだんリタと太陽樹の影が薄くなってったからなぁ
707 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/23(木) 06:14:59.05 ID:ptdoeB530
スキヤキ・ウェスタン・ジャンゴ！
708 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/08/24(金) 22:51:55.22 ID:Sr9OLrL0o
リタは可愛かったな　　続での吸血イベントだかがやり方わからなくて見れなかったのが残念だわ
乙ー
709 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/08/25(土) 00:27:59.59 ID:o3yTWHW60
>>708
　リタ吸血イベントの発生条件は深夜（１時～３時）に黒ジャンゴでリタに話しかけることだったと思います

　また、この時間帯に初代をプレイするとカーミラとクイーンがアダルトカラーになるようです
710 ： ◆pOKsi7gf8c [sage　saga]：2012/08/25(土) 00:31:04.54 ID:o3yTWHW60


「大地の力」


―まどかの家　門―



おてんこ「よし、着いた」

おてんこ「これで今日のコースは終わりだな」


まどか「うん……でも」

まどか「送り迎えまではしなくて良いんじゃないかな？」


おてんこ「何時、何が起こるか分からない」

おてんこ「素質があって魔女が見えるのに、戦闘能力がないお前が１人でいるのは危険だ」

おてんこ「さやかにだってマミが付き添っているのだ」

おてんこ「当然、お前には我々が傍にいるべきだろ？」


まどか「…」ｺｸﾘ

まどか「じゃあ、またね」


おてんこ「ああ」

おてんこ「帰るぞ、太陽少年」


ジャンゴ「…」


711 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/25(土) 00:32:51.71 ID:o3yTWHW60


おてんこ「どうしたんだ？ 庭の方なんか見て」

おてんこ「あれは……菜園か？」


まどか「うん。パパが色んな野菜を育ててるんだ」


おてんこ「少し元気がないようだな」

おてんこ「何かあったのか？」


まどか「それが……よく分からないの」

まどか「パパは肥料をあげれば元気になる、って言ってたけど」

まどか「本当にそうなのかな？」


おてんこ「ふむ。元気のない植物か……」

おてんこ「庭まで案内してくれないか？ まどか」


まどか「えっ……でも、パパの菜園だし」


おてんこ「少し様子を見るだけだ」

おてんこ「それに……その植物を元気にしてやれるかもしれないぞ？」


まどか「・・・」

まどか「絶対に荒らしたりしない？」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ


まどか「じゃあ、付いてきて」


712 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/25(土) 00:35:11.50 ID:o3yTWHW60


―まどかの家　菜園―



まどか「ここだよ」


ジャンゴ「…」ｽﾁｬ

ジャンゴ「・・・」


おてんこ「どうだ？ ジャンゴ」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ


おてんこ「やはり、そうか」

おてんこ「それなら問題ないな」


まどか「何かわかったの？」


おてんこ「どうやら、この大地の力が弱まっているのが原因らしい」

おてんこ「それが分かれば後は簡単だ」

おてんこ「この土地に大地の力を注入してやればいい」

おてんこ「そうすればこの植物たちも元気になるはずだ」


まどか「でも、大地の力なんて……」


おてんこ「まぁ、見ていろ」

おてんこ「ジャンゴ……行けるな？」


ジャンゴ「…」ｼｭﾝ ｶﾁｬｶﾁｬ

ジャンゴ「…」ｶﾞﾁｯ


まどか「！」


713 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/25(土) 00:36:46.51 ID:o3yTWHW60


まどか「まさか……それで使ったりしないよね？」


おてんこ「そうであれば、わざわざ呼び出したりはしない」


まどか「ダメだよ！ 荒らさないって約束したのに」


おてんこ「いいか？ よく聞け」

おてんこ「太陽銃ガン・デル・ソルとはただの武器でははい」

おてんこ「古の太陽仔の一族が残した魔法機械だ」

おてんこ「これはレンズを変更することで、攻撃属性を変化させ」

おてんこ「その属性攻撃は自然現象にも干渉することが可能なのだ」

おてんこ「例えば……今、こいつが装着しているレンズ、アース」

おてんこ「こいつは太陽ショットに地の属性効果を付加させる」

おてんこ「アースのレンズで撃ち出されたショットは大地の力を宿し、植物を元気にする効果がある」

おてんこ「分かったか？」


まどか「えっと……」


おてんこ「案ずるより産むが易しだ」

おてんこ「やれ！ ジャンゴ」


まどか「あ！」


ジャンゴ「…」ﾋﾞｨｰｰｰｰ


714 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/25(土) 00:38:20.07 ID:o3yTWHW60


まどか「……あれ？ なんともない」


おてんこ「大丈夫だっただろ？」


まどか「…」ｺｸﾘ


おてんこ「ジャンゴ！ その調子で、全ての植物にスプレッドを当てるんだ」


ジャンゴ「…」ﾋﾞｨｰｰｰｰ


おてんこ「まどか、後は我々だけで作業を終える」

おてんこ「お前は帰っても構わないぞ」


まどか「でも……」


おてんこ「この菜園の植物、全てにスプレッドを当てるにはかなりの時間がかかる」

おてんこ「それにお前も疲れているはずだ、今日はもう休め」

おてんこ「明日も早いのだろ？」


まどか「…」


おてんこ「我々のことは心配するな」

おてんこ「これが終わったら引き上げる。誰かに見つかるようなヘマはしない」


まどか「分かった」

まどか「じゃあ、おやすみ」


おてんこ「ああ、またな」


715 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/25(土) 00:40:10.72 ID:o3yTWHW60


―まどかの部屋―



まどか「……ＺＺＺ」


　　「うあぁ！？」


まどか「！」

まどか「…」ｷｮﾛｷｮﾛ

まどか「……パパ？」

まどか「５時……菜園にいるのかな？」



―まどかの家　菜園―



まどか「…」ｽﾀｽﾀ

まどか「！？」ｶﾞｯ

まどか「…っ、これはボール？」

まどか「どうしてこんなところに……」

まどか「あ、あそこにいるのは……」

まどか「パパ！」


知久「！」

知久「まどか、どうしたんだい？ こんな朝早くに」


716 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/25(土) 00:42:24.64 ID:o3yTWHW60


まどか「それはこっちが聞きたいよ」

まどか「部屋で寝てたら、パパの叫び声が聞こえるんだもん」


知久「ああ、ゴメン」

知久「起こしちゃったみたいだね」


まどか「それで、何があったの？」

まどか「パパが大声を出すなんて」


知久「……コレを見てくれないか」ｽｯ


まどか「大きな……ヘチマ？」


知久「違う……キュウリなんだ」


まどか「キュウリって……あのキュウリ？」


知久「そう」


まどか「でも、これ……パパの背丈と同じくらいあるよ」


知久「パパもおかしいとは思ったよ」

知久「けど、キュウリなんだ」


まどか「じゃあ……その大きなキュウリを見て驚いたの？」


知久「合ってるけど、正しくはないよ」


まどか「？」


717 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/25(土) 00:46:03.66 ID:o3yTWHW60


知久「ここに来るまでに何かに躓かなかったかい？」


まどか「うん。でも、あれは……」


知久「たぶん、それはボールじゃない……トマトだよ」

知久「大きくなった実がその重みで地面に落ちていたんだ」


まどか「キュウリにトマト……ってことは」

まどか「まさか……」


知久「そう、この菜園に植えてある全ての植物が巨大化しているんだ！」


まどか「・・・」


知久「朝、パパが来たときにはもうこうなってた」

知久「昨日までは普通だったのに……一体、何があったのだろう」

知久「まどかは何か知っているかい？」


まどか「う、ううん……知らないよ」

まどか（絶対アレが原因だ……）


知久「まどかが知ってるわけないか……」

知久「まぁ……昨日までは元気がなかったし」

知久「元気になってくれた、って考えればいいかな」


まどか「そ、そうだね」

まどか（確かに元気にはなったけど、限度ってものがあるよ）



それから１年、鹿目家は野菜類に困ることはなかった。


-終-


718 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]：2012/08/25(土) 01:02:13.37 ID:bcNF+uvao
強すぎwww　乙
719 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga　sage]：2012/08/25(土) 01:02:18.57 ID:o3yTWHW60
本編では全くと言っていい程、属性を使っていなかったので、ここで使ってみました
本当は魔女戦も属性や地形を使って原作同様トリッキーな戦いをしたかったのですが、話の上で太陽少年は常に誰かとタッグを組み、サポート役に回ってしまったため出来ませんでした
思い返してみると、ジャンゴが１人で魔女と戦ったのは一週目のワルプルギス第二戦のみで、止めを刺したのは一週目のシャルロッテと二週目のワルプルギス戦だけ、一周での撃破数はさやかを下回る結果でした
少々、ジャンゴの火力を下げすぎましたかね？
720 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]：2012/08/25(土) 01:03:37.73 ID:bcNF+uvao
火力云々よりも誰かとタッグ組んでるからだと思うんだ。話の展開上仕方ない
721 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]：2012/08/25(土) 02:55:49.00 ID:t4m2u+51o
乙、このレンズはアースⅢに違いないな
野菜を巨大化させてなお1年も大地の力を維持させるなんて規格外だぜ！


本編は焦点がジャンゴという新しい風を取り入れた魔法少女たちの動乱にある感じがしたなぁ
それで問題ないなら、あの火力でもよかったんじゃないかな
722 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/25(土) 16:27:45.99 ID:Zl1wY0IDO
乙

火力言いだしたら、それこそソルジャンゴ無双だって可能だった訳だし
それを敢えてサポート気味に徹するからこそ良かったと思う
723 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/08/25(土) 21:09:32.35 ID:qmRQtqALo
乙ー
続や新だとそれなりに暴れてたけどあくまで人間から逸脱しない感じだったから
火力的にはあんなもんなのではないだろうか　　初代とかステルスゲーだし
724 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage　saga]：2012/08/25(土) 22:02:40.13 ID:CtV0YgOT0
おいついたと思ったら完結して後日談だった。
おくれたけど>>1乙

ジャンゴの火力は元々そんなに高くないからこのぐらいでいいと思います。
ナイトメアでさらに絶望するかと思ったけど、経験値やレアアイテムの入手率を考えると後半は良い感じになりますね。

個人的には太陽魔法フリーズを使って欲しかった。使いまくって遊んだ記憶がある。
ソル・デ・バイスが無いから使えないとは思いますけど。
725 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/27(月) 00:27:03.81 ID:KC73P+FZ0


「禁術『暗黒ゴマ』」


―魔女の結界―



さやか「ハッ！！」ﾋｭｯ


　　「ケケケ……」ｻｯ


さやか「くっ……逃がした」


ほむら「任せなさい！」

ほむら「…っ」ｼｭﾝ ｼｭﾝ


　　「ケケ！？」　　


ほむら「はっ……」ﾃﾞｭﾝ　ﾃﾞｭﾝ　ﾃﾞｭﾝ


　　「グッ…ガッ、ガアアァァァ……」



―見滝原　路地―



ほむら「今日はこれで終わりね」


さやか「結局、使い魔だけだったってわけか」


ほむら「その方が楽でいいわ」

ほむら「この銃のおかげで穢れは気にしなくていいし」

ほむら「それより、ソウルジェムを出しなさい。穢れを吸い取るから」


さやか「ああ、はい」ｽｯ


ほむら「はあぁぁぁぁ」ｷﾞｭｲﾝ　ｷﾞｭｲﾝ


726 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/27(月) 00:28:58.07 ID:KC73P+FZ0


ほむら「……終わりよ」


さやか「あのさ……気になってることがあるんだけど」


ほむら「何？」


さやか「ほむらって、いつも組んだ相手の穢れを吸い取ってるんでしょ」


ほむら「そうだけど」


さやか「それでほむらのソウルジェムは大丈夫なわけ？」

さやか「いくらその銃で撃ち出せるっていったって、限度があるじゃん」


ほむら「問題ないわ。むしろ足りないぐらいよ」


さやか「へ？」


ほむら「貴女……知ってるわよね、私の固有魔法」


さやか「時間停止だろ。あたし達の前で散々、使ってるじゃん」


ほむら「実は……もう、使えないの」

ほむら「ワルプルギスを倒すまでの１ヶ月」

ほむら「私の素質ではその間しか使えない魔法だったの」


さやか「え……でも、今だって使ってたじゃん」


ほむら「アレは違うわ」

ほむら「月光魔法、ゼロシフト」

ほむら「私が暗黒少年から受け継いだ力の１つ……瞬間移動を可能とする魔法よ」


さやか「じゃあ、あんたが使っている能力って」


727 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/27(月) 00:31:07.44 ID:KC73P+FZ0


ほむら「全て借り物の力……ソウルジェムの穢れを必要とするモノ」

ほむら「本来の私はもう魔法なんて殆ど使えない」

ほむら「魔法少女なんて名乗れないような状態よ」


さやか「……その、ごめん。変なこと聞いて」


ほむら「謝らなくていいわ」

ほむら「確かに、今の私は１人で戦うのは難しいけど」

ほむら「ここには貴方達がいる」

ほむら「もう独りで戦う必要なんてないもの」

ほむら「時間を止められるよりもこの方がいいわ、ずっと」


さやか「そっか、そうだよね」


ほむら「さっ……帰るわよ」

ほむら「後の２人もそろそろ終わるはずだし」


さやか「ねぇ、もうひとつだけ聞いていい？」


ほむら「時間がかかることかしら？」


さやか「全然」


ほむら「ならいいわ」


さやか「じゃ…お言葉に甘えて」

さやか「さっき、暗黒少年から力を借りたって言ってたよね？」


ほむら「ええ」


さやか「ってことは……あいつの技を全部使えるの？」


ほむら「火球や氷柱といった彼の力でないものは使えないけど、彼自身のものなら使えるわ」


728 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/27(月) 00:32:46.81 ID:KC73P+FZ0


さやか「じゃあさ、あのコマみたいにぐるぐる回るやつは」


ほむら「出来る……とは思うけど、やったことないわ」


さやか「へぇー」

さやか「じゃあ、ちょっとやってみせてよ」


ほむら「嫌よ」


さやか「えー」


ほむら「話は済んだでしょ？ 帰りましょ」


さやか「そこを何とか」


ほむら「嫌なものは嫌」


さやか「ちぇ、ケチ」


ほむら「…」


さやか「あーあ、残念だなー」


ほむら「…」


さやか「まぁ……やりたくないんだから、仕方ないよね」


ほむら「…」


さやか「でも、見たかったなぁ……」


729 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/27(月) 00:34:13.00 ID:KC73P+FZ0


ほむら「あー！ もう！！」

ほむら「分かったわよ！」

ほむら「見せてあげるから少し黙りなさい！」


さやか「さっすが！ 話がわかる」


ほむら「いい？ 上手くいかなくても文句はなしよ」


さやか「分かってますって」


ほむら「さぁ、行くわよ！」

ほむら「ハッ！！」ｸﾞﾙﾘ　ｸﾞﾙﾘ


さやか「おお！！」

さやか「なんかぎこちないけど、いい感じ」


ほむら「もっとはやッ……！？」ｸﾙ ｸﾞｷﾞｯ


さやか「あ…」

さやか「大…丈夫……？」


ほむら「・・・」

ほむら「少し……足を挫いただけよ」

ほむら「問題な…！」ｽﾞｷｯ

ほむら「……いわよ」


730 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/27(月) 00:35:40.10 ID:KC73P+FZ0


さやか「全然よくないよ。足腫れてじゃん」

さやか「ごめんね……ワガママ言って」


ほむら「私が勝手に転んだだけ、貴女は悪くないわ」

ほむら「それより肩貸してちょうだい」

ほむら「１人じゃ、歩けそうにないの」


さやか「あ、いや」

さやか「あたしの魔法で治すよ」

さやか「ちょっと待ってて」

さやか「はい」ﾊﾟｧｧｧ


ほむら「…」ｽﾁｬ

ほむら「さっ、帰るわよ」


さやか「う、うん……」


731 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/27(月) 00:38:11.64 ID:KC73P+FZ0


＜５日後＞



さやか「これで……」

さやか「終わり！」ｻﾞｼｭ


　　　「ギャァァァ……」


さやか「さて、粗方片付いたことだし」

さやか「今日はこのくらいで帰りますか」


ほむら「いいえ。まだ帰るわけにはいかないわ」

ほむら「貴女に見てもらうものがある」


さやか「え……何を？」


ほむら「忘れたとは言わせないわ。美樹さやか」

ほむら「５日前に貴女に頼まれ……そして、失敗した技よ」


さやか（こいつが自分から私に見せたいだなんて）

さやか（一体、あの技に何が……）


ほむら「見てくれるわよね」


さやか「でも……どうして？」


ほむら「そ、それは……」

ほむら「とにかく見てなさい！」

ほむら「あの時とは違うってことを思い知らせてあげるわ」


さやか（ただ単に……悔しかっただけ？）


732 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/27(月) 00:40:14.10 ID:KC73P+FZ0


ほむら「行くわよ！」

ほむら「はぁぁぁあああ！！」ﾌﾞﾝ　ﾌﾞﾝ


さやか「おお！ あの時とスピードが全然違う」


ほむら「まだまだ！！」ﾌﾞﾝ ﾌﾞﾝ ﾌﾞﾝ ﾌﾞﾝ


さやか「まだ速くなるの！？」


ほむら「…」ﾌﾞﾝ ﾌﾞﾝ ﾌﾞﾝ ﾌﾞﾝ


さやか「スゴイ！」


ほむら「…」ﾌﾞﾝ ﾌﾞﾝ ﾌﾞﾝ ﾌﾞﾝ


さやか「速い速い」


ほむら「…」ﾌﾞﾝ ﾌﾞﾝ ﾌﾞﾝ ﾌﾞﾝ


さやか「ほぉー」


ほむら「…」ﾌﾞﾝ ﾌﾞﾝ ﾌﾞﾝ ﾌﾞﾝ


さやか「へぇー」


ほむら「…」ﾌﾞﾝ ﾌﾞﾝ ﾌﾞﾝ ﾌﾞﾝ


さやか「…」


ほむら「…」ﾌﾞﾝ ﾌﾞﾝ ﾌﾞﾝ ﾌﾞﾝ


さやか「…」


ほむら「…」ﾌﾞﾝ ﾌﾞﾝ ﾌﾞﾝ ﾌﾞﾝ


733 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/27(月) 00:41:52.43 ID:KC73P+FZ0


さやか「ねぇ、いつまで回ってるの？」


ほむら「…」ﾌﾞﾝ ﾌﾞﾝ ﾌﾞﾝ ﾌﾞﾝ


さやか「もういいんじゃないかな」


ほむら「…」ﾌﾞﾝ ﾌﾞﾝ ﾌﾞﾝ ﾌﾞﾝ


さやか「まさか……止まれないとか？」


ほむら「…」ﾌﾞッ ﾌﾞﾝ ﾌﾞﾝ ﾌﾞﾝ


さやか「あ、回転が乱れた」

さやか「ってことは……図星？」


ほむら「…」ﾌﾞﾝ ﾌﾞッ ﾌﾞッ ﾌﾞﾝ


さやか「……みたいだね」


ほむら「…」ﾌﾞﾝ ﾌﾞﾝ ﾌﾞﾝ ﾌﾞﾝ


さやか「どうしよ……」



マミが応援に駆けつけるまでの２８分間、彼女は回り続けたらしい。


-終-


734 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]：2012/08/27(月) 00:42:31.57 ID:D462pgyjo
ほむほむどじっこまじかわいい

乙
735 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga sage]：2012/08/27(月) 01:01:05.23 ID:KC73P+FZ0
我ながらほむらにサバタの能力を付加させるのはよくやったと思います
本当は最後戦はサバタ加入が一番の山場の予定だったのですが、調子に乗って出したロックマン登場のほうが盛り上がりましたね

このＳＳもワルプル戦の憑依サバタをがやりたいがために始めました。しかし、ゲームらしくジャンゴが１人で戦うのも見てみたい。「なら、二度戦えばいい」という精神の下、二周するという暴挙に踏み切りました
安価でもなにのに周回、マイナークロス、視点固定、主人公無口、周回するのがほむらじゃない、と思い返すとかなりの変わり種でした。でも、その代り色々と好き勝手にできたので良かった？です
皆さんはどう思いましたか？
736 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2012/08/27(月) 01:03:16.71 ID:JRA4M0fQo
通してみれば良作
737 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2012/08/27(月) 01:37:30.94 ID:ckiuDPrSo
一周目の時はどうなるのかと
738 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]：2012/08/27(月) 01:39:06.48 ID:D462pgyjo
期待しかしていなかったし一番楽しみな作品だった。
739 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/27(月) 20:01:33.09 ID:8MW6d6sDO
原作からして周回制だし、戻ってやり直す手段もゲームメタ的ご都合じゃなく元々あるし、うまいと思った
おかげで一周目がバッドまっしぐらでヒヤヒヤだったけど


ホムラストームパニッシャー！！
740 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]：2012/08/28(火) 12:35:34.24 ID:q5sBGQLAO
両作品のアイテムとか特性とか、よく引き出せたとても良い作品だったと思う
これを機にボクタイ伸びれば良いね…
741 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/29(水) 00:16:48.99 ID:dAYzAY5p0


「サバイバル」


―ほむらの家―



ジャンゴ「…」ｶﾁｬ　ｶﾁｬ


おてんこ「…」


杏子「…」ｽﾞﾙｽﾞﾙ


ジャンゴ「…」ｶﾞﾁｬﾝ


おてんこ「…」


杏子「…」ﾓｸﾞﾓｸﾞ


おてんこ「なぁ、杏子」

おてんこ「さっきから気になっていたんだが」


杏子「ん？ 何だ」


おてんこ「お前食べているそれ……何なんだ？」


杏子「見たら分かるでしょ」

杏子「カップ麺だよ、カップ麺」


おてんこ「カップ麺……？」

おてんこ「知っているか？ ジャンゴ」


ジャンゴ「…」ﾌﾙﾌﾙ


742 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/29(水) 00:21:23.25 ID:dAYzAY5p0


杏子「何、アンタ達カップ麺も知らないの！？」


おてんこ「ああ、できれば教えてほしい」


杏子「はぁー」

杏子「……初めて会った時から変な奴らだと思ってたよ」

杏子「長袖マフラーにハーフパンツって季節感のない恰好な上に、妙なマスコットまで連れてやがったし」


おてんこ「私はマスコットなどではない！」


ジャンゴ「…」


杏子「分かってるから静かにしろって」

杏子「いいか？ こいつは『カップラーメン』って言って手軽にラーメンが食べられるようになるもんだ」

杏子「作り方は簡単。この容器に熱湯を入れて３分待つだけ」

杏子「しばらくすれば中の麺がほぐれて食べられるようになるって寸法さ」

杏子「分かったかい？」


ジャンゴ＆おてんこ「・・・」


杏子「……分からなかったのか？」


おてんこ「いや……そのカップ麺については分かったのだが」

おてんこ「ラーメンとは何だ？」


杏子「・・・」

杏子「普段、どんなもん食べてんだよ……」


743 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/29(水) 00:24:02.52 ID:dAYzAY5p0


おてんこ「ふむ。我々が普段食べてるものか」

おてんこ「捕れるものよって違うが、一番は手軽なのは……」



　　　　『ジャンゴ！ そっちへ行ったぞ！！』


　　　　『…』ﾃｭﾝ　ﾃｭﾝ

　　　　　
　　　　　　　カァｯ！？


　　　　『よし！ 撃ち落とした』

　　　　『早速、回収だ』


　　　　『…』ｺｸﾘ



おてんこ「焼き鳥だな」


杏子「なんだ……意外と普通のモン食べてんじゃん」

杏子「もっとヒドイのが出てくんかと思ったよ」


おてんこ「その『ヒドイの』とは何だったんだ」


杏子「そりゃ、イモムシ……とか？」


おてんこ「さすがに……そこまで飢えたことはないな」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ


744 ： ◆pOKsi7gf8c [saga ]：2012/08/29(水) 00:25:56.93 ID:dAYzAY5p0


杏子「じゃ、他には？」


おてんこ「そうだな」

おてんこ「大物がかかった時なんかは……」



　　　　『見てみろ！ ジャンゴ！！』

　　　　『大物がかかってるぞ』
　　　　

　　　　　ウーー　ガウｯ　ガウｯ
　　

　　　　『これでしばらくは食糧に困ることはないな』

　　　　『さぁ、止めを刺して解体するんだ』
　　　　　

　　　　『…』ｺｸﾘ　ｻﾞｼｭｯ


　　　　　　　　キャウン



おてんこ「焼肉だったな」

おてんこ「ああ、そうそう」

おてんこ「最近になって始めたモノもあった」


杏子「最近、始めたモノ？」


745 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/29(水) 00:29:39.82 ID:dAYzAY5p0


おてんこ「ああ……」



　　　　『やぁ、君達が僕を呼び出すなんてね』
　　　　
　　　　『自分達は何者なのか、話してくれる気になったのかい？』

　　　　『違う……？』

　　　　『じゃあ何のために僕を呼んだんだい』
　　　　　　　　
　　　　『君達のことだ、ただ話をするために呼び出したんじゃないんだろ？』

　　　　『………後ろの君が持っているのは、使い魔と戦うときに使っていた銃だね』

　　　　『僕を脅すつもりかい？』　
　　　　
　　　　『だったらそれは意味がないよ』

　　　　『なぜなら……』ﾃｭﾝ　ﾄﾞｻｯ



おてんこ「刺身だ」


杏子「・・・」　　　　

杏子「……なんかさ、肉ばっかだよね」

杏子「野菜は食べないわけ？」


746 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/29(水) 00:32:10.64 ID:dAYzAY5p0


おてんこ「食べないわけじゃないが、中々手にはらなくてな」

おてんこ「我々も苦労しているんだ」


杏子「まぁ……アンタらもそれなりに大変ってことか」

杏子「コレ、やるよ」ﾎﾟｲｯ


ジャンゴ「…」ﾊﾟｼｯ


おてんこ「これは……赤リンゴ」

おてんこ「懐かしいな」

おてんこ「手にするのはイストラカン以来だったか」

おてんこ「サン・ミゲルの気候ではなかなか育たないからな」


杏子「手に入れたのは良いんだけど」

杏子「ちょっと欲張りすぎて、あたし１人じゃ多すぎるんだ」

杏子「余りは一杯あるから遠慮しないでいいよ」


ジャンゴ「ありがとう、杏子」


おてんこ「恩に着る」



見滝原市では野犬と害鳥による苦情、被害が極端に少ない奇跡とも言える一月があったらしい。


-終-


747 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]：2012/08/29(水) 00:34:58.77 ID:e04aQcKro
乙

oh…　確かに干し肉とかそんなのばっかだったもんね！仕方ないね！
748 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]：2012/08/29(水) 00:42:01.84 ID:dAYzAY5p0
杏子とリンゴはやろうやろうと思っていた割には本編に入れられず、小ネタで消化することになってしまいました
言い忘れていましたが、小ネタの時間軸は適当です。一週目でも二週目でも好きなほうで見てください

なんとなく本編を読み返してみたのですが、ちょっとジャンゴに喋らせすぎましかね？
結構、喋らなくても済むようなセリフが多かったような気がします
749 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]：2012/08/29(水) 01:44:50.23 ID:qeSUwjOS0
キュウべえ食ったよね!?
750 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(香川県) [sage]：2012/08/29(水) 16:45:23.26 ID:lu5RTvsf0
奴の肉に寄生虫の心配はないだろうし理想的なタンパク源かもしれんな
751 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/29(水) 16:48:42.93 ID:2TeMaccIO
宇宙のエネルギーの恩恵に預かる
752 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]：2012/08/29(水) 19:10:43.39 ID:Tb0icj1r0
このジャンゴの所持品には干し肉QB×99あるな
753 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage　saga]：2012/08/30(木) 07:52:31.27 ID:2SAKDinw0
よく考えたら、ＱＢを食べたＳＳって初めてか？
いや、まあジャンゴなら食べそうだけど。

食べ物関連で思い出したのは、赤ジャンゴでトマトジュースを飲むと腹痛になるってことですね。
アレルギーでもあるのか？
754 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/30(木) 19:29:13.32 ID:y0M3ybDN0
>>753
確かジャンゴの嫌いな物がトマトだったからじゃないか？
755 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]：2012/08/30(木) 19:53:40.35 ID:i2qSpNjAO
>>754
太陽の恩恵をいっぱいに授かったトマトだというのに
756 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/30(木) 20:07:49.64 ID:eFwDjXK90
リボンぐるぐる巻きの巴マミーさん
757 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage ]：2012/08/31(金) 00:10:35.34 ID:RYZADvRv0
>>754
　記憶に間違いがなければトマト嫌いなのはＤＳジャンゴだった気がします
　じゃあ、なんで赤ジャンゴがトマトジュースで腹を壊すのか、と聞かれても分かりませんが……
758 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/31(金) 00:14:44.72 ID:RYZADvRv0


「男は忍耐」


―サン・ミゲル　太陽樹―



リタ「あ、あの……ジャンゴ様」

リタ「私を呼び出したりして、何かご用でしょうか？」


ジャンゴ「……話があるんだ」


リタ「お話……ですか？」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ

ジャンゴ「例の件についてなんだけど」


リタ（例の件……って、まさか！！）

リタ（アレが告白だって気づいてくれた！？）


ジャンゴ「君には……」


リタ「いいえ、ジャンゴ様」

リタ「それ以上、お話しなくても結構ですわ」

リタ「私の覚悟は出来ています！」

リタ「さぁ、お返事をお聞かせください」


ジャンゴ「……ごめん、しばらくは無理そうなんだ」


リタ「！」

リタ「そう……そうですよね」

リタ「私…なんかじゃ……ダメですよね………」

リタ「ずっと付きまとって……迷惑でしたよね」


ジャンゴ「でも……」


リタ「ごめん…なさい……ジャンゴさま」

リタ「今日は……これで、しつれいします」ﾀｯ ﾀｯ ﾀｯ


ジャンゴ「待って！ 話はまだ……」

ジャンゴ「・・・」


759 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/31(金) 00:15:40.23 ID:RYZADvRv0


　　　「ジャンゴ……アンタ、何したん？」


ジャンゴ「！」

ジャンゴ「ザジ、どうしてここに？」


ザジ「さっき、通りでリタとすれ違ってな」

ザジ「やってきた道を辿ってきたらアンタがいたちゅーわけや」

ザジ「それより……何があったんや？」

ザジ「あの子、ものスッゴイ勢いで走って行ったで」


ジャンゴ「良く分からないんだ」

ジャンゴ「ボクの返事を……」


ザジ「返事！？」

ザジ（まさか、気付いてたんか！？）


ジャンゴ「？」


ザジ「・・・」

ザジ（いや……こいつは超が付くほどの鈍感や）

ザジ（そう決めつけるのは危険や）


ジャンゴ「…」


760 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/31(金) 00:17:34.33 ID:RYZADvRv0


ザジ「あ、ああ……何でもないで」

ザジ「それより、その返事って……何のや？」


ジャンゴ「１ヶ月前、ボクらが旅に出る前の日」

ジャンゴ「リタに旅で使うアイテムを融通してもらったんだ」

ジャンゴ「代金は旅から帰ってきた後でいいって」

ジャンゴ「今日はその支払について話してたんだよ」


ザジ（やっぱし……）

ザジ「で、何て言ったん？」


ジャンゴ「しばらくは無理そう、って」


ザジ「……そういうわけかいな」


ジャンゴ「…」


ザジ「悪いことは言わん、今すぐリタを追うんや」

ザジ「たぶん、あいつはアンタの返事の意味を分かっとらん」

ザジ「手遅れになる前に、急ぐんや」


ジャンゴ「でも、リタは何処に……」


ザジ「そんなん知らん」

ザジ「とにかく、探し出して全部を話すんや」

ザジ「聞きたくない言っても、全部聞かせてやるんやで」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ

ジャンゴ「…」ﾀｯ　ﾀｯ


ザジ「はぁー」

ザジ「全く……どこまでも世話のかかる奴らや」

ザジ「まぁ、面倒見てるウチもウチか……」


761 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/31(金) 00:19:11.78 ID:RYZADvRv0


―サン・ミゲル　郊外―



リタ「…ﾋｯ…ｸ゛ｽ……」


　　　「リタ！！」


リタ「！」

リタ「…」ｺﾞｼｺﾞｼ

リタ「ジャンゴ様……どうして」


ジャンゴ「あの話、まだ続きがあるんだ」

ジャンゴ「君はそれを聞かないで行ってしまったから」


リタ「もう…いいんです……」

リタ「これ以上、やさしくしないでください」

リタ「じゃないと、わたし…わたし……」


ジャンゴ「いいや、君の方がボクなんかよりずっと優しいよ」

ジャンゴ「売り物であるはずの商品をただ同然で誰かにあげるなんて」


リタ「えっ…」


ジャンゴ「本当はすぐにでも払うべきだったんだけど……」

ジャンゴ「色々あって持ち合わせがなくなってしまったんだ」

ジャンゴ「だから、１週間待ってほしい」

ジャンゴ「それまでに必ず代金を用意するから」


762 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/31(金) 00:20:45.54 ID:RYZADvRv0


リタ「あ、あの……どういうことですか？」


ジャンゴ「？」


ジャンゴ＆リタ「・・・」


リタ「じゃ、じゃあ……」

リタ「アレは……代金を払うのを待ってほしいって事だったんですか？」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ


リタ「は、はは……」


ジャンゴ「・・・」


リタ「！」

リタ「…」ｺﾞｼｺﾞｼ

リタ「あ、いえ！ 何でもありません！」

リタ「少し汗をかいてしまって」


ジャンゴ「…」


リタ「もう！ ジャンゴ様ったら……」

リタ「それならそうと、最初から言ってくださいね！」ﾂﾝｯ


　　　　　メキッ　　


ジャンゴ（！？）


763 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/08/31(金) 00:23:07.72 ID:RYZADvRv0


リタ「ジャンゴ様……？」

リタ「まさか、私……やっちゃいました？」


ジャンゴ「…」ﾌﾙﾌﾙ


リタ「でも、お顔が真っ青ですよ」

リタ「やっぱり、私がやったとしか……」


ジャンゴ「大…丈夫」


リタ「しかし……」


ジャンゴ「いいから……戻るんだ」


リタ「……分かりました」

リタ「お薬を取ってくるので、ここでお待ちになってください」ﾀｯ ﾀｯ ﾀｯ



ジャンゴ「・・・」

ジャンゴ「うっ……」ﾊﾞﾀｯ


　　　『黙って耐えてやるのも……男の優しさだぞ！』


ジャンゴ「…っ｣ｽﾁｬ



少女が戻ると、少年は忽然と姿を消していたという。


-終-


764 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga sage]：2012/08/31(金) 00:32:18.83 ID:RYZADvRv0
一応、伏線回収？です

今更ですが、エピローグで出したボクタイ側のキャラとか突然出てきた暗黒ローンとか説明したほうがいいですかね？
必要そうならまとめてwikiにでも載せようと思うのですが

最近、wikiのページが表示されないのですが、これは何なのでしょう？
765 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]：2012/08/31(金) 00:38:26.57 ID:JHCzauxXo
ジャンゴ…鈍感だがお前は男だ…　乙
766 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/31(金) 01:17:15.63 ID:8tDqOv2Qo
乙。ボクタイ知っている人なら大丈夫だとは思うけど欲しいかな。ラビアンローズは素晴らしいご褒美だよね

wikiは最近なんか調子が悪いみたいよ
767 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]：2012/09/01(土) 12:09:38.84 ID:yrES9PYM0
ゾクタイのとき、ローンがカンストした状態で走ったなぁ……指が逝かれるかと思った
768 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/02(日) 00:34:50.70 ID:ex7dbfDZ0


「好奇心」


―マミの家―


ジャンゴ「…」ｶﾁｬ　ｶﾞﾁｬﾝ


マミ「…」ｼﾞｰ


ジャンゴ「…」ｶﾞﾁｶﾞﾁ　ｷﾝｯ


マミ「…」ｼﾞｰ


ジャンゴ「…」ﾁﾗｯ


マミ「！」ﾌﾟｲｯ


ジャンゴ「？」

ジャンゴ「…」ｼｭﾝ　ｶﾁｬｶﾁｬ


マミ「…」ｼﾞｰ


ジャンゴ「…」ｶﾞﾁ　ｶﾞﾁ


マミ「…」ｼﾞｰ


ジャンゴ「…」ﾁﾗｯ


マミ「…」ﾌﾟｲｯ


ジャンゴ「・・・」


769 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/02(日) 00:36:10.56 ID:ex7dbfDZ0


おてんこ「ん？ どうした、ジャンゴ」

おてんこ「太陽銃の点検が終わったのか」


ジャンゴ「…」ﾌﾙﾌﾙ


おてんこ「なら、何か問題でもあるのか？」


ジャンゴ「…」ｸｲｯ


おてんこ「ん？｣ｸﾙﾘ


マミ「！」ﾌﾟｲｯ


おてんこ「・・・」

おてんこ「そういうことか……」

おてんこ「放っておいてもいいが、それはそれで気になるな」

おてんこ「……仕方ない」

おてんこ「おい、マミ！」


マミ「！」

マミ「な、何かしら？」


おてんこ「さっきからこっちを見て、何かあるのか？」


マミ「い、いえ……何でもないわ」


おてんこ「本当に何でもないのか？」


マミ「そ、それは……」


770 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/02(日) 00:39:00.24 ID:ex7dbfDZ0


おてんこ「やはり、何かあるみたいだな」

おてんこ「太陽銃の事でも気になっているのか？」


マミ「…」ﾋﾟｸｯ


おてんこ「図星か」


マミ「……ごめんなさい。もう、覗いたりしないから」

マミ「じゃあ、私は……」


おてんこ「まあ、待て」

おてんこ「別に覗かれたからといってどうということはない」

おてんこ「こちらを見ている理由が知りたかったのだ」


マミ「理由を知ってどうするの？」


おてんこ「理由が分かれば対処も簡単だ」

おてんこ「こっちへ来い、太陽銃について教えてやる」

おてんこ「何時までも覗かれていては、気が休まらないからな」


マミ「え……いいの？」


おてんこ「何時ダメだと言った」


マミ「でも……」


おてんこ「どうした、来ないのか？」


マミ「もちろん行くわ！」


771 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/02(日) 00:42:45.66 ID:ex7dbfDZ0


おてんこ「で、何から知りたい？」


マミ「まずは……それが何なのかね」


おてんこ「ふむ。いいだろう」

おてんこ「この銃……太陽銃ガン・デル・ソルは」

おてんこ「太陽の光をエネルギー弾に変換し、撃ち出す魔法機械」

おてんこ「古の太陽仔の一族が残した遺産の１つであり、その血を引き継ぐ者にしか使えない」


マミ「ちょっと待って」


おてんこ「何だ？」


マミ「その太陽仔ってのは何？」


おてんこ「太陽仔とは古来より闇と戦い続けた一族」

おてんこ「この太陽少年ジャンゴの祖先にあたるものだ」


マミ「つまり……魔法少女みたいなものね」


ジャンゴ＆おてんこ「・・・」


おてんこ「まぁ、その認識でも間違っては……いないな」


マミ「要するに、選ばれし者にのみ使える銃だったというわけね」


おてんこ「そう……なるな」マミ「じゃあ、次は銃の構造かしら」

マミ「撃鉄の部分に大きなレンズみたいなものが付いてるし、気になってたの」


おてんこ「あ、ああ」

おてんこ「太陽銃は３つのパーツ……レンズ、フレーム、バッテリーで構成されている」

おてんこ「これらを組み替えることで、攻撃属性及び攻撃方法を変更できるのだ」


772 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/02(日) 00:44:43.95 ID:ex7dbfDZ0


マミ（……カスタマイズできる銃か）


ジャンゴ「？」


おてんこ「どうした、聞いているのか？」


マミ「な、何でもないわ」

マミ「それより、実際に撃っているところを見たいのだけど……いいかしら？」


おてんこ「……構わないが」

おてんこ「ここは狭すぎる。銃を撃つのは危険だ」


マミ「もっと広いとこなら問題ないわね」


おてんこ「まぁ、そうだが……」


マミ「案内するわ。付いてきて！」


　　　ｽﾀｽﾀ　　ｶﾞﾁｬﾝ


おてんこ「まさか、ここまで食い付きが良いとは……」

おてんこ「下手に話題を振らない方が良かったかもしれないな」


ジャンゴ「…」


おてんこ「……文句を言っても仕方ない」

おてんこ「自分で蒔いた種だ。気の済むまで付き合う他あるまい」

おてんこ「さぁ、行くぞ」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ


773 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/02(日) 00:48:48.83 ID:ex7dbfDZ0


―マミのマンション　地下駐車場―



マミ「ここなら大丈夫でしょ？」


ジャンゴ「…」


おてんこ「確かに、人目は避けられるが……」

おてんこ「本当に大丈夫なのか？」


マミ「大丈夫よ」

マミ「ここは入り口からは死角になっているし、滅多に車の出入りもないから」


おてんこ「そうか」


マミ「さ、そんなことより早く」


おてんこ「分かった……ジャンゴ、いいな？」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ


774 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/02(日) 00:50:44.08 ID:ex7dbfDZ0


ジャンゴ「…」ｼﾞｬｷ


おてんこ「まずはフレームごとの攻撃特性を説明する」

おてんこ「最初は、今装備しているノーマルタイプのフレームについてだ」

おてんこ「このフレームはこいつが普段装備している基本装備であり」

おてんこ「遠、近距離ともに使える汎用性の高いフレームだ」

おてんこ「遠距離の敵に対しては……」


ジャンゴ「…」ﾃｭﾝ　ﾃｭﾝ


おてんこ「お前が使う銃弾と同じような光弾、太陽ショットを放ち」

おてんこ「近距離の敵に対しては……」


ジャンゴ「…」ﾋﾞｨｰｰｰ


おてんこ「扇状に広がる光線、太陽スプレッドを放つ」

おてんこ「分かったか？」


マミ「いいわ、続けて」


おてんこ「さて、次は……」


775 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/02(日) 00:54:11.86 ID:ex7dbfDZ0


おてんこ「……こんなものだな」

おてんこ「これで太陽銃の攻撃特性及び付加属性、その全ての説明を終えた」

おてんこ「何か質問はあるか？」


マミ「その……銃についてはいいんだけど」

マミ「もう１つだけ、気になっていることがあるの」


おてんこ「何だ」


マミ「ジャンゴ君が何時も使っている棺桶」

マミ「アレがどうなってるか聞いてもいいかしら？」


ジャンゴ＆おてんこ「・・・」


おてんこ（どうする？ ジャンゴ）

おてんこ（このままでは日が暮れてしまうぞ）

おてんこ（ここは一旦、断ってしまうか？）


ジャンゴ「…」


おてんこ（そうか……あくまで彼女の希望に応えるというのだな）

おてんこ（確かに……一気に終わらせてしまえば、もう聞かれることはあるまい）

おてんこ（今日はトコトン彼女に付き合ってやろう）


マミ「……やっぱり、ダメかしら？」


おてんこ「……いや、問題ない」

おてんこ「棺桶を呼び出すんだ、ジャンゴ」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ



結局、説明は一日で終わらず、翌日に持ち越されたらしい。


-終-


776 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga　sage]：2012/09/02(日) 01:03:19.55 ID:ex7dbfDZ0
今更ながら、本編にこんな感じで太陽銃についてのチュートリアルを入れればよかったと後悔しています

個人的に好きな太陽銃フレームをあげると、見掛けはドラグーン、性能はジャベリン、爽快感はカラミティですかね
皆さんはどうでした？

wikiについては投稿する説明文は出来ているのですが、wikiその物が使えない限りどうしようもありせん
777 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]：2012/09/02(日) 01:03:58.06 ID:Gynq4/jfo
乙、太陽銃はデザイン的にもマミよりほむらにとは思うけど
すでにほむらは暗黒銃を持ってるからな

太陽銃を模した銃を作ったマミと2人でコンビを組むのも…ありだ！！！
778 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/02(日) 13:48:08.61 ID:0XlYp3R3o
乙。ヘヴィ最強伝説
ムゲン無いとまともに使えないガーディアン
779 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]：2012/09/03(月) 00:24:51.43 ID:OcO+rSiAO
ほとんどジャベリンしか使ってなかったわ
プランターにはひたすらクルセイダー？でソル照射

おてんこさまも踊りだす、暑い夏の日の思い出さ…
780 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/04(火) 00:17:17.90 ID:5VQGt/F70


「任務」


―サン・ミゲル　宿屋―



？？？（ようやく……仕事に片が付いた）

？？？（この街に帰るのも久々だな）

？？？（まずは酒でも飲んで……）


マルチェロ「あ、いたいた。？？？（ハテナ）さん」


？？？「ん？ あんたは……」

？？？「俺に何の用だ」


マルチェロ「レディさんに頼まれて、次の任務を伝えに来ました」


？？？「！」

？？？「何故、それを……」


マルチェロ「それが……組織（ギルド）の方が人手不足みたいで」

マルチェロ「図書館に立ち寄った時にレディさんに声をかけられて……」

マルチェロ「断り切れずに、仕事を手伝うことになったんです」


？？？「そうか……お前もあの女に嵌められたか」

？？？「お互い、運がなかったという訳だな」


マルチェロ「ははは……」

マルチェロ「で、その依頼の話なんですが」


781 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/04(火) 00:22:19.13 ID:5VQGt/F70


？？？「はぁ…」

？？？「全く……勘弁して欲しいもんだ」

？？？「これでも一仕事終えて帰ってきたばかりなんだぞ」

？？？「一服する暇ぐらいくれても良いと思わないか？」


マルチェロ「僕に言われても……」


？？？「……済まない」

？？？「お前に愚痴っても仕方なかった」

？？？「あの女に引っかかった俺が悪かったんだ」


マルチェロ「…」


？？？「話を戻すが……任務の内容は？」


マルチェロ「南方で魔物（モンスター）が狂暴化しているという情報が寄せられたんです」

マルチェロ「現地のギルド員とも連絡がつかないみたいで、詳細は不明」

マルチェロ「この情報が本当かどうかも怪しいんです」


？？？「その情報の真偽を確かめて来い、というわけだな……」


マルチェロ「そうみたいですね」

マルチェロ「後、情報が本物だったら原因の究明と、可能なら解決して欲しいとのことです」


？？？「今回はやけに注文が多いな」

？？？「いつもは精々、モンスターの生態調査やその被害報告ぐらいだというのに」


782 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/04(火) 00:25:14.87 ID:5VQGt/F70


マルチェロ「やっぱり、無理そうですか？」

マルチェロ「難ならレディさんに……」


？？？「いや、その必要は無い」

？？？「確かに命懸けの仕事だが、俺には丁度いい……」

？？？「腕には自信があるからな」


マルチェロ「腕……ですか？」


？？？「ああ、腕だ」

？？？「何の腕かは……聞いてくれるなよ？」


マルチェロ「でも、本当に大丈夫なんですか？」

マルチェロ「闇の一族（イモータル）が糸を引いているなんて噂もありますよ」


？？？「何、心配はいらない」

？？？「いざとなったら逃げ出せばいい」

？？？「無理して戦う必要もないしな」


マルチェロ「……そうですか」

マルチェロ「気を付けて下さいね」


？？？「お前こそ気を付けろよ」

？？？「あの女は人使いが荒いからな」

？？？「もしかしたら、俺の任務の方が楽かもしれないぞ」


マルチェロ「・・・」


783 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/04(火) 00:28:52.52 ID:5VQGt/F70


？？？「ところで、あの少年を知らないか？」

？？？「出発する前に会っておこうと思うんだが」


マルチェロ「ジャンゴ君……ですか」


？？？「ん？ 何かあるのか」


マルチェロ「それが……ここ１ヶ月で溜まってた依頼を全部引き受けちゃって」

マルチェロ「街を出て行ったきり、１週間ぐらい帰って来てないんです」

マルチェロ「多分、依頼こなすために闇の領域（ダンジョン）をはしごしてるんだと思います」


？？？「……そうだったか」

？？？「彼に聞けば、何か情報が手に入ると思ったのだが」

？？？「少年も大変だな」


マルチェロ「じゃあ、用が済んだので」

マルチェロ「僕はこれで……」


？？？「ああ、ちょっと待て」

？？？「不本意だろうが、あんたも目出度くギルドの片棒を担ぐことになった」

？？？「俺から新入祝いをくれてやろう」


マルチェロ「えっ……」


？？？「遠慮はいらない。同業者のよしみだ」

？？？「それに……こいつは潜入任務の必須アイテムだぞ？」


マルチェロ「でも、僕は潜入任務なんて……」


784 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/04(火) 00:31:05.09 ID:5VQGt/F70


？？？「備えあれば憂いなしだ」

？？？「潜入に使わなくても、身を隠すのに使えばいい」

？？？「ほら、こいつだ」


マルチェロ「？」

マルチェロ「これって……」


？？？「そう、ダンボールだ」


マルチェロ「ダンボール……？」

マルチェロ「僕にはただの紙製の箱にしか見えませんけど」

マルチェロ「本当にこんなものが潜入に使えるんですか？」


？？？「俺が生きているのが何よりの証拠だ」

？？？「実際、そいつには何度も助けられたからな」


マルチェロ「……本当ですか？」


？？？「こいつの用途は潜入のカモフラージュだけじゃない」

？？？「その断熱性から野宿の際にも布団代わりとして使える」

？？？「さらに……空腹で倒れそうになった時、非常食としても使用可能だ」

？？？「何にでも応用できる、正に潜入任務の友と言ってもいいものだぞ」


マルチェロ「は、はぁ」


？？？「……不服そうだな」

？？？「何なら、大通りでそれを被ってみるといい」

？？？「動かなければ誰にも見つからないはずだ」


マルチェロ「・・・」



翌日、商店街の通りに大きなダンボールが置かれていたが、誰も気にも留めなかったという。


-終-


785 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga sage]：2012/09/04(火) 00:43:18.28 ID:5VQGt/F70
自分で言うのも難ですが、誰が得するのか良く分からないネタに仕上がりました
そろそろこのスレというか、作者の頭も限界ですかね

それと、重大なミスが発覚しました
今までずっと、パイルドライバーで浄化することを「パイルドライブ」だと思い込んでいたのですが、ゲームを確認したところ「バトルドライブ」という表記がされていました
どこかの章でこの表現を使っていたと思うので、この場でお詫び申し上げます
786 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]：2012/09/04(火) 01:12:32.12 ID:zJiqkyOSo
乙　そういやそうだっけ？覚えてないもんだなぁバトルドライブなんて…

？？？さんはまぁいわゆる声ネタだもんなww
ザジ関係のネタ突っ込んでくれてもいいのよ？（ﾁﾗｯ
787 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/04(火) 01:18:43.53 ID:RvqpTP41o
乙。ザジってボクタイ屈指の可愛さを誇るキャラなのにビックリする程、作中で空気だよね
まあ、一番はスミレちゃんだけどさ
788 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]：2012/09/04(火) 02:20:25.32 ID:zJiqkyOSo
なんだ俺か
789 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/04(火) 11:44:06.66 ID:Hyh8vm2DO
乙
さすが段ボールだ、なんともないぜ

攻略本ではずっとバトルドライブ表記だった
790 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/09/05(水) 00:53:39.70 ID:ZVSj6Ftlo
乙ー　ザジさんはサバタとなんかあると思ってたんだけどなぁ
新だとEDによってはサバ兄カーミラと一緒に逝くし残念
791 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) ：2012/09/05(水) 18:46:50.84 ID:RQvyiexy0
新のＥＤはやっぱり白Ｂが一番幸せなのかね
792 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/09/06(木) 00:32:13.64 ID:1icyru9V0
>>786
　ザジですか……ネタの構想があるにはあるので、期待しないで待っていて下さい

>>790-791
　個人的には白Ｂがベストエンドですかね。どのエンドでも助けられないカーミラのことを考えるとＡよりＢ、残されたジャンゴのことを考　　えると黒より白のエンドが良いと思うので。
793 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/06(木) 00:34:29.58 ID:1icyru9V0


「人形師」


―マミの家―



マミ「…」ｶﾞﾁｬ


まどか「おかえりなさい、マミさん」


マミ「ただいま、鹿目さん」

マミ「キュゥベえの様子はどう？」

マミ「何か問題を起こしてたりしないかしら？」


まどか「大丈夫です。見張ってましから」

まどか「ね？ キュゥベえ」


ＱＢ「まぁ……僕らも無駄に個体を減らすようなことはしないよ」

ＱＢ「僕が働かなくても他の個体がやってくれるだろうし」


マミ「それはよかったわ」


794 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/06(木) 00:35:48.73 ID:1icyru9V0


まどか「それと……他のみんなは？」


マミ「佐倉さんとはここに来る途中で別れたわ」

マミ「何でも、ワルプルギスに壊された拠点がまだ全部直っていないんですって」


まどか「さやかちゃん達は？」


マミ「何の連絡もないし……」

マミ「まだ終わってないんじゃないかしら？」


まどか「そうですか」


マミ「ま、そのうち戻ってくると思うわ」

マミ「それまでお茶でもして待ちましょ？」


まどか「はい！」


マミ「それじゃあちょっと待ってて」

マミ「今、用意するから」


795 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/06(木) 00:37:49.04 ID:1icyru9V0


まどか「やっぱり……いつ食べてもおいしいですね。マミさんのケーキ」


マミ「そう言ってもらえると嬉しいわ」


まどか「そういえば、マミさん」

まどか「１つ気になっていることがあるんですけど……」

まどか「聞いてもいいですか？」


マミ「ええ、構わないけど……何かしら？」


まどか「その……マミさんって借金がありますよね」


マミ「まぁ、そうね」


まどか「それって結局どうなったのかな？ って」

まどか「マミさん、何事もなかったようにしてるから気になっちゃって……」


マミ「大丈夫よ、鹿目さん」

マミ「その問題ならもう解決したから」


まどか「じゃあ、返し終わったんですか？」


マミ「いや、そうじゃくて……」

マミ「借金自体がなかったの」


まどか「え？ でも、あのカードは……」


796 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/06(木) 00:40:15.10 ID:1icyru9V0


マミ「ごめんなさい。言い方が悪かったわ」

マミ「借りることには借りたけど、私には借金が無いって意味だったの」


まどか「それって、つまり……誰かがマミさんの借金を肩代わりしてるってことですか？」


マミ「まぁ……そうなるわね」

マミ「でも、ローンカードなんて大切なものを落としたんだから……しょうがないわ」

マミ「因果応報ってやつよ」


まどか「・・・」

まどか（それだと、マミさんにも何か返ってくるような……）


マミ「どうしたの？ 鹿目さん」

マミ「何か分からないことでもあったかしら」


まどか「い、いえ……」

まどか「それよりマミさん、お仕事辞めちゃうんですか？」

まどか「借金もなくなちゃったし」


マミ「う～ん。それが悩みどこなのよね」

マミ「ホントは借金を返したらすぐにでも辞めるつもりだったんだけど」

マミ「なんか人気出ちゃって、辞めるに辞められなくなっちゃったし」

マミ「なんだかんだ私も結構楽しいし」

マミ「もうちょっとだけ続けてみようかな……なんて」

マミ「魔法少女の仕事もあるのにダメよね」


797 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/06(木) 00:41:55.20 ID:1icyru9V0


まどか「そんなことないですよ」

まどか「歌って踊れるアイドルってカッコいいですし」

まどか「先輩が人気アイドルだってみんなに自慢できますもん」

まどか「それに……ここで辞めちゃうだなんて、もったいないですよ」


マミ「そうよね」

マミ「少しだけ続けてみても……いいよね？」


まどか「はい！」


マミ「ふふ……ありがとう、鹿目さん」

マミ「でも、そしたら天気を心配しなきゃいけないわね」


まどか「天気？」


マミ「実は今度、大きな屋外イベントがあってね」

マミ「私にもそのオファーがきてるの」

マミ「でも、その日って予報だと雨みたいなの」

マミ「会場の関係で開催日は動かせないらしくて」

マミ「プロデューサーの人も大丈夫だとは言っていたけど」

マミ「やっぱり、雨が降っちゃうとね……」


まどか「雨……ですか」


マミ「ええ、こればっかりはどうしようもないわ」

マミ「ごめんなさい。鹿目さんに余計な心配をかけちゃったわね」


798 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/06(木) 00:45:21.23 ID:1icyru9V0


まどか「いえ、そんな……」

まどか「！」

まどか「そうだ、マミさん！」

まどか「アレ作ってきますよ！」


マミ「アレ……？」


まどか「はい！」

まどか「ちょうど、ぬいぐるみを作った時の余りの生地があるんで」

まどか「すぐにでも出来ます」


マミ「そういうことじゃなくて」

マミ「あなたの言ってるアレが……」


　　　　prrrr　　prrrr


まどか＆マミ「！」


799 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/06(木) 00:46:10.07 ID:1icyru9V0


マミ「電話？」


まどか「あ、わたしの携帯です」

まどか「さやかちゃんからみたいです」


マミ「美樹さんから？」

マミ「多分、見回りが終わったって連絡ね」

マミ「それより……」


まどか「マミさん！ 大変です！！」


マミ「どうしたの？ 鹿目さん」

マミ「美樹さんに何かあったの？」


まどか「何かよく分かんないですけど、ほむらちゃんが大変みたいで」

まどか「とにかく急いで！ って」


マミ「分かったわ。行きましょう」


まどか「はい！」






800 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/06(木) 00:51:04.35 ID:1icyru9V0


―某所　ステージ前―



　　　「おい、外の様子はどうだ？」


　　　「ダメっすね」

　　　「もう、小雨がチラついてる感じッス」


　　　「そうか……じゃあ、本降りになる前に準備を済ませておいてくれ」

　　　
　　　「了解ッス」



―某所　控室―



マミ「はぁ……」

マミ（結局、予報通りになったわね）

マミ（今日は大雨になるみたいだし、嫌になっちゃうわ）

　　
　　　コン　　コン
　　　　

マミ「はい！」


　　　　 ガチャ


　　「マミちゃん、そろそろスタンバイお願いできる？」


マミ「分かりました！」


　　「まだ時間はあるからそんなに慌てなくても大丈夫よ」

　　「じゃあ、お願いね」


　　　　ガタン　　


801 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/06(木) 00:52:21.71 ID:1icyru9V0


マミ「…」

マミ（そろそろ本番みたいね）

マミ（準備しなくちゃ）

マミ（バッグは……と）

マミ「！」

マミ（そういえば、持ってきてたわね……）

マミ（鹿目さんに渡された袋）

マミ（私が今日のことを話した何日か後になって渡されたんだっけ）

マミ（あの後、暁美さんのことがあって何を作るのか聞きそびれて）

マミ（中身も確認しなかったけど……一体何が入ってるのかしら？）

マミ「…」ｶﾞｻｺﾞｿ

マミ「これは……」


テルテルボーズ「…」


マミ「・・・」

マミ（……予想は出来たわね）

マミ（まぁ、彼女の好意を無にするわけにもいかないわ）

マミ（一応……使ってみましょ）



テルテルボーズを天に掲げた。



802 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/06(木) 00:54:33.30 ID:1icyru9V0


―某所　ステージ前―



　　　「！」

　　　「先輩！ アレ！！」


　　　「どうした？ そんなに慌てて」

　　　「何かいい事でもあったのか？」


　　　「いいから見てくださいよ！ 空」

　　　「スッゲェことになってんッスよ！！」　　　


　　　「空……？」

　　　「！」

　　　「これは！？」　


　　　「虹ッスよ！ 虹！！」

　　　「俺、こんなに近くで見たの初めてッスよ！」


　　　「虹に関心してる場合か！」

　　　「雨が止んだんだ、テントを回収しろ！」

　　　「他の奴らも呼んで！ 早く！！」


　　　「ウッス！！」



この出来事以来、マミはテルテルボーズの効果を信じるようになったという。


-終-


803 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga　sage]：2012/09/06(木) 01:02:13.97 ID:1icyru9V0
室内プレイの友、テルテルボーズです。無条件で太陽ゲージが得られる大変強力なアイテムですが、その効果ゆえに仕掛けが解けず、攻略不能になるダンジョンもありました

２日に１度の投下を心掛けてきましたが、リアルが忙しくなり、少々キツくなってきました。ローペースの更新になるでしょうが、最後までお付き合い頂ければと思います
804 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2012/09/06(木) 08:03:05.22 ID:e3w7FWDho
|
○
/ \
￣
805 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/09/06(木) 14:24:05.13 ID:+fQh8hv4o
乙です
十分楽しませてもらったし、辛くなったらHTML化しちゃってもいいのよ
806 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/06(木) 19:22:47.30 ID:fHVXzcuDO
乙
一旦ちゃんと終わらせたものを、ついでレベルでも続けてくれるだけで嬉しいんだぜ
書いてくれるならありがたく読む
807 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) [sage]：2012/09/07(金) 02:58:12.80 ID:oIzBzaU1o
おつおつ！
無理はしないで欲しいけどいつも楽しみにしてる
808 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]：2012/09/07(金) 17:40:59.09 ID:kJlwsejAO
グリーフシードを太陽で浄化とかそれでQBと協力とか
概念がダーク誕生させたとか
サバタが穢れ吸収とか話繋げるの上手すぎる
ジャンゴを呼び出した理由も良かったしこんな上手く出来てるSSなんて珍しいな

感動した乙
809 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]：2012/09/08(土) 22:57:18.94 ID:Ceve1RKGo
乙乙
サイドストーリーが蛇足になってなくておもしろいよ
810 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/09(日) 00:34:14.55 ID:zSPZ3RDu0


「パズル」


―マミの家―



さやか「う～ん」


ジャンゴ「…」ｶﾁｬ　ｶﾁｬ


さやか「こうかなー」


ジャンゴ「…」ｶﾞﾁｬﾝ


さやか「違うなぁ……」


ジャンゴ「…」ｼｭﾝ　ｶﾁｬﾘ


さやか「なら、これはどうだ！」


ジャンゴ「…」ｶﾞﾁｶﾞﾁ　ｶﾞﾁｬ


さやか「・・・」


ジャンゴ「…」ｶﾞﾁｶﾞﾁ　ｶﾞﾁｬ


さやか「ダメかぁー」


ジャンゴ「…」ｼｭﾝ　ｶﾞﾁｬ


さやか「…」


ジャンゴ「…」ｶﾞﾁｬﾘ　ｶﾁｬ


811 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/09(日) 00:36:38.18 ID:zSPZ3RDu0


さやか「あー！ もう！！」

さやか「分かるかってんだよ！」


ジャンゴ＆おてんこ「！」


さやか「……ごめん」

さやか「驚いたよね？」


おてんこ「……どうしたんだ？ 大声を上げて」

おてんこ「何か問題でもあったのか？」


さやか「う～ん。確かに問題ではあるけど」

さやか「そういう問題じゃないっていうか……」


ジャンゴ＆おてんこ「？」


さやか「まあ、見た方が早いよ」

さやか「はい」


おてんこ「これは……」

おてんこ「パズルか？」


ジャンゴ「…」


さやか「うん」

さやか「この三角形やら四角形のピースを使って、問題の図と同じ形を作るんだけど」

さやか「これがなかなか難しくて……」


812 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/09(日) 00:38:20.86 ID:zSPZ3RDu0


おてんこ「それで、解けずにイラついていたんだな」


さやか「…」


おてんこ「まぁ……そんなことはどうでもいい」

おてんこ「それより、どうしてそんなものを解こうと思ったんだ？」


さやか「それが……学校で最近パズルが流行ってて」

さやか「試しに自分でもやってみようかなって思ったんだ」


おてんこ「それで解けなかったと」


さやか「……あんた達もやってみれば分かるわよ」

さやか「結構難しいんだからね、これ」


おてんこ「いいのか？」

おてんこ「パズルには心得があるぞ」


さやか「いいよ、できるもんならやってみなよ」


おてんこ「そうか……」

おてんこ「ジャンゴ、行けるな？」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ


813 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/09(日) 00:40:46.17 ID:zSPZ3RDu0


　　　　カタ　カタ　カチャ


ジャンゴ「解けたよ、さやか」


さやか「えっ、嘘……」


おてんこ「確かに、図形の通りに並び替えられてるな」

おてんこ「さすがは太陽少年」


さやか「い、いくらなんでも早すぎでしょ！？」


ジャンゴ「実は、君達が話している間に解いていたんだ」

ジャンゴ「今のはその通りに並び替えただけだよ」


さやか「ほぁー」


おてんこ「言っただろ？ パズルは得意だって」


さやか「いいや、まだ問題は残ってるね」

さやか「本当に得意だって言うなら、全部解いて見せてよ」


おてんこ「……言ったな」

おてんこ「ジャンゴ、お前の本気を見せてやれ」


814 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/09(日) 00:43:03.40 ID:zSPZ3RDu0


ジャンゴ「…」


さやか「本当に全部解いちゃったよ……」


おてんこ「記録は……４分か」

おてんこ「お前の腕ならもう少し早くても良かったんじゃないか？」


ジャンゴ「…」


さやか「あんた達、何者？」

さやか「どうしてこんなに早く解けるのさ」


おてんこ「我々の場合、パズルが解けなければ死活問題だからな」


さやか「死活問題？」


おてんこ「まぁ、なんだ……その」

おてんこ「面倒くさいパズルを用意している連中を相手にしなければならないからな」


さやか「パズルを用意している……？」

さやか「あんたの知り合いにパズル好きでもいるのわけ？」


815 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/09(日) 00:45:20.32 ID:zSPZ3RDu0


おてんこ「そんなところだな」

おてんこ（アンデットにそんな知能は無いと思うが、そういうことにしておこう）


ジャンゴ「…」


さやか「へぇー、そいつはどんな問題を出してくんの？」


おてんこ「そうだな……ブロックの並び替えから、算術、論述問題まで」

おてんこ「一通りは揃っていたんじゃないか？」


さやか「そうなんだ」

さやか「じゃ、あたしが何か問題出しても答えられるってこと？」


おてんこ「恐らくはな」


さやか「なら、ちょうどいいや」

さやか「家に断念したパズルがいっぱいあるんだ」

さやか「今度持ってくるから、解いてくれない？」


ジャンゴ＆おてんこ「・・・」


816 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/09(日) 00:48:08.92 ID:zSPZ3RDu0


＜数日後＞



　　　ピンポーン


ジャンゴ「…」ｽﾀｽﾀ


　　　　ガチャ　　　


さやか「こんちは！」

さやか「……って、マミさんは？」


おてんこ「ちょうど買い出しに出かけたところだ」

おてんこ「そっちこそ、まどかと一緒じゃないのか？」


さやか「今日は来ないって」

さやか「野菜が何とか言ってたけど、良く分からない」


おてんこ「……そうか」

おてんこ「まぁ、上がれ」

おてんこ「お前ならマミも文句は言わんだろう」


さやか「お邪魔します」


817 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/09(日) 00:51:01.06 ID:zSPZ3RDu0


おてんこ「ほら、このクッションを使え」


ジャンゴ「…」ｽｯ


さやか「どうも」

さやか「よっ……と」ﾎﾞｽｯ


おてんこ「さて、我々は向こうで武器の点検をしている」

おてんこ「用があったら呼んでくれ」


さやか「あ、待って！」


ジャンゴ「？」


おてんこ「どうしたんだ？」


さやか「今日はあんた達にも用があったんだ」


おてんこ「用？」


さやか「そ、この前話したでしょ？ 家にパズルがあるって」

さやか「今日はそれを持ってきたから、解いてほしいわけよ」


おてんこ「そういえば、そんなことを言っていたな」

おてんこ「……よし、いいだろう。引き受けてやろう」

おてんこ「異存は無いな？ 太陽少年」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ


818 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/09(日) 00:54:12.43 ID:zSPZ3RDu0


さやか「じゃあ、まずはこれ！」


おてんこ「何だ？ その色がついたブロックは」


さやか「ルービックキューブだよ」


おてんこ「……ルービックキューブ」

おてんこ「知ってるか？ ジャンゴ」


ジャンゴ「…」ﾌﾙﾌﾙ


さやか「まぁ、ただのパズルだよ」

さやか「１つの面に９つのマス目があるでしょ？」

さやか「それを全部同じ色にそろえるだけだよ」


おてんこ「ほう……しかし、どうやってそのマスを動かすんだ？」


さやか「それは……」

さやか「こうやって」ｶﾀ

さやか「こうすれば」ｶﾀ

さやか「縦と横に回るんだ」

さやか「これを何度も繰り返して色をそろえるんだけど」

さやか「それができなくて……」


おてんこ「了解した。ジャンゴ」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ


さやか「はいよ」ｽｯ


ジャンゴ「ありがとう」

ジャンゴ「…」ｶﾀ　ｶﾀ


819 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/09(日) 00:56:15.63 ID:zSPZ3RDu0


ジャンゴ「…」ｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀ

ジャンゴ「…」ｺﾄｯ


おてんこ「お、出来たみたいだな」

おてんこ「記録は……７分か」


さやか「……マジで」


おてんこ「初めてにしてはまぁまぁのタイムだと思うが……」

おてんこ「どう思う？ さやか」


さやか「充分早いって！」

さやか「あたしなんか３日粘ってもできなかったのに」


おてんこ「そうなのか」

おてんこ「じゃあ、用も済んだことだし」

おてんこ「我々はこれで……」


さやか「待って！」


おてんこ「まだ何かあるのか？」


さやか「まだ他にもパズルは残ってるんだ」

さやか「最後まで付き合ってもらうよ」


ジャンゴ＆おてんこ「・・・」


さやか「次はこれ、数独」

さやか「これはね……」


820 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/09(日) 00:59:20.37 ID:zSPZ3RDu0


ジャンゴ「…」ｺﾄｯ


さやか「・・・」


おてんこ「これで……最後だな？」


さやか「う、うん」

さやか「まさか本当に全部解いちゃうなんてね」

さやか「結構、難しいのもあったはずなのに」

さやか「あんたらの知り合いって、具体的にどんなパズルを出してくるのさ？」


おてんこ「ふむ。今までに出会ったパズルか」

おてんこ「殆どがブロックの移動だったが……」

おてんこ「！」

おてんこ「そうだ！ アレがあった」

おてんこ「最後の最後に我々の前に立ちふさがったあの問題が」


さやか「？」


821 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/09(日) 01:01:02.93 ID:zSPZ3RDu0


おてんこ「ひとつ、私から問題を出してやろう」

おてんこ「これは我々も出題され、手を焼いた問題だ」


さやか「あんた達が手こずるような問題を出すなんて……」

さやか「あたしに答えられるわけないじゃない！？」


おてんこ「大丈夫だ」

おてんこ「仕組みさえ分かればそこまで難しくない」

おてんこ「それこそ、子供にだって解ける問題だ」


さやか「そう……なの？」


おてんこ「ああ」

おてんこ「しかし、間違った見方をするとは何時まで経っても解けないから注意してくれ」


さやか「お、おう」


おてんこ「さぁ、行くぞ」


822 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/09(日) 01:03:13.99 ID:zSPZ3RDu0



　　　　橙橙橙橙　　　　　　黒黒黒黒
　　　黒　　　　　緑　　　緑　　　　　　紫
　　　黒　　　　　緑　　　緑　　　　　　紫
　　　黒　　　　　緑　　　緑　　　　　　紫
　　　黒　　　　　緑　　　緑　　　　　　紫
　　　　紫紫紫紫　　　　　　橙橙橙橙
　　　黄　　　　　黒　　　赤　　　　　　緑
　　　黄　　　　　黒　　　赤　　　　　　緑
　　　黄　　　　　黒　　　赤　　　　　　緑
　　　黄　　　　　黒　　　赤　　　　　　緑
　　　　橙橙橙橙　　　　　　橙橙橙橙



　 レッド　　＋　 ブルー　　＋　 イエロー　　→　　ブラック

　イエロー　 ＋　 ブルー　　　　　　　　　　 →　　グリーン

　 レッド　　＋　イエロー　　　　　　　　　　→　　オレンジ

　 レッド　　＋　 ブルー　　　　　　　　　　 →　　パープル



〔レッド〕の数、〔イエロー〕の数、そして〔ブルー〕の数を順に答えよ。



823 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/09(日) 01:04:57.03 ID:zSPZ3RDu0


さやか「・・・」

さやか「何……これ？」


おてんこ「どうだ、解けそうか？」


さやか「全然分からない……」

さやか「こんな問題出すなんて」

さやか「あんたの知り合いって、よっぽどの偏屈なんだね」


おてんこ「……さあな」

おてんこ「ひょっとすると、そうなのかもしれないな」


ジャンゴ「…」


さやか「答えは？」


おてんこ「少しは自分で考えてみろ」


さやか「えー」


おてんこ「そうでなければ、問題を出した意味がないだろ？」


さやか「はいはい、分かりました」

さやか「自分で解きますよ」



その後、彼女が自力で解けたかどうかは定かではない。


-終-


824 ： ◆pOKsi7gf8c [saga !orz_res]：2012/09/09(日) 01:06:36.01 ID:zSPZ3RDu0
答え　　　

赤：52　黄：05　青：47


解説

求められているレッド、イエロー、ブルーの数とは文字の数ではない
この図形全体がデジタル数字の８でを模したものあり、答えるべき数はレッド、イエロー、ブルーで作られたデジタル数字の事である

しかし、実際の図形に書かれているレッド、イエロー、ブルーを辿っても数字にはならない

そこで下の表に注目する
この表は色の合成方法を現したもの、つまり……レッド、イエロー、ブルーが２色以上被った場合に用いられる色を示したものである
表を使えば、緑は青と黄、橙は赤と黄、紫は青と赤のそれぞれ２色に分解でき、黒は赤、黄、青の３色に分解できる

全ての色をレッド、イエロー、ブルーの３色で現して、それぞれを辿れば、対応するデジタル数字が得られる
825 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga sage]：2012/09/09(日) 01:21:27.66 ID:zSPZ3RDu0
ボクタイと言えばパズルですが、文章だけでパズルを作成できるほど作者の能力は優れていないので泣く泣く本編への導入は断念、何とか小ネタに突っ込むことにしました

このゲーム、小学生向けと銘打っておきながらパズルの難易度はかなり高かったと思います（特に初代）
元ネタになった暗黒城のアレですが、高校の時にやり直したら軽く詰みました。当時小学生の自分は、攻略本なし、ネットなし、ボクタイやっている友達なし、という状況でどうやって解いたのか、不思議でなりません

wikiについて相談なんですが、ロックマン勢をどうしようか迷っています
載せるなら載せるで良いんですが、何分エクゼは未プレイなので解説が書けないんです
出来ることなら、有志の方に追記をお願いしたいのですが……どうですかね？
826 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]：2012/09/09(日) 01:25:39.02 ID:cbxIa4wJo
乙
あれ無理げだったよなぁ…？泣く泣く積んだ記憶があるわ…
827 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/09/09(日) 03:22:48.09 ID:VqHsIJ0no
乙
アレは難しいがうろちょろしてるとサバ兄が開けてくれるぜ
828 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/09(日) 08:13:52.47 ID:3GS6o3Wx0
乙
パズルじゃないですけどゾクタイの獅子像破壊や賢者のカード集めは攻略本なしではクリアできなかった・…
829 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]：2012/09/09(日) 09:50:45.12 ID:eBlyHOnAO
氷ブロックは毎度詰んだ思い出
830 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/09(日) 10:32:34.33 ID:YBdlwDlDO
乙
暗黒城の氷ブロック2周目で詰んだわ…
なんでだろうね、もう一度やり直した時一回目どうやって解いたかさっぱり忘れてるのｗｗ


エグゼパートの追記なら任せろーﾊﾞﾘﾊﾞﾘ
831 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/09(日) 12:17:38.15 ID:Mh1D9pJLo
乙

大地の塔のあのパスワードといったらもう……
832 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) ：2012/09/09(日) 14:43:39.50 ID:641jPbmj0
なつかしいな、パズル
俺もわかんなくて攻略ページをみてやったなあ・・・
833 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/11(火) 00:25:43.29 ID:UqYRDOCh0


「武器開発」


―サン・ミゲル　武器屋―



ジャンゴ「…」


シャイアン「おう」

シャイアン「よく来たな、ジャンゴ」

シャイアン「何か用か？」


おてんこ「この前の冒険で武器を失くしてしまったからな」

おてんこ「新しい物を買いに来た」

おてんこ「運良く、依頼の報酬も余っているしな」


シャイアン「そうか……それは良かった」

シャイアン「丁度、私も新しいタイプの武器の開発をしていたんだ」

シャイアン「できればお前にその使い心地を試して欲しい」


834 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/11(火) 00:26:41.86 ID:UqYRDOCh0


シャイアン「もちろん、金は取らない」

シャイアン「気に入った物があれば持って行ってくれて構わない」

シャイアン「どうだ？ 悪い話ではないだろ」


おてんこ「ふむ。新しい武器のテスターか」

おてんこ「引き受けるか？ ジャンゴ」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ


シャイアン「おお！ そいつはありがたい」

シャイアン「なら、そこで少し待っていてくれないか？」

シャイアン「奥からブツを持ってくるんでな」


ジャンゴ「…」


おてんこ「新しいタイプの武器か……」

おてんこ「一体、どんなものが出てくるんだろうな？」


835 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/11(火) 00:30:12.63 ID:UqYRDOCh0


シャイアン「待たせたな」

シャイアン「これだ」ｶﾞﾝｯ


おてんこ「……大鎌か」

おてんこ「これがその新しいタイプの武器なのか？」


シャイアン「そうだ」

シャイアン「重量のある攻撃で敵を怯ませ、先端の刃で切り裂くこともできる」

シャイアン「少々扱いにくいかもしれないが、振り下ろしの破壊力はバツグンなはずだ」

シャイアン「是非とも感想を聞かせてくれ」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ

ジャンゴ「…」ｼﾞｬｷ


おてんこ「よし、早速試してみよう」

おてんこ「場所はどうするか……出来るだけ近いところがいいな」


836 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/11(火) 00:31:46.57 ID:UqYRDOCh0


シャイアン「それなら地下墓地を使うといい」

シャイアン「街を徘徊していたアンデットは皆あそこに閉じ込めたからな」

シャイアン「本当は全て倒さなければならないのだが、そこまでの余力は無かった」

シャイアン「武器の調子を見るついでに倒してくれるとありがたい」


おてんこ「任せておけ」


シャイアン「これが入り口の鍵だ」ｽｯ


ジャンゴ「…」ｻｯ


シャイアン「中に入ったらちゃんと鍵を閉めてくれよ」

シャイアン「鍵をかけ忘れて、街にアンデットが侵入したら一大事だからな」


おてんこ「ああ……分かっている」

おてんこ「行くぞ！ 太陽少年」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ


837 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/11(火) 00:33:29.82 ID:UqYRDOCh0


＜数十分後＞



ジャンゴ「…」


シャイアン「お、帰ってきたか」

シャイアン「武器は調子はどうだ。役に立ったか？」


ジャンゴ「・・・」


おてんこ「お世辞にも……良い武器とは言えなかったな」

おてんこ「確かに振り下ろしでの攻撃は強力だが……」



　　　　ｸﾎﾟ…ｸﾎﾟ…


　　　『よし、今だ！』


　　　『…』ｽｩｰｰｰ

　　　『…っ！』ﾌﾞﾝｯ


　　　　　カンッ


　　　『！？』

　　　
　　　　ｸﾎﾟッ!?
　

　　　『なっ！？ 天井に引っかかっただと……』　


　　　　ｸﾎﾟｫｰｰｰ!!


　　　『不味い！ 気づかれた！！』



おてんこ「鎌の刃が大きすぎて、狭いとこでは満足に使えん」

おてんこ「物陰で戦うことが多いこいつとは相性が良くない」


838 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/11(火) 00:35:52.58 ID:UqYRDOCh0


シャイアン「そうか」


おてんこ「そういうわけで、こいつは返しておく」


ジャンゴ「…」ｽｯ


シャイアン「ふむ……使えると思ったのだが」ｺﾄｯ

シャイアン「そう上手くはいかないな」

シャイアン「さて、気を取り直して次に行くか」


ジャンゴ「？」


おてんこ「次があるのか？」


シャイアン「ああ、色々作ったからな」

シャイアン「こいつはただの様子見だ」　　　　

シャイアン「それとも……もう嫌になったか？」


ジャンゴ「…」ﾌﾙﾌﾙ


シャイアン「そうこなくてはな」

シャイアン「少し待っていてくれ、奥から取ってくる」


839 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/11(火) 00:37:37.35 ID:UqYRDOCh0


シャイアン「これだ」ｶﾞﾀｯ


おてんこ「これは……何だ？」


シャイアン「カギ爪だ」


おてんこ「カギ爪？」


シャイアン「拳に装着して格闘での戦闘力を上げるものだ」

シャイアン「徒手空拳での身軽さをそのままに、先端のカギ爪で敵を切り裂くことができる」

シャイアン「この大きさなら通路で邪魔になることもない」

シャイアン「むしろ、狭所での戦闘でその真価を発揮するはずだ」


おてんこ「なかなか良さそうな武器だな」

おてんこ「誰のおかげか知らないが……こいつはそれなりに格闘戦が得意だしな」

おてんこ「扱いにはすぐに慣れるだろう」

おてんこ「さて……行くか、太陽少年」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ

ジャンゴ「…」ｶﾁｬ　ｶﾁｬ


840 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/11(火) 00:39:06.10 ID:UqYRDOCh0


＜数十分後＞



ジャンゴ「…」


シャイアン「今度はどうだ？」

シャイアン「大分マシだっただろう」


おてんこ「ふむ……」

おてんこ「確かに、近距離での戦闘においては絶大な効果を発揮したが」



　　　　　…ﾒﾘ…ﾒﾘ


　　　　『…』ｺﾝ　ｺﾝ
　　　
　　　　
　　　　　　ﾒﾘｯ!?


　　　　『…』


　　　　　　……ﾒﾘ？　　　　

　　
　　　　『…っ』ｼｭｯ　ｻﾞｸｯ　


　　　　　ﾒｷﾞｯ! ﾒｷﾞｬ!


　　　　『…！』ｽﾞｼｬｯ


　　　　　ﾐｷﾞｬｧｧｱｱｱｱ!!!　　


　　　　　　ドカンッ　　　　　


　　　　ﾒﾘｯ!?　　
　　　　　　　　　　ﾒﾘｯ!?
　

　　　　『気付かれたか』

　　　　『ジャンゴ、太陽銃で応戦だ！』


　　　　『…』ｼｭﾝ　ｶﾞｼｬﾝ


　　　　『・・・』　



おてんこ「太陽銃が持てん」

おてんこ「これでは太陽少年が形無しだ」


841 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/11(火) 00:41:23.07 ID:UqYRDOCh0


シャイアン「なら、太陽銃を呼び出す前にカギ爪を転送すれば良いのではいないか」

シャイアン「お前は使えるのだろう？」

シャイアン「あのサバタが使っていた……月光魔法ゼロシフトを」


おてんこ「こいつは親父の…リンゴの血を色濃く受け継いでいる」

おてんこ「太陽仔の力を存分に使えるが、その分……月の血は薄い」

おてんこ「ゼロシフトを使えることには使えるが、サバタの様にその魔法の力全てを引き出すことは出来ない」

おてんこ「精々、手に持ったアイテムを転送するのが限界だ」

おてんこ「このカギ爪のように腕に装着するタイプの武器を転送することは不可能だ」


シャイアン「そうだったのか」


おてんこ「まぁ……こいつの戦闘スタイルに合わなかっただけで」

おてんこ「この武器自体はなかなかに強力だったぞ」

おてんこ「格闘戦に秀でた者、それこそ……リタのような者が装備すれば」

おてんこ「鬼の様な強さになるだろうな」


シャイアン「そうか、参考にさせてもらう」


842 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/11(火) 00:42:39.37 ID:UqYRDOCh0


おてんこ「と、いうことで……これは返す」


ジャンゴ「…」ｶﾁｬ　ｶﾁｬ　ｺﾄｯ


シャイアン「う～む。これもダメか……」

シャイアン「ならば、アレを出すしかなさそうだな」


ジャンゴ「？」


シャイアン「私の一番の自信作」

シャイアン「言わば本命というやつだ」


おてんこ「……本命か」


シャイアン「正直、今までのはそこまで期待はしていなかった」

シャイアン「しかし、こいつは違う」

シャイアン「きっとお前達も満足してくれるだろう」


おてんこ「よし、持ってきてくれ」


843 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/11(火) 00:46:00.55 ID:UqYRDOCh0


シャイアン「これだ」ｼﾞｬｷ


おてんこ「それはドリル……なのか？」


シャイアン「ああ……そうだ」

シャイアン「以前、お前にバイクに取りつけるドリルを作ったことがあたったろ？」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ


シャイアン「アレの出来具合を見て、ドリルは強大な破壊力を持っていると確信したのだ」

シャイアン「そして……何とかそれを手持ちの武器に応用できないかと試案した」

シャイアン「そこで、スミスと棺桶屋に協力を得て完成したのがコレ……」

シャイアン「ハンディドリルだ」


ジャンゴ＆おてんこ「・・・」


シャイアン「動力は棺桶バイクに使われている太陽エンジンを小型化したものらしい」

シャイアン「詳しい事は私にも良く分からないが」

シャイアン「エナジーを流し込めば勝手にエンジンがかかるらしい」

シャイアン「ほら、やってみろ」ｻｯ


ジャンゴ「…」ｼﾞｬｷ　ﾌﾞﾛﾛﾛ


シャイアン「ふむ。問題ないみたいだな」

シャイアン「後は手元のスイッチを入れればドリルが回転し始めるはずだ」

シャイアン「ただし、回転している間はエナジーを消費し続けるから、エナジーの残量には気を付けるんだぞ」

シャイアン「早速、使ってみて感想を聞かせてくれ！」


おてんこ「……行くか、ジャンゴ」


ジャンゴ「…」ﾌﾞﾛﾛﾛ


844 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/11(火) 00:51:35.02 ID:UqYRDOCh0


＜数十分後＞



ジャンゴ「…」


シャイアン「どうだ？ そいつの感触は」

シャイアン「なかなかのモノだっただろ？」


おてんこ「ああ」

おてんこ「狭い場所でも取り回しは問題なく、ゼロシフトでの転送も可能」

おてんこ「そして、破壊力は太陽銃の比ではない」

おてんこ「新しい武器としては非の打ちどころがないぐらいだ」

おてんこ「だだ……」



　　　　　ｸﾎﾟ…ｸﾎﾟ…
　

　　　　　『…』ｳｨｰｰｰﾝ


　　　　　ｸﾎﾟ…ｸﾎﾟｫｫｧｧグチャァ　
　　　

　　　　　ビチャグチャギチャ　　　　


　　　　　『…』ﾋｭｩｰｰﾝ　ｶﾞﾀﾝ

　　　　　
　　　　　『・・・』



おてんこ「使っているこっちの気が滅入る」


845 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/11(火) 00:52:44.36 ID:UqYRDOCh0


シャイアン「どういう意味だ？」


おてんこ「いくら、アンデットが石化消滅するとはいえ」

おてんこ「奴らが消滅する前に原型を留めないまでに破壊してしまうのはさすがに……」


シャイアン「そうか……」

シャイアン「破壊力だけ追及しても良くないのだな」

シャイアン「それで……そのドリルはどうする？」

シャイアン「お前達が使わないと言うなら、私の方で処分するが」


おてんこ「捨ててしまうのは少しもったいないな……」

おてんこ「よし、貰っておこう」

おてんこ「置物やトラップを破壊するのには丁度いいからな」


シャイアン「済まないな。今回は力になれなかった」

シャイアン「次こそはもっと実用的な武器を開発してみせる」


おてんこ「次……があるのか？」


シャイアン「もちろんだ」


ジャンゴ＆おてんこ「・・・」



数ヶ月後、地下墓地から魔物が姿を消した。


-終-


846 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/11(火) 01:02:30.71 ID:8Of3SWyDO
乙
なまもの相手にドリルはグロいねｗｗ
847 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga　sage]：2012/09/11(火) 01:09:58.56 ID:UqYRDOCh0
見ての通りの武器ネタです。大鎌はＤＳサバタから、カギ爪はこのスレでも話題が上がったおりマギのキリカから、ドリルはバイクウェポンのクラッシャーから持ってきました

余談ですが、剣、槍、鎚、銃とジャンゴが１人で基本的な武器を全部使え、その全てが本編組の魔法少女の武器と被っていたのもこのＳＳを始めたきっかけです。シンボクで剣以外の装備（特に素手）が使えなくなってしまって残念です


※途中、モンスターが死んで爆発するような場面がありますが、誤植ではありません。
アレは倒すと爆発するモンスターです
848 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]：2012/09/11(火) 13:18:00.01 ID:1xf/DiKDo
乙
なんかボクが可愛く見えてきたｗｗ
849 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/11(火) 18:21:44.40 ID:DNBI9Fqa0
マミーは犠牲になったのだ…
燃費が良くて攻撃翌力が高いクラッシャーは男のロマン
850 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2012/09/11(火) 19:34:48.80 ID:zBwel0/So
DS版は何故マミーが出てこないんだ…
851 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/11(火) 21:18:50.92 ID:nwDxnsemo
ああ、爆発でどのモンスターかと思ったらマミーか
爆発といえば、ゲロボクと夢幻街トラップの悪夢が……

乙
852 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/09/14(金) 00:26:33.44 ID:ATvCw4bN0
>>850
　マミーのリストラは壁叩きギミックの消滅が一番の原因かと……
　個人的に背後に回りずらい上に、倒すと巻き添えを食らったりするので苦手な敵でしたが、他のゲームには無い面白い敵だと思います
853 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/14(金) 00:28:27.00 ID:ATvCw4bN0


「今日の夕飯」


―ほむらの家　リビング―



ほむら「はい、これが今日の夕飯よ」ｺﾄｯ


ジャンゴ＆おてんこ「・・・」


ほむら「どうしたの？ 黙り込んで」

ほむら「何か言いたいことでもあるのかしら？」


おてんこ「いや、居候している身で難なのだが……」

おてんこ「もう少しマシな飯は無いのか？」

おてんこ「毎日毎日、栄養剤みたいな飯では気が滅入ってしまう」


ほむら「これでも必要な栄養は十分取れるわ」

ほむら「余計なものを食べるよりも、効率的だと思うけど」


854 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/14(金) 00:30:10.35 ID:ATvCw4bN0


おてんこ「そういう問題では無いのだ」

おてんこ「食べるということは生きることそのものであってな」

おてんこ「それ次第では出来ることも出来なくなってしまうぞ？」


ほむら「……分かったわ」

ほむら「冷蔵庫の中身は自由に使っていいから」

ほむら「何でも作って勝手に食べてなさい」


おてんこ「済まない……恩に着る」

おてんこ「行くぞ、ジャンゴ」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ


855 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/14(金) 00:31:54.03 ID:ATvCw4bN0


―ほむらの家　キッチン―



おてんこ「冷蔵庫は………これだな」

おてんこ「開けてみろ」


ジャンゴ「…」ｶﾞﾀ


おてんこ「どれどれ、中身は」

おてんこ「・・・」

おてんこ「ダメだな……これは」


ジャンゴ「？」


おてんこ「見てみろ」

おてんこ「栄養ドリンクにゼリー状の栄養剤、さらにはカロリーメイトとかいう保存食しかない」


ジャンゴ「…」


おてんこ「これでは調理どころではないな」

おてんこ「こうなったら、何処かで食材を調達するしかあるまい」

おてんこ「外へ出るぞ、ジャンゴ」


856 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/14(金) 00:33:35.20 ID:ATvCw4bN0


―ほむらの家　リビング―



ほむら「あら、もう終わったの？」


おてんこ「いや、まともに調理できるものがなかったのでな」

おてんこ「食糧調達だ」


ほむら「そう」


おてんこ「では、行ってくる」


ジャンゴ「…」ｽﾀｽﾀ


ほむら「ちょっと待ちなさい」

ほむら「お金は……」


　　　　バタン


ほむら「…」



　　　「おい！ 出てこい」
　　　

　　　「やぁ、何の……」


　　　「今だ！ 撃て！！」


　　　　　ﾃｭﾝ　　ﾄﾞｻｯ


　　　「よし、後は食えそうなのを……」


　　　　　ｶﾞｻｶﾞｻ　ｶﾞｻｶﾞｻ　　　　



ほむら「・・・」


857 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/14(金) 00:35:29.56 ID:ATvCw4bN0


　　　　ガチャ


おてんこ「ふむ。意外と獲れたな」

おてんこ「早速、調理してみよう」


ほむら「……待ちなさい」


おてんこ「ん？ お前も食べたいのか」
　

ほむら「違うわ」

ほむら「それより、彼が持っているのは……何？」


ジャンゴ「…」


おてんこ「野草と新鮮な肉だ」

おてんこ「見てくれは良くないが、調理すればそれなりにいけるはずだぞ？」


ほむら「……そういう問題じゃないわ」

ほむら「私の家のキッチンで変なもの調理しないでちょうだい」


おてんこ「変なものではない。れっきとした食材だ」

おてんこ「旅の途中で食料が尽きたとき、どんなに重宝したことか……」


ほむら「そんなことはどうでもいいわ」

ほむら「とにかく、私の家のキッチンで雑草なんか調理しないで」


858 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/14(金) 00:36:56.44 ID:ATvCw4bN0


おてんこ「なら、どうすればいいんだ？」

おてんこ「冷蔵庫には使えそうなものは何１つ入っていなかったぞ」


ほむら「……仕方ないわね」

ほむら「待っていなさい。出かける準備をするから」


おてんこ「準備？ 出かけるのか」


ほむら「ええ、買い出しに行くのよ」


おてんこ「買い出しか……その手があったな」

おてんこ「よし、行くぞ！ ジャンゴ」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ


ほむら「私も行くわ」


おてんこ「買い出しぐらいなら我々だけで十分だ」

おてんこ「お前まで付いてくる必要はないぞ」


ほむら「いいえ、私も付いていくわ」

ほむら「貴方達に任せたら何を買ってくるか分かったものじゃないから」


859 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/14(金) 00:38:06.79 ID:ATvCw4bN0


おてんこ「失礼な！？」

おてんこ「買い出しぐらい我々でも出来る！」


ほむら「いい？ 買いに行くのは貴方達でも、貴方達が使うのは私のお金なの」

ほむら「自分のお金でおかしなモノが買われるかもしれないなんて嫌でしょ？」

ほむら「だから、私が見張りに行くの」


ジャンゴ「…」


おてんこ「信用問題に関わることだが……致し方あるまい」

おてんこ「我々は先に外で待っていよう」

おてんこ「準備が出来たら、そのまま外へ出てきてくれ」


ほむら「分かったわ」


おてんこ「よし、ジャンゴ」

おてんこ「バイクの準備だ！」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ


860 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/14(金) 00:39:46.56 ID:ATvCw4bN0


＜一時間後＞



おてんこ「帰ってきたな」


ほむら「ええ」

ほむら「私はキッチンで準備をしているわ」

ほむら「袋をこっちへ持ってきてくれないかしら」


ジャンゴ「？」


ほむら「何をボーっとしているの？」

ほむら「ちゃんとしたご飯を食べたいんじゃなかったの」


おてんこ「いや……別にこれ以上付き合わなくてもいいんだぞ？」

おてんこ「後は我々だけで大丈夫だ」


ほむら「どうかしら？」

ほむら「雑草を料理しようとした人なんて信用ならないわ」


おてんこ「・・・」

おてんこ「……分かった」

おてんこ「ジャンゴ、彼女の指示に従うんだ」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ


ほむら「じゃあ、袋の中身を全部冷蔵庫の中に移してちょうだい」


861 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/14(金) 00:42:42.78 ID:ATvCw4bN0


―ほむらの家　キッチン―



ジャンゴ「…」ｶﾞﾀ

ジャンゴ「…」ｺﾄｯ ｺﾄッ

ジャンゴ「…」ﾊﾞﾀﾝ


おてんこ「これで全部だな」

おてんこ「おい！ 言われた通り……」

おてんこ「その恰好は何だ？」


ほむら「エプロンよ。見てわからないかしら？」


おてんこ「そういうことを聞いているのでは無い」

おてんこ「何故、その恰好をしているかを聞いているのだ」


ほむら「何故って……料理をするからに決まってるじゃない」


ジャンゴ＆おてんこ「？」


862 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/14(金) 00:43:34.66 ID:ATvCw4bN0


ほむら「どうしたの、そんな顔して」

ほむら「何かおかしな事を言ったかしら？」


おてんこ「お前も……料理をするのか？」


ほむら「ええ、でなければこんな恰好はしないわ」


おてんこ「まさか、さっきのは……」

おてんこ「我々を監視するのではなく、お前も手伝うという意味だったのか？」


ほむら「その通りよ」

ほむら「何か文句でもあるのかしら？」


ジャンゴ＆おてんこ「…」


ほむら「さぁ、始めるわよ」


863 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/14(金) 00:47:33.76 ID:ATvCw4bN0


おてんこ「で、何を作るんだ？」

おてんこ「買い物だってお前が勝手に済ませていたからな」

おてんこ「最初から自分で作るつもりだったんだろ？」


ほむら「焼き魚に味噌汁よ」


ジャンゴ「？」


おてんこ「何だそれは？」


ほむら「見ればわかるわ」

ほむら「とにかく、貴方達は私の言うとおりに動きなさい」


おてんこ「……分かった」

おてんこ「何をすればいい？」


ほむら「まずは、この魚を捌いてくれないかしら」

ほむら「私は味噌汁の出汁を取るから」ｶﾁﾁ　ボッ


おてんこ「了解した」

おてんこ「ジャンゴ、任せたぞ」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ　ｼｭﾝ

ジャンゴ「…」ｼﾞｬｷ


ほむら「！」


864 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/14(金) 00:50:06.84 ID:ATvCw4bN0


ほむら「何しているの！？」

ほむら「止めなさい！」


ジャンゴ「？」


おてんこ「どうしたのだ？ 大声を出して」


ほむら「それはこっちの台詞よ！」

ほむら「何で剣なんか出してるのよ！？」


おてんこ「何をおかしなことを言っている」

おてんこ「剣がなければ捌けないだろ？」

おてんこ「確かに切れ味は鈍るが……また鍛え直せばいいしな」


ほむら「包丁を使いなさい！ 包丁を！！」


おてんこ「しかし……こちらの方が使い慣れているし」

おてんこ「何より包丁など使ったとこもない」


865 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/14(金) 00:51:08.07 ID:ATvCw4bN0


ほむら「……もういいわ。私がやる」

ほむら「貴方達はお米をといでちょうだい」


おてんこ「とぐ……？」

おてんこ「残念ながら砥石は持ち合わせていないぞ」

おてんこ「それとも、貸してくれるのか？」


ほむら「・・・」

ほむら「もう、何もしなくていいから」

ほむら「そこで黙って見ていなさい」


おてんこ「しかし……」


ほむら「いいから！」


ジャンゴ＆おてんこ「…」


866 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/14(金) 00:52:29.26 ID:ATvCw4bN0


ほむら「…」


おてんこ「ん？ 手が止まっているぞ」

おてんこ「さっきの米とぎはスムーズにいっていたのに……どうしたんだ？」


ほむら「手順を……確認しているだけよ」


おてんこ「……そうか」

おてんこ「手順があやふやなようなら、我々が捌いてやろうか？」

おてんこ「これでも解体は得意なんだ」


ほむら「いいえ……」

ほむら「それには及ばないわ」ﾄﾞﾝｯ


ジャンゴ＆おてんこ「！」


おてんこ（い、いきなり頭を切り落とすとは……）

おてんこ「鱗は……剥がなくていいのか？」


ほむら「う、鱗はこれから」

ほむら「……やるのよ」

ほむら「…」


ジャンゴ＆おてんこ「・・・」


867 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/14(金) 00:55:58.61 ID:ATvCw4bN0


ジャンゴ「……おてんこさま」


おてんこ「ああ、分かってるぞ。 ジャンゴ」

おてんこ「鱗の剥ぎ方を確認したいんだろ？」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ


おてんこ「丁度、私も気になっていたところだ。奇遇だな」

おてんこ「いいか？ 良く聞け」

おてんこ「魚に付いているような鱗は何か固いもので擦れば剥がれるぞ」


ほむら「・・・」


ジャンゴ「…」ﾁﾗｯ

ジャンゴ「…」ﾌﾙﾌﾙ


おてんこ「…」ｺｸﾘ

おてんこ「包丁ならどうするかを教えろ？」

おてんこ「ふむ。私も包丁は使ったことがないから詳しくは分からんが……」

おてんこ「あの刃のついてない部分なんか良いのではないか？」


ほむら「…」ｺﾞﾘ　ｺﾞﾘ


ジャンゴ「…」ﾁﾗｯ

ジャンゴ「ありがとう、おてんこさま」


おてんこ「気にするな、太陽少年」

おてんこ「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」

おてんこ「質問するのは良いことだぞ！」


868 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/14(金) 00:59:26.15 ID:ATvCw4bN0


ほむら「…」ｺﾞﾘｺﾞﾘ　ｺﾞﾘｺﾞﾘ

ほむら「よし、これで……」


おてんこ「……焼くのか？」


ほむら「下準備は……終わったわ」


ジャンゴ＆おてんこ「…」ﾁﾗｯ

ジャンゴ＆おてんこ「…」ｺｸ


おてんこ「なぁ、ジャンゴ」

おてんこ「初めて魚を調理した時を覚えているか？」


ジャンゴ「…」ﾌﾙﾌﾙ


おてんこ「何？ 覚えていないだと」

おてんこ「まぁ、忘れたくなる気持ちも良く分かる」

おてんこ「内臓を残したまま焼いて苦い部分が出来たり、切れ目を入れなかったせいで生焼けになったり」

おてんこ「アレは酷かったからな」


ほむら「…」ｻﾞｸ　ｻﾞｸ


ジャンゴ「…」ﾁﾗｯ

ジャンゴ「…」ｺｸﾘ


おてんこ「…」ｺｸﾘ

おてんこ「何、そんなことどうでもいい？」

おてんこ「いいか？ ジャンゴ」

おてんこ「今は出来るからといって、過去の失敗を忘れてはいけない」

おてんこ「失敗した自分があってこその今の自分があるんだ」


ジャンゴ「そうだね、おてんこさま」


869 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/14(金) 01:01:44.12 ID:ATvCw4bN0


おてんこ（何とか……魚を焼くところまで漕ぎ着けたな）

おてんこ（次は味噌汁というものらしいが……）

おてんこ「大丈夫なのか？ ほむら」


ほむら「大丈夫……よ」

ほむら「やり方なら頭に入ってる……」


ジャンゴ「…」


おてんこ「本当に大丈夫なのか？」


ほむら「……ええ」

ほむら「出汁を取ったから後は具材を入れるだけ……でしょ？」


おてんこ「ああ、しかし……その出汁が半分ぐらいになっているぞ」

おてんこ（魚に手間取りすぎたな、殆ど蒸発してしまっている）


ほむら「だったら……足せばいいわ」


おてんこ「そうだな」

おてんこ「だが、いきなり冷水を……」


ほむら「そうよね！」ｽﾀｽﾀ　ｼﾞｬｰ　ｷｭ


ジャンゴ＆おてんこ「！」


ジャンゴ＆おてんこ「「待て！！ ほむら！」」


870 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/14(金) 01:03:35.99 ID:ATvCw4bN0


ほむら「えっ……」ｼﾞｬｰｰ


　　　ジュォォォオオ


ほむら「…っ！？」


おてんこ「冷やすんだ！ 早く！！」


ほむら「…」ｼﾞｬｰｰ


おてんこ「ジャンゴ、氷嚢の用意だ！」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ


おてんこ「全く……人の話は最後まで聞くものだぞ」


ほむら「今のは……」ｼﾞｬｰｰ


おてんこ「沸騰しきった出汁に、いきなり冷水なんか入れたんだ」

おてんこ「ああなるのは当たり前だろ？」


ほむら「…」ｼﾞｬｰｰ


おてんこ「あいつが氷嚢を持ってきたらリビングへ移る」

おてんこ「そこで治療だ」


871 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/14(金) 01:05:43.92 ID:ATvCw4bN0


―ほむらの家　リビング―



ほむら「…」


おてんこ「よし、これで治療完了だ」

おてんこ「もうこんなことするんじゃないぞ？」


ほむら「その……アレは……」


おてんこ「晩飯の事か？ それなら心配するな」

おてんこ「後は我々がなんとかする」

おてんこ「まぁ、お前の知っているものとは少し変わるだろうが」

おてんこ「多分……大丈夫だろ」


ほむら「…」


おてんこ「まあ、その……なんだ」

おてんこ「失敗しない人間なんていない。皆、失敗して成長するのだ」

おてんこ「そこまで思い詰める必要なんてないと思うぞ？」


ほむら「…」


872 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/14(金) 01:08:02.15 ID:ATvCw4bN0


おてんこ「いやな、私はお前に……」


ジャンゴ「……おてんこさま」

ジャンゴ「…」ﾌﾙﾌﾙ


おてんこ「そうだな……これ以上は余計なお世話だったな」

おてんこ「さて、晩飯を作りに行くか」


ジャンゴ「でも、その前に」

ジャンゴ「ほむら、これを……」ｻｯ


ほむら「これは……」


おてんこ「肉の丸焼き……そんなものいつの間に」

おてんこ「まぁいい、我々が飯を作るまでそれでも食べて待っていてくれ」

おてんこ「行くぞ！ 太陽少年」

おてんこ「味噌汁なるものを作りに！！」


ジャンゴ「…」ｺｸﾘ


ほむら「・・・」

ほむら「…」ﾊﾑｯ



久々に食べた誰かの手料理、ただの丸焼きだったけれど、なぜだかとても美味しかった。


-終-


873 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga　sage]：2012/09/14(金) 01:18:49.90 ID:ATvCw4bN0
これでジャンゴ達とメインキャラ５人の絡みが全て終わりました。本当にあと、もう少しです

全く関係ありませんが、ボクタイシリーズのＢＧＭって軽く携帯ゲームの域を超えてるような気がします。あの質でボスごとに専用ＢＧＭ、さらにはボイスまで入っていて、容量の方はどうなっているんですかね？ やっぱり、センサーのとこだけ多いのでしょうか？

※手元にカセットとアドバンスがある人は、サウンドモードの曲（パイルドライバー等）を流しつつ本編を読み直すと結構臨場感が上がります。是非、試してみてください
874 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]：2012/09/14(金) 02:21:14.35 ID:LF8MTFtFo
乙、確かに質の高さと量からネットでBGMを探した時期があったよ
ちょうどこのシリーズを見つける直前だったからちょくちょく流してたら懐かしくなって結局ゲーム引っ張りだしちゃったな
875 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/14(金) 06:40:09.62 ID:wzSf0cmao
乙。どのシリーズも良いBGMばかりだったね
なのにマイナーだからか知らないけどサントラ出ないっていう

DSは限定とはいえ出たらしいのに
876 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]：2012/09/14(金) 15:20:33.60 ID:apv3LiP+0
乙
マジでDS版サントラ欲しくて仕方ない、市街地とか暗黒城とかシューティングとか流星のロックマンコナミアレンジとか
神曲オンパすぎる
877 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/14(金) 20:42:59.03 ID:Dg8LWr330
乙
熱い戦闘曲もすきだけどダンジョンの寂れた感じの曲も好きだ
878 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]：2012/09/14(金) 20:57:56.30 ID:L2HB6O3AO
乙。
マジでボクタイ曲好きだ。
ＧＢＡとＤＳのＢＧＭの違いがまた、世界観の違いを上手く表現してて素晴らしい
879 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/15(土) 14:37:32.90 ID:hyIAlI+ao
ググったらサントラに収録されたのはCMとかで使われた数曲だけなのね……
880 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/16(日) 00:43:20.00 ID:2m0vMyOK0


「ひまわりの一日」


―サン・ミゲル　宿屋―


＜朝＞



ザジ「…」


シャイアン「おーい！ ひまわり」


ザジ「…」


シャイアン「来てやったぞ」


ザジ「…」


シャイアン「居ないのか？」


ザジ「…」


シャイアン「なら、勝手に終わらせてしまうぞ？」


ザジ「…」


シャイアン「なんだ……居るではないか」


881 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/16(日) 00:44:45.18 ID:2m0vMyOK0


ザジ「…」


シャイアン「居るなら居るで、ちゃんと返事をしないか」


ザジ「…」


シャイアン「ん？ 聞いているのか」


ザジ「…ＺＺＺ」


シャイアン「……寝ていたのか」


ザジ「…ＺＺＺ」


シャイアン「おい！ 起きろ」

シャイアン「壊れた椅子というのはどれなんだ？」


ザジ「むにゃ、むにゃ……」


シャイアン「起きろ、ひまわり」


ザジ「んにゃ……？ もうちょい寝かせてぇや」


882 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/16(日) 00:46:02.45 ID:2m0vMyOK0


シャイアン「いいから起きるんだ」


ザジ「……うっるさいな」


シャイアン「ザジ！」


ザジ「何やの！！」

ザジ「何人たりとも、うちの眠りをさまたげることはできへんで！」

ザジ「受けよ、水魔の誘惑！」


シャイアン「お、おい……待て」


ザジ「太陽魔法、フリーズ！！」


シャイアン「ぬわーーー！！」


ザジ「ふぁー……」

ザジ「…ＺＺＺ」


シャイアン「」ｶﾁﾝ ｺﾁﾝ


883 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/16(日) 00:48:32.39 ID:2m0vMyOK0


―サン・ミゲル　大通り―



キッド「おーい、シャイアン」

キッド「お前の言ってた木材ってこれでいいのか？」


　　　「…」


キッド「おい、居るんだろ？」

キッド「返事ぐらいしろよ」


　　　「…」


キッド「…ったく、なんだよ」

キッド「折角、オレっちが店の合間を縫ってまで、いい感じの木材を仕入れてきたってのに」

キッド「肝心のあいつがいやしねぇ」

キッド「こうなったら追加料金を請求してやる」

キッド「待ってろ！ シャイアン」



―サン・ミゲル　宿屋―



キッド「おい！ シャイア……ン？」


シャイアン「」ｶﾁﾝ ｺﾁﾝ


ザジ「…ＺＺＺ」


キッド「こいつは……バットだぜ」


884 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/16(日) 00:51:32.64 ID:2m0vMyOK0


ザジ「ほんまにカンニンや！」

ザジ「ウチ低血圧で朝は弱いねん」


シャイアン「だからって、人に向かって魔法を放つな」

シャイアン「危うく死にかけるところだったんだぞ」


ザジ「せやから……」


キッド「まぁまぁ、落ち着けって」

キッド「オレっちのおかげで死なずに済んだんだ」

キッド「終わりよければ全て良し、そうだろ？」


シャイアン「だがなぁ」


キッド「そんなことより、シャイアン」

キッド「お前、オレを待たせやがったな」

キッド「こっちは貴重な営業時間を削ってまで付きやってやったのに」


シャイアン「しかし、それは……」


キッド「とにかく……お前はオレを待たせたんだ」

キッド「その分だけ料金に上乗せさせて貰うぜ」


885 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/16(日) 00:53:15.64 ID:2m0vMyOK0


シャイアン「待て！ 話が違う」

シャイアン「タダでいいと言っていたではないか」


キッド「世の中、タダより高いものはないんだぜ？」


ザジ「なぁ……難なら、ウチが払おうか？」

ザジ「そもそもの原因はウチなわけやし……」


キッド「いいや、オレはこいつに待たされたんだ」

キッド「こいつに払って貰わなきゃ気が済まねぇ」


ザジ「せやけど……」


シャイアン「気にするな、ひまわり」

シャイアン「これ以上の問答は無駄だ」

シャイアン「それで……いくらなんだ？」


キッド「そうだな……」

キッド「オレっちの計算で行くと」

キッド「あの時間なら、ざっと５０００ソルは稼げたな」


シャイアン「５０００だと！？」


886 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/16(日) 00:55:08.58 ID:2m0vMyOK0


キッド「ああ、それぐらいはちょろいぜ」

キッド「難なら……肉体労働でもいいんだぜ？」

キッド「ちょうど、北の方に珍しいお宝があるって情報をゲットしたんだ」

キッド「お前も付いてきてくれるってなら、チャラにしてやらないこともないぜ」


シャイアン「……分かった。条件を呑もう」

シャイアン「ただし、私がいるからといって油断していると、簡単に命を落とすぞ？」


キッド「大丈夫だって」

キッド「こう見えても逃げ足には自信があるんだ」


シャイアン「全く……調子の良い奴だ」

シャイアン「さて、話がそれてしまったな」

シャイアン「壊れた椅子というのはどれなんだ？ ひまわり」


ザジ「あ、ああ」

ザジ「それなら……あっちの奥にあるヤツや」

ザジ「脇に寄せておいたから一発で分かると思うで」


887 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/16(日) 00:55:57.86 ID:2m0vMyOK0


シャイアン「そうか」

シャイアン「では、行くぞ。キッド」


キッド「ワッツ？」

キッド「オレっちの仕事はここに木材を運ぶまでだぜ」


シャイアン「ああ……分かってる」

シャイアン「もちろん、追加料金はキッチリ払うさ」

シャイアン「お前の言う『宝探し』でな」


キッド「マジかよ……」


シャイアン「ほら、早くしろ！」


キッド「はいはい、分かったよ」

キッド「やりゃあいいんだろ？ やりゃあ」


888 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/16(日) 00:57:27.19 ID:2m0vMyOK0


＜昼前＞



　　「こんにちは！！」
　　　　

ザジ「……んにゃ？」


　　「果物のお届けに来ました！」


ザジ「ああ、リタ」

ザジ「まいどおおきにな」


リタ「いえ」

リタ「それより……今日は早起きなんですね」

リタ「いつもはもっと遅くまで寝ているのに」


ザジ「それは……あいつらが原因や」


リタ「？」


ザジ「向こうを見てみ」


889 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/16(日) 00:59:34.19 ID:2m0vMyOK0


リタ「あれは……キッドさんにシャイアンさん」

リタ「何をしてらしてるんですか？」


ザジ「実はな、チィッと前にここの椅子が壊れてもうたんや」

ザジ「それをあのシャイアンが見つけてな」

ザジ「色々あって直してくれるって話になったんや」


リタ「そうだったんですか」

リタ「でも、修理にしては少し手間取っているようですけど」


ザジ「それがな……ちょっこっといじくってどうにかなるもんやなかったみたいで」

ザジ「壊れたの直すより、同じモノを新しく作った方が早いらしいんや」

ザジ「そんで、今ある他の椅子から寸法を測っとるみたいやで」


リタ「……大変そうですね」


ザジ「ま、２人もおるからそんなに時間はかからんやろ」

ザジ「昼ごろには終わるんちゃうか？」


リタ「そう……ですか」

リタ「ああ、そうだ！」

リタ「これが今日、太陽樹様から採れた果物です」

リタ「採れたてですから、鮮度もバッチリです！」


ザジ「ありがとうな」

ザジ「大事に使わせてもらうわ」


リタ「はい！」

リタ「そうしてくださると、太陽樹様もお喜びになります」

リタ「では、私はこれで」


ザジ「ああ、また頼むで」


890 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/16(日) 01:01:35.33 ID:2m0vMyOK0


＜昼過ぎ＞


　　
　　「お、今日は早いんじゃな？」


ザジ「ああ、ルイスの爺さんか」


ルイス「お前さんがこの時間に起きているとは……」

ルイス「長生きはしてみるもんじゃ」


ザジ「それりゃ、ウチかて早起きぐらいしますわ」


ルイス「そうじゃったな、済まん、済まん」

ルイス「それより、水を一杯くれんかの？」

ルイス「朝の散歩でのどが渇いてしまってな」


ザジ「ちょっと待っててな」

ザジ「はい」ｺﾄｯ


ルイス「おお、済まんの」

ルイス「…」ｺﾞｸ　ｺﾞｸ

ルイス「ふっー……生き返るわい」


891 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/16(日) 01:02:44.02 ID:2m0vMyOK0


ザジ「水一杯で大げさな」


ルイス「いいや……散歩の後のこの一杯」

ルイス「この時のために生き長らえてる、と言ってもいいんじゃぞ？」

ルイス「まぁ、今は死ぬに死ねない事情があるんじゃが」


ザジ「なんや？ その事情って」


ルイス「お主、棺桶屋は知っておるだろ？」


ザジ「ああ……あの妙に暗い奴やろ？」

ザジ「最近は機械に入れ込んどるとか」


ルイス「そうじゃ！ そうなんじゃよ」

ルイス「あいつがちゃんとした棺桶を作らんのじゃ」

ルイス「何度頼んでも、訳の分からん装置を付けおって！」

ルイス「一体、いつになったらわしの棺桶は完成するんじゃ！？」


ザジ「何か知らんけど……大変なんやな」


892 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/16(日) 01:04:22.38 ID:2m0vMyOK0


＜夕方＞



　　「ミャア？」


ザジ「ん？ クロ」


クロ「ミャ」


ザジ「どないしたんや？ こんなところに来て」


クロ「？」


ザジ「まぁええわ」

ザジ「何か食べれるもの出してやるから、そこで待っとき」


クロ「ミャア」


ザジ「ほな、どうぞ」ｺﾄｯ


クロ「ミャ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ


893 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/16(日) 01:05:51.08 ID:2m0vMyOK0


ザジ「なぁ……アンタ、ひとりなん？」


クロ「ミャ？」


ザジ「あんまスミちゃん１人にしとったらアカンで」

ザジ「あの子……アンタんこと、ものスッゴイ大事にしてんや」

ザジ「もし、アンタになんかあったらきっと大泣きするで」


クロ「ミャア……」


ザジ「まぁ……外に出るなとは言わへん」

ザジ「けど、あの子が悲しむようなことは絶対にするんやないで」


クロ「ミャ！！」


ザジ「よしよし、いい子や」

ザジ「それ食ったらスミちゃんところに帰ってやるんやで」


クロ「ミャア」


894 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/16(日) 01:08:24.91 ID:2m0vMyOK0


＜宵の口＞



ザジ「ん、あれは……」

ザジ「帰ってきたんやな、ジャンゴ」


ジャンゴ「…」


おてんこ「ああ」


ザジ「全く……今まで何処をほっつき歩いてたんや」

ザジ「出かけたと思ったら帰ってきいひんし」

ザジ「ちょっとはウチら……特にあの子には、なんか言ってから出て行かんと」


ジャンゴ「…」


おてんこ「いや、こちらも忙しくてな」

おてんこ「小金を稼ぐ程度の気持ちで依頼を受けたら思いのほか量が多くてな」

おてんこ「他の街での任務を終えたら、そこで新しく依頼される始末で」

おてんこ「気付いたら１週間も経っていた」


895 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/16(日) 01:09:40.32 ID:2m0vMyOK0


ザジ「はぁ……」

ザジ「今更、アンタの無茶には口をはさむつもりはあらへん」

ザジ「けど、アンタが居なくなったら悲しむ奴はたくさんいるんや」

ザジ「アンタの命は自分だけのモノじゃない」

ザジ「それだけは分かっておいてな」


ジャンゴ「……ザジ」


ザジ「……辛気臭い話はこれでお終いや！」

ザジ「何か食べたいモノがあったら何でも言ったれ」

ザジ「ウチが腕によりをかけて作ったる！！」


896 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/16(日) 01:13:11.33 ID:2m0vMyOK0


＜夜＞



ザジ「んーっ！」

ザジ「これで今日もお終いや」

ザジ「後は、さっさと片付けて……」

ザジ「ん？ あの光……」

ザジ「そうや……今日は満月やったな」

ザジ「・・・」

ザジ「……なぁ、見てるんか？」


　　　「…」


ザジ「聞いたで」

ザジ「アンタ、魂だけになってもアイツを……ジャンゴを助けに行ったんやってな」

ザジ「全く……どこまでも捻くれてるやっちゃな」

ザジ「でも、アンタのそないなとこ嫌いやなかったで」


　　　「…」


ザジ「結局、アンタには色んな借りを残したままやったな」

ザジ「こっちはきっちり耳をそろえて返すつもりやったのに」

ザジ「先に死んじまうんじゃ、話にならへん」


　　　「…」


897 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/16(日) 01:14:25.88 ID:2m0vMyOK0


ザジ「……サバタ」

ザジ「どうしてアンタは……」

ザジ「ウチは……ウチには！」

　　　
　　　「…」


ザジ「……ダメやな」

ザジ「どうも満月の日は……調子狂うわ」

ザジ「アカン、アカン」

ザジ「上向いていかんと！ なんたって……」

ザジ「ひまわりはうつむかへん！！」

　　
　　　「フッ……」



翌日、彼女はいつも通り、昼過ぎに起きるのであった。


-終-


898 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga sage]：2012/09/16(日) 01:34:21.34 ID:2m0vMyOK0
リクエスト？のあったザジ関連のネタです。ネタというよりは日常の一コマのような感じに仕上がりました

ザジは個人的にかなり特殊な立ち位置にいるキャラだと思います。主人公のジャンゴを含め多くのメインキャラはサン・ミゲル出身のようですが、彼女はゾクタイの冒頭で街にやってきたようで、どこで生まれたかは定かではありません。また、幼少期に迫害された経験を持ち、サバタとも何かしら因縁があるようですが、最後までよく分かりませんでした

個人的考察になりますが、作中でザジだけは１５歳という年齢設定があります。もし、ジャンゴが彼女と同い年だとするとゾクタイの時点で１５歳。さらにシンボクでの街の変化（ホームの出現）等を考え、一年ほど経過していると仮定すると三作目の開始時点で１６歳となります。初代からやっていると中学生がバイクに乗っているように感じますが、こう考えてみると、シンボクでジャンゴがバイクを乗れるのもあまり不思議ではないかもしれません
899 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/16(日) 14:40:56.56 ID:oWm/ordq0
棺桶はどこまで進化するのだろうか
900 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) ：2012/09/18(火) 15:34:06.63 ID:bCiDG5090
どれもこれも面白いねw
901 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/20(木) 00:20:19.06 ID:lzTnnFvi0


「夢の中で会ったような……」


―見滝原中学校　教室―



　　「お前ら、昨日のアレ見たか？」


中沢「アレ？」


　　「何だって？」　


　　「アレだよ、アレ」

　　「夜にやってただろ？」


　　「ああ、アレか」

　　「見てたぜ。凄かったよな！」


中沢「？」


　　「おお！ 見てたか！！」

　　「アレ、ヤバかったよな！？」


　　「まさか……あんなオチが待ってるなんてな」


　　「ああ、あの時はマジで死ぬんじゃないかと思ったぜ」


902 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/20(木) 00:21:36.00 ID:lzTnnFvi0


中沢「なぁ……」

中沢「さっきから何の話をしてるんだ？」


　　「何の話って、そりゃあ……」


　　「テレビに決まってるだろ」


中沢「テレビ？」


　　「ほら、昨日のゴールデンにやってたろ？ 特番で」


　　「何だぁ？ お前、見てないのか」


中沢「あ、ああ」

中沢「普通にドラマ見てたから」


　　「あーあ……もったいねぇなあ」

　　「ありゃ、傑作だったのに」


中沢「…」


　　「まぁ……見てないなら、仕方ないな」
　　
　　「それよりお前、アレ覚えてるか？ アレ」

　　「途中でセットが壊れるヤツ」


　　「おお！ あそこか！？」

　　「アレは酷かったよな」


　　「そうそう……アレは笑い死ぬかと思ったぜ」


　　「後、アレも……」


903 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/20(木) 00:23:25.89 ID:lzTnnFvi0


―見滝原中学校　廊下―



中沢「…」

中沢（あの２人はテレビの話題で盛り上がって、俺の入る隙なんてないし）

中沢（やっぱり……ドラマなんて見るんじゃなかったな）

中沢（……思ってたより面白くなかったし）

中沢（でも見始めると、それはそれで結末が気になるんだよな）

中沢「はぁ……」

中沢（さて……どうしよう）

中沢（話に付いていけなさそうだから廊下に出てきたは良いけど……）

中沢（することなんて無いしな）

中沢（休み時間が終わるまで、ここら辺で時間を潰すか？）

中沢（そうと決まれば、何か時間を潰せそうなものは……）ｷｮﾛｷｮﾛ

中沢「ん？ アレは……」



おてんこさま「…」ｵﾃﾝｺ!



おてんこさまのぬいぐるみだ。

元気そうだ。見ていると元気がわいてくる！


904 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/20(木) 00:25:31.37 ID:lzTnnFvi0


中沢「・・・」

中沢（これ、どこかで……）


　　　「よ！」


中沢「！」


　　「そんなに驚くなって、俺達だよ」

　　「教室に見当たらないから、ここまで探しに来たってわけだ」


中沢「あ、ああ……」


　　「それより……何してんだ？ こんなところで」

　　「仲間外れにされて寂しかったのか？」


中沢「そんなんじゃない」

中沢「外に出たくなっただけだ」


　　「ホントかよ？」


中沢「……本当だ」


　　「まぁ……こいつがそう言ってるんだ」

　　「そういうことにしといてやろう」


　　「全く……仕方ないなぁ」


905 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/20(木) 00:27:50.03 ID:lzTnnFvi0


中沢「そんなことより、お前ら」

中沢「コレ……何だか分かるか？」


　　「ん？ この変なひまわりみたいなヤツの事か」



おてんこさま「…」ｵﾃﾝｺ!



中沢「そう、その人形のことだよ」


　　「確か、こいつは……手芸部の作品のはずだ」

　　「活動報告と宣伝を兼ねて年に何回か作品を展示してるんだ」　

　　「知らなかったのか？」


中沢「へー、そうなのか」

中沢「全然知らなかった」


　　「しかし……どうして、またそんなことが気になったんだ？」　

　　「普段なら、気にも留めないのによ」


中沢「何て言うか……見覚えがあったんだ」


906 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/20(木) 00:30:26.53 ID:lzTnnFvi0


　　「見覚え？」


　　「変なことを言うなよ」

　　「この台紙を見てみろ、展示された日付は今日になってる」

　　「だったら、この人形をお前が知ってるはずないだろ？」


中沢「上手く説明できないけど……」

中沢「夢の中で会った……ような」

中沢「良く分からないけど、そんな感じがするんだ」


　　「…」


中沢「ど、どうしたんだよ」

中沢「２人とも黙りこくって」


　　「…っ」


　　「くっ……」


中沢「？」


　　「「あはははははは！！！」」


907 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/20(木) 00:31:59.95 ID:lzTnnFvi0


中沢「！？」

中沢「な、なんだよ……いきなり笑い出して」


　　「済まん、済まん」

　　「悪気があった訳じゃないんだ」

　　「ただ……」


　　「……夢の中で会った」ﾎﾞｿｯ


　　「…ッ！ やめ…ろは、腹が……」


　　「……そんな感じがするんだ」ﾎﾞｿｯ


　　「くはははは！！」


中沢「・・・」


　　「い、いや……済まない」

　　「でも、お前だって悪いんだぞ」

　　「いきなり突拍子もないこと言い出すんだから」


　　「見たこともない人形と夢の中で会ったなんてな」

　　「とうとう頭がおかしくなっちまったか？」


908 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/20(木) 00:34:19.13 ID:lzTnnFvi0


中沢「いや……」

中沢「確かに、この人形を見るのは今日が初めてだ」

中沢「でも……俺はこいつとどこかで会っている」

中沢「何故だか、それだけは……はっきりと感じられるんだ」


　　「これは……」

　　
　　「……アレだな、無自覚の」


中沢「アレ？」

中沢「俺、何か……変なことを言ったか？」


　　「あ、ああ……何でもないんだ」

　　「それより、気づかなくてごめんな」

　　「お前がアレだったなんて」


中沢「だから、アレって……」


　　「気にするな」

　　「そんなことを俺達は気にしない」

　　「それよりも、お前も同学年だったって確認できてよかったぜ」


中沢「？」


909 ： ◆pOKsi7gf8c [saga]：2012/09/20(木) 00:36:20.35 ID:lzTnnFvi0


　　「そうそう、妙に冷めたところもあったしな」

　　「まぁ……その理由が分かって良かったよ」　


中沢「？？」


　　「これからはなるべくお前に合わせる」

　　「なんだかんだ、俺達に合わせてもらってたしな」


　　「そうだな」

　　「お前も気苦労が多かったろ」


中沢「？？？」


　　「じゃ、俺達は他の奴らに話してくるわ」


　　「明日からは自分を抑えなくていいぞ」
　
　　「むしろ、お前が皆を引っ張っていくつもりで……な？」


中沢「お、おう……」


　　「じゃ、これで」


　　「じゃあな」


中沢「・・・」

中沢（何だ？ あいつら……）

中沢（俺に同情するようなこと言って）

中沢「まぁ……いいか」



以後、中沢少年の周りでは教科書が『エッダ』に、定期テストが『ラグナロク』と呼ばれるようになったそうな。


-終-


910 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga　sage]：2012/09/20(木) 00:52:22.20 ID:lzTnnFvi0
以上で小ネタ及び後日談、全ての投下が完了しました。ここまでお付き合い頂き、本当にありがとうございます

大好きだけどマイナーなゲーム、それを１人でも知ってもらおうと思って始めたこのスレですが、予想以上にプレイしている人がいたので、驚いたと同時にとても嬉しくなりました。中にはこれを読んでからボクタイをやり始めた等のレスを頂き、大変光栄に思います

物語の投下はこれで終了ですが、まだwikiの方が残っているのでそれが終了するまでここは残しておこうと思います。これ以降もちょくちょく覗きにくるつもりなので、質問などを書き込んでいただければ、出来る限り回答していきたいと思います

最後にボクタイシリーズで一番好きな言葉で締めくくせて頂きます
では、皆さん「いつも心に太陽を！」
911 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/20(木) 01:03:35.95 ID:eAT8DvqXo
いつも心に太陽を

乙。長い間楽しませてもらったよ
912 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) [sage]：2012/09/20(木) 01:13:31.76 ID:OsJkQIz0o
おつおつ！
一周目も二周目も面白かったよ

あの野太い声で「太陽とともにあらんことを」とか好きだったな
913 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]：2012/09/20(木) 01:42:34.40 ID:BUsmzftw0
乙！
ここんとこ雨続きだからテルテルボーズでもと思ったが、良く考えたら降らない期間の方がよっぽど長くて取水制限レベルだからやっぱりズーボルテルテ吊す

いつも心に太陽を！
914 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/20(木) 17:36:56.72 ID:Kb1KDViwo
乙でした

明日もまた陽は昇る！
915 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/20(木) 17:38:29.72 ID:Kb1KDViwo
日だったでござる。乙っした
916 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) ：2012/09/20(木) 18:29:35.13 ID:1Y+yvVbB0
やっと追いついた！ ここまで乙でした！
917 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/20(木) 22:49:31.12 ID:Bd7Vtmz00
乙セイバー！
最近SSwikiがつながらないな
918 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]：2012/09/21(金) 00:00:31.91 ID:QaHKiaLAO
本当に乙でした。
ボクタイ大好きだからこのスレに会って歓喜したが、遂に終わってしまった……

面白かった！まどマギもボクタイも大好きだ！！
919 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]：2012/09/21(金) 19:11:14.22 ID:0HxCU46no
最後までお疲れ様、ずっと面白かったよ！

いつも心に太陽を！
明日もまた日は昇る！
太陽とともにあらんことを！
920 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/30(日) 16:52:36.09 ID:kWNe8pOs0
ワルプルギス戦が投下されていたときも台風がきてたなぁと思い出したり
921 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]：2012/09/30(日) 19:22:53.55 ID:H9WFPrMs0
>>920
6月頃か、そういやそうだったなｗｗ
922 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2012/09/30(日) 19:23:51.19 ID:qge2FmiGo
このスレワルプルで何日かかったっけ
923 ：しゃむたろう ：2012/10/13(土) 03:45:06.97 ID:4u29uLZDO
支援あげ
924 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/10/13(土) 07:34:00.27 ID:7NcYgkMDO
>>923
もう完結してるし、ここはageなくても落ちないシステムだから基本的に読者はsageるようにしましょう
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