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律「ネシヲラタシティ・・・?」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:18:42.50 ID:qU7e1ms80
VIPで立てたのですがさるさんばかりくらい途中で落ちてしまいました
お邪魔にならないようすぐに完結させますので少しでいいので場所を貸してください

PM6:00

夕暮れ時、日は沈みかけているものの空はまだ明るい
セミはミンミン、カラスはカアカア
昼の乾いた暑さとはまた違うじめじめとした湿っぽい暑さに覆われる
夏の夕暮れとは白昼の延長戦といえるのではないか

磯野家からの脱出に成功した律たちの乗るデコトラは山道を走っていた

デコトラ「ガロロロロrrrrrr」

律「信用してもいいのか」

カツオ「信用も何も一緒に居なきゃ殺されますよ」

憂「でも助けてくれたんだよね?」

カツオ「いずれ起こる事でしたから」

運転しているのでハンドルを握りながら会話するカツオ
その隣の助手席では中島がキーボードを叩いている

中島「任せてください、必ず元の世界に返してあげます」カタカタカタカタ

そうだ
タラヲが言っていた別次元なんたらということ
もし本当だとするなら私達はこれからどうすればいいのだろう

律「どうやったら戻れるんだ」

助手席の真後ろの席に座っていた私は身を乗り出し中島に言う
チラッと見えたデスクトップには数式や英字がズラリと並んでいた

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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
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渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
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二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:19:50.72 ID:qU7e1ms80
中島「タラヲの力でこの世界に引きずり込まれたというのは事実です」

中島「まずはそれを自覚してください」

憂「うん・・・」

中島「そして事実だから変えられること」

中島「タラヲをヤれば元に戻れる」

律「!」

中島「かもしれません」

律「・・・」

カツオ「とりあえず今は逃げることが第一です」

中島「強敵といっても向こうはたった三人、正面から突っ込んでくるようなことはしないでしょう。
地道にでも確実に潰しに来ると思います」

憂「じゃあその間にこっちも策を考えておかなきゃならないのかな」

中島「そうですね」

律「なあ、タラヲが頭だっていうのは分かったけど、マスオさんとおばさんはどうするつもりなんだ」

中島「ヤるつもりです、見たでしょうあの目。人間辞めた目ですよ」

ヤる、[ピーーー]。そんな言葉を子供から聞きたくなんてなかったけど、確かにあの目は怖かった
血が通っていないというかお面のような顔
思い出すと体が震える

中島「でもおじさんは・・・残念だったな」

カツオ「・・・」

町内一のクズ家族と有名だった磯野家で唯一波平だけはカツオの良き理解者だった
テストで0点を取ったり盆栽を根菜にすり替えたりした時は説教はされたものの、
手をあげることは一切なかった

波平『ばかもーーん!!皆の前で恥を掻いたわ!』

カツオ『ごめんなさーい』

波平『でもユーモア賞獲れたから許しちゃう』ナデナデ

カツオ『へへ』

中島「おじさんのためにも必ずタラヲの息の根を止めるんだ」カタカタ

律「さっきから何やってるんだ?」

中島「マスオさんたちの能力といいますか、分かる範囲で分析してるんです。
一日の偵察だけでも結構調べられました」

カツオ「僕も知ってることは教えたしね」

中島「まず磯野船、老いてもなお衰えることのない筋細胞と生まれついての素質を持つ純粋な戦闘モデルですね
対人格闘においてのセンスはSSSクラスです」

律「それって凄いのか?」

中島「フル装備のプレデターと百人組み手が出来ます」

憂「やばいね」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:20:17.54 ID:qU7e1ms80
カツオ「でも強いといっても人間ですから、弾丸一発でも追いやることは可能ですよ」

中島「簡単に言ってくれるよ」

中島「次にフグ田マスオ、頭は良いのかもしれないけど特別目立つものはないなあ」

律「見た目も弱そうだったしな」

中島「あんなのワンパンですよ」

カツオ「いやそれがマスオ兄さんの個性なんだ、特徴がないという特徴」

憂「隠してるものがあるのかもしれないね」

カツオ「何を考えてるのか分からないんです、なんというか敵にも味方にもしたくないって感じかな」

中島「ダークホースってやつか」シュボ

憂「・・・中島くん」

中島「あ、すいません」

窓を半分ほど開ける
冷房を効かせていたため外の空気が生暖かく感じた

中島「タバコお嫌いですか」フー

憂「そうじゃなくて」

中島の咥えたタバコを摘み取る

憂「まだ早いよ?ライターも預かります」

中島「あーん」

憂「めっ!」

カツオ「憂さん砂利道入りますから揺れますよ、座ってたほうが」

憂「あ、ごめんね」

律「・・・」

ガタンガタンガタンガタン

ようやくあかね色に染まり始めた空と山々
その情景にそぐわないデコトラは大きな車体をガタガタと揺らし狭い砂利道を通るのであった



−旅館−

中島「一部屋お願いします」

カツオ「出来るだけ景色のいい所で」

「ではこちら5○3号室の鍵になりまして〜」

律「おいおいおい」

中島「はい?お金ないんで二部屋は無理ですよ」

律「こんな町中に居たらすぐ見つかっちゃうだろ、さっき策を練ろうって」

中島「安心してください」

カツオ「昔お母さんがプレデターと戦ったときに、ワカメが幾つか武器のレプリカを作ったんです、
恐らくその時に作ったサーモグラフィーを使ってくると思うんですよね」

カツオ「確かに高性能ですけど装置に頼って自分たちの目で探そうとはしないと思いますので」

中島「こうやって人ごみに紛れていた方が見つかりにくいんですよ」

律「へえ(分からん)」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:20:43.66 ID:qU7e1ms80
ガラッ

中島「くっさwwwwww」

カツオ「臭え部屋だなwwwwwwwwww」

憂「でも眺めいいよ」

カツオ「わーいホントだー」

中島「キレー」

時計の短針は8時を示し、夏といえど外は真っ暗
しかしライトアップされた緑が窓ガラス越しに広がっていた
カツオの希望通り景色は良い

部屋は畳に砂壁、大き目のテーブルに座椅子が四つちょこんと置いてあるだけの簡単な和室
大自然に馴染むよう質素で素朴なつくりに仕上げました、と
言われてしまえば何も言い返せないかもしれない

中島「では皆さん席に着いてください」

カツオ「はい」

中島「憂さんも早く」

憂「お茶煎れるからちょっと待ってね」

中島「待ちましょう」

律「あっお茶請けの甘納豆置いてある」

憂「♪〜」ジョボジョボ

中島「あまり美味しくないな」

カツオ「何か臭いね」

二つ目に手を伸ばす中島とカツオ

律「夕飯食べられなくなるぞ」

中島「お風呂入ればお腹減りますから大丈夫です」

憂「はいお茶どーぞ」

カツオ「ありがとうございます」

律「悪いね」

中島「ズズズー」

律「はあ」

中島「甘納豆は不味いけどお茶はおいしい」

カツオ「憂さんお茶淹れるの上手いっすね」

憂「経験を重ねてるだけだよ」

律「いや、ムギの高級な紅茶も美味しいけど
こうやって安いお茶を旨く淹れるのも腕の良さだよ」

中島「ジャギ?」

律「ムギ、おっとりしてるお嬢様だけど気配りがうまくていつも皆のこと見ててくれて」

律「・・・」

会いたいなあ
澪にも唯にも梓にも

最後に顔を合わせてからまだ一週間も経ってないかな
夏休み中の部活は週に一回だけって決めたとき梓は何も言わなかったけど、
きっと三年の私達のことを気遣ってくれたのだろう

憂ちゃんと純ちゃんはそんな一人黙々と自主連する梓を連れてあちこち遊び回してくれたらしい
級友っていいな、私はそう思いました
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:21:13.51 ID:qU7e1ms80
pppppppppp

中島「!」カタカタカタ

律「なんだ」

中島「メールです、・・・ふむ」

カツオ「なんだって」

中島「もう少しかかるみたい、パーキングエリアで山菜うどん食べてるって」

憂「誰?」

カツオ「力を貸してくれる頼もしい人です」

中島「今回の件を話したら俺も参加するって言いましてね」

律「良かったな!仲間は一人でも多い方が心強いし」

中島「あ、うーん・・・」

カツオ「仲間というか・・・」

憂「?」

中島「多分報酬が目当てなだけかと」

カツオ「あの人バウンディハンター(賞金稼ぎ)だからなあ」

中島「マスオさんとおばさんに賭けられてる懸賞金っていくらだと思います?」

律「いや賭けられてんのかよ・・・」

中島「マスオさんは500万です」

律「ごっ!!!?」

憂「すごい・・・」

カツオ「そしてお母さんが」

律「ごくり」

カツオ「70億です」

憂「やばいね」

カツオ「とはいっても賞金額がそのまま強さに比例してるってことでもないですよ、
世間が勝手に騒いで膨らましてるだけですから」

中島「おばさんは特に表で暴れるからなあ」

カツオ「もちろん馬鹿みたいに強いことは事実ですけどね」

中島「ちなみにかもめ小のムクホークこと僕は1800万で磯野が260万です」

憂「そ、そうなんだ」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:22:43.02 ID:qU7e1ms80
律「急にお前らがおぞましく見えてきたぞ」

中島「やだなあ、ただの小学生ですよ」

カツオ「今まで通りで接してください」

律「んっ?ていうかそれならお前らも狙われるんじゃないか」

中島「いえ僚友といいますか、僕が依頼された者の情報を提供してあげてるんですよ、
フィフティフィフティです」

カツオ「やりとりはメールか電話で
直接会うことはほとんどなかったんですけどね」

律「だから仲間じゃないって言ったのか」

中島「言うなればロールパンナちゃんの立ち位置ですかね」

カツオ「誰かは来てからのお楽しみです」

中島「ゆっくり温泉にでも入ってきましょう」



中島「やっぱり旅館ときたら浴衣だよな」

カツオ「フロントにあるのかな、僕頼んでくるよ」

律「上着入れるところに入ってるんじゃないか?」

カツオ「あそうか」

ガチャ
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:23:27.79 ID:qU7e1ms80
中島「臭えなwwwwww」

カツオ「臭え臭えwwwwwwwwww」

憂「そ、そんなに匂う?」

律「お前らさっきからくさいくさいって何なんだ」

中島「えっ臭くないですか?」

カツオ「やばいですよこれは」

憂「うーん」

律「確かにちょっと防虫剤の匂いはするけど」

憂「そんなでもないんじゃないかな」

中島「まっ我慢しますか」

カツオ「中島柄パンか。お洒落だね」

中島「おニューだぜ」

律「ここで着替えるのかよ」

カツオ「僕ら着替えたら外に出るんでちょっと待っててくださいね」

憂「脱衣所で着替えてもいいと思うけど」

カツオ「パンツ一丁に布切れ一枚だけ羽織るって気持ちいいなあ」

中島「プロは全裸に羽織るだけのスタイルを好む」

カツオ「通だね」

憂「///」

憂ちゃんが顔を赤くして俯く
小学生だとしてももっと恥じらいを持てと注意したが多分聞いていない
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:24:07.19 ID:qU7e1ms80
中島「外出てるんで、早く着替えてくださいね」

カツオ「タオルは持っててあげますから」

バタンッ

律「大丈夫?」

憂「はい、さっさと着替えちゃいましょう」

律「一応カーテンも閉めるか」シャ

憂「誰も見る人なんていませんよお」

律「私の下着姿なんて見られても何ともないけどさ、憂ちゃんは嫌でしょ」

ヒソヒソひそひそ

中島「律さんてパスタ茹でる時とかレトルトソースも一緒に温めてそうだよな」

カツオ「ぽいー」

襖越しでも丸聞こえ
なにがヒソヒソだ
憂ちゃんが着替え終わったのを確認してから襖を開ける

律「やらねえよ」

カツオ「僕が言ったんじゃないですよ、中島が

憂「あはは・・・」

カツオ「あれっ憂さん浴衣似合いますね」

憂「えっ」

急に掛けられ
たじろぐ憂ちゃん
私だってそう思ってた、今言おうとしてたのに

中島「本当だ、雰囲気いいですね」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:24:42.38 ID:qU7e1ms80
律「憂ちゃんは可愛いんだって」

憂「そうかな・・・」テレッ

中島「ポニテって合いますよね」

カツオ「ちょっといいですか」

カツオが洗面所から持ってきた使い捨てのクシを使って
憂のうなじを撫でる

憂「な、何?」

カツオ「このうなじにちょこっとだけ残る産毛が好きなんですよ」

律「おやじかお前は・・・」

律は憂に見えない角度でカツオと握手した

中島「磯野っほら見てうなじうなじ!」

カツオ「オメーはただの刈上げだろ」

中島「・・・!!」

憂「恥ずかしいよ・・・」

カツオ「サイドを全部耳にかけてから二、三本だけパラリ」

律「前もちょっとはだけてた方がいいんじゃないか?鎖骨を見せる感じで」

のりに乗る律

憂「やめて下さいよお、もう!」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:25:09.79 ID:qU7e1ms80
顔を赤くして言う
怒ってはいないようだけど余程恥ずかしかったようだ
やりすぎた

憂「行こう中島くん」

中島「ハッ」

律「ごめん憂ちゃーん」

カツオ「それじゃあまた後で」

律「おう」

「男」とプリントされた藍色の暖簾をくぐるカツオと中島
私と憂ちゃんはそのとなりの赤い暖簾をくぐった



憂「はあぁ」

律「こんな状況でも温泉に浸かるのはやっぱり気持ちいいなあ」

憂「そうですねえ」

中島「律さん憂さんどうぞ」

中島が麦茶の入ったグラスを両手に走ってきた

律「サンキュ」

憂「ありがとう」

中島「無料らしいですけど飲み終わったらグラスはあそこに置いてください」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:25:42.06 ID:qU7e1ms80
憂「うん。あそこだね」

中島「さて」

ピッ
ガタン

カコッ

中島「ゴキュゴキュ・・・かぁあ!!」

カツオ「やな奴」

中島「コンクリートロードはやめた方がいいよ(マジキチスマイル」

律「それなんだっけ」

中島「ちなみに僕はおもひでぽ○ぽろが一番好きです」

カツオ「律さん憂さんあっちで17アイス食べましょう」

律「私チョコミントがいいな」

憂「あっ私もです」

こっちの世界でもお金って使えるのかなと思ったが普通に使えた
最後に中島が飲むタイプのアイスを買ってから皆で椅子に座って食べた

律「それ買う人初めて見た」

カツオ「需要あったんですね」

中島「美味しいですよ」

律「ポッキンアイス買った方が安いような」

カツオ「あっ」

カツオが時計を見る

カツオ「そういえばそろそろ晩御飯の時間だ」

律「アイス食べたら直接行ってもいいんじゃないか」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:28:01.25 ID:qU7e1ms80
カツオ「皆さん部屋から取ってきたい物あります?」

憂「私は大丈夫だよ」

カツオ「じゃあこのまま行っちゃいましょうか」

中島「どんなご馳走が出るんだろう、楽しみだな」



ガラっ

憂「わあ」

律「旨そー」

カツオ「コーラとオレンジジュース4本ずつお願いします」

律「なあこれって」

カツオ「はい、大人二人と子供二人にしたので律さんと憂さんはそちらを食べてください」

カツオの示した大人用のご膳には刺身や天ぷら、頭付きの伊勢海老の味噌スープなど
素材にモノを言わせた数々の豪華な料理が並んでいる

一方で向いに置かれた子供用のご膳にはハンバーグやエビフライ、スパゲッチなど
みんなだいすき!と言わんばかりの品が並ぶ
ドーム型のチキンライスにぽんぽこたぬきさんの旗が突き刺さっていた
どれも美味しそうだ

律「いいのか?」

カツオ「どうぞ召し上がってください」

私と憂ちゃんがカツオ達と向かい合う形で腰を下ろす

憂「何だか悪いなあ」

カツオ「いいんですって、遠慮せずにドシドシ食べてください」

カツオ「はい、皆さん手を合わせて」パンッ

律憂「はい!」パンッ

中島「・・・」

カツオ「ほら中島も」

中島「・・・」

カツオ「早く」

中島「・・・」

カツオ「中島?」

中島「僕そっちのほうがいいなあ」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:28:29.78 ID:qU7e1ms80
いただきまーす

中島「すみませんね憂さん」

憂「ううん、私ハンバーグ大好きだから!」

律「カツオはいいか」

カツオ「僕はまだウニとかよりから揚げの方が美味しい歳なんで」

中島「子供だなあ磯野はwwwwwwwwww」

律「・・・」

カツオ「憂さん注ぎますよ」トットット

憂「どうもどうも」

カツオ「では仕切りなおして、皆さんグラスを持って」

律「中島っ何か挨拶でもやれよ」

中島「ぼくっすか?wwwwww」

憂「いいぞー」

カツオ「やれー」

中島「wwwwwwwwえーとゴホン、では皆さん今日はお集まりいただき

カツオ「うるせえ!!!!」

中島「かんぱーい!」

「「「「うぇーい!!!」」」」

そして四人だけの小さな夜会は始まった

友達の妹、姉の友達、公園で知り合った小学生、公園で知り合った女子高生
ご馳走を頬張り大口を開けて笑い年齢も性別も関係なくとにかく騒いだ

律「カニ様のご到着だー!」

中島「キャアアアアアアアア!!!」

何のためにもならないようなことに爆笑して、
せっかくのご馳走の味もよく分からない

しかしなんと楽しい時間なのでしょう

中島「コーラ追加で、コンテナごと持ってこーい!!」

断じて下品な笑い方ではないが憂ちゃんでさえも
目に涙を浮かべるほど笑っていた

律「憂さんにお酌しろ中島」

中島「ハッ」トットット

カツオ「無礼講無礼講wwwwwwww」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:29:07.70 ID:qU7e1ms80
普段はのほほんと笑う唯とにっこり笑う憂ちゃん
でもこういう壷にはまるというか
心底可笑しいと感じることに遭遇したときの笑い方はそっくりだ

お食事マナーには厳しい方だと思ってたけど案外集まり会なんて好きなのかもしれない
そんなところも唯とそっくり

憂「中島くんって結構顔でかいよね」ヒック

中島「憂さんキチィーwwwwwwwwww」

律「無礼講無礼講wwwwwwww」

そして

中島「浮いてません?浮いてますよね?絶対浮いてますよこれは」

律「浮いてねえよwwwwww」

楽しい時間は

律「仲居さんこのメガネ揚げてきて下さい!」

中島「ちょwwwwwwwwwwwwww」

あっという間に過ぎた

律「憂ちゃん今だ!!」

カツオ「僕らごと貫いてください!!!」

憂「父上の仇!」ドスッ

中島「うっ」



カツオ「ちょっと騒ぎすぎましたね」

中島「マジでやりやがったあの仲居」

憂「お腹もいっぱいですね」

律「部屋に戻るか」

中島「あっ僕お土産コーナーでメガネあるか見てきます」

律「あるか?」

中島「甘いですね律さん、こういう臭そうな旅館が以外と穴場で


中島「べっこう色のだせえのしかないんですよ」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:29:40.92 ID:qU7e1ms80
カツオ「そう気を落とすな」

中島に励ましの言葉を贈り部屋の鍵を開けるカツオ

憂「布団敷かれてあるね」

中島「うぇーい」ボフッ

カツオ「お前そこな」

中島「えーやだよ端っこなんて」

カツオ「端のほうがよくないか」

中島「旅館泊まるときの端っこは嫌なんだ」

憂「わかるわかる何故だか怖く感じるんだよね」

中島「心理的なことが関係してるんでしょうかね」

律「・・・なあ」

中島「はい?」

律「誰かいるんだが・・・」

「・・・」

中島「だれあんた」

「お前が呼んだんだろ!」

黒いライダースーツに身を包んだ子供がいた
テーブルには自分で注いだのだろうお茶がある
随分居たのかな

カツオ「遅かったね、もう少し早く来てくれるなら一緒にご飯食べられたんだけど」

「途中で山菜うどん食べてきたから大丈夫」

律「もしかしてこの人が例の?」

カツオ「はい、こちらが律さんと憂さんっていうんだよ」

律「ど、どうも田井中律です(やっぱり男か・・・)」

憂「平沢憂です」

「話はざっと聞かせてもらってる、タラヲのハゲがやらかしたそうだな」

中島「今回は気まぐれなごっこ遊びじゃない、本気でかかって来てるんだ」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:30:18.07 ID:qU7e1ms80
カツオ「中島がだいぶ怒らせちゃったしね」

話に混ざれない律と憂は先に寝る布団を確保し、少し遠くから話だけ聞く

「対象はマスオと船とハゲの三匹か」

カツオ「うん、何か策とかある?」

「いや・・・特には」

中島「使えないな」

「・・・でも」

「マスオは俺にやらせてくれないか」

カツオ「マスオ兄さん?」

「ああ」

中島「おばさんは70億だけどいいのか?」

「ちょっとな・・・」

カツオ「ともかく力を貸してくれてありがとう、嬉しいよ」

中島「とりあえず律さん達に自己紹介でもしろよ」

「・・・あまり名は教えたくないんだが」

中島「早くしろよ」

「・・・」

律「い、いや別にそこまで言うなよ」

憂「あの、嫌でしたら結構ですよ?」

「・・・えーと」

「今回は協力という形になっているようだが手助けはしないし馴れ合うつもりもない
普段はゴロを刈って飯を食ってる
趣味といえる程じゃないがバイクを少々
この度ゲームに参加させてもらう



IKURA「イクラだ」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:31:19.41 ID:qU7e1ms80
IKURA「何か質問は。答えられるものなら答える」

律「はい」

IKURA「言ってみろ」

律「いくつですか」

IKURA「二歳だ、他には」

中島「はい」

IKURA「言ってみろ」

中島「顔がでかいのですが」

憂「ごめんってば」

IKURA「顔のでかさは器のでかさだ誇りを持て、他には」

中島「はい」

IKURA「言ってみろ」

中島「3頭身かもしれないんですけど」

IKURA「メタナイト卿は1頭身だ気にするな」

中島はイクラちゃんに人生相談を受けた


律「はぁ〜」ボフッ

ボリューミーな布団に体を沈め、枕に顔をうずくめる
歯磨きもしたし後は寝るだけ

憂ちゃんが隣で使い捨てのクシを使って髪を梳いている

憂「♪〜」

律「可愛いね」

憂「えっ」

律「かわいい」

憂「わ、私ですか?」

律「髪下ろした憂ちゃん可愛い」

憂「やめてくださいよーもう」

自分で言うのも変だけどこの数日間で憂ちゃんとの関係がぐっと縮まったと思う
不安な状況であるけれども嬉しい
私にとって、もう友達の妹などという言葉では言い表せない

憂ちゃんはどう思っているのかな
同じことを思っているならそれはこの上なく嬉しい
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:31:53.66 ID:qU7e1ms80
憂「律さんだって」

律「私はヘアゴムで結ってるからほとんどいつも通りだもんねー」

憂「むむむ・・・えいっ」グイッ

律「いててててっ」

憂「ああっ!ごごごごめんなさい」

律「な、なんで引っこ抜こうとした」

憂「もっとこう・・・スルスルっと抜けるかと思って」

IKURA「死活的な状況だってのに呑気なもんだ」

カツオ「イクラちゃんはどこで寝るの?布団もう一枚だそうか」

IKURA「いや、オレは自分の分の部屋を借りてる。そっちで寝るよ」

中島「じゃあ出てけよ」

IKURA「えっ」

中島「出てけっ!!!」

バタンッ!

中島「糞が」

IKURA「・・・」

IKURA「寝るか・・・」

カツオが電灯の紐を二回引く
部屋は豆球のぼんやりした灯りに包まれた
おやすみなさーいと中島の号令に私と憂ちゃんとカツオが連なって返事する

おやすみ

長い一日が終了した
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:32:41.78 ID:qU7e1ms80


チュンチュン

小鳥「チュンチュン」

目を開ける
見慣れない天井
カーテンの隙間と下の方からひらひら漏れる日射し

憂「・・・」ムクッ

隣に敷かれた布団では律さんが寝息をたてている
実を言うともっとガーガーいびきを出したり歯軋りしそうなイメージだったけど
そんなことはなく静かにスースー寝ていた

律「すやー」

常に元気で明るく、愛想を振りまく律さん
同じ愛想でもお姉ちゃんとは違う
お姉ちゃんが心を癒して安らぎを与える愛想なら
律さんは心を励まして刺激を与える愛想

無邪気であることに変わりはないが
無防備な寝顔はいつもより一層幼く見えた

律「すやー」

私はそっとお凸の左側で結われた前髪に手を伸ばす
旅館の安物だから耐久がしょっぱいのか寝返りを打ったことでなのか
ヘアゴムは簡単にスルスルと抜けた

憂「おはよーございまーす・・・」

長い前髪が片目にかかってしまった
けどこれはこれでなかなか

憂「可愛い・・・」

憂は起きないようにこっそり律の布団をかけ直し、
静かに自分の布団を畳んだ

憂「ゆっくり寝てくださいね」

よく見たら
カツオくんと中島くんの姿がない
が、
襖側、洗面所からドライヤーの音が聞こえる

中島「キャオwwwwwwww」ゴオオー

憂「おはよー」

中島「おはようございます憂さん、よく眠れましたか」ゴゴオー

憂「うん、髪セットしてるの?」

中島「はい、でも据え置きの整髪料があまり良くなくて」ゴオオオー

憂「二時間セットだっけ?」

中島「四時間です」ゴゴオー

憂「大変だね、ちょっと顔洗ってもいいかな?」

中島「どうぞ」ボオオー

憂「ごめんね」

中島「いえいえ」

ジャブジャブジャブ

憂「んー気持ちいい」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:33:16.09 ID:qU7e1ms80
中島「タオルをどうぞ」

憂「ありがとう中島くん」ゴシゴシ

中島「律さん起きませんね」

憂「気持ちよさそうに寝てるから起きるまでそっとしてようよ」

中島「そうですか」

憂「カツオくんはどうしたの」

中島「磯野なら三時間前に散歩しに外へ出ました」

憂「へえ・・・私も行こうかな」

中島「八時から朝食なので30分くらい前には戻ってきてくださいね、磯野にも伝えてください」

憂「うん、いってきまーす」

ガチャ

カツオ「せいやっせいや!」

カツオは旅館のすぐ出たところで素振りをしていた
旅館側からすればいい迷惑である

憂「カツオくん」

カツオ「おはようございます憂さん」

憂「おはよう・・・それって」

カツオの手には波平(故)の愛刀であった海鮮八つ裂き丸が握られていた

カツオ「念のため持ってきたんです、お父さんの形見でもありますので」

カツオ「僕は戦闘タイプじゃないんですけど
いざと言う時のために慣らしておきませんとね」

憂「あっ八時からご飯だって中島くんが言ってたよ」

カツオ「えーと後一時間ほどですね・・・もう少し続けるか」

憂「見ててもいい?」

カツオ「えっ・・・」

憂「だ、駄目かな?嫌ならいいんだけど」

カツオ「ごめんなさい、見られてると緊張しちゃって」ハハ

憂「そっか・・・じゃあ私その辺散歩してくるよ!」

カツオ「お気をつけて」

タッタッタ

カツオ「見せるようなものでもないしなあ」

カツオ「・・・」グッ

刀を握り再び構える
先ほどまで何千回と振り続けていたために柄が手汗で少し湿っていた
滑ってすっぽ抜かさないようにと自然と手に力が入る

キィン

KATSUO「・・・」

KATSUO「・・・!!!」ドォン!
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:33:50.75 ID:qU7e1ms80


憂「あっ」

IKURA「・・・」ガチャガチャ

憂「イクラさんおはようございます」

IKURA「よお、昨日はよく眠れたかいお嬢さん」

憂「はい」

IKURA「そうか」ガチャガチャ

二歳児の圧倒的な存在感に何故か敬語を使ってしまう憂

憂「かっこいいバイクですね」

IKURA「オレの大切な恋人さ」

憂「修理ですか」

IKURA「メンテだよ、調整」

憂「へえ」

IKURA「・・・」ガチャガチャ

憂「・・・」

IKURA「・・・」ガチャガチャ

憂「・・・」

IKURA「楽しい?」

憂「はい」

IKURA「・・・」ガチャガチャ

憂「・・・」

IKURA「・・・」ガチャガチャ

憂「・・・」

IKURA「・・・よおしいい子だ」バタン

ブルルルルルrrrr

憂「わあ!凄い」

IKURA「乗ってみる?」

憂「いいんですか?」

IKURA「試乗、試乗」

イクラが漆黒のライダースーツに着替える
憂は初めて乗るバイクに胸をドキドキさせていた

IKURA「準備はいいか」

憂「あの、ヘルメットは」

IKURA「おいおい警察ごっこじゃないんだ
ロボコップのコスプレなんてごめんだね」

憂「そ、そうですか」

バイクに跨る憂は初めての経験に緊張と不安、期待でいっぱいでした

ガロロロロrrrrr!!!!

憂「きゃ!」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:34:50.90 ID:qU7e1ms80
IKURA「おっと、そう怒るな」

唸り声のような轟音を上げるバイク

IKURA「女を乗せてるもんだからって妬いてやがる」

憂「へっ?」

IKURA「本妻の余裕ってのは重点項目だぜ?」ナデナデ

コルルルルrrrrrr・・・

IKURA「よしよし」

憂「びっくりしました・・・」ドキドキ

IKURA「中々のやきもち妬きでな、しっかり捕まってろ」

憂「は、はいっ」ギュ

イクラの腰に回した腕に力を入れる
その時、また一瞬だけバイクが唸った気がした

IKURA「さあ」

コオオオオオオオォォォォ・・・!!!!

IKURA「風になろうぜ」



律「・・・・」

律「・・・・」

律「あれ、ヘアゴム・・・」ペチペチ

律「・・・」

律「・・・」

律「誰もいない」

中島「キャオwwwwwwww」ゴオー

ガラっ

律「・・・」

中島「・・・」

律「・・・おはよう」

中島「だれあんた」

律「私だ」バサッ

中島「なんだ律さんでしたか」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:35:29.13 ID:qU7e1ms80
律「ちょっと顔洗わせて」

中島「はいはい」サッ

ジャジャジャアアアア

律「うー」

律「憂ちゃん達は?」

中島「磯野が散歩しに行ったんですけどそれに付いていきました」

律「私も行きたかったなあ」

中島「憂さんが無理に起こすのは悪いって言いましたので、
てか寝起きブッサイクですね」

律「憂ちゃんは優しいなあ」ブシャアアア

中島「No!僕のアルティメットヘアが!!」

−朝食−

カツオ「いただき−−

中島「−−様でしたー」

憂「とっても気持ちよかったです!」

律「いいなー私もバイク乗ってみたかったな」

IKURA「今度乗せてやるよ」

カツオ「今日の髪型COOLだな中島」

中島「偶然の産物とでもいうかな」

朝食を終えて部屋に戻る
イクラを呼び、現在の状況整理とこれからの行動について計画する

憂「ふっ!」カーン

カツオ「ナイスバッティン−−−」

中島「律さんいきましたよ!」

律「ヘイ!」ボスッ

IKURA「ナイスキャッチ」

律「なんで野球やってるんだよ!」

私達は近くにあった広場で野球をしていた
道具はデコトラに積んであった物を使う

中島「大作戦とか今時流行んないすよ」

カツオ「なるようになります」

中島「体動かしてたほうが有意義だしなー!」

外野を務める中島が遠くからカツオに叫ぶ
キャッチャーのカツオがしゃがんだまま返事をした

カツオ「律さんもっと抜く感じで投げるといいと思います」

律「抜く?」

カツオ「無理に力を入れないというか、腕だけで投げるんじゃなくて」

カツオ「足から腰に流してそのまま肩に伝わせて腕に手首にって感じです」

律「分からん」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:36:07.71 ID:qU7e1ms80
カツオにコーチをしてもらう
何度か投げる真似をしてそれらしい形を作った
多分いけますよとカツオに言われる
確かにさっきより身体が動かしやすいかもしれない

憂「ふっ!」カーン

律「打たれたじゃないか!」

カツオ「憂さんが上手いんですよ」

私の超剛速球は簡単に憂ちゃんの目に見切られた
気持ちのいい快音は乾燥した空気によくこだまする
弓なりにゆるく、そして伸びる

中島「取れえええええええええ!!!!!!」

IKURA「・・・」ボスッ

中島「いいねえええええええええええええええええ」

球は滑らかな曲線を描き、イクラちゃんのグローブで終着

IKURA「・・・」ヒュ

中島「コラwwwwてめイクラどこ投げてやがるwwwwww」

カツオ(うぜwwwwww)

イクラちゃんの暴投
中島が小ジャンプしたが届かず、球は公道の方までコロコロ転がる

中島「こらハゲwwwwwwお前だよwwwwwwww」

今日も、というよりここ数日はずっといい天気
お昼前にも関わらず、既に熱い
これから更に日射しは強く、カンカン照りになるんだろうな

暑い

暑いけど気持ちがいい

中島「おいハゲwwwwwwお前だってwwwwwwおい!!」

ちょっとだけ

本当に
ちょっとだけ

私はこの時間がずっと続けばいいなと、、、

中島「おいwwwwwwwwwwww無視すんなハゲwwwwwwコラwwwwww」

中島「お

トラック「         」



ドサッ









中島が轢かれた
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:36:39.21 ID:qU7e1ms80
私の世界と変わらない季節、気温、空気
夏の声、匂い、味

忘れていた
いや、きっと忘れようと自分に言い聞かせて誤魔化そうとしていただけ

私達は


ガチャ


この世界において


マスオ「みーつけた^^」


常に狙われる存在なのだということ



マスオ「^^」

IKURA「チィ・・・早い御出ましだな」

中島「お呼び出ないっての!」ヘッ

律「あれ」

船「おやおや、誰かと思えばイクラちゃんじゃありませんか」

マスオ「孤高のキャビアと謳われた君がなぜチームを?」

IKURA「・・・」チャキ

イクラはデザートイーグルを構える
銃口の向ける先はマスオ

マスオ「おっいい物持ってるねえ最近の子供h

ドオゥン

マスオ「・・・^^」

当たっていない
イクラちゃんが外したのではない
頭だけをほんの僅かにずらし、最小限の動きで
マスオが交わしたのである

マスオ「それが答えかい」

中島「糞っ[ピーーー]ば良かったのに!」

カツオ「どいてヒロくん!」ピンッ

カツオが飛び出す
歯で栓を抜き、手榴弾をトラック目掛けて投げつけた

モクモクモクモク

高濃度の白煙が発生する
辺り一面が煙幕に覆われた

カツオ「発煙弾だ!」

カツオは続けて手榴弾を投げる
投げて投げて投げまくる
狂ったように投げまくる
律と憂は少し引いていた

IKURA「助太刀いたす!」ガガガガガ

中島「朕も!」ガガガガガガガガガガ
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:37:22.37 ID:qU7e1ms80
イクラと中島はマシンガンで応戦する

中島「畳んじまえ!!」ガガガガガガガガガ

カツオ「一瞬の隙も与えるな!」カチャ

とどめのRPG-16
直撃したトラックは大爆発を起こした

IKURA「やったか!?」

マスオ達の気配はない
死んだのだろうか
そう願うも、念のため銃を構えたまま待機する

カツオ「・・・」

中島「・・・」

IKURA「・・・」

憂「・・・」

律「死んだのか・・・?」

カツオ「分かりません・・・」

IKURA「・・・・」

先ほどまで野球をしていた広場は一瞬の騒がしい出来事を引き起こし、静まり返る
トラックから炎上する火だけがメラメラ燃えていた

憂「・・・」

律「・・・」

IKURA「・・・!」

手榴弾の煙が濁る
その異変にいち早く気づいたイクラ

IKURA「クソッ」

AH-64「バララララrrrrr」

カツオ「ひゅー」

憂「ヘリコプター・・・?」

中島「ま、一筋縄じゃいかないわな」

アパッチの巻き起こす爆風で霧が晴れる
こうなれば最早しょっぱい小細工など通用しない

IKURA「乗れ!」

憂「へ?」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:37:56.16 ID:qU7e1ms80
IKURA「早くしろっ間に合わなくなっても知らんぞ!!」

律「ちょ、ちょっと待てよ!憂ちゃんをどこ連れて行く気だ」グイ

中島「律さん」

中島「はっきり言って律さんと憂さんは戦力になりません」

律「っ」

中島「イクラちゃんがいるとしても一度に二人を守りながら戦うのは難しいんです」

中島「ここは二手に分かれて敵を一人ずつ、確実に相手にするのが賢明かと」

律「・・・でも

憂「律さん、私は大丈夫です」

律「憂ちゃん・・・」

憂「中島くんが言ったとおり私達は足手まといでしかないんです、
その私達を守ろうと考えてくれた作戦・・・」

憂「私は皆を信じます」ガシッ

律「・・・イクラさん、憂ちゃんを頼みます」

IKURA「ああ」バルルルル

イクラのバイク発進

ドォン!!!
直後にヘリから船が落ちてきた
隕石でも衝突したかのような衝撃をビリビリ感じる

船「このメガネはあたしがやる、マスオさんはイクラちゃんを追ってくださいな」

装着したインカムでヘリを操縦しているマスオと通信する

マスオ『えぇー!?ぼ、ぼくがイクラちゃんをやるんですか!!』

船「つべこべ言わずにさっさとおし!」

マスオ『とほほ・・・』

バララララrrrr

船「さて」

中島「・・・」

カツオ「律さん後ろに隠れてて下さい」
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:38:24.91 ID:qU7e1ms80
律「う、うん」

船「何かあたしに言うべきことはないのかい」

中島「・・・おばさん」ザッ

中島が船に近寄る

中島「ここまで来て置いて何ですが、話し合いで済ませることは出来ませんか」

船「話し合い?大した語彙も知らないくせによくそんなことが言えたものだね」

船「ゆとりの証明だな」

中島「・・・でも ヒュ

カツオ「!!避けろ中島!」

咄嗟に叫んだ
素晴らしく迅速で的確な指示だったが間に合わず

中島「っ」

船の拳が中島の鳩尾にめり込む

FUNE「ツア!!!」

悪魔の追い撃ち
続けざまに背中への脾臓打ち、そして人間業とは思えない超最速のローリングソバット

律「なかじまあああ!!」

中島は吹っ飛んだ
小学生のころ見せられた交通指導のビデオを思い出す
その時の車とぶつかったマネキンのように、形容しがたい形で飛んでいく

ドオォン!!

数十メートル先で壁に衝突
壁はガラガラと音を出し崩れる

FUNE「目は覚めたかい坊や」

中島「・・・」

FUNE「早くやろう、拳が疼いて仕方ないんだよ」

ガラガラ

中島「・・・」

中島「フー・・・」

中島「・・・」コキコキ







NAKAJIMA「俺もだ」


同時に二人は切り込んだ
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:38:54.73 ID:qU7e1ms80


キイイイィイイン

対向車線を時速150`で逆走する黒光りした流線型のバイク

マスオ『逃げても無駄だよイクラちゃん』バラララ

IKURA「阿呆が!しっかりついて来やがれ!」

憂「〜!!」

初めて体験する風に驚きを隠せない憂
イクラの背中にしがみつくのが精一杯だった

IKURA(しかしただ逃げてるだけじゃあな・・・)

イクラは考える
チェイスごっこをいつまでも続けることは出来ない

相手はアパッチ
固定装備として生まれつき機関砲を備えた悪魔の奇形児

マスオ『ファイア!』ガガガガガ

IKURA「さっそく来ましたか!」

イクラは華麗にハンドルを捌く
なんということか
バイクは踊るように銃弾をかわすのである

IKURA「ジグザグ!」ヒュンヒュン

マスオ『こしゃくな』ガガガガガガガガガガガガ

IKURA「ジグザグジグザグ!」ヒュンヒュン

憂「イクラさん凄い!」

IKURA「任しとけ」

マスオ『当たらないなあ・・・』

マスオの攻撃をかい潜り、トンネルに突入

ゴオオオオオオオオ

憂「トンネルならヘリコプターは入ってこれませんね」

IKURA「まあな、このトンネルはかなり長い」

IKURA「策を練るのには打ってつけだがそれは相手も同じこと」

憂「・・・」

IKURA「つまりトンネルを抜ける時、勝負は決まる」

憂「何か考えはあるんですか?」

IKURA「あることにはあるです、
マスオのことだから恐らく出口で待ち伏せしていると思うんだ」

IKURA「うまくできるかどうか・・・」

数秒経った後、憂がたどたどしく口を開く

憂「やってみなくちゃ分からないよお」

IKURA「さもありなん!」

イクラはアクセルを限界まで開放した
姿勢を低く維持したまま頭を屈める
バイクはグゥンとスピードを上げ、どんどん加速
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:39:45.33 ID:qU7e1ms80
IKURA「振り落とされるなよ」

200、250、300

憂「ーーーー」

IKURA「ーーーーーー」

ピッチを上げる
密着し、しがみ付ける至近距離でも声は届かなくなった
遮断される
この世界では価値のない雑音など存在することは許されない

加速、加速、加速・・・

加速に加速を重ねる超越した快速
爆発寸前の後方噴射
高熱を帯びた火は青色を通り越して淡い雪のように白く変色する

音すら遅れてやってくるワープスピードはとっくの昔に神の領域へ突入していた

IKURA「この風ならいける」

小さかった外の光が大きくなっていく
出口が見えて来た

そして、

マスオ「ようこそっ!!」バッ

思惑通りマスオは待ち伏せていた
獲物が自ら向かってくるのだからこれ以上の攻撃チャンスはほかにない

マスオ「ここが貴様の墓場ということよ!!!」ガガガガガガガガガガ

IKURA「おぎゃ!!!!!!!!!!」

マスオ「!」

イクラは壁側に向けてハンドルをきった
今まさに撃ち殺そうとしていた敵のマスオでさえ、
このときばかりは危ないっ!と叫びそうになってしまった

しかし!
イクラ達は転倒しない!
バイクはクラッシュしなかった!!

IKURA「っ」

土管内のような円筒状のトンネル
その滑らかなカーブを利用し、壁を走行したのである

そのまま天井、反対側の壁へ
スクリューする要領でトンネル内を3Dに一周した

言わずもがなただ事ではない

神速のハイスピードはもちろん
イクラのハンドリング、スキル、キャリア
バイクとの調和

それは支配ではない、共鳴だった

IKURA「エクセレント!」

ブウウウウン

トンネルを抜け出す一台のバイク
空にはそれを見送るようにフウフヨ浮かぶ小型ヘリが一機

マスオ「ひゅー」

マスオ「見事だイクラちゃん」

マスオ「さすがのマスオさんも驚きを隠せないよ」

AH-64「バララララrrrrr」

マスオ「・・・」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:40:26.86 ID:qU7e1ms80
バキッ

取り外したインカムを握りつぶす

マスオ「ちょっと楽しくなってきちゃったよ」



FUNE「ゼァ!!」ドンッ

NAKAJIMA「・・・」ガッ

カツオ「頑張れ中島!」

休むことなく繰り出される連撃
ほんの僅かに中島が押されていた

FUNE「あたしに立てつこうなんざ100万光年早いよ!」ドムッ

NAKAJIMA「うっ」

律「ああっ!」

船の拳が鳩尾に深く突き刺さる

NAKAJIMA「っ・・・これが70億だって?笑わせる」

MAKAJIMA「それに光年は距離単位だぜおばさん!」ヒュ

FUNE「!」フワッ

中島が屈んだ姿勢から腰を落とし、船の足首を刈り取る
船は空中で無防備にも仰向け状態になった

NAKAJIMA「落とす!!これが人類の制すべき順風よ!」

色んなところをひねり上げ、振りかぶった足に渾身の力を込める
中島式踵落とし

直撃
鳩尾へのクリーンヒット
船の体が空中でくの字に曲がる
律は思わず自分の腹をさすった

NAKAJIMA「どうだいあたいの蹴りは!!」ガスガス

追い打ちをかける中島
倒れた船にここぞとばかりに蹴りを入れる

カツオ「目だ!目を狙え!!」

NAKAJIMA「チェスト!」シュ

FUNE「そう慌てなさんな、戦いはまだ始まったばかりだよ」ガシッ

NAKAJIMA「!」

突き出した足を掴まれる

船「粋がるなよ小猿!」ブゥン

寝転んだ状態にも関わらず、片腕だけで中島を持ち上げた
掴んだ中島の足を軸に、半円を描くように地面に向かって叩きつける

中島「がっ・・・」

瞬時に体を捻り頭を守るが代わりに背中を強打
充分すぎる衝撃に中島は怯む

中島「この」

FUNE「ひゃはwwwwww」バッバッバ←ドラゴンボールの距離のとり方

中島「糞」バッバッバ

FUNE「息が上がってるぜ」

中島「はあはあ」

FUNE「そうマジになるなって、ハッピーにいこうぜ」
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:41:26.07 ID:qU7e1ms80
中島「うるさい」

律「中島・・・・」

FUNE「いくよ」サッ

中島「・・・」バッ

二人は再び構えの体勢に入る

NAKAJIMA「フゥー・・・フゥー」

FUNE「・・・」

NAKAJIMA「・・・」スッ

FUNE「・・・」

NAKAJIMA「・・・」

カツオ「くらえっ」バシュ

FUNE「・・・」ハシッ

クロスボウで応戦するカツオ
死角からの狙撃
確実に頸ついを捕らえていたが
刺さる数センチ手前で止められる

カツオ「くそー」

FUNE「随分としょっぱい手を使ってくるねカツオ」

カツオ「うっせwwwwwwwwww」バシュ

FUNE「クロスボウが泣いてるよ」ハシッ

カツオ「今だヒロくんやっちまえ!!」

NAKAJIMA「・・・・」

カツオ「中島・・・?」

NAKAJIMA「やめてくれカッちゃん、気持ちは嬉しいがこれは俺にやらせて欲しい」

カツオ「・・・ごめん」

FUNE「・・・」スッ

律「・・・」

NAKAJIMA「・・・」

カツオ「・・・」バシュ

FUNE「・・・」ハシッ

中島「くそwwwwwwくっそwwwwwwwwww」

FUNE「ならアレやらないかい」

FUNE「ナイフコンバット」

律「ナイフコンバット?」

ネシヲラタシティで最も競技人口率の高いストリートファイト、
それがナイフコンバットである
ルールは簡単
刃渡り30cm以下の刃物を片手に持つだけ
鉈から文化包丁、果物ナイフなど刃物であるなら種類は問われない

カツオ「ちょっとだけ制限のついた喧嘩ですよ」バシュ

船「あたしはこれにするよ」ハシッ

中島「じゃあ僕はこれで」

船が掴んだのは家庭用の文化包丁
大して中島はポケットからバタフライナイフを取り出した
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:42:02.80 ID:qU7e1ms80
二人は殺傷力うんぬんより、普段から使い慣れている愛刀を選ぶ

律「あんなオモチャみたいなナイフで・・・」

カツオ「いえ、あれが中島の一番トウです」

カツオ「それにこのゲーム、実は中島のもっとも得意とする分野なんですよ」

律「そうなの?」

船「ふひひ」レロー

中島「・・・」

包丁を舐めまわす船
その様子を静かに見つめる

中島は自身に満ち溢れていた
カツオが言ったとおりこの戦いは得意分野であったから
特別な必勝法を知っているなんてことはない
ただ中島は、このゲームの本質を理解していた

刃物を持つという唯一の規則
大体の者は刃渡り30cmギリギリの大型ナイフを持とうとする
それも改造に改造を重ねたゴタゴタのナイフ

故にどうしても攻撃がナイフに頼りがちになってしまう
せっかくの四本の手足を使わず、わざわざ慣れないナイフを使いチマチマと突いてくる
自分で動きを制限してしまうのです

無意識にも束縛される挙動に困惑し、ギリギリと締め上げる
それが自分の首とも知らずに

これはどれだけナイフに支配されないかという自分との駆け引きでもある

クソ野郎が瞬足を履いたって恥を掻くだけ、
イケメンはダイソーの靴でも速いのです

デカイ武器を持てば強い
そんなものは

中島「おつむの弱え工作よ!!」シュ

キンッ

中島「きゃあ」

船「ボーっとしてんじゃないよ!」キンッキンッ

中島「あれれーwwwwwwww」キンキィン

律「お、おばさん強えぇ」

カツオ「力技すぎる」

船「ほらほらっ細切れになっちまうよ」

中島「くっ(なんて重い振り、斧みたいだ)」ガァン

スパッ

中島「あん」

律「ああっ!」

中島「大丈夫、かすっただけです」ツー

腕を押さえる
指の隙間から滲むように血が溢れてきた
どう見てもかすっただけで出る量ではない

船「ふひひ・・・汚い血だね」レロオ

中島「旨かろう(参ったな)」ドクドク
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:42:47.25 ID:qU7e1ms80
律「カ、カツオ」

カツオ「中島っとりあえず止血だ」

中島「そんな猶予をおばさんが与えてくれるかな」

船「いいよ」

中島「いいんスか」

船「ただし来るのはカツオ、お前じゃないよ」スッ

律「わ、私?」

船「制限時間は2分、それ以上場に残っているのであれば的とみなす」

律「よ、よぉし・・・」ドキドキ

中島「そういうことなら律さん早く!実はめっちゃ痛いです」ドクドク

カツオ「律さん救急医療セットです、
必要なものは一通り揃ってますから好きなだけ使ってください」

律「うんっ」ガシッ

カツオ(それとこれを)ヒソヒソ

律(うん?)クロスボウ

カツオ(隙をついてやっちゃってください)ヒソヒソ

律(無理だよ!使ったことないし!!)

カツオ(うーん・・・じゃあふくみ針とかできます?)

律(出来ねえよ!!)

船「なにやってるんだい」

律カツオ「!?」

船「言っておくけど馬鹿な真似したら時間関係なく潰すよ」

律「ひいぃ」

中島「痛いんだから早くしろよ!」

律「わ、悪い!」タッタッタ

船「ふん、飛べない鳥をいたぶる趣味はないんだ、ありがたく思いな」

カツオ「だれあんた」


律「待たせたな」ゴトッ

中島「ごめんなさい、しくっちゃいました」

律「謝るなよ。寧ろこの程度で・・・って全然この程度じゃないけど、
急所じゃなくてよかった」

律「ちょっと動かすぞ」

中島「はい」

斬られたのはTシャツの袖口数センチ下、二の腕の外側
血が肌を伝ってひじからポタポタ落ちている

律「心臓より高い位置に上げて、付け根をバンテージで絞める」キュ

中島「血は平気なんですか」

律「そりゃあ進んで見たいとは思わないけどさ」ネジネジ
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:43:20.00 ID:qU7e1ms80
律「よしっ水で一旦消毒だ」ジャジャジャ

中島「残ったの下さい」

律「ガーゼにエタノールを染み込ませてと」

中島「ングングング」

律「ホントは縫った方がいいんだよな・・・」

中島「そうですけど出来る範囲でいいですよ」

律「ごめんな役に立てなくて」

中島「いえいえ」

律「・・・うん、こんなもんかな」

傷口にガーゼを当て、ずれない様に包帯でしっかり固定
ちょっと包帯の巻き数が大げさな気もするが

中島「ありがとうございます」

律「礼をいうのはこっちの方だ」

律「今さらだけど、助けてくれて本当にありがとうな」

中島「ニコッ」

船「あと10秒」

中島「さあ早く離れてください」

律「必ず勝てなんて偉そうなこと言えないけど」

律「絶対死ぬなよ」

カツオの元へ戻る
返事はしなかったけど中島はにこりと静かに笑った

船「ほらっ」

バタフライナイフが飛ぶ

中島「随分気前がいいですね」パシッ

船「フィフティフィフティというのがあたしのモットーでね」

船「でもこれ以上の待ったはナシだよ、その時は潰す」

中島「どーも」

船「・・・」サッ

中島「・・・・」サッ

カツオ「頑張れ中島」

律「・・・」

第二ラウンド開始
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:43:49.13 ID:qU7e1ms80


カツーン カツーン カツーン

革靴の硬い音
埃っぽい空気でもよく響く

外は立っているだけで汗が拭き出すくらい暑かったから、
倉庫内の異様な涼しさには驚いた
少し寒いくらいだ

マスオ「イクラちゃーん憂ちゃーん、いるんだろーう^^」

IKURA「・・・」

憂「・・・」

物陰に隠れる二人

マスオの襲撃から逃れたイクラちゃんたち
走り続け、山奥に建てられた廃工場にたどり着く
追跡してきたマスオに見つからないよう身を潜めていた

マスオ「撃たないから出ておいでー」

しーん

マスオ「怒るよー」

しーーん

マスオ「マジで怒るよー」

しーーーん

マスオ「・・・^^」

バァン!!

何もない空間に向かって発砲
ごぉんと火薬の破裂音が低く鳴った後、
キーンとした静けさが帰ってくる

マスオ「ホントはねぇ、どこにいるか知ってるんだよ」

マスオ「五つ数える前に出てこなきゃお仕置きするよー」

IKURA「・・・」

憂「・・・」

マスオ「ひとーつ」

IKURA「・・・」

マスオ「ふたーーーーつ」

憂「・・・」

マスオ「みいーーーーーズダアァン!!!

ガタン

マスオ「みつけたああああああああああああ」ダッ

憂「!」

不意に発砲したマスオ
どこからか生じた物音
極めて小さい音だったがマスオは聞き逃さなかった

物凄い速さの女走りで音のした所に向かう

マスオ「うわああああああああああああ」ダバダバ

マスオ「ヘアッ」バァン
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:44:34.21 ID:qU7e1ms80
しーん

マスオ「・・・あれ?」

カチャ

IKURA「お前、オセロじゃあ四隅取れば勝った気でいるタイプだろ」

マスオ「あらら」

簡易トラップ
誘われたマスオの後頭部に、冷たい無機物を当てる

マスオ「イクラちゃんズルイよ^^;」

IKURA「お前走り方キモすぎ」

マスオ「憂ちゃんなら引っかかると思ったんだけどなあ、
真面目っぽいけどどんくさそうだし」

憂「・・・」

マスオ「ねーねーイクラちゃんは何で一緒にいるの?」

マスオ「正直一人のほうが動けるでしょ」

IKURA「気まぐれ」

マスオ「嘘だね、何か隠してる」

IKURA「知ったかするなよ」

マスオ「もしかして情とか湧いちゃった?孤高のキャビアと謳われたイクラちゃんが」

IKURA「ふざけろ、ただの即席チームだ」

マスオ「ふぅん」

IKURA「もういいだろ、早く銃捨てろよ」

マスオ「えー」

IKURA「捨てろ」

マスオ「・・・^^」

マスオ「後頭部に当ててるの、銃じゃないよね」

IKURA「・・・」

マスオ「正確には分からないけどその辺で拾った鉄パイプか何かかな」

マスオ「デザートイーグルは念のため憂ちゃんに持たせた」

マスオ「さすがイクラちゃん抜かりない」

マスオ「でもあんなの、ただの女子高生に使えるわけないじゃないか」

マスオ「それにイクラちゃんが持ってればもう勝負はついてたのにね」

IKURA「どの道お前には聞きたいことがあった、まだヤらないさ」

IKURA「お前こそ、それを知ってて何で撃たないんだ。気をもむことはないだろ」

マスオ「イクラちゃん避けるじゃん^^;絶対当たんないし下手すれば盗られるし」

IKURA「・・・やってみなくちゃ分からないだろ」

マスオ「何それ?そういう作戦?」カチャ
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:45:14.84 ID:qU7e1ms80
IKURA「・・・」

マスオ「・・・」スッ

バァン×5

銃を握った手を天井に向けたマスオ
間を置かず、立て続けに響く5発の銃声
連射された銃弾は真上に飛んでいった
もちろん天井には穴が空いたのだと思うが、肉眼では確認できない
それほどの高さと広さを持つ廃工場

ただ、コンクリートの床に出来た5つの小さな光の円が、
弾が天井を貫通したのだということを証明していた

マスオ「あらら何という不運、偶然にも弾切れだ」カチッカチ

IKURA「今のはちょっと面白いな」

マスオ「そお?」

IKURA「・・・」

マスオ「フッ^^」シュ

IKURA「!」ガインッ

予告無しの高速バックブロー
イクラが咄嗟に突き出した鉄パイプはぐにゃりと曲げられる

マスオ「手加減してよイクラちゃん!」ブンブン

IKURA「俺だって肉弾戦は苦手なんだよ」ヒュイヒュイ

華麗なるイクラは難なくマスオの攻撃をかわす

憂(すごい・・・全部避けてる)

マスオ「ふんっふん!!」←必死

IKURA「・・・(こいつ、思ったより弱いぞ)」ガガッガガガガ

勿論一般の成人男性と比較すればとんでもない力を持つマスオなのだが、
それでもイクラにしてみればミーアキャットがじゃれてくる程度

大振りな攻撃を最小限の動きで避ける
数発当てては避け、また数発当てては避け・・・
ヒットアンドアウェイな華麗なるIKURA

IKURA「どうしたどうした!?息が上がってるぜ」ガガガッガガ

マスオ「うぐぐ」

IKURA「あたいのスピードに着いてこれるかな!」

マスオ「つあ!」シュ

IKURA「!」ツー

憂「血が・・・」

マスオ「ふふっ^^」

IKURA「?(確実に交わしたはず・・・)」

マスオ「僕くらいのレベルになると蹴りで真空刃を造れるのさ」

IKURA「それは凄い」

マスオ「かっこいいだろう?」ビュ
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:45:40.47 ID:qU7e1ms80

押され気味だったマスオはここはチャンスと積極的に攻めはじめる
イクラは警戒しながら考える
幾ら素早く動かしたって人間の蹴りで真空を作ることなんて出来ない
それは分かってること
そもそもそんなものをまともに食らってたら切り傷で済まない

IKURA(ていうか蹴り自体はそんなに早くないな)ヒュヒュ

マスオ「その綺麗な顔を切り刻んであげるよ!」ギュウン

IKURA「」フゥ

マスオ「!」

顔面への上段蹴りをかました

イクラがマトリックスで華麗に交わす
そのまま後方に転回する要領で両手を落とし、
膝で突き出されたマスオの脚を挟み込む

IKURA「オラァ!!」ギュン

両手を軸にして下半身を捻り上げる
脚がねじり込まれたマスオは床に倒れこんだ

マスオ「いててててて」ギリギリ

IKURA「なんだこれ?スライサーか」

革靴の側面に組み込まれた円盤上の刃
遠心力で飛び出す仕掛けらしい

マスオ「イカしてるだろう、ワカメちゃんに作って貰ったんだ^^」

IKURA「お前はそいつを殺しただろうが」グイッ

またがる形でマスオの首を締め上げる

マスオ「ギギギギ」

IKURA「もういいだろ、お前じゃあ

マスオ「コナン君もびっくり」バシュ

眼鏡のフレームから仕込み針
間一髪のところ、イクラは何とか避けるが腕の力を抜いてしまった
その機を逃さなかったマスオはイクラの脇腹に膝を入れる

マスオ「そおーれ」ナゲトバシ

IKURA「痛たーい」

マスオ「^^」ガシャガシャガシャガシャ

尋常じゃないスピードで弾をリロードしていたマスオ

IKURA「!?(なんて速さだよ!)」ガシッ

マスオ「きゃは!(ハァト」スチャ

IKURA「キモいわ!」ブン

イクラは先ほどの鉄パイプを再度拾い、投げつける
曲がった鉄パイプがブーメランのように飛ぶ
今まさに放とうと意気込む握られたワルサーP38
その手に見事命中した

IKURA「はぁん」ガァン

カラカラカラカラ
ガシャン
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:46:21.47 ID:qU7e1ms80
落ちた銃を振り上げた足で力一杯蹴る
床を滑って数十メートル先の壁に当たって止まった

マスオ「ひどいじゃないかイクラちゃんんんんん」

IKURA「悪いな、他人の銃は触れたくないんだ」

マスオ「よくそんな意味不なポリシー持って生きてこれたね」

IKURA「人に弄られたくないっていう奴もいるだろ?」

マスオ「別にぼくはそんなこと思わないなあ」

IKURA「あらそう」


憂「・・・」コソッ

ワルサーP38「」

憂(マスオさんの鉄砲・・・)

マスオ「もう!イクラちゃん強すぎ^^;」

IKURA「終わりか?」

マスオ「まだ死にたくなーい」

IKURA「殺さないよ、聞きたいことがあるって言っただろ」

マスオ「じゃあ銃取ってきていい?」

IKURA「駄目」

マスオ「はあ・・・」

IKURA「・・・」

マスオ「ノリスケ君」ボソッ

IKURA「!」

マスオ「」ダッ

IKURA「しまっ・・・!」

マスオ「うわあああああああああああ」ダバダバ

隙を付いて銃の元へ女走りで駆け寄るマスオ

ダッ

憂「っ」タタタッ

遅れて物陰に隠れていた憂が向かった

IKURA「阿呆が!出てくるな!!」

マスオ「憂ちゃんそんなところにいたのかあああいいいい」ダバダバ

憂「ひぃ」タタタ

マスオ「うわああああああああああ」ダバダバ

憂(こ、怖い!けどここからなら私のほうが近い)

憂(イクラさんのは私が持ってるし、今あの銃をマスオさんに
持たせるのは絶対駄目・・・)タタタ

憂(私が奪ってイクラさんにこの銃を渡せば・・・)タッタッタ

憂(ううん、渡せなくてもあの銃さえ私が奪っちゃえば後はきっとイクラさんが)タッタッタ

憂(私だって、役に立つんだ)ッタッタッタ

マスオ「んんーーこれはどうやら間に合わないね」

マスオ「でも思わぬ収穫だ」ジャキ

マスオ「棚ぼたゲット」フッ
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:46:57.46 ID:qU7e1ms80
IKURA「はむ!」

マスオ「イクラちゃん必殺技って魅力的だと思わない?」

マスオ「強くてかっこよくてダイナミックで、それでいて見るものを圧倒する最高の演出」

マスオ「切り札は!!!最後まで取っておくものだよ!!」ギュイイン

マスオが回し蹴りで空を斬る
すると革靴の隠し刃が本当の意味で飛び出した
円盤型のスライサーディスクが勢いよく放たれる

IKURA「な!?」バブゥ

マスオ「おまけのもう一枚サービス!」ビュ

続けて片足の方の刃も発射
その睨んだ先は言うまでも無く

憂「ハッ・・・ハッ・・・」タッタッタ

IKURA「憂さああああああん!!!」

マスオ「しかと目に焼き付けたまえ!!これこそ娯楽の極みというものだよイクラちゃん!」

IKURA「くっ」ダッ

憂「はあはあ」タッタ

憂「せやあっ!!」ハシッ

憂「イクラさあん!やりました!!私やりましたあああ」ウオオー

「憂さあああああああああああん!!!」

憂「んっ」

ギャリリリリリリrrrr

憂「」

IKURA(まっ間に合わな・・・)ダダダッ

マスオ「ヒャッハー!!!!解体ショーの始まりだあああ!」

IKURA「姉さああああああん」

憂「ほああああああああああああああああ!!!!!!!!」



律「はぁあ!!」

カツオ「どうしました律さん」

律「はあはあ」

カツオ「?」

律「・・・」

律(一瞬、憂ちゃんの叫び声が聞こえた気が)

律(なんだこの胸騒ぎは・・・・)

律「・・・憂ちゃん」

カツオ「いけいけ中島!押せ押せ中島!!」

中島「オラアアアアア」ガガガガガガ

船「こいやあああああああ」ガガガガガガ

42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:47:50.16 ID:qU7e1ms80
IKURA「・・・」

あ…ありのまま今起こった事を話すぜ

情けないことだがスライサーが憂の姉さんに直撃する瞬間、
俺は思わず目を伏せてしまった。不甲斐ない

終わった・・・俺は自己喪失した
律の姉さんとの約束を破ってしまった

しかしなげく俺の耳に聞こえたのは三回の銃声
そっと顔をあげてみた

UI「・・・」ビリビリ

ディスクが粉々に砕け散ってマスオが倒れていた

な…何を言っているのかわからねーと思うが 
おれも何をいっているのかわからない

預けておいて言うのも変だがあの銃は女子供に素直に従うような出来たモノじゃない
下手しなくても脱臼する

頭がどうにかなりそうだった…催眠術だとか超スピードだとか
そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ

もし、
もしも憂の姉さんがたった数日でそれほどまでの境地に着いたのだとしたら

IKURA(この人は)

憂「」スッ

IKUTA「おっと」

気が抜けたように力なく倒れこむ
華麗なるイクラはしっかり受け止めた

IKURA「気絶してる・・・」

イクラは憂の手から滑り落ちた銃を拾う
握ってみて分かった
拒絶してる
新しい飼い主を見つけたのでしょう

IKURA「ちょっと薄情すぎやしませんか」

マスオ「グ・・・」ビチャ

IKURA「よお」

マスオ「ハハ・・・なんて展開だい、さすがのマスオさんも驚きを隠せないよ」ゲホッ

IKURA「俺もびっくりした」

マスオ「はあーあ、もう終わりかあ」

IKURA「おいおい勝手に終わられちゃ困るぜ」

マスオ「・・・^^」

マスオ「いいよ、僕が知ってることを全部教えてあげよう」

スッ

上着を枕代わりに憂を寝かせる
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:48:20.65 ID:qU7e1ms80
IKURA「・・・」シュボ

IKURA「フーー」

IKURA「・・・」

マスオ「君のお父さん、ノリスケ君は元・海鮮フォーの一人だった」

IKURA「!」

マスオ「でも安心して」

マスオ「昔の海鮮フォーは無償で奉仕活動を行うだけのただの慈愛団体だったんだ」

マスオ「小さい団体で活動自体もそんな大したことはしてなかったけど」

マスオ「見返りなんて求めなかったよ」

マスオ「ノリスケ君も喜んで協力してくれた」

IKURA「・・・」フー

マスオ「ある日、僕とサザエに子供が出来た」

マスオ「僕は書類をぶん投げて会社を飛び出したさ」

マスオ「病院に着いて分娩室へ向かったんだ」

マスオ「中に入って思ったの、あれー?って」

マスオ「おかしいんだよね、院内の電気が1つも付いてないの」

マスオ「しーん・・・なーんも聞こえない、消毒液の臭いなのかな?あの変な臭いだけが
ツーンって鼻に付いたのね。はい」

マスオ「でもよーく耳をすますと」

マスオ「ペチャ、ペチャ、ペチャ」

マスオ「もうね、うわあぁ・・・てなりましたね。ええ」

マスオ「やだなー怖いなー」

マスオ「アタシはそう思ったんです。ええ」

マスオ「そしたら分娩室の扉がいきなり

−ギイイイイイイィィィィィィイイイイイイ

マスオ「あたすはスッと顔をあげてみたんです」

マスオ「赤ん坊が助産婦をレ○プしてたんですよね。はい」

IKURA「・・・」

マスオ「それがタラちゃんだった」

マスオ「僕はその現実離れした状況にただ呆然としていた」

マスオ「タラちゃんが言ったんだ」

マスオ「『勃起がおさまらないですぅ^^』」

IKURA「・・・」

マスオ「僕は震えた」

マスオ「武者震いなんてそんな体裁のいい言葉じゃないよ、
本当に心の底から来る恐怖に震えたんだ」
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:48:55.11 ID:qU7e1ms80
マスオ「なんということだ。このたった一人の子供が存在する。
それだけで宇宙の法則がくつがえされる。」

マスオ「ぼくはとんでもない悪魔を作ってしまった」

マスオ「あれほどまでに血が騒いだのは初めてだったよ、あの時の興奮は今でも覚えてる」

マスオ「そして決めた、この子が三歳になったら海鮮フォーのボスにしようと」

マスオ「この世界に新たなる因果関係を創り上げようと」

IKURA「・・・」

マスオ「1つ問題が発生した」

マスオ「真実を知ったノリスケ君が海鮮フォーを抜けたいと言い出したんだ」

マスオ「ぼくらは止めた、というより知られちゃったんだから逃がすわけにはいかないしね」

マスオ「ほぼ拷問に近い仕打ちだった」



船『調子のいいこと言うんじゃないよ!』バシィ

ノリスケ『あひぃ』ビクンビクン



ガァン

イクラちゃんがマスオに飛びつく
スーツの襟首を掴みあげる

IKURA「ふざけるな!お前らが父さんと母さんを殺したんだろう!!」

マスオ「・・・」

IKURA「答えろ!」

マスオ「うんち」

IKURA「この」ギリッ

マスオ「・・・ハア」

シリアスな顔になるマスオ

マスオ「僕だってやりたくなかったさ、血は繋がってなくてもお互い家族同然に接してたし」

マスオ「だから必死に説得した」

マスオ「それでも絶対に協力しないというんだ」

IKURA「当たり前だろう、父さんがお前らなんかに力を貸すはずない」

マスオ「ノリスケ君はもちろんだけどタイコさんも意外にしつこくてねえ、
なかなか食い下がらない」

マスオ「でね」

マスオ「強引だとは思ったけど、ちょっとだけ強硬手段にでたんだ」

IKURA「・・・」

マスオ「いやね、さっきも言ったけど僕はやりたくなかったんだ」

マスオ「ただー」

IKURA「・・・」

マスオ「ノリスケ君が

IKURA「」

マスオ「あんまり言うこと聞かないもんだから
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:49:35.38 ID:qU7e1ms80
IKURA「」

マスオ「タイコさんを

IKURA「」マキマキマキ

マスオ「婦女暴行しちゃいましたぁ(ハァト」

IKURA「・・・」

マスオ「それでノリスケ君はやっと返事をしてくれたんだ」

IKURA「そうか」チャカ

マスオ「まあワカメちゃんが加入したから一年もしない内に処分されたけどね」

マスオ「君を残して」

IKURA「分かったもういい。止めて悪かったな、死んでくれ」ガチャ

マスオ「君はたった一人で本当によく頑張ったと思うよ」

マスオ「産まれて5日でCQCを極め、3ヶ月で20ヶ国語を理解」

IKURA「もういい言うてるやろ!!!」

マスオ「ゴメンね^^」

イクラちゃんマスオの眉間に銃を当てる

マスオ「^^」

IKURA「」グッ

マスオ「ノリスケ君はキミを我が子のように可愛がっていた」

IKURA「?」

マスオ「^^」

IKURA「・・・なんやて?」

マスオ「君の目はタラちゃんにそっくりだ」

IKURA「!!?」

マスオ「ニコッ」

IKURA「・・・」ブルブル

マスオ「僕にも」

IKURA「うるさい・・・」

マスオ「最後のお願いだよ」

絶対的な形勢
突きつけるイクラちゃんと突きつけられるマスオ
ほぼ勝利は確定している状況でありながら
イクラちゃんは息切れする
マスオの表情に恐怖はなかった

MASUO「一度でいいからパパって呼んで欲しいなあ^^」

ガチャン

IKURA「嘘や!!!!!」
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 11:50:20.46 ID:qU7e1ms80
マスオ「ふふっ」

IKURA「嘘だ、そんなこと・・・」

マスオ「信じるかはイクラちゃん次第だよ」

マスオ「さっ早く撃ちたまえ」

IKURA「だって俺の・・・父さんは」

IKURA「母さんだって・・・」

IKURA「うっ」ゲロッ

ビチャビチャ

IKURA「ハアハア」

マスオ「^^」

IKURA「ハァ−−−」

IKURA「−−−−」

マスオ「疲れただろう?何も残らないでしょ」

マスオ「燃え尽きて崩壊する。いいや灰殻も瓦礫さえも残らない」

MASUO「それが絶望さ」

IKURA「−−−−」

マスオ「あるのは無だけ」

マスオ「自由って本当は物凄く疲れることんだ」

マスオ「イクラちゃん」

IKURA「−−−−」

IKURA「・・・」スッ

マスオ「そう、いい子だ。それでいい」

IKURA「・・・」

マスオ「^^」

IKURA「父さん・・・」

マスオ「うふふ」

IKURA「母さん・・・」ポロポロ

マスオ「ふふふふ」

IKURA「ごめんなさい」

マスオ「あははははははは!!!さっさと逝け糞ガキ!!!」

UI「逝くのはお前だ」

マスオ「あれ・・・憂ちゃん起きたんだ」

UI「うるせーゴミ[ピーーー]ぞ」

マスオ「・・・^^」

バキッ

マスオ「^^」

マスオ「!!?アァアア」

憂の顔面にめり込むはずだったマスオの拳
その腕はアンビリーバブルな方向にねじ曲がっていた
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:04:01.38 ID:qU7e1ms80
UI「」フッ

マスオ「!!」ドンッ

足をはらう
逆らうことなく簡単に転んだマスオの体にのしかかり、マウントを取る

UI「・・・」

マスオ「コナン君もび

バキッ

マスオ「」ネチャ

UI「痛い?」

マスオ「超痛い」ボタボタ

UI「じゃあ[ピーーー]よ」

拳を振り下ろした
ストレートがテンポよくマスオの顔面に食い込む
曲線的な軌道を描く横殴りではないため、
衝撃は流れずコンクリートとサンドイッチ状態になる

マスオ「コンクリでマウントはまじやばい」

隕石のごとく絶えず降り注ぐ憂の鉄拳、
まさに流星群の集中豪雨だった

憂「ああああああああああああああああああ」

ボカボカボカ

憂「ああああああああああああああああああああ」

ボカボカボカ

憂「フルコンボだドン!」

マスオの顔面はボコボコに、
憂の手は血でベトベトに

憂「はあはあ」

憂「はっ」

マスオ「」

憂「や、やってもうた」

マスオ「アアアアアアア!!」ガバッ

憂「ひっ!!」

バァン

マスオ「」ドスッ

バァンバァンバァン

マスオ「」しーん

IKURA「フーフゥーー」

憂「イクラ・・・さん」

IKURA「ハアーーー」ガチャ

マスオ「」

憂「痛っ」

憂「て、手首が」

IKURA「・・・」

IKURA「見せてみろ」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:04:46.46 ID:qU7e1ms80
憂「はい」

IKURA「折れてはないな、無理に使ったから痛めたんだろう」

冷却スプレーで冷やして包帯で固定
華麗なるイクラは慣れた手つきでさっさと処置する

憂「ありがとうございます」

IKURA「ん・・・」

憂「あの」

IKURA「もう生きる意味はない」

憂「そんなことありません」

IKURA「死のう」ブラーン

憂「馬鹿なことはやめてください!」スパッ

IKURA「放っておいてくれ、もう俺には何も残ってないんだ」

IKURA「家族も居ない、仲間もいない」

IKURA「やっぱり死のう」ブラーン

憂「イクラさんが死んだら私が悲しいです」

IKURA「・・・」

憂「律さんだってカツオくんも中島くんも悲しみます」

IKURA「あいつらは仕事関係で繋がってるだけだ」

憂「本当にそうでしょうか」

IKURA「?」

憂「カツオ君たちも同じようなことを言っていました」

憂「でも心の中ではきっと仕事仲間以上の思い入れがあったと思うんです」

IKURA「そんなこと」

憂「あります、だからイクラさんに助けを求めたんですよ」

憂「イクラさんを信用して尊敬して、一緒に戦ってくれることを誇りに思って」

憂「二人ともイクラさんがだぁい好きなんです!」

IKURA「・・・」ブラーン

スッ

イクラちゃん、首の縄をほどき地に足をつける

憂「イクラさん」

IKURA「よく考えたらレディの前で首をくくるなんて失礼だった」

憂「!」パァ

IKURA「子供は苦手なんだけどなあ、今度焼肉屋でも連れて行ってやるかな」

憂「私もいきます!」

IKURA「太りますよ」

憂「むむむ、レディに向かって失礼ですよ」

IKURA「うぇへへ」

憂「あっ」
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:05:29.71 ID:qU7e1ms80
IKURA「ん?」

憂「初めて笑いましたね」

IKURA「そりゃあ俺だってたまには笑うよ」

IKURA「・・・い、生きてるんだし」ボソッ

憂「ふふっそうですね!ごめんなさい」

IKURA(家族もいない仲間もいない。きっと死ぬまで一人なんだと、ずっと思ってた)

IKURA(でも俺が死んだら悲しいと言ってくれる人がいた、
俺の存在を許してくれる人がいた)

IKURA(俺は生きててもいいのか、死ななくてもいいのか)

IKURA(もしかしたら)グッ

IKURA(もしかしたら嫌いだった自分を好きになれるかもしれない)

IKURA「ぼくはここにいてもいいんだ!!」

憂「ばんざーい!!」

IKURA「やったね!!!」

イクラちゃん歓喜のあまりガッツポーズ

バァン

IKURA「・・・」ベチャ

IKURA「え?」

憂「イクラさん!!ガンッ

憂「うっ」ドサッ

IKURA「憂さん(あれ?お腹が熱い・・・)

撃たれた?

IKURA「!!!」カチャ

イクラの脳はまさに今起こったことを瞬時に整理し理解する、
その事態に適したなすべく行動に移す

ズダァン

IKURA「ァ」

続けざまの発砲
2発目の銃弾は右手に命中

ガチャン

握っていたデザートイーグルがふっ飛ぶ
指が一緒についていく
右手の上半分が消えていた

IKURA「アァアアアアアア!!!」

バァンバァンバァン

IKURA「ぎっ」ドサッ

IKURA「ハッ・・・ハッ・・・」
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:05:57.08 ID:qU7e1ms80
タラヲ「^^」

IKURA「糞が・・・」

タラヲ「パパ死んじゃったんですね、やっぱりイクラちゃんは強いですぅ」

IKURA「憂さんを離せ」ヒューヒュー

タラヲ「はい?」

IKURA「憂さんをッゲボ!」

タラヲ「^^;」

タラヲ「あっけないですね、あのイクラちゃんがこんな終わり方なんて」

IKURA「言ってろ。お前みたいなクズ野郎カツオさん達がいれば

バンッ

IKURA「カッ・・・」

バァン

IKURA「」ピクピク

タラヲ「^^」

タラヲ「それにしてもやってくれましたね」

タラヲ「ぼくの計画がめちゃくちゃですぅ」

憂「」

タラヲ「責任を取ってもらうですよ^^」

トテピチャプトトテン

IKURA(中島さん・・・カツオさん・・・律さん)

IKURA(憂さん・・・)

イクラ「」



律「憂ちゃんが!憂ちゃんがぁ!!」

カツオ「一体どうしたんです」

律「憂ちゃんのところに連れてってくれ!助けを呼んでる、何かあったんだ!!」

カツオ「落ち着いてください」

律「憂ちゃんがあぁ!!!」

カツオ「落ち着け!」パシィ

律「あぅ」

カツオ「憂さんにはイクラちゃんが着いてます、大丈夫ですから安心してください」

律「ううう・・・」

中島「連れて行ってやれ磯野」ガガガ

律「!」
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:06:27.37 ID:qU7e1ms80
中島「お前のデコトラならすぐだろ。それとこのメガネを持っていけ、憂さんに発信機を付けて置いたから
メガネの指示通りに進めば着く」ガガガガ

カツオ「で、でもさあ中島

中島「イクラちゃんの海鮮圧が消えた」

カツオ「!!?」

船「よそ見してんじゃないよ」ガガガガガ

中島「がががががっ!」

カツオ「バカな・・・イクラちゃんが」

中島「ちょっと前には物凄い気も感じられた、
一体何が起こってるのか分からない」ガガガ

中島「大丈夫、さっさと片付けて僕もすぐに追うから」ガガガ

船「片付けるだって?寝言は寝て言いな」

船「それにこの私が簡単にホイホイ行かせるとでも思ったかい」

律「うっ」タジ

中島「僕が相手をします、早く行って下さい」ガガガガ

船「邪魔だよ、おどき!」ガガガガッ

中島「チェストォ!!」ドゴン

中島のジャミラキック
船は後方に下がりダメージを流すが勢いで飛んでいき、壁に衝突した

中島「今のうちに早く」

カツオ「・・・」

中島「早く」

カツオ「・・・律さん乗ってください」

律「うんっ」

運転席にカツオ
助手席に律が乗り込む
キーを回してエンジンをかける

デコトラ「ゴゴゴゴゴggg」

中島「律さん、ガリガリ君ご馳走様でした。美味しかったです」

律「い、今いうことかそれ」

中島「まだ言ってなかったと思いますので」

律「別に・・・ガリガリ君くらい好きなだけ買ってやるよ」

中島「楽しみにしてます」ニコッ

中島「磯野」

カツオ「・・・」

中島「こんな糞みたいな世界さっさとおわして野球でもやろうな」

カツオ「中島・・・」

中島「何だ」

カツオ「・・・」

カツオ「絶対死ぬなよ」

中島、親指を立てる
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:06:56.26 ID:qU7e1ms80
ブウーーーン
デコトラ発進

船「ふんっ」ガララ

中島「お目覚めですか」

船「逃がさないよ」ダッ

中島「おばさん」サッ

船「なんだい、お喋りで足止めしようって手かい」

中島「今さらですけどあなた舟ですよね」

船「・・・」

中島「なんだ船ってゴーイングメリー号かテメーは」

船「・・・」マキマキマキ

ドォン

中島「・・・」ビリビリ

FUNE「なるほど。テメーはそんなに死にてーか」

中島「少々お口が過ぎますよマダムシップ」

中島(悪いな磯野、俺死ぬかも)

第二部:完
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:07:23.89 ID:qU7e1ms80
カチッ

メガネ「ppppppp」←コナン君のよりいいやつ

カツオ「山間部の廃工場・・・」

律「そこに憂ちゃんたちがいるのか」

カツオ「はい、結構遠いので飛ばしますよ」ブブブー

律「カツオ」

カツオ「なんでしょう」

律「中島、絶対勝つよな」

カツオ「・・・どちらが強いかといったらお母さんです」

律「そ、そんな」

カツオ「今の二人で比べたらですけど」

律「え?」

カツオ「中島は一度だけ僕にマジギレしたことがあるんです」

カツオ「あれは小学三年生の夏休み明けのことでした」

カツオ「嫌々ながらも何とか宿題をすべておわせたと思っていたのに、
自由研究を忘れていたのです」

カツオ「焦る僕の前を大きなレポート用紙を担いだ中島が通りました」

カツオ「中島はランドグシャの食感について研究していて、それはとても丁寧に、
詳しくまとめてあったのです」

カツオ「僕はそのレポート用紙の名前蘭に磯野カツオと書き加え、共同作品に仕立て上げました」

律「ひどいな」

カツオ「魔がさしたんです、あの時は本当に殺されるかと思いましたよ」

カツオ「猛禽類のような奇声をあげて追いかけてきたんです」

カツオ「今の中島からは想像もつかないくらいの」

律「つまり・・・中島はまだ本気を出していないのか?」

カツオ「ええ」

カツオ「あいつは、中島は・・・」

カツオ「ダブルスコア《返り咲き》持ちなんです」

律「なにそれ」

カツオ「中さんどうか死なないで・・・」カチッ

メガネ『ヴゥン』

カツオ「あれ?戦ってる中島の姿が」カチッカチ

律「そんなシステムも付いてるのか」

カツオ「映るのは片方のレンズだけだから運転中でも視聴できる」

律「あっ憂ちゃんたちの様子は見れないのか!」

カツオ「うーん・・・それは無理みたいです」カチッカチ

律「なんだ・・・」

カツオ「とにかく僕たちは早く向かいましょう」

ブーーン
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:07:53.74 ID:qU7e1ms80


憂「・・・」

憂「ん・・・ハッ」

殴られた頭がズキズキする
反射的に押さえ込もうとしたのに腕が動かない
両手を縛られていることに気づいた

タラヲ「気づきましたか^^」

憂「!タラちゃん」

タラヲ「パパを倒せて良かったですね」

タラヲ「ここでイクラちゃんがいなくなるのは惜しいですけど」

憂「イクラさん!」バッ

体を動かせないので頭だけを動かして辺りを見回す
仰向けに倒れているマスオ

憂「ぁ・・・」

その少し遠くにイクラちゃんが横たわっていた

タラヲ「ふふですぅ^^」

タラヲ「きっと今はカツオお兄ちゃん達がおばあちゃんと戦っている頃ですね」

タラヲ「せいぜい頑張って欲しいです」

憂「・・・」

憂「カツオくんも」

タラヲ「?」

憂「サザエさんもマスオさんたちも、みんな家族でしょ?」

憂「なんでこんなことするの」

タラヲ「^^;」

タラヲ「さっきパパも言った通り、僕は新世界を作りたいんです」

タラヲ「そのためなら家族だとしても多少の犠牲は必要なんです」

憂「家族を犠牲にしてまでそんなこと

タラヲ「もちろんです^^」

憂「最低・・・」

タラヲ「はい?」

憂「最低って言ったの!」

タラヲ「僕に言ってるんですか?」

憂「ふんっ」

タラヲ「・・・^^」

トテピチャプトトテン

タラヲ「^^」

憂「・・・な、なに

タラヲ「^^」

ゴッ

憂「あがっ!!」
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:08:29.69 ID:qU7e1ms80
顔面に拳をぶち込まれる
鼻の奥でツーンとこもるような痛みを感じた

鼻から血が垂れる

タラヲ「黙れですぅ、女の分際で僕に口出しするなんて生意気にも程があるですよ」

憂「っ」ボタボタ

憂「・・・」ペッ

憂「あなただって、まだガキのくせに」

タラヲ「・・・」

憂「あなたの言う新世界なんてただ暴力でねじ伏せてるだけの子供の妄想だよ」

憂「そんなつまらない子供の遊びにつき合わせて振り回して」

憂「みんなあなたを慕ってなんかない、怯えてるだけ」

憂「暴力でしか人の心を動かせないなんて」

憂「可哀想な人」

タラヲ「・・・」

憂「・・・」

タラヲ「僕もそう思います」

憂「!」

タラヲ「現に何百人もいたしもべ達はみんな離れていきました」

タラヲ「とは言っても使えない奴から片っ端に処分してたら
パパたちしか残らなかったってだけなんですけどね」

憂「・・・」

タラヲ「やっぱり信じられるのは同じ血が流れてる家族だけですよね」ボロンッ

憂「!!」

タラヲ「今回はちょっと被害が大きすぎました」ビンビン

タラヲ「想定外ですよ、こんなに暴れてくれるなんて」ガシッ

憂「は、離してっ」バタバタ

タラヲ「僕もこう見えて結構心配性で」

タラヲ「おばあちゃんは強いですけどしもべはもっとたくさんいた方が安心できますぅ」

タラオ「僕の遺伝子を持って産まれた確実に強くて忠実なしもべが^^」

憂「ひいぃ!!」



ブーーン

律「見えたっ廃工場ってあれじゃないのか!」

カツオ「・・・」

律「カツオ?」

カツオ「は、はい!そうです」

カツオは左レンズに映る中島たちの戦いに意識を向けていた

FUNE「ハイハイハイ」ガガガガ

中島「おぅふww」
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:09:36.88 ID:qU7e1ms80
FUNE「さっきの威勢はどうした中島ぁ!」ガガッガガ

中島「ぐぬぬ・・・」

ドムッ

中島「うっ」ガクッ

FUNE「恋人がいなきゃパワー半減かい」

中島「はあはぁ」

中島「アアアアアアアアアアアアア」ggg

集中し、
体内の色んな組織を活性化させたりそういうことをしたりする

中島「くっ」シュウウ

中島「なんで出来ないんだ・・・!」

FUNE「・・・お前もしかしてダブルスコアを狙ってるのか」

中島「!」

カツオ「(ばれた!?)」

FUNE「お前なんかに出来るわけないだろう、
あたしにだって出来なかったんだ」

中島「やってみなきゃ分からないだろ」

FUNE「無理むり、いままででも発揮できたのはたった二人だ」

FUNE「それもただ発揮できただけで成功とはいえない未完成で」

中島「・・・」

FUNE「一人目はこのアビリティを解明して実用化を図ろうとした創造者ISASAKA、
自身が開発者でありながらも力を抑えきれずに飲み込まれて死んだ」

FUNE「二人目はうちのハゲだ、もう死んだがな」

FUNE「海風の波平と恐れられた最盛期のハゲでさえも制御できなかった、
刀もまともに握れない後遺症だけを残してな」

FUNE「イクラすら手を出さなかったもろはのリミッター解除術、
お前に出来ると思うか?」

中島「出来る」

FUNE「大した奴だ」バッ

中島「はああああああああああ」gggg

FUNE「まっ、そんな暇与えないけどね」シュ

中島「いっ」

FUNE「あたしはこれが一番好きでね^^」メリメリメリ

中島「あがああああああああああぎ」
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:10:07.45 ID:qU7e1ms80
FUNE「馬鹿だね、出来もしないことに賭けるなんて力を浪費するだけだよ」メリメリ

『あぎいいいいいいいいいいいい』

律「お、おい、かなりヤバいんじゃないか・・・?」

カツオ「・・・」

『出来るんならさっさとやってみろやオラァ!!』

カツオ(怒れ、もっと怒るんだ中島、感情を爆発させろ)

『おぎゃあああああああああああああああぎあぎあああぎぎぎ』

律カツオ「!!?」

『雑魚が』

『がふっ』

律「マジでやばいって」

カツオ「なんで・・・なんで使えないんだ!」

『磯野ぉ』

カツオ「中島!」

律「・・・」

カツオ「こ、こんなはずじゃあ・・・」

律「・・・」

律「カツオ」



ドサッ

中島「こひゅーこひゅー」

FUNE「これで分かったろう、強大無比の力の差というものを」

中島(やばい、マジで死ぬ)

FUNE「これで分かったろう、強大無比の力の差というものを」キリッ

中島「うるせえ糞」

FUNE「フンッ!!」ボコォ

中島「ああああ・・・」ゲロォ

ビチャビチャ

FUNE「さっさと倒して追いかけるんじゃなかったのかい」グイッ

中島「俺のアルティメットヘアに触れるんじゃねえ、セットが乱れる」

FUNE「それは悪かったね」ヒュ

中島の後頭部を鷲づかみしてしっかり捕らえる
勢いよく地面に叩きつけた
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:10:40.00 ID:qU7e1ms80
FUNE「よいしょ」ガララ

中島「」

FUNE「あららくたばっちゃった?」

中島「・・・」

FUNE「あっ生きてた」

中島(せっかく四時間かけてセットしたヘアスタイルがぐちゃぐちゃだ)

中島(綺麗な顔もボコボコにされちゃったし、鋼の肉体が言うことを聞かない)

中島(もっと強いと思ってたんだけどなあ)

中島(約束も守れないなんて)

中島「かっこ悪いなあ・・・」

FUNE「あたしもマスオさんのところへ向かうとするよ、
あいつあんまり強くないから手こずってると思うんだよな」

中島「ふふっ」

FUNE「なんだ?殴りすぎていかれちまったか」

中島「マスオさんは死んだ」

FUNE「は?」

中島「分からないのか?あいつの臭い海鮮圧が消えたこと」

FUNE「・・・」

中島「脳みそまで筋肉で出来てる単細胞のお前じゃ気づかなかったか(イクラちゃんのことは黙っておこう)」

中島「そろそろ律さんたちも合流する頃だ(少しでも時間を稼がなきゃ)」

FUNE「・・・へぇ、マスオ死んだんだ」

中島「ああ、最も俺だったらワンパンで沈めてたけどな」

FUNE「あいつ雑魚すぎだな、使えねえ」

中島「相手はイクラちゃん、当然の結果ってやつさ」

FUNE「そうか、向こうにはイクラがいるのか・・・」

中島「返り討ちだぜ」

FUNE「このあたしが?ハッ、まとめて潰してやるよ」


FUNE「・・・で」

FUNE「お前はそろそろおねんねの時間だ」グイッ

中島「・・・」

FUNE「お前の死骸を土産に持っていってやろうか、
きっと喜ぶぜ」

中島「お節介ババアは嫌われるぜ」

FUNE「なるほど」メリッ

中島「っ」

悪いな磯野、先にいってるぜ
バットは僕が持ってくるよ
グラウンドもならしててやるから
こんな糞みたいな世界さっさとおわして野球やろうな

FUNE「なにか言い残すことは」

中島「ある訳ねえだろクソババア!」

FUNE「ならば[ピーーー]!!!」
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:11:17.81 ID:qU7e1ms80
またな磯野
あとは頼んだぜ

中島「・・・」

FUNE「・・・」

中島「・・・?」

中島の喉が船の手刀によって突かれようとした瞬間、船が動きを止めた

ぼくは何が何だか分からなかった
やるならさっさと止めを刺して欲しいとさえ思っていた
いつまで待っても痛みが感じられない
死ぬのって痛くないのかな
もしかしてもう死んでるのかも
ゆっくり目を開けてみる

FUNE「なんだいこのしょっぱい攻撃は」

中島「なっ・・・」

船の左手には鉄製の矢が握られていた


そこには

カツオ「勝手にいかれちゃ困るよ中島」

クロスボウを構えたカツオがいた

中島「磯野っ!」

カツオ「何がぼくに任せろだよ、ボロボロじゃないか」

中島「それより何でお前・・・律さんはどうした!」

カツオ「それがね

FUNE「[ピーーー]っ!!」

カツオ「黙れ」バリッ

FUNE「」バタン

抜かりないカツオはスタンガンで反撃
船は気絶した

カツオ「実は、

・・・・・

律『カツオ、お前やっぱり戻れ!』ガチャ

カツオ『えっ?』

律『これ借りてくぞ』カチャ

海鮮八つ裂き丸を手に取り外に飛び出した

カツオ『ちょ、ちょっと律さん!』

律『ごめんな、連れてけって言ったり戻れって言ったり』

律『でも今の中島には絶対お前が必要なんだと思う』

カツオ『そ、それは・・・』

律『あいつ本当に死ぬぞ』

カツオ『!』
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:11:46.16 ID:qU7e1ms80
律『ここまで連れてきてくれてありがとうな』

律『大丈夫、もう見えるところまで来たし後は走ってでもすぐに着くよ』

カツオ『・・・しかし律さんだけでは!』

律『なめるなよ!!私だって戦える、お荷物なんてゴメンだね』

カツオ『・・・』

律『でも』

カツオ『?』

律『やっぱり私だけじゃ怖いから、
早く来てくれると嬉しかったりもするよ!』ダッ

タッタッタ

カツオ『・・・』

カツオ『待ってろ中島ああああ』ブウウゥン

・・・・・

カツオ「って律さんが」

中島「んん・・・律さん一人で向かったのか」

カツオ「だから早くお母さんを倒して僕たちも追うんだ」ガサガサ

カツオ「中島、腕を出せ」

中島「なんだそれ」

カツオ「ワカメ製のエーテル、特効薬だからすぐに効果だがでるはずだよ」バシュ

中島「ふうぅ」

カツオ「最後の一本だったけど役に立ってよかった」

中島「凄いな、本当に体内の組織が再生しているのが分かるぞ」

FUNE「」ムクッ

カツオ「あっ起きた」

FUNE「おはよう」

カツオ「中島あとどれくらいあれば回復できる?」

中島「完全は無理でも・・・三分あれば何とか戦えるくらいには

カツオ「聞いたかよババア!!一分くれりゃあ中島さんがもれなくテメーをボコボコにしてやるってよ」

中島「ちょwwwwwwww」

FUNE「いいね、でもこのあたしが一分でも暇を与えると思うか?」

カツオ「その一分を僕が稼ぐのさ」

中島「!」

カツオ「悪いな、僕じゃあそのくらいしか足止めできない」

カツオ「制限時間は一分、お前はその一分間で体を回復させることに集中しろ」

中島「でも磯野が」

カツオ「僕が心配ならさっさと回復を始めろおおおおおおおお」

中島「ハイ!!」

ザッザッザ

FUNE「よくもまあへこへこと戻ってこれたもんだねカツオ」

FUNE「親に盾突くなんてお仕置きが必要だ」

カツオ「だれあんた」
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:12:26.61 ID:qU7e1ms80
FUNE「お前があたしの舞台で立っていられるとでも」

カツオ「無理だよ、でも絶対に耐えて中島に繋いでみせる」

FUNE「情けないね人任せだなんて」

カツオ「これが僕らのやり方さ。中島にバトンが渡ったとき貴様の死は確定する」

FUNE「なかなかムカつくなお前」

ザッ

FUNE「出来損ないの不良はスクラップだ」

カツオ「こいババア、僕が相手だ」

磯野カツオが参る



タッタッタッタ

律「はあ・・・はあ・・・」

律「くそっ結構刀って重いんだな」

ガッチャガッチャ

律「待ってろ憂ちゃあああああああああああん」

タッタッタッタ



カツオ「・・・」

FUNE「・・・」

カツオ「t

FUNE「ふんっ」ドゴォン

カツオ「ぎいいいいいいいいいいいい」

中島「磯野ー!!!」

カツオ「死ぬ」

中島「お前は戦闘タイプじゃないんだ無理するんじゃない」

カツオ「僕に構うなっ回復に集中しろ」

中島「う、うん」フウウゥウン

FUNE「一発でダウンするんじゃねーだろうな」

カツオ「そんなわけないでしょ」ゴホッ

根性で立ち上がるカツオ

FUNE「ククク・・・雑魚が、引き裂いてやる」

もはや原型をとどめていない船

中島「ただのタイラントじゃねえか」フイィイン

カツオ「t

FUNE「ふんっ」ドゴォン

カツオ「おええええええええお」ビチャビチャ

中島「!!ッ・・・(意識を集中させるんだ、今は体を治癒させることが最優先)

中島(磯野のくれたチャンスを無駄にしちゃいけない)フイイィン
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:12:56.84 ID:qU7e1ms80
カツオ「t

FUNE「ふんっ」ドゴンッ

カツオ「慣れた」カチャ

両手にサブマシンガン:イングラムM10を構える

カツオ「朕のターン!!」ガガガガガガガガ

次々に撃ち出される弾丸が船を目掛けて飛んでいく

FUNE「ぬるいな」スッ

ふところから出した文化包丁を振り回す

FUNE「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄」

弾は本来の役目を果たすことなく地面にコロコロ転がった

FUNE「どうしたどうしたぁ!遅すぎてあく

バシュ

FUNE「うっ」

カツオ「やった!一発当たった」

FUNE「てめぇ・・・」ギリ

カツオ「まだまだ!」ガガガガガガガガ

休むことなく連射する

カツオ「農民は苦しんでいる!」カシュボーン

手榴弾を狂ったように投げる

カツオ「一揆だ!!」ボヒュン

ランチャーRPG−16が炸裂

カツオ「一揆!一揆!一揆!!」バラララララララ

ガトリング銃による横殴りの鉛雨

モクモクモク

激しい交戦で砂煙が発生する
視界が遮断された

FUNE「なんだいそれは、砂を巻き上げる技か?」

FUNE「残念だが貴様の鉛玉はあたしを嫌っているらしい」

FUNE「それとも、腕が悪いのかな?ん?」

返事はない
目の前には砂煙がもくもくと立ち込めているだけ

やがて砂煙が落ち着いてくる
視界が回復してきた

コオオォ・・・

中島「またせたな」

中島弘、再臨
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:13:29.34 ID:qU7e1ms80
カツオ「中島」ドキッ

FUNE「へえ」

中島「ごめんなさいおばさん、これで決めさせてもらいます」スッ

FUNE「こっちのセリフだ」ザッ

・・・・・

中島「−−フッ」

FUNE「ヒャハwwwwww」

ガガガガガガガガガガgggg

中島「ガガガガガガガガ」

FUNE「ガガガガガガガガ」

殴る蹴るの暴行
両者一歩も引かず

二人は宙を舞っていた

決して飛んでいるのではない
それは人間には出来ることではないから

中島「[ピーーー]!」ガガガ

FUNE「お前が[ピーーー]!」ガガガガ

二人は跳んでいた
しかし二人の『跳ぶ』は『飛ぶ』よりも信じがたい動き、
人間の常軌を逸したアンビリーバブルな動作
3Dの格闘ゲームを見ているような感覚だった

中島「おおおおおおおおおお」

FUNE「SYAHAHAHAHAHAHAHAHA!!!!」

空中を蹴っている
一瞬だけそう錯覚するかもしれない
でもそんなハイカラな活劇ではない

中島「磯野が来てくれた時点で勝利は確定した」

FUNE「いい加減さっさと潰れろ!」

この二人、互いの体を踏み台に徐々に上へ上へと跳んでいる
パフォーマンスを見せているのでなければ曲芸を披露しているわけでもない
どちらかのタイミングが少しでもずれてしまえば無理にでも終わる交戦
それはまるで猛禽類同士の空中戦のようだった

中島「ふううぅ」

カツオ「中島!?」

中島は攻撃するのをやめる
数十メートル上空で戦っていたことから落ちるのは当たり前
中島は重力に従って落下した

FUNE「諦めたか小僧」ドキュン

船も追うように後に続く

中島「・・・」
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:14:39.27 ID:qU7e1ms80
目を閉じる
深く呼吸してみる
鼻から吸って口から吐いて
お腹がそれに合わせて膨らんだりしぼんだり
風の音が耳元でキュルキュル鳴った
こんな状況ではあったがちょっとだけ気持ちよかった

FUNE「結局お前は何一つ守ることも出来ずにお陀仏するんだよ!!」

船は膝を真下に構えて急降下してくる
中島が地面に衝突すると同時に首をへし折る考えなのだろう

中島「」

フッ

FUNE「!」

ドゴォン

地面に大きなクレーターが作られた
派手な演出ではあっても手ごたえがない

FUNE「・・・」

カツオ「え・・・」

船は見切っていた
中島が地面にぶつかる間際の異変に

FUNE「消えた・・・?」

あるのは船の膝メテオで砕かれたがれきだけ
中島の姿がない

ドンッ

FUNE「っ」

と、船は再び上空へ飛んだ
見えない何かに打ち上げられた

不意を突かれた船は咄嗟に体勢を立て直そうとする

ガガガガガガガガガガガガガggg

宙で舞う
見えない何かに弾き飛ばされ、その先でまた跳ね飛ばされる
船は跳弾するように躍っていた

NAKAJIΣA「ああああああああああああああああああああああ」ガガガガガガガガガ

カツオ「やはり天才か(大した奴だよお前は・・・)」

FUNE「馬鹿な!この技は」

カツオ「中島は二度咲く、返り咲いたのさ」

NAKAJIΣA「人が人の死生観に干渉しちゃいけない」

NAKAJIΣA「生きる資格?義務?価値?責任?
そんなこと勝手だしどうでもいい」

NAKAJIΣA「ただひとつだけ分かったことがある」

NAKAJIΣA「お前には生きるセンスがない」

FUNE「シねえ!!」
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:15:10.94 ID:qU7e1ms80
フッ

FUNE「!?」

再び姿が消える
しかし船はすぐに感づいた
背後にまわっていることに

NAKAJIΣA「ここは俺のテリトリーだぜ?」

FUNE「この私が、この私があああああああああああああああ」

NAKAJIΣA「フルコンボだドン!」

・・・



タラヲ「^^」

憂「・・・」

タラヲ「憂お姉ちゃんこっち見てください」

憂「・・・」

グイッ

憂「ひぃ!!」

タラヲ「これが何だか分かりますか」

憂「やめてっ近づけないでよお」

タラヲ「初々しい反応ですね、憂お姉ちゃんてまだですか」

憂「・・・」

タラヲ「^^;」

タラヲ「とりあえず脱ぎましょうね」ヌギヌギ

憂「触んないで!」ジタバタ

タラヲ「うふふですぅ」

憂「朕に触れるな!!」バキッ

タラヲ「うっ」

必死の抵抗をみせる憂
幸い脚は縛られていなかったことから、バタつかせた足がタラヲの顎にクリーンヒットした

タラヲ「あーん、憂お姉ちゃんに蹴られたですぅ」

憂「・・・」

タラヲ「あーんあーん」

憂「・・・」

タラヲ「痛いですー」

憂「・・・」

タラヲ「・・・」ムクッ

タラヲ「何だか興奮してきましたよ^^」ビンビン

憂「やだーーーー!」
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:15:48.16 ID:qU7e1ms80
バタンッ

律「憂ちゃああああああああん」

憂「あ・・・」

憂「律さああああああああああん!!」

律「憂ちゃあああああああああああああん」

タラヲ「おやおや」

タラヲ「邪魔が入りましたね、
しかし律お姉ちゃんだけというのはどういうことですかな」

律「うるさいっ今にカツオ達が来てくれる」チラッ

イクラ「」

律「・・・」

スッ

イクラの前にしゃがんで合掌する
二三秒だけ目をつむる

律「その汚い手を離せ」

タラヲ「はい?」ビンビン

律「ひっ!」

憂「律さん来ちゃ駄目です」

タラヲ「あなた達をつれて来たのはどうやら失敗だったようです、
僕の計画がことごとく崩されてしまいました」

タラヲ「僕はとても怒っています」

律「悪いことをしてるのはお前の方だ」

タラヲ「^^;」

タラヲ「そこで僕はかんがえました」

タラヲ「今は忠実で強い下僕が必要だと」

タラヲ「憂お姉ちゃんには才能がある、きっと素晴らしい赤ちゃんが生まれますよ^^」

律「何てヤローだ・・・!」

タラヲ「見た感じ安産型のようですし」ベシッ

憂「あうっ」

律「ケツを叩くな!」

タラヲ「うふふ^^」チャキ

憂「!」

タラヲ、ポケットからジャンビーヤを取り出す

タラヲ「ジャンビーヤ」レロオ
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:16:24.37 ID:qU7e1ms80
律「そ、それでやるってのか!?」

憂「いえあれは遊牧民が成人した証に与えられたりするほとんど飾りに近いナイフです
短いし湾曲が激しいし戦闘向きとは言えませんね」

タラヲ「こうするんですよ」スッ

憂のスカートをたくし上げ、下着の隙間に刃を滑り込ませる

律「何!?」

憂「やぁん」

タラヲ「うふふ^^どうしますか律お姉ちゃん」

タラヲ「憂お姉ちゃんの大事なところが丸見えになっちゃいますよ」

律「ばばばばバカ野郎、女の人が下半身冷やすのはいけないんだぞ」

最もな意見だがこの状況で言うのもおかしい
律は自分でも何を言っているのか分からなかった

タラヲ「律おねえちゃんも見たいんですか?」

律「みみみみみ見たないわそなもん!」

律は興奮していた

憂「律さん」グスッ

律(くそっ膝がガクガクしやがる)

タラヲ「助けないんですか?早くしないと」レロー

憂「ん・・・」

タラヲの舌が憂の首筋をつたう

律「やめろ!」

タラヲ「さあどうしました律お姉ちゃん、まさかここまで来といて
尻尾を巻いて逃げるんじゃないでしょうね」

律「ガチで斬るぞテメェ・・・!」チャキ

律はカツオに授かった(故・波平所有)海鮮八つ裂き丸を鞘から抜く

タラヲ「へえ、おじいちゃんの刀ですか、かなりの名刀ですけど
律お姉ちゃんにつかえるんですかぁ」

律「・・・」

タラヲ「そもそも刀なんてのはある程度の造りが整ってれば何を使ってもさほど変わりはないんです」

タラヲ「持ち主次第で表情を変える」

クソ野郎が瞬足を履いたって恥を掻くだけ
イケメンはダイソーの靴でも速いの巻の法則

タラヲ「とは言ってもそれは特別ですけどね、
何百年経っても妖刀化せずに素直に持ち主に従う代物ですぅ」

憂「律さん危ないですよお!そんなの女の子が振り回したら怪我しちゃいます」

自分の置かれる立場もかえりみずに律の心配をする

カランッ

タラヲ「銃は捨てました、いつでもどうぞご自由に^^」
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:17:00.11 ID:qU7e1ms80
律「・・・」ドキドキ

タラヲ「律お姉ちゃんビビリすぎですぅ」

律「う、うるさい」

律(やっぱり持ってみると結構重いな)

律(憂ちゃんに当たったら只事じゃないぞ)

律(大丈夫、背中とかをちょっとだけ切るだけでいい)

律(・・・いや、あいつは家族までも利用してゴミのように殺した)

律(躊躇なく)

律(き、切り殺し・・・て、)

律(ここここ[ピーーー]?私がやるのか?)

律「・・・・」ドキドキドキ

プツッ

下着に潜りこませた刃を立てる
端のほうが数センチだけ切れた

憂「ぁ・・・」ツー

奇抜な形をしたくせのある短剣
その湾曲した刃先が内ももに食い込み少量の血が滲み出た
股の付け根から内側のももを伝って滴り落ちる

律「うわああああああああああ!!」

律(いいんだやっちまえ田井中律)

律(あいつがいなくなれば私達は元の世界に戻れる、
この世界だって強制シャットダウンだ)

律(悪くない、私は悪くない、誰も悪くない)

律「うおおおおおりっちゃんブレイドオオオオ

踏み込んだ後、重心を低く保ちつつ下半身をしっかり固定、上半身を腰からスイングする要領でひねる
すると思いのほか刀を握る腕が自然と前に振り下ろされた

律(もらった!)

そう思った時、

タラヲ「ふんっ」ブルンッ

タラヲが物凄い速さで振り向いた
タラヲの数メートルはあろう大木のごとく大きさと太さ、硬さを持った陰茎が律の横腹にめり込んだ

メリッ

自分でも分かる
骨の軋む音、決して心地の良い音ではない

時間がゆっくりになった感じがした
空中で体を折り曲げたまま浮かんでいる

少し経ってから腹に痛みが走る
遅れてやってきた時間差攻撃

律「あああああああ」ドンガラガッシャーン

憂「律さあああああああああん!!!」

タラヲ「^^」
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:18:03.80 ID:qU7e1ms80
律は吹っ飛んだ
同年代の子と比べると身長、体重ともに平均より低い女子高生田井中律は吹っ飛んだ

律「〜〜〜!!」

声が出ない
痛くて痛くて叫びたいのに口から吐き出されるのは掠ったような吐息だけ

激しい痛みに悶絶する
腹に耐え難い痛みがじわじわ押し寄せる

内臓が爆発しているようだった
体内で花火が打ち上げられてそれが永遠にこだましているようなズキズキ系の痛み

律「〜〜〜か、はぁ!!」

やっとこさしぼり出た声
呼吸が懐かしく思える
息をするたびに心臓が脈をうっているのが実感できた
ドクンドクンといつもよりちょっと早い気がするテンポで脈をうつ
その度に体が軋んだ

律「いってえ・・・」

憂「ああ・・・」ガクガク

タラヲ「肋骨三本はいきましたね」

憂「もうやめてよぉ」

タラヲ「はい?」

憂「律さんがぁ!律さんが死んじゃうよ」

タラヲ「だったら」スッ

憂「ひっ」

タラヲ「^^」

憂「うううぅ朕に触れるなぁ」グスッ

律「やめろ憂ちゃん」ゲホッ

タラヲ「律お姉ちゃんはそこで見ててください」

タラヲ「そうだ」グイッ

タラヲ「ほら、律お姉ちゃんの見たかった憂お姉ちゃんの大事なところ」

プツッ

切り込みを入れられつつ、かろうじで繋ぎとめられていた薄い布地
刃が完全に通り、本来の役目を終える
憂の秘部を包んでいた布がハラリと落ちた
ジャンビーヤ大活躍

タラヲ「憂お姉ちゃん綺麗ですぅ^^」

憂「・・・」

前髪が小さく揺れていた
下唇をかみ締め俯けた顔をあげようとはしなかったが、
耳まで赤く染まって、紅潮しているのが分かった

タラヲ「良かったですね最後に拝めて、あとは僕に任せてください」サワサワ

憂「やあぁん///」
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:18:53.16 ID:qU7e1ms80
あらわとなった憂の股ぐらを弄る

律(クソッたれ・・・体が言うことを利かない)

律(声もまともに出せないし、腹が)

律「私じゃ何も出来ないのか・・・?」

タラヲ「うふふですぅ」ペロペロ

憂「やだぁやだよお!!」

律(なんでこんなに弱いんだ

律(結局私はお荷物なのか)

律(もっと力があればあんなやつ簡単にやっつけられるのに)ギリッ

律(強くなりたい)

律「力が欲しい・・・」











−−−チカラガホシイカ

律「・・・え」

−−−力が欲しいか

律(なにこれ・・・脳に直接

波平『ハゲ爺じゃ!)』

律「な、波平!」

突然頭に響いた雲じい風の謎のささやき
その声の正体は盛られて死んだはずの波平だった

波平『久しぶりですね律さん』

律(おじさんどこにいるの!?)

波平『わしはもう死んだ、今は魂だけのスピリット状態です』

律(人間ではないってことですか?)

波平『わしは死ぬとき魂を外に吐き出すという中島くんの術を思い出した』

波平『やってみたら出来た』

律(やばいですね)

波平『たまたま素振りしていた刀があったからそれに憑依したのだ』

波平『わしは刀に宿る精霊として生きることを選んだのである』

律(嘘ですよね)

波平『面白半分で入ったら抜けなくなっちゃったの』

律(どうして今まで黙ってたんですか!
おじさんがいれば助かる命だってあったはずなのに!)

波平『わしは既に死んでいる、本来は存在することすら許されることじゃないんです』

波平『この世に影響を与えてしまうような干渉はできんのだ』
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:19:27.25 ID:qU7e1ms80
律(そんな)

波平『だがしかし、見ての通りタラは人間のクズだ』

波平『わしがしようとしていることは絶対にやってはいけないことかもしれない』

律(え?)

波平『もう一度言うが既に死んだ者はここに存在する権利も意義もない』

律(・・・)

波平『わしは地獄に・・・いや地獄さえも行けずに無を漂うだけの屍になるかもしれん』

律(なんでそこまで思って助けようとしてくれるんですか)

波平『女子高生はいわば生きる国宝、泣かせるのならたとえ孫でも斬り[ピーーー]』

波平『ただのしがないハゲ爺の自己満足さ』

律(嘘、そんなんじゃない)

波平『・・・頼む、カツオたちを救ってやってはくれないか、タラちゃんも含めて』

律(嫌です)

波平『えっ』

律(おじさんが頼むんじゃなくて私がおじさんの力を利用するんです、
それならおじさんは天国に逝ける)

律(そういうことにしてくれるなら)

波平『・・・ふん、粋なこと言いおって、ゆとりの証明だな』

律(私に・・・)

律(力を貸してください)

波平『YESマスター』

律(・・・)ドキドキ

波平『では律さん、チャンスは一度きりですから言ったとおりの作戦でお願いします』

律(コクッ)

波平『刀に触れてください』

律(・・・)ドキドキドキ

海鮮八つ裂き丸に手を添える

ドクンッ−−−

タラヲ「うふふですぅ、早く入れたいですぅ^^」ビンビン

憂「やだーーーーー!!」
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:20:27.50 ID:qU7e1ms80
カチャ

律「・・・」

タラヲ「おや」

タラヲ「入りが浅かったですか?確実に肋骨はもらったと思ったのですが」

律「」スッ

タラヲ「お馬鹿さんですねえ、また痛めつけられたいですかぁ?」

律「」タッタッタッタ

タラヲ「^^;」

タラヲ「やれやれうるさい女は嫌いなんですよ」

タラヲ「今度は首骨いきますね、憂お姉ちゃん見ててください」

憂「だめー!やめて!!」

律「あああああああああああああ」

タラヲ「バイバイ律お姉ちゃん」

タラヲ「吹っ飛べえええええええええええ」ブルーン

タラヲの陰茎が吠える
宣言通り律の首を狙って襲い掛かってきた

波平『今だりっちゃん気を開放しろ!!』

律「はい!!」

タラヲ「!!!?」

タラヲは気づいた
あの構えが誰のものなのかを

しかしながら時は既に遅し
律はとっくにすり抜けている

RITSU「磯野流参ノ式《波平スラッシュ》」キンッ

ゴトッ
鈍く不快な音をたて、亀頭が転がった

タラヲ「あああああああああああああああああああああああああ」ブシャアア

憂「」

断面から血がジョゴジョゴ溢れ出た

RITSU「・・・」ビリビリ

フッ

律「かはぁ!はあはあ・・・腕が痛い」

波平『左様、素人の女子高生が剣豪と同じ動作をすれば
例え一振りでも相当の反動が来る』

律「才種みたいですね」

波平『カツオには内緒なんですかワシも若いころはやんちゃしてまして、
刀一本担いで戦に出向いたりして千人斬りとかやってたんです』

律「お、おじさんって凄い人だったんだ・・・」

波平『波平ちゃんチュッチュって言って』

律「はあ?」

波平『ありがとうございます!』ビクンビクン
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:21:08.14 ID:qU7e1ms80
憂「律さああああああああん」ダキッ

律「うわあ!」

憂「怖かったよおおおおおおおおお」ギュウ

律(下すっぽんぽんなんだけど)

憂「ううううぅ」グリグリ

律「///」

波平『じーん』

タラヲ「くそっ何故だ!!ち○こが元に戻らねえ!!!」

波平『無駄だ、この刀は海楼石とかそういう類の鉱物で造られておる。
再生は不可能だ』

タラヲ「俺のティンティンをおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

憂「ひいぃ」

波平『クズめ貴様の蛮行は万死に値する、永遠にその苦痛を味わうがいい』

タラヲ「ぎいいいいいいいいいいいいいいい」

タラヲ「やってくれましたね律お姉ちゃんしかし僕の新世界を築く計画はまだ終わっちゃ

カチャ
首元にバタフライナイフが突きつけられる

中島「そろそろお寝んねの時間だベイビー」

律憂「中島(くん)!!」

中島「律さん超COOLでしたね
めちゃめちゃカッコよかったですよ」

この短期間で顔つきが見違えるほど成長した中島
髪は腰のあたりまで伸びていた

カツオ「律さん」

律「カツオ!無事だったか」

カツオ「ありがとうございます、お陰で中島を助けることができました」

中島「ていうか何で憂さん下穿いてないんですか」

憂「えっ、あ!!!」

カツオ「とりあえずなにか布を」

中島「磯野の革ジャン貸してやれよ」

律「一応スカートは上げておこうね」スッ

波平『わしもまぜて!』

タラヲ「楽しそうに喋ってんじゃねえええええええええええええええ」

中島「騒ぐな」スッ

タラヲ「くっ」

カツオ「タラちゃんもうやめよう」

カツオ「終わったんだ、何もかも」

タラヲ「ククッ終わっちゃいねえぜ、今に悪夢を見ることになるでぇ」

中島「黙れ」スッ
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:21:40.09 ID:qU7e1ms80
カツオ「タラちゃんのしたことは決して許されることじゃない」

カツオ「それでも、僕はタラちゃんを大事な弟だと思ってる」

タラヲ「うるさいですぅ!僕はただ新世界を・・・

タラヲ(切られた亀頭がちょうどカツオお兄ちゃんの後ろに・・・)

中島「続けろ」スッ

タラヲ「・・・僕はただ新世界を造ろうとしただけで!」

律「いい加減にしろよ、それがガキの妄想だって言ってるんだ」

中島「一体何百人の人が犠牲になったか、お前は知ってるか」

タラヲ「お前はいままで食ったパンの枚数を覚えているのか?」

中島「おやすみ」スッ

カツオ「待て待て!イラつくのは分かるけども」

中島「どうだタラ、まだお前のことを心配してくれる人がいるんだぞ」

タラヲ「」

中島「ん?」

タラヲ「」

カツオ「タラちゃ

ズンッ!

カツオ「ひぎぃ!!」

律憂「!?」

中島「!!?」

急に黙り込んだタラヲ
その直後カツオが悲鳴をあげた
転がっていた亀頭が見当たらない

中島「しまった!!」

カツオ「ああ・・・ああああ」

中島「ペッてしなさい!!ぺッて」

カツオ「頭が痛い・・・」ガクガク

憂「中島くん!タラヲが気絶してる!」

律「抜け殻みたいになってるぞ」

中島「負けるな磯野!ここまで来てお前が

カツオ「うううああああああああ」ドムッ

中島「うっ」

頭を抱えて痛みに苦しんでいたカツオ
中島の鳩尾に拳をぶち込む

カツヲ「^^」
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:24:17.37 ID:qU7e1ms80
律「ど、どうしたんだよカツオ」

中島「近づいちゃ駄目です!」

憂に肩を借りて立ちあがる中島

大人ぶってませたことを言ったりするカツオだったが
いつも無邪気な笑顔を振りまいてくれていた、そこはいい意味でまだ子供なんだと感じた

目の前にいるカツオは変わらず笑ってはいる
しかしあのあどけない笑顔ではなかった

中島「堕ちるところまで堕ちたなタラヲ」

カツヲ「何言ってるんだよ中島ぁタラちゃんはそっちだろ^^」

中島「磯野の口で喋るな!!!!!」

カツヲ「とうとうイカれちゃったのかな?^^;」

カツヲ「律さん憂さん、危険ですからこっちに来て下さい」

憂「・・・」

律「・・・」

カツヲ「あれ」

憂「わ、私だって分かるよ・・・あなたはカツオ君じゃない」

律「どこまでクズなんだテメーは」

カツヲ「^^;」

カツヲ「まあ隠す必要は端からなかったですけどね」

首をバキボキ鳴らして肩をまわす

カツヲ「うん、なかなかいい感じです。
これならすぐに慣れますね」

中島「今すぐ磯野の体から離れろ」

カツヲ「嫌です」

中島「斬るぞ」

カツヲ「いいですよ」ズイッ

バタフライナイフを構える中島に躊躇なく近づくカツヲ

カツヲ「ほら早くやってみてくださいよ」

中島「・・・」

カツヲ「かもめ小のムクホークも恋人に手を上げることはできないんですね」

中島「くっ」

カツヲ「ふふっ」チュ

中島「!?」

カツヲは中島に近づきついばむように軽いキスをした

中島「なっ、お前・・・ん」

カツヲ「んちゅ・・・んん・・くちゅくちゅ」

のけ反る中島を抱き寄せて再度くちびるを重ねる
先ほどの軽いものではなく、
舌をねじり込ませて相手の口内を支配する大人のキス

くちびるが擦れ合うたびに唾液がお互いの口内を行き交い、入り乱れる
錆びれた廃工場で淫らな吸音だけが生を表明していた

律と憂はどうしたらいいのか分からなかったが、
とりあえず背筋を伸ばして身だしなみを整えた
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:24:43.43 ID:qU7e1ms80
中島「・・・やめろ」グイッ

カツヲ「ごちそうさま」チュバ

中島はカツヲの両肩を押して引きはがす
それでも距離にすれば数十センチしか離れていない
その短い空間は二人の唾液が溶け合って出来た蜜の極細い糸で繋がれていた

カツヲ「ほらもう一回・・・」

中島「・・・やめろって言ってるだろ!」ドンッ

カツヲ「感じてるくせに」ペロッ

中島「はあはあ・・・」

カツヲ「かわいい顔しちゃって」

中島「こんなの磯野の味じゃない・・・
磯野のくちびるはしとやかで清純で、それでいて冷たいくらいに澄んでいた」

中島「このキスは甘すぎる」

律「深いな」

中島「僕と磯野は知り合ってからまだ三年も経っていない」

中島「でも僕は誰よりも磯野のことを知ってるつもりだ」

中島「磯野の全てを


=回想=

かもめ第三小学校はこの世界でもっとも風紀の乱れたFラン小学校だった
そのかもめ小を占めていたのが当時小学三年生の中島弘である

高学年の六年生を差し置いて三年生がトップに君臨するなどという前代未聞の出来事に
9000人の生徒は皆、衝撃を受けた

生徒「ふざけんじゃねーぞ!!!」

生徒「何で年下の言うこと聞かなきゃいけねーんだよ!!!」

当然のように起こるブーイングの嵐

かおり「みなさんお静かに!!静粛に!!静粛に!!!!」ガンガン

中島「・・・」

漆黒のマントを羽織り、クッキー缶の蓋に表記されているようなゴージャスな椅子に腰を掛ける中島
目を閉じて静かにその非難の声を聞いていた

生徒「黙ってねーで何か言えよ中島さんよォ!!」

生徒「言い訳聞かせてもらおうじゃねえか!!」

ブーブー

かおり「ああんもう下衆ばっかりなんだから」

中島「かおり、お勤めご苦労だった。下がりなさい」

かおり「ええっでも」

中島「後は俺がやる、皆は俺の美声が聞きたいようだ」

中島、体育館のステージに立つ

ざわざわ・・・・ざわ・・・

先ほどのひんしゅくの嵐は一気に静まり返る
不満を持つ者皆が中島のケタはずれの威圧をビリビリと感じていた

生徒「ほらぁ・・・」ドタッ

ドタッバタンバタン

何人かの虚弱な生徒がその威圧に耐え切れず、貧血を起こして倒れた
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:25:26.68 ID:qU7e1ms80
ざわざわ・・・・ざわ・・・!!

騒ぎ始める生徒たち

かおり「っ!みなさ−−

中島「各学年クラスの保健係、手を上げろ」

しーん

「お、おい手挙げろってよ」

「俺保健係じゃねーし」

「よっちゃん保健係だろ」

「あっそうか」

スッ、スッ

手を挙げる生徒がちらほら見え始める

中島「よし、では倒れた者を保健室に連れて行け」

中島「自分のクラスに倒れた者がいなかった保健係は
数人いる他のクラスを手伝うように」

「立てるか?」

「ナベちゃんしっかり」

「誰がうちのクラス手伝ってー」

中島「保健室の冷蔵庫にめんこちゃんゼリーを冷やしてある、
栄養をつけるために食べさせるんだ」

生徒「マジかよ・・・!」

生徒「めんこちゃんゼリーっていえば良い子しか食べちゃダメなんじゃ・・・」

生徒「保健室の冷蔵庫を勝手に使うなんてクレイジー過ぎるだろ・・・!!」

生徒「イカれてやがるぜ・・・」

ざわざわ・・・・ざわ・・・

再び騒ぎ始める生徒
しかし先ほどとは打って変わって空気が違う

生徒「だ、だからなんだってんだよ!!」

生徒「そんな偉そうに仕切ってポイント稼ぎかよ!!えー↑?」

中島「・・・」

しーん

生徒たちは騒がなかった
皆が中島の言葉に耳を傾ける

中島「そうだな・・・俺は皆が見てるところでしか頑張りたくない」

ざわざわ・・・・ざわ・・・

中島「努力は必ずしも実らない、俺は実る努力しかしたくない」

生徒「な、なんだよそれ・・・」
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:25:57.98 ID:qU7e1ms80
中島「だが、その実る努力だけを選別するのにもまた努力が必要だ」

生徒「・・・?」

中島「この意味分かるか?」

中島「分からない者だけが俺について来い」

中島「余興の極みを教えてやる」

中島「以上」

・・・・・

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

「なーかじま!!なーかじま!!なーかじま!!なーかじま!!」

かおり「下衆って単純・・・」

こうして中島はかもめ小の最高司令官となった

しかし、



中島「クソッ」ガァン

中島「なんだよあのガキ!俺の自由研究を!!」

花沢「荒れてんな眼鏡」

中島「うるせえ!」

花沢「三組の磯野カツオ、タメだ」

花沢「しめるか?」シュボ

中島「ん・・・」フーー

中島「いや、俺でなんとかする。お前らは絶対手出すなよ」

花沢「ひゃはwwクソ眼鏡直々の可愛がりかよwwwwwwww
磯野死んだなwwwwwwwwww」

中島「・・・」

中島(違う、自由研究なんてどうでもいい)

中島(あいつの顔を思い出すと)

中島「・・・///」

中島「あークソ!何なんだよこれ」

Sチャマ「うぇーい」

花沢「うぇーいwwwwwwww」

鈴香「中島さんどうかしたの?」

花沢「磯野ってやつにからかわれたんだとww」

J・アンアン「阿呆が。貴様はかもめ小の最高指揮官なのだぞ?
もっと自覚を持て」

やり杉「ちんちんシュ!シュ!」

中島「チッ、うっせーのが来やがった」シュボ

Sチャマ「明日のもずく高の奴らとのことなんだけど」

花沢「楽勝楽勝、久しぶりだからボコってやるべwwwwww」
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:26:49.38 ID:qU7e1ms80
鈴香「でも狙撃第5班隊長のナウVitaさんがいないから結構手こずるかも・・・」

花沢「は?あいつなにしたの?」

J・アンアン「前回の酢醤油高校との乱闘で両足が粉砕骨折したらしい」

やり杉「ちんちんシュ!シュ!」

花沢「マジかよ・・・」

Sチャマ「ぼくの家から戦車13台提供してあげるけどナウVitaの戦力を補えるかどうか」

J・アンアン「我々がナウVitaの分まで踏ん張るんだ、今回はやり杉も張り切ってるしな」

やり杉「ちんちんキッ!キッ!」キリッ

花沢「まっ中島がいればかもめ小に敗北はないけどなwwwwwwwwww」

鈴香「期待してるわ中島さん」

中島「・・・ああ」

=もずく高校戦=

オオオオオ・・・

花沢「ひゃはwwどいつもこいつも雑魚ばっかじゃねえかよ!!」ガガガガガ

やり杉「ちんちんキッ!キッ!キッ!」ズババババ

もずく「なんだこいつら!メチャクチャな動きしてるくせにつえーぞ!!」

Sチャマ「スタンバイOK、いつでもいけるよ」カタカタ

J・アンアン「鈴ちゃん!」マイク

鈴香「ええ!」バイオリン

J・アンアン「俺の美声に酔い痴れな!!」ボエー

鈴香「サウンド・キャニオン!!」ギギギギ

中島「・・・」ガガガガガ

もずく「あいつが大将だ!止めろー!」

中島「・・・」

中島(楽しくない、あれほどまでに打ち込んできたのに)

中島(適当に殴ってれば何も考えなくていいと思ったけど)

中島(やっぱりあいつの顔が頭から離れない・・・)

中島「なんで」

花沢「よけろ眼鏡!」

中島「え」

もずく「オラァ!!」ゴッ
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:27:58.28 ID:qU7e1ms80
ドサッ

中島「・・・」

−−−

=病院=

中島「・・・」

花沢「だせぇな」

中島「うるせえ」

花沢「じゃああたし行くから、安静にしてろよ」

バタンッ

中島「・・・チッ」

中島「情けねえな、天下の中島様が」

「あれぇ?もしかしてその声」

シャアア

ナウVita「やっぱり!中島くんだぁ」

中島「隣お前かよ」

ナウVita「わぁい!嬉しいな、一人で暇だったんだよ」

中島「話しかけんな[ピーーー]」

ナウVita「ええええぇえええ!!?それはないよ中島くううううん」

中島(うるせえ)

ナウVita「オセロでもしようよ!ぼく黒ね!!」ガッチャ

中島「・・・」

ナウVita「わあああああああああん中島くん強すぎるよ!!」

中島「これで100戦100勝0敗な、はい俺はもう寝る」バサッ

ナウVita「んんんんんんんん仕方ないなあ」

ナウVita「ギブスに落書きしてよう」

ナウVita「ナウVitaさんへ・・・抱いてください・・(カキカキ)
きゃあ!恥ずかしいなもう」

ナウVita「ナウVitaさんへ・・・下のマグナムも早撃ちなんですね・・(カキカキ)
なにいうてんのこの子はもう///」

中島(お前が何言ってんだよ)
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:28:27.35 ID:qU7e1ms80
がラッ

ナウVita「あれ?寝るんじゃなかったの」

中島「オメーがうるせえんだよ」

カンッカンッカン

中島「松葉杖なんてみっともねえな・・・」

カツオ「あ」

中島「・・・」

カツオ「あ、あの」

中島「何しに来た」ギロッ

カツオ「別に、ただお見舞いに・・・」

中島「なんで病院分かったんだよ」

カツオ「たくましい体格してる女の子に行けって言われて・・・」

中島(花沢のヤロー遊んでやがるな)

中島「おいっ」クイッ

中島「屋上行くぞ」

=屋上=

カツオ「・・・」

中島「・・・」

カツオ「これ、貰って」

中島「いらねえ」

カツオ「・・・」

中島(なんで黙ってんだよ、間が持たねえじゃねえか)

中島「・・・」ドキドキ

カツオ「いらないの?」

中島「いらねえって言ってるだろ」ドッ

中島「っ」ヨロッ

カツオ「あぶなっ」ハシッ

中島「!!」

カツオ「大丈夫?」

中島「なっ・・・///」パクパク

カツオ「どこか痛いところない?」

中島「・・・」ドキドキドキ

ぎゅ

中島「・・・」

カツオ「?」

中島「・・・」ドキドキ

カツオ「な、なんだよお」

中島「ハッ」
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:29:36.59 ID:qU7e1ms80
中島「キメえな離れろ!」ドンッ

カツオ「痛っ、そっちが抱きついてきたんだろ」

中島「〜〜〜///」

中島「早く帰れ!!」クルッ

カツオ「まって」

カツオ「お土産・・・」

中島「・・・」

中島「もう来るなよ」バシッ

カンッカンッカン

カツオ「変な奴・・・」

−夜中−

ナウVita「鈴ちゃん!!鈴ちゃん!!!・・・うっ!」

中島「はぁ・・・はぁ・・・」

中島(くそっ、頭が変だ・・・ボーとする)

中島(磯野、カツオ・・・)ギュ

中島「んっ」ギッギッギ

ナウVita「鈴ちゃん!!かわいいよ鈴ちゃん!!!!」

中島「なんでだ!!」

中島「抜いても抜いても勃起が収まらねえ!!!」

見舞い品のリンゴを乱暴に掴みとりむしゃむしゃかじる

中島「むしゃむしゃむしゃ!」

中島「寝ても覚めても考えるのはあいつのことばかり」

中島「一体どうしちまったんだいあたいは!!」

シャアア

ナウVita「うるさいよ中島くん!」

中島「お前がうるせえ!」ピッ

ナウVitaのナースコールを押す

ダカダカダカッバタン!

ナース「どうしましたナウVitaさんきゃあああ!!」

ナウVita「知ってるぜ?体が火照って眠れないんだろ?」ドピュ

認めたくなかった

超絶エリートな自分がそんなことになるなんて

しかしひょっこり現れた男子のことを考えただけで頭がいっぱいになる

中島弘の初めの恋であった


−−−中島弘エピソード0
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:30:30.31 ID:qU7e1ms80


中島「磯野がいてくれたから」

律「・・・」

中島「磯野が僕の濁った青春を浄化してくれたんだ」

憂「ぐすっ・・・」←いろんな意味の涙

中島「お前の存在は僕にとって絶対に手放せないものになっちゃったんだ」

カツヲ「」ポロポロ

中島「磯野」

カツヲ「くっなんですかこれは・・・涙が止まらないですぅ」

中島「お前なんかじゃ磯野の心は支配できないよ」

カツヲ「心?・・・寒いんですよ」ポロポロ

中島「どうだか、もう聞こえてるよな磯野」

中島「返事しろよ」

カツヲ「なにいって・・・!!?」ガクッ

急に膝から崩れ落ちるカツヲ

カツヲ「あっぐ・・・ああぁ」

憂「カツオくんっ

中島「憂さん!!!!!」

憂「っ!?」ビクッ

中島「磯野は今自分と戦っているんです、手出しは無用ですよ」

憂「でっでも」

中島「神は乗り越えられない試練は与えない」

中島「信じましょう」

頭を抱えて苦しそうに悶えるカツヲ

カツヲ「くうううぅあああ」

中島「頑張れ磯野」

中島「戻るぜよ先生ぇ!」

カツヲ「咲さん・・・咲さっ・・ガァアア!!!」

カツオ『・・・なかじま・・・・』

律「!今のは」

中島「歴史の修正力です」

カツオ『・・・中島』

カツヲ「やめるですぅ!・・・ぐうう」

憂(頑張ってカツオくんっ)

カツオ『中島・・・っ』

律「おいっもういいんじゃないか」

中島「・・・聞こえねえ」

カツオ『中島っ・・・』
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:31:36.54 ID:qU7e1ms80
律「おいっ!」

中島「聞こえねえな」

カツヲ「ぎいいぃ」

カツオ『中島!!』

中島「聞こえねえ・・・!」

カツヲ「がああああああああ」

カツオ『中島!!!!!』

中島「聞こえねえよ磯野カツオおおおおおおおおおおおお」


−−−その時、止まっていた歴史の歯車が動いた

万華鏡「カシャーン」



カツオ「・・・あちきは廓の中の鳥でありんした」

カツオ「そんなあちきを自由にしてくれたのは先生でありんす」

カツオ「・・・中島の声」

カツオ「ちゃんと届いたよ・・・」ポロポロ

カツオ「中島ああああああああああああああああああああ」

JIN−仁−の音楽
デデデデーデーデデーデーデデーデデデーデーデーデーデーデデー

カツオ「僕はもう迷わない」

カツオ「純100%の磯野カツオでありんす」ポロポロ

中島「まったく、遅いっての」ポロポロ

悪態をつきながらも顔からは笑みがこぼれ、優しく微笑んでいた
その汚れを知らない純粋な目からはキラキラと透き通った涙があふれ出ている

憂と律もつられてもらい泣きする

タラヲ『・・・』

中島「磯野」

カツオ「・・・」

中島「お前、わざとタラヲを中に入れたな?」
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:32:09.52 ID:qU7e1ms80
憂「えっ・・・?」

カツオ「へへっばれちまったか、さすが旦那はさっしがいいね」

カツオ「・・・」

カツオ「僕を撃て」

律「なっ!!?」

カツオ「僕の中にいる内に僕が[ピーーー]ば、タラちゃんも一緒に消滅する」

タラヲ『!?』ドォ

カツオ「早く!タラちゃんが外に出ようとしてる・・・」

中島「・・・」

律「そそそそんなことしなくても方法はまだあるだろ!」

中島「無理です、タラヲは存在がそこにある限り何度だって蘇る」

カツオ「ごめんなさい律さん・・・これがあちきなりの、家族としての落とし前の付け方でありんす」

カツオ「もちろん今までの犠牲は僕のたったひとつの命で補えるものでないことは知ってます」

カツオ「でもきっと償ってみせますから」

律「お前が責任感じる必要はないっ」

カツオ「もう決めたことです・・・くっ」ガクガク

タラヲ『ぼくは死にたくないですぅ!カツオお兄ちゃんだけ勝手に死んでろですぅ』グググ

カツオ「怖くないよ、僕が一緒に行ってやるから」スッ

カツオ「フンッッッ」ドスッ

律憂「!!?」

カツオは海鮮八つ裂き丸の刃先を自分に向けて、腹にブッ刺した

カツオ「へへっ逃がさへんでぇ」ポタポタ

タラヲ『こんなところで・・・』

タラヲ『僕はまだやりたいことが山ほどあるんですぅ!』

中島「・・・」

カツオ「中島早く」

カツオ「僕はお前に殺されるなら本望だ」

カツオ「手は汚させないから」シュ

カラカラカラ

カツオ「クロスボウだ、使え」

中島「・・・」

律「・・・」
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:34:00.50 ID:qU7e1ms80
憂「中島くん・・・」

カツオ「はやく、結構痛いんだから」ゲホッ

中島「これで終わりか」

カツオ「ああ、やっと終わるんだ」

中島「こんなので終わらせるなんてしょっぱ過ぎるな」ポイッ

カツオ「!なにを」

中島「最後くらい、派手にいこうぜ?」

クロスボウを投げ捨てて、中島がポケットから出したもの
それは磯野家がプレデター戦を経験した際、ワカメが複製品として造ったダイナマイト、
自爆用小型核爆弾だった

レプリカといえど剽窃の渇藻と謳われた天才科学者ワカメによる模造品
その完成度は68%

憂(それほど高くない・・・!!)ドキドキ

カツオ「やめろ中島、僕はそんなの望んでない

中島「もう押しちゃったドン」カチッ

p−−p−−p−−p−−

カツオ「・・・・・」

捨てられた廃工場に無機質な冷たい機械音が鳴り響く

中島「ふう」

律「あの」

中島「安心してください、制限時間は比較的長いですから」

中島「50分あります」

憂「長いね」

カツオ「僕が先に出血多量で死んじゃう」ドクドク

中島「あそうか、じゃあ10分でいいや」キリキリ

律「時限爆弾早める人はじめて見た」

p−p−p−p−

中島「やっちまったな」

カツオ「このくらいの工場なら粉々に吹き飛ぶだろうね」

中島「僕たちの最期にふさわしいど派手なグランドフィナーレじゃないか」

律「私らは逃げるぞ」

カツオ「もちろん分かってますよ」

憂「薄情者!とか言わないの?」

カツオ「そんなこと僕らが言える立場じゃないですよ」

カツオ「律さんと憂さんは生きる義務があります」

中島「謝ってすむことじゃないのは承知の上ですが、本当に巻き込んでしまってすいませんでした」

カツオ「さあ、律さん憂さんさようならです、出来るだけ遠くに逃げてください」

律「まあそ急かすなよ」ドッコイ

カツオ「あれ?」

憂「えへへ」ドッコイ

律「散々巻き込んでおいて終わったら、はいさようならかよ」
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:34:45.64 ID:qU7e1ms80
律「別れのあいさつくらいさせろ」

憂「そういうことでーす」

中島「・・・5分だけですよ?本当に危険なんですから」

律「もう慣れたわ、何度殺されそうになったか」

憂「お腹に刀が突き刺さった人が目の前にいるのに驚きませんもんね」

律「考えてみると凄いな」

カツオ「いやあ」ドクドク

中島「そんな磯野もかわいい」

憂「・・・あ」

律「どうした憂ちゃん」

憂はイクラちゃんを抱きかかえる

カツオ「イクラちゃん・・・」

律「・・・」

憂「イクラさんは一人でしたか?」

中島「・・・いや」

カツオ「僕らは大切なおホモだちのつもりでしたけど・・・」

憂「良かった、イクラさん・・・あなたは一人じゃないですよ」

憂「焼き肉ご馳走してあげたかったって、イクラさんが言ってたよ」

中島「焼き肉!!?あー行きたかった」

カツオ「死ぬ前にハラミ食べたかった」

律「私は塩タンが食べたいな」

憂「きっとみんなで楽しく焼き肉出来ますよ、イクラさん」

イクラちゃん安らかに眠る
その表情は天使のように優しかった

波平『あのー』

カツオ「あれお父さん」

律「カツオの腹に突き刺さったまま・・・」

中島「そういやいたなこいつ」

波平『1つだけいいっスか』

中島「どうした波平」

波平『りっちゃんがわしの力を使ったんだけど』

律「うん」

波平『わしの力を使うと一回につき生え際が5mm後退するんですよ』

律「へえええええええええええええええええええええええ!!!!?」

中島「やっちまったなオイ」

カツオ「年頃の女の子には致命傷すぎるな」

憂「り、律さん」

律「おおおおおおおおおおおおおおおお」ガギギギ

カツオ「おぎゃあああああああああああああ!!!」ブシュウウ

中島「やめてください!磯野がえぐられてますって!!」

憂「律さん落ち着いて!」
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:35:56.60 ID:qU7e1ms80
波平『しかしりっちゃんよ、憂たんがそこにいるのは誰の功績だと思う』

波平『まぎれもなくりっちゃんの力だ』

律「・・・」

波平『髪がなくなるのはそんなに嘆くことか?いいや違うね』

波平『それは代償ではない、むしろ勲章だ』

波平『そもそも憂たんは少し位髪が少なくなったからってりっちゃんを嫌いになると思うかい』

律「え、えーと」チラッ

憂「そんなこと!」

憂「私はどんな律さんでも好きですよ・・・?///」

律「うぇえ!?」

中島「おいおいなんつーことだい」

カツオ「やばいな」

波平『ハッハッハ、百合のキューピッド波平ちゃ

pppppppppppppppp

カツオ「!」

中島「まずい!あと三分で爆発する」

カツオ「話し込んでて気づかなかった」

律「まだそれらしいあいさつもしてないのに!」

中島「波平が余計なこと言ってっからだ!!」

カツオ「マジ使えねーな波平」

波平『え・・・』

ppppppppp

律「じゃあ」

中島「ええ」

カツオ「あなたたち二人に会えてよかったです」

律「私もだ」ニカッ

憂「・・・」

律「憂ちゃん?」

憂「・・・んっ」ギュウ

俯いたまま黙る憂はカツオに抱きつく

カツオ「・・・あったかい」

憂「別れるのに、言葉はいらないよね」

律中島「おおー」パチパチ
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:37:07.35 ID:qU7e1ms80
カツオ「嬉しいんですけど刀が・・・いてて」

憂「ああっごめんなさい!」パッ

律「うへへ」ジリジリ

中島「なんですかそれは、やめてくださいよ僕本当に女の人は受け付けな

律「うるせー!!」ギュウ

中島「あああ・・・あ?なんかあったかい」

律「華の女子高生にハグしてもらうなんてこのラッキーボーイめ」

中島「・・・へへ」

律「じゃあ次は」

カツオ「Come on!」

律「ベイベッ!」ギュウ

憂「こっちもー」ギュウ

中島「憂さんのがやわらかい、律さんのゴツゴツしてた」

波平『あっわしそろそろ成仏しますんで・・・』

律「波平さんも!」

憂「ありがとうございました!」

波平『・・・』

波平『ふんっ粋がりおって』キリッ

憂「・・・」ギュウ

憂(もう一人じゃないよイクラちゃん)

pppppppppppp

律「これで本当にさようならか」

憂「寂しいなあ」

カツオ「なんだか不思議な体験でした」

中島「別次元に住む僕らが一緒にいるなんて」

律「不謹慎だけど、お前らと過ごした数日間楽しかった」

カツオ「ぼくもです」

中島「磯野の次に愛してます律さん憂さん」

憂「私は二番目の女・・・」

律「憂ちゃんに変なこと言わすな」

憂「えへ」

カツオ「いや、憂さんはこの数日間で確実に成長しましたよ」

カツオ「悪い方に」

律「お前らのおかげでな」

カツオ中島「うぇへへへ」

律憂「うぇへへへ」
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:39:10.77 ID:qU7e1ms80
pppppppppppp

律「お前たちなら絶対いい世界をつくれるよ」

憂「バイバイ」

カツオ中島「さようなら」




pppppppppp

カツオ「行っちゃったか」

中島「あーあ」

カツオ「中島、あと何分だい」

中島「えー僕たちの寿命はあと一分です」

カツオ「そっか」

中島「・・・吸っていいかな」

カツオ「いいよ」ニコッ

中島「ありがと」シュボ

中島「フーーー」

カツオ「楽しそうだった」

中島「え?」

カツオ「律さんたちに会ってからの中島、凄く楽しそうだった」

中島「ああ、この数日間は人生で一番のハジけ具合だったよ」

カツオ「女子高生っていうのも中々いいもんだね」

中島「そうだな」フゥーー

pppppppppppp(あと30秒)

中島「随分大人しいなタラヲ」

タラヲ『・・・』

中島「まあお前でもこんな状況じゃなにもできないよな」

タラヲ『これで終わりですね』

中島「ああ、なにもかもな」

タラヲ『全部なくなるんですよ?』

中島「ああ」

タラヲ『今までの犠牲もすべてなかったことにするんですか?』

中島「ああ」

タラヲ『ひどいですねぇ』

カツオ「また一からスタートすればいいのさ」

カツオ「少しずつ償っていけばいい」

タラヲ『・・・つまらないですぅ』
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:39:41.45 ID:qU7e1ms80
カツオ「でも、それでいいんだよきっと」

カツオ「そうだっタラちゃんに自転車の乗り方でも教えてあげようか」

タラヲ『楽しいですか?』

中島「楽しすぎて三輪車になんか乗れなくなるぜ」

タラヲ『女の子と遊ぶのとどっちが楽しいですか』

カツオ「それはもちろん女の子と遊ぶほうが楽しいさ」

タラヲ『ふぅん』

ppppppppp

中島「タラヲと話してたらまた時間が減っちまった」

カツオ「あと10秒」

中島「俺ら生まれ変わっても一緒になれるかなあ」

カツオ「どうだろうね、一緒になったとしても両者が同姓愛者の可能性は極端に低いし」

中島「可能性が0じゃない限りマシかな」

カツオ「付き合うのは無理でも友達くらいならなれてると思う」

中島「じゃあ空き地で野球でもやろうぜ」

カツオ「いいね、学校終わったらランドセル放り投げてさ」

中島「グローブ持って直行するのか」

pppppppppppp

カツオ「なんか変な感じ」

中島「?」

カツオ「もうすぐ死ぬのに全然怖くないんだ」

中島「奇遇だな、ぼくも」

カツオ「それに中島とは明日も普通に会える気がする」

中島「そりゃあお前、血が出すぎて頭が弱ってるんだよ」

カツオ「そうかなあ」

中島「そうなの・・・あ、あと3秒」

カツオ「・・・」

中島「磯野マジで愛してる」

カツオ「ぼくも」ニコッ

中島「またな」

中島「来世で会おうぜ」

p−−−−−−−−−
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:40:17.64 ID:qU7e1ms80

−−−−−−−−

−−−−−−

ミーンミーンミーン

セミ「ジジジジジジ」


真夏の炎天下
突き刺さるような日射しが肌に当たる

空には立体的な入道雲がどおんとひとつだけあったが太陽を隠そうとはせずに
離れたところでゆうゆうと浮かんでいた

公園内に設置された数本の杉の木
セミが鳴いていた
人はそれを夏の風情と、もしくはただの騒音と捉えたりするのかもしれないが
セミは短い命を必死に生きようとしているだけ
僕はここにいる
僕は生きているんだと存在意義を確認するために何度も声を張り上げている

律「・・・」

憂「・・・」

カラカラに乾いた暑さ
夏の暑さだった
湿り気のない掠れた空気は吸うだけで喉が痛む
それでもこの気候は生き物から水気を奪おうとする

額から汗がこぼれる
髪を上げているため一見涼しそうに見えても、日射しが直接当たるのでやはり暑い
隣に座る憂の前髪も汗で額にヘタリとくっついていた

なんで暑いと汗が出るのか、
律は分からなかった

暑い時こそ水分を体内に貯めておけばいいのにわざわざ外に出すのはどうしてか
というのが律の考え

しかし体はその方が効率がいいからそう機能しているのであって人はそれに従うしかない
暑いから汗がでるのである
当たり前のことでもそれに順応できることは健康な証拠なのかもしれない

律「・・・」

憂「・・・」

ふと、右手にひんやりと冷たいものが感じられた
見るとガリガリくんが木の棒を伝って支える手にたれてきている

二口、三口だけかじられたガリガリくん
日に当たる表面部から溶け出し、
液体となったガリガリくんは角の所でポタポタ滴る

焼けついた砂地に吸収されてどんどん染みこんでいった
一定のリズムで滴り落ちる
一滴、また一滴
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:40:43.96 ID:qU7e1ms80

律は口に運ぼうとせず、ただ眺めていた
憂もその様子をじっと見ている


律憂「あ」

慣れない気温に本来の強度を失ったガリガリくんは、
自らの重さに耐え切れず
支柱となる木の棒から体を切り離し、落ちた

形が崩れて小さい氷の山が出来る
もったいないとは思わなかった

真夏の炎天下
ソーダ味の色鮮やかなブルーマウンテンは
なかなかの清涼感を与えてくれている気がしたから

人工物ではあれども、
これこそ風物の極みであると
律は感じた



第三部:完
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:42:27.86 ID:qU7e1ms80
=10日後=

ガチャ

律「ただいまー」

聡「おかえり姉ちゃん、また遊んできちゃったの?」

律「ちげーよ図書館で溜まった宿題全部おわしてきたんだよ、偉いだろ」

聡「どうせ澪姉さんのを写させて貰ったんだろ、そんなので受験大丈夫なのかよ・・・」

律「心配すんなって、ほらお土産」ポイッ

聡「うわぁい!!なんだろな!!」ガサガサ

聡「鈴カステラかよ・・・半分食われてるし」

律「うまいゾ」

聡「今時こんなの流行んねーよ!全然ナウいくねーよ!」

律「いらないなら返せー」

聡「いるいる!メンゴメンゴ」

律「まったく」ピッ

テレビ『あなたー定期忘れてるわよー』

テレビ『いやあ!うっかりしてたよ』

律「・・・なんだこれ」

テレビ『馬鹿もーーん!!サザエー』

律「聡、このアニメなんだ?」

聡「は?」

律「これだよテレビに映ってるやつ」

聡「・・・いや、普通にサザエさんじゃん」

律「サザエさん?」

聡「え?え?どういうこと?サザエさんだよねこれ」

律「初めて見た」

聡「・・・」

テレビ『イクラちゃーん一緒に遊ぶでーす!』

テレビ『はぁーい!』

テレビ『冷蔵庫に入れてたフルーチェがなーい!
きっとお兄ちゃんが食べたんだ、楽しみにしてたのにーワーン』

テレビ『ごめんよワカメ、フルーチェはあたしが食べたんだよ』

テレビ『磯野ー野球しようぜー』

テレビ『今いくよー』

律「・・・はは」

テレビ『行ったぞ磯野ー』

テレビ『オーライオーライ』

律「なんかいいなこういうの」

聡「?」
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:44:20.69 ID:qU7e1ms80
テレビ『ここで打たなきゃ男じゃないぞ中島』

聡「キャッチボールくらいなら相手するけど・・・」

律「いやそういうことじゃなくて」

テレビ『ハラミうまいなあ』

テレビ『イクラちゃんも美味しいっていってるですぅ』

テレビ『はぁーい!』

テレビ『わぁん!お兄ちゃんが私の豚トロ食べたぁ!!』

テレビ『ごめんよワカメ、豚トロはあたしが食べたんだよ』

律「・・・うん」

テレビ『タラちゃん離すよー』

テレビ『ま、まだ離しちゃだめですよー!』




唯「ただいまー」

ガチャ

唯「うーいー今日ねー図書館でみんなでお勉強してきたから
脳みそフルスロットルしちゃったよお」

憂「ひっぐ・・・ぐす」

唯「!!!どうしたの憂っ!」

憂「あっお姉ちゃん・・・何でもないよ大丈夫」

唯「何でもないのに泣かないでしょ!」

憂「本当に何でもないから・・・んうぅ」グスッ

唯「お姉ちゃんに隠し事するのはダメ、ちゃんと離して」キリッ

憂「んっ・・・ありがとうお姉ちゃん、でも本当に平気だよ
アニメ見て感動しちゃっただけだから」

唯「アニメ?」

テレビ『サーザエーさんサザエさーんサザエさーんは』ズッキャwwズッキャwww

唯「・・・サザエさん?」

憂「なんでか分からないけどこのアニメ見たら涙が出てきて・・・」

憂「涙が止まらないの」ポロポロ

唯「・・・」

唯「そっか」ニコッ

唯「おいで憂」

憂「うん」

唯「・・・」ナデナデ

憂「うううぅ・・・あああぁん」

唯(妹がサザエさん見て泣いた)
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:45:38.45 ID:qU7e1ms80
−−−

こんにちは平沢唯です
高校最後の夏休みも終わり、二学期が始まってから三週間ほどが経ちました

よく夏休み明けにキャラが変わったなんていう人がいます
髪を染めてみたり、お化粧してみたり
わたしの周りにそんなひとは居ませんでしたが
気になることが1つだけありました

=家=

憂「お姉ちゃん」

唯「んー?」

憂「律さんって食べ物は何が好きなの」

唯「りっちゃんー?りっちゃんはねえ出されたら何でも食べるよ」

唯「あっそういえば合宿行ったときキャベツむさぼってた」

憂「キャベツ・・・ロールキャベツとかかな」ブツブツ



=学校=

律「唯」

唯「はいい?」

律「憂ちゃん私のこと何か言ってなかった?」

唯「憂がりっちゃんのことを?」

律「うん、なんでもいいからさ」

唯「んんん・・・」


・・・

学校ではりっちゃんが憂ちゃん憂ちゃんと、
家に帰れば憂が律さん律さんと言うようになりました

もとから一緒にゲームをしたりするくらいの関係はあったのですが
いつの間にそんなに仲良くなったのでしょう
夏休みの間に何かあったのでしょうか

唯「むむむ」

ピンポーン

唯「はーい」

ガチャ

律「おーすっ」

唯「りっちゃんおいすーどうしたの?」

律「いやあ、今日は何だがお目覚めスッキリだったから早めの登校」

唯「澪ちゃんは?」

律「さわちゃんから呼び出しくらったから先に行ってるってことで」

唯「澪ちゃんかわいそー、一人ぼっちの登校なんて」

律「うっせ、たまにはいいんだよ」キョロキョロ

唯「・・・憂なら日直だからって先に行ったけど」

律「マジで」
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:46:13.47 ID:qU7e1ms80
唯「マジで」

律「なんだ・・・じゃあな唯、学校遅れんなよ」

唯「ちょ、ちょっと!せっかくだし一緒に行こうよ!」



律「・・・」

唯「最近憂と仲いいね」

律「そう?」

唯「あずにゃんも言ってたよ、何かあったの?」

律「公園で一緒にアイス食べた」

唯「それだけ?」

律「うん」

唯「・・・」

律「よく分かんないんだけど憂ちゃんとは特別な時間を過ごした気がするんだ」

唯「えー何それりっちゃん憂のこと好きなの?」

律「は?!何でそうなるんだよ」

唯「りっちゃんそっち系ー?」

律「ちげーし!!」

唯「うふふー」チキチキ

唯「ねえりっちゃん」チラッ

律「な、なんだよ」

唯「お風呂上がりでバスタオル一枚だけ羽織ってる憂の写メ」

唯「欲しい?」

律「欲しい」

唯「えっ」
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:47:21.15 ID:qU7e1ms80
律「・・・」

唯「・・・や、やっぱりダメ」

律「ハア!!!?オメー今くれるって言ったべ」グイグイ

唯「ダメ!なんか今日のりっちゃんキモい!!」グイグイ

律「キモくねーし!!」グググ

唯「キメーし!!」グググ

律「おねげーします」

唯「やだ!!」

律「そんなこと言わないでよ唯ちゃあああああああああああああん」

唯「ええい朕に触れるなっ・・・・」

唯「・・・」

律「・・・ん?どうした」

唯「・・・」

律「・・・」

唯「・・・りっちゃんさあ」











唯「生え際後退してない?」


終わり
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/17(日) 12:47:51.49 ID:qU7e1ms80
ありがとうございましたー!
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/06/17(日) 12:56:59.01 ID:JyM8Kqmao
この板はさっさともしもしを全面規制しろ
ゴミしか居ない
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) :2012/06/17(日) 15:28:07.66 ID:uQAxiCdyo
読んで途中で落ちた事を納得した これは保守や支援する価値の無い
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/17(日) 15:37:53.33 ID:jpG0AzLRo
もしもしじゃなくね?
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/17(日) 22:56:50.39 ID:VJvzsBJSO
保守されずに落ちたのがなんとなく分かる
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/18(月) 03:01:47.18 ID:H60EAacao
つまらなさすぎて読むのやめた
どの辺から面白くなるの?>>1
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/18(月) 19:37:44.65 ID:3ehNX9A+o
独特過ぎてついていけねぇよ
もちっとソフトに行こうぜ
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