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男「台風の中バイトに行ったら途中で吹き飛ばされた」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/19(火) 21:59:39.84 ID:4tb8nhmho
男「……ここはどこだ?」

テクテク…テクテク…

男「一面雪のようなもので覆われてる…けれども踏み固めるあの感触はない…。」

男「空は満天の星空だ…なのに不思議と明るい。」

テクテク…ピタッ

男「ここはもしかして…天国か?」


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渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
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二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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2 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/19(火) 22:03:12.28 ID:d1NSsDNGo
男「俺死んじまったのか。」

男「でも足はきちんと付いてるし頭の上に輪っかもない。」

キョロキョロ

男「そして一面何もなければ誰もいない。」

男「普通は天使とかいるもんじゃないのか?」

男「ほら、お迎えとかないと俺成仏できなかったりするんじゃないの?」

3 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/19(火) 22:04:04.82 ID:FYo+NP5No
男「とりあえず北に歩こう。」

テクテク…

男「北極星はきちんと有るんだなぁ。」
4 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/19(火) 22:36:21.13 ID:ZlTgdt94o
「お待たせいたしました、男さん。」

男「えっ、何?誰?」

天使「天使と言います。以後お見知りおきを。」

男「と言うことは俺って本当に死んだの?」

天使「はい。あなたは死にました。」

男「まじか。」

天使「マジです。」
5 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/19(火) 22:55:25.49 ID:0wra124yo
男「で、俺は何をしたらいいの?」

天使「えっと、ちょっと待って下さい…」

男「あ、天国でもスマホ使ってるの?」

天使「ええ、コレのおかげで業務がはかどります。暇つぶしにもなりますし。」

男「天使って意外と暇なの?」

天使「時期にもよりますかねぇ…っと、とりあえずは私についてきて下さい。」

男「あ、はい。」
6 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/19(火) 22:59:45.60 ID:7Au9p43Ao
男「ねえ、天使さん。ここは天国なんですか?」

天使「天国の一歩手前みたいな場所です。ここに来る人は天国に行くか地獄に行くかまだ決まってない人なんですよ。」

男「つまり、俺もそういうことなの?」

天使「そういうことなんですよ。」

男「…天国ってどんなところ?」

天使「んー、東京と大分と沖縄を混ぜてスパイスとしてロシアをいれてオーストラリアに流し込んだような場所です。良いところですよ。」

男「なるほど、良いところみたいですね。」
7 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/19(火) 23:49:38.35 ID:7Au9p43Ao
天使「さあ、到着しましたよ。とりあえず中に入りましょう。」

男「なんかファミレスみたいな感じだなぁ…。」

天使「男さん、はやく入りましょう?」

男「あ、すみません。今行きます。」

カランカラン

店員「いらっしゃいませ。お客様二名でよろしいですか?」

天使「いえ、予約しておいた天使です。」

店員「ご予約のお客様ですね。こちらへどうぞ。」

天使「どうもありがとう。」

8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/19(火) 23:51:38.82 ID:giJqOGKWo
おもしろそうだ

支援
9 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/20(水) 00:02:03.76 ID:trgpQSiRo
店員「ご注文がお決まりになりましたらこちらのゴングにてお呼び下さい。」

男「なんでゴングなんだろう。」

天使「ここの店長が耳が遠くて普通の呼び鈴だと気づかないからだそうです。」

男「だからってゴングはないと思うよ…。」

天使「まあまあ、なにかしら思い入れでもあるのでしょう。まずは飲み物でも決めましょう。」

男「あー、じゃあコーラで。」

天使「私はとりあえずビールを頂きましょうか。」

男「えっ?」

天使「どうかしましたか?」

男「天使って仕事中に飲酒してもいいんですか?」

天使「成人した天使なら特に問題ないですよ。」

男「そうですか(成人してたんだ…)」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/06/20(水) 04:51:51.42 ID:S3Q6slOk0
4yen
11 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/20(水) 09:40:17.80 ID:ZxNdsVyAo
店員「こちらコーラとビールです。ごゆっくりどうぞ。」

天使「はい、どうも。」

男(ビールもコーラも特大ジョッキで出てきた…)

天使「ングッ…ングッ…くぅぅぅ…ふう。さて、本題に入りましょうか。」

男「はい。」

天使「まず、いくつかあなたに質問をしたいと思います。とりあえずこの用紙を埋めて下さい。」

男「えーっと、なになに?」

『好きな体位はなんですか?二つ選んで下さい。』

男「えっ、なんですかこれ。」

天使「えっ、なにか不都合でも?」

男「えっ。」

天使「えっ。」

12 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/20(水) 09:43:28.94 ID:lyGaQzA9o
男「…すきな体位も何も、俺童貞なんですけど。」

天使「えっ。」

男「えっ。」


「「………」」


天使「まっ、まぁそういう質問は飛ばしても構いません…とりあえずこれはアンケートみたいなものなので気にせず埋めて下さい。」

男「あ、はい。」

13 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/20(水) 10:43:04.44 ID:BbtxvblOo
男「はい、埋まりました。」

天使「ありがとうございます。次に入る前に、ちょっといいですか?」

男「どうぞ。」

天使「ありがとうございます。」

カァァーン

店員「お待たせいたしました。ご注文をお伺いいたします。」

天使「ビールと…男さんはなにか頼みたい物はありますか?」

男「いえ、大丈夫です。」

天使「ならビールのみで。」

店員「ありがとうございます。少々お待ち下さい。」

14 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/20(水) 10:47:10.38 ID:p8IKECklo
男「ここのお代とかって大丈夫なんですか?」

天使「男さんは気にしなくても大丈夫ですよ。それにあとで経費として落ちるので。」

男「ビールって経費で落ちるんですか?」

天使「1日に三杯までなら落ちます。」

男「一応制限はあるんですね。」

店員「お待たせいたしました、ビールです。」

天使「ありがとうございます。こっちのジョッキを下げてもらえますか?」

店員「はい、あ、ありがとうございます。ではごゆっくりどうぞ。」

天使「どうも。さて、本題に入りましょうか。」
15 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/20(水) 11:03:18.71 ID:cdyls3awo
天使「さて、まず一つ目の質問です。あなたはバイト先へ向かう途中で、風に吹き飛ばされて気を失い、ここにいた。それで間違いはありませんね?」

男「はい、そうだと思います。」

天使「ふむ、合ってますね。」カキカキ

男(ビールを飲みながら手元の紙へなにか書き込んでいる…)

天使「二つ目の質問です。あなたは恋人がいますか?」

男「いえ、いません。」

天使「これもオーケーっと…」

16 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/20(水) 11:15:02.71 ID:ZxNdsVyAo
天使「じゃあ、最後の質問です。いまの人生に未練はありますか?」

男「それってつまり、人生辞めませんかって事ですか?」

天使「まあ、そういうことです。未練があるならもとの世界に帰します。なければ私のパートナーとして働いてもらいます。」

男「どんな仕事をするんですか?」

天使「まあ、こんな感じにたまに迷い込む人間をリクルートしたり、ビールの試飲とかをするのが主な業務です。週休三日で月に二日は下の世界に降りれます。」

男「あ、それいいですね。じゃあここに残ります。」

17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/20(水) 11:18:42.22 ID:XuhI7MHYo
ビールの試飲…だと…?ちょっとオレ台風の中バイト行ってくる
18 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/20(水) 11:23:34.05 ID:p8IKECklo
天使「はい、それとは別にあなたに未練はありますか?」

男「あー、最後に一言だけ妹に声を掛けたいです。」

天使「なら簡単です。これを見て下さい。」

男「スマホに俺の姿が…ここは病院ですか?」

天使「はい。あなたは台風によって煽られて橋から転落し意識不明となっています。」

男「うわー、痛そうだなぁ。」

天使「ここにそろそろ妹さんが来るので、一時的に意識を向こうに戻します。そこで思うだけ話して下さい。」

男「一時的って…具体的に何時までですか?」

天使「そうですね、今日の午前0時まででいいですね。」

男「はい、ありがとうございます。」

天使「じゃあちょっと待って下さいね。」
19 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/20(水) 11:28:00.25 ID:+PLsGYbyo
カァァーン

店員「はーい、ただいま伺います。」

男「ゴングの音も乙なものですね。」

天使「ここの名物にもなっているみたいですよ。」

店員「お待たせいたしました。」

天使「お会計お願いします。」

店員「はいわかりました。ではこちらの伝票をレジまでお持ち下さい。」

天使「はい。男さん行きましょう。」

男「わかりました。」
20 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/20(水) 11:34:11.32 ID:elcXBc4Ko

チーン ガラガラ…

店員「ありがとうございましたー。またのご来店をお待ちしておりますー。」

男「意外と安いんですね、ビール。」

天使「たしかに安いですよね。初めてここに来たときはびっくりしました。」

男「あ、天使さんもここに飛ばされたんですか?」

天使「はい。二年ほどですかね、ここに来てから。」

男「じゃあ、天使さんは俺の先輩になるんですね。」

天使「そうですね、私は後輩に厳しいですよ?」

男「あはは、ビシバシお願いします。」
21 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/20(水) 11:40:57.11 ID:trgpQSiRo
天使「さて、着きましたよ。」

男「…この電話ボックスが下へ降りる入り口ですか?」

天使「はい。ここで自分の携帯電話に電話して下さい。すると向こうに戻れます
。」

男「はい、わかりました。」

天使「戻るときは外に出て来てくれると助かります。また雨と風で吹き飛ばすので。」

男「わかりました…あまり痛くしないで下さいね。」

天使「さあ、どうでしょう?後輩には厳しいので。」クスクス

男「先輩は手厳しいな…じゃあ行ってきます。」

天使「いってらっしゃいませ。」

ガチャン ピパピポポ…

ガッチャン

男「おっ…

ヒューーン

天使「そういえば、降りる時に床が抜けて堕ちるって伝えるの忘れてました。」

22 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/20(水) 12:09:47.12 ID:+PLsGYbyo
男「んっ…」

目が覚めた。病室のベットで。

腕には点滴用のチューブが刺さっているが、本数は少ない。

横には、目を丸くした妹がいた。

妹「えっ、兄貴が…起きた…?」

男「ああ、起きたぞ。なんだその死体でも見てるような顔は。」

妹「あにきぃ…本当に死んじゃうのかと思った…。」

男「あれぐらいで死ぬようじゃ妹の兄貴は務まらないからな。」ナデナデ

妹「…えっぐ…ぐすっ…っ。」

男「……」ナデナデ
23 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/20(水) 12:49:39.91 ID:KVycZ903o
男「そろそろ落ち着いたか。」

妹「うん、ごめんね。痛かったのは兄貴なのに…。」

男「俺こそ心配かけてごめんな。」

妹「ん…」

男「……」

24 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/20(水) 13:03:26.71 ID:KShIQXg2o
男「え、もう退院して良いんですか?」

医者「ああ、特に異常はないし、君だってここに長居する必要もないだろう?」

男「は、はぁ…。」

医者「まあ入院費とかは後で親御さんの方に伝えるからこのままかえって大丈夫だよ。」

男「わかりました。ありがとうございます。」

医者「礼には及ばないよ。これが仕事だ。」

男「失礼します…。」ガラガラ ピシャッ

医者「…ふぅ。」

医者(本当は、親御さんに意識が戻ったらすぐに退院させてくれと言われてるからなんだ…)

医者(あの子は…本当の親が既に居ないみたいだ…そういうことなんだろう。)

医者「…これも、仕事なんだ。」
25 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/20(水) 13:12:40.63 ID:Xf54kHWno
男「待たせたな、妹。」

妹「んー全然待ってないよ。さあ帰ろう?」

男「えっと、実は友達の家に泊まることになっててな…」

妹「えー、病み上がりなんだからダメだよ!家でゆっくりしてなきゃ…」

男「うーん、それでも約束だしなぁ。」

妹「もしかして、彼女…?」

男「違う違う。彼女なんていないよ。本当にただの男友達だよ。」

妹「ふーん…まあ、そこまで言うなら良いよ。」

男「心配してくれるのにごめんな。代わりにといってもなんだけど、この後遊びに行くか?」

妹「えっ、いいの!?でも兄貴疲れてるのに…。」

男「全然疲れてないよ。だから久しぶりに駅まで行こうか?」

妹「うーん、そこまで言うなら付き合ってあげる。でも、無茶しないでね!具合悪くなったらすぐに言ってよ?」

男「わかったよ。じゃあとりあえずどこに行く?」

妹「そうだなー…。」

26 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/21(木) 07:37:29.92 ID:+Es9ws6Co
ゲームセンター


男「まあ定番だよな。」

妹「昔は二人で良く来てたじゃん。」

男「そうだったなー。」

妹「とりあえず何をやる?平日だから割と空いてるし。」

男「とりあえずは定番からだろ。」

妹「定番というと?」

男「音ゲー。」

妹「それは兄貴だけだよ…まあいいけどさ。」

男「じゃあ早速行こうか。」


27 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/21(木) 07:54:46.88 ID:xYm2sP0Ro
男「ほっ、とぅっ。」バシバシバシッ

妹「……」パチパチ

男「よしノーミス!」

妹「まあこんな感じかな。」

男「やっぱり音ゲーだな。」

妹「まあ楽しいけど意外と疲れるよね。」

男「それは仕方がない。音ゲーなんてそんなものだろ?」

妹「そうだけど、兄貴のプレイしてる姿が…なんかキモい。」

男「キモいって…言われたことはあるけど妹にも言われるとは…。」

妹「あんまり気にしないで、他人の振りするから。」

男「」

妹「ほらっ、冗談だから、気を取り直して次ぎに行こっ!」

男「冗談なら仕方がないな、うん。次に行こう次。」

妹(指と腕を動かせばいいゲームで台の前でアクロバティックな動きをする人は流石にキモいとおもうんだ…)
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 08:33:03.95 ID:NCzyIO3IO

|∧∧
|・ω・`) そ〜〜・・・
|oCo
|―u'


| ∧∧
|(´・ω・`)
|o   ヾ
|―u' C <コトッ



| ミ  ピャッ!
|    C
29 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/21(木) 08:35:04.20 ID:euZi5GZyo
妹「次はこれでしょ。」

男「クレーンか。まあ定番だな。で、何が欲しいの?」

妹「特に欲しい物はないけど…あ、あれとかいいかも。」

男「小さいから難しいな…まあやってみるか。」チャリン

男「……。」

妹(兄貴はクレーンゲームやってるときはすごい集中してるなぁ。)

男「…よっしゃ!取れたぜー!」

妹(そして真剣な顔も我がお兄ちゃんはかっこいい。)

男「おーい、いもうとー、とーれーたーぞー?」

妹「はっ、おっ、兄貴ありがとう…。」

男「大丈夫か、妹?」

妹「うん、大丈夫だから次行こう!!」

男「……?」
30 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/21(木) 13:29:16.39 ID:EEl+/MtIo
男「やっぱり最後はこれか…。」

妹「そりゃあ、ゲーセンに来たらコレしかないでしょ。」

男「俺がプリクラ苦手だってしってるだろ?」

妹「あははっ、兄貴の都合なんて知らないもーん。」

男「…ま、妹の頼みだし、一回くらいならいいよ。」

妹「えっ、いいの?」

男「なんだ、疑うなら撮らなくてもいいけどさ。」

妹「いやっ、撮る!撮るからほらさっさとゴー!」

男「だから押すなって。逃げないから。」

妹「だめ、なんか逃げそう。」

男「なんだそれ。」
31 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/21(木) 13:36:16.24 ID:shF6isfHo
男「……。」

妹「…ねえ、もっと笑ってよ。」

男「無茶言うな。苦手なんだから…。」

妹「んー、もう。ほら撮るよ、笑って!」

男「えっ、おい引っ張るな、ちょっ…。」

チュッ

男「えっ?」




32 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/21(木) 14:04:55.83 ID:nBwLVfnfo
妹「うんうん、笑ってはくれなかったけどなかなかいい表情だからいっか。」

男「はぁ…やっぱりプリクラはダメだ。無駄に緊張する。」

妹「まあまあそういうこと言わずに。また今度も撮ろうよ。」

男「そうだな。またこんどな。」

妹「楽しみにしてるよー!ちゃんと笑ってね!」
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/06/21(木) 14:55:24.47 ID:KPXjKDBI0
?
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/06/21(木) 15:03:29.56 ID:KPXjKDBI0
文字化けしてしまった。
支援。
35 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/21(木) 19:20:18.49 ID:HcvICdZro
男「さあ、そろそろ約束の時間だし、お開きかな。」

妹「えーっ?もっといろいろ遊ぼうよ。」

男「昼に言ったとおり友達との約束があるんだって。またこんど遊びに行こうよ。」

妹「…そう、そこまで言うなら許してあげるっ。代わりに絶対に連れてってよね!!」

男「ああ、絶対だ。必ず連れて行くよ。」

妹「うん、じゃあ最後に…はい、コレでよし。」

男「あ、さっきのプリクラ…。」

妹「携帯に貼っておけばいつでも見れるしそのたびに約束を思い出すでしょ?」

男「そうだな。忘れないよ。」

妹「じゃあ、また明日ね。私はバスで帰るから。」

男「ん、じゃあな。」
36 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/21(木) 19:29:54.58 ID:il1tRVJPo
男「……。」テクテク

………

男「……。」テクテク ピタッ

男「見えてますよね、天使さん。」

スウゥゥ…

天使「はい、隣にいますよ。」

男「…俺は酷い兄貴です。」

天使「そうでしょうか。」

男「守れない約束を交わして、嘘までついて突き放して、これで酷い兄貴ではないならなんなのでしょうか。」

天使「でも、愛していらっしゃるのでしょう、妹さんのこと。」

男「……はい。」
37 :VIPに代わりましてMIPPERがお送りします :2012/06/21(木) 19:32:41.55 ID:3WbVuION0
続けてくれ下さい
38 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/22(金) 00:32:53.88 ID:cZlveLfpo
男「俺があの家に来たときに、一目惚れしました。」

テクテク

男「両親が蒸発し、行き場が無くなった俺に唯一手をさしのべてくれた家族の娘に。」

男「しかし、俺の恋心を親御さんに知られてしまった。家に居づらくなり次第に妹とも離れていった。」

天使「あなたはそれが正しいと思い、妹さんに何も伝えずに逃げようとしている。」

男「たしかに逃げています。妹を愛さなければ良かったなんて考えている愚か者です。」

クルッ

男「でも、俺はあと数十分でこの世から消えるのでしょう?」

天使「……気付いているなら、思いは伝えられるべきです。」

男「俺が、もう無理なんです。もしも思いを伝えたところで拒絶されたら…俺は本当に駄目になってしまう。」
39 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/22(金) 08:58:23.39 ID:iv465eVTo
天使「……。」

男「…雨、強くなってきましたね。」

天使「ええ、あと10分です。」

男「俺は酷い兄貴です。あれが最後に出来る事だったんです。」

天使「あれが最後になるんでしょうか。」

男「…それは、どういう…!?」

妹「兄貴…。」

天使「私が呼びました。このままではあなたの未練は昇華しないままになるので。」

男「…天使さんって、卑怯ですね。妹を呼ぶなんて…。」

妹「兄貴…ううん、お兄ちゃん。本当に消えちゃうの…?」

男「…ああ、本当の俺はもう死んでいるらしいんだ。」

妹「なんで、なんでお兄ちゃんは消えるの!?ねえっ、なんでよ!」

男「ごめん、本当にごめん。でももう一緒に居られないんだ。ごめん。」

妹「意味分からないよ…消えないでよっ、ねえ!」
40 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/22(金) 10:52:17.70 ID:5z4xYA20o
男「ダメなんだ…ごめん。最後まで妹の兄貴でいられなくて。」

妹「それ、どういうことなのっ?」

男「俺は…妹の事が好きなんだ!愛しているんだ!もう、そのままでいるなんてムリなんだよ!」

妹「えっ…?」

天使「あと一分です。準備を。」

男「妹、危ないからここから離れろ。」

妹「だめっ、行かないで!ねぇっ、私も…大好きだからっ!絶対に離さないからっ!」ギュュゥウ…

男「…ッ!ありがとう、でも行かなきゃ。約束だから。」

妹「そんな約束なんて、私も連れてってよ!私との約束はどうなるのよ!」

天使「時間です。行きましょう。そこの欄干から飛んで下さい。」

男「…ごめんな。」パシンッ

妹「あうっ、い、行かないでぇぇ!」

男「じゃあな…さよなら。」

トンッ

男「えっ、おい、離せっ!」

妹「私も一緒に…」


41 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/22(金) 17:19:26.10 ID:NXt09Z91o
男「……。」

天使「……。」

妹「……。」

男「なんでついてきた。」

妹「だ、だって…離れたくなかったんだもん。」

男「はぁ…、昔っから後先考えないで行動するタイプだったな…。」

妹「ごめんなさい…でも、離れたくなかったのは本当だから…ね?」

男「とりあえずは責める積もりはないさ。で、天使さんはどうします?」

天使「…ふむ、とりあえずは落ち着いて離せる場所に行きましょう。いろいろ説明もありますし。」

男「なら、行きましょうか。ほら、妹も立って。」

妹「う、うん…。」
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/06/22(金) 19:50:17.63 ID:LNZlxUdno
みてる
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山形県) [sage]:2012/06/22(金) 19:51:04.92 ID:CeycNKTCo
あたしもぉ〜
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/23(土) 10:07:58.43 ID:ey0IFsQDO
>>1
楽しみ
45 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/23(土) 18:35:24.69 ID:BltM8QNIo
男「とりあえず、まだ店まで距離ありますよね?」

天使「はい。あと数十分は移動します。」

男「なら、妹に簡単な説明だけしても良いですか?」

天使「そうですね。予備知識ぐらいはあった方が後々理解しやすいでしょう。」

男「はい。ということで、ここがどこだか分かるか?」

妹「なんか、よく分からないけど…天国みたいなところ?」

男「まあ近いな。正確には天国の手前らしい。あと、さっきから先頭を歩いているのが俺の上司で天使さん。」

天使「まあ、まだ男さんは天使になっていないので上司ではありませんが…私は天使です。よろしくおねがいします。」

妹「はっはい、よろしくおねがいします…上司ってどういうこと?」

男「それはまあ、俺はここで働くことになってな…その関係でだ。」

妹「もしかして、ここで美人な天使さんと働くから私を連れて行かなかったの?」

男「そんなことはないさ。俺はいつでも妹を愛しているよ。」

妹「えっ///もうっ、そんなこと突然言わないでっ///」

男「じゃあ、これから言わないほうがいいのか。」

妹「たまには…言って欲しいなって…
///」

天使「あー、砂糖吐きそうですねー、甘過ぎですねー。」

46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/24(日) 20:47:12.65 ID:D6pXT8PMo
面白そうだな
47 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/25(月) 16:23:10.58 ID:jN2fkdHOo
天使「着きましたよ。」

妹「…ファミレス?」

男「この店の他に選択肢はないんですか?」

天使「歩いていける範囲で一番まともな店を選んでいるつもりですのですが。とりあえず入りますよ。」

カランカラン

店員「いらっしゃいませ。お客様は三名でよろしいでしょうか?」

天使「はい、三名で。」

店員「只今喫煙席が満席なので禁煙席でよろしいでしょうか?」

天使「大丈夫です。」

店員「ではこちらのお席にどうぞ。」
48 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/25(月) 17:34:13.71 ID:WvqyxSG4o
店員「ご注文がお決まりになりましたらこちらのゴングでお呼び下さい。」

妹「…ねえ、なんでゴングなの?」

男「店長の耳が遠いからだそうだ。」

妹「だったらインターホンみたいな物を使えばいいのに。」

天使「……。」

男「……。」

妹「えっ、なにかマズかった?」

ポン

男「妹、それはお約束って奴なんだ…。」

天使「…まだまだですね。」

妹「えっ。」
49 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/26(火) 16:24:56.37 ID:hxvt54vco
天使「さて、まずは飲み物でも注文しましょうか。」

男「うーん。妹はどうする?」

妹「そうだなあ、コーラでお願いします。」

天使「はい。私はビールで。」

妹「えっ。」

男「あ、俺もビールで良いですか?」

妹「えっ。」

男「えっ。」

天使「……。」

妹「……。」

男「……。」

天使「ビールがふたつにコーラが一つで良いですね。ゴングをお願いします。」

妹「あっ、え、はい。」


カーッン
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/06/26(火) 16:52:21.54 ID:/DQhNnPio
乙?
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