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岡部「末尾(ラスト・ナンバー)に身を委ねよう……」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆zwgKk2QZ7s [saga]:2012/06/20(水) 19:37:57.37 ID:TP+IZJtho
岡部「……暇、だな」

ダル「ん? オカリンどしたん?」

岡部「ダル……大学の夏休みとは意外と暇なものだな」

ダル「人生の夏休みの中の夏休みだし、暇なのは仕方ないと思われ」

岡部「……何か、暇潰しになるものは」

ダル「エロゲは?」

岡部「やらん」

ダル「バイトとか」

岡部「何も無ければ、それも悪くは無いだろう。だが、それ以外で何か無いのか」

ダル「んじゃ、女の子にでも会いに行けばいいんじゃね?」

岡部「……はあ?」

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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part8 @ 2024/03/28(木) 10:54:28.17 ID:l/9ZW4Ws0
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旅にでんちう @ 2024/03/27(水) 09:07:07.22 ID:y4bABGEzO
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にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:18.81 ID:AZ8P+2+I0
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にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:02.91 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459562/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:25:33.60 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459533/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:23:40.62 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459420/

2 : ◆zwgKk2QZ7s [saga]:2012/06/20(水) 19:39:15.85 ID:TP+IZJtho
ダル「オカリン、フラグ立てるのは上手いんだから楽しく過ごせるっしょ」

岡部「人をどこぞのラノベ主人公と一緒にするな、あれは二次元限定のスキルだ」

ダル「自覚ないとかオカリンマジぱねえっす」

岡部「……まあ、ラボメンと共に時間を過ごすのは悪くないな」

ダル「おっ、本当に会いに行く訳?」

岡部「うむ、怠惰に過ごすよりはマシだ。しかし、誰に会いに行くか……」

ダル「それなら、末尾で決めてみるとか」

岡部「末尾、だと?」
3 : ◆zwgKk2QZ7s [saga]:2012/06/20(水) 19:39:59.35 ID:TP+IZJtho
ダル「そ、末尾。それで決めれば普段はできないような行動できて刺激的じゃね?」

岡部「安価スレのような偶然性はあるかもしれんが、どのように末尾を出せばいいんだ?」

ダル「適当に@ちゃんねるに書き込めばおk。どうよ?」

岡部「ふむ……面白い、その末尾(ラスト・ナンバー)に頼ってみるとしようではないか! フゥーハハハ!」
4 : ◆zwgKk2QZ7s [saga]:2012/06/20(水) 19:40:41.09 ID:TP+IZJtho
ダル「それじゃ、末尾の内容は僕がきめるお」

岡部「何? 自分で決めてはいけないのか?」

ダル「それだとオカリン、無難な選択肢しか作らないだろ常考」

岡部「ダァル! この狂気のマッドサイエンティスト、鳳凰院凶真が無難なことしかしないとでも思っているのか!」

ダル「うん。だってオカリンへたれだし」

岡部「くっ……言わせておけば。いいだろう、貴様の創り出す選択肢、見せてもらおうではないか! フゥーハハハ!」
5 : ◆zwgKk2QZ7s [saga]:2012/06/20(水) 19:41:52.28 ID:TP+IZJtho
ダル「じゃ、まず最初のリストはこれで」

末尾1、2→紅莉栖

末尾3、4→まゆり

末尾5、6→ルカ子

末尾7→フェイリス

末尾8→萌郁

末尾9→鈴羽

末尾0→バイト

岡部「なぜ数に片寄りがあるんだ? それとバイトとは何だ?」

ダル「オカリンへの好感度と僕のささやかな抵抗。バイトは一日派遣のバイトしてもらおうかと」

岡部「好感度は意味が分からんが置いておく。バイトはハズレ、ということか。まあいいだろう……では、最初の選択だ!」
6 : ◆zwgKk2QZ7s [saga]:2012/06/20(水) 19:43:01.15 ID:TP+IZJtho
岡部「来たれ……末尾(ラスト・ナンバー)よ!」

末尾1、2→紅莉栖

末尾3、4→まゆり

末尾5、6→ルカ子

末尾7→フェイリス

末尾8→萌郁

末尾9→鈴羽

末尾0→バイト

ダル「オカリン的には誰と会いたいとかある訳?」

岡部「まゆりかルカ子だな。あいつらなら疲れることも無いだろう」

ダル「結局、そういうことを言うオカリン。マジちっちぇえっす」

岡部「なっ……ええい、黙れ!」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/06/20(水) 19:51:07.50 ID:fXtiqKzAo
戦士としては皆に平等なチャンスが与えられるべきだと思うな!
8 : ◆zwgKk2QZ7s [saga]:2012/06/20(水) 19:51:30.83 ID:iJbFUgiio
ダル「オカリン、書き込んだん?」

岡部「ああ、VIPのテストスレに書き込んできた」

ダル「で、結果は?」

岡部「>>6の末尾が5、だな。ということは……」

ダル「るか氏ってことになるお。うわー……オカリンの言った通りになるとか」

岡部「フッ……これも末尾の選択だ。俺はその選択に従うまで」

ダル「へいへい、さっさとるか氏のところに行って来れば?」

岡部「言われなくてもそうする。だが、俺はあだ会話をするだけで良いのか?」

ダル「会話に困ったり、良い雰囲気だと思ったら僕にメールと現状を報告すればおk」

岡部「そしてお前が選択肢を出す、と。……しかし、なんだか面倒なことになりそうな気が」

ダル「自分で決めるべきところは何も口出さないって」

岡部「うむ、とりあえず行ってみるか。ルカ子は……神社に行けば会えるだろう」
9 : ◆zwgKk2QZ7s [saga]:2012/06/20(水) 19:55:20.95 ID:iJbFUgiio
柳林神社

岡部(ルカ子は……よし、居るな)

ルカ子「あっ、岡部……じゃなくて凶真さん。こんにちは」

岡部「ルカ子、修行に励んでいるか」

ルカ子「えっと、今日はまだ……」

岡部「だらしが無いな。そんなことでは清心斬魔流の教えを伝えることなどできんぞ」

ルカ子「は、はい。すいません……今、妖刀・五月雨を取ってきます」

岡部「いや、今は良い。それよりもルカ子」

ルカ子「はい、何でしょうか」

岡部「その……少し俺と話をしないか」

ルカ子「お話、ですか?」
10 : ◆zwgKk2QZ7s [saga]:2012/06/20(水) 20:01:47.97 ID:iJbFUgiio
岡部「この鳳凰院凶真も時には休息が必要だ。その時間を弟子であるお前との会話にあてようと思ってな」

ルカ子「えっと、つまり……ボクと会話するために凶真さんはここまで来てくれたんですか?」

岡部「まあ、そういうことになるな」

ルカ子「凶真さん……ボク、嬉しいです」

岡部「そ、そうか……しかし、お前が忙しいのであれば無理にとは言わないが」

ルカ子「そんなことありません! 大丈夫です、何も気にしないでください」

岡部「あ、ああ、分かった。……立ち話も何だ、そこに腰かけるとするか」

ルカ子「はい。ちょっと待っていてください、今お茶をお出ししますから」

岡部「いや、そこまでしなくとも……ってもう行ってしまったか」


岡部(うむ、やはりルカ子のところに来て正解だったな。しかし……)

岡部(少し顔を赤らめているのは……気のせいだよな?)
11 : ◆zwgKk2QZ7s [saga]:2012/06/20(水) 20:09:15.41 ID:iJbFUgiio
岡部(しかし、改めて考えると……ルカ子と何を話せば良いのだろうか)

ルカ子「お待たせしました。お茶と、これもどうぞ」

岡部「これは、大福か。では一つ……あむ」

ルカ子「あの……どうでしょうか?」

岡部「……おお、美味いな。これだけ美味いのだ、どこか高い店で買ったのではないか?」

ルカ子「い、いえ……それ、実はボクが作ったんです」

岡部「何……? この大福をお前が作ったというのか?」

ルカ子「はい、たまにはお菓子も作ってみようと思って」

岡部「ルカ子……お前のその能力は俺も評価している、流石は我が弟子だ」

ルカ子「ありがとうございます……。凶真さんに喜んでいただけて……ボク、嬉しいです」

岡部「……この料理スキル、まゆりや助手にも見習ってもらいたいものだな」

ルカ子「そ、そうですね。まだありますからどうぞ召し上がってください」
12 : ◆zwgKk2QZ7s [saga]:2012/06/20(水) 20:15:07.57 ID:iJbFUgiio
数分後

岡部「…………」

ルカ子「…………」

岡部(……いかん、やはり会話が止まってしまった。というかこれでは大福を食いに来ただけではないか)


ルカ子「あの、凶真さん……」

岡部「ど、どうしたルカ子」

ルカ子「ごめんなさい……ボク、楽しいお話とかできなくて……」

岡部「気にするな、そもそも俺の勝手な都合で今日は来ただけなのだからな」

ルカ子「でも、せっかくの凶真さんの時間を……だから、ボク……悪い……っ……気が」

岡部「な、泣くな! そんなことを気にしなくとも良い!」


岡部(困ったな……このままではルカ子を泣かせたまま帰ることになってしまう)

岡部(……仕方あるまい。ダル、お前の出番だ)
13 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/20(水) 20:24:22.93 ID:iJbFUgiio
岡部「すまん、少しメールをしても良いか」

ルカ子「は、はい……ボクのことはお気になさらないでください」


岡部(ダルにメールだ……内容は)

『会話が止まった。ダル、至急救援を頼む!』

岡部(これでよし……送信! ダルよ、一刻も早くアドバイスを……)


チャッラチャララ チャラララ チャッラチャララ ラッラッラッラ

岡部(……来た! 内容は……)

ダル『ここまでの流れをkwsk。できれば産業で』

岡部(詳しく産業だと……面倒なことを)

『手作りの大福を食べて褒めた
 会話が続かん
 ルカ子泣き出す』

岡部(これで良いだろう……送信!)
14 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/20(水) 20:33:20.59 ID:iJbFUgiio
ダル『結局会話が続かないとか、さっきまでの威勢はどこに行ったん?
    とりあえず、選択肢を用意したからここから選んでもらおうか』

岡部(選択肢……そうか、このメールにその選択肢が!)

岡部(よし、選択肢とやらは……っ!? こ、これは……)


末尾 0 →お前は可愛いな

末尾1〜3→他の料理も食べてみたいな

末尾4〜6→こう暑いと海にでも行きたいものだな

末尾7〜9→よし、修行の時間だ!


岡部(なるほど、とりあえず修行と言っておけばこの雰囲気も何とか……ん?)

ダル『あっ、ちゃんと末尾で選ばないとダメってのを忘れないで欲しいお。
    確認するためにも、僕が指定するスレに書き込んでもらうのぜ』

岡部(ダルめ……俺が末尾から逃げられないようにするつもりか)

岡部(……いいだろう。末尾の選択、受け止めようではないか!)
15 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/20(水) 20:44:29.53 ID:iJbFUgiio
岡部(ダルの指定したスレは……@ちゃんねるのVIPの、このスレか)

ブルマとスク水が絶滅危惧種になってる件について(134)

岡部(……またふざけたスレを指定したものだな。……ん?)


64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/XX(水) 11:32:49.28 ID:barrel/70

スク水ブルマの参考画像が必要だお!さっさと寄越せゴルァ!


岡部(…………まさかな)


ルカ子「あの、凶真さん……お忙しいようでしたら、その……」

岡部「ま、待ってくれ。……すまん、今終わる」

岡部(これ以上ルカ子の前でケータイを弄るのは危険だ……よ、よし!)
16 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/20(水) 20:49:00.97 ID:iJbFUgiio
岡部「来たれ……末尾(ラスト・ナンバー)よ!」


末尾 0 →お前は可愛いな

末尾1〜3→他の料理も食べてみたいな

末尾4〜6→こう暑いと海にでも行きたいものだな

末尾7〜9→よし、修行の時間だ!


ルカ子「あの岡部さん……急にどうされたんですか?」

岡部「……気にするな。これも末尾の選択だ」

ルカ子「は、はあ」
17 : ◆zwgKk2QZ7s [saga]:2012/06/20(水) 20:52:23.65 ID:iJbFUgiio
岡部「書き込み(>>16)の末尾は……6。ということは」

ルカ子「あ、あの、岡部さん?」

岡部「……ルカ子よ!」

ルカ子「は、はい」

岡部「――修行の時間だ!」

ルカ子「……はい?」

岡部「修行は修行だ。さあ、今すぐ妖刀・五月雨を用意するのだ!」

ルカ子「わ、分かりました。ちょっと待っててください」
18 :あ、6じゃなくて7だた ◆zwgKk2QZ7s [saga]:2012/06/20(水) 20:56:52.39 ID:iJbFUgiio
ルカ子「いーち……にーい……はぁ、はぁ……」

岡部「どうしたルカ子! そんなことでは清心斬魔流の奥義は習得できんぞ!」

ルカ子「は、はい! さーん……しーい……」


岡部(そうだ、俺とルカ子に会話など要らん。師匠と弟子、その関係を崩さなければ良いのだ)

チャッラチャララ チャラララ チャッラチャララ ラッラッラッラ

岡部(メールか。……ダル?)

ダル『一番無難な選択肢になってしまて、ダルしぃはとっても悲しいのです』

岡部「……フッ、何とでも言え。これも末尾の選択なのだからな! フゥーハハハ!」
19 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/20(水) 22:23:40.86 ID:iJbFUgiio
しばらくして

岡部「……よし、今日はこの辺にしておくか」

ルカ子「は、はい。凶真さん、ありがとうございました」

岡部「ルカ子よ、今後も修行に励むのだぞ。時間があればまた来る、その時も覚悟しておけよ」

ルカ子「分かりました。あの……また、いつでもいらしてくださいね」

岡部「あ、ああ。では、また会おう」

ルカ子「はい、お気をつけてー」
20 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/20(水) 22:27:28.71 ID:iJbFUgiio
街中

岡部(何だ、末尾と言うが特に問題は無いではないか。……やはり、この鳳凰院凶真は選ばれし存在なのだな)

岡部「フフフ、フゥーハハ……っ!? 何だ、電話か……もしもし」

ダル『オカリン、第一回の感想をどうぞ』

岡部「そうだな、この俺を末尾などで動かしても無意味だ、と言っておこうか」

ダル『確かに何も起きなさそうな選択肢だったけど、これからもそうなるとは限らないんじゃね』

岡部「何とでも言え、次の選択肢を寄越せ。誰が来ようと問題は無いがな」

ダル『把握した。じゃあ、次はこんな感じで』
21 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/20(水) 22:32:01.07 ID:iJbFUgiio
ダル『今からメールで送るから、出た末尾に従ってもらうのぜ』

岡部「良いだろう。さあ、メールでも何でも送ってくるが良い!」

ダル『うっし、ちょい待ってて』

岡部(……時間は、まだ昼か。会いに行くのに問題は無いな)

チャッラチャララ チャラララ チャッラチャララ ラッラッラッラ

岡部「来たか。……どれどれ」


末尾1、2→紅莉栖

末尾3、4→まゆり

末尾 5 →フェイリス

末尾6、7→萌郁

末尾8、9→鈴羽

末尾 0 →バイト


岡部(ルカ子が今日は消えて指圧師と鈴羽の枠が増えてるのか)

岡部(フェイリスが少ないのは……ささやかな抵抗とはこのことだろうな)

岡部「……よし、末尾を生み出すとしようではないか!」
22 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/20(水) 22:34:52.19 ID:iJbFUgiio
岡部「来たれ……末尾(ラスト・ナンバー)よ!」


末尾1、2→紅莉栖

末尾3、4→まゆり

末尾 5 →フェイリス

末尾6、7→萌郁

末尾8、9→鈴羽

末尾 0 →バイト


岡部(昼時だからメイクイーンに行くのも悪くは無いな……)

岡部(まあ、まゆりかフェイリスが選ばれたらの話だが)
23 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/20(水) 22:41:51.34 ID:iJbFUgiio
岡部「末尾が……9。ということは……鈴羽だな」

岡部(鈴羽はどこに居るだろうか。……まあ、ブラウン管工房に行けば会えるだろう)

岡部「よし、そうと決まればラボに戻 「あれー? そこに居るのって、岡部倫太郎?」

岡部「その声は……バイト戦士、丁度良いところに現れたな」

鈴羽「丁度良い? あたしに何か用?」

岡部「ああ、そういうことだ。しかし、今日はブラウン管工房でのバイトでは無いのか?」

鈴羽「一週間連続で働くのはダメだーって店長に言われたんだ。だからこうしてサイクリングしてたって訳」

岡部「なるほど。確かに、この良い天気ならば自転車に乗るのも悪くは無いな」

鈴羽「風を切って走るのは気持ちが良いからね。……あっ、良いこと思いついた」

岡部「良いこと?」

鈴羽「うん! あたしと一緒にサイクリングしようよ!」
24 : ◆zwgKk2QZ7s [saga]:2012/06/20(水) 22:47:12.43 ID:iJbFUgiio
数分後

岡部「……おい、バイト戦士」

鈴羽「んー? どうしたのー?」

岡部「お前、一緒に……ふぅ……サイクリングって……はぁ……言った、よな」

鈴羽「うん、だからこうして一緒に自転車に乗ってるんだよ」

岡部「納得がいかん……なぜ俺が漕がねばならんのだ!」

鈴羽「後で交代するから、今は君の番ってこと。ほら、頑張ってー」

岡部「くっ……この、狂気のマッドサイエンティストが……なぜ、この……んぐっ……ような」

鈴羽「ほらほら、ファイトー。しっかり漕いでね!」

岡部「後で……覚えてろよ……ぬうっ!」
25 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/20(水) 22:53:33.45 ID:iJbFUgiio
公園

鈴羽「とうちゃーく! お疲れ様、大丈夫?」

岡部「ぜー……はー……つ、着いたのか」

鈴羽「ほら、見てよ岡部倫太郎。いい景色だよね、秋葉原と同じ東京都は思えないよ」

岡部「そ、そうだな……それよりも……水を」

鈴羽「もう、だらしが無いなー。ちゃんと運動してるの?」

岡部「二人乗りであれだけ漕がされたらこうもなる……本当に帰りはお前が漕ぐんだな?」

鈴羽「えっ? うーん……じゃんけんとかで決める?」

岡部「……バイト戦士、あまり俺を怒らせない方が良い」

鈴羽「じょ、冗談だって! ほら、あそこにベンチがあるから一緒に座ろうよ」

岡部「そうだな……今はともかく安らげる場所が欲しい」
26 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/20(水) 23:04:29.47 ID:iJbFUgiio
岡部「暑い……この炎天下になぜ俺はこんなに疲れなければならんのだ」

鈴羽「たまにはこういうの良いと思うけどなー。……んっ、んぐ、ぷはー」

岡部「ほう……バイト戦士よ、美味そうなものを飲んでるではないか」

鈴羽「水分はちゃんと取らないとダメだからね」

岡部「で、俺の分はどこだ?」

鈴羽「えっ? 君の分?」

岡部「ああ、まさか自分の分しか用意してない、なんて言わないよな?」

鈴羽「あ、あはは……えっと、うん」

岡部「……寄越せ!」グイッ

鈴羽「あっ! ちょっと、それあたしのだよ!」

岡部「知るか、俺の方が水分が不足しているのだ! んぐ、んぐ……」

鈴羽「あー、もう……あれ? これって……」
27 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/20(水) 23:22:10.08 ID:iJbFUgiio
岡部「ふぅ……美味かった、ドクペには及ばんがな」

鈴羽「…………」

岡部「どうしたバイト戦士、悪いが全部飲んでしまったぞ」

鈴羽「いや、その……」

岡部「何だ、言いたいことがあるならはっきりと言え。お前らしくも無いぞ」

鈴羽「えっと……そういうのって確か、間接キスって言うんだよね」

岡部「なっ……!?」

鈴羽「嫌だって訳じゃなくて、何て言えばいいのかな……うーん」

岡部「む、無理して言わなくとも良い。……その、すまなかった」

鈴羽「そ、そんなに気にしなくても良いよ。……ごめんね、変なこと言って」

岡部「…………」

鈴羽「…………」


岡部(……気まずい雰囲気になってしまったようだな)
28 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/20(水) 23:27:23.02 ID:iJbFUgiio
岡部(この雰囲気を打破するためには……今こそ我が右腕の出番)

岡部「すまない、少しメールをしても良いか」

鈴羽「う、うん、あたしのことは気にしなくて良いよ」


岡部(今こそお前の力が必要だ、頼むぞ……送信!)

『バイト戦士と気まずくなった。助けてくれ!』

チャッラチャララ チャラララ チャッラチャララ ラッラッラッラ

ダル『言われなくても産業で報告よろ』

岡部(また産業か……ええい、仕方ない)

『バイト戦士とサイクリング
 色々あって間接キス
 意識したら気まずくなった』

岡部(これで良いか……送信)

チャッラチャララ チャラララ チャッラチャララ ラッラッラッラ

ダル『リア充爆発しろ』

岡部(……そんなことを言ってる場合では無いのだ、ダルよ)
29 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/20(水) 23:35:47.91 ID:iJbFUgiio
ダル『そんな真剣な冗談は置いといて、選択肢を託すから書き込みしてもらうのぜ』

岡部(流石だダル。さあ、その選択肢を見せてもらおうか……!)


末尾 0 →お前は可愛いな

末尾1〜3→自分もジュースを買って来て先に飲んでから相手に渡す

末尾4〜6→こんな暑い日は海に行きたいな

末尾7〜9→ブラウン管工房でのバイトはどうだ?


岡部(なるほど、仕事の話ならしやすいということだな。しかし……)

岡部(ルカ子の時もあったがこの末尾0は……どうにかならないのか?)

岡部(……まあ、出る確率は低い。俺ならば一番いい選択肢を引き当てるはずだ)

岡部(@ちゃんねるで先程のスレを探して……あった)

ブルマとスク水が絶滅危惧種になってる件について(452)

岡部(……相変わらずHENTAIしかいないようだな。よし、準備はできた……行くぞ!)
30 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/20(水) 23:39:46.95 ID:iJbFUgiio
岡部「来たれ……末尾(ラスト・ナンバー)よ!」


末尾 0 →お前は可愛いな

末尾1〜3→自分もジュースを買って来て先に飲んでから相手に渡す

末尾4〜6→こんな暑い日は海に行きたいな

末尾7〜9→ブラウン管工房でのバイトはどうだ?


鈴羽「お、岡部倫太郎……? 急にどうしたの?」

岡部「気にしなくとも良い。……これも機関の攻撃から逃れるための手段なのだ」

鈴羽「機関……何かあったらあたしに言ってね。戦力にはなると思うからさ」

岡部「……? よく分からんが、その時は頼らせてもらおう」
31 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/20(水) 23:47:37.34 ID:iJbFUgiio
岡部(書き込みの末尾は……5。ということは……海の話題?)

岡部(海に行きたいなどと言ってこの気まずい雰囲気を打破できるのか……? まあ、やってみるしかないか)


鈴羽「ねえ、今度は急に黙ってどうしたの? ……あたしと一緒じゃその、楽しくなかった?」

岡部「そ、そういう訳では無い! ……バイト戦士、今日も暑いな」

鈴羽「えっ? ま、まあ、夏だからね」

岡部「こんな暑い日は……海に行きたいとは思わないか?」

鈴羽「海? あっ、そっか。この時代の海は綺麗だもんね」

岡部「ん? この時代……?」

鈴羽「あっ……何でも無い、何でも無いよ! でも、一度海で泳ぐのも良いかもね」

岡部「何? お前は海で泳いだことが無いのか?」

鈴羽「う、うん。そういうことになるかな」


岡部(流石だダル……この先の流れが、見えた)
32 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/20(水) 23:56:07.34 ID:iJbFUgiio
岡部「バイト戦士よ、それならばラボメンの皆で海に行こうではないか」

鈴羽「ラボメンのみんなで?」

岡部「ああ、夏はすぐに終わってしまう。行くならば今の内に決めておかなければな」

鈴羽「それって、あたしも行っていいの?」

岡部「当たり前だ。どうだ、行ってみたいとは思わないか?」

鈴羽「……うん! 君が連れて行ってくれるなら一緒に行こうかな。なんだか楽しそうだし」

岡部「良いだろう。……オペレーション・エーギル、ただ今より始動する!」

鈴羽「エーギル? あっ、北欧神話に出る海を支配する巨人のこと?」

岡部「ほう、ずいぶんと詳しいのだな」

鈴羽「色々あってね。でも、海なんて楽しみだなー」


岡部(……流石だ。鈴羽との気まずい雰囲気もどこかへと消えたようだ)

岡部(末尾の選択は間違っていない、何も問題は起きず上手く行ってるではないか!)
33 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/21(木) 00:00:07.08 ID:CCJerBzWo
しばらくして

鈴羽「あっ、もうこんな時間か……そろそろ帰らないとね」

岡部「そうだな。分かっているとは思うが……帰りはお前に漕いでもらうぞ」

鈴羽「わ、分かってるって。ほら、乗って乗って」

岡部「よっと……よし、出発するのだバイト戦士よ!」

鈴羽「オーキードーキー! しっかり掴まっててね!」グオンッ

岡部「ぬおっ!? は、速い!?」

鈴羽「飛ばすよー! そっれー!」

岡部「げ、減速! 減速を要求する!」

鈴羽「遠慮しなくて良いって、すぐに着くからさ!」

岡部「そ、そういう問題ではなーい!!」
34 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/21(木) 00:04:14.22 ID:CCJerBzWo
ラボ前

鈴羽「とうちゃーく! ほら、着いたよ岡部倫太郎」

岡部「な、なぜ漕いだ時よりも疲れなければならないのだ……うっ……」

鈴羽「だ、大丈夫? ほら、元気だしなって」

岡部「お前はどうして疲れていないのだ……」

鈴羽「戦士だからね! じゃ、あたしは帰るね。ばいばーい」


岡部「……行ってしまったか。しかし……体が、お、重い」

岡部(このままここで倒れる訳には……ともかくラボに戻って休もう)
35 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/21(木) 00:09:40.48 ID:CCJerBzWo
ラボ

ダル「おっ、オカリンお帰りん」

岡部「まゆりみたいな言い方はやめろ。しかし……疲れた」

ダル「あの後、阿万音氏とはどうなったん?」

岡部「ああ、海の話をしたら乗り気でな。時間を見つけてラボメンで海に行こうと思う」

ダル「ラボメンで? 阿万音氏と二人きりじゃなくて?」

岡部「そうだ。何か問題でもあったか?」

ダル「……オカリン、そこは二人きりで行くに決まってんだろ常考」

岡部「なぜだ、多い方がバイト戦士も楽しめるだろうが」

ダル「流石だオカリン。そこに痺れないし憧れない」

岡部「……?」
36 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/21(木) 00:12:55.33 ID:CCJerBzWo
ダル「で、オカリン。一日末尾で行動した感想は?」

岡部「特に何とも思わなかったな。いつも通り、と言っても良いだろう」

ダル「まっ、初日だし。先に言っておくけど、シャレにならなくなったら止めるつもりなので」

岡部「何だそれは、どういうことだ?」

ダル「うーん、その内分かると思われ。えっと、今日の感じだと」

岡部「ん? 何を書いているのだ」

ダル「ちょっと待ってて。……よし、できたお」
37 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/21(木) 00:20:57.85 ID:CCJerBzWo


牧瀬紅莉栖 

椎名まゆり

漆原るか   ■

フェイリス

桐生萌郁

阿万音鈴羽 ■■  

残金 ?

S 阿


岡部「この四角は何の意味があるのだ」

ダル「今は黙っておくのぜ。オカリン今財布の中身はどん位?」

岡部「今は……三万位か」

ダル「結構持ってるじゃん。もうちょっとあればもっと色々できそうだけど」

岡部「色々?」

ダル「そう、色々」
38 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/21(木) 00:28:22.61 ID:CCJerBzWo
ダル「そういえば、明日も同じことやるってことでおk?」

岡部「ああ、良いだろう。ラボメンとの親睦を深めるのも大事だからな」

ダル「じゃ、明日の一人目も決めとく?」

岡部「そうだな。ダルよ、リストを出すのだ。末尾の導きを知ろうではないか!」

ダル「へいへい、ちょい待ち。……よし、こんなんでどうよ」


末尾1、2→紅莉栖

末尾3、4→まゆり

末尾 5 →ルカ子

末尾 6 →フェイリス

末尾7、8→萌郁

末尾 9 →鈴羽

末尾 0 →バイト


岡部「ルカ子とバイト戦士が一つしかないのは分かるが、なぜフェイリスも一つなんだ?」

ダル「オカリンとフェイリスたんを一緒にさせないためのささやかな抵抗だお」

岡部「大げさなヤツだ。……よし、準備はできた。書き込むぞ」
39 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/21(木) 00:32:43.08 ID:CCJerBzWo
岡部「来たれ……末尾(ラスト・ナンバー)よ!」


末尾1、2→紅莉栖

末尾3、4→まゆり

末尾 5 →ルカ子

末尾 6 →フェイリス

末尾7、8→萌郁

末尾 9 →鈴羽

末尾 0 →バイト


ダル「オカリン的には誰になって欲しいとかある訳?」

岡部「助手と話すのも悪くは無いな。この俺と会話できることをあいつも光栄に思うだろう」

ダル「オカリンが牧瀬氏に論破されまくる未来しか見えない件について」

岡部「だ、黙れ! ……まあ、その可能性は高いかもしれんが」
40 : ◆zwgKk2QZ7s [saga]:2012/06/21(木) 00:38:37.82 ID:CCJerBzWo
岡部「末尾が8、ということは……指圧師か」

ダル「年上のお姉さんキター!」

岡部「……ダル、最初から会話ができるか不安なのだが」

ダル「メールでの会話も検討するべきかと」

岡部「筆談ならぬメール談か……そうするのが良いかもしれんな」

ダル「まっ、また何かあったら連絡よろ。僕は今日は帰るお」

岡部「ああ、また連絡する」


岡部(明日は指圧師か。……何を話せば良いのだろうか)

岡部(まあいい、今日は寝るとしよう。……んっ)

岡部「……zzz」
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/06/21(木) 00:46:11.05 ID:IdV7UpLoo
乙リン
42 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/21(木) 00:50:05.38 ID:CCJerBzWo
俺の暇つぶしのためだけに立てた

ダルがやっていることがアレだったり設定が都合よくなってるけど暇つぶしなので
鈴羽ってどうなってんの?とかDメールは?とかも知らない

寝なかったら少ししたら続きを書く、寝たらまた明日

スレ立てたら岡部「○○で新スレが二つ出て来たから鯖重くて失敗したのかと
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/06/21(木) 01:26:03.10 ID:czpcuNoPo
C
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 16:56:37.20 ID:9KUmmmIIO
期待
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/06/21(木) 23:51:29.74 ID:E1VSwrbzo
期待
46 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/22(金) 10:54:20.93 ID:zWHHgQA+o
翌朝

岡部(さて、今日は指圧師に会いに行く訳だが……どこに行けば会えるのだろうか)

岡部(とりあえずメールでもしてみるか。『今どこに居る』、っと。送信)

チャッラチャララ チャラララ チャッラチャララ ラッラッラッラ

岡部(返信が早すぎる……流石だと言って良いのだろうか)

萌郁『今は自分の部屋だよ。岡部くん、何か用?』

岡部(普通の対応だ。実際に会った時もこんな風に話してくれれば良いのだが)

『今から会いたいのだが、時間はあるか?』

岡部(これで良いだろう、送信。…………うおっ!? もう返信が来た……)

萌郁『いいよb どこで会おうか? 私の部屋はやめてほしいかなー』

『それなら秋葉原駅近くのカフェでどうだ。時間は今から二時間後で』

萌郁『それなら良いよ。じゃあ、また後でね』


岡部(……どうしてこうもメールだと変わるのだろうか)
47 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/22(金) 11:10:31.98 ID:zWHHgQA+o
秋葉原駅周辺 カフェ

岡部「来たか。すまないな、急に呼び出したりして」

萌郁「…………」

チャッラチャララ チャラララ チャッラチャララ ラッラッラッラ

岡部「メール? ……まさか」

萌郁『待たせちゃったかな? ごめんね><』

岡部「指圧師……そういうのはメールでは無くて直接言えと」

萌郁「……ダメ?」

岡部「……まあいい、呼び出したのは俺だからな。それにこうなるのも予想はしていた」

萌郁「…………」カチカチ

萌郁『ところで、どうして私を呼んだの? もしかして……見つかった!?』

岡部「IBN5100なら見つかってないぞ。そんな簡単に見つかる訳が無いだろうが」

萌郁「…………」

岡部「そ、そんな簡単に落ち込むな! ……まあ、何か情報を得たらお前にも話す」

萌郁『うん、岡部くんには期待してるから。一緒に頑張ってIBN5100を見つけようね!』


岡部(正直どうでもいい、とは言いづらいな……)
48 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/22(金) 11:25:18.45 ID:zWHHgQA+o
岡部「さて、指圧師よ。今日お前を呼んだのには理由がある」

萌郁「理由って、何?」

岡部「閃光の指圧師、桐生萌郁。今日は俺と話をしてもらおう」

萌郁「……話?」

岡部「そういうことだ。お前も成り行き上ではあるがラボメンであるのは間違いない」

萌郁「…………」カチカチ

萌郁『お話するのは良いけど……私、話すの苦手だから』

岡部「構わん。お前は言いたいことをメールとして打ち込んで俺に見せれば良い」

萌郁「…………」カチカチ

萌郁『本当に? それなら大丈夫かも』

岡部「この鳳凰院凶真に抜かりは無い。どうだ、それで良いか?」

萌郁『うん、分かった』

岡部「それ位は口で言え!」
49 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/24(日) 03:50:15.32 ID:Y2try+hFo
岡部「しかし、呼び出した俺が言うのも何だが忙しくは無いのか?」

萌郁『大丈夫だよ。IBN5100を見つけるための情報収集はしてるから』

岡部「幻のPCの情報などそれ自体が見つからなさそうだがな……」

萌郁『そうなの。困ってるから岡部くん助けて><』

岡部「時間があったら協力してやっても良いが……」

萌郁『じゃあ今から!』

岡部「却下だ。また前みたいに一日中秋葉原を歩き回ることになりそうだからな」

萌郁『えー? お願い、お礼はするから』

岡部「お礼? 何かくれると言うのか」

萌郁『えっと、ケバブの美味しいお店があるんだよ』

岡部「……日給がケバブ一つのバイトなど誰がするか」

萌郁『むう……二つでも良いよ』

岡部「数の問題では無い! というかケバブが好きだったのか、意外だな」

萌郁『そう? ケバブ、美味しいよ☆』
50 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/24(日) 03:56:59.63 ID:Y2try+hFo
岡部「幻のPC、か。編プロで働いていると言っていたが、取材ということになるのか?」

萌郁『うん、そんな感じ。情報求む!』

岡部「だから知らんと言っているだろうが。……まあ、見つけても言うかどうか」

萌郁『どういうこと?』

岡部「IBN5100は一億の価値がある、と噂で聞いたことがあるからな。つまり、手に入れれば……」

萌郁『私に渡してくれるんだね!』

岡部「そうではない、誰かに売ってしまえば一億を得るも同然。我がラボも一気に立派な研究施設に!」

萌郁「……それは、許さない」

岡部「こ、怖い顔をするな……冗談だ、お前にも見つければ連絡をすぐにする」

萌郁『もう、意地悪しないでよー><』
51 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/24(日) 04:07:49.65 ID:Y2try+hFo
岡部「しかし、若い女が一日中レトロPCを探し続けるだけというのも考え物な気がするな」

萌郁『そうかな、結構楽しいよ?』

岡部「他にやりたいことの一つや二つあるだろう。趣味に時間を費やしたりとか」

萌郁『趣味……うーん、無いかも』

岡部「趣味が無い? それなら暇な時間は何をしているのだ」

萌郁『ケータイ弄ってたら時間が過ぎてるかな』

岡部「本当にケータイ依存症なのだな……」

萌郁『じゃあ、岡部くんは何をしてるの?』

岡部「俺か? そうだな……この世界を混沌に導く方法、または未来ガジェットの構想を――」

萌郁『ふーん、凄いねー』

岡部「……興味が無いというのが嫌でも伝わってくるな」

萌郁『でも、楽しそうでちょっと羨ましいかも』

岡部「フッ……狂気のマッドサイエンティストに憧れるか、指圧師よ」

萌郁『そこまではいかないけど』

岡部「ぐっ、メールでははっきりと言うのだな……メールで言うというのも変な話だが」
52 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/24(日) 04:14:49.78 ID:Y2try+hFo
岡部(どうなるかと思ったが、指圧師との会話は成立しているな。我ながら上出来だ)

岡部(……まあ、このやり取りが会話と言って良いかは分からないが。……ん?)


「ねえ、あそのこのカップル……なんか変じゃない?」
「そうだね……男の人しか話してないし」
「女の人の方はケータイ見せてるだけしね……」


岡部(……っ!? 確かに、傍から見れば怪しいかもしれないな……)

岡部(まあいい、大分話はできたことには変わり無い。そろそろダルにメールでも送ってみるとしよう)

岡部「済まないが、メールを送りたいので少し待っていてもらえるか」

萌郁『うん、時間はあるから気にしなくても良いよ』


岡部(よし、ダルにメールを送るか。……とりあえず、現況報告から送れば良いだろう)
53 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/24(日) 04:27:59.67 ID:Y2try+hFo
『現況報告。指圧師との会話は順調だ、末尾の選択の時間である』

岡部(これで良いだろう、送信。…………早いな、もう返信が来たか)

ダル『桐生氏と会話が成立するとかやるじゃんオカリン。で、選択肢だけど』


末尾 0 →お前は可愛いな

末尾1〜3→メールのやり取りをしないか

末尾4〜6→こんな暑い日は海にでも行きたいな

末尾7〜9→他のPCには興味は無いのか


岡部(PCの話題とメール、後は海か。……しかし、また一番上のが)

『ダル、末尾0の内容は変えた方が良いのではないか? こんなことを言ってもしょうがないだろう』

ダル『どうせ出ないって。さっさと@ちゃんねるに書き込みたまえ。今日のスレはこれでよろ』


金髪ツインテVS黒髪ロング (237)


岡部(……また反応しづらいスレを指定してきたな。まあいい、早いうちに書き込んでしまおう)
54 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/24(日) 04:32:37.46 ID:Y2try+hFo
岡部「来たれ……末尾よ!」


末尾 0 →お前は可愛いな

末尾1〜3→メールのやり取りをしないか

末尾4〜6→こんな暑い日は海にでも行きたいな

末尾7〜9→他のPCには興味は無いのか


萌郁「……急に、どうしたの?」

岡部「色々と訳があるのだ。……さて、末尾の導きはどうなるか」
55 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/24(日) 04:41:44.41 ID:Y2try+hFo
岡部(末尾が6……また海か。まあ、夏の話題としては無難だろう)


岡部「あー、指圧師よ。こんな暑い日は海でも行きたいとは思わんか」

萌郁『海? 私はあんまりそう思わないかな。岡部くんは海が好きなの?』

岡部「……全てを創り出す海と、混沌を司る鳳凰院凶真は切り離されない運命だからな」

萌郁『うーん、よく分かんないかな』

岡部「ぐっ……ま、まあ、海に入れるのは夏しかない。今しかできないことをするというのも悪くは無いかもな」

萌郁『私は海よりIBN5100を手に入れないといけないから』

岡部「そうやってインドア生活ばかりなのもどうかと思うぞ。外に出てみてはどうだ」

萌郁『岡部くんが言っても説得力が無いと思うよ。全然日焼けしてないし』

岡部「と、ともかく、海に行くのも悪くはないということだ。気が向いたら行ってみてはどうだ?」

萌郁『そうだね、気が向いたらそれも良いかも。多分そんなことにはならないだろうけど』

岡部「海でケータイを弄る訳にもいかないから、などとは言わないだろうな」

萌郁「あっ、それもそうだね。じゃあやっぱり行かないと思う」

岡部「……たまにはケータイから離れるのも良いとは思うが」

萌郁『やだ><』
56 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/24(日) 04:46:27.00 ID:Y2try+hFo
しばらくして

萌郁『そろそろ私、お仕事に戻らないいけないから失礼しても良いかな?』

岡部「ああ、今日は済まなかったな」

萌郁『大丈夫。その代り、また探すの手伝ってね?』

岡部「検討しておこう。前向きでは無いと言っておくが」

萌郁『約束だからね☆ ばいばーい』


岡部(……別れの挨拶くらい、口で言っても良いだろうが)
57 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/24(日) 04:48:52.92 ID:Y2try+hFo
岡部(さて、ダルにメールでもしてみ……その前に向こうからメールが来たか)

ダル『午後もオカリンの冒険は続くのだぜ。末尾は以下の通りで』


末尾1〜3→紅莉栖

末尾4〜6→まゆり

末尾 7 →ルカ子

末尾 8 →フェイリス

末尾 9 →鈴羽

末尾 0 →バイト


岡部(相変わらずフェイリスは一つなのか。そして助手とまゆりが三枠……確率は高いな)

岡部(……よし、決めるとするか。次は誰になるか)
58 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/24(日) 04:50:37.82 ID:Y2try+hFo
岡部「来たれ……末尾よ!」


末尾1〜3→紅莉栖

末尾4〜6→まゆり

末尾 7 →ルカ子

末尾 8 →フェイリス

末尾 9 →鈴羽

末尾 0 →バイト


岡部(昼前だからメイクイーンかルカ子のところに行きたいところだが……)

岡部(まあ、誰が出ても構わん。それが末尾の選択なのだからな)
59 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/24(日) 05:05:00.23 ID:Y2try+hFo
岡部(末尾が2、ということは……助手だな)

岡部(気は進まんが、末尾がそう決めたのならば仕方が無い。……あいつはどこに居るだろうか)

デデデ デーデーデーデーデーデーデー(Begining of fight)

岡部「電話か……これは、助手だな。噂をすれば、というやつか……」

岡部「こちらは鳳凰院凶真。何か用か、クリスティーナよ」

紅莉栖『だから、ティーナじゃないと言っとるだろうが』

岡部「用件を言えと言っただろうが。何も用が無くて電話した訳では無いのだろう?」

紅莉栖『……まあ、そうなんだけど。でも、用は無いと言うか、……なんと言うか』

岡部「なんだ、ハッキリ言え」
60 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/24(日) 05:10:21.36 ID:Y2try+hFo
紅莉栖『えっと、……私ラボに居るんだけど、岡部はどこに居るの?』

岡部「俺か? 俺は外に居るが」

紅莉栖『あの、ラボには今日は……来ない?』

岡部「いや、今から行くつもりだ。お前に会おうと思っていたのでな」

紅莉栖『へっ……? わ、私に会いたかったの?』

岡部「まあ、そういうことになるか。都合が悪いのなら諦めるが」

紅莉栖『そ、そんなことは無い! じゃあ、……ラボで待ってるから』

岡部「ああ、じっとしているのだぞ。……いや、待てよ」

紅莉栖『何? どうかしたの?』

岡部「助手よ、昼は済ませたか」

紅莉栖『お昼ご飯ならまだよ、岡部は?』

岡部「俺もまだだ。ラボに行く前に空腹を満たそうかと思ったのだが」

紅莉栖『それならどこかに行きましょうか。私もお腹減ってるし』

岡部「助手の意見を尊重するのも大事だからな、その提案を受け入れてやろうではないか!」

紅莉栖『たかがお昼御飯だけでよく偉そうにできるわね……』
61 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/24(日) 05:18:37.97 ID:Y2try+hFo
岡部「よし、では外で待ち合わせるとするか。すぐに出られそうか?」

紅莉栖『こっちは問題ないわ。今すぐ出るから秋葉原駅の近くで落ち合いましょう』

岡部「了解だ。それと先に言っておくが、セレブ御用達の店は避けてもらうぞ」

紅莉栖『だからセレブでもねえっつーの。切るわよ、ラジ館前で待ってなさい』


岡部(さて、助手と食事となった訳だが……どこで食べるかな)

岡部(カップ麺を好むようなやつだ、どこに行っても問題は無いだろう)

岡部(……一応、適当に調べておくか。グーグル先生にご登場願おう)

岡部(なるほど、やはりラーメン店が多いな。それと……ふむ、こんな店もあるのか)
62 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/24(日) 05:31:36.13 ID:Y2try+hFo
しばらくして

紅莉栖「お、岡部……ま、待った?」

岡部「ああ、お前のために無駄となった時間が惜しまれる。この鳳凰院凶真の時間は世界の財産だからな」

紅莉栖「……相変わらずね、なんだか考え過ぎたこっちが馬鹿みたい」

岡部「考え過ぎた?」

紅莉栖「き、気にするな! で、何を食べに行くとかは考えてある訳?」

岡部「いくつか候補はあるが、お前も何か食べたいものがあれば先に言え」

紅莉栖「別に何でも良いわ、岡部に任せる」

岡部「それが良いだろう。助手は助手らしく俺の言う通りに従えば良い」

紅莉栖「いちいち偉そうね、あんた。で、何を食べに行くの?」

岡部「それは……ん? 待てよ……」


岡部(せっかくだ、ここも末尾の選択に従うべきではないか?)

岡部(……そう、末尾が俺を導いてくれる。流れに身を任せようではないか)
63 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/06/24(日) 05:39:53.85 ID:Y2try+hFo
岡部(グーグル先生によれば、お勧めはイタリアンかラーメンのようだな)

岡部(助手ならばラーメンも気に入るだろう。スイーツ(笑)の面もあるからイタリアンでも良さそうだが)

岡部(それならば、これ位にしておこうか)


末尾0〜3→イタリアン

末尾4〜7→ラーメン

末尾8、9→牛丼


紅莉栖「ちょっと、岡部。急に黙ってどうしたのよ」

岡部「今に分かる……行くぞ!」

紅莉栖「えっ、行く? 場所が決まったってこと?」

岡部「今から決めるのだ、少し待っていろ。……用意はできた、よし」

紅莉栖「……?」
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/24(日) 20:43:19.63 ID:ksSttL9mo
おつー
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/25(月) 08:29:21.71 ID:tsfNAGTIO
助手ならオカリンが何してるのかなんとなくわかりそうだなw
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/06/30(土) 23:56:18.80 ID:TBq9TYqNo
はよはよ
67 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/07/02(月) 04:20:49.84 ID:heKm/nDpo
岡部「来たれ……末尾よ!」


末尾0〜3→イタリアン

末尾4〜7→ラーメン

末尾8、9→牛丼


紅莉栖「なっ……!? 今度は叫びだすとか……ついに頭がおかしくなったのか?」

岡部「なにもおかしくなど無い、正常だ。……さて、どう出るかだな」

紅莉栖「……なんでもいいけど、変な店には連れて行かないで欲しいわね」

岡部「安心するのだクリスティーナ。この鳳凰院凶真に間違いなど有り得ん!」

紅莉栖「どう考えても間違いだらけな件について。……まあ、なんでもいいけど」
68 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/07/02(月) 04:27:37.63 ID:heKm/nDpo
岡部「4、ということは……決まりだな」

紅莉栖「なにが決まったのか説明してほしい訳だが」

岡部「助手よ、昼飯を食いに行くぞ」

紅莉栖「えっ? ま、まあ、そのつもりで出て来たからそれはいいけど……どこに行くの?」

岡部「お前も気に入るところだ、楽しみにしておけ」

紅莉栖「物凄く心配なんだけど……でもお腹は減ってるし、行くならさっさと行くべきか」

岡部「その通りだ、ついて来い」

紅莉栖「はいはい、期待しないでついていくわよ」
69 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/07/02(月) 04:32:01.05 ID:heKm/nDpo
ラーメン屋

紅莉栖「……ねえ、あんたの言ってたお店って」

岡部「ああ、このラーメン屋のことだ。なかなか評判は良いらしいぞ」

紅莉栖「…………」

岡部「なんだその目は。カップ麺は良くてラーメンはお断り、とでも言うつもりか?」

紅莉栖「そういう問題じゃなくて……その、だから」

岡部「ハッキリしないやつだな。ともかく入るぞ」

紅莉栖「あっ、ちょっと! ……ったく、人の気も知らないで」
70 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/07/02(月) 05:25:58.70 ID:heKm/nDpo
店内

岡部「ほう、混んでいると思ったが意外と空いているではないか」

紅莉栖「……ねえ、岡部。このお店って、普通のラーメン屋?」

岡部「そのはずだが……なんだ、もっと変わった店が良かったのか?」

紅莉栖「いや、そういうことじゃなくて……」

岡部「確かに、狂気のマッドサイエンティストとしては混沌としたラーメン屋へと行くべきか……」

紅莉栖「混沌のラーメン屋とか……それ、絶対マズイ店よね」

岡部「そうではない、世の中には店員が絶対ルールという混沌とした店があってな……」

紅莉栖「へえ、その分味は良いってこと?」

岡部「それは好みの問題だと言っておこう」
71 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/07/02(月) 05:34:25.68 ID:heKm/nDpo
岡部「それよりも注文だ、お前はなにを頼むのだ?」

紅莉栖「えっと……この塩そばってのが美味しそうね。これにするわ」

岡部「よし、では注文をするか」

紅莉栖「……はあ」

岡部「……ラーメン屋は、気に入らなかったか?」

紅莉栖「へっ? い、いや、違うの。そうじゃなくて……」

岡部「気を遣わなくとも良い。……すまなかったな」

紅莉栖「ち、違う! ラーメンは好きよ、好きだけど……その、……上手く使えないから」

岡部「使えない?」

紅莉栖「……うん。お箸が……上手く使えない」

岡部「……ああ、そういうことか」
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/03(火) 01:28:16.20 ID:cGPPn3/to
おつー
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/07/03(火) 13:32:26.63 ID:kqubQwQUo
74 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/07/03(火) 23:31:08.53 ID:ESZ/u0/Ro
紅莉栖「カップ麺はフォークで食べてるから問題ないけど……流石にここでは無理だろうし」

岡部「……済まなかったな、そこまで考えられていなかった」

紅莉栖「い、いいのよ。まだ上手く使えない私が悪いんだから」

岡部「しかし……いや、これは良い機会かもしれないな」

紅莉栖「良い機会?」

岡部「フッ、クリスティーナ! 鳳凰院凶真が貴様に箸の使い方をレクチャーしてやろうではないか!」

紅莉栖「店の中で大声出すな。それに……なに? レクチャーってつまり」

岡部「ああ、この俺が教えてやる。この場で全てをマスターすれば良いのだ」
75 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/07/03(火) 23:35:04.40 ID:ESZ/u0/Ro
紅莉栖「そ、そんなこと急に言われても」

岡部「だが、いつまでもそのままという訳にもいかないだろう?」

紅莉栖「別にアメリカに戻れば箸なんて使わないわよ。……まあ、日本に居る理由ができたら話は別だけど」

岡部「確かに……アメリカに戻るのなら覚える必要は無いか」

紅莉栖「…………」

岡部「ん? どうした、その不満そうな目は」

紅莉栖「別に、何でも無いですよーだ」

岡部「いや、少し怒ってるように見えるが」

紅莉栖「何でも無いって言ってんでしょ。で、教えてくれるの? くれないの?」

岡部「愚問だ、喜べ助手よ。この鳳凰院凶真に学ぶ機会を得られるのだからな、フゥーハハハ!」

紅莉栖「いちいち大声を出すなっつーの。……ほら、来たみたいよ」

岡部「よし、早速箸を持つのだクリスティーーナ!」
76 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/07/03(火) 23:42:09.09 ID:ESZ/u0/Ro
岡部「さて、まずは箸の持ち方だが」

紅莉栖「ペンを持つように持てばいいんでしょ、それ位知ってるわ」

岡部「なに? だが、それができるのならば後は動かすだけではないか」

紅莉栖「……それができないから困ってるのよ」

岡部「なるほど……では、実際に動かしてみろ」

紅莉栖「……よ、よっと。ど、どう?」

岡部「ぎこちないな……こうするのだ」

紅莉栖「うわっ!? な、なによ!? 急に手を握るとかなに考えてんのあんた!」

岡部「落ち着け、動かし方を教えるためにこうしているだけだ」

紅莉栖「そ、そう……それならそうと先に言いなさい」
77 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/07/04(水) 00:54:09.52 ID:WrdhsqNTo
数分後

岡部「だから、人差し指の力をだな」

紅莉栖「ううっ……あれっ? ど、どうしても上手く行かないわね……」

岡部「これは時間がかかるかもしれんな……」

紅莉栖「はあ……このままじゃラーメンも伸びちゃうわね」

岡部「そうだな……よし、今日の練習はここまでだ」

紅莉栖「今日のって、またやるつもりなの?」

岡部「中途半端に終わらせても仕方が無いだろう。さて、この場の凌ぎ方だが」

紅莉栖「……フォーク、借りられるかな」

岡部「その必要は無い。助手よ、蓮華を持つのだ」

紅莉栖「れんげ? ……ああ、これのことね」

岡部「それを中に入れろ。そして……蓮華を口に運ぶ」

紅莉栖「れんげの中に麺とスープを入れて……おお、なるほど」

岡部「んぐ……どうだ、これなら箸で麺が滑ることも無い」

紅莉栖「やってみるわ。……えいっ、れんげに乗せて……あーん」
78 : ◆zwgKk2QZ7s [saga sage]:2012/07/04(水) 01:02:32.79 ID:WrdhsqNTo
岡部「味はどうだクリスティーナ。……まあ、その顔を見れば聞くまでも無いか」

紅莉栖「……美味しい。これ、美味しいわよ!」

岡部「落ち着け。そこまで感動するものでも無いだろうが」

紅莉栖「し、仕方ないじゃない。今までカップ麺ばかりで、
     ちゃんとお店で食べることなんてそんな無かったから……」

岡部「そういうことか。それならまた連れていってやっても良いが」

紅莉栖「本当に? それならまた明日……」

岡部「……毎日食べる気は無いぞ。気が向いたらまた誘ってやる」

紅莉栖「絶対よ。……あーん、あち……んぐ……はあ、美味しい」


岡部(ここまで喜ばれるとは……連れてきて正解だったな)
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/07/05(木) 19:07:10.02 ID:tOO8Hf5Go
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