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セイバー「内定…Zeroだと…!?」SECOND SEASON - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 12:57:16.04 ID:rDWPvdMP0
前スレ

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1339030865/

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1340251035(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)
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ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713522243/

旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713353246/

木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1713351945/

いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713279251/

【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713277692/

こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713183168/

【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/

アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713089503/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 12:59:03.35 ID:rDWPvdMP0
第六話 涙
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 13:00:27.32 ID:rDWPvdMP0
―――――
朝 屋敷

チュンチュンチュンチュン……(鳥の鳴き声)


セイバー「・・・・・・・」


(……………ばー)


セイバー「・・・・・・・」


(せ…………バー………)


セイバー「・・・・・・・」


(セイ……バー…)


セイバー「・・・・・・・」


「セイバー」


セイバー「・・・・・・・」


「・・・・・・・・・」


「セイバー!!!!!」


セイバー「!!!!」ビクゥ!

アイリ「・・・ちょっとセイバー」

アイリ「何をボーっとしてるのよ?」

セイバー「な、何だ、アイリスフィールか・・・」

アイリ「…?夢でも見てたの?」

セイバー「え、えぇ、少し」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 13:01:36.27 ID:rDWPvdMP0
アイリ「どんな夢?」

セイバー「え、えぇ・・・」

セイバー「・・・とても恐ろしい夢でした」

セイバー「何と・・・私が何時まで経っても職が決まらず」

セイバー「日々ニートと化して暮らしながら、毎日アイリスフィールに心配される夢なのです」

セイバー「どうです?実に恐ろしくないですか?」

アイリ「えぇ・・・恐ろしいわ・・・」

セイバー「そうでしょう、そうでしょう」

アイリ「でもね、セイバー」

セイバー「はい?」




アイリ「それ・・・夢じゃないのよ」

セイバー「・・・・・・・・」





―これは内定(ゼロ)に至る物語(なのか?)






内定/Zero SECOND SEASON




5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 13:06:31.93 ID:rDWPvdMP0
―――――
屋敷 玄関

アイリ「この屋敷とも今日でお別れね・・・」

セイバー「えぇ、何だかんだで、沢山の思い出がある場所です」

セイバー「できれば・・・忘れたくない」

アイリ「忘れる必要なんて無いわ」ニコッ

アイリ「ここには暫く戻って来れないだろうけど・・・」

アイリ「いつか、この戦いが終わったら、また・・・」

セイバー「・・・・・・・」

アイリ「・・・はい!感傷に浸る時間は終わり!さっさと車に荷物を詰め込むわよ!」

セイバー「了解しました。アイリスフィール」キリッ
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 13:09:34.71 ID:rDWPvdMP0


<ちょっと重そうだけど大丈夫?

<何のこれしき


舞弥「・・・・・・・・」

舞弥(ここでの時間は・・・本当に穏やかで・・・・)

舞弥(とても・・・・優しかった・・・・)

舞弥(私も・・・いつかここに戻ってこれるのだろうか・・・?)

切嗣「舞弥」

舞弥「何でしょう、切嗣」

切嗣「屋敷の引越しの前に、空港へ向かう訳だが・・・」

切嗣「昨日は神経を磨り減らしたせいもあって、少し疲れた」

切嗣「運転を頼んでも平気か?」

舞弥「問題ありません」

切嗣「・・・傷の具合は?」

舞弥「・・・・・・・・・」

舞弥「大丈夫です、昨晩、マダムに治療して頂いたので」

舞弥「もう軽い擦り傷程度になっています」

切嗣「・・・そうか」

切嗣「なら頼むよ、ハンドルは君に預けた」

舞弥「了解しました」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 13:11:42.98 ID:rDWPvdMP0
―――――
冬木市郊外 高速道路 1号車車内

イリヤ「うわぁ〜」(窓の外見てる)

イリヤ「キリツグ!見て!車がどんどん後ろに行くわ!」

切嗣「そうだね」

イリヤ「車ってこんなに早く走れるのね!」

イリヤ「知らなかったなぁ〜」

舞弥(・・・・・・・・)(運転中)

切嗣「そういえばイリヤは、高速道路は初めてだったね」

切嗣「どうだい?感想は」

イリヤ「すっごく速いわ!」

切嗣「ははっ、そうか」

8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 13:13:49.63 ID:rDWPvdMP0
―――――
2号車車内

セイバー「・・・よろしかったのですか?アイリスフィール」

アイリ「え、何が?」

セイバー「イリヤのことですよ」

アイリ「・・・あぁ」

セイバー「最後のひと時くらい、一緒に過ごしてもよかったのでは?」

セイバー「あっちの車はまだ一人くらい余裕で乗れます」

セイバー「なのに・・・私と一緒などで、本当によかったのですか?」

アイリ「・・・・・・・」

アイリ「・・・私もね、最初はそうしようと思った」

アイリ「でもね・・・あの子の顔を・・・イリヤの笑顔を見てると・・・」

アイリ「どうしても・・・胸が締め付けられてしまうのよ」

セイバー「アイリスフィール・・・」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 13:15:10.16 ID:rDWPvdMP0
アイリ「・・・それにねセイバー」

アイリ「別れの言葉なら、昨日、済ませたわ」

アイリ「あの子は泣いたけど・・・でも、分かってくれた」

アイリ「その後、朝まで同じベッドで寝たし・・・」

アイリ「朝には、沢山お話をしたわ」

アイリ「・・・これ以上は・・・」

アイリ「・・・ただ・・・辛いだけだもの・・・」

セイバー「アイリスフィール・・・」

アイリ「・・・ほら!無駄話してないで、運転に集中すること!」

アイリ「私を死なせたら、切嗣に怨まれるわよ?」ニコッ

セイバー「・・・えぇ、そうですね」ニコッ
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 13:17:30.15 ID:rDWPvdMP0
じゃあ今日はこの辺で

聖杯戦争途中経過

セイバー・ニート

ランサー・?

ライダー・現場作業員

アーチャー・株式会社バビロンCEO(前スレでアヴァロンと表記しましたがミスです)

バーサーカー・?

キャスター・脱落

アサシン・いつの間にか脱落

11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/06/21(木) 18:22:13.36 ID:Q6d6wWg2o
アサシンは確か多重債務で自滅したんだったか。ハサンだけにww

ゲフンゲフン、それはそうと内定おめでとうございます。
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 20:26:07.31 ID:rDWPvdMP0
>>11
ありがとうございます

ハサン君は今頃、地下で必死にペリカを貯めていることでしょう。ハサンだk

再開
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/21(木) 20:30:01.52 ID:rDWPvdMP0
―――――
冬木市郊外 航空自衛隊 基地内喫煙所

斉藤(・・・・・・・)スパー

斉藤(・・・・・・・)トントン

斉藤(・・・・・・・)グシグシ

斉藤(あれは・・・事故なんかじゃなかった)

斉藤(戸草が乗ったストーム2が、任務中、明らかに挙動がおかしかったのは事実だ)

斉藤(だが、それは機体の故障のせいじゃない・・・)

斉藤(それは、機体の残骸から救出したブラックボックスの結果からも明らかだ)

斉藤(計器類には問題がなかった。そして飛行中、機体のどの部分にも破損は認められていない)

斉藤(・・・“あの時”までは・・・)

斉藤(・・・・・・)

斉藤(・・・速度計)

斉藤(速度計・・・それと、感圧計の項目は明らかに数値が異常だった)

斉藤(搭乗者の事を顧ることのない、殺人的な加速による死のフライト・・・)

斉藤(それが午前0時12分を境に、5分間も継続している)

斉藤(当然機体は悲鳴を上げ、尾翼の一部が破損するほど機体は酷使された)
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/21(木) 20:31:42.56 ID:rDWPvdMP0
斉藤(そして・・・中に居るパイロットなど生きてはいられない程のGが、コックピットにも掛かり・・・)

斉藤(・・・戸草は死亡した)

斉藤(・・・・・・・)

斉藤(戸草・・・一体、ストーム2に何が起こったんだ?)

斉藤(そして・・・)

斉藤(・・・・・・誰が乗っていたんだ・・・・・・?)



ピンポンパンポーン……

(斉藤1尉、司令室より、1尉に出頭命令が出ております)

(至急、司令室へ向かってください。終わり)

ピンポンパンポーン……



斉藤(・・・・・・・)

斉藤(出頭・・・・ね)
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 20:33:40.71 ID:rDWPvdMP0
―――――
基地司令室

ガチャッ

斉藤「失礼しますよ、っと」

高村「ノックをしたまえ。斉藤1尉」

斉藤「はいはい…申し訳ありません司令官殿・・・」

高村「・・・・・・・・・」

斉藤「で、何です?良い知らせじゃないんでしょ?」

斉藤「今度の休みにバケーションに行こう。って誘いじゃないっていうのは、何となく判りますけど」

高村「・・・・・・・」

斉藤「・・・・・・・」

斉藤「冗談もなしね、はいはい聞きますよ」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 20:35:16.95 ID:rDWPvdMP0
高村「君に辞令が降りた」

斉藤「辞令?」

斉藤「何の?」

高村「さっき通達があってな」

高村「おめでとう斉藤1尉、君は2階級特進だ」

高村「本日付で2佐になる」

斉藤「・・・何の冗談です?」

高村「これは上から直々に来た命令だよ」

高村「冗談などではない」

斉藤「・・・俺は仲間を戦場に捨てて、おめおめと一人逃げ帰ってきたんですよ?」

高村「これは決定事項だ」

斉藤「そんな俺が2階級特進?ふざけないで下さいよ」

高村「斉藤2佐」

斉藤「俺は1尉だ高村!!!!!!」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 20:37:00.41 ID:rDWPvdMP0
高村「・・・・・・・・」

斉藤「臆病者の俺が二階級特進で、勇敢に戦った戸草も同じ2階級特進だと・・・?」

斉藤「・・・ふざけるな」

高村「・・・・・・・・」

斉藤「仲間が死んだんだぞ・・・?なのに、何平然と辞令なんか読み上げてんだよ」

斉藤「高村・・・・お前」

斉藤「お前・・・いつからそんな人間になった・・・?」

高村「・・・・・・・・」

斉藤「一緒に空を飛んでた頃のお前は、どこに行ったんだよ?」

高村「・・・私は変わらないよ、斉藤2佐」

斉藤「・・・・・1尉だよ馬鹿野郎」

斉藤「・・・・・・」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 20:38:20.95 ID:rDWPvdMP0
斉藤「俺は・・・・」

斉藤「俺は、見てはいけないものを見た」

斉藤「そうだな?」

高村「・・・・・」

斉藤「だからこその2階級特進、馬の前に吊るされたニンジン・・・」

斉藤「俺を飼い[ピーーー]気なんだな?」

高村「・・・・・斉藤2佐」

高村「そうやって、何もかも憶測で話を進めるのは、君の昔からの良くない癖だよ」

高村「飼い殺し・・・?一体何を言っているんだ」

高村「空の英雄には、それなりの役職についてもらいたいという本部からの要望だよ。これは」

斉藤「・・・・・・」

高村「報告は伝えた、もう戻っていいぞ、斉藤2佐」

斉藤「1尉だ」
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/21(木) 20:39:24.02 ID:rDWPvdMP0
斉藤「俺は・・・・」

斉藤「俺は、見てはいけないものを見た」

斉藤「そうだな?」

高村「・・・・・」

斉藤「だからこその2階級特進、馬の前に吊るされたニンジン・・・」

斉藤「俺を飼い殺す気なんだな?」

高村「・・・・・斉藤2佐」

高村「そうやって、何もかも憶測で話を進めるのは、君の昔からの良くない癖だよ」

高村「飼い殺し・・・?一体何を言っているんだ」

高村「空の英雄には、それなりの役職についてもらいたいという本部からの要望だよ。これは」

斉藤「・・・・・・」

高村「報告は伝えた、もう戻っていいぞ、斉藤2佐」

斉藤「1尉だ」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 20:40:42.74 ID:rDWPvdMP0
高村「・・・・・・」

斉藤「・・・・・じゃあな、司令官殿」

斉藤「もう会う事も無いだろう」

高村「・・・・・」

高村「・・・戸草3尉の事は」


ガチャッ


バタンッ


高村「・・・・・・・」

高村「分かってくれよ、斉藤」

高村「・・・こうでもしなければ、お前も消されていたんだ」

高村「聖杯戦争という、訳の分からない争いに巻き込まれて・・・な」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 20:41:42.12 ID:rDWPvdMP0
―――――
基地 ロッカールーム

三枝「斉藤、もう一度考え直せ」

斉藤「嫌だね、俺はもうここの司令に嫌気が差した」

斉藤「そしてその司令様を操る、上の連中にもな」

三枝「・・・・・・」

斉藤「とりあえず実家にでも帰って、畑仕事でもしようと思ってる」

三枝「・・・後悔するぞ」

斉藤「春になったら大根でも送ってやるよ」ヨイショ

三枝「斉藤」

斉藤「じゃあな三枝、皆によろしく」

三枝「・・・・・・」

斉藤「・・・・・それと」

斉藤「戸草・・・にもな」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 20:42:23.40 ID:rDWPvdMP0
三枝「・・・・・・」

斉藤「・・・あばよ」

三枝「斉藤」

斉藤「何だよ、折角格好良く決まったのに?」

三枝「戸草って誰だ?」

斉藤「・・・・・・・・」

斉藤「・・・おい、三枝」

斉藤「それ冗談だよな?俺の聞き間違いだよな?」

三枝「・・・・・」

斉藤「誰ってお前・・・・」

三枝「今この基地にそんな人間はいないぞ」

斉藤「当たり前だよ!!!昨日空で吹っ飛んだんだからな!!!」

斉藤「その戸草だろうが!!!」

三枝「・・・・・・」

三枝「何を言ってるんだよ、斉藤」

三枝「昨日は、演習も戦闘も無かったんだぞ?」

三枝「なのに、どうして飛行機が落ちるんだ?」

三枝「おかしいじゃないか」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 20:43:02.64 ID:rDWPvdMP0
斉藤「・・・・・・」

斉藤「あぁ、そうかよ」

斉藤「解りました、そういう流れですね。空気読みますよ」

斉藤「なんせ俺は、18年間風の流れを読んできた男だからな」

斉藤「役に立ちそうでよかったよ、今までの経験がさ」

三枝「斉藤」

斉藤「・・・くたばれ蛆虫共が」


バタンッ!!!


三枝(・・・・・・・)

三枝「あばよ、斉藤・・・」

24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 20:44:07.63 ID:rDWPvdMP0
―――――
空港 ターミナル


ワイワイガヤガヤ………


セイバー「広いですね」

アイリ「迷子にならないでよね?セイバー」

セイバー「む、失礼な」

セイバー「騎士王であるこの私が、迷子になるなんて絶対にあr」


舞弥「マダム!!!」


アイリ「ど、どうしたの!?舞弥さん」

舞弥「イリヤが・・・イリヤがいなくなりました!」

アイリ「何ですって・・・!」

アイリ「き、切嗣も一緒に居たのに・・・あの人はどうしたの?」

舞弥「切嗣は・・・搭乗手続きをする為、受付に行っていたのです・・・」

舞弥「その間・・・私がイリヤの面倒を頼まれていたのですが・・・」
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 20:45:05.17 ID:rDWPvdMP0
舞弥「ちょっと目を離した隙に・・・くっ・・・!」

アイリ「お、落ち着いて。舞弥さん」

アイリ「大丈夫よ、あの目立つ子だもの・・・」

アイリ「直ぐに迷子センターからアナウンスが掛かってくる筈だわ」

アイリ「だから落ち着いて、ね?」

舞弥「マダム・・・」


ピンポンパンポーン………


(迷子のお知らせを致します・・・)

(現在、6番ロビー迷子センターにて、銀色の長い髪をした・・・)

(イリヤスフィールちゃんというお名前の、8歳の女の子をお預かりしております・・・)

(お心当たりのある方は、6番ロビー、迷子センターまでお越しください・・・)


ピンポンパンポーン……


アイリ「ほ、ほらね、言ったでしょ?」

舞弥「・・・はい」

セイバー「とにかく、早く迎えに行きましょう」

26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 20:46:20.67 ID:rDWPvdMP0
―――――
空港 6番ロビー

イリヤ「・・・・・・・・」

アイリ「・・・・・・・・」

セイバー「・・・・・・・」

舞弥「・・・・・・・・」

切嗣「・・・・・・・・」

アイリ「・・・イリヤ」

イリヤ「・・・はい、お母様」

アイリ「どうして皆に心配かける様なことしたの?」

イリヤ「・・・・・・・」

アイリ「黙ってちゃ分からないでしょ?何か言いなさい」

イリヤ「・・・・・だって・・・・・」

アイリ「だってじゃないわ!これから、あなたをアインツベルンの人に預けるのに」

アイリ「皆に迷惑かけちゃダメじゃない!」

イリヤ「だってぇ・・・・」泣いてる
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 20:48:05.64 ID:rDWPvdMP0
セイバー「ま、まぁ、アイリスフィール、その辺にしておきましょうよ」

セイバー「イリヤも反省している様ですし、それに」

アイリ「セイバーは黙ってて」

セイバー「む・・・」

アイリ「いい?イリヤ」

アイリ「あなたはこれから、暫くの間向こうで暮らすのよ?」

アイリ「だったら、アインツベルンの人を困らせる様な事をしては駄目」

イリヤ「・・・・・・・」

アイリ「・・・イリヤ」

アイリ「あの家の人たちはね?これからあなたの家族になるのよ?」

イリヤ「私の家族はお母様とキリツグよ!」

アイリ「そうだけど・・・今は、それは忘れて」

イリヤ「・・・・・・・」
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 20:49:48.12 ID:rDWPvdMP0
アイリ「イリヤ」

アイリ「私と切嗣はね、これから大きな戦いに行くの」

切嗣(・・・・・・・)

アイリ「だから、もしかしたら、もうあなたに会えなくなるかもしれない」

イリヤ「・・・・いや」

アイリ「これも昨日言ったわよね?」

イリヤ「いや!」

イリヤ「・・・・・・・」ヒック……

アイリ「・・・イリヤ・・・」

セイバー「アイリスフィール」

アイリ「・・・何?セイバー」

セイバー「イリヤがどうして迷子になったのか・・・」

セイバー「何となく・・・貴方も分かっている筈です」

アイリ「・・・・・・・・」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 20:50:51.77 ID:rDWPvdMP0
セイバー「だったら、今からでも遅くない」

セイバー「イリヤと・・・二人で過ごしてください」

アイリ「セイバー・・・・」

セイバー「私達邪魔者は消えます」

セイバー「ですからアイリスフィール」

セイバー「後は・・・二人の時間です」

アイリ「・・・・・・・」

セイバー「それでは、失礼します」

………

アイリ「・・・・・・・・」

イリヤ「お母様・・・」

アイリ「・・・イリヤ」

イリヤ「はい・・・」

アイリ「まだ少し時間あるし・・・あっちのカフェで、お茶しましょうか?」ニコッ

イリヤ「…!うん!」

30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 20:52:22.26 ID:rDWPvdMP0
―――――
空港 ターミナル

セイバー「・・・行っちゃいましたね」

アイリ「・・・えぇ」

セイバー「・・・寂しくなります」

アイリ「そうね・・・」

アイリ「あ、そうそう。セイバー」

セイバー「何です?」

アイリ「イリヤからこれ預かったのよ」

アイリ「あなたにあげる、って」


スッ


セイバー「これは・・・」

セイバー「・・・スコープドッグの食玩・・・」

セイバー「こんな大事なもの・・・貰っていいのですか?」

アイリ「え、えぇ・・・」

セイバー「・・・?」

アイリ「その・・・」



アイリ「・・・ダブってて要らないから・・・あげるって・・・」

セイバー「・・・・・・そうですか」

31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 20:54:28.29 ID:rDWPvdMP0
―――――
冬木市 C丁 建設現場

カーン…カーン…カーン…


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ドド………


<いっせーの・・・せっ!!!

<いや〜昨日の酒が響くねぇ〜


ウェイバー「・・・・・・・」ペタペタ(パテでコンクリ塗ってる)


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ドド………


ウェイバー「・・・・・・・」ペタペタ

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ドド………

ウェイバー「・・・・・・・」ペタ
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ドド………

ウェイバー「ああもう!うるさいよ!!!」

ドドド……

ライダー「何をいきなり怒鳴っておるのだ?小僧」
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 20:55:45.57 ID:rDWPvdMP0
ウェイバー「何じゃないだろ!何なんださっきから!嫌がらせか!!!」

ウェイバー「何でわざわざ僕が居る隣で掘削作業するんだよ!!」

ウェイバー「向こうでやれ!!!」ビシィ

ライダー「・・・・・・・」

ライダー「ガッハッハッハ!坊主!貴様も中々言うようになってきたではないか!」

ライダー「だがそう何でも自分の都合を相手に押し付けようとするな。後々辛くなるだけだぞ?」

ウェイバー「お前はあっちでも作業できるだろ!」

ウェイバー「現に!ここは明日やる予定だろうが!何であっちから先にやらない!」

ライダー「・・・・・・」

ウェイバー「・・・・・・・」

ライダー「ガッハッハ!坊主、そう何でも自分の都合を他人に押し付けようと」

ウェイバー「何回繰り返すんだよこのやり取り!!!!!!!」ガンッ(パテ投げた)

33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 20:56:38.42 ID:ZHMLhtV0o
ダブ(留年)ったらいらないとか言わないでよ・・・・・・
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 20:57:54.25 ID:rDWPvdMP0
―――――
建設現場 お昼

佐藤「お〜い、買って来たぞ〜」弁当持ってる


一同<うっひょー!


貝塚「キター!一日の数少ない楽しみ!」

鈴木「お前なぁ、正直に言いすぎだろ(笑)仕事だって楽しいだろうが」

貝塚「鈴木さんはクレーン使えるからそう言えるんッスよ!俺なんて一日上り下りの繰り返しッスよ!?」

貝塚「そりゃ辞めたくなりますって!」


一同<どっ!


鈴木「ははは、確かにな、そりゃ俺でもキツイわ」

貝塚「まったくぅ・・・変わってくださいよ、仕事〜」

佐藤「免許取ってからものを言えよお前」


一同<どっ!
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 21:00:14.23 ID:rDWPvdMP0
ウェイバー「・・・・・・・」

ウェイバー(相変わらず慣れないなぁ・・・この独特の空気)もぐもぐ

ウェイバー(ガテン系っていうのはみんなこうなのか?皆疲れてる筈なのに元気すぎるだろ・・・・)もぐもぐ

ウェイバー(現に僕は・・・午前の作業の時点で既に死にそうだ・・・)ハァ...

ライダー「何を溜息などついておるのだ小僧!」


バシィッ!!


ウェイバー「!!!!!!」

ウェイバー「うぇッほえっほ!!!うっふぉ!!!」

ライダー「む、何を咳き込んでおるのだ小僧」

ウェイバー「………お前のせいだよ!!!!!」
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 21:02:12.07 ID:rDWPvdMP0


一同<どっ!!!


佐藤「あっはっはっは!相変わらず面白いなぁ、お二方は」

鈴木「だよなぁ、一日の内に必ず何かやらかすもんな、この二人」

鈴木「見ていて飽きないよ」あっはっは

貝塚「いや・・・やらかさない様にしてくれないと困るんスけど・・・」

ライダー「そうか、まぁ、期待を受けるのも王の仕事よ」ガッハッハ


一同<どっ!!!!


佐藤「これだもんなぁ、ほんと、アレクセイさんが来てくれてよかったよ」

鈴木「だよなぁ、メチャクチャ力持ちだし、何より気さくで話しかけやすいし」

貝塚「おまけに毎日酒奢ってくれるッスもんね!」

佐藤・鈴木「確かに」

ウェイバー(誰の金だと思ってんだよ・・・)
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 21:03:41.69 ID:rDWPvdMP0
佐藤「でも、ウェイバー君も頑張ってるじゃないか」

ウェイバー「えぇ・・・・え?」

佐藤「そんな細い身体で、こんなハードな仕事こなすなんてすごいよ」

鈴木「だよなぁ、俺一週間持たないと思ってたもん」

貝塚「あ、それ俺もッス!」

ライダー「ガッハッハッハ!酷い言われようだな、坊主!」

ウェイバー「うるさいよ・・・」

佐藤「とにかく、君もすっかりウチのメンバーの一員だ」

佐藤「期待してるぜ、ウェイバー君」

ウェイバー「・・・・あ・・・・」ドキッ


<コラァ!!!鈴木ぃ!!!!


鈴木「おわ、何だ何だ?」
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 21:05:10.98 ID:rDWPvdMP0


<てめぇクレーンのエンジンかかりっぱなしだぞ!なめてんのか!!


鈴木「あ、いっけねー忘れてた」

鈴木「そういやトイレ行った後に休憩入っちゃったからなぁ・・・」


<さっさとキー抜いて来い!!!


鈴木「うーっす!サーセンしたぁ!!」

鈴木「そういう訳でちょっくら行ってくるわ」

貝塚「ドジっスねぇ・・・鈴木さん」


<コラァ!!!!鉄男ぉ!!!!


貝塚「わっひゃい!!」


<お前やっとけつったとこまで出来てねーじゃねぇか!!!!

<飯なんか食ってねぇでちょっと上がって来い!!!


貝塚「な、何故バレたし・・・」

貝塚「・・・はぁ・・・行ってくるッス・・・」トボトボ
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 21:06:30.26 ID:rDWPvdMP0
佐藤「あはは、皆大変だな」

ウェイバー「そうですね」

ウェイバー「・・・あれ、ライダーは・・・?」

佐藤「あぁ、さっきトイレ行ったよ」

ウェイバー「あいつ、仮説トイレに身体入るのか・・・?」

佐藤「・・・・・・・・・」

佐藤「・・・ウェイバー君」

ウェイバー「は、はい、何ですか?」

佐藤「・・・・・・」

ウェイバー「・・・・・?」

佐藤「アレクセイさん、君の後をしょっちゅう付いてくるだろう」

ウェイバー「は、はぁ・・・そうですけど、それが何か?」
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 21:07:54.75 ID:rDWPvdMP0
佐藤「あれね、君のためにやってるんだよ」

佐藤「知ってた?」

ウェイバー「い、いえ・・・全然」

ウェイバー(・・・嫌がらせしてんのかと思ってた・・・)

佐藤「アレクセイさんがね、君が入ってくる前にさ」

佐藤「余の主がここで働くから、暫くの間は面倒を見させて欲しい、って」ライダーの真似

佐藤「社長に頼んでたんだよ」

ウェイバー(・・・・・・・・)

佐藤「現に、いつも君と一緒にいても、誰も咎めないだろう?」

佐藤「あれはね、まぁ、そういうことだったんだよ」

ウェイバー「そう・・・だったんですか・・・」

ウェイバー「・・・・・・・・」

ウェイバー(あの馬鹿・・・余計なことしやがって・・・・)
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 21:09:24.98 ID:rDWPvdMP0
佐藤「まぁここの仕事キツイからね、気持ちは分かるよ」

佐藤「それに・・・なによりあの人柄だろ?そりゃ、あのタコ社長も許さざるを得ないよ」

佐藤「ほんと、あの人スゲーよなぁ」

ウェイバー「・・・・・・」

佐藤「来た初日から皆の心鷲掴みにしちゃってさ・・・」

佐藤「まるで・・・」

佐藤「まるで・・・王様みたいな人だよなぁ・・・」

佐藤「すげぇ懐が広くて、皆の面倒見てくれて・・・」

佐藤「ありゃぁ、人に好かれて当然だわな」

ウェイバー(・・・・・・・・)

ウェイバー「・・・・・・そうかもし」

ライダー「おぉ!?何の話だ、余も混ぜろ!」
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 21:10:19.44 ID:rDWPvdMP0
佐藤「あぁ、アレクセイさん」

ライダー「む、あの二人はどうしたのだ」

佐藤「仕事に手ぇ抜いた罰を償ってますよ」

ライダー「ガッハッハ!そうかそうか!」

ウェイバー「・・・・・・」

ライダー「む?何だ小僧、全然食べていないではないか」

ライダー「食べぬのなら、そのから揚げ頂くぞ」


ヒョイパクッ


ウェイバー「・・・・・・」

ライダー「うむ!やはりここ(ほっともっと)のから揚げは美味なり!流石に作りたてを謳うだけはある!」

ウェイバー「・・・・・・」

ライダー「む?何だ小僧」

ライダー「その白身揚げ、食べないのなら頂」

ウェイバー「いい加減にしろぉ!!!!!!!」

43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 21:13:47.44 ID:rDWPvdMP0
―――――
衛宮邸 玄関口

アイリ「わぁ・・・ここがそうね」

セイバー「ほほう、中々趣がある造りですね」

舞弥「家屋は長らく使われていなかったため、使用するには掃除が必要ですが・・・」

舞弥「家自体はそんなに傷んでいないので、問題は無いかと」

アイリ「素敵!」

アイリ「私ね、日本に来たら、一度こういう家に住んでみたいって思ってたのよ」

舞弥「家屋の隣には、古いですが、土蔵があります」

舞弥「そこも自由に使っていいと、切嗣から言われています、マダム」

アイリ「あぁ・・・夢が広がるわ・・・!」

セイバー「それよりそろそろお腹が空きませんか?アイリスフィール」ギュルル

アイリ「よし!早速入ってみましょう!」

舞弥「荷物をお運びします。マダム」

セイバー「少々遅いですが、お昼ご飯には鴨蒸篭なんてどうでしょうか」

セイバー「あれはこの前初めて食べましたが中々・・・」

セイバー「・・・・・・・・」

セイバー「誰もいない・・・」

セイバー「・・・・・・・・」ギュルー
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 21:15:03.52 ID:rDWPvdMP0
それではまた明日
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/06/21(木) 21:55:24.63 ID:Q6d6wWg2o
働かずに食う飯はうまいか、騎士王さん
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/06/21(木) 22:18:02.34 ID:bC1LOgzAO
言動行動共に、登場人物の中でブッちぎりで情けないぞセイバーさん
なんか何も考えてないぶんある意味龍ちゃんよりヒドい
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/21(木) 23:24:34.46 ID:fCgRe+EIO
               __
            /___ ヽ
             / ´      ヽ}
                        -┴─ ‐-  , _
             ,   ´           ` 、 }
           /                ヽ _
          /    ./   / ./| |        ∧ /
            / |   ./! / ! .|ヽ     i   .i/ / !/
            /  ./   !  / |/ |.|  \ |  | ./ イヽ
        / /|  /|/    ヽ|  ̄  ヽ|  |// | }
        // |/ i _.、     r_‐.、  |  |_ /,' |´  うまいわー
          '′  .|i  | 、 ・ノ     、 ・ノ |  |_} / |
                |  |  //  _   //      |  |_/- ´  やっぱシロウのメシはうまいわー
                |  ヽ     V      _|  |、__/
                |  | ` ‐- .r─ ヽ´  !   |_」
                |  ニ≠/ ̄ ヽ─ ´  ', .| ./
            \ | v── ‐}/    ' .!, '
              ` ヽ_ /  丿_| }
               / ゝ''─  ´   |/
              (          ./-、
               \___  -─ .´ ̄
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/22(金) 01:31:42.93 ID:Mtb1+M2No
そういやzeroだとセイバーさんってあんま食ってる描写ないよね
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/22(金) 01:54:12.73 ID:9N6qcLlao
>>48
ステイナイトは主人公がへちょくて魔翌力供給されないからその分補うために食ってたはず
そして温存のために寝ます

Zeroはきりつぐさんちゃんと魔翌力くれてるから食わなくて大丈夫って設定だったはず
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/22(金) 02:33:19.60 ID:PsTOXDE2o
一般人からすると
ウェイバー→外国のもやし貴族ウェイバーくん
ライダー→気さくな従士アレクセイさん
って感じかな
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/22(金) 07:18:31.85 ID:FnGjNBb00
せ、セイバーさんはこれから成長する(予定)んです!やめあら

再開
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/22(金) 07:20:29.52 ID:FnGjNBb00
―――――
とある公園 ベンチ

雁夜「・・・・・・・」

雁夜「・・・・何故だ」

雁夜「何故俺は・・・まだ・・・生きている?」

雁夜「あの男にも敗れ・・・もう・・・生きる意味なんてないのに・・・」

雁夜(・・・・・・・・)

―――――
昨夜 未遠川付近のビル

雁夜「う・・・・あ・・・・・・ぁ・・・・・・」

雁夜「とお・・・さか・・・・」

雁夜「・・・とき・・・・お・・・・」

雁夜「・・・・・・・・・」

雁夜(・・・・俺も・・・ここで終わりか・・・・)

雁夜(・・・・まぁ・・・こんなもんか・・・所詮・・・)


コツ…コツ…コツ…コツ…


雁夜「・・・・・・」

(・・・・・・・)

雁夜「・・・・ぉ・・・・まえ・・・・・」

「・・・黙っていろ」

「傷に触るぞ?」

―――――
雁夜「・・・・・・・」

雁夜「・・・・・俺は・・・・」

雁夜「・・・・・・・・・・」
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/22(金) 07:23:39.09 ID:FnGjNBb00
―――――
車内 移動中

舞弥「・・・申し訳ありませんでした、切嗣」

切嗣「・・・・・・・」

舞弥「私が独断先行をしたばかりに、貴方に迷惑をかけ、挙句怪我まで負って、回収の手間をかけさせてしまった・・・」

舞弥「・・・償っても、償いきれることではありません」

切嗣「・・・・・舞弥」

舞弥「・・・はい」

切嗣「君は、自分の声に従い行動をした」

切嗣「そうだな?」

舞弥「・・・はい」

切嗣「なら、いちいち気に病む必要はないさ。君は自らの手で、選択したのだからな」

切嗣「後悔をしたくない、という選択を」

舞弥「・・・・・・」
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/22(金) 07:26:37.86 ID:FnGjNBb00
切嗣「正直君がああいった行動に出るとは思わなかったが、まぁ、予測できなかった訳じゃない」

切嗣「なら、コントロールできなかった僕の責任でもある」

舞弥「・・・切嗣」

切嗣「・・・それに、効果はあったさ」

舞弥「・・・・?」

切嗣「・・・・・」

切嗣「・・・昨日の一件で、聖堂教会は関係各所と連携を取り、昨夜あの場にいた一般人全てを」

切嗣「なかったことにした」

舞弥「・・・・・」

切嗣「奴等のお得意技さ、代行者とやらを使って、自分達の都合のいい様に事実を捻じ曲げる」

切嗣「聖杯のため、ただそれだけのために・・・な」

切嗣「奴等に、命の重さなんて言葉は存在しない」

舞弥「・・・・・」

切嗣「・・・舞弥」

舞弥「何でしょう、切嗣」

55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/22(金) 07:28:03.99 ID:FnGjNBb00
切嗣「キャスター達は、君を騙すため公園で一芝居を打ち、住宅街へ誘いこんだ」

切嗣「そうだな?」

舞弥「・・・はい」

切嗣「君がキャスター達を足止めした時間だが・・・」

切嗣「合計したら、大体1時間ってところか」

舞弥「・・・・・・」

切嗣「あの場で観測をしつつ数えてたんだが・・・」

切嗣「22時頃は、32人の一般人が居たんだが・・・」

切嗣「事件が起こった23時頃には、29人に減っていた」

舞弥「・・・・・」

切嗣「意味は分かるな?」

舞弥「・・・・はい・・・・」

切嗣「・・・数人ではあるものの」

切嗣「君は、尊い命を救ったんだ」

切嗣「誇っていいよ、舞弥」

舞弥「・・・・はい・・・・!」

切嗣「・・・・・・」

切嗣「・・・ところで舞弥」





切嗣「泣くのはいいが、ちゃんと前を見て運転してくれ・・・・・」
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/22(金) 07:30:33.58 ID:FnGjNBb00
―――――
夕方 建設現場

ライダー「貴様ら!今日もよくぞ働いてくれた!褒めて遣わすぞ!」バッ!(征服王のポーズ)


<うぉー!(士気上昇)


現場監督「あの・・・アレクセイさん・・・」

ライダー「む?何だ?」

現場監督「えっと・・・それ俺の仕事・・・」

ライダー「・・・・・・」

現場監督「・・・・・何でも無いです・・・・・」

ライダー「皆の衆よ!この後は、例によって余が酒を振舞おう!」

ライダー「存分に飲むがいい!!!」


<うぉおおおおお!!!!(士気上昇)


ウェイバー(・・・・・・・)

ウェイバー(・・・・僕のお金なんですけどね・・・・)

ライダー「うむ!それでは皆の者よ、後程例の店(魚民)で会おう!」

ライダー「解散!!!!」
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/22(金) 07:34:05.78 ID:FnGjNBb00


<お疲れっしたー!!!


現場監督「・・・・・お疲れ様です」


ぞろぞろぞろ……


<今日もキツかったな〜

<酒が飲める酒が飲める酒が飲めるぞ〜♪


ぞろぞろぞろ……


ライダー「ガッハッハ!酒が飲めると聞いてあそこまで喜ぶとは・・・」

ライダー「やはり、戦士を鼓舞するのは、いつの時代も酒だのぉ!」ワッハッハ

ウェイバー「・・・・・」

ライダー「お、坊主」

ライダー「貴様もよく働いたな。褒めて遣わすぞ」

ライダー「余はこれより戦士達との宴がある。貴様は先に帰っておれ」

ウェイバー「・・・・・・」

ライダー「どうした?まさか、また余に家まで運べと申す気なのか?」

ウェイバー「・・・・・・」

ライダー「申し訳ないが、皆にああ言った手前、貴様を運ぶ為に帰るのは・・・」

ウェイバー「行くよ」

ライダー「む?」
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/22(金) 07:35:20.04 ID:FnGjNBb00
ライダー「坊主、今なんと?」

ウェイバー「・・・行くって言ってんだよ」

ライダー「・・・・・」

ウェイバー「今日は・・・・そこまで疲れてないからな・・・」

ウェイバー「僕も・・・・その・・・」

ライダー「・・・・・フフフハハ・・・」

ライダー「ガッハッハッハッハッ!!!」

ライダー「坊主!貴様もようやく漢になる時が来たな!」バシバシッ!

ウェイバー「...ッツ!声がデカイし痛いよこの野郎!」

ライダー「いいだろう!この征服王、誰であろうと来る者は拒まぬ!」

ライダー「小僧よ!存分に楽しめ!」





ライダー「余の宴をな!!!」

ウェイバー「だから僕の金だろうが!!!!!」
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/22(金) 07:37:44.62 ID:FnGjNBb00
それでは後ほど
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/22(金) 15:46:55.60 ID:Xv88CqmIO
全く関係ないけどスマブラがバンナム開発とか希望の光が・・・
内定3つも取れたのに・・・
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/22(金) 17:38:50.46 ID:FnGjNBb00
>>60

ドクターマリオ 500円とかになったら嫌だな・・・

再開
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/22(金) 17:40:42.34 ID:FnGjNBb00
―――――
夕方 例のファミマ 休憩室

藤村「・・・・・・・」

「大河ちゃん」

藤村「・・・・・・・」

「・・・大河ちゃん?」

藤村「・・・・・・・」

「もしもーし」お〜い

藤村「へ?あ!スイマセン!」

一条「どうしたの?大河ちゃんが仕事中にボーっとするなんて珍しいわね」クスクス

藤村「え、あぁ・・・すいません・・・」

一条「別に、謝ることでもないけど・・・」

一条「なんか、らしくないな〜って?」

藤村「・・・そッスか」

一条「?」
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/22(金) 17:42:12.15 ID:FnGjNBb00
藤村(・・・・・・・)

藤村(あの野郎・・・メール無視したな・・・)

藤村(別に・・・直ぐ帰ってこないのはいいのよ・・・)

藤村(でも、この時間まで返事しないって、余りにも無神経すぎじゃない?)

藤村(・・・・返事は必ずしろって・・・・)

藤村(・・・言ったのに)

一条「それにしても、どうしたのかしらねぇ、龍之介君」

藤村「あ!それ私も今言おうと思ってました!」

藤村「あいつ・・・仕事をエスケープするとはいい度胸じゃない」メラメラメラ

藤村「当日欠勤は極刑に値するわ・・・」メラメラメラ

一条「ま・・・まぁまぁ、こうして私が代わりに来たんだし、いいじゃない、一日くらい♪」

一条「何かどうしても外せない用事があったのかもよ?」

藤村「どんな理由があろうと、当日欠勤する奴は社会人失格ッスよ!」

一条さん「ま、まぁ、それはそうだけど・・・」アセアセ
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/22(金) 17:45:35.74 ID:FnGjNBb00
一条さん「アルバイトなんだし・・・何もそこまで期待しなくてもいいんじゃないかしら・・・?」

一条「それにほら!龍之介君、まだ入って間もないし・・・ね?」

藤村「一条さんはあいつに甘すぎッスよ!甘やかすとつけ上がりますよ?」

一条さん(お、お母さんみたいね・・・)

一条さん「まぁとにかく、切り替えていきましょ!大河ちゃん」

一条さん「あまり気にしすぎるのもいけないわ」ニコッ

藤村「まぁ・・・一条さんがそう言うなら・・・」

藤村(・・・・・・)

一条さん「でも、確かに変よねぇ・・・」

一条さん「龍之介君、仕事はいつもアレだけれど」

一条さん「遅刻も欠勤も今まで一度もなかったから・・・ちょっと心配よねぇ・・・」

一条さん「大河ちゃん、何か聞いてたりする?」

藤村「うんにゃ、別にないッス・・・」



「未遠川に行かない方がいいよー」



藤村(・・・・・・)
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/22(金) 17:47:21.86 ID:FnGjNBb00
藤村「ねぇ、一条さん・・・」

一条「なぁに?大河ちゃん」

藤村「昨日・・・未遠川で何かありました?」

一条「え、未遠川?」

一条「さ〜、特に覚えがないけど・・・」

一条「未遠川で何かあったの?」

藤村「いえ・・・知らないならいいッス」

藤村「・・・・・・」

一条「映画か何かの撮影でもあった・・・とか?」

藤村「・・・・・さぁ」

藤村「・・・・・」

一条「・・・・・」

一条「あ、そうそう。大河ちゃん」

一条「2番のレジ、レシート切れちゃったから、休憩終わったら交換しておいてくれる?」

大河「・・・・・・」
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/22(金) 17:50:48.95 ID:FnGjNBb00
一条「大河ちゃん?」もしもーし

藤村「ふぇ!?あ、あぁ・・・」

藤村「りょ、りょーかいッス!」

藤村「何番レジッスか?」

一条「え、大河ちゃん・・・・」

藤村「?...何すか?」

一条「ど、どうしたの・・・?」

藤村「何がッスか?」

一条「な、泣いてる・・・けど・・・」



藤村「・・・・・・・・え?」


ポロッ...ポロッ...



藤村「あれ・・・?何で・・・?」

藤村「何であたし・・・・・な・・・泣いて・・・・?」

藤村「何で・・・・」
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/22(金) 17:52:32.79 ID:FnGjNBb00
藤村「・・・っふ・・・・うぅ・・・!・・・うっ・・・・!」



さよなら



藤村「うぅ・・・!う・・・あぁぁ・・・!」

一条「大河ちゃん!?」

一条「ど、どうしたの!?どこか具合でも・・・!?」

藤村「う・・・うぁぁあぁぁぁ・・・・・」

一条「ど・・・どうしよう・・・!?救急車・・・・」

藤村「ち・・・・ちが・・・・」

藤村「ちが・・・違うの・・・いちじょ・・・さん」

藤村「わたし・・・わたし・・・・」

一条「大河・・・・ちゃん・・・・」
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/22(金) 17:53:37.54 ID:FnGjNBb00
一条「・・・・・・」


ギュッ


藤村「ふ・・・ぅ・・・・?」

一条「大河ちゃん・・・」

一条「私・・・あなたに何が起こったのか、その・・・分からないけど・・・」

一条「その涙・・・我慢しない方が、いいと思うの・・・」

一条「だから・・・ね・・・?

ギュウゥ....

藤村「う・・・一条さ・・・ふっ・・・!」

藤村「あ・・・・あ・・・・」

藤村「あぁぁ・・・ぁぁぁ・・・」
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/22(金) 17:54:29.96 ID:FnGjNBb00
―――――




私は・・・・・何でか分からないけど・・・・・そう・・・思ったんだ・・・・・






たぶん・・・・・たぶん、もう・・・あいつには会えない・・・・







たぶん・・・・・二度と・・・・・・・





―――――
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/22(金) 17:55:42.73 ID:FnGjNBb00
藤村「一条さ・・・ん・・・」

藤村「私・・・・馬鹿だ・・・・・」

一条「え・・・?」

藤村「私・・・気づいてたのに・・・・自分の気持ちに・・・ウソ・・・ついてた・・・・・」

一条「・・・・・・」

藤村「あれ・・・・あれは・・・・私の・・・」





・・・・私の・・・・





私の・・・・・初恋だったんだ・・・・


71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/22(金) 17:57:29.59 ID:FnGjNBb00
―――――
夜 民家

ウェイバー「うー・・・・えぇ・・・・」

ウェイバー「もうらめらぁ〜・・・・」

ライダー「情けない・・・貴様、それでも漢か?」

ウェイバー「うるへー・・・」

ライダー「それにしても、よく一杯だけでそこまで酔えるものだな」

ウェイバー「うー・・・はぎぞ〜・・・」

ライダー「・・・・・・」

ライダー「坊主」

ウェイバー「・・・何らよ?」

ライダー「今宵の宴、どうだった?」

ウェイバー「・・・どうって、なにがぁ?」

ライダー「そんなものは何でもいい!ほれ、何かあるだろう、感想が」

ライダー「楽しかったとか、嬉しかったとか、何でもいい」

ライダー「言ってみろ」

ウェイバー「・・・・・・」

ライダー「・・・・・・」

ウェイバー「・・・・・悪くはなかった・・・・・」
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/22(金) 17:59:39.95 ID:FnGjNBb00
ウェイバー「ああやってみんなで馬鹿みたいに騒ぐのなんて・・・初めてだったし・・・」

ウェイバー「それに・・・・・」

ライダー「それに?」

ウェイバー「・・・・・」

ライダー「・・・何だ小僧、また言いたくないとでも言う気か?」

ウェイバー「・・・・・・」

ライダー「おい、何とか言わんか」

ライダー「おいぼう・・・」

ウェイバー「・・・・・・」クカー

ライダー「・・・何だ、寝おったか」

ライダー「・・・・・・」

ライダー「全く・・・まだ覚える事は山のようにあるのだぞ?」

ライダー「なぁ、我が主・・・」

ウェイバー「・・・・・・」クカー

ライダー「そして・・・小さき王よ」




ウェイバー「う〜・・・・・」

ウェイバー「ぼくの・・・・おかね・・・・」



第六話 涙

−??:??:??


次回 桃園の誓い
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/22(金) 18:01:32.27 ID:FnGjNBb00
一部名前が乱れましたが、イザナミです

今日はこの辺で、それでは
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/22(金) 18:58:10.94 ID:9N6qcLlao
遅れたけど乙
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/22(金) 19:16:39.44 ID:1LwQP+4h0

イザナミなら仕方ないな
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/06/22(金) 19:29:21.23 ID:tbXIK/Yjo

そうだな、イザナミなら仕方あるまい
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/06/22(金) 22:02:52.56 ID:JUM3dJVgo

イザナミなら仕方ないな
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/22(金) 22:22:21.00 ID:7dBokWEIO

そうだな、イザナミなら仕方あるまい
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/23(土) 09:23:41.03 ID:DRqFub4/0
何だこのスレ・・・幻術か・・・?

ちょっとだけ再開
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/23(土) 09:24:27.05 ID:DRqFub4/0
第七話 桃園の誓い
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 09:25:37.94 ID:DRqFub4/0
―――――
街頭 路地の裏

雁夜「・・・・・・・・」

雁夜「・・・クソ・・・」

雁夜(流石に・・・残りの金が心許なくなってきたな・・・)

雁夜(だからと言って・・・今から何処かで働ける訳が無い・・・)

雁夜(・・・・・・・)

雁夜(バーサーカーを使って・・・金を・・・)

雁夜「・・・駄目だ・・・!そんなことは・・・絶対に・・・!」

雁夜「・・・・・・・」


((何を迷っている))


ズズズズズズズズズ…
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 09:41:45.52 ID:DRqFub4/0
雁夜「・・・・・・・」

バーサーカー((金が尽きそうなのだろう?))

バーサーカー((ならば、俺を頼ればいい))

バーサーカー((主の命令とあれば、その命令、喜んで受け))

雁夜「黙ってろ!」

バーサーカー((・・・・・・・・))

雁夜「誰が・・・貴様なんか頼るかよ・・・!」

バーサーカー((だが、現実は非情だ))

雁夜「・・・・・・・」

バーサーカー((蟲に犯されたその身体で、まさか働く気なのか?))

バーサーカー((どこが雇ってくれるというのだ。己の姿を良く見てみろ))

雁夜「・・・・・・・」

バーサーカー((その醜い姿で、何処が貴様を受け入れてくれるというのだ?))

バーサーカー((無いな。確実に))
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 09:43:00.25 ID:DRqFub4/0
雁夜「・・・黙れ・・・!」

バーサーカー((お前に残された道は2つ))

雁夜「・・・黙れ!」

バーサーカー((他人から奪うか、もしくは・・・))

雁夜「黙れよ!」

バーサーカー((自分を捨てたあの家に、泣いて縋りつくかの))

雁夜「令呪を持って命ずる!」コォォォォ…

雁夜「バーサーカー!!!少し黙ってろ!!!!」

バーサーカー((・・・・・・・))


ズズズズズズズズズ…ズ

ズズ…


雁夜「・・・・・・・」

雁夜「・・・・・・畜生ぉ!!!!」ガンッ!
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 09:46:07.18 ID:DRqFub4/0
―――――
昼 冬木市 和民

ライダー「・・・それでは」

ライダー「我等の栄光を祈って・・・」

ライダー「乾杯ッ!!!!」

セイバー・ランサー「乾杯!!」


ワイワイガヤガヤ……


セイバー「ごくごくごくごく」

セイバー「っく〜!上手い!」

セイバー「この為に生きている…というものだ!」

ランサー「オレンジジュースをよくぞそこまで美味そうに飲めるものだな・・・」

ライダー「ガッハッハ!こうして貴様等と酒を酌み交わすのも久しぶりだな!」

ランサー「皆、それなりに忙しかったからな・・・」

セイバー「む、この焼き鳥美味いな!」ぱくぱく
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 09:47:54.46 ID:DRqFub4/0
ライダー「ところでどうだ!貴様等」

セイバー・ランサー「ん?」

ライダー「職の方は」

セイバー「・・・・・・・」

ランサー「・・・・・・・」

ライダー「・・・・・・・・」

ライダー「・・・すまん、酒が不味くなる様な事を聞いた」

セイバー・ランサー「いや・・・いいんだ・・・」どよ〜ん

ライダー「ま、まぁ・・・そんな事よりもだ」

ライダー「セイバー、貴様、引っ越したらしいじゃないか」

セイバー「む?ああ、そうだが」

ライダー「今度引越し祝いの酒を持っていってやる!住所を教えろ」
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 09:49:17.43 ID:DRqFub4/0
セイバー「あぁ、○丁―○―○―○だ」

ランサー「いや・・・仮にも敵に住所を教えていいものなのか・・・?」

ライダー「細かい事を気にするでない!我等三人の仲ではないか!」ガッハッハ

セイバー「そうだぞランサー、細かい事を気にしていては・・・」

セイバー「職など・・・いつまで・・・た・・・っても・・・」

セイバー「・・・・・・・」

セイバー・ランサー「・・・・・はぁ・・・・・」どよ〜ん

ライダー(面倒臭いやつらだな・・・)

ライダー「・・・ところで貴様等」

ライダー「少し、尋ねたいことがあるのだが」

セイバー「む?」

ランサー「何だ?征服王」

ライダー「いや、その・・・だな」
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 09:50:40.58 ID:DRqFub4/0
ライダー「・・・・・・」

セイバー「あの征服王が言葉を濁すとは、余程重大な質問らしい」ハハハ

ランサー「の、ようだな」フッ…

ライダー「いやぁ、別に大した事ではないわい」ボリボリ(頭かいてる)

ライダー「少々聞きたくてな、貴様等のマスターのことを」

セイバー「私の・・・マスター?」

ランサー「どういう意味の質問なのだ?それは」

ライダー「ガッハッハ、別に、敵の腹を探ろうだとか」

ライダー「そんな意味は一切無い、忌憚無く答えてくれ」

セイバー「私のマスター・・・」

ランサー「俺の・・・主・・・」
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 09:51:56.39 ID:DRqFub4/0
ライダー「先ずはセイバー、貴様から聞かせてくれ」

セイバー「む、私か」

セイバー「そうだな・・・」

セイバー「私のマスターは・・・」

セイバー(・・・・・・・)

セイバー「私のマスターは・・・とてもいい人だ」

ライダー「ほう」

セイバー「いつも笑っていて、気丈で明るく、面倒見がいい・・・」

セイバー「まぁ、そんな感じだ」

ライダー「成る程な」

ライダー「ランサー、お前は?」

ランサー「すまんが、その質問には答えかねる」

ライダー「ほう?」
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 09:53:20.62 ID:DRqFub4/0
ランサー「別に、貴様を信用していないという訳ではないのだ」

ランサー「ただ・・・主からそういう命を受けている」

ランサー「自分の正体をみだりに明かすな、と」

ランサー「すまんな、征服王・・・」

ライダー「気にするでない!主の命令とあらば仕方があるまい」ガッハッハ

ライダー「それに、人に聞いておいて自分が最後に話すというのも失礼な話だ」

ライダー「非礼を詫びる、すまなかったな」

セイバー「気にすることはないさライダー、我等の仲ではないか」

ランサー(・・・・・・・・)

ランサー「・・・・俺の主は」

ランサー「とても・・・厳格なお方だ」

ライダー「・・・・・・・・」
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 09:54:59.58 ID:DRqFub4/0
ランサー「生まれついたお家故か、とても誇り高く・・・」

ランサー「そして、とても優秀な方だ」

ランサー「・・・こんな感じだな」

ライダー「・・・ランサー」

ライダー「腹を割ってくれたこと、礼を言うよ」

ランサー「・・・・・・・」

セイバー(・・・腹・・・か・・・)

ライダー「さて!余の番だな」

ライダー「余のマスターなのだがな、これがまた情けない奴で・・・」

ライダー「直ぐに弱音を吐くわ、直ぐに文句を言うわ、全くもって漢らしくないのだ」

セイバー「ウェイバー殿についてならある程度知っている」

セイバー「前に一度、家に来たことがあるからな」

ランサー「俺は会った事がないな」
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 09:56:22.36 ID:DRqFub4/0
ライダー「余は、彼奴にもっと堂々と構えていて欲しいのだ・・・」

ライダー「余は・・・」

ライダー「余は、彼奴には王になってもらいたいと思っている」

セイバー「・・・・・・」

ランサー「・・・・・・」

ライダー「聖杯を手に入れて、それでお仕舞いでは駄目なのだ」

ライダー「戦士として、一人の漢として・・・」

ライダー「立派に、自分の足で、この大地に立ってもらいたいのだ」

セイバー「ライダー・・・・」

ライダー「だが、事はそう上手く進まなくてなぁ・・・」

ライダー「キャスターが消えた事で、この戦いの均衡が崩れた」

ライダー「これからの戦いは、激化の一途を辿ることになるだろう」

ライダー「このままでは・・・彼奴が一人前になる前に、聖杯戦争が終結してしまう」

ライダー「うーむ・・・困ったものだ・・・」
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 09:57:34.87 ID:DRqFub4/0
セイバー「・・・・・・・」

セイバー「だが・・・彼は良い人だ」

セイバー「彼は、自分の弱さを理解している」

ライダー「・・・・・・・・・」

セイバー「誰かが言った」

セイバー「自分の弱さを知る者こそ、本当の強者だと・・・」

セイバー「まぁ、私の言葉では無いので、何とも言えんがな」もぐもぐ(から揚げ食べてる)

ランサー「何事も焦りは禁物と言うぞ、征服王」

ランサー「彼には、彼なりの成長というものがあるのだろう」

ライダー「・・・・・・・・・・」

ライダー「・・・そうだな・・・」

ライダー「・・・セイバー!ランサー!」

ライダー「今日は貴様等と酒を酌み交わせて、本当に良かったと思う」

ライダー「感謝するぞ!」

ランサー「フッ・・・それは此方も同じだ」いい気分転換になったしな

セイバー「征服王の奢りでご飯を好きなだけ食べられるしな」もぐもぐ

ライダー「ガッハッハッハ!好きなだけ飲め!食え!」
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 10:08:26.45 ID:DRqFub4/0


ピリリリリリリリ……


ランサー「すまん、俺だ」

ランサー「・・・・・・・」メールを確認中

ランサー「すまん、二人共」

ランサー「急用が入ってしまった、俺はこれにて失礼する」

ライダー「おう、またな色男」

セイバー「また会おう、ランサー」

ランサー「ああ、またな」

…………

セイバー「もぐもぐもぐ」

ライダー「ところでセイバー」

セイバー「なんだ?」もぐもぐもぐ

ライダー「酒は・・・飲まんのか?」

セイバー「もぐもぐもぐもぐ」

セイバー「・・・・ごっくん」



セイバー「・・・車で来たのでな」それに私は未成年だ

ライダー(・・・・・・・・)

ライダー(・・・一人で酒を飲んでもなぁ・・・)
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/23(土) 10:09:34.45 ID:DRqFub4/0
以下続く
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/06/23(土) 12:45:03.95 ID:WB1u2m5fo
どうでもいいけどセイバーさんの実年齢って二十代後半だよね
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/23(土) 14:25:23.48 ID:DRqFub4/0
>>95

スイマセン、アニメしか見たことないので色々適当です

再開
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/23(土) 14:30:20.08 ID:DRqFub4/0
―――――
冬木教会 一室

アーチャー「・・・ところで綺礼よ」

アーチャー「貴様、もう理解は出来たのか?」

綺礼「何の話だ、英雄王」

アーチャー「決まっているだろう・・・」

アーチャー「貴様の本質の話だよ」

綺礼「・・・・・・・」

アーチャー「もう解り始めているのだろう?」

アーチャー「貴様は、この我と同じものを求めている」

アーチャー「・・・違うか?」ニヤァ

綺礼「・・・同じもの、とは?」

アーチャー「おいおい、わざわざ言わせる気か?」

アーチャー「貴様は、既にその為の布石を積んでいるだろう」

綺礼「・・・・・・・・」
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/23(土) 14:32:07.35 ID:DRqFub4/0
アーチャー「バーサーカーとそのマスター」

アーチャー「貴様は、奴のマスターについて、随分と熱心にアサシンを使って調べさせたらしいじゃないか」

綺礼「・・・身辺調査をしたのは、我が主の戦いに役立たせる為」

綺礼「それ以外の意味はない」

アーチャー「確かにお前は、アサシンを使って全マスターの身辺調査を行った」

アーチャー「その主とかいう奴の為にな」

綺礼「・・・・・・・・・」

アーチャー「だが、明らかに、バーサーカーのマスターだけは・・・」

アーチャー「お前は必要以上に深入りし、ある程度の調査が終了した後も、アサシンを使って調べ続けさせた」

アーチャー「本来必要の無い情報まで・・・ありとあらゆることを、な」

アーチャー「なぁ・・・いい加減認めたらどうなのだ?綺礼」

綺礼「・・・・・・・・・」

アーチャー「お前は・・・我と同じく娯楽を求めている」
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 14:36:00.57 ID:DRqFub4/0
アーチャー「地獄の様に熱く、蜜の様に甘い・・・」

アーチャー「愉悦という、果実をな」

綺礼「・・・・・・私が・・・・・」

綺礼「・・・・私が・・・・愉悦を・・・・?」

綺礼「確かに・・・バーサーカーのマスターを必要以上に調査させたのは・・・私の独断・・・」

綺礼「だが・・・それは、我が主の為・・・」

綺礼「主に対する・・・忠誠心故の行為だと・・・」

アーチャー「ハッ!お前・・・あの退屈な男の何処に忠義など感じているのだ?」

アーチャー「現に・・・お前は助けた」

綺礼「・・・・・・・」

アーチャー「本来、敵である筈の・・・」

アーチャー「バーサーカーのマスターをな」

アーチャー「あれも、主への忠誠心故の行為、とやらなのか?」

アーチャー「とてもじゃないが・・・そうは思えないのだが?」

アーチャー「なぁ・・・綺礼」ニヤァ
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 14:38:06.78 ID:DRqFub4/0
綺礼「・・・私の知覚していない所で・・・私の意志と関係無く・・・」

綺礼「私は・・・愉悦を求めていた・・・?」

綺礼「これは・・・神のご意思に背く・・・背信行為だ」

アーチャー「アッハッハッハ!背信行為と来たか!」

アーチャー「綺礼よ・・・お前、我から言わせてもらえばな・・・」

アーチャー「お前は、何も信じてなどいないよ」

綺礼「・・・・・・・」

アーチャー「神も、世界も、己の父も・・・」

アーチャー「そして・・・自分さえもな」

綺礼「・・・・・・・・」

アーチャー「なぁ・・・綺礼」

アーチャー「そろそろ、素直になったらどうなのだ?」

アーチャー「自分の欲望、探究心というものを疎かにしてはいかんぞ?」

アーチャー「それらを忘れ、押さえようとすれば・・・」

アーチャー「我がマスター・・・時臣の様な、退屈な男に成り下がるぞ?」
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 14:40:08.02 ID:DRqFub4/0
綺礼「・・・・私は・・・・」

アーチャー「お前は違うよなぁ?」

アーチャー「お前はもっと・・・この我を楽しませてくれる筈」

アーチャー「・・・だろう?」ニヤァ

綺礼「私は・・・・・・ッツ!」


ブゥゥウゥゥゥウゥゥゥウン……


綺礼「な・・・!これは・・・!?」

アーチャー「おやおや・・・やはり現れたか」

綺礼「これは・・・・・」

綺礼「これは・・・契約印・・・!?」

綺礼「・・・・馬鹿な・・・・私は・・・・サーヴァントを失った・・・・」

綺礼「その私が・・・何故・・・また・・・?」
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 14:41:51.05 ID:DRqFub4/0
アーチャー「どうやら・・・聖杯も、貴様には余程の期待をしているらしい」

アーチャー「この退屈な戦争に、愉悦という名の水を注いで欲しいと見える」

綺礼「・・・・馬鹿な・・・・」

アーチャー「兎に角だ」

アーチャー「貴様が大変なのはこれからだぞ?綺礼」

アーチャー「なんせ・・・まずサーヴァントを他人から奪う所から始めなければいけないのだからな」

綺礼「・・・・・・・」

アーチャー「しかもこの戦争には我がいる」

アーチャー「我を倒すには・・・相当強力なサーヴァントを得るしかあるまい?」

アーチャー「クククククク・・・・・・」

アーチャー「アハハハハハハハハハ!!!!!」


サラサラサラサラサラ………

サラサラサラ……サラ……


綺礼「・・・・・私は・・・・・」

綺礼「・・・・・・・・・・」
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 14:44:07.60 ID:DRqFub4/0
―――――
冬木市 ホテル F25 2502号室

テーレレレレーレレレレー テレレレー テーレレー

ランサー「・・・・・・・」


ヒイロ「五飛・・・・教えてくれ・・・・」

ヒイロ「俺は・・・俺は後何人殺せばいい・・・・?」

五飛「!」

ヒイロ「教えてくれ五飛・・・・ゼロは・・・・何も教えてくれない・・・」


ソラウ「ハァ〜・・・・・」

ソラウ「何時見ても・・・飽きないわぁ・・・・」ウットリ

ランサー「・・・・・・ソラウ殿」

ソラウ「なぁに?ランサー」

ランサー「一緒に観たいと誘って頂いたのは・・・大変有り難いことなのだが・・・」

ランサー「その・・・・さっきから・・・・俺ばかりを見てないか・・・・?」

ソラウ「だってぇ・・・」
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 14:46:28.19 ID:DRqFub4/0
ソラウ「私・・・このビデオ飽きるほど見たもの・・・」

ソラウ「でも・・・貴方の顔は、いくら見ていても飽きないわぁ・・・・」ウットリ

ソラウ「ハァ〜・・・・」ウットリ

ランサー「・・・・・・・・・」


ガチャッ!!


「ランサー!!貴様・・・!何だこの体たらくは!!!」


ソラウ(チッ・・・お邪魔虫が来たか・・・)

ランサー「主・・・」

ケイネス「貴様・・・!職も探さず・・・!あまつさえアルバイトさえせず・・・!」

ケイネス「貴様には・・・!誇りというものが存在しないのか!!!」

ケイネス「恥を知れ!!!!この寄生虫め!!!!」
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 14:50:12.84 ID:DRqFub4/0
ソラウ「ちょっと!言いすぎよケイネス!」

ケイネス「君は黙っていてくれ、ソラウ」

ソラウ(・・・チッ・・・)

ケイネス「職を探さず、アルバイトすら探さないのは・・・・億歩譲ってまだ許すとしよう・・・」プルプル

ケイネス「だが何だこれは!!!!そんなマンガなど・・・観れる身分か貴様!!!!」

ソラウ「マンガって・・・これはアニメよ。ケイネス」

ケイネス「そんなものはどっちでもいい!!!!!」

ケイネス「貴様・・・!働く気がないというのなら・・・・!」

ケイネス「今すぐ出て行ってもらうぞ!!!!!!!」

ランサー「・・・・主・・・・」

ランサー「・・・貴方の言いたい事は・・・痛いほどに理解できる」

ランサー「就職活動もせず・・・あまつさえ働きもせず・・・」

ランサー「この様な醜態を、我が主の前に晒すに至ること・・・」

ランサー「このディルムッド、心から恥じる」

ケイネス「ならばさっさと働け!!!!!」
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 14:51:46.22 ID:DRqFub4/0
ソラウ「ケイネス!」

ランサー「・・・・主よ」

ケイネス「なんだ・・・・!?言い訳は聞かんぞ・・・!」

ランサー「申し訳ないが、言い訳を聞いてもらう」

ケイネス「何・・・・!?」

ランサー「私がこの様な体たらくに身を置いていたのには・・・」

ランサー「それなりの覚悟と、考えがあったと理解して頂きたいのだ」

ケイネス「ほぅ・・・・!」

ケイネス「ならば・・・聞かせて貰おうじゃないか・・・!」

ケイネス「その、言い訳とやらをな・・・!」

ランサー「・・・・・・・」
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/23(土) 14:55:31.52 ID:DRqFub4/0
つづく
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 21:55:31.38 ID:DRqFub4/0
―――――
衛宮邸 客間

アイリ「・・・・ふぅ」

アイリ「さて、それじゃあ始めましょうか」

アイリ「今回は、私は何も言わないからね?切嗣」

切嗣「・・・あぁ」

アイリ「それじゃ始めます・・・セイバー!いいわよ!」


コンコンッ


スーッ(襖開けた)


セイバー「失礼します」

セイバー「私、アインツベルンから参りました、ペンドラゴンと申します」

セイバー「本日は、よろしくお願いします」一礼

アイリ「よろしくお願いします」ニコッ
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 21:56:55.88 ID:DRqFub4/0
切嗣「・・・・・・・」

アイリ(・・・・・・・)

アイリ(ちょっと、切嗣!)コソコソ

切嗣「・・・・・・では、これより面接を開始いたします」

切嗣「・・・住所が冬木市とありますが・・・」

切嗣「本日は冬木からお越しになられたと?」

セイバー「そうです」

切嗣「随分遠くからいらっしゃった訳ですね」そういう設定

切嗣「何故ですか?」

アイリ(ここは大事よセイバー・・・!)

アイリ(わざわざ遠い場所から来たということは)

アイリ(それに見合った動機がないと駄目・・・!)

セイバー「それは・・・」

アイリ(ゴクリ・・・)
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 21:59:12.62 ID:DRqFub4/0
セイバー「御社であれば、我が理想を叶えるのに一番の近道だと思ったからです」

アイリ・切嗣「・・・・・・」

アイリ(・・・いいわ!)

アイリ(いいわよセイバー!・・・ちょっと一部おかしいけど・・・)

アイリ(聞かれたことに対して過度に答えすぎる、逆に質問するなどといった)

アイリ(初心者が陥りがちなミスはしていない!)

アイリ(語り過ぎず、相手の興味を誘う程度に・・・)

アイリ(しっかり受け答えの基本はできてるじゃない!流石、場数を踏んでいるだけあるわね、騎士王!)

切嗣「なるほど」

切嗣「・・・・・・」

アイリ「・・・・・・」

セイバー「・・・・・・」

切嗣「・・・・・・」ゴソゴソ

111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 22:01:17.01 ID:DRqFub4/0
アイリ(・・・・・?)

セイバー(・・・・・?)


切嗣 キンッ!シュボッ!


アイリ・セイバー(!?)


切嗣 スー・・・

切嗣 スパー・・・

切嗣「・・・ふぅ」

アイリ(あ、ありえない・・・!)

アイリ(普通面接試験中に煙草を吸い始めるなんて・・・そんなこと、今時ブラック企業でもやらないわ!)

アイリ(しかもそれだけじゃない・・・)チラ


切嗣(・・・・・・)スパー


アイリ(あの死んだ魚の様な目・・・)

アイリ(まるで・・・養豚場の豚でも見る様な、哀れみを含んだ目だわ・・・)

アイリ(普通だったら受験者側がぶち切れてもしょうがない場面だけど・・・)

アイリ(今は何せ・・・超買い手市場・・・!)
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 22:03:14.48 ID:DRqFub4/0
アイリ(企業側は人材を選び放題!雇用者はいくら不遜な態度を取られても)

アイリ(採用という名のニンジンを目の前でチラつかされる限りは・・・)

アイリ(法に触れない限りは、許さざるを得ない・・・!)

アイリ(・・・加えて、セイバーにとってここは第一志望(って設定)!)

アイリ(何としてでも受かりたいのなら・・・)

アイリ(この超圧迫面接を・・・乗り越えるしかない・・・!)

アイリ(セイバー・・・がんばって!)

セイバー「・・・・・・」

セイバー「・・・あの」

アイリ(・・・・・・動いた!)

セイバー「あの、面接官殿」

切嗣「私のことかな?それとも」

セイバー「いえ、貴方だ」

切嗣「何かな?」スパー

セイバー「貴方は・・・」
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 22:05:13.37 ID:DRqFub4/0
セイバー「貴方は・・・失礼だとは思わないのですか」

切嗣「・・・・・・」スパー

セイバー「遠い地から、何時間もかけてここまでやって来た私に対して」

セイバー「その様な不遜な態度で面接に挑むなど・・・恥ずかしいとは思わないのですか?」

切嗣「・・・・・・」スパー

アイリ「・・・・・・・」


アイリ(いいわよ・・・!セイバー!)


アイリ(・・・そう、この場面では、それが正解!)

アイリ(こういう場面で求められているもの、それは正論・・・)

アイリ(目上の相手であろうと、やってはいけないことをちゃんと咎めることができる)

アイリ(勇気と社交性!)

アイリ(入社してからは・・・逆にスルースキルが求められるけど・・・)

アイリ(でも・・・ここは面接会場)

アイリ(常に、相手から試されているという意識を持って望まないといけない・・・!)
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 22:07:03.47 ID:DRqFub4/0
アイリ(そりゃそうよ・・・面接中煙草吸い始めるなんて、面接官どころか社会人失格だもの・・・)

アイリ(そんな当たり前のことを、しっかり駄目だと指摘できる芯の強さ!)

アイリ(最近の若者には、中々出来ないことを平然とやってのける・・・)

アイリ(セイバー!それこそが・・・その芯の強さこそが・・・」

アイリ「貴方の強み・・・長所よ!)

セイバー「面接官殿」

切嗣「・・・・・・・・」スパー

セイバー「面接官殿・・・?」

アイリ「・・・・・・?」

切嗣「・・・・・・・」スパー

セイバー「あの・・・煙草・・・」

切嗣「・・・・・・・」

切嗣「・・・・何か問題でも?」


セイバー・アイリ「!?」
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 22:08:40.03 ID:DRqFub4/0
アイリ(こ・・・これはキツイ・・・)

アイリ(まさかの開き直り・・・逆ギレ・・・)

アイリ(人として軸がぶれ過ぎな行為だけど・・・でも・・・)

アイリ(実際、こういう人・・・いるのよね)ある職種に限られた話だけど・・・

アイリ(セイバー・・・どうするの・・・?)

セイバー「・・・・・・」

切嗣「・・・・・・・」

アイリ「・・・・・・・」ごくり






セイバー「じゃあ帰ります」流石にムカついたので

アイリ(・・・・・そりゃそうだ・・・・・)
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 22:10:41.18 ID:DRqFub4/0
―――――
夜 冬木教会 礼拝堂

綺礼(・・・・・・・)


ガチャッ・・・・


ギィイィィィィィィィ………



綺礼「・・・・・来たか」

綺礼「間桐雁夜」

雁夜「・・・・・」

綺礼「今夜にでも来ると思って、ここで待っていたよ」

雁夜「貴様・・・・・」

雁夜「俺を助けて・・・一体どういうつもりだ!」

綺礼「・・・・・・」

綺礼「なに、簡単なことだ」
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 22:12:35.83 ID:DRqFub4/0
綺礼「お前の力を借りたいと思った、ただそれだけのこと」

雁夜「!?…どういうことだ!」

綺礼「間桐雁夜。貴様は、この聖杯戦争に何を望む?」

雁夜「・・・!」

雁夜「・・・答える義務があるとでも・・・!」

綺礼「あるな、忘れたのか?私は現在、マスターではないのだ」

雁夜「!?」

綺礼「マスターではなくなった私は、今やただの神の僕・・・」

綺礼「だが、神の僕である以前に、私は代行者としてこの世に生まれ落ちた」

雁夜「・・・・・・」

綺礼「つまり、今の私は、貴様らマスターを監視し、この聖杯戦争を無事に終わらせることを天の父より仰せつかった」

綺礼「・・・調停者ということだ」
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 22:14:47.92 ID:DRqFub4/0
綺礼「ここまで話して、言いたいことはおおよそ察しがつくと思うが、いかがかな?」

雁夜「・・・敵ではないと?」

綺礼「その通り。私は君の味方だよ、間桐雁夜」

雁夜「何だと・・・?」

綺礼「君が聖杯戦争に参加したおおよその経緯はこちらで把握している」

綺礼「・・・遠坂、だろう?」

雁夜「!」

綺礼「遠坂桜・・・いや、今は間桐桜か」

綺礼「貴様は、遠坂から間桐の家へと、養子縁組で渡されたあの子供を救うためこの戦いに」

雁夜「黙れ!」

綺礼「・・・・・・」

綺礼「失礼した、非礼を詫びよう」

綺礼「だが勘違いしてもらいたくない。言っただろう、私は貴様の味方だと」

雁夜「・・・・・・」

綺礼「先程調停者を名乗った筈の男が、どの口でそんなこと言っているんだ?」

綺礼「そんな顔だな」
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 22:16:18.34 ID:DRqFub4/0
雁夜「・・・・・・・」

綺礼「信用できんか?間桐よ」

雁夜「・・・当たり前だ」

綺礼「フッ・・・だろうな」

綺礼「相手の手の内が見えぬ間は信用するな。交渉の基本だ」

綺礼「・・・では、見せようじゃないか。私の手の内を、な」

―――――
冬木教会 奥 廊下

雁夜「どこへ連れて行く気だ?」

綺礼「じきに分かる」

雁夜「・・・・・・」

雁夜「・・・忘れるな、俺の直ぐ傍にはサーヴァントが居るということを」

雁夜「その気になれば、貴様などいつでも殺せる」

綺礼「それは恐ろしいな。どうやら、私は今、崩れかけの橋を渡っているようだ」

綺礼「一歩踏み外せば、奈落が口を開けて待っている・・・とは」

綺礼「何とも・・・生きた心地がしないな」
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 22:18:08.67 ID:DRqFub4/0
雁夜「・・・・・・」

綺礼「・・・だが、私もそれなりに、この橋を渡るための布石は積んできたつもりだ」

綺礼「・・・ここだ」

雁夜「何の部屋だ」

綺礼「部屋自体に意味など無い。ただ、貴様の信用を得るためにも、部屋を用意したまで」

綺礼「礼拝堂では、些か声が響き過ぎるしな」

雁夜「・・・・・・」

綺礼「それに・・・神の前で謀の相談など・・・そのような畏れ多い行為、私に出来る筈もない」

雁夜「・・・・・・」

綺礼「・・・話が逸れたな、では、交渉に移ろう。間桐雁夜」

綺礼「・・・良き返事を期待している」



ガチャッ

ギィィィィ・・・・



雁夜(・・・・・・)

雁夜「・・・・!?」

雁夜「こ、これは・・・!?」

121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 22:20:19.48 ID:DRqFub4/0
―――――
後程 冬木教会 とある部屋

綺礼「・・・・・・・」

アーチャー「綺礼よ。我はどうやら、貴様という男を測り違えていたようだ」

アーチャー「まさか貴様が、これほど愉悦の何たるかを理解していたとはな・・・」

アーチャー「ククク・・・許せよ?綺礼」

綺礼「・・・・・・・」

アーチャー「あの間桐雁夜を説得する為だけにこの状況を作った」

アーチャー「・・・そんな訳は無いよなぁ?」ニヤァ

綺礼「どういう意味だ?」

アーチャー「ハッ!全て解っている癖に、どの口がそんな言葉を言わせるのだ!?ククク・・・」

綺礼「・・・・・・」

アーチャー「次があるのだろう?綺礼」

アーチャー「これもまた、次への布石・・・」
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 22:25:34.95 ID:DRqFub4/0
アーチャー「大体の絵は、既に描けていると見えるな」

アーチャー「でなければ、自分の父親を殺す真似など、する筈もあるまい?」


璃正「・・・・・・・」


綺礼「・・・・・・・」

アーチャー「見ろ綺礼、この父の死顔を」

アーチャー「良い顔をしているではないか?自分が何故死んだのか、理解する間も無かったに違いない」

アーチャー「せめてもの慈悲というやつか?」

綺礼「・・・確実にやり遂げねばならぬという想いが、使命感として、私の中に確実に存在した」

綺礼「その結果として、一撃にて屠ることに繋がったと、私は思っている」

アーチャー「使命感だと!?己の父を殺すのが使命とな!?ハハハハハハッ!」

アーチャー「・・・貴様は、どうやら根っからの代行者らしいな?」

綺礼(・・・・・・・)

アーチャー「・・・綺礼、やはり貴様は面白い」

アーチャー「我がマスター、時臣などとは、比べ物にならぬ位な」
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 22:28:17.34 ID:DRqFub4/0
アーチャー「あの木偶と違い、娯楽の何たるか、愉悦とは何かを理解している」

綺礼「・・・・・・・」

アーチャー「ところでどうだ?感想は」

綺礼「・・・何がだ?」

アーチャー「決まっているだろう」

アーチャー「自らの手によって、永劫の眠りについた己の父を・・・」

アーチャー「殺した感想に決まっている」

綺礼「・・・・・・」

綺礼「別に、何も感じはしなかったさ」

アーチャー「ほぅ?」

綺礼「心の臓目掛けて、剣を刺したら動かなくなった」

綺礼「いつもと同じだ」

アーチャー「そうかそうか、それは重畳・・・」

アーチャー「また一つ見聞を広めたな?綺礼」

アーチャー「自分の親を殺すも、野ウサギの命を娯楽で刈り取るも結局は同じ」

アーチャー「同じなのだ」
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 22:30:16.05 ID:DRqFub4/0
アーチャー「なんせ命とやらは、平等らしいからな」

アーチャー「無論、真の王たる我は違うがな」

アーチャー「・・・雑種共とは、重みが違うわ」

綺礼「・・・・・・」

アーチャー「兎に角だ。この分ならまだ、この退屈な戦いに飽きないで済みそうだ」

アーチャー「・・・そうだろう?綺礼」

綺礼「・・・・・・」

アーチャー「精々この我を愉しませてくれ、この戦争に飽きぬためにもな?」

アーチャー「そして・・・・」

アーチャー「・・・・・・・」

綺礼「・・・・・・・・・・・」

綺礼「・・・外に、誰かいるな」

アーチャー「・・・・・・・」

綺礼「そして・・・この反応はサーヴァントだ」

アーチャー「・・・まさか、バーサーカーが戻ってきた訳でもあるまい」

アーチャー「となれば、残るは3つ・・・」
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 22:33:25.50 ID:DRqFub4/0
―――――
冬木教会 外


(・・・・・・・・)


コツ…コツ…コツ…


アーチャー「こっちだ、雑種」


(・・・・・!)


アーチャー「夜分遅くに何の用だ?」

アーチャー「我は今忙しいのだがな、まさか闘いに来た訳でもあるまい?」



アーチャー「・・・ランサーよ」



ランサー「・・・・・・・・」

アーチャー「だってそうであろう?この我に挑むというのに」

アーチャー「まさか・・・そんな棒切れ一本で挑む訳がない」

ランサー「・・・・・・・・」
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 22:35:28.55 ID:DRqFub4/0
アーチャー「用があるなら手短に済ませろ、我は今、そこそこに機嫌が良いからな」

アーチャー「話程度なら聞いてやる」

ランサー「・・・・・・・・」

アーチャー「最も・・・・・」

アーチャー「内容によっては、この場で極刑に処すこともあり得るがな」

ランサー「・・・・・英雄王よ」

アーチャー「何だ」

ランサー「貴様に決闘を申し込む」

アーチャー「・・・・・・・・」

アーチャー「・・・・・・聞き違いか?」

アーチャー「今、何か戯言が聞こえた気がするが・・・」

アーチャー「それとも、貴様の言い間違えだよな?」

ランサー「・・・今この場で、貴様との一対一の決闘を申し込む」

ランサー「構えろ、アーチャー・・・」スッ・・・
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 22:37:10.47 ID:DRqFub4/0
アーチャー「・・・・・・・・」

アーチャー「図に乗るなよ・・・雑種風情が・・・」

アーチャー「決闘だと・・・?何を言っているのだ」

アーチャー「これより行われるのは、一方的な殺戮・・・」

アーチャー「闘いなどという高潔なものではなく、ただの処理だ」

アーチャー「ランサー・・・貴様、死んだぞ?」

ランサー「フッ・・・それはどうかな?」

アーチャー「あぁ・・・もう喋るな」

アーチャー「今すぐ黄泉へ送ってやる」

アーチャー「・・・凄惨な死を覚悟しておけ」

ランサー(・・・・・・・)
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 22:39:13.14 ID:DRqFub4/0
―――――
9時間前 ホテル

ランサー「主よ、アーチャーとの決闘を了承して頂きたい」

ケイネス「・・・馬鹿な・・・」

ケイネス「そんなもの・・・!了承できるものか!!!!」

ケイネス「血迷ったか!?ランサー!!!!」

ランサー「・・・・・そう言われることも、覚悟の上での発言です」

ランサー「それでも、今の私には・・・」

ランサー「ただ、頼むしか・・・ただそれだけしか、術を知りません」

ランサー「どうか・・・ご理解頂きたい・・・我が主・・・」

ケイネス「ならん!!!!!」

ケイネス「貴様とアーチャーの実力差は歴然!」

ケイネス「その様なことをすれば・・・!むざむざ死にに行く様なものだ!!!!」

ケイネス「犬死したいのか!?貴様は・・・!」
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 22:41:14.03 ID:DRqFub4/0
ケイネス「誰がそんなことを・・・!」

ソラウ「行かせてあげなさい、ケイネス」

ケイネス「ソラウ・・・!?」

ソラウ「彼は戦いを求めている。なら、行かせるべきよ」

ケイネス「馬鹿な・・・!?それでは・・・我がアーチボルトの悲願はどうなる!?」

ケイネス「この時の為に・・・私がどれ程の苦労と財を費やしたと・・・!」

ソラウ「ケイネス」

ソラウ「・・・ケイネス、忘れたの?ランサーの今のマスターは私」

ケイネス「!!!!」

ソラウ「決定権は、私にあるのよ」

ソラウ「それにね、ケイネス。私、本当はアーチボルトの悲願とか興味ないの」

ソラウ「知ってた?」

ケイネス「な・・・・・」

ソラウ「・・・行きなさい、ランサー」
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 22:43:44.97 ID:DRqFub4/0
ランサー「しかし・・・ソラウ殿・・・」

ソラウ「令呪を持って命じます」コォォォォォ……


ソラウ「ランサー、自分の心に従いなさい」


ケイネス「・・・・・な・・・・・・」

ケイネス「・・・・・・なんて・・・・ことを・・・・」

ランサー「・・・ソラウ殿・・・・」

ソラウ「ランサー、貴方、後悔したくないんでしょう?」

ランサー「・・・・・・・・・・」

ソラウ「なら、行きなさい」

ソラウ「この日の為に、今まで職も探さず、魔力を出来る限り温存していたんでしょ?」

ランサー「・・・・・・・・・・」

ソラウ「行って・・・貴方なりの答えを見つけてきなさい」

ソラウ「主として、命令します」
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 22:45:02.06 ID:DRqFub4/0
ランサー「・・・・・・・・・・」

ランサー「ありがとう・・・・ソラウ殿」

ランサー「それでは・・・このディルムッド、闘いに挑ませて頂く」

ランサー「そして・・・」

ランサー「ソラウ殿・・・そして我が主・・・」

ランサー「必ずや・・・貴方方に勝利を・・・」

ランサー「勝利と、栄光を約束いたします・・・」

ソラウ「ランサー・・・・・」ウットリ

ケイネス「・・・・・・・・・」
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 22:46:33.85 ID:DRqFub4/0
―――――
その後

ケイネス「ばかな・・・そんな・・・ばかな・・・」ブツブツ

ソラウ「・・・・・・」

ソラウ「・・・ケイネス、哀れな人・・・」

ソラウ「男として生まれたくせに・・・男の誉れを忘れた、可哀想な人・・・」

ケイネス「・・・・・・・・・」

ソラウ「覚えておくといいわ、ケイネス」

ソラウ「あれが本当の男というものよ」

ケイネス「・・・・・・・・・」

ソラウ「貴方もあそこまで命をかけられる男だったら、私も惚れていたかもね」

ケイネス「・・・・・・・・・」

ソラウ「それじゃ、私行くから」

ソラウ「さようなら、ケイネス」


キィィィィ……


パタン…


ケイネス「・・・・・・・」

ケイネス「私は・・・・アーチボルト家の・・・・」

ケイネス「・・・・・・・」
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/23(土) 22:48:42.41 ID:DRqFub4/0
―――――
冬木教会

アーチャー「今生への別れは済ませたか?」

アーチャー「目障りだ、さっさと終わらせるぞ」

ランサー「・・・それはどうかな?」

アーチャー「・・・・・・・」

ランサー「貴様には理解できまい、この・・・俺から溢れ出る力の正体を」

ランサー「仲間という絆を知らず、ただ一人、玉座に座っていただけの貴様が・・・」

ランサー「この俺に・・・勝てる訳がないのだ。英雄王よ」

アーチャー「・・・言いたいことはそれだけか?」

ランサー「・・・・・・・・」

アーチャー「ならそれを遺言とする」

アーチャー「・・・死ね」

ランサー「・・・名乗ろう、我が名はディルムッド・オディナ」

ランサー「いざ・・・参る!」




第7話 桃園の誓い

−??:??:??


次回 愛をとりもどせ!!

134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/23(土) 22:50:47.89 ID:DRqFub4/0
ではまた来週
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/06/23(土) 22:55:07.06 ID:F0up2KZro

俺も魔翌力を貯める為に無職してるんだぜ
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/24(日) 00:25:45.30 ID:cVqe1j+bo

ギルに特攻とか職探しに疲れたランサーが死に場所を求めているようにしか見えない
嘘だと言ってよランサー
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/24(日) 00:29:05.18 ID:KEiBz80Co
ランサー→魔翌力温存のため
アーチャー→我が社長だ
ライダー→肉体労働とはいいものだ
キャスター→マスターが働いておられますし
バーサーカー→理性がないのに働ける訳があるまい
アサシン→空気に永久就職


あれ?本気で職見つからないのセイバーだけじゃね?
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/24(日) 00:46:11.29 ID:cVqe1j+bo
セイバー→五次の為に魔翌力温存
セイバー(五次)→供給ないから温存

生涯NEET
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/24(日) 00:52:35.99 ID:Sd+TKowNo
乙 最初から、真面目に職を捜さず適当に主を欺いてたのが男か・・・恋は盲目なり。先生哀れ
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/24(日) 17:38:09.96 ID:iU5pnczt0
>>1です

Fate/Zero 良い最終回でしたね。

今日は録画しておいたプリキュアとフォーゼを見たいのでお休みします

サザエさんが終われば魔の月曜ですが、頑張りましょう。それでは
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/06/25(月) 01:03:51.14 ID:Cl4qPI3AO
>>139
全部あのコケティッシュな泣きぼくろがあかんのや……
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/25(月) 18:06:09.90 ID:lj3gOfBc0
第八話 愛をとりもどせ!!
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 18:07:29.23 ID:lj3gOfBc0
―――――
朝 例のファミマ

ピロリロリロ〜ン ピロロロロ〜ン♪

藤村「あ、いらっしゃいませ〜♪」

斉藤「いよっ」

藤村「何だ、斉藤さんか・・・」

斉藤「何だって・・・お前・・・」

斉藤「俺、客だぞ・・・?」

藤村「はいはい、いらっしゃいませー」棒読み

斉藤「可愛くねぇ奴・・・」

藤村「っていうか、来るの久しぶりだよね」

斉藤「そういやそうだな」

斉藤「ここんとこ、色々と立て込んでたからなぁ」

藤村「斉藤さんが忙しい姿とか・・・想像できないなぁ」
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 18:08:37.94 ID:lj3gOfBc0
藤村「本当にパイロットなの?」

斉藤「お、お前・・・何て失礼な事を・・・」

斉藤「・・・ちゃんと働いてますよ・・・こう見えて」ハァ

藤村「冗談だよ〜」ニヤニヤ

藤村「いつも日本の空を守ってくれてありがとうございます♪」ニコッ

斉藤「ったく・・・」

斉藤「・・・・・・・」

藤村「ん?どしたの?」

斉藤「・・・・・大河」

藤村「何?」

斉藤「俺さ、パイロット辞めたんだわ」

藤村「・・・え・・・」

斉藤「まぁ、一身上の都合ってやつだ」

斉藤「別に、クビとかじゃねーからな。勘違いすんなよ?」

藤村「・・・・・・」
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 18:09:50.41 ID:lj3gOfBc0
斉藤「・・・あー、その・・・何だ・・・」

藤村「じゃあ・・・これからどうするの?」

斉藤「実家に戻ろうと思ってる」

斉藤「そこで、まぁ・・・畑仕事でもするかな」

藤村「実家って・・・どこだっけ・・・」

斉藤「新潟」

藤村「・・・新潟・・・」

斉藤「・・・チッ・・・だから言いたくなかったんだよ・・・」

斉藤「・・・そんな顔すんなって、大河」

藤村「べ・・・別に変な顔とかしてないし!」

斉藤「そうかよ」

藤村「・・・・・・・」

藤村「斉藤さん・・・いつか、こっち戻ってくるの?」

斉藤「・・・・・・・」

藤村「・・・・・戻ってこないんだね」
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 18:10:50.02 ID:lj3gOfBc0
斉藤「・・・大河、何かあったか?」

藤村「・・・・・・・」

斉藤「辛そうな顔してるぞ」

藤村「・・・・・別に」

斉藤「・・・・・・・」

斉藤「大河」

藤村「・・・何?」

斉藤「そんな風に下ばっか見てたって、良いことないぞ」

斉藤「上を向いて、自分の足で立って歩け」

斉藤「みんなそうやって、子供から大人になってきた」

藤村「・・・・・・・」

斉藤「お前はもうガキじゃない」

斉藤「ちゃんとした・・・一人の大人だよ」

藤村「・・・・そんなことないよ」
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 18:12:00.11 ID:lj3gOfBc0
斉藤「・・・大河、俺はな」

斉藤「俺には・・・もう、畑を耕す位しかできることがない」

斉藤「でもな、お前は違う」

藤村「・・・・・・・」

斉藤「お前は若く、そして・・・誰よりも強い」

藤村「・・・そんなことないよ」

藤村「私・・・・もう・・・・分かんなくなっちゃった」

斉藤「・・・・・・・」

藤村「自分が何をすればいいのか・・・どうすれば生きていけるのか・・・」

藤村「・・・分かんないよ」

斉藤「・・・・・・・」

斉藤「・・・こういう時、大人のズルイところはな」

藤村「え?」
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 18:14:43.94 ID:lj3gOfBc0
斉藤「それは自分で考える事だ」

斉藤「・・・って言って突き放しちゃえるところだ」

藤村「・・・・・・・」

斉藤「・・・大河」

斉藤「お前の前には、今、無限の可能性が広がっている」

斉藤「分からない事ばかりで、混乱するだろう。不安にもなるだろう」

斉藤「でもな、それでもみんな、生きてるんだよ」

斉藤「みんな・・・そうやって今まで生きてきた」

斉藤「だから、自分だけ辛いとか、そんな被害者意識は捨てろ」

藤村「・・・・・・・・」

斉藤「お前の人生なんだ、お前の好きにすればいい」

斉藤「自分を生かすも殺すも、お前次第なんだよ」

斉藤「だから・・・生きろ、大河」

藤村「・・・・・・・・」
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 18:16:11.32 ID:lj3gOfBc0
斉藤「これから先、生きてて辛いことばかり起こるだろうし、死にたくなる様な事も沢山あるだろうな」

斉藤「それでも、生きろ」

斉藤「まぁ・・・生きてりゃその内良いことある」

斉藤「俺は今まで・・・そうやって生きてきた」

藤村「・・・斉藤さん」

斉藤「じゃあな大河、そろそろ行く時間だ」

斉藤「春になったら大根でも送ってやるよ」

藤村「・・・・・・・」


ピロリロリロ〜ン ピロロロロ〜ン♪


藤村「・・・ッ・・・斉藤さん!!!!」

斉藤「・・・・・・・・」ピタッ
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 18:17:06.86 ID:lj3gOfBc0
藤村「・・・ありがとう!!!!」

藤村「私・・・私がんばるから!!!!」

藤村「だから・・・斉藤さんもがんばって!!!!」

斉藤「・・・おう、ありがとよ」

斉藤「じゃあな、また会おうぜ」


ガーッ……(扉が閉まる音)


藤村「・・・・・・・」

藤村「・・・ご来店・・・ありがとうございました」

藤村「またね・・・斉藤さん」

151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 18:20:05.77 ID:lj3gOfBc0
―――――

そこは・・・地獄だった

戦いに終わりはなく、ただ互いの血で血を洗う様な戦争が

ここではもう、10年も続いているらしい

どちらに正義があり、どちらに非があったのか

そもそもこの戦いの発端は、何だったのか・・・

もう、誰にも分からなくなっていた・・・



切嗣「・・・・・・」



「また辛気臭い顔してんなぁ、キリツグ」


152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 18:22:05.09 ID:lj3gOfBc0
切嗣「・・・ヤンか」

ヤン「そんな顔してると、生き残れるもんも生き残れねーぞ?」

切嗣「・・・どんな顔してようが、死ぬ時は死ぬさ」

切嗣「この世に・・・神などいない」

ヤン「うわぁ・・・ウチのお袋が聞いたら卒倒するぜ、その発言」

ヤン「そもそも、この内戦自体宗教戦争だろ?全否定かよ」

切嗣「・・・聖人だろうと、浮浪者だろうと、流れ弾に当たれば死ぬ」

切嗣「人なんて所詮、その程度の生き物だよ」

ヤン「はいはい、そうですか・・・」

切嗣「・・・・・・」

ヤン「まったく・・・リアリスト気取るのもいいけどな、そんな生き方してたら辛いだけだぜ?」

切嗣「・・・・・・」
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 18:23:57.16 ID:lj3gOfBc0
ヤン「・・・あのなキリツグ」

ヤン「お前ら日本人っていうのがさ、一つの神に入れ込まないのは知ってるよ」

ヤン「何だっけ・・・ヤオヨロズ・・・だっけ?まぁ、どうでもいいや」

ヤン「とにかくだ、お前が神を信じないっていうのは分かったよ」

ヤン「でもな、少なくとも、この国の子供達は神を信じている」

切嗣「・・・・・・」

ヤン「縋るもののない世界で、彼らは必死に生きたいと願っている」

ヤン「目に見えない、神という存在が起こす奇跡を信じて・・・な」

ヤン「だから・・・この国には神がいないだなんて・・・」

ヤン「そんな・・・寂しいことは言うな」

切嗣「・・・すまなかった」

切嗣「最近・・・少し自棄になってたかもしれない」
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 18:25:49.66 ID:lj3gOfBc0
ヤン「・・・まぁ、気持ちは分かるさ」

ヤン「毎日こんなところにいれば、心が腐るのも無理はない」

ヤン「でも・・・希望は捨てちゃ駄目だ」

切嗣「・・・・・・」

ヤン「何もかも諦めた時、人間は本当の意味で死ぬ」

ヤン「そうなってしまったら、たとえ心臓が動いてようと、もう助からん」

ヤン「だから・・・お前はそうなるな、キリツグ」

切嗣「ヤン・・・」

ヤン「俺は、お前に生きてほしいと思うよ」

ヤン「こんな地獄とはいえ、折角出来た友達だからな」

ヤン「だから、死ぬなキリツグ」

ヤン「生きてりゃその内、いいことあるって」二カッ
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 18:28:13.08 ID:lj3gOfBc0
切嗣「・・・・・・・」

切嗣「・・・・はははっ・・・・」

切嗣「君は、本当に素直な奴だな」

切嗣「言葉にいちいち嘘がない」

ヤン「お前ら日本人は、逆に嘘が多すぎるんだよ」ハハハ...

切嗣「はははっ・・・違いない」

切嗣(・・・・・・)

切嗣「・・・ヤン、僕も、君には死んでほしくないと思うよ」

ヤン「あ〜、そういうのやめろ。男に言われても嬉しくないからな」

切嗣「僕には言ったじゃないか」ハハハ…

ヤン「いんだよ、細けぇことは・・・」




僕はその日、随分久しぶりに笑った


こんな地獄で笑うことなんて、もう、絶対に無いと思っていたのに


でも・・・結局、それが最後だった
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 18:29:58.38 ID:lj3gOfBc0
―――――

「はい、その地点で間違いありません」

「・・・えぇ、明日、そちらへ向かう予定です」

「えぇ・・・分かっています」

「・・・はい」

「全ては・・・清浄なる世界のために・・・」

「はい・・・それでは」


...ガガッ


「・・・・・・・」



ドンッッッ!!!!




「!?」



...どさぁ.......


157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 18:31:35.84 ID:lj3gOfBc0
「・・・・・・・」

「・・・やぁ、君か・・・」



「・・・キリツグ・・・」



切嗣「・・・・・・」

切嗣「できれば、君を殺したくはない・・・ヤン」

ヤン「あぁ・・・俺も・・・これ以上撃たれたくないなぁ」

ヤン「でも・・・撃つんだろ?」

切嗣「・・・あぁ・・・」

ヤン「・・・いつから分かってた?」

切嗣「・・・・・・」

切嗣「・・・今日の会話・・・」
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 18:33:31.42 ID:lj3gOfBc0
切嗣「君は、僕が日本人だと言った」

切嗣「僕が日本人だということは、部隊の誰にも言ってない筈だ」

切嗣「チャイニーズか、若しくはコリアンかもしれないのに」

切嗣「何故か君は、僕を日本人と決めつけ、八百万の話まで持ち出した」

ヤン「・・・・・・」

切嗣「アジア系は全て日本人って偏見か?」

切嗣「・・・違うな」

切嗣「知っていたからだ」

切嗣「僕の正体が、日本人の傭兵・・・」

切嗣「・・・衞宮切嗣だということを」

ヤン「・・・・・・」

切嗣「・・・加えて、君は中国系だ」

切嗣「なら、そんな偏見はあり得ない」

切嗣「間違っても、日本人などと、自分たちを間違える筈がない」

切嗣「・・・誇りがあるからな」

切嗣「自分たちは、日本人よりも優れているという自負が・・・ね」

ヤン「・・・・・・・」
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 18:35:34.14 ID:lj3gOfBc0
ヤン「・・・君は、この世界じゃ有名人だよ」

ヤン「殺しの為なら・・・手段を選ばない、冷徹な殺し屋・・・」

ヤン「キリツグ・・・エミヤ・・・」

切嗣「・・・・・・」

ヤン「・・・・・・」

ヤン「短い間ではあったが、まぁ・・・楽しかったよ」

ヤン「・・・あばよ、キリツ」


ドンッッッ!!! ドンッッッ!!!


ドンッッッ!!!


・・・・・・・・



切嗣「・・・・・・・・」

切嗣「・・・・・・・・」

切嗣「・・・僕は・・・」



僕は・・・神を信じない・・・



この世に・・・神など、いない
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 18:37:04.90 ID:lj3gOfBc0
―――――
衞宮邸 切嗣の自室

切嗣(・・・・・・・)

切嗣(・・・何分寝ていた・・・?)

切嗣(・・・・・・・)

切嗣(・・・結局のところ・・・繰り返し・・・)

切嗣(何度信じようと、何度愛そうと・・・)

切嗣(・・・最後は・・・裏切られる)

切嗣(・・・だったら、もう、信じない)

切嗣(世界も・・・神も・・・)

切嗣(・・・・・何も・・・・・)

切嗣(・・・・・・)


コンコンッ


切嗣「・・・入れ」
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 18:39:52.78 ID:lj3gOfBc0


ガチャッ…


舞弥「切嗣」

切嗣「報告だな?」

舞弥「・・・はい」

舞弥「昨夜、冬木教会の前にて、サーヴァントによる戦闘が確認されました」

切嗣「・・・相手は?」

舞弥「アーチャーと、ランサーです」

切嗣「・・・そうか」

切嗣「それで、どちらが勝った?」

舞弥「・・・・・・」

舞弥「ランサーは・・・敗北」

舞弥「消失が・・・確認されました」

切嗣「・・・そうか」
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 18:41:43.53 ID:lj3gOfBc0
切嗣「これで残るサーヴァントは4体・・・」

切嗣「セイバー、アーチャー、ライダー・・・」

切嗣「そして、バーサーカー・・・」

舞弥「・・・いよいよ、終結が見えてきましたね」

切嗣「・・・だな」

切嗣「・・・・・・」

舞弥「・・・・・・」

切嗣「・・・舞弥」

舞弥「何でしょう」

切嗣「・・・セイバーにも、この事を教えてやれ」

舞弥「・・・・・・」

舞弥「・・・・切嗣」
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 18:42:47.42 ID:lj3gOfBc0
切嗣「何だ」

舞弥「セイバーは・・・既に知っています・・・」

舞弥「ランサーが・・・敗れた事を・・・」

切嗣「・・・・・・」

舞弥「今朝、征服王がやってきまして」

舞弥「それを対応した際に・・・セイバーは、その事を聞いた様です」

切嗣「・・・そうか」

切嗣「なら君は、任務に戻ってくれ」

切嗣「僕もこの後は仕事がある、お互い行動に移るぞ」

舞弥「・・・了解」
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 18:44:13.23 ID:lj3gOfBc0
―――――
衛宮邸 セイバーの部屋


コンコンッ


セイバー「む、どうぞ」


ガチャッ


セイバー「舞弥か、何か用でも?」

舞弥「・・・いえ」

セイバー「・・・・・?」

舞弥「・・・セイバー」

セイバー「何だ?」

舞弥「その・・・ランサーのこと・・・」

セイバー「・・・あぁ、それか・・・」

舞弥「・・・ごめんなさい、やっぱり・・・無神経よね・・・」

セイバー「そんなことはないよ」

舞弥「・・・・・・・」

セイバー「心配してくれて、素直に嬉しい」

セイバー「ありがとう、舞弥」

舞弥「・・・セイバー・・・」
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 18:45:38.92 ID:lj3gOfBc0
セイバー「・・・奴のことだ」

セイバー「きっと・・・誇り高い最期だったに違いない・・・」

セイバー「なら・・・それでいい」

舞弥「・・・・・・・」

舞弥「・・・セイバー」

セイバー「む?」

舞弥「・・・切嗣は・・・」

舞弥「切嗣は・・・貴方を気遣ってました」

セイバー「・・・・・そうか」

セイバー「嘘でも、嬉しいよ」ニコッ

舞弥「嘘じゃないわ」

セイバー「・・・・・・・」

舞弥「嘘だったら・・・わざわざ私は、ここに来たりしない」

舞弥「だって・・・私は・・・切嗣の意思でしか動かないから」

セイバー「・・・・・・・」
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 18:47:11.81 ID:lj3gOfBc0
セイバー「・・・舞弥」

舞弥「何?」

セイバー「貴方は・・・素敵な女性だ」

舞弥「・・・・・・」

セイバー「優しく、暖かで・・・」

セイバー「どこか・・・アイリスフィールに似ている気がする」

舞弥「私が・・・マダムに・・・?」

舞弥「・・・・・・」

セイバー「とにかくありがとう、舞弥」

セイバー「これで今日の面接も、迷う事無く行ける」

舞弥「面接?」

セイバー「あぁ、今日は、ある会社で面接があるのだ」

セイバー「私の・・・もう一つの戦いだな」

舞弥「・・・そう・・・」
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 18:49:21.65 ID:lj3gOfBc0
―――――
衛宮邸 玄関

アイリ「頑張ってね、セイバー」

セイバー「はい、アイリスフィール」

舞弥「・・・・・・・」

アイリ「ちゃんと定期持った?ネクタイは曲がってない?」

セイバー「だ、大丈夫ですよ・・・」

アイリ「そう、なら、行ってきなさい」ニコッ

セイバー「はい」


ガラッ


セイバー「アイリスフィール」

セイバー「私は、必ずや勝利してきます」

セイバー「貴方や・・・皆の為にも」

アイリ「セイバー・・・・」

セイバー「行って参ります」

アイリ「・・・・・・・・」
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 18:51:01.38 ID:lj3gOfBc0
アイリ「・・・セイバー!」

セイバー ピタッ

アイリ「あなたに、勝利を・・・!」

セイバー「アイリスフィール・・・」

セイバー「・・・ははっ、いつもと逆ですね」

アイリ「・・・頑張ってね」ニコッ

アイリ「行ってらっしゃい」

セイバー「行ってきます」


ガララッ………

ピシャッ


アイリ「・・・・・・・」
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 18:53:08.55 ID:lj3gOfBc0
舞弥「・・・いいのですかマダム」

舞弥「これから戦いが激化するというのに・・・この様なことをしていて」

アイリ「いいのよ、舞弥さん」

アイリ「これも、あの娘には必要な戦いだもの」

舞弥「・・・・・・・・」

アイリ「そして・・・・」

アイリ「・・・・・・・」

舞弥「・・・・マダム?」




ふらっ………





…………どさっ




舞弥「!?」

舞弥「ま…………マダム!!!!」
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 18:55:29.68 ID:lj3gOfBc0
―――――
遠坂邸 時臣の自室

時臣「お話とは何でしょう、英雄王」

アーチャー「何・・・大したことではないさ」

アーチャー「この我の会社・・・バビロンを貴様に預ける」

時臣「・・・・・今、何と?」

アーチャー「二度言わせるな・・・預けると言ったのだ、貴様に」

時臣「・・・どういった心境の変化で?」

アーチャー「何、簡単なこと」

アーチャー「これから、聖杯戦争の方が忙しくなりそうだからな」

アーチャー「単純に・・・仕事の方に割く時間が惜しい、というだけだ」

時臣「・・・・ですが」

アーチャー「貴様の意見は聞いていない」

時臣「・・・・・・」

アーチャー「これは決定事項なのだよ。時臣」

アーチャー「・・・不服そうだな?」

時臣「いえ、滅相も御座いません」
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 18:57:47.76 ID:lj3gOfBc0
時臣「しかし、聖杯に集中するというのであれば」

時臣「仮にもマスターである、私が不在という事態は・・・」

アーチャー「問題ないさ」

時臣「・・・・・・・・」

アーチャー「貴様も、我の固有スキルは知っているだろう?」

アーチャー「本来、貴様の存在など、この戦いにおいては必要の無いくらいだ」

アーチャー「貴様は・・・この我に魔力を供給してさえいれば、それで事は足りる」

アーチャー「だったらさっさと隠居でもして、その身を守っているがいい」

アーチャー「我が社の・・・社長室でな」

時臣「・・・・・・・・・」

アーチャー「・・・どうした?」

アーチャー「返事が聞こえないようだが?」

時臣「了解致しました、英雄王」

アーチャー「・・・フンッ、それでいい」ニヤァ

アーチャー「ではな時臣」

アーチャー「次は・・・聖杯の前で会おうぞ」

アーチャー「...ハハハハハハハハハハハッ!!!!!!」


サラサラサラサラサラ……

サラサラ……


時臣(・・・・・・・)
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 18:59:38.37 ID:lj3gOfBc0
―――――
遠坂邸 客間

綺礼「えぇ・・・そうです」

綺礼「はい、私はこの後に行く場所があるので」

綺礼「えぇ・・・それでは」


ガチャン……(受話器置いた)


綺礼「・・・・・・・」


ガチャッ


時臣「すまない、待たせたな、綺礼」

綺礼「いえ、お気になさらず」

時臣「誰かに電話していたのか?」

綺礼「えぇ・・・仕事の関係です」

時臣「そうか。まぁ、そんな事はどうでもいいな」

時臣「君を呼んだのは他でもない」
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 19:01:23.93 ID:lj3gOfBc0
時臣「ある物を、君に渡したかったのだ」

綺礼「ある物・・・?」

時臣「そこに座りたまえ」

綺礼「・・・・・・・・」


ギッ……(座った)


時臣「これだ」


スッ・・・


綺礼「・・・これは」

時臣「アゾット剣だよ」

綺礼「・・・・・・・」

時臣「それは、遠坂の魔道を納め、見習いの過程を終えた事を証明する品だ」

時臣「これを君に託す」

綺礼「私に・・・・?」

時臣「これを渡すということは・・・結果的に、君を縛るということになるのかもしれない」

綺礼(・・・・・・・・)
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 19:02:37.15 ID:lj3gOfBc0
時臣「私は、君に今後とも、遠坂との縁故を保ってほしいと思う」

時臣「師として、弟子である君に頼みたい」

時臣「・・・兄弟子として、凛の面倒を看てやってほしい」

綺礼「・・・・・・・・」

時臣「これを」


スッ……


綺礼「これは・・・」

時臣「簡略ではあるが、遺言状の様なものだ」

時臣「万が一、ということも考えておくべきだと思ってね」

綺礼「・・・・・・・」

時臣「凛に、家督の全てを譲る旨の署名と・・・」

時臣「後継人として、君を指名しておいた」

綺礼「・・・・・・・」
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 19:04:46.41 ID:lj3gOfBc0
綺礼「・・・お任せを」

綺礼「御息女については、責任を持って見届けさせて頂きます」

時臣「・・・そうか」

時臣「ありがとう・・・綺礼」

綺礼「・・・・・・・」

綺礼「至らぬこの身に、重ね重ねのご厚情・・・感謝の言葉もありません。我が師よ」

時臣「君にこそ感謝だ、言峰綺礼」フッ…

綺礼(・・・・・・・)

時臣「私は今後、英雄王より賜りし仕事がある」

時臣「これで、其方に集中することが出来そうだよ」

綺礼「・・・それは何よりです」

時臣「・・・もうこんな時間か」

時臣「長く引き止めてしまって申し訳なかったな」

時臣「私はもう行かなくてはならない」スッ…(立ち上がる)

時臣「突然の辞令だったからな、仕事に間に合えばいいが・・・」

綺礼(・・・・・いえ・・・・・)

綺礼(その心配は要りません・・・・我が師よ・・・・)
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 19:06:59.49 ID:lj3gOfBc0
―――――
同刻 遠坂邸 外

雁夜(・・・・・・・・)

雁夜(遠坂・・・時臣・・・・)

雁夜(今日こそ・・・奴の息の根を・・・)

―――――
前日 冬木教会 一室

綺礼「つまりは奇襲だよ」

雁夜「・・・・・・・・」

綺礼「明日、遠坂家からは人が出払う予定だ」

綺礼「遠坂時臣が今後の戦いを見越して、家族を非難させる為だ」

雁夜「・・・・・・・・」

綺礼「そして・・・それに伴い、屋敷の結界も解除されるだろう」

雁夜「・・・万が一にも、解除されていない可能性もある」

綺礼「それはないよ」

綺礼「あの結界は元々、遠坂家に住む、遠坂時臣以外の人間を守る為に設置されたもの」

綺礼「家族も消え、一人で待ち構える身とあらば・・・」

綺礼「結界を張る必要もない」

雁夜「・・・・・・・・・」
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 19:09:12.29 ID:lj3gOfBc0
綺礼「万が一の事態には、直ぐ傍に居るサーヴァントを呼べば済む話でもあるし」

綺礼「何より、私という守護者が近くにいるのだ」

綺礼「多少の油断はする筈」

雁夜「・・・・・・・・・」

綺礼「この話は、遠坂時臣のサーヴァントも了承済みの事だ」

雁夜「何?」

綺礼「あの英雄王は、自身の主に相当の嫌気が差しているようだ」

綺礼「それは、この間の未遠川での戦いでも分かっただろう?」

綺礼「何よりも聖杯の品位を重んじる遠坂が、場を乱すキャスターを傍観しているという矛盾・・・」

綺礼「あの様子からも、何となく察しはつくと思うが?」

雁夜「・・・・・・・・」

綺礼「それに、あのプライドの高い王のこと・・・」

綺礼「己のマスターを見限るというのも・・・分からない話じゃない」

雁夜(・・・・・・・)
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 19:15:44.62 ID:lj3gOfBc0
雁夜「なら・・・お前が殺せばいいじゃないか」

綺礼「・・・・・・・・」

雁夜「何故自分でやろうとしない?」

綺礼「・・・言った筈だ」

綺礼「私は神の僕・・・殉教者だ」

綺礼「その様な身で、師を殺す様な真似をすれば・・・」

綺礼「私は、永久に煉獄を彷徨う事になろう」

綺礼「君は正に、地獄に垂らされた蜘蛛の糸・・・という訳だ」

雁夜「・・・・・・・」

綺礼「間桐雁夜、私はな」

綺礼「私は・・・師(ちち)殺しになどなりたくはないのだよ」

綺礼「結果的に師を裏切る事になろうとも・・・」

綺礼「自ら手を下すのと、間接的に手を下すのは雲泥の差・・・」

綺礼「だからこその君なのだよ、間桐雁夜」

綺礼「御理解頂けたかな?」
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 19:17:07.75 ID:lj3gOfBc0
雁夜「・・・・・・・・」

雁夜「・・・いいだろう」

雁夜「やってやろうじゃないか・・・」

綺礼「それはなにより・・・」フッ…

綺礼「私が中から君をサポートする」

綺礼「後は、君が例の作戦通りに行動すれば・・・」

綺礼「成功は容易い」

雁夜「・・・・・何故だ」

綺礼「何かな?」

雁夜「何故貴様は・・・遠坂時臣を死なせようとする」

雁夜「その理由を・・・まだ聞いていない」

綺礼「・・・・・・・・」

雁夜「奴は・・・貴様にとっての師なんだろ」

雁夜「それなのに何故!俺に協力してまでこんなことを・・・・!」
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 19:17:49.42 ID:lj3gOfBc0
綺礼「・・・簡単なことだよ」

綺礼「私は・・・ただ、許せなかったのだ」

綺礼「・・・遠坂桜・・・」

綺礼「あの様な幼い子供を・・・間桐の家に沈める所業・・・」

綺礼「決して・・・許されることではない・・・」

雁夜(・・・・・・)

綺礼「結局のところ、君と動機は一緒だ」

綺礼「・・・話はこれで終わりだ」

雁夜「・・・・・・・」

綺礼「・・・それでは、計画の成功を祈る」
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 19:20:35.97 ID:lj3gOfBc0
―――――
遠坂邸 外

雁夜「・・・・・・・」

雁夜「・・・バーサーカー」


ズズズズズズズズ……


バーサーカー「・・・・・・・」

雁夜「・・・手筈通りだ」

バーサーカー((・・・了承した))


ウニョウニョウニョウニョウニョ……


雁夜「・・・・・・・」

凛((・・・これでいいか?))

雁夜「・・・・・あぁ」

雁夜(・・・遠坂・・・時臣・・・!)

雁夜(この様な手を使わざる得ないのも・・・全て・・・貴様が悪いんだ・・・!)

雁夜(貴様の様な鬼畜には・・・相応の最期を迎えさせてやる・・・!)

凛((・・・・・・・・・・))
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 19:21:51.84 ID:lj3gOfBc0
凛((・・・・・いい表情だ))

凛((中々どうして、いい表情(かお)が出来る様になったではないか))

凛((主よ))

雁夜「・・・黙ってろ」

凛((おぉ、怖い怖い・・・))

凛((また令呪を使って黙らされるのは御免だ))

凛((素直に口を噤むとしよう))

雁夜「・・・・・・・・・」

雁夜「・・・・・令呪を持って命ずる」コォォォォオォォォォ……

雁夜「バーサーカーよ、遠坂時臣を・・・」

雁夜「必ず・・・殺せ」

凛((・・・了承した))
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 19:23:05.24 ID:lj3gOfBc0
雁夜「加えて令呪を持って命ずる・・・」コォォォオォォォ……

雁夜「バーサーカーよ・・・・」

雁夜「遠坂時臣に・・・この世で最も・・・」

雁夜「・・・惨めな死を・・・!」

凛((・・・・・・・))

凛((・・・了承した))

凛((ではな・・・主よ・・・))


ズズズズズズズ……

ズズ……


雁夜「・・・・・・・・」

雁夜「全て・・・お前のせいだ・・・」

雁夜「遠坂・・・時臣・・・!」ギリッ!
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/25(月) 19:25:16.18 ID:lj3gOfBc0
では後ほど
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/25(月) 19:37:07.26 ID:Z+sqInUpo
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 20:23:03.71 ID:lj3gOfBc0
―――――
遠坂邸 邸内

凛(・・・・・・)

凛(・・・・さて)

凛(あの神父の話では・・・目標は客間に釘付けにしておくとのこと・・・)

凛(事前に渡された見取り図によれば・・・客間は・・・)

凛(・・・あそこか)

凛(・・・・・・・)

凛(それにしても・・・)

凛(我が主も、流石に人を見る目が無い)

凛(あの様な胡散臭い男を、どうして信用など出来るというのだ?)

凛(・・・あの男の表情・・・・)

凛(・・・奴は・・・恐らく俺と同類・・・・)

凛(・・・ククク・・・)

凛(まぁそれよりも、今はこれだ)

凛(これはこれで、主の後の反応が楽しみではあるからな)

凛(歓喜か・・・絶望か・・・)

凛(それとも、虚無か・・・)スッ…


ガチャッ


凛(・・・・・・・)

凛(・・・・これは)


187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 20:24:48.44 ID:lj3gOfBc0
―――――
遠坂邸 外

雁夜「・・・・・・・」

雁夜(・・・桜・・・)


((主よ))


雁夜(!)

雁夜「バーサーカー・・・」

雁夜「・・・終わったんだな?」

((・・・・・・・・))

雁夜「・・・・・・?」

雁夜「どうした、何故答えない!」

((・・・・・・・・))

雁夜「バーサーカー・・・貴様・・・!」

雁夜「目的を遂行するまでは、連絡するなと言った筈だぞ・・・!」

188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 20:25:50.39 ID:lj3gOfBc0
雁夜「一体何の用で・・・!」

((主よ))

((こっちに来い))

雁夜「・・・!?」

雁夜「・・・どういうことだ?やはり終わらせたのか?」

((・・・何とも説明し難いな))

雁夜「・・・ッ・・・何故そこで言葉を濁す!」

雁夜「目的を遂行したのか!?してないのか!?どっちだ!」

((そう怒鳴るなよ、我が主))

((ただ、口で説明してしまっては))

((貴様が後悔するだろうという・・・俺なりの配慮だよ))

雁夜「何・・・!?」

((いいから今すぐ邸内の客間に来い))

雁夜「おい!?バーサーカー!おい!」

雁夜「・・・・・・・」

雁夜「・・・ックソ・・・!どういうことだ・・・!?」

雁夜「・・・何が起こっている・・・!?」

189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 20:31:37.39 ID:lj3gOfBc0
―――――
遠坂邸 邸内

凛「雁夜おじさん!よく来たわね!」

雁夜「!?」

雁夜「・・・・貴様・・・!殺すぞ!!」

凛「・・・・・・・」

雁夜「今すぐその姿をやめろ!」

凛((洒落の通じない男だ・・・))


ウニョウニョウニョウニョウニョ……


バーサーカー((・・・というか))

バーサーカー((そんな大きな声を出してもいいのか?))

雁夜「!」

雁夜「・・・貴様・・・!」
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 20:32:26.35 ID:lj3gOfBc0
バーサーカー((おいおいそんなに怒るなよ))

バーサーカー((状況は既に終了している))

雁夜「!」

バーサーカー((遠坂時臣は死んだよ))

雁夜「・・・・・・・・」

雁夜「・・・・・そうか」

バーサーカー((ただし))

バーサーカー((殺したのは、俺じゃないがな))

雁夜「!?」

雁夜「・・・どういう・・・!?」

バーサーカー((百聞は一見にしかず・・・))

バーサーカー((これを見ろ))


ガチャッ・・・・


キィィィィ………


雁夜「・・・・・・・」

雁夜「・・・!?」

雁夜「こ・・・・これは!?」
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 20:33:22.93 ID:lj3gOfBc0


時臣「・・・・・・・・」


バーサーカー((俺が来た時には、既にこの状況だった))

雁夜「貴様・・・!出鱈目を・・・!」

バーサーカー((嘘じゃないさ、こいつの背中をよく見ろ))

雁夜「…!?・・・・な…!」

雁夜「・・・・・剣・・・・・!?」

バーサーカー((俺が持つ剣とは明らかに違うだろう?))

バーサーカー((つまり、俺ではない誰かが・・・))

雁夜「黙れ黙れ黙れぇ!!!!!」

バーサーカー((・・・・・・・・))

雁夜「嘘だ・・・こんなこと・・・」

雁夜「それじゃ・・・・俺は・・・・今まで・・・・」

雁夜「・・・・・・何のために・・・・・」

雁夜「この・・・この怒りは・・・何処に向ければいい・・・?」

雁夜「・・・・・・・・・・」

バーサーカー((・・・・・・・・・・))

バーサーカー(・・・・おっと・・・・)

雁夜「一体・・・何故・・・?」



「雁夜・・・・君・・・・?」



192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 20:34:38.94 ID:lj3gOfBc0
雁夜「!?」

葵「ここで・・・何して・・・」

葵「・・・・え・・・・」

葵「・・・・・・・・・」

雁夜「・・・・・何故・・・・・・」

雁夜「あなたが・・・・ここ・・・・・・に・・・・・・・」


葵「・・・・・・・あなた・・・・・・・・」


コツ…コツ…コツ…コツ…



雁夜「………ハッ……!ハッ……!ハッ……!」

葵「・・・・・・・・・」


コツ…コツ…コツ…コツ…


雁夜「………ハッ…ア……!ハァッ……!ハァッ……!」


コツ…コツ…コツ…コ…


葵「・・・・・・・・」
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 20:36:25.12 ID:lj3gOfBc0
雁夜「・・・・・・・違うんだ・・・・・・」

葵「・・・・・・・・・・」

雁夜「・・・・・葵さん・・・・・」

雁夜「・・・・・・違」

葵「満足?」

雁夜「・・・・・・・」

葵「これで・・・聖杯は間桐の手に渡ったも同然ね・・・・」

雁夜「・・・・・・違・・・・・・!」

葵「ねぇ、これで満足した?」

葵「遠坂に恨みをぶつけて・・・私の・・・」


葵「私の・・・大事な人を殺して・・・・・」


葵「ねぇ、…満足?」

雁夜「違う!!俺のせいじゃ!!!」

葵「この期に及んで……!!!!言い訳しないでよ!!!!!」

葵「こんな状況で・・・・あなた以外に・・・・!!!誰がいるっていうのよぉ!!!!!!」
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 20:37:53.87 ID:lj3gOfBc0
雁夜「・・・・ッ・・・・!」

雁夜「もと……元々は!!!!そいつが悪いんだ!!!!!!!」

雁夜「桜を・・・!間桐の家に出すような・・・・!そいつが!」


葵「ふざけないでよぉ!!!!!!!!!」


雁夜「・・・・・あ・・・・・・」

葵「何も知らない癖に・・・この人が・・・どんな想いで桜を・・・」

葵「桜を・・・養子に出したかも知らない癖に・・・!」

雁夜「・・・・・・・・・・・・」

葵「魔道の家ではね・・・次女は・・・予備なのよ・・・・」

葵「一番上が・・・凛が・・・何かあった時の為の・・・・」

葵「その為の・・・備えでしかないの・・・・」

雁夜「・・・・・・・・・」

葵「予備は・・・・長女に何もなければ・・・・不要な存在・・・・」

葵「そうなったら・・・・後は・・・・分かるでしょ・・・・?」

雁夜「・・・・あ・・・・・」

葵「養子に出してでも・・・・生きて・・・・欲しいじゃない・・・!」
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 20:38:45.54 ID:lj3gOfBc0
雁夜「・・・・・あ・・・・・あ・・・・・・」

葵「それも知らないで・・・・自分の身勝手な都合だけで・・・・!」

雁夜「・・・俺は!!!!!」





葵「あんたなんか!!!!!!」







葵「誰かを好きになったことなんて・・・!無い癖にぃ!!!!!!」


196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 20:39:44.26 ID:lj3gOfBc0








好きな人がいたんだ










初めて見たときから・・・今までずっと











197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 20:40:24.17 ID:lj3gOfBc0








ずっと・・・ずっと、好きだったんだ








その人のためなら、どんなことでもできると思っていたのに






198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 20:42:04.88 ID:lj3gOfBc0







なのに












なのに・・・・・







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 20:43:15.56 ID:lj3gOfBc0
―――――
葵「うっ……ひっ……うぅ……!」

葵「あなた………あなたぁ・・・」

雁夜「・・・・・・・・」

葵「何で……どうして……!」

葵「あ……あぁぁあぁぁぁ・・・・・」

雁夜「・・・・・・・・」

葵「う……うぅぅう……」

雁夜「・・・怨んでくれていいよ」

葵「……な…ん……?」

雁夜「怨んでもらっていい」

雁夜「俺は・・・あんたの夫を殺した」

雁夜「だから・・・怨めばいい」

葵「…………………」

雁夜「怨んだところで・・・・何も・・・・」

雁夜「何も・・・・変わらないけどな・・・」


キィィィ…


バタンッ……


葵「う……ぁ………」

葵「あああああぁあああぁっぁああああああああああ!!!!!!!!!」

200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 20:48:05.81 ID:lj3gOfBc0
―――――
隣の部屋

綺礼(・・・・・・・)

アーチャー「・・・まぁ、こんなものか」

アーチャー「初めてにしては、そこそこなのではないか?」チャプ…(ワイン持ってる)

綺礼「・・・お褒めに預かり、光栄の極みだな。英雄王」

アーチャー「・・・どうだ?綺礼よ」

アーチャー「悲鳴を聞きながらの・・・酒の味は?」ニヤァ

綺礼「・・・・・・・・・」

綺礼「・・・酒の味が、これ程までに美味と感じるとは・・・」

綺礼「これは・・・今までの経験には無かったことだ・・・」

アーチャー「それはなにより・・・」

アーチャー「・・・綺礼よ」

アーチャー「それが愉悦だ」
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 20:49:30.26 ID:lj3gOfBc0
綺礼「・・・愉悦・・・」

綺礼「これが・・・・・」

綺礼「・・・地獄の様に熱く、蜜のように甘い。とは」

綺礼「フッ・・・良く言ったものだな・・・」

綺礼「・・・ところでアーチャーよ」

アーチャー「何だ」

綺礼「何故、遠坂時臣に社を任せる様な真似を?」

綺礼「殺すのであれば、意味の無い行為の様に思えるのだが」

アーチャー「ハッ・・・俺なりの手向けだよ」

アーチャー「一時であったとは言え、我が王国の主であったのだ」

アーチャー「あの世で、良い自慢になるだろう?」

綺礼「・・・・・・・」

アーチャー「この我にこれ程までに寵愛されるとは・・・我がマスター時臣も、随分な幸せ者じゃないか」

アーチャー「いや・・・今のマスターは貴様だったな」

アーチャー「頼むぞ?綺礼よ」

アーチャー「この我に、娯楽の隋を見せてくれ」

アーチャー「精々俺を飽きさせるな」
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/25(月) 20:50:40.58 ID:lj3gOfBc0
綺礼「・・・いいだろう」

綺礼「英雄王、もう一つ聞くが・・・」

綺礼「会社はどうするつもりなのだ?」

アーチャー「・・・・・・・・」

綺礼「聖杯戦争も、最早佳境・・・」

綺礼「ならば、会社の経営などに構っている暇はないと思われるが?」

アーチャー「問題ない。この我が居ないところで、潰れる様な社にした覚えは無い」

アーチャー「後の事は、後任に任せてある」

アーチャー「・・・だが」

綺礼「だが?」

アーチャー「今日だけは別だ」

アーチャー「今日は、少し面白い客が来るらしいのでな」

アーチャー「みすみす逃す手はあるまい」

綺礼「・・・・・・・」

アーチャー「聖杯を手にする前に、最後の仕事と行こうじゃないか」

アーチャー「貴様にも手伝ってもらうからな、綺礼」

綺礼「・・・我が王の、仰せのままに」ニヤァ

アーチャー「・・・それでいい」ニヤァ



第八話 愛をとりもどせ!!

−??:??:??


次回 また逢う日まで
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/25(月) 20:52:06.96 ID:lj3gOfBc0
隣の部屋でほくそ笑むこの二人、実は仕掛け人

突然の状況に、これには流石のターゲットも苦笑い

雁夜「まさかあそこで幼馴染が出てくるなんてね」

雁夜「もうあんな目は二度とゴメンだよ(笑)」

という訳でつづく
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/25(月) 20:52:56.58 ID:Z+sqInUpo
乙ダム宣言
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/06/25(月) 22:02:10.95 ID:uoyaTuRSo

葵さん生存ルートか
いや、元々頃してないけどさ
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2012/06/25(月) 22:58:08.71 ID:97T1Vsh/o
ドッキリのために死体を用意とかすごい力の入れようだ
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/25(月) 23:13:06.94 ID:r61KcKPfo
乙!
おまけワロタ(あと一次面接通ったっお)
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/26(火) 00:02:06.00 ID:bDTbv6bTo
このバーサーカー、狂化してる?
普通に意思疎通してるよね
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/26(火) 07:25:48.74 ID:WFM+LPJQ0
>>207
おめでとうございます。この調子でガンガン行っちゃいましょう

>>208
ウチの狂戦士はよく喋ります

再開
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/26(火) 07:26:44.59 ID:WFM+LPJQ0
第九話 また逢う日まで
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/26(火) 07:28:13.74 ID:WFM+LPJQ0
―――――
15時 株式会社バビロン 入り口前

セイバー「・・・・・・・」

セイバー(遂に・・・この時が来た)

セイバー(アイリスフィール、切嗣、舞弥、ランサー、ライダー・・・)

セイバー「私に・・・力を・・・!」


ガーッ(扉が開く音)


セイバー「・・・・・・・」

受付嬢「ようこそおいで下さいました」一礼

受付嬢「本日の御用件は何でしょうか?」

セイバー「面接に来ました」

受付嬢「左様で御座いますか」

受付嬢「本日は、弊社が開催する面接への御参加、真に有難う御座います」一礼

受付嬢「面接会場は、40階、社長室にて行われます」

セイバー「社長室・・・?」

セイバー「では、本日の面接は、社長自ら行うと?」

受付嬢「左様で御座います」

セイバー(・・・アーチャー・・・)

セイバー「ありがとうございました」

受付嬢「いえ、ご健闘をお祈りしております」一礼

セイバー(・・・・・・・・・・)
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 07:29:29.93 ID:WFM+LPJQ0
―――――
40階


チーンッ


ガーッ(扉が開く音)


セイバー「・・・・・・・」

セイバー(ここが・・・面接会場・・・)


受験者A「・・・・・・・」

受験者B「・・・・・・・」

受験者C「・・・・・・・」

受験者D「・・・・・・・」


セイバー(何という空気だ・・・フロア全体に、殺気が充満している・・・)

セイバー(流石に超大手・・・採用率0.01%の名は伊達じゃないな・・・・)
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 07:30:23.56 ID:WFM+LPJQ0


ガチャッ


「次の方、どうぞ」


受験者E「・・・・・・・・」よろ…よろ…

セイバー(・・・・・あの顔)

セイバー(一体どんな圧迫面接を受ければ、あの様な表情になるというのだ・・・)

セイバー(やはり・・・簡単にはいかないらしい・・・)

セイバー(・・・・・・・・)

セイバー(・・・大丈夫だ)

セイバー(私には・・・皆がついている)

セイバー(決して・・・負けなどしない・・・!)
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 07:32:44.32 ID:WFM+LPJQ0
―――――
40階 社長室の隣の部屋

綺礼「・・・英雄王」

アーチャー「何だ?綺礼」

綺礼「今しがた、受付から連絡があった」

綺礼「セイバーが来たそうだ」

アーチャー「・・・ほぅ」

アーチャー「履歴書が送られてきた時はよもやと思ったが・・・」

アーチャー「まさか、本当に受けに来るとはな」

綺礼「今控えている面接者はざっと30人・・・」

綺礼「セイバーの番が来るのは、大凡3時間後というところか」

アーチャー「1時間だ」

綺礼「・・・・・・・」

アーチャー「他の者になど興味はない。2、3質問すれば事は足りるさ」

アーチャー「クックック…早く相見えたいものだなぁ、騎士王よ・・・」

アーチャー「1時間後が楽しみじゃないか・・・」

アーチャー「精々楽しませてくれよ・・・?」

アーチャー「ハハハハハハハハハハッ!!!!!」

綺礼「・・・・・・・・」
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 07:35:48.87 ID:WFM+LPJQ0
―――――
衛宮邸 土蔵

アイリ「・・・・・・・・」

アイリ「・・・・あ・・・」

舞弥「マダム、お気づきで」

アイリ「・・・舞弥・・・さん・・・」

アイリ「・・・ごめんなさい・・・格好悪いとこ・・・見せちゃったわね・・・」

舞弥「そんな事よりも、今は身体を休めてください」

舞弥「切嗣が先ほど、魔法陣に魔力を込めました」

舞弥「これで少し楽になる筈だと聞きましたが・・・」

アイリ「・・・うん・・・そうね・・・」

舞弥「・・・・・・・・」

アイリ「・・・・舞弥さん」

舞弥「何でしょう、マダム」

アイリ「・・・別にね・・・これが・・・初めてじゃないのよ」

舞弥「・・・・・・・・」
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 07:36:43.35 ID:WFM+LPJQ0
アイリ「前に・・・セイバーの前でも倒れた事があってね・・・」

アイリ「もう・・・限界が近いみたい・・・」

舞弥「・・・・マダム・・・・」

アイリ「別に・・・異常ではないのよ・・・」

アイリ「予め・・・決まってたこと・・・」

アイリ「むしろ・・・今まで人として正常に機能していたのが・・・私にとっては・・・」

アイリ「・・・奇跡みたいな、幸運だったの・・・」

舞弥「・・・・・・・・」

アイリ「私は・・・聖杯戦争の為に設計されたホムンクルス・・・」

アイリ「それは・・・あなたも知っているわね?」

舞弥「・・・はい」

アイリ「アハトのおじい様は・・・器そのものに生存本能を与え・・・」

アイリ「あらゆる危険を自己回避して・・・聖杯の完成を成し遂げる為に・・・」

アイリ「器に・・・アイリスフィールという・・・偽装を施したのよ・・・」

アイリ「それが・・・私」
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 07:37:48.92 ID:WFM+LPJQ0
舞弥「そんな・・・では、貴方は・・・」

アイリ「これから先・・・私は・・・元の“モノ”に返っていくわ・・・」

アイリ「次はあなたと・・・こうして話をする事もできなくなるでしょう・・・」

舞弥「・・・・・・・・」

アイリ「だからこそ切嗣は・・・私にセイバーの鞘を預けたの・・・」

アイリ「アヴァロン・・・その効果は知ってる?」

舞弥「老衰の停滞と・・・無制限の治癒能力・・・そう聞いています」

アイリ「・・・その効果が・・・私という、空の存在を押し留めてくれているの・・・」

アイリ「もっとも・・・セイバーとの距離が離れてしまうと・・・途端にボロが出てしまうんだけど・・・」

舞弥「・・・何故、私には教えたんですか?」

アイリ「・・・・・・・」
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 07:38:50.22 ID:WFM+LPJQ0
アイリ「・・・久宇舞弥」

アイリ「あなたは・・・私を哀れんだりはしない・・・」

アイリ「きっと私を認めてくれる・・・そう、思ったから・・・」

舞弥「・・・・・・・」

舞弥「マダム・・・私は・・・」

舞弥「貴方という人を・・・もっと、遠い存在だと思っていました」

アイリ「そんなこと・・・ない・・・」

アイリ「分かって・・・くれた?」

舞弥「はい・・・」

舞弥「・・・私がこの命に代えてでも・・・アイリスフィール」

舞弥「貴方を・・・最後までお守り致します」

舞弥「だから・・・どうか」

舞弥「・・・衛宮切嗣の為に、死んでください」

舞弥「あの人の夢を・・・叶える為に・・・」

アイリ「・・・・・・」コクリ
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 07:41:10.76 ID:WFM+LPJQ0
―――――
冬木市 民家

ウェイバー「・・・・・・」

ライダー「・・・どうした、坊主」

ライダー「えらく辛気臭い顔をしているではないか」

ウェイバー「・・・・・・」

ライダー「何だ、腹でも壊したか?」

ウェイバー「ランサーのこと」

ライダー「・・・・・・」

ウェイバー「お前・・・知ってたんだな」

ライダー「・・・あぁ」

ライダー「先日、奴の口から直接聞いた」

ライダー「闘いに挑む、と」

ウェイバー「なら・・・何で・・・」

ウェイバー「何で・・・!セイバーに教えてやらなかったんだよ!!」

ライダー「・・・・・・・」
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 07:43:27.23 ID:WFM+LPJQ0
ウェイバー「お前ら・・・!仲良かったんじゃないのか!?何でセイバーだけ・・・!」

ウェイバー「・・・セイバーが・・・可哀想じゃないか・・・」

ライダー「・・・・・・・・」

ライダー「・・・仲が良いからこそだよ」

ライダー「奴は・・・ランサーの覚悟は、本物だった」

ライダー「漢が戦場へ臨むというのだ、止められる筈もない」

ウェイバー「・・・・・・」

ライダー「・・・そして奴はこう言った」

ライダー「セイバーには黙っていてほしい、と」

ライダー「仲間外れだと思うか?違うな」

ライダー「仲間だからこそだ」
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 07:44:36.76 ID:WFM+LPJQ0
ライダー「戦友(とも)だからこそ言えず、そして・・・」

ライダー「セイバーが・・・女だからこそ、言えなかった」

ウェイバー「・・・・・・」

ライダー「男の維持という奴だよ」

ライダー「・・・あの色男、最期まで格好付けよって・・・」

ライダー「・・・・・・馬鹿者が」

ウェイバー「・・・ライダー」

ライダー「・・・・・・・」

ウェイバー「・・・・・・・ライ」

ライダー「さて坊主!!!」

ウェイバー ビクゥ!

ライダー「これから行くところがあるだろう、さっさと行くぞ!」

ウェイバー「・・・・・・」

ライダー「ん?どうした、坊主」

ウェイバー「・・・・・・・・」

ウェイバー「・・・・・何でもねーよ・・・・・」
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 07:46:24.67 ID:WFM+LPJQ0
―――――
建設現場

佐藤「辞めるって・・・」

佐藤「本気かい・・・?アレクセイさん・・・」

佐藤「それに・・・ウェイバー君まで・・・」

ウェイバー「・・・・・・・」

ライダー「すまんのぉ、迷惑をかけることは承知の上なのだが・・・」

ライダー「それでも、どうしてもそうせざるを得ない、止む無き事情があってな」

ライダー「頼むよ」

佐藤「・・・・・・・」

佐藤「・・・分かった」

佐藤「みんなには、俺から説明しておくよ」

佐藤「後は、任せて下さい」

ウェイバー「佐藤さん・・・」

佐藤「突然辞めるっていうのは驚いたけど・・・」

佐藤「今まで散々世話になったんだ。これ位の無茶言っても、許されるって」
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 07:47:56.56 ID:WFM+LPJQ0
ライダー「・・・礼を言う」

佐藤「何か大変な事情があるんだろ?」

佐藤「あんたら、どう見てもカタギの人間に見えなかったからなぁ」あっはっは

佐藤「・・・じゃあ、聞かないでおくよ」

佐藤「何も聞かないでおくから、行っておいで」

ウェイバー「・・・・・・」

佐藤「・・・ウェイバー君」

ウェイバー「は・・・はい」

佐藤「仕事の関係が切れたって、俺たちは仲間だ」

佐藤「だから、いつでも頼れよ」

ウェイバー「・・・ッツ・・・!」

ウェイバー「・・・・佐藤・・・・さん・・・!」

ライダー(・・・・・・・)

ウェイバー「・・・今まで・・・!」

ウェイバー「今まで・・・!本当に!!!」


ウェイバー「お世話になりましたぁ!!!!」


佐藤「・・・おう!元気でな」ニカッ

224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 07:49:34.09 ID:WFM+LPJQ0
―――――
建設現場 外

ウェイバー「・・・・・・」

ライダー「・・・本当に」

ライダー「本当に、良き奴らだった」

ウェイバー「あぁ・・・」

ウェイバー「・・・・・」

ウェイバー「・・・行こう、ライダー」

ウェイバー「僕らの・・・戦いに・・・」

ライダー「・・・坊主」

ライダー「貴様も・・・ようやく、漢らしい顔付きになってきたな」

ライダー「嬉しいぞ」

ウェイバー「・・・うるせー」
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 07:51:00.64 ID:WFM+LPJQ0
―――――
同刻 遠坂邸より少し離れた茂み

切嗣(・・・・・・・)


カァー カァー カァー(烏の鳴き声)


切嗣(・・・鳥・・・)

切嗣(・・・おかしい)

切嗣(・・・結界が張られていない・・・?)

切嗣(・・・何か、妙だ)

切嗣(・・・罠・・・)

切嗣(・・・いや)

切嗣(そんな雰囲気じゃない・・・)

切嗣(・・・・・・)

切嗣(・・・とりあえず、確かめてみないと何も分からないな)

切嗣(・・・行くか)

226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 07:52:05.10 ID:WFM+LPJQ0
―――――
遠坂邸 邸内 一室

切嗣(・・・・・・)スッ…


キィィィ…


切嗣(・・・何も無し、か)

切嗣(・・・・・・)

切嗣(・・・やはり、何かがおかしい)

切嗣(・・・静か過ぎる・・・余りにも・・・)

227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 07:53:00.52 ID:WFM+LPJQ0
―――――
遠坂邸 客間

切嗣(・・・・・・・)


カチャ…


キィィ…



切嗣(・・・・・・・)

切嗣(!!!)

切嗣(・・・これは)

切嗣(・・・血痕・・・)

切嗣(・・・・・・・・)

切嗣 スッ…

切嗣(・・・・・・・・)ザラ…

切嗣(・・・まだ新しい)

切嗣(この血痕と、屋敷の静寂には何かしらの因果関係がある・・・)

切嗣(そう、見るべきだろうな)チラ

切嗣(・・・あれは)

切嗣(・・・ティーカップ・・・それも)

切嗣(・・・二人分・・・)

切嗣(・・・・・・・)
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 07:53:52.25 ID:WFM+LPJQ0
―――――
遠坂邸 地下室

切嗣(・・・・・・)


カラカラカラ……


シューッ……


切嗣(・・・・・・)

―――――
遠坂邸 客間

切嗣(・・・・・・)


カラカラカラ……


シューッ……


切嗣(・・・同じ反応)

切嗣(・・・・・・・)

切嗣(死んだのは・・・)

切嗣(遠坂・・・・時臣)
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 07:55:59.44 ID:WFM+LPJQ0
―――――
16時15分 バビロン 40階 面接会場

セイバー(・・・どういう事だ)

セイバー(先程から・・・面接者が入っては出るを繰り返している・・・)

セイバー(一人辺り、2分も掛かっていないぞ・・・)

セイバー(本当に・・・面接を行っているのか・・・?)


ガチャッ


セイバー(!)

受験者Z「・・・・・・」とぼ…とぼ…

セイバー(・・・・・・)


「次の方、どうぞ」


セイバー(!)

セイバー(遂に・・・来た・・・!)


「お入りください」


セイバー「・・・はいっ!」
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/26(火) 07:57:05.07 ID:WFM+LPJQ0
それでは
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 15:16:32.18 ID:WFM+LPJQ0
―――――
社長室

セイバー「失礼します」



アーチャー「・・・・・・」ニヤニヤ

セイバー(・・・アーチャー・・・)

セイバー(!?)

セイバー(・・・な・・・)

綺礼「・・・・・・・」

セイバー「言峰・・・綺礼・・・?」

アーチャー「どうかしたかな、騎士王殿」

セイバー「・・・・・・・・」

アーチャー「気になることがあるなら申してみよ」

アーチャー「心配するな、質問した程度で落としはせんよ」ニヤァ

セイバー「・・・そうですか」

セイバー「では、質問させて頂きます」
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 15:23:30.10 ID:WFM+LPJQ0
セイバー「何故彼が・・・言峰綺礼氏がここに?」

綺礼「・・・・・・・・」

アーチャー「何か問題でも?」

セイバー「いえ・・・問題はありません」

セイバー「しかし、マスターである遠坂氏がその位置にいると思い込んでいたので・・・」

セイバー「少々・・・以外だっただけです」

アーチャー「・・・・・・・・」

セイバー「・・・申し訳ありませんでした。面接には関係のない質問でした」

アーチャー「いや・・・」

アーチャー「関係なくはないさ」

セイバー「?」

アーチャー「お前にも教えておいてやるか・・・」
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 15:24:34.50 ID:WFM+LPJQ0
アーチャー「我がマスター・・・いや、元マスターというべきかな」

アーチャー「遠坂時臣は・・・死んだよ」

セイバー「な・・・!?」

綺礼「・・・・・・・・」

アーチャー「気にするな、不慮の事故というやつだ」

アーチャー「奴も、相当に運の無い男だったらしい」ヤレヤレ

セイバー「・・・それでは」

セイバー「アーチャー殿、貴方は・・・」

セイバー「聖杯戦争から・・・脱落した、と?」

アーチャー「・・・いい質問だ」ニヤァ

アーチャー「そこでこの男だよ」

綺礼「・・・・・・・・」

セイバー「え・・・?」

アーチャー「この言峰綺礼こそ、現在の我がマスターである」

セイバー「な・・・」
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 15:27:14.32 ID:WFM+LPJQ0
セイバー「・・・そんな・・・馬鹿な・・・」

アーチャー「どうした、また質問か?」

セイバー「・・・・・・・・」

アーチャー「ほらどうしたのだ・・・いいぞ、騎士王の質問を許可しよう」

アーチャー「何せ今日の俺は・・・」

アーチャー「寛大であるからな」ニヤァ

セイバー「・・・彼は・・・一度サーヴァントを失い」

セイバー「この戦いに参加する・・・権利を消失した筈」

セイバー「なのに・・・何故・・・?」


パチ…パチ…パチッ…......


アーチャー「・・・100点満点だ・・・」ククク

アーチャー「まるで手本の様な質問であった・・・」

セイバー「・・・・・・・・・」
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 15:28:24.46 ID:WFM+LPJQ0
アーチャー「だが・・・如何せん、質問が典型的すぎて、少々退屈ではあるな」

セイバー「・・・・・・・・・」

アーチャー「兎に角だ」

アーチャー「今の我のマスターが誰であろうと、貴様に何か関係があるか?」

セイバー「・・・いえ・・・」

アーチャー「なら質問はこれにて終了とする」

アーチャー「これより、面接を開始する」

セイバー「・・・・・・・」

アーチャー「・・・どうした?」

アーチャー「始まった、と言ったが?」

セイバー「・・・・・・・」

セイバー「私、アインツベルから参りました・・・」

アーチャー「前置きはいい」

セイバー「・・・・・・・」
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 15:29:29.24 ID:WFM+LPJQ0
アーチャー「何故我が社を受けるに至ったのか・・・」

アーチャー「聞かせてみるがいい」

アーチャー「騎士王よ」

セイバー「・・・・・・・」

綺礼(・・・・・・・・)

アーチャー「・・・どうした?」

アーチャー「何か言うことがあるのではないか?」

セイバー「・・・・・・・」

セイバー「・・・ランサーは」

アーチャー「あ?」

セイバー「ランサーは、どうだった」

アーチャー「・・・・・・・」

セイバー「奴の最期は・・・どうだったのだ」

セイバー「英雄王よ」

アーチャー「・・・・・・・」
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 15:30:15.73 ID:WFM+LPJQ0
アーチャー「・・・質問を質問で返すとは」

アーチャー「面接の基本がなっていないな、騎士王」

セイバー「・・・・・・・・」

アーチャー「・・・まぁいい」

アーチャー「その問いに答えよう」

綺礼(・・・・・・・・)

アーチャー「雄雄しき最期だった」

セイバー「・・・・・・・・」

アーチャー「我が宝具の雨に打たれ、その身を何度も削られながらも」

アーチャー「何度も、我に向かってきた」

アーチャー「・・・勝てもしないと、悟った上にも関わらず、だ」

セイバー「・・・そうか」

セイバー「・・・・・・・」

アーチャー「・・・今度こそ答えてもらおう」

アーチャー「何故、我が社に挑んだ?」
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 15:31:31.72 ID:WFM+LPJQ0
セイバー「・・・・・・・」

アーチャー「答えよ、騎士王」

セイバー「・・・・・」

セイバー「・・・私は」

セイバー「私は・・・宣戦布告に来た」

アーチャー「・・・・・・・」

セイバー「貴様を倒す、英雄王」

アーチャー「・・・・・ほぅ」

セイバー「聖杯という栄光を掴むため、お前を倒す」

セイバー「・・・そして・・・」

セイバー「ランサーのため・・・」

セイバー「亡き戦友(とも)のため、貴様を討たせてもらう」

アーチャー「・・・・・・・」

セイバー「・・・覚悟しておけ、英雄王よ」

セイバー「騎士王の名において・・・」

セイバー「誇りある闘いに臨むことを・・・今日、ここで誓おう」

アーチャー「・・・・・・・」
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 15:32:38.57 ID:WFM+LPJQ0
アーチャー「・・・・成る程」

アーチャー「貴様の自己PR、確かに聞き届けた」

セイバー「・・・・・・・・」

アーチャー「・・・合格だよ。騎士王」

セイバー(・・・・・・・・)

アーチャー「面接の場で、我に挑戦状を叩きつけた馬鹿は・・・」

アーチャー「貴様が初めてだよ、セイバー」

セイバー「・・・・・・・・」

アーチャー「是非我が社に欲しいところだが・・・」

アーチャー「貴様の事だ・・・我の下で働くなど、言語道断といったところだろう」

セイバー「・・・あぁ」

アーチャー「正直で宜しい」ニヤ

アーチャー「気に入ったよ、騎士王」

アーチャー「貴様の希望に応えてやる」

アーチャー「・・・殺し合おうじゃないか」ニヤァ

セイバー「・・・・・・・・」
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 15:33:11.04 ID:WFM+LPJQ0
アーチャー「返事は折り返し伝えよう」

アーチャー「結果を待つがいい・・・」

セイバー「・・・いいとも」

セイバー「待つのは・・・慣れているのでな」

セイバー「いつまでも、待つさ」

アーチャー「・・・面接は終了だ」

アーチャー「とっとと帰るがいい」

セイバー「・・・・・・・」


…………

ガチャッ……


キィィ…


バタンッ……


241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 15:34:03.94 ID:WFM+LPJQ0
アーチャー「・・・見たか綺礼、あの表情(かお)を」

綺礼「・・・・・・・・」

アーチャー「覚悟というものは・・・実に良い」

アーチャー「人間という生き物を、あれ程までに輝かせるとは・・・」

アーチャー「我が宝具が放つ輝きにも、負けず劣らずといったところだな」

綺礼「・・・これもまた、愉悦・・・と?」

アーチャー「然り」

アーチャー「・・・果実は熟れた・・・」

アーチャー「では・・・そろそろ収穫といこうじゃないか?」

アーチャー「さぞ・・・美味に違いない・・・」ニヤァ

綺礼(・・・・・・・・)
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 15:37:06.31 ID:WFM+LPJQ0
―――――
衛宮邸 土蔵


ガチャッ……


キィィ…


アイリ「・・・・・・あ・・・・・」

アイリ「・・・切嗣だぁ・・・」

切嗣「・・・・・・・・」

アイリ「・・・夢じゃないのね・・・」

アイリ「また・・・会いにきてくれたのね・・・」

切嗣「・・・あぁ・・・そうだよ」

アイリ「・・・・・」ニコッ

アイリ「最後に・・・これを返さないとね・・・」
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 15:38:10.43 ID:WFM+LPJQ0


パァァァァァァァ......


切嗣(・・・・・・)

アイリ「これは・・・アヴァロンは・・・」

アイリ「この先、あなたにこそ必要なもの・・・」

アイリ「あなたが最後の戦いに挑む時・・・きっと役に立つ」

切嗣「・・・・・・」

アイリ「私はね・・・幸せだよ・・・?」

アイリ「恋をして・・・愛されて・・・」

アイリ「夫と娘と・・・9年も・・・」

切嗣「・・・・・・」

アイリ「あなたは・・・すべてを与えてくれた・・・」

アイリ「私には・・・望むべくもなかった・・・」

アイリ「この世の幸せの・・・すべてを・・・」

切嗣「・・・すまない・・・」

切嗣「君には・・・もっと外の世界を見せたかった」
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 15:39:21.46 ID:WFM+LPJQ0
アイリ「・・・もういいの」

アイリ「私が・・・取りこぼした幸せがあるなら・・・」

アイリ「残りは全部・・・イリヤにあげて・・・」

アイリ「あなたの娘に・・・」

アイリ「私達の・・・大切なイリヤに・・・」

切嗣「・・・・・・・」

アイリ「・・・それにね・・・」

アイリ「思い出は・・・もう・・・たくさん出来たから・・・」

アイリ「あの子と一緒に・・・家族みんなで・・・」

アイリ「セイバーも・・・舞弥さんも・・・いてくれた・・・」

アイリ「・・・楽しかった・・・」

アイリ「もう・・・思い残すことなんて・・・」

アイリ「何も・・・ない・・・」

切嗣「・・・・・・」

切嗣「そうか・・・」

切嗣「・・・じゃあ、行ってくるよ・・・」

アイリ「・・・はい、お気をつけて・・・」

アイリ「・・・あなた」ニコッ
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 15:41:19.59 ID:WFM+LPJQ0
―――――
土蔵 外


ガチャッ


舞弥「・・・・・・・」

切嗣「・・・・・・・」

切嗣「・・・舞弥」

舞弥「・・・はい」

切嗣「アイリの・・・傍に居てやってくれ」

舞弥「・・・・・・」

舞弥「・・・よろしいのですか?」

切嗣「・・・・・・」

舞弥「マダムは・・・もう・・・」

切嗣「・・・・・・」
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 15:42:12.50 ID:WFM+LPJQ0
舞弥「貴方が・・・傍に居てあげた方が・・・」

切嗣「舞弥」

舞弥「・・・・・・」

切嗣「僕に・・・」

切嗣「僕に・・・もう、出来ることはない」

舞弥「・・・・・・」

切嗣「別に・・・今になって分かったことじゃない」

切嗣「こうなるのは・・・今まで、散々覚悟してきた」

切嗣「もう・・・いいんだ」

舞弥「・・・・・・」

切嗣「・・・・・・」

舞弥「・・・・・・」スッ…


ガチャッ……


バタンッ……


247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 15:43:03.00 ID:WFM+LPJQ0
―――――
土蔵

舞弥「・・・・・・・」

アイリ「・・・舞弥さん?」

アイリ「・・・・・・・・」

舞弥「・・・・・・・」

舞弥「・・・言い忘れていたことがあります」

舞弥「・・・私の・・・名前についてです」

アイリ「・・・・・・・」

舞弥「久宇舞弥という名前ですが・・・」

舞弥「切嗣が最初に作ってくれた・・・偽造パスポートの名義です」

アイリ「・・・それって・・・」

舞弥「・・・私には・・・名前が無い」

舞弥「家族の事も・・・自分が何者であったのかさえも・・・」

舞弥「何も・・・思い出せない」

アイリ「・・・・・・・」
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 15:44:30.24 ID:WFM+LPJQ0
舞弥「・・・覚えているのは」

舞弥「そこが、どうしようもなく貧しい国だったという事だけ・・・」

舞弥「戦争は決して終わらず・・・軍隊を維持する資金さえ無いのに・・・」

舞弥「それでも・・・殺し合いを続けるしかない毎日・・・」

アイリ「・・・・・・」

舞弥「そのうちに・・・誰かが思いついたんです」

舞弥「兵隊を徴用して訓練するより・・・」

舞弥「子供をさらってきて銃を持たせてた方が・・・安上がりで手っ取り早い、とね」

アイリ「舞弥さん・・・あなたは・・・」

舞弥「・・・敵を狙って引き金を引く・・・」

舞弥「私はそういう機能だけを残して、後は全てを捨て去りました」

舞弥「私は人として、中身が死んでいる・・・」

舞弥「ただ外側の器だけがまだ動いて・・・昔馴染みの機能を維持しています」

舞弥「それが私の命です」

アイリ「・・・・・・・」
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 15:46:29.02 ID:WFM+LPJQ0
舞弥「そんな私を拾ったのが・・・切嗣です」

舞弥「だから、切嗣が好きな様に使ってくれればいい・・・」

舞弥「彼の武器として・・・道具として」

舞弥「・・・それが・・・私がここにいる理由です」

アイリ「・・・・・・・」

アイリ「あなたは・・・切嗣の、道具なんかじゃない・・・」

舞弥「・・・マダム」

アイリ「現に・・・あなたは、選んだじゃない・・・」

アイリ「人を助けるって・・・選択を・・・」

舞弥「それは・・・」

アイリ「切嗣から聞いたの・・・」ニコッ

アイリ「あなたが・・・切嗣の言うこと聞かなかったって・・・ふふっ」

舞弥「・・・・・・・・」
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 15:47:53.09 ID:WFM+LPJQ0
アイリ「あなたには・・・ちゃんと感情がある・・・」

アイリ「心が・・・ある」

アイリ「思いやりが・・・優しさが・・・」

アイリ「あなたは・・・こんなにも、人間らしいじゃない・・・」

アイリ「ホムンクルスの・・・私なんかより・・・ずっと」

舞弥「・・・・・・・」

アイリ「そんなあなたが・・・道具だなんて・・・」

アイリ「絶対に・・・そんなこと、ない」

舞弥「・・・マダム・・・」

舞弥「むしろ私には・・・マダム」

舞弥「貴方の熱意こそ、意外だった」

アイリ「え・・・?」

舞弥「貴方は生まれ育った城に閉じ込められたまま、外の世界を知らずに生きてきた」

舞弥「そんな貴方が・・・世界を変革しようという切嗣のために・・・」

舞弥「あれ程必死になって・・・戦うなんて・・・」
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 15:49:02.59 ID:WFM+LPJQ0
アイリ「私は・・・・・」

アイリ「・・・そうね、本当は切嗣の理想がどういうものか、きちんと理解できている訳ではないわ・・・」

アイリ「舞弥さんの言う通り・・・」

アイリ「私は・・・切嗣が変えようとしている世界のことを・・・まるで解ってない・・・」

アイリ「私の理想なんて・・・何もかも切嗣の受け売りでしかないわ・・・」

アイリ「・・・でも切嗣には内緒」

アイリ「切嗣にはいつだって・・・彼が正しいと言い聞かせてきた・・・」

アイリ「彼の理想には、私が命を捧げるだけの価値がある・・・ってね」

アイリ「そうやって・・・理解者のフリをしてきたわ」

舞弥「ではマダム・・・」

舞弥「貴方には・・・貴方自身の為の願いがない、と?」

アイリ「・・・願いは・・・」

アイリ「いいえ、確かにある」ニコッ

アイリ「私は・・・切嗣とセイバー・・・」

アイリ「あの二人に、聖杯を掴み取ってほしい・・・」

舞弥「それは・・・第三魔法の達成という、アインツベルンの悲願ですか?」
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 15:50:12.81 ID:WFM+LPJQ0
アイリ「・・・いいえ」

アイリ「私が求めているのは、戦いの終焉よ・・・」

アイリ「切嗣の願いが叶って・・・全ての闘争が終焉するならば・・・」

アイリ「ここ冬木で聖杯を求め争う戦いについても・・・例外じゃない筈でしょ?」

アイリ「・・・どうか今回の四度目を・・・最後の聖杯戦争にしてほしいの・・・」

舞弥「・・・御息女のことですか?」

アイリ「もし私と切嗣が失敗すれば・・・次は、イリヤが・・・」

舞弥「・・・・・・」

アイリ「でもそれが・・・アインツベルンのホムンクルスに背負わされた、宿命なのよ・・・」

アイリ「だから私は・・・」

アイリ「私で・・・最後にしたい」

アイリ「もしそれが叶えば・・・あの子は最後まで・・・」

アイリ「人間(ひと)として、生きてくことができる・・・」
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 15:51:19.11 ID:WFM+LPJQ0
アイリ「舞弥さん・・・あなたは、切嗣の理想が遂げた後、どうするつもり?」

舞弥「・・・生き残るなどとは・・・考えていません」

舞弥「もし仮に命を繋いだとしても・・・もう私に生きる意味は無い・・・」

舞弥「切嗣によって変革された世界というのは・・・きっとそういう場所でしょう・・・」

アイリ「うぅん・・・!そんなことはない・・・!」

舞弥「・・・そうでしょうか」

アイリ「そうよ・・・だって・・・」

アイリ「あなたは・・・こうして・・・生きてるんだから・・・」

アイリ「だから・・・これからも、きっと生きていける」

アイリ「人間である・・・あなたなら・・・」

舞弥「・・・・・・・・」

アイリ「そして・・・」

アイリ「私の代わりに・・・もう、消えてなくなる私の代わりに・・・」

アイリ「切嗣を・・・愛して・・・」
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 15:53:09.61 ID:WFM+LPJQ0
舞弥「マダム・・・それは・・・!」

アイリ「あなたしかいない・・・いえ・・・」

アイリ「あなたじゃないと・・・ダメなの・・・」

アイリ「切嗣の絶望を理解できる・・・あなたじゃないと・・・」

舞弥「・・・・・・」

アイリ「・・・久宇舞弥・・・」

アイリ「舞弥さん・・・自分の名前・・・好き・・・?」

舞弥「・・・・分かりません・・・・」

アイリ「・・・私は好き・・・」

アイリ「とても・・・綺麗な名前・・・」

舞弥「・・・・・・」

アイリ「確かに・・・この名前は、あなたの本当の名前じゃないかもしれない・・・」

アイリ「でもね・・・あなたは、私にとって・・・舞弥さんなのよ」

アイリ「この世でたった一人しかいない・・・私の・・・」

アイリ「私の・・・大切なお友達・・・」

舞弥「・・・・・・・・」
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 15:54:37.90 ID:WFM+LPJQ0
アイリ「いつか・・・あなたの本当の名前が見つかるまで・・・」

アイリ「あなたの・・・本当の家族が見つかるときまで・・・」

アイリ「「久宇舞弥」は・・・あなたでいいと思うの・・・」

アイリ「だから・・・自分の名前を・・・大事にして」

舞弥「・・・・・マダム」

アイリ「・・・ねぇ、名前・・・」

舞弥「え?」

アイリ「私のこと・・・名前で・・・呼んで?」

アイリ「さっき・・・呼んでくれたみたいに・・・」

アイリ「アイリ・・・って・・・」

舞弥「・・・・・・・」

アイリ「あなたに・・・託したいの・・・」

アイリ「私の・・・すべてを・・・」
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 15:55:13.16 ID:WFM+LPJQ0
舞弥「・・・・・・・・・」

舞弥「・・・アイリ・・・」

アイリ「・・・・・・・」ニコッ

舞弥「・・・ッ・・・アイリさん・・・!」ギュウゥ...

アイリ「ねぇ・・・舞弥さん・・・」

アイリ「舞弥って名前・・・好き・・・?」

舞弥「・・・はい・・・」

舞弥「・・・好きですよ・・・」

舞弥「だって・・・自分の名前ですから・・・」

アイリ「・・・・・・」ニコッ
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 15:58:15.21 ID:WFM+LPJQ0
―――――
土蔵 外


ガチャッ…

キィィ…


切嗣「・・・・・・・」

切嗣「・・・舞弥」

切嗣「何か問題でも?」

舞弥「・・・・・・・」

切嗣「・・・・・・?」

切嗣「舞弥・・・何かあったのか?」

舞弥「・・・・・切嗣」

切嗣「・・・何だ」

舞弥「・・・奥さんの」

舞弥「アイリさんの傍に・・・」

舞弥「いてあげて・・・ください」
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 15:58:51.28 ID:WFM+LPJQ0
切嗣「・・・・・・・」

切嗣「・・・言っただろう、舞弥」

切嗣「僕に出来ることはもう・・・」

切嗣「・・・ない」

舞弥「・・・・・・・」

切嗣「・・・今まで」

切嗣「一緒に・・・覚悟してきたことだ」

切嗣「だから・・・もう、いいんだ」

切嗣「もう、どうしようも」

舞弥「そんなことない!!!」

切嗣「・・・・・・・」

切嗣「・・・舞・・・弥?」

舞弥「・・・・・・・」

舞弥「覚悟できてるですって・・・?」

舞弥「今・・・正に、自分が消えそうって瞬間に・・・!」

舞弥「そんな簡単に・・・割り切れる訳ないじゃない!!!!」
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 16:00:25.49 ID:WFM+LPJQ0
切嗣「・・・・・・・」

舞弥「・・・あなたは・・・卑怯者です。切嗣」

舞弥「覚悟なんて、体の良い言い訳を使って」

舞弥「奥さんと…アイリさんと向き合うことから・・・逃げている」

舞弥「そんな卑怯者に、夫を名乗る資格なんて・・・」

舞弥「・・・ありません」

切嗣「・・・・・・じゃあどうすればいい」

切嗣「今まで・・・数え切れない程愛してきた」

切嗣「百の慰めを語り、彼女を慰めてきた」

切嗣「・・・そして」

切嗣「千の言葉で・・・愛を語ってきた・・・!」

切嗣「これ以上!いったいどうすればいいって言うんだよ!!!!」

舞弥「・・・・・・・」

切嗣「出来ることはしてきた!!!考えられることは全て試してきた!!!」

切嗣「それでも!!!それでも諦めざるを得ない・・・!僕の気持ちも知らない癖に!!!」

切嗣「勝手なことを語るなぁ!!!!!」
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 16:01:31.01 ID:WFM+LPJQ0
舞弥「・・・・・・・」

舞弥「・・・切嗣」

舞弥「貴方にできることは、まだある筈です」

切嗣「・・・・・・・」

舞弥「・・・最期の瞬間まで」

舞弥「アイリさんが迎える・・・最期の瞬間・・・その時まで」

舞弥「彼女の・・・傍に居てあげてください」

切嗣「・・・・・・・」

舞弥「・・・・これは」

舞弥「この世で・・・貴方にしかできないことです」

舞弥「・・・行ってあげて」

切嗣「・・・ッ・・・・!」

切嗣「・・・舞弥・・・僕はッ・・・!」

舞弥「・・・・・・・」

切嗣「・・・ッツ・・・・!」


ダッ!


ガチャッ!



「アイリ!!!!!」



舞弥「・・・・・・・」スッ…


キィィ…


パタン……


261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 16:03:27.24 ID:WFM+LPJQ0
―――――
二時間後 土蔵 外


ガチャ……


キィィ…


舞弥「・・・・・・・・」

切嗣「・・・・・・・・」

切嗣「・・・・今・・・・逝ったよ」

切嗣「彼女の・・・本来・・・在るべき姿に」

切嗣「・・・戻った・・・」

舞弥「・・・・・そう」

舞弥「・・・・・切嗣」

舞弥「・・・その・・・」

切嗣「・・・・・舞弥」

舞弥「・・・・・・・」

切嗣「アイリが・・・君に礼を言っていた」

切嗣「・・・・僕からも、礼を言うよ」

切嗣「・・・ありがとう・・・」

舞弥「・・・・いえ・・・・」
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 16:04:30.31 ID:WFM+LPJQ0
切嗣「・・・アイリの身体は、例の場所に運んでくれ」

舞弥「・・・・・はい」

舞弥「・・・・・・・」

切嗣「・・・・・・・」

舞弥「・・・・ッ・・・・!」

舞弥「・・・・ふ・・・・う・・・・!」

舞弥「あ・・・あぁ・・・・うぅ・・・・」

舞弥「・・・・アイリ・・・・さん・・・!」

切嗣「・・・・・・・」

舞弥「あ・・・・あぁぁぁぁ・・・・・」

切嗣(・・・アイリ・・・)



「・・・舞弥・・・?」



263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 16:05:05.16 ID:WFM+LPJQ0
舞弥「!」

舞弥「・・・・せ・・・・」

舞弥「・・・セイバー・・・」

セイバー「・・・・・・・・」

セイバー「・・・何か・・・あった・・・」

セイバー「!」

切嗣「・・・・・・・」

舞弥「・・・・・・・」

セイバー「・・・・土蔵・・・・」

セイバー「・・・・・・アイリス・・・・・フィール?」



第九話 また逢う日まで


−??:??:??


次回 惑星を継ぐ者
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 16:07:07.87 ID:WFM+LPJQ0
第十話 惑星を継ぐ者
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 16:08:22.98 ID:WFM+LPJQ0
―――――
衞宮邸 土蔵

アイリ「・・・・・・・」

舞弥「・・・・・・・」

セイバー「・・・・・・・」

セイバー「・・・アイリスフィール」

アイリ「・・・・・・」

セイバー「聞いて下さい・・・私・・・合格したんです・・・」

セイバー「あの超難関と言われた会社・・・」

セイバー「英雄王が経営する・・・バビロンの・・・内定をもらったんです・・・」

アイリ「・・・・・・・」

セイバー「これも・・・全て・・・」

セイバー「貴方の・・・お陰です・・・!」


ポロッ...ポロッ...


舞弥「・・・セイバー・・・」
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 16:09:39.36 ID:WFM+LPJQ0
セイバー「・・・まぁ、その場で蹴ってやりましたがね」

セイバー「あの時の・・・奴の悔しそうな表情(かお)ときたら・・・ふふっ」

セイバー「・・・傑作・・・でしたよ・・・!」

アイリ「・・・・・・・」

セイバー「・・・アイリスフィール」

セイバー「だから・・・私のこと・・・」

セイバー「・・・褒めて・・・下さいよ・・・」

アイリ「・・・・・・・」

セイバー「・・・いつも・・・みたいに・・・」

セイバー「・・・褒めて・・・」
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 16:10:40.80 ID:WFM+LPJQ0
舞弥「・・・・・・・」

スッ......


ギュッ......


セイバー「・・・・舞弥・・・・?」

舞弥「・・・あなたはよくやったわ・・・セイバー・・・」

舞弥「あなたは・・・戦いに勝利した・・・」

舞弥「だから・・・誇っていい・・・」

舞弥「・・・自慢していいのよ・・・セイバー」

舞弥「あなたは・・・」

舞弥「あなたは、勝ったのよ・・・」

セイバー「ふ・・・ぅう・・・」

セイバー「・・・あ・・・あぁぁぁぁぁぁ・・・・・」

舞弥「・・・・・・・」ギュウゥ......
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 16:15:03.70 ID:WFM+LPJQ0
―――――
土蔵 外


ガチャ.......


キィィィ......


切嗣「・・・・・・」

舞弥「・・・・・・」

セイバー「・・・・・・・」

切嗣(・・・・・・)

セイバー「・・・・・・切嗣」

切嗣「・・・何だ、セイバー」

セイバー「・・・アイリスフィールは・・・死んだのですか・・・?」

切嗣「・・・・・」

切嗣「・・・いや」

切嗣「生きてはいるよ・・・」

切嗣「・・・ただ・・・」

切嗣「生体反応がある、というだけで・・・」

切嗣「あそこには・・・もう・・・」

切嗣「・・・アイリは、いない」

セイバー「・・・・・・・」
269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 16:15:54.83 ID:WFM+LPJQ0
セイバー「そう・・・ですか・・・」

舞弥「・・・・・・・」

切嗣「・・・彼女は・・・アイリスフィールという、自己防衛本能の役目を終え・・・」

切嗣「聖杯を・・・受け入れる体勢に入った」

セイバー「・・・・・・・」

切嗣「・・・聖杯の出現は近い・・・」

切嗣「この戦いも・・・もうすぐ終わりだ・・・」

セイバー「・・・・・・・」

セイバー「・・・切嗣」

切嗣「・・・何だ」


セイバー「・・・問おう・・・」


セイバー「貴方は・・・私のマスターか?」


270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 16:16:28.86 ID:WFM+LPJQ0
切嗣「・・・・・・」

セイバー「・・・答えてほしい・・・」

セイバー「貴方は・・・私のマスターか?」

セイバー「衞宮・・・切嗣・・・!」

切嗣「・・・・・・」

切嗣「・・・・・・そうだ・・・・・・・」

舞弥「・・・・・・・」

セイバー「・・・・・・・」

切嗣「我が名は・・・衞宮切嗣・・・」

切嗣「騎士王、アルトリア・ペンドラゴンの・・・」

切嗣「・・・マスターだ・・・!」

セイバー「・・・・・・・」

切嗣「・・・此方からも問おう」

切嗣「騎士王よ・・・お前は・・・」

切嗣「お前は・・・我が忠実なる僕か?」
271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 16:18:22.59 ID:WFM+LPJQ0
セイバー「・・・そうだ・・・」

セイバー「我が名は・・・アルトリア・ペンドラゴン・・・」

セイバー「ブリタニアの王であり・・・騎士王である」

セイバー「・・・そして・・・」

セイバー「・・・衞宮切嗣・・・」

セイバー「貴方の・・・戦友(とも)だ・・・!」

切嗣「・・・セイバー・・・」

舞弥「・・・・・・・」

セイバー「・・・行きましょう、我が主、切嗣」

セイバー「最後の・・・戦いに・・・」

セイバー「・・・今こそ、本物の英雄(ヒーロー)になる時です」

切嗣「・・・・・・」

セイバー「路は・・・騎士王である私が拓こう」

セイバー「だから・・・手を・・・」


スッ......

272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 16:19:27.39 ID:WFM+LPJQ0
切嗣「・・・・・・・」

セイバー「後は・・・全て、貴方次第です」

セイバー「切嗣・・・」

切嗣「・・・・・・・・」


「ケリィはさ、どんな大人になりたいの?」


切嗣「・・・あぁ」

切嗣「・・・行こう、セイバー・・・」

切嗣「僕らの・・・戦場へ・・・!」


ガシッ!!!


273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/26(火) 17:54:32.60 ID:WFM+LPJQ0
―――――
冬木教会前

ライダー「・・・・・・・」

ウェイバー「・・・・・・・」

ライダー「・・・・・よぉ」

ライダー「待たせてしまったかな?」

ライダー「・・・神父・・・」

綺礼「・・・・・・いや」

ライダー「・・・貴様の姿しか見えんが・・・」

ライダー「奴はどうした?」

綺礼「・・・・・・・」

綺礼「・・・既に・・・」

綺礼「来ているよ」


サラサラサラサラサラ.........


ウェイバー「・・・・・!」
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 17:56:01.70 ID:WFM+LPJQ0


サラサラサラサラ......


ライダー「・・・・・・・」


サラサラ......

サラ...


ライダー「・・・・・・」

ウェイバー「・・・・・・」



アーチャー「・・・・・・・」



ライダー「・・・英雄王よ」

ライダー「よくぞ、我が呼びかけに応じてくれた」

アーチャー「・・・・・・」

ライダー「感謝する」

ウェイバー「・・・・・!」ゴクリ

アーチャー「・・・征服王よ」

アーチャー「早速だが・・・」

アーチャー「・・・殺し合うか?」
275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 17:57:30.54 ID:WFM+LPJQ0
ライダー「フッ・・・それもよかろう」

ライダー「だがな、その前に一つ、提案がある」

アーチャー「・・・・・・・」

ライダー「先に言っておくが、命乞いなどでは無いからな」

アーチャー「・・・言ってみろ」

ライダー「ふふん」ニヤ

ライダー「・・貴様が持つ宝具と、余が持つ軍勢・・・」

ライダー「この二つを掛け合わせれば、最強の軍勢が誕生すると思うのだ!」

ライダー「さすれば、この世界どころか・・・」

ライダー「この宇宙すら、支配できると余は確信している・・・!」

アーチャー「・・・・・・・・」

ライダー「どうだ?英雄王よ」

ライダー「我が・・・征服王の軍門に下る気は無いか?」

アーチャー「・・・・・・」
276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 17:58:33.09 ID:WFM+LPJQ0
アーチャー「・・・・ククク・・・・」

ライダー「・・・・・・」

アーチャー「アッハッハッハッハッハ!!!!」

ウェイバー「・・・・・・」

ライダー「・・・・・・」

アーチャー「・・・征服王よ」

ライダー「・・・何だ?」

アーチャー「貴様・・・」

アーチャー「貴様、面白いよ・・・」

アーチャー「愉悦でも、喜劇でもなく笑ったのは・・・」

アーチャー「・・・久方ぶりだ」ニヤァ…

ライダー「・・・そうか」

ライダー「して・・・返答は?」

アーチャー「・・・・・・・」

アーチャー「断る」
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 17:59:30.19 ID:WFM+LPJQ0
ライダー「・・・そうか」

アーチャー「我が宝具は、一つと余すことなくこの我の所有物・・・」

アーチャー「よって・・・他人に預ける事はあり得ぬ」

ライダー「・・・相分かった」

ライダー「交渉は、決裂だな」

アーチャー「その通り」

アーチャー「・・・だが、気に入ったよ。征服王」

ライダー「・・・・・・」

アーチャー「貴様の面(かお)に免じて・・・」

アーチャー「全力で、闘いに挑むことを誓おう」

ライダー「フッ・・・そりゃ光栄だ」

ライダー「では・・・殺ろうや」

アーチャー「・・・・・・」

ライダー「・・・・・・」スッ...
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 18:01:05.94 ID:WFM+LPJQ0


パァァァァァ.......


ライダー「・・・安酒ですまんが・・・」

アーチャー「・・・構わん。許す」

ライダー「・・・・・・」

アーチャー「・・・・・」


グイッ...


ライダー「・・・・・・」

アーチャー「・・・・・・・」

ウェイバー「・・・・・・」

綺礼「・・・・・・・」

アーチャー「・・・では・・・」

ライダー「・・・殺りますか」


ヒュンッ......



コーンッ......


279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 18:02:33.72 ID:WFM+LPJQ0
ライダー「・・・・・・」

ウェイバー「・・・ライダー・・・」

ライダー「・・・そう、不安そうな表情(かお)をするでない。主よ」

ウェイバー「・・・だって・・・!」

ライダー「何も・・・死ににいく訳ではない」

ライダー「これは・・・未来の為の・・・」

ライダー「未来を、掴む為の闘いだ」

ライダー「・・・避けては通れんよ」ニカッ

ウェイバー「ライダー・・・!」

ウェイバー「・・・うっ・・・!うぅ・・・!」

ライダー「泣くな・・・主よ」

ライダー「これは、最後の闘いになるかもしれんのだ」

ライダー「だから・・・泣くな」

ウェイバー「・・・ライ・・・ダー・・・!」
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 18:03:52.29 ID:WFM+LPJQ0
ライダー「・・・行くぞ、我が主」

ライダー「英雄王が待っている」

ウェイバー「・・・・・・・」

ウェイバー「・・・令呪を持って・・・」

ウェイバー「令呪を持って・・・我が・・・友に命ずる・・・」コォォォォォ.......

ライダー「・・・・・・」

ウェイバー「征服王・・・イスカンダルよ・・・」

ウェイバー「・・・死ぬな・・・」

ライダー「・・・坊主・・・」

ウェイバー「・・・加えて、令呪を持って、命ずる・・・」コォォォォォ......

ウェイバー「・・・征服王よ・・・」

ウェイバー「必ず・・・勝て・・・!」

ライダー「・・・・・・・」

ウェイバー「・・・・・・・」
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 19:42:02.99 ID:WFM+LPJQ0
ライダー「・・・此度の激励、感謝する」

ライダー「これは正に・・・ウィクトーリアの祝福を受けたも同義」

ライダー「ありがとな」ニカッ

ウェイバー「・・・ッ・・・!」

ライダー「さぁ・・・行こうか」

ライダー「征服王イスカンダル・・・一世一代の大勝負だ!」

ライダー「......英雄王よ!!!!!!!」

アーチャー「・・・・・・・」

ライダー「我が名はイスカンダル!!!!」

ライダー「マケドニアの大地を支配する!!!征服王である!!!!」

ライダー「貴様に、決闘を申し込む!!!!!」

ライダー「貴様も名のある王であるならば・・・名乗るがいい!!!!!」
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 19:43:51.62 ID:WFM+LPJQ0
アーチャー「・・・・・・・」

アーチャー「・・・よかろう」

アーチャー「・・・刻め・・・」

アーチャー「我が名は英雄王、ギルガメッシュ」

アーチャー「この世のあらゆる財をこの手にした・・・」

アーチャー「真の王である」

アーチャー「・・・そして・・・」

アーチャー「・・・貴様を殺す者だ・・・」

ライダー「フッ・・・身震いがしてきたわ・・・」

ライダー「魂が・・・躍っておるよ・・・!」

ライダー「......出でよ!!!!我が愛馬!!!!」
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 19:44:37.69 ID:WFM+LPJQ0


バリバリバリバリッ!!!!


ライダー「・・・・・・」

ウェイバー「・・・・・・」

ライダー「行くぞ、坊主」


スッ...


ライダー「乗れ」

ウェイバー「・・・あぁ!!!」


ガシッ!


アーチャー「・・・・・・」

ライダー「行くぞ我が主・・・」

ライダー「そして、我が軍勢達よ・・・!」



ライダー「王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ)!!!!!」

284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 19:46:50.16 ID:WFM+LPJQ0
―――――
王の軍勢 亜空間


アーチャー「・・・・・・・」


ライダー「・・・・・・・・」

ライダー「・・・我が身は風となり、大地を駆け抜けよう・・・」

ライダー「我が魂は雷となり!!!敵を貫こう!!!」

ウェイバー「・・・・・・・」

<・・・・・・・・・・・・・・



ライダー「行くぞ!!!!我が戦友(とも)達よ!!!!!」


285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 19:47:44.69 ID:WFM+LPJQ0
ライダー「征服王、イスカンダルが命ずる!!!!!」バッ!!!


ライダー「蹂躙せよ!!!!!!」



<ウオオオオオォォォォォォオオオオオオオオォォオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!

ライダー「行くぞぉ!!!!!!!」



ライダー「アーラララララララライ!!!!!!!」

ウェイバー「....あ・・・アーラララララライ!!!!」




アーチャー「・・・・・・・」

アーチャー「良いな・・・・」

アーチャー「この空気・・・実に心地良い・・・」

アーチャー「久方ぶりに・・・」

アーチャー「・・・全力で挑もう・・・」


ゴゴゴゴゴゴゴゴ.......


アーチャー「我が至宝・・・」


アーチャー「エアで・・・な」
286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 19:49:16.41 ID:WFM+LPJQ0
―――――
冬木教会前

綺礼(・・・・・・・)

綺礼(・・・来る・・・)



ゴゴゴゴゴゴ.......


綺礼(・・・・・・)


ゴゴゴ......


ライダー「・・・・・・・」

ウェイバー「・・・・・・」


アーチャー「・・・・・・」


綺礼(・・・決した、か)

287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 19:51:50.69 ID:WFM+LPJQ0
ウェイバー「・・・そんな・・・・」

ウェイバー「あんな・・・あんなの・・・ありかよ・・・」

ウェイバー「王の軍勢が・・・空間ごと・・・一瞬で・・・」

ライダー「・・・・・・・・」

ウェイバー「・・・ライダー・・・」

ライダー「・・・・・・」

ライダー「・・・ウェイバー」

ウェイバー「・・・・!」

ライダー「一つ、頼まれてくれんか」

ウェイバー「・・・・・・」

ライダー「・・・生きろ」

ウェイバー「ライダー・・・!」

ライダー「生きて・・・証人となってほしい」
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 19:52:50.92 ID:WFM+LPJQ0
ウェイバー「ライダー!!!」

ライダー「余の存在を、余の生き様を・・・」

ライダー「後世に、語り継いでほしい」

ウェイバー「っく・・・・ふぅ・・・!うっ・・・!」

ライダー「お前しかおらんのだ」

ライダー「余の戦友(とも)であり・・・主である・・・お前しか」

ウェイバー「ライ・・・ダー・・・!」

ライダー「漢が泣くでないわ、馬鹿者が」

ライダー「笑え、ウェイバー」

ライダー「笑って、見届けてくれ」

ライダー「余の・・・勇姿を」

ウェイバー「・・・・・・」
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 19:53:39.61 ID:WFM+LPJQ0
アーチャー「・・・・終わったか?」

アーチャー「いい加減・・・待ちくたびれたのだが」

ライダー「おう!!今行く!!!」

ライダー「・・・ウェイバー」

ウェイバー「・・・・・・」

ライダー「またな」ニカッ


ダッ!!


ウェイバー「.....ッ・・・ライダァァァァァ!!!!!」


ライダー「うおおおぉぉおおおおおお!!!!!」
290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 19:55:27.56 ID:WFM+LPJQ0
アーチャー「・・・・・・」


ヒュンッ!


キィンッ!!


ライダー「おおおぉぉおおおおおお!!!!!」


ヒュンッ! ヒュンッ!


キィンッ! !ザクゥッ!!


ライダー「ぐ・・・ぬぅ・・・!!!」


ヒュンッ! ヒュンッ! ヒュンッ!


ザクゥッ!! キィンッ!! ザクゥッ!!


ライダー「が...ぐおぉ・・・!!!」


ヒュンッ! ヒュンッ! ヒュンッ! ヒュンッ! 


ザクゥッ!!ザクゥッ!!ザクゥッ!!ザクゥッ!!


ライダー「が....!あぁあああああああああ!!!!!」


アーチャー「・・・・・・・・」


ライダー「……ギルガメッシュ!!!!」
291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 19:57:21.30 ID:WFM+LPJQ0
―――――
ライダー「・・・・・・」

アーチャー「・・・・・・」

ウェイバー「・・・・・・」

綺礼「・・・・・・・・」

ライダー「・・・鎖・・・」

アーチャー「・・・・・・」

ライダー「・・・ハッ・・・何でもありだな貴様は・・・」

アーチャー「・・・・・・」

アーチャー「・・・全く」

アーチャー「貴様等は・・・揃いも揃って変わらんな・・・」

ライダー「・・・・・・」
292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 19:58:11.83 ID:WFM+LPJQ0
アーチャー「猪突猛進に、真っ向からこの我に突っ込んでくる」

アーチャー「・・・愚か者共が」

ライダー「・・・そうか」

アーチャー「・・・・・だが」

アーチャー「その愚直さ、嫌いではないよ」

ライダー「・・・そりゃ・・・どうも」ニヤ

アーチャー「貴様もまた・・・好敵手だった」

アーチャー「・・・ではな」

ライダー「・・・あばよ・・・」
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 19:59:22.65 ID:WFM+LPJQ0















エクス…
























カリバァァァァアァアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!








294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 20:00:07.94 ID:WFM+LPJQ0
―――――

ライダー「・・・・・・・・」

アーチャー「・・・・・・・・」

ウェイバー「・・・・・・・・」

綺礼「・・・・・・・・」




セイバー「・・・・・・・」

切嗣「・・・・・・・・」





綺礼(・・・衛宮・・・切嗣)

切嗣(・・・言峰・・・綺礼)
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 20:01:43.51 ID:WFM+LPJQ0
―――――

アーチャー「・・・・・・・・」

アーチャー「・・・どういうつもりだ・・・?騎士王・・・」

セイバー「・・・・・・・」

アーチャー「戦士の闘いに水を差すとは・・・」

切嗣「・・・・・・・・」

アーチャー「貴様・・・楽に死ねると思うな・・・!?」ギラッ

セイバー「・・・筋違いだな」

アーチャー「・・・あぁ!?」

セイバー「筋違いだと言ったのだ、英雄王」

セイバー「履歴書(ちょうせんじょう)を送ったのは、私が先だろう?」

セイバー「なら、先に闘うのは」

セイバー「・・・私だ」

アーチャー「・・・・・・」
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 20:03:21.02 ID:WFM+LPJQ0
セイバー「約束を違えてもらっては困るのだよ」

セイバー「万が一にも、征服王に貴様が倒されてしまっては・・・」

セイバー「困るのでな」

ライダー「・・・・・・・」

セイバー「だから、無粋は承知で横槍を入れさせてもらった」

アーチャー「・・・・・・」

アーチャー「・・・どいつもこいつも」

アーチャー「何故貴様等は・・・そうまで馬鹿なのだ?」

アーチャー「礼節も何もない・・・蛮族だよ、貴様は」

セイバー「・・・・・・・」

アーチャー「・・・だが」

アーチャー「筋道らしきものは、一応通っている」

アーチャー「確かに、約束は約束だ」
297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 20:04:32.40 ID:WFM+LPJQ0
セイバー「・・・・・・・」

アーチャー「・・・相手をしてやる」

アーチャー「・・・来い・・・賊が・・・」ゴォォォォォォ

セイバー「・・・・・・・」

セイバー「・・・名乗ろう」

セイバー「我が名は、騎士王アルトリア・ペンドラゴン」

セイバー「騎士の誇りにかけて・・・」

セイバー「仲間達の想いにかけて・・・」

セイバー「・・・貴様を倒す」

アーチャー「御託はいい」


アーチャー「・・・さっさと終わらせるぞ」
298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 20:05:45.44 ID:WFM+LPJQ0
―――――

セイバー「・・・・・・・」

ライダー「・・・・・・・」

ウェイバー「・・・セイ・・・バー・・・」

セイバー「・・・立てるか?ライダー」

ライダー「・・・・・・・」

ライダー「・・・セイバー・・・貴様」

ライダー「貴様・・・自分が何をしたか、解っているのか?」

セイバー「・・・・・・・」

ライダー「貴様は・・・無作法にも土足で戦場へ踏み入り」

ライダー「闘いを・・・戦士の誇りを穢し、侮辱した」

セイバー「・・・・・・・」

ライダー「騎士王である貴様が・・・己のやったことの重大さが理解できない筈もあるまい」

ライダー「何故、この様な馬鹿な真似をした」

セイバー(・・・・・・・・)
299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 20:07:34.91 ID:WFM+LPJQ0
セイバー「・・・言っただろう、征服王」

ライダー「・・・・・・・・」

セイバー「この闘い、元はと言えば、私が先約」

セイバー「ならば、私が奴と闘うことに何ら不思議はない」

ライダー「そんなものは詭弁だ!!!!」

セイバー「・・・・・・・・」

ライダー「貴様は!!!!余を侮辱したのだ!!!!」

ライダー「誉れある死を穢し!!!!余に生き恥を晒せとでも言うつもりか!!!!」

ライダー「貴様は・・・!」

セイバー「もう嫌なのだ!!!!!!!!」

ライダー「・・・・・・・・・」

セイバー「もう・・・大切な戦友(とも)が・・・」

セイバー「大事な人が・・・これ以上消えるなど・・・」

セイバー「・・・嫌なのだ・・・」
300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 20:08:46.23 ID:WFM+LPJQ0
ウェイバー「・・・セイバー・・・」

セイバー「・・・誉れある死だと・・・?」

セイバー「人の生き死にに・・・下等も・・・上等も・・・」

セイバー「あるものか・・・」

ライダー「・・・・・・・・」

セイバー「人は・・・死ねば、ただのモノになる」

セイバー「過程がどうあれ・・・」

セイバー「死ねば・・・皆、同じだ」

ライダー「・・・・貴様・・・・」

ライダー「それは・・・全ての英雄に対する」

ライダー「これまでに闘ってきた・・・全ての戦士達に対する」

ライダー「・・・侮辱になるぞ」

セイバー「・・・・・・・・・」
301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 20:10:15.20 ID:WFM+LPJQ0
ライダー「我等英雄は・・・この世界の為」

ライダー「この、混沌なる世界を導く為、今まで戦い・・・そして」

ライダー「・・・死んできた」

セイバー「・・・・・・」

ライダー「貴様は・・・」

ライダー「それを、犬死と同義と言う」

ライダー「戦士の死など、所詮はただの死でしかないと・・・貴様は言っているのだぞ」

セイバー「・・・・・・・・」

ライダー「貴様は・・・世界を・・・歴史を」

ライダー「・・・否定するというのか?」

セイバー「・・・・・・・・」

セイバー「・・・・・そうだ」

セイバー「・・・戦いなど・・・所詮は、殺し合いでしかない」

セイバー「戦士にとっては、誉ある戦いであろうと・・・」

セイバー「民からすれば・・・そんなものは、いい迷惑でしかない」
302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 20:13:19.17 ID:WFM+LPJQ0
セイバー「私は・・・それが分からなかったから・・・」

セイバー「戦友(とも)達に・・・国に・・・」

セイバー「・・・見捨てられた・・・」

ライダー「・・・・・・・・・・」

セイバー「・・・この国は、美しい」

セイバー「戦火の火種も無く・・・殺し合いも無く・・・」

セイバー「・・・地獄も、無い・・・」

セイバー「この地こそ・・・」

セイバー「アイリスフィールが愛した・・・この日本こそ」

セイバー「私が求めた・・・」

セイバー「全て遠き理想郷(アヴァロン)・・・だったのだ・・・」

ライダー「・・・・・・・・・」

303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 20:14:12.01 ID:WFM+LPJQ0
セイバー「ライダー・・・私はな」

セイバー「結局のところ、貴様の言う通り、ただの小娘だ」

セイバー「・・・出来もしない理想を掲げ、叶うことの無い夢を見続けた・・・」

セイバー「ただの・・・小娘だったのだ・・・」

ライダー「・・・・・・・・・」

セイバー「・・・だからこそ」

セイバー「私は・・・もう」

セイバー「・・・もう・・・後悔したくない」

セイバー「戦士の誇りなどという下らぬものの為に、戦友(とも)を失いたくない」

ライダー「・・・セイバー・・・」

セイバー「私は・・・もう、現実に戻るよ」
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 20:15:04.94 ID:WFM+LPJQ0
セイバー「騎士王アーサー・ペンドラゴンではなく・・・」

セイバー「ただの・・・アルトリアに戻る」

セイバー「・・・これが、私の答えだ」

ライダー「・・・・・・・・・」

ライダー「・・・・・ハッ・・・」

ライダー「・・・・ガッハッハッハッハ・・・・」

セイバー「・・・・・・・・・」

ライダー「セイバーよ」

ライダー「貴様はやはり、余が見込んだ通りの大馬鹿者だ」

ライダー「・・・・実に・・・・清清しいよ」

セイバー「・・・ライダー・・・」
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 20:17:46.30 ID:WFM+LPJQ0


ヒュンッ!


セイバー「!!」


キィンッ!!


セイバー「・・・・・・・」


アーチャー「・・・いつまで続ける気だ」

アーチャー「三文芝居を演じるのも大概にしろ・・・俗物が」

セイバー「・・・・・・・」

アーチャー「戯言も・・・ここまで過ぎると最早笑えんな」

アーチャー「救えないよ・・・貴様は」

アーチャー「英雄を否定するだと・・・?ふざけるなよ、痴れ者が」

アーチャー「貴様は・・・我等英雄の恥だ」

アーチャー「即刻消し去り、無かったことにしてやる」

セイバー「・・・・・・・」

アーチャー「来い、小娘」

アーチャー「現実を・・・見せてやろう」
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 20:34:52.66 ID:WFM+LPJQ0
セイバー「・・・・・・」

セイバー「・・・・切嗣」

切嗣「何だい?セイバー」

セイバー「・・・・・私に・・・・・」

セイバー「私に・・・・・力を」

切嗣「・・・・・・」

切嗣「・・・あぁ!」

切嗣「衛宮切嗣の名において・・・!」

切嗣「令呪を持って!我が戦友(とも)に命ずる!!!!!」コォォォォォ…!
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 20:36:30.85 ID:WFM+LPJQ0
切嗣「セイバーよ!この戦いを、勝利せよ!!!」


セイバー「応!!!」


切嗣「加えて令呪を持って命ずる!!!!」コォォォォォ…!

切嗣「セイバーよ!この俺に、勝利と栄光を!!!」


セイバー「応!!!!」


切嗣「加えて!令呪を持って命ずる!!!!」コォォォォォ…!

切嗣「セイバーよ!この戦いを・・・」

切嗣「生き残れ!!!!!!」


セイバー「応!!!!!」
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 20:38:00.51 ID:WFM+LPJQ0



ゴオオオオオオオオオォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!



ライダー「!」

ウェイバー「!」

綺礼「!」



アーチャー「・・・・・・・・」


セイバー「・・・・・凄い・・・・・」

セイバー「こんなにも・・・こんなにも、力が溢れてくる・・・」

セイバー「切嗣が・・・ライダーが・・・ランサーが・・・アイリスフィールが・・・舞弥が・・・」

セイバー「私の中に・・・入ってくる・・・」

セイバー「もう・・・負ける気がしない・・・!」
309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 20:41:36.69 ID:WFM+LPJQ0



ゴオオオオオオオオオォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!



アーチャー「・・・ほぅ」

アーチャー「俗物の癖に、中々良い輝きを放つではないか・・・」

アーチャー「・・・いいだろう・・・」

アーチャー「来い!セイバー!!!!」

セイバー「・・・・・・・・」

アーチャー「貴様の・・・貴様の全てを」

アーチャー「この我に・・・ぶつけてみろ!!!!」

セイバー「・・・・・いいだろう」

セイバー「だが・・・勝つのは私だ、英雄王」

セイバー「貴様を倒し・・・勝利と栄光を・・・」

セイバー「我がマスター!!!!切嗣に!!!!!!!」
310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 20:42:34.48 ID:WFM+LPJQ0



ゴオオオオオオオオオォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!



ウェイバー「・・・なんて・・・魔力だ・・・・」

ウェイバー「途方も無く・・・・強大で・・・・」

ウェイバー「そして・・・・・」

ウェイバー「なんて・・・・温かいんだ・・・!」

ライダー「・・・ウェイバー、良く見ておけ」

ライダー「あれこそが・・・奴こそが・・・」

ライダー「真の・・・英雄だ・・・!」

ウェイバー「・・・英・・・・雄・・・」




セイバー「行くぞ英雄王!!!!」

セイバー「我が名はアルトリア!!!!」

セイバー「貴様を・・・・倒す!!!!!」



第十話 惑星を継ぐ者

−??:??:??


次回 天の光はすべて星
311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 20:49:41.95 ID:WFM+LPJQ0
第十一話 天の光はすべて星
312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 20:50:53.13 ID:WFM+LPJQ0
―――――
冬木市民会館 ホール

アイリ「・・・・・・・・」

舞弥「・・・・アイリさん」

舞弥「切嗣が・・・セイバーと共に、最後の闘いに向かいました」

舞弥「あの切嗣が・・・真っ向からぶつかっていきましたよ・・・ふふっ」

アイリ「・・・・・・・・」

舞弥「・・・私の任務も・・・」

舞弥「これで、終わりです」

舞弥「・・・・・・・・・」

舞弥「さようなら・・・アイリさん」


ギ…ィィィィ……


ゴ…トン……


アイリ「・・・・・・・・」


ドプッ…………
313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 20:53:32.04 ID:WFM+LPJQ0
―――――
冬木教会前


ゴオオオオオオオオオォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!


セイバー「ハァァアアアアアアアアアアアアアァアアアアアアアアッ!!!!!!!!!」



ウェイバー「む・・・・無茶苦茶だ・・・・」

ライダー「こりゃ何とも・・・たまげたのぉ・・・」

ウェイバー「どんだけデカイ光・・・」

ウェイバー「天まで・・・届いてるんじゃないか・・・?」

ライダー「ガッハッハッハ!セイバー!貴様は、やはり余が見込んだ通りの女だ!」

ライダー「貴様が戦友(とも)で、余は誇りに思うぞ!」




アーチャー「・・・成る程な」

アーチャー「賊は賊でも・・・実力は伴っているらしい」

アーチャー「…ククク・・・撫で斬りにするのが、惜しくなってくるではないか・・・」

アーチャー「・・・良かろう」
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 20:55:36.74 ID:WFM+LPJQ0
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……


アーチャー「まさか・・・一夜に二度も抜く羽目になるとはな・・・」

アーチャー「この・・・エアを・・・」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!


アーチャー「・・・是非もなし」ニヤァ


セイバー「・・・行くぞ!!!!アーチャー!!!!」

セイバー「私の・・・全てだ!!!!!」

セイバー「...受け取れぇえええええええええええぇええええええええ!!!!!!!!!!」




アーチャー「・・・滅せよ・・・!」

セイバー「エクス……!!!!」

アーチャー「天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)・・・!」



セイバー「カリバァアアアアアアアアァアアアアアアアァアアアアアアアアアッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 20:59:07.01 ID:WFM+LPJQ0
―――――
冬木市 竹林

雁夜(・・・・・・・・)

雁夜(俺は・・・・・どうなった・・・・?)

雁夜(ここは・・・一体どこで・・・・)

雁夜(俺は・・・・何をしているんだ・・・?)

雁夜(・・・・・・・・・・・・)

雁夜(・・・・もう・・・・・・)

雁夜(・・・・・何もかも・・・・どうでもいい・・・・)


(おじさん)


雁夜(!?)


(雁夜おじさん)


雁夜「さく・・・・ら・・・・?」


桜(・・・・・・・・)
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 21:00:05.45 ID:WFM+LPJQ0
雁夜「どうして・・・・ここに・・・・」

桜(ねぇ・・・おじさん)

桜(私・・・辛いの・・・)

桜(もう・・・あんなこと、嫌なの)

桜(痛くて・・・苦しくて・・・気持ち悪くて)

雁夜「あ・・・・・」

桜(嫌なのに・・・嫌なのに嫌なのに嫌なのに嫌なのに)

桜(どうして誰も助けてくれないの?)

雁夜「やめてくれ・・・!」

桜(おじさん・・・私のこと、助けてくれるって言ったのに)

雁夜「やめてくれぇ!!!!」

桜(・・・嘘つき)
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 21:01:19.94 ID:WFM+LPJQ0
桜(嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき)

雁夜「やめろおおおおぉぉぉおおおおおおお!!!!!」

桜(・・・・・・)

桜(・・・・こんなことなら・・・私・・・)

桜(・・・生まれなければよかったのに・・・)

雁夜「・・・・あ・・・・」

桜(・・・さよなら、おじさん)

雁夜「あ・・・・あぁぁ・・・・・」

雁夜「・・・・・・あ・・・・・あ・・・・・」

雁夜「・・・・・・・・・・・・」
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 21:02:22.26 ID:WFM+LPJQ0
―――――

セイバー「・・・・・・・・」

切嗣「・・・・・・・・」

ライダー「・・・・・・・・・」

ウェイバー「・・・・・・・・」

綺礼「・・・・・・・・・」

アーチャー「・・・・・・・・・・」






アーチャー「・・・・馬鹿な・・・」


アーチャー「真の王たる・・・この俺が・・・」


アーチャー「・・・敗北する・・・だと・・・?」



319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 21:03:35.52 ID:WFM+LPJQ0
セイバー「・・・・・・・・」

切嗣「・・・・・・・・」

綺礼「・・・・馬鹿な・・・・・」

綺礼「この様なことは・・・・あり得ぬことだ・・・」

綺礼「魔力・・・サーヴァントとしての格・・・その全てが・・・」

綺礼「・・・勝っているというのに・・・」

綺礼「・・・・何故だ・・・・!」

綺礼「答えろ!!!!!衛宮切嗣!!!!!」



切嗣「・・・・・・・・・・」
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 21:05:23.06 ID:WFM+LPJQ0
綺礼「貴様・・・!セイバーに何をした!!!!」

切嗣「・・・別に」

切嗣「ただ、令呪を使っただけさ」

綺礼「嘘を言うな!!!!」

綺礼「令呪を幾らかけたところで!!!!!これ程までに実力差が埋まるものか!!!!」

綺礼「一体・・・!どんな魔術を使ったというのだ!!!!!!」

切嗣「・・・・・・・・・・」

切嗣「・・・お前には、永久に分からんさ」

切嗣「絆の力を理解できない・・・」

切嗣「・・・貴様にはな」

綺礼「…衛宮切嗣!!!!!!答えろ!!!!!」

綺礼「一体・・・!何をしたというのだ!!!!!」

綺礼「答えろぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!」



ライダー「・・・・・・・・・・・・」

ウェイバー「・・・・すごい・・・・」

ライダー「・・・あの馬鹿、本当に勝ちおったわ」

ライダー「・・・ハハハ・・・」

ライダー「ガッハッハッハッハッハッハ!!!!!!!」
321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 21:07:18.80 ID:WFM+LPJQ0
―――――

セイバー「・・・・・英雄王」

アーチャー「・・・・・・・・・・」

アーチャー「・・・・見事であった」

セイバー「・・・・・・・・」

アーチャー「貴様の渾身の一撃、確かに受け取った」

アーチャー「・・・天晴れであった」

セイバー「・・・・・・・・」

セイバー「・・・えらく・・・素直に認めるのだな・・・」

セイバー「己の・・・敗北を・・・」

アーチャー「フンッ・・・当然だ」

アーチャー「敗北を認められぬ者など、所詮は雑種・・・贋作だ」

アーチャー「真の王たる我は違う」

セイバー「・・・・・・・・・」
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 21:09:10.71 ID:WFM+LPJQ0
アーチャー「敗北を素直に認め、次の糧とする」

アーチャー「それこそが・・・俺の覇道」

アーチャー「王たる者の、務めである」

セイバー「・・・・アーチャー・・・・」

アーチャー「全く・・・これだから王は辛いのだ」

アーチャー「九百九十九の勝利を掲げたところで・・・たった1度の敗北で、その全てが帳消しとなるのだからな」

セイバー「・・・・・・・・・」

アーチャー「一度の偶然で調子に乗るなよ・・・騎士王」

アーチャー「次に巡り会う時は・・・貴様は、千の敗北を味わうことになるのだ」

アーチャー「・・・努々忘れるな?」ニヤァ
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 21:09:54.37 ID:WFM+LPJQ0
セイバー「・・・・・」

セイバー「・・・あぁ」

アーチャー「ククク…つくづくいい女だ・・・」

アーチャー「・・・セイバーよ」

セイバー「・・・何だ?」

アーチャー「貴様・・・我の妻となれ」

セイバー「・・・・・・・・」

セイバー「・・・・・・断る」

アーチャー「・・・・・・・・・・・・・・」

アーチャー「・・・ハハハハハハハハハハハ」

アーチャー「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!!!」



サラサラサラサラ……

サラサラサラ…

サラ…



324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 21:11:26.80 ID:WFM+LPJQ0
―――――

セイバー「・・・・・・・」

切嗣「・・・・セイバー」

セイバー「・・・・・・・」

切嗣「良くやったな、セイバー」

切嗣「・・・ありがとう」

セイバー「・・・それは・・・こちらの台詞です、切嗣」

セイバー「貴方がいたから・・・貴方が、私を信じてくれたから」

セイバー「私は・・・勝利することができた」

セイバー「ありがとう、切嗣」

切嗣「・・・・・・・・」

ウェイバー「・・・・・・・」

ライダー「・・・騎士王・・・いや、アルトリアよ」

ライダー「見事な戦いぶりであった」

セイバー「・・・・・・・・・」
325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 21:12:40.04 ID:WFM+LPJQ0
ライダー「貴様は・・・貴様こそ」

ライダー「真の・・・英雄だ」

セイバー「・・・ありがとう、ライダー」

セイバー「貴様がいたから・・・皆が支えてくれたから」

セイバー「私は・・・生き残ることができた」

セイバー「礼を言う、征服王」

ライダー「いやぁ・・・気にするな」

ライダー「いいもん見せてもらったよ、小娘」

ライダー「まっこと・・・大した奴だよ・・・お主は」

セイバー「・・・・・・・・」
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 21:14:06.64 ID:WFM+LPJQ0
ライダー「これで・・・残るサーヴァントは3体だ」

セイバー「・・・そうだな」

ライダー「セイバーよ、貴様は、我が生涯の中でも無二の戦友(とも)と言える」

セイバー「私もだ、ライダー」

ライダー「貴様に出会えたこと、この世界と、大地に感謝したい」

セイバー「心からそう思うよ」

ライダー「・・・じゃあ、闘りますか」

セイバー「・・・そうだな」

ウェイバー「・・・え!?」

ライダー「構えろ、アルトリア」

ウェイバー「ちょ・・・ちょっと」

セイバー「いいだろう、征服王」

ウェイバー「ちょっと待てよ!!!!」
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 21:15:26.97 ID:WFM+LPJQ0
ライダー「・・・・・・」

セイバー「・・・・・・」

ウェイバー「何で・・・そんな・・・」

ウェイバー「・・・何で・・・!」

ライダー「ウェイバー、貴様も分かっている筈だ」

ウェイバー「・・・・・・・・・」

ライダー「これは・・・戦争なのだ」

ライダー「だったら、相手が好きだろうが憎かろうが・・・」

ライダー「最後の一人になるまで、殺し尽くさなければならん」

ウェイバー「・・・ッ・・・!」

ライダー「・・・さぁて、じゃあ始めるぞ、アルトリア」

ライダー「我等の・・・戦争を」

セイバー「・・・あぁ」
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 21:16:21.66 ID:WFM+LPJQ0
ライダー「・・・我が名はイスカンダル!!!!」

ライダー「マケドニアの大地を支配する、征服王である!!!!」

ライダー「貴様に、決闘を申し込む!!!!」

ライダー「名乗れ!!!!小娘!!!!!」

セイバー「・・・・・・・・」

セイバー「・・・我が名はアルトリア!!!」

セイバー「・・・ただの、小娘だ」ニコッ

ライダー「・・・・・・・」ニカッ

セイバー「行くぞ・・・ライダー!!!!」

ライダー「応!!!!」
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 21:18:49.66 ID:WFM+LPJQ0
―――――

セイバー「・・・・・・・・・」

ライダー「・・・・・・・・・」

切嗣「・・・・・・・・・・」

ウェイバー「・・・・・・・・」

ウェイバー「・・・な・・・・」


サラサラサラサラ……

サラサラサラ…


セイバー「・・・・・・・・」

セイバー「・・・どうやら、限界らしい」

ライダー「・・・・・・・・」

セイバー「貴様との勝負まで持つと思ったのだがな、駄目だった様だ」

セイバー「・・・すまない」

ライダー「・・・なぁに、気にするな」

ライダー「宿敵との勝負が目前でお預け・・・」

ライダー「戦では・・・よくある事よ」
330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 21:19:22.40 ID:WFM+LPJQ0
ウェイバー「そんな・・・セイバー・・・」

ウェイバー「・・・どうして・・・」

セイバー「・・・・・・・・」

セイバー「・・・もう、これで終わってもいい」

セイバー「そう思って、奴との闘いに臨んだ」

セイバー「そうでもしないと・・・勝てぬと思ったのでな」

切嗣「・・・・・・・・・」

セイバー「・・・相打ち・・・か・・・」

ライダー「いや、違うな」

ライダー「貴様の勝利だ、セイバー」

セイバー「・・・・・・・・・」

ライダー「貴様は勝ったのだ、あの英雄王に」

ライダー「気力・・・覚悟・・・想い・・・その全てが」

ライダー「誇れ、小娘」

セイバー「・・・ありがとう、征服王」
331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 21:20:20.18 ID:WFM+LPJQ0
切嗣「・・・・・・・」

セイバー「・・・切嗣」

切嗣「・・・セイバー・・・」

セイバー「申し訳ありませんでした、マスター」

セイバー「貴方の・・・アイリスフィールの悲願を・・・」

セイバー「叶えることが・・・出来ませんでした」

切嗣「・・・大丈夫だよ」

切嗣「恒久的世界平和なんて、聖杯を頼らなくても・・・」

切嗣「僕の力で、何とかしてみせる」

セイバー「・・・切嗣・・・」

切嗣「だから・・・安心して行っておいで」

セイバー「・・・・・・はい!」
332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 21:21:11.20 ID:WFM+LPJQ0
ウェイバー「・・・くっ・・・ふぅ・・・・!」

ライダー「全く・・・よく泣く奴だのう・・・」

ウェイバー「う・・・うるさい・・・・!」

ウェイバー「文句は・・・言わせないからな・・・!」

ライダー「・・・言わんよ、そんなこと」

ライダー「戦友(とも)の為に流す涙だ、我慢する必要など無し」

ライダー「・・・見送ってやろうではないか・・・」

ライダー「我等が・・・英雄を・・・」

ウェイバー「・・・う・・・うぅぅぅぅ・・・・・!」
333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 21:22:03.08 ID:WFM+LPJQ0
切嗣「・・・・セイバー」

セイバー「・・・はい、何でしょう」

切嗣「また、いつか会えるかな」

セイバー「・・・・・・・・」

セイバー「・・・勿論です、我が主」

セイバー「この身が消えようと・・・」

セイバー「我が魂は・・・何時如何なる瞬間(とき)も・・・」

セイバー「貴方の・・・お傍に・・・」

切嗣「・・・そうか」

セイバー「・・・・切嗣・・・・」


セイバー「貴方が・・・泣くところ・・・」



セイバー「初めて・・・見ま・・・・した・・・・」ニコッ…

………………

334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 21:27:41.07 ID:WFM+LPJQ0
―――――

ライダー「・・・・・・・」

ウェイバー「・・・・・・・」

切嗣「・・・・・・・・」



綺礼「・・・・・・・・」

綺礼「・・・・・これで」

綺礼「残るサーヴァントは・・・2体」

ライダー「・・・・・・・・」

ウェイバー「後は・・・バーサーカー・・・か」

ウェイバー「・・・でも」

ウェイバー「この・・・傷じゃ」

ライダー「・・・・・・・・・」
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 21:29:04.75 ID:WFM+LPJQ0


コツ…コツ…コツ…


ライダー「・・・・・・・・」

ウェイバー「・・・セイバーの・・・マスター」

切嗣「衛宮・・・切嗣だ」

ウェイバー「・・・・・・・・」

切嗣「・・・これを」


スッ…


ウェイバー「・・・これは・・・?」

切嗣「・・・アヴァロン・・・」

切嗣「セイバーを召喚する際に使用した・・・聖遺物だ」

ウェイバー「・・・黄金の・・・鞘・・・」

切嗣「これを使うといい」

ウェイバー「・・・え?」
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 21:30:18.97 ID:WFM+LPJQ0
切嗣「アヴァロンの効果は・・・老衰の停滞と、無制限の治癒能力・・・」

切嗣「魔力の回復をする事は叶わないが・・・」

切嗣「その傷を癒す事くらいは出来る」

切嗣「血止めにでも、使ってくれ」

ウェイバー「切嗣・・・さん」

ウェイバー「・・・ありがとうございます・・・!」

切嗣「・・・バーサーカー・・・」

切嗣「何処の誰かも分からない様な、外様の英雄様に・・・」

切嗣「聖杯を・・・渡さないでくれ」

ウェイバー「・・・・・・・・・」

切嗣「・・・頼んだよ」
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 21:31:11.57 ID:WFM+LPJQ0


コツ…コツ…コツ…


ウェイバー「・・・・・・・・」

ライダー「・・・・・坊主」

ライダー「貴様は・・・託されたのだ」

ライダー「皆の・・・想いを」

ウェイバー「・・・・・・・・」

ライダー「だったら、タダでは死ねんな」

ウェイバー「・・・あぁ」

ウェイバー「・・・・っていうか」

ライダー「・・・ん?どうした、坊主」

ウェイバー(・・・呼び方戻ってるし・・・)
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 21:34:12.48 ID:WFM+LPJQ0
―――――
冬木教会 礼拝堂

綺礼(・・・・・・・・・)


ガチャッ………


ギィィィィィィ……


綺礼(・・・・・・・・・)

綺礼「・・・何の用かな?」

綺礼「・・・衛宮・・・切嗣・・・」


切嗣「・・・・・・・・・」

切嗣「・・・貴様を嗤いにきた」

切嗣「・・・とでも言えば、満足するか?」

綺礼「・・・フッ・・・」

綺礼「いっそ・・・そうであった方が、今の私には心地良いかもしれぬ」

綺礼「・・・・・・・・」

綺礼「私を・・・殺すか?」
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 21:35:27.17 ID:WFM+LPJQ0
切嗣「・・・・・・・・」

綺礼「ならば・・・構えろ」


シャキンッ…


綺礼「衛宮・・・切嗣・・・!」

切嗣「・・・・・・・」

切嗣「・・・・愛だよ・・・・」

綺礼「・・・・・・・・・・・」

綺礼「・・・今・・・何と・・・?」

切嗣「愛だ」

綺礼「・・・・・・・・・・・」

切嗣「僕が・・・僕達が」

切嗣「貴様等に勝った・・・理由だ」

綺礼「・・・・・・・・・・・」

切嗣「さっき教えろと言っただろ?」

切嗣「だから教えた」
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 21:36:53.09 ID:WFM+LPJQ0
綺礼「・・・・・・・・・」

綺礼「・・・・・愛・・・・だと・・・・?」

切嗣「ま・・・それだけだよ」

切嗣「・・・じゃあな」

綺礼「・・・・待て!!!」

切嗣「・・・・・・・」

綺礼「まさか・・・これで終わりだと言う気か・・・!?」

綺礼「貴様と・・・!私の闘いが・・・!」

綺礼「こんな有耶無耶で!!!終わっていいと思っているのか!!!!」

切嗣「・・・・・・・」

綺礼「ふざけるなよ・・・!衛宮切嗣!!!!」

綺礼「貴様と私は・・・!同類の筈!!!」

綺礼「殺し合いの螺旋から逃れられぬ・・・!同じ穴の狢・・・!」

綺礼「だというのに!!!貴様だけ、勝手に降りるだと!?」

綺礼「そんなことは・・・!許さんぞ!!衛宮切嗣!!!!」
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/26(火) 21:38:21.69 ID:WFM+LPJQ0
切嗣「・・・・恥ずかしい奴だな」

切嗣「何を勝手に盛り上がってる?」

綺礼「な・・・・・」

切嗣「殺し合いの螺旋だと?」

切嗣「僕は、今まで生きてきて、一度だってそんなものに乗った覚えはないね」

切嗣「僕は・・・必要だから殺してきただけだ」

切嗣「それ以上でも、それ以下でもない」

切嗣「貴様の様な殺人鬼とは違うんだよ」

綺礼「・・・・・・・・」

切嗣「・・・勝手に、いつまでもそこにいるがいい」

切嗣「僕は・・・先に進ませてもらう」

切嗣「・・・じゃあな」


ガチャッ……


ギィィィィィィ……



バタンッ…


綺礼「・・・・・・・・・・」

綺礼「・・・・私は・・・・」



第十一話 天の光はすべて星


次回 この醜くも美しい世界
342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/26(火) 21:39:56.22 ID:WFM+LPJQ0
そんなこんなでそろそろ終盤

それでは
343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/26(火) 21:53:46.65 ID:yJKz/HAxo
344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/26(火) 22:22:50.05 ID:j16RaQBIO

楽しみにしてる
345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/06/26(火) 23:49:51.40 ID:1zqXSnWQo
セイバーが途中で落ちるのはなかなか新鮮だ
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/27(水) 02:00:08.82 ID:fG1Xb1bXo
乙!
347 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/27(水) 07:31:05.73 ID:vZ/DqkNO0
第十二話 この醜くも美しい世界
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 07:32:29.68 ID:vZ/DqkNO0
―――――
冬木市 竹林

雁夜(・・・・・・・・)

雁夜(・・・何時間・・・気を失って・・・いた?)

雁夜(聖杯は・・・どうなったんだ・・・?)

雁夜(・・・・・・・)チラ

雁夜(・・・契約印は・・・消えてない・・・)

雁夜(・・・まだ・・・俺は・・・)

雁夜「まだ・・・負けて・・・・な・・・!」

雁夜「ぐぅ・・・!ぐっ・・・あぁあぁあぁああ!!!!!」

雁夜「・・・・ぐ・・・・あぁ・・・・」

雁夜「・・・く・・そ・・・・」



((無様だな、我が主よ))



雁夜「・・・・・・・・・」
349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 07:33:56.10 ID:vZ/DqkNO0
雁夜「だ・・・・ま・・・」


ズズズズズズズズ……

ズズズズ…ズ…


雁夜「・・・・・・・・・」

バーサーカー((・・・無理をしない方がいい))

バーサーカー((貴様の命は、もう消えかかっている))

バーサーカー((これ以上の無駄口は、死期を早めるだけだぞ))

雁夜「・・・・・・・」

バーサーカー((・・・哀れなり、我が主))

バーサーカー((お前はそこで寝ていろ。俺はもう行く))

雁夜「・・・・・どこへ」

バーサーカー((・・・・・・・・・・))
350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 07:34:59.06 ID:vZ/DqkNO0
バーサーカー((決まっているだろう?))

バーサーカー((ライダーのところだ))

雁夜「・・・・・・!」

バーサーカー((・・・マスターが死ねば、聖杯を得る機会は失われる))

バーサーカー((・・・だが))

バーサーカー((貴様が死ぬ前に、万が一にも奴を発見できれば))

バーサーカー((この戦い、俺の勝利だからな))

雁夜「・・・どういう・・・ことだ?」

バーサーカー((・・・・・・・))

バーサーカー((死に掛けのマスターを放って、この俺が何処に行っていたと思う?))

バーサーカー((マスターが死ねば聖杯は得られない・・・というのに))

雁夜「・・・・・・・・」

バーサーカー((冬木教会だよ))
351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 07:36:27.83 ID:vZ/DqkNO0
雁夜「・・・何・・・?」

バーサーカー((あそこでは・・・実に心躍る光景が繰り広げられていた・・・))

バーサーカー((何だと思う?))

雁夜「・・・・・・・・」

バーサーカー((聞いて驚くなよ))

バーサーカー((何と、セイバー・アーチャー・ライダーの三名が・・・))

バーサーカー((・・・潰しあっていたよ・・・))

雁夜「なん・・・だと・・・!?」

バーサーカー((戦いの結果、アーチャー、セイバーは消失・・・))

バーサーカー((そして、ライダーは魔力を使い果たし・・・))

バーサーカー((・・・抜け殻同然だ・・・))

雁夜「そんな・・・じゃあ・・・!」

バーサーカー((本当はあの場でライダーを仕留めてやりたかった・・・))

バーサーカー((・・・のだが))
352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 07:38:18.55 ID:vZ/DqkNO0
バーサーカー((何とも情け無いことに・・・主である貴様が死にかけている・・・))

バーサーカー((全く・・・何処まで足を引っ張れば気が済むのだ?))

バーサーカー((主よ))

雁夜「じゃあ・・・聖杯は・・・・」

バーサーカー((聖杯は、冬木市民会館へと運び込まれている))

バーサーカー((お前が呑気に寝ている間に調べたのだ、感謝しろよ?))

雁夜「・・・・・・・・・」

バーサーカー((奴らはB丁に向かった))

バーサーカー((ということは、奴らも聖杯の場所へ向かったと見るべき・・・))

バーサーカー((そこでこの俺を迎え撃つつもりなのだろう))

バーサーカー((・・・律儀な奴等だ・・・))

雁夜「・・・・・・・・」
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 07:39:47.59 ID:vZ/DqkNO0
バーサーカー((そこで、だ))

バーサーカー((冬木市民会館を爆撃する))

雁夜「な・・・!?」

バーサーカー((この竹林・・・どこだと思う?))

バーサーカー((冬木市郊外に位置する・・・))

バーサーカー((航空自衛隊・・・駐屯地の近くだ))

バーサーカー((ここで戦闘機を奪う))

バーサーカー((・・・爆撃機が無いのが残念でならないよ))

雁夜「お前・・・!」

バーサーカー((いかにライダーといえど・・・消耗した状態で、俺の宝具と化したF15の攻撃は防げまい))

バーサーカー((よって、勝利する))
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 07:40:59.71 ID:vZ/DqkNO0
雁夜「何て・・・ことを・・・!」

バーサーカー((・・・本当に、あの闘いには心振えたよ・・・ククク))

バーサーカー((なんせ、聖杯に最も近いと思われていたアーチャー、そしてセイバーが))

バーサーカー((勝手に潰し合いを始めてくれたのだからなぁ!!))

バーサーカー((あははははははは!!))

バーサーカー((ククククククぅ・・・・・これ、これほど、愉快なことが、あろうか!))

バーサーカー((この様な屑虫を押し付けられたと、時は!))

バーサーカー((せ、聖杯など、夢のまた、夢、だと、思っていたのに・・・!))

バーサーカー((今では、私こそが、も、も!最も聖杯に近いではないか・・・!))

バーサーカー((これ、これ、これが・・・笑わずになど、いられるか・・・!))

バーサーカー((うふ、うふはははははははは))

バーサーカー((あはははははははははははははははははははははは!!!!!!!!))

バーサーカー((・・・ふぅ))

雁夜「・・・・・・・・」
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 07:42:51.52 ID:vZ/DqkNO0
バーサーカー((あぁ、そうそう))

バーサーカー((貴様、死にかけだったな))

バーサーカー((贈り物がある、受け取れ))

雁夜「・・・・・あ?」

雁夜「いま・・・なんて・・・?」


ザッザッザッザッザッザ


ピタッ


バーサーカー((ちょっと首を借りるぞ))

雁夜「あぁ・・・?っがぁ!?」


ギリギリギリギリ.....


雁夜「ぎ...ぎざま...なんのづぼ...」

バーサーカー((・・・懐かしいなぁ、我が主よ?))

バーサーカー((以前貴様にこうして首を締められたっけなぁ))
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 07:44:05.28 ID:vZ/DqkNO0
雁夜「...っゲ...っき...けぇ...」

バーサーカー((貴様を焚きつけるため一芝居打った訳だが・・・))

バーサーカ((なかなかどうして、あれは苦しかったよ))

バーサーカー((・・・これはそのお礼だ))


どりゅッ!!


雁夜「!???!!!?」


ブンッ!


ガッ!!ドサァ......


雁夜「.....ぅ!....うぇっほ!えほぉ...!」

雁夜「げ....げぇ.....!!」

雁夜「…きざま…な…にを…!?」

バーサーカー((贈り物だと言ったろう))

雁夜「....げぇっ....!うぉぇえぇぇ...!!!」
357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 07:45:13.31 ID:vZ/DqkNO0
バーサーカー((治療だよ、治療))

バーサーカー((今貴様に入れたのは・・・蟲だ))

雁夜「…なに....!?」

バーサーカー((それも・・・極上の蟲だそうだ))

バーサーカー((何でも、少女の処女の血を吸った蟲だとか何とか・・・))

バーサーカー((まぁ・・・細かいことはどうでもいいか))

雁夜「なん…だとぉ…!?」

バーサーカー((哀れな主の身体を想い))

バーサーカー((わざわざ貴様の家まで訪ねて行ったのだから))

バーサーカー((感謝してくれよ?))

雁夜「…き…さまぁ…!!!」

バーサーカー((・・・ところで))

バーサーカー((如何でしょうか?我が主))

バーサーカー((お身体の方は))

雁夜「…何を言って・・・!?」

雁夜「・・・!?」
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 07:46:04.05 ID:vZ/DqkNO0
雁夜「な・・・?」

バーサーカー((その様子だと、治療は成功したようだ))

雁夜「か...身体が...」

雁夜「身体が....軽い...!?」

バーサーカー((よかったよかった、万が一にも失敗したらどうしようかと))

バーサーカー((肝を冷やしたぞ?))

雁夜「貴様・・・!貴様ぁ・・・!」

バーサーカー((これで主は暫く持ちそうだ・・・))

バーサーカー((であるなら、俺は安心して闘いに臨めるというもの))

雁夜「.......よくも…!」ガシッ!

バーサーカー((まぁ落ち着けよ主))

バーサーカー((これで聖杯は手に入ったも同然なのだぞ?))

バーサーカー((嬉しくないのか?悲願だったのだろう?))

バーサーカー((これであの娘も救えるじゃないか))

雁夜「!!!」
359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 07:47:14.28 ID:vZ/DqkNO0
バーサーカー((お家の悲願も達成され、貴様は家から英雄の扱いを受けるだろうな))

バーサーカー((家にも戻れる、少女も救える・・・))

バーサーカー((良かったな、万々歳じゃないか))

雁夜「・・・・し・・・しかし・・・」

バーサーカー((・・・そして))

バーサーカー((これで俺の悲願も成就されるというもの・・・))

バーサーカー((人類滅亡という・・・悲願が))

雁夜「・・・・・・・・・・」

雁夜「・・・今・・・何て?」

バーサーカー((・・・・・・・・・・))

バーサーカー((だから、人類滅亡だよ))

雁夜「・・・・・は・・・・・?」

バーサーカー((俺の願いは人類の抹殺))

バーサーカー((即ち・・・この世界の恒久的平和だ))
360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 07:51:26.87 ID:vZ/DqkNO0
雁夜「・・・・は・・・?・・・・え・・・・?」

バーサーカー((・・・この世界は腐っている・・・))

バーサーカー((格差、貧困、差別、妬み・・・))

バーサーカー((これ、何だか分かるか?))

バーサーカー((すべて人間が起こす現象だよ))

雁夜「・・・嘘だ・・・何言って・・・」

バーサーカー((俺は、人間が憎い))

バーサーカー((この美しき惑星(ほし)を、我が物顔で蹂躙する人間が憎い))

バーサーカー((草木や動物、空や海・・・))

バーサーカー((それらはこんなにも美しいというのに、人間はそれを平気で犯す))

バーサーカー((挙句の果てには核兵器だと?笑わせるな))

バーサーカー((神にでもなったつもりなのか?))

バーサーカー((・・・そんなものは、この世にいらぬ・・・))

バーサーカー((そして、人間も要らぬ))

バーサーカー((この惑星に・・・支配者など要らぬ))
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 07:52:21.07 ID:vZ/DqkNO0
バーサーカー((要るのは、大地と、草木と、動物達だけで十分だ))

バーサーカー((母なるこの惑星を汚染する人間共など))

バーサーカー((さっさと全員死ねばいい))

バーサーカー((そうなれば、この惑星に真の平和が訪れるのだ。・・・素晴らしいな))

バーサーカー((そういう訳だ、主よ。俺はもう行く))

雁夜「・・・待てよ・・・」

バーサーカー「俺が聖杯をこの手に掴むところを」

バーサーカー「そこで大人しく待ってろ、虫けら」

雁夜「待てよ」

バーサーカー((精々武運長久を祈っててくれ))

雁夜「待てよ!!!!!!!」

バーサーカー((・・・・・・・・・))
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 07:52:57.94 ID:vZ/DqkNO0
バーサーカー((何かな、主))

雁夜「ふざ・・・ふざけんなよ・・・お前・・・」

雁夜「お前・・・そんな事・・・許されると思って・・・」

バーサーカー((許されるさ))

バーサーカー((現に、もう俺を止められるものはいない))

雁夜「・・・え・・・?」

バーサーカー((残るサーヴァントは、魔力が底を尽いた征服王一人))

バーサーカー((そして・・・令呪による束縛ももうない))

雁夜「・・・あ・・・・」

バーサーカー((お前が馬鹿で助かったよ、主))

雁夜「・・・そんな・・・・」

バーサーカー((・・・障害は全て消えた・・・))

バーサーカー((これは・・・神が俺に世界を滅ぼせと告げているに違いない))

バーサーカー((・・・そういう訳だ))

雁夜「・・・・・・・・・・」
363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 07:53:40.42 ID:vZ/DqkNO0
バーサーカー((じゃあな))


ザッザッザッザ……


雁夜「・・・・・・待てよ!!!!」

ダッ!

雁夜「行かせる・・・!」

バーサーカー((まぁ、そう言うと思ったよ))


ボギィッッ!!!


雁夜「!!?!??」

ドサッ.....

雁夜「.......ぐ.......ぅぐぁぁあああぁぁぁあああ!!!!」

バーサーカー((ほー、軽く蹴っただけなのだが))

バーサーカー((案外あっさり折れるものなのだな))

雁夜「ぁあ...う...あ....」

バーサーカー((そこで寝てろ))

バーサーカー((俺はもう行く))
364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 07:54:58.48 ID:vZ/DqkNO0
雁夜「ま……てっ…!」

バーサーカー((あぁ・・・心が躍るよ))

雁夜「…殺して…やる!!!殺してやるぅ!!!」

雁夜「この偽物が!!!!贋作風情の人形がぁ!!!!」

バーサーカー((・・・・・・・・))

バーサーカー((酷い言いようだなぁ?俺は貴様のために、今から死地へ赴くのだぞ?))

バーサーカー((・・・生還が約束された死地だがな))

雁夜「フーッ!ふぅう!フーッ!」

バーサーカー((・・・それに、お前は大きな思い違いを犯している))

バーサーカー((贋作が本物に劣るなどと、誰が言ったのだ?))

バーサーカー((偽物であろうと、それに騙され、本物であると錯覚した事例など、腐る程あるぞ?))

バーサーカー((現に・・・この国はどうだ?))
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 07:56:05.04 ID:vZ/DqkNO0
バーサーカー((新聞やテレビを見たが、何だこの国は?))

バーサーカー((この国は、トップを無能にしなければいけない法律でもあるのか?))

バーサーカー((しかもそれが一年や二年じゃない。何年続ける気なのだ?このような喜劇を))

バーサーカー((・・・まぁ、俺にはどうでもいいことだがな))

雁夜「あ…あああぁああ・・・・・・!」

バーサーカー((つまり、いつの世も変わらぬということだ))

バーサーカー((政をする奴らは、賢者などではない))

バーサーカー((既得権益にたかる・・・ただの蝿だ))

バーサーカー((しかも救えないのは、この国の民はそれすらも知らぬ・・・いや、知ろうともしないことだ))

バーサーカー((無知であることをあまつさえ誇り、空の頭の癖に政だけはしっかりと罵る))

バーサーカー((救えないよ、この国は))

バーサーカー((そして・・・お前もだ))

バーサーカー((お前は何も救えない。この世も、あの少女も・・・))

バーサーカー((自分さえもな))
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 07:57:05.07 ID:vZ/DqkNO0
バーサーカー((・・・哀れな男だ))

雁夜「・・・俺は・・・俺は・・・」

バーサーカー((せめてもの慈悲で葬ってやってもいいが・・・今それをすると、俺が困る))

バーサーカー((だから殺してもやらん))

雁夜「・・・俺は・・・俺は・・・!」

バーサーカー((では暫しの別れだ、主よ))

バーサーカー((次に会う時は、この手に聖杯を土産として持ってくることを約束しよう))

雁夜「ッッツ俺はッ!」
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 07:58:11.25 ID:vZ/DqkNO0
―――――

雁夜(・・・俺は・・・!ただ・・・ただ護りたかっただけなんだ・・・!)

雁夜(桜を・・・!葵さんを・・・!)

雁夜(なのに・・・どうして俺は動けない!!!)

雁夜(・・・動け・・・動けよ俺の足!)

雁夜(折れてる場合じゃねーだろ!?世界が滅ぶんだぞ!!)

雁夜(あの馬鹿野郎を今すぐぶっ飛ばさないと、お前の好きな人も・・・)

雁夜(・・・桜も死ぬんだぞ!!!!)

雁夜(・・・・・・・)

雁夜(・・・・・嫌だ)


雁夜(そんなのは・・・嫌だ・・・)



嫌なんだ・・・・もう・・・・




もう・・・・大切な誰かを・・・・失うのは・・・・



368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 07:59:33.68 ID:vZ/DqkNO0
―――――

バーサーカー((ではな、ゴキブリ並みにしぶといお前だ。そうそう死なんだろう))

バーサーカー((せめて、良き終末を迎えんことを))





雁夜「ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」





バキッ




バーサーカー((・・・・・・・))

バーサーカー((・・・・・・・何のつもりだ?我が主よ))

雁夜「うるせぇ!!!!いかせねーぞバケモンがぁ!!!!」

雁夜「人類を滅ぼすだと!?ふざけんな!!!!」

雁夜「俺の好きな人たちを!!!!消させるかよ!!!!」
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 08:01:10.65 ID:vZ/DqkNO0


ガッ


雁夜「...あぐぁ...!?」

バーサーカー((・・・お前にはガッカリだよ。間桐雁夜))

バーサーカー((お前なら、私の虚無を微塵ではあろうと理解してくれると期待していたのだが))

バーサーカー((期待外れだ))

雁夜「...はなっ...せ...!...ばけもん...!」

バーサーカー((名ばかりとはいえマスターとサーヴァントの関係))

バーサーカー((お互い惹かれる何かがあったからこそ、私はお前の元に現界した筈なのだがな))

バーサーカー((・・・まぁ、今となってはそれもどうでもいい))

バーサーカー((お前には何もできんよ。雁夜))

バーサーカー((ここで死ぬんだよ。お前は))

バーサーカー((誰にも愛されず、慕われず、想われず、報われず、惨めに死ぬんだ))

バーサーカー((・・・独りでな))
370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 08:01:48.53 ID:vZ/DqkNO0
雁夜「・・・・・・・・」

雁夜「・・・・・っはは」

バーサーカー((・・・何か可笑しいか?))

雁夜「お前・・・」


雁夜「お前・・・人を好きになったこと、無いだろ?」


バーサーカー((・・・・・・・))

雁夜「・・・誰かを好きになるってのはな...すげぇことなんだよ...!」

雁夜「それこそ...!前が見えなくなるくらい...!命を投げ出してもいいくらい...!」

雁夜「........その人の娘のために...命を捨てられるくらい......!!!」

雁夜「それを知らないから....!愛を知らないから...!お前は人を滅ぼすなんて平気で言えるんだ...!」

雁夜「愛を知らない分際で...!人間を語るな...!化物...!」

雁夜「.....恋を舐めるな!!!!」
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 08:02:52.25 ID:vZ/DqkNO0


ブンッ!


雁夜「ぐぁ!?」

バーサーカー((・・・気が変わった。やはりお前は今すぐ殺そう))

バーサーカー((楽に死ねると思うな))

バーサーカー((死ぬよりも辛いことがこの世にあることを・・・教えてやろう))

バーサーカー((・・・・・・・))

バーサーカー((・・・なんてな))

バーサーカー((折角人類を滅ぼすチャンスを手に入れたのだ。みすみす手放すものかよ))

バーサーカー((何を言ったところで、貴様の言葉など俺には届かぬ))

バーサーカー((虚無を知らぬ・・・お前の言葉などな))

雁夜「・・・・・・・」

バーサーカー((・・・さて、時間をだいぶ無駄にしてしまった、そろそろ行こう))

バーサーカー((雁夜よ、認めろ))

バーサーカー((人類は、滅びるのだ))


ライダー「させぬよ。そんなことは」
372 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 08:04:55.22 ID:vZ/DqkNO0
―――――
少し前 冬木教会

綺礼「バーサーカーは、冬木市郊外の航空自衛隊駐屯地に向かった」

綺礼「協会で常に監視を続けていたからな、先ず間違いない」

綺礼「大方・・・戦闘機でも奪って、爆撃する算段だろう」

ウェイバー「・・・・・・」

ウェイバー「・・・なんで」

ウェイバー「何で・・・そんなこと教えるんだ?」

綺礼「・・・・・・・・」

ウェイバー「敵であった僕達に、そんな事教えるなんて・・・どういうつもりなんだ?」

綺礼「・・・・勘違いするな」

綺礼「外様の乱入者の手に聖杯が渡るのは・・・教会としても、些か不服だというまで」

綺礼「教会は聖杯に対して、何よりも礼節を重んじる」
373 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 08:05:56.13 ID:vZ/DqkNO0
ウェイバー「・・・・・・・」

綺礼「・・・それに」

綺礼「バーサーカーの願いなど、大方予想はつく」

綺礼「恐らくは・・・世界の破滅といったところだろう」

ウェイバー「・・・な!?」

綺礼「・・・そうなってもらっては困るのだよ」

ウェイバー「・・・・・・・・」

ウェイバー「それは・・・教会の意思か?それとも・・・」

綺礼「・・・・・・・・・」

ウェイバー「・・・いや、何でもない」

綺礼「・・・バーサーカーは、今も何処かから此方を見ている」

綺礼「囮を冬木市民会館に向けよう、貴様等は、真っ直ぐ基地に向かえ」

ウェイバー「・・・・・・・・」

綺礼「・・・では、さっさと行くがいい」
374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 08:07:45.24 ID:vZ/DqkNO0
―――――

バーサーカー((・・・・・・・))

雁夜「・・・・・馬鹿な」

バーサーカー((・・・・これはこれは・・・))

バーサーカー「見ろ雁夜、人類滅亡の鍵が目の前に落ちてきたぞ。もう破滅は目前だな」

雁夜「・・・・なぜ・・・・」

ライダー「させぬと言っておろうが、このうつけめ」

ライダー「貴様の夢物語はここで終わりだ、目を覚まさせてやる」

ライダー「・・・あり得ぬ妄想からな」

バーサーカー((・・・・・・・・))

バーサーカー((ふは))

バーサーカー((ふははははははははははははははは!!!!!))

バーサーカー((あはははははははははははははは!!!!!!))

バーサーカー((馬鹿が!!!!馬鹿が馬鹿が馬鹿が馬鹿が馬鹿が馬鹿が馬鹿が馬鹿が馬鹿が馬鹿が馬鹿が馬鹿が馬鹿が!!!!!!))

バーサーカー((死ぬのは貴様だ征服王!!!!))

ライダー「・・・・・・」
375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 08:10:05.94 ID:vZ/DqkNO0
バーサーカー((知っているのだぞ征服王!!!?!?!?貴様がもう風前の灯火だということは!!!!!))

バーサーカー((消耗しているのだろう!!??奴との闘いで!!?!?))

ライダー「そういやそうだったかもな」

バーサーカー((抜け殻同然の貴様が俺に勝つことなどあり得ん!!!!絶対に!!!!!))

ライダー「そんなもんやってみなきゃわからんぞ」

バーサーカー((黙ってろ空ッケツがぁ!!!!!今すぐあの世へ送ってやる!!!!!))

ライダー「ああそうかい」

ライダー「御託はいいからさっさとかかって来い。虫けら」

ライダー「相手をしてやる。名乗れ、狂戦士」

ライダー「我が名はイスカンダル!!!!マケドニアの大地を支配する征服王である!!!!」

ライダー「バーサーカーよ!貴様に一対一の決闘を申し込む!!!!」

ライダー「さぁ!!貴様も名のある戦士であれば!!!真名を名乗るがいい!!!」
376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 08:13:13.03 ID:vZ/DqkNO0


バーサーカー((#€$%@=*+%#;__<>^##*+$'#;_!!!!!!!!!!!!!!))


ライダー「・・・やはり畜生に言葉など通じぬか。まぁ分かっていた事だが」

ライダー「余もできれば決闘による戦いの終結を願うのだが・・・」

ライダー「仕方がないのだ、これは戦争なのだからな」

ライダー「勝った方が正義で、負けた方が悪。・・・いつの世も同じだ」

ライダー「だから、悪く思うなよ。狂戦士」


ライダー「こぞぉぉおおおおおおおおおお!!!!!!!」ビリビリ!!


ウェイバー「ああ!!!!」

バーサーカー((|^}]%+#{]€$%;,?)@//568)@(28&!!!!??????!!!??))

雁夜「君は....!?」

ウェイバー「話は後だ!!!!手を出せ!!!!」

バーサーカー(((@/:(8\997??'$^}]_|"=$*}}%*++?????!!!!!???!!???))

ライダー「おっと、貴様の相手は余だ」
377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 08:14:36.63 ID:vZ/DqkNO0


ガキィィイイィイインッッツッツ!!!!!!


ドンッッッッ!!!!!


雁夜「ど、どういう事だ!?」

ウェイバー「いいから早く!!!」

雁夜「事情ぐらい説明しろ!」

ウェイバー「・・・ッツ!」


ブゥゥゥウウゥウン…


雁夜「...熱っ....!?」

雁夜「!?」

雁夜「こ、これは!?」

雁夜「……令呪!!??」

ライダー「小僧!!!!悪いが早く済ませてくれぬか!!??」

ライダー「そう長くはもたん!!!」

ウェイバー「早く!!!!それでバーサーカーを自害させるんだ!!!」


雁夜・バーサーカー「!?」


ウェイバー「早くしろ!!!人類が滅んでもいいのか!!!」

雁夜「・・・・人類・・・・・」
378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 08:15:47.55 ID:vZ/DqkNO0
バーサーカー((どけえええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!))


ゴォォォォオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!


ライダー「グッ・・・・・!!」

ウェイバー「急げ!!!ライダーがもうもたない!!!」

ライダー「ぐ...おおおおおおおおお!!!!!」

バーサーカー((ガッァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!))

雁夜「だが・・・聖杯が手に入れられなければ・・・桜は・・・!」

ライダー「おぉぉぉおおおおおおおおぉおおおおおおおおおお!!!!!!!」

バーサーカー((あああああああああああああああああああああ!!!!!!))

ウェイバー「頼む!!!!止められるのは!!!!もう、あんたしかいない!!!!」

ウェイバー「人類を・・・・!みんなを救ってくれぇ!!!!!」
379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 08:17:17.18 ID:vZ/DqkNO0
―――――




・・・・・・・桜・・・・・・・



俺は・・・・俺はどうすればいい・・・?



人類の未来が・・・俺に託されてるんだ・・・・・




・・・・・でも・・・・・・




人類が救えても・・・・・お前が救えないなら・・・・・






おじさん





え?



380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 08:18:22.93 ID:vZ/DqkNO0
かりやおじさん






さく・・・・ら・・・・・?





おじさん






お母さんを







お姉ちゃんを







みんなを












助けて






381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 08:20:32.37 ID:vZ/DqkNO0
―――――


ゴォォォォオオオオオオオオ!!!!!!!!!!


バーサーカー((.......何故だ!?))


バーサーカー((何故だ!!!!!何故だ何故だ何故だ何故だ!!!!!!!))

バーサーカー((何故.....!?倒れん!!???!!?))

ライダー「・・・さて、何でだろうな」

ライダー「お前分かるか?バーサーカー」

バーサーカー((馬鹿な!!!!!!!魔力はとっくに底を尽き!この世に現界しているのもやっとのはず!!!!!))

バーサーカー((なのに...!!!なぜ倒れない!!!!))

ライダー「...貴様には解るまい!余を突き動かす、この力の正体が...!」

バーサーカー((そんなもん知るかぁぁあああ!!!!!!))
382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 08:21:29.55 ID:vZ/DqkNO0
ライダー「バーサーカーよ!貴様人類に絶望して、闘いにおける基本すら忘れたか!?」

ライダー「我ら戦士の力!その源は、仲間だ!」

ライダー「仲間がいるからこそ!我ら戦士は!戦場を駆け抜けることができる!」

ライダー「仲間がいるからこそ!引けぬ戦いがある!」

ライダー「それすら忘れ、己の力のみで戦っていると勘違いしている貴様になど・・・!」

ライダー「余は負けぬ!!!!」

バーサーカー((ふざけるなぁあああああああああああああ!!!!!!!))

バーサーカー((仲間など馴れ合いだ!弱者の傷の舐め合いだ!))

バーサーカー((俺はそんなものに頼らず!今まで自分の力のみを信じ!戦ってきた!))

バーサーカー((その俺が・・・・!))

バーサーカー((何故…貴様如き抜け殻を倒せぬ!!!!!))

ライダー「・・・バーサーカーよ、貴様は哀れな男だ!」

ライダー「誰も信じられず、己のみを愛する情けない男だ!!!!」

ライダー「そんな軟弱者を・・・!」

ライダー「通す訳にはゆかぬなぁ!!!」

バーサーカー((がああああああああああああっっっっっ!!!!!))


ライダー「これが・・・!!!」



セイバー・ランサー・ライダー「絆の力だ!!!!!!!!!」

383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 08:23:27.35 ID:vZ/DqkNO0
―――――


ザクゥッッ!!!!



バーサーカー((・・・・・・・))

ライダー「・・・・・・・・」

雁夜「・・・・・・・」

ウェイバー「・・・・・・・」


ぐら....


ライダー「クッ・・・・・・」


ドサァ・・・・


ウェイバー「・・・・・・ら」



ウェイバー「ライダーァァァ!!!!!」
384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 08:24:25.69 ID:vZ/DqkNO0


ザッザッザッザッザッザッ!


ウェイバー「ライダーぁ!ライダー!!!」


雁夜「・・・・・・・・」

バーサーカー((・・・・・・・・・))

ウェイバー「し....死ぬな....!しんじゃやだよぉ!ライダーぁ・・・!」


ライダー「..........小僧よ」


ライダー「そう...怒鳴るな、終わったのだ・・・」


ライダー「すべて....終わった」





ライダー「・・・我らの、勝利だ」


385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 08:25:42.36 ID:vZ/DqkNO0
バーサーカー((・・・・・・・))

バーサーカー((・・・・・何だこれは))

バーサーカー((何故....俺に....俺に....))

バーサーカー((...........俺に…剣が刺さっているのだ.....!?))

バーサーカー((誰の剣だ...?これは...?))

バーサーカー((何故....刺さって.....))

バーサーカー((..................これ....は....?))

バーサーカー((これは.......))



バーサーカー((俺の....剣....?))



バーサーカー((・・・・・・・))

バーサーカー((・・・・・・あ))

バーサーカー((あぁあああぁあああぁああああああああぁあ!!!!!!))

雁夜「・・・・・・・」

ライダー「・・・・・・」

ウェイバー「・・・・・・」ギュッ…
386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 08:27:10.09 ID:vZ/DqkNO0
バーサーカー((・・・・嘘だ、こんなの・・・・・こんなのは・・・嘘だ・・・・))

バーサーカー((こんな・・・こんなのは、現実じゃない・・こんな・・・))

バーサーカー((こんな世界は...現実じゃ...ない.....))


ライダー「現実だよ」


ウェイバー「・・・・・・・」

ライダー「貴様は負けたのだ」

ライダー「余と・・・戦友(とも)達に」

ライダー「・・・・そして・・・・」

ライダー「我がマスターにな」

バーサーカー((..............嘘だ))

ライダー「お前の負けだ、狂戦士よ」

ライダー「さっさと地獄に堕ちるがいい」

バーサーカー((......か......かりや......!))

バーサーカー((かいふく......回復しろ......!!))

バーサーカー((早く......!......消える......!))
387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 08:28:46.97 ID:vZ/DqkNO0
かりや「・・・・・・・」

バーサーカー「おれが.......消えてしまう...,.」

ライダー「・・・・・・」

ウェイバー「・・・・・・」

バーサーカー((....かり....やぁ.....はや....く....ぅ....))

ライダー「・・・貴様、自分は今まで独りで戦ってきたと言ったな」

ライダー「ならば・・・最後ぐらい、戦士の意地を見せろ」

ライダー「戦士らしい最期を見せてみよ」

バーサーカー((・・・・・・・あ))

ライダー「男だろうが!!!貴様!!!!」

バーサーカー((・・・・・・・))

バーサーカー((・・・・・・・ふは...))

バーサーカー((ははははははは...))

バーサーカー((あはははははは!!!))
388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 08:30:32.40 ID:vZ/DqkNO0
バーサーカー((....喜べ!!!貴様ら人類の勝利だ・・・!!!))

バーサーカー((だが終わったぞ!!この惑星は!!))

バーサーカー((お前等は潰したのだ!!チャンスを!!))

バーサーカー((この惑星が救われる可能性は・・・!永久に閉ざされた!!!!))

ライダー「・・・・・・」

ウェイバー「・・・・・・」

雁夜「・・・・・・」

バーサーカー((・・・・・精々殺し合うがいい))

バーサーカー((人類同士、仲良く・・・))

バーサーカー((最後の一人になるまでな....))


サラサラサラサラサラ...........


ウェイバー「・・・消える・・・」

ライダー「・・・・・・・・」

雁夜「・・・・・・」

バーサーカー((・・・・・・))
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 08:31:47.79 ID:vZ/DqkNO0


サラサラサラサラ......


バーサーカー((・・・・・雁夜・・・・・))

バーサーカー((先に行って…待っているぞ・・・))


サラサラサラ......


バーサーカー((........地獄でな))


サラサラ........


雁夜「・・・・・・・」

バーサーカー((.................待っている....ぞ.....))


サラ........


................


ライダー「・・・・・・」

ライダー「・・・・・馬鹿者が」
390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 08:32:27.35 ID:vZ/DqkNO0
ライダー「この母なる惑星が・・・人間如きに滅ぼせるものか」

ライダー「人間もまた・・・この世に生きる全ての生物と同じ」

ライダー「・・・ただの畜生だ」

ライダー「大地を・・・舐めるな」

雁夜「・・・・・・」

ウェイバー「・・・・・・」

ウェイバー「・・・立てるか?ライダー」

ライダー「む....おぉ・・・。何とかな・・・」
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 08:33:18.72 ID:vZ/DqkNO0


グッ


ぐら......


ライダー「...むぉ?」

ウェイバー「....!ライダー!!!」


ドサッ!


ライダー「・・・・・・・」

ライダー「おぉ・・・小僧・・・」

ライダー「よくぞ受け止めてくれた」

ウェイバー「・・・・・・・・」

ウェイバー「・・・・・重い!」
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 08:34:57.21 ID:vZ/DqkNO0
―――――

雁夜「・・・・・・」

ライダー「・・・・・・」

ウェイバー「あの・・・・」

ウェイバー「大丈夫・・・・」

ウェイバー「…な訳...ないよな・・・」

雁夜「・・・・・・」

雁夜「・・・・・ありがとう」

ウェイバー「・・・え?」

雁夜「君が…君たちがいなければ・・・」

雁夜「俺は……大切な人たちを…護れなかった・・・・」

雁夜「・・・・・ありがとう…」

ウェイバー「・・・えと・・・その・・・」

ライダー「...ほれ坊主、何を狼狽えておるのだ」

ライダー「シャキッとせんか。もっと堂々としろ」

ライダー「貴様は、この征服王イスカンダルの主なのだぞ?」

ライダー「もっと、自信を持て」ニカッ
393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 08:37:37.07 ID:vZ/DqkNO0
ウェイバー「ライダー・・・」

ウェイバー「・・・・・・」

ウェイバー「・・・こちらこそありがとう。...えぇっと・・・」

雁夜「...雁夜」

雁夜「間桐...雁夜だ」

ウェイバー「・・・僕は、ウェイバー」

ウェイバー「ウェイバー・ベルベット」

雁夜「改めて礼を言う...ウェイバー君」

雁夜「そして......おめでとう...」

ウェイバー「え?」

雁夜「・・・全ての...サーヴァントは...消えた」

雁夜「残ったのは...君のサーヴァント...だけだ」

雁夜「聖杯は......君達のものだ」

ウェイバー「あ・・・・」

雁夜「おめで...とう」ニコッ
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 08:40:03.01 ID:vZ/DqkNO0
ウェイバー「・・・・・・・」

ウェイバー「・・・・・なんで」

ウェイバー「・・・・・なんで...そんな風に・・・」

ウェイバー「そんな風に・・・笑えるんですかぁ・・・?」ッヒック...

雁夜「・・・・世界は...救われた」

雁夜「君達なら・・・後は...大丈夫だろう」

ウェイバー「俺たちは・・・敵なのに・・・」

ウェイバー「何故......信用できるんです・・・?」

雁夜「・・・・・・・」

雁夜「君の...叫びを聞いた・・・」

雁夜「人類を・・・救ってくれ......と・・・」

雁夜「そんなことを言える人間が・・・聖杯を...悪用するとは思えない・・・」

ウェイバー「雁夜さん・・・」
395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 08:42:03.93 ID:vZ/DqkNO0
雁夜「・・・・・それに」

雁夜「万が一・・・君が...間違った道を...進もうとしても・・・」

雁夜「きっと・・・君のサーヴァントが正してくれる・・・」

雁夜「人を...愛して止まない・・・征服王が......ね」

ライダー「・・・・・・・」

ウェイバー「・・・・・・・」

雁夜「・・・・・・・・」

雁夜「・・・・とに...かく・・・」

雁夜「後は・・・君・・・しッ!」

雁夜「うっ!...うぉえぇええ....!!」

ウェイバー「雁夜さん...!?」


ビチャビチャビチャ.....


ウェイバー「.....これは・・・」
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 08:43:28.44 ID:vZ/DqkNO0


ウゴウゴウゴウゴウゴ........


ライダー「・・・蟲...だな」

ライダー「恐らく...魔力の底上げをするために、こいつを使ったのだろう」

雁夜「うっ...うぁ....ぁ.....」

ライダー「こんな物を体内に宿せば、苦しみは地獄なんてものではない」

ライダー「この者は・・・相当の覚悟を持って、この戦いに臨んだのだろう」

ライダー「・・・もはや狂気に近い、覚悟でな」

ウェイバー「そんな・・・」

ウェイバー「・・・助かる・・・のか?」

ライダー「・・・小僧。それについては、魔道に精通している貴様が解らぬ筈があるまい」

ライダー「現実を見ろ。どう見ても、助からんよ・・・」

ウェイバー「・・・・・・・・」
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 08:44:38.87 ID:vZ/DqkNO0
ウェイバー「そんな・・・」

ウェイバー「折角戦いが終わったのに・・・」

ウェイバー「誰かが死ぬのを見るのは・・・もう・・・嫌なのに・・・」

ライダー「・・・・・・」

雁夜「........うッ!ゲェエエェッ!」

ウェイバー「雁夜さん!!!!」

雁夜「.....ごろ.....ごろ......じ.....」

ウェイバー「え?」

雁夜「.......ごろじで......ぐれ......!」

ウェイバー、!!!

雁夜「はや......はやぐ.....!」

ウェイバー「そんな・・・そんな・・・どうすれば・・・」

ウェイバー「・・・・・っライダぁー!!!」

ライダー「・・・・・・・・」
398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 08:46:08.05 ID:vZ/DqkNO0
ウェイバー「お前も・・・!黙ってないで何か考えてくれよぉ!!」

ウェイバー「僕は・・・・どうすればいいんだよぉ!!!」

ライダー「・・・ウェイバー」

ライダー「余の戦いは、もう終わったのだ」

ウェイバー「え・・・?」

ライダー「余の役目は、主である貴様をこの戦争で護ること」

ライダー「最後の敵、バーサーカーが消えた時点で・・・」

ライダー「余の役目は、終わりだ」

ウェイバー「何を言って・・・?」

ライダー「故に、ここから先は貴様の戦いだ」

ライダー「ウェイバー。後は貴様が決めるのだ」

ウェイバー「ライダー・・・」

ライダー「どうすれば、この者を苦しみの連鎖から断ち切れるのか」

ライダー「聡明な貴様は・・・もう、分かっているはずだ」

ウェイバー「・・・・・・」
399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 08:49:13.78 ID:vZ/DqkNO0
ライダー「・・・ウェイバーよ。余が貴様にしてやれることといえば・・・」

ライダー「この程度だ」


スッ


ウェイバー「キュプリオトの・・・剣・・・」

ウェイバー「・・・・・・」

雁夜「・・・・・たのむ」

雁夜「・・・・・・・・・・ころして・・・くれ・・・・」

雁夜「蟲に・・・ころされるのだけは・・・・・」

雁夜「・・・・いや・・・だ・・・」

ウェイバー「・・・・・・」

ライダー「・・・・ウェイバー・ベルベット」

ライダー「貴様は、先程の闘いで英雄となった」

ライダー「人類を救うという、未だかつてない偉業を成し遂げたのだ」

ライダー「・・・だから、狼狽えるな」

ライダー「貴様は・・・」

ライダー「貴様は、王なのだから」
400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 08:50:18.31 ID:vZ/DqkNO0
ウェイバー「・・・・・・・」

ウェイバー「・・・わかった」


ガシッ


ウェイバー「・・・・・・」スッ…


ピタッ


雁夜「・・・・・・・」

ウェイバー「・・・・・・!」

ライダー「震えるか?ウェイバー」

ライダー「余もそうだった」

ライダー「戦場で初めて人をこの手にかけた時、余は、その夜震えて眠れなかった」

ライダー「・・・怖かったのだ」

ライダー「だから、貴様の気持ちはよく解るよ」
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 08:51:24.10 ID:vZ/DqkNO0
ウェイバー「・・・ッツ!・・・うっ・・・!」

ライダー「だがな、これは、貴様が果たすべき最初の仕事なのだ」

ライダー「・・・王になった貴様が果たす、最初の責務だ」

ライダー「だから忘れるな」

ライダー「貴様が殺した・・・最初の人間を」


雁夜「・・・・・ありがとう」


ウェイバー「...ああああぁああああああああぁぁああぁああああああ!!」




第十二話 この醜くも美しい世界

−??:??:??


次回 最終話 バイバイブラザー
402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/27(水) 09:35:34.74 ID:agoevUSko
原型ないランスロットェ……
403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/27(水) 10:36:16.05 ID:vZ/DqkNO0
ら、ランスロットファンの人は申し訳ありません・・・

今後も原作設定無視のオンパレードです、御了承下さい

再開
404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/27(水) 10:37:26.39 ID:vZ/DqkNO0
―――――
竹林


ザックザックザック……


ウェイバー「・・・・・・・」

ライダー「・・・・・・・・」

ウェイバー「・・・これで・・・いいのかな」

ライダー「ん、何か言ったか?」

ウェイバー「この人を・・・こんな場所に置いてけぼりにして・・・」

ウェイバー「寂しく・・・ないのかな・・・」

ライダー「・・・・・・・・」

ライダー「・・・ウェイバー」

ライダー「ここは・・・これより聖地となるのだ」

ライダー「人類を救った王、ウェイバー・ベルベットの伝説として語り継がれる・・・」

ライダー「神聖な場所となる」

ライダー「そんなところで眠るのだ、奴も・・・誇り高いだろうさ」

ウェイバー「・・・・・・・」
405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 10:39:05.13 ID:vZ/DqkNO0
ライダー「・・・それに」

ライダー「奴もまた・・・英雄なのだ」

ライダー「あの狂戦士に立ち向かった・・・立派な英雄だ」

ライダー「ならば・・・埋葬せねばならん」

ライダー「この、聖地にな」

ウェイバー「・・・・・・・」

ライダー「さて、それじゃ行くぞ」

ライダー「・・・聖杯の元へ」

ウェイバー「・・・あぁ!」

ライダー「・・・・・・・・・」

ウェイバー「・・・・・・・・・」

ライダー「・・・・・・・・・・」
406 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 10:40:10.07 ID:vZ/DqkNO0
ウェイバー「・・・・・・・・?」

ウェイバー「・・・おい、ライダー」

ライダー「何だ?」

ウェイバー「何だじゃなくて・・・・」

ウェイバー「早く、戦車(チャリオット)出せよ」

ライダー「無理だ、魔力が無い」

ウェイバー「・・・・・・・・・」

ウェイバー「・・・じゃあ、馬は」

ライダー「無理だ、魔力が無い」

ウェイバー「・・・・・・・・」

ライダー「・・・・・・・・」

ウェイバー「・・・・徒歩かよ」
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 10:41:34.11 ID:vZ/DqkNO0
―――――
冬木市民会館 玄関口

綺礼「・・・・・・・・・」

綺礼「・・・・来たか」

ライダー「おぉ、着いたぞ、ウェイバー」

ウェイバー「つ・・・・疲れた・・・・」

綺礼「よく来たな、勝利者よ」

綺礼「そして・・・聖杯を手にする者よ」

ライダー「・・・・・・・・」

ウェイバー「・・・・・・・・」

綺礼「さぁ、聖杯が待っている」

綺礼「・・・案内しよう」

408 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 10:43:47.95 ID:vZ/DqkNO0
―――――
冬木市民会館 ホール

ライダー「・・・・これは」

ウェイバー「こ・・・洪水?」

綺礼「聖杯より溢れし雫・・・」

綺礼「問題は無い、早く聖杯に触れるがいい」

ウェイバー「・・・・・・・・」

ウェイバー「・・・・・・・!」

ウェイバー「切嗣さん!」

切嗣「・・・・・・・・」

ウェイバー「・・・ありがとうございました」

ウェイバー「これ・・・お返しします」
409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 10:44:22.43 ID:vZ/DqkNO0


スッ…


切嗣「・・・・アヴァロン」

ウェイバー「これのお陰で、あいつに勝てました」

ウェイバー「本当に、ありがとうございました」

切嗣「・・・そうか」

ウェイバー「あ・・・行くんですか?」

切嗣「僕がここに留まる理由はもう無いよ」

切嗣「後は・・・君に託す」

ウェイバー「・・・・・・・・」

切嗣「・・・じゃあな」

綺礼(・・・・・・・・・)

ライダー「おいウェイバー!いつまで突っ立っている気だ!」

ライダー「聖杯は目の前なのだぞ、さっさと行ってこんか!」バシィッ!

ウェイバー「痛い!」

ウェイバー「な、何すんだよぉ・・・」

ライダー「ガッハッハッハ」

ウェイバー「・・・はいはい、行きますよ」
410 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 10:45:34.57 ID:vZ/DqkNO0
ライダー「・・・・・・・・」

ライダー「・・・ウェイバー!」

ウェイバー「・・・・・・?」

ライダー「貴様は、覚悟を知り、愛を知り、そして・・・」

ライダー「死を知った」

ウェイバー「・・・・・・・・」

ライダー「だから、心配いらん」

ライダー「行って来い!!!」

ウェイバー「・・・あぁ!」

綺礼(・・・遂に、聖杯が発動する)

綺礼(待ち受ける未来は地獄か・・・虚無か)

綺礼(・・・それとも・・・)



ウェイバー「・・・・・・・」


パァァァァァァァァ……


ウェイバー「!!!」


411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 10:47:14.69 ID:vZ/DqkNO0
―――――

ウェイバー(・・・・・・・・)

ウェイバー(・・・・・・・・)

ウェイバー「・・・・・・あれ」

ウェイバー「・・・何処だ・・・ここ」


ザーン……ザザーン…ザーン……


ウェイバー「・・・・・・・・」

ウェイバー「・・・・・・海?」


「やっほー、ウェイバー君」


ウェイバー「!?」

ウェイバー「だ、誰!?」

「私、私」

ウェイバー「・・・あなたは・・・!」

アイリ「元気だった?」

ウェイバー「アイリ・・・さん・・・?」

ウェイバー「何で・・・ここに?」
412 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 10:48:38.08 ID:vZ/DqkNO0
アイリ「あぁ、それはね」

アイリ「私が、聖杯の器だから」

ウェイバー「え・・・?」

アイリ「あー・・・正確には違うかな」

アイリ「今の私は、聖杯の意志そのもの・・・って感じ?」

アイリ「えーっとつまり・・・」ウーン

アイリ「・・・聖杯です!私は聖杯です!」

アイリ「御理解頂けたかしら?」

ウェイバー「聖・・・杯・・・」

ウェイバー「アイリさん・・・が・・・」

アイリ「あ、それも違うから」

ウェイバー「え?」

アイリ「私はアイリスフィールじゃありません」ニコッ
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 10:49:31.54 ID:vZ/DqkNO0
ウェイバー「・・・はぁ?」

アイリ「私はあくまで聖杯」

アイリ「器としての機能を果たした、アイリスフィールの記憶を使ってこうして話してるだけで・・・」

アイリ「本物のアイリスフィールじゃありません♪」

ウェイバー「・・・・・・・・」

アイリ「この方が貴方も話しやすいかなーって思って」

アイリ「それとも、貴方の御両親になった方が話しやすいかしら?」

ウェイバー「やめろ!!!」

アイリ「・・・・・・・・」

アイリ「はーい、じゃ、このまま話すわね」ニコッ

ウェイバー「・・・・・・・・」
414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 10:50:28.20 ID:vZ/DqkNO0
アイリ「じゃあ、どうする?」

ウェイバー「・・・え?」

アイリ「願い」

ウェイバー「・・・・・・・・」

アイリ「その為に来たんでしょ?」

アイリ「貴方の、願いを叶える為に」

ウェイバー「・・・・・・・・・」

アイリ「別に何でも構わないわよ〜」

アイリ「世界の王になりたいとか、大金持ちになりたいとか・・・」

アイリ「世界を滅ぼしたい・・・とか」

アイリ「どうする?」

ウェイバー「・・・本当に」

アイリ「ん?」
415 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 10:51:12.44 ID:vZ/DqkNO0
ウェイバー「本当に、アイリさんじゃ・・・ないんですね」

アイリ「えー、記憶の通り振舞ってる筈なんだけどなぁ」

アイリ「何かおかしい?」

ウェイバー「・・・・・・・・」

ウェイバー「・・・っていうか」

アイリ「ん?」

ウェイバー「っていうか、何で、砂浜なんですか?」

ウェイバー「ここ、何処です?」

アイリ「あぁ・・・それ」

アイリ「・・・これはね、本来、切嗣用のエンディングなの」

ウェイバー「・・・は?」

アイリ「ここは、切嗣の思い出の場所・・・」

アイリ「・・・彼の地獄が、始まった場所・・・」

ウェイバー「・・・・・・・・・」
416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 10:52:07.02 ID:vZ/DqkNO0
アイリ「私、本当は切嗣が来ると思ってたから・・・」

アイリ「正直・・・貴方で残念」

ウェイバー「・・・すみません」

アイリ「謝らなくていいわ」ニコッ

アイリ「ごめんね、気を悪くしたなら、貴方用のエンディングに変えるわ」

ウェイバー「・・・いえ、結構です」

ウェイバー「このままでいいです」

アイリ「あぁ、そう」

アイリ「で、願いは?」

ウェイバー「・・・・・・・・」

アイリ「何かあるでしょ?」ニコッ

アイリ「人間だもの、何か欲望がある筈だわ」

アイリ「富・・・名声・・・混沌・・・破壊・・・不老不死・・・」

アイリ「何でもいいのよ」
417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 10:53:05.92 ID:vZ/DqkNO0
アイリ「貴方の望むように・・・何でも、叶えてあげるから」

アイリ「だから、ね?」ニコッ

ウェイバー「・・・・・・・・・」

アイリ「・・・あらら、決めてこなかったの?」

アイリ「別に・・・時間制限は無いんだけど」

アイリ「出来れば、早く決めてほしいなぁ」

ウェイバー「・・・・・・・・・」

ライダー「そうだぞウェイバー、早く決めるのだ」

ウェイバー「!?」

ライダー「貴様は、この瞬間の為に、今まで戦ってきたのだろう」

ライダー「ならば、何を迷うことがあるのだ」

ライダー「貴様の望むままを言えば、それでいいのだ」

ウェイバー「・・・な・・・」
418 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 10:54:02.15 ID:vZ/DqkNO0
セイバー「そうですよ、ウェイバー殿」

ウェイバー「!?」

セイバー「貴方は、覚悟を持ってこの戦いに臨んだ筈だ」

セイバー「ならば、願いも予め決まっている筈でしょう」

佐藤「ほら、早く決めちまえよ!ウェイバー君」

鈴木「なーにをチンタラやってんだよ」

貝塚「好きにしちゃっていいんスよ!」

ウェイバー「あ・・・・あ・・・・」

切嗣「・・・・・・・」

ウェイバー「・・・切嗣・・・さん」

切嗣「・・・君のしたいようにすればいい」

切嗣「君は、聖杯に選ばれたのだから」

ウェイバー「・・・・・・・・・」

雁夜「・・・・・・・・」

ウェイバー「・・・・・・雁夜さん・・・・」
419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 10:54:52.15 ID:vZ/DqkNO0
雁夜「君なら出来るよ」

雁夜「この世界を、変えることが出来る」

ウェイバー「・・・・・・・・」

雁夜「君には、今、それだけの力がある」

雁夜「なら・・・使うべきだ」

雁夜「力を持つ者の責任を、行使するべきだ」

雁夜「果たすべき責任を、果たすんだ」

ウェイバー「・・・僕は・・・・」

ライダー「小僧よ、決めるのだ」

ライダー「それが、今、貴様が果たすべき責務だ」

ウェイバー「・・・僕は・・・!」


「ウェイバー」


ウェイバー「・・・・・・・・」

ウェイバー「・・・・・父さん」

「・・・大きくなったな・・・」

ウェイバー「・・・・・・・・」
420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 10:55:44.28 ID:vZ/DqkNO0
アイリ「ねぇ、決まった?」

アイリ「何でもいいのよ、例えば・・・」

アイリ「大切な人を、蘇らせてほしい」

アイリ「・・・とか」

ウェイバー「・・・・・・・・」

アイリ「貴方には権利がある」

アイリ「この世の法則を、捻じ曲げる権利が」

アイリ「何故なら・・・」

アイリ「貴方は、王なのだから」

ウェイバー「・・・・僕が・・・・」

ウェイバー「・・・王」

アイリ「そう、貴方は王」ニコッ

アイリ「王は、全てを支配する権利を持っているわ」

アイリ「この世の全てを・・・ね」
421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 10:56:32.61 ID:vZ/DqkNO0
ウェイバー「・・・・・・・・・・」

ウェイバー「・・・わかった・・・」

アイリ「・・・・・・・・」

ウェイバー「・・・決めたよ」

ウェイバー「・・・願いを」

アイリ「はい・・・我が王」

アイリ「何なりと、申してください」

ウェイバー「僕は・・・・」

ウェイバー「・・・僕は・・・」


ウェイバー「僕は・・・・・聖杯を否定する」


アイリ「・・・・・・・・」

アイリ「今、何て?」
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 10:57:13.60 ID:vZ/DqkNO0
ウェイバー「聖杯なんていらない」

アイリ「どうして?」

ウェイバー「蘇らせたい人も居ない」

アイリ「どうして!?」

ウェイバー「僕は・・・」

ウェイバー「何も、いらない」

アイリ「何でよ!!!!???!?」

アイリ「この世の全てが貴方のものになるのよ!??!?」

アイリ「なのに!!!どうしてそんな事言うのよ!!!!」

ウェイバー「・・・だって、僕は・・・」

ウェイバー「欲しいものは・・・全部・・・」

ウェイバー「この戦いで・・・手に入れたから!」

アイリ「・・・・・・・・」
423 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 10:59:04.83 ID:vZ/DqkNO0
ウェイバー「死者を蘇らせるだって・・・?馬鹿言うなよ・・・」

ウェイバー「そんなの・・・死んだ人たちに対する・・・」

ウェイバー「・・・侮辱だ」

アイリ「・・・・・・・・」

ウェイバー「皆・・・笑って逝ったんだ」

ウェイバー「苦しい筈なのに・・・悲しい筈なのに」

ウェイバー「それなのに・・・みんな、笑って逝ったんだ」

ウェイバー「セイバーも、ランサーも・・・アーチャーも・・・」

ウェイバー「・・・雁夜さんも」

アイリ「・・・・・・・・・・」

ウェイバー「きっと・・・アイリさんだってそうだ・・・」

ウェイバー「それを否定することなんて・・・」

ウェイバー「僕には・・・できない」
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 11:00:12.70 ID:vZ/DqkNO0


ガッ


ウェイバー「…が…ぁ…」

アイリ「どうしてそんなこと言うのよ」

ウェイバー「…は…な……」

アイリ「ねぇ、どうしてそんなこと言うの?」

ウェイバー「…が…は……」

アイリ「どうして!!!!私を否定するのよぉ!!!!!!!!!」


「その辺にしておきなさい」


ウェイバー「…ぐ……が…」

アイリ「・・・・・・・・」

ウェイバー「…あなた……は…」


アイリ「もう、やめなさい」

アイリ「あなたは否定されたのよ、聖杯」

聖杯「・・・・・・・・・」
425 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 11:01:43.53 ID:vZ/DqkNO0
アイリ「彼に・・・彼の強い意志に」

アイリ「あなたは負けたの」

聖杯「・・・嘘だ・・・」

アイリ「王の願いを叶えるのがあなたの役目の筈」

聖杯「嘘だ・・・!」

アイリ「なら、受け入れなさい」

聖杯「嘘だ!!!!!!!!!!」


ブンッ!

ガッ!


ウェイバー「…が…!」

ウェイバー「…げっほ…!げほ…!」

聖杯「私が否定されるなんて、そんな事はありえない」

アイリ「事実よ」

聖杯「黙れよ、たかが器の人格の分際で」

聖杯「・・・お前、何故出てきてる」

聖杯「もう消えた筈だろ?」
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 11:02:53.95 ID:vZ/DqkNO0
アイリ「勿論」ニコッ

アイリ「私は、ウェイバー君の中にある記憶の断片でしかない」

アイリ「ただの残滓」

聖杯「だったらしゃしゃり出てくるな!!!!!!」

アイリ「そうはいかないのよ」

アイリ「あなたは、王の意思とは関係なく、自分を出しすぎている」

アイリ「聖杯としての役目を・・・超えて過ぎている」

アイリ「聖杯・・・いえ」

アイリ「この世全ての悪(アンリマユ)」

聖杯「・・・・・・・・」

アイリ「あなたは、この戦いで幾つもルール違反を犯した」

アイリ「サーヴァントを失ったマスターに再び契約印を与え・・・そして」

アイリ「サーヴァントの精神を犯し、この戦いを、自分にとって都合のいい終焉に仕向けようともした」

聖杯「・・・・・・・・」
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 11:04:29.60 ID:vZ/DqkNO0
アイリ「これだけ好き放題やったんだから、私の言うことに文句は言えない筈よね?」ニコッ

アイリ「・・・全ての決定権は、王にあるわ」

聖杯「・・・・・・・・」

アイリ「王の意思に従う・・・」

アイリ「それが、私達聖杯の役目」

アイリ「でしょ?」

聖杯「・・・・・・・・」

アイリ「・・・ウェイバー君」

ウェイバー「は・・・はい」

アイリ「ごめんなさいね、色々手間を取らせてしまって」ニコッ

アイリ「後は、王であるあなたの決めることです」

アイリ「何なりと、申しつけ下さい」

アイリ「我が王よ」

ウェイバー「・・・・・・・・」
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 11:05:17.66 ID:vZ/DqkNO0
ウェイバー「・・・あなたは・・・アイリさんなんですね」

アイリ「いや・・・違うんだけど・・・」

ウェイバー「いや、あなたはアイリさんだ」

アイリ「・・・・・・・・」

ウェイバー「優しくて・・・笑顔が素敵で・・・」

ウェイバー「セイバーが大好きで・・・切嗣さんが愛した・・・」

ウェイバー「僕の知ってる・・・アイリさんです」

アイリ「・・・・・そう」

アイリ「それじゃ、どうぞ決めちゃってください」

アイリ「あなたの、願いを」

ウェイバー「・・・・・・・」

ウェイバー「僕の願いは・・・・」
429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 11:06:24.74 ID:vZ/DqkNO0
―――――
冬木市民会館 ホール

ライダー「・・・・・・・・」

綺礼「・・・・・・・・・」

ライダー「・・・・・・・・・お」

ライダー「・・・出てきた」


パァァァァァァァ……


ウェイバー「・・・・・・・・」

ライダー「よう、ウェイバー」

ライダー「・・・願いは、叶ったか?」

ウェイバー「・・・・・・・・」

ライダー「・・・・・・・?」

ライダー「・・・何だ、決めあぐねて戻ってきたのか?」

ウェイバー「・・・・・・いや」

ウェイバー「・・・願いは・・・」

ウェイバー「・・・成就・・・された」
430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 11:07:16.41 ID:vZ/DqkNO0


ピシ……


ライダー「・・・む・・・」


……ピシ………


……パリー……ン………



ウェイバー「・・・・・・・・」


………………


綺礼「・・・ウェイバー・ベルベット」

綺礼「これが・・・貴様の答えか」

ウェイバー「・・・・・・・・・」

ライダー「・・・・・・・・・」

ウェイバー「・・・ごめん・・・ライダー」

ウェイバー「お前の願い・・・」

ウェイバー「叶え・・・られなかっ・・・・」

ウェイバー「ふ・・・う・・・・ぅ・・・・」
431 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 11:08:23.89 ID:vZ/DqkNO0


ポンッ……


ライダー「なぁに、気にするでないわ」ワシワシ

ライダー「余の願いは・・・既に叶ったからな」

ウェイバー「・・・え・・・?」

ライダー「お前だよ、ウェイバー」

ライダー「貴様は、立派な王となってくれた」

ライダー「余の願いは、それだ」

ウェイバー「ライ・・・ダー・・・」

ライダー「ありがとう、ウェイバー」

ライダー「余は・・・嬉しい」ニカッ

ウェイバー「く・・・ふ・・・ぅ・・・!」

綺礼「・・・・・・・・」

綺礼「・・・聖杯の行く末は見届けた」

綺礼「これにて、聖堂教会の役目は終了だ」

綺礼「・・・調停者として宣言しよう」

綺礼「今、この瞬間を持って」

綺礼「第4次聖杯戦争の、終焉を告げる」
432 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 11:10:12.80 ID:vZ/DqkNO0
―――――
翌日 冬木市 民家

ニュースキャスター「では、次のニュースです」

ニュースキャスター「冬木市新都で、昨夜大規模な火災が・・・」


マーサ「アレクセイさんは無事にイギリスに着いたかしらねぇ・・・」

ウェイバー「明け方にヒースローから電話してきたよ」

ウェイバー「・・・時差を考えろってんだよ、まったく・・・」

マーサ「あら電話が?気づかなかったわ・・・」

マーサ「でも、あの人らしいじゃないの」

グレン「ハッハッハッハ・・・・」

ウェイバー「・・・・・・・・・」

ウェイバー「ねぇ・・・おじいさん、おばあさん」

ウェイバー「相談があるんだけど・・・いいかな?」
433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 11:11:17.41 ID:vZ/DqkNO0
グレン「どうしたんだ?改まって」

ウェイバー「うん、実はね・・・」

ウェイバー「・・・旅をしようかと思うんだ」

マーサ「まぁまぁ・・・!」

マーサ「聞きましたかグレン?」

マーサ「ウェイバーちゃんったら急に・・・まるでアレクセイみたいな事を言い出したわ・・・!」

ウェイバー「ともかく・・・まぁ色々準備というか、先立つものも必要になるし・・・」

ウェイバー「先ずは暫く、働こうかな・・・って」

グレン「・・・そうか」ニコッ

ウェイバー「・・・それでさ、ここからが本題なんだけど・・・」

ウェイバー「・・・もし、構わない様ならさ」

ウェイバー「目処がつくまで・・・この家で厄介になっても・・・いいかな?」

マーサ「・・・ッ・・・!勿論ですとも・・・!」

マーサ「ウェイバーちゃんとまだ一緒にいられるなんて・・・何て素敵なんでしょう!」

マーサ「そうだ・・・!今日はお祝いね!」

ウェイバー「・・・・・・」ニコッ
434 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 11:12:39.61 ID:vZ/DqkNO0
―――――
2階 ウェイバーの自室


ガチャッ……


ウェイバー「・・・・・・・」

ウェイバー「・・・まったく」

ウェイバー「ただの霊魂風情が・・・いったいどーすりゃ、これだけの痕跡を残していくってんだよ・・・」ワチャワチャ

ウェイバー「・・・・・・・」

ウェイバー「・・・夢じゃ、ないんだな」

ウェイバー「この戦いで起きた・・・すべてのこと・・・」

ウェイバー「・・・・結局」

ウェイバー「僕は・・・何も変えることができなかったのかもしれない」

ウェイバー「・・・・・・」
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 11:16:45.82 ID:vZ/DqkNO0
―――――
昨夜

ウェイバー「・・・・・・・」

ライダー「・・・・・・・・」

ウェイバー「・・・僕は・・・」

ウェイバー「僕は・・・こんな・・・地獄を見るために・・・」

ウェイバー「この戦いに・・・参加したわけじゃない・・・」

ウェイバー「こんな・・・何もかも燃えて・・・」

ウェイバー「・・・・・クソォ!!!!!!」

ライダー「・・・・・・・・・」

ウェイバー「・・・何が聖杯だよ・・・何が・・・願望器だよ・・・」

ウェイバー「こんな結果・・・僕は・・・」

ウェイバー「・・・望んでない・・・!」

ライダー「・・・ウェイバー」
436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 11:17:38.65 ID:vZ/DqkNO0
ライダー「かつての王として、一つお前に教えておくよ」

ライダー「世界を変えたいと願うなら、先ずは己を変えるのだ」

ライダー「己が変われば、自ずと世界にも変革がもたらされる」

ウェイバー「・・・・・・・」

ライダー「他人に期待するな、流れに身を任せるな」

ライダー「この世界を変えるのは、誰かではない」

ライダー「・・・貴様なのだ」

ウェイバー「・・・・・・・」

ライダー「一人の人間の力など、取るに足らないものだと思うか?」

ライダー「・・・違うな」

ライダー「人間一人一人が変革することで、世界は変わっていくのだ」

ライダー「・・・何故なら・・・」

ライダー「貴様も・・・この世界の一部なのだからな」

ウェイバー「・・・・・・・」
437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 11:18:25.78 ID:vZ/DqkNO0
ライダー「・・・おっと」


サラサラサラサラサラ…サラ…


ライダー「すまんがそろそろ時間だ、余はもう行くよ」

ライダー「まったく・・・あの泥から逃げる為に、残りの魔力をすべて使ってしまったからなぁ」

ライダー「あれさえなければ、せめて朝まではいられたのだが・・・」

ライダー「・・・まぁ、それも今となっては些末なことよ」


サラサラサラサラサラ…


ウェイバー「・・・・・・・」

ライダー「・・・ウェイバー、泣かないのか?」

ライダー「戦友(とも)との別れの時は、泣いてもいいと教えた筈だが?」

ウェイバー「・・・・・泣かないよ」

ウェイバー「僕はもう、泣かないって決めたんだ」

ライダー「・・・フッ・・・そうか」
438 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 11:19:21.18 ID:vZ/DqkNO0
ウェイバー「だって、僕はもう」

ウェイバー「・・・王、だから」

ライダー「・・・そうだな」

ウェイバー「・・・それに・・・」

ウェイバー「それに・・・友達と別れる時に、泣いたりなんかしないよ」

ウェイバー「笑って見送るのが・・・友達…だもんな」ニカッ

ライダー「・・・そうだな」フッ…

ライダー「ウェイバー・ベルベット」

ウェイバー「・・・・・・・」

ライダー「我が生涯の友よ、そして・・・」

ライダー「我が王よ」

ライダー「貴方に仕えることが出来て、余は、これ以上ない程の幸福を享受した」

ライダー「・・・ありがとう」
439 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 11:20:21.32 ID:vZ/DqkNO0
ウェイバー「・・・それは、僕も同じだ」

ウェイバー「ありがとう・・・」

ウェイバー「僕の・・・最高の友達」

ウェイバー「・・・イスカンダル・・・」

ライダー「・・・・・・・」ニカッ

ウェイバー「・・・じゃあ」

ライダー「おう、またな」

ライダー「また・・・どこかで会おう」

ライダー「小さき・・・王よ・・・」


サラサラサラサラ……

サラサラサラ…

サラサラ…

…………


ウェイバー「・・・・・・・」

ウェイバー「・・・・またな」
440 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 11:21:29.76 ID:vZ/DqkNO0
―――――

ウェイバー「・・・・・・」

ウェイバー「・・・・ん?」

ウェイバー「これ・・・」


ガサガサッ…


ウェイバー「・・・初回購入特典、オリジナルTシャツ付き・・・」

ウェイバー「こんなの欲しがる奴なんて、いるのかよ?」フッ…

ウェイバー「・・・まったく」ニコッ...

ウェイバー「仕様がないから、部屋着にでもしてやるよ」

ウェイバー「感謝しろよ?」

ウェイバー「・・・ライダー」
441 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 11:36:50.48 ID:vZ/DqkNO0
―――――
冬木市 墓地

凛(・・・・・・・)

凛(・・・お父様・・・)


「凛」


凛「・・・・・・・」

綺礼「霊前での立ち振る舞い、見事であった」

綺礼「新たな当主の初舞台として、まずは十分な働きだ」

綺礼「お父様も、さぞや鼻が高いことだろう」

綺礼「御苦労だった」

凛「・・・ッ・・・・」
442 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 11:38:14.67 ID:vZ/DqkNO0
綺礼「・・・時臣氏の差配は、実に完璧だった」

綺礼「遠坂が積み上げてきた魔道は一切の遺漏なく、凛、君に受け継がれるだろう」

凛「・・・そう、それは何よりだわ」

綺礼「・・・・・・・」

綺礼「また暫く、私は日本を留守にするが・・・」

綺礼「今後について何か・・・不安はあるかね?」

凛「無いわよ!あんたに頼ることなんて、何も!」

綺礼「・・・凛、これよりお前は名実共に遠坂の当主となる」

綺礼「今日この日の為に、私から門出の品を送りたい」
443 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 11:39:34.72 ID:vZ/DqkNO0


シャキンッ……


凛「・・・・・・」

綺礼「・・・アゾット剣」

綺礼「かつて私が魔術の修行の成果を我が師に認められた折・・・頂いた品だ」

綺礼「以後これは、お前が持つといい・・・」

凛「・・・これが」

凛「・・・お父様の・・・」

凛「・・・・・・・・」


凛「・・・・ふっ・・・ぅっ・・・・」


綺礼(・・・・・・・・)

凛「う・・・うぅぅ・・・・ぇ・・・・」
444 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 11:40:23.12 ID:vZ/DqkNO0


「凛」


ギュッ……


葵「泣いちゃ駄目・・・」

凛「おかあ・・・さま・・・」

葵「これから・・・あなたは当主になるのよ?」

葵「だったら・・・お父様が見ている前で、泣いては駄目」

葵「後で・・・お家に帰ったら、好きなだけ泣いていいから・・・」

葵「だから・・・ね?」

凛「・・・・・・・・」

凛「・・・・はい・・・・!」

綺礼(・・・・・・・・・)
445 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 11:42:59.04 ID:vZ/DqkNO0
―――――
例のファミマ


ピロリロリロ〜ン ピロロロロ〜ン♪


藤村「ありがとうございました〜♪」

藤村「よっしゃあ!私、絶好調!」

一条「あらあら、元気ねぇ、大河ちゃん」クスクス

一条「何か良いことでもあった?」

藤村「うんにゃ、別にこれといってないですよ」

藤村「ただ、ちょっと視点を変えただけです」

一条「視点?」
446 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 11:43:32.03 ID:vZ/DqkNO0
藤村「うん・・・ちょっと変えただけ」

藤村「それだけで、世界は何かすっげー広いな〜とか思ったりして・・・」

藤村「うーん・・・何か違うなぁ・・・」

一条「あはは、とにかく、大河ちゃんが元気になってくれてよかった」

一条「いつもの大河ちゃんに戻ったわね」

藤村「じ、自分はいつも変わらないッスよ!」

一条「あら、そう?」

藤村「・・・あ!そうだ、聞いてくださいよ一条さん!」

藤村「この前、ウチに家屋の改修工事頼みに来た人がいるんですけどね」

藤村「それがまた無愛想な人で・・・何喋っても「あぁ・・・」しか言わないんですよ!?」

藤村「おまけにその子供がまた生意気で・・・」

藤村「何かと決闘しろ決闘しろってうるさいんですよ」

一条「あら、大変ねぇ」
447 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 11:45:28.78 ID:vZ/DqkNO0
藤村「まぁ、その度にボコってますけどね」

一条(大人気ない・・・)

藤村「あ、でも奥さんがこれまた美人で」

藤村「凄い物腰柔らかで、何ていうかその〜」

藤村「あぁ言うのを、大和撫子っていうのかなぁ」

一条「へ〜」

藤村「私も将来、ああいう慎み深い美人になりたいな〜」ハフゥ…

一条(そ、それはどうなのかしらね・・・)

一条「・・・何か、大河ちゃん、大人になった?」

藤村「へ?」

一条「何ていうか・・・その」

一条「柔らかくなったかな〜・・・なんて」

藤村「・・・・・・・・・・」

藤村「・・・そりゃぁそうですよ」

藤村「だって・・・私」



藤村「もう、子供じゃないから」ニコッ




最終話 バイバイブラザー

―00:00:00
448 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 11:51:19.81 ID:vZ/DqkNO0
+5,781,600
449 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 11:53:27.60 ID:vZ/DqkNO0
―――――
11年後 秋葉原


「ニュースをお伝えします」

「昨夜未明、渋谷区B丁にて、刃物による殺傷事件が起こりました」

「犯行は通り魔的で、これにより、一人が死亡。重傷者が一人、軽症者が三人と・・・」

ピッ

「現在世界で起こる飢餓ですがねぇ・・・これが」

ピッ

「昨日、A国で起こった大使館テロですが、これは恐らく過激派グループによる」

ピッ

「現在日本で確認されている自殺者が、年間の統計で、5年連続で3万人を突破しました」

ピッ

「大就職氷河期時代が!」

ブツン……
450 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 11:55:23.80 ID:vZ/DqkNO0
ウェイバー「・・・・・・・・」

ウェイバー「・・・なんじゃこりゃ」

ウェイバー「この国は、暗い話題しか放送しちゃいけないルールでもあるのか・・・?」


「ちょっと、お客さん」


ウェイバー「・・・・・・・・」

店員「困るんだよぇ、そういうの」

店員「勝手にテレビ消さないでくれる?それも宣伝の一環なのよ」

ピッ

「もりもりキッチンのコーナーが始まりま〜す♪」ドンドンパフパフ


スッ…


店員「・・・あ」

店員「・・・ッチ、何か買ってけよ・・・」
451 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 11:57:03.72 ID:vZ/DqkNO0
―――――
秋葉原 大通り

ウェイバー(・・・・・・・・)


<だよねぇ〜

<ねぇ、昨日のあれ観たぁ?

<お前・・・!スイマセンじゃ済まされないだろ!!!!

<でけぇ声出してんじゃねーよ・・・気持ちわりぃ・・・

<死ね・・・死ね・・・死ね・・・ブツブツブツ

<あ、もっし〜?


ウェイバー「・・・・・・・」

ウェイバー(・・・・変な国)

ウェイバー「だが・・・この街は素晴らしい」

ウェイバー「この街には・・・ありとあらゆる神秘がある」

ウェイバー「正に・・・聖地・・・!」

ウェイバー「・・・・・・・」

ウェイバー(・・・何してんだろう・・・俺)ハァ…
452 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 11:58:26.54 ID:vZ/DqkNO0
ウェイバー(・・・・・・)

ウェイバー(・・・結局)

ウェイバー(世界は・・・何も変わってない)

ウェイバー(俺は・・・あの戦争で何がしたかったんだろう?)

ウェイバー(あいつもいなくなって・・・友達も失って・・・)

ウェイバー(あの戦争は・・・何だったんだ?)

ウェイバー(・・・・・・・・・・・・)

ウェイバー(・・・・ライダー・・・・)
453 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 12:00:00.87 ID:vZ/DqkNO0



<ねぇキリツグ!次はあのお店行きたい!



ウェイバー「!?」

ウェイバー「きり・・・!」

ウェイバー「・・・・・・」

ウェイバー「聞き・・・違いか」

ウェイバー「・・・・・・・」


ピリリリリリリ……


ウェイバー「・・・・・・・」


ピリリリリリリリリ……


ウェイバー「・・・・・・・」


ピリリリリリリリリ……


ウェイバー「・・・・・・・」ハァ…
454 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 12:01:15.40 ID:vZ/DqkNO0

ピリリリ…ピッ

ウェイバー「・・・もしもぉし」


「ちょっと教授!今どこですか!?」


ウェイバー「・・・・・・・・」


「もうすぐ講義始まるんですよ!?早く来てください!!」


ウェイバー「・・・・・・・・」

「ちょっと!!!今どこですか!?」

ウェイバー「・・・日本・・・」

「にほ・・・はぁ!?」

「え、ちょっ・・・はぁ!?」

ウェイバー「・・・・・・・・」

「ちょっと・・・いい加減にしてくださいよ・・・」

「怒られるの・・・私なんですけど・・・?」

ウェイバー「・・・ごめん」

「・・・信じらんない・・・」

ウェイバー「・・・今日の便で帰るから・・・じゃ」

「え・・・ちょっと・・・」

ブツッ……
455 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 12:02:40.99 ID:vZ/DqkNO0
―――――
同刻 時計塔



ツーツーツー……



凛「・・・・・・・」

凛「・・・あの野郎・・・」

凛「今度会ったら・・・絶対にぶっ殺す・・・」ワナワナ
456 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 12:03:41.29 ID:vZ/DqkNO0
―――――
再び秋葉原

ウェイバー「・・・・・・・」

ウェイバー「・・・ライダー」

ウェイバー「そっちの調子はどうだ?」

ウェイバー「・・・こっちは・・・」

ウェイバー「・・・・・・・・・・」


ウェイバー「・・・まぁ・・・何とか生きてるよ」




457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/27(水) 12:09:23.77 ID:vZ/DqkNO0
そんな感じで御愛読ありがとうございました。これにて終了となります

まさかここまで長々ダラダラ続くとは思ってませんでした。

矛盾・・・ゴリ押し・・・御都合展開・・・

様々な酷い部分はあったでしょうが、まぁ、若気の至りです。お許しを

物語はこれで終了ですが、この後おまけを予定しております。それでは
458 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岐阜県) [sage]:2012/06/27(水) 12:14:23.81 ID:e4gWtYd6o
乙ー
タイガーと決闘しろ言ってるの誰なんだろう
士郎…は違うだろうし、弟子1号?
459 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/27(水) 12:25:17.33 ID:fG1Xb1bXo
乙!
いいウェイバー√だったね
(月曜日に二次面接に逝ってくるぜ)
460 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/27(水) 16:29:36.93 ID:vZ/DqkNO0
>>459

頑張ってください!私も明日は面接なので気合入れます
461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 16:31:07.63 ID:vZ/DqkNO0
extra-episode「わりとヒマな騎士王の一日」
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 16:32:14.94 ID:vZ/DqkNO0
―――――
朝 屋敷

セイバー「・・・・・・・」カキカキ

セイバー「特技・・・風・・・王・・・結界・・・・」

セイバー「約束された・・・・勝利の・・・・・・・」

セイバー「・・・よし」

セイバー「一日10枚のノルマは達成した」

セイバー「これでアイリスフィールも文句はないだろう」フフフ...

セイバー「さぁ、いざ外へ遊びに行」

アイリ「セイバー」

セイバー「・・・・・・・・・」

セイバー「・・・アイリスフィール」

アイリ「何処行くの?」

セイバー「いや・・・その・・・」
463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 16:33:37.01 ID:vZ/DqkNO0
アイリ「遊びに・・・って聞こえた様な気がするけど」

アイリ「遊びに行くの?」

セイバー「・・・・・アイリスフィー」

アイリ「遊びにいくのね?」

セイバー「・・・・ごめんなさい・・・・」

アイリ「・・・・・・・」

アイリ「・・・・・・・」ハァ...

アイリ「あのね・・・セイバー」

セイバー「・・・・はい」正座してる

アイリ「別にね、遊びにいっちゃ駄目なんて言ってないのよ」

アイリ「時には生き抜きも必要だし、緊張を解す意味でも、遊びは必要だと思うわ」

アイリ「でも、最近のあなた、緊張してないんじゃないかしら」

セイバー「・・・・・・・・」
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 16:34:54.21 ID:vZ/DqkNO0
アイリ「先週何社受けたの?」

セイバー「・・・・・・・・」

セイバー「・・・・2・・・」

アイリ「・・・・・・・・・」

セイバー「・・・・ゼロです」ちょっと涙目

アイリ(・・・・・・・・・)

アイリ「・・・ねぇ、セイバー」

セイバー「・・・はい・・・」

アイリ「遊びに出かけるっていうなら・・・」

アイリ「イリヤを一緒に連れていってくれる?」

セイバー「え・・・?」
465 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 16:36:05.58 ID:vZ/DqkNO0
アイリ「あの子も、中々外に出る機会が無いから・・・」

アイリ「暇だっていうなら、折角だから連れて行ってほしいの」

アイリ「頼めるかしら?」

セイバー「・・・・・・・・」

セイバー「・・・了解しました!アイリスフィール」パァァァァ

アイリ(・・・・・・・・)

アイリ「じゃあ・・・はい、これ」


スッ...


アイリ「あんまり無駄遣いしちゃ駄目よ?」(3万円)

セイバー「分かってますよ、アイリスフィール」

セイバー「後は・・・この騎士王に任せて下さい・・・!」キリッ!

アイリ「はいはい・・・・」
466 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 16:37:20.34 ID:vZ/DqkNO0
―――――
屋敷の外の道

セイバー「イリヤ、どこに遊びに行きたいですか?」

イリヤ「えーっとぉ・・・」うーん

イリヤ「・・・・!」

イリヤ「遊園地!」

セイバー「ほう、遊園地・・・」

イリヤ「一度ね、行ってみたいな〜って思ってたの!」

セイバー「私も行った事ないですね・・・」ワクワク

イリヤ「楽しみだなぁ〜」ワクワク

セイバー「・・・了解しました」

セイバー「では・・・行きましょう、イリヤ」

セイバー「・・・全て遠き理想郷(遊園地)へ!」

イリヤ「ラジャー!」
467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 16:38:33.06 ID:vZ/DqkNO0
―――――
例のファミマ

セイバー「イリヤ、お菓子は500円までですよ?」

セイバー「それ以上はアイリスフィールに怒られます」

セイバー「・・・主に私が」

イリヤ「分かってるってば〜」

イリヤ「えーっとぉ、コアラのマーチでしょ、トッポでしょ」

イリヤ「それからたけのこの里と・・・」

セイバー「イリヤ!それだとチョコ系ばっかりです!」

セイバー「それに、たけのこの里など言語道断!戦士は黙ってきのこの山です!」

イリヤ「やだ!わたし甘いのが好きなんだもん!」
468 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 16:40:22.94 ID:vZ/DqkNO0
<とにかくたけのこだけは外してください!

<やだー!


藤村(・・・賑やかねぇ)

藤村(二人共外人さんっぽいけど・・・親子・・・じゃないわよね)似てないし

藤村(どっちも超美人で人形みたいだし・・・)

藤村「・・・流石、外国は進んでるわね〜・・・」フゥ...

龍之介「藤村さん何ババァみたいなこと言ってんの?」更年期?


スパァンッ!!!!(朝刊で叩く音)


龍之介「いってぇ!!!」

藤村「・・・・・・・」

龍之介「・・・・・・・」さすさすさす...

藤村「・・・・・・・」

龍之介「・・・・・・・」

龍之介「・・・何か言ってよ・・・」余計怖いんだけど



セイバー「分かりました!この際たけのこは妥協します!」

セイバー「だからせめてしょっぱい系を一つ入れてください!」
469 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 16:42:30.22 ID:vZ/DqkNO0
―――――
駅 ホーム

テレレレレレレ〜ン………♪

「間も無く・・・3番線に電車が参ります。黄色い線の内側に下がってお待ちください」

「なお、3番線の電車は快速急行となりますので、当駅には停車いたしません」

「次の電車をお待ちください」


イリヤ「うわぁ〜・・・・」目が輝いてる

セイバー「どうかしましたか?イリヤ」

イリヤ「わたし・・・電車に乗るの初めて・・・」ワクワク

セイバー「ほほぅ」

セイバー(・・・・・・・)ニヤリ

セイバー「あ、ほらイリヤ、電車が来ますよ?」

イリヤ「ほんとだ!」

イリヤ「あれに乗るのね!?」

セイバー「そうです」
470 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 16:44:35.39 ID:vZ/DqkNO0

………プァーン…………ゴォォォォォォ…………


イリヤ「・・・!」ワクワク

イリヤ「よーし!いざ電」

ゴオオオオオォォォォォオオオオォォオオオォオオォォォオオオオオオオオッ!!!!!

ォォオオオォオオォォォオオオオオオオオッ!!!!!

ォォォオオオオオオオオッ!!!!!

オオオオッ!!!!!

・・・・・・・・


イリヤ「・・・・・・・・」

セイバー「・・・駄目じゃないですかイリヤ」

セイバー「今のでタイミング良く乗らないと、電車には乗れません」

イリヤ「・・・・・・・・」

セイバー「次は2分後ですね、今度はタイミング良く乗りましょう」

イリヤ「・・・・・・・・」

セイバー「・・・イリヤ?」

イリヤ「・・・・・・・」



イリヤ「・・・ふっ・・・うぇぇ・・・」

セイバー「あぁ!イリヤ!?」
471 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 16:46:14.08 ID:vZ/DqkNO0
―――――
電車の中


ガタンゴトン…ガタンゴトン…


イリヤ「もぐもぐもぐ・・・」たけのこの里食べてる

セイバー「あの・・・イリヤ・・・」

セイバー「お菓子は全て食べていいですから・・・その・・・」

セイバー「・・・アイリスフィールには御内密に・・・」

イリヤ「もぐもぐもぐ・・・」

セイバー「・・・・・・・」

イリヤ「・・・ごっくん」

イリヤ「やだ」

セイバー「!?」
472 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 16:47:19.34 ID:vZ/DqkNO0
―――――
駅改札

セイバー「着きましたね」

イリヤ「うわぁ・・・」

イリヤ「・・・遊園地は?」

セイバー「ここからバスに乗って15分です」

イリヤ「バス!?」

イリヤ「乗りたい乗りたい乗りたーい!!!」

セイバー「し、心配しなくてもバスは逃げませんよ・・・」
473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 16:48:43.37 ID:vZ/DqkNO0
―――――
バス車内

イリヤ「うわぁ・・・うわぁ・・・」

イリヤ「これがバスかぁ・・・」

セイバー「楽しそうですね」

イリヤ「だって!バスって初めて乗るんだもの!」

セイバー「そうですか・・・」

セイバー(・・・・・・・・)

セイバー(そうか・・・私達にとって当たり前の出来事も)

セイバー(ずっと屋敷で暮らしてたイリヤにしてみれば・・・新鮮なのだな)

セイバー(・・・今日は、心行くまで楽しませてあげた)


ビー!!!


イリヤ「何か鳴った!」

セイバー「そのボタンは押してはいけません!」
474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 16:51:20.56 ID:vZ/DqkNO0
―――――
遊園地前

セイバー「着きましたね」

イリヤ「・・・・・・・」

セイバー「そんなに混んでなさそうでよかった、これなら乗り物も」※平日

イリヤ「セイバー!!!!!」

セイバー「な、なんです・・・急に大きな声を出さないでください・・」

イリヤ「ウサギがいるわ!!!!!」

セイバー「あぁ、いますね」着ぐるみが

イリヤ「写真とりたい!!!!もふもふしたい!!!!」

セイバー「いや、先ずチケットを買わなければならないので、辛抱してください」

セイバー「一日券、大人は2500円、小学生以下は800円か・・・」安いですね

セイバー「おぉ、ラビオ君(マスコットキャラ)のチケットホルダーが500円・・・」

セイバー「・・・・・・・」ソワソワ

セイバー「イリヤ、あれ買ってもアイリスフィールに怒られません」振り向く

セイバー「いない!」
475 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 16:52:38.86 ID:vZ/DqkNO0
―――――
遊園地 ファンシーランド

イリヤ「うわぁ〜!何から乗ろう・・・!」

イリヤ「あ!何あれ!」

セイバー「あれは・・・」

セイバー「途轍もなく大きな・・・カップ・・・?」

イリヤ「あれ乗りたい!!!」

セイバー「・・・いいでしょう」ウズウズ

セイバー「いざ、参る!」ワクワク!
476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 16:54:14.96 ID:vZ/DqkNO0
―――――
コーヒーカップ

イリヤ「あははははははは」

グルングルングルングルン……

セイバー「ちょ、、、、ちょっと、、、、イリ、、、、」

イリヤ「あははははははは」

グルングルングルングルングルングルン……

セイバー「イリ、、、イリヤ、、、、、、、、、、」

グルングルングルングルングルングルングルングルングルン……

セイバー「、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、」

―――――
ファンシーランド ベンチ

セイバー「・・・・・・・・・・」

イリヤ「大丈夫?」

セイバー「・・・・・えぇ」

イリヤ「お水飲む?」

セイバー「・・・・いえ、大丈夫です」

セイバー「・・・・・・・・・・」
477 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 16:55:21.64 ID:vZ/DqkNO0
―――――
アトラクションランド


ゴォォォォォォォォォォ!!!!!!

キャーーーーーーーー!!!!!!


セイバー「・・・何だあれは・・・」

セイバー「あんな速い乗り物に乗せられ・・・皆悲鳴を上げて・・・」

セイバー「・・・拷問か?」

イリヤ「あれ乗りたい!!!」

セイバー「はぁ・・・え?」

イリヤ「乗りたい乗りたい乗りたぁ〜い!」

セイバー「いや、イリヤ・・・あれはちょっと」

イリヤ「ぜぇ〜ったい乗るの!!!」

セイバー「いや・・・しかしですね・・・あんな拷問器具に乗るなんて」

セイバー「・・・あぁ!イリヤ、勝手に行かないで下さい!」
478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 16:56:45.06 ID:vZ/DqkNO0
―――――
ジェットコースター前

イリヤ「・・・・・・・・」

セイバー「・・・・・・・・・」


看板「この身長のお友達は乗れるよ!」※150cm以上


イリヤ「・・・・・・・・」プルプル......(涙目)

セイバー「いや・・・そんなに落ち込まないで下さいよ・・・」

セイバー「・・・ほ、ほら!他にも楽しそうな乗り物はいっぱいありますよ!」

イリヤ「・・・・・・・・・」

セイバー「あ!迷路の館ですって!うわぁ〜楽しそうだなぁ」

セイバー「う〜ん、是非行ってみたい。行ってみましょうよ!イリヤ!」

イリヤ「・・・・・・・・・」

セイバー「・・・・・・・・・」



イリヤ「・・・全部・・・セイバーのせいよ・・・」

セイバー「!?」
479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 16:58:09.52 ID:vZ/DqkNO0
―――――
ドリームランド

イリヤ「…おいしい!」

イリヤ「これ冷たくておいしいわ!セイバー!」

セイバー「そうですね」

セイバー(・・・機嫌直してくれて助かった)

イリヤ「はい!セイバーにも舐めさせてあげる!」

セイバー「あ、あぁ、どうも」ペロ

セイバー「!!!!」

セイバー「こ、これ美味しいですね!?」

イリヤ「でしょ〜?」

セイバー「ちょっともう一つ買ってきます!!!」ダッシュ
480 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 17:00:13.99 ID:vZ/DqkNO0
―――――

イリヤ「フンフンフ〜ン♪」セイバーと手繋いでる

セイバー「・・・・・・・・」

セイバー(いやぁ・・・何だかんだで楽しいなぁ)

セイバー(イリヤも喜んでくれてるし、アイリスフィールの役にも立ってるし・・・)

セイバー(これはもう・・・万々歳ってやつだなぁ)

セイバー(・・・えっと、ゴミ箱ゴミ箱・・・)

セイバー(・・・あ)

セイバー「すみません」

清掃員?「はい?」

セイバー「ゴミ箱ってどこですか?」

セイバー「ちょっと捨てたいのですが・・・」

清掃員?「あぁ、それなら私が預か・・・」
481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 17:01:08.96 ID:vZ/DqkNO0

セイバー「あ」

清掃員?「あ」


セイバー「・・・・・・・・・」

清掃員?「・・・・・・・・・」

セイバー「・・・・・ランサー?」

ランサー「・・・・・・・・・」

セイバー「・・・こんなところで、何を・・・」

ランサー「・・・・何を言っているんですか」

ランサー「私はただの清掃員ですよ」

ランサー「ランサー?どこのポジションですか?それは」

セイバー「・・・・・・・・・・」

ランサー「・・・・・・・・・・」
482 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 17:01:44.76 ID:vZ/DqkNO0
ランサー「・・・・日雇いを・・・・募集してたのでな・・・・」

セイバー「・・・そうか」

ランサー「・・・・・・」

ランサー(・・・・というか、平日に遊園地とは・・・・)

イリヤ「セイバー、何してるの?早く行きましょ」

セイバー「え、えぇ・・・」引っ張らないで下さい

ランサー(・・・・・・)

ランサー(まぁ・・・突っ込まないでおこう)
483 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 17:02:41.95 ID:vZ/DqkNO0
―――――
夕方

セイバー「結構遊びましたねぇ・・・」

イリヤ「そうだね〜・・・」満足

セイバー(・・・・・・・)

セイバー(イリヤのこんなに楽しそうな表情は、初めて見る・・・)

セイバー(・・・この顔を見れただけでも、来た価値はあったな・・・)

イリヤ「あ!」

セイバー「どうしました?」

イリヤ「あれ乗りたい!」

セイバー「・・・あれは・・・」
484 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 17:03:50.02 ID:vZ/DqkNO0
―――――
観覧車

イリヤ「・・・うわぁ・・・」

イリヤ「すごい・・・」

セイバー「・・・・・・・・」

イリヤ「・・・・・・・」

イリヤ「ねぇ・・・セイバー」

セイバー「何ですか、イリヤ」

イリヤ「・・・世界って」

イリヤ「世界って・・・こんなに広いんだね・・・」

イリヤ「・・・知らなかった・・・」

セイバー「・・・イリヤ・・・」

イリヤ「・・・セイバー」

セイバー「何ですか」

イリヤ「えっとね・・・」
485 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 17:04:51.23 ID:vZ/DqkNO0
イリヤ「今日は・・・ありがとう」

セイバー「・・・・・・」

イリヤ「わたし・・・世界がこんなに広くて、楽しいなんて・・・知らなかった」

イリヤ「屋敷で遊ぶのも楽しかったけど・・・」

イリヤ「今日は、もっと楽しかった・・・」

セイバー「・・・そう、ですか」

イリヤ「今日はありがとう」

イリヤ「私の騎士様」ニコッ

セイバー(・・・・・・・・・)

セイバー(やはり・・・そっくりですね)

セイバー(・・・アイリスフィールに・・・)

セイバー「こちらこそ、今日一日エスコートできて光栄でしたよ、イリヤ」ニコッ

イリヤ「えへへ」
486 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 17:06:34.08 ID:vZ/DqkNO0
―――――
遊園地 出口

イリヤ「・・・・・・・」スヤスヤ

セイバー「・・・・・・・」

セイバー(遊び疲れて寝てしまうとは・・・)

セイバー(やはり、まだ子供ですね)フッ...


「セイバー」


セイバー「ん?ランサーか」

ランサー「帰るのか?」

セイバー「あぁ、この通り、姫が寝てしまったのでな」

ランサー「そうか、なら、これを持っていくといい」ゴソゴソ

487 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 17:07:36.02 ID:vZ/DqkNO0


スッ…


セイバー「・・・これは」

ランサー「ラビオ君人形だ」

ランサー「土産にでもしろ」

セイバー「ランサー・・・」

セイバー「これ・・・わざわざ買ってくれたのか?」

ランサー「・・・まぁな」

ランサー「フッ・・・礼には及ばんさ」

セイバー「貴様・・・・」







セイバー「買う時・・・恥ずかしくなかったのか?」

ランサー「・・・まぁ・・・気にするな・・・」
488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 17:10:47.15 ID:vZ/DqkNO0
―――――
翌日 屋敷

アイリ「昨日はありがとね、セイバー」

アイリ「イリヤのあんな嬉しそうなところ、久しぶりに見たわ」ニコッ

セイバー「いえいえ、礼には及びませんよアイリスフィール」フフン

セイバー「子供の相手をするのも騎士王たる者の務め」

セイバー「ノブレスオブリージュってやつですよ」ドヤッ

アイリ「いや・・・それ貴族の務めね」あなた王でしょ

アイリ「っていうか、あなたも随分楽しんだみたいね」

セイバー「え、そ・・・そんなことないですけど?」目が泳いでる

セイバー「騎士王である私が、あんな子供だましで喜ぶなど・・・」
489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/06/27(水) 17:11:41.37 ID:vZ/DqkNO0
アイリ「へー、Tシャツ買ったのに?」

セイバー「・・・・・・・」

アイリ「税込み1500円」

アイリ「・・・まぁ、別にそれぐらいいいけどね」

セイバー「・・・・・・・」

アイリ「・・・でも、私も切嗣も舞弥さんも」

アイリ「中々イリヤを外に連れ出す暇が無いから、助かったわ」

アイリ「暇を持て余すっていうのも・・・こういう時は役に立つのね」ニコッ

セイバー「そ、そうでしょう!」

アイリ「・・・こういう時“だけ”はね」

セイバー「・・・・・・・」

セイバー「・・・明日から頑張ります」


おしまい

490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/27(水) 17:18:37.02 ID:vZ/DqkNO0
こんな長々としたスレにお付き合い頂き、本当にありがとうございました。これにておしまいです。

就活全然関係ない上に前スレと雰囲気変わり過ぎな内容でしたが、まぁ・・・ZZみたいなもんです・・・

就活は辛く険しい道程ですが、何とか挫けず頑張っていきましょう。私も頑張ります。

それでは
491 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/06/27(水) 17:33:13.19 ID:MR0T22Hao
492 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/27(水) 17:34:02.61 ID:JxYcIHQjo
493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/06/27(水) 20:56:44.19 ID:r+KNOjVZo
494 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2012/06/27(水) 21:00:51.10 ID:xB97D5Mio
495 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/06/27(水) 21:05:29.04 ID:+4i4OWf1o
496 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2012/06/27(水) 23:21:25.15 ID:qmL5ITfYo
497 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/28(木) 01:40:51.29 ID:aOCWIzGZo
内定/zeroって動画があった
498 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/30(土) 14:01:09.72 ID:8qGWC1zLo
おつ
499 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 04:35:51.71 ID:oSul3qjP0
エンディングの最後とかが妙にリアルで良かった
面白かった
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