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神浄「ヤンデレデレなフィアンマを、安価で心から愛し続ける」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/03(火) 01:34:23.50 ID:QA/w+YgAO



前スレ
上条「ヤンデレなフィアンマを安価で説得して逃げたい」 + 上条「ヤンデレなフィアンマを安価で幸せに出来たら良いんだけどな…」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1339948221/




・ヤンデレな右方のフィアンマさんに愛され過ぎて恋人同士→事実婚状態になった上条さんがタイトル通り頑張っていくお話

・当スレのフィアンマさんは女性です

・基本はほのぼの(???)進行…だと思われます

・キャラ崩壊注意

>>1は(安価スレの割に)遅筆


※注意※
安価次第で展開が多種多少に変化します(ガチホモから百合まで)
メインCPは『幻想右方』なスレです。
エログロ展開の可能性があります。




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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/03(火) 01:35:57.25 ID:WYIbbx1SO
乙ー。
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/03(火) 01:36:44.58 ID:050N8+yO0
乙 最初のオムライスあたりからいたゼ
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/03(火) 01:36:50.64 ID:XpSfTI1Oo
>>1
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/03(火) 01:40:23.57 ID:WYIbbx1SO
甘いな。俺なんて、レス数1からいて最初の安価とったのも俺だし、前スレも安価やりまくってたぜWWW
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/03(火) 01:41:37.24 ID:050N8+yO0
オムライスあたりから安価トッテルアルよ

ゼウス&ルシファーパワー俺
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/03(火) 01:48:49.25 ID:B93FVPs30
俺はヴェントの安価スレの頃からいた
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/03(火) 01:50:26.12 ID:050N8+yO0
そういえば前作知らねえ

性的なイタズラのやつか?
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/03(火) 02:17:18.36 ID:A23eG7bIO
上条さんの寿命を伸ばしました
責任取って前条さんの墓を作りたいが皆本気だしもう安価取れないだろうな…
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/03(火) 02:19:06.49 ID:WYIbbx1SO
何を弱気な事を…オメーも本気でとりに行けばいいじゃねーか
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/03(火) 02:20:44.83 ID:050N8+yO0
取りに行き過ぎマスタ スマソ
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/03(火) 02:21:12.72 ID:A23eG7bIO
忘れてたけどいちおつー
>>10ありがとう一応頑張るよ
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/03(火) 02:41:25.18 ID:A23eG7bIO
長屋、多分これ
フィアンマ「俺様というものがありながら…」上条「ふ、不幸だー!」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/03(火) 04:34:08.68 ID:WYIbbx1SO
ていうか色んなスレが目まぐるしく流れたからどれが前スレかわからんくなってきたWWW
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/03(火) 06:08:27.46 ID:WYIbbx1SO
よく考えたら1000までイッたの初めてじゃね?
16 :<見なくてもあまり支障の無い人物紹介>  ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/03(火) 07:43:09.80 ID:QA/w+YgAO

上条当麻(神浄討魔)

フィアンマさんに感化されて気付いたらヤンデレになっていた人。
世界中で誰よりもフィアンマが好き。
フィアンマの心身を傷付けると即座に容赦なく神罰を下すが、基本的には良識の人。
前・本作の主人公。
激痛に堪え忍び身体を作り替えたため、寿命がすごく伸びた人。
何だかんだでまだ"一人"しか殺していない。
『光を掲げる者(ルシフェル)』、『地獄の王(ルシファー)』、『全能の神(ゼウス)』に纏わる術式と、それらを自らの性質と魔力のみで使役する魔術師。
また、任意発動の(そして視線と意思だけでもやや効力を発する等非常に強力な)『幻想殺し』をその身に宿す超人。
その力をもって、アレイスター=クロウリーを殺すつもりで打ち破った。
彼が何処に属するかで魔術サイドのパワーバランスが崩れるが、本人はそれに関してあまり考えていない(フィアンマは戦犯で、どこの組織にも一緒に属せない、故に上条もどこの組織にも属さない)。
前作でフィアンマという存在を希望の対象として見、それ以外は絶望の対象として見ていない(=人間的な、絶望という感覚が無い)という空虚な人格面が明らかとなった。
一言で述べると、愛の力でヒロインを救った凄い少年(英雄(ヒーロー)。
17 :<見なくてもあまり支障の無い人物紹介>  ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/03(火) 07:44:31.10 ID:QA/w+YgAO

フィアンマ(右方のフィアンマ)

"世界をあるべき形に戻す為に(中略)『幻想殺し』が必要だ"というのは全て建て前で、上条当麻本人を『ベツレヘムの星』に閉じこめるべく戦争まで起こした凶悪なヤンデレ。
世界よりも上条を愛する。
上条の心身を傷付ける人間と誑かそうとする(主に)女性へは特に容赦しない。
前・本作のメインヒロイン。
生まれつき『救世主(メシア)』としての才能を持ち合わせ、『右方のフィアンマ』になる以前から特殊な右手・体質を持っていた。
故に、『千年間神が築きし国で彷徨える民を導く』という『偶像の理論』により与えられた特殊体質の為、身体が原型を留めている間は病気にかかろうと刺されようと"千年間"生き続ける。
また、何百年も前に亡くなった妹は前代の『幻想殺し』の持ち主。
『聖人』とはまた違う形で『神の子』に身体的特徴が似ており、『偶像の理論』により様々な十字教的奇跡(及びその特性を生かした特殊な術式)の行使が赦される。
また、前作で右腕は肩から(アレイスターにより)斬り取られてしまったため、『聖なる右』は極端に弱体化し(不安定になっ)ている(『禁書目録』から自分の頭に移した『知識』により形は保てる時と保てない時があり、出力は特性通り)。
性格は心配性気味で綺麗好き。
ギャグ(ほのぼの)パートではシリアス時と一転して世間知らずな天然、加えて(林檎と梨を間違えて買ってくる位に)どじっこ。
上条と同じ原典(フィアンマは才能の関係で使用出来ない)の知識があり、上条を心身共にサポートする事でアレイスターに打ち勝った。
一言で述べると、愛の恐ろしさを知らしめた歪んだ青年(救世主(メシア)。
18 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2012/07/03(火) 07:50:41.44 ID:QA/w+YgAO
《前作でのお付き合い、>>1乙ありがとうございました。
今作でもご助力をお願い申し上げます。
また、所謂『流れが遅い』場合、連投は構いません。
読者の皆様方の良識にお任せします。



>>15様 そうなんです、まさか1000いくとは思いませんでした

フィアンマさんが学園都市へ一人旅したりヴェントさんに安価で告白されたりアックアさんやオッレルスさんに性的な悪戯をしている話を書いたのは>>1です。
思いついては書いていたせいで自分でも何が前作か分からなくなりました。

本題を開始します》

19 :名無しNIPPER [sage]:2012/07/03(火) 08:03:34.01 ID:o8uDcLYy0
>>1おはようございます

あれはおまいさんだったのか

そして上条さんがヤバいwwwwww
20 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/03(火) 08:11:20.89 ID:QA/w+YgAO
>>19様 お早うございます。フィアンマさんより神浄さんの方がヤンデレになっている気がしました》


とある病院の、とある個室にて。
上条は退屈という名の毒に侵されていた。
外は雨が降っており、見舞客は居ない。

上条「…ゲームがお釈迦にならなきゃなぁ…」

他人は責めないが、自分の行動については、もう過ぎた事を愚痴るのがこの上条当麻という少年である。
そんな上条の耳に、ガラガラと、個室扉の開閉音を装った福音の音色が届いた。

フィアンマ「…元気そうだな」

上条「割と、な」

フィアンマ「まだまだ入院生活は続くぞ」

上条「…不幸…いや、フィアンマが見舞いに来てくれれば不幸じゃねぇな」

フィアンマ「そうか。食事の差し入れについては『油っ気の無いモノ』なら良いと言われた、故に林檎を買ってきたのだが、食べるか?」

上条「あ、食べる食べる」

フィアンマが義手である右腕に抱えていた紙袋の中身は林檎だったのか、と上条は目を輝かせる。丁度、退屈を助長する病院食特有の淡泊さに飽き飽きしていたところなのだ。
フィアンマはベッド脇見舞い客用のパイプ椅子に腰掛け、紙袋の中から丸いものを取り出す。
甘くて、美味しい―――梨。

フィアンマ「…ん? 林檎を買おうとスーパーマーケットに入った事は覚えているのだが」

上条「何で林檎買おうとしたら梨になるんだよ!」

フィアンマ「何故だろうな。気付いたら梨になっていたんだ、仕方あるまい」

妥協しろ、などと開き直りつつ用意の良い事に紙皿を食事用簡易テーブルに置き、フィアンマは持参した果物ナイフで丁寧に梨の皮を剥いていく。無くなった右腕の代わりに(婚約指輪の如く)上条がくれたフィアンマの義手は、もう既にだいぶ使いこなせているようだ。
何の面白みも無い4つに切られた梨といえど、上条にとってそんな事はどうでも良く、フィアンマが剥いてくれたという事に意味がある訳で。
手で一つ摘み、上条の口元へフィアンマが所謂"あーん"、をしたところで、部屋扉がノックされる。




見舞い客(禁書キャラ名)>>+2
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/03(火) 08:13:18.70 ID:NltJZ1VC0
佐天
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/03(火) 08:13:46.34 ID:NltJZ1VC0
佐天
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/03(火) 08:14:31.46 ID:NltJZ1VC0
なんでエラーってなったのに書き込めてるんだ……
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/03(火) 09:42:54.46 ID:IJZW0pPt0
てゆうか上条さんいつの間にルシフェルも……

ルシファーとルシフェルてなんか違うの?
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/03(火) 11:13:13.73 ID:rWZ/kiD2o
>>24
同じ
26 :名無しNIPPER [sage]:2012/07/03(火) 11:30:47.84 ID:7KDhkQIs0
これはあれか 区別の為かな
堕天したルシファーと大天使ルシフェル
てゆう区別的な?
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/03(火) 14:07:56.40 ID:WYIbbx1SO
やっぱな。>>1、1000おめでとーこれからもその類い稀な文才を無駄遣いしてくれWWW
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/03(火) 20:50:01.04 ID:XpSfTI1Oo
>>27
お暇なら、雑談しようぜスレに来てもらっても良いですかい?
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/03(火) 21:03:18.63 ID:WYIbbx1SO
どこぞそれ
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/03(火) 21:06:11.28 ID:XpSfTI1Oo
>>29
板一覧で「雑談しようぜ」で検索してみて
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/03(火) 21:11:05.35 ID:/TzF0jTc0
まだ来てなかったか
32 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 10:28:36.21 ID:6cmOdcet0
>>26様 大天使(天使長)ルシフェルと堕天使長(悪魔の王=地獄の王)ルシファーとしての区別としてです。諸説ありますが、ルシファー=サタンでも構いません >>27様 ありがとうございます》


ひとまず、上条は返事をする前にしゃく、と梨を一口で口に含み。

上条「んぐ、ん、まい」

フィアンマ「品の無い食べ方だ」

上条「ろうぞー」

上条の口汚い食べ方にやや冷めた視線を向け、汚れた手を個室備え付けの手洗い場で洗うフィアンマに上条はしょんぼりとしながら部屋扉の向こう側に居る人物へ(梨が口いっぱいにあるためもごもごと)呂律の回らない口調で入室許可を出す。
入ってきたのは黒髪の少女だ。
アレイスターの手駒として扱われ、その支配から解放すべく上条が『幻想殺し』で打った相手。
フィアンマは手を洗い終わり、再び見舞客用の椅子に腰かけて佐天を見遣る。
誰の支配下にも無い佐天は明るい、一般的な普通の少女だ。

佐天「…えっと、…その、…ごめんなさいっ!!」

支配されていた時の記憶はある為、佐天は謝罪しに、見舞いへきたのだ。
その目的を果たすべく、涙目で佐天は頭を下げる。
深く深く頭を下げて謝罪の意思を露わにする佐天を見、上条はフィアンマと顔を見合わせた後、こう言葉を返した。

上条「>>34

33 :名無しNIPPER [sage]:2012/07/04(水) 10:44:43.19 ID:k7IlWDDc0
ksk
34 :名無しNIPPER [sage]:2012/07/04(水) 10:45:29.68 ID:k7IlWDDc0
大丈夫だよ、佐天ちゃんは悪くないんだからね(イケメンスマイル)
35 :名無しNIPPER [sage]:2012/07/04(水) 10:47:51.16 ID:k7IlWDDc0
頭を撫でてあげるを追加できたらお願い
36 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 10:58:37.86 ID:6cmOdcet0

上条「大丈夫だよ、佐天ちゃんは悪くないんだからさ」

上条が言った通り、佐天には何の非も無い。
それに、佐天は結果的に誰も傷つけていないのだから。
誰も彼女を責める事は出来ないし、彼女に責められる謂れはない。
優しく微笑んだ上条はそっと腕を伸ばし、佐天の髪をそっと、優しく撫でる。

佐天「でも、…」

上条「何か勘違いしてるようなら訂正しとくけど、俺がこんな状態になってる事には佐天ちゃんは何の関係も無いんだぞ?」

佐天「ぅ…あ、あたし…謝らないと、って、おも、思って…ひくっ、ぅ…」

可愛らしい顔立ち、その瞳にいっぱいの涙を浮かべ、安堵の涙を流す佐天の頭を数度撫でて、上条はしばらく優しく諭した。
神が人へ向ける無償の愛の様に、柔らかで父性の灯る荘厳な優しさで。
しばらく涙を流した後、落ち着いた佐天は上条の『頭を上げてくれ』という言葉でのろのろと頭を上げた。
そして、気分を切り替えるように深呼吸して明るく笑む。
元気な方が彼女には似合いだと思う上条はつられたようにのんびりと微笑んだ。

佐天「あっ、そうだ。お見舞い品持ってきたんです。はいどうぞ」

上条「わざわざありがとな」

佐天が差し出したのはお見舞いに持っていく品としてありがちなフルーツバスケット。
林檎や小さなメロン、マンゴーやキウイ等甘そうなフルーツの数々が盛られた籠を受け取り、上条はあまり陽の当たらない窓際へと置いた。
そこで佐天はフィアンマの存在にはっと気付いたのか、少し慌てた様子で問いかける。
静かな病室で、しかも個室でひそひそ声というのはあまり効果が無いのだが。

佐天「あの、そこの方は?」

上条「俺の>>38
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 11:03:41.77 ID:CGJCbUCs0
ksk
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 11:04:09.11 ID:CGJCbUCs0
共犯者(彼女)だよ
39 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 11:14:20.19 ID:6cmOdcet0

上条「俺の共犯者(かのじょ)だよ」

佐天「え?」

上条「んん、彼女だって」

発している言葉と頭の中で考えている単語にズレが生じていた事に発言してからはっと気付き、再度しっかりと言い直す上条。
佐天が聞き返したのはフィアンマの性別が男性に見えたからであり、上条の言葉に違和感を覚えたから、という訳ではないのだが。

佐天(そ、そっかそっか…中性的な人だって居るもんね)

佐天「あれ? って事はあたし大分お邪魔…?」

上条「いや、そんなこと無い」

フィアンマ「退屈を持て余していたところだろうしな」

上条「本当にその通りでございますことよ」

梨を食べつつだるそうに言う上条は本当に暇そうだ。
佐天はしばらく悩んだ後残るという決断をした上で、思いだしたようにこう提案した。

佐天「外は雨だし…あ、そうだ。>>41しましょうよ!」
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 11:17:30.47 ID:CGJCbUCs0
ksk
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 11:19:32.64 ID:CGJCbUCs0
トランプしながらお話(どこに住んでるか、何をしているかなど)
42 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 11:34:14.29 ID:6cmOdcet0

佐天「外は雨だし…あ、そうだ。トランプしながらお話しましょうよ!」

上条「トランプなんてあるのか?」

佐天「実はそれがあるんですよ」

ほらっ、と佐天が見せたのは百円ショップでも購入出来そうなプラスチック製のトランプ。
ちなみにこの品は主に御坂、白井、佐天、初春の四人でよく使用するものだったりする。

上条「用意いいんだな」

おー、などと感心したような声を出す上条は梨を食べ終わり、ゴミを片付ける。
フィアンマは立ち上がるのが億劫だったのか、指先を軽く動かす事で自分の隣にパイプ椅子を広げた状態で設置する。
佐天は少し驚いたものの、『念動力系統の能力者』なのだろうと結論づけた。

フィアンマ「立った状態では疲れるだろう。使え」

佐天「ありがとうございます」

おずおずと遠慮がちにフィアンマの隣、椅子へ腰かける佐天。

上条「上条さんトランプ弱いんだよなぁ…」

フィアンマ「運が悪いからな」

上条「何でだかお前に言われると心が痛い…」

佐天「何しましょうか」

ひとまずトランプをケースから出し、上条が食事の為に用いる簡易テーブルを場所として使う事にし、佐天は問いかける。

上条「何がいいかな…」



三人でやるトランプゲームの内容(例:ジジ抜き、ポーカー)>>+2
43 :名無しNIPPER [sage]:2012/07/04(水) 11:36:34.36 ID:kxxXZHki0
ksk
44 :名無しNIPPER [sage]:2012/07/04(水) 11:37:44.19 ID:kxxXZHki0
大富豪

>>1おはようございます
昨日は来ませんでしたが何かあった?
45 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 11:57:19.78 ID:6cmOdcet0
>>44様 夏風邪を引きまして、風邪薬飲んで寝てたら終ぞ昨日中に起きる事が出来ず…投下なりませんでした》


フィアンマ「大富豪で良いだろう」

上条「三人だしな。手札多そうだけどまぁ良いか」

佐天「じゃあ配っちゃいますね」

ジョーカーを抜く必要性も無い為、佐天は数度シャッフルした後のんびりと三等分する。
手慣れた配り方に和やかな気持ちになりつつ、上条は手札を手にしてがっくりとうなだれた。

上条「やっぱりな…うぅ」

佐天「何か上条さんものすごく落ち込んでるんですけど」

フィアンマ「いつもの事だ」

さらりとそう返すフィアンマの言葉に無理やり納得しつつ、佐天も手札を眺める。
当たり障りのない手札。という事は良い手札は二人のどちらかに、最悪の手札が二人のどちらかにあるのだろう。
といってもゲームはあくまで暇つぶしの為、佐天は会話の話題を提案する。

佐天「そういえばお二人は何処に住んでるんですか? 上条さんは学生寮ですけど」

上条「一緒に住んでるよ。あの時は俺しか応答してなかったから分からなかっただろうけど」

佐天「どっ、同棲…!?」

上条「あ、俺からだな。じゃあ時計回りで」

フィアンマ「分かった」

同棲という熟語は、純真な女子中学生にとって色んな意味を含む。
『行為』だったり、『ロマン』だったり。
思考がオーバーフロー気味な佐天を置いて二人は大富豪を開始していた。
佐天は一度思考を端に追いやって、赤みがかった顔をどうにかすべく深呼吸した後、フィアンマを見る。

佐天「……すー…っはー…。…あの、何てお呼びすれば良いですか?」

フィアンマ「ん? あぁ、呼び名か?」

佐天「はいっ」

フィアンマ「>>47で良い」
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 12:00:38.32 ID:CGJCbUCs0
あらあら、もう体調はいいの?

ksk
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 12:01:17.22 ID:KZZKT2fSO
おしりプリンプリンちゃん(キリッ
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 12:02:06.72 ID:CGJCbUCs0
フィアンマで頼む
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 12:02:51.91 ID:KZZKT2fSO
体大丈夫かよ?無理せずゆっくり休んだ方がいいんじゃないのか?お大事にな>>1
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 12:02:55.66 ID:CGJCbUCs0
>>47

なんぞそれwwwwww
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 12:03:59.89 ID:KZZKT2fSO
いや、なんかパッと頭に思い浮かんだフレーズがこれだった(笑)
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 12:05:22.35 ID:CGJCbUCs0
>>51

名前ふざけすぎじゃないかwwwwww
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 12:09:08.66 ID:KZZKT2fSO
知らねーよWWW神が俺に天啓を与えたのが悪いWWW
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 12:20:09.54 ID:7X8kxziE0
そんな神はいらねぇwwwwww
55 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 13:01:42.20 ID:R9tJggPq0
>>46様 割と元気なので大丈夫です >>49様 ありがとうございます》


フィアンマ「おしりプリンプリンちゃんで良い」

佐天「えっ!?」

上条「…フィアンマ、疲れてるのか?」

フィアンマ「当たり前だろう。部屋の片づけから荷造りから入院手続き一切まで誰が済ませてお前を楽させたと思っているんだ。張っ倒すぞ肉塊」

上条「ごめんなさい」

フィアンマ「お前がもう少し働けば俺様はこんなに頑張る必要は無かったんだ」

上条「ごめん」

佐天「…あの」

フィアンマ「…フィアンマで頼む」

佐天「分かりました」

上条さんは奥さん(彼女だけど)尻に敷かれるタイプなのかな、等とやや失礼な事を思いつつ頷く佐天。

佐天(フィアンマさん…外国の方なのかな。っていうか、顔立ちからしてそうだよね)

上条「また流した!!」

フィアンマ「お前に8の札が渡らない分俺様に来たようだな」

上条とフィアンマのやりとりにほんわかとしながら佐天も手札から一枚出す。
やはりというべきか、一番優勢なのはフィアンマで、劣勢なのは上条当麻。
『幻想殺し』を任意発動にしても、上条が不運である事に変わりはないようだ。

上条「そういえば佐天ちゃんは学生寮に住んでるのか?」

佐天「はい、そうです。寮の規則が厳しくないんで、友達の家に泊まったりしますけど」

上条「そっか。趣味とかは?」

佐天「うーん。>>57ですかね」
56 :名無しNIPPER [sage]:2012/07/04(水) 13:06:44.36 ID:Nr9OH34l0
ksk
57 :名無しNIPPER [sage]:2012/07/04(水) 13:07:11.86 ID:Nr9OH34l0
上条さんとかの都市伝説収集とかですね
58 :名無しNIPPER [sage]:2012/07/04(水) 13:08:02.92 ID:Nr9OH34l0
上条さんみたいな都市伝説収集
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 13:08:46.92 ID:KZZKT2fSO
あんま連投すんなよ?人居ない訳じゃねーし
60 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 13:15:24.47 ID:R9tJggPq0

佐天「うーん。上条さんみたいな都市伝説収集ですかね」

上条「『どんな能力も通用しない男』が俺にまつわる都市伝説だもんな」

佐天「そうそう。あ、ちなみに新しい都市伝説を仕入れたんですよ」

上条「へー。どんな内容?」

佐天「『学園都市統括理事長をボコボコにしたリンチ犯が居る』って」

上条「……」

フィアンマ「興味深いな」

佐天「何か杖でタコ殴りしたとか、それで言う事聞かせてるとか、学園都市第一位がそれを手伝ったとか色々と諸説あるんです」

フィアンマ「なるほど、なるほど。で、お前の番だぞ」

佐天「あっ、はーい」

佐天の語る都市伝説の内容に嫌な汗をかく上条。
フィアンマは適当に話を切り上げて佐天に大富豪を続けさせた。
ふと、何巡目かで佐天が問いかける。

佐天「そういえば、上条さんの趣味って何ですか?」

上条「俺? んー…>>62
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 13:19:04.26 ID:KZZKT2fSO
噂流したん誰や…ksk
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 13:20:24.07 ID:NujFHtpO0
自らを鍛えること
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 13:21:58.32 ID:NujFHtpO0
追加できたら人助け
64 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 13:28:01.25 ID:R9tJggPq0

上条「俺? んー…自らを鍛える事、かな。心身共に。必要だからっていうのもあるけど」

佐天「将来はムキムキに…」

フィアンマ「…筋肉ダルマのお前か。気持ちが悪いな」

上条「絶対ならない。…後は人助けかな。最近はしてないような気がするけど…っていうか、趣味かどうかも曖昧なところなんだけどさ」

佐天(上条さん、ものすごくフィアンマさんのこと溺愛してるのかな。すごい早かった。何というか、御坂さんを見た白井さんが飛びつく位早い否定だった)

佐天「人助け…って、救命活動とかですか?」

上条「そんな感じかな。最近はそういうのに遭遇しないから何とも言えない」

佐天「なるほど…」

手札を出し、勝敗が決定したところでトランプを再度シャッフルしておく。
もう一度大富豪を始める為だ。

上条「何か悩み事あったら言ってくれよ。解決出来るかどうかは分かんないけどさ」

佐天「うーん…」

以前の佐天の悩みは、『何時まで経っても能力者になれないこと』だった。
だが、風を操る能力者に、低いレベルとはいえどなれたため、今はそれについて悩んでいない。

佐天「>>66
65 :名無しNIPPER [sage]:2012/07/04(水) 13:37:57.48 ID:3W2ezpHw0
ksk
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 13:38:06.76 ID:KZZKT2fSO
…もし、私が唯一、ホルスの時代に行着く為の礎として、肉体の術式を壊してくれ……って言ったら、どうします?ああ、別に誰にも操られてはいませんよ?あなたと同じ神浄の佐天涙子自身からの質問です。
67 :名無しNIPPER [sage]:2012/07/04(水) 13:38:10.41 ID:3W2ezpHw0
旅行に行きたいんだけど
友達も乗り気じゃない、一人旅は不安があるから
誰か一緒に行ってくれないか探してます……

よかったら上条さん達一緒に行ってくれませんか!?
68 :名無しNIPPER [sage]:2012/07/04(水) 13:45:02.30 ID:3W2ezpHw0
他スレの設定じゃん
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 13:48:31.98 ID:KZZKT2fSO
見たいんだよ。後、佐天さん出しつつ、スレの主旨から脱線し過ぎず、フィアンマさんをキレさせず、ライバル的な位置からの若干のいちゃらぶをさせるには佐天さんには是非ダークサイドに居て貰いたいんだよ
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 13:49:20.84 ID:KZZKT2fSO
このまま行くと安価の力で浮気しそうだし。
71 :名無しNIPPER [sage]:2012/07/04(水) 13:51:00.79 ID:3W2ezpHw0
佐天さんをレズに、すれば良かったなぁ
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 13:51:14.41 ID:KZZKT2fSO
ついでに、そのスレの>>1は神佐天さんでSS書いてもいいって言ってたし
73 :名無しNIPPER [sage]:2012/07/04(水) 13:53:10.47 ID:3W2ezpHw0
フィアンマをキレさせずに上条佐天がイチャコラ?
74 :名無しNIPPER [sage]:2012/07/04(水) 13:56:29.78 ID:3W2ezpHw0
とゆうか神佐天だったら病院の一室の勢力がヤバい
75 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 13:56:51.83 ID:R9tJggPq0

佐天「…もし、私が唯一、ホルスの時代…難しいですかね、新しい時代に行き着く為の礎として、肉体の術式を壊してくれ……って言ったら、どうします? ああ、別に誰にも操られてはいませんよ? あなたと同じ、『神浄』の佐天涙子自身からの質問です」

上条「悪いけど、それは出来ないよ。『エイワス』」

佐天の唐突な反応に驚くでもなく、上条はそう返した。
何故ならば。

佐天「!? えっ?」

佐天の後ろに、一人の天使がのんびりとたたずみ、まるで話そうとした佐天の口パクに合わせてアフレコしたかのように言葉を発したからだ。
確かに操られてはいない。嘘ではない。それ以前の問題。上条は呆れたような視線をエイワスへと向ける。
佐天はといえば何時の間に背後に居た神々しい女性のような何かに驚くばかり。
フィアンマは上条がその女性のような何かに『エイワス』と呼びかけたところで、あまり警戒する訳でもなく振り返る。
三人の視線を受け、新しき時代の天使は残念そうな様相を見せた。

エイワス「バレてしまったようだ」

上条「バレバレに決まってんだろ」

エイワス「非常に残念でならない」

むすっとする上条からフィアンマへとエイワスは視線を移す。

フィアンマ「何用だ」

エイワス「上条当麻への…人間でいうところの見舞いといったところか」

フィアンマ「そうか。身軽なものだ」

エイワス「私を縛れるものはそもそもそんなに存在し得ないものでな」

天使はそう言うと、トランプに興味を示す。
佐天涙子自体には興味が湧いている訳ではないらしい。

エイワス「タロットとは違う形だ」

上条「トランプっていうんだ」

エイワス「ふむ」

天使は何かに納得したかのように一度頷くと、その場から消えた。恐らくまた来るだろう。
ただ一人混乱の治まらない佐天はパニック気味に上条やフィアンマへ言葉をかけるも、二人は適当な説明をして佐天を宥めるのみ。
まさか『あの日』の事を話す訳にもいかないからだ。

上条「さっきの事は置いといて。悩みっていうのは?」

佐天「あ、うー…もういいや。えっと、旅行に行きたいんだけど、友達も乗り気じゃないし、一人旅は不安があるから誰か一緒に行ってくれないか探してるんです……。あ! よかったら、上条さん達一緒に行ってくれませんか!?」

フィアンマ「旅行か」

ついこの間まで逃亡生活をしていた上条とフィアンマにとって、旅行はある意味慣れたものだ。
といっても、通常の旅行というより行き当たりばったりの逃亡というべきか。

上条「んー…>>76
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 13:58:55.10 ID:3W2ezpHw0
いいよ行こうぜ
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 13:59:45.71 ID:KZZKT2fSO
いちゃらぶは安価と>>1の展開次第によるからまだ言えんが、若干アダルトな感じの佐天さんが出せる事による誘惑的な意味での。後は他キャラと絡んで行く為かな
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 14:01:55.72 ID:3W2ezpHw0
佐天さんは成長したら夕子さんみたいになるな
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 14:02:31.88 ID:KZZKT2fSO
>>1的には駄目だったかWWWくだらん事かいてスマンWWW
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 14:03:48.44 ID:3W2ezpHw0
病院の一室に エイワス 神浄 フィアンマ
佐天か ヤバいな
81 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 14:10:56.89 ID:R9tJggPq0

上条「んー…いいよ、行こうぜ。ただ、とりあえず退院して、準備してからで良いかな?」

佐天「! ありがとうございます! もちろん大丈夫ですよ」

良かった、と満面の笑顔を見せる佐天の様子に心を和ませ、上条はこくりと頷く。
もう一度大富豪を開始して、佐天はそわそわと落ち着かない様子で手札を消化していく。

フィアンマ「しかし、友人が乗り気ではないとは、何処に行くつもりだ?」

佐天「目的地がきっちりしてないんですよね。色々候補地はあるんですけど…上条さんが退院するまでに決めておきます」

フィアンマ「そうか。予定は早めに立てておいた方が良い。後は余裕を持って、な」

佐天「余裕?」

フィアンマ「何かトラブルが起きた時、余裕の時間を入れておけばあまり後悔しなくて済む」

佐天「おぉ、何だか経験者的な…」

フィアンマ「経験者だからな」

上条「どの位の期間を予定してるんだ? もうすぐ春休みだけど」

佐天「春休み期間をそっくりそのままつぎ込むつもりです」

上条「じゃあ宿題持ってこいよ。多分、名門でもなければ、中学レベルの勉強なら俺手伝えるからさ」

フィアンマ「多分コイツは役に立たんが俺様は手伝ってやる」

上条「上条さんそんなに馬鹿じゃないからな!」

フィアンマ「『事実婚』」

上条「うぐ」

佐天「?」

上条がフィアンマから馬鹿扱いされる理由を集約した一言に、上条は涙目で項垂れる。
この言葉の意味が分かるのは、上条とフィアンマのとある会話を知る者だけだ。
ふと上条の発した『喉が渇いた』という言葉に応える様に、一度フィアンマは病室を出て行く。
フィアンマが去った後、二人きりの病室でひそひそと佐天は問いかけた。

佐天「上条さんは悩みとかあります? こう、フィアンマさんには言えない感じの」

上条「んー…>>83かな」
82 :名無しNIPPER [sage]:2012/07/04(水) 14:18:43.04 ID:7X8kxziE0
ksk
83 :名無しNIPPER [sage]:2012/07/04(水) 14:19:19.18 ID:7X8kxziE0
もうちょっと女らしくしてほしい
84 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 14:30:16.12 ID:R9tJggPq0

上条「んー…もうちょっと女らしくしてほしい、かな。フィアンマに」

まともな飲み物を買ってこられるのだろうか、等と心配と不安とが先行しつつフィアンマの事を考えながら、上条は答える。
佐天は上条の言葉に少し考え込んだ後、首を傾げて問いかけた。

佐天「そんなに雄々しい人なんですか?」

上条「割とな。一人称とか話し方がそういう分には構わないんだけど、日々の生活が…」

女を捨てている生活とはどのようなものだろうか、と佐天は考える。
比較対象の為に頭に思い浮かべたのは、周囲の女子。

佐天「スカート捲られても一切動じないとか…?」

上条「そもそもスカート穿かないだろうけどな。着替え見られても恥ずかしがらないし」

佐天「恋人だからじゃないんですか?」

上条「だと思うだろ。多分他の人間に対してもそうだと思う」

佐天「後は…お料理が出来ないとか?」

上条「いや、料理は出来るし、美味い。家事一切は出来る、出来なくても俺はそこに不満は覚えないけど」

佐天「うーん。具体的に上条さんが不満に思う女らしくない点ってどこなんですか?」

上条「>>86
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 14:35:07.99 ID:KDjTfmMQ0
ksk
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 14:41:51.03 ID:KDjTfmMQ0
たまにすごく物騒な事を平気にさらっと言ったりするんだよ
87 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 14:55:05.38 ID:R9tJggPq0

上条「たまにすごく物騒な事を平気にさらっと言ったりするんだよ」

佐天「物騒?」

上条「こう、…男性のシンボルを切り落とすとかですね」

佐天「うわ…」

上条「いや、いつも言われる訳じゃないんだ。浮気したら、とか、そういう前提の上っていうか…あ、ものすごく気分を害した時も言うかな?」

佐天「…せっかく美人なのに、口汚いって事なんですね」

上条「まぁ、仕方ないとは思ってるけどさ。欠点ゼロに近付いてモテられても困るし」

はー、とため息をつき、佐天に許可を取ってから冷房の温度を下げる上条。
窓を開けるよりも冷暖房を活用した方が空調は整う。

佐天「じゃ、じゃあ、欠点は置いといて、上条さんが好きなフィアンマさんの部分ってどこですか? 全部は無しですよっ」

上条「何でそんな乗り気なの?」

佐天「女子中学生とはそんなものですよ上条さん。ほら、どうせなら男性からものすごく愛されてる人、その愛してる側の意見を聞けば、どんな風な特徴が末永く愛されるか分かるじゃないですか。私も今かいつかは別として恋をしたら愛されたいんです」

上条「まぁ、恋愛指南書よりは現実的なんだろうけど…」

佐天「はい。さぁ、早く早く!」

漲る女子力に辟易しながら、上条はうーんと考える素振りを見せる。
全部、はダメだと言われた。見た目、と言えば軽蔑されるだろう(加えて言えば別に見た目に惚れた訳ではない)。

上条「うーん…>>89

88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 14:59:52.65 ID:pQ3FMHga0
ksk
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 15:00:49.76 ID:KZZKT2fSO
どの場面で上条さんフィアンマ好きになったかね?ksk
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 15:05:27.66 ID:pQ3FMHga0
自分が倒れたり体調が悪いとき(監禁中も)に
ずっと世話をしてくれるし、たまに見せる仕草が可愛
い、あとあいつあれでいてメンタル少し脆いから俺が支えてやらなきゃっ!て思ったんだ
91 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 15:24:00.57 ID:R9tJggPq0

上条「うーん…俺が倒れたり体調が悪いとき(監禁中も)もずっと世話をしてくれるし、たまに見せる仕草が可愛いから、かな。後アイツあれでいてメンタル少し脆いから、俺が支えてやらなきゃっ! って思ったんだ」

佐天「献身的でギャップが…ふむふむ」

なるほどー、などといいつつ頭の中のメモにしっかりと情報を綴っておく佐天。

上条「後は、…今の俺がどんな人間かよく知ってるのに、『一緒に居て幸せだ』って言ってくれるから、かな」

佐天「? 別に上条さん変な人には思えませんけど」

上条「充分変だと思うけどな、自分では。愛っていうか、依存に近いのかもしれない」

佐天「依存…って、アルコール中毒の人がお酒手放せないようなもの、ですよね。でも、フィアンマさん今病室に居ませんけど、上条さん普通というか、平気じゃないですか」

上条「常に頭のどこかでフィアンマの事を考えてるから、平気に見えるだけだ。多分、フィアンマが怪我させられたりしたら頭に血が上ってあんまり後先を考えられなくなると思う」

佐天「何か凄まじい愛…でも何だか羨ましいような…」

何やらそわそわとする佐天を視界から外し、上条は、ぼんやりと過去の事を思い返した。


上条『俺は、お前と一緒に居るから不幸だなんて、思ってない。…決め付けるな』

フィアンマ『…そう思わないようにしているだけだろう。客観的に自分を見つめ直したらどうだ』

上条『…お前はどうしたいんだよ』

フィアンマ『…当麻と、ずっと一緒に居たい』

上条『なら、それでいいだろ』


上条(同じ地獄に堕ちてでも、フィアンマと一緒に居てやりたいと思った時には、俺はフィアンマを愛してたんだろうな。もう、『好き』じゃ片付けられないくらいに)

叩きつけるような豪雨による激しい音に、上条は窓へ視線をやる。
薄いレースのカーテン越しに、自分の顔が映っている。

上条(……フィアンマどこまで行ったんだろ)

やはり心配するのは、恋人の事だった。





そんなフィアンマは病院内の自販機にまともなラインナップが無かった為、病院にほど近いコンビニへ来ていたのだが。
とある人物に絡まれていた。





とある人物(禁書キャラ名)>>+2
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 15:25:15.68 ID:3W2ezpHw0
ksk
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 15:28:38.02 ID:KZZKT2fSO
麦のん
94 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 15:34:36.92 ID:R9tJggPq0
>>91 ×そんなフィアンマ ○そんな、心配されている》


コンビニ店内で絡まれていればまだ良いのだが、近道に使った路地で絡まれていた。
ちなみに目を付けられた理由は、襲いかかってきたスキルアウトに火の魔術を使った後、土(実際には『火』に感化された『土』)の魔術を使ったからだ。
魔術師が見れば(『神の右席』が通常魔術を使っている事を考慮しなければ)何らおかしくないものの、能力者がその様を目撃すれば『多重能力者』にしか見えない。
そんな訳で、能力にちょっとしたコンプレックスのある『超能力者』に絡まれていた訳である。

麦野「今の、説明しなさい」

フィアンマ「……」

フィアンマは今、ものすごく面倒臭いとしか考えていない。
ここで倒してしまうのは簡単だが、あまり暴力的だというのも良くない、とフィアンマは思う。

フィアンマ「…どうしたら此処を通してくれるんだ」

麦野「>>96
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 15:37:38.17 ID:KZZKT2fSO
麦のんコンプレックスあったんかWWWksk
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 15:39:45.44 ID:3W2ezpHw0
何故能力を複数使えるか説明したら
97 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 15:44:44.10 ID:R9tJggPq0
>>95様 第一位第二位はともかくとして、第三位には理論上自分を犠牲にしないと勝てない、という事に苛立っていたような…》


麦野「何故能力を複数使えるか説明したら」

フィアンマ「……」

安易に使うのであれば『火』だけ用いれば良かったか、等と考えつつ、フィアンマは一層面倒に思う。
どのみち教えたら『じゃあどうしたら使えるようになるか教えなさい』などと言い出すに決まっている。
能力者は魔術を使えない。これは、魔術サイドとしても理解しているルールだ。
力押しでいってみようか、と考えた事もあったが、先程牽制のために何やら掌から出したビームのような何かで壁が溶けたのを目撃したため、やりあう事になるとさらに面倒臭い。
それならば『聖なる右』を使えば良いだけではあるが、フィアンマとて早々不安定な必殺技を使いたくないのだ。
麦野は一切退く姿勢は無く、フィアンマを睨みつけている。

フィアンマ「…>>99
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 15:46:50.93 ID:3W2ezpHw0
ksk
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 15:51:43.79 ID:KZZKT2fSO
テメー程度の脳味噌じゃ無理だクソババァ。
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 15:54:00.43 ID:Nr9OH34l0
フィwwwwwwアwwwwwwンwwwwwwマwwwwww
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 15:55:00.81 ID:KZZKT2fSO
ごめん前から一回麦のんに言ってみたくてWWW
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 15:57:33.45 ID:7X8kxziE0
またID変わったし
103 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 16:02:27.43 ID:R9tJggPq0

フィアンマ「…テメェ程度の脳味噌じゃ無理だクソババァ」

麦野「な…誰がババァだ、あぁ!?」

一気に頭に血が上ったのか、麦野は素早く演算して『原子崩し』を放ったのだが―――。

麦野「…居な、い?」

気付けば、フィアンマは居なくなっていた。



フィアンマは、『遮蔽物等が無い限り平行方向にどこまでも移動出来る』。
暴言を吐いて麦野の身体(遮蔽物)を少し退かし、一瞬の間にコンビニ前まで来た。
そしてそのまま入店し、今に至る。

フィアンマ(余裕の無くなった人間は必ず動くからな)

たかが飲み物一本を買うのに随分と時間がかかる、と自分の運の悪さを残念に思いながら、フィアンマは商品の棚を眺めた。
佐天が居るかどうか別として、当たり障りの無いジュース類を二本、水を二本、と飲み物の500mlペットボトルを、手にしていた籠に入れる。
ふと思い立ってお菓子コーナーへやってきたフィアンマは百円で買える小さな袋物の苺チョコに手を伸ばし―――誰かと手が触れ合った。




誰か(禁書キャラ名。麦野沈利・佐天涙子・上条当麻以外)>>+2
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/07/04(水) 16:09:54.71 ID:K8X96/tAO
Ksk
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 16:10:01.47 ID:E5C8VoA80
冥土返しに救われてたフレンダ&フレメアちゃんと絹旗&滝壺
106 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 16:21:51.21 ID:R9tJggPq0

小さな手だ。幼い少女の手。
お姫様のような服装の少女はフィアンマを見上げ、首を傾げる。

フレメア「…大体、これはフレメアの」

フィアンマ「…残り一つではあったが、譲ろう」

ふんわりとした柔らかな生地でドレスのように形作られた服を纏う少女は可愛らしく微笑んで、苺チョコを手にする。
フィアンマはどこか懐かしそうに表情を和ませ、手を引いて少女に快く苺チョコを譲った。

フレンダ「結局、麦野は何処に行ったって訳…あ、フレメア」

フレメア「にゃあ。お姉ちゃん、これ買って」

フレンダ「ダメ」

フレメア「…にゃあ」

滝壺「ふれんだ。…買ってあげても、いいと思う。ほら、早く…しないと…はまづらも来ちゃうし…」

フレンダ「…結局、仕方ないって訳か」

フレメア「やった!」

少女の姉らしい少女が渋々、といった様子で苺チョコを購入し、お姫様のような少女に袋を差し出す。
少女は嬉しそうに苺チョコの入ったコンビニの袋を手にし、幸せそうに微笑みながら、ジャージ姿の少女に頭を撫でられた。
そして土砂降りの外を見、嫌そうな顔をした後、フィアンマの方へ振り返って笑顔で手を振った。
フィアンマは無言のままに二度程、和やかな表情で手を振り返す。
そして、三人の少女は楽しそうに連れたって出て行った。





会計を終えたフィアンマは土砂降りの雨の中を歩く気力が無く、先程麦野から逃げたのと同じ方法で病院へ入った。
行きに比べて、帰り道にかけた時間は異常に早い。
そして、今現在、やや重いコンビニのビニール袋片手に、フィアンマは病室の扉の前へと歩いてきた。

フィアンマ(…ルーチェ。…感傷に浸っても、な)

ガラガラ、と扉を開けた。





上条の居る個室の中の状況(変化無し可能)>>+2
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/07/04(水) 16:27:44.53 ID:K8X96/tAO
Ksk
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 16:27:59.00 ID:E5C8VoA80
佐天が上条の体を拭こうと服をはぎ取ろうとして上条さんが抵抗してる(フィアンマはすぐさま理解するが二人が焦る)
109 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 16:46:07.20 ID:R9tJggPq0

中へ一歩踏み込んで目撃したのは、上条の服が乱れていて、佐天が服をはぎ取ろうと一生懸命に頑張っている場面だった。
フィアンマは冷静沈着な人間であり、さほど激昂しない。
なので、視線を病室の中に巡らせてみた。状況を把握するためだ。
窓際の棚におかれた、湯気の立っている洗面器、幾つかのタオル。そして部屋には石鹸の匂いが漂っていた。

フィアンマ(なるほど、なるほど。佐天の方は善意から身体を拭こうとして、当麻はそれを拒否している…という解釈で恐らく間違いは無いだろう)

佐天「あ…」

上条(もうダメだ終わったきっと切られるこの歳で上条さんの上条さんとはお別れなんだ…不幸過ぎて声も出ない…せめて佐天ちゃんが殺されないようにうまい事俺のせいなんだって言おう…)

焦り固まった二人を見、フィアンマは納得を示すように二回程頷く。
『分かった(理解)』という意味なのだが、二人にとってその頷きは『分かった(殺意)』にしか見えない。
佐天の頭にも、上条の頭にも、先程の上条の言葉が渦巻いていた。


上条『こう、…男性のシンボルを切り落とすとかですね』

上条『いや、いつも言われる訳じゃないんだ。浮気したら、とか、そういう前提の上っていうか…あ、ものすごく気分を害した時も言うかな?』


・・・・・・・・・・・・・・・・・・
浮気したら男性のシンボルを切り落とす。

佐天は全身にびっしょりと冷や汗をかきながら、上条の服から手を離し、どうにか上条の罪を軽減しようと口を開く。

佐天「あのっ、違うんです!」

フィアンマ「あぁ、分かっている」

佐天「違うんですよ! 上条さんとそんないかがわしい行為なんて!」

フィアンマ「理解出来ている。問題は無い」

上条「違うんだフィアンマ、俺が全部悪いんだ」

フィアンマ「別に誰も悪くは無いだろう。この流れは充分に予想出来ていた事だ」

言いつつ、フィアンマは個室備え付けの小さな冷蔵庫にコンビニ袋の中身である飲み物のペットボトルを入れ、再び病室の扉へ歩んだ。
そして思い出したように振り返る。そしてにこやかな表情で言った。

フィアンマ「まぁ、人数が多ければ良いというものでもないしな。俺様の身体では満足させられんと思うし、好きにすると良い」

身体、という単語は『義手ではうまく上条の身体を拭けない恐れ』という意味で使ったのだが、二人にはそうと思えない。
この状況を第三者が見れば、男と愛人の少女がセックスに取り掛かる最中に正妻が帰ってきて、『ごゆっくり』などと心にもない事を、怒りのあまり笑顔で言っているようにしか見えなかった。
フィアンマはそのまま扉を開け、廊下に出、後ろ手で扉を閉めた。
扉が閉まる様は丁寧で(フィアンマは怒っていないのだから普通の閉め方なのだが)、それが逆に二人の恐怖を煽る。
きっと怒りを堪えているに違いない。きっと殺意を我慢しているに違いない。

佐天「ど、どうしましょう上条さん…」

自分のせいで上条の股間が犠牲になったらどうしよう、それ以上に別れ話に発展してしまったらどうしよう、とオーバーフロー気味な思考で泣きそうになりながら、佐天は言う。
上条は深呼吸してどうにか冷静な状態へ持って行きながら、こう言った。

上条「…佐天ちゃんは>>111してくれ。俺は>>113する」

110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 16:49:00.24 ID:CGJCbUCs0
ksk
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 16:51:41.03 ID:CGJCbUCs0
俺と一緒に来てくれ
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 16:52:07.98 ID:CGJCbUCs0
ksk
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/07/04(水) 16:53:02.93 ID:K8X96/tAO
あいつを追いかける
114 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 17:10:48.71 ID:R9tJggPq0

上条「…佐天ちゃんは俺と一緒に来てくれ。あいつを追いかけよう」

佐天「で、でも上条さん…」

上条「大丈夫。最悪、俺一人の責任に出来れば半殺しで済むと思うから」

着衣(といっても入院患者にありがちな淡色のパジャマだが)を整え、上条は凛々しい表情で言う。
佐天は泣きそうな表情のままどうにか上条を引き止めようとした。

佐天「元はといえばあたしのせいじゃないですか…」

上条「佐天ちゃんは善意で言ってくれただけだ。別に悪い事なんて無い」

佐天の頭を撫で、上条は言う。
そもそもが勘違いなのだ。話せばわかってくれるなどという確証は無いが、それでもきっと、上条が本気で話せば、フィアンマは理解してくれる。
そう、上条は思いつつ、佐天と共に病室を出た。点滴袋の付いた器具をがらがらと動かしながら。
フィアンマは、そこには居なかった。どこに行ったのかは分からない。

佐天「手分けして…」

上条「いや、それだとむしろ危ない。とりあえず、病院内を探そう」







佐天と上条がフィアンマを探して歩き始めた頃。
フィアンマはエレベーターに乗って下の階に行き、歩ける患者が休める場所―――ラウンジとでも言えば正しいだろうか。
そんな場所で、向かい合って席に腰かけた状態で、暇つぶしがてら少年と話していた。

垣根「すげぇ雨だな。最近急に雷落ちたりして妙な天気だとは思ってたんだが」

フィアンマ「異常気象という一言で片づけられるだろう。環境破壊は深刻なところまできているからな」

垣根「今更どうにもならないような気もするけどよ」

フィアンマ「実際どうにもならんだろうな」

チンピラのような、ホスト予備軍のような雰囲気と手術衣を身に纏い、フィアンマと会話をしているのは『超能力者』学園都市第二位、垣根帝督だ。
友人の居ない彼は暇を持て余し、歩くリハビリにも疲れ、ラウンジへ来たのだ。
そして、調度同じように暇を持て余してラウンジへやってきたフィアンマを捕まえ、会話を始めた。
捕まえたといっても別段何かした訳ではなく、ただ『暇なら俺と話そうぜ、お嬢さん』と声をかけただけなのだが。
他の患者は部屋に籠っているか重症で部屋から出られない者が多いのか、ラウンジにはこの二人しか居ない。

フィアンマ「よく俺様の性別が分かったな」

垣根「>>116
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 17:13:31.47 ID:kk0DRHI/0
ksk
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/07/04(水) 17:19:23.88 ID:K8X96/tAO
俺には常識は通用しねぇからな
117 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 17:27:33.10 ID:R9tJggPq0

垣根「俺には常識は通用しねえからな」

フィアンマ「常識的な側面でしか物事を見られない人間よりは視野が広いということか」

垣根「そういう事だ。俺の能力が未知数なもんで、自分で自分を研究している内に、他人を見ただけである程度色々と見抜けるって訳だ」

フィアンマ「直感を鍛え上げたようなものだな」

垣根「そうそう。理解が早くて助かるぜ。あ、喉渇いてねぇ?」

フィアンマ「それなりには渇いているが」

フィアンマの返答を聞くなり、垣根は立ち上がってラウンジ内に設置された自動販売機に近付き、懐から取り出した携帯の電子マネー機能を使って缶のココアと缶の抹茶ミルクを購入したかと思うと、それらを手に席に戻る。
そしてココアの方をフィアンマの前へ置くと、冷えた手を温めるようにもう一つの缶を自分の前に置き、数度握った。

フィアンマ「気を遣わなくても良い」

垣根「女、それも美人に金使わせる程情けない男じゃねえんだよ、俺は。ま、いいから飲めって。ココア苦手なら別のヤツ買ってくるけどよ」

フィアンマ「いや、別に良い。ココアは嫌いではない」

やや慣れない手つきで缶を開け、ちびりと飲み身体が温まる感覚に目を細め、その甘ったるさにフィアンマは微妙な顔をする。
垣根は慣れた手つきで缶を開けると、抹茶ミルクをのんびりと飲む。

フィアンマ(善意、か)

垣根「そうや、名前は? ここで会ったのも何かの縁だろ」

フィアンマ「名前か。>>119とでも呼んでくれ」
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/07/04(水) 17:31:36.28 ID:NjDE77TAO
>>117
×そうや
○そういや
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 17:32:13.86 ID:KZZKT2fSO
ミハイル
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 17:33:30.74 ID:Nr9OH34l0
ミハエルだっけミハイルだっけ?
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 17:36:27.06 ID:KZZKT2fSO
ミハイル。学校での名前
122 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 17:38:58.49 ID:R9tJggPq0

フィアンマ「名前か。ミハイルとでも呼んでくれ」

垣根「ミハイルか、分かった。…学園都市の人間っぽくないな」

フィアンマ「露骨に分かるものなのか?」

垣根「いや、勘」

フィアンマ「そうか。一応、此処の学校に籍を置いてはいるのだが」

垣根「へぇ。…あぁ、俺の名前は垣根帝督。好きに呼んでくれ」

フィアンマ「垣根で良いか」

垣根「あぁ」

ずず、と抹茶ミルクを飲みながら、垣根は応える。
倣う訳でもなくココアを少し飲んで、フィアンマは時計を見た。
まだ身体を拭いている最中だろう、と判断し、戻らずに雑談を続ける。

垣根「そういや、患者には見えないけど、誰かの見舞いに来たんじゃねぇの?」

フィアンマ「あぁ」

垣根「面会謝絶だったのか?」

フィアンマ「いや、そういう訳ではないが」

垣根「行かねぇの?」

フィアンマ「>>122
123 : ◆2/3UkhVg4u1D :2012/07/04(水) 17:40:30.26 ID:NjDE77TAO

安価内容>>125でお願いします
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 17:45:44.17 ID:KZZKT2fSO
ksk
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 17:46:23.06 ID:3W2ezpHw0
じゃあ、そろそろ行くよ
126 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 17:53:20.90 ID:R9tJggPq0

フィアンマ「じゃあ、そろそろ行くよ。…というよりも、一度行って、用事の為に席を外していたというべきか」

垣根「成る程な。また会うかどうかは不明だが、じゃあな」

フィアンマ「あぁ。…ココア、礼を言う」

缶を掴んで立ち上がり、豪快に煽るとそう言って、ゴミ箱に缶を押し込んだ後、フィアンマはラウンジから出て行った。

垣根(悪くねえな、ああいう女も)

残された垣根は抹茶ミルクを飲み干し、缶を投げてゴミ箱の中に見事ヒットさせると、立ち上がったのだった。


右方のフィアンマは上条が居る筈の病室に戻ってきた。
しかし、そこにあったのは冷めきったお湯、つまりは水の入った洗面器と、幾つかのタオル。
佐天はおろか、上条すら居なかった。
探そうかと考えたものの、ここで入れ違いになってしまっては意味が無いという考慮に至り、フィアンマは見舞客用の椅子に腰かけた。
一時間程後に、病室のドアが開く。入ってきたのは、上条のみ。
佐天と上条は病院のいたる所(不運にもラウンジ以外)を探し、それでも尚フィアンマを発見出来なかった為、疲れてしまった佐天を帰し、上条は病室へ戻ってきたのだ。

フィアンマ「お帰り。何処に行っていたんだ?」

上条「>>128
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 17:59:35.96 ID:E5C8VoA80
ksk
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 18:00:43.40 ID:KZZKT2fSO
フィアンマ頼む聴いてくれ!!!!俺は佐天ちゃんとはヤってないんだ!!!体拭いて貰おうとしただけなんや!!フィアンマ信じてくれ!!!俺はフィアンマしか愛してないんだよォォォォォ!!!!!!
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 18:02:03.04 ID:E5C8VoA80
上条さんwwwwww必死wwwwww
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 18:03:29.25 ID:KZZKT2fSO
※病院中に響き渡りました☆
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 18:09:22.03 ID:E5C8VoA80
MNWが祭りだな
132 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 18:15:16.73 ID:R9tJggPq0

上条「フィアンマ頼む聞いてくれ!!!! 俺は佐天ちゃんとはヤってないんだ!!! 身体拭いて貰おうとしただけなんだ!! フィアンマ信じてくれ!!! 俺はフィアンマしか愛してないんだよォォォォォ!!!!!!」

フィアンマ「……、…病室、もとい病院では静かにしろ。周囲に迷惑だろう。…お前が身体を拭いてもらおうとした事位見れば分かった。だから『好きにしろ』と言ったんだ。人一人の身体を拭くのに何人も居てはむしろ動き辛いからな」

上条「……………へ?」

走り寄り、フィアンマの肩を掴む上条の必死な叫びに困惑しながら、フィアンマはそう言葉を返す。
そもそも、フィアンマは怒るどころか疑いすら持っていなかったのだ。
落ち着いて病室の様子を見れば、何をしようとしていたのか、普通は理解出来る。
ただ、フィアンマの平常心を信じるには、上条は今までの人生で女性の対応に恵まれなかった。
女性と二人でいただけで噛みつかれたり不埒不潔だと言われたりしてきたのだ、フィアンマに不評を買ってしまうと考えても仕方の無い事だろう。
フィアンマの、困惑はすれど一切怒っていない様子を見て、上条は自身と佐天の早とちりだと理解したのか、安堵のあまり目に涙まで浮かべながらその場にへなへなと崩れ落ちた。
病院を佐天と歩きまわった努力は全て水の泡となってしまったが、上条にとってそれはもはやどうでも良い。

上条「よ、良かった…」

フィアンマ「…まさか、俺様が浮気を疑って姿を消したと考え、今の今まで探していたのか?」

上条「そうだよ…フィアンマが『俺様の身体では満足させられんと思う』とか言うから…」

フィアンマ「義手ではうまく身体を拭けない可能性があるからな。別にあの少女が取り組むのならそれでも良いかと信用したのだが」

上条「うぅ…良かった…」

のろのろと起き上がり、ベッドに腰かけ下半身に毛布をかけながら上条は項垂れる。
そして悪い事とは思いつつも携帯を取り出し、佐天の携帯(今後旅行へ一緒に行く事となっているため連絡用に交換した)に電話をかけ、状況を
説明した。
同じく安堵のあまり泣きそうな声を聞き、情けない声で言葉をやりとりした後通話を切り上げ、上条はフィアンマを見る。

上条「…本当に怒ってないか?」

フィアンマ「怒る要素があるか?」

上条「いや、それならいいんだ…」

安心したやら努力が無駄だったやらで本格的に泣きそうになりながらも何とか堪え、上条は深呼吸した。
一件落着、ということである。






上条はどうする?>>+2

133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 18:16:54.56 ID:KZZKT2fSO
ksk
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 18:18:16.10 ID:3W2ezpHw0
飯を食う
135 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 18:24:27.64 ID:R9tJggPq0

ガラガラ、と扉が開く。
ノックが無いという事は見舞客ではないだろう、と判断した上条が扉を見遣ると、看護士が食事を持ってきてくれた。
看護士とは言うまでもなく。

御坂妹「…お…お食事の時間です、とミサカはひきつる顔銀を宥めながら、お夕飯を設置します…」

上条「………、…ありがとう」

御坂妹「仕事ですから…とミサカは…う…っぷぷ」

先程の上条の醜態はどうやら病院中に響き渡ってしまったらしい。
看護士である御坂妹は笑いを堪えながら食事をセッティングしてくれた。
そして作業を終え、深呼吸して落ち着きを取り戻すと、上条を見てこう問いかけた。

御坂妹「フィアンマなる人物はどなたですか、とミサカは問いかけます」

上条「え? あぁうん、そこに居るけど」

フィアンマ「…」

御坂妹「………」

何か、女の執念というか、恨みの籠った御坂妹の視線が、フィアンマへと注がれる。

フィアンマ「…何だ」

御坂妹「>>137
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 18:26:39.81 ID:NujFHtpO0
ミサカはあきらめませんとミサカ10032号は恨みを込めつつもライバルに悪態をつきます
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 18:30:23.72 ID:KZZKT2fSO
せいぜい夜道に気を付けて下さいファッキン泥棒猫ッ!!!カー、ペッ!!とミサカは痰と毒を吐いて帰ります!!!
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 18:31:58.69 ID:KDjTfmMQ0
ミサカwwwwwwめっちゃグレたwwwwww
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 18:44:52.64 ID:KZZKT2fSO
あー、駄目だ、俺が安価とるとキャラが皆性格悪くなる……てか同じ感じになる。>>1の軌道修正力に任す。>>1ゴメンね(・ω≦)テヘペロ☆
140 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 18:46:02.47 ID:R9tJggPq0
>>135 ×顔銀 ○顔筋》


御坂妹「せいぜい夜道に気を付けて下さいファッキン泥棒猫ッ!!! カー、ペッ!! とミサカは痰と毒を吐いて帰ります!!!」

言葉通り痰を(しかしゴミ箱に)吐き捨てて、御坂妹は息荒く去っていった。
訳もわからず困惑する上条へ食事を勧め、フィアンマは小さくため息を吐き出す。

フィアンマ「汚い女だ。品の無い」

上条「一応俺の友達なんだ、悪口言わないであげてくれ」

フィアンマ「悪口というか、痰を吐く行為は実際に汚いだろうに」

上条「まぁ、確かにそうだけどさ…っていうか、何で御坂妹のヤツ怒ってたんだろ?」

フィアンマ「分からんのか。台詞選びは露骨だったぞ」

首を傾げつつ食事をする上条の様子を眺め、残念そうな声色でフィアンマは言う。
そこまで言われても分からないのは、上条が鈍感であるからとしかいえない。

上条「? で、何で怒ってたんだろ?」

フィアンマ「お前に恋愛的行為を抱いていたからだろう」

上条「いやまさか、そんな訳無いだろ」

フィアンマ「そうでなければ『泥棒猫』『夜道に気をつけろ』などという言葉が出てくると思うのか? 俺様とあの女は初対面だぞ」

上条「……そう、なのか」

うーん、と不可解そうな表情で食事を食べ、上条はフィアンマの様子を眺める。
別段怒っているようには見えない。

上条「そう分かってる割に、フィアンマは怒らないんだな」

フィアンマ「お前次第だからな。あの女に誘われても、乗るか断るか」

上条「……」

フィアンマ「俺様は女らしさが足りんしな。自覚はあるが直すつもりもない」

上条「別にそれでもいい」

フィアンマ「あぁ。だが、心底の部分でそこに不満を覚えているのなら、乗り気になるかもしれんな。もし不貞行為を行っても、嘘は吐くなよ。俺様はお前を愛しているが故に貞操を守るが、お前が性欲と誘惑に耐えかねて誘いに乗ってしまったその時、赦さない程心は狭くない。俺様の身体でその性欲を発散させてやれなかったのだから、致し方ない。お前を何発か本気で殴るだけでどうにか堪えよう」

冷めた目でフィアンマは言う。
心と体が必ずしも同一の行動に至る訳ではないと思っているからだ。

上条「>>142
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 18:50:31.21 ID:KZZKT2fSO
でも悲しいかなその通りなんだよなぁ……女性は浮気する時もしない時も一つの生き物だけど、男は上半身と下半身は別の生き物だし。実際女性から誘われたらヤっちゃうんだよなー…
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 18:51:24.59 ID:wapxtlqt0
>>141

143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 18:53:11.20 ID:KZZKT2fSO
ちょ、おい、アレ安価じゃなくて個人の意見なんですけどォォォォォ!!!!
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 19:04:25.59 ID:CGJCbUCs0
え!マジで!?やべぇ!
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 19:05:56.61 ID:CGJCbUCs0
でも今更修正できない…
146 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 19:07:00.57 ID:AEjwBriO0

上条「でも悲しいかなその通りなんだよなぁ……女性は浮気する時もしない時も一つの生き物だけど、男は上半身と下半身は別の生き物だし。実際女性から誘われたらヤっちゃうんだよなー…」

フィアンマ「素直な事だ」

上条「だけど、フィアンマを傷つけたくないし、何なら自分で解消しておくけど。だから、俺が浮気した時は」

フィアンマ「時は?」

上条「何発か本気で殴るだけじゃなく蹴りも入れて良いし、身体の好きな部分切断してくれても構わない」

フィアンマ「…本気でやるぞ」

上条「知ってるよ。でも、気の迷いにしろ下半身の勝手にしろ、フィアンマの心を傷つけた代償としては足りない位だろ。この身体じゃ、切断した後死なないしさ。俺の事、それでも好きでいてくれるなら、何されたっていい」

食事を終え、フィアンマの目を見つめながら、上条はそう話す。
浮気しないと保障は出来ないと述べた上で、それでも良いと言う姿は真剣そのもの。

フィアンマ「…お前が何をしても、俺様はお前を好きでいるよ」

上条「俺もそうだ。フィアンマに嫌われたくないし、叫んだ通り、フィアンマだけを愛してる。好きだよ。だから、『セックス含め絶対浮気はしない』なんて嘘を吐きたくない」

フィアンマ「そうか。…まぁ、お前が靡かなければ良いだけの話だからな」

上条「そうそう」

のんびりと言い、上条はフィアンマを見つめる。
先程の氷のように冷え切った瞳はそこにはなく、いつも通りの様相だ(上条以外には恐ろしく見えるかもしれないが)。

フィアンマ「さて、食事も終えた事だし、お前の身体を拭こうと思うのだが、どうする?」

洗面器の中身の水を『火』の魔術によって温め直し、フィアンマは問いかける。
気分をすっかり切り替えたようだ。

上条「んー…>>148

147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 19:09:23.86 ID:KZZKT2fSO
ksk
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 19:10:39.49 ID:CGJCbUCs0
全身しっかり頼むよ
149 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 19:22:59.32 ID:AEjwBriO0

上条「んー…全身しっかり頼むよ」

フィアンマ「服は自分で脱げ」

上条「あぁ」

多少熱くなりすぎた感の否めない洗面器の中のお湯を見つつ、フィアンマは言う。
上条はもぞもぞとまず上半身に纏う衣類を取っ払い、フィアンマを見遣った。

フィアンマ「…熱湯風呂に浸かる、という日本のコメディアンの一芸があったな」

上条「やめてくれよ? いくら上条さんが少しばかり頑丈な身体になったからって」

フィアンマ「別にお前にかけようという訳ではない。ただ、思い出しただけだ」

上条「実はさっきの発言恨んでるよな?」

フィアンマ「いや?」

上条「恨んでるって絶対フィアンマさん目据わってますよ!」

フィアンマ「いつもだ」

上条「いやいつもだけど! ひぃ! づあっつ!」

フィアンマ「操れても感覚の無い義手とは便利だな。火傷をしない」

上条「あづづづづ!!」

ほかほかと、ではすまない熱いタオルで身体を拭かれ、悶える上条を見つつ、フィアンマは愉しそうに笑う。
どうやら『実際女性から誘われたらヤっちゃう』というキーワードが怒りの琴線に触れてしまったらしい。
火傷ギリギリの仕打ちを受けながら、しかし愛する妻には逆らえず、上条…神浄は、その身を熱で清められるのだった。




全身を激熱なタオルで拭かれ、冷房に当たりながら、上条はぐったりとしていた。
佐天と共にフィアンマを探して歩き回った時にだいぶ無くなっていた体力が、先程の正味三十分ほどで使い果たされてしまった。
フィアンマは上条が終えた食事の空食器を片づけ、部屋に戻ってきた。

上条「お帰り…」

フィアンマ「何をバテているんだ」

上条「>>151
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 19:24:19.62 ID:KZZKT2fSO
てかそんなに浮気したくない、性欲無くしたいなら去勢すればいいのに。フィアンマとしたいなら薬飲んで勃起させるとかでいいんだし。
安価↓
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 19:26:11.42 ID:kk0DRHI/0
誰かさんが熱湯で身体を拭いてくれたお陰で体力が0なんです……!
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 19:27:00.45 ID:kk0DRHI/0
>>150

それはちょっと…
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 19:32:08.82 ID:KZZKT2fSO
まぁ、普通そうだけどねWWWただ、たかが一発ヤった位で体どっか切り落としてくれとか言う位なら、と。浮気前提で話したから、(安価によってだけど)そのくらいなら…と思って(笑)因みに長屋を攻めてる訳じゃないWWW安価↓
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 19:33:30.29 ID:E5C8VoA80
切られてもくっつくし
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 19:34:40.03 ID:KZZKT2fSO
そうだっけ?
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 19:35:40.58 ID:E5C8VoA80
優秀な医師がいるし
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 19:37:25.49 ID:KZZKT2fSO
上条さんが拒否ればおしまいじゃね?


……もし、切った(ピー)をオークションにかけたらどうなるかねWWW
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 19:38:49.56 ID:E5C8VoA80
上条ラヴァーズが総力を上げて
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 20:23:27.79 ID:KZZKT2fSO
ヤベェ……>>1が俺の発言にドン引きして書き込まなくなった………
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 20:33:51.47 ID:kk0DRHI/0
貴様……余計な事を……!!!
161 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 20:52:38.67 ID:e8/OjM+h0

上条「誰かさんが熱湯で身体を拭いてくれたお陰で体力が0なんです……!」

ぐた、と脱力したまま責めるような声を出す上条に、フィアンマはにこりと笑みながら首を傾げた。

フィアンマ「それは大変だったな。俺様は普通のお湯で丁寧に拭いたのだが、果たしてその後誰が熱湯でお前の身体を拭いたのだろう。ああ困った、予想がつかん」

上条「不幸だ…」

ぐすん、と泣くフリをする上条の様子を見つつ、フィアンマは見舞客用の椅子に腰かける。
もう既に夜の為、本来見舞客は全員帰らなければいけないのだが、フィアンマは上条の家族として、特別に(病院から出入りせず、病院内にとどまり続けるという条件で)いつまでも滞在する事を許されている。
上条はふて寝する事に決めたのか、ベッドにうつ伏せになったまま、毛布を頭から被った。
拗ねているんだぞ、というアピールである。女の子がやればさぞ可愛らしいだろうが、残念ながら上条当麻はれっきとした男である。
しばらくそうして拗ねたアピールをした後上条がもぞりと毛布から顔を出すと、そこには見慣れぬ女性が居た。
というよりも、服装が見慣れないというべきか。

赤いセミロングの髪、その頭頂部には所謂フリルのついたヘッドドレス(黒色)があり、紐は顎下でリボン結びにされている。
ヘッドドレスの両側面には銀の十字がインプリントされていた。
袖は二の腕部分がきゅっと締まっており、それと反比例して袖は広い。何枚かの布が重ねてあるのか、薄手に見えて透けない作りだ。
ブラウスに似た形状に晒された鎖骨、しかし余剰にフリルのあるおしゃれな襟の下にはきつくコルセットが巻かれている。
コルセットの色は赤色。それも鮮烈な赤色だ。真ん中では、締め上げて余った分の紐がリボン結びされている。
そのままワンピースのように連なるスカートは何段ものフリルが重なり、膨らんだデザインをしている、膝下丈。
靴下は長いものを穿いているらしく、下半身に至っては一切肌が見えない。
履いているのは底の厚めなリボンの付いたサンダルのような靴で、足首部分にも足を通す太めの紐がある。

全体的には現代では『ゴシック・ロリータ』を纏い、それがよく似合っているのは、上条の恋人であるフィアンマだ。
上条はこの短時間で変わった(そして変わらず平然と椅子に座っている)フィアンマの姿に目を白黒させながら首を傾げた。

上条「…誰?」

フィアンマ「言うまでもなく、右方のフィアンマだが。『神の右席』が解体になった以上、フィアンマと名乗るべきだと分かってはいるのだがな」

上条「その服、どうしたんだ?」

フィアンマ「俺様の私服だが。服のサイズは変わらないのでな、久しぶりに着た。妹に過去プレゼントとして渡されたものだ。どちらかといえばスーツを着る方が落ち着くのだが…まぁ、これは別だ。質が良い」

上条「……」

生きていた時代故か、本人の私服だからか、汚れや古ぼけた感じは無いにも拘わらず、コスプレのような違和感は無かった。
華奢な身体、その腹部を締め上げるコルセットに至っては細くて、つまりは腰が細く、非常に似合っている。

フィアンマ「お前の求める女らしさとやらは分からんが、これが俺様の限界の努力、及び譲歩だ」

上条「>>163
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 20:59:04.85 ID:KZZKT2fSO
……ありがとう、なんか無理させちまったみたいだな……すっごく似合ってて、可愛いぞフィアンマ
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 20:59:25.59 ID:k7IlWDDc0
ksk
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 20:59:56.48 ID:SH8fUVG40
最高だ……!
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 20:59:56.93 ID:k7IlWDDc0
>>162

166 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 21:08:02.76 ID:e8/OjM+h0

上条「……ありがとう、なんか無理させちまったみたいだな……すっごく似合ってて、可愛いぞフィアンマ」

フィアンマ「そうか」

感想をそのまま口に出すも、返ってきたのは素っ気ない返事。
しかし自らが発した通り可愛らしい恋人の姿を見て気力が体力まで回復させたのか、むくりと上条は起き上がる。

上条「それにしても、…」

そのままベッドに座って、不躾ながらもフィアンマの姿を上から下までよく見る。
恐らくただの飾りなのだろうが、ドレスの要所にはリボンがついており、解きたいという欲求を誘うようなものだ。

上条「…脱がしたくなる作りだよな」

フィアンマ「リボンか」

上条「何かこう、解きたい、ってなるだろ」

流石にパンツ着替えたの、とまでは聞けない上条ではあったが、見慣れない上条としてはフィアンマの衣服から視線が外せない。
普段は赤いスーツを身にまとっていて男性にしか思えないが、こういった衣服を着ると女性にしか見えない。
袖やスカートなど広がりがある作りの場所は、フィアンマの脚や腕の細さを一層強調する。
スーツも確かに彼女の細さを強調するのだが、それはスタイリッシュさを表している様相。こちらはか弱さや線の細さを強調している。
妹さんいいセンスしてたんだな、などと上条は脳内で称賛しつつ、フィアンマの観察をやめずに続けた。
シェリー=クロムウェルも確かにゴスロリ服は似合っていたのだが、それと恋人とではまた意味合いが違う。

上条(普段そんなに実感しないけど、フィアンマが美人で良かった)





上条はどうする?>>+2
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 21:09:54.24 ID:KZZKT2fSO
採用されてとても嬉しいが安価ちがくね?安価↓
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 21:10:48.92 ID:k7IlWDDc0
確かに違うな

安価なら 疲れたから一緒に寝る
169 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 21:21:12.98 ID:e8/OjM+h0

上条「最高だ……!」

美人である恋人が可愛い衣装を着ている事に対して感嘆の声を漏らす上条を見、フィアンマは肩を竦める。

フィアンマ「…で、そろそろ夜遅いが、寝なくて良いのか?」

上条「そういやそんな時間か。その服、そのままで寝られるのか?」

フィアンマ「問題無い。さほどきつく締めてもいないしな」

コルセットを指してそう言い、フィアンマは上条を見遣る。
上条はといえばベッド端に身体を寄せ、フィアンマを手招いた。

上条「一緒に寝ようぜ。何か今日は色々と疲れた」

フィアンマ「早とちりしなければ歩かなくて済んだだろうに」

言いつつも靴を脱ぎ、上条の隣で横たわるフィアンマ。
その様はどこかの貴族のお嬢様のようだ、と上条は思う。
どうやらガーターベルトだったらしく、履き口にフリルのついたニーソックスが、軽くフィアンマの太股に軽く食い込んでいる。
脚が太いのではなく、履き口がキツいのだろうが…何というか、視覚的に非常にいやらしい。
体力が余分にあればエロい事をしていたのに、と不幸を実感しながらフィアンマを抱き寄せ、横たわった上条は互いの身体に毛布をかけて目を閉じた。
そのまま眠りに堕ちていく。




翌朝、看護士が朝の簡易検査(点滴を取りかえるかどうか調子を見たり、血圧を計測するなど)へくる前に上条は目が覚めた。
隣ではどこぞの令嬢の様な恰好をしたフィアンマがすやすやと眠っている。
寝相でヘッドドレスは取れたらしい、枕元にあるが、それでも可愛らしい服装である事に変わりはない。





上条はどうする?>>+2
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 21:22:47.09 ID:YQJ0QJFdo
ksk
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 21:23:39.09 ID:pQ3FMHga0
おはようの、キッス
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 21:26:39.04 ID:KZZKT2fSO
…エロい事すりゃ良かったなー…この>>1のエロ書く時の文章は他の追随を許さないし…ちくせう
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 21:30:44.07 ID:pQ3FMHga0
苗木フィアンマをあわきんに襲わせたのは俺
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 21:32:35.04 ID:KZZKT2fSO
うん知ってる。

さすがに朝からヤったら看護婦とか見舞い客に見つかるしなー……………ハッ!!そういうプルゥエイか!!!
175 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 21:34:15.44 ID:e8/OjM+h0

上条は久しくドキドキとしながらフィアンマの頭を撫で、そっと唇を重ねた。
別段狙ってはいなかったのだが、さながら王子に口づけられた姫の如く、タイミング良くフィアンマは目を覚ます。

上条「…おはよう」

フィアンマ「…ん、…おは、よう」

まだ少し眠いのか、ぼんやりとした表情で上条を見つめるフィアンマに再度口付け、上条は小さく笑んだ。
しばらくぼんやりとしている内に目が覚めたのか、フィアンマはもぞもぞと身動いた後、のろのろと起き上がる。
そして軽く膝を曲げてベッドへ腰かけると、靴下をくいと引っ張って少し弛んだ布を正した。
そしてベッドから降りると、見舞客用の椅子へと腰掛ける。不要なもう一つを畳んでしまうと、ヘッドドレスを着け直した。
上条も時計を見、だるそうに起き上がる。
そろそろ看護士が簡易検査へ来る時間だろう。
着替えるのが億劫なのか、フィアンマは動く様子が無い。
実際コスプレと違い、ゴシックロリータな服装にも拘わらず何故か他者に違和感を与えない為、そのまま外に出ても『可愛い』と思われるだけなのだが。
何か魔術をかけてあるのかもしれないが、上条には分からない。
しばらく二人してぼんやりとしていると、看護士が部屋に入ってきた。
昨日に引き続き、上条の担当看護士である御坂妹だ。
御坂妹は部屋に入ってくると、昨日と違い男性味が見えないどころか良く出来たフランス人形か何かのように可愛らしい姿となっているフィアンマの姿を見、こう言った。
似合っていないと罵るには、似合ってしまっている。
罵倒しようとして、しかし直接的な罵倒は上条に悪印象を与えると考えた上で、こう発言した。

御坂妹「>>176
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 21:34:47.33 ID:pQ3FMHga0
佐天さん来たらどうなるかな

3Pか
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 21:36:07.03 ID:pQ3FMHga0
安価下
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 21:36:14.42 ID:KZZKT2fSO
お似合いですよ。一方通行が女装してる位には
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 21:37:04.98 ID:pQ3FMHga0
>>178

それって結構似合ってる気がする
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 21:40:08.97 ID:KZZKT2fSO
褒めてるけど、結局男の女装と同じlevelだなWWWみたいな?
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 21:41:29.72 ID:KZZKT2fSO
アレ?待てよ?前スレで一方さんの本名百合子ちゃんだったから普通に褒めちまったか?
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 21:41:53.26 ID:pQ3FMHga0
男の娘っていいよなぁ
女装山脈で、めざめかけた
183 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 21:51:33.06 ID:e8/OjM+h0

御坂妹「お似合いですよ。一方通行が女装してる位には」

上条「正直一方通行よりも似合ってると思うけどな、恋人の欲目なのか?」

フィアンマ「どうだろうな。俺様としてはお前が満足ならばそれで良い」

上条「満足どころか昨日疲れていた事を後悔する位だった」

フィアンマ「そうだな。『解きたい』とか言っていたしな」

上条「ちょっ、御坂妹に俺がものすごく変態みたいに思われるだろ! 男なら皆そうです!」

御坂妹(ミサカの罵倒を歯牙にもかけず、目の前で見せつけるようにいちゃつくとはやりおるこの赤髪女…ぐぬぬ、とミサカは歯を食いしばります。ここでキレてはこの人の好感度を下げてしまいますから、とミサカはどうにか耐えきり、仕事に取り掛かります)

歯を食いしばりつつもどうにか血圧等を計測し始める御坂妹。
そんな御坂妹の様子に気付いて気付かないでか、自然にいちゃつき始めるフィアンマと上条に、容赦という言葉は無い。

上条「何でそういう服いつも着てくれないんだよ」

フィアンマ「防御術式構成に向いていないからだ」

上条「って事はそれは向いてるのか?」

フィアンマ「一応は、といったところか」

上条「つまり俺が『幻想殺し』で触ったら木端微塵に…」

フィアンマ「術式を構成していないから、ならんぞ」

上条「ちょっと期待したんですけど」

フィアンマ「人の服を何だと思っているんだ」

御坂妹(ジュツシキだのイマジンブレイカーだの、訳のわからない厨二会話を共有している…ミサカには追いつけないです、とミサカは…しかしこいつらいちゃいちゃしやがって、うぅ…ミサカは…!!)

心なしか涙目になっている御坂妹の様子に気付いたフィアンマは楽しそうな笑みを浮かべて上条を見つめる。
別に遠まわしに罵倒されたから仕返し、という訳ではなく、フィアンマの嗜虐心を御坂妹自身が発言によってくすぐってしまったというだけだ。

フィアンマ「それにしても、おはようのキスとは珍しかったな」

上条「いや、ほら、たまにはいいかなって思って。嫌だったか?」

フィアンマ「嫌なものか。心地良かったぞ?」

上条「そっか」

良かった、とほっとした笑顔を浮かべる上条は、その罪深い鈍さ故、御坂妹の様子に気付けない。
血圧を測定する道具等を片付け、御坂妹は涙目のまま、フィアンマを睨みつけてこう言った。

御坂妹「>>185!」
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 21:55:29.33 ID:KZZKT2fSO
あからさまに嫌がらせしなくてもいいじゃないですか……いいですよ?ミサカを本気にさせるとどうなるか思い知らせてあげます……っん………とミサカは「当麻」の唇を奪います
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 21:56:06.76 ID:pQ3FMHga0
>>184

186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 21:57:19.24 ID:KZZKT2fSO
………長屋?別に気ぃつかってもらわんでもいいからな?てか他の人も見てたら是非とも安価とって欲しいんだけど
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 21:58:45.06 ID:pQ3FMHga0
いや、たんに良い安価が思いつかないだけだ
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 22:41:20.67 ID:KZZKT2fSO
…まさか、ガチで成功しないよな?あれ、直前で前兆の予知で上条さん避けるよな?
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 22:58:42.81 ID:7X8kxziE0
どうなんだろうか
190 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 23:12:18.96 ID:ruMqJb760

御坂妹「あからさまに嫌がらせしなくてもいいじゃないですか……いいですよ?ミサカを本気にさせるとどうなるか思い知らせてあげます!」

そう言うなり、御坂妹は身を乗り出したかと思うと、上条の唇を軽くさらった。

御坂妹「……っん……」

ちゅ、と軽いリップ音を立て、上条は訳がわからないままに口付けを受けてしまった。
御坂妹はどこか勝ち誇った声音で言う。表情は無いが。

御坂妹「…と、ミサカは『当麻』の唇を奪いました」

フィアンマ「………」

怒るだろうか、という御坂妹の予想に反して、フィアンマは笑った。
つまらないオペラを見せられた令嬢の様にくすくすと。退屈を満たされた魔女のようにくつくつと。
黒い袖で隠された向こうに少しだけ見えた笑顔は酷く冷めていて、『実験』で慣れていた恐怖を、根底から感じる命を脅かされる恐怖と威圧感に、御坂妹は立ちつくす。
してはいけない事をしてしまった。
やってはいけない事をした。
開かずの間を開けた。そんな、感覚。
しかし、そこで御坂妹は引き下がらなかった。
それだけ、他の個体より、上条の事が好きだからだ。

御坂妹「…いつかこのミサカは貴方から『当麻』を、…」

奪います、と言いかけて。
御坂妹は、ゾワリ、とフィアンマの背後から湧きだした気味の悪い重圧感に固まる。
学園都市第一位よりよほど恐ろしい化け物を怒らせた事に、今更ながら気付いたのだ。

フィアンマ「…当麻を、何だ? 寝盗る?」

御坂妹「…あ…」

フィアンマ「…笑わせるな、小娘。愛する人間の為に世界を壊す気概も無いくせに、俺様の前に立ち塞がるな」

御坂妹「ッ…」

フィアンマ「お前に、何百年と愛する人間を待つ気持ちが分かるか。ただ一人を手に入れる為に、何百人と殺してきた人間の感情が」

立ち上がり、一歩踏み出すフィアンマに、御坂妹は一歩下がる。
下がるつもりはなかった。しかし、ぞわぞわと腹の下から湧きだす恐怖が自然とそうさせる。

フィアンマ「ただ一人の為に誰かを騙し殺し貶めてきた人間の狂気が」

御坂妹「……、…ぁ…」

フィアンマ「後四百年は生きて出直せ」

フィアンマの右腕の付け根、右肩から、何かがメリメリと剥離する。
必殺の腕。『聖なる右』。
それを理解せずとも、全身を、心を恐怖と緊張に蝕まれながら、御坂妹は恐怖した。
『実験』の時ですら、ここまでの恐怖を感じた事は無かった。






上条はどうする?>>+2
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 23:14:19.29 ID:7X8kxziE0
ksk
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 23:14:29.42 ID:KZZKT2fSO
止めてェェェェ!!!上条さーンンンンンン!!!ksk
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 23:15:07.86 ID:7X8kxziE0
全力でフィアンマを止める
194 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 23:22:23.89 ID:ruMqJb760

上条「フィ、アンマっ!」

ベッドからほとんど飛び降りるような勢いで、上条はフィアンマに飛びついた。
上条もフィアンマから感じる威圧感に恐怖は感じているものの、ここで引けば御坂妹は蹂躙されてしまう。
それより何より、上条はもうフィアンマに人を傷つけさせたり、殺させるつもりはなかった。
フィアンマを抱きしめる形で壁に縫いとめながら、上条は叫ぶように促す。

上条「御坂妹、行け!」

御坂妹「あ、あ…」

上条「いいから、行け、っ」

フィアンマ「邪魔をするな。何、少し爪と皮膚を剥ぐ位で赦してやるさ」

具体的な方法に恐怖の限界を振り切り、病院内にも関わらず、御坂妹はほとんど走るようにして逃げた。
少しでもあの病室から遠く。
上条はフィアンマを拘束する腕を一本にし、もう一本の腕でゴシゴシと、それこそ血が出そうな程に、フィアンマに擦って見せる。
御坂妹が見れば傷つく振る舞いだが、上条にとって真に大切な女性はフィアンマただ一人だ。

上条「これじゃ不服か?」

フィアンマ「…」

上条「避けられなかった俺の責任だ、謝る。ごめん」

フィアンマ「…」

上条「御坂妹には、俺からキツく言っておく。何なら嫌われるように仕向けてでも、もう二度とこんな事されないように手を打つ」

フィアンマ「…」

上条「…だから、許してやってくれ」

フィアンマ「許すと、思うのか? 疑いの余地無く真っ黒だ」

上条「>>196
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 23:24:21.94 ID:7X8kxziE0
ksk
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 23:35:19.28 ID:7X8kxziE0
頼むよ……あいつは、俺が救ったんだ…
だから死なせる訳にはいかないんだ……
197 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 23:39:41.37 ID:ruMqJb760

上条「頼むよ……あいつは、俺が救ったんだ…だから、死なせる訳にはいかないんだ……」

フィアンマ「殺すとは言っていないだろう。それなりの制裁を受けてもらうといっただけだ」

未だ『聖なる右』を引っ込める事なく、冷酷な声色でフィアンマは言う。
殺さなければ良いのだろう、そう言わんばかりに。
上条は力なく首を横に振って、フィアンマを止めようと腕を突っ張る。

フィアンマ「『窮鼠猫を噛む』といっても、やってはいけない事とギリギリ許される事がある。あの女が行ったのは前者だ」

美しい横顔に何の感情も見いだせない。
怒りすらしまい込んだ表情は冷めきっていて、水を触れさせたら凍ってしまいそうだ。
退かないのなら実力行使で、とばかりに、フィアンマは上条の腕を掴み、自分から離させようとする。

上条「>>199
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 23:40:15.36 ID:KZZKT2fSO
>>1の文章の鬼気迫る感すげえ……………

そしてまさか成功しちまうとは………川ort
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/04(水) 23:41:07.12 ID:7X8kxziE0
じゃあ、俺を殴れ
200 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/04(水) 23:59:00.75 ID:ruMqJb760

上条「じゃあ、俺を殴れ」

フィアンマ「……何?」

上条「俺の不手際で、俺の失敗だ。だから、俺を殴れよ。好きなだけ殴れば良い。何なら蹴ってくれても構わない」

上条の腕を掴んだまま、フィアンマはしばらく考えた後、上条の腕から手を離した。
先程まで部屋を冷酷に支配していた威圧感が、理由も無く恐怖を与える何かが、霧散していく。
フィアンマはそっと手を離し、上条の頬にぺたりと触れた。
そして、点滴のチューブの長さを、一番長いものに調節する。
それから、上条を部屋の中央に導いて立たせた。

フィアンマ「他人の罪を背負うのだから、それなりに覚悟は出来ているのだろうな」

上条「いや、俺の罪だよ。だから、耐える」

フィアンマ「そうか。殊勝な事だな。歯を食いしばる時間位なら与えてやる」

上条は数度深呼吸し、フィアンマの言葉通り、与えられた時間で歯を食いしばる。
そして、真っ直ぐにフィアンマを見つめた。
憎悪の念を宿した金色の瞳と、視線がかちり合う。

上条「ごッ…!!!!」

次の瞬間、拳で殴られた。
一瞬、顔の下半分が吹き飛んでしまったかと思う程の衝撃。
運よく、それとも計算されてか、歯は折れていない。
遅れてきたあまりの痛みに身体を折る上条に膝をつく暇を与えず、フィアンマは上条の髪を掴みあげると、強く蹴りあげた。
肋骨を上手く避けた膝蹴りはまともに上条の腹部へ入り、こみ上げる吐き気と髪を掴まれる痛みに上条は息を詰める。
まともに呼吸が出来ない。

上条「が…ッ、…ぁ…」

フィアンマ「…大丈夫か? 呼吸は」

上条「、ひゅ…っ」

死にそうな息を漏らし、上条はのろのろと頷く。
髪を離され、崩れ落ちる上条を急かすように、背中へ蹴りが入った。
上条は床に膝と両手をつき、げほげほと咳き込む。
そこまで暴力を振るって気が済んだのか、フィアンマは上条を見下ろして微笑んだ。

フィアンマ「…基本的に痕跡が残るような痛めつけ方はしていないが、痣については適当に誤魔化せ」

上条「ん、…」

ベッドの転落防止用の柵を掴み、ぜえぜえと荒い息で立ち上がり、上条はフィアンマを見る。
怒りは晴れたのか、微笑んだまま、フィアンマは上条へベッドへ横たわるように言う。
そして横たわった上条の身体に、肩まで毛布を優しくかけながら、眠るように促した。
未だ残る体中の痛みに疲労させられる形で、上条は浅い眠りへと堕ちていった。




ほんの数分程眠り、上条は目を閉じたまま、意識が覚醒した。
毛布から出していた左手に、何か生温かい水が落ちている。
誰かの涙だ。薄目をほんの少し開けて窺うと、傍らの椅子に腰かけたまま、フィアンマはぽたぽたと涙を流していた。
その泣いた顔を見せないように上条へ寝るよう言ったのだ、と上条は瞬時に理解する。

フィアンマ「…ダメだな、俺様は。我慢が利かない。こんなに好きなのに、」

細い指が、手が、上条の頬を撫でる。
それだけで、先程フィアンマの手によって与えられた痛みが文字通り吹き飛んだ。
『右手の奇跡』の効果かどうか、寝たフリをしている上条には判断がつかない。

フィアンマ「…お前を、傷つけてしまう」

上条「…>>202
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 00:00:56.51 ID:j020KlFT0
ksk
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 00:02:39.66 ID:kvYj2b+SO
…………………(寝たふりを続ける)
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 00:03:07.79 ID:kYE6x17u0
俺もフィアンマをいつも傷つけちゃうな……
204 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/05(木) 00:19:43.18 ID:6yUb6EEAO

上条「……………………」

上条は静かに目を閉じ、寝たフリを続行する。
フィアンマは上条の身体にかかっている毛布を退かすと、幾つか作業をした後、魔術によって上条の傷一切を治した。
痛みの根本から和らぎ、消え去っていく感覚に身体の力を抜いたまま安堵する上条。

フィアンマ「キスの一つや二つ、快く赦せないで何がお前の恋人だ

上条「……」

フィアンマ「…手酷い暴力を振るって、すまなかった。殴れと言って本当に殴るような女の…俺様の顔など、今は見たくないだろう。…しばらく、来ない」

かた、と椅子の音がした。
フィアンマが立ち上がったのだろう、と上条は予測する。





上条はどうする?>>+2
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 00:20:26.10 ID:kvYj2b+SO
ksk
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 00:23:00.25 ID:kYE6x17u0
起きて抱きしめる
207 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/05(木) 00:30:39.30 ID:6yUb6EEAO

涙を堪えた声でそう言われて。
傷を癒やした事や謝罪した事、何もかも無かったかのように隠しきってこの場から立ち去ろうとする恋人に何ら干渉しない程、上条は馬鹿ではないし、臆病者でもない。
ただ、己の内から湧き出す愛情によって目を開け、起き上がり、歩み寄って、細い身体を抱きしめた。
フィアンマはまさか上条が起きているとは気付かなかったのか、ぴく、と僅かに肩を揺らして動揺を露わにする。
ふる、とスカートの裾に付いた透けるレースが動く。

フィアンマ「…何だ。眠っていれば良いものを。俺様の顔など見たくもないだろうに。あれだけ手酷い扱いを受けておきながら、この行動は何だ。マゾヒストにしても、流石にあそこまでされれば嫌になるというもの。こんな心の狭い人間等、辟易しただろう。所詮は俺様も醜い人間だ。完全な八つ当たりでお前を傷付けた」

上条「>>209
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 00:33:40.37 ID:kvYj2b+SO
ksk
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 00:33:41.83 ID:kYE6x17u0
ksk
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 00:34:23.49 ID:elVwKG0y0
うるさい黙れ 悪いと思うならここにいろ
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 00:38:32.03 ID:kvYj2b+SO
………長屋ァン……
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 00:40:30.03 ID:elVwKG0y0
取れちゃった
213 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/05(木) 00:42:33.62 ID:6yUb6EEAO

上条「煩い黙れ」

厳しい言葉だった。
ここで優しい言葉をかけても、フィアンマはどのみち拒絶して拒否してすり抜けて去ってしまうだろうから。

上条「悪いと思うなら、ここにいろ」

フィアンマ「……」

強く抱きしめ、しっかりと一語一語強調しながら、上条はそう言った。
それから、力無く垂らされたままのフィアンマの左手を自らのそれで握り、指を絡ませながら再度言った。

上条「ここに居ろ」

フィアンマ「……」

こくり、と一度だけ頷いたフィアンマは、振り返って上条を抱きしめる。 いつの間にか徐々に伸びていた上条の身長は、フィアンマと同じ位になっていた。
上条は、自分の肩に頭をもたれるフィアンマを抱きしめ、しゃくりあげる背中や肩をさすりつつゆっくりと息を吐き出す。
前と違って、フィアンマの気持ちがわからない訳ではないのだ。
自分は何と言われてもフィアンマに暴力を振るったりはしないが、目の前でフィアンマにキスをした人間にはどのような手段に出るか、自分でも分からない。

上条「…」

フィアンマ「……嫌わ、ないでくれ」

上条「>>215
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 00:44:28.95 ID:elVwKG0y0
嫌うわけ無いだろこの大馬鹿
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 00:47:06.67 ID:kvYj2b+SO
……俺にはお前しか居ねぇの忘れたのかよ?俺が、「上条当麻」が、「フィアンマ」を嫌いになんて、なる筈ないだろうが
216 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/05(木) 00:58:50.66 ID:6yUb6EEAO

上条「……俺には、お前しか居ねぇの。忘れたのかよ? 俺が、『上条当麻』が、『フィアンマ』を嫌いになんて、なる筈ないだろうが」

フィアンマ「…、…ッ…」

嫌いになんてならないし、なれない。
互いにとって唯一絶対で最後の希望である互いを嫌いになるとしたら、それは途方も無い虚無と絶望に自らを投げ出す愚かしい事でしかない。
再び肩が涙で濡れるのを感じながら、上条は幸福そうに表情を和ませた。

上条(だって、俺にはフィアンマが居ればいいんだからさ。嫌いになるなんて選択肢は存在しないんだ。もっと好きになるとか、魅力的に感じるとか、そういうのなら、いっぱいあるけど)



しばらく泣いて、落ち着いて、水を飲んで。
『醜態を見せた』と謝罪するフィアンマを優しく宥め甘やかし、(フィアンマ自身の食事を購入させるべく)売店へと送り出した上条は、ぼんやりと窓を見つめる。
不意に、ノックがあった。
許可を出して、入ってきたのは御坂妹だ。
フィアンマが室内に居ない事に安堵したのか、恐る恐る上条に近寄ってくる。
上条は、御坂妹を睨んだ。

御坂妹「み…ミサカは、このミサカは、あなたを…恋愛的な意味合いで好意を持っています。だからこそ、あのような暴挙に出ました…、とミサカは報告します。そしてミサカは謝罪に来たのです、とミサカは頭を下げます」

上条「……」

御坂妹「あの方には何もされていませんか、とミサカはあなたを置いていった事に罪悪感を覚えつつ、問いかけます…」


上条「>>218

217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 01:02:44.71 ID:elVwKG0y0
ksk
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 01:04:05.14 ID:kYE6x17u0
ちょっと怒られたけどなんともねーよ。
それと悪いんだけど俺派フィアンマ以外の人を好きになる事は無い
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 01:04:11.31 ID:U4n2Q9Pqo
先にはっきり言っておこう。俺はフィアンマのことしか愛せないしそれ以外の女にはもう興味も持たない。
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 01:05:18.11 ID:kvYj2b+SO
ああ、聴いてくれよ。酷い目にあった。殴られ、髪の毛引っ張られて、内臓全部吐くかと思うくらいの膝げりもらった。

……全部、お前のせいで、だ。

知ってるか?人の恋路を邪魔する奴は、ウマに蹴られて死んじまえって。

……もう、俺には金輪際近づかないでくれ。お互いの為だ。
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 01:05:35.94 ID:kYE6x17u0
俺派ってなんだ……俺はです
すいません
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 01:06:09.39 ID:kvYj2b+SO
どんまいWWW
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 01:07:30.00 ID:elVwKG0y0
私派フィアンマ
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 01:10:54.54 ID:kvYj2b+SO
もしそのまま適用されたらあれか、上条派ではないフィアンマさんは嫌われちまうのかWWW
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/07/05(木) 01:25:15.20 ID:6yUb6EEAO

つまり
苗木フィアンマ「えっ」

オッレルスさんとくっついたフィアンマ「えっ」

アックアさんとくっつきかけたフィアンマ「えっ」
ヴェントさんとくっついたフィアンマ「えっ」


という事か…
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 01:30:07.74 ID:elVwKG0y0
苗木はあわきんに襲われてろ
227 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/05(木) 01:34:41.86 ID:6yUb6EEAO

上条「ちょっと怒られたけど、何ともねーよ。それと、悪いんだけど、俺はフィアンマ以外の人を好きになる事は無い」

御坂妹「………」

上条らしからぬ冷めた表情で、言った。
御坂妹は、今まで見た事の無い上条の冷たい表情に落ち込み、それでも諦められないと、食い下がろうとする。
たとえその様は醜くとも。
本気で人を好きになるとは、なりふり構わない事。

御坂妹「このミサカなら、貴方が誰とキスをしても我慢出来ます、とミサカはあの女性との違いを告げます」

上条「……」

御坂妹「このミサカは、あの人よりもあなたを大事に出来ます、とミサカは食い下がります。何ならば愛人でも構いません、とミサカは更に食い下がります」

感情が希薄だった筈の御坂妹の頬に、一筋の涙が伝う。
大好きなのだ、と告げる。

御坂妹「ミサカは、あの人よりずっと、あなたを愛しています」

純真な、誰にも負けないという気持ち。
先程は怖じ気づいてしまったが、フィアンマが今此処に居ないからこそ、やや過大表現ながらも、御坂妹はそう言う。
だが、その言葉は、上条の怒りを買うものだった。

上条「>>229
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 01:38:12.70 ID:kYE6x17u0
>>225って>>1じゃん……やだ、恥ずかしい
ksk
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 01:38:43.46 ID:elVwKG0y0
てめぇ……いい加減にしないと……………………………………………………………………本気で[ピーーー]ぞ?(後ろにルシファー(容姿はペル○ナ))
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 01:39:58.75 ID:kvYj2b+SO
………御坂妹、お前の気持ちは「どうでもいいんだ」。なあ、聴いてくれよ。実は俺、酷い目にあった。顎千切れたかと思うくらい殴られ、髪の毛引っ張られて、内臓全部吐くかと思うくらいの膝げりもらった。

……全部、お前のせいで、だ。

知ってるか?人の恋路を邪魔する奴は、ウマに蹴られて死んじまえって。

……もう、俺には金輪際近づかないでくれ。お互いの為だ。

ここまで言ってもまだわからないか?お前はそこまで人の気持ちがわからない、「でく人形」だったのか?
231 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/05(木) 01:46:06.53 ID:6yUb6EEAO

上条「てめぇ……いい加減にしないと……………………………………………………………………本気で殺すぞ?」

御坂妹「……、…」

上条の背後に、何かが視えた。
召喚していない筈の、『地獄の王』が。
御坂妹は上条の怒りに触れたと知り、数度深く頭を下げて謝罪の言葉を述べた後、病室から出て行った。

上条(嫌われちまったかな。別に良いんだけどさ)

二百年後には絶対居ないんだし、等とフィアンマに似た(しかしネガティブを一周してむしろポジティブな)考えを巡らせ、先程御坂妹へ向けた撮影や威圧感はどこへやら、上条は呑気に伸びをする。

上条「暇だな」

売店はこの個室から地味に遠い。
故に、なかなかフィアンマは帰ってこない。
またしても、部屋扉がノックされた。
今度は御坂妹ではないだろう、と考えつつ、上条は入室許可を出した。





入ってきた人物(禁書キャラ名)>>+2
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 01:49:31.69 ID:kvYj2b+SO
まさかの鋼盾
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 01:50:18.08 ID:elVwKG0y0
お見舞い常連の佐天さん
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) :2012/07/05(木) 01:52:12.32 ID:6yUb6EEAO
>>231
×撮影
○殺意

最近誤字多い…申し訳ないです

>>226
吐いて しまいます
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 01:54:00.39 ID:kvYj2b+SO
というか長屋お前あの可愛い可愛い苗木フィアンマくんの傷つき具合を忘れたか
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 01:55:47.29 ID:elVwKG0y0
俺逆レイプされてる少年見るの大好きだから
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 01:58:05.11 ID:kvYj2b+SO
確かにそれは俺も好きだけど…ッ
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 01:59:19.14 ID:elVwKG0y0
多分佐天さんで克服するよ
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 02:04:09.24 ID:kvYj2b+SO
本当はフィアンマくんは出来ればほのぼのしつつ、オッレルスさんとシルビアと一緒に色々学んでって欲しいんだがなぁ…
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 02:08:26.61 ID:elVwKG0y0
ついショタならあわきんだろ!
ってなったんだ
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 02:13:17.94 ID:kvYj2b+SO
いや異論はねーよ。ただ、トラウマになってるフィアンマくんにさらに追い討ちっつーかトドメは、アレだなーって。

いや、散々鬼畜過ぎる上意味不明な安価と発言してきた俺が言うことぢゃないけどWWW
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 02:16:27.15 ID:FEIT1UJc0
>>241

はTwitterとかやっとらんの?
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 02:18:05.80 ID:kvYj2b+SO
やってない。てか絶対やらねぇ。
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 02:18:56.63 ID:FEIT1UJc0
俺は友人がクソ煩いから適当に登録してしまった
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 02:24:23.11 ID:kvYj2b+SO
いいんじゃない?煩く言われる内が花だよ。自分と個人的に仲良くして欲しいなんて、大人になってくると中々ないと思うし。今楽しめるだけ楽しんどけよ

つーか、>>1ィィィィ!!!!雑談ダメならダメって言ってェェェ!!!散々だべってたけど、さすがに良心が罪悪感でボロボロだ!!
直ぐに雑談スレ行くからァァァァアアアア!!!!
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 02:26:02.79 ID:FEIT1UJc0
行くならURL貼ってぇぇぇ!!
スマホだと見にくいのぉぉ!!
なんか新しくなってるからぁぁぁ!!!
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 02:30:52.36 ID:kYE6x17u0
>>1じゃないけどあんまり長くなるなら雑談スレに行って欲しいな
安価スレって結構レス消費するし
248 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2012/07/05(木) 05:53:02.01 ID:6yUb6EEAO

まぁ、また>>1000いって次スレ、な気もしますが…当スレのフィアンマさんや神浄さん、今後の展開など当スレに関する会話や雑談はお好きなだけどうぞ
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 07:08:40.90 ID:3lyEU5dH0
>>1おはようございます
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/05(木) 07:11:10.06 ID:p9Jf/XFI0
上条さん身長伸びたっつってたな
童顔だし、案外180前後迄行くんじゃないか
というか行って欲しい
251 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/05(木) 07:27:49.17 ID:6yUb6EEAO
>>249様 お早うございます》



佐天「こんにちはー」

入室してきたのは、もはや常連感のある見舞い客、佐天涙子。
今日は空気が冷えるからか、いつものセーラー服の上に、学生が着がちなワンポイントセーター(白色)を身にまとっていた。
片手には申し訳程度のお見舞いの品―――某有名お菓子会社が売りとしている、赤い箱のチョコプレッツェル。
そもそも、謝罪の意図を篭めて最初に持ってきたフルーツバスケット(まだ手を付けずに窓際に置いてある)が高額過ぎたのだ。
低レベルの能力者、且つ何かとお金がかかる中学生の少女の出費としては、頑張っている方である。
そんな事情を考えつつ、それにしても二回目の見舞いにも関わらずちゃんとお見舞い品を持ってきた佐天の常識人っぷりに上条は和むのだった。

上条「いらっしゃい。お見舞い、気遣わなくていいからな?」

佐天「いやいや、上条さんには色々とご迷惑おかけしましたし、旅行の件でもおかけしそうですし…こんなグレードの低いお品でごめんなさい」

上条「一回すげぇの持ってきてくれたんだから、駄菓子一つ持って来なくていいんだぞ?」

すげぇの、とフルーツバスケットを指して明るく笑う上条に促されるまま、佐天はパイプ椅子を組み立てて腰掛ける。

佐天「あれ、フィアンマさんはまだ来てないんですか?」

上条「いや、来てるよ。フィアンマ本人の飯買いに行かせたんだ。放っておくと断食始めそうだからさ」

佐天「だっ、断食!? 辛くないんですかね?」

上条「10日間位なら余裕、それ以上は苦痛だって言ってたな…。…あんまり飯飯騒がれて噛み付かれるのも困りものだけど、お腹空いたの一言すら漏らさずに倒れられる方がマズい」

佐天「確かにそれは前者の方がマシかもしれない…」

252 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/05(木) 07:32:36.11 ID:6yUb6EEAO


そんな風に、上条と佐天が談笑している時。
フィアンマは売店(の中でも、大型病院であれば時々存在する、商品が少し安くスペースの広いパン屋)内で、ナンパに遭っていた。
とはいえ、ナンパと思っているのは周囲の客だけなのだが。

垣根「昨日ぶりだな、お嬢さん。今日はカワイー格好してんのな。デートか?」

フィアンマ「いや、見舞いだ」

白いお盆とトング片手に『何故日本のパンは小売りばかりで高額なのか』等と考えつつ首を傾げているフィアンマはその服装も相俟ってお姫様が久しぶりに一人で外出したかのような雰囲気を纏っていた。

垣根「何食うか決まらねぇの?」

フィアンマ「そんなところだ。学園都市で売っている食物や料理には実験品が多いだろう。昔より幸運が"少ない"のでな。適当に購入し、全てハズレというのも困る。…お前は、何かお勧めは無いのか?」

プライドが高いにも関わらず、フィアンマに『お前』呼ばわりされても気分を害する事無く、垣根はのんびりと答える。

垣根「そこのチーズクリームが入ってるパンだな。少々甘ったるさはあるが、美味い」

フィアンマ「そうか」

垣根お勧めのパンをそっとトングで掴み、お盆の上に乗せながら、ふと思い出したようにフィアンマは問い掛けた。

フィアンマ「そういえば、やたらと俺様との会話を求めるようだが、友人や見舞い客は居ないのか? 見たところ、お前は学生に思える」

垣根「>>254
253 :名無しNIPPER [sage]:2012/07/05(木) 07:39:10.76 ID:KvtiKybD0
ksk
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 07:43:30.85 ID:kvYj2b+SO
もう随分前に辞めたけどな。…俺の話もいいが、ミハイル、お前自身の話も詳しく聞きてぇな
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 07:56:58.78 ID:rSRQg0Jl0
>>254

おはよう佐天大好き長屋です
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 08:07:13.30 ID:kvYj2b+SO
わかるから名乗らんでいい

後気を付けろ俺他スレであちこちで浮いてる携帯とか寒い変なの沸いてるとか言われてたから。お前もあんま自己主張しん方がいい。個は殺しとけ。

深夜テンションでうざくてすまんかった>>1ありがとう
雑談スレ行け行ってくれた奴も。

垣根がいいキャラしてるわ
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 08:08:36.04 ID:Dft34sfJ0
了解した
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 08:15:17.85 ID:Dft34sfJ0
とゆうかそのスレkwsk
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 08:32:51.60 ID:Dft34sfJ0
ん?>>256が言われてたって事か?
まぁ気をつけます

260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/07/05(木) 09:22:54.03 ID:x03XuBjIO
最近、スレが一部の人達の談板化してたりその板の>>1に絡みまくる事多いけど
見ててオロオロしちゃうから一人減るのは読みやすくなりそうで読者的に嬉しいな
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 09:23:52.69 ID:x03XuBjIO
下げ忘れごめん!
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 09:26:47.78 ID:WO6GbIyN0
スレに参加しないとは誰も言っていないぞ
263 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/05(木) 12:59:38.20 ID:6yUb6EEAO

垣根「もう随分前に辞めたけどな。…俺の話もいいが、ミハイル、お前自身の話も詳しく聞きてぇな」

垣根はシンプルなメロンパンを自らのお盆によそいつつ、そう曖昧な答えと共に言った。
フィアンマは会計に移り、しばし逡巡した後、垣根を見やって薄く蠱惑的な笑みを浮かべた。

フィアンマ「…良いだろう。短時間で語り尽くせる程口当たりの優しい人生は過ごしてきてはいないが、他人と取り留めもなく話すのは、悪くない」

垣根「病院(ここ)からは出れないが、そこのレストランで良いか?」

フィアンマ「構わん」

垣根も会計を済ませ、レストランに移動する。
レストランとはいえどファミリーレストランよりも更にラフな、ラウンジに食事提供を加えたような形の場所だ。
フードコートとファミリーレストランの間、という空間。
そんな場所でビーフシチューとサンドイッチ(ハムレタス・卵・苺ジャム)三切れ、ホットサンド(ベーコンポテト・チェダーチーズ)二切れ、葡萄ジュースに紅茶、という全て揃ったランチセットを垣根にご馳走してもらったフィアンマは、レモンがほんのりと香る紅茶を優雅に啜りながら、向かいに座って居る垣根を見る。
ちなみに垣根の前、テーブルに置かれているのはビーフシチューがホワイトシチューというだけで、フィアンマと同様のメニューだ。
量の割に高額なのだが、フィアンマは奢られる事に慣れ、垣根は金に頓着しない人間の為、気にしない。

フィアンマ「すまんな」

垣根「さしたる出費でもねぇな」

ホットサンド一切れを手にし、口に含みながらのんびりと垣根は言う。

フィアンマ「そうか、まともな神経だ。…俺様自身を知りたい、としか言われていない以上、何とも対応し辛いのだが、何か質問は?」

垣根「>>265
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 13:11:01.43 ID:DHl6iZtF0
ksk
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 13:25:16.01 ID:ZTCYEOnR0
年齢は?彼氏いる?
266 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/05(木) 15:46:36.25 ID:VGjftsl30

垣根「年齢は? 彼氏いる?」

フィアンマ「女に年齢を聞くのは失礼だと思わないか? ……口ぶりから判断しろ。恐らく、お前と同い年位だ。彼氏なら居る」

垣根(彼氏居んのかよ…ま、寝盗るってのも悪くはねぇか)

フィアンマ「ちなみに、お前はどうなんだ」

ちなみにフィアンマは60歳以降ロクに自分の年齢を数えていない上、誕生日も忘れた。
垣根の黒い考えに気付いているのか気付いていないのか、紅茶のカップを置いてビーフシチューを数口食べながら、フィアンマは聞き返す。

垣根「あん? 確か…歳は、17…位だったか。彼女は今のところ募集中ってトコだ」

ホットサンドを一切れ食べきり、垣根は肩を竦める。
嘘をつくよりは真実を言って『隙』を作った方が興味を持たせる取っ掛かりになりがちだからだ。

フィアンマ「そうか。何ならクピードの役割を担ってやろうか」

垣根「クピー…あぁ、キューピッドの別名称か」

フィアンマ「頭脳明晰で大変宜しい」

ビーフシチューを食べ終わり、サンドイッチをつまみながら、フィアンマは素っ気なく言う。
今まで敵意や悪意に殺意、といった『仕事』関連の感情を抱く女や、自分の地位や金目当てに好意を見せてくる女は居ても、こうまで素っ気なく垣根に話しかけてくる女性は、垣根帝督の周囲には居なかった。
故に、垣根は興味を惹かれる。

フィアンマ「好意を抱いている女は居ないのか」

垣根「>>268
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 15:50:00.96 ID:kYE6x17u0
ksk
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 16:08:05.74 ID:UHEvVNQF0
赤いドレスの女だ同僚だよ
269 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/05(木) 16:16:13.98 ID:VGjftsl30

垣根「赤いドレスの女だ。同僚だよ」

フィアンマ「同僚? 学生だと言っていなかったか」

垣根「あー…アレだ、バイト仲間」

フィアンマ「なるほど、なるほど。で、お前は好かれているのと嫌われているの、どちらに近いと自分では思っている?」

垣根「……」

ひとまず言ってみたのはいいものの、垣根は赤いドレスの女―――『心理定規』について、あまり深く考えた事は無い。
まして、生きるか死ぬかの世界(自分は第一位以外には確実に勝てる自信があったが)において、色恋沙汰など話し合った事は無く。
そういえば、最後の最後まで協力してくれなかった。当時の自分はそれで満足していたのだが。

垣根「…嫌われてる方、だろうな」

なかなかに横暴なリーダーであったという自覚はある。
多数に迷惑をかけたが、それを悪いとも思っていない。
そもそも、まだ『心理定規』に連絡すらしていないのだ。
要するに垣根帝督は思いつきで言ってみたというだけで、『心理定規』に対し、恋情は抱いていないのである。
フィアンマは着々と食事を平らげていきながら、首を傾げる。
顎下で結ばれたヘッドドレスのリボンが揺れた。

フィアンマ「そうか。ところで、あそこに居るのはお前の想い人で良いか?」

垣根「あ?」

フィアンマの言葉にきょとんとしながら振り返ると、そこには今さっきまで考えていた『心理定規』が居た。

垣根「…」

フィアンマ「話しかけんのか」

垣根「>>271
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 16:26:59.77 ID:kYE6x17u0
ksk
271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 16:28:37.78 ID:kvYj2b+SO
あー…別にいい。嫌われてるってわかってて近づくのもアレだしな。それよりはお前と一緒にいたいんだよ
272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 16:32:20.27 ID:TZDsV4Cx0
ていとくんに死亡フラグ……
273 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/05(木) 16:40:29.64 ID:VGjftsl30

垣根「あー…別にいい。嫌われてるってわかってて近づくのもアレだしな。それよりはお前と一緒に居たいんだよ」

フィアンマ「踏み込まねば進展せんぞ」

垣根の甘いマスクと低いテノールの声を駆使した魅力溢れる一言にも関わらず、やはりフィアンマは一切靡く様子を見せず、葡萄ジュースをちびりと飲みながら素っ気なくそう言葉を返した。
別段垣根帝督はマゾヒストという訳ではない。ただ、知的好奇心は人一倍ある人間だ。
知らないものをもっと知りたいと思うのは、垣根に限らず、人間に備わっている基本的な欲求。
利害も何も、悪意や好意も無い対応にいたく心を惹かれながら、垣根は話しかける。

垣根「そういや、入院してんのってお前の彼氏なのか?」

フィアンマ「あぁ、そうだが」

葡萄ジュースを飲み終わり、楚々と座ったまま上品に膝の上へ手を置いて指先を揃え、人形のような体勢でフィアンマは頷く。
特別気を張ってこのポーズを保っているという訳でもなく、フィアンマはその時々の衣服に合ったポーズが好きだというだけである。
フランス人形と話しているような気分になりながらも更に話しかけようと口を開きかけた垣根を制するかのように、横槍が入る。
少女らしい声は、垣根の耳に慣れ親しんだものだ。

心理定規「あら。デート?」

垣根「…心理定規」

心理定規「生きてるって言うから一応お見舞いに来てみたら、貴方何処にも居ないんだもの。何で居ないのかと思ったら、こうして美人を引っ掛けていた訳か」

垣根「…」

心理定規「全てナンパだというつもりもないし、介入する気もないけど。ところで、この人と貴方はどういう関係?」

心理定規を見、垣根の心に浮かんだのは愛情でも何でもなく、利用しようという策略だった。
ひそ、と垣根は答える。

垣根「恋人になりたい女だ。…なぁ、俺とコイツの距離、塗り替えてくれよ。コイツには恋人が居るんだが、それよりも近く」

心理定規「>>275
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/07/05(木) 16:58:25.89 ID:PGYSGyyAO
Ksk
275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga sage]:2012/07/05(木) 16:58:31.29 ID:2kPmBAUv0
嫌よ。人の彼女を盗ろうとする人間は彼氏に殺されてしまいなさい。
だったら私が彼女になってあげましょうか?(本気)
276 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/05(木) 17:09:56.61 ID:VGjftsl30

心理定規「嫌よ。人の彼女を盗ろうとする人間は彼氏に殺されてしまいなさい」

垣根「…つれねぇな」

つまらなそうな表情で、付いていた砂糖を紅茶に溶かし、垣根は不貞腐れる。
その子供のような態度を見、心理定規は薄く微笑んで言う。

心理定規「そんなに恋人が欲しいの?」

垣根「あぁ、そうだよ」

心理定規「だったら、私が彼女になってあげましょうか?」

垣根「な、」

心理定規の、唐突な本気の提案に答えを言い淀む垣根を置いていく形で、フィアンマは立ち上がると空食器やゴミ一切を片付けた。
引き止めようと、追い縋ろうとした垣根の視線ににこりと笑みを見せ、フィアンマはその場から去って行った。






右方のフィアンマは上条の居る病室へ戻ってきた。
中はやたらと静かで、フィアンマは首を傾げつつ、結局口にする事の無かったチーズクリーム入りパンの入った袋を見やり、少し考えた後、病室のドアを開けた。
がらがら、という音が鳴り、中へ一歩踏み込む。
ちなみに、フィアンマは買い出しに行ってそのまま垣根と昼食を済ませた為、フィアンマがこの部屋を出てから二時間も経過してしまっている。



病室の中の状況(アバウト可)>>+2
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 17:15:36.45 ID:kYE6x17u0
ksk
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 17:16:31.06 ID:2kPmBAUv0
上条寝てる、佐天はベッドに突っ伏して寝てる
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 17:17:14.76 ID:2kPmBAUv0
上半身だけベッドにバフッ的なアレです
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) :2012/07/05(木) 17:17:30.47 ID:DL5mq6TAO
ksk
281 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/05(木) 17:27:09.41 ID:VGjftsl30

佐天「んん…」

上条はベッドへ横たわったまま眠っており、佐天は上条の身体にかかった毛布に疲れ切ったように身体を預けて眠っている。
二人を起こさないよう静かに近づいたフィアンマは、本来自分が眠るように借りている薄い毛布を佐天の身体にかけ、隣にパイプ椅子を静かに組み立てて腰かけた。
ギシ、と少し音が鳴るが、二人は目覚めない。
その内に一人目を覚ました佐天は隣を見、ゴスロリ姿のフィアンマに目を瞬かせ、首を傾げる。
まだ眠る上条を見、ひそひそと問いかけた。

佐天「ど…どなたですか…?」

フィアンマ「フィアンマだが」

佐天「お…おおう…上条さんとうとう本人に不満をぶちまけたんですね…うぅう可愛い…」

フィアンマ「ん?」

ひそひそと何やら呟き、佐天はきらきらと目を輝かせてフィアンマの服装を見つめた。
何故かフィアンマが纏う事でそこにそぐわない違和感は与えないが、造形は可愛らしく、中学生の少女を惹きつけるには十分過ぎる。

フィアンマ「少しパンを買って戻るつもりが、友人に食事に誘われてな。院内のレストランに居たのだが」

佐天「だから戻ってくるの遅かったんですね。上条さんしょんぼりしてましたよ。待ち疲れて眠っちゃいましたし。…あ、もしかしてこのブランケットはフィアンマさんが?」

フィアンマ「あぁ」

佐天「ありがとうございます」

佐天ははっとしながら薄い毛布を丁寧に畳み、窓際に置く。
フィアンマは上条の寝顔を眺めつつ問いかける。

フィアンマ「当麻は、何か言っていたか? 何しろ連絡するのを忘れてしまったからな、怒りを覚えても仕方ないだろうとは思うのだが」

佐天「うーん。あ、寝てる時に寝言で何やら言っていたような」

フィアンマ「内容は分かるか?」

佐天「>>283
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) :2012/07/05(木) 17:34:30.72 ID:DL5mq6TAO
kskした
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 17:34:45.68 ID:zhl+4b6J0
フィアンマ…
俺以外の男なんかと話すなー……zzz

ううぅ……フィアンマが盗られたー……
284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 17:34:52.17 ID:kvYj2b+SO
あ、一方通行……その、俺達は男通しなわけで、いや、ちょ、アッーーー
285 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/05(木) 17:43:53.59 ID:VGjftsl30

佐天「『フィアンマ…俺以外の男なんかと話すなー……zzz』とか、『ううぅ……フィアンマが盗られたー……』とか呟いていたような。寝言なのでくぐもっててわかりにくかったんですけど…」

フィアンマ「夢にまで俺様が出演するとはな」

前者は当たっている為何とも言えない気分になりつつ、フィアンマは言葉を返す。
ふと、佐天の腹部から可愛らしいきゅるるという音が鳴った。

佐天「あっ」

フィアンマ「恥じる必要は無い。眠っていたのなら、昼時、目を覚ましてすぐ空腹を覚えるのはいたって普通だ」

佐天「何か買ってきますね」

フィアンマ「チーズは苦手か?」

佐天「? いや、好きですけど」

フィアンマ「そうか。なら、これを食べると良い。俺様は今満腹だから、必要無いんだ」

そう言いつつパンの入った紙袋を差し出すフィアンマに、佐天はきょとんとした表情で受け取る。
そして中身を覗いた後、嬉しそうな笑みを浮かべた。

佐天「ありがとうございます」

フィアンマ「礼には及ばん。もう必要無いからな」

再度お礼を言いパンを食べ始め、美味しそうに舌鼓みを打つ佐天をちらりと見やりつつ、フィアンマは立ち上がったかと思うと上条に近寄り、傍らにしゃがんで頬を突っついた。
可愛い部類の悪戯である。起こす意思はあまり籠っていない。

上条「むぐ…」

フィアンマ「……」

しばらくつっつきながら、フィアンマは上条の寝顔を眺める。
上条は目を覚ましたのか、うとうととしながらフィアンマを見た。

フィアンマ「おはよう」

上条「う…>>287
286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 17:55:03.60 ID:kvYj2b+SO
ksk
287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 17:55:18.96 ID:iVJAnoYy0
フィアンマー……俺以外の男なんかと話してないなー?
288 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/05(木) 18:02:31.46 ID:VGjftsl30

上条「う…フィアンマー……俺以外の男なんかと話してないよなー?」

フィアンマ「しっかりと確かめた訳ではないので分からんが、男性だと思われる人物と会話した事は肯定しよう」

フィアンマの発言を脳内で噛み砕き、しばらく考慮した後、上条は勢い良くガバッと起き上がった。
自分の預かり知らぬところでフィアンマが男に話しかけられた、という考えに至ったからだ。
ここで、フィアンマが話しかけただとか、ただの流れだとか、そういう発想に至らない辺り、上条が如何にフィアンマを溺愛しているかが見てとれる。
上条は佐天が同じ病室内に居る事も厭わず、フィアンマの方を向いて真剣な表情を浮かべる。

上条「変な事されてないか?」

フィアンマ「変な事とは何だ」

上条「だから、その…」

フィアンマ「食事と、会話をしただけだが」

上条「その食事代は?」

フィアンマ「あぁ、そういえば相手方が出してくれたな」

嘘偽りなく、また悪びれる事なくあっさりと話すフィアンマにがくりと項垂れ、上条は数回深呼吸をする。
この際その不埒者の事は置いておく。分からないから。
フィアンマは、上条が佐天と会話しつつ一時間に四十回以上『フィアンマ』という単語を口にする程、上条がフィアンマが戻るのを待っていたとは知らない。
だが、それでも、上条は怒らずにはいられない。
何かトラブルに巻き込まれたというのならばまだしも、聞いた限り、それはデートでしかない。
しかも相手はフィアンマの食事代を持ったのだ。つまり、本気で狙っているに違いない。
これは叱らねばなるまい、と考えつつ、上条はフィアンマを見つめ、言葉を練る。
怒鳴っては解決にならない気がする。

上条「…>>290
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 18:06:04.11 ID:2pS7DATV0
フィアンマ…そいつには絶対近づくな
もし向こうから近づいて来たら拒絶しろ
もし能力を使ってきたら第三の手を使っても構わないから
290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/07/05(木) 18:07:35.01 ID:kvYj2b+SO
俺以外の男とそんなデートじみた事すんなよ…お前だって俺がフィアンマ以外の女と同じ事してたら嫌だろ?後そいつの事詳しく教えてくれ。ちょっーと「話し合い」してくるから
291 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/05(木) 18:16:07.67 ID:VGjftsl30

上条「…俺以外の男とそんなデートじみた事すんなよ…。お前だって、俺がフィアンマ以外の女と同じ事してたら嫌だろ? 後、そいつの事詳しく教えてくれ。ちょーっと『話し合い』してくるから」

フィアンマ「別に食事と会話のみであればどうとも思わんが。詳しく、といっても、さほど親しい訳ではないからな。金と茶の間の髪色に、端正な顔立ちの男…だと思うのだが」

上条「そっか。ちょっと散歩行ってくるから、佐天ちゃんとフィアンマは留守番しててくれ」

佐天(上条さん怖! 目が怖いッ!)

フィアンマ「分かった。点滴があるのだから、転ばないよう気をつけろ」

上条「あぁ、ありがとな」

これはどうもフィアンマの価値観に問題があるらしい、と思いつつも、上条は先にその『男』に牽制を仕掛ける事にした。
容姿はおおまかだが、探知系魔術で引っかかるかもしれない。
ベッドから降り、上条は点滴袋のつり下げられた器具をがらがらと引っ張っていきながら、病室を出て行く。
留守を任された佐天とフィアンマとは、暇を持て余しながら視線を合わせた。

フィアンマ「…怒っていたと思うか?」

佐天「ものすごく怒ってたと思いますよ。あ、それと、ごちそうさまでした」

上条の精神状態に反応しているのか、空が曇り始める。
ごごご、と不穏な音を立てる空を窓越しに見やりながら、フィアンマはのんびりとぼやいた。

フィアンマ「不幸なヤツだ」






どちらを描写しますか

1.フィアンマと佐天

2.垣根と上条


判定>>+2
292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/07/05(木) 18:25:18.12 ID:PGYSGyyAO
Ksk
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 18:25:29.98 ID:KvtiKybD0
1
294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 18:28:16.22 ID:kvYj2b+SO
正直、佐天さんうざくなってきたな…。アレ、ケーキ好きだからって1週間ケーキオンリーだとタヒねるみたいな
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 18:31:14.93 ID:KvtiKybD0
そうか?
296 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/05(木) 18:35:43.79 ID:VGjftsl30

垣根帝督と神浄討魔が『結界術式』を形作られたとある病室で戦闘を行っている頃。
佐天とフィアンマは呑気に天気の予想をしていた。
偶々佐天が持っていた学校の課題をフィアンマが手伝い、暇を潰す。

佐天「これとか絶対覚えられないんですよ…」

フィアンマ「世の中、絶対に不可能な事などほとんど無い。まぁ、もう少し粘ってみろ」

手伝うといっても答えを教える訳でもなく、あくまで公式等を綴って解く手伝いをしているだけだ。
四苦八苦しながら問題を着実に解いていく事で実感が持てたのか佐天は嬉しそうに微笑む。

佐天「何か一人でやる時よりすらすら解けてる気がします」

フィアンマ「そうか」

佐天「…もしかして、すっごく名門に通ってたり…?」

フィアンマ「そんな訳でもないが。一応現在は当麻と同じ学校に籍を置いているというだけで、それ以前には学校など行った事も無かった」

佐天「え、それなのに基礎から応用まで?!」

フィアンマ「教会で勉強していたからな。どこでだって勉強は出来る」

シャープペンシルの先端で問題文を示され、真剣に取り組む佐天。

佐天「…上条さん大丈夫ですかね」

フィアンマ「問題無いだろう。多分、世界中の軍隊を敵に回しても死なん」

佐天「上条さんって、も、もしかして『超能力者』…?」

フィアンマ「いいや、そうではないな。まぁ、あまり詳しく話す訳にもいかん」

佐天「うぅ…」

不服そうな声を出す佐天に肩をすくめて見せ、フィアンマは関係の無い事を問いかける。

フィアンマ「そういえば、お前は好きなヤツは居ないのか。または、好みのタイプの人間は」

佐天「うー…ん…>>298
297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 18:38:03.00 ID:kvYj2b+SO
あんまり言いたくないが、アレ、佐天さん好きなのはわかる。ただ、幾つかの某安価スレでもがんばり過ぎちゃってるもんだから佐天さん見飽きて正直お腹一杯
298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 18:38:39.91 ID:TZDsV4Cx0
上条さんみたいなのが好きですね
いや、盗るつもりはありませんよ!?
299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 18:40:13.38 ID:TZDsV4Cx0
>>297

正直すまんかった

300 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/05(木) 20:20:01.37 ID:LswhhN0R0

佐天「うー…ん…上条さんみたいな人が好きですね。いや、盗るつもりはありませんよ!?」

フィアンマ「別に疑ってはおらんよ」

佐天「よ、良かった…。…でも、上条さんみたいな優しくて素敵な人に出逢う為にはフィアンマさんみたいに頭良かったり美人じゃないと厳しいんだろうなぁ…」

フィアンマ「お前は既に充分良い容姿を持ち合わせてはいると思うが」

佐天「え、…えへへ…? …って、あーっ!」

照れ気味に笑顔を見せ、佐天はふと時計を見遣るとはっと息を呑んで立ち上がる。

フィアンマ「急用でも思い出したのか?」

佐天「正にそれです…あああどうしよう初春絶対怒る…お邪魔しましたー!」

走ってはいけない、と堪えつつ立ち上がり、フィアンマが引き止めるまでもなくかなりの競歩で佐天は病室から出て行った。
数分後、入れ替わり立ち替わるように上条が戻ってきた。
上条がフィアンマと目を合わせるなり、先程まで鳴っていた雷が止む。快晴とまではいかないが、空模様はただの曇りへと戻った。
上条は機嫌良さそうにベッドへ入り、座ると膝に毛布をかけ、フィアンマを見つめる。

上条「ただいま。佐天ちゃんは?」

フィアンマ「先程急用を思い出したらしく、帰ったぞ」

上条「ん、そっか」

上機嫌な上条は腕を伸ばし、フィアンマの身体を抱きしめる。
椅子がベッドに近かった為よろめく事も無く抱きしめられながら、フィアンマは首を傾げた。

フィアンマ「何か良い事でもあったのか?」

上条「>>302
301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/07/05(木) 20:29:14.05 ID:PGYSGyyAO
Ksk
302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 20:29:18.11 ID:2pS7DATV0
あぁ、実は………(上条VS垣根戦回想)


無理なら 『お話したら』素直に引いて近づかないと約束してくれたよ
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 20:30:42.36 ID:kvYj2b+SO
いや、ほら、ちょっとボランティアで掃除してきたんだ。いやー、いい事するって気持ちいいな!

まー、三分割したメロンパンを冷凍庫に入れてきただけだけど
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 20:33:41.83 ID:2pS7DATV0
>>303

しまったその手があったか!

どうして俺はクソみたいなのを書いてしまうんだ!
305 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/05(木) 20:39:58.47 ID:LswhhN0R0

上条「あぁ、実は…あー、ちょっとグロいからかいつまんで話すな」




―――回想


神浄「俺の女に手出しやがったら殺すぞ。微塵も無く徹底的に殺す」

垣根「誰が従うかクソボケ」

神浄「溶かす」

垣根「ハッ。どこから出したかは知らねえが効かねえよそんなモ、ン!? がッ、あぐ!」

神浄「魔術を潜り抜けるにしても、素手は別モンだろ。俺の手はお前の力なんかあっさり消せるんだから」

垣根「何、何なんだよ、それは…まさか―――」

神浄「約束するか手足もがれるか、自分で決めろクソッたれ」

垣根「……、…チッ」


―――回想終了



上条「…まぁ、『話』が通じるヤツみたいで助かった」

フィアンマ「あまりにも明るく、且つ簡略的に話されたせいで理解出来んのだが」

上条「一言で言うとフィアンマに近付く悪い虫は適当に払っておいたってだけだよ」

へら、と柔らかな笑みを浮かべる上条の笑顔にはどこか陰が差している。
しかしフィアンマは嘆く訳でもなく口元を弛ませ、上条の肩に頭をもたれた。

フィアンマ「そうか。ご苦労な事だ」

適当な労いを口にするフィアンマの髪を、ヘッドドレスが外れない程度に撫で、上条はのんびりと諭す。

上条「勝手に男と二人きりで話すなよ。俺が嫌なんだ」

フィアンマ「…分かった」






上条はどうする?>>+2
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 20:41:22.90 ID:kB+eGBOF0
加速
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 20:42:46.88 ID:kvYj2b+SO
恒例の珈琲time
308 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/05(木) 20:53:40.30 ID:LswhhN0R0

上条「…ちょっと疲れたから、甘いもの欲しいんだけど…調度三時過ぎだし、コーヒーでも飲まないか?」

フィアンマ「そうだな」

フィアンマの身体をそっと離し、上機嫌のまま手を差し出して誘う上条。
静かに立ちあがったフィアンマは上条の手を握ると、そのまま二人でラウンジへと移動した。
ちなみに上条が上機嫌な理由はいくつかあるのだが、入院中の退屈を大義名分ある暴力で発散出来たから、というのもあったりする。
ラウンジへやってきた上条とフィアンマとはソファー席へ並んで腰かけ、缶コーヒーを飲む。
上条はアイスカフェオレ、フィアンマは微糖のミルク入りコーヒーだ。

上条「今日も泊まってくれるか?」

フィアンマ「別段どうしても帰らなければならない理由は無いからな。そもそも、帰宅したところでお前は居ない訳だし」

上条「そっか」

幾つかの邪念からした質問の意図に気付いてはいないのか、フィアンマは素直に答えた。
やたらと嬉しそうな上条の表情を横目で見やり、『気色が悪い』という痛烈な一言を放ったフィアンマは空になった空き缶を手近なゴミ箱に捨て、大きな窓越しに空を見上げる。
曇っているだけで、何も見えない。
上条も飲み終わった空き缶をゴミ箱に押し込み、倣うかのように窓の外を見上げる。

フィアンマ「…疲れた」

上条「疲れ?」

フィアンマ「…大きな目的が、目先に、最早存在しないだろう。何かに追われて生活する事に慣れていたからか、こういった穏やか過ぎる平和は違和感を覚える」

上条「>>310
309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/07/05(木) 20:58:49.38 ID:PGYSGyyAO
Ksk
310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 20:58:59.05 ID:KvtiKybD0
徐々に慣れていけば良いさ
311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 21:00:31.25 ID:kvYj2b+SO
その違和感が消える位平和が続けばいいんだけどな……

ま、心配しなくても、厄介や不幸が向こうからやってくるだろうさ。ある意味恒久的に。俺達は世界中から狙われてるんだから。残念だけど、むしろ違和感が消えて平和ボケしちまう方が恐いな
312 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/05(木) 21:16:53.75 ID:LswhhN0R0

上条「徐々に慣れていけば良いさ。…ま、慣れた頃にまた一悶着ありそうなもんだけど」

フィアンマ「その予感が当たらなければ良いが。…まぁ、身を寄せるなら魔術サイドよりむしろ科学サイド、もしくはフリーの魔術師に頼った方が賢明だろうな」

上条「オッレルスさんとかな。…何をしたって、俺達が世界中から狙われてる事には、変わりない」

フィアンマ「そうだな。少なくとも、二百年は」

上条「でも、何があっても、俺はフィアンマを守るからな」

フィアンマ「…別に気負う必要は無い。俺様は、お前さえ一緒に居てくれるなら、あからさまな命の危険と隣り合わせの生活でも構わない」

上条「それは俺が嫌だけどな」

そう言葉を交わして残念そうに笑った後病室に戻り、上条はベッドの上へ、フィアンマはパイプ椅子ではなく、導かれるまま何故か上条の膝上に座る事になった。
フィアンマの体重は一般的な女の子のそれよりもう少しばかり軽い。
上条は殴る蹴るをされた時の事を思い返しつつフィアンマの身体(といっても多量のフリルやリボンといったゴスロリ服に包まれている為ほとんど見えない)を見つめ、どこにあんな力があるもかと首を傾げる。
合気道などを頭に思い浮かべて自分を納得させている上条を振り返り、フィアンマは不可解そうに問いかける。

フィアンマ「重くないのか」

上条「いや全然。服は重いかもしれないけど」

フィアンマ「というより、何故俺様はお前の膝の上に座らされているんだ。何がしたいんだ」

上条「んー…>>314
313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 21:18:18.19 ID:TZDsV4Cx0
あすなろ抱き
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 21:19:06.02 ID:kvYj2b+SO
んー、フィアンマの側にいるなーって感じたくなって。
315 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/05(木) 21:32:22.00 ID:LswhhN0R0

上条「んー…んー、フィアンマの側にいるなー、って、感じたくなって」

フィアンマ「…そうか」

呆れたのか照れたのか、それ以上の反論はせずに言葉を呑みこんで、フィアンマは口を閉ざす。
上条はそんなフィアンマの様子をいいことに腹へ腕を回し、そっと抱き寄せる。
そのまま脚を開くと、自分の両脚の間、ベッド上へ直接フィアンマを座らせる。
そしてフィアンマの肩に軽く、重みを乗せないよう気をつけながら頭をもたれて、幸せそうな笑みを浮かべた。

上条「…幸福だ」

フィアンマ「…『不幸』が、お前の代名詞ではなかったか?」

上条「前はな。今も時々口には出るけど、口癖みたいなもんだ」

フィアンマのコルセットの紐に手をかけ、リボン結びのそれを指先で弛め引っ張り、脱がしながら上条は微笑む。
コルセットを緩めた事で呼吸が幾分か楽になったのか、フィアンマは一度深呼吸をした。

上条「…フィアンマ」

フィアンマ「…ん?」

上条「…結婚指輪とか、婚約指輪だとか。欲しいか?」

フィアンマ「……、…もう夕方か。シャワールームを借りるぞ」

上条の優しい声音とその問いかけの内容への羞恥に耐えかね、フィアンマは上条の腕から逃れると、個室内にあるシャワールームへと消えた。

上条(結構勇気出したんだけどな…あぁダメだ、何か俺が恥ずかしくなってきた)

毛布を頭から被りもぞもぞと身悶える上条。
たとえ身体的に成長しても修羅場をくぐっても、上条はまだ十代後半の少年である事に変わりは無い。

上条(でもあれじゃないですか、フィアンマの細い指見てたら『指輪買ってあげたい』ってなるだろ、で、どうせ指輪買うなら結婚指輪とかそういう方がロマンあるって思うじゃないですか! 上条さんだけじゃないだろ!?)

誰にしているか分からない言い訳をしつつ毛布に潜り込み、上条は口ごもる。






上条はどうする?>>+2
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 21:33:51.05 ID:kvYj2b+SO
いかにしてフィアンマの指のサイズを知るか画策
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 21:34:29.19 ID:2kPmBAUv0
>>316

318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 21:48:37.07 ID:kvYj2b+SO
よく考えたら結婚指輪買える程上条さん金ねーだろWWWそれなりの物買おうと思ったらスゲーたっけえんだぞWWW
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 21:51:02.88 ID:KvtiKybD0
多分☆を脅して……
320 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/05(木) 22:07:23.08 ID:LswhhN0R0

上条はしばし黙り込み、自分を落ち着けた後、先程の考えを消し去る事なく、詳細に再考する。
指輪を買うのであれば、大まかでもいいので、フィアンマの指のサイズを知らなければならない。
かといって『薬指のサイズ測らせてくれ』なんてあからさまな聞き方をするのはあまりにも面白みが無い、と上条は思う。
となれば、サプライズ的な方法で作ってもらい、渡す事になる。
『神の如き者』についての知識は頭に入っている為、どのような素材で指輪を作ってもらえば、フィアンマが防御術式を組み立てた際妨害にならないかは分かっている。
そう、本当にサイズだけなのだ。
ちなみに、女性の指のサイズを測る方法としては、赤い糸の話から軽いゲーム感覚で繋げる、直接言って測らせてもらう、手を握って指を絡ませ目で測る、彼女の友人に聞いてみる、さりげなく聞いてもらう、などだ。
フィアンマの友人を佐天だと仮定すれば、一番最後の方法も出来ない訳ではない。
ただ、一世一代の(文字通り上条はフィアンマ以外もう愛さないのだから)出来事なのだから、自分一人でやり遂げたい、という男の意地が上条にはある。

上条(一番目の方法は不気味がられるだろうから…三番目の方法かな。…金は…適当に工面しよう。穏便な方法で…アックアみたいに傭兵やるしかねぇのかな)

三番目の方法。
手を握って、目測と自分の指の太さを元に作ってもらう。
恐らくこれが一番ベストだろう。大き目に作ってもらえば、その後直しに出す事も出来る。

上条(よ、よし)

無言でがばっと起き上がり、ベッドに座ったままガッツポーズをする上条の姿は少々不気味だが、幸いにして誰も見ていない。
と、シャワールームのドアが開いた。
出てきたフィアンマはゴスロリ服ではなく、両肩を露出したワンピース形状の服を身にまとっていた。
色は黒で、ウエストの括れを強調するかのような作りをしている。袖の部分は布を何枚も重ねて作られているのか、どことなく透けているような感じがした。
着丈としてはひざまでの長さで、上のタイトさと打って変わり、スカートは裾に白いレースがついており、可愛らしい。
濡れて少し伸びた髪を横に流した姿はどことない色気を醸し出している。
素足では寒いと思ったのか、穿いているのは膝上までの長さがあるニーソックス。こちらの色は深い赤…ワインレッドだ。履き口には白いフリル。
只立っていると、上条にとってはカラータイツ状態にしか見えないのだが、フィアンマが一歩動くとスカートが揺れて白い太股が見える為、気持ちは萎えない。
何というか、修道服とワンピース、萌え要素を程良く調合した服だ、などと上条は思う。
出そうになった鼻血は無理矢理飲み下して我慢した。

フィアンマ「長く借りた」

上条「いや、そうでもない」

見舞客用の椅子に腰かけると、フィアンマのワンピースの裾は自然と上がり、膝上へと定着する。
所謂絶対領域が惜しげもなく上条の眼前に晒された。

上条「それ、私服なの、か?」

フィアンマ「あぁ。服のストックが無いと困るからな。適当に購入した覚えがある。似合わんか」

上条「>>322
321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 22:12:52.10 ID:kvYj2b+SO
まさか。フィアンマのイメージに合ってて、凄くよく似合ってるよ
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 22:17:34.85 ID:KvtiKybD0
やべぇ!やべぇよ!イメージピッタリ!めちゃくちゃ可愛いよ!
323 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/05(木) 22:27:59.57 ID:LswhhN0R0

上条「やべぇ! やべぇよ! イメージピッタリ! めちゃくちゃ可愛いよ!」

フィアンマ「そ、うか」

今にもベッドから飛び降りんばかりのテンションで、やや前のめりに言う上条に困惑しつつ、フィアンマは相槌を打つ。
我慢しきれず上条の鼻孔から少しばかり垂れ血液を手近なティッシュ数枚を手にし、宛がう事で対処しながら、フィアンマは眉をひそめた。

フィアンマ「暑いのか?」

上条「あ…あー、うん、暑い」

実際は暑くも寒くも無いのだが、いくら恋人といっても『フィアンマの格好が絶妙にエロ可愛くて鼻血出ました』等とストレートに言っては引かれる事位上条自身理解している。
嘘も方便、と割り切ってそう言うと、フィアンマは自分も暑かったのか、冷房のリモコンを操作して少し温度を下げた。
涼しい風が室内に心地よく満ちていく。
フィアンマは部屋の暑さによって上条が鼻血を出したと思っているらしく、ティッシュで押さえたまま上条を宥める。
上条は鼻血を呑みこみ噎せそうになりながらもどうにか深呼吸し、十分ほどでどうにか、鼻血は止まった。

上条(死ぬかと思った…!)

フィアンマ「そろそろ夕飯の時間か」

フィアンマが呟いて数秒後、病室の扉が開く。
入ってきたのは御坂妹ではない、見知らぬ看護士だ。
食事をセッティングした後、上条の体調を聞いた後、看護士はテキパキと去っていく。
恐らくまだ沢山の仕事があるのだろう。

上条「そういやフィアンマ、晩飯は?」

フィアンマ「購入しに行くのが面倒だ。抜いても構うまい」

上条「>>325
324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 22:30:09.69 ID:KvtiKybD0
かそく
325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/05(木) 22:35:30.71 ID:p9Jf/XFI0
ちゃんと食べた方がいいぞ
326 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/05(木) 22:53:31.70 ID:LswhhN0R0

上条「ちゃんと食べた方が良いぞ」

フィアンマ「なら、食パン一切れ恵んでくれないか」

上条「いいけどさ…」

上条の食事の内食パン一枚(本来上条が食すべき量は食パン二枚だ)を所望するのみで食事する気力がまるで見えないフィアンマ。
これならまだインデックスのように『おなかへった』と強請られる方がマシだと心底思いつつフィアンマに食パンを二枚共譲る上条。
バターもマーガリンもジャムも付いていない簡素な食パン二切れを黙々と食べながら、フィアンマは外を見遣る。
雲が多少晴れた為、時々空が見える。冬場だからか、もう真っ暗だ。

上条「まだ夕方なのに、夜っぽいな」

フィアンマ「時期の問題だろう。夏場であれば陽は長いのだが」

食パンを食べ終わり、フィアンマはぼんやりと夜空を見つめる。
何を考えているのかはいまいちわからないものの、少し寂しそうな様子が窺える。

上条「…何かかぐや姫みたいで不安になってくる」

フィアンマ「ふん、こんな月の姫が居るものか。育ちが悪過ぎる」

上条の笑い混じりの言葉に同じく笑って言葉を返し、フィアンマは雲に覆われた月を見つめていた。
上条はしばらくの後に食事を終え、今回は自分で空食器を片づけに行く。
食器やゴミ類を片付けて病室に戻ると、フィアンマは変わらず空を見つめている。
上条は再びベッドに座ると、フィアンマの様子を眺めた。

フィアンマ「お帰り」

上条「ただいま」

フィアンマ「……」







上条はどうする?>>+2
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/05(木) 22:56:13.92 ID:p9Jf/XFI0
ksk
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/07/05(木) 22:56:27.47 ID:kvYj2b+SO
何か堪らなくなって抱きしめる。
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/05(木) 23:32:55.77 ID:p9Jf/XFI0
上条さんまたかっこよく人助けして欲しいな
病んでるけどwww
330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/05(木) 23:50:43.14 ID:kvYj2b+SO
じゃあキャーリサかヴェント、五和、オリアナさん辺りをアレするか
331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/05(木) 23:52:40.26 ID:KvtiKybD0
ふとヤンデレオリアナみたくなった
332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/06(金) 02:36:31.17 ID:smT8COUSO
病みそうなの

みこっちゃん
五和
御坂妹
か?
333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/07/06(金) 03:24:47.49 ID:wNaeDV0eo
一方通行を百合子とか性転換系気持ち悪くて無理な俺でもこのフィアンマにはあんまり違和感感じない
だけど>>1の書くフィアンマ♂が普通に女の子と仲良くしてるSSとか見たいなぁ
フィアンマ×アイテムとか、本命むぎのんで絹旗とたきつぼにはお兄ちゃんポジでフレンダにはちょっといじわる
ってこれ某らびっとSSみたいな構図だな、でもフィアンマに似合いそう
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/06(金) 03:32:02.84 ID:smT8COUSO
らびっとはかなり素晴らしかったなー…そーいうのも見たいが病んだ神浄さんが許さないよーな
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/06(金) 04:23:52.13 ID:smT8COUSO
あ、新しいSSの話か
336 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2012/07/06(金) 07:04:12.32 ID:uFtzzYQAO

類似構図だからきっと書けないと思いますが…でもフィアンマさんとむぎのんのお話は書いてみたいような…。
しかしどうにも原作フィアンマさんからは女性嫌悪症の体が見て取れるんです…。
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/06(金) 07:35:10.18 ID:eoIRfjU50
>>336

おはようございます
338 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/06(金) 07:56:04.40 ID:uFtzzYQAO
>>337様 お早うございます》


上条は少し身体の位置をズラすと、フィアンマを後ろから抱きしめる。
少し強めに抱きしめながら、露出されているフィアンマの肩にぺたりと頬をつける。

上条「…何処にも行くなよ」

フィアンマ「行かんよ。お前の隣以外に安寧の居場所等あるものか」

きっぱりと言葉を返し、フィアンマは上条の顔に視線をやる。
どこか寂しそうな表情だ、と感じた。

フィアンマ「情けない顔だ」

上条「怖いんだよ、フィアンマがうっかり居なくなりそうで」

フィアンマ「そんなに存在感が無いとは思っていなかったのだが」

上条「そういう意味じゃない。…虚ろな雰囲気出されると、怖くなる」

フィアンマ「俺様はそんなに脆くもないよ。もう独りではないしな」

上条「ならいいけどさ」

空を見るのにも飽きたのか、フィアンマは上条の髪を撫でる。
数度撫で、暇だと言わんばかりに軽く体重をかけて上条にもたれかかった。




上条はどうする?>>+2
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/06(金) 07:59:10.52 ID:Ijase1YZ0
kskだァ
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2012/07/06(金) 08:03:20.06 ID:6h1D7oqlo
以前から考えてた前条さんのお墓とか葬式の相談をする
341 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/06(金) 08:44:11.28 ID:uFtzzYQAO

上条「…前に、一人だけ殺したって、言ったよな」

ぽつり、と懺悔でもするかのような静かな語調で、上条が言う。

フィアンマ「…ああ、そうだな。それが、どうかしたのか?」

対して、フィアンマは懺悔を受け止める神父の如き穏やかな語調で上条の言葉の先を促す。

上条「…そいつの死体は無いんだけど、葬式、あげてやりたいんだ。入れる骨は無いけど、墓も」

フィアンマ「そうか。…それで?」

そう要望を口にする上条の様子を窺い、訝しがるでもなく、フィアンマは言葉の続きを促した。
上条はまるでナイフでも刺されたかのような表情で、支えを求めるようにフィアンマの身体を強く抱きしめる。

上条「…葬式は、…多分、呼んでも人は来ない。皆にとっては、そいつは今生きてるだろうから、さ」

フィアンマ「…必要なのは、墓か。ローマ正教式で良ければ、弔ってやるが」

上条「…頼む。後、墓を購入するにあたって、お金借りても、良いか?」

フィアンマ「…俺様の為に、そいつを殺したのだろう。なら、俺様が必要経費を出費するのも当然の事だ」

上条「…ごめん」

フィアンマ「何故謝る必要がある」

上条「…現実的には馬鹿げた願いだよな、って」

フィアンマ「人の魂は骨に宿る訳ではない。別に、そこに何も埋めずとも、慰霊の気持ちさえあれば墓碑は成立する」

上条「…そっ、か。…そうだよな」

フィアンマ「早急にやりたいのであればお前が退院するまでに全て済ませておくが、どうする?」

上条「…>>343
342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/06(金) 08:48:39.96 ID:FKcu6s4IO
ksk.
343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/06(金) 08:49:55.96 ID:l5cOKG/50
いや……フィアンマだけに任せたら なんだかダメだと思うんだ。俺とフィアンマ二人でやろう
344 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/06(金) 09:09:04.16 ID:uFtzzYQAO

上条「…いや……フィアンマだけに任せたら、何か、…ダメだと思うんだ。俺とフィアンマ、二人でやろう」

フィアンマ「そうか。兎にも角にも、その願いを叶えたいのであれば先ずは体調を万全にする事だ」

上条「…安静って、上条さんには似合わない言葉だと思わないか?」

フィアンマ「逆の意味で、似合うと思うぞ。"絶対安静"」

むに、と上条の頬を引っ張りながら、フィアンマは穏やかに言う。

上条「…割と安静にしてるつもりなんだけどな…」

フィアンマ「…幾ら神の領域に踏み込んだとはいえ、『地獄の王』と『全能の神』を人間一人の精製出来る魔力で召喚すればそれなりの代償は払わねばなるまい。むしろ、この程度の損傷で済んでいるだけ、運の良さに感謝しろ」

上条「フィアンマは『神の力』喚んでもぴんぴんしてたのに…」

フィアンマ「使役権を持っていたのが俺様だったというだけで、別に一人の魔力で召喚した訳ではない。念入りな準備もしていたしな」

上条「うぐ…」

あの状況で万全の準備が出来る訳も無かったが、考え無しと言われたような気がして、上条はがくりとうなだれる。

上条「でも俺すごい頑張ったと思うよ」

フィアンマ「あぁ、頑張っていたな」

上条「…フィアンマ」

フィアンマ「ん?」

上条「ご褒美くれ」

フィアンマ「…犬かお前は。何が望みだ」

上条「>>346
345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/06(金) 09:34:36.34 ID:hsBtgwwi0
ksk
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/06(金) 09:35:02.68 ID:smT8COUSO
しばらく手を握らせてくれ(指を絡ませ目で測る)
347 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/06(金) 10:21:24.96 ID:uFtzzYQAO

上条「しばらく手を握らせてくれ」

フィアンマ「手? 構わんが」

不思議そうな表情を浮かべるフィアンマの左手を自分の左手で握り、指を絡ませながら、上条は真剣な面持ちで頭脳をフル回転させる。
自分の指の太さから差し引いて計算し、上条はじっとフィアンマの左手薬指を見つめる。
もはやさり気なくでも何でもないのだが、フィアンマは特に反応する事無く上条の頬に自らの頬をぺたりとくっつけて暇を持て余す。

フィアンマ「…楽しいのか?」

上条「んー」

真面目に計算している為生返事を返した上条は数分後ようやく計算を終え、フィアンマの頭を撫でる。
乾いた為余剰な水分は無く、さらさらとした髪が上条の指先に絡む。

上条(よし、これで指輪買ってやれるな。金貯めないと、だけど…)

フィアンマの髪に口付け、上条はどこか満足気な様子で頭を撫でる。
フィアンマは気恥ずかしさに少し居心地が悪いのか、時折もぞついた。

フィアンマ「…先程の質問の件だが、」

上条「?」

フィアンマ「何故唐突に婚約指輪だの結婚指輪だのという話になったんだ」

上条「>>349
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/06(金) 10:40:58.68 ID:+MBSf48K0
形だけでもって思ってさ、重要なのは気持ちだからな
349 :名無しNIPPER [sage]:2012/07/06(金) 10:50:26.58 ID:6a52nMar0
>>348

350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/06(金) 10:58:42.00 ID:WW+9HdDIO
デートしたり指輪あげたり結婚式したり大きな一軒家で妻や子供や犬と幸せに暮らしたり
俺たちは普通の人間じゃないけどお前と一緒ならそういうのも楽しいに違いないから
351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/06(金) 15:59:26.10 ID:smT8COUSO
ぶっちゃけ上条さんとフィアンマは定住出来ないだろうなー…
352 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/06(金) 18:36:01.98 ID:6ScTMWvY0

上条「形だけでもって思ってさ、重要なのは気持ちだからな」

フィアンマ「確かに現代の冠婚葬祭において特に重要視されるのは当人同士の感情だが…」

上条「普通の人間でも、普通の扱いを受けられる人間でもないけど、普通の幸せを少し欲しいと思っても、いいだろ?」

フィアンマ「……下手に装飾品を纏うと術式構成に支障を来す」

上条「分かってる」

フィアンマ「…別に形にしなくても良いだろう」

上条「嫌いなのか? 指輪」

フィアンマ「…別段嫌いという訳でもないが。…もう、右手に指輪をつける必要性も無いし、そもそも右手も無いしな。着けるなら左手薬指か小指だ」

左手の小指は『男女の愛の証』『恋人へ愛を誓う』『もっと絆を強める』『よりいっそう愛を深める』『婚約・結婚している証』などがある事は、上条も知っている。
小指と言われた意味が分からずに首を傾げる上条の額を、フィアンマはコン、と軽く小突いた。

フィアンマ「もうすぐ夜だ。眠れ」

上条「えぇ?」

いたく残念そうな声を出す上条をベッドに横たわらせ、フィアンマはそっぽを向く。
仕方なく上条は目を閉じつつ深呼吸をした。しかし、眠れそうにはないのだが。

フィアンマ「……」

目を閉じた上条の顔を見つめつつ、フィアンマは左手の小指に指輪を嵌める意味を頭の中で反復する。
『チャンスや変化の象徴』『恋人との仲を大切にしたい』『願いの成就』。

フィアンマ(過去であれば、願掛けの為、左手の人差し指に指輪を着けていた時期もあったが。…物として提示されると、少し不安になる)

ぺた、と上条の頬に触れ、フィアンマはじっと、上条の閉じられた瞼を見つめる。

フィアンマ(…まぁ、お前を最初に縛り付けたのは俺様なのだが。今でも俺様はお前の意思に歪みや間違いがあるのではないかと思う。『後戻り出来ないから』、俺様を"仕方なく"選んでいるだけではないのかと。…俺様がお前を傷付け、こんな状態にした癖に、)







上条はどうする?>>+2
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/06(金) 18:42:12.49 ID:PlBJHAma0
ksk
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/06(金) 19:14:39.61 ID:smT8COUSO
どんなデザインの指輪がいいか考える。渡すシチュ、他に渡すなら何がいいかかも
355 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/06(金) 19:49:37.53 ID:6ScTMWvY0

上条は、頬に触れたフィアンマの手を握り、目を閉じたまま思考する。
デザインは『神の如き者』に関する術式を妨害しないよう、よくよく考えなければならない。

上条(赤色…はおかしいよな。銀なら構わない筈だ、確か。純銀じゃないと差し障りあるだろうけど。四大元素…火は変化している物質を現すんだよな。となると、熱伝導性の高い物の方が…いや、あくまで術式用じゃないし、障りがなければ問題無いよな。なら、銀で良い。…関係無いけど、『悪魔の王』に関する術式をフィアンマに向けたら『神の如き者』の特性であっさり壊されるんだろうな。そもそも向けねえけど。『神の如き者』は天の御国においての『神の子』である、っていう説があるから…だとすれば、石は灰色でなければ問題無いはずだ。確か宝石はセーフ。色の関係を考えれば赤が良いんだろうけど…あぁでも、他の属性も含むからたいていの色は問題無いのか。どうやって渡そう。フィアンマも女の子だし、いや年齢的には女性だけど…ロマンチックな方が良いよな。『はいどうぞ』なんかじゃなくて、落ち着いた状況で少し焦らしてから『受け取ってください』みたいに言えばいいかな…? 婚約指輪を先に渡して、次に結婚指輪を上げよう。まずは婚約指輪だ。…他に渡すなら何がいいかな。定番パターンだと花束らしいけど…フィアンマはあんまり花喜ばなそうだし…あ、お酒なら色んな意味で喜ぶかもしれない。婚約指輪購入する金が貯まる頃には俺も成人してるだろ。でもワインボトルと指輪っていう取り合わせも…ケーキとかどうだろう)

考えを纏めていき、フィアンマの手をやわやわと握りながら、上条は目を開ける。

フィアンマ「寝ろと言っただろう」

上条「どうにも目が覚めちゃってさ。多分、フィアンマが一緒に寝てくれないからだと思う」

フィアンマ「子供でもあるまいし」

言いつつも、フィアンマは上条の隣へと潜り込む。
ベッド、その毛布の中で手を握りつつ、上条は問いかけた。

上条「誕生日っていつなんだ?」

フィアンマ「…覚えていない」

上条「ん…そっか。じゃあ、誕生月は?」

フィアンマ「何だってそんな事が気になるんだ…」

上条「良いから」




フィアンマの誕生月(1〜12)>>+2
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/06(金) 19:52:01.84 ID:smT8COUSO
考察スゲェwwwwww
12で
357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/06(金) 19:53:13.74 ID:9drZi8zf0
12月25日
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/06(金) 19:55:01.90 ID:9drZi8zf0
しまった誕生月か12月で
359 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/06(金) 20:18:34.24 ID:6ScTMWvY0

フィアンマ「十二月だ」

上条「十二月か…分かった、ありがとな」

上条(そもそも『黙示録』には城壁の土台石に沢山の宝石が使われていたはずだ。第1の土台石は碧玉、第2はサファイア、第3は玉髄、第4は緑玉、第5は赤縞めのう、第6は赤めのう、第7は貴橄欖石、第8は緑柱石、第9は黄玉、第10は緑玉髄、第11は青玉、第12は紫水晶。…十二月は何があったかな…あ、『ターコイズ』、『ジルコン』、『タンザナイト』、『ラピスラズリ』だったかな)

上条「…本当に誕生日、思い出せないのか?」

フィアンマ「祝っていなければ忘れるさ。…少し待て」

フィアンマは上条の手をやんわりと数回握り、しばらく考え込む。
どうやら記憶を辿ってどうにか誕生日を思いだそうとしてくれているらしい、と上条は感じた。
申し訳ないような、しかし自分の為にわざわざ苦労して記憶を探っていると思うと嬉しいような、そんな微妙な気分で待機していた上条の方へ体ごと向き直り、フィアンマは答える。

フィアンマ「十二月二十五日だ。奇しくも、『神の子』の降誕を記念する祭日だよ。…だからこそ、この右手だったのかも分からんが」

上条「そっ、か。…教えてくれてありがとう」

上条(十二月十五日の誕生日石は『キャストライト』。生まれながらに十字を表す石。意味は…『聖なる契約』、か。…自分で言うのも何だけど、神様の領域に身体半分突っ込んでる野郎と救世主の素質がある女性の結婚なら、『聖なる契約』がドンピシャだよな。……恥ずかしくなってきた。自分で自分の事神様の領域、とか言うの…)

考え込んでいる内に羞恥心をくすぐられ、上条は唇を数度舐め、フィアンマを抱きしめる。
手は繋いだまま、使っていなかった片腕で抱きしめ、フィアンマと向き合う。
過去の事を思い返し、暗い表情を見せるフィアンマの頬を撫でて、上条は言う。

上条「…今年のクリスマスと誕生日。祝っても良いか?」

フィアンマ「もう祝われる歳でも無いような気がするのだが」

上条「歳は関係無いだろ。俺は、フィアンマが産まれてきてくれて良かったと思って…フィアンマ?」

フィアンマ「…何だ、」

今の発言のどの辺りがフィアンマの心に影響を与えたのか、じわりと金色の瞳を涙で潤ませるフィアンマ。
基本的に上条は元来女性の涙を好まないので、当然のことながら焦る。

上条「え、いやいや、その、ごめん?」

フィアンマ「別に、謝られる必要は、無い」

クソッたれ寝ろ、と暴言を吐かれつつフィアンマの背中をさする上条。


二十分程泣いて落ち着くも、フィアンマは上条の胸元に顔を埋めたまま毛布から出てこない。

上条「暑くないのか?」

フィアンマ「問題無い」

上条「……、…さっきの話に戻るんだけど、さ」

フィアンマ「ん?」

上条「クリスマスプレゼント、何か欲しい物って無いのか? して欲しい事でも良いけどさ」

フィアンマ「…>>361
360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/06(金) 20:27:58.12 ID:4+u4PvBt0
何もいらん、お前さえ居てくれればそれでいい
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/06(金) 20:28:00.04 ID:Eau5QFUQ0
新しいロザリオが欲しい
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/07/06(金) 20:28:33.75 ID:uFtzzYQAO
神と救世主の間で聖なる婚約か…
363 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/06(金) 20:40:25.56 ID:6ScTMWvY0

フィアンマ「…新しいロザリオが欲しい」

上条「ロザリオ?」

フィアンマ「祈る為の簡素なものだ。無くとも祈る事は出来るが」

上条「…良いけどさ、詳しくないから、どう入手すればいいのか…」

フィアンマ「何なら作ってくれても良いんだぞ?」

上条「…石、もしくは灰色の材質の硬いヤツを彫って削って血を塗せば魔術的意味合いは持たせられるけど…そっちの方が良いか?」

フィアンマはこくりと頷き、上条の胸元に一層顔を押し付けた。

上条「…もしかして、照れてる?」

フィアンマ「……寝ろ」

上条「もしかしなくても照れてるのか?」

フィアンマ「昏倒させられるか自由意思で眠りに就くか、自分で決めると良い」

べし、と上条の鎖骨辺りを叩くフィアンマだが、かなり手加減されているその攻撃はむしろこそばゆい程だ。
上条は薄く笑みつつ口を噤み、フィアンマの背中を一定のリズムでぽんぽんと叩く。






上条はどうする?>>+2
364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/06(金) 20:40:47.02 ID:Eau5QFUQ0
ksk
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/06(金) 20:46:34.05 ID:PlBJHAma0
額にキス
366 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/06(金) 21:38:12.14 ID:6ScTMWvY0

上条「…おやすみ」

上条はそっとフィアンマの前髪を手で除けて額に口付け、静かに囁いた後、目を閉じる。

フィアンマ「……おやすみ」

数秒後、フィアンマもそう返した。
二人ほぼ同時に眠りに堕ち、朝方まで一度も目を覚まさずに静かに眠り続けた。

朝、上条はびりびりとした腕の痺れで目が覚めた。
眠っている間、何を思ったのかフィアンマに腕枕をしていたらしい。
自覚が無い為首を傾げながらも、上条は未だ眠るフィアンマの頬に口づける。

上条「…おはよう、フィアンマ」

フィアンマ「…ん、…」

上条「…疲れてんのかな。…そうだよな。昨日は、色々あり過ぎたし」

昨日の修羅場を思い返しながら、上条は小さく息を吐き出す。
これから先は女性になるべく好かれないよう振る舞った方が良いだろう、と考えながら。

上条「…ごめんな」

ぽつりと呟く形で謝罪しながら、フィアンマを起こさないよう気をつけつつ上条は起き上がる。
と同時に、看護士が入ってきた。朝の簡易検査の為だ。
少しの問答と血圧測定等を終え、フィアンマを気遣ってか、看護士は静かに出て行った。

フィアンマ「ぅ、……ん…」

上条「…ん?」

もぞつき、毛布を抱きしめながら、フィアンマは不服そうな表情を浮かべる。






上条はどうする?>>+2
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/06(金) 22:15:37.85 ID:WCP1s3nd0
ksk
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/06(金) 22:25:20.36 ID:WCP1s3nd0
フィアンマを寝かせたまま散歩行く
369 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/06(金) 22:53:22.02 ID:6ScTMWvY0

上条(暇だし、散歩に行くか…フィアンマは…起こしちゃ可哀想だしな)

上条は静かにベッドから降り、少し悩んだ後、偶々収納スペースに入っていたメモ帳にシャープペンシルで書き置きを残すと、点滴の袋が吊り下げられた器具を引きずりながら病室より出て行く。
散歩と行っても病院の敷地内からは出られない。
偶には外も良いか、と、点滴のチューブの刺さった左手を強く力まないよう気をつけながら、上条は中庭に出る。
今日は陽が出ているからか、ぽかぽかと暖かく、冬にしては過ごし易い。
とはいえ上条の格好では通常寒い筈なのだが、そこは少しばかり工夫をして術式を施した為、問題は無い。
中庭の中央、芝生の上では、入院患者らしき少年達がのんびりとサッカーをしている。
走る事は無く、歩きながらリフティングを繰り返すような、長閑な風景。
上条は自販機のラインナップの中でも最もマシだと思われる緑茶コーヒーを購入すると、ベンチに腰かけてちびりと飲む。

上条「渋苦っ…!」

呟きながらも捨てる事はせず、静かに啜る。
あたたかい内に飲みきってしまえば、苦味はこれ以上増加しない。
緑茶とコーヒーのカフェインの相乗効果ではっきり、過剰な程に目の覚めた上条は暇そうに、サッカーをする少年達を眺める。
本来であればここらでサッカーボールが何故か不幸にも上条の顔面へ飛んできたりするのだが、『幻想殺し』が任意発動である事に関係しているのか、今日は平和だ。

上条(暇だな…)

外の空気を吸うべく深呼吸して、上条は内心ぼやく。
安静にすべきだとは分かっているのだが。

上条(婚約指輪、贈ったら、フィアンマはどんな顔すんのかな。泣いちゃうとか…嬉しそうに笑ってくれるのが一番なんだけど、嬉し泣きなら、まぁ、いいかな。照れて淡々と受け取られるのも、それはそれでフィアンマらしいような気もするけど…ベストは顔真っ赤にされるのだな。多分無い)

自分の病室でまだ眠っているであろう恋人の事を想い、上条は口元を弛ませる。
ふと、見覚えのある人物が病院の敷地に入ってきたことに気付く。
目が合った。





目が合った人物(禁書キャラ名)>>+2


370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/06(金) 22:55:30.11 ID:WCP1s3nd0
ksk
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/06(金) 23:02:35.93 ID:WCP1s3nd0
元暗部のグループとアイテムの皆さん
372 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/06(金) 23:15:12.81 ID:6ScTMWvY0

上条「土御門に、一方通行…と、誰だ?」

土御門「点滴似合わないにゃー、カミやん」

一方通行は病院内に急ぎの用事でもあるのか、品行方正そうな少年と、おさげの少女と病院内に消えた。
その後ろ離れた場所を、ワンピースを纏った女性が歩く。
その後ろにはRPGのパーティよろしく何人もの人が居た。

麦野「浜面、滝壺支えてさっさと来なさい」

浜面「待てって、俺荷物がうわっぷ」

絹旗「流石は超浜面、ダサイです」

浜面「うっせ!」

紙袋を抱えた傷んだ金髪の男は小柄でスカート丈の非常に短い少女にからかわれながら歩く。
ジャージ姿の女の子はそんな金髪の男の服裾を握り、のんびりとした様子で歩く。

滝壺「はまづら…頑張って…」

浜面「おぉ、ありがとな。断然頑張れる気がしてきたぜ」

あの二人は付き合っているのだろう、と上条は思う。
恋人に一言頑張ってと言われるだけであそこまで表情は弛んでしまうものだし、元気も出る。
何やら不貞腐れた様子のワンピース女性に、元気そうな金髪の少女が話しかける。

フレンダ「結局、麦野はまだ諦め「うっさいわね、溶かすわよ」怖いって訳よ!」

ドタバタとやや騒ぎ気味に、土御門以外の全員が病院内に消えた。
あんなにうるさくて注意されないだろうか、などと上条が余計な心配をしていると、近づいてきた土御門は上条の隣に座る。

土御門「お邪魔するぜい」

上条「あぁ、別にいいけど…土御門は中行かなくて良いのか?」

土御門「特に困らないからにゃー。ところで聞いたぜいカミやん、都市伝説の発祥人め」

上条「あー…あの、アレイスター…倒したヤツが居る、って話か?」

土御門「そうそう。…お陰で助かった。…と、これはあくまで個人的興味なんだが、何だってアレイスターを倒そうとまで決意したんだ?」

上条「>>374
373 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/06(金) 23:19:30.86 ID:WCP1s3nd0
ksk
374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/06(金) 23:23:40.74 ID:WCP1s3nd0
愛する人を守るため……
ついでにもう追跡されたり逃げるのが嫌になったんだ
アレイスターさえ倒せば幸せになる人はいっぱい居るだろうからな…

舞夏とグループの仲間の大切な人たちは元気か?
375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/06(金) 23:27:49.13 ID:V6hzb5Uv0
そろそろ皆でワイワイやりたいね
376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/06(金) 23:30:32.09 ID:WCP1s3nd0
もしも、もしもだけど
上条とフィアンマの子供が出来たらどんな子供になって 子供はどうなるんだろうか(魔翌力的な意味と魔術結社的な意味)
377 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/06(金) 23:36:50.78 ID:6ScTMWvY0

上条「愛する人を守るため……。…ついでに、もう追跡されたり逃げるのが嫌になったんだ。まだまだ課題は山積みだけど。アレイスターを倒して、幸せになる人が沢山居るだろうとも思ったし。舞夏と、土御門の大切な人達は、元気か?」

土御門「お陰さまで、といったところですたい。…本当に、ありがとう」

上条「よしてくれよ。別に、俺は突き詰めれば俺の為に倒しただけだし」

土御門「…本当に、カミやんはカミやんだにゃー」

上条「どういう意味だよそれ」

笑って、上条は缶の中身を飲み干す。
渋さと苦みに苦笑しながら、上条はのんびりと伸びをした後、空き缶をゴミ箱へと投げ捨てた。

土御門「安全は保障するとか言っておいて、申し訳無い」

上条「済んだ事だしな。別に、恨んでもいないし」

土御門「…そうか」

空を見上げ、上条はそう穏やかに言った。
土御門は微笑みながら相槌を打ち、そしていつもの調子に戻る事にした。
上条当麻に接するべき、土御門元春として。

土御門「ところでカミやん、その愛する人ってまさかフィアンマとか言わないで欲しいにゃー」

上条「フィアンマだよ。というか、何か勘違いしてると思うから言っておくけど、フィアンマは女だぞ」

土御門「まな板も良いところですたい…え、何処がいいんだにゃー? 誰にも言わないから土御門さんにだけこそーっと教えて欲しいぜい」

上条「うわー、信用ならねえ。…んー…>>379
378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/06(金) 23:42:11.68 ID:WCP1s3nd0
ksk
379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/06(金) 23:44:18.47 ID:smT8COUSO
美人、スレンダー、年上、結構尽くしてくれる、家事ができる、料理うまい、俺を愛してくれる、………(余りにも長いので以下省略(笑))
380 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/07(土) 00:03:38.77 ID:KgnrL4Py0

上条「うわー、信用ならねえ。…んー…美人、スレンダー、年上、結構尽くしてくれる、家事が出来る、料理上手い、俺を愛してくれる、頭が良い、可愛い服も似合ってる、かっこいい時もある、俺には弱味見せてくれる、白くて美肌、たまに照れ屋、一生懸命、ちょっと歪んでるけどいつも頑張ってる…睫毛長いところとか瞳の色が綺麗なところとか鎖骨くっきりしてて色っぽいとか、あぁ後はいつも良い匂いするしあれって体臭なのか香水なのかでも香水なんか着けてないだろうし体臭かな、後は拗ねた顔も可愛いし、顔真っ赤にしたところなんてときめくし…魔術師としても優秀だろ? 好ましいところなんて沢山あるけど他に挙げるとすれば…髪の色が赤くて綺麗だろ、ステイルとはまた違う色合いだし。手触りも絹みたいでさらさらしてて、濡れてるとちょっと伸びてエロティックなんだよな…あぁ後抱いてみると肩細いとか指細いとか、語調がキツいのも最近慣れたからか不快どころか照れ隠しで暴言吐いてるのかどうかも分かるしそこもまた魅力なんだよな。あ、それと腰も細いんだよな、スレンダーってさっき言ったから分かると思うんだけど、抱いてみると本当に細いんだよ。ちょっと前にコルセット締めてた時なんて不安になったもんな。後は結構喋る方だけど普段は物静かにしてたりとか、若干乱暴で暴走気味なのは否めないけど、俺が浮気しないかどうかいつも不安がってて実際報復しようとして被害受けたけどあそこまで愛されてるんだなって久々に実感したら和んだというかとにかく可愛い。喋る声は別に媚びてない低いモンなんだけどまぁちょっといかがわしい事した時の声は可愛いし甘いしちょっぴり高めで…いや本当に語り尽くせないって事に関しては俺の語彙力が無いのが残念なんだけど…あ、それから」

土御門「もう充分だぜいカミやん、土御門さんが悪かったですたい」

上条「そうか?」

このまま放っておけば一時間でも二時間でも話続けそうだ、と判断した上条は途中で遮る。
上条は残念そうな顔をしながらも食い下がる事なく恋人自慢をやめた。
ふと、思い出したように土御門は拳を握り、ぽん、と掌を打つ。

土御門「そうそう、カミやんもうすぐ退院だったよにゃー?」

上条「? あァ、そろそろ退院予定だけど」

土御門「少しお願いしたい事があるんですぜい」

上条「退院してすぐはちょっと用事があるんだけど、何だ?」

土御門「>>382
381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/07/07(土) 00:12:57.04 ID:T25+AXdAO
ksk
382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/07(土) 00:13:05.84 ID:1H47dPLX0
ローラが学園都市に攻めてくるから手を貸してくれ……上やん実は俺に見せてくれた魔術は全力じゃないだろ…?頼むお前の力が必要なんだ…(土下座)
383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/07(土) 00:25:41.22 ID:caccdjjSO
今になってアレイスターぬっころしたのが仇になるとわ…しまった、先にあのエセ古典口調から殺っとけばよかった……
384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/07/07(土) 00:27:17.07 ID:dM6sr/fb0
上条さんというより>>1の狂気(フィアンマ愛)を感じた
……ああ、いつものことか
385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/07(土) 00:32:15.10 ID:fJcwGzri0
退院した上条さんなら余裕な気がするが……

病み上がりだしキツいかなぁ
386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/07/07(土) 00:40:43.89 ID:TnD5B9/AO

>>1は今日も元気です
病み上がり神浄さんには頑張っていただきたい…
387 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/07(土) 00:48:08.08 ID:KgnrL4Py0

土御門「…ローラ=スチュアート。イギリス清教の頂点に君臨してる女だが、…ヤツが学園都市に攻めてくるから手を貸してくれ……」

上条「…また戦争を起こす、って訳じゃなさそうだな。アレイスターが倒れたこの機に学園都市を掌握しておこうって魂胆か」

土御門「まぁ、そういう事ですたい。…カミやん、実は俺に見せてくれた魔術は全力じゃないだろ…?」

土御門の言葉に、上条は閉口する。
『御使堕し』の時、土御門は騙してでも上条を安全圏に追いやってくれた。
今は、危険地帯に踏み込んででも、そんな親友を救うべきだろう、と上条は思う。
それに、学園都市がイギリス清教の下に入るというのも、少々嫌な予感がする。

上条「……」

上条が沈黙しているのをどうとったのか、土御門はベンチから立ち上がり、芝生に膝をついて頭を下げた。
所謂土下座の体勢。今のイギリス清教を追い払えるのは上条程の魔術師位しか居ない。
そして、土御門は何を敵に回し、誰に頭を下げても、義理の妹を守りたかった。

土御門「頼む、お前の力が必要なんだ」

上条「…土御門。頭、上げてくれ。アレイスターを倒した俺の責任でもあるだろ」

土御門「……」

上条「…顔を、上げてくれ」

土御門の顔を上げさせ、再び隣に座らせて、上条は頷く。

上条「…分かった。頑張ってみるよ」

土御門「…巻き込んですまないとは、思う」

上条「いい。…学園都市を支配されて、戦犯としてフィアンマに手出されたらその時はちょっと何するか分からないしな。叩ける内に叩く。…まさか、黒幕が直接来る訳じゃないだろ? 俺は退院して、用事を済ませたら、どうすればいいんだ?」

土御門「>>389
388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/07(土) 00:51:28.45 ID:caccdjjSO
音速旅客機に乗って、あの女がいる所まで、近づけるだけ近づいた後、徒歩で向かって欲しい。あの女狐に勝てるのはカミやんだけだろう。直接叩いて欲しい
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/07(土) 00:53:07.15 ID:fJcwGzri0
俺達と一緒に超音速旅客機でイギリスに向かい
直接叩く!
390 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/07(土) 01:01:18.46 ID:KgnrL4Py0

土御門「俺と一緒に超音速旅客機でイギリスに向かい、直接叩く! 他の造反組、離反組は今水面下で動いてる。神裂とか、な」

上条「…そっか」

相槌を打ち、上条は空を見上げて考える。
しばらく黙った後、考えが纏まり、土御門に問いかける。

上条「なぁ、」

土御門「何だ?」

上条「…フィアンマには、むしろ学園都市に居てもらった方が良いのかな」

土御門「んー…」

上条「戦力としてはものすごく頼りになるけど、立場としては微妙だろ?」

土御門「>>392
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/07(土) 01:02:41.16 ID:caccdjjSO
むしろ置いてかないと危険だろうな…相手が魔術総本山だし
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/07(土) 01:05:58.71 ID:fJcwGzri0
そうだな、今連れて行っては危ないし
ただそれをフィアンマが了承するかだにゃー…
393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/07(土) 01:21:19.20 ID:caccdjjSO
幾つか難関欲しいな…正直☆編あっさり過ぎて。
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/07(土) 01:26:49.90 ID:ih80ONTu0
天使降臨させてもゼウスさんいらっしゃるし
395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/07(土) 01:35:49.82 ID:caccdjjSO
上条さんの術式を壊すか無効化、禁書目録制御装置の使用、あるいはローラ自身が召喚、上条さんのゼウス使役権を奪う、あとまだ幾つかあるけど、こーいう手段位は使いそう
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/07(土) 01:39:06.35 ID:ih80ONTu0
何をしても幻想殺しで無効化されそうだ
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/07(土) 01:54:18.40 ID:caccdjjSO
上条さんでも消せない手段で一発
398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/07(土) 07:07:45.71 ID:2COr54Un0
ま、物理攻撃多用が妥当だろうけど、でも話の筋的に上条さんがどこまでやれるかはローラにとっても不透明なんじゃない?
しかも中条さんまだいるみたいだし
399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/07(土) 09:29:17.99 ID:fJcwGzri0
上条さん神浄化を知らないだろうし
400 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/07(土) 11:33:43.83 ID:P1efuG8e0

土御門「そうだな、今連れて行っては危ないし。…ただ、それをフィアンマが了承するかだにゃー…」

上条「…まぁ、説得してはみるけど…一緒に行く事ってちなみに可能なのか?」

土御門「どうしてもフィアンマが行くと言って聞かないのなら仕方ないとは思うが。戦力としては本当に有用だしな。でも、カミやんとしては不安だろう?」

上条「…魔術総本山、だしな」

土御門「…さて、俺はそろそろ病院の中行くけど、カミやんはどうする?」

上条「俺もそろそろ病室に戻るよ。フィアンマに話しなきゃならないし」

土御門「そうか」

上条「土御門」

土御門「ん? 何ですぜい?」

上条「俺は、土御門が思ってるより冷たくなったから、こんな発言が出るんだけど。…そのローラってヤツは死んでもいいと思ってるけど、…土御門は、死ぬなよ。頼むから、あんまり魔術使わないでくれ」

土御門「…カミやんは優しいにゃー。心配ご無用ですたい」

笑って立ち上がる土御門を追うように、上条も立ち上がる。
土御門は医者自体に用事があるため、病院内で別れた。
上条は土御門と別れた後エレベーターに乗り、自らの個室に向かう。

上条(何て言ったら納得してくれるかな。…勝てたら、いいけど。イギリス清教を率いてる位なんだから、強いんだろうな。味方の居ないアレイスター相手だって、死ぬ思いしてどうにか勝利を得た位なのに、勝てんのかな。…いや、勝たなきゃいけないんだ。負けたら、フィアンマが危険に晒される。インデックスにあれだけの仕打ちをしたイギリス清教の事だ、フィアンマを戦犯として公開処刑しかねない)

上条は自分の右手を見、ぼんやりと思う。
自分の身に、色んな人の命運が係っている。
思えば昔もそうだったのかもしれないが、昔は今と違って、無力で、故に真っ直ぐだったような気がする。
誰にも死んで欲しくない、精々殴るだけで済ませたいと、そう思っていた。
きっとその心底から湧き上がる正義感は、今の自分のものではなかったのだろう。

『最後まで偽善者で居させてくれよ』

きっと彼の持っていた完全な善性だったのだ、と上条は思う。
偽善者と呼ばれてしまう位に、自己犠牲的で、人の事しか考えていなくて、殺すのが怖くて。
一番最後の内容は今の自分にも当て嵌まるけれど。

上条(悪人と呼ばれても構わないって思って時点で、俺は前の俺と違うんだ)

何しろ自殺をしてまで、人を殺してまで得た結果がコレなのだ。
善性を喪い、心は歪み、考えは壊れ、狂おしい愛情によって生かされる人形のような化け物。

上条(…それでも、フィアンマが笑ってくれるなら、それで良い)




個室に辿り着き、中に入ると、フィアンマはいつもの赤いスーツ姿で見舞客用のパイプ椅子に腰かけていた。
どうやら着替えたらしい、と上条は認識する。

上条「ただいま」

フィアンマ「お帰り」

言葉を交わし、上条はベッドに座ると、既に運ばれていて少し冷たい病院食を口にする。
上条はハイペースでさっさと食べ終わり、空食器とゴミ類を片付けて元の通りベッドに戻ると、下半身に毛布をかけ、フィアンマを見た。
真剣な上条の表情に、別にだらけていた訳ではないが、フィアンマも居住まいを正す。
上条は静かに淡々と説明し、そして深呼吸した後、自分の考えを告げた。

上条「…だから、フィアンマには、学園都市で待っていて欲しい。もっと安全な場所が思いつくなら、そっちでもいい。いつ戻れるか、分からないし」

フィアンマ「…嫌だ」

子供が駄々をこねるような、それでいてか細く弱い声だった。

上条「…フィアンマ」

フィアンマ「…お前が帰ってこなかったら、いつまで待てば良いんだ」

上条「…>>402
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/07(土) 11:41:00.44 ID:77xrM9LM0
ksk
402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/07(土) 11:41:02.92 ID:d5qL3/JB0
25年ほど待ってくれ。25年たっても帰ってこなければ、他に良い奴を見つけてくれ
403 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/07(土) 12:22:57.14 ID:P1efuG8e0

上条「…25年程待ってくれ。25年経っても帰ってこなければ、他に良い奴を見つけてくれ」

フィアンマ「…お前はそれで良いのか」

上条「…仕方ないだろ。そりゃ、嫌だよ。でも、時期としては、25年もすれば頃合だろ。それだけ帰ってこられないってことは、きっと俺は死んでるんだろうし」

簡素な、感情のあまり籠っていない声音で上条は言う。
今、多少傷付けてでも、フィアンマにはどうにか幸せに生きて欲しいと、上条は願っている。
帰って来られない可能性は大いに考えられる。
たとえば、負けて、死なないにしても幽閉されるだとか、見せしめに磔にされるだとか。
作り替えたこの身体ではなまじ死ぬ事も出来ない。
そしてフィアンマと上条の共通の知り合いといえば土御門や神裂位で、上条が死んだ事を伝えてくれるかどうかも、分からない。
別に信用出来ないという意味ではなく、土御門達の立場的に、上条が負ければ巻き添えを喰って、やはり幽閉されるかもしれないからだ。
上条はそうなった場合、フィアンマに助けて欲しいとは思わない。
苦しいだろうとは思うものの、それでも、逃げて、誰か、自分やフィアンマの妹と同じような、フィアンマを愛してやまない人間が幸せにしてくれるなら、それでも。

上条(それでもいい、なんて思えないけど)

フィアンマ「…25年か。9125日間、219000時間も待てと、そう言うのか。残酷なものだ」

上条「どうしても待てそうにないなら先に他の人に乗り換えたって構わな、ッ!?」

バチン、とビンタ特有の音が病室に響いた。
上条は閉口し、遅れてジンジンと痛み始める右頬を触り、摩る事も忘れて呆気にとられながらフィアンマを見る。
上条の予想に反して、泣いてはいなかった。かといって、冷酷な顔でもなかった。
フィアンマはきつく唇を噛み、一度大きく息を吐いた後、言葉を紡ぐ。

フィアンマ「…俺様に、婚約指輪や、結婚指輪が欲しいか、と聞いただろう。。いつか、200年程後に、結婚式を挙げようという話も。一緒に世界を見ようと、そう言って助けてくれた事も。俺様と一緒に生きると言ってくれた事も、忘れない。俺様の安寧の居場所はお前の隣だけだと、そう言った筈だ。」

上条「……」

フィアンマ「…だから、必ず帰ってくると約束しろ。嘘になるから約束しないと言うのならば、俺様を連れて行くか今此処で殺せ。完膚無きまでに叩きのめせば死ねる」

上条「……」

フィアンマ「…誕生日と、クリスマスを、祝ってくれるんじゃ、なかったのか? 男と二人きりで話すなと、嫉妬したじゃないか」

上条「…そうだよ。祝いたいって思ってる。誰にもお前を渡したくない。結婚式だって挙げたい。ずっと一緒に生きていたいし、世界の良いところだってもっと見せてやる。俺は死ねない。…分かった。…絶対に、帰ってくる。約束する。…だから、待っていてくれるか?」

フィアンマ「……任せろ。待つのは得意だ。何しろ何百年も、人が生まれ変わるのを待っていたような人間なのだからな。俺様の寿命が尽きる前に、帰ってきてくれ」

上条「なるべく早く帰ってくる」

約束する、とフィアンマを抱きしめ、上条は死ねない理由を作る。
土壇場で諦めない為には、理由が必要だと知っているからだ。




数日後、何の問題も無く上条は退院した。
急遽所用が入ってしまった為。佐天の旅行に同行する事は出来ないと謝罪し、また今度行こうという話をして。
その後、上条とフィアンマは幾つかの手続きに追われた後、第一○学区へ来ていた。
言うまでもなく、『上条当麻』の墓参りのためだ。
上条は紫露草を墓前に供え、静かに手を合わせる。
弔いに必要な儀式一切はフィアンマが行い、上条がそれを手伝った。

フィアンマ「何か言いたい事があるのなら言え。俺様は先に出ている」

そう告げると、フィアンマは一足先に墓地から出て行った。
上条は一人、自分が殺した相手の墓前に立ち尽くし、少し迷った末に、墓石に向かって言葉をかけた。

上条「……、…>>405

404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/07(土) 12:33:30.00 ID:8Nw2qRUI0
ksk
405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/07(土) 12:47:00.51 ID:1H47dPLX0
俺は…学園都市を救う…だからしっかり見ていてくれ
406 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/07(土) 13:19:22.07 ID:P1efuG8e0

上条「……、…俺は…学園都市を救う。…だから、しっかり見ていてくれ」

故人は何も語らない。
ただ、上条は宣言にも等しくそう言葉をかけると、しゃがんで墓石をそっと撫でた。
紫露草の花言葉は、『尊厳』『尊び』『尊敬しています』『快活』といったものだ。
上条が殺した上条当麻に相応しい花だ、と上条は思う。

上条「…アンタのお陰で、俺は今もフィアンマと話せてるし、触れる。何をするにも、自分の意思で行える。ありがとう」

謝罪では無く、感謝の言葉を。
墓石に綴られた自身の名前を指でなぞり、上条は目を伏せる。
そうだ、彼の分まで自分にはしっかり生きなくてはならない義務がある。
約束と、義務。それから、自分が望んで得た権利。
幸福に生きる為にも、負けて死ぬ訳にはいかない。

上条「…『上条当麻』。…行ってきます」


そんな訳がないのに、『行ってらっしゃい、頑張ってこいよ』だなんて。
上条の耳に、少年の声が、届いた―――気が、した。






一時的に帰宅し、上条は服を着替える。
動き易く、且つ怪我をしないように。
魔術記号を組み合わせて防御術式を構成する服にしようかとも話し合ったが、結果的に言うとそれはやめた。
それならばむしろ、『幻想殺し』を全身適用にさせた方手っ取り早いと思ったからだ。
この後は空港に向かい、土御門と落ち合ってイギリスへ向かう事になる。

上条「…行ってきます」

フィアンマ「……行って、らっしゃい」

上条「…俺が居なくても、ちゃんとご飯食べてくれよ?」

フィアンマ「言われずともそうするさ」

上条「それから、気晴らしに外出してもいいんだからな。佐天ちゃんと話すとか。…男はなるべく避ける方向で」

フィアンマ「分かっている」

上条「それじゃあ、…本当に、行ってきます」

フィアンマ「行ってらっしゃい。約束は、守れ」

上条「絶対に守る」

数回口付けを交わし、上条は家を出た。
負ける為に向かうのではない。勝って、危険を排除するために向かうのだ。







上条当麻は空港に到着した。
土御門は既に到着しており、まるで一緒に観光目的でのんびり国外旅行に行く友人かのように、上条に向かって軽く手を振った。

土御門「おーい、カミやーん」

上条「土御門ー」

手を振り返し、上条は近付く。
まだあの旅客機の準備をしている最中だとかで、後三十分は空港に居る事となる。
空港にあるソファーに並んで座って待機しながら、土御門は問いかけた。

土御門「…大丈夫か?」

上条「>>408
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/07(土) 13:24:31.36 ID:inpoSXRI0
ksk
408 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/07(土) 13:36:57.35 ID:inpoSXRI0
ふぇぇ……フィアンマがいないよぉ……
はっ、……大丈夫だ問題ない
409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/07/07(土) 14:20:44.16 ID:e9RNPw94o
色仕掛けと女子寮組他を人質くらいはやりそうだな
410 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/07(土) 14:28:08.01 ID:ioY2JORt0

上条「うぅ…ふぇぇ……フィアンマが居ないよぉ……フィアンマ…」

土御門「…か、カミやーん?」

上条「はっ、……大丈夫だ、問題ない」

土御門「な、ならいいけどにゃー」

無意識に自分の唇を触りながら項垂れる上条の様子にたじろぎながらも土御門はおずおずと声をかける。
はっ、と気付いてにこりと笑みを浮かべる上条の様子にまた少したじろぎつつも土御門は頷いた。
しばらく世間話(という名の現状・近況報告)をしていると旅客機の離陸準備が済んだ為、二人は立ち上がった。

上条「全然、ちっともまったく嬉しくないけど、この旅客機には何度もお世話になってる気がする」

土御門「確かにそうですたい。ま、しばらく耐えるしかないにゃー」

上条「あー…」

嫌だ、と口にこそ出さないものの、かなり渋い顔をする上条を宥め宥め、二人は超音速旅客機へと乗り込んだ。
シートベルトの位置をしっかりと確かめ、席に着く。
地獄の時間が、始まった。






一般的な飛行機よりも遥かに早くイギリスへ到着出来る音速旅客機。
その代償は、客に強制的な苦痛を与える事だ。
そんな訳で、上条は非常にグロッキーな様相で休んでいた。

上条「…まず、何…するんだ…?」

土御門「吐くなよカミやん」

上条「分かってる…うぅ…で、何すれば…」

土御門「>>412
411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/07(土) 14:34:25.23 ID:caccdjjSO
とりま武装と現状把握かね?ksk
412 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/07(土) 14:34:51.77 ID:HrTFhK2O0
ksk
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/07(土) 14:36:08.67 ID:HrTFhK2O0
仲間達と集合し、現状報告、武装をする 場所は女子寮
414 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/07(土) 14:49:46.53 ID:ioY2JORt0

土御門「予定としては造反・離反組と集合、現状報告をした後、武装をして向かう予定だ。場所は女子寮…って、カミやん本当に大丈夫か?」

上条「ちょ、ちょっと待っ…うぉえ」

土御門「生きろカミやん…!」

涙目でえづく上条の背中をさすりながら焦る土御門。
一時間程休憩して本調子を取り戻した上条は短く謝罪の言葉を口にすると、イギリス清教の女子寮へと向かった。
魔術をみだりに使うのは良くないとして、移動魔術ではなく交通機関を使いつつやってきた上条と土御門は、警戒しつつ女子寮のドアをノックした。
何も問題が無ければ神裂や女子寮の面々、もしくは動いている人間を覗いた女子寮の人員が数名居る筈なのだが、ローラが何かしていないとも言いきれない。




女子寮の中の状況(アバウト可)>>+2
415 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/07/07(土) 14:51:14.32 ID:jhVBCbMOo
飯の時間
416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/07(土) 14:57:46.21 ID:d5qL3/JB0
誰もいない
417 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/07(土) 15:08:25.47 ID:ioY2JORt0
>>414 ×覗いた ○除いた》


ノックをして、待てど暮らせどまったく応答は無い。
土御門と上条は顔を見合わせ、真剣な表情で蹴破るかのような勢いで部屋の中へとなだれこむ。
だが、そこには誰も居ない。
全員出払っているという事は、何かトラブルがあったという事だ。
もしや人質に、と顔色を変える上条は、ふと床の真ん中に落ちている紙に気が付いた。

上条「土御門、それって…」

土御門「…」

土御門は警戒しながら紙に近寄る。
すると、独りでに紙は床に立つと、そこから声が聞こえた。
上条はこういったモノによくよく聞き覚えがある。
フィアンマがかつて使っていた小麦人形のような、通信用霊装。
そこから聞こえたのは女の声。
他の誰でもなく、イギリス清教の『最大主教』―――ローラ=スチュアート。

ローラ『>>419
418 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/07(土) 15:14:23.63 ID:d5qL3/JB0
ksk
419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/07(土) 15:14:39.40 ID:VdgUFj3C0
修道女達は預からせてもらった。早く取り戻しに来ないと生け贄にするのよ。あっはっはっはっはっはっはっはっ!!!!!!
420 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/07(土) 15:27:21.74 ID:ioY2JORt0

ローラ『修道女達は預からせてもらった。早く取り戻しに来ないと、生贄になりけるのよ。あっはっはっはっはっはっはっはっ!!!!!!』

そう高笑いを響かせた通信用霊装の紙は、その場で独りでに青い炎を出して燃え、ただの塵と化した。
この状況で嘘を吐くメリットもさほど無いだろう。
という事は、造反や離反はバレてしまっていたということ。
何の生贄にされるかは読めないが、上条の知る術式には、人間の魂や命を応用して巨大な爆発力を生み出すものなどがある。
もし、そうだとしたら、彼女達は死んでしまう。
敵である学園都市を守る為に(更に言えば上条の為に、なのだが)、戦争や侵略の起こらないよう自らの正義に従って行動したがために、殺されてしまう。
上条にはそんな事を許せるはずがなかった。

土御門「…行こうカミやん。残念ながら、もう此処には何も無いみたいだ」

上条「あぁ。元々、準備はしてきたんだ」

上条は、ポケットに手を突っ込んでチョークに触れる。
赤、青、黄、緑、そして白と黒のチョーク。
これらで描く陣を組み合わせれば、一人でも『全能の神』が召喚し易いだろうからと、フィアンマが託してくれたものだ。
上条はポケットから手を引き抜き、土御門を見据える。
どこか、覚悟の決まった表情だ。

上条「行こう。…ヤツはどこに居るんだ」

土御門「>>422に、居る筈だ」
421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/07/07(土) 15:41:14.27 ID:T25+AXdAO
ksk
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/07(土) 15:41:25.36 ID:xe6AirNr0
聖ジョージ大聖堂
423 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/07(土) 15:44:02.45 ID:xe6AirNr0
自動書記のせいでボロボロになってたよね? 聖ジョージ大聖堂
違ったかな
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/07(土) 15:50:06.61 ID:caccdjjSO
生け贄か…つまり、彼女達を「弾」にして学園都市に撃ち、フィアンマとアレイスター毎殲滅する気か…!
425 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/07(土) 15:58:35.27 ID:ioY2JORt0

土御門「聖ジョージ大聖堂に、居る筈だ」

上条「…戦争の痕って」

土御門「『禁書目録』の『自動書記』と『黄金の腕』でボロボロというか戦争の爪痕は残っていたが…だいぶ、復旧してしまった。あの女狐には調度良い根城なんだろう」

上条「…そっか」

つまり、相手は万全の状態なのだ。
対してこちらに居るのは、バックから支援してくれる他の魔術師と、土御門、上条一人。
恐らく離反していない魔術師は多いだろう。
障害は非常に多いが、立ち止まる訳にはいかない。
土御門にも、上条にも、ここで下がれない理由がある。
居場所は既にバレているのだから、と腹を据え、二人は移動魔術(上条が執り行った)を用いて、聖ジョージ大聖堂へと移動する。
十分と経たずに目的地へ到着した二人は深呼吸すると、入口へ向かった。
周囲に沢山の魔術師が居るような気もするし、そうでないような気もする。
科学的なセキュリティーは無いのか、壊れたのか、一見無防備だ。
静かに、十五歩程歩いて、進む。
と、次の瞬間、黒い修道衣を纏った魔術師が数人現れ、上条と土御門を取り囲んだ。

上条「何処に隠れてやがったんだ…」

土御門「他にも大勢居るみたいだけどにゃー」

呑気を装った土御門の声に同調するように、黒い影は背後にも現れた。
荘厳な音を立てて、扉が閉められる。

土御門「カミやんは行ってくれ。ここで魔力を消耗するのは得策じゃない。何、この程度なら土御門さんと支援人員で何とかしますぜい」

上条「でも、」

土御門「いいから」

上条「……」






上条はどうする?>>+2
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/07(土) 16:02:25.85 ID:caccdjjSO
ksk
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/07(土) 16:02:49.68 ID:d5qL3/JB0
土御門に任せる
428 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/07(土) 16:14:52.97 ID:ioY2JORt0

上条「後で余裕があったら必ず支援しに戻るからな!」

土御門「そんなお涙頂戴の死亡フラグ建設してないでさっさとラスボス倒して欲しいにゃー」

土御門の言葉に少しだけ笑って、上条は走り出す。
一刻も早くローラを殺すなり倒すなりしなければ、女子寮の面々は何かの儀式に使われてしまう。
それは絶対に避けなければならない。

上条(誰も犠牲になんかさせるかよ)

上条はようやくの思いでローラの居る場所へと辿りついた。
途中襲いかかってきた魔術師はがむしゃらに薙ぎ払ったため、あまり覚えていない。
魔力を多少使った為走った以外にも息切れはするが、上条は臆する事無くローラを見上げる。
ローラは、『最大主教』は優雅に呑気に玉座へと腰かけている。
片手には、かつてフィアンマも扱ったおぞましい霊装が握られている。
『禁書目録』の、『遠隔制御霊装』。
ローラの傍らには、魔術的に精神拘束でも喰らっているのか、ぐったりとした修道女達が重なって、ネットのようなものの中に居た。

ローラ「随分と早い到着にありけるのね。よしよし」

上条「テメェ…」

ローラ「あのアレイスターをも一日の内に一人で倒しける力。『幻想殺し』だけとは思えない」

上条「……」

ローラ「術式準備は既に済んでいる。離反した修道女達は『燃料』として有効に使いけるのが良策」

上条「ッ!」



上条はどうする?>>+2
429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/07/07(土) 16:23:46.86 ID:T25+AXdAO
ksk
430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga sage]:2012/07/07(土) 16:24:02.67 ID:bVzydWd00
中条さんによる術式破壊
破壊した直後にローラに本気の殺害予告
ゼウスさんによる天使降臨
天使降臨無理なら巨大落雷
431 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/07(土) 16:39:56.29 ID:ioY2JORt0

上条はローラから視線を外さず、ポケットからチョークを取り出す。
色は青。対応するは『神の力』。
『全能の神』の性質をその身に宿す上条は、天使を一瞬で降ろす事は不可能でがあるものの、『天使の力』を爆弾のように効果的に用いる事が出来る。
床に魔術記号を書き殴り、上条は指を、修道女達を拘束する術式へと向ける。
しかし、防護術式でも更にかけられているのか、実感としてはただヒビが入ったというだけ。
チョークを緑に帰る。対応するは『神の薬』。
流石に地面から来る衝撃には耐えきれないのか、大きなヒビが入ったような実感が得られる。
と、『何か』が上条の方へ向かって来たが、上条は前兆の予知というべき動体視力でそれを捉え、チョークを用いるとその場の床を持ち上げて防ぐ。
そしてチョークを黄色に持ち替える。対応するは『神の火』。
二歩下がり、今度は壁に記号を描いた。
轟!! と一陣の風が吹き、今度こそ防護術式は破れる。
しかし解けたのは精神を拘束して強制的に昏倒させる術式のみ。
彼女たちを身体的に縛り、そして『燃料』へ変え武器として扱う為の儀式場がどこかにあるはずだ。
上条は視線を巡らせる。ローラの後ろに、幾つかの記号が見えた。
下手に崩せば、別の魔術が発動するような構造になっている。どれにせよ、彼女達は『燃料』とやらにされてしまう。
上条は歯を食いしばり、目を伏せて息を詰める。

上条(なぁ、聞いてるか。『お前』はさぞ不満だろうけど、また助けて欲しいんだ)

一見只の自問自答。
しかし、上条が何も考えていないにも拘わらず『幻想殺し』が発動し、後ろからローラの手駒である魔術師が攻撃を放っても、一気に壊れる。

上条(俺はここで死ねない。『お前』も同じだろ? 『お前』が何なのかは知らない。だけど、あの時と同じように…あの術式を、一気に壊したいんだ)

??(…良いだろう)

代償は、上条の善良性。
この上条が語りかける『お前』こそ、上条に宿る冷酷さや冷徹、『神浄』への資格。
突如として、天井を突き抜ける形で巨大な落雷が、修道女たちを縛り付ける術式を丸ごと焦がし、『破壊』する。
修道女達は既にだいぶ体力を奪われていたのか、上条を見、何か言いかけ…気を失った。
上条はローラを見据えると、暴力的な調子で言った。

上条「テメェの手駒は減った。降参しねえなら、殺す」

ローラ「>>433

432 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/07(土) 16:52:58.43 ID:2COr54Un0
ksk
433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/07(土) 16:57:25.25 ID:NzqpcSJy0
ありえないありえないありえないありえないありえないありえない!!!
434 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/07(土) 17:00:26.34 ID:2COr54Un0
めっちゃテンパっとるwww
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/07(土) 17:00:39.53 ID:NzqpcSJy0
何故幻想殺しが全能の神の力を自在に使えるのかとゆう焦りな感じです
勝てない……みたいな
436 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/07(土) 17:23:16.23 ID:ioY2JORt0

ローラ「…ありえないありえないありえないありえないありえないありえない!!!」

苛立たし気に言葉を発して、ローラは数度指先を動かした。
そして、いやらしく口端を吊り上げる。
どこか危険な色を感じさせる笑みに上条は一歩後ずさる。

ローラ「ふ、ふふ…ぅふ、はは…あは…。…少々取り乱してしまったようね。謝りけるわ、少年。ひとまずは祝いの言葉を。修道女を無事取り返す様はまるで騎士の如きものよ」

上条「ま、さかテメェ…! それは、」

ローラ「希望の芽はしっかり積んでおかねば。イギリス清教に害為す者であれば拷問の上殺すが常の流れ」

『――警告、第四五章第二節。ギリシャ神話に感化された十字教魔術の術式を逆算する事に成功しました。これより反撃します』

上条がかつて守ると決めた、そして今は遠くシベリアのとある場所で周囲の人間と笑い合って幸せに過ごしている筈だった少女の声が、響く。

『――警告、第五章第三節。敵性排除の為、術式を構成します。一、二、三…構成が完了しました。命名、『我が子よ、何故我を脅かすのか』完全発動まで一四秒』

上条の性質と扱う魔術に付加される、『全能の神』に纏わるエピソードから組みこんだであろう術式。
『全能の神』の生誕に関する古代伝説のひとつによれば、父である『運命の神(クロノス)』はわが子に支配権を奪われる不安にかられ、生まれた子供を次々に飲み込んでしまったという。
そこから派生した術式の内容は、上条の足場を著しく崩す事。
『聖人』が槍で貫かれる事に弱いように、上条も虚空に呑み込まれるのは弱い。

上条「ふざけ、やがって!」

上条が叫んだのは、自分に向けられた術式が怖かったからではない。
またしても、インデックスがこうして利用という形で傷付けられたからだ。
彼女は何もしていない。だというのに。
上条は次々現れる奈落へ導く穴を避けて跳び、ローラに向かって突っ込もうとする。

しかし、

『――警告、第六章第四節。『全能の神』の理論を応用した術式を逆算する事に成功しました。術式を構成します。命名、『結婚神の瞳』。完全発動まで三秒』

残酷な宣言と共に、上条は全身にびっしょりと冷や汗をかき、内臓から何から監視されているかのような不快感に胃液を吐き出しながら崩れ落ちる。
そしてその場、床に大きな穴が空き―――上条は抵抗出来ないままに堕ちた。

            ユメ
ローラ「…まぁ、幸せな"幻想"を見て朽ち果てるがお似合いよ。」

そうローラが呟くと、穴は閉じた。
その先は、上条の思い描く『幸福の絶頂』―――『楽園』。
閉じ込められれば、その幸福感に誰も逃げ出す事は出来ない。
夢想の多大なる祝福と幸福よりも現実を選べれば、現実を思いだせれば、逃げ出せるかもしれないが。
上条当麻という不幸であった人間がそこまで現実に執着しているとも思えない、とローラは予測する。







上条の思う『幸福の絶頂』『楽園』のような世界(アバウト可)>>+2
437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/07(土) 17:26:47.96 ID:OkBM8yGn0
上条とフィアンマと二人の子供がいる世界
438 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/07(土) 17:30:16.86 ID:2COr54Un0
またしても空虚
理由はちゃんとある設定で
439 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/07(土) 17:32:25.19 ID:2COr54Un0
「上条当麻」にとっての幸福の定義不足
440 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/07(土) 17:32:25.82 ID:Ng9Bax1K0

偽りの幸せより、上条さんは今の現実の方が幸せなんだろうなぁ
441 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/07(土) 17:36:41.40 ID:2COr54Un0
幻想殺しだもんな幻想に囚われてちゃ世話がない
442 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/07(土) 17:45:38.85 ID:ioY2JORt0

まともに床に腹を打ち、殴られたかのような衝撃にぺっぺっ、と胃液を吐き出した後、上条は白い床に座った。
吐いた筈の胃液は見当たらない。スポンジが水を吸収するように、上条が不快になるものは須らくこの空間から消え失せるからだ。

上条「…また真っ白な空間かよ。絶望の世界か?」

そう八つ当たり気味にぼやき、上条は立ち上がる。
服についた埃やら何やらを手で払おうと考えたのだが、そもそも清潔だった。

上条「?」

どのような世界か分からず首を傾げる上条。
しかし、こんな事をしている場合ではないと気付く。
此処がどのような空間かは分からないものの、一刻も早く出て、学園都市侵攻を食い止めなければ。

上条「…あれ、何で学園都市侵攻を食い止めないといけないんだ…?」

上条を不安にさせるような記憶や情報は、この空間に長く居れば居る程、消去されていく。
どうにか気力で記憶を保ち思いだし、深呼吸しながら上条は辺りを見回した。
何も無い。誰も居ない。
ひとまず、ゆっくり歩いてみる。

上条「絶望の世界にしちゃ、何か…」

以前閉じ込められたのは、『地獄』。
一刻も早くフィアンマを助けようと急ぎ、以前は天使の助言を聞きつつ頑張った。
似たような空間だが、先程から何も不満が浮かばないどころか、どことなく気分が良い辺り…と、上条は考慮して気付く。
今回閉じ込められたのは、『楽園』。
代償は現実世界の記憶らしい、とも気付いた。

上条「マズいな…」

どうすれば出られるのか、一切見当がつかない。
どうしよう、と上条はふと歩くのをやめて振り向いた。

エイワス「やぁ」

上条「やぁ、じゃねえよ!」

エイワス「思想に潜り込むというのは存外簡単なものだ。好きに形を保てるから、むしろ便利だというところか」

上条「…助かったようなそうでもないような…」

穏やかな天使が居た。ちなみに、何故かいつもの白い服のようなオーラではなく、安そうな半袖Tシャツとジーンズを身にまとっていた。
上条はがっくりと項垂れながら、エイワスを見る。

上条「…どうやったら出られるんだ?」

エイワスは、この空間の影響を受けない。
故に、上条に対していつも耳障りの良い言葉や答えは寄越さない。

エイワス「>>444
443 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/07(土) 17:58:58.47 ID:ERV9/1sj0
前回と同じさ、この世界を否定すれば良い
現実の世界を求めろ
444 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/07(土) 18:13:40.84 ID:ro2DPgVV0
>>443

445 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/07(土) 18:25:49.77 ID:ioY2JORt0

エイワス「前回と同じさ、この世界を否定すれば良い。現実の世界を求めろ」

上条「充分求めてるんだけどな…」

やはり何もせずに平常心が大切か、と思いつつ、上条はエイワスの隣に座る。
床はまるで上条がそこに座る為に作られたかのようにふわふわとやわらかだ。
走ったり魔力を使った筈なのに、不思議と疲れや喉の渇き、空腹感は感じられない。
しばらく何も考えないようにしていた上条だが、深層心理を反映したのか、エイワスとは違う反対側、上条の隣に、フィアンマが現れた。
あくまでこのフィアンマは上条が思い描いてしまったモノであり、本人とは何ら関係無い。

上条「…、…フィ、アンマ」

フィアンマ「ん?」

上条「っ…」

フィアンマではないと、上条も頭の中では、意識の部分では理解している。
だが、目の前に居るのは、どこからどう見ても、上条の記憶通りのフィアンマだ。
フィアンマは少し困った顔をして、上条を見つめる。

フィアンマ「…何だ。顔色が悪いが、どうかしたのか?」

上条「……、…ッ」

フィアンマ「疲れているのだろう。少し休んだらどうだ」

そう優しく提案するのは、上条の耳に聞きなれたフィアンマの声。
現実で上条を待つフィアンマの記憶を上条の中から消し去るかのように、夢想上のフィアンマは心配そうに上条の頬へ触れた。







上条はどうする?>>+2
446 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/07(土) 18:35:21.95 ID:ZnPFBCx+0
ksk
447 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/07(土) 18:36:41.14 ID:h/LlzuwL0
フィアンマの手を振り払う
448 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/07(土) 18:51:09.06 ID:ioY2JORt0

上条「…触んな」

べち、という音と共に、自らの迷いと共に、上条はフィアンマの手を叩いて振り払った。
フィアンマは手を引くと、叩かれた手を義手で握り、ショックを受けたように俯いた。
上条の心はズキズキと痛むが、あくまでこのフィアンマは、現実で上条を待つ彼女ではない。

上条「…俺は帰らなきゃならないんだ。休んでる暇も、ましてお前に惑わされてる暇もない」

フィアンマ「…俺様の事が、嫌いになったのか」

天使はどこか楽しそうな表情で、少し離れた位置から上条と、夢想のフィアンマの様子を眺めている。
調度、恋愛ドラマを楽しむ人間のような、そんな長閑な調子。
姿はフィアンマの形をとっている為、上条は唇を噛み、視線を彷徨わせる。
たとえ幻の類だと分かっていても、フィアンマを傷付ける事は、上条を傷付ける事にも繋がる。

フィアンマ「…何で、そんなに拒絶するんだ」

上条「……」

フィアンマ「俺様はただ、お前を心配しただけだというのに。それすら疎ましいと感じる程、俺様の事を嫌いになったのか?」

俯いたまま、泣きそうな声でフィアンマは言う。
上条はしばし深呼吸を繰り返すと、こう言った。

上条「…>>450
449 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/07(土) 18:53:57.95 ID:h/LlzuwL0
ksk
450 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/07(土) 18:55:41.49 ID:caccdjjSO
偽者を愛せるわけないだろ
451 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/07(土) 19:15:51.37 ID:ioY2JORt0

上条「…偽物を愛せるわけないだろ」

ズキズキとした痛みを堪え、上条は目を閉じながらほとんど叫ぶような、しかし実際に出たのはか細い声でそう言う。
数分して目を開けると、そこにフィアンマは居なかった。
上条が自分の中で偽物を否定しきったからこそ、幻想は殺された。

上条「……俺は帰らないといけないんだ。何しろやる事はまだまだ沢山残ってるんだからな」

呟き、伸びをすると上条は再びぼんやりとする。
何も考えない。こんな空間に求めなければならないものは何も無い。
そもそも、上条当麻に確固たる幸福の定義等存在しない。
上条は不安定だ。過去には周囲の人々に、現在はフィアンマの表情一つに意思や幸せを左右される。
だからこそ、この空間は空虚で、空白で、何も存在しない。

上条(早く出たいな…)

上条は幻想など求めない。
必要無いからだ。
現実が幸福ならば、何も望むものなんて、無い。





体感時間にして二時間、現実時間で一時間程経過して、上条は穴から這い出した。
今度こそ冷や汗をかきながら、ローラは上条を見下ろす。
修道女達はちゃんと意識を取り戻し、ローラに刃を向けている。
上条が来た事で安堵したのか、修道女数人は微笑みすら浮かべていた。

上条「すげぇ焦ってるな。元気だったかよ、『最大主教』」

ローラ「……」

上条は修道女達や神裂に迫る武器を須らく視線の『幻想殺し』で壊してしまいながら、ローラを見つめる。
その瞳には明確な殺意が宿っていた。
そして、室内を回るように走り出す。手の中にあるチョークで、魔術記号を壁に散らしていきながら。
『禁書目録』の『遠隔制御霊装』には、上条の『幻想殺し』によってヒビが入った。
どうやらそのせいで作動に問題が出ているのか、ローラは少し焦った様子で立ち上がる。

上条「言ったよな。殺すって。覚悟はいいか?」

ローラ「>>453
452 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/07/07(土) 19:23:34.98 ID:T25+AXdAO
ksk
453 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/07(土) 19:23:39.24 ID:d5qL3/JB0
神よ、何故私を見捨てたのですか!!
454 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/07(土) 19:23:40.72 ID:xJCfsZY30
……ペッ!(唾を吐きかける)
455 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/07(土) 19:30:59.83 ID:caccdjjSO
クッソォォ!!ローラの台詞安価間に合わんかったァァァ!!!
456 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/07(土) 19:35:00.00 ID:ioY2JORt0

ローラ「神よ、何故私を見捨てたのですか!!」

上条は一瞬ローラがそう叫んだだけだと思った。
だが、少し遅れて、上条を狙い、赤い光線が飛んでくる。
『神よ、何故私を見捨てたのですか』。
作動に問題は出ているようだが、少し遅れてであれば、術式は発動出来るらしい。
警告の声はノイズ混じりで、よく聞こえない。
インデックスの安否が気になる上条だが、今は壁や床に魔術記号を散らしつつ光線を避けるか、『幻想殺し』で消す事しか出来ない。
『結婚神の瞳』を使われているのか、上条の全身を寒気と吐き気が襲う。
耐えながら陣を綴り、ぐらぐらと揺れる頭で、上条は呟いて薄く笑う。

上条「俺の『結婚神』はフィアンマだけだ、」

陣をどうにか描ききり、傷ついた壁の破片で指を傷付けた血を一部の魔術記号に馴染ませて対応させ、上条は『全能の神』を召喚する。
息を呑み下がる修道女達や上条を守るように、神浄に使役されし神は一歩前に出る。
ローラは『禁書目録』の遠隔制御霊装を強く握り締め、眉を寄せる。






ローラはどうする?(orどうなる?)>>+2
457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/07/07(土) 19:38:30.77 ID:T25+AXdAO
ksk
458 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/07(土) 19:38:32.49 ID:uMv6LW+X0
ゼウスに全力の神の雷を落とされて苦しみながら焼死
459 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/07(土) 19:38:39.50 ID:caccdjjSO
ぷぷ、芝居はここまででいいかしら?いやー、実に面白かったわ。もう少し審美眼を磨いた方がいい。幻想殺し。右方のフィアンマが偽者と本物とリンクしてる事くらい気付いて欲しかった(笑)

もう1つ面白い事教えてあげる。「本物の私」は今学園都市、窓の無いビルの中にいるの。本物の右方のフィアンマの首と一緒にね……。今までの私はアウレオルスダミーみたいなものよwwwwww
(口調変換頼む無理。)
460 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/07(土) 19:39:12.50 ID:caccdjjSO
東海てめええwwwwwwwwwwww
461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/07(土) 19:40:22.72 ID:uMv6LW+X0
東海のタイミングクソワロタ
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/07(土) 19:46:13.54 ID:caccdjjSO
いやよく考えたら長屋かよォォ!!!!
463 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/07(土) 19:54:27.14 ID:ioY2JORt0

神浄「…さて、覚悟は良いな? どのみち、していなくとも神罰は下されるものだけどさ」

冷酷な微笑みを浮かべ、上条はローラの動揺する様を眺める。

神浄「せめてフィアンマを俺に傷付けさせるような幻想さえ作らなければ、楽に殺してあげたかもしんねぇんだけど…まぁ、諦めろよ」

『全能の神』は微笑み一つ見せる事無く、杖のような何かを、一度振った。
ただ、それだけで。神罰の力が、神浄の怒りを買った愚か者へと降り注ぐ。
その形は雷。それも、罪人を苦しめるための、中々死ぬ事の出来ない、雷。
『禁書目録』の遠隔制御霊装で一時的に防御術式のようなものを張ったローラではあったが、その程度で曲がりなりにも本物の神の力を防ぐ事等出来ない。
雷の中、苦しみ悶え憎悪を籠めたローラの瞳が、上条を睨む。
対して、上条は楽しそうに笑った。声を出して笑った。
善性を喪ったからか、は、誰にも分からない。
周囲の味方であった修道女が怯えてしまう程に残酷で冷たい笑い声。

神浄「……一瞬で殺して欲しいなら、先に言えよ」

再度、雷が落ちる。
身体中が痺れ燃やされる痛みに悶えながら、『最大主教』は玉座のある場所から床へと下がる。
身動き一つしない真っ黒焦げの死体に近寄った上条は、消失する『全能の神』を横目で見やった後、死体を見下ろす。
尊厳を踏みにじってやろうか、と思う位に、憎いと感じた。

上条「お前の、せいで」

『あの空間』の中で、フィアンマは泣きそうな声を出した。
偽りで幻だと分かっていても、それでも、この人間の策略のせいで、上条はフィアンマを傷付けてしまった。
それすなわち、ローラがフィアンマを傷付けた事と同じ。
沸々と腹の底から湧き上がるどす黒い悪意と苛立ちに歯ぎしりし、上条は死体を更に損壊させようと手を振り上げる。
調度、土御門は広間へやってきた。
そして、狂気に囚われている上条の様子に気が付く。
げほ、と吐血しながら、止めてくれと言わんばかりの視線を神裂に送る。
神裂ははっとしながら、上条を見つめた。止めなければならない。
今の彼は、どこかおかしくなってしまっている。







神裂はどうする?(発言可)>>+2
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/07(土) 20:00:42.47 ID:caccdjjSO
上条当麻、それ以上やっても無駄ですよ………そいつは彼女のダミーです



もう外したらいっそ笑うwwwwww
465 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/07(土) 20:00:45.06 ID:d5qL3/JB0
当麻に飛び蹴り
466 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/07(土) 20:01:07.91 ID:BNOJ9awK0
落ち着いてください!上条当麻!
もう終わったんです!もう……終わったんですよ(神の慈愛抱きしめ)
467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/07(土) 20:01:15.75 ID:V/xKmgCG0
唯閃で止める
468 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/07(土) 20:01:38.19 ID:BNOJ9awK0
>>464
>>464
>>464
469 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/07(土) 20:02:24.61 ID:caccdjjSO
さあ、笑えよォォォォ!!!愉悦timeだクソっタレwwwwwwwwwwww
470 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/07(土) 21:13:44.46 ID:O/9Ce+m/0

神裂は考えた後、突っ込む勢いで、聖人の力で、上条に突っ込んだかと思うと―――飛び蹴りを喰らわせた。
当然の事ながら、上条は特殊体質を持っていても、どれだけ強大な魔術師であろうと、普通の人間である。
防御力は別段無いのだ。つまり、そんな普通の人間が、聖人の割と本気の飛び蹴りを喰らうと、正気に戻るのを通り越して吹っ飛び、骨折する訳で。
そんな常識に則り、神裂の飛び蹴りを見事に喰らった上条は吹っ飛び、壁を突き抜けて隣の隣の部屋の壁に強く身体を叩きつけて気を失った。

上条(フィアン、マ…俺、頑張ったよ…)

気を失う直前に頭を過ったのは、自分をいつまでも待つと言った恋人の事。
気を失う直前に耳に届いたのは、『ど、っどうしましょう土御門! わ、わたっ、私、あの人はてっきり人智を超えた耐久力があるとばかりっ』『いいからテンパってないでカミやんを病院に担ぎ込むにゃー!』、という会話だった。





目を覚ますと、病院だった。
上条は見慣れた無機質な白の天井を見上げ、次いで、隣にあった日付まで書いてあるデジタル時計を見た。
表示されているのは、丁度クリスマスの一週間前の日付と、PM4:36の文字。
傍らにフィアンマは居ない。というよりも、ここは学園都市どころか日本では無い。
イギリスの病院の、とある個室だ。

上条「…うあー」

上条(良かった、まだクリスマス過ぎて無い)

微妙な呻き声を聞いて反応したかのように、コンコン、と病室の扉がノックされた。

上条「…どうぞー」

やる気無く、だるそうに上条は入室許可の返事を口にする。
ガラガラ、と病室の扉が開いた。






入ってきたのは誰?(禁書キャラ名)>>+2

471 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/07/07(土) 21:22:46.75 ID:T25+AXdAO
ksk
472 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/07(土) 21:22:50.46 ID:UZG7T9cn0
今回のローラ騒ぎの件で上条の味方だった皆さん
473 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/07(土) 21:36:44.49 ID:O/9Ce+m/0

入ってきたのは、結構な大人数だった。
アニェーゼ部隊に、神裂、土御門。扉から入るかどうか迷って覗いているのはバックで支援してくれていた魔術師なのだろう。

土御門「カミやん、目が覚めたみたいで何よりだぜい」

上条「骨折れてるのか? 俺」

神裂「いえ、内臓にダメージとの事で…申し訳ありません。私がもっと気を払って止めていれば…」

上条「あー、いいっていいって。多分内臓のダメージは神裂に飛び蹴り位前からだろうしさ。むしろ、止めてくれてありがとな」

アンジェレネ「あの、助けていただいて、ありがとうございましたっ」

アニェーゼ「恐ろしい位の働きっぷりでしたね。呼んできたのはいいもののさくっと殺されちまうかと思っていたんですが」

ルチア「シスター・アニェーゼ。ここは素直に感謝の意思を表しましょう。…お疲れ様でした。ご助力感謝します」

上条「俺も自分の都合で来て、戦っただけだしな。そんなにお礼言われるような事してねぇよ」

シスター「ですが助かりました」

シスター2「ありがとうございます」

ぺこぺこと頭を下げるシスターや神裂を手で制し、苦笑しながら上条は言葉を逐一返す。
身体が妙にだるいのは、内臓のダメージかと把握した。
本来であれば土御門にフィアンマに何か連絡してくれたかどうか聞きたいところではあったが、シスター達の前でフィアンマの名前は出さない方が良いだろうという判断に至り、上条は現状を尋ねる事にした。
新しい『最大主教』はこれから選挙形式で決める事。政治的非難はどうにか交わしきった事。
上条には皆感謝しているという事。
色々と現状報告があった後、上条は何か欲しい物は無いかと聞かれた。
なので、ロザリオを作る為のナイフと小刀を所望した。
面々は少々訝しんだものの霊装を作りたいからだと言えば納得したらしく、シスターの一人がわざわざ女子寮に行って戻り、渡してくれた。
他に上条について質問された為、色々と伏せつつ簡単に説明した。
魔術師になった事を聞いた時、アニェーゼ部隊の面々は驚いていた。
イギリス清教に属さないかと言われたものの丁重に断り、しばらく会話を済ませた後、土御門以外の人間は出て行った。
上条はゴミ箱を手元の下に設置し、早速石からお祈りの為のロザリオを作り、途中血を馴染ませながら土御門と話す。

上条「っ痛…と。…、…なぁ、土御門」

土御門「うん?」

上条「フィアンマに連絡は…」

土御門「携帯とか持ってないのか?」

上条「あっちが持ってない。…しくじった…俺、いつまで入院なんだ?」

土御門「>>475
474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/07(土) 21:37:50.23 ID:caccdjjSO
26年
475 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/07(土) 21:38:11.61 ID:UZG7T9cn0
1ヶ月
476 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/07(土) 21:47:30.41 ID:O/9Ce+m/0

土御門「一か月ですぜい。ちなみに入院してカミやんは一週間と少し起きなかったから…差し引き、後20日間ですにゃー」

上条「…20日間?」

土御門「そうですたい」

上条「…不幸だ」

がくり、と項垂れながら少し涙目でロザリオを彫る上条の姿は少々シュールだ。
せっかく一週間前に目が覚めたというのに、クリスマスまでに学園都市に帰る事は出来ない。
せめて完璧なロザリオをプレゼントしよう、とやや血生臭い手元にため息をつきながらも上条は丁寧且つ懸命に作業を続ける。

土御門「巻き込んだお詫びといっては何だが、入院代はイギリス清教持ちですぜい?」

上条「俺が不幸だって言ったのはそっちじゃない…」

発生した削り滓をゴミ箱に捨て、上条はため息をつく。
取り留めの無い会話をしながら彫っていく内、ロザリオはそれなりの形へなっていく。
ちなみに血を染み込ませたロザリオというのは『神の子』の処刑に関わっており、首に掛けた者に『殉教者』の性質を付加する。
平たく言えば、魔力循環をより高めてくれるというべきか。

土御門「それ、カミやんは自分の為に使ってるのかにゃー?」

上条「いや、フィアンマにクリスマスプレゼント。…土御門、お願いがあるんだけどさ」

土御門「?」

上条「クリスマス前にどうにか退院出来ないもんか? こう、自宅療養します、みたいな」

土御門「>>478
477 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/07(土) 21:48:16.14 ID:caccdjjSO
ksk
478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/07(土) 21:50:14.53 ID:UZG7T9cn0
俺と舞夏の監視付きなら
479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/07(土) 22:02:12.65 ID:UZG7T9cn0
佐天さんとの旅行いける気がする

春休みって言ってたし
480 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/07(土) 22:18:57.41 ID:O/9Ce+m/0

土御門「俺と舞夏の監視付きならいいぜい? あ、別に一緒の部屋って訳じゃなくちょいとカメラ仕掛けさせてもらえればそれで良いですたい」

上条「何でだよ!?」

土御門「親友が聖夜を性夜にしないか心配ですからにゃー」

上条「ちくしょう、…別にいいけどさ」

土御門「ま、クリスマスだけだから安心してくれにゃー。とはいっても後三日は入院してもらうぜい?」

上条「安静に、だろ。もう聞き飽きたよ」

土御門「チケットは手配しておくぜい。…あ、今回の功績の褒章として現金も幾らか振りこんでおいたから何かの足しにしてくれ」

上条「! ありがとう土御門!!」

土御門「何か急にがめつくなったなカミやん…」

上条が大いに喜んだのは婚約指輪購入資金の足しに出来る、と考えたからだったりする。
やはり傭兵が向いているかもしれない、などとぼんやり思いながら、上条は作業を終える。
上条の血液が染み込んだ、血の匂いがする、銀色のロザリオ。

上条「明日、チェーンか紐と小さい箱、白いヤツ…後、出来ればリボン買ってきてもらっていいか? あ、リボンは赤色な」

土御門「思いっきりラッピング用ですたい。分かった、明日買ってくる」

上条「悪いな」

手の汚れを洗い、綺麗にするとロザリオを枕元に置いて上条はゆっくりと息を吐き出す。
この分であれば、フィアンマの誕生日兼クリスマスのお祝いと、佐天の旅行にも着いて行けそうだ。





クリスマス二日前の、12月23日。
世の中ではクリスマスイブイブ、などとも呼ばれるこの日の昼、上条は学園都市に帰ってきた。
そんな訳で、上条は自宅前に居るのだが。

上条(何て言えばいいんだ…『ただいま』? 結構遅くなったし、怒ってるかな…泣かれたらどうしよう…)

インターフォンを鳴らすか鳴らすまいか、という悩みで立ち尽くしていた。
手には紙袋があり、中にはロザリオの入った小さい箱が入っている。
どのみち入らねば帰れないのだが、上条は何となく気乗りしない。
フィアンマには会いたいのだが、顔を合わせて泣かれたらちょっと自分も泣いてしまいそうなのだ。
そうこう悩んでも仕方の無い事で上条がドアを見つめていると、念でも送られていたのか、ガチャ、とドアが開いた。
出てきたのは、いつもの赤いスーツに一枚コートを羽織ったフィアンマで。

フィアンマ「……」

フィアンマは上条の姿を捉え、ドアを開けた格好のまま固まった。
思考が追いつかないらしい、戸惑いの様子が見える。

上条「あ…>>482
481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/07(土) 22:20:38.74 ID:UZG7T9cn0
ksk
482 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/07/07(土) 22:21:56.34 ID:T25+AXdAO
勝ったよ
483 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/07(土) 22:37:55.90 ID:O/9Ce+m/0

上条「あ…勝ったよ」

フィアンマ「…」

上条「…その、…何というか…ただいま」

フィアンマ「…約364時間待ったぞ」

上条「…うん。…ただいま、フィアンマ」

フィアンマ「…お帰り。お帰り、当麻」

ドアを開けたまま上条を部屋の中に招き入れ、フィアンマは静かにドアを閉じ、鍵を閉める。
そして上条をベッドに座らせ、自分は上着を脱いで片付けた。
上条は約束のカメラを天井に仕掛け、紙袋をテーブルの上に置いた。
上着を片付けたフィアンマは少し悩んだ後、上条に近寄り、抱きついてそのまま押し倒した。
ぼふり、と音を立ててベッドに沈み、二人分の体重にかなり沈むベッドへ身を預けながら、上条はフィアンマの髪を撫でた。

フィアンマ「…意外と早かったな」

上条「そんな事思ってないだろ」

フィアンマ「…遅かった」

上条「…寂しかったのか?」

フィアンマ「……寂しかったに、決まっているだろう。俺様が、どれだけお前を好きだと思っているんだ」

上条「分かってるよ。夢に出た位だしな。…会いたかった」

夢?と首を傾げるフィアンマの頭を撫で、強く抱きしめつつ、上条はゆっくりと息を吐いた。

上条「…どうにか、クリスマスには滑り込みセーフだな」

フィアンマ「無理をして帰ってきたのか」

上条「約束したからな」

フィアンマ「馬鹿なヤツだ」

上条「酷いなオイ」

フィアンマ「…愛おしい程に愚直なヤツだ」

上条「…約束は守ったし、ちゃんと勝った。…ところでフィアンマ、携帯契約しようと思うんだけど」

フィアンマ「携帯電話か」

上条「通信用術式じゃなくても連絡取れるだろ」

フィアンマ「…まぁ、構わんが」

どっと疲れが出たのか、だるくなりながらフィアンマを手で、指先で甘やかし、数回軽く口付けをすると上条は笑みを浮かべた。

上条「あー、我が家だー」

フィアンマ「何だ、唐突に」

上条「いや、ずっと病院だったからさ。おまけに最近までフィアンマが居なかったし、落ち着かないし安らがなくて」

フィアンマ「…そうか。…落ち着いたか」

上条「ん、落ち着いた…幸せだ」







上条はどうする?>>+2
484 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/07(土) 22:40:34.28 ID:UZG7T9cn0
ksk
485 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/07(土) 22:44:30.08 ID:caccdjjSO
疲れと安心でうとうと
486 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/08(日) 01:00:18.93 ID:uqiPccGAO

押し寄せる疲れと、未だ不調の内臓と、フィアンマに触れ話した安心感とでうとうととし始めながら、上条はちゃんとベッドに横たわる。
そして思い出したように言った。

上条「あ…テーブルの上のそれ、…クリスマスプレゼント、なんだ…早めに受け取ってくれていい、からな…明日は携帯買いに行く、し…」

うつらうつらとしながら、上条は言う。
フィアンマはこくりと頷くと、上条の額を触った。
疲労熱は無いようだと判断し、ちらりとテーブルを見やった後、フィアンマは上条から離れ、毛布を上条の体にかける。

フィアンマ「…疲れたのだろう。休め」

上条「ん…」

フィアンマ「…お前は、クリスマスプレゼントに何か欲しい物は無いのか。出来る範囲で、何でも用意してやる。何かして欲しい行為でも構わん」

上条「ん…>>488
487 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/08(日) 01:01:10.03 ID:31KWqFN50
ksk
488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/08(日) 01:05:05.04 ID:LJd5LUoSO
フィアンマとの平和な100年かな……物ならお揃いの何かかな………グー
489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/08(日) 01:09:15.79 ID:31KWqFN50
そこは平和な一生だろjk
490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/08(日) 01:15:56.19 ID:LJd5LUoSO
取り敢えず、だから。
491 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/08(日) 01:20:42.55 ID:uqiPccGAO

上条「ん…フィアンマとの平和な100年、かな……物ならお揃いの何か…かな………ぐぅ」

フィアンマ「…前者は難しいな」

フィアンマはくすりと笑って、上条の頬に口付けた。
上条はぐっすりと心地良さそうに寝入っている。

フィアンマ「…揃いの物、か」

呟き、フィアンマはまずテーブルの上の紙袋に手を伸ばした。
掴み、あまり音を立てないよう気をつけながら、中の小箱を取り出す。
小さな白い箱には赤いリボンが掛かっており、中央でリボン結びにされていた。
フィアンマはしばらく迷った後そっとリボンを解き、中身のロザリオを取り出す。
首に掛ける部分は純銀、十字架は上条の努力の証の如く顔を近付ければ血の臭いが漂い、魔術的意味合いが付加されている。

フィアンマ「……ありがとう、当麻。大切に、する」

そう自然と礼の言葉を漏らしながらロザリオを首に掛け、十字架は胸元内側にしまうと、フィアンマは小箱とリボンをとある『空間』に魔術を使ってしまい込む。
金銭や服等をしまっている『空間』へ。
そしてメモ帳で書き置きを残すと再び上着を羽織り、家から出て行った。
言うまでもなく、上条が望んだように、お揃いの物を買う為に。

フィアンマ「…」

出てきたのは良いものの、フィアンマはプレゼントに疎い。
否、実際には女性へのプレゼントには手慣れているのだ。
少女にはぬいぐるみを、女性には貴金属類を。
ただ、男性にプレゼントした経験はほとんど無い。
加えて、揃いの物、と要求されれば、一層悩む。




プレゼントは何にする?(お揃いの)>>+2
492 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/08(日) 01:21:42.84 ID:LJd5LUoSO
ksk
493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/08(日) 01:22:18.75 ID:31KWqFN50
マグカップ
494 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/08(日) 01:31:27.55 ID:uqiPccGAO

フィアンマ(定住するつもりは無いが、食器類であれば、まぁ、無難だろう。…それに加えて、マグカップは銅の関連性から、安定を意味する。迷信の域だが、オカルトとはそんなものだ)

そう結論付けて、フィアンマは近くのショッピングモールへ向かった。
到着し、うろつく内に絡まる女性の視線を振り切るように小物店へ入ると、沢山の食器を眺めながら悩む。
マグカップといっても種類がある。
柄の違い、形や機能性、色合い、触った時の質感。
見本品に触れ、フィアンマはふと、上条が好きな色を知らない事に気付く。
かといって落ち込むでもなく、長い睫毛を伏せる様にして、前向きに悩んだ。
恐らくどんな物を買っても上条は嬉しそうな顔をしてくれるのだろうが、どうせならば良いモノを選びたい。





送るマグカップの柄(色のみでも可)>>+2
495 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/08(日) 01:32:38.51 ID:31KWqFN50
ksk
496 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/08(日) 01:35:07.53 ID:LJd5LUoSO
色違いで上条さん黒、フィアンマ赤。(外側)内側は白で、お互いのカップくっつけると文章が完成する
497 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/07/08(日) 01:35:12.52 ID:uqiPccGAO
>>494
×送る
○贈る

安価下です
498 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/08(日) 01:35:52.19 ID:31KWqFN50
>>496

素晴らしいな
499 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/08(日) 01:37:45.28 ID:LJd5LUoSO
やべ、色合い合わないか…?>>1的にこっちの方がいいんじゃね?っていう色があったらそっちで頼む
500 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/08(日) 01:48:34.91 ID:uqiPccGAO

悩むフィアンマの目に留まったのは、ペアで購入する事を前提とした、色違いのマグカップのペアセット。
二つのマグカップをくっつけると、一文が完成するらしい。
国際的に有名な学園都市だからか、或いは洒落っ気からか、完成する文章は英語だけではなく、フランス語、ロシア語、イタリア語等もある。
当然というべきか、吸い寄せられるように、ぴったりとくっついてイタリア語の文章を一文表しているマグカップを見つめた。
片方は黒、もう片方は赤。
内側は白で、ある一定の角度でマグカップをぴったりくっつけると、その文字が見えてくる。
同じパターンは三つあり、フィアンマは再びしばらく悩んだ。




マグカップに書かれている文章


1.Amore eterno(永遠の愛)

2.Stabile la felicita(安定した幸福)

3.Tu sei il mio mondo(貴方は私の世界)



判定>>+2
501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/08(日) 01:51:13.95 ID:LJd5LUoSO
1と3も定番ですばらしい。だが使い古されてる気がしなくもないので2がいいな、と思いました。
502 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/08(日) 02:06:41.16 ID:LJd5LUoSO
あー、でも迷うな…1は1で、3は3で二人表してるし…やっぱ3で。
503 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/08(日) 14:36:58.99 ID:ED4HmDom0

フィアンマはしばし悩んだ後、マグカップ2つ、一セット入った白い箱を手に取った。
綴られている一文は『Tu sei il mio mondo』。
日本語にして、『貴方は私の世界』。
フィアンマにとっての上条を表すに、また上条にとってのフィアンマを表すに相応しい言葉だ。

フィアンマ(…喜ぶ、だろうか)

使い古された言葉だ、とフィアンマは思う。
しかし、自分から婚約指輪の話を切り出す男の事だ、ロマンチストに違いないとも思う。
フィアンマは僅かに口元を弛ませ、箱をレジへ持っていくと会計する。
ついでにラッピングも頼んだ。マグカップと同じ色合い。
黒い包み紙に、赤いリボン。
黒(上条)を包み込むような赤(フィアンマ)。

フィアンマ(…感化されたか)

今はまだ眠っているであろう恋人を思い浮かべ、そんな事を心中ぽつり呟きながら、ラッピングを終えた箱の入った小さい紙袋を受け取って、フィアンマはのんびりと帰路へ着く。
胸元で少し主張するロザリオを布越しに指先でそっと撫で、フィアンマは幸福そうに目を細めた。
今までの彼女を知る人間であれば気味悪がりそうな程の、自分の為に浮かべた穏やかな薄い笑み。
『幸運』はあれど、『幸福』をあまり享受出来なかったフィアンマにとって、上条と過ごすこの日々はいたく大切なものだ。
一日一日、一分一秒がフィアンマの干ばつした心に優しい潤いを与える。
上条の作り替えられた身体が何年生きるのか分からないものの、出来る事ならば共に死にたい、とフィアンマは思う。
そこが普通の室内でも、戦場でも構わない。今度こそ、愛する人間に取り残されたくはない。

フィアンマ(…神よ)

ロザリオを服越しに握り、珍しく祈りを捧げると、フィアンマは帰宅した。

フィアンマ「ただいま」






上条の状態(眠っている等アバウト可)>>+2
504 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/08(日) 14:39:50.16 ID:FG60TMDQ0
ksk
505 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/08(日) 14:44:46.02 ID:LJd5LUoSO
オリアナに乗っかられてた(笑)
506 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/08(日) 14:53:04.99 ID:ED4HmDom0

上条はというと、豊かな金髪でスタイル抜群な女性と取っ組み合いをしていた。
横になった上条の上に女性が乗っかっており、姉弟がじゃれあうように手を握り合い、上条は懸命に抵抗している。

オリアナ「あら、帰ってきちゃったみたいね」

上条「だぁあもう! いいから! 離れろ! 後フィアンマお帰り!」

フィアンマ「ただいま。当麻の上から退くか消し炭にされるかひき肉にされるか、好きなものを選べ」

オリアナ「ふふ、そんなに怒られるとお姉さん怖いわ。心配しなくても退くわよ。お姉さんが付け入る隙もない位この子ってば彼女出来合いなんだもの。ねぇ? 右方のフィアンマさん」

言いつつ女性―――オリアナ=トムソンは上条の上から退き、ふぅと一息つく。
上条は疲れたのかぐったりしつつもどうにか起き上がり、フィアンマを見る。

フィアンマ「…で、何の騒ぎだ。遊んでいたというのは分かるが」

上条「一応上条さん被害に遭ってたんだからな? えっとオリアナ、何か頼みごとがあるんじゃなかったっけ?」

オリアナ「あぁ、そうだった。お姉さんうっかりしちゃったみたいね」

オリアナはフィアンマによって、ひいては第三次世界大戦においてあまりうしなったモノがないのか、敵意を向ける様子は無い。
上条に言われて思いだしたように頷くと、二人を見ながら言った。

オリアナ「二人に頼みがあるの。というより、どっちかに頼んだらもう片方も手伝いそうといえばいいのかしら」

上条「すげぇ困ってるなら助けるけど、なるべく力仕事以外だと助かる」

フィアンマは紙袋を一時上条の枕元に置き、ベッドの空きスペースに腰かけて脚を組むとオリアナを見遣った。

フィアンマ「頼みとは何だ。話せ」

オリアナ「>>508
507 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/07/08(日) 14:53:53.21 ID:uqiPccGAO
>>506
×出来合い
○溺愛
508 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/08(日) 14:59:30.33 ID:LJd5LUoSO
この子と一発だけ…

ウソウソごめんなさいいや本当にスミマセンでした。

ある所にある霊装を壊して欲しいのよ
509 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/08(日) 15:12:03.76 ID:ED4HmDom0

オリアナ「この子と一発だけ…」

冗談を言いかけ、フィアンマのにこやかな威圧感に緊張を感じたオリアナは慌てて言い直す。

オリアナ「ウソウソごめんなさい、いや本当にスミマセンでした。…ある所にある霊装を壊して欲しいのよ。坊やの能力でも、貴方の力でも、どちらでも構わない。報酬といっては何だけど、幾らかのお金を差し上げるわ」

フィアンマ「霊装?」

上条「何か危険なのか?」

オリアナ「それ自体は危険なものでもないんだけど、とある魔術結社に利用されると非常に危険、といったところかしら」

上条「早急に破壊した方が良いのか?」

オリアナ「出来れば、だけど。でも、坊やはまだ本調子じゃないように見えるし、断ってくれても構わないわよ?」

ふざけや冗談は無く、真面目そのものといった表情でオリアナは言う。
上条は腕を伸ばし、フィアンマの左手を握りつつ悩んだ後、頷いた。
実は報酬金に期待しているという部分もある。全ては貯金の為である。

上条「分かった、引き受ける。ただ、もう少しだけ休ませてくれ」

オリアナ「クリスマスが終わったらすぐにある所へ向かってもらう形になるし、交戦の恐れもあるけど、良い?」

上条「あぁ、大丈夫だ。な、フィアンマ?」

フィアンマ「構わん」

オリアナ「そう。ありがとう、二人共」

安堵の表情で、オリアナはそっと胸を撫で下ろした。

上条「で、行くのはいいんだけど、何処に行ってどんな霊装を壊せばいいんだ?」

オリアナ「>>511
510 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/08(日) 15:12:40.44 ID:FG60TMDQ0
ksk
511 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/08(日) 15:45:58.71 ID:LJd5LUoSO
ローラの遺産+禁書目録の制御霊装
512 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/07/08(日) 16:02:50.16 ID:suD1ibHk0
のくすで見てすっ飛んで来た。支援
513 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/07/08(日) 16:03:17.22 ID:suD1ibHk0
のくすで見てすっ飛んで来た。支援
514 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/07/08(日) 16:04:58.52 ID:suD1ibHk0
すまない、書き込みエラーになったかと思って連投してしまったorz
515 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/08(日) 16:05:22.71 ID:LJd5LUoSO
のくすでまとめられてんだな。初めて知ったわ
516 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/08(日) 16:17:37.89 ID:I14N7Zr40
SS+のやつか
517 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/08(日) 16:18:20.04 ID:ED4HmDom0

オリアナ「連れ戻すようで申し訳ないけど、イギリス。それからフランスにも。ローラ=スチュアートの遺産というか、負の部分の遺産の霊装があってね。後は別の対策が済んだ以上不要になった『禁書目録』の遠隔制御霊装」

上条「確かに今多少無防備だもんな。分かった。…出来れば普通の飛行機で行きたいんだけどさ」

オリアナ「大丈夫、二人分のチケットはお姉さんが手配しておくわ」

上条「頼まれた結果ではあるけど…色々引っ掻き回して、ごめんな」

オリアナ「科学魔術問わず暴れてくれたお陰で、特にどちらかが弱体化してしまった訳じゃない。むしろ、皆感謝してる。じゃあね、坊や」

のんびりと笑みながら、オリアナは一度頷く。
そして一度頭を下げると部屋を出て行った。
フィアンマは立ち上がり、ドアの鍵を閉め、ついでに上着を片付けて再びベッドへと戻る。
腰かけたフィアンマの左手を先程と同じように握りながら、上条は残念そうな声を出した。

上条「あー、結局佐天ちゃんとの旅行は着いて行けそうにないな」

フィアンマ「まぁ、断っておいたし、問題無いんじゃないか?」

上条「そりゃそうだけど、何となく、さ」

残念だ、とぼやきながら上条は横向きになり、隣にフィアンマを横たわらせながら、枕元の紙袋を手に取った。

上条「買い物行くってメモ見たけど、これか?」

フィアンマ「あぁ。既に予想済みの事だろうとは思うが、お前へのクリスマスプレゼントでもある」

上条「俺に?」

上条は嬉しそうに表情を和ませ、紙袋の中からラッピングされた重めの箱を取り出す。
そして赤いリボンを解き、黒い包み紙を時折破ってしまいながらも丁寧に外すと紙袋の中に入れた。
出てきたのは白い箱で、上条はそっと開ける。

上条「…カップ?」

フィアンマ「マグカップだ」

上条「こっちが黒で…こっちが赤か」

ベッド上、上条は自分とフィアンマの間のスペースへ、箱と緩衝材の中からマグカップを二つ取り出して並べた。

上条「赤い方がフィアンマのだろ」

フィアンマ「よく分かったな」

上条「そりゃ分かるよ。…あんまり意識無かったけど、俺が『お揃いがいい』って言ったから、買ってきてくれたのか?」

フィアンマ「…そうだが。黒い方はお前のものだ。気に入ったか?」

上条「>>514
518 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2012/07/08(日) 16:20:59.41 ID:kXuQZavC0
ksk
519 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/08(日) 16:21:02.65 ID:I14N7Zr40
あぁ、とても
520 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2012/07/08(日) 16:21:48.82 ID:uqiPccGAO

のくすさん素早い…まさか載るとは

安価>>519で書きますね
521 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/08(日) 16:48:31.52 ID:ED4HmDom0

上条「あぁ、とても」

フィアンマ「…そうか」

上条「ありがとな。大事に使う…って、あれ?」

愛おしそうにマグカップの淵を指先でなぞって微笑みながら礼を言う上条は、ふとマグカップ側面の文字に気付く。
片方に一文、もう片方に一文で一つの文章を表しているらしい、という事も理解出来たものの、残念なことに上条はイタリア語が読めない。
昔の上条であればフィアンマに頼んでしまうところではあるが、こういった日常においても諦めないという事を知ったのか、携帯電話をどこからともなく取り出した。
そしてかちかちと弄り、マグカップ側面の文字を打ちこんでいく。
何をしているのかというと、日伊翻訳機にかけて翻訳しているのだ。
そして表示された直訳から頭の中で意訳へと変化させると、先程以上に笑顔を浮かべて携帯をしまい、上条はフィアンマの髪を撫でた。

上条「…俺にとってもこの文章、よく合ってる」

フィアンマ「……」

上条「なぁ、発音、教えてくれないか? 自分の口で言ってみたいんだ」

フィアンマ「エルは舌を巻かない。さほど音は伸ばさない。…位か、気を付ける事は」

上条はしばらく口の中で反復練習を行った後、フィアンマの頬に右手で触れて笑んだまま口にした。

上条「Tu sei il mio mondo」

フィアンマ「Puo essere nel mondo chiuso.Perche,se Tu sei il mio mondo」

『閉ざされた世界でも構わない。何故ならば、私にとっても貴方こそが世界なのだから』。
上条は返された語句の多くが分からなかったのか、きょとんとしながらどういう意味かと聞き返す。
フィアンマは教える様子もなく、緩く首を横に振って笑った。
上条は不服そうな表情を浮かべながらマグカップをひとまず箱にしまい、紙袋へとしまい込んだ。
そしてその紙袋をフィアンマに頼んでテーブルに置いてもらうと、フィアンマの身体を抱き寄せる。

フィアンマ「…身体の調子はどうなんだ。俺様が出かけている間、眠っていたのだろう? 少なくとも、先程の女が来るまでは」

上条「>>523」 
522 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/07/08(日) 16:56:24.05 ID:suD1ibHk0
ああ、大分良いよ。夢の中でもフィアンマが俺に笑いかけてくれていたからな。
523 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/08(日) 16:57:07.41 ID:jeQIO6580
調子は万全だ
524 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/08(日) 17:30:53.32 ID:ED4HmDom0

上条「調子は万全だ」

フィアンマ「…万全?」

上条「嘘吐きました、ごめん。…でも、割と調子は良い。さっきよく寝たし、フィアンマが帰ってきてくれたし、元気出てきた」

フィアンマ「俺様は麻薬ではないぞ」

上条「麻薬みたいなもんだけどな。上条さんにとっては有害度ゼロの。中毒性と依存性がかなり高い感じがする」

フィアンマ「…食事にするか」

上条「あれ、もしかしてまた照れてる?」

フィアンマ「お前の夕飯は粥の上澄みの液体にするか? 病人だしなぁ」

上条「普通に重湯って言えよ! いや嫌だけど!」

フィアンマ「ふん」

上条「飯にしても、買い出し行かないとな。明日の分も買いこんでおかないといけないから」

フィアンマ「先に言っておくが、安価といえどフライドチキンは苦手だ」

上条「油っこいからか?」

フィアンマ「そうだな。どうにも好かん」

上条「七面鳥とかの方が嬉しかったりするのか?」

フィアンマ「いや、上質なケーキが一つあれば充分だ」

上条「誕生日だもんな」

上条は上機嫌な笑みを見せ、起き上がる。
そして立ち上がると、フィアンマも立ち上がらせて二人で着替えた。
フィアンマは膝上10センチ程の身丈、赤い長袖のフェミニンなワンピースに膝上丈の黒い靴下を履き、コートを羽織る。
上条が珍しいな、と声をかけると、フィアンマは言い訳のように言葉を返した。

フィアンマ「…お前が言ったんだろう」

上条「俺、何か言ったっけ?」

フィアンマ「言ったというよりも、…もういい」

上条「何怒って…」

上条は一時黙りこみ、記憶を浚う。
浮かんだのは、一時期の会話。

『何で学ランなんだよ!』

『何か問題があるのか?』

『男子用制服…俺の夢が…』

『夢?』

『上条さんは放課後デートしたかったんです。どうせ戻ってきたんなら、手を繋いで通学とか…ちくしょう…』

口にこそ出さなかったものの、学園都市では男の恰好をしたフィアンマと流石に手を繋げないため残念だと言わんばかりの顔をしたような記憶がある。
恐らく、上条の予想が間違っていなければ、フィアンマはその事を言っているのだろう。

上条「…フィアンマ」

フィアンマ「…何だ」

不機嫌そうな様子を見せるフィアンマの左手を握り、上条は穏やかに微笑みかける。

上条「手、繋いで行こう」

フィアンマ「……、…ん」

上条は機嫌よく歩き出し、まずは食材の買い出しだ、とスーパーへ向かう。
その途中、思い出したように問いかけた。

上条「どんなケーキが好きなんだ? 上質なら何でも、って訳じゃないだろ?」

フィアンマ「…>>526
525 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/07/08(日) 17:43:11.72 ID:suD1ibHk0
俺様は…そうだな。強いて言うなら苺ショートが好きだ…が、お前が好きな物は何だ?俺様はお前が好きな物と同じ物が好きだと言いたい。
526 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/08(日) 17:43:50.38 ID:LJd5LUoSO
ティラミス
527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/08(日) 17:45:45.46 ID:cHQr+dSP0
ここで生クリームがたっぷり乗ったショートケーキを選べば生クリームを頬っぺたにつけたフィアンマさんが……
と思ったが遅かった
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/08(日) 17:47:25.36 ID:LJd5LUoSO
口の回りに粉つけたフィアンマを上条さんがぺろぺろすればいいかな
529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/08(日) 17:50:37.92 ID:LJd5LUoSO
あんまり分かりやすいベタベタだと子供っぽいかなと。フィアンマさんはものっそいアダルトだし。
530 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/08(日) 18:04:51.87 ID:ED4HmDom0

フィアンマ「…ティラミス」

上条「ティラミスか。あれってケーキに入るのか?」

フィアンマ「一応、日本においてパンナコッタはケーキの部類に入るのだろう? ならば、ティラミスもケーキの部類に入る筈だが」

上条「まぁ、確かにそうかもな」

上条(それは良いんだけど、ケーキ屋に大きいティラミスってあんのかな。コンビニだとデザートコーナーにたまにあるけど)

フィアンマ「購入が不可能であれば別のものでも構わん。何なら作ってくれても良いが」

上条「んー…会計するまでに決めとくな」

スーパーマーケットに入り、カートを押し始めながら上条はそう返す。
ケーキ屋で大きなティラミスが売っていれば良いものの、取り扱われている例は少ない為、少々厳しいかもしれない。
となれば、作るのも一つの手ではある。レシピなど、携帯で検索すればすぐに出てくるのだから。
材料はマスカルポーネチーズ等だが、それらはスーパーで購入出来る。
どうしようか、と悩みつつ上条はひとまず明日の準備の為に必要なものを買っていく。
出来合いの照り焼きチキンだとか、シーザーサラダだとか、そういった一般的にクリスマスに日本で食べるもの。

上条「そういえば、今までクリスマス、もとい誕生日ってどうしてたんだ?」

フィアンマ「誰にも教えていなかったし、…あぁ、教皇さんは知っていたかもしれないが…祝われる事も必要もなかったし、例年教会で祈っていたよ。一応、ローマ正教徒は聖夜に教会で静かに祈りを捧げる、もしくは家で家族や恋人と静かに過ごす事になっているからな」

上条「その…教会、行きたかったりするか? 明日」

フィアンマ「必要無いな。お前からロザリオも貰った事だし。確かに教会や神殿は神の家のような扱いをされているが、神に祈る事は何処でも、いつでも出来る。そもそもそうそう祈る事もしないが。祈って即座に救われれば苦労は無い」

上条「ん、そっか…」

なら良いのだろうか、と上条は結論付け、本日の夕食のメニューに悩む。
どんなに粗末なものでも(それこそ食パン一枚でも)フィアンマは文句を言わないが(そもそも食べ物に執着が薄い)、普通の食事を摂りたい。
シチューとパンにしよう、と上条は自己完結して材料をカゴに入れる。
他に買い残しは無いかとカゴの中を見て確認しながら、上条は考えた。







1.材料を買ってティラミスを作る

2.ケーキ屋に寄ってティラミスが無いかどうか見てみる

3.二番目に好きなケーキを聞いて妥協してもらう






判定>>+2
531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/07/08(日) 18:05:50.38 ID:suD1ibHk0
でもそれやって顔赤らめるフィアンマさんなら見たいかもww
532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/08(日) 18:12:00.89 ID:1mZbHxXG0
1
533 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/08(日) 18:32:05.46 ID:ED4HmDom0

散々思考した結果、自分で作るのが確実だという結果に至った。
クリスマスのみ、というのなら妥協してもらうのも良いが、誕生日に我慢させたくはない。
まして、フィアンマにとって誕生日を祝われるのは何百年振りか知れない。
これからは毎年祝ってあげようと考えている上条だが、それはそれ、これはこれ。
一回一回の事を幸せな記憶で留めてあげたい、と思う上条。

上条(よし、頑張るぞ)

無言で自分に喝を入れ、上条は携帯を取り出してレシピを確認すると、材料をカゴに入れる。
材料は、『クリームチーズ』、『生クリーム』、『砂糖』、『卵』、『ビスケット』、『インスタントコーヒー』『砂糖』『純ココア(砂糖の入っていないココアパウダー)』。
お湯は家で用意しよう、砂糖はあっただろうか、と首を捻りつつ材料を入れていく上条に、フィアンマは不思議そうに首を傾げる。

フィアンマ「まさか、本当に作る気が? 面倒だろう」

上条「いや、ケーキ屋だと売ってない可能性あるしさ。なら、作っちまった方が確実だろ。頑張るからさ」

フィアンマ「無理をするな」

上条「別に無理って程でもないけど。あ、でもフィアンマの為に無理するのは正直しんどくないな」

フィアンマ「…馬鹿が」

上条「ちょっと赤くなった顔で罵られても今の上条さんにはご褒美でありますことよ」

明るく笑って、上条は会計に移る。
途中フィアンマに強請られた為赤ワインを一本、上条が飲む為にシャンメリーを一本購入した。
そのため、ずっしりと重くなった袋を死ぬ思いで、上条は持ちつつ、フィアンマの隣を歩く。
流石に見兼ねて『持とうか』というフィアンマの提案を上条はきっぱりと断った。
男らしさを発揮して、効率性を軽視した形である。
帰宅し、使わない材料一切を冷蔵庫に入れ、上条は疲れた様子でカーペットの上に座る。

フィアンマ「よくもまぁ、文句一つ言わずに持てたものだ」

上条「言っただろ、フィアンマの為なら正直しんどくないって。今疲れてるのは、あの荷物の内半分は自分の為のものだからだよ」

フィアンマ「……、…お前は結婚向きの男だな」

上条「何で急に判断されて…いや、まぁ嬉しいような…?」

首を傾げる上条の上着を剥ぎつつ離れ、フィアンマは自分の上着も合わせて片付けると、台所へ消えた。
どうやら今夜の食事であるシチューを作り、パンを切ってくれるらしい。
ティラミスを作るのは晩飯を食ってからだな、と心中でぼやき、上条は深呼吸する。







上条はどうする?>>+2
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/08(日) 18:36:29.51 ID:3OEKwB1ko
ksk
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/07/08(日) 18:39:34.98 ID:suD1ibHk0
俺も手伝うよと言って台所で一緒に料理
536 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/08(日) 19:00:00.11 ID:ED4HmDom0

上条はもう一度だけ深呼吸をしてのんびりと伸びをすると立ち上がり、台所へ行った。
フィアンマは黙々と調理をしつつ、背後の上条に気付いたのか、作業をしながら声をかけた。

フィアンマ「疲れているのだろう。休んでいたらどうだ」

上条「いや、俺も手伝うよ。義手、感覚無いんだし危ないだろ」

上条はフィアンマの隣に立ち、野菜の皮を剥き始めた。
フィアンマはそれ以上反論する事も無く、鶏胸肉を包丁で切る。
切りつつ、上条に少しくっついて、湧いたお湯の鍋に切った材料を入れる。
上条は皮を剥いた野菜をフィアンマに任せて切ってもらい、火傷しないかどうか心配しつつ手伝う。

上条「後は俺がやるよ」

フィアンマ「そうか?」

場所をかわり、上条はのんびりとパンを食べやすいよう切った。
といってもバゲッドなので、斜めに包丁を入れて切っていくだけなので、すぐ終わるのだが。
フィアンマはお湯の量を調整し、ルーを溶かしながら上条の肩に軽く頭をもたれる。
退屈、といった表情。空腹は感じていないのか、それともその感覚が希薄なのか、早く完成させて早く食べようという気は無いらしい。

上条「特に相談して材料買ったけど、シチューは好きなのか?」

フィアンマ「嫌いではないな。特別大好きという訳でもないが」

上条「そっか、なら良かった」

出来あがり、上条は切ったパンを皿に並べてテーブルに運ぶ。
シチューが出来あがったところでそちらもよそって運ぶと、席に着いた。
テーブルは真四角のため、上条の右隣にフィアンマは座る。
地べた(カーペットではあるが)に座るのは慣れないのか、フィアンマは訝しむような表情でもぞもぞと体勢を変える。
上条がちらりとそちらを見遣った瞬間、調度ワンピースの『中身』が見えた。
さほど短い丈ではないからか、そもそも気にしない性格だからか、ドロワーズやスパッツ等ではなく、可愛らしいパンツだった。

上条(そこは赤じゃないんだ…う、っぐ)

フィアンマ「…どうかしたか?」

上条「なん、でもないっ、です」

鼻血が出ないよう唇を噛み締めやたらと深呼吸する上条に今度こそ訝し気な表情を浮かべるフィアンマに大丈夫だと言い張り、上条は食事を開始する。

上条「いただきます」

フィアンマ「いただきます…」

もぐ、とパンを食べつつ、上条はフィアンマの様子を見遣る。
ワンピースだからか、地べたに慣れないからか、胡坐ではなく、所謂乙女座り(少女座りとも言う)で食べている様は可愛い。
脚が細いからか、少女座りにも拘わらずワンピースの布は突っ張っていない。

上条「…お淑やかだよな、結構」

フィアンマ「自らの衣服に合った立ち居振る舞いが一番だろう。そう思わんのか?」

上条「…>>538
537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/07/08(日) 19:21:28.36 ID:suD1ibHk0
まあ、そうかもしれないけど…でも俺の前でそう肩肘張る必要はないんだぞ?どんな格好でどんな振る舞いをしても、お前は俺が世界でたった一人愛している女性なのは変わらないんだからな
538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/08(日) 19:22:54.96 ID:m8kZ+7xn0
そうだな ニコッ
539 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/08(日) 20:18:39.12 ID:dpQazQ2m0

上条「…そうだな」

微笑みながら応答して、ようやく落ち着いた上条はシチューを食べ、言葉を付け加える。

上条「でも、無理して肩肘張る必要なんて無いんだからな。少なくとも俺の前では」

フィアンマ「別段、無理をしている訳ではないさ。下品な振る舞いは好まん。みっともないだろう」

上条「なら、いいけどさ」

フィアンマの髪を撫で、上条は笑んだまま食事を進める。
フィアンマは上条の笑顔を眺め、表情を和ませながら食事を進めた。

食事を終え、上条が真剣にティラミスを作っている間、フィアンマはシャワーを浴びていた。

フィアンマ(誕生日、か)

目を閉じ、髪を洗いながら、フィアンマは記憶を思い返す。
ずっとずっと昔の、幸せなソレ。


『お兄様、お誕生日おめでとう!』

『―――――、誕生日おめでとう』

『ありがとう、父さん、ルーチェ』

『ケーキは用意出来なかったんだ、ドルチェで許してくれ』

『良いんだ、僕、ティラミス好きだよ』

『私が作ったの!』

『ルーチェが? ありがとう、大事に食べるよ』


十字教圏内ではあったが、クリスマスそっちのけで祝われた記憶。
好きなケーキを聞かれて咄嗟にティラミスと答えたのは、あの記憶があるから、なのだろう。

フィアンマ(当麻の作るティラミスは、どんな味がするだろうか)

シャワーのお湯を止め、赤を基調とした、所謂甘ロリに分類されそうである肩出しのワンピースを身に纏いつつ、フィアンマは考える。
髪をタオルでよく拭き、調理の後片付けが終わったのか、静かになった台所に一度目をやり、欠伸を噛み殺したフィアンマはそのまま上条の下へ移動した。
そして白い布製の可愛らしいチョーカーを首に巻き、ベッドに座ってだらけている上条の上へ乗っかった。

フィアンマ「出来栄えはどうなんだ」

上条「ティラミスか?」

フィアンマ「あぁ」

上条「>>541
540 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/07/08(日) 20:25:38.64 ID:S/yDjE3AO
ksk
541 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/08(日) 20:25:40.58 ID:I14N7Zr40
なかなか上出来だよ
542 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/08(日) 20:40:30.00 ID:dpQazQ2m0

上条「なかなか上出来だよ」

フィアンマ「そうか」

上条「初めて作ったにしては、だけどな。結構な量出来るもんなんだな」

フィアンマ「心配には及ばんよ。全て食べる」

上条の髪を撫でつつ、フィアンマは嬉しそうに薄く笑みを浮かべた。
上条の腹を跨ぐように座った状態で、フィアンマは上条の顔をぺたぺたと触る。

上条「はは、くすぐったいって…」

フィアンマ「…温かいな」

上条の顔に続き、首筋に触れて、ぽつりとフィアンマは呟く。
上条はこそばゆさに笑うのをやめ、フィアンマを見上げた。

上条「生きてるからな」

フィアンマ「…そうだな」

上条「俺は、お前を置いて逝かない」

フィアンマ「…分かっている。それ位の事は」

上条「何があっても、絶対置いてかないからな」

フィアンマ「それなら、危険に首を突っ込むのをやめたらどうだ」

上条「それはそれ…じゃ、ダメか?」

フィアンマ「別に良いが」

上条の顔の横に両手をつき、フィアンマは上条を見下ろした。
『あの頃』のように怯える事もせず、上条はフィアンマを見上げ続ける。
余裕の態度で、幸福そうに。

上条「……幸せだ」

フィアンマ「…幸せとは、本来過ぎ去った過去に対して思うものだぞ?」

上条「俺の場合は比較対象があるから言えるんだよ」

フィアンマ「幸福は長続きしないものだ」

上条「続けさせるさ。たとえ、神様が長続きしないって法則(ルール)を作っているとしても、そんなものはぶち殺してでも」









上条はどうする?>>+2
543 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/08(日) 20:46:07.48 ID:jeQIO6580
ksk
544 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/07/08(日) 20:53:15.06 ID:suD1ibHk0
自分の上に跨がるフィアンマの背中と後頭部に手を回して優しく撫でた後に静かに抱き寄せ、身体が密着するくらいにギュッと強く抱きしめる
545 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/08(日) 20:55:48.13 ID:5kHg+Euk0
>>544

せめてsageてくれ

メール欄にsaga(半角)で出きるから
546 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/08(日) 21:09:32.80 ID:suD1ibHk0
>>545

失礼、了解した
547 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/08(日) 21:13:53.52 ID:dpQazQ2m0

フィアンマ「絶対に、か」

上条「そ。絶対に」

上条は両腕を伸ばし、左手をフィアンマの背中へ、右手を後頭部へ持っていくと、優しく数度撫でた後、静かに抱き寄せた。
腕を引き、バランスを崩す形で上条の上へ体を倒すと、フィアンマは少し体勢を変え、調度上条の身体に全身を乗せる形で抱きしめ返した。
しっかりと密着した抱擁に、フィアンマは目を閉じて至福を享受した。
上条はフィアンマを抱きしめたまま、赤い髪を何回も撫でる。
慈しむように、愛しむように、いとおしむように、愛でるように。

上条「……色っぽいとかかっこいい印象が強いけど、可愛いよな、フィアンマ」

フィアンマ「俺様を可愛い等と言う輩はお前位だ」

上条「それで良いんだけどな。フィアンマの可愛さがあんまり広まってモテられても困る」

フィアンマ「遠まわしに妬いて欲しいと言ってきたのは俺様だが、それにしてもこの頃は嫉妬深いな」

隣にフィアンマを横たわらせ、依然抱きしめたままに、上条はうーんと唸る。
自覚もあるし、理由もある。

上条「好きになればなる程不安になるもんだろ。…前は、フィアンマもこんな気持ちだったのか?」

フィアンマ「…別に、嫉妬して閉じ込めた訳ではなかったが。ただ、お前を傷付ける全てから守ってやりたかったんだ。好きだからな」

上条「そっか。今なら、よく分かる。俺も、フィアンマには傷ついて欲しくないからな」

フィアンマ「生きて贖罪しろと言ったじゃないか」

上条「死んだって解決にならないだろ」

フィアンマ「…まぁ、それはそうだが」

ずり下がり、上条の胸元に顔を埋め、フィアンマはもごもごと返答する。
上条はフィアンマの背中をさすりつつ、ゆっくりと深呼吸した。

上条「……、風呂入ってくる」

フィアンマ「…あぁ」

そう告げると、上条はそっとフィアンマから離れて浴室に向かう。
烏の行水と称して問題無い程の速さで入浴を終えた上条は、ベッドに戻った。
フィアンマは暇なのか寒いのか、毛布にくるまってそっぽを向いている。
上条はベッドの空きスペースに膝をつき、フィアンマの様子を覗きこむ。

上条「…フィアンマー?」

フィアンマ「何だウニ」

上条「うっ、ウニ!? 俺が風呂入ってる間に何かあったのか…?」

フィアンマ「…何も無いが?」


上条はしばしフィアンマの様子を眺め、その心情を予想してうんうんと悩む。
女心と秋の空、というやつだが、上条は最近鈍感を脱した…筈だ。少なくとも、フィアンマに対しては。


1.上条からキスをして欲しかった

2.上条と"そういう"行為をしたかった

3.上条が急に居なくなって寂しかった




判定>>+2
548 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/08(日) 21:18:02.17 ID:t/W3Z4+E0
2
549 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/08(日) 21:19:48.11 ID:suD1ibHk0
1で
550 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/08(日) 21:31:07.62 ID:LJd5LUoSO
3希望
551 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/08(日) 21:40:40.00 ID:b+81YMAc0
未だ2度目のエロは遠い……
552 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/08(日) 21:55:44.36 ID:LJd5LUoSO
>>1のエロは確かにスゲーが真骨頂は「フィアンマ大好きです」さを出す時だから、恋人恋人してる時とか心理描写が一番いい。直線的なエロだと元がぴーだからあんま燃えないやん。
553 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/08(日) 22:54:31.91 ID:7Eu6Gzk70

思考し、長らく悩み、辿り着いた一つの結論に基づき、上条は行動することにした。
上条に背を向けそっぽを向くフィアンマの隣に横たわり、後ろから抱きしめつつ、上条は呼びかける。

上条「…フィアンマ、こっち向いてくれよ」

フィアンマ「そちらを向かねばならん理由は無い」

上条「俺が向いて欲しいんだよ」

お願い、と念押しの言葉に、渋々、といった様子で、無表情のフィアンマが振り向く。
上条は満足そうな笑みを浮かべるとフィアンマの髪を撫で、そっと口付けた。
フィアンマの唇を舐め、口内まで舌を侵入させながら、上条は目を閉じる。
唾液の入り混じる味に心地良さを感じながら、上条はフィアンマの背中を撫でた。
そのままの動きで、露出した白い肩に触れ、呼吸ペースを変化させずに保ちながら、舌を絡ませる。
柔らかな舌同士が絡み合い、一種の興奮状態に多量な唾液が分泌されていく。

上条(甘、い)

フィアンマ(酸欠だ、)

方向性の違う思測を巡らせながらくらくらと酔いつつ、上条はフィアンマの後頭部を更に引き寄せ、フィアンマは深い口付けに応える。
くちゅ、と色気を帯びた唾液の水音に精神的な快楽を覚えながら、フィアンマはそっと唇を離す。
上条の予想通り、キスを欲していたフィアンマは先程の不機嫌そうな様相と打って変わって満足そうな表情を浮かべた。

フィアンマ「…ん」

上条「…寝ようか」

フィアンマ「…おやすみ」

上条「おやすみ」

ふふ、と口元を弛ませるフィアンマを愛おしく思いながら、上条は一度ぎゅっと強く抱きしめた後、目を閉じる。
フィアンマもそれに倣うように目を閉じると、二人はほぼ同時に眠りへ堕ちるのだった。






翌日、朝と呼ぶには少々遅い時間に目を覚ました上条は、フィアンマの寝顔を眺めた。
穏やかな寝息と、伏せられた長い睫毛、白い肌。
よく出来た蝋人形のように美しい恋人を見つめ、眠り姫の童話を思い返しながら、上条はフィアンマの肩を冷やさないよう毛布をかける。

上条「…おはよう、フィアンマ」

フィアンマ「…す…くぅ…」








上条はどうする?>>+2
554 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/08(日) 22:55:59.93 ID:1mZbHxXG0
ksk
555 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/08(日) 23:03:21.36 ID:oXA/GvVB0
一度フィアンマにキスをしたあとに起き、フィアンマが寝ている間に朝食の準備をする
556 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/08(日) 23:15:06.27 ID:7Eu6Gzk70

挨拶の言葉を紡いだ上条はフィアンマの頬を一度撫で、フィアンマに軽く口付けた。
昨日寝る前のソレとは違う、本当に軽いキスを。
フィアンマはくすぐったかったのか、眠ったままにくすくすと笑って身じろぐ。
上条はそんなフィアンマの様子に心を和ませながら起き上がり、台所へ行った。
説明するまでもなく、朝食の準備をする為だ。
なるべく大きな音を立てないよう気をつけながら、上条はオムレツを作る。
和食よりは洋食の方がフィアンマにとっては親しみやすいだろう、と考慮してだ。
フレンチトーストはほんのり甘めに、砂糖は控えめに。

上条(今夜はケーキ食べるからな。あ、昼間携帯ショップ行かないと。フィアンマのことだから、やっぱり携帯も赤を選ぶのかな)

そんな事を呑気に考えながらオムレツとフレンチトースト、ほうれん草とベーコンの炒め物を作る上条。
二等分して皿によそい、テーブルへと運び、静かに並べる。
そしてフィアンマに近寄ると、未だすやすやと眠っている彼女を見て上条はしばし悩む。





どうやってフィアンマを起こす?>>+2
557 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/08(日) 23:21:29.11 ID:1mZbHxXG0
ksk
558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/08(日) 23:22:06.79 ID:HrpfSGmN0
脇腹コチョコチョ
559 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/08(日) 23:37:36.49 ID:7Eu6Gzk70

上条「大きな声出すよりこう、茶目っ気があった方がよいよな」

上条はそう呟き、自分の意見を後押しするかのように自画自賛しながらうんうんと頷く。
そして毛布の中に手を突っ込むと、フィアンマの両わき腹を両手でくすぐった。
こう見えて友人と取っ組み合いの他にくすぐり合いもしていたため、上条はくすぐりが得意だったりする。
爪でひっかく事のないよう気をつけながら、しかし服の上からでも指の感触を感じるよう努力しながら、くすぐる。

フィアンマ「、っふ…」

上条(お、結構くすぐったがりなのか…? そういや"シ"た時も結構敏感だっ…考えるなよ俺、頼むから考えるんじゃありません)

眠っていても感覚は鋭敏なのか、くすぐりに反応するフィアンマは笑い声を漏らしながらもぞついた。
しかし起きる様子は見えない為、上条はくすぐりを続行する。

フィアンマ「ふ、っく、はは、」

上条「起きろー」

フィアンマ「はは、っ、ぁは、ふふっ、んにゃ、ぁん…お、いやめろ、起きたから、くっ、ははは!」

上条「おはよう」

上条は笑みつつくすぐりをやめ、のんびりと挨拶する。
余程くすぐったかったのか、フィアンマは目尻に浮かんだ涙を指先で拭いながら飛び起きた。

フィアンマ「は、…おはよう」

深呼吸して落ち着いたフィアンマは、欠伸を噛み殺してからそう挨拶を返す。
そして二言三言言葉を交わした後、食事を摂るべく席に着いた。

上条「ん…」

フィアンマ「この後は何をするんだ。携帯電話を購入するにも、まだ少し早いだろう」

上条「時間潰さないとな…んー…」

上条はしばらく悩んだ後に答える。

上条「>>561
560 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/08(日) 23:38:28.83 ID:1mZbHxXG0
ksk
561 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/08(日) 23:41:14.01 ID:HrpfSGmN0
どっか行くか!
562 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/09(月) 00:03:55.10 ID:pcFS1A9h0

上条「どっか行くか!」

明るく言う上条に、フィアンマは少し黙った後頷いて賛成の意を表した。

フィアンマ「しかし、体調は」

上条「もうすっかり元気だ」

フィアンマ「そうか。それにしても、何処に行くつもりだ? あまり長い間滞在出来ない以上、場所は選ばねばなるまい」

上条「んー…」

悩んでいる内に食事を終え、フィアンマの食べ終わった食器も合わせて台所に持って行き、かちゃかちゃと皿洗いをしながら、上条はしばし考える。
ゲームセンターには行った事がある。
遊園地だとか、そういった場所では長く滞在し過ぎる。
となれば、二〜三時間で手軽に行ける場所。

上条(映画にしようかな)

映画館であれば、さほど疲れない。
最悪映画を見ている最中に寝てしまっても構わないのだから。
携帯で学園都市のショッピングモール内映画館は本日営業で、今時期は意外と沢山のジャンルの映画が上映されている。
丁度いい。
そう結論を纏めた上条は問いかけの形でフィアンマに提案した。

上条「フィアンマ、映画見に行かないか?」

フィアンマ「映画?」

上条「そうそう。嫌か?」

フィアンマ「嫌では無いが。で、何を見る予定なんだ」

上条「まだ決めてない」

食器洗いを終え、上条はフィアンマの下に戻る。
やはりカーペットに座るのには慣れないフィアンマは、ベッドに腰かけて上条を見上げた。

上条「映画、好きなジャンル無いのか?」

フィアンマ「そもそもあまり映画を見ない性質だからな…しいて言えば、」

上条「言えば?」






フィアンマが見たい映画のジャンル(例:恋愛、コメディ等。直接映画の内容でも可)>>+2
563 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/09(月) 00:17:58.16 ID:BLi7kCOC0
ksk
564 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/09(月) 00:18:39.27 ID:BLi7kCOC0
エクスペンダブルズ
565 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/09(月) 00:33:18.50 ID:pcFS1A9h0

フィアンマ「ちょっと携帯を貸せ」

上条「? 良いけど」

上条の携帯を受け取り、フィアンマはしばし弄った後、上条に携帯を返す。
表示されていたのはとある映画のあらすじ。

『ソマリア沖で起きた海賊によるシージャック解決の仕事を受けたバーニー・ロス率いる傭兵部隊「エクスペンダブルズ」は、身代金を用いた交渉を行うもメンバーの一人であるガンナー・ヤンセンの暴走により、激しい銃撃戦を展開することになる。海賊の殲滅には成功するも薬物依存症に陥っていたヤンセンをロスはチームから放逐することを決める。その数日後、チームのマネージャーであるツールから仕事の依頼を伝えられたロスは会合場所でチャーチという謎の男から南アメリカの小国、ヴィレーナの独裁者であるガルザ将軍の排除を依頼される。ロスはメンバーの一人であるリー・クリスマスと共に同国に偵察に赴くが……』

上条「あー、これ話題になってた気がする」

フィアンマ「広告塔で予告映像が流れていたのを思い出してな」

上条「記憶力良いな」

フィアンマ「そうでなければ『右方のフィアンマ』になどなれん」

上条「そういうもん、なのか…? とりあえず、コレ見に行こうぜ」

上条は携帯画面を見つめ、こくりと頷くと着替え始めた。
フィアンマはしばらく悩んだ後昨日と似たようなフェミニンな長袖の、且つ黒いワンピースを身に纏った。
合わせるように履いたのは赤と黒のボーダーのオーバーニーソックス。
そしてその上からコートを羽織ると、同じく着替え終わった上条の手を引いて外へ出た。
見目は女性らしく可愛く装っても、フィアンマが雄々しい性格である事に変わりはない。




映画を観終わった二人はのんびりとカフェでコーヒーを啜りながら、疲れた目を休ませていた。
感想を語り終わり、楽しそうに会話をする様はありがちなカップル。

上条「じゃあ、そろそろ行くか」

フィアンマ「あぁ」

今度は上条から手を握り、てくてくと歩く。
ショッピングモールから携帯ショップまではあまり遠くない為、存外早く到着した。
フィアンマは物珍しそうに携帯の見本品を眺めて悩む。

上条「何か良いの見つかったか?」

フィアンマ「>>567

566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/09(月) 00:38:52.04 ID:5zxT4FYl0
ksk
567 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/09(月) 00:49:38.88 ID:5zxT4FYl0
この学園都市最新式スマートフォン(電池長持ち20時間)が良い
568 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/09(月) 01:09:07.35 ID:pcFS1A9h0

フィアンマ「この、最新式スマートフォンとやらが良い。電池残量が多いのか、一度充電すれば20時間持つそうだ」

上条「学園都市最新式だな。これなら一度充電すればあんまり困らないだろうし…良いと思う。でも、充電は時々してくれよ?」

フィアンマ「あまり俺様を舐めるなよ? 大丈夫だ」

上条「じゃ、契約するか…その色で良いのか?」

フィアンマ「いや、赤色にする」

上条(やっぱり赤色か…)

頷き、上条の名義で契約すべく、窓口へ行くと、上条は手続きを始める。
移すデータの無い新規契約の為、予想していたよりも遥かに早く手続きが済んだ。
携帯電話として通信機能を使用出来れば良いので、特別なプランに入る事も無く。
赤いスマートフォンを上条に買ってもらったフィアンマは、だからといって大喜びする事なく上条の手を握って外へ出た。
ただ、これでいつでも連絡を取れるということで安心は得たのか、機嫌良さそうに上条の腕を抱きこむように、腕を組んだ。

上条(お、おぉ、僅かな胸の感触が、うわ、えっと、あ、)

顔にこそ出していないもののテンパっている上条を引っ張るように歩きながら、フィアンマは上条の顔を見て笑んだ。

フィアンマ「ありがとう」

上条「…どういたしまして」

腕に感じる柔らかな感触をなるべく意識しないようにしながら、上条は帰宅した。
同じく帰宅したフィアンマは二人分の上着を片付け、のんびりと伸びをする。
そしてベッドに座ると、退屈そうに時計を見た。
夕飯の支度は昨日の内に済ませているし、チキンは電子レンジで温めるだけ、ワインやシャンメリーは開けるだけだ。
上条もフィアンマの隣に座り、暇を持て余しながら同じく時計を見る。
午後4時。夕方だ。







上条はどうする?>>+2
569 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/09(月) 01:12:29.13 ID:5zxT4FYl0
ksk
570 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/09(月) 02:08:49.29 ID:mHLR7ifIO
制服デート用の変装セットを買う
571 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/09(月) 02:18:19.89 ID:pcFS1A9h0

上条「本当に暇だな」

フィアンマ「何か暇つぶしは無いものか?」

上条「んー…」

フィアンマの髪を撫で、左手を握り、上条はしばし考え込む。
考え込んで、悩んで、浮かんだ結果は、再びのお出かけ。

上条「制服デート、」

フィアンマ「ん?」

上条「女子学生用の制服買いに行きたい。何というか、公式のものじゃないけど」

フィアンマ「コスプレの域か」

上条「ダメ?」

フィアンマ「別に駄目だという訳じゃない。しかし、俺様の制服は学ラン、且つクラスメートには男だと紹介してしまった以上、着る事は出来んだろう? 気持ちは分かるが、買ってどうするというんだ」

上条「うー…>>572
572 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/09(月) 02:25:46.80 ID:mHLR7ifIO
ズラとカラコンと化粧品と上条達の学校のとは似てない制服を買う
573 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/09(月) 02:37:54.88 ID:pcFS1A9h0

上条「うー…じゃあ、ウィッグとカラコンと化粧品と、後俺達が通ってる学校のと全然違う制服を買う。これでどうだ?」

フィアンマ「須らく面倒臭い」

上条「うぅ…」

きっぱりと断られ、上条はがくりと項垂れる。
フィアンマは妥協策とばかりに言葉を付け加える。

フィアンマ「…百歩譲ろう。放課後デートや通学中は無理だが、外に出る際、その女子学生の制服を着てやるのは構わん。服装一つで印象が変わり易い人間だという自覚はあるしな。別人と言い張って通ると良いな?」

上条「っ、本当か!?」

フィアンマ「ただし、購入するのは高校生相当のものにしてくれ」

上条「元々そのつもりだけど」

話は纏まった、とほっとしながら上条はフィアンマの手を引いて立ち上がる。
そして二人共上着を着ると、外に出た。
コスプレ用の服屋は存外あるものだ。少し高いが、制服を一から作るよりは安い。
フィアンマは退屈そうに辺りを眺め、上条はうんうんと悩みながら辺りを眺める。
既製品の制服が大量に並んでいる。
フィアンマは細身の為、大抵の服は入る事だろう。






買ってあげる制服(もどきの服。常盤台の制服等は不可。デザインのみ可)>>+2
574 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/09(月) 02:41:22.87 ID:B5Fgq3mLo
ブレザー系ならとある高校と印象違っていいんじゃない?
575 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/09(月) 02:45:58.87 ID:TMLBy6IIO
髪型とか弄らせたかったなあ
安価下
576 :名無しNIPPER [sage]:2012/07/09(月) 07:11:44.37 ID:h2r/luR90
とある高校の女子制服
577 :名無しNIPPER [sage]:2012/07/09(月) 07:15:49.79 ID:XxGKkj5l0
違う制服だったか
安価下で
578 :名無しNIPPER [sage]:2012/07/09(月) 07:30:29.88 ID:Y1xM7Jro0

長点上機の女子制服
579 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/09(月) 11:22:16.09 ID:BlPNMT3AO

上条は数々並ぶ制服の内一つを選び、フィアンマの体へ適当にあてがった後に託し、試着室へ行くのを見送った。

上条(メイド服も捨て難かったけど、性格に合わないもんな。むしろ、主人側の貴族服の方が似合いそうで…こんな事言ったら俺にメイド服着せそうだ、フィアンマ…しかも嬉々として)

そんな事を考えつつ試着室の前で暇を潰す上条。やがてカーテンが開くと、上条はそちらを見やった。
白いブラウスと、赤い細めのリボンを緩く結んだ胸元。
それから、真面目そうに見えるブレザーの上着。
スカートの丈はフィアンマの長身故か案外短い。惜しげもなく晒される太ももは真っ白で細い。
靴下は膝の僅か下丈のハイソックス。
一応革靴も履いてみたらしく、女学生用革靴にありがちな、地味に高いヒールはフィアンマの細い足首を強調している。
長点上機の女子制服をモチーフとした服は、よく似合っている。
欲を言えば、もう少し髪の長さや着崩すラフさが欲しいところか。
目の前の女学生、もといフィアンマを見つめ、上条はこう思った。

上条(>>581
580 :名無しNIPPER [sage]:2012/07/09(月) 11:28:11.78 ID:XxGKkj5l0
ksk
581 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/09(月) 12:05:55.99 ID:Y1xM7Jro0
イエスイエスイエスイエスイエス!!!
582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/09(月) 14:03:12.38 ID:pa9d8AzSO
制服かー…じゃあ次辺りは秘書で。シャープなタイプ、色は全体的に赤と黒、たまに金で「ミニスカート」そしてパンストで頼むわ
583 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/09(月) 20:09:01.91 ID:TqmC9wPU0

上条(イエスイエスイエスイエスイエス!!!)

サムズアップこそしないものの、上条は内心でそう叫ぶ。
ちなみに上条は巨乳より貧乳の方が密かに好きだったりする。
流石に透けるブラウスで下着無しは不味いと考慮したフィアンマはキャミソールの上からブラウスを着ている。
フィアンマは上条の無言に加えやたらと熱っぽい視線にたじろぎながら首を傾げた。

フィアンマ「…何だ。似合っていないのなら脱ぐぞ」

上条「いや、すごく似合ってます。つきましてはもう一着程お願いしたいのですが」

フィアンマ「お前は制服を買いに来たのではないのか」

上条「そこを何とか。一式お持ちしますので」

フィアンマ「そのやたらときっちりしている敬語を何とかしろ」

フィアンマは呆れ半分にそう言うと一時試着室へ引っ込む。
今試着した服は上条の態度からして確実に購入の為、脱いで一纏めにする。
丁度纏め終わった時に上条が戻り、カーテンの隙間からおずおずと服を差し出した。
秘書のような女性用スーツのように思える。シャープなラインの作りはフィアンマの細い身体を強調するかのようだ。
スカートの丈はデフォルトで短く、本来はパンストにしたかったのであろうが、(恐らくフィアンマの身長の関係で用意出来なかったのか)肌色の膝上ストッキングとガーターベルトまでついたセット。
黒を基調とする中に赤いワイシャツ、ボタンは一部金色をしている。
フィアンマはそんな1セットに困惑しながらも、上条の要望に応えるべく着替えてあげる事にした。
ちなみにフィアンマに羞恥心というものはあまり備わっていない。

フィアンマ(…これで良いのか)

着替え終わり、色気を醸し出しつつ、且つ知的な印象の女性に様変わりしたフィアンマは全身鏡を見て肩を竦める。
スカートはだいぶ短いので、太股はものすごく晒されている。フィアンマは寒いとしか思えなかったが。

フィアンマ(こちらは外に着て行けないレベルだと思うのだが)

思いつつもカーテンを開け、フィアンマは上条を手招く。

上条「着替え終わったのか?」

フィアンマ「あからさまにガーターベルトが見えていて不格好だが、これで良いのか?」

言いつつフィアンマは上条を見つめる。
上条はフィアンマの姿を上から下まで眺めた後こう言った。

上条「>>585
584 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/09(月) 20:09:21.55 ID:/0P9BaMGo
綺麗だな
585 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/09(月) 20:10:41.39 ID:pa9d8AzSO
我が生涯に一片の悔い無し!!!!!
586 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/09(月) 20:12:34.37 ID:pa9d8AzSO
そしてまさか反映してくれるとは思わなかった>>1ありがとう鼻血がとまらねーぜよ
587 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/09(月) 20:27:27.14 ID:TqmC9wPU0

上条「わが生涯に一片の悔い無し!!!!!」

言うなり、鼻血が出そうになった鼻頭を咄嗟に指先で押さえながら、上条は悶える。
これも購入する事にはしたが、上条は思う。
この姿は自分以外の誰かに見せてはいけない。ある種の兵器だ、と。
フィアンマは店内の中の数人は数人で自分の恋人や妻に釘付けになっているため、上条しか自分を見ていないと認識した上で、短いスカートの裾を引っ張る。
別段恥ずかしがっている訳ではなく、スースーとして寒いだけ。
しかし、それを見た上条の脳内では勝手にアテレコがつく。

上条(顔には出してないけど『当麻は何を考えているんだ、恥ずかしい…』とか思ってるのかな…うぶぉ)

フィアンマ(冬には着たくない格好だ。春先向きだな。といっても、室内着の領域だが…性魔術使いじゃあるまいし)

フィアンマはそんな事を思いつつ、一番上のボタンが無い場所を触る。
男性物の、きっちりとしたワイシャツに親しみがあるからか、一番上にボタンが無い事に不自然さを感じているだけなのだ。
しかし、またしても上条の脳内では好き勝手に創作されてしまう訳で。

上条(そ、そうだよな…質量じゃなくて、フィアンマも女の子なんだから、『胸が見える…』とか心配がっても仕方ないよな)

今度こそ鼻血を堪える事が出来ず口の中に大量の血液が溜まっていくのを自覚しながら、上条はにこりと笑んだ。

上条「生きてて良かった」

フィアンマ「ん?」

上条「うぐ…着替えてくれ、会計しようぜ」

そう言うなり試着室のカーテンをそっと閉め、上条は店内のトイレに駆け込むと、啜って我慢し溜めていた鼻血を吐血するのだった。

上条(し、死ぬかと思った…流石『神の如き者』を司ってるだけあって天使だな…)

少しズレた事を上条が考えている間、フィアンマは元の服装に着替えた上、試着室から出て服一式をカゴに入れた。
靴下等ももれなく買うだろう、と予想して幾つか入れてある。
上条が中々トイレから帰ってこない為、フィアンマは退屈そうに店内を歩き回った。
男性用コスプレ衣服コーナーは少し遠い。此処は女物ばかりがある。
そんな中、フィアンマは一着のコスプレ衣装を手に取った。
別に上条を恨んでいる訳でもないのだが、どうせならヤツにも一着、というついで感覚である。






手に取った衣装は?(女物)>>+2
588 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/09(月) 20:29:00.54 ID:pa9d8AzSO
ksk
589 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/09(月) 20:30:03.96 ID:JnxqerF10
メイド服
590 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/09(月) 20:38:41.95 ID:TqmC9wPU0

フィアンマは手に取った古典的なメイド服を見つめ、脳内で上条に着せてみる。
タグを見、サイズを見て同型の別のメイド服を手にし、脳内で再び上条に着せた後、こくりと頷いた。
フィアンマ自身男装に抵抗が無いからか、上条が女装に精神的苦痛を覚えるという思考には至らない。
古典的といっても、ロングスカートやカチューシャ等のセットで、ところどころは所謂『萌え』狙い路線の衣装。
裾についているフリルはほんのり薄ピンク色で、全体的に可愛らしさと実用性を兼ね備えたデザインだ。

フィアンマ(これであれば男性の骨格も強く目立たずに済むか)

そう考えたフィアンマは、メイド服をカゴに放り込もうとする。
直前、上条がトイレから戻ってきた。鼻血も完全に止まり、奇跡の生還である。
上条は深呼吸した後、フィアンマの手にあるメイド服を見、おずおずと問いかけた。
一応の、確認。

上条「…そのメイド服、フィアンマが着るのか?」

フィアンマ「まさか。俺様には似合わんだろう」

上条「……」

フィアンマ「お前に着て欲しいと思ったのだが、駄目か?」

雰囲気の性別切り替えが早いフィアンマは、上条の顔に自らの顔を近づけ、美青年らしい顔立ちを生かしてにこりと笑んだ。
イケメンが居る、と上条は思う。逆らえないオーラも、同時に感じ取った。

上条「…う…」

フィアンマ「俺様には散々ああいった衣装を購入したのだから、お前も一着位身に纏うべきだろう? でなければ不公平だ」

上条は冷や汗をかきつつたじろぎ、どうにか言い訳を取り繕おうと努力する。

上条「>>592
591 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/09(月) 20:39:56.86 ID:CRx+2J3a0
やっぱりメイド服になる運命だったかwwwwwwwwwwww
592 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/09(月) 20:41:19.32 ID:pa9d8AzSO
………い、家で、なら。……あの、せめて執事服はだめ、か……か?モゴ
593 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/09(月) 20:41:21.14 ID:Y1xM7Jro0
綺麗に着てやるよ!ウイッグと化粧品買わなきゃ
594 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/09(月) 20:51:28.30 ID:CRx+2J3a0
2秒差wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
595 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/09(月) 20:52:15.63 ID:TqmC9wPU0

上条「………い、家で、なら。……あの、せめて執事服はだめ、か……か?」

おずおずと、口ごもりがちに上条は提案する。
フィアンマはしばらく悩んだ後、一度首を横に振った。
完全な否定意思の現れである。

フィアンマ「ダメだ」

上条「メイドに何か拘りでもあるのか…?」

フィアンマ「俺様は『お嬢様』という呼び名は好かん。『ご主人様』の方が好みだ」

上条「な、なら別に執事でも問題無いだろ?」

フィアンマ「シツジキッサでは女の事を『お嬢様』と呼ぶのだろう。嫌だ」

上条(何か常識が間違っている…)

フィアンマ「外套一枚で俺様の足置きにされるかメイド服を着るか選べ」

上条「そっ、そんなに!? そんなに深刻な問題なんでせうか!?」

フィアンマ「何だ、拘束服の方が良いのか? 確かあちらにはそういう服もあったなぁ」

上条「ヨロコンデメイドサセテイタダキマス」

フィアンマ「最初からそうして素直に従っていれば良いものを。あぁ、ついでだから試着しろ。待っていてやる」

上条「い、今…?」

フィアンマ「案ずるな。誰も見ていない」

そういう問題じゃない、と思いつつも惚れた弱味で逆らえない上条はメイド服を受け取って試着室へと消える。
ちなみに、カチューシャ(もといメイド服にありがちなフリルのヘッドドレス)、ワンピース、エプロン、首元にリボン、ニーソックスのセットであったりする。
フィアンマが完璧主義者故か、レースの女性用下着付き。
どうして俺がこんな目に、と因果応報ではあるものの悲しく思いながら着替え、上条は哀愁漂う表情で全身鏡を見遣る。
そしてカーテンを開けると、フィアンマを手招く。
フィアンマはしばし上条のメイド服姿を眺めた後、おもむろにロングスカートへ手をかけてばっと捲った。
もちろん、披露されるのは可愛いぱんつと不釣り合いな男性器である。

上条「ついこの間まで恥ずかしがってだろ! 何でそんな人が無表情でスカート捲りするんですか!」

フィアンマ「あまり俺様を舐めるなよ? お前が昏睡状態の間、祈りを捧げる合間に性魔術の勉強をした。使用はせんし、出来んが。有り体に言えば、もはや今の俺様に男性器目撃に対しての性的な羞恥心など存在しない」

上条「そこは持とう? お願いだから…で、どうなんだ? やっぱり買うの…?」

フィアンマ「>>597
596 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/09(月) 20:53:50.33 ID:8quEvhcp0
ksk
597 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/09(月) 20:53:55.02 ID:pa9d8AzSO
ksk
598 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/09(月) 20:54:10.89 ID:8quEvhcp0
当然だ
599 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/09(月) 20:59:02.17 ID:pa9d8AzSO
上条さん他のコスならなにがいいかね?いっそ褌とサラシか?
600 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/09(月) 21:07:41.73 ID:TqmC9wPU0

フィアンマ「当然だ」

上条「…ですよねー」

にこっ、と爽やかな笑みを浮かべ、笑っていない目で言われ、上条は観念した。
自分もフィアンマに似たような事を強いたのだから、自分だけが逃れる訳にはいかない。
その後、会計を終えた上条は三着入ってずっしりと重い紙袋を手に家へ向かって歩く。
フィアンマはその隣で上機嫌に歩きながら、上条を見た。

フィアンマ「よく似合っていたぞ」

上条「あんまり嬉しくない…というか全然嬉しくない…フィアンマ以外に褒められてたらぶっ飛ばしてる…」

フィアンマ「良いじゃないか、似合わないよりは」

上条「そりゃそうだけどさ…」

フィアンマ「しかし、意外と女性下着の中でも収まるものなのだな」

上条「やめて、その遠まわしに上条さんのモノが粗末みたいな言い方」

フィアンマ「そんな事は思っていないが。そもそも粗末、立派、判別しようにもお前のものと父親のもの位しか見た事が無い。あぁ、アックアはあったかな?」

上条「!?」

フィアンマ「何だ、そんな衝撃を受けたような顔をして。偶々訪れたら着替えていたんだ」

上条「あぁ、うん、そっかそっか」

上条(かくいう上条さんもラッキースケベは多かったな…その分殴られたけど…)

フィアンマ「…アックアのものと比較した方が良いのか?」

上条「結果が見えてるからやめてくれ」

そんな下ネタの会話をしつつ、二人は帰宅した。
衣装を片付け、料理を温める。

上条「ちなみに蝋燭はストックがあるんです」

フィアンマ「蝋燭?」

上条「誕生日に、ふーって吹き消すだろ」

フィアンマ「経験が無いな」

上条「そ、っか…結構楽しいぞ? 気分的に」

言いつつ、料理の準備を終え、食事を開始する。


食事をし、終えて、ケーキ(ティラミス)を食べ。
現在、フィアンマは機嫌よくワインを、上条はシャンメリーを呑んでいた。
フィアンマは中々酔わないのか、しかしほろ酔いではあるのか、上条にくっついている。
極限まで酔えば究極のサディストとなる彼女だが、軽く酔うとむしろ甘えたになるらしい。
対して上条はシャンメリーというちょっと名前がカッコイイだけの炭酸飲料を呑んでいるだけなので、まったく酔いのない素面だ。

フィアンマ「んー…とうま、」

上条「ん?」

フィアンマ「誕生日、…お祝い、ありがとう。久しいものだ」

上条「どういたしまして」

ワインボトルを一本空け、フィアンマは上条にくっつき、軽くもたれかかったまま離れようとしない。
そんなフィアンマの様子にときめきつつ、上条は炭酸飲料を飲み終えた。





上条はどうする?>>+2
601 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/09(月) 21:10:50.85 ID:pa9d8AzSO
肩に手回して瞼に軽くキス
602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/09(月) 21:12:40.23 ID:8quEvhcp0
酒飲んでみる
603 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/09(月) 21:25:49.92 ID:TqmC9wPU0

興味はあったものの言いだせなかった上条は、恋人が酔っている機に乗じて、フィアンマのワイングラスに手をかけ、口をつけた。
グラスの中身は半分程残っており、上条はぐいと飲み干してみる。
噎せかえる程濃厚な葡萄の香りがした。ただ、葡萄ジュースのような甘みは無い。
喉に絡みつくような味を呑み干し、空になったワインをテーブルに置いた上条は、フィアンマを見遣る。
フィアンマはワインを盗られたにも拘わらず気分を害した様子は無く、猫か何かのように上条にすり寄っている。

フィアンマ「んー…」

上条「……」




ほろ酔いの上条の酒癖(ドマゾになる以外)>>+2
604 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/09(月) 21:29:38.66 ID:pa9d8AzSO
キス魔
605 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/09(月) 21:31:11.31 ID:8quEvhcp0
胸揉んだりアソコ触ったりキスしてくる
606 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/09(月) 21:52:55.99 ID:TqmC9wPU0
>>603 ×空になったワイン ○空になったワイングラス》


上条はしばし黙った後、どこかいやらしい笑みを浮かべつつ、フィアンマに口づける。
そこから感じ取れるのはワインの味と、唾液の味。
それから少しだけ残留していたティラミスの甘み。
その甘みを求めるように深く口付けながら、上条はフィアンマの胸元を触った。
ふに、と柔らかな感触でもって上条の手を楽しませるそこを優しく揉みつつ、上条はキスを続ける。
胸はさほど感じない為、フィアンマは特に身じろぐ事も無くキスに応えた。
上条は土御門との約束である仕掛けたカメラの事を酔った頭で思い出し、ベッドから引き寄せた毛布で自分達の身体を覆うようにして、フィアンマのワンピースの裾から手を差し込んだ。
そのまま下着の中まで指を侵入させ、今は主張していない突起を刺激する。

フィアンマ「、っん」

上条「フィアンマ、好きだよ」

好きだ、と言いつつ、理性の少し崩れた頭で、上条は指先をしばらく動かす。
フィアンマは涙目になりながらも嫌がらず、息を乱しながら上条の服裾をきつく握る。
フィアンマもまた酔っていて甘えがちな為、いつもより少し印象が幼い。
上条は段々と愛液でぬるついていくフィアンマの蜜穴を指先で刺激し、そのぬるつきを流す形で激しく突起を刺激する。

フィアンマ「当麻、も、やめ、…っあ、…何、か、クる、」

上条「ん? イくのか…? 良いんだぞ、イっても…」

甘く囁きながら、上条は人差し指と中指で挟み擦りつつ、数度軽く首筋へ口付けた。
フィアンマはきつく上条の服を握りしめ、びくり、と身体を震わせると歯噛みして声を堪えた。
上条は残念そうな表情を浮かべ、そっと唇を重ねると、より一層ぬるつく蜜穴に中指を挿入し、ある程度挿入したところで軽く折り曲げて刺激する。

フィアンマ「も、やめ、ひっ、ぁ」

上条「まだ物足りないだろ?」

自分が物足りないのをフィアンマのせいにしてしまいながら、上条は意地悪く笑む。
酔っていて、且つ絶頂に達したばかりの膣内は熱く、柔らかいながらも強くきつく上条の指を締め付ける。
指の腹が内壁を擦る度に気持ちが良いのかフィアンマは数度首を横に振り、それでも上条はやめず。
終わらない快楽に、しまいに泣き出してしまいながら、フィアンマは上条を見上げる。涙目で睨んだ。

フィアンマ「意地が、悪い」

上条「>>608
607 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/09(月) 21:55:01.48 ID:bmX4AmNLo
kskst
608 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/09(月) 21:55:27.75 ID:pa9d8AzSO
そりゃそうだ。今の俺は悪魔だもの。意地悪なのは当然だな(耳ハム)
609 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/09(月) 22:08:33.29 ID:TqmC9wPU0

上条「そりゃそうだ。今の俺は悪魔だもの。意地悪なのは当然だな」

平然とそう返しながら、上条はフィアンマの頬を舐め、そのまま耳たぶを口に含んで甘噛みした。
耳に歯を立てられる感覚にびくつきながら、性的快感に慣れない、慣れる筈も無いフィアンマは指の動きに為す術も無く喘がされるまま、毛布の中でもぞつく。
酔いが中途半端に醒めているのか、フィアンマは少し寂しそうな顔をした。
上条は目敏くそんな表情を認めるとフィアンマを一度強く片腕で抱きしめ、ずり下がった。
困惑しているフィアンマの細い腰を撫でて淫液に濡れた指を引き抜き、上条はフィアンマの秘部に口をつけ、そのまま舌を這わせた。
酔いが完全に醒めたのか、フィアンマは顔を真っ赤にして固まる。

フィアンマ「ッ、やめろ」

上条「いやら」

フィアンマ「ん、っぁ」

上条が拒否の言葉を発すると共に突起へ吐息がかかり、フィアンマはきつく唇を噛む。
実のところを言うと上条も酔いが醒めているのだが、久方ぶりに性的な接触をしたので、離れがたいのだ。
余談だが、土御門はカメラを仕掛けてもらっておいて見ていなかったりする。

フィアンマ「い、やだ、そこ、ばっか、り」

上条「だってココ、好きだろ?」

甘い匂いのする秘部の突起を何度も舐め上げながら、上条は笑みさえ浮かべて見せる。
否応なしに跳ね上がる腰と赤い顔に自己嫌悪を覚え、フィアンマは腕で顔を隠す。

上条「可愛いな、フィアンマは」

フィアンマ「も、う…気は済んだ、だろう」






上条はどうする?>>+2
610 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/09(月) 22:11:01.77 ID:Y1xM7Jro0
久々にH
性夜ですよ性夜
611 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/09(月) 22:11:29.46 ID:JnxqerF10
フィアンマさんは可愛いなぁ
ksk
612 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/09(月) 22:11:50.06 ID:e6v5lvVi0
そのまま行為をする
613 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga  !orz_res]:2012/07/09(月) 23:07:07.80 ID:TqmC9wPU0

本格的に泣きそうな顔をするフィアンマに可哀想だと思う気持より性的興奮と愛おしさが先行してこみ上げている事を自覚しながら上条は口を離し、唾液を呑みこみ、手の甲で一度拭った後、フィアンマに口付けた。
そのまま腕を伸ばし、優しく頭を撫で、指先で髪を梳き、優しく微笑みかける。
上条の表情に安心したのか、フィアンマは身体の力を抜いた。

「どうしても、嫌か?」
「…嫌悪感では、ない」
「じゃあ、何?」
「…理性が追いつかん領域は、自分で制御出来ない。酒を呑んだからか、いやに反応が顕著だ。いやらしい女だと辟易されたくない」
「しないよ。むしろ、反応された方が嬉しいし、さ」

そう言葉を返して宥め、上条はフィアンマに何度も口付けながら、再び秘部へと触れる。そして数回刺激して手を引いた。
もう片方の手の振りで魔術記号を示すと、部屋に仕掛けてあるカメラの電源が独りでに消えた。
約束破ってごめん土御門、と思いつつ、上条は暑苦しい毛布をようやく退けるとフィアンマの身体を姫抱きにし、ベッドへと運ぶ。
そして部屋の電気を消すと、フィアンマの首筋に軽く、甘く噛みついた。

「好きだよ、フィアンマ。お前だけが好きだ、今はもう、フィアンマしか見えないんだ」

盲目的な愛を支離滅裂気味な言葉で告白し、上条はフィアンマの鎖骨に舌を這わせる。
それと同時に指先で再び秘部の、今は性的快感に主張している突起をこりこりと刺激しながら、上条はびくつくフィアンマの様子を眺めた。
先程フィアンマが自分で言ったように、アルコールの入った彼女の反応は最初の行為時よりも顕著だ。
初行為は破瓜の激しい痛みが存在したが故にあまり快感は追究出来なかったが、今回は一度経験があるため、そこまで痛くはないはずだと、上条は予想する。
その影響もあるのかもしれない。
しばらく愛撫を続ける内に素直に反応する秘部はやがてぐずぐずに甘く潤み、暗闇越しで視覚的に、指先のぬるつく感覚的に、上条を誘惑する。
普段は節制しているとはいえ健全な高校生男子である上条は限界に耐えかね、服を脱ぐ。
口腔愛撫や手で扱いてもらうでもなく完全に勃起している自身をフィアンマの膣口に宛がいながら、上条はそっと挿入の是非を問いかける。
本来であればコンドームを着けるべきなのかもしれないが、今此処には無い。

「…良い、か?」
「…ここまで好き勝手しておいて、今更言い淀むな。前回のように痛がったりはしない、安心しろ」
「…でも、痛かったら言ってくれよ? 何とか対処してみるからさ」
「心配無用だ」

羞恥に視線を彷徨わせながらも、フィアンマは深呼吸して落ち着きを取り戻し、こくりと頷く。
許可を得た上条は右手でフィアンマの左手を握り、左手で竿を支えながらゆっくりと挿入していく。
流石に内臓への圧迫感は苦しいのか、フィアンマは快楽以外で表情を僅かに歪めた。
どうにか根元まで挿入しきった上条は挿入している部分の少し上に目をやり、まだ腰は動かさないまま我慢して突起を弄る。
その度に膣口は収縮し、上条のモノをきつく絞め付けた。
神経の密集している箇所を指で擦られる快感に吐息を零し、フィアンマは上条を見上げる。

「動かない、のか」
「ん、まだ、我慢、」

そう答えた上条は、唾液を潤滑油にしつつ、激しく突起を刺激した。
どうやら性感帯らしく、フィアンマはあっけない程に再び絶頂へ至る。
と同時に、上条のモノの先端に熱い愛液がかかった。

「う、わ…すげ、何か…エロ…」
「ん、…当、麻」

白い頬を羞恥と数度の絶頂とに赤く染めたまま、フィアンマは弱弱しく上条の右手を握る。
とうとう我慢の限界が来た為、上条は腰を動かし始めた。
614 :+ [sage !ors_res]:2012/07/09(月) 23:08:04.00 ID:BlPNMT3AO
+
615 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga  !orz_res]:2012/07/09(月) 23:08:25.83 ID:TqmC9wPU0

一回一回動かす毎に、パンパン等といった乾いた音ではなく、ぐちゅ、ぐりゅ、といったいやらしい水音が響く。
あまり激しく突いて痛がらせないよう頭の片隅でどうにか意識しながら、上条は腰を動かす。
きつい締め付けと、心地よいぬるつきと、性的な、甘酸っぱい匂い。
二回目で痛みは無いのか、フィアンマはあまり堪えずに喘いでいる。

「はぁ、っ、は、フィアン、マ」
「あっ、う、っぁ、また、クる、も、やだ、ひっ、ぅ」
「嫌じゃ、なくて、イイ、だろ?」
「ん、ん、当、麻…っあ、好き、すきだ、」
「俺も、っは、フィアンマの、こと、大好き、だ、なぁ、フィアン、マ?」
「んっ、んぅ、なん、ら」
「赤ちゃん、デキたらいいのにな、」

叶わない願望を口にして、上条は腰を動かしながらフィアンマの頬を撫でる。
余興のようなもので、本気の願いではない。
叶わないなら、上条は、それはそれで構わないのだから。
対して、フィアンマはほんの少し泣きそうになって、それから微笑んだ。
絶頂が近づき前屈みになる上条を抱きしめ、背中に爪をぐいと立てながら、言う。

「そう、だな…ん、っく…お前と、俺、様の、子供、赤子がこの胎に、宿れば、いい、のに」
「聖夜、だし、、奇跡、起きる、かも、な」
「奇跡、は俺様の、専売、特許だし、なぁ、っは」
「もし、さ。妊娠、したら…産んでくれる、か? 俺と、フィアンマの、子、供」
「ん、…ふぁ、産、む、絶対、に、産む…ッ、あ!」
「は、っぁ…ッッ!」

上条は慰めるように、謝罪するようにフィアンマの頭を撫で、強く抱き寄せながら、最奥で射精する。
熱い液体が流し込まれる違和感に唇を舐め、フィアンマは疲れ果てて脱力した。

「…後片付け、頑張るから…寝て、良いぞ…」
「…当麻、」
「…ん…?」
「愛してる…」
「…嗚呼、俺も愛してるよ…」

616 :+ [sage !ors_res]:2012/07/09(月) 23:08:30.55 ID:BlPNMT3AO
+
617 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/09(月) 23:09:08.86 ID:TqmC9wPU0


翌日、上条はぐったりとしながら目が覚めた。
どうにか自分とフィアンマとにシャワーを浴びさせ、着替えさせ。
そしてベッドに倒れ込み、毛布に二人でくるまってすぐ、そのまま寝た。
最も、フィアンマはその前から疲れ果て、眠っていたが。

上条「寒っ」

呟き、上条はもそもそと腕を伸ばして幾つか魔術記号を床に描く。
暖房代わりの術式だ。
まさか、あの上条当麻が科学の街でストーブ代わりに魔術を使うようになるなどと、誰が考えていただろうか。

上条「…だるいな」

呟き、上条はフィアンマを見つめる。
疲れて眠ったからか、いつも以上に生気を感じられない寝顔だ。







上条はどうする?>>+2
618 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/09(月) 23:22:22.09 ID:JnxqerF10
ksk
619 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/09(月) 23:31:29.27 ID:bA71S6El0
書き置きして散歩
620 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/09(月) 23:42:45.73 ID:TqmC9wPU0

上条はしばらくフィアンマの髪や背中を優しく撫で、静かに起き上がる。
そしてメモ帳とボールペンを手に取ると少し筆記した。
散歩してくる旨、遠くまではいかないという事、二時間以内には帰るが、心配になれば電話してくれということ。
上条はフィアンマのスマートフォンに自分の連絡先を入れ、逆も同じくした後、もそもそと着替える。
散歩といっても腰痛をマシにするためであり、精々コンビニにしか行かない。

上条(ついでに何か買って帰ってこようかな)

出来あがった書き置きを目立つようテーブル上に置き、いそいそと結界を張ると、上条は携帯と財布を突っ込んだ上着を羽織って外へ出た。
クリスマス当日の朝、ほとんどの店は開いていない。開いているのはコンビニ位なものだ。
欠伸を噛み殺し、ぐしぐしと目元を擦った上条は、寮から程近いコンビニへと向かった。

上条が家を出て三十分程後、フィアンマはのろのろと起き上がった。
そして赤いワイシャツに黒いカーディガン、黒いズボンという姿に着替え、だるそうに時計を見る。
時間を確認した後、かといって二度寝する習慣も無い為、フィアンマは暇を持て余す。
そしてテーブルに視線をやり、メモの内容を確認すると、ゆっくりと息を吐いた。

フィアンマ(…我ながら、性の欲に浮かされていたとはいえ、馬鹿馬鹿しい事を口にしたものだ。最初に言い出したのはあちら側とはいえ)

そんな事を考えながら、フィアンマはベッドに座った。
家主の居ない部屋は、寂しい。上条がイギリスから戻ってくるまでの間、待っていた時と同じ。
特に変化は無い筈なのに。

フィアンマ(女々しいな)

自分が女性である事を棚に上げるようにそう心中でぼやき、床の魔術記号に記号を付け加えて更に室温を高めたフィアンマは、ぐし、と目元を擦った。






フィアンマはどうする?>>+2
621 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/09(月) 23:43:57.16 ID:pa9d8AzSO
ksk
622 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/09(月) 23:44:12.35 ID:bA71S6El0
ksk
623 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/09(月) 23:47:17.86 ID:pa9d8AzSO
身支度
624 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/10(火) 04:12:49.59 ID:BMnYp9nSO
しまった身支度もう終わってンじゃん…紅茶飲みつつゆったりで頼んます。
625 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/10(火) 18:21:01.97 ID:BMnYp9nSO
ひょっとして>>1はネタギレなのだろうか
626 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/10(火) 19:55:32.64 ID:euqlaxAQ0
>>625様 こっちのスレは大丈夫です!》


そしてのんびりと伸びをしたフィアンマは手を伸ばして電気ケトルに触り、お湯を沸かす事にした。
ものすごく慣れているという訳ではないが、並みの魔術師よりもフィアンマは科学の産物に慣れている。
白いマグカップ(上条にプレゼントしたものではない)にティーバッグを入れ、お湯が湧くまで待ちつつ、思い出したように少しだけ荷造りを始める。
といっても魔術行使に必要なものだけだ。服等は上条が必要だと感じた時に選別すれば良い。
明日からはイギリスかフランスか、そのどちらかに飛ぶ訳で。

フィアンマ(というよりも、俺様はイギリスやらフランスやら、怒りを買いそうなものだが。…まぁ、刺されてみるのも悪くはないか)

あの戦争で、家族を、大切な物を、居場所を奪われた魔術師は大勢いるだろう、とフィアンマは思う。
だからどうという訳も、罪悪感も無いし、死んでやるつもりもないが、痛い思いをするのは悪くないかな、とも思うのだ。
上条が知れば怒りそうな考えではあるものの、償罪としては利に適っている。
お湯が沸き、ティーバッグにて紅茶を淹れ、荷造り(準備ともいう)を終えたフィアンマは使用済みティーバッグを捨て、暇そうに紅茶を啜る。
砂糖もミルクも入れず、かといって茶葉の濃厚な味がする訳でもない、安っぽい色つきのお湯。
自分に生きる事で罪を償えといった上条は、自分が刺された時どうするだろう、とフィアンマは何となく考える。

科学サイドの人間はともかく、魔術サイドの人間は、自分が戦争の引き金を引いた本当の首謀者だと知っている。
上条当麻を『ベツレヘムの星』へ呼び寄せる為、如何なる手段でも用いた。
丁度、使えなくなったスポンジを捨てる要領で使い捨てた人員も沢山居るし、死体の山も築いた。
自分を恨んでいる人は、憎んでいる人は、数えきれない程に沢山、沢山居る筈だ。
きっと『右方のフィアンマ』が目の前に居れば、無謀だと分かっていても、その手にある刃を突き刺して殺してやりたいと願うだろう。
そして自分は、そうそう死なない、死ねない身体をしている。
それならば、自分を憎む人間の気の済むまで刺され、殴られ、蹴られ、それも悪くはないかと思う。
そもそも、自分の身体に宿る『救世主』の性質はその為にあるのだから。
人々の悪意の本当の意味をよく知る自分は、その悪意を引き受ける義務がある。
罪悪感は無いが、確かに自分には罪がある。

フィアンマ(ただ、当麻がそれを赦さないかもしれんが。しかし、これは義務だ)

痛めつけられるのはもっとも手っ取り早い贖罪だ。
被害者も、加害者も、罪を償った実感が得られる。
実際には祈ろうが罵られようが殺されようが、その人間が人を殺した罪人には変わりないのに。
祈れば救われるのは、心の面でだけ。
十字教徒にあるまじき思想を再度確認し、フィアンマは紅茶を飲み干す。
そしてマグカップを洗って片付けると、ベッドへ横たわった。
自分の選んだ使徒全てに裏切られて死した『神の子』の気持ちを想像して、フィアンマは横を向く。
何も無い壁を見つめながら、ぼんやりと思考した。

フィアンマ(どうして俺様は、いつも方法を間違えてしまうんだ)

そんな事を考えつつ、目を閉じる。
上条を狂う程に愛しただけでなく、上条に愛され、少しだけ許された事で、罰を受ける覚悟は出来た。

フィアンマ(処刑台に上がるのも、悪くはないな。どうせ、首を切られても死ななそうだ)

今までだって、何度も殺されかけてきた。
その度に、奇跡的に生き残ってきたのだ。
上条が部屋に居ない今、考えるのは後ろ暗い事ばかり。

上条「ただいまー」

と、ガチャリとドアが開いて。
帰ってきた上条はコンビニ袋の少量な中身を冷蔵庫へ入れると、フィアンマに近付いた。

フィアンマ「……、…あぁ、お帰り」

上条「…腰痛いのか?」

フィアンマ「そういう訳でもないよ。大丈夫だ」

上条「…>>628
627 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/10(火) 20:10:27.12 ID:RWeAEQr30
何かあったのか?フィアンマ、今日は何だか思い詰めてる様な…そんな感じがするぞ?俺の勘だけどさ。
628 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/10(火) 20:19:34.48 ID:BMnYp9nSO
…何かあったのか?溜め込まずにちゃんと言ってくれよ?俺達の間の隠し事は少なくていい。
629 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/10(火) 21:30:17.06 ID:x76H8BCz0

上条「……何かあったのか? 溜め込まずにちゃんと言ってくれよ? 俺達の間の隠し事は少なくていい」

フィアンマ「話したところでどうにかなる問題ばかりだと思っているのか?」

上条「そうは言ってねえよ。話すだけじゃダメなら、手も貸す」

フィアンマ「お前が何かすればどうこう、という話でもないとしたら?」

上条「なら、そんな事考えるなよ」

フィアンマ「勝手なヤツだ」

上条「嘘を吐く位なら真実を話せっていうのは、フィアンマがいつも俺に言ってる事だろ」

フィアンマ「……」

上条「…悩み事なのか?」

のろのろと起き上がってベッドに座るフィアンマの隣へ腰かけ、手を伸ばし、目にかかっている赤い髪を退けて表情を窺いながら、上条は優しく問いかける。
考えて悩んで苦しんで一人で地獄に堕ちるのがフィアンマにとっては"今までと同じ事"なのであれば、上条は一緒に堕ちてやると再び思う。
フィアンマは上条の真剣な様相を見て、優しく温かい声を聞いて、甘えてはいけないと自分に言い聞かせる。
そろそろ、自分は痛い目に遭うべきだ。
自分の身体が傷つく事で上条が傷つくのなら、一時的に離れてでも、それなりに傷付けられて、被害者の心を救わねばならない。
上条が優しくすればする程、フィアンマは自分で自分を戒める。
むしろ、たった一人味方が居るからこそ、世界中から罰を受け、憎しみのままに蹂躙されても、怖くない。

フィアンマ「…本当に、何でもない。起きたらお前が居なくて、少し寂しかっただけだ」

嘘ではない。
ただ、七割以上を占める考えを吐き出さなかっただけ。
上条はしばらくフィアンマの目を見つめた後、小さく一度頷く。

上条「…信じるからな」

フィアンマ「あぁ、信じてくれ」

上条を騙しているような罪悪感にズキリと痛む心を無視してフィアンマは微笑む。
何だかんだで自分で温度をうまく調整したぬるま湯に浸かっておきながら、他人には氷水や熱湯をかけて被害を浴びせてきた自分は、もっと傷つくべきなのだ。

フィアンマ「ところで、何を買ってきたんだ。コンビニエンスストアを目的地として散歩してきたのだろう?」

上条「>>631
630 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/10(火) 21:37:31.33 ID:BMnYp9nSO
ksk
631 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/10(火) 21:46:22.05 ID:bhMB4RYV0
都市伝説の本と軽食
632 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/10(火) 23:02:33.80 ID:x76H8BCz0

上条「都市伝説の本と、軽食。サンドイッチとか」

フィアンマ「朝食か」

上条「そうそう。今食べるか?」

フィアンマ「あぁ」

席に着き、先程少々沸かし過ぎた電気ケトル内のお湯でもう一度紅茶を淹れ始めながら、フィアンマは答える。
上条は頷くとフィアンマから離れ、一時台所へ消えたかと思うと、サンドイッチを持ってきた。
ちなみに都市伝説の本はテーブル脇へ無造作に置かれている。上条は後で読むつもりなのかもしれない。
紅茶を淹れ終わり、テーブル上に並べられた幾つかのサンドイッチを眺め、フィアンマは悩む。
少しだけ考え、思考が億劫になったのか、上条を見遣った。先に選べと言わんばかりの態度。
上条はやはり同じく少し考えた後、無難な卵サンドを手に取った。そもそも、コンビニで売っているサンドイッチに特別美味なものも、特別不味い物もない。
フィアンマは余ったサンドイッチの中からチョコレートと生クリームの挟まれた甘ったるそうなサンドイッチを手にし、黙々と食べ始める。

上条「甘い物結構好きだよな。最近よく食ってる気がする」

フィアンマ「酸っぱい物が食べたい、とも言って欲しいのか?」

上条「べ、別にそういう訳じゃねえよ」

酸っぱい物、という単語だけで昨日の本気とはいえど恥ずかしい発言を思い出し、上条は悶えそうになりながらもぐもぐとサンドイッチを頬張った。
フィアンマは上条にくっつき、チョコレートソースを味わうようにゆっくりと食べている。
上条はフィアンマの顔を期待の目で見遣るも、上品に食べている為か、口周りに汚れを作る様子は見当たらない。
ちくしょう、と先程とは違う理由で項垂れる上条の様子を見、フィアンマは訝しがりつつも黙って見過ごす事にした。

食後、上条は暇な為、都市伝説の本を読む事にした。
ベッドへうつ伏せに寝っ転がり、少々行儀の悪いポーズで。
フィアンマはベッドに座って暇を持て余し、上条の様子を観察する。






フィアンマはどうする?>>+2
633 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/10(火) 23:03:08.39 ID:K1s/eVkj0
ksk
634 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/10(火) 23:08:10.44 ID:BMnYp9nSO
ハデに登場した麦のんにびっくりする
635 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/11(水) 00:27:50.42 ID:IeK6L60r0

しばらく上条を観察してみたものの飽きたのか、フィアンマは上条の隣に寝っ転がってテレビを点ける。
音量は控えめにしたのだが、それとはまた違う意味でフィアンマはびくりとして驚いた。
この間やたらと自分の邪魔をしたが故にババア呼ばわりした女性がテレビの中で原子や電子についての討論会で派手にシャウトしていたからだ。
日本の国会でありがちな水掛け論のような調子ではなく、何故理解しないのかと言わんばかりの様子。
0次元の極点がどうだの、と話していたので、フィアンマはテレビのチャンネルを回した。
単純に理由を述べてしまえば、別段興味が無かったからである。
チャンネルを回し続け、やがてとある番組で止まった。音楽番組、と気軽に言うには少し硬い、昔の名曲を紹介する真面目な番組。
フィアンマはしばらく退屈そうにテレビ画面を眺め、ふと流れてくる音楽の調子に合わせるように口ずさんだ。

フィアンマ「Caro mio bene, credimi almene,(愛しい人よ 信じておくれ)」

一番歌い慣れているのが聖歌だからか、色っぽさや恋愛感情というよりも、透き通った清楚さが前面に出ている声。
どこか苦しさの伝わるような、それでいて愛情深い声色だ、と上条は思う。

フィアンマ「senza di te, languisce il cor.(君に会えず 恋焦がれる日々)」

そこまで歌って、フィアンマはテレビを消した。
ふと我に帰ったのか、羞恥にシーツへ顔を埋める。
もごもご、とした後上条を見、やはりもごもごと言う。

フィアンマ「…下手な歌を聴かせた。忘れろ」

上条「>>637
636 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 00:38:29.59 ID:XEyeaiFSO
そうか?極上の歌だったけどな。良かったらもう少し聴かせてくれよ。何かさ、今はフィアンマの声が無性に聞きたいんだよ
637 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/11(水) 00:42:26.78 ID:CLh/BOox0
>>636

638 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/11(水) 01:29:05.22 ID:IeK6L60r0

上条「そうか? 極上の歌だったけどな。良かったら、もう少し聴かせてくれよ。何かさ、今はフィアンマの声が無性に聞きたいんだよ」

ぱたりと本を閉じて適当に放置し、フィアンマへ笑顔を向けながら、上条は言う。
だいぶキザな褒め言葉ではあるが、取り繕った訳ではなく、本心からさらりと出たものだ。
このような気質故にフラグメイカーと呼ばれてしまう事を、上条は知らない。
フィアンマはしばらく黙りこんで迷った後、続きを歌い出す。
楽器に喩えればハープといったところだろうか。優美で静かな声色。
音痴で無い限り歌う声と喋る声は別物で。
いつもより高めの女性らしい、むしろ少女のような声に心底聞き惚れ、惚れ直しながら、上条はフィアンマの表情を眺める。
何を思っているのか、目を閉じて、無表情と笑顔と泣き顔の間のような、想いの滲む表情。
二曲目は同じくイタリア語の曲で、上条には歌詞の意味はよく分からないものの、先程の曲と同じ位ロマンチックで優美な歌だという事は分かった。
本当に上手な歌い手というのは、歌詞の分からない人間に歌の意図を感じ取らせるものだ。
二曲目を聴き終え、無意識に拍手をした後、上条はフィアンマの髪を撫でた。

上条「本当に上手だな。声も綺麗だし」

フィアンマ「聖歌や古い歌位しか歌えんが」

上条「最近の曲は加工も多いしな。本当に歌上手いかどうか分かるのって、むしろ昔の歌だろ」

フィアンマ「そんなものか?」

上条「俺はそう思う。喉痛めちまうからもういいけどさ、いつまでも聴いていたいって思う位だった」

フィアンマ「……、…そうか」

にこにこと、そして感動したと言わんばかりの様子で言われ、羞恥が増したらしいフィアンマは毛布に隠れる。
前は言葉で黙らせるなり鉄拳制裁なりしたのに、と思いつつ、素直に照れているフィアンマの様子に上条はほんわかと和む。

上条「誰かから習ったのか?」

フィアンマ「いや、特には」

上条「なら才能なんだな」

フィアンマの頭を毛布越しに撫で、猫を思い浮かべながら上条はそう言う。

上条「また聴かせてくれるか?」

フィアンマ「……、…高頻度であれば、断る」

もっと歌に自信持てば良いのに、と上条は思う。
ただ、フィアンマは不慣れはぎこちないと思っているらしく、歌には自信が無いようだ。







上条はどうする?>>+2
639 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 01:33:37.04 ID:XEyeaiFSO
そっか。じゃあ、たまには聴かせてくれよ?また聞きたい。(微笑みながらナデナデ)
640 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 01:44:30.37 ID:XEyeaiFSO
641 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/11(水) 02:28:09.48 ID:IeK6L60r0

上条は微笑んで毛布にそっと手を差し入れ、フィアンマの頭を直接撫でた。
さらさらとした、あまり傷みの無い髪が上条の指先に吸いつく。

上条「そっか。じゃあ、たまには聴かせてくれよ? また聞きたい」

フィアンマ「…ん」

吝かではない、といった態度で撫でられながら、フィアンマは毛布を剥ぎ、上条の方へ押しやった。
そしてうつ伏せのまま撫でられ、枕に顔を埋める。
本当に猫のような態度を取るフィアンマの頭から首にかけて撫でつつ、上条は上機嫌に笑んだ。

フィアンマ「…いつまで撫でているつもりだ」

上条「触り心地良いんだから、仕方ないだろ」

よしよし、と宥めるように撫でられ、やや不服そうなフィアンマは上条の手を握り、引き寄せると指先を軽く噛んだ。
噛むといっても歯を立てるようなものではなく、軽い、連続した甘噛み。
上条はだらしなく口元を弛ませ、フィアンマを抱きしめた。愛おしさに勢い余った形である。

上条「あー、もー、くそ、可愛い」

フィアンマ「…別段可愛くはないが」

一応否定しておきながら、フィアンマは上条の首元辺りへ顔を埋めた。

上条(そろそろ、幸せの反動が怖いな)

上条はそう思ってしまう位、幸せの絶頂にあった。








次の日。
上条とフィアンマとは、イギリスへ来ていた。
上条に対して歓迎ムードであった面々は、フィアンマの姿に恐れ戦いたり、どうすれば良いかわからないといったような表情を浮かべる。
その中でも一人、とある少女はフィアンマを睨んでいた。
可愛らしい相貌に、沢山の憎しみを浮かばせながら。しかし、それはフィアンマにしか分からない。

五和「…」

フィアンマ「…当麻、お前はあちらを頼む」

上条「あぁ…うん」

処理をする物は沢山あり、上条は心配しつつも常識人である五和なら大丈夫だろうと考慮し、皆を引き連れて出ていく。
後に残されたのは五和とフィアンマ、二人きり。
実際には天草式十字凄教のメンバーや雑兵の魔術師が、フィアンマを警戒して控えてはいるのだが。
フィアンマは少女―――五和を見つめ、静かに頭を下げた。
あの『右方のフィアンマ』が頭を下げた事に、何人かの魔術師はあからさまに動揺を露わにしている。

フィアンマ「…お前は、上条当麻を好いているだろう。そして、傷付けられた事に腹を立てている。…すまなかった」





五和はどうする?>>+2
642 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 02:37:17.56 ID:XEyeaiFSO
ついに来ちゃったー!!!ksk
643 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 03:05:51.96 ID:XEyeaiFSO
……すまなかった……?よくも、まぁそんな事ほざけましたね…
…ふざけるなアアアアアアアア!!!!私から上条さんを、仲間を奪って!!!戦争起こして、沢山の死ななくて済んだ人達の命奪って!!!
自分は罰も受けず、好きな人と結ばれて幸せで〜す。か!?舐めンのも大概にしろゴミクズが!!!
本当に私に申し訳なく思ってるなら、今すぐ上条さん渡して、世界に土下座して、首を切り落とされてくださいよ!!!…………何とか言えやクソッタレェェエ!!!!!!
644 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 04:37:57.94 ID:XEyeaiFSO
[ピーーー]!!!!殺してやる!!!!お前みたいなのは死ななきゃ駄目だ!!!

も追加でお願い
645 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sag]:2012/07/11(水) 06:53:12.84 ID:jXs77cc60
こ れ はwwwwww
646 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/11(水) 07:01:51.12 ID:gpISX1hj0
これは酷い
647 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/11(水) 07:04:50.41 ID:gpISX1hj0
上条さん奪ってってのもおかしい気もするがぬ
いつお前のものになったんだwwwwww
的な
648 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 10:12:13.57 ID:XEyeaiFSO
もう側に居れないでしょ
深夜テンションとノリ恐い(・ω≦)テヘペロ☆
649 :名無しNIPPER [sage]:2012/07/11(水) 10:34:46.55 ID:cYMi0lzG0
貴様五和を陥れるつもりか!
650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 10:58:26.40 ID:XEyeaiFSO
いや違うって。長屋に言っただけ。上条さんはフィアンマと会う前は割りと頑張れば落とせるlevelで、色々と会ったり何やかんや出来たけど、会った後はフィアンマに心奪われて殆ど見向きもされなくなっちったやん?もう迫ってもナニしてもアウトオブ眼中で、悔しい!奪われたって事を
651 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/11(水) 11:03:32.88 ID:cYMi0lzG0
五和の悪あがき?
652 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/11(水) 11:13:31.39 ID:cYMi0lzG0
すまねぇ

友人が勝手に名無しNIPPERで
書き込みやがった
653 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/11(水) 11:58:41.65 ID:7cQtw+iz0
友人しばいといたから
スルーしといて下さい
654 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 12:25:55.86 ID:DfmPI1fIO
長屋君と名無しニッパー君は仲が良いんだね
素朴な疑問なんだが何に関して謝ってるの?
655 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/11(水) 12:31:49.60 ID:D7PjeUfW0
つい謝るのが癖なんだ
気にしないでくれ
656 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/11(水) 12:34:21.12 ID:X0chIbzd0

五和は眼前で頭を下げるフィアンマを睨む。
フィアンマが『神の右席』に指示を出さなければ上条は右腕を斬り落とされる恐怖に晒される事も無かった。
怖い思いをする事も、痛い思いをする事も無かった。
フィアンマがフランス政府を裏からせっつかせなければ、『ブリテン・ザ・ハロウィン』だって起きなかった。
誰も傷つかなくて済んだ。死ななければならない人だって居なかった。
そんな、他人を傷付けた張本人は五和の想い人の隣で笑いあい、手を引かれ、幸福そうに歩いている。
恋人である事は傍目にも明らかだった。上条は楽しそうに笑っていた。幸せそうだった。
こんな人間の隣で。こんな人間を隣に置いて。

五和「……すまなかった……?よくも、まぁそんな事ほざけましたね…」

フィアンマ「……」

悔しさと悲しさと、憎しみに、怒りと殺意。
心を覆う凶悪な悪意に逆らう事が出来ないまま、五和は槍を組み立て、フィアンマへ向ける。
この場所に、フィアンマの味方は誰一人居ない。
神裂が居れば止めたかもしれないが、それ以外の面々は止めない。

五和「…ふざけるなアアアアアアアア!!!!! 私から上条さんを、仲間を奪って!!! 戦争起こして、沢山の死ななくて済んだ人達の命奪って!!! 自分は罰も受けず、好きな人と結ばれて幸せで〜す。か!? 舐めンのも大概にしろゴミクズが!!! 本当に私に申し訳なく思ってるなら、今すぐ上条さんを渡して、世界に土下座して、首を切り落とされてくださいよ!!!」

フィアンマ「………」

フィアンマは無言のまま、頭を上げる事もなく目を伏せる。
五和は激昂する事をやめられない。
きっと、恐らく、上条が此処に戻ってきてくれても、止められないだろう。
好きな人を盗られただけでこんな風に怒りを露わにする程、五和は短気ではない。
あまりにも、奪われたものが、失ったものが、多すぎて。怒りを治める事は、出来ない。

五和「…………何とか言えやクソッタレェェエ!!!!!!」

フィアンマ「…そうだな。恐らく、まぁ、俺様は本当に悪いなんて思っていないのだろう。世界に謝罪するのはともかく、当麻を渡す事は出来ないのだから」

五和「ッ」

爆発的に膨らんだ殺意を感じ取りながらも、フィアンマはそう言葉を返したのみで顔を上げない。
五和の顔を見るのが怖いのではない。
こんな台詞を吐いたのは、五和に後々罪悪感を持たせない為だ。
申し訳無いといった人間を刺してしまった、という罪悪感を掃う為。
五和は怒りの限界を超え、向けていた槍をフィアンマの身体―――心臓部を狙い、しかし少しだけ外れて、腹部へ向けて突き刺した。
当たるかどうかは問題ではない。五和はただひたすらに、眼前の人間を傷付けてやりたいと思ったのだ。
久方ぶりに向けられた圧倒的な悪意と殺意、そして攻撃に対し、フィアンマは何もしなかった。
防御術式を適用して防ぐ事も勢いを減速させる事も、まして反撃する事もしなかった。
結果、槍はフィアンマの腹部を貫き、背中から出る形で貫通した。
右腕を切断された時よりは痛くない、と思いながら、フィアンマは内臓が傷付けられたが故に口の中へと溜まった血の塊を吐き出す。
五和はまさか通じるとは、ましてこのように無防備な態度を取られて攻撃が通用してしまうなどと思わず、槍を突き刺した体勢で固まる。
幾ら右腕を切り落とされたとはいえ、それは実力が皆無になったという訳ではない。
避けられただろうし、防げただろう。にも拘わらず、フィアンマは一切の抵抗をしない。
建宮の声が響いていた。ただ、その『下がれ』はフィアンマの反撃と五和の安心を危惧してのものだ。
この場所に、フィアンマの味方は誰一人居ない。
フィアンマは思い出したように、右肩から何かをメキメキと乖離させた。『聖なる右』。
身体を強張らせる五和を無視する形で、槍に貫かれたまま、フィアンマは右腕を軽く振る。
その一撃は誰を傷付ける事もなく、当初壊そうと予定していた、霊装を壊しただけ。そして、『聖なる右』は霧散する。

フィアンマ「…どうした? 俺様に一矢報いる勇気のある者はこんな子供一人か? お前達は天草式十字凄教の人間、それに、今まで『清教派』に仕えてきた人間ばかりなのだろう?」

挑発しながら、フィアンマは腹部に突き刺さった槍を触る。
血を吐きながら、口元を歪ませてみせた。

フィアンマ「…続きは、せんのか?」

そしてようやく頭を上げると、五和を見据えて言った。
何か悟ったような、柔らかい微笑みで。






五和はどうする?>>+2
657 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/11(水) 12:36:13.62 ID:UBVSZRMi0
ksk
658 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 12:44:37.22 ID:XEyeaiFSO
顔を殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る後腹パン→刺さってる槍をそのまま上に上げる
659 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 12:47:48.01 ID:XEyeaiFSO
※こんな事書いてるけど俺はフィアンマも>>1も大好きです
660 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/11(水) 12:55:03.30 ID:X0chIbzd0
>>656 ×五和の安心 ○五和の安全》


五和「他の人がやらないのなら、私がやるッ!」

憎らし気にそう叫び、五和は強化の魔術記号を身振りで表しながら拳を握りしめ、フィアンマの顔を殴る。
うっかり舌を噛んでしまわないようフィアンマは歯を食いしばり、少女の細腕から放たれる拳を受ける。
そこに一切の抵抗は無い。反抗も。
計一三回。
少女のか弱い腕といえどそこまで殴られれば流石に頭が揺れるもので。
血液と一緒に胃液を吐きだしそうになりながら息を詰めたフィアンマの腹部、槍の少し上に、五和の拳が突き入れられる。
今度こそ胃液と血液を床に吐き出したフィアンマの様子を確かめる事もせず、五和は槍を再度握りしめ、ぐいと上に上げる。
身体が持ちあがる、とまではいかないものの、身体に突き刺さった棒が内臓を押し上げる痛みに肺の中の息を全て吐き出し、フィアンマは数度咳き込む。
その度に床へ血が撒かれる。
任務の為に沢山の人を傷付けてはきた天草式十字凄教の面々も、『清教派』に仕えてきた雑兵の魔術師は、あまりの惨状に目を逸らした。
しかし、代理で五和に暴力を振るわせている事と、この惨状を止めずに目を逸らす事は、イコール。
フィアンマは激痛に霞む視界に眉を寄せ、どうにか息を吸った。
可哀想に、とフィアンマは思う。
こんな細い少女一人に復讐を任せる魔術師達は、自分の手を汚すのが怖いだけ。
自分が傷つくのが怖いだけ。
何と汚らしい心だろうか、とフィアンマは思う。
五和は咆哮しながら一度槍を引き抜き、再度フィアンマを突き刺そうとして…防がれた。弾かれた。
弾かれた勢いで、また、攻撃の反動で大きく後ろに吹き飛ばされながら、五和は一度咳き込む。






フィアンマを庇って守った人物(禁書キャラ名)>>+2
661 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 13:04:58.66 ID:XEyeaiFSO
ただ、ここでヒーロー登場だとバイオレンス五和が……なァ?
662 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 13:06:41.01 ID:uhuVipOC0
一方通行
663 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 13:09:22.71 ID:XEyeaiFSO
どっから聞き付けてきたwwwwww
664 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 13:20:17.84 ID:XEyeaiFSO
…これテッラさん書いたら安価↓かなテッラさん大好きなんだが
665 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/11(水) 13:26:31.99 ID:X0chIbzd0

フィアンマの前に立っていたのは、一人の白い少年。
白い髪に、赤い瞳。首元には何やらスイッチつきのチョーカー。
学園都市第一位の、『一方通行』。
五和を払ったのは氷。
目を瞬かせ、フィアンマは眼前の少年を見つめる。
そして面倒臭そうに言った。

フィアンマ「…邪魔をするな」

先程まで刺されていたとは思えない人間の一言だった。
刺している方が言う筈の台詞を平然と言いながら、フィアンマは少年を見つめる。
少年のビジョンは不自然に揺れ、フィアンマを振り返ると同時に掻き消えた。
どうやらホログラムに質量を伴ったもの。フィアンマの記憶の中からランダムに姿は選ばれたらしい。
科学的にそう説明するとそんな一文で。魔術的に説明すると、使い魔のようなもの。
普通の魔術師が一般的に使う、誘爆術式。
一瞬だけ盾が欲しい時などに最も有効だ。
五和は壁に頭を打ったのか、揺れる視界で術者を見遣る。
『聖母崇拝』も、『聖人』も失った一人の傭兵が立っていた。
担いでいるのは、以前の彼とは思えない、いたって普通の刀剣。
ただ、その色合いは青い。やはり『後方のアックア』としての性質をほんの少し引きずったものだろうか。

アックア「貴様一人傷つくだけでは済まないのである」

フィアンマ「案ずるな。死ねん」

アックア「あの少年を泣かせたいのか」

フィアンマ「……」

元同僚の温情というよりは、アックアは自らの魔法名に従っただけだ。
フィアンマが万が一死んでしまえば、上条は冷たい涙しか流せなくなる。
ちなみに、アックアは偶々『騎士派』の使いとしてこの場所へやって来ただけだったりする。
五和はふらふらとしながら立ち上がり、頭に血が上っているせいであまり物事を深く考えられないまま、アックアへ槍を向ける。

五和「邪魔を、するのなら…貴方も、殺します。最早、私には何も、残っていないんですから…何も、怖くありません」






アックアはどうする?>>+2
666 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 13:27:52.29 ID:uhuVipOC0
一方「ヒーローの嫁がピンチと聞いたンでスッ飛ンできた」


最初はアックアさんとかも思ったけど右席系は来たらまずいかと思って止めたんだよ
667 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 13:30:53.18 ID:uhuVipOC0
とか思ってたら本当にアックアさん来たわwwwwww

安価下
668 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 13:39:39.95 ID:XEyeaiFSO
…想い人を本当の不幸にしてでも、仲間も信仰も居場所も失ってもいいのなら、私ごと殺せ。
但し、その時は魔法名を名乗らせて貰うのである
669 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/11(水) 13:55:42.78 ID:X0chIbzd0

アックア「…想い人を本当の不幸にしてでも、仲間、信仰、居場所さえも失っても構わないというのなら、私ごと殺せ」

刀剣を握ったまま、五和に向ける事はなく、アックアはそう静かに言いながらフィアンマの前へと立つ。
フィアンマは訳もわからないと言いた気に、アックアを見上げる。
あまり多くを語る事を好まないこの男が放つ言葉は、一語一語が重い。
五和はアックアの言葉を聞き、ギリリと歯ぎしりをしながら槍を握る手を振るわせる。
迷いが見えた。

アックア「但し、その時は魔法名を名乗らせて貰うのである」

五和「その人は戦犯です」

アックア「それならば宗教裁判にかけるがよかろう。それでもやはり、あの少年は涙を流すであろうな」

五和「ぁ…」

五和は、上条の泣く顔を思い浮かべ、黙り込む。
槍の切っ先は下へ向けられた。悩んでいるようだ。
『右方のフィアンマ』は罰されるべきだ、と、この空間に存在する人間は皆思っている。
ただし、アックア―――ウィリアム=オルウェルにとって、背後に居る女性は最早『右方のフィアンマ』ではない。
フィアンマは床に膝をつきそうになりながらもどうにか深呼吸して耐え、背後からアックアを睨む。

フィアンマ「『聖母崇拝』も『聖人』も失った男が、何をしている。多少強いだけの魔術師が、この俺様に背を向けるか。死にたいのか? 案ずるなと言った筈だ。俺様は死なないのではなく、死ねない身体なんだよ。あの少女には、俺様を傷付ける権利がある。殺す権利もある。お前が行っているのは只の偽善だよ。馬鹿なヤツだ」

嘲笑混じりに、フィアンマは言う。
アックアだけでなく、周囲の人間全てを悪意に染め上げるかのような言葉遣いだった。
悪役に徹しているのだ。傷付けられる為に。罰を受ける為に。
上条は時刻から考えて予定通り、此処では無い教会で破壊作業を行っている事だろう。
神裂に、フィアンマがあらかじめ頼んでおいたのだ。謝罪をするから、と。

フィアンマ「退け。あの少女は先程壁にぶつかった事で多少意識がブレているようだが、代わりに、周囲の雑兵は俺様に一矢報いる心づもりが出来たようだぞ?」

フィアンマの言葉通り、何人かは遠・中距離魔術を行使しようと構えている。

フィアンマ「俺様は罰を受けねばならん。さぁ、そこを退け。どうせ何をされても死なんのだから、此処で全員から悪意と苦痛を与えられるが相応だろう」

アックア「>>671

670 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 14:04:49.64 ID:uhuVipOC0
…もしも、あの少年が貴様と同じ立場になったとして、今の貴様と同じ行動をとったとしたらどうする?
671 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 14:08:28.91 ID:XEyeaiFSO
構わん。どんな目に遭おうとも、偽善者と呼ばれても。信念を棄てる位なら死んだ方がマシである。
672 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 14:19:25.79 ID:XEyeaiFSO
しまった。構わんじゃなくて断るだった
673 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/11(水) 14:26:30.78 ID:X0chIbzd0

アックア「如何なる評価を受けようと構わん。断る。どんな目に遭おうとも、偽善者と呼ばれても。信念を棄てる位ならば、死んだ方がマシというものである」

言いつつ、中距離魔術である炎を水の魔術で打ち消し、アックアはフィアンマを振り返る。
失血に立っているのが精一杯のフィアンマを見、おもむろに剣をしまうと、眼前の女性を抱え上げた。
手や服が血で汚れる事も厭わず、そのままこの広間から出ていく。
数度追撃があったが、振り返る事も無く避けきって。

フィアンマ「…愚かなヤツだ。本来であれば、お前も復讐するべきなんだぞ? それを、」

アックア「理由と正当化はイコールになどならん。そもそも、人を殺して良い理由等どこにも無いのである」

安易に罰を受けさせないというのは、それはそれで残酷なものだ。
だが、そもそも罰というのは人が与えるのではなく、神が与えるべきなのだ。
どれだけフィアンマの心身が虐げられたところで、フィアンマ自身が罪を自覚し反省して祈らなければ、罪を洗い流した事にはならない。
アックアは上条にあらかじめ教えてある自らの滞在場所へ、フィアンマを運んでやってきた。
そして床に陣を描き、その上にフィアンマを横たわらせて回復術式を施す。
一般の魔術師へ戻ってしまったアックアは、『神の右席』に縛られない。
フィアンマ程の奇跡的な回復術式は行えないが、一般的なソレであれば使用出来る。
戦場で生きてきた人間である以上、多種多様な治癒・回復術式の知識は沢山ある。それらをフル稼働しながら、術式を構築していった。
アックアにとって今のフィアンマは『右方のフィアンマ』ではなく、上条当麻という心優しい少年が心から愛する、少年の恋人でしかない。
それを除いたとしても、アックアは復讐には走らなかっただろう。『神の力』を止めると決めたのは、彼自身の意思なのだから。
アックアの優しさに触れ、フィアンマは苛立たし気な表情を浮かべる。
そして、一度ため息を吐いた。

フィアンマ「………まぁ、お前はそういう男だったな。確かに、そうだった」

アックア「…」

何も答えず、応えず、アックアは黙々と術式を実行する。
傷を癒されながら、フィアンマは時計を見た。
規則正しく動く時計の針を見つめながら、言葉を零す。

フィアンマ「やはり、もっと早く息絶えておくべきだったよ。温情によって、いつも生かされている。俺様がこうして呼吸しているだけで憎しみを募らせる人間は沢山居るのに、俺様の周囲にお人よしが多いせいで、いつも助かってしまう。当麻に出逢う前に死ぬべきだった。周囲を不幸にして幸福を得る事しか出来ん。はは、まるで悪魔だな」

アックアは僅かに呆れの色を滲ませながら、フィアンマを見る。

アックア「…>>675
674 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 14:32:06.75 ID:XEyeaiFSO
ksk
675 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 14:52:44.69 ID:XEyeaiFSO
それが、「生きている」という事だろう。長年生きてもわからんか?お前の場合は色んな意味で度が過ぎているが。

…それと、あの少年の為にも、嘘でも出会う前に死んだ方が良かったなんていうもんじゃない。
676 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/11(水) 15:13:01.27 ID:X0chIbzd0

アックア「…それが、『生きている』という事だろう。長年生きても解らんか? 貴様の場合は色々な意味で度が過ぎているが。…それと、あの少年の為にも、嘘でも"出会う前に死んだ方が良かった"等と言うものではない」

フィアンマ「ふん、まさかお前に叱られる日がくるとはな。…長く生きているとな。生が希薄になるんだよ。それにしても、愉快だな。傭兵崩れといっていたお前だが、動き方は正に騎士なのだから」

だいぶ傷は治ったものの起き上がる気力は湧かず、ぼんやりと時計を見つめてフィアンマは小さく笑う。
アックアは嘆息しながらフィアンマの言葉を聞き届け、上条に遠距離通信で一言だけ連絡した。
『フィアンマは怪我をしたので、貴様には教えてある場所で治療している。じきに治れば送り届けよう』と。

フィアンマ「…礼は言わんぞ」

アックア「不要だ」






上条当麻は、連絡を受けた。
後方のアックア、もとい今は『騎士派』に協力的な一人の傭兵、ウィリアム=オルウェルから。
丁度作業を終え、休憩をしていたところだったので、よく聞こえた。
『フィアンマは怪我をしたので、貴様には教えてある場所で治療している。じきに治れば送り届けよう』と。
どうしてフィアンマが怪我をするのか。そして、アックアが治療を施さなければいけない程の重傷なのか。
言うまでもなく、誰かが彼女を傷付けたからに決まっている。
たかが転んだ、ぶつかった程度なら、治療など必要ない。

上条「…神裂。俺はあの教会に戻るけど、いいよな」

神裂「…同行します」

誰が傷付けたのか、上条には分からない。
ただ、怒りが沸々と、腹の底から湧き出している事は、理解出来る。
やはり一人にするべきではなかったのだ。あの教会に居る人間を信頼すべきではなかった。
不信感と猜疑心を昏く浮かばせ、上条はフィアンマが居た教会へ戻ってきた。
掃除をしている最中だったらしい、血痕が要所に見える。
大量の血液だったが、誰一人怪我はしていない。
上条の姿を認め、五和は血の付いた槍を握る手を震わせた。
上条は無言、無表情で五和に近寄る。

上条「誰がやった。五和か。建宮か。他のヤツか。それとも全員か?」

五和「……、…」

上条「答えろよ」

五和「……、…私、と…他に、数人、です」

上条「>>678
677 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 15:29:49.47 ID:XEyeaiFSO
ksk
678 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 15:47:57.76 ID:uhuVipOC0
なら、やった奴は全員出て来い。そして…俺にも同じ事をしろ。
679 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 15:48:06.63 ID:iTuFKq8B0
復讐はここで終わりだ
680 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 15:58:04.38 ID:iTuFKq8B0
>>678カッケーっす
681 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/11(水) 16:05:06.05 ID:X0chIbzd0

上条「なら、やった奴は全員出て来い。そして…俺にも同じ事をしろ」

五和「え…?」

上条は、無表情でそう言った。
何が起こったかは分からない。知る為に、傷ついても構わない。
どのみち上条も死にはしない身体だ。
どこまでも無機質にそう要求する上条に、五和は一歩後退る。

上条「何をした。誰も血出てねえみたいだけど、って事はこれ全部フィアンマの血って事でいいんだよな? 誰も止めなかったのか。これだけの人間が居てたった一人でさえ。アックアが来るまで、誰もやめようって言いださなかったのかよ」

五和「…ごめん、なさ」

上条「謝ればフィアンマの傷が消えるのか? 怪我が治るのか」

五和「……」

上条「いいよ。そう思うならやってみてくれよ。俺を刺すなり何なり。それで、謝ってくれればいい。俺もフィアンマも同じような"なかなか死なない"人間だしさ、気にしなくて良いぞ」

五和「…、」

五和は知り合いだから、そして普段とても優しい少女だと知っているから、上条はどうにか殺すのを我慢している。
目の前でやられた訳ではないから耐えられる、というのもあるが。

上条「被害は出てないよな。そこで壊れてる霊装も予定通り壊そうってモノだったし。楽しかったか? 何の抵抗もしてない人間を虐げて。すごい血液量だよな。五和が流したら死ぬか気絶するんじゃねえかな。どう思う? 何なら今ここで試してみるか? フィアンマにやった事、とてもじゃないけど俺には出来ないような怖くて酷い事をしたんだろ? なぁ。別に怒らないからさ。俺にも同じようにしてみろよ。ほら、」






五和はどうする?>>+2
682 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 16:23:13.64 ID:XEyeaiFSO
ksk
683 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 16:23:47.27 ID:XEyeaiFSO
…できません。理由もないですし……でも、聞いて下さい!!!あいつは、右方のフィアンマは!!私達に酷いされても仕方ないような事をしてきたんですよ!?仲間は何人も殺されて!!もっと酷い事を沢山されて!!!
大体、上条さんは世界中で、戦争勃発による各地の惨状や貧困、家族や恋人、大事な人を失った人達がどれだけ悔しい想いをしてるか知ってますか!?
それだけの事をした悪党を上条さんは許してしまうんですか!?どうせ、このあとフィアンマは…公開処刑されてしまうのに!!!(鼻水と涙でぐちゃぐちゃ)
684 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 16:31:02.49 ID:iTuFKq8B0
話の方向が……(驚愕)
685 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/11(水) 16:33:05.97 ID:FnnKN+Z70
フィアンマ死んでしまうん?
686 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 16:33:22.48 ID:XEyeaiFSO
探してた戦犯見つけてなにもしないのがおかしいやん
687 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 16:34:11.71 ID:XEyeaiFSO
さすがにガチ処刑はさせんけど、手前位は
688 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/11(水) 16:42:23.65 ID:X0chIbzd0

五和「……、…できません。理由もないですし……でも、聞いて下さい!!! あいつは、右方のフィアンマは!! 私達に酷いされても仕方ないような事をしてきたんですよ!? 仲間は何人も殺されて!! もっと酷い事を沢山されて!!!」

上条「…」

間接的か直接的か。そんなことは五和には、世界の人々には変わりない。
間接的だとしても、フィアンマが大勢の人々から沢山の物を奪い去った事自体に変わりはない。

五和「大体、上条さんは世界中で、戦争勃発による各地の惨状や貧困、家族や恋人、大事な人を失った人達がどれだけ悔しい想いをしてるか知ってますか!? それだけの事をした悪党を上条さんは許してしまうんですか!? どうせ、このあとフィアンマは…公開処刑されてしまうのに!!」

上条の表情が冷た過ぎて。絶望感に涙を流し、鼻水で顔をぐちゃぐちゃにしながら、五和は叫ぶように言う。
あの人間は宗教裁判にかけられるべきだと。
自分達に非は少なく、あちら側にこそ罪があるのだと。
そんな訴えに対し、上条は一言素っ気なく返事した。

上条「そっか」

五和「……上条、さん?」

上条「なら、俺も罪人だな。フィアンマの隣で、一番の安全圏で、何もしなかったんだから。俺だって悪党だ。フィアンマが宗教裁判にかけられて、公開処刑されちまうってんなら、俺も死ぬしかないか」

五和「そんな事ありません! 貴方は何も悪くない」

上条「そうかな。だって、俺は今、最低な事考えてるんだぞ? 『戦争勃発による各地の惨状や貧困、家族や恋人、大事な人を失った人達がどれだけ悔しい想いをしてるか』なんて、どうでもいいって」

五和「…っ、え…?」

五和の中の優しい上条の像が音を立てて崩れていく。
上条はフィアンマの居ない世界を想像し、空虚な瞳で笑った。

上条「どんな理由があっても、それと正当性は別だよな。人を殺されたから人を殺していいっていうのは、短慮だ」

五和「……」

上条「裁判には俺も呼んでくれ。火あぶりか何かなら、俺も一緒に身を投げるよ。教えてくれないなら、自己判断して死ぬし。そっか、フィアンマはこんな気持ちだったんだな。妹さんが死んでから、ずっと」

五和「…上条、さん」

上条「戦争が起きたって起きなくたって、貧困や人が死ぬ事に変わりなんてないのに。ああ、俺って最悪だな。これじゃ、フィアンマに世界の良い部分なんて見せられない筈だ」

絶望感に満たされながら、上条は視線を酸化した血の広がる床に落とす。

上条「まだ、指輪渡してなかったんだけど、仕方ねぇのかな。やっぱり、世界ってこんなもんなのかな。ごめんな、フィアンマ。守ってやるって言ったのに、また大口叩いて、失敗しちまった。痛かったよな。ごめん、」

それが上条の独白なのか、通信術式を使ってフィアンマに語りかけているのか、その場に居る人間は誰も分からない。
上条の様相に五和は閉口し、どうすればいいか分からないまま、上条を見つめる。






神裂はどうする?>>+2
689 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 16:46:19.67 ID:XEyeaiFSO
ksk
690 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/11(水) 16:49:27.45 ID:UxKO6/Ti0
上条を全力で叱り諭し、フィアンマの所へ向かわせる
691 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/11(水) 17:04:58.32 ID:X0chIbzd0

神裂は上条に近寄ると、両肩を掴んで自分の方へ向けさせた。
そして、手加減はしながらも、平手打ちをする。
パン、という音が響いた。
驚く上条に真剣な視線を向け、神裂は言う。

神裂「以前、私が貴方を『助ける』為に、向かった時。あの時の貴方はまだ無力でしたが、右方のフィアンマの前に立ちふさがり、私にこう言ったのではないですか。『個人に責任を押し付けるのは、楽だろうさ。目立つもんな。でも、それがまかり通っていいって道理はないだろ』、『神裂がフィアンマを斬ろうっていうのなら、俺はバラバラにされても立ちはだかるぞ』、そう、私に刃を向けられながらも、『俺は、フィアンマを守りたいんだ。幸せにするまで、死ぬ訳にはいかねぇけど、フィアンマにも死なれたくない』そう、言いきった筈です。その貴方が、彼女の死を見過ごすばかりが、一緒に死ぬなどと。甘えた事を言うものではありません! 彼女が諦め始めている今、貴方が彼女を励まさずして誰が彼女を支え守るのですか」

上条「…でも、俺は」

神裂「やかましい!」

上条「………」

神裂「…私には分かりませんが、彼女の居場所は分かっているのでしょう。なら、行きなさい。彼女の下へ。全てから守ると決めたのなら、諦めてはいけません。世界を敵に回しても、貴方にはやり遂げない事が、あるでしょう?」

上条「…ありがとう、神裂」

先程までの空虚さは消え去り、割といつも通りの上条当麻らしい表情で頷くと、上条は神裂から離れ、走り出した。
少し遠いけれど、フィアンマのところへ行く為に。







フィアンマはといえば、ペットセラピーを受けていた。
厳密に言うと、平民の変装をしてやってきたヴィリアンをアックアが相手している間暇なので、アックアの飼い猫をあやしているというべきか。

フィアンマ「ちちち…では無いか。ん? 猫じゃらしが欲しいのか」

騎士団長「…」

フィアンマ「…俺様を斬りたいか? 『騎士団長』」

騎士団長「旧友が救ったばかりの命を斬る程、私は見境無しではない」

フィアンマ「つまらんな。どうせ、俺様はこの後処刑されるのだろうし、今の内に斬っておくべきだと思うのだがね」

騎士団長「処刑、か」

フィアンマ「何だ。乗り気に見えんな」

騎士団長「…>>693
692 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/07/11(水) 17:10:09.17 ID:azvCH8MAO
>>691
×見過ごすばかりが
○見過ごすばかりか

×やり遂げない
○やり遂げなければならない
693 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/11(水) 17:10:20.78 ID:CLh/BOox0
処刑は……無い…
新最大主教(禁書目録)の計らいによって無くなったのだ
694 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 17:12:32.06 ID:XEyeaiFSO
世界中に大損害与えた人の処分どーすんですか新最大主教ー(棒)
695 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/11(水) 17:14:37.86 ID:aE2IR1Cw0
どうするんだろうねー(棒)
696 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 17:17:23.16 ID:XEyeaiFSO
「正式に形だけ」でも処刑しないと制度と世論が納得しないんじゃないか?インスタントさん
697 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/11(水) 17:36:41.95 ID:X0chIbzd0

騎士団長「…今や、処刑制度は…存在し得ないのだ。『禁書目録』にして、新たな『最大主教』の計らいによって無くなった。とはいっても、これは上の方の人間でしか知り得ない事だが。明日、全ての人間に告示される。…権威を示す為に宗教裁判を催し、人を殺す時代は野蛮で、もう終わらせるべきだと、そういう理論でな」

フィアンマ「…あのイギリス清教が?」

騎士団長「魔女狩りの歴史が、むしろその論理を後押ししたのだろう」

フィアンマ「…そうか。と言う事は、代替刑があるのだろう?」

椅子に腰かけ、膝の上に猫を丸まらせながら、フィアンマは黙り込む。
そして、公式の刑が無いというのなら、やはり私刑を受けるべきだろう、とも思った。

騎士団長「形だけ、はある。死より残酷だとは思うが」

フィアンマ「そうか。その最高刑は?」

騎士団長「幾つかある。『処刑塔への幽閉』…これは前から存在するが。『心身の切り離し』、『魔術使用不可化=脳の損壊』、『エピソード記憶の消去』、『イギリス清教への無償奉仕』等といったところだ。一番最後の項目は文字通り、良いように働かされる。イギリス清教の危機に際しては武器として。お前が世界に与えた損害から見積もって、ざっと二百年程…温情措置にしても、百年だろう。つまり、普通であれば一生を終えるまで、だ」

フィアンマ「…まぁ、処刑塔を除き、一番目が最も苦しいだろうな。何ら救いを与えられない分」

騎士団長「ほとんど現実に意識が帰ってこられない、という事だ。ただ、逆に言うとすれば、一番最後の量刑以外は一度受ければもう無い」

フィアンマ「身元引受人が居れば生きられるだろうし、そうでなければ死ぬというだけか」

騎士団長「そういう事に…」

なる、と騎士団長が言いかけたところで、誰かが入ってきた。
一瞬だけ警戒する騎士団長だが、入ってきたのは上条当麻で。
フィアンマは猫の頭を撫で、自らが受ける量刑はどれかと考えながら、上条を見遣った。
騎士団長は一時その場を離れ、アックアとヴィリアンの下へ。
二人きりとなった部屋で、フィアンマは上条を見上げて微笑んだ。
アックアの功績により怪我は無くなっているが、精神的に痛みで疲れたのか、ボロボロの笑顔。

フィアンマ「聞いていたか? 『処刑塔への幽閉』、『心身の切り離し』、『魔術使用不可化=脳の損壊』、『エピソード記憶の消去』、『イギリス清教への無償奉仕』、さてどれだろうな。一番最後では甘過ぎる。恐らく三番目だと思うのだが」

上条「>>699
698 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 17:46:34.30 ID:XEyeaiFSO
bad回避は心身分断…か?詳細がイマイチわからんがksk
699 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/11(水) 17:48:39.27 ID:UxKO6/Ti0
個人的には無償奉仕かなぁ…
700 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 17:50:15.41 ID:XEyeaiFSO
まー、インさんが根回してくれれば軽めの仕事をたまに行く位にしてくれそうだしな
701 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/11(水) 17:51:05.65 ID:UxKO6/Ti0
インさん優しいからな
702 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 17:59:43.67 ID:XEyeaiFSO
イン「じゃあ今日はずっと私の肩揉んでるんだよ」

フィ「」イラッ☆


イン「暇だから今日一日なんかやって私を楽しませるんだよ」

フィ「」イライラ



イン「ちょっと反乱分子を始末して欲しいんだよ他の人に頼むとコストかかって私のごはん減るんだよ」



フィ「」イライライライラ

だったりして☆
703 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/11(水) 18:06:50.02 ID:X0chIbzd0
>>702様 当スレのフィアンマさんはインデックスさんがもういいと言ってもにこやかに肩を揉み続け、一日中嫌がっていても和やかに科学講座をして楽しませ、一時間以内に反乱分子をにこにこしながらミンチにします。ご安心ください、彼女は完璧主義です》





上条「…処刑が避けられないなら…個人的には、無償奉仕かなぁ…きっと、インデックスがそうしてくれる」

フィアンマ「それはどうかな」

上条「インデックスはお前を許した人間の一人だろ。信じろよ」

フィアンマ「……」

猫「なーん」

猫の顎をくすぐり、フィアンマは目を伏せる。
上条はしばらくフィアンマの様子を眺め、フィアンマの隣の椅子に腰かけた。
急いで走ってきたために身体中汗がびっしょりで、全身に疲労感がこみ上げている。
フィアンマは猫を甘やかしながら、上条を見つめた。

フィアンマ「走ってきたのか」

上条「ん…疲れた」

フィアンマ「ご苦労な事だ」

上条「…処刑、されたいのかよ」

上条は期待の目をフィアンマに向ける。
フィアンマはしばらく黙りこんだ後、言葉を返した。






1.「…先程まではそう考えていた、が…それでは、お前が嫌な思いを、するだろう。…処刑など、されたくはない」(逃亡ルート)

2.「あぁ、そうだよ。どのような刑を受けるかどうかは別として、罰を受けねばなるまい」(宗教裁判ルート)




判定>>705-709で安価投票をお願いいたします。一人一回です(番号orルート名)
704 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 18:11:00.69 ID:XEyeaiFSO
>>703お、鬼だーーーー!!!!
ksk
705 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/11(水) 18:11:37.45 ID:cYMi0lzG0
2
706 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 18:13:04.69 ID:XEyeaiFSO
2。すっぱりとこれっきりにしたいしせめて責任と罰から逃げて欲しくない
707 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/07/11(水) 18:13:49.39 ID:/L/0sC4AO
708 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 18:24:45.57 ID:XEyeaiFSO
5票判定だから3票入ればもういくね?
709 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/07/11(水) 19:12:16.24 ID:azvCH8MAO
過半数に達した為締め切ります。
ご協力ありがとうございました。
710 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 19:38:44.86 ID:XEyeaiFSO
ヴェント「あのさー…確か私、アックアと一緒にいたじゃん?つまり今スレ初登場か!?って思ったのよ」グスッヒック

テッラ(故)「…まぁ、今日は飲みましょう。きっとその内出れますねー。」ポンッ


なんてやり取りが裏方できっと
711 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 19:43:34.30 ID:uhuVipOC0
まあ少なくともテッラさんよりは出られる確率高いだろうなww
712 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/11(水) 19:45:53.88 ID:Jg516Q5e0

フィアンマ「あぁ、そうだよ。どのような刑を受けるかどうかは別として、罰を受けねばなるまい」

上条「……」

フィアンマが一言嫌だとか逃げたいだとか言ってくれたなら、上条はフィアンマを庇ってどこまでも逃げられた、のだが。
そうきっぱりと言い切り処刑を望むフィアンマに、上条は黙って目を伏せる。
沈痛な面持ちの上条の頬を撫で、フィアンマは優しく笑ってみせた。
安心させるかのように。大丈夫だと。

フィアンマ「俺様が処刑された結果どうなっても、お前は俺様を愛してくれるのだろう?」

上条「当たり前、だろ」

フィアンマ「そうか。なら、問題は無いな。出来れば、三、四はやめて欲しいところだが、我儘ばかり言ってもいられまい」

上条「…傍聴席に、居るからな」

フィアンマ「あぁ」

有罪の確定している裁判。
出廷する勇気を持って、フィアンマは返事をした。
そして猫を解放すると、立ち上がり、隣の部屋へ声をかける。

フィアンマ「アックア、お前は早い所そこの王女と結婚しろ」

騎士団長「…」

アックア「な、」

ヴィリアン「け、結婚…」

何やらごにょごにょとしている隣室の様子を放っておいて、フィアンマは立ち上がり、上条に手を差し伸べた。
姫をダンスに誘う王子の如く優雅な仕草に、上条は顔を上げて手を取り、立ち上がる。

上条「……ずっと一緒に居るからな」

フィアンマ「…あぁ。是非ともそうしてくれ」

そして二人の罪人は、一人の罪を裁くべく宗教裁判に出廷した。









あれから四時間が経過し、現在。
フィアンマは拘束された上で、新たな『最大主教』―――『禁書目録』を見上げていた。
傍聴席には上条のみならず、様々な魔術師が出席している。
裁判官役を担う魔術師はしばらく話し合い、最大主教に告げる。
厳しい判決内容に、ある意味においての神の代理人たる最大主教が慈悲である減刑を加え、実際に被告人へ量刑を申し渡すのだ。
インデックスは静かに内容を聞き、フィアンマを見据える。
ステイルの翻訳を聞きながら、上条はフィアンマを見つめた。

インデックス「被告人、『右方のフィアンマ』。 イギリス清教『最大主教』の名において、量刑を申し渡す」

フィアンマ「…」

インデックス「本来であれば例外的に『魔術使用不可化』の上『石打ち』、その後死刑に処するところではありますが、イギリス清教より勲章を受け取るべき人物から勲章の返還を条件に嘆願があった為、慈悲を与えます」

フィアンマ「…」

インデックス「よって、被告人を『>>714』の刑に処す」
713 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 19:47:13.99 ID:XEyeaiFSO
ksk
714 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/11(水) 19:48:47.18 ID:BN9dMrkw0
イギリス清教への奉仕活動(私の雑用)
715 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/11(水) 19:49:21.06 ID:BN9dMrkw0
訂正
イギリス清教への奉仕活動(私の雑用基本自由)
716 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 19:53:39.89 ID:XEyeaiFSO
イギリス清教最大主教専属派遣雑務スタッフ『フィアンマ』か
717 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/11(水) 19:59:29.88 ID:tlc6tfua0
学園都市在住してほしいけどなぁ
718 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 20:03:30.56 ID:XEyeaiFSO
逆に考えるんだ。魔術サイド大手、イギリス清教に組み込まれてくれれば少なくとも他の魔術師から攻撃は受けづらくなる。つまり上条さんとフィアンマのイチャラブが増えるんだよ!!!

上条&フィイチャイチイン「仕事頼みたいんだよ!!」みたいになりかねないが
719 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/11(水) 20:04:09.11 ID:Jg516Q5e0

インデックス「よって、被告人を『イギリス清教への奉仕活動』の刑に処す。期限は無期。ただし、百年を一つの節目とします」

つまりは、百年経てば普通人は死ぬので、死ぬまで仕えろということ。
真面目に取り組んでさえいれば、減刑ということもあり得るだろう。逆もまた然り。
傍聴席では上条以外の人間は残念そうな雰囲気を纏ってはいたものの、文句は無かった。
それが宗教裁判で決まった事であれば、これ以上フィアンマを罰する事は出来ない。
そもそも、十字教の観点から考慮して、地上ではあまり刑を与えない。
どちらにせよ、死した時、審判の日に選らばられないと思われるからだ。
罰とは本来神が与えるべきもの。人が与えるものではない。

インデックス「詳しい事については、『必要悪の教会』、神裂火織が執り行う事」

神裂「畏まりました」

インデックス「以上で閉廷します」

裁判が終わり、フィアンマは拘束されたまま神裂によって別の場所へ運ばれた。
上条は静かに二人を追う。

フィアンマは拘束を外され、教会にありがちな横掛けの椅子へと腰掛ける。
神裂は隣に座り、静かに刑の内容について話し始めた。
奉仕活動といっても、基本的には、神の御許で子が罪を洗い流すように、要するにインデックスの望むように雑用をこなす事。
とはいってもそうそう必要無いので、呼び出して速やかに召喚されれば良い為、基本的には住居自由で構わないということ。
これはインデックスが一生懸命違和感の無い範囲で考えた温情満ち溢れる量刑である事。
そう述べて、神裂は霊装としての機能があったため一時的に没収していたロザリオをフィアンマに返す。
フィアンマはロザリオを首にかけながら、ため息をついた。

フィアンマ「…甘いヤツだ」

神裂「先程彼女が述べた通り、本来であれば『魔術使用不可化』の上『石打ち』、その後死刑に処するところだったのですよ」

フィアンマ「感謝はしているさ」

手首を振り、フィアンマはゆっくりと深呼吸する。
例外的に死刑でも仕方がないと思ってはいたのだが。
上条が部屋に入ってくると、神裂は立ちあがって一礼し、部屋を出て行った。
マリア像の前で、フィアンマはステンドグラスを見上げる。

フィアンマ「…甘さと優しさに満ちた刑だ。まったく、このような調子でどうするつもりなんだ、あの女は。『最大主教』には向いていないんじゃないか?」

皮肉りながらも、フィアンマは胸元のロザリオを取り出して一度口付け、握りしめて目を閉じる。
数分祈ると、目を開けて手を放し、立ちあがって上条に近寄る。

フィアンマ「基本的には自由だが、イギリス清教の言いなり、と、そういうことだ。…ひとまず、学園都市に戻れるな」

上条「>>720
720 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/11(水) 20:04:25.76 ID:7cQtw+iz0
佐天さんの旅行行けるかな
721 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 20:06:34.51 ID:XEyeaiFSO
そんなに恋人ほっぽって女子中学生との旅行に食い込みたいのかwwwwww
722 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/11(水) 20:07:36.73 ID:7cQtw+iz0
やべぇ、ただのコメントのつもりが……
だが安価下にするつもりはない
723 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/11(水) 20:10:29.11 ID:Jg516Q5e0

上条「良かった。…佐天ちゃんの旅行、一緒に行けるかな」

フィアンマ「行けるんじゃないか? ひとまず、イギリス清教の危機は過ぎ去っている訳だし」

上条「ん、そっか…」

フィアンマ「安堵したか」

上条「まぁ、な。帰ろう」

上条は腕を伸ばし、フィアンマの手を握って優しく微笑みかける。
フィアンマは唇を噛み、数秒俯いた後、薄く笑んで頷いた。







『仕事』と『裁判』を終えて。
二人は学園都市の寮の一室、上条宅へと帰ってきた。
今は二人共ペアカップでココアを飲みつつ、佐天とグループ通話をしている。

上条「もしもーし」

佐天「はいはいー、もしもし! 聞こえてますよ! というかフィアンマさんも携帯電話買ったんですね」

フィアンマ「操作には慣れんが、いきなり切ったりはせんから安心しろ」

佐天「あはは、心配してませんよ」

上条「もうすぐ春休みだし、やっぱり旅行着いて行けそうなんだけど、何処に行くか決まったか?」

佐天「>>725
724 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 20:15:02.12 ID:XEyeaiFSO
ksk
725 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/11(水) 20:16:28.80 ID:7cQtw+iz0
アメリカのUFOとかUMA関連の都市伝説場所巡り
エリア51とか
726 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/11(水) 20:22:24.33 ID:Jg516Q5e0

佐天『アメリカのUFOとかUMA関連の都市伝説場所巡りに行きたいんです! エリア51とか、色々…世界の都市伝説を知りたくて』

フィアンマ「外国に行くのなら許可を取るのが大変だろう」

佐天『明日朝一で申請してきますっ』

上条「じゃあ俺達も許可取ってくるな。ちなみに春休みはまるまる使っちまうのか?」

少し勿体ないだろう、と言わんばかりに上条は問いかける。
佐天は電話口でうーん、と唸り、悩んだ結果こう答えた。

佐天「>>727
727 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 20:24:12.54 ID:XEyeaiFSO
5泊6日で
728 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/11(水) 20:38:16.66 ID:Jg516Q5e0

佐天『5泊6日で!』

上条「ん、分かった。あ、最初に行く場所は行く日の二日前までにしっかり決めておいてくれよ。ほら、チケットの関係もあるし」

佐天『はい!』

フィアンマ「で、こんな時間だが、まだ起きていて良いのか?」

佐天『もうこんな夜遅い!? お騒がせしました…あ、おやすみなさーーい』

フィアンマ「おやすみ」

上条「じゃあまたなー」

グループ通話を終え、上条はココアを飲み干し、ぐたりとベッドに横になった。
フィアンマはそんな上条を見つつココアを飲み干して空のマグカップを台所に持って行って洗う。
そして部屋に戻ると、上条の隣に横たわって疲れた顔をした。

上条「…怪我って、全部治ったのか?」

フィアンマ「表面は、な。内臓は全快するまで、多少時間がかかるだろう」

上条の心配そうな声にそう返すと、フィアンマはもぞもぞと移動して上条にくっつく。
そしてだるそうに腕を伸ばし、上条の髪を撫でた。

フィアンマ「……何処も、不調は無いか?」

上条「>>730
729 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/11(水) 20:40:45.69 ID:BN9dMrkw0
ksk
730 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 20:43:26.92 ID:XEyeaiFSO
…お前こそ。俺よりもお前の身が心配だっての。
良く考えたら二人とも大怪我してるのに佐天さんと旅行とか大丈夫かな…やっぱ止めとくか?連絡しとくけど
731 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/11(水) 20:45:12.52 ID:BN9dMrkw0
ただでさえ人外なんだから大丈夫だろう…
732 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 20:47:10.26 ID:XEyeaiFSO
気持ちはよくわかるから出来れば旅行行かせてやりたいがさすがに大怪我した奴と旅行は佐天さんだって気を使うだろ
733 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/11(水) 21:05:05.43 ID:Jg516Q5e0

上条「…お前こそ。俺よりもお前の身が心配だっての。…よく考えたら二人とも大怪我…まぁ、内臓だけど…してるのに、佐天ちゃんと旅行とか大丈夫かな…。やっぱ止めとくか? 連絡しとくけど」

フィアンマ「いや、もう約束した以上、そうそう振り回す訳にもいかんだろう。連絡するとすれば、期間短縮願いといったところか」

上条「一か所だけにしておくか」

フィアンマ「精々二か所だな。それ以上は何かしらの問題が出そうだ。主に体調の」

上条「ん、そうだな…ちょっと待ってくれ」

上条は携帯を操作し、佐天にメールを打つ。
二人揃って体調があまり芳しく無い為、出来れば三泊四日程の期間にしてほしい事。
元気になったら今度はちゃんと行こうというやや本気の社交辞令もしっかりと書く。
佐天は心配の言葉を幾つか寄越し、上条が短い期間で大丈夫だと返信すると申し訳なさそうにお願いのメールが来た。

上条「短い期間でまったく問題ないです、だそうだ」

フィアンマ「そうか」

携帯をしまい、再びぐでんと横たわったまま、上条はそう報告した。
相槌を打ったフィアンマは、上条の頬を人差し指で突っつき、暇を持て余した様子を見せる。
ただし、体調が悪い為に起き上がるのは億劫で。

フィアンマ「…旅行途中に『呼び出し』が無いと良いのだが」

上条「もしあったら佐天ちゃんには申し訳ないけど…」

フィアンマ「別に続けていても構わんぞ」

上条「え?」

フィアンマ「信じているからな。それに、嘘を吐けば判る」

上条「…じゃあ、その時は佐天ちゃんと回った後、イギリスまで迎えに行くからな」

フィアンマ「あぁ」








最初に行く場所>>+2
734 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 21:06:02.32 ID:C6yCxBhGo
ksk
735 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/11(水) 21:07:28.85 ID:BN9dMrkw0
エリア51
736 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 21:08:24.46 ID:XEyeaiFSO
良かった旅行行けて。詳しくは知らんがエリア51はそんなに外せないくらいなのか
737 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/11(水) 21:10:19.18 ID:BN9dMrkw0
アメリカのUFO都市伝説って言ったら
エリア51かロズウェルかMIBだと思ってる
738 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/11(水) 21:22:53.55 ID:Jg516Q5e0

春休みに入って二日目。
佐天の要望によりアメリカラスベガスの方へやって来ていた。
ちなみにエリア51を見る為なのだが。

<エリア51とは>
アメリカ軍機密の航空機のテストを古くから行っていたとされ、近年では、特にステルス機の試験飛行を行っていると考えられている。また、「墜落したUFOが運び込まれているのではないか」とか、「ロズウェル事件と関係しているのではないか」さらに、「グレイと呼ばれる宇宙人が居るのではないか」とも疑われていたが、軍事機密解除を受け、元職員が録音可の下で証言を行ない否定されている。
いずれにしても、何らかの機密事項が基地内に存在することから、基地の敷地周辺の立ち入りはもちろん、撮影も一切禁止されており、これを無視して進み憲兵や衛兵に見つかった場合は逮捕され、処罰される。特に不審な場合は警告無しに発砲される事もある。

佐天は見事に憲兵から叱られた。
いたく残念そうな顔をしながら空をじっと見上げる佐天はUFOが飛んでいないか探しているらしい。

フィアンマ「…ま、機密事項があればそうなるだろうな」

佐天「ううう…頑張ったのに…」

上条「元気出せよ佐天ちゃん…」

佐天「うう…」






上条はどうする?>>+2
739 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/07/11(水) 21:25:19.18 ID:/L/0sC4AO
ksk
740 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/11(水) 21:25:20.75 ID:BN9dMrkw0
まさかのUFO発見しちゃう
741 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/11(水) 21:39:07.33 ID:Jg516Q5e0

上条「んー…あ、」

佐天「?」

上条「なぁフィアンマ、あれってさ、」

フィアンマ「未確認飛行物体というヤツだろうな。衛兵や憲兵も見上げているぞ」

佐天「!? どこどこっ、どこですかっ!」

上条の声に、衛兵達も思わず空を見上げた。
ひゅんひゅん、とやや遠くに飛んでいるのは、あからさまにUFOと呼ばれるソレだ。
奇跡的な発見をした上条はあまり感動した様子も無く、佐天に『あそこ』などと指をさしている。
佐天はエリアに入れなかったもののUFOを目撃した事でものすごくテンションが上がり、カメラのシャッターを切った。
とはいえ映ったのはブレたUFOの姿。
それでも充分だったらしい佐天は少女らしく元気一杯ににこっと笑んだ。

佐天「ありがとうございます!」

上条「偶々だろ。俺に感謝する事でもないと思うぞ」

フィアンマ「それにしても幸運だな」

上条「フィアンマが居たからじゃないか?」

フィアンマ「だろうな」

佐天(あ、そこ認めちゃうんだ)


UFOを堪能した三人は、ホテルへとやって来た。途中、フィアンマがやりたいと言った為カジノへ行ったりもしたが。
ちなみにベッドを一つ持ちこんでもらって、ツインの部屋を無理矢理に三人用にしてもらっていたりする。
修学旅行の経験が無いフィアンマと経験の記憶が残っていない上条としてはすごく楽しかったりした。

佐天「んーっ」

のんびりと伸びをして、佐天は欠伸を噛み殺す。

佐天「何かお邪魔しちゃっててごめんなさい」

上条「いやいや、まったくそんな事思ってないけど」

フィアンマ「そう思うなら最初から乗らんよ」

上条「明日は何処に行くんだ?」

佐天「>>743
742 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/07/11(水) 21:45:58.60 ID:/L/0sC4AO
ksk
743 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/11(水) 21:46:01.33 ID:BN9dMrkw0
メトロポリタン美術館
744 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 21:46:04.36 ID:XEyeaiFSO
ksk
745 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 21:49:06.57 ID:U0SVtkLQ0
ksk
746 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/11(水) 22:03:07.36 ID:Jg516Q5e0

佐天「メトロポリタン美術館です!」

上条「メトロ?」

フィアンマ「300万点の美術品を所蔵している、入館料が美術館側の「希望額」として表示されているのも名物な美術館だ。ニューヨークにある」

上条「じゃあ明日朝一で行けば大丈夫だな」

佐天「壊れてませんように…」

フィアンマ「恐らく大丈夫だろう」

戦争を起こした張本人が言うのだから、実際美術館はほとんど戦争の影響を受けてはいないのだろう。
上条は何ともいえない気分なりつつ夕食を食べようと提案した。
数時間後、上条はいたく提案した事を後悔した。
何を食べても非常に甘ったるく、チェリーパイはシナモンの臭いがキツかった。
ハンバーガーは玉葱が辛い。
三人の中で最も欲張らなかったフィアンマは食パンを普通の顔で食べていた。
再びホテルに戻り、悲しい気分で沈む二人を眺めつつ、フィアンマは楽しそうに小さく笑った。

そして、本当の夜。
深夜、フィアンマはだるそうに起き上がった。

上条「…どうかしたのか…?」

フィアンマ「残念ながら『呼び出し』、だ。俺様の荷物は頼んだぞ」

そう言うなりフィアンマは部屋から静かに出て行った。
上条はため息をつき、寂しそうにベッドの毛布の中へと戻る。

佐天「んん…」





どちらを描写しますか?

1.フィアンマとインデックス

2.上条と佐天




安価投票区間は>>748-750です。お一人様一回でお願いします(番号or内容)
747 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/11(水) 22:05:47.90 ID:XEyeaiFSO
2にしとくか
748 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/11(水) 22:06:27.76 ID:aE2IR1Cw0
2
749 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/07/11(水) 22:06:42.47 ID:/L/0sC4AO
750 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/07/11(水) 22:09:57.52 ID:O3NV1HHjo
過半数決定かな
751 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/12(木) 17:02:25.09 ID:0UcQDpaAO

翌朝、佐天涙子は目覚まし時計も無いというのに早い時間に目が覚めた。 そして、上条の隣のベッドで寝ている筈のフィアンマの不在と、上条の寂しそうな、悲し気な寝顔を見、しばし考えこむ。

佐天(あたしが寝てる間に何が…? フィアンマさんの荷物はそっくりそのまま置きっ放し…もしかして、喧嘩!?)

佐天の勘違いを加速させるように、上条はむにゃむにゃと寝言を零す。
泣きそうな声音。

上条「フィアンマ…ごめん…ごめんなぁ…」

佐天「!!」

上条は『処刑、しかも死刑宣告を受けて思わず笑ったフィアンマを抱きしめながら"最期まで一緒だぞ"と泣いて謝る』という最悪なifの悪夢を見て謝っているのだが、佐天にはそうとは思えない。
むしろ、佐天の脳内で上条とフィアンマの喧嘩別れが確定した。
佐天は思わずベッドから降り、上条に近寄ってゆさゆさと体を揺さぶって起こす。
上条は涙目になりながら目を覚まし、佐天を見上げ、起き上がった。

上条「もう朝か…」

佐天「上条さん、フィアンマさんと喧嘩しちゃったんですか…?」

上条「え?」

佐天「もしかしてあたし何か…」

じわ、と涙目になりながら、佐天は上条を見つめる。

上条「>>753
752 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 17:04:02.59 ID:O8ncIMZSO
ksk
753 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 17:12:36.52 ID:b9JHiA5I0
な、何の話だ?
754 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/12(木) 17:12:46.67 ID:a+tVKbHD0
いいや?佐天は何もしてないぞ?キョトン
755 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 17:14:08.16 ID:O8ncIMZSO
……ごめん、フィアンマ……俺、フィアンマに世界の良い部分を見せるって、や、約束したのに……げ、げっぎょく、まもれなかっだ……ッ……ごべーーーーん!!!!(本人号泣しながら寝ぼけ)
756 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/12(木) 17:33:42.67 ID:0UcQDpaAO

上条「な、何の話だ?」

泣きそうな顔をしている佐天に動揺と困惑を覚えながら、上条は問い掛ける。
佐天はおろおろとしていた。

佐天「あたしが夢遊病で何かやったとか…あああどうしよう」

上条「…何か勘違いしてるようだけど、フィアンマはちょっと用事で居なくなっただけだぞ? 今頃イギリスだと思うけど」

悪夢を頭を振ると共に振り払い、上条はそう言う。
きょとんとする佐天の様子に苦笑しながら、上条はベッドにちゃんと座った。
佐天を向かいに座らせ、処刑など、重要な部分は伏せて説明する。
副業みたいなもの、と何ともアバウトに理解した佐天はほっと胸をなで下ろす。

佐天「良かったぁ…」

上条「喧嘩なんか殆どしないしな」

はは、と明るく笑い、上条は立ち上がる。
そして朝食を提案し、佐天と共に外へ出た。




午後。
美術館へやってきた二人は、静かに絵画を見て回る。
周囲には、佐天と上条は恋人というより、兄妹に見えた。

上条「楽しいか?」

佐天「>>758
757 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 17:36:53.52 ID:O8ncIMZSO
そして背徳感に目覚めた上条さんは…ksk
758 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/12(木) 17:40:15.75 ID:OxLrM4O30
はいっ!……なんだか上条さん……お兄ちゃんみたいですね///ニコッ
759 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/12(木) 17:58:53.25 ID:0UcQDpaAO

佐天「はいっ! ……なんだか上条さん……お兄ちゃんみたいですね」

上条「そうかな?」

にこっ、と明るく、はにかんだ笑みを見せつつ、佐天は上条に微笑みかける。
長い黒髪がさらりと揺れた。
可愛らしい女の子の純粋な笑顔にドキリとすると共に、上条の背中に何か薄ら寒いものが走る。
恋人である赤髪セミロングの青年(騎士のような上品なスーツ姿)に無表情で睨まれたような気がしたのだ。
在る意味間違ってはいない。
最早前兆の予知どころか千里眼レベルである。

上条(違うフィアンマ浮気じゃないって本当大丈夫だから、上条さん大丈夫だから!!!)

佐天「? 上条さん、大丈夫ですか?」

上条「っああ、大丈夫」

はっと我に返り、曖昧な愛想笑いを浮かべた上条は、引き続き絵画を眺める。
関係の無い余談だが、上条はフィアンマの意地悪会話(要するに英語)をされたお陰でだいぶリスニング能力が上がった。話せるかどうかは微妙だが。
のんびりと眺め、二人して飽きた頃、上条は(貯金額を)思い出して、切り出した。

上条「…婚約指輪買いに行きたいんだけど、まず、銀行一緒に行ってもらってもいいかな? 面倒臭いだろうけど、治安上、一人じゃ危ないだろ? …あー、どうしても嫌なら諦めるけどさ」

佐天「>>761
760 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/07/12(木) 18:01:59.92 ID:sZ70pTGAO
ksk
761 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/12(木) 18:02:03.91 ID:v9KWFUk20
いいですよ、一緒に行きましょう
762 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 18:02:31.01 ID:O8ncIMZSO
上条さんそれだけだと佐天さんにプロポーズ……まぁ、いいか!フィアンマさんに絞められちまえ☆ksk
763 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/12(木) 18:25:21.69 ID:0UcQDpaAO

佐天「いいですよ、一緒に行きましょう」

上条がどれだけフィアンマを好きか察している佐天はのんびりと笑みながら頷く。

佐天「そういえば銀行の支店あるんでしたっけ」

上条「そうそう。付き合わせてごめんな。何か奢るにしても、食べ物不味いしな…」

佐天「いえいえ。昨日は酷い目に遭いましたよね…」

上条「チェリーパイがあんな酷い味だとは思わなかった…」

呑気に会話を交わしながら美術館を出た佐天と上条とは、銀行までやってきた。
佐天をソファーで待たせ、上条が、さてお金を降ろそうと立ち上がったところで、突如として男の怒鳴り声が響いた。

男「動くな!!」

英語で言うところの、freeze。
上条はソファーにすとんと座り直し、佐天を見た。
佐天は黒い銃口や発砲音にびくついている。
そう、言わずもがな銀行強盗だ。
銀行強盗達はありがちな黒ずくめ姿で、何人もの屈強な男。
そしてセオリー通り無意味に発砲しながら、銀行強盗は客や店員を追い立てた。
立てこもりタイプらしい。
もしかしたら銀行強盗でなく、テロかもしれない。

上条「佐天ちゃん、叫ばないようにしてくれ」

佐天「は、い…」

なるべく刺激しないように、と考え、上条は優しくそう佐天に言う。
佐天は震えながら目を閉じて頷いた。
そして男達に追い立てられるまま、他の客と同じく、二人揃って壁際に寄る。

上条(不幸だな。しかも、俺一人の不幸じゃ済まない)





上条はどうする?>>+2
764 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 18:28:59.93 ID:O8ncIMZSO
佐天さん盾にして強盗に突撃(笑)
765 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/12(木) 18:29:26.94 ID:wVOMvX8t0
強盗だけにルシファーを見せるようにして威圧で気絶させる
766 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/12(木) 19:05:01.48 ID:0UcQDpaAO

上条(うまくいくかな…空中に現出させれば被害は出ない筈…)

他の客に隠れるかのような状態で、上条はポケットからチョークを取り出し、かりかりと床に陣を書く。
陣といっても小さな魔術記号を幾つか組み合わせたものだ。
別に、攻撃する必要は無い。
圧倒的な威圧で失神させれば、後は警察が何とかしてくれる。

上条「…『Miraculum001(この奇跡は全てを救う)』」

佐天「え?」

珍しく魔法名を宣言し、上条は魔力を練り上げる。
途端、銀行強盗犯は動揺しながら四方八方、天井に向かって発砲し始めた。

男「何だ!?」

男2「何なんだこの化け物は! クソッたれ、く、来るなぁあああ!!!」

立て続けの発砲音に、上条を含む犯人達以外の全員は耳をりょうてでは塞ぐ。
やがて犯人達は蛙のような声を出して全員気を失った。




警察に特別事情を聞かれる事も無く、無事に金を降ろした上条は、佐天と共に宝石店へ来ていた。

上条「んー…『キャストライト』…」

佐天「…上条さん」

上条「?」

佐天「さっきの、何か急に錯乱した犯人達って、上条さんが何かやったんです、か?」

おずおずと、佐天は問い掛ける。

上条「>>768
767 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 19:12:36.47 ID:O8ncIMZSO
ksk
768 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/12(木) 19:12:57.70 ID:xYReJON30
ん〜知ったら戻れなくなるよ?でも知りたい?

知ってしまったら狙われるかもしれない、まぁその時は絶対に守るけどね。なんなら一緒に住む?その方が俺もフィアンマも守りやすいし(女殺しのイケメンスマイル)
769 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 19:18:58.14 ID:O8ncIMZSO
ウゼェwwwwww
770 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/12(木) 19:21:24.00 ID:PApgeEP80
ミサワを目指した
771 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/07/12(木) 19:23:52.86 ID:0UcQDpaAO

女を惚れさす説教集ってやつですね…流石ゼウス条さん
772 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 19:32:54.93 ID:O8ncIMZSO
そんな説教集燃やしちまえwwwwww
773 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/12(木) 19:39:50.22 ID:0UcQDpaAO

上条「ん〜知ったら戻れなくなるよ?でも知りたい? 知ってしまったら狙われるかもしれない、まぁその時は絶対に守るけどな。何なら一緒に住む? その方が、俺もフィアンマも守り易いし」

佐天の問い掛けに対し、上条は飛びっきりの笑顔で答える。
女性が見ればドキドキとしてしまう、格好の良い笑み。

佐天「えっ、あ、」

男性からこの様に微笑みかけられた事の少ない佐天はドキドキと胸を高鳴らせ、いけないと思いつつ目を伏せ、再度顔を上げる。
先程の爽やかで格好良い笑顔はどこへやら、上条は冷や汗をかき、独り言を言っていた。
否、独り言に見えて、通信術式を介して会話している訳なのだが。

フィアンマ『当麻』

上条「は、はいっ」

フィアンマ『声が裏返っているように思うのだが』

上条「大丈夫です」

フィアンマ『もしやとは思うが、同行の少女を口説いてはいないだろうな?』

上条「そ、んなことない、ぞ?」

実はちょっぴりそうでした、と言わんばかりに、全身に汗をかきながら上条は答える。
『全能の神』が正妻に愛人の事を知られまいとしたように、上条も懸命に思索を巡らせた。

フィアンマ『嘘は感心せんな』

上条「ひっ」

フィアンマ『…今なら、まぁ、それなりに赦してやるぞ? 当麻?』

フィアンマの甘い猫撫で声は、上条の心をがくんがくんと揺さぶって脅す。

佐天「…上条さん?」


上条「>>775

774 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 19:43:07.82 ID:O8ncIMZSO
嘘を突き通すんだ!!素直に言ったら粛正の嵐だぞksk
775 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/12(木) 19:43:14.40 ID:PApgeEP80
すいませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
でもフィアンマさん、佐天さんがどうしても
知りたいと言って知ってしまったらやばいですよね
ですから住まないかと言ったわけでして決してやましい気持ちはありませんです
776 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 19:45:06.84 ID:O8ncIMZSO
あ、ダメだ上条さんしんだわ
777 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/12(木) 20:03:26.43 ID:0UcQDpaAO

上条「すいませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! でもフィアンマさん、佐天ちゃんがどうしても 知りたいと言って知ってしまったらやばいですよね、ですから住まないかと言ったわけでして決してやましい気持ちはありませんですはい!」

フィアンマ『おや。俺様はお前の発言など知らんし、佐天が何を知りたがったのも解らないのだが、ふむ、今のお前の発言である程度の予想はついたな。なるほど、なるほど。一緒に住もうと言った訳か。俺様とお前二人の居場所に、安寧の場所に、他人を永久に引き込もうと。しかも女を。ほう、なるほど?』

上条「あっ」

全身冷や汗どころか、上条は顔を青くする。
佐天はよくわからないまま、もしかしたらフィアンマとハンズフリー通話しているのか、というある意味当たっている予想を元に、静かにしておいた。
通話を邪魔しない為だ。

上条「…フィ…アン、マ?」

フィアンマ『大方、知りたがったのはお前の体や魔術の事かな? さて、俺様は信頼する相手を間違えてしまったかもしれん。お前は俺様だけを愛してくれていると思っていたのだがね。加えて、"全能の神"のような振る舞いをするなという俺様の言葉に笑ってそんな事はしないと言ってくれたと記憶しているのだが。やはり二人きりにすべきでは無かったかな? 年下に手を出そうというのは、感心出来ん。あぁ、いかんなぁ。ん? 別に俺様は怒っている訳じゃないよ。『憤怒』は大罪だ。それに、俺様は寛大だし、ある程度赦すと言ったのだから、それを嘘にはしない。貴様と違って、な。それで? 俺様がお前と女の同居を赦すとでも思ったのか? はは、楽観的だな。俺様はそこまでプライドの低い人間では無いつもりなのだが、どうやら理解して貰えなかったな。 …んん? 声が聞こえんぞ肉塊。一語一語はっきり話せ。他の女を口説いた汚らしい唇で言葉を紡いでみろ。火で清めてやろうか? ふざけるなよ、クソッたれが。俺様をナメているのか?』

ローマ正教二○億人を一手に何百年も従わせてきた人間の声は、威圧感をビシビシと感じさせるもので。
上条は涙目になりながら口を開く。

上条「>>779

778 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 20:12:29.70 ID:O8ncIMZSO
………ちょっと待ってくれ、フィアンマ、お前ちょっと勘違いしてるぞ。別に佐天ちゃんを口説いたわけじゃないんだ。ただ、急にお前の声聞いたからまた御坂妹みたいになるかと思ってテンパっちまった。…気を悪くさせてすまなかった。ただもし良かったら俺の話も聞いてくれないか?
779 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/12(木) 20:12:54.85 ID:PApgeEP80
ごめんなさいすみませんでした口説いたつもりはありませんです
知ってしまったら佐天さんが危ないと思ってすみませんでしたやましい気持ちは一切ないんです
ごめんなさい本当にすみませんあくまで善意で言ったんです手を出すつもりはありませんです
俺にはフィアンマだけです
責めるなら俺だけを責めてください
780 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/12(木) 20:13:35.56 ID:PApgeEP80
やっぱり788にしてぇぇぇぇ!、!お願いだからぁぉぁぁぁ!、!
781 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/12(木) 20:14:10.99 ID:PApgeEP80
>>778だったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
782 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 20:14:22.01 ID:O8ncIMZSO
すごいな相当先の未来見えるなんて(笑)
783 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/12(木) 20:24:10.82 ID:0UcQDpaAO

上条「………ちょっと待ってくれ、フィアンマ。お前ちょっと勘違いしてるぞ。別に佐天ちゃんを口説いたわけじゃないんだ。ただ、急にお前の声聞いたからまた御坂妹みたいになるかと思ってテンパっちまった。…気を悪くさせてすまなかった。ただ、もし良かったら…俺の話も、聞いてくれないか?」

フィアンマ『休憩時間は終了だ。就業に戻る。それではな』

話を聞く事無く、氷の様に冷めた声でフィアンマはそう告げ、通信を切った。
何が気に障ったかといえば、全てかもしれない。御坂妹みたいに、というフレーズは、ともすればあの時のフィアンマを責めているようにも、聞こえなくはない。
上条からも何度か通信を呼びかけてみたが、全て無視。

上条「………」

佐天「か…上条さん? 大丈夫ですか?」

上条「…先に、指輪頼んでくる」

上条は佐天からそっと離れ、英語に不慣れながらも店員に話をする。
店員は快く引き受け、二時間程時間をくれと言った。
上条は頷き、佐天を導く形で、宝石店近くのファーストフード店へ入った。
戸惑いつつ上条に促されるまま佐天は無難そうなシェイクを注文し、上条もそれを注文すると、二階の席に向かい合って腰掛ける。

佐天「…上条さん、大丈夫、ですか?」

上条はシェイクをちびりと飲み、その噎せるような甘ったるさにすら反応せず、どこか遠い目で窓を見つめた。

上条「>>785
784 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 20:36:40.98 ID:O8ncIMZSO
ん?ああ、大丈夫大丈夫。気にしなくていいよ。ちょっとふざけたら怒られちゃっただけだし。ま、後で謝るよ。(笑)
ほら、折角の旅行だしもっと楽しんでこーぜ?
785 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/12(木) 20:37:21.10 ID:PApgeEP80
>>784

786 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 20:44:36.21 ID:O8ncIMZSO
クッソぉお!!!ほんとなら謝りに行きてぇぇえ!!!フィアンマさんに抱きすくめて暴れられても離さないで言い訳してェェエ!!!でもこれでダウナーだったり中止だとKY過ぎるしなー…
787 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/12(木) 20:45:40.31 ID:PApgeEP80
最近フィアンマがヤンデレの設定を忘れる
788 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/12(木) 20:46:04.67 ID:0UcQDpaAO

上条「ん? ああ、大丈夫大丈夫。気にしなくていいよ。ちょっとふざけたら怒られちゃっただけだし。ま、後で謝るよ」

佐天「……」

落ち込みを表に出さない位に、上条は大人になったのである。
本当に大丈夫なんだろうか、といった表情を浮かべる佐天を見、上条はにこっと笑った。

上条「ほら、折角の旅行だしもっと楽しんでこーぜ?」

佐天「もうすぐ終わっちゃいますけどね。でも、UFOの写真は撮れたし美術品もいっぱい見たし、すっごく楽しかったです」

上条の態度に安堵したのか、佐天も柔らかな笑みを浮かべながら感想を述べる。

上条「楽しめたなら良かった」

佐天「銀行強盗に遭遇、なんて貴重な経験もありましたし?」

上条「それは楽しい部類じゃないけどな」

シェイクを飲み、二時間近くをファーストフード店で過ごし。
宝石店に戻って上条は無事出来上がった指輪を受け取り、佐天と共にホテルの部屋へと戻った。

佐天「それ、フィアンマさんにあげるんですか?」

上条「勿論。…あ」

佐天「はい?」

上条「女の子ってさ、どんな風に婚約指輪貰いたいものなんだ?」

佐天「うーん……」

上条「参考程度に、理想とか聞かせてもらえたら嬉しい」

佐天「>>789みたいな感じですね!」

789 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/12(木) 20:47:18.10 ID:PApgeEP80
夜景のキレイな場所で2人っきりで
790 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 20:49:21.51 ID:O8ncIMZSO
家で二人でゆっくりしてる時かついい感じの雰囲気の時にプロポーズの言葉と一緒に
791 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/12(木) 21:10:53.24 ID:0UcQDpaAO
>>787様 ヤンデレデレになりましたからね》


佐天「夜景のキレイな場所で、2人っきりで…みたいな感じですね!」

女の子の憧れですよ、と元気に主張する佐天の言葉を聞き、上条はふむふむと理解する姿勢を見せる。

佐天「ロマンチックな状況って大事ですよ。男性以上に、女性は雰囲気重視ですから!」

上条「そんなもんなのか…」

果たしてフィアンマの価値観が一般的な女子とどれだけかけ離れているかは甚だ不明なものの、ひとまずロマンチックな状況を作ってから贈ろう、と上条は決意した。
ベッドに向かい合って腰掛けたまま、佐天はぼやく。

佐天「それにしても婚約宣言…羨ましいなぁ」

上条「羨ましい?」

佐天「いや、あたし、まだ好きな人居ないんですけど。いつかあればいいなあって思うんです、プロポーズされたいなー、なんて。ちなみに、子供の頃の夢が『花嫁さん』だったんです。でも、上条さんみたいな人には出会える気がしません」


少女らしく、悪戯っぽく佐天は笑った。

上条「>>793
792 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/07/12(木) 21:15:01.91 ID:sZ70pTGAO
ksk
793 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/12(木) 21:15:03.96 ID:PApgeEP80
俺なんかより良い人はいっぱいいるし
佐天ちゃん凄く可愛いし良い子だから良い人すぐ見つかるよ(こりずに女殺しのイケメンスマイル)
794 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 21:15:08.92 ID:O8ncIMZSO
あはは。そりゃ嬉しいね。佐天ちゃんさえよければ俺と結婚する?(おどけた感じ)
795 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/12(木) 21:15:54.03 ID:PApgeEP80
ちくしょぉぉぉ!安価下ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
何度もごめーん!
796 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 21:18:25.36 ID:O8ncIMZSO
あんまやんなよ…採用されるのは嬉しいけど流石に見苦しいし>>1もp(^_^;な感じになってるだろ
797 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 21:42:18.55 ID:O8ncIMZSO
てか何か俺の考える安価基本おっさん臭くね
798 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/12(木) 21:44:08.59 ID:PApgeEP80
俺のはなんか……なんかダメ
799 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/12(木) 21:45:23.40 ID:0UcQDpaAO

上条「あはは。そりゃ嬉しいね。佐天ちゃんさえよければ、俺と結婚する?」

ふざけ半分に言う上条に、佐天は楽しそうに笑った。

佐天「フィアンマさんに嘘吐く事になっちゃうので、やめときまーす」

上条「はは、そっか」


雑談をして笑い合い、佐天と上条は一応ベッド一つを挟んで眠った。
銀行強盗事件で疲れていたためか、二人共さほど緊張する事無くすやすやと眠り。



翌朝、佐天は学園都市行き、上条はイギリス行きの飛行機に乗り、空港で別れた。
佐天は無事空港に着いただろうか、と思いつつ、上条はイギリスのとあるホテルに荷物を片付ける。
フィアンマは何処に居るか分からなかったが、先程通信術式を使って神裂に話し掛けたところ、仕事が終わり、今は教会でお祈りをしているらしい。
強制された訳ではなく、彼女自身の意思で。
教会の場所は教えてもらったため、上条は真っ直ぐに其処へ向かう。

静かに扉を開けると、一人の騎士のような―――常とはまた違う、かっちりとした深い赤色のスーツ姿の青年が、祈りを捧げていた。
セミロングの髪を整髪料か何かで後ろに流している。
まるで別人の様だった。

フィアンマ「…よ…まえ…」

上条(何お祈りしてるんだろ?)

上条は足音を立てないよう、静かに青年―――フィアンマへと歩み寄る。怨念の籠もった、低い声が聞こえた。

フィアンマ「神よ、我が恋人の不貞に厳罰を与え賜え。純真なる恋心を裏切りし者に聖なる報いを。この祈りよ天上まで届け」




上条はどうする?>>+2
800 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 21:50:14.34 ID:b9JHiA5I0
フィアンマさんが垣根くんと食事していただけであんなに怒っていたというのに上条さんアンタって人は……ksk
801 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/12(木) 21:51:43.68 ID:8Cbmrivd0
外面だけでもとゼウスの雷をデカく自分に落とす
(ダメージ無しでも外見ボロボロ)
802 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 21:55:14.83 ID:O8ncIMZSO
神よ、我が恋人の願いを叶えたまえ。ただ、例えゼウスを使役しても、性質までは染まらない、不滅で唯一の愛を、傷つけた事への謝罪を、我が愛する彼女に御伝え下さい。もし、聞き届けられないなら、今すぐ命を断ちます。この祈りよ天上まで届け
803 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/12(木) 22:01:13.19 ID:8Cbmrivd0
その詠唱いいな
804 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/12(木) 22:05:54.35 ID:0UcQDpaAO

上条(や、やっぱり怒ってたな)

並々ならぬ威圧感を放ちながらの、フィアンマの呪いにも等しい祈りにびくつき、上条は息を詰める。
そして、『神の大雷』を自らに落とした。
痛みこそ無いが、喉の奥がビリビリとした。
フィアンマは落雷に気が付き、ロザリオを胸元にしまい込んで立ち上がり、振り返る。
そこには、落雷を受けたせいでボロボロの上条が立っていた。

フィアンマ「…当麻。わざわざ迎えに来てもらって、すまないな。それとも別れ話かな? カップルの喧嘩別れなぞ、使い古されていていっそ笑えるが。それならば教会の外でしようか。本来教会は殺し合いをする場所では無いのだからな。自虐自傷をして見せて、俺様の怒りを治めようとしたのか。無駄な努力だったな。俺様は怒ってなどいない」

胸元のロザリオを握り締め、金色の瞳を濁らせ、フィアンマは言う。
事実、もう彼女は怒っていない。
その上をいく感情だ。
失望、落胆、絶望、悲哀。
上条が自分の居ない場所で、女性を自宅へ引き込もうと話をした、その事への悲しみ。
神へ祈る事で怒りを払拭した彼女には、暗い想いしか無かった。
と同時に、恋人が傷付く事を願ってしまい、今こうして傷付け、別れを誘うように言葉を発してしまった自分を、嫌った。




上条はどうする?>>+2
805 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/12(木) 22:11:23.79 ID:8Cbmrivd0
お前は……別れたいのか…?
806 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/07/12(木) 22:11:33.53 ID:sZ70pTGAO
807 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/12(木) 22:14:20.45 ID:8Cbmrivd0
東海てめぇ!余計な事を!
808 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 22:17:42.27 ID:O8ncIMZSO
別に構わないけど複数端末使用はお奨めしない

もうその辺にしとき。何も言わない方がいい。
809 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/12(木) 22:26:48.95 ID:0UcQDpaAO

上条「お前は……別れたいのか…?」

フィアンマ「……」

上条の問い掛けに、フィアンマは黙り込む。
ぽたぽた、という音がした。
上条は一瞬フィアンマが泣いたのかと思ったが、そうではない。
強く拳を握り締め過ぎたせいで爪が掌に食い込み、フィアンマの手から、血液が床に落ちたのだ。

フィアンマ「……いいや。…しかし、お前もほとほと疲れただろう。こんな女に執着され、病み、狂い、人を殺し。いつまで経っても平和な安らぎを与えられないこんな人間、共に居て辟易したのだろう? そんなお前にとって、あの平凡な少女と二人きりの生活は、短い時間とはいえ、さぞ楽しかったのだろうな。引き延ばしたいと思うのは当然の事か。魔術も、体質も、聞けば後戻り出来ない事を教え、守るという言い訳を傘に継続させたい位には。それは、そうだろうな。何しろ彼女は優しく、平凡で、普通だ。俺様のような頭のおかしい化け物とは違う。子も成せるだろうし、暖かな家庭だって築けるだろう。彼女は優しいからな、嫉妬だってこんな風に醜い形ではなく、女子らしいヤキモチ程度で済ませられるだろうな。その方が、お前にとっても都合が良いのだろう? このような束縛にも、そろそろ飽いて、呆れただろう」

フィアンマは、基本的に自信に満ち溢れた人物だ。
ここまで自分自身をこき下ろしてしまう事は、あまり無い。
ぽたぽたぽた、と血液が床に落ちていく。
まるで、涙の代わりのようだった。

フィアンマ「…そうだ。俺様はいつだってやり方を間違える。お前を傷付けた。何が愛している、だ。愛されていると思っていた、だ。馬鹿馬鹿しい、そもそも俺様にそんな資格等、無かったのに。お前の温情に甘え続け、依存した末がコレか。何と情けない様だ。自惚れも大概にせねばなるまい。俺様はお前を幸福にしてやれないのだから、お前が他の女に平穏と幸福を求めても、仕方が無い事じゃないか」

思いが紡がれてしまっている事に気付かず、フィアンマは握り締め過ぎて震える左腕を、義手で一度撫でる。
そして上条を見つめ、歪に微笑んだ。

フィアンマ「…すまなかった。お前を責めるのは、筋違いだった」





上条はどうする?>>+2
810 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 22:27:40.29 ID:bB+vl9t1o
kskする
811 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/12(木) 22:29:52.76 ID:8Cbmrivd0
泣く
812 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 22:37:55.59 ID:O8ncIMZSO
強く抱き締め、ごめんねごめんねフィアンマたん!と呟きながら頬っぺたペロペロする
813 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/12(木) 22:46:48.47 ID:0UcQDpaAO

ここまで追い詰めてしまったのか、と上条は思う。
冷静なヤツだから、きっと大丈夫だと思っていた。
笑って出迎えてくれるなんて一ミリたりとも思っていなかったが、殴られるだろうと思っていた。お前なんか嫌いだ馬鹿、なんて罵られてキレられるなら、それも悪くはないと思っていた。
散々罵倒されて暴力を振るわれても、ちゃんと説明して、そしたらフィアンマは泣きそうに謝るだろうから、そうしたら抱きしめて安堵させてやりたい、だなんて。
現実にはどうか。
上条は最初に言葉を発するべきだったのだ。
上条が自分を傷付け罰を受けても、フィアンマは自分を責めただけ。
フィアンマは、自らを『頭のおかしい化け物』と言った。罵った。
ずっと、コンプレックスがあったのだろう。
覚悟済みとはいえ、罪人になった引け目、上条を変えてしまった負い目、一般的に愛される性格で無い事への不安。
そこから導き出される、上条に幸せを与えてやれないという意識。
フィアンマと佐天涙子は、対極にある女性と言っても差し支えない。
異質と、一般。
フィアンマはきっと怖かったのだろう。
佐天という一般的で常識的で普通の人間である少女に、上条が惹かれてしまう事が。
それでも、そんな事を口に出したところで、笑い飛ばされるだけだから、「信じている」と言ったのだ。
しかし。
上条の軽率な行動、言動で、フィアンマは『諦め』てしまった。
怒る事を。不服をアピールする事さえ。

上条「俺は、…」

ぽたり、と上条の目から涙が落ちて、床を濡らす。

上条「俺は、幸せだよ。フィアンマを化け物だなんて、思ってない。どうして、そんな事言うんだよ。勘違いもあるけど、悪いのは俺だろ」

フィアンマ「…だから、お前を責めはしないと、言っただろう。佐天とお前と三人暮らしか。悪くはないな。あちらが嫌がらなければ、の話だが。あぁ、お前が佐天にキスをしようが何をしようが、もう何も言わんし、何もせんから安心しろ。俺様はお前の側に居られたなら、それで良いのだから。充分だ。…幸福な生活の邪魔か? すまんな、だが、俺様だって、お前の傍に居たいんだ」

あれ程浮気を嫌がっていたフィアンマが、意見を逆方向へ転換する。
何かがズレた微笑みを浮かべたまま、自分に言い聞かせるように。

上条「>>815
814 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 22:57:18.89 ID:O8ncIMZSO
何でそんな事言うんだよ…そんなの誰も幸せじゃないじゃないか。

俺は、お前としか暮らしたくなんか無い。


佐天ちゃんに言った事だって本気なんかじゃないに決まってる。なあ、俺をそんなに信じられないのか?
815 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/12(木) 22:57:42.25 ID:bB+vl9t1o
安価下
816 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/12(木) 22:58:45.35 ID:8Cbmrivd0
お前は………本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当にそれでいいのかよ!?
817 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/12(木) 23:12:03.24 ID:0UcQDpaAO

上条「お前は………本当に、本当に、本当に本当に、本当に本当に本当に本当にッ、それでいいのかよ!?」

フィアンマ「嫌だと言えば、俺様はお前を傷付ける事になるのだろう。なら、実質選択肢は一つしか無いだろうに」

何を馬鹿な事を、とばかりにフィアンマは笑ってみせる。
上条は涙を流しながらの問い掛けに、まるでフィアンマが揺れない事に悲しさを感じた。
まさか、完全に『壊れて』しまったというのだろうか。
フィアンマは胸元のロザリオを強く握り締め、上条に背を向けると、再び長椅子へ腰掛けた。

フィアンマ「…学園都市には、一人で帰れ。俺様は後から帰るが、締め出してくれても構わない。諦めよう。あの少女と暮らしたいなら、はたまた別の少女と暮らしたいのなら、そうすれば良い。嫉妬をしても仕方が無いという事に気が付いただけだよ、案ずるな。狂った訳ではない。百年経てば、お前は孤独になるし、俺様は罰から解放される。幸せに出来る資格の一片は得られるだろう。お前が偽りの幸せに笑って俺様に付き合う必要は無い。でも、ああ、お前はその頃新しい相手を見つけているのだろうな。だが、許そう。今までお前を傷付けてきた詫びだ」

そう言い、フィアンマはロザリオを撫で、握り、目を閉じて祈った。
先程のような内容ではない。

フィアンマ(俺様が居なくても、当麻だけは幸せにありますように。たとえ当麻が誰を愛しても、俺様はもう甘えない。自分が一番愛されているなどとは自惚れない。当麻にとって、俺様の代わりなど沢山居るのだから。代償は、好きなものを持っていくが良い。俺様に残るものは何もかも無価値だが。俺様の自己満足と依存に、当麻を付き合わせるのは…もう、終わりにしよう)




上条はどうする?>>+2
818 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 23:14:53.67 ID:SNIqcToro

抱きしめる
819 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/12(木) 23:15:03.23 ID:8Cbmrivd0
諦めて帰る
820 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 23:15:29.90 ID:O8ncIMZSO
無理矢理こっち向かせてキス。

で、抱き締める
821 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 23:16:20.90 ID:SNIqcToro
諦めたらそこで試合終了っていうだろ!
822 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 23:17:00.49 ID:O8ncIMZSO
長屋は暗黒面に墜ちちまったのさ
823 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/12(木) 23:27:27.65 ID:0UcQDpaAO

上条「…馬鹿野郎。…俺は、お前が大好きだよ。他のヤツなんて欲しくねぇよ。どうして信じようとしねぇんだよ。…ちくしょう」

目元を乱暴に拭い、上条は踵を返し、教会の出口へ向かう。
暗雲立ち込める空模様は、上条の悲しみに呼応したものだ。
バタン、と大きな音がして、教会の扉は閉まった。
上条当麻は出て行った。

フィアンマ「…嘘だ。俺様が怖いだけだろう。そもそも、始まりが異常だったというのに」

今度こそ血液ではなく涙で机を濡らし、フィアンマはロザリオを強く強く握り締める。
上条がくれたロザリオを。
大切な宝物を。

フィアンマ「嫌に決まっているじゃないか。俺様がどれだけお前を愛していると、思って…ああ、だからこの思い込みがいかんのだよ。どうしてもっと、努力出来んのか」

フィアンマが、上条にとって都合の良い人間になろうとすればする程、そんな"努力"をすればする程、恋人らしさはすり減っていく。

フィアンマ「お前を独り占めしたかったんだ。それだけ好きだったから。二人きりで、傍に居て欲しかったんだ。だが、お前はそうじゃない。口で、傍で何と言おうと、物理的に離れれば、このような結果になったじゃないか。口先だけだ」

祈りすらままならず、フィアンマは目を伏せる。涙の粒が、肘をついている長机の上で広がり、茶色い色をより濃くした。
不意に、教会の扉が開いた。
フィアンマは唇をきつく噛み、泣き声を堪える。





入ってきた人物(禁書キャラ名)>>+2
824 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 23:29:05.96 ID:SNIqcToro
シルビア
825 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 23:29:10.85 ID:bB+vl9t1o
オッレルス
826 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/12(木) 23:29:48.14 ID:8Cbmrivd0
ニヤニヤしてる目が変な五和とズダボロのアックア
827 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 23:30:30.84 ID:SNIqcToro
ssを超えてやって来るのか……!ゴクリ
828 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 23:31:05.55 ID:bB+vl9t1o
あれ、こっちじゃ登場してなかったか。ほめん
829 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 23:31:35.30 ID:O8ncIMZSO
いい加減放置プレイは飽きたかオッレルスさん
830 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/12(木) 23:32:13.75 ID:8Cbmrivd0
オッレルス出てるぞ
831 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 23:32:19.38 ID:O8ncIMZSO
神条さんの時にあってる
832 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 23:35:27.16 ID:SNIqcToro
……まじか。
833 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/12(木) 23:42:15.66 ID:0UcQDpaAO

入って来たのは、金髪の青年。
魔神になり損なった男。名をオッレルスという。オッレルスはフィアンマの姿を認め、静かに近寄った。

オッレルス「…正装では疲れるだろう。せめて、髪型を戻したらどうだ」

言いつつ、オッレルスは腕を伸ばし、撫でるようにしてフィアンマを元の髪型へと戻す。
泣いていると理解した上で、前髪で隠してあげようという配慮からだ。
そして、歯を食いしばり黙り込むフィアンマの隣に腰掛けると、マリア像を見上げた。

フィアンマ「…久しくもないか。何か用か」

オッレルス「いや、たまにはお祈りも悪くないかと思っただけだよ。そしたら、君が居たんだ」

平然と嘘を吐き、祈る姿勢はまったく無く、オッレルスはマリア像をただ見つめた。
堪えていても、僅かに零れる嗚咽が、場を支配する。

オッレルス「残酷な男だな。君を一度でも抱きしめれば良いものを」

上条を淡白にそう評価し、オッレルスは視線を動かさないまま、言葉を続ける。
全て見ていたかのように。
全て見ていないのに。

オッレルス「君も君で、そんな愛し方じゃいつか磨耗するぞ。既にだいぶしているようだが」

フィアンマ「お前には関係無い」

オッレルス「そうだな。関係無い」

机を濡らすフィアンマの涙を魔術で乾かし、オッレルスは言葉を返す。

オッレルス「ただ、君が傷付いて可哀想に思う人間は、それなりに居る。私とか、な」

フィアンマ「ハッ、無用だ」

涙が止まり、一度咳をし、フィアンマは嘲笑う。疲れた顔だった。
自己暗示に、疲れ果ててしまった。





オッレルスはどうする?>>+2
834 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 23:42:57.63 ID:bB+vl9t1o
オッレルス式そげぶ
835 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 23:43:27.98 ID:O8ncIMZSO
じゃあ、私が代わりになろうか?
836 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/12(木) 23:44:34.80 ID:8Cbmrivd0
シルビアwwwwww
837 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 23:46:46.08 ID:O8ncIMZSO
シルビア居ないし。別にオッレルス×フィアンマに持っていきたい訳じゃないが慰め位には
838 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/12(木) 23:54:11.69 ID:0UcQDpaAO

フィアンマ「…俺様がどうなろうと、当麻が誰を愛そうと、誰にも何も関係無い」

オッレルス「泣いていただろう。悲しかったからじゃ、ないのか? 彼に不足があったのだろう」

フィアンマ「いや、全ては俺様の精神に不足があるからだ。許してやれなかった、俺様の罪深さ故に…こうして距離を置くのが最適だと考えた。涙が出たのは、寂しさか何かだろう」

オッレルス「じゃあ、私が代わりになろうか? 寂しさを埋めるパズルのピースとでも考えれば良い」

フィアンマ「あの金髪の女はどうした」

オッレルス「シルビアか? 彼女は優しい相棒だよ。恋人や妻ではない」

フィアンマ「慰めは不要だ」

オッレルス「そうかな。あの子とは、何年距離を置くつもりだ?」

フィアンマ「百年で良いだろう。罰も恐らく終わる。…後から帰るなどと、嘘を吐いてしまったな」

オッレルス「…そうか。なら、その時まで彼の代わりとして、どうだろうか? 君が泣いても抱擁一つままならない少年の一時代替品位であれば、こんな私でもなれそうなものだが」

フィアンマ「お前は好いてもいない女に代替品扱いされたいのか」

オッレルス「>>840
839 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 23:55:58.41 ID:SNIqcToro
それが君なら私は構わない
840 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/12(木) 23:56:14.66 ID:8Cbmrivd0
>>839

841 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 23:56:24.55 ID:bB+vl9t1o
真っ平ごめんだな
842 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/13(金) 00:04:38.98 ID:R4+w2seAO

オッレルス「それが君なら、私は構わない」

フィアンマ「奇特なヤツだ」

オッレルス「せめて別の言い方をしてくれ」

フィアンマ「おや、隣人愛に満ち溢れた男だとでも言われたいのかな? …俺様はそう簡単に人に寄りかかる人間ではない。馬鹿にするな」

フィアンマはそう冷たく言うと立ち上がり、服を普段のものへ変えようと立ち去ろうとする。
オッレルスは咄嗟に立ち上がると、フィアンマの左手を掴む。
そのままグイと引っ張り、バランスを崩したフィアンマを後ろから抱きしめた。

オッレルス「馬鹿になどしていない。君がプライドの高いタイプだというのも重々承知している」

フィアンマ「離せ」

オッレルス「…私では代わりにならないか」

フィアンマ「…『聖なる右』を使われたいのか?」

揺らぐ意思を抑え込み、フィアンマは視線を床に落とす。





オッレルスはどうする?>>+2
843 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/13(金) 00:06:07.19 ID:qwz73zMSO
一緒になってくれ

キス
844 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/13(金) 00:06:22.35 ID:b3B/hXQb0
>>843

845 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/13(金) 00:07:20.98 ID:9Xmn36y5o
ガチでオッレルスさん√に入っちまうか……
846 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/13(金) 00:09:18.10 ID:qwz73zMSO
させんわ。ただ、フィアンマさんの価値観の視野狭窄を壊したい
847 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/13(金) 00:14:09.67 ID:qwz73zMSO
もし仮にガチで入っちゃったら神条さんは涙目どころじゃないな。自殺levelだわ
848 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/13(金) 00:18:45.97 ID:R4+w2seAO

オッレルス「一緒になってくれ。君が孤独になると決めた償いの百年間を、どうか俺にも分けてくれないか」

フィアンマ「ふざけるなよ、っん」

敵意を露わに振り返ったフィアンマの唇に、オッレルスのそれが重なる。 少女漫画の一ページのような、そんな優美さを伴って。
目を見開き、フィアンマは硬直する。
舌こそ絡めないが、唇は数秒重なり、フィアンマの『聖なる右』による吹き飛ばしと共に離れた。 吹き飛ばしといってもオッレルスは咄嗟に衝撃を緩和した為、気絶や怪我はしていない。
フィアンマは手の甲で唇を拭い、オッレルスを睨み付ける。

フィアンマ「クソッたれ。俺様を惑わすな。誰が俺様の人生を他人にやるものか。俺様の生は俺様のものだ。渡すとすれば、それは神と当麻のみ。お前が入る余剰な隙等無い」

オッレルス「彼が本当に好きなら、君はこんな場所に居ないだろう」

フィアンマ「俺様は、」

オッレルス「彼の為に? 自己犠牲で彼が幸せになるのか。君の自己満足に始まり自己満足に終わるだけだろう」

フィアンマ「黙れ」

激昂寸前のフィアンマはオッレルスを睨んだままそう一言厳しく言うと、一歩踏み出して教会の扉前、扉を開けてもう一歩踏み出して、消えた。





オッレルスはどうする?>>+2
849 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/13(金) 00:20:52.25 ID:qwz73zMSO
………すまなかった。存分に殴ってくれて構わない。上条君。
850 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/13(金) 00:20:56.56 ID:u+qhBSeno
追いかけて、フィアンマを遥か彼方の異国の地まで吹っ飛ばす

「少し頭を冷やしてこい」
851 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/13(金) 00:28:56.78 ID:qwz73zMSO
オッレルスさんの口説きに揺れてるフィアンマさん可愛いwwwwww
852 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/13(金) 00:34:11.86 ID:R4+w2seAO

名舞台俳優も真っ青の速さでいつもの赤いスーツへと着替えたフィアンマは、自然公園に居た。
涙はすっかり止まり、泣いていたとはわからない普通の顔。
自己満足に始まり、自己満足に終わる。
事実だ、とフィアンマは思う。
ズキズキと胸が痛む。

フィアンマ(仕方が無いだろう)

そう自分に言い聞かせ、フィアンマは唇を噛む。 血が出る程きつく噛みしめたところで、肩に手がかかる。
警戒して振り返ったフィアンマを、追ってきたオッレルスは無表情で見据えた。

オッレルス「少し頭を冷やしてこい」

言われた事を理解する前に、フィアンマは意識が飛んだ。





気付けば、知らない場所に居た。
いたく寒い。
フィアンマは白い息を吐き出し、足下の雪を掴んで丸めると、地面に強く投げつけた。

フィアンマ「…放っておいてくれれば良いものを」

綺麗事を並べたり、自分を責めたり、こんな知らない場所まで飛ばしたりしたオッレルスを腹立だしく思いながら、フィアンマはため息をついた。 数度ため息をつき、方角を確かめ、五歩踏み出して。
イギリスではなく、学園都市に帰ってきた。

フィアンマ「……」

フィアンマは歩みを進め、上条宅の鍵を魔術的に攻略して中に入る。
当然の事ながら、上条はまだ帰ってきていない。 飛行機を使って帰っていれば、まだ帰らないはずなのだ。

フィアンマ「……さて、と」

自分の生活の痕跡を極力減らそう、と考えたフィアンマは、掃除に取りかかる。
冷やしたお陰で、頭は冴えた。
悪い方向へ。





上条は

1.魔術的な手段で帰ってきた

2.まだ帰ってこない



判定>>+2
853 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/13(金) 00:35:55.64 ID:qwz73zMSO
ksk
854 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/13(金) 00:36:10.11 ID:u+qhBSeno
1
855 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/13(金) 00:37:46.19 ID:vLMrUmSk0
無論1
856 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/13(金) 00:42:31.11 ID:R4+w2seAO

フィアンマが消臭スプレーに手をかけたところで、家の鍵が、ドアが、開いた。
家主が帰ってきたのだ。 上条当麻が。
フィアンマは手を引き、しかし振り返らなかった。

フィアンマ「…何だ。もう帰ってきてしまったのか。早いな」

上条「オッレルスさんから聞いた。多分、学園都市帰ってるだろうって。だから、俺も術式使って帰ってきたんだ」

フィアンマ「そうか。なにやらよく分からんがご苦労な事だ。この様に早くては、佐天に話をしに行けんぞ。安心しろ、俺様が残していくモノは何も無い。百年離れれば、俺様は正常になれるやもしれん。お前はもう、恐怖や緊張、嫉妬と依存されるが為に俺様を愛さなくていいんだ。本来であれば、『ベツレヘムの星』から脱出した時点で、そうすべきだったな」

テキパキと離し、フィアンマはどこから掃除しようかと部屋の中に視線を走らせる。
上条を、見ようとはしない。
見れば迷ってしまう。
後腐れ無くここから出なくては、と、フィアンマは思う。




上条はどうする?>>+2
857 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/13(金) 00:43:53.54 ID:u+qhBSeno
黙って見送る……わけないだろ。ちょっと待て
858 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/07/13(金) 00:45:14.43 ID:52vlVwxAO
黙ってる
859 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/13(金) 00:45:42.14 ID:qwz73zMSO
黙って強く抱き締める

キス
860 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/13(金) 00:45:58.19 ID:b3B/hXQb0
抱き寄せる
861 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/13(金) 00:48:30.00 ID:Y9O1S8+k0
ここ殴りどころのような・・・。
まあ病み条さんだし無理か
862 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/13(金) 00:50:27.30 ID:R4+w2seAO

上条は黙したまま、フィアンマを見つめる。
フィアンマは自分が使った場所に逐一消臭スプレーを吹きかけ、痕跡を消していく。
放っておけば、フィアンマなんて居なかったかのような部屋になるだろう。
上条に意識がいかないよう懸命に掃除をするフィアンマの左腕を強い力で掴み、上条はフィアンマの体を正面から抱きしめる。

フィアンマ「…掃除が出来ん」

上条「………」

フィアンマ「…俺様はもう、不要だろう」

上条は黙り込んだまま、強くフィアンマを抱きしめる。

フィアンマ「…何だ、同居する女が決まらなかったのか? 俺様に槍を突き刺した勇気ある少女と暮らせば良かろう。ヤツはお前が大好きみたいだぞ?」

上条「………」

フィアンマ「…何とか言ったらどうなんだ」

上条「…>>864
863 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/13(金) 00:51:49.31 ID:Y9O1S8+k0
ksk
864 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/13(金) 00:52:22.14 ID:Y9O1S8+k0
・・・
865 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/13(金) 00:53:30.64 ID:vLMrUmSk0
言葉では…言葉だけでは、お前には何も伝わらない。だから…(そう言いながら指輪を渡す)
866 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/13(金) 00:54:01.75 ID:qwz73zMSO
中々うまくいかないな?
867 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/13(金) 01:03:32.59 ID:R4+w2seAO

上条「……」

フィアンマ「…そうか。何も言う事は無いなら、離せ。邪魔だ」

フィアンマの言葉に応答せず、上条は抱きしめたまま決して離さない。
無視をしている、といった風ではなく、言葉を我慢しているかのような、上条の様相。
フィアンマは面倒臭そうに再度言う。

フィアンマ「…離せ」

上条「……何て、言って欲しいんだよ」

フィアンマ「…」

上条「…何て言えば、お前は俺の傍に居てくれるんだよ。信じてくれるんだ。何か言えって、じゃあ何を言って欲しいんだよ」

フィアンマ「…その位自分で考えろ。甘えるな」

何か言葉が欲しい訳ではないフィアンマは、そう冷たく言う。
上条から離れてこれから生きる百年は、今まで過ごして何百年よりも苦しく、寒々しいだろう。
今以上に心は凍りつく。しかし、自分はそうなるべきだ、とフィアンマはもう思い込んでしまっている。
今は、上条の傍に居るべきではない。
彼を不幸にしてしまう。 好きだからこそ、それは嫌だった。

フィアンマ「…思い付かないのだろう? なら、もう良いか」

上条「…>>869
868 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/13(金) 01:05:06.85 ID:qwz73zMSO
すまん連投するksk
869 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/13(金) 01:05:34.39 ID:qwz73zMSO
なんで、わかってくれないんだよ……俺は、フィアンマ以外愛してないんだ!!フィアンマしか居ないんだぞ?!今までの俺達が過ごしてきた時間を思い出してくれよ!!!
870 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/13(金) 01:05:35.65 ID:b3B/hXQb0
…………………………あぁ、もう、いいよ
………もう………
871 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/13(金) 01:25:46.78 ID:R4+w2seAO

上条「…なんで、わかってくれないんだよ……俺は、フィアンマ以外愛してないんだ!! フィアンマしか居ないんだぞ?! 今までの俺達が過ごしてきた時間を思い出してくれよ!!!」

堪えてきた言葉を半ば叫び、上条は諭す。
フィアンマは黙り込み、上条の肩に頭をもたれた。
しばし、沈黙が場を占める。

上条「…フィアンマしか居ないし、フィアンマしか欲しくない。…こう言ったら何だけど、俺、今は多分フィアンマより強いぞ。だから、恐怖で従ってるとか、依存されて甘やかしてるとか、そんな事は無い。俺はそんなに優しくない」

フィアンマ「…」

上条「…どうしても出て行きたいなら、出て行け。ただし、俺もついて行くからな」

フィアンマ「…」

上条「………」

フィアンマ「…俺様は、…お前を不幸にする」

上条「人の幸せ不幸せを勝手に決めんな。お前の悪い癖だ。俺は、フィアンマが居てくれれば、出来れば元気で笑ってくれていれば、何処でだって幸せだ」

フィアンマ「…平穏が欲しいんじゃないのか」

上条「欲しいよ。平穏にフィアンマと暮らしたい。佐天ちゃんと暮らしても、それなりに楽しいだけで、幸せにはなれない」

フィアンマ「…散々様々言っておいて何だが、意思を曲げても良いか。此処に、居ても」

上条「良いよ」

フィアンマ「お前に迷惑をかける。下らん事で嫉妬して、悲しんで。良いのか」

上条「>>873

872 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/13(金) 01:28:31.88 ID:b3B/hXQb0
当麻お兄ちゃん!
873 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/13(金) 01:28:41.83 ID:qwz73zMSO
当たり前だ
874 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/13(金) 01:28:54.32 ID:b3B/hXQb0
すまん誤爆安価下
875 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/13(金) 01:29:17.34 ID:qwz73zMSO
何事かと思ったわwwwwww
876 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/13(金) 01:29:39.71 ID:vLMrUmSk0
勿論だ。俺が愛したお前が傍に居てくれるなら…構わない。
877 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/13(金) 02:16:15.17 ID:qwz73zMSO
そー言えばフィアンマさんの初仕事はどんなんだったのか…やっぱインターフェースさんにイラッ☆とくる依頼だったのか
878 :修羅場の裏側 ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/13(金) 09:19:53.46 ID:R4+w2seAO

<イギリス清教最大主教専属総合職魔術師『フィアンマ』の頑張り物語>


呼び出され、すぐさま駆け付けたフィアンマに手渡されたのは、かっちりとした深い赤のスーツに、整髪料。
より男性扱いし易いよう装いを換えろという事か、と結論付けたフィアンマは不快感を示す事無く着替えた。
着替え終われば仕事の内容を告げられ、まず真面目な内容からこなして行く。
儀礼に使う道具の運搬や、イギリス清教に反抗を続ける敵対魔術結社の排除。
魔力供与という形での結界構成手伝いに、教会などの修復作業といった力仕事。
そして短い時間休憩が入り、上条との通話。
休憩を終えて、午後。
現『最大主教』の護衛(弾除け的役割)という名の、フィアンマによるインデックスのお守りが始まった。

インデックス「おなかへったんだよ! いっぱいご飯が欲しいかも」

フィアンマ「畏まりました」

嫌な顔一つせず、フィアンマは一礼して厨房に消える。
フィアンマの監視役兼インデックスの護衛を担っている神裂の心配そうな視線をものともせず、フィアンマは怒りを叩き付けるように肉を切る。

一時間も経たない内に、インデックスが座っている席、そのテーブルに様々な料理が並べられ始めた。

インデックス「ご馳走なんだよ!」

フィアンマ「『最大主教』にお召し上がりいただく以上、それなりの質や量が必要でしょうから」

インデックス「嗚呼、神よ感謝します…」

食前のお祈りを済ませ、インデックスは上機嫌にチキンを食べようとした。
しかし、そんなインデックスの前に大きなボウルが置かれる。

インデックス「…さ…サラダ?」

フィアンマ「体調管理の為にも、野菜中心の食生活が宜しいかと。先に野菜を召し上がられた方が、内臓にも負担をかけません。貴女の体調はご公務に、ご公務はイギリス清教の全てに関わります。どうかご了承を」

神裂(よ、容赦がない…)

うぐ、と残念そうな顔でインデックスは食事を開始する。
体に良いサラダはあまり美味しいものではない。 しかし、受刑の一環で部下としたフィアンマの言葉は、それなりに聞かなければならない。
まして正論である。
無視は出来なかった。
879 :修羅場の裏側 ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/13(金) 09:20:41.41 ID:R4+w2seAO

食事を終えたインデックスは書類を一生懸命片付け、疲れていた。
疲れている人間は、意地悪心が湧くもので。
フィアンマが音を上げるまでマッサージしてもらおう、という結論に至った訳である。

インデックス「肩と腰を揉んで欲しいかも」

フィアンマ「畏まりました」

インデックスに言われるまま、黙々とフィアンマはマッサージを実行する。
強過ぎず、弱過ぎず、最適なマッサージ。

五時間が経過した。
フィアンマに疲れた様子は見えない。
むしろ、インデックスの方が辟易してしまった。 疲れからミニ暴君となったインデックスはフィアンマに新しい命令を下す。
ある程度こき使っている様子を見せなければ周囲は納得しないから、という理由もあるが。

インデックス「おやつが食べたいんだよ! 材料は買ってきて欲しいかも」

フィアンマ「畏まりました」

インデックスからそう言われ、三十分以内にフィアンマは帰ってきた。
どっさりと重い、ケーキの材料が入った袋を汗一つかかずに持っている。
880 :修羅場の裏側 ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/13(金) 09:21:35.13 ID:R4+w2seAO

別に、フィアンマは今の今まで、いわゆる下働きをした事が無い訳ではない。
寧ろ、その反対。
フィアンマはかつて一介の神父であり、司教や司祭から下働きをさせられていた。
加えてその後、『神の右席』が名実共に『ローマ教皇の影の相談役』だった頃から、フィアンマは『右方のフィアンマ』として君臨していた。
しかし、当然の事ながら、『神の右席』はまだローマ教皇より弱かった。
故に、様々な雑用を申し渡される事も多々存在した。
教皇の求めるワインボトル一本の為に街を駆けずり回った事もある。
そんな本物の暴君に比べれば、インデックスの我が儘などただただ可愛い程度な訳で。

フィアンマ「次の御命令は。何なりとお申し付け下さい」

インデックス(何だか手強いんだよ…)

インデックス「じゃ、じゃあ私が退屈しないように何かして欲しいかも」


ふふん、と笑ってみせるインデックス。
フィアンマはにこりと微笑み。
881 :修羅場の裏側 ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/13(金) 09:22:22.63 ID:R4+w2seAO


フィアンマ「では、科学講座をさせていただきます。思考に追われ、退屈など出来ぬよう」

インデックス「!?」

インデックスの動揺と困惑を無視し、フィアンマは宣言通り科学サイドの話を始める。
電子機器の歴史を聞かされたインデックスはぐったりと脱力した。

インデックス「もう仕事は終わりでいいんだよ…」

フィアンマ「左様で御座いますか。それでは、失礼致します」

神裂に行き先を聞かれ、教会だと単純に答えながら、フィアンマはその場から消える。
何ら文句の付けようがない、完璧な働き振りであった。
882 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/13(金) 11:41:35.39 ID:qwz73zMSO
さすが完璧主義者、パネェんだよ
883 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/13(金) 12:37:37.20 ID:vLMrUmSk0
インなんとかさんはこの状態が100年くらい続くという訳かww
884 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/13(金) 12:46:25.72 ID:qwz73zMSO
100年経過の前にストレスでくたばりそうだがwwwwww
885 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/13(金) 18:10:13.46 ID:R4+w2seAO

上条「当たり前だ」

上条は薄く笑み、フィアンマの髪を撫でて、旅行中の流れを、誤解を、今こそようやく説明出来た。

予定通り美術館へ行った事。
銀行へ金を下ろしにいった事。
その時に銀行強盗被害に遭った事。
銀行強盗を『地獄の王』術式の応用で追い払った事。
佐天が何をしたのか知りたがり、少し悪ノリしてしまった事。
タイミングの悪さ。

丁寧に話し、聞き届けたフィアンマは目を伏せ、上条の肩に顔をうずめる。
しばらく黙った後、謝罪した。
今度は無理やりに微笑む事もせず、落ち込んだ低い声での謝罪を。

フィアンマ「…すまなかった」

上条「…怖かったのか?」

フィアンマ「…認める。…お前は、俺様と違って、元は普通の少年だったのだから…普通の少女に惹かれても、仕方がないと。…だが、ダメだった。嫉妬した。そんな自分が嫌になって、お前から離れようとした。…すまない」

上条「>>887
886 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/13(金) 18:15:22.88 ID:qwz73zMSO
俺の方こそ、ごめん。早く説明すりゃよかった。

もう、いいだろ?ケンカなんてごめんだ。精一杯愛させてくれ
887 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/13(金) 18:20:54.58 ID:1M4Jq7Ygo
888 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/13(金) 18:43:31.27 ID:R4+w2seAO

上条「俺の方こそ、ごめん。早く説明すりゃよかった。もう、いいだろ? ケンカなんてごめんだ。精一杯愛させてくれ」

フィアンマ「…説明を遮断したのは俺様だ。…ん」

上条の肩に顔をうずめたまま、一度、小さくフィアンマは頷く。
そして上条の背中に腕を回して抱きしめ返し、おずおずと言った。

フィアンマ「これはあくまで、仲直りの証とやらに準ずると思われる提案、なのだが」

上条「提案?」

やたらとまどろっこしい言い方をするフィアンマに首を傾げる上条。

上条「何だ?」

フィアンマ「…一緒に、風呂に入りたい。…ダメか?」

上条「>>890
889 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/13(金) 18:50:58.37 ID:u+qhBSeno
良いに決まってるさ

露天風呂と家。どっちにしようか?
890 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/13(金) 18:52:36.49 ID:qA2lWisK0
洗いっこしようぜ!
891 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/13(金) 19:10:23.85 ID:R4+w2seAO

上条「洗いっこしようぜ!」

フィアンマ「元気だな」

上条の快諾の言葉にいつも通りの様子で笑い、フィアンマは上条から離れる。
上条は着替えやタオルの準備をしつつ温度を調節し、風呂のお湯を溜めに行く。
そして部屋に戻ると、フィアンマはベッドに座り、床へ視線を落としていた。

上条「フィアンマ?」

フィアンマ「ん?」

上条「どうかしたのか?」

フィアンマ「いや。…り…きて…ったと…」

ごにょごにょともごつくフィアンマに首を傾げ、お湯が溜まるまで暇な上条はフィアンマの隣へと腰掛ける。

フィアンマ「……」

上条の服を握り、フィアンマは黙り込む。
雰囲気は暗くない。
甘さは過分に含まれているが。




上条はどうする?>>+2
892 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/13(金) 19:35:50.46 ID:qwz73zMSO
ksk
893 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/13(金) 19:37:04.74 ID:u+qhBSeno
不意打ちこしょこしょ
894 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/14(土) 01:24:18.56 ID:CnZMO6ZSO
フィアンマさんが何言ったのか6時間位考えたがわからん
895 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/14(土) 10:01:07.43 ID:Wlk7IwyAO

フィアンマ(仲、直り…出来て…良かっ、…た)

上条(反省してんのかな)

黙り込んだまま視線を時折さまよわせるフィアンマの様子を眺め、上条はそう感じ取りながら、おもむろに手を伸ばし、フィアンマの体を不意にくすぐり始めた。

フィアンマ「っ、ふ」

上条「くすぐってやるー」

フィアンマ「ふ、っはは、やめ、」

上条にくすぐられるまま笑い声を漏らすフィアンマを見つめ、楽しそうな声音に口元を弛ませ、上条はくすぐりを続行する。
上条にとって、フィアンマが居れば、猫などは特段必要無い。
愛でたい、という欲求が充分満たされるからだ。

三十分程くすぐり、くすぐられ、お湯が溜まったのを見越した上条は服を脱ぎ、一足先に風呂場へ来た。
予想通り溜まっていたお湯の温度を確かめ、上条は考える。

上条(俺にとっては調度良いけど、フィアンマは湯船浸かるの慣れてないから…ぬるま湯の方がきつくないかな)

お湯に水を足している最中、浴室のドアが開いた。
上条が以前要求した内容を覚えていたのか、胸元も隠すようにバスタオルを巻いている。
女の子がお風呂に入る時に有りがちなスタイル。上条が目を瞬かせている内にフィアンマは浴室に入り、後ろ手でぱたん、とドアを閉めた。

フィアンマ「…何だ」

上条「いや、何でもないです」

男というものは不思議なもので、ドヤ顔でパンツを見せられてもげんなりするだけだが、風が吹いて一瞬見えたパンツには興奮する生き物だ。
故に、たとえ隠されている『中身』を知っていても、タオル一枚で隠されていればエロいだなんて思う訳で。
どぎまぎとする上条にくっつき、フィアンマは首を傾げる。

フィアンマ「…で、どっちがどっちを先に洗うんだ」

上条「ん…>>897
896 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/07/14(土) 10:16:06.57 ID:KkxjOl/mo
ksk
897 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/07/14(土) 10:35:30.90 ID:KkxjOl/mo
俺が先に洗ってやるよ
898 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/14(土) 14:43:08.58 ID:Wlk7IwyAO

上条「ん…俺が先に洗ってやるよ」

言うなり、スポンジを濡らしてもこもこと泡立てる上条の様子を横目で見やり、フィアンマは暇そうにお湯に指先を沈める。
水がだいぶ足された事でぬるま湯と呼ぶに調度良い温度だと確認し、フィアンマは蛇口を締める。

フィアンマ「お前は熱い湯が苦手なのか?」

上条「俺? いや、俺はそんなにでもないけど、フィアンマはシャワーは当たり前として、お湯に浸かるの苦手だろ?」

フィアンマ「まぁ、そうだが」

上条「だからだよ」

自分への気遣いだと理解し何やらもごついているフィアンマに、上条はのんびりと手招きをした。近付いてきたフィアンマの体を抱きしめるようにして、上条は身体を洗い始める。

上条「くすぐったいか?」

フィアンマ「そこそこにはこそばゆいが、我慢出来る範囲だな」

長閑な雰囲気で言葉を交わし、フィアンマの体を洗い終わった上条はスポンジを差し出す。
スポンジを受け取り、もこもこと再度、より泡立てながら、フィアンマは上条の顔を見た。

フィアンマ「そういえば、お前はいつも自分の体のどこから洗うんだ」

上条「>>900
899 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/14(土) 14:57:37.06 ID:N1FXFoBa0
股関
900 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/07/14(土) 15:27:16.31 ID:KkxjOl/mo
尻の穴かな
901 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/14(土) 16:25:36.01 ID:CnZMO6ZSO
ぶち壊しwwwwww
902 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/14(土) 17:14:22.57 ID:Wlk7IwyAO

上条「尻の穴かな」

こくり、と頷き、恥ずかしがる事無くそう述べた上条の顔をじっと見つめ、しばし言い淀んだ後、フィアンマはため息をついた。

フィアンマ「…お前に、羞恥心は無いのか?」

上条「?! あるよ!」

フィアンマ「冗談だろう」

上条「!? もしかして今フィアンマの中で上条さんの株価大暴落?!」

フィアンマ「よく分かったな。そしてもう価格が上がる事は無いだろう」

ひどい、とか何とか喚く上条の声をスルーし、フィアンマは上条の体を洗い始める。
途中尻穴を石鹸のぬるつきで凌辱してやろうかとも考えたものの、不穏さが伝わったのか上条が涙目で一歩下がった為、やめた。
そして現在、上条が先に湯船に入って脚を伸ばし、フィアンマは上条の膝上に座る形で同じ方向を向き、湯船に浸かっている。

上条「熱くないか?」

フィアンマ「程良いな。逆上せはせんだろう」

上条「そっか、良かった」




上条はどうする?>>+2
903 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/14(土) 18:00:52.91 ID:CnZMO6ZSO
腹に手を回し肩に軽く顎を置いてリラックス
904 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/07/14(土) 18:15:50.77 ID:KkxjOl/mo
↑+
リラックスしすぎてオナラ
905 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/14(土) 19:42:56.65 ID:CnZMO6ZSO
この上条さんは幻想殺しだけじゃなくて空気殺しも持っているな
906 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/14(土) 20:44:45.14 ID:49vqSxuG0

上条はのんびりと体の力を抜きつつ、フィアンマの肩に軽く顎を乗せる。
そして両腕をフィアンマの腹部に回すと、そっと抱き寄せる。
後ろから抱きしめた形で安らぐ上条。
しかし、残念ながら、安らぐということは全てが全て良いということではない。

上条(落ち着…っあ、)

まずい、と思った瞬間には、もう遅く。
上条の肛門から放たれた気体は湯船の中で少しばかり大きな泡と化し、上条の尻から腰にかけて、つつつ、と上がっていき、お湯表面にて淡く消えた。
ぼこん、という間抜けな音に、当然のことながらフィアンマも気づいた訳で。
いたたまれない気持ちで身を縮める上条を後ろ手で撫で、子供をあやすような声で、フィアンマは言う。

フィアンマ「やはり、羞恥心は無いようだな?」

上条「ちっ、違うんです、今のは事故で、」

フィアンマ「そうか。ならば、お前を信じよう。お前がだらしない訳ではないのだと」

幻滅された訳ではないようだ、とほっと胸を撫で下ろす上条の頬を後ろ手でそっと撫で、フィアンマは振り返る。
そして上条と視線を合わせると、優しく微笑んだ。
『神の如き者』を司る人間らしく、まるで天使のような誰もが見惚れる柔らかな微笑。
そんな美しい顔立ちの、その唇から紡がれた言葉は、簡素にして、上条の心を恐怖のどん底へと突き落とすものだった。

フィアンマ「だらしないのはお前の尻穴なのだから、お前の尻穴に直接仕置きをせねばなるまい?」

上条「だ、大丈夫です」

フィアンマ「大丈夫なものか。安心しろ、勉強はしてある」

上条「上条さんは生涯処女でいたいんです!」

フィアンマ「俺様の処女を散らしておいて自分はそれか? ん?」

上条「あ、謝る! ごめんなさいっ」

フィアンマ「何でも謝罪で済めばこの世界に法は必要ないんだよ」

ひっ、と情けない声を出す上条の首筋を撫で、フィアンマは口端を吊り上げる。
上条にとって彼女は今や可愛らしい恋人ではなく(いや恋人ではあるのだが)、自らを強姦せんと目をギラつかせる暴漢にしか思えなかった。
涙目の上条に微笑みかけたまま、フィアンマは悪戯っぽく舌を見せる。
どこかエロティックな様相にごくりと生唾を飲む上条の頬へ口付け、フィアンマは存分に色気を含んだ声でそっと囁く。

フィアンマ「心配は無用だ。気持ちよくしてやる」

上条「ふ、…不幸だーーーーっ!」








翌朝。
昨夜、思う存分尻を陵辱された上条は涙目で目を覚ました。
何かとても大切なものを奪われてしまったような気がする。
自業自得感は否めないが。

フィアンマ「おはよう」

上条の寝顔を眺めていたらしいフィアンマが笑顔で挨拶をしてくる。

上条「>>908
907 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/14(土) 21:02:42.09 ID:zphezkq20
犯された……シクシク
908 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/14(土) 21:23:46.31 ID:CnZMO6ZSO
あのさぁ…お尻は一方通行なんだぜ?キュウリや人参、バイブは入れないもんだぜ?
909 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/14(土) 21:47:52.27 ID:49vqSxuG0

上条「あのさぁ…お尻は一方通行なんだぜ? キュウリや人参、バイブは入れないもんだぜ?」

涙目でそう遠まわしに責めてくる上条の様子を笑顔で眺めたまま、フィアンマは素っ気無く返した。

フィアンマ「知らんよ」

上条「っ、あのなぁ!」

更に反論を重ねようと上条が口を開いた瞬間、フィアンマの笑顔が威圧するようなものへと変化する。
気圧される上条の頬を人差し指でぷに、と触り、フィアンマはにこにこと笑んだ。

フィアンマ「俺様の行動に何か文句があるのか?」

上条「う…」

シリアスな場面では主導をとことんキープ出来る上条だが、普段はむしろ尻に敷かれる方である。
むぐ、と口ごもる上条の瞳を見つめ、燃える赤を象徴する青年は迫った。

フィアンマ「キュウリのサンドイッチと人参のソテーを朝食にされたい訳ではあるまい? さぁ、返事は?」

上条「文句なんて無いです!」

フィアンマ「そうだ、良い子だ」

清清しいまでの即答に、フィアンマは威圧感を霧散させて微笑む。
上条は一人、涙を呑むのであった。

朝食を終え、上条はのんびりとベッドでだらける。
昨夜の情事の跡が、身体のいたるところに疲れという形で影響を及ぼしていた。

上条「うあー…」

フィアンマ「……」

旅行疲れのところに無理をさせただろうか、などとほんのちょっぴり反省したフィアンマは、手伝えと言うこと無く部屋掃除をしている。
上条はうだうだと意味不明な呻きを漏らすのみで、だるそうな態度で、動かない。
やがて家事を終えたフィアンマはベッドの空きスペースに腰かけ、上条の髪をいじり始めた。

フィアンマ「疲れか。膝枕でもしてやろうか?」

上条「>>911
910 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/14(土) 22:08:44.46 ID:yiEucI9+0
ksk
911 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/14(土) 22:15:56.46 ID:CnZMO6ZSO
おお、是非とも頼むわ。

でさぁ、ちょっと昨日から気になってたんだけどさぁ…フィアンマから俺以外の男の匂いしたの、 な ん で か な ? か な ?
912 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/14(土) 22:16:56.60 ID:yiEucI9+0
また修羅場か
913 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/14(土) 22:18:31.04 ID:CnZMO6ZSO
しまったなちょっとはやかった…
914 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/14(土) 22:29:40.66 ID:49vqSxuG0

上条「おお、是非とも頼むわ」

フィアンマ「ん、」

フィアンマはベッドに上がり、上条の頭を上げさせた後、正座しようか迷った結果、やや崩して、所謂女座りをした。
上条はおずおずと頭を乗せ、心地よさそうに目を閉じる。
特別柔らかいというほど肉はついていないが、男性の明らかに筋張った太腿とは違う。
フィアンマは手持ち無沙汰なのか、上条に膝枕をしたまま、髪をいじり続ける。
短くツンツンとしている為うまくみつあみに出来ず不満そうな表情を浮かべるフィアンマを見ることなく、目を閉じたまま、上条は問う。

上条「で、さ。ちょっと、昨日から気になってたんだけどさぁ、」

フィアンマ「ん?」

やけに耳に残るねっとりとした声音での上条の言葉に、フィアンマは首を傾げる。
さらさらと指先で上条の髪を梳きつつ、続きを促す。

フィアンマ「何だ?」

上条「…フィアンマから俺以外の男の臭いしたの、何 で か な? か な?」

フィアンマが頭に思い浮かべたのは、金髪の青年。
上条に連絡した辺り本気の提案ではなかったのだろうが、告白どころかプロポーズ紛いの言葉を吐いた男。
挙句の果てに抱きしめられ、キスまでされた。

上条「俺の気のせいだって言うならそれでも良いんだけど、さ」

フィアンマ「……」

上条「…気のせいだよな?」

フィアンマ「…>>916
915 : ◆aSQx.z3IE/pB [sage]:2012/07/14(土) 22:34:09.57 ID:lUCTNbyQ0
ここで正直に言ったらオッレルスさんはどうなってしまうんだ……
ksk
916 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/14(土) 22:42:25.91 ID:CnZMO6ZSO
(キスで誤魔化す)
917 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/14(土) 22:56:54.68 ID:49vqSxuG0

フィアンマ「…っん」

上条「ん、っん」

フィアンマは上手く身を屈め、上条に口付ける。
上顎を下でくすぐられ、首筋を撫でられ、キスによるぞくぞくとした快感に背筋を震わせ、上条は打ち震える。
フィアンマは別に真実を言うのが面倒だった、という訳ではない。
ただ、自分が不快感しか覚えなかった異性との接触の話をわざわざ口にして上条を不快にさせたくなかった、というただそれだけの事に過ぎない。
しばらく深く、そして長く口付けを受けた上条はちょっとした酸欠に陥り、ぐらぐらとした視界でフィアンマを見上げる。

フィアンマ「疲れているのか?」

上条「え…?」

フィアンマ「まさか、俺様の不貞を疑っている訳ではあるまい?」

上条「ん…そんな訳、ないだろ…」

フィアンマ「なら、良いじゃないか。気にする必要などない」

上条「気に…」

フィアンマ「不要だ」

酸欠でぼんやりとする思考に『心配は無用』と教え込まれ、まんまとマインドコントロールされた上条はこくりと頷く。
フィアンマは満足そうに笑みながら、上条の頭や首筋を撫でた。
別に嘘を吐いた訳ではないのだから、後々責められても問題は無い。

フィアンマ「このまま眠っても良いんだぞ?」

上条「んー…」





上条はどうする?>>+2
918 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/14(土) 23:02:22.81 ID:lUCTNbyQ0
トリ外し忘れましたすいません
ksk
919 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/14(土) 23:28:16.57 ID:CnZMO6ZSO
ん。寝るわ…できれば子守唄歌ってくれるとうれしい
920 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/14(土) 23:47:23.94 ID:CnZMO6ZSO
>>918あのさぁ…間違ってたらごめりんこだけど、ひょっとしてストーカー後輩の人?
921 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/14(土) 23:52:56.23 ID:49vqSxuG0

上条「ん。寝るわ…あ、できれば子守唄歌ってくれると嬉しい…」 


身体の随所に残っているだるさに眠気を主張し始める瞼にそう言葉を紡ぎ、上条は再び目を閉じた。
フィアンマはしばらく悩んだ後、イタリア語の一般的な子守唄を歌い始める。
まだ幼かった妹が『まだ眠くない』などと子供らしくぐずった時、何度も聞かせた唄。
優しく、静かな声色で。

『君が良い夢を見られますように。悪魔は須らく君を見過ごしますように』

夢の中でも暖かな優しさに包まれるようにと祈るような唄。
上条に歌詞の意味はわからなかったが、清浄の声音と少しだけ甘い響きに、居心地の良さを覚えながら眠りに堕ちた。
上条が眠りについたのを認識しつつ、フィアンマは暇を持て余し、その為に子守唄を続ける。 
他の歌は慣れないが、子守唄にはかなり親しみがあるため、唄っていても恥ずかしくないのだ。

『夢の中、どうか幸せを感じられますように。どうか福音の訪れますように』

囁くトーンで歌い、フィアンマは長い睫毛を伏せて上条を見つめる。
如何にも普通の少年らしい寝顔を見せる上条の頬を撫で、フィアンマは歌うのをふと取りやめて呟く。

フィアンマ「…いつまで、こうしていられるだろうな」

上条「すー…」

上条の精神が磨耗した時の事を思い、フィアンマは目を伏せる。
上条の顔でも自分の膝でもない曖昧な場所を見つめて。

フィアンマ「お前が、怖がられなければ良いのだが」

見目の老けない化け物である自分を気味悪がり、罵る人間を思い浮かべ、フィアンマはぼやく。
上条には傷ついて欲しく無い。
若く見えるだとか、そういう話では済まないのだ。
そして長く生きる内、自分のように世界に悪意と絶望しか見出せない寂しい人間になるのではないか、という危惧もしている。

フィアンマ「…お前にも判ってしまうのだろうな。青い理論でこの世界を美しいものとして見るには、あまりにも厳しいという現実が」

上条「んん…」

フィアンマ「…俺様は、どこまでお前を守ってやれるのだろうな」

上条「>>923
922 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/15(日) 00:02:17.13 ID:nu3dqe2SO
ksk
923 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/15(日) 00:16:36.71 ID:nu3dqe2SO
出す答えが一緒とは限らねーだろ?それに「約束した」じゃねーか。上条当麻が、フィアンマとした約束を破るわけねぇっつの…………ぐー
924 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/15(日) 00:33:54.57 ID:Lifkkp6c0

上条「出す答えが一緒とは…限らねー…だろ? それに…『約束した』じゃ…ねーか。上条当麻が、…フィアンマと…した、約束を…破るわけねぇっつの…………ぐー」

眠りながらにして通常会話の如くそう寝言を漏らした上条に、フィアンマはぱちぱちと目を瞬かせる。
そして上条の寝顔をじっと見つめた後、先ほど上条の言った言葉を脳内で繰り返して、笑った。

フィアンマ「ふ、…っ、はは、ふふ、っっ…あはははは!」

『右方のフィアンマ』らしからぬ、穢れを知らない少女のような明るい笑いを。
ひとしきり笑って気が済んだのか、フィアンマは無表情になると上条の寝顔を見つめる。

フィアンマ「…そうだな。お前と俺様では、価値観が違う。…『世界の良い部分を見せてやる』と言っていたしな。信じているよ、お前は必ずや約束を果たすとな」

上条「むにゃ…」

フィアンマ「…俺様も寝るか」

上条の頭を枕の上に移動させ、フィアンマは上条の隣へと横たわった。
そして毛布を自分と上条双方にかかるように被ると、静かに目を閉じた。
眠るべく、ゆっくりと深呼吸を繰り返す。






上条が目を覚ますと、膝枕をしてくれていたはずのフィアンマは隣で眠っていた。
何やら夢の中、フィアンマが楽しそうに笑っていたような記憶があるが、気のせいだろう。

上条「…まだ寝てるのか」

フィアンマ「ん…」

もぞ、と身じろぎ、フィアンマは上条により一層くっついた。
そして上条の肩辺りに顔を埋め、むにゃむにゃと何やらぼやいている。
眠っている間にだいぶ時間が経過してしまったらしい、眠った日の翌日、午後二時となっていた。
そろそろおやつ時かな、などと思いつつ、上条はフィアンマの頭を撫でる。

フィアンマ「…当、麻…」

上条(寝言、か…。かわいいな)








上条はどうする?>>+2
925 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/15(日) 00:41:23.29 ID:nu3dqe2SO
ksk
926 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/15(日) 01:12:30.65 ID:nu3dqe2SO
(作れたら)ティラミス作って、フィアンマの好きそうな紅茶淹れる準備だけしとく。起きたら一緒にティータイム。そのまま寝っぱなしならティラミス冷蔵庫に。


そしてくどくてすまないがこれだけは譲れねぇ。自分は珈琲飲んでまったりしてる。blackで頼む。
927 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/15(日) 01:56:57.39 ID:d55NKBfZ0

フィアンマ「ん…」

上条(まだしばらく起きそうにないな…)

そう判断した上条は静かにベッドから抜け出し、財布の中身を確かめて家から出る。
移動術式を使用したため、一時間と経たない内に上条は帰宅した。
フィアンマはすやすやと眠り続けている。
上条はフィアンマの寝顔を確認して幸せそうに口元を弛ませると、ティラミスを作り始めた。
材料を購入すべくスーパーに行った為、ついでに幾つかの茶葉も買ってきた。とはいってもティーバッグだが。
アールグレイ、ダージリン、アップル、カモミール。
どの紅茶が気に入るかは分からないものの、上条はティラミスを作り終え冷蔵庫で冷やしながら、ケトルでお湯を沸かした。
そして沸いたお湯で自分はインスタントコーヒーを淹れ、砂糖もミルクも入れないままに啜る。
こびりついていた眠気がカフェインによって一掃されていく。
ここで普通のお茶も飲むと相乗効果で更に目が覚めるのだが、そこまでして覚醒しなければならない理由は存在しないので、上条は特段気にしない。
しばらくまったりと上条がコーヒーを啜っていると、フィアンマが目を覚ました。
のろのろと身体を起こし、上条をじっと見つめる。
まだうまく脳が覚醒していないのか、不思議そうな表情だ。自覚は無いのだろうが。

上条「おはよう、フィアンマ。もう昼だけどな」

フィアンマ「…ん」

上条「ティラミス作ったんだけど、食べるか? 紅茶もあるぞ」

フィアンマ「…ん」

残る眠気で曖昧な意識ながらもティラミスや紅茶という単語はすんなり理解したらしいフィアンマはふにゃふにゃとあまり締まっていない笑みを浮かべてこくんと頷く。
上条は和やかな気分になりながら程よく出来上がったティラミスを冷蔵庫から取り出し、ココアパウダーを振るってテーブルにスプーンと共に並べる。
フィアンマが席についたところで、何の紅茶を飲むか尋ねた。

上条「何がいい?」

フィアンマ「何があるんだ」

上条「アールグレイ、ダージリン、アップル、カモミール」






フィアンマは何を飲む?


1.アールグレイティー(ミルク)

2.ダージリンティー(ストレート)

3.アップルティー

4.カモミールティー






判定>>+2
928 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/15(日) 02:31:11.95 ID:2TQizq20o
ksk
929 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/15(日) 02:37:09.28 ID:nu3dqe2SO
4かな。昔飲んでうまかった
930 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/15(日) 02:54:21.37 ID:d55NKBfZ0

フィアンマ「なら、カモミールにする」

上条「そっか。ティーバッグでごめんな」

フィアンマ「別に構わん」

使用されているカモミールが所謂ローマンカモミールと呼ばれるそれは、ほんのりリンゴの匂いに似ている。
ちなみに上条はあまり知らないが、ローマンカモミールの効能には胃炎・ストレス・不安・不眠症などへの効能が期待されている。
ティーバッグで淹れてもらったカモミールティーを啜り、蜂蜜を溶かしてもらうべきだったか、などと考えつつ、フィアンマはティラミスを食べた。

上条「一応味見はしたんだけど、口に合うか?」

フィアンマ「あぁ、美味だ」

もぐもぐと口を動かし、大事そうに少しずつ食べながら、フィアンマは笑顔で頷く。
良かった、と安心に満たされながら、上条はコーヒーを啜る。
フィアンマはしばらく悩んだ後、上条の口元に、ティラミスが一口分乗ったスプーンを運ぶ。
上条は少しばかり照れた後、拒否する事なく口に含んだ。
ティラミスの味自体は味見で知っているものの、そこに恋人の唾液の味が加わると少しだけ風味を変える。
カモミールティーの混ざった唾液の混じるティラミスは上条の口内に少しばかりの清涼感を与えた。
美味しい、とそう素直に評価しながら、上条はのんびりと伸びをする。

一時間ほどかけ、ゆっくりのんびりとしたお茶会を終えて。
後片付けを済ませた二人は暇だった。
ひたすらに暇だったのである。

フィアンマ「何か退屈を紛らわせる方法は無いものか」

上条「うーん…」








上条はどうする?>>+2
931 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/15(日) 02:56:49.82 ID:nu3dqe2SO
ksk
932 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/15(日) 03:05:01.26 ID:nu3dqe2SO
ちょっとラブラブブラブラしてみるか
933 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/15(日) 03:27:14.14 ID:d55NKBfZ0

上条「散歩デートでもしないか? 暇だしさ」

上条の提案に、フィアンマは考えこむ。
やがて一度頷くと、おもむろに着替え始めた。
今日は寒いからか、厚着する事に決めたらしい。
この間購入した制服風衣装の上から深い赤色のコートを着て、しっかりと前を閉める。
セミロングの髪に着けているのは白に赤ラインの入ったリボンヘアピン。
女子学生らしい可愛らしい装いに身を包んだフィアンマは、上条を見やる。
コートの丈がスカートの丈より長いせいで、一見『穿いてない』かのようでドキリとする。
これはちょっと失敗したかもしれない、と上条は他の男の目を危惧しながら着替え、フィアンマの手を握る。
そして外に出ると、今度は移動術式など使う事はせず、ゆっくりと歩き始めた。

フィアンマ「、っく」

上条「?」

フィアンマ「くしゅっ」

上条「寒いのか?」

如何にも面倒そうな表情でくしゃみをしたフィアンマの手をやわやわと握り、彼氏らしく上条は気遣う。
フィアンマは緩く首を数度横に振ると、欠伸を噛み殺した。

フィアンマ「単純に、室温と気温の差異に身体が過敏反応を示しただけだ。問題無い」

上条「ん、寒いなら言ってくれよ?」

フィアンマ「あぁ」

しっかりと恋人繋ぎで歩く上条に、手を繋いだまま、フィアンマは腕を組む。

フィアンマ「良い天気だな。寒いが」

上条「息吐くと白いもんなー…」

フィアンマ「……来年も、その次の年も、こうしているだろうか」

上条「>>935
934 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/15(日) 03:28:07.71 ID:nu3dqe2SO
ksk
935 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/15(日) 03:29:31.43 ID:Ji4iqPmV0
当たり前だろ
936 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/15(日) 03:30:35.45 ID:nu3dqe2SO
その頃にゃもっと幸せになってんだろ
937 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/15(日) 03:33:56.51 ID:Ji4iqPmV0
お前らよく眠くなりませんね
938 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/15(日) 03:35:02.02 ID:nu3dqe2SO
>>1が寝ねぇなら明日の昼まで起きれるわwwwwww
939 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/15(日) 03:55:49.87 ID:d55NKBfZ0

上条「当たり前だろ」

フィアンマ「…」

上条「そこが学園都市かどうかは別として、こうやってフィアンマと手を握って歩く事位、いつだって、どこでだって出来る」

フィアンマ「…それは、そうかもしれないが」

上条「俺はこの先三歩下がって着いてこいなんて言うつもりは無いし、先に行って欲しいとも思わねぇ。こうやって隣に居て、手を握っていても腕を組んでいてくれても、何でもいい。一緒に隣を歩いてくれてればそれで良いって思ってる。だから、心配なんていらないだろ」

フィアンマ「…」

上条「心配性だな」

フィアンマ「性根だ」

上条「分かってる。俺がちょっと注意足りない部分あるし、丁度良いのかもな」

明るく笑って、上条は楽しそうな様相で歩く。
フィアンマは上条を見つめ、少しだけ笑った。

フィアンマ「そうだな。底抜けの考えなし無神経馬鹿には俺様程の神経質な人間がついていた方が釣り合いがとれる」

上条「うわ酷ぇ」

あんまりな言い草だ、と言いつつも笑っている上条の頬を突っつき、フィアンマは表情を和らげる。
不安神経症と呼んで差し支えない程に心配性なフィアンマではあるが、上条はそんなところも含めて彼女のことが大好きなので、問題は無く。
ただ、それがストレスで病気にならないかどうか、上条はそれだけが心配だ。

フィアンマ「…遊園地、か」

上条「行きたいのか?」

フィアンマ「いや。四六時中悪口を言われていたな、と思ってな」

上条「あー…ヴェントか」

フィアンマ「あぁ。俺様に愚痴を言ったところで、弟が帰ってくる訳でもあるまいに」

上条「心の整理が、つけたかったんだろ」

フィアンマ「…心の整理など、いつまでたってもつかないものだ。何年経とうと、何百年苦しもうと」

上条「……」

今もまだ、自分を妹重ねて愛おしく思うのだろうか、と不安に思った上条は立ち止まる。
つられて立ち止まったフィアンマは、不思議そうに問いかけた。

フィアンマ「…どうかしたか?」

上条「…>>941
940 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/15(日) 04:42:04.00 ID:ECip/e/to
ksk
941 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/15(日) 05:10:54.62 ID:HY1fXN250
俺は、妹さんじゃないって解ってるん……だよな?




>>920 >>918です。 そうです)
942 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/15(日) 09:47:32.46 ID:nu3dqe2SO
あやっぱ?どっかで見たなと思ったってわけよ。
943 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/15(日) 11:12:56.79 ID:utUf4IN00

上条「……俺は、妹さんじゃないって解ってるん……だよな?」

フィアンマ「分かっているさ。…それでも構わないと、今も傍に居るし、好きにもなった」

上条「……」

フィアンマ「今は、お前と妹を同一視している訳じゃない。前ならばともかく、今は」

上条「…なら、いいんだけどさ」

フィアンマ「…きっかけが如何なるものであれ、結果に変化はあるまい。あのような方法を取らずとも、恐らく俺様はお前を好きになったと思うぞ」

ゆっくりと歩き始める上条に合わせるようにゆっくりと歩き、フィアンマは言う。

フィアンマ「…そうだな。好きなタイプが、『幻想殺し』を持っている人間だと説明すれば分かりやすいか。…お前が特殊な右手を持っていなければ興味を持つ事は無かっただろうが、一度興味を向けた以上、好きにはなっていただろう」

上条「あくまできっかけ、なのか?」

フィアンマ「そうだよ」

きっぱりと肯定し、フィアンマは上条の腕を抱きしめる。

フィアンマ「…まぁ、あの当時はお前の右腕だけでも良いから手元に置きたいとは思ったが」

上条「アックアに命令したのってそれが原因かよ」

フィアンマ「あぁ、否定はせんよ。まぁ、ヤツが負ければ大義名分になるとも考えられたがね。実際、なった」

上条「…」

フィアンマ「…俺様は、この世界に愛着なんて無いよ。お前の為にこの世界が壊れる、壊すというのなら、それでも構わない。今もそう思っている」

上条「相変わらず、世界全部、嫌いなのか」

フィアンマ「大嫌いだよ。お前が居なければ自殺したいところだ。死ねないと分かっているから、やりはしないが」

コツ、と靴音を響かせるように歩きながら、フィアンマは冷静に言う。
きっと、上条がどんなに世界の良い部分を見せても、多少評価が上がるというだけで、フィアンマがこの世界を愛する事は無い。

フィアンマ「…さて、暗い話は終わりだ。ただ暇を持て余すままに歩くというのも少々飽きた。何処か行く場所はないものか」

上条「…、ん。…んー」








何処に行く?(学園都市内)>>+2
944 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/15(日) 11:39:00.06 ID:I0XvSLBd0
ksk
945 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/15(日) 11:51:10.69 ID:nu3dqe2SO
高いビルの上で何か飲食しながら景色でも眺めるか
946 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/15(日) 12:08:59.36 ID:utUf4IN00

上条「とりあえずコンビニ行こうぜ。ちょっと小腹減ったし」

フィアンマ「燃費が悪いな」

上条「俺今日食べたのティラミス一口だからな?」

フィアンマ「ティラミス一口であれば三日は動けるというものだが」

上条「本気で言ってるのか…?」

フィアンマ「? 当たり前だろう」

断食が得意な人の思考回路は分からない、と項垂れながらも、上条はフィアンマの手を引く形でコンビニに入る。
別にスーパーマーケットでも問題は無かったのだが、コンビニの方が近かったからだ。
飲み物のペットボトル(500ml)を適当に二本程購入し、上条はお握りを、フィアンマはサンドイッチを購入する。
そして現在、フィアンマはお菓子の棚の前からなかなか動こうとしない。

上条「そんなに悩む事なのか…?」

フィアンマ「悩む事も楽しみの一つだと思った事は無いのか?」

上条「無いな…」

長年生きているフィアンマは、考えすらも娯楽のひとつだとして切り離して考える。
今まで『最悪右手を振るえば大体の事案は何とか解決する』人生だったため、深く悩んだことが少ないというのもあるが。
対して、命短しと生きていた上条にはその感覚が分からない。
人間らしさと無機質さを使い分けるフィアンマとはいまいち考えが合わないのだ。
最終的にキャラメルチョコレートを購入し、全て入った袋は上条が持って、てくてくと歩く。
到着したのは、使われていないのか、あまり人気の無い廃ビル。
その屋上に申し訳程度に設置されていた、かつてはそれなりに使用されていたであろうベンチに並んで腰掛け、上条とフィアンマは景色を見下ろしながら飲食を開始した。
夕焼けが影を落とす街並みを高い場所から見下ろすというのは、中々に気分が良い。
フィアンマはチョコレートの包装を解いて一粒口に含み、噛み砕き溶かしながら、空を見上げる。
血のように真っ赤に染まった空。どこまでも赤いのは、もうすぐ夜かが来るから。

フィアンマ「…空は、人に似ていると思わないか?」

上条「空模様か?」

フィアンマ「あぁ。純粋な白や青に近い朝は生誕を。昼、完全に陽が昇りきっているのは最盛期。夕方には赤く、血を出すような死。夜は安息なる永遠の眠りを体現しているように見える」

上条「哲学的だな」

フィアンマ「自分でもそう思うが」

砂糖やミルクの入っていない冷たい紅茶を、ペットボトルの飲み口からちびりと飲み、フィアンマは小さく息を吐き出す。

フィアンマ「…ちなみに、俺様は夜が好みなのだが。お前は?」

上条「俺? んー…>>948
947 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/15(日) 12:17:44.70 ID:nu3dqe2SO
結構全部好きだけどな。敢えて言うな夕方かな。段々人がいなくなっていったり、一日中で移り変わりが一番顕著じゃん?黄昏時の不安感もたまらない
948 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/15(日) 12:41:01.72 ID:wGBk55vpo
949 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/15(日) 13:03:51.65 ID:3Tgz4X620

上条「俺? んー…結構全部好きだけどな。敢えて言うなら、夕方かな。段々人が居なくなっていったり、一日中で移り変わりが一番顕著じゃん? 黄昏時の不安感もたまらない」

フィアンマ「確かに言われてみればそれもそうか」

上条「子供は夕方には家に帰るもんだし、仕事の定時も夕方だしさ」

フィアンマ「変化が好きなのか?」

上条「不変なものより、変化するもの見てた方が楽しいだろ? 変わってしまうと困ったり、嫌なものもあるけど」

フィアンマ「そうか」

紅茶で喉奥に流し込んだ甘みを再生するように、フィアンマはキャラメル味のチョコレートに手を伸ばす。
そして包装を解くと、再び口に一粒含んだ。
先ほどと違って噛み砕く事はせず、舌先で舐め溶かして。
鼻から抜けていく甘ったるい香りに目を細め、フィアンマは未だ赤い…少しずつ暗くなっていく空模様を眺める。
天体及び空には様々な魔術的意味が付加されるが、フィアンマはそんな事を考えてはいない。
上条の前で、こんな平和な状況で、魔術について考える必要が無いからだ。
『右方のフィアンマ』になる前の様子で、考えで、フィアンマは言葉を紡ぐ。
年齢や見目に似合わぬ、幼さを帯びた声だ、と上条は思った。
しかし、いつもよりも危うさは感じられない。

フィアンマ「黄昏時は、全て持って行かれそうな不安感が確かにある」

上条「錯覚だって、頭では分かってるんだけどな」

フィアンマ「頭と心は別物だよ」

右脚を上にして脚を組み、フィアンマはまた一粒チョコレートを口に含む。
ある程度大きな袋の中にあるチョコレートは少しずつフィアンマの口内へ溶け、胃袋に消えていく。

フィアンマ「…楽しいな。お前とこうして穏やかに過ごすのは、本当に楽しい」

上条「>>951
950 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/15(日) 13:10:42.08 ID:nu3dqe2SO
そりゃ良かった。つまらんとか言われたらそこから飛んじまってたかも(笑)

いつまでも続けばいいんだけどな…まぁ、刹那的な物だからこそ尊かったり有難みがあるって楽しみ方も出来るんだけど
951 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/15(日) 13:59:48.25 ID:0lBadqN30
俺もだよ
952 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/15(日) 14:52:47.02 ID:3Tgz4X620

上条「俺もだよ」

フィアンマと一緒に居る時が一番楽しい、などと軽い調子で付け加え、上条は空を見つめる。
いつの間にか空っぽになっていたチョコレートの袋、もといゴミを丸め捻り結び、フィアンマは軽く上条の肩に頭を乗せて寄りかかる。
のんびりと受け入れながら、上条はフィアンマの髪を優しく撫でた。

フィアンマ「…悪魔と契約した男の気持ちが分かるようだ」

上条「悪魔?」

フィアンマ「『ファウスト』だよ。愛する女と一緒に居たいが為に悪魔に魂を売ろうと決意した男だ。…『時よ止まれ お前は美しい』…だったかな」

上条「幸せだから、今この瞬間が時間が止まってしまえばいいって思ってるのか」

フィアンマ「あぁ。時間を貴重に思えない性格だからかもしれんが」

上条「これから先、もっと幸せな気持ちになれるかもしれないだろ?」

フィアンマ「幸福も金も何もかも、最上まで突き詰めれば、残るは転落しか無い。権力なんてその最たる象徴だ」

上条「最上の幸福なんて、自分が設定するものだろ」

フィアンマ「そうだな。だが…俺様は、今が一番幸せなんだ」

時間が止まればいい。
一番楽しい瞬間を、無限に、永遠に引き伸ばしたい。
そう時々思うのは人間の性であり、業でもある。

フィアンマ「…何も要らない。お前さえ居てくれれば、…何も」

上条「…フィアンマ?」

フィアンマ「"転落"はもう嫌なんだ」

高い階段を上りつめ、誰にも迷惑をかけずに妹と過ごし、幸せな瞬間を引き伸ばしていたフィアンマを突き落としたのは、何てことはない、いたって普通の人間。
特別な何かが、彼女を不幸にした訳ではない。
日常に満ち溢れる悪意が、彼女を突き落とした。
だから、彼女はいつだって怖がりだ。
どこまで行けば、どうすれば幸福を恒久的に保存出来るのか、わからないから。
一度喪った経験があると、どんなに確証となりうる何かを与えられても、疑ってしまう。
臆病なのだ。臆病さをプライドで隠す程に、彼女は臆病者だ。

フィアンマは段々赤ではなく暗くなってきた空を見、立ち上がる。
そして上条を振り返ると、いつも通りの、『右方のフィアンマ』らしい、どこか危うさを感じさせる笑みで言う。

フィアンマ「帰ろうか」

上条「>>954
953 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/15(日) 14:56:24.80 ID:nu3dqe2SO
結構1000に近くなってきたなー更新ペースや別スレを考えるともうちょい遅いかとも思ったが。
954 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/15(日) 15:05:33.74 ID:nu3dqe2SO
ん。

…さっきも言ったけど、今が最高と思ってても、意外と後になって「よく考えたら、あの時より今の方が幸せだな」ってよくあるじゃないか。だから、もっと上に行こう。それに転落するのが恐いなら、手を握ってるから一緒に落ちようや
955 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/15(日) 15:18:48.02 ID:nu3dqe2SO
すまん↑+んで、また一緒に、幸せ目指せばいいじゃねーか


…つかやっぱ考える安価オッサン臭いな俺
956 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/15(日) 15:34:41.24 ID:3Tgz4X620
>>953様 安価投票が多かったからかもしれません…》


上条「ん」

上条も立ち上がり、回収されるかどうか曖昧なゴミ箱にゴミを纏めて突っ込むと、フィアンマの手を握った。
細い指と自分の指を絡ませ、恋人繋ぎにすると、ビル内の階段を下った。
長い階段を下りながら、上条は静かに言う。

上条「フィアンマ」

フィアンマ「ん?」

上条「…さっきも言ったけど、今が最高と思ってても、意外と後になって『よく考えたら、あの時より今の方が幸せだな』、ってよくあるじゃないか。だから、もっと上に行こう。それに…転落するのが恐いなら、手を握ってるから、一緒に落ちよう。んで、また一緒に、幸せを目指せばいいじゃねーか」

フィアンマ「…階段を下りながら言う台詞か?」

上条「はは、それもそうだけど」

フィアンマの二段先を行き、引っ張らないよう気をつけながら、上条は階段を下りていく。

上条「上限を低く設定すんなよな。俺はまだまだフィアンマを幸せにしてやろうと思ってるんだから、っわぷ!」

フィアンマ「……、…そうか。頼もしいな。しかし、まぁ、良い台詞を吐いた後に台無しにするのが得意なのか、お前は」

不幸にもバランスを崩し、そのまま転落しそうになる上条を左腕一本で吊り上げ、フィアンマはため息を吐く。
細腕から出る力とは思えないフィアンマの腕力に動揺する上条を階段に立たせ、再びゆっくりと下りながら、フィアンマは簡易的に説明した。

フィアンマ「『神の如き者』の性質を応用すれば、腕力など幾らでも増やせる。『天使の力』の封入と解放は基本だ」

上条「び、びっくりした…」

フィアンマ「俺様が落ちる時に一緒に落ちてくれるというのは勇ましいが、その前に自分が落ちるな。どのみちあんな場所から転落しても死にはしないだろうが、注意散漫過ぎる」

上条「う…ごめん」

フィアンマ「…も……った…」

上条「何か言ったか?」

フィアンマ「いいや、何も」

そう誤魔化したフィアンマと小首を傾げる上条は外へ出る。
しばらく歩いてスーパーマーケット付近に辿り着くと、上条はのんびり問いかけた。

上条「晩飯、何がいい?」

フィアンマ「ん…>>958
957 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/15(日) 15:45:10.43 ID:nu3dqe2SO
ksk
958 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/15(日) 16:19:50.45 ID:nu3dqe2SO
オードブル野菜多目炒飯
メイン肉多目キムチ炒飯
デザート冷えたポソポソ炒飯

今日人居ないなー(´;ω;`)
959 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/15(日) 16:35:32.03 ID:3Tgz4X620

フィアンマ「ん…オードブル…前菜に野菜が多目の炒飯」

上条「うんうん」

フィアンマ「メインにキムチ炒飯」

上条「…うんうん」

フィアンマ「食後のデザートに」

上条「デザートに?」

フィアンマ「ポソポソとした食感の炒飯を所望する」

上条「全部炒飯じゃねえか!」

フィアンマ「ひとまず何でもいいから炒飯が食べたいんだ」

上条「良いけどさ…」

それにしても飽きないのか、と思いつつ上条はスーパーに入り、フィアンマの手を引いて店内を歩く。
野菜や少量のキムチなど、家に無いものを基本的に買い足すためだ。
上条がカゴにテキパキと材料を入れている間暇なのか、フィアンマは辺りを眺めている。
見つめているのはワイン。そこそこの値段が張る白ワインだ。

フィアンマ「…当麻」

上条「ん?」

フィアンマ「酒が欲しい」

上条「ダメです」

フィアンマ「どうしても?」

上条「む…」

フィアンマ「一本だけで良いのだが」

上条「>>961
960 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/15(日) 16:48:23.00 ID:nu3dqe2SO
ksk
961 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/15(日) 17:23:19.97 ID:HY1fXN250
……一気に飲まないなら
962 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/15(日) 19:29:01.21 ID:rc/kguuM0
地元の祭り楽しい
963 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/15(日) 21:09:16.81 ID:nu3dqe2SO
今日派遣された勤務地つまらん。祭りいいなぁ…
964 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/15(日) 22:19:01.50 ID:NjUT2WtP0

上条「……一気に飲まないなら」

フィアンマ「いつも一気飲みはしていないが」

上条「いや、何というか、二日に分けて飲むとかさ」

フィアンマ「今日飲み残して明日必ず飲めるという確証は無いだろうに。まぁ、別に構わんが」

肩を竦め、フィアンマは上条から離れると、先ほど見つめていた値段の張る白ワインではなく、その近くにある、ゼリー飲料のようにパウチされた白ワインを手にする。
そして上条の下に戻ると、それをカゴの中へ入れた。

フィアンマ「制限があるのであれば、少量で飲みきってしまった方が良い」

上条(あれ、我慢してるのか? …ちょっと悪い事したかな)

つまらなそうにため息を漏らすフィアンマはそう言ったきり、退屈そうな様相で店内を眺める。
そういえばつまみを欲しがらないんだな、などと考えている上条の頭を見つめ、ふと、フィアンマは呟いた。

フィアンマ「…ウニか。久しく食していないな」

上条「何で上条さんの頭じっと見つめながら言うんですかね?」

フィアンマ「いや、別に深い意味は無いのだが。ところでお前の頭は食べられないものなのか?」

上条「>>966
965 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/15(日) 22:21:28.81 ID:nu3dqe2SO
ksk
966 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/15(日) 22:43:40.04 ID:e0tBoC4F0
チャレンジしたが無理だった
967 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/15(日) 23:04:47.65 ID:NjUT2WtP0

上条「チャレンジしたが無理だった」

フィアンマ「やったのか」

上条「腹が減ってどうにもならなくなってさ…入院費で出費キツいし、インデックスには充分ご飯食べさせてやりたかったし。となると、俺のご飯が無いだろ? で、鏡見つめてる内に『俺の頭ってウニっぽく見えなくもない、焼いたら食えるんじゃね?』っていう結論に至ってあぶってみたけど熱い思いしただけだった。本当にどうにかしてた」

フィアンマ「どうかしている、の範疇を超えているような気がするが」

上条「ははは」

何やら遠い目をする上条を見つめ、フィアンマは首を傾げる。
上条は話を打ち切る形でカゴの中を確認し、フィアンマと共に会計へ向かった。
さっさと会計を終え、ずっしりと重い袋を持つ上条の様子を眺めながら、フィアンマは外へ出て言う。

フィアンマ「…まぁ、俺様が居れば、これから先金の価値が高騰し過ぎない限り金欠という事は無いだろう」

上条「んー…でも、そんなに頼るつもりもないぞ? フィアンマにいつもいつも養われるってのはちょっとな。逆なら問題無いんだけど。男女差別だって分かってても、やっぱり女の子に養われる男より女の子養ってる男の方が良いだろ。別にアクセサリー感覚とかじゃなくて」

フィアンマ「気にする必要性が感じられんな。名誉で飯は食えんぞ」

上条「確かにそれはそうだけど…男はプライドの生き物ですことよ」

フィアンマ「それは解るが…」

効率性重視だからか首を傾げるフィアンマの様子を眺め、上条は薄く微笑んだ。






夕飯を終え、気づけば午後十時。
既にシャワーは浴びてしまったため、二人は暇を持て余している。
ベッドにうつ伏せになっている上条の背中に跨って乗っかった状態で、フィアンマは至極退屈そうに言う。

フィアンマ「暇だ」

上条「と、言われてもなー…」






上条はどうする?>>+2
968 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/15(日) 23:07:36.49 ID:nu3dqe2SO
ksk
969 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/15(日) 23:46:13.88 ID:nu3dqe2SO
…俺、就職とか、せめてバイトとかした方がいいかな?
970 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/16(月) 00:08:03.67 ID:xuzuPKTm0

上条「…俺、就職とか、せめてバイトとかした方がいいかな?」

フィアンマ「学園都市内で、ということであれば賛成は出来んな。ただでさえ満足にこなせていない学業を放棄する事になる上、メリットが少ない。まして、お前は助けを求められればどの国にでも飛ぶだろう。その間アルバイトをしている同僚に迷惑がかかる」

上条「…それもそうか」

ため息をつく上条の頬を、フィアンマはぺちぺちと軽く叩く。
上条はしばらく項垂れて口ごもった後、ちら、とフィアンマを見上げた。
何か決意したような表情と見つめあい、フィアンマは首を傾げる。

フィアンマ「何だ? 言いたい事があるのならはっきりと言え」

上条「俺、傭兵になろうと思うんだけど、どう思う? とはいってもアックアみたいに立派なモンにはなれないと思うけど」

フィアンマ「まぁ、向いているんじゃないか? 人助けをして金を貰うというのは」

上条「何かそういう言い方されるとアレだけど…うん、まぁ、そうしようかな」

以前、ヴィリアン第三王女に『あなたはウィリアムとは違うタイプの傭兵』と言われた事を思い出しながら、上条は宣言を撤回することなく頷いた。

上条「よし、じゃあ今日から傭兵になる」

フィアンマ「それで生計が立てられるは甚だ疑問ではあるが、どこまで通用するか、好きにやってみるといい」

あまり興味無さそうに言葉を返し、フィアンマは上条の髪をいじる。

フィアンマ「別に、無理をしなくても良いと思うぞ。そこまでして金を稼がねばならない理由もあるまい」

上条「>>972
971 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/16(月) 00:12:01.25 ID:Cv+MmOcSO
フィアンマに…何かしてあげたりプレゼントとか買ったりしたいんだよ///ヒモじゃ何にも出来ねーじゃん…カッコ悪いし。
972 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/16(月) 01:00:19.73 ID:Cv+MmOcSO
973 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/16(月) 01:52:48.62 ID:SrvPH7Bao
まあ上条さんだったら幻想殺しで呪いの解呪とかでも結構稼げそうですしね〜。

呪いを教えるわけではないから貝木ほどではないけどそこそこいいと思いますよー。
974 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/16(月) 01:59:24.90 ID:Cv+MmOcSO
貝木って何
975 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/16(月) 02:08:27.29 ID:SrvPH7Bao
>>974
他作品ですまないが西尾維新の物語シリーズに出てくる詐欺師みたいな人
976 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/16(月) 02:10:09.56 ID:Cv+MmOcSO
へー。西尾先生のはデスノしか読んだ事ねーわ
977 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/16(月) 02:16:40.55 ID:xuzuPKTm0

上条「フィアンマに…何かしてあげたり、プレゼントとか買ったりしたいんだよ。ヒモじゃ何にも出来ねーじゃん…カッコ悪いし」

前半は恥ずかしそうに、後半はやや落ち込み気味に、上条はそう話す。
確かに、差し迫って働かなくとも、生きてはいける訳で。
しかし、上条としては現在所持している婚約指輪だけではなく、色々なプレゼントをフィアンマにあげたいし、色んな場所へつれていってあげたいとも思っている。
口に出した通り、フィアンマの財力を頼りに生活するというのも少々情けないもので。
上条の話す理由を聞き、フィアンマは肩を竦めて小さく笑う。

フィアンマ「その気持ちだけで充分だ」

上条「俺が贈りたいんだよ」

フィアンマ「はは、だからといって特別努力する必要は無いだろうに」

上条「黙ってても金が入ってくるなら上条さんだって頑張りませんけど…」

もごもご、と言う上条の首筋を撫でて、フィアンマはうつ伏せに横たわる。
上条を敷布団にする形で横たわったフィアンマは、退屈そうに上条に甘える。
すり、と頬を上条の頬に摺り寄せてみたり、抱きしめてみたり、手を握ってみたり。
落ち着かないフィアンマの様子にそれでも心を和ませながら、上条は手を握り返す。

上条「…眠くないのか?」

フィアンマ「ちっとも眠くないな」

上条「そっか。俺もだよ」

のんびりと返し、上条はだらけて身体の力を抜く。
絡ませた指は細く、白い。
几帳面に切り揃えられたフィアンマの爪を指先で撫で、上条はぼんやりと思考に耽る。

上条(どうやって婚約指輪渡そうかな…)









フィアンマはどうする?>>+2
978 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/16(月) 02:19:14.84 ID:Cv+MmOcSO
貝木さん見てきたがあの人ヴァンパイアだよって言われても信じれるわwwwwwwksk
979 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/07/16(月) 02:30:47.37 ID:unQyQnZNo
上条のウニをかじってみる
980 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/16(月) 02:35:00.15 ID:Cv+MmOcSO
チャレンジしたが無理だったでしょーがwwwwww
981 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/16(月) 02:50:48.65 ID:xuzuPKTm0

フィアンマ「…ん」

上条「うーん…」

二人しか居ない空間で片方が思考に囚われれば、もう一人は放置されてしまう訳で。
フィアンマはつまらなそうな表情で、おもむろに上条の髪を口に含む。
見目は硬そうでも存外柔らかな上条の髪を、さながら草食動物のようにもしゃもしゃと咀嚼しているフィアンマに気付く事無く考え事をし続ける上条。
しばらく考え、思考が纏まった辺りではっと我に帰った上条は、動揺のあまり固まる。

上条「…何、してんの?」

噛み付かれるのと違って痛くはないが、ガムのようにもぐもぐと髪の毛を噛まれているのは、違和感がある。
同居している女の子に身体の一部を食べられる星の下に産まれたのだろうか、などと考えつつ、上条は問いかけた。
対して、フィアンマは何でもない事のようにさらりと答える。

フィアンマ「お前の髪を食べようと挑戦しているだけだが。加工せずとも、むしろ生の方がいけると思ってな」

上条「…」

フィアンマ「…何か不服でもあるのか? いいから、考えを続行しろ」

上条「…」

フィアンマ「俺様に構うよりもよほど楽しい考えなのだろう? 邪魔はせんよ。踊り食いにしても、わざわざ痛みを与えはしない」

上条「>>983
982 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/16(月) 02:53:10.86 ID:Cv+MmOcSO
ksk
983 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/16(月) 03:13:52.35 ID:EgAce1Tm0
ちょっとでいいから邪魔しないでくれ(真剣な眼差しで)
984 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/16(月) 03:26:14.57 ID:Cv+MmOcSO
理解してくれるかフィアンマさん
985 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/16(月) 03:30:15.62 ID:xuzuPKTm0

上条「ちょっとの間でいいから邪魔しないでくれ」

フィアンマ「ちょっと、の具体的なリミットを制定しろ」

上条「ん…」

真剣な眼差しを向けられ、上条の髪から口を離しつつ、フィアンマはそう言う。
上条はフィアンマの発言を聞いて少しだけ悩む二時間、と答える。
フィアンマは一層退屈そうにため息を吐くと上条から離れた。
そして上条を振り返る事無く、台所に消える。
しばらく時間が経過した後、台所の方から包丁をまな板に叩きつけるような不穏な音が聞こえた。
何というか、調理とは少し違うような気がする。

上条(拗ねた…のか?)

そう思いつつも上条は起き上がらず、静かに台所の様子を窺う。
独り言が聞こえないのが逆に不気味だ、と上条は思う。
別にフィアンマは四六時中独り言を言っている訳ではないのだが。
恐る恐る上条が台所を覗き込むと、フィアンマは何かを切断していた。
まな板の上にキッチンペーパーを敷き、その上に何かがあった。
フィアンマはそれを、その指先を包丁で切断し、赤い汁の滴る指を口に含む。
白い指。透明な板のようなものは恐らく爪。
切るのに力が要るのか、フィアンマは包丁を指の関節の間にあてがい、包丁の背に手のひらを押し当て、体重をかけて切断している。
何か硬いものを切るような、ゴリ、という音が聞こえる。
骨だろうか、と上条は思う。脚が震えて動かない。
誰の腕だ。フィアンマの左腕は普通にある。もしかしてあっちも義手? そんなばかな。
フィアンマはふと上条に気がついたのか、ゆっくりと振り返る。
頬には血液のような赤い液体が付着していた。まるで、返り血みたいに。
誰の腕だ。包丁に付着しているのは血液なのか。

上条「……」

フィアンマ「空腹を、癒していたのだが。どうした、鳩が豆鉄砲でも喰らったような顔をして」

上条「…>>987
986 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/16(月) 03:32:30.80 ID:Cv+MmOcSO
な、何食べてはるの…?
987 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/16(月) 03:42:18.67 ID:HUMiXJ2o0
>>986

988 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/16(月) 03:43:18.33 ID:HUMiXJ2o0
>>986

つーか寝ろよwwwwww
俺はたまたまトイレに行くために起きた訳だが
989 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/16(月) 04:02:17.53 ID:Cv+MmOcSO
俺「ヤンデレデレなフィアンマを心から愛し続けてるから」キリッ
990 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/16(月) 10:11:05.75 ID:PlAaeUnh0

上条「…な、何食べてはるの…?」

フィアンマ「パンだよ」

ほら、と差し出されたのはどう見ても人の指、なのだが。
意を決して一口食べた上条はすんなりと納得する。
爪のように見えたのは薄い飴細工。
指はパン生地で、柔らかい。
中身の赤黒い液体はブルーベリージャムとストロベリーソースが混じったもの。
骨はホワイトチョコレート風味の硬い飴細工。
ふと頬に付着したソースに気がついたのか、フィアンマは手の甲で自分の頬を拭い、そのまま舐める。

上条「ッ、紛らわしいんだよ!」

フィアンマ「何だ、『本物』の方が良かったのか? あまり美味しいものでもないぞ」

上条の言葉を曲解したらしいフィアンマは楽しそうにくすくすと笑う。
金の瞳は意地悪そうな光を灯して上条を見つめている。
嫌がらせであり意地悪であり悪ふざけであり仕返しであり。
上条が構ってくれなかったから、という理由によるグロテスクな悪戯は酷く子供っぽい。
閉口する上条の目を見つめ、フィアンマは首を傾げる。
がりり、と骨のような飴を噛み砕きながら言葉を紡いで。

フィアンマ「…怒っているのか?」

上条「>>992
991 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/07/16(月) 10:22:11.04 ID:unQyQnZNo
ksk
992 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/16(月) 10:27:50.65 ID:f0Es+2XV0
え……本物……?食べたことあるの?
993 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/16(月) 10:37:55.55 ID:PlAaeUnh0

上条「え……本物……? 食べたこと、あるの?」

フィアンマ「あぁ、あるが」

上条の様子に怒りの念を感じず興味を失ったのか、フィアンマは再びパンを切断しては口に含む。
ガリリ、と音を立てて骨の飴を噛み砕きながら。

フィアンマ「時代の幾つかの部分には飢饉もあったしな。流石に病気の可能性を考えて内臓は口にしていないが、存外、肉であれば懸命に臭みをとれば食べられるものだ。人間、餓えを満たす為であればどのような行動にも出られるしな」

上条「……」

話のスケールに圧倒される上条に頓着せず、フィアンマはがりがりと飴を噛む。
何かのストレスをぶつけているかのようだ、と上条は感じた。
甘ったるい口の中を流すように、コップへ水道水を注ぎ、フィアンマはごくりと煽った。
口端についた赤黒い血液の如きソースを、舌先で舐めとり。

フィアンマ「何か不思議な部分があるか? 日本でも過去、よくあった事だろう。遊興でそのような事をするのは感心しないが、腹が減っているのであれば食材を選んでいる猶予もいちいちあるまい」

上条「…気持ち悪く、ないのか?」

フィアンマ「いや、別に。最初だけだ。慣れればただの肉、家畜のソレと特別変わりはない」

上条「……」

フィアンマ「お前は本当に腹が減って食べるものが見当たらない時、傍に他人が居たら殺して食べる気にはならんのか?」

上条「>>995
994 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/16(月) 12:23:11.43 ID:Cv+MmOcSO
ksk
995 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/16(月) 12:54:00.02 ID:HUMiXJ2o0
まぁ…その時になってみないとわからないな
996 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/16(月) 13:05:33.81 ID:Cv+MmOcSO
意外と遭難して何日も食えないと、最初は皆で生き残ろうとしてるが、死者が出る度にそいつを食って生き延びる→早くまた誰か死なないかなそしたらまた食べれるのに。
になってくらしいね昔事件の体験談見たが
997 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/07/16(月) 13:34:32.49 ID:PlAaeUnh0
《次スレこちらです→http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1342412500


上条「まぁ…その時になってみないとわからないな」

フィアンマ「それもそうか」

小さく笑い、フィアンマはパンを食べ終える。
そして汚れた包丁やまな板を丁寧に洗うと、定位置へとしまいこんだ。
その後、上条に近寄ると、ぺたりと頬を触った。

フィアンマ「…俺様が食事に執着しないのは、まぁ、そういう訳だ」

上条「…」

フィアンマ「…食べなくても生きてはいけると、その頃よりもっと早く気付けていればよかったのだが。我慢がきかなかった」

上条「…別に、フィアンマが悪いとは思わねえけどな」

上条は手を伸ばし、フィアンマの頭を優しく撫でる。
慰めるように、宥めるように、そっとそっと、優しく。

上条「…ただ、人間に限らず、食べた動物や植物の分まで生きれば、いいんじゃねえの」

フィアンマ「お前らしい意見だな」

ふふ、と少しだけ笑って、フィアンマは上条を抱きしめる。
抱きしめ返し、フィアンマの背中を撫でつつ、上条はしばし宥めるように、頭を撫で続けた。




フィアンマ「ところで、何を考えていたんだ」

暗い部屋、眠る体勢で横向きに上条にくっついたまま、ベッド上でフィアンマは問う。

上条「んー? 内緒」

上条は、笑って首を横に振り、ただ誤魔化した。





プロポーズ渡す状況(婚約指輪の渡し方)>>1000
998 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/16(月) 13:51:09.22 ID:Cv+MmOcSO
ムズいなーksk
999 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/16(月) 14:02:27.24 ID:aF1ewlKmo
小型ベツレヘムの星を上空に作って、そこで星を眺めながらさりげなく
1000 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/16(月) 14:02:37.46 ID:FCyFK8iH0
クリスマスイブの教会で二人きり
1001 :1001 :Over 1000 Thread
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    =@   ノ       ノヽ、,  !..□ /     ヽ
     ヽ        .ィ'.  ,!    ハ/    、   `!、    七夕に…
      `ー-、_    く´ =@    /     ヽ  
         ,!     `!  l              ヽ、__ノ    このスレッドは1000を超えました。もう書き込みできません。
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男「はあ、いとこ兄ちゃんが結婚か」女「そうなの・・・私の叔母さんも結婚するの」 @ 2012/07/16(月) 12:24:47.22 ID:NPqd37bA0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1342409087/

唯律澪紬梓・銀時・高杉・桂・辰馬「ポケモンマスター!」 @ 2012/07/16(月) 10:59:51.92 ID:DIdXV8+30
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藤井八雲の名において命ずる、出でよ @ 2012/07/16(月) 07:30:02.53 ID:d6AS6Upoo
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眠い… @ 2012/07/16(月) 07:13:39.07
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ずらかるライオン @ 2012/07/16(月) 07:12:21.69 ID:/KpAyT5Jo
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