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ほむら「私の守りたいもの」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/06(金) 19:25:51.19 ID:Zp17LYym0

 魔女が逃げていくのが見える。
 尾を引くような笑い声が、だんだんと遠ざかって。
 空を覆っていた黒い雲の隙間から、太陽の光が差し込んできた。

 瓦礫の山と化した見滝原の夜が明けた。
 これからもあの魔女は何も変わらず呪いを振り撒き、沢山の人の命を奪っていくだろう。

 首だけ動かして隣を見ると、鹿目さんが泣いていた。
 ごめんね、弱くて。
 勝てなかったね、何も守れなかったね。

まどか「私たちも、もうおしまいだね」

 鹿目さんの穏やかな声が聞こえた。
 ソウルジェムは見るまでもなく、黒く濁り切っていた。
 嫌だよ、鹿目さん・・・もう死なないで、もう魔女になったりしないで。

ほむら「グリーフシードは・・・?」

 鹿目さんが首を振る。
 そうだよね・・・、あるわけないよね。

ほむら「ねぇ・・・私たち、このまま二人で、怪物になって・・・こんな世界、何もかもメチャクチャにしちゃおっか?」

 ふとそんな意地の悪い事を口にする。

 そうだ、それもいい。
 鹿目さんと一緒なら、それでもいい。
 そう思っていた時、コツンと小さな音がした。



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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/06(金) 19:26:59.57 ID:Zp17LYym0

まどか「さっきのは嘘。1個だけ取っておいたんだ」

 鹿目さんが手を伸ばして、私のソウルジェムにグリーフシードを当てていた。

ほむら「え・・・! なんで、なんで私に!?」

 慌ててグリーフシードを引き離して鹿目さんの方に当てようとしたが、
 鹿目さんが私の手を取って制した。

まどか「私にはできなくて、ほむらちゃんにできること、お願いしたいから」

 グリーフシードの容量がいっぱいになり、ソウルジェムの穢れを吸うのをやめてしまった。

まどか「ほむらちゃん、過去に戻れるんだよね? こんな終わり方にならないように、歴史を変えられるって、言ってたよね」

 嫌だよ、そんなこと言わないで。
 また私を一人にしないで・・・。

まどか「キュゥべえに騙される前のバカな私を、助けてあげてくれないかな?」

 でも、じっとこちらを見ている鹿目さんに、そんなこと言えなくて。

ほむら「うん・・・約束する。絶対にあなたを救ってみせる。何度繰り返すことになっても、必ずあなたを守ってみせる」

まどか「よかった・・・」

 鹿目さんが笑った。

まどか「もう一つ頼んでいい?」


―――――――
―――――
―――
――
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/06(金) 19:28:00.01 ID:Zp17LYym0

マミ「ティロ・フィナーレ!」

 召喚した大砲が火を噴き、ぬいぐるみのような魔女の身体を打ち抜いた。
 これで倒した・・・そう思った。

マミ「え・・・?」

 何が起こったのか理解できなかった。
 気が付いたらキツい原色の巨大な顔が私の前に現れて。

「マミさん危ない!!」

 突如感じた衝撃と共に私は倒れこんで。
 慌てて我を取り戻して立ち上がると、上から首の無い少女が落ちてきた。

まどか「さやかちゃあああああああああああああああん!!」

マミ「え? あ・・・、あぁ」
マミ「美樹・・・さん?」

 そこから記憶がブラックアウトした。

4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/06(金) 19:29:11.20 ID:Zp17LYym0

ほむら「魔女の結界が解けていく・・・」

 私を縛るリボンはまだ消えない。巴マミは魔女を倒せたらしい。
 慢心し、浮かれた彼女では危ないかと思ったが・・・どうやら杞憂だったようだ。

 しかしだんだんとまどかの声がフェードインしてきて、
 やがて目の前に呆然と立ち尽くす巴マミと泣き叫ぶまどかが見えてきた。

ほむら「美樹さやかが居ない?」

 初めはなぜだかわからなかったが、すぐに結界の奥であったことが想像がついた。
 その裏付けをするように巴マミが変身を解き、私を縛るリボンが消え失せた。
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/06(金) 19:30:23.16 ID:Zp17LYym0

 美樹さやかの死は謎の失踪ということで処理された。
 学校は一時騒然となり、やがて美樹さやかの行方を探すようなプリントが配られた。

 あの日から、まどかは死んだような目になり。
 巴マミは・・・狂った。

マミ「逃がすものか、死んでしまえ!!」

 巨大な砲身から放たれた弾丸が使い魔を粉々にする。
 歪んだ空間が晴れて、夜闇の公園へと戻っていく。
 巴マミは街灯の下で乾いた笑い声をあげていた。

ほむら「巴マミ」

マミ「あら暁美さん、居たの?」

 巴マミは変身を解きながら、私に歩み寄ってくる。
 ソウルジェムを見るまでもない・・・いつかの美樹さやかよりずっと危険な状態だ。

マミ「全部貴方の言うとおりだったわね・・・」

マミ「一般人を危険に巻き込んで、先輩ぶって、仲間ができると舞い上がって!
    ふふふふ・・・あははははは! なにが魔法少女体験コースよ・・・馬鹿みたいね!」

マミ「私が・・・私が死ぬべきだった! 私があの魔女に食われてしまえば良かった!!」

ほむら「・・・」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/06(金) 19:31:39.84 ID:Zp17LYym0

 巴マミとは対照的に、ずいぶんと冷淡な私が居る。
 むしろまどかが魔法少女に幻滅してくれてよかったと、美樹さやかの死すら勘定に入れている。

 それでも、まどかを悲しませたことは。
 まどかの親友を奪ったことは許せない。

ほむら「あなたはこれからどうする気なの?」

マミ「狩れるだけ狩ってやるわ。魔女も、使い魔もね」

 わずかな希望にかけてみたかったが、もう駄目だと悟った。
 巴マミは間もなく魔女になる。その前に・・・。
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/06(金) 19:58:42.17 ID:aNgwbZlSO
夕飯タイムなの?
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/06(金) 20:26:05.14 ID:Zp17LYym0

まどか「・・・」

 私はベッドに蹲っていた。
 もうずっと眠れていない。

 茜色に染まった窓から、白い影が現れた。

QB「やぁ、まどか。いいかい」

まどか「うん・・・」

 キュゥべえは表情の無い顔で、語りかけてくる。

QB「さやかのことは残念だったね。彼女ももっと早く契約してくれれば助かったかもしれないのに」
まどか「っ!」

 黒く塗り潰したノートを投げつける。
 キュゥべえは避けることもなく、ノートを受けた。

まどか「じゃあ・・・なんでそうしてくれなかったの?」

QB「仕方ないよ、僕達に強制はできない」

 わかってる、ただの八つ当たりだ。
 それを言うなら私だってもっと早く契約するべきだった。
 そうしていればきっとさやかちゃんは・・・。

 でも・・・全部無かったことにする方法はある。
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/06(金) 20:47:30.77 ID:Zp17LYym0

まどか「もし私が契約したなら、さやかちゃんを生き返らせてくれる?」

QB「可能だよ。まどか、君はとてつもない素質を秘めている。君が心から願うならどんな途方もない願いも叶えられるだろう」

まどか「・・・うん」

 さやかちゃんが帰ってきて、こんな私でも誰かの役に立つことができて、
 みんなの為にずっと一人ぼっちで戦ってきたマミさんも救うことができるなら。

 でも・・・。

まどか「嫌だよ・・・。私、魔法少女になんかなりたくない」

QB「・・・」

まどか「死にたくない・・・。怖いよ、嫌だよ・・・」

 キュウべえは感情は見えないけれど。
 優しい声で、言葉で、私の望む言葉を言ってくれる。

QB「そうか、わかったよまどか。誰も君を責めたりはしないさ」

まどか「ごめんね、キュゥべえ・・・。誰かがみんなを守らなきゃいけないのに、マミさんを助けてあげなきゃいけないのに」

QB「こっちこそ、巻き込んでしまって済まなかったね」

 震えが止まらない。
 まるで叱られるのを怖がる子供みたいに、頭を抱え小さくなる。

まどか「ごめんなさい・・・。卑怯者でごめんなさい・・・」

 キュゥべえはクルリと振り返って、
 猫みたいに窓枠に飛び乗った。

QB「僕はもう行くよ、また契約を必要としている子を探しに行かないと。
   この町にも魔法少女になっても叶えたい願いを持つ子は居るはずだからね」

まどか「うん・・・」

 きっとどうしても叶えたい願いを持つ子が居る、私の代わりに犠牲になってくれる子が居る。
 そんな事実に、私は安心してしまった。心が軽くなってしまった。

QB「さようなら、まどか」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/06(金) 21:23:06.24 ID:Zp17LYym0

 学校のチャイムが鳴り、生徒達は食堂へ行ったり、机を合わせ弁当を広げ始める。
 そんな中でただ一人、呆然としているまどかが居た。

ほむら「まどか、いいかしら」

まどか「うん」

 まどかを青空の広がる屋上へと連れ出す。
 あの日からずっとまどかは魂が抜けたようだった。
 志筑仁美もどうしていいかわからず距離を置いてるようで・・・まどかは完全に孤立していた。

ほむら「忠告、聞き入れてくれたのね」

まどか「・・・違うよ」

 まどかは生気の無い空っぽの目で、私を見つめてきた。

まどか「私ね、怖くなったの。魔法少女になるの、嫌になったの。
     だから・・・さやかちゃんの命も願えなかったの! マミさんとの約束も破って!」

 まどかは頭を抱えて叫びだしたが、抱きしめた。

ほむら「それでいいわ、それでいいのよ。あなたは何も悪くない」

まどか「・・・うん」

 愛おしいぐらい・・・弱い。
 この時間軸のまどかは、今までのどのまどかよりも。
 美樹さやかを失ってしまえば、魔法少女の希望を捨ててしまえば。

 まどかはこんなにも脆いのか。

ほむら「それなら代わりに約束して頂戴・・・。これからどんなことがあっても魔法少女になったりしないで」

まどか「うん」

 助けられるかもしれない、今度こそまどかを。

ほむら「それに・・・。魔法少女になんかならなくても、巴マミならまだ救える」

 以前のような魔法少女に戻ることは不可能だろうけれど。
 魔女になるのは避けられないだろうけれど。
 心は、解放してあげられる。
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/06(金) 21:32:04.54 ID:Zp17LYym0

マミ「死んでしまえ!!」

QB「今日だけで6体目だね、マミ。残念ながら全部使い魔だったけど」

マミ「ふふふ、私は構わないわよ?」

 真夜中のトンネルの中に、マミさんとキュゥべえは居た。
 以前とは別人のように荒れ果てている。

ほむら「探したわよ、巴マミ」

マミ「あら、暁美さん。それに、鹿目さん・・・」
QB「おや・・・どうしたんだい? ほむら、まどか」

 ほむらちゃんが背中を押してくれる。

ほむら「・・・大丈夫、まどか。あなたならできるわ」

まどか「うん」

マミ「鹿目さん・・・、その・・・」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/06(金) 21:57:55.38 ID:Zp17LYym0

 深呼吸。
 マミさん、怖がってる。
 私もこんな風だったのかな。

 安心させてあげなきゃ、大丈夫だよって言ってあげなきゃ。

まどか「マミさん」

 マミさんは、何も悪くないです。

まどか「どうして私達をあんなことに巻き込んだんですか?」

マミ「・・・っ!!」

ほむら「まどか・・・?」

 マミさんが助けてくれなきゃ、私もさやかちゃんもあの時死んでいたんです。

まどか「マミさんがあんなこと言わなきゃ、さやかちゃんは死なずに済んだのに」

 それにマミさんは今まで沢山の人を助けてきたじゃないですか。

まどか「あなたなんか正義の味方でもなんでもない」

 私は恨んでなんかいません、後悔もしてないです。
 きっとさやかちゃんもそうだから・・・私はマミさんのこと赦します。

まどか「この人殺し」

 生きてください。

まどか「死んじゃえ」

ほむら「まどか!!」

マミ「ふ、ふふ・・・あはははははははははは!!」

 何かが砕ける音がして、辺りの景色が歪み始めた。
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/06(金) 22:01:39.08 ID:BPTAX76bo
黒まどかww
あんなこと言わなきゃというか、ほむらを縛ったりしなければ…
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/06(金) 22:14:41.37 ID:O8w/buR3o
読みやすくていいな
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/06(金) 22:19:10.60 ID:Zp17LYym0

 結界が解けていく。
 巴マミだった悲嘆の種が音を立てて転がっていく。

 あまりにも予想外だった。
 本当に彼女はまどかなのかと疑った。

ほむら「・・・」

まどか「・・・」

 まどかは突然のことに呆然としている。
 キュゥべえが相変わらず表情の無い顔で事の顛末を見届けている。

ほむら「・・・ソウルジェムが濁り切った時、魔法少女は魔女になる」
ほむら「そうよね、キュゥべえ」

キュゥべえ「説明はしたはずなんだけどね。ソウルジェムが濁り切った時、君達は魔法少女としての死を迎えると」

 キュゥべえはいけしゃあしゃあと答える。

キュゥべえ「それに祈りが希望をもたらしたならば、その祈りが裏切られたとき同じだけの呪いが生まれる。当然だよね」

 撃ち殺してやりたいが、今はそんな気になれない。

まどか「そっか・・・。私、マミさんを殺しちゃったんだ」

ほむら「・・・遅かれ早かれ、巴マミはこうなる運命にあった」

 もはや私は、目の前にいるのがまどかだと思いたくなかった。

ほむら「でも、殺したのは間違いなくあなたよ」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/06(金) 22:28:31.71 ID:BPTAX76bo
この流れはあのほむら3部作の人かな?
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/06(金) 22:47:34.42 ID:Zp17LYym0

 あの日からまどかは学校にも来なくなった。
 私は風の吹き抜ける屋上で、一人佇んでいる。

 状況は望ましい、といえば望ましい。
 見滝原には私以外の魔法少女が居なくなったので順調にグリーフシードのストックも増えていき、
 ついでに巴マミが溜め込んだ大量のグリーフシードを失敬した。
 まどかは魔法少女への憧れはなく、魔法少女の真実を知り、自分の命に執着している。

 でも・・・。

ほむら「この世界のまどかを・・・守る価値なんてあるの?」

 そんな風に思ってしまう。
 プレゼント包装のような模様の付いたグリーフシードを掲げると、ポツリと呟いた。

ほむら「ねぇ巴マミ、祈りが裏切られるってどんな気分だったの?」

 返事はなく、私の声は青空に吸い込まれていく。
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/06(金) 23:09:50.74 ID:nXVDRzPv0
マミさん…夢も希望もねえな……
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/06(金) 23:16:02.18 ID:Zp17LYym0

 学校は再び騒然とした。
 早乙女先生も泣きだしている。

 ねぇ、まどか。
 この世界のあなたは・・・。

 どこまで私を失望させるの・・・?


 美樹さやかと巴マミが学校へ登校していた。
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/06(金) 23:17:20.09 ID:lJZpbq3ko
さらに夢も希望も無かった。
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/06(金) 23:18:05.58 ID:KJxG/m2Go
あちゃー…契約しちゃったか
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/06(金) 23:18:11.15 ID:BPTAX76bo
まどか虐めが加速していくww
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/06(金) 23:25:38.29 ID:3vNiqe3DO
さやかはわかるが自分で最期追い詰めて殺したマミさんまで蘇らせるとかどんだけ鬼畜なんだよ・・・
マミさんはまどかの言葉で魔女化したのに・・・
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/06(金) 23:28:16.84 ID:BPTAX76bo
それよりも、マミさんとの約束も破って!
とか言ってたのに、なぜ追いつめたのかがまずわからない
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/06(金) 23:30:45.04 ID:Zp17LYym0

 私が辿り着いたとき、既に鹿目まどかは私の家の前に立って待っていた。

まどか「ほむらちゃん・・・」

ほむら「鹿目まどか、あなた」

まどか「ごめんなさい・・・、また約束守れなかった」

 隣にキュゥべえが座っている。

QB「ほむら、わかっていると思うけどまどかは魔法少女になったよ」

ほむら「そう・・・」

まどか「・・・ごめんなさい、ごめんなさい」

ほむら「上がって行って、話は長くなるから」

 お茶はまだ残ってたかしら、そんな下らないことを考えていた。
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/06(金) 23:33:35.40 ID:3vNiqe3DO
そういえばほむらはまどかに何をさせようとしたのか気になるな
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/07/06(金) 23:37:56.11 ID:Vziz5QAoo
まどかの本質を見ようとしないとこうなる
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/06(金) 23:42:20.58 ID:BPTAX76bo
まどかさん基本自分を責めるタイプだからなぁ
原因になった杏子にだって突っかからなかったし
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/06(金) 23:43:20.12 ID:Zp17LYym0

ほむら「つまり、美樹さやかと巴マミはもう魔法少女になることはないのね?」

QB「残念だけど魔法少女の素質まで元に戻す技術は存在しないからね。
   ややこしいことにならないように、魔法少女に関する記憶も消してしまったよ」

 鹿目まどかはずっと俯いている。
 私は目を閉じ、小さく息を吐いた。

QB「ほむら、次は君のことについて聞きたいな。
   僕は君と契約した覚えはないんだよね、君は極めてイレギュラーな存在だ。
   君は一体どんな願いで魔法少女になったんだい?」

 もう構わない、全て話してしまおう。

ほむら「私は・・・未来から来たの」
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/06(金) 23:58:51.49 ID:Zp17LYym0

 長い時間話していた。
 契約した理由、何度も同じ時間を繰り返していること、ワルプルギスの夜のこと。

 契約した理由について話した時から、鹿目まどかは泣き出してしまった。

QB「なるほどね、それなら全て説明がつく。君の存在の事も、まどかに複数の因果の糸が収束していることもね」

ほむら「聞きたいことは全て聞けたでしょう。消えなさい、インキュベーダー」

 キュゥべえは特に反論する様子もなく、部屋から退室した。
 鹿目まどかはずっと謝りながら泣き続けている。

ほむら「鹿目まどか、泣かないで。お話しましょう?」

 しゃっくりを上げるまどかと話せるようになるまで、1時間ほどかかった。
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/07(土) 00:11:30.81 ID:rqoVb2PB0

 私が聞いていくと鹿目まどかは少しずつ、自分のことを話していった。
 母親のこと、父親のこと、弟のこと、美樹さやかのこと、志筑仁美のこと、自分のこと・・・。

 ずっとずっとおしゃべりし合った。

 気が遠くなるほどの時間を繰り返してきたのに、私は今までで一番まどかのことを知った。

ほむら「そうだったのね、何度もあなたと過ごしてきたのに初めて知ったわ」

まどか「・・・てぃひひ。でも、ちょっとだけ安心したよ。
     私がどんなに駄目でも、ほむらちゃんはまたやり直せるんだよね」

ほむら「それもそうね、今まさにその目標を見失いそうになっているのだけど」

まどか「・・・ごめんなさい」

ほむら「仕方ないわよ」

 私は笑って、鹿目まどかの頭を撫でた。
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/07(土) 00:39:37.87 ID:rqoVb2PB0

 鹿目まどかはおずおずと私に聞いてくる。

まどか「ねぇ・・・、他の世界の私ってどんな子だったの?」

ほむら「そうね・・・。ある時間軸では強くて優しくて正義感に溢れたまどか・・・巴マミに少し似ていたわね。
     また違う時間軸では、明るくて素直で・・・時には限界を超えるまで頑張っちゃうまどか。思えば美樹さやかに似てるわね。
     そしてあの時間軸では・・・少し引っ込み思案だけれど。温かくて友達思いだった、私の一番大好きなまどか」

 懐かしくて、切なくて、溢れてくる感情をお茶と一緒に飲み込む。
 鹿目まどかはバツが悪そうに笑っている。

まどか「てぃひひ・・・。なんというか、みんな私とは正反対だね」

ほむら「そうね。色んなまどかが居たけれど、あなたはその誰よりも。卑怯で、汚くて、臆病で、最低だわ」

まどか「うん、そうだよね・・・」

ほむら「私にはとても同じまどかだとは思えないけれど。それでも、今のあなたは今のあなただから・・・」

 そう、これも一つの可能性。
 あり得るかもしれなかった一つのまどか。

まどか「ねぇ・・・、ほむらちゃん」
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/07(土) 00:56:42.17 ID:rqoVb2PB0

 鹿目まどかは両手にソウルジェムを乗せて、私に差し出した。

まどか「私のソウルジェム壊してくれないかな・・・?」

ほむら「あら、意外ね。あなたからそんな言葉が聞けるとは思わなかった」

まどか「てぃひひ・・・。まぁ一回くらいまどからしいことしておこうと思いまして」

ほむら「ふふふ、でも・・・まだ駄目。ワルプルギスの夜を超えてからならいいけれどね」

まどか「えー、そりゃないよぉ・・・ほむらちゃん」

 私は鹿目まどかの頭を軽く小突く。
 まどかは小さく声を上げ、ソウルジェムをテーブルに落とした。

ほむら「大丈夫よ、私はしくじったりはしないわ。危なくなったらすぐに壊してあげる。あなたなら躊躇わず殺せそうだしね」

まどか「絶対だよ?」

ほむら「あなたこそ、仮にもまどかなら少しは良い所見せなさい」

まどか「うん・・・、そうだね」

 それから私達はワルプルギスの夜について話し合った。
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/07/07(土) 01:01:27.12 ID:rqoVb2PB0
終わり

この後の展開は皆さんの想像にお任せします

自由とはそういうものだ
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/07(土) 01:03:37.50 ID:S0ppIo3so

自由すぎワロタww
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/07(土) 01:03:39.50 ID:u00MmxRDO
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/07(土) 01:04:09.61 ID:9a63p4mVo

黒まどかと一緒に居る時の方が、ほむらの心が癒されている様な感じがする
汚い部分を見せるのに躊躇が無くなるからか
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/07(土) 01:06:07.52 ID:wrrZ2gaDO
うむ、とても面白かった

39 :名無しNIPPER [sage]:2012/07/07(土) 01:11:33.23 ID:/s1r6V9AO
途中からまどかから鹿目まどかになってるのが細かいな
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/07(土) 01:16:30.45 ID:kTPvRoIDO
終わったのか残念だな
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/07/07(土) 01:25:22.50 ID:xUBUrjTVo
乙だ

うむ
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/07/07(土) 02:11:56.48 ID:fokrMVoE0
終わりだと…
期待してたのに…乙
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/07/07(土) 07:18:36.54 ID:rLlS//qFo
おい、自由と投げっ放しは別もんだぞ
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/07(土) 07:51:33.75 ID:KPxACCIpo
終わりかよ……
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/07/07(土) 10:13:34.98 ID:Xc0TSW2AO

面白かったです
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/07(土) 11:08:02.76 ID:5O6byDRbo
自由のくだり言いたいだけだろ
47 :>>1 :2012/07/08(日) 02:25:27.53 ID:MZXJqZrz0
色々矛盾が散見したり、場面を省略しすぎたのでちょっと改訂してみます
色々パワーアップする予定
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/07/08(日) 02:29:51.42 ID:jep3McXAO
期待していいんだな?
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/08(日) 02:30:52.60 ID:rTbK3QU/o
まってるからね?
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/08(日) 03:27:27.15 ID:2HbEKNCjo
矛盾というと、マミさんとの約束破ったことを気にしてるくせに追い詰めたことかな?
期待してるよ
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/07/08(日) 17:12:16.52 ID:2zBcjwooo
まどかの性格もアレだがそのまどかに卑怯だの最低だの言うほむらもなんか…
ただのキャラdisにしては妙に気合が入ってるしなんだこれ
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/08(日) 18:53:10.27 ID:gWUO38o5o
待ってるぜ
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/07/08(日) 20:06:18.81 ID:x5Y/0M5+o
キャラぢs物だったとしてもこれは破綻しすぎてて意味が無いね

改訂に期待
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