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末原「今の私はただの『道化』や……なんてな、ハハハ」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/07/10(火) 03:40:02.39 ID:ion8ZYk60
インターハイ二回戦終了後の夜

末原「何やってんやろ、私」テクテク

末原「……一人でこんな時間に街うろついてたら危ないやん」テクテク

末原「主将たちも心配しとるかもな」テクテク

末原「でも、今は一人になりたいんや……すまんな皆」テクテク

※原作『咲−saki-99局』のネタバレあります


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笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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【安価】少女だらけのゾンビパニック @ 2024/04/20(土) 20:42:14.43 ID:wSnpVNpyo
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ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
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旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
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2 :1lk0018s ◆Ui2K3L97FQ :2012/07/10(火) 03:44:41.91 ID:ion8ZYk60

二回戦終了後

赤阪『末原ちゃん、あの子より強くなりたい?』

末原『……いきなり何ですか』

赤阪『末原ちゃんならあの子より強くなれる。そう言うとるんや』

末原『…………変に持ち上げんのはやめてもらえませんか。あんな怪物に凡人のうちが、『だからこそ、や』!?』

赤阪『末原ちゃんは絶対に自分を過大評価せーへん。さっきも勝利にただ浮かれずに違和感に気づけたしな』

末原『そんなことで……ッ!』

赤阪『そんなこと言うけどもなー、永水と宮守はまさにその自分たちへの過大評価で負けたようなもんやん』

赤阪『清澄の子の真意は分からんけども、大将戦であの子の考えに一番近づいたのは他の怪物たちやなく末原ちゃんやった』

赤阪『そんな凄い凡人の末原ちゃんやからこそ、インハイの怪物たちとは別の種類の強さを手に入れられる』

赤阪『私ならその強さを末原ちゃんに教えてあげられる』

末原『代行……』

赤阪『どう? 末原ちゃん、強くなりたい?』



末原『私は……』
3 : ◆Ui2K3L97FQ :2012/07/10(火) 03:48:11.43 ID:ion8ZYk60
※トリップの使い方がよく分からず……すいません


末原「結局、『少し待ってください』としか言えんかったな」

末原「明日までは待ってくれるみたいやけど……」

末原「というか、今更あの人のこと信じるなんて……」

末原「でも……今まで見たことないくらい真剣そうな顔やったな」

末原「……本当に、強くしてくれるのかもしれん」

末原「で、強くなったとして」



末原「また、『アレ』とやるんか?」ブルッ
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/10(火) 03:51:29.29 ID:i/eDd4Vro
末原さん大好きです期待
5 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/10(火) 03:51:53.81 ID:ion8ZYk60

末原「(……考えただけで震えが止まらへん)」カタカタ

末原「(強いヤツと戦って酷い負け方をしたことはある)」

末原「(それでも麻雀やめようとか思ったことはなかった)」

末原「でも」

オモチャにされたのは、初めてだった

戦いですらなかった

『遊んでもらった』というのだ、今日のアレは。

末原「……とうとう凡人ですらなくなってしもうた」

末原「今の私はただの『道化』や……なんてな、ハハハ」ジワッ


ドスッ


末原「あっ、すんません。ついよそ見してて」

???「いえー、こちらこそー。って、姫松の大将さん!?」

末原「!! そーいうあんたは宮守の……」

6 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/10(火) 03:55:10.66 ID:ion8ZYk60
姉帯「あははー……ちょっと気分転換したくて夜道の散歩してたらあなたに会うなんてねー」

末原「……(気まずいなー)」

姉帯「あれ、泣いてる? 目、赤いよー」

末原「ッ! 泣いてへん!目にゴミがゴシュッ!!って入っただけや!」

姉帯「それって結構まずいんじゃないのかなー……」

末原「……こんな時間に散歩しとるそっちのがまずいんちゃいますか」

姉帯「……あなたもだと思うよー」

末原「…………」

姉帯「…………」

末原「(こうして顔合わせててもお互いに辛いだけやし)じゃ、私はもう行きます」

姉帯「あっ、ちょっと待ってよー」
7 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/10(火) 03:58:23.51 ID:ion8ZYk60
末原「(何故引き止める!?)……何ですか?」

姉帯「……準決勝がんばってね」

末原「ッッ!!!」ズキッ

姉帯「それだけだからー……バイバイ」スタスタ



末原「……なんでやろ? 胸が痛いわ」ズキズキ

末原「今までは、勝った対戦相手に応援されてもこんなことなかったのに」

8 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/10(火) 03:59:46.68 ID:ion8ZYk60



末原「……あー、そっか」

末原「今日の私の勝利が、『インチキ』やからか」


9 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/10(火) 04:01:35.15 ID:ion8ZYk60


末原「他校への対策も」


末原「今までの練習も」


末原「試合中の駆け引きも」


末原「全部が全部」


末原「あの譲られた勝ちのせいで」


末原「『嘘』になってしもうたからや」


10 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/10(火) 04:04:47.46 ID:ion8ZYk60
末原「この痛みは、罪悪感、か」ズキズキ

末原「自分の力で和了れてたかも怪しい私が勝者で、姉帯ほどの怪物が敗者……」

末原「アイツ、試合終わった後泣いてたな……」

末原「そんで私は呑気に笑って……」


末原「うっ」

ウッ・・・ウエッ・・ウッゴボゴハガハッゴホゴホ……ウエー

末原「(……こんな夜中の街で吐いてたら酔っ払いだと思われるかもなー)」

末原「(女子高生の酔っ払い……間違いなく補導対象やな)」

末原「(……さっさと人のいない場所に)」

???「大丈夫ですか! あら、あなたは……」

末原「……またか」
11 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/10(火) 04:07:58.27 ID:ion8ZYk60
霞「姫松の……いえ、それよりも大丈夫? 救急車を呼んだ方がいいのかしら!?」オロオロ

末原「……大丈夫です。気にしないでください」ズキズキ

霞「そんな悪霊にとり憑かれたような顔で言われても信用できないわね……ふんふむ。ちょっと先に公園があるみたい。そこで少し休みましょう。ほら、肩を貸して」

末原「(おっぱいオバケ……)すんません、ありがとうございます」

霞「無理に喋らなくてもいいわ」

末原「ほんま……すんません」

霞「……?」
12 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/10(火) 04:12:25.00 ID:ion8ZYk60
公園のベンチ

末原「……横になったら大分落ち着きました」

霞「そう……気晴らしに散歩しててよかったわ。知り合いを助けられて」

末原「……夜道の一人歩きは危険ですよ」

霞「……その台詞は今ベンチで横になってる人に言うべきね」

末原「……ツッコミきついわー」

霞「ふふ。少しは元気になったみたいね」
13 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/10(火) 04:15:48.83 ID:ion8ZYk60
末原「……」

霞「……真面目な話をすると、体調が悪いのなら速く帰りなさい。あなたには準決勝もあるのだから」

末原「ッ」ビクッ

霞「がんばってね。応援してるわ」

末原「……ごめんなさい」

霞「……何故謝るのかしら。試合に負けたのは私たちが弱かったからで、あなたたちは強かったから勝った。そこに善悪はないはずよ」

末原「違う!!」ガバッ

霞「!」
14 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/10(火) 04:19:24.90 ID:ion8ZYk60
末原「私の仲間たちは確かにその通りや!でも、私は違う!私はあの場で誰よりも弱かったんや!」

霞「でも、あなたは逆転「したんやない!」!?」


末原「運さえも支配されたあの場で、私は駒にされただけなんや……」


末原「なのに皆、私の嘘の勝利に祝福の声をかけてくる!エールを送ってくれる!みんなインチキなのにや!!!」


霞「あなた、何を……」

末原「……ほんまに、すまん」ダッ

霞「あっ、待ってちょうだい!」

タッタッタッタッタ

霞「……今日の大将戦、一体何があったというの?」
15 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/10(火) 04:26:19.84 ID:ion8ZYk60

末原「(最低や)」タッタッタ

末原「(最低や、私。八つ当たりもいいところやないか)」タッタッタ

末原「(応援してくれた相手に、ましてや負かした相手に言うていい言葉やなかった)」タッタッタ

末原「(しかも勝ったことまで謝って……永水と宮守を馬鹿にしてるようなもんや)」

末原「(姫松の皆の頑張りまで否定する行為や)」

末原「最低……」ピタッ


末原「何が最低って、この罪悪感を理由にして、戦うことから逃げてるのが何よりも最低や……!」

16 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/10(火) 04:32:08.48 ID:ion8ZYk60
末原「おっぱいオバケが言う通り、私以外の姫松の皆は強いから勝ったんや。なんも悪いことしとらん」

末原「私は弱かったから、負けることさえできなかった。それだけの話や」

末原「それが悔しいからって、『インチキで勝ったから』なんて理由作って逃げて……ほんまカッコ悪いわ……」

末原「負けた悔しさを呑み込んで、応援までしてくれた姉帯やおっぱいオバケ」


末原「このまま私が逃げたら、あの二人は無駄死にやないか……!」


末原「……宮永は恐い。二度と戦いたくない。一緒の空間にいるのさえ嫌や」

末原「でも」


末原「今日みたいな思いをする方が、もっと嫌や!」
17 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/10(火) 04:38:14.71 ID:ion8ZYk60
姫松が宿泊してるホテル

末原「遅くなりましたッ!」ガチャッ

赤阪「……ほんまになー。待ちくたびれたわ、末原ちゃん」ニヘラッ


末原「代行……いえ、赤阪監督」


赤阪「え……末原ちゃん、今なんて」


末原「私、強くなりたいです! どうかご指導お願いします!」


赤阪「……えーよ。全部任せてーな」

赤阪「なんたって、私」

赤阪「末原ちゃんの『監督さん』やからな」ニコッ


カン!
18 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/10(火) 04:41:55.22 ID:ion8ZYk60
いったん終わり。これはハッピーエンド版です。

霞さんから逃げ出した後に自己完結できず、更に『ある人物』にあってしまったら……?

>>15からの分岐、『魔王のお人形さん』編はまたいつか。一週間以内に投稿したいと思います。
19 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/10(火) 04:47:10.02 ID:ion8ZYk60
>>15をちょっと修正


末原「(最低や)」タッタッタ

末原「(最低や、私。八つ当たりもいいところやないか)」タッタッタ

末原「(応援してくれた相手に、ましてや負かした相手に言うていい言葉やなかった)」タッタッタ

末原「(しかも勝ったことまで謝って……永水と宮守を馬鹿にしてるようなもんや)」タッタッタ

末原「(姫松の皆の頑張りまで否定する行為や)」タッタッタ

末原「最低……」ピタッ


末原「何が最低って、この罪悪感を理由にして、戦うことから逃げてるのが何よりも最低や……!」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/10(火) 05:00:10.96 ID:MdoYSW52o
面白いな

続き楽しみにしてる
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/07/10(火) 13:25:00.82 ID:vALWGDlSo
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/10(火) 13:48:48.99 ID:UvdEhYsJo
咲さん完全に悪者だな
23 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/10(火) 18:11:40.03 ID:ion8ZYk60
感想ありがとうございます。
>>14辺りの末原さんを見て、はじめの一歩のマルコム・ゲドー編を思い出してくれた人とかがいたら嬉しいです。

そんなわけで唐突におまけネタ投下。

『咲さんがマルコム・ゲドー風だったら』

※元ネタ知らない人はすいません。
※本編とは関係ないです。
24 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/10(火) 18:12:50.92 ID:ion8ZYk60
インターハイ決勝戦前夜、試合会場

咲「お姉ちゃん三人分で、負けてあげるよ」

淡「!!」

咲「私はお姉ちゃんとイチャイチャレズレズできて幸せ。あなたたち白糸台は面子を守れる」

咲「悪い話じゃあ、ないでしょう?」ニヤリ

淡「……ふざけないでよ」
25 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/10(火) 18:13:57.68 ID:ion8ZYk60
淡「麻雀は命懸けの真剣勝負よ。手を抜いてなんて戦われたら、あんたの身が危険だわ」

咲「……」

淡「だから全力で」


咲「HAHAHAHAHA!」


淡「!?」

咲「命懸け!?真剣勝負!?あなたたち如きの麻雀で!」

咲「あなたたち都会育ちの人間には分からないかもしれないけどね、マイタウン・長野じゃあ麻雀牌を投げつけられる(主にムッキー)のが日常茶飯事だったよ!」

咲「それこそ死ぬ一歩手前まで、バシン!バシン!とね」

咲「牌を投げつけられる心配のないこの全国の卓は、私にとっては世界一安全な遊び場なんだよ!!」
26 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/10(火) 18:15:16.13 ID:ion8ZYk60
淡「(……本気だ。本気でこの女は魑魅魍魎渦巻く全国大会を遊び場だとしか思っていない)」

淡「(それほどの修羅場をくぐりぬけてきた凄い選手なんだろう)」

淡「(でも)」


淡「いいわよ、お姉さんは差し出す」


咲「ひゅー(口笛が吹けなかった)♪ そうこなくっちゃ」

咲「で、プランはどうする?」

咲「Aコースは飛ばされて負け、Bコースはプラマイゼロで負け。ただしAコースは特別料金が……」

淡「話は最後まで聞きなよ……」
27 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/10(火) 18:16:08.46 ID:ion8ZYk60
淡「Aコース・宮永先輩、弘世先輩、渋谷先輩……ついでに亦野先輩。Bコース・宮永先輩のみ」

淡「『私が負けたら』先輩たちには責任を持ってあなたの『お姉ちゃん』になってもらう」

咲「!!」

咲「貴様……」

淡「どう? 受ける?」

咲「……ふふふ。いいよ、それで」

  
咲「Aコース・チーム虎姫丼だよ! しっかり準備させておいてね!」


淡「思い通りには、させないわよ」
28 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/10(火) 18:16:41.03 ID:ion8ZYk60
決勝戦当日・白糸台高校レギュラーの控室


淡「なーんて約束を昨日の夜に咲ちゃんとしてしまいまして」


照・菫・尭深・誠子「死ね!」


カン!
29 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/10(火) 18:19:22.07 ID:ion8ZYk60
投下完了。

…………酷いっすね、これ。十分そこらで書いた結果がこれだよッ!!

分岐ルート投下前に、ちょくちょくこんな馬鹿短編を投下するかもしれません。それではまた。
30 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/12(木) 18:22:04.12 ID:93Tnuc810
>>15からの分岐を投下します。途中までな上に短いですが。

今更な注意※関西弁は適当。
     ※咲さんのアレをやたら重く捉えてるので、咲さんの畜生成分がマッハ。キャラ崩壊気味。
31 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/12(木) 18:22:45.37 ID:93Tnuc810
末原「(最低や)」タッタッタ

末原「(最低や、私。八つ当たりもいいところやないか)」タッタッタ

末原「(応援してくれた相手に、ましてや負かした相手に言うていい言葉やなかった)」タッタッタ

末原「(しかも勝ったことまで謝って……永水と宮守を馬鹿にしてるようなもんや)」タッタッタ

末原「(姫松の皆の頑張りまで否定する行為や)」タッタッタ

末原「最低……」ピタッ


末原「でも、私に何ができるん?」
32 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/12(木) 18:24:11.06 ID:93Tnuc810
末原『凡人の私がどこまでやれるんか、少し楽しみです』


末原「……『何もやれなかった』が正解や」

末原「私だけならともかく、姉帯とおっぱいオバケまで弄んだ宮永の支配」

末原「……まるで底が見えへん」

末原「このまま戦っても絶対に勝てん……。それどころか、また…………」ブルッ

末原「……いっそ大将戦から逃げだせたら、楽なんやろうなあ」

末原「でも、それは誰かに『あれ』の相手を押しつけるってことや」

末原「………………」

末原「(そもそも、姫松でオカルト対策が一番得意なのは私)」

末原「(ゆーこや絹ちゃんには荷が重い)」

末原「(主将には点数を稼いで貰わなくちゃいかんし、中堅は姫松のエースポジション)」

末原「(……洋榎以外の人間がそこに座るなんて絶対にダメや)」
33 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/12(木) 18:25:47.38 ID:93Tnuc810
末原「(それなら、漫ちゃんは……)そうや、漫ちゃん!」

末原「相手が強ければ強いほど爆発する漫ちゃんなら、宮永相手でも……!!」


漫『末原先輩、ちょ、油性は勘弁してください!』


末原「ッッ!! (私は今、ナニを考えた……?)」


末原「自分が二度と戦いたくないと思った相手を、後輩に押しつける……?」

末原「なんやそれ」

末原「そんなことした後も、私はあの子の『先輩』を名乗り続けるつもりか?」


末原「ふざけんな」
34 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/12(木) 18:27:17.18 ID:93Tnuc810
末原「漫ちゃんをレギュラーに起用するよう進言したのは、私や」

末原「なら、最後まで先輩らしく振る舞うのが私の責任」


末原「……なんや、もう答え出とったやないか」


末原「勝つためにメゲずに頭を回して全力であがく」


末原「それが漫ちゃんの先輩で、主将にも認められた『末原恭子』の麻雀や。今までと何ら変わらん」


末原「準決勝でも私らしく打って…………」


末原「勝てたら最高やな」


末原「負けたら……漫ちゃんに今までの仕返しでデコに落書きされるんや」


末原「そんで敗北のトラウマで引きこもりになった私を、なんやかんやで洋榎が立ち直らせるみたいなドラマが展開されるかも」



末原「でも」
35 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/12(木) 18:28:06.49 ID:93Tnuc810


末原「多分、また『勝たされる』」


末原「そして」

36 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/12(木) 18:28:38.16 ID:93Tnuc810



末原「麻雀競技者としての『末原恭子』は、死んでしまうんやろなあ」


37 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/12(木) 18:29:12.57 ID:93Tnuc810
末原「だって、私はもう」


姉帯『……準決勝がんばってね』

霞『がんばってね。応援してるわ』


末原「あんな『応援』には、耐えられへんからッ……!」ジワッ
38 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/12(木) 18:29:53.95 ID:93Tnuc810
末原「ハハッ」ゴシゴシ

末原「うん」

末原「なんや。死ぬ覚悟決まったら途端に気分が良くなったわ」

末原「姫松の大将として最後まで卓に座る」

末原「宮永の気分や戦略次第では決勝でもやな」

末原「そんで全部終わったら競技麻雀から足洗って、来年の後輩たちの頑張りに想いを馳せよう」

末原「漫ちゃんなら来年なんとか……してくれるやろか?」

末原「赤阪代行はアレやけど、善野監督が復帰すればありえるかもしれん」

末原「監督……ああ、そうやな。指導者ってのも楽しそう」

末原「近所の子どもたちを集めてボランティアで麻雀教室開くんや」

末原「みんなでワイワイガヤガヤ楽しむようなゆっるーい感じの」


末原「うん」


末原「いいんや、それで」

39 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/12(木) 18:30:34.04 ID:93Tnuc810


末原「あがくのは、終わり」

40 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/12(木) 18:33:23.46 ID:93Tnuc810
ひとまずここまで。続きは今日明日中に投下……できればいいな。

100局が載ってるヤンガンの発売日までに全ルート完結させたいです。バレは無視します。
41 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/12(木) 18:50:38.91 ID:93Tnuc810
>>36>>37の間が抜けてたので付け足します。すいません。 

末原「いや、『負けさせられ』ても同じか」

末原「もう、すでに『勝たされてしまった』私には競技としての麻雀はできん」
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/12(木) 19:01:06.38 ID:8h8XLhnyP

サンキュー末原
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/07/12(木) 19:17:45.41 ID:HZC2G1ed0
ワハハの人かとおもた
44 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/14(土) 19:37:41.86 ID:PvS2G0aI0
続き投下します。予定より遅れてすいません。明日バイトあるから書けないので、先に短いルートの方をちゃちゃっと終わらせました。
45 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/14(土) 19:38:12.39 ID:PvS2G0aI0
末原「……戻るか」

末原「代行はともかく、他の皆に心配かけたらあかんし」


末原「ん? あれは……」


 →A.清澄の……
  
  B.なんやけったいなカッコした子やなあ

  C.……どっかで見たような?

  D.誰もおらん。気のせいやったか
46 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/14(土) 19:39:53.28 ID:PvS2G0aI0
  A.清澄の……
  
  B.なんやけったいなカッコした子やなあ

  C.……どっかで見たような?

○→D.誰もおらん。気のせいやったか

末原「……なんか過敏になっとるな。はよ帰ろ」
47 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/14(土) 19:40:41.53 ID:PvS2G0aI0
姫松が宿泊してるホテル・赤阪の部屋

末原「遅くなりました」ガチャッ

赤阪「……ほんまになー。待ちくたびれたわ、末原ちゃん」ニヘラッ


末原「代行」

赤阪「何?」


末原「『強くならないか?』って話、断らせて貰います」

赤阪「……末原ちゃ「今の私じゃあ、代行の期待に応えられません」……そうか」

末原「まあ、代行のことをあんまり信じてないっちゅーんもありますけど」

赤阪「酷いなあ……」

末原「でも、本当にあなたを信じていいのなら」

赤阪「……」
48 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/14(土) 19:41:07.16 ID:PvS2G0aI0
末原「『来年のために』漫ちゃんの面倒見てやってください。あの子は私と違って凡人やないですから」

赤阪「末原ちゃん! 待っ」

末原「それでは、おやすみなさい」ガチャッ



赤阪「……末原ちゃん」

赤阪「まだまだ育ててあげられたのに」

赤阪「もう、壊れてしまったんか」

赤阪「いや」

赤阪「壊されたんや」


赤阪「…………宮永、咲ッ!」ギリッ
49 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/14(土) 19:41:47.37 ID:PvS2G0aI0
十年後

漫「(私の麻雀人生で、良くも悪くも大きな影響を与えてきた人)」

漫「(それが末原恭子という女だ)」

漫「(十一年前、姫松高校という麻雀強豪校に入った私は、一年の夏にして既に諦めていた)」

漫「(部内の成績は下位から動く気配を見せず、監督代行にも見放され気味)」

漫「(三年間下っ端生活を送ることを覚悟しかけていた時)」

漫「(あの人の推薦で団体戦のレギュラーになってしまった)」

漫「(……あの人は自分が私のことを推薦したという事実を隠したかったようだが、本来あの時期に新しくレギュラー入りするはずだったのはあの人のみ)」

漫「(つまり、モロバレである)」

漫「(実力に見合わない大抜擢だったため、とても苦労したし、少し恨みもした)」

漫「(それでも、私の可能性を信じてくれたことには今でも感謝している)」
50 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/14(土) 19:42:32.38 ID:PvS2G0aI0
漫「(そして、私が二年の時、あの人にとっては最後のインターハイ)」

漫「(私たち姫松高校は団体戦4位。つまり決勝戦で最下位だったわけだが、あの人は試合が終わった瞬間、その大会中で一番いい笑顔を浮かべていたのが今でも記憶に残っている」

漫「(確かに、シードでもなかったあの年では大健闘と呼べる成績だが、二回戦で永水、準決勝で臨海を倒してきたのだから、もっと悔しがるかと思っていた)」

漫「(私の知る『末原恭子』なら、悔しがるはずだった)」

漫「(……大会が終わってからの彼女には、正直失望を覚えた)」

漫「(少しずつだが、諦めた麻雀をしていることが、分かってしまった)」

漫「(高校卒業以降、麻雀一筋の道からいなくなるのだと、分かってしまった)」

漫「(私は心のどこかで、彼女はプロになって、これからも怪物たち相手にあがき続けるのだと信じていたのだ)」

漫「(結局、あの人は高校卒業後、麻雀の表舞台から姿を消した)」

漫「(連絡も全然取れなくなった。……見捨てられた気分だった)」
51 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/14(土) 19:43:01.44 ID:PvS2G0aI0
漫「(諦めるのなら、勝手にすればいい)」

漫「(私は諦めないぞ。昔のあなたならそうしたはずだ)」


漫「(……当時の私は、そんなことを考えていた)」
52 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/14(土) 19:43:34.28 ID:PvS2G0aI0
漫「(その次の年、私たち姫松高校は団体戦で3位になった)」

漫「(赤阪監督の指導のおかげである。前の年とはうってかわってスパルタだったが)」

漫「(中でも私の成長は凄かった。正直、愛宕前主将よりも強かったと思う)」

漫「(……去年よりもいい成績を残したことで、あの人を越えたという優越感を覚えたりもしたなあ)」

漫「(そのあと、なんやかんやで私はプロになり)」



漫「(今日、タイトルマッチに挑む)」
53 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/14(土) 19:44:04.69 ID:PvS2G0aI0
漫「(……今の私には、あの人が麻雀を辞めた理由が分かる)」

漫「(『今日の対戦相手』の牌譜でもある、あの年のインハイの牌譜を見直した結果、最近気づいたのだが)」

漫「(あの人は『自分の勝利』が『他人から与えられた』ものだという事実に耐えられなかったのだ)」

漫「(当時のあの人の麻雀に対する姿勢を知っているからこそ、その時受けた屈辱や痛みがどれ程のものだったかを考えると、涙がこみ上げてくる)」

漫「(今なら分かる。私の尊敬した『末原先輩』は十年前のインハイで殺されたのだと)」


漫「(私は、強くなった。こんな怪物どもと同じ場所に立てるほどに)
54 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/14(土) 19:45:21.68 ID:PvS2G0aI0

荒川憩「よろしくお願いします」


漫「(先輩も、どこかでこの試合を見てくれているだろうか)」


透華「よろしくお願いいたしますわ」


漫「(……ああ、末原先輩。安心してください)」



咲「よろしくお願いします」ペッコリン



漫「(あなたを殺したこの女は)」


漫「よろしくお願いします」
55 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/14(土) 19:45:49.81 ID:PvS2G0aI0



漫「(私が、ちゃんと殺しますから)」



カンッ!
56 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/07/14(土) 19:49:37.09 ID:PvS2G0aI0
いくのんルートに続き、漫ちゃんルート終了。
さて、次はどのルートにしようか。

他の末原強化SSが面白くて、なんか自分のとこばっかこんな暗くていいのかなー、とか悩んでます。
どこか1つくらいはネタルートにすべきか……。
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/14(土) 19:59:47.12 ID:vEJn0LF/0
乙!
末原先輩強化ssはギャグモノが殆どだからダークな方が新鮮味があって良いと思うよ

ネタルートも期待してるけどね!
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/14(土) 21:31:11.12 ID:pMyh82iro
乙。

ほう、締めは漫視点とは。
こういう展開もありやな。
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/07/16(月) 20:05:19.65 ID:aTbEgk+Q0
さすがの咲さんやでえ
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/17(火) 20:47:53.70 ID:1p6QqyWLo
すばら
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/21(土) 12:53:15.41 ID:Sn5tJ/vTo
ですの
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/24(火) 15:23:46.46 ID:AT14FwUk0
末原ァ!
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/24(火) 23:44:06.01 ID:roX9pjvG0
末原先輩!
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/08/04(土) 18:01:26.29 ID:ZgqTcy0n0
お前はもう死んでいる
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2012/08/06(月) 12:10:54.82 ID:xv9+zys50
Vやねん姫松!
66 : ◆Ui2K3L97FQ [saga]:2012/08/12(日) 18:04:56.36 ID:XZQzqqwX0
バレは無視すると言ったのは私ですが、実際にバレが出回ると意欲が……。
続きを待っていてくれた人には申し訳ありませんが、このSSはここまでで終了とさせてください。
もっと早く書いていれば……。
リアルでの夏の予定が思った以上に入ってしまったというのが大きな理由というか言い訳ですが、ルート分岐とかを短い期間にやるには自分の実力が足りませんでした。
次に作品を書くときはこんな中途半端で終わらせることがないように、しっかり題材や予定を考えてから書くようにします。

読んでくれた皆さん本当にありがとうございました。
html化依頼してきます。
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/12(日) 18:07:23.38 ID:K61bympj0
うーん、密かに楽しみにしてたから残念だけど本人が書きたく無くなっちゃったら仕方ないね
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2012/08/15(水) 00:38:17.40 ID:OVfve/rj0
乙 次回作たのしみにしてるよ!
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