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橘純一「ぺルソナッ!」 -
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1 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/07/20(金) 21:17:42.40 ID:7a1+W10X0
純一「……あれ? ここって、どこなんだ? 多分、車の中なんだと思うけど……」
>奥に続く長い空間が特徴の車内。雰囲気は決していいものではないが、気味が悪いわけでもない。まさに『言葉では表せない』といったところだ。
>ほのかに薄暗かったのだが、次第に目が慣れてきたおかげか、空間の奥に鎮座する座席に、およそ二人ほどの人影が見えた。
???「……ようこそ、ベルベットルームへ」
純一「ベルベット…ルーム? あれ? そもそも僕、自分の部屋で寝たはずじゃ……」
???「ここは夢と現実の狭間にある空間。本来のあなた、つまり現実のあなたはぐっすりと熟睡されていますよ。今のあなたは、いわば精神だけが存在しているだけです」
純一「え? い、いきなりそんなこと言われても……」
>夢と現実の狭間、といわれても、一般的な男子高校生である僕には到底理解できない。おそらくは……これは夢なのだろ、と解釈してみる。
???「ええ、あなたの世界の解釈でいう『夢』と思ってもらって結構です」
純一「! こ、心を読まれた……」
???「今のあなたは精神体。心のつぶやきは、今のあなたの独り言、という訳です。……紹介が遅れました。私、このベルベットルームの主である、『ラヴソング』と申します。どうぞ、『ラヴ』と呼んでください」
純一「は、はぁ……」
>声色から分析するに、黒いローブで姿はよく確認できないが、この『ラヴソング』という人物は女性らしい。長くしなやかな黒髪が垣間見える。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1342786662
1.5 :
荒巻@管理人★
(お知らせ)
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/
渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/
二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/
全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/
君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/
笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/
【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/
2 :
◆ynV98nmqxA
:2012/07/20(金) 23:07:39.19 ID:7a1+W10X0
ラヴ「そして、こちらが私の秘書を務めさせていただきます……」
D2「秘書のDL……D(ダンディ)L(ライオン)です。知り合いからは愛称として『タンポポ』と呼ばれています。以後よろしくお願いします」
>DL……もとい、タンポポさんも黒いローブで人相は詳しく確認できないが、この人も女性だと思われる。それにしても『タンポポ』……妙に親しさを感じる愛称だ。
純一「あ、それは丁寧にどうも……まぁ、今のところは信じます。なんだかここが変わったところだ、っていうのは、なんとなくわかりますし」
ラヴ「どうも。……では、本題に移りましょう。まず、普通の人間は、本来このベルベットルームに来ることはできません」
純一「え? でも、僕は――」
ラヴ「そう、あなたは普通の男子高校生であるにも関わらず、ここへきてしまった。……おそらくは何かの縁、とでは説明できない、何かの力によって導かれたのでしょう」
>聞けば聞くほど、うさんくささが倍増していく。
ラヴ「そうでしょうね。何せあなたは『いろいろなこと』とは無縁ですから」
>そしてまたこころのつぶやきが聞かれてしまった……。
ラヴ「……あなたは、占いを信じますでしょうか? 橘純一さん」
純一「はぁ、まぁ、人並みには……って、あれ? 僕、名前教えましたっけ?」
ラヴ「いえ。でもあなたのことは知ってますよ。この世界に来た時から……ふふふ」
>妙な不信感を感じるのは、常識人としては当たり前だろう。……夢に常識を求めてもどうかと思うが。
3 :
◆ynV98nmqxA
:2012/07/20(金) 23:46:16.04 ID:7a1+W10X0
ラヴ「……占いとは、この先の未来にかかる『霧』を晴らす数少ない手段。もちろん、それが吉と出るか凶と出るか、生かすか[
ピーーー
]かは個人次第ですが」
>ラヴが何かの紙の束を取り出し、手をかざすと、僕の目の前に突然22枚のカードが、まるで意思を持っているかのように整列された。さすがは夢、何がなんでも好き勝手だ。
ラヴ「その中から好きなカード1枚をお選びください。簡易的なタロット占いをしてみましょう。これであなたの近い未来をのぞいてみたいと思います」
>タロットか……一度だけ田中さんに占ってもらったことがある。とはいっても、かなり前の事なので、どのカードがどう、とかはまったく覚えていないが……。
>本能の赴くままに、まずは1枚のカードをめくった。
ラヴ「ふむ……『愚者』のカード。では、さらにもう1枚をお選びください。さらにそれをめくった後、さらに1枚のカードをめくってください」
>2枚選べ、ということらしい。間髪いれず、僕は2枚のカードをおもむろにめくった。
ラヴ「1枚目が『塔』の正位置ですね。このカードが示すのは『災い・悲劇』。近く、あなたにはよくないことが起こりそうですね」
純一「よ、良くないこと、ですか?」
>そう言われてしまうと、とても不安になってしまう僕がいる。……いや、占いなんていいことしか信じないぞ、僕は断じて。
ラヴ「ふふっ……それもまた一つの選択。……そして、2枚目が『月』、それも逆位置です」
純一「な、何かまた、良くないことの予兆とか……」
ラヴ「確かに『月』のカードは『隠れた危険』を示すカード。ですが、それは正位置の場合です。このカードの逆位置が示すのは……もろいながらも、確固とした『希望』。占いの結果をまとめるならば……」
タンポポ「あなたは近いうちにおおきな困難にぶつかりますが、その先の小さな希望をつかめば、それを乗り越えることができるでしょう。……ですが、それをつかみとれるかは、あなた次第です」
純一「つまり……僕次第、って、ことですか」
ラヴ「そういうことです。まぁ、どんな占いの結果でも、その道を決めるのは個人ですから。……そしてあなたには、『愚者』の影が見える」
純一「『愚者』?」
ラヴ「あなたは非常にエネルギッシュで、周囲をひきつける力を持っている。様々かつ自由な発想の持ち主で、人一倍の可能性を持つ人だ」
>かなりいいカードの力を僕から感じるらしい。
ラヴ「しかしいいことばかりではありません。愚者の逆位置は『わがまま・優柔不断・逃避』。つまりは、あなたが選択を誤れば、こういった人間になる可能性もあることを忘れずに」
>……心当たりがある分、ラブさんの言葉は重い。心に刻んでおこう。
ラヴ「いい心がけですね。……あなたの力は、いわば『ワイルド』の力。万能かつ、リーダーの資質も持っている。この先の困難を解決するために、あなた自身の力が必要不可欠となる」
>妙に含みがある言い方に違和感を感じた。
ラヴ「ふふ、あなたは実に直観力の質が高い。そうです、確かにあなたの力は必要、ですが、逆にいえば、あなた『だけ』力では、この先の困難は解決できないのです」
タンポポ「いろいろな人との絆……これが、あなたの大いなる力となることでしょう」
純一「人との、つながり……」
>……この言葉にも、大きな心当たりがいくつかある。僕が決心したあの日から、僕はたくさんの人たちと知り合いになることができた。特に七咲、紗江ちゃん、絢辻さん、森島先輩の存在は大きい。ここ最近は幼馴染の梨穂子や、悪友の薫とも一層と絆を深めることができた。
ラヴ「そう、あなたはこの一カ月で、大きなコミュニティをいくつも築き上げることができた。これこそ『ワイルド』の力、だからこそ、あなたは今までよりも『絆』を大切にすることがよろしい」
4 :
◆ynV98nmqxA
:2012/07/20(金) 23:54:44.64 ID:7a1+W10X0
>! 急に視界がゆがみ始めた……いや、とてつもない睡魔に襲われた。
ラヴ「そろそろお別れの時間のようです。……どうか、ご自分なりのやり方で、尽力してみてください」
タンポポ「健闘をお祈りしてます」
純一「うぅ……」
>随分と言われたような気がするが……とにかく今は、この強い睡魔に身を任せることとした……。
5 :
◆ynV98nmqxA
:2012/07/21(土) 00:05:00.36 ID:rRUZftum0
―――
――
―
純一「――っていう感じの夢だったんだ」
>現在は朝、いそいそと生徒たちが教室に入ってくる時間帯。ここは輝日東高校の2−A教室。僕は梅原たちに、今朝見た夢の話をしていた。
梅原「そいつはまたへんてこな夢だな。まさか夢の中で警告されるとは……最近悩みでもあるんじゃないか?」
純一「そういうわけではないと思うけど……」
棚町「謎の女性二人に、タロットカードの占い、ねぇ。そんな夢の中で占いされなくても、うちには占いのスペシャリストがいるじゃない! ねー恵子!」
恵子「あくまで趣味程度だよぉ。……そうだ! だったら、今ここで占えばいいんじゃないかな? 丁度タロットカードもあることだし」
梅原「おっ! それはいい試みかもな。それが本当に夢だったか、これで調べればいい」
純一「なるほど……実際占ってもらうのも面白そうだし、うん、じゃあ頼んでみようかな」
恵子「わかった。それじゃあ簡単なものでやってみるね」
6 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/07/21(土) 01:05:31.85 ID:rRUZftum0
―――
――
―
>……塔を見上げ困り果てている男を描いたカードと、逆向きの月が描かれたカード、これが示すのは……。
恵子「と、塔の正位置に、月の逆位置……」
梅原「すっげぇ。そのまんまの結果になっちまったぜ」
棚町「とはいっても、多分偶然でしょ? まぁ、確かに興味深い結果ではあるけど……」
純一「うーん……つまりは、正夢だった、ってことなのかな?」
恵子「絶対そうだ! とは言えないけど、正夢だったり、予知夢だったりするかもね。むむむ、これはすっごく興味が出てきたんだよ!」
棚町「おお! 恵子が燃えている。ここまで熱い恵子は久しぶりだわ! ……まぁ、どちらにしてもよ。これからアクシデントに巻き込まれないよう、気をつけて生活すればいいだけの話よ」
恵子「うん、薫の言うとおりだね。占いに関係なく、日頃からアクシデントに気を付けていればいいと思う。それが起きる起きないにしても、気をつけて損はないはずだしね」
純一「なるほど……うん、いい話が聞けたよ。ありがと、田中さん」
恵子「それほどでも♪」
7 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/07/21(土) 01:34:30.89 ID:rRUZftum0
棚町「あっ! そうそう、へんてこな話ついでに……実は、最近とある噂が流行ってるんだよねぇ」
梅原「変な噂? 都市伝説か何かか?」
棚町「みたいなものかな。その名もね、『幽霊動画』よ!」
恵子「ゆ、幽霊? 心霊系の噂かな? うぅ、少し怖そう……」
梅原「またどこかのB級映画にありそうなタイトルだが、話を聞いてみようか」
純一「ただの心霊が映ってる動画なんじゃないのか?」
棚町「それが違うのよねぇ。ほら、『みゃんみゃん動画』っていう動画サイトがあるじゃん? 最近流行ってるあれ」
梅原「ああ。確か、今やサイトの入会者が6000万人いるっていうあれか?」
>みゃんみゃん動画……動画に対してのコメントが動画の映像と一緒に流れる、というシステムが有名な動画サイトだ。今や様々なメディアでも露出し始めている。
棚町「そそそ。で、そのサイトで見れる動画がその『幽霊動画』なんだけど……ほんとにいきなりね、深夜の12時ジャストに、詳細不明のユーザーが、誰か一人の人間を映した意味不明な動画を投稿するの。だけれど、普通の動画と違って、最初から閲覧数ランキングの一位に出現して、30分後には、まるで最初からなにもなかったかのように、その動画は消えてるのよ……」
純一「それって、投稿者が削除しただけなんじゃないか?」
棚町「ううん、不気味なのはこれからよ。その動画が消えるのと同時に、投稿者ユーザーのアカウントも、霧のように消えてるの。アカウントが『あった』っていう足跡ごとよ。しかも、その動画のURLを張ろうとすると、意味がわからない文字の羅列に変換されて、実質URLは張れない。ダウンロードしようとしても、ダウンロードすると壊れたファイルになる。そう、まるで幽霊のように、触れられることも、残ることもなく、ふっと30分後きっかりに消える動画。それが『幽霊動画』よ」
8 :
◆ynV98nmqxA
:2012/07/21(土) 01:43:58.17 ID:rRUZftum0
梅原「ふむふむ……棚町、言っちゃ悪いとおもうが……その話の方がよっぽどうさんくさいぞ?」
恵子「うーん、確かに……橘君の夢のほうが、なんだかまだ信じられるっていうか」
棚町「うん、私も話といて、なんだか馬鹿らしくなってきたわ。大体、そういった話は、どこかの妙に頭が回るネットユーザーのいたずらだったり、でっちあげの話だろうしね」
純一「ははは。でも、実際見たりしたら、確かに不気味ではあるかもね」
棚町「……そうだ! だったらみんなで確かめてみない?
梅原「みんなって……俺らでか?」
棚町「そう! せっかく話の種になりそうな噂なんだし、知ったからには調べるのが乙ってもんでしょ。みんなはサイトのアカウントは持ってるの?」
>みんなが顔を縦に振る。どうやら全員肯定らしい。もちろん僕もユーザーの一人だ。
棚町「だったら決定ね! 謎の怪奇動画の謎! 私たちが確かめてみようじゃないの!」
恵子「薫、少し文がおかしいきがするよ?」
棚町「細かいことはいいの! そんじゃ、今日の深夜に、動画ランキングをチェックよ! OK?」
>結局、『幽霊動画』について調べることとなった。……僕が見た占いの夢も気になるところだが、確かに幽霊動画についても気になるのは嘘ではない。今日の深夜にさっそく調べてみることにしよう。
9 :
◆ynV98nmqxA
:2012/07/21(土) 01:47:24.06 ID:rRUZftum0
今日はここまで。
時代設定を変更して現代にしています(アマガミの時代設定は90年代)。
これはペルソナの設定を導入したアマガミのSSとなっております。
雰囲気としてはペルソナ4寄り。
導入部分もペルソナ4を参考にしておりますが、かなり変更点があり(タロットカード等)。
登場するキャラはアマガミのキャラのみ……のはずです。
10 :
◆ynV98nmqxA
[saga]:2012/07/21(土) 01:55:33.34 ID:rRUZftum0
●ラヴ「……占いとは、この先の未来にかかる『霧』を晴らす数少ない手段。もちろん、それが吉と出るか凶と出るか、生かすか[ピーーー]かは個人次第ですが」
→ラヴ「……占いとは、この先の未来にかかる『霧』を晴らす数少ない手段。もちろん、それが吉と出るか凶と出るか、生かすか殺すかは個人次第ですが」
普通にsagaを忘れてた。
11 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福岡県)
[sage]:2012/07/21(土) 10:16:24.18 ID:Z5MeMmgVo
乙
期待してる
12 :
◆ynV98nmqxA
[saga]:2012/07/21(土) 18:22:15.18 ID:rRUZftum0
―――
――
―
梨穂子「幽霊動画かぁ……初めて聞く噂だなぁ」
>現在は放課後。廊下で偶然遭遇した梨穂子と一緒に、茶道部室に向かっているところだ。
>僕が茶道部の部員、というわけではないのだが……幼馴染である茶道部の梨穂子との縁で、茶道部の先輩とも仲良くなり、なし崩し的に茶道部にたびたび顔を出す、という感じだ。
梨穂子「それにしても、普通にパソコンが使えてうらやましいなぁ……私パソコンが少し不得意だから」
純一「なんだ、まだ使い方をマスターしてなかったのか。高校生がパソコンを使えないのは随分と不便だろ?」
梨穂子「うーん、だよねぇ……」
純一「そもそも、この前香苗さんにいろいろ教えてもらったって言ってたじゃないか」
>梨穂子の親友の伊藤香苗さんは、機械関係に滅法強いのだ。
梨穂子「あー、あのね? 確かに教えてもらったわ教えてもらったんだけど……」
純一「? 随分含みがある言い方だな?」
梨穂子「あ、あははー。香苗ちゃん、途中までは基本的な使い方を説明してくれてたんだけど……途中から、話が脱線してすっごい専門的な話に熱中しちゃって、結局あんまし教えてはもらえなかったんだ。あはははは……」
>なんとも香苗さんらしいエピソードだ。嬉々としてコンピュータの歴史を説く香苗さんの絵が見える。
13 :
◆ynV98nmqxA
[saga]:2012/07/21(土) 18:25:45.50 ID:rRUZftum0
梨穂子「あっ、そうだ! ねぇねぇ、こういった類の噂に関しては、スペシャリストがいるじゃないですかー!」
純一「スペシャリスト?」
梨穂子「そう! 不思議な噂と言えば、我らが茶道部の副部長!」
14 :
◆ynV98nmqxA
[saga]:2012/07/21(土) 18:45:10.33 ID:rRUZftum0
―――
――
―
飛羽「――うむ、知っているぞ。ネットにはびこる怪奇、『幽霊動画』」
純一「おお、さすがは飛羽先輩だ」
夕月「私もちーとだけ聞いたことはあるよ。友達が一回その動画を見たことがあるってな。ほんとにぱっと動画は消えて、動画の内容も意味不明だったらしいけどな」
梨穂子「へぇ、実際に見た人が近くに……やっぱり本当なのかな?」
飛羽「目撃者は多数。ネットでも目撃証言が絶えない、つまりは『存在する』可能性は否定できない。真実は、いつもひとつ」
純一「うーん……仮にあるとしても、一体だれがそんな怪しい動画をアップしてるんだろう?」
>これまでの情報では、動画投稿の動機がいまいちつかめない。単に面白がってやってるだけかもしれないが。
飛羽「……おそらくこれは、『メッセージ』」
梨穂子「め、メッセージ?」
飛羽「イエス。おそらくは、どこか私たちの知らない世界から送られる、わたしたちへのメッセージ。異世界かもしれないし、もしかすれば未来から、さらにさらに、もしかすれば、宇宙人からのメッセージかもしれない」
純一「ず、随分とスケールが大きい話ですね」
飛羽「ロマンはいつも盛大に。歓迎しよう、盛大にな。……そうそう、これはあくまで統計から導かれた情報なのだが……」
15 :
◆ynV98nmqxA
[saga]:2012/07/21(土) 19:05:34.55 ID:rRUZftum0
―――
――
―
棚町≪雨が降る深夜12時に『幽霊動画』は目撃される、かぁ……≫
純一「ああ。先輩の情報網でキャッチした情報だから、多分信憑性は高いはず」
棚町≪そんな情報を仕入れてくる先輩ってどんな先輩よ。まぁ、探す気になればネットに転がって入ると思うけど……けれどよかったわ。現在進行形であめが降ってることだし、今日は見れるんじゃないかしら≫
純一「そうだな。……あと10分か。それじゃあ、見た後にまた電話する」
棚町≪りょーかーい≫
>薫との通話を終了した。窓の外では、静かながらもしとしとと雨が降り続けている。
>ここ最近、輝日東では異常気象が続いている。雨が2日以上降り続いた日になると、必ずといっていいほど、濃い霧が発生するのだ。一昨年まではそんなことはなかったのだが……。
16 :
◆ynV98nmqxA
[saga]:2012/07/21(土) 23:05:56.79 ID:rRUZftum0
―――
――
―
>間もなく午前零時、深夜12時だ。にゃんにゃん動画のランキングを見てみることにしよう。
>! 噂通り、今日の12時きっかりに投稿された動画がランキング一位となっている!
>まずは動画の内容を確認してみることとしよう。
≪――あ―――じゅ――――は―わ――――≫
>動画の内容は不鮮明で、1人の女性が映っている、ということしかわからない。かすかに音声は流れているようだが、その声もとぎれとぎれで、どういった内容の言葉を発しているのはなどまったくわからない。
>動画の再生時間はたったの1分。……なんと、動画の再生が終わった瞬間、動画が再生できなくなってしまった! どういうことなのだろうか……。
>ここは、約束通り薫に電話してみよう。
17 :
◆ynV98nmqxA
[saga]:2012/07/21(土) 23:15:48.19 ID:rRUZftum0
棚町≪もしもし! 見た! 見ることが出来たわ! あなたは?≫
>肯定の返事をする。話を聞くに、薫も同じように動画を見終わった瞬間、その動画の再生が不可能になってしまったらしい。
棚町≪噂通り、ダウンロードもできなかったし、URLも文字化けしちゃったわ。梅原にもさっき聞いてみたら、同じようにんったって。3人同時、パソコンが壊れた、訳ないから……≫
純一「多分、一人につき一回しか見れないってことなんじゃないかな? ……それにしても、本当にあったとは」
棚町≪こんなことやる人なんて、随分と暇人なんでしょうね。まっ、いい話のネタにはなったかな?≫
純一「……そういえば、さ。動画の内容って、どんな感じだったか、覚えてるか?」
棚町≪え? まぁ、ある程度しかだけど。なんか女の人が映ってたわね。顔とか髪型とかは全然見当がつかなかったけど、かすかに聞こえた声色でわかったわ≫
純一「そっか。……それじゃ、今日はお疲れ様。また明日な」
棚町≪おーっす。今日はいいもの見れたわ、んじゃ≫
>薫との通話を終了した。
>……30分後、もう一度サイトのランキングを見てみたが、まるで『最初からなかったかのように』動画は消えていた。まったくの噂通りだ。
>……しかし、何かひっかかるものを感じる。引っかかるのは、おそらく動画に映った女性のことだろう。……かすかに、どこかで見たことがあるような……?
>だが、どれだけ考えても思い出せそうにない。今日はおとなしく眠りに就くこととした。
18 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/07/22(日) 00:31:42.73 ID:kvgQ/Ioao
乙、犠牲者が誰になるのか怖いわ
19 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)
[sage]:2012/07/23(月) 00:35:50.73 ID:8DDIe0y5o
アマガミとな
20 :
◆ynV98nmqxA
[saga]:2012/07/23(月) 03:37:29.88 ID:H/jneZ+V0
―――
――
―
>翌日、朝の2−A教室。いつものように僕の机に薫と梅原が立ち寄ってきた。話題は……ひとつしかないだろう。
梅原「まさか噂通り、ほんとに存在するとはなぁ」
棚町「世の中不思議なことって案外転がってるものなのね。恵子なんか妙に幽霊動画について喰い付いてきたわよ」
純一「不思議な話に興味を持ちやすいからね、田中さんって」
棚町「その割りは、幽霊とか心霊現象とかはあまり得意じゃないんだけどねー。……それにしても、一体なんのために、あんな動画投稿してくるんだろう? あーんな無駄に手までくわえてさぁ」
梅原「そればっかりは俺にもわかりかねるな。強いて考えを述べさせてもらうなら……愉快犯じゃねぇか?」
純一「やっぱりそうなるのか……」
>愉快犯にしては……妙に変な違和感を感じる。それに……ずっと引っかかっていることが一つ。見覚えのある、動画に映った女性……彼女とはどこかで会ったことでもあるのだろうか?
>それも、顔見知りなだけ、とは違うような……。
棚町「そういえばさ……動画に映ってた女の人? どこかで見たことなかったっけ?」
21 :
◆ynV98nmqxA
[saga]:2012/07/23(月) 03:47:05.76 ID:H/jneZ+V0
純一「! 薫もそう思ったか」
棚町「私も? ってことは……」
梅原「確かに今考えてみれば、まったくの他人、って感じはしなかったな。とはいっても、たった1分たらず、それもたった一回動画を見れただけだから、確信は持てないけどよ」
棚町「後2回ぐらい見れたらなぁ……でも、仮に知り合いとかだったら、なんで動画に映ってたんだろ? それも普通の動画じゃなくて、都市伝説の『幽霊動画』に」
純一「うーん……駄目だ。このことについていくら考えても、答えは出なさそう」
梅原「まぁそうだよな。……おっと、そろそろ麻耶ちゃんがおいでになる頃合いだぜ?」
棚町「ととと、もうそんな時間だったか。んじゃまたー」
梅原「おーっす」
純一「おう」
>幽霊動画について、薫と梅原とで盛り上がった。……それにしても、やはり動画の人物に対する疑問は拭えそうにない。だが、先ほど言った通り、答えも出ないだろう。
>このことに関しては、あまり深く掘り下げないこととした。
22 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/07/23(月) 10:01:18.07 ID:sHmIJRVNo
この組合わせだと、ウメとヨースケが似すぎてヤバい
23 :
◆ynV98nmqxA
[saga]:2012/07/28(土) 01:45:43.72 ID:708kPW6y0
>放課後……教室にクラスメイトの姿はない。梅原は実家の寿司屋の用事。薫はアルバイトに行っている。
>僕もそろそろ帰ろうか……。
???「少しいい?」
純一「ん? あっ、絢辻さん。どうしたの?」
詞「実はこれから、創設祭のツリーについての修正点をまとめる会議が委員であるんだけど……これ」
純一「うお!? す、すごい量の紙束……」
詞「会議はもうすぐ始まるんだけど……この資料を、今日中に、それも早急に高橋先生に提出しなくちゃいけなくなって……」
純一「ああ、この資料を高橋先生のところまで届けてほしいってことでしょ?」
詞「そういうこと」
24 :
◆ynV98nmqxA
[saga]:2012/07/28(土) 01:54:07.59 ID:708kPW6y0
純一「そういうことならお安いご用だよ。仕事の手伝いをさせてって、僕が言ったわけだしね」
詞「それもそうね。じゃあ、次からは資料をまとめるのもあなたに任せようかしら? ふふっ」
>絢辻さんは文字通り小悪魔な笑顔をしている。そう、文字通りだ。
純一「うっ、そ、それはさすがに……」
詞「冗談。あたしにまかされた仕事ですもの、あたしがやるに決まってるじゃない。それが責任っていうものよ」
>それはよかったのだが……いかんせん冗談に聞こえなかったのは気のせいだろうか。
詞「いきなりで申し訳ないけど、よろしくね」
純一「うん。絢辻さんも、無理しないでね」
詞「無理?」
純一「うん。その……最近、疲れたような顔ばかり見るから、さ」
詞「無理、か……そう見える?」
純一「僕にはね」
詞「……そうね、このタイミングで倒れたらおしまいですもの。たまには休息を図ってみようかしら。それじゃ」
純一「うん、じゃあね」
>絢辻さん……クラス委員と創設祭実行委員の委員長をこなしている、その、色々とすごい人。最近は裏表の『裏』の部分をよく見せてくれる。僕の事を信頼してくれているのかわからないが、どちらにせよ、絢辻さんのことは少し心配だ。
25 :
◆ynV98nmqxA
[saga]:2012/07/28(土) 02:10:07.78 ID:708kPW6y0
―――
――
―
>高橋先生を探したため、少し遅い時間での帰宅となった。冬のためか、陽は今にも地平線へと飛び込みそうである。
>地面を見ると、夜に降った雨が乾かず、氷を張っているのが見えた。白い息、今にも雪が降りそうな温度が、冬に入りそうな輝日東の冬の険しさを一掃と演出する。
「あっ、お兄ちゃんじゃん!」
「ふぇ? せ、先輩だっ」
「こんな遅くにお帰りですか?」
純一「おお、美也か。それに紗江ちゃんと七咲も。美也たちも随分と遅い帰りだな」
七咲「2人が、私の部活の終わりを待ってくれていたので……」
美也「今日は3人で本屋に寄るんだ!」
紗江「漫画の新刊を買いに……」
26 :
◆ynV98nmqxA
[saga]:2012/07/28(土) 02:18:59.38 ID:708kPW6y0
純一「漫画の新刊? 美也の部屋にある漫画の新刊ってまだなはず……」
美也「実は紗江ちゃんから借りた漫画のなんだ。すっごい面白いんだよ! 『弱虫先生』シリーズ!」
純一「よ、弱虫先生?」
七咲「ええ。いつも逃げ腰な先生『弱虫先生』が、少しネガティブながらも、教育にあたっていく……という漫画です」
紗江「逢ちゃんと美也ちゃん、すっかりはまったようで……せっかくだから、今日発売される新刊を買おうって……」
純一「へぇ……僕も読んでみようかな」
紗江「で、でしたらお貸し、いたしましょうか? ファンが増えるのは、私もうれしいので……」
純一「いいの?」
紗江「は、はい! もちろんですっ」
純一「そういうことだったら……うん、借りてみようかな」
>後日、紗江ちゃんから本を借りる約束をした。
七咲「紗江ちゃん。そろそろ行かないと、売り切れるのでは?」
27 :
◆ynV98nmqxA
[saga]:2012/07/28(土) 02:24:22.94 ID:708kPW6y0
美也「ああっ! もう暗くあんな時間じゃん! 紗江ちゃん、ダッシュ!」
紗江「ふぇぇ!? そ、そんなに速く走れないよぉ! あっ、せ、先輩、それでは失礼しますっ」
七咲「失礼しますっ」
純一「あ、ああ。またね」
>急に走り出した美也に引っ張られるように、七咲と紗江ちゃんも行ってしまった。それほど弱虫先生シリーズというのは人気なのだろうか?
>……美也に会って思い出したが、そういえば今日は僕が夕食を準備する日だった。僕も急いで家に帰ることにしよう。天気予報によれば今日の夜も雨が降るらしいし、雨が降る前に家に着きたいものだ。
28 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/07/29(日) 15:51:13.63 ID:D1o8Dr4IO
なかなか良いな
29 :
◆ynV98nmqxA
[saga]:2012/07/29(日) 16:09:35.51 ID:LeR6Evwf0
―――
――
―
>雲が出てきた。予報通り雨が降りそうだ。もう少しのところで家に着く、少しだけ足を急がせよう。
>……? 公園のベンチに人影がある。この時間帯にしては珍しい。
>よく見ると、その人影は梨穂子だった。声をかけてみよう。
純一「こんな時間にどうしたんだ? 梨穂子」
梨穂子「へ? あっ、純一……」
純一「……?」
>長い付き合いだからわかるかすかな違和感。何やら悩んでいるようにも見えた。
純一「……どうした? なんか、妙によそよそしいっていうか」
梨穂子「ふぇ? そ、そうかなー?」
>……いつものような対応でごまかそうとしているが、違和感は拭えない。
30 :
◆ynV98nmqxA
[saga]:2012/07/29(日) 16:53:43.39 ID:LeR6Evwf0
純一「……何か、あったのか?」
梨穂子「ううん、何も。うん、なかったんだよ……」
>意味深な含み。しかし、こういったときの梨穂子からは何も引き出せないことは、僕が一番わかっている。
>明らかに何かあったこと、それについて悩んでいるとは理解できるのだが……今はそっとしておいた方がいいかもしれない。
>そっとしておこう。今は話題を明るい方に変えることとした。
純一「それにしても、この公園、本当に懐かしいよな。最後に遊んだのっていつ頃だっけ?」
梨穂子「最後……多分、小学校のころ以来じゃないかな? 中学になってからは、あまり話すこともなかったし」
純一「そういえばそうだな」
>高校になってからは余計疎遠となていったのだが、最近になってまた話すようになった。久しぶりに話した梨穂子がいつもの梨穂子で安心したものだ。
>その後はたわいもない思い出話で盛り上がった……。
31 :
◆ynV98nmqxA
[saga]:2012/07/29(日) 17:01:17.96 ID:LeR6Evwf0
純一「ん? ……やばっ」
梨穂子「? どしたの?」
純一「いや、もうこんな時間だからさ。今日の夕食当番僕なのに、しまったな」
梨穂子「あっ、ごめん……私と話してたせいかな?」
純一「え? ああ、違う違う。時間を気にしなかった僕が悪いだけだからさ。でもこんな時間だし、そろそろ帰らないか? 帰りが遅いとおばさんも心配するだろ?」
梨穂子「……そうだね。それじゃまた明日! 今日はありがとね」
純一「じゃあな。気をつけて帰れよ」
>梨穂子は笑顔で帰って行った。様子を見るに、少しでも悩みを解消できた……ような気がする。
>……僕も早く帰らなければ。
32 :
◆ynV98nmqxA
[saga]:2012/07/29(日) 19:35:37.59 ID:LeR6Evwf0
―――
――
―
>帰りが遅かったことを美也に怒られてしまった。おかげで夕食の時間も遅れてしまったので、怒られて当たり前だが……。
>もうすぐ午前0時だ。外では雨が降り続いている。今日は昼に一旦晴れたが、明日は一日中降り続ける、という予報だ。
>……雨が降る午前0時。『幽霊動画』の条件がそろっている。今日も興味本位ながらも確認してみるとしよう。
>! やはり、昨日と同じように動画が投稿されている。再生してみよう。
≪――――!―――?――!!―――≫
>動画に映っている女性は、昨日の動画と同じ女性のようだ。昨日より雑音がひどく、動画の人物が何を話しているかはまったくだった。
>……? 昨日より画像が少し鮮明になってきた。
>!! なんと、映っていた女性は、制服を着た梨穂子だ! どんな表情かはわからないが、髪型、顔、体型から『梨穂子である』ことは分かった。
>その前に、確かに動画には梨穂子らしき人物が映っているが、本当にこの人物は本物の梨穂子なのだろうか? ……電話してみよう。
33 :
◆ynV98nmqxA
[saga]:2012/07/29(日) 21:06:34.45 ID:LeR6Evwf0
Prrrrr……ガチャッ
梨穂子≪……ふぁい。もひもひ≫
純一「梨穂子か? いまどこにいる?」
梨穂子≪ふぇ? どこって……ふぁぁ。家で寝てたよぉ。どしたの? こんな時間に。なんだか焦ってる感じだし……≫
純一「……一応聞くが、ネット上に動画なんてあげてないよな? それも自分を映した動画」
梨穂子≪ど、動画? そんな、そもそも私がコンピュータ関連のことが苦手ってわかってるでしょ?≫
純一「……それもそうか。ごめんな、こんな時間に。もしかして起しちゃった?」
梨穂子≪ごめいとうでございます。……じゃあ、もう切っていい?≫
純一「あ、ああ。お休み」
梨穂子≪おやしゅみ〜……≫
Pi!
>どうやら思いすごいだったらしい。なんとなくいやな胸騒ぎがしたのは、気のせいだろう。
>しかし、梨穂子が動画をアップロードしていないとなると、あの動画は一体? そもそも、あの動画に映っていたのは梨穂子かさえ怪しくなってきた。
>……考えれば考えるほどわからなくなる。今日は遅いことだし、眠ることとしよう。
34 :
◆ynV98nmqxA
[saga]:2012/07/29(日) 21:53:42.88 ID:LeR6Evwf0
―――
――
―
>休日の昼。窓の外では依然としてしとしとと雨が降り続いている。この雨量とこの寒さだと、いつ雪が降ってもおかしくないだろう。
>外がこの様子では暇でしょうがない。ここはお宝本でも呼んで過ごそうか……。
トントン
美也「にぃにー。電話だよー」
純一「ん? 誰からだ?」
美也「梨佳おばさんからー」
>梨佳おばさんは梨穂子の母親だ。それにしても、梨穂子からならともかく、なんで梨佳おばさんが電話を?
純一「すぐ行く」
美也「後、みゃーは紗江ちゃん家に行ってるから。お昼はテーブルの上だって」
純一「わかった」
35 :
◆ynV98nmqxA
[saga]:2012/07/29(日) 22:05:28.89 ID:LeR6Evwf0
タッタッタ ピッ ガチャッ
純一「はい、純一です。はい、お久しぶりですね。今日はどうしたんですか?」
純一「……え? 梨穂子ですか? いや、こっちには来てませんけど……え?」
純一「……置手紙とかは? そうですか……心配ですね。こっちも手掛かりは当たってみますけど……はい、それじゃあ」
ガチャン
>おばさんからの電話の内容は『梨穂子の所在について』だった。聞けば、早朝から梨穂子の姿が見えないらしい。
>それだけだったら『外出したのかもしれない』と考えられるが……聞けば、梨穂子の外靴は家にあるままらしい。つまり……外出した形跡がない、ということ。
>連絡しようにも電話はつながらず、置手紙もない。部屋を見るに、荷物を持ち出した形跡もまったくなし。
>……異様だ。そもそも梨穂子の性格上、親への断りなしに勝手に外出することはしないし、外靴を履かないまま外に出るわけもない。
>話を聞くに『外出した』という考えがどうしても否定されてしまう。では、梨穂子は一体どこに?
36 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/08/01(水) 12:10:56.69 ID:9es2p+wIO
おいいいいいペルソナはほとんど知らんけど、俺の梨穂子は助かるんだろうな?
37 :
◆ynV98nmqxA
[saga]:2012/08/01(水) 17:24:45.35 ID:B0SOVOpw0
―――
――
―
>……いくら連絡を試みても、梨穂子の方は一切反応がない。念のため、と思い香苗さんにも頼んでみたが、親友である香苗さんからの連絡も反応なし。
>携帯電話をなくしている、という可能性も考えられる。しかし、どうしても嫌な胸騒ぎがおさまらない。
>明らかに感じさせられる違和感。この違和感が、僕に『警鐘』を鳴らし続けている。なぜここまで焦るのか……それは僕でさえ分からないが、今はこの違和感を解消するために無我夢中だ。
純一「……さらわれた? いや、まさか……」
>もしかすれば、心の隅で『幽霊動画』と関連づけているのかもしれない。幽霊動画という異質なものに映った梨穂子、それが映った翌日にふっと姿を消した梨穂子。
>偶然、であろう。否、そう思いたい。
>……? なんだ、この圧迫感は?
『―――は――れ』
>胸を締め付ける威圧感。それは僕自身の内から放たれている。脳内に直接聞こえてくる『何者か』の声。
『―――じは我』
>言葉では説明できない、不可解な感覚。それが強まるのと同時に、何者かの声も、はっきりと聞こえるようになっていった。
>奥底からの記憶が、今にも急浮上しようともがき、そしてその記憶が水上に顔を出したのと同時……。
『我は汝、汝は……我』
>記憶は再び水底へ沈み、その記憶と一緒に、僕の意識は何者かによって……闇に引きずり込まれた。
38 :
◆ynV98nmqxA
[saga]:2012/08/01(水) 21:54:37.74 ID:B0SOVOpw0
―――
――
―
純一「――うぅ…………」
>身体に走る鈍痛が目ざましとなる。まるで長い間眠っていたかのような気がする。
>視界はぼやけ、まるで世界全体がかすみがかっているようだ。……いや……。
純一「……すごい霧だ……」
>言葉通り、世界全体が、濃い『霧』に包まれていた。生半可なものではない、濃霧というレベルを超える霧の濃さだ。
>視界は僕の半径5メートル前後しか把握できず、それ以降の範囲からは、人影の有無すら把握できないだろう。
>何より、どうしようもない圧迫感、疲労感、息苦しさが身体全体にのしかかる。少しこの場所にいただけだろうが、まるで水の中を着衣水泳したみたいな、そんなしんどい疲労感。
>目が慣れてきたおかげか、次第に周囲の状況を確認することができた。それで、僕はある程度自分が置かれている状況を理解せざるおえなかった……。
純一「ここは……どこ、なんだ?」
39 :
◆ynV98nmqxA
[saga]:2012/08/01(水) 22:07:53.00 ID:B0SOVOpw0
>先ほども言った通り、遠くを見渡せないほどの霧のせいもあるだろう。しかし、僕はこの世界自体に違和感を抱いたのだ。
>そもそも、僕の住む輝日東では、ここ最近は謎の霧が出ているものの、ここまでひどい霧が出るわけではない。
>何より、ここが普通の場所だったら、ここまで僕の体は疲労感を訴えることはない。
>すべてがおかしく、すべて、何かが違う。……そもそも、僕はなぜこんな場所にいるのだろう。
>記憶が正しければ、僕は家のリビングで、しきりに梨穂子の携帯電話をコールしていたはず。…………また思い出した。
>そうだ。そしたらいきなり何かの声が聞こえて、なぜか息苦しくなったと思ったら……その後の記憶は皆無だ。
純一「……夢? ってことなのか……」
>こうならどうだろうか。僕は携帯電話をコールし続ける作業と、朝から続く眠気に負け、家のリビングで寝ているだけなのではないだろうか?
>この不可解すぎる世界は、僕が無意識にイメージした夢の世界で、僕は俗に言う『明晰夢』を見ているのではないだろうか。このリアルな質感、疲労感は脳が作り出した幻覚に過ぎないだけなのでは?
>そうだとすれば気が楽だ。後は現実の僕が目を覚ますのを待つだけなのだから。この息苦しさはいかんせん気に入らないが、いずれ終わるのであれば……。
「! ……!!」
「!? ……?」
40 :
◆ynV98nmqxA
[saga]:2012/08/02(木) 00:04:04.35 ID:CMAxwFfh0
>? 気のせいだろうか? 異様に周囲が騒がしい……。もしかすると、僕以外にも人がいたりするのだろうか?
>僕の夢の中に出てくる人など、かなり限定されるはず……学校の知り合いだろうか? それとも美也だったりするのだろうか?
>森島先輩だとしたら、たとえ夢の中でもうれしいものなのだが……。影が近づいてきた!
>濃い霧をかき分け、影は……まがまがしいその姿を、僕の目の前に晒す。
???「VOO……OH……」
純一「……へ?」
>僕は何秒か前まで、その影は『人影』だと思っていた。そう、そうだったはずなのだ。しかし、どうだろう。
>今、僕の目の前にいる生物は人などではない……黒く、冒涜的な『何か』だ。
>すべての表情が抜け落ちたような仮面をかぶり、身体はまるで粘土のように常に変化しながら、着実に僕の元へと這い寄っている。
>美術館の気味が悪いオブジェでよく似たものを見たことがあるが、オブジェであったらどれだけ幸福だったことだろう。しかし目の前にいる『そいつ』は、生き物独特の、バイオリズムを感じさせる動きを繰り返し、繰り返し……。
>そして、その生物が僕の事を『狙っている』ことを、矢のごとき速さで理解してしまったのだ。
>明らかながらも、どこかもろささえ感じさせる殺意、敵意。その醜悪な姿と相まって、僕の恐怖心を増幅させてしまっている。
>動けない……何せ、その生物は、唾液で糸を引く大きな口を目いっぱい開き、僕を『マルカジリ』しようとしているのだ。
>なぜ逃げない? 否、逃げれない。生理的に最も大きな恐怖におののく僕の足は、まるで最初からなかったかのように動かない……。
41 :
◆ynV98nmqxA
[saga]:2012/08/02(木) 00:31:03.77 ID:CMAxwFfh0
>動けない……つまりは、僕の体はそのまま生物……怪物の体内に収まることだろう。
>つまり『食される』ということ……食された食材はその後どういった運命が待っているだろうか。
>答えなどすぐ出る……人間がそうしているように、食した食材は『死』を受け入れ、食した物の『生命』となる。
>つまりは……死ぬ。僕はこのまま、この見知らぬ世界で、誰にも見つかることなく、死ぬ。
>ここは僕の夢の世界ではなかったのか? 僕が頭の中で勝手に作り出している虚構ではないのか?
>……わかっていた。ここは夢の世界ではない。ここはどこかの世界、どこかの場所だ。
>人は認めがたい現実を相手にすると、すぐに逃避したがる。たとえば、二年前の僕、こっぴどく振られてしまったあの時の僕なんかがいい例だ。
>あの時は、最初こそはその現実に反発もしたくなった。しかし……僕に、そんな勇気はなかった。
>けれど、それは二年前の僕の話。ちょうど一か月前、僕はやっと立ち上がることを、怖がらずぶつかっていくことを決意したのだ。
>……そうだ、そうなんだ。これもまた受け入れたくない現実。なら、僕はこの後、どうアクションをすればいい?
>……また、ひっくり返そう。この現実に存在した『僕』を、塗り替えてみよう。
>死にたくない。当たり前だ、僕には美也がいて、家族がいて、学校の友達がいて……。いろんな人たちと知り合えて、僕は幸せだった。
>幸せなんだ、今までの人生で一番充実している瞬間の真っ最中なんだ。こんなところで、その幸せを放棄する選択肢なんて……ないっ!
42 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/08/02(木) 15:44:36.88 ID:7P87mSkIO
乙
43 :
◆ynV98nmqxA
[saga]:2012/08/03(金) 16:04:57.65 ID:l604TLW10
『……我は汝、汝は我』
純一「……お前は?」
『汝、逆境を破する力を望むか?』
純一「……」
『すべてを覆す焔を欲するか?』
純一「……お前は僕、ね。……なぁ、僕。僕にはこの状況を突破する力があるんだな?」
『汝に宿るは、世界を変える焔。万物を焼き尽くす情熱。ひとかけらの『影』を無に帰すこと、たやすきことなり』
純一「……いいじゃん。やってやろう……皆ともう一度会えるならばっ!!」
>強き望みが、新たな希望を紡ぐ。宿るは、神すら殺す熱き情熱の炎。
純一「ペルソナッ!」
>戦いへの意思が、灼熱の炎となり、化身を創り出す。それは人格の鎧……『ペルソナ』。
純一「カグツチ!!」
44 :
◆ynV98nmqxA
[saga]:2012/08/03(金) 16:17:15.76 ID:l604TLW10
>僕の目の前に発現した一枚のカードを握りつぶす。すると、僕の体から、まるですべてを寄せ付けない程の炎がわきあがる。僕をマルカジリしようと大口を開いていた怪物は、その炎に驚愕した様子で身を引く。
>まるで、炎を忌避しているようだ……僕は最高に研ぎ澄まされた思考回路によって、一つの判断を下す。
純一「そうか、お前は『火』が嫌いなのか……」
>僕も自らの手で殺生は経験したくなかった。だが、僕は幸せが満ちるあの場所に帰る為……もう、後戻りはできない。
純一「カグツチ! アギッ!」
>自然と頭に浮かんだ言葉を、世界全体に響くように叫ぶ。すると、僕の背後で仁王立ちしていたカグツチが、万物を焼き尽くす炎を怪物に放つ。
怪物「OHHHHHHHHH!!」
>怪物の身体全体に一気に燃え広がった炎は、怪物の文字通り『すべて』を焼き尽くす。それはあまりにも一瞬で、それはあまりにも鮮明で、それはあまりにもむごかった。
>怪物の金切り声はしばらく続いたが、数秒経過すると怪物の息は絶え絶えとなり、脈動する動きは徐々におさまっていき……何もかも吐き出したかのような様子で、怪物は息絶えた。
>……やった。やった、のか。
>背後で実体化していたカグツチは、満足したような顔立ちで姿を消していった。
>橘純一は、戦うための人格の鎧、ペルソナ『カグツチ』を手に入れた!
45 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/08/03(金) 18:52:53.57 ID:gKu4NBVd0
カグツチ、神話では母親殺しの神か。番長とあったらやばいな。
46 :
カグツチ
[sage]:2012/08/03(金) 18:57:53.75 ID:mH8dDHEDO
お前は…ハァハァ…全てを…ゼェ…破壊する力を…アッー…望むか…ハァハァ…
(゚∀゚ )
(=====)
__(⌒(⌒ )
/\ ̄ ̄し ̄ ̄ ̄\
 ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ ̄ ̄
||
/ \
47 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/08/03(金) 20:40:32.16 ID:wASVP/Ffo
>>45
あくまでペルソナは心の元型、精神の型でしかないから、一概にもそうとは言えないな。
48 :
◆ynV98nmqxA
[saga]:2012/08/04(土) 00:02:16.96 ID:pOCnpUsD0
純一「……っ……はぁ、はぁ……今のは一体、なんだったんだろう……」
>突然現れた奇奇怪怪な怪物、それを燃やしつくした怪物、ペルソナ……平和な世に生まれ、危機意識が薄れていった僕には、先ほど起きた現象に頭が処理しきれずにいた。
>……とにかく、この場所は危険だ、ということはわかる。ほかの怪物がいない可能性を肯定できない以上、安全を確保するのが先決だ。
>僕は疲れ切った身体を引きずるように、その場所から足早に去ろう、とした時だった……。
怪物「OHHHHH!」
怪物2「KIKIKIKIKIKIKIKI!」
純一「! ま、またか……!」
>先ほどの怪物と同じ容姿なのだが、こころなしか先ほどの怪物よりも一回り大きいような気がする。気配も、先ほどのよりもっと禍々しい。
>しかも次は2対1ときた。……ただでさえ身体は悲鳴をあげている。これは……かなりきつい。
純一「ぺルソ――」
>もう慣れてしまった様子で、僕がペルソナを発動させようと、手を構えた時、その直後の刹那だった。
49 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)
[sage]:2012/08/04(土) 00:05:19.86 ID:hz78aafSo
来たのか!
50 :
◆ynV98nmqxA
[saga]:2012/08/04(土) 00:28:53.01 ID:pOCnpUsD0
???「ペルソナッ! 『タマモノマエ』! ブフ!」
怪物2「KIEEEEEE!?」
>空中から降ってきた氷が、怪物の身体を押しつぶす。氷の体積は怪物と同サイズ、人間と同サイズであり、人間ならひとたまりもないだろう。
怪物2「EE……KIKI……」
>しかし怪物の息は、かすかながらもまだあった。身体はほとんど動かないものの、身体の回復を待つようにじっとしている様子だ。だが……。
???「トゥア!」
怪物2「KIEEEE!?」
>最後の一撃、と何かの影が怪物の身体を蹴りで二分した。いくら怪物でも、身体が引き裂かれれば生きながらえることはできない。
???「地に伏しなさい……タマモノマエ!」
>もう一体の怪物も、もう一人の方が片付けたようだ。……僕は、助けられたのだろうか?
>そして、あの人影は……。
>誰かがいる、助けられた、この事実に安堵をおぼえた僕は、身体を脱力させ、地にひざまずく、身体はとっくに限界を迎えていた、いつ倒れてもおかしくなかった。
???「橘君! 橘君!」
>一気に意識がブラックアウトする直前、僕の目には……。
絢辻「橘君!」
>今にも泣きそうな瞳の、絢辻さんが最後に映った……。
51 :
◆ynV98nmqxA
[saga]:2012/08/04(土) 00:35:24.10 ID:pOCnpUsD0
●絢辻「橘君!」
→詞「橘君!」
52 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/08/04(土) 10:43:42.37 ID:Aij2qnJIO
絢辻さんは氷属性が良く似合うぜ
53 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福岡県)
[sage]:2012/08/04(土) 12:58:52.59 ID:V7bt0aHdo
絢辻さんはとても心の暖かい素敵な人です
54 :
◆ynV98nmqxA
[saga]:2012/08/09(木) 08:53:09.10 ID:XBgbfh4w0
―――
――
―
純一「――んん…………ん?」
>身体のだるさを感じながら、僕はなんともいえない様子で目覚めた。……霧がない。それに例の圧迫感も感じない。
純一「……部屋? それに……ベッドだ」
>清潔感あふれる部屋、スタイリッシュな配色のベッド。部屋は僕の部屋よりずっと広い。
純一「でも……どこだろう、ここ」
>まだ霧立ちこめるあの世界よりかはましだが、いきなり見知らぬ部屋で目覚めたら、誰だって不安を感じるものだ。しかし様子を見る限り……。
>頭からずり落ちた、まだ冷たいタオル。ベッドのそばにたたまれている僕の服。そして僕が来ている見知らぬ男性用のジャージ。
純一「誰かが、僕の看病をしてくれたってことだよな……多分」
>意識を失うまでのことは、残念ながらといっていいのだろうか……鮮明に覚えている。謎の力『ペルソナ』、おぞましい怪物と戦ったこと、そして……。
純一「……そうだ、絢辻さんが――」
???「よかった、大丈夫そうね」
55 :
◆ynV98nmqxA
[saga]:2012/08/09(木) 11:11:50.07 ID:XBgbfh4w0
>部屋の扉から顔をのぞかせたのは……案の定絢辻さんだった。水色を基調とした室内着だ。
純一「あ、絢辻さん……」
絢辻「身体はどう? 一応怪我はなかったけど、異常はない?」
純一「その……ちょっと、疲れてるかなって」
絢辻「そうでしょうね。情報もなしであの世界に長居して、しかも……」
>絢辻さんは珍しく困惑している。
絢辻「……気を失うまでのことは覚えてる?」
純一「う、うん」
絢辻「そっか……色々質問したいことがあるでしょうから、出来る範囲で答えてあげるわ」
>どうやら、絢辻さんは僕より色々『あの世界』について知っていそうだ。思いつく限り質問を投げかけてみよう」
56 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/08/15(水) 23:27:33.32 ID:QPdonXUvo
絢辻さん→玉藻前 か
ハマりすぎだな
57 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福岡県)
[sage]:2012/09/07(金) 12:07:00.40 ID:tH8SRihSo
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