このスレッドはSS速報VIPの過去ログ倉庫に格納されています。もう書き込みできません。。
もし、このスレッドをネット上以外の媒体で転載や引用をされる場合は管理人までご一報ください。
またネット上での引用掲載、またはまとめサイトなどでの紹介をされる際はこのページへのリンクを必ず掲載してください。

姫「勇者様、どうか世界をお救い下さい!」 転生男「……マジ?」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/21(土) 00:25:53.16 ID:NbhvTGEh0
転生男「いてっ! なんか急に光に包まれたと思ったら……あれ、どこだここ?」

「おお……」「成功だ……」

転生男「え、なにコレ? 何で礼拝堂みたいな所にいるんだ? 誰だよアンタら?」

姫「よくぞ来られました、勇者様…!」パサ

転生男「え……(うわ、ローブの中からどえらい美人が出てきたぞ…)」

転生男「……ん? 勇者って誰だ?」

姫「もちろん、あなた様のことにございます!」

転生男「へー…ってええ!?」




転生勇者の話が意外と少ないから書いてみようかと

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1342797953
【 このスレッドはHTML化(過去ログ化)されています 】

ごめんなさい、このSS速報VIP板のスレッドは1000に到達したか、若しくは著しい過疎のため、お役を果たし過去ログ倉庫へご隠居されました。
このスレッドを閲覧することはできますが書き込むことはできませんです。
もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/21(土) 00:38:41.83 ID:NbhvTGEh0
以下、転生男=勇者

勇者「ち、ちょっと待ってくれ! 色々唐突すぎて訳が分からないんだけど!?」

姫「落ち着いてください。 今から私がご説明致しますので」

姫「まず、ここはイマレイト王国の王城内にある”召喚の間”と呼ばれる部屋で――――」

勇者「ちょ、タイムタイム! そのイマなんとか王国ってどこだ? 南の島国かなんかか?」

姫「いえ、イマレイト王国は大陸東にある人界最大の国ですわ」

勇者「いや、そんな国聞いたことも……え? ”召喚の間”ってまさか……」

姫「はい。 お察しの通り、ここは勇者様の居た世界とは別の世界なんです」

勇者「……マジ?」

姫「まじ? まじとは何でしょう?」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/21(土) 00:51:13.88 ID:NbhvTGEh0
勇者「い、いや何でもない。 で、何でまた俺が召喚されたわけ?」

姫「……実は、私達の王国―――いえ人間全員が今、みぞうゆうの危機に見舞われているのです!」

勇者「(懐かしい間違い言葉だ……)ふーん、そりゃまたどうしてさ?」

姫「魔王が……魔王が復活してしまったのです!!」グイッ

勇者「(うおっ、何か距離が近い!)へ、へぇ、それで俺を召喚したのかぁ」

勇者「いやいや、納得できないし! 何で俺なんだ、言っとくけど俺その辺のチンピラにも勝てないぞ!?」

姫「大丈夫です! 今の勇者様からはとてつもない魔翌力が溢れていますから!」

勇者「……魔翌力?」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/21(土) 00:52:22.84 ID:nu0nyLgA0
メ欄にsage sagaで下げつつ、規制も回避できるぞ
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/21(土) 01:11:05.78 ID:NbhvTGEh0
魔翌力が魔翌翌翌力にorz

勇者「……魔翌力、ってまさか」

姫「魔法を使うための力の源ですね」

勇者「ま じ か」

姫「ええと、その『まじ』というのはどういう意味なんでしょうか……?」

勇者「(うっは、魔法が使えるとかキマシタワ!)それで、俺の魔翌力ってどのくらいなんだ?」

姫「とにかくたくさんです! 私とここにいる魔術師全員を合わせたものより遥かに多いです!」

勇者「うえぇ、マジっすか!? そりゃ凄い(この部屋にローブ被った人が50人はいるだろ)」

姫「だから『まじ』とは……いえ、とりあえず勇者様には私のお父様にお目通りしていただきたいのですが」

勇者「お父様?」

姫「はい、イマレイト王国の現国王です」

勇者「へぇ、ってえぇ!?ということは貴女は……」

姫「そういえば自己紹介がまだでしたね。 私はイマレイト王国第一王女、姫と申します」

勇者「デスヨネー……そういえばここは王城の中なんだったか。 あ、俺の名前は男です」

姫「男様、ですね。 では早速お父様の元へ行きましょう!」ギュッ

勇者「(うわ、手握られて……///)あ、え、ちょ、まだ心の準備がぁっ!」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/21(土) 01:16:38.09 ID:IemqyDkSO
saga使えば撃てるよ
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/07/21(土) 01:49:37.05 ID:NbhvTGEh0
>>4
く、初心者だと何故分かった……ありです

国王「よくぞ来られた、勇者殿」

勇者「ええっと、どうも……(き、緊張する……周りに騎士っぽい人もたくさんいるし、さっきの魔術師集団もついてきてるし)」

国王「なに、気を抜いてくだされ。 貴殿は我らの客人なのだから」

勇者「そ、それはどうも」

国王「さて、早速本題なのだが、勇者殿に折り入って頼みがあるのだ」

勇者「……魔王の討伐、ですか?」

国王「おお、その通りだ! 姫から既に話を聞いておったか」

勇者「まあ、大体は」

国王「うむ、それなら話は早い。 20年ぶりに魔王が復活したという報告があり、魔物達の動きも活発になってきているのだよ。 奴らは大陸西半分を制圧していて、もう何時大軍となって押し寄せてきてもおかしくない状況なのだ。 そこで、異世界からの使者である貴殿に是非、奴らの頭である魔王の討伐を承ってもらいたいのだ。 もちろん、その為に出来る限りの支援や相応の報酬は用意させていたただくぞ」

勇者「ちょ、ちょっと待ってください! 俺、魔物なんかと戦えっこないですよ! 格闘技とか剣技なんて習ったことないし、魔法だって使ったこと無いんですよ!?」

国王「心配には及ばんよ。 歴代の勇者達は皆、戦闘に関する素晴らしい才能を有していてな。 貴殿からほとばしる魔力を見ても、数か月も稽古をすれば人間の中では最高の能力を得られると確信している……これは、我ら人間の存亡が懸かっているのだ。 異世界から来た勇者殿、どうか我らに助力を頼む!」

姫「私からも、どうかお願いしますっ……!!」

勇者「や、止めてください! 国王が娘と揃ってそんなに頭下げたら……ああ、もう! 分かりました!とりあえずやってみますから!」

国王「ほ、本当か!?」

勇者「はい……でも、とりあえず頑張ってみるだけですよ? あまり期待されると困ります」

姫「いいえ、勇者様ならきっとやれると信じています!」ギュッ

勇者「(また、手を……///)わ、分かりましたよ! 最善を尽くします!」

国王「そうか! 本当にありがとう! ではとりあえず、貴殿の生活全般の支援と戦闘術の指南役を付けることを約束しよう」

勇者「ええ、こちらこそ感謝します(頼みを断ったらそのまま放り出されてたんじゃ無かろうな……)」

姫「私も、全精力をかけてお支え致します!」ズイッ

勇者「う、うん、ありがとう姫(押しが強いな、この人は……)」

国王「では、勇者召喚を祝してパーティを執り行う! 皆の者、準備をするのだ!」


『はっっ!!!!!』


勇者「はぁ、なんか大変なことになったなぁ……」
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/07/21(土) 02:06:32.31 ID:NbhvTGEh0
〜翌日〜

勇者「はぁ、はぁ……登校中に光に包まれたと思ったら、いきなり、はぁ、異世界で、ふんっ、何故かその日の内に勇者任命されてっ、おまけに宴会で全国民にまでそれが伝わりっと、何かもう逃げられない状況に……だぁー、しんどい!!」

騎士「まだ始まったばかりだぞ、勇者殿。 素振りの段階で根を上げているようでは困る」

勇者「んなこと言ったってぇ、ふんっ、こんなのやったこと無いんだからっ、ていっ、しょうがないだろっ!」

騎士「昼からは魔法の指南もあるのだ。 ペースを上げないと間に合わないぞ」

勇者「ちくしょう…こんなんやってられっかぁぁぁぁぁああああああ!!」ブンブンブン

騎士「さすがは勇者殿、その調子で続けてくれ!」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/21(土) 02:18:23.56 ID:6z7XsRPIO
おつ?
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/07/21(土) 02:30:16.75 ID:NbhvTGEh0
亀更新で進行中

〜数日後〜

魔法使い「おっはろー、勇者ちゃん!」

勇者「もう、昼ですよ……こんにちは、魔法使いさん」グッタリ

魔法使い「あはは、今日も騎士ちゃんに随分と絞られたみたいね」

勇者「はい……体力、気力、おまけに手の皮も全部持ってかれました」

魔法使い「うわ、ホントだ痛そー……その手、魔法で治してあげよっか?」

勇者「いや、結局また明日痛い思いするので大丈夫ですよ。それに、頑張った成果が消えちゃうような気がするし」

魔法使い「ふーん、まあ勇者ちゃんがそう言うなら別に良いんだけど。あんまり無茶したらダメよ?」

勇者「その言葉は騎士さんに言っといてください……俺に無茶する気は無いですから」

魔法使い「ん、じゃあどこかで会ったら伝えといてあげる……その代わりにさ、いい加減に敬語使うのやめてよ。 そう歳が離れてる訳でもないんだし」

勇者「ええとじゃあ、うん、分かりま…分かった」

魔法使い「うふふ、早く慣れてね? じゃあ今日も愉快な魔法教室始めちゃうよー!?」

勇者「お、おー……」

魔法使い「じゃあ、昨日の復習からね。 初級魔法は大体教えたから――――」




勇者「ふひー、疲れた……騎士さんだけじゃなく魔法使いさ…魔法使いも結構スパルタだからなぁ……これで今日も残るは――――」

バァン!

姫「勇者様、今日もお勉強しましょうね!」

勇者「――――元気な王女様とのご褒美タイム、もとい勉強会だけだな」


11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/07/21(土) 03:29:59.51 ID:NbhvTGEh0

姫「こうして、イマレイト王国は人類最大のそして魔界に対する抑止力として成立した訳なのですが――――勇者様?」

勇者「ん、どうしたの?」

姫「私の話、聞いてましたか?」

勇者「も、もちろん聞いてたさ」

姫「……本当ですか?」ズイッ

勇者「ち、ちゃんと聞いてたって!」

姫「……それなら良いのですが」

勇者「(だから近いんだってば……)あのさ、聞きたいことがあるんだけど」

姫「なんでしょう?」

勇者「魔王はちょうど20年周期で蘇るんだよね? 前に魔王が復活した時も勇者を呼んだの?」

姫「はい、魔王が復活した多くの場合に勇者の召喚が行われていますよ」

勇者「その人達がどうなったか、教えてくれる?」

姫「えと、それは……」

勇者「事実が知りたいんだ。できるだけ正確に教えてくれるかな?」

姫「……はい、分かりました。 召喚なされたどの勇者様も、見事に魔王を倒すことが出来たという正式な文献が残っています……ですが、その後無事に帰ってきた方はほとんどおらず、生還を果たした方達は召喚の間から再び自らの国へと帰っていったそうです」

勇者「そっかぁ……」

姫「あ、あの、勇者s「良かったぁ」……え?」

勇者「いや、もしかしたら元の世界に帰れないのかも、とか思ってたからさ。 テンプレ通りじゃなくて良かったー……」

姫「……勇者様は、怒らないのですね」

勇者「へ、何で?」

姫「勇者様には、元の世界に大切な人はいないのですか?」

勇者「いんや、結構たくさんいるよ」

姫「では、なぜ……勇者様を召喚したこの世界を、私を、責めないのですか? 魔王の討伐なんて重すぎる仕事をあっさりと受けてくださったのですか? 歴代の勇者様達は、召喚されたばかりの頃は皆激しい怒りを露わにしたそうです……それが普通の方の反応なのです。 だから私も、勇者様の為ならこの身を捧げる覚悟をしておりました」

勇者「ぶっ!! そ、そんなことしなくても良いですから!!」

姫「……私では不満と言う事でしょうか、うぅ」

勇者「そういうことじゃなくて!……えっと、確かに俺は現在進行形で理不尽な目に遭ってると思ってるし、雰囲気に流されて魔王討伐を決意したことにちょっとだけ後悔もしてる」

勇者「でもさ、俺が頑張れば少しは魔王を倒せる希望が見えるだろ? 異世界人なんて厄介なものに頼らなきゃいけない程に困ってるんだろ? だったら、助けたいと思うのが普通だよ」

12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/07/21(土) 03:39:40.51 ID:NbhvTGEh0
姫「……貴方は、優しいのですね」

勇者「そんなことないよ。 それに、さ……可愛い子の力になれるなら、男は頑張れるもんなんだよ、姫?」

姫「え、あ、それって……///」

勇者「まあ、今のところ厳しすぎるトレーニング以外には特に不満は無いし、しばらく努力してみるよ」

姫「そ、それは良かったです。 私、ずっと応援してます、勇者様!」

勇者「……あー、やっぱり一つだけ不満なことが」

姫「な、何でしょう……?」

勇者「俺には男って名前があるのに、勇者様としか呼ばれないんだよなぁ」

姫「あ…ごめんなさい、私……」

勇者「あ、いや、俺の方こそ変な事行ってゴメン!」

姫「そんな、それは私が…あ、もうこんな時間に」

勇者「あらら…ほとんどお喋りで終わっちゃったね」

姫「ですね…でも、非常に有意義な時間でした」

勇者「そう言ってくれるなら毎日雑談でも良いなぁ」

姫「それはダメです!この世界の歴史をお教えするのが私の役目なのですから、明日からはしっかりとお勉強しましょうね?」

勇者「はぁ、そりゃ残念」

姫「ふふ、では失礼しますね……ありがとうございます、男様///」

勇者「っ!」

ガチャッ、バタン


勇者「……明日からも頑張れそうだ」




あんまり書けなかった……寝落ちます
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/21(土) 03:44:05.97 ID:Z5JGdt3SO
とりあえず様子見
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/07/21(土) 09:27:16.54 ID:NbhvTGEh0
おは

称号としての勇者と本名を使い分けたいので以下勇者→男にします

何度も変えてしまい申し訳ないです
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/07/21(土) 10:32:27.37 ID:NbhvTGEh0
早朝に起きて午前中は王国騎士隊の隊長である騎士さんの元で剣の稽古、午後からは最年少で宮廷魔術師となった魔法使いと共に魔法の稽古、夜には姫と一緒にこの国や周辺国、そして魔界との戦いの歴史を学び、少しの雑談を挟む。 

普通の人なら三日で根を上げそうな過密スケジュールだったが、この世界に召喚された俺はどうやら人としての枠を大きく超えているようで、底なしに上がってゆく体力筋力に加えてどんな技術や知識もすぐに身につき、あらゆる面でメキメキと実力を上げていた。

俺が召喚された日から、もうすぐ2か月が経とうとしていた。



男「うらっ!!」ブンッ

騎士「ふん!!」キンッ

男「これならどうだッ!」ブオン

騎士「くっ、だが甘い!!」パアン

男「なッ、剣がはじき飛ばされて……!」

騎士「ふぅ、私の勝ちだな」チャキ

男「くそう、やっぱり騎士さんには勝てないかぁ」コウサン

騎士「いや、私も今のは危なかったよ。 たった2ヶ月で仮にも王国最強と呼ばれる私と拮抗するまでになるなんて、さすがは勇者殿だ」

男「まあ、これも勇者の能力ってやつですよ」

騎士「確かにそうだが、私はそれだけじゃないと思ってるぞ」

騎士「元々は勇者殿が続けられるギリギリのラインを見極める為にわざとキツめのメニューで始めたはずなんだが、そのレベルを一切落とすことなく続けられているのは、ひとえに勇者の努力のたまものだ。 誇っても良いと思うよ」ニコ

男「そうやって騎士さんが褒めてくれるなら、俺はいくらでも頑張っちゃいますよ」ニッ

騎士「そ、そうか? 私に褒められてもそう気分が良くなるとも思えないが」アセアセ

男「いやいやいや! 騎士さんみたいな美人に褒めてもらうためなら、1万回の素振りだって苦じゃないですってば」

騎士「ま、また勇者殿は私をからかって……! 私は影で鬼将軍と呼ばれてるのを知っいてるのだ! そんな冗談は通じないぞ!」

男「それは騎士さんの訓練が少しばかりキツイからってだけで、さっきみたいな笑顔を騎士隊の人達に見せれば皆イチコロだと思いますよ?」

騎士「い、いちころ……そ、そんな訳あるか! 大体、頬にこんな傷を負っている私には女の価値など無いのだ!」

男「そんなので女の価値は決まりませんって……それに、その傷も猫の髭みたいでチャーミングですよ?」サワリ

騎士「〜〜〜〜〜〜〜!! き、今日の稽古は終わりにする! 昼の休憩までに今まで教えた型をきちんと復習すること! 私は用事があるのでこれで失礼する!」マッカッカ

男「あ…はい。 今日もありがとうございました」


男(あらら、失敗だなこりゃ。 俺が来てから訓練がさらにきつくなったからどうにかしてくれと騎士隊の人達に泣きつかれたから、とりあえずホメ落とし作戦をやってみたんだけど、交渉の前に逃げられてしまった。 やっぱり触っちゃったのがマズかったな……顔真っ赤にしてたし、あれは怒ってたよなぁ。 後で謝りに行こう)ブンブン

騎士(ちゃ、チャーミング……そんなこと言われたのは生まれて初めてだ……///)

騎士(笑顔……か。 勇者殿が言うなら、少しだけ心がけてみるのも良いかもしれんな)ニコ

騎士隊員1「」ズギューン
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/07/21(土) 11:16:47.40 ID:NbhvTGEh0

魔法使い「やあやあ今日も元気そうだねぇ、勇者ちゃん」

男「こんちわ…まあ、結構体力も付きましたからね。 地面に突っ伏さない程度には元気ですよ」

魔法使い「あー、また敬語に戻ってるー…」プクー

男「あ、すいませ…ごめん、魔法使い。 なかなか慣れなくてさ」

魔法使い「こう見えても私は若いんだから! そんなに年上に見える、私…?」グスン

男「そうじゃないんだけどね? ほら、魔法使いは俺の先生だろ? 立場が上の人に敬意を払わないと」

魔法使い「じゃあ、姫ちゃんはどうなるのよ? あの娘だって勇者ちゃんの先生だし、王女じゃないのぉ」

男「いや、それはまあ、流れというか何というか……ごめんなさい」

魔法使い「……ぷふっ。 別にそんなに怒ってないのに謝らなくても、ぷっふふー」

男「…あんまり意地悪しないでくれ」

魔法使い「あはは、ごめんごめん。 でも、勇者ちゃんだっていつも騎士ちゃんイジメしてるじゃない」

男「へ? 何の話?」

魔法使い「稽古の度に『綺麗だ』とか『美人だ』とか言ってるらしいじゃない。 どうせ今日も何か言ったんでしょ? 滅多に感情を表に出さないあの騎士ちゃんが、今日は恥じらいながら破壊力抜群の笑顔でニコニコしてたせいでハートを打ち抜かれた騎士隊員が何人も運ばれたらしいわよ?」

男「あー、確かに言ったけど…あれはイジメになっちゃうのか?」アセアセ

魔法使い「…やっぱり天然さんか……ま、そのままで良いと思うよ?『困ってる』って私に相談してくる割には凄く嬉しそうだし」

男「よく分からないけど、さいですか」

男「それにしても、騎士さんと魔法使いさn…魔法使いは仲良いんだね」

魔法使い「同期だからねー。 まあ、年齢的には騎士ちゃんの方が上だけど」

男「へぇ、そうなんだ。 ところで、魔法使いはお幾つなんでしょうか?」

魔法使い「知りたい……?」ジトー

男「いえ、やっぱり大丈夫です」ゾクッ

魔法使い「…っと、お喋りはこのくらいにして稽古始めよっか」

男「うっす、今日もよろしくお願いします」

魔法使い「だから敬語じゃなくて良いって言ってるのにぃ」ブーブー

男「あー、いつの間にか敬語になってた」

魔法使い「もっと気を付けてよー…?」

男「はいはい、分かりまし…分かったよ」


男(最年少で宮廷魔術師になったのに、どうして年齢聞かれたくないんだろうか? 外見は20歳いってないくらいに見えるし……まあ、そこは女の子ってことかな…多分)
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/07/21(土) 11:58:56.50 ID:NbhvTGEh0
〜夜〜

男「姫のおかげで、大分この世界のことが分かってきたよ」

姫「そう言っていただけると光栄です、男様。 それで、今日の分の勉強も終わったことですし――――」

男「ああ、また俺のいた世界の話を聞きたいの?」

姫「はい、是非に!」キラキラ

男「えーと、期待されてるところ悪いんだけど、その前に少し聞いても良いか?」

姫「ええ、どんなことでも大丈夫ですよ?」

男「じゃあまず一つ。 この国では魔王が復活する度に勇者を召喚してるんだよね? そうやって何度も召喚できるなら、どうして一度にたくさんの勇者を召喚しないの?」

姫「そうしたいのは山々ですが、それは不可能な話なんです」フルフル

男「それはどうして?」

姫「第一に、召喚はあの”召喚の間”によってしか行うことが出来ません。 第二に、召喚の儀式には多大な魔力を消費します……これは何とかなる問題ではありますが。 そして最後の問題は、”召喚の間”の魔方陣は異界の力を少しずつ蓄える必要があるため、召喚の儀式は20年に一度しか行えないのです」

男「マジか……」

姫「ええ、マジなのです……ずっと先代の国王の時代から”召喚の間”の複製の為の研究が行われているのですが、成功には未だ至らないようです」

男「そっか……ま、気を取り直して次の質問。 魔王の復活が20年おきになったのって、ここ200年くらいだよね? それまでは不定期で曖昧な期間だったのが、どうして決まったペースになったか知ってる?」

姫「それは……私にも分かりませんね。 言われてみれば確かに気になります……何があったのでしょうか」

男「うーん、やっぱり姫も知らなったか」

姫「お役にたてず、申し訳ありません……」シュン

男「あぁ、いや、こっちこそ変なこと聞いてごめんな? 質問は終わりにして、今日は俺の住んでた国の歴史の話をしようかな」

姫「ホントですか!? うわぁ、今度は男様の国の歴史ですか、楽しみです!」

男「ちょうどこっちに持ってきた学生鞄に日本史Bの教科書があったし、使わせてもらおうかな」

姫「絵付きの教本のことですね! 早く見たいです!」キラキラ

男「はいはい、今持ってきますからそこで行儀よく待っていてくださいね?」

姫「はいです!」


男(魔王復活と勇者召喚の周期の一致か……おとぎ話の世界と言えばそれまでだけど、何だかキナ臭いなぁ。 それに、魔王討伐が終わったら帰れるっていうのも怪しくなってきた。 帰還の手段を姫に聞いてみたかったけど、あまり心配させたくないしとりあえずは自分で探ってみようかな)
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/07/21(土) 13:47:49.13 ID:bq+OmqXR0
面白そうなのだけど、ペースが心配だな

ぜひとも完結させて欲しい
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/07/21(土) 15:00:46.80 ID:NbhvTGEh0
〜三日後、謁見の間〜

国王「わざわざ来てもらってすまないな、勇者殿」

男「いえ、そのようなことは」

男「それで、話と言うのは何でしょう?」

国王「うむ……では、単刀直入に言おう。 そろそろ、魔王討伐の準備を始めてはどうだろうか?」

男「え、もう…ですか?」

国王「……やはり、早すぎるか? 貴殿の成長ぶりは方々から聞いておるのだ。 先日の城内闘技会でも見事優勝なされたのをこの目で見ていたぞ? 儂は先代の勇者殿とも面識があったが、彼以上の逸材に感じたな」

男「もったいなきお言葉……ですが、私にはまだまだ至らぬ点が数えきれぬほどあります。魔王討伐を確実なものにする為、もう少し時間を頂くことは出来ないでしょうか……?」

国王「それはもちろん良いのだ、早計で勇者殿が道半ばで果てるようでは元も子もないからな……しかし、魔物の群れがだんだんと迫ってきているのも事実なのだ。 無理を言うようで本当に申し訳ないのだが、時間があまり残されていないことも意識しておいて欲しいのだ」

男「了解しております……ですが、少しだけ考える時間をください」

国王「ああ、もちろんだ。 これも出来るだけで良いのだが、出立の具体的な日にちを決めたら報告をしてはくれないだろうか?」

男「御意に――――ひとつ、尋ねてもよろしいでしょうか?」

国王「な、何であろう?」ビクッ

男「………。魔王討伐の方法なのですが、今までのように勇者とごく少数の精鋭によって魔界へと乗り込む、ですよね?」

国王「あ、ああ、その通りだ。勇者殿には、指南役の二人をお付きとさせようと思っているのだが?」

男「旅の仲間としてなら、問題ありません。彼女たち以上に優秀かつ私と親しい者はこの世界にはいませんから」

国王「そ、そうか」

男「では、勇者として情けないことをお尋ね致します。 王国軍を共に動員してはいけないのでしょうか?」

国王「っ!……それは、無理なのだ。 魔界からやってくる魔物の侵攻が絶えない現状に加え、魔王を討伐した後は制御を失って暴走を始める魔物で溢れるのが常で、大規模な軍を魔界へと連れて行くことは出来んのだ……」

男「そう、ですか。 私が力を付けて魔王を討伐しなければならないのに、弱気なことを申してしまいました」

国王「よいのだ。 お主とて人の子、力ある者と対峙するのが恐ろしいと思うのは常であろう――――かくゆう儂も…そうであるからな」

男「そう…ですね」

姫「大丈夫です男様、お父様!」バッ

国王「姫……?」

姫「男様は私が出会った誰よりも強く、優しく、聡明であられます! 魔王がどんに強くても、男様ならきっと大丈夫です……それでもくじけそうになってしまった時には、私がお支えしますから」ギュッ

男「え……?///」

姫「お父様、私も男様にお供させてくださいませ!」

男「ええぇっ!?」

国王「なッ、それは、それはだめだ!!」

姫「何故ですの!? 私の実力は確かなはずです! 召喚魔法を指揮したことで、それは証明されているはずです!!」

国王「お前がいくら優秀だとしても、それは……それだけは、許すことは出来ん!」

姫「どうしてですの!? 王国の、人類の存亡を掛けた戦いに、国王である貴方が自分の娘だからと言って出し惜しみをするおつもりなのですか!?」

国王「……ここで、お前に話すことは無い。 話なら後でじっくり聞こう」

姫「お父様っ!?」

国王「勇者殿、みっともない姿をみせてしまい、面目も無い。 討伐準備の話は、追々答えを出せたら聞かせてくれ」

男「はっ、失礼いたします」

ギイィィーーーーバタン

男(ふぅ、謁見も大分慣れたな。 それにしてもあの態度……国王が何か隠しているのは明白だな。 しかも、未だ鼠一匹さえ殺してない奴が魔王討伐とか……無謀すぎるだろ。 国王は何故あそこまで焦っているのだろうか――――)


20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/07/21(土) 16:08:12.13 ID:NbhvTGEh0
書き溜めが無いので、よしなに


オトウサマ、オハナシガアリマス

男(……ん?)

…イイダロウ、ワシノヘヤニコイ

男(……行ってみるか)


〜国王の部屋、扉〜


姫「お父様、いい加減にお教えください」

国王「……」

男(この世界に来てから、耳もよくなってるし魔法の補助もあるから鮮明に聞こえてくるな)

姫「一体、なにを隠しているんですか?」

国王「…やはり、気付いておったか」

姫「謁見の間では言えないことだったのでしょう?」

男(そりゃ、姫だって気付くよな)

国王「うむ……これは、王家のみに伝わる秘密に関わる事であるからな」

姫「…!秘密とは何ですか?」

男(へぇ…)

国王「……お前には、その秘密を求める覚悟が本当にあるのか? 知ってしまえば、もう逃げられぬ。 王家の、そして人類が犯してきた罪を、お前も背負うことになるのだぞ?」

姫「私は先程、勇者様の為に命を懸ける決意をしたのです。 覚悟は、出来ております」

男(なんかこそばゆいな……でもまあ、俺を”勇者様”と呼んだってことはただ王女としての使命の為なんだと思うけど)ポリポリ

国王「……お前の覚悟はよく分かった。 全てを話そう」

国王「手始めに問うてみるが、姫はこの世界について―――いや、単刀直入に聞こう。 勇者と魔王のシステムについて、どう思う?」

男(システムって……なんか胸糞悪い響きだな)

姫「どう思う……とは?」

21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/07/21(土) 16:21:49.03 ID:NbhvTGEh0
国王「疑問に思ったことは無いか?」

国王「20年ごとに示し合わせたように魔王と勇者がこの世界に現れ、そのほとんどが相打ちで終わる……そんな馬鹿げたことが200年以上も続いているのだぞ? おかしいとは思わないのか?」

姫「……それは確かにおかしいとは思いますが、事実そうなっているのだから仕方のないことでは無いのですか?」

国王「本当に、これが事実だと思うか? 魔王が短期間で何回もの復活を繰り返しているというのに、魔物の大きな侵攻すら無いのは、本当にあり得ることなのか?」

姫「何を……おっしゃっているのですか?」

国王「まだ分からぬのか…いや、聡いお前ならもう分かっているだろう――――?」

国王「――――これは、壮大な茶番なのだよ」

姫「意味が、分かりません……茶番とは、どういうこと、なのですか?」

国王「……始まりは、今から225年前に遡る」

22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/21(土) 16:52:43.78 ID:pujyxxjIO
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/07/21(土) 17:23:16.01 ID:NbhvTGEh0
国王「その当時、新たに誕生した魔王は非常に強力で狡猾だった。 見る間に人間の領土を奪い取り、大陸の半分以上を征服されてしまったのだ。 疲弊し、戦うこともままならなくなった当時の国王は、血の涙を流しながら降伏し、停戦協定を結んだそうだ」

姫「そ、そんな! 200年前の大戦では、人間側が勝利したはずじゃ……!?」

国王「それは、改ざんされた歴史だ。 我らの祖先が真実を隠したのだ」

姫「嘘、でしょう……?」

国王「残念ながら、私の語ったこと、これから語ることは全て真実なのだ……やはり、これ以上はやめておくか?」

姫「……最後まで、お聞かせください」

国王「…承知した」

国王「では、続きを話そう。 停戦協定を結んだ時、魔王は一つの条件を人間に押し付けた――――それが、『勇者を差し出す』というもの」

男(勇者を、差し出すだと……!?)

国王「あらゆる人間の能力を凌駕し、人類の希望の光となる者、勇者。 それを、魔王は召喚が可能である20年ごとに差し出すように要求してきたのだ……そこから、儂ら王族の罪の連鎖が始まったのだ」

国王「人類の為に勇者を生贄にしていることが知れ渡ってしまわぬよう、あろうことか魔王と手を取り、協力してきた……! 召喚が行えるようになる前の辺りから魔物の活動を活発にするよう魔王に嘆願し、魔王が復活したと騒いでは魔術師たちの協力で生贄を召喚し、魔王の遊び相手となる為に鍛えられ、優秀な仲間と共に送り出して、ある時は死んだ勇者の替え玉まで用意して……まるで、まるでこれでは家畜を屠殺場に送っているようなものだ!! 儂ら王族は、いつかは魔王を屠ることができる者が現れるという有り得ぬ幻想を抱きながら、魔物の傀儡となり惨めたらしく生きてきたのだよ」

姫「そん、な………では、勇者様は――男様はどうなるのです!!」

国王「……彼もまた同じく、魔王の元に送られいたぶり殺されるのだろうな」

姫「そんなの、認めないっ!! 男様ならきっと、魔王を打ち倒せますっっ!!」

国王「それは、絶対に有り得ぬ。 魔王が今まで何人の勇者を喰らってきたのか分からぬのか? 最早勇者どころか、人類すべてが束になっても打ち勝つことは出来ぬだろうな」

姫「それじゃあ……それじゃあ何で、私達は奴らに未だ滅ぼされていないのでしょう……?」

国王「……恐らく、”娯楽として、食糧として”、なのであろうな」

姫「……私達は、家畜と同程度の存在だったのですね」

国王「それは――――」

姫「――――違うとでも言うのですか!? いいえ、そうでしょう!? 魔物達の手のひらの上で遊ばれて、あまつさえも、異世界の人間まで……男様まで巻き込んでッ!! こんな世界の中で、私達が生きる価値なんて無いじゃないですか!!」

国王「……すまない」

姫「……失礼、致します」


バン!!タタタタタ……


男(……ふぅ、見つからずに済んだ)

男(ああ、でも)

男(そういうことだったのか)ズルズル

男(最初っからオカシイとは思ってたんだ。 なにが、『生還を果たした方』だよ……そんなの一人もいねぇじゃんかっ!!)グシャグシャ

男(もう、ここに来た瞬間から、俺の死は確定してたんだな……)

男(家族や友達、今何してるかなぁ……俺の事、探してくれてるかなぁ)

男(……っぐ、何で、何で俺なんだよぉ)ポロポロ

男(悪い、ことした、かよ、俺が……こんなの、あまりにも理不尽だろぉが!!)グスッ

男(今すぐ還りたい、けど、その手段も無いし……何より)

男(姫も、泣いてたよなぁ……)

男(今すぐ逃げ出したいけど、見捨てるわけにも行かないし)グッ

男(どうせ死ぬなら、最後まで足搔いてやる……ああ、やってやるさ!!)

男(日和ってる魔物たちに、人間の底力見せてやんよ!!……まあ実物は、一度も見たこと無いんだけどね)
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/07/21(土) 17:24:42.21 ID:NbhvTGEh0
国王「その当時、新たに誕生した魔王は非常に強力で狡猾だった。 見る間に人間の領土を奪い取り、大陸の半分以上を征服されてしまったのだ。 疲弊し、戦うこともままならなくなった当時の国王は、血の涙を流しながら降伏し、停戦協定を結んだそうだ」

姫「そ、そんな! 200年前の大戦では、人間側が勝利したはずじゃ……!?」

国王「それは、改ざんされた歴史だ。 我らの祖先が真実を隠したのだ」

姫「嘘、でしょう……?」

国王「残念ながら、私の語ったこと、これから語ることは全て真実なのだ……やはり、これ以上はやめておくか?」

姫「……最後まで、お聞かせください」

国王「…承知した」

国王「では、続きを話そう。 停戦協定を結んだ時、魔王は一つの条件を人間に押し付けた――――それが、『勇者を差し出す』というもの」

男(勇者を、差し出すだと……!?)

国王「あらゆる人間の能力を凌駕し、人類の希望の光となる者、勇者。 それを、魔王は召喚が可能である20年ごとに差し出すように要求してきたのだ……そこから、儂ら王族の罪の連鎖が始まったのだ」

国王「人類の為に勇者を生贄にしていることが知れ渡ってしまわぬよう、あろうことか魔王と手を取り、協力してきた……! 召喚が行えるようになる前の辺りから魔物の活動を活発にするよう魔王に嘆願し、魔王が復活したと騒いでは魔術師たちの協力で生贄を召喚し、魔王の遊び相手となる為に鍛えられ、優秀な仲間と共に送り出して、ある時は死んだ勇者の替え玉まで用意して……まるで、まるでこれでは家畜を屠殺場に送っているようなものだ!! 儂ら王族は、いつかは魔王を屠ることができる者が現れるという有り得ぬ幻想を抱きながら、魔物の傀儡となり惨めたらしく生きてきたのだよ」

姫「そん、な………では、勇者様は――男様はどうなるのです!!」

国王「……彼もまた同じく、魔王の元に送られいたぶり殺されるのだろうな」

姫「そんなの、認めないっ!! 男様ならきっと、魔王を打ち倒せますっっ!!」

国王「それは、絶対に有り得ぬ。 魔王が今まで何人の勇者を喰らってきたのか分からぬのか? 最早勇者どころか、人類すべてが束になっても打ち勝つことは出来ぬだろうな」

姫「それじゃあ……それじゃあ何で、私達は奴らに未だ滅ぼされていないのでしょう……?」

国王「……恐らく、”娯楽として、食糧として”、なのであろうな」

姫「……私達は、家畜と同程度の存在だったのですね」

国王「それは――――」

姫「――――違うとでも言うのですか!? いいえ、そうでしょう!? 魔物達の手のひらの上で遊ばれて、あまつさえも、異世界の人間まで……男様まで巻き込んでッ!! こんな世界の中で、私達が生きる価値なんて無いじゃないですか!!」

国王「……すまない」

姫「……失礼、致します」


バン!!タタタタタ……


男(……ふぅ、見つからずに済んだ)

男(ああ、でも)

男(そういうことだったのか)ズルズル

男(最初っからオカシイとは思ってたんだ。 なにが、『生還を果たした方』だよ……そんなの一人もいねぇじゃんかっ!!)グシャグシャ

男(もう、ここに来た瞬間から、俺の死は確定してたんだな……)

男(家族や友達、今何してるかなぁ……俺の事、探してくれてるかなぁ)

男(……っぐ、何で、何で俺なんだよぉ)ポロポロ

男(悪い、ことした、かよ、俺が……こんなの、あまりにも理不尽だろぉが!!)グスッ

男(今すぐ還りたい、けど、その手段も無いし……何より)

男(姫も、泣いてたよなぁ……)

男(今すぐ逃げ出したいけど、見捨てるわけにも行かないし)グッ

男(どうせ死ぬなら、最後まで足搔いてやる……ああ、やってやるさ!!)

男(日和ってる魔物たちに、人間の底力見せてやんよ!!……まあ、実物は一度も見たこと無いんだけどね)
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/07/21(土) 17:40:15.51 ID:NbhvTGEh0
〜翌日・謁見の間〜

国王「もう2か月、猶予を欲しいとな?」

男「はい(姫が見当たらない……大丈夫かな)」

国王「快諾したいところなのだが、魔物の侵攻がいつ始まるやもしれんという状態では、中々厳しいと言うしかないのだが……」

男「第一王女殿下からお受けした歴史の中で、ここ200年で大規模な侵攻と見なせるものは一度だけ――――勇者が召喚されて半年が過ぎた時、とされています。 魔物も体勢を整えるのには時間がかかっているであろうと思われますし、魔物達に大きな動きがあれば直ちに魔王討伐に向かうという条件付きで、どうかお願い頂けないでしょうか?」

国王「……分かった。 勇者殿の願いを受け入れよう」

男「ありがたく存じます。 では、ついでに遠出の許可を頂けないでしょうか?」

国王「な、それは――――」

男「必ず戻ってくると約束します。 魔法で契約しても構いません」

国王「まさか、隷属魔法のことか!? そのような禁呪を使ってまで、貴殿は何をするつもりなのだ……?」

男「見てみたいものが、たくさんあるのです」


男「この眼で直接見てみたいことが、ね」ニッ

26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/07/21(土) 17:45:38.63 ID:NbhvTGEh0
またちょっと落ちます。

ドラクエ的展開は無しの方向で進むんで、オナシャス
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/07/21(土) 19:36:38.84 ID:bq+OmqXR0
期待支援
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/21(土) 19:42:00.01 ID:nu0nyLgA0
ドッグデイズみたいな話かと思ったら全然違ってた
期待してるよ
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/07/21(土) 21:14:39.28 ID:N/a5WqxAO
転生モノが少ないのは、俺つえーやりたいだけのキモイのが大量にいて二次ファン等に隔離されてるから
見苦しい[田島「チ○コ破裂するっ!」]にならない自信があるならどんどんやってくれ
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/21(土) 21:16:41.19 ID:HCGjNFqao
[田島「チ○コ破裂するっ!」]
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/07/22(日) 00:17:11.52 ID:TuD+Qrix0
遅くなってすまそ

〜姫・自室前〜

男「姫、起きてる?」

姫「……」

男「まあ、起きてなくても一応言っとく。 俺、しばらく旅に出てくるよ。 君の教えてくれた歴史を実際にこの目で見て辿ってみようと思う。 色々と興味深いものもあるしね」

男「2か月後には帰って来るから、お土産楽しみにしといてよ……じゃあこれから行って――――」

ガチャ

姫「……男様」

男「どうしたの?」

姫「……いえ、何でもありません」

男「……そっか」

男「あ、そうだ」ゴソゴソ

姫「?」

男「はい、これあげる」ヒョイ

姫「これは…ペン、ですか?」

男「ボールペンって言うんだ。 インクが無くても書き続けられるんだ」

姫「へぇ、本当ですか? まるで魔法みたいです……」ニコ

男「うん、やっぱり姫には笑顔が一番似合うよ」

姫「え?」

男「姫が泣いてると、俺まで悲しくなってくるからさ……姫にはどうか笑ってて欲しいな。 ほら、まだ泣き後残ってるし」スッ

姫「あ……///」

男「魔王は俺がなんとかして見せる! 姫だけじゃどうしようも無いことがあったら、俺が絶対に助けに行く! だから、姫はずっとキラキラニコニコしてれば良いの! 分かった?」グシグシ

姫「……はい!ありがとうございます…男様」

男「どういたしまして。 じゃあ、行ってきます」

姫「行ってらっしゃいませ……必ず、帰ってきてくださいね?」

男「うん、必ず」


パタン


姫「男様、私は……」ギュッ

姫「男様から貰ったペン…嬉しい」ニコ

姫「ご無事を、願っております」
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/07/22(日) 10:10:45.90 ID:NAbrUqBF0
完結支援
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/22(日) 17:39:22.96 ID:N/FoUcgm0
>>1も勇者も頑張れ

それはそうと
転生は生まれ変わること、この勇者の場合は召喚、あるいは異世界トリップではなかろうか
34 :あなるユルユル右衛門 ◆ANALVIP.zA [sage]:2012/07/23(月) 13:22:30.20 ID:1+71ud19o
インクが無くても…?
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/07/23(月) 13:31:29.07 ID:9OIW5jd80
召喚モノですね、ごめんなさい

羽ペンとインク壺しか無い世界でのイメージです。

インク壺無しでも書けるペン、と言う意味でオナシャス

なんか色々頭悪くてごめん


時間が出来たんで、今から書きますです
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/07/23(月) 14:09:06.59 ID:9OIW5jd80

姫や騎士さん、魔法使いたちに別れの挨拶をした後、俺は自ら勝ち取った二か月間の猶予を使ってこの世界の様々な場所へと足を運んだ。

この旅の第一の目的は情報収集。古い文献が蔵書されていたり機密にされている場所へと立ち寄り、この大陸が歩んできた正確な歴史を知るためである。

まあ実際に成果があったのはほとんど城内の隠された地下室やら宝物庫だったりして、旅にでてから1週間以上はまだ城にいたというわけだ。

第二の目的は、裏歴史を紐解くごとに分かってきた、”宝具”と呼ばれるものたちの存在の探索である。

勇者を魔王の供物として捧げるようになってしまった時よりも遥か昔の戦争で強力な武器になったとされるそれらを求めて、見上げても頂上が見えないような山を登らされたり、はたま奈落の谷にダイヴしたり、魔物さえ寄り付かないような魔界の僻地に侵入したり、etc……まあ一言で言えば、すんごく大変だった。

雲より高い場所で雪崩に巻き込まれたり、魔界で巨大な黒いドラゴンと対峙した時なんかはさすがに死を覚悟したが、勇者と言うのは想像以上にタフらしく、傷が少し残ったくらいで未だにピンピンしている。

つけ加えておくと、こうした物理的にも立場的にもヤバすぎる試練をいくつも乗り越えるついでに、”失われた魔法”なんかも覚えた。

その最もたるものが転移魔法で、ある場所を正確に思い浮かべればそこまで一瞬で跳ぶことが出来る。

魔力をけっこう食うものの、元の世界ほどでは無いにしろ広大な世界を動き回るのに大いにやくだった。

多分これさえあれば元の世界にも戻れるんじゃ……という考えも一瞬浮かんだが、一度決めたことを曲げる気も、泣いている姫を放って自分だけ逃げる気も起こりはしなかった。


37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/07/23(月) 14:25:50.69 ID:9OIW5jd80
地の文続きでごめんね


大陸西側――つまり魔界でひっそり旅を続けている時、僥倖とも言える情報を耳にした。

なんと、ほんの数年前に魔界内での内乱があったらしく、魔王が代替わりしていたというのだ!

この情報は、人間の中では多分俺しか知らない情報だろう。国王ですらそのことを知る素振りさえなかったし。


これはまたと無いチャンスだ。

いくら世界中の宝具をかき集めて強化したところで、勇者何十人分もの力を持った魔王に勝つのは厳しいところだと思う。

もし、前魔王を他の魔物達が数の力で倒したとするなら、今の魔王含めて他の魔物も単騎では前魔王よりは弱いはず。
ま、単純に前魔王より現魔王の方が強かったらそこでゲームオーバーなんだけどね……。


相手が俺の予想を超えて強くなければ、格上だろうと俺には”切り札”がある。
これは最終手段で、本当は使いたくないんだけどさ。


こうして全ての準備を整えた俺は、満を持して王国へと帰還した。
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/07/23(月) 15:33:22.31 ID:9OIW5jd80
〜男の旅立ちから丁度2か月後・謁見の間〜

ザワザワ……

「おお、ついに勇者様がお戻りになられた!」「王国製の丈夫な防具があんなにボロボロに……厳しい旅だったに違いない」「この城を発つ前よりも、さらに輝きを放っていらっしゃる……!」

国王「―――静まれい!」

シン…

国王「勇者殿よ、よくお戻りになられた」

男「いえ、本当にギリギリになってしまい、申し訳ありませんでした。 しかも、早急な報告の為とはいえ、このような見苦しい格好で参上したこと、どうかお許しください」ペコリ

国王「気にすることは無い。 貴殿からは定期的に便が届いておったし、疲れているところを無理やり呼び出しているのは儂なのだ。どうか頭を上げてくれ、勇者殿」

男「はっ、では失礼して」スッ

国王「では、改めて今回の旅はご苦労であった。その身が十全となるまで、ゆっくりと休むが良い」

男「おりがとうございます。 それでは、城からの出立を今から三日後とさせてください」

ザワッ!

「そ、そんなに早く行ってしまわれるのか!?」「もう少し休んでも良いんじゃあ……」

国王「静かにするのだ、ここは神聖なる謁見の間ぞ!……勇者殿、本当に三日後で良いのか? 確かに旅立ちの前には急かす様なことを言ったが、もう少し休んでいった方が良いのでは無いのか?」

男「ご心配、ありがとうございます。ですが、ここから魔界への道のりは長いですし、出来るだけ早く魔王の元へと向かいたいのです」

国王「っ! 貴殿は魔界にも足を運んだそうだが、何か魔物側に動きがあったのか!?」

男「いえ、少なくとも私が魔界へ赴いた時にはそのような兆候は見られませんでした。 しかし、陛下から長い猶予をいただいた分、魔王討伐を一刻も早く行いたいのです」

国王「……そうか、貴殿がそこまで言うなら儂からはもう何も言わぬ。 勇者殿、疲れているところに追い打ちをかけるようで申し訳ないのだが、魔王討伐の従者となる者達を紹介させてもらっても良いか?」

男「ええ、もちろんです」

国王「心遣い感謝する。ここに居る皆にも、勇者殿の従者として魔王討伐を支える者達を紹介しよう! 騎士、魔法使い、前に出よ」

騎士・魔法使い「「はっ!」」

国王「勇者殿も知ってのとおりだが、騎士は若くして王国騎士隊の隊長となった実力者であり、魔法使いは史上最年少で宮廷魔術師となったベテランだ。 勇者の足を引っ張ることは決して無いと思う」

騎士「よろしく頼む、勇者殿」

魔法使い「よろしくねー」

男「よろしくお願いします……二人がいれば心強いです」ニコッ

騎士「〜〜〜〜っ! ま、任せてくれ、勇者殿は私が必ずお守りする!!///」

男「ありがとう、じゃあ俺は騎士さんをお守りしないとね」

騎士「ふぇ!? そ、そんな、私のことなど気にしなくとも……///」マッカッカ

魔法使い「ふふふ、二か月経っても天然さんは治らなかったみたいね。 そんなことより、私のことも忘れないでね」

男「忘れてなんか無いって。 魔法使いも大切な仲間なんだから」

魔法使い「っ! う、うん、頼りにしてるわよ……やっと敬語無しで喋ってくれたね」ボソッ

男「ん、何か言った?」

魔法使い「な、何でもないよ!?///」アタフタ

男「なに焦ってるんだ…?」

国王「……ゴホン。 見たところ信頼関係もしっかりと築けているようで安心した。 二人とも、光栄なる勇者のサポートとしての役目をしっかりと果たすように」

騎士・魔法使い「「はい、この命に代えても!」」

国王「うむ、よろしく頼むぞ? ――――そして、後もう一人の従者となるものを紹介しよう」

全員『……え?』

国王「――――入れ」
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/23(月) 17:14:10.83 ID:WqK/iLMVo
お?
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/23(月) 17:28:32.11 ID:b9Ft097Eo
ひめーー!
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/07/23(月) 21:42:29.11 ID:9OIW5jd80
ギィィィィイイイ…バタン

姫「……」ペコリ

国王「彼女が勇者殿の従者となる最後の一人―――姫である」

騎士「な……!?」

魔法使い「うそ!?」

「ひ、第一王女殿下が魔王討伐だって!?」「聞いてないぞ!?」「王族が勇者一行に加わるなど前代未聞だぞ!!」

国王「ええい、静まれい!! 謁見の間では私語を慎めと何度言えば分かるのだ!!」

「し、失礼を……」「申し訳ありません……」

男「(あちゃあ…まあ予想通りではあるんだけどさ……)陛下、恐れながら何故王女殿下を私の従者としたのでしょうか?」

国王「……実は、これは儂の望むところでは無かったのだが――――」

姫「―――私からご説明させて頂きます」ズンズン

国王「まったく、言うことの聞かぬ娘よ……」ハァ…

姫「私は勇者様には及ばないものの、多大な魔力とそれを駆使した殲滅魔法や儀式魔法を得意としています。 先日開かれた魔術大会に置いても優勝という実績を残すことが出来ました。 勇者様が私といくらかの交流があった事も踏まえ、私が勇者様の従者として十分な資格を持つと考え、こうして戦いの為の服まで用意してここまでやってきたという次第です」

男「……王女殿下が戦力として十二分な力を持つことも、私と懇意に接していただいたこともよく分かっています。 しかし、貴女様は国王と女王でいらっしゃる妃様との唯一の御子であらせられるはずです。 この王国の宝ともいうべき貴女を、そのような危険な場所へは「男様!!」ひ、ひゃい!?」

姫「……王女殿下やら、貴女様とは、一体誰なのですか? 男様は、私をそのように呼んだことは無いでしょう?」

男「い、いや、でもここは公式な場であって――ってうわ!?」グイッ

姫「ちゃんと、私の目を見て話してください。 男様は、私についてきて欲しく無いのですね?」ググイッ

男「う…だって、姫を危険な目に遭わせるわけには」

姫「……それは、私のことが役立たずだと、そう言うことなんですね?」

男「そ、そんなこと言って―――」

姫「――そう言っているではありませんか!! 私は、男様をお支えすると約束したはずです! それなのに、男様は私など要らぬ、邪魔だからおとなしく待っていろと言うのですか……!?」ジワッ

男「だから、そうは言っていないだろ!? さっきは建前であんなこと言ったけど、俺は姫が傷つくところを見たくないだけなんだ! 君が魔物に襲われるのを想像するだけで胸が潰れそうになるんだよ!!」ガシッ

姫「……やはり、男様はお優しいのですね」ポロ…

男「あ…!まさか俺に本音を言わせるためにわざとあんなことを?」

姫「はい…わざとだったとはいえ、お見苦しいところを見せてしまいました」ポロポロ

男「わ、わざとなのにどうしてそんなに泣いてるの……?」オロオロ

姫「申し訳ありません…男様の言葉が嬉しくて、止まらなくなってしまいました」ポロポロ

男「えぇ…!? ど、どうすれば良いんだよ……」

姫「……男様のお気持ちはよく分かりました。 でも、貴方が私を想ってくださる以上に、私も男様のことを心配しているのですよ? だから、私はのうのうと城に残って男様の帰りを待つことなど出来ないのです! 王女として――姫として、勇者様――男様と共に行く義務が、責任が、意志があるのですっ!!」

男「……分かったよ。 そこまで言われたら連れてくしか無いじゃんか……ほら、もう涙拭いてって」フキフキ

姫「ん……ありがとうございます、男様///」カァァ

魔法使い「……いやぁ、熱いねーお二人さん」ニヤニヤ

男・姫「「……へ?」」

全員「」ジーッorニヤニヤ

男「え、いや、こ、これは違くて!!」バッ

姫「そ、そうです!! 全然そんなのじゃないですから!!」ブンブン

魔法使い「えー、違うって何が違うのぉ?」ニヤニヤ

男・姫「「う……///」」モジモジ


国王「…ウォッホン! そういう訳で、勇者殿には三人の従者と共に魔王討伐に向かうことになる……思ったよりも長引いてしまったな。 勇者殿は、三日後の出発に向け、どうか体を休めて欲しい。 ―――では、これにて解散とする!」

42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/07/23(月) 22:26:24.81 ID:9OIW5jd80
思ったより進まないorz

今日は徹夜でゆったり書くんで見といてつかーさい
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/23(月) 22:52:52.78 ID:5wGxQK/IO
おつ
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/07/24(火) 00:29:33.71 ID:PLTH5KnTo
朝読ませてもらうよ。
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/24(火) 00:39:11.73 ID:LT+V7s7SO
内容的にこのスレ使いきっても良いくらいのものを一気はしょって何を言うwwwwww
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/07/24(火) 01:20:18.54 ID:qayhFJRM0
>>45
二か月間の描写期待してたならごめんよw

男(あーあ、結局押し切られちゃったな……出来れば城にいて欲しかったんだけど)

男(にしても姫は本当に凄いな……魔王に立ち向かったら死ぬと分かってるのに付いてくるなんて―――大体、俺や国民への罪滅ぼしとか、王族としての誇りみたいなものなんだろうけど)

男(謁見の間で俺に言ってくれた言葉も本当なんだろうけど……姫、そして国王も、自分の言葉が叶わないと分かってて、それを自分達しか知らないと思ってる……そんなの、不幸だ。 何も知らないまま嬲り殺されようとしている騎士さんや魔法使いも、自ら死地へと向かう姫も、それを止めることすら出来ない国王も、その事実を知らない国民も、みんなみんな不幸だ!)

男(だから俺は、認めない。 皆が不幸になる運命を、俺が捻じ曲げてやる! 絶対に誰も死なせたりはしない―――絶対にだ!)

男「どうせ死ぬなら、俺だけで良いんだよ―――なんてな」

47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/07/24(火) 01:57:15.71 ID:qayhFJRM0
軽く設定

イマレイト王国 地続きのデカい大陸の東半分のほとんどを占領してる国。この世界には大陸は一つだけ。 名前はimmolate(英 生贄として捧げる)から。

男 元高校生。 人好きのするルックスと性格でモテるが自覚なし。 自己犠牲が自分の美学。

姫 男と同い年くらい。 アングロサクソン系の超絶美人の母親似。 性格は某アニメキャラっぽくしてる。「私、気になります!」なんて言わない。

国王 40代の若き王。 妃に早く先立たれてしまい、姫が唯一の嫡子?となる。 しかし庶子も何人かいるため、姫以外にも王族と呼べる者はいる。

騎士 20代前半で嫁き遅れかけだが、本人は気にしてない。右の頬にひっかき傷のような二本の傷跡がありそれが愛嬌を醸し出しているのだが、コンプレックスになってしまっている。 男と同じくらいの身長。 ゲルマン系の金髪美人。

魔法使い 年齢は不明だが、14歳で宮廷魔術師に合格した天才。掴みどころが無い性格。 東欧系の黒髪美人。 掴みどころが無くて、ネタの引き出しをたくさん引っ張って来れそうw


魔界 人間以外の種族、つまり魔物が住む所は基本そう呼ばれる。 知性を持たず、高位の種族に操られている魔物がほとんどを占める。
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/24(火) 02:02:29.00 ID:H6PKbrfXo
召喚された歴代勇者たちが魔法や剣術の才能に本当に恵まれてたのか
それとも王様の建前なのか気になる
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/24(火) 08:15:31.57 ID:LT+V7s7SO
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/07/30(月) 23:05:59.94 ID:qqv3UOjqo
乙乙!
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/08/01(水) 21:37:27.10 ID:fxp07JfMo
続きはまだなん?
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/08/02(木) 20:26:00.46 ID:ZwIZOuC60
期間空けてしまい、申し訳ない…今から再開です
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/08/02(木) 21:15:29.63 ID:ZwIZOuC60

三日後、俺と三人の従者がひっそりと王城を出立した。

俺達が魔界に到達するまでは三人以外にも大勢の従者をつけようという国王の計らいがあったが、俺はそれを断った。
勇者の旅立ちを国民に印象付けようという魂胆であろうが、それだと俺にとって――いや、国王にとっても都合が悪くなる。

俺の提案した目立たないように行動するという方針に従い、俺達はそこらにもいるような地味な服装で移動を続け、人間領で最後の中規模都市へと足を運んだ。
そこは魔物侵攻に対する防衛線の中心でもあり、鎧に身を包んだ兵士がそこかしこに見受けられる。
俺達はその中で物資の補給に来る商人の為に用意されている宿の一室を借り、人間界最後の一夜を過ごすことにした。

それにしても、俺の護衛の為と言われて今までも三人と同じ部屋に泊まらされたのだが……逆に色々危なかった。
騎士さんの寝相とか、魔法使いのイタズラ的な意味で。

まあ、それも今までの頑張りに対するボーナスということで…ね?


〜夜・宿の一室〜

姫「……」ボー

男「…眠れないの?」

姫「あ…男様」

男「隣、座っても良いかな?」

姫「ええ、どうぞ」スス

男「ありがとう」ポスッ

男「それで、どうかした?」

姫「…月を、見ていました」

男「そっか。 今日は満月だもんね…この世界の月も、俺がいた世界と変わらず綺麗だ」

姫「……そう、ですか」

男「…はぁ」

姫「! ど、どうかされたのですか?」

男「だって姫、旅に出てからずっと元気無さそうだからさ。 何だか俺まで悲しくなってきちゃってさー…」

姫「そ、それは…すみません」シュン

男「あー、違うんだよ。 姫に文句が言いたかった訳じゃなくて、悩みがあるなら聞いてあげるよってこと。 騎士さんも魔法使いも寝てる今なら俺しか話は聞かれないし」

騎士・魔法使い「「……」」

男「もうこうしてゆっくり話を聞けることも無くなると思うし、俺はこれ以上落ち込んでる姫を見たくないんだ」

54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/08/02(木) 21:17:30.04 ID:ZwIZOuC60
どうでも良いけど、実家帰ってきたら(不明なソフトバンク)が消えてる

これって何なん?
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/08/02(木) 21:35:03.12 ID:3bP+RLAXo
詳しくないがプロバイダ変えたとか?
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/08/02(木) 22:01:24.64 ID:ZwIZOuC60
姫「お気遣い、ありがとうございます…男様はやはりお優しいのですね」ニコ

男「そんなことないよ。 俺はただ、姫にはそうやって笑っていて欲しいだけだから」

姫「男様……私、私はっ」ギュッ

姫「この不条理な世界が、たまらなく憎いのです…そしてその不条理に立ち向かうことさえままならず、男様までをも巻き込んでしまったことが、たまらなく悔しいのです……! 私のせいで、私の――――」

男「―――姫」ポン

姫「あ…」

男「姫は俺をこの世界に召喚したこと、後悔してる?」ナデ

姫「……はい」

男「そっか。 でも俺は召喚されて良かったと思ってるんだけどな」

姫「え?」

男「この世界で色んなものを見ることができて、色んな人にも出会うことが出来た―――騎士さんに魔法使い…そして何よりも、俺は姫に出会えて本当に嬉しかった」ニコ

姫「わた、し…?」

男「あはは、こういうのって面と向かって言うのはやっぱり照れるなぁ…でも言わなければいけないって、伝えたいって思ったことだから……俺は姫の為なら、この命だって賭けれるよ」

姫「男様ぁ…」ポロッ

男「え、ちょちょ、どうしてそこで泣くのさ!? そこは笑ってくれるところでしょ?」オロオロ

姫「だって、えぅ、嬉しすぎてぇ…」ポロポロ

男「ああもう、落ち着いて! ほら、顔こっちに向けて」フキフキ

姫「むぎゅ、んん……」

男「手間がかかるな全く…ふふ」フキフキ

姫「ごめんなふぁい…」
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/08/02(木) 22:04:35.53 ID:ZwIZOuC60
>>55
なるほど、納得

わざわざ返答してくださり、どもです
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/08/02(木) 22:30:58.26 ID:ZwIZOuC60
姫「もう大丈夫です、ありがとう」ニヘラ

男「良かった…姫が泣くと心臓に悪いよ」

姫「ごめんなさい……なんだか、私が小さい頃に戻ってしまったみたいです」

男「小さい頃?」

姫「はい。 私、昔はとても泣き虫だったんです。 その当時は私が泣く度にお母様があやしてくれていましたが…懐かしいです」クス

男「…そうなんだ」

姫「ええ…男様は本当に不思議な方です。 私の心を、こんなにも激しく動かしてしまう…でも、決して不快じゃない」ボソ

姫「私、男様となら何だって出来てしまいそうな気がしてきました」ニコ

男「あはは…何はともあれ、元気が出たみたいで本当によかった」

姫「はい! …絶対、魔王を倒しましょうね?」

男「もちろんさ――――でも」



男「貴女は、連れて行けないよ」

59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/02(木) 22:51:58.84 ID:1c14sccIO
>>57
間が空いた理由はそれか
乙、よくエタらなかった
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/08/02(木) 23:21:39.28 ID:ZwIZOuC60

姫「……どういう、ことですか?」

男「どうって、そのままの意味だけど」

姫「ここまで来て、私を置いていくと言うのですか!?」

男「姫だけじゃない、騎士さんも魔法使いも連れてはいかないよ」

姫「な、何を言っているのですか!?」

男「納得してくれないなら、言い換えるよ―――わざわざ生贄として死にに行くのは、俺だけで十分だ」

姫「っ!! まさか貴方は……うっ!!?」フラッ

男「やっと効いてきたみたいだな…やっぱり魔力が高いと”仮死毒”の回りも遅いみたいだ」

姫「…! では、騎士様も魔法使い様も…」フラフラ

男「うん、もうとっくに効きが回り終えてるよ」

姫「男様は…全てを、知っていたのですね」

男「まあね。 だからこそ二ヶ月も旅をしてたんだよ?」

姫「どう、して…そこま、で」

男「言ったでしょ、姫の為なら命も賭けられるって」

姫「おとこ、さま……」

男「…姫が従者に参加するって聞いた時、俺は泣きそうなほど悲しくて、嬉しかった。 魔王と対峙すれば死ぬと知っているのに自分から志願するなんて、どれほどの勇気と優しさが貴女の中にはあるのだろうと驚嘆したんだ……その気持ちは、もう十二分に伝わってるから」

姫「いや、いやぁ…」ジワ

男「お願いがあるんだ…姫が次に目覚めて、そしてどんな結果を聞いたとしても―――どうか、姫には笑っていて欲しい。 俺がどれだけ残酷なことを言ってるかは分かってる…でも、それだけで俺は報われるんだ」

姫「お、とこ、さま…」

男「それともう一つだけ…貴女には、王女として王国を背負っていく使命がある。 俺のことは忘れて、今を生きる国民のと共に、貴女も生きて欲しい。 その前に…少しだけ、おやすみ」

姫「お、と―――」トサ

男「…やっと、寝たか」

男「伝書術式、展開。 現在の位置情報を、国王の元に転送っと」

男「ふぅ。 やっと全ての準備が整ったな。 後は魔王に会いに行くだけか」

姫「……」

男「……姫」


チュ


男「眠り姫に目覚めのキスはもう出来ないけど、せめておやすみのキスくらいは…ね」


男「…さようなら、姫」


61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/08/03(金) 00:02:31.25 ID:s0FH1utd0
〜二週間前、国王の部屋〜

国王(勇者一行はもう行ったか……出立式すら拒否するとは、勇者殿は相変わらずよく分からぬ御仁であった)

国王(しかしいくら勇者殿が聡明であっても、魔王には歯も立たぬであろうな……本当に、本当に口惜しい)

国王(そして何よりも……姫)

国王(全てを知った姫の決断を、止める言葉も手段も私は持たなかった……何と不甲斐ないことだろう)

国王(娘一人死にゆくのを止められぬ、こんな愚かな私が人の上に立つ権利など無いっ!!)ギリ


国王「ん? 何だこれは…手紙?」カサ

国王「これは…勇者殿が私に? 話なら直接聞いたというのに……」
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/03(金) 00:04:52.74 ID:s0FH1utd0
眠いので今日はここまで

休みに入ったのですぐに続きも投稿します
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/08/03(金) 10:02:12.95 ID:s0FH1utd0
国王陛下殿


始めに、陛下に対しこのような形で大事な話をさせていただくことにお詫びを申し上げます。
しかし、この手紙で後述する理由があってのことなので、悪しからず。


この手記における要件――いえ、私の願いは一つのみです。

私の従者として選ばれた騎士殿、魔法使い殿、そして第一王女殿下の身柄を保護をお願いしたいのです。



国王「保護…? 一体どういうことだ?」ペラ



国王陛下から承った2か月間の猶予の中で、私は魔王討伐の為に様々な伝説や伝承に登場する秘宝を探し回り、その中である秘薬の製造法を入手しました。
その名を”仮死の霊薬”と言い、飲んだ者の生命活動を最小限までに抑え、半恒久的な眠りにつかせる劇薬です。

私は、今から何日か後――勇者一行の姿を知られることの無くなる場所まで来た時――彼女たちにその薬を飲ませるつもりです。
どこかの宿に一ヶ月ほど宿泊するよう手配を整えるので、正確な位置は追って連絡します。

解毒剤はこの手紙に同封されているので、それを口元に塗り付ければすぐに目を覚ますことでしょう。
部屋には特殊な結界も施し、彼女たちの身の安全は最大限保証します。
彼女たちや国民には勇者の存在を察知した魔王によって毒薬を盛られたことにしてしまえば、大体の説明にはなるはずです。

なお、三人を眠らせた後は私が責任を持って魔王討伐に向かうので、そちらの方もご安心ください。


国王「なッ…勇者殿は一人で魔王討伐に向かうつもりなのか!? どうしてそこまでして……?」
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/08/03(金) 11:36:18.93 ID:s0FH1utd0

要件は以上です…彼女たちのこと、どうかよろしくお願いします。


さて、ここからはただの-の戯言です。
失礼に当たる言葉を何度もここに記すこと、どうかご容赦ください。

まずは、第一王女――いえ、姫のことについて。
陛下はきっと、姫様の決断を止めることが出来なかったことを悔いて自分をお責めになっているのでしょう。

私の正直な気持ちを申し上げます。
陛下は、愚かです。

どんなことをしてでも、陛下は姫を止めるべきだった。
王家の誇りも贖罪の意識も、命あっての物種――例えどんな理由があっても、私は自分の娘を見殺しにすることには納得できません。
65 :  [sage]:2012/08/04(土) 23:05:40.29 ID:JIL5z1BgP
続きマダー?
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/08/17(金) 19:08:33.42 ID:3WWcZ3pL0
何が起きた・・・

見とるよ。
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/04(火) 16:30:28.36 ID:L7ou4OkIO
まだか
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/09/15(土) 09:20:08.88 ID:ucly8lODO
上げちゃうぞ
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/09/15(土) 14:43:05.04 ID:akF6i2SZo
>>68
本人忘れてるか投げてたら、何しても無駄だぞ
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/09/18(火) 17:21:33.58 ID:HhqNBJGJ0
書く気があるなら生存報告ぐらいは欲しいです・・・
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/23(日) 21:07:58.05 ID:QovOnpMIO
     ...| ̄ ̄ | < 続きはまだかね?
   /:::|  ___|       ∧∧    ∧∧
  /::::_|___|_    ( 。_。).  ( 。_。)
  ||:::::::( ・∀・)     /<▽>  /<▽>
  ||::/ <ヽ∞/>\   |::::::;;;;::/  |::::::;;;;::/
  ||::|   <ヽ/>.- |  |:と),__」   |:と),__」
_..||::|   o  o ...|_ξ|:::::::::|    .|::::::::|
\  \__(久)__/_\::::::|    |:::::::|
.||.i\        、__ノフ \|    |:::::::|
.||ヽ .i\ _ __ ____ __ _.\   |::::::|
.|| ゙ヽ i    ハ i ハ i ハ i ハ |  し'_つ
.||   ゙|i〜^~^〜^~^〜^~^〜
72 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2012/09/26(水) 16:05:30.04 ID:Rl6eMkJA0
完結を期待してここまで読んだのだが・・・

だがもう少し待とうか
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/10/03(水) 23:58:53.03 ID:2TtxLuoNo
えたったね、これは。
63.21 KB   
VIP Service SS速報VIP 専用ブラウザ 検索 Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)