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男「安価で異世界脱出ゲームをクリアする」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2012/07/26(木) 18:32:06.18 ID:bPlhJlV+0
以前VIPで書いたSSをリメイク
ちゃんと完結させますので どうぞよろしくお願いします

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1343295126
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寝こさん若返る @ 2024/05/11(土) 00:00:20.70 ID:FqiNtMfxo
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第五十九回.知ったことのない回26日17時 @ 2024/05/10(金) 09:18:01.97 ID:r6QKpuBn0
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ポケモンSS 安価とコンマで目指せポケモンマスター part13 @ 2024/05/09(木) 23:08:00.49 ID:0uP1dlMh0
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今際の際際で踊りましょう @ 2024/05/09(木) 22:47:24.61 ID:wmUrmXhL0
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誰かの体温と同じになりたかったんです @ 2024/05/09(木) 21:39:23.50 ID:3e68qZdU0
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A Day in the Life of Mika 1 @ 2024/05/09(木) 00:00:13.38 ID:/ef1g8CWO
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真神煉獄刹 @ 2024/05/08(水) 10:15:05.75 ID:3H4k6c/jo
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愛が一層メロウ @ 2024/05/08(水) 03:54:20.22 ID:g+5icL7To
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2012/07/26(木) 18:34:49.48 ID:bPlhJlV+0
男「……ふぅ、今日はここで探索終了だな」

呟いて、ポケットから何枚かのチケットを取り出す。

男「《質素な食事》が残り4枚、《安全な睡眠》が残り2枚、か」

《質素な食事》と書かれたチケットを一枚破ると、どういうわけか目の前にパンが2つと1杯の水が現れた。まるでゲームの中の魔法のように。

ただ、残念ながらこのチケットは、一度使ってしまうと消えてしまう。いわばアイテムのようなものなんだろう。

男「流石にパンは飽きてきたな……」もぐもぐ

男「チケットも残りわずか、か。次の探索で何枚か見つけないと」

――いや、違う。そうじゃないだろ。俺の目的は、“ここ”を出ることだ。
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2012/07/26(木) 18:41:16.60 ID:bPlhJlV+0

*   *   *



きっかけは純粋な好奇心からだった。


ある日俺が家に帰ると、差出人の名前が書かれていない封筒がポストに差さっていた。
真っ白な封筒に綺麗な赤い字でただ一言、ゲーム参加者の方々へ、と書かれている。

男「なんだこれ? いたずら?」

不審に思いながらも、俺はとりあえず中身を確認してみることにした。
誰か、大学の友達が悪ふざけで入れたのかもしれないと思ったのだ。
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2012/07/26(木) 18:53:09.22 ID:bPlhJlV+0

――結論からいうと、それは悪ふざけでも何でもなかった。
強いて言うならば、悪い夢への招待状か何かだったんだ。


《登録NO.164 参加ヲ確認シマシタ
コレヨリ 貴方ヲ 裏迷宮ヘト ゴ招待致シマス》


封筒の中に入っていた手紙には、ただそれだけが書かれていた。
……登録ナンバー? 裏迷宮? 何の話だ?

そう思った瞬間、後ろに人の気配を感じて振り返る。



???「おやすみなさい」


バチバチっという音。首の辺りに鈍い痛みが走り、視界が一瞬で白くなっていく。
薄れゆく意識の中、かろうじて視界の端に捕えたのは、茶色いウサギの仮面を被った人の姿だった。
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2012/07/26(木) 19:16:01.83 ID:bPlhJlV+0


*   *   *



あれから一体どのくらいの時間が経ったのだろう。
気が付いたときには、もうこの景色の中にいた。

辺り一面がコンクリート造りの、長い長いトンネル。
一瞬、地下鉄の線路上かと錯覚したが、すぐにそれはありえないと思い直した。
地下鉄トンネルにしては、いくらなんでも細すぎるからだ。

男「……どこなんだ? ここ」

ゆっくりと、調子を確かめるようにして立ち上がる。
よし、大丈夫だ。どこもおかしくない。
……おかしいのは、この状況だけ。

男「ん? あれ?」

違った。おかしいところは、まだあった。ポケットに入れていたはずの携帯がないのだ。
というか、それ以前に拉致されたときに背負っていた鞄もない。

服装だけが、あのときのままだった。

6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2012/07/26(木) 19:54:50.38 ID:bPlhJlV+0

男「……えっと、まずは落ち着こう」

深呼吸を何度かする。正直、叫びだしたいくらい今の状況がわからないが、ここで取り乱したら駄目だ。
考えよう。まず目的を決めないと。

男「目的、目的、目的……」

どうにかして助けを呼ぶ?
携帯もない。おまけに、俺は拉致られた身だ。下手に騒げばまずいことになる可能性もあるだろう。

ここがどこだか調べる?
闇雲に歩き回るのは危険かもしれない。体力を消耗したら、帰ることも出来なくなるかも。

ここでじっと救助を待つ?
うん、そうだ。それがいい。いくら夏休みとはいえ、一人暮らしとはいえ、あの家に誰もいなかったら誰かが警察に捜索願いを出してくれるかもしれない。
じっとしていれば危険なことは少ないだろうし、何より下手に消耗しなくて済む。うん、そうだ。それがいい。
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2012/07/26(木) 19:56:26.92 ID:bPlhJlV+0

男「違うだろ……」

駄目なんだ、そんなんじゃ。
わかってる。ここで待ってたって、状況は悪化するだけだって。



――自分の力で、ここから出よう。
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2012/07/26(木) 20:10:52.57 ID:bPlhJlV+0

*   *   *




俺が覚悟を決めてから、おそらく6日ほどが経過した。
なにぶん、時間を確認するものが無い上に日の光がまったく見えないと来てる。

時間がわからない、というのはなかなかにストレスが溜まることなど思い知った。
今では空腹のリズムを基準に時間を捉えている。まるで遭難者だ。


――そう、空腹。これが懸念事項だった。
食糧の類は一切持っていなかったし、おまけに飲み物もない。

最初の2日間ほどは本当に飲まず食わずで、正直死ぬかもしれないと思った。



だけど3日目。俺はそれを発見したのだ。
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2012/07/26(木) 20:19:29.29 ID:bPlhJlV+0

男「……なんだ、これ?」

色合いも何もない、気が遠くなるほど殺風景なトンネルの中にそれはあった。
RPGなんかではお馴染みの、でもここにあるには異質すぎるデザイン。

まさしくそれは“宝箱”だった。


無意識に開けようとする途中、ハッと気づいて手を止める。


男「待て、怪しすぎるだろ」

いかにも開けてくださいと言わんばかりの見た目だ。警戒もする。

男「中に何が入ってるかわからないんだぞ」


――でも、空腹は限界だった。
何でもいい。開けなければ、何も変わらないじゃないか。


男「口に入れられるものが入ってますように、口に入れられるものが入ってますように!」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2012/07/26(木) 20:32:30.61 ID:bPlhJlV+0

中に入っていたのは、奇妙な《チケット》だった。

タロットカードのような西洋風のイラストと、明朝体のフォントで書かれた文字。
紙の質はざらざらごわごわとした……羊皮紙? そんな感じの紙で出来た《チケット》が10枚。


《安全な睡眠》3枚
《質素な食事》6枚
《遊戯の案内》1枚


男「食事……? どういうことだ……?」

よく見ると箱の中にはもう一枚、これらのチケットとは別の紙が入っている。

11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2012/07/26(木) 20:52:23.45 ID:bPlhJlV+0


―――――――――――


●《裏迷宮》ノ遊ビ方


一、《チケット》ハ 破ッテ使ウ、但シ 一度使ッタ《チケット》ハ 効力ヲ 失ウ。
 
二、《チケット》ハ 宝箱カラ 入手出来ル、又、他ノ参加者カラ 奪ッテモ翌良イ。

三、ゲーム内デノ 死亡ハ ゲームオーバー ト 見ナス。



“《遊戯の案内》ヲ 破ッテ ゲームスタート”



―――――――――――
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2012/07/26(木) 21:04:20.12 ID:bPlhJlV+0

その紙を読み終えたとき、色々な感情が頭の中を回った。

ゲーム? どういうつもりだ? どうして俺が? 怒り。
他の参加者? 俺の他にも俺みたいな状況になってる奴がいるのか? 困惑。
死亡? どういうことだ? これから何が起きる? 不安。

ただ、それより何より俺の心に、そのときあったのは――




ゲームスタート、面白い。ワクワクする。興奮する。
やるしかないなら、やるしかないじゃないか。


俺は震える手で《遊戯の案内》と書かれた《チケット》を破った。


ゲームスタートだ。
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2012/07/26(木) 21:06:36.12 ID:bPlhJlV+0
【インターバル】

プロローグ終了。
これより安価開始です。

14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/07/26(木) 21:17:04.48 ID:ZLSA15S8o
チケットを使う安価スレっていうのは思い当たる節があるぞ

期待

15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2012/07/26(木) 21:24:47.64 ID:bPlhJlV+0

【探索 6日目】


男「よし、腹も膨れたことだし今日はもう明日に備えて寝よう」


言い聞かせるように呟いて、俺は《安全な睡眠》を使用した。
チケットを破ると、自身を中心に四畳半くらいの半透明な部屋が出来上がる。

“ガイド”によると、この空間にいる間は外からは完全に視認不可能となるそうだ。
一度だけそのことを実体験として経験しているから、間違いない。

それから、この部屋から出ていくと自動的に部屋は消滅する。
逆に言えば自分から出て行かない限りは、消えないということ。

なるほど、確かに《安全な睡眠》である。
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2012/07/26(木) 21:36:17.29 ID:bPlhJlV+0

食事と睡眠が確保されれば、思い切った探索が出来る。

俺は3日目から探索を開始して、追加の《チケット》を何枚かと、いくつかの情報を得た。
その過程で一度だけ、危うく死にかけたこともあった。

だが、それらの経験は全て、糧となっている自信がある。
間違いなく、俺は以前の俺よりもこのゲームの参加者(プレイヤー)としてレベルが上がっているのだ。

ここ数日で得た知識・経験と、《遊戯の案内》を破ったことで得た“ガイド”という謎の声。
これらを上手いこと使えればここからの脱出も、時間はかかるかもしれないが、出来るかもしれない。

そんな風にさえ思い始めていた。
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2012/07/26(木) 21:44:13.78 ID:bPlhJlV+0

【少女の声】


探索6日目の夜、驚くべきことが起きた。
なんと人の声がするのだ。他にもゲームの参加者がいることは知っていたが、遭遇するのは初めてだ。


???「一体どこなのよ! ここは!?」


声を聴く限り、外にいるのは幼い少女のようである。


男「……」


無理矢理目を覚ました後、息を殺して“部屋”の中から様子を窺う。
外からは見えない空間にいるとは言え、音が漏れないかどうかまでは知らないからだ。

少女「聞こえてるんでしょ!? あんたの目的は何!? パパのお金!?」

見たところ、暴れているのは中学3年生か高校1年生くらいの女の子のようだ。
長めの黒髪を振り乱して、あちこちを蹴ってまわっている。
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2012/07/26(木) 21:50:09.56 ID:bPlhJlV+0
ひらひらとした装飾が多めな淡い緑のワンピースは何となく高価そうだし、パパのお金とも言っていた。
もしかしたらどこか良いところのお嬢様なのかもしれない。


それからもう一つ、わかることがある。


少女「こんなことして、ただで済むと思ってるわけ? 言っておくけど、パパを怒らせたら命はないからね!」


きっとあの子もこの間の自分のように、“ここ”に来たばかりなのだということ。
なにもわからないから、不安で、大声を出したくなる。そうして逃げようとする。

でもそれじゃ駄目だ。あんまり大きな声を出すと、他の参加者や“アイツ”に見つかる恐れがある。
――どうしよう。声をかけるべきか、それともこのままもう少し様子を窺うべきか。


安価>>19
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/07/26(木) 21:51:00.79 ID:ocpyd0F1o
様子を見る
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/26(木) 21:51:10.33 ID:yKRx8w0SO
クソなげぇな…安価スレなら2か3から安価で進めろよチケット勝手に無駄遣いしてるし
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/26(木) 21:54:56.47 ID:tYj14uKso
何だSOか
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2012/07/26(木) 22:05:34.35 ID:bPlhJlV+0

【様子を見る】

いや、うかつな行動は危険だ。少し様子を見よう。


少女「ちょっと聞いてるの!?」

少女「誘拐なんかしたら、すぐにパパが探しにくるんだからね!」


少女はしばらく架空の誘拐犯を罵ると、さすがに疲れたのか辺りをキョロキョロと観察しはじめた。


男「何をしてるんだ?」


天井……いや斜め上を見てる。カメラでも探してるのかもしれない。
そうか、誰かに監視されてる可能性もあったのか。それは考えなかった。


と、そのとき。

カシャーン、カシャーンと鉄の響く音が聞こえてきた。
均等な間隔は、足音を思わせる。

間違いない、“アイツ”だ。


少女はこの音の正体を知らない。どうする?
助けるか、このまま足音をやり過ごすか?

ここにいれば“アイツ”に見つかることはない。 俺の身は守られるだろう。
だが、放っておけば少女は……


安価>>24
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/26(木) 22:08:19.85 ID:tYj14uKso
彼女がどうなるのか見届ける
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2012/07/26(木) 22:14:17.47 ID:LoIC1hhAO
突然現れて誰かが殺しにくる、逃げるぞと宣言する
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/26(木) 22:15:15.09 ID:tYj14uKso
一か八かで助けにいく
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2012/07/26(木) 22:40:33.98 ID:bPlhJlV+0

【逃げるよう忠告する】


そうだ、見殺しになんて出来るわけがない……。
思い切って部屋から外に出る。すると、周りの半透明の壁はすぐに消えた。

――もう逃げ道はないってことか。上等だ。


男「おい! そこの女! 今すぐ逃げろ! 殺されるぞ!」


俺はありったけの声を出して、少女を呼んだ。
声に気付くと少女は一瞬肩をびくつかせたが、すぐにこちらに真っ直ぐ向き直る。


少女「なによ、あんた誰? どっから現れたの? ……っていうか、逃げろって何?」

男「説明は後だ! いいからこっちに来い!」

少女「あたしの質問に答えて! あんたは一体何者!?」


こうしている間にも、不気味な足音は近づいてくる。
もしかしたら少女は興奮状態にあるせいで周りの音が聞こえていないのかもしれない。

どうする?
どうやって説得すればいい?


安価>>27
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/07/26(木) 22:47:22.74 ID:ZLSA15S8o
土下座
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2012/07/26(木) 23:06:09.16 ID:bPlhJlV+0
【土下座をして頼む】

駄目だ、上手い説得の言葉が見つからない……!
警戒心むき出しの彼女に、俺を一発で信頼させる方法……それは……

男「くっそ! この際だ、プライドなんか関係ねぇ!!」

思い切り、額を地面に擦り付けるくらい深く下げて、俺は少女に土下座した。


男「頼む!! 俺にはこんなことしか出来ない! でも、どうかお願いだ!」


男「俺を信じてくれ!!!」


見えないが、少女が躊躇ってるような気配がする。
いけるか? もう一押しか?

少女「!? ちょ、い、いきなり土下座って……! 意味わかんないし!」

少女「まぁでも、……わかった。そっちに行けばいいんでしょ!?」


男「よかった、ならすぐこっちに――」

少女「わかってるってば!」

29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2012/07/26(木) 23:09:45.45 ID:bPlhJlV+0

足音はまだ近づいてくる。ゆっくりだが、確実に。

少女と合流出来たはいいけど、この後どうすればいい?
残り一枚しかないけど《安全な睡眠》でやり過ごすか? それともこのまま逃げるか?

逃げるとなるとあの女の子の体力と、この先の道の不透明さに不安が残る。
かと言ってここで《チケット》を使うのも勿体無いかもしれない。そもそも、あれは二人で入っても機能するのか?

駄目だ、考えてても埒が明かない。
思い切って行動しなくては。


男「おい女、今から――」

向こうに逃げる? それとも隠れる?

安価>>30

30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/26(木) 23:11:17.46 ID:tYj14uKso
逃げる
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2012/07/26(木) 23:34:43.66 ID:bPlhJlV+0

【逃げることにした】


男「おい女、今から向こうに逃げるぞ」

男「質問は走りながらだ。一先ず距離を取る」

少女「わかった」

男「足と体力に自信は?」

少女「それなりに。こんな恰好じゃなきゃ、もっと動けるんだけど」

男「我慢しろ」

少女「わかってるよ」

最初はずいぶん警戒心が強いと思ったが、意外と素直だ。
スムーズに話が進んで、こっちとしてはありがたいけどな。

ある程度走ったからか、足音は大分遠ざかった。
ここまでずっと一本道だからまだ油断は出来ないが、そろそろスピードを下げてもいいかもしれない。

男「はぁ、はぁ、はぁ」

男「よし、少しスピード落とそう」

少女「ねぇ。さっきも聞いたけど、逃げるって何から?」

男「はぁ、はぁ、お前やっぱり、足音、聞えなかったのか?」

少女「足音? もしかして、あのガシャーン、ガシャーンって音?」

男「そうだよ、はぁ、聞こえてるんじゃねぇか」

少女「足音なの? あれ。工事か何かの音だと思った」

男「工事ぃ?」
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2012/07/26(木) 23:50:10.95 ID:bPlhJlV+0

少女「だんだん冷静に周りが見えてきたの」

男「本当かよ」

少女「あたし思うんだけど、ここって何かの地下施設じゃないかな」

男「……何だって?」

少女「だから、地下施設。コンクリートで舗装されてる所を見ると、きっとここは作業員用の通路か何か」

少女「でも監禁場所に今使われている場所を選ぶはずないから、そうすると何かの理由で閉鎖になった場所……」

男「おい」

少女「なによ」

男「説明するから、まずは俺の話を聞け」

少女「最初からそのつもりだったけど、あんたが答えてくれなかったんじゃない」

男「……悪かった。あのときはゆっくり説明する暇がなかったんだ」

少女「もし追われてるなら、今もそんな暇ないんじゃない?」

男「あぁ。だから簡潔に説明する」

33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/27(金) 17:35:20.57 ID:XnEbxJMjo
C
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/27(金) 22:06:55.67 ID:HtA3Rr2Ao
面白いけど遅いぜ!!
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/03(金) 01:43:40.57 ID:5tH3zIyKo
おーい
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