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P「拙者はぷろでゅーさでござる」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2012/07/29(日) 01:07:17.89 ID:rxNWLLFR0

小鳥「はぁ……」

 1人、ため息を吐きながら歩くのは音無小鳥。765プロの事務職員をしている女性である。

 彼女が働く会社、765プロはアイドル事務所でありトップアイドルを目指す少女達を多数抱えている。

多少それなりに有名になっている人も増えて、立ち上げたばかりと比べれば多少マシになっていた。

小鳥「はぁ……」

 しかし、それでもなおため息が増えるのはとても大きな問題を抱えていたからである。圧倒的な人員不足。多少なりに有名になったとは言え、まだまだひよっこの部類に入る。

 そんな彼女達には勿論、技術面でも精神面でもまだまだ足りないものが沢山ある。
  
 それらをコントロール、または補助してあげる職業――通称プロデューサーと呼ばれるものがあるのだが、それが足りない。

 765プロとて馬鹿ではなく、アイドルの数に合わせてプロデューサーの数も増やし、雇っていった。だが、その辛さ、その難しさに辞めてしまう者が多い。

 多いというかこれまで全部辞めている。

 今現在、正式なプロデューサーとして働くのは1人だけ。だが、彼女は有能なれども、その経験は浅く到底彼女1人で回せるものでもなかった。
 
 小鳥自身も会計から、書類整理に至る細部まで行なっているためにとてもそちらの方へは手が回らない。





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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/07/29(日) 01:07:55.74 ID:rxNWLLFR0




小鳥(ピヨヨ……今日も徹夜かしら)

 プロデューサー不足により、仕事も取れない。レッスンの日だけが日に日に増えていき、スケジュールボードは『レッスン』の文字のみ。

 だからと言って、暇なわけでもない。

 いや、アイドル達は暇なのだけれども。事務員に取ってはレッスン費用や、また仕事探し。やることは沢山ある。

 しかし、何故こうもすぐプロデューサーが辞めてしまうのか。

 765プロの社長が直々に面談を行なって、確かに『微妙な顔』をしていたこともあった。だが、『ティン』とキタ!と叫んだ人も居た。

 しかし、誰しもが1ヶ月足らずで辞めてしまう。

 理由は簡単であった。

 一言で言ってしまえば『雰囲気』である。

 最初に雇った人が2ヶ月程度で辞める。理由は『合わなかった』という。

 次に雇った人は1ヶ月近くで辞める。理由は『想像と違う』という。この時点ですでにアイドル達は不信感が抱く。

 そして最悪だったのが、その次に雇った人だ。たった2週間で辞めてしまった。
 
 念を押して面談をしたのも関わらず、最初見せたヤル気はたちまち果てて、挙句の果てには『プロデューサーってアイドルとイチャイチャできるもんかと思ってました』などと公言する。

 さて、するとどうだろう。アイドル達のプロデューサーという印象が極端に悪くなってしまい、その次に雇った人に辛く当たる。

 真面目で健全そうな良青年もその自信を無くし、さらに短い期間で辞めてしまった。

 そうしてできる負のスパイラル。プロデューサーがいない時にはアイドル達は笑顔を見せ、プロデューサーが来ると雰囲気が悪くなる。

 こうなってしまえば、手の付け所がない。

 彼女達に注意しようにも、すでに悪いレッテルがはられたプロデューサーの信用と信頼は早々簡単に取り戻せない。

小鳥「はぁ……困ったわ……」

 今日もため息を吐きながら歩き、この状況を打破できる策を考えようとするが結局それが思いつくことなく仕事場にたどり着くのだ。

 このままでは765プロは確実に崩れる。そんな危機的な状況で、彼女らはあの男と出会ったのだ。











3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/07/29(日) 01:08:46.52 ID:rxNWLLFR0

 
小鳥「……」

律子「……」

 事務所内が微妙な空気に支配される。
 
 唖然、驚愕、そして困惑。

 その対象はただ1人。

 目の前に背筋をピンと伸ばし座る、1人の『侍』であった。
 
小鳥「……」

律子「……」

 事務員とプロデューサー。この2人は会社員のためにアイドルより早く出勤している。2人が出勤した後、すぐに765プロの高木社長に呼び出された。

 『新しいプロデューサーを雇った』

 朗報と言えば朗報だ。人員が増えるのは良いことである。だが、『またか』という気持ちもあった。またすぐに辞めてしまうのか。正直すぐに入って辞められると対処が厳しい。

 だが、いざ会ってみれば良い意味でも、悪い意味でも色々なモノを裏切られた。

 まず、ちょんまげなのである。
 
 ちょんまげと言っても刈り取るちょんまげではなく、相撲が縫うちょんまげだ。そして、袴姿に腰には刀。

 時代劇の出ていても可笑しくない。無精髭を生やしているが顔立ちは整っているために、パッと見、時代劇を撮っている最中の俳優か何かか見える。実際そういった部類なのかと思った。

 しかし、開口一番男はこうしゃべる。

P「これはどうも、拙者この度この事務所で『ぷろでゅーさー』として働く事になったPと申すでござる。よろしくお願いたしまるする」

 ござる口調である。堅物である。しかもカタカナ語の発音がおかしい。

 唖然、驚愕、困惑。なんとか声を出しきり「よろしくお願いします」と言ったものの、わけがわからなかった。そして後に社長が入ってきて、今現在の状態に至るというわけで。
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/07/29(日) 01:10:07.61 ID:rxNWLLFR0



 より詳しい話を聞けば、彼はグンマー出身で社長の知り合いの親戚であるらしい。

 元々、世を知るために都会に引っ越す予定だった彼であるが、機械や何やらが疎く、心配になった彼の親戚は社長に頼み込み、どのみち人手不足で困っていた社長は了承し、今現在に至る。ということだ。

高木「彼にはこれからプロデューサーとして働いてもらう。先ほども言った通り彼は電子機器等が『多少』苦手だ。2人ともしっかりサポートしてくれ」

 文句の1つもでなかった。

 以前であれば、何かしら言葉を出していただろうが2人――特にプロデューサーである律子はもう漠然としたものしか捉えず、首を縦に振るだけである。

 寝付けが悪く、疲れていたのもあるかもしれないが、どうせすぐに辞めるのだから無駄に気力を使うのも馬鹿らしいと思えたのだ。今ようやく自分が担当するグループが乗ってきたのだ。

 自分に関係ないことで余分に力を使うわけにはいかない。

高木「では、P君。早速だが今日からバシバシ働いてもらうよ!」

P「承知。拙者は若輩者である故、雑巾の如く願いたもう!」

 小鳥と律子はただ一つため息を吐くだけであった。



5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/29(日) 01:10:35.33 ID:aY1KAMqjo
あっちを落としてやり直し?
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/07/29(日) 01:10:47.18 ID:rxNWLLFR0



P「と、言うわけで、今日からこの事務所で働く事になったPと申すでござる。P君でもP殿でもPちゃんでもなんでも呼んでくれて構わぬぞ!」

 その言葉に、張り詰めていた空気がさらにピンとなった。

 思わぬ冷たさにプロデューサーは何かまずい事をしてしまったのでないか、と冷や汗を掻いた。

やよい「よ、よろしくおねがいします!」

 空気が凍って30秒弱。突如小さな身体が踊り出た。ツンテールが特徴の子は手を大きく上げて高い声を上げた。その声に続き、渋々と、といった感じではあるがそれぞれ挨拶の言葉を口にした。

P「う、うむ!よろしく頼むでござるよ!」

 あぁ、この娘は良き娘でござるな。

高木「ふむ。それでは挨拶も終わったようだし、今日の予定を――」

千早「今日もレッスンですよね。社長」

高木「ふ、ふむ。で、では頑張ってくれたまえ!」

 あまりヤル気のない声が後に続く。

P(これは、相当難しい所に来てしまったでござるな……)

 少し、何かを漏らすようにため息を吐いた。




貴音「……」



7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/07/29(日) 01:11:50.81 ID:rxNWLLFR0


 その日からはかなり忙しい日々となった。

 これからやること、やらなければならいこと。仕事をやる時の注意点。

 プロデューサーとしての仕事は沢山あり、まさに目がまわる程である。それに加えて、周りを唖然とさせるほどPは電子機器がダメであった。

P「これはなんの箱でござるか?」

 とPCを指さして首を傾きはじめる始末。

 化石人間と言っても過言ではなく、PCによる情報整理、情報共有が基本的な現代社会においてそれらを知らずにプロデューサーの仕事をやろうとしたのだから、さすがの律子も呆れた様子。

 不慣れな事を続けたせいか少し疲れてしまった。生まれてからずっと自然の中で、詩を読んだり、鍛錬などをして暮らしてきたため電子機器なんて触ったこともないのだ。

 いきなりできる筈がないが、やらなければならないことでもある。

P「拙者の世界がいかに狭かったか身に染みてわかるでござる」

 一人ボヤいて席を立つ。あたりはすっかりと暗くなっていてアリドルたちは勿論、律子や小鳥なども居ない。Pだけが1人残り作業を続けていたのだ。いわゆる残業である。

 自分はPCなどの電子機器が全く使えない。その分仕事に支障が出てしまい、他の人に迷惑をかけていることを知っている。だから、少しでも追いつくためにこうして毎日残業しているのだ。
8 :>>5 そうでござる。すでに落としているでござる [sage]:2012/07/29(日) 01:12:40.47 ID:rxNWLLFR0


P「しかし、相変わらず『あいどる』達は素っ気ない態度でござるなー」

 彼の悩みの1つ。

 少し身体を解してため息を吐いた。

 彼なりに親しみを込めながら話しかけてみても、冷たい目をされる。勿論、そういった態度を取らないでくれる娘らも居る。高槻やよい、三浦あずさ、四条貴音の3人である。

 だが、三浦あずさは秋月律子が担当のため、実質10人弱のあいどるに無視されているのであるのだから、困った、の問題ではなくなってきている。

 それも自分が話しかけている時に限ってなのだから参ってしまう。

 入社早々嫌われるとは思って居なかったために、ため息ばかりが増える。

P「まぁ、そのうちなんとかなるでござるよ!」

 自分にそう言い聞かせてさてそろそろ帰るか、という所でピタリとPは動きを止めた。



9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/07/29(日) 01:13:15.79 ID:rxNWLLFR0

 
P「……」



 先程までの雰囲気を一切無くし、神経を切り詰める。

 ゆっくりと手元に刀を引き寄せた。その鞘をしっかりと握り周りをゆっくりと見渡す。


 ポーンポーン


 何か弾むような音が耳に微かに残る。

 そして、突如それは弾いた。


 ボッ!


 発火音を残響と共に残して何かが駆け抜ける。それを目視するまでもなく刀身を滑らせ、抜き払う。

 
 淡い青い色の光を残してはたしてそれは消えた。Pはそれを確認すると、刀を鞘に収めながらゆっくりと声に出す。

P「出てくるでござるよ」

貴音「お見事です。プロデューサー」

 そうして出てきたのは四条貴音であった。

 妖艶な笑みを浮かべて彼女は事務所へと入る。彼女が『常識から外れた者』であることは彼女の周りを動く狐火を見れば明らかなことであった。

10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/07/29(日) 01:14:53.96 ID:rxNWLLFR0
お久しぶりです。

とりあえず今日はここまで。



前回のスレでは皆さんに迷惑かけてもしわけない。ここからがんばるでござるよ。

誤字脱字、その他おかしいところについては脳内変換でオナシャス
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/29(日) 01:19:01.37 ID:aY1KAMqjo
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/07/29(日) 01:46:01.11 ID:Z+sMsWbI0

頑張れしえn
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/29(日) 01:58:02.73 ID:tT30sVlDO
期待

14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/29(日) 10:36:53.28 ID:vXnF0NREo
おつおつ
待ってたぜ
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/07/29(日) 12:07:27.51 ID:1h57bTW3o
スレ変わったと思ったら貴音が人外化してただと…
16 :>>1 [saga]:2012/07/29(日) 13:28:16.49 ID:rxNWLLFR0

貴音「その刀は模造刀だと聞きましたが、どうやら違ったようですね」

P「……」

貴音「そうあまり睨まないでください」

 その言葉にPは暫く四条貴音を探るように見ていたが、再度襲ってくるようなことはないと確信するとその全身の力を抜いた。

P「驚いたでござる。まさか四条殿がこちら側であったとは」

貴音「私も驚いております」

P「狐火……狐憑きでござるか?」

貴音「似ているようで、少し違います。ですが、殆ど同じだと考えて良いでしょう」

P「ふむ……しかし、まさか同僚がこんなにも近くに居るとは思いも知らなかったでござる。全く気配がなかった」

貴音「同僚、と言うのは少し語弊があります。私は代々伝わる術を少し継承しているだけ。戦う術は生憎持ちあわせていないのです」

P「……」

貴音「むしろ、現代の世に置いて魑魅魍魎の類を斬って捨てようなどと考えられるのは極少数です」

P「そうでござるか」

 Pは改めて四条貴音を見る。相変わらず狐火が周りを動いている。こちらが四条貴音の霊力を察知できなかったのも『狐に化かされた』からなのだろう。

P「……それで、四条殿は拙者に何の用でござろうか?」

貴音「……単刀直入に言って、手伝ってもらいたい事がございます」

 その言葉。勿論此方側の話だろう。

P「話を聞こう」

貴音「ありがとうございます。実は、秋月律子嬢の事なのです」
17 :>>1 [sage]:2012/07/29(日) 13:29:03.02 ID:rxNWLLFR0


―狐憑き―

狐憑き(きつねつき)は、キツネの霊に取り憑かれたと言われる人の精神の錯乱した状態である。

また、そのような精神状態にある人、そのような事が起こり得ると信じる信仰、迷信をもいう。

キツネが守護霊のように家系に伝わっている場合もあり、地方によっては管狐、オサキ、野狐、人狐が憑くことも狐憑きと呼ばれる




18 :>>1 [sage]:2012/07/29(日) 13:29:36.73 ID:rxNWLLFR0





「……ッ!……子!」

伊織「律子!」

 伊織の声に目が覚め、ハッとして周りを見渡す。伊織、亜美、あずささんが心配そうにこちらを見ていた。

律子「あ、あぁ……伊織。何かしら?」

伊織「何かしら?じゃ、ないわよ。もうすぐ時間よ」

 その言葉に私は慌てて時計を見る。予定していた時間を時計は示していた。いつの間にか寝ていたみたい。

律子「本当だわ……ごめんなさい。すぐに支度するから外で待ってて!」
 
亜美「律っちゃん大丈夫?最近眠れてないって言うし……なんだか顔色が悪いよ?」

あずさ「あまり無理はしない方が……」

律子「大丈夫よ、そんな大袈裟なもんじゃないわ」
 
 私は心配かけまいと、笑みを浮かべて声をだす。

律子「さぁ!今日も頑張りましょう!」


19 :>>1 [sage]:2012/07/29(日) 13:30:07.78 ID:rxNWLLFR0

 
 私はここ最近、満足に寝れていない。

 奇妙な夢を見るのよ。大した事でもなく、その夢を見ない日もあるけど、ここ最近はずっとだ。

 夢というのは大概奇妙な物であるけど、なんだかその夢だけは特別。
  
 たまに、夢を見ていると自分で自覚している夢がある。これは夢なんだと。客観的な第三者の立場から自分を見ているのだ。

 その夢はそういった類の夢で私は駅のホームに立っていて、周りは何もなく、薄暗くとても雰囲気の悪い所だった。

 最初この夢を見たときは、随分と感じの悪い夢だなーと思っていたわ。どうせ夢を見るのなら、もっと楽しいものが良いなんて、思ってたりもしていた。

 すると、突然アナウンスが入る。

「まもなく、電車が参ります。その電車に乗ると怖い目に会いますよー」

 なんとも巫山戯ているアナウンスね。私はなんだかとても不愉快になった。

 すると電車がやってきた。でも、その電車はお猿電車のようなもので、顔色の悪い数人の男女が座っていた。ますます私は変な気分になった。

 これに乗ると怖い目に会う。少し私は興味が湧いた。

 どうせ夢なんだから、と割りきって私はその電車に乗ってみることにした。座席は前から2番目くらい。

 本当に怖い目に会ったらすぐに覚めればいいわ。そう思って軽い気持ちで乗ってみた。
20 :>>1 [sage]:2012/07/29(日) 13:30:37.85 ID:rxNWLLFR0


「出発しまーす」

 相変わらず生気の無い声が響いてその電車は動き出した。なんだか生暖かい風が入り込んできて、これは本当に夢なのかしら?と思い始めた。

 駅のホームを出発してやがてすぐにトンネルに入った。暗くなっていた辺りがさらに暗黒に包まれ、温かい空気が一気に冷えた。

 不気味な電車に乗っているせいもあってか、鳥肌が立ち、私は一瞬身体が竦んだ。

 けど、すぐに明かりが灯されて紫色の電気がトンネル内を照らす。

 なによ、このくらいなら全然こわくないわ。

 ある意味度胸試しのような、好奇心のようなモノを持って乗っていた私はなんだか勝ち誇ったような気分を持った。けれどもいきなり鳴ったアナウンスにその気分はめちゃくちゃに砕かれた。

「次は活けづくりー。活けづくりです」

 活けつくり?魚のかしら……?そう考えていると、急に生々しい悲鳴が聞こえた。

 びっくりして後ろを見てみると一番後ろの席に乗った男が周りに集る小人に切り刻まれていた。まるで本当に魚の活けづくりのように。

 強烈な臭いと共に男は悲鳴を上げている。耳が痛くなるよな大きな声。臓器やらなんやらを引っ張りだされ、そして切り刻んでいた。

 やがてそれらが終わると男は居なくなり、赤い塊のようなものだけが残った。

 私は途端に怖くなった。その悲鳴、その映像。本当にこれは夢なのか。恐怖だけが私の身体を支配する。
 
「次は抉り出しー抉り出しー」

 そして上がる悲鳴。女性のモノだ。どうなっているのか、想像がついた。私は振り返らず、心のなかで覚めろ!と何度も叫んだ。

 そうして夢は覚める。
21 :>>1 [sage]:2012/07/29(日) 13:31:03.76 ID:rxNWLLFR0



 覚めれば、私の部屋の中に居て、びっしょりと汗をかく。禄に寝れていないことに気が付き、ため息を吐くのだ。

 でも、その夢は続いた。

 しかも、続きからのようで、私は電車に乗って居て一晩の度にアナウンスが聞こえて後ろの方から悲鳴が上がる。叩き潰し、切り落とし。どんどん私の席に近づいてくるのだ。

 私は夢を見るのが怖くなった。

 寝ない日もあった。

 けど、人間寝なければ生きてはいけない。仕事もある。

 日が重なり、気が付けば次の次が私の番だ。

 怖い。すごく怖い。

 夢だ。あれは夢だ。

 だけれども、本当に夢なのか、あれは現実なのかわからなくなって、気がどうにかなりそうだった。

 今日寝れば明日は自分だ。そう思った時、どうしようもないほどに全身が竦んだ。

 そんな時だ。

貴音「律子嬢。よければ相談に乗ります」

 貴音からそう聞かれ、私はすべて話した。貴音なら、この気持ち悪い話を笑わずに聞いてくれると思ったからだ。

 貴音はすべての話を聴き終わった時、1つ頷いて。

貴音「わかりました。なんとかしましょう。明日の夜。この事務所に来てください」

 私は思わず涙が出た。

 


22 :>>1 [sage]:2012/07/29(日) 13:32:03.67 ID:rxNWLLFR0

 その夜。言われた通りに事務所に来てみると貴音だけではなく、何故かプロデューサーが居た。相変わらずの侍姿だ。

律子「プロデューサー?どうして貴方も……」

貴音「私がお呼び致しました」

律子「貴音が?何のために」

貴音「律子嬢。申し訳ございません。この件は正直、私だけでは到底手に負えないのです。なので、プロデューサーに律子嬢の話をして協力してもらうように頼みました」

 貴音が申し訳なさそうに謝る。

律子「別に、あれがどうにかなるんだったら、何でもいいわよ……」

 疲れきった声が出た。色々私なりに試したのだ。医者に相談してみたり、睡眠薬を飲んでも結局変わらなかった。あと残された時間はもうない。

 藁にでもすがる思いで貴音に相談したのだ。これがどうにかなるのだったらなんでもいい。

P「秋月殿。拙者にもう一度、秋月殿の口から今の現状を説明してはくれまいか」

 すっと前へ出て、こちらを見つめるプロデューサー。知り合ってまだ1週間ちょっとだが、今まで見たことのない真剣な表情に私は思わずたじろいだ。

 すぐに私は話し始める。

 私の話が終わると、一つ頷いた。

P「四条殿の言う通りでござるな。間違いない。『猿夢』でござる」

律子「『猿夢』?」

P「質の悪い猿たちが人の夢を使って悪さをする事でござるよ。秋月殿の見た小人というのも猿でござろう」

 そういえば、そんな感じだった気がする。

P「これが現実を帯びた話ではなく、魑魅魍魎の世界であることは理解できるでござるか?」

律子「……えぇ」

 それくらい、さすがの私でも理解できた。あれが現実を帯びた、科学的証明されるなにかであれば逆に驚くくらいだ。

P「悪夢を見せる類は沢山あるけれど、質の悪い類であり極悪なものでござるよ」

P「そして、秋月殿が危惧されている通り、間違いなく次は秋月殿の番でその夢を見れば確実に死ぬでござる」

律子「……」

P「だが、そうは拙者がさせまいて」

律子「でも、どうやって……」

P「簡単でござる。秋月殿には眠ってもらって、拙者がその夢に入るのでござる」

律子「……は?」
 
 少し笑みを浮かべてプロデューサーは刀をポンポンと叩く。

P「拙者が悪いお猿さんを成敗致そう」



 
23 :>>1 [sage]:2012/07/29(日) 13:32:42.56 ID:rxNWLLFR0

 人の夢に入ることは中々難しい。

 本来なら、前もって色々準備をして怪しげな術式を唱えないといけないのだが、幸いにもそんな面倒くさい事を省略できる。

 四条貴音である。
 
 戦いができない代わりに様々な術を持つ彼女のお陰ですんなりと人の夢に潜り込むことができるのだ。

P「では、行こうか四条殿」

貴音「えぇ」

 静かな眠り息を上げる律子を見下ろしながら2人は蒼い火に包まれた。






24 :>>1 [sage]:2012/07/29(日) 13:34:54.17 ID:rxNWLLFR0

 あぁ……夢を見ている。

 もう見慣れたトンネルの中。紫色の光が辺りを照らし、肌寒い風が通る。

 もう、後ろには誰も居ない。

 目の前には席を1つ空けて運転手が乗っているだけ。

「次は挽肉〜挽肉〜」

 そうして鳴るアナウンス。気がつけば膝にちょこんと小人が乗っていた。

 間近に見る小人。人間を小さくしたようであるが顔は猿であった。にごり、と笑みを浮かべて手にもつのはナニかの機械。

 たぶんミンチにするモノだろうそれが激しい騒音を立ててゆっくりと私に迫った。

「い、いやぁあああああああああああああああ!」

 悲鳴を上げる。

 死ぬ!死ぬ!怖い!嫌だ!

 キッキッキッキッキ。

 騒音に他に笑い声が響く。

 その機械が私の身体に触れようとした。その時。

「拙者の同僚に触れるではない」

 そんな声が間近に聞こえた。



25 :>>1 [sage]:2012/07/29(日) 13:36:30.25 ID:rxNWLLFR0

 猿が串刺しになり、プロデューサーはそれを振り捨てる。機械が猿の手から離れて粉となって消えた。

P「秋月殿、大丈夫でござるか?」

律子「プ、プロデューサー……」

 泣きそうだった。怖かった。

律子「た、助けてくれるならもっと早くおねがいしますっ!」

P「済まぬ、ちと手こずってしまった」

 申し訳なさそうに笑みを浮かべるプロデューサー。

 でも、助かった。私は生きている。

律子「ありがとうございます……」

P「礼を言うのはすべて終わってからでござるよ。……四条殿!秋月殿を頼むでござる」

 プロデューサーの言葉に電車に降り立ち、私の手を貴音は掴んだ。見れば周りに火が動いていて。その火が私を温めて落ち着かせた。

貴音「……プロデューサー、お気をつけて」

P「任せるでござるよ」
26 :>>1 [sage]:2012/07/29(日) 13:36:57.31 ID:rxNWLLFR0

 ふわりと浮く私の身体。

 後方の座席へと移動して貴音は何やら唱える。

 広がる蒼い火。私達を包みまるで何かから守るように展開した。

 到底信じられない光景。

律子「た、貴音。貴方……」

 貴音に視線をやれば、彼女は妖艶な笑みを浮かべて小さく唇に人差し指を置く。だが、すぐにまっすぐと真剣な眼を前方に向けた。

 私も釣られて見る。

P「猿殿。消えたくなかったら、去ね。」

 高圧的なプロデューサーの態度。後方に避難している貴音と私がごくりと生唾を飲むほど迫力があった。

 キッキッキッキッキ
 
 だが、からかうような歯ぎしりの音が響く。小人の猿が宙に浮いて手足をばたつかせている。何かを伝えたいようだ。すると前方の運転手がくるりとこちらを向いた。

律子「うっ……!」

 途端に広がる腐臭。そして運転手の顔を見た時、私は思わず顔を歪めた。

 ぶくぶくと醜い顔。だらしなく舌は垂れ、むき出しの歯肉。鋭い歯は血に濡れ、笑っている。顔は腫れ上がっているがなんとかその原型が猿だということくらいはわかった。

律子「気持ち悪いっ……!」

 思わず声を漏らしてしまった。

 グハァー!ぐえぇえええええええええええ

 先ほどとは打って変わって低い音が響く。

 周りの猿どもが忙しなく動いて、さらには運転手が大きく上下にジャンプする。怒りに歯を震わせながらこちらを指さした。

 [ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー]!

 そんな言葉が響いた。

P「……どうやら怒らせてしまったようでござるな」

貴音「律子嬢……」

律子「わ、わたし!?し、仕方ないじゃないっ!本当に気持ち悪いんだもの……」

 
 ぐえええええええええええぇ!


 更に響く低音。強い風が吹き荒れる。

P「仕方ないでござる。まぁ元々そのつもりだったが……」

 やれやれ、と首を振り。持つ刀を一振り。それだけで風が止んだ。

 そして何も言わず構える。それだけですべて物語っていた。
 
27 :>>1 [sage]:2012/07/29(日) 13:38:03.47 ID:rxNWLLFR0


貴音「なんと……」

 貴音が驚愕の声を漏らす。私だって同じ気持ちだ。普段、あんな格好でござる口調で話していたプロデューサー。電子機器が全くダメで。その姿に苛立ちを覚えた事もある。

 だが、そんな彼のイメージが今吹き飛んだ。

 凶器を持つ猿が素早く動いて斬りかかるがそれらすべて一太刀で切り捨てた。ものの30秒もかかわらずに10匹いた猿はすべて消滅した。

 ギャェ!ギェェ!

 運転手の猿が叫び、そしてプロデューサーに飛びかかった。他の猿を相手にしていた丁度その時であるために、完全な不意打ちだ。

 危ない!

 私は思わず叫んだ。けれどもそれは杞憂のようだ。

 一閃。刀が勝手に動いたのではないかと錯覚するほど自然に止まらず正確に猿の胴体を切り捨てた。

P「……」

 胴体を切り捨て座席に身体半分だけが打ち付けられる。だが、まだ動いているようすで歯ぎしりを上げている。

 何も言わず、プロデューサーはそいつの首を撥ねた。

律子「……」

貴音「……」

P「……」

 しばらく、沈黙が支配した。

律子「お、おわった……んですか?」

P「うむ、これにて一安心。少なくとも律子殿が死ぬことではないでござる」

 よかった……。

 本当によかった。

 これで終わったんだ……。そう思った途端、目の前――正確には前方が光りはじめた。

 長い、長いトンネルの出口である。
28 :>>1 [sage]:2012/07/29(日) 13:38:30.45 ID:rxNWLLFR0

 猿夢は人の弱い所につけ込むものらしい。猿自体は弱く、大したことのない部類に入るということだった。

 夢の中であるために、覚めろ!となんども命じて心を強く持てば脱出できる。

 だが、心を強く持たずその恐怖心にやられてしまうか、もしくは猿に気に入られてしまうと抜けださせず、連れて行かれるのだという。私は後者らしい。

 ……斬られた人達はどうなったなんて、聞けなかった。

 あの電車に乗っていたのは間違いなく実在する人間なのだろうか。そうであるのならば――。

 私は身震いした。

 プロデューサーや貴音が居なければ私は今頃きっと死んでいたのだろう。

 私は再度お礼をした。貴音とプロデューサーはお互いに笑みを浮かべて一つ頷いた。

 何かお礼をさせてくださいと言えば、彼は笑って

P「いやいや、拙者は『ぷろでゅーさー』でござるからな。ただ同僚を助けただけでござる」

 それでは私の気が収まらないと声を出すとちょっと困ったような顔をしたがやがて

P「それでは、『ぴーしー』とはどうあるべきかをご教授頂きたい。それで良いだろうか」

 それくらいで良いのだろうか、と思ったが、彼は少し睨むようにPCを見ている。どうやらよっぽどあれを扱いたいらしい。少し可笑しく頬が緩む。

貴音「では、私はらぁめんを」

 貴音は相変わらずのようで。
 
 


 こうして、悩みの種がなくなり、その日以降はよく寝れるようになった。むしろ夢を見る前よりも気持ちよく寝れている気がする。

 私はどうやら、プロデューサーという人の見方を少し変えないといけないようだ。

29 :>>1 [sage]:2012/07/29(日) 13:40:43.91 ID:rxNWLLFR0

とりあえずここまででござる。



知り人ぞ知る「猿夢」をお借りしてアレンジしました。

こういった話を混ぜていくつもりです。

いくらか残酷的描写は抑えるつもりですが、苦手の方はがんばってください!


何かおかしいところがありましたら言ってください。

誤字、脱字、呼び名の間違いは各自脳内変換でオナシャス
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/07/29(日) 13:50:24.78 ID:+VBLN1+Ho

前スレと空気全然違うから目が点になった
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/07/29(日) 13:57:43.29 ID:rxNWLLFR0
>>30

なぜかティンと来たのでオカルト路線でかけあげましたww


時期が時期なのでこういうのもいいかなーと思います。

なにぶんオカルト類は初めて書くので雰囲気が安っぽい気がするでござるが
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/07/29(日) 14:02:50.55 ID:1h57bTW3o
saga入れるといい
おつおつ
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2012/07/29(日) 14:42:30.08 ID:dT5FvbXAO
ちょっとびっくりしたけど、面白い。
乙。
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/29(日) 14:55:55.36 ID:qEb/XmiYo
乙。こっちもいいけど
前のも読みたかった…
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/29(日) 15:01:06.71 ID:/WLQgXDDO
寺生まれのPさんだな
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2012/07/29(日) 15:18:22.13 ID:/JGF/Kfe0
乙です

やよいは純粋だなー
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2012/07/29(日) 16:16:12.15 ID:rxNWLLFR0
少し更新。

ちょっとした日常パートをはさみます。
38 :>>1 [saga]:2012/07/29(日) 16:16:40.12 ID:rxNWLLFR0

P「むむむ……」

 事務所の中、Pは一人唸り、手元の本をじっくりと観察していた。

 薄く、大きいその本はPの興味を十分にそそるものであったが、いざ覗いてみると考えさせられるようなものであった。

P「なんと……!うむ……!?しかし……!」

 彼にとってその本の内容は魑魅魍魎よりも摩訶不思議。なんと世が広いことか、彼の知らない世界がそこに広がっていた。

 これは、1人では解決できない。誰かにどうしてこうなっているのか尋ねなければ。

小鳥「おはよう御座いますー。あ、プロデューサーさんいつもお早い……ピヨ!?」

P「ん?お、おぉ音無殿!丁度良きところに。ところでこいつを見て欲しいでござる。こいつをどう思うでござるか?」

小鳥「すごく……BLです……じゃなくて!ピヨヨ!?なななななんでプロデューサーがそんなものを……!?」

P「ん?いや、今朝この事務所に置いてあったのでな。ちょいと見て見れば男同士が裸で抱き合っていたもので。いやー摩訶不思議でござる」

小鳥「それ、わた――ゴホン、だだだ誰のでしょうねぇ!?全く、事務所にこういう物を持ち込むのはどうかと思いますよ」

律子「……それ、小鳥さんのでしょう?」

 ヌッと律子が横から割って出た。

小鳥「ピ、ピヨ!?り、律子さん!?」

P「おぉ、律子殿。おはよう御座います」

律子「おはよう御座います」
39 :>>1 [sage]:2012/07/29(日) 16:17:23.67 ID:rxNWLLFR0


P「……ふむ、これは音無殿のモノか。いや、失礼した」

 ほい、とPは小鳥に渡す。

小鳥「い、イヤダなぁ!何を言ってるんですか。全然そんなんじゃ――」

律子「小鳥さん、そういうのいいですから……」

小鳥「……はい」

 がっくりと小鳥はうなだれ、そしてその本を受け取った。

P「しかし音無殿。何故男同士で生殖行為を行なっているのでござるか?」

律子「」

小鳥「」

P「むぅ……拙者にはよくわからんでござるが、男と男が生殖行為をしても〇〇は――」

律子「プ、プロデューサー殿!そう云うのはハッキリ言わないでください!えっちなのはいけないと思います!」

小鳥「ぴ、ぴよよぉ///」

P「?」

 拙者にはよくわからないでござる。
40 :>>1 [sage]:2012/07/29(日) 16:17:49.76 ID:rxNWLLFR0


貴音「おはよう御座います」

P「おはよう御座います、貴音殿」

貴音「……?あなた様。何故律子嬢と小鳥嬢が顔をうずめているのでしょうか?」

P「うむ、よくわからないがこの本の話をしていたのでござる」

貴音「な……///め、面妖な……!?」

P「む、貴音殿には少し刺激が強すぎたでござるかな?」

貴音「い、いえ///」

P「うむ、良き大人が裸の1つや2つくらいで狼狽えるなど、可笑しなことでござるからな!」

 で、とマジマジと本を広げて見せる。

P「し、しかし。拙者、このような色本を目にしたのは初めてでなどうも『びぃーえぇる』なるものらしいのだが何故男同士が生殖行為に育んでいるのかよくわからないのでござるよ」

貴音「……///」

P「貴音殿は何か知っているのでござるか?」

貴音「わ、わたくしは……その……何も……///」

P「うむーそうでござるか。音無殿。少しこの本を借りて良いでござるか?殿に聞いてくるでござるよ」

小鳥「やめて!私のライフはもう0よ!」

 なんとかPを止めて、『こういった人々も居る』という事で納得してもらった。 

 それ以降、小鳥がこういった物を事務所に持ち込むことはなくなったという。

 噂では小鳥の腐具合も低下したとの事である。
41 :>>1 [sage]:2012/07/29(日) 16:20:57.70 ID:rxNWLLFR0

日常パートA終了

ホラー回の後に日常パートを多少入れて行く形にします。

誤字脱字は(ry

たくさんのレスありがとうございます。

前と違ってビックリされた方も多いと思いますが。オカルト路線がメインとなり、日常パートはサブで行きたいと思います。

楽しんでいただけたら幸いですm(_ _)m
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/29(日) 16:23:20.19 ID:aY1KAMqjo
グンマーすげえな
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/07/29(日) 17:35:38.62 ID:6+COz2+00
これ、日常なの。
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/07/29(日) 17:35:57.44 ID:1h57bTW3o
あれ?ホラー回が大半なのか
45 :>>1 [sage]:2012/07/29(日) 17:46:46.84 ID:rxNWLLFR0
>>44 半々くらいにしようかなと思いますがあくまでメインはオカルト類です
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/07/29(日) 17:52:28.26 ID:1h57bTW3o
前スレでオカルトの気配が微塵もなかったから驚いたが面白そうだしいいか
47 :>>1 [sage]:2012/07/29(日) 20:48:35.89 ID:rxNWLLFR0
書こうと思ったのだが、なんだか手が動かないや。今日はここまでかな
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/29(日) 22:33:04.83 ID:qEb/XmiYo
>>1 前回のスレの雰囲気のまま新しいssを作ってもいいですか?
ちょんまげプリンを読んで、書きたくなったんですが。
もちろん、スレタイとかは変えますが…
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/29(日) 22:33:50.50 ID:qEb/XmiYo
>>48
前回のスレ ×
前回のss ○
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/29(日) 23:09:43.13 ID:1UjB0wVP0
乙ん
期待しちょるよ
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/07/29(日) 23:24:33.86 ID:1lqjDfN/o
オカルト大好き
期待する
52 :>>1 [saga]:2012/07/31(火) 00:24:23.41 ID:/bxL6AXE0
私は歌が大好きだった。

 子どもの頃に褒めてもらった歌。人前で歌うことに喜びを得て、それは私が大きくなっても変わらない、むしろ大きくさせる。

 もっと歌いたい。そう言った気持ちから私はアイドルになった。

 765プロの人達はとても良い人達で、社長や小鳥さん。そして同じ事務所の仲間。とっても幸せだった。

 でも、現実は厳しく、そしてとても難しい。

 どんなに前へ進もうとしても、逆風に押し返されてなかなか前へ進めない。
 
 原因はわかってる。プロデューサーの問題だった。

 最初は私も一緒に夢を目指す仲間として、私達を気遣ってくれる大切なパートナーとして尊敬していた。

 でも、裏切られた。

 『合わなかった』という理由で経った2ヶ月ちょっとで辞めてしまうプロデューサー。次も、その次も、辞めてしまう期間もどんどん短くなる。

 そして、彼の言った言葉。

『プロデューサーってもっとアイドルとイチャイチャできるもんかと思っていた』

 言葉が出なかった。よくもそんな事が言えるのかと、私は怒るというより失望した。

 気がつけばプロデューサーという人に対して不信感をいだいていた。

 ううん。私だけじゃない。皆もそう。でも、それは当然だと思う。新しい人が入る度に社長が謝る回数が増えていく。そしていつも私たちの予定表は真っ白。

 すぐに辞めてしまう人に、どう接していいかなんてわかるわけがない。

 皆で相談して、頑張ろうって。

 私達だけで頑張ろうって、そう決めたのに。

 そんな時にあの人がやってきた。
53 :>>1 [sage]:2012/07/31(火) 00:24:51.71 ID:/bxL6AXE0

P「ハッハッハハ、まさか音無殿がそんな趣味があったとは」

小鳥「もうプロデューサー!……わかりました、はいはい!その話はやめ!まったく、しつこいですよぅ」

律子「小鳥さんの自業自得じゃないですか」

貴音「もう少し自重して欲しいです」

小鳥「ピヨヨ……」

春香「……」
54 :>>1 [sage]:2012/07/31(火) 00:25:27.92 ID:/bxL6AXE0

 『また』新しく入ってきたプロデューサー。ちょっと変な人で――ううん、だいぶ変な人。時代劇に出てくる人みたいな喋り方をして、おもちゃの刀をぶら下げている。
 
 あのちょんまげはどうなっているんだろ?って気になったりもしたけど、それでも私たちは距離を取った。

 最初の方はよく律子さんに怒られて(どうやら電子機器が苦手みたい)あぁ、今回も駄目そうだな、って思った。

 でも、気が付けば1週間くらい経ってあんな風に笑っていた。あんな怒っていた律子さんも、あの貴音さんも混じって笑ってる。

 ちょっとだけ、羨ましいな、って思った。

 随分と楽しそうに笑うから、私も交ざってみたいと思った。でも、私は慌てて首を振る。

 これまで全部裏切られて、また今回もそうに決まってる。

 そう私は自分に言い聞かせた。
55 :>>1 [sage]:2012/07/31(火) 00:25:55.03 ID:/bxL6AXE0

 でも、日に日に時が経つにつれて、私の『羨ましいな』って気持ちは膨らんできた。

 プロデューサーが話しかけてもつーんとした態度をとるけど、私はどういったのは苦手みたい。

 昔から皆から元気だけが取り柄だって。言われてるけど、私自身こういった雰囲気は肌に合わないのだろうってわかってた。
 
『羨ましいな』

 そう思った時だ。急に足が重たくなるのを感じた。

 どんがらがっしゃーん!

春香「イテテテ……」

千早「ちょっと、春香大丈夫?」

 千早ちゃんが心配そうに声をかけてくれる。

春香「えへへ、大丈夫」

千早「急に何にもないところで転ぶから驚いたじゃない」

 あれれ、おかしいな。

 私は首をかしげた。

 よく天然だ、なんて言われるけど何もない所で転ぶなんて、今までなかった。

 少し疲れているのかな?

 新しいプロデューサーが来てから、対抗するわけじゃないけどレッスンをいっぱい頑張ってる。

 それで疲れて足がおぼつかなくなったのかもしれない。

P「む?なにやら大きな音がしたでござるが、大丈夫でござるかな?」

春香「あ、いえ――」

 思わず反射的に笑顔を浮かべながら大丈夫ですよ!なんて言おうとしていた。

 相手がプロデューサーであることを思い出し、慌てて口を紡いだ。手遅れな感じがあるけどそのままつーんとプロデューサーに背を向けた。

春香「大丈夫です、なんともありません」

P「……そうか、大事でなくてよかった。くれぐれも、気をつけるでござるよ」

 何か言いたそうではあったが、プロデューサーはそれだけ言うと自分の仕事へと戻っていった。

 ちょっと露骨すぎたかもしれない。反省、反省。

 私はちょっとため息を吐いた。
56 :>>1 [sage]:2012/07/31(火) 00:26:23.63 ID:/bxL6AXE0


 どんがらがっしゃーん!

響「春香ーまただぞー」
 
 どんがらがっしゃーん!

雪歩「春香ちゃん、大丈夫ですか?」

 どんがらがっしゃーん!

真「春香、すごいね。今日で6回目くらいだよ」
 
 …………。

 あれから、私は何もない所で転びまっくっていた。

 最初こそ皆に心配されていたけど、その回数が多くなるについで『またか』と思われるようになった。

春香「……おかしい」

 皆は「はいはい、またですか」なんて軽い口調で言うけど私は逆にどんどん怖くなっていた。

 ただ、これが無意識の中で転ぶだけなら、私だってちょっとした諦めのような物を持っていたかもしれない。

 でも、違うのだ。

 明らかな意思がそこにあって、そう、まるで誰かが私の足を掴んでいるような――

 


 コッチヘオイデ



 
 何か、聞こえた気がした。
57 :>>1 [sage]:2012/07/31(火) 00:27:04.06 ID:/bxL6AXE0


 慌てて振り返る。事務所帰りの時間、辺りはすっかり暗くなっていた。ここは人通りが決して少なくない場所であるのに、不思議と誰も居なかった。

 オイデ、オイデ、オイデ。

 耳に媚びりつくような声。女のようにも聞こえるし、子どもの声にも聞こえる。

 私は途端に辺りが急激に冷えるのを感じた。

 鳥派が立ち、怖くなって家への帰り道を急いで走る。

『どんがらがっしゃーん』

 何かに引っ張られて、転ぶ。

 私はそれでも振り返らずそのまま起き上がって走った。

 声はもうなかった。

 家へ帰った時、お母さんの「おかえり」って声に私は安心して、思わず泣いてしまった。

 ちょっと困ったようにしていたが、優しく撫でてくれた手は暖かいものだった。

 だいぶ落ち着いて、お風呂に入った時足元をみれば足首に強烈な手形が付いていた。

 その夜はお母さんと一緒に寝た。

58 :>>1 [sage]:2012/07/31(火) 00:28:25.65 ID:/bxL6AXE0


 怖い事が起こって、お仕事はどうしようかなって思ったけど、結局行くことにした。

 朝目が覚めれば手形は消えていたし、きっと何か気のせいだなんて自分に言い聞かせたのだ。

 でも、無理していたみたい。

 みんなから、顔を見るなり「大丈夫?」って聞かれた。適当にごまかしたけど、やっぱり昨日の事をまだ引きずっているらしい。

『どんがらがっしゃーん!』

 耳元で鳴り響く音。

 今日も転んだ。

 またやったのか、って皆は笑う。笑う。春香は相変わらずドジだなって、わざとじゃないの?って。笑う。

 違う、違うの。

 私じゃないの。

 
――コッチヘオイデ、オイデ、


 聞こえる声。

 私は気が付けば叫んでいた。

「いい加減にしてよ」

 自分でもびっくりするぐらい。まるで私の声じゃないみたい。

 周りはもっとびっくりしてた。

 もうわけがわかんなくなって、気が付けば私は事務所を飛び出していた。

59 :>>1 [sage]:2012/07/31(火) 00:28:56.16 ID:/bxL6AXE0


 公園。

 765プロから離れた公園で1人ベンチに座っていた。

 なんで此処に来たのかわからないが、なんとなくだった。

春香「……ははは」

 乾いた笑みを浮かべる。

 もうむちゃくちゃだった。

 なんでこうなったのだろうか。

 どんがらがっしゃーんって音も、こちらを呼ぶ声も、何がなんだかわかなかった。

「こっちへおいで」

 ほら、まただ。

 今度はハッキリと聞こえる。

 前を見る。

 地面から、ナニかが生えてる。手だ。すっと招き寄せている。

「こっちへおいで。ほら、おいで」

 やめて欲しかった。うるさいって叫びたい。

 気がつけば周りは人が居ない。昼間だというのに、燦々と輝く太陽すら冷たく感じる。

 呼んでいる。

 何か答えなきゃって思って声をだそうとしたとき、あの人は現れた。

P「天海殿、気を確かに」

 ポン、と肩を叩かれ、ハッとする。気がつけば音と暖かさが戻っていて、目の前には何も居なくなっていた。

春香「ぷ、プロデューサー?」

P「危なかったでござるな」

 何が?とは聞き返さない。私は驚いた目を向けた。

春香「……わかるん、ですか?」

P「うむ、少しだけ厄介でござるが。まぁ大丈夫でござるよ」

 なんだろう、大丈夫。その言葉に凄く安心する自分が居る。プロデューサーなんて、どれも最低な人だと思っているのに。

 気がつけば、涙を貯めて話していた。

春香「あ、あの。私。前から変で、何もないところですごく転んで。どんがらがっしゃーん!って音が――コッチヘオイデって!」

 私自身、何を言っているのかわからない。でも溢れて来る言葉は止められなかった。

P「天海殿」
 
 スッと伸びた手が私の両手を包んだ。いつの間にか震えていたらしい。

 温かい。大きな手。

P「拙者に任せるでござる」

 
60 :>>1 [sage]:2012/07/31(火) 00:29:23.56 ID:/bxL6AXE0


 夜の公園。そこに私は居た。プロデューサーもそこに居て、何故か貴音さんと律子さんも付いて来た。

春香「あ、あの……」

 呼ばれて、ここに来たが辺りはすっかり暗い。本当なら家に帰らないといけない時間帯だ。

P「――さて、天海殿は魑魅魍魎という類を信じるかな?」

 なにやら準備は整ったようだ。プロデューサーがこちらを向く。

 私は少し考えた後に頷いた。

P「よろしい。では、今回の件もその類であることは理解できるでござるか?」

 頷く。

P「ふむ、天海殿に付く魑魅魍魎の名を『招き手』という。地面から手が生えているように見えるのが特徴で、取り憑いた者を引き寄せる魑魅魍魎でござる」

春香「も、もしかして私をあちら側へ……」

P「いや、これに関しては、命の危機の可能性は引くい」

貴音「……悪霊の類ではないと?」

P「確かに不幸を呼び、多少なりにも被害が出るため悪霊の類ではあるが――猿夢と比べると可愛いものよ」

 なんだか、よくわからないけど。思ったよりも怖くないものってことなのかな?

P「だが、いくら小さなモノであろうが悪霊は悪霊でござる。悪化してその命を取り殺される可能性もある」

春香「……」ゴクリ

P「と、言うわけで悪霊退散でござるよ」

 そう言うとプロデューサーは口笛を吹いた。

 高い音色が一つ。

 そうした音が出ただけで周りは一変した。
 
 ビクリと、身震いした。

「オイデ、おいで」

 おいで、おいで、おいで。

 き、きた。

 目の前に手が一つ、こちらを招き寄せている。そして連続としてずっと呼び続けていた。

春香「ぷ、プロデューサー……」

 私はすっかり怖くなってしまって、プロデューサーの名前を呼んだ。プロデューサーは一つ頷いた。
 
 プロデューサーが前へ、その手へと歩み寄る。

 そして、その手前で止まる。

P「招き手よ、お主はこちらに居て良いものではない。わかるか」

「おいで、おいで」

 プロデューサーの問いかけに、答えているのかイマイチわからない。けれど、高圧的な感覚が蠢くのがわかった。

P「立ちされっ!招き手!お前はこの世からすでに外れておる!それがまだわからぬかっ!」

 ビクリと、空気が振動した。

 そして、あっさりとあっけなく招き手は消えてしまった。

 え?っと思えるくらい。呆気無く。

 悪霊退散というくらいだから呪文の一つでも唱えるのかな、と思っていたのに。

P「ふぅ、まぁ上々でござろう」

 プロデューサーの顔が笑顔になる。

61 :>>1 [sage]:2012/07/31(火) 00:30:43.90 ID:/bxL6AXE0



律子「なんか、呆気無いですね。てっきりこの前みたく刀でバッサリ切るのかと」

P「何でもかんでも斬れば良いものでござらぬよ、律子殿。あの刀で斬ればあの世やこの世から外れてしまう。余程質の悪い相手でなければ使わん」

 そう言って首を振る。

P「あれは悪霊の類であるが、まぁ迷い霊と同じものだ。なんで自分が世から外れたか、わからぬまま死んだ者、もしくは生きた他人を羨ましがる子どもみたいな霊よ」

P「だから一つ喝を入れてやればあの通りってわけでござる」

P「と、言うわけでもう心配することは無くなったでござるよ、天海殿」

春香「……ふぇええ〜」

 なんだか呆気無く、私の悩みは解決されたらしい。

 思わず力が抜けて座り込んでしまう。

 よかった。

 本当によかった。

 怖かった。

 思わず、涙が出た。

 プロデューサーはそんな私を優しく笑った。

62 :>>1 [sage]:2012/07/31(火) 00:39:40.30 ID:/bxL6AXE0

春香「プロデューサーさん、おはよう御座います!」

P「おぉ、天海殿。おはよう御座います」

 どうやら、あれから特に変わったことはなくあの手も見なくなったという。

 追い払う形はその追い払い方が上手くいかないと再度襲ってくる可能性もあるが、大丈夫であったようだ。

 P自身、そんな雑な追い払い方はしていないが、もしも、という可能性もある。

春香「あの、クッキーよかったらどうぞ」

P「む。菓子でござるか。かたじけない」

 あの招き手から天海春香は元気よく話しかけてくれるようになってくれた。嬉しい限りである。

春香「あ、あのプロデューサー。よければ私の事、は、春香って呼び捨ててください」

P「む?そうか、では遠慮なくそう呼ばせてもらおう」

春香「ありがとうございます!」

 元々が元気の良い娘であったために、前までの態度が逆に不自然に感じるほどである。Pは一つ距離を縮めた事に安堵した。
 
 自分はプロデューサーである。そのプロデューサーが担当する娘と不仲であると色々と問題が出てきてしまうからだ。
 
 ……まぁ、まだ何人か使用せれていないようであるが。

春香「プロデューサーさん!」

P「何んでござるか?」

春香「一緒にトップアイドル目指しましょうね!」

 Pは一つ、しっかりと頷いた。

 

 余談であるが、どうやら招き手の件以降、なにもない所で転ぶ癖がついてしまったらしい。


 どんがらがっしゃーん!


 今日もまた音が響く。
63 :>>1 [saga]:2012/07/31(火) 00:40:08.23 ID:/bxL6AXE0

今日はここまで!

ねむる!
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/07/31(火) 00:45:07.79 ID:DhTg0Wmeo
おやすみ!

乙!
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/31(火) 17:28:52.19 ID:QpgsEtEyo
スレタイから想像もできぬ面白さでござった。
>>1乙でございまする
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/31(火) 18:13:14.44 ID:HNcJTjQDO
スゲー雰囲気いいな なかなかいい魑魅魍魎っぷり
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/01(水) 22:00:42.95 ID:REVLcAlno
面白いなぁ
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/08/08(水) 13:53:26.20 ID:vsileY8Vo
はよう
69 :>>1 [saga]:2012/08/14(火) 00:41:20.63 ID:Wlvi1MiC0
ふぅ・・・・

可愛い女の子たちが出てきゃっきゃうふふなゲームをやっていたらいつの間にかこんな日に・・

今から書き上げまするー
70 : ◆55S27YffG2 [saga]:2012/08/14(火) 00:44:06.95 ID:Wlvi1MiC0
後、酉?っていうのをつけてみた。

明日あたりには更新できると思われれれ
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福井県) [sage]:2012/08/14(火) 00:46:01.39 ID:TemyBRJSo
ガンバレレレ
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/08/14(火) 02:49:40.31 ID:C5ahcph/o
俺もアイマス2やってたよ
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/08/14(火) 12:59:43.36 ID:EPBLFfADO
>>62 余談であるが、どうやら招き手の件以降、なにもない所で転ぶ癖がついてしまったらしい


解決してねぇwwwwww
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/16(木) 00:28:57.37 ID:RZ01NuUDO
そろそろかな?
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/16(木) 21:41:42.45 ID:J/RypTnDO
そろそろ来て欲しい
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/16(木) 22:59:58.92 ID:ThE3mGgXo
こないじゃないですかー!やだー!
77 : ◆55S27YffG2 [sage]:2012/08/18(土) 10:34:19.25 ID:WjaXvD0o0
書き溜め終了したのに、電源飛んでテキストファイルだから、すべてとんだ。



なきたい。
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/08/18(土) 10:54:30.05 ID:zTPxIrdFo
ないていい
ないていいんだ
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/08/18(土) 10:56:59.66 ID:ElCDXzxgo
これはひどい
80 : ◆55S27YffG2 [sage]:2012/08/18(土) 11:02:49.88 ID:WjaXvD0o0
うぉおおおおおおそれでも俺は書くぞジョジョオオオオオオオオ!
81 : ◆55S27YffG2 [sage]:2012/08/18(土) 16:08:30.55 ID:WjaXvD0o0
心が折れそうだ・・・・・

82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/08/18(土) 16:50:15.57 ID:GIcgEZ/qo
俺の胸で泣け
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/18(土) 17:55:16.03 ID:8YZBahGao
それでも書くしかない
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/18(土) 18:10:16.86 ID:qpRqLV5DO
逆に考えるんだ!

書き溜め以上のモノを書く、
チャンスが与えられたと!!
85 : ◆55S27YffG2 [sage]:2012/08/18(土) 19:41:01.33 ID:WjaXvD0o0
気がつけば、神様家族見返してたわ・・・・

すいません、いまから書きます
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/08/18(土) 20:12:53.29 ID:jss3AaB1o
ssの書きだめする人のテキストファイルはよく消える。
これマメな。
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/08/19(日) 01:49:30.64 ID:RFfCkkJEo
だから原稿用紙に書けと口を酸っぱくして教えたと言うのに
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/19(日) 10:43:36.82 ID:LOYJDU/+o
evernoteは消えないんだぜ
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/23(木) 00:48:22.29 ID:pHS1w5+DO
消えないでほすぃ…
>>1、頑張ってくれ
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/09/02(日) 20:11:14.33 ID:Vz4EdVMco
書きだめ消えたーとか嘘つかれるくらいなら飽きたって素直に言ってくれた方が諦めがつく。
つまりシネってことだ。
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/14(金) 12:33:29.57 ID:7lk/rsNDO
>>1です

飽きました
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2012/09/14(金) 21:05:43.43 ID:BoEgNl+g0
>>91

偽物は消えろ
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/19(水) 21:35:51.71 ID:CbinBRZDO
>>1見てるかな?
待ってます
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/24(月) 18:50:20.48 ID:Hao6YdHDO
そろそろ来ないかな

生存報告だけでも来ないかな
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/28(金) 18:39:03.71 ID:wB4cmQkDO
1です 生きています
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/09(火) 10:58:46.94 ID:ddjIC6QDO
1です

死にました
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