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あゆ「祐一くんが記憶喪失!?」 名雪「うん・・・」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/30(月) 12:41:18.37 ID:mnXqMe3o0
全員に奇跡が起きた。
秋子さんは事故にあったけど無事退院
栞の病気は治った
真琴はきつねだったけど人間の姿で戻ってきた
あゆは生きてた。けど体は小学生のままだ
舞も生きてた。ちびまいを自分に受け入れた
祐一は私市淳
佐祐理さんはまだ弟さんのこと、完全にはふっ切ってないけど心の支えがあるから大丈夫かな


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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/30(月) 12:42:15.75 ID:mnXqMe3o0

あーさー、あさだよー
祐一「んん・・・はいはい・・・・」

あさごはんたべて、わたし起こして、一緒に学校行くよ〜
祐一「・・・なんじゃそりゃ」

名雪のやつ、録音しなおしたのか?
機械に弱いとか言ってたくせに
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/30(月) 12:43:14.87 ID:mnXqMe3o0

祐一「ん〜、んじゃま、言われた通り起こしてやっか」

祐一は部屋から出、「なゆきのへや」と書かれた部屋まで行くと轟音が聞こえていた

祐一「あいかわらずよく寝れるもんだ」

あの目覚ましを使わないのだけはありがたいんだが
・・・って、何がありがたいんだ。そんなの当たり前だ。あんな恥ずかしいもの・・

って、いかんいかん、時間無い
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/30(月) 12:44:25.38 ID:mnXqMe3o0
祐一「うへぇ・・・」

部屋に入ると余計にうるさい。早く止めないと

名雪「うにゅ〜・・・・・く〜・・・・」

祐一「・・・」

こいつ、まだ寝てやがる・・・

いつもはここで起こす俺だが、なんかむしょーに腹が立ってきた。

祐一「・・・とうっ」
ズブッ
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/30(月) 12:45:04.55 ID:mnXqMe3o0
名雪「・・んんッ・・・・んぅ・・・・」

祐一「・・・おぉ」

おお、面白ぇ反応。

祐一「ほれほれ」
ぐりぐり

名雪「んにゅ・・・・うー・・・」

祐一「起きないなぁ」
ぐりぐり

名雪「んん〜。・・・・って、わっ。」

名雪が起きた。

名雪「祐一、なんてとこに指入れてるんだよ〜」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/30(月) 12:45:52.48 ID:mnXqMe3o0
祐一「お前が起きないからだ」

名雪「だからって・・・うー・・・・」

ガチャ
秋子「二人とも、朝からなにやってるの」

眉をハの字に曲げた秋子さんが部屋に入ってきた。なんかちょっと怒ってるような・・・

祐一「え、いや、名雪を起こしてただけですが」

名雪「でも、あんなとこに指入れる事ないよ」

7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/30(月) 12:46:37.14 ID:mnXqMe3o0

祐一「なんだよ。へそに指入れたくらいで」

秋子「え?」

ん?なんで秋子さんが困惑してるんだ?

祐一「どうしたんですか?」

秋子「・・・なんでもありません。」

秋子「朝ごはん、出来てますから早く下りてきてくださいね」

祐一「どうしたんだ?」

名雪「分かんない。ところで祐一、着替えるから出てってよ」

祐一「なんだよ、お前の裸くらい見飽き・・・」
ガンッ
名雪の目覚まし時計が頭に当たった

名雪「祐一のばか!」
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/30(月) 12:47:35.71 ID:mnXqMe3o0
祐一「わかったわかった」
名雪・・・俺には奇跡は起こせないけど

祐一「・・・ん?」
でも、名雪のそばにいる事は出来る

足元から・・・って、名雪が投げたやつ、『あの』目覚ましじゃねぇか!
しかも、衝撃で鳴ってるし・・・・

祐一「は、早く止めないと」
約束する。名雪が悲しいときには、俺がなぐさめてやる

名雪「そ、そうだね」

二人とも顔が真っ赤になりながら鳴り続ける目覚ましを止めた。

祐一「ってかこれ、お前証拠だとかなんとかいって、大切なものなんじゃないのかよ」

名雪「大丈夫だよ」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/30(月) 12:48:26.56 ID:mnXqMe3o0
祐一「何が大丈夫なんだ」

名雪「mp3にして、パソコンに保存してもらったもん」

祐一「今すぐ消せ!!」

祐一「っつーか誰にやってもらったんだ!」

名雪「香里だよ」

名雪はニコニコしながら答えた

祐一「・・・っ」

香里のやつ、なんかニヤニヤしてた日があったがこれか・・・
っつーかお前、それだけのために小遣い全部使ってパソコン買ったんじゃないだろうな・・・

10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/30(月) 12:49:07.94 ID:mnXqMe3o0
真琴「なぁーに朝からイチャついてんの」

真琴は帰ってきてから、うちに(秋子さんの家だけど)また居候している

祐一「イチャついてなんかない!」

真琴「遅いわね〜、真琴、さきに学校行ってるからね」

確かにもう真琴が制服着てやがる・・・

祐一「しっかしお前に似合わんなぁ」

真琴「なっ!なんてこと言うのよ!」

祐一「子供みたいなパンツ履いてるし、っつーかちゃんと着てないから見えてんぞ」

真琴「なっ・・!祐一の変態〜〜〜〜!!」

叫びながら階段を下りていく真琴

11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/30(月) 12:50:19.10 ID:mnXqMe3o0
名雪「祐一、もういいよ・・・」

いつまでも出ていく気配のない祐一に諦めたのか、名雪は着替え始めた。

祐一「だぁぁ〜っ、悪い悪い」

慌てて部屋の外に出る祐一

祐一「まさか本当に着替え始めるとは・・・」

祐一「っつか、そろそろ降りよう」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/30(月) 12:50:21.05 ID:MT61AKAEo
なにこのなつかしさ
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/30(月) 12:50:57.11 ID:mnXqMe3o0
秋子「おはようございます、祐一さん」

祐一「おはようございます秋子さん」

名雪「おはようございまふぁ〜」

名雪も降りてきた。って、着替えんの早いな・・・

祐一「お前髪はねまくってるぞ」

名雪「だって祐一と朝ごはん一緒に食べたかったんだもん」

祐一「・・・それくら待ってやるから。綺麗な髪なんだから大事にしないと」

名雪「祐一・・・」

秋子「・・・」

真琴「アホらし・・・学校行こっと」

な、なんか今日は朝から変な雰囲気になるなぁ・・・
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/30(月) 12:51:26.17 ID:mnXqMe3o0
秋子「祐一さん、朝ごはん食べますよね?」

祐一「は、はい」

な、なんか顔は笑ってるけど眼は笑ってないぞ、秋子さん・・・

秋子「はい、どうぞ。ところで祐一さん」

祐一「は、はい・・」

秋子「朝から名雪に何をしてたんですか?」

秋子「あと真琴もいじめてたみたいですけど」

祐一「いや、その・・・あはは」

秋子「罰としてこのジャム、食べてくださいね」

祐一「ゲッ・・・」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/30(月) 12:52:06.09 ID:mnXqMe3o0
真琴「あ、秋子さん・・・そんなキツい罰じゃなくても〜・・・」

名雪「そうだよお母さん、祐一が死んじゃう・・」

秋子「真琴と名雪も食べなさい」

名雪「えぇっ!?」

真琴「そんな、真琴もう朝ごはん食べたのに・・・」

祐一「・・・」

き、今日は朝から大変だなぁ・・・
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/30(月) 12:52:59.67 ID:mnXqMe3o0
三人とも一口も口をつけていない。そりゃそうだ。
ここにいる三人はあのジャムの味を知っている・・・
しかも何故か大盛りだ・・・

祐一「・・・」

名雪「・・・」

真琴「あぅ・・・・」

秋子「・・・」ニコニコ

しかし、これじゃあ学校に遅刻しちまう。
待ってくれてた真琴にも悪いし・・・元はと言えば俺のせいなんだ・・・よし

祐一「あ、秋子さん、俺、食べますっ!」

俺はそう叫ぶと、困り顔の二人の前のトーストを奪い取り、自分の分と重ねて一気に口の中へッ・・・!!
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/30(月) 12:54:13.73 ID:mnXqMe3o0
てれってれってれってれってれってれってれっ
てれれれんてれんてれんてれんててんてんてん♪

パクッ

名雪「あっ・・・」

真琴「あう〜・・・」

祐一「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

秋子「あらあら」ニコニコ


ピンポンパンポーン『しばらくおまちください』

祐一「」
ドサッ

名雪「あぁっ!? 祐一っ!?」

真琴「あぅ〜・・・祐一・・・」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/30(月) 12:54:57.77 ID:mnXqMe3o0
夢、夢を見ている…。

毎日見ている終わりのない夢。

黄色いジャム、黄色く染まった世界、夕焼け空を覆うように、小さな子供が泣いていた。

せめて、流れる涙をぬぐいたかった。

だけど、手は動かなくて、頬を伝う涙は、ジャムに吸い込まれて、見ていることしかできなくて、

悔しくて、悲しくて、大丈夫だから、だからなかないで、約束だから

…それは誰の言葉だったろう…夢は別の色に染まっていく。

うんっ、約…束…だよ
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/30(月) 12:58:12.26 ID:mnXqMe3o0
今日は以上です
また次回
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2012/07/30(月) 13:09:41.59 ID:ygWN88jho

kanonとはまた懐かしいものを
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/30(月) 18:04:49.75 ID:EIRw+Vc3o
なんで祐一だけ私市淳なんだ
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/07/30(月) 18:25:18.24 ID:5YC7zkqR0
水瀬さんちのイメージで読めってことじゃねぇの?
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/30(月) 18:45:51.15 ID:EIRw+Vc3o
>>22
すまぬ。>>1にある紹介文句についてなの。
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/07/30(月) 20:29:25.90 ID:4xsLNIIGo

Kanonとか懐かしすぐる
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/30(月) 20:40:40.56 ID:iVMytsYZo
夏にAirじゃなくkanonとはやってくれるぜ
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/30(月) 21:15:00.12 ID:qHHHXSe5o
懐かしすぎて涙が
続き期待
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/07/30(月) 21:53:46.49 ID:3rm6gx2o0
期待
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/30(月) 23:24:10.05 ID:XwdSVftbo
懐かしすぎて泣けてきた


インフォシークのあれでお気にサイトが消滅したんだよな…
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/30(月) 23:31:44.53 ID:6msPO+RNo
うぐぅ
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/07/31(火) 00:49:13.50 ID:QR6l3EIh0
ナツカシス
期待するぜ
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/31(火) 14:00:18.50 ID:BHJh+f+b0
短いですが投下していきます
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/31(火) 14:01:47.87 ID:BHJh+f+b0
祐一「・・・・・ん・・・・・・」

なんだ・・・すっげぇ頭が痛い・・・・・・・
あれ・・・・ここはどこだ・・・・・?

祐一「痛っ・・・・・」
うぅ、頭痛ぇ・・・・・・・・・

秋子「駄目ですよ、まだ寝ていないと」

祐一「え?・・・・あ、はい」

誰だ・・・この人・・・

秋子「祐一さん、突然倒れたんですよ」

秋子「顔色も悪いですし、まだ寝てないと駄目ですよ」

祐一?祐一って誰だ
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/31(火) 14:02:50.36 ID:BHJh+f+b0
秋子「祐一さんが倒れて、名雪が『学校休むんだお!』と言ってまして、連れていくのが大変でした」

秋子「今日はゆっくり休んで、明日からまた学校行けるようにしてくださいね」

祐一「あ、はい」

その後もこのお姉さんはいろいろと俺に話しかけてくれたが、俺は生返事を返すことしかできなかった。
ここはどこなんだ?そしてこの人は誰なんだ?俺の事は知ってるんだよな

秋子「では、私は買い物に行って来ますので」

秋子「祐一さん、何か必要なものありますか?」

祐一「いえ・・・」

秋子「では、行ってきますね」

そういうとこのお姉さんは出て行った
結局このお姉さんの名前も分からないままだ・・

祐一「やっぱ見たことない場所だよなぁ」

・・・・とりあえず、今は寝るとしよう
そう考え、目を閉じるとすぐ眠りにつく事が出来た
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/31(火) 14:03:20.96 ID:BHJh+f+b0
次に目を覚ますと、もう夕方だった
俺は部屋から出ると、あのお姉さんを探すことにした

祐一「やっぱりこれって、俺が記憶無くなったってことか」

祐一「・・・」

祐一「記憶が無い事、言おう」

祐一「あのお姉さんなら頼りになりそうだし」

少し広い家だったので少々迷ったが夕食の準備をしているお姉さんを見つける事が出来た

秋子「祐一さん、もう起きて大丈夫なんですか?」

祐一「あ、はい・・・そのことなんですが」

俺はこのお姉さんに自分が記憶喪失だという事を伝えた
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/31(火) 14:04:31.06 ID:BHJh+f+b0
お姉さんは驚愕した様子だった。「困ったわね」と頬に手を当て何かを考えてる様子だった

祐一「すいません、とりあえずお姉さんの名前を教えてもらってよろしいですか」

秋子「お姉さっ・・・?」

秋子「・・・えぇ。私は秋子、水瀬秋子と言います」

秋子さんの話によると、この人はなんと俺の叔母らしい。そうは見えないんだが

祐一「秋子さん、俺はここに住んでるんですか」

秋子「はい、そうです」

その後もいろいろと質問をしてみた
俺の名前は相沢祐一、高三、叔母である秋子さんの家に居候しているらしい
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/31(火) 14:06:22.96 ID:BHJh+f+b0
って言うか、記憶喪失だってこと、言って一時も疑わなかったな
非現実的な事なのに。よほど人がいいのであろうか

秋子「あの」

祐一「はい?」

秋子「二人きりの時は・・・その」

祐一「はい」

秋子「祐一さんは私を秋子、と呼び捨てにしていたのですが」

秋子「それと、敬語ではなく普通に喋っていました」

祐一「え、そうなんですか」

秋子「はい」

秋子「だって私たち・・・恋人同士ですもの」

・・・・・なんですと?
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/31(火) 14:10:08.51 ID:BHJh+f+b0
祐一「え、え、い、今なんと」

秋子「もう。何度も言わせないでください。私たち、恋人同士なんですよ」

祐一「え、え、いや、ご、ご主人は」

秋子「もう15年前に死にました」

祐一「あ、そ、そうなんですか・・・すみません」

って事は・・・・・未亡人ってことか
未亡人と恋人同士なのか、俺は!
・・・・どこのめぞん一刻だよ

・・・ん?

祐一「二人きり、と言う事はここには他に誰か住んでいるのですか?」
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/31(火) 14:10:59.09 ID:BHJh+f+b0
秋子「えぇ、私の娘の、祐一さんにとっては従兄妹の名雪が住んでいます」

秋子「それと、・・・・・・・親戚の女の子、真琴が居ます」

うへぇ・・・・ってことはなんだ
俺は従兄妹と同居しながら、その母親と恋人同士ってことなのか
何だ俺。気持ち悪すぎるぞ・・・・

秋子「どうしたんですか?」

祐一「いえ、別の意味で頭痛がしてきたようで・・・・」

秋子「大丈夫ですか?」

そういうと秋子さんは俺と額を合わせた
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/31(火) 14:11:54.27 ID:BHJh+f+b0
祐一「あ、秋子さんっ」

秋子「秋子、です」

祐一「ええ、いや、その」

思わず後ずさる俺
そして距離を詰める秋子さん

祐一(なんだこれ)

自分の中で危険信号が鳴っているのを感じ取った俺は秋子さんの肩に手を置き、距離を取った

ガチャ
名雪「ただいま〜〜、祐一〜〜〜〜〜っ!!」

真琴「祐一、大丈夫なの!?」
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/31(火) 14:12:52.82 ID:BHJh+f+b0
名雪「・・・何してるの」

あ、秋子さんの肩に手を置いたままだった

祐一「いや、これはその」

名雪「祐一・・・・」

女の子がジト眼で睨んでる
この子が・・・・真琴ちゃんか?

祐一「お、落ち着け、えっと・・・・」

祐一「ま、真琴、ちゃん?」

名雪「え?」

真琴「なによう?」
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/31(火) 14:14:44.25 ID:BHJh+f+b0
名雪「今、わたしを見て真琴の事呼んだよね?」

うっ・・・・
まぁ、隠し通せるわけがないか

俺は自分の記憶が無い事を伝えた
秋子さんに手伝ってもらいながら
伝えていくにつれ、二人から表情が消えうせていくのが感じられた

名雪「嘘・・・・・だよね」

真琴「あう〜・・・・」

祐一「・・・・・すまん」

名雪「そんな・・・・」

名雪「そんなのって、無いよ・・・・」

真琴「名雪っ」

名雪と呼ばれた子は両目に涙を溜めながら二階へ上がって行った
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/31(火) 14:15:36.07 ID:BHJh+f+b0
真琴「あう〜・・・・」

真琴「ゆ、祐一は真琴の事忘れちゃったの?」

祐一「あぁ・・・すまん」

この子は真琴と言うのか

真琴「そんな・・・真琴が毎日祐一に悪戯してたから、真琴に罰が当たったのかな」

真琴「ねぇ、覚えてないの、祐一」

真琴は自分との思い出を一生懸命俺に話してくれた
きつねがどうとかいう話はよく分からなかったが、毎晩俺にいたずらしたりもみあげ切られたり翌日提出のノートを切られたり、部屋に花火を投げ込まれたりしてたらしい

だが、どの話についても俺は覚えていなかった

つか、なんでそんな仕打ちを受けていたんだ、俺は
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/31(火) 14:16:38.01 ID:BHJh+f+b0
真琴「あぅ〜・・・・そんなぁ・・・」

真琴はとてもしょんぼりとしていた
そんな真琴を見ていると凄く悪い事をしたような気分になってしまった

祐一「ごめんな」
なでなで

真琴「あう〜・・・」
ぎゅっ

そんな真琴をなでてやると、拒まれる事もなく真琴は俺に体を預けてきた

真琴「祐一、ほんとに忘れちゃったんだね」
ぎゅー

祐一「あぁ、すまん」
なでなで

真琴「真琴と一緒にお風呂に入った事も忘れたの」

祐一「え」
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/31(火) 14:17:23.83 ID:BHJh+f+b0
と、年頃の女の子と俺は一緒に風呂に入ったのか!?
祐一「そそれは温泉に行ってって事」

真琴「違うわよ、この家のお風呂よ・・」

真琴「真琴がお風呂入ってたときに、祐一が後から入ってきたのよ・・・」

何だと!?この家で!?
俺は秋子さんと恋人同士でありながら、違う女の子と一緒にお風呂に入ったと・・・

それはつまり・・・・真琴とも付き合っているということか!?
しかも同じ屋根の下で・・・

祐一「さ、最低だ・・・・・」

真琴「祐一、もっと撫でなさいよ・・・」
ぎゅー

祐一「・・・・・」
なでなで

秋子「祐一さん?」ゴゴゴゴ
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/31(火) 14:18:06.89 ID:BHJh+f+b0
祐一「あ、秋子さんっ」

秋子「真琴。もうすぐ夕食だから着替えていらっしゃい」

真琴「う、うん」

真琴「またあとでね、祐一」

祐一「おう」

そういうと真琴は出て行った・・・振り向くのがなんか怖い

秋子「祐一さん」

祐一「はい」

秋子「名雪を呼んできてもらえますか?部屋は二階ですので」

なゆきって、さっきの子か
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/31(火) 14:18:35.31 ID:BHJh+f+b0
『なゆきのへや』ってプレートがあるぞ、ここか

コンコン
祐一「あー、その、名雪ちゃん」

祐一「秋子さんがご飯出来たって」

名雪「・・・・・・・・・・・・」

祐一「名雪ちゃん?」

名雪「・・・・・・・・いらない」

祐一「ん?」

名雪「いらないって言って」

祐一「・・・・・・ああ」

俺が原因なんだろうな・・・
秋子さんに食欲ないみたいですって伝えとこう
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/31(火) 14:19:13.35 ID:BHJh+f+b0
一回に降りると既に夕食の準備が出来ていた

真琴「遅いわよ、祐一」

真琴「あれ、名雪は?」

祐一「あぁ、名雪ちゃん、食欲ないってさ」

秋子「そうですか・・・・」

暗い雰囲気が漂う食卓
祐一「た、食べましょう、夕食」

真琴「そ、そうね」

祐一「うっわー、美味しそうだなぁ」

祐一「俺、毎日こんな美味しそうなもの食べてたんですか」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/31(火) 14:20:54.53 ID:BHJh+f+b0
秋子「そうですよ」

秋子「私の料理を食べたら何か思い出すかもしれませんね」

祐一「そうですね。じゃ、いただきます!」

食事中も、俺の事について真琴は一生懸命喋っていた
途中、秋子さんに姿勢を注意されていたけど。


祐一「ごちそうさま」

真琴「何か思い出した?」

祐一「いや・・・・すまん」

真琴「うん・・・・」

真琴は悲しそうだ
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/31(火) 14:21:27.27 ID:BHJh+f+b0
祐一「ごめんな、絶対思い出すから」

祐一「あぁそうだ、アルバムとかないか?見てみたいんだが」

真琴「祐一の部屋にあるわよ、机の一番上」

祐一「おう。ってよく知ってるな?」

真琴「自分で言ってたのよ・・・」

祐一「あぁ・・・すまん」

真琴「謝んないで。早く思い出しなさいよ」

祐一「そうだな。名雪ちゃんも落ち込んでるみたいだし」
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/31(火) 14:21:59.47 ID:BHJh+f+b0
真琴「名雪」

祐一「ん?」

真琴「あんたは名雪って呼び捨てにしてたの」

真琴「あとで名雪の部屋にも行ってあげてね」

そう言うと真琴は自分の部屋に戻って行った

祐一「・・・・・」

俺も部屋に戻るか・・・・俺が寝てた部屋が俺の部屋だよな?


真琴「・・・・・・・・・・・・・」

真琴「・・・・・・・・・・・・・はぁ」
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/31(火) 14:22:41.69 ID:BHJh+f+b0
部屋に戻った俺はアルバムを見てみることにした

祐一「こいつらは・・・俺のクラスメイトなんだろうな」

祐一「・・・まったく思い出せん」

どの写真を見ても、俺が写っていたりはするが、覚えてはいない

これなんか俺が小学生の時の写真だよな

祐一「小学生の時?」

小学生の時、俺は何をしていた?それすらも思い出せないのか。いや、親の顔でさえ思い出せない。自分の誕生日も。
じゃあ何を覚えているんだ?
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/31(火) 14:23:33.60 ID:BHJh+f+b0
・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・

祐一「ようは、自分に関する事が全部分からないってことか」

漫画のキャラとか、歴史上の人物とかは分かるし、そういうことか

祐一「うーむ」

どうすれば思い出せるんだろう・・・・


祐一「あ、そう言えば」

真琴に名雪の部屋に行けって言われたっけ
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/31(火) 14:24:07.89 ID:BHJh+f+b0
コンコン
祐一「おい、名雪」

・・・・返事が無い。部屋の明かりも消えている。
俺はもう一度ノックしてみた
祐一「名雪」

やはり返事が無い。俺の事がよほどショックだったのか
祐一「名雪。入るぞ」

俺はそう言うとドアノブを回す
しかし、部屋にはやはり、鍵がかかっていた

祐一「また明日、話そう」

俺はそう言うと部屋に戻って行った
そしてそのまま、ベッドに入り、目を閉じた

そこで俺は何らかの違和感を感じていた

・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・やはり?
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/07/31(火) 14:26:07.16 ID:BHJh+f+b0
今日は以上です
続きは次回
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/31(火) 19:41:16.41 ID:5ftwB0qpo
やはり!
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/07/31(火) 20:24:33.53 ID:vjaS5fgVo
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/31(火) 20:29:58.08 ID:5IlzzYiPo
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/07/31(火) 22:40:15.69 ID:vLLXy77Qo
秋子さんアグレッシブすぎます乙
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/08/01(水) 18:25:51.77 ID:Xvrlcad+o
otu
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/08/01(水) 23:57:40.15 ID:LD5ucCdY0
秋子さん√かと思ったらそうでもなさそうだな、乙
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/02(木) 14:51:22.93 ID:IE3eFrAi0
支援ありがとうございます、投下していきます
ところでこれ、上げた方が良いんですかね?とりあえず下げてますけど
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/02(木) 14:51:55.59 ID:IE3eFrAi0
あーさー、あさだよー
祐一「んん・・・はいはい・・・・」

あさごはんたべて、わたし起こして、一緒に学校行くよ〜
祐一「・・・・・・・・・」

・・・なんなんだこの目覚ましは
昨日は気付かなかったが、よく見ると『録音』と書かれたボタンがあった
どうやら、自分の声を録音して、それを目覚ましに使えるタイプらしい

祐一「余計に眠たくなる気がするのは俺の気のせいか?」

俺は服を着替え、簡単に身支度を整えた。

習慣と言うものは頭で覚えていなくても体で覚えているようで、体が勝手に制服の場所まで案内してくれた
俺は几帳面では無いらしくだらしなく椅子にかかっていたので分かっただけなのかもしれないが

祐一「さてと・・・・」
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/02(木) 14:52:35.80 ID:IE3eFrAi0
祐一「・・・・・・ん?」

俺は名雪の部屋の前まで来てしまっていた。

祐一「行きすぎた。階段はこっちじゃないか」

俺はそう独りごちると踵を返した

ジリリリリリリッ!
祐一「なんだ?」

突然、廊下まで聞こえるような大音量で目覚まし時計が鳴り響く

祐一「名雪の部屋かっ!?」

よく聞いてみると、一つの音ではなかった

多種多様の音が混じって、もはや何が何だか分からなかった。

しかももう結構な時間鳴り続けているぞ・・・・

祐一「もしかして、目覚ましセットしたままで先に起きたのか?」
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/02(木) 14:53:11.29 ID:IE3eFrAi0
真琴「違うわよ」

祐一「真琴。おはよう」

真琴は趣味の悪いパジャマを着て俺の後ろに立っていた。

真琴「おはよう祐一」

真琴「祐一は、毎朝名雪を起こしてたの」

祐一「そうなのか?」

毎朝俺は女の子・・・従兄妹だけど。の部屋に入っていたのか

真琴「そうよ。でも今日は、真琴も手伝ったげる。一人じゃ慣れてないと大変だし」

祐一「そうなのか。ありがとな真琴」
なでなで

真琴「えへへ・・・」

真琴「あ、あとで肉まんおごりなさいよね!」
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/02(木) 14:53:41.37 ID:IE3eFrAi0
祐一「肉まん?」

真琴「真琴が好きなの。覚えておいてね」

祐一「分かった。じゃあ名雪の部屋に入るぞ」

真琴「そうね」

そうか、こうやって覚えていなくても一つずつ教えてもらうのもいいかもしれないな

ガチャ
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/02(木) 14:54:31.73 ID:IE3eFrAi0
名雪の部屋は女の子らしい装飾で、枕元にはおそらく騒音の発生源である目覚まし時計が複数。そして

名雪「くー・・・」

ベッドの上で、何事もなかったかのように名雪が寝ていた。

祐一「・・・マジか」

名雪「くー」

真琴「なにボサっとしてるのよ」

真琴「それ、全部止めなさい」

祐一「これを全部か」

20個くらいあるぞ・・・・

真琴「真琴も手伝うから。ほら早く」
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/02(木) 14:55:01.83 ID:IE3eFrAi0
俺たちは一つずつ目覚まし時計を止めていく。止めるだけでだいぶ時間をくってしまった

祐一「俺はいつもこんな重労働をしているのか」

真琴「そうよ。『あの』目覚ましを使えば一発なのにね」

祐一「『あの』?」

真琴「・・・それはいいわ」

真琴「じゃ、あとは揺するなり鼻摘むなりして起こしてやりなさい」

真琴「真琴、着替えて下で待ってるから」

祐一「え、ちょっ」

真琴はそう言い残し、部屋を出て行った

祐一「・・・・・どうしろと」

名雪「くー」
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/02(木) 14:55:40.66 ID:IE3eFrAi0
名雪「くー・・・・うにゅ・・・・」

祐一「なんだこれ、かわいい」

と言うより、なんか起こすのが悪いような気が・・・・
・・・いや、起こさないといけないんだよな。とりあえず揺すってみるか

ゆさゆさ
祐一「名雪、起きろ」

名雪「くー」

名雪「わたし、にんじんも食べれるよ・・・」

ゆさゆさ
祐一「んなことは聞いてない、起きろ」

名雪「真琴ちゃんも食べれるよ・・・・」

ゆさゆさ
祐一「食うな食うな、起きろ」
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/02(木) 14:56:09.93 ID:IE3eFrAi0
名雪「・・・・んにゅ?」

祐一「目が覚めたか、名雪」

名雪「祐一・・・?」

祐一「そうだ、起きろ」

祐一「下で待ってるからな」

そう言い残し、俺は1階へ降りて行った
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/02(木) 14:57:31.11 ID:IE3eFrAi0
真琴「早いわね、名雪起きたの?」

祐一「多分」

いつもどんな感じで起こしてるのか分からんし・・・

秋子「おはようございます、祐一さん」

秋子「朝ごはん、食べますよね」

祐一「あ、はい」

名雪「おはようございまふぁ〜」

名雪はそう言いながら席に着いた

真琴「名雪、今日はちゃんと眼がさめてるのね」

名雪「うん」

真琴「・・・・・・・・」
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/02(木) 14:58:23.53 ID:IE3eFrAi0
真琴「ごちそうさま」

真琴「真琴、先行ってるから」

名雪「えっ」

真琴「何か祐一に話したい事あるんでしょ」

真琴「先行ってるから。じゃあ、行って来ま〜す」

祐一「・・・・・・・・・」

名雪「・・・・・・・・・・」

・・・・真琴、気を使ってくれたのか
それから、なんとなく話しかけ辛い雰囲気になってしまい、一言も喋らず朝食を食べ終えた
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/02(木) 14:59:15.76 ID:IE3eFrAi0
祐一・名雪「いってきま〜す」

秋子「いってらっしゃい、二人とも」

秋子「あ、祐一さん、ちょっと待ってください」

祐一「はい?」

名雪が外に出たのを確認すると、秋子さんは俺に軽く口づけした

秋子「いってらっしゃい、祐一さん」

祐一「・・・・いってきます」

秋子「二人の時は敬語じゃなくていいって言ってるじゃないですか」

祐一「・・・いえ、何か・・・・その」

秋子「早く慣れてくださいね」

祐一「・・・・はい」

俺は赤くなった顔を隠すかのように俯きながら家を出た
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/02(木) 15:00:18.95 ID:IE3eFrAi0
名雪「お母さんなんて言ってたの」

祐一「いや、晩ご飯何がいいかって」

名雪「・・・・・なんで祐一にだけ言ったの」

祐一「あ、いや、なんでだろうな、はは」

名雪「・・・・・・・・・」

名雪は俺を軽く睨みつけた

祐一「い、いや、その、それより」

祐一「昨日はその・・・・ごめんな」

名雪「昨日って?」

祐一「俺が記憶喪失だって言って、その・・・・なんか落ち込んでるみたいだったから」

名雪「落ち込むよ」

名雪「だって、わたし、祐一の彼女さんなんだよ」

・・・・・・なんですと?
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/02(木) 15:01:19.46 ID:IE3eFrAi0
祐一「・・・・今なんと」

名雪「わたし、祐一の彼女さんなんだよ」

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・ってことはつまり、俺はあの家に住んでいる人間、全員と付き合っているのか・・・・・・・・・・・・・

しかも名雪と秋子さんは親子・・・・・・・
そして真琴は親戚・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

祐一「うっ・・・・・・・・・・」

名雪「どうしたの?大丈夫?」

名雪は心配そうな顔で俺の方を見ている

祐一「いや・・・・・何でもない・・・・ただ・・・・・」

自分の最低さに、眩暈がしただけだ・・・・・

親子丼?・・・・・いや、何にせよ最低だ・・・・・
三人の女の子(子?)と付き合っているとは・・・・・
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/02(木) 15:02:12.02 ID:IE3eFrAi0
祐一「・・・・・で、それから?」

名雪「あ、うん」

名雪「誰だって、自分の彼氏が記憶喪失になっちゃったら落ち込むよ」

そりゃそうだ。俺は無言で頷く

名雪「でもね、祐一って昨日より前に、記憶喪失になってるの」

祐一「何っ」

記憶喪失に一回なっている?
俺はどんな人間なんだよ・・・・・記憶を失うなんて人生でそうない経験じゃないのか

祐一「そりゃどういうことだ」

名雪「その事も含めて、全部説明するよ」

名雪「祐一がこの町に来て、何があったか」

名雪「祐一が小学生のころ、この町で何があったが」

名雪「そして・・・・・・わたしと、祐一のこと」
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/02(木) 15:02:42.88 ID:IE3eFrAi0
名雪はゆっくりと、体全部を使って一生懸命に俺の話をしてくれた。

小学生のころ、俺は毎年冬になるとこの町に来ていた事

そして、あゆという女の子が事故にあい、そのせいで、心を閉ざしてしまったこと

またこの町に来るようになって、名雪と共に過ごし、そして

名雪とやっと心が通じあえるようになった事

祐一「・・・・・・そんな大切な事を俺は忘れてしまったのか」

祐一「俺なら悲しすぎて、それこそ、心を閉ざしてしまうかもしれないぞ・・・」

俺はあまりのことに顔をしかめた
しかし、名雪は微笑んだまま、続けた

名雪「前までの私なら、心を閉ざしちゃったかもしれないよ」

名雪「でもね、祐一がわたしに、強さをくれたんだよ」

名雪「だから、大丈夫だったんだよ」

名雪ははにかみながら言った

祐一「名雪・・・・・・・」

そんな名雪に俺は見惚れてしまった
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/02(木) 15:03:51.35 ID:IE3eFrAi0
祐一「でも、俺は名雪と付き合っていた思い出とか、無くなってしまった訳だけど」

俺がそう言うと、名雪は悲しそうに俯きながら、俺より前に歩きだした

名雪「うん。それでね、昨日の夜いっぱい考えたんだよ」

名雪「ずっと、考えたんだよ」

名雪「わたし、あまり頭は良くないけど、一生懸命考えたよ」

名雪「そして、出た答え・・・」

名雪「何度考えても、ずっとこの答えだった・・・」

名雪「わたしの、答えは・・・・」
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/02(木) 15:04:25.12 ID:IE3eFrAi0
名雪「イチゴサンデー、35個」

祐一「!?」

名雪「それで、許してあげるよ」

名雪は笑いながら俺の前に立ち、俺の頬に手を添え、軽く口づけた

突然の事に顔を真っ赤にする俺
そして同様に顔を赤くしながら名雪は続けた

名雪「祐一だけ、特別サービスだよ」

名雪「だって・・・」

名雪「わたし、まだ・・・」

名雪「祐一の事、愛してるから」

祐一「名雪っ」

俺はなぜか名雪を抱きしめたい衝動にかられ、名雪を強く抱きしめた

名雪「祐一・・・・・」
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/02(木) 15:05:13.25 ID:IE3eFrAi0
香里「あんたたち、天下の往来でなにやってんのよ」

名雪・祐一「」
ビクッ

し、しまった、周りの事なんか全然考えてなかった
周りを見ると、微笑ましそうな視線、嫉妬の視線などが入り混じって・・・
ようするにすごく居心地が悪かった

名雪「な、なんでもないもん」

香里「ははーん、どうだか」

ウェーブのかかった長髪の美少女はやれやれ、といった感じで俺たちを見ていた

香里「おおかた相沢くんが昨日、ケロピーにいたずらでもして、それで喧嘩して、今仲直りの所だったんでしょ?図星?」

あんたたちそんなことばっかだもんね、と美少女は付け加えた
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/02(木) 15:06:09.46 ID:IE3eFrAi0
名雪「だから違うってば」

名雪「そ、それより栞ちゃんは?」

香里「日直だから先に出たわ」

香里「ところで何よ、相沢くん、ボケーっとしちゃって」

祐一「えっと・・・・」

俺は助けを求めるように名雪の方を見た

名雪「香里だよ」

名雪「一緒のクラスなの」

香里「?? 何言ってるの?」

名雪「実はね・・・・」
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/02(木) 15:06:50.82 ID:IE3eFrAi0
香里「そうなの・・・・・」

祐一「すまん」

香里「何謝ってんのよ」

祐一「いや・・・・」

香里「いいわよ、これからいろいろと知っていけばいいわ」

香里「栞のこともあるし、相沢くんには恩があるし」

祐一「栞?」

香里「私の妹よ」

香里「・・・・・・・・・・・」

香里「用事思い出したから先、行くわ じゃあね」

そう言うと香里は走って行った

祐一「なんだったんだ?」

名雪「・・・・・・・・・・」
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/02(木) 15:08:08.93 ID:IE3eFrAi0
名雪「・・・・・・・信じてるからね、祐一」

祐一「なに?」

名雪「なんでもないよ。行こ」

祐一「??」

名雪の様子が変だったが、本人がなんでもないって言ってるんだし良いか

祐一「それにしても、学校についてからも記憶が無いってこと一々言わなきゃいけないのか」

名雪「仕方ないよ」

名雪「その時は、相手の話をよく聞いてあげてね」

名雪「みんな、祐一にとって大切な友達なんだから」

名雪「でも、全部鵜呑みにしちゃダメだよ。嘘ついてる人もいるかもしれないし」

祐一「でも、それを言うなら名雪だって嘘ついてるのかもしれないじゃないか」

名雪「わたし、考えもしなかったよ」

祐一「そうか?1000円くらいなら貸してるって言いそうだけど」

名雪「・・・・1000円は本当に貸してるよ。小学生の時の事だし、もういいけど」
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/02(木) 15:09:00.44 ID:IE3eFrAi0
祐一「あー・・・・そうなのか」

話を変えるために俺は朝から疑問に思っていた事を口にした

祐一「そういえば俺、なんで記憶喪失になったんだ?」

秋子さんにははぐらかされたんだけど

名雪「きっと、辛い事があったんだよ」

祐一「辛い事?」

名雪「辛くて、心が壊れてしまいそうなくらい辛くて・・・」

名雪「記憶が、無くなっちゃうくらい、辛い出来事・・・・」

祐一「なんだそりゃ」

前の俺は、初恋の女の子が死んだ(死んでなかったけど)事が原因で心を閉ざして、記憶が無くなったんだよな?

祐一「じゃあ、今回もそれを思い出せば記憶が戻るのか」

名雪「わたしは、出来ればずっと知らない方が幸せだと思うよ・・・・」

名雪「でも、知ることで思い出すなら、知ってほしいよ」

そんな事を話しているうちに、学校に着いた

名雪「ここが学校だよ」

祐一「そうだろうな」

遊園地には見えないしな

名雪「祐一、わたしと一緒のクラスだから、こっちね」

祐一「おう」

俺は名雪に着いて行った
クラスメイトに、どう説明すればいいか考えながら・・・・
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/02(木) 15:11:21.31 ID:IE3eFrAi0
今日はここまでです
また次回

何か意見とかあれば、遠慮なくどうぞ〜
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/08/03(金) 00:26:50.54 ID:ZHkyXmbOo
投下乙
みっしーの出番があるのかが気になる所
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/08/03(金) 01:52:14.25 ID:mKp7JBMg0
>>85
それは原作のか、それとも水瀬さんちのか。
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県) [sage]:2012/08/03(金) 17:46:25.23 ID:y7Dthe7r0
懐かしい香りに引き寄せられた
記憶喪失を口実に積極的な佐祐里さんかもん
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/08/03(金) 23:47:56.52 ID:wTejMnOjo
修羅場怖い期待
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/04(土) 04:42:46.67 ID:ThCm/SmDO
しかし懐かしいな
最盛期はもう何年前だろうか
サブヒロイン組が好きだったわー特に香里派だった
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/05(日) 20:01:39.11 ID:5M8oIhdUo

イチゴサンデー35個 1個税別880円だったから
税込みで32340円かww
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/08/05(日) 22:59:43.13 ID:S5WVHzmgo
>>90
お前が出したその数字をうまく変換してみろ
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2012/08/06(月) 00:19:40.87 ID:TQgGzL5i0
投下速度遅くて、投下量少なくてごめんなさい
国府田マリ子さんのtwin memoriesって良いですよね
では投下していきます

>>85
全員出すつもりですよ〜
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/06(月) 00:21:44.08 ID:TQgGzL5i0

北川「えっ、それじゃ相沢、お前記憶喪失ってことなのか!?」

北川が大声で叫ぶ
そのせいで、談笑していた他のクラスメイトも、一斉にこちらを見た

祐一「あぁ、そういうことになるな」

北川に話したのは失敗だったかもしれないな・・・・もう知れ渡ってしまった
いや、いちいち教える手間が省けたとでも言うべきか?

北川「じゃあお前さ、」

祐一「ん?」

北川はいくつか質問してきたが、それは俺にとってさっぱりな内容だった
どうやら、昔の俺なら分かってた内容だったらしいが
それにしても、留年しかけたってマジか

北川「どうやら本当みたいだな」

祐一「嘘でそんな寒い事言うかよ、今時」

祐一「・・・・まぁ、少しずつ思い出すから、少しだけ我慢してくれ」
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/06(月) 00:22:41.81 ID:TQgGzL5i0
北川「そうかぁ・・・・ん?」

北川「そういや、相沢、二日前貸した2000円も・・・・痛い痛い」

香里「貸してないでしょ、そんなの」

香里が北川の耳を引っ張っていた

香里「相沢くん、北川君の言う事なんかに耳を貸しちゃ駄目よ」

名雪「うん、うん」

北川「か、軽いジョークじゃねぇか」

香里「いらないわよ」

香里「それより相沢くん、困った事があるならなんでも言ってね」

香里「私も出来るだけ協力するから」

祐一「お、おう」

なんだ。クラスメイトは良い人ばっかりじゃないか
心配して損したな・・・・・
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/06(月) 00:24:19.13 ID:TQgGzL5i0
ガラッ
栞「祐一さんいらっしゃいますか?」

次の休み時間に、こんな季節だと言うのにストールを羽織った下級生が入って来・・・・・
ん?俺を呼んだか今?

祐一「祐一は俺だけど」

栞「あ、祐一さん、ちょっとよろしいですか?」

祐一「えっと・・・・・・・、誰?」

俺は助けを求めるように名雪を見ると、横から香里が教えてくれた

香里「私の妹の栞よ、朝話したでしょ」

祐一「妹!?」

に、似てねぇ・・・

栞「そんなこと言う人嫌いです!」

祐一「え」

香里「声に出てるわよ」
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/06(月) 00:25:51.13 ID:TQgGzL5i0

祐一「あーいや、はは」

祐一「で、何のようなんだ?」

栞「はい、ここじゃなんなので、その・・・外へ」

祐一「え?ちょっ」
ずるずるずる・・・・・

栞にひっぱられる俺
って、この細い腕のどこからこんな力が出てるんだ!?

名雪「・・・・・・・・・・・」

す、すごい睨まれてるし・・・・・

97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/06(月) 00:27:27.13 ID:TQgGzL5i0

そんなわけで、校舎裏にある庭にやってきたのだ

祐一「君、それ暑くないか?」

もう夏に入ろうという季節に、
というかそれ以前に制服の上にストールとはおかしくないか

栞「大丈夫ですよ」

栞「それと、今まで通り栞、と呼んでください」

祐一「お、おう」

祐一「で、なんで校舎裏まで行かなきゃならんのだ」

休み時間終わっちまうぞ?

栞「ここが、祐一さんとの思い出の場所だからですよ」

祐一「俺との?」

栞「はいっ」

栞「あ、そこ座ってください」

祐一「え?」

祐一「あぁ、いいけど」

栞「よいしょっ」
すとんっ
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/06(月) 00:28:37.25 ID:TQgGzL5i0

祐一「・・・・何をしてるんですか、栞さん」

栞「祐一さんの上に座ってます」

栞はとてもうれしそうな顔で答えた

栞「あ、それとも、いつものように対面座位の方がよかったですか?」

祐一「いや、そうじゃなくて」

ってか、いつものようにって何だ!?

栞「じゃあいいですよね♪」

栞は俺に体を預けたまま、上目遣いに俺を見る

栞「えへへ」
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/06(月) 00:30:17.48 ID:TQgGzL5i0

栞「祐一さんが記憶喪失だってお姉ちゃんに聞きました」

栞「ってことは、私とのことも忘れちゃったんですよね」

祐一「ああ・・・・すまん」

栞「いいですよ」

栞「今から、いっぱい思い出させてあげます」

そう言うと栞はこちらを向き、いきなり俺の唇を奪う

祐一「ッ!?」

栞「ん・・・」

いつしか栞は俺の首に手を回していた
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/06(月) 00:31:50.68 ID:TQgGzL5i0

祐一「んッ・・・・ふ・・・・」

栞「・・・ちゅ・・・ん・・」

・・・・・・どういう事だ?
ま、まさか・・・・・・・

栞「っ・・・・・・・ふぅ。思い出してくれました?」

栞「私と恋人同士だったこと」

・・・・・・・・なんだと・・・・・・・・・
ま、またか!?色情魔か、俺は!?

祐一「ちょ、ちょっと待ってくれ」

栞「はい?」

101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/06(月) 00:33:02.03 ID:TQgGzL5i0
祐一「う、嘘だよな」

栞「本当ですよ。ひどいです、祐一さん」

栞「ですから、教えてあげます。私との思い出を」

栞はまるで恋する乙女のようなうっとりとした眼で語り始めた

栞と香里は仲が悪かったが、俺がその仲を取り持ち(これは分かる)、
不治の病だったが奇跡でそれを治し(どういう事だよ)、
それをきっかけに二人の間に恋が芽生え、付き合い始めたらしい・・・・

祐一(奇跡ってなんだよ)

栞「そういうわけなんです。分かっていただけましたか?」
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/06(月) 00:34:56.35 ID:TQgGzL5i0

祐一「分かれって言ったってなぁ」

祐一「奇跡がどうとか信じられるわけないんだけど」

俺がそう言うと栞は少し悲しそうに眼を伏せた

栞「分かっています。ほんとに奇跡みたいな出来事でしたから」

栞「奇跡は、起こらないから奇跡って言うんですもの」

栞「でも、」

栞は顔を上げた

栞「祐一さんは、奇跡を起こしてくれたんです」

栞「私に、生きる意味を、教えてくれたんです」

栞「そんな祐一さんが、私は大好きです」

そう言うとまた栞は俺に軽く口づけた
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/06(月) 00:38:30.70 ID:TQgGzL5i0

祐一「栞・・・・・・」

栞「祐一さん・・・・」

・・・・な、なんか流されそうだ・・・・
い、いや、待て。何かおかしいぞ

今までの話を整理すると、俺は4人の女の子(子?)と付き合っている事になる・・・
一度に複数の女の子(子?)と付き合えるほど俺は器用な人間なのか?

それとも、浮気を容認できる彼女だってことか?いや、なんにせよ・・・

祐一「・・・・その、俺たちが、付き合ってるってことさ、他の人も知ってるのか?」

栞「え、あ、はい」

栞「お姉ちゃんにだけ言ってました。他の人には内緒にしてましたけど」

・・・・・やっぱり本当なのか?

祐一「えっと・・・・もし俺たちが付き合っていたとしたら」

祐一「何か、その証拠とか無いのか?」
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/06(月) 00:39:11.11 ID:TQgGzL5i0

俺がそう聞くと栞はにぱっと笑い、

栞「よくぞ聞いてくれました!」

栞「さぁ、これをご覧ください」

そう言うと栞はストールを脱ぐと、俺に見せてきた

栞「これ、祐一さんが編んでくれたんですよ」

祐一「俺が?」

栞「はい!」

祐一「俺、そんな手先が器用なのか」

栞「違います!」

祐一「いや、断言しなくても」
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/06(月) 00:40:33.60 ID:TQgGzL5i0
栞「でもこれは、不器用な祐一さんが一生懸命編んでくれたストールなんです」

栞「私の退院祝いに編んでくれたんです」

栞「祐一さんが!!」

栞「途中指に針を刺してできたと思われる血で滲んだ跡とか・・・まさに祐一さんが編んだ物です!」

祐一「・・・・・・・・・・・そうですか」

祐一(編んだのか?俺が?)

祐一(そう言われればそういうような気もするぞ・・・いやどうなんだ?)
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/06(月) 00:42:16.33 ID:TQgGzL5i0

栞「それだけではありません!」

栞「これをご覧ください!」

祐一「・・・いま、どっから出した?」

栞はスケッチブックを・・・・・どこから出したんだ?

栞「気にしたら負けですよ」

栞「それより、これをご覧ください!」

そういうと栞はスケッチブックを広げた

栞「どうですか!?」
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/06(月) 00:43:47.54 ID:TQgGzL5i0

祐一「どうって・・・・・・」

何を言えば良いんだ?スケッチブックを見ればいいのか?

祐一「へぇ」

栞の絵は正直、あまりうまくなかった
だが、これは褒めてあげる場面だよな

祐一「よく出来てるじゃないか」

栞「そうですよね!自信作なんです」

栞「祐一さんと一緒に書いたんですよ、思い出しました!?思い出の品なんです」

祐一「そ、そうなのか」

祐一「まぁ、なんにしても、よく書けてるよ、この・・・宇宙人」

栞「え」

108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/06(月) 00:44:15.04 ID:TQgGzL5i0

栞「ち、違います。祐一さん、冗談ばっかり」

祐一「えっ・・」

祐一「じゃあ、風景画か、何かか」

栞「そ・・・・そんなこと言う人、嫌いです!」

栞「祐一さんにきまってるじゃないですか」

祐一「え!?こ、こ、これ、俺!?」

栞「自信作なんです!」

栞「あゆさんも、秋子さんも褒めてくれたんですよ」

祐一「いや、でも、俺のどこに緑とか・・・・」

109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/06(月) 00:45:05.07 ID:TQgGzL5i0

栞「これで分かってもらえましたか!?」

栞「私と祐一さんは愛し合っているんです!」

祐一(いや、正直全然分からんけど・・・)

祐一(でももし、付き合ってて、分かってないって言ったら最低だよな)

祐一(・・・・いや、4人の女の子(子?)と付き合ってる時点で最低だ・・・・)

祐一「えっと」

栞「ドキドキ・・・・」

祐一「えっと、まだちょっと分からないけど」

祐一「と、とりあえずがんばって思い出すから待ってくれるかな」
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/06(月) 00:46:23.66 ID:TQgGzL5i0

栞「それは付き合ってるのを認めてくれるってことで良いんですよね、良いんですよね!?」

祐一「えっ」

祐一「えっとまぁ、少しだけ・・・全部認めたわけじゃ・・・・」

栞(よしっ)

栞「それでもいいです、ゆっくり思い出してもらえば」

栞「いえむしろ、思い出さなくても、これからたくさん思い出を作りましょうね」

栞「ですから、今はこれだけでいいです」

そう言うと栞は再び俺に軽く口づけた

栞「えへへ」

祐一「・・・・・・・」
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/06(月) 00:46:54.17 ID:TQgGzL5i0

栞「それじゃあ教室戻りましょう」

栞「授業、もう始まってますし」

祐一「って、もう始まって30分も過ぎてる!?」

全然時間気にしてなかったぞ・・・

祐一「戻らねえと、栞も」

栞「私は保健室に行くって言ってたので大丈夫です」

祐一「自分だけか!」

栞「えへへ」

祐一「ったく・・・、じゃあ俺は戻るからな」

栞「はい!」

栞「・・・・・祐一さん」

祐一「ん?」

栞「好きです!」

祐一「・・・・・おう」

112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/06(月) 00:47:31.53 ID:TQgGzL5i0

俺はいったいどういう人間だったのだろう?
従兄妹に手を出して、叔母にも手を出して、親戚の女の子にも手を出して、友人の妹にまで手を出していたと・・・・

祐一「色魔ってレベルじゃねぇ・・・・」

祐一「ってか、よくばれない様にしてたな、俺・・・・・」

祐一「しかも、同じ屋根の下で三人て・・・」

頭痛を感じながら、俺は教室に戻る

教室に戻ると、教師に軽く謝罪をし、自分の席に戻って行った
途中、香里と眼が合うと何故か薄く笑っていた。なんなんだ

あと名雪がすごい勢いで睨んできた
「祐一、イチゴサンデー2つ追加だからね」とか聞こえたけど聞こえないふりをしておいた
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/06(月) 00:51:55.52 ID:TQgGzL5i0
今日はここまでです

申し訳ありません、>>1に書き忘れましたが、このSSは
『Kanon』の公認アンソロジーラジオドラマ番組、『水瀬さんち』のネタを若干含みます
知らない人は是非是非聞いてみてくださいね

それではまた次回
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/08/06(月) 01:19:08.04 ID:O4ZGiS6Bo
乙です
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/06(月) 03:27:53.58 ID:jWrRk9Zao
ずっと(子?)が気になってしょうがない

>>90
ゲーム中で名雪が「幸せになれる」料金の記述は2杯目を食べた後なので、1つは440円(税別)のはず。
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/06(月) 03:44:23.82 ID:1VaXqONDO
よく考えたらメインヒロインって全員頭の中が残念なんだな
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/08/06(月) 06:21:53.01 ID:3xexoNLv0
そう言われるとそうだけど、素養があったとはいえ大半のヒロインが残念美人になったのは祐一のせい
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/08/06(月) 16:26:08.43 ID:55rDOQPIo

残念言うな
純真と言いたまえ
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/06(月) 20:21:08.36 ID:sbdNZ6Ulo

水瀬さんち懐かしすぎるww
また聞いてみようかな
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2012/08/10(金) 13:13:38.55 ID:L37oen0d0
どうも考え付かなくて、持ってる限りのアンソロジーと同人誌を掘り出して読んでました
遅くなって申し訳ありません
では、投下していきます
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/10(金) 13:14:04.59 ID:L37oen0d0
名雪「祐一〜、お昼休みだよ〜」

祐一「ん?おう」

香里「相沢く〜ん、お昼休みだよ〜」

祐一「おう」

北川「相沢〜、お昼休みだぜ〜」

祐一「っるせぇ!なんなんだ!」

名雪「わっ」

北川「いや、お前がいつもと変化が欲しいとか言ったから乗ったんだが」

祐一「・・・・・・・・」

昨日までの俺、何してるんだ・・・

祐一「・・・なんにせよ、北川はやらなくていい」

北川「うわ、ひでぇ」

香里「それに、北川君は場所取りでしょ、早く行きなさいよ」

北川「っちょ、待て!俺の扱いひどくないか!?」

祐一「そうでもないんじゃないのか」

北川「相沢、お前、記憶本当はあるんだろ!?そうなんだな!?」

祐一「いや、無いけど、なんか北川はそんな感じでいいかなぁと」

北川「ひでぇ・・・・」
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/10(金) 13:14:45.35 ID:L37oen0d0
食堂に行くと、席はほとんど埋まっていた

香里「北川君のせいね」

北川「俺のせいにしたら済むって言う風潮やめてくんない!?」

香里「冗談よ」フッ・・・

祐一「ん?あれは・・・」

栞「祐一さ〜ん!」

声の方を見ると、栞が6人席をとって座っていた
目の前にある重箱のせいで6人分とってもまぁ・・・・大丈夫に見えるんだろう

ところであの重箱、栞一人で食べるのか?すごいな、小柄な子なのに

名雪「栞ちゃん」

栞「祐一さんたちの分の席、とっておきましたよ!」

祐一「そうか、ありがとな、栞」
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/10(金) 13:15:16.53 ID:L37oen0d0

栞「ご褒美に頭を撫でてください」

祐一「えっ」

な、名雪が見ている前で?
あ、名雪が凄い目で見てる・・・・香里はニヤついてるし・・・・

き、北川は!?
って、お前、他人のふりするな!

祐一「・・・・・・・」

ぽんぽん、と俺は栞の頭を軽くたたいた
こ、これなら・・・?

栞「ダメです。ちゃんと撫でてください」

香里「相沢くん、撫でてあげなさいよ」

名雪「うー・・・・・」
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/10(金) 13:15:55.19 ID:L37oen0d0

結局、俺は栞の頭を軽く撫でた
栞は嬉しそうだった。代わりに、名雪の冷たい視線を貰ったが・・・

祐一「さってと、えーっと、食堂、あっちから取るんだよな?」

名雪「そうだよ。そういう事は、覚えてるんだよね」

祐一「いや、これはなんとなくで分かるだけだ」

そう言い、俺は昼食を取りに行こうとすると・・・・

栞「祐一さん、どこに行くんですか?」

祐一「え、いや昼食を」

栞「ここに、たっくさんあるじゃないですか」

栞は目の前の重箱を指しながらそう言う

祐一「・・・・・・ん?」
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/10(金) 13:16:56.01 ID:L37oen0d0
栞「これ、祐一さんのですよ」

栞「たっくさん食べてくださいね」

祐一「・・・・・・・え?」

祐一「・・・俺、いつも栞に弁当作ってもらってるのか?しかもこんなにたくさん」

栞ってやっぱり俺の彼女なのか・・・

栞「そうで 名雪「違うよ」

栞の発言を名雪が遮った
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/10(金) 13:17:31.84 ID:L37oen0d0
名雪「栞ちゃんはいつもわたしたちとご飯食べてないよ」

名雪「祐一にお弁当も作ってないよ」

淡々と名雪が言う・・

名雪「って言うか栞ちゃん、祐一とべたべたしないでよ」

名雪「あと、いつお弁当なんか用意したの」

栞「さっきですよ」

祐一「さっき?」

言い返す栞

栞「朝来て、お弁当作るの忘れたの気がついて、すぐ帰ったんです」

栞「2時間目の途中には間に合いましたし、別に良いじゃないですか」

名雪「よくないよ」

祐一「名雪?」
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/10(金) 13:18:03.69 ID:L37oen0d0
睨みあう二人・・・
食堂のここだけなんか周りより温度が10度は低いような・・・・
・・・・あぁそうか、俺が二股・・・・じゃなかった、四股もかけてるから、

・・・・・かけてるから(泣)
こんなことになってるんだな・・・・うう、俺、なんてことしてたんだよ・・・

と、とりあえず・・・・

祐一「ま、まぁまぁ、名雪、落ち着け」

祐一「その・・・なんだ、栞がせっかく作ってくれたんだし、食べるよ」

祐一「だけど、その、明日は名雪が作ってくれよ。な?」

こ、こんな感じか?
・・・・分からん。どうしたらいいんだ?
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/10(金) 13:18:32.73 ID:L37oen0d0
名雪「・・・・もういいよ。祐一がそう言うなら」

名雪「わたし、ご飯取ってくるから」

そう言うと名雪は人ごみの方へ歩いて行った

北川「ふーっ、息が詰まるぜ」

祐一「お前、なんで他人のふりなんかしてんだよ」

北川「いや、俺のことじゃないからな」

北川「相沢、お前少しは自重しろよ」

祐一「・・・・ああ。分かってる」

それは・・・分かってる
前の俺がした事なんだろうが・・・・この際だから、全部はっきりさせとくべきなのか?

いや、でも、それは記憶が戻ってからだよな
早く記憶を戻す方法を考えよう
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/10(金) 13:18:59.61 ID:L37oen0d0
その後、栞の重箱の弁当を俺は食べた
食ってしばらくは動けなかったが、なんとか食う事が出来た

祐一「作ってくれるのは嬉しいけどさ、もう少し量を減らしてくれ・・・」

祐一(・・・・・教室戻って休もう)

名雪「大丈夫?祐一」

祐一「ああ・・・・・」

祐一「それじゃあな、栞、午後もがんばれよ」

栞「はい!」

祐一(・・・・・・・・)

なんとか昼食を乗り切ったぞ・・・・明日からは教室で食べよう・・・・
そう思いながら、俺は教室に帰ることにした
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/10(金) 13:19:40.51 ID:L37oen0d0
あゆ「祐一くん!」

祐一「ん?」
ひょいっ

名前を呼ばれ、振り向こうとしたが・・・・それより何故か避けたくなった

あゆ「えっ?」
ゴンッ

小柄な少女は俺が避けたせいで窓に思いっきり激突した
なんだ、こいつは?小学生?いや、制服着てるし・・・・

祐一「だ、大丈夫か?」

あゆ「すっごく痛かったよぉっ!」

両目に大粒の涙をため、少女は叫んだ

あゆ「うぐぅ・・・避けた!祐一くんが避けた!」

祐一「えっと・・・?」

祐一「なんかすまん。避けた方が良いような気がしたんだ」
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/10(金) 13:20:17.28 ID:L37oen0d0
名雪「体が覚えてるってことなのかな・・・」

香里「だとしたらあまりにも哀れじゃない」

あゆ「うぐぅ・・・・・」

祐一「??」

こいつ、誰だ?小学生?

真琴「あゆ、何してんのよ〜」

祐一「真琴。こいつ、誰?小学生?」

真琴「あゆよ」

真琴「小学生じゃなくて、一応あたしと同じ学年、1年よ」

祐一「1年!?こいつが!?」

どうみても小学生だ・・・・
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/10(金) 13:20:50.46 ID:L37oen0d0
美汐「相沢さん、こんにちは」

祐一「ん?お、おう」

祐一「えっと・・・・・」

美汐「天野美汐です」

美汐「相沢さんが記憶喪失だと真琴から聞きました」

美汐「私とのことも忘れてるんですね」

祐一「ああ、すまん」

美汐「いいです。早く思い出してくださいね」

美汐「それに、好都合ですし」ボソッ

祐一「・・・・なんか言ったか」

美汐「いえ、何も」
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/10(金) 13:21:29.14 ID:L37oen0d0
名雪「あゆちゃんも美汐ちゃんも、祐一ととっても仲良しだったんだよ」

名雪「美汐ちゃんは、真琴ちゃんとのことで」

名雪「あゆちゃんはうちに泊りに来た事もあるんだよ」

祐一「そうなのか」

この二人も、俺と親しい間柄ってことか・・・・

・・・ん?なんか嫌な予感が・・・・・まぁいい

祐一「にしても・・・・」

周りを見る俺

祐一「この構図、なんかまずくないか?」

俺、名雪、香里、栞、真琴、あゆ、美汐・・・・

祐一「男1人に女6人って」

名雪「・・・・これでも2人減ったんだよ」

名雪「でも、また2人増えたんだけどね」

祐一「ん?」

北川「いや、おい、俺を忘れるな」
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/10(金) 13:21:55.47 ID:L37oen0d0
その後、少し俺たちは談笑することにした
専ら、俺の記憶についてのことが中心となったがやはり俺に分からない事ばかりだった
って言うか、きつねがどうとかってこいつらも話してるぞ・・・
あと、奇跡を起こしたって・・・・どういう事だよ
この小学生、すごいな・・・

美汐「・・・では、そろそろ失礼しますね」

名雪「うん。それじゃあね、真琴、美汐ちゃん、あゆちゃん」

真琴「祐一、またあとでね」

祐一「おう」
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/10(金) 13:22:21.29 ID:L37oen0d0
教室に戻ると、俺は自分の机に突っ伏した

祐一(今日の晩飯食えるんか俺・・・・・)

七瀬「ねぇ、相沢」

祐一(って言うか、あれは絶対一回の食事の量じゃない・・・・)

七瀬「ねぇってば」

祐一「ん?」

見ると、俺の二つ隣の席の女子が俺に話しかけていた

祐一「あぁ、えっと」

七瀬「七瀬よ」

祐一「ああ。で、七瀬がどうかしたのか?」

七瀬「あんた、記憶喪失だって話じゃない」

祐一「おう」
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/10(金) 13:22:47.59 ID:L37oen0d0
七瀬「それ、何が原因で記憶喪失になったの」

祐一「いや、それが教えてもらえなくて」

七瀬「ふーん?」

七瀬「直前の事とかも覚えてないの?」

祐一「おう」

その後も七瀬は俺にいくつか質問した

七瀬「むう・・・」

じーっ・・・・・・

七瀬は俺をじっと見つめる
そういえばこいつもツインテールか。真琴と同じか

七瀬「・・・・違うみたいね」

祐一「ん?」

七瀬「何でもないわ」

七瀬「ちょっと知りあいが、ね」

七瀬はどこか憂いを帯びた表情を浮かべた

祐一「何?どういう事だ?」
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/10(金) 13:23:16.43 ID:L37oen0d0
七瀬「何でもないわ。ちょっと知り合いが・・・・」

七瀬「って言うか、あたしの彼氏の話なんだけど」

七瀬の話は、自分の彼氏が、自分を除いた人間全員の記憶からなくなったことがある、というものだった
正直、現実味のある話ではなかったが、七瀬は真剣に話すので俺も真面目に聞いていた

祐一「で、その彼氏はどうなったんだ」

七瀬「帰って来たわ」

七瀬「で、記憶喪失ってのが同じだから、話聞いてみようと思ったの」

七瀬「ごめんなさいね。力になれそうになわ」

祐一「いや、ありがとう。新情報には変わりないしな」

七瀬「そう」

七瀬「あんた、優しいのね」

祐一「そうか?」

七瀬「そうよ」
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/10(金) 13:23:48.08 ID:L37oen0d0
七瀬「じゃ、あたしは戻るわね」

そう言うと七瀬は自分の席に帰って行った

祐一(・・・俺の知らないところでいろいろ起こってるんだな)

そう考えているうちに、俺の意識はブラックアウトしていく・・・・

気がつくと、昼休みは終わり、もう5限目が始まっていた

祐一(やべぇ、始まってる・・・ん?)

名雪「くー・・・・」

名雪も気持ちよさそうに寝ていた

祐一(まぁいいや・・・・俺も寝よう)
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/10(金) 13:24:18.37 ID:L37oen0d0
名雪「祐一、授業終わっちゃったよ」

祐一「何っ」

気がつくともう放課後だった

祐一「しまった、授業聞いてないぞ」

香里「相沢くん、一回起きて名雪見てまた寝たでしょ」

祐一「うっ・・・・」

名雪「祐一、見てたなら起こしてよ」

祐一「いや、気持ちよさそうだったから」

名雪「いつもは起こして・・・・あっ」

祐一「・・・・・すまん」

名雪「ううん、いいんだよ、ごめんね」
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/10(金) 13:24:51.29 ID:L37oen0d0
名雪「祐一、帰り道分かるよね?」

祐一「多分な。名雪は帰らないのか」

名雪「わたし、部活だから・・・」

名雪「だから、昇降口まで送っていくね」

祐一「おう、じゃあな、香里、北川」

香里「・・・・・じゃあね、相沢くん」

北川「じゃあな、相沢〜」
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/10(金) 13:25:20.03 ID:L37oen0d0
栞「お姉ちゃん!祐一さんは?」

香里「ちょっとだけ遅かったわね、もう帰ったわ」

栞「なんで引き止めなかったの!?」

香里「あたし、名雪の親友でもあるから」

栞「・・・・今からでも追いかけるから!」

香里「そう、がんばってね」

北川「美坂、お前・・・・・」

香里「なに?北川君」

北川「・・・・いや、なんでもないわ」

北川「そ、それより一緒に帰らねえ?」

香里「あたし、用があるから、それじゃあね、北川君」

北川「なっ、そりゃないぜ〜、美坂〜・・・」
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/10(金) 13:25:45.46 ID:L37oen0d0
祐一「あれ?」

そこには、大丈夫、道が分かるとか言っておきながら普通に道に迷う男子高校生の姿があった。っていうか俺だった

祐一「いや、こっちだったよな?あそこに商店街があったから・・・・」

あ、またさっきの場所に戻ってしまった・・・

祐一「??」

ど、どっちに行けばいいんだ?

えっと、
・・・・あ、またたい焼き屋だ

祐一「・・・・・・・・」

お父さん、お母さん、(顔は思い出せませんが)、あなたの息子、相沢祐一は
高校三年にもなって迷子になりました・・・・

祐一「なっさけねぇ・・・・」

佐祐理「あ、祐一さん」

祐一「ん?」
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/10(金) 13:26:37.47 ID:L37oen0d0

声の方を見ると、すごい美人がいた。清楚で、可憐で、リボンがとても似合っていて、お嬢様オーラがあって、そしてとても笑顔の素敵な人だった

佐祐理「あははー」

佐祐理「佐祐理を、そんなに、褒めないでください。もう、照れちゃいます」

祐一「え、今おれ、声に出てた?」

佐祐理「はい」

そういうとすごい美人は微笑んだ

佐祐理「祐一さん、いま、お暇ですか?」

・・・・って言うか、この人、俺の知り合いなんだな
声をかけてくれるってことは、それなりに親しい人なんだろうな・・・

祐一「えっと、その前に、ごめん」

祐一「あの、その、あなた、誰なんですか?」

佐祐理「えっ・・・」

すごい美人の向日葵のような笑顔が消えた
うわ、すごい罪悪感・・・・でも、仕方ないか
俺は事情を説明することにした
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/10(金) 13:27:08.50 ID:L37oen0d0
佐祐理「そうだったんですか・・・・」

祐一「その、ごめんな、えっと・・・・」

佐祐理「佐祐理は、佐祐理って言います、祐一さんは呼び捨てにしてましたよ」

祐一「分かった」

佐祐理「はえー・・・・」

佐祐理「それにしても、記憶喪失、ですかー・・・・」

佐祐理はなにか考えているようだ
美人は何をしても美人だな、考えている仕草すら愛らしい・・・

佐祐理「もう、祐一さん、恥ずかしいです」

祐一「あれ、また声に?」

佐祐理「はい」

そう言い、微笑む佐祐理
本当に、この人の笑顔、素敵だなぁ・・・・
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/10(金) 13:27:57.97 ID:L37oen0d0

佐祐理「そうだ、祐一さん、佐祐理の家に来ませんか?」

祐一「え、今から?」

佐祐理「はい」

佐祐理「佐祐理の家で、祐一さんと佐祐理のこと、お話しますね」

祐一「そりゃあ、情報が増えるのはありがたいけど・・・・」

祐一「でも、いいのか?女の子の家に行くなんて」

佐祐理「佐祐理は独り暮らしだから大丈夫ですよ」

佐祐理「あ、もう一人、祐一さんもよく知っていた佐祐理の親友も住んでますけど」

祐一「いや、余計駄目だろ、女の子の独り暮らし」

佐祐理「大丈夫ですよ、祐一さんと、佐祐理は恋人同士なんですよ」

祐一「・・・・・・・・・・・」

その言葉を理解するのに、俺は数秒の時を必要とした・・・

・・・・・・・・・恋人同士だって?
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/08/10(金) 13:29:36.17 ID:L37oen0d0
今回はここまでです
やっと全キャラ登場できました(舞は名前だけですが)
急いで書いたので誤字とかあったら申し訳ありません

また次回
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/10(金) 16:12:05.60 ID:H6IUiY2DO
ハーレムENDか…期待してます
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/08/10(金) 16:25:26.29 ID:58OoBDKx0
11話「みんなの祐一」
最終話「Kanon」
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/11(土) 01:00:04.39 ID:edEfvjoDO
懐かしいな
SSの類いを読むようになったのは、Kanonが入り口だった気がするわ
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/08/11(土) 12:48:17.66 ID:PEkFEd0ho
乙々
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/11(土) 12:49:44.79 ID:2RUXE00wo

七瀬か。教室のCGでそれらしき人がいたっけなぁ
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/12(日) 11:01:01.40 ID:iu/mpCgIO
えいえんはあるの?
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/08/13(月) 23:39:03.08 ID:T2D9Vyr40
えいえんはあるよ、どこにでもあるよ
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/14(火) 06:46:54.99 ID:+qWprWGIO
これはいいものを見つけた
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/08/14(火) 18:34:07.15 ID:dDZ6x2Ylo
>祐一「真琴。こいつ、誰?小学生?」

こんなのがあったからには、

美汐「私とのことも忘れてるんですね」
祐一「はい。すみません、天野先輩」
美汐「……」

が来るかと思ったのに
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/14(火) 20:38:29.66 ID:X9ios00T0
ONEってKanonに比べると知名度低いですよね
個人的にはONEも良い作品だと思います。長森・七瀬への仕打ちはともかく(違う意味で泣けますよね)
では、投下していきますね〜
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/14(火) 20:40:00.93 ID:X9ios00T0

祐一「お〜・・・・・」

俺は感嘆の声を漏らした
こんな所に二人で住んでるのか?広すぎる・・・・

佐祐理「狭いお部屋で申し訳ありませんね」

祐一「嫌味か!」

佐祐理「ふぇ?」

佐祐理はきょとんとした表情で俺を見た
どうやら本気で狭いとか思ってるらしい。今度俺の部屋に連れてきてみよう

佐祐理「祐一さん、どうぞこちらにお座りくださいね」

祐一「え、ここに?」
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/14(火) 20:40:26.77 ID:X9ios00T0

佐祐理は俺にベッドに座れと言ってきた
って、これ、絶対佐祐理のベッドだよな・・・

祐一「えーと」

佐祐理「」ニコニコ
ぽんぽん

佐祐理は無言で自分の隣を軽くたたいた

祐一「・・・・・・・」

佐祐理「」ニコニコ
ぽんぽん

祐一「す、座るよ」

佐祐理「はい!」

佐祐理はとてもうれしそうだった

159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/14(火) 20:40:55.57 ID:X9ios00T0

佐祐理「いけない、佐祐理ったら、祐一さんにお茶も出さずに」

そう言うと佐祐理さんは立ちあがった

祐一「いや、お構いな・・・

佐祐理「ちょっと待っててくださいね」

そう言うと佐祐理は部屋から出・・・

佐祐理「下着は上から二段目ですよ」

祐一「!?」

・・・・出て行った

・・・・・その情報いらねぇ・・・・・
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/14(火) 20:41:35.83 ID:X9ios00T0

祐一「落ち着かねえ・・・・・・」

なんでだ?彼氏彼女の関係なら何度も入ったんだよな?俺

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・そうだった

俺は佐祐理も含めて、5人の女の子(子?)と付き合っているのか・・・

祐一「記憶、戻れ・・・・・」

戻ったところで、もし本当に5人の女の子(子?)と付き合っているのなら俺はどうすればいいんだろう

祐一「朝から悩んでばかりだな、俺」

悩まなければならない内容なんだけどな
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/14(火) 20:42:10.28 ID:X9ios00T0

佐祐理「おまたせしましたー」

祐一「いや」

佐祐理「ちょっと待ってくださいね」

佐祐理は慣れた手つきで紅茶を淹れ始めた
あ、良い香り・・・・・

祐一「いい匂いだね」

佐祐理「あははー、ありがとうございます」

祐一「うん、なんか落ち着くよ」

昨日からなんか大変だったから、すごく癒される・・・・・
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/14(火) 20:42:52.15 ID:X9ios00T0

佐祐理「はい、どうぞ、召し上がれ」

そう言うと佐祐理は俺の隣に座った

祐一「いただきます」

祐一(えっと、どうするんだっけ)

なんか本で読んだぞ。楽しむ順、色、香り、味、だっけ?
・・・・・まぁ、適当でいいか?
でも、佐祐理の飲む姿・・・・・絵になるなぁ・・・

佐祐理「ありがとうございます」

佐祐理「でも祐一さん、気を楽にしましょう」

祐一「えっ」

佐祐理「商店街で祐一さんに声をかけたのは、もちろん佐祐理が祐一さんとお話したいというのもありました」

佐祐理「でも、それ以上に、祐一さんが疲れてそうだから声をかけたんですよ」

163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/14(火) 20:43:23.22 ID:X9ios00T0

そう言うと佐祐理は優雅に、そして朗らかに俺に笑いかけた
そんな佐祐理さんの笑顔を見ると、俺の気も楽になってくる

祐一「ありがとう、佐祐理」

佐祐理「いえいえ、佐祐理は祐一さんの恋人ですから」

祐一「はい」

ああ・・・・なんか、これ、いいなぁ・・・・・・

その後、俺は佐祐理の淹れてくれた紅茶を楽しんだ
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/14(火) 20:44:42.94 ID:X9ios00T0

祐一「ふーっ・・・」

佐祐理のおかげですごく気が楽になった・・・
まだ解決していない問題が山積みではあるが、なんだかすごく落ち着く・・・・

佐祐理「あははー」

佐祐理「それでは、祐一さん、どうぞ」

祐一「ん?」

佐祐理「佐祐理のおひざ、お貸ししますよー」

祐一「ん、ありがと」

なぜだろう、栞とか、真琴とかに言われていたなら確実に照れていただろうけど、佐祐理に言われると自然に体が動いてしまう・・・
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/14(火) 20:45:27.60 ID:X9ios00T0

佐祐理「あははー」

佐祐理は俺の頭を撫でながら嬉しそうに笑う

佐祐理「それでは、佐祐理と祐一さんのお話、しますね」

佐祐理「あ、祐一さん、眠くなったら寝てもかまいませんよー」

祐一「いや、聞くよ。聞きたい、俺と佐祐理の話」

佐祐理「ありがとうございます。それでは、お話しますね」

佐祐理は俺の頭を撫でたり、髪をいじったりしながらゆっくり話し始める・・・
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/14(火) 20:46:19.18 ID:X9ios00T0

佐祐理と俺の出会いは、川澄舞(俺は舞と呼んでいたらしい)との関係かららしい
佐祐理と舞は親友であったこと、
舞と俺は幼馴染で(またかよ)、俺と舞のせいで舞は魔物と戦わなければならなかった事、(魔物ってなんだ?)
舞が学校で不良と思われていたり、退学になりそうになった時も俺と佐祐理と舞の3人で乗り切った事・・・・・・・
そして、佐祐理の弟さんのこと・・・

弟さんの事を話す時、佐祐理は少し悲しそうだった

佐祐理「あははー」

佐祐理「やっぱり、このこと思い出すと、悲しくなっちゃいます」

祐一「佐祐理・・・・・・」

167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/14(火) 20:47:31.75 ID:X9ios00T0

佐祐理「でも、もう大丈夫なんです」

佐祐理「祐一さんや、舞が佐祐理のそばに居てくれてますから」

祐一「佐祐理・・・・・」

佐祐理「祐一さん・・・」

俺は体を起こすと、佐祐理を抱きしめた

祐一「ごめんな、佐祐理」

祐一「絶対、記憶思い出すから、待っててくれ」

佐祐理「いいんですよ、祐一さん」

そう言うと佐祐理はそれが当り前であるかのように、俺の首に手を回し、

佐祐理「佐祐理は、信じてますから」

俺の唇を奪う

栞や秋子さんの時とは違い、俺は驚かなかった
俺も、それが当り前だと思ってしまったからだ・・・
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/14(火) 20:48:02.00 ID:X9ios00T0

佐祐理「んふ・・・ちゅ・・・んんっ・・」

祐一「ん・・・佐祐理・・・・ちゅ・・・」

佐祐理「祐一さん・・・ちゅっ・・・」

祐一「佐祐理・・・・」

佐祐理「祐一さん・・・・・・・」

佐祐理「・・・・・いいですよ」

その言葉を合図に俺は佐祐理を押し倒し、佐祐理さんの服に手をかけた

祐一「佐祐理さん、脱が・・

舞「・・・・・・・・何をしてるの」

祐一・佐祐理「!?」

169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/14(火) 20:48:42.28 ID:X9ios00T0

舞「この状況は、なに・・・・・・・・・」

祐一「・・・・・・・・・・・・・・」

佐祐理「・・・・・・・・・・・・・・」

舞「・・・・・・・・・・・・・・・」

祐一「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

佐祐理「・・・・・・・・・・・・・・・・」

舞「・・・・・・・・・・・・剣、持ってくる」

祐一「だぁーーーっ、待て!違うんだ!」

佐祐理「舞、待って!」

170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/14(火) 20:49:31.09 ID:X9ios00T0

祐一「あのあと、佐祐理の説得によって、なんとか舞は止まってくれた」

祐一「その後、二人だけで少し話したいです、とか言って佐祐理さんは出て行った」

祐一「・・・・・・・・・・・・・・・・」

舞が制止に入らなかったらどうなってたんだろう・・・・・

祐一「・・・・・・・・・・・・危ねぇ・・・」

流されてどうするんだ、俺・・・
まだ記憶が戻っていないと言うのに・・・・

祐一「でもあれは・・・」

反則、だよな・・・・・・

171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/14(火) 20:49:56.21 ID:X9ios00T0

ガチャ
佐祐理「お待たせいたしました、祐一さん」

舞「祐一・・・ごめん」

祐一「いや、いいよ」

そう言い、入って来た二人は俺を挟むように座った
・・・・・・さっきも思ったことなんだが、二人とも妙に密着してくる
佐祐理は恋人だからだけど、舞は・・・・?

祐一「えっと、舞、さっきはすまん」

舞「何を謝るの」

祐一「えっと・・・・」

172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/14(火) 20:50:53.13 ID:X9ios00T0

佐祐理「あははー」

佐祐理「祐一さん、舞、仲間外れにされちゃったから拗ねちゃったんです」

そう言うと舞は佐祐理にチョップで答えた

舞「拗ねてなんかいない」

佐祐理「あははー」

この二人、本当に仲が良いんだな・・・

祐一「さっき、何の話してたんだ?」

佐祐理「祐一さんが記憶喪失だという話をしていました」

舞「本当なの、祐一」

祐一「ああ」

173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/14(火) 20:51:35.12 ID:X9ios00T0

舞「・・・・・・・・・・・・・・・」

俺がそう言うと舞は再び無表情になった
何回目だ、この光景・・・・仕方ないんだけど

佐祐理「舞、祐一さんが困ってるよ」

祐一「佐祐理・・・?」

佐祐理はいつのまにか俺に腕をからませていた

佐祐理「舞、祐一さんに言いたい事、あるんだよね」

舞「・・・・・・・・・」

祐一「ん?」

舞「祐一は、」

舞「祐一は、私とも恋人同士だったってことも忘れたの」

・・・・・・・・!?

祐一「なッ・・・・・!!」
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/14(火) 20:52:23.96 ID:X9ios00T0

祐一「ちょ、ちょっと待て!」

祐一「え!?・・・俺と、舞が!?」

祐一「っていうか『私とも』って」

佐祐理「はえー、祐一さん、落ち着いてください」

祐一「いやだって、その、俺は佐祐理と・・・」

いや、佐祐理だけじゃないんだけど・・・

佐祐理「はい」

佐祐理「ですから、あの事件があってから、これから三人でやっていこうって決めたんです」

祐一「そ、そうなのか、舞」

舞「はちみつくまさん」

祐一「?」
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/14(火) 20:52:56.89 ID:X9ios00T0

舞「証拠もある」

祐一「証拠?」

舞「祐一が、あんまり認めてくれないから」

そう言うと舞は机の下の・・・・・
・・・・・って、見える、見えるから、かがまないでくれ

舞「はい、祐一」

佐祐理「はえ?どうしたんですか、お顔が真っ赤です」

そう言うと佐祐理は俺の頬に両手を添えた

祐一「・・・・・・・・・・」

佐祐理「はえ〜・・・・・」

176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/14(火) 20:53:32.78 ID:X9ios00T0

舞「・・・・・・・・・・・・祐一」

祐一「あ、あ、すまん!」

祐一「えっと、これは?」

舞「テープレコーダー」

舞「祐一の言質とっといた」

祐一「言質!?」

佐祐理「はえ〜」
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/14(火) 20:54:05.14 ID:X9ios00T0

祐一「・・・・・・・・・・・・」

俺はとりあえず、聞いてみることにした
カチッ

祐一『合格』

佐祐理『何にですか?』

祐一『俺の嫁に』

佐祐理『あははー、こんなことで祐一さんのお嫁さんになるのなら、世の中の女性、みんな祐一さんのお嫁さんですよ。大変ですね』

祐一『そんなにいらないよ。佐祐理さん』『と舞』『だけでいい』

祐一「!?」

いま、なんかちょっとおかしかったぞ!?

佐祐理『ありがとうございます』『じゃあ、もっと頑張る事にしますよ。祐一さんに釣り合うように』『ねー舞』

舞『がんばる』

カチッ

佐祐理「はえー・・・・」

佐祐理は当時の事を思い出したのか、照れている

祐一「えーっと・・・」

178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/14(火) 20:55:06.04 ID:X9ios00T0

祐一「・・・これ、何の事を言っているんだ?」

舞「そんなこと、言わせるの」

祐一「?」

俺がそう聞くと、舞は無表情ではあるが少し顔を赤くしながら答えた

舞「えっちのこと」

祐一「なっ!?」

佐祐理「あははー」

佐祐理はとても恥ずかしそうだ

祐一「ちょ、ちょっとまて、もっかい聞かせろ!」

179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/14(火) 20:55:37.29 ID:X9ios00T0

舞「えっちの・・

祐一「そうじゃない、テープレコーダー!」

俺は舞からテープレコーダーを奪い取るともう一度聞いてみた

祐一「・・・・・・・・・・」

『こんなことで』『もっと頑張る』
って・・・・そういう事なのか・・・・・俺は料理かなんかと思うんだが・・・・
いや、記憶が無い以上そっちを信じるしかあるまい・・・・

祐一「・・・・・・・・・・・・・・」

祐一「ってことは・・・・・・・」

祐一「俺はその・・・・・佐祐理と舞、の3人で・・・その・・・してたのか」

舞「・・・・・・・・・」

舞は黙って頷いた

180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/14(火) 20:56:11.61 ID:X9ios00T0

佐祐理「あははー・・・」

舞「・・・・・・・」

祐一「・・・・・・・・・・・・」

どうすればいいんだ、これ・・・・・

祐一「二人はその、」

祐一「こんな優柔不断な選択で良かったのか?」

舞「?」

佐祐理「それは、舞と佐祐理の二人を選んだことについてですか?」

いや、本当は名雪、真琴、秋子さん、栞、佐祐理、舞の6人だけど・・・

祐一「あぁ」

181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/14(火) 20:57:23.21 ID:X9ios00T0

佐祐理「良いんですよ、そう決めたんです」

佐祐理「三人で幸せになろうねって」

佐祐理「ね、舞」

舞「うん」

佐祐理「どうですか、祐一さん」

祐一「お、おう・・・・・」

それでも、まだ記憶が戻っていないわけだしな・・・
恋人と言っているのは他に4人も居るわけだから・・・

って、さっき流されかけた人間が言う台詞じゃないよな
でも、そこだけははっきりさせとかなければ

182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/14(火) 20:57:51.79 ID:X9ios00T0

祐一「えっとさ、佐祐理、舞」

祐一「やっぱり、記憶が戻るまで、待ってくれないかな」

佐祐理「ふぇ?」

祐一「やっぱりさ、その、記憶が戻っていない状態だから」

祐一「中途半端な状態なんだよ、これ」

祐一「えっとその、うまく言えないんだけど・・・」

佐祐理「はい」

佐祐理「やっぱり、今のままじゃ出来ないってことですか」

佐祐理「・・・・・・・・・」

183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/14(火) 20:58:37.49 ID:X9ios00T0

佐祐理「祐一さん・・・・」

佐祐理「佐祐理は、さっき祐一さんに押し倒されちゃった時、嬉しかったです」

祐一「・・・!?」

佐祐理「佐祐理は、とっても悪い子なんです」

佐祐理「弟の事もそうですけど、」

佐祐理「佐祐理は欲張り屋さんなんです」

佐祐理「祐一さんにやさしくしてもらったら、もっとやさしくしてほしくなります」

佐祐理「祐一さんが、もっと欲しくなっちゃいます・・・」

佐祐理「だから、祐一さん・・・・」



俺は、佐祐理さんに、押し倒され、そのまま唇を奪われた


佐祐理「佐祐理たちを、貰ってほしいです」



祐一「佐祐理、舞・・・・・・」
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/14(火) 20:59:54.84 ID:X9ios00T0
今回はここまでです
ではまた次回
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県) [sage]:2012/08/14(火) 21:25:10.17 ID:ssFNynF80
攻め佐祐理さんたまらん
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/08/14(火) 21:32:45.80 ID:w8o5HbOyo
どこに向かって行くのか不安でたまらんいいぞもっとやれ
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/15(水) 03:04:17.23 ID:TStS9dj+o
ハーレム!ハーレム!
佐祐理攻略出来なかったのは悲しかったわ

今はアレだけど、当時はONEも同等の知名度はあったと思うよ
Kanonって何?って奴にもONE作ったスタッフが作ったゲーム、で通じたし
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/08/15(水) 04:09:42.09 ID:9X/g1YdVo
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/08/15(水) 20:39:43.60 ID:ZbBzXf+wo
理想のハーレム過ぎて祐一爆発しろとしか思えないww
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/08/18(土) 10:02:28.74 ID:vbwZzEaAo
まだかなー
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 20:12:48.14 ID:O6MmnvXk0

遅くなって申し訳ありません
記憶喪失についての説明が入りますが、面白くなければ飛ばしてもらって構いません
私も本に書いてある事をなぞっているだけなので・・・

それでは、投下していきますね〜
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 20:13:15.82 ID:O6MmnvXk0

祐一「ただいま」

名雪「祐一っ」

玄関のドアを開けると泣きそうな名雪が俺に飛び込んできた

祐一「名雪?」

名雪「ごめんね、ごめんね」

名雪「やっぱり、部活休んででも一緒に帰ってあげるべきだったよね」

そう言うと、名雪は俺の胸の中で泣きだした

そうか、やっぱりこんな遅くなっちゃったし、心配かけたんだよな
だけど、名雪が気に病むことはないだろうに・・・

193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 20:14:18.68 ID:O6MmnvXk0

祐一「いや、名雪のせいじゃないよ。俺が迷ったのが・・・」

名雪「祐一」

・・・・・!?
なんだ、この冷たい声は・・・

名雪「どこ、行ってたの」

祐一「!?」

な、なんでそれを・・・

名雪「違う女の子の匂いがする・・・」

194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 20:16:01.84 ID:O6MmnvXk0

祐一「えっと・・・・・」

名雪「・・・・・・・・・・・」

祐一「その・・・・・栞が、学校で抱きついてきただろ・・・・あれだよ」

名雪「抱きついてたの」

名雪「わたし、そんなとこみてなかったけど」

祐一「だから、3限目のあとの・・・・あっ」

し、しまった。そこまで、別に言う必要はないんじゃ・・・

名雪「うー・・・・・・」

でも、佐祐理と舞のことを考えると、二人の事は絶対に喋っちゃ駄目だよな

195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 22:31:23.53 ID:DGF0dBR40

あゆ「うぐぅ・・・・二人とも、玄関でなにやってるの?」

祐一「あゆ?」

なんであゆが俺の家に?

あゆ「うぐぅ・・・・祐一くんを待ってたんだよ」

名雪「あゆちゃんね、祐一と話すために来てたの」

名雪「でも祐一帰ってこないし、もう遅いから晩ご飯食べていくってことになったの」

祐一「・・・そうか」

196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 22:32:40.63 ID:DGF0dBR40

あゆ「ご飯出来てるから、早く来てね」

祐一「お、おう」

あゆ「ボクも作ったんだよ」

祐一「おう、楽しみだよ」

あゆ「うぐぅ・・・・やっぱり祐一くんじゃない・・・」

祐一「?」

そう言うとあゆは居間に戻って行った

名雪「あゆちゃんのご飯ね、あんまり上手くないの」

名雪「祐一はあゆちゃんが料理作ったって言って、『楽しみ』なんて絶対言わなかったもん」

197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 22:34:01.55 ID:DGF0dBR40

祐一「あぁ、それで・・・・・」

名雪「・・・・・・・・・・・」

なるほど・・・・・そういう事でも記憶が無い事が分かるのか・・・
って、あゆ、それ・・・自虐じゃ・・・

名雪「もういいよ、祐一」

名雪「ご飯。食べよ」

祐一「ん?」

名雪「その代わり、今夜、わたしの部屋に来て」

祐一「・・・・・・・・・・・・」

そう言うと、名雪は居間に行った

198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 22:34:47.46 ID:DGF0dBR40

祐一「ただいま、着替えてきますね」

秋子「おかえりなさい、祐一さん」

真琴「祐一、遅いわよぅ」

居間に入るとうまそうな匂いが立ち込めていた
俺はさっさと着替えることにした

ガチャ
祐一「・・・・・・・・・・・・・・・」

佐祐理『祐一さん、佐祐理と舞を貰ってください・・・』

199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 22:36:23.85 ID:DGF0dBR40

祐一「貰ってください、か・・・・」

祐一「・・・・・・・・・・・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

俺の選択は、間違っていたのか?

分からない・・・・・

祐一「記憶がある時の俺は、どーやってさっきみたいな修羅場を乗り越えていたんだ?」

そんなに口がうまいのか俺は・・・

200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 22:37:04.98 ID:DGF0dBR40

祐一「すいません、待っててくれたんですか?」

秋子「ええ、いつもみんな揃ってから食べることにしてますから」

おっ・・・今日もうまそうだな・・・

あゆ「うぐぅ・・・おなかすいたよぉ」

秋子「それじゃ、いただきましょうか」

祐一「はい」

「「「「「いただきます!」」」」」

201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 22:38:16.56 ID:DGF0dBR40

秋子さんの料理はうまかった。それ以外に言葉が出ないくらいに。
昨日は味わうどころのことじゃなかったから、今日は味わって食べる事が出来た

祐一「で、あゆはなんで家に来たんだ」

あゆ「うぐぅ・・・・・」

あゆ「祐一くんが記憶喪失だって聞いたから、ボクの話をしにきたんだよ」

祐一「あ、そうだった・・・・痛っ」
ガリッ

な、なんだこの黒いの・・・

祐一「秋子さん、これなんですか・・・」

202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 22:40:20.85 ID:DGF0dBR40

秋子「あらあら、これ、あゆちゃんが作ったのよ」

祐一「・・・・・・」

祐一「この、黒くて固いのはなんだ・・・・」

あゆ「うぐう・・・・コロッケだよぉ」

祐一「お前の中じゃコロッケは黒いのかなぁ!?」

あゆ「うぐぅ・・・・・・・・」

って言うか、失敗したのなら食卓にまで出さないでくれ・・・・

203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 22:40:49.69 ID:DGF0dBR40

食後、俺はあゆの話を聞くことにした
真琴は『本読むから』とか言って部屋に戻って行った

祐一「名雪も居てくれ、話の補足をしてもらいたい」

名雪「いいよ」

あゆ(二人だけで話したかったけど・・・)

祐一「それで、何の話をするんだ?」

秋子「コーヒー淹れてきますね」

祐一「え?」

祐一「あ、はい。で、あゆ」

あゆ「うん、じゃあボクと祐一くんの話をするね」

204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 22:42:47.22 ID:DGF0dBR40

あゆは俺に自分と俺との話をしてくれた。
大体の事は名雪から聞いていたので、分かっていた。初恋の相手だと言う事も
そして、俺のせいで・・・長い間、目を覚まさなかった事も・・・

祐一「改めて謝っておくよ・・・・本当にごめんな、あゆ」

あゆ「いいよ。それに、ボクも不注意だったんだと思う」

あゆ「それに、記憶を失う前の祐一くんが、もう何度も謝ってるよ」

祐一「俺のせいで、小学生のままなんだよな・・・・」

身長140あるのか?こいつ
胸も・・・・・72も無いだろう・・・小学校高学年にも満たないくらいだ

あゆ「うぐう・・・体の事はいいんだよ・・・」

205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 22:43:43.93 ID:DGF0dBR40

あゆ「でもね、祐一くんのおかげで治ったんだから、感謝もしてるんだよ」

祐一「いや、治ってないだろ」

祐一「主に身長」

あゆ「うぐう・・・・身長はもういいってば」

あゆ「祐一くんがいなかったら、ボク今でも、これからもずっと一人で探し物を探してたんだと思うし」

祐一「小さい体で・・・」

あゆ「身長はもういいってば!!」

206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 22:44:28.47 ID:DGF0dBR40

あゆ「記憶は無くなってても、ボクにいじわるすることは覚えてるんだね」

名雪「抱きつくのもよけてたし」

祐一「本能ってことか・・・」

あゆ「うぐう・・・・そんなの本能にしないでよ」

まぁ、とにかく、こいつはいじめたら面白いのは分かった

207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 22:45:05.57 ID:DGF0dBR40

その後も、あゆはあゆと俺の思い出の話をしてくれた。
もう何回目かわからないが、案の定俺には分からないことだった

昔、名雪に借りた1000円が実はあゆのために使われていたことが判明すると、名雪はジト眼で俺をにらみながら

名雪「イチゴサンデー、2つ追加だよ・・・」

とか言っていた。いや、そんな昔の事知らないし、第一おれは覚えてないし、
それに朝もう1000円の事はいいとか言ってなかったか!?

208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 22:46:04.72 ID:DGF0dBR40

祐一「しっかし、記憶喪失・・・・ね」

祐一「しかも二回も。俺、貴重な体験をしてるんだな」

名雪「嬉しくない貴重な体験だけどね」

祐一「あぁ・・・」

そうだよな、名雪にとっても、二度目の・・・・

祐一「解決策を考えないと」

そうだ。記憶を取り戻さないと。
そして、6人の女の子に、謝らないと・・・・・

名雪「なにか、きっかけがあれば思い出すのかな」

209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 22:48:10.21 ID:DGF0dBR40

真琴「そうね」

祐一「真琴?」

真琴「記憶を取り戻す方法よね」

真琴「真琴、学校終わってからずっと図書館に行って調べてたの」

名雪「そ、それで帰ってくるの遅かったの?」

真琴「そうよ」

真琴・・・・・・俺なんかのために・・・・

真琴「といっても、何の解決にもならないかもしれないけど・・・」

祐一「いや、頼むよ、真琴。聞きたい」

210 :6レスくらい説明なんで飛ばしてもらっても構いません [saga]:2012/08/19(日) 22:48:56.27 ID:DGF0dBR40

真琴「まず、記憶喪失の説明ね」

真琴「『記憶喪失』とは、心因、外因によらず、その人の意識から『記憶が喪失(うしな)われている』という状態の、その『状態の呼び名』ね」

真琴「『出血多量』が病名でないのと同様に、病気じゃないの」

真琴「で、『記憶』とは何かって話、ね」

真琴「『記憶』とは『起こった事実』の『完全な貯蓄・羅列』ではなく、『眼差しによって編みあげられた事実』、すなわち『物語』。それが記憶ね」

祐一「・・・・」

211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 22:49:38.29 ID:DGF0dBR40

真琴「『記憶喪失』とはその人から『起こった事実』が失われた状態じゃないの」

真琴「それら『事実』は本人にとって夢なのか妄想なのか、他人に起きた出来事なのか、本で読んだ事なのか分からないままだが、事あるごとに意識に『事実』が現れては消え、現れては消え、となっている状態ね」

祐一「『事実』ね」

祐一「だが、俺には『事実』が何一つ分からないんだが」

真琴「でも、他の人からいろいろ言われて、たくさんの『事実』を得たでしょ」

真琴「その『事実』が大切なの」

212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 22:50:05.93 ID:DGF0dBR40

真琴「で、記憶が回復する方法ね」

真琴「漫画とかにあるように、記憶喪失のきっかけとなった物と同じショックを与えると思いだすなんて、ただのジョークなのね」

真琴「つまり、もう一度食べても・・・・無駄ってこと」

祐一「食べるって?」

真琴「思い出さなくていいから、知る必要もないと思うわ・・・」

213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 22:50:45.93 ID:DGF0dBR40

真琴「どんなきっかけを与えられようと『意志によって思い出そうと決めたもの』しか人は思い出さないの」

真琴「仮に思い出すとしても、それは祐一の全存在が『ここまでなら大丈夫』と許す範囲までね」

真琴「それが、周囲の人にとって不完全な記憶に見えても、祐一にとってはその『不完全な記憶』に見えるものが唯一の『記憶』ね」

真琴「祐一は、他の人何か言われて、何か思い出したの?」

祐一「いや・・・・さっぱりだ」

祐一「いろんなこと言われたんだ。記憶があるころの話を」

祐一「だけど、さっぱりだったよ」

真琴「そう・・・」

214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 22:51:22.06 ID:DGF0dBR40

真琴「『記憶の回復』とは、人が生きるときに拠って立つ『物語』の『構築』ね」

真琴「つまり、」

真琴「『記憶の回復』とは、夢なのか妄想なのか、他人に起きた出来事なのか、本で読んだ事なのか分からないがけど、

真琴「事あるごとに意識に現れては消えた『事実』が、やはり脈絡を持って己自身に起きた『事実』だと受け入れる事」

真琴「すなわち、それが自分自身の『物語』であるという事実を受け入れることね」

名雪「くー・・・・」

あゆ「むにゃ・・・・・」

真琴「起きなさいよ!こっからが重要なの」

215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 22:52:11.30 ID:DGF0dBR40

真琴「注意しなくちゃいけないこと、ね。これは真琴たちの事」

真琴「祐一が『思い出そうとしている時』には強く働きかけちゃ駄目」

真琴「なぜなら、そのとき祐一はさなぎから這い出てきた成虫のような、傷付けばその瞬間取り返しのつかなくなる精神状態にあるから」

真琴「つまり、じっと待つしかないの。手助けはしていいけど」

真琴「変な記憶を、間違った記憶、を植え付けると、混乱を招くの。下手をすると祐一が壊れるから」

真琴「分かった?」

名雪「くー」

真琴「聞きなさいってば!!!」

216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 22:54:42.82 ID:DGF0dBR40

真琴「あんたは祐一の彼女でしょ!」

祐一「真琴!?」

真琴もそうなんじゃ・・・・
それなのに、真琴・・・・・・・

真琴「何よぅ?」

祐一「いや・・・」

真琴「とにかく、祐一に間違った記憶を植え付けない事!」

真琴「これが一番大切だから。そうじゃないと、祐一が壊れるから」

名雪「うん、分かったんだよ」

あゆ「ボクも気をつけるよ」

あゆ(そうか・・・・・間違った事言うとだめなんだ・・・)

217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 22:55:58.87 ID:DGF0dBR40

祐一「真琴」

真琴「なによぅ」

祐一「これだけの事を・・・一人で調べたのか?」

真琴「そうよ。あんまり時間が無かったからこれだけしか調べられなかったけど」

真琴「あとで肉まんおごりなさいよ!」

祐一「ありがとうな、真琴・・・」
ぎゅっ

真琴「あ・・・あぅ〜・・・・」

真琴は顔を真っ赤にして俯いた

218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 22:57:51.13 ID:DGF0dBR40

真琴「と、当然よ、これくらい・・・」

真琴「祐一は、真琴にとって大切な・・・・」

祐一「うん」
なでなで

真琴「あう〜・・・・」

あゆ「・・・・・・・・・・・・・」

あゆ(でも・・・・・・・・・ボクだって、祐一くんが・・・・)

219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 23:03:57.45 ID:DGF0dBR40

祐一(あ、名雪・・・・・・・・)

名雪「真琴ちゃんの話、分かったよ」

名雪「とにかく、間違った記憶を植え付けちゃだめなんだね」

真琴「あぅ〜・・・・・・・・ぅん」

名雪「分かったよ。わたし、お風呂入ってくるね」

祐一「・・・・・・・・・・」
なでなで

真琴「あぅ〜・・・・・・」

祐一(名雪、真琴のことは寛容しているのか!?)

220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 23:05:58.98 ID:DGF0dBR40

そのあと、少し話をしたあと、あゆは家に帰って行った

俺は自室にて、なにか手がかりになるものを探していた

祐一「・・・なんだ、こりゃ」

名雪「なにって、少女漫画じゃない」

祐一「名雪!髪、濡れてるぞ」

名雪「・・・・・・・・」
じーっ・・・

祐一「・・・・・・なんだ?」

名雪「・・・・・・・・・」
じーっ・・・・

祐一「あ、あ、そうか、なるほど」

221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 23:07:18.60 ID:DGF0dBR40

俺は名雪の髪を乾かし、梳いてやった

祐一「いつもこれ、やってるのか?」

名雪「ときどきね」

祐一「ふーん・・・・」

あ、いい匂い・・・・

祐一「で、なんで少女漫画が俺の部屋に?」

祐一「俺、そんな趣味が?」

222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 23:08:08.53 ID:DGF0dBR40

名雪「知らない・・・ちょっと見せて?」

名雪「『好き好きマイダーリン』・・・・」

名雪「うわあ・・・・・」

祐一「なんだ、その目!」

名雪「ううん、大丈夫」

名雪「わたし、祐一がどんな趣味でも・・・」

そう言うと名雪はペラペラとページをめくりはじめた

名雪「ふうん・・・・べたべたな話だね」

223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 23:08:41.11 ID:DGF0dBR40

祐一「で、これは・・・・日記?」

名雪「ほんとだ。三日しか書いてないんじゃないの?」

祐一「いや、そんなお約束みたいなこと・・・・」

祐一「いや、めっちゃ書いてる。俺、几帳面だな・・・・」

名雪「ほんとだ」

祐一「なになに・・・・名雪が遅いから、遅刻しかけたって書いてるぞ」

名雪「そんな事書かなくていいのに・・・」

祐一「次は・・・栞の話か。アイスおごったって・・・・」

祐一「次は佐祐理か・・・・・牛丼?なんで牛丼・・・」

名雪(佐祐理・・・?)

224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 23:09:36.88 ID:DGF0dBR40

祐一「日記の内容・・・・そう言えば、こんな事があったような、無かったような・・・・」

祐一「よく分からない気分だ」

名雪「うん・・・」

祐一「事あるごとに意識に現れては消えた『事実』が、やはり脈絡を持って己自身に起きた『事実』だと受け入れる事」

祐一「それが必要だって真琴は言ってたけど」

祐一「『事実』が何一つ浮かばなかったんだけど。俺は」

名雪「?」

225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 23:10:30.89 ID:DGF0dBR40

祐一「つまり、他の人から記憶があった時の事を言われたけど、それが事実なのかどうかわからなかったってこと」

祐一「そんな事も『あったような、無かったような・・・』っていう感じで」

祐一「ごめんな、名雪」

名雪「ううん、いいよ」

名雪「でも、ゆっくりでいいから、早めに思い出してね」

祐一「どっちだよ?」

名雪「気持ち的にはゆっくりでいいから、頑張ってってこと」

祐一「だー、また訳分からんことを・・・」

226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 23:11:28.10 ID:DGF0dBR40

祐一「俺、風呂入ってくるよ」

名雪「うん」
バタン・・・・

名雪「ってあれ?今、真琴ちゃんが・・・」



祐一「♪〜」

風呂にゆっくり浸かって、疲れを癒すとしよう・・・・

カラカラカラ
祐一「♪〜」

真琴「えっ!?」

祐一「なっ!?」

祐一「す、すまん!」
ピシャッ

俺は慌てて風呂の戸を閉めた

祐一「危ない危ない・・・また、同じことを・・・・」

祐一「・・・・・・また?またって何だ?」
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/19(日) 23:15:03.31 ID:DGF0dBR40
中途半端ですが、今日はここまでです
また次回
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/08/19(日) 23:52:48.75 ID:GLDqbq/io


次も楽しみにしてる
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/08/20(月) 12:49:13.15 ID:0GPiSS5Oo
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/24(金) 23:57:34.87 ID:bn1vstjg0

物置の奥に「みつめてナイト」ってゲーム見つけました。久しぶりにやったら栞、名雪、秋子さんが出てるんですよね
・・・あ、秋子さんがあんまり出てきてませんよね。秋子さんファンの人、申し訳ありません
では、投下していきますね〜
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/24(金) 23:58:18.17 ID:bn1vstjg0

真琴「ばかばかばかばか!!」
ぽかぽかぽかぽか

祐一「ごめん、ごめんって!!」

真琴「祐一に見られたあぁぁぁ!」

名雪「祐一・・・・・・・」

祐一「いや、その・・・」

祐一「いやあ、俺の不注意なんだけど・・・本当に、悪かったって!」

232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/25(土) 00:00:00.78 ID:NmR81Wtj0

真琴「ふんっ!」

名雪「うー・・・・・・」

うわ、凄いことやったんだな、俺・・・・そりゃそうか

えっと、何か違う事言わないと・・・・そうだ

祐一「そ、そう言えばさ、」

名雪「?」

祐一「これ、前にもなかった?もしかして」

真琴「えっ!?」

名雪「祐一!」

233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/25(土) 00:00:42.59 ID:NmR81Wtj0

名雪「もしかして、思い出したの!?」

祐一「いや、なんか既視感って言うか、前にあった気がしただけだ」

真琴「あったわ。それも二回も」

二回!?っていうか、それ、わざとじゃないのか?

名雪「じゃあ、思い出してないの?」

祐一「ああ、残念ながら」

真琴「何が残念なの?」

祐一「記憶についてだ!真琴の裸じゃなく」

真琴「そんなこと聞いてないわよ!」

234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/25(土) 00:01:21.48 ID:NmR81Wtj0

祐一「どういう感じだったか・・・・」

祐一「いや、待てよ!思い出した!!」

頭が冴えてくる・・・何だ、この感じは・・・!

祐一「思い出したぞ、記憶!」

名雪「本当!?祐一!!」

祐一「ああ!確か真琴の胸が風呂に浮いてて、」

ガンッ
頭にもの凄い衝撃が走る。
俺は涙目の真琴と凄い表情をした名雪に殴られていた

真琴「そんなくだらないこと思い出してるんじゃないわよ!」

名雪「祐一・・・・最低・・・・・」

祐一「いや、ちょっと待って!くだらなくなんかないぞ!」

235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/25(土) 00:02:12.30 ID:NmR81Wtj0

祐一「それに、真琴が言ってたんじゃないか?」

真琴「何をよ」

祐一「俺が記憶無くなった直後に、お前、言ってただろ?」

祐一「俺とお前が一緒に風呂に入ったって」

真琴「なっ・・・!」

真琴「あ、あれは、ちょっと混乱してただけよ!」

真琴「そう、混乱・・・・って、名雪、睨むのやめなさいよ!」

名雪「うー・・・・・・・」

236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/25(土) 00:20:26.12 ID:NmR81Wtj0

祐一「それに、記憶が少しでも戻った事はいいことだよ」

真琴「内容は駄目な事だけどね」

祐一「まぁ・・・そうだよな」

祐一「でも、前とは状況は違うよな?」

真琴「おんなじよ!あのときだって、真琴がお風呂入ってたら祐一が・・・」

祐一「違う!今回は事故だ!」

祐一「前回はわざとで・・・」

そこまで言って、名雪と真琴の顔に軽蔑と怒りの表情が浮かんでいるのに気づく

237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/25(土) 00:21:12.67 ID:NmR81Wtj0

祐一「いや、待て待て!」

真琴「うるさぁぁぁぁぁい!!」

名雪「最低っ!」

祐一「ぎゃああぁぁぁぁぁぁぁ!!」

俺は名雪と真琴にボコボコに殴られた。
口は災いのもと、か・・・・・

238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/25(土) 00:22:09.71 ID:NmR81Wtj0

祐一「うう・・・・・」ボロボロ

名雪「ふんっ」

祐一「いや、待て、話を聞けって!」

祐一「確か前回は、真琴とスキンシップを取るためにやったことで、悪気はあったわけじゃ・・・」

真琴「もうお風呂のことはいいってば!」

祐一「お、おう・・・?」

名雪「それにしても、なんで急に思い出したのかな?」

真琴「前にあった事だから・・・・?」

239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/25(土) 00:23:41.21 ID:NmR81Wtj0

祐一「そうか・・・前にあった事をやったら、思い出すのか?」

名雪「そうなのかな?」

真琴「うーん・・・・・・・・・?」

祐一「よし、もっかい真琴、風呂に・・・」

真琴「もっかい殴るわよ?」

名雪「うー・・・・・」

祐一「じょ、冗談だって・・・・」

240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/25(土) 00:24:10.85 ID:NmR81Wtj0

祐一「まぁ、なんにせよ一歩前進だな」

祐一「記憶が無くなる前にあった事をやると、思い出す、と」

真琴「ふーん・・・・」

真琴「ねえ、じゃあ、明日学校終わったら、付き合ってよ、祐一」

祐一「ん?」

真琴「真琴と祐一の・・・・大切な場所に連れて行ってあげる」

大切な場所・・・・またか

241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/25(土) 00:24:57.38 ID:NmR81Wtj0

祐一「大切って?」

名雪「ああ!それって、ものみの丘?」

真琴「うん!そしたら、真琴の事、思い出してくるかもしれないし」

名雪「うん、良いかも・・・」

祐一「了解、明日学校終わったらな」

真琴「うん!」

242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/25(土) 00:25:25.60 ID:NmR81Wtj0

・・・・・・・・・・・

祐一「一回やったこと、か・・・・・」

なるほどな。解決の糸口がつかめた気がするぞ

祐一「それにしても・・・・」

真琴、着やせするタイプなのか?あれはC・・・・いや、Dはあるぞ・・・

祐一「・・・・・・・・・・・・・」

コンコン
名雪「祐一?」

祐一「名雪?」

名雪「・・・・・・・」

祐一「ん?・・・・ああ!」

243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/25(土) 00:26:41.61 ID:NmR81Wtj0

祐一「悪い悪い」

そういや、呼ばれてたんだ
俺は名雪に勧められ、名雪の隣に座った。

って、一日に二回も女の子のベッドに座るとは・・・

名雪「真琴ちゃんばっかり構わないで」

祐一「いや、あれは事故だ!」

名雪「うー・・・・・・・・・」

祐一「そ、そんな目で見るなって・・・・」

244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/25(土) 00:27:27.30 ID:NmR81Wtj0

祐一「で、何の用なんだ?」

名雪「あっ」

名雪「そうなんだよ。喧嘩してる場合じゃないよ」

祐一「?」

名雪「祐一・・・・」

名雪は俺にもたれかかる

祐一「なんだ?」

245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/25(土) 00:28:18.97 ID:NmR81Wtj0

名雪「なんだ、じゃないよ・・・・」

名雪「わたしたち恋人どうしで・・・・」

祐一「・・・・・・・・」

・・・・・つまり、そういう事なのか?

ああ、またか・・・・佐祐理の時も、俺は流さ・・・

名雪「祐一、今はわたしを見て」

246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/25(土) 00:30:53.44 ID:NmR81Wtj0

名雪「本当は、普通に一緒に寝るだけのつもりだったの」

名雪「でもね、さっき言ってたよね」

名雪「一度やったことをもう一度やれば、思い出すって」

名雪「だから・・・・」

名雪「ううん、それだけじゃないかな。わたしが、祐一といっしょに居たいってのも・・・」

祐一「名雪・・・・・」

名雪「わたしが、思い出させてあげる。祐一・・・」

名雪「祐一・・・・」

祐一「名雪っ」

247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/25(土) 00:32:10.45 ID:NmR81Wtj0

・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

俺は、名雪を抱いた

記憶が無くなった俺は、自分の体が覚えている事に任せるしかなかった。
ただただ夢中に、俺は名雪の体を欲した。

それでも、名雪は嬉しそうだった。
名雪は何度も俺の名を呼んだ。俺も何度も名雪の名を呼んだ。

そして、行為を終えたあと、俺は・・・・・・

祐一「・・・・・・・・・・・っ!!」

名雪「・・・っふ、はぁ・・・・・ゆ、祐一?」

248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/25(土) 00:33:11.07 ID:NmR81Wtj0

祐一「名雪・・・・ここだよな?」

名雪「ひゃっ・・・ゆ、祐一?」

祐一「そう、ここだ。名雪が好きなのは・・・・」

祐一「思い出したよ。名雪」

名雪「祐一っ!」

祐一「俺と名雪は、恋人同士なんだ・・・」

249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/25(土) 00:33:36.63 ID:NmR81Wtj0

名雪「うん、うん!」

祐一「7年越しの想いを、俺は、名雪に伝えたんだ!」

名雪「うん、うん!」

祐一「それで、それで・・・・・・・」

あれ?

名雪「どうしたの?」

祐一「ん、悪い・・・・」

250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/25(土) 00:34:46.63 ID:NmR81Wtj0

祐一「全部は思い出せてないみたいだ・・・」

祐一「告白した場所って・・・・公園の噴水前?」

名雪「・・・・違うよ、そこのベランダだよ」

祐一「あれ?」

名雪「・・・・でも、大丈夫、大丈夫だよ、祐一」

そういうと名雪は俺の頭を撫でた。
・・・・あ、そう言えば俺達、なんて体位で・・・・・

251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/25(土) 00:35:15.85 ID:NmR81Wtj0

名雪「少しでも、思い出してくれたのが、わたし、うれしいよ」

名雪はすでに涙目だ

祐一「名雪・・・・・」

名雪「恋人同士だってことを思い出してくれたのが、なにより嬉しいよ、祐一・・・」

祐一「名雪・・・・・・」

名雪「ひゃっ・・・・そこ、、や・・・」

252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/25(土) 00:36:20.26 ID:NmR81Wtj0

祐一「にしても、えっちのことは全部思い出すとは・・・・」

名雪「祐一らしいね。真琴ちゃんの胸といい・・・」

祐一「何を!名雪がすぐ寝るからあんまり俺達できなかったんだぞ!」

名雪「そんなことばっか思い出さないでってば!」

祐一「俺もなんか悲しくなってきたぞ・・・」

まさに色情魔じゃないか、俺・・・・

253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/25(土) 00:36:50.38 ID:NmR81Wtj0

祐一「・・・・ってことは・・・?」

名雪「な、なに?」

祐一「名雪、もう一回すればもっと思い出すのか・・・・?」

名雪「・・・うん、いいよ」

祐一「名雪・・・・・」

名雪「祐一、愛してる・・・・」

祐一「・・・俺もだ、名雪」

254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/25(土) 00:37:34.71 ID:NmR81Wtj0

・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・

結局、あのあと、・・・・・・何度だっけ?まぁ、回数はいいや。
何度か名雪とえっちしたわけだが、記憶は戻らなかった。

・・・・まぁ、それで戻ったらそれはそれでいやだ。
いや、戻るのならやむを得ないかもしれないが。

祐一「・・・・・・・・・・・・・・」

俺は隣で眠る名雪の頭を撫でた。

名雪「うにゅ・・・・・・」

255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/25(土) 00:38:53.12 ID:NmR81Wtj0

・・・・しかし、これで記憶が戻るのならば、
恋人だと言っている女の子とえっちすれば記憶は戻るのか?

祐一「何考えてんだ、俺・・・」

最低だ。そんなこと。
それに、もし・・・その、えっちしてない関係だったらどうするんだ。

・・・ああ、さっきから俺は何を考えているんだ。
真面目に記憶喪失の事を考えているはずなのに、内容が・・・・


256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/25(土) 00:39:25.29 ID:NmR81Wtj0

祐一「なるほど、な」

祐一「思い出をさぐっていけば、記憶が戻るのか・・・」

これは良い発見だ。
しかし、何かひっかかるような・・・・・?

祐一「・・・・・まぁいい、とにかく、寝よう、今日は」

今日は長い一日だった。本当に・・・・

疲労感もあって、俺はすぐに眠りにつくことができた。



257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/25(土) 00:40:27.96 ID:NmR81Wtj0

夢、夢の中に居る・・・

みんなの笑い声が聞こえる。とても、幸せそうな・・・

みんなの笑顔を無くしてしまったのは誰だろう?

みんなの笑える世界を取り戻したのは誰だろう?

答えを見つけるために、また考え続ける。

みんなのために、そして、じぶんのために・・・・。

258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/25(土) 00:41:40.86 ID:NmR81Wtj0
今回はここまでです
また次回

259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/08/25(土) 06:57:40.11 ID:NdQVnVV/0
乙です
う〜ん
流石に記憶も無いのにエッチは残念な展開だった気が‥‥
周りの駆け引きを楽しむ的な展開の方が面白かったと思うなぁ
名雪との思い出って言うなら時計とか、ベンチとか、
ビー玉とか有るのにいきなり肉体関係からって
全然大事にしてなくね?
キャラ的にみんな精神的な繋がり大事にするタイプだし
コメディ的に行くなら、
周りの攻め&誘惑→ギリギリ回避→合間に思い出話と記憶の回復
な感じのが良かったような‥‥
前半割りと良かっただけに勿体無い気がする
出来たらエッチ前からやり直して欲しいなって個人的な意見でした。

260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/08/25(土) 16:45:30.38 ID:lnJ/9nmDO
ハーレムエンド期待する
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/08/25(土) 21:48:01.88 ID:wBWPTjM40
乙ですた
10年くらい前は結構流行ってたね
懐しい
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/08/26(日) 00:57:13.68 ID:7PCu31BJo
263 :1です [saga]:2012/08/26(日) 03:50:53.17 ID:lnuGTwVA0
>>259

ご意見、ありがとうございます。
私としても、当初書こうと思っていた展開から外れてしまい、方向性を考えていたのですが、
少し戻って書きなおした方が良いでしょうか。皆様のご意見で、決めようかと思います

264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/26(日) 03:53:54.67 ID:m7qfVP32o
別にこのままでもいいと思うんだが
とりあえず今のを書ききった後にでもやり直したら
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/26(日) 04:43:05.50 ID:rLjCNW8so
おぉKanon懐かしす 一気に読ませてもらった
>>264に同意見、個人的にはこのまま続きを読みたいけど
このまま書き続けると明らかに悔いが残るというなら今の時点で戻ってもいいんじゃ。
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/26(日) 10:32:08.22 ID:yq6e1u+X0
文末にも書きましたが、あくまでも個人的な要望なんであんまり気にしないで下さい。
方向性とかは作者が書きたいのが一番大事ですし。
展開の仕方で幾らでも面白く出来ると思いますしね。
ハーレムエンドとか、ハーレムエンドとか。
 
いや、冗談です。
まあ、どっちにしても面白かったら問題なし。
Kanon好きだから、続き楽しみにしてます。
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/26(日) 18:18:54.90 ID:aPtQxlZDO
ふむ、ハーレムエンドだな
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/27(月) 01:15:26.69 ID:uztbrsk80
ご意見ありがとうございます。
それでは、このまま進めていくことにしますね。
269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/08/27(月) 01:16:35.37 ID:uztbrsk80
>>268>>1です
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/27(月) 04:02:25.46 ID:My6p5iUDO
>>269
ハーレムエンドは大変だけと頑張れよ
271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/01(土) 05:04:31.69 ID:mJXJgK8DO
水瀬さんちの名雪と祐一が付き合ってるようにしかみえない

銭湯とかプールとか
272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/01(土) 05:05:19.45 ID:mJXJgK8DO
水瀬さんちの名雪と祐一が付き合ってるようにしかみえない

銭湯とかプールとか
273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/09/01(土) 20:10:50.66 ID:J6jSc8/o0
遅くなって申し訳ないです

ハーレムエンドとは、このSSの結末の事を仰っているのですか?

では、投下していきますね
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/09/01(土) 20:14:34.97 ID:J6jSc8/o0

祐一「っ!」
がばっ

な、なんだ?
なぜだか、早く起きないとヤバい気がしてきた・・・・

って、あれ?ここ・・・・

そ、そうだった、俺は名雪と・・・

・・・・そうか、部屋に戻った方が良いのか

275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/09/01(土) 20:26:15.04 ID:J6jSc8/o0

俺は誰にも気づかれないようにそーっと部屋に帰り、着替え、名雪を起こしに行った

祐一「そういや、こんな感じだっけ・・・・」

祐一「いやでも、真琴が帰ってきてから、あんまりしてないような・・・・」

真琴「何を?」

祐一「んあーっ!?」

真琴「・・・・・・・」

276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/09/01(土) 20:33:23.38 ID:J6jSc8/o0

祐一「お、おはよう、真琴」

真琴「おはよ・・・・先、降りてるわよ」

祐一「おう・・・・」

び、びっくりした・・・・・?
な、なんか真琴、機嫌悪くなかったか?

祐一「ん・・・帰って来た?真琴が?」

祐一「真琴、どっかに行ってたんだっけ?」

祐一「・・・・まぁ、それはあとで考えよう」

ガチャ
祐一「そうか・・・・毎日これ、やってたんだよな」

祐一「起きろ、名雪―・・・」

そういうと、俺は名雪の服に手をかけ・・・・

277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/09/01(土) 23:14:23.47 ID:wjk4zvyr0

祐一「こちょこちょこちょこちょ」

思いっきりくすぐることにした。

名雪「んー・・・にゅ・・・・・ふふっ・・・」

祐一「起きろ、名雪ー」

名雪「ふふ、あははっ、んー・・・ゆ、祐一?」

祐一「おう、祐一だぞ。起きろ、下で待ってるからな」

こんなもんか。よしよし、なんかだんだん思い出してくるなぁ

278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/09/01(土) 23:20:18.56 ID:MujnIbw10
キャラ的には京アニ祐一よりago祐一のほうが好きだった
279 :>>278 同感です [saga]:2012/09/01(土) 23:26:16.51 ID:wjk4zvyr0

秋子「おはようございます、祐一さん」

祐一「おはようございます。名雪は起こしました」

真琴「名雪は・・・・って、何、先に答えてんのよ」

祐一「いや、予想できたから」

秋子「コーヒーか紅茶かどちらにしますか?」

祐一「じゃあコーヒーで」

280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/09/01(土) 23:26:49.15 ID:wjk4zvyr0

名雪「おはようございまふぁ〜・・・・」

真琴「あ、ほんとだ」

名雪「おかあさん、わたしコーヒー・・・」

秋子「ちょっと待っててね」

真琴「・・・・・名雪、だらしないわよ」

名雪「うにゅ?」

真琴「首に・・・・・まぁいいわ」

ん?・・・・・って、あぁ!

祐一「名雪、その、髪梳いてやるよ」

名雪「? ありがと、祐一」

281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/09/01(土) 23:31:35.52 ID:wjk4zvyr0

ガチャ
名雪・真琴・祐一「行って来ま〜す」

真琴「ふあぁ・・・」

家を出たとたんに真琴は大きな欠伸をした

祐一「女の子が大口をあけるなよ真琴」

真琴「ちょっと夜遅くまで起きてたの」

祐一「へぇ、なんで?」

282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/09/01(土) 23:36:54.36 ID:wjk4zvyr0

真琴「記憶喪失の本、たくさん借りてきたから読んでたの」

祐一「あー・・・・」

俺なんかのために、夜更かししてくれたのか・・・・

真琴「で、新しい事分かったんだけどね」

名雪「え? なになに?」

真琴「うん・・・それはそうと、分かった事を夜、祐一に伝えようと部屋に行ったの」

真琴「そしたら、祐一の部屋に祐一いなくってね。それで、ああ、あー↓。みたいな?」

祐一「・・・・・・・・」

名雪「・・・・・・・・・・」

283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/09/01(土) 23:44:21.91 ID:wjk4zvyr0

それでなんか朝から真琴、機嫌悪かったのか・・・

祐一「その・・・・ごめん」

真琴「いいわよ。あんたたちが恋人同士っての分かってるし」

真琴「恋人同士なら、その先にあるのはそういう事でしょ」

真琴「だから、この話はおしまい」

祐一「・・・・・・・・・・・・・」

ん?その言い方じゃ、俺は真琴ともしてたってことか?
・・・・・・・・?

ん!?これは、もしかして、真琴も誘ってやらなかったから怒ってるってことか!?
い、いや、そんな漫画みたいなことっ、あー、でも・・・・・・・

・・・・よそう。こんなこと考えるの。

284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/09/01(土) 23:54:14.31 ID:wjk4zvyr0

真琴「まぁ、分かった事は大した事じゃなかったの」

真琴「ようは、夜、祐一と話す口実が欲しかっただけなんだけどね」

名雪「ご・・・・ごめんね、真琴ちゃん」

真琴「謝んないでってば。はぁ・・・・」

真琴「それで、話変えるわね。放課後のことなんだけど」

祐一「ああ」

真琴「授業終わったら校門で待ち合わせましょ」

祐一「ものみの丘、だっけ」

真琴「そうよ」

285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/09/01(土) 23:54:42.42 ID:wjk4zvyr0

真琴「いろいろ、準備もしてきたし」

祐一「準備?」

真琴「そうよ」

名雪「・・・・もしかして、『あの』?」

真琴「・・・そうよ。一度経験したことを繰り返せばいいってことなんだから」

真琴「名雪は・・・見たくないなら、来ない方がいいかもしれないわね」

名雪「・・・・・・・・・・・」

286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/09/01(土) 23:59:21.11 ID:wjk4zvyr0

真琴「もっとも、真琴、その時の事あんまり覚えてないんだけど」

名雪「あー・・・そう言えば、そうなんだね」

祐一「どういう事だ?真琴も記憶喪失ってことか?」

真琴「記憶喪失だらけの街って、ここ、どんな街なのよ」

真琴「まぁ・・・・それは、ものみの丘で話すわ」

祐一「でも、真琴、その時の事覚えてないんだろ?」

真琴「大丈夫。・・・・少しだけ、覚えてるから」

287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/09/02(日) 00:01:38.79 ID:25iJsAe80

そんなことを話している間に、学校についた

真琴「じゃあ、放課後にね」

祐一「おう」

祐一「あ、今思い出したけど名雪、弁当は?」

名雪「あるよ。下ごしらえは昨日したから大丈夫だよ」

祐一「そうか」

良かった。昨日みたいな事はもう嫌だ

288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/09/02(日) 00:06:25.24 ID:25iJsAe80



祐一「二限目しゅーりょー・・・・」

祐一「よく頑張った、俺・・・・ふわあぁぁぁぁ」

香里「相沢くん、おでこにノートのあとついてるわよ」

香里「そんな顔で頑張ったって言われても説得力無いわよ・・・」

祐一「眠気と戦って頑張ってたんだよ!」

美汐「そうですよ」

祐一・香里「!?」

289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/09/02(日) 00:40:02.82 ID:25iJsAe80

祐一「あ、天野!お前、いつのまに」

美汐「『二限目しゅーりょー』のあたりからです」

美汐「相沢さんの欠伸・・・・・はぁっ」

祐一「・・・・・・・・・・」

美汐「ところで、相沢さん」
美汐「用があるので、こちらに来てもらえますよね?」
美汐「ありがとうございます」
美汐「それではこちらへ」

祐一「え!?ちょ、ちょっと待っ、俺、何も・・・・」

ずるずるずるずる・・・・・・・

香里「この子、自分の彼氏がピンチなのに・・・・」

名雪「・・・・うにゅ・・・・・」

香里「あら?首・・・・・」

香里「あぁ、それで寝てるの・・・・・いや、寝てるのはいつもか」

290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/09/02(日) 00:40:54.17 ID:25iJsAe80

またこの展開か・・・栞といい、俺の後輩はこんなんばっかか

って、どこまで連れてかれるんだ!?
栞の時は校舎裏だったからまだ近かったけど(その代わり、クラスメイトに少し見られていた事を補足しておく)
これはどこに向かって・・・・?

美汐「ここです」
ガラッ

祐一「ここ、・・・・・保健室だよな?」

美汐「はい、そうです」
カチッ

ん?今の音、なんだ?

291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/09/02(日) 00:45:02.92 ID:25iJsAe80

祐一「なぁ、天野。今の音・・・・・」

そう言いながら、振りかえる俺の顔を天野はガシッとつかみ、

美汐「んむっ・・・・」

いきなり俺の唇を強引に奪った

祐一「んんッ・・・・・・ちょ、待てっ!」

俺は天野を引き離した

292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/09/02(日) 01:03:01.05 ID:25iJsAe80

祐一「天野、な・・・」

美汐「美汐です。祐一さん・・・」

そう言い、再び天野は俺の唇を奪い、さらに舌で俺の唇をこじ開けた

って、なんでなすがままになってんだ、俺はっ!

祐一「ぷはっ・・・・・馬っ鹿、何してんだ天野!」

美汐「美汐です。そう呼ぶまで祐一さんと話しません」

祐一「っ・・・!」

祐一「み、美汐、何やってんだ・・・」

293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/09/02(日) 01:09:33.30 ID:25iJsAe80

美汐「恋人同士の逢引ですよ・・・決まってるじゃないですか」

・・・・・・・・・・もう驚かないぞ。
これで・・・・7人目か・・・
そろそろ自殺とか考えた方がいいのかなぁ、俺・・・・

そんな事を考えていると美汐は俺の胸に飛び込み、胸元でつぶやいた
・・・あ、いい匂い・・・・・・

美汐「祐一さん・・・・寂しかったです」

・・・・・・・!?
な、なんだ?栞に同じ事言われたけど、その72倍はぞくぞくする・・・!?

294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/09/02(日) 01:10:25.01 ID:25iJsAe80

美汐「祐一さん祐一さん祐一さん祐一さんっ」

美汐「ああ、祐一さんの匂い・・・・はぁっ」

美汐「昨日は名雪さんがいらっしゃいましたから全然お話しできませんでしたね」

美汐「ですから今日はいっぱいお話しましょうねぇ・・・祐一さん」

祐一「・・・・・・・・・・・・・・・」

美汐「んふぅ・・・・はぁっ、祐一さん祐一さん祐一さん祐一さん」

295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/09/02(日) 01:12:03.11 ID:25iJsAe80

祐一「だから待てっ」

俺はそう言いながら美汐の肩をつかみ、俺から離そうとし、

美汐「あん・・・・祐一さん、そんな強引に・・・・」

祐一「・・・・!」
ぞくぞくっ・・・・

俺はあまりのことに顔をしかめた
この感触はなんなんだ・・・・!今までの女の子とは違うぞ・・・
そして俺は、こんな女の子の対処を出来ていたのか・・・?

美汐「祐一さん・・・・・」

美汐が流し眼を俺に向けた

・・・・・・!?なんだ!?体に力が入らないっ!?

美汐「・・・・・・そろそろですね」ボソッ

美汐「いま、私たちの邪魔をする者は誰もいません・・・」


296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/09/02(日) 01:24:16.18 ID:25iJsAe80

美汐「祐一さん・・・愛し合いましょう、さぁっ」

そう言うと美汐は俺をベッドに押し倒した。
って、ベッド? ・・・・ああ、ここ保健室か

美汐「はぁっ・・・祐一さん・・・」

美汐の手が蛇のように俺に絡みつく

美汐「ちゅっ・・・・祐一さん」

しゅるっ・・・
美汐「ここ・・・・キスマークですね、誰と寝ていたのですか」

297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/09/02(日) 01:25:54.26 ID:25iJsAe80

美汐「真琴ですか、名雪さんですか?」

つつつつ・・・と、指で俺の胸をなぞり、

美汐「まぁ・・・構いませんよ。ちゅっ」

美汐「私が上書きしますから・・・・ちゅっ」

美汐「いっぱい、いっぱい私のあとを残して差し上げますね・・・」

美汐「はぁっ・・・・何か言ってください・・・祐一さん」

美汐「お使いにならないのなら、その唇は私がいただきます・・・・」

そう言うと美汐は俺の舌を絡め取った

298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/09/02(日) 01:28:34.94 ID:25iJsAe80

美汐「はむっ・・・・れろっ、ちゅっ・・・・」

美汐「祐一さん・・・」

祐一「待て・・・待て、美汐・・・」

美汐「嬉しい・・・・もっと名前をお呼びください、祐一さん」

美汐「ちゅっ・・・・はぁっ」

祐一「美汐・・・・待て、なんでこんなこと・・・」

美汐「そうですね・・・・祐一さん、私との関係もお忘れなのですよね」

299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/09/02(日) 01:33:54.07 ID:25iJsAe80

祐一「ああ・・・」

美汐「構いません。思い出さなくても」

美汐「私は、はぁっ、私は祐一さんを愛しています」

美汐「祐一さんは私を愛していました」

美汐「これだけで十分なんです。男女間なんて」

美汐「よろしいですか?・・・ちゅっ」



怖い。


なんだ、これは。一言で言うと・・・怖い。
二言で言うと凄く怖い、三言で言うと超プラチナ怖い!


300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/09/02(日) 01:34:21.93 ID:25iJsAe80

祐一「待て・・・おかしいぞ、美汐」

美汐「なにもおかしくなんかありませんよ・・・」

美汐「服、いつものように脱がせてもらえますか・・・」

美汐「あ、体に力が入らないんですよね。では、自分で脱ぎますね」

そう言うと美汐は自分の制服をはだけさせた。
って、なぜ体に力が入らない事が分かるんだ・・・?

美汐「はぁっ、祐一さん・・・ちゅっ」

美汐「では、祐一さんも脱がしますね」

301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/09/02(日) 01:43:05.05 ID:25iJsAe80

すでに美汐によってシャツのボタンはすべて外されていたので美汐はズボンに手をかけた。

・・・・・って!

祐一「待て!頼むから俺の話を聞け!!」

美汐「なんですか?」

や、やっと聞く気になってくれた・・・・

えーっと・・・・なんだ、この状況は・・・・何から聞けばいいのか!

なんでこんなことを?
それは、男女間の間にはこれしかない、だっけ?いや、この理論もあんまりだ・・・

祐一「なんで保健室なんかでこんなことを・・・」

だーっ、違う!的外れもいいとこだぞ、俺!

302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/09/02(日) 01:46:05.06 ID:25iJsAe80

美汐「私たちの愛を育むのに、場所など関係ありませんよ」

祐一「意味不明だ!ってかなんでいきなりこんな・・・・」

美汐「祐一さんは私と二人きりになると、頻りに私を求めていらっしゃったじゃないですか」

美汐「・・・・・まぁ既成事実を作ればこちらのものですから」ボソッ

祐一「そ、そうだったのか・・・・?」

美汐「はい、そうです。もうよろしいですか?」

祐一「!?」

いつのまにか俺はズボンまで脱がされていた

303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/09/02(日) 01:49:15.66 ID:25iJsAe80

美汐「祐一さん・・・・いただきますね」

そう言うと美汐は俺の息子に触れ、その手を上下させた

しゅっしゅっ・・・
美汐「はぁっ・・・・どうですか、祐一さん・・・・・気持ちいいですか」

祐一「っ・・・・・!!」

美汐「何も言ってくださらないのですか・・・・祐一さん」

美汐「反応が無くて面白くないですね・・・・・では」

美汐は俺の息子に顔を近づけ、そのまま口をつけた

304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/09/02(日) 01:51:20.18 ID:25iJsAe80

美汐「ちゅ・・・・うふふ、祐一さん・・・・・」

祐一「み、しお・・・・・」

美汐「うれしい・・・・もっと名前を呼んでください、祐一さん」

美汐「ちゅっ・・・じゅるっ、・・・・はぁっ」

祐一「くっ・・・・・!」

美汐「祐一さんの、すごいですね・・・はぁっ」

305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/09/02(日) 01:54:29.05 ID:25iJsAe80

美汐「もう、よろしいですよね?」

美汐「では・・・祐一さんをいただきますね」

祐一「待て・・・・待て、美汐・・・!」

美汐「もう待てないです・・・祐一さん、ほら」

そう言うと美汐は下着を脱ぎ捨てた。

美汐「私はもう祐一さんを受け入れたいんです・・・はぁっ」

祐一「違う・・・!美汐!何かがおかしい、何かが!」
祐一「いや、何かではなく、すべてがおかしいんだが、違う、とにかく違うんだ、美汐!待て!」

美汐「いいえ、何も違わないです・・・・・・祐一さん」


美汐「さぁ・・・私を・・・・受け入れてくださいっ」

306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2012/09/02(日) 01:58:52.40 ID:25iJsAe80
今日はここまでです。
また次回
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/09/02(日) 06:54:27.15 ID:uJzGPQHOo
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/03(月) 12:17:50.10 ID:yflGFKRzo

このままやられてしまうのか?
309 :1です [sage]:2012/09/04(火) 21:52:58.75 ID:0SP1mYoz0
読み返したらこれ、メインヒロイン真琴じゃね?
310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/04(火) 22:37:36.37 ID:YYF5PwHmo
真琴にはとくに強引さがないな
311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/04(火) 23:44:12.25 ID:5DDyyHFVo
>>310
元々祐一が勘違いしただけで、別に恋人とかも言ってないしな
312 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 04:13:09.89 ID:f38vN8sU0
1です酉つけました

で、すいません。今回、なんか変な展開になってしまいました。
気に食わないなら、投下中でもどんどん言っちゃってください。お願いします。書きなおします。

投下は昼ごろから行います。それでは
313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2012/09/09(日) 08:20:29.41 ID:SfCZebjZ0
15年も前の話を…
ひたすら懐かしいぞ
314 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 12:52:21.41 ID:0mZjA7yN0
>>313
そんな前でしたか・・・・

では、投下していきますね
315 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 12:54:25.12 ID:0mZjA7yN0

・・・・・・・・・・・・・・・・うぜぇ・・・・・・

美汐「行きます・・・・祐一さん」

なんで、こんなことばかり・・・・・・

美汐「見ていてくださいね、祐一さん・・・・・」

なんで、こいつらなんかに・・・・俺が・・・・・

美汐「くっ・・・・・・・・はぁっ・・・・」

ずっと、ずっと、こんな目に・・・・・

美汐「ふぅー・・・・はぁっ、入り、ませ・・ん・・はぁっ」

祐一「うぜぇ・・・・・・」

美汐「っ・・・・・?」

316 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 12:57:14.50 ID:0mZjA7yN0

祐一「うぜぇ・・・・・なんで俺の発言は全部無視すんだよ」

美汐「えっ・・・・」

祐一「ああン!!?」


祐一「人の話を聞けっつってんだろボケがぁ!!!!!」


美汐「っ!?」ビクッ

・・・・?美汐の驚いた顔・・・・

って・・・・やべぇ、大声出しちまった!・・・恥ずかしい!

祐一「っ!・・・・あー・・・」

祐一「ご、ごめん、美汐・・・・」

祐一「・・・で、でも、とりあえず・・・どいてくれ?な?」

美汐「・・・・・・は、はい」

317 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 12:58:59.31 ID:0mZjA7yN0

美汐は目を見開き、そそくさと俺の上からどいてくれた

祐一「そ、その・・・・出来れば下着も履いてくれると助かるんだけど・・・」

祐一「そうじゃないと・・・その、ちょいちょい見えるから」

美汐「・・・はい」

・・・・あれ?さっきまであんな強引だったのに・・・・

って、俺、とんでもないことしてしまったんじゃないか!?
女の子に大声で怒鳴るなんて・・・・

祐一「その、悪い・・・・」

美汐「・・・・いえ」

318 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 13:00:26.74 ID:0mZjA7yN0

祐一「・・・・・・・・・・・」

美汐「・・・・・・・・・・・」

うわぁ・・・・・気まずい沈黙・・・

あー、やっぱり俺のせいで・・・・・

祐一「美汐・・・・・ごめん」

美汐「・・・・・・・?」

祐一「その・・・・ごめん」

美汐「・・・・・・・・・・」

・・・なんで俺、謝罪してるんだ?
俺を襲った人間なのに?

・・・いや、相手は女の子だぞ?怒鳴るなんて、DV男みたいな事をしたから当然だ・・・・

319 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 13:02:40.29 ID:0mZjA7yN0

祐一「くっ・・・・!!」

うぜぇ・・・・・・・

あぁ、駄目だ、頭を冷やせ、冷静になれ俺っ!

そこには、先ほどまでの美汐による妖艶な雰囲気は微塵も無くなっていた。
ああ、俺のせいで・・・・・

祐一「フーーッッ!!!」
ガンッ!!!

俺は大きく息を吸い、ベッドの骨組みに思いっきり頭を打ち付けた
体はまだあまり動かなかったが、少しくらいなら動く事が出来た。

金属音と共に頭に激痛が走る。・・・・目がちかちかする。

祐一「はぁっ・・・・・・・」

美汐「ゆ、祐一さん!?」

320 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 13:07:48.85 ID:0mZjA7yN0

祐一「いいから・・・・・」

そう言い、俺は美汐の行動を手で制そうと手を上げようとした・・・が、
まだあまり手が動かなかった・・・

祐一「それより、美汐・・・」

祐一「俺の体が動かない理由、分かるか?」

美汐「・・・・・・・・・・・・」

祐一「・・・・分からんか。まぁいいや」

祐一「疲れてたからその疲れが今全部出たのか。まぁそれでいい」

俺は自分の話を完結させた。
美汐が何かしたのかもしれないが、もうどうでもいい・・・

なんだか、とても疲れた

321 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 13:08:58.64 ID:0mZjA7yN0

美汐「・・・・・あの・・・・」

祐一「美汐・・・・・・」

・・・・・駄目だ。ここに美汐が居たら、俺は何を言い出すか分からん

・・・・・はぁ、なんだ・・・

祐一「・・・・・・美汐。授業始まってるから」

美汐「え・・・・・・・・・」

祐一「制服を正して、教室に戻れ・・・」

322 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 13:11:28.35 ID:0mZjA7yN0

美汐「・・・・いえ、ですが・・・・・・」

祐一「戻れ。な?」

美汐「・・・・・・はい」

美汐は何か言いたそうにしていたが、俺の顔を見ると何か怯えたような表情をし、
制服を正すと保健室を出て行った

祐一「・・・・・・・・・・・・」

・・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・。

323 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 13:13:28.72 ID:0mZjA7yN0

しばらくすると、体は少しずつ動かせる出来たので俺は上体を起こした

すると、たら・・・・と、頭から何かが垂れてきた。
前髪かと思ったが、それは俺の血だった。

拭こうかと思ったが、手が動かなかったのでそのままにしておいた。

手が動いたとしても、拭いていたかどうか分からないが。

そのうち、俺の血は俺の目にまで流れたため、俺は両目を閉じ、壁を背にもたれかかった。

尻がなぜか少し冷たかったが、それはもうどうでもよかった。

と言うより、何もかも、どうでもよく感じてきた。

324 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 13:14:44.99 ID:0mZjA7yN0

俺はなぜあんな大声を出してしまったのか・・・・

その答えは、多分分かってる。

おそらく、だがあまりに理不尽な展開の連続に俺は一瞬自分を失ったのかもしれない。

奇跡がどうとか、きつねがどうとか、不治の病とか、魔物とか、意味不明な話もされた。

それが事実であれ虚構であれ、その内容を信じて止まない人ばかりだった。

そしてその多くの女の子は俺に助けられた、とのこと。

・・・まぁそれはどうでもいい。
俺が助けたのであれ、どうであれ、命が助かったのなら、それは良かった。めでたいことだ

俺が関わっているのかどうかは別問題として・・・

絶えずして現れた俺の彼女、そして強烈なアプローチ。濃厚で一途な想い。
それがこの二日間という短い時間に積み重なって積み重なって・・・

それが爆発してしまったのか。

325 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 13:16:15.63 ID:0mZjA7yN0

記憶を失う前の俺は何をしていたんだ。

誰かれ構わず人を救って。
いや、誰かを救うのはいけないことではない。誰しも、ヒーローにあこがれるのかもしれない。

そして、それで好意を持たれて、それで修羅場になって・・・

そして結局記憶を失う前の俺は7人の女の子の好意を断る事が出来ず全員と付き合っていると。

それに加え、他人にばれない様にしていた、だって・・・・・

優柔不断。軽薄。色情魔。薄情。最低人間・・・・

326 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 13:18:08.16 ID:0mZjA7yN0

そして、結果的に多くの女の子を傷つけてしまう・・・・

今日みたいな事が、無かった訳が無い・・・

全然処理しきれず、暴力まで振るった事もあるかもしれない・・・

・・・・ああっ、下らない!!
最低人間っ!!

うぜぇ・・・死ね、 死ね、 死ね、 死ねっ!!
ガンッ! ガンッ! ガンッ! ガンッ!

祐一「っ、はぁっ・・・・・・・」

なんだ、俺は何を・・・している・・・もうなんでもいいや

祐一「ふ、ふ、ふ、はっ・・・ぁ・・・」

乾いた笑いが生まれた。
涙も出やしねぇ・・・

327 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 13:20:04.14 ID:0mZjA7yN0





祐一「はぁ・・・・・・・・・」

気がつくと俺の体は完全に動けるようになっていた。
しかし、目を閉じたままなので分からないがおそらく血みどろになっている俺の顔は、そのままだ

なんだか、動くのもめんどうだ

そんな事を考えていると、廊下が騒がしくなってきた。
どうやら、チャイムを聞き逃したが休み時間になっているらしい

どうしようか。このまま授業でも受けるか?
いや、もうずっとここに居ておこうか

328 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 13:21:44.28 ID:0mZjA7yN0

ガラッ
真琴「・・・・・・・・・祐一?」

真琴「居るんでしょ?祐一・・・・・」

すると、真琴が入って来たようだ。目を閉じているので分からないが

真琴「えっ・・・・・」

祐一「よぉ・・・・・・真琴」

真琴「い・・・・・・・・・・・・・・」

祐一「・・・・・・・・・?」

真琴「いやあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!!!」

329 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 13:23:22.74 ID:0mZjA7yN0



真琴が叫んだため、何事かと他の生徒まで保健室をのぞいてきたらしい。

そんな時俺は、真琴に心配をかけるのは流石に心苦しく感じたため、袖で自分の目を拭った。

・・・そこで俺が見たのは、真っ赤なシャツ、真っ赤なベッド、そして泣き叫ぶ真琴。


・・・・・・・なんだ、この状況は。

330 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 13:25:34.28 ID:0mZjA7yN0

祐一「ん・・・・・・・・?」

真琴「祐一、祐一!!」

真琴は泣きながら俺にすがりついた

・・・いや、離れろよ。血が付くんじゃないか?

真琴「いやぁ・・・・祐一!!死んじゃ嫌ぁ!!」

祐一「・・・・・?」

何を言ってるんだ?俺が死ぬ?
頭を数回打ち付けただけじゃないのか

331 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 13:28:15.57 ID:0mZjA7yN0




そう、いろいろと目の前の憧憬が移り行くのを感じていると、瞼が重くなり、
再び目を閉じることにした。

ああ、真琴が泣いているのに・・・・

・・・でも、もういいや・・・・




332 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 13:29:05.99 ID:0mZjA7yN0




目をあけると、真っ白な天井が見えた。
祐一「・・・・・・・・・?」

隣を見るとみた事もない機械が動いていた。

祐一「・・・・・病院?」

・・・・そうか、俺は・・・・・・・・


333 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 13:29:34.25 ID:0mZjA7yN0

冷静に考えてみると、俺は正気の沙汰とは思えない行動をしていたのだ。

理不尽な現実の連続と自分のしたことに信じられなくなり、自暴自棄になり、頭を何度も打ち付け、

・・・・そして、病院に運ばれた、というわけか?

祐一「ははは・・・・・・」

乾いた笑いが込み上げてきた。






・・・・・・哀れな俺。なにしてんだ、俺は・・・・・・・・・・・・・・

334 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 13:31:43.38 ID:0mZjA7yN0

そんな事を考えていると、医師と思しき人が入って来た。

なにやら、一通り業務用と思われる台詞を言ったあと(ほとんど覚えていない)、

なんでこんなことしたの?とか、頭をあちこち触りながらこれ痛い?とか俺に問うてきた。

俺はぼんやりしながら、まぁ正確に受け答えできたと思う。

頭を打ち付けた理由については、ちょっとつまずいて、と答えておいたが、医師なんだからそれは嘘だとお見通しだろう。

それに、何度も打ち付けるわけがない。

しかし、それ以上は何も問わず、俺に処置だけをして出て行った。

335 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 13:33:25.72 ID:0mZjA7yN0


ガチャ
秋子「祐一さん!?」

祐一「秋子さん・・・」

病室でぼんやりとしていると、秋子さんが部屋に飛び込んできた。

秋子「学校から祐一さんが病院に運ばれたとの連絡がありました」

祐一「はぁ・・・・」

祐一「それで、仕事を抜け出して来たんですか・・・すみません」

秋子「祐一さん?」

336 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 13:33:54.05 ID:0mZjA7yN0

祐一「はい?」

秋子「どうしたんですか?」

秋子「いつもの祐一さんなら、そのような事言わないんですよ」

祐一「さぁ・・・・・記憶を失って、ついでに頭までおかしくなったんじゃないですかね」

・・・・・ああ、まただ。何言ってるんだ俺は
心配掛けるわけにはいかない・・・・

祐一「いや・・・・すみませんでした。ちょっと、気が動転して・・・・」

337 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 13:34:39.65 ID:0mZjA7yN0

秋子「祐一さん」

秋子さんは少し怒気を含んだ声で俺を咎めた

秋子「みんな、祐一さんを心配してるんです」

秋子「それを、無碍にするような事を言ってはいけませんよ」

祐一「・・・・そうですね」

また、みんなを。か。
俺のことじゃなくて。

・・・・まぁ、もういいんだけど

・・・・いや、とにかく、ここは謝罪して乗り切ろう。

面倒だけど。

338 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 13:36:17.11 ID:0mZjA7yN0

祐一「すいません。記憶を失って、少し疲れていたんですよ」

祐一「それで、またみんなに心配かけてしまいましたね。すみません」

秋子「はい、それで・・・・」

祐一「はい。すみませんでした。俺の責任です」

祐一「今日はゆっくりと休むことにしますね。すみません」

もう何も聞きたくなかった。

俺は子供みたいな、そんな我儘な態度だった。
例えるならそう、親にしかられて、両耳をふさいで部屋の隅で丸まっているような。
そんな、傍若無人な振る舞いをしていた。

339 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 13:37:46.45 ID:0mZjA7yN0

俺のその態度に気に入らなかったのか、秋子さんは続けて何やら俺に話して来た。

しかし、俺は思考することをやめた。自分の意思を持つ事をやめた。

ただ、はい、はい、と頷くだけにしておいた。

これ以上、俺に負担をかけるのをやめてくれ・・・・

340 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 13:39:07.71 ID:0mZjA7yN0


しばらくして、秋子さんは満足したのか、それとも生返事の俺に諦めたのか、(おそらく後者だ)

秋子「では、帰りましょう」

と締めくくった。

どうやら、俺の治療はもう全て終わったらしい。
と言うより頭を打ち付けただけだから病院にまで行く必要無いしな。

タクシーで家まで帰ったが、俺と秋子さんの間に会話はなかった。
ただ、病院から出るまでにまた、俺は秋子さんに謝罪の言葉は続けた。

何度も、何度も、謝罪の言葉だけは。

341 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 13:39:39.78 ID:0mZjA7yN0

家に帰ると、玄関で真琴が仁王立ちをして立っていた。

その顔は、明らかに怒っていた。

祐一「真琴。ただい・・・」

真琴「上、来なさいよ」

祐一「・・・・・ああ」

有無を言わさぬ真琴の言葉に、俺は従う事にした。

342 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 13:40:43.94 ID:0mZjA7yN0

真琴の部屋は、意外にも整理整頓された部屋だった。
ただ、部屋中に、漫画が詰め込まれた本棚、そして数枚のポスターがはってあった

俺は真琴に勧められ、部屋の中央の座いすに腰かけた

祐一「名雪は?」

真琴「まだ授業中じゃない」

真琴「真琴は早退したんだけどね」

真琴「・・・・・って、それはどうでもいいわ」

343 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 13:42:04.63 ID:0mZjA7yN0

真琴「どういう事よ」

祐一「・・・・・・・」

・・・・ああ、そうなるよな。
俺はまた、人に心配をかけて・・・・

祐一「すまん。ちょっと気が動転して」

真琴「違うでしょ?」

真琴「美汐に逆レイプされかけたんでしょ」

344 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 13:42:43.42 ID:0mZjA7yN0
バイトですんで帰ってきてからまた
345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/09/09(日) 18:04:23.08 ID:AcUUIAfeo
待ってる
346 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 22:27:29.35 ID:by6avcEl0
>仁王立ちをして立っていた
って、文法おかしいですね 仁王立ちしていた が正しいですかね

再開していきますね
347 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 22:28:34.51 ID:by6avcEl0

祐一「・・・・・なんで」

真琴「美汐がね。珍しく慌てた顔して真琴の教室に来たの」

真琴「相沢さんに嫌われちゃう、どうしよう、どうしよう・・・」

真琴「真琴、どうしよう・・・・って」

真琴「落ち着かせて話聞いてみたら、保健室に居るから・・・ってだけ」

真琴「それで保健室に行ってみたら、殺人現場みたいなことになってるじゃない」

・・・・・まぁ、そう見えてしまうか。頭から血を流して、ベッドまで血みどろで


348 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 22:35:28.43 ID:by6avcEl0

真琴「誰かが救急車呼んで、祐一が運ばれたんだけどね」

真琴「真琴、頭の中真っ白になっちゃって。5時間目くらいまでずっと、ぼーっとして」


真琴「そしたら、急にすっごくイラついて来ちゃった」


真琴「ほんと。祐一にも。美汐にも。」


真琴「気が付いたら授業中なのに真琴、教室飛び出しちゃって」


真琴「美汐の教室まで行って。美汐を、本当に思いっきり殴っちゃった」


たんたんと、真琴は述べた。まるで他人事のように。


349 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 22:39:20.79 ID:by6avcEl0

祐一「・・・な、なんで」


真琴「うん。だって、イラついたから。すっごく」


真琴「それで、椅子から美汐は転げ落ちたんだけど」


真琴「その上に乗っかって、真琴、まだ美汐を殴ってね」


真琴「何回殴ったかわかんないんだけど、それで、そのうち取り押さえられて、生活指導室行き」

真琴は感情の籠ってない言い方をしながら続けた。

350 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 22:42:33.94 ID:by6avcEl0

祐一「・・・・・・・・・・」

真琴「生活指導室で、すっごく怒られてね、」


真琴「何でこんなことしたんだ、とか」


真琴「でも、それ、普通にイラついたから、としか言えないじゃない」


真琴「まぁ、美汐の発言から美汐のせいだってことが分かったから美汐を殴ったんだけど」


真琴「でも、祐一の名前出したら祐一が傷付くじゃない?だから何も言わなかったの」


真琴「そしたら、急にドアが開いて、泣いてる美汐が入ってきてね」


真琴「『沢渡さんは何も悪くないんです』だって。あは、おっかし」


真琴「だってそんなこと言ったら、真琴が悪く見えるに決まってるじゃない」


真琴「まぁ、実際、真琴は関係ない人を殴っちゃったわけだから、悪いんだけど。社会じゃ犯罪になるんだけど」

351 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 22:44:32.46 ID:by6avcEl0

真琴「そしたらやっぱり、先生は、沢渡、何をしたんだって。さらに怒っちゃって」


真琴「それを見た美汐は違うんです違うんです、って」


真琴「らちがあかないから、とりあえず今日は帰れ、だって」


真琴「別にそれでも良かったし、祐一が心配だったから帰ることにしたんだけど」


真琴「そしたら昇降口で美汐に呼びとめられて、事の端末を聞いたってわけ」


真琴「呆れるしかなかったから、とりあえず聞くだけ聞いてあとは無視して家に帰ったの」


真琴「ごめんなさいだとか謝罪の言葉とか自己弁護の言葉とか言ってたような気がするけど、もう聞くのもイラつくし」


真琴「美汐の話聞いても、あー、そう言うこと。みたいなね。逆レイプは予想外なんだけど」


352 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 22:49:56.90 ID:by6avcEl0

・・・・・・・・俺は何も言えなかった。
真琴は俺の為に怒って。そしてこんな問題まで起こしてしまって。

ああ、俺はまた、誰かを傷つけてしまった・・・・

真琴「なんとか言いなさい」

真琴「それで、どういう事なのよ。なんで頭なんか打ち付けてたの」

真琴「・・・・・・もしかして、自棄になってたってこと?」

祐一「・・・・・ああ」

真琴「・・・・・・・・ばかね」

353 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 22:55:34.62 ID:by6avcEl0

そう言うと真琴は項垂れていた俺の頭を抱いた

真琴「・・・・まぁ、それも多分そうじゃないかと思ったのよ」

真琴「祐一、全部抱えちゃうじゃない」

真琴「それで、記憶喪失になって、多くの人に心配かけたから、自棄になったのかなって」

真琴「はぁ・・・・・・やっぱり、そうなのね」

祐一「・・・・・・・・・・・・・」

心配をかけたから・・・・・それだけじゃないけど


354 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 22:59:36.57 ID:by6avcEl0




しばらく、俺は真琴に抱かれたままにしていた。

祐一「・・・・・なぁ」

真琴「・・・・・・なぁに?」

祐一「ものみの丘、行こうか」
355 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 23:01:28.20 ID:by6avcEl0

264

真琴「・・・・・いきなりなに言ってるの。無理に決まってるじゃない」

真琴「それに、安静にしてなさいよ」

祐一「・・・・いや、もう、待たせるわけにはいかないんだ」

祐一「俺は、一刻も早く、記憶を取り戻したい」

真琴「・・・・・・・・・・」

祐一「それに、約束してただろ?」

356 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 23:05:57.07 ID:by6avcEl0

真琴「・・・・やっぱりだめ。安静にしてなくちゃ」

祐一「いや、俺は行く。行かなきゃ」

祐一「これ以上、この状況を続けるわけにはいかないよ」

祐一「みんなに迷惑かけて。心配掛けて。そればっかりだ」

祐一「ちゃんと記憶取り戻して。それで、みんなに謝らないといけない」

あと、7股かけていたことについても、全て処理する必要がある。

真琴「・・・・・・・・・・・・・」

ガチャ
秋子「真琴?学校から電話よ」

真琴「秋子さん・・・・分かったわ」

357 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 23:08:21.02 ID:by6avcEl0

秋子「祐一さん・・・・・・・・」

真琴のおかげで俺は多少冷静になることが出来ていた。

祐一「秋子さん。さっきはすみません、生返事しか出来なくて・・・・」

秋子「いえ、良いんです」

秋子「それより、おしゃべりはやめて、今日は早めに寝た方が良いですよ」

祐一「はい」

秋子「明日はどうしますか?学校、行けますか?」

祐一「・・・・多分、行きます」

358 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 23:12:07.15 ID:by6avcEl0

真琴「ただいま」

秋子「真琴、もう祐一さんは寝るから、おしゃべりはもうやめなさい」

真琴「うん」

祐一「・・・・・・分かりました」

秋子さんに言われたので、俺は自分の部屋に戻ることにした



ガチャ
祐一「・・・・・・・・」

359 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 23:18:24.33 ID:by6avcEl0

祐一「・・・・・真琴」

真琴「なによ」

祐一「・・・・・電話ってもしかして」

真琴「3日、停学だって」

真琴「美汐の弁護むなしく停学になっちゃいました、ちゃんちゃん」

祐一「・・・・・・真琴こそ、自棄になってるんじゃないか」

真琴「なってるわよ。祐一がこんなになってるんだもん」

360 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 23:24:09.47 ID:by6avcEl0

祐一「ごめんな、真琴・・・・」

真琴「ほんとよ・・・・・」

真琴「あ・・・ごめん、辛いのは祐一よね」

真琴「って、こんな事いったらまた祐一、責任感じちゃうわよね」

祐一「・・・・・・・」

真琴「大丈夫だから。ね、祐一」
ぎゅっ

真琴「そうだ。明日暇になったから、明日行きましょ」

真琴「祐一もほら、頭怪我してるんだし、一日くらい休んでもいいじゃない」

祐一「・・・・・・そうだな」

361 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 23:27:53.00 ID:by6avcEl0

俺は寝ることにした。

ベッドの中では極力何も考えないようにした。

何か考えると、それだけで気が滅入るから・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それにしても、なぜ今日あんなことになってしまったんだ。
昨日も、たいがいな事が起こったじゃないか。

・・・・・・それが、積み重なったということか?

だいたい7またってなんだよ。
昆虫より多いじゃねえか。

あと1股でタコじゃねえか。あと3股でイカじゃねえか。

362 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 23:41:18.25 ID:by6avcEl0




あーさー、あさだよー
祐一「・・・・・・・・・・・・・」

朝か・・・・・・

俺は少し考えて、目覚ましを止め、もう少し寝ることにした。
なんとなく名雪と顔を合わせ辛いと思ったからだ。

・・・・・あ、じゃあ、名雪は誰が起こすんだ?

・・・・・仕方ない、名雪を起こしてから寝よう

363 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 23:46:39.42 ID:by6avcEl0

体を起こし、名雪の部屋に向かう。

頭がまだ少し痛んだ。
あとで包帯変えよう・・・

ガチャ
祐一「ふぅ・・・・・名雪、起き・・・・・」

ジリリリリリリリリリリリリリ!!

祐一「うっわ、うるせぇっ」

頭に怪我してるから余計頭が痛い!

俺はさっさと目覚まし時計を止めると、名雪を起こすことにした

364 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 23:51:41.12 ID:by6avcEl0

祐一「名雪・・・・起きろ!」

ゆさゆさゆさゆさ。

名雪「うにゅ・・・・・地震・・・・だおー・・・・」

祐一「うっ・・・・!」

頭痛っ・・・・・・・

・・・・・・あ、そう言えば、こんな事もあったんだっけ。

祐一「名雪・・・・起きろ」

365 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/09(日) 23:57:33.52 ID:by6avcEl0

祐一「今日は何月何日だ?」

名雪「5月・・・10日・・・・」

祐一「好きな食べ物はなんだ?」

名雪「いちご・・・ジャム・・・・・・・」

祐一「今日のパンツの色は?」

名雪「うすい・・・・ピンク・・・・」

名雪「って、わぁっ!」

ずるっ、がたっ。

名雪はベッドから落ちた

366 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/10(月) 00:05:12.68 ID:lpnB/usB0

名雪「祐一っ!なんてこと聞くんだよっ!」

祐一「さぁ・・・・もう一度寝るとするか」

名雪「・・・・・って、祐一?」

祐一「・・・・・・・ああ」

名雪「祐一!祐一祐一祐一!」

名雪は床から飛び上がって俺に抱きついた。

367 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/10(月) 00:16:41.25 ID:lpnB/usB0

祐一「んなっ!」

俺は名雪に飛びつかれて尻もちをついた。

名雪「心配したんだよ。祐一、祐一、祐一・・・・」

俺は胸に顔をうずめる名雪の頭を撫でた

祐一「すまん・・・・迷惑かけたか」

そう・・・・これだ。心配をかけちゃいけないんだ

名雪「ホントだよ・・・・」

368 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/10(月) 00:20:43.72 ID:lpnB/usB0

名雪「祐一が病院に運ばれたって聞いて、それですっごく心配したの」

名雪「それでね、家に帰ったらもう祐一寝てるもん・・・・」

祐一「そりゃあ悪かったな、名雪」

名雪「うん・・・・・・」

祐一「もう、いいだろ?遅刻するから、着替えような」

名雪「えっ・・・・・・・・・・うん」

名雪「祐一は?」

祐一「今日は休むことにするよ。秋子さんにもそう伝えといてくれ」

名雪「うん・・・・・」

369 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/10(月) 00:21:36.82 ID:lpnB/usB0

名雪は寂しそうな顔をしていたが俺は部屋に戻ることにした。

とにかく、今はあまり多くの人とはかかわりたくない・・・・

何を言ってしまうか分からないから・・・・

俺はベッドに潜り込むと、再び寝ることにした

・・・・・はぁ。

370 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/10(月) 00:40:18.35 ID:lpnB/usB0


二度寝から起きたら、14時だった。
ただ、普通に目覚めたのではなく、下から聞こえる声のせいで起きたのだった

祐一「なんだ・・・・?」

俺は下に降りてみることにした。
すると、居間で真琴が座っていた

真琴「祐一・・・・・おはよう」

祐一「真琴・・・・・元気ないな?」

真琴「うん・・・・・さっき、秋子さんに怒られてたから」

祐一「昨日のことか」

真琴「うん。でも、祐一は気にしなくて・・・・って、こんな事言っちゃだめね」

371 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/10(月) 00:49:11.81 ID:lpnB/usB0

秋子「おはようございます。祐一さん」

祐一「おはようございます」

秋子「お昼ごはん、食べますよね」

祐一「はい」

秋子「ちょっと待ってくださいね」

そう言うと秋子さんは俺の昼食を準備しに行った

真琴「食べたら、真琴の部屋に来てね」

真琴はそう耳打ちすると、部屋に戻って行った

372 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/10(月) 00:58:13.32 ID:lpnB/usB0

俺は言われた通り真琴の部屋に入った

ガチャ
祐一「真琴?」

真琴「祐一。じゃ、ものみの丘に行くわよ」

祐一「お、おう」

真琴「で、自宅謹慎くらってるから、協力してね」

祐一「分かった」

・・・・・チリン。

鈴の音が聞こえた。

祐一「・・・・・・?」

見ると、真琴の手首に、飾りが付いていた。
ゴム紐に、鈴が二つつけられたものだった。

・・・・昨日、こんなのつけてたっけ?

373 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/10(月) 01:03:04.86 ID:lpnB/usB0




真琴「ふぅ・・・・・なんとか出れたわね」

祐一「・・・・・・・・・・」

多分、秋子さんは気付いてたな・・・・まぁ、見逃してくれたんだな

真琴「さ、行こ。祐一」

祐一「おう」

374 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/10(月) 01:04:41.28 ID:lpnB/usB0

それから、商店街で肉まんを買い、ものみの丘に向かう事にした。

祐一「見つかったらどうなるかな」

真琴「補導されるわね」

祐一「そりゃまずいな。で、どっち?」

真琴「こっちよ。行きましょ」

繋いだ真琴の手は、暖かかった。
そして、真琴の手首の飾りが、手を振るたびにチリン、チリンと鳴っていた。

375 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/10(月) 01:08:15.60 ID:lpnB/usB0

二人で木々に囲まれた小道を登って行く。
濡れた落ち葉が地面を覆い尽くしており、足元を不安定にさせていた。

そして、視界が開けると・・・・

真琴「ここよ・・・」

祐一「おぉ・・・・・・・」

俺は感嘆の声を漏らした。
凄い眺めだ。それに、風も気持ちいい。

祐一「ここから、この街を一望出来るのか」

真琴「そうね・・・・うん、良い風」

そう言うと、真琴は腰を下ろした。
俺も真琴の隣に座る・・・


376 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/10(月) 01:17:15.56 ID:lpnB/usB0

真琴「ここが・・・・・・・・・・」

真琴「ここが、真琴と祐一の、思い出の場所なの」

祐一「俺、たちの・・・・・」

真琴「うん・・・・・・・」

真琴「肉まん、食べよ・・・・」

俺たちはしばらく黙ったまま風に身をまかせていた。
互いに身を寄せ合って、この街をじっと見ていた・・・

・・・・・・俺は、頭が冴えてきているのを感じていた

377 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/10(月) 01:18:02.33 ID:lpnB/usB0

俺と真琴はこうして、となりに並んで肉まんを食べていた?
・・・・いや、違う。『あの』時は、寝ころんでいた。


・・・・・・『あの』時ってなんだ?


なんなんだ、真琴・・・・・・





俺は考えを打ち消すかのように大地に身を投げ出した。

すると真琴は俺にすがりつくように、俺に体を預けた。

横を見ると、真琴は眠そうに目をとろんとさせていた。
俺は真琴の頭を撫でた。




俺は目を閉じた。あの時の事を懐かしむかのように・・・・・

378 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/10(月) 01:26:49.95 ID:lpnB/usB0




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

いつしか、日は傾き、その大地と共に俺たちも赤く染め抜かれていた。

しばらくして、真琴は立ち上がった


真琴「・・・・・・それじゃ、準備するわね」

真琴は何を考えているのか分からないような表情だった。
そんな真琴を俺は見上げながら問うた

祐一「準備・・・・」

真琴「やれば分かるわ・・・あんまり、真琴覚えてないんだけど」

379 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/10(月) 01:34:10.81 ID:lpnB/usB0

祐一「分かった・・・・」

祐一「でも、覚えてないのならどうすれば・・・」

真琴「うん・・・・・・」


真琴は悲しそうな顔をした

祐一「真琴・・・・・・・?」

真琴「祐一・・・・・・・・」

真琴「・・・・・・・・・・・・」


真琴は俯いたあと、意を決したように顔をあげた


真琴「これ、真琴にかぶせて・・・・・・」




・・・・・・それは、結婚式用のベールだった

380 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/09/10(月) 01:35:02.86 ID:lpnB/usB0
今日はここまでです また次回
381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/09/10(月) 01:48:53.30 ID:hsL2dVOi0
おつんぽっぽ
382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/09/10(月) 16:19:38.60 ID:hgnqY1pgo
383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) [sage]:2012/09/10(月) 16:27:25.60 ID:3RvqR5tfo

俺が初めて泣いたゲームだわ
真琴はトラウマレベルの話
384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/09/21(金) 00:59:28.72 ID:TgTvS3ebo
おせーよ
385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/24(月) 21:19:18.58 ID:I55z9NpIO
おせーよ
386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/09/26(水) 17:46:46.16 ID:v8OekfOxo
待ってますよー
387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/03(水) 11:02:27.81 ID:WsQaudvqo
おせーよ
388 :へび ◆cpjwZ75Wvw [sage]:2012/10/06(土) 10:43:41.98 ID:1iNPx3z+0
もう少しで一回分は書けそうなので・・・
申し訳ないです
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/10/07(日) 00:34:44.06 ID:wijBIWRgo
がんがれ、超ガンガレ
390 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 11:02:20.75 ID:2CwQsM9O0
長期にわたってお待たせして申し訳ありません
何を言っても言い訳になりますので、謝罪の言葉だけ。それと、待ってくださってありがとうございます

それでは、短いですが、始めていきますね
391 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 11:03:41.24 ID:2CwQsM9O0

ベール・・・・



祐一「真琴っ・・・・・・・・・!!」

祐一「こ、これは・・・・・・・・」


真琴「真琴に・・・・・・かぶせて」

真琴「祐一・・・・・・・・・」

真琴は懇願するような眼で俺を見た。
俺は震えた手をなんとか押さえるように、真琴にベールをかぶせた。

・・・・・・震えている?なぜ・・・・

392 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 11:05:47.84 ID:2CwQsM9O0

ドレスもなく、ベールだけかぶった真琴。

それは少し奇妙な格好だった。

だが、俺はとても、真琴が愛おしく思えた。



真琴はベールを、風に飛ばされない様にしっかりつかんでいた。


そして、じっと俺を見つめていた。


祐一「・・・・・・・・・・っ!!」


真琴「・・・・祐一」


真琴「真琴は、祐一が何て言ったか、ほとんど覚えてないの」


真琴「だから・・・・・・祐一が、教えて?」


真琴「真琴にあの時言ってくれた言葉・・・・、教えて」


真琴「真琴が聞きたかった言葉・・・・・・全部教えてっ」

393 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 11:06:44.66 ID:2CwQsM9O0

・・・・・・・・頭が、冴えてくる・・・・・

・・・・・・・・・・



そうだ、俺は・・・・・・



俺は、真琴と・・・・・・・・・・



この、ものみの丘で・・・・・・・・・・

394 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 11:14:20.60 ID:2CwQsM9O0




祐一「・・・・・・・・・・・・・・・」

真琴「ゆう・・・いち・・・・・・・・」

祐一「・・・・・・・・・・真琴」

俺は真琴の顔をじっとみながら続けた。


祐一「真琴。始めよう」

395 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 11:15:06.66 ID:2CwQsM9O0




祐一「俺たちの、結婚式を・・・・」

真琴は目を見開いた。
その目には涙がいっぱい・・・いっぱい、浮かんでいた・・・

396 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 11:15:44.68 ID:2CwQsM9O0



あの時とは違い、参列者は誰も居ない、結婚式。

俺と真琴・・・・・・・二人だけの。


そして俺は寒風に向かって立ち、永遠の祝詞を口ずさむ

真琴はあの時とは違い、真剣に俺の祝詞に耳を傾けていた。



・・・・・・これは、真琴の願いだったんだ。


397 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 11:16:35.25 ID:2CwQsM9O0



『祐一と、結婚したい』


398 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 11:17:17.64 ID:2CwQsM9O0

真琴は、俺は可愛がっていたきつねだった。
記憶を失って、何度も言われた事を、俺ははっきりと思い出した。


最初、俺に憎しみの念を抱いて現れた、真琴。


それは、俺が一瞬の人の温もりを与えてしまったからなんだろう。


何も知らなかった、純粋に無垢だったあのころに。


そして、真琴は帰って来た。


もう一度、人の温もりの中に身を置く事を望んで。

399 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 11:17:47.65 ID:2CwQsM9O0

子供のようにはしゃいで、みんなを困らせて・・・


それでも家族一緒に居て・・・・


俺なんかとずっと一緒に居て・・・・


真琴は、幸せだった。



400 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 11:18:38.89 ID:2CwQsM9O0


そして、

真琴が、俺の前から消え、再び帰ってきてくれたときに。


自分はあまのじゃくだったから、好意を素直に示せなかったという事も。
自分が幸せだった事も。

全部、真琴は俺に教えてくれたんだ。




・・・・・・思い出した・・・・・・・・真琴っ

401 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 11:20:08.81 ID:2CwQsM9O0

祐一「真琴」

俺は真琴の小さな体を引き寄せた。

そして、強く抱きしめた。


祐一「ずっと、・・・・・ずっといっしょにいような」


びゅうと風が吹き付け、白いベールが真琴のもとから離れそうになる。


――――――――――――――だが、今度はそうはさせないっ。



俺は真琴のベールをつかんでいた。

真琴「っ! あぅーっ・・・・・!」


402 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 11:21:37.51 ID:2CwQsM9O0

真琴は声をあげて、泣いた。

ぼろぼろと涙を零し、まるで子供のようにしゃくりあげた。


真琴「ゆういっ、祐一っ!!」

真琴「あうーーっ!」


祐一「泣くなっ・・・・・泣くな、真琴」

祐一「今日はっ・・・・記念の、日、なんだ・・・・」

祐一「めでたい、日なんだぞ」


そう言っている俺の頬を、涙が伝う

祐一「今日から・・・・・今日からずっと、ずっと、」

祐一「俺たちは、本当の家族なんだからな・・・・・」

403 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 11:22:31.78 ID:2CwQsM9O0


真琴「あぅーーーっ・・・・うぐっ・・・・」

それでも涙は止まらない。後から、後からあふれ出た。

あの時と同じように・・・・・




祐一「真琴っ・・・・・真琴っ!」

真琴「あぅーーっ・・・祐一っ!」


404 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 11:24:05.69 ID:2CwQsM9O0

祐一「真琴・・・・・すまん・・・・真琴・・・」

祐一「俺は、俺はっ・・・!」

真琴「あぅーっ・・・祐一、祐一っ!」

俺たちは、涙でぐしゃぐしゃになりながら、抱き合った。

きつく、きつく抱き合った。


祐一「真琴・・・・・」

真琴「祐一・・・・・」

405 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 11:26:20.18 ID:2CwQsM9O0





俺たちは、時間が経つのを忘れて、ずっと抱き合っていた。

祐一「真琴・・・・・・すまん。本当に」

真琴「うん・・・・・良いよ、祐一・・・・。」

真琴「もう、大丈夫だからね、祐一・・・・・」

このまま、ずっと、真琴と一緒に居られればなんでも良かった。

406 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 11:49:41.81 ID:2CwQsM9O0

しかし、そう言うわけにはいかない

祐一「・・・・・大丈夫じゃないだろ、真琴は・・・」

真琴「ううん・・・・」

真琴「真琴のことは・・・・いいの」

真琴「祐一の方が辛いんだよね」

真琴「記憶喪失になっちゃって、何も覚えてないのに」

祐一「大丈夫・・・真琴のことは、思い出したよ・・・」


祐一「・・・・・・そう、真琴の・・・・・こと、は?」


真琴「・・・・・・・・・・?」

407 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 12:07:57.43 ID:2CwQsM9O0

・・・・・なんだ?何か、ひっかかる・・・・?

いや、今はそれより真琴のことだ・・・・

ここまで俺の為にしてくれた・・・真琴。

俺のせいで、美汐と喧嘩してしまった、真琴・・・・



真琴「・・・・どうしたの?」

祐一「いや・・・・・・・」

真琴「大丈夫・・・・真琴に言って」

真琴「全部、聞いてあげる・・・」


408 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 12:56:12.64 ID:2CwQsM9O0

真琴「だって・・・・」

真琴「祐一は、真琴の大切な・・・・」


真琴「家族なんだもん」


祐一「家族・・・・・・」

祐一「っ!!」

家族・・・・・・・?

祐一「恋人?いや、家族・・・・?」

真琴「・・・・?」

409 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 12:57:04.24 ID:2CwQsM9O0

祐一「俺と真琴って・・・その、」

祐一「恋人・・・・?」

真琴「・・・・・・・」

真琴「・・・・・・・」

真琴「・・・・・・・」

真琴「・・・・そうだったら良かったわね」

真琴「思い出したんじゃないの?真琴・・・・」

・・・・・・・!!

祐一「そうだっ!!真琴はっ!!」

真琴「祐一に告白して・・・・」



祐一「俺は・・・・振ったんだっけ・・・・」

真琴は黙って頷いた。

・・・・・なんだ、この違和感は・・・・

410 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 12:57:38.37 ID:2CwQsM9O0

祐一「そうだ・・・・俺と真琴は、恋仲じゃない・・・」

真琴「・・・何度も言わないで」

真琴「・・・・って、なんでそんな事を・・・・」

・・・・なんでだっけ?あ・・・・

祐一「真琴が一緒に風呂に入ったとか・・・・」

真琴「それは・・・・・混乱してたからだって言ったじゃない」

そうだ・・・・真琴は、一言も恋人だなんて言ってない!!

真琴「・・・・・何か様子が変ね?」

411 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 12:58:06.48 ID:2CwQsM9O0

祐一「いや・・・・勘違いしてたみたいなんだ」

真琴「真琴と祐一が恋人同士だって?」

真琴「あー・・・真琴が、悪いのね」

真琴「勘違いするようなこと言っちゃったから」

祐一「・・・・でも、それは、『間違った記憶』ではないよな」

真琴「そうね」


412 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 12:59:04.01 ID:2CwQsM9O0

祐一「真琴・・・・・」

真琴「なぁに?」

祐一「いや・・・・なんだ・・・?」

何か、おかしい・・・?

真琴「・・・・大丈夫。ゆっくり思い出して」

真琴「二日前も言ったけど、無理に思い出そうとしたら、祐一、壊れちゃうわよ」

祐一「いや・・・・俺は大丈夫だよ」

413 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 13:01:49.59 ID:2CwQsM9O0

・・・・・それより・・・・

祐一「それより、真琴だよ・・・・」

真琴「・・・・・?」

祐一「真琴は・・・・・俺の為に、美汐と喧嘩したんだよな」

真琴「・・・・そうよ」

祐一「そうよって、そんな簡単に・・・・」

祐一「昨日だって、他人事のように話してたけど、真琴だって辛いんだろ・・・?」

真琴「・・・ううん。真琴は、大丈夫」

414 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 13:02:49.09 ID:2CwQsM9O0

真琴「真琴、祐一の方が辛いって分かるもん」

真琴「記憶喪失になって、真琴たちが、いろいろと混乱させる事言っちゃったからね」

なぜ、こんなにも俺なんかを・・・・

祐一「いや・・・・・」

・・・・・違う、違う!

・・・・何が違うんだ?

真琴「それに、昨日の事だって・・・」

真琴「美汐に、襲われかけたから、名雪を裏切ることになるって・・・」

真琴「その、自責の念のせいなんでしょ」

真琴「それに、記憶喪失で、精神も脆弱になってるもの」

415 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 13:03:17.12 ID:2CwQsM9O0

真琴「それで、自分がいやになって、あんな事をしたんだよね、祐一」

真琴「祐一・・・・真琴を見て」

真琴「真琴を、見て・・・・・・・・大丈夫だから」

祐一「・・・・違う」


祐一「違う・・・・・違うんだ!!!」

真琴「えっ・・・・・・」

もう、全部話そう・・・・

416 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 13:03:45.90 ID:2CwQsM9O0

祐一「俺はっ・・・・俺はっ!」


祐一「最低な人間なんだ・・・・」


祐一「俺は、たくさんの女の子を救ったんだ」

祐一「真琴もそうだ。名雪も、栞も、舞も、あゆも、佐祐理も!」


祐一「でも、俺はっ!!」

祐一「最低だ・・・・最低人間だ」


祐一「それで女の子たちから好意を持たれて、そして・・・」

祐一「その好意を断る事が出来ず、6人の女の子と付き合っている、最低な人間なんだっ!!!」


417 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 13:05:31.21 ID:2CwQsM9O0


祐一「だから、俺は壊れたんだ!!」


祐一「違う、違うっ・・・!俺は、壊したんだ!!」

祐一「壊したかったんだ!!自分を、全部、全部!壊したかったんだ・・・!」


祐一「最低な俺を、全部・・・・」


祐一「全部全部全部全部っ!!」

祐一「壊したくて、そして・・・・」


祐一「もう、全部どうでもよくなったんだ・・・・・」


祐一「俺はもう、自分が何をしていいのか分からないんだ・・・・」

418 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 13:08:15.04 ID:2CwQsM9O0

真琴「祐一っ!!」

真琴は俺の胸に飛び込んだ。
その勢いで、俺は押し倒される

真琴「ごめんね・・・・ありがとう。祐一」

ありがとう・・・・・?

真琴「言ってくれて、ありがとう。祐一・・・・・」

真琴「辛かったんだよね。大丈夫だよ。祐一」

419 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 13:08:56.66 ID:2CwQsM9O0

祐一「真琴・・・・・・・・・・」

真琴「祐一。大丈夫」

真琴は俺の頬に手を当て、続けた

真琴「祐一は、ちょっと弱くなってただけなの」

真琴「祐一は、悪くない。祐一は悪くないよ・・・」

祐一「・・・・・・・・・・・・」

そう言うと真琴は俺の頭を包み込むように抱いた

真琴の胸の鼓動が聞こえる・・・・・

420 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 13:09:43.19 ID:2CwQsM9O0

祐一「いや・・・・流されてしまった俺が悪いんだよ」

真琴「そんな事言わないで。祐一」

真琴「確かに、祐一が全部悪くないわけじゃないと思うけど」

真琴「いつまでもうじうじ言わないで。祐一」

祐一「・・・・・・・ああ」

真琴「祐一・・・・・何があったか、真琴に、話して?」

421 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 13:11:28.81 ID:2CwQsM9O0

俺は、真琴に全部話した。


俺が記憶喪失になってからの事を。

6人の女の子と付き合っている事実を。

名雪、秋子さん、佐祐理、舞、美汐、栞と特別な関係であるという事を。

その事実に苛まれている事を。


俺が知っている限りの事を、全て真琴に話した。


422 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 13:13:20.48 ID:2CwQsM9O0

真琴「そう・・・・・なの」

真琴「それで、あんなことを・・・・・」

そう・・・・・俺は、最低な事をしていたんだ・・・・

真琴「・・・・・・・・・・・・・・」

祐一「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

真琴「・・・・・・・・・・・・・祐一」

真琴、引いてるか・・・・・・・・

423 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 13:14:13.69 ID:2CwQsM9O0

真琴「祐一」

真琴は俺の頬に手を添え、俺の目を見ながら続けた


真琴「真琴は、祐一のプライベートを全部分かってるわけじゃないの」

真琴「それに、事実を話しても祐一はそれが事実かどうか分からないんだよね」

祐一「・・・・・・・?」

真琴「でも、真琴が知っている事実を話すね」

真琴「事実を話す事は、祐一をさらに混乱させることになるかもしれない」

真琴「だって、祐一は記憶喪失なんだもん」

424 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 13:18:25.00 ID:2CwQsM9O0

真琴「でも・・・言うね」

真琴「だって、名雪がかわいそうだもん」

祐一「事実・・・・?」

真琴「うん」

真琴「祐一はね・・・・」


真琴「名雪としか、恋人同士じゃないはずよ」


425 :へび ◆cpjwZ75Wvw [saga]:2012/10/07(日) 13:19:23.81 ID:2CwQsM9O0
遅れて申し訳ありませんでした。
それではまだ次回
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/07(日) 18:30:46.91 ID:uXbwP8ZDO
真琴のヒロイン力が眩しすぎる
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/10/08(月) 00:19:36.97 ID:PFDO3X/jo
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/09(火) 13:24:08.64 ID:GC4EaxmIO
待ってる
429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/19(金) 17:29:12.83 ID:G0x2aFnIO
待ってる
430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/10/21(日) 17:05:49.74 ID:e6NTPEtjo
待ってる
431 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県) :2012/10/29(月) 01:59:09.70 ID:YZ79DCydo
なんかハーレムから離れていく流れに・・・
432 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 13:03:12.35 ID:PLJbGqyEo
元々ハーレム作品じゃなかったと思うが
433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/10/29(月) 15:06:20.40 ID:BsfOgmmDO
>>432
二次創作じゃ祐一はハーレムになりがちだけどな
それを嫌がる人もいるけど
434 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/10/29(月) 18:10:56.30 ID:VDuC3Im50
途中まで見たけど、佐祐理さんだったり佐祐理と呼称がぶれてるのは記憶の影響という解釈であってるのかどうか
435 :へび ◆cpjwZ75Wvw [sage]:2012/11/01(木) 23:16:42.29 ID:TVwboB290
>>434
見落としです。すいません
佐祐理さん→佐祐理で変換してお読みください。
436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/24(土) 04:37:11.19 ID:iKU7V9WIO

まだ続ききてねーのか……
437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/11/26(月) 14:41:45.20 ID:+V+Oh0kzo
年単位で放置されることだって有る
まだまだ待てる
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