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恭介「約束したよね?どんなことがっても一緒にいるって」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :1 [saga]:2012/07/31(火) 13:50:56.09 ID:NfOV2jRA0
このSSは、

 恭さや・杏さや・オフィオクはあれど、
 自分が一番読みたいSS、恭オクが無い…。
 なら自分で作るしかない!!

なSSです。

妄想設定・独自解釈・超展開等々が含まれます。
それでもよろしければ、先にお進みください。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1343710255
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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【安価】少女だらけのゾンビパニック @ 2024/04/20(土) 20:42:14.43 ID:wSnpVNpyo
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ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/31(火) 13:56:08.11 ID:QpgsEtEyo
どんなことが「あっても」じゃない?
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/31(火) 13:58:03.15 ID:fEcRNBgIO
無いわけでは無いが期待
4 :1 [saga]:2012/07/31(火) 14:09:25.32 ID:NfOV2jRA0
ほむら「また失敗してしまったわね…」

いつもの病院、いつもの病室。
ここで目が覚めるということはつまり…、

ほむら「また、救えなかった…」

けれど、くよくよしていても仕方がない。
いつも通り魔力で視力を補強し、病室を抜け出す。

ほむら(今度こそ、約束を守ってみせるわ、まどか)
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/31(火) 14:34:58.28 ID:vGq3LCcIO
がってもwwwwww


ドンマイ
6 :1 [saga]:2012/07/31(火) 14:54:02.19 ID:NfOV2jRA0
和子「目玉焼きにはソースと醤油どちらがいいと思いますか?」
中沢「そんなの、どちらでも…」

担任教師の愚痴もいつも通り。
ここまでは今まででも変化はほとんどなかった。
だからこそ…、

ほむら(ここからどうするかでまどかの未来が決まる…)
和子「転校生の暁美さん、どうぞ〜」

改めて決心を固めていると、担任から声が掛かった。
扉を開き、教室に入り、教団の前に立つ。

ほむら「暁美ほむらです、よろしくお願いします」

幾度となく繰り返した挨拶、失敗するはずもない。
ほとんど意識することもなく完璧に自己紹介をこなしたあとに
ほむらはとある席を見つめる。

ほむら(まどか、今度こそあなたを…!?)

そこでほむらは異変に気付く。
教室に入った時から違和感はあったが、
その原因がはっきりとわかった。

ほむら(美樹さやかが居ない!? 一体どういうことなの…?)
7 :1 [saga]:2012/07/31(火) 15:52:32.28 ID:NfOV2jRA0
鹿目まどかの隣には、彼女の親友である美樹さやかの席がある。
だが、その席は空席となっていた。

ほむら(この時間軸では何が起こっているの…?)

情報を集めるために教室を見回すほむら。
そこでほむらはもう一つの事実に気付く。
本来、この時点では空席となっている筈の席が埋まっていることに。

ほむら(上条恭介!? なぜ今ここにいるの!?)

この時点では事故で病院に入院しているはずの上条恭介が教室にいる。
そして、美樹さやかが教室にいない。
これらの事実から考え出される可能性は…、

ほむら(さやかが事故の時に恭介をかばって大怪我したか、あるいは…)
和子「暁美さん?早く席に…、」

ほむら(…しまった、予想外の出来事で考えをまとめることに
    夢中になってたわ。気を付けないと…)

ほむら「すみません、すぐ行きます」
担任からの呼びかけで思考の海から引き上げられる。
とにかく、今は情報を集めるべきだ。
そのためには…、

ほむら(色々聞かせてもらうわよ、まどか)
自分の一番大切な少女を横目に見つつ、
ほむらは自分にあてがわれた席に向かった。
8 :1 [saga]:2012/07/31(火) 16:25:31.07 ID:NfOV2jRA0
転校生の洗礼である質問責め攻撃に見舞われたほむら。
だが、自らの持病を理由に教室を脱出し、
保険委員であるまどかと保健室に向かっていた。

ほむら(…このタイミングしかないわね)

いつもならまどかに忠告をする場面なのだが、
今回は状況が状況だ、仕方がない。
まだクラスのことをよく知らない今なら、
突っ込んだことを聞いても疑問は持たれないだろう。

ほむら(周りに誰もいないから、まだ話しやすいでしょうしね)

意を決してほむらは口を開く。

ほむら「鹿目さん、ちょっといいかしら?」
まどか「えっと、何かな? 暁美…さん」
ほむら「…私のことはほむらでいいわ」
まどか「…だったら私のこともまどかでいいよ、ほむら…ちゃん」

ほむら(…ここまでは問題ないわね。
    でも、ここからが本番よ、暁美ほむら)

ここでまどかから聞き出す情報は、これからの方針を決める大事なもの。
失敗をするわけにはいかないのだから。

ほむら「…別にちゃんづけでもさんづけでも構わないわ。
    それで、あなたの隣の席だけど…」
まどか「そこはさやかちゃん…私の友達の美樹さやか、
    っていう子の席だよ」

どうやら、美樹さやかが存在していないというわけではないらしい。
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/07/31(火) 16:44:29.80 ID:pUAeFgbJ0
はたしてハッピーエンドになるのか
10 :1 [saga]:2012/07/31(火) 17:29:22.99 ID:NfOV2jRA0
ほむら「そうなの…、怪我でもしたのかしら?」
まどか「…ううん、違うよほむらちゃん」

そう答えたまどかは暗い顔をしていた。

ほむら(ケガでもない…ということは最初の仮説はハズレだったか。
    まどかの様子からすると、正解は…)
まどか「さやかちゃんは…少し前から行方不明に…」

やはりそうか。
この時間軸では美樹さやかは既に
魔法少女の契約しているということだろう。
今のさやかの状態については、
いくつかのパターンが思い至るがそれだけは確実だ。

ほむら「ごめんなさい、辛いことを聞いてしまったわね」
まどか「…大丈夫だよ。私が元気にしてないと
    さやかちゃんが帰ってきたときに困らせちゃうしね」

まどかは笑顔を見せるが、
無理に笑っているのは直ぐに分かった。

ほむら(この状況は、マズイわ)
今の状態でQBに会ったら、
まず確実にさやかのために契約するだろう。
それは絶対に避けるべき事態だ。

ほむら(少々危険だけど、釘は刺しておくべきね)

そして私はまどかの方に振り返った。

ほむら「鹿目まどか、あなたは家族や友達は大切に…思ってるわね。
    自分の人生が大事だと思っているかしら?」
まどか「ほ、ほむらちゃん? 一体何を言ってるの?」

まどかの頭には疑問符がたくさん浮かんでいるだろう。
当然だ、よく知らない人から突然こんなことを言われたら
誰だって戸惑う。
だが、だからといって止まるわけにはいかない。

ほむら「自分や周りの人たちを大切に思っているのなら、
    今とは違う自分になりたいなんて思わないことね」
まどか「え、えっと…、それってどういう…」

まどかの疑問符はさらに増える。

ほむら「でなければ全てを失うわ、『美樹さやかのように』」
まどか「…!? ほむらちゃんはさやかちゃんの事、何か知ってるの!?」

そのほむらの言葉を聞いたまどかは声を荒らげた。

ほむら「そうなりたくなかったら今までのあなたで居なさい、いいわね」
まどか「私の質問に答えてよ!? ほむらちゃん!?」

あぁ、これでまどかとの関係構築はかなり絶望的だ。
だが、これでQBと出会ったときに即刻契約する可能性は減らせた…と思う。

ほむら(魔法少女のことは…話しても信じてもらえないわね)

まどかが私を睨みつける。
それに耐えられなくなった私は、逃げるようにその場を立ち去った。
11 :1 [saga]:2012/07/31(火) 17:43:29.50 ID:NfOV2jRA0
取り敢えずここまで。
まぁ、第1話Aパートってところです。
Bパートはマミさんがまどかを助けるところまでやります。
続きは早ければ夜に。

>>2>>5
ごめんなさい、ミスりましたwww
スレ立てするのは今回が初めてなもので…
スレタイの修正って出来るのかな?
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/31(火) 17:44:31.31 ID:QpgsEtEyo
>>11
出来ないと思う、立て直しになるんじゃない?
ともかく、始まってしまったのなら最後まで頑張れ!
読んでるぜ
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/31(火) 18:04:35.90 ID:RT13lZ3Fo
レス見るまで普通に気がつかなかったよ
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/07/31(火) 18:07:06.85 ID:PwC3OtJMo
夏厨か……
乙まあ、頑張れよ
15 :1 [saga]:2012/08/01(水) 00:00:08.04 ID:RCn+35bl0
放課後

ほむら(まどかと顔を合わせづらくて、
    こんな時間になってしまったわね)

本来なら、一刻も早く美樹さやかの捜索に出たかったが
まどかと顔を合わせづらく、こんな時間になってしまった。

ほむら(まぁ、無駄では時間ではなかったのだけれど)

保健室に篭っている間に、これからどうするかの
シミュレーションができたからだ。

ほむら(こんな事態は初めてだけど、私のやることは変わらない。
    まどかを魔法少女にさせない、ただそのために動くだけ)

そんなことを考えつつ教室に向かっていると、
教室からざわめきが聞こえてきた。

ほむら(…? 何かあったのかしら)

どうやら、騒ぎが起こっているらしい。
だからといって入らないわけにもいかず、
扉を開けて中に入った。
16 :1 [saga]:2012/08/01(水) 00:52:30.02 ID:RCn+35bl0
まどか「あ…、ほむらちゃん…」

教室に入るとまどかと目があった。
まどかは何かを言いそうな目で私を見つめている。

ほむら「…ごめんなさい、『今はまだ』何も言えないわ」
それに対して私はこういうことしかできない。

まどか「…分かった、ほむらちゃんを信じるよ」

そう言って、それ以上の追求はしてこなかった。
正直、ありがたい。

ほむら(私を信じてくれるのね、まどか…)
まどかとの関係構築は絶望的だと思っていたけど、
どうやら私の考えすぎだったらしい。

ほむら「それで、何が起こっているのかしら」
まどか「えっと、実は…」

バシィィィーーーン

突如、強烈な音が教室内に響きわたった。
そちらを見ると、どうやら志筑仁美が上条恭介を
ひっぱたいたようだ。

ほむら(…こんな状況なら、あの二人に何かあってもおかしくないわね)

恭介「…これからバイオリンの稽古があるから」
仁美「お待ちなさい恭介さん! まだ話は…」
問い詰める仁美を振り払って、
上条はそそくさと教室から出ていった。
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/01(水) 00:53:41.96 ID:LxEsgq/IO
かなり好き
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/01(水) 01:01:18.86 ID:xQ2W91fDO
これは既に、恭介と仁美は付き合ってるのかな?
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2012/08/01(水) 01:06:08.47 ID:GwTFBobAO
単純に魔女結界に取り込まれただけと発想できない補無補無
20 :1 [saga]:2012/08/01(水) 01:59:47.05 ID:RCn+35bl0
仁美「…どうしてなのですか? あの時行った言葉は…」

上条が去った後も、仁美はブツブツと呟いていた。

まどか「仁美ちゃん、大丈夫?」
そんな仁美に声をかけるまどか。

仁美「えぇ、大丈夫ですわ。まどかさん…と、暁美さん」
声をかけられた仁美はまどかの方に振り返り、
そこでまどかと一緒にいた私に気づいたようだ。

仁美「ふふ、私が知らない間に何か有りましたの?」
まどか「うん、保健室に案内してる時にちょっと…ね」
仁美「そうですか…」

ほむら(…普段ならここでキマシタワーなどと言うところでしょうけど、
    やはりそんな余裕はないみたいね)

そうなると、今取るべき行動は…。

ほむら「…まどかにも言ったけど、私のことはほむらでいいわ」
仁美「あら、それなら私のことも仁美と呼んでくださいまし」

私は仁美と挨拶を交わすことにした。
さやかが居ない以上、彼女との関係は
今まで以上に重要なものだからだ。

ほむら「それで、何があったのか聞かせてもらえるかしら」
仁美「…えぇ、先程のことですが…」
21 :1 [saga]:2012/08/01(水) 03:04:06.42 ID:RCn+35bl0
ほむらが来る少し前

志筑仁美は苛立っていた。
その原因は、上条恭介である。

仁美(何故、恭介さんはあんな平気な表情をしているんですの?)

『美樹さやか』
志筑仁美にとっては親友であり、
上条恭介にとっては幼馴染で思い人である少女。
そんな彼女が行方不明になったのは、
一週間程前のことである。

仁美(さやかさんが居なくなってすぐのころは、
   あんなに暗くなっていましたのに…)

その頃の恭介は学校にいる間は
誰が見てもわかるほどに沈んでいたし、
それ以外の時間では必死にさやかを探していた。
その姿も仁美や他のクラスメート達もよく見かけていた。

仁美(それなのに今は…)

恭介の態度はさやかが居なくなる前のものに戻っていた。
そして、さやかを探すこともやめていた。
クラスメートの話だと、夜の街で見かけることは以前より多くなったが、
どうやら、さやかを探しているわけではないらしい。

仁美(恭介さん、あなたはさやかさんのことを諦めたのですか?
   それとも、さやかさんへの思いを忘れてしまったのですか?)

恭介のさやかへの思いを一番よく知っている彼女でさえ、
そう思ってしまうほどに、恭介は平静に戻っていた。

他の人にはまどかや仁美などと同じように、
無理をして平静を保っているように見えるだろう。
だが仁美には、
いや、恭介と同様にさやかの行方不明に心を痛め、
また、思い人として恭介をずっと見ていた仁美だからこそ、
今の恭介が異常に見えるのだ。

仁美「恭介さん?少しよろしいかしら?」
そして仁美は恭介に声をかけた。
親友の思い人の真意を知るために。
22 :1 [saga]:2012/08/01(水) 03:39:04.51 ID:RCn+35bl0
恭介「…何かな、仁美ちゃん」
仁美「なぜあなたは、そんな平気な顔をしているんですの?」

それを聞いた恭介にわずかに動揺が走ったのを
仁美は見逃さなかった。

恭介「…なんのことかな?」
仁美「とぼけないでくださいまし!」

恭介の態度に声を張る仁美。
その声に、まどかを含めたクラスメート達の注目が集まる。

仁美「さやかがいなくなって悲しかったはず…それなのに!」
恭介「…」

仁美「あの時のあなたの言葉は嘘だったのですか!!
   あなたのさやかへの思いはそんなものだったのですか!!」
恭介「…」
仁美「さやかに代わるものがあなたにあるんですか!!!」

黙りを決め込んでいた恭介が口を開く。

恭介「…僕はバイオリンだけで十分だよ」
仁美「…ッ!!」

バシィィィーーーン
気づいた時には既に、仁美が恭介をひっぱたいていた。

仁美「見損ないましたわ、上条恭介!」
恭介「…もう、いいかな」

恭介は既にまとめていた荷物を手に持ち、

恭介「…これからバイオリンの稽古があるから」
仁美「お待ちなさい恭介さん! まだ話は…」

問い詰める仁美を振り払って、
そそくさと教室から出ていった。
23 :1 [saga]:2012/08/01(水) 04:11:19.52 ID:RCn+35bl0
まだBパートの途中ですが、
ここで一旦区切ります。

しかし妄想を文章にするのって難しいですね。
そして書いているとなぜか文章が長くなっていく…。
でも、自分で立てたスレにレスがつくとマジで嬉しいですwww
ではまた。
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/08/01(水) 06:37:29.88 ID:N5AqQgQAO
・仁美が心の中では本編と同じさやかさん呼びなのに会話ではさやかと呼び捨てにしている
・上条の事を上条君呼びではなく恭介さんと呼んでいる
・上条が仁美を志筑さんではなく仁美ちゃんと呼んでいる

これはわざとそうしてるの?
25 :1 [saga]:2012/08/02(木) 11:22:10.26 ID:SPWo3y8w0
投下再開します。
今回こそはマミさんが出てくるところまで
行けるといいなぁ…

>>24
補足すると、
・感情が昂って、呼び捨てになった。
・さやか関連の事で、
 アニメ本編よりも二人の親密度が上がっている。
と、言うわけです。

決して深夜のテンションで妙な文章になったとか、
本編の勉強不足だったとか、
そういうのじゃないんだからね!
26 :1 [saga]:2012/08/02(木) 13:20:03.98 ID:SPWo3y8w0
仁美「…と、言うわけですわ」

ほむら「…」
まどか「恭介くん、いったいどうしちゃったの…?」

ほむら(行方不明の美樹さやかに様子のおかしい上条恭介…、
    一体どういうことなの…)
この時間軸で起こっていることがいまいちよくわからない。

ほむら(…まぁ、それは置いておくとして、今は…)
教室内を見渡す。

仁美「…」
まどか「…」
ほむら(この空気をどうにかしないと…)
だけど、一体どうすればいいのかしら…。

打開策を考えていたその時だった。

まどか「…そういえば仁美ちゃん、今日は習い事とかないのかな?」
仁美「…え? あぁ、そうですわね…」
ほむら(ナイスよ、まどか!)

まどかの唐突な質問に、仁美は少し考えるような素振りをして、

仁美「今日はピアノと日本舞踊のお稽古がありますわね」
ほむら「…仁美は色々と忙しいのね」

しかし、ピアノと日本舞踊って組み合わせはどうなのかしら…?

仁美「それでは、お先に失礼しますわ」
まどか「仁美ちゃん、また明日ね」
仁美「えぇ、まどかさん。ほむらさんも」
ほむら「…また明日」

まどか「…ほむらちゃんはどうするの?」
仁美が教室から出ていった後に、
まどかが私に話しかけてきた。

まどか「私と一緒に帰る?」
ほむら「えぇ、ぜひとも、と言いたいのだけれど…」

まどかの提案は魅力的だけど、私にはやることがある。

ほむら「こちらに来たばかりで、色々と入用なの。ごめんなさい」
まどか「うぅん、別にいいよ。転校したばかりで大変だしね」

まどかに別れを言い、私は一人で学校を出た。
27 :1 [saga]:2012/08/02(木) 13:44:10.16 ID:SPWo3y8w0
ほむら「…さて、どこにいるのかしらね」

学校から出たあと、私はあの憎き白饅頭を探していた。

ほむら(今まどかとQBを合わせるわけにはいかないわ)

今朝に釘は刺しておいたけど、
それでもまどかが契約してしまう可能性は高い。

ほむら(だから、接触させないようにしないと)

QBを見つけるために、辺りを注意深く見渡す。
そして…、

ほむら(…見つけたわ)

あの、忘れられない白いシルエットが見えた。

ほむら(今度こそ、まどかを契約させはしないわ)

覚悟を決めた私はQBの後を追った。
28 :1 [saga]:2012/08/02(木) 14:59:12.79 ID:SPWo3y8w0
十数分後

ほむら「…失敗したわね…」

結局、まどかとQBを接触させてしまった。
さらに、仁美の妨害によって見失ってしまった。
あの3人だけのままにするのは良くない。

ほむら「まさか仁美が乱入してくるなんて…」

さっきは『今日は稽古がある』とか言っていたけど、
あの様子だと、さやかか恭介を探していたのだろう。

ほむら「まさか、消火器そのものを投げつけてくるなんて…」

まどかに銃を突きつけている(ように見えた)私を見て、
私からまどかを助けようとしたのだろう。

ほむら「幸い、盾で受け止められたけど…」

さやかがいないから邪魔が入らないだろうと、
油断していた。
とはいえ、あんな行動に出るとは思わなかった。
考えなしなさやかでも、
消火器を吹き付けてくるだけだったのに…。

ほむら「…って、そんなことを言ってる場合じゃないわ!」

今頃まどか達は魔女の結界に迷い込んでるはず。
巴マミが助けてくれるでしょうけど、
万が一、ということもある。

ほむら「今行くわ、まどか…」

ソウルジェムの反応を頼りに、
魔女の結界へと駆けていった。
29 :1 [saga]:2012/08/02(木) 16:30:53.28 ID:SPWo3y8w0
ほむら(どうやら、大丈夫だったみたいね)

私がまどかのところまでたどり着いたときには、
巴マミが使い魔をあらかた片付けたところだった。

ほむら(これなら、心配しなくても大丈夫ね)

わずかに残った使い魔もまたたく間に撃ち落とされ、
その場に残ったのは巴マミとまどか達だけになった。

ほむら(…無事に終わったようね)

まどか達と巴マミが話している。
自分のことや『魔法少女』のことを話しているのでしょうね。

ほむら(…!)

ほんの一瞬だけど、
巴マミが動揺したのを私は見逃さなかった。
今はまだ、互いに自己紹介をしただけのはず、
と言うことは…、

ほむら(マミはさやかの事を知っている…!)

恐らく、マミは目の前にいるのが
さやかの親友だということに気づいたのね。
そして、最低でもさやかからそのことを聞ける程度の関係は持っていた。
だから…、

マミ「そろそろ出てきたらどうかしら?」

時間切れね…。
言われたとおりに姿を表すとしましょうか。
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/02(木) 16:36:01.17 ID:Mxmx3vEIO
支援
31 :1 [saga]:2012/08/02(木) 17:58:58.52 ID:SPWo3y8w0
まどか・仁美「ほむらちゃん(さん)!?」
マミ「あら、貴方達知り合いなの?」

私の姿を見た二人が名前を呼ぶ。
それを聞いたマミが二人に訪ねた。

仁美「えぇ、彼女は暁美ほむらさん。
   今日私とまどかさんのクラスに編入された方ですわ」
マミ「へぇ、そうなの」ジャキッ

仁美の説明を受けたマミは、
私にマスケット銃の銃口を向けた。

まどか「え?巴さん、何を…」
マミ「ちょっと待ってて、すぐに終わらせるから」

まどかの疑問を制して、
マミはマスケット銃をこちらに向けたまま
私に近づいてきた。

マミ「暁美さん、ひとつ聞かせて。何故QBを攻撃したのかしら?」
ほむら「…」

さて、どう答えましょうか。
嘘を言えば簡単だけど、
今後の事を考えると、やめたほうがいい。
かと言って…、

マミ「…それとも、こう聞くべきかしらね」

質問を変えてきた?
マミ、一体どういう…、

マミ「『あなたは何処まで知っているのか?』
   このほうがいいかしら」
32 :恭介 [sage]:2012/08/02(木) 18:20:43.33 ID:AQh8nGqDO
ヽ人人人人人人人人ノ
< 約束したよね…… >
<どんな事があっても>
< 一緒にいるって! >
ノYYYYYYYYヽ
     __
    /_(S)\
   // ∧∧\\
   \\(゚Д゚)/ /
    \⌒ ⌒ /
     L_人_ノ
    /   /
  ∧_∧ ■□(  ))
 (  ;)□■  ̄ヽ
/⌒  ⌒ヽ ̄ ̄| |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|


33 :1 [saga]:2012/08/02(木) 18:28:17.80 ID:SPWo3y8w0
ほむら「…!?」

ちょっと待って、マミさんは今何て言ったの?
『魔法少女の秘密を知っているのか』と、
そう私に聞いたということ…!?
ということは、つまり…、

ほむら「…『全部知っている』わ」
マミ「…やっぱりそうだったのね」

やはり、そうだ。
このマミは魔法少女の『秘密』を知っている…!
これなら…、

マミ「なら、あなたの目的は…」
ほむら「えぇ、あなたの思っている通りよ」

私の返事を聞いたマミは、私から銃口を外した。

マミ「私は見滝原中学3年の巴マミ。あなたは?」
ほむら「2年の暁美ほむら、よ。それで、協力してくれるかしら?」
マミ「えぇ、よろこんで」

…これでマミと協力関係を結ぶことができた。
最初はどうなるかと思ったけど、
この時間軸ならまどかを…、

シギャァァァーーーーーー!!!

マミ「!?」
ほむら「!!」
34 :1 [saga]:2012/08/02(木) 19:00:46.02 ID:SPWo3y8w0
今の鳴き声は使い魔!?
まだ残っていたというの!?
うかつだったわ、
浮かれていて『まだ結界が消えていない』事に気付かなかったなんて!!

ほむら「まどかッ!」

使い魔が狙うなら強い魔法少女より
弱い人間の方を狙うはず。
ということは…、

マミ「二人とも、伏せてっ!」

まどかの方に振り向くと、
使い魔がまどかと仁美に迫っていた。
マミがマスケット銃を撃とうとしているが、
二人が邪魔で攻撃できないでいる。

ほむら(くっ…! 武器を取り出している暇はない。
    時間停止も間に合わない…!)

そうこうしているうちに
まどかに使い魔の魔の手が…!

ほむら「まどかァァァーーーー!!!」

グシャッ!!
35 :1 [saga]:2012/08/02(木) 19:30:08.05 ID:SPWo3y8w0
ほむら「………」
私は目の前の状況に絶句していた。

まどか「…え? あれ? 生きてる…? 
    …そうだ仁美ちゃん大丈夫!?」
仁美「…えぇ、大丈夫ですわ。
   でも、一体何が…!?」

自分たちに何も起こっていないことを
理解した二人は、先程の使い魔を見た。

私にとっては『見覚えのある車輪』に
潰された使い魔の姿がそこにあった。

???「二人とも、大丈夫かい?」

最後の使い魔が死んだことで、
消滅しつつある結界に声が響く。

ほむら「…!」
まどか「…え?」
仁美「この声は…?」

物陰から声の人物が姿を表す。
その正体に気づいた3人はほぼ同時に叫ぶ。

ほむら「上条恭介!?」
まどか「上条くん!?」
仁美「恭介さん!?」

そこに居たのは、上条恭介だった。
36 :1 [saga]:2012/08/02(木) 19:53:41.38 ID:SPWo3y8w0
恭介「…って、襲われていたのは君達だったのか…。
   参ったな…」

そこに居るのが、まどかと仁美だと気づいた恭介は
頭を掻いた。

まどか「なんで上条くんがここに…?」
仁美「そうですわ! 確かバイオリンの稽古をしているはず…!」

意外な人物の登場に混乱する二人。
けど、今問題にするべきはそこではない。

ほむら「一つ、聞いてもいいかしら…?」
そして、私は『ソレ』を指差した。

ほむら「『ソレ』は一体どういうことなの…!?」

私が指を差した『ソレ』、即ち…、


上条恭介の傍らにそびえ立っている、
『人魚の魔女(オクタヴィア・フォン・ゼッケンドルフ)』を…。
37 :1 [saga]:2012/08/02(木) 20:02:27.48 ID:SPWo3y8w0
今回はここまで。
第1話終了です。

次は第2話、タイトルを付けるなら
『魔法少女さやかの軌跡(前編)』
といったところですね。

マミさんの魔法少女講座ですが、
アニメ本編よりもマミさんが多く秘密を
知っているのと、
さやかちゃんの話が入るので、
前後編になります。

ではまた。
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/02(木) 20:20:15.62 ID:Mxmx3vEIO

期待してます
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2012/08/03(金) 01:24:18.26 ID:GyBke+WWo
乙。
上条君はスタンド使いにでもなったのか…?
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) :2012/08/03(金) 01:27:23.06 ID:7KIWvKC90
ホシカッタモノを与え続ける事で沈静化させてるだけだと思う。
下半身がホルガーになってても別に驚かない。
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/08/03(金) 02:08:41.93 ID:HcbPFJ0Ro
あるいは、なんらかの理由(いっぺん取り込まれるとか)で人間辞めちゃいました! とか?
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/03(金) 03:33:10.77 ID:jgzJgTgw0
恭介主人公のSSって久しぶりに見た気がする
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/04(土) 01:35:33.52 ID:9m6GlCXv0
まだー
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/08/04(土) 12:24:53.46 ID:JqRBdol10
オラオラワレィ
わしゃ、夏厨じゃゴラァ
>>1テメェはよ更新しねぇと消すぞゴラァ!
45 :1 [saga]:2012/08/05(日) 14:31:55.50 ID:ExUbd0Kk0
第2話の投稿を開始します。
投下が遅れてすみませんでした。
ただ、これからもブレが出てくると
思うのでご容赦ください。
46 :1 [saga]:2012/08/05(日) 14:50:44.23 ID:ExUbd0Kk0
『魔女』
それは、人間を襲い絶望を喰らうバケモノである。
心に闇を抱えた人間が魔女に目を付けられれば、
魔女の口付けを受け、結界へと誘われ、絶望を魂ごと喰われるだろう。
そして、魔女に対抗できるのは魔法少女しかいない。

…だが、多くの魔法少女は知らない。
魔女の正体が、絶望によって堕ちた魔法少女の成れの果てであることを。
47 :1 [saga]:2012/08/05(日) 16:10:10.07 ID:ExUbd0Kk0
オクタヴィア「――――――」
低い唸り声を上げる『さやかの魔女』。
それを前にして、ほむらは立ち尽くしていた。

ほむら(一体この時間軸は何がどうなっているの…。
    もう、何も分からないわ)

…実際には、『何が起こったか』は理解できた。
魔女に堕ちたさやかがここにいること、
さやかがまどかと仁美を助けたこと、
恭介がさやかと共に行動していること。

ほむら(けれど、その理由の説明がつかないわ…)
魔女の行動にしてはおかしすぎる。

魔女は結界から外には出ようとしない。
だというのに、ここにいる。
もともとあった結界はとうに消えたというのに、
自分の結界を張ろうともしない。
さらに、まどかと仁美を襲おうともしない。
今の二人の精神状況からすれば、
格好の餌になるはずなのに。
そして、上条恭介はなぜ無事で居るの?
さやかの望みを考えれば、
恭介が傍にいて、無事である訳がない。

ほむら(なら、この魔女は一体…?)
48 :1 [saga]:2012/08/05(日) 17:52:46.80 ID:ExUbd0Kk0
いきなり訪れた非日常な出来事の連続。
…そして、そんな中現れた上条くん。

まどか「なんで上条くんがここに…?」
仁美「そうですわ! 確かバイオリンの稽古をしているはず…!」

ほむら「一つ、聞いてもいいかしら…?」

そして、ほむらちゃんが『何か』を指差した。

ほむら「『ソレ』は一体どういうことなの…!?」

ほむらちゃん、そこに何が…、

オクタヴィア「――――――」

まどか「……え!? あ……あ……!?」
仁美「バケモノ…!? さっきの奴らの親玉ですの!?」

そこには、バケモノとしか言いようがないものがいた。
剣を持った巨大な人魚…のような何か。
その姿に私は恐ろしさの中に何か別の感情を感じた。

恭介「………バケモノ、だって…!?」
マミ「やめなさい、上条君」

上条くんが何かを言おうとして、
マミさんがそれを止めた。

マミ「彼女達は『何も知らない』のよ。
   それに、あなたも『初めは同じだった』じゃない」
恭介「………」

それきり、恭介くんは黙ってしまった。

マミ「それと、あなた達もよ」

今度は私と仁美ちゃんに話しかけてきた。

マミ「さっきあなた達を助けたのは彼女なんだから…」
仁美「…え?」
まどか「そうなんですか…?」

というか、あれ女の人?なんだ…。

ほむら「巴さん、これからのことを話し合いたいのだけれど…」
マミ「…そうね、みんな色々と聞きたいことがあるでしょうし、
   私の家に行きましょう」
恭介「…そう、ですね」

まどか(…あ、ほむらちゃんのことすっかり忘れてた…)

ほむらちゃんは恭介君と一緒に、マミさんの家に行くみたい。

…私もほむらちゃんや上条くんの話が聞きたい。
私は、仁美ちゃんと一緒に、マミさんの後をついていった。
49 :1 [saga]:2012/08/05(日) 18:35:34.13 ID:ExUbd0Kk0
巴マミの部屋

マミ「取り敢えず、紅茶とケーキ出しておくわね」
仁美「ありがとうございます、巴さん」

マミが紅茶とケーキを取りにリビングへと消えていった。

まどか「……」キョロキョロ
ほむら「どうしたの、まどか?」

まどかが辺りを見回している。

まどか「さっき、助けてもらった…んだよね?
    お礼を言いそびれてたから…」
恭介「…別の場所に行ったから後で会いに行くといいよ。
   案内…するから」

ほむら(…お互い、複雑な気持ちでしょうね
    っと、マミが戻ってきたわね)

戻ってきたマミは持ってきた紅茶とケーキをみんなに配り、

マミ「…これから話すことは、大事なことよ。
   だから、ちゃんと聞いてて」

そして、話し始めた。
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/05(日) 18:40:56.70 ID:M0Kl2rPIO
面白いよぉぉお
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/05(日) 18:47:58.78 ID:e22X3VkIO
続きマダカァー!
52 :1 [saga]:2012/08/05(日) 19:42:19.18 ID:ExUbd0Kk0
まどか「魔法少女に魔女…」
仁美「…そして、ソウルジェムにグリーフシード…ですか」

マミの話を聞いた二人は、衝撃を受けているようだ。

ほむら(無理もないわね、私も初めて聞いたときは…)

???「マミ〜、邪魔するぞ〜」
???「きょ−こ、せめてノック位はしようよ…」

玄関先から聞き覚えのある声が二つ聞こえてきた。

???「…って、なんか今日は沢山いるじゃねーか」
???「だからノックくらいはしようって言ったのに…」

そしてその二人が部屋に入ってくる。

マミ「…一体、何をやっているのよ…」

いきなりやってきた二人に対し、呆れ顔になるマミ。

まどか「あの、マミさん…」
仁美「あの方たちは…」

事態について行けないまどかと仁美が、
マミに尋ねる。

マミ「…あの二人は、魔法少女の仲間よ。
  殆ど隣町で活動してて、
  こっちにはたまにしかこないのだけど…。
  さっさと自己紹介してくれるかしら?」
???「怒るなよ、悪かったよ。
  …あたいは佐倉杏子。
  …で、こっちのちっこいのが千歳ゆまだ」
ゆま「…千歳ゆまです。
  よろしくお願いします」

マミに急かされて、二人が自己紹介をした。
…ゆまは杏子の後ろに隠れてだったが…。

53 :1 [saga]:2012/08/05(日) 20:43:55.22 ID:ExUbd0Kk0
まどか「二人とも魔法少女、てことはあの小さい子
   …ゆまちゃん、も戦ってるってことだよね…?
仁美「逆に言えば、あんな小さい子でも
  戦わなければならない状況、ということですわ」

ほむら(そう、それほど過酷なのよ。魔法少女の世界は…)
だからそんな世界に行く必要はないのよ、まどか…。

杏子「…って、何いきなり魔法少女だってばらしてんだよ!?」
ゆま「きょーこ…、今気づいたの…?」

ほむら(なんというか…、ボケとツッコミね、あの二人)
役職が逆のような気もするが、深く考えるのはやめておこう。
…杏子のためにも。

マミ「心配しなくても大丈夫よ。
  3人とも関係者だから」

マミはそう言うと私を示して、
マミ「彼女は暁美ほむらさん。
  ほかの土地から移ってきた魔法少女よ」
ほむら「暁美ほむらよ。よろしく、佐倉杏子、千歳ゆま」

それを聞いた杏子は私をまじまじと見て、

杏子「ふーん…、見滝原を自分のものにしようってか?」

などと言ってきた。

ほむら「……家の事情で越してきただけよ」

そんな理由では決してないわ、大体…、

ほむら(見滝原を自分のものにしようとしたのはあなたの方でしょうに)
ゆま(それ、きょーこのことだよね?)
マミ(あなたに言えた義理じゃないわよ、杏子)
恭介(それ、君が言えたことかい? 佐倉さん)

杏子「………私が悪かったから、
  皆してそんな目で私を見ないでくれ、いや、ください」

無言の圧力に耐え切れず、床に沈む杏子。

…いけない、顔に出てたか。
それに、皆同じ事を思っていたみたいね。
ただし…、

まどか「??」
仁美「??」

事情を知らないこの二人を除いて、だけど。

杏子「…まぁ、こいつが魔法少女だって言うのはわかった。
  けど、こいつらはなんなんだ?
  見たところ、魔法少女じゃあ無ぇ見てぇだが…」

まどかと仁美を見やる杏子。

マミ「その二人は、使い魔に襲われていたのよ。
  ついでに言うなら、その二人はQBが見えるわ」

ゆま「…!?」
杏子「…そういうことか」

マミの言葉を受けて二人の表情が変わった。

ほむら(この二人も、魔法少女の真実を知っているのね)

マミ「二人も、自己紹介してくれるかしら…?」

マミに言われて、二人は自己紹介を始めた。

まどか「あ、はい。…私は鹿目まどかって言います」
仁美「私は志筑仁美ですわ。よろしくお願いしますね、
  佐倉さん、千歳さん」
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/05(日) 21:33:02.12 ID:8SdIRgQT0
続きはよ
55 :1 [saga]:2012/08/05(日) 21:44:16.81 ID:ExUbd0Kk0
杏子「マドカにヒトミ…って、まさか!?」
マミ「その『まさか』よ、佐倉さん」
ゆま「………!?」

まどかと仁美の名前を聞いて、
杏子とゆまは驚愕したようだ。

ほむら(…まぁ、仕方ないでしょうね)

魔女になってしまった仲間の親友で、
しかも魔法少女の素質があるなんて…。

ほむら(…というか、今回は仁美にも素質があったのね)

ゆま「そんな………」
杏子「なんてこった…、って、おいゆま! どこに…」

ダッダッダッダッ ガチャッ バァン!!

ゆまが逃げるように慌てて出ていったわね…。
さやか関係で何かあったのかしら…?

杏子「ゆま…」
マミ「佐倉さん、こればかりは仕方ないわ」
恭介「…気にしなくてもいい、って言ってるんだけど…ね」

まどか「何か、あったんですか…?」

異様な雰囲気を感じ取ったまどかが、
質問する。

杏子「あぁ、さやかの事でちょっと…な」

それを聞いたまどかと仁美は目の色を変えて、
杏子を問い詰める。

まどか「…!? 佐倉さん、いまさやかって言った!?」
仁美「さやかって、美樹さやかさんのことですわよね!?
  何か知っていますの!?」

杏子「あぁ、知ってるよ!!ちゃんと話すから、まずは落ち着けって!!!
  おい、マミ!!なんで話してないんだよ!!」

まどかと仁美の剣幕に押される杏子。
耐えかねた杏子はマミに助けを求めるが…、

マミ「今からそれを話そうとしたところで、
  あなたたちが乱入してきたのよ。
  自業自得、だから自分でなんとかしなさい」

ついに見捨てられたわね、杏子。
自分でなんとかしなさい。

杏子「…つっても、だいたい見当が付いてるんだろ。
  …さやかとあたしらは仲間、だったんだ」
56 :1 [saga]:2012/08/05(日) 22:28:20.48 ID:ExUbd0Kk0
まどか「仲間だった、ということは、つまり…」
仁美「さやかさんは魔法少女だった、ということですの!?」

杏子「…あぁ、そうさ。あたし、マミ、ゆま、そしてさやか。
  4人でチームを組んで戦っていたんだ」
  もういいだろ、ゆまが心配だからな」

そう言って杏子は返事も聞かずに出ていった。

まどか「…さやかちゃん、なんで…?」

恭介「…僕のために、だよ」

まどかの呟きに恭介が答えた。

まどか「上条くんのためって…?」

恭介「…さっきの話の中にあったよね、
  QBと魔法少女の契約をすると『願い』を一つ叶えてもらえる、って」

ほむら(…さやかが妙な願い事をした、
    というわけではないようね)
…だとすると、さやかの魔女の異変の原因は
なんなのかしら。
一番有力なのはQBへの願いだけど、
まどかと仁美が魔法少女ではないうえに、
他にさやかのために願いを使う人間なんて
居ないだろうし…。

恭介「その願いの対象は自分以外でもいいんだよ。
  例えば『誰かの怪我を治して欲しい』とか、
  そんな願いでもね」

まどか・仁美「!?」

恭介の話を聞いたまどかと仁美は、
ひとつの可能性にたどり着く。
即ち…、

まどか「そんな…、それじゃあ…」
仁美「恭介さんの腕が治ったのは…」

恭介「…そうだよ、さやかは『僕の腕を治すために』
  魔法少女になったんだ」
57 :1 [saga]:2012/08/05(日) 23:35:25.09 ID:ExUbd0Kk0
恭介が明かした事実によって、
マミの部屋は重い沈黙に包まれていた。

…そんな中、まどかが口を開いた。

まどか「…あの、マミさん…」
マミ「…えぇ、わかってるわ…。
  『さやかが今どこにいるか』…、でしょう」

まどかと仁美がゆっくりと頷く。

マミ「私たちは知っている…けど、
  それを話すためには、知っておかなければならないわ。
  『魔法少女の真実』を。
  暁美さんも、協力してくれるかしら?」

…ようやくお呼びがかかったか。
正直、最後まで空気かと思ったわ。

仁美「…あ、そういえばほむらさんもいらしたのよね…。
  すっかり忘れてましたわ…」
まどか「…ごめん、ほむらちゃん。
   実は私も…」

ほむら「…別にいいわ。
   部外者だから口を挟まない方が
   いいと思って黙ってただけ」

マミ「部外者って…。
  いえ、たしかにそうね、今までは。
  でも、これからは違うでしょう?」

ほむら「…えぇ、そうね」
マミの言葉に私は頷いた。

マミ「…さて、鹿目さん、志筑さん。
  『魔法少女の真実』、
  しっかりと聞いてくれるわね?」

まどかと仁美はゆっくりと頷いた。
それを見たマミはゆっくりと話し始めた…。
  
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/05(日) 23:44:44.96 ID:9a/hCyxIO
スレタイでがっかりしてたらまさかの良作
59 :1 [saga]:2012/08/05(日) 23:55:06.64 ID:ExUbd0Kk0
今回はここまでです。
マミさんの説明回、そして杏子とゆまの登場です。
…で、なぜか杏子がギャグキャラポジに…。
すまん杏子、シリアスを書いてるとギャグが欲しくなるんだよ…。

>>51>>54
すみません、一回一回が遅くて…。
このSSは(プロットはあるけど)書き溜めをせずに
本文を書いているので…。

面白いとか、期待してますとか、
展開予想のレスを見ると、
テンション上がりますね、やっぱり。

次回は魔法少女の真実と、
さやかの過去編です。
ではまた。
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/05(日) 23:58:44.15 ID:8SdIRgQT0

次も期待している
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/06(月) 00:01:40.55 ID:wDy2zxCIO
待ってるよ
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/08/06(月) 03:35:55.16 ID:OdEcVV8Eo
乙乙!
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/07(火) 01:21:23.02 ID:M7959lpu0
気長に待つとしよう
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/08/08(水) 06:32:16.38 ID:5zIe7TLa0
支援安
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/08/08(水) 12:37:13.93 ID:5dG0pLlf0

このスレの愛称はガッテモで決定しますた
66 :1 [saga]:2012/08/08(水) 15:18:42.75 ID:hUqS9lI80
第3話の投稿を開始します。
タイトルは
『魔法少女さやかの軌跡(後編)』
です。
と言いつつも第2話では
さやかの話がほとんどなかったな…。

>>65
愛称www
いやスレ立てる時に
よく確認しなかった自分が悪いんですけどね…。
…というか一体どこで決めたんですかwww
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/08(水) 16:13:24.08 ID:E0BYVy8IO
がっても来たー
68 :1 [saga]:2012/08/08(水) 16:22:01.90 ID:hUqS9lI80
マミ「まずはじめに言っておくけど、
  今から話すことはおそらく、
  『ほとんどの魔法少女が知らない』事よ」
まどか「魔法少女が…、知らない事…ですか?」

マミが言った事に対して、
怪訝な顔をして聞き返すまどか。

マミ「えぇ、私や佐倉さん、それにゆまちゃんも
  契約したときには知らなかったことよ」
ほむら「…私も同じだったわ…、
   QBが契約の時に話してくれなかったから」

マミの話を私が補足する。

仁美「QBが…?どうしてですの?」

当然の疑問を抱いた仁美が、
それを私たちにぶつけた。

ほむら「聞けばわかるわ…、
    これからする話を、ね」
マミ「だから、二人ともしっかりと聞いて頂戴」

そして、マミの口から『魔法少女の真実』が語られた…。
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/08(水) 17:15:24.98 ID:yssH+mpH0
期待
70 :1 [saga]:2012/08/08(水) 17:28:16.31 ID:hUqS9lI80
仁美「……そんな……信じられませんわ……」
まどか「……酷いよ……そんなのってないよ……あんまりだよ……」

マミと私が話したこと…、
『魔法少女の真実』を知った二人は
打ちひしがれていた。

ほむら(無理もないわね…、私もショックを受けたし
   マミに至っては心中しようとしたわね)

仁美「……でも、あのQBはなぜそんな嘘を…?」

先に立ち直った仁美が、
疑問を口にした。

ほむら「本人からすれば、『嘘はついてない』、だそうよ。
   ただ、『聞かれなかったから答えなかっただけ』で」
仁美「そんなの、詭弁ではないですか!!
  詐欺師だなんて嘘つきよりもタチが悪いですわ!!」

私の答えに激昂する仁美。

ほむら「それに、もし
   『ソウルジェムを持ち歩かないとどうなるか』や、
   『ソウルジェムが穢れで濁りきるとどうなるか』を
   聞いても…、」
マミ「『ソウルジェムを持っていない時に襲われたら危険だ』、とか
   『ソウルジェムが濁ると体の調子が悪くなるし、
   魔法も使えないから危ない』で済ますでしょうね」

…私が話していたのに、マミが途中で割り込んできた。

ほむら(…マミ、確かにそのとおりでしょうけど、
    人の話に割り込まないで欲しいわね…)
これ以上話をややこしくしたくはないから、
黙っておくけど…。
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/08/08(水) 18:32:51.49 ID:y4cKWeobo
来てたー!
72 :1 [saga]:2012/08/08(水) 19:02:38.66 ID:hUqS9lI80
仁美「……QBは……なぜ、そんなことを……?」

仁美は声のトーンを抑えてはいたが、
いまだに肩と声が震えていた。

マミ「あいつらが言うには、
  『僕達は宇宙人で、君達よりもはるかに進んだ技術を持っている。
  その技術で、『遠い未来だけど、確実に宇宙が滅ぶ』事が判明した。
  それを回避するために、魔法少女が魔女になるときに発生する
  エネルギーが必要なんだ』…らしいわ」
恭介「あと、あいつらには感情が無いんだ。
  けれども、その『エネルギー』を作るには感情が必要で、
  だからこの星に来たそうだよ」
ほむら「ついでに言うなら、あいつらは
   『全体のために一部が犠牲になること』を
   当然でむしろ良いことだと思っているわ。
   だからでしょうけど、
   『僕達のやっている事は君達にも良いことなのに、
   なぜ責められるのかわからない』とも言ってたわ」

仁美「……よく解りましたわ。
  何故、QBが契約を迫ったのか。
  それと、あの時巴さんがQBを追い払った理由も」

私達の話を聞いて、
仁美はQBがどんなやつか納得してくれたようね。

…ちょっと待って、今仁美はなんて言ったの?

ほむら「…マミ、貴方QBに何かしたのかしら?」

今聞いたとこをマミに確認した。
するとマミは…、

マミ「え?……あぁ、その時には暁美さんはまだ来てなかったのね。
  実は…、」
73 :1 [saga]:2012/08/08(水) 20:40:05.51 ID:hUqS9lI80
〜魔女の結界内にて〜

マミ「パロットラ・マギカ・エドゥ・インフィニータ!!」

ドドドドドドドドドドドドドドッ!!
ズガガガガガガガガガガッ!!!

無数の魔法の銃弾が使い魔の群れを撃ち抜いた。
勿論、群れの真ん中にいた女の子二人に当てないように。

そして私は二人の前に着地する。
私の姿や、さっきの銃弾の雨を見て
二人は驚いていた。

マミ「危なかったわね、でももう大丈夫よ」

二人を安心させるために声をかける。
周りの使い魔は、
突然現れた私とその攻撃を見て手を出しあぐねているようね。
そこで私は気づいた。
ツインテ−ルの方の子が、傷ついたQBを抱えていることに。

マミ(QBと一緒にいる…ということは、
  この二人…少なくともツインテールの子は
  魔法少女の素質がある、ということね)

そこまで考えたところで、

QB「僕たちを助けてくれたんだね!ありがとう、マミ!」

…QBがやけにフレンドリーに話しかけてきた。
私は思わずマスケット銃を向けようとして、

マミ(……くっ、落ち着くのよ巴マミ!
   今はこの子達を守るのが最優先だわ)

今ここでQBに何かしようとすれば、

QB「僕の友達に化けたこいつらの仲間だ!!」

などと言って、この二人を『運悪く』
使い魔の群れの方に逃がすだろう。
そうなれば、使い魔に喰われるか
身を守るために契約するかのどちらかになる。

マミ(それだけは避けないと…)
そのためには…、

マミ「貴方達、その子を助けてくれたのね。
  傷を治療するから、こっちに渡してくれるかしら?」
できるだけ嘘っぽくならないように、演技した。

まどか「あ、はい、お願いします…」
ツインテールの子が私にQBを渡した。

マミ「…今、傷を治すわね」
マミ(…本当はこんな奴のために
   魔力は使いたくはないのだけれど…)

QBに回復魔法をかける。

マミ「…これでいいわね」

QBが完治したことを確認した私は…、

マミ「ティロ・ボレー!!」

周りを囲んでいた残りの使い魔の一角を吹き飛ばした。
そのがら空きになった部分へ、

QB「マミ?一体何を…」

持っていたQBを全力で放り曲げる!!

QB「きゅっぷうううううううぅぅぅぅぅぅぅ―――………」

QBの悲鳴?が結界内にむなしく響きわたった……。

マミ(これで良し、と。
   後は…)
74 :1 [saga]:2012/08/08(水) 21:18:13.00 ID:hUqS9lI80
マミ「…で、残りの使い魔を片付けて…」
ほむら「私に話しかけた、というわけね」
仁美「えぇ、…全く、
  『あの子を早く安全なところに行かせたかった』だの、
  『自分で移動するよりこっちのほうが速い』だのと、
  何を言っていますの、この方は?と思いましたわ。
  でしょう、まどかさん?」
まどか「…………」

マミの話に、仁美はまどかに同意を求めるが、
まどかの反応がない。

仁美「まどかさん?聞いていますの!?」
まどか「……え?…あぁ、なに?仁美ちゃん」

…考え事してて、話を聞いていなかったわね、まどか。
でも、何を考えていたのかしら?
…まさか、契約のことを!?

仁美「…はぁ、もうよろしいですわ」
まどか「あ、そうなんだ………、」

そんなまどかを見て、ため息をつく仁美。
そしてまどかがまた考え込む。

まどか「…ねぇ、上条くん。もしかして、さやかちゃんは……、」
75 :1 [saga]:2012/08/08(水) 22:36:29.19 ID:hUqS9lI80
恭介「……まどかちゃんの思っている通りだよ」
仁美「…!?恭介さん、どういうことですの!?」

まどかと恭介の会話を聞いて、うろたえる仁美。
…今までの話で気づかないのかしら。
それとも、『気づきたくない』のかしらね。

それなら、教えてあげないといけないわね。
…『真実』を。

ほむら「…仁美、あなたさっき言ってたわよね、『信じられない』って」
仁美「…え!?……えぇ、言いましたわ。けど、それが何か……?」

ほむら「私も同じだったわ。
   …いえ、『魔法少女なら』皆同じでしょうね。
   それなら、どうやって『真実を知った』と思う?」
仁美「…どういうことですか、ほむらさん」

私の質問の意図を理解できなかったようね。

ほむら「もし、赤の他人…いえ、知っている人からでも
   そんなことを言われて『信じられる』かしら?」
仁美「……それは……、」

私の言葉に口ごもる仁美。

ほむら「…無理、でしょうね。
   『QBは事実を話さない』『他者の話は信じられない』
   なら、『真実はどう判明した』と思うかしら?」
仁美「……!?…まさか!?」

ようやく気づいたようね、私が何を言いたいのか。

ほむら「そう、『直接その瞬間を見る』しかないのよ。
   『真実』を知るためには、ね」
76 :1 [saga]:2012/08/08(水) 23:02:57.01 ID:hUqS9lI80
仁美「………それでは、ほむらさんの…、」
ほむら「えぇ、向こうにいたときに仲間が…ね。
   ……その後、私が引導を渡してあげたわ」

…実際には、以前の時間軸の事だけど。

ほむら「それは貴方も同じよね、巴マミ」
マミ「…!?……えぇ、そうよ」
仁美「………!?」

それを聞いて絶句する仁美。
…そろそろ突きつけてあげるわ、『真実』を。

ほむら「…これで分かったでしょう、『魔女になったのは誰』か。
   『巴マミの仲間』で『今いない』のは『誰』?」
仁美「……!?それでは…、先程『恭介さんの傍にいた』のは…!?」

…ようやく分かったようね、仁美。

恭介「そう…だよ。
  …あれが、『魔女になったさやか』、だ」
77 :1 [saga]:2012/08/08(水) 23:16:45.03 ID:hUqS9lI80
…力尽きたorz

という訳で、今回はここまでです。
さやか編なのにさやかが出てくるところまで
いけませんでしたorz

そして書き込んだ後にミスが見つかって…orz
やっぱり長時間やっているといけませんね。
でも、きりのいいところまで進めたいし…。
…どうしようかな?

次はさやかの過去の
途中までになると思います。
ではまた。
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/09(木) 00:40:58.33 ID:2qvQ7mpm0
ここ最近のSSで一番更新が楽しみだけど
一通り書き溜めての方が良いかも知れん
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/08/09(木) 10:29:28.72 ID:pYvtuR7oo
乙乙!
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/08/09(木) 12:40:40.26 ID:9Oyoppdr0
乙ガッテモ!
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/10(金) 14:17:28.09 ID:zhGHW7vIO

82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/11(土) 23:18:16.12 ID:zxTbfgh60
まだ落ちるまで余裕なのは分かっちゃいるが気になってしょうがない
83 :1 [saga]:2012/08/11(土) 23:42:20.73 ID:Qdie0cD80
…待たせたな!!(cv.大塚明夫)

という訳で、投下再開します。
今回は予定のところまで行けるかな…。
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/12(日) 00:11:03.21 ID:TFOqzFMp0
おっしゃーーー…
まだー?
85 :1 [saga]:2012/08/12(日) 00:19:41.01 ID:fQD+E1Em0
まどか「……やっぱり、そうなんだね……」
仁美「……そんな……それでは……!?」

恭介が明かした『真実』、それによって、
まどかは再び沈みこみ、仁美は驚愕した。
…が、仁美が次の瞬間ハッとして、

仁美「…わ、私、謝りませんと…、
  私さやかさんにバケモノ、って…」
まどか「…私も言っておきたい、かな…、
   『助けてくれてありがとう』…、って」

…私は内心驚いていた。
ほむら(……随分あっさりと、
   『アレ』がさやかだって認めたわね)
こんなこと、普通は信じられない…、
いえ、『信じたくない』のが普通だと思うのだけれど…。

…マミや恭介も同じ事を思ったのか、
その場を奇妙な沈黙が支配していた。

…静寂を破ったのは、マミだった。

マミ「…もう、遅くなってしまったわね」
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/08/12(日) 00:23:48.92 ID:FWSR4Sox0
ギタリスト恭介だったらうざくかっただろうなwwwww
87 :1 [saga]:2012/08/12(日) 01:24:03.73 ID:fQD+E1Em0
まどか・仁美「……え?」

マミの突然の発言に、あっけにとられる二人。

マミ「…二人とも、夜も遅いから今日は帰りなさい」
そう言って、マミは時計を見る。

ほむら(…確かに、もうこんな時間ね)
ずいぶん話し込んだから、仕方のない事だけど…。

マミにつられて時計を見た二人は慌て始めた。

まどか「あわわ、早く帰らないとお母さんに怒られちゃう!?」
仁美「私もですわ、無理を言って稽古の時間を遅らせてもらってますのに…」

そして二人は身支度を始める。

まどか「あの、今日は色々とありがとうございます」
仁美「それでは、お暇させていただきますわ」

二人は立ち上がって、帰ろうとする。
…が、マミが押しとどめた。

マミ「…二人とも、ちょっと待ってくれないかしら?」

マミ「最後に、一つだけ約束して。
  『絶対に魔法少女にならない事』、
   …美樹さんもそれを望んでいるはずだから」

まどか「…はい!」
仁美「わかりましたわ」
二人は力強く頷いた。

…そして、二人はマミの家を出ていった。
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/12(日) 01:34:31.29 ID:TFOqzFMp0
期待してるから頑張れ
89 :1 [saga]:2012/08/12(日) 02:16:43.35 ID:fQD+E1Em0
ほむら「…さて、そろそろいいかしら?
   私も、聞きたいことがあるのだけれど」

まどかと仁美は納得したようだけど、
私にはまだ知らなければならないことがある。
それは…、

マミ「…美樹さんの魔女のこと、ね」

そう、『さやかの魔女』のことだ。
あの魔女の『異変』には何か理由があるはず。
それを知るために、私はここに来たのだから。

ほむら「えぇ、そうよ。
   あの魔女について、色々と聞かせてもらえるかしら?」

マミ「…暁美さん、聞くべき人を間違えているわよ」
そう言って、マミはもう一人の人物に目を向ける。

ほむら(上条恭介…、確かにそれもそうね)

…あの時、さやかの魔女は恭介と一緒にいた。
ということは、恭介とさやかの魔女の間に
『何か』があった、そう考えるべきね。

恭介「…わかった、話すよ。だけど、
  これからさやかのところに行くから、その途中でね」
マミに一礼をして、部屋を出ていく恭介。

ほむら「…それじゃ、失礼したわね。紅茶とケーキ、美味しかったわ」
マミ「フフ、ありがとう。…暁美さん、また明日ね」

私はマミに礼を言い、恭介の後を追った。
90 :1 [saga]:2012/08/12(日) 02:52:36.59 ID:fQD+E1Em0
ほむら「…それで、貴方とさやかとの間に何があったのかしら?」

マミの家を出て恭介に追いついた私は、
恭介の後ろを歩きながら話をしていた。

恭介「…そうだね、全部話すよ。
  僕とさやかに起こったことを、ね」

恭介は語り始めた。
どのように魔法少女に関わり、
そして、どのように考え、行動したかを。
即ち、

上条恭介と魔法少女たちの物語を…。
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/12(日) 03:03:32.14 ID:TFOqzFMp0
追いかけたかったが眠気が限界だ
すまん
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/12(日) 03:06:34.53 ID:TQWQYr3IO
期待してるよ
93 :1 [saga]:2012/08/12(日) 03:48:22.27 ID:fQD+E1Em0
ほむら「…………」

恭介の話を聞いた私は、何も言えないでいた。

恭介「…やっぱり、信じられない…かな」

そんな私を見た恭介がポツリと漏らす。

ほむら「いえ、そうじゃないわ。
   ……でも、本当にそんなことが…?」

恭介「……簡単なことだよ。さやかが言ってたんだ、
  『奇跡も魔法もあるんだよ』って。
  それが起こっただけさ。
  QBが起こす紛い物じゃない『本当の奇跡』が、ね」

ほむら「……『奇跡』……そうね、確かにそうだわ」
QBと長く関わり続けていて、忘れていたわね。

私は自分の指にはめられたソウルジェムを見つめた。

ほむら(…QBの力を借りなくても奇跡は起こせる、それなら……?)

そしてひとつの事実に気がつく。

ほむら「……上条恭介、
   あなたは自分の体の事に気づいているかしら?」
恭介「……何かな、僕の体の事って」
ほむら「…ソウルジェムがあなたに反応しているわ」
ほむら(気づいたのは、ついさっきだけど…)

ソウルジェムには、魔法少女の敵である
魔女や使い魔を探す機能が付いている。
それに反応しているということは、つまり…、

恭介「…さやかを助けるために無茶したから、かな。
  でも、後悔はしてないよ」

ほむら「…そう…、ならひとつ言っておくわ。
   『まどかに手を出せば、容赦はしない』
   …覚えておくことね」

そう言って、私はその場を離れた。

ほむら(今日の事は、まどかにどんな影響を与えたのかのかしらね…)

その胸に、一抹の不安を抱えながら…。
94 :1 [saga]:2012/08/12(日) 04:25:49.14 ID:fQD+E1Em0
人魚の魔女の結界

オクタヴィア「〜〜〜♪♪〜〜〜〜♪♪」

あたしは、唄っていた。
自分が作った結界のコンサートホール、
そのステージの中央で。
ただし、唄に魔力は込めていない。
ほかの魔女のように人を襲いたくないし、
誰かに自分の姿を見られたくもなかったから。
でも…、

オクタヴィア(マドカ……ヒトミ……)

今日は見られてしまった、
しかも、一番見られたくない『親友』に。
恭介と一緒に魔女のところに向かう、
その途中で使い魔に襲われているのを見て、
つい手をだしてしまった。

オクタヴィア(バケモノ、カ……)

二人はあたしを見て、怯えていた。
まどかは何も言えなかったけど、
仁美はあたしの事を『バケモノ』と言った。
それはつまり、あたしのことが
『美樹さやか』だとわからなかった、
ということだ。

オクタヴィア(……知ラレチャッタナ)

あの後、二人はマミさんについて行った。
マミさんは全部話すだろう。
魔法少女のこと、魔女のこと、そしてあたしのことも。

オクタヴィア(……アノ頃ハ、楽シカッタナ)

あたしとまどかと仁美。
三人で仲良く学校に行って、勉強して、
放課後や休みの日に一緒に遊んだり、買い物をしたり。
そんな光景が、ずいぶん昔の事に思えた。

オクタヴィア(……実際ニハ、チョット前ノ事ナノニネ)

…そして私は思い返していた。
あたしがマミさんと出会ったあの日から、
今までのことを…。
95 :1 [saga]:2012/08/12(日) 04:36:24.60 ID:fQD+E1Em0
今回はここまでです。

というか、
前回がここまでのはずだったんだけどね。
そして眠い…、
これ書いたら、さっさと寝ることにします。

しかし、さやかのテーマを脳内再生しようとすると、
なぜか、某超時空アイドルの歌に化けてしまう…。
これって自分だけですかね?www

次回はさやかが魔法少女になってから、
魔女になるまで…の予定です。
ではまた。
96 :1 [saga]:2012/08/12(日) 04:44:22.36 ID:fQD+E1Em0
…大事なこと書き忘れてたorz

恭介の話が飛んでいるのはミスではありません。
恭介とさやかの事に関しては、
もう少しお待ちください。
ではまた。
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/12(日) 12:53:48.78 ID:TFOqzFMp0
乙!
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/13(月) 15:20:24.11 ID:tFNOFNcw0
さやかの自我持ってるんか
これからの展開に期待
99 :1 [saga]:2012/08/17(金) 11:26:01.74 ID:0CNSkq6c0
投下再開します。
あと、遅れてすみませんでした。
今週は出かける用事があったり、
体調を崩したりしていたので…。

あ、今はもう大丈夫なので
心配しないでください。
100 :1 [saga]:2012/08/17(金) 12:02:00.38 ID:0CNSkq6c0
〜1ヶ月程前〜

さやか「うーん、どれがいいかなぁ?」

あたしは、恭介への見舞い品を買うために、
一人でCDショップに来ていた。

さやか「…やっぱり、まどかか仁美に相談…、
   いやいや、これはあたしの問題なんだから、
   一人で決めないと…」

恭介はあたしの幼馴染で、とても大切な人で。
でも、交通事故に遭って大怪我して入院してる。
そんな恭介を元気づけるためのプレゼントを
選ぶんだから、一人で決めるべきだ、と思う。

さやか「…でも、決められないんだよね…」

恭介は音楽が好きだから、
音楽のプレゼントにするところまでは
すんなりと決まったけど、
どの曲にするかはさっぱり決まらなかった。

さやか「…財布も厳しいから、あまり買えないし…、
   やっぱり相談しようかなぁ…、うーん…」

大切な人への贈り物、それをどうするかで
頭がいっぱいで、あたしは気付かなかった。
いつの間にか、魔女の結界に迷い込んでいたことに。
101 :1 [saga]:2012/08/17(金) 13:32:30.96 ID:0CNSkq6c0
さやか「…って、あれ?ここ、どこ?
   …あたし、CDショップにいたよね!?」

ふと気づくと、
あたしは奇妙な空間に迷い込んでいた。

さやか「…とにかく、早くここから出ないと…」

この時あたしは本能的に危険を感じていた。
だから、そこから抜け出そうとして…、

使い魔達「「「〜〜〜〜♪♪」」」

変な奴らに囲まれていることに気がついた。

さやか「…何?こいつら一体何なの!?」

あたしには何がなんだかわからなかった。
ただ、変な奴らのうちの何匹かが、
巨大な鋏をこっちに向けているのはわかった。

さやか(…!?早く逃げないと殺される!?)

あたしはそこから逃げようとして、
でも、周りは全部そいつらに囲まれていて、
もうだめだ、って思った、その時だった。

マミ「ティロ・ボレー!!」

ドドドドッ!!
ズガガガッ!!

さやか「………え?」

私は見た。
バケモノが吹き飛ばされるのを。
そして、私の前に降りてきた誰かが、
バケモノを吹き飛ばしたのを。

…そう、これがあたしが『魔法少女』になる、
そのきっかけの出来事だった。
102 :1 [saga]:2012/08/17(金) 15:11:39.76 ID:0CNSkq6c0
さやか(……コスプレ?)

あたしが感じた第一印象はそれだった。
そして、そのコスプレの人はあっという間に残っていた
バケモノを全部蹴散らし、そして言った。

マミ「…危なかったわね。でも、もう大丈夫よ」

目の前で起きた、常識はずれの出来事に
あたしの頭の処理が追いついていなかった。

???「…やれやれ、ひどいじゃないかマミ。
  僕を置いて先に行くなんて」
さやか「…!?なにこの生き物!?…というか喋った!?」

いきなり現れた珍生物の声で、
あたしは現実に引き戻された。

マミ「あら、あなたQBのことが見えるのね」
さやか「QBって言うんですか?この…生き物?」
マミ「えぇ、そうよ。私の友達なの。
  …って、その制服…あなたも見滝原の生徒なのね。
  2年生?」
さやか「…あ、はい。2年生の美樹さやかです」
マミ「私は巴マミ、3年生よ」

コスプレの人に…じゃなかった、巴マミ先輩に
聞かれて、あたしは正直に答える。

そこにQBが割り込んできて、
あたしに向かってこう言った。

QB「美樹さやか、お願いがあるんだ。
 僕と契約して魔法少女になってよ」
103 :1 [saga]:2012/08/17(金) 15:55:17.84 ID:0CNSkq6c0
さやか「…え?魔法少女?……あたしが?」

…というか、魔法少女って…。
いや、確かに今目の前で起こった事は
魔法少女物でよくある光景だったけど…。
でも、現実にそんな事…。

マミ「…QB、いきなりそんなこと言っても、
  決められないわよ。
  …美樹さん、私の家に来ないかしら。
  魔法少女について、いろいろ教えるわよ」
さやか「………わかりました」

正直、あたしは何一つわかってはいなかった。
だから、巴先輩に付いていくことにした。
104 :1 [saga]:2012/08/17(金) 16:02:30.98 ID:0CNSkq6c0
一旦ここで切ります。

…というか体力が続かないorz
取り敢えず夜には続きを書きますが、
多分さやかが魔法少女になるところまでになります。
予定守れなくてすいません。

あと、今はさやかの回想シーンですが、
ほかのキャラの場面も入ります。
演出上の問題なので突っ込まないでください。

ではまた夜に。
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/17(金) 16:36:31.73 ID:8vJGkHIM0
おお更新きてたー!
全然音沙汰無かったから心配したww
夜も楽しみにしてます
106 :1 [saga]:2012/08/17(金) 20:50:35.66 ID:0CNSkq6c0
充・電・完・了!!

ってほどでもないですが、
体力回復できたので、
投下再開します。

…やっぱり、ただでさえ暑いうえに
パソコンの熱気を直に食らうから、
昼間の投下は無茶でしたよ、うん。
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/17(金) 20:52:15.70 ID:i+SbvJyIO
待ってた
108 :1 [saga]:2012/08/17(金) 21:34:25.96 ID:0CNSkq6c0
さやか「………魔法少女、か」

あの後、あたしはマミさんとQBから
いろいろな事を教わった。
『魔法少女』、『魔女』、
『ソウルジェム』に『グリーフシード』、
そして…、

さやか「…『なんでも願いを一つ叶えてあげるよ』、ねぇ…」

QBとの『契約』の内容。
簡単に言えば、
願いを叶えてくれる代わりに
魔女と戦うことになる、
ということだった。

さやか「……でもなぁ…」

正直言って、あたしには
『願い』なんてだいそれたものは持っていない。
だから、契約することに迷っていた。

そんなあたしを見てマミさんは、
『魔法少女体験コース』を提案してくれた。
それで、『魔法少女』の事をよく知って欲しいって。
あたしはそれを受けることにした。

さやか(魔女や使い魔に襲われる人を見過ごせないし)

それに、マミさんの紅茶とケーキ美味しかったし…、
って、そんな不純な理由で付き合うなんて
マミさんに失礼だよ美樹さやか!!

さやか「……それにしても、何か忘れているような…?」

あたしは今日あった事を順番に思い出していき…、
あることに気がついた。

さやか「……!!恭介へのプレゼントのCD買うの忘れてたーーー!!!」

結局、その日は夜遅かったので
そのまま家に帰ったのでした…。
109 :1 [saga]:2012/08/17(金) 22:15:43.48 ID:0CNSkq6c0
〜翌日〜

あたしは学校が終わった後、
恭介へのプレゼントがまだ決まっていなかったこともあり、
マミさんの魔法少女体験コースについて行く事にした。

マミ「魔女の捜索にはソウルジェムを使うの。
  …まぁ、基本的には足頼みだけど」

そう言うとマミさんは、
自分のソウルジェムをあたしに見せる。

マミ「…ソウルジェムが輝いているでしょう?
  この反応を頼りに魔女を探すの」

…確かにソウルジェムが光っているのはわかるけど…、

さやか「…意外と地味なんですね」
マミ「…魔法少女も楽じゃないのよ」

そしてマミさんとあたしは、
魔女の捜索を開始した。
110 :1 [saga]:2012/08/17(金) 22:45:48.63 ID:0CNSkq6c0
さやか「……反応、変わらないですね…」

街中を1時間位歩いたけど、
魔女は見つからなかった。

さやか「魔女の居そうな場所、
   目星位はつかないんですか?」

なかなか見つからなくて、あたしは
魔女の居そうな場所をマミさんに聞いてみた。

マミ「昨日も言った事だけど、
  魔女の棲家の近くだと自殺や
  殺人事件、あと交通事故もよく起こるわ。
  だから、交通量の多い道路や人の多い
  歓楽街なんかは要注意ね。
  後、自殺しやすそうな人気のない場所。
  それと、病院も気を付けたほうがいいわ」
さやか「な、なるほど………」

病院もなのか…。
もし恭介が狙われたら、適当な理由で
契約しちゃうかもしれない。
もしそうなったらマミさんは…。

そんなことを考えていた時だった。

マミ「…ソウルジェムの反応が大きくなったわ。
  多分近いわよ」

マミさんの手元を見ると、
確かに光が強くなっていた。

マミ「……こっちの方ね。
  美樹さん、急ぐわよ」

マミさんが駆け出して行き、
あたしも慌てて後を追った。
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/18(土) 00:19:38.13 ID:bhgnrDve0
wkwk
112 :1 [saga]:2012/08/18(土) 00:22:05.63 ID:SPTIo8UN0
〜廃ビル前〜

マミ「…間一髪だったわね」

…あたしは固まっていた。
自殺なんて、見るのは初めてだったから。
今回はマミさんが間に合ったけど、
もう少し遅れていたら…。

マミ「…美樹さん、ここを見てくれる?」

飛び降りたOLの人の首元を示すマミさん。
そこには奇妙な印があった。

マミ「これが、『魔女の口付け』よ。
  魔女はこれを通して人を操るの」

そしてマミさんは、魔女の口づけに手をかざし、
魔力を込める。
すると、魔女の口づけはきれいさっぱり消えていた。

マミ「…っと、そろそろ目が覚めるわね」

OLの人の目が覚めそうになっていることに
気がついたマミさんは、変身をといた。

OL「……あれ?…なんで私、こんなところに……?」

…操られていた時のことは覚えていないのかな?

マミ「大丈夫ですか?」

マミさんに声をかけられて、
我にかえるOLの人。

OL「……あ……そんな、私なんてことを……」

OLの人はブツブツと呟きながら、
ふらふらと表通りの方へ歩いて行った。

マミ「これでよし、と。
  …後は魔女本体ね。
  美樹さん、それ貸してくれるかしら?」
さやか「…別にいいですけど、
   どうするんですか?」

あたしはマミさんに、
護身用に持ってきたバットを渡した。

マミ「それはね…、こうするのよ」

バットを受け取ったマミさんは、
それに魔力を込める。
バットが魔力によって光り出す。
その光が収まると、そこには
漫画に出てくるような武器があった。

マミ「使い魔位なら、これで対処できるわ」

そう言って、マミさんはあたしに
元バットを返した。

さやか「…魔法って、こんなこともできるんですね…」

やっぱり、魔法少女ってすごいなぁ…。

マミ「…それじゃあ、行くわよ。
  美樹さん、私から離れないようにね」
さやか「…は、はい!」

そしてあたしはマミさんと一緒に、
魔女の結界へと突入した。
113 :1 [saga]:2012/08/18(土) 01:12:48.79 ID:SPTIo8UN0
さやか「…………凄い…」

あたしは、マミさんの華麗な戦いに、
ただ見とれていた。

マミ「ティロ・フィナーレ!!」

ガコンッ!!シュバァァァァァァァァァ!!
ドォォォォォォォォォォン!!

魔女「―――――――!!!」

マミさんの必殺技が直撃して、
魔女は悲鳴を上げる。
そして、その悲鳴が収まったとき、
魔女も、使い魔も、結界も、
全部消えていた。
…まるで、初めから何もなかったかのように。

カランカラーン

そして、魔女の体からこぼれ落ちた
グリーフシードが地面に落ちる。

マミ「…とまぁ、こんなところね。
  よくわかったかしら」

戦利品のグリーフシードを拾いながら、
マミさんは言った。

さやか「……凄かったです。
   マミさん、とても格好よかった」
マミ「…え?
  あぁ、うん、そう言ってくれるのは嬉しいわ」

あ、マミさんとても嬉しそうな顔してる。
…当たり前か、ずっと一人で戦ってて、
こんなこと言われるの初めてだろうし。

…そう考えると、魔法少女って
大変なんだな、やっぱり。

マミ「…それじゃ、帰りましょうか」
さやか「…うん、帰りましょう、マミさん!」
114 :1 [saga]:2012/08/18(土) 01:50:50.78 ID:SPTIo8UN0
マミ「…さて、美樹さんは願い事、
  もう決まったかしら?」

帰り道の途中で、
マミさんはそんなことを聞いてきた。

さやか「…いえ、まだです…。
   ……マミさん、一つ、聞いてもいいですか?」

あたしには、願い事について
聞いておきたいことがあった。

マミ「…?何かしら、美樹さん」
さやか「その、願い事って自分以外の
   『誰か』の為にする…、
   ってことは出来るのかな、って…」

QBがあたしの質問に答える。

QB「僕は魔法少女になってくれるなら、
 別に他人の為の願いでも構わないよ」

それを聞いたマミさんは、
真剣な表情であたしに聞き返してきた。

マミ「…美樹さん。
  あなたは、純粋に『その人を助けたい』の?
  それとも、『その人を助けた恩人になりたい』の?
  …同じように聞こえるけど、全然違うことよ、これは」
さやか「……!?」

マミさんの言葉にあたしは何も言えなかった。

マミ「…他人の為に願うのなら、
  尚更、自分の願いをはっきりさせるべきよ。
  …でないと、自分だけでなくその人まで不幸にしてしまうわ」

…自分の願いをはっきりさせる、か。

さやか「よくわかりました。
   …マミさん、ありがとうございます」

あたしの答えを聞いたマミさんは、
ふっと表情を和らげる。

マミ「ふふ、どういたしまして。
  …これはとても難しい事だから、
  焦ったりせずに、ゆっくり考えてね」
QB「僕としては早いほうがいいんだけど」
マミ「ダメよ、女の子を急かす男は嫌われるわよ?」
QB「…僕には性別なんてものはないから、
 男とか女とか言われてもこまるんだけどなぁ」

そうして、あたしはマミさんとQBと別れた。

さやか「…自分もその人も不幸にしてしまう、か」

あたしはマミさんに言われたことを、
考えていた…。

さやか(恭介…)
115 :1 [saga]:2012/08/18(土) 01:56:06.01 ID:SPTIo8UN0
…ダメだ、(体力が)もうもたない!!

という訳で、今回はここまでです。
…また、予定のところまで行けなかったよ…orz
さやかの契約は次回になります。

ではまた。
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/18(土) 01:58:20.89 ID:W0fY8mhIO
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/08/18(土) 10:43:18.97 ID:T7ovCDVYo
乙乙!
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/18(土) 14:11:35.66 ID:bhgnrDve0
乙乙乙!
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2012/08/18(土) 23:47:26.22 ID:9x2o5980o
乙乙乙乙!
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/18(土) 23:47:56.62 ID:xGC5Uy2Ro
乙乙乙乙乙!
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2012/08/22(水) 00:58:55.86 ID:LtguoQEOo
乙乙乙乙乙乙!
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/22(水) 17:36:02.34 ID:ANClQ6Ryo
乙乙乙乙乙乙乙乙!
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/08/23(木) 00:22:17.69 ID:zNGAy5yfo
乙乙乙乙乙乙乙?
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/08/23(木) 00:22:57.74 ID:F1Xt/vE8o
乙乙乙乙乙乙?
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/08/23(木) 02:25:21.91 ID:nuSmQ7bFo
乙乙乙乙乙?
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/23(木) 17:19:58.41 ID:95tkKviio
乙乙乙乙?
127 :1 [saga]:2012/08/23(木) 22:35:27.90 ID:jDJQbY/10
>>116-126
…え〜と?
何かの儀式ですか、これ?

まぁ、このままだと乙が
ゲシュタルト崩壊しそうなので、
続きを投下します。
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/23(木) 22:38:24.03 ID:zKbZo3QIO
待ってました
129 :1 [saga]:2012/08/23(木) 23:21:54.30 ID:jDJQbY/10
〜数日後 恭介の病室〜

恭介「…ありがとう、さやか」
さやか「エヘヘ、どういたしまして」
さやか(よかった、喜んでくれたみたい)

…あたしは内心ホッとしていた。
考えに考えたとはいえ、
喜んでもらえるか、不安だったから。

恭介「……今、聞いてみてもいいかな…?」
さやか「うん、大丈夫だよ!」

恭介はイヤホンで私のあげたCDを
聞き始めた。

恭介「…………」
さやか(…恭介、顔が暗いよ……)

…やっぱり、バイオリンが弾けないのが
辛いんだ…。

恭介「……ごめん、一人で聞きたいから…、」
さやか「…わかった。それじゃ、またね」

あたしは、静かに病室から外に出た。
130 :1 [saga]:2012/08/24(金) 00:12:54.85 ID:E1H7pBXV0
さやか(恭介……)

あたしは恭介を見ていられなかった。
…結局、今のあたしじゃ恭介の力になれないのかな…。
早く恭介の手が治って欲しい。

そんなことを考えていた時だった。

???「検…の結………が、………良………ませ…」

さやか(今の声は、確か…)
廊下の曲がり角の先を見ると、
そこでお医者さんと恭介のお母さんが
話をしていた。

恭介の母「……り、恭……手は……と……、」
医者「………能性は、高いで………」

さやか(……!?今のって……!?)

二人の会話はところどころしか
聞こえなかったけど、
何を話しているのかは分かってしまった。

さやか(そんな…、それじゃあ恭介は……!?)

あたしは逃げるように、
けれども気づかれないように
その場を立ち去った…。

さやか(恭介…、大丈夫だよね…?)

次に恭介と会うときが怖くなった。
けれども…、

さやか(あたしが、恭介を支えないと…!)

病院から出る頃には、
あたしの心は固まっていた。
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/24(金) 00:29:26.28 ID:myE+qKMd0
運が良かったな>>1
乙の数が再び1になった時…おっとやめておこう
何はともあれ続き待ってました!
132 :1 [saga]:2012/08/24(金) 01:13:38.06 ID:E1H7pBXV0
〜その翌日〜

あたしは、マミさんと一緒に街の見回り、
その合間に考えていた。

さやか(……恭介…)

昨日、あたしが聞いてしまった事。
恭介もそれを知って、落ち込んでいるはず。
だから、元気づけたいんだけど…、

さやか(…でも、どうやって…?)
マミ「……樹さん、どうしたの?」

…そんなことを考えていたら、
マミさんに声をかけられた。

マミ「何か、考え事?
  …もしかして、この前言ってた
 『誰か』の事で、かしら?」

さやか(マミさん…)
…そうだね、マミさん大人だし、
相談してもいい、かな…。

さやか「…はい…、実は…、」
133 :1 [saga]:2012/08/24(金) 01:59:29.73 ID:E1H7pBXV0
…あたしは、全部話していた。
恭介の事、恭介の身に起きたこと、
そして、あたしが恭介をどう思っているか。

さやか「……それで、どうしたらいいのかな、
   って思って」

マミさんは、あたしの話を静かに聞いていた。
…あたしが全部話し終えると、
少し考え込んで…、

マミ「……ごめんなさい、
  私には何も言えないわ」

そう、答えた。

さやか「……どういう、事…ですか…?」
マミ「だって、私はその上条君の事をよく知らないもの。
  こういうのは、よく知っている人が決めるべきだわ」

さやか(…それって、つまり…、)
あたしが自分で考えて決めろ、と。
でも…、

さやか(…やっぱり、
    どうしたらいいのかなんてわからないよ)

マミ「……まぁ、じっくり考えなさい。
  …後悔なんてしないように、ね」
さやか「……はい」

後悔しないように、か…。
でも、どうすれば…、

その時だった。
134 :1 [saga]:2012/08/24(金) 02:43:07.22 ID:E1H7pBXV0
マミ「あら、これは…」
さやか「…?マミさん、どうしたんですか?」

マミさんは、隣を見て足を止めていた。
釣られて、あたしもそっちを見ると、
そこには、古い感じのレコード店があった。

マミ「…こんなお店、まだあったのね…」
さやか「そりゃあ、そうですよ。
   今でもレコードで聞きたいって人、
   結構いるんですから」

恭介からの受け売りだけど、
レコードでしか出せない音っていうのが
あるみたいだし。

そんなことを考えながら、
お店のショーケースを眺めていた。

さやか(…レコードだけじゃなくて、
   最近のCDとかも置いてあるんだ…)

お店の品揃えにそんな感想を抱いていた
あたしの目に、一枚のレコードが目に止まった。

さやか(……これって…)

『それ』を見て、あたしは
昔、恭介とした話を思い出した。

さやか(……そうだ、恭介はあの時言ってた…!
    これなら…)

さやか「…すいません、マミさん…、」
マミ「見つかったのね、どうすればいいか。
  なら、行きなさい」

そう言って、マミさんはあたしの背中を押してくれた。  

さやか「マミさん…!
   ありがとうございます!!」

そしてあたしは、目的のものが有ることを祈りつつ、
お店に入っていった。

マミ「……頑張ってね、美樹さん」
135 :1 [saga]:2012/08/24(金) 03:34:18.02 ID:E1H7pBXV0
それから、数日後。
あたしは、また恭介の病室に
お見舞いに向かっていた。

さやか「…恭介、分かってくれるよね…?」

あの時には『これしかない!!』って
思ったけど、今になって、不安になってきた。

さやか「…悩んでても、仕方ないよね…。
   それじゃ、行きますか」

あたしは、扉をノックして、
恭介の病室に入った。

恭介「………」

恭介は、あたしがこの前あげたCDを、
静かに聞いていた。

さやか(…邪魔しちゃいけないよね…)

そう思って、あたしは何も言わずに
持ってきた物を病室の机に置いた。

恭介はそれをちらと見て、言った。

恭介「…さやかは、僕のこといじめてるのかな?」
さやか「な!?なんでそんな…!?」

あたしには訳が分からなかった。
それを見て、どこをどうすれば
そんな考えに…、

恭介「…僕はもう、弾けない曲なんか聴きたくないんだよ…。
  それに、思い出したくないんだ、
  もう、『バイオリンを弾けない』って事を…」

バイオリンを『弾けない』って、それじゃあ…、

さやか「そんなことないよ、左手だっていつか…、」
恭介「治らないって言われたんだ!!」

そして恭介は、左手を机に叩きつける。
その手は、さっきあたしが置いた物に当たり、
ケースが割れて、破片がいくつか突き刺さっていた。

恭介「…こんなことになっても、
  何も感じないんだよ…」

やっぱり、そうだったんだ…。
あの時聞いた会話、何かの間違いだって
思いたかったけど…。

恭介「……先生に言われたんだ。
  『奇跡』でもない限り、左手は二度と動かないって…」

さやか「…………」
涙も枯れてしまった様な恭介の顔を見て、
あたしは気づいてしまった。

さやか(…おんなじ目だ…)

恭介は、あの時見た
『飛び降り自殺をしたOL』と
同じ目をしていた。

恭介「分かったら、もう帰ってくれないかな…」
さやか(…このままじゃ、恭介は……)

あたしは、そんな恭介を見ていられなくて…、

さやか「……あるよ」
恭介「…え?」

覚悟を決めた。

さやか「奇跡も魔法もあるんだよ!!!」
136 :1 [saga]:2012/08/24(金) 04:10:20.66 ID:E1H7pBXV0
恭介「………」

さやかが出て行って、病室には
僕一人だけになった。

恭介(…出ていった、と言っても、
  実際には追い出したようなもの、かな)

そういえば、さやかが何か言ってたな…、
奇跡や魔法がどうとか…。

恭介(そんなもの、あるわけないのに…)

でも、もし『魔法』があったなら、
僕の左手も治っていたのかな…。

ナース「上条くん、検診の時間ですよ…って、
  どうしたの、その手!?」

そんなことを考えていたら、
ナースさんが病室に入ってきて、
僕の左手を見て、驚いていた。

恭介(…あぁ、そういえばさっき…)

ナース「一体、何をやったんですか!?
  …取り敢えず、手当しますよ」

ナースさんは、ぼやきながらも
僕の左手を手当していく。

恭介(……もう、そんなことしなくてもいいのに…)

どうせもう動かないんだ、
どうなったっていい。
……いっそのこと、僕の命も…、

その時だった。

ナース「あら、これは…、
  …全く、『退院祝い』には早いわよ」

ナースさんは、さやかが持ってきた物を見て、
そんなことを言った。

恭介「……どういうことですか?」
ナース「…だって、曲のタイトルに『歓喜の歌』なんて
  あるんですよ!?
  せめて応援歌にしなさいよ、全く…」

恭介(…!?『歓喜の歌』だって!?)

さやかが持ってきたものの正体を知って、
僕は驚いていた。

恭介(さやか……、知ってたんだ…)

さやかの贈り物の『本当の意味』に気づいた僕は、
後悔した。
だけど…、

恭介(……次にさやかに会ったら、
  謝らないとな)

このとき、僕は知らなかった。
さやかに何があったのか、
そして、これから何が起こるのかを。
137 :1 [saga]:2012/08/24(金) 04:40:08.17 ID:E1H7pBXV0
QB「…おめでとう、君の願いはエントロピーを凌駕した」

そして、あたしの体からソウルジェムが
生み出される。
それは、綺麗な水色をしていた。

さやか「…これが、あたしのソウルジェム…」
QB「そうだよ!さぁ、僕に見せておくれ。
 君の願いの結晶を」

QBに言われて、あたしはソウルジェムを掲げる。
すると、ソウルジェムが輝き、その光があたしを包む。
光が収まると、あたしは『魔法少女』に変身していた。

さやか「……これが、魔法少女のあたし……」

マミさんのと同じ感じの衣装を見て、
意味も無く一回転してみる。
そんなあたしを見てQBが、

QB「…余韻に浸っているところ悪いんだけど…」
さやか「何、QB?」
QB「さやか、君の友だちの志筑仁美に
 『魔女の口付け』が付いているのを見たんだ」

あたしはそれを聞いて、
空気が冷えるのを感じた。

さやか「…!?一体どこで見たの!?」
QB「廃工場の辺りだよ!!」

それを聞いたあたしは、
魔法少女の脚力と魔力を使って、
一目散に駆けていった。
138 :1 [saga]:2012/08/24(金) 05:19:51.57 ID:E1H7pBXV0
〜魔女の結界〜

仁美「さぁ、行きましょう!
  素晴らしい世界へ!!」
さやか「ちょぉーっと、待ったぁぁぁーーーー!!!」

掛け声と共に、仁美が持っていたものを
弾き飛ばす。

さやか「…いくらさやかちゃんがバカでも、
   危ないことだってことはお見通しだ!!
   …って、誰がバカだコノヤロー!!!」

喚きつつも、あたしにまとわりつこうとする
仁美達を避けて、その場を離れる。

さやか(やっべー、何かテンション上がっちゃってる…。
   少し落ち着かないと…)

そんなことを考えているうちに、
上の方から、天使の人形の様なものが降りてきた。

さやか「…こいつらは使い魔、かな。…よーし、
   あたしの剣の錆になりたい奴からかかってきなさい!!」

あたしが言い終わるが早いか、
使い魔達が飛び掛かってくる。

ザシュッ!ザシュッ!!ザシュッ!!!

それをあたしは、
剣で次々と斬り裂くいていく。

そして、使い魔の残りが後2、3匹になったところで
本命が現れた。

魔女「―――――!!」

さやか「…あんたが親玉だね。
   さやかちゃんの必殺剣で倒してあげるよ!」

あたしは、魔力でスピードを引き上げ…、

ズシャッ!!ズシャッ!!ズシャッ!!ズシャッ!!ズシャッ!!

魔女を連続で斬り付ける!!
そして……ッ!!

さやか「これで、トドメだァァァーーーーー!!!」

渾身の一撃で魔女をまっぷたつに斬り裂いた。
139 :1 [saga]:2012/08/24(金) 05:45:28.99 ID:E1H7pBXV0
魔女の結界が消えつつあるのを
確認したあたしは、
落ちていたグリーフシードを拾い上げる。

???「……美樹さん、なの?」

そこで、後ろから
聞き覚えのある声がしたので振り向く。

さやか「…はい!契約しちゃいました!!」

そこには、魔法少女に変身した
マミさんがいた。

マミ「…そう。後悔はしていないのね」
さやか「……あたしの一番大切なもののために契約したんです。
   後悔なんてあるわけないですよ」

勿論、前にマミさんに言われたことは、
きちんと考えていた。
それでも、結論は変わらなかった。

さやか(…あたしは、この街を護る正義の魔法少女なんだ)

さやか「…って、そうだマミさん!
   あの人たちは…、」
マミ「大丈夫よ、さっき救急車を呼んでおいたから。
  後はその人たちに任せましょう」

さすが、マミさん。
ちゃんと考えて居るんだ。

マミ「…それじゃ、帰りましょうか。
  それと、祝勝会をしましょう。
  美樹さんの契約祝も兼ねて、ね」
さやか「あ、それいいですね。
   紅茶とケーキ、ご馳走になります」

…そしてあたしは、マミさんと一緒に
マミさんの家へ向かうのでありました。

…あたしは、浮かれていた。
このあとに起こる出来事や、
魔法少女の真実なんて知らずに。
…唯々、魔法少女になったことを
喜んでいたんだ……。
140 :1 [saga]:2012/08/24(金) 05:53:20.02 ID:E1H7pBXV0
今回はここまでです。

次回は…、
どこまでになるんだろうか?
取り敢えず、マミさん一時離脱の
ところまでが目標です。

しかし、さやかちゃんのテンションが
大変なことに…、
どうしてこうなったしwww

…ていうか、もう朝だよ…。
暑いし眠いし頭痛いし疲れたし…。
という訳でこれ終わったら寝ます。

ではまた。

>>131
い、一体何が起こるんですか?ガクブル
私はまだ死にたくないですよぉぉぉぉォォォ!!
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/24(金) 05:53:53.56 ID:jgpmCHZIO
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/08/24(金) 06:36:45.39 ID:fRvRrRdTo
乙乙
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2012/08/24(金) 09:39:38.62 ID:dn0Rn6oa0
乙乙乙
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/08/24(金) 09:41:07.88 ID:B6+VxA3so
乙乙乙乙
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/24(金) 09:41:37.32 ID:GLMCIq6DO
乙乙乙乙乙
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/08/24(金) 10:02:23.88 ID:S8WLH7Jso
乙乙乙乙乙乙
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/08/24(金) 10:34:44.35 ID:dQK4JO5L0
乙乙乙乙乙乙乙
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2012/08/24(金) 10:48:28.82 ID:qBpszivAO
乙乙乙乙乙乙乙乙!
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/24(金) 11:25:04.82 ID:XRwg3XNIO
もうええわ
乙!
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/08/24(金) 12:53:27.91 ID:zksbJ6pto
ファッ!?
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/24(金) 18:19:20.34 ID:Nd3K8eawo
乙!
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2012/08/24(金) 18:54:41.36 ID:40Nt9f0Po
乙乙!
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/25(土) 22:35:37.03 ID:YT/9BPeGo
乙乙乙!
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2012/08/25(土) 23:41:33.52 ID:KrsQwRVdo
乙乙乙乙!
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/08/26(日) 02:26:18.07 ID:UUCSqclfo
乙乙乙乙乙!
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2012/08/26(日) 02:40:48.92 ID:0wCET4Z3o
そろそろやめような?
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/08/26(日) 17:34:58.91 ID:qUjKkNAKo
乙乙!

もしかしなくても俺が原因だった?
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/26(日) 17:44:05.55 ID:g4CfgBqto
>>156
おまえのIDおしいな、もう少しで剣崎じゃねえか
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/26(日) 17:44:33.72 ID:g4CfgBqto
乙!
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/08/26(日) 23:36:46.47 ID:6U7jZxgro
よく考えるとぼっちポジションがさやかになってるよね
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/01(土) 20:45:39.53 ID:DROeScCn0
まだかい?
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/10(月) 18:22:22.52 ID:a9P9FBC60
>>1は生きてるの?
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/10(月) 19:14:42.37 ID:cKap7gc7o
乙!
164 :1 [saga]:2012/09/10(月) 22:13:38.27 ID:INjUK+Iw0
皆さん…普通の感想が欲しいです…

という訳で皆様…、
大変お待たせして申し訳ありませんでした!!
最近暑くて(モチベーションも含めて)ダウンしてました…。

というか前回は結構ネタいれてたのに
反応がなくて寂しかったんです…。

では、投下再開します。
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/10(月) 22:40:32.50 ID:a9P9FBC60
ようやく来たか
あまり突っ込む事しない性格なんですまんかった
166 :1 [saga]:2012/09/10(月) 23:42:37.26 ID:INjUK+Iw0
〜翌日〜

あたしは教室でまどかや仁美と話していた。

まどか「…昨日は大変だったんだね、仁美ちゃん」
仁美「えぇ、気づいたら救急車の中だなんて、
  何の冗談かと思いましたわ」

よかった、昨日はあのまま帰ってしまったから
ちょっと心配してたけど、
大丈夫みたいだね。

さやか「しっかし、集団幻覚とはねぇ…」
仁美「それも、原因不明らしいですわ…」
まどか「なんだか、怖いね…」

仁美の話を聞いて、怯えるまどか。

さやか(かわいい…、抱きしめたい……って、違う違う)

…ここは、『もう大丈夫だよ』って、
言いたいけど言えないのがもどかしい。
だから…、

さやか「大丈夫だよ、もしまどかが
   そうなったら、あたしが守ってあげるから」
仁美「……幻覚相手にどうするんですか?」
さやか「え!?それは…、えーとですね……」

あたしの宣言を聞いて、呆れ気味に聞いてくる仁美。
そして、答えられずにおたおたするあたしを見て、

まどか「プッ…ププッ…アハハハハハハ!」

まどかが突然笑い始めた。
そんなまどかに釣られてあたしと仁美も
笑い出したところで、

和子「はいはい、皆さん席について〜、
  朝のHR始めますよ〜」

担任の先生が教室に入ってきた。

…その後、あたしは先生の話を聞きながら、

さやか(…知らないふりしなきゃいけないって、
   結構辛いなぁ…。
   でも、あたしは魔法少女なんだ。
   これから頑張らないと!)

魔法少女としての決意を新たにしていた。
167 :1 [saga]:2012/09/11(火) 00:21:17.70 ID:8SdTvQsA0
〜放課後〜

さやか「やっほー、恭介」
恭介「あ、さやか」

学校が終わった後、
あたしは恭介のお見舞いに来ていた。

さやか「あれ、今日は元気だね。
   昨日はあんなに沈んでたのに」
さやか(まぁ、理由は知ってるんだけどね…)

恭介「うん、実はね…、
  昨日、急に左手が動くようになったんだ」

満面の笑みを見せる恭介。
あたしはそれを見て、

さやか(…うん、魔法少女になって本当に良かった)

心から、そう思った。
168 :1 [saga]:2012/09/11(火) 02:38:57.10 ID:8SdTvQsA0
恭介「…それでさ、医者の先生がすごく驚いてたんだよ」
さやか「へぇ〜、そうなんだ。
   でも、よかったね。
   また、バイオリン弾けるんでしょ?」
恭介「うん、ただ足の方はもう少しリハビリが
  必要なんだけどね」

…てことは、退院するには
もう少しかかるのか。

恭介「…だけど、『奇跡』って
  本当にあったんだね。
  ありがとう、さやか」
さやか「…エヘヘ、どういたしまし…って、え!?」

ここであたしにお礼を言うなんて…、
もしかして、あたしが恭介のために
魔法少女になった事がバレた!?

そんなことを考えてうろたえている
あたしを見て、恭介は、

恭介「…昨日のお見舞いのCDがとても嬉しかった、
  って意味だったんだけど…。
  もしかして、他に何かしてくれてたのかな?」
さやか「え?あぁいや、そういうことじゃなくて…、
   昨日はあたしの事迷惑だ、とか言ってたから
   驚いちゃって…」

恭介の話を聞いて納得したあたしは、
必死にごまかした。

恭介「あぁ、そうだよね…。
  昨日はごめんね、あんなこと言って…」
さやか「いや、謝らなくていいよ。
   あたし、全然気にしてないから」

恭介に気を使わせちゃった…、
いっそのこと全部話せればいいんだけど、ね…。

恭介「でも、昨日の『アレ』…、
  さやか…、僕の手の事、知ってたよね」
さやか「…うん。
   先生が話してるとこ、偶然聞いちゃって…」

…黙ってたこと、怒ってるのかな…?

恭介「ううん、別にいいよ。
  それのおかげで元気出たし、
  …それに、あのままだったら、
  奇跡なんて起きなかっただろうしね」

…まぁ、元気になってくれて
よかった、かな。

…って、もうこんな時間か。

さやか「じゃあ、そろそろ帰るね」
恭介「うん、次に会うのは学校で、かな?」

そして、あたしは恭介の病室から出て、
呟く。

さやか「恭介、頑張ってね。
   あたしも、頑張るから」

そう言って、あたしは魔法少女の
仕事に向かうのであった。
169 :1 [saga]:2012/09/11(火) 02:51:26.72 ID:8SdTvQsA0
今回はここまでです。

投下が遅れた上に、短くてすいません。
思ったより筆が進まなくて…。

次からは出来るだけ
遅れないようにします。

後、前回の補足説明を入れておきます。

ではまた。

170 :1 [saga]:2012/09/11(火) 03:09:48.22 ID:8SdTvQsA0
『歓喜の歌』

作曲家ベートーベン。
彼の晩年の作品の一つ。

正しくは『交響曲第9番(通称:第九)』の
第4楽章の主題。

ちなみにベートーベンは難聴を
患っており、40代には殆ど音が
聞こえない状態になっていた。

この曲はその苦悩の中で
作られたものの一つである。

さやかが何故恭介に
この曲を贈ったのかは、
言わなくてもわかりますよね。

ではまた。
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2012/09/11(火) 03:37:55.55 ID:1HNiAYSOo
乙。
今回もニヤニヤしながら恭介とさやかのやり取り楽しめた!
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/11(火) 18:01:40.02 ID:qMFBbnuIo
乙!
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/11(火) 23:34:36.44 ID:r7n3JA2W0
第九良いよね…
乙!!
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/29(土) 23:35:01.19 ID:EKprKLtR0
ho
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/10/18(木) 21:13:26.11 ID:/Tflu/7n0
残ってる?続けられる?
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2012/10/19(金) 01:42:20.50 ID:i3agmGSAO
恭さやは神
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/10/20(土) 12:16:24.16 ID:UbXE3HzG0
がっても!
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/04(日) 23:24:57.71 ID:ZAShs4Ado
まだ来ないのか
がってむ
179 :1 [saga]:2012/11/07(水) 01:02:22.20 ID:806PmPLi0
え〜、またまたお待たせしてすみませんでした。
話はできているんですがモチベーションが上がらなくて…。

という訳で、投下開始します。

あと、生存報告はしておくべきなんでしょうかね?
意見求ム。
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/11/07(水) 01:05:39.67 ID:TdfHUERro
生存報告しないで二ヶ月経つのを待つとか板の負担になるから依頼出すか生存報告するかにしてほしい
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/07(水) 01:17:33.91 ID:FmpFC8i20
この板は2ヶ月作者からの書き込みがないと落ちるという仕組みになってるので、完結させるつもりがあるのなら、定期的に生存報告した方が良いと思う
182 :1 [saga]:2012/11/07(水) 01:45:06.24 ID:806PmPLi0
さやか「『魔法少女狩り』、ですか?」

恭介のお見舞いの後、
あたしはマミさんと合流した。
そして、パトロールの途中でマミさんが
「魔法少女になった以上、話しておく必要があるわね」
と言って話したのが、そのことだった。

マミ「えぇ、そうよ。
  最近、この辺で魔法少女が次々と襲われているの。
  恐らく、同じ魔法少女の仕業ね」

マミさんが言うには、
広範囲で被害者が出ている事と、
遺体の状況がほぼ同じ(大きな裂傷がいくつも付けられていて、
ソウルジェムの破片が散らばっている)事から、
そう推測できるらしい。
けど…、

さやか「でも、どうしてなんですか?
   同じ魔法少女なのに…」
マミ「むしろ、同じ魔法少女だからこそ…
  だと思うわ」
さやか「…どういうことですか?」  
183 :1 [saga]:2012/11/07(水) 02:55:27.98 ID:806PmPLi0
マミ「美樹さん、私たちが魔法を使うには
  グリーフシードが必要なのはわかるわね?」
さやか「それは、わかりますけど…」

マミさん…、
いくらあたしが契約して間もないからって、
それはないと思います。
まぁ、悪気はないと思うけど…。

マミ「…それなら、『出来ればグリーフシードを
  いくつか確保しておいたほうが良い』ということも
  理解できるでしょう?」
さやか「…確かに、そうですね」

魔女との戦いでは、何が起きるかわからないから
予想外の事態に備える必要があるわけだし。

マミ「でも、魔女はそこまで沢山いるわけじゃない。
  つまり、『グリーフシードの数には限りがある』のよ。
  …わかるかしら」
さやか「それはまぁ、わかりますけど…」

今も、魔女を探して街中を歩き回ってるわけだし。

マミ「だから、グリーフシードの取り合いで
  魔法少女同士が争うのは、よくあることなのよ。
  それが発展して命の奪い合いになることも
  少なくない、らしいわ」
さやか「………そんな………」

魔法少女同士で命の奪い合いって、
グリーフシードってそこまでして
集めなきゃいけないものなの?

マミ「…それだけじゃないの。
  魔法少女には、自分の欲望のために
  魔法を悪用する人もいる。
  それに…」
184 :1 [saga]:2012/11/07(水) 03:30:22.08 ID:806PmPLi0
マミ「…それに、グリーフシード欲しさに
  『使い魔をわざと見逃す』魔法少女も居るわ」
さやか「えっ…、使い魔を……?
   なんで……?」

使い魔も魔女と同じように
人を襲うのに、どうして…?

QB「使い魔は『グリーフシードを落とさない』からね。
 けど、使い魔は人を襲って魔女に成長する」
マミ「だから、魔女になるまで放っておく。
  そんな魔法少女もいるのよ。
  …確かに、そのほうが効率はいいわ。
  『犠牲になる人』の事を考えなければ、だけど」  
さやか「…理屈はわかります、けど…」

なんか、嫌だ。そういうのは。
あたしはそんな魔法少女にはなりたくない。
あたしが目指すのは…、

さやか「あたしは、使い魔に襲われている人を見過ごすなんて出来ない。
   それに、グリーフシード欲しさに誰かを犠牲になんてしたくない」
マミ「えぇ、私も同じよ。だから、二人で頑張りましょう」
さやか「はい!魔女も使い魔も魔法少女狩りもまとめてとっちめて
   やりますよ!」
マミ「ふふっ、それは心強いわね」

マミさんと同じ道、
みんなを護る『正義の魔法少女』に。
185 :1 [saga]:2012/11/07(水) 04:10:07.29 ID:806PmPLi0
そのあとも、あたしとマミさんは
魔女を探したけど収穫はありませんでした。

けれど、魔女探しをしているときに
あたしはふと思いついたことがあったので
マミさんとQBに聞いてみた。

さやか「……そういえば、『魔法少女狩り』って
   私たちと同じ魔法少女、なんですよね?」
マミ「え?…えぇ、あちこちで被害者が出てるから
  少なくとも犯人は一箇所からあまり動かない魔女では
  ないでしょうし…」
さやか「だったらその『魔法少女狩り』も、
    QBと契約したってことだよね?」

そしてあたしはQBを見つめた。
それに対してQBは…、

QB「確かにその魔法少女とも僕は契約してるだろうね。
 …けど、残念ながら僕には
 『魔法少女を殺して回ってる魔法少女』の心当たりは無いよ」

…つまり、QBも『魔法少女狩り』の正体は知らないのか。

さやか「…そうなんだ。
   うーん、いい考えだと思ったんだけどなぁ」
マミ「そうね…。
  …もう時間も遅いし、今日はこれぐらいにしましょう」

マミさんに言われて、携帯を見ると
確かにそんな時間になっていた。

さやか「…わかりました。
   それじゃ、マミさんまた明日ですね」
マミ「ふふっ、また明日」

そして、あたしはマミさんと別れて
家に帰ったのでした。
186 :1 [saga]:2012/11/07(水) 04:20:33.57 ID:806PmPLi0
今回はここまで。

久しぶりだから文章の感じが
変わってないといいんですが…。
だったら続きを早く書けばいいんだけど、
なかなかそうもいかないのが現状です…。

ではまた。

>>180>>181
了解しました。
今後、気を付けます。
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2012/11/07(水) 04:51:48.27 ID:+nePc1M5o
乙、それとセリフとセリフで行間開けた方がいいかも
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/11/08(木) 16:42:00.54 ID:Zaq8My6u0

待ってたぞ
魔法少女狩りってことはあの子らか…?
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/09(金) 00:18:13.32 ID:5sEBK27No
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/21(水) 00:43:29.75 ID:FdOdbaIy0
久しぶりに更新してた
乙!
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/30(金) 15:01:27.21 ID:/qiLE751o
もうだめか
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 18:37:20.29 ID:7Jjs1T83o
待つ
193 :1 [saga]:2012/12/11(火) 01:43:53.93 ID:uEpVTx9z0
続きを投下します。
これからも投下は月イチペースになると
思いますので気長にお待ちください。
194 :1 [saga]:2012/12/11(火) 02:17:02.39 ID:uEpVTx9z0
〜数日後〜

あたしは久しぶりに恭介のお見舞いのために
病院に向かっていた。

さやか(恭介は『次は退院したあとで会いたい』なんて言ってたけど…)

リハビリを頑張っている恭介を応援するくらいはしたかった。
…そういうところを見られたくないのかな?

そんなことを考えていた時だった。

さやか(…あれ?この感じって…)

覚えのある嫌な気配を感じたあたしは、
自分のソウルジェムを確認する。

さやか(やっぱり…)

ソウルジェムが反応していた。
ということは近くに魔女か使い魔がいる。
でも何処に…?

そこまで考えたところで、
あたしはマミさんの言葉を思い出した。

さやか(…ッ!?まさか『あそこ』に…!)

マミさんが言ってた魔女が出やすい場所…、
『事故の多い道路』『人の多い歓楽街』
『自殺しやすい人気のない所』そして…、

さやか(…早く、急がないと…!)

あたしが今向かっている『病院』。

さやか(恭介、無事でいてよね…)

あたしは、そのことだけを考えて
病院へと走っていった。
195 :1 [saga]:2012/12/11(火) 03:50:03.36 ID:uEpVTx9z0
さやか「はぁ…はぁ…やっぱり、か…」

病院にたどり着いたあたしは、
ここに魔女がいることを強く確信していた。

さやか(走ってる途中で嫌な気配が濃くなって、
   ソウルジェムの反応も強くなっていたしね…)

そして、病院の中や周りを探し歩いて
魔女の結界の入口を見つけた。

なら、まずやるべきことは…、

さやか『マミさん、聞こえますか?』
マミ『美樹さん?一体どうしたの?』

マミさんにテレパシーで今の状況を伝える。

さやか『魔女の結界を見つけて、』
マミ『本当!?それで何処に…』
さやか『見滝原○○病院です!』
マミ『分かったわ!すぐに行くから、
  美樹さんはそこで待ってて!』

そして向こうからテレパシーが切れた。

さやか(これで良し、と。
   後は…)

QB「さやか、急がなくてもいいのかい?」

…突然QBに声をかけられた。
ていうか何時の間に…。

QB「いつもの君だったら、後先考えずに突っ込んでいるじゃないか」

…コイツ、あたしをそんなふうに見てたのか。
まぁ、否定はしないけどさ。

QB「…それに、ここには君にとって大事な人物が居るんだろう?
  だったら、尚更急がないとまずいんじゃないかな?」

さやか「確かに、恭介のことは大事だよ。
    …でも、マミさんをまたひとりぼっちに
    するわけにはいけないしね」
マミ「……美樹さん!」

マミさんの声が聞こえた。
QBと話しているうちにマミさんが病院についたみたい。

マミ「遅れてごめんなさい。
   …行きましょう、美樹さん」
さやか「はい、行きましょう!!」

そして、あたしとマミさんは魔女の結界に飛び込んだ。
196 :1 [saga]:2012/12/11(火) 04:01:20.39 ID:uEpVTx9z0
今回はここまで。
…短くてすいません。

QBも言っていましたが、
今回のさやかはさやからしくないですね…。
いや、まぁ理由はあるんですけどね。
…今は言えませんが。

ではまた。
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 07:45:40.57 ID:vWGk53nn0
乙がっても!
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 00:08:03.51 ID:GuM91L1S0
乙!
月一か…
気長にまつぜ
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/09(水) 00:23:58.35 ID:baz9/CJM0
もうちょいで一ヶ月か
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/19(土) 01:58:39.73 ID:xVOE6t5h0
せめて生存報告位頼む
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/09(土) 19:57:20.72 ID:+iok3qI+0
もう駄目か
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