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のび太「ここが学園都市か…」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/08/01(水) 00:51:03.41 ID:Jq49qZGzo
○禁書×ドラえもん

○SS初投稿

○キャラ崩壊があったらごめんなさい

○独自解釈があるかもしれない

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ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
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旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
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木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
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いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
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【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
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こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
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アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
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2 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/08/01(水) 00:54:02.69 ID:Jq49qZGzo
 丸いレンズの眼鏡をかけた少年が一人、俯きながら比較的空いている電車の席に座っていた。
青みの強いジーンズを履き、黄色いシャツを着た上に、黒のジャケットを羽織っている。
ジャケットの前は開いており、黒とは対照的な黄色が覗いていた。

 彼には昔からの友人がいた。しかし、今の彼を旧友が見ても恐らく分からないだろう。
それ程に彼は変わってしまったのだ。
昔の彼の面影が残っているのはかけている眼鏡と黄色いシャツくらいのものである。
その眼鏡も、レンズが小さくなっており、余計に記憶の中にある少年との照合を難しくさせる。

 彼が今、この学園都市にいる理由も、昔の友人…親友に関わることだ。

***

 目的の駅に着いたのか、彼は自分の隣に置いてあったあったショルダーバッグを肩にかけ、席を立った。
3 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/08/01(水) 00:55:38.46 ID:Jq49qZGzo
***

 電車から降り、改札口から出てから10分は経っただろうか。
彼は駅の入口を眺めていた。すると、彼は目的の人物を見つけたようで、

「ジャイアン、久しぶり」

と駆け寄ってから言った。
ジャイアンと呼ばれた相手は身長が180cmを越えた大柄な男。筋肉質でもあり、力強いといった印象を受ける。

「お、お前のび太かよ!随分雰囲気変わったじゃねえか」

のび太という名前の少年とかなりフランクな話し方をしていることから、
どうやら彼も少年と呼ばれるのが正しい年齢らしい。
4 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/08/01(水) 00:56:59.87 ID:Jq49qZGzo
 ジャイアン、本名「剛田武」は、この少年、「野比のび太」のの変わり様に少し驚いていた。
どこかのっぺりとしていてお世辞にも格好いいとは言えなかった髪は、
ショートヘアと呼べる範囲だが伸ばされ、整えられており、常時短パンだった筈の彼が、
今では質のいい長いジーンズを履いている。

のび太「 ジャイアンもまさか学園都市に来てたなんて聞いた時は驚いたよ」

ジャイアン「なんかいきなり学園都市の奴が家に来てよお、学園都市内の高校への入学を勧めて来やがったんだよ。
     そんで教育費や俺の生活費が奨学金やなんかで無料らしいから母ちゃんが承諾して俺がここに来たって訳だ」

 2人共久々に会えた友人との会話が楽しいのか、とても話が弾んでいる。

 二人とも比較的近い所に住んでいたものの、
生徒数が多い中学校でクラスが別々になってしまったので余り会う機会もなかった。
さらに2年生になった時にのび太が学園都市の中学校に編入してしまった為に僅かな会う機会も失ってしまったのだ。
5 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/08/01(水) 00:58:47.45 ID:Jq49qZGzo
ジャイアン「 のび太が勉強できる様になったと思ったら、急に行っちまってびっくりしたぜ」

 その話し方は、賞賛と感心を多いに含んでいた。
「のび太がしっかり勉強できる様になったのでドラえもんが未来に帰った」
という話は聞いていたが、あの難関校だらけの学園都市の中学校に編入する程とは思っていなかったからだ。

ジャイアン(まさかあののび太がな…)

***

のび太「ところでジャイアンって能力開発とか測定したの?」

ジャイアン「ところがどっこいしてねえんだこれが。俺はどうやら『原石』ってやつらしい
     って研究員の話を盗み聞きしたら分かった。」

のび太(よく盗み聞けたな…)

 のび太は内心その地獄耳に呆れつつ話を進めた。
6 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/08/01(水) 01:11:10.23 ID:Jq49qZGzo
のび太「で、その原石ってなんなの?」

ジャイアン「なんだか最初から能力を持っているんだとよ。」

のび太「へえー、初耳だよ。羨ましいなあ。僕なんかさんざん能力開発受けないといけなかったのに」

ジャイアン「『天国送り(ヘブンコーラス)』っていうんだぜ。俺のすんばらしい歌声で敵の戦意を喪失させる能力だ」

のび太(悍ましい歌声で敵を冥土へ送る能力か。覚えておこう)

 のび太は冷静に自分なり正しい意訳を考え出し、そっと頭にしまいこんだ。

***

 学園都市の夜。のび太は一人、闇の中を歩いていた。
もう警備員(アンチスキル)に見つかったら補導される時間であるが、彼はその目を掻い潜りながら何処かに向かっている。

のび太(『原石』の回収が進んでいるとの噂は聞いたが…。まさかあのジャイアンが…)

 あの時、ジャイアンとの会話で知らない振りをした「原石」について振り返っていた。

 原石……それは能力開発も何もせずに得られる、生まれ持った異能の力。
強度に関わらず、とにかく貴重なものであり、学園都市は世界中の原石を集める作業に奔走していた。
能力の方向性も普通の超能力とは違うらしい。

のび太(まあ、今の僕達には余り関係がない話だろうなあ)



 そんな彼の黒いジャケットに加え、昼間とは違い黒いキャップを被ったその姿は、
この深い黒の闇によく溶け込ん
でいた。

 よく目を凝らして彼を見ると、何やら細長い布製の袋から出る肩ひもを肩にかけている。
特殊な物を入れるバッグかケースだろうか。
7 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/08/01(水) 01:15:55.79 ID:Jq49qZGzo
 彼は第三学区のホテルの正面に来ていた。
のび太には似つかわしくない、どちらかといえばスネ夫に似合いそうな高級ホテル。
しかしのび太は入り慣れているのか、平然と自動ドアを通り、エントランスでなにやら身分証のような物を見せ、
その後でエレベーターに乗った。



***



「間もなく最上階、VIPフロアです」

 エレベーターのドアが開くと、のび太はその中の一室のドアノブに、先程エントランスでみせた身分証のような物、
ICカードをかざす。

「ガチャ」

部屋に入り、リビングにあたる部分を目指す。
のび太がそこに着くと、ホストとヤクザ候補生を足して2で割った様な男がソファに腰掛けており、
そのソファの横にはこれまたホステスのような華美な格好をした少女が1人。
その少女がのび太を見て口を開いた。

少女「あら、のび太君。珍しく遅刻しなかったじゃない」

のび太「やだなぁ、心理定規さん。まるで僕がいつもいつもスクールの呼び出しに遅れて来るみたいじゃないか」

男「実際のとこそうじゃねえか。野比。俺の機嫌が悪かったらお前はとっくにこの世にいねえレベルだ。
 それと俺の前でイチャイチャすんじゃねえ。不愉快なんてモンじゃねえぞ」

のび太「垣根君までそんなんじゃひどいや。しかもどう見ても心理定規さんは垣根君のよm」

垣根「野比の癖にそんな口を叩くとは、余程愉快な死体になりたいと見える」





 野比のび太という一見平凡に見える少年が、学園都市の第二位・垣根帝督と談笑している。
この光景は、2人を知る者から見たら、とてつもなく異常なことかも知れないが、
そんな者はそもそも存在しない上に、こんな深い深い闇を覗き見る者なんている筈もないのだ。
よって、誰一人、この異常を認識することはない。野比のび太が演じる表の日常に、
彼自身の裏の異常は塗り潰されていく。



 学園都市の夜は、まだまだ長い。
8 : ◆b5KTejaQ5w [sage]:2012/08/01(水) 01:20:47.18 ID:Jq49qZGzo
今回の投下は完了です。

うわあ…自分のSSって見るとこんなに寒いもんなのか…これはひどい

文書力の無さや改行ミスで見苦しい部分があったにも関わらず読んでくれた方々。
本当にありがとうございます。
次回の投下ではもう少し文の推敲を重ねたいと思います。
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/08/01(水) 01:26:53.63 ID:EORYbUQs0
これは[たぬき]を作ったのはのび太だったエンドのやつか
発想は良いと思う
科学が共通してるし魔術も劇場版のとんでもがあるから
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/01(水) 01:36:24.90 ID:LyRkgxZIO
いや面白いよ
11 : ◆b5KTejaQ5w [sage]:2012/08/01(水) 02:17:48.18 ID:Jq49qZGzo
>>6
> のび太は冷静に自分なり正しい意訳を考え出し、そっと頭にしまいこんだ。

×自分なり
○自分なりの
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県) [sage]:2012/08/01(水) 03:19:36.09 ID:jFmvPJrJ0
おもしろい
続けろ
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/08/01(水) 06:21:20.26 ID:1Vz1xyVb0
良スレ発見。
期待してます。
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/01(水) 08:28:14.33 ID:j3NiMcKSO
とにかく様子見だな
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/08/01(水) 08:35:27.24 ID:9LhCfnTxo
2番煎じ
まあ、いいけど
16 : ◆b5KTejaQ5w [sage]:2012/08/01(水) 08:43:12.90 ID:Jq49qZGzo
>>15
あちゃー
まあ誰かが割と簡単に思いつきそうな組み合わせってのは薄々分かってたんで…。

差別化できる様に頑張りたいです。
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/08/01(水) 09:16:08.50 ID:VzHYmKRg0
禁書×[たぬき] はほかにもあるが
のび太が暗部は新しいしおもしろいと思う。
のび太「打ち止め?変な名前だなぁ」
ていうスレだったはず、おもしろいから1>も見てみたら。
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/08/01(水) 09:19:49.22 ID:qCyMEsLno
>>16
おk
頑張れ
19 : ◆b5KTejaQ5w [sage]:2012/08/01(水) 10:49:22.09 ID:Jq49qZGzo
>>17
おk
読んでみるわ
20 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/08/03(金) 10:58:56.03 ID:wWFgf22no
突然ですが、投下開始します。
21 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/08/03(金) 11:04:29.20 ID:wWFgf22no
 学園都市の暗部では、ナイフ、ハンドガン、アサルトライフル、はたまたバズーカ等の刃物や銃火機、
そして能力による命のやり取りが常態化していた。
その能力も、大概が高位能力者のものであり、「軍隊での戦術価値」が存分に振るわれる。
のび太はこの殺伐とした空間に於いて、およそ1年と半年の間を今まで生き延びてきた。
幾つもの残酷な光景を目の当たりにし、日々精神をすり減らしていた彼だが、
いつしか削りに削られた彼の心は、その摩擦が届かない位に摩耗しきって、そこの部分だけ小さくなっていた。





死を見る事に対する恐怖だ。
22 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/08/03(金) 11:06:13.66 ID:wWFgf22no
 平凡な日常では役に立たないと自嘲気味に感じていた彼の圧倒的な射撃センスは、暗部では非常に重宝された。
特にその正確な早撃ちは、油断した者であれば高位能力者であろうとも一瞬で葬ることができる。
実際にのび太は実戦でレベル4を2人殺害したことがあった。

 とは言っても、のび太は実際、敵を見逃すことも多い。彼が無能だからではなく、
それにはスクールのリーダー、垣根帝督の「邪魔になる者以外は殺さない」という考えがあるからだ。
一見チンピラの様な考え方にも見えるが、それでも暗部の中ではまだ人間味がある方だろう。
さらに、のび太の生来の優しさも影響した。彼はこの暗部の中にあっても、余り人を殺すことを望まないのだ。
だから、先程述べた垣根の考えを気に入り、野比のび太はスクールに身を置いているのかも知れない。



そもそも、彼が暗部にいる理由もまた、彼の優しさに基づいたものなのだが。
23 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/08/03(金) 11:08:56.08 ID:wWFgf22no
***





垣根「今回の仕事はこれだ」

 垣根がのび太に向かって投げた球状の物。それは手配書の紙をくしゃくしゃに丸めた物だ。

のび太「くしゃくしゃじゃないか。皺だらけで読みづらいや」

垣根「いいからさっさと読め」

垣根に促されたので、のび太はその手配書を広げて読んだ。

のび太「……」

暗部に身を置いてからそれなりの時間を過ごしたのび太は、内容を大まかに読んだだけで細かい部分まで把握する事ができた。

のび太「よりによって面倒臭そうな仕事だなー。まあ仕方ないから行ってくるよ」

垣根「そういう事だ。まあメンドくさいつっても俺が出張る程じゃねえ。
  お前一人でも片付く話だが、一応3人位部下は付けといてやる」

そう言うと、垣根は気怠そうにポケットから自分の携帯電話を取り出し、適当な部下に電話をかける。

垣根「…至急第三学区の例のホテルに2人連れて車で来い」

部下「分かりました」

話がまとまったのか、垣根は携帯を閉じ、のび太に下に降りる様告げた。
24 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/08/03(金) 11:11:08.17 ID:wWFgf22no
***





のび太「あー、今日も疲れた」

 のび太は自分の仕事のでの疲れを和らげる為に体を伸ばした。もう既に垣根に仕事が終わった事を電話で告げ、
今は只、寮のベッドで寝転んでいるだけだ。

のび太「まあいいや。どうせ夏休みだし学校無いし仕事だけだし」

と呟くと、寝つきが早いのび太らしく、そのまま目を閉じて眠りについてしまった。





***





「ただいま!ママ、今日はテストで100点取ったよ!」

 黄色いシャツを着、青い短パンを履いた少年が自らの家に帰って来たと同時に、
嬉しそうにテストの結果を母親に報告する。

「あらのびちゃん、最近頑張ってるわね」

母親もまた嬉しいのか、目を細めて笑顔を見せる。

母親「のびちゃんが頑張ってるのを見ると、ママとっても嬉しいわ。
  未来に帰ったドラちゃんも、きっと喜ぶわね」

のび太「うん…」
25 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/08/03(金) 11:13:56.48 ID:wWFgf22no
***


 2階に上がったのび太は、ひみつ道具「壁紙秘密基地」を壁に貼り、その中に入った。
そこにあるのは、動かなくなったドラえもんと、2、3個のひみつ道具。

 あの日の事を思い出しながら、のび太は泣いていた。ドラえもんが幾つかの道具を残し、
四次元ポケットごと動かなくなったあの日。今も残っているひみつ道具は、
偶然にも道具の点検で、ポケットの外に出ていたものだけだ。その1つが「壁紙秘密基地」と言う訳だ。

のび太「ドラえもん…ドラえもん…」
26 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/08/03(金) 11:17:35.28 ID:wWFgf22no
***





 その目覚めは、あまり気持ちいいものではなかった。

のび太「またあの夢か…」



 寝汗が気持ち悪かったのか、のび太はそのまま浴室に入り、シャワーを浴びる。



 シャワーを終えたのび太は、適当に作った朝食を食べ、歯を磨いた。すると、

のび太(携帯が鳴ってる…)

見るとそれはジャイアンからの電話だ。

のび太(そう言えばジャイアンと電話番号を教え合ったな)

ピッ

のび太「ジャイアン、どうしたの?」

ジャイアン「おうのび太!遊びに行こうぜ!」

誘うノリが小学校の時と変わらないな、と少し懐かしく思いつつ、返答する。

のび太「いいよ。で、どこ行くの?」(僕は確か今日オフだしいいか)

ジャイアン「ゲーセンとかその他諸々だな」

のび太(その他諸々って事は結構いろんな場所に行く気かあ…)

今日もまた疲れそうだなと思ったが、とりあえず了承したのび太であった。
27 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/08/03(金) 11:21:12.55 ID:wWFgf22no
***





(私が買い出しとか超面倒なんですけど。こんな時に出張ってて役に立たないとか浜面はやっぱり超浜面です)

 そんな不満を覚えつつ、1人表通りを歩く少女。夏休みと言う事もあり、
とても人通りが多く、早めに帰りたい彼女にとっては少々邪魔臭くもあった。

 この少女の名は「絹旗最愛」。暗部組織「アイテム」の構成員で、レベル4の大能力者である。能力名は、
「窒素装甲(オフェンスアーマー)」。圧縮した窒素を体に纏うことにより、
銃弾などから身を守ったり、自動車を持ち上げる程のパワーを得る能力。
この能力により、彼女はアイテムの戦闘の要となっている。

 そんな彼女であったが、普段はパシリ役になっている浜面仕上が、この日は別の用事で出張っていた為に、
ジャンケンの末、結局買い出しにいくハメになってしまったのだ。

絹旗「面倒臭いから超近道しますか」

 彼女が目を付けたのは路地裏。良くも悪くも人通りが少なく、距離的にも最短だからだ。

***

のび太「今回行くゲームセンターってこのまま真っ直ぐ行くの?」

 流石に真夏日にジャケットは暑いのか、今日は羽織っておらず、グレーに何らかの文字やマークが入ったTシャツを着ているのび太。

ジャイアン「ああ、ちょっとばかし遠いがな」

 ジャイアン曰く、今回のゲームセンターは、景品の出がかなりいいらしいが、駅前から少し遠いのが欠点だという。
28 : ◆b5KTejaQ5w [sage]:2012/08/03(金) 11:25:16.56 ID:wWFgf22no
 2人が歩いているのは、表通りの一つ隣の道路。活気は表通り程はないものの、ある程度人通りがある所だ。
路地裏を通れば割と簡単に表通りに行くことができる。

のび太(どうせ遊ぶんだったら早く遊びたいんだけどなあ…ってあれ?)

 のび太が見ているのは先程述べた路地裏。見た所12歳位の少女が4人の不良…スキルアウトに絡まれている。
ジャイアンもそれを見つけた様だ。

ジャイアン「のび太…あれって…」

のび太「うん…警備員に通報しても恐らく間に合わない。ちょっと行ってくる!」

ジャイアン「おい、抜け駆けは許さねえぜ、心の友よ!」

駆け出したのび太を何処か嬉しそうに追いかけて行くジャイアン。

ジャイアン(流石俺の心の友だ。見直したぜ)
29 : ◆b5KTejaQ5w [sage]:2012/08/03(金) 11:26:46.66 ID:wWFgf22no
***

絹旗(こんな所で絡まれるなんて超面倒ですね)

 あと少しで目的の道路に出る、そんなタイミングでスキルアウトに絡まれてしまった。

「ねえねえ、君カワイイね。俺たちと一緒に遊ぼうよ」

「夜までには返すからさあ…」

「『気が変わらなかったら』だけどな!」

「「「「アッハッハッハ」」」」

絹旗(超目立ちたくなかったんですけど…もう能力使っちゃいましょうか…)

路地裏と言っても比較的一目につく道路にすぐ出る辺り。目立つ可能性も高くなる。

絹旗(騒ぎにしたくなかったんでが…超仕方ないですね)

絹旗が能力を使おうとした、その時。

のび太「そんな女の子相手に男4人で何しようとしてるんだよ」

眼鏡を掛けた少年、のび太が助けに現れた。
30 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/08/03(金) 11:29:04.67 ID:wWFgf22no
絹旗(!?)

「なんだお前、正義の味方気取りかよ」

「お前みたいな眼鏡野郎、すぐにボコしてやるよ!」

不良の1人が殴りかかってきたが、

のび太「この程度!」

スッ

のび太はそれをすんなり躱し、

のび太「ふんっ!」

ドゴッ

「うっ…がはっ…」

不良の腹にボディブローを決めた。

「てめえよくも…!」

もう1人の不良も襲いかかって来たが、

のび太「歯ぁ食いしばれ!」

バキィッ

「へぶっ…」

ドテッ

暗部で数多くの死線を潜り抜けてきたのび太の敵ではない。
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/03(金) 11:30:40.14 ID:7FG1k+OSo
のび太逞しいなおい
32 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/08/03(金) 11:30:59.80 ID:wWFgf22no
「この野郎っ!」

ブオッ

のび太の後ろの不良が発火能力(パイロキネシス)で攻撃を加えようとしているが、

ジャイアン「のび太ぁ、危ねえっ」

ボカッ

「うがっ…」

助太刀に来たジャイアンの右ストレートを綺麗に喰らい、3m程吹き飛ばされた。

ドサッ

「ひっ…にっ、逃げろぉ!」

最後に残った不良はそう叫ぶと、倒された不良たちは慌てて立ち上がり、逃げて行った。

のび太「ジャイアン、ありがとう。助かったよ」

ジャイアン「なあに、当然のことをしたまでだ」
33 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/08/03(金) 11:38:17.38 ID:wWFgf22no
絹旗(素手だけでこれは超強いですね。まあ私も能力使えば超余裕でしたけど)

のび太「君、怪我はない?」

絹旗(…取り敢えずここは不良から助け出された超か弱い女の子ってことにしておきましょう。
  お陰で能力使わずに済みましたし)

絹旗「ありがとうございます。お陰で超助かりました。折角なんで名前を超教えてください」

絹旗(これでお礼する流れにした方が超自然ですし、名前まで聞いておくのが超テンプレです)

のび太「どういたしまして、僕の名前は野比のび太」

ジャイアン「俺の名前は剛田武。仲間内ではジャイアンって呼ばれてるけどな」

絹旗「私の名前は絹旗最愛です。兎に角今回のお礼が超したいんですが」

のび太「いや、でもあんな路地裏通って近道するって事は急いでたんだろう?悪いよ」

ジャイアン「急ぎの用ならさっさと片付けた方がいいしな」

絹旗「えっ、あっ…」

 のび太に予想外の所を見破られた事に驚き、戸惑う絹旗。実際遅くなったら麦野が怖い。

絹旗「いや、じゃあせめてメールアドレスだけでも」

絹旗(しまった。意地になり過ぎて超余計な個人情報を教えるハメになっちゃいました)

のび太「まあそこまで言うんだったらメアド位は」

絹旗(断れよおおおおおおおおおおお!)

自身の算段が全て崩れた絹旗であった。





 暗部に身を置くもの同士の、本の些細な、表でのすれ違い…の筈だった。
結果その点と点は、思わぬ形で結ばれた事になる。しかし本来も、いずれは邂逅する筈だった。



暗部の闇の中、殺し合う敵として。
34 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/08/03(金) 11:40:00.41 ID:wWFgf22no
今回の投下は終了です。

saga付け忘れがありましたが、なんとか大丈夫だったようです。
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/03(金) 11:41:15.00 ID:pYp0s4VSO
のび太かっこよすぎワロタ
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/03(金) 11:43:22.20 ID:Xfev+BlDO
ジャイアンにワンパンキルされてたのび太とは思えないな乙
37 : ◆b5KTejaQ5w [sage]:2012/08/03(金) 12:40:38.76 ID:JwVUAoUIO
>>32
>最後に残った不良はそう叫ぶと、倒された不良たちは慌てて立ち上がり、逃げて行った。

×不良は
○不良が

>>29
>「夜までには返すからさあ…」

×返す
○帰す
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/03(金) 13:56:55.93 ID:K1hRlBgDO


絹旗かわえー
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/08/03(金) 14:01:09.79 ID:t1gBIApj0
最初途中から読んだから、のびハザののび太達かと思ったわ
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2012/08/03(金) 14:02:59.81 ID:rSnhNtss0

のび太は努力しないだけでやればできる奴だからどんな化学反応が起きても不思議じゃないな
ドラえもんとの別れの時はあのジャイアンに勝ってたし
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/08/03(金) 14:31:21.19 ID:VaVos/sAO
のび太がイケメンで再生されるんだが
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/03(金) 14:42:16.46 ID:j2/TTR2IO
まだあの丸メガネかけてるとしたらちょっとだけシュール
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/03(金) 15:49:49.02 ID:7hak1SCD0
るろ剣の雪代縁の髪を黒くして髪整えた感じで脳内補完されるな
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/03(金) 15:50:51.80 ID:1hMlXq88o
丸メガネをかけたゴルゴ13が浮かんだ
45 : ◆b5KTejaQ5w [sage]:2012/08/04(土) 00:33:51.18 ID:bWzga5S+o
あれ、なんで夏休みに浜面がアイテムに…OTL

浜面関連の文・文節の脳内削除お願いします
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/04(土) 09:52:05.68 ID:x3WV/vS90
>>45
パラレルワールドでok
別にそこまで気にするほどのミスじゃない。現に夏休みなのに浜面がアイテムにいるスレもあるし。
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/04(土) 12:49:49.36 ID:3IxQVhHDO
二次なら何でも有りだってばっちゃがいってた
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/04(土) 17:35:40.19 ID:EEc8rstIO
致命的なミス
誤字多過ぎ
まだ直しきれていない誤字有るし
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/04(土) 19:52:02.09 ID:UPfkIUTDO
まあのび太って耐久力ないだけで西部の星じゃ結構な運動してたから違和感ないな

志貴っぽいなぁと思わなくもない
50 : ◆b5KTejaQ5w [sage]:2012/08/04(土) 23:22:06.96 ID:O2f1ImOIO
>>4
> ジャイアン、本名「剛田武」は、この少年、「野比のび太」のの変わり様に少し驚いていた。

×のの
○の

あと、「このままでいい」という人も、「致命的なミス」っていう人もいるので、

1.このまま
2.浜/面

↓5までで多かった方にしたいと思います。
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/08/04(土) 23:39:48.16 ID:V0UlYAGvo
このままでおk
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/04(土) 23:42:20.87 ID:xrkMvmuIO
このまま
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/04(土) 23:45:45.08 ID:vSUaG/mSO
Knmm
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/04(土) 23:52:46.35 ID:rE0T5P0DO
このママ
55 : ◆b5KTejaQ5w [sage]:2012/08/04(土) 23:53:07.74 ID:bWzga5S+o
↓5までと言いましたが、このままが過半数確定したんで終了です。

早めに投下できるように頑張ります。
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/05(日) 00:08:50.46 ID:qRdfdBZh0
2にするダァ――――ッ!!!!!
57 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/08/07(火) 00:30:41.83 ID:gZO3oaVto
お待たせしました。
投下します。
58 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/08/07(火) 00:33:36.74 ID:gZO3oaVto
ガーッ ボトッ



ジャイアン「やったあああ」

 のび太とジャイアンはゲームセンターに到着し、クレーンゲームに興じていた。

ジャイアン「オシシ仮面の1/8フィギュア!ようやくゲットしたぜ!」

ジャイアンの方は何やら目的の景品を手に入れたらしく、興奮しているが、

ポロッ

のび太「うわあああああ!またしくじった!」

のび太の方は悪戦苦闘しているようだ。

ジャイアン「のび太もまだまだだな」

得意気に言うジャイアンだが、自分も既に6000円近く使っており、財布の中身が寂しい事になっている。
59 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/08/07(火) 00:37:42.06 ID:gZO3oaVto
のび太「もうやーめた。これよりあのゲームのが楽しそうだ」

他のゲームに気移りし、諦めるのび太。

「You've got mail.」

のび太「おや、誰からだろう」

のび太は携帯を開き、メールを確認する。



From: 絹旗最愛

SUB:

Text: 先程は超ありがとうございました。

お礼に超オススメの映画のチケットあげますので、明日一緒に見ましょう。
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/07(火) 00:42:49.79 ID:pNy3f44SO
オシシ仮面とか懐かしすぎワロタ
61 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/08/07(火) 00:44:52.71 ID:gZO3oaVto
絹旗からのお礼に関するメールだ。同じメールをジャイアンも貰っている。

ジャイアン「すまねえ、悪いが明日は補習があって行けねえんだ。2人で行ってきてくれ」

のび太「そう、わかったよ」

そう言うとのび太は、ジャイアンは来れないという旨のメールを絹旗に送った。

のび太(まあ、明日もフリーで良かったよ)

のび太は、わざわざしてくれるお礼を断る事にならなくて済んだ事を安心した。
良心に反しなければ貰える物なら貰って損は無いという考えの持ち主だからだ。
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/08/07(火) 00:44:58.13 ID:yxxZWKOAO
オカメ仮面ってのもいたな
63 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/08/07(火) 00:50:22.94 ID:gZO3oaVto
***





絹旗(ふーん、あの大きい人来ないんですか)

 ホテルの自室で、絹旗は返信されたメールを確認していた。

 アイテムの今現在のアジトはこのホテルになっている。

絹旗「別にいいんですけどね。たまたまC級映画のチケットが超余ってただけですし」

絹旗(という事は…あの野比って人と2人きり…)

絹旗(まあ私は『恋人みたいで恥ずかしい///』なんて初心な女なんかじゃないですし超平気ですけどね)

コン、コン、コン

麦野「絹旗、ミーティングだから905号室に来て」

 声とノックの主はアイテムのリーダー、麦野。

絹旗「超了解しました」

「麦野が直接呼びに来るなんて珍しいが、偶然だろう」と思いつつ、返事をした。
64 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/08/07(火) 00:53:00.72 ID:gZO3oaVto
***

絹旗「で、要件は?」

 絹旗が入ると、先に来ていたアイテムの仲間達がソファで寛いでいる…ただ一人、浜面と言う少年を除けば。

フレンダ「私も知らない訳よ」

滝壺「西南西から信号がきてる」

麦野「はまづらぁ、さっさと説明しなさい。資料はあるんでしょ」

浜面「へいへい」

…どうやら絹旗とフレンダは要件の内容を知らず、麦野と浜面は知っている様だ。
浜面が立たされているのは、説明係に予め決められていたからだろうか。
滝壺はAIM拡散力場に身を任せたままボーッとしている。
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/08/07(火) 00:53:48.98 ID:QWS48fBq0
何でだろう・・・昔見ていたflashののび太で再生される
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/08/07(火) 00:54:31.08 ID:yxxZWKOAO
>>65
あんたは俺か
67 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/08/07(火) 01:01:43.21 ID:gZO3oaVto
浜面「えー、スクールのNo.3『能力潰し(スキルスレイヤー)』に関する情報が云々って話だ」

「スクール」、そう聞いた瞬間に絹旗とフレンダの表情が変わった。
学園都市第二位・垣根帝督を擁し、今最も不穏な動きを見せる暗部組織。
アイテムが最も警戒する組織でもある。

 No.2の少女については精神操作系の能力である事以外に情報が無い。No.3もその渾名以外の情報が少なかったが、
浜面が何らかの情報を手に入れたらしく、今回報告するつもりである。

絹旗「能力潰し…」

フレンダ「結構興味があるって訳よ」

 最近よく噂になっている能力潰し。絹旗もその話を小耳に挟んでいたものの、そこまで詳しくは知らない。
ハンドガンを武器に能力者の隙を見透かし、撃ち抜く。大能力者相手に互角の立ち回りをする程、
白兵戦も熟すらしい。

 最も、無能力者程度の輩にそれ程の芸当ができる訳がないと踏んでいる絹旗は、
その噂が眉唾ものであると考えていた。
68 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/08/07(火) 01:12:12.58 ID:gZO3oaVto
浜面「目的情報によると、身長は175くらいで、体型はどちらかと言えば痩せ型、
  服装は、黒いジャケットを羽織り、丸いレンズの眼鏡を掛け、黒いキャップを被っているそうだ」

その話を聞いた絹旗がふと思い浮かべたのは、昼間の眼鏡の少年。

絹旗(まあ、あの人じゃないでしょうね。合ってるのは背丈と眼鏡くらいですし)

絹旗「随分と詳しいですね。情報は超確かなんでしょうね?」

浜面「ああ。暗部に少し前までいた奴に話を聞かせてもらった」

フレンダ「で、話はこれで終わり?さっさと部屋に戻りたい訳よ」

浜面「ああ、これで終わりだから戻っていいぞ」

絹旗「浜面のせいで私が買い出しに行くハメになったのに、得てきた情報がそれだけとか、
浜面は超役立たずですね」

麦野「まあ所詮浜面って事ね」



浜面「俺は一体どうすればいいんだよ」

浜面の無念は誰にも届かない。

滝壺「大丈夫、私はそんなはまづらを応援してる」

滝壺が応援してくれる事だけが、現状の浜面を支えているのだろうか。
69 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/08/07(火) 01:17:16.11 ID:gZO3oaVto
***





翌日



 待ち合わせ場所となっている映画館の前に、一足早く絹旗はいた。

絹旗「…超遅いですね」

 実際は、待ち合わせ時間である午前10時までまだ10分近くあるのだが、
更に今より20分前に来ていた絹旗にとっては遅いようだ。

絹旗(そう言えば、他の人と映画なんて最近行ってなかったですね)

自らの趣味のC級映画鑑賞だが、やはり誰かと一緒に見る方が楽しい様で、
今日の絹旗はどことなくワクワクしている様に見える。
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/08/07(火) 01:18:39.81 ID:yxxZWKOAO
○浜面「目的情報によると…

×浜面「目撃情報によると…

じゃないか?間違ってたらごめんなさい
71 : ◆b5KTejaQ5w [sage]:2012/08/07(火) 01:19:18.41 ID:gZO3oaVto
>>70
誤字指摘ありがとうございます
72 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/08/07(火) 01:24:32.51 ID:gZO3oaVto
のび太「ごめん、待った?」

絹旗「超遅すg…いえいえさっき来たばかりです」

絹旗(しまった、浜面に対するノリで喋るところでした。超危ないですね)

しかし、

のび太「ああ、ちょっと遅すぎたかもね。30分前には来るのがマナーだったかな」

ばっちり聞こえていたようである。

絹旗「…すいません、超失礼な事を言ってしまいましたね」

のび太「いやいや、素直でいいと思うよ」

 処世術には長けている筈の絹旗は、まさかここまで自身が軽くあしらわれるとは思っていなかっただろう。

絹旗(こいつ、中々の強敵ですね…。まあすぐにC級映画の世界に超引きずりこんでやりますよ)

目的が変わっているのはご愛嬌だ。

絹旗「…そろそろ映画館に入りましょうか。超暑いですし」

のび太「そうだね」
73 : ◆b5KTejaQ5w [sage]:2012/08/07(火) 01:43:30.36 ID:gZO3oaVto
***

 映画館の中に入ったものの、入場時刻までまだ時間があるらしく、建物内のベンチに2人は座っている。

のび太「ちょっとポップコーン買ってくるよ」

絹旗「超了解しました。ついでにコーラのSサイズ買ってきて下さい。お金はあげますんで」

のび太「分かったよ」



 暫くするとのび太は戻って来た。

のび太「やっぱり映画館といえばポップコーンでしょ。んな訳で絹旗ちゃんの分も僕の奢りで買ってきたよ」

絹旗「」

絹旗が閉口するのも無理はない。何故ならのび太が持って来たのはドリンク2つとポップコーン…Lサイズ2つだからだ。
見たところSサイズの紙コップの高さの約1.5倍の高さと、約9倍の底面積を誇っている

絹旗「あ…ありがとうございます…」

絹旗(私がこんなに食べるとでも思ってるんですか…。しかも昼前…。全くデリカシー超無いですね)

自らの体型の心配をすると同時にのび太のデリカシーの無さに呆れる絹旗であった。

絹旗(勝手に変な気を利かされる前に自分でポップコーンを超頼んでおくべきでしたね)
74 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/08/07(火) 01:47:35.33 ID:gZO3oaVto
***

 無事シアター内に入った2人が、映画を見始めて30分が経過している。
絹旗の右にのび太が座っている形だ。

絹旗(私のツボを超押さえてますね)

 C級映画に夢中な絹旗と、

のび太(ポップコーン美味しいなあ)

映画がなんかそっちのけでバター味のポップコーンに夢中なのび太。
絹旗が映画に見入ってポップコーンに全く手を出していないのとは対照的に、
もう既にのび太のそれは底を突いている。

のび太(やめられない止まらない)

では一体のび太はどうして未だにポップコーンを食べ続けているのか、答えは簡単だ。



絹旗のポップコーンを食べているのだ。

しかし、映画に集中している絹旗は全く気づいていない。

のび太(しかし詰まらない映画だなー。絹旗ちゃんはこういうのが趣味なのかね)

概ね当たっている。本人は適当に思っただけの事だが。

のび太(まあこんなにポップコーンが美味しい映画館を教えてくれるなんて十分過ぎるお礼だけどね)

のび太(ん?でもこの展開は中々)

少し面白そうな場面になり、のび太はポップコーンを食べる手を止めた。
しかし、絹旗のポップコーンも残量が殆ど無くなっていた。
75 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/08/07(火) 01:55:48.18 ID:gZO3oaVto
絹旗(ちょっと小腹が空きましたね。折角だからポップコーン食べますか)

漸く自分のポップコーンに手を伸ばす絹旗だったが、時既に遅し、

絹旗(…え?)

残っていたのは硬い不発コーンと残りかすだけである。

隣を見れば、何故か左手にもポップコーンの油を光らせているのび太。

絹旗(……なンですかこれは)



プッツン



絹旗の中で何かが切れる音がした。



絹旗「…おィ」

のび太「…ん?何?」

のび太(…お、おかしいな…背筋に冷たい物を感じる…)

絹旗「…ポップコーンどォしたンですか?」

のび太「い、いやあ…絹旗ちゃんが余り食べたがらないもんだから、つい僕が…」

のび太(こ、これは…)

絹旗「…頼ンでもいないのにLサイズのポップコーンを買ってきて恥かかせたかと思えば、
  勝手にそれを全部残さず食べたりさァ…」

のび太(殺気!)

絹旗「食わせてェのか食わせたくねェのかどっちなンですかァァァァァァァあ!?」

ブオン!

ドゴッ

のび太「ぐはあっ!?」

絹旗の圧縮窒素を纏った拳はのび太の鳩尾に決まり、

ガクッ



そして意識を奪った。
76 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/08/07(火) 02:01:37.96 ID:gZO3oaVto
***





絹旗「超起きて下さーい。映画終わっちゃいましたよ」

映画が終わって間もないシアターで、意識を失ったのび太を揺する絹旗。

のび太「…ん、ああ…」

絹旗「気がつきましたか。それならさっさと出ましょう」

のび太「…分かったよ」



 映画館の受付まで戻って来た2人は、最初のように再びベンチに腰掛けている。

絹旗「それはそうと映画の終盤とは言え途中で気絶させたのは流石に超まずかったですね。
  超悪い事しちゃいました」

のび太「いや、いいよ。こっちにも非は結構あるし」

やり過ぎたと思い、謝る絹旗だが、当ののび太はあまり気にしていない様子だ。
77 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/08/07(火) 02:05:24.85 ID:gZO3oaVto
のび太「映画も中々面白かったしね」

絹旗「え、面白かった?」

 共感する者が少ない絹旗のこの趣味。そのせいか自分の好きな映画を褒められる事が、
彼女にとってはとても嬉しく感じられた。

のび太「(前半は詰まらなかったけど)後半の展開が結構楽しかったなあ。続編が観たくなったよ」

絹旗「…野比さん、あなた超話分かりますね」

のび太「へ?」

絹旗「やっぱりあのマイクがジェームスとの友情を確かめる辺りが最高ですよね!」

絹旗は、理解者と思われる相手の出現に興奮している様だ。

のび太「…そうそう、そこが特にグッと来たよ!」

のび太(おっ、よくそこだとわかったな…)

実際にのび太が気に入った場面と一致し、会話は更に盛り上がる。
78 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/08/07(火) 02:11:42.85 ID:gZO3oaVto
絹旗「まさかこんな所で分かる人に会えるとは超思いませんでしたよ!また今度一緒に語り合いましょう!」

のび太「いいよ。その時はまたメールしてね」

のび太(こんなにはしゃいでるけど、そんなに嬉しい事なのかね)

絹旗「ていうか、このまま一緒にファミレスで昼食がてらに語り合いますか」

のび太「あ、いいねそれ」

1人寂しくメシを食うよりはいいだろうと考えたのび太はその提案にあっさりと乗ったのであった。





 幾つもの偶然が作り出した2人の関わり。これがいつまで平穏な時の中に留まっていられるのか、
これがいつ暗部の闇に飲まれるのか。まだ誰も知らず、知ろうともせず、知る必要性があるのかも理解できない。

ただ一つ言えるのは、この仮初めの平和が続く内は、まだこの不思議な関係が許されるという事だ。
79 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/08/07(火) 02:14:46.82 ID:gZO3oaVto
投下完了です。

途中で発覚したミスが多過ぎてリズムの悪い投下になってしまったことをここに謝罪します。

誤字指摘までされちゃうしなぁ…指摘してくれた方には大変感謝していますが。
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/08/07(火) 02:16:07.61 ID:yxxZWKOAO
乙乙
楽しみにしてる
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/07(火) 08:27:32.99 ID:iOFSDp6DO



のび太羨ましい
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/07(火) 11:22:34.43 ID:pNy3f44SO
こんなのび太のび太じゃない


いいぞもっとやれ
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/08/07(火) 12:29:00.44 ID:yxxZWKOAO
今見直したら俺の指摘の○×が間違ってるじゃねぇか[ピーーー]る
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/08/11(土) 22:26:46.14 ID:NMj/Uakv0
これは楽しみが増えたのよー
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/08/15(水) 02:04:53.97 ID:13kx/rtO0
更新頑張ってくださいね
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/02(日) 11:16:42.78 ID:bCbbXRkDO
9月だぞ おい
87 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/09/02(日) 14:49:15.92 ID:XiKu+hwyo
久しぶりです。色々立て込んでて間隔が空いてしまいました。

それでは投下します。
88 : ◆b5KTejaQ5w [sage]:2012/09/02(日) 14:51:42.50 ID:XiKu+hwyo
   ダ  ン  ッ



 真夜中の廃工場に銃声が響く。追う者が銃を持ち、追われる者は逃げながら声をあげる。
学園都市の暗部ではよくある光景だ。

「クソッ!」

声の主をよく見れば、数日前、絹旗に絡んでいたスキルアウトの1人ではないか。
弾が脚を掠ったらしく、血を流しているものの、追いつかれてはまずいのか、必死に走っている。

 しかし、只のスキルアウト風情が銃を持った人物に追いかけられているのも可笑しな話だ。

(畜生!こんな危ねえ仕事なんて聞いてねえよ!この『ブツ』ってもんはそんなにヤバいのかよ!)

彼はどうやら、小遣い欲しさに「運び屋」として仕事を受けた様だ。

3回も刺客に追われるとは思っていなかった様ではあるが。
89 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/09/02(日) 14:56:44.12 ID:h7wvHsKIO
バ ン ッ

「ぐあっ…」

ドタッ

突然脚を撃ち抜かれ、痛みの余りに声を上げ、倒れてしまった不良少年は、呆気なくのび太に追いつかれた。

のび太「まさかここ迄手こずらせてくれるなんてさあ、スキルアウト君」

「ヒッ…」

ザッ…

ゆっくり迫って来るのび太から少し逃れようと、這いつくばる不良であったが、
直ぐに接近され、

のび太「君が運ぶのを頼まれた物を僕に渡してくれるかな」

ガシッ

バッ

強引に、仰向けにひっくり返される。
90 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/09/02(日) 15:03:41.14 ID:XiKu+hwyo
(こ、殺される…!)

そう思った彼は、割とあっさり、「ブツ」を渡してしまった。

のび太「ふーん、これか」

依頼された通りの物である事を確認したのび太は、それをポケットに入れた。

「……た、助けてくれ…」

のび太「…君が指定された場所を教えてくれれば…ね」

「…わ、分かった。場所は…………だ」

のび太「あと、今回の事を警備員に持ち込んでも無駄だから。
   迂闊に学園都市の暗部になんかに来るのが間違いだよ」

「……」

 スキルアウトは恐怖していた。自分が、こんな恐ろしい所に気付かずに踏み込んでしまった事に。

のび太「もし余計な事をした時には…」

殺す。言わずとも分かる程の殺気を放ち、スキルアウトの横を通り過ぎて闇の中に消えていった。





…彼が通った後に、包帯と鎮痛剤が落ちていたのは、少しばかりの優しさなのだろうか。
91 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/09/02(日) 15:07:49.60 ID:XiKu+hwyo
***










 不思議だよ。なんで君が居なくなった途端に、あれだけ高かった壁を超えられるようになったのか。
同時に申し訳なくも思うけどね。あれだけ君が助けてくれたのに、あれだけ一緒に苦悩してくれたのに、
君が居る内に、僕は何一つ出来ずに終わった事を。まるで君の存在理由を否定するみたいでさ。

でも違うんだ。

僕には君が必要なんだ。

君には失礼かもしれないけど、これだけ努力して手に入れた物すら、全部捨ててもいい位に、
ドラえもんが居たあの時間が、一番惜しく思うよ。

喜怒哀楽、全てが込もった、あの愉快で輝いていたあの刻。

もっと色んな事を僕に教えてくれよ。

もっと色んな世界を僕に教えてくれよ。

ジャイアン、スネ夫、しずかちゃん、僕、そしてドラえもん。この5人の中の真ん中に立って、関係を繋ぎ止めていたのは君だ。

そんな君にまた会えるなら、僕は……





こんなに深い闇の中からだって、君を治す方法を見つけてみせるさ。



必ず。
92 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/09/02(日) 15:15:23.50 ID:XiKu+hwyo
***





 夏の日差しが明るい白昼の街並み。多くの人々が往来する第七学区有数の大きい通りがあるのだが、
それに面するファミレスにのび太は居た。…B・C級映画好きの、あの少女と一緒に。

のび太「絹旗ちゃんから勧められた映画見たけど、ここ最近のやつでは一番僕の好みだったかな」

絹旗「そりゃのび太の性格を超考慮して勧めましたからね」

 この数日の間に、絹旗からのび太への呼び方は「名字+さん付け」から「名前」に変わっていた。
…元々さん付けで呼ばれるキャラではないのかもしれない。

のび太「いい大人が全力でバカやってるようなのが最高だよ。醍醐味だね」

絹旗「やっぱりそこが超ポイントですよね」

 何回か語り合う内にB・C級映画の魅力に引き込まれてしまったのか、のび太もかなり絹旗と話が合うようになっていた。
…絹旗の目論見が、ちゃっかり達成されてしまった様だ。
93 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/09/02(日) 15:18:22.35 ID:XiKu+hwyo
のび太「それにしてもいいのかね?君みたいな可愛い女の子が貴重な夏休みを僕なんかに使っちゃって。
   彼氏の1人位いるだろうに」

絹旗「げほっ!げほっ!?」

 ストローでソフトドリンクを飲んでいた絹旗が、突然の言葉に驚いたのか、
飲み物を気管に入れてしまい、噎せかえっている。

絹旗(彼氏?可愛い??)

実際、機から見れば高校生と小学生…いや中学生の、すこし年の差があるカップルに見えなくもない。
94 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/09/02(日) 15:23:12.42 ID:XiKu+hwyo
絹旗(いや、超落ち着いて下さい私。冷静に考えましょう。彼氏→男→浜面……超無いですね…)

絹旗「…超余計なお世話です」

一瞬頭に浮かんだあの男の顔を消去した絹旗は、すこしふてくされた表情でそう言った。

のび太「そうかい」

絹旗「…そっちこそ、いないんですか?」

のび太「何が?」

絹旗「彼女ですよ」





のび太「…いないなあ。僕、基本モテないしなあ…」

絹旗「…そうですか。超のび太らしいですけど」

 一瞬、その答えに長い間を感じた絹旗であったか、別に気にする事でもないと思い、話を切り上げようとする。

絹旗「…飲み物無くなったんでドリンクバーまで行ってきます」
95 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/09/02(日) 15:25:09.10 ID:XiKu+hwyo
のび太「どうぞ」

ガタッ





絹旗が席を立つと、何故かのび太は椅子に深く座り直した。

のび太「…映画とかでよくあるよね、こうやって座りながら後ろの相手に話しかけるの。
   一回やってみたかったんだ。ありがとね心理定規さん」

心理定規「…中々声かけてくれないから気付かれていないのかって心配になっちゃったわ」

すぐ後ろの席に座っているのはスクールのNo.2、心理定規。
96 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/09/02(日) 15:33:49.98 ID:XiKu+hwyo
のび太「…心理定規さんが入ってきた時から気づいていたよ。第一、あんなホステスみたいな格好してるんだから、
   分からない訳ないじゃないか」

心理定規「あら、それもそうね」

互いの顔を見ずに、会話を進めている2人。

心理定規「それにしても随分楽しそうじゃない。デートかしら?」

のび太「やっぱそう見える?僕も捨てたもんじゃあないなあ」

心理定規「…小学生を連れ回すロリコンにも見えるけどね」

のび太「それは幾らなんでも失礼だと思うよ。彼女、中学生って言ってたし」

心理定規「へえ、そうなの。それでもどうせ1年生でしょ。十分ロリコ…」



謎の声「中学生ってのはなァ…ババァなンだよ」



心理定規「…いや、何でもないわ」

のび太「? まあ、別に付き合ってる訳でもないからいいんだけどね」

謎の声は、心理定規にしか聞こえなかったようだ。

心理定規「ふうん」

つまらない答え、そう思いつつ、心理定規は手元のコーヒーを飲み干し、一息置く。
97 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/09/02(日) 15:36:17.37 ID:XiKu+hwyo
心理定規(心の距離でも測ってみようかしら)

一瞬考えたが、彼女自身、仲間にそれを行うのは好きではなく、すぐに取り止めた。

のび太「…まさか、何の用件も無しに態々こんな位置に座った訳じゃないよね」

心理定規「…流石のび太君ね。鋭いわ」

そう言うと心理定規は、丸められた小さな紙をのび太の椅子の下に落とした。

のび太「…直接話せばいいのに」

心理定規「とてもじゃないけど、此処で話せる程穏やかな内容じゃないわね。
    …ほら、そろそろあなたの可愛いガールフレンドが帰ってくる頃よ」
98 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/09/02(日) 15:37:15.20 ID:XiKu+hwyo
その後すぐに、心理定規は席を立ち、去っていった。のび太はすぐに紙を拾い、
戻って来た絹旗の方に視線を移す。

のび太「遅かったね」

絹旗「メロンソーダとコーラで超迷いましたから」

絹旗が再び座る事で、また先程の形に戻った2人。その後の映画談議は、暫く続く事になる。
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/09/02(日) 15:38:15.84 ID:fDDSF7nc0
そういえばのび太はスクールの正式のメンバー?
ヘッドフォンがいない所を見るとヘッドフォンの代わりか、ヘッドフォンが最初からいなくてその場所にのび太がいるの?
個人的には砂皿さんとのペアが見たい。ステファニーとは仲良くなれそうなイメージ
100 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/09/02(日) 15:46:58.57 ID:XiKu+hwyo
***





 話はこの前日に遡る。

 垣根帝督率いるスクールが、とある研究施設を襲撃していた。暗部組織は大抵、
学園都市上層部の指令によって動くのだが、今の彼らは違った。スクール…いや、
垣根帝督自身の目的の為に行動していた。





「学園都市第一位を倒して代わりに自分が第一候補(メインプラン)になり、
学園都市総括理事長・アレイスター・クロウリーとの直接交渉権を得る事」





垣根「第一位のデータがあるって聞いたんだけどな…」

 目的の成功率を上げる為に、彼は第一位に関する情報を集めに来た様だ。
基本、垣根は自身の能力に絶対の自信を持っており、それは学園都市第一位を相手にしても変わらない。
しかしながら、敵の情報が少ないのもまた問題であった。「自信と驕りは違う」。
彼は学園都市第二位の頭脳でそう判断し、データを集めている。
101 : ◆b5KTejaQ5w [sage]:2012/09/02(日) 15:55:45.27 ID:XiKu+hwyo
垣根「…ここの持ち出せる記録媒体全部車に積んどけ。無理なモンはこの場で俺がハックする」

 電子機器への干渉は学園都市第三位・超電磁砲(レールガン)の御坂美琴の専売特許の様にに思えるが、
別に能力を使わなくとも、頭脳と知識さえあればセキュリティを掻い潜ってデータを解析する事は十分可能であった。


***

 大方の記録媒体を持ち出した後の研究室で、垣根帝督は持ち出せない機材のハックを行っていた。


カタカタカタ

垣根「糞みてえなセキュリティだな。お粗末すぎはしねえか」

 簡単にコンピューターのロックを外していく垣根であったが、

垣根「…!?」

とある一つのファイルを閲覧した瞬間、表情を変えた。驚きを表す顔。そして、

「絶対能力進化(レベル6シフト)実験」

「被験者:学園都市第一位・一方通行(アクセラレータ)」

「レベル6に到る可能性があるのは」



「学園都市第一位・一方通行のみ」

垣根「…ナメやがって……」

怒りが、彼の心を支配していた。
102 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/09/02(日) 16:03:22.69 ID:XiKu+hwyo
 バ ゴ ォ オ ン ッ

 垣根の背中より現出した白い翼は、周りにある機材を、一振りで全て破壊した。

 彼の翼長が、さらに長くなり、翼の羽ばたきを大きくする。

垣根「余程第一位を…」





「愉快な死体にさせてえと見える」





そう吐き捨てた垣根は、今までにない程の白い輝きを翼から放ち、また大きく一振り―――



  ド  ゴ  オ  オ  オ  ン



進化した彼の翼は、易々と分厚い筈の研究所の壁に、巨大な穴を開けてしまった。

彼のプライドに触れてしまった、学園都市第一位を進化させる為の計画の概要を記したそのファイルは、皮肉にも、



怒りによって、学園都市第二位が進化する場面を、作ってしまったのだ。
103 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/09/02(日) 16:05:06.04 ID:XiKu+hwyo
***





心理定規「…随分派手にやったわね…」

 暫くすると、心理定規が垣根の居る部屋まで歩いて来ていた。

垣根「…明日、直接野比に会って伝えろ」





「『”研究者”の身分を使って絶対能力進化実験について調べろ』ってな」
104 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/09/02(日) 16:09:19.12 ID:XiKu+hwyo
投下はここまでです。

>>99

正式メンバーです。一応ゴーグル君の代わりです。細かい立場は変わっていますが。
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2012/09/02(日) 17:43:15.44 ID:NNTpVeAAO
乙です。面白い

射撃能力に特化してるのが良いね

欲を言えば射撃能力だけで肉体的には弱いという風が良かったけど
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/09/02(日) 18:28:08.83 ID:FI4Mcv6P0


暗部に居る以上、ある程度の身体能力は必要だとのび太は思ったんじゃない?
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/09/02(日) 22:30:49.99 ID:SOqvGtEAO
乙。ここののび太はカッコいいな

108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/04(火) 13:02:17.03 ID:etQ0eEsIO
[たぬき]の為には闇に堕ちても構わないと考えるのび太カッコヨス
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/16(日) 16:05:03.15 ID:F9XPHQMDO
[たぬき]がいなくなったら優秀になったてのも皮肉だな
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/30(日) 19:15:07.69 ID:r+ViYIJDO
もう来ないの?
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/11(木) 02:45:13.34 ID:8nrRrddS0
2か月以上>>1が書き込みしないと落ちるから、そろそろ生存報告とか欲しいところ
112 :目標:ペース上げ ◆b5KTejaQ5w :2012/10/11(木) 22:28:42.76 ID:Z01I8vM6o
生存報告です。
なんとか今月中に投下したいと思います。
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/10/11(木) 23:42:07.49 ID:CV8OvPoh0
楽しみです
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/10/12(金) 06:27:29.95 ID:6a4KOOEAO
のび太の特技は
射撃
あや取り
昼寝だっけ
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(高知県) [sage]:2012/10/12(金) 12:18:50.11 ID:9+//pZWxo
まったくの素人であるのび太が、百戦錬磨の殺し屋ギラーミンさんを一騎打ちで倒すくらいだしな。
鍛え上げたらどれくらいの射撃手になるのかわからんよなw
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/12(金) 21:35:58.24 ID:Do4lMYgDO
西部劇の星にいった時でもワンホールショットを難なくやったからな
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/10/13(土) 22:06:31.37 ID:yt+FGf2AO
のび太ってやれば出来る奴だからな
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/13(土) 23:38:10.81 ID:XNH0j/5DO
>>115
しかもギラーミン、油断してた所かのび太を最高の好敵手と認識してたからな
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/10/14(日) 16:44:34.40 ID:eTv0IRSS0
>>1
↑の人たちが言ってるようにのび太って銃に関しては凄まじい才能を持ってるし、[たぬき]という作品を通して本気で努力したら相応の結果を出せるだけの力はあるから、と禁の中での活躍を期待してる。
ペース上げは無理しないでね。
すっげー面白いから完結まで書いてくれたら嬉しい。

応援してますぞ
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/25(木) 08:35:38.63 ID:rPHgD9FDO
私も期待してますよ
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/10/31(水) 16:40:14.34 ID:OU9ox45AO
今月が終わりますぞ
122 : ◆b5KTejaQ5w [sage]:2012/10/31(水) 23:58:38.99 ID:aE8B9T4+o
今月が・・・終わってしまう・・・。明日には必ず投下します。
本当に済みません。
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/11/01(木) 00:57:52.13 ID:804wYuhQo
頑張って
いつまでも待ってる
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/11/01(木) 01:04:59.43 ID:PIuOK5nAO
明日になったぞ!!ハーリーハーリー!!


無理せず頑張ってください
125 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/11/01(木) 23:43:00.63 ID:TPEanzGro
投下します。短いかもしれない。
126 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/11/01(木) 23:43:55.78 ID:TPEanzGro
―――とある学園都市の野球場



  ジャイアンズ 3-2 サイキックス

 9回裏・サイキックスの攻撃。2アウト2・3塁。



ジャイアン(…ダメだ。ストライクゾーンに入らねえ……)

カウントはノースリー。草野球チームジャイアンズのエース・剛田武は、制球に苦しんでいた。
127 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/11/01(木) 23:45:41.52 ID:TPEanzGro
 キャッチャーからのサインは、内角低めのストレート。ジャイアンが得意とするコースではあったが……。

ジャイアン「オラッ!」



バスッ



審判「フォアボール!」



入らない。失点した5回。ヒットを受けながらも凌いだ6・7回。しかし、その間にも、
ピッチャー・剛田武に、相手打者はすっかり慣れてしまっていた。
128 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/11/01(木) 23:46:57.47 ID:TPEanzGro
打たれる様になった投手は、当然配球を迷う。入りやすいコースは既に攻略済み。

これを繰り返す内に、コントロールが乱れ、この状態になってしまっていた。



ジャイアン(真ん中にストレートか…)

相手打者が球を見ている間に、ストレート先行にしようとしたキャッチャーからのサイン。
129 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/11/01(木) 23:47:47.31 ID:TPEanzGro
ジャイアン(よし、分かった)

縦に首を振るジャイアン。



 大きく振りかぶって、



ビシュッ



投げた。
130 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/11/01(木) 23:51:03.24 ID:TPEanzGro





カーーーン



高い打撃音が響く。ピッチャーから見て右を抜けていく鋭いライナー。ヒット性の当たり。
失点は必至だった。
131 : ◆b5KTejaQ5w [sage]:2012/11/02(金) 00:00:07.93 ID:taS9SSsTo
ジャイアン(みんな、すまねえ…)



 学園都市第7学区の草野球大会の決勝。ジャイアンズは一丸となって戦ってきた。
エースとして、
キャプテンとして。チームの皆と優勝の喜びを分かち合うためにも、今日の試合は負けられなかった。





「おりゃあ!」

バシッ!





ジャイアン「ん?」
132 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/11/02(金) 00:09:47.18 ID:taS9SSsTo
審判「アウト!ゲームセット!」



 後ろを向けばそこには、



のび太「…ナイスピッチング。結構詰まってたから取りやすかったよ」



ライナーに飛びかかって捕球し、少し息を切らしながら自分の肩を叩くショート・のび太の姿。
133 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/11/02(金) 00:16:27.38 ID:taS9SSsTo
ガキ大将ピッチャーを救ったのは、他でもない、小学生の時にはライパチが定位置となっていた程、
一番下手くそであった、あののび太だったのだ。





ジャイアン「さすが俺の心の友だぜ!」

バシッ!

のび太「ぐえっ」
134 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/11/02(金) 00:35:02.14 ID:taS9SSsTo
***





 5打席2安打、守備でも勝利に貢献したのび太は、試合後の祝勝会で、チームメイトの労い代わりの悪ノリを受け、
余計に疲れていた。



のび太「楽しかったけど疲れたなあ…」



 昼間の出来事をしみじみと振り返るのび太。久々に小学生の時の気分を味わえたことが、とても嬉しいようだった。

助っ人として決勝戦からいきなり参加したのび太であったが、感動をチームメイトと共有し、祝勝会ではすっかり溶け込んつましまったようである。
135 : ◆b5KTejaQ5w [sage]:2012/11/02(金) 00:36:00.73 ID:taS9SSsTo
×つましまった
○でしまった
136 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/11/02(金) 00:49:01.85 ID:taS9SSsTo
 『表』の楽しい出来事を振り返っている内に、『裏』の時間が迫ってきていた。

今、のび太がいるのは自身が通う高校の研究室。



のび太「ウチの学校にも関係者はやっぱりいるものなんだね。この計画は…」



パソコンのマウスを触りながら、学園都市の闇の深さに息を吐く。そんな闇に触れるような学校は、学園都市にも数える程しかないが。
137 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/11/02(金) 00:59:09.19 ID:taS9SSsTo
 のび太のPCのモニタには、メールソフトの画面とその内容が映っている。



のび太「学園都市一の学校が、学園都市の負の面を一番表してるってのは、酷い皮肉だよ」




To: スクール中継サーバ2

SUB: 関係者リスト 長点上機学園
138 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2012/11/02(金) 00:59:56.21 ID:taS9SSsTo
今回の投下は終わりです。亀過ぎでしたすいません。
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/11/02(金) 01:06:37.04 ID:dWDPbjvAO
乙乙

受験勉強しながら舞っとるぜ



140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/02(金) 02:18:01.36 ID:skeIZ6eIO

これからも期待してるよ
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/02(金) 07:22:51.11 ID:N64XC3eTo
キテター!
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/02(金) 12:53:04.22 ID:nV+Nu+pN0
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/02(金) 15:03:54.88 ID:rwjBtruIO
>>139
そこは勉強に集中せんと不合格になるぞ
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/11/02(金) 19:11:07.96 ID:rQNav3FW0
縺縺。縺翫▽
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/07(水) 16:32:16.09 ID:7uRf5PbDO
気体して舞ってる
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) :2012/11/09(金) 23:55:56.77 ID:iCCMxCxu0
しずかちゃんやスネ夫はどうなったんだ?
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/11/10(土) 19:24:32.46 ID:23Dzv0f00
個人的には、砂皿、ステファニーの殺し屋コンビと共に組んで欲しい
同じ銃使いとして相性はいいと思う
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/10(土) 19:35:01.24 ID:VDOppKK2o
>>147
で、出たーwwwwSSスレで自分の要望を書奴wwwww
ばかじゃねーの?
展開予想と要望書く奴は屑
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/11(日) 21:45:54.38 ID:yYZoGahn0
そして無駄に煽る>>148も屑
それに油を注いでる>>149も屑
だから>>147>>148>>149も大人しくROMってよう
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/20(火) 02:42:06.69 ID:VrQkuHtDO
そして時は流れた
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/20(火) 12:48:53.20 ID:jXaN/fTXo
二十年もの時が流れた…
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/23(金) 14:58:28.49 ID:a/+gOI2Po
田畑は荒れ
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/11/26(月) 00:30:25.07 ID:SRhJbrRe0
草木も枯れ
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/11/26(月) 01:29:38.63 ID:kHnUETMAO
死が大地を包み込んだ
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/11/26(月) 10:28:52.04 ID:doodW2bco
そして更に50年後…
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/11/26(月) 12:30:26.62 ID:dON6DOhpo
新たな生物が
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山梨県) [sage]:2012/11/26(月) 13:16:13.56 ID:5iOmeLYQ0
更新楽しみにしてます頑張って下さい。
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/27(火) 02:37:14.55 ID:EObIkjk80
と呟いた
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/11/27(火) 03:16:08.08 ID:x44tKq9AO
ところがどっこい
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/11/27(火) 23:55:39.76 ID:z2oy9FmYo
〜終了〜
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/28(水) 03:55:38.43 ID:56HusET+o
阻止
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/11/30(金) 22:34:30.23 ID:prS9a+oAO
されたそうな
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 18:30:39.79 ID:LMZcBrkE0
まってるぞ
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 14:11:21.24 ID:tOuuwo0AO
おぉいのび太ぁ!!野球やろうぜぇ!!
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/18(火) 09:57:53.71 ID:rCR2jZ6AO
のび太!!
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/20(木) 13:57:41.50 ID:7Y0wdJe70
>>1
リアルで多忙なのだろうと思いますが、せめて現状報告をしてもらってもよろしいでしょうか?
もしこのスレを落とす気でいらっしゃるのだとしても、その旨を伝えていただけると幸いです
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/22(土) 12:22:57.41 ID:clr8MksB0
つ、続きを・・・
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/23(日) 16:53:02.60 ID:oS0Fd6rAO
スネ夫「のび太のくせに学園都市に行くなんて生意気だぞ」
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/24(月) 15:05:26.29 ID:8EEkPa8AO
わたーしまーつーわー
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 02:54:36.81 ID:Xphdp++DO
いつまでもまーつーわ
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/01(火) 02:14:10.99 ID:XHNWJ3VAO
年開けたぞのび太ァーーーーーーッ!!
172 : ◆b5KTejaQ5w [あけましておめでとうございます]:2013/01/03(木) 00:05:49.54 ID:WjxaTauIO
全然投下できなくてすみません。実生活が大変なことになってまして…。1/5までには…。
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/03(木) 00:10:48.88 ID:a9o+MUiwo
半分諦めてたけど、帰ってきた!
把握
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/03(木) 01:32:26.72 ID:Fv30Um9AO
おめでとう

生活大変ならそっち頑張ってな、無理せんでな
175 : ◆b5KTejaQ5w [sage]:2013/01/05(土) 23:44:50.34 ID:idAMnU1IO
1時から投下します。
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 00:52:19.28 ID:tBZq4YBlo
よし
177 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2013/01/06(日) 01:22:15.43 ID:CK+tSU8No





「……学園都市?……何それ?」



 きっかけは小学6年生の頃、友人との会話だった。



「えっ、のび太。そんなことも知らないのかよ」



「よくテレビのニュースでも聞くじゃない、のび太さん」
178 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2013/01/06(日) 01:34:00.33 ID:CK+tSU8No





 学生の街。何年も先を行く科学力。超能力開発。



 その都市についての情報はこれぐらいのものではあるが、それでも少年達の興味を引くには十分であった。





ジャイアン「俺もちょっとばかり見てみたいぜ」



しずか「確かに面白そうだけど、治安が悪いって聞いたわ」





のび太「…………」
179 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2013/01/06(日) 01:58:40.33 ID:CK+tSU8No
 6月――梅雨の時期。この日も弱い雨が降る、湿った日。そんな気候が、沈んだ彼の心情をより重くしている。



 一人の親友を失って1ヶ月が経った。



 それを知るのは彼唯一人。
180 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2013/01/06(日) 02:24:06.61 ID:CK+tSU8No
 友人達を悲しませるのが怖いから、ドラえもんを失った事実を認識したくないから……。



 その他多くの理由がのび太の中で絡み合い、鎖のように彼の口を縛り付ける。



 当然それは、周りに事態を悟らせないことにも繋がる。
181 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2013/01/06(日) 02:38:08.32 ID:CK+tSU8No
 両親には「ドラえもんは未来に帰った」と嘘を吐き、平然を装い、鉛の様に重い足を動かし、毎日学校に通う。

 友人にはそれらしい事は何も言わず、授業をやり過ごし、遊びの誘いは適当に受け、引き摺る心情とは逆の表情を見せる。



 その繰り返し。心なしか、下手だった嘘が上手くなった気がした。望んでもいないのに。
182 : ◆b5KTejaQ5w [saga]:2013/01/06(日) 03:05:42.78 ID:CK+tSU8No
 だが、





のび太(科学の進歩した都市……か)



一筋の光明を見た気がした。
183 : ◆b5KTejaQ5w [sage]:2013/01/06(日) 03:10:59.23 ID:CK+tSU8No
すいません、今日はここまでです。中途半端な所ですが切ります。眠くて朦朧としているので。
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 14:24:29.17 ID:NN5SMG1do
乙ー
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 14:34:43.06 ID:tBZq4YBlo
今更だが、この話は電池が切れた[たぬき]のアレを下敷きにしてんの?
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/07(月) 04:43:38.32 ID:aM7pyAvIO
いや、殆ど関係ねーだろソレ
一要素が同じって程度じゃ
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 08:18:44.75 ID:4z3Pj3qAO
学園都市だったら[たぬき]つくれんのかな
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 14:49:40.85 ID:1pNPQaXDO
[たぬき]どころかアンドロイドも登場してない気がします
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/15(火) 01:06:13.67 ID:MJ3QxARAO
このスレとは関係ないけど[たぬき]の燃料って原子力なんだよな…

恐ろしいな
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/15(火) 01:29:06.78 ID:CzzJH+Yqo
このスレと関係ないと思うなら書き込まなければ良いのに
お前の頭のバカさ加減のほうが恐ろしいわ
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/16(水) 17:12:36.07 ID:NZXGkO+lo
>>190
いちいちつっかかるな厨房
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/16(水) 17:49:58.37 ID:PWNjPUgDo
>>191
厨房とか久しぶりに見たわ懐かしいな
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/18(金) 21:12:02.77 ID:og9I8Qy7o
おまえらおちつけ
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/19(土) 17:44:52.08 ID:1HsTk0pY0
おもしろいけど更新おっそいな
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/23(水) 23:52:05.12 ID:bLr8g2e30
まだかなー
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/28(月) 22:51:32.87 ID:Oruj40jDO
((ミ゚o゚ミ))
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/30(水) 03:18:49.81 ID:ZAyHDI+AO
玉子「のぉび太!!」
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/06(水) 07:02:35.55 ID:WVCIUTve0
まだかなーー
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/11(月) 18:20:54.35 ID:hWjoqhp30
期待して待ってる。
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 10:10:22.60 ID:mcJf5o0AO
マダカナー
201 :名まえ無しさん@ピンキー :2013/02/15(金) 15:35:21.83 ID:Ecgz58AJ0
のび太が堕ちたのは、[たぬき]が原因かよwwwwというか、[たぬき]世界観だとのび太の未来世界で宇宙進出を出木杉が火星に出張したった言ってたから学園都市も老いぬかれそうなんだけどな
堕ちる過程描くなら劇場版世界観とかで培った教訓とかも含めてほしい
ってか最悪歴史改変とかでタイムパトロールとかが乗り出してきたりしないのか?
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 16:12:21.95 ID:gK453b+t0
>>201
先の展開を希望するのはNGだから注意
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 17:20:00.28 ID:toJTNcnS0
上げカスの糞コテとか救いようないな
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 21:00:55.37 ID:7ClqMlVAO
>>201

205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/24(日) 19:23:00.81 ID:qTDmSYFY0
これは完結は望み薄ねー
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/26(火) 23:15:28.55 ID:dEOzHOfAO
まだだ…!まだ一月半だ!!
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 06:21:11.70 ID:+mGFrAq00
もう二ヶ月だよ……なんで帰ってこないんだよ>>1……
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