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男「あんたに、会長を渡すわけにはいかねーんだよ」 会長「男君……」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(奈良県) [saga]:2012/08/04(土) 13:22:18.36 ID:khBK38/S0
【注意書き】
・展開の予想は、お止めください
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お付き合い下さい



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小テスト @ 2024/03/28(木) 19:48:27.38 ID:ptMrOEVy0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/zikken/1711622906/

満身創痍 @ 2024/03/28(木) 18:15:37.00 ID:YDfjckg/o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1711617334/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part8 @ 2024/03/28(木) 10:54:28.17 ID:l/9ZW4Ws0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1711590867/

旅にでんちう @ 2024/03/27(水) 09:07:07.22 ID:y4bABGEzO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1711498027/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:18.81 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459578/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:02.91 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459562/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:25:33.60 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459533/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:23:40.62 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459420/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(奈良県) [saga]:2012/08/04(土) 13:23:35.31 ID:khBK38/S0
カツッ  カツッ

ここは、とあるお屋敷、今日もココの娘であり主である

少女の元へ朝の挨拶に向かうため執事である青年は

廊下を歩いていた

メイド「おはようございます。今日は、執事さんのお誕生日だそうで
    おめでとうございます」

執事「おはよう、メイドちゃん。よく覚えてたね
ありがとう」

と突然、メイドの少女の発言で今日が、自分の誕生日だと

すっかり忘れていた執事は、少女に柔らかい笑みで返した

メイド「い、いえ私も先日、ある人からお聞きしたもので
    急だったもので、何も用意できずに申し訳ありません」

執事「ははは、僕からすると女の子からのお祝いは
   言葉だけでも十分すぎますよ」

とメイドの頭を撫でてやり「ありがとうございます」

とニッコリと優しい微笑みでお礼を言った

3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(奈良県) [saga]:2012/08/04(土) 13:24:38.70 ID:khBK38/S0
メイド「え……えぇ///ほ、ほら、そろそろ、食堂に行かないとお嬢様が

お怒りになられますよ!」

と頬を赤らめて持っていたはたき棒をブンブンと振り回しながら

「ふえぇぇ///」と可愛らしい奇声を上げながら、執事に注意した

執事「おっと!いけない、いけない、また雷が落ちるとこだった……
   それじゃあ、メイドちゃん。今日もお互い頑張ろうね」

とメイドに手を振りながら主の待つ食堂へと走っていった

メイド(いってらっしゃいませ///ふふっ、いい日でありますように)

と執事の後ろ姿にウインクをしながら、またはたき棒で掃除を再開させた

4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(奈良県) [saga]:2012/08/04(土) 13:25:30.21 ID:khBK38/S0
いつもは朝が弱い執事でも今日は、ご機嫌であった、なぜなら今日は自分の誕生日であるからだ

ここに仕えて、二年目になるが、言葉だけあるが誕生日を祝われたのは今年が

初めてである、それもあってかいつもは長く感じる屋敷の廊下も

自然と足取りが軽くなる

執事(よし……今年こそ、お嬢様にお祝いされて、夜景を見ながら高級なホテルのレストランで……)
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5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(奈良県) [saga]:2012/08/04(土) 13:26:02.83 ID:khBK38/S0
お嬢様「し、執事///いつも、怒鳴ってばかりで、ごめんなさい……」

執事「お嬢様、私は貴方の僕です。お嬢様のお叱りのお言葉は
   ウイーンの楽団の奏でるどの音楽よりも、私の心に響きます」


お嬢樣「……執事///」

執事「それよりも、デザートがまだこないようですが?」

お嬢様「あのね……執事///デザートはね……わ・た・し///」

執事「これは、食べ頃のようですね……」クス

お嬢様「初めてだから、優しくしてね」ウル

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6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(奈良県) [saga]:2012/08/04(土) 13:26:43.11 ID:khBK38/S0
執事(あぁ……いけません……お嬢様、そんな所をお咥えになられては……)

とウネウネと気持ち悪い動きをしながら、執事は食堂のドア前で悶えていた

「ねぇ……執事、あなたこんな所で何を遊んでるのかしら?……」

執事「遊んでるなんて、とんでもなーい!未来設計について考えていたのです………よ」

グググッと音が鳴りそうなほど、首動かし声が聞こえる方を向くと

お嬢様「そう……今、貴方が大切にしなければいけないのは、過去・現在・未来
    どれかしら?」

執事「現在です……お嬢様……」

顔を真っ青にしながら、主の前でひざまづいた

お嬢様「正解………よっ!!」

とゲシッ執事の膝をハイヒールの裏で踏みつけた

執事「おふぅ……」

と執事は激痛に悶えるようにゴロゴロと高級なカーペットの上を転がった

お嬢様「全く、いつまで待たせるのよ……」

と呆れた表情で転がっている執事を見下ろした

7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(奈良県) [saga]:2012/08/04(土) 13:27:24.48 ID:khBK38/S0
執事「ですが……まだ、このやり取りを抜いても一分の遅刻でございますが……
   」

お嬢様「う、うるさい!遅刻は遅刻よ、言い訳なんて見苦しいわよ」

執事「すいません……」

主に仕える身分である自分が、それに反抗してしまった愚かな行為を

反省したように、俯いて謝罪する姿は飼い主に叱られた犬そのものだった

お嬢様「ほら、早くきなさい……最近、働き詰めだから、遅刻なんてするのよ
    休暇はとってるの?」

と食堂のドアを開け中に入るように促す、少女の姿はまさしくお金持ちの清楚な

お嬢様そのものだった。それを見惚れていた執事は我に返り

8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(奈良県) [saga]:2012/08/04(土) 13:28:05.29 ID:khBK38/S0
執事「いえ、主に仕えるのが我が使命ですので、お暇を頂くわけには……」

と文句のつけようがない満点の解答で、執事は申し訳なさそうに食堂に入った

お嬢様「そう……、なら、主として命令するわ……」

と少し面白くなさそうに、テーブルの席に着き食べかけていた

ケーキにフォークを突き刺した

執事「なんなりとご命令を……」

執事(ついにお誘いキターーー!!!)

と心の中で小躍りするのを抑えて、冷静な対応をする

お嬢様「なら、私が昔話をしてやるから心して聞くがよい」

執事「はい、今日はひまですって……えっ?今なんと……」

と少し検討外れな命令に執事は思わず、聞き返してしまった

9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(奈良県) [saga]:2012/08/04(土) 13:28:56.37 ID:khBK38/S0
お嬢様「そうか、暇なのか。余計に都合がいいじゃないか、
    私が昔話をしてやることなぞ、めったにないぞ……良かったな、執事」

と少し勝ち誇ったように笑いながら、ケーキに乗っていた苺にフォークを突き刺し

口に運んだ

執事「あ、ありがたき幸せです……ぐすっ……」

執事(どうせこんなことだろうと思ったよ)

お嬢様「そうか、そうか、泣くほど嬉しいのか」

と唇を噛み締めながら涙をうかべる執事の姿を見て、うんうんと頷きながら嬉しそうに

少女は見ていた

執事(うん……お嬢様からの誕生日プレゼントだと思えば嬉しいかな
   ま、本人は、そんなこと忘れてるだろうけど……)

と微笑みながら、少し胸の奥が痛むのを感じた

お嬢様「では、話してやる……あれは、そうだな私が
高校二年に上がった時のことだ……」


10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(奈良県) [saga]:2012/08/04(土) 13:29:39.63 ID:khBK38/S0
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〜ある年の春〜

教頭「続きまして、本年度の生徒会長より挨拶です
   会長さん前に出なさい」

と教頭の紹介が終わると一人の少女が前へと歩きだした

その瞬間、男の野太い声に交じり女の黄色い歓声が上がった

少女はマイクの前へ立ち歓声を上げる生徒達を見渡し

静かに目をつぶった

(1……2……3……4…………5!)

と心のなかで五秒数え終えた瞬間カッと目を見開いた

その瞬間さきほどまでうるさかった歓声はシーンと静まり

少女に注目するように前に立っている少女に目線を集めた
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(奈良県) [saga]:2012/08/04(土) 13:30:28.21 ID:khBK38/S0
それを見た少女はクスっとマイクに拾わない程度小さく笑い

そして口を開いた

少女「教頭先生……ご紹介ありがとうございました」

とハンカチで汗をぬぐっていた教頭に向かって深々とおじぎをした

それを聞いた生徒たちの注目が自分に向いているのが分かると

持っていたハンカチをポケットに仕舞いオホンと軽く咳払いをした

それを聞いてか少女はまた、頭を上げ生徒達に向き直った

会長「ご紹介に預かりました。私が今年度の生徒会長に選ばれました
   まだまだ、至らぬところがございますが、どうかよろしくお願いします」

12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(奈良県) [saga]:2012/08/04(土) 13:30:59.90 ID:khBK38/S0
とまた深々と頭を下げた瞬間ワーっと大歓声が上がった

「応援してるぞーーー!」

「頑張ってくださーい!」

「会長様、素敵―――!」

「顔をお見せになってーーー」

少女「みんな……ありがとう……」

と目を軽くぬぐって、ニコッと笑顔を見せて、また自分の席に戻っていった

その瞬間

「会長……」

「会長……会長」

「「「会長―!!会長―!」」」

と打ち合わせをしていたのか、盛大な会長コール鳴り響いた

「…………」

それを興味なさそうにに聞く一人の少年がいた

13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(奈良県) [saga]:2012/08/04(土) 13:32:00.59 ID:khBK38/S0
男(ふーん……、噂で聞いていたけど人気高いんだな会長って……)

と二つ隣の席に戻ってきた少女を見つめる

それに気付いたのか、男の顔を見てニコッと微笑んだ

男「うぇ……///」

と驚き、ガタッと椅子が揺れた

「あいかわらず、人気で羨ましいよ会長さん」

会長「もう……///副会長君、茶化さないでよ///貴方も十分人気でしょ///」

と副会長と呼ばれる少年の茶化したような笑顔に、会長が照れたように怒った

14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(奈良県) [saga]:2012/08/04(土) 13:32:54.92 ID:khBK38/S0
副会長「いやいや、本当だって!……君も、そう思うでしょ?」

と突然、話を振られたので男は慌てたように副会長の方へ向き直り

男「ひ、ひゃい!」

と声が裏返ったまま返事をしてしまった、それを聞いた二人は

「「ぷっ……」」

副会長「ハハハ、声が裏返ったままだぞ!」

会長「アハハハ、ちょっと反則よ……ひーひー……笑いすぎてお腹痛い……」

と式の途中にも関わらず、大声で笑い出す二人にムッとした表情で男は睨んだ

男「ううぅ……///」

男(大声で笑うことないじゃないか……と言ってもあいかわらずの
  会長コールでかき消されちゃってるけど)

15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(奈良県) [saga]:2012/08/04(土) 13:34:56.00 ID:khBK38/S0
会長「ごめん、ごめん……だって驚いた顔をしたかと思うと
   急に声が裏返るんだもん///ふふっ」

副会長「えっと……確か君は……」

男「今年一年の副会長の男です……」

副会長「そうそう、男君だったね。ごめんね……急に話しかけたりして」

と柔らかな笑顔で片手で詫びるポーズをとり男に軽く頭を下げた

男「いえ、こういう形での式は初めてなので逆に気持ちが楽になりました」

と少し引きつった笑顔で、ポリポリと頬を掻いた

副会長「あまり気は張らなくても大丈夫だよ……僕も最初そうだったから」

会長「そうよ、去年、君みたいにガチガチに緊張してた先輩が言うんだから
   大丈夫よ!ね、副会長君」

ニヤッとイタズラ顔で自分を見ているのに気づいた副会長は

16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(奈良県) [saga]:2012/08/04(土) 13:35:42.04 ID:khBK38/S0
副会長「いやー、参ったなー……、そのことは、
    内緒の方向で頼みたかったんだけどなぁ……あはははー」

男「えっ、そうだったんですか?」

副会長「いやー、実はそうなんだよ……あはは、ごめんねカッコ悪い先輩で……」

と申し訳なさそうにアハハと笑いながら、男の方に顔を向けた

男「いえ、カッコ悪いだなんて……そんな……先輩は十分カッコいいですよ……」

副会長「ありがとう……お世辞でも嬉しいよ」

と副会長は、「参ったな///」と照れながら、スっと手を差し出し

副会長「一年間、頑張ろうね……」

男「は、はい!」

がしっと副会長の手を握り硬い握手を交わした。それを「ふーん……」と

興味深そうに見ていた会長が男の方を見て口を開いた

17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(奈良県) [saga]:2012/08/04(土) 13:36:27.78 ID:khBK38/S0
会長「次は、ちゃんとお返事ができたね///男君」

男「うぅ…///やめてくださいよー、会長……///」

と男はまた頬を膨らませて小さく抗議をした

会長「ふふふふ」

副会長「アハハハ」

男「へへっ///」

こうして、一人の少年の長い生徒会の一年が幕を開けた

18 : ◆t39JicHd4A [saga]:2012/08/04(土) 13:38:43.13 ID:khBK38/S0
今日はここまでです
次回あたりに各キャラのスペックを書きます

酉付けときますね

それではまた、日曜の0時にまた来ます

【次回】 第二話『過去(トラウマ)』



19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/08/04(土) 13:40:56.67 ID:NpGCIT5po
おつ
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/04(土) 14:03:03.70 ID:jWtvAF9a0


21 : ◆t39JicHd4A [saga]:2012/08/04(土) 23:19:27.74 ID:khBK38/S0
少し早いですが、投下します

第二話『過去(トラウマ)』
22 : ◆t39JicHd4A [saga]:2012/08/04(土) 23:20:14.24 ID:khBK38/S0
ある日の昼休み

男は誰にも話しかけず静かに教室から出ていった

手には大きめのハンカチに包まれたお弁当箱を握って

男が出ていった教室から廊下にまで聞こえる笑い声が響いていた

男は、それをBGMに唇に歯型が残る程噛み締めて、ある所へと向かった

男(便所飯なんてゴメンだ……)

男は、とある教室の前に立つと、おもむろにポケットから
あるものを取り出す

男(生徒会に入ったときに貰った、これで……)

生徒会室とポスターが貼られたドアが

ガチャっと金属音が鳴った

男(規則には違反してないから大丈夫だよな……)

男は急に怖くなり、ドアノブに伸ばす手が震えた

23 : ◆t39JicHd4A [saga]:2012/08/04(土) 23:21:36.72 ID:khBK38/S0
すると、まだ触れていないのにドアがギィーっと開いた

男(やばい、誰か使ってたのか……怒られる)

と慌ててその場にしゃがみこんだ

「誰よ………あら?あなた」

男(えっ……この声)

男は聞き覚えのある女性の声に反応し顔を上げた

会長「やっぱり男君じゃない!もう、驚かせないでよー」

男「か、会長!?どうして、ココに?」

会長「んー、貴方と同じ……ほら、立ち話もなんだし中に入りなさい」

クスっと笑ってドアを開いて中に招き入れた

男「会長、僕と同じ理由って……」

会長「みんなでワイワイガヤガヤして食べるのが苦手なの
   貴方も、そうでしょ?」

男「え、えぇ……正解です
  いやー、食事くらい静かに食べたいっすよね」

会長「……」

あははっと男はとっさに作り笑いをする

会長は、黙ったまま男の顔をジッと見つめた

24 : ◆t39JicHd4A [saga]:2012/08/04(土) 23:22:23.40 ID:khBK38/S0
男「ど、どうしたんっすか?」

と何かを隠そうと必死に目を泳がした

会長「男君……嘘は駄目よ」

男「な、何のことかさっぱりっすね……いやー、今日も暑いなー」

とハンカチを取り出し額の汗を拭いた。その間も会長に目を

合わせないように俯いた

会長「ここには、私しかいないから話してみてくれないかしら?」

男「…………」

男は観念したのか静かにコクリと頷いた

会長「それで、一体何があったの……?」

男「実は、俺……小学校の時からイジメを喰らってるんです……」

会長「……それで」

会長は男の隣に座ってやり、男が口を開くのをジッと待った

男「小学校の五年の時、ある女の子との間に事件が起こりました……」

会長「…………」

男は、なんとか声を搾り出し、話し始めた

25 : ◆t39JicHd4A [saga]:2012/08/04(土) 23:23:06.88 ID:khBK38/S0
────────────
───────────
今から五年前

男「どうしたんだよ……」

三つ編み「…………」

男は、一人の少女に呼び出され放課後の教室に一人呼び出された

男「用事が無いなら帰r……」

三つ編み「待って!!」

男「お、おう……」

男は、先程まで黙っていた少女の突然の呼び止めに、驚きながらも

真っ直ぐ少女を見据えた

三つ編み「あのね……」

男「ごめん……、付き合うのは、前も言ったけど、できないんだ」

と少女が何を言いたいのか、予想できたのだろう

男は、申し訳なさそうに頭を下げた

三つ編み「違うの……ううん、それもあるけど、今回は違う理由…………」

と少女は、首を横に振り男から目をそらせるように俯いた

26 : ◆t39JicHd4A [saga]:2012/08/04(土) 23:24:10.70 ID:khBK38/S0
男「違う理由……?」

男は気付いてはいなかった。俯いた目の前の少女が顔がほんのり赤いのを

三つ編み「あのね……」

とブラウスのボタンに手をかけながら、少しずつ男の方に近づいて来た

男「な、なななにしてんだよ!お前」

突然の出来事に思わず、後ろに退き近くの机にぶつかり立ち止まった

しかし、なおもボタンを外すのをやめない少女は、ついにパサッとブラウスを脱ぎ落とし

小学生にしては大きめの二つの膨らみを包んだ可愛らしい下着一枚になった

男は必死に見ないように目を瞑り顔を少女からそらせた

三つ編み「ふふっ……私、結構大きいでしょ?ねぇ、こっちを見てよ」

と挑発するようにフフッと笑い近くの机に腰掛けたのだろう

ギシッと机が軋む音が男の耳に届いた
27 : ◆t39JicHd4A [saga]:2012/08/04(土) 23:25:14.08 ID:khBK38/S0
男「なに、急に脱ぎだしてんだよ!何がしたいんだよっ」

三つ編み「私ね……、男君が好きなの……、他の女子からは余り人気がないみたいだけど
     でもね、それでも好きなの!だから……付き合わなくてもいい。
軽蔑されてもいい。すこし、少しだけでいいの。
少しでも……貴方を感じさせて欲しいの。……ダメ?」

男「…………っ」

男は何かを言いかけたが、少女は優しく微笑み男に近付き男の唇を奪った

そして、男の右腕を掴んだ

男「何をっ!?」

三つ編み「……大丈夫。安心して……///」

と右腕をそっと自分の胸に埋めた

三つ編み「んっ……///どう、柔らかいでしょ?んはっ///」

男「…………ゴクリ」

男は思わず、生唾を飲んだ。手を振り払おうにも思うように力が入らなかった

そして、少女は男の背中に腕を回しニヤリと笑った

男は気付いていなかった彼女の真意を…………

28 : ◆t39JicHd4A [saga]:2012/08/04(土) 23:26:11.04 ID:khBK38/S0
──────────
─────────

男「…………」

会長「そのあと、どうなったの……」

急に男が苦しそうに顔を歪ませて、俯いた為そのあとどうなったのかが

純粋に気になった為ボソッと呟いてしまった。

それが、彼にとってどれほど苦しいものか知らずに

男「そ、そのあと……急にその子が大声で……っ泣き叫んで、
  僕は近くを通った先生に取り押さえられました……少女を襲った変態としてね」

会長「…………えっ」

目の前の少年は、一体何を言っているのか一瞬、理解ができなかった

男「次の日、僕の噂は全校中に知れ渡っていました……
  僕は、必死に説明しましたが。その子は、男女両方から好かれるような子だったので
  勝ち目はありませんでした……」

会長「と、友達は……?」

一筋の希望を夢見て、男に質問した

すると、男は黙ったまま首を横に振った

29 : ◆t39JicHd4A [saga]:2012/08/04(土) 23:27:03.91 ID:khBK38/S0
男「いえ、友人は愚か教師でさえ、信じる者はいませんでした
  なぜなら、覆いかぶさるのは見られていましたが、それ以前の
  出来事は僕と彼女しかいませんでしたから……」

会長「……そんな」

男「そんな顔しないで下さい……いいんですよ。もとは僕が考えもなしに
彼女に触れたのが、いけないんですから」

と悔やむように歯を食縛り、拳を握る力にもいっそう力が入った。

男「それからというもの、僕を忌み嫌う人が増えました
  なので、付いたあだ名が『ドブネズミ』でした」

男「その事件以降、僕は女性と話すのも怖くなりました
  今も、こうやって話していますが、結構キツイです」

と苦笑いを浮かべながらすいませんと呟いた

会長「…………」

会長は、何かを考えているのか腕を組みながらジッと男を見つめた

男は、その目線から逃れるように、俯いた。

男(どうせ、こんな事を話しても、この人も信じてくれないだろう。
いいんだ……。もうこの気持ちにも慣れた。)

少しの間沈黙が続いた、実際は一分位だろうが男からすると

30 : ◆t39JicHd4A [saga]:2012/08/04(土) 23:28:17.26 ID:khBK38/S0
何時間と感じるくらい長い長いものだった。

そして突然、会長は立ち上がり男にこう言った

会長「よし、私が君の女性恐怖症を治してあげる!」

男「…………はい」

男は、予想していたものと違い、思わず素っ頓狂な返事をしてしまった

会長「君の目を見て確信したわ。君はそんなことをする子じゃないって……
   だって、本当に襲ったのなら今頃、私も襲われてるでしょう?」

男「も、もしかしたら、本性を隠してるかもしれないですよ……」

会長「あはは、生徒会長も甘くみられたなー。君がそんな器用な真似が出来るとは
   私には見えないんだけどなー?」

と首をかしげながら、依然として少し震えている男を優しい微笑みで見つめた

男「……信じてくれるんですか?こんな薄汚れたドブネズミみたいな人間を」

会長「こーら、自分の事を下げる発言は止めなさい!それに、貴方は薄汚れてなんて
   いないよ」

会長は、男の額に優しくデコピンをすると、続けて口を開いた

31 : ◆t39JicHd4A [saga]:2012/08/04(土) 23:29:26.44 ID:khBK38/S0
会長「確かに、考えも無しに女性に触れたのは、良くないと思うよ?
   でもね、貴方が生徒会に入ってまだ少ししか経ってないけど、
   他の子以上に真面目に仕事をしてるじゃない。
それを踏まえて、私が君を信用する材料になると思わない?」

そういうと会長は優しく男の手に触れる

男は思わず、手を引っ込めようとしたが、手から伝わる温もりをもう少しだけ

味わっていたいと思い力を抜いた

会長「ね、怖くないでしょ?」

男「…………うぅ」

ニコッと微笑みかけられ、男の瞳から一筋の温かいものが流れ落ちた

それは次第に量が増し、ついに今までの苦しみを吐き出すように泣き叫んだ

会長「…………」

それを見て、男の背中を壊れてしまわないように何度も何度も優しく

撫でてやり、ただジッと優しい微笑みで見守っていた

32 : ◆t39JicHd4A [saga]:2012/08/04(土) 23:30:33.05 ID:khBK38/S0
───────────────
────────────
男「すいません、恥ずかしい所をお見せしてしまい……」

会長「気にしないの。こういう時の先輩でしょ?それに、君の泣き顔も見れたし
   役得よ」

そういうとハンカチを取り出し、男の頬に残った雫を拭いてやる

男「ちょ///自分で出来ますから!てか、いつもこんな事やってるんですか?」

会長「さぁ、どうでしょうね。それより、早く食べましょ?」

とぼけた風に、箸を持ち可愛らしいお弁当箱を再び開けた

男「…………」

男(本当に変な人だなぁ……///)

と嬉しそうに唐揚げを頬張る姿を見て、小さく笑った。

33 : ◆t39JicHd4A [saga]:2012/08/04(土) 23:33:08.88 ID:khBK38/S0

  顔……普通
  スポーツより勉強ができる程度の能力
  あだ名『ドブネズミ』

会長
  顔……綺麗系
  学校でも人気が高く、人の少しの変化も見逃さない
  男とは反対の優等生

今日の投下は以上です。
次回も土日となります、時間ができれば早めに来ます
では、また


【次回】第三話『相棒(きょうだい)』

34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/08/05(日) 02:46:27.14 ID:HfPcE0DW0
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/05(日) 08:10:04.88 ID:jZhY+OIQ0
乙?
36 : ◆t39JicHd4A [saga]:2012/08/05(日) 18:45:30.77 ID:cXZhoWow0
少し早くできた為、投下していきます

第三話【相棒(きょうだい)】
37 : ◆t39JicHd4A [saga]:2012/08/05(日) 18:46:30.71 ID:cXZhoWow0
次の日の放課後

不良A「はっ、最近ヘラヘラしてムカつくんだよ!」

今日も男は、クラスの不良達の標的にされていた。

不良B「最近、オヤジ狩りが流行ってるらしいが、どうせなら
    テメェーが狩られれば俺達は嬉しいんだけどな」

と笑いながら男の髪を掴み、顔に雑巾を押し付けた

不良A「ほら、ドブネズミにお似合いのタオルだぞ。汚いお顔を綺麗にしないとな!
    おい!若、お前も一緒にやろうぜ」

一人の不良がと竹刀袋を持って教室から出る若と呼ばれる少年を呼び止めた

若「……面倒くせぇ、てか飽きねーの?」

と見下すように呟き、教室を出て行った

38 : ◆t39JicHd4A [saga]:2012/08/05(日) 18:48:08.08 ID:cXZhoWow0
不良「ちっ、いいとこの旅館の息子だからって調子のりやがって……」

男(……若)

男は、黙ったまま教室のドアを見つめていた

それからしばらくんの間、掃除用具のロッカーに閉じ込められていた男は、なんとか

最終下校時間に間に合い家路へと急いだ

男(ちっ……、いくら春だからって、この時間は流石に暗いな)

もう日が暮れ街灯の明かりがチラホラと点いていくのを眺めて、溜め息をついた

男(それにしても、昔から若も変わんねーな……ふっ。幼馴染だったから昔から
 よく他の奴らと一緒に、よく遊んだっけなぁ……)

と思い出すように目を細めながら遠くを見つめていると

「うぇっ!」

と変な声を発しながら、石につまずいて、こけてしまった

男「いててて……あーあ、血が出てるな、これ……確か、この辺に公園があったはず
  そこで軽く洗うか……」

と足を引きずりながら、うなだれながら公園へと急いだ

男が公園に着くと、時間も時間なので人っ子一人いなかった。

39 : ◆t39JicHd4A [saga]:2012/08/05(日) 18:49:43.35 ID:cXZhoWow0
男「えっと……、水場、水場はっと……あった、あった」

男は、一本の街頭の明かりを頼りに、目的の給水と蛇口が繋がっている水場を見つける

男「ハァ……派手に血が出てやがる、こりゃあ風呂に入ったら染みるだろうな……」

と一人呟きながら、ポケットからティッシュを取り出し傷口をポンポンと叩き

水滴を拭き取った。

すると、公園の外の道で一つの人影が数人の人影に追いかけている光景を目撃する

男(なんだぁ……?鬼ごっこでもしてるのか)

と思いながら、その人影の集団を目で追っていると、ふとそんな疑問が脳裏をよぎった

その時、男は放課後の不良の言葉を思い出す

『親父狩り』

最近、巷で中年の男性の一人歩きを狙った犯罪が増えているのだった
40 : ◆t39JicHd4A [saga]:2012/08/05(日) 18:50:49.83 ID:cXZhoWow0
男「まさかな……」

そんな不安に駆られながら、男は携帯電話を握り締めながら、

人影が消えていった方へと歩きだした

男「確か、ここら辺だったはず……(……いた!)」

男は遠くの木の下で数人の人影が目に入り、思わず、近くの草影に隠れ、

状況を観察するように隙間から目を凝らした

男(最悪の展開だな……。一人に対して五人はキツいな……
 念のため警察は呼んでおくとして、逃げられる可能性もあるな。)

などと考えていると、雲の隙間から月が顔を出したのか辺り一面が

明るくなり、人影の姿も男からハッキリと分かった。

41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/08/05(日) 18:51:09.35 ID:1ze0b3IL0
第何話〜っているの?
42 : ◆t39JicHd4A [saga]:2012/08/05(日) 18:52:27.32 ID:cXZhoWow0
男(あの人……!?)

男は、驚愕を隠せなかった。なぜなら、囲まれている人間は、男のよく知る人物だった

男(若の親父さん…………)

そう、囲まれている人物は若の父親であり、街一番の宿屋の主だったのだ

男は、それが分かると、そのあとの行動は決まっていた。

男は立ち上がると、勢い良く駆け出し人影の近くで止まり、力いっぱい叫んだ

男「警察を呼んだぞ!!その人から、すぐに離れやがれ!」

と握っていた携帯電話を見せつけるように、人影達に向かって突き出した

「誰だぁ……、せっかく良いところだったのに萎えさせてくれたKY君は?」

「ひゃひゃひゃ、今時、こんな奴もいるんッスね!」

「ヒーロー気取りの勘違い馬鹿だろ?珍しくもねーよ」

「ん?こいつ、どっかで見たことねーか?」

人影達は口々に男を笑い飛ばし、逃げる素振りを見せなかった

43 : ◆t39JicHd4A [saga]:2012/08/05(日) 18:53:28.63 ID:cXZhoWow0
男(なんでだ?どうなってる……)

などと焦っていると、また雲の隙間から月が顔を出し先程は見えなかった

人影たちの顔が照らされていった。

男「!?お前ら……」

男が見た人物たちは、今日まで自分を苛めてきた不良達だった……

不良A「これは驚いたぜ、どこの馬鹿かと思ったら、お前だったのか」

不良B「なんだぁ?ヒーローさんが震えてちゃあダメでちゅようってか?
あひゃひゃひゃひゃ」

不良C「なんだぁ?その鳩が豆鉄砲喰らったような顔はぁ?
    もしかして、俺たちが逃げると思ったのかなぁ?」

不良D「甘い甘い、例え警察を呼んだとしても、こんな街から離れた
    公園に来るなんざ最低でも十分は掛かるだろうからな。
    急がなくても逃げ切れんだよ。馬ァ鹿!!」
唾を吐き捨てながら不良達は笑って男を睨んだ。

大将「男君もういい!儂に構わず逃げてくれ!!なーに、心配することはねぇ
   覚悟は出来てはいるさ……」

男「そんな……そんな事出来る訳……」

男は、拳を握り締めチッと舌打ちをしすぅーっと深呼吸をして

息を整えてその場にひざまずき
44 : ◆t39JicHd4A [saga]:2012/08/05(日) 18:54:11.30 ID:cXZhoWow0
男「おい。お前ら……、相手なら俺がなってやる……。だから、親父さんだけは
  見逃してくれ……」

大将「な、何を言ってるんだ……」

男「いいんだ……。こういうのは慣れっこなんで、親父さんは今のうちに逃げて下さい」

頭を上げ無理矢理笑ってみせた

不良A「カッコつけやがって……お前ごときが俺達を相手にするだって?
    粋がってんじゃねーぞっ!!」

不良B「そんなに死にたけりゃあ、望み通り殺してやるよ!」

男は不良達の容赦ない力に、ただ耐えるようにうずくまりジッと我慢した

大将「やめてくれぇ……もう十分だろ?金ならいくらでも積んでやる
   だから、許してくれぇ」

と一人の不良の足にしがみつき、不良達に泣きついた

不良C「うっせんだよっ!ジジイ如きが俺に触ってんじゃねーよ」

不良の一人に癇に触ったのか先程まで無視していた大将に痛烈な

蹴りが腹に喰らわせた

45 : ◆t39JicHd4A [saga]:2012/08/05(日) 18:55:13.21 ID:cXZhoWow0
大将「ぅごぉ……」

腹を抑えながら大将はその場に倒れ込み、気を失った

男「親父さんっ!!お前らっ話が違うだろ!!」

と大将に駆け寄り抱き起こして体を揺らし、不良達を睨みつけた

不良A「ハァ?俺達がいつ、そんな約束をしたんだよ?
    勝手に勘違いしてんじゃねーよ!」

不良B「そういうこった、残念だったなぁ!お前なんてヒーローになれっこねーんだよ。
    馬ァ鹿!!あひゃひゃひゃひゃひゃひゃ」


「ホント残念な頭してるよなぁ、お前らって……。呆れてものも言えねーぜ…………」

不良B「なn……ふごぉっ!!」

それは一瞬だった……。

突然誰かが現れたかと思うと、不良の一人の頬に向かって強烈な拳を突き刺し

吹っ飛ばしてしまった。

男「お前…………どうして」


若「うるせぇ……気まぐれだ……」

男が見上げた先には、剣道着に身を包みかつての親友の姿があった

46 : ◆t39JicHd4A [saga]:2012/08/05(日) 18:56:11.65 ID:cXZhoWow0
不良A「なんでテメェがここにいやがるっ!」

若「そうだなぁ……テメェらをブチ殺しに?」

とコキコキと首を鳴らしながら、ニヤリと不敵に笑いながら不良達を睨んだ

その瞬間、先程まで余裕であった不良達からは焦りの色が見えた

不良A「ビ、ビビってんじゃねぇ!!相手は一人なんだ数で囲めば
勝てない相手じゃねぇ……」

不良B「だが、奴は剣道の段持ちだぞ……その気になれば俺達なんて……」

不良A(…………剣道段持ち、そうか!)

何かを思いついたのかニヤリと笑い口を開いた

不良A「おい、テメェそういえば剣道部だったよな?いいのか、喧嘩なんてして?
    傷害事件として訴えたら今年の大会は絶望的だなぁ!!」

それを聞いた他の不良達も、口を歪めて笑みを作った

若「ちっ、(起死回生ってか、ヤバイな……)」

と舌打ちをしながら、不良達を睨んだ

47 : ◆t39JicHd4A [saga]:2012/08/05(日) 18:57:10.99 ID:cXZhoWow0
男「若もういい、親父さん連れて帰れ……」

若「…………あぁ?」

若は聞き返すように、男の方を睨みつけた

男「お前が付いてりゃあ親父さんも安心だろうから、あとは俺に任せな……」

若「…………」

若はフラフラになりながらも立ち上がり、ヘヘっと笑いながら自分を見つめる

男に近づき頬に力いっぱい拳を突き刺した

男「なんっ………?」

ガクっと膝から崩れ落ち倒れ込んだ

若「…………そんなフラフラで何ができる?カッコつけてんじゃねぇぞ!
  そこで、寝てろ……」

不良「寝るのはテメェだよ!!」

若「しまt……」

一瞬の隙に真後ろまで近付かれていたことに気付かず、

若は突然の奇襲に体が固まってしまって動けなかった。

48 : ◆t39JicHd4A [saga]:2012/08/05(日) 18:58:03.53 ID:cXZhoWow0
男「うぐぅ……」

若「何しやがる!」

若は、横から突き飛ばしてきた男を睨み驚愕する

男「はぁ……はぁ……ヘヘっ、大丈夫そうだな」

額から血を流しながら、ヘヘっと笑って自分の無事を喜んでいたからだ

若「なんでだよ……なんで、こんな事しやがった!」

若は震えながら、男に叫んだ

男「なぜだか知んねーけどよ、昔よく遊んでた映像が頭に浮かびやがってよ
  気付いたら、このざまさ……」

若「俺はテメェを信用しなかったんだぞ!!なんで、テメェはそこまでできんだよ!!」

若は男の胸ぐらを掴み、瞳を濡らしながら叫んだ

男「俺達に理由なんてねーだろ相棒(きょうだい)」

若「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

若は男の足元に座り込み、子供のように泣き叫んだ

男「ほら、泣いてる暇なんてなさそうだぜ」

男はそういうと、若に手を差し伸べた

49 : ◆t39JicHd4A [saga]:2012/08/05(日) 18:59:07.58 ID:cXZhoWow0
若「テメェと一緒に喧嘩なんざ昔では考えらんねーな!」

男「まったくだ」

若はその手を力強く掴むと起き上がり男の方を見てニッと笑った

男もそれに応えるようにニッと笑う

決着は、早くに決まるかに思えたが……

男「すまねぇ……」

そう呟くと男は音も無く倒れた

若「男ぉ!!」

若もそれに気が付き思わず男へ視線を移す

不良A「ほら、余所見してんじゃねぇよ!」

若「がはっ……くそっ」

不良の持つ木の棒が若のこめかみに直撃する

男も若も意識は保っているものの、もう立ち上がる力は残されていなかった

50 : ◆t39JicHd4A [saga]:2012/08/05(日) 19:00:23.74 ID:cXZhoWow0
若(……ここまでか)

不良A「これで仕舞いだぁ!」

と木の棒を振り上げた瞬間……

ブウォン ブウォン

とどこからかエンジンを蒸す音が公園全体に鳴り響いた

不良A「な、なんだぁ?」

不良B「ま、まさか……」

慌てふためく不良達はキョロキョロと辺りを見渡した

すると公園の入口の方で無数の光が音を鳴らしながら止まっていた

不良B「ヤバいってアイツらここら一帯を占めてる族っスよ」

不良A「ちっ……、仕方ねぇずらかるぞ!」

若「ま、待て………」

若は薄れゆく意識の中、逃げ出してゆく不良達の背中を見送って意識を手放した

51 : ◆t39JicHd4A [saga]:2012/08/05(日) 19:01:25.17 ID:cXZhoWow0
──────────
─────────
若「はっ……」

大将「おう、気が付いたかチビ助……」

若は目覚めると布団の上だった、見慣れた部屋の様子からして、

どうやら自分の部屋らしい。若の横で大将が新聞を読んで座っていた

若「親父……!そうだ、男はっ?痛っ…………」

大将「おい、あんま無茶すんじゃねーよ……男君なら、治療を受けて隣に寝てるよ」

若をもう一度布団に寝かせ説明を始めた

大将の説明によると、若が気を失ったあと何かが起こり暴走族の集団が

若達を旅館まで運んでくれたらしい

大将も旅館に着いた後に気が付いたらしく何が起こったかは男に聞くしかないらしい

そして、男の傷は幸いにも軽傷で済み暫く休めば回復するらしい


52 : ◆t39JicHd4A [saga]:2012/08/05(日) 19:02:17.06 ID:cXZhoWow0
若「…………」

大将「……お前が、男君を嫌いなった理由は知らねぇ……
   だけどよぉ、俺は男君は良い奴だと思うぞ……」

と腕を組みながら微笑みながら若を見つめる

若「いつの話をしてんだよ……とっくに仲直りは済んでるよ……」

と面倒臭そうに大将を睨み布団から起き上がりドアへと歩いていった

大将「おい、どこ行くんだよ」

若「…………どうしようもねぇ馬鹿のとこ」

とだけ呟くと部屋から出ていき隣の部屋の前で止まり深呼吸をする

若「入るぞ……」

ノックを二回鳴らしドアノブを回し静かにドアを開けた
男「もう食べれないっすよ///」

女将「ダーメ、私が食べさせてんだから残さず食べないと帰らせないからね」

若「は……」

若は口を開けたまま立ち止まっていた。なぜなら、自分の母親が友人に

果物を食べさせている光景を見てしまった為である

53 : ◆t39JicHd4A [saga]:2012/08/05(日) 19:03:03.42 ID:cXZhoWow0
女将「なんだい、起きてたのかい。ほら、さっさと入りな」

男「おう、元気そうで良かったぜ」

若に気付いたのか二人は、それぞれ思い思いの言葉を口にする

若「…………ていけ」

女将・男「「えっ?」」

若「やっぱり、出て行けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

その日は、男にとって久しぶりに賑やかな夜となった

54 : ◆t39JicHd4A [saga]:2012/08/05(日) 19:04:16.04 ID:cXZhoWow0
──────────────
─────────────
次の日

男は相変わらずクラスから腫れ物扱いであった

しかし、いつもの不良メンバーは今日はまだ学校に来ていなく

男はいつもよりソフトな苛めを受けていた

そんな時、男の前に差し出される一本あった

若「ほら、そろそろ飯だろ食いに行くだろ?」

と若が声を掛けた事により、教室が一気に騒がしくなった

男は、少し考えフッと笑い

男「しょうがねぇな……一緒に食ってやるよ相棒(きょうだい)」

と照れ臭そうに笑いながら、若の手を掴んだ

そのあと二人は、会わせたい人がいるとか

部活や生徒会の話をしながら教室から出て行った瞬間シーンっと急に静かになった

55 : ◆t39JicHd4A [saga]:2012/08/05(日) 19:04:42.06 ID:cXZhoWow0
委員長「…………ちっ」

ただ一人の舌打ちだけが響いて

56 : ◆t39JicHd4A [saga]:2012/08/05(日) 19:09:09.06 ID:cXZhoWow0
これで、今日の投下は以上です

次回もまた来週に来ます

【次回予告】……第四話『ピザは、なぜ丸いのか?』

話数には、特に意味はないです。タイトルだけの方がいいですか?

レスありがとうございます

では、また
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岐阜県) [sage]:2012/08/05(日) 20:17:13.54 ID:+Dic2D9U0
夏だなぁ
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/08/05(日) 21:59:27.29 ID:6FDMzsSao
うん。夏だ。
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/08/05(日) 23:40:34.90 ID:lsTK1Ppxo
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/06(月) 09:02:13.37 ID:U9o8MLBk0
乙ー

>>1のやりたいようにやれば?
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