このスレッドはSS速報VIPの過去ログ倉庫に格納されています。もう書き込みできません。。
もし、このスレッドをネット上以外の媒体で転載や引用をされる場合は管理人までご一報ください。
またネット上での引用掲載、またはまとめサイトなどでの紹介をされる際はこのページへのリンクを必ず掲載してください。

侘助「じゃあ俺、いくよ。ばあちゃん。」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2012/08/04(土) 21:04:51.65 ID:iiyzQ+iAO
アメリカ、カーネギー大学ロボティクス研究所。



研究員A「――――……本当かよ」

研究員B「ああ。遂にやったらしいぜ、アイツ」


研究員C「ハッキング用AIだろう?」


研究員B「ああ、結局全部ひとりでやっちまったらしい」


研究員A「……誰とも関わらず自分で創ったAI、か。さぞがっぽりともうけるんだろうなぁ。独りでよ」

研究員C「まぁ頭脳は認めるが、性格があれじゃな……」


研究員B「もう国防からお呼びがかかってるらしいぞ」


研究員A「ケッ。それで、そのAIの名前は?」


研究員B「たしか……ラブマシーン」



研究員C「フ、フフッ」

研究員A「ハハッ!アイツにぴったりな名前じゃないか!ラブマシーン!愛に飢えてますってか?」


研究員B「ハハ、お。オイオイ、来たぜ」




侘助「…………」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1344081891
【 このスレッドはHTML化(過去ログ化)されています 】

ごめんなさい、このSS速報VIP板のスレッドは1000に到達したか、若しくは著しい過疎のため、お役を果たし過去ログ倉庫へご隠居されました。
このスレッドを閲覧することはできますが書き込むことはできませんです。
もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713522243/

旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713353246/

木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1713351945/

いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713279251/

【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713277692/

こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713183168/

【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/

アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713089503/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2012/08/04(土) 21:12:03.63 ID:iiyzQ+iAO
研究員A「ヘイ、ワビスケ。調子はどうだい?」


研究員B「オイ、やめとけよ……」



侘助「……別に。普通だが」


研究員A「ワァーオ聞いたかよ、普通だとさ。さっすが天才科学者は謙虚さが違うねぇ」


研究員C「喜べよワビスケ、これでお前も大金持ちの仲間入りだ。その金でお前の大好きな愛も買えるさ」


研究員A「さて。しがない我々凡人は、グループで研究を進めるとしますかね……」


研究員B「バイ、ワビスケ」


侘助「…………」






うるせぇよ。
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/04(土) 21:12:57.15 ID:EEc8rstIO
つまんねぇよ。
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2012/08/04(土) 21:21:15.29 ID:iiyzQ+iAO
結局日本だろうがアメリカだろうが、どこに行っても人間ってのは同じらしい。

人の成功を妬み、羨み、拒絶する。


自分とは、違うものをつまはじきにする――――。



確かに元々頭は良かった方かもしれない。

東大にも他の連中が血眼になっている中で、するりと現役合格。そのまま現役卒業。


その後アメリカの大学でハッキング及びクラッキングの研究をしていたが、俺にはもうひとつの目標があった。






それが、人工AIの開発。
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2012/08/04(土) 21:26:35.03 ID:iiyzQ+iAO
ハッキングとクラッキングの研究を続けていても、入る金の量はたかがしれている。

もっと、一気に、莫大な金を手にいれる必要があった。


そして通常業務とは別に、人工AIの開発。

誰の助けも借りなかった。

全てを自分ひとりでやった。




それからおよそ数年で、結果は出た。


6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2012/08/04(土) 21:36:13.96 ID:iiyzQ+iAO
日本。


侘助「あっ、ちぃ……」



十年ぶりの日本は、相変わらずの蒸し暑さだ。

でてきた頃と変わりゃしねえ。


だが空港を出て歩いていると、暑さよりもよほど俺を失望させるものがそこにはあった。



せまい道路にぎゅうっぎゅうに押し付けられたような車の群れ。


人混みにさらされた無気力なサラリーマンの群れ。


頭がスッカラカンってことを激しく自己主張してやがる若者の群れ。




侘助「ほんと……何にも変わりゃしねぇな、この国は」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2012/08/04(土) 21:46:17.37 ID:iiyzQ+iAO
車を走らせていると、急な渋滞に出くわした。


侘助「なんなんだよ、ったく……」



窓を開けて外を確認すると、どうも祭かなにからしい。

歩道ではジジババとガキどもがうじゃうじゃと色めきたっている。


侘助「ふざけやがって……」



まだここから実家まではかなり距離がある。

この調子でいくと着くのは夜になりそうだった。


侘助「チッ」



今日はばあちゃんの誕生日。

おそらく一族が総出で家に集合しているはずだ。


分かってて来た。


分かってて来たが――――。





もう一度激しく、舌打ちをした。
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2012/08/04(土) 21:54:43.87 ID:iiyzQ+iAO
同時刻、陣内家。


健二「どうしよう!OZに入れないよ!」


佳主馬「落ち着きなよ。サポートセンターに連絡」


健二「それだ!」ピピピ




サポートセンター「あなたの携帯電話を、OZメンバーとして認識できません……――」



健二「か、かからない!かからないよ!!」


佳主馬「落ち着きなって……」



「小磯くん?」


健二「わぁ!」


「電話……東京の、佐久間さんって人から」

9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2012/08/04(土) 22:03:09.97 ID:iiyzQ+iAO
健二「人間じゃない?人間じゃないって、どういうこと?」

佐久間「AIだよ。ハッキング用AI。通称、【ラブマシーン】」



佐久間「――――昨日、OZ中に変なメールが一斉送信されたんだ」


健二「変な、メール?」



健二「――――2058桁……最初の一文字は?」


佐久間「【8】」




佐久間「――――解いたってのかこのバカ!!」


健二「何かの問題だと思って思わず……」


佳主馬「……すげえ」



佐久間「――――とりあえずその受話器でサブのアカウントとっといたから!何の権限もないけど、無いよりはマシだろ?」


健二「うん!ありがとう佐久間」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2012/08/04(土) 22:05:23.48 ID:iiyzQ+iAO
今日はここまで。

11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/08/04(土) 22:38:42.03 ID:3vLyCv7Io

侘助サイドか。原作通りでオリジナル要素はなし?
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2012/08/04(土) 22:57:48.58 ID:iiyzQ+iAO
サマーウォーズが完成されている物語だからオリジナルは難しいかも。


侘助の心情をメインにいきたいです。
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/05(日) 00:20:17.19 ID:BNMYKDOjo

面白そうだな頑張れ!
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/05(日) 03:06:39.27 ID:pAtXvPy50
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/08/05(日) 13:09:52.84 ID:dd67mngso
鰤かと思った乙
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) :2012/08/05(日) 21:50:55.41 ID:8zb+8KE10
ばあちゃん「面をあげろ。侘助。」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) :2012/08/06(月) 04:26:57.54 ID:bwBF+pKU0
これは期待
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/06(月) 14:10:22.04 ID:mNAbM6tKo
LチップとかOチップとか集めるのめんどいんだよ侘助!
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/06(月) 22:24:12.97 ID:Q+joSPQjo
侘助めっちゃ好き
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/07(火) 04:55:27.97 ID:EwQwjqyK0
これはちょっと……いやすごく期待してる
21 :1 :2012/08/07(火) 20:07:13.12 ID:5+e6RlUAO
すいません。

>>8>>9の陣内家のやりとりは、侘助が着いた次の日なので無かったことにしていいですか?


>>7から始めさせて頂きます。
22 :1 :2012/08/07(火) 20:28:24.01 ID:5+e6RlUAO
>>7の続き


同時刻、陣内家。


夏希「――――ごめん!」


健二「無理です!」

夏希「改めて、バイトの内容を説明するね?」


健二「無理無理無理っ無理ですって!」


夏希「――――がっかりさせたくないの!いつも元気なおばあちゃんが寝込んでるって言うから、勢いで言っちゃったんだもん……」


夏希「私の彼氏連れていくまで、しんじゃだめだよって……」




健二「――――わかりました……」


夏希「ありがとう!じゃあ今からは先輩っとかじゃなくて、夏希ちゃん♪とかって呼んでね」


23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2012/08/07(火) 20:33:42.45 ID:5+e6RlUAO
夏希「設定があるの」


健二「設定?」


夏希「東大卒で、旧家の出身で……あとアメリカからの留学帰りってことになってるから」


健二「――――僕と真反対じゃないですかァ!!」


夏希「大丈夫大丈夫。いこっ?」


健二「無理無理無理っ!やっぱり無理ですって!!」



24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2012/08/07(火) 20:42:42.03 ID:5+e6RlUAO
最初は、案外簡単なもんだろうと思っていた。


いや正直、ナメていた。

ハッキング用AIなんざ俺にかかれば一年、どうかしたら数ヶ月で完成させることができる。


そう思っていたんだ。


だが実際の作業は、熾烈を極めたと言っていいほど難航した。

なにせ独りだ。仲間がいない。


なにもかも自分だけでやらなきゃならなかった。

徹夜は当たり前、ひどけりゃ三日は寝ずに作業。

さすがの俺でも身体にガタが来たのか、作業を始めて三ヶ月で病院へ行った。

医者は過労死寸前だと怒っていた。笑ったね。



だから本当に大変だったのは作業であって、別に独りでいたことじゃなかった。
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2012/08/07(火) 20:51:04.97 ID:5+e6RlUAO
昔から、独りは慣れっこだった。


愛人の子。


それだけで風当たりは強く、ばあちゃんの正子である歳の離れた兄弟たちは、皆で俺をつまはじきにした。


だが姪っ子のような少女(正式には孫的立場にあたる)夏希は、いつも俺にくっついていた。

今思えば夏希は、俺が人生で心を開いた数少ない人物の一人かもしれない。



学校でもあんなバカどもと会話レベルが合う事もなく。






俺は独りでここにきた。


繰り返すが、俺にとって独りは普通だったのだ。
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2012/08/07(火) 21:02:42.01 ID:5+e6RlUAO
だからプライドがあった。

独りでここまでやってきたんだ。


どんなにきつかろうが、お前らの手なんざ借りやしねぇ。


俺独りで全て完成させてみせる、と。






次第に、身体が疲れていった。


なんでAI作ってんのかも、分からなくなった。


頭の中がぐちゃぐちゃになった。




ある日ベッドの中で、独りで達成する目的が変わっていることに気付いた。
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2012/08/07(火) 21:09:27.69 ID:5+e6RlUAO
独りでこれを……、自分だけの力でこの所業を成し遂げたら、
もし成し遂げることができたなら、



皆が俺を認めてくれるんじゃないか?



今まで本当に全力で何かに打ち込んだことがなかった。


だが今、俺は必死だ。


『がんばっている。』



俺が、もしがんばってがんばって、がんばり抜いたその時は、



皆が笑顔で俺を迎えてくれるんじゃないかな?




そう思った。
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2012/08/07(火) 21:15:50.74 ID:5+e6RlUAO
すぐに布団をぶっ飛ばして、ベッドから立ち上がった。


パソコンの前に座り直した。




誰にもやらせるわけにはいかない。


この仕事は、俺が、俺一人が達成させるんだ。


そうすれば、きっと、



そうすれば、きっと――――。




それから一ヶ月で、AIは完成した。


名前を決めるにあたり、真っ先に『ラブマシーン』が浮かんだ。


無意識的に、これしかないと感じた。



その後アメリカの国防がテストをしてみたいと言うのでデータを引き渡し、




俺の仕事は終わった。




俺は胸を張って帰れるはずだ。


あれだけのことを一人で成し遂げたんだ。




ばあちゃんの誕生日を、祝ってあげよう。
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2012/08/07(火) 22:03:28.88 ID:5+e6RlUAO
今日はここまで。
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/07(火) 22:11:38.99 ID:xrrlWppDo
ハピバースデイ
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/09/17(月) 21:11:30.57 ID:nLkpFjRSo
ブリーチじゃない・・・だと・・・
12.19 KB   
VIP Service SS速報VIP 専用ブラウザ 検索 Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)