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少女「力を・・・欲しますk一夏「死ねよクソアマ」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 21:15:28.88 ID:EwaPyvXG0
ISのアニメ範囲改変SSです。

少ない文章量で最初から最後までストーリーを追っていくので、
省略しすぎで唐突な表現になった個所があります。
SSというより、一種のシナリオ案の様なものとして読んでもらえると嬉しいです。

エロ無し、ラブコメ要素無しですが、
皆さんがクソ判定するまでは投下を続けたいと思っています。

改変されたのは、主に一夏と束の性格、白式の仕様です。

初SSなので、至らない点は指摘してください。
では

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1345032928
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バームくんへ @ 2025/06/11(水) 20:52:59.15 ID:9hFPsRzXO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1749642779/

秘境 @ 2025/06/10(火) 00:47:53.81 ID:BDVYljqu0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1749484073/

【安価】上条「とある禁書目録で」鴻野江「仮面ライダー」【禁書】 @ 2025/06/09(月) 21:43:10.25 ID:qDlYab/50
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1749472989/

ツナ「(雲雀さん?!)」雲雀「・・・」ビショビショ @ 2025/06/07(土) 01:30:36.87 ID:AfN9Rsm0O
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【安価コンマ】障害走を極めるその5【ウマ娘】 @ 2025/06/06(金) 01:05:45.46 ID:RaUitMs20
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1749139545/

貴様たちの整備のお陰で使いやすくしてくれてありがとう @ 2025/06/04(水) 20:56:21.03 ID:QjuK6rXtO
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阿笠「わしの乳首に米粒をくっ付けたぞい」コナン「は?」灰原「は?」 @ 2025/06/04(水) 04:01:13.39 ID:ZjrmryLdO
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レッド(無口とか幽霊とか言われるけどまだ電脳世界) @ 2025/06/02(月) 21:21:00.13 ID:ix3UWcFtO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1748866860/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 21:17:43.16 ID:EwaPyvXG0
――千葉県某所、1900

箒「この曲がり角を左・・・か」

篠ノ之 箒は、立ち止まって周囲を見渡した。
学園が運行するシャトルバスの停留所まで、地図によればあと5分はかかる。

箒「もうすぐ見えてくるはずなのだが・・・」

戦闘用強化スーツ「インフィニット・ストラトス」が発表されて6年になる。
警戒、索敵から交戦までを全て単騎で担うことが可能なこの兵器は、
世界の軍需産業を震撼させたが――

漸く自社開発に乗り出し始めた各企業を未だに悩ませているのは、スーツの中核部品による制約だった。
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 21:20:40.36 ID:EwaPyvXG0
脳波を用いて操縦者とコンタクトし、兵装の展開・制御機能を提供する半径10cmほどの円盤は、
一切の男性の操作を受け付けない。
加えて、開発者である篠ノ之 束本人にしか製造が出来ないことが判明した。

それでも、素っ裸でレーダーに捕捉されないほどの武装密度、
短距離なら輸送の必要が無いという利便性の高さは、
東京湾の東岸に専用の訓練施設を設けさせるには十分だった。

非常識に長い髪を揺らして歩く彼女も、今春の入学を許可された精鋭の一人かもしれない。
彼女が尾行に気づいていなかったとすれば、恐らく浮ついた気分が原因だろう。

男たちは手際よく箒を取り押さえ、猿轡を噛ませてパール塗装のレジアスエースに放り込んだ。
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 21:21:43.92 ID:EwaPyvXG0
序章

箒「・・・・・・・・・」

少女は、まだ状況をのみ込めないまま、薄汚いコンクリートの廊下を歩かされている。
作業服姿の男二人が両脇を固めているため、体力に自信がある彼女にも到底逃げられそうにない。

箒(私は・・・・・・犯されるのか? こんな場所で・・・)

箒(それならせめて……)

箒「畜生っ・・・・・」

男A「どうした、怖いのか?」

箒「ゲスどもが・・・」

男B「安心しろ、手荒な真似はしない」

男B「こちらの要求が満たされれば、直ちに解放する。約束しよう」

箒「・・・・・・ッ」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 21:23:25.67 ID:EwaPyvXG0
リーダー格らしき男が、錆付いたドアを開けた。
何も無い、倉庫のような部屋だった。
特記すべき点があるとすれば、2点ほど。

部屋の対角に、得体の知れない金属塊がうずくまっている点。
もう一つは、一人の少年が椅子に縛り付けられている点――

箒「い・・・・・・一夏あッ!」

少女と同年代の少年は目を開けて、ドアへ目を凝らした。
彼女と同じく、話す自由は残されているようだった。

一夏「箒か。6年ぶりだな。・・・元気にしてたか」

箒「な・・・何なのだその反応はっ!」

箒「その痣……貴様ら、一夏に何をしたッ!」

男A「……お嬢さん、失礼するよ。こちらにも仕事があるんでね」

男は拳銃を取り出し、箒の背中に突きつけた。
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 21:25:07.87 ID:EwaPyvXG0
男B「さて、織斑 一夏。貴様に最後の選択権をやる」

男B「今すぐあれを起動しろ。拒絶するなら・・・この娘を殺す」

一夏「・・・・・・」

男B「我々は本気だ。次の<サンプル>が偽者ならば、本社がただではおかない」

一夏「・・・・・・」

男B「選べ。バラバラにされる前に、この娘と我々を救うか、全員殺すか」

男B「いずれにせよ殺されるのだ。迷っても仕方が無いのは分かっているだろう」

一夏「ああ、分かってる」

少年は床を見つめて言った。

一夏「……少し、二人にしてくれないか。彼女に言い残しておきたいことがある」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/15(水) 21:26:42.14 ID:db5lRacIO
下手な地の文とコピペになりそうな注意書きか
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 21:26:43.45 ID:EwaPyvXG0
男B「遺言か。その歳で殊勝なことだ」

男B「……良いだろう。貴様に3分やる」

男B「我々も人情を理解しないわけではない」

箒は、一夏と背中合わせに置かれた椅子に縛り付けられた。
男たちが部屋を離れたのを見て、箒は反対方向を向いたまま一夏に話しかけた。

箒「……一夏。こ…これは何なのだ?」

箒「おおよその見当は付くがな…」

一夏「いや、今回は束さんは関係ない」

一夏「これは……俺一人の問題なんだ」

箒「……?」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 21:30:20.65 ID:EwaPyvXG0
一夏「本当は……俺一人で済むはずだった」

背後で無機質な女性の声がした。

??「認証:織斑 一夏。階級、民間人」

箒「!?」

一夏「俺がなかなか応じないから、箒まで巻き込んでしまったみたいだ。ごめんな」

??「ジェネレータ点火。キャパシタ電荷により発進可能」

一夏「これからちょっと荒れるかもしれないけど…しばらく付き合ってくれ」

箒が振り返ると、椅子に座っていたのは一着の強化スーツだった。

※章区切りやめた。短すぎ
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 21:32:28.63 ID:EwaPyvXG0
――監視部屋、2000

男A「あ…ISが起動しましたっ!」

ヘッドホンを着けた男が叫んだ。

男B「説得に成功したか……行くぞ。<荷造り>だ」

1年近く何の報酬も得られなかった仕事から、ついに解放されるかもしれない。
男たちの期待は、部屋に入った瞬間掻き消えた。

箒を抱えたISが一機、ブレードを向けて停止している。

男B「なっ……なぜだ。どうやって展開した」

一夏「皆さんには悪いけど、獲物はまたの機会にさせてもらう」

一夏「こんな汚仕事に飛びついたのが運の尽きだ。命は大切に」

男A「クソガキがあっ……!!」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 21:38:55.43 ID:EwaPyvXG0
箒「ひいっ……」

男は一夏に向かって発砲したが、当然命中することはない。

男B「実弾が……」

一夏「SNA、アクティベート」

※SNA……シールド無効化攻撃(Shield-Nullifying Attack)

ブレードが二つに割れ、非実体の刀身が姿を現した。

箒「何をするつもりだ、こいつらを殺すのか、一夏」

一夏「いや、壁に穴をあけて出る。落ちるなよ、箒」

炭酸カルシウムが煙を上げて融けるのを、男は呆然と見つめていた。

・・・・・
・・・
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 21:40:24.48 ID:EwaPyvXG0
――上空、2010

??「速力、85kt。シールドエネルギー、残10%」

箒「ど、何処に行く、一夏」

一夏「…千冬姉に頼ろうかと思ってるんだ」

箒「すると…IS学園か?」

一夏「ああ。まもなくこっちのトランスポンダに反応するはずだ」

無線「未確認機に告ぐ。誘導信号に従い降下せよ。こちら施設コードPub-714」

・・・・・
・・・


ISは、埋立地の駐車場に着陸した。
すぐに、眼鏡の女性が駆け寄ってきた。

山田「武装を切断して、こちらの指示に…って、男の子!?」

※需要ある?
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 21:41:10.50 ID:EwaPyvXG0
――応接室、2100

ガラガラガラ…

山田「し…失礼します、織斑先生」

千冬「ご苦労。また迷子の米…………」

山田「せ、先生?」

千冬「……」

一夏「……」

千冬「い……一夏か? …まさかお前……」

一夏「ごめん、千冬姉。どうしてm

ピシャッ

山田「ちょっと、先s

千冬「黙れ。一夏、言ったはずだ。なぜ助けを求めなかった」

バキッ

一夏「うぐっ… 仕方なかったんだ。箒も一緒だったから」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 21:41:40.64 ID:EwaPyvXG0
一夏「俺が何をしたのかは分かってる」

箒「……何の話だ、説明しろ、一夏ッ!」

千冬「口を慎め、篠ノ之の妹」

一夏「……」

千冬「山田教官、話がある」

ガラガラガラ…

箒「おい、何か言え、一夏。なんでお前は誘拐された。どうしてISが動かせる。さっきの発言は何だ」

一夏「……機会があれば、な。安心してくれ。箒にはこれ以上迷惑をかけないから」

箒「そんなことで満足すると思ったか? なあ一夏」

箒「どうしたんだ。6年前の一夏とは別人みたいだぞ?」

箒「あのころのお前はどこに行った」

一夏「……」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 21:42:44.68 ID:EwaPyvXG0
ガラガラガラ

千冬「決まりだ。一夏、お前には学園への入学が許可される。理事長からの特別保護措置だ」

箒「はあっ!?」

一夏「……」

千冬「愛越高校の入学は取り消しだ。他の生徒と同じく、ISの訓練に取り組んでもらう」

千冬「女生徒ばかりだといって浮かれるなよ。…まあ、今のお前にはその心配もないか」

箒(どういうことだ…一夏が学園に入学!?)

箒(また一夏と同じ学校に通えるのか…… 少し調べねばならんな)

千冬「篠ノ之の妹、何をにやにやしている」

箒「いえ、何でもありません、教官」

山田「織斑先生の弟君、キミの機体は分解して調べさせてもらうよ」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 21:43:16.85 ID:EwaPyvXG0
――教室、1000

1年1組の教室が他のどの場所よりも騒がしいのは明らかだった。
織斑 千冬は、教卓に辿り着くなり教務手帳を叩きつけた。

生徒「ええっ!? あれが織斑先生!?」

生徒「確か、あの男子の名字も織斑、だったよね……」

千冬「初日からこのざまは何だっ!? お前たちは実戦に投入される可能性が十分にある。そのことを自覚して行動しろ」

千冬「男子生徒が珍しいか、え?」

千冬「戦争に行けばもっと珍しいものをいくらでも見せてやる。眼球でも手首でも」

生徒「……」

千冬「ふん。……ではホームルームを始める。礼は省略」

千冬「まずは施設の概略からだ。……

・・・・・
・・・
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 21:44:21.30 ID:EwaPyvXG0
千冬「……早速だが、お前たちは1か月後にクラス対抗戦を控えている」

千冬「そこで、我々もクラス代表を選出しなければならない」

千冬「自薦、他薦は問わない。何かある者は」

生徒「はーい。先行入学生の織斑君が良いと思います」

生徒「織斑君には本当にこの学校に入る資格があるのか、見せてほしいです」

生徒「じゃあ私も。なんか納得が行かないですし」

箒「……」

金髪の少女が立ち上がった。

セシリア「ちょっとお待ちなさい!」

セシリア「このわたくし、イギリス代表候補生のセシリア・オルコットこそが代表にふさわしいのです」

セシリア「男子生徒などが代表など、あるまじきことですわ!」

全員「……」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 21:46:05.53 ID:EwaPyvXG0
セシリア「でも確かに、織斑君とやら、あなたがIS学園の生徒たる資格があるとは思えませんわね」

セシリア「クラスの皆さんのために、わたくしが確かめて差し上げましょう」

セシリア「教官、わたくしは織斑君との真剣勝負を所望しますわ」

セシリア「わたくしが勝てば、もちろん、代表の座はいただきます」

セシリア「よろしいですわね、織斑君」

無表情にセシリアを見つめていた一夏は、千冬に向き直った。

一夏「織斑教官、俺は代表を希望しません」

一夏「ここはオルコットさんを代表にするべきです」

千冬「……ふむ。だが、お前たちの模擬戦も面白い」

一夏「なっ!?」

千冬「今週の土曜日、1700に第三アリーナだ。全員、異論はないな?」

一夏「教官、結果は分かり切ってるじゃありませんか。 どうして……」

千冬「馬鹿者。口を慎め」

セシリア「ふふっ、無様ですわね」

セシリア「クラスの前で赤っ恥をかかせて差し上げますわ」

・・・・・
・・・
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 21:46:36.42 ID:EwaPyvXG0
――生徒寮、2100

一夏は扉を2度ノックした。

一夏「箒、どうやら俺が同室らしい。入っていいか」

ドンガラガッシャーン

一夏「大丈夫か、箒」

箒『だ、大丈夫だ。転んだだけだ。入れ』

ガチャッ

一夏「予想してたよりもだいぶ広いな。3人部屋って言われてもおかしくない」

箒「その、一夏」

一夏「何だ?」

箒「ドアの前で、入っていいか聞かれるのは恥ずかしい。何も言わずに開けて構わないぞ」

一夏「でも、それだと……」

箒「構わないと言っている。私とお前の仲だろう?」

一夏「……」

・・・・・
・・・
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 21:47:10.95 ID:EwaPyvXG0
――代表決定戦当日、1655

千冬「準備は良いな、オルコット」

セシリア「ええ。万端ですわ。……なぜ先生方が二人ともこちらへ?」

セシリア「あの青二才を手伝わなくてもよろしいので?」

山田「……」

千冬「……相手、織斑の専用機は、未登録のコアを用いた第三世代機だ」

千冬「兵装は、SNAシステムを搭載した対IS刀、『雪片』と『滴露』の2丁のみ」

※「滴露」…「つゆしずく」 一夏の左手用ブレード。

千冬「推進装置の出力は強大だが、そもそもの燃料搭載量は非常に少ない」

千冬「持久戦に持ち込めばすぐに機能停止するだろう」

山田「オルコットさん……候補生だからって、無理はしないでね?」

セシリア「分かっておりますわ! そんな不良品IS、1分で片づけて見せます」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 21:48:07.10 ID:EwaPyvXG0
セシリア「ティアーズ!」

セシリアの全身を、青い装甲が覆った。

ティアーズ「認証、セシリア・オルコット。ジェネレータ、出力87%。全モジュール正常」

セシリア「行きますわっ!」

スピーカー「試合開始。両デッキ、リリース5秒前。4、3、2、1」

電磁カタパルトに電圧が印加されると、イギリス製のISは4Gの起動加速度で競技場へ滑り出した。
陽光のもとへ出るのとほぼ同時に、ビット展開の指示をする。

セシリア「射出、A・B・C・D」

4基の青い楔が、敵を迎え撃つべく放たれた。

一夏「……」

主砲、スターライトの射線をかわした敵に、4本の光線が無慈悲に襲い掛かる。
だが、白いISはそれらを全てやり過ごし、アリーナの反対側から疾駆してきた。
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 21:49:14.50 ID:EwaPyvXG0
セシリア「思ったより速い……ですわね。でもっ」

セシリア「射撃管制、ディスパーションモード」

今度は照準点を最適角度でずらしたビームが、敵の進路を妨害する。
一夏は突進をやめて、ビットの一つへ飛び込んでいった。

セシリア「ビットから落とそうなど、無駄なことを……っ!?」

セシリアは、滴露がビットCを真っ二つにする瞬間を見逃した。

セシリア「み……見えなかった!? あの剣の動き……」

セシリア「そんな……」

セシリアは、当初から戦略を誤っていた。
高速・近接戦闘型のISに、ビットを散開させて戦うなど、無駄弾でエネルギーを消耗するだけだ。
本来なら、一方向からの面射撃で敵を寄せ付けず、
イナーシャキャンセラでも対応できないほどの加速度で疲弊させなければならない――

――焦燥に追い立てられるセシリアに、そんなことを理解する余裕はなかった。

セシリア「ビットが4基……3分ももたずに、ですの!?」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/08/15(水) 22:00:44.21 ID:fOQr3rNE0
主人公無双とか…








続けて下さい
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/15(水) 22:09:37.42 ID:wpgLbhdIO
ワンサマー無双wktk
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sagesaga]:2012/08/15(水) 22:09:42.13 ID:90K2uN5vo
色々変わってるのな
とりあえず期待
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 22:18:29.96 ID:EwaPyvXG0
訳も分からずスターライトを連射するティアーズに、一夏が肉薄する。

一夏「……零落白夜」ガチャッ キュィィィィィン…

※白式の武装名、能力名は束さんが後から付けました

右手側の刀身が二つに割れ、1.5mほどの非実体剣が姿を現した。

セシリア「そんな……いやあっ……」

ギュィィィィン

シールドを貫通してスターライトが叩ききられた瞬間、ブザーが鳴った。

スピーカー「ぶ、ブルー・ティアーズ、全武装喪失により、勝者、お、織斑 一夏……」

※インターセプター? んなもん知らん

・・・・・
・・・
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 22:20:51.91 ID:EwaPyvXG0
――翌日:1300、カフェテリア

一人で黙々と昼食を口にする一夏に、箒が声をかけた。

箒「一夏、ここ一週間、ずっと一人で食べていたのか……?」

一夏「ああ」

箒「それでは…寂しいだろう。私が特別に隣に座ってやろう」

一夏「いいのか、箒。入学初日から俺のこと、誰も見向きもしないんだぞ」

一夏「箒まで嫌われるんじゃないか?」

箒「私は構わないぞ。こ、これはお前の調査のためだからな。勘違いするな」

一夏「そうか。箒って意外と優しいんだな。小学校のころは俺を斬りつけるのが日課だったのに」

箒「ばっ…… や、やめろ。そんなことより」

箒「オルコットだが……今日は朝から部屋に籠ったきりらしい」

箒「気に……ならないか?」

一夏「……」

・・・・・
・・・
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 22:22:18.94 ID:EwaPyvXG0
――2000、教務室

千冬「お前の仕業だな、一夏」

一夏「……」

千冬「隠しても無駄だ。なぜこんなことをした」

一夏「……お、俺はオルコットさんがs

千冬「なんだ、情けをかけるのか?」

千冬「私がオルコットをお前と対戦させた理由、分かっているんだろう?」

千冬「奴は世間の厳しさを知った。必要な教育だった」

一夏「そんな、教官…」

千冬「教員の邪魔をするな。次、こんなことをすれば許さん。分かったな」

一夏「……」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 22:22:59.80 ID:EwaPyvXG0
――0800、教室

生徒「あっ、オルコットさん」

セシリア「」ビクッ

生徒「聞いたよ、災難だったわね」

セシリア「?」

生徒「あれ、知らないの? 昨日の専用機SW検で、ティアーズからウイルスが検出されたんだって」

セシリア「えっ……!?」

生徒「誰が仕掛けたのかは知らないけど……もうバレバレだよね」

生徒「ホント、あの織斑って奴、むかつく」

生徒「オルコットさん、今度こそはあいつをボコボコにしてやってよ。応援してるから」

セシリア「え、ええ、そうですわね……」

セシリア(ウイルス……? そんなはずはありませんわ。ティアーズの状態は完全だった)

セシリア(まあでも、誰か知りませんが、助かりましたわ……)
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/08/15(水) 22:25:07.65 ID:EwaPyvXG0
言うの忘れてた。
プロットの都合上、鈴は登場しません。
俺自身はセカン党員なんで、誤解しないように。
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 22:25:54.76 ID:EwaPyvXG0
――クラス対抗トーナメント、決勝戦

ギュィィィィィィン…

候補生「ちくしょうっ……!」

スピーカー「タイフーンIV、推進装置喪失。操縦者の安全を考慮し、試合終了。勝者、織斑 一夏」

候補生「男のくせに……!」

一夏「……」

一夏「終わった、か……」

箒「今度は実力で勝ったな、一夏」

一夏「あ、ああ。勝ったみたいだ」

箒「どうした、もっと喜べ。優勝だぞ」

一夏「箒は、俺のこと、疑わないのか……?」

一夏「みんな、ティアーズにウイルスを仕掛けたのは俺だと思ってるのに…」

箒「なぜお前がそんなことをする必要がある? 実力でも圧倒していたはずだ」

一夏「……」

スピーカー「表彰を受ける者はステージへ」

・・・・・
・・・
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 22:28:33.78 ID:EwaPyvXG0
教官「優勝者、織斑 一夏く…くん。おめでとう」

パチパチパチ…

一夏「ありがとうございます、教官」

教官「本当は女の子にあげるはずの賞品だったから……」

教官「とりあえず、渡しておくね。これ」

一夏「……?」

教官「知らないかな。モッピーのキーストラップなんだけど」

教官「身に付けておくと意中の人と結ばれるっていう迷信があるの」

一夏「そ、そうですか。ありがたく頂きます」

教官「もし興味がなかったら、誰かに渡しちゃってもいいからね」

一夏「はい」

・・・・・
・・・
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 22:29:07.58 ID:EwaPyvXG0
――2000、生徒寮

一夏「そうだ、箒」

箒「?」

一夏「これ、渡しとくよ。モッピーのストラップ」

箒「えっ?」

一夏「付けてると意中の人と結ばれるんだそうだ。せっかくだから箒n

バキッ

一夏「な、何するんだよ」

・・・・・
・・・
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 22:30:01.85 ID:EwaPyvXG0
――0900、教室

山田「えっと……今日は、転校生を紹介するね」

山田「どうして今年はこんななのかなあ……」

山田「フランス代表候補生の、シャルル・デュノアくん」

山田「二人目の男の子d

生徒「きゃあああああああ」

山田「みんな、落ち着いて。デュノアくん、自己紹介を」

シャル「しゃ…シャルル・デュノアです。み…みんなと仲良くなれると、う…うれしいな。よろしくね」

山田「そんなに緊張しなくても大丈夫だよ」

シャル「はい……」

一夏「……」

山田「織斑くんは、今日からデュノアくんと同室です。学園のこと、教えてあげてね」

箒「え、えっ!?」ガタッ

山田「し、篠ノ之さん……?」

箒「い、いや、何でもありません」

生徒(篠ノ之さん、もしかして……?)クスクス

生徒(あんなのに気があるなんて、馬鹿みたいじゃない)クスクス

箒「……」カァァァァァ

・・・・・
・・・
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 22:31:06.56 ID:EwaPyvXG0
――2000、生徒寮

ガチャッ

一夏「あ、デュノアくんか。今日からよろしくな」

シャル「あ、えっと、う…うん、こちらこそ、よろしくね」

一夏「今まで女子と同室だったから、肩の荷がとれた気分だぜ。転校してきてくれたこと感謝するよ」

シャル「え、えへへ……」

一夏「なあ、シャルって呼んでもいいか? 俺のことも、一夏でいいからさ」

シャル「うん、分かったよ。い、一夏、だね……」

一夏「ああ。じゃあシャル、寮を案内するから、付いてきてくれ」

シャル「うん……」

・・・・・
・・・
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 22:31:54.51 ID:EwaPyvXG0
一夏「…ここが1年生寮唯一の男子トイレだ。3年前、1年間だけ教えてた男性教員のために作られたらしい」

シャル「そ、そうなんだ……」

一夏「で、そいつ、織斑教官の着替えを覗こうとして、大腿骨折ったんだってさ。無謀なことするよな」

シャル「えっと…一つ、質問してもいいかな」

一夏「何だ?シャル」

シャル「その…一夏は、織斑先生のこと、プライベートでも教官って呼ぶの?」

一夏「…ああ。そうだけど、どうかしたのか?」

シャル「何だか不思議だなあって……」

一夏「色々事情があるんだ。家族っていっても、礼儀は必要だしな」

シャル「そ、そうだよね。家族……」

一夏「……」

一夏「俺たち…両親に捨てられてさ。俺はずっと、教官の厄介になってきたんだ」

シャル「!!」
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 22:32:34.03 ID:EwaPyvXG0
一夏「いつかは恩返しをしないとって考えてたんだけどな…」

一夏「実はこの前、教官の期待を真正面から裏切ったんだ」

シャル「……」

一夏「それで…俺はここにいる」

一夏「だから、学園では……教官のこと、元の呼び方では呼べそうにないんだ」

一夏「なんだか…申し訳がつかなくってさ」

シャル「……」

一夏「シャルの家族のことは…やっぱり話しにくいか」

シャル「ううん、大丈夫。部屋に戻ったら…話すよ。一夏になら、聞いてもらってもいいかなって」

一夏「そうか……」

生徒「ああっ、デュノアくんだ!」タタタッ

生徒「デュノアくん、私の部屋に来ない? こんなのとじゃ、ろくに落ち着かないでしょ?」

シャル「こんなのって… 織斑くんはいい人だよ」

生徒「あら、そう? …つまんないの」

一夏「……」

・・・・・
・・・
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 22:33:35.53 ID:EwaPyvXG0
――2030、生徒寮

シャル「……それで、僕はISに乗ることにしたんだ」

一夏「そうか……」

シャル「…話したら、何だか気分が軽くなったよ。ありがとう、一夏」

一夏「……」

・・・・・
・・・


――数日後、2130、生徒寮、浴室

シャル「あ、あれ?ボディソープがない」

シャル「一夏、悪いんだけど」

一夏「ああ、そうだ、思い出した」

一夏「ドアの前に置いとくから、俺が離れたら取ってくれ」ササッ

シャル(?……もしかして…感づかれてる、のかな)

・・・・・
・・・


※急展開スマソ
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 22:34:35.46 ID:EwaPyvXG0
シャル「上がったよ、一夏」

一夏「ああ、そうか」

シャル「ねえ一夏、ところでさ」

一夏「?」

シャル「ぼ…僕って女の子っぽいって思うこと、ある?」

一夏「……」

シャル「ほら、ちょっと気になっただけなんだけど」

一夏「本名は…シャルロット・デュノア、か」

シャル「!?」

一夏「…実は最初から……分かってたんだ。<荷造り>の手引きをするために来たんだろ?」

一夏「男装してるのは……俺と同室になって情報を集めるため」

シャル「!?…なんで……知ってるの!?」

一夏「……聞かされたんだ。教官から、全部」

シャル「そ……そんな…」

一夏「悪い。白々しい芝居だったな」
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 22:35:55.96 ID:EwaPyvXG0
シャル「じゃあ……」

一夏「だいたいは分かる。時期までとはいかないが、方法くらいは」

シャル「一夏……ぼ、僕は……どうすればいいの?」

一夏「……そのまま、作戦を遂行しろ。一切修正はするな」

シャル「でも……一夏は…一夏は、どうなるの?…やっぱり……」

シャル「出来ないよ…うっ……ぐすっ……」ポロポロ

一夏「大丈夫だ、安心しろ」ギュッ

シャル「えっ…?」

一夏「白式は伊達じゃない。必ず切り抜けて見せる。シャルの為に」

シャル「一夏……」

一夏「俺が生き残りさえすれば…」

一夏「あとは理事長たちが何とかしてくれる」

一夏「だってシャル…代表候補生なんだろ? 学園が黙って送り返すわけ、ないじゃないか」

シャル「そ…そうだよね。信じてるよ、一夏」

一夏「ああ。任せとけ」

・・・・・
・・・
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 22:37:04.79 ID:EwaPyvXG0
――数日後、1400、第一アリーナ

山田「恒例の模擬戦です」

山田「今回の対戦は……篠ノ之さんと……」ピッ

山田「えっと…お、織斑くん!?」

ザワザワ…

一夏「……」

箒「ふん、ようやくだな、一夏」

山田(織斑先生も、また残酷なことをするのね…)

山田「じゃあ、二人とも、みんなが客席に上がったら、タイミングを図って始めてね」

山田「篠ノ之さん、無理だったらデッキに戻ること。分かったね?」

箒「そんな逃げ道、私には必要ない。こいつと互角に戦って見せる」
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 22:38:11.57 ID:EwaPyvXG0
生徒たちの喧騒が遠ざかり、やがて客席のドアが閉まった。
目には見えないが、アリーナの外周にシールドが展開されていく。
ISのそれと全く同じものだ。

箒はすでに練習用IS「天地」に身を包んでいる。

一夏「…白式」キュィィィィィン

二本のブレードを正面に構えた。

箒「容赦はせんぞ、一夏。はああああああっ!」



天地の背部に直撃した榴弾は、機体を地面に叩き伏せ、強い衝撃で操縦者の意識を奪った。

生徒のざわめきが聞こえる。

一夏「……来たか」

上空の影は次第に大きくなると、展開されているはずのシールドを通り抜けてアリーナに降り立った。

一夏「射撃主体の無人機…待ってろよ、シャル」
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 22:42:13.81 ID:EwaPyvXG0
ガトリング砲弾の雨をくぐり抜け、近接兵器の起動がないことを確認する。

一夏「…零落白夜っ…!?」

突如、無人機の頭部から、淡黄色の煙が噴出した。
一夏の全身に、鋭い激痛が走る。

一夏「うがあっ……これは…神経ガス?」

それでも、数倍に重たくなった雪片を、何とか敵に突き刺した。

白式「敵1、コア停止確認」

一夏「ぐっ……や…やったか…?」

白式「機影3、上空12時」

一夏「くそっ……」

一夏が熱核ジェットエンジンの出力を最大にした0.3秒後には、もといた地面が耕されている。
第二世代機3と同時交戦――いつもの自分なら、朝飯前のはずだった。

・・・・・
・・・
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 22:43:20.43 ID:EwaPyvXG0
生徒「苦しそう……毒、なのかな?」

生徒「あの織斑が……追い詰められてる……」

山田教官は、なすすべもなく眼前の戦闘を見つめていた。
場合によっては、学園初の死者が出るかもしれない。
その時も、家族に挨拶に行かなくて済むという不謹慎な着想を、彼女は努めて追い払った。

山田「織斑くん…」

・・・・・
・・・
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 22:44:18.89 ID:EwaPyvXG0
白式「シールドエネルギー、残50%」

一夏「はあっ……はあっ……息が…呼吸がしたい…」

二機目のISから滴露を引き抜いた一夏は、倒れたままの天地を眼の端で捉えた。
恐らく、流れ弾程度なら防いでくれる。
一夏は、急上昇して射撃制御を遅延させると、上から三機目に飛び掛かった。
雪片で砲身を切断しても、予想通りガスの洗礼を受けることになる。

一夏「うわああああああっ…シャル…箒…」

機体の制御を失いながら、雪片を下に流して一撃を加える。
三機目はゆっくりと前に倒れて動かなくなった。

一夏「畜生……こんなところで…ぐっ…げほっ…」

箒の天地が復活したような気がした。

・・・・・
・・・
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 22:47:44.03 ID:EwaPyvXG0
――1500、医務室

箒「……一夏は、大丈夫なんですか!?」

千冬「ああ。まだ意識は戻らないが…命に別状はない。…ただ、譫言がひどい」

箒「……教官は……実弟があんなになっても、よく平然としていられますね」

千冬「私は…私は、軍人のようなものだからな。たとえ身内が死んでも動じない」

箒「……」

ガラガラガラ…

ベッドに近づくと、うめき声に交じってかすかに名前が聞き取れた。

一夏「………シャル……シャルに………謝らないと………箒…」

箒「!?」

一夏「…シャルを………帰さ……言わ……」

箒「デュノアが、どうかしたのか」

一夏「………俺は……大丈夫………シャルに……」

箒「分かった。デュノアを連れてくる。待っていろ」

・・・・・
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 22:53:11.93 ID:EwaPyvXG0
シャルル・デュノアは、箒の想像より早く見つかった。
彼は、生徒用端末の前で放心状態のまま固まっていた。

箒「デュノア……一夏が、呼んでいる。…行ってやってくれ」

シャル「……」

箒「ほら、立て。男だろう。しっかりしろ」

シャル「……」

彼を医務室まで連れて行くのは手間になりそうだった。

・・・・・

ガラガラガラ…

一夏「……箒……無事、だったのか」

箒「!!」

一夏「……シャル」

シャル「……」

一夏「俺はこの通り…何ともないぞ。約束通りだ」

箒「約束…?」

一夏「ちょっと、男同士の付き合いでな」

一夏「教官のところに、行くか、シャル」

シャル「……」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 22:55:14.99 ID:EwaPyvXG0
千冬「篠ノ之に、デュノア。何をしている」

千冬「織斑には安静が必要だ。分からないのか?」

一夏「教官……デュノアくんと三人で、話したいことがあります」

箒「……」

一夏「箒…ごめんな。これは…男同士の問題なんだ」

・・・・・

一夏は、シャルに平手打ちを加えようとする千冬の腕を掴んで制止した。

シャル「……」

一夏「立場をわきまえてください、教官」

一夏「教官にしかできないことがあります。生徒の為、その権限を行使することに、何の不満があるのですか」

千冬「黙れ。生徒の分際で……」

一夏「お願いします。どうか、デュノアくんの友人として、教官の実弟として」

千冬「……」

シャル「……一夏……」

・・・・・
・・・
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 22:56:25.98 ID:EwaPyvXG0
――数日後、0900、教室

千冬「あー、今日から二人、新たに転校生を迎える運びとなった」

生徒「えええええっ!?」

千冬「おほん、今回は残念ながら二人とも女子生徒だ」

千冬「入れ。こいつがラウラ・ボーデヴィッヒ、こいつが……」

生徒「!?」

千冬「シャルロット・デュノアだ。皆、無駄な詮索は控えるように」

シャル「えへへ……みんな、今までごめんなさい」

シャル「実は僕…女の子、だったの」

生徒「えええええっ!?」

ラウラ「ドイツ軍IS部隊、シュヴァルツェア・ハーゼ所属、ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

ラウラ「研修の為、滞在することになった」

ラウラ「教官の弟は……貴様だな」ツカツカ

一夏「……」
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) :2012/08/15(水) 23:14:23.09 ID:EwaPyvXG0
ラウラ「私は、教官の顔に泥を塗ったお前を…許さない。絶対に」

ラウラ「覚悟していろ。いつか貴様を叩きのめす」

一夏「……」

千冬「えへん。……なお、シャルル・デュノア転出のため、織斑の部屋に空き寝台ができた」

千冬「本人の希望により、篠ノ之 箒をルームメイトに指名する」

箒「!?」

生徒「…希望ってことは……」ザワザワ

生徒「……ちょっと…うらやましいかな…」ザワザワ

千冬「…静かにしろ。連絡がもう一つ」

千冬「3週間後に、学年別ペアトーナメントが控えている。来週末までにペアを決定して申請すること」

・・・・・
・・・
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 23:15:04.88 ID:EwaPyvXG0
――1900、生徒寮

ガチャッ

一夏「…箒、もう帰ってたのか」

箒「ああ。…一夏、お前、この前の模擬戦で一体何をしたんだ?」

箒「ホームルームの後…皆が私の顔を恨めしそうに見ていくのでな」

一夏「……?」

箒「部屋を代われと言ってくる者もいる。どうなっているのだ」

一夏「もしかして、俺と同室が嫌か? 箒」

箒「そそそ、そんなことはないぞ。断じてない」

一夏「そうか。…あ、そのバッグ」

一夏「気付かなかったけど… モッピーのキーストラップ、tふぐえあっ!」

箒「……」プルプル

箒「……いい加減にしる、一夏」
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 23:15:37.22 ID:EwaPyvXG0
箒「ところで、今度のペア戦なのだが……」

箒「一夏、お前はデュノアと組め」

一夏「……」

箒「お前が私の部屋を希望した理由も、だいたい察しはつく」

一夏「……」

箒「時間は解決してくれないぞ」

一夏「……」

・・・・・
・・・
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 23:16:55.02 ID:EwaPyvXG0
――1100、第二アリーナ

スピーカー「これより一回戦、第三試合を開始する」

スピーカー「北側、織斑 一夏、シャルロット・デュノア」

スピーカー「南側、篠ノ之 箒、ラウラ・ボーデヴィッヒ」

一夏「いいな、シャル、ゴーレムは来ない。俺たちは無傷で相手を倒せる」

シャル「う……うん……」

一夏「いつまでもぐずぐずしてるとやられるぞ。この機会に全部忘れるんだ」

シャル「……」

一夏「信用してるぜ、シャル」

スピーカー「位置につけ。5秒前、4、3、2、1」

スピーカー「試合開始」

ブザーが鳴り始めるとすぐ、シュヴァルツェア・レーゲンのレールカノンが火を噴いた。
もちろん、開始前からの溜め撃ちなど、読まれていないはずがない。
二機のISは一旦散開して避けると、それぞれの目標に接近していった。
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 23:18:52.31 ID:EwaPyvXG0
レーゲンのワイヤーブレードを旋回回避したラファール・リヴァイヴから、毎分1000発の20mm弾が放出される。

ラウラ「弾薬を先に消費するのはお前だ、デュノア」

シャル「それはどうかな、ボーデヴィッヒさん」

・・・・・

箒は、振り下ろされた二本のブレードを辛うじて振り払い、距離を取った。

箒「……強い……」

箒(わざわざ二刀流のまま私に挑むのは……あらかじめ武装の優位を作っておくため)

箒(私に恥をかかせるつもりはないということか……全く、憎めない奴だ)

滴露を受け止めても、隙を与えずに雪片が襲い掛かってくる。
箒が体勢を崩した瞬間を、白式は見逃さなかった。

箒「なっ……」

雪片と滴露が交錯して、一瞬のうちに天地の唯一の武装を絡め取った。

一夏「圧倒的装備の差だな、箒」

一夏「練習機では白式に勝てない」

スピーカー「篠ノ之 箒、全武装喪失。試合より離脱せよ」

・・・・・
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 23:21:28.34 ID:EwaPyvXG0
レーゲン「5時、急速接近」

AICでデザート・フォックスの弾幕をやりすごしていたラウラは、挟撃に遭ったことに気付いて飛び退った。

ラウラ「2対1か……だが」

温存していたレールカノンの発射に合わせて4本のワイヤーを展開する。
リヴァイヴの砲声が止み、二機のISが上空高く回避行動をとる。

ラウラ「そうだ。踊れ、私が勝利を確信するまで」

ワイヤーの一本が、遂にシャルの足を捉えた。
だが、彼女を地面に叩きつける前に、二本の追従者を斬り伏せて突っ込んでくる愚か者を処理しなければならない。

ラウラ「馬鹿め、ワイヤーを片づけたところで……」

一夏「……零落白夜」

ラウラ「AIs

グレイ・スケールがレーゲンの背中を殴りつけ、AICの発動がキャンセルされる。
二本の非実体剣が、同数のレールカノンを続けざまに無力化した。

ラウラ「くっ……」

ゼロ距離の白式に対し、再びAICを発動させる余裕はない。
近距離では絶大な脅威と化す零落白夜から逃れるが、再展開される重機関砲の弾幕は執拗に追ってくる。
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 23:22:51.98 ID:EwaPyvXG0
ラウラ「織斑教官、私は……私は、こんなところで……」

白式が先ほどリヴァイヴを捕えたワイヤーを切断し、獲物を解放する。

ラウラ「奴を……奴を倒して、教官の憎しみを……っ!」

接近する敵を退けるため、ほぼ反射的にレールカノンの電荷を放出しようとするが、反応はない。
ラウラは両手のプラズマブレードに叫んだ。

ラウラ「き、貴様らあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
    ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

シャル「!?」
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 23:24:38.39 ID:EwaPyvXG0
シャルは脚部スラスタを手前に向けて、軽く身を翻すように停止した。
30mほど先では、零落白夜を発動したままの白式が同じように制動をかけている。

リヴァイヴ「友軍機より通信要求」

シャル「し、承認」

一夏『シャル、あれは……』

シャル『何だろう……VTシステム?』

シュヴァルツェア・レーゲンが、黒い粘土質の塊に姿を変え、何か巨大なヒト状の物体を形成していく。
アリーナの物理防壁が展開され、生徒たちの叫び声は聞こえない。

                     セマンティック・ディスラプト
シャル『たぶん……ボーデヴィッヒさんの怒りで、論理攪乱が起きたんだ』

シャル『ISの中核機能にまで、操縦者の脳波信号が介入する現象だよ』

シャル『今、レーゲンがトレースしてるのは……織斑先生のデータじゃないかな』
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 23:25:13.58 ID:EwaPyvXG0
シャルは脚部スラスタを手前に向けて、軽く身を翻すように停止した。
30mほど先では、零落白夜を発動したままの白式が同じように制動をかけている。

リヴァイヴ「友軍機より通信要求」

シャル「し、承認」

一夏『シャル、あれは……』

シャル『何だろう……VTシステム?』

シュヴァルツェア・レーゲンが、黒い粘土質の塊に姿を変え、何か巨大なヒト状の物体を形成していく。
アリーナの物理防壁が展開され、生徒たちの叫び声は聞こえない。

                     セマンティック・ディスラプト
シャル『たぶん……ボーデヴィッヒさんの怒りで、論理攪乱が起きたんだ』

シャル『ISの中核機能にまで、操縦者の脳波信号が介入する現象だよ』

シャル『今、レーゲンがトレースしてるのは……織斑先生のデータじゃないかな』
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga sage]:2012/08/15(水) 23:27:13.65 ID:EwaPyvXG0
書き込み重複スマソ
混雑してるとか言われた。
書き溜めだから当たり前だけど、安価無しで進行する
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 23:29:54.46 ID:EwaPyvXG0
うわ、ルビずれた
厨二単語でこれは恥ずかしい
「怒り」の方じゃないんでよろしく

一夏『……』

白式は、ブレードを格納すると、タービンの回転数を急に高めた。

シャル『ちょっと……一夏?』

白式が飛び掛かるのを、レーゲンは実体剣で軽くあしらう。
続けて三回の斬撃をかわし、白式は雪片を敵に叩きつけた。

シャル『しょ、照準が……聞いてるの、一夏?』

幾度目かの火花の後、白式が力任せに刀身を振り払った。
両腕を上方へ突き上げられたレーゲンが大きくのけぞる。

一夏「零落白夜」

真っ二つになって原型を失っていく黒い機体から、気絶した少女が倒れてきた。

・・・・・
・・・
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 23:30:43.99 ID:EwaPyvXG0
――2000、生徒寮

箒「あの後、何があったのだ。私にも詳しく教えろ、一夏」

一夏「敵のISが暴走したみたいでな。VTシステムとやらが発動した」

箒「VTシステム……?」

一夏「ああ。大会での織斑教官のデータ通りにISを動かす機能らしい」

箒「それで、無事だったんだな?」

一夏「何とかな。白式のおかげだよ」

コンコン

箒「誰だ?」

シャル「デュノアです。篠ノ之さん、入っても良いかな」

箒「…構わない。入れ」
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 23:31:45.83 ID:EwaPyvXG0
ガチャッ

シャル「ボーデヴィッヒさん、無事みたいだよ」

一夏「そうか……」

シャル「でもちょっと様子がおかしいんだ」

箒「?」

シャル「ISが暴走した後のこと、全然覚えてないみたいでね……」

シャル「織斑先生を見たって言ってるんだ」

箒「どういう意味だ」

シャル「……僕に聞かれても分からないよ。それで、自分は先生に助けられたんだって」

一夏「……」

シャル「無意識のうちに操縦してたってことなのかな」

シャル「VTシステムのこと……あんまりよく知らないから」

シャル「それにしても…一夏がいきなりあんなことするんだから、ひやひやしたよ」

一夏「教官の剣筋なら、俺が一番よく知ってる。それだけのことだ」

シャル「全く、危なっかしいよね……」
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 23:32:33.59 ID:EwaPyvXG0
一夏「また……やっていけそうか? シャル」

シャル「う……うん。今日の試合で、ちょっと自信がついた気がする」

シャル「篠ノ之さん、一夏がまた変なことしないように……見張っといてね?」

箒「あ……ああ。分かった」

箒「で、一夏。何をしたんだ」

一夏「大したことじゃない。織斑教官の大会のデータをトレースするシステムが発動したから、」

一夏「倒した。あんなもの、俺の知ってる教官には遠く及ばない」

箒「そうか。……それで一夏、お前はいつまで千冬さんのこと、そうやって呼ぶつもりだ?」

一夏「……」

箒「詮索はしないが……姉弟喧嘩にしては長すぎないか? いい加減に」

一夏「……分かってるよ。俺の気持ちの整理がつくまで」

一夏「……教官も、理解してるはずだから」

箒「……」

・・・・・
・・・
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 23:33:23.31 ID:EwaPyvXG0
――2200、特殊教練棟

ラウラ「……ふむ。来たか」

セシリア「何の…御用ですの? こんな時間に」

ラウラ「お前の噂は聞いている。何でも織斑教官の弟にウイルスを仕掛けられて負けたと」

セシリア「……ええ。そうですわ」

ラウラ「悔しいと……思わないか? プライドを踏みにじられて」

セシリア「……」

ラウラ「悔しいだろう。そこでだ」

ラウラ「雪辱の機会を、お前にやる」

セシリア「?」

ラウラ「奴を呼び出して、ISで叩きのめす。面白そうだと思わないか」

セシリア「でも……あなたの動機は分かりませんけど……正直、わたくしの実力で彼に勝てるか、不安なのですわ」

セシリア「教官たちも、なぜか織斑くんだけは模擬戦に出したがりませんし」
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 23:34:06.69 ID:EwaPyvXG0
ラウラ「違う。今度は2対1だ」

ラウラ「私は……奴とシャルロット・デュノアにやられた。この私が…敗北を喫したのだよ」

ラウラ「VTシステムを暴走させて、教官にいちいち助けられていたのでは、示しがつかぬ」

ラウラ「どうだ、利害が一致しただろう」

セシリア「織斑くんを相手に、勝利を収めるチャンスがあると、言うのですわね?」

ラウラ「そうだ。奴が私に対して挑んできたときと同じく、2対1で戦う」

ラウラ「卑怯というのなら、奴も同じだ。何ら恥じることは無い」

セシリア「……」

・・・・・
・・・
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 23:35:34.36 ID:EwaPyvXG0
――2000、第三アリーナ

観客が一人もいないアリーナは驚くほど静かだった。

一夏「俺に……再戦を、挑むのか?」

セシリア「そうですわ。あなたがデュノアさんと二人でボーデヴィッヒさんを打ち負かしたことは聞き及んでいます」

セシリア「そのまま逃げるのは……卑怯じゃありませんこと?」

ラウラ「…こちらが専用機二機で戦う権利があってもいい。そうは思わないか、織斑?」

一夏「……」

ラウラ「教官の名を穢したこと……貴様は必ず後悔する。私が……後悔させてやる」

ラウラ「…レーゲン!」

セシリア「ティアーズ!」

一夏「……白式」

無照明のアリーナから、三機の第三世代機が月明かりのもとに姿を現した。
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 23:39:31.52 ID:EwaPyvXG0
セシリア「射出、全基」

セシリアの命令に応えて、4基のビットの間を2基のクルーズミサイルが疾駆する。

白式は、ワイヤーブレードを警戒しているのか、レーゲンと反対方向に後退した。

ラウラ「同じ屈辱を、貴様にっ……!」

    サプレス
一夏「抑制、イナーシャキャンセラ」

白式のタービンから発する轟音がひときわ大きくなった。
どうやら機体の安定を捨てて、推進スラスタ主体の制御に切り替えたようだ。

ラウラ「そんな機体でその戦術を……消耗するだけだ。今に見ていろ!」

白式は重力に任せて急降下したかと思うと、ブレードを地面に擦りながらレーゲンに迫る。
レールカノンとスターライトの着弾点に次々とクレーターが生じるが、狭い空間に不相応な速力には追いつかない。

ラウラは、やや下方から斬りつけてきた雪片を、両手のプラズマブレードで受け止めざるを得なかった。

滴露が牙をむく。

ラウラ「くっ……」

セシリア『ボーデヴィッヒさんっ!』
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 23:40:58.62 ID:EwaPyvXG0
同時に割り込んできた5本のビームが、ラウラを救った。
敵は一旦退いて、突破口を探している。

ラウラ『オルコット、助かったぞ』

ラウラ『隙を見てワイヤーを開放する。奴を端に追い詰めろ』

ビット4基の乱射に圧されるように、青い排気がアリーナの外周を高速で辿っていく。

セシリア「い、今ですわ!」

懐に入った獲物に向かって、7本の砲撃、少し遅れて4本のワイヤーが殺到した。
ビームの1本が肩に命中し、白式は壁に衝突して速力を失った。

PICの恩恵が受けられず、その勢いで地面に転がった機体を、レーゲンの誘導が逃さないはずがなかった。
白式は、動作の自由を失った。

ラウラ「降参しろ、織斑」

何を思ったか、白式は突然蹴飛ばされたかのように上昇し、2倍以上の重量があるはずのレーゲンを引きずり上げた。

ラウラ「なっ……」
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 23:42:14.22 ID:EwaPyvXG0
レーゲンは、射出装置を上にして宙づりになる。
白式のブレードが、いつものように青く輝きだした。
拘束が再び断ち切られ、姿勢制御を取り戻そうとするレーゲンに敵影が迫る。

スターライトの直撃が、またしてもラウラを救った。
その隙に、こちらも高初速弾を叩きこむ。

それでも、敵はレーゲンに向き直る素振りを見せた。

動きを封じるべく、白式に弾雨が降り注ぐ。

1発、2発、3発、4発、5発、6発、7発、8発、9発、10発、11発、12発。
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 23:44:07.98 ID:EwaPyvXG0
27本目の弾道を描いたパラベリウム弾が血の花を咲かせると、純白のISは静かに下降を開始した。
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 23:44:40.97 ID:EwaPyvXG0
セシリア「はっ……!?」

ラウラ「……」

ラウラ「絶対防御が……搭載されていなかったか。悪運の尽きだ」

セシリア「ええっ……そんな。ぼ、ボーデヴィッヒさん、彼を医務室へ」

ラウラ「無駄だ。奴が意識を取り戻せば……お前はどうなる?」

セシリア「!!」

ラウラ「退学、場合によっては逮捕も有り得る」

ラウラ「安心しろ、逃げれば露呈することは無い、ここには監視カメラの類はないからな」

ラウラ「奴には死んでもらう。この場所で」

セシリア「だ、駄目ですわ、そんなこと……」

ラウラ「ほら、逃げるぞ、オルコット」

ラウラ「レーゲン、展開解除」

ラウラ(……やった、やりましたよ、教官)

ラウラ(教官の悩みの種、私が潰して差し上げました……)

・・・・・
・・・
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 23:45:20.80 ID:EwaPyvXG0
――2015、第三アリーナ

地面に半ば埋もれたラジエータースタックが、かすかに濡れている。
落ちてくる水滴を辿っていくと、シャルロット・デュノアが立っていた。

一夏「しゃ……シャル。どうしてここが分かった」

シャル「うっ……い、一夏……どうして、どうして……」

一夏「気にするな。少し予定が早まっただけのことだ」

シャル「そんな……そんなこと……」

シャル「すぐに、すぐに先生が来るからね……」

・・・・・
・・・
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 23:57:27.01 ID:EwaPyvXG0
――2200、医務室

千冬「……ら。織斑」

一夏「応答可能です、教官」

千冬「答えろ。誰がやった」

一夏「事故です。無人機との練習中でしたが」

千冬は一夏の胸倉を掴んでベッドに押し付けた。

千冬「嘘をつくなッ!……もう一度訊く。誰だ」

一夏「学園所属の無人機、標識A-770だと記憶しています」

千冬「……一夏、その性格は損をすると警告したはずだ。現にお前は死にかけている」

千冬「……姉として、見過ごすわけにはいかん」

一夏「……練習機A群の巡検結果を確認してください」

千冬「……このクソ坊主が……!!!」

・・・・・
・・・
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 23:57:55.89 ID:EwaPyvXG0
――0700、生徒寮

セシリア「………」

コンコン

セシリア「………」

コンコン

山田「オルコットさん、いるかな……?」

セシリア「………」

ガチャッ

山田「オルコットさん、実は昨日、織斑くんが銃弾を受けて入院してね」

山田「原因を調べてる最中なんだ。どうも、白式の絶対防御が働かなかったみたいなんだけど、」

山田「練習相手の無人機から、またウイルスが見つかったんだって」

セシリア「はい………そうですか……えっ?」
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 23:58:26.77 ID:EwaPyvXG0
セシリア「はい………そうですか……えっ?」

山田「だから、織斑くんが、ウイルスで遠隔操作されたISと事故を起こしたってことみたいなの」

セシリア「……??」

山田「それで、調べてみたら、オルコットさんのブルー・ティアーズに感染したのと同型だったんだって」

セシリア「ええっ……??」

山田「オルコットさん、織斑くんも苦しんでるから、協力してくれるかな」

セシリア「えっ……織斑くんは、生きていますの……?」

山田「そ、そんな不吉なことは言わないで。それでね」

山田「前日のSW検査では、異常は出なかったんだよね?」

セシリア「ええ、正常でした」

山田「織斑くんとの試合当日、ISの挙動はどうだった?」

セシリア「すみません……そのことは、よく覚えておりませんわ……」

山田「…そうか……。ちょっと前のことだもんね。やっぱり忘れちゃうかな」

セシリア「ええ……」

山田「ありがとう、オルコットさん。たぶん織斑くんも感謝してるよ」

セシリア「……」
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 23:59:07.68 ID:EwaPyvXG0
ガチャッ

セシリア(また、助かりましたの……?)

セシリア(でも、今度は……)

セシリア(同型………!!!!!)

ガチャッ

・・・・・
・・・
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/15(水) 23:59:50.37 ID:EwaPyvXG0
――0720、医務室

一夏「ああ、オルコットさん」

一夏「見舞いに来てくれたのか。ありがとう」

一夏「俺、今日の授業は出られそうにないんd

セシリア「…とぼけないでください、織斑くん」

一夏「……」

セシリア「何が望みですの? 金? …それとも、私の体?」

一夏「……」

セシリア「答えなさいっ!」

一夏「…オルコットさんには、話すよ」

セシリア「…?」

一夏「…俺は、男なのにISが動かせるだろ。候補生でもないのに、適性は『S』だ」

セシリア「…」

一夏「明らかにおかしいじゃないか。……脳に改造を受けてるんだよ、俺」

セシリア「……!」
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 00:01:22.52 ID:oK77eHdR0
一夏「一旦攻撃を受けると……」

一夏「無性に気分が昂ぶって、どうしても相手を始末しないと収まらなくなる」

一夏「対IS戦の切り札らしい」

一夏「だから、俺の本来の能力では、専用機持ちの誰にも及ばない」

一夏「……自信を持ってくれ」

一夏「……」

一夏「3年前、誘拐されて、<戦闘最適化>と<性別欺瞞>の手術を受けた」

一夏「軍に連れて行かれる前に……織斑教官が来て、研究所ごと潰してくれた」

一夏「そのせいで、教官はモンド・グロッソの決勝を逃した」

一夏「ボーデヴィッヒさんがあれこれ言ってたのは、このことだ」

セシリア「……」

一夏「で、俺の存在を聞きつけた奴らが、俺のことを探し回ってる」

一夏「狙いはもちろん……俺を<解体>して、男性のIS乗りを量産すること」

一夏「それから……ISのコアを製造することだ」

セシリア「……」
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 00:02:13.30 ID:oK77eHdR0
一夏「今までは、教官がうまく隠してくれてたんだけど……」

一夏「春休みに、自分からISを起動させてしまった。その結果がこれだ」

一夏「この間、何とかデュノア社の刺客を退けたけどな……」

一夏「俺の命を狙ってるのは、IS開発企業だけじゃない」

一夏「束さん……箒の姉さんも、恐らく俺のことを消しに来る」

一夏「彼女にとっては、コア技術の隠密性が命よりも大事だから」

セシリア「……」

一夏「なら先に死ねばいいじゃないかって思うだろ?」

セシリア「い、いえ、そんなことは……」

一夏「先に俺の頭脳を破壊してしまえば問題ない。単純なことだ」

一夏「白式、部分展開」キュィィィィン…

セシリア「ひいっ……や、やめ……」
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 00:03:25.43 ID:oK77eHdR0
一夏「でも……こいつを見ると、そうは行かない」

一夏「なんだか……急に怖くなって……」

一夏「それに、俺ももうしばらく生きてもいいんじゃないかって、思えてくるんだ」

セシリア「……」

一夏「まあいずれにせよ、もうすぐ束さんが俺のことを殺しに来る」

一夏「その時は……甘んじて運命を受け入れるつもりだ」

一夏「……」

一夏「それで、どうして俺があんなフェイクをぶち上げたか、だろ?」

一夏「ティアーズにしろ無人機にしろ、ISのRTOSにウイルスなんて、そんなの無理だ」

一夏「巡回プログラムの方を差し替えた。至って簡単な作業」

セシリア「どうして……」

一夏「……」

一夏「その……こんなこと言ったら、怒るかもしれないけどな……」

一夏「……オルコットさんに、笑って欲しかったんだ」

セシリア「まっ、そんな……!?」
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 00:04:14.84 ID:oK77eHdR0
一夏「人生も残り少しになると、色々考えることもある」

一夏「俺の場合は……俺は……まあそんなところだ。もうやめとくよ」

一夏「とにかく……直接頼むのは妙だけどな……」

一夏「あと数週間の話だ。人助けだと思って」

一夏「学園生活、陽気に過ごしてくれ。それだけでいい」

一夏「たぶん最後の頼み事だ。どうk」

セシリア「そ……そんなこと、許せませんわ! わたくしが言うのもなんですけれど…」

セシリア「簡単に命をあきらめるなんて……」

一夏「世の中には……どうしようもないことがある。そういうもんだ」

一夏「織斑教官にも、どうにもならない」
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 00:06:34.27 ID:oK77eHdR0
しまった。日付変わった
>>1です
にしても見てる人いるのか?

一夏「……」

セシリア「い、一夏さん」

一夏「?……何だ」

セシリア「私のことは、セシリアとお呼びなさい」

一夏「?」

セシリア「あなたが教官のこと、そんな風に呼ぶのはおかしいと思いますの」

一夏「これは……」

セシリア「わたくしも、一夏さんのために努力します。だから」

セシリア「一夏さんも、教官を思いやってくださいまし」

一夏「……」

セシリア「抵抗が、あるというんでしょう?」

一夏「……」

・・・・・
・・・
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 00:07:26.71 ID:oK77eHdR0
――1400、房総半島某所

セレガ・スーパーハイデッカーがエンジンを轟かせている。
車内では、千冬が再びマイクを取り上げていた。

千冬「よく聞け。あと30分ほどで到着する」

千冬「もう一度言っておく。…くれぐれも、羽目を外すな。お前たちは半分軍人だ」

彼女自身も、その言葉が実際に受け入れられると思っているようには見えなかった。

・・・・・
・・・


※また超展開になります
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 00:07:59.76 ID:oK77eHdR0
――1600、海岸

箒「確かこの辺りだったな……」

束「あ、箒ちゃん。久しぶりだね」

箒「ああ。ところで」

束「分かってるよっ。箒ちゃんの専用機、紅椿だよ」

箒(……いつもと雰囲気が違う)

・・・・・
・・・
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/08/16(木) 00:08:31.77 ID:R0l/gPBmo
いるぜ
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 00:09:13.42 ID:oK77eHdR0
――2000、廊下

一夏は、和室に戻ろうとして足を止めた。
襖を少しだけ開けて、暗い廊下から中を覗き込んでいる人間がいる。
中からは、少なくとも十数人の笑い声が漏れている。

一夏「ボーd……ラウラ」

ラウラ「貴様か。馴れ馴れしく呼ぶな」

一夏「1勝1敗で今は対等だぞ。……あいつらに加わりたいんだろ?」

ラウラ「貴様に関係はない」

一夏「……そうか。ならこれ以上は聞かない」

一夏「でも、あそこでテレビを取り囲んでる人間が全てじゃないぞ」

一夏「気が向いたら……俺の部屋にでも来いよ」
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 00:09:49.18 ID:oK77eHdR0
踵を返した浴衣姿の一夏を、ラウラは呼び止めた。

ラウラ「…VTシステムが発動したとき……織斑教官が、見えた気がした」

一夏「……」

ラウラ「少なくとも、私の記憶ではそうなっている」

ラウラ「……なあ織斑。教官が……二刀流で戦ったことはあったか?」

一夏「……さあな。あったかもしれないし、なかったかもしれない」

ラウラ「お前は何を望んでいる。なぜ私を助けた」

一夏「……知りたいか?」

ラウラは襖をそっと閉めて、一夏に駆け寄った。

・・・・・
・・・
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 00:10:34.95 ID:oK77eHdR0
――2020、客室

ラウラ「……」

一夏「セシリアにも、同じ話をした」

一夏「これで、知らないのは箒だけだ」

一夏「一つ、ラウラが勘違いをしていることがあると言っただろ?」

一夏「俺は…他の誰よりも教官を尊敬している」

一夏「だから…教官を裏切った自分が許せないんだ」

一夏「たぶん…死ぬまで許すことは無い」

ラウラ「……」

一夏「ラウラは、自信を持っていいんじゃないか」

一夏「教官の前で胸を張れる。自分は、ずっと教官の為に尽くしてきたと」

ラウラ「おr…一夏。お前は…学園に入る前、教官のことをどう呼んでいた」

一夏「……」
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 00:11:16.73 ID:oK77eHdR0
ラウラ「教えてくれ。でないと…眠れないから」

一夏「ち……」

一夏「駄目だ。これだけは駄目だ」

一夏「勘違いされないとも限らない。今日はもう部屋に戻れ、ラウラ」

一夏「また明日、な」

ラウラ「……」

ガチャッ

・・・・・
・・・
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/16(木) 00:11:34.53 ID:X8aEl23IO
俺も
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 00:13:15.85 ID:oK77eHdR0
――0100、客室

電話が鳴っている。
一夏は、表情を一切変えずに受話器を取った。

一夏「織斑です」

束「いっくんいっくん、大変なのーっ」

束「実はね、研究所のISが一機、暴走しちゃって…」

束「そっちに向かってるんだよー もう困っちゃうなあー てへっ」

                        ナローバンド
束「方位330、速力200ktだけど、学園の狭帯域レーダには引っかからない高度で飛んでるよー」

束「それで、いっくんと箒ちゃんが片づけてくれないかなーって」

一夏は、束の不自然な口調に恐怖を感じるには、心の準備が出来すぎていた。

束「箒ちゃんのISなら、10分で接触できるかなあー」

束「期待してるよっ…… あ、あとそれから、いっくんには言っておきたいことがあってね」

束「逃げ出しちゃったのが未完成のISでね…じつは欠陥品なんだ」

束「立体視の機能に問題があるの」

束「凄い弾幕を張れるんだけど、一旦懐に飛び込んじゃうとね」

束「ソフトの都合で、なんと、敵から見えなくなっちゃうんだよっ!」

一夏「……」
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 00:16:41.45 ID:oK77eHdR0
――0110、客室

箒「はい、篠ノ之です」

束「箒ちゃん、専用機の調子はどうかなあっ?」

箒「上々だ。感謝している」

束「まさかとは思うけど、そのIS、ただであげたなんて思ってないよねっ?」

箒「!?」

束「ちょっとやってほしい仕事があってね。いっくんのことなんだけど」

箒「な…何だ?」

束「最近、いっくんの調子、おかしいと思わない?」

箒「……」

束「ISには乗れるし、いっつもなんだか暗いし…」

箒「ああ、そうだ。それがどうかしたのか」

束「言うよ? 驚かないでね? …実は、いっくん、3年前に死んでるんだ」

箒「ば……馬鹿な!? じゃあ今の一夏は…」

束「そう、いっくんを正確に再現したアンドロイドでね」

箒「……」
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 00:17:38.50 ID:oK77eHdR0
束「何でも、ISの操縦者を根絶やしにするために送り込まれたんだって」

箒「そんな……そんなこと……」

束「あるわけがない? いやいや、これが現実だよ、箒ちゃん」

束「いっくんが死んだのは辛いかもしれないけど、まずは偽物いっくんを止めなきゃ」

箒「…な…待て。まだ状況が…」

束「これは学園の危機なんだよ? ぐずぐずしてると箒ちゃんまで死んじゃう」

束「箒ちゃんを手助けするために、無人ISを送り込んどいたの」

束「偽いっくんに偽の情報も流してあるから、あとはいっくんを運ぶだけ」

箒「お…おい。そんなこと…できるわけ…」

束「座標は偽いっくんが知ってるからね。後はよろしく」プツッ

箒「おい、束!」

箒(あの一夏が……偽物!?)

箒(確かに性格が変わっているが……)

箒(そんなこと……)

不意に底知れない不安を抱いた箒は、一夏の部屋に向かった。

箒(まずは…確かめる。そう、それからだ)

オートロックを備えていない客室のドアは、何事もなく開いた。

箒(!?)

・・・・・
・・・
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 00:18:12.08 ID:oK77eHdR0
――0115、廊下

箒はドアを力なく叩いた。

箒「起きてください、教官……どうか…」

ガチャッ

千冬「篠ノ之か。こんな時間にどうした」

箒「実は……姉から電話があって」

箒「一夏が偽物だから……始末してほしいと」

千冬「ははっ、寝言は寝て言え、篠ノ之」

千冬「本来なら、教員をこんな時間に起こすのはグラウンド100周に値するが」

千冬「私も眠い。あt

箒「一夏が……いないんです」

・・・・・
・・・
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 00:19:44.85 ID:oK77eHdR0
――0117、ホール

千冬「で…一夏に座標は伝えた、と?」

箒「はい」

箒(……戻っている)

千冬「偽物の一夏……面白い……あいつにしては面白い。傑作だ」

千冬「面白い…うっ……えぐっ……」

千冬はホールの絨毯に臥せって泣き始めた。

集まってきた専用機持ちたちが、不思議そうに自分たちの教員を眺める。

山田「織斑先生、気が動転してるみたいだから……代わりに説明するよ」

セシリア・ラウラ・シャル「……」

山田「実は織斑くん……人間じゃないっていうか」

山田「脳が強化されててね。それでISに乗れるんだ」

箒「……!?」

シャル「……」

セシリア「し、知っておりますわ。本人から、聞きましたもの」

ラウラ「私もだ、教官」
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 00:20:54.26 ID:oK77eHdR0
山田「じゃあ篠ノ之さん……それでね。世界中の企業から目をつけられてるの」

山田「何でも、織斑くんの脳から、ISのコアの設計データが得られるんだって」

箒「!!」

山田「だから……束さん、慌てててこっちが気付いてることにも気付いてないのかもしれないけど……」

山田「織斑くんを、殺そうとしてるんじゃないかって」

箒「!! ……も、もちろん、偽物とか言っていたのは」

山田「うん、それは嘘だよ、篠ノ之さん」

箒「よ……良かった…」

箒「で、一夏はどこにいる。探しに行くぞ」

山田「……それがね……」

セシリア「一夏さんは……今頃旅館の外ですわ」

箒「なっ!?……そ、そんな馬鹿なこと。6時まではずっとシールドが……」

箒「……」

セシリア「……でしょう?」
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 00:21:31.89 ID:oK77eHdR0
箒「だ、だが、そんなことをすれば、白式のエネルギーでは」

セシリア「……戦えない。そう、仰るんですか?」

箒「……」

セシリア「……一夏さんには、恐らく戦うつもりはありません」

セシリア「一度交戦すればどちらかのISが破壊されるまでやめない。その本n」

箒「ま、待て。お前は、一夏が自分で死にに行ったと、そう言いたいのか?」

千冬「……そうだ。奴の性格からして、十分有り得る」

箒「……」
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 00:22:32.28 ID:oK77eHdR0
ラウラ「だが、一夏がどこへ行ったのか見当もつかないままでは……」

シャル「ひょっとすると……まだ手遅れじゃないかもしれないよ。リヴァイヴ」

シャル「外部接続、全ステータス表示」

リヴァイヴ「UART1、アクティブ」

シャル「コンファーム」

リヴァイヴ「

34.642247N、140.114136E

WARNING: BAT LO.



・・・・・
・・・
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 00:23:32.71 ID:oK77eHdR0
――0125、海岸

千冬「ラウラを除く3人にとっては、初の実戦になる」

千冬「目標は……学園生徒1名の奪還。分かっているな」

千冬「準備はできたか」

箒「行けます、教官」

シャル「はい」

セシリア「大丈夫ですわ」

ラウラ「問題ない」

千冬「……では、作戦を開始する。弟を頼んだぞ」

千冬「私は……篠ノ之束を探し出す」

千冬「総員、垂直発進!」

雲が厚い。
4機のISが、エンジン音を重ね合わせてまだ暗い空へ飛び立った。

・・・・・
・・・
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 00:24:28.06 ID:oK77eHdR0
――0135、海上

白式「警告、シールドエネルギー、残2%。戦闘離脱を推奨」

一夏「……」

白式「友軍機4、新規捕捉」

一夏「何!?」

急襲した大出力ビームによって、白式と銀色のISが引きはがされた。

箒「紅椿、マス・トラクション解除。ハーネス格納」

セシリア「頼みましたわよ、篠ノ之さん」

シャル「任せたよ」

レーゲンは既に、初射を終わらせている。

欧州勢が<福音>を包囲すると、紅椿は白式の進路を塞いだ。

一夏「何をする、箒。戦わせろ」

箒「そうはさせんぞ、一夏」
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 00:25:35.54 ID:oK77eHdR0
一夏「……退け。奴と決着をつけさせろ」

箒「なあ一夏、春休みのこと、覚えてるか」

紫色の蛍光をまとったワイヤーブレードが獲物を探している。

一夏「退け。退いてくれ」

箒「状況が状況だったからな……言いそびれたんだが」

一夏「戦わせろ」

一夏「戦わせろ戦わせろ戦わせろ戦わせろ戦わせろ戦わせろ戦わせろ…」

箒「本当は……すごくうれしかった」

重機関砲の制圧射撃が始まった。

一夏「戦わせろ戦わせろ戦わせろ戦わせろ戦わせろ戦わせろ戦わせろ戦わせろ戦わせろ
   戦わせろ戦わせろ戦わせろ戦わせろ戦わせろ戦わせろ戦わせろ戦わせろ戦わせろ」

箒「あの時はありがとう、一夏」

一夏「この野郎おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
   おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
   おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
   おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

箒「!?」
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/16(木) 00:26:08.84 ID:15H/NyHIO
この先の展開にwktk!
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 00:26:55.98 ID:oK77eHdR0
白式の側部装甲が、形を変えていく。
大きく下に張り出して、翼のような構造を取ったかと思うと、
左右から2本ずつ、金属の腕が生えた。

一夏「このや……うっ……俺は……箒……」

箒「論理攪乱……」

紅椿の展開装甲が、質量輸送にエネルギーを使い果たした白式を静かに支えた。

箒「もういい。もう大丈夫だ、一夏」

一夏「俺にまた……生き永らえさせようってのか?」

箒は質問で返した。

箒「…お前をここへ駆り立てたのは、何だ」

一夏「決まってるだろ。正体が露呈した俺がいれば、いつか必ず誰かが傷つく。だかr

箒「なっていないな、馬鹿者」

一夏「?」

箒「なっていない。お前は理解していない」
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 00:29:50.12 ID:oK77eHdR0
箒「お前は……自分が死んで、それで私たちを守ったつもりか?」

一夏「そうだ。それが俺の、3年前からの使命」

シャルが、69mmパイルバンカーを取り出した。
レールカノンの擦過音が沈黙を破る。

箒「違う。全然違う」

箒「お前が生きていて初めて、生きる喜びを感じられる人間がいる。これは事実だ」

一夏「詭弁だな。確かめようがない」

一夏「そんなことを言う奴が、最初に命を落とす」

一夏「倉庫で再会した時に、俺は箒を守り抜くって誓ったんだ」

一夏「自分の運命と……正面から向き合おうってな」

一夏「今でも、その決意は変わらない」

一夏「この呪われた体を始末しなくちゃならない。離してくれ、箒」

箒「ふん。お前のISが許すと思うか?……絢爛舞踏」

プリエンプティブ・コア・シンクロナイザ
紅椿「先制機核同期、正常作動。転送開始」

紅椿の展開装甲から金色の粒子が漏れ出すに連れて、白式が力を取り戻した。

スターライトの緑色の閃光が見える。
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 00:30:30.35 ID:oK77eHdR0
一夏「……」

箒「お前の信念は間違っている。私が証明してやろう」

箒「だが今ではない。待っていろ、奴を片づける」

一夏「……」

白式は紅椿の背中を見送った。

・・・・・
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 00:31:15.28 ID:oK77eHdR0
敵の弾幕を切り抜けたセシリアが最初に口を開いた。

セシリア「篠ノ之さん!」

箒「待たせたな。けりをつけるぞ」

シャル「じゃあ、うまくいったんだね?」

箒「ああ。成功だ」

ラウラ「油断するな。まだ敵に満足なダメージを与えられていない」

箒「行くぞ!」

空裂の一振りで、平面上に大量のエネルギー刃が放たれた。

・・・・・
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 00:31:50.03 ID:oK77eHdR0
――0145、海上

後方でビット制御に専念していたティアーズが直撃を受けた。

セシリア「きゃあっ……!」

シャル「くっ……大丈夫、オルコットさん」

セシリア「まだまだですわ!……あっ、デュノアさん、後ろっ!」
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 00:32:19.23 ID:oK77eHdR0
紅椿・リヴァイヴ・レーゲン・ティアーズ「友軍機1、再捕捉」
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 00:35:15.21 ID:oK77eHdR0
白式が一気にリヴァイヴを追い抜くと、6本の刀身を展開させた。
背中で白い扇形がいくつか閃いた直後には、<福音>は攻撃能力を失っていた。
身ぐるみを剥いだ敵に、雪片と滴露が深々と突き刺さる。

胸に大穴を穿たれた残骸が、海面に落ちて行った。

箒「……一夏」

一夏「勘違いするなよ。別に、気が変わったわけじゃない」

セシリア「あら、どうでしょうね。ふふっ」

箒「ベースと接続。……織斑教官、任務完了です。対象は安全に回収しました」

千冬『そうか。……皆、よくやった』

箒「では、帰るぞ。全機、ハーネス装着」

・・・・・
・・・
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 00:38:01.47 ID:oK77eHdR0
――0200、海岸

5機のISが砂浜に降り立った。

近づいてくる人影が二つある。

箒「教官!」

千冬「帰ったか。専用機持ちども、苦労だったな」

セシリア「ほら、一夏さん」

ティアーズは、手の甲で白式の背部装甲を軽く叩いた。
柔らかい金属音がした。

一夏「う……ち、ち……千冬姉」

千冬「……教官、だ」

一夏「千冬姉、勝手なことして、ごめん」

一夏「俺は……」

束「いっくん」
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 00:40:43.61 ID:oK77eHdR0
一夏「!?」

束「いっくん、ごめんね」

束「いっくんがあんなことするなんて、思わなかったよ」

束「ちーちゃんに言われて、気付いたんだけど」

束「いっくんを守るのが、IS開発者としての本来のわたしの務め」

束「これからはいっくんを守ってみせるから……今回のことは許してくれるかな」

一夏「束さん」

一夏「頭を上げてください。束さんは俺一人と引き換えに、世界中の人々を守ろうとした」

一夏「それでいいじゃないですか」

一夏「それに……俺、束さんには感謝してます」

一夏「ISに名前を付けてくれたし……束さんのおかげで、人生の大切さが分かったような気がするから」

束「……」
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 00:41:27.13 ID:oK77eHdR0
一夏「正直に言って、束さんの力でも、俺を守りきれるとは思えません」

一夏「軍事企業はそんなに甘くない」

一夏「でも、もしその時が来たら、俺は束さんの財産を第一に行動するつもりです」

箒「ははっ、杞憂だぞ」

箒「紅椿は……お前のISなど、1分で蒸発させられる」

箒「安心しろ。お前を渡しはしない」

一夏「……」

・・・・・
・・・
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/16(木) 00:54:53.34 ID:15H/NyHIO
ワンサマーの無双・・・胸熱?
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 00:58:15.97 ID:oK77eHdR0
――0800、廊下

一夏はあくびをしながら1組の朝食指定部屋へ向かっていた。

襖を開けると、食事が整然と並んでおり、生徒の姿も、教師の姿も見当たらなかった。




改めて腕時計を確認するために下を見ると、モッピーのストラップが落ちていた。

一夏「びゃ、白式!」

心臓が高鳴り、意識をガントレットに集中させることができない。
いつもより0.5秒遅く、相棒が姿を現した。

白式「認証:織斑 一夏。階級、ドッキリ被害者」

一夏「は、はあっ!?」

「「「「「わあっ!!」」」」」

物置の襖が一斉に開いて、1組の生徒と教員が飛び出してきた。

115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/16(木) 00:59:17.40 ID:15H/NyHIO
なぜ!が?になるし…
連投すいません
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 01:06:52.16 ID:oK77eHdR0
シャル「一夏にできないことでも、僕たちにはできる。そういうことだよ」

一夏「みんな……どうして……」

箒「元気を出せ。もう、お前のことを嫌うやつはいないぞ」

生徒「男の子だからって、冷たくしてごめんね、織斑くん」

生徒「友達だよ?」

一夏「……ははっ、ありがとう。発案者は……織斑教官ですか?」

千冬「いや、副担任だ。なあ教官」

山田「はい……まあ。心臓が止まらなくって安心したよ」

ラウラ「だったら最初から……何でもない」

千冬「私のことは、千冬教官でいいぞ、一夏」

千冬「織斑が二人だと、やはり紛らわしいのでな」
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 01:13:53.68 ID:oK77eHdR0
セシリア「さっ、皆さん、食事が冷めますわ」

生徒たちは、それぞれ一夏に言葉をかけると、席に着いた。

一夏「白式、展開解j……」


その前に、やっておくことがある。
一夏は、右腕をこっそり持ち上げて、涙をデータ空間に転送した。



118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/08/16(木) 01:15:00.40 ID:R0l/gPBmo
おつー
なかなか良かったよ
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/08/16(木) 01:15:43.30 ID:/mIiYEQko

一日で終わらせるスレ久しぶりに見た気がするわ
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [saga]:2012/08/16(木) 01:17:32.23 ID:oK77eHdR0
以上です。

駄文、たびたびの超展開失礼しました。

鈴派の人、ごめんなさい。
分かってもらえたとは思いますが、改造後の一夏を知っている人間がいるとまずいんです。
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sagesaga]:2012/08/16(木) 07:02:22.48 ID:dGqPT1S1o
面白かったがスレタイどこ行った?ww
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2012/08/16(木) 07:37:51.79 ID:H9p4CarNo
乙!!!

面白過ぎて素で酢豚のこと忘れちゃってたわ
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/16(木) 08:21:12.80 ID:AfbCwVTIO
乙ーおもしろかった。
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/16(木) 09:10:49.47 ID:6/Xazn24o
面白い
スレタイが行方不明だが
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/08/16(木) 10:26:32.22 ID:oK77eHdR0
レスかたじけない。

イミフ部分をちょっと補足
>>52 箒「察しはつく」

箒は見当外れのことを考えてる。
ゴーレム×4戦の後、シャルと一夏が別の理由で仲違いしたとか、
あくまで居心地の悪さじゃないかと。
実際はシャルが一夏にトラウマを抱いてるっていう描写が足りなかった

>>93 箒が告げ口するだろ常考……

すまんミス
本来なら束が口止めするはずだった

束は、原作通り千冬が白式と紅椿で一撃翌離脱戦を組むと想定してる
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) :2012/08/16(木) 19:15:25.32 ID:Sn+q2azO0
終わりなの?
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/08/16(木) 19:46:56.04 ID:oK77eHdR0
>>126

はい、アニメのストーリーは網羅したので完結です。
短いと思われた方、すいません。

もうHTML化を申請した方が良いでしょうか?
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/08/16(木) 20:31:11.82 ID:/mIiYEQko
HTML化はいつでもいいが放置するなって言われないようにな
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/08/16(木) 20:42:41.95 ID:5zV45hqyo
面白かったから駆け足で進んで終わってしまったのがもったいない気がするけど
何はともあれ乙
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/17(金) 10:47:02.08 ID:+8SV+biNo
うん、面白かった
ISのキャラ萌えSSじゃなく真面目なSSは貴重


ただ改変するなら設定で無理しない方がいい
つまりセカンド一匹余らすとかかわいそうなことするな
囚われてた期間を早めて中学生時代はリハビリしていて高校入学と同時に再発とか
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/08/20(月) 12:52:45.62 ID:Wlw3yijeo

よかったよ
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