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魔法少女ほむら☆マギカ〜私の居場所〜 明るい魔まマほむらルート - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :ちり紙 ◆B/tbuP0Myc [saga]:2012/08/16(木) 02:20:03.45 ID:7Q35Ue+mo
 まど神「ここは明るい魔まマ 魔法少女まどか☆マギカ 〜私の大切な人〜 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1301760973/に登場する平行世界の暁美ほむらちゃんの物語を語るスレだよ」
 まど神「一見さんに説明するね。明るい魔まマシリーズはギャルゲ的なまどか☆マギカをやるシリーズなんだ。前スレはもうひとりのわたしルートなんだよ」
 まど神「このスレはほむらちゃんルートなの。前スレ第10話で描かれたほむらちゃんのお話をもう少し詳細に描いていくよ」

 まど神「注意事項としてこのお話のほむらちゃんは、同性愛者でもなければ、特別強くもないって言っておくね」
 まど神「絶対にわたしと百合展開にはならないし、マミさん達と仲良くなってワルプルギスの夜に勝ったりもしないし、チート全開ですべて解決なんて展開もしないの」
 まど神「はっきり言うと最終的にループに失敗するし、マミさん達と仲良くなって未来を変える事も出来ないの。一応最後はハッピーエンドだけどね」

 まど神「だから社交的で頼りになる強いほむらちゃんの大活躍や、ほむらちゃんとわたし達魔法少女の百合ん百合んな展開や変態なほむらちゃんの活躍が見たい人は見ない方が良いかも」
 まど神「ここはあくまで前スレでほむらちゃんのルートを見たがった人達の為だけに立てたスレだからね」
 まど神「それじゃほむらちゃんルート始まるよ。とりあえず、予告編だけだけどね」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1345051203
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ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713522243/

旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713353246/

木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1713351945/

いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713279251/

【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713277692/

こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713183168/

【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/

アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713089503/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/08/16(木) 02:21:04.40 ID:7Q35Ue+mo
  予告編。

  ――私はいつもひとりぼっちだった。

  物心ついた時から、真っ白な部屋と小さな部屋を行ったり来たりするだけの毎日。

  そんな私が好きだったアニメがあった。

  今はもういない、大好きだったおばあちゃんのひざの上で観てたアニメの主人公は。

  ――いつも元気いっぱいで、可愛くて、明るくて、友達もいっぱいいて。

  ずっとずっと、自分と正反対のその主人公みたいになりたくて。

  ……でも、なれるはずなんてなくて。

  それでも。

  ずっとずっと、憧れてた。

  初めての転校初日。

  私は彼女と出会った。

 「もう大丈夫だよ。ほむらちゃん」

  そう言って微笑む彼女。

  ――私の目の前には、私がずっと憧れてた本物の正義のヒロインが立っていた。

  第1話「私の初めての友達」

  出来るだけ早く順次投下予定。
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/08/19(日) 12:29:44.08 ID:9sQj1jyuo
乙乙!
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/19(日) 23:55:05.71 ID:HtRzRryqo
 『ぐすっ、ぐすっ……』
 『どうしたの、ほむらちゃん』
 『ぐすん。おばあちゃん……。どうして、わたしは他の子と違うの……?』

 『……』

 『わたしもお外で遊びたいよぉ……。お友達欲しいよぉ……』
 『……大丈夫よ。ほむらちゃんも元気になって、お友達沢山作ってお外で遊べるようになるからね』
 『それっていつなの?』

 『……』

 『ぐすっ……。パパもママもずっと一緒にいてくれない……。お友達もいない……。もうやだよう……』

 『……』

 『寂しい……。ひとりぼっちは寂しいよう……』
 『ほむらちゃんはひとりぼっちなんかじゃないわ』

 『ぐすん……。だって、おばあちゃんも夜になったらお家に帰っちゃうんでしょ……』
 『今日はずっとほむちゃんと一緒にいるわ』

 『……ほんと?』
 『ええ。本当よ。ほら、おばあちゃんのおひざの上にいらっしゃい』

 『……うんっ』

 『ふふっ。ほむらちゃんは甘えん坊さんね』

 『ねえ、おばあちゃん』

 『なあに?』

 『ずっと、ずっと、わたしといっしょにいてね。ひとりにしないでね』

 『私のかわいいほむらちゃんをおばあちゃん、ひとりぼっちになんてしないわ』

 『……うんっ』

 『あっ、そうだわ。ほむらちゃんが好きなマンガをレンタルビデオ屋さんで借りてきたのよ』
 『おばあちゃん、本当?』
 『本当よ。一緒に見ましょうか』
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/19(日) 23:55:48.11 ID:HtRzRryqo
 『うんっ』

          魔法少女ほむら☆マギカ 〜私の居場所〜

  ――ピピピピピ。

  無機質な目覚めの時間を知らせる電子音が枕元で鳴り響く。
  八畳一間の和室に敷かれた布団の中で眠りに着いていた少女が、目を擦りながら起きだして枕元の目覚ましを止める。
  目覚まし時計のすぐ側に置いてあった眼鏡をかけ、少女は布団から抜け出すと、ふすまを開けて隣の部屋に移動する。
 「……ママ、今日も朝早くからお仕事なのね」
  ちゃぶ台の上に置かれたラップに包まれたおにぎりと置手紙を見て、少女は寂しそうに呟く。
  少女は洗面台で顔を洗って、通っているミッション系の中学校の制服に着替えると、部屋の片隅に置かれている仏壇に向かって口を開いた。

 「……おばあちゃん。今朝おばあちゃんの夢を見たよ」

  ――暁美ほむら13才。今はまだ、これから自身に訪れる数奇な運命を彼女は知らない。

  母親が作っていった味噌汁を温めて、おにぎりといっしょに食べてからほむらは常日頃服用している薬を飲んで、一息つく。

 「今日の私の運勢はっ、と。あっ、良い事があるかもだって」
  テレビの占いコーナーを見て、ひとり言を呟く。
 「あっ。今日の天気予報は、と」
  テレビのリモコンを操作していると、画面に再放送のアニメが映し出される。

 「うわあ……。懐かしいなぁ……」
  テレビに映し出されたそのアニメは昔、ほむらが大好きな女児向けの変身ヒロインアニメだった。
  テンポの良い軽快なOPテーマに合わせて、仲の良い友人達と主人公の日常シーン、主人公と後に恋仲になるケンカ友達の少年とのツーショット、変身して悪人に立ち向かう主人公の姿がテンポ良く映し出される。

 「……私もこんなふうになれたらいいのになあ」
  そう呟いた直後、画面左上に映っている時報に目が行くと、慌てて立ち上がる。
 「きゃっ!? もうこんな時間!!」
  ほむらは通学鞄を片手に大慌てで家を飛び出す。
 「行ってきます」
  誰もいない家に向かってそう呟くとほむらは通学路に向かって早足で歩き出した。

 「はあ……はあ……っ」
  少し早足で歩いてきただけなのに、ほむらは息も絶え絶えと言った風体でとぼとぼと通学路を歩く。

 「こ、ここまでくれば大丈夫だよね……」
  独り言を呟きながら歩いていると、見知った背中を見つけた。
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/19(日) 23:56:54.99 ID:HtRzRryqo

 「あ、平松さん……」
  学校でほむらが具合が悪くなった時に良く助けてくれるクラスの女子だった。隣にはよく一緒にいる女子もいる。どうやら二人で仲良く登校してるようだった。

 「……どうしよう。やっぱり、おはようって挨拶した方が良いかなぁ」
  彼女は学級委員で体の弱いほむらに何かと良くしてくれる。だが生来の気弱な性格が災いして、ほむらは彼女と満足にお喋りした事もなかった。
  ここで勇気を出して挨拶すれば、もしかしたら仲良くなれるかも入れない。
 「……よし」
  ほむらはしばらく悩んだが、もしかしたら仲良くなれるかもしれないと言う希望にかけて、声をかける事を選んだ。

 (大丈夫。平松さんは優しいもん。たった一言、おはようって言うだけ……)

  お喋りに夢中になって歩くスピードがダウンしている二人の背後に、ほむらはぎくしゃくと壊れたロボットのおもちゃのような動きで近づいていく。

 「ひら……」

  ほむらが勇気を振り絞って声をかけようとしたその時だった。

 「ねえ平松。今日はあの子来るかな」
 「さあね。最近寒いし風邪でも引いて寝込んでるかもよ。あの子体弱すぎだし」
 「ひっどー。友達じゃないのー?」
 「馬鹿言わないでよ。あんな根暗な地味子友達なんかじゃないわ。願い下げよ」
 「うわっ、ひっどーい」
 「あのうじうじした態度とか見ててイラつくのよね。人がわざわざ時間割いて世話してやってんのにさ、お礼ひとつ言うのにもトロいのよあの子」
 「そんな風に思ってんなら、なんでお世話係みたいな事買って出てんの?」

 「バカねぇ。天杉、人が嫌がるような事を進んでやるって教師連中の受けがいいのよ」
 「あー。内申目当てって訳か。そちも悪よのぅ」
 「当然でしょ。何の打算もなく親切にしてやる馬鹿なんていないわよ」
 「うわー。そこまで言うか」
 「まあ、来ても来なくてもどっちでもいいわ。来れば私の評価が上がるだけだし、来なければ楽できるから」
 「ひっどーい。もしかして私との付き合いも打算?」
 「馬鹿ね。あなたは別よ」
 「よかった。あたし達、ずっと友達だかんね」
 「ええ」

 「……」
  少女達は好き勝手言いながら、背後のほむらに気づく事なく歩いていく。
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/19(日) 23:58:13.74 ID:HtRzRryqo
 「……あはは」
  ほむらはその場に一人立ちつくしながら、自嘲気味に笑う。
 (そうだよね……。誰が好き好んで私なんかと……)
  ぽろぽろと涙がほむらの両目から溢れて地面の上に零れ落ちる。
 (……学校、行きたくないな)
  知りたくなかったクラスメートの本音を知ってしまった今、顔を会せるのが辛い。今のほむらの足取りは物凄く重かった。
 「……うっ!?」
  ほむらの左胸に突然痛みが走った。発作だ。
 「うっ……くぁ……っ」
  左胸を押さえながら、ほむらはその場に崩れ落ちる。

 「ちょっと!? 大丈夫!?」
  係で小学生の通学を見守っていた主婦が、ほむらの異変に気づいて大慌てで駆け寄ってくる。

 「うっ……くぅ……」
  発作の苦しさと心の痛みにほむらはただ、うずくまって涙を流すだけだった……。

          ☆

 「……見滝原市?」
  救急車で搬送された病院のベッドの上で、ほむらは母親に言われた市の名を聞き返す。

 「ええ。そこにある病院は最新の医療設備があって、お医者様も心臓の手術の権威なんですって」
 「そこで手術をしてもらえれば、ほむらも毎日学校に通えるようになるぞ」
  母親の言葉を引き継ぐように父親がほむらに言う。

 「本当?」
 「ええ。ただ、手術が成功して退院した後も定期的に診てもらわないといけないから、見滝原に引っ越ししないといけないのだけど」
 「……」
  母親の引っ越しと言う言葉に、一瞬クラスメートの顔が脳裏に過る。
 「お友達とのお別れはつらいかもしれないけど……」
 (……私に友達なんていないもん)
  母親におもわずそう言いそうになったが、ほむらは口を紡ぐと、少しの間を開けてから口を開いた。

 「大丈夫だよ、ママ」
 「ほむら、それで引っ越しの事なんだが……。パパもママもすぐに新しい仕事に代わるのは難しいんだ」
 「……うん」
 「ほむらが入院している間になんとかするつもりではいるが、もしかしたら退院に間に合わないかもしれない」
 「もし退院に間に合わなかったら、ほむらには一人で見滝原で生活してもらう期間が出来るかもしれないの」
 「……」
 「もしそうなった場合、晩御飯とかは宅配サービスを頼むから。パパかママのどちらかが行けるようになったら、すぐに行くから我慢してくれるか」
 「……うん」
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/19(日) 23:59:17.02 ID:HtRzRryqo

  父親と母親の説明にほむらは素直に頷く。

 「そうか。ほむらは聞き分けが良くて助かるよ」
  そう言って父親が笑う。
 「それじゃ、さっき説明したとうりにお話を進めるからね」
 「……うん」

  ほむらの両親は言いたい事をほむらに伝えると、さっさと帰っていった。
  一人病室に残されたほむらはベッドの中でこれからの不安を口にして怯える。

 「手術なんて怖いよ。おばあちゃん……」
  今はもう、いつもほむらの側にいてくれた優しい祖母はいない。たった一人で手術の日を迎え、たった一人で入院生活を送らなければならない。
  そして、もしかしたら見知らぬ土地でたった一人で暮らさなければならない。
  今までだって、多忙な両親が一緒にいてくれる時間はほとんどなかったが、ほとんどないのとまったくなくなるのは違う。
  ほむらはひとり、誰にも不安な心中を打ち明ける事も出来ず、見滝原総合病院へと転院していくのだった……。

          ☆

  無事に心臓の手術を終えて退院する事の出来たほむらは、母親と一緒にいつか一家で住む事になるであろうアパートへとやってきた。

 「ほむら。ママもパパもまだこっちにこれないけど、一人でも大丈夫よね?」
 「……うん」
 「晩ご飯は宅配サービスを頼んであるから。朝ご飯とお昼ご飯は何か買って食べなさいね。お金はちゃんと送金するから」
 「……うん」
 「退院したと言ってもちゃんと病院には定期的に通って診てもらうのよ」
 「……うん」
 「それじゃ、ママは東京に戻るから。何かあったら電話しなさいね」

  母親はそれだけ言うと、ほむらに背を向けて去っていく。

 「……ママ、待って」
  ほむらは弱々しい声で母親の背に話しかける。
 「置いていかないで。ひとりにしないで……」
  母親は娘の弱々しい悲痛な叫びに気付かない。
 「ひとりはいや……。ひとりはいやだよ……」
  ほむらは俯いたまま、弱々しく言うと眼鏡を外して両目を手の甲で拭う。

  孤独な少女の見知らぬ土地での生活がこうして始まったのだった。
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/19(日) 23:59:56.10 ID:HtRzRryqo
          ☆

 「はい、それじゃ自己紹介いってみよう」
  転校先の見滝原中学校の2年生のクラスで、担任の早乙女先生に促されてほむらはもじもじしながら恥ずかしそうに自己紹介をする。

 「あ、あの、あああ暁美、ほ、ほむら、です。その……どうか、よよよろしくお願いします」

  教壇でたどたどしく自己紹介するほむらを新しいクラスメート達は好奇の目で見てくる。
  ほむらは思わず逃げ出したくなった。
  ホームルームが終わり、そのまま1時間目が終わると数人の女子達がほむらを取り囲んで質問攻めにしてきた。

 「えと、その……」
  他人とのコミュニケーション能力に乏しいほむらが対応に困っていると、一人の女子生徒が助け舟を出してくれる。

 「みんな、ごめんね。暁美さんって休み時間の度に保健室でお薬飲まないといけないの」

  女子生徒はそう言ってほむらを教室の外へと連れ出す。

 「ごめんね。みんなわるぎはないんだけど……転校生なんて珍しいから、はしゃいじゃって」
 「あの、その……」
 「わたし、鹿目まどか。まどかって呼んで」
 「え、その……」
 「いいって。だからわたしもほむらちゃんって呼んでいいかな?」
 「……私、その、あんまり名前で呼ばれた事なくって……すごく、変な名前だし」
 「えー? そんなことないよ。なんかさ、燃え上がれーって感じで。かっこいいと思うな」
 「……名前負け、してます」
 「そんなの、もったいないよぉ。せっかく素敵な名前なんだから、ほむらちゃんもカッコよくなっちゃえばいいんだよ」
  まどかはそう言って無邪気に笑う。ほむらはそんなまどかに気後れして俯いてしまうのだった。

  ――それから。
  ほむらの転校初日は散々だった。
  勉強にはついていけない。
  体育は準備運動だけでギブアップ。
  クラスの女子達に陰口を叩かれ、陰鬱な気分でほむらはひとり、誰も待っていない自宅への帰り道をとぼとぼと歩く。

 「……わたし、なにやってるんだろ」
  学校での失敗を思い出して、ため息をつく。
 『ほむらちゃんもカッコよくなっちゃえばいいんだよ』
 「無理だよ……。わたし、何にも出来ない……」
 「人に迷惑ばっかりかけて……恥かいて……どうしてなの? 私、これからもずっとこんなままなの?」
  俯きながら内省にふけるほむら。

 「なれるものなら、なりたい。いつも元気いっぱいで明るくて友達がいっぱいいる。そんな風になりたい。でも、なれるわけないよ……」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/20(月) 00:00:44.78 ID:dS5B0SFIo
 『だったら、死んじゃった方が良いよね』
 「死んじゃった方が良いかな……」
 『そう、死んじゃえばいいんだよ』
 「死んでしまえば……」

  ふと我に返って周囲を見回すと、夕焼けの街並みが訳の分からない異形の世界へと変貌していた。

 「な、何、何なの……!?」

  地面から異形の怪物達が湧きだして、ほむらの元へと迫ってくる。

 「ひいっ!? い、いや、いやっ!! こないで!!」
  逃げようとするが、恐怖のあまり足がもつれて倒れこんでしまうほむら。
  怪物たちが哀れな仔羊をその毒牙に書けようとしたその時。

  金色に輝く銃弾と眩いピンク色に輝く光の矢が怪物達に着弾して消し飛ばした。

 「もう大丈夫だよ。ほむらちゃん」

  そう言ってほむらの前に降り立った二人の少女。
  魔法少女鹿目まどか。
  魔法少女巴マミ。
 「行くわよ。鹿目さん」
  手にしたマスケット銃を構えながら、マミがまどかに言う。
  まどかは魔法の弓に光の矢を番えながら、ほむらに微笑んで口を開く。

 「いきなり秘密がばれちゃったね。クラスのみんなにはナイショだよ!!」
  マミの撃った弾丸とまどかの放った光の矢が凱旋門の形をした魔女を消し飛ばす。
  ほむらは目の前で起こった出来事に呆然となるのだった。

 「ほむらちゃん、立てる?」
  そう言って微笑むまどか。

  呆然としているそほむらの目の前には、幼いほむらが大好きで憧れたアニメのヒロインのように、いつも元気で明るくて誰にでも優しい、本物の正義のヒロインが立っていた。

                                                                                             つづく
11 :ちり紙 ◆B/tbuP0Myc [saga]:2012/08/20(月) 00:04:11.86 ID:dS5B0SFIo
 まど神「とりあえずここまで」
 まど神「アニメ本編以上にかわいそうなほむらちゃんだね……」
 まど神「でもまあ、前スレ見てくれた人はこの後どうなるか知ってるはずだから何も心配はいらないよっ」ドヤァ
 まど神「それじゃまたね」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/20(月) 01:34:53.48 ID:fKxSev9L0
乙ですた!
なるほど、両親については手術費用の為に海外で働いてるって扱いが多かったけど、転職or転勤可能になるまで時間がかかるから
その間は一人暮らしになっていた、か。
この解釈は個人的に目鱗かも。
次回も楽しみにしてるます。
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/08/20(月) 02:15:16.07 ID:emlcB7vKo

過去に飛ばされた後の話も楽しみですはい
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/08/21(火) 10:52:13.54 ID:XGLuhpCoo
乙乙!
15 :ちり紙 ◆B/tbuP0Myc [sage saga]:2012/10/14(日) 22:45:08.26 ID:Y1aLaV8zo
 まど神「保守だよ。映画終ったから、出来るだけ続き早く書いてくって」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/10/14(日) 23:11:47.19 ID:Wk29g0jTo
おk
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(徳島県) [sage]:2012/10/19(金) 23:57:03.60 ID:sUqbzDZ+o
楽しみに待ってます
18 :ちり紙 ◆B/tbuP0Myc [sage saga]:2012/11/19(月) 15:37:03.46 ID:qUHUX8d8o
 第2話「正義の味方」
19 :ちり紙 ◆B/tbuP0Myc [sage saga]:2012/11/19(月) 15:38:01.97 ID:qUHUX8d8o
 「あ、貴方達はいったい……?」
 「彼女達は魔法少女。魔女を狩る者達さ」
  目の前で繰り広げられたまどかとマミの戦いの光景に、呆然となりながらほむらが呟くと、一匹の白い猫のような生き物がほむらに語りかけてきた。
 「……え?」
  自分の後方にいる声の主に振り返ると、その白い生き物はほむらににっこりと笑顔を見せて語りかけてきた。
 「はじめまして。暁美ほむら。僕の名前はキュゥべえ。君も僕と契約して、魔法少女にならないかい?」

          ☆

 「んーっ!! 美味しいーっ!!」
  マミの家でマミが用意してくれたケーキを味わいながら、まどかが感嘆の声を上げる。
 「あ、あの……お二人はいつも、あんなのと戦ってるんですか……?」
  ガラスのテーブル越しに並んで座っているまどかとマミに、二人に連れてこられたほむらがおずおずと尋ねると、まどかが人懐っこい笑顔で笑いながらほむらに説明する。
 「んー。そりゃマミさんはベテランだけど。わたしは一週間前にキュゥべえと契約したばっかりだし」
 「でも、最初の頃に比べて随分戦い方が上手くなってきたわ」
  マミが先ほどの戦いを褒めると、まどかは嬉しそうに後頭部に手を当てながら笑う。
 「えへへへ」
 「鹿目さんにはワルプルギスの夜が来る前に、一人前になってもらわないとね」
20 :ちり紙 ◆B/tbuP0Myc [sage saga]:2012/11/19(月) 15:38:32.63 ID:qUHUX8d8o
 「――怖く……ないんですか?」
  ほむらがそう尋ねると、まどかは人差し指を口元に当てながら、ちょっとだけ考えるそぶりをしてから、隣に座る先輩魔法少女に同意を求めるようにほむらに答えた。
 「そりゃ怖かったり、大変だったりするけど。でも魔女をやっつければそれだけ沢山の人達が助かる訳だし。やりがいはあるよね」
  まどかの言葉にマミが微笑みながら頷く。
 「〜〜っ」
  そんな二人のやりとりを見て、ほむらは嬉しくなって笑顔になる。
 (すごいすごい!! 鹿目さんも巴さんも本当に正義の味方なんだ!!)
  幼かった頃に大好きだったアニメの変身ヒロインみたいだと、ほむらは思う。

 (そう言えば、鹿目さんってあのアニメの主人公みたい……。巴さんは優しくて頼りになる仲間のお姉さんみたいで……)
  ほむらがそんな事を思っていると、今まで黙ってほむら達のやりとりを見ていたキュゥべえがほむらに話しかけてくる。
 「ほむら。君にもまどかやマミと同じ魔法少女らなれる素質があるんだ」
 「……えっ? ……私にも?」
 「そうさ。僕は君の願い事をなんでもひとつだけ叶えてあげる。どんな奇跡だって起こしてあげられる。だから、僕と契約して魔法少女にならないかい?」
  魔法の使者の勧誘に、ほむらは困惑する。
 (……願い事と魔法少女)
  まどかとマミと共に正義の為に戦う自分を想像して、嬉しくなるが学校での出来事を思い出してすぐに塞ぎ込んで俯いてしまう。
21 :ちり紙 ◆B/tbuP0Myc [sage saga]:2012/11/19(月) 15:38:59.19 ID:qUHUX8d8o
 「でも私、どんくさいし、ずっと入院してたから体も弱いし……」
  ほむらがそう答えると、キュゥべえは即座にほむらの言葉に切り返す。
 「君が魔法少女になれば肉体的なハンデなんて関係なくなるよ」
  ――それは、魔法少女の真実を意図的に隠した悪魔の囁きだったが、この時のほむらには知る由もなかった。
 「でも私、願い事なんて……」
  そう言って自分の体を健康にしたり、両親と一緒にいられるようにしたり、とささやかな願い事を考えてみるが、どうしてもほむらには踏ん切りが付けられなかった。
 (それにあんなのと戦うなんて無理だよ……)
  先ほどの出来事を思い出してほむらは身震いする。

 「キュゥべえ。無理に契約を勧めたら駄目よ。暁美さんが困ってるでしょ」
  マミがキュゥべえを窘めると、これ以上の勧誘はマイナスにしかならないと判断して、キュゥべえはその口を閉じた。
 「んー。ほむらちゃんは魔法少女に興味があるの?」
  まどかがほむらに尋ねると、ほむらは上目遣いでまどかを見ながら考える。
 (……もし魔法少女になったら、私も鹿目さんみたいになれるかな? ……でも魔女と戦うのなんて怖いし)
  ほむらの答えを急かす事もなく、優しい顔でほむらの返事を待ってくれている。
 (ここで興味がないって答えたら、どうなるんだろう。やっぱり、鹿目さんはただのクラスメイトに戻っちゃうよね……)
 (私には魔法少女なんて怖くて出来ないけど、興味があるって言えばもしかしたら、お友達位にはなってくれるかな……)
  ずっと孤独だった少女は、ついそんな事を考えてしまう。
22 :ちり紙 ◆B/tbuP0Myc [saga]:2012/11/19(月) 15:39:44.68 ID:qUHUX8d8o
 「……少し……あります」
  気が付くと、ほむらは二人にそう答えていた。

 「じゃあさ、わたしとマミさんの魔女退治に付き合ってみない?」
 「――えっ?」
 「実際に何度か魔女退治の様子を見て、それで契約するかしないか決めればいいよ。ね、マミさん」
  まどかがそう言って隣の先輩魔法少女に同意を求める。
 「……そうね。何も知らずに契約してしまうよりは良いかも知れないわね」
 「で、でも。私足手まといになるんじゃ……」
 「大丈夫だよ。わたしがほむらちゃんの事守ってみせるから!! それにマミさんだって一緒だもん!!」
  自信満々といった表情で胸を叩いてみせるまどか。
 「そこはわたしが、絶対に守るっ、て言って欲しかったかな」
  マミがそう言って笑うと、まどかがちょっとだけ落ち込んだ表情になる。
 「あう……」

 「うふふふ。冗談よ。私と鹿目さんの二人で絶対に貴女を守るわ。だから安心して。勿論、無理に魔女退治に付き合わなくてもいいのよ」
  そう言って、優しく微笑むマミ。まどかも優しい顔でほむらの目を見る。
 「……よ、よろしく……お願い、します」
  ほむらがそう答えると、まどかの表情がぱあっと花が咲くような笑顔に変わる。
 「うんっ。こちらこそよろしくねっ。ほむらちゃん」
 「それじゃ早速明日から、暁美さんの魔女退治見学ツアー開始ね」
  マミがまどかの様子を微笑ましそうに見ながら、二人に言う。

  ――自分はアニメの主人公やその仲間みたいにはなれないけれど、主人公の事情を知る友達位にはなれるかもしれない。

  ほむらはまどかとマミの優しい顔を上目遣いに見ながら、そんな事を思う。
  こうして、ほむらはまどかとマミの魔女退治に付き合う事になったのだった。


                                                                                             つづく
23 :ちり紙 ◆B/tbuP0Myc [saga]:2012/11/19(月) 15:40:39.37 ID:qUHUX8d8o
 まど神「とりあえずここまでだよ」
 まど神「次回で最初の世界が終わる予定だよ」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/19(月) 19:07:07.45 ID:r1YFHm4fo
ま た メ ア リ ー ・ ス ー か
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/19(月) 22:01:32.91 ID:FpGokn0p0
乙ですた!
結構サクサク進めるんだ。
しかしTV本編ではマミさんの部屋で「やりがいあるよね!」まででカットだったから、その後の様子は何か新鮮だな。
26 :ちり紙 ◆B/tbuP0Myc [sage]:2012/11/20(火) 16:12:32.54 ID:v7EunVYro
 まど神「平行世界のほむらちゃんのお話なので、アニメやハノカゲ版のほむらちゃんの物語と共通部分は出来るだけはしょるって」
 まど神「違いのある部分は描くけどね。変わらないシーンをやられても見てる方も読む方も退屈だよね」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/11/20(火) 23:37:14.44 ID:ay9aHXSJo

再開待ってたぜ
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(徳島県) [sage]:2012/11/22(木) 03:29:40.77 ID:/2C7Gaduo
乙です
楽しみだけど鬱展開は決まってるんだなあって思ったらちょっと辛いな
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 21:29:51.88 ID:HKN0GYvG0
ほむらルートキテター
ちり紙さんのまどかすごく好きです
次回も楽しみにしています
30 :ちり紙 ◆B/tbuP0Myc [saga]:2013/01/05(土) 06:03:19.45 ID:2sSLdoRio
 まど神「久しぶりの更新だよ」
 まど神「>29君 ありがとう。過疎スレだけどこれからもよろしくね」
 まど神「いつもレスくれるですた君、神奈川君、徳島君もありがとうね」

 まど神「一見さんへ」
 まど神「このスレ及び、関連スレに登場する人物は全員、名前と顔と性格こそ同じだけど別人だよ」
 まど神「違う時間軸どころか、生まれてきた世界そのものが原作の世界とは違う設定だからね」
 まど神「原作や他の二次創作ではインキュベーターの存在で進化した人類の世界で繰り広げられる話だけど、このシリーズは違う時間軸のまどかのお話と見せかけておいて、実は人類だけの力で進化した地球のまどかでしたーってお話だからね」

 まど神「また、女の子同士の同性愛はないので、そういうのが好きならすぐにそっ閉じしてね」
31 :ちり紙 ◆B/tbuP0Myc [saga]:2013/01/05(土) 06:04:42.92 ID:2sSLdoRio
 (今日から鹿目さん達と魔女退治かぁ……)
  翌日の朝。いつもより早く登校してきたほむらは、席に座って放課後の魔女退治見学ツアーへ思いを馳せていた。

 「ほむらちゃん、おはよう」
 「きゃっ!? か、鹿目さん……」
  登校してきたまどかに声をかけられ、物思いに耽っていたほむらは思わずびくんっと背を震わせる。
 「あっ、ごめんね。何か考え事してたみたいだったけど驚かせちゃったかな?」
 「い、いえ、大丈夫ですから……」
 「そう? なら良かった」
  そう言って屈託のない表情で笑ってみせるまどかの顔を、上目遣いでちらちらと見上げながら、ほむらは勇気を振り絞ってまどかの顔を見つめながら口を開く。

 「あの……。か、鹿目さん……」
 「ん? なあに? ほむらちゃん」
 「その……おはよう、ございます……」
 「うん。おはよう、ほむらちゃん」
  ほむらの勇気を振り絞った挨拶ににっこりと微笑んで答えるまどか。
 (良かった……。勇気出せた……)
  クラスメイト達の朝の挨拶には顔をまともに見て返事が出来なかったほむら。まどかにちゃんとした挨拶が出来た事が嬉しくて思わず笑顔になる。

 「うん。やっぱりほむらちゃんは笑顔の方がかわいいよ」
 「えっ?」
  ほむらの笑顔を見てまどかがそんな事を口にする。
 「あ、普段もかわいいけどさ、やっぱり笑顔の方がかわいいなって」
 「あぅ……」
  まどかに取っては何気ない言葉だったが、ほむらは恥ずかしさのあまり真っ赤になって俯いてしまう。

 「うわーんまどかー!! 数学の宿題見せてー!!」
  昨日出された宿題を忘れてしまった、まどかの親友の美樹さやかが唐突にまどかに泣きついてきた事で、ほむらとまどかの朝の一時があっさりと終わりを告げた。
 「もう、さやかちゃんたら。しょうがないんだから……。ほむらちゃん、また後でね」
 「は、はい」
  さやかともう一人の親友である、志筑仁美が待っている席の方へ歩いていくまどかの後姿を見ながら、ほむらはクラスの誰にも気付かれない小さな声で呟いた。

 「……あっ。昨日助けてもらったお礼、まだ言ってなかった……」
32 :ちり紙 ◆B/tbuP0Myc [saga]:2013/01/05(土) 06:05:20.37 ID:2sSLdoRio
          ☆

  キーンコーンカーンコーン……。

  昼休みを告げるチャイムの音と教師と日直のやりとりを聞きながら、ほむらはいつ、どうやってまどかに昨日助けられた時のお礼を言おうか悩んでいた。
 (……この休み時間こそ、鹿目さんにお礼を言うんだっ)
  左胸の前で左拳をぐっと握って決意を決めるほむら。
  これまでの休み時間にもまどかに声をかけようとしたのだが、授業が長引いて休憩時間が短くなってしまったり、教室の移動が重なってしまったり。
  ほむらはまどかとまともに会話する事も出来ないまま今に至っていたのだった。
 「……よしっ」
  誰にも聞こえないような小さな声で、決意を固めてまどかの元へ向かおうとすると、ほむらの耳にさやかの元気な声が飛び込んできた。

 「あー、おなかすいたー。まどか、仁美、早くお昼にしようよー」
 「……あ」
  弁当箱を片手に持ったさやかと自分の弁当箱を取り出している仁美の姿を目にして、ほむらの決意が瓦解していく。
 (鹿目さん、これからお友達とお昼ご飯食べるんだ……。邪魔したら悪いよね……)
  仲の良い友達と一緒に食事を取るまどかの事を羨ましく思いつつ、ほむらは弁当箱を持って教室を出ていくことにした。
 (……誰もいない場所、探さないと)
  友達のいないひとりぼっちの自分を情けない、惨めだと思いながら、ほむらはとぼとぼと肩を落として廊下を歩く。

 「――ほむらちゃん、待って」
  ほむらが俯きながら歩いていると、まどかが駆け寄ってきてほむらを呼び止めた。
 「ほむらちゃん、お昼まだだよね?」
 「は、はい」
  ほむらが俯きながらそう答えると、まどかはポンと両の掌を合わせて、屈託のない笑顔でほむらに言う。

 「じゃあさ、わたし達と一緒にお昼食べようよ」
 「え? でも……」
 「それとも誰かと約束があるとか?」
 「いえ……。そんな……約束なんて、ありません……」
 「じゃあ、一緒に食べようよ」

 「でも、お友達と一緒にお昼するのに私なんかが、お邪魔したら鹿目さんのお友達に迷惑なんじゃ……」
  ほむらの吐いた卑屈な言葉に、まどかは思わずほむらの手を取って答えた。
 「何言ってるの? ほむらちゃんはもう、わたしの友達だよ」
 「……え?」
  まどかの行為と言葉に驚いて、俯いていた顔をほむらが上げると、まどかはほむらの目をしっかりと見つめながら言葉を紡ぐ。
 「だから、さやかちゃんと仁美ちゃんにもほむらちゃんの事、紹介したいの。わたしの新しい友達だよって」
 「……友、達」
 「うん。あ、さやかちゃんと仁美ちゃんはわたしの仲の良い友達なんだけどね。さやかちゃん達もほむらちゃんと仲良くなってくれたらいいなって。そう思うんだ」
 「……」
 「駄目かな?」
  まどかの言葉に顔をふるふると振りながらほむらは答える。
33 :ちり紙 ◆B/tbuP0Myc [saga]:2013/01/05(土) 06:06:08.29 ID:2sSLdoRio

 「駄目じゃ……ない、です……」
 「良かった……。じゃあ、早く教室に戻ろう? さやかちゃんがおなかすいたって騒いでるから」
  そう言って、ほむらに優しい顔で微笑むまどかにほむらも笑顔を見せて頷く。
 「……はい」
  胸の中に今まで感じた事のない暖かい物を感じながら、ほむらはまどかと一緒に教室へと戻る。

 「……あっ。そうだ」
 「どうしたの? ほむらちゃん」
  不意に立ち止まったほむらにまどかが尋ねると、ほむらはまどかの顔をしっかりと見つめながら口を開いた。
 「鹿目さん、昨日は助けていただいてありかとうございました」
  そう言ってほむらがぺこりとお辞儀をする。
  まどかは魔法少女になって初めて人から感謝された事が嬉しくて、笑顔でほむらのお礼に答えるのだった。

 「どういたしまして!!」

          ☆

 「まどかはほむらと用事があるんだっけ?」
 「うん、ごめんね。さやかちゃん」
 「いいって。今日は仁美と二人で帰るからさ。それじゃまどか、ほむら。また明日」
 「まどかさん、暁美さん、ごきげんよう」
 「さやかちゃん、仁美ちゃん、ばいばい」
 「美樹さん、志筑さん、さようなら」

  ――その日の放課後。
  まどかの計らいで、それなりにほむらと打ち解けたさやかと仁美は、二人に手を振りながら帰っていった。

 「さてと。それじゃマミさんと合流して魔女探しに行こうか」
 「はい」

  まどかに連れられてほむらはマミの待つ喫茶店へと向かう。
  喫茶店の中に入ると、奥の席で紅茶を飲むマミとその膝の上で、サンドイッチを食べるキュゥべえがいた。

 「マミさん、お待たせしました。すみません、遅れちゃって」
 「そんなに待ってないから気にしないで。二人とも、魔女探しの前に少し休憩する?」
 「いえ、わたしは大丈夫です。ほむらちゃんは?」
 「わ、私も平気です」
  マミの問いにまどかとほむらがそう答えると、マミは紅茶を飲み干してから二人に告げるのだった。

 「――それじゃ、暁美さんの魔女退治見学ツアーを始めましょうか」

  ――こうして、ほむらの非日常な日々が始まりを告げたのだった。
34 :ちり紙 ◆B/tbuP0Myc [saga]:2013/01/05(土) 06:07:00.43 ID:2sSLdoRio
          ☆

 「鹿目さん!! 今よ!!」
  王冠を被った青いカエルの姿をした魔女を、マミがリボンで雁字搦めに拘束してまどかに合図する。
 「はい!! フィニトラ・フレティア!!」
  まどかの放った通常の矢よりも太く貫通力のある矢が、拘束された魔女を貫いて爆散させた。

  ――シュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン……。

  結界が消えて元の現実世界へと風景が変わる。

 「やっぱり、鹿目さん達はすごい……っ」
  夕焼けで赤く染まった世界の中で、キュゥべえを胸に抱きながらほむらは、二人の魔法少女を憧れの眼差しで見つめながら感嘆の声を上げた。
 「ほむら。君も僕と契約すれば、まどか達みたいになれるよ」
  キュゥべえがほむらにそう声をかけると、ほむらは困った顔で腕の中のキュゥべえから視線を逸らして呟く。

 「……私なんかじゃ契約しても、きっと何の役にも立てないよ……」
 「そんな事はないさ。勿論、どんな願い事で契約するのかにもよるけど、君の素質はマミ達にけっして引けを取る物じゃないよ」
 「……」
 「どんな願い事でもかまわない。君が望むならどんな奇跡だって起こしてあげられるよ」
  キュゥべえがほむらを勧誘していると、変身を解いたマミが歩いてきてキュゥべえを窘める。

 「こら。女の子を急かす男子は嫌われるぞ」
 「マミさんの言うとうりだよ。ほむらちゃんが魔法少女になるにしたとしても、願い事はちゃんと考えて決めないと後悔するから。あんまりほむらちゃんを急かしちゃ駄目だよ」
  まどかにも咎められ、キュゥべえはこの場での勧誘を打ち切る事にした。
 「僕の方はいつでも準備出来てるからね。願い事が決まったらいつでも声をかけて」
 「……うん。わかった」
  キュゥべえの言葉に小さな声で頷いた後、ほむらは心の中でキュゥべえに謝った。

 (ごめんね、キュゥべえ。私、魔法少女になるつもりなんて、最初からないの……)
35 :ちり紙 ◆B/tbuP0Myc [saga]:2013/01/05(土) 06:07:45.22 ID:2sSLdoRio
          ☆

 「それじゃ、今日はここで解散しましょう」
 「はい。マミさんお疲れ様でした」
 「お疲れ様でした」
 「お疲れ様。二人とも家でゆっくり体を休めてね」
  今日は割と早い時間帯に魔女を発見して倒したので、いつもより早く解散する事にした3人はそれぞれの家路へと着く。
  マミはキュゥべえを連れて自分の家へと帰っていき、まどかはほむらと一緒にそれぞれの家へと帰っていく。

 「あっ、そうだ。ほむらちゃん、ちょっと寄り道してもいいかな?」
 「は、はい。構いませんけど」
  二人が別れるまでの共通の帰り道で、まどかの唐突な言葉にほむらがそう答えると、まどかはどこか嬉しそうな顔でほむらの手を引く。
 
 「ありがとうほむらちゃん。こっちだよっ」
 「か、鹿目さん待って……」
  まどかに手を引かれてほむらが連れてこられた場所は、電車が走る大きな橋の下だった。
 「エイミー、わたしだよー」
  橋の下に置かれたドラム缶等の資材に向かってまどかが声をかけると、一匹の黒猫が資材の隙間から出てきてまどかの足元にすり寄ってくる。
 「エイミー、元気にしてた?」
  黒猫を抱っこしてまどかがそう言うと、黒猫はにゃあと鳴いて応える。

 「……鹿目さん、その子は?」
 「紹介するね。この子の名前はエイミーだよ」
  ほむらの質問にそう答えると、まどかは腕の中の黒猫の頭を優しく撫でてやる。
 「飼ってるんですか?」
 「ううん。この子は野良だよ。ほんとは飼ってあげたいんだけど、エイミーは気紛れだからすぐどこか行っちゃうの」
  まどかはそう言って、エイミーを地面に下ろすと鞄の中から魚肉ソーセージを取り出して、エイミーに与える。
 「鹿目さんは……。この子と、どういういきさつで出会ったんですか……?」
  ほむらがそう尋ねると、美味しそうにソーセージを食べるエイミーを優しい目で見守りながら、まどかはほむらに語り始めた。

 「……この子ね、少し前に車にはねられちゃったんだ」
 「え……。でも、この子こんなに元気なのに……っ? もしかして……?」
 「うん。この子がわたしの目の前で車にはねられて死にそうになった時にね、キュゥべえにお願いしたの。この子を助けてって」
 「……」
  まどかが魔法少女になった理由を聞いて、ほむらは納得すると同時にますますまどかの事が好きになった。
 (鹿目さん、やっぱりすごく優しい……。普通、野良猫の為に契約なんて出来ないよ……)
36 :ちり紙 ◆B/tbuP0Myc [saga]:2013/01/05(土) 06:08:18.73 ID:2sSLdoRio
  いつも元気で明るくて、誰にでも優しくて。
  あんなに恐ろしい魔女や使い魔を、ただ誰かを助けたいが為だけに相手にする勇気もあって。
  しかもこんな自分の初めての友達になってくれた。
  ほむらには目の前の少女がまるで、天使や女神のようにさえ見えた。

 (それに引き替え、私は……)

  家に帰っても誰もいない。
  友達なんていなかった。
  誰にも愛されない、孤独な自分。
  魔法少女と言う、誰にも言えない秘密を共有した事で、初めて出来た友達。

  魔法少女になるのが怖くて。
  なる気なんて初めからないのに。
  初めての友達を失うのが嫌で、願い事を考えてるふりをして、彼女の魔女退治に付きまとう。

  ――そんな自分がたまらなく嫌で、嫌悪感さえ感じている。

  ほむらはまどかへの好意と劣等感を感じながら、エイミーとじゃれ合って笑うまどかをただ黙って見つめているのだった……。
37 :ちり紙 ◆B/tbuP0Myc [saga]:2013/01/05(土) 06:08:44.72 ID:2sSLdoRio
          ☆

  ――まどかと出会ってからのほむらは幸せだった。

  こんなに幸せだったのは、自分の事を愛してくれた祖母が亡くなって以来だった。
  魔女退治は見てるだけでも怖かったが、頼りになる先輩のマミと、ほむらにとって無敵のヒロインのまどかが勝つのが当たり前だと信じていた。
  二人はそんなほむらの期待にいつも応えてくれた。
  どんなに恐ろしい相手でも、絶対に二人は大きな怪我をする事もなく勝利して、ほむらの憧れをますます大きくしていった。

  ――学校での日常でも充実していた。
  まどかを介してさやかと仁美とも仲良くなった。
  相変わらずほむらは誰にでも敬語だったが、まどか達には年相応の少女らしい笑顔を見せる事も多くなっていった。

  ――そしてほむらが退院してから、次の日で丁度一か月となる日の事だった。

 「ほむらちゃん。明日は絶対に家を出ちゃ駄目だよ」
  いつもより早く解散して帰る途中の道で、まどかは真剣な眼差しでほむらにそう告げた。
 「え? どうしてですか?」
  ほむらの問いにまどかは、ほむらの目をしっかりと見つめながら答える。

 「明日、この街に嵐が来るんだって。だからだよ」
 「わ、わかりました」
  まどかの真剣な様子に気圧されつつも、ほむらが頷くと、まどかはにこりと笑ってほむらに手を振って去っていった。
 「ほむらちゃん、また学校でね」
 「は、はい。まだ学校で」
38 :ちり紙 ◆B/tbuP0Myc [saga]:2013/01/05(土) 06:09:16.15 ID:2sSLdoRio
  ――翌日。

  自室の窓が吹き荒れる暴風で、ガタガタと音を立て揺すられるのを見つめながら、ほむらは椅子に腰かけていた。
 「……なんだろう。何だか胸騒ぎがする……」
  朝起きてからずっと胸の辺りがもやもやする。
  いつもの発作とは違う感覚にほむらが戸惑っていると、窓の外から聞き覚えのある猫の鳴き声が聞こえた。
 「エイミー!? どうしたの?」
  まどかが可愛がっていた黒猫が、まるで何かをほむらに伝えようとしているかのように鳴く。

 「もしかして、鹿目さんに何かあったの?」
  ほむらの問いを肯定するかのように一声鳴くと、エイミーはほむらに背を向けてほむらが追いつけるスピードで走り出す。
 「鹿目さん……っ」
  エイミーの後を追いかけて、ほむらがようやく辿り着いたそこは無人の大きなビルの屋上だった。

  灰色の空の下に出て、最初にほむらの目に飛び込んできた物は、血まみれになって横たわったまま動かないマミと、涙を拭って立ち上がるまどかの姿だった。

 「鹿目さん!!」
  ほむらはまどかとマミの方へと駆け寄っていく。
  そして横たわるマミの死に顔を見て、ほむらは何が起きたのか理解した。
 「と、巴さん……」
  優しくて頼りになる先輩の無残な姿にほむらの目に涙が溜まる。

  ――アハハハハハハハハハハハハハ。

  まるで、ほむら達の悲しみをあざ笑うかのような不愉快な笑い声が響く。
  ほむらが視線を向けた先には、マミの命を奪った逆さまの魔女が笑いながら、下半身の歯車を回しながら空に浮かんでいた。

 「あ、あれは……」

  ――ワルプルギスの夜。

  初めてまどかに助けられたあの日、マミが言っていた魔女の名前をほむらは思い出した。
  結界すら展開させず、現実の世界に具現化した最強の魔女にほむらは怯えて竦み上がる。
 「ほむらちゃん、マミさんの事お願い」
 「……え?」
  ほむらにはまどかが何を言ったのか、一瞬理解出来なかった。
39 :ちり紙 ◆B/tbuP0Myc [saga]:2013/01/05(土) 06:09:51.04 ID:2sSLdoRio
 「まさか……あれと戦うの?」
  カラカラに乾いた口の中から、絞り出すように声を出して問いかけるほむらにまどかは頷く。
 「無理だよ……。あんなの、勝てっこないよ……」
  ほむらはまどかを弱々しい声で引き止める。
 「それでも戦わなきゃいけないから。……じゃあ、行ってくるね」
 「そんな、巴さん、死んじゃったのに……」
 「だからだよ。もう、ワルプルギスの夜を止められるのはわたしだけしかいないから」

 「無理よ!! 一人だけであんなのに勝てっこない!! 鹿目さんまで死んじゃうよ!!」
  ほむらの悲痛な叫びに、まどかは覚悟を決めた眼差しでワルブルギスの夜を見据えながら答える。
 「それでも、わたしは魔法少女だから。みんなの事守らなきゃいけないから」
 「……ねえ、逃げようよ……だって仕方ないよ。誰も鹿目さんを恨んだりしないよ……」

  マミが無残な死を遂げた現実に直面し、ほむらの憧れは跡形もなく瓦解してしまった。
  まどかもマミも決してアニメのヒロインのような無敵の存在ではないのだ。
  ここで逃げなければ、きっとまどかまで殺されてしまうだろう。
  ほむらはマミだけでなく、大好きなまどかまで失うのは絶対に嫌だった。
  ほむらは泣きながら必死にまどかを引き留めようとする。
  だが、まどかは死を決意した瞳でほむらの顔を見つめて諭した。

 「ほむらちゃん、わたしね、あなたと友達になれて嬉しかった。あなたが魔女に襲われた時、間に合って……今でもそれが自慢なの。だから、魔法少女になって本当に良かったってそう思ってるんだ」
 「……鹿目、さん」
 「さよなら、ほむらちゃん。元気でね」
  ほむらに背を向けてワルプルギスの夜に向かって飛ぶまどか。
 「……いやぁっ!! 行かないで!! 鹿目さん!!」
  一人取り残されたほむらの悲痛な叫びが灰色の空へと消えていく……。
40 :ちり紙 ◆B/tbuP0Myc [saga]:2013/01/05(土) 06:10:41.21 ID:2sSLdoRio
 「マミさんの仇!! もうこれ以上誰も傷つけさせない!! わたしが絶対に倒してみせる!!」
  空中で手にした愛用のスタッフを弓へと変形させ、必殺の一撃をワルプルギスのよるへと放つまどか。
 「フィニトラ・フレティア!!」
  まどかの放った矢が、丁度人形部分の背をまどかに向けていた、ワルプルギスの夜の歯車に直撃して爆発する。
 「やった!?」
  まどかがそう叫んだその時だった。
  次の瞬間、爆炎の中からワルプルギスの夜が無差別に吐いた業火が、まどかの下半身を一瞬で焼き尽くしてしまった。
 「……えっ?」
  一瞬で腹部から下を失ってしまったまどかは、何が起きたのか理解出来ていない表情のまま、成す術もなく落下していく。

  ――キイィィィィィィィィィィィィィィィィィンッ!!

  ワルプルギスの夜の歯車から超強力な高周波が発生し、成す術もなく落下していくまどかの全身をズタズタに引き裂いて、胸元のソウルジェムをも粉々に跡形もなく粉砕してしまった。
  まどかの変身が解け、まどかの瞳から意思の光が消える。
  半身を失った制服姿の少女の亡骸は、廃墟と化した街へと落下していった……。
41 :ちり紙 ◆B/tbuP0Myc [saga]:2013/01/05(土) 06:11:27.72 ID:2sSLdoRio
          ☆

  ワルプルギスの夜によって破壊されつくした廃墟の中で、ほむらは無残な遺体となったまどかを見つけ出して、大声で泣きながら縋りつく。
 「どうして……死んじゃうってわかってたのに……私なんか助けるよりもあなたに生きててほしかったのに……」
 「その言葉は本当かい? 暁美ほむら」
  嘆くほむらに魔法の使者が瓦礫の山の上から問いかける。

 「君のその祈りの為に魂を賭けられるかい? 戦いの定めを受け入れてまで、叶えたい望みがあるのなら、僕が力になってあげられるよ」
 「あなたと契約すれば、どんな願いでも叶えられるの?」
 「そうとも。君にはその資格がありそうだ。さあ、教えてごらん。君はどんな願いでそのソウルジェムを輝かせるのかい?」
 「――私は」
  ほむらは眼鏡を外して、涙を拭い魔法の使者に自らの願いを告げた。

 「鹿目さんとの出会いをやり直したい。彼女に守られる私じゃな、彼女を守る私になりたい!!」
  ほむらがそう言い切ると、ほむらの胸に痛みに似た衝撃が走る。
  ほむらの魂が肉体から抜き取られ、ソウルジェムへと変化し、眩い光を放ちながらほむらの目の前に現れる。

 「――契約は成立だ。君の願いはエントロピーを凌駕した。さあ、解き放ってご覧。その新しい力を」

  ほむらが恐る恐るソウルジェムを両手で掴んだ瞬間、ほむらの固有魔法が発動して砂時計を内包した盾が形成されて、ガチリと音を立てて時を巻き戻していく。
  ほむらはそのまま意識を失い、大切な物が壊されてしまった世界からその姿消してしまった。

 「……さて、これからどうなるかな。今回のケースは実に興味深い」
  誰もいなくなった廃虚で、キュゥべえはそう呟くといかずこかへと去って行った……。

                                                                                             つづく
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 06:13:55.99 ID:GDOkqLQfo
うっわ
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 06:15:34.59 ID:GDOkqLQfo
>>30みたいな言い訳するくらいならキャラ名もちょっと変えるとかしたらいいんじゃないすかね
44 :ちり紙 ◆B/tbuP0Myc [sage saga]:2013/01/05(土) 06:16:14.96 ID:2sSLdoRio
 まど神「投下終了」
 まど神「前スレの時から人の少ない過疎スレだけど、読みたいと言ってくれる人達がいるから続いてるよ」
 まど神「ぶっちゃけいつ落としてもいいらしいけど、それは数少ない読者さんに失礼だからね」
 まど神「だから、最低でも絶対に完結はさせるよ」

 まど神「今後は常時sage進行で行くので、上げないでね。今回は久々の投下と常時sage進行の告知の為に仕方なく上げたけどね」

 まど神「一見さんへ」
 まど神「このスレ及び、関連スレに登場する人物は全員、名前と顔と性格こそ同じだけど別人だよ」
 まど神「違う時間軸どころか、生まれてきた世界そのものが原作の世界とは違う設定だからね」
 まど神「原作や他の二次創作ではインキュベーターの存在で進化した人類の世界で繰り広げられる話だけど、このシリーズは違う時間軸のまどかのお話と見せかけておいて、実は人類だけの力で進化した地球のまどかでしたーってお話だからね」

 まど神「また、女の子同士の同性愛はないので、そういうのが好きならすぐにそっ閉じしてね」
45 :ちり紙 ◆B/tbuP0Myc [sage saga]:2013/01/05(土) 06:22:40.40 ID:2sSLdoRio
 まど神「嫌いなSSや見たくない物なら閉じようよ。別に無理して目を通したり荒らしたりしなくていいんだよ?」
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 06:35:32.94 ID:GDOkqLQfo
そりゃこんな内容だってわかってれば開かないよ
もう来ないから安心しね じゃなくて安心してね
47 :ちり紙 ◆B/tbuP0Myc [sage saga]:2013/01/05(土) 06:43:52.44 ID:2sSLdoRio
 まど神「出来ればレスもしてほしくないなって。そう思うんだ。嫌いなら無言で消えようよ。わざわざ荒らすのは性格悪いよ」
48 :ちり紙 ◆B/tbuP0Myc [sage saga]:2013/01/05(土) 07:07:18.40 ID:2sSLdoRio
 まど神「このスレは前スレでこのルートを見たいと言ってくれた人たちの為だけの物なので、荒らしはやめてね。気に入らないならスルーしてね」
 まど神「普通にシリーズに目を通した上でのご意見ご感想及び内容批判なら大歓迎」
 まど神「意味のないレスや荒らしレスはスレの容量がもったいないのでやめてね。沢山書き込めるように本編に文字多く入れてるんだから」
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 07:41:03.85 ID:Ti0TeCdKo
なんかあがってると思ったら発狂しててワラタ
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 12:38:07.88 ID:uAHNTPk30
乙ですたー!
sage進行了解です。
今回、ラストのQBのセリフが意味深だけど、これは「わたしの大切な人」に続く伏線的なものなのかな??
それとも、ほむらが”まどかを目標にループし続ける”事でこの時間軸でのQBはまどかへの因果の集中を既に予測していたのか。
次回も楽しみにしてます。
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 23:11:22.43 ID:na2eJX+D0
荒らし相手も良いけどせめて1レス位投下して欲しいかなって・・・
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 08:00:49.97 ID:NOB5oIFwo
内容はともかく>>1がキモい
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/07(月) 20:13:04.85 ID:h4xcqbjj0
乙でしたー
次回も楽しみにしてます
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/10(木) 23:53:43.56 ID:nN0sIspVo
乙でした、今年も楽しみにしてます
こっちはしばらく鬱展開ですかねー

(あとどうでもいい事ですが4月から徳島じゃなくなります
が、これからも応援は続けますので!
読者が一人減ったと思われたら寂しいので)
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/10(木) 23:55:32.72 ID:nN0sIspVo
(って名前欄の(徳島)が消えている……すいません無視してください)
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/28(木) 23:31:43.38 ID:bz1ZkrrMo
 杏子「よう。久しぶり。楽しみにしてくれる数少ない読者の皆にまず、ありがとうと言っておくよ」
 杏子「真面目な話。このスレ、打ち切ってもいいかい?」
 杏子「バカに投下のジャマをされて、作者のモチベーションがどん底まで下がった」
 杏子「本来なら1月5日朝の投下後、丸1日かけて続きを書き、その後の土日をフルに使って完結させマミルートに入る予定だった」
 杏子「続きを望む催促もないし、潮時かと思うんだ」
57 :ちり紙 ◆B/tbuP0Myc [sage]:2013/02/28(木) 23:37:37.40 ID:bz1ZkrrMo
 杏子「ストーリーは元々出来てるから書くだけなんだけどね。時間もあったし」
 杏子「きっとこのスレROMもいないんじゃないかな」
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/01(金) 06:43:33.35 ID:XDTbAEAh0
とりあえず、乙ですた
督促するのもこの状況じゃ迷惑だと思ったから遠慮してたけど、毎日スレの確認はしてるよ
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/01(金) 22:48:18.26 ID:XDTbAEAh0
ここでおかしなのが付きまとってくるなら、ピクシブでアカウントを取って、そっちに移ってみるのはどうかな?
もしそうしてみるなら、まずは「明るい魔まマ:まどかルート」を投下して様子見をする事から始めたら良いんじゃない??
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/01(金) 23:14:38.54 ID:phrz1sSEo
pixivは正直SS掲載には向いてないと思う
一話完結の短編だけを掲載するならまだいいけど、こういう何話にも渡る作品はものすっっごく閲覧しづらい
どっかに移るなら素直にSS専門のサイトにしたほうがいい
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/02(土) 00:30:18.94 ID:vgIEIfpm0
>>60
そうすると、理想郷かハーメルンかねぇ
何にせよ、ちり紙さんが最終的には決める事だし、俺らには提案&お勧めする事しか出来ないけどさ
62 :ちり紙 ◆B/tbuP0Myc [sage]:2013/03/04(月) 00:30:08.03 ID:ODMKpAlGo
 杏子「ちょっと調べてみたけどもしも移転するなら理想郷ってとこかなだって」
 杏子「こういうレスを付けるのは作者がスレイヤーズ世代だから。こういうノリが向こうで受け付けられるかわかんないけどさ」

 杏子「でもさ、このシリーズに需要なんて今でもあるのか? 前スレにいたかもしれない読者なんてもういなさそうだけどね」
 杏子「おまけ。円華おばさんのループ回数は9回。風見野で拾われた時は14才。よその二次創作世界のほむらほど歳取ってないんだ」
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 22:19:34.12 ID:FZCAdq250
理想郷はキャラクターを使ったコメントは嫌われる傾向があったと思ったから、あちらへ移るならそこに注意すればまずは大丈夫かな
スレイヤーズのノリなら、後書きでL様と掛け合いやってる時の作者が独演会やってる感じで書けば良いんじゃないかと
・・・・・・それって火浦功の後書きのノリと同じなんじゃないかとも思うけど、まあ、気にせず
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 22:34:28.47 ID:mEqBYKke0
理想郷より登録面倒くさいかもしれないですが、ハーメルンの方が良いかと。
理想郷はレベル高いというか、辛口な感想やや荒らし的なコメントする人がいますし
メンタルに自信がない場合はオススメできません。
続きが気になって毎日チェックしてる自分みたいな人間もいるので続けてくれるとありがたいです。
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 23:17:09.25 ID:FZCAdq250
>理想郷はレベル高いというか、辛口な感想やや荒らし的なコメントする人がいますし
>メンタルに自信がない場合はオススメできません。
その点考えると、二次ファンが無くなったのは痛いねぇ・・・
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/07(木) 00:43:34.10 ID:PjS0xPkTo
もしどこかで続きor新作を書かれるなら絶対読みに行きます
とりあえず長い間楽しませてもらいました乙です!
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